恋愛情報『【小説】時間の奴隷/恋愛部長』

2019年6月18日 22:00

【小説】時間の奴隷/恋愛部長

そうやって、何事にも誠意を尽くす男だから惚れたのだ。別れるなんて、とても考えられない。

自分が望んでいるのは、ほんのわずかなことなのだ。大それたことなど望んでいない。ただほんの少しだけ、舞のことも思い出してほしい。

1日の終わりだけでもいい。5分でいい。ホッと一息ついた時に、会いたい、声を聞きたい、と思ってほしい。


声だけでも、文字だけでもいい、つながっている証しがほしい。それは、そんなに大それた望みなんだろうか?このままでは自分は壊れてしまう。

一真にとっての理想の彼女でありたい自分と、寂しさに耐えられずに叫びだしてしまいそうな自分と。真っ二つに引き裂かれてしまう。

舞は、スマホを取り出した。
先ほど確認した時から、たったの47分しか経っていなかった。何もすることがない、帰宅後のこの時間ほど長い時間はない。舞は、その日何十回目かわからないため息をついた。


■時間はつくるものだから

ミルクティーを飲む女性


「え~、それはさあ、舞がやさしすぎるんだと思うよ」

友人の由佳は、気の毒そうな顔で言った。

「言いにくいけど、・・・・・・一真君、それホントに忙しいだけなのかな?」その言葉に、舞は、じわっと胃液がせり上がるような感覚を覚えた。

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