LITALICO発達ナビがお届けする新着記事一覧 (3/132)
大暴れのピーク!魔の(?)小学5年生小5になるとコチ丸は家で過ごすことが多くなっていたのですが、それでもたまに学校に行くと、何かしら事件を起こしては呼び出されました。私としては家にいてくれたほうが安心なくらいでしたが(笑)、コチ丸もどこかでは外と繋がっていなくてはという意識があったのか、完全に不登校になるということはなかったので、私もコチ丸の自由登校を尊重していました。以前のコラムに書いた、卒業式をすっかり自分のものにしてしまった事件、学校で先生が集めた葉っぱに火をつけて起こしたボヤ騒ぎ、掃除をしないコチ丸に注意した女の子に怪我をさせたことなどはほぼこの頃に起こしたものです。ボヤ騒ぎの時には「子どものいたずらでは済みませんよ」と学校から言われ、真剣に頭を悩ませました。なんと家でもお仏壇に置かれているマッチに火をつけて遊んでいて焦ったと祖父も証言しており(!)、当時は家中の火をつける物を隠しまくっていました。女の子に怪我をさせたと聞いた時にはさすがにコチ丸を強く叱り、女の子のお家にも謝罪の電話をしてなんとか許していただけました。私自身が逃げ出したくなるようなことが日々起こり、頭を下げまくることばかりでしたが、「どんな時でも馬鹿正直な姿をコチ丸に見せよう、そうしたらコチ丸には大事なことはいつか伝わる」と自分の中で決めていたのと、母子家庭だったので社会で通じる姿を父親代わりに見せていかなくてはという気持ちで乗り越えてこられました。まさかの単三電池を丸呑み事件小6のはじめに、コチ丸が「ドラムをやりたい」と言い出しました。音楽の先生に「打楽器の才能があるのでは?」と言われてその気になったようでした。(おそらく)根拠もなくちょっとした話の流れで言われただけのことだったのだと思いますが、私も若い頃にバンドをやっていて音楽が好きだったこともあり、本人が言い出したことならとドラムを習うことにしました。忘れもしない、体験レッスンを申し込んでいた前々日の夜。コチ丸が不意に私に「電池って飲んだらどうなる?」と聞くので「いや、死ぬんじゃないの?」とテレビを見ながら安易に回答をしたところ、コチ丸が「電池飲んじゃった」と言い出すではないですかー(大汗)。それも単3電池、うっかり飲み込むには結構な大きさです。慌てて緊急外来に車を走らせました。最初、医師ですら半信半疑で、「一応レントゲン撮ってみますけど……」という感じでしたが、レントゲンを撮ってみると体内にしっかりと電池が入っておりました。Upload By あき急いで内視鏡で取り出す処置をとることになりましたが、その日は食後すぐだったこともあり、食べたもので喉を詰まらせる可能性もあるため、取り出しを断念し、入院することに。そこで丸2日飲まず食わずで胃が空っぽになった状態で再度内視鏡を試してみて、ダメだった時は開腹手術を行うことになりました。体の中に電池が入っているなんて……とコチ丸の絶食期間中は生きた心地がしませんでした。それから2日間、状況が急変するということもなく、少しだけ落ち着きを取り戻してきたとき、「そういえばドラムの体験レッスンの日だった!」と思い出しました。電話でレッスン延期をお願いするはずが、なぜか私が体験レッスンを受けることになり、息子が病室で絶食生活に苦しんでいる中、私は自分が習う予定でもないドラムを叩くというカオスな体験をしました。電池は2回目の内視鏡で無事に取ることができました。「ご飯食べられるよ、良かったね」と言った私に、麻酔が切れてまだ呂律が回らない中、コチ丸の第一声が「はくはい(白米)?」だったのを聞いて、よっぽどお腹が減っていたんだなと思いました(笑)。コチ丸は小6になってもなんでも口に入れる癖があって、当時よく注意をしていたのですが聞く耳持たずでした……が、流石にこの件で口に物を入れることはなくなりました。ものすごいリスクを伴いましたが、やはり「身をもって知る」って大事なんだなとしみじみ思いました……。また、この緊急事態に私になぜかドラムを叩かせてくれたちょっと天然(?)なドラムの先生は、コチ丸とウマがあい、コチ丸は高校進学で地元を離れるまでドラムを習い続けました。とても穏やかで、できないことを無理にやらせるようなことはしない先生で、「やりたいことをトコトンやらせる」というわが家の方針に近かったような気がします。良い先生に巡り会えたことに感謝です。中学・高校生活で、ドラムはコチ丸の特技になり、武器になりました。バンドをやりたい時には大体ドラムが足りないため(笑)、重宝されているようです。ドラムを通して「誰かに必要とされること」に喜びを感じたようで、自信と自分の居場所を持つことができました。Upload By あき私立中学を受験!決め手をくれた奇跡的な縁同じく小6のはじめ頃、担任の先生との面談で「学習面もだいぶ遅れているし、授業も受けられないので中学からは特別支援学級に入ってほしい」と言われました。そこから私のコチ丸の居場所探しが始まりました。私は、中学校の特別支援学級はコチ丸には合わないだろうと考えていました。そして、コチ丸は自分に合った場所に行けば必ず化けるはず、という根拠のない自信(笑)がありました。しかし、今の時代に果たしてそんな選択肢は存在するのか……?日々ネットで民間のフリースクールや学習施設などを探していました。私はどれだけ費用がかかっても良いから、コチ丸がいつか高校や大学に行きたいと思った時にその道に戻れるよう、中学を卒業したという証明がもらえる学校が良いなと思っていました。私立中学校も早い段階から検討はしましたが、担任が言うように、学習面は小3くらいで止まっているので、なかなか難しいことも承知していました。その中で見つけたのが不登校特例校(現在は「学びの多様化学校」と呼ばれています)に指定された、ある私立中学校でした。しかし初めて聞く「不登校特例校」という言葉や、私が知っている一般的な私立中学校とはどこか違う雰囲気が伝わってくるWebサイトを見て、「ここで良いのか?」という思いがぬぐえませんでした。Upload By あき悩んでいたところに、私の会社のスタッフの知り合いで、小学校の元校長で不登校児の支援活動をされている方に偶然出会い、相談をさせていただく機会がありました。さらに偶然は続き、その方は、私が進学先として悩んでいた不登校特例校の校長先生とお知り合いでした。その方の後押しもあり、コチ丸と私はすぐに学校見学を申し込み、コチ丸も興味を持ったので毎月のように体験入学に通いました。年末、コチ丸本人にも現状を正直に伝えました。「学校の先生からは地元の中学校の特別支援学級への進学を勧められている」「中学受験は失敗する可能性もある」という話と、それぞれのメリットデメリット、そしてもし私立へ行くなら、ひとり親の家計にはとても苦しい選択だから、コチ丸も責任を持って通ってほしいということ……。コチ丸に自覚を持ってほしくてそんなふうに伝えましたが、私の中では、もし合格して通ってみてダメだったとしても、それは受け止めようという覚悟もしていました。最終的にコチ丸は、中学受験を自分で選びました。試験は、小4程度の国語・算数の学力テストと親子面談でした。コチ丸は市販のドリルを使って小4までの勉強はなんとか学び、面接の練習も行い、コロナが始まりつつあった年、希望した私立中学校に合格を決めました。そして迎えた小学校の卒業式。コチ丸の通っていた小学校は進学する中学校の制服を着て卒業式に出るのですが、一人違う制服を着たコチ丸がいました。周りの友達と楽しそうに写真を撮っているコチ丸を見て、彼なりの距離感で、この小学校でも自分の居場所をつくって生活していたのだなと感じました。大変な小学校時代でしたが、振り返ると頑張ったな、戦ったな(笑)、と思っています。コチ丸もまた、この時期があったからこそ、今自分がいる場所の大切さを知り、「もうあの頃には後戻りしない」と、学校に通い続ける強さを手に入れたのかもしれません。Upload By あき執筆/あき(監修:井上先生より)小学校時代のコチ丸さんのさまざまなトラブルから、親御さんもかなり悩まれて、コチ丸さんにあった中学の進路を決断されたのだと思います。お聞かせいただいたエピソードから、学力的な部分だけでなく、コチ丸さんの得意なこと(ドラムなど)があったことも、本人の自信や集団の中での積極性、学校に通い続ける強さなどに影響したのだと感じました。子育ての中では子どもの苦手なことについ注目しがちですが、あきさんが意識されていたように、強みの部分を伸ばしていくことが、良い結果に繋がっているように思います。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年11月07日子どもの腹痛のさまざまな原因。ストレスが原因の場合もある?子どもが「お腹が痛い」と訴えてきたときに、詳しい症状や原因が分からず困ったという方も多いと思います。子どもの腹痛にはさまざまな原因があり、それぞれに対処法も異なってきます。原因として多いものは便秘、食べ物による食あたりや消化不良、胃腸炎、風邪、急性虫垂炎、ストレスなどがあります。今回はその中でもストレスや緊張、不安感がきっかけとなる過敏性腸症候群について解説していきます。「子どものお腹の悩み」アンケート 結果は?発達ナビでは「子どものお腹の悩み」のアンケートを実施しました。「子どもがストレスや緊張などの理由からお腹を下したことがある」を選んだ方が54%と、半数以上の方が子どものストレス性の腹痛を経験している結果となりました。Upload By 発達障害のキホン参考:みんなのアンケート「子どものお腹の悩み」寄せられたコメントも紹介します。当事者です。私はもちろん緊張でお腹下すこともありました。(校外学習前後は特に酷かった。見学場所によっては現地でお手洗い借りて5分ほど籠るなんてザラ。5年になってピタッと止んだ)(Zeroさん)心因性の腹痛の症状、対処方法は?もしかして過敏性腸症候群?何らかの原因でストレスが強くなると、ホルモンや自律神経、免疫などに影響が生じ、そのことで身体にもさまざまな症状が表れてきます。その中でも腹痛に関連する疾患として、過敏性腸症候群があります。過敏性腸症候群とは腹痛とともに下痢や便秘、ガスがたまるなどの症状が表れる消化器官の疾患のことです。英語では「Irritable bowel syndrome」と記載し、略して「IBS」と呼ばれることもあります。過敏性腸症候群は身体的な要因と精神的な要因が関係して、消化管が刺激に対して敏感になっている状態と考えられていますが、原因はまだはっきりとは分かっていません。過敏性腸症候群の有病率は中学生で2~5%、高校生で5~9%と言われており、児童・思春期の代表的な消化管疾患として知られています。下痢などの身体症状により行動に制限が生じるとともに、頻繁にトイレに行くことに引け目を感じるなどの精神的な負担も生じ、学生の場合は不登校につながる可能性もあります。また、ストレスや緊張などで症状が悪化することもあり、そのためにさらに外出がしづらくなる場合もあります。厚生労働省のWebサイトでは以下のように記載されています。過敏性腸症候群(Irritable bowel syndrome:IBS)は、大腸の正常な機能を妨げる慢性疾患です。症状としては、腹痛、腹部疝痛(痙攣)、腹部膨満感、便秘、下痢などがあります。IBS患者の多くは、症状を軽減するために補完療法に頼ることがあり、そして、これらのアプローチの中には、いくらか有用である可能性を示す新たなエビデンス(科学的根拠)も出てきています。引用:過敏性腸症候群(Irritable bowel syndrome:IBS)と補完療法について知っておくべき7つのこと|厚生労働省 eJIMまた、過敏性腸症候群は次のように診断基準が定められています。過敏性腸症候群の診断は、ローマ基準に従って、過去3カ月間に少なくとも週1回の頻度で腹痛がみられ、かつ以下の基準の2つ以上に該当する場合に下されます。・排便に関連した痛みがある。・痛みが排便回数の変化(便秘または下痢)に連動している。・痛みが便の硬さの変化に連動している。引用:過敏性腸症候群(IBS)|MSDマニュアル家庭版過敏性腸症候群に似た症状の疾患は複数あるため、子どもが上記の基準に当てはまっても、自己判断せずに消化器内科や小児科などで医師の診察を受けることが大切です。過敏性腸症候群の治療では薬物療法のほかに、食生活の改善、精神療法などが行われます。薬物療法では腹痛緩和のために抗コリン薬が用いられることが多く、ほかにも下痢や便秘など過敏性腸症候群の症状に応じて適した薬が処方されます。また、痛みや精神的な症状の緩和のために抗うつ薬が用いられ、薬物療法の効果が低い場合には認知行動療法、催眠療法などを行う場合もあります。食生活の改善も症状やその人の体質に応じて適した対応を行います。一回の食事の量を減らして食べる回数を増やし、ゆっくりと食事をするようにすると改善する人が多い傾向にあります。また、負担となる食べ物を減らす方法もあります。乳糖不耐性の人は乳製品を避けたり、ガスがたまりやすい人は豆やキャベツなど消化しにくいものを避けたりするなど、症状や体質を考慮して食生活を改善を行います。Upload By 発達障害のキホン参考:過敏性腸症候群(IBS)|MSDマニュアル家庭版参考:宮本信也,星加明徳,生野照子,平山清武,斉藤万比古「小児心身症についての調査(Ⅱ)-過敏性腸症候群と判断された症例のまとめ-」|国立保健医療科学院ホームページ発達障害と心因性の腹痛・過敏性腸症候群は関係あるの?自家中毒についてもASD(自閉スペクトラム症)の子どもは過敏性腸症候群などの消化器症状を併発することが多いと言われています。必ず併発するわけではありませんが、「もともとの身体過敏性」「不適応からくる身体化症状」「こだわりによる身体症状への固着」などの特性から身体症状が長引く可能性が高いことも原因だと考えられています。また、ストレスから腹痛が生じる疾患として自家中毒も考えられます。自家中毒とは現在では周期性嘔吐症などと呼ばれていて、1歳半から8歳くらいまでの子どもに、嘔吐や腹痛、頭痛などの症状が表れる疾患のことです。行事や習い事の発表会などでの不安や緊張によるストレスがきっかけで発症することもあると言われています。過過敏性腸症候群・自家中毒のどちらもストレスがきっかけとなり発症することがある疾患で、日常生活や集団活動に影響が出るため、医療機関を受診するとともに子どもの特性や困り事に合わせた発達支援や環境調整などの対策をしていくことが重要です。参考:藤井 智香子, 岡田 あゆみ, 重安 良恵, 塚原 宏一著「小児科で経験する過敏性腸症候群の特徴」心身医学61 巻 (2021) 1 号 p. 57-63参考:過敏性腸症候群(IBS)|MDSマニュアル家庭版発達障害のある子どもの過敏性腸症候群はストレスを軽減するために環境調整や発達支援などを行いましょう子どもの慢性的な腹痛として過敏性腸症候群があります。不安や緊張などストレスを感じると症状が悪化することもあり、不登校など学校生活に影響が出ることも考えられます。過敏性腸症候群の治療法として薬物療法や食生活の改善とともに、カウンセリングなどの精神療法が用いられることがあります。発達障害のある子どもはストレスを感じやすい場合が多く、そのことが過敏性腸症候群につながる可能性もあります。ストレスによる心身の不調は過敏性腸症候群以外にもあるため、医療機関の治療とともに、ストレスを軽減するために発達支援や環境調整などを行っていくと良いでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年11月06日通信制高校の専願入試準備と、体育祭の練習ASD(自閉スペクトラム症)の太郎は、通信制高校の専願入試を受けることになった。専願入試では、願書作成と作文が必要になる。作文は事前にテーマが決められていて、面接時までに指定枚数分を書いておかなければいけない。作文は太郎の苦手とする分野であるため、間違いなくストレスを大きく感じるだろうと思った。そしてこの受験準備に体育祭の練習がきれいに重なった。太郎は体育祭の練習が始まると、すぐに自宅で異変が表れた。食事中にえずいたり、表情が強ばったり、口数が減ったりしていた。太郎の苦手なことに対する拒否反応のサインは幼い頃から続いている。保育園時代は声が一時出なくなったりもした。小学生時は嘔吐や体調不良になった。中学1年次も吐き気がすると言い保健室で過ごしたりもした。昨年の中学2年生時は学校へは行ったが、体育祭までは毎日のようにうつ向いて歩いて活気もなくなっていた。なので今回の異変にも直ぐに「体育祭と直結しているな」と思った。Upload By まゆん私は、太郎がストレスを抱えていることは100も承知だったが、あえてそのストレスに対しての直接的な声かけはせず、「どうしたの?」「 大丈夫?」という間接的な声かけにとどめた。最近は太郎自らがヘルプを出せるようになっていたからである。体育祭の練習が始まって2日目くらいの出来事だった。朝は私のほうが太郎よりも先に仕事へ行く。「行ってきます」と言うと、太郎は少し元気なく「行ってらっしゃい」と言った。しばらく車を走らせるとまだ家に居る太郎からメッセージがきた。Upload By まゆん言葉で表せんのかい!!っと心の中で突っ込みつつも、仕方ない、ようやくヘルプがきたな、と直ぐに電話をした。「どうしたの?」「きつい」「何がきついの?身体?心?」「分からない、学校に行きたくない」「そうか、理由はあとで聞こう。休みの連絡しておくから休むといいよ」「うん。ありがと」ここからが始まりだった。1度休むことを良しとしたあと、太郎は学校へ行かなくなった。夜になると私の周りをウロウロとして「明日はどうしよう」と話し始める。「体育祭が終わるまでは学校へ行かない」太郎の固い意志Upload By まゆん行くかどうか迷っているのかと思ったが、そうではなかった。太郎の中では決まっていた。「体育祭が終わるまでは学校へ行かない」、その意思は固かった。学校へ行かないことに対して、私は否定はしなかった。行きたくない理由はちゃんと彼なりにあるからである。運動が苦手、周りに迷惑をかける、見られて笑われる、大勢の人から見られる、などである。そして体育祭が終わったら必ず学校へ行くと意思を示しているので、太郎の言動を見守ってみようという気持ちになった。しかし、通信制高校の願書作成や作文作成が進めなければならない。私は自分の仕事もあるため、少し焦りつつも相談先は決まっていた。小学生低学年の頃からお世話になっている放課後等デイサービスだった。学校に行かなくなってから昼間はほぼ放課後等デイサービスで過ごした。作文作成も願書作成もデイサービスで作成を一緒にしてくださった。デイサービスのスタッフの方と中学校の先生も情報共有をしてくださっており、願書作成の仕上げの時だけは太郎も学校へ行った。願書を仕上げてきた日、太郎は私の周りをウロウロ回りながら「疲れた……」と言いつつも少し安心しているようにも思えた。Upload By まゆん初めての願書作成、何度も経験してきた体育祭の練習。いよいよ始まった不登校。体育祭が終わるまでの10日間だけで終わるのか、通信制高校の面接は受けることができるのか。私自身も分からないけれど、不安や焦りも不思議と軽く、ただただ、太郎の様子をみながら毎日を過ごしている日々です。執筆/まゆん(監修:初川先生より)通信制高校の専願入試準備の時期と体育祭練習の時期が重なってしまったとのエピソードをありがとうございます。私立通信制高校の専願だと出願の時期が秋から冬の始まり頃の場合もあり、中学校的には行事の多い時期にもなるのでこういうこともありますね。太郎くんにとって、体育祭やその練習期間がいかにストレスフルかということがよく分かるような変化を呈したのですね。つらい気持ちをスタンプだったとしても知らせてくれたのは何よりだなと思います。体育祭が終わるまで休ませる決断をされましたが、もちろんそれも1つですし、また、体育祭には参加しない(練習にも参加しない)ことを本人と学校交えて決めたうえで、学校には行くけれど体育祭関連の時間は教室で自習して過ごすなどそうしたやり方もお子さんの希望と状態によってはあるかなとは思います(本人や学校がそれを良しとするかにもよります)。身体症状まで表れる状態で、無理して頑張っていいこともあまりないのではとは思います(ただ、お子さんによっては運動会の練習を見学するなどのゆるめの近づき方がその後に良い場合もありますので、そのあたりは学校やカウンセラーなどとご相談してみてもいいと思います)。太郎くんは、休んでいる間に放課後等デイサービスにて出願の準備を進めることができたのですね。大きなタスクに取り組む際は1つずつ取り組んだほうがいいお子さんもいるので、結果的によかったように感じます。また、出願に関する準備を保護者と家でやる場合も多いですが、保護者以外と(学校、相談機関、教育支援センター・適応指導教室、放課後等デイサービスなど)やることはそれはそれで意義のあることです。保護者だとどうしても合格してほしいという思いが強くなってしまうために、本人の思いを形にしていく過程にどうしても口を挟みたくなることもあるでしょうし、それも自然なことだと感じます。思いを言葉にすることが苦手、作文にまとめることが苦手な生徒さんは多いですが、そこを根気強く見守ってくださる面で、家庭以外のリソースを使うのは本人の成長にとってよいと思います。体育祭期間を休むこと、その間に受験の準備はできたこと(それに取り組むだけの元気はあったこと)、そして体育祭終わったら学校に行くと自分なりの見通しを語れていること。太郎くんの自分なりの気持ちと行動の折り合いのつけ方が自分でやれている感じがして、とても成長を感じました。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年11月05日初めての児童発達支援わが家の長男が発達支援施設に通うようになったきっかけは、幼稚園入園から半年ほど経った頃の保護者面談で、先生から「療育に通ってほしい」と言われたことでした。幼稚園で席に座らない、上履きも履かない、ときには教室から脱走し、運動会の練習は不参加……など、長男のさまざまな困り事が発覚したため、そこから3か月待ちの発達相談、受給者証の取得、知能検査などを経て、ようやく年中の夏頃から発達支援施設に通えることになりました。Upload By プクティ最初に通った発達支援施設では、1回約2時間の児童発達支援を週に2~3回、幼稚園が終わったあとに受けていました。親子分離で学習メインの個別支援が基本で、ほかにもお友だちがいる時は2~3人の小集団で行うこともありました。流れとしては、最初に部屋の中でのウォーキングなど身体を動かす時間があり、そのあとにクイズや絵本、製作など長男の様子を見ながら長男に合った学習内容で進めてくれていました。はじめは楽しそうだったのに……長男の様子に変化が!?Upload By プクティこちらの施設に通い始めて1年ほど経つと、遊び中心の内容から、だんだんと小学校へ向けての学習がメインになっていきました。通い始めたばかりの頃は長男も通うのをとても楽しんでいたのですが、課題の難しさもあってか、だんだんと行き渋ることが多くなっていきました。嫌がる長男を連れて行くのは大変でしたが、いま振り返ってみると、文字や数などの理解力向上に繋がったと思いますし、小学校での掃除の仕方や授業の受け方なども教えてくださり、本人も小学校入学後に助かったのではないかと思います。2か所目の発達支援施設長男は年中の12月に幼稚園から保育園へ転園し、年長からは保育園に併設されている発達支援施設にも通い始めました。この発達支援施設は、長い間運営しているところで、経験豊富な先生が揃っていることで知られており、キャンセル待ちも多数でるほどの人気でした。そのため、最初に通っていた施設は週に1回土曜のみにし、2か所目の施設は週に2回、保育園を途中で抜けて平日に通うことにしました。Upload By プクティ2か所目の発達支援施設も親子分離での支援でしたが、こちらは10人ほどの小集団で行われていました。長男は、日常生活の支援がメインの「生活クラス」に入りました。まずは着替えなどのお仕度、挨拶から始まり、「日付やその日の天気、その日の参加人数」を毎回担当になった子が発表します。そのほか、運動の時間や給食もありました。Upload By プクティこちらの施設では、1回の活動は約4時間と、1か所目の施設の支援時間と比べると倍の長さでした。指導方針は、その子ができないところは手助けしつつも、できるまであきらめないという、ある種の厳しさがありました。通い始めの最初の2か月間は親子通所をする決まりがあったので、支援中の様子を近くで見ることができたのですが、長男が活動を嫌がって癇癪を起こす場面もよく見られました。しかし、先生方は長男が活動に取り組めるようになるまで、根気強く付き合ってくださっていました。不思議なことに、こちらの発達支援施設に関しては、長男が行き渋ることは最後までありませんでした。年長の1年間で見違えるほど成長した長男Upload By プクティ年長の終わり頃になると、支援中に嫌がる場面はほとんどなくなっていきました。むしろ、普段保育園では拒否する集団遊びやダンスにも楽しそうに参加し、周りの子たちをサポートする姿まで見られるようになりました。こちらの施設でたくさんの成功体験を積ませてもらったことで、自信をもって過ごせているように感じました。通った期間は年長の1年間だけでしたが、この1年で長男はものすごい成長を見せてくれました!結果として、どちらの発達支援施設での経験も長男の成長に繋がったと実感することができて、通ってよかったと心から思っています。執筆/プクティ(監修:室伏先生より)プクティさん、発達支援施設でのご指導の様子や、長男さんのご様子について共有してくださり、ありがとうございました。これらの施設での経験が、長男さんの成長に繋がったとのことで、本当に良かったですね。1か所目の施設では、お子さんが自信を持って学びに向き合えるよう、お子さんのペースに合わせた取り組みをされていたのですね。課題の難しさにつらくなってしまった場面もあったかもしれませんが、小学校での学習を中心とした生活の準備・練習ができたことは、きっと大きな意味を持つ経験になったのだと思います。2か所目の施設は、日常生活における自立支援や集団生活に必要なスキルの獲得が重要視されていたのですね。これは小学校生活のみならず、今後の長い人生においてとても重要な能力です。ご家庭でいろいろ教えようとしても、お子さんはご家族には甘えたくなってしまって最大限の力が発揮できないこともあります。また、生活の中でできることが増えると、ご家庭でも園でもさまざまな機会に成功体験が積み重なり、自信に繋がります。成長の兆しをいち早くキャッチして、ご家庭でもポジティブなフィードバックをしてあげたいですね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年11月04日完璧主義、こだわり、多動での登下校トラブルや不登校息子の支えになった存在についてのエピソードなど【2024年10月】「お母さんが悪い!」「もう一生学校行かない!」「多動で交通事故を起こしかねません」……。印象的なシーンも多い、特性のある子どもとの登下校中のトラブルエピソード。今月も読者の皆さんからさまざまな体験談が寄せられています。読者体験談は、読者の皆さんから寄せられた困った経験、こうしたら良かったといった経験をもとに書き下ろしている人気コラム。今回は2024年10月にお届けした読者体験談をご紹介いたします。「挨拶だけでいいから学校へ顔を出す」という約束を担任の先生していたASD(自閉スペクトラム症)の息子さん。不登校の息子さんに付き添って毎日母子登校をしていましたが、完璧主義な性格の息子さんは毎日登校中にイライラが止まらず……。その様子にとうとう我慢ができず、言ってしまった母の一言で大変な事態に。バス通学をしているASD(自閉スペクトラム症)、LD・SLD(限局性学習症)のある息子さん。マイルールやこだわりの強さがある息子さんはある日のバス通学で「こだわり」が発動し、「もう一生学校行かない!」と癇癪を起こしてしまいます。一体癇癪の原因はなんだったのでしょうか。幼少期は多動がひどく、医師からも服薬を勧められ「多動で交通事故を起こしかねない」と言われていたADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)の息子さん。問題なく登下校ができているのか不安になった母親が、周りに聞いてみるとなんと思ってもいない状況になっていたのです!しのっぺさんの息子さんは中学校のときにクラスメイトからのからかいが原因で一時期不登校気味になったことがありました。親友ともクラスが分かれて「俺、なんで生きているんだろう……」と思い詰める息子さん。しのっぺさんは息子さんの居場所を見つけるために奔走、そして親友との絆が息子さんを救うきっかけとなったのです。ご自身のエピソードを投稿してみませんか?『発達ナビ 読者体験談』は皆さんのご経験を基に制作されています。ご投稿いただいたエピソードは、連載ライターさんのイラスト、専門家の先生からのコメントをつけた上で掲載させていただきます。「あの時は悩んでいたけれど、今はこうなった……」など、発達障害のあるお子さんを育児している皆さんへ、ご自身の経験をお届けいただけないでしょうか。ご応募は以下の応募フォームから受け付けております。皆さんのご投稿を、お待ちしております。【現在の募集テーマ】・障害告知・パートナー(夫婦) 関係・両親(義両親)、親族関係・進学・受験関係・冠婚葬祭関連・反抗期、思春期・自傷・学習関係・不登校、行き渋り・ゲームとの関わり・不器用さについて・ママ友や、ほかの保護者の方とのエピソード・ご近所関係(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年11月03日児童発達支援を増やしたい!でも幼稚園からの通所は想像以上にハードで……たーちゃんはプレ幼稚園の頃から5歳の今まで、10時~16時までと預かり時間が長めの発達支援施設に通所しています。幼稚園に通い始めたばかりの頃は、土曜日だけ通所していました。こちらの施設は送迎もしてくれるところなので、土曜日に通所する時は、自宅から施設への送りも迎えもお願いしていました。年少の夏休み直前の頃、「もっと児童発達支援の時間を増やしたい!」と思い、平日で幼稚園が午前保育の日にも、幼稚園が終わったあとに通所することにしました。午前保育のあとに通所する初日。11時半に幼稚園にお迎え、自宅に戻って2人でお昼ごはんを食べ、自転車で施設に送っていき、16時にたーちゃんが帰宅……というスケジュールを考えていた私。これが、思っていた以上にハードだとすぐに気づかされることになりました。午前中に昼ごはんの支度をして幼稚園に向かいましたが、その日は雨だったため自転車に乗れず、たーちゃんを連れて徒歩やバスで移動する羽目に……。分刻みのスケジュールで一日を何とか乗り切りました。Upload By みかみかんそのあとも、綱渡りのようなスケジュールで幼稚園と自宅、発達支援施設を行き来する日々……。それに加えて気持ちの切り替えが苦手なたーちゃん。一度自宅へ帰ってきたのに、また出かけなくてはいけないというのがストレスだったようでした。癇癪がひどく、児童発達支援の開始時間に間に合わないことも度々あり……。そんな日が続き、私自身も参ってしまいました。Upload By みかみかんそんな理由もあり、幼稚園にたーちゃんを迎えに来てもらって、施設に直接行くほうが、たーちゃんにも私にも負担が少ないのではないか?と思うようになりました。頼りになるのはやっぱりママ友の情報!送迎事情を聞いてみるとところで当時私には、たーちゃんと同じ幼稚園に通っている年長児のママ友がいました。もともと親同士は顔見知りではありませんでしたが、たまたま公園で会って一緒に遊んだことがきっかけで交流するようになり、そのうちに、お互いの子どもが同じ発達支援施設に通っていることが分かったのです。そのママ友から、午前保育の日には幼稚園からの送迎を利用していると伺っていたので、送迎の利用について気になることをたくさん質問させてもらいました。Upload By みかみかん私「発達支援施設の支援員さんに幼稚園で子どもをピックアップしてもらう時間は、何時にしてる?」ママ友「通常保護者がお迎えに行く時間の10分前に来てもらってるよ。幼稚園の先生に聞いたら、お迎えの時間と被ると先生の手が足りなくてバタバタするみたいだから、その時間にお願いすることになったの」私「子どもは幼稚園のどこで待っているの?」ママ友「基本は教室の中だけど、迎えが少し遅くなったら職員室で待たせてもらっているみたい」私「今まで何かトラブルはあった?」ママ友「自分の目が届かないところだから心配だと思うけれど、大きなトラブルはないよ!でもしっかりスケジュール管理して、児童発達支援を受ける日は専用のリュックを忘れないようにしてる」私「幼稚園の連絡帳には、その都度送迎を利用することを書いているの?」ママ友「『通園鞄のほかに児童発達支援用のリュックを持たせている日は、ピックアップをお願いしている』と幼稚園の先生に伝えてあるから、毎回連絡帳には書いていないよ」それぞれの施設によって対応は違うかと思いますが、たーちゃんの通う幼稚園と発達支援施設ではこういった流れになっているようでした。保護者の立ち合いなしで送迎を頼むことに不安もありましたが、利用しているママ友から直接話を聞いてみて、大丈夫そうだと納得することができました。さらに、ママ友が「一人で頑張りすぎないで!使える制度は使ってみて!」と、利用の後押ししてくれたこともうれしかったです。そして、年少の冬休み直前から、児童発達支援施設に幼稚園からの送迎をお願いすることに決めました。送迎について幼稚園と発達支援施設に相談。利用を開始することに次に、通っている幼稚園と児童発達支援双方の承諾をもらうために相談してみました。ちょうど秋頃にどちらも面談があったので話をすることができました。幼稚園では「12月の午前保育の日、発達支援施設の支援員さんに迎えに来てもらおうと思うのですが大丈夫ですか?」と話を切り出し、「年長の〇〇くんが利用している施設と同じで……」と続けました。前例があったおかげで話はスムーズに進み、ありがたかったです。事前にたーちゃんがASD(自閉スペクトラム症)であること、児童発達支援を受けていることを幼稚園の先生方に伝えていたのも良かったと思います。Upload By みかみかん施設側にも相談したところ、問題なく利用できるとのことでした。降園時にタイムカードの打刻が必要か、どこから入るか、何組か、などの情報についても、予め伝えておきました。利用数日前には、たーちゃんにも発達支援施設の支援員さんが幼稚園に迎えに来てくれることを説明しました。不安感の強いたーちゃんが当日癇癪を起こさないために、説明を理解できなくても繰り返し伝えました。そしていよいよ、利用当日。たーちゃんは通園鞄と児童発達支援用のリュックを持ち、元気に登園していきました。私も忘れ物のチェックを念入りに行い、連絡帳には何時に支援員さんが迎えに来るかを書いておきました。ピックアップ予定の時間、トラブルはないかな……と、私はスマートフォンの傍でソワソワしていたのを覚えています。その日は緊急の連絡もなく、予定していた時間にたーちゃんは支援員さんが運転する車に乗って、無事に自宅へに帰ってきました。支援員さんに様子を聞いてみたところ、癇癪を起こすこともなく、スムーズに送迎の車に乗り、幼稚園から発達支援施設に移動できたとのことでした。その話を聞いて、今後も問題なく送迎の利用をお願いできそうだと安心しました。Upload By みかみかんそして今でも、午前保育の日には送迎をお願いしています。そのおかげで、私もたーちゃんも負担が減り、助かっています。幼稚園でも午後のお預かりをしてくれますが、発達支援施設で過ごすほうがたーちゃんはリラックスできるようなので、送迎を利用してこれからも併用する予定です。この記事が、幼稚園から発達支援施設への送迎の利用を考えている方の参考になればうれしいです。執筆/みかみかん(監修:新美先生より)児童発達支援施設の送迎利用について、具体的に聞かせていただきありがとうございます。放課後等デイサービスだと、学校や家までの送迎があるところが多いですが、児童発達支援施設ではそこまで一般的ではないので、送迎サービスがある事業所もあるのだということ自体、知らなかった方も多いかもしれません。みかみかんさんの場合、幼稚園が午前中で終わる日がもともとあるのですね。記事にあるように、幼稚園が終わって、一度お母さんの顔を見るとほっとしてしまって、さらにまた集団の施設に行くのがおっくうになるというのもよくあることかと思います。幼稚園→発達支援施設の外モードのまま行けるほうがスムーズと言うのは納得です。送迎でトラブルが起きないように、事前の綿密な打ち合わせは重要ですね。また、お子さんによっては、事前の練習や手順書、発達支援施設の利用日かどうかが本人もすぐにわかる仕組み(記事にあるようなカバンを変えるというのは分かりやすいです!)など、いろいろ工夫は必要そうです。運用の仕方などは、施設による差や、通っている幼稚園・保育園によっても異なると思うので、施設・園と十分打ち合わせをされるようお願いします。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年11月02日不登校、学習の壁、転籍……リアルな体験をもとにしたセミフィクションストーリーが完結発達ナビの読者の声から生まれたセミフィクションストーリー「発達障害の子どもと私たち」全10話が完結しました。2人の主人公・小学3年生のはるきさん、小学4年生のみきさんはそれぞれの「壁」に直面、学校へ行くことができなくなってしまいました。それに対し、本人とその家族がどう立ち向かっていったのかがリアルに描かれています。各話の終わりに鳥取大学大学院教授で発達障害を専門とする井上雅彦先生からのアドバイスも掲載しています。プロローグ、そして二人のその後が描かれたエピローグとともに、「発達障害のある子どもと私たち」全10話を読み返してみませんか?「なんで僕は学校に行けないんだろう…」プロローグ~第1章はるき編完結までUpload By ユーザー体験談3歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けているはるきさんは、現在小学3年生。通常学級に所属しています。2年生までは元気に学校へ通っていましたが、3年生の5月、運動会が終わった頃から「学校を休みたい」というように。発達障害について自分で学んでいる母親は、(ここは休ませるべき)と理解はあるのですが、その後はるきさんは身体症状もでるようになってしまって……。はるきさんの気持ち、そして保護者の決断をご覧ください。私だけ勉強についていけていない――壊れそうな娘の側で保護者は……第2章みき編Upload By ユーザー体験談みきさんは5歳でASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けています。小学校3年生から勉強に難しさを感じるようになり、小学校4年生になると「クラスで私だけ勉強についていけていない」「学校へ行きたくない」と言うように。みきさんの担任の先生は頼りにならず……。みきさんの困りごとにどう対応していくべきなのか、保護者は悩んだ末、ある結論を出しました。ですが……。また、エピローグでははるきさん、みきさんのその後に触れられています。はるき、みきのその後を描いたエピローグ、そして注目の専門家コメントもご覧くださいUpload By ユーザー体験談それぞれ新しい道を進みだしたはるきとみき。そんな二人のその後に触れています。こちらのエピローグには、井上雅彦先生から中学、高校の進路の選び方について解説をいただいています。進路についてお悩みの方はぜひご覧ください。マンガ「発達障害の子どもと私たち」いかがでしたか?引き続き読者体験談をお楽しみに。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年11月01日ストレス?鉛筆がボロボロに…1年生から登校渋りがあった長男。2年生も変わらぬ様子で休みながら長男のペースで登校していました。1年生では「友だちができない。友だちって何?」と悩む様子が見られたのですが、始業式の日に自己紹介カードを記入した際、「2年生の目標」の欄に「友だちをたくさん増やしたい」と書いていました。周りの人に興味関心が薄いように見えていたけど、そんな思いがあるのだなぁと私も胸がいっぱいになり影ながら応援していました。そんなある日、長男の筆箱の中を見るとほとんどの鉛筆がボロボロになり木屑でいっぱいで大変驚きました。どうやらかじっている様子でした。それと同じ時期に宿題がなかなか進まない、手がつけられないという様子が見られるようになりました。鉛筆をかじるのもストレスかもしれないと気にしていたら長男が私に手紙を渡してきました。その手紙には「ストレスなのかしゅくだいをやるきがなくなったりえんぴつをかじってしまいます。どうしたらいいですか?」と書かれていました。教えてくれて嬉しかったし、自分でもどうしたらいいか分からなくてつらかっただろうなぁと私も胸が痛みました。どうしていくのが良いか2人で話しました。噛むのがもったいなくなるような好きな鉛筆を買おうかとか、ほかで代用できるものはないだろうかとか。宿題は私がいつも見ていたのですが、なるべく私もイライラしないよう心がけようと思いました。Upload By ねこじまいもみ悪化する宿題問題、私も限界を感じてしかし状況は日に日に悪くなるばかりで、宿題に取りかかるのがだんだん遅くなったり、いざ始めても泣いてしまったり時に癇癪を起こしてしまい進められず、そうしているうちに寝る時間が迫ってきてまたパニックになって泣いてしまうという繰り返しでした。結局鉛筆も使えるものがないくらい全部かじってボロボロでした。私も、落ち着いて進められるように声をかけたり待ってみたりするのですが毎日こんな感じで本当に大変でした。下の子のこともやらなくちゃいけなかったり、家事もしたいし、そこにかなり時間を取られることが私もとてもつらく感じて、結局イライラしてしまうことも多く私自身も自己嫌悪の日々でした。最悪やれなかった場合、先生に正直にできなかったと話してはどうか?と提案しても、「宿題を忘れていくというのは考えられない、できなかったらもう休みたい」と言いました。その気持ちからか机や壁に「学校へ行きたくない」と書いていたりしました。できなかったことを素直に伝えることも大切だと思うと話しましたが聞く耳持たずでした。長男は真面目で人の目を気にする傾向が強いため、宿題を忘れていくことでどう思われるかをすごく気にしていました。また、怒られるということにとても抵抗を持っていました。なのでなんとしても終わらせたい。しかしスムーズに進められない。やらなきゃと思うけどできなくて余計に追い詰められて激しく泣いたり怒ったり。そんな様子でした。 だんだん私自身も宿題の時間がつらくなり疲弊していたので、担任の先生にこんなこと相談していいかずっと悩んでいたのですが、限界を感じて相談してみることにしました。先生は親身に聞いてくださり、長男と話をして少し考えてみますねとおっしゃってくださいました。Upload By ねこじまいもみ先生は宿題の量を…?先生に相談した数日後、宿題のノートを見ると量を減らしてもらっていました。「ここまではやって、ここからはやらなくてよい」と先生が印をつけてくださっていたのです。私はびっくりして、もう一度先生に電話をしました。ありがたい反面、長男を甘やかす結果になってしまったのではないかという気持ちと、申し訳ない旨を伝えました。Upload By ねこじまいもみすると先生は、「量が多く感じて苦しくなっていた様子だったので、どのくらいなら余裕を持ってできそうか話し合い少し削ってみました。削った部分は次の日の休み時間などに一緒に取り組んだりして補うという形でやっていこうと話しました。少しずつ量を増やしていって、まずはやれる範囲で気持ちよく『できた!』という成功体験を積んでいけたらと思います。宿題がつらくてますます学校が嫌だなぁと感じてしまったら悲しいので」と話してくださいました。それから長男は比較的スムーズに宿題に取り組めるようになり、先生には感謝の気持ちでいっぱいでした。思い切って相談して良かったなぁと思いました。Upload By ねこじまいもみそれからはだんだんと通常の量をこなせるようになっていき、4年生の今もたまにやりたくなくて怒る時もありますが、2年生の時のようにできなくて激しく泣いたりパニックになることはなくなりました。 鉛筆かじりも2年生の一時期だけで気づいたらしなくなっていました。 みんなと同じ量をこなしたり、同じように勉強を理解したりが難しく、あとから追いかけていくこともいまだによくありますが、やる気をなくさないように手助けしていけたらと毎日試行錯誤の日々です。Upload By ねこじまいもみ執筆/ねこじまいもみ(監修:新美先生より)ストレスが大きい時期に、宿題量の調整をしたエピソードを具体的に聞かせていただきありがとうございます。嚙み砕いて木屑でいっぱいになった筆箱を見た時、息子さんからの渾身のお手紙を読んだ時は、お母さんもどれほど胸が痛んだろうかと、他人の私でさえ切ない気持ちでいっぱいでした。それを乗り越えて、落ち着いてきつつあるところまで教えていただきほっとしました。さて、学校で精いっぱい一日頑張って、家に帰ってくると、へとへとになり、宿題のような努力的な課題をやる気力がわかないということはしばしばあります。ASD(自閉スペクトラム症)の特性があると、集団生活で受けるストレスは通常よりも大きく、また、興味の偏りのため興味ないけどやらなければいけないとわかっていることをやるのに、通常よりもエネルギーを要するのです。なので、皆が当たり前にこなしている宿題が、たとえ学力的な問題がなかったとしても、単純作業のようなものであったとしても、すごくやるのが大変になってしまうこともしばしばあります。そもそも、一人ひとり学習の仕方も進度も違うのに、クラスの全員が一律の課題を課すような宿題制度は「百害あって一利なし」と常々思っていますが、そんなことを私たちがいくら言っても、実際にはほとんどの学校で、クラス全員が一律の宿題を課されるのが当たり前になっているので、子ども自身も親も、宿題はやって当たり前と思っていることでしょう。帰ってきて、宿題をやろうやろうと思っても気力がわかなくて後回しになり、終わってないのでずっと気がかりでイライラして、親子で言い合いになったり、寝る時間が遅くなったりして、お子さん自身も罪悪感を感じてしまっているのは、とてもつらいと思います。もし、記事のようにストレス症状が出ていたり、宿題をめぐって毎日親子でバトルになったりする状況があるのであれば、早めに、担任の先生と相談して、宿題の内容や量の調整をすることを全力でお勧めします。記事の中にも同様のことがありましたが、「できる分だけでいいよ」「できない日はやらなくてもいいよ」というような本人に判断をゆだねる言い方だと、なかなか自分では決められないことも多いので、「ここだけやってこよう」「1か月宿題をお休みにしよう」など具体的にはっきり先生から本人に話してもらうのが大事です。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年10月31日神奈川県児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報ケイベースでは、利用者のお子さんみんなが自分らしく生きること、個性を伸ばすことができるよう、発達支援を行っています。「つぶぞろいより、つぶちがい」の思想のもと、さまざまな経験を持ったスタッフでお子さんの支援に取り組んでいます。また、お子さんとその家族の方との信頼関係を大切にしており、お子さんやり家族の方の悩みや問題に真摯に向き合い、共に解決していくことが事業所の使命だと考えているそうです。Upload By 発達ナビ施設情報運動プログラムを中心に、身体能力の向上はもちろん、自己肯定感やソーシャルスキルの向上を目指しているTAKUMI登戸教室。お子さんにたくさん動いてもらえるように、教室が30平米と大きく、明るく開放的な空間を用意しています。ブログでは日々のプログラムや支援内容を定期的に更新しており、お子さんが楽しめる運動や創作活動を提供している様子がうかがえます。TAKUMI登戸教室では、体験会を実施中です。興味のある方は参加し、一緒に運動してみてはいかがでしょうか。神奈川県の児童発達支援をもっとみる埼玉県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報ブロッサムジュニア新座栗原教室では、小集団指導と個別指導の良さを最大限駆使して、お子さんの「できた!」「楽しい!」を大切にした発達支援を行っています。得意なことはもっと得意に、苦手なことも得意なことに。小集団で実践、そして学校や社会へ!ソーシャルスキルトレーニングを基本に、将来に向けて社会性が学べるように取り組んでいます。また、新座市栗原周辺と西東京市と練馬区一部地域の小学校への送迎を実施しています。埼玉県の放課後等デイサービスをもっとみる埼玉県児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報ブロッサムジュニア新座栗原教室では、お子さんが集団活動に取り組めるよう、一人ひとりに丁寧な支援を心がけています。また、小集団指導と個別指導を取り入れ、お子さんが自信を持ってコミュニケーションがとれるように個別プログラムを作成しているそうです。発達支援の基本として「楽しく!」をモットーに、お子さんが「ブロッサム楽しい!」「また行きたい!」と思ってもらえる児童発達支援施設を目指しています。埼玉県の児童発達支援をもっとみる栃木県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報お子さんの第3の居場所として、いつでも温かくお子さんを迎え、お子さんの笑顔を何よりも大事にしている放課後等デイサービストム・ソーヤ。スタッフに向けた研修用のオリジナルサイトをつくり、対面でもオンラインでも学習できるようにしています。進路相談、学習支援も可能で、ブログには過去の資格取得実績やイベントの内容なども掲載されていますので気になった方はぜひご覧ください。栃木県の放課後等デイサービスをもっとみる茨城県児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報HANAFUKUは、2024年6月にオープンした児童発達支援事業所です。遊びや作業活動を通して運動・感覚・認知・行為機能に働きかけ、家庭や保育施設などでの日常生活や遊び・学習に必要な支援を行います。集団と個別の指導を中心に独自のプログラムや教材を用いて就学に向けて楽しい学習支援にも取り組んでいます。また、特性のあるお子さんの保護者にも寄り添い、保護者用セミナーや発達相談など、お子さんの自立支援アドバイスも継続的に実施。保護者も安心して信頼できる発達支援施設を目指しています。茨城県の児童発達支援をもっとみる愛知県児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報Lii Sports studios桜本町では、「運動で幸せな人を増やす」ことを目指し、日々お子さんの支援に取り組んでいます。実際に保護者の方々から「子どもが運動が好きになった」「運動以外でもできることが増えた」などの声が届いているそうです。事業所では「子どもの発達には環境が大きな影響を与える」という考えのもと、自社開発のデジタルツールを用いて、お子さんが自ら動き出すような環境を設定し、ゲーム感覚で運動を楽しめるように支援しています。お子さんたちに負けないくらい元気なコーチが皆さんを待っています。Upload By 発達ナビ施設情報2024年11月オープンのFineキッズアカデミーは、地下鉄桜通線「徳重」駅より徒歩4分の場所にあります。運動を中心とした集団指導と短時間の個別指導を行います。さまざまな運動器具やプロジェクターを設置し、「今日も楽しかった!」「また来たい!」と思えるような事業所を目指しているとのことです。また、お子さんだけではなく、保護者の方とも積極的にコミュニケーションをとりサポートしていくそうです。愛知県の児童発達支援をもっとみる大阪府児童発達支援Upload By 発達ナビ施設情報amico玉造教室は、お子さんの「基礎」を育むことを大切にしています。根拠に基づいた発達支援を、一人ひとりに「しっかりじっくり」個別と小集団で行っています。自分で考え、自信をもって取り組める子になってほしい、イキイキと自分らしく毎日を過ごしてほしい、そう願っているご家庭に向けた発達支援施設です。園や学校など、一律のマニュアル教育が合わないお子さんたちに対し、「個別最適化」により「学び、経験し、成長できる機会」の提供を目指しています。Upload By 発達ナビ施設情報さまざまな資格を持つスタッフが、体幹・姿勢・ストレッチ・体操・運動のコツ・切り替え・集中力・手先訓練を取り入れた発達支援を行っているTAKUMI堺教室。運動プログラムを中心に、お子さんの苦手や得意を見つけ、身体能力の向上はもちろん、自己肯定感やソーシャルスキルの向上を目指しています。毎回利用後は、お子さんの様子についてのフィードバックやご家庭でのサポート方法などもお話するとのこと。お子さんへの支援だけではなく、保護者とのコミュニケーションにも重点を置いているそうです。大阪府の児童発達支援をもっとみる岡山県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報あそび王国今事業所では太田ステージと呼ばれる検査を用いてお子さんの発達段階を測り、最適な活動や遊具を使ってお子さんが楽しく発達できるようサポートしています。お子さん同士が関わり合いながら、楽しくコミュニケーション力を育てるアナログゲームを取り入れた発達支援を行っています。時にはお子さんたちの好奇心を刺激し可能性を広げるために外部講師を招いてさまざまなイベントを開催することも。初めての場所では緊張しがちなお子さんも、笑顔になれる放課後等デイサービスを目指しています。岡山県の放課後等デイサービスをもっとみる広島県放課後等デイサービスUpload By 発達ナビ施設情報Kids spase リフライズ府中本町(広島県安芸郡)では、お子さんたちがスタッフ、お子さん同士の人間関係の中で社会的なマナーやルールなど日常生活、社会生活のスキルを身につける場を提供しています。何か特別な事、決まった訓練ではなく、日常的な社会生活を経験してもらう工作やお菓子づくりをしたり、自分のお金で買い物に外出したりとさまざまな実践的な活動に取り組んでいます。広いスペースでゆとりのある空間に設計されており、自分のペースで人との距離感を調節できるような環境づくりをしてます。広島県の放課後等デイサービスをもっとみる「もっと施設の情報を詳しく知りたい!」「見学をしてみたい!」と思ったら、Webからもお問い合わせが可能です。施設情報ページでは、掲載されている施設の情報を地域ごとに検索して見ることができますよ。
2024年10月30日どちらを選ぶ?通信制高校選び、そして決断へ通信制高校に進路を決めた息子のために、合同説明会や個別相談へとあちこち奔走してきましたが、ようやくA高校とB高校の二校に志望校を絞り、それぞれの学校の特色をしっかりと息子に話した上で、両校に見学に行くことになりました。まず直近でオープンスクールが開催されるB高校へ。B高校には私だけ事前に個別相談に行っていたのですが、対応も細やかで特別支援の資格のある先生も常駐しており、障害のある生徒も広く受け入れているとのことでした。息子も楽しみにしていたのですが、冒頭の説明を聞いたところで教室から動けなくなり、その後のプログラムに参加できなくなってしまいました。仕方なく落ち着くのを待って個別相談へと移らせてもらい、授業内容やコース説明、学習環境などをお伺いしました。息子も自分でも気になったことを都度質問していました。この時点では「B高校いいな……。もう一つの学校、見学行かなくてもいいかも?」と言っていました。その後、A高校へ。A高校は、合同説明会ですでにお話を聞いていたところで、以前に個別相談に伺った別の通信制高校でも「息子くんの状況ならこちらはどうでしょうか?」とオススメいただいた学校でもありました。A高校はB高校よりも設備や制度が整っている…という訳でもなかったのですが、ただ一つ明らかにほかの学校と違うところがありました。先生方の熱意です。こちら側が何か質問をすると、必ず息子の目を見て、息子自身に語りかけてくれます。これまで支援児ということで過剰に子ども扱いされたり、一人の人間としても見てもらえないと感じていた息子には、とても大きな出来事でした。A高校との面談のあと、帰ってきてすぐ息子が私に言ったのは……。「A高校にする!A高校やったら行けるかもしれん!」という言葉でした。私も、同じ気持ちでした。Upload By 花森はな願書提出…この奇跡がどうか最後まで続きますようにこうしてA高校へと進路が決まりました。外に出ることが難しい子にとって、受験は大きな難関です。特に、願書の提出は本人にとって大きな負担となります。多くの高校では本人が直接提出することが求められますが、今回私たちが選んだA高校は、どうしても本人が無理なら保護者だけでの提出も可能でした。受験に全力を注ぎたかった私たちには本当にありがたかったです。願書受付当日、特別支援学校に朝イチで書類を取りに行き、そのまま通信制高校に私一人で願書提出しにいきました。学校の方はあたたかく受け入れてくださり、その際に面談でもお話しておいた「別室受験をしたいこと」「精神障害があり人の多いところが苦手なこと」の2点を改めてお伝えしました。別室受験についてはその場で確認を取ってくださり、当日の不安が少しでも少なく済むようにしてくださいました。願書提出後、近くの神社で合格を祈願しました。通信制高校の場合、希望者はほぼ入学できると言われてきましたが、最近は希望者が増加していて入学できないことがあるという話を聞いたからです。ずっと外に出ていなかった息子が「高校に行きたい」「受験をする」と言ったこと自体が奇跡なので、その奇跡をどうか叶えてあげたいと必死の思いでした。お守りを購入して、受験当日に背負うリュックにぶら下げました。Upload By 花森はな「書く」ことが苦手な息子。作文はどうすればいい?願書提出を終え、次は受験対策本格始動です!特に作文の指導方法については、先生も私もかなり悩みました。「書く」ということに激しいストレスを感じてしまう息子は、中学生の間はほぼ文字を書くということがありませんでした。しかし、パソコンのタイピングは大人よりも速いです。不登校の間に覚えたパソコンは、いつのまにか息子の大きな力となっていました。テーマは事前通知されていたので、パソコンで手早く文章を作成。おそらく15分程度で完成したと思います。パソコンでは文章を組み立てることはできるのですが、いざ紙と鉛筆を前にするとダメになってしまうので、この文章を手書きで何度も書き写して暗記する方式にすることにしました。まず、息子が作成した文章を、作文用紙に書き起こします。そこから覚えられる文量まで削り、それを再度作文用紙に書き起こして、清書することにしました。児童精神科の先生からは「この清書作業にはお母さんは関わらないように」と言われました。なぜなら受験当日は私が側にいないからです。受験当日の空気をつくるために、私はなるべく姿を隠し、清書作業は特別支援学校の先生か、週2回来ていただいているヘルパーさんにお願いしました。作文というと、原稿用紙全て埋めなければいけないのでは?と思いがちですが、その点はあらかじめ学校に確認しておきました。「原稿用紙一枚埋めることができなくても、たった一行でも、テーマに沿っていてこの学校に入りたい!という思いが伝われば充分ですよ」というお言葉をいただいていたので、息子の思いが伝わる渾身の文章を、負担にならない程度に練習し続けました。メンタルケアも当然怠らず、あとは本番を待つのみです!Upload By 花森はないよいよ受験当日!緊張と不安を乗り越えて受験前日は、学校近くのホテルに泊まりました。これは児童精神科の先生の提案でした。A高校の受験日は、ほかの私立高校と重なっているので、当日の朝、多くの受験生で混雑する電車を避けるためです。遠方の大学受験では宿泊することが一般的ですが、近場のホテルに宿泊するという発想は全くなかったので、目からウロコでした。前夜は緊張のためほぼ眠れないというアクシデントはありましたが、ホテルから徒歩で会場に向かうことができたので、安心して試験に臨むことができました。試験会場に到着すると、先生が付き添ってくださり、保護者は別の部屋で待つことができました。付き添い受験なんてうちだけではないだろうか……という不安もあったのですが、部屋には既に何家族もいました。お話を聞いてみると、やはりわが家と同じように不登校からの受験で、外出に不安のあるお子さんとのことでした。「うちだけじゃない」そして「同じようにみんな頑張ってるんだ」と思いました。受験はあっという間に終わり、面接は3分もかからず、作文は暗記していた通りに書けて、むしろ時間が余ったと息子は話してくれました。時間が余ったけれど、それ以上のことをしなかったのは良い判断だったと思います。もし、ここで強引に続きを書こうとして時間が足りなくなってしまったら、焦ってパニックになってしまい、このあとに控えていた面接に落ち着いて臨めなかったかもしれません。今の自分の持っている力で「無理をしないで終わらせる」ことができたのは、今後のためにも大きな経験になりました。全てを終えた息子の表情は達成感というより、疲労困憊一色でした。ふらふらになりながら試験会場を出た息子と私たち家族は電車に乗り込み、すぐに帰宅しました。息子の受験生生活は、ひとまずこれで全て終わりました。Upload By 花森はなやっと見つけた、息子の「新しい居場所」通信制高校から、合否の封筒が来た日のことは今も忘れられません。息子ははじめあまり実感がないようでしたが、合格通知書を何度も見ては、喜びを静かにかみしめているように見えました。傍から見ると、「簡単な受験」で「受かりやすい高校」かもしれません。でも、息子はそこに行きたいと心から願って、自分のできる限りの力を振り絞り努力をしました。近年、通信制高校ではあらゆる事情の生徒を広く受け入れています。先生方も生徒の各事情を考慮し、温かく受け入れてくださっています。障害や特性があるからといって、排除という方向に進むのではなく、こうした「居場所」が少しでも増えてほしいと切に願っています。執筆/花森はな(監修:初川先生より)息子くんの通信制高校受験、そして合格エピソードをありがとうございます。通信制高校が昨今注目を集めているので、学校自体も増えているように感じます。それぞれの学校が特色を持っているので、見学や体験、個別相談を通して比較検討されたのはよかったと思います。またA高校の決め手は、先生方の熱意だったとのことですが、そこはパンフレットなどでは分からないことですね。学校に見に行くことの大切さを改めて感じます。通信制高校のニーズの高まりに合わせて、エリアによっては人気の通信制高校があり、受験に倍率がついている場合があったり、受験での求められるものが高くなった学校、早めに動き出さないと締め切ってしまう学校もあります。そのあたりについても説明会などに参加していただき、どんな準備が必要そうか、受験で問われるものは何かなどご確認ください。多くの通信制高校では作文・面接が求められます。このあたりは中学校の先生はもちろん、教育支援センターや適応指導教室の先生方、自治体の教育相談なども対策をよくご存知なので学校や地域のリソースをぜひご活用いただき、お子さん本人とそうした先生方とで練習できるといいと思います。花森さんは児童精神科の先生の助言をさまざま活かしてご準備されていましたが、保護者がどこまでお手伝いするか、また、当日はどう会場へ向かうかなどは児童精神科の先生のご助言はさすがだなと感じました。試験会場で頑張るのはお子さん本人なので、当日に近い準備をしておくこと(保護者がそばにいすぎないのも1つ)。そして当日の交通事情も前泊するかどうかはさておき、早めに行く、あるいは同じ時間で向かう練習をしておくなどさまざま備え方はあると思います。通信制高校や不登校生徒向けの公立学校の受験などでは、志願動機や高校で頑張りたいことを聞かれることが多いです。そうしたことへ受験という形で必要に迫られているからという理由であったとしても、準備をしておく、つまり、自分の未来に思いを馳せてどう頑張りたいかを練り、語ること。そのこと自体がとても中学3年生の子どもたちを成長させるように感じています。これから始まる高校生活のとても大事な準備と思います。確かに“入りやすい受験”の場合もあるかもしれませんが、そのお子さんにとっては人生に数回しかない受験の1つ。しっかり心の準備をして新生活が始まる気配を感じながら受験に臨めるといいと思います。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年10月29日実は難しい……!家庭学習のフォローやサポート毎日の宿題やテスト勉強などの家庭学習は、お子さんが一人で行うことはまだ難しく、保護者のサポートが必要な場合も少なくありません。発達ナビのQ&Aコーナーでも、以下のような声が寄せられています。子供の宿題の取り組み態度について質問させていただきます。小1の息子は家に帰ってすぐ宿題をやらず、やりなさいと促しても始めるまでに1時間以上、やり始めても集中出来ずにプリントを破いたり落書きしたり。トータルでかなりの時間がかかります。みなさんのお子さんは宿題を家で出来ていますか?小学校3年生のADHDの男の子、支援学級(国語、算数のみ)在籍です。家でなかなか宿題ができず1、2年生の頃は授業の中で宿題をやってもらっていました。診断はされていませんが、LDの傾向があり書く事が苦手です。3年生になって宿題の量、授業内容も増えほぼ学校で宿題が出来ない状態で家で宿題をやらせていますが、漢字ドリルだとノートに3〜4ページで息子にとってはかなり多く、集中力も続かない為終わりにする事が出来ません。さらに小学校高学年以降の思春期は、保護者だからこそサポートしにくくなることもあります。サポートの仕方や加減に悩むご家庭も多いのではないでしょうか。今回はそのような小学校高学年以降のお子さんの学習サポートについて、鳥取大学大学院教授で発達障害を専門とする井上雅彦先生にお伺いしました。勉強しないときもあれば、過集中になることも……発達障害のある中学生にちょうどいい勉強計画とは?A:大人であっても、やる気になったときにはできるけれど、そうでないと後回しにしてしまうことはありますよね。よりその傾向が強いタイプのお子さんもいると思います。対応としては、例えば1日1つ最低限やることをお子さんと一緒に決めて、終わったらカレンダーにチェックするなどもいいかもしれません。「ちょうどいいペース」の見通しを一緒に立てていきます。カレンダーにチェックすることで、本人のがんばりが「見える化」されるので、お子さんのモチベーション維持にもつながります。ここでのポイントは、無理のない計画を立てることです。最低限やることは、最初はできるだけ苦手教科や嫌いな教科ではなく、好きな教科や得意なものを選び、毎日無理なく継続できる難易度や量にするといいでしょう。保護者としては、「もっとやってほしい!」「もっとできるのでは?」と感じることもあるかもしれませんが、勉強の負担が大きくなると取り組むこと自体を嫌がるようになることもあります。無理なく継続できるよう、お子さんと話し合って、課題の難易度や量を調整していくことも大切です。また、お子さんが普段1時間かかる課題を15分で終えられたという日もあるかもしれません。こんなとき、保護者の皆さんだったらどうしますか?「今日はもう1枚くらい追加できそう」「こんなに簡単にできるなら、次から量を増やしてみよう!」のように考えるかもしれませんね。しかしお子さんにとってはどうでしょうか。せっかく集中して早く終えたのに課題が増えてしまった、ということになれば、「頑張ったのに損した」という体験になりかねません。集中して早く終えられたときこそ、たくさん褒めて「集中できたから、いつもよりたくさん遊べるね!」などのように、お子さんにとって「頑張って良かった」という経験にできるといいですね。Upload By 発達障害のキホンやる気がでない日は勉強しなくてもいい?約束が守れなくなってしまうのではないか心配A:保護者としては「毎日ペースを乱さずに勉強してほしい」という思いがあるけれど、お子さんとしては「金曜日は勉強したくない」ということですね。お子さんとしては、金曜日の放課後はもうお休みの気分だからやる気が起きなかったり、遊びたかったりするのかもしれません。一週間の疲れがたまっている場合もあると思います。一方で保護者としては、毎日の習慣づけが大事で乱さないほうがいいという考えもあるかもしれませんね。これはどちらの考えが正しい・誤っているということではなくて、親子の間で意見が食い違っているということなのかもしれません。その場合は、どこかに「妥協ライン」を作っていくことが必要だと思います。例えば、お子さん自身は本来やりたくないけれども、金曜日も取り組むことにするならば、それに見合う特別ボーナスがあってもいいかもしれませんね。例えばいつもよりゲームの時間を20分増やす・お気に入りのアイスを食べられるなど、お子さんと決めていくといいでしょう。ほかにも、毎週金曜日ではなく、「第1・第3金曜日はノー勉強デー」のようにするのも「妥協ライン」の一例です。こういった家庭学習のルールについては、ひとつの「正解」があるわけではありません。保護者としての考えや望みはあると思いますが、それが「絶対」でもないものです。子どもの将来を想うからこその「こうしたほうがいい」という考えはあっても、それにこだわってしまうと、特に思春期はお子さんと衝突してしまうこともあるかもしれません。また、年齢が上がってくると、どのようなペースで取り組むといいか?をお子さん自身がつかんでいくことも大事だと思います。例えば、定期テストに向けて2週間前からコツコツ取り組むことは苦手だけれど、直前にスイッチを入れて集中して、それなりに点数を取っているお子さんもいます。集中できない長期間より、短期間でも集中して取り組むことで学習の成果につながることもあるでしょう。中学生くらいになると、自分でペースをつかんでいくお子さんもいますが、なかなか難しいこともあるでしょう。本人の様子を見ながら、「こんな風にやってみたらどうかな?」「ちょっとここを変えてみる?」といったように、自分に合う方法を試していくイメージで一緒に考えていくこともいいかもしれませんね。Upload By 発達障害のキホン子どもがなかなか勉強しない・やる気が出ないときには?わが子が課題の締め切りやテストの直前に、慌てて少し無理をして勉強している姿を見ると、親としては「コツコツ取り組んでおけば……」と思うのも自然な気持ちだと思います。ただ大人が「コツコツ取り組んだほうが良い」と分かるのは、これまでの経験あってのことです。お子さんは、どのようなペースで取り組むと良いかを経験から学んでいる最中でもあるのです。今回ご紹介したような工夫をしてみても、勉強になかなか取り組めないという場合には、課題の難易度や学習環境を今一度見直してみることも大切です。特に各教科について「何がどこまでできているか」「どこにつまずいているか」「どのようなサポートが必要か」は、学校や塾などを頼っていくのもいいでしょう。思春期は特に、ご家庭だけで抱えないこともポイントです。また背景に読み書きの困難さがある場合があります。専門機関などに相談し、読み書きの困難さがあることが分かった場合には、書く宿題は少なめにして、タブレットなどで答える割合を増やすというような合理的配慮を検討してもいいかもしれません。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年10月28日春休み、新学期への不安感が頻尿として現われ……学年の変わり目の春休みはASD(自閉スペクトラム症)のスバルが1年の中で一番落ち着きがなくなる時期です。スバルはいつもと変わらぬ環境でルーティンをこなすことで安心する性格なので、学年が上がって何もかもガラリと変わる春が苦手なのです。幼稚園の年中に上がる年の春休みは、5分に1度トイレに行くという形で不安が現れていました。本人は本当に尿意を感じているようなのですが、さすがに5分に1度は多すぎるので「夜に寝ている時には何時間もトイレに行かなくても大丈夫なんだから、昼間も大丈夫だよ」と説明し、タイマーを使って10分、15分と時間を延ばしていきました。1時間をクリアしたあたりで通常の回数に戻りました。年長に上がる年、小学校に上がる年にも同じ症状が出ましたが、自らタイマーをかけ対応していました。入学前のストレスの原因はルーティンの変化や見通し不安など多くあり…小学校に上がる年の春休みは、幼稚園の学年が上がるのとは比べものにならないくらい不安でいっぱいでした。小学校という未知の場所に通わなくてはいけないし、服装も持ち物も朝のルーティンもがらりと変わります。スバルには特別支援学級に通うことを説明していたので「みんなとは違う少数派の道に進む」という事実もスバルを不安にさせました。そしてこの年はコロナの流行1年目で、入学式の日程も延び、長い長い春休みを過ごすことになりました。予定が狂った上に入学式の日程が未定という状況は、先の見通しが立たないことが苦手なスバルにとって大きなストレスとなりました。テレビをつければ世の中の恐ろしい情報が溢れていて、外出するのもひと気のない時間に散歩をするくらい。家の中では母がピリピリとした空気をまといながら古着を裂いてマスクを大量に縫っているし、今まで経験したことのない状況にスバルの不安は増すばかりでした。激しい首振り。常同行動?感覚を楽しむ遊び?もしかして…「チック」!?そんなある日、スバルが首を激しく左右に振っていました。常同行動の仲間か感覚を楽しむ遊びなのかと思いました。「クセになるからやめときな」と注意したものの、1日に何度も首を振っていました。その後も首を振る日々が続きました。その時はその症状とチックが結びついておらず、食事中に首を振りはじめた時にはキツめに注意したりもしました。そして「これはわざと首を振っているわけではない」と感じ、ようやくチックだと気づきました。Upload By 星あかりチックの存在は知識としては知っていたのに、気づくのが遅くなってしまい、スバルには申し訳ないことをしてしまいました。チックには波があり、激しく出る日もあれば穏やかに出る日もあり、どうしたものかと様子を見ているうちに入学式の日程が決まりました。通学路を歩いてみたり、担任の先生と面談したり、クラスメイトと顔を合わせて入学式の練習をしたりと忙しく過ごし入学式を迎えました。入学後はあっという間にクラスに馴染み毎日楽しく通学していました。そしていつの間にかチックはおさまっていました。その後もスバルの心の動きに合わせてチックは顔を出しました。チックが出ていることについては本人に指摘せず、チックの原因となる不安やトラブルを解消することで対応しました。不安がなくなるとチックはいつの間にかおさまりました。学校トラブルのストレスで1日中首を振る深刻なチックに特別支援学級のクラスが大荒れした年がありました。この時もストレスからチックが出ました。このトラブルは長期間に渡ったため、スバルのチックはおさまることなくどんどん悪化していきました。それまでのチックは1時間に数回首を振るくらいのペースでしたが、この時のチックは1日中首を振って過ごし1時間に数回首を振らない時間があるというくらい深刻なチックでした。私1人の力ではチックの原因を解消してあげることもできず、藁にもすがる思いで病院へ行く事にしました。Upload By 星あかりしかし小児神経科や児童精神科はすぐに受診できませんでした。そこでスクールカウンセラーの存在を思い出し相談することにしました。スバルは自分の抱えるトラブルを他人に話したがりませんが「こちらの先生は専門家だから何でも話して大丈夫」と説明すると安心して話しはじめました。スバルはインプットした知識を話す時は流暢ですが、自分の気持ちを話す時は幼い話し方になります。この時も主語もなく、時系列もめちゃくちゃでいつもに増して拙い話し方で、これまでのことを話していました。内容は家でも話してくれていたものでしたが、ハアハアと息を切らしながら、時には立ち上がり椅子の周りを歩きながら話すこともありました。このように気持ちをさらけ出すような話し方をするスバルは初めて見ました。でも、帰る時にはスッキリした顔をしていました。その後も度々スクールカウンセラーの先生とも話をするようにしました。私と一緒に話しに行く事もあったし、スバルが自分で予約して1人で話しに行く事もありました。それと同時にクラスでのトラブルへの対応がうまく回りだし、何ヶ月も続いたチックもゆっくりおさまっていきました。ちなみに病院の予約の日、チックはほとんどおさまっていたものの別の困りごとがあったのでそちらをメインに相談しました。ストレスからリラックスへ。最近のチックスバルは車が大好きで家で頻繁に車がバックする時の音を真似して遊んでいます。各社、年代別に「ピーピーピー」「ポンポンポン」「ティントンティントン」「ファンフォンファンフォン」……。時にはクイズ形式で出題されることもあります。空想に没頭している時の表情で「ティントン」だけ言うこともあります。なかなかすごい頻度で「ティントン」と言うので正直うるさいと感じるのですが、1人でご機嫌で遊んでいるので「まあいっか」と見守っていました。ある日、会話の最中「今日の給食は『ティントン』カレー」と言ったことで「ティントン」もチックであることが発覚しました。最初は遊びだったことは確かなのですが、いつの間にかご機嫌な「ティントン」はチックになっていたのです。一体いつから……。私の日々の観察と調査によるとおそらく「ティントン」は首振りとは違い深刻な原因と結びついておらず家の外では滅多に出ません。リラックスタイムに出ることが多いので日常の風景として受け入れています。執筆/星あかり(監修:藤井先生より)発達障害のお子さんの中には、新しい環境の変化に慣れるのが苦手という特性があることがあります。その特性ゆえに、新年度や、運動会・お遊戯会などのイベントの際には、チックが出てくるという相談を受けることは珍しくありません。チックには症状はさまざまで、始めはチックと気づかれないこともあります。また症状の程度に波があるため、生活に支障がない程度であればご自宅で様子を見られていることもあります。しかし、頻回だったり、声などの音が出てしまうチックの場合は、お子さん自身も、見守る周囲も自身にも支障が出てくることがあります。症状の程度が強い場合には、お薬を使うことで症状が軽減されることもあるので、主治医の先生に相談することをお勧めします。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年10月28日児童発達支援とは?児童発達支援とは、障害や特性のある未就児を対象とした、児童福祉法に基づく通所支援です。一般的には「児童発達支援」と「療育」はほぼ同じ意味合いで使われることが多くあります。児童福祉法において、「児童発達支援」及び「児童発達支援センター」は、以下のように規定されています。<児童福祉法>児童発達支援とは、障害児につき、児童発達支援センターその他の内閣府令で定める施設に通わせ、日常生活における基本的な動作及び知識技能の習得並びに集団生活への適応のための支援その他の内閣府令で定める便宜を供与し、又はこれに併せて児童発達支援センターにおいて治療(上肢、下肢又は体幹の機能の障害(以下「肢体不自由」という。)のある児童に対して行われるものに限る。第二十一条の五の二第一号及び第二十一条の五の二十九第一項において同じ。)を行うことをいう(第六条の二の二第二項目)。児童発達支援センターは、地域の障害児の健全な発達において中核的な役割を担う機関として、障害児を日々保護者の下から通わせて、高度の専門的な知識及び技術を必要とする児童発達支援を提供し、あわせて障害児の家族、指定障害児通所支援事業者その他の関係者に対し、相談、専門的な助言その他の必要な援助を行うことを目的とする施設とする(第四十三条)。引用元:児童福祉法|電子政府の窓口 e-Gov児童発達支援を利用するには「通所受給者証」が必要です。通所受給者証は各自治体で発行しており、発行には医師の診断書や意見書などが必要な場合もあります。自治体によって必要な書類が異なりますので、まずはお住まいの地域の担当窓口に確認をしましょう。児童発達支援を利用する日数には上限があります。子どもや保護者の状況、環境、利用意向などをふまえ、1ヶ月にサービスを受けられる日数が受給者証の発行時に決まります。「児童発達支援」アンケート結果発表!みんないつくらいから通ってる?通ってよかったことは?今回発達ナビでは「児童発達支援」についてのアンケートを実施しました。児童発達支援に通ったことがある方が70%と、多くの方が児童発達支援に通っている(通ったことがある)結果となりました。Upload By 発達障害のキホン参考:みんなのアンケートここからはご回答いただいた読者の皆さんの声をいくつか紹介させていただきます。また、帝京科学大学准教授(社会福祉学修士)として教壇に立ち、フリースクール運営も行っている中里哲也先生にもコメントをいただきましたのでぜひご覧ください。親子で通う児童発達支援に息子が3歳(2歳児)の時から卒園まで通っていました。(ポポポたさん)公立の児童発達支援(いわゆる公立療育)に1歳10カ月から小学校入学まで5年間通園しました。(あまだれさん)歳後半から満6歳になる就学前ギリギリまで、2年6ヶ月くらい。ずっとお世話になりました。(キングプロテアさん)子供は現在小学生ですが、二歳から年長さんまで通いました。(アラフォーママさん)歳半くらいから年中で保育園に行くまで大変お世話になりました。(hatsuneさん)(コメント:中里先生より)児童発達支援施設は、発達に支援が必要な子ども(0歳から6歳の未就学児)を対象に福祉サービスを提供する施設です。子どもの発達を促進し、将来の社会適応能力を高めることを目的として、日常生活に必要なスキル(日常生活動作)の獲得や、認知発達コミュニケーション、集団生活への適応訓練などの支援を受けることができる場所です。児童発達支援に通うきっかけはさまざまですが、保護者や子どもに関わる周囲の大人が言葉や運動能力、社会的スキルの遅れに気づくことが一因になることが多いです。一例ではありますが、保育士や幼稚園教諭からの指摘、そして、定期健康診断での発達の遅れに関する助言も通うきっかけとなります。さらに、医療機関で発達障害や発達の遅れの診断を受けた場合も、児童発達支援施設の利用が推奨されます。加えて、保護者自身が日常生活の中で育児の悩みを感じ、地域の育児相談窓口に行き、支援が必要と判断されることもあります。このように、児童を取り巻くさまざまな大人の気づきによってつながることが多いことが特徴です。先生方が発達に遅れのある子供たちに接する姿を日々近くで見ることができたのが何よりの財産になりました。こういうふうな場合はこんな風に声かけすればいいのだなとかプロの技を色々学べたのがとても貴重な体験になりました。(ポポポたさん)年間、児童発達支援で培ったことは…当時は「何のために通っているんだろう」と思ってはいたのですが、小学生になってから、中学生になってから………何年も経ってから「あ、活きている!」というほどに、本人の「ガッシリした土台」になっていました。親の私も、「発達障害の基礎」を徹底的に叩き込まれたこともあって、今でも役に立っています。(あまだれさん)当時、娘は言葉だけではなく、とにかく。じっとしていられず、椅子には数分と座っていられませんから、他の子のように。同じことをするのはとても難しい状況にもありました。(略)今、思うと親も娘も精神的にも、体力的にも。きつく大変でしたけれども、この勉強の時間があったからこそ。現在の穏やかな日々があるんだなあと、お世話になった全ての方々に、感謝!です。(キングプロテアさん)(コメント:中里先生より)児童発達支援施設では、子どもの発達を支援するために、個々のニーズに応じたさまざまなサポートが提供されます。主な支援内容として、個別療育や集団療育、言語・コミュニケーション支援、日常生活動作の支援、遊びを通じた支援、保護者へのサポートなどがあります。これらの支援は、子どもの発達段階や障害の特性に基づき、専門スタッフが適切に対応します。個別支援計画は子どもの成長に応じて作成されます。まず、初回面談で保護者の希望や子どもの発達状況が詳しく聞き取られ、その後専門スタッフと保護者が協力して支援計画を作成します。支援計画には、子どもが目指すべき目標や、そのために必要な支援内容、家庭でのサポートの方法が含まれます。また、定期的に保護者と進捗を確認し、必要に応じて支援計画を見直します。お子さん一人ひとりの状況に沿った支援が展開されること、加えて、保護者の方の相談者としての役割も果たすため、保護者の方にとっては強い味方になってくれると思います。一方ではこのような意見もありました。支援センターは半年待ち、事業所はどこも一杯で見学すらできず…毎日ネット検索の日々でした。偶然、空きありと記載のあった事業所にすぐに連絡し、見学に漕ぎ着けました。そこで受給者証が必要な事を知り、申請に時間もかかり…開始までに時間がかかりました。保健所でもう少し丁寧な説明があったらな、と思います。(にんじんさん)市の子育て相談に行って「療育センター」を紹介されましたが、(略)バスと電車を乗り継いでいくような場所だったので子連れの移動で時間厳守は無理やねと諦めた。(aoniyoshiさん)現在通っている保育園に比べ 登園距離は10倍ひとりで車に乗れぬころじは 送迎サービスも利用不可施設の設備も現在のころじには危険な箇所がいくつかある…シングルのわしにとっては働く事が困難になる保育時間や内容で辞退せざるを得ませんでした(ろじさん)児童発達支援センターの待機児童数や、地理的な問題などまだまだ課題も多いと言えます。個別支援計画ってどんなふうに策定するの?自治体と民間の児童発達支援施設の併用、小集団のメリットなど児童発達支援についての疑問に専門家が回答!Q:個別支援計画は一般的にどんなふうに策定をするのか知りたいです。どのくらい保護者から希望を伝えていいのでしょうか。A:個別支援計画は、子どもの発達状況や保護者の希望を聞き取り、その情報を基に作成されます。計画には、子どもが将来的に身につけるべきスキルや解決すべき課題に対する具体的な目標と、支援方法が含まれ、家庭で行う支援との連携も考慮されます。支援計画は子どもの発達を支える重要な要素であるので、保護者の方との協議を重ね、見直しや変更等をしつつつくられます。保護者からの希望がある場合には、可能な限り伝えることが大切です。上記のように、施設と家庭の連携はとても重要であり、保護者は家庭での支援方法のアドバイスを受けたり、施設が提供するワークショップや相談会に参加したりすることで、家庭内でのサポート力を強化します。こうした協力関係を通じて、子どもに最適な支援が施設及び家庭で提供され、より効果的な成長が促されることを目指します。個別支援計画は保護者との密なコミュニケーションを基盤に作成され、子どもの発達を包括的に支えるものです。Upload By 発達障害のキホンQ:自治体がやっている児童発達支援に月に数回通っています。もっと通いたく、民間の施設を併用する場合、どのように活用すると良いでしょうか。A:自治体運営の施設と民間施設を併用して児童発達支援を受けることは可能です。どちらの施設も子どもに対してそれぞれの特長を活かした支援を提供します。具体的には、自治体運営の施設は、公的支援を受けながら運営されており、低料金で広く地域住民に利用されることが特長です。発達支援センターなどが代表的で、地域とのつながりや公的なネットワークを通じて一貫したサポートを受けられます。一方、民間施設は、より柔軟な支援や専門的な療育メソッドを提供することが多く、個別のニーズに対応したカスタマイズされたプログラムを受けられる場合があります。これにより、子どもの特性や発達段階に合わせた、より細やかな支援を受けられるのがメリットです。支援には利用日数等に上限が設けられていますが、併用する際はその範囲内で自治体と民間施設の特長を最大限に活かすことができます。例えば、自治体施設で基本的な支援を受けつつ、民間施設での専門的なアプローチを組み合わせることで、子どもの発達に対して多角的かつ包括的なサポートを得ることが可能です。また、併用する場合、支援計画の一貫性を保つため、両施設間での情報共有や計画の統合が重要です。子どもに最適な支援環境を整えることができ、支援の効果が高まります。複数施設の併用は、異なる視点から子どもの発達をサポートし、最適な成長を促すための柔軟で有効な手段となります。Upload By 発達障害のキホンQ:小集団での活動でタイプが違うお子さん、発達段階が違うお子さんが多く不安です。小集団の活動にはどんなメリットがあるのでしょうか。A:小集団で行うプログラムは、児童発達支援においてさまざまなメリットがあります。特に、社会的スキルを学び、協調性やコミュニケーション能力を育むために、集団活動は重要な役割を果たします。小集団では、他者と関わりながら役割を分担し、ルールを守ることで、子どもたちは社会性を向上させます。また、言語的・非言語的なコミュニケーションを通じてほかの子どもとやり取りし、相手の意図を理解しながら自分の考えを伝える能力を発達させることができます。集団の中で自分の意見や気持ちを表現する機会が増えることで、自己表現力が向上し、自己肯定感を育むことにもつながります。さらに、小集団での活動では、ほかの子どもを模倣することで新しいスキルを習得する「模倣学習」が自然に行われます。例えば、ほかの子どもが行う遊びや協力的な行動を見習い、社会的なスキルが強化されます。また、集団活動で直面する困難やストレスに対処する経験を通じて、適応力や自己コントロールの力も育てることができます。感情を適切にコントロールし、ほかの子どもたちと協力して活動を進める経験が、子どもたちの発達に良い影響を与えます。もう一点、小集団のメリットを挙げるとすると、自己肯定感の向上です。何かを成し遂げた際に得られる達成感や喜びを仲間と共有する体験は、自己肯定感の向上につながります。他者との協力を通じて成功体験を味わう経験は非常に大切なものになります。このように、小集団でのプログラムは、子どもたちにとって社会的スキルを習得する貴重な場であり、個々の発達段階や特性に応じた工夫を加えることで、最適な支援を提供することが可能です。一方で、集団には馴染みにくいお子さんがいることもまた事実です。その際には、専門のスタッフとよく相談し段階を踏むなどして小集団プログラムに徐々に参加できる環境づくりに努めることも大切です。Upload By 発達障害のキホンその他、児童発達支援についてのコラムはこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年10月27日幼稚園で初めての発表会。楽しみにしていた母を待ち受けていたのは…運動会や発表会といった行事といえば、親にとってはわが子の頑張っている姿から成長を感じられ、一生の思い出となる輝かしいイベントたちですよね。分かる。でも発達に特性がある子どもたちにとっては普段と違う環境で、普段と違うことをしなければならない……場合によっては超絶苦手なイベントだったりします。思い出される最古の行事は、あー年少の時の発表会。この時の私はまだ、無邪気に発表会を楽しみにしていました。みんなの前で歌い踊る、楽しい姿が見られるんだろうなあと。この後何が起こるかなんて知らずに……。期待で胸を高鳴らせて待機列に並んでいると、担任の先生が駆け寄って来て私に告げました。「あーちゃんはすごく頑張っているし、楽しんでいるんです。もしかしたらほかの子とは違う動きがあるかもしれませんが、楽しんでいるので……!」……何それ? 途端に血の気が引きました。これは……ほかの子と同じようにはできないというフラグ……しかも、「どんな状態でもショック受けないでね」って予防線張りにきてるじゃん……!?さっきまでとは異なる不穏な胸の鼓動と共に幕が上がりました。すると目の前には……一人だけ衣装を着ておらず、お面だけつけているあーがいました。そして、明らかにあーの出演シーンではない、ほかの子の踊りの時も、あーは(端っこではあるけれど)ずーっと舞台の上に出ずっぱり……。途中で飽きたのか、教室外に走ってゆき、廊下で先生に捕まえられ、ひたすらそこにある跳び箱から飛び降りる常同行動。「これをやっていると落ち着くみたいで」と言いながら見守る補助の先生の横で、私は足もとがガラガラと崩れていくような感覚に陥っていました。Upload By よいこ誰よりも集団行動ができていない息子の姿を目の当たりに。現実を受け止めきれず…集団の中で浮きまくっているあーの行動を目の当たりにして、私は大きな衝撃を受けていました。みんなと同じ行動ができない。同じことをして楽しめない。その前に先生の言うことが聞けない。これは「個性」という言葉で片づけていい問題なんだろうか。そもそも人間はみんな個性的であるはずなのに、あーほど何もできていない子、していない子はいない。できなくて固まっている子、泣いている子はいるけれど、その子たちは「ここにいる」意味は分かっているように見受けられる。あーはそれすら怪しいのではないか……?この頃は、発達障害の疑いはありつつも、まだ医療機関での確定診断は出ておらず、グレーゾーンの段階でした。しかし、突きつけられた確かな現実を受け止めきれず、途方に暮れていたような記憶があります。発達障害の診断、療育通いを経て……1年後の年中の発表会では?そして1年後、年中の発表会が近づいてきました。この1年の間に、あーはASD(自閉スペクトラム症)と診断され、療育にも通い、相談先も増えるなど、さまざまな変化がありました。何より、1年間あーを見てきた私は、あーがとても成長したことを実感していました。しかし……いざ発表会を迎えるとなると、やっぱり親は不安。できれば、去年の悪夢を少しでも払拭したい……!Upload By よいこでも……と、療育を1年受けた母は考えます。できないこと、意欲の向かないことを無理にさせても仕方がないな、と。そわそわくらいは仕方ない、セリフなんか言えなくても構わない、劇の進行に不要なおしゃべりだけセーブできればいいのでは?と、求めるハードルをぐーんと下げたのです。療育や幼稚園の先生、医療機関にも相談して、例えば待っている間に何か小さな本を読んでもいいことにしたらどうか、声の大きさを調整する練習をしようか、などとアイディアもいろいろいただきました。あー本人が嫌がること、またはやる気にならないものは取り下げたり、なんとかできそうなものは少しずつ取り入れて……と1か月ほど試行錯誤しました。そして迎えた発表会の本番。やり切った……と本番前にすでに満足の母。こちらとしては打てる手は打ったし、あとはどうなってもいいし、どんなあーでも受け止められる気がする。1年前とは心構え自体が全然違ってきていたと思います。これが(親の)療育の成果か…… !?実際のところ、本番のあーは花丸のできでした。 程よい緊張が功を奏したのか、そわそわもおしゃべりもなく、自分の役もそつなくこなし……(ここで母大号泣!!)えらいなあ!すごいなあ!成長したなあ!ゆっくりだけど大きくなってるなあ!将来楽しみだなあ!喜びの感情が押し寄せ、頭の中は1人祭り状態でした……!!!今となっては懐かしくもある、幼稚園時代の試行錯誤の日々。振り返って得たものは年中の発表会の結果だけを見れば、あーは予想以上にできて私は大喜び……の大団円であるし、あー自身の成長、頑張りがあったのは大前提なんですが……、何をもって成功とするかは、親の心構えみたいなところでもだいぶ変わると思うんです。年少の発表会の衝撃からの1年間で私が緩やかに手に入れたのは、「許容する心」と「相談先」。発表会に向けていろいろ手を尽くしたことは無駄ではなかったと思いますが、その目的はあくまでも「あーの成功体験のため」であって、「発表会をうまくやり遂げること」ではありませんでした。「みんなと同じじゃなくていい」「ほかの子と比べず、わが子の成長を見る」「心配だと思ったらすぐに相談する」自らの育児を振り返ってみると、行事関連に限らず、このあたりの考え方を会得した頃からサバイブしやすくなったのかなと思います。とはいっても、いまだに上記の考え方が及ばないことは数多くあり、諦観の境地に至るにはまだまだ長い遥かな道のりがかかりそうなんですけどね……(現在あー中1です)!Upload By よいこ執筆/よいこ(監修:井上先生より)当時は初めての行事参加で、親御さんはかなり緊張されたと思います。その後の1年間でさまざまな支援者とつながり、お子さんも親御さんも少し余裕を持って迎えられた2年目は、大きな成功体験になったのではないかと思います。親御さんだけでなく、お子さん自身も、不安なことや少しでも困ったことを周囲に相談できるスキルを身につけておくことは、思春期以降に大切になってくると思います。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年10月26日スポーツ少年団へ入部した私たちUpload By もっつん小学校に入学する頃、タクはとてもヤンチャで常に動き回っていました。楽しいことに夢中になると、指示が耳に入らなくなって勝手な行動をしてしまう。当時はまだ気が付かなかったけど、タクはADHD(注意欠如多動症)の多動の特徴が強く出ていました。体力が有り余っているようだったので、「何かスポーツをやらせた方がいい」と周りの知り合いや先生に言われていました。私たちが選んだのは、当時熱心に新規部員募集をしていた地元のスポーツ少年団でした。うちのヤンチャ坊主が入って、チームに迷惑かけてしまうんじゃ……と心配する気持ちもありましたが、タクの強い希望と勧誘に心を動かされ入部しました。スポーツは心と身体を鍛えてくれる。今は自分勝手に動いてしまっているタクだけど、ルールや規律を学んで成長してくれるだろう。スポーツを通して少しでも落ち着いてくれたらいいなと期待を込めて、習い事を始めることにしました。入部してからしばらくは、新しい環境で身体を動かす楽しさを思う存分味わっていました。不器用ながらに必死に練習する姿を見て、集団に溶け込んでいるように見えました。練習中でも自分勝手に遊んでしまう姿に不安Upload By もっつんしばらくすると、タクのマイペースぶりが気になり始めました。注意散漫で監督の指示を聞かずに、自分のやりたい遊びやグラウンドで砂遊びや石探しを始めてしまう……。小学生に入学したばかりとはいえ、このままチームにタクを任せていたら、全体に迷惑をかけてしまうかもしれない。私はグラウンドの近くで常に練習を見学するようにしました。私が見ている前では、少しは多動が落ち着いているようでした。周りの子は親がいなくてもちゃんと練習に参加しているのにな……と気持ちがモヤモヤすることもありました。同時期に入部した同級生が、的確に指示通りに動いたり先読みして行動できる姿を見る事も、どうしても精神的負担に感じてしまいました。下調べが甘かったのが悔やまれますが、私たちが入ったチームは、お茶当番や送迎やコーチへのおもてなしなど、一般的なチームよりも保護者持ち回りの仕事が多かった印象です。それでもわが子が望んで入ったチームですし、私はできる限り練習に参加したりサポートを頑張りました。タクも少しずつですが練習についていけるようになり、その頃の私は「どうにか周りと同じように普通に過ごしてほしい」と強く思っていたので、タクの成長がとてもうれしくて多少のストレスは感じないように意識していました。合わない環境で無理に続けた習い事…私の心には傷が残りUpload By もっつんチームの保護者の役割や練習の見守りなど、私なりに頑張ってきましたが……やはりタクの注意欠如と多動の特性がだんだん目立ち始めました。練習の切り替えが一人だけ遅い、試合中にボーッとしてしまって失点する。そんな事が続き周りからの目も厳しくなっていき、チームを辞めることになりました。タク本人はまだまだ続ける気でいたようですが、チームも私も限界でした。悔しい思いも悲しい思いもたくさんしましたが、今となっては無理に続けなかったのは正解だったと思います。習い事にも向き不向きがあり、合わないかも?と思う環境で長い間過ごすのはつらいものです。そして、保護者が健全な精神で応援できなければ本末転倒になってしまいます。また、本人が楽しんで過ごせているかに加えて、周りの子や先生に過度な負担を強いていないかなど、いろいろな角度から見て考えてみることも大切だと思います。一度始めた習い事を辞めるのは気が引けるかもしれませんが、つらかったら辞めてもいい。続けることで得られるものは確かにあるけど、デメリットのほうが大きくなったと思ったら甘えかなと思わずに環境を変えるのも大切ではないでしょうか。やってみたい!ダンスとの出合いが転機にUpload By もっつんタクがスポーツ少年団を辞めてからは、週末に家族で過ごす時間が生まれました。今まで休日返上で習い事中心の生活だったので、いろいろな所にでかけたり自由に過ごせたりすることにすごく感動したのを覚えています。しかし、うちのタクは身体を動かすのが大好きで体力が有り余っている様子。放課後等デイサービスにも通っていましたが、夕方に帰宅してからも落ち着かず、「今からランニングしたい!」と言うほどでした。何かほかの習い事を始めてみるべきか……でも集団スポーツは向いていないと言われてしまったから……タクのフラストレーションをどうにか解消できる方法がないかと模索していました。転機になったのは、家族でショッピングモールに出かけた時のこと。その日はイベントが開催されていて、近くのダンス教室の子たちがステージでダンスを踊っていました。大きな音の中でそれぞれが自由に身体を動かしたり同じ動きをしたりする姿に、タクは目を奪われていました。ステージを見終わったあと、私の予想通りタクは「ダンスやってみたい!」と言ってきました。ダンスだったら団体競技でありながら個人の練習も重要。協調運動の上達にも繋がるし、これなら向いてるんじゃないのかな?と思うことができました。習い事に対して少し恐怖心を持っていた私でしたが、タクの熱意を感じ取り、その場でダンス教室の先生と少しお話しをしてパンフレットを頂きました。合う環境が人生を輝かせる!Upload By もっつんその後、教室の情報や利用者の声などをしっかり調べてダンス教室の体験に参加しました。先生とも個別に話すことができて、タクの発達障害のことを打ち明けると「ほかにも特別支援学級に在籍している子がいるし、少人数制なので心配しないで大丈夫ですよ」と心強い返事を頂きました。そして、夫婦で熟考しダンスを習い始めることに。ダンスはとても向いていたようで、自宅での自主練習も熱心にやっていました。地域のイベントステージや年に一度の大きな発表会では、一生懸命取り組みチームの絆を感じる大切な思い出もつくれました。タクにはダンスが合っていたんだなぁ……としみじみと感じました。私の経験からですが、チームスポーツをやってみたいけれど不安がある場合は、まず少人数の教室で体験して大人数の中での立ち振る舞いを覚えていくとうまくいきやすい気がします。ほかにもオンラインの習い事など、今の時代だからこそたくさんの選択肢があります。親子がポジティブな気持ちで続けられるかどうかを大切にできると良いと思います。ダンス教室は残念ながら閉校してしまい今は辞めてしまいましたが、中学になってからは部活の卓球に熱中しています。卓球もほぼ個人スポーツなのでタクには向いているようで、なかなかの腕前です。わが子が何かに熱中している姿は、とっても輝いて見えます。執筆/もっつん(監修:室伏先生より)もっつんさん、スポーツ少年団でのタクくんの頑張りともっつんさんの葛藤、ダンス教室でのタクくんのご様子など、詳しく共有してくださり、ありがとうございました。もっつんさんのおっしゃる通り、習い事は親子ともにポジティブな気持ちで続けられることがとても重要ですよね。発達障害のあるお子さんは、学校でもとても頑張られていることが多いですので、お子さんの負担になりすぎないよう、気持ちの状態や疲れ具合に応じて、休憩を取ったり、頻度を調整したりしながら、無理なく続けられる環境があると安心ですね。また、学童期は周りのお子さんとご自身を比較する力がぐんと伸びる時期です。自己嫌悪に陥ったり、自己肯定感の低下につながることもありますので、ポジティブなフィードバックを与えてくれて、お子さんが楽しめる環境で、成長を支援できると良いですね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年10月25日知的障害を伴う自閉症息子の就学先には、3つの選択肢が知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)の長男りーは幼稚園に通っていましたが、年長から療育園に通うことになりました。そして転園してすぐの頃、とある案内が届きます。それは小学校入学の案内でした……。Upload By かし りりあ知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)と診断されているりーが行ける小学校は3種類ありました。地域の小学校の通常学級か特別支援学級、そして特別支援学校の小学部です。私たちが住んでいる地域の就学担当の方が、りーの様子を見たうえで、就学先についてアドバイスしてくれるとのことでしたが、まずは夫婦で入学先について話し合うことにしました。とはいえ、私たち夫婦二人の考えは特別支援学校小学部一択でした。Upload By かし りりあ特別支援学校がいいと考えていた理由まず、地域の小学校の通常学級は難しいだろうと考えていました。りーは身辺自立ができていないこと、集団での指示が通らないこと、授業中椅子に座っているのが難しいこと、また危険予測もできないので休み時間が不安ということがありました。そして、りーは人数が多いところが苦手です。次に特別支援学級ですが、通っている療育園では先生がほぼマンツーマンでりーの対応をしてくれていること、私の住んでいる地域では特別支援学級の先生によって指導内容の差が大きいこと(先生の転勤に合わせて転校する子もいるほどだと知り合いから聞いていました)から、特別支援学級も違うのかなあということになりました。私自身、地域の小学校に就学するとなると、幼稚園に通っていた時と同じように周囲の目が気になるという不安もありました。そこで、特別支援教育にくわしい先生方が多く、個別や少人数の対応ができる特別支援学校の小学部を希望先としました。検討した特別支援学校は2つ。決め手になったのは?早速療育園へ希望を伝えたところ、私たちの住んでいる地域には公立と私立の特別支援学校が1校ずつあるということが分かりました。そのため、今度はどちらの特別支援学校がりーにとって良いのか検討することになりました。調べてみると、どちらの特別支援学校でも、朝の準備や身支度をする時間、国語や図工などの教科学習の時間のほかに、個別の課題に取り組む時間や買い物体験に行く時間は共通してありました。違いとしては、私立の特別支援学校は制服登校(将来仕事で制服に着替えるのに慣れるため)、自宅からは近いのですが朝は保護者が送迎する必要がありました。また、保護者の手伝いが多く、地域交流がさかんであるほか、入学や中学への進学の際には面接とテストによる試験があることを聞きました。Upload By かし りりあ一方、公立の特別支援学校は私服登校、自宅からは遠いのですがバス送迎あり(中高校生と一緒)、入学・進学の時に特に面接もなし。面談時には夫が説明会に行ったことを覚えていてくれ、「せっかくなら皆さんで校内を見てみませんか」というお誘いを受け、家族で校内を見学させてもらいました。先生や上級生の子も温かく、りーを受け入れてくれました。そうしてもらうことで人見知り、場所見知りのりーがうれしそうにあちこちの教室を探索する、ということがありました。どちらも見学して良いところがありましたが、りーがより楽しそうに過ごす様子が見られた公立の特別支援学校が良いなという結論になりました。Upload By かし りりあ私たち家族の方針もかたまり、療育園へ希望を伝えると同時に地域の教育センターへ就学相談の予約をして、就学相談の日を待つことになりました。その後の就学相談については、また別の機会に書いていきたいと思います。執筆/かしりりあ(監修:鈴木先生より)知的な遅れの程度によりますが、療育手帳を持っているならば、特別支援学校のほうが学習面や生活面のきめ細やかな指導が期待できます。多くの先生方が「特別支援学校教諭」という免許状を持っているほか、地域の公立小学校に比べ生徒一人に対する先生の割合も高いので、生徒一人ひとりに密に関わることができるからです。一方、特別支援学校では、さまざまな地域から集まったお子さんと共に学ぶため、近所に住む同年代の子どもとの交流が少なくなる場合があります。地域の公立小学校に進学すれば、近所の子と一緒に遊んだり学んだりするので、顔を覚えてもらいやすいと言えるでしょう。また、特別支援学校へ進学すると、地域の公立小学校に転籍することが難しくなるという面もあります。このように、それぞれにメリット・デメリットがありますが、特別支援学校には特別支援教育を専門とする先生方がたくさんいらっしゃいますので、親子共に安心して過ごせる環境であると思います。特別支援学校で社会性を身につけ「生きる力」をはぐくむことで、将来の就職などにも役立つかもしれませんね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年10月24日「ただの元気な男の子」ではなかった……!多動が強く「交通事故を起こしかねない」と言われた息子わが家の息子は現在高校1年生です。小学校1年生の6月、ADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けています。息子は明るく前向きな性格ですが、幼少期は多動、衝動性が強く常に走ったり動きまわりがちでした。幼稚園の頃の息子は、自宅から幼稚園まで全力疾走で登園していました。息子の走りに追いつけず、私は自転車で並走して一緒に登園。赤信号で飛び出そうとする時は「信号をみてね!」と声掛けしていました。幸いにも声を掛ければきちんと信号を見てくれたので、道路への飛び出しはありませんでした。ただ、家ではチョウチョやトンボ、セミなどを追いかけて、窓からの飛び出し行為がありました。また、近所の公園の池にも3回程落ちたことがあります。その頃の私は、息子のことを「ただの元気な男の子だろう」と考えていました。それでも、ここまで落ち着きがないものなの?という心配も消えません……。そこで、小学校に入学した6月に専門医を受診。その場で多動の症状が強いとADHD(注意欠如多動症)と診断され、コンサータ内服の指示が出ました。心の準備ができていなかった私が「薬は飲まないといけないんですか?」と医師に聞いたところ、「多動を抑制しないと、注意散漫、多動で交通事故を起こしかねません。内服をお勧めします」と言われました。私は、医師の言葉にショックを受けながらも、薬物治療を開始しました。Upload By ユーザー体験談このような事を言われたので診断を受けたあと、私は息子が問題なく登下校できているのか不安になりました。そこで息子の2歳上になる娘に聞いてみたところ、思ってもいない状況になっていたのです。大丈夫ではなかった⁉登校する息子を全力でフォローしてくれていた6年生班長さんの存在わが家が通う小学校は、朝は班による集団登校、下校時は学童擁護員の方々が通学路で見守り、誘導をしてくれます。娘から教えてもらった集団登校での息子の様子は、やはり大丈夫ではありませんでした。「○○くん(息子のこと)がしょっちゅう道路を飛び出そうとするから、6年生の男の子の班長さんがガッチリ捕まえてガードしてくれてるよ。いつも、班長さんと手を繋いで登校してる」「6年生の班長さんが『○○くん(息子のこと)は、ちょっと注意が必要だね。ぼくが面倒をみるから、副班長と5、6年生で、下級生の見守りをしてくれないかな?』って言ってたよ」そんなことになっていたとは……。私はともかくお礼と事情を説明しなければと、ご近所にある班長さんのお宅へ行くことにしました。呼び鈴を鳴らすとお母さまが出てきてくださり、いままで息子のフォローをしてくださったお礼と、発達障害の診断が出たこと、多動の傾向が強いということをお話しました。すると途中、6年生の班長さんが出てきてくれました。彼は「僕が班長なので、任せてください!○○くん(息子のこと)は僕が面倒をみます」と笑顔で、力強く言ってくれました。お母さまも「そんなに気にしないでください。みんなで登校しましょう」と言ってくださいました。涙が出る程、嬉しかったことを覚えています。Upload By ユーザー体験談こちらのおうちは3人兄弟で当時の学年は6年生、4年生、3年生。みんな息子よりお兄さんでした。この3人のお兄さんたちはずっと息子を見守ってくれました。お兄さんたちが卒業したあとの息子は同級生の男の子と手を繋いで登校し、6年間事故なく登校することができました。下校時は優しい学童擁護員さんと手を繋いでまた私は、息子に診断が出たことを学校へ伝えました。下校についても心配があると相談すると先生は「下校見守りの学童擁護員の皆さんに伝えますね。お母さんも心配だったら一緒に下校してみますか?」と提案してくれ、私は息子の下校を見守ることにしました。学童擁護員は小学校の保護者や町内会から募っていて、主に仕事をリタイアしたおじさま、おばさまがボランティア活動として参加されています。場所ごとに担当が決まっているので、学童擁護員さんと息子は顔見知りのようでした。学童擁護員さんと息子が下校する姿をうしろから見守る私。息子は擁護員さんの言うことはキチンと聞くようで、おじさんと手を繋いで危ない場面もなく帰っていきました。息子を見てくださった学童擁護員さんはとても優しかったようで、息子はおじさんに懐き、楽しそうに下校しており、私の見守りなしでも問題ないようでした。Upload By ユーザー体験談地域の力のありがたさを痛感。そして高校では電車で登校できるように特訓して……このように、ご近所の皆さんのおかげで6年間、息子は私の付き添いなしで登下校ができました。地域の力のありがたさを痛感しました。娘も息子のことをよく気にかけてくれて、息子は恵まれていたと感じています。また、薬を内服し始めてから多動がかなり落ち着いたのも幸いしていたと思います。息子は中学校でも一人で登校することができていました。ですが、高校への登校は電車の乗り継ぎが必要だったため、合計7回、母子で高校への登校練習をしました。電車の乗り場、マナー、案内板、スマートフォンのアプリを使っての時刻表の確認など、いろいろなことを教えました。その甲斐あって、高校では自分で電車を乗り継ぎ、登校しています。Upload By ユーザー体験談そんな息子の頑張っている姿を見ていると「小学校の頃からいろいろあったけれど、日々息子も成長しているんだな~」としみじみと感じ入るこの頃です。イラスト/SAKURA※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。(監修:森先生より)お子さんの登下校についての体験談をありがとうございます。実際、多動の傾向があるお子さんは、「興味のあるものが目に入ると安全確認をする前に駆け出してしまう」「信号をじっと待つのが苦手」といったことがあり、事故のリスクも高まってしまうことが考えられます。お母さんだけでなく、周囲の方々のあたたかい見守りもあってお子さんは安全に登下校ができたのですね。普段から周囲の方と良い関係を築いて、お礼を伝えたり、事情を説明して理解してもらうといった保護者の努力があって得られる手助けも多いことと思います。事故に遭うことなく無事に大きくなって、成長を実感されているとのこと、とっても素晴らしいですね。お子さん自身も、お母さんもよく頑張られましたね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年10月24日きょうだいで異なる発達支援施設の利用状況私には2人の息子がいます。長男けんとは現在、小学3年生。特別支援学級の情緒クラスに在籍しています。3歳の時にASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けました。構音障害があり、集団行動が苦手で不注意。好きな数字や興味のあるものに一直線のマイワールド全開な男の子です。発達障害グレーゾーンの次男ゆうきは小学1年生。通常学級に在籍しています。発語が遅く、3歳の誕生日頃に話したいスイッチがオン。言葉が出始めたら一気に出ました。小さい頃から不安が強く、極度の負けず嫌いで、心配性な男の子です。2人とも幼少期からずっと発達支援施設を利用していますが、通っている日数は違います。Upload By ゆきみまず、就学前について。けんとは、こども園の放課後に児童発達支援事業所へ週4~5日(平日のみ)。ゆうきは、こども園の放課後に児童発達支援事業所へ週2日(平日のみ)通っていました(ゆうきは、残りの週3日はこども園の預かり保育を利用)。小学生になった今は、2人とも放課後等デイサービスに通っています。けんとは学校からの送迎があるA事業所、隣の市町村にあり送迎は保護者が行うB事業所の2か所。ゆうきは学校からの送迎があるC事業所に通っています。2人とも通うペースは就学前と変わらず、利用する日は15時頃~18時頃まで過ごしています。2人が一緒の事業所に通うと2人だけで遊んでしまう可能性が高かったので別の事業所にしました。そして、その子にとって、その時々で抱えている本人の困りごとや、身につけたいこと、日常生活を考えて、このペースになりました。長男にとっての放課後等デイサービスの存在Upload By ゆきみ長男けんとが、将来に向けて身につけたい課題は本当に山積みです。できるようになることが少しでも増えてほしい、どうすれば本人が安心して生活できるのか……など、私はけんとの将来について心配する日々です。けんとにとっての発達支援施設は、「できるようになってほしいこと」を、それが「今」必要か、「もう少し成長してから」なのか、「どのようにすれば、いつかできるようになるのか」……などを施設の先生からのアドバイスをいただきながら、一緒に整理している場所でもある気がします。手厚く、目の行き届いた放課後等デイサービス。先生と相談したりする中で親子で学んでいると思います。ちなみに今課題として掲げているのは、「人の物を勝手に触らない。触る前に許可を取る」です。けんとは、人の物を勝手に借りてしまったり、気になる物を見つけると、人の物でも触ってしまったりするのです。マイワールドが強いけんとは、以前は1人での遊びを好んでいましたが、放課後等デイサービスを利用していく中で、人と関わる遊びにも少しずつ興味をもつようになりました。通っている施設には定番のアナログゲームや、手先を使うおもちゃ、ボードゲームなどがたくさんあり、休み時間に遊べます。けんとの場合は「特定のお友だちと遊びたい」というよりは、「やりたい遊び」があって、それを誰かと遊びたいようで、最近よくボードゲームをしているそうです。同じ施設に何年も通い、安心できる先生、友だち、環境の中で過ごしながら、誰かと一緒に何かを楽しむという、家では体験できないことも、少しずつ楽しめるようになっている気がします。集団下校や習い事もしたい、次男の場合は…次男ゆうきにとっての放課後等デイサービスの役割は、少しけんととは違うところもあるように思います。ゆうきは、昔から集団行動はできますが、年中までは1人遊びばかりでした。しかし、年長になりこども園でお友だちと楽しそうに遊ぶようになりました。その様子を見て、同級生の子たちと同じように小学校からの集団下校に参加するのも必要だと思いました。また、習い事や、お友だちと遊ぶ時間もつくろうかなと思い、放課後等デイサービス利用は週2日にしています。Upload By ゆきみ通っている放課後等デイサービスでの休み時間、ゆうきは身体を動かして、よく遊んでいるそうです。ゆうきにとっての放課後等デイサービスは、本人の課題である気持ちのコントロールや社会性を学ぶだけでなく、ストレス発散の1つになっている気がします。ちなみに今課題として掲げているのは「負けても怒らない」と「自分の意見があっても、人の発表の番の時は聞いて待つ」です。「毎日でも行きたい」と言っているので、今後通うペースはいろいろな方とも相談しながら考えていこうと思っています。私にとっての放課後等デイサービスの存在わが家の子どもたちだけでなく、私にとっても発達支援施設はなくてはならない存在です。抱えている日頃の子どもについての困りごと、どのように対応したらいいのか分からないことを相談し、アドバイスをこれまでたくさんいただいてきました。相談したい時にすぐそばにある、心の安心に繋がる場所なのです。けんとの通っている放課後等デイサービスでは、保護者向けの勉強会や、ペアレントトレーニング、視覚支援グッズづくりをする会などが開催されています。先輩ママ・パパの体験談が聞ける会などもあるので、本当に勉強になります。Upload By ゆきみ放課後等デイサービスに通っていると「今日、こういうことでお友だちとケンカしてしまいました」「この課題には参加できませんでしたが、次回はこうやってみようと思います」など、自分の子どもに関する「うちの子データ」が少しずつ蓄積されるので、子どもが抱えている目の前の課題も見えやすいです。これからも、きょうだいそれぞれのペースで、少しずつ人との関わり方や社会のルールを学んでいけたらと思っています。執筆/ゆきみ(監修:初川先生より)長男けんとくん、次男ゆうきくん、それぞれの発達支援(児童発達支援・放課後等デイサービス)を利用する実際やゆきみさん一家にとってのその意義についてシェアありがとうございます。お子さんそれぞれの課題や利用する意味合いにあった内容が提供されていること、スタッフの方とのやりとりで親子共々支えていただいている感じがすること。読んでいて、そのような事業者さんにお願いできているのがとてもよかったなぁと思います。地域によって事業所の数や、対象としているお子さんの層がさまざまである面もあるので、お住まいの自治体で情報収集をしていただければと思いますが、こちらのエピソードで紹介されたような利用の在り方はとても理想的だなと感じました。お子さんが放課後等デイサービスや療育などで、「○○してしまいました」という話をスタッフの方から報告を受けると、保護者の方によっては、つらくなってしまう方もいらっしゃるかもしれません。もちろんトラブルや未達成の課題がないことが望ましいですが、ただ、そうした“うまくできないこと”に取り組むこと、そもそもそうした苦手な状況をあぶり出すこと自体もそうした場ではとても大切な介入です。スタッフの方々は保護者と共に、お子さんの育ちを支えてくださる方々です。うまくできない報告も耳が痛い思いをするかもしれませんが、一緒にやっていくための報告です。それを聞きながら一緒にどうするか、どんな風に支援できそうか考えていただければと思います。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年10月23日部活しかない日も、約10kg!?激重リュックを毎日持ち歩くコウの謎Upload By 丸山さとこ現在中学生の息子のコウは、毎日異様に重たいリュックを背負って通学しています。学校で置き用具にしてよい物を入れっぱなしな上に、自宅でもプリントや宿題を出さないからです。小学生の頃から重かった彼の通学カバンですが、ランドセルの頃はまだ今ほど重くありませんでした。ランドセルは容量に限りがあるため、パンパンに入れてもまだ重さの上限があったのです。中学生になり大きな通学リュックを手に入れたことで、コウの登下校の荷物は相当な重さになっていき……帰宅したコウがリュックをおろすと、両肩に真っ赤なベルトのあとが残るようになってしまいました。リュックの中をコウと確認すると、『自宅でしか使わない宿題用のワーク』など学校に持っていく必要のないものがつぎつぎと出てきます。そして、持ち帰る必要のない教科書などもつぎつぎと出てきます。Upload By 丸山さとこ持っていく必要のないものはある程度家庭でブロックできますが、「学校に置いておいで」と言って持たせた荷物が連日リュックに残り続けるので、どうしてもリュックは重いままになりがちです。先生への連絡や確認も1週間忘れ続けるコウなので、難しいのだろうとは思います。解いて丸つけも終わっているのになぜか提出していない宿題のプリントも頻繁に発掘されるため、どうしたものかと頭を悩ませていました。ずっと気になっていたコウの通学リュックの重さを改めて認識しました先日、実家に遊びに行った時のことです。コウは宿題などを入れた学校のリュックを持っていたのですが、玄関に置かれたそれを母がどかそうとしたところ、重た過ぎて持ちあがりませんでした。Upload By 丸山さとこ驚いた母が「この重たさは体によくないよ!これ、一回体重計で量ろう?」と提案したため体重計に載せてみると、なんと教科書類だけで8kg超えの重量であったことが発覚!水筒などを足したら10kgに近い重さでした。「これ、宿題をやるためにたくさん入れてるの?普段もこんなに重たいの?」と目を丸くする母に「普段はもっと重たい日も多いよ」と答えた私が「そうだよね?」とコウに確認すると、コウはこともなげに「そうだよ」と頷きました。コウの答えに唖然とする母を見て、私は『段々感覚が麻痺してきていたけど、やっぱりこの重さは体によくないよね?』と危機感を覚えました。一息ついてから、改めてコウに「おばあちゃんも心配してたけど、やっぱリュック重すぎなんじゃないかな?」と言うと「そう?」と気にしていない様子でした。そんなコウに「背骨にも相当負担があると思うし、肩が圧迫されると、肩や胸郭の動きを邪魔するから息もしにくくなるよ」と重ねて言うと、「それはそう」と少し納得したようでした。Upload By 丸山さとこ彼にとって、納得するかどうかと行動を変えるかどうかはまた別の話なので、今回の話も流しておしまいかもな~と思っていましたが、先ほど抜き打ちで通学リュックの重さを量ってみたところ、6.4kgでした。ファスナーが開きっ放しのリュックの口から中をサッと見た感じでは、明らかに不必要なものがたくさん入っているようではありますが……ギリギリ合格点(?)だと思います!また、リュックの中で死蔵されがちな宿題についてコウに聞いたところ「最近はできるだけ学校でやって出すようにしてるよ」とのことで、リュックがごちゃごちゃでも宿題に関しては困らなくなったそうです。Upload By 丸山さとこ提出物問題に明るい兆しが見えてきたのはうれしいことですが、そうなるとさらに「リュックの中の荷物、ほとんどいらない物なのでは……?」という疑問が大きくなってしまう私です。とはいえ、この『通学リュック重た過ぎ問題』は物の管理スキルと大きく関わることだけに、コウにとってかなり対処が難しいことなのだろうと思います。土日の部活動ではリュックから教科書類を出していくようになったコウを見て、「その教科書たちはリュックに戻すべきなのかについても考えてほしいな~!」と思う欲張りな私です。「これも不要な荷物を持ち歩かないための第一歩なのかもしれないな」と思い、様子を見つつゆるく見守るよう心がけています。執筆/丸山さとこ(監修:森先生より)丸山さとこさん、お子さんの通学カバンが重すぎるという体験談をありがとうございます。さて、発達障害の傾向があるお子さんは、「要るもの」、「要らないもの」、「必要だけれどもすぐには使わないもの」などの整理・優先順位付けが苦手なことが多いため、忘れ物が多くなりがちです。そして、忘れ物を防ぐためにお子さんなりに編み出したライフハックが「要るか要らないか迷うものも含めて全部持ち運んでしまうこと」なのかもしれません。そのため、ただ荷物の量を減らそうとしても、もともとの困り事である「忘れ物」に再び悩まされるだけということになってしまいます。丸山さんのように、あまりにも重い荷物を毎日運んでいると身体に負担がかかることをさりげなく伝えて、荷物の整理・必要かどうかの見直しを行うことへの意識を本人に持ってもらうことが大切です。家族としては歯がゆさもあるかもしれませんが、お子さん自身の成長を見守っていけるといいですね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年10月22日就学先は通常学級?特別支援学級?特別支援学校?決め手や就学相談のエピソードをまとめてご紹介!年長のお子さんがいらっしゃるご家庭ではそろそろ次年度の就学先が決定する時期ではないでしょうか。通常学級、通級指導教室の利用、特別支援学級に特別支援学校……わが子の就学先をどこにしたらいいのか悩んだ、また今も悩んでいる保護者の方も多いと思います。今回は「就学先」についてのエピソードをピックアップしてご紹介します。就学先を選んだ決め手や就学相談の様子、就学時健診でのトラブルなど、ぜひ参考になさってくださいね。就学先を「通常学級(通級指導教室)」に決めたご家庭のエピソード3歳の時にASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)と診断を受けている七転八起さんの息子さん。幼稚園では特性に対しての理解を得られなかったため、就学に向けては親子でさまざまな準備をしたとのことです。ASD(自閉スペクトラム症)と診断をされたメイさんの娘のリンさん。幼稚園では特に配慮を受けなくても、ほとんど支障なく過ごせていましたが、母のメイさんとしては「特性なのかな?」と思う出来事も多く、就学先は特別支援学級と通常学級で悩み……。4歳でADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けた息子さんは現在6歳。幼稚園の頃から困りごとが多く、就学にはとても悩みました。そんな中、就学相談で「通級指導教室は必要ない」と言われて……。keikoさんのお子さん、しのくんは発達障害グレーゾーンの男の子です。発達検査を受けたものの支援者の先生たちも発達グレーの子どもの就学先には悩んでしまい……頼みの綱の保育園の先生の思いがけない言葉にkeikoさんは固まってしまいました。ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)の診断を受けているかけうどんさんの息子さんは、通常学級に在籍しながら通級指導教室(特別支援教室)に通う道を選びました。入学後、うれしい配慮を感じながらも問題も出てきて……。就学先を「特別支援学級」に決めたご家庭のエピソード4歳の時、軽度の知的障害(知的発達症)と診断されているプクティさんの息子さん。年長になった4月から児童発達支援がスタートし、新しい環境でバタバタとしていたら……就学相談に乗り遅れた!?2歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断されたマミヤさんの娘さん、しぇーちゃん。幼稚園での行き渋りも心配なマミヤさんは就学相談で親子共に「特別支援学級」を希望しました。年中になり幼稚園での困り事が目立つようになってきた星あかりさんの息子さんのスバルくん。年中の冬に療育の先生から「就学相談」の資料をもらい、少人数で学べる「特別支援学級」を進路の候補として考えるようになりました。見通しがたたないととても不安になってしまう、ゆきみさんの長男・けんとくん。特別支援学級就学に向けた年長向けの児童発達支援施設での相談やアドバイスは、ゆきみさんの安心感につながったそうです。ASD(自閉スペクトラム症)と知的障害(知的発達症)があるカタバミさんの息子さん・まちゃくん。療育手帳の更新で等級が軽度から中等度になり特別支援学級は無理だと思ったカタバミさんでしたが、最終的に特別支援学級を選んだその理由は……!?就学先を「特別支援学校」に決めたご家庭のエピソード知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)のあるみんさんの息子さん・Pくん。ほとんど進路に悩むこともなく、特別支援学校へ通わせたいと考えていましたが、それでも就学前はバタバタとさまざまな手続きがあり、とても忙しかったとのことでした。ASD(自閉スペクトラム症)と知的障害(知的発達症)のあるほぺろうくん。母親のぼさ子さんは未就学時代の早い段階で進路は特別支援学校一択と決めていました。特別支援学校入学時の持ち物や学習内容、就学準備にあたり心強かった存在などを紹介いただきました。べっこうあめアマミさんの息子さんは知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)があり、特別支援学校に通っています。入学にあたり「リュック」と「ランドセル」で悩んだべっこうあめアマミさん。説明会で聞いた第三のアイデアで一気に気持ちが楽になったそうです。就学時健診でのエピソード3歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断を受けたゆきみさんの長男・けんとくん。年長になって就学時健診へ行ってみたら想像以上に健診する項目が多くビックリ!けんとくんもパニック&癇癪で大暴れしてしまい……。ASD(自閉スペクトラム症)と知的障害(知的発達症)のある息子・ほぺろうくんの就学時健診が想像以上に大変だったぼさ子さん。深く考えずに臨んだことを深く後悔し、「こうすれば良かった!」と振り返るぼさ子さんのまとめは必見です。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年10月21日本物のハカセになりたい!息子の勉強法うちの息子、タケル(現在24歳)にはASD(自閉スペクトラム症)があり、その特性ゆえなのか、小さい頃から「覚えること」が大好きです。幼稚園に通っている頃から、鳥や虫の名前やその生態などをテレビなどで覚えては長尺で披露し、大人たちを驚かせていました。生き物の知識は好きなことだったので覚えたのだと思いますが、やがて漢字を大量に覚えたり、芸人さんのネタや名前の由来を100個も暗記したりもするようになりました。特にその芸人さんのファンというわけではなく、ただ「覚える」という行為そのものが楽しいという感じで、何かテーマを決めてそれに没頭するという「遊び」をしていたみたいです。Upload By 寺島ヒロそんなタケルも高校生になると、本当に生き物ハカセを目指して大学受験をすることになりました。好きな科目は何もしなくてもできるけど、そうでもない科目はほったらかしだったタケル。「受験のための勉強はしたくない」という哲学を持っていましたが、そうも言っていられなくなり3年生から重い腰を上げて受験対策を始めました。息子の勉強法は、教科書や用語集を読んでどんどん覚え込むというもの。受験勉強でも以前と全く同じようなノリです。息子にとって覚えることは遊びの延長のようなものらしく、一日何時間もニヤニヤしながら教科書や教育系動画を見ていました。高3になると様子がおかしくなってきた……Upload By 寺島ヒロしかし、3年生の夏頃から、息子の様子が少しおかしくなってきました。学校帰りに山道を通るのですが、彼は「そのルートなら危なくないから」と言って歩きながら単語帳を読んでいました。でもその単語帳には、2,700語も載っていたりするのです。普通ならそういう本は「10分割して読もう」「一日3ページだけ読もう」などと思うところですが、タケルはすべてを読み終えたくて、ぐるぐると山道を歩き続け、ついに日が落ちて「暗くて読めなくなったから」と帰って来るのでした。勉強ハイ?突然走り出す息子また、家にいるときも「走ってくる」と言って突然外出することがありました。私はてっきり気分転換に散歩がてら自販機で飲み物でも買って飲んだり、友だちと電話でもしたりしているのだろうと思って放っておいたのですが、あとで話を聞くと、本当に1〜2時間も走り続けていたそうです。私が「どうしてそんなことをしているの?」と聞いても、彼自身もよく分からない様子で、「なんだか楽しくて」とツヤツヤした笑顔で答えるのでした。Upload By 寺島ヒロそんな日々が続き、3年の秋になった頃、文法やリーディングなどの英検のためのテスト勉強が始まりました。英単語だけは喜々として覚えていたタケルでしたが、英検対策は彼にとってあまり楽しくない勉強だったようです。そのせいか、夏のような勉強ハイの状態は次第に治まりました今では、息子も「あの時はちょっとおかしかったね」と振り返っています。ASD(自閉スペクトラム症)の特性として、興味があることにはとことん没頭する一方で、そうでないことには全く関心を持たないことがよくあります。息子の場合は、受験期の周囲が勉強していることを奨励する空気の中で「覚える」ということに夢中になりすぎたのかもしれません。執筆/寺島ヒロ(監修:森先生より)寺島ヒロさん、お子さんの勉強法についての体験談をありがとうございます。タケル君は、「興味のあることはとことん極める」タイプなのですね。「好きこそ物の上手なれ」という言葉に表れるように、人は自分の興味があるものについては勉強も苦にならないものですが、発達障害の傾向のある方は本当に疲れを知らないかのように没頭してしまうことがあります。なんにしても受験勉強などで必要な勉強と興味の方向がマッチすると良い結果に結び付きやすいのです。お子さんの興味がどんなところにあるのかをよく見てあげて、好きなことを応援してあげるようにしましょう。そうすると、お子さんの学習への意欲が高まって、そのうちに苦手なものにも手を伸ばせるようになるのです。ただし、没頭しすぎて自分でも気づかぬうちにエネルギー切れを起こしてしまうと大変なので、あまりに集中して休憩を忘れていたら、「もう夜だし休んだら?」と声をかけてみるといいかもしれません。これからもタケル君が自分の好きなことを追求していけるよう、応援しております。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年10月20日契約社員として働く知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)の24歳息子の一日現在24歳の息子は、知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)です。特別支援学校高等部卒業後、就労移行支援事業所に3年間通い、職業訓練を受けました。現在は企業に契約社員として働いています。今年で3年目です。今日は息子の1日についてお話ししたいと思います。満員電車で1時間かけて通勤。勤務時間は9時から16時まで勤務時間は朝9時から16時まで、自宅から1時間位かかる会社に電車通勤しています。都内に住んでいるので朝は満員電車に乗るのですが、電車が好きな息子はそれは苦にならないようです。自宅には17時に帰ってきます。土日はお休みなので、大好きなトイレ便器を見に、東京以外の埼玉、千葉、神奈川まで出かけています。息子のトイレ便器好きについてはこちらをご参照ください。お給料事情、持たせているお財布の中身は?さて、お金についてなのですが、毎日9時から16時働いていますので、大体月に13万ほどもらっています。障害基礎年金6万ほどと合わせると、月20万円弱です。息子のお金の使い道はというと、毎月お給料をもらったときに買う5,000円以内のプラレール、そして週末のトイレ散策のための交通費に費やしています。息子はもともと数字が苦手で、自分がいくらもらっているのか把握していません。外出中、何かあったときに困るので、私は「お財布には常に1万円は入れときなさい」と言っています。そしてそれがなくなると、新たに1万円を入れることにしていて、息子には、息子用に作ったに1万円札が10枚ほど入れてあるチャック付きポリ袋から取るようにしてもらっています。会社とのやりとりは就労支援事業所を通して会社のほうからは「親御さんは子離れするように」と常々言われておりますので、3年間通っていた就労支援事業所の継続、就労定着支援制度を利用しています。会社への訪問前に私のほうに「●月●日に訪問しますが何か困ったことはありますか。家での様子を聞かせて下さい」と連絡があります。その後、月一回就労支援事業所の職員さんが会社訪問してくれて、息子の担当の上司と本人と面談をして困りごと、今後の課題などを話し合っています。例えば体調管理をきちんとする、意味なくニヤニヤしない(特定の人に対して、顔を見ると思い出し笑いをするようです。これはビジネスマナーに反するためコントロールするように言われています)などです。そしてその報告が私にあります。私自身が息子の会社の上長と話すことはなく、必ず第三者である就労移行支援事業所のスタッフが入っています。相当頑張っているから?仕事以外ではパニックを起こしてトラブルもこのように月曜日から金曜日、相当頑張って働いている息子。その疲れもあるのか家では私に暴言を吐くことがあります。先日は私が咳をしたところ、それに対してパニックを起こしました。それでも出勤時間が近づいてきたので、いつもの出勤時間にそのまま家を飛び出して行きました。ところが、3分ほどして戻ってきたときには、血だらけ……。パニックを起こしたまま、マンションの共用部分の自動ドアにぶつかり、ガラスが割れてしまったのです。会社では頑張っているのに、なんで家ではこんなになってしまうんだろう……。私はひどく落ち込みましたが、プラスに考えれば自動ドアがなかったら、そのまま道路に行って車にぶつかっていたり、また電車のホームで暴れてホームから落ちたりして大変なことになっていたかもしれません。自動ドアに助けられたんだと思いました。ともあれ共用部分ですので、すぐお詫びと修理を依頼しました。修理額は30万円ほどとなりましたが、障害者向けの損害賠償保険に入っていたので保険で賄うことができました。家と外では態度が違う息子ですが、それも息子なんだと受け入れて、私の修行は続きます。執筆/立石美津子(監修:鈴木先生より)契約社員として通勤して企業で働けるということは幸せなことだと思います。一般の社会人と溶け込んできちんと月給をもらい、好きな便器の趣味も続けられていることは順調な人生なのでしょう。ASDの方はパワハラや上司との相性の悪さから職を転々とする場合も見受けられますが、息子さんが3年間継続して働けているのは職場の人間関係がよく、ASDに対する理解があるからではないでしょうか。よい企業に巡り合われたのだと思われます。前の記事はこちらUpload By 立石美津子Upload By 立石美津子Upload By 立石美津子Upload By 立石美津子(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年10月19日LITALICO発達特性検査の検査結果レポートを見て、これはもう「本」だと思った以前、LITALICO発達特性検査が「お子さまの特性と支援のノウハウをまとめたボリュームたっぷりの一冊の“本”になります」という話をしました。今日はその、“本”のような検査結果のレポートについて、詳しくお話ししようと思います。私は、LITALICO発達特性検査では、企画段階から参画し、多動・不注意/情緒・行動/感覚/運動(くせ)の検査結果テキストの監修を担当しましたが、実際に検査結果のレポートを見たのは、開発が最終段階となった頃、サービスが発表される少し前でした。サンプルとして、レポートをプリントしたものを手に取った時、「検査結果だけど、これはもう、その子オリジナルレシピの“発達支援の本”だ」というふうに感じました。インターネット上でも見られますが、PDFをダウンロードして、プリントして綴じると、ボリュームも人によっては書籍と同じくらいのものが出力されるし、具体的な対応方法まで載っていて読み応えたっぷりで、「検査結果」というよりむしろ、その子について書かれた「本」に近いのではないかという印象でした。悩みや気になることが出てきた保護者の方へ、お子さまサポートの入門書としてこの検査結果レポートを「本」として捉えると、お子さまの発達が気になり始めた保護者の方に、とてもいいなと思っているんです。「うちの子の発達について、気がかりなことがある」「困りごとが目立ってきたり、園や学校の先生から指摘をされた」など、気になることや悩みが出てきたとき、まずはインターネットで検索したり、書店や図書館に行って書籍を探すという保護者の方も多いのではないでしょうか?その中で、「発達障害」や「ASD(自閉スペクトラム症)」・「ADHD(注意欠如多動症)」・「学習症」といった言葉に出合うかもしれません。今、書店に行くと、たくさんの発達障害関連の書籍が置かれていますよね。そうした書籍を何冊も買って、熱心に読まれたという方もいらっしゃると思います。でも、「何冊か読んで、なるほどというところもあったけれど、結局うちの子には、なんだかフィットしないな」と感じたりする保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。特に、最近気になることが出てきて悩み始めた、というような保護者の方だと、書籍を自分で探してぴったりの情報を得るのはハードルが高いかもしれないですね。Upload By LITALICO発達特性検査 編集部LITALICO発達特性検査は書籍と検査、それぞれの「いいとこどり」私自身、発達障害やお子さまの発達支援に関する著作が10冊以上あります。また、公認心理師として、実際に心理検査を含む臨床の現場にも立っています。その立場からすると、今回のこのLITALICO発達特性検査の検査結果レポートというのは、書籍と検査、それぞれでできたらいいなと思ったことと、それぞれでこれまでできなかったことを「いいとこどり」したようにも見えます。それぞれについて、少し説明しましょう。いろいろな発達障害の書籍を読まれている方、すごく多いと思うのですが、自分のお子さまに合うところと、自分のお子さまとは書籍に書いてあることがちょっと違うよな、ということもあると思うんですよね。先ほどフィットしないといったのは、例えば、「自閉症かもしれないな」と思って書籍を読んだけれど、うちの子はこだわりは強くて当てはまるけれども、感覚過敏性はなさそうだから、その点ではちょっと当てはまらないな、と感じるといったケースは多いと思います。発達特性は人によって違うし、困りごとの現れ方もそれぞれで違うからです。また、「そこまで強い困りではないが、傾向があるな」と感じている場合に、書籍などで使われる「障害」という言葉に違和感を覚えることもあるかもしれません。書籍は、よくあるケースや困りの強いタイプ、医学的に典型的なタイプについて書かれていることが多いと思います。もちろん、そうすることで多くの方に合う内容になりますし、よりイメージしやすくなっていると思います。でも、全ての症状や特性が強く満遍なく現れるケースはあまりありません。実際には、書籍に書かれている各障害の典型的なタイプで全ての症状が当てはまって、困っていることや程度も同じ、書籍に書かれているそのままの方法でサポートがフィットしたというお子さまは、そんなにいないと思うんですよね。一人ひとり、特性の現れ方も違いますし、困りごとになって現れることも違います。だから、本当は対応方法も人によってカスタマイズしないとうまくいかないこともあるんです。その意味では、書籍というのはどうしても、みんなが着られるようなフリーサイズの服のような情報になってしまって、その人に合わなかったり、着心地が悪いな、ということもあると思うんです。書かれている内容が、当てはまるところも一部あるけれども、ほとんど当てはまらないという人もいる。自分でも、書籍を書くときには、その点が悩ましいことでもありました。もっと一人ひとり本人に合うように書いてあげたいけれども、書籍だと、どうしても限界がありますよね。フリーサイズで書くしかない。たくさんの書籍の中から選んでもらって、さらにそれを何冊も読んだ中から、読者の方に情報を取捨選択してもらわないと、自分の子どもの特性を理解することは難しい、ということになります。自分でカスタマイズしてもらう必要があったと思うのです。それが、LITALICO発達特性検査では、質問項目に答えることで、アルゴリズムで必要な情報にカスタマイズしてオーダーメイドの「本」に仕立ててくれる。そういうイメージで捉えると、親子の困りごとに向けた「本」ができる、今までにないようなサービスだと思っています。もちろん、書籍は一般的な知識や専門的な内容を網羅的に得るために、とてもいいと思います。支援法や考え方もたくさんあるので、それぞれ読むことでヒントが得られることも当然あると思います。実際に検査を受けたあと、理解を深めるために書籍も併用していただくといいと思います。一般的な心理検査は、結果が大体A4くらいのレポート1枚にまとめられて渡されるというのが多いかもしれません。検査を実施している機関によっては、直接内容の説明を口頭でしたり、補足の内容をもらえることもあると思いますが、レポートとして詳しく伝えるというイメージではないですね。特に、結果を受けて、次の日から家庭でどう対応したらいいかという情報は、レポートだけでは、ほとんど触れられていないですし、専門家ではない保護者の方が自分で読み解いて情報を得るのは少し難しいかもしれないですね。保護者の方が読んで理解しやすくてすぐに役に立つためというよりは、専門家が評価して支援に役立てることを目的にしているということが前提にあるからです。こういった点から、保護者の方が具体的にどうするか、今できることは何かを見つけるという観点では、なかなか心理検査の結果だけでは足りないこともあるのではないか、と感じることもあります。LITALICO発達特性検査は、インターネットで気軽に受けて、その結果がフィードバックされるサービスです。名称に「検査」とついていますが、これまでの心理検査とはちょっと違って、フィードバックに重点が置かれていることが特徴です。困りごとや特性が現れる背景要因だったり、支援方法や環境調整のあり方の解説が中心になっています。つまり、保護者の方向けに、具体的なサポートに直接つながるような情報がまとめられている。そういう意味で、今までの、みなさんがイメージする「心理検査」とはちょっと違うものかもしれないですね。もちろん、その子の支援についてどうすればいいか、その子のことについてを調べるという意味での「検査」ではありますが、ある意味、一人ひとりにカスタマイズされたその子にあったオリジナルの発達支援の「本」になって現れるサービスだと思ってもらえるとイメージしやすいかもしれません。お子さまサポートの入門書としてUpload By LITALICO発達特性検査 編集部LITALICO特性検査は、サポートの出発点になるような情報がまとめられています。最近気になることが出てきて、自分のお子さまの発達に疑問があるけれども、まだ相談機関に行くまでではない、という段階の保護者の方に特によいのではないかと思っています。インターネットで受けられて、結果がすぐに分かるという意味で、とりかかりやすい仕組みです。しかもLITALICO発達特性検査は障害の有無や診断を目的としたものではないので、受検に対しての心理的ハードルも比較的低いのではないかと思っています。保護者の方には、「明日からどうすればいいか」という示唆が得られる検査であると考えていただくと、受検しやすいかもしれません。検査結果は、全体で177万文字以上のテキストから、お子さまに当てはまる内容や、お子さまに合いやすい対応方法がアルゴリズムで出し分けられて出力されます。受検される保護者の方はお子さまの日頃の様子を振り返って質問項目に答えるだけで、何冊分もの情報から、自動的にそのお子さまの特性や困っていること、対応方法について必要なところだけまとめてもらえる、というイメージです。また、お子さまの困りがどのような背景要因から現れるかが説明されているので、お子さまについて理解するのにも役立ちます。保護者の方が理解しやすいような内容や、家庭で取り組みやすい内容が具体的に解説されているので、まさに「その子の発達支援の入門書」のようなイメージで読んでいただけるのではないでしょうか?もちろん、基本的な知識をお持ちの保護者の方や、すでにサポートを長くされている保護者の方にとっても、お子さまの特性や支援を再整理していくために活用していただけます。支援者や園・学校の先生といった周りの人にも検査結果レポートを共有して、読者になってもらうといいかもしれないですね。レポートの量が多いので、全て読んでもらうのは難しいかもしれないですし、内容がそのまま個別の支援計画や個別の教育支援計画になるわけではないのですが、共有しながら何を重点的に取り組むか、教育目標をつくるための参考になると思います。話し合ったり、家庭での見立てと園・学校での見立ての同じところ、違うところ、試してよかったことや合わなかったことを共有してすり合わせるための材料としても役立つと思います。お子さまの特性理解の入門ツールとして、もっと気軽に「検査」というと、保護者の方にとっては、何かを判定されたり、周りと比べられたりするのではないかというイメージがどうしてもあるかもしれませんが、LITALICO発達特性検査は、親子にカスタマイズされた1冊の「本」を手に入れるくらいの気持ちで、もっと気軽に受検していただけるといいなと思います。ちょうど、書籍1・2冊くらいの価格です(笑)。本屋さんに行ったり図書館で自分で書籍を探してたくさん読むのがちょっと大変だな、という方にとって、よりお子さまの特性に合うよう、おすすめの内容に編集された「本」がもらえる、そんなイメージです。もちろん、LITALICO発達特性検査を「入門書」のようなものとして、さらに知りたいときやサポートが必要なときには専門家や相談機関に繋がっていただいたり、書籍を手に取っていただいたりするのがいいと思います。これまでの心理検査と書籍、実際にお子さまの支援の場面で使うには難しかったところが解決できる、それぞれのいいところが組み合わさったツール。そんな使い方をしていただくことで、この検査は親子にとっての出発点になるのではないでしょうか。少しずつ読んで具体的な方法を試したり、実際に試してからまた読み返したり、結果レポートをずっと手元に置いていただいて、受検された保護者の方にとって、愛読書となるといいなと思っています。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2024年10月18日幼稚園での気になる行動。特別支援学級への就学も視野に入れていたけれどわが家の長男のトールは、小学1年生から2年生の間は通常学級に在籍し、小学3年生で特別支援学級に転籍しました。トールが小学校に上がる前、特別支援学級への就学について全く考えなかったわけではありませんでした。幼稚園では、お友だちとの関わり方が苦手で、手が出てしまうなどのトラブルや、おとなしく椅子に座っているのが難しいこともありました。年長の頃、担任の先生に就学について相談すると「絶対に特別支援学級でないと無理だとは思わない」と言われました。私自身も、実際に小学校に入ってみないことにはトールがどうなっていくか分からないなと感じていました。そのため、発達検査の予約をして、その結果を参考にしようと考えていました。ところがそんな中、トールが年長の夏に夫の転勤が決まり、小学校入学の時期に合わせて別の県に引っ越しすることになりました。引っ越し先には土地勘がなく、夫の職場から通える距離で、暮らしやすい地域はどのあたりなのか……など調べるところから始めなければなりません。新しく借りる家を契約するのは引っ越しの直前になるため、トールは2月の終わりまでどこの小学校に通うかまだ決まっていないという状態でした。引っ越しのバタバタで、予約していた発達検査もキャンセルせざるを得ませんでした。いろいろなことが重なって、トールが特別支援学級に進むかどうか、あまり具体的に検討することができないまま、引っ越し先の小学校では通常学級に進学することになりました。Upload By メイ小学校生活がスタート。1年生の間は大きな困りごとはなかったが……不安を抱えた中で始まった小学校生活でしたが、小学1年生の頃のトールは、毎日を楽しく過ごしているようでした。しかし、小さな問題はいくつかありました。授業中の発表の時にまだ先生に当てられてないのに話をしてしまったり、あたりをきょろきょろ見回したり、声の大きさが調節できなかったりなどです。それでも当時は、まだ小学1年生だったということもあり、「クラスで少し行動が目立つ子」というくらいの認識でした。Upload By メイ担任の先生が発達障害に理解のある先生だったというのも大きな助けになっていたと思います。先生は、トールを先生に1番近い席に座らせて、何かと気にかけて下さっていました。トールやほかの誰かが大きな声を出した時など、本人に適切な指導はしつつも、周りの子に対しては「あまり気にせず、自分のやるべきことをやりましょう」と伝えてくださっていたようでした。周りの人たちや環境に恵まれて、小学1年生の1年間は無事に過ぎていきました。問題が出てきたのは小学2年生になってからでした。感染症の流行で休校から始まった2年生の新学期。環境の変化で息子にも影響が……!?トールが小学2年生に進級する直前、新型コロナウイルスの流行で学校が休校になりました。トールの小学校は毎年クラス替えがあるので、新しいクラスのメンバーや新しい担任の先生と顔を合わせることもなく、新学期がスタートしました。休校が明けて少し経った頃、トールが「朝起きるのがつらい」と言い出しました。「あんまり学校に行きたくないなぁ」と言うこともありましたが、長いお休み期間もあったので、学校に行く毎日に体が慣れていないのかもしれないと思いました。しかし、トールはだんだん怒りっぽくなっていきました。1年生の頃までできていた宿題も何時間もかかるようになっていき、些細なことでイライラして怒ることが増えました。Upload By メイ担任の先生から連絡も来るようになり、学校でも非常にイライラしたり、怒ったり泣いたりすることがあるとのことで、初めて2年生の担任の先生と会い、面談を行うことになったのでした。発達障害の診断はあっても、学校での支援は手探り状態トールは小学1年生の終わりに病院を受診し、ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)の診断を受けていました。そのため、1年生の頃の様子も含めて2年生の担任の先生にも申し送りをしてもらっていました。しかし新しい担任の先生は、発達障害にあまり詳しくないとおっしゃっていて、どのようにしたらトールが学校で穏やかに過ごせるようになるか、細かく情報共有をしながら取り組んでいこうということになりました。Upload By メイこうして、学校側も私たち保護者も、お互いに手探りのような状態で始まったトールの小学校生活2年目でしたが、最終的にトールは翌年、小学3年生で通常学級から特別支援学級へ転籍することになりました。その後の特別支援学級へ転籍するまでのことは、また別の機会に書かせていただきます。執筆/メイ(監修:鈴木先生より)教育と医療の連携が重要です。自治体によって神経発達症への取り組み方は違います。各自治体の教育委員会が医師会など医療と連携できているところは、ほとんどの先生が神経発達症についての正しく詳しい知識をもっており、どう取り組んだらいいかを理解しているのです。ただし、同じ自治体内であっても、学校によって取り組み方に差が見られる場合もあります。職員会議などで神経発達症のお子さんへの接し方などを共有している学校もあれば、残念ながらそのような取り組みが十分になされていない学校もあります。学校によって差が出ないように各自治体の教育委員会が指導していくのが望ましい形ですが、そのためにはまず、教育委員会と医療がしっかりと連携していることが重要なのです。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年10月18日不器用さをからかわれるようになったASD(自閉スペクトラム症)、LD・SLD(限局性学習症)息子。それはやがてイジメに発展して……現在高校2年生の息子は、小学1年生でASD(自閉スペクトラム症)、LD・SLD(限局性学習症)と診断されています。中学1年生の時に不登校気味になりました。不登校気味になったきっかけは、入学後間もなくあった係、委員会決めでした。息子のクラスは、学級委員長がなかなか決まらず、話し合いが長引いたそうです。早く帰宅したかった息子は、仕方なく手をあげたそうで……。そして学級委員長になったのですが、息子はLD・SLD(限局性学習症)の特性から議題などを黒板に書くことが難しく、クラス目標を模造紙に書いて黒板の上に貼っても、「文字のバランスが悪くない?」「早く書いてよ!」という言葉が飛んでくることもたびたびあったそうです。それに加えて、不器用なため掃除の際にホウキを使ったりゴミを集めるのにも苦労し、給食の盛り方も上手くいかず……。これらについてクラスメイトからからかわれるようになり、そこから少しずつイジメに発展、息子は不登校気味になったのでした。Upload By ユーザー体験談息子にとって大きな存在だった発達障害のある親友A君。A君は中学校では完全不登校にここで、中学校入学前について少しお話をさせていただきたいと思います。息子には保育園年少から小学校6年間同じクラスだった親友のA君がいます。A君にはADHD(注意欠如多動症)があります。二人とも小学校は通常学級に就学をしたのですが、息子は小学校1年生の秋から通常学級に在籍をしたまま特定の教科だけ特別支援学級へ通うようになり、A君も息子と同様に小学校3年生から通常学級在籍のまま特別支援学級に通うようになりました。いつも一緒に授業を受け、お互いに得意な教科が違ったので教え合う仲でした。A君は朝起きることが苦手なため不登校気味な面がありましたが、二人はいいコンビだったと思います。※通常学級在籍の場合、個別の支援は「特別支援教室」もしくは「通級指導教室」で行われます。もしくは特別支援学級に在籍し、特定の科目を交流級にて受ける形をとります。この体験談のお子さまについては、学校の判断により、通常学級に在籍しながら一部の科目について特別支援学級で受けています。Upload By ユーザー体験談中学校に進学する際、息子もA君も小学校時代同様に通常学級在籍で特別支援学級に通うような配慮が決まっていたので、学校へ「二人一緒のクラスとにしてほしい」とわが家もA君の家もお願いしていました。しかし、実際に入学してみると通常学級のクラスも、特別支援学級のクラスどちらも息子とA君は離れてしまいました。これが原因でA君は「学校を信用できない」と完全に不登校となりました。A君が登校していたら、息子も不登校気味にならなかったかもしれません……。「俺、なんで生きているんだろう……」このままではダメ、息子の居場所を見つけるために奔走し見つけたある場所不登校気味になった息子は、しばしば「俺、なんで生きているんだろう……」といった発言をするようになりました。なんとか二次障害を避けたいと思った私は、学校以外に通える場所を探しました。そしてある「発達障害や不登校の子を受け入れてくれる支援教室」を見つけそこへ通いだしました。そこは、もともと学校の先生をしていた方が運営されていて、家庭だけでなく学校側へもサポートをしてくださいました。息子はその教室を気に入ったようで、通う日を楽しみにするようになりました。余談ですが、現在はこの教室を卒業し、そちらでアルバイトをしています。不登校気味でつらい時期でしたが、そこであったご縁はかけがえのないものになりました。中学2年生のクラス替えで、ついにA君と一緒のクラスにこの学習支援教室に通ったり、行けるときは学校へ登校したりしながら1年が過ぎ、中学2年生になった息子。クラス替えが行われ、ついにA君と通常学級も特別支援学級も一緒のクラスになりました。すると、それがきっかけで不登校気味だった息子と完全不登校だったA君、二人とも学校に通えるようになったのです。前日に約束をして一緒に登校するようになり、お互いに携帯電話をもち始めたため、連絡をよくとりあって、お互いが心の支えになっているようでした。息子に学校はどうと聞くと、「二人で居るから大丈夫」という頼もしい言葉が返ってきました。Upload By ユーザー体験談嫌なことも好きなことも熟知している間柄が功を奏し、少しずつ友達関係もひろがっていきました。A君は、コミュニケーションに困難さがないので、息子はA君に引っ張ってもらい友達との関わり方を学んだようでした。A君は、息子から衝動的な行動は良くないことを学んだと聞きました。それぞれ違う通信制高校へ進学した今の二人は現在、息子は高校2年生です。息子とA君はそれぞれ違う通信制の高校へ通っています。息子は週3回スクーリングがある学校、A君はIT技術が身につけられる学校です。学校は違えど、A君の家には月1ペースで泊まりに行ったり、週末は遊びに行ったり仲良くやっています。アルバイトで貯めたお金で、A君を含めた数人で東京へ遊びに行くまでになりました。Upload By ユーザー体験談息子は得意不得意の差が大きく、これから乗り越えなければいけないハードルも高いものが多いかもしれません。ですが、A君のおかげで周りの人の助けを借りることを学んだ息子は、どんなつらいことも乗り越えることができると信じています。困っていることを困っていると言えることは、決して恥ずかしいことではありません。息子が今後進学を希望して一人暮らしを始めるのなら、大事な力になります。息子よ、学力だけでなく、生きる力を身につけていってください。母は応援してますよ。イラスト/マミヤエピソード参考/しのっぺ(監修:森先生より)不登校から脱することができた体験談を聞かせてくださってありがとうございます。発達障害の傾向があると、不器用な部分があることが多く、どうしても同世代の集団の中で目立ってしまうことがありますよね。そこで、理解しようと歩み寄ってくれるのか、からかいの対象とするのか、その集団の子ども達一人ひとりの性格によって、学校生活の送りやすさが変わってきます。一人でも理解してくれる友達がいるとだいぶ楽なのですが、クラスが離れてしまうと、傷付いてしまうことも多くつらいですよね……。そんなときには、学校以外の居場所を見つけることもひとつの手です。趣味や習い事の教室でもいいですし、ボランティア活動でもいいかもしれません。とにかく、どこかひとつでも「居場所がある」と感じることができると、傷付いた心の回復度合いがだいぶ違うのではないでしょうか。今回のように、学校とは別の「支援教室」に通うというのは、とても良い選択だったと思います。お子さんの特性に理解があり、学校生活に馴染むためのトレーニングも行うことができるところであれば、居場所にもなりサポートにもなりますね。お子さんが学校に行きたがらないときには、無理に学校に行こうとするのではなく、ほかに安心できる場所、勉強や集団行動を身につけることができる場所を探してみるといいでしょう。学校に通うことは、あくまでも手段であって目的ではありません。お子さんが健やかに育つことが目的なわけですから、お子さんの気持ちに寄り添いながら、一番良い方法を探していけると良いですね。これからも応援しております。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年10月17日児童発達支援ってどんなことをするの?2歳4ヶ月でいよいよ児童発達支援施設(療育)に通所開始!ねこ太の場合は運動発達の向上を一番の目標としていたので、PT(理学療法)で体全体を使う粗大運動の発達を促したり、OT(作業療法)で手先や指先を使う微細運動の発達を促すトレーニングをしていました。Upload By 鳥野とり子そのほかにも日常生活を送るために必要な能力の獲得や、就園や就学に向けて社会性を養うといった内容も支援計画に組み込まれていて、先生やお友達と日々関わっていく中でたくさんのことを学んでいきました。通わせて良かった!児童発達支援に通い始めてから急激に成長した息子。Upload By 鳥野とり子児童発達支援に通い始めてから息子の成長スピードが一気に加速したように思います。小さかった動きはどんどんダイナミックになり公園の遊具で遊べるようになったり、不器用だった手先の動かし方もスムーズになりスプーンや鉛筆を上手に持てるようになりました。ねこ太が通っていた施設では【お買い物体験】や【クッキング】などの活動もあり、活動を通じてたくさんの人と関わることによって社会性が養われたのか、語彙が増えたり多動が落ち着いてきたりして「成長したなぁ」と感じることが増えてとてもうれしかったのを覚えています。今まで食が進まなかった息子の食事がスムーズに!Upload By 鳥野とり子ねこ太は食に興味がなかったので、この頃はごはんを食べさせるのにかなり苦戦していました。自分でごはんを食べてくれず、私がスプーンでねこ太の口にごはんを運んでいて、離乳食から幼児食への移行も苦労していた時期だったのです……が!児童発達支援に通い始めてから私が手伝わなくても自分で食べるようになりました!ねこ太の通っていた児童発達支援では給食が提供されていたので、先生やお友達と給食を食べて触発されたのではないかなと思います。そして離乳食から幼児食への移行が一気に進み、食べられる食材がぐんと増えました。これは本当にありがたかったです。児童発達支援に通い始めて一番救われたのは子ではなく親でした。Upload By 鳥野とり子児童発達支援は子どものための施設だと思っていましたが、通い始めて思ったのが親のための施設でもあるということ。実は児童発達支援に通うようになる少し前までねこ太は保育園に通っていました。ところが保育士さんが一斉退職してしまい、ねこ太を通わせることができなくなって泣く泣く退園したのです。私は仕事を辞め、日中2人だけの生活に逆戻り。発達のことにかなり悩んでいた時期なのもあってどんどん病んでいきました。そんな状態から救ってくれたのが児童発達支援の存在でした。児童発達支援に通うまでは暗闇の中を手探りで育児している感覚だったのですが、児童発達支援に通い始めてからは一緒に子育てをしてくれているような安心感がありました。一人で悩んでいた発達の悩みを共有でき、困ったことがあればその都度アドバイスを頂ける存在がどれほどありがたかったか……。児童発達支援の先生方には感謝してもしきれません。児童発達支援には肉体的にも精神的にも助けられ、児童発達支援を必要としていたのは子どもだけではなく親もだったんだなと思いました。執筆/鳥野とり子(監修:新美先生より)ねこ太くんが2歳4ヶ月から通い始めた児童発達支援施設について詳しく聞かせて下さりありがとうございます。ねこ太くんは通われた児童発達支援施設がぴったりはまったようで、体の動かし方、手先の使い方から、食事面、社会性・言葉まですごく成長したんですね。発達の偏りがある場合、環境をご本人に合うように整えて、情報量や興味の向きの調節がフィットすると、さまざまに成長がググンと見られたりしますね。そして鳥野さんもおっしゃられているように、児童発達支援施設・療育につながることで、わが子に合ったかかわり方、環境、働きかけのタイミングなどを相談できて、いっしょに成長を喜んでもらえる伴走者に出会えることもすごくいいことですよね。児童発達支援施設については、公立/民間、施設数などの状況が地域によってかなり差があり、必ずしも求めるタイプの施設に出合えることばかりではないかもしれませんが、お住まいの地域でどんなところがあるのか、探してみるのもいいかもしれません。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ADHD(注意欠如多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2024年10月16日小2で学校に行けなくなった娘。親子でホームスクーリングを始めることに特別支援学級に在籍している娘は、小学校2年生の2学期、「約束と違う給食指導」や「交流学級の先生が注意する時の大きな声」などのストレスが引き金となり、学校へ行けなくなりました。私は娘の気持ちを尊重していったん学校を休むことを選択し、家での過ごし方を決めてホームスクーリングをすることにしました。それまでは、家の中ではわりと自由にゲームができる環境にしていましたが、ホームスクーリングを始めてからはきっちりと時間を制限するようにして、運動の時間なども取り入れ、1日のスケジュールをたてて過ごすようにしました。そして娘が学校を休むようになってから数日が経った頃、学校から呼び出しを受けて面談をすることになりました。面談に参加したのは私、特別支援学級の担任の先生、そして交流学級の担任で学年主任を兼務されている先生の3人です。私は娘が学校に行けなくなった原因として、「給食指導が事前に約束していた内容と違うこと、交流学級の担任の先生が大きな声で怒るのが怖いこと、特別支援学級では一つの教室をパーテーションで分けて2クラスで使っているが、それが聴覚過敏の娘にはつらいこと」の3点を伝えました(特別支援学級ではイヤーマフを着用しています)。先生方からは給食指導に関する謝罪と、週1回でも保健室登校でもいいから、少しでも学校に通えたら……と言われました。親としては、ホームスクーリングを始めたところでしたし、娘が望むなら不登校でも構わないと考えていたので、「家で娘と話してみます」と返答し帰宅しました。Upload By マミヤ学校の提案に対し、娘の考えは?Upload By マミヤ家に帰って娘に学校の先生との面談の内容を話しました。その時娘は何も言わなかったのですが、次の日に「私、給食がなければ行けるかも……」と言ってきたのです。半信半疑でしたが、娘はその言葉通り、翌週の月曜日から午前中のみ再登校をはじめました。再登校の理由は「友達に会いたい」「たくさん休んだから少し元気になった」そして「ママとすごすホームスクーリングが想像より大変だった」からでした。お休み中はわりとあちこちに行って娘の好きではない買い物に付き合わなければいけなかったり、ゲームの時間制限があったり……といったことが負担だったそうで……。いい感じで日中をすごせているものと思っていた私は、正直すぎる娘の発言に苦笑いをしてしまいました。再登校後にありがたかった学校の配慮。そして予想以上に大変に感じたこととは?Upload By マミヤ再登校を始めた後は、特別支援学級の先生に配慮していただき、授業は4時間目まで受けることにし、交流学級の授業は別室教室(通常の教室に入れない場合に授業を受ける場所)に行かせてもらうことにしました。娘が再登校するようになって、地味に大変だったのは送迎でした。朝に娘を学校へ送ったと思ったら、4時間目が終わる12時にはもうお迎えです。心の中で”幼稚園の年少の時よりお迎え早いな!”と思った日もありました。それでも娘本人が頑張っているのは分かっているので、急かすことのないように見守っていました。そうするうちに、徐々にですが、お弁当を持参して通うようになり、交流学級の教室での授業にも少しずつ参加できるようになっていきました。ちょうどこの頃に、娘が学校を休み始めた時期に予約を入れていた児童精神科の受診がありましたが、再登校できるようになっていたので、特に投薬などは希望せず様子見となりました。しかし、今後も相談できる場所が増えたことで、安心材料になりました。娘はいろんなことが重なり学校に行けなくなりましたが、この時は娘自身がホームスクーリングより学校を頑張るほうがいいと選択し、再び学校に通い始めました。また、娘が再登校しやすいように登校のハードルを下げてくださった学校の配慮にはとても感謝しています。Upload By マミヤ執筆/マミヤ(監修:井上先生より)娘さんが学校に行きたくないということを言われたとき、親御さんとしてはとても不安になられたことでしょう。休み中の生活リズムが乱れてしまうことを防ぐために、学校での時間割も意識したホームスクーリングを実施されたことは、良かったと思います。また、マミヤさんは娘さんとしっかりとお話しされ、娘さんが学校に行きづらい理由を具体的に把握されたことが学校の配慮に繋がったと感じました。この経験から、娘さん自身も自分の苦手なことだけでなく、それに対する対処法や対策を学習できると、その後の自己理解にプラスになるのではないでしょうか。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年10月16日3歳でトイトレスタート!結論から言うと……マユユは、4歳の終わりまで『トイレでおしっこを出す』という最初の目標を達成できませんでした。3歳でトイレトレーニングを開始した頃はまだ説明して教えられるほど理解が進んでいなかったのですが、それでも“トイレに頻繁に連れていき、おしっこが出そうなタイミングと合えば出るだろう”と思っていました。しかし何度トイレに座っても、長い時間座っても、オムツがしばらく濡れていなくても、おしっこが出てくることはなかったのです。いろんな方法やトイトレグッズも試してきましたがどれも成功はしませんでした。Upload By サチコ4歳のある日長時間オムツが濡れておらず、食事や水分も充分にとれている状態でトイレに誘うことができました。“これは絶対、おしっこが溜まっているはず!今日こそは!”と意気込む私。いつもより長めにトイレに座れるよう、普段は見せない動画(トイレ関連のもの)も見せて、「おしっこが出たらおやつを食べようね」など声をかけつつ心待ちにしていました。Upload By サチコしかし、やはりいくら待ってもおしっこは出せませんでした。“こんなに時間があいているのに、どうして?”そう思いながらあきめてトイレから出た直後……なんとオムツにおしっこをしたマユユ。それを確認した瞬間に私はポッキリと心が折れたのを感じました。Upload By サチコ“まだ今はトイレでできないんだ”“この子はまだまだずっと、トイレではできないのかもしれない”もともとトイトレを頑張る精神的な余裕が少なく、ほどほどでやっていたのですが、この時からさらにのんびりやることにシフトチェンジしました。Upload By サチコ「日々成長はしているから、マユユの理解面やコミュニケーション面が伸びてきて、よりスムーズにトイトレできる時期がいずれ来るはず」進展がないので焦っていましたが、少し待ってみようと決心しました。突然訪れたその時習慣的なトイトレをいったんやめたまま5歳になったマユユ。保育園にも入ることができ、改めてトイトレについて考えていた時でした。おしっこを溜められるようになっているし理解も伸びてきている。やはりさまざまな準備はできているように感じているけれど……この頃も余裕があればトイレに入ってみたり、かわいい服装に興味を示すことが増えたので「おねえさんパンツかわいいねぇ」など話してみたりはしていました。そして、5歳になりすぐの休日のこと。私はひとり買い出しに出かけたのですが「オムツがしばらく濡れてないからトイレに誘ってみて」と夫に言い残して家を出ました。すると、なんと……Upload By サチコ本当に突然の出来事でした。とくに前触れもなく、トイレへの誘導もいつものように気楽な気持ちで伝えていました。そこからは、あっという間に日中のおしっこがトイレでできるように。さらに、なんと数日後、トイレでおしっこをさせている時に「うんちも出してみる?」と軽い気持ちで伝えてみると……まさかの「うん」という返事。トイトレ絵本のうんちのページをお手本にして見ながら「う〜〜ん」と頑張りはじめ、初めてのトライで成功。とんとん拍子に進み、日中は基本的にパンツで過ごせるようになっていきました。マユユは“変化”がとても苦手ですこれがトイトレが進まなかった大きな要因なのでは?と思ったりします。ただ、最終的にはグッズも特別な方法もなく進みましたが、これまでの試行錯誤は無意味じゃなかったと思えています。ずっと見ていた動画や絵本から得ていた・おしっこが出そうな感覚はモジモジだと知っていること・トイレに入ってから手を洗うまでの一連の動作などの知識はしっかりマユユの中に入っていて、初めて出せた日からとてもスムーズにできるようになっていました。トイレという場所にすっかり慣れていたのも良かったです。Upload By サチコ体の準備・知識・興味・場所への慣れ・気持ちの整理など、私が一気に教えようとしてしまったものを、マユユが自分で自分なりにスモールステップで進んでくれていたのかもしれません。まだ課題はあるけれど今はまだ夜間はオムツで過ごしており、多くの場合朝までに排泄していることも確認しています。また「トイレに行きたい」という申告が間に合わず漏らしてしまうことも……まだまだコミュニケーションの問題や、感覚的な問題もあるのかもしれません。いつ頃までには頑張らないといけないのかな、と不安になることもあります。しかし、今回の経験を経て改めて「なにごともスモールステップ」「焦りすぎず適度に本人のタイミングを確認していこう」と思っています。執筆/サチコ(監修:井上先生より)排泄指導は、焦らずスモールステップでやっていくことが大切ですね。親御さんも便座に座る習慣づけやトイレ・排泄に対する知識を教えたり、時間を測ってどれだけおしっこをためられるかと調べられたり、細かくアセスメントしておられ、今回の成功は、そういったご努力もベースにあったのではないかと思います。昼間におしっこをためる力が徐々についていくと、夜間のオムツも取れていくと思います。オムツに対するこだわりや感覚過敏の強いタイプのお子さんについては、環境調整やより細やかなアセスメントとステップが必要になってくると思います。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年10月15日わが子の発達が気になる……保健センターなどの施設で早めに相談する理由は?わが家の次男Pは知的障害(知的発達症)を伴うASD(自閉スペクトラム症)と診断されています。Pが1歳半を過ぎたあたりから、長男の時との違いをはっきりと感じるようになった私は、地域の保健センターへ行き、Pの発達について相談をすることにしました。Upload By みん保健センターでは、健診などを受けた後、市が開催している発達支援の親子教室や、児童発達支援センターなどの発達支援施設を紹介してもらい、必要な手続きを手伝っていただきました。しかし、私たちの住む地域では希望したからといってすぐに早期療育を開始できるわけではなく、手続きをしてから半年から1年ほど待たなければいけない場合も多いとのことでした。Pのように2歳と年齢が低く、まだ発達障害と診断されたわけでもない子どもは優先順位も低くなると聞いていたので、専門的な場所で児童発達支援を受けるためには、とにかく早めに動いて手続きをする必要がありました。早期療育を開始することはできたけれど、すぐには効果が出ないことを痛感……幸いにも3ヶ月ほど待ったところで、週2回の親子登園の枠に偶然空きが出たため、Pは2歳半から療育園と繋がることができました。しかし、早いタイミングで児童発達支援施設へ通所できたものの、すぐにその効果を感じられたわけではありませんでした。療育園に通い始めたばかりの頃、Pは療育園の門に入る前から泣き、玄関に入っても靴を脱ごうともしませんでした。何とか教室に入ることができても、外へ出たいとずっと泣き続けていました。発達支援を受けるようになってからもすぐには椅子に座ることはできませんでしたし、トイレへ行くことも、お茶を飲むことも、とにかく全てのことを拒否していました。支援を拒否している子どもはPだけではなく、ほかにもいました。中には数回通っただけで「受けても何も意味がない」「この施設はうちの子には合わないから良い効果が見られない」とすぐに辞めてしまう親子もいましたが、私自身は、焦らずゆっくりと場所や人に慣れて、まずは土台をつくることが大切だと考えていました。嫌がるPを連れて行くのは大変でしたが、あきらめず何度も通い、何度も同じことを繰り返し、やっと落ち着いて支援を受けられる形ができてきました。そうやって積み重ねるうちに、徐々にPの成長も感じられるようになってきました。早期療育は子どもにとっても親にとっても必要なことだったまた、早期療育は、親子の「居場所を見つける」という意味でも大切でした。児童発達支援センターなどの発達支援施設は、Pと同じように課題を抱えたお子さんと、私のように悩みを抱えた保護者たちが集まる場所です。だからPがどれだけ荒れていても、どれだけ何もできなくても周りの目はあたたかく、Pひとりだけが悪目立ちをしているというわけではありませんでした。「できなくても当たり前」という優しい空気が流れていて、わが子がわが子のまま自然体でいても受け入れてもらえる場所でした。通い続けていくうちにずっと孤独だった私たち親子の居場所が見つかり、救われたような気がしました。Upload By みん一般的には、できるだけ早期に発達支援を受けることで、より高い効果が期待できると言われています。保護者にとっても、日々の不安や悩みをほかの誰かと共有できる場所ができること、発達支援の先生たちの豊富な経験や知識に裏付けされたアドバイスを得られること、そしてスモールステップで子どもの発達を促し、成長の土台をゆっくりとはぐくんでいけることは、大きなメリットだと思います。Upload By みん時間は待ってくれない!一人で悩まずに前を向いてみてもしかしたら、発達支援について「まだ早い?」あるいは「今さら受けても遅い?」と悩んでいる方がいるかもしれません。ですが、親御さんとお子さんにとって、悩んでいる今こそが、発達支援をスタートするタイミングなのだと思うのです。私がPの通所を通じて得たものは、子どもの成長だけではなく、それを一緒に見守ってくれる人たちとの出会い、自分自身の知識や経験であったと思います。その結果、より良い支援を受けることができ、子どもの発達にもつながっていると実感しています。お子さんの発達に悩んでいる方は一人きりで悩まずに、まずは一歩、勇気をもって踏み出してみていただけたらと思います。執筆/みん(監修:新美先生より)幼児期早期に発達支援につながったことで感じた思いなどを詳しく聞かせて下さりありがとうございます。発達支援というと、お子さんの苦手なところ、発達がゆっくりなところが、苦手じゃなくなる、追いついて「普通になる」というイメージを持たれるかもしれません。実は、発達支援はお子さんに適切な環境や関わり方を保護者の方が学んだり、子育ての不安を相談して、安心して子育てできるようにするという、保護者へのアプローチも大きいです。もちろんお子さん自身もご本人に適切な環境を提供されて、よいやり方をスモールステップで教えてもらえることで、ご本人もできることが増えていくことがたくさんあります。「早期療育」というワードが独り歩きして、こんなに大きくなってからでは遅いのでは?と焦ってしまうことがあるかもしれませんが、発達支援において、遅いということはそれほどはありません。みんさんもおっしゃっていたように、保護者の方が、必要性を感じた時につながっていけたらよいのではないでしょうか。何歳ぐらいでどのような施設で発達支援を受けることできるかは、地域差がとても大きく悩ましいところです。自らかなり調べて動いて訴えていかないとつながれないという地域も少なくないのが実情かもしれません。今回の記事でみんさんがご紹介いただいたことが、読者の方の動き出すモチベーションになるかもしれないですね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年10月14日起立性調節障害とは?原因は?どんな症状があると診断される?起立性調節障害とは自律神経の不調により、朝の起床困難、倦怠感、動悸、頭痛、立ちくらみ、失神などの症状が表れる疾患です。英語では、「Orthostatic Dysregulation」と表記し、略して「OD」とも呼ばれます。起立性調節障害は10歳~16歳の思春期に発症することが多く、軽症例を含めると発症率は小学生では約5%、中学生では約10%とも言われています。また、不登校の子どもの3~4割は起立性調節障害が背景にあるともされています。起立性調節障害は循環調節機能の異常により、自律神経がうまく働かなくなることで引き起こされると言われています。自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があり、その働きのバランスが崩れることで起床困難や倦怠感などさまざまな不調が出てきます。起立性調節障害の要因はほかにもあり、学校や家庭でのストレスといった心理的要因や水分不足なども関係していると考えられています。起立性調節障害の症状は身体面、精神面にさまざまな形で表れます。以下の症状のうち3つ以上当てはまる、または2つ以上でも症状が強ければ起立性調節障害の可能性があるとされています。・朝の起床困難・午前に調子が悪く、午後に回復する・頭痛・腹痛・動悸・気分の不良・顔色の悪さ・立ちくらみ・失神・食欲不振・車酔いなどほかにも、集中力・思考力の低下やそれに伴う学業不振、日常の活動量の低下、生活リズムの昼夜逆転などがあります。当てはまる症状が多く起立性調節障害かもしれないと思ったときの受診先は、子どもの場合は小児科がいいでしょう。ほかには、循環器内科、脳神経内科など診察している場合もあります。 また、起立性調節障害に対応していることが病院のWebサイトなどに書いてある場合もありますので、近くにないか探してみるといいでしょう。参考:起立性調節障害対応ガイドライン|岡山県起立性調節障害は治る?治療法や薬について起立性調節障害の検査には起立負荷試験が行われます。この検査は、体を横に臥床している状態から、立ち上がった状態になった時に、血圧や心拍数がどのように変化するかを測定します。一般的に、測定は数分間続けて行います。血圧の低下が認められた場合は、起立直後性低血圧(INOH)と呼ばれる状態で、起立性調節障害の一つの症状です。心拍数が異常に上昇する場合も、起立性調節障害の特徴で、体位性頻脈症候群(POTS)タイプと診断されます。起立性調節障害の治療は症状の重症度によっても変わってきます。軽症の場合は、自身でできる取り組みから始めていくことが多いです。内容としては、以下のようなことが挙げられます。・起床時にはいきなり立ち上がらずに30秒ほどかけてゆっくり起立する・早寝早起きなど生活リズムを規則正しくする(怠くても日中は体を横にはしない、など)・水分を多めにとる(1日1.5L~2L目安)・塩分を多めにとる(1日10~12グラム目安)・毎日運動をする(15分程度の散歩から始めると良い)・加圧ソックスや腹部バンドを着用する(血圧低下を予防) など以上のような取り組みに加えて、薬を使った治療が行われることがあります。起立性調節障害に処方される薬は症状によって変わってきますので、次に紹介します。起立性調節障害の治療では、血圧を上昇させるために以下の薬が処方されることがあります。・ミドドリン塩酸塩(メトリジン錠、メトリジンD錠)・メチル硫酸アメジニウム(リズミック)起立性調節障害は朝に血圧が上がらないことで、さまざまな症状が表れるため、このような血圧を上昇させる薬が効果的と言われています。また、起立性調節障害に不安障害や抑うつ状態が伴う場合には、SSRI(向精神薬)が処方されることもあります。昼夜逆転など睡眠リズムが整わない時には、自然な睡眠サイクルを調整する役割を持っているメラトニン受容体作動薬を使用することもあります。起立性調節障害へは起立時のめまいなどに効果があるとして、以下のような漢方薬が処方されることもあります。・苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう): 立ちくらみやめまい、頭痛など・半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう):胃弱、頭痛、ふらつき、めまいなど・補中益気湯(ほちゅうえっきとう):疲労倦怠など・小建中湯(しょうけんちゅうとう):腹痛、疲労倦怠など・真武湯(しんぶとう):冷え性、胃腸虚弱、神経衰弱など起立性調節障害への漢方薬の使用はエビデンスが少ないのが現状ですが、この中でも苓桂朮甘湯は4~8週間使用することで起床時のめまいなどが改善されたという報告があります。参考:平澤 一浩, 大塚 康司, 塚原 清彰 著「複数の臨床的指標を用いて苓桂朮甘湯の有効性を確認できた起立性調節障害の2例」日本東洋医学雑誌 73巻(2022年)4号 p. 375-381薬を飲んでも起立性調節障害がなかなか治らない…どうしたらいい?起立性調節障害の治療をしていても、なかなか改善しないと悩んでいる方もいると思います。一般的に起立性調節障害の治療は長くかかると言われています。軽症の場合は日常生活に影響が少なくなるまで数ヶ月、中程度の症状の場合は1年後の回復が約50%、2~3年後の回復が約70~80%程度です。重症の場合は、さらに期間が長くなることが考えられます。そのため、長い目で見て治療を進めていくという姿勢が大事になってきます。また、服薬だけで改善するわけではないため、合わせて生活の中でできる取り組みをしていくことも大切です。心理・社会的要因として、学習不振などが関係していることもあり、起立性調節障害だと思ったら、実は学習障害もあったなど、発達障害と診断されることもあります。生活習慣の改善に取り組んでも、なかなか症状が改善しない場合には、心理社会的要因へのアプローチも主治医と相談することが大切になります。まずは家族など周りの人が起立性調節障害のことを理解することが大事です。起立性調節障害があると、朝起きられずに学校に遅刻したり欠席したりするのに、午後からは回復してくる場合もあることから、「怠けているのでは」「学校をさぼりたいだけなのでは」と思われることがあります。しかし、起立性調節障害は身体的な疾患であり、気持ちや根性では改善しません。「早く起きなさい」などとってもよい結果にはなりません。まずは、この状態は起立性調節障害の症状で、本人もつらい思いをしているということを理解して、病院の受診を促すとともに、家庭でもできる改善のためのサポートをしていきましょう。起立性調節障害は生活リズムを整えることが大事です。そのために家庭でできる工夫としては以下のようなものがあります。・起こし方を本人と家族で相談しておく・昼間横にならないように声掛けをする・就寝時刻の30分前にベッドに入るように決めておき、時間になったら消灯する・夜9時以降のテレビ・ゲーム・スマートフォンの使用は控える・カーテンを開けて朝日を部屋に入れる・起床後シャワーを浴びる などすぐに早寝早起きをすることが難しい場合には、まずは無理なく起きられる時間から始め、徐々に起きる時間を早めていくなど工夫をしながら進めていくといいでしょう。また、現在ではスマートフォンで「夜9時以降に特定のアプリは使用できないようにする」など設定が可能です。ほかにも、時間になったら自動で照明を消す装置やカーテンを開ける装置も販売されています。このようなツールを活用することで、本人も家族も負担が少なく進めることができるでしょう。起立性調節障害により学校に行くことが難しい場合は、学校と連携することも重要です。必要に応じて病院で診断書を出してもらい、学校の担任やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどと相談しながら、学校に通いやすいように配慮事項を決めていくといいでしょう。具体的な配慮としては、午後からの短時間登校、保育室などへの別室登校を認めてもらう、楽な姿勢で勉強できる環境を整えてもらうなどがあり、段階的に学校へ通えるようにしていくことがあります。午後からの登校は起立性調節障害の症状への配慮だけでなく、電車通学の場合はラッシュアワーなど負担となる状況を避ける意味合いもあります。周りの生徒の反応が不安な場合は、先生から遅刻の理由や起立性調節障害について周知してもらうという配慮もあります。ただ、知られることが負担という子どももいるため、家庭と学校でよく話し合って決めていくとよいでしょう。いずれにしても、本人や保護者だけが問題を抱え込むことがないように、家庭と学校がお互いに相談しあえる関係をつくっていくことが大事です。起立性調節障害への治療では、心理療法が行われることもあります。心理療法は臨床心理士などと話すことで、問題を整理したりストレスを軽減させたりする治療法です。カウンセリングとも呼ばれます。例えば学校を長期間欠席することや、ほかの生徒と違う通い方をしていることなどに不安や気分の落ち込みがある場合に、心理療法で精神的な問題を解消させていきます。不安が強く心理療法を希望する場合は、主治医に相談してみるといいでしょう。参考:カウンセリング / 心理療法|厚生労働省 e-ヘルスネットまとめ起立性調節障害は10~16歳の思春期に多く、自律神経が乱れることでさまざまな症状が表れる疾患です。症状は朝起きられない、めまい、頭痛などがあり、不登校の子どものうち3~4割は起立性調節障害があるとも言われています。起立性調節障害は小児科や循環器内科、脳神経内科などで診てもらうことができ、薬物療法や生活リズムの改善などを通して治療していきます。起立性調節障害の影響で学校に行けないという場合は、学校とも相談して午後からの登校、別室登校などの配慮を受けることもできます。起立性調節障害の治療期間は数ヶ月から数年と長くかかることがあるため、長い目で見ながら進めていくといいでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2024年10月13日