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2022年06月02日辿り着いたのは「凸凸型」の家テトリスのピースを連想させる凸型の外観が印象的なS邸。Sさん夫妻と3歳の長男、1歳の長女の4人家族が暮らすこの家が完成したのは約2年半前のこと。「以前は賃貸アパートの2LDKに住んでいました。当時はまだ子どもが生まれていませんでしたが、いずれは戸建てでのびのびと暮らしたいと考えていました」と振り返るご主人。夫婦で建売住宅を見学していくうちに徐々に新たな住まいへの要望が定まっていき、自由設計の家づくりを決意したという。S邸の設計を担当したのは設計事務所「IYs inc.(イノウエヨシムラスタジオ株式会社)」の井上亮さんと吉村明さん。「IYsさんと家づくりを行っていた職場の同僚からの紹介がきっかけで依頼することになりました。家づくりについては知らないことばかりだったので、土地探しからご相談させていただきました」とご主人。S邸が建つのは、三方を道路に囲まれた半島状の変形地。周囲を住宅に囲まれていることから、いかにして外からの視線を遮り、開放感のある心地よい空間をつくるかがポイントとなった。「いくつものプランを作成して検討を重ねた結果、この凸型の形状に決まりました。台形型の敷地形状に合わせて、凸型を二重にした「凸凸型」に雁行させることで南東・南西面に空地を作り、光や風を取り込むことができます。また、周囲からの視線が対面しないように角度をずらして配置しています」(井上さん)。S邸外観。左側の道路を基準線として凸型に雁行している。南西側からのS邸外観。家全体を覆う大屋根が描く稜線が美しい。二重の凸型形状がよくわかる裏側からの眺め。それぞれ大きさの違う三方向の開口がかわいらしい印象のバルコニー。中庭から光が差し込む明るい玄関スペース。利便性のよいシューズクロークの入り口は奥さまの要望によりアーチ状に仕上げた。光と風が通り抜ける、起伏のある大空間ロフトまで続く吹き抜けによって開放的な大空間となっている1階LDK。「家族の様子がわかるように」という奥さまの要望もあり、キッチンからは1階全体を見渡すことができる。また、水回りはキッチンの裏側にまとめ、キッチンとリビングの両方向から、ぐるりと回ることができる利便性のよい生活動線を確保した。意匠面では、「木の素材感を大事にしたい」という希望を持っていたご主人。存在感のある現しの柱や梁、窓枠など随所に木を使い、温もりのある空間を実現した。「柱や梁などは完成時、明るい色合いをしていたのですが、年月を経て、濃い色に変わってきています。床のオークの色合いともマッチして、統一感が出てきました」(井上さん)。明るい光と風が通り抜ける開放感たっぷりのS邸。設計の際には、採光の面も考慮し、慎重に調整を行ったという。「この敷地は、南側の方へ段々と土地の高さが上がっていくため、日当たりがとても心配でした。そのため、敷地や近隣の住宅の模型を作成し、実際にライトを当てて、日当たりを何度も検討しましたね」と井上さんは微笑む。天井の高い開放的なLDK。床はオークの無垢フローリング材を使用。右側の小上がりの畳スペースは子どもの遊び場として活用している。リビングと階段の間に小上がりを設けているのもポイントの一つ。「大きい空間をつくるときは、間延びしないように起伏のある空間を心がけています。段差を設けることで、ベンチのように腰掛けたり、横になったり、自由な使い方ができます。また階段下にも空間ができるので、収納棚を置いたり、子どもの遊び場としても活用できます」(井上さん)。リビングからはしごを掛けてロフトへ上がる。「私は書斎として、妻はヨガを行うスペースとして活用しています。秘密基地のような空間を楽しんでいます」とご主人。ロフトからLDKを見下ろす。「開放感のあるLDKは特に気に入っていますね。寝っ転がると、天井の高さをあらためて感じます」(ご主人)2階は子ども部屋と寝室を配置。上部のロフトには集熱器を設け、暖かい空気を循環。家全体が心地よい室温に保たれる。バリエーションが生み出す空間の広がりプライバシーを確保しながらも、開放感のある心地よい家を実現したIYsの井上さんと吉村さん。「三方向から光が入るため、どこにいても明るい空間が続き、まるで公園の中にいるような不思議な感覚がありました。平面の広さに加え、凸型の形状や段差、回遊性によって内部空間にもバリエーションが生まれ、実際の空間以上の体感的な広さにつながったのではないかと思います」と完成当時を振り返る井上さん。竣工から2年半の間に起きたコロナ禍においても、快適な毎日を過ごしているというSさん一家。「以前の住まいのまま、コロナ禍になっていたら大変だっただろうね、と妻ともよく話します。子ども達が家中を走り回って遊んでいるのを見ると、この家を建てて、本当に良かったなとつくづく思います」と語るご主人。これから先、家族の成長とともに変わりゆく暮らしにも、この住まいは寄り添っていくことだろう。造作のニッチを設えた使い勝手のよいキッチン。生活動線を考慮したオープンな洗面スペース。キッチン横からアーチ状の入り口を挟んだ先に浴室があり、左奥は洗面スペースへとつながる。リビングから見えない場所にある通路には、使い勝手のよいマグネットウォールを設置。子どものもらってきたプリントなどを貼っている。洗面スペースの対面には、造作の収納棚を設置。全開口サッシによって、リビングからウッドデッキまで一続きに連なる。施工株式会社坂牧工務店意匠設計Inoue Yoshimura studio Inc.(イノウエヨシムラスタジオ株式会社) 構造設計川田知典構造設計 所在地神奈川県横浜市 構造木造 規模地上2階建 延床面積約129㎡
2022年02月28日明治大学和泉キャンパスの食堂「和泉の杜」は2021年10月から、ソーシャルディスタンスカメラシステムを導入しました。これは利用者のプライバシーに配慮しながら、混雑状況をスマートフォンやパソコンなどの機器から遠隔で確認できるもの。混雑率を示すメータやフロアごとの映像をリアルタイムで確認することができます。カメラに映る人物は色がついた骨格のCGに変換されるため、個人の姿・顔が記録・配信されることはありません。利用者は和泉キャンパス内ポスターのQRコードからアクセスできます。今後もキャンパスに通う約10,000の学生が安心して食堂を利用できるように環境整備を進めます。明治大学和泉キャンパス食堂「和泉の杜」(〒168-8555 東京都杉並区永福1丁目9−1)営業時間などの情報はホームページをご確認ください 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年10月21日いくら好き同士で同棲を始めたとしても、お互いにプライバシーは保ちたいものです。プライバシーを保たなければ、お互いにお互いがストレスになってしまい喧嘩が絶えず、別れてしまうことも考えられます。同棲中のプライバシーの保ち方についてご紹介します。恋人とのプライバシーの守り方恋人との同棲でプライバシーを守るために重要なのが、お互いの持ち物に勝手に触らないということです。一緒に住んでいると持ち物の意識が曖昧になりがちですが、持ち物が散乱しているからと言って勝手に捨ててしまうなどすると喧嘩の原因になってしまいます。散乱が気になるというときには、相手に片付けてもらうか、捨てていいかを聞いてから処分します。相手の持ち物を使うときには、借りているということを意識した上で使うようにして、共有のものでは無いということを習慣づけて使います。借りたら返す、ありがとうと感謝を伝えるだけでもお互いに気持ちよく過ごせます。相手に過度に干渉しない一緒に住んでいるとつい身の周りについて口を出したくなりますが、あまり干渉しすぎるのもプライバシーの心外になってしまいます。結婚を意識していると、どうしても相手のお金の使い方や仕事への態度が気になるというケースはよくあります。しかし、お金の状況や仕事のことについてあまり口出ししすぎると、男性にとっては鬱陶しく感じてしまいます。結婚を意識しているのであれば意識をすり合わせるためにもお金の話は重要ですが、お互いに欲しいものを購入することに関してはあまり口出ししすぎないようにすることが、お互いのプライバシーを守ることにつながります。人を呼ぶときには許可を取るお互いに友達付き合いもあるため、友達や家族などを部屋に呼ぶときにはきちんと許可を取ることが重要です。相手にとって知らない人を呼ぶということは、生活空間を見られるということでもあります。恋人の前であれば、部屋の片付けが適当でも問題ないかもしれませんが、知らない人に片付けていない部屋を見られるのは問題だと感じる人も多いものです。友達や家族を呼びたいときには、必ず事前に相談しましょう。またその時、友達や家族と会っている間、恋人は家にいれば良いのか、外に出た方が良いのかも話し合います。お互いに楽しく過ごすためにも、一人の家ではなく二人の家であるということを意識を持って生活していくことで、プライバシーは守れます。同棲生活を楽しく過ごすにはどんなに仲が良いカップルだとしても、ひとりで居たい時や顔を合わせたくない時もあります。お互いに触れられたくない部分もあるということを意識して生活していくことは、同棲を長く続けるためのポイントにもなります。また、して欲しいことや嫌なことなどしっかり話し合うことも、プライバシーを守るためには重要です。
2020年12月25日我が家のApp●eTVは私のアカウントで利用しているためわたしのプライバシーはないに等しい。こんなことはまだ可愛いものでまめがスライドショーを始めた瞬間わたしのカメラロールの中身が次々と表示され意識高い系の格言のスクリーンショットが大写しになった時にはもう恥ずかしくて息の根が止まるかと思いました……
2019年06月14日今ではコンビニだけでなく、マンションや個人宅にもつけることもある防犯カメラ。日本でも街中の防犯カメラが増えつつあります。プライバシーの侵害という意見もあるようですが、パパママ世代はどう考えているのか調査してみました。Q.街中の防犯カメラ設置、賛成?反対?1.積極的に設置してほしい 51.2%2.犯罪抑止になるように適度に設置 47.4%3.設置しないでほしい 0.4%4.わからない・どちらとも言えない 0.9%積極的に設置してほしいがもっとも多く51.2%という結果になりました。僅差で、犯罪抑止になるように適度に設置が47.7%ということで、パパママ世代は街中の防犯カメラ設置にはおおむね賛成ということのようです。■子どもの安全を守るためにもっとつけてほしい子どもの通学路などを含めて、積極的に防犯カメラをつけてほしいという親が多数派。防犯カメラがあるだけで抑止にも繋がるという声も。「どんどん設置して欲しいです。これで事件解決につながった事例もありますし。街中だからプライバシーも何も関係ないと思います。室内の隠しカメラじゃないんだから」(神奈川県 40代女性)「よく監視社会だとか、政府による統治が起こるなどという人がいますが論外です。カメラを設置して子どもの安全、社会の公正を守ってもらいたいです」(神奈川県 40代男性)「自分にやましいところがなければ問題ないので、設置賛成です!」(神奈川県 50代男性)■何が起きてもおかしくない時代だから仕方ない防犯カメラに違和感を覚えるという人や、人の目が届かない死角にはつけてほしいという人も、やはり最近の犯罪の傾向を考えると仕方ないと考えているよう。「最初は防犯カメラが街中にあることに違和感というか監視されている感があったけど、犯罪や交通事故の検証に役立ていることを思うと、このご時世必要なものなのかもしれないと思った」(三重県 40代女性)「死角になったりするところには積極的に設置してほしい。もしものことを想定しないと、今の世の中いつ事件に巻き込まれるか想像つかないですから」(福島県 30代女性)■証拠として防犯カメラの映像が役立つこともよく見えなかった場合でも映像として残っていれば、あとで解析することも可能。実際に犯罪を目撃した人でも、防犯カメラの必要性を感じたそうです。「先日、マンションの駐車場に停めてある車を3人の男がハンマーのようなもので破壊するのを目撃して110番通報しました。犯人に気づかれたら怖いし、子どもが見ないように避難させたりしている隙に逃げられてしまったため、やはり防犯カメラは必要だと思います」(神奈川県 40代女性)Q.街中の防犯カメラ設置、賛成?反対?アンケート回答数:6186件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2017年10月18日さて、 前回 は日本のPTAの成り立ちについてお話しました。戦後、日本でPTAをつくることになったとき、「とりあえず自動強制加入」にしたのがずっと続いてしまったわけですが、ようやくその見直しが始まっている、というのが今の状況だと思います。ではあらためて、自動強制加入だと何がまずいのでしょうか? 「これまでずっと、それでやってきたんだから、変えなくてもいいじゃないか」と思う方もいるでしょう。それを、なぜわざわざ変える必要があるのでしょうか。 現状の自動強制加入のやり方によって、具体的にどんな問題が起きているのか、それを今回はお伝えしたいと思います■1.ずばり「楽しくない」まずはこれです、自動強制加入では活動が「楽しくない」ということ。PTAが今これだけ嫌われてしまっているのも、加入方法が強制であることに根があります。人はふつう何かするとき「これをやったら、どんないいことがあるかな?」と考えて、その行動をとるものですが、強制加入ではそういったメリットを考える余地がありません。最初から「やりなさい」といわれてしまうので、なかなか楽しめないのです。たとえば「学校に通う」とか「税金を払う」といったことなら、必要性もわかるし、法律で決まっているんだから、と思いますが、PTAは残念ながら必要性がはっきりしない仕事がよくありますし、「必ずやらなければいけない」という法的な根拠もありません。それで強制されるのでは、「やりたくない」「つまらない」と感じる人が多いのは無理のないことでしょう。■2.「詐欺」に加担してしまう端的な表現ですみませんが、実際のところ、現状のPTAのやり方は「詐欺」と言われれば否定できないところがあります。法的な根拠がないのに本人の同意を得ずに会員にして、会費を徴収するというやり方は、ふつうの団体ならありえません。保護者は子どもが学校に入ると自動的に会員になるので、なかにはPTAが学校と別団体であること、PTAが任意加入であることを知らずに会費をおさめている人も少なからず存在します。そういう人から集めた会費を使って活動するのは、後ろめたいところがあります。たとえば、多くのPTAは学校に備品等を寄付していますが、本来寄付というのは自由意志に基づくものです。同意なく加入・徴収したお金で寄付を行うのは、ある意味、だましとったお金によるプレゼントのようなもの。渡すほうも、受け取るほうも、胸を張ることができません(そのためPTAによる学校への寄付は、あまり表に出てきません)。普段の活動でも同様です。たとえば筆者も、活動中にPTA予算で買ったおいしいお菓子をいただくことがありますが、うれしい反面「もしかすると、PTAが学校の一部だと思って無理して会費を払った人のお金を含んでいるかもしれない」と思うと、申し訳なく感じます。■3.事情のある人が嫌な思いをする保護者のなかには、いろんな状況の人がいます。ひとり親、闘病中の人、介護中の人など、みんながみんなPTA活動をできる状況にはありません。でも自動強制加入だと、そういう人が「できない」というためには、個人的な事情を他人に伝えなければならなくなります。「それは当たり前では?」と思う方もいるかもしれません。PTAといえば、4月の保護者会でお母さんたちが順番に「できない理由」を言うのが風物詩のようになっていますよね。でもそれも、一般の団体だったら起こり得ないことです。スポーツクラブでもクリーニング屋さんでも、ふつうは申込みをした人が会員になりますから、会員にならない人がわざわざ「入らない理由」を告げる必要はありません。むしろ、告げたらヘンでしょう。でもPTAは違います。自動強制加入で会員になってしまうから、「できない理由」を、みんなに説明せざるを得なくなったりするのです。なかにはもちろん、個人的な事情を他人に言いたくない人や、言えない人もいます。そういう人が仕事を押し付けられてしまい、行けなくて休むと陰口をたたかれる、なんていうことも起こり得ます。■学校から「児童名簿をもらうこと」の問題ちなみに、そもそもなぜ申込みをしないのに自動的に会員になるのかというと、学校の名簿が勝手にPTAに流用されているからです。このように、個人情報を本人の同意なく第三者に渡すことは、個人情報保護法例(法律や条例)で禁止されています。学校はそのルールを守っていないのです。以上のような理由で、現状のPTAのやり方には問題があることについて、おわかりいただけたでしょうか。なお、気をつけなければいけないのは、問題があるからといって、PTAを丸ごと否定する必要もないということです。PTA活動にはいい面もいろいろあり、楽しんで活動している人たちもじつはけっこういるのです。必要なのは、やり方を適切に改めることでしょう。まずは自動強制加入をやめて、「加入意思を確認して、同意の上入会する」というふつうの形にすれば、全部とは言いませんが、いまPTAが抱える多くの問題は解決、または改善していくはずです。最近は徐々に、運営の仕方を正しく改めるPTAも増えつつあります。次回は、そういったPTAについてご紹介したいと思います。■大塚玲子さんの著書 『PTAがやっぱりコワい人のための本』 (太郎次郎社エディタス/¥1,620)そこにいるのはどんな人たち? 負担はいったいどの程度? PTAのネガとポジを徹底仕分け。読めば気持ちが軽くなる一冊!
2017年04月28日ホームセンター業界最大手のDCMホールディングスから、室内の明るさを保ちながら直射日光を防ぎ、プライバシー保護にも役立つ機能的なすだれ「DCMブランド光が入る日除けすだれ」が4月24日(月)より、全国のDCMカーマ・DCMダイキ・DCMホーマック・DCMサンワ店舗にて販売開始されました。室内を暗くせずに直射日光をカットしプライバシーも保護「DCMブランド光が入る日除けすだれ」は、直射日光を遮りながらもその他の光を取り込むため、室内の明るさを保ちつつ強い日差しと紫外線のみをカットできる機能的な商品です。また、外面の生地は光を反射する仕様になっているので、外部から室内を見えにくくし、プライバシーを保護することができます。さらに、生地に光が当たることによりリーフ柄が浮かび上がるおしゃれなデザインが採用されたほか、はさみ・カッターで生地をカットすることにより長さ調整も可能なつくりになっています。日差し対策としてだけでなく、明るさを保ちたい人や、プライバシー保護・デザイン性を求める人にもおすすめです。
2017年04月24日「家庭」は社会の最小単位だとよくいわれます。子どもは、親やきょうだいとの関係を通じて、他者とのコミュニケーションを学んでいくもの。だから家庭でのマナーは必要です。隠しごとなく何でも相談しあい、いつも安心して一緒にすごせる親子関係が理想。でもそんな関係を築くのは簡単ではありません。子どもへの接し方について、マナーという観点からあらためて考えてみましょう。■子どもの部屋に入るときにチェック!家庭の中でも、尊重されるべきプライバシーがあります。それは、子どもであっても同じ。「子どもを守り、助け、育てていくためにはプライバシーなんて言っていられない」と思うこともあるかもしれません。子どもを守ることは親の務めですが、それでも子どものプライバシーを尊重することも大切です。家庭によって時期は異なると思いますが、成長にあわせて「子ども部屋」を用意する家庭は多いでしょう。子どもが自分の部屋ですごしているときに、突然ドアを開けて入室するのはやはりマナー違反。プライバシーを尊重し、ノックや「入るよ~」という声かけを忘れないようにしましょう。中高生になると、「勝手に部屋に入られたくない!」という意識が強まってくるものです。しかし、自分の部屋を与えられたときからノックや声かけが習慣化されていると、「勝手に入ることはない」と親に対して安心と信頼感を持つことができます。そうすると、部屋に鍵をかけたがるなど、必要以上にプライバシーを気にすることがなくなるかもしれません。■子どもの物を借りる・移動させるときにチェック!物を借りたり触れたりするときに承諾を得るのは、大人同士ならあたり前のこと。しかし、自分の子どもの持ち物となると、ついそのあたり前が忘れがちです。子どもの持ち物を借りるとき、また移動させるときは、ひと声かけて承諾を得るように心がけましょう。これは、子どもに「自分の持ち物は、自分できちんと管理する」という意識を持たせることにもつながります。「おかたづけ」ができるようになるのは生後10ヶ月くらいから。「片づける」ということの意味がわかるようになるのは1歳前後といわれています。パパ・ママは早い段階から子どもの持ち物の扱い方を意識しておくと良さそうです。■何かをしてもらったときにチェック!家族だからこそ、基本的なあいさつは大切。朝の「おはよう」から「いただきます」「ごちそうさま」「ありがとう」「ごめんなさい」、そして夜の「おやすみ」まで。しっかりお互いの顔を見てあいさつする習慣を身につけておくと、子どもが学校など外の社会に出たときに、きっと役立ちます。とくに「ありがとう」は、きちんと言えない大人も多いため要注意。たとえば、「ちょっとティッシュとって!」と言ってティッシュの箱をこちらへ渡してもらったとき。受け取る際に、自然に「ありがとう」の一言が出ていますか?家庭の中では、物を取ってもらう・借りるなど、誰かに何かをしてもらう場面がたくさんあります。そんなときについ、お礼の言葉を忘れてしまうパパ・ママも多いのでは?どんなささいなことであっても、「してもらって当然」ということはありません。まずはパパ・ママが、子どもへのお礼の言葉を忘れないようにしましょう。0~1歳ごろは、身近な大人の発する言葉を懸命にとらえようとする時期だといわれています。赤ちゃんのうちから、パパ・ママが「ありがとう」の言葉を積極的に使うよう心がけていれば、子どもにも自然に身についていくでしょう。■名前を呼ばれたときにチェック!「名前を呼ばれたら、元気な声でお返事しようね!」子どものころ、誰もが教わったはずですが、これも大人になるとつい忘れがちです。たとえば、「ママ~」と呼びかけられたとき、スマホを見ながら「何~?」なんて返事をしていないでしょうか? パパ・ママ間で、きちんと相手を見て返事をしていますか?家庭で返事の習慣を身につけていない子どもは、幼稚園や小学校で突然「お返事」を求められたときに、困惑してしまうかもしれません。まだ会話でコミュニケーションを取れない小さな子どもでも、パパ・ママの様子はしっかり見ているもの。まずは自分自身が「返事」の習慣を見直してみませんか? マナーとは、相手に不快な気持ちを起こさないようにする立ち居振る舞いで、相手への感謝や敬意も示すものだと思います。親子間のマナーを大切にするということは、子どもをひとりの人間として尊重し、敬意を払うということにもつながります。家庭で身につけたマナーは、きっと学校・職場などの社会へ出てから役立つはずです。
2017年01月17日Googleストリートビューに映ったハトが、未確認飛行物体ではないかと話題になったものがあったようです。Googleストリートビューについては、プライバシー侵害になるのではないかという議論がされることがあり、実際にそれで裁判になったこともあります。実際、Googleストリートビューはプライバシーを侵害するものといえるのでしょうか。解説していきたいと思います。*画像はイメージです:■プライバシー侵害の要件プライバシー侵害が成立するためには、一般的に以下の要件を満たす必要があるとされています。 1. 私生活上の事実または事実らしく受け取られる事柄であること2. 一般人の感受性を基準にして、当該私人の立場に立った場合、公開を欲しないと認められるものであること3. 一般の人々に、未だ知られていないことがらであること(非公知性) これは「宴のあと」事件(東京地判昭和39・9・28)が示した基準です。もっとも、必ずしもこの要件が厳格に適用されてプライバシー侵害が認定されているわけではないのが実際です。 ■“プライバシーとして保護するか”が争点だと上記3要件が重視されるただし、“そもそもプライバシーとして保護するべきか”という点が争われる場合、この要件の充足の有無がかなり問題になってくることがあります。私見ですが、「宴のあと」事件判決は単なる地裁判決であり、私生活上の事実等に対象を限定すること、また、非公知性を要求する点で、現在では不適切な要件になっているのではないかと考えています。特に、非公知性については、昭和39年当時は、情報の発信者はもっぱらマスコミであり、個人が社会に物事を公表することは著しく困難で、「一般の人々に未だ知られていない」という状況が容易に観念することができました。しかし、現在はインターネットを通じて誰でも気軽に情報発信ができるようになっており、インターネットに投稿されれば、その情報は誰でも閲覧できる以上、「一般の人々に未だ知られていない」ということを観念することができない状況と思います。その結果、「宴のあと」事件の要件を用いれば、インターネット上に掲載された事項については、プライバシーとして保護されない、ということになってしまいます。これは明らかに不当でしょう。つまり、プライバシー侵害成立の要件は、現代の状況とは全く合致しないものになっているのです。 ■Googleストリートビューはプライバシーを侵害するものかでは、Googleストリートビューはプライバシーを侵害するものでしょうか。Googleストリートビューは、プライバシーに一定の配慮をして、顔、表札、車のナンバープレートなどにモザイクをかけています。また、ストリートビューでは公道からの撮影がされているのが通常であり、公道において撮影する際、周囲の様々なものが写ってしまうことはしばしばあることです。そのため、一般的にはプライバシー侵害とは言えないと思われます。裁判でも、同じような判断で、プライバシー侵害が否定されています。もっとも、塀の中が撮影されていたり、モザイクがかかっていない人の顔が掲載されているといったケースもあるようであり、個々の状況によってプライバシー侵害と評価できる場合もあるだろうと思われます。 *著者:弁護士 清水陽平(法律事務所アルシエン。インターネット上でされる誹謗中傷への対策、炎上対策のほか、名誉・プライバシー関連訴訟などに対応。)【画像】イメージです*Lolostock / Shutterstock
2016年12月09日カスペルスキーは2月16日、SNSのプライバシー設定の重要性を、同社のブログ「Kaspersky Daily」で解説した。同社の調査によると、FacebookやInstagramなどのSNS利用者のうち、28%がプライバシー設定に無関心であることがわかった。そういった利用者は、自分の投稿や写真をすべて一般公開していることになる。また、10人に1人は友達リクエストを受け取った際、まったく面識がない人であっても1人残らず承認している。また、3人に1人は共通の友達が2~3人いれば、知らない人であっても友達になっている。まったく面識のない人と友達になることで、ダイレクトメールでアフィリエイト先のオンラインストアの商品を欲しくもないのに宣伝してきたり、買わせてくるようなケースがある。例えば、ダイエットグッズやジムの売り込み、Webカメラ「チャット」のボットという場合もある。セールス目的ではなくサイバー犯罪者だった場合は、サイバー犯罪に巻き込まれる恐れがある。カスペルスキーは、SNSの利用者の多くが「SNSは安全である」という錯覚があると指摘。例えば、SNS上に公開したデータは安全に保護されていると思いがちだが、他人が勝手に入手して悪用するケースも少なくない。写真はダウンロードできしまうし、チェックインすることで現在の居場所を伝えてしまう。SNSの利用者は「ごく普通の人たち」だけではなく、スパイやサイバー犯罪者にとっても「標的を狙う場所」として活用している。SNSの利用者は、自分がどんな個人情報を公開しているのか、ソフトウェアの開発元やネットショップなどの第三者組織に共有しているのかなど、プライバシー対策を注意深く行っていく必要がある。また、気を付けておきたいポイントとして、見知らぬ人から友達リクエストを受け取って保留中になっているならすべて拒否する、知らない人が送ってきたリンクは悪意あるWebサイトにつながっているかもしれないのでクリックしてはいけないと紹介している。
2016年02月19日●オレを襲ったトラブル富士通製PCの秋冬モデルに搭載されている「ワンタッチプライバシー」は、ファイルを登録しておけば、一度に複数のファイルをデスクトップ画面から非表示にし、他のユーザーの目から隠してしまえる機能だが、製品紹介ページではほとんど言及されていない、ちょっとマニアックな機能だ。同機ユーザーの中には、「『LIFEBOOK SH90/W』でWindows 10のメニューを立ち上げてみたら『よく使うアプリ』に謎の機能が表示されていたがはてこれは一体何だろう」という人もいるかと思われる。というわけで、今回、モバイルモデルの「LIFRBOOK SH90/W」で「ワンタッチプライバシー」を試してみた。なお、機種の詳細は、ニュース記事、レビュー記事で確認してほしい。【レビュー】スペックや機能はどう変わった? Skylake+Windows Hello搭載、新生「LIFEBOOK SH90/W」を試す富士通、指紋認証ログインに対応した13.3型ノートPC「LIFEBOOK SH」○オレを襲ったトラブル「ワンタッチプライバシー」は、スタートメニューから起動できる「ワンタッチプライバシー」という富士通のオリジナルプログラムだ。名前の通り、ワンタッチ(もしくは1クリック)で特定のファイル、フォルダを画面上から一時的に消す(非表示にする)ことができる機能である。使い方を紹介する前に、まずはこの機能でちょっとアレな画像を隠したオレを襲ったトラブルの顛末を伝えたい。「ワンタッチプライバシー」の使用には、まず「ワンタッチプライバシー」自体のパスワードを設定する必要がある。そして、「ワンタッチプライバシー」を使って非表示にしたファイルを復活させるには、当然同プログラムから復元処理を行う必要があるのだが、一度終了させた「ワンタッチプライバシー」を起動すると、まずパスワードの入力画面が表示される。ここで正しいパスワードを入力しないと、「ワンタッチプライバシー」は起動できず、ひいてはファイルを復元することができない。初めて「ワンタッチプライバシー」を使ったとき、このパスワード入力時に、トラブルが発生した。察しのいい読者諸氏はお気づきかもしれない。なぜか、正しいパスワードを入力しても、ログインできないのだ。そんなことあんのか!? と思われただろう。オレも思った。このとき、非常にシンプルなパスワードを設定したので、間違うはずはなかったのだが、複数回パスワードを入力してもログインできず、焦ることになった。そうしているうちにあることに気がついた。アルファベットの大文字、小文字が逆転しているのでは? というわけだ。設定したときは小文字で入力している気になっていたが、もしかすると大文字で入力していたのかもしれない。かくして、アルファベットを大文字にして入力すると無事ログインできた。正直ホッとした。これがログインできないと、富士通に連絡してリセット方法を教えてもらわなければならない。ユーザー側ではリセットできずPC自体を送って処理しなければいけない可能性もあり、面倒極まりないことになるところだった。●改めてワンタッチプライバシー機能を試すいろいろあったが(主にオレだけ)、改めて、本題の「ワンタッチプライバシー」機能の話だ。この機能はスタートメニューから起動できる「ワンタッチプライバシー」という富士通のオリジナルプログラムによって実行される。このプログラムを初めて起動すると、まずはパスワードの登録を要求してくる。文字数は6文字以上、24文字以内で、文字種類を2種類以上にしなければならない。もっと厳しくしてもいいのではないか? と思うが、あまりに複雑にしすぎて、ファイルを永遠にロストしてしまう可能性もあるので、一般的なレベルでいいのかもしれない。「ワンタッチプライバシー」にファイルをドラッグ&ドロップで登録し、登録したファイルごとに表示される「隠す」スイッチをクリックすると、機能がオンになりファイルが隠される。画面上からもファイルは見えなくなり、これでプログラムを閉じると、ほかの人には隠したフォルダの存在が全くわからなくなる。この時、ファイルは単に見えなくなっているだけでなく、暗号化された上で、特定のフォルダに保存されている。つまり、隠された状態ではファイルを発見しても、見ることができないのだ。●隠す機能をどう活用するか?さて、「ワンタッチプライバシー」では複数のファイル、フォルダを管理、隠蔽できる。それはそうだ。1つしか隠蔽できないのでは実用性が低い。複数の隠蔽ファイルの登録は次々とプログラムウィンドウにファイル、フォルダをドラッグ&ドロップしていけばいいだけだ。複数のファイルを登録すると、リストに複数のアイテムが表示されていく。そして、リストは下端まで達すると、スクロールできるようになる。このリストはかなり長くなることを想定したデザインのようだ。複数のファイルを登録した場合でも、登録したファイル、フォルダごとにファイルを隠すスイッチをオン、オフできる。また、急いでファイルを隠したい場合にために、右上の「すべてを隠す」ボタンで一度にすべてのファイルを消すことができる。○隠す機能をどう活用するか?最近はタフさを強化したビジネス向けノートPCが増えているが、タフさの次に必要となるのはセキュリティ機能だろう。富士通は指紋認証などを早くからノートPCに取り入れたり、虹彩認証をスマホに搭載するなどセキュリティに積極的なメーカーなので、「ワンタッチプライバシー」のような、ファイルを隠す機能を取り入れたことは理解できる。いろいろ試したが、「ワンタッチプライバシー」は非常に面白い機能だ。提言の意味で、「ワンタッチプライバシー」がスタートメニューに表示されてしまうのが気になると記しておこう。だって、このパソコンの中のデータをチェックしたい人が、そのパソコンを触ったら、「このプログラム何?」って、起動しようとしてしまうだろう。そして、起動すると、パスワードにブロックされてしまうわけで、ユーザーへの疑惑が増してしまうかも知れない。アイコンを表示せずに、例えば複数のキーの組み合わせで起動するようになったら、使い勝手がより良くなりそうだ。「ワンタッチプライバシー」は「LIFEBOOK SH90/W」だけでなく、富士通の秋冬の新製品に搭載される機能だ。会社のデータでも個人のデータでも、複数の人が使う可能性のある環境にいる人や、手軽にセキュリティを高めたい人は、店頭などで一度試してみると良いだろう。
2015年11月15日米Lookoutは20日、日本のスマートフォン所有者を対象に実施したモバイルプライバシーIQ調査の結果を公表した。スマートフォン使用時におけるプライバシー保護に関する個人の知識レベルを調査したもので、調査結果からはプライバシー保護に高い意識を持つ人ほど実際には危険な行為をとっていることが判明した。同調査によると、モバイルプライバシーIQが、平均以上と自分を評価する人はスマートフォン所有者の約3%だった。しかし、自称プライバシー優等生は、他のユーザーよりも公共Wi-Fiやオープンネットワークに接続したり、非公式アプリマーケットからモバイルアプリをダウンロードしたりと、危険な行為をとる可能性が高いことが判明したという。これは米国での調査でも同様の結果になったとしている。男女別で見た場合も、自称プライバシー優等生は、男性のほうが女性よりも多く存在するが、パーミッションを読まずにアプリのダウンロードを実行するなど、危険な行動をとるのは男性が多い傾向にあった。同社では、今回の調査結果から、プライバシー問題への意識と、プライバシー保護のために行っている実際の行動にギャップがあると結論づけている。そして、モバイルデバイスに保存されている個人情報保護対策についても触れている。そのひとつが、PINコード、パスコードの設定。自称プライバシー優等生のうち約35%が「パスコード設定なし」にしているが、覗き見や情報漏えいのリスクを避けるための最初の防衛手段になるとしている。公共Wi-Fiでは、セキュリティが施されていることが皆無に等しく、メール、ソーシャルネットワーキングは利用せず、サイトの閲覧にとどめることも推奨している。ウェブサイトの閲覧にあたっては、URLが「https」で始まるかを確認するとともに、スマートフォンの閲覧履歴や検索履歴の定期的な消去を進めている。第三者が端末を不正入手してもプライバシーが保護できる。アプリのダウンロードにあたっては、アプリ評価、レビューに注意を向け、アプリがアクセスする情報に納得できない場合は、インストールをやめることも検討してほしいとしている。
2015年08月20日国立情報学研究所(NII)は8月6日、コンテンツ科学研究系の越前功 教授らが開発した、カメラなどによる顔認識を不能にして着用者のプライバシーを守る眼鏡型装着具「プライバシーバイザー」が商品化されることを明らかにした。今回、製品化を手掛けるのは「めがねのまち さばえ」を掲げる福井県鯖江市の企業である、眼鏡用資材を扱う総合商社のニッセイ。これまでの開発において公開されていたプライバシーバイザーは、3Dプリンタを利用した樹脂フレームで作られていたが、量産化にあたっては、ニッセイの強みであるチタンを活用したフレームを採用することで、通常のメガネに比べて湾曲が大きい形状を実現したとする。また、フレームにチタンを採用して量産化することで金型や治具、加工費などのコストが高くなるため、同社では今後、鯖江市が実施・運営しているクラウドファンディング事業「FAAVO(ファーボ)さばえ」を活用して製作費の一部を調達するとしており、この商品化事業に投資した支援者には、支援金額に応じて初回限定モデルやチタン加工技術を活かした記念品などが提供される予定だという。一方、プライバシーバイザーそのものは、スマートフォンや監視カメラなどで撮影された画像に意図しない人が映り込んでしまい、それが別の事柄に用いられたり、誰が、いつ、どこにいたのか、といったことが暴露される可能性があるといった、新たなタイプのプライバシーの侵害問題を解決することを目的に開発が続けられてきたもの。メガネのように着用するだけで、カメラの顔認識で用いられるような特徴の抽出を困難にさせることが可能となるほか、電子部品や特殊素材も利用しないため、安価に実現することができるとする。なおNIIでは今後も産業界などと連携して研究成果を社会にフィードバックし、情報学による未来価値創成に取り組んでいきたいとコメントしている。
2015年08月07日国立情報学研究所(NII)は6日、デジタルカメラやスマートフォンによる「顔認識」を防ぎ着用者のプライバシーを守るメガネ型デバイス「プライバシーバイザー」が、福井県鯖江市の企業ニッセイによって商品化されると発表した。「プライバシーバイザー」は、顔面に明暗をつくる可視光を反射・吸収する素材をバイザーに貼付することで目の周りの明暗の特長をなくし、顔検出を妨害するメガネ型デバイス。従来の顔認識の防止技術は、顔面に着色したり、顔を物理的に隠すことで、顔認識の前段となる顔の位置の検出を妨げる方法だったため、通常の対人コミュニケーションに支障をきたすという欠点があった。これに対し「プライバシーバイザー」では、メガネのように着用するため、着用者の視覚やコミュニケーションには影響を与えないという。商品としての量産化は、メガネ用資材を扱う総合商社のニッセイが担当する。これまで公開されていた「プライバシーバイザー」の試作品は、3Dプリンターを利用した樹脂フレームを使っていたが、商品化にあたりニッセイの強みであるチタンを使ったフレームを採用。軽く強度が高いチタンの特性が、通常のメガネに比べ湾曲が大きい「プライバシーバイザー」のフレーム形状に対応した。また、フレームにチタンを採用したことでコストが高くなるため、ニッセイでは今後、鯖江市が実施・運営しているクラウドファウンディング事業「FAAVO(ファーボ) さばえ」を活用し制作費の一部を調達する。支援者には、支援額に応じて初回限定モデルやチタン加工技術を活かした記念品などが提供されるという。
2015年08月07日●プライバシーは知りたくない「WWDC15」の基調講演で、同じスライドが2度表示された。それはグレーの背景に白い手の平がこちらに向けられているアイコンが用いられた「プライバシー」のスライドだ。Appleはプライバシーを、iOS 9をはじめとするあらゆるサービスやソフトウェアにおける、差別化要因にしようとしている。○プライバシーに対するAppleの考え方Appleは、クラウドにある、あなたのことを知るためのメールや写真、連絡先の情報に関知しない。正直なところ、知りたくないのだ――。基調講演に立ったAppleのソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長、Craig Federighiはこう述べた。そして、「すべてはあなたの管理下にある」(同氏)と。Appleはデータを収集しないだけに留まらない。もし、Siriが先回りしてウェブ検索などを行って情報を取得する場合、匿名でのウェブ利用を行うこと、またApple IDとこうしたデータを紐付けないことなどが謳われている。また、Appleやサードパーティーが、そのアプリの情報を他のアプリで活用することはないとしている。サードパーティーの開発者に検索APIが提供され、SiriやSpotlightから検索できるようになるが、ユーザーの意向に沿わないデータの活用は行われないということだ。Appleがプライバシーについて強調しているのはこれが始めてではない。捜査当局を困惑させるほどのiMessageやFaceTimeのプライバシーの強固さや、Touch IDの指紋データを送信しないといった既存のサービスでの考え方と同じだ。それにも関わらず、Appleが改めてこのことを強調しているのは、iOS 9で、より積極的にユーザーをアシストするため、iPhone内にあるユーザーの情報をより積極的に活用しようと考えているからだ。●Googleとは違う道を歩むApple○自分のことを理解するために他人の情報が必要か?ユーザー情報の活用は、Googleが既に実証しているように、ユーザーの作業を軽減し、また思いもよらない、しかし望んでいた発見をもたらす。最近のGoogle Mapsのナビ機能は、買収したWazeに寄せられる事故などの情報を活用し、瞬時に新しいルートを提案する。1分でも早いルートが見つかれば表示され、ユーザーは瞬時の判断でそちらを選択することができるのだ。Googleのポリシーでは、他人が辿ったルートの時間がフィードバックでき、自分が通る直前にその情報を利用できる。わかりやすくいえば、自分より10台前にその場所を通った2台の車が辿った2つのルートを比較できる、ということだ。もし、他のユーザーのデータを使わない場合、同じナビの例であれば、自分が以前通った際のルートと通過時間の結果しかデータサンプルがなく、リアルタイムなルート提案も、公共サービスで提供されている渋滞情報以上のものを使うことができないだろう。ユーザー全員をビッグデータのソースとして扱うか、それをしないかという考え方の違いがそこにある。Appleは後者を選んだことを強調しているのだ。Googleのように、他のユーザーの情報も活用しながら最適な情報を作り出す選択をしなかったAppleは、公共データを活用しながら、じっくりとユーザーに向き合うことしかできない。これは機械学習のテクニカルな話にもなり、メリット・デメリットが存在する。おそらく、Googleのほうが、より多くの人々の行動パターンを活用でき、リアルタイム情報を処理できる点で、フィードバックされる情報は充実する。一方で、ユーザーの生活に密着しているスマートフォンに着目すると、ユーザーのあらゆる行動に着目することで、ユーザーの求めを先回りすることはできるようになるのではないだろうか。例えば、1人の人の行動パターンと位置情報の相関をとる研究では、およそ6週間でユーザーの「日常」を把握できるとされている。より細かいアプリ利用や連絡する相手などを含めることで、iPhoneのデバイスの中でのユーザー行動の学習も、2カ月程度で十分に有効なパターンを見出すようになるのではないか、と推測できる。●iAdの取り扱いは?○Tim Cookも声明と、Safariの新機能この原稿を準備している際、Appleはウェブサイトに「あなたのプライバシーに関するAppleの取り組みについて。Tim Cookからのメッセージ」という声明を発表した。Appleのプライバシーに関するトップページに掲載されているこの文書には、これまで述べてきたAppleのプライバシーに関する考え方がまとめられている。その中で、Appleは優れた製品を売ることがビジネスであり、iPhoneやiCloudに蓄積された個人情報を広告主に売ること、すなわちユーザー情報の「換金」はしない、と述べている。これはGoogleなどの、ユーザーのプロフィールを作って広告を最適化する仕組みに対する批判とも受け取れる。その裏で、iOS 9のSafariに盛り込まれるとみられる新機能に、ウェブ広告業界や、ウェブ広告によって収益を上げているメディア等に小さなパニックが起き始めた。Business Insiderによると、iOS 9のSafariには何らかの形でユーザーが広告を目にしないようにする拡張機能が搭載されると指摘されており、モバイル広告のビジネスに対して大きな影響を与える可能性がある。Appleも、アプリ向けあるいはiTunes Radio向けに「iAd」と呼ばれる広告ネットワークの仕組みを提供しているが、Tim Cook氏の声明では、やはりiAdでも、ユーザープロフィールは活用しないというプライバシーポリシーの適用を明文化しいる。Appleの全体の収益に占めるiAdの金額は、およそ0.3%程度だ。しかしAppleはiAdの活用範囲を広めようとしている。新たに登場した「ニュース」アプリにも、iAdが採用され、美しい記事表示を損なわない広告表示を実現できるだろう。この動きは、結果的にはユーザーのプライバシーを守れるかも知れないが、Appleデバイス上の他社による広告ビジネスを減衰させる施策と受け取ることもできる。いずれにしても、Appleはプライバシーの高さを製品のウリにしようとしている。この考え方は、元NSA職員のエドワード・スノーデン氏も支持していると伝えられた。付加価値として、Androidよりも多少多くお金を払ってもよい、と考えるユーザーもいるかもしれない。Appleのビジネスは製品を販売することであり、プライバシーもそのビジネスを補強する材料として活用しようとしている。松村太郎(まつむらたろう)1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。近著に「LinkedInスタートブック」(日経BP刊)、「スマートフォン新時代」(NTT出版刊)、「ソーシャルラーニング入門」(日経BP刊)など。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura
2015年06月26日米Googleは1日(現地時間)、Googleアカウントの管理、データ保護およびプライバシー保護の設定、安全対策を、ユーザーが1カ所から行えるようにした新サイト「アカウント情報」の提供を開始した。アカウント情報では、アカウントのデータおよびプライバシー保護の状態をユーザーが簡単に把握できるように「セキュリティ診断」と「プライバシー診断」を用意している。セキュリティ診断: アカウント復旧のための設定、接続されている端末、アカウント権限、Gmail設定、2段階認証プロセスの設定などを確認。プライバシー診断: 他のユーザーとのつながりに用いる電話番号、Googleが保存している情報、広告設定などを確認。さらに「ログインとセキュリティ」および「個人情報とプライバシー設定」から各項目の細かなコントロールが可能。また「アカウント設定」から、表示言語と入力ツールの設定、ユーザー補助設定、Googleドライブのストレージ管理、アカウント/サービスの削除といったアカウントを管理するツールにアクセスできる。Googleはまた、プライバシーとセキュリティに関するFAQサイトも用意した。「Googleはどのようなデータを収集しているのか?」「Googleは個人情報を売っているのか?」「Googleはどのように個人情報の安全性を保っているのか?」といった質問に答えている。
2015年06月02日米Facebookは4月4日(現地時間)、「プライバシー ベーシック」を11の新しいビジュアルとインタラクティブなガイドを含むものにリニューアルしたと発表した。このページでは、アカウント保護のサポートや個人情報を安全に守る施策として、また、アカウントが危険にさらされようとしている場合に、危険に気づきやすくなる。ガイドは40の言語で提供されており、スマートフォンやタブレット、デスクトップでアクセスできる。具体的には、より安全なパスワードを作る方法、不審な投稿またはメッセージがあった場合の対処や、アカウントが乗っ取られた場合の対処といった対策が示されている。また、パスワードやアカウント情報を取得する不正行為を見抜く方法、Facebookでの情報の安全管理について、政府機関からの情報開示要請のFacebookの対応について、といった特定のトピックについても網羅している。政府機関からの情報開示要請のFacebookの対応については、3月に公開実績数を発表している。
2015年04月08日ヤフーは3月30日、同社の検索サービスの検索結果に対して非表示の措置を求められた場合の対応について、昨年11月に設置した「検索結果とプライバシーに関する有識者会議」での議論を踏まえ、その方針・基準を新たに公開した。ヤフー 執行役員社長室長の別所 直哉氏は、こうした方針を定めた背景について説明した。以前より、ヤフーに対して自身の情報を検索結果から削除して欲しいという要請は寄せられているが、一方で検索サービスには表現時の自由や知る権利としての役割もあるのに加え、削除する理由が分からなければ、検索結果を恣意的に操作することにもつながりかねず、慎重な対応が求められてきたとのことだ。こうした削除要請に対し、ヤフーは従来、プライバシーと表現の自由や知る権利、双方のバランスを取りつつ、過去の国内での判例などを参考にしながら慎重な判断をしてきたと、別所氏は話す。にもかかわらず、今回あえて昨年有識者会議を開設し、方針を明確にしたのには、「近年プライバシーに関する関心が高まってきていることから、従来取り組んできたことを明確に提示し、外部に知らせる必要があると判断した」ためとのことだ。プライバシーの侵害と、表現の自由や知る権利など、相対する要素の衝突をどのように判断するかに関しては、有識者会議でもさまざまな議論がなされたという。議長を務めた東京大学名誉教授で弁護士の内田隆氏によると、過去の裁判の判例などを受け、事実を公表しない場合の公的利益と、公表した場合の利益を比較し、どちらが有益かを判断するのが望ましいという結論に至ったとのことだ。だが、検索サービスは自動的に収集したデータを基に検索結果を表示しているだけであり、自ら表現をしている訳ではない。そこで検索サービスの場合、発信者の表現の自由やユーザーの知る権利に加え、検索サービスが持つ社会的意義も考慮した上で比較する必要があるとのこと。表現への関与は、リンク元となるWebページや、それを管理しているプロバイダの方が大きいことから、まずはプロバイダ責任制限法などによってページ作成者や管理者への削除を求めることを優先すべきとしている。そうした有識者会議の結果を受け、ヤフーは検索結果の削除措置が求められた場合の対処として、まず情報を公表する理由と、情報が公表されない場合の被申告者の利益を比較。その上で権利侵害であると認められた場合、検索結果に表示されるタイトルや、Webページの説明に適した内容を一部切り出して表示する"スニペット"について、非表示の措置をとるとのこと。ただし非表示措置をとるのは全ての検索結果に関してではなく、被申告者に関連するキーワードなど、ある程度検索キーワードを限定して実施されるとのことだ。また、リンク情報の非表示措置に関しては、原則的にリンク元ページの管理者やプロバイダに対し、削除を命じる判決が出た場合にのみ実施されるとのこと。ただし判決が出ない場合でも、「特定人の生命、身体に対する具体的・現実的危険を生じさせる情報が掲載されている場合」「第三者の前提としていない私的な性的動画が掲載されている場合」など、リンク先情報の権利侵害が明白であり、かつ緊急な措置が必要だとヤフー側が判断した場合は、例外的に非表示措置をとることもあるとしている。検索とプライバシーの問題が大きく取りざたされるようになったのには、1つはスペインの男性が新聞社の記事とグーグルの検索結果を削除するよう要請した裁判で、昨年グーグルにリンク削除を命じる判決が下されたこと。そしてもう1つ、日本でも昨年、グーグルで自身の名前を検索すると、犯罪を連想させる結果が現れることについて起こした裁判で、一部を削除するよう判決が出たことなど、いわゆる「忘れられる権利」に関する議論が広がっていることが影響していると見られる。これについて内田氏は、「スペインの判例は過去の社会保険不払いに関するものであり、欧州の決まりでリンク元となる新聞社のページが削除できなかったことが大きい。日本で議論されているのはよりプライバシーへの関与が高いもの」と、欧州と日本の事例とでは問題の性質が異なると説明。その上で内田氏は、「そうしたプライバシーに関する問題への対処は、既存の判例に沿った形で対応できるのではないか」と話しており、新たな仕組みを設ける必要はないとの見解を示している。
2015年03月31日ヤフーは11月11日に「検索結果とプライバシーに関する有識者会議」を開催する。これは、検索サービスにおけるプライバシーのあり方をヤフーとしてまとめるもので、2014年度内を目標に複数回に渡って会議を開催し、考え方を整理した上で、公表する予定だ。7日朝に一部報道で「忘れられる権利」をヤフーが適用基準を検討するとのニュースが流れたが、同社広報部によると「忘れられる権利を含む、検索とプライバシーのあり方全体を検討する会議」になるという。10月にはGoogleに個人の検索結果を削除するよう東京地裁が命令を行い、EU域内でも同様の判決からGoogleに個人情報の削除申請フォームが用意されるなど、プライバシーと検索に関する議論が広がっている。ヤフーによると、これまでもプライバシーと表現の自由、知る権利のバランスに配慮しながら裁判所が削除の適否を判断しており、同社もそれに協力してきたが「削除を求める方々への対応が不十分だと受け止められないように対応していく必要がある」と考え、今回の有識者会議設置に至ったという。具体的な検討事項としては、検索サービスの「社会的意義」「中立性と信頼性、表現の自由、知る権利への貢献」「提供者の社会的責務」が挙げられる。有識者会議の委員長には、東京大学名誉教授で弁護士の内田 貴氏が就任。委員には元最高裁判所判事で弁護士の泉 徳治氏、東京大学大学院法学政治学研究科教授の宍戸 常寿氏、早稲田大学大学院法務研究科教授の長谷部 恭男氏、元東京高等裁判所判事で中央大学大学院法務研究科 教授の升田 純氏で構成される。
2014年11月07日