ジル・サンダー(JIL SANDER)の2018-19年秋冬コレクションが、イタリア・ミラノで2018年2月24日(土)に発表された。ルーシー&ルーク・メイヤーの2度目となるランウェイショーは、人類の未来を示す「ヒューマン ヒューチャー」がテーマだ。彼らが示す未来は、ほっこりと安心感に溢れている世界のようだ。ルレックスのニットオールインワンや、アームカバーのついたジャケットなど神秘性をははらんだウェアを揃えフューチャリスティックな部分を魅せつつも、身体を保護してくれる暖かみをもたらすアクセサリーたちが主役となっている。ロングな丈感がポイントのコートやジャケット。その小脇には、ふわふわとソフトな質感の中綿入り枕風のアクセサリーを抱えている。また、クロスボディバッグのように取り付けられた幅広のアクセサリーは、ブランケットのようにボディを包み込んでいる。ファブリックは、コレクション発表に向け約200通り試した中からこだわりのものを厳選。長いものをコンパクトに凝縮する、この作業がルーシー&ルークの心を掴んだようで、たっぷりと取った生地をぐっと圧縮させたニット地をワンピースなどに変換させ、ストレッチ性の高いドレスを提案している。また、シルクを編みこんで麻のような質感に仕上げたストライプ模様のファブリック。さらに糸を色付けしてチェック模様を作り、さらにその上からプリントを施して和風の格子柄をあしらったテキスタイル、アーカイブのキャンペーンビジュアルから着想したジャカードなど、こだわりの素材が縦長なフォルムの中に落とし込まれている。
2018年02月28日グッチ(GUCCI)が、クリエイティブ・ディレクターのアレッサンドロ・ミケーレによる2018-19年秋冬コレクションをミラノで発表した。
2018年02月28日ヴェルサーチ(VERSACE)の2018-19年秋冬コレクションが、イタリア・ミラノで2018年2月23日(金)に発表された。今季のテーマは、スコットランドで一族などを意味する「THE CLANS」。ブリティッシュカルチャーを象徴するチェック模様が溢れた。赤や青、黄色など力強いカラーで彩られたパターン。その上に、パイプを吹く男性やユニコーンなどの紋章風モチーフをのせたものもある。ドレスやトップス、プリーツスカートなどバリエーション豊富に揃えたワードローブは、柄と柄の重なりを楽しむように組み合わせてコーディネートする。上からビスチェを重ねたり、タックインしてベルトでウエストマークしたり、様々な着こなしのテクニックを起用させて、ボディラインを強調し、ヴェルサーチウーマンらしいセクシーさを演出した。アウターは、タフなレザージャケットやウールコートなど様々だが、共通して大ぶりなチョーカー、ブレスレット、ピアス、ブローチなどのアクセサリーを重ねづけしている。スタイルも着こなしも一人一人異なるが、アクセサリーの取り入れ方が共通しているため、モデルたちは群をなしたヴェルサーチ一族のように見えてくる。後半には、ジャンニ・ヴェルサーチが愛していた頭を包み込むスカーフ使いからインスピレーションを得たという、スカーフ一体型のドレスやトップスが登場。また、ジャンニへオマージュを捧げた昨シーズン同様に、総柄タイツと同柄シューズを合わせたコーディネートも提案されている。
2018年02月28日エルマンノ シェルヴィーノ(ERMANNO SCERVINO)の2018-19年秋冬コレクションが、イタリア・ミラノにて2018年2月24日(土)に発表された。触れるとと壊れてしまいそうな女性の繊細さ、神秘性。今季のエルマンノ シェルヴィーノは、贅沢でセンシュアルなオーガンジーやレースが盛り上げるルックに、わずかなマスキュリンのエッセンスを加えることで、よりエレガンスを際立たせた。ショーの序盤の主役はリラクシングなニットの数々。休日のゆったりとした時間に思いを馳せたくなる優しいキャメルやアイボリーのニットも、チュールやオーガンジーのボトムスが合わせられることでレディにふさわしいルックに変身する。中盤のルックは一転して男性的な色が増して行く。多く登場するテーラードのセットアップに、ナポレオンジャケット、スニーカー。フェミニティは小物使いにあらわれる。慎み深さを演出するロンググローブや品のある小さなバッグにはアイキャッチングなカラーが使われ、その存在が強調された。終盤には斬新なモデリングを生かしたドレスがランウェイを彩った。球形のシルエットに整えられたミニドレスにゴージャスなオーガンジーの花弁で彩られたイヴニングドレスが続いて行く。まるで花が蕾から満開になるまでを眺めているかのようなうっとりとした余韻を残し、ショーは終演した。
2018年02月28日ロベルト カヴァリ(roberto cavalli)が、2018-19年秋冬コレクションをイタリア・ミラノでウィメンズ・メンズ合同にて発表した。ブランドの得意とするゴージャスなグラムロックスタイルの魅力を存分に感じられるコレクションであった。光沢のあるオーバーレングスのブーツカットパンツに大きく胸元の開いたトップスを合わせるルックは、往年のスター達のコスチュームのよう。テキスタイルには多様なアニマルやサイケデリック柄がプリントが施され、70年代の雰囲気を演出する。ダズルのディテール、褪せたように染められたデニム生地、タイトなパンツラインがさらにその印象を盛り上げている。カラーパレットも全体のロックな雰囲気にふさわしい鮮烈なものが用いられた。紫がかったレッドとブラックを中心に、ブルーグリーン、パープル、ブラウンといったカラーがルック上で混ざり合っている。
2018年02月27日スポーツマックス(SPORTMAX)の2018-19年秋冬コレクションが、イタリア・ミラノで2018年2月23日(金)に発表された。スポーツスタイルとファッション性を融合させたウェアラブルなピースを多く輩出しているスポーツマックス。今季、彼らが着目したのはウィンタースポーツだ。インスピレーション源となったのはニューヨーク、ロンドン、ミラノ、パリあらゆる都市の雪山。銀世界で纏うスポーツウェアからアイデアをもらいハイブリッドなピースを構築した。象徴的なのは、ビッグサイズフード、垂直に伸びる立ち襟、ベルクロ付きの袖口といったスキーウエアさながらのアクティブなディテール。グリーンやレッド、イエロー、ブルーなどハツラツとしたカラーで染め上げられた、テクニカルファブリックのパーツには今季デビューとなるブランドロゴ「SPX」を添えた。それらが交わるのは、クラシックウェア。襟口、袖口から顔を出し、新しいタイプのウールコートやチェック柄テーラードなどを完成させている。ボトムスは、プリーツを施したフレアスカートやスラックスをセレクトして、上品さを纏わせつつも、ウェストポーチを組み合わせたり、ストレッチの効いたスキーパンツをさらにレイヤードさせてダブルボトムスにしたりして、上半身同様躍動感を持たせた。インナーにはノルディックニットを。朗らかなモチーフを編み込んだ暖かみのある表情はそのままに、タイトフィットに仕上げたり、レースアップディテールを添えることでセンシュアルな一面も持たせている。
2018年02月26日ジョルジオ アルマーニ(Giorgio Armani)の2018-19年秋冬ウィメンズコレクションが、2018年2月24日(土)に発表された。テーマは「ATMOSFERA」。今シーズンは、色の選び方、シルエットの作り方など様々な部分で繊細な一面を見られるコレクションであった。ロングコートやコンパクトなジャケットなどには部分的にフェザーを配して、美しさフォルムの上にふわりとした動きを加える。クロップドパンツはたっぷりと生地を取り、歩みに合わせてサイドのテキスタイルが揺れ動くように設計した。シースルードレスやロングスカートは、裾の辺りをくしゃっと絞るように一部分をたくし上げている。残ったスカート部分には、なめらかなドレープが生まれ、エレガントなムードを纏うようになる。動きのあるシルエットが多いため、キリッと締まったブラックのレザーブーツがよく似合う。強さと気品のあるポインテッドトゥブーツは、ロングだけでなくサイハイタイプも揃え、ドレスやワンピースと組み合わせた。カラーは淡いグレーやパープルなどのニュアンスカラーをポイントに。品のあるブラックのテキスタイルには、フラッシュライトのようなメタリックカラーやレッドでアクセントを加え、黒が持つ厳格さを控えさせ、全体のパレットと調和させている。
2018年02月26日ヌメロ ヴェントゥーノ(N°21)の2018-19年秋冬コレクションが、ミラノ・ファッション・ウィーク2日目の2018年2月21日(水)に発表された。今シーズンのヌメロ ヴェントゥーノは、アンバランスさを楽しんでいるように映る。コレクションを通して多く登場したセンシュアルなミニドレス。スパンコール刺繍やシースルー素材などを使って幾分フェミニンに仕上げられたドレスの上には、肩を大きくドロップさせたオーバーサイズのチェックシャツやカウチンニットをセット。オーガンザドレスの透け感を楽しむように、上からファーコートを羽織ったルックもある。また、膝上20cm以上の短い丈感を利用した不均衡さも存在。スカートからすらりと長く伸びた脚は生足で、甲からつま先をヒールの低いミュールでくるりと包み込む。その様はなんとも艶っぽく、センシュアルな魅力を放っている。コーディネートだけでなく、アイテムそのものの上で異なる要素を共存させたものもある。ツヤツヤと光るビニルスカートの裾にはレースを、肉厚ニットやレザージャケットは肩周りを覆うようにスパンコール刺繍が配されている。シルエットとしてはアームラインに重量を持たせたものが多い。コートやジャケットの類は、袖めくりするかのようにアームラインをくしゅくしゅとさせている。カジュアルな印象のチェックシャツなどには、舞台衣装ばりに華やかなスパンコールフリンジが取り付けられた。アンバランスな世界に花を添えるのは、ミリタリーのエッセンス。モデルの頭にのった背の高い帽子や笛付きネックレスは、門番兵士のよう。前身頃はビジュー付きパンツだが、後ろを振り返るとカーキ色に染まったミリタリーパンツというピースもあった。
2018年02月25日アンテプリマ(ANTEPRIMA)の2018年秋冬コレクションが、2018年2月22日(木)にイタリア・ミラノにて発表された。今季アンテプリマが描いたのは、冬の静かな空気感の中で高まっていくモダンロマンス。女性的でクラシカルなピースにハッとするようなアレンジを加えることで、 エレガンスに不安定さを孕ませたクリエイションを作り上げた。モチーフフラワーとなったチョコレートコスモスは、情熱的な恋の花言葉をもつ花だ。シンプルなイラストとしてや、花弁の茶色がかった深い赤色、花茎のくすみのある緑がカラーパレットに姿を変えてルックに登場した。随所に見られるオーバーレングスのディテール。ハイネックは顔を隠すほど高く、コートやドレスの丈は引きずってしまいそうなほどの長さだ。過剰に装われる部位がある一方で、はためくシフォンスカートに施された深いスリットやバックのカッティングからは覗く素肌の質感のアンバランスさは、儚げなフェミニティを演出する。全体としてシルエットは落ち感のある緩めのものであるが、縦に垂れ下がる太めのリボンやカッティングが縦のラインを強調しているためか、崩れた印象は感じさせない。上品なシルクや柔らかに揺れるウールが、むしろたおやかな空気感を醸し出している。
2018年02月25日エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)は、2018-19年秋冬コレクションを日本時間の2018年2月22日(木)23:00にイタリア・ミラノで発表する。ファッションプレスでは、その模様をライブ配信。前回の2018年春夏コレクションは、エミリオ・プッチが初のブティックを持ったカプリ島のリゾートスポットにインスピレーションを受け、「プール パーティ」をキーワードに展開。鮮やかなカラーリングのスイムウェアやシャツドレス、カフタンなど朝から夜までパーティを満喫できるほど、バリエーション豊かなルックで楽しませてくれた。最新コレクションはどのようなショーで魅了してくれるのか、期待が高まる。【詳細】エミリオ・プッチ 2018-19年秋冬コレクション開催日時:日本時間 2018年2月22日(木)23:00現地時間 2018年2月22日(木)15:00
2018年02月24日グッチ(GUCCI)の2018-19年秋冬ウィメンズコレクションが、ミラノ・ファッション・ウィーク2日目の2018年2月21日(水)に発表された。今季もメンズとの合同ショーである。テーマは「サイボーグ」。アレッサンドロ・ミケーレの世界から動物たちが姿を消した。クリエイティブ・ディレクター就任以降、彼の世界を象徴する存在として用いられていた鳥、タイガー、ネコなどが隠れ、また彼が積極的に使用していたメゾンのコード(GGロゴやウェブ)も今季は控えめになっている。代わって登場したのは「サイボーグ」というテーマにぴったりな不可思議な要素だ。ランウェイを歩いているモデルと全く同じ顔のマネキンがまるでバッグのように小脇に抱えられていたり、リュクスな素材で仕立てたドレスやコートがラップのようなシースルー素材で全面的に覆われていたり…。ニット帽には前髪風のサラサラなフリンジがあしらわれ、モデルたちの顔を覆面マスクのようなヘッドピースが覆っている。中には第3の目を持つモデルも。モチーフが控えめになったからか、素材やシルエットで遊んでいるルックが多い。ドレスにはベルベット、ラメ地といった光沢素材や総スパンコール装飾など、キラキラと光るツールを使用。袖口や胸元にはボリュームフリルがあしらわれ、裾がアシンメトリーにカッティングされたり、アームにふわっと膨らんだボリュームスリーブを組み合わせたり、不均衡なフォルムが主流になっている。また“着るジュエリー”と称するのが相応しいオールビジューのベストも存在する。演出、装飾、ファブリック…あらゆる面で新鮮さや変化を感じられるが、クリエーションの姿勢は変わらず折衷主義のようだ。特に今季は、野球から着想したスポーツスタイル、民族的なエッセンスの交差が激しい。膝丈のクラシックなスカートスーツには胸元「NY」のロゴをのせた。テキスタイルには野球のユニフォームのようなストライプ地が使用され、またスカート中央にはベースボールシャツのように縦一列にボタンをあしわれている。チャイナ服またはアオザイを解体したようなセットアップも登場。身頃には繊細な刺繍が施され“アジアの雰囲気”を感じさせるが、胸元の野球ユニフォーム風の刺繍がただの民族衣装ではないことを裏付ける。カーペットみたいなポンチョ、ターバンといったエスニックな小物も多く起用され、ミケーレの新しい世界を彩っている。
2018年02月23日トミー ヒルフィガー(TOMMY HILFIGER)がミラノへ。2018年春コレクションをイタリア・ミラノで2018年2月25日(日)に発表した。毎シーズンお祭りのような盛り上がりを見せるトミー ヒルフィガーのショー。ミラノで開催された今季は「DIRVE」をテーマとした。会場はレーシングコースのようなランウェイがひかれ、F1サーキットさながらの躍動感ある雰囲気。中央にはレーシングカーの体感型ゲームや、ショーピースがすぐに購入できるショップなどが設けられている。大きなスクリーンには、レースの模様を映し出すかのようにモデルのキャットウォークを放映。会場どこにいてもショーの臨場感を体感できるユニークな設計となっていた。トミー ヒルフィガーといえば、豪華なモデル勢の起用もポイント。もちろん注目は、ファーストルックそして大とりを飾ったモデルのジジ・ハディット。ブランドとのコラボレーションを行っているジジは、TommyXGigiのカプセルコレクションをショーの中で提案。また兄弟のベラも続くようにしてランウェイを闊歩している。ショーピースは、アイコニックなブランドマークで使用されている赤、青、白の3色が基調。F1ドライバーさながらのパッチ付きトップスやフラッカーチェックのボトムス、技術整備士の作業服のようなパンツなど、モータースポーツの世界を想起させるピースが揃っている。そこに交わるのは、セクシーでラフなブランドの世界を色濃く映るアイテム。ボディラインを強調させたタイトフィットなドレスや、ヒップラインギリギリのミニスカート。TOMMYとロゴ入りのトップスは、胸下でカットオフされ、カジュアルな表情からセンシュアルな雰囲気へとイメージチェンジしている。
2018年02月23日モスキーノ(MOSCHINO)は、2018-19年秋冬コレクションを、日本時間の2018年2月22日(木)AM4:00にミラノで発表する。ファッションプレスではその模様をライブ配信。前シーズンは、“花”を様々なドレスで表現。一輪のピンクの花をモチーフにしたものや、ムラ染めで花びらを忠実に再現したデザイン、花そのものを模した球体のシルエット、花を寄せ集めて作った花束のようなルックなど、リアルに花を再現したドレスの数々がランウェイを飾った。また、ユニコーンのキャラクターMy Little Ponyとのコラボレーションアイテムや、チュールドレスなどと、レザーのハードなアイテムを合わせる“甘辛MIX”スタイルも散見された。最新コレクションはどのようなショーで魅了してくれるのか、期待が高まる。【詳細】モスキーノ 2018-19年秋冬コレクション開催日時:日本時間 2018年2月22日(木)4:00現地時間 2018年2月21日(水)20:00
2018年02月23日ブルマリン(Blumarine)は、2018-19年秋冬コレクションを日本時間の2018年2月23日(金)18:30にミラノで発表する。ファッションプレスでは、その模様をライブ配信。前シーズンは、ショルダーラインから長く伸びたリボン、胸元にあしらわれたフリル、ギャザーといったフェミニンなディテールと、ふわりとした曲線のシルエットで可憐な空気感を演出。シフォン、シルク、レースを中心に、柔らかな印象の素材を使い、レースを差し込んだチャイナ風ブラウスやパフスリーブのシフォンドレスなどが登場した。フラワーモチーフは繊細な刺繍やプリントで表現し、エレガントな美しさを描き出した。ミラノで発表される最新コレクションではどのようなルックが登場するのだろうか。ぜひリアルタイムでチェックしてみて。【詳細】ブルマリン 2018-19年秋冬コレクション開催日時:日本時間 2018年2月23日(金)18:30現地時間 2018年2月23日(金)10:30
2018年02月22日グッチ(GUCCI)がミラノで開催する2018-19年秋冬コレクションショーをライブストリーミング配信する。日本時間2月21日23時(現地時間21日15時)より。中継はこちらからもご覧いただけます。※会場の状況により開始が遅れる場合あり。
2018年02月21日モンクレール(MONCLER)が2月20日にミラノ・ファッションウィークで発表される2018-19年秋冬コレクションと共に、新たにスタートするプロジェクト「モンクレール ジーニアス」の内容を発表した。“1つのメゾンによる異なる8つのボイス”を掲げた同プロジェクトは、トムブラウンによる「モンクレール ガム・ブルー(MONCLER GAMME BLEU)」、ジャン・ヴァティスタヴァリによる「モンクレール ガム・ルージュ(MONCLER GAMME ROUGE)」コレクションの廃止後のモンクレールの方向性を決定づける重要なビジョン。日本からの藤原ヒロシと二宮啓を含む8人のクリエイターが起用され、マンスリープロジェクトとして毎月新たなコレクションがリリースされる。モンクレールの各ブティックはモンクレール ジーニアス ビルディングとしてリニューアルし、世界各地でポップアップが予定されている。ミラノでの2月20日のコレクションに先だってレモ・ルッフィーニ会長兼CEOにメールインタビューを行った。2月13日の朝、ミラノ市内を走っていたトラムのラッピング広告Q:モンクレール ジーニアス ビルディングの8つの窓についてご説明ください。起用されるクリエイター、起用されたその理由も合わせてご説明頂けますでしょうか?レモ・ルッフィーニ(Remo Ruffini以下、R):モンクレール ジーニアスは素晴らしい才能を持つクリエイター達の新たなハブであり、彼らが共に活動する場であると同時に、それぞれの才能を高める場であると考えています。私のビジョンではモンクレール ジーニアス プロジェクトにおける各クリエイターのユニークさは、カスタマーのユニークさを反映するものになります。多様性こそがモンクレールのアイデンティティを形作るものであり、当初から我々は、グローバル・ダウン・ストラテジーと言われる、若者からビジネスパーソン、劇場やガラへ向かう女性たちまで、多様な顧客を惹きつける、シンプルでクリアなストラテジーを掲げています。モンクレール ジーニアスはプロダクトを中心に据えて、消費者をその受け手としています。モンクレール ジーニアスこそが様々な個性を持ったすべてのターゲットに訴えかけ、対話し続ける手段だと感じています。今回共にコレクションを作り上げたクリエイターの方々を紹介します。1. Moncler Pierpaolo Piccioli (ピエールパオロ・ピッチョーリ)2. Moncler 1952 – curated by Karl Templer (キュレーターとしてカール・テンプラー)3. Moncler Grenoble – Sandro Mandrino (サンドロ・マンドリーノ)4. Moncler Simone Rocha (シモーネ・ロシャ)5. Moncler Craig Green (クレイグ・グリーン)6. Moncler Noir – Kei Ninomiya (noir kei ninomiya/二宮 啓)7. Moncler Fragment – Hiroshi Fujiwara (fragment design/藤原ヒロシ)8. Moncler Palm Angels – Francesco Ragazzi (Palm Angels/フランチェスコ・ラガッツィ)Q:この8つの窓の数が増減することはありますか? また今回起用されたクリエイターの任期は決まっているのでしょうか?R:クリエイティビティーに限界はなく、モンクレール ジーニアス ビルディングは才能あふれるクリエイターたちがモンクレールという1つのブランドの下で、そのDNAを生かし、共に活動するハブとなることを確信しています。彼ら全員と共に歩み続けたいと思っていますが、同時にモンクレール ジーニアスは開かれた場でもあります。Q:今回のプロジェクトが「パブリックと即座にダイレクトにつながることが出来る」という内容をもう少し教えて頂けますでしょうか?R:モンクレール ジーニアス ビルディングでは、各クリエイターが人々を自然と惹きつける、モンクレール独自の表現方法を用いています。より具体的にお話しすると、モンクレール ジーニアスは、それぞれの強みの一端にまで目を向けて、カスタマーの特異性と多様な嗜好を理解しているということです。モンクレールはクリエイティビティー、ビジョン、リサーチ、テクノロジーの革新と共に歩みながら、毎年発表するコレクション通して、ブランドの独自性を磨き、それを表現する方法を絶えず探し出してきました。コレクションを複合させるアイデアは、新たなクリエイティビティーの方向性を絶えず探る中で生まれた、自然な進化であったと言えます。Q:上記質問に関連するかも分かりませんが、このプロジェクトのリアル店舗(B&M)に関して、出店や展開計画を教えてください。R:モンクレール ジーニアス ビルディングは、ミラノ・ファッションウィークの幕開けとなる2月20日の夜に全貌が発表されますが、その一つひとつは6月から始まる各コレクションに関連したそれぞれのマンスリープロジェクトを通して明らかになっていきます。モンクレール ジーニアスがブティックで展開されるにあたり、店舗は多様を打ち出すエネルギーに満ち溢れた場となっているでしょう。Q:今回の発表をパリやニューヨークではなくミラノで行った理由を教えて頂けますか?R:ミラノ・ファッションウィークの幕開けは、我々にとって非常に重要な意味を持ちます。パリやニューヨークの後に、大切なプロジェクトを発表する場としてミラノを選んだのは、2003年にブランドを買収し、全てをスタートさせた特別な意味をもつこの街とモンクレールとの親密な関係を祝し、敬意を示したかったからです。お忙しい中、FASHION HEADLINEのインタビューにお時間を割いて頂き、ありがとうございました。Text: Tatsuya Noda
2018年02月15日ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)がミラノからマンハッタンへ。通常、イタリア・ミラノで最新コレクションを発表しているブランドは、今季、ニューヨークのマディソン アベニューに新ブティックをオープンした記念に、アメリカ・ニューヨークで2018-19年秋冬ウィメンズコレクションを発表した。もちろん、今季もメンズとの合同ショーである。コレクションの起点は、デザイナーのトーマス・マイヤーが想像する「ニューヨーカー像」。ミラノとの差異そして共通点を模索したトーマスが見つけた一つの答え、それはニューヨーカーたちは極端であること。デイタイムは大都会で一生懸命働き、夜にはパーティーで羽目を外す。かと思えば休日には、都会を離れ田舎で心を休める。そんな極端から極端へ移動するような“コントラストの強い”生活イメージをファッションに落とし込んだ。顕著に表れているのは、鮮やかなカラーパレット。パキっとしたイエローとレッド、淡いブルーやパープルは光沢あるシルクやベルベットにのせて個性を強めた。時にワントーンでまとめてカラーの魅力を存分に引き出し、かと思えばトップスとボトムスで異なる原色を組み合わせて対峙を楽しんでいる。ニューヨーカーの極端な生活は、ワードローブに反映された。トップを飾るのはパジャマ風セットアップのくつろぎウェア。上からガウンコートを羽織っていかにも休日のお寝坊スタイルだ。ゆっくり身体を休めた後にはパーティーに繰り出す。ボディコンシャスなシルエットやシースルー素材で女性らしさを強調したドレスには、毛足の長いファーコートがよく似合う。また、ニューヨークの街並みは、ボッテガ・ヴェネタのアイコン・イントレチャートと交わることで幾何学的な模様となる。モダンな構造物の数々はキューブ型のモチーフとなり、2018年春夏に生まれた「イントレチャート チェッカー」の進化した格子柄へと姿を変えた。ドレスの胸元やスカート部分の装飾、またイヤリングやリングといった小物に取り入れられている。
2018年02月12日ブルネロ クチネリ(BRUNELLO CUCINELLI)が2018-19年秋冬コレクションをミラノで発表。
2018年02月05日創業50周年を迎えるエトロ(ETRO)が1月13日、ミラノのパラッツツォ・デル・ギアッチョで2018-19年秋冬メンズコレクションをプレゼンテーション形式にて発表した。
2018年02月02日プラダ(PRADA)の2018-19秋冬コレクションが1月14日にミラノで発表された。これまで行われた本社からプラダ ウェアハウスに変わり、さまざまなキャッチーなアイコンとロゴが付いた梱包された荷物に囲まれた倉庫が会場となった。ブラックナイロンの半袖シャツジャケット、プルオーバーを着たメンズモデルからショーはスタート。今回はプラダのアイコンであるブラックナイロン素材を使い、4組のデザイナーにプラダがアイテムの制作を依頼する「Prada Invites」というプロジェクトが事前にアナウンスされていた。そのロナン&エルワン・ブルレック(Ronan and Erwan Bouroullec)、コンスタンティン・グルチッチ(Konstantin Grcic)、ヘルツォーク&ド・ムーロン(Herzog & de Meuron)、レム・コールハース(Rem Koolhaas)という世界的な建築家やインテリア・プロダクトデザイナーとのコラボレーションは中盤で、全身黒のスタイリングに黄色の帽子を被って登場。ナイロンのコートに重ねたレザージャケットや大きなラペルのキャメルのコート、グリーンのコートはオーバーサイズのデザインでヘムにはコーティングが施されている。プラダならではのアイテムが続き、ほぼ全てのルックの胸やポケットにIDタグが胸やポケットに付けられ、長いストラップのパスケースも今シーズンのキーアイテム。さらにはプラダのアーカイブのバナナやハワイアンモチーフ、リップ、炎やアーティストとのコラボプリントが、ストライプやジオメトリックプリント、シェブロンストライプのジャカードニットなどとミックスされる。トライアングルロゴ、さらにはプラダスポーツのレッドタグまで登場し、まさにプラダ総集編といった勢い。有名メゾンのデザイナーの交代が相次ぎ、アーカイブのリメイクがマーケットで話題を集める時代に、ミウッチャ・プラダ(Miuccia Prada)の次の時代へのマニフェストとも捉えられるシーズン。この総集編の続きが気になるところだ。Text: Tatsuya Noda
2018年01月26日ミラノで1月13日に行われたリック・オウエンス(Rick Owens)のパーティーでパリ在住の日本人アーティスト、池田亮司がソロパーフォーマンスを行った。2017年12月15日よりミラノのトリエンナーレ美術館(TRIENNALE DI MILANO)で開催されているリック・オウエンスの回顧展「SUBHUMAN INHUMAN SUPERHUMAN」(~3月25日まで開催)を記念して行われた今回のパーティーは、ミラノファッションウィークメンズの2日目深夜にミラノ市郊外でスタート。「SUBHUMAN INHUMAN SUPERHUMAN」 / © OWENSCORP会場エントランスでは白馬、会場内ではDJをバックにペリコン(扇子)を持った全裸の巨漢男性パフォーマーがお立ち台の上で踊るというアナーキーな演出。会場内は回顧展でも使用されている超白色レーザーをリングロープのように走らせ、白と黒だけのリック・オウエンス・ワールドに、ゲストたちが続々と集まった。会場にはジョン ローレンス サリバン(JOHN LAWRENCE SULLIVAN)のデザイナー柳川荒士の姿も見られた。会場エントランスでゲストを出迎える白馬パーティー会場風景90年代から活動する池田亮司は電子音楽アーティストとして、日本ではダムタイプでの活動を始め、杉本博司、伊藤豊雄など建築家とのコラボレーションでも知られている。現在はパリに拠点を移し、ヨーロッパ、アメリカを中心にテクノ、エレクトロ系のフェスやイベントでライブを発表している。リック・オウエンスとはこれまでから交友があり「友だち」(池田)。クローズドな場ではパフォーマンスをすることはあったものの、公式の場では今回が初めてのイベントとなった。池田亮司12時を過ぎてからスタートしたライブパフォーマンスは、巨大スクリーンとクラブのサウンドシステムを使った、シークエンスとホワイトノイズの洪水。図らずも、前々日にフィレンツェで開催されたピッティ・ウオモで行われたアンダーカバー(UNDERCOVER)とタカヒロミヤシタザソロイスト(TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.)のショー同様に、その未来感、デジタル表現が日本人によってイタリアでプレゼンテーションされるという2018年のスタートとなった。Text: Tatsuya Noda
2018年01月22日ハンティング ワールド(HUNTING WORLD)がミラノで初のランウェイとなる2018-19年秋冬コレクションを、ミラノファッションウィークの最終日1月15日に発表した。ホワイトマウンテニアリング(White Mountaineering)の相澤陽介をクリエイティブディレクターに迎え、昨年6月にフィレンツェで行われたピッティウオモ92でデビューコレクションを行い、ミラノでは今回がお披露目、初の秋冬コレクションということでも注目が集まった。前回のデビューコレクションが同ブランドのDNAである“旅”をテーマに、春夏シーズンらしく軽快なアイテムを、アイコンであるバチュークロスのバッグとともに若々しく提案。今シーズンは同ブランドが設立された1965年に立ち戻って、65年から70年頃の時代の空気感をテーマにコレクションを構成した。クラシカルなウィンドウペンのウールのコートに、フロントへナバホ柄を配したバチュークロスのバッグでショーはスタート。チェックのウールにデニム、スエードをミリタリーなアイテムに落とし込んだ当時のアメリカンカジュアルを、ネイティブ柄のバッグストラップをアクセントにコーディネートされている。シカゴのギターストラップメーカー、ソルジャー社とのコラボレーションというこのストラップのアイデアはウッドストック・フェスティバルの開かれた1969年からのイメージだろう。ショーのサウンドも全編ハードなギターロック。それ以外にも今回はアメリカのサブカルチャーのアイコンをホワイトスカルプチャーとして遺跡化した作品が、ミュージシャンやデザイナーに人気の高い現代美術アーティスト、ダニエル・アーシャム(Daniel Arsham)とも作品が協作されており、ラストに登場した白黒のスタジアムジャンパーに白のダッフルバッグはマーケットでも話題を集めるだろう。特に今シーズン目立ったのはウィメンズラインの充実。イタリアのコモに残されていた同ブランドの大量のスカーフのデザイン画から起こされたプリントファブリックがシルクやナイロンなど多岐にわたり展開された、ドレスやブラウス、パンツなどフェミニンなアイテムともに、マウンテンジャケットなどアウトドアなアイテムにもこのアーカイブ柄が使用され、ポンチョ、ダウンコートやバルキーニットなどとともにスポーティーなタウンカジュアルにまとめられた。サイケデリックに処理したブランドロゴの入ったスウェット、Tシャツやネイティブ柄のパターン・オン・パターンなど、相澤陽介らしいテイストがブランドカラーと上手くマッチしている。Text: Tatsuya Noda
2018年01月22日ハンティング・ワールド(HUNTING WORLD)は、2018-19年秋冬コレクションをミラノ・ファッション・ウィークの2018年1月15日(月)に発表した。今季は、クリエイティブディレクターに相澤陽介を迎えて初のミラノコレクションだ。冒険における、探究心と発見。自由と個性を尊重するアメリカンスピリッツを、今季のハンティング・ワールドは再構築した。インスピレーションは60~70年代のもので、特に1965年、ブランドの基盤にもどりアメリカにおける様々な背景の人が団結し、新しい文化に触れた当時の独特な文化をリライト。一見相いれないものも、男性的であるという共通項をもつディテールや素材を用いることで、強い男性像を具現化している。序盤に登場したのは、トラッドなウールチェックと温もりあるトライバル。民族調のテキスタイルを用いたシャツには、同じテイストを匂わせるサルエルパンツ、そして対照的なテイストを匂わせる寒い冬にも対応できるアーバンな機能的ダウンコートがコーディネートされている。チロリアンのモチーフも、ベルトやバッグのストラップといったディテール部分に採用されている。過去の時代を着想としてるからとはいえ、新しさを感じるのはテイストミックスが効いているためではないか。中盤以降、その想いが強くなったように感じられた。通常はクラシックと思えるシャツとスラックスのスタイルにもエスニック柄が効いていたり、スエードのサファリジャケットとスマートなトラウザーを合わせたり。終盤になると、モダンなストリートの要素も垣間見えるようになり、スタジャンやロゴ入りプルオーバーなどのアイテムも登場している。また、ファブリックは今までも述べてきた通り豊富で、特にハンティング・ワールドが発明したバチュー・ファブリックは、耐水性ポリウレタンでコーティングされたナイロンで、 衝撃吸収性や耐引裂性などを兼ね備えた高機能ファブリックだ。今回は小物類で活躍し、バッグ、バックパック、ベルトバッグなどに採用されている。そこには、自由であることを私たちに思い出させるコレクションにおいて、旅行すること、探検することを容易にさせる意図も汲まれている。
2018年01月19日パーム・エンジェルス(Palm Angels)の2018年秋冬コレクションが、イタリア・ミラノにて、2018年1月14日(日)に発表された。鮮やかな光線が交錯し、光の粒が頭上にうねる。サイバー空間を思わせる演出が一瞬にして取り払われ、ショーが開幕した。シルエットは前シーズンよりもわずかに細身に。全体的に直線的なラインに、ややハイウエストのベルトで視覚的なメリハリを加えたルックが目立つ。クラシカルな要素が、ラガッツィらしいストリートライクなルックとして組み込まれていることにも注目したい。テーラリングはスポーツレギンスに合わせられ、ループタイの留め金は大きくフラットに、グレンチェックの中央には薔薇のグラフィティが追加されている。テキスタイルのプリントも実に印象的。ブルゾンやシャツ、プリーツスカートと多用された男性のアイキャッチーな図柄は、サンタモニカの名付け親である神父をモチーフにしたものだろうか。ラベルを繋ぎ合わせたようなポップアート的な表現も登場している。目線を遮断するグラス、顔というアイデンティティを示すパーツを覆い隠すマスク、随所に取り入れられた針を思わせる鋭いスタッズ。匿名性と攻撃性を象徴するかのような小物づかいは、現代社会を風刺しているようにも感じられた。
2018年01月18日ニール バレット(Neil Barrett)の2018-19年秋冬コレクションが1月13日ミラノで発表された。昨シーズンからショーの会場を新しいオフィスのビルへと移し、同時に本格展開がスタートしたウィメンズも同時に発表するスタイルに変更されている。今シーズンのテーマはユニフォーム。男性らしさをユニフォームの歴史に紐解いたコレクションで、ウィメンズもカーキをシーズンカラーとしてレーシーなインナーとマスキュランなアイテムでメンズと歩調を合わせている。白シャツ白タイに黒のチェスターコート、細身のブラックタイにタイトな黒スーツ、ブラックナイロンコートとディオール、サンローラン、アレキサンダー・マックイーン、プラダなどに代表される90年代後半以降に誕生したアイコニックな現代のメンズスタイルを、ミリタリーというユニフォームの視点から再考察していく。ケーブルニット、ジャカードによるニットのグラフィカルはモチーフもモノトーンで表現され、フェイクレイヤードなどの表現が姿を消して、ムートンのフライトジャケットやデッキジッパー、チュニックジャケットなど、ミリタリーを中心としたシンプルなアイテム構成。ビッグショールカラーのピーコートやモトクロスパンツ、モヘアのタートルニットなど、ブルーのアイテムも黒ナイロンのリュックとのバランスが計算されている。メンズ、ウィメンズともに登場したトレンチコートの新しい解釈は、チンストラップ部分までボアになったフライトジャケットのディテールがニールらしい。Text: Tatsuya Noda
2018年01月18日サルバム(sulvam)の2018-19年秋冬コレクションが、2018年1月14日(日)にイタリア・ミラノで発表された。ブランドにとって2回目のミラノファッションウィーク。純粋なメンズブランドであったサルバムが、今季、思考したのはジェンダーフリーということ。「女性が男性の服を着た時の美しさとは。」その解明を示したシーズンである。まず、デザイナーの藤田はジェンダーフリーを考察するにあたり、提案したのはオーバーサイズのトップス。大きすぎるシャツは、絶妙な肩のヌケをつくり、肌と空間があるからこそ生まれるドレープ感を持ち合わせる。アウターは、バックスタイルに丸みが生まれ、通常では生まれないはずの立体感をもち、ビックサイズのラメ入りリブニットは、ラフな着心地から着飾らない良さを導きだす。女性モデルの採用はそれらを体現するとともに、身に着けることで中和され、優しさをともなうことを証明した。また、今回は前シーズンよりも、荒々しさを抑えた印象を受ける。とはいえ、裾は切りっぱなし、縫い目のズレは当たり前。さらにパターンの組み合わせはまるでパズルのよう。文章を書き殴るかのようにその時の気持ちを率直にぶつける、“精緻な”デザインが今季も健在であることは間違いない。スーツやコート、さらにレザージャケットに至るまで、おおかたポケットの位置がバラバラだし、裏地は剝がれ、垂れ下がり、縫い代は飛び出ている。しかし、裏地の光沢感を見せることで、ある一種の上品さを生み、ミシンで縫った後にするはずの糸始末をせず遊ばせることで、一種の繊細さを取り込んでいる。ランダムなステッチやパッチワーク、そして結び目が装飾として登場している。何か別のものを単純に取り込むわけではなく、そこにあるものにアレンジを加えて見せるサルバム流の装飾が今シーズンもスパイスになっている。
2018年01月18日ダックス(DAKS)は、2018-19年秋冬コレクションをイタリア・ミラノで2018年1月14日(日)に発表した。会場に汽笛の音が鳴り響き、それとともに黒い幕が開かれた。そこに隠されていたのは金色の機関車。今回は降車する乗客たちがランウェイのモデルのようだ。彼らの風貌からは、まるでタイムスリップをしているかのような印象を受ける。メンズでは、ラペル幅が極太のクラシカルなコートに緩いシルエットのスラックス、ウィメンズではケープにフリルブラウスとレザーパイピングのタイトスカート、そして頭にはクラウンの高い帽子を。いずれもファブリックはブラウンベースのチェック柄でレトロ感を満たす。チェック柄は今季のキー素材となっているらしい。そして、それを取り囲むように濃厚なオリーブやボルドー、鮮やかなオレンジやイエローが存在する。もっともチェック柄との相性が図られたのは、優しい風合いのレザーアイテムだったように感じる。メインとしてはもちろんだが、大きく取り上げるわけではなくともグローブやジャケットのディテールに使用することで、重厚感をもたらしている。時を追うごとに柄遊びと色遊びがより幅を広げていく。リッチなベルベット、フラワーレース、プレイフルなアーガイル、鮮やかなローゲージニット、古典的なボタニカルモチーフ……。繰り返し登場するオーセンティックなチェック柄の隣には、ポップな色合いが差し色として存在している。スタイリングは終始変わらず、メンズはボックス型のジャケットやコートにワイド幅のスラックスをあわせた。エレガンスでありながらも強さを求める、極めて男性的なもの。一方でウィメンズは、ブラウスなどのトップスをタックインした見せ方が目立つ。それはまるで、旅を楽しむ淑女のような気品と艶をも想わせる。
2018年01月18日ディーゼル ブラック ゴールド(DIESEL BLACK GOLD)が、2018-19年秋冬コレクションを2018年1月13日(土)にイタリア・ミラノで発表した。世界をめぐる旅。発見を探し求める大航海。新しい部族との出会い……。今季のディーゼルは多種多彩な文化を盛り込んだコレクションだ。ファーストルックから次々と登場するボヘミアンなスタイルには、チマヨ柄やスモッグ刺繍、フリンジ、スタッズといった要素が盛り込まれている。足元はフリルのモカシンやウェスタン調のサンティアゴブーツで彩った。メンズのシルエットは、バックロングのオーバーシャツやプルオーバーのレイヤー、コンパクトなアウターから覗かせるロング丈のプルオーバーの組み合わせが特徴的。そこに、タイトなレザーパンツで緩急をもたらした。一方、ウィメンズのシルエットは、ルーマニアのペザントブラウスやドレスからインスピレーションを受けたというチュニックワンピースが主流。ウエストでふんわりとギャザーきかせて、ガーリーなムードを運ぶ。パンツは裾にスリットが入ったベルボトムで、ヒッピー文化も加えていたのかもしれない。素材遊びも秀逸で、シフォンのような柔らかなものから、リネン混の硬質的なもの、キルティングまでが揃う。レザージャケット、ボンバージャケット、ミリタリーピーコート、デニムパンツといったブランドのシグネチャーアイテムも、今季ばかりは、ナバホ柄カーペットパターンのテキスタイルによって彩られた民族調へ。秋冬ならではのムートンやシュリンクのシープファー、エスキモーの精神を匂わすミリタリー風のキルティングピースも特筆したい。ディテールや素材によって、ボヘミアンやエスニックという言葉が浮かび上がった今季であっても、常にディーゼル ブラック ゴールドらしさを維持していた。民族衣装独特の彩りを纏うのではなく、あくまでダークトーンをメインで構成し、挿しこんだ色は赤やブルーなどのパレット。これらの配色が相まって、柔らかな印象をもつ民族調のアイテムをより一層シャープで力強く、そして逞しいワードローブに再解釈させている。
2018年01月16日2017年もたくさんのファッションショーを撮影してきましたが、一番オシャレだなと感じる都市としては、やはりミラノが圧倒的です。2017年最後に、今年参考になった、素敵なストリートスタイルをご紹介します! 今回はいつもより写真多めですので、ぜひ目で楽しんでください。柄を上手に着こなすミラノストリートスタイル!一部を柄スタイルにするのはよく見かけますが、ここまで全身柄スタイルはなかなか難しい! とっても素敵なこのスタイルは、私がミラノストリートスタイルをピックアップするなかでも、ベスト5に入ります。全体のスタイルとヘアスタイルが天使のようにかわいらしい!ピンクのブーツをこんなにも普通に着こなすのは、薄めのピンク&スカイブルーとフリンジのついたちょっぴりボヘミアン風なスタイルで落ち着かせているから!?ヘアスタイルとファッションもぴったりなこのスタイルは、比較的マネしやすいスタイルです。男性ウケもいい、かわいいコーデ。ショートヘアでも女性らしさを忘れないカジュアルスタイルヨーロッパではショートヘアの女性をよく見かけますが、誰もがとても女性らしくかっこいいんです。私の好きなこのスタイルも然り。ボトムスの素材感が大人っぽさを感じさせてくれ、胸もとを少し大きめに開けるもデニムジャケットでカッコよく決めている、THE BESTなファッション。オレンジブラウンとブルーのシャツを上手にピックアップしていて、参考になります。難易度高めな全身ホワイトを、落ち着いたワインレッドの差し色で大人上品スタイルにいくつになっても、おしゃれを楽しみたいですね。すらりと素材感を感じるボトムスをさらりと軽めのカーディガンで決めてしまうこのスタイルは、かなり難易度が高いと感じます! ネックレス代わりに胸もとに飾るスカーフもとっても素敵です。目に止まるカラフルズボンに、90年代を意識したハットやシャツがとってもオシャレ!彼女のバッグやハット、シャツとズボンの、柄も素材も異なるデザインをまとめるテクニックは、超難易度高いスタイル! さらに、ボトムスを全体より明るい色にすると、全体的にほっそりと見えて脚長効果も期待されるので、本当に参考になります。シャツのドットにボトムスのチェックはとてもまねできない組み合わせで、尊敬してしまう。差し色にレッドを! 日本でも人気のMSGMを上手に着こなしたスタイルきれいな脚を惜しげも無く露出しているのに、いやらしさが無いかっこいいスタイルはこちら。高めヒールはミラノではよく見かけます。ヒールに映える鍛えられた脚が、女性からしても魅力的に見えませんか? やはり、スレンダースタイルは普段から鍛えないといけないみたいです。カジュアルスタイルでも、ヘソ出しでセクシーにミラノでよく見かけるファッションのなかでも、ヘソだしは頻繁に見かけたセクシー&かわいいテクです。古着をカジュアルに着こなしているので、セクシー過ぎないところが上手! 男性からも女性からも支持されるスタイルのひとつです。デニム+デニムで自分スタイルを楽しむデニムコートは1枚持っていると重宝するファッションアイテムのひとつです。色違いのデニムパンツでも同じ色でも、違和感を感じさせない上下デニムの着こなしは、どこか差し色を持ってくると全体が重い印象がなくなってスッキリします。この方の場合は、ヘソだし+赤のアンクルブールでスタイリッシュに見せています。ワイドパンツも重くならないシンプルスタイル!ワイドパンツのなかでも、こちらは日本ではあまり見かけない、着こなしがなかなか難しいタイプ。さらには起毛素材だと重たくなってしまい、足が短く見えてしまいます。それでも素敵に着こなせているのは、ヒールで全体のバランスを保ち、素材違いのトップスで全体を軽く見せているから。さすがと言える、着こなしです。肩出しワンピースは、やはり女子力アップ!ショップに入ると必ずあると言っていいほど人気の、肩出しワンピース。腰が高く見えるワンピースは、スタイルを気にしなくても脚長効果がありスタイリッシュに見せてくれるので、1枚あると重宝します。デニムを合わせて上手に着こなして、ちょっぴりボーイッシュにしている彼女。全体のバランスが見事に決まっている、まねしたいファッションです。いかがでしたでしょうか? 2017年に出会ったミラノファッションを選んでみました。なかなか着こなしが難しいスタイルが多いかもと思いましたが、簡単にまねできるコーデも意外と多いのがミラノ。ぜひ2018年ファッションの参考にしてみてください。
2017年12月30日