深くしなやかな音とこまやかな情感で聴き手を魅了する河村尚子。来日するオメル・メイール・ヴェルバー指揮ウィーン交響楽団とブラームスのピアノ協奏曲第1番を弾く。「ブラームスの協奏曲はスケールが大きく、交響曲的な構造。私はシンフォニーも大好きなので、第1番にも第2番にもすごく惹かれます。ピアノ協奏曲第1番には、若かりしブラームスの情熱と勢い、激しさ、悩みと愛情、あこがれ……。さまざまな思いが詰まっています。すごく張り切っているブラームス。いろんなことに挑戦してみたいという姿が、音楽を通して見えてくるようです」24歳のブラームスが完成した若き日の作品。はじめ2台ピアノの作品として着想したとか、当初の第2楽章は《ドイツ・レクイエム》に転用されたとか、完成した第2楽章はミサ曲から転用したものとされているとか、いろんな「物語」のある作品だ。「その第2楽章の讃美歌のような音楽など、伝統的な協奏曲の第2楽章のスタイルではありませんよね。ブラームスはオルガンも弾いていたり、いろんな分野からピアノ音楽にたどり着いた。ピアノだけを中心にしている人だったら、こんな音楽は書けないんじゃないかなと思うのです。オーケストラも書ける。宗教曲も書ける。ピアノ曲も書ける。室内楽も書ける。歌曲も書ける。そういういろんな引き出しを持った人だからこそできあがったピアノ協奏曲だと思います。それらすべてが編み込まれている感じです。その一方で、第3楽章の終わりにはフガートが書かれています。フガートって、協奏曲の第3楽章でよく出てくるんですよ。シューマンも書いているし、ベートーヴェンの第3番もそう。そういう伝統もちゃんと踏まえたうえで、自分の新しい音楽を作っていこうという意気込みが感じ取れます」(C)Marco Borggreveブラームスの作品は、「音楽の波が自然に、心地よく流れていく」と語る。「もちろん弾くのが大変なところはたくさんありますよ(笑)。でも弾いていて心地よいというか、音楽の波に自然に乗せられていくんです。ブラームスって、頭でっかちになりすぎないというか、頭と心、技巧的な部分とエモーショナルな部分のバランスが非常にいい。和声もとても巧みで、弾いても聴いても心地よい。ピアニストたちが弾きたい協奏曲のひとつだと思いますよね。そして、オーケストラにとっても弾きがいがある。ソロ・ピアノの伴奏としてではなく、一種の交響曲として弾くから、その意気込みがオーケストラ側からも感じられます。歌はすべての音楽の原点ですから。私は生徒に教える時、楽器ではなく、まずは自分の声で歌ってみてと言っています。自分も歌います。自分がどう歌う時に把握しないと自然さが出てこないですし、声を出して歌ってみると、ブレスの場所や呼吸の長さがわかってくる。もちろん、楽器でしかできない歌い方もあるので、両方を組み合わせて音楽を作っていければいいですね」指揮者ヴェルバーとは初共演。事前にウィーンでリハーサルをして来日する。(C)Julia Wesely「コンサートだけの指揮者ではなく、2025/2026シーズンからハンブルク州立歌劇場の音楽総監督に就任するなど、ブラームスと同じく、すごく広い分野から音楽を取り出している人物だと思います。アコーディオンを演奏されたり、新しい音楽の見方、コンサートのあり方をどんどん改革していく方なんじゃないかなと思っております」今年は日本デビュー20周年の節目の年。9月にはそれを記念したリサイタル・ツアーも予定している。「佐賀県の有田市を皮切りに、毎年のように演奏会をさせていただいている山形の白鷹町、故郷である兵庫県立芸術文化センター。そしてフィリアホールとサントリーホール。ショパンのソナタ第3番を後半のメインに、現代作曲家・岸野末利加さんに委嘱した《単彩の庭園 IX》の初演、そしてプロコフィエフのピアノ・ソナタ第7番。コンサートの始まりは、能登半島地震で被災された方々へ捧げる祈りとしてバッハ/ブゾーニの《シャコンヌ》を弾きます。やはりバッハは、心をゼロに戻して祈ることができる音楽だと思うのです。岸野さんの作品は彼女の《単彩の庭園(Monochromer Garten)》というシリーズの9曲目。「単彩の庭園」は日本庭園をイメージした作品シリーズで、彼女は京都のご出身でご実家がお寺さんなんです」女性作曲家の紹介は、近年彼女が手がけているプロジェクトの一環。また4月には、東京や山形で、フランスの近現代作品と矢代秋雄、武満徹を組み合わせた新しい取り組みも。21年目の新たな一歩を刻み始めた河村尚子から目が離せない。(宮本明)オメル・メイール・ヴェルバー指揮ウィーン交響楽団■チケット情報()3月13日(水) 19:00開演ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 Op.15[ピアノ] 河村尚子ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 Op.683月14日(木) 19:00開演ベートーヴェン:交響曲第8番 ヘ長調 Op.93ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 Op.92サントリーホール
2024年03月06日世界最高峰のバッハ演奏団体「バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)」の新年は、なんとブラームスの『ドイツ・レクイエム』で幕を開ける。すでにベートーヴェンの『ミサ・ソレニムス』や『第九』のほか、メンデルスゾーンのオラトリオ『エリアス』などを手掛けてきたBCJが、ブラームスの大曲『ドイツ・レクイエム』へと目を向けることは、自然の成り行きのようにも感じられる。“いつかきっと”という期待感が、“とうとうここに”というワクワク感に変わったことは新年早々の僥倖だ。1869年に初演されたこの曲の構成は全7曲。最大の特徴は歌詞がドイツ語であることだ。カトリック教会における死者の安息を神に願う「レクイエム」は、ラテン語の祈祷文に従って作曲されるのが通例だ。しかしドイツ人にしてルター派信徒であったブラームスは、慣れ親しんだドイツ語の聖書の中から自らが選んだ言葉を歌詞として使用している。それが故に『ドイツ・レクイエム』と呼ばれるようになった名曲だ。そしてこれこそが、ルター派プロテスタントの信徒であったJ.S.バッハからの流れを汲むようにも感じられる。“歌っていて最も感動する作品”という合唱団員からの声も聞こえるこの作品。筋金入りのBCJの手にかかってどのような化学変化を起こすのか、興味津々。鈴木雅明 指揮バッハ・コレギウム・ジャパンブラームス《ドイツ・レクイエム》■チケット情報()1月19日(金) 19:00開演東京オペラシティ コンサートホール出演鈴木雅明(指揮)安川みく(ソプラノ)ヨッヘン・クプファー(バス)バッハ・コレギウム・ジャパン(合唱&管弦楽)曲目シュッツ:主にあって逝く死者は幸せだ SWV391ブラームス:ドイツ・レクイエム op.45●バッハ・コレギウム・ジャパン(合唱&管弦楽)Bach Collegium Japan, chorus & orchestra1990年鈴木雅明により創設。音楽監督に鈴木雅明、首席指揮者に鈴木優人を擁する。世界各国から集まる古楽のスペシャリストとともに、オリジナル楽器を用いてバッハを中心とした音楽遺産の理想的上演を目指し演奏活動を行う。多数のCD録音が高い評価を受けるほか、BBCプロムスやカーネギーホールなど世界中で活発な演奏活動を展開。2022年秋のパリ、ウィーンなど9都市を巡る欧州公演においては、満席の聴衆から熱狂的な喝采を浴びた。2023年6月、ライプツィヒ・バッハ音楽祭フィナーレへも招聘されるなど、日本のみならず世界の音楽シーンを牽引している。第45回サントリー音楽賞を鈴木雅明と共に受賞。18年の年月をかけて完成した「バッハ:教会カンタータ全曲シリーズ」は、世界的にも貴重な成果として注目を浴び、「ヨーロッパのグラミー賞」と称されるエコー・クラシック賞を受賞。2020年秋上演の鈴木優人指揮 ヘンデル『リナルド』公演が第19回佐川吉男音楽賞を受賞。
2024年01月11日アダム エ ロペ オム(ADAM ET ROPÉ HOMME)から、ブラームス ルーツストック(blurhms ROOTSTOCK)の別注Tシャツが登場。2023年8月4日(金)よりアダム エ ロぺ オム店舗ほかにて販売される。ブラームス ルーツストック別注「ニルヴァーナ」Tシャツブラームスの中でも、着心地やリラックス感などを重視したデイリーユースの定番アイテムを揃えるライン「ブラームス ルーツストック」。アダム エ ロペよる別注では、伝説のロックバンド「ニルヴァーナ(Nirvana)」をモチーフにしたTシャツを用意する。Tシャツは、カート・コバーンが写ったオフィシャルのフォトプリントと、アイコニックな“スマイルマーク”を刺繍であしらった2デザインを展開。Tシャツのバックプリントには、ニルヴァーナを象徴する“オニキス(Onyx)フォント”で代表的なワードロゴがそれぞれ配されている。またボディには、プリントTシャツのために生産されたブラームス ルーツストックのオリジナル素材を使用。染色加工、プリントを施した後に複数回洗いをかけることで柔らかな風合いを生み出し、着心地の良い1着に仕上げている。詳細ブラームス ルーツストック for アダム エ ロぺ発売日:2023年8月4日(金)販売店舗:アダム エ ロぺ オム取扱い店舗、公式オンラインストアアイテム:・Embroidery Smile Tee 17,600円・Monochrome Photo Tee 17,600円サイズ:2、3、4【問い合わせ先】ワンダリズムTEL:03-6805-3086
2023年08月04日ブラームス(blurhms)とブラームス ルーツストック(blurhms ROOTSTOCK)のデニムフルラインナップが、2023年2月4日(土)より全国の取扱店舗にて発売される。デニムジャケットやパンツなど”着心地、丁寧さ、程よいリラックス感と使いやすさ”をコンセプトに掲げるブラームスと、ブラームスの中でも、よりスタンダードなプロダクトを提案しているラインのブラームス ルーツストックのデニムアイテムが勢揃い。新たに生まれ変わったデニムジャケットやパンツを展開する。両レーベルとも同様にオリジナルの生地をベースに、ブラームスは糸のクオリティーを活かした独特の柔らかさが特徴のデニムに仕上げた。一方のブラームス ルーツストックは、少し硬めの生地に仕上げ、着れば着るほど独特の柔らかさが出てくるのが特徴だ。ロングベルト付きデニムパンツやフレアスカートブラームスでは、“70’s 505”のプロトタイプをイメージして、脇にハンドウォームポケットを配したデニムジャケットや、定番のロングベルトパンツが一新してラインナップ。ロングベルトパンツは、長めのベルトとタック入りの立体的でワイドなシルエットが特徴だ。また、ヒップラインまではすっきりとしたシルエットで、裾にかけて自然と広がっていくフレアスカートも用意する。ゆったりシルエットのパンツなどブラームス ルーツストックからは、ヴィンテージのデニムワークジャケットをベースに、ゆったりとしたシルエットでバランスを取ったデニムジャケットや、全体的にワイドでゆったりとしたシルエットに仕上げたパンツが登場。両レーベルとも、カラーはインディゴとブラックの2色を取り揃える。【詳細】ブラームス&ブラームス ルーツストック発売日:2023年2月4日(土)展開店舗:全国の取扱店舗アイテム例:・ブラームス デニムジャケット 45,100円・ブラームス デニムパンツ 38,500円・ブラームス デニムスカート 29,700円・ブラームス ルーツストック デニムジャケット 46,200円【問い合わせ先】ワンダリズムTEL:03-6805-3086
2023年01月30日認定NPO法人トリトン・アーツ・ネットワーク/第一生命ホール主催、〈ウィークエンドコンサート〉『小山実稚恵の室内楽 第6回ブラームス、熱く深い想いをつなげて 小山実稚恵&川本嘉子デュオIII』が2022年12月3日 (土)に第一生命ホール(東京都中央区晴海1-8-9晴海アイランド トリトンスクエア)にて開催されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)、主催者チケットデスクほかにて発売中です。カンフェティにて9月20日(火)11:00よりチケット発売開始 公式ホームページ ブラームスに導かれて辿る、室内楽の森深い共感と信頼で結ばれた名手たちとの共演<曲目>ブラームス:ヴィオラ・ソナタ 第2番 変ホ長調 Op.120-2権代敦彦:無言のコラール集~ヴィオラとピアノのための~ Op.185ブラームス:ヴィオラ・ソナタ 第1番 ヘ短調 Op.120-1プロフィール小山実稚恵 Koyama Michie (ピアノ)圧倒的存在感をもつ日本を代表するピアニスト。チャイコフスキー、ショパンの二大国際コンクール入賞以来、常に第一線で活躍し続けている。協奏曲のレパートリーは60曲を超え、国内外の主要オーケストラや指揮者からの信頼も厚い。『12年間・ 24回リサイタルシリーズ』や『ベートーヴェン、そして...』が、その演奏と企画性 で高く評価された。2022年からはサントリーホール・シリーズ、第 IシーズンConcerto<以心伝心>を開催。東日本大震災以降、被災地で演奏を行い、仙台では被災地活動の一環として自ら企画立案した『こどもの夢 ひろば"ボレロ"』を開催している。CDはソニーから32枚をリリースし、近作の 2つのベートーヴェン・アルバムは、共に「レコード芸術」特選盤に選ばれた。著書として『点と魂と』、平野昭氏との共著『ベートーヴェンとピアノ』。2016年度 芸術選奨文部科学大臣賞など受賞多数。2017年度には紫綬褒章を受章している。川本嘉子 Kawamoto Yoshiko (ヴィオラ)1992年ジュネーヴ国際コンクール・ヴィオラ部門最高位(1位なしの2位)。96年村松賞、97年第7回新日鉄音楽賞・フレッシュアーティスト賞、2015年東燃ゼネラル音楽賞・奨励賞受賞。ソリスト・室内楽奏者として最も活躍しているヴィオラ奏者の1人。京都アルティ弦楽四重奏団、AOI・レジデンス・クヮルテットのメンバー。タングルウッド、マールボロ、ダボス、東京の夏、霧島音楽祭、サイトウキネン、小澤音楽塾、水戸室内管、アルゲリッチ音楽祭等に参加しアルゲリッチやバシュメットなどと共演し絶賛を博している。チョン・ミョンフンとの室内楽では日本・韓国公演も行なっている。1991年東京都交響楽団に入団。1999年より2002年退団まで首席奏者。2017年~21年までNHK交響楽団首席客演奏者を務める。ソリストとして、これまでにガリー・ベルティーニ、ジャン・フルネ、ペーター・マークなどの著名な指揮者と共演。小澤音楽塾、愛知室内オーケストラでは弦楽器アドヴァイザーとして、後進の育成にも積極的に力を注いでいる。類稀なる表現力とテクニックで聴衆を魅了し、日本を代表するヴィオラ奏者の一人として常に第一線で活躍している。公演概要〈ウィークエンドコンサート〉『小山実稚恵の室内楽 第6回ブラームス、熱く深い想いをつなげて 小山実稚恵&川本嘉子デュオIII』公演日時:2022年12月3日 (土)13:15 開場/14:00 開演※13:40~小山実稚恵、川本嘉子、権代敦彦によるプレトーク会場:第一生命ホール(東京都中央区晴海1-8-9晴海アイランド トリトンスクエア)■出演者小山実稚恵(ピアノ) / 川本嘉子(ヴィオラ)■チケット料金S席:5,000円A席:4,500円B席:3,500円U25(25歳以下):1,500円(全席指定・税込)主催:認定NPO法人トリトン・アーツ・ネットワーク/第一生命ホール協賛:第一生命保険株式会社企業メセナ協議会の認定制度「This is MECENAT」文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)独立行政法人日本芸術文化振興会 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年09月29日JASM主催、『鈴木茉莉花 ピアノリサイタル ~モーツァルト、ブラームス、シマノフスキの夕べ~』が2022年10月8日(土)にムジカーザ(東京都渋谷区)にて開催されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて6月20日(月)10:00より発売開始です。カンフェティにて6月20日(月)10:00よりチケット発売開始 【PROGRAM】モーツァルト:ピアノソナタ変ロ長調KV281モーツァルト:ピアノソナタイ短調KV310ブラームス:ピアノソナタ第2番嬰ヘ短調op.2シマノフスキ:変奏曲変ロ短調op.3プロフィール鈴木茉莉花(すずきまりか)3歳よりピアノを始める。2003年、跡見学園中学校を経て、跡見学園高等学校卒業。2003年、桐朋学園大学音楽学部音楽学専攻入学。大学2年次より休学(2005年に中退)し、ポーランド国立フレデリクショパン音楽大学ピアノ科(旧ショパンアカデミー )に、2004年10月入学。2009年、学士課程を経て、同音楽大学を芸術修士(magister sztuki)を取得し、卒業。2006年、第2回ブダペスト国際ショパンピアノコンクールファイナリスト、ディプロマ賞受賞。(入賞該当者なし。ハンガリー)2006年、大学主催のモーツァルト生誕250周年記念コンサートシリーズにソロおよびピアノ四重奏で2回にわたり出演、2006年、アントニン音楽フェスティバルに出演。2007年、ポーランド日本大使館主催日本ポーランド国交回復50周年記念コンサートに出演、などを含め、ポーランド各地のコンサートに多数出演。2019年、聖グレゴリオ教会(東京)でソロリサイタル。2021年、東京オペラシティリサイタルホールにおいて、ソロリサイタル。2005年、ワルシャワ国際ピアノ夏期セミナー修了、レギナ・スメンジャンカに師事。ザルツブルグ国際夏期アカデミー修了(2010年、2015年)、ロバート・レヴィン、アンドレア・ボナッタに師事。マスタークラスにおいて、ジャック・ルヴィエ、ヴォルフガング・ヴァッツィンガー、シュテファン・アーノルドの各氏に師事。大学在学中、室内楽を3年間学び、修了。ピアノ三重奏、ピアノ四重奏、ヴァイオリン、チェロ、サックス、声楽とのデュオを組み、演奏。これまで、ピアノを岡本美智子、渡邉康雄、有賀和子、テレサ・マナステルスカ、パヴェウ・カミンスキの各氏に師事。室内楽をクリスティーナ・マコフスカ=ワヴリノヴィチ、ヨアンナ・ワヴリノヴィチの各氏に師事。開催概要『鈴木茉莉花 ピアノリサイタル ~モーツァルト、ブラームス、シマノフスキの夕べ~』開催日時:2022年10月8日(土)18:30開場/19:00開演会場:ムジカーザ(東京都渋谷区西原3-33-1)■チケット料金前売:2,500円当日:3,000円(全席自由・税込)【後援】日本モーツァルト協会ポーランド広報文化センター 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年06月20日彩の国さいたま芸術劇場音楽ホールで、ストーリー・コンサート『クララ-愛の物語-』を再演が決定した。この作品は世界的に有名なドイツの2人の天才作曲家ロベルト・シューマンとヨハネス・ブラームスと彼らを愛し、支えたクララ・シューマンの物語を読売日本交響楽団のチェリスト渡部玄一が生み出した本格的な演奏と朗読で構成したかつてないスタイルの公演だ。本作は昨年12月の東京公演において大きな反響と高い評価を得た。この度、早くも再演が決定。今回の再演ではさらに内容をブラッシュアップし、人気と実力を兼ね備えたキャスト陣2組による上演が決定した。クララ役には初演に引き続き、元宝塚男役トップスターの水夏希。退団後も確かな表現力でミュージカルをはじめ、様々な舞台で活躍している。そして声優としての活躍をはじめ、数々のミュージカル、舞台において瑞々しい存在感を放つ伊波杏樹が演じる。またシューマンとブラームスの2役を演じるのは、ヴォーカルグループ LE VELVETS のメンバーとしての音楽活動をはじめ、ミュージカル等で実力を発揮している佐賀龍彦と数々の舞台、TV、映画において比類なき個性と演技力で幅広い活躍をみせる渡辺大輔という充実のキャストが決定。公演は彩の国さいたま芸術劇場音楽ホールにて7月14日(水) 15日(木) 。一般発売は2021年6月26日(土)午前10:00予定。
2021年06月04日新型コロナウイルスのパンデミックのため、来日アーティストの公演が軒並み中止となるなか、日本にいながらにして、ドイツで生まれ育ち、ドイツ・ピアノの正統派の流れにある音楽教育を受けたピアニスト、ゲルハルト・オピッツの演奏でドイツ音楽を聴くことができるのは、実に貴重な機会だ。1953年、西ドイツのバイエルンに生まれたオピッツは、19歳の頃、20世紀の巨匠であり、ベートーヴェンの解釈者として名高いドイツのピアニスト、ヴィルヘルム・ケンプの教えを享受した。ドイツ音楽の古い伝統を土台に育んだ音楽を今の聴衆に届ける、数少ないピアニストのひとりといえる。世界的な活躍のきっかけは、1977年、イスラエルで行われたルービンシュタイン国際ピアノコンクールでの優勝。彼は未だ、このコンクール唯一のドイツ人優勝者として歴史に名を刻む。そのオピッツが、この冬、ソロリサイタルやオーケストラとの共演で、日本ツアーを行う。なかでも12月11日に東京オペラシティコンサートホールで行われるリサイタルで取り上げるのは、生誕250年のベートーヴェン。それも、〈鍵盤音楽の新約聖書〉と呼ばれる32曲のピアノ・ソナタから、最後の3つのソナタを演奏する。記念年の締めくくりに来日を果たしてこのプログラムを披露してくれることに、感謝せずにいられない。加えて、12月17日には、東京都交響楽団「都響スペシャル2020」にソリストとして登場。小泉和裕のタクトのもと、やはり得意とするブラームスから、ピアノ協奏曲第1番を演奏する。ドイツ音楽ならではの様式美と、あふれるほどの詩情を兼ね備えたこの楽曲を、持ち前のあたたかく骨太な音で聴かせてくれるだろう。生のオーケストラサウンドに包まれる喜びも、存分に堪能できる。オピッツのレパートリーはもちろんドイツものに限られるわけでなく、幅広い作品を演奏しているが、歳を重ねるにつれ、「ベートーヴェンから続く系譜にある音楽がどんどん自分に近い存在となってきた」と話す。コロナ禍にあって、音楽からエネルギーを得たい今日この頃。ドイツ音楽の真髄を知るオピッツの演奏により、ベートーヴェンやブラームスの音楽が秘める底力を、ひしひしと感じることになりそうだ。音楽ライター高坂はる香
2020年11月25日“日本を代表するヴァイオリニストとピアニストの共演”として、2009年に大きな話題となったアルバムが、松田理奈(ヴァイオリン)と清水和音(ピアノ)によるラヴェルだった。この録音から10年が経過したこの年末、名手2人が再び共演する。しかもプログラムには、10年前に手掛けた話題のラヴェルがずらりと並ぶのだからこれは聞き逃がせない。音楽家にとっての10年とは一体どのような意味を持つのだろう。10年前には新進気鋭のヴァイオリニストだった松田理奈は、今や日本屈指の名手の1人に数えられる存在となり、当時すでにスーパーソリストとして名を馳せていた清水和音は、今や巨匠への道を1歩1歩着実に歩みつつある大物としてその名を知られる存在だ。共に熱く激しい内面を持つこの2人が、さらなる深化の過程で相まみえるラヴェルが一体どのような凄みを持つものなのか。プログラム前半に置かれたモーツァルト&ブラームスともども心して聴いてみたい。●公演概要12月17日(火)紀尾井ホール●松田理奈 Lina Matsuda (ヴァイオリン, Violin)桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコースにて研鑽を積み、2006年ドイツ・ニュルンベルク音楽大学に編入。2010年、同大学院を首席にて修了。1999年に初ソロリサイタルを開催した後、2001年第10回日本モーツァルト音楽コンクールヴァイオリン部門第1位、同コンクール史最年少優勝。2002年にはトッパンホールにて「16才のイザイ弾き」というテーマでソロリサイタル開催。2004年、第73回日本音楽コンクール第1位、2007年にはサラサーテ国際コンクールにてディプロマ入賞。2013年新日鉄住金音楽賞受賞。これまでに国内の主要オーケストラに加え、ハンガリー国立フィル、スーク室内オーケストラ、ヤナーチェク・フィルハーモニー室内管、ベトナム響など数々のオーケストラや著名指揮者と共演。2006年ビクターより『ドルチェ・リナ』をリリース。その後『カルメン』、清水和音とライブ収録した『ラヴェル・ライブ』、『イザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ全曲集』をリリース。2018年にはブラームスとフランクのソナタを収録した5枚目のアルバムをリリースした。松田理奈オフィシャルウェブサイト: ●清水和音 Kazune Shimizu (ピアノ, Piano)(c) Mana Miki完璧なまでの高い技巧と美しい弱音、豊かな音楽性を兼ね備えたピアニスト。ジュネーヴ音楽院にて、ルイ・ヒルトブラン氏に師事。1981年、弱冠20歳で、パリのロン=ティボー国際コンクール・ピアノ部門優勝、あわせてリサイタル賞を受賞した。これまでに、国内外の数々の著名オーケストラ・指揮者と共演し、広く活躍している。室内楽の分野でも活躍し、共演者から厚い信頼を得ている。これまでにソニーミュージックやオクタヴィア・レコードなどから多数のCDをリリースし、各誌で絶賛されている。2011年には、デビュー30周年を記念して、ラフマニノフのピアノ協奏曲第1番~第4番とパガニーニの主題による狂詩曲の全5曲を一度に演奏するという快挙を成し遂げた。2014年から2018年の5年間では年2回のリサイタル・シリーズ「清水和音 ピアノ主義」を開催。幅広いレパートリーで聴衆を魅了した。2016年4月からは、年6回の室内楽シリーズ「芸劇ブランチコンサート」を開始するなど精力的な活動を続けている。桐朋学園大学・大学院教授。
2019年12月12日水夏希と新納慎也が出演するストーリー・コンサート『クララ-愛の物語-』が、12月12日(木)に東京・よみうり大手町ホールにて開催される。水夏希に話を聞いた。【チケット情報はこちら】本作は、作曲家のロベルト・シューマンとヨハネス・ブラームス、そして彼らを愛し支えたクララ・シューマンの物語を、“生演奏”と“朗読”で構成するかつてないスタイルの公演。構成・演出を読売日本交響楽団のチェリスト・渡部玄一が手掛け、水がクララ、新納がシューマンとブラームスの二役を演じる。作品について「これは本当にノンフィクションなのか?と思うくらい、3人の人間模様がドラマチックに絡み合っていて驚きます」と明かした水。水が演じるクララは、シューマンの妻としてピアニストとして支える女性。結婚後、シューマンは名声を手に入れるが、疲労から心を病んでしまう。そんなある日、そんなふたりの元にブラームスが現れ、弟子としてシューマンを支えるが、心の病がひそかに肥大していたシューマンは自殺未遂を起こしてしまう。療養施設に腫瘍されるシューマン。そんな中でクララとブラームスの距離は縮まり――というノンフィクションが描かれる。「クララは10歳から76歳で亡くなるまで描かれるのでギュッと凝縮した人生になりますが、その中で本当にいろいろな出来事があるので。時間の経過も含め丁寧に演じたいです」。相手役の新納とは初共演。「1度読み合わせをしましたが、新納さんは幅がある役者さんだと感じています。クララはブラームスの中にシューマンを見ていただろうし、ブラームス自身もはシューマンの音楽を絶対に継承すると思っていたはず。そんな魂の繋がったふたりを、新納さんがひとりで演じることは素敵だなと感じました」作曲家の物語だからこそ活きる、朗読+クラシック演奏という構成。「朗読劇のいいところは、言葉から想像が広がるところだと思いますが、さらに今回はストーリーに合わせたシューマンとブラームスの楽曲が演奏される。そこで彼らの心の言葉が表現されて、より深みが増すんじゃないかな。一気に聴けるからこそ感じられるふたりの楽曲の違いも面白いです」「読み合わせは1度。演奏とも1度合わせるだけ」という朗読劇ならではの稽古スタイル。「今はクララとブラームスの間で交わされた手紙を読むなど、できる限りのことをしています。こうやって積み重ねたものが当日スパークするのが楽しみです」と、水自身も本番に期待しているそう。「最後は温かな気持ちになるはず」(水)という本作は、12月12日(木)に東京・よみうり大手町ホールにて。取材・文:中川 實穗
2019年12月11日今年もウィーン・フィルがやってきた!東京の秋の音楽界恒例の「ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン」が開幕。この来日に合わせて、ウィーン楽友協会が所蔵するさまざまな音楽史料を集めた展覧会「音楽のある展覧会」が、11月2日、ホテルオークラ東京で始まった(主催:サントリーホール、協力:ウィーン楽友協会ほか)。一般公開に先立って行なわれた開会セレモニーと内覧会に訪れた。【チケット情報はこちら】今年は日本オーストリア友好150周年という節目の年。開会セレモニーには、ウィーン楽友協会総裁のトーマス・アンギャン氏や同アルヒーフ室長のオットー・ビーバ博士はもちろん、在日オーストリア大使のフーベルト・ハイッス氏や在オーストリア日本大使の小井沼紀芳氏も出席して、この企画が両国にとって大きな意義のあるものであることをあらためて感じさせた。楽譜や写真、絵画など、展示されているさまざまな史料は、150年前からの両国間の音楽面での交流や、当時のウィーンの音楽界の様子を身近に感じさせるものばかり。1869年、外交関係が結ばれて初めて来日したオーストリア使節団が持参した贈り物の中に、ベーゼンドルファーのグランドピアノがあったことが当時のカタログでわかる。両国の交流には、最初から「音楽」があったのだ。そして音楽ファンならやはり大作曲家たちの自筆譜には目が釘付けになる。ブラームスのクラリネット五重奏曲、ブルックナーの交響曲第8番、リストのピアノ4手のための「エレジー」、ヴォルフの歌曲「炎の騎士」、マーラーの交響曲第2番「復活」、ヨハン・シュトラウスII世のオペラ「騎士パズマン」。もちろんすべてオリジナルの本物だ。マーラーの「復活」は、数年前にサザビーズのオークションで、楽譜としては史上最高額の6億円超で匿名の入札者が落札したというニュースが大きな話題になったが、ということは、落札者はやっぱりウィーン楽友協会?また、日本人として初めてウィーン楽友協会音楽院(現ウィーン国立音楽大学)に留学したヴァイオリニスト幸田延の在籍簿など、この展覧会ならではの展示もじつに興味深い。期間中には会場内で、ビーバ博士らによるギャラリートークや、ウィーン・フィル・メンバーによるギャラリーコンサートも開かれるので(有料)、詳細は展覧会のサイトでご確認を。なお同時開催の特別写真展「素顔のウィーン・フィル」は、写真家の市川勝弘氏が10年間にわたってサントリーホールのバックステージで撮り続けた団員たちのポートレート展。ステージ上でおなじみの面々がリラックスした様子でとらえられていて、その豊かな表情にこちらも思わず笑顔になる幸せなショットの数々。ダイワハウス スペシャル「音楽のある展覧会」は11月17日(日)まで。ホテルオークラ東京・別館地下2階アスコットホールで。観覧券1,000円。取材・文:宮本明
2019年11月05日株式会社日本取引所グループ(JPX)によるクラシックコンサート「JPXコンサート2020」が2020年3月25日(水)に東京・オーチャードホールで開催される。【チケット情報はこちら】JPXは東京証券取引所、大阪取引所等を運営しており、このイベントは、取引所利用者への日頃の感謝の気持ちを示すとともに、取引所をより多くの人達にもっと身近に感じてもらいたいという思いから毎年開催。今回は初めてチャリティー形式として実施し、チケットの売上金は、社会貢献活動の支援として寄付される。演目は、第一部がブラームス作曲のヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77。第二部がドヴォルザーク作曲の交響曲第9番 ホ短調「新世界より」作品95。誰もが1度は耳にしたことのある作品で、クラシックに馴染みがなくとも楽しめる選曲となっている。指揮は、2011年から2019 年3月まで名古屋フィル正指揮者をつとめていた円光寺雅彦。東京フィル指揮者、仙台フィル常任指揮者、札幌交響楽団正指揮者を歴任し、国内のほとんどのオーケストラに客演している。海外での実績も多く、プラハ響定期演奏会、BBCウェールズ響、ベルゲン・フィル、フランス・ブルターニュ管弦楽団に客演。深い音楽性と的確な指揮で、多くの聴衆を魅了してきた。ソリストに迎えるのは、ヴァイオリニストの千住真理子。2歳半よりヴァイオリンをはじめ、12歳のときにNHK交響楽団との共演でデビュー。コンサートが開催される2020年は、デビュー45周年となる。2017年にはブラームス没後120年記念「ドラマティック・ブラームス」をリリースし、スーク室内オーケストラと全国ツアーを行って好評を博した。管弦楽を担当するのは、新日本フィルハーモニー交響楽団。『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』『崖の上のポニョ』などのスタジオジブリ作品でも管弦楽を担当した団体で、今回も壮大かつ繊細なサウンドを奏でる。春の夜、一流の演奏者によるすばらしい音楽に心ゆくまで酔いしれたい。取材・文:MUTA HARUKA
2019年10月10日「現在最高のピアニスト」と言い切ってしまっても、ほとんど異論が出ないのではないかと思える程の高みに存在するクリスチャン・ツィメルマン。今まさに、「知・情・意」の3つが極めて高いレベルで結びついた稀有な存在だ。何を弾いても話題になるその彼が、今回の来日公演で披露するのが室内楽。しかもブラームスの「ピアノ四重奏曲」となればこれは気になる。「ピアノ四重奏」は、ピアノにヴァイオリン、ヴィオラ&チェロという極めてシンプルかつ無駄のない編成で音楽が楽しめるのが特徴だ。今回ツィメルマンと共演するメンバーは、マリジャ・ノヴァク(ヴァイオリン)、カタジナ・ブゥドニク(ヴィオラ)&岡本侑也(チェロ)の3人。我々日本人としては、2017年のエリザベート王妃国際音楽コンクールで第2位に輝いた若手のホープ岡本侑也の参加が嬉しい限りだが、完全主義者のツィメルマンのことなので、しっかり吟味した結果の人選であることは間違いない。この4人が奏でるブラームスのロマンティックな調べとなれば、想像しただけでも心が躍る時間になりそうだ。●公演概要10月12日(土)兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール10月17日(木)サントリーホール 大ホールマリシャ・ノヴァクカタジナ・ブゥドニク岡本侑也●クリスチャン・ツィメルマン Krystian Zimerman (ピアノ, Piano)ポーランドのサブジェに生まれる。1975年にはショパン国際ピアノコンクールに史上最年少の18歳で優勝して、一躍世界の音楽界に知られる存在となった。バーンスタイン、カラヤン、ブーレーズ、ジュリーニ、マゼール、小澤征爾、ムーティ、ラトルら多くの卓越した指揮者とも共演し、室内楽では、ギドン・クレーメル、チョン・キョンファ、ユーディ・メニューインらと共演。またCDはドイツ・グラモフォンの専属契約の下に数多くの権威ある賞を受賞している。2017年9月には、日本国内(柏崎市文化会館アルフォーレ)にて収録したシューベトの最晩年のピアノ・ソナタ2曲によるソロ・アルバムを25年ぶりに発表し、高い評価を得ている。国内では、ハーゲン・クァルテット(10年)、マリス・ヤンソンス指揮/バイエルン放送交響楽団(14年)などと共演しているほか、昨年はバーンスタイン生誕100周年に因み、交響曲第2番「不安の時代」をラトル指揮ロンドン・フィル、ベルリン・フィルなどで、ヨーロッパ各地および日本を含むアジアで演奏。本年はショパン・スケルツォ全曲、ブラームスを中心としたリサイタル・ツアーをアジア、ヨーロッパで展開している。
2019年10月09日スペインのピアニストといえば、かつて一斉を風靡した美しき名手アリシア・デ・ラローチャ(1923-2009)の名前を思い出す。彼女亡き後のスペインピアニズムは一体どうなってしまったのだろう。などと思っていた矢先に現れたのがホアキン・アチュカロだ。と言いつつ1932年生まれのアチュカロとラローチャとの年齢差はわずか9歳。見方を変えれば、これまでラローチャの影に隠れていた大器にようやく光が当てられたとも言えそうだ。今回の公演では、モーツァルト、ベートーヴェン&ショパンの名曲のほか、得意とするスペインのグラナドス&アルベニスなどの作品が披露される。まさにスペインピアニズムの継承者を堪能するにふさわしいラインナップだ。老いてなお色気を感じさせるスペイン人特有のダンディズムも合わせて堪能したい。◆公演概要9月9日(月)日経ホール「ホアキン・アチュカロピアノ・リサイタル/第488回日経ミューズサロン」●ホアキン・アチュカロ(ピアノ)Joaquin Achúcarro:1932年スペイン・ビルバオ生まれ。59年リヴァプール国際コンクール優勝。以来、世界中の著名ホールでベルリン・フィル他と共演。C.アバド、R.シャイー、C.デイヴィス、Z.メータ、小澤征爾、S.ラトルら指揮者が信頼を寄せる世界最高の巨匠のひとり。2014/15シーズンは北米、南米、ヨーロッパ、アジアなど12か国で演奏、ヴェルビエ音楽祭へ参加、リスボンでは4つの協奏曲を10日間で演奏し大成功を収める。CDはホアキン・ロドリーゴ唯一のピアノ協奏曲ほか多数、DVD「アチュカロ・プレイズ・ブラームス」(C.デイヴィス指揮ロンドン響)や「ファリャ&フレンズ」(S.ラトル指揮ベルリン・フィル)でも見事な音楽性を披露。2000年《平和のためのユネスコ・アーティスト》に選出。2003年スペイン国王より国家功労十字勲章を授与。イタリア・シエナのキジアーナ音楽院名誉教授、同院国際サマーコースの専任講師。1989年より南メソジスト大学(アメリカ・ダラス)の名誉教授。www.achucarro.com
2019年09月04日ブラームス(blurhms)とフレッシュサービスによるコラボレーションTシャツが登場。2019年7月25日(木)よりフレッシュサービス ヘッドクオーターズにて数量限定で発売される。フレッシュサービスと、着心地や程よいリラックス感などをコンセプトとしたブラームスのよりスタンダードなアイテムで構成されたライン「ブラームス ルーツストック」がタッグを組んだ今回のコラボレーション。7月25日(木)にリニューアルオープンを迎えるフレッシュサービス ヘッドクオーターズの為だけに限定Tシャツをデザインした。Tシャツは、太番手の糸を限界までハイゲージで編み込んだ天竺生地を使用したブラームスらしいルーズフィット。フレッシュサービスのアイテムに用いられる製品表示デザインをボディにプリント後、何度も洗うことでソフトな着心地に仕上げた。【詳細】ブラームス×フレッシュサービス発売日:2019年7月25日(木)販売店舗:フレッシュサービス ヘッドクオーターズ住所:東京都渋谷区神宮前2-13-14ベルナール青山1階カラー:ホワイト、ブラックサイズ:L、XL価格:9,000円
2019年07月26日スマートフォンやタブレットなどの普及で、いつでもどこでも音楽を楽しめるようになり、子どもたちが気軽に身近に音楽に触れられる機会が増えました。しかし、媒体を通した “音” では得られない効果が、生演奏の “音” にはあることがわかっています。そうは言っても、実際にコンサートに子連れで行くのは「いろいろハードルが高い」と心配な方は多いですよね。そんな不安を解消してくれる、子どもに優しい&楽しいコンサートをご紹介します。音楽鑑賞は「感性」と「知性」が成長する子どもの頃から音楽を聴くと、次のような効果が生まれることがわかっています。■感受性を育む■言語能力の発達■知能の向上さらに、コンサートや音楽会など生の演奏(音)を聴くことで、効果が倍増するという事実も。それはなぜでしょう?その答えは、録音音源では得られない臨場感が生演奏にはあるから。演奏者の表情、息遣い、会場の盛り上がり、楽器の振動など、音楽を五感で感じることができるからです。脳が多くの刺激を受けることで、感性も知能もより成長するというわけです。実体験は、言葉では表せない感情や感動も引き起こします。日本オーケストラ連盟が、クラシックコンサートで音楽鑑賞をした子どもたちを対象に行なったアンケートがあります(対象:小学校1~6年生)。生演奏を聴いた直後の子どもたちの心の動きを8つの視点から、そして少し時間が経って、その経験により気持ちがどう変化して日常に影響しているのかを4つの視点からとらえられており、そこからは子どもたちの素直な反応が見て取れます。音楽鑑賞直後は、なんと73%もの子たちが「自分が変わった!」と答えています。「とても勇気がわいてきて、たのしかった」「心がワクワクした。心があこがれると思った」「なぜかいつもの自分とはちがう自分になれた」(引用元:公益社団法人 日本オーケストラ連盟|子どものためのオーケストラ 魔法を届ける)確実に生の音楽が子どもたちに響いた証拠がここにあります。その後、その感動はどのように変化していったでしょうか?調査の結果、76%の子どもたちに「元気が出た」「毎日を楽しめるようになった」などのポジティブな変化が見られたそうです。また、オーケストラは、さまざまな楽器、さまざまな演奏者が交わってひとつのハーモニーを奏でることから、多様性が身につくという面もあるそうです。【2019年下半期】おすすめコンサート情報♪「理屈よりもまずは聴いてよう!」ということで、次はお子さんが楽しめるおすすめのコンサートをご紹介します。【東京交響楽団&サントリーホールこども定期演奏会】2019年シーズン「音楽レシピ〜音楽は何でできている?」オーケストラ=東京交響楽団場所=サントリーホール「こども定期演奏会」は、日本で初めてできた子どものための定期演奏会。クラシック音楽に慣れ親しんで、コンサートにも気楽に足を運ぶことが習慣になってほしいという想いから、2002年に始まりました。年に4回(4、7、9、12月)行われています。曲をわかりやすく解説したり、オーディションで選ばれた子どもがオーケストラに参加する企画があったり、たくさんの学びと体験が盛り込まれています。有名指揮者や演奏家がゲスト出演するのも、豊かな才能に触れられる大きな魅力のひとつ。毎年テーマに沿って4回完結で構成されているため、4公演全て参加することで学びが深まるようになっています。2019年のテーマは<音楽のレシピ>。この機会に、音楽鑑賞を習慣化してみませんか?■第71回『スタイル』開催日:9月8日(日)11:00指揮:下野竜也ピアノ:小山実稚恵 + 2名の子どもピアニスト■第72回『リズム』 開催日:12月15日(日)11:00指揮:飯森範親チェロ:伊藤文嗣◇【日本フィルハーモニー交響楽団】■第45回夏休みコンサート 2019指揮:永峰大輔お話とうた:江原陽子(7/20,24~8/24)、速水けんたろう(7/21,22)バレエ:スターダンサーズ・バレエ団振付・演出:鈴木稔「初めてクラシック音楽を聴く子どもたちに、家族と一緒に本物のオーケストラをお聴きいただきたい」という願いから1975年にスタートした日本フィル夏休みコンサート。本格的なプログラムと親しみやすい演出で多くの人々に愛され続け、今では当時子どもだった方がご自分のお子さんや親御さんとご来場される“三世代コンサート”となっております。(引用元:日本フィルハーモニー交響楽団|夏休みコンサート2019特設ページ)プログラムは3部構成で、第1部では聴き覚えのある有名な曲と初めて聴く曲をバランスよく選曲し、説明も交えながら、音楽やオーケストラの魅力を伝えます。第2部は大人気のバレエとのコラボ。美しい踊りと臨場感あふれる音楽はこどもたちを魅力することでしょう。第3部は「みんなでうたおう!」。ここまで音楽の魅力を生でたっぷり味わっていますから、舞台と観客席が一体となって、豊かな表現力を発揮する時間です。“観て、聴いて、学んで、表現する” 全てをぎゅっと詰め込んだプログラムで、音楽を好きになるきっかけを与えてくれる夏恒例の音楽会。公演は夏の期間(2019年7月20日~8月24日)、関東を中心に各地で開催されます(京都公演もあります)。スケジュールの詳細はこちらでご覧いただけます。◇【長野市芸術館】2016年5月、日本を代表する建築家・槇文彦氏の設計による舞台芸術センターが長野にオープンしました。芸術監督は、あの久石譲氏です。地域の芸術の中心となるべく、子どもも参加できるユニークなコンサートがこの芸術館主催で企画され、型にハマらない自由さで、音楽の魅力に子どもたちを引き込みます。■親子のためのクラシックコンサート「音楽の絵本ブリランテ」開催日:2019年8月18日(日)開場10:00 開演10:30“動物たち” が奏でる音楽で子どもたちを飽きさせません。未就学児も大人の膝上で鑑賞できる、子どもどもに優しいコンサートです。■宮川彬良プロデュース ファミリーで楽しむアキラさんの音楽教室開催日:2019年9月8日(日)開場13:30 開演14:00ハードルが高いクラシック音楽を魅力的な語りで楽しいものに変えてしまうアキラさん。今回は昭和の歌謡曲を三世代で楽しめるコンサートになっています。アキラさんマジックに身を委ねて楽しみましょう!(3歳から入場可能です)■加藤昌則のぶっとび!クラシック[作曲家編]①好評だった2018年に続き、2回目の開催。作曲家を知ることで音楽の魅力を伝えます。最後に開催される総まとめコンサートは、格別のものになること間違いなし!これまでにない視点から音楽に触れられるとても興味深いイベントです。開催時間:開場18:00 開演18:30[1時間目]「ブラームス」2019年9月25日(水)[2時間目]「ショパン」2019年10月16日(水)[3時間目]「チャイコフスキー」2019年11月27日(水)[4時間目]「ドヴォルザーク」2019年12月25日(水)[5時間目]「ドビュッシーvsラヴェル」2020年1月29日(水)もっと気楽に!0歳から参加可能なコンサート情報♪ご紹介したコンサートはどれも有名オーケストラや劇場が子ども向けに開催している貴重なものばかりですが、「だからこそ、子どもが途中で泣いたり騒いだりしたら……と、やはり行くのを躊躇してしまう」、そんな心配されている方も多いはず。そこで、もっと気楽に――0歳児から参加できて親子で思う存分楽しめるコンサートを集めてみました。【トリオいろどり】オーボエ(石神智子)、クラリネット(飯田真弓)、ファゴット(垣内紀子)による木管三重奏の演奏団体。ご自身も子育て中のプロの演奏家ならではの優しい心遣いと工夫が詰まった、親子で安心して楽しめるクラシックコンサートを関東各地で開催中。■ 0歳からきける親子コンサート(東京公演)開催日:2019年8月31日(土) 開場10:00 開演10:30(11:20終演予定)開催場所:八広地域プラザ 吾嬬の里 多目的ホール小さなお子さまも、そのご家族も気軽に楽しめるクラシックコンサートです。会場にはマット席もあり、赤ちゃんにも優しい環境。近くで楽器の音が聴けるので、呼吸で合わせる音の緊張感や臨場感、本物の音楽をお楽しみください。トリオいろどりの木管三重奏に打楽器が加わります。みんながよく知っている歌を集めた童謡メドレーでは、子どもたちが大好きな “あの動物さんたち” が登場するそうですよ!■ 0歳からのファミリーコンサート(埼玉公演)開催日:2019年9月7日(土)開場13:30 開演14:00(15:10終演予定)開催場所:上尾市コミュニティセンタークラシックの名曲から童謡やアニメなど親しみやすい曲まで、木管楽器の温かい響きと打楽器のリズムによるサウンドで、楽しくワクワクする音楽をお届けします。上尾市で活動するバレエスタジオ「スタジオレミレモン」との共演も実現。バレリーナを夢見る輝かしい子どもたちの演技もどうぞご覧ください。聴いて楽しい!観て楽しい!0歳からのファミリーコンサートです。☆どちらの公演も、授乳室、オムツ替えスペース、ベビーカー置き場があり、途中入退場OKです。<こどもまなび☆ラボ読者の皆様へ>コンサートの幕開け、子どもたちは楽器の音が聴こえると目をキラキラさせて、すごいエネルギーを注いで聴いてくれます。真っ直ぐな好奇心、これが大人も演奏する私も会場の全てをあっという間に楽しい空間へ引き込んでいくのです。「子どもは魔法を持っているのかな?」と思うくらい。「演奏中泣いたりしないかな?ちゃんと楽しめるかな?」いろいろなことを心配されると思いますが、その場に流れる感覚をぜひお子さまに寄り添い一緒に楽しんでいただきたいです。子どもは私たち大人の想像を超える柔軟な感性を持っていると思います。「子どもが音楽を聴いてこんな反応をするのだと驚き感動しました!」というお客様の声を多く聞きます。モーツァルトを必ず演奏していますが、赤ちゃんは体をゆらゆら、手をパチパチ。その姿に、お客様と演奏者の間に生まれる空気感を、子どもたちは感覚的につかんでいることを感じます。言葉では伝えきれないことが音だと伝わるのです。コンサートに来られた方はきっとそれを実感されると思います。ライブならではの音楽の魅力をたくさんの方に知っていただけたら嬉しいです。【クラリネット奏者飯田真弓(いいだまゆみ)】東京藝術大学を経て同大学大学院修士課程を修了。第21回日本管打楽器コンクール・クラリネット部門第4位。トリオいろどりのメンバーと共に子どもと音楽の架け橋となるべく「0歳からのコンサート」を企画・開催、その他オーケストラ、室内楽を中心に演奏活動を行なっている。◇【0歳からOK!バイオリンに触れる親子コンサート】コンサートと楽器体験の2部構成で繰り広げられる音楽の世界で、子どもたちが音楽の楽しさに目覚めます。聴くことで興味がわき、楽器に触れてみることでチャレンジのドキドキ感と小さな成功体験を味わう実体験は、「もっと知りたい!やってみたい!」という想像力や探究心、行動力を促し、楽器に取り組むことで集中力も身につきます。0歳~の未就学児もハンドベルの楽器体験が楽しめるので、小さなお子さん連れの参加者からも大好評のお声がたくさん。何より子どもたちが楽しめるコンサートです。(東京)■ 未経験でも、プロと一緒にバイオリンを演奏できるスペシャルコンサート開催日:2019年8月12日(月祝)開始14:15開催場所:江戸川区総合文化センターバイオリンに触れるだけでなく、レッスンも受けられる貴重な体験ができます。レッスンにはまだ早い0~2歳のお子さんには、ミニ楽器つきチケットも。(神奈川)■ 管弦楽コンサート&サックス・コントラバス体験※子ども全員ミニ楽器演奏開催日:2019年8月31日(土)開始14:00開催場所:川崎市国際交流センター楽器の秘密を知れば音楽がますます楽しく!かっこいいサックス体験ができます。(埼玉)■ 親子のプレミアム・サロンコンサート「弦楽器コンサート&バイオリン体験」開催日:2019年8月18日(日)開始14:00開催場所:プラザイースト手拍子したり踊ったり、とにかく楽しいコンサートです。「できた!」「弾けた!」をたくさん持ち帰れるはず。☆関東各地でコンサート開催中。スケジュールはこちらでご確認ください。◇【Concert for KIDS 〜0才からのクラシック〜(公益財団法人ソニー音楽財団主催)】お子さんと外出しやすい土日祝日の午前中、親子で楽しめる最適な時間(1時間)に、聞き馴染みのある名曲で構成された親子に優しいコンサートです。客席を回りながらの演奏や、リズム遊びを交えるなど、飽きさせない工夫もいっぱい。幼い頃の音楽鑑賞は、心の安定をもたらし、「育脳」にも効果的だと、教育評論家の尾木直樹氏もオススメの子ども向け音楽シリーズ。お子さんだけではなく、大人の方も大満足の、レベルの高いプロによる演奏を楽しめる音楽会は全国各地で開催されています。(福岡)■ Concert for KIDS ~0才からのクラシック開催日:2019年8月17日(土)開場10:30 開演11:00開催場所:春日市ふれあい文化センター スプリングホール(千葉)■ Concert for KIDS 0才からのモーツァルト~ゆかいなパパゲーノの冒険~開催日:2019年9月14日(土)開場10:30 開演11:00開催場所:浦安音楽ホール コンサートホール■ Concert for KIDS〜0才からのクラシック®~開催日:2019年9月21日(土)開場10:30 開演11:00開催場所:スターツおおたかの森ホール(東京)■ Concert for KIDS〜0才からのクラシック®~開催日:2019年10月5日(土)開場10:30 開演11:00開催場所:東大和市民会館ハミングホール■ Concert for KIDS〜0才からのクラシック®~開催日:2019年11月10日(日)開場10:00 開演11:00開催場所:東京オペラシティ コンサートホール◇【大阪交響楽団 0歳児からの“光と映像で楽しむオーケストラ”】毎シーズン3日間6公演(3月,7月,12月)行われている大人気コンサート。演奏とプロジェクションマッピングの融合を楽しめる平日昼間1時間の公演は大好評です。目と耳から受ける華やかな刺激に子どもたちは大興奮することでしょう。お子さんがぐずっても、「同じように泣いてしまったり、動き回っているお子さんが周りにいるので気楽に自由に楽しめる!」という声も。ジブリ作品やハリー・ポッターなどから選曲するなど、子どもも知っている曲と映像で楽しい1時間はあっという間。正統派クラシックコンサートが苦手な方でも楽しめる内容となっています。(大阪)■0歳児からの“光と映像で楽しむオーケストラ” Vol.15 おとぎの国から開催日:2019年7月30日(火)午前の部 開場10:15 開演11:00/午後の部 開場13:15 開演15:00開催場所:ザ・シンフォニーホール■0歳児からの“光と映像で楽しむオーケストラ” Vol.16開催日:2019年12月24日(火)午前の部 開場10:15 開演11:00/午後の部 開場13:15 開演15:00開催場所:ザ・シンフォニーホール■0歳児からの“光と映像で楽しむオーケストラ” Vol.17開催日:2020年3月24日(火)午前の部 開場10:15 開演11:00/午後の部 開場13:15 開演15:00開催場所:ザ・シンフォニーホール◇【0歳からのコンサート夏休みの宿題に~音楽を体験しよう♪ @川口市】開催日:2019年8月4日(日)開場13:00 開演13:30開催場所:Live Space CAVALLINO「ミッキーマウスマーチ」や「ジブリメドレー」など子どもたちのよく知っている曲にくわえ、「ソフトクリーム」「プリン」「柿の種」などおいしそうな曲を連弾でお届け♪音楽を聴くときのちょっとしたマナーについても楽しく学んでみませんか?音楽を体で感じてくださいね!<こどもまなび☆ラボ読者の皆様へ>幼少期のお子さまは、感性がとても豊かです。その時期に、生演奏を聴く経験、演奏者を間近で見る経験をすることで、もっともっと感性が育まれると思いませんか?音楽に合わせてお子さまが体を揺らしたり、知っている曲を口ずさんだり……、そんなとき、子どもたちは体全体でメロディーを楽しんでいるのです。子どもが感じる世界は大人とは違います。ぜひ、子どものうちにたくさんの音楽を聴いて、感じてほしいですね。【ピアニスト池田和美(いけだかずみ)】***研究では、4歳から6歳半までの期間が “音に対する敏感期” と言われ、音に関してとても重要な時期なのだそうです。加えて、音楽体験には “快感” が伴うことが大事だと言われています。つまり、コンサートに行って「静かにしなさい」と怒ってばかりだと、“音楽=嫌なこと” となってしまいかねません。この音楽教育は音楽のプロを育てるものではなく、“音楽を通して感性を磨く” ためのものだと再認識して、とにかく楽しむこと!まずは気楽に行けそうなコンサートに行ってみたら、楽しすぎて、親子ではまってしまうかもしれませんよ。(参考)さぽナビ|特集 親子で楽しむオーケストラ〜コンサートのすすめ〜(1)(2)ON-KEN SCOPE|幼児〜児童期の音楽体験が与えるものとはこどもまなびラボ|幼少期における音楽体験の意味――「音楽という環境」を通し子どもの感性を伸ばす日本オーケストラ連盟|子どものためのオーケストラ“魔法”を届ける東京交響楽団こども定期演奏会日本フィルハーモニー交響楽団|夏休みコンサート2019特設ページ公益財団法人ソニー音楽財団|Concert for KIDS大阪交響楽団|2019年度0歳児からのコンサート親子のプレミアム・サロンコンサートトリオいろどりPRTIMES|尾木ママ推薦!絵本のように楽しい、幼児向けクラシックCD「はじめてのクラシック~親子で楽しむ世界の旅~」が7月4日発売!広島文化学園 大学 短期大学|子どもの発達と音楽
2019年07月21日ブラームスのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会(3月11日(月)・紀尾井ホール)に挑む川久保賜紀(ヴァイオリン)と小菅優(ピアノ)。ふたりのデュオは、海外ではたびたび演奏を重ねているものの、国内では、今年7月に開いた、やはりブラームスのソナタ全曲演奏会に続き、これがまだ2度目となるフレッシュな顔合わせだ。【チケット情報はこちら】「優ちゃんのピアノのヴォイシング(発音、音色作り)がすごく好き。とても情熱的でレンジが広くて、一緒に遊べます」(川久保)「賜紀ちゃんは型にはまらずに楽器を自由自在に歌わせる。こちらが何か投げかけると、すごく自発的な答えが返ってくるので、そのやりとりが楽しい」(小菅)ブラームスの3曲のヴァイオリン・ソナタは、作曲家としての成功を確固たるものにし、円熟期に向かう46歳から55歳の間に書かれた後期作品。明るさと哀愁が行き交う第1番。充実したたくましい作風の第2番。重厚だが内省的で暗鬱な第3番。いずれもヴァイオリンの魅力を堪能できる傑作だ。3曲を続けて演奏するのは精神的にかなりヘビーだという。「第1番の切なさから第3番のエネルギッシュな若々しさまで、そのペーシングというか弾き分けが難しい。頭と手がマッチしなければいけないし、それがコントロールされている作品だと感じます。やり過ぎてもダメですし、全体を見て音色を作っていかなければならない。そこが難しいし、面白いところですね」(川久保)「ピアノもそうです。途中であまり楽しみ過ぎないで、全体の受け渡しをうまく考えていかないとブラームスの本意を伝えられません。あとは、北ドイツの作曲家らしい、感情を爆発しきれない内面性をどう表現するか。外に出すのではなく、内側に向かって。たとえばピアニシモを、私たちが聴かせるのではなく、お客さんを私たちのピアニシモに引き込まなければならないと思います。そこがブラームスの音楽の微妙なところですね」(小菅)10年ほど前にヴァイオリニスト樫本大進の紹介で知り合って以来の仲の良い友人同士。「優ちゃんはいろんなことに興味を持っていて知識もある。ちょっとシャイなんですけど、話すととても面白い。頭がいいんだなって思います。特別な存在です」(川久保)「賜紀ちゃんはいつも自然体です。おごらないで、誰にでもフレンドリーで。ふたりとも食べるの好きだよね」(小菅)「優ちゃんのロール・キャベツや、サーモンとセロリとトマトのオーブン焼きは絶品」(川久保)「賜紀ちゃんはやっぱり、マーマレードを使った手羽先の照り焼きが美味しい!」(小菅)そんな気心知れた相手とのブラームス。「優ちゃんの音楽の幅広さをヴァイオリンで表現できるようにしたい。まだ弾いたことがないようなヴァイオリンを弾きたいんです。それがブラームスならできるかなと思います」(川久保)「お互いに新しいことを生み出せたらいいなと思います。今まで以上に時間をかけて作り上げていきたい。今までふたりで弾いてきたなかで1番大きな課題だと思います」(小菅)取材・文:宮本明
2018年12月17日ブラームスがヴァイオリン協奏曲を作曲するに際して助言し、初演も務めた19世紀の大ヴァイオリニスト、ヨーゼフ・ヨアヒム。彼が所有していたストラディヴァリウスのうち1挺は現在、日本音楽財団が所有しており、2000年代には庄司紗矢香に貸与されていたことで知られる。【チケット情報はこちら】実は現在その楽器を演奏しているのが、11月7日(水)に東京・東京芸術劇場、8日(木)に東京・サントリーホールで都響と初共演するレイ・チェンなのだ。さらにプログラムがそのブラームスのヴァイオリン協奏曲とくれば、聞き逃す手はないだろう。難関として知られるエリザベート王妃国際コンクールで2009年に優勝して以来、世界の檜舞台で人気を博すチェンは、圧倒的な技巧を持ちながら、19世紀のヴァイオリニストの流れを汲むような自由闊達さも兼ね備えた新世代の音楽家だ。共演は、2016年4月の都響デビュー40周年記念でも質実剛健なブラームスの交響曲第1番で会場を沸かせた小泉和裕だけにサポートも万全。「ブラームスの交響曲ほど難しい作品に出会ったことがありません」と謙虚に述べる小泉だからこそ、メイン・プログラムの第4番でもこだわりの演奏が聴けるだろう。11月7日(水)、8日(木)公演のチケットは発売中。文:小室敬幸(音楽ライター)第865回 定期演奏会Cシリーズ11月7日(水)14:00開演(13:20開場)会場:東京芸術劇場コンサートホール[指揮]小泉和裕 [独奏・独唱]レイ・チェン(vl)曲目:ブラームス/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77ブラームス/交響曲第4番 ホ短調 op.98第866回 定期演奏会Bシリーズ11月8日(木)19:00開演(18:20開場)会場:サントリーホール[指揮]小泉和裕 [独奏・独唱]レイ・チェン(vl)曲目:ブラームス/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.77ブラームス/交響曲第4番 ホ短調 op.98
2018年10月31日国内外の4つのオーケストラ公演からなる「NHK音楽祭2018」。ハンブルクのNDRエルプフィルハーモニー管弦楽団(旧北ドイツ放送交響楽団)を率いるのは、来シーズンから楽団の首席指揮者に就任するアラン・ギルバートだ。ニューヨーク生まれ。昨年まで8シーズンにわたってニューヨーク・フィルの音楽監督を務めた。7月の来日時、新たな手兵について聞いた。【チケット情報はこちら】「NDRは昨年、新しくできたコンサートホールに本拠を移しました。ハンブルクの街全体を変える、象徴的な建物です。オーケストラが新しいフェイズに入っていく中での首席指揮者就任をうれしく思います。ターボ・エンジンをかけて、新しい時代にふさわしい、国際的なオーケストラとして活動していきたいですね」その新ホール「エルプフィルハーモニー」は昨年1月にオープン。音響設計を豊田泰久が手がけた。本拠移転を機に楽団名も変更。ギルバートの首席指揮者就任は2019年シーズンからだが、実質的にこの秋から新体制がスタートする。NHK音楽祭での公演のメインはブラームスの交響曲第4番。ハンブルクは作曲家の生まれた街だ。“本場のブラームス”と決めつけるのは短絡的だろうか。「それについてはふたつの言い方ができるよね。もちろん世界のどのオーケストラも、素晴らしいブラームスを奏でることができます。一方でNDRには本当に特別な伝統があるのも事実です。彼らのDNAの中にある、オーケストラとしての“記憶”がこのオーケストラのブラームスを特別なものにしていると感じます。ハンス・シュミット=イッセルシュテット、ギュンター・ヴァント、トーマス・ヘンゲルブロック……。歴代の指揮者たちがブラームスに取り組んできました。私もNDRと、静かな誇りを持ってブラームスを演奏したいと思います」すでに2004年から2015年まで首席客演指揮者を務め、互いを知り尽くした関係だ。「ブラームスの音符には、楽観も悲観も、喜びも悲しみも、すべての感情が含まれています。そのさまざまな感情に何を見出して表出するか。それが面白みであり、音楽を作るうえで大切なことです。そして名曲というのは、どんな解釈にも耐えうるのです。解釈が作品を破壊するということはありません」プログラムには、エレーヌ・グリモーとのラヴェルのピアノ協奏曲も。ニューヨークを本拠とするグリモーとは長年の友人だ。「ラヴェルの協奏曲は初めてですが、彼女とはこれまでにたくさんの協奏曲を演奏してきました。でも実は1番思い出深いのは、ニューヨーク・フィルの楽屋で彼女と弾いたシューマンのヴァイオリン・ソナタなんですよ。誰かに聴かせるためにではなくね(笑)。素晴らしい体験でした」音楽が楽しくてしょうがないという風情のギルバート。新たなスタートを切る、しかし長年の相棒を率いてのNHK音楽祭登場は、11月8日(木)・NHKホール。取材・文:宮本明
2018年08月01日エモーショナルな「歌」で心を揺さぶる豊かな表現意欲を、松田理奈はおそらくナチュラルに持っているヴァイオリニストだ。そんな彼女の今回のリサイタルのテーマは「愛」。「今まで組んできたプログラムとはまったく違うえぐり方。トライしてゆきたいです」と抱負を語る。【チケット情報はこちら】曲目は、前半にフォーレとエルガーの愛の小品と、イザイの結婚祝いのために書かれたフランクの《ヴァイオリン・ソナタ》。後半は、シューマンの小品とブラームスのヴァイオリン・ソナタ第1番《雨の歌》を組み合わせた。クララを巡るシューマンとブラームスの愛の歌たちだ。核となる2曲のソナタのカップリングでCDもリリースする。「ブラームスのソナタ全3曲を録音してゆく予定ですが、3曲それぞれに別のストーリーをフィーチャーしたいと考えました。その第1弾として第1番をフランクと組み合わせたのも、『愛』がテーマなのです」末子フェリックスが早世して悲しむクララのためにブラームスが捧げたとされるのがヴァイオリン・ソナタ第1番。「悲しく暗い第3楽章の、最後の一段に出てくる主題にすべてがかかっている。それを聴いて、どれだけあたたかい気持ちになっていただけるかが自分に課した課題です。そこに向けてしっかり歌い込めるようにしてゆきたい」数年前まで、ブラームスの盟友ヨーゼフ・ヨアヒムが使用していたガダニーニを弾いていたことで、さまざまな気づきを得た。「楽譜に不自然に弱音の指示がある箇所が、ヨアヒムの楽器だと特別によく鳴る音なんです。ブラームスがヨアヒムの演奏を聴いて、鳴りすぎと感じて書き加えたのかもしれませんね。それを実際の楽器を通して感じることができた経験はとても貴重でした」CDのレコーディング中には、フランクのソナタで不思議な体験をしたという。「第4楽章を弾いていたら突然、今まで苦手だった人のイメージが、感謝のイメージと一緒にわーっと浮かんできたんです。そうか、感謝の気持ちを忘れずにというメッセージが込められた曲なのかと感じました。10年以上弾いてきて、結婚祝いにしては、あのドロドロした第3楽章はなんだろうと、ずっと疑問だったんです(笑)。“感謝”を感じてからは、若い勢いで弾きがちな第4楽章にも、ぬくもりが出てきたような気がします」最近「クラシック音楽が楽しくて仕方がない」という。「あらためて“あれ?なんて素敵な世界なんだろう”と感じています。音楽に触れる時間が昔よりも貴重になったのがよかったのかも。ひとつの曲にいろんな解釈があって、正解がないからこそ楽しい。聴いてくださる方の解釈もそれぞれ。私がトライするのは、最後にホッとして帰っていただくこと。相手を思いやるあたたかい気持ちになっていただけるように。それが願いです」リサイタルは5月18日(金)東京・浜離宮朝日ホールにて開催。チケットは発売中。取材・文:宮本明
2018年04月18日フリーアナウンサーの滝川クリステルが、13日(19:00~21:48)に放送されるテレビ朝日系バラエティ特番『芸術ハカセ』で、同局の番組で初めてMCを務めることになった。バイオリニストの葉加瀬太郎と、テレビ番組MC初共演となる。この番組は、世界の名だたる芸術家たちにスポットを当て、その作品や人生にまつわる驚きの学説を紹介していくというもの。「シェイクスピアには外交官のゴーストライターがいた!」「ピカソは売れるために有名画家の絵をパクりまくっていた!」といった話を検証し、バッハとモーツァルトが作った"凡人には到底考えつきもしない遊び心満載の楽譜"も紹介。さらに、レオナルド・ダ・ヴィンチ、伊藤若沖、リスト、クララ・シューマン、パガニーニ、ベートーヴェン、ブラームスといった、そうそうたる芸術家たちを取り上げていく。滝川は、6時間という長丁場の収録にも「本当に楽しかった」と充実の様子で、「今回の収録で、葉加瀬さんがやっと目を見てくださるようになったので(笑)、それもうれしかったです」と苦笑い。「世界史に関心のなかった人が、この番組を機に興味を持つ…なんてこともあるかもしれませんし、幅広い意味で皆さんの刺激になれば」と呼びかけている。今回、滝川のMCは、葉加瀬が「一緒にやりたい」と希望して実現したもの。葉加瀬は「司会という点でとても頼りになるうえに、滝川さんとならアートや音楽の話を楽しく自然体でできるだろうな、と思ったんです」と理由を明かしながら、「僕はとにかく滝川さんのことが大好きなので、収録中もドキドキしっぱなしでした(笑)」と緊張を明かした。番組では、葉加瀬がさまざまなクラシックの名曲を、バイオリンで生演奏する場面も、さらに、ゲストの狂言師・野村萬斎が、映画『シン・ゴジラ』でゴジラを演じたその動きを実演し、能とゴジラの意外な共通点を明かす。ほかにも、大地真央、書道家・武田双雲、いとうせいこう、劇団ひとりなども出演する。
2016年09月07日5月、東京都交響楽団を指揮するベルトラン・ド・ビリーは、パリ生まれのフランス人。コンサートとオペラの両輪で活躍し、2002~2010年にはウィーン放送交響楽団の首席指揮者兼芸術監督を務めるなど、ヨーロッパで多くのポストを歴任している指揮者だ。すでに何度か来日して日本でもおなじみだが、都響にはこれが初登場となる。「ぜひ呼びたい」と彼を指名したのは、今シーズンから都響の第5代音楽監督に就任した大野和士。その魅力を次のように語っている。東京都交響楽団 5月定期公演のチケット情報「以前から評判は聞いていましたが、初めて出会ったのは彼がバルセロナのリセウ大劇場で首席指揮者を務めていた頃です。大変な才人で、学生時代からヴァイオリニストとしても名を馳せながら、指揮者としてもどんどん頭角を現してきました。作品への洞察力、スコアを読み込む力、いずれも長けており、作品全体を把握してその構造を見通しよく明らかにする力が素晴らしいと思います」今回はふたつの公演を振る。5月13日(水)の定期演奏会(東京文化会館)はフランスの現代作曲家アンリ・デュティユーとブラームスというふたりの作曲家の「交響曲第2番」。そして5月17日(日)のプロムナードコンサート(サントリーホール)では、ベートーヴェン、モーツァルト、シューベルトというウィーンゆかりのプログラムを聴かせる。彼ならではのプログラム・ビルディングに大野も期待を寄せる。「デュティユーとブラームスのプログラムは、いわば相対するふたつの大曲。まったく異なる内容、形式をもつ作品です。きっと熱く、しかも整然とした解釈で聴かせてくれるでしょう。また彼は近年、ウィーン放送響で芸術監督を務めるかたわら、ウィーン国立歌劇場にも登場し、フランスもの、ドイツもの、いずれにも如何なくその才能を発揮してきました。ベルトラン・ド・ビリーというひとりのフレンチ・コンダクターの感受性の中に、全ヨーロッパ的、全世界的なものが共存している、とでも言いましょうか。彼の音楽の中に、きっと目を見張る点を見出すことになると思います」大野は今シーズンの都響定期全体のテーマを「対照の妙味」と表現しているが、デュティユーとブラームスなどは、「フランスとドイツ」「現代と古典」がそれぞれに互いを照らす、まさにそのテーマに合致した選曲だろう。楽しみな初顔合わせになりそうだ。文・宮本明
2015年05月01日多くのオーケストラがひしめくロンドンにあって、1945年創設のフィルハーモニア管弦楽団は「ロンドン5大オーケストラ」と称される名門のひとつだ。首席指揮者兼アーティスティック・アドヴァイザーを務めるエサ=ペッカ・サロネンとともに3月に来日、全国5都市で7公演を行なう。「エサ=ペッカ・サロネン指揮 フィルハーモニア管弦楽団」の公演情報フィルハーモニア管はもともと、英国のレコード会社EMIの名プロデューサーだったウォルター・レッグが、自社の録音のために腕利き奏者を集めて組織したオーケストラ。録音の仕事が多いのは現在でも楽団の特色のひとつで、クラシック音楽だけでなく、映画音楽などの商用音楽も幅広く録音している。最近の面白い仕事でいうと、『ハリー・ポッターと死の秘宝』のゲームソフトの音楽を録音したのが彼ら。とはいえ、もちろん軸足はクラシック音楽にある。フルトヴェングラー、カラヤン、クレンペラーを始めとする20世紀の巨匠たちに愛され、数多くの名演を残してきた歴史は輝かしい。タクトをとる「北欧の貴公子」サロネンは1958年ヘルシンキ生まれのイケメン。2008年に現ポストに就く以前にも、まだ20代の頃から10年ほど首席客演指揮者を務めていた時期があるので、フィルハーモニア管との関係は深い。今回の来日プログラムの大きな核が、彼の祖国フィンランドの英雄であり、生誕150年の記念イヤーを迎えているシベリウスだ。母国ではシベリウスがあまりにも大きな存在のため、学生時代のサロネンはシベリウスをやや敬遠気味で、その真の魅力に気づいたのはフィンランドを離れてからだったそう。逆に言えば、文字どおり嫌というほど血肉に染み込んでいる音楽なのだ。交響曲第2番や第5番など、これを機会にシベリウスをという入門者にもうれしい名曲を披露する。サロネンがタブレット端末を使って作曲するテレビCMを記憶している方も多いのでは。作曲家でもある彼の、近現代音楽に向ける眼差しは鋭い。前回来日の《春の祭典》につづいて、ストラヴィンスキー《火の鳥》を聴けるのは楽しみだ。共演陣も豪華。「クール・ビューティ」ヒラリー・ハーンは、情熱と哀感が交差するブラームスのヴァイオリン協奏曲に、切れ味鋭い知的なアプローチを聴かせてくれるはず。そして東京での一公演[3月6日(金)]限りだが、ますます巨匠の風格を漂わせてきたイェフィム・ブロンフマンが弾くチャイコフスキーのピアノ協奏曲にも期待が高まる。◆エサ=ペッカ・サロネン指揮 フィルハーモニア管弦楽団2015/3/1(日) 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO 大ホール2015/3/3(火) 愛知県芸術劇場 コンサートホール2015/3/4(水)・6(金) サントリーホール 大ホール2015/3/5(木) 川口総合文化センター リリア メインホール2015/3/7(土) 東京芸術劇場 コンサートホール2015/3/8(日) 横浜みなとみらいホール 大ホール
2015年02月10日