○マウスコンピューター初のスマホはWindows Phone 8.1スペイン・バルセロナで開催された世界最大級のモバイル関連見本市「Mobile World Congress 2015」において、マウスコンピューターが、Windows Phone 8.1端末の試作機を公開した。国内向けとしては2011年の「IS12T」以来、久しぶりのWindows Phone端末となる。また、これまでPCやタブレット製品を手がけてきたマウスコンピューターにとって、初めてのスマートフォン製品であることも興味深い点だ。なぜ、OSにWindows Phoneを採用するのか。マウスコンピューター 製品企画部 部長の平井健裕氏は、「大きな画面から小さな画面まで、あらゆるWindowsデバイスをラインアップしたかった」と想いを語る。長らくPC製品を手がけてきた同社は、2014年にはWindowsタブレットの充実に注力してきた。さらに年末年始にかけて話題となったスティック型PCでは、HDMI端子に接続することで、大画面テレビでのWindowsの利用を可能にした。そこで次に狙うデバイスが、スマートフォンというわけだ。Windows Phone 8.1世代ではプラットフォームが広く開放され、端末メーカーが自由に参入できるようになった。マウスコンピューターが端末開発に着手したのも、まさにこのタイミングだったという。「Androidを使えば、もっと早く出すことはできた。しかし事業の意義や既存製品との親和性を考え、Windows Phoneにこだわった」(平井氏)と語る。同社では、今後もWindows Phoneについては後継機の構想があるものの、Androidについては検討していないとしている。○法人利用における親和性を強調、iPhoneとの2台持ちもマウスコンピューターはWindows Phone端末投入の狙いとして、法人利用との親和性の高さを強調する。「高度なアクセス制御など、Windows Phoneにはエンタープライズ環境で利用することを前提に作られている。この点を法人にアピールしていきたい」(平井氏)と狙いを語った。Windows Phoneの国内展開において課題となるのが、アプリやサービスの対応だ。IS12T以降、後継機が発売されなかった国内市場では、iOSやAndroidに比べて対応アプリやサービスの数が少なく、マイクロソフトによる地図や音声認識サービスについても対応は遅れている。一方、法人利用においてこれらのデメリットはそれほど重要ではないという。「個人ではiPhoneやAndroidを使いつつ、業務端末としてフィーチャーフォンを使っている会社もある。こういった環境に、会社支給の端末としてWindows Phoneを導入できる余地がある」(平井氏)と、2台持ちの可能性に言及する。特に平井氏が注目するのが、Officeの存在だ。これまでWindows Phone向けのOfficeは、「Office Mobile」として標準搭載されてきた。しかしその機能は大きく制限されており、ビューアーとしての利用が中心だった。これに対してWindows 10世代では、PCとスマートフォンの両方で動作するユニバーサルアプリに、Officeも対応する。実際にマイクロソフトはMWC2015において、高い機能を備えたExcelのワークシートやOutlookのカレンダーを披露している。Officeが高機能化することで、「今後のWindows Phoneは、ファブレットのような大画面との相性が良くなる」と平井氏は指摘する。マイクロソフトがデモに用いたのも、5.7インチの新製品「Lumia 640 XL」だ。この大画面という特徴は、マウスコンピューターが計画しているという後継機のデザインに反映される可能性がある。○法人向け販売チャネルの開拓も検討販売チャネルについて、まずはマウスコンピューターの既存のPC・タブレット製品のチャネルを検討しているほか、「MVNOからの問い合わせも多くいただいている。法人向けのSIMカードなどと組み合わせることができないか、検討している」(平井氏)とも話す。試作機のスペックは、画面サイズが5インチ・HDで、プロセッサーにはミドルレンジ向けのSnapdragon 410を採用していた。日本国内のLTE通信に対応する予定。価格の詳細は非公表だが、5?6万円といったハイエンド機よりは確実に安価になるという。具体的な発売時期も未定だが、Windows Phone 8.1端末ということもあり、2015年後半とみられるWindows 10の登場よりは先になることが期待される。国内での法人向け展開体制の構築を含め、注目の製品となりそうだ。○MWC2015関連記事Apple & IBM連合への対抗馬? Android for Workでゲーム・チェンジを狙うGoogleとSAP、両者に聞くエンタープライズ戦略テレコム分野にも仮想化とクラウドのトレンド、Ericsson 担当者インタビュー
2015年03月23日ネスレ日本はこのほど、「キットカット I ♡ FRUITS(アイ ラブ フルーツ)」を、「キットカットショコラトリー」の東京2店舗(西武池袋店、大丸東京店)限定で発売した。○果実原料をふんだんに使用し、本物のフルーツのような果実感を再現「キットカットショコラトリー」は、「ル パティシエタカギ」オーナーシェフの高木康政氏が全面監修を手掛ける、「ネスレ キットカット」のスイーツ専門店。同商品は、同店が新たに開発する「I ♡~」シリーズの第1弾商品となる。果実パウダーをリッチに使うことで、フルーツが持つ特徴的な果実の甘さや酸っぱさと、まろやかなチョコレートの甘みが絡み合い、食材の魅力を表現。フルーツの爽やかな甘さで春や初夏にふさわしい味わいとした。何種類ものフルーツと果実パウダー量の調整により、絶妙な味わいにたどり着いた高木シェフ渾身の「キットカット」スイーツとなっているという。「ストロベリー」「ブルーベリー」「ラズベリー」「ココナッツ」「パッションフルーツ」の5種類(各2個)、計10個入りで、パーティーなどの手土産にも向く。販売は、東京の2店舗(西武池袋店、大丸東京店)のみで、各店とも1日限定100個となる。価格は2,300円(税別)。
2015年03月12日●カスパロフ氏「ミスをしないコンピュータに1勝すれば、人間はまだ負けたことにはならない」人間とコンピュータが将棋を舞台に戦う「将棋電王戦」は、いよいよ最終局面へ。最後の団体戦となる「将棋電王戦FINAL」が、3月14日に開幕する。「将棋電王戦」は2012年に始まった、プロ棋士とコンピュータとの真剣勝負。2013年の第2回から5対5の団体戦形式になり、これまで開催された3回すべて総合成績でコンピュータが勝利を収めている(棋士の段位は対局当時のもの)。○これまでの「将棋電王戦」■2012年 第1回米長邦雄永世棋聖●-○ボンクラーズ■2013年 第2回阿部光瑠四段○-●習甦佐藤慎一四段●-○ponanza船江恒平五段●-○ツツカナ塚田泰明九段(引き分け)Puella α三浦弘行八段●-○GPS将棋■2014年 第3回菅井竜也五段●-○習甦佐藤紳哉六段●-○やねうら王豊島将之七段○-●YSS森下卓九段●-○ツツカナ屋敷伸之九段●-○ponanza結果を見ればこれまで人間側も一矢報いてはいるが、全体的にはコンピュータが押している。この状況を人間が打破するか、それともコンピュータの強さが人間を飲み込むか――。チェスでは1997年に専用コンピュータ「ディープ・ブルー」が当時の世界チャンピオン、ガルリ・カスパロフを破った。「将棋電王戦」も結果はどうあれ、将来的にそうしたマイルストーンになることは間違いない。今回行われる5局の先手後手を決める振り駒を行った人物は、誰であろうカスパロフ氏だった。そのカスパロフ氏は電王戦の結果に触れ、「ミスをしないコンピュータに5試合のうち1勝すれば、人間の知性はまだ負けたことにはならない」と語っている。だが人間側としては抵抗だけでなく、逆襲を期したいところだ。その電王戦FINALの開催概要は次の通り。第1局 3月14日(土)9:30 会場:京都・二条城▲斎藤慎太郎五段 vs △Apery(第2回将棋電王トーナメント第5位/開発者・平岡拓也)第2局 3月21日(土)9:30 会場:高知・高知城△永瀬拓矢六段 vs ▲Selene(第2回将棋電王トーナメント第4位/開発者・西海枝昌彦)第3局 3月28日(土)9:30 会場:函館・五稜郭▲稲葉陽七段 vs △やねうら王(第2回将棋電王トーナメント第3位/開発者・磯崎元洋)第4局 4月 4日(土)9:30 会場:奈良・薬師寺△村山慈明七段 vs ▲ponanza(第2回将棋電王トーナメント第2位/開発者・山本一成)第5局 4月11日(土)9:30 会場:東京・将棋会館▲阿久津主税八段 vs △AWAKE(第2回将棋電王トーナメント第1位/開発者・巨瀬亮一)今年も昨年と同じく、日本各地を巡っての戦いになる。本記事では主にコンピュータ側からの視点で、これら5局の展望を語っていきたい。人間側については、もうひとつの展望記事「プロ棋士編」を参照していただきたい。●第2回、第3回の出場棋士の平均年齢は30を超えていたが、今回の平均年齢は26○迎え撃つコンピュータ「将棋電王戦FINAL」では、昨年11月に行われた「第2回将棋電王トーナメント」の上位5ソフトがコンピュータ側の代表として戦う。特徴的なルールである「ソフトの事前提供」は前回と変わらない。これは本番と同じ仕様のソフトを事前に棋士に貸し出すというもの。プロ棋士はそれを使って本番となる対局前に、自由に対局して研究をすることができる。対して開発者は電王トーナメント終了後の一定期間のみ改良が認められ、その後はプログラムに手を加えることができない。このルール、当然ながらコンピュータ側にとって厳しい条件だ。事前に不利になる順を見つけられ、再現性を確立されればそれが本番でも通用してしまう。こうした事前研究に備えた開発者もいたが、本質的な対策を施すことは難しい。前回は終わってみれば既知の通りコンピュータ側が勝ち越したが、今回どうなるかは未知数だ。前回と同様に、プロ棋士がどれだけ事前に対策を練り、本番に生かしてくるかが今回の大きな見どころになるだろう。さて、今回見逃せないのが、ニコニコチャンネルで配信されている「電王戦FINALへの道」という動画の存在。棋士と開発者それぞれのインタビューに加え、部分的にではあるが練習対局まで見ることができる、ファン垂涎の企画だ。はっきり言って、これを見ずにおくのはもったいない。損である。本記事の執筆時点(3月8日)で70! もの動画がアップされているので、別表(以下画像)を参考に、ぜひとも関心のあるナンバーを見ていただきたい。異なる時間設定で指されている練習対局に目を通しておけば、本番がまた違った視点で楽しめることだろう。将棋があまりわからないという方には、ナンバー4の味噌汁をつくる斎藤五段、ナンバー30の竜王就位式に出席した稲葉七段、ナンバー57の阿久津八段と八王子将棋クラブ、ナンバー59~62の師匠から語られるエピソードと、このあたりが特に印象に残ったのでおすすめしておきたい。○対戦カードと展望それでは注目の対戦カードを見ていこう。今回、出場棋士は日本将棋連盟理事の片上大輔六段が話したように、若手中心で構成されている。第2回、第3回の出場棋士の平均年齢は30を超えていたが、今回の平均年齢は26と確かに若い。これはおそらく、コンピュータにより親しんでいるであろう年齢層、という期待があると思われる。それだけ対コンピュータ戦略を練ってくる可能性も高くなることが予想されるわけで、コンピュータにとっても厳しい戦いが待っていることは間違いないだろう。対する出場ソフトの特徴はどうか。ここでは前述の「電王戦FINALへの道」で指された練習対局の内容と結果にも触れながら、紹介していくことにしよう。○第1局 △Apery(開発者・平岡拓也)-▲斎藤慎太郎五段今年のトップバッターは、昨年の世界コンピュータ将棋選手権で優勝を果たしたApery(エイプリー)。「将棋電王戦」は今回が初出場。名前の意味は「猿まね」。既存の手法でも良いところは積極的に真似をして強くなる、そんな思いが込められている。斎藤五段との練習対局では1分将棋、30分切れ負けともに振り飛車を採用。1分将棋では四間飛車穴熊から飛車を成らせる大胆な構想を見せたが、堅実にとがめられて敗北。30分切れ負けでは向かい飛車から素早く仕掛け、一瞬の切れ味で斎藤陣を崩壊させた。定跡形を踏襲するオーソドックスなスタイルで、棋風はコンピュータらしく攻め寄り。穴熊の扱いでは人間に一日の長がある印象を受けた。本番では30分切れ負けの将棋のように、穴熊に組まれないような定跡を選んだほうが勝率が高くなるのではないだろうか。●AWAKEは一人のアマチュアに敗れたが、その対コンピュータ戦略が衝撃的だった○第2局 ▲Selene(開発者・西海枝昌彦)-△永瀬拓矢六段Selene(セレネ)もAperyに続き今回が「将棋電王戦」初出場。ギリシア神話の月の女神セレーネーの名を冠している。なお、神話におけるセレーネーは羊飼いの少年エンデュミオーンを愛し、その美貌をとどめるために老いることのない永遠の眠りにいざなったとされる。ちょっと怖い。ちなみに開発者の西海枝(さいかいし)氏曰く、Seleneのイメージはモデルの蛯原友里とのこと。永瀬六段との練習対局は、1分将棋は互いに三間飛車に振って相振り飛車に。攻め方がまずく、玉を上に逃して入玉され、大差の負けになってしまった。30分切れ負けでは「鬼殺し」という有名な奇襲戦法を採用、駒損ながら一方的にパンチを浴びせ、そのまま押し切った。特徴はなんといっても序盤の戦型選択。特に鬼殺しは非常に珍しい指し方であり、作戦的に損をしても相手の不慣れな戦いに持ち込みたい、という意図が見える。この戦略が吉と出るか凶と出るか。○第3局 △やねうら王(開発者・磯崎元洋)-▲稲葉陽七段やねうら王は前回の「将棋電王戦」に続いての出場。今回は「おもてなし定跡」という少し変わった定跡を搭載していることがあってか、練習対局でも珍しい序盤になることが多いようだ。しかし動画に出ていた対局は通常の定跡形で、トリッキーな序盤は本番まで持ち越しになるかもしれない。稲葉七段との練習対局では、1分将棋、30分切れ負けともに横歩取りへ誘導した。1分将棋では△3三桂戦法を用い、稲葉七段の誘いにのる形で竜を捕獲され、形勢を損ねた。30分切れ負けは際どい勝負になり、終盤で稲葉七段に失着が出て逆転勝ち。2局とも人間ペースで進んでいただけに、本番での巻き返しを期待したい。○第4局 ▲ponanza(開発者・山本一成)-△村山慈明七段ponanza(ポナンザ)は唯一の団体戦皆勤賞となるプログラム。昨年は「世界コンピュータ将棋選手権」「電王トーナメント」と続いて2位に甘んじる結果になった。名前はコンピュータ将棋界に革命を起こしたBonanzaにあやかっている。村山七段との練習対局では居飛車3種の指し回しを披露した。「小手試し」の20分切れ負けでは矢倉、1分将棋は横歩取り、30分切れ負けは初手▲7八金の趣向から角換わりに。いずれも積極的に攻勢をとったponanzaが押し切っている。もともと定跡にあまり頼らないタイプだが、今回は30分切れ負けの練習対局でわかるように、初手から工夫を凝らしている。片上六段によると、山本氏は「人間の将棋に無いものを出したい」と話していたという。相手が研究家で知られる村山七段だけに、序盤で定跡を離れ力戦に持ち込むメリットは大きいだろう。○第5局 △AWAKE(開発者・巨瀬亮一)-▲阿久津主税八段「第2回電王トーナメント」で雪辱を果たし、初出場を決めたAWAKE(アウェイク)。開発者の巨瀬氏は元奨励会員という異色の経歴で注目を集める。阿久津八段との練習対局は1分将棋のみ公開されている。AWAKEの四間飛車に阿久津八段は居飛車穴熊で対抗。終盤でコンピュータらしい詰みまわりの見切りを発揮して勝利を収めた。AWAKE関連で触れておきたいのが、2月末と3月1日の2日間で行われた「電王AWAKEに勝てたら100万円!」というイベントでの敗北。AWAKEは一人のアマチュアに敗れたのだが、その対コンピュータ戦略が衝撃的だった。人間は角交換したのち、わざと自陣に隙を作ってコンピュータに角を打たせる。打った角は成れるのだが、手が進むと逃げ場がなくなり、コンピュータは大きな駒損を強いられてしまう、というものだ。イベントのAWAKEはノートパソコン上で動いていたこと、持ち時間の違いなど、本番とは状況が異なるので再現性は定かではない。しかし、あくまで想像だが、公開されていない練習対局でこの筋が実現しているとしたら――興味は尽きない。今日のコンピュータ将棋がここまで強くなった一因には、棋士の棋譜を利用した機械学習が挙げられる。最近では逆に、プロ間でもコンピュータの指した手が参考にされるケースが増えてきた。敵としてではなく、しかし手を取り合う味方でもない、互いに自らの目的のために利用し合う関係があってもいい。それによってより洗練された将棋が生まれるのであれば、それは尊いことであると思う。さて、「最後の団体戦」とアナウンスされた今回の対戦、どのような結末を迎えるだろうか。まずはそれを見届けよう。
2015年03月10日ユニットコムは9日、スイッチサイエンス製のシングルボードコンピュータ「Raspberry Pi」スターターキットと、プラネックスコミュニケーションズ製のソフトキット「クラウド・パイ」の取り扱い開始を発表した。販売は同社が運営する「パソコン工房」の法人営業部。価格は税別3,600円から。○スイッチサイエンス製「Raspberry Pi」スターターキット「Raspberry Pi」をはじめるのに必要なものが全て入っているスターターキット。無線LAN版と有線LAN版の2種類を用意。価格は無線LAN版が税別10,500円、有線LAN版が税別10,000円。付属の4GB SDメモリーカードにOSイメージが保存されており、すぐに運用することが可能。同梱物は「Raspberry Pi B+」用のエンクロージャ、長さ1mのHDMIケーブル、50cmのUSB-microUSBケーブル、USB ACアダプタなど。○プラネックスコミュニケーションズ製 IoT スタートアップキット「クラウド・パイ」「Raspberry Pi」を使って外部ネットワークに接続し、スマートフォンやPCからリモートアクセスを行うためのソフトキット。価格は3,600円(税別)。外出先からローカルエリアネットワーク内の「Raspberry Pi」にリモートアクセスできる。サーバ対応OSはRaspbianで、対応ハードは「Raspberry Pi B / B+」。対応OSはWindows XP以降、Android 4.x(2.xは制限付き、MacとiOSにも対応予定。
2015年03月09日Windows Phoneが、日本市場向けに相次いで投入されることが明らかになっている。マウスコンピューターが、Windows Phoneの開発意向表明をしたのに続き、京セラがWindows Phoneの試作機をバルセロナで開催中の「Mobile World Congress 2015」で公開。そして、fleetelは、2015年夏までに国内でWindows Phoneを発売することを明らかにした。Windows Phoneは、2011年8月に、富士通がau向けに「IS12T」を発売して以来、国内では新製品が発売されていない。それにも関わらず、ここにきて、Windows Phone投入の動きが活発化しているのには理由がある。2014年以降、米MicrosoftにおけるWindowsのライセンスプログラムが変更された。これにより多くのメーカーがWindows Phoneを投入しやすい環境が整ったことに加え、日本においては、2015年5月からSIMロック解除の義務化がはじまり、SIMフリーの動きが加速するという市場環境の変化もあるからだ。かつては、キャリアとの連携以外には製品投入ができなかったスマホ市場の環境変化は、スマホメーカーの参入障壁を取り除くものになっている。だが、Windows Phoneの動きが加速するなかでも、日本マイクロソフトが、その重い腰をあげるのにはもう少し時間がかかりそうだ。それは、今回の各社のWindows Phoneの投入が、Microsoftの新たなライセンスプログラムを背景にしたものではあるものの、日本マイクロソフトのプロモーション戦略や国内販売戦略とは一線を画したものになっているからだ。日本マイクロソフトでは7月1日から新年度が始まるが、2015年6月30日に終了する同社2015年度において、Windows Phoneに関する販売予算はまったく計上されていない。販売予算がないのだから、当然、プロモーション予算もゼロである。つまり、日本マイクロソフトが、国内でWindows Phoneの販売を加速する体制は、少なくとも、今年7月になるまでは整わないということになる。逆にいえば、もし日本マイクロソフトと足並みを揃えるのであれば、各社によるWindows Phoneの投入は7月以降に本格化すると考えられるだろう。実際、日本マイクロソフトでは、これだけWindows Phoneが国内市場に投入される動きがあっても、「Windows Phoneに関しては、引き続き準備を進めている」と、これまでのコメントを繰り返しているのみだ。バルセロナで開催した「Mobile World Congress 2015」では、買収したノキアが持つLumiaブランドの新Windows Phoneも発表されたが、国内投入についても、現時点では未定としている。これは、日本マイクロソフトにとっても、Windows Phone 8の段階で製品を投入するよりも、今年秋にも登場が見込まれるWindows 10からとした方が、サポートする製品が増えなくて済むという点でも得策であり、それまではWindows Phoneの投入はないと考えるのが妥当だろう。メーカー各社が、Windows Phoneを国内投入する姿勢を示したことは、大きな関心を集めている。他社に先駆け開発を発表したマウスコンピューターは、話題性の意味でも好タイミングだったといえるだろう。実際に、マウスコンピューターが日本マイクロソフトと歩調を合わせるかどうかは不明だが、日本マイクロソフトによるWindows Phone事業の本格展開には、少なくともあと半年ほどの時間は必要となりそうだ。
2015年03月04日NECパーソナルコンピュータは2日、4月1日付の新人事にて、現在NECパーソナルコンピュータで取締役執行役員常務、レノボ・ジャパンで執行役員専務を務める留目真伸氏が、NECパーソナルコンピュータの代表取締役執行役員社長および、レノボ・ジャパンの代表取締役社長に就任すると発表した。現職のロードリック・ラピン氏は既報の通り、4月1日付でアジアパシフィック地域のプレジデントに就任する。ラピン氏は引き続き拠点を日本に置き、NECパーソナルコンピュータおよび、レノボ・ジャパン両社の取締役、両社の持ち株会社Lenovo NEC Holdings B.V.のCEO、およびレノボ・エンタープライズ・ソリューションズ代表取締役社長に留任する。留目氏は2006年にレノボ・ジャパンに入社。常務執行役員として戦略・オペレーション・製品事業・営業部門統括を歴任し、2011年からNECパーソナルコンピュータの取締役を兼任。012年6月よりLenovo Group米国本社戦略担当部門に赴任後、2013年4月よりレノボ、NEC両ブランドのコンシューマ事業を統括している。
2015年03月02日ディリゲントは、Serato社のDJソフトウェア「Serato DJ」を拡張する"EXPANSION PACKS"3製品をまとめたバンドルキット「SERATO TOOL KIT」の販売を開始した。価格は税抜9,700円。同製品は、DJソフトウェア「Serato DJ」を拡張するバンドルキット。CUEポイント・プレイをシーケンスのように記録でき、Serato DJ内でライブリミックスやトリガー・シーケンスを実現する「Flip」(税抜3,400円)、BPMを最大/最小と上下してもトラックのキーを完全に保つだけでなく音質劣化も抑える「PITCH ’N TIME DJ」(税抜3,400円)、CHIP PACK、JET PACK、BACK PACK、3つの特色あるFXパックをラインナップした「FX Pack Bundle」(税抜5,700円)の3製品が同梱されている。なお、同社WEBページにて、製品の紹介動画およびデモサウンドの試聴が可能だ。
2015年02月23日日立製作所は2月23日、約1兆の500乗通りのパターン(組み合わせ)から適した解を導く「組み合わせ最適化問題」を量子コンピュータなみの性能で実現可能な新型コンピュータを試作したと発表した。同成果の一部は、2015年2月22日~26日の期間で、米国サンフランシスコにて開催されている半導体集積回路に関する国際会議「2015 International Solid-State Circuit Conference(ISSCC 2015)」で発表される。同コンピュータは、従来のコンピュータと同様に半導体素子を用いて動作するため、現在、量子コンピュータとして用いられている計算手法である量子アニーリングで必要となる冷却装置などを用いずに、室温で動作させることが可能だという。また、スケーリングも可能だという。具体的には、半導体CMOS回路上で量子アニーリングで解を求めていたイジングモデルの振る舞いを擬似的に再現するCMOSアニーリング技術を開発し、外部から特殊な回路を経て入力されるノイズを利用し、特定の局所解への固定を防ぐことで、より良い解を求めるアニーリング動作を実現。また、解くべき最適化問題を、+1と-1の2つの状態を取る強磁性体スピンが隣接するスピン間で相互作用する振る舞いを示すイジングモデルで表現し、半導体メモリ技術を用いて実装することで実現したという。これらの技術は65nmプロセスを用いて開発され、研究では、2万480パラメータを入力可能なコンピュータの試作機を開発し、実証実験を実施。その結果、システムが室温で動作することが確認されたほか、現在の量子アニーリングを用いた量子コンピュータのパラメータ数512の40倍となる2万480パラメータの大規模な組み合わせ最適化問題を数ミリ秒で解けること、ならびに従来のコンピュータを用いて解く場合と比較して電力効率約1800倍を実現できることを実証したという。なお同社では、現在実用化されている最先端半導体プロセスとなる14nmプロセスを用いた場合であれば1600万パラメータに対応するチップに大規模化することも可能だと説明している。
2015年02月23日マウスコンピュータは23日、Windows Phoneベースのデバイスの開発に着手していると発表した。LTE対応のSIMフリー端末になる予定。同社は、マイクロソフトのWindowsひとつで、PCやタブレットなど幅広いデバイスをサポートするという取り組みを強く支持するとし、今後需要拡大が見込まれるWindows Phoneベースの製品を最新ユビキタス端末として開発、ラインナップ化する。これにより、動画コンテンツなどの視聴、ウェブブラウジング、オフィスソフトウェアなどが同一のOSプラットフォーム上にて実現し、さらなる需要の拡大を図っていくという。そのほか、製品構成や販売時期などの詳細は、後日アナウンスするとしている。
2015年02月23日マウスコンピューターは23日、Windows Phoneベースのデバイスの開発に着手していると発表した。同社は「マイクロソフトの『一つのWindowsで幅広いデバイスをサポートする』という取り組みを強く支持」するとして、現在展開しているデスクトップPCやノートPC、ワークステーション、タブレットPCなどに加え、今後需要拡大が見込まれるWindows Phoneベースの製品を開発し、新たにラインナップする。開発するデバイスは、現時点ではLTE対応のSIMフリー製品を予定する。詳細な製品構成や販売時期については、後日発表するとのこと。
2015年02月23日「セタフィル(R)」敏感肌にも使える、トライアルキット!ガルデルマ株式会社は、『セタフィル(R) 7日間うるおいトライアルキット』を2月12日から販売する。「セタフィル(R)」は、アメリカの薬剤師によって開発され、【低刺激性】の洗浄料で、乾燥しやすい肌および敏感肌に悩む人も使用しやすいという。キットの中身とメリットは?お試しキットには、セタフィル(R)スキンケアシリーズの「洗浄料」「保湿乳液」「保湿クリーム」がある。洗浄料「ジェントルスキン クレンザー」は“保温しながら洗顔する”というアイデアから誕生したジェル洗顔で、主な成分は、やし油などから作られた【セタノール】保温成分だ。セタノールは、素肌を乾燥から防御する為の“皮膜”を作ることで、水分が蒸発するのをふせぐ。また水分の保持力を強くする作用もある。さらにジェル状だから、手のひらと皮膚間のまさつを少なくするので、優しく洗えて、ソフトに仕上げてくれる。さらに必要な素肌のうるおいをキープしたまま汚れを取り除いてくれるので、洗顔後の過剰な水分補給は不要で、セタフィル(R)の保湿クリームと保湿乳液だけで良い。保湿乳液の「モイスチャライジング ローション」は、優れた保温力かつ素肌への浸透性の高いオイルなどによって、バランス良く油分と水分を補給し、柔らかでしっとりとした肌を実現する。そして保温クリームの「モイスチャライジング クリーム」は、うるおいヴェールによって素肌のバリア機能を補助して、外的ダメージから素肌を守ってくれる。(画像はニュースリリースより)【参考】・ガルデルマ株式会社 セタフィル(R) ニュースリリース・ガルデルマ株式会社 セタフィル(R)
2015年02月20日サンワサプライは17日、iPhone 6専用の望遠カメラレンズキット「iPhone 6 望遠レンズキット(光学 12倍・ミニ三脚&専用ケース付) 400-CAMO46」を発売した。同社の直販サイト「サンワダイレクト」で購入でき、価格は税別4,148円。「iPhone 6 望遠レンズキット(光学 12倍・ミニ三脚&専用ケース付) 400-CAMO46」は、iPhone 6に専用ケースを装着し、レンズを取り付けるだけで望遠撮影が可能になる望遠レンズキット。光学の12倍ズームにより、倍率が上がっても画質を落とすことなく撮影できる。ピント調節は、レンズ先のフォーカスリングと端末のオートフォーカスで調整可能。専用ケースは、装着したままでも各ボタンの操作や、ケーブル・イヤフォンの接続に対応している。「iPhone 6 望遠レンズキット(光学 12倍・ミニ三脚&専用ケース付) 400-CAMO46」の主な仕様は次の通り。専用ケースのサイズ/重量は、幅約70mm×高さ約142mm×厚さ約10mm/約16g。レンズのサイズ/重量は、直径約28mm×厚さ約83mm/約65g(キャップ含む)。倍率は光学12倍。付属の三脚の高さは約12.3cmから18cm。重量は約77g。
2015年02月17日マウスコンピューターの2015年「大決算セール」が2月6日に始まった。期間限定・Web限定で、高性能デスクトップPC、モバイルノートPC、スタンダードノートPCなどを大量に出品している。また、人気を集めたウエスタンデジタル製のHDD+SSDドライブ「WD Black2」を搭載したモデルも用意。BTOによるカスタマイズも、SSD、メモリ、電源、iiyma液晶など、値引き価格で提供する。デスクトップPCの一例として、「MDV-GZ7530S」が97,800円(税別)。主な仕様は、OSがWindows 8.1 Update、CPUがIntel Core i7-4790、グラフィックスがNVIDIA GeForece GTX 750、メモリが8GB、ストレージが500GB HDD。ノートPCの一例として、「MB-K620S」が99,800円(税別)。主な仕様は、OSがWindows 8.1 Update、CPUがIntel Core i7-4710MQ、グラフィックスがNVIDIA GeForece GTX 850M、メモリが8GB、ストレージが500GB HDD、ディスプレイが15.6型フルHD液晶。
2015年02月07日マウスコンピューターは27日、デスクトップ用チップセットIntel Z97 Expressを採用した15.6型ノートPC「m-Book G」シリーズを販売開始した。ラインナップは4製品。価格は税別179,800円から。デスクトップ用CPUと、NVIDIA GeForce GTX 970Mを採用したゲーミングノートPC。上位モデル3機種にはIntel Core i7-4790Kを搭載し、高い処理能力を備える。なお、同日同社のゲーミングブランド「G-Tune」シリーズでも、「m-Book G」と同様の製品が発表た。○MB-G1000EMB-G1000Eは、CPUにIntel Core i5-4460(3.20GHz)、ストレージに500GB SATA HDDを採用したモデル。上記を除く主な仕様は、チップセットがIntel Z97 Express、グラフィックスがNVIDIA GeForce GTX 970M GDDR5 6GB、メモリが PC3-12800 8GB、ディスプレイが15.6型ワイド液晶( 1,920×1,080ドット)など。OSはWindows 8.1 Update 64bit。主なインタフェースはUHS-II対応SDカードリーダー、USB 3.0×4(1基e-SATA兼用)、HDMI×1、DisplayPort×2、Gigabit対応有線LAN、IEEE802.11 b/g/n準拠無線LAN、Bluetooth 4.0+LEなど。本体サイズはW386×D262×H35.7mm、重量は約3.4kg。バッテリ駆動時間は約2.5時間(JEITA 2.0)。この構成で価格は税別179,800円。○MB-G1000BMB-G1000Bは、CPUにIntel Core i7-4790K(4.0GHz)、ストレージに500GB SATA HDDを採用したモデル。CPUを除く主な仕様は、上記のMB-G1000Eと同等。価格は税別199,800円。○MB-G1000S-SHMB-G1000S-SHは、CPUにIntel Core i7-4790K(4.0GHz)、ストレージに120GB SSD+1TB SATA HDDを採用したモデル。メモリは16GBとなる。これらを除く主な仕様は、上記のMB-G1000Bと同等。○MB-G1000S-SSDMB-G1000S-SHは、CPUにIntel Core i7-4790K(4.0GHz)、ストレージに512GB SSDを採用したモデル。メモリは32GBとなる。これらを除く主な仕様は、上記のMB-G1000S-SHと同等。
2015年01月27日マウスコンピューターは21日、同社製PCやディスプレイが2015年1月より、長野県飯山市の「ふるさと納税」特典に採用されたと発表した。ふるさと納税は、個人が2,000円を超える寄附を自治体に対して行ったときに、住民税のおよそ1割程度が所得税と住民税からそれぞれ還付、控除される制度。税制上の優遇措置だけでなく、各自治体の特産品などを特典としてもらえるケースもある。マウスコンピューターでは、長野県飯山市に生産拠点「飯山工場」を構え、同社製品の生産を行っている。また、飯山工場は地元密着型の運営も特徴で、夏休みには飯山工場を会場に「親子パソコン組み立て教室」のほか、アウトレットセールを毎年開催している。今回、飯山市の「ふるさと納税」特典として採用されたのは、iiyamaブランドの21.5型フルHD(1,920×1,080ドット)ディスプレイ「ProLite E2278HD-2」、8型Windowsタブレット「WN801V2-BK」、15.6型ノートPC「LB-F511B-IIYAMA」、ミニタワーデスクトップPC「LM-iH301S-IIYAMA」の4製品。「ProLite E2278HD-2」は20,000円以上30,000円未満の寄付、「WN801V2-BK」は40,000円以上50,000円未満の寄付、「LB-F511B-IIYAMA」と「LM-iH301S-IIYAMA」は100,000円以上200,000円未満の寄付でもらえる特典にラインナップされる(特典は選択式)。
2015年01月21日NVIDIAは1月4日、周囲の状況認識が可能な自動車用コンピュータ「NVIDIA DRIVE」を発表した。「NVIDIA DRIVE」には、自動運転機能を開発する「NVIDIA DRIVE PX」と、最先端のデジタルコクピットを構築する「NVIDIA DRIVE CX」の2種類があり、どちらも最新のスーパーコンピュータと同じアーキテクチャが採用されている。「NVIDIA DRIVE PX」は、コンピュータビジョンと深層学習の分野における最新の開発成果が活用されており、従来にない機能を自動車用技術に提供する。具体的には、同社の最新GPUアーキテクチャ「Maxwell」を採用し、1TFLOPS以上の処理能力を有するモバイル用SoC「NVIDIA Tegra X1」を2個搭載する。これにより、最大で12台の高解像度カメラから得た入力信号に対し、最高1300万画素/秒の処理が行える。さらに、コンピュータビジョン機能を有しており、人間が操作しなくても自動車自身がスペースを見つけて駐車する全自動駐車を実現できる。一定の条件で縦列駐車を補助するシステムがすでにあるが、「NVIDIA DRIVE PX」では、自動車自身が混み合った駐車場で空いているスペースを探し出して駐車をしたり、スマートフォンからの呼び出しを受けて運転者のところまで自動で戻ることなどが可能となる。この他、深層学習機能を備えており、救急車と配送トラックの違いや、駐車中の自動車と発進しようとしている自動車を見分けるなど、さまざまな車両の見分け方を学ばせることができる。もう一方の「NVIDIA DRIVE CX」はハードウェアとソフトウェアの両方を含む包括的なソリューションとなっており、ナビゲーションやインフォテインメント、デジタル式メータパネル、運転者の監視などで使用する最先端のグラフィックスやコンピュータビジョンを実現できる。例えば、車両の周囲360度を上から見た画像をリアルタイムに提供し、死角の問題を解消してくれるサラウンドビジョンが実現可能なのに加え、デジタルスマートミラーの実現により、物理的なミラーをなくすこともできる。また、プロセッサに「Tegra X1」もしくは「Tegra K1」を搭載する他、路上試験を完了したソフトウェアを採用しており、最大1680万画素の画像処理に対応できる。これは、現在市販されている自動車で使われている画素数の10倍以上にあたるという。なお、「NVIDIA DRIVE PX/CX」ともに、NVIDIAもしくはサードパーティソリューションプロバイダが提供するさまざまなソフトウェアアプリケーションモジュールで構成されている。2015年第2四半期より出荷が開始される予定。
2015年01月06日あの頃も今も、コンピュータは楽しい機械です。仕事でも趣味でも、コンピュータとともに過ごしてきた読者諸氏は多いことでしょう。コンピュータ史に名を刻んできたマシンたちを、「あの日あの時」と一緒に振り返っていきませんか?○ウルトラマンPCでございます。1995年(平成7年)9月25日、日本アイ・ビー・エムはPC/AT互換機として当時世界最軽量となる、約630gでA6ファイルサイズの超小型パソコン「IBM Palm Top PC 110」(以下、PT110)を発表しました。CMキャラクターにウルトラマンが登場したことから、「ウルトラマンPC」の愛称で多くのファンをつかんだコンピュータの誕生です。PT110は、IBM野洲研究所の高密度実装技術により、携帯性と利便性を追求して開発されました。筐体には、ブラック・アルマイト加工された軽量の「超ジュラルミン」を採用。4.7型DSTNカラー液晶ディスプレイ(SVGAモードで256色)に、CPUはIntel i486SX-33MHzを搭載していました。メモリは4MBまたは8MBで、HDDは内蔵しないものの、PCMCIA(PCカード)のTypeII×2またはTypeIII×1スロット、スマート・ピコ・フラッシュ専用スロット(4MB、10MB、15MB用)など、多彩なインタフェースを備えます。本体サイズはW158×D113×H33mm。ちょうど、VHSビデオカセットのサイズ(W188×D104×H25mm)とほぼ同等のコンパクトなボディに、デスクトップパソコン顔負けの性能を詰め込みました。PT110は3モデル用意され、いずれも価格はオープン。直販のIBMダイレクトでは最小構成のモデル(2431-YD0)が16万9,000円からで、プリインストールOSは「DOS J7.0/V」でした。特に、最上位モデル(2431-YDW)には、ポートリプリケーターとフロッピーディスクドライブに加えて、Windows 3.1が導入されたPCカードの260MB HDDが標準添付され、これをPC カードスロットに挿入するだけでWindows環境が実現できました。また、正式サポートはされていませんが、メモリを8MB以上にすることでWindows 95に対応し、自分でカスタマイズするユーザーも多かったと記憶しています。話が少しそれますが、PT110の生い立ちを振り返ってみましょう。1993年5月の「ビジネスショウ’93 TOKYO」にて、PT110の先駆けであるIBMのコンセプトモデル「モノリス」が展示されます。500gと軽量でありながら、Intel i386SL-20MHzのCPUを搭載し、2MBメモリ、VGA(640×480)の16階調モノクロ液晶、単三電池4本で駆動する、ブラック基調のスリムなDOS/Vパソコンでした。そのデザインが映画「2001年宇宙の旅」に登場する岩板のようなモニュメント「モノリス」にそっくりなことから名付けられたようです。ただ、この画期的な製品は残念ながら市販化されることはありませんでした。筆者の想像ですが、ビジネス的な要素は別にして、機能面で5インチ未満のVGAに表示される文字が小さすぎ、さらにバックライトがないモノクロ液晶だと視認性が悪かった、といった理由があったのではと思います。そんな中、シャープ「ザウルス」や、Appleの「ニュートンMessagePad」の登場、第7回コラムで触れたYHP「HP-200LX」のビジネス的な成功など、モバイル端末が元気づいた次期でもあります。HP-95/100/200LXはWindows 3.1の動作が難しいスペックでしたので、PT110でWindows 3.1が動くというのは、モバイルユーザーにとって大変魅力的でした。○遊び心と、スペック表には表れない利便性・拡張性話を戻して、PT110の実機をよく見てみると、設計者の様々な遊び心と触れることができます(書き切れないほどあるのですが、3つほど取り上げます)。(1) 電話になるPT110は電話として使うことができました。電話用レシーバーとマイクロフォンを本体前面に内蔵しており、電話回線をそのままPT110の「WingJack」と接続することにより、本体が「電話機」になったのです。技術的には、まずSoundBlaster用のマイクロフォン、内蔵スピーカー、ヘッドセット端子があります。さらに、電話用のスピーカー、マイクロフォン、ヘッドセット用端子があるという、すべてが2重になっている構成です。コンパクトと軽量を追求した設計コンセプトと相反し、無駄とも言えます。しかし、理屈ではなく筆者には、何かマニア心をくすぐるような、楽しさを感じます。ただボイス機能も、別途ソフトを利用する必要があり、内蔵モデムのカタログスペック上の表記は、「2400/9600bpsのデータ・FAXモデム」という表記になっていました(ソフトさえそろえば、データ・ボイス・FAXモデムとして機能します)。(2) 汎用的なバッテリや軽量ACアダプタの採用PT110には、重さ90gのリチウムイオンバッテリが採用され、ローパワー時に約3時間のバッテリ駆動が可能でした。また、動作状況を保存するボタン電池が搭載されていたので、メインバッテリを複数個用意して、本体をいったん休止したのちメインバッテリを交換、そして復帰といったことができました。カタログには記載がありませんが、このメインバッテリには、量販店で購入できるビデオカメラ用のバッテリパック(当時のパナソニック用やソニー用もOK)が転用可能でした。汎用品ですので入手が楽で、安く購入できることは大変ありがたかったです。当時、ラップトップパソコンのバッテリはニッケルカドミウムが一般的で、完全放電してから充電するのがお決まりでした(メモリ効果を抑制するためですね)。ですので、完全放電が不要なリチウムイオンバッテリは魅力的でした。ACアダプタには、120gの軽量プラグタイプが用意されます。220V電源には非対応でしたが、国内用途の100V電源対応に絞ることで、軽量化と小型化を図ったのでしょう。(3) 隠れメッセージ基板の増設メモリボードを外すと、MADE IN JAPAN「MONOLITH(モノリス) 1992」という刻印が現れます。さらに、「BOWMAN(ボーマン)」(映画「2001年宇宙の旅」に登場する船長の名)と書き込まれているチップも存在します。モノリス時代から数えて、3年がかりで製品化した開発者の想いが伝わってくるようです。このように、PT110には、モバイルユーザーの購入欲を刺激するこだわりが随所に見られます。PCカードスロットに、キヤノン「デジタルカメラCE300」や、FM多重チューナーカード、TVチューナーなどと接続し、コンパクトPCの使い方をユーザーが創造する楽しさもありました。○すばやく起動、使いやすいPIMPT110には、IBM大和研究所が専用に開発した統合ソフトウェア「Personaware」が標準で用意されます。電源スイッチを入れると、ピーと音がして、約7秒でランチャーまでたどり着きます(漢字はROMで搭載、BIOSの調整などチューニングの的確さを感じます)。個別の機能は、予定表、備忘録(To Do List)、住所録、ノート、電話、FAX、世界時計、電卓、エディター、手書きメモ、パズルゲーム、電子メール、秘書機能などと多彩です。加えて、文字サイズを4段階で拡大・表示できました(V-Text機能)。3種類の入力デバイス(キーボード、ポインティングヘッド、手書き入力用のメモパッド)と併せて、なかなかの使い勝手でした。V-Textの利用で、モノリスの弱点であった文字の見づらさを克服しています。余談ですが、「HP-200LXコネクティビティパック」(販売元日本HP)に付属しているDOS版のSystemMangaerを使うと、HP-200LXとほぼ同等のものをPT110で動かすことができました。HP-200LXのデータもそのまま移行できたので、ユーザーフォーラムの間では、PT110のことを「110LX」などと呼ぶことがありました。筆者は、HP-200LX用「駅すぱあと」をPT110で利用したものです。○1995年9月、あの日あの時1995年は8月25日、Windows 95(英語版)が米国など12カ国で発売されます。日本では遅れること約3か月、11月23日深夜0時に販売開始。東京・秋葉原は、深夜にも関わらず、5,000人を超える人々と多くの報道陣でまさに"お祭り騒ぎ"となりました。筆者は、LAOX ザ・コンピュータ館でフロッピーディスク版を購入。20枚を超えるフロッピーディスクと格闘しながら、4時間を超えるインストール作業の後、Winodows 95を楽しみました。それからいくつもの製品発売の場を経験することになりますが、Winodows 95ほど盛り上がった発売の瞬間に出会うことはありませんでした。1995年、パソコンの販売台数は570万台と、初めて自動車の新車登録台数を超えることとなります(JEITAデータ、日本自動車販売協会データによる)。パソコンは、日本独自のコンピュータ環境からWindowsという世界標準へシフトし、さらに身近な存在になっていきます。スポーツの世界では、野茂英雄さんが米国のメジャーリーグ、ドジャースで活躍し、新人王を獲得しました。独特のトルネード投法で、メジャーリーグに単身チャレンジするその姿は、多くの日本人に勇気を与えました。多くの日本人メジャープレイヤーの先駆けとなったのは言うまでもありません。日米の「Nomoマニア」に愛され、当時のクリントン大統領が「日本の最高の輸出品」と称賛した姿は、ブランディングの成功とも言えます。IBMは米国資本ですが、IBM Palm Top PC 110のモバイルに特化した製品仕様、ウルトラマンを使ったマーケティング施策など、日本独自のニーズや環境に合わせていかなければ成功しないという、ローカリゼーションの大切さを示した一例ではないでしょうか。IBMのパソコンビジネスは現在、レノボジャパンに引き継がれています。これからのパソコンも、CPUやストレージといった基本スペック、そして価格だけでなく、日本のユーザーニーズを汲(く)んだ個性的な製品を切に願います。――――――――――「あの日あの時あのコンピュータ」では、読者の皆さんからのご意見を募集します。記事で取り上げるコンピュータや思い入れのある名機のリクエスト、ご自身のエピソードなどをお待ちしています。また、コンピュータ本体や周辺機器の写真、カタログデータといった資料のご提供も大歓迎です。マイナビニュースの「ご意見・ご感想」からお寄せください。
2014年12月25日ネスレ日本は12月19日~25日の期間限定で、「キットカット ショコラトリー」全店にて、「キットカット ショコラトリー パティシエギフト」を、数量限定で販売する。○「キットカット」を使った高木シェフ特製のスイーツの詰め合わせ同店は、「ル パティシエ タカギ」オーナーシェフの高木康政氏が全面監修を手掛ける、世界初の「ネスレ キットカット」のスイーツ専門店。今回発売となるのは、同店の人気商品と高木シェフのオリジナルお菓子を詰め合わせたクリスマス限定のギフトセットとなる。内容は「キットカット ショコラトリー」の基幹商品である「キットカット サブリム」シリーズ2品、人気商品の「キットカット ショコラトリー スペシャル」シリーズ2品と、「キットカット」を使った高木シェフ特製のスイーツの詰め合わせ。「ル パティシエ タカギ」でも人気のマドレーヌ、クッキーと「キットカット」を、高木シェフの独創的なアイデアで組み合わせた、完全オリジナルのスイーツになっている。マドレーヌには「キットカット」が丸ごと1本入っており、食感、味わいともに食べた瞬間に驚きを感じられる仕上がりにしたという。クッキーは刻んだ「キットカット」が練り込まれており、サクサクの風味豊かなクッキー生地と「キットカット」のミルク味の相性が抜群とのこと。クリスマス時期のホームパーティーにふさわしい特別感やサプライズがつまったギフトセットになっている。価格は4,500円(税別)。各店1日20セットで、なくなり次第終了。また12月10日~20日まで、西武池袋店と大丸東京店限定で、高木シェフ特製のクリスマスケーキ「キットカットショコラトリー ノエル」を数量限定で予約販売する。長年「キットカット」の商品開発にも携わり、「キットカット ショコラトリー」でもプレミアム志向の特別な「キットカット」を生み出してきた高木シェフが、「キットカット」を使うのではなくデザインと食感で「キットカット」を表現した特製ケーキになっている。キャラメルバタークリーム、フィアンテーヌ、ビスキーを何層にも重ね合わせ、「キットカット」のウエハースとチョコによるサクサクの食感や断面を表現。見た目も「キットカット」独自の台形のスティック状を模している。一流パティシエが独自の感性で「キットカット」を表現した、世界に二つとないプレミアムかつ限定のクリスマスケーキになっているという。価格は5,000円(税別)。各店75台で、なくなり次第受付終了となる。受け渡しは、12月24日。
2014年12月12日マウスコンピューターは27日、Windows 8.1を搭載した10点マルチタッチ対応11.6型タブレット「MT-iPE1100WN」を発表した。同日より直販サイトやダイレクトショップなどで受注を開始する。価格は税別64,800円から。1,920×1,080ドットのフルHD解像度の11.6型液晶を搭載したWindowsタブレット。CPUにはIntel Pentium 3561Y(1.20GHz)、ストレージにはM.2規格対応の64GB/128GB SSDをSATA接続で搭載する。また、きょう体下部にマグネットで固定する有線接続キーボードが標準で付属する。ラインナップは64GBモデル「MT-iPE1100WN-64G」、128GBモデル「MT-iPE1100WN-128G」の2種類。上記以外の主な仕様は、メモリが4GB、グラフィックスがIntel HD Graphics、カメラ機能が前面100万画素、背面100万画素など。OSはWindows 8.1 Update 64bit。主なインタフェースはmicroSD(SDHC/SDXC対応)、USB 3.0など。通信機能はIEEE802.11b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 4.0+LE。センサーは電子コンパス、加速度、ライト。バッテリ駆動時間は約8.1時間。本体のみのサイズと重量は、W296.3×D189.8×H11.4mmと約808g。本体+キーボードでは、W297×D199×H19.5mmと約1.09kg。
2014年11月27日米Appleは11月18日(米国時間)、Appleのスマートウォッチ「Apple Watch」向けのソフトウェア開発キット「WatchKit」の提供を開始した。Apple Watchは2015年に発売を予定しており、開発者はこれを利用してApple Watchが登場する前にApple Watch向けのアプリを構築できる。WatchKitは、Appleの開発者向けプログラム「iOS Developer Program」向けに公開したiOS 8.2ベータSDKに含まれる。開発にはXcodeが必要。SDKには、プログラミングガイド、ヒューマンインターフェイスガイドライン、テンプレートなどを含む。同SDKを利用することで、画面のタップの力の違いを識別できる「Force Touch」、リューズを回すことでズームやスクロールを行う「Digital Crown」、アラート受信や操作に対して反応する「Taptic Engine」などのApple Watchのインターフェイスと連動するアプリを開発できる。タイムリーに通知するスマートなリマインド機能「Glances」などのApple Watchの特徴も活用できる。スポーツの試合スコアなどユーザーにとって重要な情報をクイック表示できるほか、空港でフライトの詳細情報を取得するなど、通知に対してユーザーが行動できるようなアプリ(Actionable Notifications)も開発可能という。Appleによると、2015年後半よりApple Watch向けにネイティブのアプリを構築できるという。
2014年11月19日あの頃も今も、コンピュータは楽しい機械です。仕事でも趣味でも、コンピュータとともに過ごしてきた読者諸氏は多いことでしょう。コンピュータ史に名を刻んできたマシンたちを、「あの日あの時」と一緒に振り返っていきませんか?○日本語プログラムでゲームを作れたんです1982年(昭和57年)8月25日、トミー(現・タカラトミー)は、16ビットグラフィックコンピュータ「ぴゅう太」(TP1000)を発売しました。米TI製のCPUを搭載し、メモリに16KBのRAMと20KBのROM、そのほか16色表示、擬音4種類、3和音、独自専用カートリッジ型のスロットを採用しながら、本体価格は59,800円を実現します。カートリッジは当初、6種類のゲーム(モンスターイン、ターピン、ザウルスランド、フロッガー、ボンブマン、スクランブル)が、各4,800円で用意されます。もちろん、ぴゅう太はゲーム専用機ではありません。本体上部にはJIS配列の日本語キーボードを搭載しており、日本語G-BASICが大きな特徴でした。背景を描き、アニメを加え、さらに音やタイマーをセットするなどといった、プログラミングができる本格派コンピュータだったのです。ぴゅう太のマーケティングメッセージは、「パソコンをここまで身近にしたのは『ぴゅう太』だ。」でした。1982年末のパソコン雑誌に掲載していた広告では、16ビットグラフィック機能をアピールします。女の子がぴゅう太を使い、「いちばん好きな人をコンピュータで絵にしました。」と、ジェームス・ディーン似の人物を描いた"テレビ"を映します。ぴゅう太のグラフィックは、いわゆるドロータイプではなく、独特なプログラミングを必要としましたが、当時としては16色の綺麗な描画が可能でした。日本語G-BASICの採用は、子供をターゲットにしている玩具メーカー「トミー」ならではの画期的なチャレンジ。例えば、BASICのGOTO文は「ニイケ」(~に行け)で、具体的には「40 ニイケ」のように記述します。IF文と組み合わせた場合、「モシ A=0 ナラバ 100 ニイケ」のような書き方です。慣れれば決して難しくはないのですが、プログラムリストの理解には、ちょっとしたコツが必要でした。さて、筆者とぴゅう太の出会いは、1982年末、新宿のデパートでした。発売されたばかりのPC-9801を触りに秋葉原や新宿に通ったものですが、立ち寄ったデパートの玩具コーナーにゲーム機として鎮座していた、ぴゅう太に出会いました。母親ぐらいの年齢の店員さんにハードやG-BASICについて質問しましたが、「コレ、まったく分からないんです」と困惑していました。私は、マイコンオタクの嫌な子供だったのでしょう。○1982年8月~1983年前半、あの日あの時ぴゅう太が発売された1982年8月は、「ゲームセンターあらし」のアニメがテレビ放映されていました(放映開始は1982年4月)。主人公の石野あらしが使った技、ジョイスティックを超高速で操作させる秘儀「炎のコマ」、静電気で電子回路を操作する「エレクトリック・サンダー」などが流行ったものです。もちろん現実には不可能な"動き"でしたが、ゲームセンターで「炎のコマ」と叫びながら、インベーダーゲームをプレイした方も多いのではないでしょうか。他にも、実際のインベーダーゲームにあった技法、いわゆる「名古屋打ち」なども登場し、拡散に一役買ったと記憶しています。また、防犯などの理由から、筆者の通っていた学校では、ゲームセンターの出入りが禁止となりました。この流れは社会現象でしたので、意図せず家庭用ゲーム機が普及する下地が形成されていったのかもしれません。(1982年下半期は、本コラム第1回のPC-9801で振り返りましたので、ぴゅう太が拡販された1983年上半期を振り返ってみます。)翌年の1983年4月15日、「東京ディズニーランド」が開園します。オープンからわずか1カ月で入場者100万人を記録するなど、その人気は爆発的なものでした。トミーは、東京ディズニーランドの開園当初から公式スポンサーであり、園内のショップでぴゅう太を販売しました(現在のタカラトミーも、東京ディズニーランドでウェスタンリバー鉄道のスポンサーとなっています)。ぴゅう太用のソフト「ミッキー・アスレチックランド」も4,800円で発売され、ミッキーマウスが5つのステージを駆け抜けていくその様は、キャラクターゲームの先駆け的な存在で、とても斬新でした。夢の国でぴゅう太を買われた方は、幸せだったことでしょう。――――――――――「あの日あの時あのコンピュータ」では、読者の皆さんからのご意見を募集します。記事で取り上げるコンピュータや思い入れのある名機のリクエスト、ご自身のエピソードなどをお待ちしています。また、コンピュータ本体や周辺機器の写真、カタログデータといった資料のご提供も大歓迎です。マイナビニュースの「ご意見・ご感想」からお寄せください。
2014年11月18日PFUは11月12日、同社が提供する産業用組み込みコンピュータ「ARシリーズ」に新たに3シリーズのラインアップを追加したこと、ならびに専用オプション製品の提供を開始することを発表した。今回発表された3シリーズのうち「AR4400モデル100H/200H」ならびに「AR4500モデル110H」は、従来のAR2000番シリーズとAR8000番シリーズの間を埋めるもので、省スペースと性能の両立を目指したモデル。「AR4400モデル100H/200H」はIvy Bridge世代の組込機器向けCore-i7 3615QE/Celeron 1020Eを採用し、262mm×250mm×148mmのコンパクトな筐体にPCI/PCI Express(PCIe)を3スロット装備したモデル。PCI/PCIeの構成はPCI×1/PCIe×2、PCI×3、PCIe×3のいずれかから選択が可能。また、高信頼性を確保するためのRAID 1、HDDホットスワップをサポートしているほか、200HモデルではUPSが搭載可能となっている。また、最大LAN×4ポート、シリアル×4ポートを構成することが可能となっている。一方の「AR4500モデル110H」は2台のCPUモジュールと産業用ギガビットイーサネットスイッチングハブ(8ポート)を1台の筐体の中に収めたモデル。CPUはCore-i7 3615QEが2台で、片方もCPUモジュールはRAID 1専用ボードを搭載しているほか、すべてのシステムに対応するUPSも搭載している。そして3つ目となる「AR8300モデル300J/310J」はHaswell世代のXeon E3 v3を搭載し、コストパフォーマンス性を向上させたモデルで2TBもしくは4TBのHDDを最大3台搭載することが可能なほか、米国のほか、中国や韓国、欧州、台湾などの情報通信規格に対応している。また、AR専用のオプション製品第1弾となる「高速メモリ共有カード」は、ARシリーズ(AR2100Jシリーズの上位機、AR4400、AR8300シリーズに対応)同士でメモリ上の情報をmini SASケーブルを用いて、最大10Gbpsの速さでやり取りすることを可能とするもので、1:1、デイジーチェーン、リング型といったさまざまなトポロジで接続することが可能。同社としては、今後も継続してオプション製品の提供を行っていく予定としており、第2弾以降も実用化の検討を進めている段階だとしている。なお出荷は、AR4400/AR4500シリーズが2014年11月、AR8300シリーズが2015年1月、高速メモリ共有カードが2015年2月からそれぞれ予定されている。
2014年11月13日「イソップ(Aesop)」が、今秋冬の新作ギフトキット6種類を11月1日に発売する。「職人たちのギルド」と名付けられたこのキットは、世界の伝統的な工芸ギルドにインスピレーションを受けたもの。イソップのショップで使用されているセラミックや木材など六つの素材をモチーフに、ボディケアやスキンケアアイテムがセットになっている。「レザー」キット(9,000円)では、皮革素材の多様性にフォーカス。優しい洗い心地の「フェブラス フェイス クレンザー」の他、低発泡性で爽快感のある「コリアンダー ボディクレンザー」、リッチなうるおいの「ポストシェーブ ローション 43」がキットになった。暖かな色合いの中に確かな輝きを放つ銅に注目した「コッパー」キット(1万1,000円)は、ボディケアのための四つのアイテムをそろえた。「レスレクション ハンドウォッシュ」で洗った手には、「レスレクション ハンドバーム」でたっぷりとした潤いを。風呂やシャワーではマイルドで低発泡な「ダマスカン ボディクレンザー」を使用し、最後に「リンド ボディバーム」で全身をケア出来る。また、クラシックなスキンケアアイテムを贈りたいなら、大理石の滑らかさを重視した「マーブル」キット(1万3,000円)がおすすめ。肌をカサつかせずにメイクや汚れを落とす「フェブラス フェイス クレンザー」に加えて、「B & T バランシング トナー」と「カミリア フェイシャル クリーム」をセット。すっきりなめらかに整えた肌に、クリームが潤いを与えてくれる。その他、木材の適用性の高さにちなみ、ゼラニウムリーフボディケアから3種類をセレクトした「ティンバー」キット(8,200円)、保湿成分を贅沢に配合したパセリシードスキンケアの3アイテムを詰め合わせた「セラミック」キット(1万7,000円)。ボディケアとリップケアの定番アイテムをそろえた「テキスタイル」キット(6,400円)も用意。各キットは四角い缶に収められ、エンボス加工のスリープに包まれている。世界各地のイソップ直営店全店と百貨店のカウンター、公式オンラインストアで取り扱う。
2014年11月01日ネスレ日本は10月29日、愛知県・松坂屋名古屋店に「キットカット」スイーツ専門店「キットカット ショコラトリー」の3号店をオープンする。出店場所は、同百貨店の本館地下1階食品売り場(ごちそうパラダイス内)となる。キットカット ショコラトリーは、オーナーシェフの高木康政氏が全面監修を手掛けた世界初のキットカットスイーツ専門店として、今年1月に東京都・西武池袋本店に初出店した。今回は、今年7月にオープンした2号店の東京都・大丸東京店に続く3号店となり、東京都以外への出店は初となる。オープンを記念して、「キットカット ショコラトリー スペシャル」の4種類のフレーバー(クリームチーズ・ストロベリーメープル・抹茶&きなこ・ジンジャー/全12枚)を、特製の"金色パッケージ"に詰め合わせた「名古屋アソート」(税別1,350円)を同店限定で発売する。同店で先行発売する「キットカット ショコラトリー スペシャル ジンジャー」(税別400円)は、口の中にジンジャーの香り広がり、まろやかな甘みと上品な辛みがしっかりと感じられる味わいとのこと。なお、11月7日より他店舗でも発売する。
2014年10月18日マウスコンピューターは17日、Ultrabook準拠の14型薄型ノートPC「LuvBook L」に、Microsoft Office Home & Business Premium + Office 365サービスをプリインストールした「LuvBook L472X-OP」を発表した。即日販売を開始し、標準構成時の価格は税別123,800円から。Office Premiumは、日本マイクロソフトが10月1日に発表した、日本独自のOffice提供形態。WordやExcelといったデスクトップアプリケーション部分と、Office 365サービス部分に分かれる。前者は搭載PCにおいて永続ライセンス、後者は1年間のサブスクリプション形式だ。Office 365サービスには、クラウドストレージ「OneDrive」の容量1TBが付属する点などが特徴となっている。「LuvBook L472X-OP」の主な仕様は、CPUがIntel Core i7-4500U(1.8GHz)、メモリがPC3-12800 8GB(8GB×1)、ストレージが256GB SSD、グラフィックスがIntel HD Graphics 4400(CPU内蔵)、光学ドライブは非搭載、ディスプレイは10点マルチタッチ対応14型HD+(1,600×900ドット)光沢液晶、OSはWindows 8.1 Update 64bitで、付属のOfficeは「Office Home & Business Premium + Office 365 サービス」。インタフェースは、USB 3.0×2、USB 2.0×1、HDMI×1、ギガビット対応有線LAN、IEEE802.11ac/a/b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 4.0 + LE、Webカメラ(100万画素)、ヘッドホン出力、マイク入力など。バッテリ駆動時間は約8.6時間(JEITA2.0)。本体サイズは約W338×D233×H21.5mm、重量は約1.81kg。
2014年10月17日NEXXは10月15日、名刺管理アプリ「WorldCard」に対応した撮影キット「WorldCard Mobile Phone Kit(モバイルフォンキット) 製品型番 NX-340」を発表した。価格は9250円(税別)。同製品は、iPhone 6/6 Plusを含む、現在発売中のあらゆるiOSとAndroidのスマートフォン、Windows OSとMac OS搭載のPCでWorldCardアプリケーションが使えるよう、対応する4バージョンのアプリケーション(ダウンロードないしCDで提供)とインストール用ライセンスがセットとなったもの。機種間のカメラ位置の違いを自動識別し、どのスマートフォンモデルにでも適応するように設計された名刺の連続自動撮影用スタンドとなっている。Googleの連絡先管理「Googleコンタクト」にも対応。名刺データを画像ごと自動同期でき、iPhone, Android, Windows PC, Mac PCのいずれかで取得した名刺データを、瞬時に、Google Contactsにバックアップする。また、他のデバイスやPCにインストールしたWorldCardの各バージョン上に転送設定可能。WorldCardは、名刺の認識精度と25カ国語のマルチ言語認識能力が定評の名刺管理アプリ。Eightなどの類似アプリと比較して、国際対応やマルチデバイス間で取得した名刺情報を瞬時に自動共有できる点などが特徴となっている。
2014年10月16日インテルは15日、切手大のサイズにプロセッサに加え、無線機能などのインタフェースを搭載した超小型コンピュータ「Intel Edison」を25日より日本国内で販売すると発表した。Intel Edisonモジュール単体のほか、Intel Edison キット For Arduino、Intel Edison Breakout ボードキットをそれぞれ販売する。価格はオープン。Intel Edisonは、切手大の小型サイズに500MHzで駆動するデュアルコアのIntel Atomと、100MHzで駆動するIntel Quarkのほか、40種類のGPIO、1GB LPDDR3メモリー、4GB EMMCとデュアルバンドのWi-Fi / BTLEを搭載したモジュール。詳細な仕様は下記の記事を参照してほしい。■「Edison」の解説記事はこちらIntel、超小型サイズのコンピュータ「Intel Edison」を正式発表2014年9月のIDF14(Intel Developer Forum 2014)で正式発表され、ワールドワイドではすでに販売を開始しているが、日本国内では技適マークの取得などの理由から販売が10月の予定となっていた。製品のラインナップは、Intel Edisonモジュール単体のほか、Intel Edison キット For Arduino、Intel Edison Breakout ボードキットの3製品。秋月電子通商、オリオスペック、システナ、スイッチサイエンス、ソフマップ、ソフトバンクコマース&サービス、ダイワボウ情報システム、ドスパラ、Project White、ユニットコム、ワンズといった販売店で取り扱う。なお、インテルは2014年11月23日~24日に東京ビックサイトで開催する「Maker Faire Tokyo 2014」に出展。Intel Edison開発ボードやArduino互換のIntel Galileo開発ボードなどを紹介する予定だという。
2014年10月15日コンピュータの頭脳は人間に勝てるのか。「記憶と脳科学」のテーマで今回紹介するのは、コンピュータ将棋だ。2013年に行われた第2回 電王戦でコンピュータは3勝1敗1分けで初めて現役プロに勝利した。将棋は盤面も広く、持ち駒を再利用するなど複雑なゲームだ。長らく人間に匹敵するような知識をコンピュータに持たせることは難しかったという。それなのになぜ、プロ棋士に勝つほど強くなったのか。佐藤佳州さん(パナソニック研究員)が第17回自然科学研究機構シンポジウム「記憶の脳科学~私たちはどのようにして覚え忘れていくのか」(9月23日開催)で行った講演では、コンピュータ将棋の歴史から、どのようにコンピュータ将棋が強くなったか、その理由や未来について、非常に興味深いお話しがあった。○2000年代中盤から急速に発達した理由コンピュータ将棋の歴史は1970年代に遡る。急速に発達したのは2000年代中頃からだ。理由は「現在のプログラムの強さを支える重要な技術が、急速に発達したから」と佐藤さんは説明する。具体的には評価関数の機械学習や全幅探索などがそれに当たる(図参照)。これらの技術を駆使し、コンピュータ将棋はアマチュアレベルから一気にプロレベルに達する強さに到達したという。コンピュータの計算性能が向上したから人間に勝てるようになった、と思うかもしれないが、それだけではない。1997年にコンピュータがチェスの人間のチャンピオンを上回ったが、チェスの複雑さが10の120乗であるのに対して将棋は10の220乗とかなり複雑。コンピュータの速度向上だけで人間に勝つことは無理であり、「ソフト面の進歩が非常に大きい」と佐藤さんは強調する。○読みと大局観に相当するのが「探索」と「評価関数」ではコンピュータは具体的にどのように将棋の指し手を決めているのだろうか。通常、人間が将棋をする場合、「読み」と「大局観(形勢判断)」で指し手を決めていく。コンピュータの場合、「読み」にあたるのが「探索」、「大局観」にあたるのが「評価関数」だ。コンピュータ将棋では、基本的に人間が考えないような手も含めてすべての手を探索する。一段ずつ探索を深めていくが、時間制限もあり終局までは探索できないので一定の深さで探索を打ち切る。打ち切ったときの局面の優劣を、評価関数で点数化する。評価関数とは、局面の優劣をコンピュータが判断できるよう数値化するための関数であり、コンピュータはもっとも評価の高い(つまり数値の高い)手順を選択して指す、という仕組みになっている。コンピュータ将棋の特徴であり問題点は、すべての手を探索するため「読み抜けが少ない反面、無駄が多い点」だという。「そのため1秒間に数百万局面も読むにもかかわらず、人間に読み負けることがある」(佐藤さん)。また、評価関数ではすべての局面を数値化するが、その数値化の作成は人間が行っていた。人間は通常、局面を点数化して考えたりしないのに関わらず、正確な評価関数を作るのは非常に困難だったという。○プロ棋士を破る原動力となった「機械学習」強いコンピュータ将棋を作る上での課題は、「無駄な手は探索せず、よさそうな手を深く探索すること」、また「局面の優劣を正確に数値化する評価関数を作ること」の2つに集約される。後者について、評価関数の数値化作業に大きく貢献したのが、2006年に登場した「BONANZA(ボナンザ)」というプログラムだ。従来人間が行っていた数値化作業を、「機械学習」によって自動的にパラメーターを調整させることに成功したのだ。この成功が将棋プログラムの飛躍的な性能向上につながったという。そして近年では、プロの棋譜を利用した機械学習が大きな成功をおさめている。といっても、棋譜をそのまま覚えるわけではない。単に記憶しただけでは、完全に一致する局面でしかその知識を活用できない。目指すのは「指し手の意味を獲得する」ことだ。具体的にはプロの指し手からどのような局面が良い局面であり、どのような指し手を深く探索するべきなのかという、知識を学習する。たとえば現在行われているのは、指し手の比較による学習だ。ある局面でプロが選択した指し手(正解手)と指さなかった手(不正解手)がある。正解手のほうが不正解手より点数が高くなるように評価関数を調整する。さらに、プロが指し手を選択する場合は、数手先まで「読み」が入っているのに対し、コンピュータは一手先までしか見えていない。この課題に対応するため学習課程に探索(読み)を導入し、数手先まで進めてから正解手と比較する。このようにして、プロが実際に思考した評価とコンピュータが実際に思考した評価を対応づけていく。○未来 - コンピュータから将棋を教わる?佐藤さんによると、「コンピュータ将棋が近いうちに人間のトッププレイヤーに勝つのはほぼ確実」。ただ、人間に勝つこと=人間の思考を上回る知識を獲得しているわけではないそうだ。現在のコンピュータ将棋はミスの少なさ、読みの深さで人間を上回るが「そもそも現在の機械学習は人間の差し手の真似であり、人間の大局観に達しているとは言い難い。さらなる改良の余地が大きい」という。改良点は色々あるが、たとえばどのような棋譜を学習すれば強いプログラムができるか、さらにどういった戦術を重視して学習すれば強いプログラムができるかという点がある。戦術については穴熊、銀冠、矢倉などしっかりとした囲いを作る戦術が上位にあがっているそうだ。実際に重要度を使って学習させたプログラムと、使わずに単純に学習したプログラムで対局を行い戦術の違いを比較すると、重要度を使って学習した方が、コンピュータにとって勝ちやすい戦術を選択し、結果的にかなり強いことがわかった。このように、コンピュータ将棋が人間に勝利するという目標が達成されようとしている今、コンピュータ将棋は大きな変換点を迎えているそうだ。佐藤さんは「さらに強さを追い求める方向性と、人間との関わりを重視する方向性」という2つの方向性があると説明する。強さを求める方向性では、人間の棋譜によらず強いプログラムを学習できないか。そして人間との関わりを求める方向性では、人間に将棋を教えたり、詰め将棋などの問題を作ったりすることも考えられるという。コンピュータ将棋は人間の真似をして強くなってきたというが、コンピュータに将棋を教えてもらって強くなるという時代がすぐそこまで来ているようだ。なお、第17回自然科学研究機構シンポジウム「記憶の脳科学~私たちはどのようにして覚え忘れていくのか」に参加した高校生記者によるシンポジウム取材記事が掲載されている。そちらもぜひご覧いただきたい。
2014年10月15日アジレント・テクノロジーは6月24日、試薬キット「Agilent SureSelect QXT」を発表した。臨床研究においては、サンプル入手からシーケンスまでを同日中に行えるような簡単なワークフローが求められている。同試薬キットは、使用するサンプルgDNA(ゲノムDNA)が50ngで、サンプルの入手からシーケンス開始までの時間を7時間に短縮している。また、トランスポゼースを用いた既存の手法と比較して3倍高速で、実際の操作にかかる時間も30%削減できる。さらに、微量サンプルでの解析も可能で、幅広いゲノムターゲットに対し、高精度な変異解析が可能となっている。加えて、現在市場にある高速シーケンサと併用することで、サンプル入手からデータ入手までの所要時間を24~36時間に短縮することができる。この他、トランスポゼースを元にしたライブラリと、進歩したハイブリダイゼーションにより、高速解析を可能としている。従来16時間程度だったハイブリダイゼーションの所要時間を90分に短縮。しかも、時間短縮を実現しながら、従来の高い性能はそのまま維持している。同キットのハイブリダイゼーション能力は、エクソームまたはターゲットとするゲノム領域の高精度変異解析に十分な感度および選択性を備えているという。
2014年06月25日三陸鉄道は、桜柄のラッピング車両「キット、ずっと2号」の運行を22日に終了する。ラストランの後、一般参加によるラッピングはがし作業を行うとのことだ。「キット、ずっと2号」は、三陸鉄道とネスレ日本の復興支援プロジェクト「キット、ずっとプロジェクト」による桜アートラッピング車両の2代目。2012年3月から2013年6月まで運行した初代「キット、ずっと号」(36-101号車)に続き、昨年4月に南リアス線に登場した。東日本大震災発生時に南リアス線で唯一被害を逃れた36-105号車を使用している。22日のラストランでは、臨時列車として盛~釜石間を往復し、盛駅到着後、車両基地にて11時30分頃からラッピングはがし作業を行う。終了・解散は12時の予定。はがしたラッピング片は、記念として持ち帰ることができる。参加者全員に、「キット、ずっと2号」ラストラン記念乗車証と、トミーテック三陸鉄道36形「キット、ずっと2号」がプレゼントされる。ラストラン乗車とラッピングはがし作業は事前申込制。参加費は1名3,000円で、定員30名。小学生以下の参加は不可。定員に達し次第締め切る。
2014年06月18日