今夏には超人気ミュージカル『エリザベート』のトート役を3か月間、井上芳雄とのWキャストで務め上げた城田優。スケール感のある恵まれた容姿とそれに見合う努力や経験が、まだ20代にして彼を、日本を代表する舞台俳優へと成長させた。その城田が30歳を迎えて踏む初の舞台が、岸谷五朗と寺脇康文による演劇ユニット・地球ゴージャスの最新作『The Love Bugs』。私たちの身近に存在する、虫たちの小さな世界を描く。“孤高のスター”というキャラクターを与えられ、未知のワールドに挑む城田に話を聞いた。地球ゴージャス チケット情報作・演出を手掛ける岸谷とは映像の仕事で過去に共演しており、当時から熱いラブコールがあったという。「初めて共演したときからすごく気にかけてくださり、褒めてもいただいて。イベントでちょっとご一緒したことのある寺脇さん含め、とても素敵な先輩です。地球ゴージャスには、その時々の出演者さんたちの武器である要素を最大限に活かして物語に組み込み、素敵に作り上げている“エンターテインメントショー”という印象がありました」今回、岸谷からは「優には全部やってもらう」と言われているのだとか。「そのひと言が引っかかっていて、怖くてしょうがない。チビりそうです(笑)。ミュージカルの全部というのは歌、踊り、芝居に加え、殺陣は必ずあるだろうし、もしかしたらフライングとか?(笑)そして役的に僕が一番強い感じに振舞う必要があると思うので……不安です!(苦笑)」確かに、虫を演じる上での“全部”となると、容易に想像がつかないが……。「もちろん演じている体(テイ)としては虫だし大事な部分なんですけど、実際に演じるのは人間ということになれば、あまり虫というところにこだわりを持つ必要は、僕はない気がしていて。とらわれすぎると、二本足で立っている矛盾とかが目に付いて、粗探しのようになってしまう可能性もある。大事なのは見た目とかが虫である前に、その種族のドラマを僕たちが演じることなのかなと思っています」また、「これまでの舞台は翻訳ものが大半だったので、僕がやること前提で書かれて、僕自身が多少なりとも反映されている役は初めて。再演をほぼしない地球ゴージャスで、ご縁で集まったキャストたちと1回しかできない経験を30歳のアタマでできるのは、すごい幸せなことだと思います」とも語る。岸谷&寺脇のほか、蘭寿とむ、大原櫻子らゴージャスなメンバーの中で魅せる城田の“全部”、そして“今”に注目したい。地球ゴージャスプロデュース公演Vol.14 『The Love Bugs』 は1月9日(土)から2月24日(水)まで東京・赤坂ACTシアター、3月1日(火)から3日(木)まで名古屋・愛知県芸術劇場、3月11日(金)から13日(日)まで福岡・福岡サンパレス、3月19日(土)から29日(火)まで大阪・フェスティバルホールにて。取材・文/武田吏都
2015年12月04日WOWOWの連続ドラマW『海に降る』の完成披露4K試写会が6日、都内で行われ、キャストの有村架純、井上芳雄、板谷由夏、時任三郎と山本剛義監督が出席した。10日にスタートする本作は、朱野帰子の同名小説を実写化したヒューマンドラマ。有人潜水調査船「しんかい6500」の女性パイロット・天谷深雪(有村)は、亡き父が話した"深海の宇宙"を追い求めて奮闘する――というストーリーで、ドラマは毎週土曜22時から放送する(第1話無料放送)。本作が連続ドラマ初主演となった有村は、「とにかくたくましくて、男気があって、格好良いなと素直に思わせてくれる役でした」と役どころを振り返ってにっこり。撮影は、舞台となるJAMSTEC(海洋研究開発機構)の全面協力を経て行われ、「毎日必死で、主演っぽいことは出来なかったけど、とにかく良い作品にしようという気持ちで走り切った。ハードで大変だったけど、本当に面白いドラマになったと胸を張って言いたい」と力強くアピールした。また、男性陣が多い撮影の中、"憧れの女優"板谷との共演を楽しみにしていたという有村は、「板谷さんがいるだけでホッとして、自然と演技も変わりました。私は大好きです!」と天真爛漫な笑顔で公開告白し、板谷は、「告白されちゃった……! ありがとう~」と大照れ。一方、亡き父を演じた時任は、回想シーンのみの出演だったため、"大人"になった有村を前に、「深雪~! 大きくなったなぁ。こんなに美しい女性に育つとは思ってなかったよ」と感激して観客の笑いを誘っていた。
2015年10月07日有人潜水調査船「しんかい6500」の日本人初となる女性パイロットが神秘的な深海の世界に身を投じていくWOWOWの土曜オリジナルドラマ「連続ドラマW 海に降る」の完成披露4K試写会が6日(火)、都内で行われ、連続ドラマ初主演を果たした主演の有村架純をはじめ、井上芳雄、板谷由夏、時任三郎、山本剛義監督が登壇。その最先端の映像美を熱くPRした。有村さん演じる天谷深雪は、亡き父・厚志(時任)の遺志を受け継いで組織の中で奮闘、深海の謎に命をかける女性パイロットだ。連続ドラマ初主演について有村さんは、「自分としては毎日が必死で主演っぽいことは何もできなかったですが、とにかくいい作品にしようという気持ちだけを持って、最後まで走り抜けることができました」と感無量で語った。その深雪の父で、自身もパイロット兼研究者だったが、志半ばで病死してしまう天谷厚志役の時任さんは役柄の感想について聞かれ、「難しかったです。最初から死んでいるので(笑)」と回想シーンのみの出演の苦労を告白。「だから、できるだけ彼女の記憶に残っている象徴的な父親像を演じられればと思い、頑張りました」と演じる上での工夫を明かした。大人になった“深雪”とは「現場で一度挨拶をした」だけだったそうで、成長した“深雪”を目の当たりにした時任さんは、「深雪―!大きくなったなあ!こんなに美しい女性に育つとは思っていなかったよ……すいません(笑)!」と父・厚志モードで久々の再会に感激!有村さんも「一緒にお芝居できなかったことが残念です」とはにかんだ。イベント終盤には、日本ドラマでは初となるHDR(ハイダナイミックレンジ)という最先端の映像技術で撮影された映像の一部も上映。明るさの幅が拡大する技術によって鮮明な表現が可能になった最新の映像を観た有村さんは、「現場で自分の目で見た、そのままが映っている気がしました。くっきりとした映像になっていてびっくりですね」と驚いていた。山本監督は、「20年前にハイビジョンが登場した時、ハッ!と息を飲みましたが、まだこんな映像があるんだなと、その息を吐き出しました(笑)。それくらい衝撃的でした。今後間違いなくドラマの表現の幅が広がります。そして、現場で映像が収録できなければ意味がないので、現場での力も試されていくと思います」と新技術の登場に期待感を示した。すでに1話を観て「本当に面白いドラマになっていたので、胸を張っておすすめしたい」と感想を抱いたという有村さんは、「撮影はハードで大変でしたが、皆で作り上げました。この先起こっていく人間ドラマを観てほしいですが、物語の舞台となっているJAMSTEC(海洋研究開発機構)という機関のことも知ってほしいです。気に入っていただけたら、広めてください」と最後に熱くPRした。なお、舞台あいさつ後には日本のドラマで初めてHDRで制作された第1話が日本で初めてお披露目された。放送はフルハイビジョン放送の予定。土曜オリジナルドラマ「連続ドラマW 海に降る」は、10月10日(土)放送スタート。(text:cinemacafe.net)
2015年10月06日『ウエスト・サイド・ストーリー』の作詞や『Into the Woods』などで知られるミュージカル界の巨匠スティーブン・ソンドハイムによる『パッション』が10月16日(金)より東京・新国立劇場で開幕する。井上芳雄、和音美桜、シルビア・グラブ、福井貴一ら実力派をキャストに迎え、愛し、愛されることの本質を問いかける本作の稽古場に足を運んだ。ミュージカル『パッション』チケット情報本作は“愛の情熱”を意味するイタリア映画『パッション・ダモーレ』をミュージカル化したもの。恋人・クララとの愛に燃える兵士ジョルジオは赴任先で出会った病弱なフォスカから執拗で熱烈な愛をぶつけられる。当初はフォスカを冷たくあしらっていたのだが、やがて……。取材したこの日は、終盤にかけての各シーンの稽古が行われていた。一つひとつのやり取りの中で、ジョルジオの心がクララを想いつつも、命の残り火のわずかなフォスカへと、どうしようもなく揺れ動き、傾いていくさまが見て取れる。まずはミラノ駅でのクララとジョルジオのやり取り。満面の笑みでジョルジオを迎えたクララだが、彼は長期休暇をわずか4日で切り上げることを告げる。そこにフォスカの影を感じるクララ。決して愛が醒めたわけではないのに、ふたりの間には確実に、以前にはなかった溝が横たわり、互いへ向けられる愛の言葉はすれ違い、噛みあわない。井上が演出の宮田慶子と幾度も話し合っていたのがジョルジオの感情の揺れのさじ加減。クララを愛してもいるし、フォスカから離れられない気持ちもある――。宮田からはジョルジオの「わかんないんだ!」というセリフに触れ「本音で悩んでいるからこそ苦しく、哀しい」とアドバイス。続いてクリスマスパーティでジョルジオ、フォスカ、そして彼女の従兄でジョルジオにとっては上官であるリッチ大佐らが集うシーン。ジョルジオの異動の通知、クララからの手紙、クララとジョルジオのある決断、嘆き、感情の爆発――運命の歯車が一気に動き出す。ここで改めて感じさせられるのがソンドハイムによる楽曲の難易度の高さだ。リズム、音程いずれをとっても、人気ミュージカルらしからぬ、そう簡単には口ずさめそうにない曲が続くが、それでも井上をはじめ、キャスト陣は力強い歌声で感情を紡いでいく。何より、この難解さ、複雑さこそが、決してひと筋縄ではいかない入り組んだ彼らの“愛”を表しているようにも感じられる。絶望の淵でほとばしる激情、別離の哀しみの中からも伝わってくる温かみ、命が尽きようとするか弱さの中からなぜか感じられる炎のように強い愛情。それぞれが難しくも熱い愛の情熱を歌い上げていた。公演は10月16日(金)から11月8日(日)まで新国立劇場にて上演。チケットは一部日程の追加席を発売中。また。各公演当日の午前10時より新国立劇場ボックスオフィス窓口にてZ席を販売する。取材・文・撮影:黒豆直樹
2015年10月06日「ウエスト・サイド・ストーリー」の作詞や「Into the Woods」で知られるミュージカル界の巨匠スティーブン・ソンドハイムが手がけ、トニー賞4部門を受賞した傑作『パッション』の製作発表会見が9月2日に新国立劇場にて開催された。日本初演となる今回、出演の井上芳雄をはじめ、和音美桜、シルビア・グラブ、福井貴一、音楽監督の島健、演出の宮田慶子が出席し、意気込みと手応えを語った。ミュージカル『パッション』チケット情報イタリア映画「パッション・ダモーレ」を元にした本作。19世紀のイタリアを舞台に兵士ジョルジオと美しい恋人クララ、ジョルジオに恋い焦がれる病弱な女性フォスカの3人のめくるめく重厚な愛の物語が展開する。オリジナルの映画版を鑑賞したという宮田は、ヒロインなのに美しくないフォスカ像や女の執念を描いた恐ろしい物語に「衝撃的でした」と感想を漏らす。ミュージカル版の楽曲についても「ソンドハイムならではの難しさがある」と語るが、それでも「時折、身も心もとろける美しいメロディがあり、そこにハマりました。とにかくテーマは愛!恋愛をしないと言われる若者たちにぜひ見てほしい」と熱く語った。ソンドハイム作品初挑戦となる島は「誰でも口ずさめるメロディはほとんどない」とその難しさに言及するが「一見、怖いけれどロマンチックな物語を見事に表している」と難解さの奥にある魅力を語る。井上は「ミュージカル俳優を志して上京して、大学時代はこの新国立劇場でチケットもぎりのバイトをしてました」と明かし、ミュージカルに主演という形で“凱旋”を果たすことに「故郷に錦を飾る気持ちです」と感慨深げ。ジョルジオは、ふたりの女性に言い寄られる魅力的な男ということで「色香」を自らのテーマに掲げ「オープニングからセクシーです」と笑みを浮かべていた。キャスト陣からもソンドハイムの楽曲の難解さに対するコメントが続出する。井上は「何回聴いても入ってこない!」と嘆き節。3作目のソンドハイム作品出演となるシルビアも「『Into the Woods』の時は毎晩、うなされましたし、今回もすでにうなされてます」と苦笑するが「愛し、愛されることは複雑で大変だけど、素晴らしいことだと伝えたい」と語り、和音も「難しい楽曲に立ち向かい、歌いこなすことで表現できることがきっとある」と闘志を燃やす。前日には初めての本読みが行われており、その内容に「感動した」と語る福井は「やる方は難しいですが、聴く方は素晴らしいですよ。感じてもらえるミュージカルになると思います」とこの先、1か月半の稽古を経ての完成作に自信をのぞかせた。ミュージカル『パッション』は東京・新国立劇場 中劇場にて10月16日(金)より開幕。前売りは一部を除き完売しているが、9月6日(日)午前10時より追加公演のチケットを発売。取材・文・撮影:黒豆直樹
2015年09月04日若手女優・有村架純が連続ドラマ初主演を務める「連続ドラマW 海に降る」。この度、有村さんの脇を固める豪華キャストとして板谷由夏、時任三郎、原田知世らの出演が決定した。朱野帰子が執筆した同名小説をドラマ化した本作。海洋科学に関する研究機関、JAMSTEC(海洋研究開発機構)を舞台に、有人潜水調査船「しんかい6500(6K)」の運航チームに所属する天谷深雪(有村架純)は、6Kのパイロットになることを夢見ていた。父・厚志(時任三郎)もパイロット兼研究者だったが、志半ばで病死。深雪は、幼少期に父が話してくれた“深海の宇宙”を探索することを目標に、パイロット候補生として日々業務にいそしむ。そんなある日、深雪は6Kに搭乗するチャンスをつかむ。潜航直前、深雪は父のロッカーの中から1本のテープを見つける。そこに記録されていたのは、未知なる巨大な物体や深海に取り残されたパイロットたちの恐怖の映像であった。そこには父の最期の姿も映っていた。美しき深海とは程遠い、衝撃的な映像を目にした深雪は、激しい恐怖に襲われる。果たして彼女は、暗黒の深海から無事に帰還できるのか――。JAMSTECの全面協力を得て、2014年に完成25周年を迎えた有人潜水調査船「しんかい6500」を始めとした潜水船、研究船で撮影を行ない、リアルな深海世界、海洋科学技術の最先端を圧倒的なリアリティで描く本作。日本人初となる女性パイロットの天谷深雪を演じるのは、『ビリギャル』や「ようこそわが家へ」(フジテレビ)の有村さん。深雪をサポートしながら共に深海の謎に挑む地質学研究者、高峰浩二役の井上芳雄が好演する。今回発表された追加キャストには、JAMSTECの元パイロット兼研究者であり深雪の父・天谷厚志役に時任三郎、深雪の母・天谷直子役にWOWOWドラマ初出演の原田知世。そのほか、JAMSTECチームには、新理事長・石堂将司役に遠藤憲一、JAMSTECの広報戦略室長・正田眞美子役に板谷由夏、民間から来た技術センター長・陣内公彦役に竹中直人、JAMSTEC理事・皆川彰平役に平泉成、深雪の所属する有人潜水調査船「しんかい6500(6K)」運航チームの司令・多岐隆司役に西岡徳馬、潜航長・神尾宏役に筒井道隆、整備長・近藤恒哉役に高橋和也ら演技派俳優が集結している。以下、キャストコメント■板谷由夏(正田眞美子役)台本を開き、その世界に引き込まれ、ジェームス・キャメロン監督の映画『アビス』を思い出し、小学一年生の長男の本棚から海の図鑑をひっぱり出して「しんかい6500」を眺め、未知の世界に思いを馳せました。有村架純さん演じる深雪を、支えたいと思います。観てくださる方々がワクワクするような作品になりますように。私も楽しみです。■時任三郎(天谷厚志役)深海の有人探査をテーマとした話は、とても興味深い内容でした。実際に「しんかい6500」を見学させていただいたり、パイロットの方や関係者の方々のお話を伺ったりするうちに、とても夢のある仕事だと感じました。理想と現実の狭間で苦悩する登場者達の中で、天谷厚志はひたすら夢を追い続ける人物です。その夢を追う純粋さやひたむきさを表現出来ればと思っています。■原田知世(天谷直子役)私が演じる天谷深雪の母「天谷直子」はしなやかな心を持った女性です。 パイロットを目指し、時に挫けそうになりながらもひたむきに夢を追いかけてく深雪を、しっかりと受け止め、どんな時も温かく見守っていく母の姿が印象的でした。 深海の宇宙を追い求めた夫、厚志にとってそうであったように、深雪にとっても、 直子は帰る場所であり、灯台のような存在です。■遠藤憲一(石堂将司役)脚本を読んでワクワクしました。石堂は最後まで見ないと本意が分からない深さのある人物です。その深さの表現に四苦八苦しています。海洋研究者たちの葛藤や深海の魅力など、今までにないスケール感で描かれており、見ごたえのある連続ドラマです。キャスト、スタッフの熱い思いが画面いっぱいにほとばしっています。スリル満点の社会派ドラマであり、深く染み入る人間ドラマになっていますので楽しみにして下さい。土曜オリジナルドラマ「連続ドラマW 海に降る」は10月よりWOWOWにて放送予定。(text:cinemacafe.net)
2015年07月21日昭和の人気人形劇を初めて舞台化する『漂流劇 ひょっこりひょうたん島』が12月、井上芳雄、安蘭けいの出演で上演される。原作は1964年から69年の5年間、NHK人形劇シリーズとして放送され、個性的な登場人物、奇想天外な物語で人気を博した大ヒット作。故井上ひさしが脚本に携わったことでも知られている。舞台版の脚本は宮沢章夫と山本健介が書き下ろし。演出と美術を串田和美が手がける。ギャングのマシンガン・ダンディ役に井上芳雄、こどもたちを率いるサンデー先生役に安蘭けい。そのほか、山下リオ(博士役)、小松和重(テケ役)、山田真歩(プリン役)、内田紳一郎(ダンプ役)、小松政夫(トラヒゲ役)、白石加代子(ドン・ガバチョ役)らが出演する。公演決定にあたり串田は「『ひょっこりひょうたん島』はひょっこり現れて、ひょっこり消えていったような気がする。それがみんなの心に残っている。観なかった人たちの心にも。まだ生まれていなかった人たちの心にも。それは気づかぬうちにそっと、しかし、したたかに成長しているような気もする。再会するのが楽しみな、成長する記憶のような舞台をつくってみたい。それは飛びっきり楽しく、飛びっきり贅沢な芝居の姿になるだろう」とコメントを寄せている。公演は12月15日(火)から28日(月)、2016年2月3日(水)から11日(木・祝)まで、東京・渋谷のBunkamura シアターコクーンにて。12月公演のチケット一般発売は9月26日(土)より。
2015年07月08日井上芳雄が、1994年にトニー賞を受賞したミュージカル『パッション』で、ソンドハイム作品に初めて挑む。演じるのは19世紀イタリアの軍人で、美しい人妻クララ(和音美桜)と、自分を執拗に追いかける醜いフォスカ(シルビア・グラブ)との間で揺れるジョルジオ役。「『オペラ座の怪人』の男女逆バージョンで、僕がクリスティーヌだと思っていただけると分かりやすいかと」と解説する井上。ジョルジオは、ふたりの対照的な女性との出会いを通じて、本当の愛とは何かを探っていく。新国立劇場演劇『パッション』チケット情報「僕はふたりから同時に愛されたことも、しつこく追いかけられたことも、もちろん人妻と恋に落ちたこともないですから(笑)、経験としては全くない役。ただ、愛をダメ出しに置き換えると分かる気がするんですよ。演出家以外の方にダメ出しをされると、本当に僕のことを思って言ってくれているのか、何かほかに目的があるのかを考えたりする。それの愛情版というか、その人の愛が相手を向いているのか、それとも愛している自分自身を向いているのかを見極めるお話だと思います」その見極めの末、ジョルジオはある決断を下すわけだが、井上は「それが正解というわけではなく、僕たちは不確かな愛の定義のなかで生きているということ」とも。そうしたひと筋縄ではいかない人間の機微を描かせたら、ミュージカル界でソンドハイムの右に出る者はいない。「彼の楽曲で音が予想と違うところにいくのは、人生そのものを表しているからじゃないかな」と分析する井上にとっても、ソンドハイム作品はいつか挑戦してみたい憧れの存在だった。「クロウト受けするというか、業界内人気の高さを以前から感じていました(笑)。ミュージカル俳優の方のアルバムにもよく入っているので、僕も20代中盤くらいからコンサートでは歌ってたんですが、手応えは全くなくて。こういう歌です!ってひと言でいえないようなものすごく深い内容なので、自分にはまだまだ表現しきれないと思ったんです。今回とてもいいタイミングでお話をいただいたので、僕もそろそろソンドハイムを歌っていいぐらいになってきていると信じて挑みたいですね」そんなソンドハイムが男女の愛を真っ向から取り上げた作品だけに、セクシーなシーンも大きな見どころとなりそう。「僕も和音さんもシルビアも、普段から色気ムンムンってタイプではないと思うんですけど(笑)、女優さんはひとたびメイクをしてドレスを着るとものすごく変わるんですよね。チラシ撮影の時もおふたりともとても素敵で、女優って怖いなと(笑)。僕も舞台では、おふたりに負けないぐらい変化できたらいいですね。“セクシー”は、僕の今年のテーマでもありますから!」公演は10月16日(金)から11月8日(日)まで東京・新国立劇場 中劇場にて上演。チケットの一般前売りは8月1日(土)10時より。なお、11月6日(金)の【ぴあスペシャルデー】ではスペシャルカーテンコールが付く。取材・文:町田麻子
2015年07月07日『ビリギャル』が大ヒット中の有村架純が連続ドラマ初主演を務める「連続ドラマW海に降る」。このほど、ミュージカル界のトップスター・井上芳雄が、有村さん演じるヒロインと深海の謎に挑む地質学者役でWOWOWのドラマに初出演することが決定!自身の誕生日の本日7月6日(月)、ファン約2,000人の前で発表した。朱野帰子による同名小説をドラマ化した本作の舞台は、海洋科学に関する研究機関、JAMSTEC(海洋研究開発機構)。先日発表されたとおり、有村さん演じるヒロイン・天谷深雪が、潜水調査船「しんかい6500」の日本人初となる女性パイロットとして、成長する姿を描く。本日誕生日を迎えた井上さんは、現在出演しているミュージカル「エリザベート」のファンクラブ貸切公演にて、本作への出演を報告。これまでに、映画初出演の『宇宙兄弟』で小栗旬のよきライバル役を演じ、ディズニーアニメ『プレーンズ』で声優初挑戦を果たすなど、映像作品にも活躍の場を広げてきたが、連続ドラマWへの出演は初。今回井上さんが演じるのは、ヒロイン・深雪をサポートしながら共に深海の謎に挑む地質学者である、高峰浩二。「深海という馴染みのなかった世界でしたが、物語に触れるに従って、どんどん興味が沸いてきました。 まだ分からないことも多く、それゆえに限りない可能性が広がっている海の底は、もの凄く魅力的でロマンがあります。そんな中、僕の演じる高峰は偏屈と言われながらも、信念をもって研究を進めていく。その彼に恥ずかしくない姿勢で、僕もこの作品に向かい合いたいです」と深海の魅力と、自身の役どころについて熱く語ってみせた。また、「WOWOWでは、トニー賞のサポーターやディズニーコンサート、舞台中継、『僕らのミュージカルソング』といろんなことをやらせてもらっていますが、遂にドラマにも出演させてもらいます!ありがたいことです。素敵なキャスト、スタッフの皆さんとの現場は刺激に溢れていて、幸せです。ご期待下さい!」と、集まったファンに、充実した日々に対する感謝の気持ちを報告。“日本ミュージカル界のプリンス”の新たな一歩に、帝国劇場に集まった約2,000人のファン達からも喜びの声があがった。JAMSTECの全面協力を得て、有人潜水調査船「しんかい6500」を始めとした潜水船・研究船で撮影を行ない、神秘的かつ驚異的な、前代未聞の深海の映像美を実現した本作。神秘的な深海の世界に挑む、海洋ロマンあふれるヒューマンドラマに挑戦する井上さんの姿を楽しみにしていて。連続ドラマW「海に降る」は、10月よりWOWOWにて放送。井上芳雄がホストを務めるWOWOWオリジナルのミュージカル・ソング コンサート「僕らのミュージカル・ソング」は8月29日(土)20:30より放送。(text:cinemacafe.net)
2015年07月06日花總まり、蘭乃はな、城田優、井上芳雄らが出演するミュージカル『エリザベート』が今週末、東京・帝国劇場にて開幕する。6月9日、同劇場にて初日を目前に控えたキャストが意気込みを語った。チケット情報はこちら舞台は19世紀末のウィーン、若き皇帝フランツ・ヨーゼフに嫁いだ美貌の皇妃エリザベートが主人公。しかし自由を愛する彼女にとって宮廷の暮らしは苦痛でしかない。そんなエリザベートを黄泉の帝王トート(死)も密かに愛し続けていた。その愛はハプスブルク王朝を破滅へと導いていく…。1992年にウィーンで生まれた本作は、日本では1996年に宝塚雪組が初演。その後2000年には男女混合キャストで上演する“東宝版”と呼ばれるプロダクションが誕生、宝塚版・東宝版ともにコンスタントに上演され続けている大人気ミュージカルだ。今回はキャストに加え、演出・舞台美術、衣裳も一新され新しい『エリザベート』の誕生に大きな期待が寄せられている。タイトルロールをWキャストで演じるのは、1996年の宝塚版初演で同役を演じたオリジナルキャストである花總と、2014年の宝塚花組公演で同役を演じこれが宝塚退団後初ミュージカル出演となる蘭乃。「改めてエリザベートという役は本当に難しい役だなと痛感しています。宝塚版と東宝版では思った以上に違いがあります。新たにエリザベート役に挑戦するという気持ちでやっています」と花總。蘭乃は男優との共演が初めてとなるが「(実際の男性は)身体の大きさや厚みも違いますし、エネルギーがすごい。その中できちんと立っていられるように頑張っています」と話していた。エリザベートと相対するトート役は城田と井上が演じ、またエリザベート暗殺犯ルキーニ役も山崎育三郎、尾上松也というフレッシュな顔ぶれになった。「スタッフ、キャストを一新して、新しい僕たちの『エリザベート』を作ろうと意気込んで稽古してきた。それを皆さんに観てもらえるのを楽しみにしています」と井上が話せば、山崎も「僕らの世代の新しい『エリザベート』が完成しました。新たな伝説を作りたい」と意気込む。また、高校時代からの親友という城田と尾上は「まさかこういう形で共演するとは思わなかった。でも僕はミュージカルに出演する時は、必ず優に相談してるんです。今回も優がやるならという気持ちでやらせてもらいました」(尾上)、「僕自身、5年ぶりにトート役に挑戦する中で、育三郎や松也がいてくれることは非常に心強い」(城田)と話すなど、同世代の団結力をアピールしていた。公演は6月11日(木)に開幕するプレビュー公演を経て、6月13日(土)から8月26日(水)まで同劇場にて。
2015年06月09日宝塚歌劇団を先月に退団した柚希礼音が、6月8日(8:00~)にWOWOWが中継する米演劇賞「トニー賞」授賞式の中継特番に、退団後初のテレビ出演を果たすことが5日、分かった。柚希は、トニー賞最多受賞の演出家、ハロルド・プリンスの新作『プリンス・オブ・ブロードウェイ』に、唯一の日本人キャストとして出演することが決まっており、そうした中で、同番組への出演が決定した。柚希は、ラミン・カリムルーなど、ブロードウェイで活躍するキャストの中で、10月23日~11月22日の東京公演(東急シアターオーブ)、11月28日~12月10日の大阪公演(梅田芸術劇場メインホール)での公演に挑む。今年のトニー賞授賞式は『王様と私』に主演した渡辺謙が、日本人で初めてミュージカル主演男優賞にノミネートされていることでも注目。WOWOWのスタジオでは、案内役に宮本亜門と八嶋智人、スペシャルサポーターに井上芳雄、そしてゲストに柚希と黒柳徹子を迎え、生中継で授賞式の模様を届ける。
2015年06月05日タレントで女優の黒柳徹子が、6月8日(8:00~)にWOWOWで放送される米演劇賞「トニー賞」授賞式の生中継番組にゲスト出演することが22日、明らかになった。黒柳は、今年のトニー賞について「ぜひ渡辺謙さんに受賞してほしい」と期待。渡辺は『王様と私』でノミネートされているが、黒柳の友人であったユル・ブリンナーが出演していた作品でもあり、「毎日、舞台袖で『王様と私』を見ていたので懐かしい」と当時を振り返った。『王様と私』以外のノミネート作品については『オン・ザ・タウン』なども楽しみだと話す黒柳。トニー賞の楽しみ方について「ブロードウェイに行けなくとも、あのブロードウェイで今どんな作品が、どんな人が人気あるか」「新しい才能が出てきていると、わかるのも面白い」と解説した。黒柳は、かつて70年代初頭に、ニューヨークへ留学していた経験があり、その頃のブロードウェイは「ダンサーの90%が失業していた。ロングランのものも多く、そこに入れなかった人は、同級生でも、毎日、オーディションに出かけていった」と、大変厳しい世界だったという。それでも、「歌って踊って芝居して、俳優なら、絶対憧れる」と理解していたようだ。「知ってる曲が出てくるとうれしくなる。血が騒ぐ」「初めて、ブロードウェイで見たミュージカルが、オリジナルの『マイ・フェア・レディ』だった。夢かと思った。芝居も歌も衣装も装置も、これ以上のものはない」と、ブロードウェイの魅力を語りだすと止まらない黒柳。授賞式の生中継番組でも、彼女ならではのエピソードがたっぷり聞けそうだ。東京のWOWOWのスタジオには、黒柳のほか、案内役に演出家の宮本亜門、俳優の八嶋智人を迎え、スペシャル・サポーターの俳優・井上芳雄とともに、授賞式の見どころを伝えていく。6月8日8時よりWOWOWプライムで、同時通訳により生中継。8月13日20時からは、WOWOWライブで、字幕版を放送する。
2015年05月22日俳優の渡辺謙が、アメリカの演劇・ミュージカルにおける最高峰の権威である第69回トニー賞のミュージカル主演男優賞にノミネートされたことが29日、明らかになった。『王様と私』でミュージカル主演男優賞にノミネートされた渡辺は、ノミネートの知らせを受け「アメリカでの初舞台でノミネートして頂いたことを誇りに思っています。The King and I の カンパニー、バートレット・シャー、ケリー・オハラが大きな力をくれました」とコメント。ブロードウェイ初挑戦にして受賞の快挙に期待がかかる。ほかにもミュージカル『ザ・ラスト・シップ』でスティングがオリジナル楽曲賞に、『エレファント・マン』でブラッドリー・クーパーが演劇主演男優賞に、『オーディエンス』でヘレン・ミレンが主演女優賞と、気になるノミネーションが目白押し。番組では案内役に宮本亜門、八嶋智人、スペシャルサポーターに井上芳雄を迎え、授賞式の興奮の模様を余すところなく伝えていく。なお、WOWOWでは「第69回トニー賞」の授賞式を独占生中継。『生中継!第69回トニー賞授賞式』はWOWOWプライムにて6月8日(月曜 8:00~)に同時通訳で生放送。字幕版はWOWOWライブにて6月13日(土曜 20:00~)放送。
2015年04月29日井上芳雄が主演する舞台『正しい教室』が3月21日にZeppブルーシアター六本木で開幕した。ミュージカル界のプリンスが、気鋭の演出家・蓬莱竜太とともにガッツリと骨太なストレートプレイに挑む注目作。前日の20日には井上、共演する鈴木砂羽、近藤正臣が意気込みと見どころを語った。舞台『正しい教室』チケット情報井上が蓬莱の書いたストレートプレイをやりたい、とラブコールを送ったことから実現した今回の作品。とある地方の小さな町、小学校の6年2組の教室に、かつて一緒に学んだ同級生たちがやってくる。現在はその学校で教師をやっている元クラス委員長の男の企画で、事故で息子を亡くしたかつてのマドンナを元気付けようと同窓会が開かれるのだ。思い出話に花を咲かせる同窓生たちだが、そこに厳しい指導で生徒たちに嫌われていた当時の担任教師がやってきて空気は一変。険悪なムードの中、思いもよらない過去の出来事が次々と暴かれていく…。会見では井上が「僕は本当にやりたいと熱望して、今回の舞台をやらせてもらった。出来上がった台本もとても面白いと思いましたし、何度も何度も繰り返す百本ノックのような蓬莱さんの稽古も楽しかった」と振り返ると、嫌われ者のかつての教師を演じる近藤は「俺は苦しかったよ…」とポツリ。「もっと嫌われて、もっと嫌われてと繰り返されて…。物語のためだからいいんだけど、やっぱり精神的にキツかった!」と言う近藤に、マドンナ役の鈴木も「私の役もかなり傷が深い役。舞台上に居ながらずっと黙っているという、あまりこういう役をやらないので、家でも悶々としていました」と明かす。負けじと元委員長役の井上も「僕もどんどん状況が悪くなるという役なので、追い詰められていきました。この稽古に入ってからずっと胃の調子が悪かった(笑)。この役のような大ピンチになることはそうそうない!」と苦労をアピール。とはいえ「やっている方は大変ですが、観る方は「ちょっと笑えるミステリかな」くらいの気持ちで気楽に、でも注意深く観てください」と近藤が楽しみ方を伝授。井上も「僕らと一緒に同窓会に参加するくらいの気持ちで観に来てください。思いもよらない体験が待っていると思います」、鈴木も「同窓会というテーマは皆さんにも近しい話題だと思います。その題材が蓬莱さんの手で迫力のある会話劇になりましたので、とても見応えのある舞台です」とそれぞれ見どころを語った。どんでん返しの連続から、各々が隠していた裏の顔が見えてくるスリリングな物語。ひと筋縄ではいかない物語を楽しんで欲しい。六本木公演を経て、3月24日(火)には愛知・名鉄ホール、3月26日(木)には福岡国際会議場 メインホール、3月28日(土)には大阪・森ノ宮ピロティホールで上演。その後ふたたび東京に戻り4月2日(木)から19日(日)にPARCO劇場で上演される。チケットはいずれも発売中。
2015年03月24日お笑いコンビ・NON STYLEの井上裕介と、アジアンの馬場園梓が23日、映画『ジュピター』(3月28日公開)のトークイベントに登場。井上は"今狙っている相手"として「石原さとみ」の名前を挙げ、「出会ったら恋に落ちる可能性もある」と、強い自信をのぞかせた。本作では、2012年People誌の最もセクシーな男性第1位のチャニング・テイタムと、2012年米Esquire誌の最もセクシーな女性第1位に輝くミラ・クニスという2大セクシー俳優が共演を果たしていることにちなみ、それぞれが演じるキャラクターのコスプレで登壇した2人。井上は、3時間以上かけて作り込んだ金髪と口ひげ、とがった耳という特殊メイクに加え、右腕にタトゥーも入れてチャニング・テイタム演じるケインに変身し、「僕の内なるオオカミが出てしまいました。セクシー過ぎてすいません!」と勝手に謝罪。黒のピチピチ衣装でミラ・クニス演じるジュピターを意識した馬場園は「くまモンではありません(笑)」と笑いを誘った。また、人類の危機を救うために運命に導かれた2人の戦いを描いていることから、それぞれの恋愛トークに発展。井上は「遠距離恋愛や、結ばれない恋も経験しましたました」という過去を明かし、今ターゲットにしている女性に「石原さとみ」の名前を挙げて「出会ってしまったら恋に落ちる可能性もある。まだ出会っていないだけ!」と自らのスキャンダルを予告した。一方、馬場園は「小出恵介」の名前を挙げて「本当に好きなんです」とラブコール。馬場園も「私も出会っていないだけ」と強がり、2人の自意識過剰ぶりが報道陣を沸かせた。さらに、ケインのような力強い男をアピールするため、井上が馬場園の"お姫様抱っこ"にチャレンジ。気合の雄たけびをあげて持ち上げるも、あえなく馬場園の下敷きとなり、「股関節をやってしまった。最近ロケで持った、丸太よりも重かった」と、その重さを木材に例えた。最後に、本作について語った井上は「映像がハンパない。どこまでがCGでリアルなのかわからないほど」と興奮。「ぜひ劇場で、未来の映像を目で耳で体感してほしいです」とPRした。一方の馬場園は「デートムービーとして素晴らしい。登場する豪華な衣装もかわいく、なんと言っても主人公ケインの肉体美がすごい」と見どころを解説。「女性ホルモンがあふれでてくるので、女子力が上がる映画です!」と、女性でも楽しめる映画であることを紹介した。『ジュピター』は、ウォシャウスキー姉弟監督が『マトリックス』以来初となる完全オリジナル・ストーリーを書き上げた作品。人類の危機を阻止するため、身分の違う2人が、宇宙最大の王朝を相手にした戦いを描く。(C) 2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.
2015年03月23日井上芳雄と鈴木砂羽。活躍中の俳優ふたりが、蓬莱竜太の作・演出舞台『正しい教室』で初共演を果たす。注目の出会いは、過去に蓬莱作のミュージカル『TRIANGLE』シリーズを経験している井上が「次はぜひ、蓬莱さんの書いたストレートプレイをやりたい」と熱望したことから始まった。その意欲を受けた蓬莱は、かねてより気になる存在だったという女優、鈴木を井上の相手役に指名。かくして、同窓会という興奮のシチュエーションで繰り広げられる、大人の物語が動き出した。舞台『正しい教室』チケット情報「同窓会で再会した人たちの会話を聞くうちに物事がどんどん転がっていって、夢中になるままにクライマックスへと上り詰めます。蓬莱さんの書く台本はどんでん返しの繰り返しで、本当に見事なんですよね。意表をつく展開で、あらためて巧みな作劇だなと感じます」(井上)。井上が演じるのは“かつて委員長だった男”。対する鈴木は“かつてマドンナだった女”。時を経て再会した学友たち、そして当時、生徒に煙たがられていた先生(近藤正臣)も姿を現して……。スリリングで、可笑しくせつない人間模様が描かれていく。「ひさしぶりに故郷に戻ってきた、都落ちした女性ですね(笑)。その人物像は蓬莱さんの見たい鈴木砂羽なのかもしれなくて、どんな新しい発見があるのか楽しみです」という鈴木に対し、井上は「蓬莱さんはいつも“その人のパブリックイメージではないものを演じてほしい”と言っているんですよね。僕の役はかつては委員長で、今は教師になっている男。でも真っ当な道を歩んでいるふうに見えつつ、実は闇がある人物みたいです」と作家の思惑を探る。ひと筋縄ではいかないキャラクター同士のぶつかりあいが期待できそうだ。「井上さんは“華のある人”という印象。蓬莱さんとも初めての仕事になりますが、何かピンとくるものがあったんですよね。インスピレーションによる出会いは大切。必ず新鮮な驚きと勉強を得られますから。私にとって舞台は、たとえ転んだとしても何らかの気づきをもらえる場所ですね」(鈴木)「さまざまな出来事が起こっても最終的には温かい眼差しが向けられる、それが蓬莱さんの生み出すドラマです。同世代なので考えていることがなんとなくわかるんですよね。日々懸命に生きる中、絶望するでもなく、根拠のない希望を持つでもない。でも、どう先に進んでいくか、とにかく自分たちは考え続けよう。そういった蓬莱さんの真摯な視点を感じ取っていただけたらと思います」(井上)ミステリータッチに揺さぶられ、骨太ドラマに泣き笑う。蓬莱ワールドに挑む実力派ふたりの奮闘をぜひ劇場で見届けたい。3月21日(土・祝)からの東京・Zeppブルーシアター六本木公演を皮切りに、東京・PAROCO劇場(4月2日(木)~19日(日))ほかで公演。取材・文:上野紀子
2015年02月06日新国立劇場2015/2016シーズンの主催公演ラインナップが発表された。演劇、バレエ、舞踊3部門の作品をお伝えする。新国立劇場バレエの公演情報まずは演劇8作品から。10月のシーズン開幕に中劇場で上演されるのは、スティーブン・ソンドハイム作曲の本邦初演ミュージカル「パッション」。新国立劇場は過去、「太平洋序曲」「INTO THE WOODS」と2本のソンドハイム作品を上演してきた。今回は芸術監督・宮田慶子の演出、井上芳雄、和音美桜、シルヴィア・グラブらの出演で、濃密な恋愛のドラマを舞台に刻む。続く11月の小劇場「桜の園」は、鵜山仁演出、田中裕子ほかの出演。王道のチェーホフ劇に期待しよう。12月の小劇場「バグダッド動物園のベンガルタイガー」は、気鋭・中津留章仁が演出する戦争テーマの硬質な米国ストレートプレイ。3月からの小劇場は鄭義信三部作の連続上演で、今回の目玉というべき企画だ。この作家が新国立劇場に書き下ろした「焼肉ドラゴン」「たとえば野に咲く花のように」「パーマ屋スミレ」の名作3つを改めて堪能したい。6月の中劇場「あわれ彼女は娼婦」はシェイクスピアと同時代の演劇で、兄妹の禁じられた愛の物語。こちらは栗山民也演出で。シーズンのラストは、7月の小劇場、別役実の新作書き下ろし、宮田慶子演出による「竹取物語~よみがえり篇~」(仮題)のタイトルが挙がっている。バレエは6作品はすべてオペラパレス。10月の新制作「ホフマン物語」は、芸術監督・大原永子の英国へのこだわりが香るピーター・ダレル振付の逸品。12月のおなじみ「くるみ割り人形」、1月の祭典「ニューイヤ・バレエ」を挟み、2月の新制作「ラ・シルフィード/Men Y Men」にも注目だ。前者はオーギュスト・ブルノンヴィルの古典的振付に大原永子が演出で参加し、この作品に関する深い知見を注入する。後者は昨年の「眠れる森の美女」に続く、ウエイン・イーグリングの振付が話題。5月は鉄板「ドン・キホーテ」。6月の「アラジン」では、前芸術監督デヴィッド・ビントレーの振付作品を再演する。ダンスは、10月小劇場の「近松DANCE弐題」で幕開け。以降は中劇場での公演が3つ並ぶ。3月の新国立劇場バレエ団「DANCE to the Future 2016」、3月の平山素子「Hybrid―Rhythm & Dance」、6月の高谷史郎(ダムタイプ)「CHROMA」と計4公演を揃えた。
2015年01月23日人気ミュージカル『モーツァルト!』で2002年の初演以来、4回にわたり、主役のヴォルフガング・モーツァルト役を務めてきた井上芳雄。5度目の今回が主役として最後の出演となる井上に、現在の心境を聞いた。ミュージカル『モーツァルト!』チケット情報「最後といっても別に引退するわけではないですから(笑)。稽古では冗談で『芳雄先生、ここはどうでしたか?』と聞かれるぐらい僕にとっては居心地のいい作品。でも僕はひとつの場所に留まっているのはあまり良しとしない。15年間の役者人生の中ですべてを教えてくれた役ですが、新しいところに行くためには、何かを手放すことも必要だと思っています」。天才音楽家、モーツァルトの一生を青年ヴォルフガングと、彼の才能をつかさどる分身アマデのふたりで表現する。ヴォルフガングの父親との確執や、作曲家としての苦悩を力強い楽曲で描いた力作だ。「初演では、僕は経験も少ないし、ヴォルフガングみたいに激しい人生でもない、分からないことだらけで、なかなか彼に共感できなかった。でも今は、天才ではないけれど、表現者の苦しみは分かりますし、何か運命に導かれてここまでやってこられたと思う。それに、人生が思い通りにいかなかったり、良かれと思ってやったことが裏目に出たり、現状と戦うことは多い。前よりも、今はずっと彼に共感できますね」。井上も35歳で亡くなったモーツァルトと同じ年を迎えた。「モーツァルトは神に愛された人で幸福だけど、同じ分だけの不幸もあったはず。その振れ幅が激しいだけで、結局は凡人である僕たちの人生と変わらないかもと思うんです」初演からモーツァルトの父、レオポルトを演じ、病気で療養していた市村正親が本作で復帰するのも注目だ。「以前よりお元気です。市村さんのすごいところは心のありようと若さ、そのエネルギーですね。『モーツァルト!』でオファーがきたとき、父親役ではなく、ヴォルフガング役と思っていらっしゃったぐらいですから(笑)。今回で辞めると言った僕には、またリターンしろと言って下さっています(笑)」今やミュージカルは井上にとって「運命の相手と結婚しているようなもの」だという。「別れ話も出ていないですし、結婚生活は順調です(笑)。でも、子供ができて、親も年を取り役割が大きくなった。法事を取り仕切る長男の感じですね(笑)」。その結婚相手との幸福な時間をじっくりと見届けたい。ミュージカル 『モーツァルト!』は1月15日(木)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて上演中。チケットは発売中。取材・文:米満ゆうこ
2015年01月07日“ミュージカル界のプリンス”と称され、その歌声に定評のある俳優・井上芳雄が『アナと雪の女王』の「Let It Go」など、ディズニーの名曲をカバーしたアルバム『井上芳雄・ミーツ・ディズニー ~プラウド・オブ・ユア・ボーイ~』を発売した。それを記念し、2月18日(水)に一夜限りのコンサート「YOSHIO INOUE sings Disney ~One Night Dream!」を開催する。本公演にかける思いを井上が語った。「YOSHIO INOUE sings Disney ~One Night Dream!」の公演情報本アルバムは、井上が自身の好きな曲を中心に選曲。普通のカバー曲集ではなく「ひとつの物語が感じられるような内容にしようと思い、作った」という。2部構成となるコンサートの第1部では、それをいかしストーリー仕立てで贈る。「最初はCDだけの話でしたが、その物語を舞台上で、生のお客さまの前でやれるのは、さらに面白いと思いました。CDにはブックレットが付いていて、曲と曲の間にちょっとした台詞が挟み込まれています。その台詞を自分で声に出して読んで、お客さまに届けたい」。第2部では、スペシャルゲストとして坂本真綾を招く。「デュエットはもちろんありますが、真綾さんの声でこの曲を聞きたいと僕からリクエストしているものもあるんです」。さらに「ディズニーは、舞台のミュージカルもたくさん作っているので、その魅力もお届けできればと思っています。『美女と野獣』にしても『アラジン』にしても、アニメには入っていないけれど舞台版にはあるナンバーも結構多い。あとは『アイーダ』のようにアニメにはないミュージカルも存在するので、いわゆる映画のディズニーファンの方も知らないかもしれない曲も聞いていただけるんじゃないかな」と意欲を燃やす。もともと新譜が出るたびに「日本版が出る前に、輸入盤を買っちゃいます。どんな音楽で、どんな作曲家で、どんな人が歌ってるんだろうとすごい気になります」というディズニーミュージカルのファン。その魅力を「独特の高揚感、幸福感みたいなものがありますよね」と分析する。「夢と魔法の世界を作って、それを守っていくには本当に努力が必要なんだと思います。ここまで徹底して作るからお客さまが入り込んで、こんなにも熱狂するんだということがすごくよくわかって勉強になりました」「ディズニーの力を借りて、タイトルどおり、一夜限りの夢ではありますが、できるだけ極上の夢を見られるような時間にしたいなと思っています」と井上。壮大なファンタジーの世界を、歌を中心に舞台でどう表現していくのか、期待が膨らむ。公演は2月18日(水)に東京国際フォーラム ホールAで上演。
2015年01月05日現在、東京・帝国劇場にてミュージカル『モーツァルト!』が上演中だ。人気のウィーン産ミュージカルで、日本でも2002年の初演から5回目の上演となるヒット作品。今回は主人公ヴォルフガング・モーツァルトを日本初演から演じている井上芳雄のファイナル公演であることも話題。その、“ラスト・ヴォルフガング”に挑んでいる井上に現在の心境を聞いた。ミュージカル『モーツァルト!』]チケット情報作品は、天才音楽家・モーツァルトの波乱に満ちた生涯を綴った物語。2002年の初演時、23歳の井上にとっては初めてのタイトルロールだった。「自分のような若造が真ん中に立っちゃってすみません…という気持ちでした。ただ正直、主役のプレッシャーを感じるどころではなく、自分がこの役をやることで必死。力の抜き方もわからず、全力でやっていました。自分は技術も経験も役に付いていっていないけれど、せめてとにかく必死にやっていることだけは、自分がヴォルフガングをやる意味があるんじゃないかと思ってやっていたんです」と井上は当時を振り返る。また、短い生涯を周囲との軋轢の中激しく駆け抜けたこの天才の人生は、「そこまで幸せな人生を送ってきた」という井上には非常に遠いものに感じていたともいう。「ぜんぜん自分にはない要素ばかりの役だと思っていた。今も決して、僕が何もしないでもそれに見える役ではないと思うんです。でもやっぱり自分なりの積み重ねによって、今はものすごくヴォルフガングとの距離が近く感じているんです。ヴォルフガングになるぞ! 演じるぞ! という力みはほとんどない。僕も彼のことで理解できないこともあるんですよ。でもすべてわかってるフリをしてやるというより、台本に書いてあるそのままを、自分を通してやっている感覚です」。そう話す井上のヴォルフガングは、確かに自然体で舞台上に存在している。「今、すごく充実していますし、すがすがしい。宝塚の方の退団公演はこんなかんじだろうと思うくらいです(笑)」。彼の俳優生活に寄り添うようにあった本作は「俳優として色んなことを教えてくれた作品」という存在だが、モーツァルトが生涯を終えたのと同じ35歳になった今、井上はこの役を卒業する。「『モーツァルト!』だって最初はどうなるかわからないまま始めて、これだけ大きくなって愛されてきた。そういった、次の新しいスタンダード・ミュージカルを生み出す現場に関われたらいいですね」と俳優としての次の目標を語った井上。華も実力も、そして気力も蓄え、俳優として充実期に入っている彼のこと、おそらくその夢は遠からず叶えてしまうに違いない。だがまずは“井上ヴォルフガング”が伝説になってしまう前に観ておくことをおすすめする。なお、ヴォルフガング・モーツァルト役は山崎育三郎とのWキャスト。12月24日(水)まで帝国劇場にて上演中。その後1月3日(土)から15日(木)まで梅田芸術劇場 メインホールにて上演。チケットは発売中。
2014年12月11日現・六本木ブルーシアター(東京都港区六本木五丁目11番12号)が2015年1月1日より、Zeppライブなど8社による共同運営で新たに「Zeppブルーシアター六本木」としてオープンする。同事業に参画するのは、Zeppライブをはじめ、パルコ、トリックスターエンターテインメント、クリエイティブマンプロダクション、ディー・バイ・エル・クリエイション、エンタテインメントプラス、ローソンHMVエンタテイメント、ぴあの8社。8社は、それぞれの得意分野を活かしつつ連携、新しいライブ・エンタテインメントの創出を目指し、ロングラン公演を中心に8社のレパートリーを含めジャンルにとらわれないコンテンツの企画、制作、招聘等を行っていくという。現時点で決定しているのは以下の4公演。『LOVE LETTERS(ラヴ・レターズ)』公演期間:2015年1月10日(土)~12日(月)出演:久保田悠来×映美くらら他ミュージカル『薄桜鬼』藤堂平助 篇公演期間:2015年1月17日(土)~25日(日)出演:藤堂平助:池田純矢、雪村千鶴:田上真里奈/土方歳三:井澤勇貴、沖田総司:廣瀬大介、斎藤一:橋本祥平、原田左之助:五十嵐麻朝、永倉新八:宮崎秋人、近藤勇:井俣太良(少年社中)、山南敬助:味方良介、山崎烝:高崎翔太/天霧、九寿:郷本直也、不知火匡:柏木佑介、雪村綱道:江戸川萬時、千姫:柳田衣里佳/風間千景:鈴木勝吾、六本木康弘、横田遼、遠藤誠、菅原健志、岩崎大輔、吉田雄希『正しい教室』公演期間:2015年3月21日(土)・22日(日)作・演出:蓬莱竜太出演:井上芳雄他WRECKING CREW ORCHESTRA(レッキンクルー・オーケストラ)『DOOODLIN’』(ドゥードゥリン)公演期間:4月3日(金)~4月12日(日)出演:WRECKING CREW ORCHESTRA(レッキンクルー・オーケストラ)今後のラインナップにも期待が高まる。
2014年11月28日ミュージカル『モーツァルト!』が11月8日、東京・帝国劇場にて開幕した。ウィーン発、日本でも上演を重ねる人気作。主人公のヴォルフガング・モーツァルトは、ミュージカル界のプリンス、井上芳雄と山崎育三郎のWキャスト。同日、開幕を目前に控えた出演者が意気込みを語った。ミュージカル『モーツァルト!』チケット情報2002年の日本初演から主役を務める井上は、5回目のヴォルフガング。この役を演じるのは今回がラストと公言しているが、「今回で卒業させていただきますが、“このメンバー”で作品を作るというのはいつも同じく“最後”だと思い、毎回演じています。(この顔ぶれでやることの)毎日が特別で、奇跡が起きていることだと思って演じたい」と語る。一方で山崎は、2010年公演に続き、2度目のヴォルフガング。「前回は本当に緊張で終わってしまったような感覚。あれから4年経って、いろんな経験をさせていただいた今の自分が、すべてを出し切って出来るヴォルフガングを演じたい」と意気込みを語った。ヴォルフガングの父・レオポルトを演じる市村正親は、この作品が胃がんの手術後の復帰第1作となる。「もう一回舞台に立てるのかと思うと、なんとも言えない気持ち。非常に感動。今は新人のようにドキドキしています。自分にこういう気持ちがあるんだな、まだまだ私もウブだなぁ」と笑顔で挨拶をするも、共演者たち、さらに記者たちからも復帰を祝う拍手が起こり、目頭を押さえる一幕も。「劇場に来てくださる方、今までずっと応援してくださっていた方に、帰ってきたぞと、元気な姿を見せたい。もちろん今日の初日は妻(篠原涼子)と上の子も観に来ますが、静かに支えてくれたので、その期待にも応えたい」と感謝の気持ちを口にしていた。市村の復帰を共演者たちも喜ぶ。井上は「稽古場に市村さんがいてくださるというだけで、全然雰囲気も違います。この『モーツァルト!』では12年間ずっとお父さん役を演じられていますので、やっぱり市村さんがいてくださらないとこの作品は始まらない。さらに以前より元気にエネルギッシュになって帰っていらしたので嬉しい驚き。市村さんの中はどうなっているんだろう?と思うくらい」と話し、山崎も「演出家の小池(修一郎)先生に、本当の親子のように見えたと言われたのが本当に嬉しかった。市村さんに気持ちをガッツリぶつけて今回のステージを務めたい」と感無量の面持ちで語っていた。共演は花總まり、平野綾、ソニンほか。公演は12月24日(水)まで帝国劇場にて、その後2015年1月3日(土)から15(木)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて行われる。チケットは発売中。
2014年11月10日11月8日(土)より東京・帝国劇場にて上演されるウィーン生まれのミュージカル『モーツァルト!』。『エリザベート』『レディ・ベス』など人気作を次々と生み出している、ミヒャエル・クンツェ&シルヴェスター・リーヴァイの手による作品だ。日本では2002年の初演より上演を繰り返し、今回で5回目の上演となる。10月初旬、この稽古場を訪れた。『モーツァルト!』チケット情報はこちら台風一過の青空が晴れわたったこの日、稽古場にはキャスト全員が初めて顔を揃えた。花總まり、平野綾、ソニン、春野寿美礼といったニューフェイスもいるが、メインキャスト、アンサンブルとも初演から続けて出演している顔ぶれも多い。実力も安定感もあるキャスト陣に、演出の小池修一郎も「素晴らしいキャストでまたこの『モーツァルト!』をできることを本当に嬉しく思います。千秋楽までみんなで頑張っていきましょう」とひと言。その簡潔な挨拶に、演出家と出演者の間に確かな信頼が見える。その空気の中で行われたのは、「本読み」と呼ばれる、椅子に座って脚本を読み進めていく作業だ。だがその内容は言葉からイメージする以上に充実。セリフのみならず、流れに沿ってキャストは歌も歌えば、すべてではないものの音響も入る。そんな中、初演より主役のヴォルフガングを演じる井上芳雄は、自らの才能に自信を持ち奔放にふるまう反面、才能と自分自身の間で葛藤し苦しむひとりの青年をいきいきと演じる。ところどころアドリブも飛び出すのがさすが。何よりも、その身体から解き放たれる自在な歌声は、音楽の天才・モーツァルトを体現するかのよう。1幕ラストを飾るビッグナンバー『影を逃れて』は、まだ舞台本番まで1ヵ月あるとは思えない圧巻の熱唱だ。アンサンブルの熱量も素晴らしく、Wキャストでヴォルフガングを演じる山崎育三郎も作品に入り込んでしまったのか、一緒に口を動かす姿も見られた。そのほかにもおなじみのキャストが多いカンパニーだ。ヴォルフガングの父・レオポルトは初演から変わらず市村正親。市村は本作が病気療養からの復帰作となる。すでに稽古場でも豊かな歌声を響かせ、父親の厳しさと愛情を醸し出している。さらにやはり居るだけで場が引き締まるこの人の存在は、父と子の物語でもあるこの作品に欠かせないと改めて感じた。コロレド大司教を演じる山口祐一郎も時に憎らしく、時に愛らしい、彼ならではの役作りで作品を盛り上げる。一方で花總、ソニンといった初参加のキャストも、すでにキャラクター造形が出来ているようで、魅力的な横顔を見せていた。まだまだ稽古はこれからだが、この美しい楽曲揃いの作品、その命とも言える歌の魅力を存分に堪能できそうな充実のキャスト陣。2014年版の『モーツァルト!』も期待大だ。公演は11月8日(土)から12月24日(水)まで東京・帝国劇場、2015年1月3日(土)から15日(木)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて行われる。チケットは発売中。
2014年10月17日10月4日、金沢21世紀美術館 市民ギャラリーAにて「特別展 ガウディ×井上雄彦 -シンクロする創造の源泉-」がスタート。初日の開場式には井上雄彦も登場し、自らの手でテープカットを行った。「特別展 ガウディ×井上雄彦 -シンクロする創造の源泉-」は、7月から約2か月にわたり東京・森アーツセンターギャラリーで開催され、その斬新な内容が好評を博した展示会だ。19世紀末~20世紀初頭のスペインで活躍した建築家アントニ・ガウディと、現代日本を代表する漫画家である井上雄彦。時代も、国も、バックボーンも違うふたりを組み合わせる、いまだかつてないアイデアが大きな話題となった。金沢展は東京展に続いての2会場目。実物を含む資料約100件、井上による描きおろし作品約40点と、基本的な作品数は同じだが、ギャラリーの規模や環境に合わせ井上自身が若干のアレンジを加えている。展示レイアウトはもちろんのこと、作品と作品の間にある白壁に注訳やイラストを加筆。こちらは金沢展オリジナルの内容も含まれる。井上雄彦という稀代の漫画家を組み合わせることで、アントニ・ガウディの創作の原点にまで光を当てることに成功した本展。展示会の今後も感じる「特別展 ガウディ×井上雄彦 -シンクロする創造の源泉-」は、11月5日(水)まで金沢21世紀美術館 市民ギャラリーAにて開催される。ぴあ中部版WEBでは、井上雄彦へのインタビューを含めた初日レポートが掲載中なので、こちらもチェックしてみよう。■「特別展 ガウディ×井上雄彦 -シンクロする創造の源泉-」会期:開催中 ~ 11月5日(水)10:00~18:00会場:金沢21世紀美術館 市民ギャラリーA料金:前売券/大人-1,100円・中高生-800円・小学生-600円※入館は閉館の30分前まで。会期中無休。未就学児童無料。
2014年10月16日咽頭がん治療のため4月から演奏活動を休止していた指揮者の井上道義が、10月2日、活動復帰記者会見を東京芸術劇場で行った。「井上道義」の公演情報「今はまるで生まれ変わったような気持ち」と語る井上道義。闘病中は喉の痛みや咳、不眠などとても音楽を聴く心境ではなかったという。「本当に辛いときは音楽は全然助けにならない。それよりもどうしたら咳が止むか、眠れるのか必死だった」と過酷な闘病生活を打ち明けた。「この場に戻ってこられたのは、たくさんの人たちの温かい応援があったから」と、オーケストラやファン、友人から贈られた千羽鶴や寄せ書きを紹介。「どう生きていくか。改めて自分の使命について考えさせられた。これからはひとつひとつをもっと大切に考えたい」と真剣な面持ちで語った。治療の経過は順調で、7月の退院後はリハビリテーションに努めている井上道義。復帰後初の公演は、10月11日(土)に鎌倉芸術館でNHK交響楽団、ヴァイオリニストの前橋汀子と共演する。また、今後は「大きな生きがい」と語る新曲の創作活動に加え、演出家・野田秀樹と共に手がけるオペラ『フィガロの結婚』(2015年に10都市13公演を予定)の準備にも取り組むという。<井上道義 今後の公演スケジュール>■NHK交響楽団 井上道義×鎌倉芸術館「いざ、鎌倉への道」Vol.410月11日(土) 鎌倉芸術館 大ホール(神奈川県)■上田市交流文化芸術センター開館記念事業 NHK交響楽団上田公演10月12日(日) 上田市交流文化芸術センター 大ホール(長野県)■大阪フィルハーモニー交響楽団 第482回定期演奏会10月23日(木)・24日(金) フェスティバルホール(大阪府)■佐倉市民音楽ホール会館 30周年記念 東京交響楽団演奏会11月3日(月・祝) 佐倉市民音楽ホール■大阪フィルハーモニー交響楽団 マチネ・シンフォニーVol.1211月13日(木) ザ・シンフォニーホール(大阪府)■オーケストラ・アンサンブル金沢 ファンタスティック・クラシカルコンサート11月23日(日・祝) 石川県立音楽堂 コンサートホール(石川県)■新日本フィルハーモニー交響楽団 埼玉会館公演11月29日(土) 埼玉会館 大ホール(埼玉県)
2014年10月03日フランス映画の傑作を舞台化したミュージカル『シェルブールの雨傘』が、9月開幕した。2009年公演で主演を担った井上芳雄が、新たなヒロインに野々すみ花を迎えて挑む再演である。ミシェル・ルグランの音楽に乗せて歌声で全編を綴っていく名作について、井上が抱いた印象は「何度も繰り返し観たくなる、独特な色合い、湿度のようなものを持った作品」。ドラマチックな悲恋物語に5年ぶりに向き合う、今の心境を聞いた。ミュージカル『シェルブールの雨傘』チケット情報「前回はちょうど井上ひさしさんの音楽劇を経験した後で、芝居に関して多くのものを得たと感じていた時期でした。セリフも歌も、ただきれいな声を出せばいいだけじゃない。音楽ももっと自由でいいんだと気づいた後に、この『シェルブール~』に出会った。やっとセリフの面白さを感じ始めたのに、歌だけで物語を進めていくなんて…。自分が興奮して学んだことをどう生かせばいいんだ!という葛藤はありましたね。なので、叫ぶように歌ってみたり、語尾をセリフのようにしたり、いろいろ試しながら取り組んでいたと思います。全編が歌という特殊な形をしているぶん、“自分が音楽を導き出している”くらいの意識でやるのが理想かな。自分の感情の動きに合わせて音が出てくるような感覚で表現していければと思います」主人公の青年ギイは恋人のジュヌヴィエーヴと深く愛し合いながらも、戦地へと向かう。離ればなれになっていた2年の月日が、ふたりの運命を狂わせて……。幸せの絶頂にいるオープニングから、別れの悲しさ、その後の苦悩と決断など、ギイの感情の流れについて井上は「普通の男性の素直な反応として理解しやすかった」と振り返る。ただ一か所、ギイの選択に“自分ならどうするだろう…!?”と迷いが生じたのが、哀切ただようラストシーンだった。「一番最後こそがこの作品の核になっていて、観客の皆さんの心を震わせるシーンだと思いますね。でもどちらかが悪いのではなく、ふたりとも、一生懸命に生きた結果だと感じてもらえるように演じたい」前回公演からの5年の月日の中で、演技に対する意識が大きく変化し、今はそれが一巡してもとに戻ったところだそうだ。つまり、芝居をパートナーに例えると…。「最初はうまくいかなかったけど、そのうちうまくいき出して、やっぱり僕たち相思相愛だった、みたいな(笑)。でもちょっと待てよ、ホントにそう思っていいのか!?まだまだこの人のことを本当にわかってないぞ…と思い始めたのが今なんですよね。永遠にこの繰り返しかもしれないけど。だから今回の舞台も、もがき苦しむんじゃないかな」さらに井上は「もがきたい、と思う」と言葉を重ねた。前回以上に生々しい吐息をもらすギイの姿を期待せずにはいられない。「自分自身の思いが絶対にどこかに重なる、普遍的な物語です。ぜひ心を重ねに来ていただければと思います」東京公演はすでに終了。9月27日(土)から29日(月)まで大阪・サンケイホールブリーゼ、10月3日(金)から5日(日)まで愛知・中日劇場で公演。取材・文上野紀子
2014年09月26日(画像はニュースリリースより)「リポビタンファイン」の新しいテレビCMに、「井上真央」さんが登場!大正製薬株式会社は、テレビや映画でも活躍している「井上真央」さんを「リポビタンファイン」の新しいテレビCMに採用した。新しいテレビCM「ブランコ篇」は、全国で7月15日からオンエアされる。「リポビタンファイン」は2005年発売以来、たくさんの消費者から好評な「糖類ゼロ」のドリンク剤だ。井上真央さんは新CMポイントの「私の元気のつくり方」をもとに、日々積極的に元気よく生きる女性を表現している。また大正製薬が「井上真央」さんを採用したことについて、年齢に関係なく人気があることと、井上真央さん自身のキャラクターが新CMキャラクターにピッタリだったことが理由だという。井上真央さんはメイキングの映像の中で、「撮影はとても楽しくて、気持ちよかったです」(大正製薬株式会社 TVCMメイキングの映像より)とうれしそうに語っていた。新CMの内容は?空中でふしぎなブランコに乗りながら現実世界と抽象世界を行き来する、ピンク系の愛らしいドレスを身につけた井上真央さんが登場する。そして自由な気持ちで楽しそうにブランコをこぐ井上真央さんの姿を通して、「リポビタンファインを飲めば、無邪気な自分自身をオープンにできる」というメッセージが込められており、新しいCMを見ている視聴者が製品に興味を抱き、さわやかな気分で元気になれるようなCM内容に仕上げられている。【参考】・大正製薬株式会社 ニュースリリース
2014年07月23日スペインの建築家アントニ・ガウディ(Antoni Gaudi)と、「スラムダンク」「バガボンド」漫画家・井上雄彦のコラボレーション展「特別展 ガウディ×井上雄彦―シンクロする創造の源泉―」が、六本木・森アーツセンターギャラリーにて開催される。会期は7月12日から9月7日まで。ガウディは19世紀から20世紀に掛けてバルセロナを中心に活動。1882年に着工以来、今も作り続けられているサグラダ・ファミリアをはじめ、グエル公園、カサ・ミラなど、数々の独創的な作品を遺してきた。本展では、スペイン・カルターニャ工科大学の監修のもと、素描、設計図、模型、家具等、ガウディの偉業を振り返る貴重な資料約110点が展示される。また、ガウディに範を求めてバルセロナに赴き、「日本スペイン交流400周年事業」の親善大使にも任命されている井上雄彦が、鋭い観察力と創造力で“人間・ガウディ”像を描き下ろし表現する。2011年には『PEPITA 井上雄彦MEETSガウディ』(日経BP社)が出版されている。同展は今後1年を掛けて、金沢21世紀美術館、長崎県美術館、兵庫県立美術館、仙台(会場は後日発表)を巡回予定。【イベント情報】特別展 ガウディ×井上雄彦ーシンクロする創造の源泉ー会場:森アーツセンターギャラリー住所:東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー52階会期:7月12日から9月7日まで
2014年01月17日井上芳雄、浦井健治、山崎育三郎の3人によるユニットStarS。この結成は、間違いなく2013年演劇界のトピックスのひとつだろう。もともと、それぞれが現在の日本ミュージカル界を牽引する人気俳優だが、彼らがひとつに集まったパワーは凄かった。5月に行った1stコンサートは即日完売。デビューCDはオリコンウィークリーランキング7位にランクイン。ミュージカル界の枠を超えて注目を集めた。さらに11月には、ミュージカル俳優の単独公演としては史上初の日本武道館公演が控える。3人に現在の心境を訊いた。StarS武道館公演 チケット情報はこちら井上は5月のコンサートを「僕たちの予想を超える盛り上がりでした。アイドルみたいなことをやって、最初は「引かれたらどうしよう」とおっかなびっくりだったのですが(笑)。お客さんが楽しんでくれて、すごく幸せでした」と振り返る。そこで得た3人の絆もかけがえのないものになった。「舞台の共演では作れないような関係性が作れました。ふたりの姿を見て自分も頑張ろうと思えるし、常に“StarSの看板”も感じながらステージに立たなきゃと思います」(山崎)、「今まではなかなかミュージカル界で横の繋がりってなかったんですが、それをダイレクトに感じられました。それは今後の舞台にも生きてくると思います」(浦井)。もともとStarSは、3人が「ミュージカルの素晴らしさをもっと広めたい」という気持ちから始めたこと。その手応えは「僕は今『レ・ミゼラブル』の公演中なのですが、そこでも「StarSで知って、初めて舞台を観ました」という方もたくさんいらっしゃる」(山崎)と実感する一方で、「CDをリリースして、爆発的に売れて世間に広まったりしないかな、という期待もちょっとあったんですけど(笑)。そんなに簡単にはいかないですよね。でも逆に、ミュージカル、演劇のお客さんの力を感じました。気に入ったら何回も観に来てくれて、応援してくれる。そこが盛り上がっていれば、そこからまた、広がっていく」(井上)と、自分たちのホームグラウンドの温かさを改めて感じるきっかけにもなったようだ。武道館公演は、そんなファンへの感謝の気持ちでもあるという。「やっぱりこれだけ盛り上がったら一発大きなことやりたいね、だったら武道館しかない! と。でもそこには自分たちの力なんてほとんどなくて、応援してくださった皆さんと動いてくれているスタッフのおかげ。だから『ありがとう公演』というタイトルなんです」と井上。浦井は「僕らの経験がひとつのきっかけになって、今後ミュージカル界でも武道館でやる人が増えていったらいいですよね」とこちらも大局的な視線で意気込みを語った。どこまでもミュージカル愛に溢れるプリンスたちが新たな伝説を作る瞬間に、一緒に立ち会おう。『三大ミュージカルプリンスコンサート StarS ありがとう公演~みんなで行こう武道館~』は、11月11日(月)、日本武道館にて開催。チケットは9月7日(土)一般発売開始。チケットぴあでは8月26日(月)11:00まで先行抽選「プレリザーブ」を受付中。
2013年08月23日現在、東京・帝国劇場にて上演中のミュージカル『二都物語』で、7月26日、アフタートークショーが行われた。『二都物語』は、ともにミュージカル界のプリンスと呼ばれている井上芳雄、浦井健治という若手実力派スターふたりの共演も話題だが、このイベントには井上、浦井とともにユニット“StarS”を結成している山崎育三郎が司会としてゲスト出演。今年5月にはCDデビューを果たし、ミュージカル界の外からも注目を集めている“StarS”が集結ということで、この日のチケットは完売御礼。ファンの熱い視線が注がれる中、プリンスたちの爆笑のトークが繰り広げられた。トークショーでは、様々なエピソードを脱線気味に話す井上・浦井を、軌道修正しつつ話を進めていく山崎、という、コンサートなどでもお馴染みの3人の個性が炸裂。作品では井上と浦井は同じ女性を愛する役どころだが、井上が珍しくフラれる役だということで「でも、お客さまの共感がぎゅっと自分に集まってくるのを感じる。結ばれるふたりよりこっちの方がおいしい!」(井上)というような話から、稽古期間は毎日井上・浦井が一緒に帰っていたという仲良しエピソード、さらには「最後は(残される)僕たち家族はいたたまれないけれど、十字架を背負うんじゃなく希望を託されているんだ、と(演出の)鵜山さんからはアドバイスをもらいました」(浦井)という真面目な話まで、縦横無尽なトークが展開された。さらに、もちろんStarSの話題も。2011年の帝国劇場100周年を記念したテレビ番組で鼎談をしたことが、ユニット結成のきっかけになったというStarS。「今日ここで3人で立てたのは嬉しい!」(井上)という感慨深い発言も飛び出した。11月にはミュージカル俳優の単独公演としては史上初の日本武道館公演も控えている彼ら。「武道館ではミュージカルファンの皆さんも一緒に盛り上がっていただきたい。本当に感謝・感謝の公演にしたい」と山崎が話せば、井上が「“1日だけのお祭り”です。浦井君はお祭りを表現して、衣裳はふんどしですよね!」と笑いを取るなど、楽しそうに武道館公演の構想も話していた。「StarSを見て、『二都物語』に興味を持って観に来ましたという方も結構いらっしゃる。それは本当に嬉しいこと。相乗効果でお互い盛り上げあっていければ」と井上。『二都物語』は8月26日(月)まで、同劇場にて。チケットは発売中。また、“StarS”日本武道館公演は11月11日(月)に開催、こちらのチケットは9月7日(土)に一般発売を開始する。
2013年07月29日