全固体電池を幅広いレンジで俯瞰できる新たな分析方法を開発
を受けて実施。助成期間:2022年度~)。
■研究の意義と今後の研究展開:関 准教授
全固体電池などの安全な蓄電池を開発するには、その材料や組み合わせの研究が重要ですが、根本的な改善を望むには、目的とする電池の反応機構やメカニズムを系統的かつ網羅的に理解することが必要です。本研究では、非常に新しい電池システムである全固体ナトリウム電池を選び、同じ電池を動作させながら独自の分析手法で正極・電解質・負極の動きを捉えることに成功しました。教科書に示される単純な化学反応に基づきながらも、有限の大きさの中で起こる電池反応を矛盾なく理解できるデータを得ることができ、電池技術者として感動を覚えました。今後は、この技術の拡張性を広げ、蓄電池の普及に貢献していきたいと考えています。
■研究の意義と今後の研究展開:山本 主席研究員
近年、電池に関する分析技術が発展し、世界中の大学や研究機関がその重要性を認知し利用するようになってきました。我々のグループは2007年より、固体電池のその場(オペランド)電子顕微鏡観察技術を開発してきましたが、固体電池は極めて複雑な結晶構造や形態、電気化学反応を伴うため、1つの計測だけでは不十分な時代に入ってきました。