恋愛情報『【小説】向こう側の彼女/恋愛部長』

2019年8月29日 22:00

【小説】向こう側の彼女/恋愛部長

目次

・彼女持ちの男
・向こう側の彼女
・3か月目の憂鬱
・彼女の影
・敗北の味
【小説】向こう側の彼女/恋愛部長


「別れたら?」

夏花は、その日、2回目のセリフを祐二に告げた。

こういうのは、ためらってはダメだし、弱気になってもダメ。夏花はにっこり微笑む。祐二は、吸い込まれるように、夏花の笑顔に見入る。

「そ、そうだな・・・・・・」

この男にしては珍しくもごもごした口調で、こう続けた。

「もしも、夏花ちゃんが、俺と付き合ってくれるなら・・・・・・」

夏花は、そんなずるい言い方をする男に、心の中でため息を漏らす。

■彼女持ちの男

往生際が悪い。エリートコースを歩いて来た男って、大体そう。

自分のことを守る場所にいて、そこから投げ矢でも打つように、好意を投げてよこす。

何が何でも、傷つきたくないのだ。自分が振られるなんて考えたくない。だから、安全な場所でばかり、恋をしようとする。

でも、夏花は、そういう男には慣れっこだ。だいたい、今までの男も、付き合っている彼女がいなかった試しがない。いい歳したスペックの高い男は、つねに売り手市場なものだ。

だからこんな風に、自分の立場を守ったまま、安全な恋愛しようとする。万が一にもプライドが傷つかないように。

私のこと、好きなくせに・・・・・・。

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