冬になるとノロウイルス胃腸炎が流行して、下痢やおう吐で小児科を受診する子が増えます。今回は、下痢やおう吐の対策、ノロウイルス胃腸炎を中心に解説していきます。ノロウイルス胃腸炎の症状は? 診断、治療は??ノロウイルス胃腸炎とは、どんな病気なのでしょうか? その症状や合併症、診断のポイント、治療についてご紹介します。ノロウイルス胃腸炎、その症状は?ノロウイルスはおう吐を主な症状として下痢、腹痛、発熱を認め、冬に流行しやすい胃腸炎です。子どもが感染すると、そこから大人にも感染することが多く、家族内で流行することも珍しくありません。数日間の症状ですが激しいおう吐などから脱水になってぐったりしてきたり、おしっこが出なくなったりします。この合併症に注意ノロウイルス胃腸炎の合併症として、けいれんを起こす「胃腸炎関連けいれん」があげられます。これは、ノロウイルス以外の胃腸炎でも起きるものですが、熱性けいれんとは異なり、熱がなくても起こる症状で、数秒~数分の短いけいれんを反復するという特徴があります。熱性けいれんとは治療薬が異なるので、けいれんが見られた時には医師に胃腸炎症状があるかないかを伝えることはとても重要です。ノロ、それとも? 医師の診断ポイントおう吐にはじまり、下痢症状をともない、数日の胃腸症状ののち改善し、周囲でも流行しているようならノロウイルス胃腸炎の可能性が高いと医師は診断します。ノロウイルス胃腸炎の場合、おう吐から始まることが多いですが、おう吐=ノロとは限りません。実は、おう吐=ノロと考えるとほかの疾患を見逃すことになり、思わぬ落とし穴があります。例えば、髄膜炎や心筋炎などでもおう吐の症状があります。ノロウイルス胃腸炎かどうかの診断については、便の検査はあるものの必須ではなく、保険診療での検査も3歳以下や65歳以上の高齢者のみと制限があります(子どもと高齢者は悪化しやすいため)。そのため、便の検査は補助的に用いて、基本的には診察や経過で総合的に医師が判断します。特効薬はなし! ノロウイルス胃腸炎の治療特効薬はありません。下痢としてウイルスが体内から出ていけばだんだんと改善しますので、症状のある数日間、脱水にならないようにしのぐことが最も重要です。薬としては、症状を緩和させるために整腸剤や、漢方薬の五苓散などが使用されます。オーエスワン/OS-1(大塚製薬)など経口補水液による脱水対策が大切ですが、飲めない場合は点滴を考慮します。これらはノロウイルスに特別な治療ではなくて、ほかの胃腸炎でも同じ対症療法です。つまり検査でノロウイルスを確認しなくても治療は可能で、おおまかに胃腸炎ということがわかればそのあとの治療は一緒です。そのため、ノロウイルス胃腸炎かどうか検査するためだけの受診は必要ないといえます。どちらかというと、そのおう吐がほかの病気ではないこと、胃腸炎であることを確認することを一番の目的としたほうがいいでしょう。受診するか、しないか…その目安は?受診するかしないか迷った時は、脱水傾向があるかどうかが目安になります。つまり、水分がとれずぐったりしている、尿が少ない、口がかわいている、などの症状です。脱水の症状があれば、点滴が必要になる可能性があるからです。逆に言えば、脱水の心配がなく水分がとれているようであれば、無理をして受診をしなくても家でしばらく様子をみてもかまわないでしょう(注:医師により判断は異なります)。もちろん不安だったり、ほかの病気の心配があれば受診したほうがベター。ただ、ある程度元気で、脱水の症状が出ていなければ、ホームケアで自然と治っていく病気であるといえます。一番こわい脱水症状を防ぐ「吐き気がある時の水分摂取」ポイントは症状が強い数日間、ここをいかに経口補水でしのぐかです。よく、おう吐するから飲ませないと考える場合があるかもしれませんが、おう吐して水分が少ない状態でさらに経口摂取を絞れば、すぐに脱水になってしまいます。飲ませ方には、ちょっとしたコツがあるので、以下の手順ですすめてみてください。脱水症状を防ぐ水分の取り方1.おう吐直後はすぐまたもどしてしまうので、水分は飲ませないほうがいいでしょう。30分くらい時間をあけます。2.吐き気がおさまったタイミングで、水分を一度口に含ませてみてください。スプーン1さじでかまいません。3.1さじ飲めたら、2さじ、3さじと段階的に様子をみながら水分量を増やしていきます。吐かない程度に少量づつ体に水分をいれていけば、脱水を予防できます。※もし、1さじも受けつけない、数さじでもおう吐するようであれば、病院での点滴を考えたほうがいいでしょう。飲ませる水分は、アクアライト(アサヒグループ食品)など乳児用イオン飲料や、オーエスワン/OS-1などの経口補水液がいいでしょう。ナトリウム(電解質)や糖分が入っていないと、血液中のナトリウムが少なくなったり、低血糖によって倦怠感(けんたいかん)を感じたり、時にけいれんを起こす可能性があります。飲み物はできる限り、電解質や糖分を含むものにしてください。経口補水液が飲みにくいという場合、軽症であればりんごジュースなどと半々で割って飲みやすくしてから与える方法もあります(※)。家族への感染を食い止める! 予防法とホームケア親が感染すると看病を含め2倍、3倍のしんどさになります。下痢、おう吐の処理は手袋をして、可能であればビニールエプロンを使って感染対策をしてください。寝具におう吐すると後片付けが大変なので、ペットシーツなどをしいておくのも一つの方法です(我が家も一度ひどい目にあいました…泣)。子どもがおう吐しそうになったときすぐに受けることができるよう、洗面器やボウルにビニールをかぶせておくと便利です。もし出かける場合はおう吐に備えて、紙袋+ビニール袋や、着替え(親の分も)、手をふくウェットティッシュなど用意しておくことをおすすめします。予防には、手洗いが基本です。できるだけ流水でウイルスを洗い流しましょう。ノロウイルスは飛びやすいので、いろいろなところに付着しているため、ほかの人がさわる可能性のあるところは極力さわらず、どこかさわったあとは手を洗うようにしてください。アルコール消毒は効果が乏しいので、ハイター(花王)といった次亜塩素酸ナトリウム配合の商品で除菌するのがおすすめです。ドラッグストアにはノロウイルス対策と書いていても、成分がアルコールという場合があります。買う時の参考にしてくださいね。参考資料※ Effect of Dilute Apple Juice and Preferred Fluids vs Electrolyte Maintenance Solution on Treatment Failure Among Children With Mild Gastroenteritis: A Randomized Clinical Trial.
2018年12月31日冬が近づくと心配になるのが、ノロウイルスやロタウイルスなどの感染性胃腸炎。保育園などで次々と感染したり、一家全員かかって散々な目にあったり……。インフルエンザ同様にママたちを震え上がらせる怖い感染症です。ノロウイルスとロタウイルス。どちらも感染性胃腸炎で、その症状から俗に“おなかにくる風邪”“胃腸風邪”と呼ばれて一緒くたにされることが多い感染症ですが、違いはあるのでしょうか? 感染するとどのような症状? 感染を防ぐためにはどうすれば? くわしく見ていきましょう。■ノロウイルス・ロタウイルス「流行時期は?」ノロウイルスとロタウイルス、どちらも感染性胃腸炎の一つですが、何が違うのでしょうか? 流行時期から見ていきます。国立感染症研究所の近年の患者報告数によると、年によって異なりますが、ノロウイルスは晩秋から流行り始め、12月から1月ごろにピークを迎えることが多いようです。子どもも大人も関係なくかかり、再感染することもあります。一方で、ロタウイルスはノロウイルスやインフルエンザの流行が落ち着いてくる冬の終わりごろから流行り始め、3月から4月にかけてピークを迎えることが多いようです。乳幼児がかかりやすいのが特徴です。ちなみに、感染性胃腸炎は一年中かかることがあります。■ノロウイルス・ロタウイルス「症状、潜伏期間、感染経路は?」ノロウイルスとロタウイルスでは症状にどのような違いがあるのでしょうか? また、見極め方や検査方法はあるのでしょうか?【ノロウイルス】【症状】主な症状は嘔吐と下痢。急に激しい嘔吐に見舞われることが多いようです。1日から3日で治るケースが多いですが、脱水症状を招くことがあるので注意が必要です。【潜伏期間と感染期間】潜伏期間は12時間から48時間と短いのが特徴です。急性期にもっとも感染力が高まりますが、治った後も便の中にウイルスが3週間以上排出されることがあります。【感染経路】経口感染、接触感染、飛まつ感染によって広まります。二枚貝、氷、サラダ、パンなどの食品を介して感染することもあります。便の中に大量のウイルスが排出されています。また、吐しゃ物の感染力も強いのが特徴です。保育園などでの集団生活により、流行することが多くあります。【ロタウイルス】【症状】主な症状はノロウイルス同様に嘔吐と下痢です。下痢便が白くなるケースが多いのが特徴です。2日から7日で治りますが、脱水やまれにけいれんや脳症などの合併症を引き起こすことがあります。【潜伏期間と感染期間】潜伏期間は1日から3日とノロウイルスよりはやや長いのが特徴です。急性期にもっとも感染力が強く、治った後も便の中にウイルスが3週間以上排出されることがあります。【感染経路】経口感染、接触感染、飛まつ感染。【ノロウイルス・ロタウイルスの検査方法】厚生労働省によると、ノロウイルス・ロタウイルスともに便の中のウイルスを検出できる検査キットを用いて、一般病院などで調べることができます。3歳未満、65歳以上には健康保険が適用されます。結果が早く出るのはいい点ですが、感染していても陽性とならない場合があります。調べたい場合は、かかりつけの小児科医などに相談してみましょう。検査をしていなくても、流行状況から臨床診断する場合もあるようです。■ノロウイルス・ロタウイルス「ワクチン接種で予防できる?」ノロウイルスやロタウイルスを防ぐためにはどうすればいいのでしょうか?共通していえるのは、手洗いやうがいなど一般的な予防法を行うことが大切です。アルコール消毒はノロウイルスには効かず、ロタウイルスにも効きにくいため、きちんと流水で石けんを使って手洗いをするようにしましょう。ウイルスは、付着した水や食べ物、手を介したり、周辺に飛び散って感染します。そのため、感染した子どものおむつ替え後もしっかり手洗いをしましょう。嘔吐物や下痢便のついた衣服は破棄するか、0.1%次亜塩酸ナトリウム(家庭用漂白剤を薄めたものなど)で消毒をします。【ノロウイルスの予防法】殺菌には、食品の場合、85℃から90℃で90秒以上の加熱。食器類は85℃で1分以上の加熱が有効です。【ロタウイルスの予防法】予防接種により、防ぐことができます。2011年から経口ワクチンの接種(任意)が始まりました。2回接種と3回接種、2種類のワクチンがあります。2回接種の場合、1回目の接種の推奨期間は生後2~4カ月。2回目の接種は生後24週までにすませます。3回接種の場合、1回目の接種は生後2~5カ月の間に、3回目の接種は生後32週までにすませます。生ワクチンのため、接種の間隔は27日以上あけます。【ノロウイルス・ロタウイルスの登校(登園)基準】ノロウイルス・ロタウイルスともに嘔吐や下痢症状が良くなり、全身状態がよければ登校(登園)していいことになっています。保育園によっては登園許可書が必要となるところもあるので、事前に確認しておくと安心です。症状がおさまってからも、引き続き手洗いをしっかり行いましょう。大人がかかってもつらいノロウイルス。一日に何度も嘔吐や下痢になってしまっては、小さい子どもにとってはかなりつらい感染症といえそうです。ロタウイルスは予防接種により防ぐことができます。任意接種のため、費用の負担はありますが、わが子をつらい目にあわせないためにも、また周囲に感染を広げないためにも、決められた期間のワクチン接種をぜひ検討しましょう。また、日頃から親子で手洗いやうがいをしっかり習慣づけておきたいですね。参考サイト: ・国立感染症研究所「ノロウイルス等検出状況」 ・日本小児科学会「学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説」 ・日本小児科学会「知っておきたいわくちん情報」 ・厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」
2018年11月20日菌やウイルスは、一年中心配が尽きませんよね。とくにお子さんやペットのいるご家庭では、掃除を念入りにして気をつけていても、きちんと対策できているのか不安だったりしませんか?そこで今回は〔エーザイ〕の竹口秀さんに、ウイルスや菌への対策と、抗菌という今までにない発想の新製品《イータック®️抗菌化スプレーα》のおすすめの使い方を聞きました!菌やウイルスに気をつけるべき時期や場所って?——ウイルスや菌について長年研究を重ねてこられた〔エーザイ〕さんに伺いたいのですが、ウイルスや菌で、気をつけるべき季節や場所はあるのでしょうか?竹口秀さん(以下、竹口さん):ウイルスや菌が多くなるのは乾燥した冬場のイメージがありますが、年間を通してさまざまな種類の菌が発生するので、日常的に対策をしていただきたいと思っています。家の中では、とくにキッチンに気をつけていただきたいですね。——キッチンですか!トイレが一番かと思っていたので驚きです。竹口さん:もちろんトイレにも対策は必要ですが、キッチンは水気が多く、生の食材を扱うので菌が広がりやすいんです。お肉や魚を調理した後のまな板や包丁、生ゴミを入れる三角コーナーやディスポーザーに排水口など、気をつけたい箇所がたくさんあります。——なるほど。掃除をしっかりしていても、心配な部分でもありますね。竹口さん:また、家の中だけでなく“外から菌やウイルスを持ち込まない”というのも大切です。外で接触した菌やウイルスは、上着や帽子、靴、ドアノブなどにも付着しています。——手洗い、うがいだけでは防げない部分ですね!では、どのように対策したら良いのでしょうか。菌やウイルスの除去と抗菌を一度にできる《イータック®️抗菌化スプレーα》って?竹口さん:まずは菌やウイルスをしっかり除去し、寄せ付けないように抗菌することが大切です。〔エーザイ〕の《イータック®️抗菌化スプレーα》なら、幅広い菌やウイルスに作用し、対象物に結合してバリアを作るので、抗菌作用が長持ちします。——“抗菌バリア”とは頼もしいですね。実際にどのくらい持つのですか?竹口さん:1本でおよそ800プッシュ分使用できます。——800回分も!ものすごいコスパの良さですね。では、具体的な使い方を教えてください。竹口さん:はい。対象物に対して《イータック®️抗菌化スプレーα》を2〜30センチ離したところから噴き付け、乾いたらバリア完了です。机などの広いところの場合は布で拭き広げるとより良いですね。ノンアルコールで、使用中、手についてしまっても大丈夫な成分なので、家中どこでもお使いいただけますよ。——ノンアルコールなんですね!こういった除菌や抗菌をうたう商品はアルコールを含むものが多いイメージですが、ノンアルコールなら小さいお子さんのいるご家庭やお肌が敏感な方でも安心ですね。《イータック®️抗菌化スプレーα》で大切にしているのは「安心」であること竹口さん:《Etak®️》はもともと“口腔内の抗菌加工”を目標に開発された背景があるため、小さいお子さんのオモチャやペット用品にも安心してお使いいただけます。——赤ちゃんやペットが口にしても大丈夫というのはうれしいですね。竹口さん:実際に小さいお子さんを持つ親御様からのご感想もよくいただいています。また、ペット周りにも使った結果、臭いが気にならなくなったという声もあるんです。——どんな家庭でも気になる部分に使えるというのが良いですね。竹口さん:はい。開発にあたり大切にした部分ですね。——では次に、おすすめの使用方法について教えてください。先ほど菌やウイルスに気をつけたい場所とおっしゃっていたキッチンはどうですか?竹口さん:キッチンは、やはり生ものの調理やゴミを扱う部分と水回りに使うのがおすすめです。《イータック®️抗菌化スプレーα》は水拭きをしても抗菌作用が続くので、例えばまな板や包丁、お弁当箱にも使っておくと安心です。とくにディスポーザーや排水口のぬめりと臭いは菌が原因なので、気になる方は試してみてください。お風呂場でも掃除の後に噴き付けると、カビの繁殖の防止になりますよ。こういった水回りに使う場合には、濡れたままよりも乾いた後に使うとより良いでしょう。トイレや洗面所なども含めて、“普段の掃除の後に乾いてから噴き付ける”のが良いかと思います。——なるほど、“掃除の後に《イータック®️抗菌化スプレーα》で仕上げる”という習慣にすると良さそうですね。他にはどういった使い方がありますか?竹口さん:他には、“頻繁に洗えないもの”や“外出前後に触れるもの”に使っていただくと良いかと思います。まず“頻繁に洗えないもの”ですが、玄関マット・バスマットやカーペット、ソファカバーやカーテンなどのファブリック類ですね。最近人気の珪藻土のマットにも使えますよ。またお子さんの剣道着などのスポーツグッズにもおすすめです。——確かに、洗えない代わりに《イータック®️抗菌化スプレーα》をするというのは良さそうです!“外出前後に触れるもの”についてはどうですか?竹口さん:上着やコート、スーツなどの外出着や靴に帽子、鞄やランドセルなどには、外出前に使っていただくと菌を持ち帰らずに済むのでおすすめです。また、スマートフォンのカバーやお財布など、外出先でよく触るものにも菌やウイルスが付きやすいので対策していただきたいですね。また、帰宅してすぐ触れるようなドアノブなどにもご使用になると、菌やウイルスが家庭内に広がるのを防ぐことができます。——なるほど。“頻繁に洗えないもの”や“外出前後に触れるもの”ですね。早く家中をスプレーしたくなってきました!では逆に、《イータック®️抗菌化スプレーα》を使えない場所、または気をつけるべきことはありますか?竹口さん:木・布・プラスチックなど幅広くお使いいただけますが、革製品などシミが心配なものは目立たない場所で試してからご使用いただくと良いと思います。水分がダメな金属や精密機械では使用できません。またガラスや鏡、メガネなどはくもりやすくなる可能性があるので避けてください。——なるほど、わかりました!《イータック®️抗菌化スプレー》はマスクユーザー必見!——《イータック®️抗菌化スプレーα》のお話を伺ってきましたが、こちらの小さいボトルの《イータック®️抗菌化スプレー》との違いを教えてください。竹口さん:こちらは、マスク専用の商品なんです。違いは、アルコールが含まれていることですね。マスク専用ということで、アルコールが入っていると乾燥するのが早くなるために配合しています。外出前にマスクの裏表に吹き付けてから装着すると、外からの菌を寄せ付けないだけでなく、マスク内の臭いも防ぐことができます。24時間効果が持続するので、一日中快適にお過ごしいただけると思います。——それは良いですね!今では花粉やウイルス対策など、マスクを手放せない季節が増えてきました。マスクユーザーにはマストなアイテムになりそうですね。竹口さん:一日に、平均で7〜8回マスクに手で触れる人が多いそうです。それではせっかくマスクをしていても、手から菌が移って繁殖してしまいます。しっかり予防するためにも、ぜひ使っていただきたい商品です。抗菌パワーで安心できる環境作りを竹口さん:《Etak®️》はその作用が評価され、多くの病院や学校、公共施設などでも使われています。〔エーザイ〕の社内でも毎週金曜日に《イータック®️抗菌化スプレーα》を使用するのが習慣になっています。ぜひご家庭でも安心できる環境づくりにご活用ください。一年中、気が抜けない菌・ウイルス対策ですが、《イータック®️抗菌化スプレーα》があればどんな季節でもリラックスして過ごせる家にできそう♪ぜひ気になるさまざまなところに《イータック®️抗菌化スプレーα》のパワーを試してみてくださいね。《イータック®️抗菌化スプレーα》についてもっと詳しく見る♪●ライターキリガヤアスミ●写真土佐麻理子
2018年04月19日インフルエンザなどのウイルスや、花粉やPM2.5対策など、外出中は仕方ないとしても、お部屋の空気はきれいに快適に過ごしたいですね。ですが、いざ設置するとなると空気清浄機は場所もとるし、どうしようか悩むことも。そんな悩みを解決してくれるのが、1台3役の〔Dyson〕の《Purehot+coolLink(空気清浄機能付ファンヒーター)》です。お子さんにも安心の1台3役《Purehot+coolLink》は、空気清浄機能があり、温風と冷風が出るため、すべてのシーズンで使え1台で3役をこなしてくれます。羽根がないため、小さなお子さまがいても安心で、子育てにまつわるトレンド(ヒト・モノ・コト)を表彰する「第10回ペアレンティングアワード」のモノ部門を受賞しました。受賞のポイントは、PM2.5だけでなく、PM0.1レベルの超微小粒子状物質を、99.95%も除去する高い空気清浄力です。あまりの微小さに、どれだけ小さいか想像がつかないですが、臭いの粒子も清浄してくれるレベルなので、お料理の臭いなども長時間残らず、気にならなくなります。〔Dyson〕《Pure hot+cool Link(空気清浄機能付ファンヒーター)》72,800円(税別)羽根がないのはもちろんですが、ヒーター機能がありながら露出した発熱体がないので、子どもがさわっても安心です。定期的なフィルター掃除も必要なく、形がシンプルで本体のお掃除も拭くだけでお手入れも簡単です。きれいな空気になるのはもちろん、温風、涼風どちらも楽しめるため、1年中使える便利さ。子育て中のママにとって、うれしい機能満載で、今回の受賞は納得ですね。目に見えない空気の状況はアプリで確認〔Dyson〕調べでは、空気清浄機をすでに持っていた妊娠中、またはお子さまがいる女性の中で約6割が、妊娠・出産や子どもが理由で、空気清浄機を購入していたそう。大人より免疫力が弱い子どもがいるご家庭では、空気の汚れがはより気になるという結果ですね。でも、空気は見えないから、きれいになったかどうか不安なときもあります。そんなときは、アプリでお部屋の空気の状況を確認できます。オートモードにしておくと、自動で汚染物質を検知して、除去してくれるので、いつでも綺麗な状態を保つことができます。室内環境の記録も残せるので、どんなときに空気が汚れるのかもわかり、また、旅行などで数日外出する場合は、帰宅前にリモコン操作で、お部屋の空気をきれいにしておくこともできます。〔Dyson〕の掃除機が、吸引力が落ちないこともそうですが、排気がきれいというところも気にいっている私は、この初期モデルを愛用中ですが、当時は、扇風機として涼風だけで、温風機能がついていなかったので、寒い今のような時期は特に、このモデルに惹かれています。空気の状況を可視化してくれるのも、きれいになったという満足感と安心につながりますね。●ライター林ゆりDyson
2017年12月27日エーザイ株式会社コンシューマーhhc事業部は、ウイルス・菌を除去し、抗菌作用が1週間持続する、持続型抗菌成分Etak®(イータック)配合の「イータック®抗菌化スプレーα(アルファ)」を発売中。今回は現役保育士100名と現在保育園・幼稚園に子どもを通わせているママ300名を対象に、子どもの「ウイルス・菌対策」に関する意識・実態調査を行った。88%の保育士が「園児のウイルス・菌対策が完璧ではない」と回答ウイルスや菌のついた手指で口や鼻を触り、粘膜から感染する接触感染=“手うつり菌”は、大きな感染経路の一つ。そこで、今回は保育園・幼稚園でのウイルス・菌対策の実態を調べるべく、現役保育士を対象に調査を実施した。はじめに保育士を対象に、園児に行わせている、または園で実施している冬場のウイルス・菌対策を聞くと、95%が何らかの対策を行っていると回答。その内訳は、1位「外出後、手洗いを徹底させる」(81%)、2位「室内に加湿器を設置する」(60%)、3位「外出後、うがいを徹底させる」(49%)という結果に。一方、園児相手にウイルス・菌対策を徹底させることは容易ではないようで、園児が手洗いやうがいをせずに室内に入ってしまったり、くしゃみをしているのにマスクを外してしまったりするなど、冬場に園児のウイルス・菌対策が完璧には実行できていないと感じたことがあるかを聞くと、保育士の88%が「ある」と回答した。ママも不安…「菌をもらわないか心配」約9割続いて、ママたちに「家庭での子どものウイルス・菌対策意識」についてたずねた。まず、「保育園・幼稚園で他の子どもから菌をもらわないか不安に感じる」と回答したママは90%。多くのママが、保育園や幼稚園で「他の子どもから菌をもらうこと」を心配していることがわかる。一方、「自分の子どもが他の子どもへ菌を移してしまうこと」を不安に感じるママも約9割(86%)。冬場に子どもが保育園・幼稚園で行っているウイルス・菌対策を100点満点で評価してもらうと、「63点」とやや弱気な結果に。評価が低かった人に理由をきくと、「子どもが自分自身で気をつけようとしても限度があると思うから」(28歳/子どものウイルス・菌対策意識評価:30点)、「何か触れたら手を洗うということも限界があると思うので」(36歳/子どものウイルス・菌対策意識評価:50点)など、子どもが自分で行う対策だけではなく、触れてしまったウイルス・菌を家庭内に持ち込ませないための根本的な対策が望まれていることが明らかとなった。ウイルス・菌を寄せ付けたくない人におすすめ「イータック®抗菌化スプレーα」ウイルスを保育園・幼稚園や家庭内に寄せ付けたくない人にオススメなのが「イータック®抗菌化スプレーα」だ。本製品の主成分であるEtak®は、広島大学大学院医歯薬保健学研究科二川浩樹教授により開発された、持続型抗菌成分。スプレーした箇所に、Etak®の接着成分が化学結合して抗菌成分が固定化されることで、抗菌作用が1週間持続する。無香料・無着色のノンアルコールタイプで、ドアノブ、手すり、机、床、おもちゃなど、手で触ることによってウイルス・菌が拡散しやすい場所に幅広く使用可能だ。ウイルス・菌が気になるシーズンに、子どものウイルス・菌対策に「うがい・手洗い・イータック」の新習慣を取り入れてみてはいかがだろうか。【参考】※イータック®抗菌化スプレーα
2017年12月15日質問:普通に生活していてウイルス性肝炎にかかるリスクはどれぐらいあるのでしょうか?30代半ばの主婦です。ウイルス性肝炎は、血液感染もあり得ると聞きましたが、普通に生活していてウイルス性肝炎にかかるリスクはどれぐらいあるのでしょうか?(医療関係の仕事はしておりません)。滋賀県:じゅんママさん(35)回答:「ウイルス性肝炎」についてお答えします。――「B型肝炎」「C型肝炎」の感染経路ウイルス性肝炎を引き起こすウイルスは、A型、B型、C型、D型、E型などがあります。日本人に圧倒的に多いのが、B型肝炎とC型肝炎になりますので、B型肝炎、C型肝炎について述べていきます。まず、B型肝炎、C型肝炎はどのように感染するのか、一般的な感染経路を紹介しましょう。肝炎ウイルスを含む血液の輸血を過去に受けたことがある肝炎ウイルスに感染している人と注射針を共有した肝炎ウイルス陽性の血液を傷のある手で触ったり、針刺し事故を起こしたりした(特に医療従事者は注意が必要)肝炎ウイルス陽性の人に使った器具を適切な消毒をせずに使いまわしして、入れ墨やピアスの穴あけをしたまた、B型肝炎ウイルスでは、以下のような感染経路も考えられます。B型肝炎ウイルスに感染している母親から生まれた子に対し、適切な感染予防措置を講じなかったB型肝炎患者と性行為を行った以前は、ウイルス性肝炎の感染は、過去の輸血や注射によるものとされていました。昔は、C型肝炎ウイルスが存在することすら分からない時代もあり、肝炎ウイルスの検査技術が未熟であったためです。血友病など、血液系の病気に用いる血液製剤によって感染してしまうこともありました。しかし、現在は、輸血用の血液、血液製剤は厳しくチェックされており、これらの経路によるウイルス性肝炎の感染はほとんど起きていません。最近増えているのは、性交渉による感染です。B型肝炎ウイルスは非常に強い感染力を持ち、体液で感染することがあります。コンドームによる感染予防が大切になってきます。<「肝炎ウイルス」の正しい知識を持ちましょう>肝炎ウイルス予防では、他人の血液に触れないことが重要になります。くしゃみ、咳、握手や抱擁、食器やコップの共用、入浴、日常の接触では感染はしません。肝炎ウイルスは、空気感染はしません。普通に生活をしていれば、肝炎ウイルスに感染する機会などほとんどないでしょう。知識もなく、肝炎ウイルスを恐れることは、肝炎ウイルス患者さんへの差別につながります。正しい知識を持つことが大切です。つまり、医療従事者ではなく、ご主人が肝炎ウイルスに感染していないのであれば、ウイルス性肝炎にかかるリスクはどうなのか、と心配することは、「自分はいつか交通事故にあって死ぬのだろうか」と毎日心配することと同じくらい、意味のないことだと思います。Doctors Me(ドクターズミー)が保証している医師が回答しています
2016年12月18日日焼け止めもしっかり塗っているし、紫外線対策はバッチリ!と思っているあなた。 本当にその紫外線対策、万全ですか?実は間違っているかもしれない、日焼け止めの塗り方やUV対策のコツをお教えします!日焼け止めの正しい塗り方日焼け止めの塗り方で注意しておきたいのが、①肌にしっかり馴染ませるため、外に出る30分前には塗っておくこと②ケチらず、たっぷりの量を塗ること③化粧水や乳液で肌を整えてから塗ること の3つのポイント。意外に見落としていることが多いこの3つのポイントをおさえておけば、日焼け止めの効果はグッと上がります!日傘も必須!特に夏場の強い紫外線は、日焼け止めだけではカバーできません。外を歩く時は日傘を持っておいた方が安心。折り畳みタイプの日傘などのコンパクトなタイプのものを選ぶと良いですね。帽子の選び方に注意!麦わら帽子など、日よけのために使う帽子は、選び方に注意。・素材がUVカットであるかどうか・つばの広さは十分かという点をチェックしつつ選びましょう。メッシュ素材のものは通気性が良いので快適にかぶれますが、十分に紫外線をカバーできない場合があります。最近はオシャレで紫外線対策もばっちりできる帽子が増えているので、タグなどに書いてある説明をよく読んでおきましょう。しっかり対策して、夏に備えよう!日焼け止めをしっかり塗っていたのに、結構焼けてしまった…。ということもあるでしょう。若いうちはいいですが、30代前後になると紫外線はシミの大きな原因となり危険です。しっかり対策しておけば夏の日差しも怖くない!少しのポイントで大きく変わるので、しっかり対策して夏に備えておきましょう!
2016年07月28日何かと心配なことが多いITセキュリティの問題。話題になったクローンスマホや便利なクラウドサービス、最新ウイルス対策など、気になる問題に情報セキュリティの第一人者として、IT セキュリティの専門家、辻伸弘さんが指南!Q.<LINEで多発していたアカウント乗っ取りやクローンスマホによる流出が心配です>A.<対策がとられたので、今は安全です>LINEアカウントで本人になりすまし、「友だち」に登録されている人に電子マネーを購入させた“アカウント乗っ取り”。また、iTunesのバックアップ機能を使って複製された“クローンスマホ”による情報流出。今も被害はあるの?「どちらも対策がとられています。例えばLINEの場合、IDとパスワードを入れるとスマホに認証番号が送られ、その番号を入力しないとログインできない仕組みに変わりました。とはいえ、また新しいトラブルが起こる可能性はあるので、こまめにアップデートして、スマホやアプリを最新の状態にしておきましょう」Q.<Mac PCはウイルスに感染しないと聞きました。対策ソフト、入れなくても大丈夫ですよね>A.<それは都市伝説のようなものです。ウイルス対策は心がけておくべき>まことしやかに巷に流れる“ Macはウイルスに強いので、特に対策は必要ないらしい”という噂。「それは大間違いです。Macに感染するウイルスもたくさんあり、iPhone とMacの人気がアップするにつれ、新しいタイプのものが続々と誕生。最近では、身代金要求タイプのウイルスの、Macへの感染も報告されています。Windows同様、何かしらのウイルス対策ソフトをインストールして、きちんと防御すること。そして、メールなどに貼り付けられている怪しいURLをクリックしたり、添付ファイルをクリックするのをやめること。基本的なことですが、これだけで、かなりの効果があります」Q.<フリーWi-Fiって、本当に使っても大丈夫?>A.<基本的には大丈夫ですが、いくつか注意事項が>地下鉄や旅先のホテル、街中など、様々な場所で使えるフリーWi-Fi。でも、多くの人が活用しているWi-Fiにつなぐことで、個人情報が漏れる心配はない?「以前は、パスワードなしで使える“鍵なし”タイプのフリーWi-Fiには注意が必要でした。これは、情報が暗号化されていない状態でネットワークに流れるため、IDやパスワードなどの入力内容が第三者に読み取られやすかったため。でも、最近ではそういった情報を入力するサイト側のセキュリティ強度が高まっているので、さほど神経質になる必要はありません。ただ、携帯のキャリア会社やホテルなどが提供しているもの以外の“発信者が不明なWi-Fi ”には接続しない、フリーWi-Fiを使って個人情報のやり取りや入力はしないのが正解です」◇つじ・のぶひろソフトバンク・テクノロジーに所属。情報セキュリティの第一人者として、講演や執筆活動など、情報発信を行う。セカオワの深瀬さんに似ているとの噂あり。twitter IDは@ntsuji。※『anan』2016年4月13日号より。写真・菅原景子取材、文・重信 綾(C)Wachiwit
2016年04月11日【男性からのご相談】最近、ジカウイルスによるジカ熱感染が話題になっていますが、少し前にはデング熱などもありました。感染症の種類はさまざまありますが、どのような経路で感染していくのでしょうか?●A. ジカウイルス感染、デング熱ともに蚊による“節足動物媒介感染”です。ご相談ありがとうございます。理学療法士のOHSAWAです。感染症といえば、最近はやりの『ジカウイルス』や『デング熱』、身近なところでは『風邪』や『インフルエンザ』などが挙げられます。しかし、一口に“感染症”といっても原因や感染経路などはさまざまです。今回は感染症の種類や予防に関してご説明していきます。●感染症とは感染症とは、病気を引き起こすウイルスや細菌などの病原体が体の中に入り込んで増殖し、さまざまな症状を引き起こすこと をいいます。また、感染症には発症させる3つの条件があります。●(1)病原体の存在ウイルスや細菌をはじめ、カビの仲間の真菌、マラリアなどの原虫の存在がなければ感染症は起こりません。●(2)感染経路病原体は何らかの経路で体内に侵入してきます。たとえばインフルエンザは空気・飛沫感染 。食中毒などは食べ物を介しての経口感染 と、さまざまな感染経路を経て体内に入り込んできます。●(3)免疫力私たちの体には侵入してきた敵(ここでは病原体)と戦う“免疫力”があります。もし病原体が体の中に侵入してきても、感染するかどうかは免疫と病原体の力関係 で決まります。つまり、私たちの免疫力が病原体を上回れば感染しませんし、逆に負けてしまうと感染するということになります。●感染の種類とその対策感染症もさまざまな種類がありますが、今回はその中でも代表的な5つの感染症とその対策を紹介していきます。●(a)飛沫感染飛沫感染とは、咳やくしゃみ、会話によって飛散した直径5マイクロメートル以上の“飛沫”が原因となるものです。感染した人の飛沫にはウイルスや細菌などの病原体が含まれており、それを呼吸とともに鼻や口から吸いこむことにより、他の人にも感染します。代表的な疾患として、一般的な『風邪』や『インフルエンザ』『マイコプラズマ肺炎』などが挙げられます。●>予防と対策知らず知らずに吸い込んだウイルスや細菌を体の奥へ入れない一番の予防法としては、“うがい” があります。うがいには、喉まで押し戻された病原体を洗い流し、感染を防ぐ効果があります。原始的で一般的ですが、やはり大事な予防法なので、外出先から戻ったら手洗いとともに必ずうがいをしましょう。●(b)空気感染空気感染とは、飛沫感染と少し違い、直径5マイクロメートル以下 の微粒子に含まれるウイルスや細菌を吸い込むことによって起こる感染です。とても小さいため、風に舞って空気中を漂い続けて、それを吸い込むことで感染します。また、床や地面に落ちた飛沫核も空気中に舞い上がります。代表的な疾患は『結核』で、その他にも『はしか』『水ぼうそう』『帯状疱疹』なども飛沫または空気感染が主な感染経路です。●>予防と対策・微粒子用のマスクを装着して飛沫核を防ぐ。・感染した人と同じ部屋で生活しない。仕方ない場合は換気をこまめにする。・加湿をする。湿度を40%以上 に保つと喉や気管の防御機能が活発になります。・ワクチンを接種し、感染症を防ぐ予防をする。●(c)経口感染経口感染とは、口から摂取する水や食べ物を介して感染することです。多くは『食中毒』で、その大半は病原体が腸内で増殖する腸管感染症です。食中毒は一年中発生しますが、梅雨から夏は細菌による感染で、冬はノロウイルスによる割合が高くなります。●>予防と対策■菌をつけない食べ物を調理する人は必ず手を洗いましょう。手には食中毒の原因菌やウイルスがついている可能性が高いです。また、生肉や魚についた病原体が生野菜などに混入しないよう、肉や魚を切った包丁やまな板は必ず洗うようにしましょう。■菌を増やさない多くの細菌は高温多湿を好み、増殖しやすくなります。生鮮食品の購入後や調理後は速やかに冷蔵庫や冷凍庫で保存することが大切です。■殺菌する加熱によってほぼ全ての病原体は死滅します。肉や魚介類は80度以上で1分の加熱が目安 です。●(d)接触感染接触感染とは、病原体に手や皮膚・粘膜が直接触れたときや、感染した人が病原体の付いた手で触ったものを介して、感染した人と間接的に接触することでうつる感染経路です。代表的なものは『エボラ出血熱』をはじめとする『ウイルス性出血熱』、院内感染で問題となる『MRSA』『O157』『手足口病』『結膜炎』などです。●>予防と対策■マスクの着用病原体のついた手で鼻や口を触るのを避けることができます。■手洗い駅の階段、電車の手すり、公共施設の扉など、不特定多数が触れるものに触った後は病原体が付着している可能性があるので、必ず手を洗って病原体を洗い流しましょう。その他にも排泄後、調理前、食事前にも必ず手を洗い、家族や他の人に広めないようにしましょう。●(e)節足動物媒介感染節足動物媒介感染とは、吸血性の蚊やダニなどの節足動物が、動物や人が持っているウイルスなどの病原体を媒介することによって起こります。蚊により感染する代表的なものは『マラリア』『日本脳炎』『デング熱』で、マダニからは『日本紅斑熱』『ライム病』『Q熱』などが挙げられます。●>予防と対策蚊に関しては、外出時は肌の露出を抑えたり、虫よけスプレーなどを利用したりして、刺されることを予防しましょう。また、庭やベランダに溜まった雨水や鉢植えの受け皿の水は蚊の繁殖に繋がる ので放置しないようにしましょう。マダニは野山に多く生息するので、山に入る際は肌を露出しない格好をして対策をしましょう。【参考文献】・『図解 知っておくべき感染症33 原因・症状・予防法』今村顕史・著●ライター/OHSAWA(理学療法士)
2016年04月02日トレンドマイクロは、Twitter上で話題となった「vvvウイルス」が、日本でも相当数流入しているとして、注意を喚起した。vvvウイルスとは、12月6日頃にTwitter上で「被害に遭った」との情報が拡散されたウイルスの俗称。感染すると、コンピュータ内のファイルの拡張子を「.vvv」に変更、暗号化し、元に戻すことと引き換えに金銭を要求する。同社調査によると、これは暗号化型ランサムウェア「CrypTesla」の新型亜種とみられる。CrypTeslaによる攻撃は、Twitterで話題となったような脆弱性攻撃サイトの閲覧(脆弱性を自動的に攻撃する不正広告も含む)のほか、マルウェアスパムに添付されているJavaScriptファイルの実行でも確認。CrypTesla関連による不正URLのブロック数は12月9日時点で500以上と急増しており、同社は「日本にも相当数流入していることを確認できた」とする。日本への流入が推測されている、CrypTeslaを使ったスパムメールは、タイトル・本文ともに英語。添付のZIPファイル内にあるJavaScriptファイルを実行すると、Web上から実行ファイルを取得する。ダウンロードされる実行ファイルは、CrypTeslaファミリの不正プログラムの場合と、ウイルス対策用の正規ソフト「Avira」インストーラの場合があり、正規サイトがWordPressの脆弱性を突かれて改ざんされ、不正ファイル配布に利用されている様子もあるという。攻撃者から見た場合、メール受信者をランサムウェアに感染させるためには、添付されているZIPファイル内のJavaScriptファイルをダブルクリックさせた上、実行前に表示される警告ダイアログでも「はい」をクリックさせる必要がある。同社は、この流れのどこかでファイルに不信感を持ち、実行を取りやめれば感染を防げるとし、「ダウンロードしたファイルを不用意に実行しないこと」を推奨している。
2015年12月15日IPAは、コンピュータウイルスや不正プログラムの状況分析から、「今月の呼びかけ」を発表している。今月は、ウイルス感染するマクロが仕込まれたばらまき型メールについて取り上げている。○10月に検知されたばらまき型メールIPAによると、10月8日、27日、30日にウイルス感染させることを目的とした多数のメールが検知された。具体的には、図1のようなメールである。まず、特徴的なことであるが、日本語に不自然な点がまったく見受けられない点である。そして、実在する組織からのメールのように装うことだ。さらに、共通なのは、不正なマクロが仕掛けられたWordの文書ファイルが添付されていた。上述の3日間にIPAなどで確認されたばらまき型メールは、以下の通りである。マクロであるが、実行されると別のウイルスをインターネットからダウンロードし、感染させるという活動を行う。これらのマクロは、ばらまき型メール用に作成されたものらしく、セキュリティ対策ソフトでは検知されなかった。同様の手口であるが、標的型攻撃などでも使われることがある。標的型攻撃と異なるのは、特定の攻撃対象にメールが送られるのに対し、今回は不特定多数に送られた点である。関連性などについては、不明とのことである。なお、IPAによれば、日本語ではなく英文であるが、添付ファイルがExcelのばらまき型メールも確認されたとのことである。Wordファイル同様、ウイルスをダウンロードするマクロが仕込まれていた。それ以外にも、PDFファイルに偽装した実行形式のファイル(アイコンをPDFに偽装し、実体はexeファイル)がアーカイブされたzipファイルが添付されたばらまき型メールもあったとのことだ。○ばらまき型メールへの対策IPAによれば、1通だけでなく、2~3通のばらまき型メールを受信した事例もあるとのことだ。11月以降、ばらまき型メールの確認は行われていないが、今後も同じようなばらまき型メールが送信される可能性もある。IPAでは、以下の対策を紹介している。マクロが自動で有効になるような設定は行わない安全性が確認できないファイルはマクロを有効にするための[コンテンツの有効化]を絶対にクリックしないまた、組織内での感染を防ぐために、以下の対策が有効となる。ウイルス感染の影響がない環境(万が一、ウイルスに感染しても組織運営への支障を最小限に留められる端末など)で添付ファイルを開く必要に応じて、添付ファイル(メール)の送信者に対して送信有無を確認するそして、添付ファイルを開き、マクロを実行してしまった場合への対処であるが、以下の手順を推奨する。当該端末をネットワークから切り離す(LANケーブル外す、無線LAN機能の無効化)セキュリティ対策ソフトでウイルススキャン(できれば完全スキャン)を実施する必要に応じて、スキャン結果や開いてしまったファイルの情報、セキュリティ対策ソフトの定義ファイルの情報などをまとめ、セキュリティベンダに相談する通信ログを確認(監視)するウイルス感染が確認できた場合は、当該端末の初期化または保全を検討する最後の初期化であるが、ウイルス対策ソフトなどでウイルスの検知・駆除が行われたとしても、未知のウイルスが残る可能性もある。そこで、初期化を行うのである。また、今後の解析などのために、端末を保全することも意味がある。○情報提供受付専用メールアドレスの新設IPAでは、これまで相談窓口として、情報セキュリティ安心相談窓口を開設していた。こちらは、今後も変わることない。被害や対策などについて相談が可能である。しかし、新たな手口による攻撃に備え、その兆候を察知することを目的とした情報受付専用メールアドレスを新設した。teikyo@virus.ipa.go.jp受付専用なので、相談などはできない点には注意してほしい。一方、不審を感じた事例などがあれば、積極的に情報提供を行ってほしい。
2015年12月03日数ある感染症の中でも、おう吐や下痢など複数の重い症状に苦しめられるノロウイルス。寒さも厳しくなってくるこれからの季節、注意しなければならないウイルスの1つだ。感染予防への意識を高めるためにも、今回はノロウイルスに感染したことのあるマイナビニュース会員300人に具体的な症状や、症状が続いた期間について聞いてみた。感染中につらかったときのエピソードもあわせてご紹介する。Q.ノロウイルスにかかったときの症状を教えてください(複数回答可)1位: 下痢(69.0%)2位: おう吐(68.3%)3位: 吐き気(67.0%)4位: 腹痛(40.3%)5位: 発熱(27.0%)6位: 頭痛(12.0%)7位: 筋肉痛(4.7%)Q.ノロウイルスの症状が続いた期間を教えてください1位: 2日以上~4日未満(41.0%)2位: 1日以上~2日未満(31.7%)3位: 4日以上~1週間未満(14.7%)4位: 1日未満(9.3%)5位: 1週間以上(3.3%)Q.ノロウイルスに感染し、つらかったときのエピソードを具体的に教えてください■トイレから離れられない・「トイレと友達だと言えるくらいずっとトイレにいた」(33歳女性/建設・土木/技術職)・「下痢が止まらず、ずっとトイレにいて、そこで寝ていた」(33歳男性/電機/技術職)・「下痢とおう吐が止まらなくてトイレに張り付きっぱなしだった。両方のにおいでさらに吐き気が増した」(28歳女性/ソフトウエア/技術職)■水分が十分にとれない・「脱水状態になり倒れた」(32歳女性/金融・証券/事務系専門職)・「下痢が続いて脱水症になりかけたこと。身体からどんどん水分が抜けていくのが分かった」(24歳女性/食品・飲料/専門職)■家族で感染・「下痢が止まらないのと、おう吐がひどいなか、同じ症状の子どもの看病をしなくてはならなかったこと」(36歳女性/団体・公益法人・官公庁/技術職)・「子どものノロウイルスが家族全員にうつってしまい、みんなトイレの順番待ち。つらいのに子どもが吐きまくるから、洗濯物がたまるし、乾かない地獄になりました」(38歳女性/情報・IT/事務系専門職)■旅行中に発症・「台湾でウイルスにかかった。ずっとトイレとベッドの往復。せっかくの旅行が台無しだった」(28歳女性/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)・「旅行中で電車の中でもよおすなど最低でした」(30歳男性/運輸・倉庫/技術職)■複数の症状を発症・「おう吐しながら下痢をしていた」(37歳女性/商社・卸/事務系専門職)・「下痢と吐き気が同時に来て、どちらを優先するか悩んだ」(30歳女性/機械・精密機器/事務系専門職)■その他・「デートした次の日からかかったので彼氏にうつしたのではないかと自分の体以上に心配でつらかった」(34歳女性/その他/その他)・「1人暮らしの時だったので非常につらかったです。ご飯が食べられないし動けなかったので本当に死ぬかと思いました」(39歳/食品・飲料/販売職・サービス系)・「ブラック企業勤務だったので症状があったが休めず会社に行き失神しそうになった。帰り道の駅で失神し救急車で運ばれた」(31歳男性/機械・精密機器/事務系専門職)■総評具体的な症状については、6割以上の人が「下痢」「おう吐」「吐き気」を訴えた。ほかにも、約4割が「腹痛」と回答。少数ではあるが、頭痛や筋肉痛をあげる人もいた。症状が続いた期間としては、「2日以上~4日未満」と答えた人が最も多かった一方で、「4日以上~1週間未満」(14.7%)、「1週間以上」(3.3%)など、長期間苦しめられた人も少なからずみられた。さらに、ノロウイルスに感染してつらかったことについて自由回答で答えてもらったところ、「トイレから離れられない」という内容の回答が目立った。「胃の中に何もなくなっても吐き気が止まらずトイレから離れられなかった」(25歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)など、離れられない事情から症状の重さがうかがい知れる結果となった。また、「家族全員でおう吐下痢の症状があり、きつかった」(31歳女性/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)という回答があった一方、1人暮らしで症状に対処する大変さを訴える人もいた。これらのエピソードに加えて、やはり多かったのが「症状自体のつらさ」に関する回答だ。複数の症状が同時に発症したり、これらの症状が派生して痔(じ)や脱水症状になったりする人もいた。厚生労働省によれば、現在ノロウイルスに効果のある抗ウイルス剤はなく、発症した場合、水分と栄養の補給を十分に行って回復を待つしかないとのこと。脱水症状がひどい場合には病院で輸液を行うなどの治療が必要になるという。苦しい症状に悩まされることのないよう、手洗いや食品の加熱処理などを徹底し、事前の予防をぜひとも徹底してほしい※写真と本文は関係ありません調査時期: 2015年11月6日~11月13日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 男性122名 女性178名 合計300名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2015年11月17日ライオンはこのほど、ノロウイルスによる食中毒が気になる時期に向け、「正しい手の洗い方」と「適切な手洗いのタイミング」についての情報を公開した。秋から冬にかけてはノロウイルスによる食中毒に注意が必要な時期で、特に今年は新型のノロウイルスが流行する恐れがあるとも言われているという。そこで同社は、ウイルスを体の中に入れないために、普段より丁寧に手を洗うことが重要であるとしている。今回は、同社のヘルスケアマイスター・山岸 理恵子さんが手の汚れについて行った実験の結果を公開した。手を洗った後に残った汚れについて、どの部分に汚れが残りやすいか実験したところ、「指先」「指と指の間」「手首」に汚れが残っていることがわかった。手洗い時間(自己申告)について聞くと、30秒以上かけて手を洗っている人は、小学生が28.4%、中学生が14.9%、保護者(大人)が10.6%だった。山岸さんによると、手洗いを正しく行うと、泡を立てた後から洗い流す前までの工程だけで最低でも30秒はかかるという。「洗い残しを防ぐためにも、正しい手の洗い方を覚えて実践することが大切です」。正しい手洗いのポイントは「こすること」「ねじること」だという。まず、時計や指輪を外してから手をぬらし、石けんやハンドソープをあわ立て、手のひらをこすって洗う。続いて手の甲もこすって洗い、指の間は両手を組むようにこすり合わせて洗っていく。親指は反対の手で、手首も同様に反対の手でねじるようにして洗う。指先や爪の間は、手のひらの上で指先をこするようにするのがコツとのこと。そして、流水で石けんやハンドソープの汚れを十分に落とし、乾いた清潔なタオルで拭き取る。続いて、通勤後の手を水だけで洗ったときとハンドソープで洗ったときの汚れを比較した。その結果、水だけでは十分に汚れが落ちていないことがわかった。「石けんやハンドソープの洗浄成分である界面活性剤には、汚れを包みこんで手から引き離す働きがあります。界面活性剤自体にはノロウイルスを直接失活する効果はありませんが、ウイルスを手指から洗い流して体の中への侵入を防ぐ効果が期待できます」。泡と泡のすき間には汚れを吸い寄せる作用があるため、ソープはよく泡立てることが大切とのこと。また、ノロウイルス対策として重要な手洗いのタイミングについても解説した。適切なタイミングは「調理を行う前後」「食事の前」「トイレに行った後」「下痢等の患者の汚物処理やオムツ交換等を行った後」。さらに「外出から帰った後」「動物に触った後」「咳・くしゃみを手でおさえた後」の手洗いも大切であるとアドバイスしている。
2015年10月13日アシストは9月17日、標的型攻撃への対策を支援するために内部対策を重視した各種の施策を「標的型攻撃対策ソリューション」として体系化し、提供開始した。具体的には、マルウェアの侵入の予兆や状況の把握のため定期的なモニタリングを実施する「BlackDomainSensor」、内部対策として、特権IDを奪取されたとしてもデータを持ち出させず持ち出されても意味が無いようにするための多重対策として「マルウェア遮断ソリューション」「ダブルブラウザソリューション」「特権ID管理ソリューション」「ファイルサーバ情報漏洩防止ソリューション」の全5ソリューションを展開する。このうち、「マルウェア遮断ソリューション」は2015年10月に新設予定であり、「ダブルブラウザソリューション」は同月に機能強化版を提供開始する予定だ。BlackDomainSensorはセキュリティ・ログ分析エンジンを使い、インターネットのアクセス・ログとC&Cサーバのリストを突合せた結果と、Active Directoryに特権IDを模したトラップ・アカウントを仕掛け、おとりに引っ掛かったマルウェアの認証失敗ログを抽出したレポートを出力する。マルウェアによるC&Cサーバへ通信している端末の発見や、マルウェアによる特権ID奪取の挙動の発見に有効という。マルウェア遮断ソリューションは2015年10月に新設予定であり、マルウェアが侵入している可能性のある端末をネットワークから遮断する。遮断は管理者がリモートから実施可能。該当端末のC&Cサーバへの不正な通信のブロックや、データの不正な持ち出し・侵害拡大の防止に有効としている。ダブルブラウザソリューションは、インターネット・アクセス用のブラウザを仮想環境で提供し、業務用端末から外部へのインターネット・アクセス(HTTP通信)を禁止させ、業務用端末のインターネット・アクセスを分離する。なお、2015年10月に機能強化版のリリースを予定している。同ソリューションにより、マルウェアが侵入したとしても、標的型攻撃の出口となるC&Cサーバとのインターネット・アクセスを禁止することで攻撃を無効化できるとのこと。特権IDはワークフローにて申請を行い、承認を受けた場合のみ利用できるように制御する。また、重要サーバへはワークフロー経由の自動ログインのみを許可し、自動ログイン以外のローカル・ログインなどは全て禁止する。同ソリューションにより、ワークフローを経由しない重要サーバへのログインを一切禁止することで、万が一標的型攻撃によって特権IDを奪取された場合でも、不正なアクセスを防止できるという。ファイルサーバ情報漏洩防止ソリューションは、ファイル・サーバのデータを暗号化し、Windowsのアクセス権限とは別に独自のアクセス権を設定。また、ファイル・サーバに対してアクセスできるのは、専用クライアントを導入している端末のみに限定する。同ソリューションでは、独自のアクセス権限設定により専用端末以外からのデータ持ち出しを防止すると共に、Windowsの特権IDを奪取された際もデータの持ち出しリスクを軽減できるという。また標的型攻撃によりデータが直接持ち出された際も、データは暗号化された状態を維持するとのこと。
2015年09月18日トレンドマイクロは9月1日、みずほ銀行のシステム設計・開発を担うみずほ情報総研に、ロックダウン型のウイルス対策ソフト「Trend Micro Safe Lock(TMSL)」を導入したと発表した。みずほ銀行の全国4カ所の電算センター内にある基礎勘定系システムの専用端末約170台に対するセキュリティ対策製品として活用する。ロックダウン型とは、システムの機能制限、リソース制御やアクセス制御などにより、特定の用途にのみシステムを使用できるようにすること。みずほ銀行とみずほ情報総研では、セキュリティ対策指針に準拠するセキュリティ対策製品としてTMSLの採用を検討。未知の脅威への対策ができること、パターンファイルがなくなることにより事前の動作検証、各端末への適用といった作業が不要になることなどが導入の決め手となったという。
2015年09月02日IPAは、コンピュータウイルスや不正プログラムの状況分析から、「今月の呼びかけ」を発表している。今月は、そのWebサイトを閲覧すると、日本語音声でウイルスに感染したことを警告し、偽のウイルス対策をするように促される。このような手口は、初めてであり、騙されてしまうことが少なくないと、IPAでは注意喚起している。これまで、音声を使った詐欺的な行為は、スマホでカメラのシャッター音を使い、いかにも本人を撮影し、個人を特定できたかのように振る舞うものが存在した。しかし、今回は日本語を使い、ウイルスの感染を警告する内容を読み上げる。ちなみに声は女性であった。その内容であるが、以下の通りである。警告あなたのコンピュータでウイルスが検出されました。ただちに提供された番号に電話していただくと、あなたのコンピュータ上のアドウェア、スパイウェア、ウイルス除去のためにガイドされます。このメッセージが表示されたということは、あなたの個人情報、写真、パスワードやクレジットカード情報が危険にさらされているということです。提供された電話番号に連絡していただけるまでは、インターネットの使用、Webサイトにログインすることや、オンライン上での商品の購入はなさらないでください。文面は、かなり日本語に精通した人が作成したと思われるレベルである。しかし、「ガイドされます」のように不審を感じ得ない部分もある。また、実際に音声を聞いた印象であるが、完全なネイティブとは思えない印象であった。このことから、海外の攻撃者が、明確に日本人を狙った攻撃といえるだろう。IPAに寄せられた相談内容によると、「PCサポート」といったWebサイトのアクセスしたところ、音声データが不意に再生されたとのことである。その詐欺サイトへは、広告バナーのクリックやリダイレクトによるものとIPAでは指摘する。音声を再生するのは、BGMなどと同じ仕組みである。その詐欺サイト閲覧したら、ウイルス感染などを調べることなく、無条件で警告音声を再生するようになっていた。警告音声にあったように、表示されたメッセージにある電話番号に電話をかけるように薦められる。このような手口に遭遇したことのないユーザーの中には、不安から電話をしてしまったユーザーもいたとのことである。そして、電話では遠隔サポートによるウイルス駆除を行うので、指定された遠隔操作ソフトのインストールを行うように告げられたとのことである。実際に、遠隔操作ソフトをインストールすると、なんらかの遠隔操作が行われた。その後、有償のセキュリティ対策ソフトの購入を促された。IPAでは、遠隔操作ソフトは速やかにアンインストールするように推奨した。有償のセキュリティ対策ソフトは断ればすむ。しかし、IPAではもっとも確実なのは、このような誘いに乗らず、指定された電話番号に決して電話をかけないこととしている。そして、IPAでは、日頃からのセキュリティ対策こそが重要と注意喚起する。脆弱性の解消、正しいセキュリティ対策ソフトの導入、地味であるが確実な対策となる。それを決して忘れないでほしい。その一方で、筆者が脅威に感じるのは新たな手口を考え、攻撃を仕掛ける攻撃者である。ウイルスや不正プログラムなどに大きな変化はない。それ以上に巧妙化しているのは、ドラマ性であったり、危機感を煽る演出、注力を働かせないようにする工夫である。個人データを入力するまえに、重要な判断をするまえに、今一度、振り返ってみることがいかに重要か。改めて思い知らされた事例であった。
2015年08月04日●ウイルスバスタークラウド10と太田雄貴選手トレンドマイクロは、ウイルスバスタークラウドの新バージョンとフェンシングの太田雄貴選手とのスポンサー契約を発表した。○太田雄貴選手とのスポンサー契約太田選手であるが、北京五輪にて日本フェンシング界の初のメダル(銀)の獲得、ロンドン五輪では団体銀メダル、2015年の世界選手権で金メダルを獲得したことで知られる。今回、トレンドマイクロ社が太田選手とのスポンサー契約を結ぶにあたって、代表取締役社長兼CEOのエバ・チェン氏は以下のように語った。フェンシングの名前は「FENCE(守る・囲い)」から生まれたもので、相手の攻撃からの防御、変化する相手の攻撃に対応する戦略性などが重視される。この発想は、トレンドマイクロの脅威からの防御、そしてさまざまな手法で攻撃を仕掛ける攻撃者に対応する姿勢と一致する部分がある。そして、各種大会での立派な成績もさることながら、小学生のフェンシング大会の企画・プロデュースなども手掛け、若い選手への育成にも力を注いでいる。こういった活動を高く評価すると、エバ氏は語っていた。さらに、エバ氏自身が、フェンシングが大好きであることも、スポンサー契約の理由の1つとのことである。エバ氏は、コーチからつねに早く、集中力を高め、相手の攻撃を予測できなければならないと教わった。トレンドマイクロの驚異対策も同じで、いかに早く驚異への対策を講じ、未知の脅威への対策と同じ姿勢が求められる。トレンドマイクロでは、太田選手のスポンサーとしてさらなる活躍と成長を支援するとともに、次世代選手育成キャンプなどの支援を継続し、グローバルに活躍する人材の育成の協力に取り組む予定とのことである。太田選手は、この場に立てることをとても感謝しているという言葉から挨拶が始まった。太田選手もトレンドマイクロが大切にしているフェンスとフェンシングには、とても似通ったものがある。相手の先の攻撃を予測して防御する点も、トレンドマイクロの思想とフェンシングが共感していると思うと語った。東京五輪が開催される2020年のセキュリティについて尋ねられると、インターネットと実社会は非常に近いものとなっている。それはこの先もより加速していくだろう。5年後、もっともっと近い存在となっていくがゆえに、ウイルスの脅威も増大していくのではないかと答えた。2020年には、ウイルスバスターに守ってもらいながら、次世代のアスリートを育成し、もしかしたら自分もチャンスがあれば、五輪にチャレンジしたいと夢を語っていた。○ウイルスバスタークラウド10必要な10理由続いて、ウイルスバスタークラウド10の発表となった。まずは、エバ氏がウイルスバスタークラウド10が必要な10の理由を披露した。以下の通りである。SNSWeb閲覧ネットバンキングネットショッピング動画視聴仕事遊び共有通信学習たとえば、共有ではOneDriveが、Windows 10の登場でより普及が進むと予想される。そこで、ウイルスバスター10では、クラウドストレージのスキャン機能が搭載された。実際にデモが行われ、CPU負荷がほとんどかからないことが示された。このように、新しいOSによる新しい環境や利用形態に沿ったものとなっていることを強調していた。○トレンドマイクロのコンシューマビジネス次いで登壇したのは、取締役副社長の大三川彰彦氏である。まず、トレンドマイクロが27年間貫き通したビジョンの「デジタルインフォメーションを安全に交換できる世界実現」、そしてミッションとして「お客様のデジタルライフやITインフラを脅威から守る」を再確認した。そして、環境の変化についてふれた(図3)。多くのユーザがPC以外にもスマホなど複数のデバイスを持つ、平均的には1人で3.5台になる。しかし、PCのセキュリティ対策はしても、スマホなどの対策があまり行われていない。次に、クラウドサービスが普及する一方で、セキュリティへの懸念が拡大している。また、トレンドマイクロのデジタルライフサポートの利用者も急増している。これは、複雑化するデバイスの設定がわからない。警告が表示されたが、どう対応していいかわからないといったものである。実際にサポートで、何が起きているかを確認するだけで、30分もの時間を費やしてしまうこともあるとのことだ。こういった問題を解決するために開発されたのが、ウイルスバスタークラウド10である。以下では、個々の新製品の新機能などを見ていこう。●ウイルスバスタークラウド10/モバイルの新機能○ウイルスバスタークラウド10の新機能など製品紹介は、マーケティング本部プロダクトマネジメント部の石橋達司氏である。まずは、PC用の製品である。新機能などは図6の通りである。Windows、Mac以外にも、Android、iOS、Kindle Fireなどにも対応する。クラウドストレージスキャンであるが、図7を見てほしい。ユーザのPCを介さずに直接スキャンを行う。現状、対応するのはOneDriveのみであるが、Microsoftから提供されるAPIを利用してスキャンが行われるとのことだ。そして、デジタルライフサポートプレミアムであるが、特徴的なのはユーザ側にサポートツールをインストールすることで、ユーザの環境を直接サポートが知ることができる。OSなどの情報はもちろん、今、ユーザの画面で何が起きているかを把握できる(図8では、怪しげなポップアップが表示されているが、それもモニタ可能だ)。さらには、サポートからコントロールパネルを開くといった操作も可能になる。障害のより詳しい把握、サポート時間の削減などが期待できるだろう。一方、Windows 10の新ブラウザEdgeでは、一部の機能(ブラウザガード、リンクの安全性表示)はサポートされない(現時点では対応次期は未定とのことだ)。○ウイルスバスターモバイルの新機能などAndroidなどのモバイルデバイス向けのセキュリティ製品が、ウイルスバスターモバイルである。今回の新機能などは、図9の通りである。オンラインバンキングなどでの安全性の向上が期待できる機能が追加された。図10は、偽アプリを検出そたこの対象であるが、国内の主要銀行でオンラインバンキング用のアプリを提供する銀行を対象としている。トレンドマイクロでは、この仕組みを作る前に存在するアプリにスキャンを実行し、問題があれば銀行に連絡をとったとのことである。新バージョンへの対策であるが、すでにチェックが終わったアプリは定期的に確認をしている。新たなアプリについては、一定間隔で確認を行うとのことである。大三川氏のマルチデバイスの普及に関して、平均3.5台という数字をあげていた。今回の標準パッケージでは、3台までのデバイスが利用可能である。しかし、家族のすべてのデバイスに対応できない。そこで、トレンドマイクロでは、OKAERIという月額制のサービスも提供している(台数無制限)。状況によっては、こちらも検討したい。
2015年07月27日アイ・オー・データ機器は6月8日、スティック型PC「インテル Compute Stick」に、オリジナル特典としてウイルス対策ソフトライセンスを1年間追加すると発表した。6月中旬に出荷が開始されるスティック型PC「インテル Compute Stick」のアイ・オー・データ機器オリジナル特典として、「McAfee AntiVirus Plus」の1年ライセンスが付属する。インテル標準では「McAfee AntiVirus Plus」を6カ月使用できるため、オリジナル特典と合わせると合計1年半の期間、「McAfee AntiVirus Plus」を利用可能だ。対象機種は、「インテル Compute Stick」(CSTK-32W)、液晶ディスプレイセット(CSTK-32W/D)、オールインワンセット(CSTK-32W/WD)、有線キーボード・マウス、ハブセット(CSTK-32W/LHK)、ワイヤレスキーボード・マウスセット(CSTK-32W/W)、タッチパッド付キーボードセット(CSTK-32W/T)の6モデルだ。いずれも価格はオープン。直販価格はCSTK-32Wが22,140円、CSTK-32W/Dが48,600円、CSTK-32W/WDが52,380円、CSTK-32W/LHKが25,920円、CSTK-32W/Wが24,840円、CSTK-32W/Tが24,840円(いずれも税込)。
2015年06月08日情報処理推進機構(IPA)は6月2日、「【注意喚起】ウイルス感染を想定したセキュリティ対策と運用管理を:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構」において、サイバー攻撃は年々巧妙になっており、重要な業務や機密情報を保護する対策を実施する際は、ウイルスに感染したことも想定したうえで多重防御を実施してほしいと呼びかけた。IPAは多重防御の管理・運用のポイントとして次のような項目を挙げている。ソフトウェアを最新版へ更新する作業を習慣化するとともに徹底するセキュリティソフトウェアの導入メールの添付ファイルのブロックの実施Webフィルタリングの実施セキュリティ脅威の内容を教育によって伝える標的型攻撃などを受けたことを想定した訓練の実施一般端末と重要業務システムの分離の実施部署などの業務単位でのネットワークの分離の実施共有フォルダアクセス権の適切な設定データの暗号化やパスワードによる保護の実施有事の際に迅速に対応できるように体制を整備本来はウイルスに感染しないことが望まれるが、多くの人材が活動する企業において、すべての従業員をウイルスから100%保護することはなかなか難しい。したがって、ウイルスへの感染を前提とした仕組みを確立しておくことは、被害を最小限に抑えるうえで有益と言える。
2015年06月04日アクト・ツーは5月26日、未知のウイルスからPCを守るアンチウイルスソフト「DeP(ディフェンスプラットフォーム HomeEdition)」の無償版を一斉配布すると発表した。「DeP(Defense Platform)」は、ウイルスをAPIで察知・捕捉し対処する。新型ウイルスの侵入も阻止する「情報漏洩対策」として開発された技術を搭載している。アクト・ツーによると、日本は先進国の中でもホワイトリスト型セキュリティソフトの導入が遅れているという。そのため、開発元であるハミングヘッズの全面協力の下、日本国内での認知度と普及を促進するために、無償版の配布を決めたという。また、米国でも同日に無償版の提供を開始する。日本国内で900社以上が導入する「メイドインジャパン」の技術を米国市場でも本格的に普及させることを目的としており、米国版「DeP」は「SHINOBI」という名称で提供される。使用期間に期限はないが、利用者側で操作できるリスト項目数は1000個(有償版は無制限)までに限定される。
2015年05月27日不正送金や遠隔操作など個人、法人を問わず様々なウイルスやマルウェアの被害を受ける可能性が高まるなか、家庭でもすぐに実現できる強固なセキュリティ環境の構築方法について識者らによる解説が行われたのが、去る3月15日(日)に東京・秋葉原で開催されたセミナー「あなたのPCは安全?動作が重い?自宅でもできる次世代セキュリティ対策 ― DefensePlatform書籍出版記念セミナー ―」だ。このセミナーの講演でハミングヘッズの顧問 石津広也氏は、「これまでできなかった防御を可能にする純国産セキュリティ」をテーマに、アンチウイルスソフトを中心としたこれまでのセキュリティ対策では難しかった未知の脅威からPCを守る方策を「DefensePlatform」の解説を通して披露した。その模様をレポートする。○アンチウイルスソフトの限界と現在進行形の新たな脅威創業15年の技術ベンチャーで、純国産のセキュリティソフトメーカーであるハミングヘッズ。その最大の強みは、WindowsAPI監視に関する特許を有しており、プログラムに不正動作をさせない技術を製品に実装できる点にある。Windows上で動くソフトウェアはすべてAPIを使用するため、そこを監視できれば、ソフトウェアの挙動を完全に把握し、そしてコントロールすることが可能となるのである。こうした極めて優位性の高い独自技術を背景に、同社の情報漏えい対策製品は電力、金融、官公庁といった機密性の高いシステムを扱う企業や組織を中心に約900社もの導入実績を誇る。24時間365日、サービスを停止させることが許されない重要インフラ企業でも十数年にわたって使われ続けており、そのような信頼性の高いコア技術をベースに標的型攻撃対策製品として開発されたのが「DefensePlatform」である。石津氏は、「これまでいくつものセキュリティ対策製品が守れなかった脅威であっても確実に守れるように開発したのが『DefencePlatform』です」と語る。ここで同氏は、昨今の脅威の深刻さを端的に示すマルウェア被害の実例を2つ紹介した。1つは、2013年12月に米国小売大手T社で、2014年9月には米国小売大手H社で発生した情報漏えい事件である。どちらの事件も同じ手法でPOSネットワークが攻撃され、クレジットカードなどの情報が盗み出された。その被害件数は前者が7千万件、後者が最大6千万件に及ぶ。いずれの攻撃にも同じマルウェアが使われているが、T社の事件を知っていたH社も情報漏えいを防ぐことはできなかった。もちろん、アンチウイルスソフトやIPSなど一般的なセキュリティ対策は実施済みだ。石津氏はこう力説する。「なぜ両社はウイルスに気付かなかったのか? それはアンチウイルスソフトは基本的に、過去に発見されたマルウェアが記されたパターンファイルによって検知を行うため、検知されないよう工夫された新種や亜種への対応が遅れがちであり、また攻撃先が1社の場合はそこで発見されない限りマルウェアの存在に気付くことができないからだ。さらにPOS端末は機能が限定されているために、監視項目がサーバーなどに比べて少なくなりがちなことから、被害に気づきにくい傾向にある」もう1つのマルウェア被害の実例は、昨年より脅威が叫ばれているMITB (マン・イン・ザ・ブラウザー) 攻撃によるインターネットバンキング不正送金である。警察発表によると、昨年この攻撃によって29億1000万円に及ぶ被害が発生しており、そのうち37.3%が法人口座での被害だという。MITB攻撃に用いられるマルウェアは次々と新種亜種が作られるため、やはり既存のアンチウイルスソフトでの検出が困難だ。加えて、通信先が正規の銀行サイトのため、通常のネットワーク監視を行っていても異常を検知しにくい。「つまり、既存のアンチウイルスソフトが効かず、さらにネットワーク監視でも発見できないような攻撃が蔓延していることが、今日のセキュリティの大きな問題なのです」(石津氏)実際、アンチウイルスソフトでは現在流出しているマルウェアの45%しか検出できない、と大手セキュリティベンダーの幹部が発言して波紋を呼んだことは記憶に新しい。○プログラムの「今」の挙動を監視する「DefensePlatform」の実力とは既存のアンチウイルスソフトやネットワーク監視ソリューションが限界に達している中にあって、その限界を突破する新たなソリューションとして登場してきたのが「DefensePlatform」だ。これまでのアンチウイルスソフトは、前述のように過去に発見されたマルウェアと突き合わせて検知を行うという、過去の事例に依存する方式を採用している。「ビルの管理にたとえるならば、入り口に警備員が立っていて、来訪者と犯罪者リストを照らしあわせ、リストになければ通すということになります。これでは、もしリストに記載されてない悪意を持つ人間がいたとしても入り放題となってしまう。それがパターンファイルの限界なのです」(石津氏)対して「DefensePlatform」の仕組みは、Windows内部のプログラムの動作を監視し、プログラムが自動で破壊・改ざん・漏えいしようとする動きを制止するというものだ。そのため、マルウェアが新種であろうと亜種であろうと (さらにはたとえ正規のプログラムであろうと) 一定の疑わしい動作をすればそれを見つけて止めることができるのである。「ビルの監視で言えば、ビル内の人々の行動を監視していて、悪いことをしたら即座に捕まえるということ」と、石津氏は表現している。○ホワイトリスト方式のセキュリティを支援する豊富な機能現在は、毎日20万件ものマルウェアが新たに登場していると言われており、もはやアンチウイルスソフトのように過去のデータと突き合わせる「ブラックリスト方式」では脅威を防ぐことはできない。「DefensePlatform」のように、あらかじめ許可したプログラムだけに動作を認める「ホワイトリスト方式」への発想の転換が切実に求められているのだ。とはいえ、これまでにあったホワイトリスト型と言われるセキュリティ製品は、使うアプリケーションをすべて把握して登録設定が必要となり、実用性の面で問題があるといった事例が多数あった。しかし「DefensePlatform」の場合、WindowsのOS本体や国内企業でよく使用されているビジネスアプリケーションはあらかじめホワイトリストに登録済みなので、基本設定だけで高度なセキュリティを実現することができるのである。さらに、新たにアプリケーションをホワイトリストに追加登録する際も、ダイアログのボタンで簡単に行えるようになっている。また、アプリケーションごとに「他のユーザーがどのような選択をしたのか」という情報が、グラフなど視覚的に提示されるため、判断に迷った際の参考になる。他にも、端末に負荷がかかるスキャンが一切不要であるため、性能が不足しがちなタブレット端末でも快適に使用できる点も特筆に値する。「これまでできなかった対策ができるようになる反面、カバーできない部分も存在します。UTMなど他のセキュリティ製品と組み合わせることで、本当の意味で安心できるWindows環境を作っていける製品だと自負しています。Webサイトでは評価版も用意しているので、ぜひその効果を実感してください」──石津氏は会場に向けてこう訴えかけ、セッションを閉じた。なお、「DefensePlatform」を活用した家庭でのセキュリティ環境構築方法の詳細については、今回のセミナーの題材となった書籍(マイナビムック)「PCセキュリティ“超” 向・上・計・画」を参照するといいだろう。
2015年03月27日○定義ファイルベースのウイルス対策がなぜ“限界”に来ているのか?ここ数年、国内外そして組織の規模を問わず情報セキュリティ侵害事件が相次いでおり、一向に減る傾向にない。そして厄介なことに、標的型攻撃に代表されるようにサイバー攻撃の手法はますます高度化/複雑化が進んでおり、企業は常に新たな脅威に合わせた対策が迫られているのである。もしそうした対策を怠れば、深刻な情報漏えい事件などを引き起こし、信頼の失墜や莫大な補償コストの発生といった、企業にとって致命的なダメージを被りかねない。こうしたなか、多くの企業で行われている一般的な対策としては、アンチウイルスやIDS、IPS、UTMなどの活用が挙げられる。しかし、これらの対策は確かに必要ではあるが、最新の脅威を完全に防ぐことはできないという事実を忘れてはならない。ITソリューションの販売やサポートを手がけるアクト・ツーの代表取締役社長、加藤幹也氏は、「特にアンチウイルスに関しては、時代を追うごとに最新のウイルス/マルウェアの侵入を防ぐことが難しくなっています」と警鐘を鳴らす。その最大の理由として挙げられるのが、ゼロデイ攻撃(発見されたばかりで対策が行われていないOSやシステム等の脆弱性を突く攻撃)やステルス化(アンチウイルスソフトなどで検知されないよう一定の環境でしか動作しないようにすること)が進んでいることだ。なぜならば、これまでのほとんどのセキュリティソフトの場合、すでに発見されたウイルスに対する防御は可能であっても、どこにも発見されていない未知のウイルスが動き出した場合には、無防備といってもいい状態になっているからである。その理由は、従来のアンチウイルス/アンチマルウェア製品のほとんどすべてが、定義ファイル(既知のマルウェアの情報が集約されたリスト)をベースとした「パターンマッチング方式」を採用しているからだ。リストを元にウイルスを検知するというこの方式では、リストにはないウイルスの場合は何もせずに通してしまうのである。しかも現在、ウイルスやマルウェアの総数は5億個を超えていると言われている。そうなると、アンチウイルスソフトは定義ファイルに記された5億個ものリストと都度照合しなければならなくなり、CPUへの負荷も年々増大する一方となっているのだ。「近年では、こうした定義ファイルの更新が追いつかないほどに、ウイルスやマルウェアの発生速度が速く亜種も次々とつくられています。セキュリティベンダーがゼロデイ攻撃を認識し、その内容が定義ファイルに反映されるまでの期間も、感染リスクが非常に高まっていることを十分認識していただきたい」(加藤氏)○「ホワイトリスト」+「API監視」という最適解定義ファイルをベースにその都度照合するという従来のセキュリティソフトの手法は「ブラックリスト型」と呼ぶことができるだろう。これに対して、先述したようなブラックリスト型の欠点をすべて克服し、既知はもちろんのこと未知のウイルス/マルウェアであっても100%検知してブロックできる手法となるのが、「ホワイトリスト型」なのである。ホワイトリストとはどのようなものか、加藤氏は次のように説明する。「会社の受付をイメージしていただくとわかりやすいでしょう。多くの会社では、あらかじめその日の来訪者が決まっていて、来訪予定者が記載されたリストを受付に渡し、リストに名前があれば『どうぞ』と通すのではないでしょうか。そしてもしリストにない来訪者であれば、訪問先に確認しますよね。この来訪者リストこそが、ホワイトリストなんです。対してブラックリストは、過去の犯罪者リストと言っていいでしょう。来訪者が来る度にいちいちそのようなものと照らしあわせていたのでは、とても仕事はまわりませんよね。それに、犯罪歴はないけれども何か悪意を持った訪問者がいても通してしまうので、すべての犯罪を防ぐことはできないでしょう」あらかじめ許可されたものだけを通し、それ以外は一旦拒否して確認する。このホワイトリスト型の手法を、ウイルス/マルウェア対策、さらにはハッキング対策にまで応用したソリューションが、ハミングヘッズが開発しアクト・ツーが販売・サポートを手がける「Defense Platform」である。Defense Platformは、定義ファイルと比較するブラックリスト型のセキュリティ方式ではなく、「API」監視によるホワイトリスト型方式を採用している点が最大の特徴となっている。ウイルスやマルウェアを含めて、あらゆるプログラムはOSのAPIを利用するが、Defense PlatformではウイルスがこのAPIを利用した際に割り込み、被害が出る直前にブロックするのである。ブロックするのは、ホワイトリスト(=許可されたプログラムや挙動のリスト)にはないすべてであるため、ウイルスやハッキング行為を100%捕捉することができるのだ。「どんなマルウェアやハッキングの手口もすべてAPIをコールします。つまりAPIとは、善人も悪人も必ず通らねばならない関所のようなところです。Defense Platformは常にそこを監視し、リストに存在しない場合は通しませんので、誤検知はあり得ません」と、加藤氏は強調する。ホワイトリスト型のセキュリティ製品はDefense Platform以外にも存在するものの、APIを監視するわけではない。そのため、どうしても「裏口」や「抜け道」が発生してしまうのである。いまなぜホワイトリスト型のセキュリティ対策が必要なのか、そしてホワイトリストとAPI監視を組み合わせたDefense Platformの特徴についておわかりいただけただろうか。次回では、Defense Platformの生い立ちや詳細な機能と、アクト・ツーがこの画期的な製品に着目し販売サポートを引き受けるに至った経緯などについて紹介する。
2015年02月27日ニフティは2月3日、@nifty会員向けサービスとして、各端末にウイルスソフトをインストールすることなく、同社の「@niftyセキュリティセンター」にてウイルススキャンを行い、ネットワークに接続された機器の通信に対してセキュリティ機能を提供する「スマートサーブセキュリティ機能」を備えた「常時安全セキュリティ24プラス」の提供を、同日より開始した。同社では2003年より、3つの端末までウイルス対策ソフトをインストールできる「常時安全セキュリティ24」を提供しているが、セキュリティソフトがインストールされていない端末は保護できないという課題があった。「常時安全セキュリティ24プラス」では、この課題を解決するため、IoT時代を見据え、セキュリティソフトがインストールされていないネットワークカメラやゲーム機、スマートデバイスにも対応する(HTTP通信、SMTP通信、POP通信が対象)「スマートサーブセキュリティ機能」を追加した。月額料金は従来と同じ500円だが、別途初期費用が5000円必要(いずれも税別)。「スマートサーブセキュリティ機能」では、インターネット接続する際、「@niftyセキュリティセンター」を経由し、ここでウイルススキャンを行う。そのため、「@niftyセキュリティセンター」経由でインターネットにアクセスされるデータに関しては、端末を問わず防御できる。この機能は、同社が従来から提供していたスマートサーブ機能を活用したもの。スマートサーブは、自宅のネットワーク(LAN)に接続された機器を外出先から操作できるネットワークサービスだ。「@niftyセキュリティセンター」と自宅間はVPNで接続することにより、安全性を担保する。そのため、自宅のVPN端末としてスマートサーブ機能も合わせ持ったサービスアダプタ(NV900W)を設置する必要がある。初期費用の5,000円はこの端末代だ。サービスアダプターは、ルータ機能も備え、無線LANも利用できる。なお、「スマートサーブセキュリティ機能」は台数の制限はなく、サービスアダプター配下の端末はすべて保護される。また、「スマートサーブセキュリティ機能」として、2015年2月25日から「@niftyセキュリティセンター」にて「安全評価機能」も提供する。この機能はサービスアダプターの配下の機器が、詐欺サイトやフィッシングサイトなどの悪質なサイトに接続されることを防ぐ機能。ウイルススキャンおよび「安全評価機能」はシマンテックのウイルススキャンエンジン「Symantec Protection Engine」と、悪質な活動の発生源、新種の脅威などに関する情報を提供する情報サービス「DeepSight Datafeed」を活用している。シマンテックによれば、「DeepSight Datafeed」を利用したサービス提供は国内初だという。なお、同社ではサービス開始を記念して、2015年3月31日までに「常時安全セキュリティ24プラス」に申し込んだ場合、初期費用を無料にするキャンペーンを実施する。
2015年02月03日トレンドマイクロは、ロックダウン型ウイルス対策ソフトの新バージョン「Trend Micro Safe Lock(TMSL)2.0」の提供を1月26日より開始すると発表した。TMSLは、システムの特定用途化(ロックダウン)により、不正プログラムの侵入・実行を防止するウイルス対策ソフト。パターンファイルが要らず、大容量のパターンファイル読み込みやウイルス検索によるシステムパフォーマンスの低下がない。そのため、安定稼働が重視される制御システム(組立工場の生産ラインなど)や組込機器(ATM、POS、工作機械、分析装置、デジタルサイネージなど)といった特定用途端末、クローズド環境にある端末などを効果的に保護できるという。また、脆弱性攻撃対策機能も搭載しており、USBなどの外部記憶媒体やネットワークなどを介して行われる脆弱性を利用した攻撃や、 実行中のプロセスに対する攻撃を防止。このように、未知の脅威や脆弱性攻撃からも端末を多層的に守ることができるため、新たな脆弱性などへの修正プログラムが提供されないサポート切れOSなどいわゆるレガシーOS搭載端末のセキュリティ対策としても有効となる。新バージョンでは、セキュリティの運用を向上させる集中監視、代理ウイルス検索、原因分析などの機能を実装した管理ツール「管理コンソール」と、不正プログラムや誤操作によるファイルの改ざんを防止する「書き込み制御機能」を新たに搭載。これにより保護対象の端末に導入する「エージェント」に搭載し、システムの安定稼働における安全性を向上させる。製品ラインナップおよび参考標準価格は次のとおり。なお、TMSL スタンダード for Client OS / Server OSの新規購入(2015年3月27日同社受注確認分まで)を対象に、同社参考標準価格より20%OFFのキャンペーンを行う。
2015年01月08日嘔吐(おうと)や下痢などのつらい症状が現れるノロウイルス。寒い冬の季節になるとよく耳にするウイルスのひとつだが、どのような特徴があるのだろうか。ライオンのヘルスケアマイスター・山岸理恵子さんに話を伺った。○ノロウイルスの発生時期は近年、ニュースに取り上げられることも多いノロウイルスだが、感染しやすい時期や流行時期はあるのだろうか。「ノロウイルスは、2002年に命名されたウイルスで、それまで一般の人にとっては、単に『おなかの風邪』として認識されることが多かったようです。1年を通じて発生していますが、秋ごろから感染報告が多くなり11月~1月ごろがピークとなります。ノロウイルスは自然界での抵抗力が強く、空気中で長く生きることができます。気温が低くなるとさらに長く生存できるようになるため、冬場に感染した患者が多くなります」。自然界での抵抗力の強さからか、ノロウイルスは集団食中毒の原因となることも多い。気温が低くなってきた時期が、感染に注意したい季節となる。○10~100個のウイルスで感染では、ノロウイルスにはどのような特徴があるのだろうか。「ノロウイルスはウイルスの中でも比較的小さく、空気中に浮遊しやすいです。また、手のシワなどにも入り込みやすいので、丁寧に手洗いしないと残留してしまいます。たった10個から100個のウイルスで感染するとされており、発症後、症状が治まった後も2週間から4週間ほどはウイルスを排出し続けるため、感染が広まりやすいと考えられます」。感染しても症状の出ない場合(不顕性感染)もあり、本人の自覚が無いままウイルスを排出しているケースもあるという。「ノロウイルスは、宿主であるヒトの小腸上皮細胞でのみ増殖します。つまり、増えるのはヒトの体内のみで、食べ物の中などでは増えません。そのため培養して特性をつかむことも難しく、類似の代替えウイルスによる研究がされています」。培養が難しいウイルスの場合、ウイルスを分離して特定することも困難となるため、食品中のノロウイルスを検出することが難しい。そのことが、食中毒の感染経路や原因の究明をより難しくしているという。○感染はほとんどが経口感染自然界での強い抵抗力をもつノロウイルスだが、ヒトへの感染経路は限られるという。「ノロウイルスはほとんどが経口感染で、予防には口からウイルスを入れないことが大切です。『手洗いをきちんとする』『加熱された食材を摂(と)る』などを心がけることで、感染のリスクは減らすことができます。また、体力のある人は軽症で済む場合も多いので、普段から免疫力の高い、健康的な生活を心がけておくことも大切です」。万一感染しても、より軽症で済ませるためには普段の生活で免疫力や体力をつけておくことが肝要。栄養のある食事、適度な運動などでノロウイルスに負けない体作りもしておきたい。写真と本文は関係ありません○取材協力: ライオン ヘルスケアマイスター・山岸理恵子さんボディーソープほか、スキンケア商品の開発に長年携わった後、現在のヘルスケアマイスターとなる。商品開発の経験を生かし、主にライオン快適生活研究所にて健康で快適な暮らしのための情報発信に尽力している。
2014年12月10日東京大学と科学技術振興機構(JST)は11月21日、インフルエンザウイルスの増殖に関わる約300個の宿主タンパク質の同定し、それぞれのウイルス増殖サイクルにおける作用を決定することに成功したと発表した。同成果は同大学医科学研究所の河岡義裕 教授と渡邉登喜子 特任准教授らによるもので、11月20日付け(現地時間)の米科学雑誌「Cell Host and Microbe」オンライン版に掲載された。現在、インフルエンザの治療薬としてタミフルなどの抗ウイルス薬が使われているが、それらの薬剤は特定のウイルスタンパク質の働きを抑えるため、遺伝子の変異によって薬が効きにくくなる耐性ウイルスが発生してしまう危険性がある。そのため、ウイルスのタンパク質に作用せずにウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬の開発が求められている。ウイルスは宿主細胞内のたんぱく質の働きを利用して増殖するため、宿主細胞のタンパク質とウイルスの相互作用を抑える薬剤があれば、有効なインフルエンザ治療薬となる可能性がある。同研究グループは、インフルエンザウイルスタンパク質と結合するヒトタンパク質(宿主因子)を網羅的に探索。その結果、11種類のインフルエンザウイルスタンパク質と相互作用する1292個の宿主因子を同定した。次に、それらの宿主因子がインフルエンザウイルスの増殖とどのように関係しているのかを調べたところ、ウイルスの増殖効率に影響を与える323個の宿主因子を同定した。また、それらの宿主因子の機能を阻害する薬剤が抗ウイルス薬として有効であるかどうかを検討した結果、いくつかの薬剤に抗ウイルス効果があることが確認された。今回得られた成果は、インフルエンザウイルスの増殖や感染のメカニズムを明らかにするために有用であるとともに、インフルエンザ治療薬開発の重要なターゲットになると期待される。
2014年11月21日富士フイルムは10月20日、エボラ出血熱患者への投与拡大に備え、抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠200mg」(一般名:ファビピラビル)をエボラ出血熱対策として海外での使用を目的とした追加生産を決定したと発表した。「アビガン錠」は、同社グループの富山化学工業が開発した抗インフルエンザウイルス薬で、エボラウイルスに対して抗ウイルス効果を有するというマウス実験の結果が公表されている。これまで、緊急搬送先の政府機関および医療機関の要請を受け、フランス人女性看護師、ドイツのフランクフルト大学病院に搬送されたウガンダ人のエボラ出血熱患者に投与されている。フランス政府とギニア政府が11月中旬より開始予定のギニアでエボラ出血熱に対する「アビガン錠」の臨床試験に対し、同社は「アビガン錠」と薬剤情報提供の要請を受け、フランス、ギニア、日本の関連当局と連携し協力するという。同社は現時点で、2万人分の錠剤を有し、原薬としてさらに30万人分程度の在庫を保有しているが、今後、さらなる臨床使用が進む場合に備え、エボラ出血熱向けとしての「アビガン錠」の生産を11月中旬より行う。
2014年10月21日毎年、12月頃に猛威をふるう「ノロウイルス」。下痢や嘔吐(おうと)を引き起こし、8人に1人が感染しているという推計もある恐怖のウイルスだ。予防方法はいくつかあるが、先ごろノロウイルス対策商品としてにわかに脚光を浴びた商品がある。その正体とは―。○ウイルス界のフェラーリノロウイルスは主に腸管で増殖し、腸管の粘膜上皮のポンプ機能を破壊することで腹痛、嘔吐(おうと)、水溶性の下痢などの症状を引き起こす。インフルエンザウイルスの3分の1ほどの大きさで、口から10~100個ほど入っただけで感染が成立するとされており、その感染スピードの速さから「ウイルス界のフェラーリ」とも呼ばれている。感染症に詳しい、東京医科大学の松本哲哉微生物学講座主任教授は「ノロウイルスの感染経路としては、食中毒よりもむしろ人から人へとうつるケースが多いことがわかっています。ただし周囲に感染者がおらず、どこで感染したかわからない場合もあります。また、インフルエンザと違って、ノロウイルスの場合はワクチンも治療薬もありません。以前、ノロウイルスに感染した人でも繰り返し感染を起こすので、毎年ノロウイルスへの備えをしておかないといけません」と話す。○救世主の名はラクトフェリン30秒以上の手洗い、食品や調理器具などの加熱といった対策手段がある中、注目されているのが「ラクトフェリン」という成分だ。ラクトフェリンはたんぱく質の一種で、母乳、特に初乳に多く含まれており、赤ちゃんを感染症から守る役目を果たしている。「ラクトフェリンはヒトの免疫力を高める作用と病原体を弱める作用の2つの側面を持っています。その相乗効果がノロウイルスの感染を防ぐと考えられています」。○棚から消えた「森永ラクトフェリンヨーグルト」そのラクトフェリンを配合した商品の中で今最もホットなのは、森永乳業が販売している「森永ラクトフェリンヨーグルト」だろう。今月9日にNHKの番組でノロウイルス対策としてラクトフェリンが紹介された途端、スーパーなどの小売店に消費者が殺到。一部店舗では売り切れ状態になったり、買い占めを防ぐための購入数制限が設けられたりするなどの現象が起こった。森永乳業によると、「今年ならではのノロウイルス対策法」として紹介されたことにより、放送直後(12月9~15日)の森永ラクトフェリンヨーグルトの売り上げは、前年同期間比で770%となっているという。森永乳業は、ラクトフェリンの有効性を科学的にも分析しており、今年9月に461人(平均年齢59.3歳)を対象にした調査結果を発表した。試験では100mgのラクトフェリン含有食品の摂取頻度ごとに6つのグループに分けて、ノロウイルス感染性胃腸炎と思われる症状(腹痛、吐きけ・嘔吐(おうと)、下痢)での医療機関の受診者割合や医師の診断結果などについて調査した。その結果、ノロウイルス感染性胃腸炎と思われる症状で医師の診断を受けた人の割合は、摂取頻度が「ほぼ毎日」の人は「週1回程度」の人に比べて7.1%も減少しており、有意な差が見られた。また、医師からノロウイルスの疑い、または検査でノロウイルス確定と診断された人の割合に関しても有意な差が見られた。摂取頻度が「週1回程度」の人に比べて、「週4~5回」の人で6.1%、「ほぼ毎日」の人で6.5%の減少が確認された。○チーズ200gかラクトフェリン強化商品か松本主任教授は、ラクトフェリンはノロウイルスだけでなく風邪やインフルエンザにも有効かもしれないと話す。「実際、冬の流行期に行われた調査で、ラクトフェリンを摂取していたグループは、ラクトフェリンを摂取していなかったグループと比べて、発熱や鼻水など感染症の症状の発症率が有意に低かったという結果が認められています」。ラクトフェリンは冬場に摂取しておいて損はない成分なのだ。ラクトフェリンは、生乳やナチュラルチーズなどからでも摂取可能だが、有効量の目安となる100mgを摂取しようとなると「チーズでは100gとか200gの単位で食べる必要があり、毎日食べるのは現実的ではないと思います」。基本的には、ラクトフェリンが重点的に配合されている製品を食べた方が継続もしやすいという。チーズ200gかラクトフェリン強化食品か―。どんな方法にせよ、きちんと毎日ラクトフェリンを摂取することが、寒い冬を健康に過ごすためのコツとなりそうだ。
2013年12月24日内閣広報室は13日、首相官邸ホームページに「インフルエンザ&ノロウイルス特集ページ」を新設した。同特集ページは、冬に流行のピークを迎えるノロウイルスとインフルエンザへの注意喚起を目的として、家庭や職場でできる予防対策や政府の取り組みなどをまとめたもの。「インフルエンザにかからないためには」「政府が取り組むインフルエンザ対策」「ノロウイルスによる感染を防ぐには」などを閲覧できる。「インフルエンザにかからないためには」では、感染経路を断つこと、予防接種を受けること、免疫力を高めることなどを推奨。「正しい手の洗い方」など、インフルエンザから身を守るために気をつけるポイントを紹介する。ノロウイルスについても、家庭でできる予防対策の3つのポイント、「手洗い」「人からの感染を防ぐ」「食品からの感染を防ぐ」について、具体的な方法を示すなど、感染の拡大防止を呼びかけている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月17日