全固体電池を幅広いレンジで俯瞰できる新たな分析方法を開発
本研究のような異なる計測技術を交えたマルチスケール分析が今後重要となり、同時に、各先端技術を保有する大学や研究機関のマルチ連携も必須となります。本研究の成果や連携は、その意味で良い例となるでしょう。
■用語解説
(※1)固体電解質…揮発性の液体成分を含まず、Li+やNa+等の反応イオンを迅速に輸送できる電解質。主に、無機化合物からなる硫化物系・酸化物系、有機化合物からなる高分子系に分類される。
(※2)オペランド…ラテン語で動作中(operatingやworking)を意味する言葉であり、測定対象が実環境中でその機能を発現する過程を直接観測する技術であり、その活躍の幅が広がっている。
(※3)電子線照射によりマイクロメーターで試料の表面形態を観察できる手法である。元素固有の特性X線を検出することで、その同定や定量、分布状態の評価も可能である。
(※4)ラマン線の散乱強度や波長を測定して、物質のエネルギー準位、物質の同定や定量を行う分光法である。
結晶の格子振動・分子振動を評価出来るうえ、顕微鏡観察下のマイクロメーター精度での計測が可能であるため、微細領域の混合状態や電池内部の各箇所を個別に計測できる。