ウーマンエキサイトがお届けする恋愛の新着記事一覧 (4/104)
「今後について考えるため彼氏と距離を置く」と題する女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。トピ主さんは、結婚を前提に交際している彼氏から最近「1、2か月程、距離を置こう」と言われたそう。彼曰く、その理由は「結婚や今後の仕事、生活、子育てなどを冷静に考えるため」。トピ主さんは、自分との将来を真剣に考えてくれていることはうれしかったものの、彼に「ずっと一緒にいたいという強い思いがないこと」がショックだったとか。彼は自分と結婚してくれるだろうか、別れを決断するつもりだろうか…と読者の意見を求めています。「距離を置きたい」というときの目的は?交際相手からの「距離を置きたい」という言葉に悩む人は、男女問わず少なくないですよね。それだけ、人の気持ちには明確に白黒をつけるのが難しいときもあり、かつ人生には一時の感情だけで決められない場面もある……ということなのでしょう。各々に事情はあるでしょうが、恋人に「距離を置きたい」と告げるときの目的には、主に以下の3つがあるかと思います。A)目的:別れること……すでに別れてもいいと思っているが、傷つけたくなくて「別れよう」と言えない言われる側からすれば最もつらい理由ですが、離れてみて自分の中の気持ちを再確認するケースもあり、元に戻れる可能性が1%もなく絶望的、ということはないと思います。しかしながら、この理由で「距離を置きたい」というときには、一旦でも別れを決断する瞬間があった可能性が高く、そのまま別れたり、フェードアウトしたりすることもあり得るでしょう。B)目的:休むこと……とりあえず今、交際に疲弊している。関係性や環境が変われば、また元に戻れるだろうと感じている恋愛もひとつの人間関係ですので、距離が近くなりすぎると「疲れた、ひとりの時間がほしい」と感じる瞬間が出てくることもあります。交際中、それを相手に伝えても変化がなく、思いが沸点に達したときに、要求を通す手段として「距離を置きたい」という言葉が飛び出してくる――。この時点で、既に「ひとりの時間を持ちたい気持ち」が相当高まっていると予想できるので、この場合は、素直に距離を置いてあげたほうが関係改善する可能性は高いでしょう。再び通常の交際に戻った後は、お互いに心地いいと思いあえる最適な距離感を模索していきましょう。C)目的:確かめること……一旦離れてみることで、この関係の「必要性」や「将来性」を確かめたい今回のトピ主さんの彼は、これを理由に述べたようですね。「恋愛と結婚は別物だ」「嫌いになったわけではない、むしろ好き」と述べる一方で、結婚後に意見が合わず「別れてしまわないか心配」という迷いも語っている。さらには、「今後、今以上に相性のいい人がいてその人と結婚した方が幸せならお互いにその方がいい」など別の選択肢も口にしており、本当に今、トピ主さんとの結婚を決めていいのか……という迷いへの答えを出すために、距離を置いて考えたいと思ったのかもしれません。期限があるなら、それまで前向きに過ごすのも一案うがった見方をすれば、本当は別れたいのに口実を述べているだけでは? なんて邪推もできますが、投稿を拝見して希望が持てると感じたのは、彼が「1、2か月」と期限を明言した点。もし別れたいのであれば、このような期限設定はしないと思います。彼の発言を見る限り、いま別に気になる異性がおり、その人との可能性を模索したいと思っている……といった邪推もできます。深く追及してみるのもひとつですが、人の心に紐は付けられないですし、彼のトピ主さんへの気持ちが以前より薄れている可能性が高い今、そうした行動は“別れ”を覚悟してから行ったほうがいいでしょう。「一瞬でも自分をおろそかに扱うような男性とは縁がない!」とこちらから別れを告げる選択肢もあります。それによって逆に彼の目が覚めたり、別のいい男性と巡り会えたりすることもありますし、自分がそうしたい、そうしたほうがいいと思うならば、行動してみることをおすすめします。しかし一方で、距離を置いたあとに復縁したり、結婚したりしているカップルが少なからずいるのも事実です。彼との結婚を望んでいるのであれば、「1、2か月で結論は出るし、私が悩んでも仕方ないことだ」と問題を棚上げしておくのもひとつ。しばらく恋愛を休んでみてもいいですし、彼を信じて待つにしても、「3か月が限度」などと自分なりの最終期限を決めておくといいかもしれません。あるいは、「彼が戻ってきたって、こっちだって考え直してやるんだからね!」と強い気持ちで日々の充実に励んだり、新しい恋の可能性を探ったりしてみるのも自由です。ピンチはチャンス。「よりよい関係性を手に入れる好機かもしれないし」なんて前向きに捉えてみるのもおすすめです。“彼の意向ありき”になりすぎず、「私はこうしよう」と決めて、主体的に行動していけるといいですね。応援しています。(外山ゆひら)
2018年10月01日子どもの独立を機に、家事・育児と仕事だけに明け暮れていた自分の人生を振り返り、突然何かに憑かれたように若返りに熱中し始める妻。一気に「若さ」と「オンナ」を取り戻そうと、ファッションやヘアスタイルも180°方向転換し、ベッドでもセクシー全開で夫に迫るも拒絶されてしまう…。 前回 ご紹介したのは、そんな「やりすぎ美魔女」の翔子さんのお話でした。良妻賢母として長年立派に家族を支えてきた翔子さんが、どうして突然「やりすぎ美魔女」に変貌してしまったのか。今まさに良妻賢母として、家事に育児に仕事に奮闘しているあなたも、翔子さんと同じ轍を踏んでしまう恐れはないでしょうか。以下のチェックテクストで確認してみてください。■「モダンセクシャル系モンスター やりすぎ美魔女」度チェックここでは、あなたの「モダンセクシャル系モンスター やりすぎ美魔女」度をチェックしてみましょう。以下の質問で、〇はいくつありますか?1. 早いうちに結婚し、結婚後はずっと家事育児で忙しかった。2. 「結婚したからには良妻に」、「子どもを生んだからには賢母に」という保守タイプだ。3. 「かわいい」「きれい」「色っぽい」等、女性的なイメージのものは自分には似合わないと思っていた。4. 「やるべきこと」ばかり優先して、「やりたいこと」をする時間がない生活を送ってきた。5. 変身願望があり、まったく別の人生を生きてみたいと思うことがある。6. 憧れの人について情報収集したり、マネをするのにハマったことがある。7. 思い込みが激しいほうで、一度思い込んだら周りが見えず突っ走ってしまう傾向がある。8. 家族や友人から「やることが極端」と評されたことがある。9. 長いこと、夫は自分の夫というよりも、子どもの「お父さん」でしかない感じだ。10. 自分の人生に「やり残した感」、「不完全燃焼感」を抱いている。■あなたの「やりすぎ美魔女」度は何レベル? 「モンスターワイフ」判定結果「やりすぎ美魔女」度をチェックする質問に、あなたはいくつ〇がありましたか? 下の判定結果と照らし合わせて、自分のモンスターワイフ度を確認しましょう。○の数が3個以上6個未満は、やりすぎ美魔女度「C」(「良妻賢母」として全力疾走してきたけれど、「私の人生、これでいいの?」という思いを抱き始めているのでは?)○の数が6個以上8個未満は、やりすぎ美魔女度「B」(変身願望が膨張中。これまでの人生を取り戻すべく、「若さ」や「新しい自分」に向かってひた走り始めます)○の数が8個以上は、やりすぎ美魔女度「A」(あなたの変身計画は、もはや誰にも止められません。夫はあなたの変貌ぶりに戸惑っているはずです)夫の正人さんに向かって、離婚まで切り出した翔子さん。その後、2人はどうなったのでしょうか。このご夫婦、奥さんも旦那さんも、基本的に「良い妻」「良い夫」。ともに真面目な働き者で、「お父さん」「お母さん」として協力し合い、2人の息子さんを立派に育て上げました。しかし翔子さんは「良妻賢母」を頑張りすぎました。家事・育児・仕事だけに全力投球。若くして結婚してから下の子どもが独立するまで、「自分のやりたいこと」について考えたこともなければ、「自分の時間」を持ったこともありません。時間もお金も、すべて家族(主に子ども)に捧げる生活を送ります。そして、子どもの独立とともに訪れる「空の巣症候群」。これまで時間とお金、心身のエネルギーのすべてを注いでいた対象を失って、どう生活していけばいいか分かりません。ラブラブの夫婦なら、「これからは夫婦水入らずで楽しく過ごすぞ!」ということになり、なんの問題もないのです。ところが、それまで「お父さん」と「お母さん」でしかなかった大半の夫婦は、そうはいきません。「お母さん」の役割を失った妻は途方に暮れ、子どもがいなくなった家での「お父さん」とのかかわり方に戸惑ってしまうでしょう。そんな手持ち無沙汰な日々を送る妻が、ひょんなことから興味をひかれるものを見つけると、ポーンとたがが外れる場合があるのです。「やるべきこと」を必死にこなす長い年月の末に、突然、自由に使える時間とお金ができたのですから、当然といえば当然です。そして、それまで真面目一筋、質素一辺倒というタイプだった人ほど、その反動で極端な行動に走ることが多いといえるでしょう。翔子さんは、まさにその典型例でした。美容やファッションと無縁な生活から、時間もお金も一気に「美」と「若さ」に傾注。「これまでできなかったことを、今から全部やる」「失った時間を取り戻す」という意気込みはすさまじく、「節度」などという概念は頭からすっぽり抜け落ちてしまいました。さらに悲劇だったのは、若さと美しさに向かって突っ走った翔子さんの目標地点が、夫の正人さんの好みとはかけ離れたところにあったことです。夫婦が長年「お父さん」と「お母さん」でしかなかった場合、夫も妻も相手の異性の好みに鈍感になってしまうのは避けられません。正人さんにも問題はありました。これまで美容に気をつかう暇もないほど、家族のために尽くしてきた妻。夫がそんな妻の労をねぎらい、「今からでもきれいになりたい。女性として大切にされたい」という妻の思いに寄り添うことができたなら。そうすれば、翔子さんのベッドでの「大爆発」のような事態は回避できたはずです。とはいえ、正人さんも長年忙しく働いてきて、妻の心情の変化やその背景を緻密に読み取れるほど、妻の観察や分析に傾ける時間がありませんでした。こうした状況が、妻の「空の巣症候群」を深刻化させ、熟年離婚にもつながっていくのです。■「本当に美魔女になりたいの?」暴走に気づかせてくれたのは…若さとオンナを取り戻したくて必死の妻。妻の変貌ぶりを理解できず、恐怖すら覚える夫。そんな状況に陥ってしまった翔子さんと正人さんを救ったのは、結婚して他県に住んでいた長男、雄太さんでした。妻が友だちと週末旅行に出かけた雄太さんが久しぶりに実家に帰ると、両親は未曾有の冷戦真っ只中。驚いた雄太さんは、両親それぞれに話を聞きます。父、正人さんの言い分はこうでした。「お母さんが突然、年甲斐もなくおかしな格好をし始めた。派手で若作りの化粧や髪型は、正直気持ちが悪い。ダイエットにもやたら必死になっているし、もういい年なのに今さらなにがしたいのか、全く理解できず困っている」これを聞いた雄太さんは、こう言って父親を諭したといいます。「父さん、それはひどいよ。父さんは『突然』って言うけど、母さんはこれまで、おしゃれしたくてもそんな時間なかったじゃないか。和明が家を出て、ようやく時間もできて、お金の心配もいらなくなったからじゃないの。確かに派手な服や髪型ではあるけど、母さんの気持ちもちょっとは考えてあげなよ」そして「きれいになろうと頑張っているのに、お父さんはほめてくれるどころかけなすだけ。もう離婚したい」と言う母の翔子さんには、こう声をかけたそうです。「確かに父さんは女心が分かるタイプじゃないから、母さんもつらいだろうけどさ。でも、父さんを振り向かせたいなら、頑張る方向が違うんじゃないの? だって父さんは『吉永小百合さんは永遠の美少女だなー』とか言ってるタイプだよ。奥ゆかしい清楚系っていうの? そういうのが好きなんじゃない? 少なくとも『とにかく若くて細い、今風の子がいい!』っていうタイプじゃないよ、父さんは」目からウロコ状態の翔子さんに、雄太さんはさらに言いました。「母さんがピンクのスカートや花柄のワンピースが好きで、そういうのを着るのが楽しいって言うなら、それが父さんの趣味じゃなくても、俺はいいと思う。母さん、俺と和明を追っかけ回すのに忙しくて、動きやすい格好ばっかりだったでしょ。やっと時間もお金もできたんだから、母さんが本当に好きなことをやればいいんじゃない」息子にそう言われて、翔子さんはハッとしました。私はピンクやらサテンやらミニワンピやらシースルーのスリップやら…そういうものが、本当に好きなのかしら? いや、違う。気づいたらすっかり年をとっていたことがショックで、とにかく若返りたいと思ったばっかりに、分かりやすい「美魔女」のイメージにすっかり執着して、分かりやすい「今風の若い女の子」のイメージを追いかけていただけだ。ネットや雑誌が発信するイメージ通りの「若くてきれいでセクシー」な女性になれば、夫も自分に振り向いてくれるはずだと思い込んで、ことが期待通りに進まないと夫を責めて…。「私は夫の好みどころか、自分が本当はどうしたいのかすら、ちっとも見えていなかったんです」と翔子さん。そして、ネットや雑誌に踊らされていたのはファッションに関してだけでなく、セックスについても同じだったようです。「20年間スキンシップらしいスキンシップもない状態だったのに、突然スケスケの下着でセックスを求められたら、そりゃあ夫だって困りますよね。冷静になった今なら、それくらい分かるんです。でも当時は、ネットで『してる女性は若々しい!』『女性としてのツヤや潤いを保つには、セックスが不可欠!』というような記事ばかり読んでいて。本当にお恥ずかしい話なんですけど、『私の身体の中にペニスでしか押せないスイッチのようなものがあって、セックスでこのスイッチが押されれば、女性ホルモンが活性化して若返る』みたいなイメージで、頭がいっぱいだったんですよ。だからなにがなんでも、とにかくセックスにこぎつけなきゃ、って思いつめていて…」夫に怖がられて当然でしたよね、と苦笑する翔子さん。息子さんのおかげで目が覚めた翔子さんと、妻の女心を理解しようと努めるようになった正人さん。以前よりも会話が増えて、2人で過ごすこれからの人生について、楽しく前向きに考えることができるようになったそうです。翔子さんのケースを踏まえて、私から読者の皆さんにお伝えしたいこと。それは、徹底した自己犠牲に基づく良妻賢母的生活は、妻たちの心の中に「やりすぎ美魔女」の卵となる「やり残した感」を蓄積していく可能性がある、ということです。もちろん、良妻賢母を目指すのは素晴らしい。けれど、自分の好きなこと・やりたいことにひたすら目をつむって家族のために頑張って、20年後に「これまでずっと努力と忍耐ばかりだった! 私の人生を返して!」ではいけません。それに、いくらやるべきことを完璧にこなしてくれても、頑張り通しでいつもクタクタ・ぼろぼろ・イライラ感満点の妻・母では、夫も子どもも幸せではないのです。20代から40代の、家庭でも仕事でも忙しい時期であっても、自分の希望も忘れないようにすることが大切です。夫にかわいくお願いして、子どもにやさしく協力を仰いで、できる範囲内で好きなことをする。息を抜く。風を通す。わがままの一つも言う。「あなた、節約もっと頑張るから、このコート、買ってもいいかな?「ママ、来週は隣町の美容院に行ってみたいから、パパとお留守番しててくれる?」そして、笑顔のあなたの「ありがとう!」が聞ければ、家族みんながハッピー。妻が「やりすぎ美魔女」の卵を抱え込むこともないのです。「私は50代で、『やり残した感』のかたまりなんですけど…」という方もいるでしょう。これまで妻業・母業のみに専念していて、「自分の好きなこと・やりたいことなんて考えたこともなかった」という人は、自分が本当に好きなテイストや、自分に合ったスタイルが確立されていません。そんな状態で「さあ、今から時間とお金をどう使おう?」という女性にとって、現代社会はとても危険で落とし穴がいっぱい。スマホひとつあれば、ありとあらゆる情報が流入してくるのです。一度ネットの世界に繋がってしまえば、メディアが発信するメッセージや、「世間一般」の声をシャットアウトするのはもはや不可能。加えて怒涛の広告攻撃。「自分のスタイル」がない女性は、目を奪われたキャッチーなものにあっという間に夢中になり、執着してしまう恐れがあります。自分は本当にそれが好きなのか、それは自分に似合うのか、夫はどう思うかな? などと考える暇もなく。また、自分が本当に好きなものは見つけることができた。でも、それが夫の好みとは異なる…という人もいるでしょう。例えば、自分はセクシー系に挑戦してみたいけれど、夫は清楚系が大好き。あるいは、自分はシンプルでナチュラルなスタイルこそ大人のおしゃれだと思うけれど、夫は女性には華やかな色っぽさを求めている。いくら仲良し夫婦になるためとはいえ、夫の好みに合わせて自分の好みをねじ曲げたり、自分の好きなものをあきらめてばかりいるのは健全ではありません。では、どうするか?あなたが「夫を喜ばせてあげようかな」と思うなら、エンターテイナーになったつもりで、夫の喜びそうなスタイルを実現してあげればいいでしょう。サービス精神旺盛な器の大きい妻は、愛され妻になれます。夫と出かける時には夫の好きなスタイル、自分ひとりの時には自分の好きなテイストを満喫、というように自分の趣味も上手に楽しめば、不満をためこむことも避けられます。いやいや、私はどうしても自分の好みを優先したい。夫が眉をひそめるようなものであっても、わが道を行きたい、という場合。そんな時には、「私の趣味を認めてくれてありがとう」という気持ちを持つことです。自分の好きなことを好きなようにやっていて、「夫がほめてくれない」などと不機嫌になるのは、お門違いというもの。わが道を突き進むのなら、この点を忘れないようにしてください。夫の目から見たら「なんじゃこりゃ」と思うような格好をしていても、心底それを気に入って妻がイキイキと楽しみ、「これいいでしょ? ほめてよ!」などと夫に強要さえしなければ、「そんなに好きならまあ、いいか」と大目に見てくれるものです。妻になっても、母になっても。役割が増えても、あなたの人生はあなたのものです。果たすべき役割が変わったり減った時に、「やり残した感」にさいなまれて自分を見失わないように、「役割」が許す範囲で自分の人生を楽しんでください。そんな生き方が、「やりすぎ暴走モンスター」からあなたの身を守ってくれます。
2018年09月30日夫の愛が冷めてゆく…それは、妻にモンスターワイフの影が見えるから…。「いつまでも若く美しく」。それは女性の究極の願い。そんな女性たちの願望を反映して、今やアンチエイジングは一大産業です。美容院やエステサロンのソファでめくる美容雑誌。息を飲むほど美しいモデルたちの笑顔…。最新の技術・研究のおかげで、女性たちの「見た目年齢」はかつてないほどの若返りを実現しました。ついには「美魔女」と呼ばれる女性たちまで登場しました。妻たちがいつまでも若々しく、かわいらしく、女性らしい…。そんな社会が到来すれば、私の人生テーマである「仲良し夫婦」の人口は確実に増えていくでしょう。ところが残念ながら、女性なら誰もが持つこの「アンチエイジング願望」が暴走し出し、妻をモンスターワイフ化させてしまう恐れがあるのです。「若くありたい。誰よりも美しくありたい」そんな女心に、モンスターがつけ入るスキを与えないよう、今回ご紹介するケースを他山の石としてください。■子どもが独立「残ったのはオバサン化した自分だけ」美魔女ブームにあせり…「モダンセクシャル系モンスター やりすぎ美魔女」代表:翔子(仮名)49歳の場合「え、この人が50歳? ウソでしょー!?」リビングのソファでスナック菓子をつまみながらスマホをながめていた翔子は、一人で大声を上げてしまった。1年前、長年使用していた「ガラケー」がとうとう故障。翔子はいらないと言い張ったが、次男の和明に「今どきガラケーなんてもう売ってないから」と説得され、新しく持たされたのがこのスマホだった。少し前まで翔子のスマホは、ガラケーと同じように電話とメールにしか使われていなかった。ところが3カ月前、和明が大学を卒業して就職のために首都圏へ引っ越すと、ポッカリと空いた時間と心の隙間を埋めるように、翔子はスマホが手放せなくなった。翔子は21歳の時に、同い年の正人と結婚。2人の息子に恵まれた。正人は真面目な働き者。しかし小さなメーカーに勤める夫の収入だけでは、大学卒業まで続く息子2人分の教育費などをまかなうのは難しい。そう考えた翔子は、若い頃からあらゆるパートに精を出した。5年前からは近所のスーパーで、週に5日働いている。そんな翔子の努力を知ってか知らずか息子たちは立派に育ち、2人とも国公立大学に進学してくれた。そして兄に続いて優良企業への就職を果たした次男も、ついに実家を巣立っていったのだった。長い間、子ども中心に過ごし、夫よりも子どもたちと一緒に過ごしてきた翔子。2人の子どもが独立した今、家での時間をどう過ごしていいか分からない。夫と話をしようにも、息子たちの近況やテレビニュースくらいしか話題がなく、会話が続かない。そんな時、次男が残していってくれたスマホが目に止まった翔子。彼女は驚いた。こんな小さな携帯ひとつで、あらゆる情報が瞬時に手に入る。ネット上には料理のレシピにダイエットのエクササイズ、あらゆる情報があふれている。しかもそれらが全部タダ。翔子は一気にネットサーフィンのとりこになった。そんなある日。健康に関する情報を探していた翔子は、とある美容サイトにたどり着いた。そこで彼女は耳慣れない言葉を目にする。「美魔女…?」そこには女優かなにかのような、華やかな女性の笑顔。その横にはひとこと、「私、50歳に見えますか?」。「50歳って…私より年上!?」翔子は衝撃を受けた。そして思わず、リビングの鏡の中の自分の顔をのぞき込む。…スマホの中で微笑んでいるこの女性と私は、まるで別の生き物だ。これまで家事や育児とパート仕事ばかりの生活で、自分の外見だの美容だのといったことは、気にかけたことすらなかった。けれど特に根拠もなく、自分の見た目は「年相応」だろうと思っていた。ところが、私が忙しく日々を過ごしているうちに、「年相応」などという基準はなくなってしまったらしい。そう思ったらなんだか急に、翔子は自分のたるんでくすんだ肌、最後に美容院に行ったのがいつだったか思い出せないほどのバサバサ髪を、とてもみじめに感じた。「こういう人たちってどうせ、ものすごいお金持ちの奥様とかなんでしょ。庶民は足を踏み入れることもできないような、会員制高級エステとか? そんなところの化粧品ばっかりそろえてるのよ。そりゃあ金に糸目をつけなければ、美しさも買えるってもんよね…」くやしまぎれにブツブツ言いながらスマホをいじっていた翔子の指が、ピタリと止まった。「奇跡の美魔女・麗子さんプロデュースのコスメの購入はこちらから…? え、なに、この人が使ってる化粧品が、買えるの? それもスマホで?」翔子は思わずネットショップのページへと飛び、「おためしセット」の値段を確認してしまう。「2週間分が3,000円って、高い! いつもドラッグストアで買ってるオールインワンジェルは1,000円しないし、2カ月はもったわよね。お得なセットで3,000円って、高すぎるわよ!」そう思いショップのページを閉じようとした翔子だったが、ふと考えた。これまで和明にかけてきたお金、これからはある程度自由になるのよね…。次男の引越しがすんで以来、翔子の銀行口座の残高は増える一方だった。パートとはいえ、週に5日働いていればそこそこの額が稼げる。老後に備えるためにも、もちろん給与のすべてを「おこづかい」として使えるわけではない。けれども、これまでなんだかんだと息子のために消えていったお金の一部を、自分のために使ったってバチは当たらないだろう。これまでずっと、家族のために頑張ってきたんだから…。それでもまだ躊躇(ちゅうちょ)している翔子の背中を、スマホで微笑む美魔女の麗子さんが押した。「私が特別なわけではありません。丁寧なお手入れを続ければ、あなたの中の若々しさや美しさも、必ず目を覚まします」「…よし!」翔子は「購入」ボタンをクリックした。■美魔女活動に精を出す妻「若さを取り戻したい!」しかし、夫は無関心…その日から翔子の生活は一変した。ヒマさえあれば、スマホで美魔女情報探し。彼女たちは、その実年齢がとても信じられないほど若々しく、かわいらしい。私だってもっと若ければ、こんな服を着てみたかった。こんな髪型にも挑戦してみたかった。美魔女たちは翔子がそんな風に憧れるスタイルを、年齢にとらわれず自由に楽しんでいるように見える。そんなスマホの向こう側の美魔女たちを連日ながめているうちに、翔子は自分の人生は間違っていたのではないかという絶望感にさいなまれ始めた。私はずっと家事と育児に追われて、一番きれいな時期、楽しい時期を、これっぽっちも楽しまずに年をとってしまった。体重もシミもシワも、白髪までどんどん増えて、花柄のワンピースもピンクのミニスカートも、明るい色のゴージャスな巻き髪も、私にはもう無理…。心を押しつぶすような後悔の念が、翔子に重くのしかかる。「今から、少しでも若返りたい」そう切望した翔子は、「有名美魔女」オススメの商品とあらば、化粧品であれサプリメントであれ飛びつくようになった。当然、パートの給与はどんどん消えていくため、それまでは「家庭第一」と断っていた週末の出勤や遅番も、翔子は引き受けるようになった。さらにダイエットのために、毎日最低1時間のウォーキングも開始した。使える時間とお金を一気に美容に傾注した甲斐あって、翔子の体重は順調に落ち、肌や髪もツヤを取り戻し始めた。パート仲間たちは、すぐに翔子の変化に気づいてくれた。「なんだか最近スッキリしたね!」「お肌の調子が良さそう。化粧品変えたの?」そんな言葉をかけられるたびに、翔子は幸福感に満たされた。結婚後すぐに妊娠。出産して以来ずっとあきらめてきたものを、私は今、取り戻している。そう思ったら、翔子の若返り熱にはもう歯止めがきかなくなった。「私だって美魔女になりたい。若い頃にできなかったことを、今からだってやってみたい」憧れの美魔女たちのブログやインスタグラムをくまなくチェックするのが、翔子の日課になっていた。彼女たちの生活の中に少しでもマネできそうなことを見つければ、すぐさま自分の日常に取り入れる。近所の大型衣料品店で買っていたダボダボの部屋着は、丈の短い花柄のワンピースになった。「近いから」というだけの理由で10年以上通っていた美容院は卒業。ネットで見つけたおしゃれなヘアサロンで、カラーリングとパーマをオーダー。ファッション雑誌など以前は買ったことがなかったが、今では毎月2冊以上を購読。それも「無難に年相応」な雑誌ではない。美魔女たちをマネて20代の女の子のようなかわいらしさを追求し始めた翔子は、20代向けの女性誌を読みあさるようになる。美魔女たちがSNSで発信しているように、「愛され系」「艶っぽ系」に大変身して、夫ともラブラブ…というのが、翔子の思い描いたシナリオだった。ところが…これだけ努力して成果を上げているにもかかわらず、夫の正人が翔子にほめ言葉らしきものをかけてくれたことは一度もない。「お父さん、私8キロも痩せたのよ。部屋着だってすごくおしゃれに、女っぽくなったでしょ。お肌も髪も若返ったって、パート仲間にもほめられるのよ。なのにお父さんは、どうしてなにも言ってくれないの?」夫が鈍感なタイプであることは、もうずっと前から分かっていた。でも、それにしたって…これだけきれいに、色っぽく若返ったのだ。面と向かってほめるのが照れくさいなら、ちょっと態度がやさしくなるくらいでもいい。これまでの結婚生活で捨てざるを得なかった「オンナ」を、私は今取り戻そうとしているのだ。夫にも私のことを、ひとりの女性として扱って欲しい。美活に没頭する一方で、翔子のそんな欲求不満はどんどんふくらんでいった。■夫とセックスレス「露出多めの下着やナイトウエア」で迫ってみたものの…そんなある日、いつものようにスマホでアンチエイジングの特集記事を読んでいた翔子は、衝撃的な見出しを目にする。「いつまでも若い女性は、ベッドでもいつまでも現役!」「女性ホルモンの分泌を促進する『若返りセックス』!」翔子は動揺しつつ、記事を読み進める。「いくら努力してスタイルやお肌のコンディションを維持しても、セックスから遠のいてしまった女性には、女性らしい艶や潤いが足りません。ベッドでもいつまでも『現役』の女性は、セックスなしでは醸し出せない女らしさ、色気をまとっています。そんな女性は、いくつになっても魅力的。セックスによって女性ホルモンの分泌が促進されると、女性は心も体も若返ります。セックスこそ、最高のアンチエイジングなのです」翔子は愕然とした。どんなに時間とお金をかけて努力しても、セックスなしじゃダメってこと? もしかして、「美魔女」たちがあんなに輝いてどこからどう見ても年齢不詳なのは、セックスの効果? セックスこそ、アンチエイジングの決定打ということか…。そこまで考えて、翔子は思考停止におちいってしまった。セックスって、私もうどれだけしてないのかしら。次男が生まれてから、ほとんどしていない気がする…ってことは、20年以上!? 希望通り2人の子どもを授かって以来、セックスについて考えたことなんてなかった。でも美魔女たちは、40代、50代になっても「してる」ってこと?セックスがアンチエイジングの最終兵器になるというのなら、絶対に試してみなければ。「ラブラブ夫婦」への突破口も、ここから開けるかもしれない。翔子は夫をベッドに誘う決意をした。金曜日の夜。それほど遅くなる前にベッドに入った翔子は、夫の背中に手を置いて話しかけた。「ねえ、お父さん…」「あ?」正人の声はすでに眠そうで、話しかけられて迷惑そうな様子。「あ、なんでもない」翔子はあわてて手を引っ込める。あまりにも久しぶり過ぎて、どこからどう話を切り出していいか分からない。どうしたものかと策をめぐらせていると、1分もたたないうちに夫の寝息が聞こえてきた。翔子は仕方なく、自分も眠りにつくことにした。翌日。翔子はスマホとにらめっこしながら、「夫をさりげなく誘う方法」をリサーチしていた。「愛され妻になるための方法」といったホームページやブログが、山のようにヒットする。「完全なマンネリ夫婦で色っぽい雰囲気にならないのなら、ナイトウエアを工夫してムードを演出?」ナイトウエアって、パジャマのことでしょ? パジャマなんて私、ショッピングモールの福袋に入ってたのをなにも考えずに着てたわ…。その記事には、ツヤツヤしたサテンのネグリジェの写真が添えられている。かわいい…でもこんなの、若い子向きでしょ。あ、このページから、オンラインショップにジャンプできるのね。今ならセール中で4,000円? 私の年齢じゃムリかと思ったけど、家で、しかも夜しか着ないんだからいいかしら。それに、うちのお父さんは鈍感だもの。これくらい思いきらないと、気づいてもらえないかもしれないわ。結局、翔子はその日、「おうちでもオンナに手を抜かない」「寝姿もセクシーにかわいく」というキャッチコピーのパジャマやネグリジェを3着購入した。すぐに購入した商品は届き、早速鏡の前で身に着けてみる。ダイエットの甲斐あって、体のラインがあらわになってももう見苦しいことはない。お父さん、なんて言うかしら。翔子はドキドキしながら夜を待った。ところが…正人はネグリジェ姿の翔子をひと目見るなり、「なんだ、そりゃ」と眉をひそめた。「ネットでね、セールになってたの。たまにはこういうのもいいかと思って…」「いくら安くても、それはないだろ。そんなスースーした格好して、腹こわすぞ」それだけ言うと、正人は翔子に背を向けて、いつも通りすぐに寝入ってしまった。そして、残念ながら購入した残りの2着についても、夫の反応は翔子の期待を裏切るものばかりだった。「一体なんのつもりだ。風邪ひくぞ」「年を考えろよ」「悪趣味だな」翔子はすっかり気落ちしてしまった。いい雰囲気になるどころか、夫は冷たい言葉でダメ出しの連発。悲しいと同時に、夫に対して腹も立った。一体どうすれば、このマンネリを打開して、20年ぶりのセックスにこぎつけることができるのか…そんな悩みを抱えてスマホにすがりつく翔子の目に、今度はこんな記事が飛び込んできた。「抱かれる女性は下着にこだわる」「エロかわいい大人ピンクで、男性をトリコに」そのページで紹介されているのは、ふんだんな黒のフリルで飾られた、ショッキングピンクのシースルースリップだった。女の私から見ても、すごくセクシー…。こんな下着姿で迫られたら、男性なら誰でも心奪われるはず。気づいた時、翔子はすでに、そのスリップの「購入』ボタンを押していた。今度こそイケるはず。この一着で、勝負を決める。翔子の意気込みにはすさまじいものがあった。スリップが届いたその晩。翔子は早速これに身を包み、夫の布団に入っていった。正人の目は驚いたように見開かれている。でも、ここで尻込みしちゃダメだ。今夜こそ、20年ぶりのセックスに持ち込む。翔子の決意は揺るがなかった。「ねえ、お父さん。私、最近きれいになろうとすごく頑張ってるのよ。結婚してから今までずっとバタバタしてて、そんなこと言ってる余裕がなかったけど…。それでね、お父さん。お父さんともまた…」「おいおい、一体なにがどうなってるんだよ!?」翔子の言葉をさえぎって、正人がほとんどどなるようにして言った。「お前最近おかしいぞ。なにがあったんだよ。突然、濃い化粧なんか始めるし、髪型も派手になるし、服やアクセサリーだって年甲斐もなく…。それにその格好。一体なにがしたいんだよ。どうしたんだよ、一体!?」翔子は絶句した。あんまりだわ。確かに私はもう20代じゃない。美容からもファッションからも、長年遠ざかっていた。だけど、私がそんな人生を送ってきたのは誰のせい? お父さん、あなたのせいでもあるんじゃないの? 私だってお金持ちの家の奥さんだったら、もっと若い頃から美容やファッションに気をつかえたはず。もしかしたら今頃は、「美魔女」のようになれていたかもしれないのに…。私はずっと、家計を支えるために働きっぱなしだった。仕事で忙しいあなたの分まで、男の子2人の相手も一手に引き受けた。元気いっぱいの息子2人と外をかけずり回ってできた、シミやシワ。スーパーで買ったお菓子をドカ食いするくらいしかストレス解消法がなかったせいで、ついてしまった脂肪。これまでずっと、こんなにも家族に尽くしてきたのに。それなのに…あなたは私の気持ちなんて、これっぽっちも分かってくれないのね。きれいになりたい、女性として扱われたいという女心を、そうやって踏みにじるのね。気づくと翔子は、不気味なくらい静かな声で夫に語りかけていた。「家政婦にオンナもきれいさも求めない、年相応に老け込んでいけばいいって言いたいのね」「は? 家政婦? 誰もそんなこと言ってないだろ」「お父さんのせいよ!」突然激昂した翔子に、正人は固まった。「若い時にやりたいこと、なんにもできなかったのはお父さんのせいよ! 私はお金も時間も、ちっとも好きなように使えなかった。夫婦仲良く、なんて言ってる余裕もなかった。だから今からでもって思ったのに、そうやって私のことバカにして…。私の若さを返して! 私の人生を返してよ! お父さんとなんてもう一緒にやっていけない。離婚してちょうだい!」ピンクのシースルースリップ姿で、泣き叫ぶ翔子さん。彼女の胸は、張り裂けんばかりに傷ついています。一方、夫の正人さんも、妻の変貌と突然の大爆発に唖然。妻に恐怖すら覚えています。長年良妻賢母として家族を支えてきた翔子さんを、「やりすぎ美魔女」モンスターと化すまで追いつめたものとは、一体なんだったのでしょう。次回、チェックテストとともに解説していきます。
2018年09月29日「片思いを諦めてから毎日がつまらない」と題する女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。30歳代後半のトピ主さんは、取引先の年下男性に片思いをしていたものの、最近は距離を感じるようになり、諦めようと決めたそうです。「この恋をうまくいくように頑張りたいというのではなく、ただ毎日楽しく過ごしたい」けれど、習い事もそこまで打ち込めていないし、ひとりの夕ご飯にも飽きた。皆さんは毎日何を楽しみに生活していますか、と問いかけています。「進展を望まず、好きでいること」もできるけれど……今回の恋は、想いを明かさないまま、恋愛未満の段階で終わらせることに決めた、ということのようですね。二人で食事にも出かけたものの、トピ主さんの見解では、単なる仕事の情報収集目的だったのではないか、とのこと。こちらへの興味を失ったようなので追いかけたくはないけれど、「もっと話したい、会いたい」とも思ってしまう。年齢がひと回り離れているため、「仮に付き合えたとしても、周りの目が気になって楽しく過ごせない」とも思う……などとつづられています。本当はまだ彼が好きだけれど、色々な状況を鑑みて諦めざるを得ないと判断した、というところのようですね。しかし、職場で会って話せるだけで満足だということならば、「一方的にこっそり好きでい続ける」ことも可能です。進展のない恋を続けるのは中々難しくもありますが、相手に直接的な迷惑をかけない限り、そうした選択肢もあることは知っておくといいかもしれません。今つらいのは、一時的な片思いの後遺症かも?さて投稿を読む限り、現在のトピ主さんは恋愛そのものというより、「久しぶりに好きな人ができて、職場に行くのが楽しかったこと」を特に引きずっている様子。「ひとりで生きていくことにさみしさを感じている」という記述もありますが、今さびしいのは、恋をしたことによる“後遺症”だと捉えるのが最適だと思います。「上がれば下がる」のが世の真理。心も同様です。仮に普段の感情の値が60だとしたら、恋をしたことで90に跳ね上がり、しかし諦めざるを得なくなり、一時的に30にまで下がってしまった。そのために、今は「何もかもが楽しめない」といった後ろ向きの心境に陥っているのでしょう。感情の波は、時間と共に必ず凪(な)いでいきます。「今は恋の後遺症で、何もかも楽しめないと感じているんだね」と、自分をそのまま優しく受け止めてあげてください。その上で、「でもこれも一時的なもの。そのうちまたエネルギーが湧いてくるはず!」と心の隅で思っておくのがおすすめです。感情の値が平常時に戻れば、またきっと何か変化や行動を起こす元気が生まれてきます。それが仕事に関することあれ、趣味分野であれ、新しい恋であれ、次の展開が必ずあると信じておきましょう。併せて、「そう言えば、彼に出会う前の私は何をしてたっけ?」と思い出してみるのも有効だと思います。彼に知り合う前も、トピ主さんは絶望することなく日々を過ごせていた。それなりに自分らしく、時々は楽しみも感じられる毎日を送れていたのではないのでしょうか。「人生に一瞬登場しただけの人に、私のすべてを持っていかれたわけではない」。そんなふうに、“彼と出会う前の自分”にも力をもらっていきましょう。まずは毎日の“小さな楽しみ”を見つけていこう最後に、皆は毎日何を楽しみに生活しているのか……という点についてですが、毎日という単位で見るならば、多くの人は家族や恋人の有無に関わらず、「とても“小さな楽しみ”と共に生きている」と言えるのではないでしょうか。例えば、今日はハマっているドラマがある、人気のスイーツが買えた、贔屓にしている球団が勝った、作ったご飯を家族が美味しいと完食してくれた、等々。トピ主さんにとっての最近の小さな楽しみは、「職場で彼と会って話すこと」だったわけですよね。でもその楽しみを失ったことで、今は少し手持ち無沙汰になっている。だとしたら、しばらくのんびりして元気を蓄えたのち、また次の小さな楽しみを探してみませんか。新たにときめく対象を見つけるのもひとつですし、「気になってたけど、見ず聞かずにいたもの」に触れてみたり、「好きだけど、しばらくやっていなかったもの」に取り組んでみたり、気ままに色々なフィールドをキョロキョロ(ウロウロ)してみるのがおすすめです。仕事での成功や恋愛成就、結婚、出産など、人生には時に“大きな楽しみ”が訪れることもあります。しかしそれは、自分ではコントロールできないタイミングであることも多く、普段から下を向かずに“いい顔”でいられたほうが、そうした出来事に出会える確率は上がるようにも思います。大きな楽しみを待ちつつも、焦らず腐らず、まずは毎日の中に新しい“小さな楽しみ”を見つけていけるといいですね。応援しています。(外山ゆひら)
2018年09月24日「仕事と結婚、どうすべきか迷っています!」と題する投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。トピ主さんは大企業で正社員として働く26歳女性。結婚前提で復縁した同じ歳の恋人がいますが、大阪と南九州という遠距離の関係です。彼は最近、家族の事情で地元に留まることを決めた様子。トピ主さんは、彼のことはとても大切だけれど、望んで就いた大好きな仕事のため、将来的にどうすればいいのか迷っている……とのこと。「みなさんだったら、どのような決断をされますか?」と問いかけています。見えていない「第三の選択肢」も探ってみよう大好きな仕事と、大切な彼との結婚。究極の選択ですよね。投稿を見る限り、今後の選択肢は「仕事を辞めて彼の元へ行く」、または「彼と別れて、今の会社で働き続ける」のどちらかしかないとお考えのようですが、今回に関しては第三、第四の選択肢もあるように思います。まず、「今の仕事を続けながら、彼と結婚する」ということは本当に不可能なのでしょうか。トピ主さんと近しい状況で、遠距離結婚をしているご夫婦を実際に知っています。女性側が他県への出向中に旦那様に出会ったものの、互いに転職を望まなかったため、女性が元の職場に戻った後に遠距離のまま結婚し、月に1〜2度往復しあう関係を続けています。長い休暇中は必ず一緒に過ごし、さらに最近子どもを授かり、女性側の実家近くに新居も建てたそうです。彼女は「どこかのタイミングで一緒に住むかもしれないし、退職後の人生も長い。そこから一緒に過ごすのでも楽しみ」だと語っていました。周囲には批判的な人もいたそうですが、二人は至って円満。確かに、「単身赴任や海外赴任で、年に数回しか会えない家族や夫婦は、すべてうまくいっていないのか?」といえば、そうではないですよね。皆がこうした形に向いているとは言いませんが、結婚生活は結局、本人たち次第。「絶対にこうでなくては」という形はない、と言えるのではないでしょうか。“仕事も彼も諦めない人生”がトピ主さんにとって一番幸せだと思うならば、それが叶う形を探ってみてもいいように思います。選択に迷ったときは、このように「今の自分には見えていない選択肢もあるのでは?」と情報を集め、別の可能性も探ってみるのがおすすめです。「どうすべき」ではなく、「どうしたい」を考えていこう人生における重要な選択の際は、「どうすべきか?」ではなく、「どうしたい?」と何度も自分に問いかけてみることも大切です。「〜すべき」という観点で選択をすれば、自分でその責任を取る怖さは和らぐでしょう。しかしその分、意思を定めていないので、決断後も心のどこかで諦めが付かなくなってしまう可能性もあります。自分の心に「どうしたい?」と問いかけて、「仕事を続けたい」「彼と結婚したい」という二つの答えが同じ強さで返ってくるならば、上述したような「両方を諦めない」という選択もあります。あるいは、「同居での結婚がしたい」という声が心から聞こえてきたときは、「九州で暮らす」「大阪で暮らす」「身近に住む別の相手を探す」という選択の中から、自分が一番どうしたいかを探っていくことになるでしょう。「自分はどうしたいのか」を本音で突き詰めていくと、次第に結論は見えてくるはずです。「彼が少しでも安心できるように、側にいられたら」とのことですが、そうした意思が強いのであれば、同じ県内でなくとも、今よりも彼のところに通いやすい支店で働ける可能性はないか、会社に掛け合ってみる……といった第四の選択肢もあるかと思います。最近は人材不足やライフワークバランスの観点から、個人の事情に柔軟な対応をする会社も増えていますし、今すぐには難しくとも、何年か後に異動願が通ることだってあるかもしれません。ひとりで抱え込まず、人事や上司の方に一度相談をしてみるのも一案です。「後悔しない選択」にこだわりすぎないで投稿には、「どちらを選択しても幸せになれると思いますが、後悔もするんだろうと思います」という記述も。そうですね、どんな道を選んでも、人生にはアップダウンの波があるので、多かれ少なかれ後悔を感じる“瞬間”はあるでしょう。とはいえ、決断の時点でそう恐れなくてもいいと思います。仮にひどく後悔する時期があったとしても、「そう感じるのは、今の人生がうまくいっていないからでは」と現状を見つめ直し、未来へ向かう力に変えていくこともできます。それに、あまり「後悔しない選択をしなければ」と思いすぎると、「自分はどうしたい」が見えにくくなってしまう可能性も。どんな選択をしても、「私がこうしたくて、こういう道を選んだんだ」と言えることならば、それが今のベストな結論だと考えていいと思います。「どうしたい」を貫くことを怖れず、自分の心の声をしっかり聞いて決断をしていきましょう。応援しています。(外山ゆひら)
2018年09月17日夫に大切にされる生活を夢見て結婚するも、独身時代のようにかまってもらえず不満爆発。結婚生活の憂さを晴らそうと合コンにのめり込んでいった香織さんのケースを、 前回 はご紹介しました。吟味を重ねて理想の夫と結婚したはずの香織さん。彼女はなぜ「誰でもいいからかまって欲しい、抱いて欲しい」と合コンを渡り歩く「合コン狂いの人妻かまってちゃん」と化してしまったのでしょうか。また、香織さんのエピソードを他人事のように感じるあなたも、そのリスクをまったく抱えていないとは言いきれません。以下のチェックテクストで確認してみてください。■「モダンセクシャル系モンスター 合コン狂いの人妻かまってちゃん」度チェックここでは、あなたの「モダンセクシャル系モンスター 合コン狂いの人妻かまってちゃん」度をチェックしてみましょう。以下の質問で、〇はいくつありますか?1. 人気スポット、新しい飲み屋やレストランの情報を知ると行ってみたい。2. 学生時代からチヤホヤされてきて、それが快感だった。3. 複数の男性がいる場所が心地よい。4. 自分ひとりで楽しめる、没頭できる趣味がない。5. 付き合いが長い、深い話をできる友人がいない。6. 自分に甘い言葉をかけてくれる相手が、常に一緒にいてくれないと心細くなる。7. セックスをしないと「自分は男性に求められる魅力的な女」と感じられず、不安になる。8. 夫は、自分より家庭のことを最優先に考えなければいけないと思う。9. 結婚しても「女」でいたいし、夫がその要望を満たしてくれなければ、婚外交渉はしかたない。10. SNS の友だちは当然男性の方が多い。■あなたの「合コン狂いの人妻かまってちゃん」度は何レベル? 「モンスターワイフ」判定結果「合コン狂いの人妻かまってちゃん」度をチェックする質問に、あなたはいくつ〇がありましたか? 下の判定結果と照らし合わせて、自分のモンスターワイフ度を確認しましょう。○の数が3個以上6個未満は、合コン狂いの人妻かまってちゃん度「C」(あなたの中の「かまってちゃん」が、夫にうとんじられ始めます)○の数が6個以上8個未満は、合コン狂いの人妻かまってちゃん度「B」(「夫がかまってくれないなら、よその男性と…」と、気持ちが浮わつき始めていませんか?)○の数が8個以上は、合コン狂いの人妻かまってちゃん度「A」(「もう誰でもいいから、私に優しくして!」…なりふり構わない状態です)「合コン狂いの人妻」モンスターの背後に潜んでいるのは「かまってちゃん」。とにかく誰かに甘えたい、自分を認めて欲しくて仕方がない。そして、そんな「かまってちゃん」な性格の背景には、自分への自信のなさが潜んでいます。■合コン狂いの毎日…目が覚めた一言は?前回の香織さんは、若い頃からかわいいと持ち上げられ、社交的な性格で大企業にも就職することができました。「理想の男性」と結婚して、大満足。自信に満ちあふれているタイプなんじゃないの? と思いますよね。ところが結婚後、夫は思ったほど自分を満足させてくれない。専業主婦として家にいるので、さまざまな男性からチヤホヤしてもらえるチャンスもない。そんな状況に直面して、香織さんが心の奥底に隠し持っていた「自信のなさ」がチクチクと刺激され始めました。仕事にも、人間関係の構築にもどことなく集中できず、最後までやりきることができない弱い自分です。独身時代はみんなにきれいと言われ、合コンに参加すればいつだって人気者。しょっちゅうデートに誘われて、自分はすごくイイ女、価値のある女だと思っていました。しかし、いざ結婚してみたら、夫は思うようにかまってくれない。しまいには、私のことが鬱陶(うっとう)しいとでもいうような、ウンザリ顔をするように。結婚生活には、合コンもデートもなし。暇だし寂しいし、夫も相手にしてくれないし。一体、私はどうすればいいの?趣味に没頭してみる? あれ? でも私、没頭できるような趣味なんてないわ。友だちに会う? でも私、一緒にランチに行くような同級生や同僚はいたけど、友だちらしい友だちって、そう言えばいない。なにかやりがいのあるもの、生活にハリを与えてくれるようなものを探さなくちゃ。だけど、一体なにをすれば? 習い事なんて、飽きっぽいから絶対続かないし。勉強? 資格? 今さらなんのために? そもそも私、興味を持てるものが全然ないのよね…。結婚して自分を持ち上げてくれる取り巻きがいなくなり、夫との関係も悪化した途端、実は自分がからっぽだったことに薄々気づき始めた香織さん。誰かにほめてもらわなければ、甘い言葉をかけてもらわなければ、自分を保っていられないという恐怖感・飢餓感におそわれ始めます。こうなると「かまってちゃん」に余裕なんてまったくありません。根気よく夫婦関係の改善に努めようなどと言っている場合ではない。「誰でもいいから」、とにかく自分に振り向いてもらいたい、自分にはまだ魅力があると証明して欲しいのです。そうして、自分の中の「かまってちゃん」に急き立てられ、みるみるうちに「合コン狂いの人妻」と化していく。家庭の空気はますます悪化、セックスレスは最長記録を更新。心身ともに耐えられなくなった香織さんは、いつ誰と肉体関係を持とうか、そんなことばかり考えるようになりました。そしてある日、ついに合コンで意気投合した男性と「今夜は一線を越えてしまおう」と心に決めます。ところがこの夜が、香織さんにとって思いがけない転機となります。今夜は下着も最高にセクシーなランジェリー。そうだ、もう一度香水をつけ直しておこう…。そう考えて、パウダールームに立った香織さん。ドキドキしながら合コンの場へ戻る途中、参加者の男性がトイレから出て来るのが見えました。香織さんの足が、ピタリと止まります。「人妻・香織ちゃん、ガンガンきますねー」「なに、お前。香織ちゃんがタイプ?」そう言って笑いながら続いて出てきたのは、なんと香織さんがお目当てにしていた昌弘さんでした。「タイプもなにも、既婚者なんてありえないですけど。でも、一度だけお持ち帰りくらいなら、アリかなーって。あとくされないもん」「お前、やめとけよー。一度だけのつもりだったのに、『旦那と別れるから、私と一緒になって!』とか突っ走られたらどうするんだよ。ああいうタイプは面倒くさそうだぞー。結婚してんのにメチャクチャ張り切って合コン参戦してきて、マジすぎて怖いじゃん」昌弘さんの言葉に、香織さんは血の気が引いていきました。それでも男性2人は笑いながら話し続けます。「確かに、『私を見て見て!』アピールがスゴすぎてちょっと引きますよね。欲求不満感がにじみ出てるっていうか…」「だろ? 人妻なのに必死過ぎて、あんなのに本気になられたらホラーだよ。確かにきれいはきれいだけど、俺は旦那に同情するね」そこで、ようやく2人は香織さんの存在に気づき、顔面蒼白に。香織さんのほうはもっと真っ青です。その場を取りつくろう術など思いつかず、そのままお店を飛び出しました。■依存しない自立した女性を目指して奮起した香織、すると…その後しばらくの間、引きこもりのような状態になった香織さん。「合コンの女王」の友人との連絡も途絶えました。夫婦仲は完全に破綻していたので、夫に甘えることもできません。ひとりぼっちで悲しみ、怒り、屈辱感、寂しさや虚しさ等々、あらゆるネガティブな感情にさいなまれた日々の末に、香織さんは「目が覚めた」と言います。「私にはなんにもなかったんです。趣味も特技も、友だちも仕事も。生きがいとか、夢中になれることも…。本当にからっぽだった。それを認めたくなくて、甘い言葉をかけてくれる、いい気分にしてくれる誰かにいつもそばにいて欲しかった。でも、自分を甘やかしてくれる人の間を渡り歩いてみたところで、からっぽな自分はなにも変わらないんですよね。そりゃあ、夫にも愛想を尽かされますよね」それに気づいた香織さんは、現実を直視せざるを得なくなりました。会話もスキンシップも完全になくなっていた夫には、いつ離婚を言い渡されるか分からない。資格もなにもない自分が今から再就職先を探すことになったら、かなり難航しそうだ。一体どうしたら…。悩んだ末に香織さんは、興味が持てそうなネイルアートの勉強を始めることにしました。いつも通っているネイルサロンで、おしゃれなネイリストが自分の爪を美しく仕上げてくれる様子を見ていて、「こういう仕事なら面白いかもしれないな」と思ったことが何度かあったのです。夫婦仲は破綻しているけれど、お金だけはかろううじて夫から振り込んでもらえているうちに資格を取りたい。香織さんは決意しました。それまで美容やろくに通ってもいない料理教室にかけていたお金をネイリストになるための学費にあて、懸命に勉強を始めます。「夫に離婚されてもなんとか自分ひとりでやっていけるようにと、とにかく必死でした」と香織さん。ところが事態は思わぬ方向へ進みます。香織さんが合コンとキッパリ縁を切り、時間とお金の浪費をやめて一生懸命勉強を始めた途端、あれほど冷たかった夫の真司さんが再び香織さんに話しかけてくるようになったというのです。「頑張ってるね。でもあんまり根つめ過ぎるなよ」「資格試験、いけそう?」「今度、香織が仕上げたネイルの写真、見せてよ」夫の変化に、香織さんは驚いたと言います。「夫に振り向いて欲しくて、かまって欲しくて、いつも彼にへばりついて大騒ぎしていた時には、ちっとも振り向いてもらえなかったのに。自分の人生を自分でなんとかしなきゃと必死になり始めたら、夫のほうからこっちへやって来るなんて…本当にびっくりしました」ネイリストの資格を取得した香織さんは、現在就職活動中。夫婦仲は少しずつですが、確実に回復しているということです。香織さんに近いタイプだと感じた方は、まず自立した妻を目指すと良いでしょう。自分で自分を楽しませる、満足させる術を心得ていると、たとえ夫婦仲に問題が生じても冷静に対処できます。なぜならそんな妻は、いざとなれば夫がいなくても生きていけるからです。そして、それを自分自身で認識している。これが「かまってちゃん」にはない、自立した妻の「自信」です。自分の面倒を自分で見ることができる、自立した2人の大人が一緒になって、お互いに助け合い、高め合いながら生きていく。それが理想的な結婚です。あなたの中にひたすら夫に依存したがる「かまってちゃん」がいるのなら、大きくなりすぎる前に退治してしまうこと。そうすればあなたが「合コン狂いの人妻」に変身してしまうことはないでしょう。
2018年09月16日夫の愛が冷めてゆく…それは、妻にモンスターワイフの影が見えるから…。女性も性に関してオープンかつ積極的になってきたのはとても良いことです。しかし、これは寂しさや虚しさを埋めるために、不特定多数の異性と関係を持つことをすすめるものではありません。恋人同士、夫婦のセックスが充実すれば、2人の関係性も向上する。私がお伝えしたいのはそこなのです。ところが、夫婦間のセックスがうまくいかず、寂しさや欲求不満を持て余して婚外交渉に走る女性が年々増えてきている気がしてなりません。SNSの発達で、男女の出会いがたやすくなったのは承知のとおりです。妻の不倫が夫にバレた場合、待ち受けているのは壮絶な修羅場。男の身勝手と言ってしまえばそれまでですが、男性は女性に「純潔」を求め、自分だけのものという意識があります。女性以上にパートナーの不貞行為を許せません。だから「夫にかまってもらえないのが寂しくて」不倫に走った結果、妻側には離婚の意思がなかったのに別れるハメに…などというケースがあとをたたないのです。結婚とは、人生を共にするパートナーの選択であると同時に、セックスのパートナーの選択でもある…ということに気づかず、セックスの相手を安易に外へ求める妻たちが急増中。人妻でありながら臆することなく、合コンに参加するツワモノまで出てきました。今回は、そんな妻たちの一人、香織さんのケースをご紹介します。■妻が浮気?「夫に相手にされなくたって、私は平気!」「モダンセクシャル系モンスター 合コン狂いの人妻かまってちゃん」代表:香織(仮名)31歳の場合「香織ちゃん、いい飲みっぷりだね!」「やだ~、昌弘くん。そんなにすすめないでよ。私、本当はお酒、あんまり強くなくて…」そう言いながら、香織はゆるくウェーブのかかったツヤ髪をかき上げると、ピンクベージュのカーディガンを脱いだ。男性陣の視線が一気に、襟ぐりの大きく開いた薄手のニットを押し上げる香織のバストへ集中する。ベタだけど、これが私の常勝戦略。香織は、男たちの視線を存分に浴びて、快感だった。ここは、都内のスパニッシュレストラン。店の奥の半個室では、男女4対4の合コンが今まさに進行中だ。女性陣の中でひときわ男性の注目を集めているのは、幹事チエの学生時代からの腐れ縁、香織だった。彼女は、結婚3年目の人妻だ。しかし、1年ほど前から、誘われれば必ず、誘われなければ誰かにセッティングを頼み込んでまで、合コンに明け暮れているのだった。■合コン三昧の腰かけOL「理想は専業主婦」たどりついた結婚相手は?香織は、大学卒業後、大手メーカーに一般職として就職。勉強は嫌い、働くのも好きじゃない彼女だったが、女子アナ風のルックスと、中学時代から磨き上げてきた愛想の良さが功を奏したのだろう。誰もが知る一流企業に就職できたのだ。香織が、その会社へどうしても就職したかった理由。それはズバリ、理想の夫探しのためだった。一流企業に勤めていれば社内での出会いにも期待できるし、合コン参戦時にも箔がつくというもの。社会人になってからの香織は、学生時代以上に真剣に合コンへといそしんだ。合コン三昧の生活は楽しかった。仕事にやりがいを見出しているわけでもなければ、これといった趣味も特技もない香織だったが、合コンだけはいつも中心人物でいられた。ネットのモテ記事、モテ本を読みあさってテクニックの研究を重ねては、合コンで実践。男たちから狙ったとおりの反応を得られると、香織は快感にひたった。私は女としてすごく価値がある。だってほら、彼らは私に夢中よ…こうして香織は、ほかのなにものによっても得られない万能感を楽しんでいた。セックスに関しても同じだった。香織は自分にセックスを懇願してくる男たちをじらし、「お許し」を出してやると夢中になって奉仕する男たちの姿をながめるのが好きだ。自分は男に対して力を持っている。セックスも最高。誰にも負けない魅力がある。その感覚は、香織に大きな満足感を与えた。そうして20代半ばまで、香織はひたすら楽しい時間を過ごした。そして25歳を過ぎると、いよいよ真剣に結婚相手探しに励むようになる。最終的に彼女は、同じ会社の営業部のエースと呼ばれていた真司と付き合うことにした。真司は安定した収入なうえに、スポーツマン。そしてなにより、香織をお姫様扱いしてくれる。理想の男をゲットした自分に酔いしれる香織。そして、香織28歳、真司33歳の時に、2人は結婚した。「お家のことをちゃんとやりたいのよ」試算の結果、真司の収入でやっていけるとふんだ彼女は、今の時流に逆らい、専業主婦の道に入る。■結婚生活は不満だらけ「私をもっとお姫様扱いして!」バブル期に結婚した母の影響か、香織にとって、職場は結婚相手を探すための場でしかなかった。パートナーを見つけ出すことが会社での自分の役目。成果を上げるポイントは、仕事の評価よりも結婚相手の獲得だ。時間にもお金にも余裕があって、いつもきれいにしていて夫にも愛される専業主婦。それが香織の理想だ。「家のことをちゃんとやりたい」というより、「イヤでも家事はしなくちゃいけないんだから、仕事との両立なんてしんどいことはまっぴら」というのが本音。とにもかくにも、真司は香織の希望を受け入れてくれた。夢の結婚生活が始まるはずだった。ところがすぐに、彼女は結婚生活に不満を感じ始めることになる。結婚したら一緒に過ごせる時間が増える分、やさしい恋人だった真司は、これまで以上に私を満足させてくれるはず。ずっとお姫様気分で暮らせるはずだわ。そう思っていた香織にとって、新婚生活は幻滅の連続だった。第一に、2人の時間が思ったよりずっと少ない。結婚前のデートは、多忙な真司に合わせて週に1度だった。香織は寂しかったが、「結婚したら2人で過ごせる時間が増えるはず」と自分に言い聞かせつつ、合コンで知り合った男性と飲みに出かけたりしていた。そんな「退屈しのぎ要員」たちがチヤホヤしてくれたからこそ、香織は忙しい真司に文句を言わず、いつもニコニコと付き合っていられたのである。しかし、結婚してみると、自分を大切にしてくれるはずの夫が、自分のために時間を割いてくれない。香織は憤慨した。真司は基本、帰りが遅い。営業という仕事柄、出張や接待もしょっちゅうだ。週末ですら、人脈を広げるためのイベントをリサーチしたり、ジムやテニスに1人で行ってしまったりする。恋人時代は、少なくともデートの間だけは、自分だけに100%集中してくれていた真司。しかし、結婚後は自分を単なる生活の一部として、軽んじている気がする…香織は我慢できなかった。 ■きれいな妻でいるために「おこづかいは最低でも5万円」「週末くらい、ずっと私と一緒にいてよ」ある土曜日、香織はジムに出かける準備をしている夫に不満をぶつけた。「いや、トレーニングには行かないと。営業は第一印象も大事だから、接待を言い訳にブクブク太るわけにもいかないんだよ」「じゃあ、明日のテニスには行かないで」「2週間ぶりだから、そろそろ行かなきゃ体がなまっちゃうよ。香織だって『趣味がテニスなんてステキ』って言ってくれてたじゃないか。あ、よかったら香織も来ない? 同年代の子たちもいるし、始めてみたら楽しいかもよ」「イヤ。日焼けするから」香織はつっけんどんに答えた。確かに恋人時代、テニスでいつもほどよく日焼けした真司は香織の目にも魅力的に映った。けれど、趣味も日焼けも、私との時間に支障をきたさないところですませてもらわなければならない。奥さんにだけ目をかけ、奥さんをかわいがって、友だちに自慢してくれること。香織にとって、それが夫の最重要条件なのだから。「それじゃあせめて、週に1度は、インスタ映えするレストランに連れてって。恋人同士の時みたいに」思いっきりおしゃれして、真司とレストランやバーに出かける。そうすれば、2人の時間が少ない不満も少しは和らいで、気分も晴れるだろう。香織としては、思い切り譲歩した提案だ。ところが真司は、眉間にシワを寄せて言った。「もう共働きじゃないんだから。それに香織、おこづかいは月5万は要るって言うじゃないか。それに加えて、さらに外食はきついよ」香織は絶句した。これが…私のために時間もお金も工面できないと言うこの男が、私が厳選した理想の夫?会社員時代の貯金はある。社会人になっても実家住まいだったのでそこそこの額だ。母親が貯めておいてくれた結婚資金もありがたい。でも、美容院とまつエク、それに料理教室の月謝のことまで考えたら、月に5万円はないと回らない。「時間にもお金にも余裕がある、いつもきれいな愛され妻」という理想のために最低限、夫からもらいたい額だ。ワガママを言っているつもりなど、香織にはまるでない。夫のためにきれいにしている妻のどこがおかしい?■新婚なのにセックスレス「釣った魚にエサはやらない?」香織が不満に思っていたのは、時間やお金に関することだけではない。セックスについても、結婚後、不満を抱き始めていたのだ。結婚前のデートでは、真司はいつも情熱的に香織を求めてきた。ところが、結婚してからというもの、セックスの頻度はどんどん下がり、内容的にも物足りない。熱意が感じられず、「求められている」と実感できないのだ。これは香織にとって初めての体験だ。男はみんな、私とセックスしたいんじゃないの? 私は女として価値がある。男は私を欲しがって当然。なのにどうして…どうして、毎晩同じベッドで寝ている夫すら、私にセックスを求めてこないのだろう?状況が理解できず、香織は混乱した。しかし、いくら夫が誘ってこないからといって、自分の方から誘うなどということは考えられない。セックスは、男が女に求めるものだからだ。セックスがないまま1カ月が過ぎようというある日、香織は我慢できずに寝室で夫にたずねた。「ねえ真司さん、私たち最近あんまりエッチしてないよね。どうして? 前はもっとしてたのに」このところ残業続きだった真司は、すでに眠そうな目をしている。「そうかな。まあ、そう言われてみれば、そうかもしれないな」夫ののんきな口調に、香織はカッとなった。自分は「男に求められない」という屈辱感にさいなまれ、「今日は誘われるか」「今日こそ、いよいよ?」と、毎日息をこらすようにして過ごしてきたのに。それなのに夫は「まあ、そうかもしれない」?? そんなとぼけた反応、納得できない。「『そうかもしれない』じゃないわよ。付き合ってた頃は、週に1度は絶対にしてたじゃない。なのにどうして?」「うーん。どうしてって言われても、これと言った理由があるわけじゃないけど。最近忙しかったし…それに結婚して、毎日会えるわけだからさ。『今日しないと!』って感じることがないっていうのもあるかな」「なるほどね」香織の中で、あらゆることがストンと腑に落ちた。そして自分でもびっくりするくらい嫌味な声が出た。「つまり、釣った魚にはエサをやらないってわけね」「なんだよそれ」香織の口調に、穏やかな真司も語気を荒げた。 ■「中身からっぽのかまってちゃん妻」夫の不満も爆発結婚して以来、妻は口を開けば不平不満ばかり並べている。だが、言わせてもらえば、こっちにだって不満は山ほどある。口にこそ出さなかったが、真司も相当ストレスをためていた。妻はいつ、いかなる時でも、自分のことを最優先して欲しがる。自分が仕事で忙しい時でも、たまの休みに息抜きをしようとしている時にも、妻はとにかく少しでも多くの時間とお金、労力を自分に注がせようと、夫を徹底マークしているのだ。それに、妻がこんなにつまらない、自立できていない女だとは結婚するまで知らなかった。趣味もなにもなく、夫にかまってもらうことしか考えていないように見える。極度の「かまってちゃん」だ。週に1度しか顔を合わせない間柄ならともかく、結婚した相手がこれでは正直、息がつまる。真司は大きなため息をついた。「俺にこれ以上、どうしろって言うんだよ」夫のその言葉とうんざりした顔に、香織のプライドはズタズタだ。私はかわいい、みんなの憧れの「香織ちゃん」なのだ。その私を、夫はちっとも大事にしていない。私の価値を分かっていない。一体どうして私は、こんな男の「専属」になってしまったのか。私を大切にしてくれる男性は、山ほどいるというのに。香織は自分の結婚を激しく後悔した。そして、その日を境に香織は夫を、結婚生活をかえりみなくなった。夫婦仲の悪化は当然、加速していき…。■かまってくれない夫に仕返し「合コン参戦」宣言数カ月後、学生時代からの友人チエから電話がかかってきた時、香織は躊躇(ちゅうちょ)なく言った。「チエ、次回の合コンは、私にも声かけてよ」とにかく誰かにかわいいと言ってもらわなければ。自分をほめて、求めてくれる男がいなければ、私は干からびてしまう。香織は必死だった。夫に対する罪悪感など抱く余裕はなかった。チエは「合コンの女王」。2人は以前、しょっちゅう連れ立って合コンに参戦していた。それでも、さすがに香織の結婚後は、合コンに誘うことはなくなっていた。「えーっ? なによ、やさしい旦那様となにかあった?」「別に。ただ単にヒマなのよ。主婦って」「もーっ、贅沢者! あくせく働きながら旦那探しまで頑張ってる私に、そういうこと言わないでよね」チエは笑いながら言った。「でもいいわ。既婚者が参加してくれれば、ライバルが1人減るもんね。今度企画する時には、絶対声をかけるよ」1カ月後、チエは実際に香織を誘ってくれた。服は自分のスタイルを目一杯際立たせてくれるものを選ばなくちゃ。久しぶりに、短めのスカートはいちゃう? それとも丈は普通で、ボディラインを強調するデザインのワンピース? 髪も久しぶりに巻いちゃおう。メイクも最近は新しいアイテムをチェックしていない。デパートに見に行かなくちゃ。自分の女としての魅力を、100%発揮するのだ。そして、女としての自分の価値を実感しなければ。香織は久しぶりに、気力がみなぎるのを感じた。真司には合コンに参加することを宣言した。黙っていることもできたのに、「人数合わせのためにどうしてもって、友だちに誘われちゃって」とあえて告げたのだ。真司が嫉妬して止めてくれるかもしれない。あせって、自分をもっと大切にしてくれるようになるかもしれない。そんな期待を、香織はまだ完全には捨て切れずにいた。ところが、真司はうっとうしそうに香織を一瞥(いちべつ)すると、冷たく一言。「あっそ」と言っただけだった。もはや妻のことになどまったく関心がないような夫の態度に、香織は自分の中でなにかが崩れ去るのを感じた。そうして迎えた合コン。香織のパフォーマンスは、すさまじいものがあった。笑顔を一時もたやさず、甘い声を響かせ、絶妙のタイミングで髪をかき上げる。適度なボディタッチも忘れない。既婚者と知りながら、彼女と連絡を交換したがる男が続出した。香織は、本当に久しぶりに、大きな満足感を味わうことができた。自分にはまだまだ価値がある、男を操れる魅力があるのだと、自信を取り戻すことができた。彼らの本心は「あとくされない、結婚を求めない女」…かもしれないのに。■これって浮気?「超えてはいけない最後の一線」がぼやけていく…以来、香織は合コンに没頭した。家では完全なすっぴん、髪はボサボサ。ルームウェアにもまるで気をつかわなくなり、常に不機嫌オーラ全開だ。合コンの日だけ「最高のワタシ」を演出するようになっていた。夫婦仲は完全に冷え切り、言葉も交わさないレベルにまで悪化した。セックスも当然ない。そのうち香織は、当初は自分の中に存在していた越えてはならない「一線」が、どんどんぼやけてゆくのを感じるようになった。「一線」とはもちろん、合コンで出会う男性との肉体関係だ。「合コンでチヤホヤされて『自分はまだイケてる』と思えれば、夫が私を見ようとしない、みじめな結婚生活にも耐えられる」「ほかの男性にやさしくされて、私の心に余裕ができれば、夫婦仲も改善するかも」最初はそう思って、香織は合コンに参加していた。ところが、そんなことを繰り返すうちに、夫婦仲はますます破綻してゆく。香織はどんどん不安定になり、ついには「誰でもいいから男に求められたい、抱かれたい、寄りかかりたい」と思いつめるところまで来てしまったのだ。その頃になると、真司が目を疑うような奇抜なデザインの矯正下着を香織は恥ずかしげもなく着用するようになり、合コンの日だけセクシーなランジェリーを身にまとうのが常になっていた。スパニッシュレストランの一角で酔ったフリをしながら、香織は自分に酒をすすめてくる目の前の男を冷静に観察していた。話が面白く、女心をくすぐるツボも心得ている彼にやさしくされるのは快感だ。連絡先も交換した。それにさっきからずっと、私だけを見つめてくれている気がする…今夜、彼と一線を越えてしまおうか。そうすれば私は、虚しい結婚生活でため込んだ怒りも屈辱感も悲しみも、どうでもいいと思えるようになるだろうか。とびきりの笑顔を弾けさせる香織の頭の中では、さまざまな感情や計算がグルグルと渦巻いていた。理想の夫と結婚したはずの香織さん。ところが、結婚当初から不満を抱え、合コンに逃げ道を見出すようになります。香織さんはその後、どうなったのでしょうか?もしかしたらあなたも、香織さんのように「合コン狂いの人妻かまってちゃん」の泥沼に足を踏み入れてしまうかもしれません。次回ご紹介するチェックテストでリスクを判定してみましょう。
2018年09月15日「愚痴・結果の出なかった婚活」と題する投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。トピ主さんは40歳女性。20代後半から婚活パーティーの類に参加し続けてきたものの、成果はなし。早々に家を買い、趣味や旅行をして楽しそうに暮らしている先輩や、相談所で結婚を決めた後輩などと比べては、「私ももっと努力すればよかった」と後悔しているそうです。「何も手元に確かなものがなくて、毎日、明日が来るのが不安」「(結婚が)無理だとわかっていたら、こんな無駄なことに年月をつぎ込まず済んだのか」と悩める心境をつづり、結婚を諦めるためのアドバイスを求めています。夢に向けて頑張って、迎えたターニングポイント数年前に親御さんが急逝されたことも含め、「大きな喪失感を抱え、独身のまま40歳を迎えることになるとは驚き」だとご自身の現状を語っているトピ主さん。未婚で生きていく場合の生活設計をしていなかったこと、婚活パーティー以外の方法を試さなかったこと、婚活に費やしてきた10年以上の時間やお金を、もっと確かなものに使えばよかったこと……等々を後悔されているようです。自己分析されているように、トピ主さんが本当に“恋愛や結婚に不向きな人”かどうかはわかりませんが、ともあれ40歳になった今、「誰かと結婚する」という人生設計1本に賭けて歩むことをやめたいと思ったわけですよね。人生における方向転換の時期が来たという“事実”のみを、まずはシンプルに受け止めてみましょう。「憧れの仕事に就きたい」「特定の分野で活躍したい」といった目標の場合もそうですが、人生ではひとつの夢に賭けて頑張る時期もあるものです。それが叶わなくとも、夢への努力を「やりきった」と思えたとき、「別の道をいこう」と自然に決める瞬間が来る。周りがどう言おうとも、その時期は本人にしか決められませんし、とことん頑張ったからこそ次の人生を選べるようになる、という側面もあります。トピ主さんにも、そうした決断の時期が来たということなのかもしれませんね。結果は伴わずとも、「理想の相手との結婚」という夢を叶えるべく10年以上頑張ってきたご自身の努力は、ぜひ「よく頑張ったね」と認めてあげてください。その上で、「後悔は無用!」と心がけて。有用なネタやアドバイスに昇華させるくらいしか使い道がありませんし、気分を落ち込ませ、表情を曇らせるばかりなら、過去は過去と割り切って忘れることに努めたほうが、はるかにトピ主さんのためになるでしょう。“ここから先の未来”だけに目を向けていきましょう。人が「生活」だけでなく、「恋愛や結婚」を求める理由その後の投稿には、貯金に関する記述も。貯金できる余裕のある収入や仕事を持っていることだって、十分に誇るべきことではないでしょうか。生活を自分で維持できていることも、背筋を伸ばす力に変えていきましょう。恋愛や結婚に関しては、「今更男性にときめいたりワクワクすることもない」けれども、一方で「まだ夢のようなことを妄想して切なくなる」「幸せになりたいのに足りないものばかり数えてしまう」瞬間もあるとのこと。希望を持ち続けるより、諦めていたほうが今のトピ主さんにとっては幸せで、楽に生きられる……というならば、それもひとつの道です。手放してしまえば、時間もお金も自分の“確かなもの”に使うことができる。平穏な心の状態をキープでき、新しい趣味や興味を持てることもあるかもしれません。しかし、それならなぜ多くの人は恋愛や結婚を求めるのか。思うに、それらが人生や心に大いなる“彩り”を与えてくれるものだからではないでしょうか。先日、小泉今日子さんが映画の舞台挨拶で、「(人生では)何もないより、間違えても何かあったほうがいいと思う」と語っていたのも印象的でした。積極的に婚活はせずとも、「恋愛や結婚を求めるのは無意味」とまでは決めつけないでおくのも一案。「彩りを感じられる出来事に出会えたら」という願いは持ちつつ、自分の生活をきちんと遂行していくのも、ひとつの生き方だと思います。恋愛・結婚は諦めたとしても、人生は諦めないで一般的に考えれば、何十年かある残りの人生。そこにどんな楽しい出来事を迎えたいのか。どんな幸せな時間を望むのか。それは人それぞれ違います。トピ主さんは、どんなことをしている時間が一番幸せですか? その答えを見つけ、大切にしていくと、人生の見え方は随分違ってくると思います。「40歳という年齢はいろんなことを諦め、手離す時期ではないか」「些細なことで未婚の歯痒さを感じながら歯を食いしばる」といった記述もありますが、今の年齢や状況の自分に合った楽しみや幸せな時間を持つことも、ぜひ考えてみてください。仮に恋愛や結婚を諦めたとしても、「自分の人生をいいものにしようとすること」は、絶対に諦めないでほしいなと願います。応援しています。(外山ゆひら)
2018年09月10日「元カレからの連絡」と題する投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。9か月間交際していた恋人に、2か月前に振られたトピ主さん。数週間程度、連絡をやめた期間もあったものの、その後は1日と空けず連絡が来るようになり、トピ主さんは彼への返信を続けているそうです。「別れてからも連絡をし続けてくる彼は何を考えているのでしょうか」「復縁したい私は何か気をつけるべきことはありますか」とアドバイスを求めています。「別れるだけの理由」はあったと考えよう別れの原因は詳しく書かれていませんが、二人は遠距離恋愛で、「まだ好き」とお互い思った状態で別れることになった、とのこと。「比較的円満な別れ」という記述もあります。相手のことを嫌いになったわけではないけれど、先が見えなくなった、付き合うことでのデメリットや負担になることがある、付き合う意味を見出せなくなった……等々の状況があったのだろうと推測します。きっかけとなる出来事があったのかもしれませんが、絶対に回避できないほどの深刻な事情ではないからこそ、トピ主さんも復縁を望んでいるのでしょう。事情があっても、お互いに「相手のことが大好きで代わりはいない、絶対に失いたくない」という強い気持ちがあれば、“事情”のほうをどうにか解決しようと試み、自ら“別れ”を選択することは稀です。そう考えれば、今回振られた原因には「彼の気持ちが以前と変化したこと」も少なからず含まれていると考えられます。わざわざそう書いたのは、「冷静に状況を受け止めること」が復縁には非常に有効だからです。「彼は今でも、私を前と変わらず好きなはず」という前提に立ってしまうと、状況を読み誤り、望まぬ結果を生んでしまうことも。どんなに思わせぶりな言動をされたとしても、「以前より彼の愛情は目減りしている」という可能性はしっかり心得ておくといいと思います。 “振った側”が気軽に連絡をしてくる理由と対処法片方の意向で破局した場合、その後は“振った側”が関係の支配権を持っているような、偏ったパワーバランスができやすいです。彼は自分から別れを選択しておきながら連絡をしてくるし、気を持たせるような発言もしてくる。トピ主さんは「話をそらし続けている」そうですが、「別れたんだから、そんな中途半端なことは言わないでほしい」と、穏やかながら毅然とした態度を取ってみるのも一案です。大事なことをぼやかしたまま受け身で連絡を取り続けていても、なかなか望むような変化は起こりにくい気がします。彼との復縁を望むにしても、「責任も約束もないまま、曖昧に縛られるような関係は続けたくはない!」という意思だけは持っておきましょう。「フリーになったんだから、パートナーになれる人を広く探すこともしていこう」と未来に目を向けるくらいのスタンスでもいいように思います。そうしたトピ主さんを見て初めて、ようやく彼は「自分は本当にトピ主さんを失ってもいいのだろうか!?」と自問自答するでしょう。そこで「やはり失いたくない」と思えば復縁を申し出てくるでしょうし、「やはり恋人には戻れない」と結論を出すならば、残念ながら二人の縁は現状そこまで、ということになるでしょう。今すぐでなくても構いませんが、「どこかのタイミングで、彼がこの関係について真剣に考え直す時間や機会を与える必要がある」ということは心得ておいて損はないと思います。トピ主さん自身に本気の決意ができたときに、ぜひ実行に移してみてください。「復縁までの期間」の心構えは?交際スタートには明確な理由が存在しないことも多々ありますが、別れには必ず理由があるもの。今回の別れは「今のままの二人ではうまくいかない」という神様からの試練だと捉えてみてもいいかもしれませんね。いずれ復縁できたときに、同じことを繰り返さないためにはどうすればいいのか。そのための準備期間と考えて、しばらく自分と向き合ってみるのもおすすめです。最後に。人を好きになれば、「つらい、悲しい、苦しい」といった感情に悩まされる瞬間も少なからずあるもの。しかし、それらが「幸せ、楽しい、嬉しい」といった感情よりも勝ってしまうような関係は、長く続きません。「絶対に復縁する!」という前向きな気持ちでいられる間は大丈夫かもしれませんが、悲しさやつらい気持ちのほうが勝ってきたときには、ぜひ自分で状況を変える選択をしていってほしいなと思います。応援しています。(外山ゆひら)
2018年09月03日前回 ご紹介したのはセックスから遠ざかろうとする夫、純也さんとのセックスレスに悩み始めた愛美さんのケース。元は仲の良い夫婦だったのです。ところが、妻がセックスを求めたことで、セックスが苦手な草食系夫は大ピンチ。夫婦仲はどんどん悪化していきました。私に言わせれば、セックスの相性(身体の相性や性欲の強さ)について真剣に考えることなく結婚に踏み切ってしまうことが、まずは大間違いです。しかし、すでに結婚してセックスレスに悩んでいる妻たちにそれを言っても始まりません。性欲が極端に少ない男性と結婚してもセックスレスを回避するための方策を、ここでは考えていきましょう。(「結婚後セックスレスに泣かないためには、どんなことに注意すれば?」という未婚女性の皆様は、ぜひ拙著 『抱かない男の見分け方―いつまでもラブラブなふたりでいるための指南書』 をご一読ください。)まずは、あなたが愛美さんと同じタイプのセクシャル系モンスターと化してしまうリスクを判定しましょう。■「今風セクシャル系モンスター 生殺し妻」度チェックここでは、あなたの「今風セクシャル系モンスター 生殺し妻」度をチェックしてみましょう。以下の質問で、〇はいくつありますか?1. 夫がいわゆる「草食系男子」だ。2. セックスの相性について真剣に考えたり、話し合うことなく結婚を決めた。3. 問題を見て見ぬフリをして、解決を先回しにしてしまうクセがある。4. 「女を捨てている」タイプの妻がセックスレスに直面するのであって、妻がキレイにしていれば、夫は妻に欲情するはずだ。5. 交際中、セックスが合わないと感じても、結婚後は改善するはずだ。6.すぐに結果が得られないとイライラしてしまうタイプだ。7. セックスという行為は男性が相手に性的魅力を感じている証拠だ。8. セックスを拒否されると、自分の存在そのものが否定されたように感じる。9. 「話し合い」をしたかったはずが、あとで思い起こすと「責任追及」や「批判」になってしまっていることがある。10. 夫以外の元彼や、過去のお相手のほうがセックスがよかったと思い出すことがある。■あなたの「今風セクシャル系モンスター 生殺し妻」度は何レベル? 「モンスターワイフ」判定結果「今風セクシャル系モンスター 生殺し妻」度をチェックする質問に、あなたはいくつ〇がありましたか? 下の判定結果と照らし合わせて、自分のモンスターワイフ度を確認しましょう。○の数が3個以上6個未満は、生殺し妻度「C」(草食系夫への不満がにじみ出始める頃です)○の数が6個以上8個未満は、生殺し妻度「B」(夫はあなたに責められていると感じ、および腰になっています)○の数が8個以上は、生殺し妻度「A」(夫は縮み上がっています。この状態ではセックスレス解消は望めません。今すぐ方向転換を!)■セックスレス「セクシーでキレイな妻ほど夫は欲情する」というのは間違った思い込み現代社会の産物、草食系男子と結婚した妻が、セックスレスを克服するための第一歩。それは、セックスにまつわる従来型の思い込みを捨てることです。そうした思い込みが妻に、夫を追いつめる言動を取らせることになるからです。「セックスレスって奥さんが外見にかまわなくなったり、倦怠期で夫婦仲がイマイチな時になるんでしょ?」…あなたはそんなふうに思っていませんか? これは逆に言えば、「妻が努力していつまでも魅力的で夫婦仲も良好なら、セックスレスになんてならないはず」ということですよね。だから、草食系夫とのセックスレスに悩む妻たちは、自分磨きに必死になります。ダイエットをし、お肌や髪のお手入れもより念入りに。部屋着やパジャマもカワイイ系からセクシー系まで取りそろえ、料理にも力を入れて、理想的な妻を目指します。「これだけやれば、夫だって振り向いてくれるでしょ」と思えるレベルまで。ところが、セックスに意味を持っていない夫は、これでは振り向きません。彼らは、「チャンスさえあればセックスはもちろんしたいけど、妻が完全に女を捨ててるから、『妻だけED』なんだよね」などと言う、従来のセックスレス夫たちとは違うからです。やさしく繊細な今風男子たちは、セックスにおいても相手を傷つけないか、嫌な思いをさせないか、失望させないかと気づかいに気づかいを重ねます。また、失敗したらどうしようと不安に頭を悩ませます。失敗はあらかじめ回避するもの、セックスごときで嫌われるなんて割に合わないという価値観。思いやりのベクトルが変な方向を向いているのです。ネット時代の人付き合いの短所は、相手にガッツリぶつかって、ことが起こることを避けるようになるところ。相手の懐に入るなどという昔のスタイルは頭にありません。セックスなど、人と人とのコミュニケーションの最高峰なので、失敗したらあとが面倒くさいと思っているのでしょう。そして、セックスのあとは、ぐったり気疲れしてしまう。だからやがて「マスターベーションのほうが、手軽で気軽でいいや」ということになってしまうのです。まさに相手を気をつかわずにできる、面倒くさくない性欲解消法。そんな複雑な夫の心情・事情を妻が理解できずにいると、どんなことが起きるでしょうか。従来の「妻が魅力的でラブラブなら、夫は当然セックスしたいはず」という思い込みに妻がどっぷり浸かって、女磨きに邁進します。夫はそんなことを望んではいませんが、敏感な彼らは妻の努力を察知しているでしょう。そして「そんなことをしてもらっても、僕は『その気』になれないよ…」と、プレッシャーと申し訳なさで萎縮してしまうのです。妻が色っぽくなるとドン引きするという男性の声もあります。妻の側からすれば、どれだけ努力しても夫から自分の望む反応が得られず、どんどんストレスがたまりますよね。そして自分の努力が報われない悔しさや虚しさに、ある日突然、大爆発を起こして、夫を完全に震え上がらせてしまったりするのです。こんな状況で夫のマスターベーションが発覚したりすると、もう最悪です。ただでさえ「セックスレスの原因は妻の魅力不足」だと思い込んでいる妻は、「私は夫にとってマスターベーション以下の、魅力のかけらもない女だと思われている」と誤解して大暴走。修羅場を繰り広げることになります。このように、セックスしない夫に一昔前の思い込みを当てはめるのは悪循環の元。妻は「セックスレスの原因は自分だ…」と決めつけて突っ走らないことが大切です。■セックスレス草食系夫に「妻としたい」と思わせるには?それでは具体的に、妻は草食系夫とのセックスレスにどのように対処すべきなのか。かくにも重要なのは、「心と時間の余裕」です。やさしい男子をおびえさせることなくベッドへ誘導するには、性的な雰囲気を感じさせずに親密度を上げていくところから始めるしかありません。・夫に普段より丁寧に接してみる。・夫の話をしっかり聞く。・2人で楽しめることを見つけて、一緒に過ごす充実した時間を増やす。こうして2人の「ラブラブ度」をアップしたうえで、セックスを感じさせないさりげないスキンシップから、徐々に触れ合いを増やしていくのです。「そんなのまわりくどすぎる!」「レス解消までに、一体どれだけ時間をかけなきゃいけないの!?」そんな妻たちの悲鳴が聞こえてきそうですね。しかし、急がば回れ。その気がない夫にプレッシャーを与えることなくセックスにこぎつけるには、じっくりと段階を踏む必要があります。そして、これには妻が「心の余裕」を持っていることが不可欠なのです。セックスがないことが不安で、とにかく夫をベッドに引きずり込もうと突然お色気モードでベタベタしたり、セクシー下着を見せつけても、草食系夫にとっては肉食獣に追いつめられているようなもの。抱いてもらえないさみしさ、セックスレスが解消されないもどかしさを、夫に涙ながらに訴えるなんていうのはもっといけません。妻にそのつもりがなくても、夫は「責められている」と感じて、逃げ出したくなるからです。また人を傷つけるのが何より苦手な今風男子が妻に泣かれたら、セックスどころではなくなってしまいます。「時間の余裕」を奪う最大の要因は、なんといっても子どもを作ることでしょう。どれだけ女性の生き方が変わっても、医療が進歩しても、妊娠・出産についてはどうしても、無情な「タイムリミット」がついてまわります。妊活にあせる気持ちはよく分かるのですが、セックスレスの解消と妊活を同時に、一気に推し進めようとするのは避けるべきです。性欲がないうえに「うまくできるだろうか」「妻を失望させないだろうか」という不安を抱いている今風夫。そんな夫が「妊娠」という達成目標まで突きつけられては、プレッシャーに押しつぶされてしまうことは目に見えています。また、妊活においても一刻も早く結果を得ようとして「タイミング法」「ED治療」「人工授精」といったキーワードを持ち出すのは、セックスレス改善の前段階では、ちょっと待ってください。「タイミング法」は、夫にとって「なにがなんでもこの日にできなければ!」という強烈なプレッシャーになりますし、妻が「ED治療」「人工授精」と言い出せば、夫はデリケートな問題を第三者に露呈しなければならない恐怖に襲われます。「そのうち」「自然に、できるようになるのでは…などとのんきにかまえていた妻が、ある日、友人の妊娠に触発されて突然「来月からタイミング法を!」「病院に行ってED治療を!」と夫に迫るなどというのは最悪のパターンです。その気がない夫とのセックスレス解消には、一にも二にも忍耐力。長期戦を覚悟して、どっしりかまえなければいけません。夫を責めない。自分も責めない。これに尽きます。そして、時間をかけて夫のセクシースイッチがどこでオンになるかを探し出すのです。年齢を重ねてから性の嗜好が変化したという男性もたくさんいます。刺激作戦もあります。これは、また別の機会でお伝えしましょう。しかし、子どもを作る目的ではなく、妻側の性欲が高まってしまった場合、これは非常に厄介です。打開策として、妻側もマスターベーションのバリエーションを研究しておきましょう。最後に、愛美さんと純也さんはその後どうなったのでしょう。愛美さんは、草食系夫に提供すべきは「刺激」や「興奮」よりも「安心」や「気楽さ」であることに気づき、方向転換。分かりやすいお色気路線や、夫を批判・詰問するような言動をあらためたそうです。そしてついに! その努力が結婚後初のセックスという形で実を結びました!「『やっとセックスができるようになったから、いよいよ妊活だ』と前のめりにならないように、日々気をつけています」と笑う愛美さん。彼女なら、これからも草食系夫とうまくやっていけるでしょう。やさしすぎ、気をつかいすぎの今風男子。そんな現代型男性を理解し、受け入れてあげることのできる、器の大きな妻になってください。
2018年09月02日夫の愛が冷めてゆく…それは、妻にモンスターワイフの影が見えるから…。「草食系男子」と表現される男性が数年前から認知されるようなっています。そんな男性陣を、若い女性たちは、「最近の男性なんてそんなもんでしょ」「いたって普通」「ギラギラしてるほうが格好悪い」という目で見ているようです。「草食系」などとキャッチーな呼び名を付けられて、メディアにも取り上げられるようになると、「今はそれがスタンダード」という雰囲気が漂い始めます。けれども、草食系男子が一般化しつつあることと、あなた自身がパートナーの草食化を良しとするか否かは、まったく別の問題です。「私の彼、草食系かも…。でも、今はそんなの普通だし、世の中の草食系男子だって結婚してるし。気持ちがやさしいし、家事もしっかりやってくれるし、きっとケンカも少ないだろうし…。だから私も、彼と結婚して大丈夫よ」そんなふうに考えて、草食系の彼との結婚に踏み切る女性たち。どこにでもありそうな話です。結婚決定は、人生を左右する重要事項。希望的推測も必要。草食系かもしれないけれど、良い点のみをすくい上げなければ結婚などできるものではありません。結婚決定には勢いも大事です。しかし残念ながら、こうした女性たちが結婚から数年後、「セクシャル系モンスター」と化してしまうケースが少なくないという事実も知っておいてほしい。知ったうえでの結婚であれば、あとの対処法が違ってきます。自分の性の欲求を甘く見てはいけません。「こんなはずではなかった」の新型セクシャル系モンスターワイフ。これが今回のテーマです。■夫は「草食系男子」…セックスレスに悩む愛美の場合「モダンセクシャル系モンスター 生殺し妻」代表:愛美(仮名)29歳の場合会社帰り、書店で女性誌を購入した愛美は、それを隠すようにバッグにしまった。セックスレス特集の雑誌。もう何冊目だろう。こうした特集の中で伝授される「対策」は、もう片っ端から試した。けれど、どれも効果がなかった。ネットに流れてくるセックス系の記事もほぼチェックしている。オフィス帰りの愛美は、ストライプのシャツワンピ姿。艶のあるセミロングの髪を、きれいにブローしている。上品なピンクベージュのバッグも今風。「女を捨ててる感じの奥さんじゃ、セックスレスになっても仕方ないんじゃない?」愛美は、そんなふうに言われてしまう“もう女を捨てている”タイプと自分自身は真逆だと思う。ずっと美容に気をつかってきたし、ファッションも男子受けよしのフェミニンにまとめている。夫・純也とのセックスレスに悩むようになってからは、下着もセクシーなものを選ぶようになった。それなのに、セックスレスは解消されない。愛美は屈辱感と怒りで爆発しそうだった。■セックスレスは恋人の時から…結婚しても大丈夫?愛美と純也は、結婚して2年半になる。2人の出会いは合コンだった。その合コンでカップルは誕生しなかったが、全員気が合い、その後も男女6人で出かけるようになった。グループ交際。2つ年上の純也はいつもニコニコしていて、愛美にとってやさしいお兄さんのような存在だった。動物好きで猫カフェやうさぎカフェに通う愛美に純也が付き合ってくれるようになってから、2人で出かける機会が増えた。動物や子どもにやさしく接する純也の姿を見た愛美は、「この人、旦那さんとしてアリかも」と、彼を異性として意識し始めた。その後、ITエンジニアとして働く純也が多忙でメンタルが弱っているところを愛美が支えたことで、急接近。愛美のほうから告白して、2人は恋人同士になった。「子どもは2人欲しいな。いつかペットOKのマンションを買いたい」愛美のそんな夢を、純也は笑顔で聞いてくれる。彼の温厚な性格は愛美の両親にも気に入られ、2人はスムーズに結婚までこぎつけることができた。しかし、愛美にはひとつだけ気になることがあった。純也がセックスを求めてこないことだ。愛美のほうでお膳立てして2、3度したきり、その後はなにもない。「純くんは最高に優しい。私のことを大切に思ってくれているから、気安くセックスを求めてこないのよ。今は仕事が忙しい時期だし、結婚の準備も大変。だからそんな雰囲気にならないのかも。それに、前に何度かできたんだもの。仕事も結婚生活も落ち着いたら、セックスだって自然とできるようになるわ」今はエッチしていないけれど、しようと思えば、環境が整えば、できるようになるはず…。純也の淡白さについてはそう考えることにして、愛美は結婚に踏み切った。■セックスレス「うちの夫、もしかしてふつうじゃない?」結婚生活は楽しかった。純也はいつも愛美の趣味に付き合ってくれた。派遣の事務員として働く愛美には残業も繁忙期もなかったが、純也は家事も快く分担。料理上手の純也は、愛美の好物をなんでも作ってくれる。特にイタリアンはプロの腕前。おしゃれのセンスもなかなかだ。周囲からは「すてきな旦那さん」と言われ、愛美も満足している。なんの不満もない結婚生活。セックスは相変わらずなかったが、2人で出かけたり、家で映画を観たり、楽しいことがいっぱいで、特に気にならなかった。そんなある日。愛美の学生時代からの親友、ミナから婚約報告の電話があった。愛美が結婚した頃、ミナにも婚約寸前の恋人がいたが、別れてしまった。ミナに言わせれば「すごくいい人なんだけど、スキンシップやセックスが物足りない」というのがその理由だった。1年ほど前に出会った新しい彼とは「気も合うしセックスの相性もバッチリ。野獣よ。野獣! あん、燃えるーー!」と、ミナは最高に幸せだと言う。「やっぱりあの時、『いい人だから』ってだけで結婚しちゃわないでよかったよ」。そうのろけるミナの声は、うれしさで弾んでいた。親友を祝福しながら、愛美は自分たち夫婦の現状を振り返る。純くんはやさしくて真面目で、趣味も合う。でも、純くんがミナの彼の半分でも積極的だったら、もっとうれしいんだけどな。それに現実的な問題として、そろそろ子どもも欲しい。となると結婚後一度もしていないというのは、さすがにまずい…。「今夜、夫を誘ってみよう」。愛美は密かに決意した。ところがその晩。純也は「急にどうしたの?」と、明らかにうろたえた表情を見せた。え? 私たち、夫婦なのに? 「急に」って、じゃあどう誘えばよかったの? 私が誘わなきゃ、純くんからは誘ってくれないじゃない。自分からの誘いを、夫は喜ぶどころか拒絶していると感じて、愛美は猛烈に恥ずかしくなった。同時に、純也のほうから男らしく誘ってくれれば、女の私が誘ったりしなくてすんだのにと、夫が憎らしくもある。「ほら、私ももうすぐ30だし」恥ずかしさをかき消そうと、愛美は夫を誘った正当な理由を説明し始めた。「子づくりって、始めたらすぐ妊娠、ってわけにはいかないことも多いらしいから。もう今からでも始めたほうがいいと思うの」純也は相変わらず、居心地が悪そうに視線を落としたままだ。「いきなりそんなこと言われても…」純也の腰が引けた態度に、愛美は当惑した。結婚前から「子どもは2人欲しい」って、私いつも言ってたよね? 私の年齢からして、いつ子づくりを始めたって全然驚くような状況じゃないのに。愛美の心の中に、大きな不安が渦巻き始めた。純也がいわゆる「草食系男子」であることは、結婚前から認識していたこと。それでも結婚して打ち解け合い、まして「子づくり」という明確な目的ができれば、その時には自然にことが進むはずだと、漠然と思っていたのだ。ところがここへ来て、愛美の根拠のない楽観主義に暗雲が…。純くんって、まじで性欲ないのかも。でも、赤ちゃんを授かるために、セックスは必須。それにミナから聞いた、「心身ともにラブラブ」っていうのも、何だかうらやましい…。心に渦巻くさまざまなモヤモヤを払拭するには、どうにか夫婦のセックスを軌道にのせるしかない。そう考えて愛美は、明快な実行計画を努めて明るく提示した。「私の排卵日を予想するから、その時にしようよ」純也はただ、困ったようにうつむいているだけだった。■子づくりを拒絶「セックスできるのにしない」草食夫に不満爆発!そして迎えた、排卵予定日。「純くん、今夜だよ!」先日の様子からして、何の前触れもなく迫ったりしたら純也は逃げ出してしまいそうだ。愛美はそう思い、出勤前の夫に明るく声をかける。ところがまた、純也は気まずそうな顔。小声で「いってきます」と言うと、そそくさと家を出てしまった。純くん、かなり緊張してるみたい…。でも、今夜一度うまくいってしまえば、不要な緊張も解けるわ。愛美はそう考えていた。ところが。このところずっと7時には帰ってきていた純也が、8時になっても帰って来ない。愛美が待ちくたびれていると、純也からメールが届いた。「愛美ちゃんごめん! 急に先輩に誘われちゃって。二次会まで付き合わなきゃいけない雰囲気だから、悪いけど先に寝てて。本当にごめん!」先輩と飲み? それも二次会まで? 純也はお酒がほとんど飲めず、会社の飲み会が嫌いだ。どうしても参加しなければならない飲み会でも、二次会は断って帰って来る。それなのに、どうしてよりによって今日? 愛美は、心底がっかりした。けれど、今日のところは仕方がない。また来月頑張ろう。愛美はそう思うことにした。しかし、ことは彼女が思うようには進まない。その後、なんと半年の間、純也は「約束の日」にはなにかと理由をつけて、日付が変わってから帰宅するようになった。当初は「そろそろ始めなきゃ」と、のんびり構えていた子づくり計画。しかし、セックスに持ち込むことができない現実に直面して、愛美の中で一気に「緊急課題」となる。それだけではない。愛美は「自分はこのままセックスが皆無の人生を送ることになるのでは」という不安にもかられ始める。「セックスができない相手と結婚して、一生セックスなしでいい」と覚悟して結婚に踏み切ったわけではない。「結婚すれば、いつかできるようになるはず」と思っていたのだ。愛美は性欲が強いほうではない。それでもまだ20代の自分が、女として求められることなく一生を終えることになるかもしれないと思うと、いたたまれなかった。そして生まれて初めて「男性から求められたい、抱かれたい」と切実に渇望するようになった。「子どもが欲しい」と真剣に願う一方で、「このまま一生セックスなしなんてあんまりだわ。私、いつか浮気しちゃうかも」などということも考える。頭も心もどんどん混乱してゆく。彼女はもう限界だった。「純くん、約束の日になると、必ず予定が入るんだね。どうして? 子どもが欲しくないの? それとも私とセックスするのがそんなに嫌?」愛美に詰め寄られると、純也はあからさまにオドオドした。「なんていうか、目的があって『今日しなきゃ!』みたいに言われると、プレッシャーっていうかさ。そういう気分になれないんだよ」「じゃあ、今日しよう」「え?」「今日は排卵日じゃないよ。子づくりとか目的なしで、私とセックスしてよ」純也は追い詰められた表情になった。そして、愛美を残して部屋を出て行ってしまった。愛美は呆然とする。ケンカをした時でさえ、純也が一方的に会話を中断してその場を離れてしまったことなど、それまでにはないことだった。その日から愛美は雑誌やネットで、あらゆるセックスレス克服法を読み漁り、実行した。けれども、状況は一向に改善しなかった。良好だった夫婦仲もギクシャクしたものになっていった。ある日とうとう愛美は、泣きじゃくりながら純也を問い詰めた。「純くん、どうして? 私はただ普通にセックスをして、普通に子どもが欲しいだけだよ。私、何かワガママなこと言ってる?」純也はいつもの困り顔で黙っている。「私もう疲れちゃったよ。ねえ純くん、本当はどう思ってるの? 正直に答えて。本当に子どもが欲しいって思ってる?」「それは、思ってるよ」「じゃあ、このままずっと私とセックスしてくれないなら、不妊治療のクリニックに一緒に行ってくれる? 純くんの精子をくれる?」「い、いきなり、なに言い出すんだよ…。突然そんなこと言われても」「全然、突然じゃないでしょ!」愛美は叫んだ。「私もう、何カ月も待ったよ。でも純くん、ちっともセックスしてくれないじゃない。なんで? EDなの? セックスできないなら、もうお医者さんに頼るしかないじゃない。お医者さんに精子を取り出してもらうしかないよ」「いや、そういうわけじゃ…」夫のその答えに、愛美は驚いた。純也の性格からして、浮気の可能性は限りなくゼロに近い。風俗なども毛嫌いしている。そして、マスターベーションをしているらしい痕跡も、愛美は感じたことがない。だから、純也はEDなのだと、ほとんど確信していたのだ。愛美は即座に聞き返した。「え、どういうこと? 純くん、勃つの? 射精できるの?」「女の子がそういうこと聞くかな」「質問に答えてよ!」「うん…できるよ」「ひとりでならならできるんだ?」ひたすら居心地が悪そうにしていた純也の顔に、いらだちが加わった。そして、うんざりした口調で答えた。「ああ、できるよ」「最後にしたのいつ?」「2週間くらい前かな」…それって、私の排卵日の頃じゃない。あの時、純くんは「仕事でトラブっちゃって」なんて言いながら、ご丁寧に排卵日のみならず、その前後1日ずつまで思いっきり遅く帰って来たのだ。まさかあのタイミングで、マスターベーションしていたなんて。夫は自分でならできる。それなのに、これだけ懇願している私とは、絶対にセックスしてくれないのだ。愛美の理性は完全に崩壊した。「そんなに私とセックスしたくないわけ!? なんなのよ、なにがいけないのよ!? 私はどうすればいいのよ!」子づくりにあせる気持ちと、女性として求められないさみしさ。ネガティブな感情が混じり合って、愛美さんはパニック状態に陥ってしまいました。彼女はどこで、モンスターワイフへの道に足を踏み入れてしまったのでしょうか。次回ご紹介するチェックテストで確認してみてください。
2018年09月01日「恋愛体質なくせに恋が上手く行かなくて疲れました」と題する女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。24歳のトピ主さんは飲み会で知り合い、1週間で交際に至った彼氏がいたそうですが、徐々に連絡が疎遠になり、大切にされていないと感じるようになったため、「付き合ってる意味がない」と自分から別れを告げました。しかし、直後に彼のことがやはり好きだと思い、復縁を願い出たものの、彼のほうも実は“別れを待っていた”とも取れる発言をし、断られてしまったとか。今後についてのアドバイスを求めています。恋愛体質“だから”うまくいかなくなったのかも!?要するに、トピ主さんは「望むように愛してくれないから」と別れを告げたものの、本当は彼と別れたくはなかった、ということですよね。「別れる」と言えば彼が反省し、「交際初期のようにまた情熱的になってくれるかもしれない」といった期待があったのかもしれません。本気で別れる覚悟を持っていたならば、意図せず彼の心を揺さぶることはできたかもしれません。実際、彼はひたすら謝ってきて、「友達からやり直したい」と言ったとか。しかしその後、トピ主さんから復縁を申し出たことで、彼はまた“引き”の態度になった――。言葉は厳しいですが、トピ主さんの言動が一貫せず、結果的に“交渉材料”として別れ話を使ったような形になったことで、彼の気持ちの目盛りは余計に下がってしまったのかなという印象を受けました。トピ主さんは“恋愛体質”とのこと。一般的に、恋愛体質の人は感情の高ぶりが強く、それに振り回されやすいという傾向があります。それが恋愛の進展を動かすこともありますが、今回のケースでは、感情の高ぶりで行動したことが裏目に出てしまった……と言えるのではないでしょうか。「恋愛体質なくせに恋がうまくいかない」とのことですが、恋愛では「恋愛体質“だから”うまくいかない」という場面もあることは、ぜひ心得ておきましょう。恋愛体質の人がいい恋愛をするには?恋愛には感情も必要ですが、一方で円満な信頼関係を築くためには、その時々で「落ち着いて対処するスキル」も欠かせません。自分の感情を一旦落ち着ける術を知っていれば、あるいは、一時の感情で相手を振り回すことがもたらす悪影響を自覚していれば、今回のように勢いで別れ話を突きつけずに済んだかもしれないですよね。心を落ち着かせ、コントロールするための勉強や簡単な修練をしてみるのはおすすめです。彼のどこがそこまで好きなのかについても、自問自答してみましょう。恋人がいない状態に戻りたくないから、貴重な恋愛のチャンスを逃したくないから、彼を好きだと思い込みたいだけではないのか――。彼のことは「これからゆっくり知っていこうと思っていた」という記述もありますが、“ゆっくり知っていく過程”で自分を大切にしてくれない相手と分かったのなら、「思ったような人じゃなかった」と判断して終わりにする選択もあるわけです。落ち着いて現状を見ることができれば、「今すがりついて復縁してもらったところで、また同じつらい繰り返しになりかねない」という可能性にも気づけるかもしれません。信念を持ち、心と体制を整え直していこう「どうしても彼を諦めたくない」という結論になったとしても、今はとにかく落ち着いて、二人の間の“流れ”を変えることが肝心だと思います。残念ながら今、彼の気持ちが盛り下がっているのは事実。彼が好きならばなおさら、しばらくは彼の望むように距離を取って、その間に、こちらも心と体制としっかり整え直しておくのがベストではないでしょうか。疲れたときは、一旦お休みしましょう。少し余裕が出てきたら、「大切にしあえる関係を築くためには、どうすればいいのか」についても考えてみるといいと思います。今回の恋愛でも、「もう少し時間をかけてから付き合っていれば、違っていたかも」「嬉しくて急にテンションを上げすぎたのがよくなかったのかな」「ひどい扱いをされたとき、その場で怒るなど意思表明をするべきだった」等々、多々学べることがあるかもしれません。「心が引き裂かれる想い」という記述もありますが、「二度とこんな痛みを感じたくない、今度こそ愛し愛される円満な恋愛がしたい!」という強い信念を持つことができれば、きっといい学びを得て、変化も起こしていけるはず。豊かな感情を持ち、人を好きになれるのはとてもチャーミングなことですが、異性との良好な関係を築くにあたっては、ただ好きだと表現し、始終くっついているだけでは難しい側面もあります。その愛らしい才能を自分の幸せに生かしていくには、どんな変化や成長が必要なのか。今回の彼とどうなるにせよ、そうした考察や努力は、必ず今後のトピ主さんの恋愛に役立っていくと思います。応援しています。(外山ゆひら)
2018年08月28日「デートプランを崩してしまいました。」と題する女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。時間や約束にきっちりした性格の彼氏がいるトピ主さん。先日、彼の下調べのもと花火を見に行ったそうですが、天候の問題で開催が不透明になり、いったんは場所を移動。その後、花火は始まったものの、「(見える場所に)戻ろう」という彼に対し、トピ主さんは諦めモードになっていたため戻らなかったそうです。その日以来、彼は明らかに冷たい態度を取るように。「私はそんなに悪い事をしてしまったのでしょうか?」と読者に問いかけ、アドバイスを求めています。 “拗ねてしまった彼”に、どう対処するか花火ののち、彼は「仕事が忙しいからとそっけなくなった」「嫌な事を言ったり、敬語を使う私に気持ち悪いと罵ったりしてくるようになった」とか。デートの日程を減らしたり、次回以降のデートの計画を丸投げしたりするようにもなったそうです。以前よりも冷めてる感じがする……とのことですが、次のデートの話もしていますし、以前よりテンションは下がっていたとしても、「愛情が冷めた」というまではない印象を受けました。おそらく彼は今、「自分の頑張りが報われなかったことに拗ねている」と同時に、「トピ主さんを喜ばせられなかったことへの無力感や罪悪感」による所在なさを感じているのではないでしょうか。トピ主さんに喜んでほしくて頑張ったのに、花火デートの計画が台無しになった。それを自分の“失敗”のような気にさせられて、「もう頑張るもんか」という気分になってしまったのかもしれません。「私は自分が立てたプランが変更されても気にしない性格なので全然彼が分かりません」とのことですが、ここは男女の違いとして顕著な部分かもしれませんね。“好きな女性が喜んでくれる”というご褒美がなければ、多くの男性はデートのために頑張れない。彼女に理解され、信頼されていると感じると、力が湧いてくるし、感謝されたり、喜んでもらえたりすると、いっそう頑張れる――。そう考えれば、彼は今、“トピ主さんのために行動するモチベーション”が湧いてこなくなっているのではと推測します。 こちらの気持ちを伝え、彼に少し時間をあげよう読者からのアドバイスを受け、トピ主さんは「(自分は)人の気持ちを汲む事が出来ない」などと自責の念に苛まれている様子ですが、そこまで思いつめる必要はないと思いますよ。特段ひどいワガママを言ったわけではないようですし、今回は天候で予定が狂ってしまったことも大きな原因。予定外の移動で疲れてもいたでしょうし、二人で別のこともしていて、「花火を見れなくてもいいや」と思ったわけですよね。そこには「彼と一緒にいるだけで十分に楽しい」という気持ちがあったからではないでしょうか。もしそうならば、まずは正直に「花火を見れなかったけれど、私のために計画をしてくれたことや、一緒にいられただけでもすごく嬉しかった」と彼に伝えてみてはいかがでしょうか。プラス、謝りたいならば「嫌な気持ちにさせてしまったならゴメンね」と。その後は少し連絡を控え、彼に時間をあげましょう。誤解が解け、少し頭を冷やしたら、彼は何もなかったように振る舞う可能性も高いと思います。その後は、あまり花火の話題には触れないであげるといいかもしれませんね(彼は自分の“失敗”だと感じているでしょうから)。 円満のコツは、「相手の言動をただそのまま受け止める」恋人や好きな相手が自分の望むような行動をしてくれなかったとき、あるいは態度が冷たいと感じたとき、すぐに「愛されていないの?」「自分が失敗したからだ」などと自分目線で思い込んでしまうと、関係はこじれやすいです。人間には体調も気分もあるし、恋愛感情を一番に優先できないときもあるもの。今回、彼は自分の頑張りに固執してしまい、トピ主さんの言動を「そうか、花火を見る気分じゃなくなったのか」などと落ち着いては受け取れなかった。トピ主さんも同様、冷たくなった彼を見て「私への愛情が冷めてしまったの!?」と悩み始めてしまった。悪循環が起きていますよね。こういったときに、「そのうち気分も変わるだろう(機嫌も直るだろう)」「こんなことで揺らぐ関係じゃない」などと安定して受け止めることができると、深刻な問題にはならないケースが多いです。もちろん、二人の交際期間や関係性の強さにもよりますし、「そういう性格の相手とやっていけない、合わない」と思うなら、別れて別の人を探す道もあります。ただ、トピ主さんがこの関係を絶対に続けていきたいと思うなら、二人の絆に自信を持っていきませんか。前述のとおり、彼の気持ちが落ち着くまで時間をあげつつ、深刻にならないで、いつもと変わらない温かい態度で接してみるのが一番のように思います。早く仲直りができるといいですね。応援しています。(外山ゆひら)
2018年08月20日前回 は、夫のことなどまるでかまわず、子どもを連れて実家に入りびたるあずささんのケースをご紹介しました。初めての妊娠・出産・育児では、誰もが不安になって当然です。つわりがひどい時や、暗中模索状態の子育て中には、誰かに頼りたくなるのも分かります。そんな時、実家は心強い味方です。最も気がねなく助けを求められる存在ですし、特に母親は、娘のことを熟知している。望む時に、望む形のサポートを、サッと提供してくれる実家や母親…「ママ1年生」になったばかりの娘がすがりたくなってしまうのは、確かに当然でしょう。まず、実家の親側にも問題があることを理解しておきましょう。「娘」はすでに結婚をして「妻」になっているということを忘れてはなりません。受け入れすぎてしまう親に、そのまま甘えてしまうのは妻失格です。結婚というのはパートナーとともに、新しく自分の家庭を築いていくという約束です。その約束をした以上、自分の都合だけ考えて「娘」の立場に固執し、「妻」としての立場や役割を放棄するのはルール違反。自分の都合や利益しか見えなくなり、相手に対する思いやりが持てなくなる。これはモンスター化の始まりです。こうした話をすると、「でも、夫に頼れないんだもの。実家に頼るしかないじゃない」「夫が頼りないから実家に頼っているのに、それで文句を言われても…あなたのせいよ、って感じです」と反論されることがあります。「夫に頼れないから、実家に頼るしかない」と考える妻。「娘が大変な時には、助けてやりたい」と思う妻の実家。どちらにも悪気などないのです。けれども、注意していないと、この「妻・実家協力体制」が夫婦仲を崩壊させる恐れがあるのです。あなたもそんなリスクを抱えていませんか?■「夫放置系モンスター 実家帰り」度チェックここでは、あなたの「夫放置系モンスター 実家帰り」度をチェックしてみましょう。以下の質問で、〇はいくつありますか?1. 一人っ子もしくは末っ子で、親から愛され、甘やかされて育った。2. 母親とは「友だち親子」のような関係で、行動をともにし、あらゆることを相談してきた。3. 母親は専業主婦、あるいは時間の融通がきく仕事をしており、なにかあればすぐにかけつけてくれる。4. わが子は実家にとって、待望の初孫だ。5. 結婚後も経済的に実家に頼ったことが何度かある。6. 夫が、夫として父親として頼りにならず、「最後の砦(とりで)は実家」という安心感が常にある。7. 子どもが生まれたら子どもが最優先、夫は2番目だ。8. 自分は難しい状況に直面すると、「できるまで自分でやる」よりも「できる人にやってもらう」タイプだと思う。9. 不安を感じやすく、すぐ誰かにLINEや電話をしてしまう。10. 夫婦間で問題が生じたら、話し合わず、面倒ごとを回避するスタイルを取ることが多い。■あなたの「夫放置系モンスター 実家帰り」度は何レベル? 「モンスターワイフ」判定結果「夫放置系モンスター 実家帰り」度をチェックする質問に、あなたはいくつ〇がありましたか? 下の判定結果と照らし合わせて、自分のモンスターワイフ度を確認しましょう。○の数が3個以上6個未満は、実家帰り度「C」(夫婦間でイヤなことがあると、すぐに「実家に帰りたーい」と思っていませんか?)○の数が6個以上8個未満は、実家帰り度「B」(何かにつけて実家に頼りたがるあなたに、夫は不満を感じ始めています)○の数が8個以上は、実家帰り度「A」(精神的にはすでに「実家帰り」モンスター。実際に実家に帰ってしまうのも、もはや時間の問題かも)■セックスレスの原因にも「子離れできない両親、親離れできない妻」夫が仕事ばかりで、ほとんど家にいない。家にはいるけれど、いつもダラダラ。子どもが生まれても、父親としての自覚がまるで感じられない。妻に言われなければ、なにひとつできない夫。いざなにかやらせてみても、まったく使えない。ダメ出しばかりしなければならず、余計に疲れる…。夫がこんな状態では、妻の言い分も理解できます。けれど、考えてみてください。「あなたになんて頼れないから、もういい。もっと頼りになる実家にお世話になるわ」妻にそう切り捨てられた夫は、どんな反応をするでしょうか。「これはマズい! 夫として、父親として、もっとしっかりしなければ!」そうあせって一念発起、良き家庭人になろうと努力を始めてくれる夫は、残念ながらごく少数派でしょう。大抵の男性は、「あんたなんて役に立たない」という態度を取られた時点で、プライドを傷つけられ、そっぽを向いてしまいます。夫が頼りないのもいけませんが、妻が夫を頼りにしなければ、夫はいつまでたっても頼れる夫にはならないのです。「自分たちの家庭をともに築いていこう」という夫婦間の決意が固いものであれば、初めて直面する状況を前に困難が続いても、一緒に乗り越えてゆけます。そうするなかで夫は頼りがいのある夫へ、父親へと成長していくのです。ところが、最近ではひとりっ子が増加し、「一卵性母娘」などと呼ばれる母娘まで登場。結婚後でさえ「夫と妻」の関係よりも、「母と娘」の関係の方が強いケースが増えてきました。これがエスカレートすると問題が生じ始めます。母親がいつまでも娘の絶対的なピンチヒッターとして権威を振るい続けると…娘自身の、妻として母としての成長が妨げられるだけでなく、娘の夫まで、夫として父親として成長してゆく機会を奪われてしまうのです。それだけではありません。夫婦間への実家の介入は、多くの夫婦がただでさえ陥りやすい「産後セックスレス」のリスクを一層高めてしまいます。子ども中心で生活が回ってゆくなか、家庭に両親、あるいは義両親の影までチラついていたら…エロティックな雰囲気になどなりようもないことは、容易に想像がつくでしょう。「ママ」や「パパ」、「お義父さん」「お義母さん」のいる空間で、夫婦は「男」と「女」にはなりづらいのです。では、頼りになる実家との線引き、頼りない夫との関係は、どうしたらいいのでしょうか?■「実家も使いよう?」夫婦時間をもつために甘えるのは◎新米ママにとって、実家は強い味方。頼り方さえ間違えなければ、「実家の有効活用」によって、夫婦仲を良くしてゆくことだってできるのです。例えば、子どもを半日実家にお願いしてランチに出かけ、夫婦でゆったりとした時間を過ごす。おばあちゃんと孫が散歩に出かけてくれている間に、夫へお願いしたいことを落ち着いて丁寧に指示する。子育てでボロボロになっているから、おじいちゃん・おばあちゃんが孫と遊んでくれている間に、美容院やエステに行ってリフレッシュ。こんな実家への「頼り方」だってあるのです。モンスター化してしまう妻。それは、自分がラクをするためだけに、夫のことなどまるでかえりみず、夫婦でともに成長していこうという気持ちもなく実家に依存する妻たちなのです。その後、あずささんと大輝さんは結局、離婚しました。妻にとって夫はお荷物でしかなく、夫にとって妻は金食い虫でしかない…。せっかくご縁があって結婚し、そのうえ子宝にまで恵まれた男女の、あまりにも悲惨な結末です。妊娠・出産・育児により、心身ともに疲弊した妻に忍び寄る「実家帰り」モンスター。あなたはこのモンスターに、心を乗っ取られてはいけません。
2018年08月19日夫の愛が冷めてゆく…それは、妻にモンスターワイフの影が見えるから…。時代の変化にともない、家族のあり方も変わっていきます。どのような形の家庭を築くかは、各夫婦の選択に委ねられるべき問題です。それぞれの夫婦が、カスタマイズした家庭を形作ってゆけばいいでしょう。けれども、どんな家族の形を模索するにせよ、絶対に忘れてはならないことがあります。それは、夫婦は互いに協力するものであるということ。「そんなの当然」と思うのは頭の中だけで、実際には非協力的な夫婦たちのトラブルがあふれています。友だちとのトラブルなら距離を置けばいい話ですが、夫婦間は距離を置くと冷え切ってしまいます。結婚前や、結婚後しばらくの間は、夫婦間の協力が「当然」のこととして認識されているかもしれません。ところが、それから月日がたち、子どもも生まれて、家事に育児に忙殺されるようになったら…?環境が変われば、「夫婦間の協力」という意識はすっ飛んでしまいます。相互協力という夫婦関係の基本中の基本を忘れてしまった妻はモンスター化まっしぐら。そして夫婦仲は、破綻の一途をたどることに。今回ご紹介するのは、そんな夫婦間で協力しようという姿勢を完全に忘れてしまったモンスターワイフです。■「あんたなんか夫でも父親でもない!」妻の暴言が止まらない「夫放置系モンスター 実家帰り」代表:あずさ(仮名)32歳の場合あずさは、お気に入りのピンクのブランケットにくるまり、大好きなホットココアを飲みながら、海外ドラマに夢中になっていた。至福の時間。ところが…。「…ただいま!」息子を起こさないようにつけていたヘッドフォン越しに、突然耳に入ってきた雑音に振り返る。そこには、夫の大輝が不機嫌な顔で突っ立っていた。「え、なに?」あずさも負けず劣らず不機嫌な声で応える。「ただいまって、何度言わせるんだよ」あーあ、せっかくいいところだったのに。「ただいま」に対して、すぐ「おかえり」が返って来なかっただけですねるなんて、まるで子どもね。まだ3歳の息子・恵太のほうが、よっぽど物わかりがいい…。あずさは大きなため息をついた。「腹減った。メシは?」「え? もう10時半よ。会社で食べて来たんじゃないの? 最近ずっと、会社で出前をとっていたじゃない」まゆをひそめるあずさに、大輝の口調がますますイラ立ちを増す。「食ってるヒマ、なかったんだよ。冷蔵庫に何かあるだろ?」「ないわよ。お夕飯は恵太と実家で食べて来たんだもん」「またかよ…。じゃあ、なにか簡単なものでいいから作っといてくれよ。先に風呂入ってくるから」「お風呂わいてないわよ。私たち、実家で入ってきちゃったから。恵太がおじいちゃんと入りたいって…」「いい加減にしろよ!」ついに大輝が怒鳴り声を上げた。「家事もせず実家に入りびたって、俺から生活費だけ巻き上げて。おまえ、この家でまともに生活していないじゃないか。こんなの詐欺だよ、詐欺!」「はぁ!?」夫に怒鳴られても、あずさは一歩も引かなかった。夫の言い分が、彼女にはさっぱり理解できない。詐欺ってなに? 私は仕事ばかりの夫なんかに頼らず、実家のサポートを得て頑張っている。大輝は、給料がたいしたことないくせに家事を手伝うこともない。うちの実家のおかげで食費や生活必需品にかかるお金が浮いている。夫は私と私の実家に感謝すべきなのだ。それなのに詐欺とはなんだ。許せない。あずさは夫以上の剣幕(けんまく)で怒鳴り返した。「詐欺はどっちよ!? ロクに家にいないあんたなんか夫でも父親でもないわ!」■夫を放置…「始まりは長めの“里帰り出産”」あずさは、4歳年上の大輝と5年前に結婚した。小さな出版社に務める夫の大輝は、常に忙しい。朝は早く、夜は遅い。休日出勤もしょっちゅうだ。それでも結婚後、待望の第一子妊娠が分かった時、あずさは幸せでいっぱいだった。ところがその後、ひどいつわりにおそわれる。食べられないし、動けない。そんな窮地を救ってくれたのが、実家の母。電車で1時間かかる距離を毎日通い、面倒を見てくれた。夫の出張中には、泊まり込んで世話を焼いてくれた時もある。それ以降、つわりがおさまってからも、あずさはなにかと実家を頼るようになった。彼女の両親のほうも、一人娘が嫁いでからも自分たちと過ごしてくれることを喜んでいた。そして、あずさは妊娠7カ月になる前に、里帰りすることを決めたのだ。「ずいぶん早くないか?」大輝の顔がくもった。「もうすぐ繁忙期も終わるし、子どもが生まれる前にさ、少しはあずさと2人でゆっくり過ごそうと思って…」「でも、健診とかは、ママに車で送ってもらって、付き添ってもらえるほうがラクなんだもん。ママとお医者さんと相談して、もう決めてきたから」あずさは聞く耳を持たず、大輝は渋々あずさを送り出した。産後の1カ月を実家で過ごしたら帰って来る、という妻の言葉を信じて。ところが、あずさが大輝と住む家へ戻って来たのは、産後4カ月を過ぎてから。母子ともに健康だったが、あずさはなにかと理由をつけて、実家に居座わる。「恵太は俺たちの子どもだろ。週末だけ、あずさの実家で恵太の顔を『見せてもらいに行く』みたいな生活は、もう嫌だ。あずさも恵太も健康なのに、4カ月も帰って来ないなんて、いくらなんでも長過ぎるよ」大輝にそうつめ寄られて、あずさはむくれ顔でようやく帰って来た。こうして始まった「家族水入らず」の生活だったが、初めから難航した。■「育児ノイローゼが引き金に」親離れ子離れできない妻初めての、ひとりぼっちの育児。あずさは初日からパニックになった。夜遅く疲れ果てて仕事から帰る大輝を待ち構えるのは、ゾンビのような顔をして泣きぐずるあずさ。それが、毎晩のように続いた。玄関で靴もまだ脱いでいない大輝を相手に、あずさの口からは泣き言と愚痴の嵐。「どうしたら恵太が泣きやむか分からない」「疲れて死にそうだ」「大輝はいいわよ、どんなに忙しくたって、ランチとトイレくらいは、行きたい時に行けるでしょ」…。ようやく妻から解放されたと思ったら、今度は息子が泣き始めて、眠ろうにも眠れない。「このままでは共倒れになる」と大輝が危機感を覚え始めていたある日、あずさが「ママに手伝いに来てもらう」と言い出した。「また実家かよ」と大輝はむかつく。けれど、背に腹は代えられない。赤ん坊を抱えて、夫婦共倒れではどうにもならない。大輝は仕方なく、これを受け入れるしかなかった。しかし、これが間違いだった。義母は泊まりがけで、娘と孫の面倒を見始めたのだ。初めは、大輝の出張中だけだった。ところが次第に大輝が家にいる時でさえ、あずさは「ママ、泊まっていったらいいじゃない」「もう遅くなっちゃったから」「こんなに雨が降ってる中、帰るの大変でしょ」と、母親を引きとめるようになったのだ。確かに、義母のおかげで助かっている。だから、あずさのこんな主張を否定することなど、大輝にはできない。だが…大輝は居心地の悪さに押しつぶされそうだった。会社では、ひたすら忙しく働く。やっと家で過ごせる時間ができても、そこはすでに妻・息子・義母、そして時には義父という「定番メンバー」に占拠されていて、自分の居場所などない。それに…息子の夜泣きがひどい時などは、あやし上手の義母の存在は本当に有り難い。けれど、たとえ息子がぐっすりと眠っている夜でも、義母がいてはセックスなど望めない。というより、義母がいる時のあずさはすっかり「娘」に戻っていて、自分の「妻」という感じがしない。ついさっきまで「ママ、ママ」と義母にべったり甘えていた妻に、大輝はベッドの中で手を伸ばす気になれなかった。あずさの妊娠が分かってからこれまで、一度もセックスしていない。そろそろなんとかしないと、俺たちまずいんじゃないのか? 大輝はあせっていた。■夫婦崩壊「妻の実家から徒歩1分に引っ越し」で決定的にそんなある日。大輝が帰宅すると、あずさがいつになく明るい顔で出迎え、ニコニコしながら言う。「実家から歩いて1分のところにね、新築のアパートができるんだって! 大家さんがパパの知り合いで、私たちのことを話したら、1階の庭付きの角部屋を特別に確保してくれるって言うの。しかも家賃まで特別割引き!」「実家から歩いて1分」という言葉に大輝は初め「冗談じゃない」と思った。けれど…案外、悪い話ではないかもしれない。歩いて1分の距離となれば、さすがに義母が泊まっていくことはなくなるだろう。そうすれば少なくとも義母が帰ってからは、家族の時間、夫婦の時間を持てるはずだ。それに庭付きのアパート、家賃も割引きというのもオイシイ。恵太が元気に動き回るようになって、もう少し大きなアパートに引っ越さなければならない、庭付きの物件があれば最高だ、とちょうど夫婦で話していたところだったのだ。大輝はさまざまな条件を天秤(てんびん)にかけたが、最終的にはあずさの熱意に負けて、このアパートを借りることに。ところが、これが致命的な決定打となって、家庭は完全に崩壊した。確かに義母が泊まりに来ることはなくなる。なぜなら、あずさが恵太を連れて、完全に実家に入りびたるようになったからだ。大輝が家賃を払う新しいアパートにあずさと恵太が帰ってくるのは、恵太のおもちゃを取りに来る時と、寝る時だけという状態に。そんなアパートは掃除もろくにされておらず、あちこちホコリがたまっている。食事もすべて実家ですませてくるので、あずさが最後に自宅のキッチンに立ったのは、もういつのことだか分からない。「最近ランチに出かけそびれることが多いから、弁当を作ってくれないか」という大輝のリクエストも、あずさは当然のように完全スルー。週末の昼食でさえ、「私と恵太は実家で食べるの。大輝も来たければ来てもいいわよ」などと言われる始末…。そして最近では、夫婦が自宅で顔を合わせれば十中八九ケンカになるような状態が続いているのだ。夫が仕事で忙しいことを理由に、実家に頼りきりになったあずささん。自分と息子さえ快適に過ごせれば、夫のことなどお構いなし、というモンスターっぷりです。彼女はなぜ、モンスターワイフになってしまったのでしょうか? 後編でチェックテストとともに見ていきましょう。
2018年08月18日「恋人と会うベストな頻度とは…お互いのために減らしたい」と題する女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。同じ年で交際4か月になる恋人がいる、27歳のトピ主さん。毎週末デートもしており、交際はとても順調なものの、彼も自分も「自分の勉強ができていない」という焦りを感じているそうです。「少し会う頻度を抑えよう」という話をしているものの、どのような提案をしたらいいのかとアドバイスを求めています。会う頻度を減らすと、「結婚」が遠のく?日々忙しいだけでなく、仕事に対する情熱や向上心も強いという二人。20歳代から30歳代にかけては、特に仕事の基礎を築く時期ということもあり、成長意欲を燃やしたり、「早く一人前にならなければ」「周りに置いていかれたくない」等の焦りも感じたりしやすい時期です。そのため、トピ主さんたちのように、恋愛に多くの時間を取られることに不安を感じてしまう……という経験をする人もいます。焦るくらいならまだしも、実際に仕事でいい結果が出なかったり、失敗をしてしまったりしたときに、「恋愛なんかしてるからいけなかったんだ」と思い詰める人も。そうなると、交際自体にも黄色信号が点りかねません。お互いのために“会う頻度”を少し減らそうということですが、一方でトピ主さんは、「せっかくのいいムードでのお付き合いにブレーキをかける事になるのかな」「下手に頻度を減らすと、結婚が遠のくのでは」といったことも心配しているようです。お二人の性格にもよるでしょうが、「会う頻度が減る=交際が盛り下がる、結婚が遠のく」と一概には言えないように思います。仮に彼のほうが会いたがったとしても、「今日は自分のことをやらない? 私も頑張るから!」と彼に時間をあげられたほうが、逆に「彼女となら未来が見える」「一緒に住んだほうが、二人でいられる時間が増える」と結婚を考え始めるかもしれないですよね。恋愛初期は特別な高揚感があり、多少の無理も効きやすいですが、そろそろ交際4か月。「恋愛」と「生活」をバランスよく両立できる形を探っていくには、いい時期かもしれませんね。「恋愛のせいで、仕事にマイナスになっているかも」とお互いが”本気で”思い始める前に、負担を感じない付き合い方を見つけていけるといいように思いました。ルール化するメリット・デメリット「会う頻度にルールを決めて自分の時間を増やそう」といった話も出ているそうですが、それもひとつの方法です。すでに「毎週末、会うこと」がなんとなくルール化されているようにもお見受けしますが、ルールを決めておくことには、以下のようなメリットがあるでしょう。(1)お互いの予定に振り回されず、時間を有効に使える(2)空き日には気兼ねなく、自分の予定を入れられる(3)よけいな不安や不満を感じず(感じさせず)に済む(1)と(2)はいわずもがなですが、(3)について補足しますね。恋愛では、片方が「会えない」を選んでも選ばれても、「気持ちが離れたのでは」「愛されてないのでは」といった不安や寂しさが発生してしまうことがしばしばあります。加えて、「急に会えない」なんて事態が起こると、「こちらは色々準備してたのに」「早く言ってくれたら、別のことができたのに」等々の不満につながることも。ざっくりとでもルール化しておくと、そうした事態をできるだけ避けられるメリットもあります。一方で、「会うことが“義務”になると、気持ちが萎えやすい」といった意見もあります。「会いたくなったから会っている」という感覚があるほうが、確かに恋愛感情は実感しやすいかもしれません。しかしながら、ルール化したところで、気持ちが離れれば結局は理由をつけて会わなくなる可能性も。連絡はこまめに取りつつ、お互いが「会える日まで頑張ろう!」と“ご褒美制“で自分のことを頑張れるならば、時間のけじめをつけて会うことにより、交際の満足度が今よりも上がる可能性もあるように思いました。ちなみに、週末じゅう会うのが習慣になっているなら、今後は数時間でも半日でも早めに解散する、あるいはランチから夕飯までは別行動をする……といった”時間帯でのルール化”も可能かと思います。時には“腹八分”を意識してみるその後の投稿によれば、まずは「同じ空間で、お互い他の事(勉強など)をする方法」を試してみよう! という話になったとか。うまくいけば、それもいい対策になりそうですね。その場合、カフェや図書館など、周りに他人の目がある場所のほうがケジメをつけやすいのでおすすめです。恋愛に限らずですが、「“腹八分”くらいが最も負担がなく、物事を継続しやすい」のは事実。愛する人と共に過ごすのも、人生のとても大切な時間ではありますが、「お腹いっぱい食べてばかりじゃマズイかも?」なんて思う瞬間があれば、ぜひ上記も参考に検討してみてくださいね。(外山ゆひら)
2018年08月13日「だだっ子みたいに甘えて来る彼、止めてほしい」と題する投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。トピ主さんは出張で海外にいる恋人が、電話越しに突然“だだっ子”のように甘えてくるようになったことに困惑しています。「ストレスを抱えているのはよくわかるので支えてあげたいと思う反面、あきれるというか、冷めてきている」と心境をつづり、あまりストレスを与えずに、この状況を打開するよい方法はないか……とアドバイスを求めています。“知らなかった一面”に戸惑うのは当然だけど……お互いにアラサーという年齢。「普段の彼は仕事もバリバリこなすし、大人で優しい人」「私の嫌がることはしないように心がけてくれる人」とのこと。仕事のストレスなのか、突然“赤ちゃんがえり”のような態度で甘えてくるようになった彼に対し、トピ主さんは「尊敬の気持ちやときめきが薄れてしまいそう」と関係の危機も感じているようです。「彼らしくない」と思うようなプライベートな姿を目にすることになったのは、交際1年が経ち、それだけ二人の仲が深まってきた証でもあると思います。戸惑う気持ちもわかりますが、“だだっ子のような姿”も彼の一部であるのは確か。“大人で優しい”だけが彼の全人格ではなかった、ということなのでしょう。普段はトピ主さんの笑顔を見たり、直接触れあえたりしていれば、ストレス発散ができ、“甘えたい願望”も収まっていたものの、今回は離れ離れになり、かつ仕事で普段以上に強いストレスがかかったことで、それが表面に出てきたのかもしれませんね。「今まで通りのしっかりした大人の男性に戻ってもらいたい」という一文も見られますが、そのように「私の望むように相手が変わってくれさえすれば、すべて解決するのに!」という考え方をしていると、問題は悪化しやすく、解決も難しくなりやすいです。「彼の姿にガッカリした」という自分の感情を否定する必要はないので、「彼にはそういう一面もある」という事実だけを、まずは冷静に受け止めてみましょう。NOを伝えるときは、どんな伝え方が効果的?「甘えられたくない」と遠回しに言える自信がない、というトピ主さん。今まで優しく返答してくれていたため、おそらく甘えてもOKだと彼は思っているのでしょう。しかし、このままトピ主さんが我慢し続け、結果的に「完全に冷めた」「別れたい」となるくらいなら、早めにNOを言ってくれたほうが彼もうれしいし、有難いと感じるのではないでしょうか。こうした悩みはスキンシップで解決することも多いですし、近場なら思いきって「海外に会いに行ってみる」のもひとつ。あるいは、「自分も彼以上にベタベタと甘えてみる」という方法も有効ですが、抵抗を感じてしまうならば、やはり「甘えの限度や線引きを優しく伝えてみる」のがベストかもしれません。彼が甘えてきたら、「私も疲れてるから、また今度でもいい?」「今日はそういうのはナシね」などと、彼を全否定しない形で伝える。愛情を伝える言葉も付け添えるといいでしょう。もしくは甘えられる前に、先んじて「未来の楽しい話をどんどん持ちかけていく」のもいいと思います。「帰国したら〇〇に行こうね」「2週間後には楽しい時間を過ごせるね、あと少しだね」など、今のストレスの先に明確なゴールがあることを示していけば、多少なりとも彼の心を癒せる効果はあるかもしれません。残り10日ほどですし、トピ主さんが深刻にならずにいられるならば、甘えは適当にうっちゃりながら、「一時的なことかもだし、なりゆきを見守ってみよう」という構えを取ってみるのも一案です。将来を考えるかどうかの分かれ道かも?「現状別れることは考えていない」とのことですが、生涯のパートナーとしてやっていくならば、無理なく気持ちや意見を言える関係性を築けるかどうか、気になる部分も含めて相手を許容できるかどうか……は重要なポイントになってきます。結婚や共同生活となると、互いの気持ちや意見をすり合わせ、着地点を探っていく場面がたくさん出てきます。それに、相手の意外な一面を見て気持ちが冷めたり、嫌いになったりしてしまうなら、残念ながら一生のパートナーになる相手ではない、ということかもしれません。矛盾に聞こえるかもしれませんが、「相手のここは気になるし嫌だけど、離れることは考えられないし、愛している」という感情は成立します。交際というのは、お互いを深くわかりあっていく「過程」です。今回の件はある意味、将来を考えるかどうかの分かれ道と言えるかもしれませんね。“そういう一面がある彼”と、今後も一緒にやっていきたいのか。それはなぜなのか。一緒にいるとするなら、どんなふうに接すれば“そういう彼”と上手に、幸せにやっていけるのか――。先々への視点も持ちながら、ぜひ一度じっくり考えてみてはいかがでしょうか。(外山ゆひら)
2018年08月06日自分に不利な条件をのまされてはいけない。自分の主張は通さなければならない。どんな場面でも瞬時に損得を勘定し、議論では絶対に勝たなければならない…。確かにビジネスの場では、そうした姿勢も必要です。けれども、そんな態度をそのまま夫婦関係にまで持ち込むと、2人の関係にひずみが生じ始めます。■「夫婦は対等ってなに?」夫と妻は運命共同体上司や同僚、顧客などは、特定の目的のためだけに限られた時間だけ行動を共にする相手です。夫とは、根本的に存在意味が異なります。上司はあなたが病に倒れた時、心配して看病してくれますか? 数十年後、あなたがこの世を去る時、手をにぎって泣いてくれますか? その点を理解せずに「夫婦は対等」と言い出すから、夫と妻の関係がおかしなことになるのです。夫婦は対等というのは、絶対的な真理のように聞こえて、いざ実践となると難しく、実に曖昧(あいまい)なもの。完全なフィフティ・フィフティなど不可能ですし、そもそも夫婦間の「フィフティ」など、どのように判定しろというのでしょう。そこをはき違えると、夫婦関係はこじれるばかりです。「私が○○してあげたんだから、あなたも同じだけのものを返してちょうだい」「あなたが△△してるんだから、私だってしていいわよね」などと、お互いが勝手な論理を展開をし始めてしまう結果に。夫婦間のやり取りが一から十までこんな調子では、当然息がつまります。けれども、働く現代女性は、たえず競争や利害の攻防戦にさらされているケースもしばしば。妊娠出産に関して嫌味を言われるケースもまだまだあります。自宅でも、その流れのまま、攻防する勢いで夫婦間の会話をしてしまうわけです。 前回 ご紹介したのは、誰にも負けられないとバリバリ仕事を頑張るうちに、闘争心と自己防衛力がどんどん強くなっていった茉莉さんのエピソードでした。会社で自分のポジションを守るのに必死で、さらに会社だけではなく義母まで「女性なんだから、仕事よりも出産・育児」という考え方で、心底ウンザリしています。これでは自分の立場や利益は自分で守らなければ…という考え方になっても、無理もないかもしれません。けれど、茉莉さんは「運命共同体」であるはずの自分の夫を「敵」、「障害物」と見なし始めてしまいました。「敵」だから、意見が異なる場合には「話し合う」のではなく「論破する」。譲歩という選択肢はありません。「夫婦は対等」という基本を踏まえたうえで、お互いの言い分に耳を傾け、納得できる落としどころをみつけていく。それが夫婦本来の姿です。それを忘れてしまった妻が、モンスターワイフになっていくのです。モンスター化した妻たちは「対等、対等」とわめきながら、自分の譲歩や犠牲にばかり敏感で、夫の譲歩・犠牲は目に入らなくなっていることがほとんどです。茉莉さんの場合も、夫の亮平さんは夫婦で過ごせる時間がけずられていっても、嫌な顔をせず茉莉さんを応援。亮平さんも仕事で疲れていましたが、食事の支度を買って出てくれていました。けれども、茉莉さんはそんな亮平さんに感謝することができません。いえ、気づくことさえできませんでした。そして逆に、自分が犠牲を求められる状況になると、過敏に反応して戦い始めています。あなたもビジネスシーンで自分を守るのに必死になるあまり、家庭でも私利死守魔になっていませんか?■「バリキャリ系モンスター 私利死守魔」度チェックここでは、あなたの「バリキャリ系モンスター 私利死守魔」度をチェックしてみましょう。以下の質問で、〇はいくつありますか?1. 仕事に最も高い優先順位をつけている。2. 職場も家庭も男女平等は当たり前だと思う。3. 負けず嫌いな性格で、物言いもキツいほうだと思う。4. 雑誌などで「オス化」という言葉を目にすると、ギクッとする。5. やると決めたことは、徹底的にやらなければ気がすまない。6. 同僚や友人に「すごい」と一目置かれると幸せを感じる。7. どんな状況でも損得勘定を忘れない。8. 仕事も趣味も、熱中している時にそれ以外のものは躊躇(ちゅうちょ)なく切り捨てるタイプだ。9. なにごとも完全に白黒つけなければ気持ち悪い。10.ステイタス、経済力は結婚相手に左右されず、自分で勝ち取るものだ。 ■あなたの「私利死守魔」度は何レベル? 「モンスターワイフ」判定結果「バリキャリ系モンスター 私利死守魔」度をチェックする質問に、あなたはいくつ〇がありましたか? 下の判定結果と照らし合わせて、自分のモンスターワイフ度を確認しましょう。○の数が3個以上6個未満は、私利死守魔度「C」(闘争心・自己防衛力がムクムクふくらみ始めています)○の数が6個以上8個未満は、私利死守魔度「B」(目標達成の障害となりうるものは、バッサバッサ切り捨てるクセがついてきていませんか?)○の数が8個以上は、私利死守魔度「A」(自分の成功のためにパートナーや家庭を犠牲にすることを、もはや何とも思わなくなっているはず)その後、茉莉さんと亮平さんは、どうなったのでしょうか?仕事のことしか考えられない茉莉さんと、子どものいる幸せな家庭を築きたかった亮平さん。亮平さんはとうとう、自分の言い分や権利の主張ばかりに終始する茉莉さんとは建設的な話し合いを望めないと判断しました。亮平さんの帰国を待たずして、2人は離婚することになったのです。亮平さんは帰国後に再婚し、今ではお子さんに恵まれて幸せに暮らしているそうです。茉莉さんはといえば、離婚後それまで以上に仕事に没頭し、昇進を果たしたそうです。「夫のことが嫌いになったわけじゃなかったから、やっぱり離婚はこたえましたよ。それに子どもについても、いつかは…という気がなかったわけでもないのですが…。でも、離婚をした時には、もう30代半ばでした。その頃も仕事、仕事の毎日でしたから、再婚なんて考えられる状況じゃなくて。欲しいものを全部手に入れるなんて、きっと無理なんですよね」茉莉さんはそう振り返ります。しかし、果たして本当にそうでしょうか?バリキャリの社会生活で、私利死守魔と化してしまった妻。それでも一度立ち止まって、ガチガチの武装を解除し、夫と素直に話し合うことができていたなら状況は変わっていたはずです。何しろ夫婦は「運命共同体」なのですから、相手を論破して黙らせたり打ち負かしたりしても、何の得にもなりません。互いに思いやりを持って話し合い、譲歩もしながら、ともに納得できる状態で一緒に進んでいくことを選択するのが花丸です。家から一歩外に出れば、男性にも女性にも、シビアな現実が待ち受けている世の中です。そんな現代社会に生きる私たちだからこそ、せめて家庭ではいやし合いたいもの。夫婦でそこに気づけば「家庭」がこのご時世を生き抜くための、心強いよりどころとなります。まさに「二人には帰る家がある!」です。
2018年08月05日夫の愛が冷めてゆく…それは、妻にモンスターワイフの影が見えるから…。過去、「企業戦士」という言葉がありました。ワークライフバランスが高らかにうたわれる現代、その言葉は消滅したかと思いきや、そうでもない現状を皆さんもご存じでしょう。今では、最前線で男性と肩を並べて闘う「女性企業戦士」も珍しくありません。ビジネスシーンで自分の立場や利益を守るためには、シビアな損得勘定やドライな割り切りも不可欠。確かに社会で上を目指していくには、そうした「武装」も必要でしょう。けれども、そんな企業戦士の鎧(よろい)が完全に肌に張りついて、もはやプライベートでも脱ぎ去ることができなくなってしまったら…それは考えものです。今回は、家庭でもドライな理論武装を解除できなくなってしまった妻のエピソードをご紹介します。■パワハラ、セクハラに歯ぎしり「家でも企業戦士」の妻「バリキャリ系モンスター 私利死守魔」代表:茉莉(仮名)32歳の場合「茉莉、おかえりー。夕飯もうすぐできるよ」都心にほど近いスタイリッシュな新築マンション。家具は少なく、ホテルの部屋のようなすっきりした家だ。明るく出迎えた夫の亮平に、茉莉は「ただいま」と一言素っ気なくこたえ、そのまま自分の部屋に消える。オーダーメイドのスーツを脱ぎ捨てると、バッチリメイクをふき取りシートでゴシゴシ落とす。その間、茉莉はずっと、奥歯をかみしめていた。「冗談じゃないわよ…パワハラの原点はまさにこれだわ」茉莉は大手商社で海外営業を担当している。同期の女性社員の間で、彼女は出世頭ともてはやされていた。けれど、明らかに自分よりも能力が劣るとしか思えない男性同期たちが、次々と昇進していく。そんな現実に直面するたび、茉莉は死ぬほどくやしい思いをしていた。それでも「男の何倍も努力して、実績で勝負してやる」と、自分をふるい立たせてきたのだ。睡眠不足だろうが、熱があろうが、生理痛がひどかろうが、常に背筋を伸ばして仕事に向かっている。接待のため、嫌いなお酒も“訓練”して強くなった。「営業は見た目も実力のうち。デブは体調管理もできない意思が弱い人間と思われる」と自分を鼓舞し、時間さえあればジム通い。人脈を広げようと、朝は早起きして異業種交流の朝活にいそしんでいる。SNSは仕事関係のビジネスパーソンばかりとつながっている。英語で書き込むこともしばしば。ビジネス用語を調べながら投稿したりすると、時間がたつのを忘れるほどだ。残業、人脈作りのSNS、パワーブレックファースト…。朝食も夕食も夫婦そろって取れない日が続くこともある。そんなことに構ってはいられない。「誰にも負けたくない」茉莉は全力で努力していた。それなのに…残業中に上司から、国内のマイナー部署への異動を打診された。目の前が真っ暗になった。あわてて上司に食ってかかると、彼は気まずそうに茉莉に言った。「稲田さんって結婚して、えーっと、3年目? あ、セクハラとかって思わないでくれよ。やっぱり年齢的にも、子どものこととか考えるでしょ? となると、海外営業って激務だからさ…。国内担当の部署のほうが、育休からの復帰後も、何かと融通が利くし。ほら、うちは育休制度ばっちりフルサポートだからさ」「もっと仕事で結果を出すまで、妊娠・出産など一切考えるつもりはありません!」茉莉は上司をにらみつけ、そう言い残してオフィスを飛び出してきたのだ。■「くやしくないわけ?」家でも仕事モードの妻にうんざり食卓についても、茉莉の頭の中では上司の言葉が際限なくリプレイされていた。メイク落としの時に使ったヘアバンドがそのままで、眉間に寄ったシワが丸見えだ。イラつく茉莉には、夫が用意してくれマーボーナスの味すらわからない。亮平は大手電気機器メーカーに勤務している。帰宅時間は茉莉よりも早いことが多く、そうした日には夕飯を用意して妻の帰宅を待っている。食卓の重苦しい沈黙を破るように、亮平は明るい声を出して言った。「あ、そう言えばさ、俺の後輩の小宮。あいつ今度、フランスに赴任だって。すごいよなー」「栄転ね」茉莉のトゲを含んだ口調に、亮平はビクリとする。「後輩に先越されて、くやしくないわけ? 私だったらそんなの絶対に嫌。後輩に出し抜かれて、よくヘラヘラしてられるわね」まただ、と亮平は思った。先を越されるとか、出し抜かれるとか。茉莉はいつから、こんな闘争心の塊のような人間になってしまったんだろう。茉莉が頑張っているのは、よく分かる。それは分かるが、このギスギスした空気は耐えがたいものがある。ここは会社ではなく、2人の家なのに…。亮平はもう楽しい雰囲気を作ろうとするのをあきらめて、自分が用意した夕飯をひたすらかき込んだ。 ■「私のキャリアを犠牲にしろ?」夫に海外単身赴任を強いる妻茉莉の猛抵抗で、国内部署への異動の危機が過ぎ去りつつあったある日。帰宅すると、亮平がいつになく興奮した様子で出迎えた。「茉莉、俺、アメリカ赴任になった! でかいプロジェクトに参加できそうなんだ」茉莉は表情を変えない。「それは、おめでとう」あーあ、やっぱり、男ってだけで得よね…。そんな本音が顔に出ないよう注意しながら、茉莉はどうにか口角を上げて見せた。「頑張ってね。私は行けないけど」うれしそうだった亮平の顔が、一瞬にして暗くなった。「茉莉だって、アメリカに住んでみたいって言ってたじゃないか。だから俺、いつも部長に『海外赴任するならアメリカに』って言ってあって…」「それは私の実力が認められて、自分がアメリカに派遣されたらの話よ。駐在員の妻として、夫にくっついて行くなんてゴメンだわ」亮平はしばらく黙り込んでしまったが、やがて言葉を選ぶようにして言った。「向こうに行ったら、少なくとも3年は戻って来られないんだ。結婚する前、子どもは2人欲しいって話し合ったよね。となると、そろそろ…」「じゃあ、子どもはあきらめましょ」あまりにキッパリとした、まるで相手を切り捨てるかのような茉莉の物言いに、亮平は絶句した。対する茉莉の頭の中は、自分の夫と上司が結託して、自分のキャリアをブチ壊そうとしているイメージでいっぱいになっている。「つまりあなたのキャリアのために、私のキャリアを犠牲にしろって言ってるんでしょ? どうして私が、あなたの犠牲にならなきゃいけないの? 男女は平等、夫婦は対等でしょ。あなたについて行くために、私が仕事をやめる? あなたの子どもを生んで育てるために、私が仕事をあきらめる? どう考えたって不公平じゃない」一言の反論も許さないような、バッサリとした茉莉の口調。どこまでも冷たくドライな妻の態度に、亮平は反論する気力が消え失せるのを感じた。結局亮平は、一人で渡米する決心をした。亮平の出発までの3カ月間、もともとギクシャクしていた夫婦仲は一層冷え切ったものになっていった。■「子どもを作る気はありません」義母への言葉に夫は…亮平が忙しく引越し準備を進めていた、ある日曜日。自宅の電話が鳴ったので茉莉が出ると、相手は亮平の母親だった。茉莉はこの昔気質な義母が、昔から苦手だ。義母は、結婚したら女性は家庭を最優先すべきで、子どもを生み育てることこそ女性の最高の幸福だと信じて疑わないタイプ。案の定、義母は単身で渡米する息子を案じる小言を並べ始めた。「亮平はああ見えて、昔から寂しがり屋なところがあるから。しっかり者の茉莉さんがついて行ってくれたら、本当に心強いのにねぇ。それに、亮平のお給料で十分食べていけるでしょ? 何もそんなに必死になって、共働きしなくたって…。妊娠や出産だって、早ければ早いほどラクよ。体力的にね」「子どもを作る気はありませんから」茉莉はピシャリと言った。もうウンザリだった。誰もかれも、子ども、子どもって。私は“生む機械”じゃない。「私の仕事は、育児をしながら片手間にできるような仕事じゃないんです。産休・育休なんて言いますけど、一度、戦線離脱したら元いた場所には戻れませんから。それにお給料のことをいうなら、私のほうが稼いでるんですよ。亮平さんもお義母さんもそんなに子どもをご希望なら、亮平さんが生めたらよかったのに。残念」電話の向こうで、義母が息をのむのが分かる。ふと気配を感じて振り向くと、亮平が背後から茉莉を見つめている。その目は何だか、他人を見るような目だった…。プライベートなどそっちのけ。全力で仕事に邁進(まいしん)する茉莉さん。けれども、その「頑張り」は、いつしか「突っ張り」に。社会で自分を守るために理論武装をしてきたのでしょう。これを夫と将来について率直に話し合うべき場にまで、そのまま持ち込んでしまうようになりました。自分のキャリア、自分の立場、自分の利益…損得勘定や自分の意見の主張ばかりに固執するようになってしまった茉莉さんは、その後どうなったのでしょうか? そして、シビアな現代社会で頑張るあなたも、茉莉さんほどはいかないまでも、「私利死守モンスター」の卵を抱えていませんか?次回ご紹介するチェックテストで確認してみてくださいね。
2018年08月04日「36歳の友達がモテキ」と題する女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。トピ主さんは36歳。同年齢の仲のいい女友達がいるそうですが、最近、彼女に困惑するほどの紹介話やアプローチが来ているそうで、「モテキが来たかも」と打ち明けられたそうです。彼女は「婚活市場で不利なスペックだから諦めている」と自他共に認めていたため、トピ主さんは「正直言ってかなり驚いている」そうで、年々見た目が若くなる彼女を「羨ましい」とも感じているそうです。「スペック」という言葉を使わないススメ恋愛や婚活の話をする際、「スペック」という言葉はとても一般的になっていますよね。スペックは本来、PCなどの機械の性能の指標となる数字。「婚活は所詮(しょせん)マッチングの市場なのだから、客観的な数値で表したほうが便利だ」という人もいるかもしれません。そうは言えど、人間は同じ規格で量産される機械とは違い、“スペック”で表すには、あまりにも奥深い要素を持っているようにも思います。自他ともに認める“不利なスペック”の彼女が今モテているのも、そのことの表れでは? 彼女には、スペックでは表しきれない魅力があった……ということではないでしょうか。そう考えれば、“スペック”という言葉に囚われるのは、あまりいいことがないように思います。投稿内で、トピ主さんは「彼女は派遣、実家暮らし、持病持ち」「自分は正社員、一人暮らし、健康体」だと比べたり、「婚活市場と恋愛市場ではスペックが違うのですか?」とつづったりしていますが、言葉は、その人の考え方にも知らず知らずのうちに影響を与えます。便利な言葉かもしれませんが、多用していると、いつのまにか人を“スペック”でばかり見る癖がついてしまうかも……。彼女を羨ましいと思うならば、この機会に「人は使っていても、私はスペックという言葉を使わないようにしよう!」といった訓練を始めてみるのもいいかもしれません。“できる努力”は人それぞれ違う「私と彼女は顔が良く似ていると言われているのに、なんで私に(紹介の)話が来ないんだろう?」とトピ主さん。その後の投稿では、「彼女と私の違いというのは、きっと色々なところに積極的に出て、取捨選択する練習を積んでいるのだと思います」とも分析されています。外見も年齢も近い彼女に学ぶべきポイントがあると思うなら、いくらでも参考にすればいいと思います。ただし、あくまで彼女は彼女、トピ主さんはトピ主さんだということはお忘れなく。彼女ができることが自分にはできないかもしれないし、逆にトピ主さんがちょっと頑張ればできることが、彼女にはできないかもしれない。性格も育った環境も、抱えている問題も違う二人なのですから、これは当然のことです。「万人にモテること」が目的ならば、ある程度のマニュアルや指針はあるでしょう。ですが、たったひとりのパートナーを見つけたいと思うならば、他人のまねをして付き合ったところで、結果的にうまくいかなくなってしまう可能性も。恋愛でつまずくポイントにしたって人それぞれ違いますし、もしかしたら彼女も「知り合うのは得意でも、関係を深めるのが苦手」など、本人なりの悩みを持っているかもしれません。紹介話”が多い人の特徴彼女のように「周りからの紹介話が多い人」というのは、人に合わせるのが苦ではなく、普段から人付き合いに時間やお金を割き、心配りをする努力をしている方が多いように思います。もしトピ主さんが普段、人付き合いをあまり重要視していないならば、「私がそこを羨んでも仕方ない! だって普段、彼女のような努力はしていないのだから」と割り切ってみるのもひとつです。その代わり、トピ主さんが得意な分野もあるはずです。例えば、自分から積極的に出会いに行く努力や、男性に話しかける努力ならできるかもしれないですよね。正社員や健康体が自分の強みだと思うなら、その魅力が発揮できる場所を選んでみる手もあります。「私が“ちょっと頑張ればできそうな努力”ってどんなことだろう?」と具体的に考えてみましょう。「羨ましい」と思ったら、視点を高く持ってみようとはいえ、近しい同性の友人に恋愛の進展があると羨ましい、気になってしまう……という気持ちもよくわかります。そんなときは、俯瞰で世の中を眺めてみるのがおすすめです。世界中で1日に誕生しているカップルは一体、何百組いるでしょう? 何千組、いや何万組といるかもしれませんよね。いちいち羨んでいたら時間がいくらあっても足りませんし、そんなふうに考えれば「所詮は他人事か」などとも思えるのではないでしょうか。彼女もトピ主さんも、幸せな日々を共有できるパートナーを見つけたいと思っている女性であることに変わりはなく、しかし、そこまでの道のりや速度は違っていて構わない。「自分だけの出会いの物語を見つければいいんだ」と心に決め、無為に焦ることなく、自分にできる努力を地道に重ねていきましょう。応援しています!(外山ゆひら)
2018年07月30日「生涯独身女性は不幸なんでしょうか」と題する女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。地方に住んでいるという、30歳手前のトピ主さん。職場は9割以上が既婚者で、「年齢を重ねた独身者への偏見がある」と感じていると言います。トピ主さんも周囲の勧めで出会いの場へ足を運んでいたものの、最近は結婚願望も薄らぎ、疲れて休日は家に引きこもるように。「生涯独身女性の幸せを想像することができない」「自分は一生誰からもお祝いされない人生を生きるのかなと悲観している」と心境をつづっています。「マジョリティではないこと」が、つらさの原因なのかも独身女性に偏見を持ち、あるいは変わっていると判断し、陰で憐む――。全員がそのような人ばかりの職場に、トピ主さんはいるようですね。独身で生き生きと過ごしている女性の例も、誰ひとり思い浮かばないのですね。こんなふうに断言すると、「いや、全員というわけではないんですが……」と言われるかもしれません。そうなんです。トピ主さんは今、既婚者がマジョリティの組織に属しているから、マイノリティとしての居心地の悪さを感じている。「他の人は“結婚”というアイテムを持ってるのに、私だけが持っていなくて恥ずかしい」「ロールモデルが少ないから、そのアイテムを持たずに生きていく方法がわからない」と感じてしまう――。しかし国全体で見れば、独身者は確実に増えています。2015年の国勢調査でも、「男性の約4人にひとり、女性の約5人にひとりは生涯未婚」というデータも出ています。仮に独身者のほうが多い環境にいれば、「自分だけ違うから恥ずかしい」とは感じないことでしょう。つらいのは結婚していないからではなく、「今のコミュニティ内で、マジョリティの側にいないこと」が原因なのかもしれない。そんな視点もぜひ持ってみてください。所属するコミュニティやアイデンティを複数持ってみようその上で、ではトピ主さんはどうすれば悲観せず暮らせるようになるのか。強くおすすめしたいのは、コミュニティやアイデンティティを増やすことです。投稿を読む限り、今トピ主さんが所属しているコミュニティは「会社」だけで、アイデンティティも「〇〇会社の会社員」というひとつだけなのかな?という印象を受けました。ひとつのコミュニティにいることが悪い、というわけではありません。ただ、そこの価値観のなかにいるのが「居心地悪い、つらい」と感じるならば、居心地よく属せる他のコミュニティも積極的に探してみましょう。趣味でも教養でもスポーツの世界でもいいですし、オンラインの世界でも構いません。視野を広げれば、「結婚していようがいまいが楽しめる場所」はたくさんありますし、「立場や状況に関係なく楽しく会える人」は必ずいます。アイデンティティを増やすことも、それにひも付いています。たとえば、普段は会社員でも「実は市民オーケストラのメンバー」なんて人もいれば、「週末はロードバイカー」「〇〇バーの常連さん」といったアイデンティを持っている人もいますよね。仕事や義務以外の“別の顔の自分”を持つことは、今ここにある貴重な人生の楽しみ方を教えてくれます。将来への焦燥感や不安感も和らげてくれるはずです。何より、所属するコミュニティやアイデンティティを複数持っていると、単一のコミュニティの価値観にとらわれずに済むので、心身健やかに、フラットに生きていきやすいです。独身者への偏見を持っている人がいても、「どうでもいい」と思えるようになり、そうして軽やかに日々を過ごしていると、こちら側を支持してくれる人が出てくる……なんてこともあるものです。自分の人生を豊かにすることに集中しよう「恋人にひどい裏切りを受けて別れて以来、結婚願望が薄れている」というトピ主さん。であればなおさら、恋愛は副次的な産物と考えて、今はひとりでの楽しい暮らし方を模索してみてはいかがでしょうか。「やってみたかったけど、やっていないことリスト」を書き出し、どんどんチャレンジしていくのもいいと思います。居心地が悪い職場や、慶び事を心から祝えないような人間関係ならば、思いきって手放してみるのもひとつです。トピ主さんは“生涯独身女性”なのではなく、「トピ主さん」というひとりの人間です。カテゴリー分けをしてさげすむような人は放っておいて、たったひとりの人間である自分と仲良くしあえる人やコミュ二ティを、ぜひ見つけてみてください。日々を豊かにしようと心がけ、自分自身を楽しませることができるようになれば、そのうちにきっと「一緒に楽しみたい」と思いあえる異性も現れてくるでしょう。自分がいる環境を変えていく自由があることは、決して当たり前ではありません。恵まれたその力を生かして、まずは自分自身をめいっぱい幸せにしていきましょう。負けないで。応援しています。(外山ゆひら)
2018年07月23日仕事をバリバリ頑張り、家事にも一切手抜きなし。旦那様はさぞかし幸せかと思いきや、夫婦仲はイマイチ…。 前回 ご紹介したのは、そんな亜紀さんのケースです。亜紀さんは、母親が専業主婦でした。母親は家事全般が得意で、家はいつでもピッカピカ。毎日おいしい料理がテーブルにズラリとならび、洗濯物がたまっていたことなど一度もなかったといいます。そのため、そんな家庭が亜紀さんの頭に「標準」としてインプットされていました。ここが間違いの原点です。母親が若い頃とは、時代がまったく違ってきています。「良妻賢母」のスタンダード感覚を臨機応変にシフトしていかなければ、自分自身を圧迫し、夫婦生活に亀裂を招きます。亜紀さんは、フルタイムで働く現代女性。プロ主婦であった母親の家事のレベルを目指していては必ず無理が出てきます。それでも努力家の亜紀さんは「もっと頑張らなければ」と考えます。「上手に手を抜く」「もっとラクに暮らせる方法を考える」という発想がないのです。夫の隼人さんはいつも亜紀さんに協力したいと思っているけれど、「何でも自分でやらなきゃ」「人に助けを求める=自分のいたらなさを露呈する」と亜紀さんは感じてしまう。夫の申し出をありがたく受け入れることができません。つまり頑固なため、時にやり方を変えたほうがスムーズにいくということを受け入れられないのです。有能で真面目な頑張り屋さんほど、陥りやすいこのパターン。あなたは大丈夫ですか?■「バリキャリ系モンスター クタクタぼろぼろ」度チェックここでは、あなたの「バリキャリ系モンスター クタクタぼろぼろ」度をチェックしてみましょう。以下の質問で、〇はいくつありますか?1. 昔から「真面目が取りえ」だ。2. 小学校、中学校で「頑張り屋」「努力家」と評されてきた。3.やればできることを「面倒だから」といってやらずにすませるなんて負けだ。4. 実家の母親は家事力が高いタイプだ。5. 何でも自分でこなす自信があるので、人に頼みごとをしない。6. 誰かから援助の申し出があると「自分がいたらないからだ」と、わが身を責める。7. 自分のことは自分でする8. 「苦労しながら頑張る」ことが美徳であり、「ラクをする」のは怠惰だと思う。9. 友だちからの遊びの誘いに気安くのらない。10. 計画通りに運ばないと怒りがわき起こる。■あなたの「クタクタぼろぼろ」度は何レベル? 「モンスターワイフ」判定結果「バリキャリ系モンスター クタクタぼろぼろ」度をチェックする質問に、あなたはいくつ〇がありましたか? 下の判定結果と照らし合わせて、自分のモンスターワイフ度を確認しましょう。○の数が3個以上6個未満は、クタクタぼろぼろ度「C」(何でも一人で抱え込み、くたびれ始めていませんか?)○の数が6個以上8個未満は、クタクタぼろぼろ度「B」(「お疲れ顔」が標準状態になっています)○の数が8個以上は、クタクタぼろぼろ度「A」(常にクタクタ。疲労感や不満が全身からにじみ出て、家庭の空気もどんより)亜紀さんの世代は、母親が専業主婦であることがまだ多かった世代です。現代社会で男性と肩を並べてバリバリ働きながら、家庭では専業主婦の母親がこなしていた家事のレベルを追求してしまう。特に、母親の家事レベルが高かった場合ほど、その傾向が強いでしょう。多くの現代女性が、こうした苦境におちいっています。亜紀さんも、どんなに忙しくても「夫が掃除や洗濯をしている姿など想像できなかった」「夫に家事を頼もうとなどとは考えられなかった」と言います。けれど、疲労とストレスは蓄積する一方。家庭の空気が悪くなり、夫婦ケンカも増えました。亜紀さんがいつも疲れていて不機嫌なので、甘い雰囲気になどなりようもありません。2人で過ごす楽しい時間も、もちろんセックスやスキンシップも長い間ありません。そんな状況に我慢できなくなった夫の隼人さんが、ある日ついに…お掃除ロボットを購入してきたそうです。「私がやるからいいのに、こんなムダ使いして!」「私のやり方じゃダメってこと?」と、その日はまたケンカになったそうです。ところが、いざお掃除ロボットを使ってみると、その便利さにすっかり魅了されてしまった亜紀さん。これに気を良くした隼人さんは、食洗機や乾燥機付き洗濯機の購入も提案。亜紀さんも前向きに検討中とのことです。「『大変でも我慢して頑張っている自分』こそえらい」「苦労してこそ評価される」…そんなおかしな考え方にとらわれていたのかもしれません、と亜紀さんは言います。「1人で完璧にこなすけれど、いつも疲れていて不機嫌な妻」と、「ラクに暮らせる方法をうまく見つけて、いつでもゴキゲンな妻」。どっちになるも、妻次第です。
2018年07月22日夫の愛が冷めてゆく…それは、妻にモンスターワイフの影が見えるから…。 前回 は、仕事の忙しさを理由に、家庭生活をかえりみなくなってしまったバリキャリ系モンスターワイフをご紹介しました。今回も同じバリキャリ系モンスターワイフに分類されますが、実は真逆。仕事と家庭の両立に非常に熱心なタイプです。しかし、そんな立派な妻も、一歩間違えばモンスターワイフに…。せっかく「デキる女」と「愛され妻」を両立しようという気概を持つ健気なあなたが、迷走してしまうことがないように。こちらのエピソードをお届けします。■髪ふり乱して手抜きメイク「仕事も家事も完璧妻」「バリキャリ系モンスター クタクタぼろぼろ」代表:亜紀(仮名)33歳の場合始業10分前に駆け込んだ会社の女子化粧室。鏡に映る自分の姿に、亜紀は朝からゲンナリした。おでこも鼻もテッカテカ。髪は毎日同じひっつめ髪。そしてなにより、くたびれた感じが全身からにじみ出ている。亜紀の朝は、出勤前から戦争だ。起床と同時に洗濯機を回し、お弁当作りに朝食作り。夫の隼人を送り出したら洗濯物を干して、超時短メイク。そのメイクも、駅までダッシュしている間に崩れてしまうのだが…。服だって、本当はパリッとアイロンのかかったブラウスを着たい。けれど自分の服は、ノンアイロンでOKなものと決めている。毎週末、隼人のワイシャツのアイロンがけだけでも大変なのに、これ以上手間を増やす気にはなれない。半年前、真面目な仕事ぶりを評価され、亜紀はチームリーダーに昇進した。地道な努力が報われたのだ。亜紀は自分をほめまくった。「わたしって最高! 家庭と仕事の両立ができてるって感じ!」それ以来、亜紀は以前にも増して熱心に仕事に取り組んでいる。残業はほぼ毎日だ。家事にあてる時間が短くなってしまったが、だからといって手抜きは厳禁。手を抜くというのは怠けだ。努力さえすればできるものをあきらめるなんて、それは単なる怠惰だ。会社で評価されたい。そして同時に、家庭でも「理想の奥さん」でいたい。隼人が職場の友だちに「うちの亜紀は満点の奥さんだよ」と自慢する光景を何度想像したことか。亜紀は理想が人一倍高かった。 ■イライラ完璧妻が夫と追いつめる…「今日も遅くなっちゃった…」駅から家までの道を髪ふり乱して小走りしながら、亜紀は考える。もうクタクタ。こんな夜はゆったりお風呂につかりたい。ラベンダーオイルたっぷりたらして…。マンションの入り口が見えてくると、亜紀は現実に戻り、ため息をひとつつく。本日の「家事 TO DO」が待ち受けている。隼人は10時前に帰ってくるのだ。大急ぎで夕飯の支度をして、隼人に食べさせる。それがすんだら食器を洗って、洗濯物をたたんで…。朝は5時半に起きなければならない。睡眠時間を確保するために、お風呂でゆっくりは今日もおあずけだ。シャワーですまそう。家事の段取りを考えながら、バタンとドアを開けると…。「亜紀、おつかれ! 今日は早く上がれたんだ。LINEするの忘れたけど」先に帰宅していた夫の声に、亜紀はびっくりした。隼人は洗濯物を取り込んでいる。その光景を見て、亜紀は身ぶるいする。ブルルル…。「ダメダメ! シャツはそこに置かないで! つるさなきゃシワになっちゃう。ここは私がやるから、隼人はお風呂入ってきて!」「わかったよ…。あ、そうだ、メシは出前取ろうよ。亜紀疲れてるだろ」「ダメよ。1週間分の献立を考えて、買い物してあるんだから。葉ものの野菜は傷みやすいの。今日、火を入れないと。一緒に明日のお弁当の下ごしらえもするんだし。私の計画を崩さないで」何か言いたげな隼人を半ば強制的にバスルームに押し込むと、亜紀はいつものやり方で洗濯物を取り込み始めた。せっかくきれいに干してあったシャツがシワになってしまったら、週末のアイロンがけがさらに面倒になってしまう。そうだ、アイロンスムーザーも買い置きしておかねば。急いで夕飯を用意し、洗濯物をたたんでいると、風呂上がりの隼人がサッパリした顔でやって来た。「冷たいもんあるかな。この前、ダイエットコーラ買っといたよな」毎晩お風呂につかれていいわね…の気持ちがついいじわるな言葉で口から出てしまう。「夕ごはんの前に甘いもの、飲まないでよ」ムッとしながら洗濯物を引き出しにしまい込む。つい不満が態度に出てしまうのを抑えることができなかった。黙りこくって夕飯を食べていると、隼人が切り出した。「週末は久しぶりに一緒に出かけないか? 恵比寿に新しくできたカフェ、行きたいって言ってただろ」亜紀は大きなため息をひとつつき、答えた。「ムリ。土日は水回りのお掃除もアイロンがけもたまってるし、1週間分の買い物にも出かけないと。それが終わったら、とにかく体力を温存したいの」隼人の方もムっとする。「なあ、亜紀はいつも疲れてるだろ。だからおれも家事を手伝いたいのに、なにかしようとすると、大抵ケンカになる。一体どうすれば…」「ごめんってば。もっと要領良くできるようにするから!」亜紀はピシャリと隼人の言葉をさえぎった。隼人は立ち上がってソファに移動し、iPadでニュースを読み始める。なんだよ、またこのパターンだよ。こうなるなら、なにも言わなければ良かった…。亜紀はいつも自分が悪いことにして謝ってくる…隼人は内心ぼやきながら、謝る妻にさらに文句を言うことはできない。隼人は後悔していた。まじめで頑張り屋のところが好きで結婚したのに。度を越してパーフェクトを目指そうとする妻に、窮屈感を感じ始めている。自分のジョークに笑い転げるかわいい妻の姿は今やない。結婚する時、「隼人の理想の奥さんになるね」とほほえんでくれた亜紀。理想の奥さんからどんどんかけ離れていることに亜紀はなぜ気づかないんだろう。家にいる時くらい、ゆっくりのんびりすればいいのに。洗濯物がシワになってても、弁当のおかずがサケ一切れでも全然かまわないのに。隼人の頭の中は、亜紀への不満がうずまき始めていた。会社でも家庭でも完璧なパフォーマンスを発揮しようと奮闘する亜紀さん。しかし、その立派な心がけにもかかわらず、夫婦仲はギクシャクし始めています。健気な頑張り屋さんほど陥ってしまいやすい、この展開。あなたは大丈夫ですか? 次回ご紹介するチェックテストでご確認ください。
2018年07月21日「彼の負担になりたくないけど辛い」と題する女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。交際1年になる彼氏がいるトピ主さん。彼は出張も多く忙しい状況で、最近はトピ主さんから連絡しなければ1か月以上間隔が空いてしまうし、2か月以上会えてもいないそうです。彼が疲れていることや趣味でリフレッシュしたい気持ちも理解したいけれど、寂しくて我慢することに疲れてしまった。自分でもどうしていいか分からない……と悩める心境をつづっています。今ある関係は、「これまで」の結果こちらから連絡すれば普通に反応はあるけれど、彼からは連絡をしてきてくれない。会いたいのに、会えていない。つまりトピ主さんは、自分の望むような交際ができていない現状に悩んでいるのですね。厳しいことを言うようですが、もしかしたら今のトピ主さんは、彼にとって「忙しい日々のなか、会いたいと思えない彼女」になってしまっているのかもしれません。忙しい日々の中でも自分から連絡したい、会いたいと思うのは、どんな恋人なのか。「笑顔で楽しい時間が過ごせる」「幸せな気持ちになれる」「明日からもまた頑張ろうと思える」といった恋人像を挙げる人は、男女問わず多いかと思います。トピ主さんは面と向かって彼に不満をぶつけてはいないようですが、投稿に書かれているような「寂しくて辛くてすごくしんどい」といった気持ちは必ず伝わっていたはず。彼女が交際に不満を抱えていると、次第に無力感を感じ、「僕といても幸せでないなら、別れたほうがいいのでは」といった後ろ向きな気持ちになってしまう男性は少なくないようです。アンハッピーな空気を感じるなかで、もしかしたら彼の“トピ主さんを好きな気持ち”も、交際当初よりは目減りしてしまったのかもしれません。「今ある関係」というのは、「これまで」の結果でもあります。二人の今までの言動の一つひとつ、1回1回のデートの結果として、今の関係がある――。時間の経過など他の要素が全く関係ないとは言いませんが、その事実はまず落ち着いて受け止めてみましょう。「今までとは違う努力」をしてみようとはいえ、それは「今」の段階の話で、この先どうなるかは未知数です。彼の心にトピ主さんへの愛情が残っているならば、何かのきっかけで再び気持ちが盛り返し、いい関係を築き直せることもあるかもしれません。そのためにはどうしたらいいか。少なくとも、今のようにひたすら寂しさを我慢して、「いつか余裕ができたら連絡ください」などとLINEを送っているだけでは、事態は変わらないように思います。これまでトピ主さんは「彼の忙しさに文句を言わず、会えなくても我慢する」という努力をしてきたわけですが、状況は変わらなかった。ならば、今までとは違う努力をしてみましょう。彼を忘れるくらい何かに夢中になってみたり、「次会えるときには、見違えたと思わせてやる!」と外見・内面の自分磨きに励んでみたり。自分の生活を楽しみ、穏やかな心理状態をキープする努力に励むのも一案です。あるいは、彼以外の異性に目を向けてみる努力だって有効かもしれません。同じくらい会いたいと思いあえる男性と付き合った方が、結果的にトピ主さんは幸せかもしれないですよね。「2か月も放っておく彼氏なんて、こっちから願い下げ!」くらい強い気持ちになることができれば、逆に彼のほうが焦り始めることも考えられます。いずれにせよ、“彼一色”の自分を変える努力をしてみるのは有効でしょう。お互いが相手に“片思い”している関係=恋人なのかも恋人関係とは、一体どんな関係を指すのでしょう。『愛のシッタカブッタ』(メディアファクトリー/小泉吉宏著)という本には、こんな文章が紹介されています。「両思いって片思いと片思いがたまたまうまくいってるだけなんだ…」「愛することと、愛を要求することは別のことだね」。トピ主さんは今、自分たちは“片思いどうし”だと言えそうですか? お互いが自分の要求を押し付けてばかりで、相手を思いやる気持ちを失ってはいないでしょうか?「交際開始」は言葉どおり、ただのスタートです。交際が始まってからも、お互いが相手に片思いしあえている状況が続き、思いやりあえる良好な関係を築けたカップルだけが、一生のパートナーとなっていく。そのことを真に理解すれば、トピ主さんが今ここからどんな選択をすればいいのか、今後はどんな心がけで交際をすればいいのかなど、大きなヒントが見えてくるかもしれません。「彼の態度ありきで受け身に待つ」のではなく、「その状況下で自分はどうするか」を決めて、怠らず積極的に自分の人生を歩んでいきましょう。応援しています!(外山ゆひら)
2018年07月16日「さっさと忘れる方法を教えてください」と題する女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。“可能性のない人”に恋をし続けているという、アラフォーのトピ主さん。「大人は恋愛もドライになるのが普通なのか」「振られたらさっと切り替えて、他の人を探すのが大人の恋愛なのか」などと思うものの、恋心が消えないそう。可能性のない人を忘れる方法を教えてください、と切実に訴えかけています。気持ちはコントロールできなくても、意志の力で進むことはできる他の人の恋愛相談で、「振られたのにずっと思い続けるなんて時間の無駄」「さっさと忘れて次へ行け」「恋愛なんてしてる年齢じゃない」といったアドバイスを見かけた、というトピ主さん。失恋後は婚活やイベント、飲み会などにも参加してみたものの、彼を忘れられない……とつらい心境をつづっています。残念ながら、人は意図的に特定の感情や記憶を忘却することができません。「忘れようとすればするほど、記憶は強化されてしまう」といった研究結果も知られていますが、つまるところ、恋心も完全にコントロールすることはできない。その前提を踏まえた上で、「さっさと忘れるにはどうしたらいいか?」という問いに助言させていただくならば、以下2点をお伝えしたく思います。(1)「次の人生へ向かう」という強い意志を持つ心の中に、相手を好きな気持ちが残っていたとしても、「意志」の力で人生を前に進めていくことは可能です。“先のない恋”に固執して、同じ場所で立ち止まっていては将来、後悔する。人生は一度きり。つらくても、前に進もう――。そのように決めて、恋を葬っていく人も実際に少なくありません。恋を捨てていくその姿を、「ドライ」だと見ることもできるでしょう。しかしながら、自分の人生を諦めずに良いものにしようと奮闘することは、はたして「ドライ」なのか。見方を変えれば、自分の人生に責任を持ち、自分の力で幸せに向かおうとする、力強い姿とも言えるように思います。意志で恋を吹っ切ろうとすることは、場合によっては「感情のまま(相手を好きなまま)でいる」よりも、つらい過程になることも。それでも「共に生きていける相手を見つけよう!」と頑張っていけば、その成果を手にすることも期待できるでしょう。(2)「気付いたら、考える時間が減っていた」という状態を目指す彼への気持ちが“ゼロ”になるのを目指さないことも重要です。「時間の流れは解決してくれない」という記述も見られますが、1日に8時間、彼のことを考えていたトピ主さんが、来年の今日、1日3時間しか考えていない状態になっていれば、それは忘れる過程がうまくいっているということ。たとえ一生、彼を思い出したとしても、今のように「苦しく」ではなく、穏やかに懐かしく思い出せる日も来るだろうと思います。「気付いたら彼のことを考えない時間が、前より長くなっていた」となるためには、目の前の日々をとにかく一生懸命、生きること。そして、彼との接点をできるだけ持たないことです。何か目標や目的に向かって頑張ってみるのもいいですし、仕事でも趣味でも遊びでも創作でも、彼のことを一瞬でも忘れられるくらいに没頭できること、夢中になる対象を探してみましょう。気の済むまで恋を続けても、誰も文句は言わないとはいえ、“可能性のない恋”は必ず忘れなくてはいけない……というわけでもありません。その人を思うだけで涙が出る。少し話しただけで、「死ぬほど幸せな気持ち」が湧いてくる。そのような狂おしいまでの恋心を味わうことだって、人生の醍醐味のひとつです。つらくとも、そんな大きな恋ができたことを喜び、納得いくまで相手を想い続けるのも、長い人生で見れば、意義ある時間となるかもしれません。それに、人が現状に留まっていたいと思うのは、そこに何かしらのメリットがあるから。そう考えれば、トピ主さんは今はまだ「恋をしている喜び」を味わっていたいのかもしれませんね。いずれ、「彼を思って得られる幸せ」よりも「誰かと人生を生きていきたい気持ち」が上回るタイミングが来れば、自然にそういう選択ができるかもしれない。「今はまだ彼を好きでいたいのだから仕方ない!」ということならば、胸を張って恋を続けるのもひとつです。その選択をする自信がない、トピ主さん自身が現状に不安を感じているというならば、前項のような2つのアドバイスもぜひ参考にしてみてください。好きなだけ恋を続けるか、それとも意志でケジメをつけて、人生を前に進めるのか。トピ主さんは果たして今、どちらを強く望んでいるでしょうか。心と頭の声をよく聞いて、自分自身の答えを出していきましょう。応援しています。(外山ゆひら)
2018年07月09日前回 、仕事は絶好調、けれども夫婦仲がギクシャクしてきてしまった絵里奈さんのケースをご紹介しました。絵里奈さんは「私は変わっていないのに、夫が変わってしまった」と思っています。けれども夫の茂樹さんは、「変わったのは妻のほう」だと感じていました。妻が自分を追い越して昇進した時、悔しさを感じなかったと言えばうそになりますが、妻のために一緒に喜んでやろう、妻を応援してやろうと茂樹さんは思ってました。けれども、忙しさを理由に家事を放棄し、夫を見下して「ヒマなあなたがやればいいじゃない」と開き直る妻の態度に、不快感をつのらせ始めます。初めのうちは、夫婦間の雰囲気を改善しようと妻をねぎらう外食を計画したりもしました。ところが妻は、仕事を理由にドタキャン。さらに、妻の部屋にはいつの間にかソファベッドが設置され、完全なセックスレスに突入しました。そのうえ妻には、夫の社内での微妙な立場に対する配慮がまったくありません。上司には「奥さんに負けず頑張れ」とイジられ、後輩には妙に気をつかわれ…。これも、茂樹さんのストレスになっていました。社会的ポジションで女性に追い抜かれた男性は、女性が想像する以上に敏感になっていることが多いもの。知らず知らずのうちに、夫のプライドを傷つけていないか、自分の言動を振り返ってみてください。■「バリキャリ系モンスター 超絶仕事人」度チェックここでは、あなたの「バリキャリ系モンスター 超絶仕事人」度をチェックしてみましょう。以下の質問で、〇はいくつありますか?1. 自分で言うのも何だが、自分は「デキる女」だと思う。2. 自分が忙しい時に、夫が自分をフォローするのは夫婦として当然のことだ。3. 今どき「男のプライド」がどうのと言う男性は面倒くさいし、時代遅れだと思う。4. 「物言いがキツイ」「ハッキリ言い過ぎ」などと評されたことがある。5. 「良妻」や「賢母」「すてきな奥さん」などというあいまいな評価よりも、会社で仕事による評価を得たい。6. 仕事かプライベートかと聞かれたら、躊躇(ちゅうちょ)なく仕事を優先する(休日出勤もいとわない)。7. 忙しさや疲れを理由に夫婦別寝、セックスレスになるのは、仕方がないことだ。8. 仕事が忙しい時には、身なりになど気をつかっていられない。9. 自分より「デキない」女性が、男性にチヤホヤされているのを見るとムカつく。10. 女子力を武器に立ち回っている女性を見ると、激しい嫌悪感を抱く。 ■あなたの「超絶仕事人」度は何レベル? 「モンスターワイフ」判定結果「バリキャリ系モンスター 超絶仕事人」度をチェックする質問に、あなたはいくつ〇がありましたか? 下の判定結果と照らし合わせて、自分のモンスターワイフ度を確認しましょう。○の数が3個以上6個未満は、超絶仕事人度「C」(「妻としての自分」を忘れ始めていませんか?)○の数が6個以上8個未満は、超絶仕事人度「B」(夫はあなたとの夫婦としての生活に、不満を抱き始めています)○の数が8個以上は、超絶仕事人度「A」(夫婦仲は冷え冷え。夫には「もう仕事だけしてれば?」と思われているかも)能力があり、努力も人一倍していて、仕事を評価されている「デキる女」。それは素晴らしいことです。けれど、いくら「デキる」からといって、自分の社会評価をふりかざし、夫の心情に対する配慮を怠るのはNGです。夫に妻のサポート役を強要してはいけません。むしろデキる女は、より夫のプライドに配慮しなければならないのです。この点が、単純に「デキる男」=「魅力的」と見なされる男性の場合とは異なります。しかし、そんな現実をどれだけ不公平だとなげいても、夫婦仲はこれっぽっちも改善しません。「これだけ男女平等が進んだ世の中で、『男のプライド』なんて言われても…」という気持ちもわかりますが、そう言ってみたところで何の解決にもならないのです。事実、時代に男女の役割が追いついていません。ここは一枚上手の妻が、家庭でもその手腕を発揮するのが一番です。以下の項目、できていますか?・夫に何か頼みたい時には、「命令」口調になっていないか注意して、できる限り相手に快く受け入れてもらえるよう意識する。・日常生活の中で、夫に花を持たせることができる機会がないか、常にアンテナを立てておく。・忙しくても、セックスレスにならない努力をする。・おしゃれや体形にも気を使ってみる。デキる女の妻が家では優しく、セックスも一緒に楽しめ、女子力まで高かったら? 夫はそんな妻に夢中になります。喜んでサポートしてくれるようになります。一枚上手の女性はセルフプロデュースのみならず、夫婦間プロデュースもできるのです。多忙な現代女性には、かなりの難題であることは百も承知です。「女性の方が損じゃない」という声も多々聞こえます。ただ古来から、男は強くて家族を養い、女はおだやかで可憐(かれん)なたたずまいで男を支えるというイメージが男性側のDNAにインプットされていますので、恋愛にはなかなか平等感覚が持ち込みにくいのでしょう。特にセックスに顕著にあらわれます。プライドを傷つけられた男性は、セクシー脳が機能しなくなります。けれど、上昇志向を持ち、結婚生活を円満にしたいと願う女性なら、そのトラディショナルなイメージを保つことがきっとできます。仕事を一日休んで、家にいて夫にありあまる愛を注ぐ…くらいの愛の見直しデーをもうけてくださいね。
2018年07月08日夫の愛が冷めてゆく…それは、妻にモンスターワイフの影が見えるから…。今回からは、別種の新型モンスター「バリキャリ系モンスター」をご紹介していきましょう。「寿退社」という言葉が死語となり、結婚してからもフルタイムで働く女性は増加中です。そして、ぶち当たる仕事と家庭の両立。専業主婦で家にいることができたら、掃除も料理ももっと手をかけられるのにと満員電車の中で考える。家事にかける時間がない、体力がない。ぐったりしながらも家事をする妻の姿を見ても夫は「あーー疲れた」とゴロンとしている。妻の社会での活躍が広がるほど、離れてしまう夫婦の溝。これだけ女性の社会進出が進んでも、「男のプライド」が社会の変化に追いついていないことに気づいている方も多いのでは。そこを意識しながら夫に向き合わねば、毎日プチケンカが勃発します。そのストレスはいつの日か噴火するはめに。「仕事では達成感があるけど、プライベートが犠牲になってしまった」。そんなことにならぬよう、今回からご紹介するエピソードを参考にしてください。■昇給も昇進も夫を追い越し…仕事人モンスターワイフ「バリキャリ系モンスター 超絶仕事人」代表:絵里奈(仮名)35歳の場合夜10時。「走れるパンプス」の靴音をカツカツと響かせながら、絵里奈は家路を急いでいた。チークなど塗っていなかったが、そのほほは満足げに上気している。彼女がリーダーを務める一大プロジェクトのプレゼンの資料がついに完成したのだ。上出来だ。明日のプレゼン成功は間違いない。「ただいまぁ」リビングのドアを開けると、夫の茂樹はビールを片手にぼんやりテレビでボクシングを観ていた。「またソファでダラダラと…。洗濯物、たたんでおいてくれればよかったのに」先週もそのことで衝突したばかりだった。「洗濯物は絵里奈の担当じゃないか」と言われ、「でも、私は今忙しくて茂樹はヒマなんだから、そこは臨機応変に対応してよ」と言い返すと、秀樹は自分の部屋にこもってしまったのだ。同じケンカは避けたい。絵里奈は気を取り直してたずねた。「夕飯、どうしたの?」「ああ、後輩にバッタリ会って、一緒にいつもの店で食べて来た」“いつもの店”というのは、茂樹が最近よく利用しているカジュアルなイタリアンレストランだった。テイクアウトもできて、サラダは絵里奈もお気に入りだ。「それなら私にもサラダ買って来てくれればよかったのに。あそこのサラダ、好物って知ってるでしょ」おなかもすいていたので思わずそう言うと、茂樹は面倒くさそうにため息をついた。「一体、何なの? いつから、私たちはこんな風になってしまったんだろう…」 ■妻の成功の陰で、夫は新人同僚女性と…都内の一流と言われるメーカーに同期入社した2人。ともに上昇志向が強く、互いに刺激し合える関係だった。この人となら切磋琢磨(せっさたくま)し合っていけると思い、絵里奈は結婚を決めた。それなのに…私は何も変わっていない。今でも日々、全力で努力している。対して、茂樹は変わってしまった。覇気のない緩慢な動作。昇給も昇進も、私がすっかり彼を追い越してしまった。いけない。絵里奈はハッとわれに返った。2人のことに頭を悩ませている場合ではない。明日は大事なプレゼンなのだ。冷凍食品でおなかを満たしたら、明日のシミュレーションをしなくちゃ。「私、明日プレゼンなの。もうちょっと起きて準備するから、今夜は自分の部屋で寝る」そう言い残して、絵里奈はリビングをあとにした。仕事が忙しくなり始めた頃、絵里奈は自分の部屋用にソファベッドを買っていたのだ。翌日、プレゼンは大成功。絵里奈は満足感でいっぱいだった。スマホを取り出し、ニッコリする。「今夜は外食しよう。私のおごり!」茂樹にメッセージを送った。ところが…。「ごめん。今夜は飲み。週末埋め合わせする」絵里奈は心底がっかりした。妻が大仕事を終えたその日に、飲み? もうちょっと気を利かせてよ…。トボトボと家路についた絵里奈だったが、駅前まで来て驚くべき光景を目にした。茂樹が若い女の子と歩いている。あれは…確か入社2、3年目の、総務の池田さんだ。A4サイズの書類など入らない、かわいらしい小ぶりなバッグ。走ることなどできそうにないハイヒール。「愛されOL」を絵に描いたような池田さんが、ふんわりと巻かれた髪をゆらしながら、夫の隣で微笑んでいた。そっとあとをつけてみた絵里奈。小洒落たワインバーに入っていく2人を見届け、しばらくその場に立ち尽くしていた。■ついに夫が大反撃! バリキャリモンスターの行く末は?「結局、茂樹もポーッとした若い子が好みだったのね。知らなかったわ。あの子たちって、『〇〇じゃないですかあ…』って甘ったるい話し方するでしょ。ばっかみたい」茂樹が帰宅するなり、絵里奈は冷ややかにそう切り出した。一瞬驚いたように目を開いたが、茂樹はすぐにいつものムスッとした顔に戻った。「彼女…総務の池田さん、彼女がうちの部署用に作成した書類に不備があって、そのフォローを俺がしたんだよ。それで、お礼をさせてくださいって言われて」「なるほどねぇ。デキない女ほどかわいいってことかしら。男にフォローしてもらえておトクよね」茂樹はドスンとテーブルをたたく。「いい加減にしろよ!」珍しく声を荒げた茂樹に、絵里奈は固まった。「いつもいつも、人を見下したような態度で。うっとうしくて仕方ないんだよ! おまえより給料低くて悪かったな。これからもどんどん稼いでくださいよ、奥さん」仕事では絶好調なものの、夫婦仲に暗雲が立ち込め始めた絵里奈さん。一体なぜ、こんな状況に陥ってしまったのでしょう?絵里奈のように、仕事に精を出している皆さん。プライベートは大丈夫ですか? 上から目線の言葉を、夫に投げかけていませんか。次回でご紹介するチェックテストで、あなたの「バリキャリ系モンスター 超絶仕事人」度をチェックしてみましょう。
2018年07月07日「いい感じだと思っていた男性とダメになりそう」という女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。トピ主さんは、27歳。元同僚の男性と仲良くなり、ここ2か月、彼からの誘いで2度ほど食事をし、連絡も毎日取り合っていたそうです。しかし、その後急にやり取りが途絶えるように。トピ主さんから時々連絡をしているものの、以前よりペースが落ちており、それがどんどん顕著になっているそうです。今後のベストな対処法について問いかけています。思い込みで暴走するほど、縁は遠のいてしまうかも!?彼に迷惑がられているのではないか……と、とにかく不安な様子のトピ主さん。誘いがなくなったことや文面の温度差などから「他にすてきな人がいるのでは」といった推測までしているようですが、一旦、落ち着くことです。思い込みから極端に判断してしまえば、それこそ自滅してしまいかねません。彼側の事情はわかりませんが、特段、気まずくなるような出来事もなかったとのこと。「今は少しこちらへの関心が落ちついた(下がっている)のだろう」と理解するのが最善ではないでしょうか。彼はこれまで4年間、職場でほぼ毎日顔を合わせており、会話もしていた相手とのこと。最近、読書という共通の趣味があると分かってグッと距離が縮まったものの、“新しい関係”としての興奮は、少し落ち着いてきたのかもしれません。理由はどうあれ、相手があからさまに引いているならば、こちらも同じくらいにテンションを落とすか、一旦、退却姿勢を取るのがベストでしょう。このまま不安を募らせ、彼の反応に一喜一憂していれば、状況はさらに悪化していく可能性も。難しいかもしれませんが、この2か月のことはひとまず忘れ、以前の自分の生活ペースに戻ってみては。楽しかった記憶が彼の頭の中に残っていれば、そのうち彼もまたトピ主さんのことを思い出し、連絡がくるかもしれません。“明るい一途さ”は、歓迎されやすいけれど……トピ主さんとしては、このままスムーズに恋人関係に移行したい思いがあったのでしょうが、そうはならなかった。期待どおりの展開にならなかったのは、残念ですよね。それでも誰かを好きになり、交際を望む上では、“思いどおりにならない事実や痛み”を受け取る覚悟も、多少は必要になってきます。ちなみに、恋愛では“一途さ”が相手の心を動かすこともありますが、これは基本的に“明るい一途さ”の場合です。相手がつれない反応をしても、「片思い上等!めげないぞ!」「次はどう攻めようかな!?」などと明るく、相手に楽しい気分や時間を提供できるような片思いならば、相手の心を徐々に掴んでいくこともあるようです。しかし、“暗い一途さ”はなかなかうまくいきません。まだ好きかどうかわからない相手から、「どうして急に冷たくなったの?」「私なにか悪いことした?」「前みたいに返事をくれないと不安になる」なんてネガティブな気持ちをぶつけられたら、どうでしょうか。気持ちが高まるどころか、萎んでいってしまいそうですよね。「貸し借りしあっている本を“口実”にして、また連絡しようかと思っている」とのことですが、そのような作為的な下心を感じさせるほど、彼はさらに引いてしまうようにも思います。「相手からの働きかけ」もなければ、恋愛は始まらない「自分の気持ちに区切りをつけるためにも、もう一度、勇気をもって連絡してみたい」とのこと。ケジメをつけたいならば、玉砕覚悟でぶつかってみるのもアリだと思います。彼との縁は切れたとしても、次の恋愛に向かうことができますし、それもトピ主さんを幸せにする選択のひとつでしょう。「やっぱり、彼との未来にも望みを残したい」というならば、彼への優先度はグッと下げつつ、“保留”にしておくのもひとつです。「流れに任せてみよう。縁のある相手ならば、また状況が動くときが来るはず!」と運を天に任せるような心持ちで、自分の生活を楽しく過ごす。そうしているうちに彼からの働きかけがあれば、そのときは一歩ずつ、彼のペースを追い越さない程度に距離を縮めていくといいでしょう。恋愛は、双方からの働きかけがなければ始まりません。「彼からも働きかけてもらうには、どうすればいいのか?」と考えてみると、今までと違う心構えが必要だと気づくかもしれませんね。これを機に、感情のコントロールの仕方や、“いい感じ”になってからの恋の進め方など、恋愛に関する勉強をいろいろとしてみるのもおすすめです。「経験」は受け止め方次第で、自分を幸せにするための力に変えることもできます。今の状況をできるだけ冷静に受け止めて、ぜひ前向きに歩んでいってほしいなと願います。応援しています。(外山ゆひら)
2018年07月02日「家事をしたら褒めてほしいと言われた」という女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。結婚を予定しているトピ主さん。家事分担について話し合っていたところ、彼は表題の発言をしたそうです。小さな姪や甥ならば心からそうしてあげたいけれど、彼は38歳の大人。トピ主さんは「なぜいちいち褒めなきゃいけないのか」と感じ、この彼との結婚を悩み始めてしまったそうです。彼の真意は? 「ありがとう」なら言いやすいかも「家事する度に褒めるとか面倒だし、幼児じゃあるまいし」と、“褒めて発言”に強い不快感を示しているトピ主さん。結婚後も共働き予定で、子どもを持つことも考えているため、家事分担は必須だと考えているようですね。「家事をしたら褒めて欲しい」という言葉を額面どおりに理解するならば、家事をするたび、「よくやったね」などと持ち上げなければならないような印象を受けますが、楽観的な見方をするならば、彼もそこまでの意図はなかった可能性も感じました。「家事分担は当たり前!」というトピ主さんの意思を聞いて、彼は「自分にできるかな、忙しい時期でもできるかな……」などと少し不安になってきて、その結果、「大好きなトピ主さんから褒めてもらえるなら、頑張れるかも!」と思い、そんなことを言ったのかもしれません。ひとつの提案ですが、感謝を伝えあうようにする、というのはいかがでしょうか。いちいち褒めるのは負担でも、「ありがとう」ならそう難しくないですし、折衷案になるのではと思います。もちろん一方通行ではなく、お互いに感謝しあうということです。「進んで家事をやった側には、必ず『ありがとう』を言いあおうね!」なんてルールづくりをするのも一案です。家事に協力的な男性を見分ける方法とはいえ、現実的に世の中の夫婦を見渡せば、家事負担の多くは女性が担っているのも事実。近年は共働き家庭が急増していることもあり、「やると言っていたのに、結婚したら何もしてくれない」「手伝うよ、というスタンスに腹が立つ!」といった女性陣の不平不満もよく聞かれます。さまざまなケースを見聞きしてきましたが、家事に関しての男性のスキルやスタンスには、大きく以下の4タイプがあるように思います。(A) 頼まれなくても、自ら積極的に家事をする男性(B) 女性側の指示や感謝があれば、手伝う意思はある男性(C) あまり家事をしたがらない(できない)けれど、女性にも家事を強制してこない男性(D) 自分は家事を一切しない(したくない)けれども、女性には完璧な家事遂行を求める男性トピ主さんは(A)の男性を望んでいるのでしょうが、彼は(B)のタイプなのかもしれませんね。「手伝いたい気持ちはあるけど、何をしたらわからない」「頼まれたことはやる」というタイプです。女性側がうまく手綱を握れば、積極的に家事を手伝ってくれる男性に育てることもできると思いますが、「そんなことしたくない、面倒だ」と思うならば、最初から(A)のタイプの男性を探したほうが、トピ主さんにとって満足度の高い結婚となるかもしれません。ちなみに、男性がどのタイプか知りたいならば、「発言」よりも「普段の習慣」や「育った家庭の環境」を見るのがオススメです。特に、父親が積極的に家事をしていた家庭で育った男性は、家事を当たり前にできる男性である確率が高いように思います。縁あった相手とうまくやっていくにはとはいえ、「家事が得意」というだけで結婚を決めるのが難しいのもまた事実。「縁あった相手と、うまくやっていくための最良の道を探る」のも、ひとつの良案です。流行りの家事代行サービスを活用してみたり、「お互い無理しすぎなくていい」と決めたりしてもいいわけです。例えば、平日はお惣菜や半調理食などで簡単に済ませ、土日はしっかり協力して家事を片付けたり、一緒に料理を楽しんだりする……といったやり方もあります。無理に家事をして「なんで自分ばかり?」とイライラするくらいなら、多少散らかろうが許容しあうのも一案。「こうすべき」「これが普通」を叶えようとするのではなく、「自分たちのやり方で快適に暮らせればいい」と考え、その形を見出すことに努めていきましょう。今回の彼に関しても、別れるのは最終手段として、その前に一度とことん話し合って、落としどころはないか探ってみてはいかがでしょうか。自分の希望を伝え、「どうしてああいう発言をしたの?」と彼の真意も尋ねた上で、建設的な会話ができるといいですね。お互いに一緒に生きていきたい意思があり、誰かが自分のために何かをしてくれることを“当たり前”と思わず、感謝ができる二人ならば、協力体制を築くことは決して不可能ではないと思います。いい話し合いができることを祈っています。(外山ゆひら)
2018年06月25日「女の勘が鋭いって不幸せなのかも」と題する女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。トピ主さんは、1年半交際した彼氏の浮気が原因で別れたばかり。なんとなく勘が働いてカマをかけてみたところ、彼が白状したそうです。過去にも同じようなことが何度かあり、その時は「別れて正解!」と思えたけれど、「今回はかなりキツイ」とのこと。「もっと鈍い女だったら何も疑いもせず上手くいってたのかなと思ってしまう」とつらい心境を吐露しています。女の勘は、自分を守ろうとする“心の防犯アラート”かも携帯を見るなど詮索しているわけではないのに、「なんか(浮気が)わかってしまう」というトピ主さん。勘が働くのは一体何なのか……とのことですが、これはある意味で“心の防犯アラート”と言えるのでは? 「この男性は不誠実だから、悲しい思いをしますよ!」と知らせることで、結果的にはトピ主さんの幸せを守ろうとしてくれている、という考え方もできます。もちろん、“知らぬが仏”という考え方もあります。世の中には、相手の男性が浮気をしていても気づかない、あるいは気づかないふりや許すことで関係を継続しているカップルもいますよね。彼女たちは、トピ主さんが考えるように「女の勘が鈍い」のか、あえて「鈍いふり」をしているのか、あるいは「嫉妬心が極端に少ない」か「相手への関心が低い」のか、それぞれに理由やカップルの関係性があるのだろうと思います。いずれにせよトピ主さんの場合は、相手の些細な変化に気づいてしまうし、知らぬふりもできないし、浮気は許したくないわけですよね。そういうトピ主さんだからこその魅力もあり、勘が鋭い(=人の言動や心理に敏感)からこそ得られているメリットも、仕事や人付き合いのなかでは必ずあるはず。一生付き合っていくかけがえのない存在は、彼ではなく自分自身です。“この自分”が幸せなパートナーシップを築いていくための道を模索していきましょう。「信頼できる男性」と、末長く交際するためには?投稿には、「付き合いが長くなくても、なぜか信用できる人」もいれば、「付き合いが長くても、いつまでも信用できない人」がいる、という記述も。トピ主さんが過去に浮気や二股をされた男性はいずれも後者のタイプで、最初から「なんか信用できないかも」と思いながらも交際し、でも結局「やっぱり(浮気した)か〜」となって破局を繰り返してきた。一方で、前者タイプの男性たちと交際した経験もあり、彼らは「最後まで誠実」だったものの、逆にトピ主さんに好きな人ができて振ってしまった……とのこと。これらの経験を糧にし、「次こそは誠実な男性と長く付き合いたい」と思っているならば、以下のような選択肢があるかと思います。(1) 最初から「信用できる」と思う男性を意識的に選び、自分もよそ見をしない努力をする最初から安心できるタイプの男性を選び、そこで安定した関係性を目指すのは、ひとつの良策です。ただ、トピ主さんは逆のタイプに惹かれてしまう傾向もある様子。刺激やドキドキ感を求める人に顕著ですが、異性的魅力にあふれ、女性を安心させない相手だからこそ惹かれてしまう――というのは、恋愛ではままあることです。ただ、そういう相手との恋愛に「心底懲りた」結果、意識的にそういう相手を選ばなくなる方もいます。もともとタイプではなかった相手で満足できるかはその人次第ですが、「勘が鋭く、浮気に耐えられない自分の性質」をしっかり自覚していれば、誠実に向き合ってくれる男性の有難みも、今までより強く感じられるかもしれません。(2)「信用できると思うまで付き合わない」もしくは「交際後も安心させすぎないよう努力する」「心惹かれても、すぐには付き合わない」のも一案。恋愛感情は瞬間的に盛り上がることもありますが、信頼関係を構築するためには、それなりに時間がかかります。その過程を経てから、ゆっくりパートナーとなるのも良策です。とはいえ、「交際をしながら信頼関係を育てていくこと」も可能ですし、そうした実例も多くあります。今回の彼はその途中で誠実に向き合うことを放棄したわけですが、トピ主さんに惚れられている自信があり、タカを括っていたのかもしれませんね。そのような事態を避け、真面目に向き合い続けてもらうには、こちら側はどう接していくとベストなのか――。そうした考察にも、今後の幸せのヒントが潜んでいると思います。彼が好きだった分だけ、浮気に気づいてしまったことや裏切られた悲しみは強いのだろうとお察しします。それでも、鈍感なふりをしてみたところで、一生無理は続かなかったはず。「いずれ判明してショックを受けるくらいなら、このタイミングでわかってよかった」と考えてみるのもオススメです。曇りのない幸せな未来を第一に考えれば、“女の勘”はとても心強い存在。失恋から立ち直れた暁にはぜひ味方につけて、妥協なき幸せを見つけてほしいなと思います。応援しています。(外山ゆひら)
2018年06月18日リアル・モンスターワイフ、再び
シリーズ・モンスターワイフ
実録・ポジティブな離婚