すみだ北斎美術館、本に仕立てた「板本」に注目し魅力を伝える 企画展「北斎ブックワールド」を9/21から11/27まで開催
本展では北斎や門人が描いた板本、前後期あわせて約110点を展示。出版文化が花開いた江戸時代に、読者が感じていた「読む」楽しさをご紹介します。
◎知れば知るほど奥が深い!【ここに注目】パネルで解説。
板本に関する用語のほか、作品の注目すべき点や、端々に残る読者・所蔵者の痕跡をパネルで解説。ポイントをおさえながら鑑賞していくと、見終わる頃には板本の世界に夢中!?
■1章 板本の基礎知識
北斎が浮世絵師として活躍する頃には、板本の大きさや形式などが定まっていました。本章では、板本を鑑賞するための予備知識として、本を学問の対象としている書誌学の成果に基づき、板本の形態や、板木や包み紙、内容(ジャンル)による分類など、板本に関する基礎的な知識を紹介します。◎キーワード:読本(よみほん)
読本(よみほん)とは、歴史に題材をとり、勧善懲悪、因果応報を伝える趣旨で書かれた小説です。絵を中心とする黄表紙などに対して文章を読む本という意味で、読本と呼ばれています。
江戸時代では最も知的で格調高いとされる小説でした。挿絵は本文とは別の頁にあり、内容に即した刺激的な挿絵が入れられています。
葛飾北斎『椿説弓張月』続編 巻四 すみだ北斎美術館蔵(通期)