2024年4月8日 12:00
明治学院大学国際学部 合場敬子教授が論文「無毛化する女子高生の身体」を発表
しかし現代日本では、Lyons and Rosenblatt(1972)が予想した、体毛に関するユートピアは実現していません。第二波フェミニズムは結局、女性は無毛であるべきという規範を変革できず、むしろ体毛の除去はその対象範囲を広げています。
一方、90年代後半から英語圏の研究において、若い女性が自己のアイデンティティの表現として身体や外見に関心を払うことが第二次性徴開始後すぐに起こり (Brumberg, 1998)、自己の身体が社会的に承認されるために絶え間なく奮闘していること(Aapola et al., 2005)が指摘されているので、日本の若い女性の美容実践への参加も低年齢化していることが予想されます。そこで、体毛の除去という美容実践が、日本の若い女性、特に10代の女子高生にも起こっているのではないかと予想し、彼女たちの実践について考察しました。
・本研究で得られた結果と知見
下記に登場する女子生徒の名前はすべて仮名です。
1) 除去している体毛の種類
インタビューに回答した31名中(回答を拒否した女子生徒が1名いたため)、最も多くの女子生徒が除去していたのは脇毛で27名、脛毛の25名、腕の毛の21名でした。