今年5月に逝去した作曲家/シンセサイザーアーティストの冨田勲の遺作『ドクター・コッペリウス』がプロジェクトチームにより制作され、11月11日(金)・12日(土)の追悼特別公演で初披露される。10月26日に開かれた制作発表記者会見でその全貌が明らかになった。【チケット情報はこちら】『ドクター・コッペリウス』は、亡くなる1時間前まで打ち合わせをし、冨田が上演を最期まで夢見て創作し続けていた作品。“日本の宇宙開発・ロケット開発の父”と呼ばれ、バレエダンサーでもあった糸川英夫博士の「ホログラフィと一緒に踊りたい」という夢を形にするとともに、『イーハトーヴ交響曲』(2012年)のときに生のオーケストラ演奏で歌い踊ったボーカロイド・初音ミクにバレエ作品『コッペリア』を踊らせたいという冨田の思いが詰まった壮大な交響曲。オーケストラとシンセサイザー、バレエとホログラフィを融合させた“スペースバレエシンフォニー”となる。今回は、3Dで浮かび上がるバレエの衣装に身を包んだ初音ミクが、バレエダンサー風間無限とともに“パ・ド・ドゥ”を踊り、歌う。演出/エレクトロニクスのことぶき光は「映像は当日をお楽しみ」と明言を避け、振付の辻本知彦は「一番最後の曲はとてもいい振付になったと自負してます」と満足の表情でアピールした。1970~1980年代に冨田が制作した音源が入ったオープンリールテープもこのたび発見され、「再サンプリングしてかなりの場所で使います」とことぶき光。楽章の構成は7楽章。ストーリー原案とほとんどのサウンドファイルが遺されていたが、第1楽章と第2楽章はテーマや歌詞が遺されているのみ。プロジェクトチームから冨田氏へ思いを捧げる第0楽章『飛翔する生命体』を冒頭に据え、1と2は欠番となる。指揮の渡邊一正は「リハーサルはこれから。わくわくしています」と笑顔で語った。既存の楽曲を素材として用い、新しい世界観を作り上げるのが冨田の手法。本作には、ヴィラ=ロボス『ブラジル風バッハ』やレオ・ドリーブ『コッペリア』、ワーグナー『トリスタンとイゾルデ』、最後の劇場用映画音楽となった映画『おかえり、はやぶさ』メインテーマが素材として用いられ、新しい世界を作り上げている。当日は、『ドクター・コッペリウス』のほかに、『イーハトーヴ交響曲』、冨田の代表作である『惑星 Planets』(1977年)のリミックスも披露される。冨田勲 追悼特別公演『ドクター・コッペリウス』は11月11日(金)・12日(土)に東京・Bunkamuraオーチャードホールにて開催。チケット発売中。取材・文:門 宏
2016年10月31日電子音楽家・ことぶき光らが26日、11月11日と12日に東京・Bunkamuraオーチャードホールで行われる故・冨田勲さんの追悼公演「冨田勲×初音ミク『ドクター・コッペリウス』」の制作発表会見に登壇し、意気込みを語った。ことぶきのほか出席者は、国際交流基金理事長・安藤裕康氏、公演の音楽監督を務める指揮者・渡邊一正、ダンサーで振り付けを担当する辻本知彦、そして勲さんの長男・冨田勝氏、音楽ライター・前島秀国ら。コンサートでは、ソリストとしてボーカロイド・初音ミクが迎えられた「イーハトーヴ交響曲」の再演、勲さんが最期まで公開を夢見ていた「ドクター・コッペリウス」の初上演などが行われる。「ドクター・コッペリウス」は、2012年に「イーハトーヴ交響曲」が完成した直後から、勲さんが「必ずやり遂げなければならない」とまで語っていた大作。勲さんは上演を待たずして、その生涯を終えたものの、公演では舞台上に投影されるミクと風間無限とのバレエと共に披露される。勝氏は、これを「父が何十年も温めてきた企画」と説明。勲さんの生きざまを「最後まで『どうやったらお客さんに感動を伝えられるか』と考えた"前のめりの人生"」と形容しながら、「楽曲に込められた父の思いを一人でも多くの方に聴いていただきたい」と呼びかけた。続いて前島が、「ドクター・コッペリウス」を制作するにあたり勲さんには、ミクにバレエを踊らせたいという思いと、日本の宇宙開発に尽力した故・糸川英夫さんをイメージさせる作品として成立させたいという構想があったと解説。糸川さんが大空に向かって飛び立つ意志を持っていたように、「冨田先生が伝えたかったのは『重力のしがらみを乗り越えようとする人間の情熱』ではないか」との見解を述べた。コンサート全体をサポートすることぶきは、演出面のシステムの素材を組み立てていると発表。制作は、冨田家も借りて行っていると明かした。また、その場で眠っていた勲さんの機材を鳴らしたところ、勝氏が「ノコギリ波(シンセサイザーの基本波形の一つ)だ」とその音を言い当てたことを振り返り、「幼い頃から聴いていたからかな。ビックリして一気に仕事がはかどりました」とほほ笑んだ。会場では、バレエ衣装に着飾ったミクのイメージもお披露目。さらに、かつて勲さんがオープンリールに残していた音源も公開され、ことぶきは「ミクが歌い踊ります。そしてモーグ・シンセサイザーの音や、オープンリールの音源をサンプリングして、フレーズごとに振り分けたものを何らかの方法で走らせます」とアピールした。
2016年10月27日●冨田さんとは一歩超えたところでコミュニケーションさせてもらえた2016年5月に亡くなった冨田勲さんの追悼公演が11月11日、12日に東京・Bunkamuiraオーチャードホールで開催される。前回、前々回に引き続き、そのオーケストラと初音ミクの音が交わるステージの裏側を支えることぶきの言葉を紹介したい。コンサートは、冨田さんが遺した音を再現することだけでなく、舞台上に投影されるミクと、実際のダンサー・風間無限の共演も見どころとなる。また、タックヘッドなどのダブアーティストを輩出してきたイギリスのレーベル・On-Uサウンドの設立者で、ナイン・インチ・ネイルズやアインシュテュルツェンデ・ノイバウテンといったインダストリアルアーティストのプロデューサーとしても知られるエイドリアン・シャーウッドが冨田さんの代表曲「惑星 The Planets」をリミックスすることも大きな注目点だ。「イーハトーヴ交響曲」の再演、ミクたちのダンスも見られる冨田さんの遺作「ドクター・コッペリウス」の上演、エイドリアンによる「惑星」の再解釈…公演ではこの3点から、冨田さんの遺志を引き継いだ音を響かせつつ、オーディエンスに新たな未来を提示する。ことぶきは、その演奏面だけでなく映像の演出面やリミックスの素材制作の面でもコンサートの裏側をサポートしている。一見、ハードワークにさえ思えるそんな活動を通じて、彼がオーディエンスに届けたい思いとは。晩年の冨田さんとの仕事で抱いた感触なども思い返しながら、ことぶきはそれを言葉にしてくれた。○何でここまで繋がるのか――お話を伺っていると、幼少時から当時のP-MODELでの活動、そして現在の冨田さんのお仕事は繋がっている部分が多々ありますね。ね、それ自体がすごいよね。飲み屋で冨田先生に何でモーグを買ったのか聞いたら、ウェンディの話が出てきて。しかも70年の万博の時に大阪に行って、現地のレコード屋さんで見つけたのかな。性転換直前…ウォルターの頃のジャケを見て買って。「これは!」と思ってモーグも買った訳ですよね。そんな流れとか、あとはオケとコンピュータの同期の話とか、冨田先生がやっていたサウンドクラウドとかにも繋がってるというのもある。「何でここまで繋がるのか」っていう話はご本人ともしてましたね。――「イーハトーヴ交響曲」の始動が12年ですよね。NHKの特別ドキュメンタリー『音で描く賢治の宇宙~冨田勲×初音ミク 異次元コラボ~』(13年放送)でもサウンド設定に苦労されている姿が捉えられていました。実際にはいつくらいから打ち合わせが始まったのでしょう。初めて声がかかったのは、その年の6月頃じゃないですかね。(交響曲の)構想自体は多分ずっと前からあって、音も作っていって、実際にライブで披露するというのは一番後なので。話をいただいてからは、実のところ3カ月くらいでやりました。○"共有感"を喜んでもらえていたのでは――そんなに短期間だと相当疲れたんじゃないですか。いや、それはないです。よく「俺は何時間しか寝てねぇ」とか自慢するヤツいるじゃないですか。でも例えば、何もやることがないまま3日寝られないっていうのは病気ですよね。そこでもう1つ考えられるのは、アイデアが降りてきてしょうがなくて、冴えて寝られないというパターン。そう思うと、「俺は何時間寝てねぇ」って人は「俺はこれくらい才能があるんだ!」と言って回っているのと同じですよね。そうじゃなきゃ、本当に倒れるように寝ちゃうはず。本当に寝られない時というのは良い意味で寝られないので、そこに疲れるとかしんどいというのは一切ないですね。――インスピレーションも次々湧くような楽しみながらのお仕事だったんですね。冨田先生から夜中とか朝5時とかに電話がきて、思いついたことをめちゃくちゃ言ってて。最初は「あれ、まだ起きてたの」とか言ってくれるんだけど、どんどんそれがなくなってくる。そうなると、誤解かもしれないけども、僕も「冨田先生も喜んでくれてるのかな?」と思ってね。寝てなきゃいけない時間に作業してるということ自体がうれしそうな感じ、世間一般とは違う時間感覚で物を作れてるということがうれしい感じ。昼間でも夜でも関係なく、そういう時間軸じゃないところで物を作ってるんだという。おこがましいけど、そんな"共有感"を喜んでくれてたんじゃないかと思ってます。――他に共作する中での印象に残ったエピソードはありますか。一つ一つ印象は強いです。音の仕組みとかを瞬間的に理解できるというのも他の人ではあり得ないし。そこにメーカーのスポンサーが入った場合、彼らも自分の開発物を売らなきゃいけないから、機能として何ができるかっていうスペックをアピールしますよね。でも、その情報は現場ではほぼ使い物にならない。冨田先生は、メーカーが言うのとは別のところで現場的に何が使えるかを瞬時に察する感覚というのを理解されていた。おこがましいですが、そのステップを一歩超えたところで、飲みに連れて行っていただいてお話してくれたのが本当にうれしかったですね。●ミクとオケのスペースバレエシンフォニーを体感してほしい○アイデアは先人に生んでもらった――今回の公演では音の面だけでなく映像にも関わってらっしゃると伺いました。そちらはどういう段階までディレクションなさっているのでしょう。僕は絵とかCGとかわからないので…振り付けとかにも口出ししていると思われたりもしますが、ダンスも全然(笑)。なので、雰囲気だけ伝えて、基本はお任せですね。ただ、作業スピードを上げるために、撮り方のシステム自体は組んでて。ゲームでやるようなモーションキャプチャーのシステムとは違うやり方で撮ってるというのは、一つあるんです。仕事のスピードって、作品に影響するじゃないですか。すごいスピードで進行している感じを作り上げるために、その仕組みを提供しています。――そのアイデアは一から作ってらっしゃるんですか?いや僕のステージじゃないのもありますから、そこは(着想を)誰かに生んでもらったっていう。先人のおかげですよ。やっぱり先人への畏敬が全部のベースにあって。ちなみに基礎技術開発みたいなのは、また別途あります。なぜそれが別途かと言えば時間がかかるからですね。基礎技術って、使えるようになるまでに何年もかかったりするもんだから。それをゼロから作る必要はなくて、基礎技術開発の選択の組み合わせでイノベーションが起きる…そこを狙ってます。かと言って、開発をしてないわけでもなくて、何年後かのために常にやってもいます。――エイドリアンのパフォーマンスにも企画当初から関わってらっしゃるんですよね。初期段階から、「やってもらうならエイドリアンしかいない」というのがありました。冨田先生の世界観にある意味でのハサミを入れられる人は多分、エイドリアンかリー・ペリーかどっちかじゃないですかね(笑)。打ち合わせは、メールベースで「こういう風にアプローチしよう」といったやり取りして、サウンドファイルも送っているんですが「聴いてないけど、良いんじゃない」って(笑)。――それは信頼されているということですよね(笑)。何かすごい余裕とスケール感を感じちゃいますね。ほっといても大丈夫だと思われてるのかな。○初音ミクはクリエイトの母、冨田さんが父――ことぶきさんは、二足歩行シンセのように枠組みにとらわれず色んなデバイスを作ってらっしゃいますよね。ご自身から見た初音ミクはどのようなものでしょう。クリエイトの母ですかね。要するに、それがルーターみたいなハブみたいな機能を果たしていると思うんです。それをベースに何かを作れるっていう意味ではものすごい存在ですよね。初音ミクという母がいて、冨田先生という父がいて、僕らはステージに向かって作っていけています。――最後に今回は冨田さんの追悼公演という側面が一つあると思うのですが、冨田さんの遺志をオーディエンスに届けるという部分もあるかと思います。そこで、ことぶきさんとしてオーディエンスに伝えたいことを教えてください。スペースバレエシンフォニー。これ、3月終わりか4月頭に冨田先生に言った時は、全然真に受けられなくて、シャレみたいに受け止められちゃったところもあるかもしれないけど(笑)。コンピュータとオーケストラのスペースバレエシンフォニーを感じていただきたいです。■プロフィールことぶき光1964年3月30日生まれ。北海道出身。80年代半ばから、あがた森魚や鈴木慶一らのバックのキーボーディストとなり、プロのアーティストとして音楽活動を開始。87年に平沢進率いるテクノポップバンド・P-MODELに参加。バンドは一旦"凍結"と呼ばれる活動休止期間を迎えるが、その間も89年にソロデビューした平沢の活動をサポートしてきた。"解凍"と称して期間限定で再結成したP-MODELでは"ヒューマン・クロック"と呼ばれる同期システムを構築。ライブでのパフォーマンス面でも自身の横や背後、時には真上にまでシンセサイザーを並べた強烈なプレイスタイルで、"キーボード妖怪"と評された。P-MODELが再び活動休止期間に入り、バンドを脱退。カンボジアなど諸外国でも音楽活動を送っていたが、戸川純率いるヤプーズのライオン・メリィらと共にプノンペン・モデルを結成。現在でも活動を続けている。また02年には、中野テルヲや福間創ら元P-MODELのメンバーも参加したソロアルバム『mosaic via post』をリリース。09年には、自身やかつてのP-MODELのメンバーの名前をもじったキャラクターが登場し大ヒットしたアニメ『けいおん!』も放送され、さらなる注目を浴びる機会も増えていた。12年、冨田さんの「イーハトーヴ交響曲」の初演にエレクトロニクスというパートで参加。"ヒューマン・クロック"を使用したシステムを披露し、オーケストラと初音ミクが共存するステージを成立させる主要メンバーの1人となった。■公演情報冨田勲 追悼特別公演「冨田勲×初音ミク『ドクター・コッペリウス』」日時: 11月11日 開場18:00/開演19:0011月12日開場12:30/開演13:30 開場17:00/18:00 (2公演)会場:東京・Bunkamuraオーチャードホールチケット料金:S席10,000円/A席 8,500円(税込/発売中)出演:渡辺一正/東京フィルハーモニー交響楽団/エイドリアン・シャーウッド/風間無限/ことぶき光/初音ミクほか
2016年10月26日●解凍P-MODELと平沢進ソロでの"ライブの方法"で課題をクリア2016年5月に亡くなった冨田勲さんの追悼公演が11月11日、12日に東京・Bunkamuraオーチャードホールで開催される。前回に引き続き、そのオーケストラと初音ミクの音が交わるステージの裏側を支えることぶき光の言葉を紹介したい。冨田さんとの共演での課題となるのは、躍動的な生楽器たるオーケストレーションと統制された電子音たるミクの音をいかにして適切なタイミングで重ね合わせるか、そして両者を違和感なくオーディエンスに聴かせるかといった問題だ。ことぶきと冨田さんの仕事は、2012年の「イーハトーヴ交響曲」の初演以来であるが、これらの課題をクリアするカギは20年以上も前、90年代初頭の解凍P-MODELでのパフォーマンスや平沢進のソロライブにあったという。解凍P-MODELとは、"凍結"と呼ばれる一旦の活動休止期間をおいて、91年から93年に"解凍"と称して再始動していた時期の同バンドを指す。ことぶきは解凍以前よりP-MODELに参加していたが、その時のレコーディングの成果は残念ながらライブ映像音源としてしか残されていない。一方で解凍P-MODELは、凍結以前よりも積極的にシーケンサーやサンプラーといったデジタル機材の使用を前面に押し出し、洪水のような電子音とバンドアンサンブルとが共存した、クラブシーンなどとも異なるテクノサウンドを展開。そのステージでことぶきは、当時のドラマー・藤井ヤスチカが刻むバスドラムから、全体のシーケンサーを回す"ヒューマン・クロック"と呼ばれるシステムを披露。自身を取り囲むようにシンセを縦(!)に並べた奇抜なパフォーマンスもみせ、そのアクロバティックなスタイルから"キーボード妖怪"とも評された。"ヒューマン・クロック"のシステムは、冨田さんと共に作り上げてきたステージの核の一つ。第2回は、その点に着目しながら、解凍P-MODEL時代の逸話や平沢との楽曲制作の裏側までを振り返ってもらったエピソードを中心にお伝えしたい。○解凍P-MODELの映像を見た冨田さんが「できるじゃん」って――冨田さんのお仕事の話も少しずつ出始めたところで、今回のコンサートでのことぶきさんの役割をあらためて教えていただけますか。プレイヤーとしてのエレクトロニクス奏者というのが1つあります。それらを含んだ同期とかシステムの枠組みを作る役割、それと舞台の演出という役割、その3つですね。――冨田さんから声がかかったのはいつ頃ですか?「イーハトーヴ交響曲」の仕込みの段階。シンク(同期)システムとか"ヒューマン・クロック"で周りを走らせる仕組みをどうやって作るかと試行錯誤していた時ですね。――"ヒューマン・クロック"というと解凍P-MODELで使われていた手法ですよね。よくご存じで! まさにそうなんですけど、でもそれって今になって分かる話で。90年代当時のオーディエンスは誰も気付いてなかった。ただ、それは知らなくて良いことで。例えば劇団四季やディズニーランドが「私たちはこういうシステムでやってます」と説明するわけないじゃないですか。むしろバレない方が良い。でもなぜこのように、舞台裏の話を聞いていただいているかというと営業、要は金の話です。そして、なぜこれが必要かというと、次を作れないから。今思えば、こういうのって2、30年前にはある意味、必要なかったのかもね。それか、僕らがバカすぎて気付いてなかったか(笑)。――冨田さんは、その解凍P-MODELでのことぶきさんのプレイをご存じだったんですか。仕込みの初期段階で「例えばこういうことです」と『BITMAP 1979-1992』(92年)*なんかの映像を見てもらいました。と言うのも、「テンポを30%以上の揺らぎで制御するなんて無理だよね?」って話を振られてね。冨田先生も色んなシステムを作っていて、すごく現場をご存じ…むしろオーソリティー(権威)なくらいですが、「いや僕ら30%以上どころか完全に(演奏を)止めてからBPM180まで、0から加速していくみたいなのをやってましたので、OKです」って返すと「えー!?」と驚かれたんですよね。それで実際に映像を見てもらったら「できるんじゃん」って。*『BITMAP 1979-1992』:解凍P-MODELのツアーを収めたライブVHS。2014年にはDVDとして再発された。○冨田さんとの2つの課題――当時の「NO ROOM」の演奏なんてまさにそれでしたね。一度止めて、一気に加速するという。まさにそう! ああいうのはクラシック界、ハイ・アート*の世界だと、多分雑に見えると思うんだ。でもぶっちゃけ、ハイ・アートの方が中身だけ見れば雑なんだよね。彼らのテンポの揺れってハンパない。そのズレを人数で上塗りして作り上げている、つまり目くらまし戦法のものすごいやり方です。もっと言えばオーケストラって装置は、人数を重ねるために倍音を削ってるわけじゃないですか。弦1本弾けば世界観ができる楽器の豊かな倍音をわざわざ削って、音の豊かさも消したがゆえに人数を重ねることによって、別の音色を作り上げることが可能になった。なので揺らぎはあったほうが、あの世界を出すためには有効で。それを冨田先生はシンセでやっちゃったわけだ。シンセのダメなところとして単音の中に入ってる情報量があまりにも少ないということがよく言われますよね。ただ、それだったらオケの楽器の方が一つ一つで見ればもっと少ない。なぜ皆が「オケ楽器の音は豊かな音響を作れる」という勘違いをしてるかと言えば、(音を)重ねてるからです。それを冨田先生は理解しちゃった。何の性格も持たないものにリメイクしちゃった楽器の音を、あえて人数重ねて別の音響感を作るやり方。それをシンセでやったのが冨田先生なんですよ。*ハイ・アート:ポップ・ミュージックなどの大衆芸術(ロー・アート)に対して、理解するのに一定の教養を必要とする芸術のこと。クラシック音楽や古典的な演劇、絵画など。*倍音:基本となる音の周波数に対して2倍以上の周波数を持つ音。音には正倍数の倍音が含まれている。ギターやベースのハーモニクス奏法などでも身近に知られる。――"ヒューマン・クロック"の仕組みは今回のコンサートでも生かされてるんですね。そうです。やってることは何年も変わってないですね(笑)。――冨田さんには、平沢さんのソロライブ映像も見せられたと伺いました。それは「Orchestral Manoeuvres In The Nurse」*ですか?何で知ってるんですか(笑)。その通りです。冨田先生との仕事にはテーマとなる課題が2つありました。1つは"ヒューマン・クロック"での同期をどうするか、もう1つはオケとコンピュータをどうやって共存させるか。前者は『BITMAP 1979-1992』を、後者を平沢さんソロのものを、それぞれ参考にしながらやってみました。*「Orchestral Manoeuvres In The Nurse」:90年に行われた平沢のソロライブ。電子音を基調としながら、看護師の仮装をした生楽器の演奏チームがバックにつき、ことぶきもキーボーディストとして参加していた。公演タイトルは、70年代から活動しているシンセ・ポップバンド、オーケストラル・マヌヴァーズ・イン・ザ・ダークのもじり。●物を作るために「条件下で何ができるか」を楽しむ○"ピコる精神"としての『スウィッチト・オン・バッハ』――先に『スウィッチト・オン・バッハ』の話が出ましたが90年代当時、平沢さんからの勧めがあって聴かれたという経緯もあるんですよね。そうそう。どうやってP-MODELを解凍させるかって話を2人で散々してた時、"ピコる精神"の音楽を作ろうって平沢さんがおっしゃって。「それは何だ?」と話してたら、リファレンス(参考音源)のような扱いで「『スウィッチト・オン・バッハ』を聴け」って言われたんですよ。当時からCD含めて音楽は買わなくなってたんですけどね。――それは学生の頃からですか?中2までは、底が抜けるくらい散々買いました。でも自分で作るようになってからは他人の音楽は全く聴かなくなった。伊福部昭さんの作曲本に「作曲を志す人間は音楽を聴いちゃダメだ」って書いてあったんです。「中途半端に毒された音を聴いちゃうと作曲ができなくなるから聴くな」と。○"元をとる"ために生まれた「2D OR NOT 2D」――なるほど。それでも『スウィッチト・オン・バッハ』は買われたんですよね。そう、金を払ってわざわざ買った。でも良くなかったです。平沢さんには「何てものを聴かせるんだ」って言ったんですけども。「まぁ自分の意思で買ったんだし」って返されちゃった(笑)。それで、これは(アルバム代金分の)元をとんなきゃいけないって、また曲を作りました。でも、何がしかのことがあって、その元を取るために次何やるかを決めるというのは、今でも全てにおいてそうです。言い方を変えれば「条件下で何ができるか」という作り方です。――それで完成した曲は『P-MODEL』(92年)に入っている楽曲ですか?「2D OR NOT 2D」ですね。あれは、僕が全部オケを作って…歌メロも作ってたんだけども、平沢さんがボーカルブースに入って、全然違う風に歌っちゃってね(笑)。スタジオに入る前の音を作ってる段階では、平沢さんはいなかったですね。僕と当時のエンジニアとマネージャーの3人でトラックを作って、その後、多分僕がジェットコースターに乗りに富士急ハイランドに行ってる間に平沢さんが全然違う歌にしちゃってましたね。まぁそういうのもアリかな(笑)。○具体的な個人に向けないと作り始められない――その偶然を楽しむ感覚は、冨田さんとの仕事にも感じられます。「条件下で何ができるか」ね。ちなみにこれから演出面で、キューブ型のパイプを12本はわせて上に吊るす装置のテストするんだけども、それが内径3600ミリなんです。なぜ3600かって言うと、4000ミリにすると上の蛍光灯にぶつかって割れちゃうから。そんな風に、全部条件下で決めてますね。例えば、曲をためてやりくりしてる人がいますけど、僕は全然そういうのを信用してなくて。少なくとも僕自身は、具体的に誰かに向かって作るというのが無ければ、事を始められない。一応、聞かれたら「皆さんに喜んでもらうために」とか言ってますけど、実際それを成し得るには、当然ながら物ができなきゃいけない訳です。その上で、まず誰のために作るか。それは、端的に言えばディレクターに向けてです。担当ディレクターが一番喜ぶ物を作って、その先に皆の喜ぶ顔があるわけで。――そこをクリアしないことは先にアプローチできないということですね。そうそう。冨田先生みたいな崇高なキャリアがある方であれば、作ったら世界の人を喜ばせることができるでしょう。創作と聴き手がイコールで直結してる。でも僕クラスの人間がそれを言うのはおこがましくて。その前に世界にリーチできる物を作らねばならない。そのためには、具体的な誰か個人に向けて作らないと、というのがあります。ここまで話を聞いてみると、幼少時から現在の活動まで、ことぶきが体験してきたことは、全て一つの線で結ぶことができるのではないかという思いが湧き出てくる。それに、「具体的な個人に向けて作らないと事を始められない」との言葉は、冨田さんとの仕事での姿勢を示唆しているようにも感じられる。それは、冨田さんの作った曲を舞台上で再現することにあった。その再現性自体もまた一つの作品と言えるのではないか。次回紹介する、冨田さんと過ごしてきた時間の中でのエピソードは、そんなことぶきが冨田さんという個人に向けて作ってきたとも言えるだろう音の背景をのぞかせるものだ。■プロフィールことぶき光1964年3月30日生まれ。北海道出身。80年代半ばから、あがた森魚や鈴木慶一らのバックのキーボーディストとなり、プロのアーティストとして音楽活動を開始。87年に平沢進率いるテクノポップバンド・P-MODELに参加。バンドは一旦"凍結"と呼ばれる活動休止期間を迎えるが、その間も89年にソロデビューした平沢の活動をサポートしてきた。"解凍"と称して期間限定で再結成したP-MODELでは"ヒューマン・クロック"と呼ばれる同期システムを構築。ライブでのパフォーマンス面でも自身の横や背後、時には真上にまでシンセサイザーを並べた強烈なプレイスタイルで、"キーボード妖怪"と評された。P-MODELが再び活動休止期間に入り、バンドを脱退。カンボジアなど諸外国でも音楽活動を送っていたが、戸川純率いるヤプーズのライオン・メリィらと共にプノンペン・モデルを結成。現在でも活動を続けている。また02年には、中野テルヲや福間創ら元P-MODELのメンバーも参加したソロアルバム『mosaic via post』をリリース。09年には、自身やかつてのP-MODELのメンバーの名前をもじったキャラクターが登場し大ヒットしたアニメ『けいおん!』も放送され、さらなる注目を浴びる機会も増えていた。12年、冨田さんの「イーハトーヴ交響曲」の初演にエレクトロニクスというパートで参加。"ヒューマン・クロック"を使用したシステムを披露し、オーケストラと初音ミクが共存するステージを成立させる主要メンバーの1人となった。■公演情報冨田勲 追悼特別公演「冨田勲×初音ミク『ドクター・コッペリウス』」日時: 11月11日 開場18:00/開演19:0011月12日開場12:30/開演13:30 開場17:00/18:00 (2公演)会場:東京・Bunkamuraオーチャードホールチケット料金:S席10,000円/A席 8,500円(税込/発売中)出演:渡辺一正/東京フィルハーモニー交響楽団/エイドリアン・シャーウッド/風間無限/ことぶき光/初音ミクほか
2016年10月24日●すごい音を体験しちゃった2016年5月、電子音楽の巨匠・冨田勲さんが、84歳でその生涯の幕を閉じた。冨田さんは生前、1950年代に活動を開始。NHKなどのテレビ番組の音楽を作曲しながら、60年代末にアナログ・シンセサイザーのモーグに出会い衝撃を受ける。74年には、モーグを使って、ドビュッシーの楽曲を再解釈したアルバム『月の光』を発表。クラシカルでありながら時代の先端を鳴らしたサウンドは世間の注目をさらい、国内電子音楽の歴史を大きく塗り替えた。その後も、それまでの音楽を現代的に解釈し直した作品を発表しながら、常に先鋭となるべき音を求め続け、晩年はボーカロイド・初音ミクをソリストに迎えた「イーハトーヴ交響曲」を制作。12年の初演では、日本フィルハーモニー交響楽団とミクの歌声が融合するパフォーマンスを披露して話題を集めた。しかし、オーケストラとボーカロイドの音を有機的にミックスしながら、ライブとして臨機応変に対応するのは容易なことではない。それを可能にした主要メンバーの1人が、現在はプノンペン・モデル、かつては平沢進率いるテクノポップバンド・P-MODELの一員として活動していたことでも知られる電子音楽家・ことぶき光だ。解凍P-MODELのステージで"ヒューマン・クロック"と呼ばれるバンドサウンドと電子音を同期させるシステムも披露してきた彼は、その経験から冨田さんのミクを用いたステージも強力に支えてきた。ことぶきは、11月11、12日に東京・Bunkamuraオーチャードホールで行われる冨田さんの追悼公演「冨田勲×初音ミク『ドクター・コッペリウス』」も全面的にバックアップ。コンサートは、「イーハトーヴ交響曲」の再演に加え、冨田さんが最期まで公開を夢見て制作していた「ドクター・コッペリウス」の初上演、エイドリアン・シャーウッドによる冨田さんの代表作「惑星 The Planet」のリミックスパフォーマンスで構成される。この冨田さんの遺志を受け継いだ公演を前に、ことぶきはどのような思いを持っているのか。それを聞いてみたところ、コンサートの舞台裏だけでなく、"冨田サウンド"との出会い、音楽制作への向き合い方、P-MODEL時代の秘話、冨田さんと共演してきた上での思い出、そしてプライベートでの音楽体験にいたるまで、さまざまなエピソードを饒舌に語ってくれた。これを3回にわたってお伝えする。第1回は、幼少時に大阪万博で受けた大きな衝撃から、シンセサイザーを手にするまで、アーティストデビュー以前の彼の物語を紹介したい。○万博で全部経験しちゃった――ことぶきさんが最初に冨田さんの音楽を聴かれたのはいつ頃でしたか。テレビを介して気が付いてたら聴いてましたね。それこそ大河ドラマとかの劇伴は、20世紀音楽の開花と言えるようなインパクトで。僕のような世代は、日常的にすごいものを聴いてた訳ですよ。60年代、70年代にね。――大阪万博の頃(70年3月~9月に開催)くらいですかね。まさにそう。僕は全部を万博で体験しちゃったんです。幼稚園の卒園式を抜け出して行ったんですけども。――卒園式を!?小学校に上がるタイミングでちょうど大阪万博があったんです。そこで、お祭り広場に行く途中、松平頼暁*さんの作った曲が流れてたのを聴いちゃった。ただ、僕は1週間くらい通ったんですけど、松平さんの音楽はその途中ですぐ中止になって。コンパニオン全員が体調不良になるという当時の事件があったんですね。松平さんは独特な楽理で音を構築していて、それが影響しちゃったんだ。その話を07年か08年に松平さん本人から聞いて、「わー」って思っちゃって。そのようなことが幾つかあって、冨田先生とお話しできた時も、僕が万博で体験しちゃったものの裏側を40、50年後に作家本人から聞けたっていう…これはもう信じがたいことで。万博の後に、半分くらいの作家は皆、死んじゃうわけですから。すごい音を70年に全部、体験しちゃった。*松平頼暁:現代音楽作曲家。50年代後期からさまざまなオーケストラ、ピアノの楽曲を制作している。○小学校以降は"余生"――5、6歳でそこまで大きなショックがあったんですね。僕、小学校以降は全部"余生"だと思ってて。それまでの体験を何十年もたった後に分析してるくらいです。それは大きなポイントで、今、学生に音楽を教えてもいるんですけど、何も作ったことのない人間に音楽を教えても、ほぼ意味がない。例えば、音楽大学の作曲科の生徒に教えるとします。あの世界は積み上げられたメソッドが分厚くあって、対位法とか和声法とかを一からやりながら、楽器の奏法も修得しなきゃいけない。これじゃ10年とかすぐたっちゃう。*対位法・和声法:対位法は一つ一つのパートの独自性を保ちつつ、複数のメロディを重ね合わせる手法。和声法は主となるメロディに対して、どのようなハーモニーを接続するかに重きを置いて音を作っていく手法。――理論的な部分からガチガチで攻めるわけですね。と言うより、何を何カ月でマスターして次に行くって手順が決まってるんです。彼らって、それを修得しなかったら作品は作れないと思ってるんですよ。――え、そうなんですか? フィーリングではダメ?彼らは練習課題として色んなものを作りながら、最終的に自分自身の作品を作るための訓練を10年以上かけてやってる。それに、音大は義務教育の中で教わった内容だけでなく、特殊訓練を受けなきゃ受験もできない。訓練を何年も受け続けてる子どもたち、そして何でも知ってる子どもたち、その学生が何も作れないっていう事実ね。その一方で、特訓もせず、ほとんど何も学んでないままに、自分の持ったポップミュージックのセンスを信じて何かを作ってる"バカ"たちもいる訳です。でも、両者を並べた時にどっちに可能性があるかは明らかですよね。"バカ"の方は自分で音楽を作って、後から分析して次のステップに行くんです。ただ、それができるようになるためには早い段階、吸収力がピークに達している段階で、何らかの音楽的な洗礼を受ける必要が恐らくあって。僕はそれが6歳頃だった。まぁ僕が何か作ったわけじゃなくて、ただ聴いたってだけですけど(笑)。それでも、後はもういいやって感じでしたね。それくらい本当にデカい出来事でした。――とすると、6歳という絶妙なタイミングで冨田さんの音楽にも衝撃を受けられたのでしょうか。ただ、その時には"冨田サウンド"とは気付いてなかったですね。(カールハインツ・)シュトックハウゼンにしても冨田先生にしても、テレビで流れていたので、それが普通だと思ってました。誰の作ったものかって意識し出したのは後からですね。●僕らがやっていけるのは「冨田先生がいたから」○冨田さんの名前は「街の事情で知った」――それはいつ頃でした?その後、図らずも住んでた街の事情でピアノ教室に通わざるを得なくなって。ピアノを習ってる女子は4人いたんだけど、男がいなかったんです。そこで、ピアノの先生が「男子を生徒としてどうしても入れたい」って言うので、僕が行くことになった。生徒が何人以上、男女比何割っていうのがフランチャイズ経営で決められていたらしいんですよ。それをクリアしないと教室がなくなってしまうという。――ノルマですね(笑)。そういう事情で入れられちゃって。そこで先生から冨田勲の名前を聞いた。それも今思えば偶然で、ある種の"おかげ"ですね。その時が小学2、3年かな。○シンセサイザーとの出会い――それが初めてじっくりと楽器に取り組んだ時になるんですよね。最初からシンセサイザーを使ってらっしゃるイメージだったので意外です。シンセサイザーを、その時はまだ知らなかったですね。8歳だから、72年か…その時期だと、『スウィッチト・オン・バッハ』(68年)*はリリースされてると思うんだけども、その当時はシンセサイザーを知らなくて、『NHKニュースおはよう日本』がきっかけでした。「世の中のあらゆるサウンドを再現できるマシンが登場した!」って触れ込みでシンセがテレビに出ちゃった訳ですよ。その頃の僕は、地元ではあり得ないくらいのお年玉をもらう子どもだったんで、「これは大変だ」って、お金をかき集めて買いに行きましたね。*『スウィッチト・オン・バッハ』:後に性転換を経験するウェンディ・カルロス(発表当時はウォルター・カルロス名義)がモーグ・シンセサイザーを駆使してバッハの演奏を再現したアルバムで、日本国内の電子音楽アーティストにも多大な影響を与えた。モーグを全面的に使用した作品では初のミリオンセラーを記録したアルバムでもある。――小学生で?それは多分、中学2年ですね。と言うのも、72年の段階だと、そもそも冨田先生が買ったような1,000万円レベルのシンセしかなかったので。○大前提にあるのは先人への畏敬――当時の冨田さんと言えば、モーグですものね。そうそう(笑)。でもモーグ*は、テレビで映されてなかったです。紹介されるようになったのは、冨田先生が『月の光』(74年)とかをリリースして売れた後、「この音を作った楽器は何なんだ!?」っていう声が出始めて。それから30年たった今、11月のコンサートでいなくなった冨田先生を、復活させるんです。これは、ある種のリミックスですね。冨田勲という存在自体をリミックスしてる。まぁ、そんな冨田先生のモーグの登場を受けて日本のメーカーがコンシューマーレベルの…10、20万円の機材を出し始める。まだ手を出せる範囲での減算方式のシンセの原型が現れたのは70年代後半くらいですね。*モーグ:ロバート・モーグ博士が開発した革命的なアナログ・シンセサイザー。ザ・ビートルズやクラフトワークをはじめとして、さまざまなジャンルのアーティストの作品に使用され、現在でも国内外問わず非常に高い人気を集めている名機。流通しているものは非常に高価。――MS-20とか?おっしゃる通り。僕は後に、エレキギターのアウトプットを3本に分岐して、それぞれをMS-20*に繋げて演奏するようになるんですが、そんなマシンを持って、ある国に行った時は「日本から来たMS-20を同時に操る人間」といった一定の評価を受けています。「なぜか?」と考えると、冨田先生がいたからです。それも完全に"おかげ"で。そんなところから僕は、先人への畏敬というのが、まず前提としてあって。冨田先生がやってくれたから、僕らが外国でそのようにやっていける、大きな事実がある訳です。話を戻すと、NHKの朝の番組では、(実際にはその前からあるけれど)シンセっていうのが「世の中に登場した」って言い方で紹介されていたと記憶しています。「世の中のあらゆるサウンドを再現できる。例えば猫の声」とかね。で、自分で買って、実際に操作してみると、確かに猫の声は出ました。でも、猫の声しか出なかった。そこで「ああ、これがシンセか」と。それで1回は離れちゃいました。*MS-20:VCO、VCF、VCA、EGを2系統搭載していた、コルグのアナログのモノフォニック・シンセサイザー。P-MODELでも田中靖美が使用したように、1978年発売当時からプロアマ問わず多くのアーティストから関心が寄せられた。現在は、コルグから当時のアナログ回路を完全再現した小型版も発売されている。アーティストとしてのデビュー前、6歳の頃の大阪万博での衝撃から音楽に惹かれてきたことぶき光。中学2年生でシンセを初めて購入するまでの期間にも、冨田さんの影はそこかしこに見られた。そんなことぶきは、その後何十年もたってから冨田さんとの共演を果たす。用いられていた同期の仕組みは90年代初頭にP-MODELの一員として、披露していたもの。次回は、そんなP-MODEL時代の平沢とのエピソードなどの舞台裏から冨田さんとの仕事にいたるまでの間を振り返ってもらっている。■プロフィールことぶき光1964年3月30日生まれ。北海道出身。80年代半ばから、あがた森魚や鈴木慶一らのバックのキーボーディストとなり、プロのアーティストとして音楽活動を開始。87年に平沢進率いるテクノポップバンド・P-MODELに参加。バンドは一旦"凍結"と呼ばれる活動休止期間を迎えるが、その間も89年にソロデビューした平沢の活動をサポートしてきた。"解凍"と称して期間限定で再結成したP-MODELでは"ヒューマン・クロック"と呼ばれる同期システムを構築。ライブでのパフォーマンス面でも自身の横や背後、時には真上にまでシンセサイザーを並べた強烈なプレイスタイルで、"キーボード妖怪"と評された。P-MODELが再び活動休止期間に入り、バンドを脱退。カンボジアなど諸外国でも音楽活動を送っていたが、戸川純率いるヤプーズのライオン・メリィらと共にプノンペン・モデルを結成。現在でも活動を続けている。また02年には、中野テルヲや福間創ら元P-MODELのメンバーも参加したソロアルバム『mosaic via post』をリリース。09年には、自身やかつてのP-MODELのメンバーの名前をもじったキャラクターが登場し大ヒットしたアニメ『けいおん!』も放送され、さらなる注目を浴びる機会も増えていた。12年、冨田さんの「イーハトーヴ交響曲」の初演にエレクトロニクスというパートで参加。"ヒューマン・クロック"を使用したシステムを披露し、オーケストラと初音ミクが共存するステージを成立させる主要メンバーの1人となった。■公演情報冨田勲 追悼特別公演「冨田勲×初音ミク『ドクター・コッペリウス』」日時: 11月11日 開場18:00/開演19:0011月12日開場12:30/開演13:30 開場17:00/18:00 (2公演)会場:東京・Bunkamuraオーチャードホールチケット料金:S席10,000円/A席 8,500円(税込/発売中)出演:渡辺一正/東京フィルハーモニー交響楽団/エイドリアン・シャーウッド/風間無限/ことぶき光/初音ミクほか
2016年10月21日スキンケア・メーキャップの総合ブランド「dプログラム」では、2016年4月よりスペシャルコラボ企画として、幅広い世代で人気の「リカちゃん」に30代OL役を演じてもらい、“振り回され女子代表”のキャラクターとしてプロモーションに起用。8月22日からはコラボ企画第2弾として、「“振り回され女子お助け”プレゼントキャンペーン」を開催している。“振り回され女子お助け”プレゼントキャンペーンとは?コラボ企画第1弾では、一般女性から「振り回されエピソード」を募集したところ、多くの女性がさまざまなストレスに振り回されていることが分かった。今回は、そんな恋や仕事、子育てや自分の年齢、そして急な肌あれに振り回されがちな働く女性を助けるべく、8月22日(月)よりスペシャルコラボ企画第2弾として「“振り回され女子お助け”プレゼント キャンペーン」をスタート。Twitterによる応募で、「dプログラム 新パッケージ化粧水・乳液」や「OLリカのつぶやき付箋」などが抽選で当たるキャンペーンとなっている。・期間 : 8月22日(月)~10月20日(木) ・応募方法 : 「dプログラム」の公式 Twitterアカウントをフォローし、応募ボタンからTwitterへアクセスしてリツイート。当選者にのみ、「dプログラム」からダイレクトメッセージが届く。・商品:「dプログラム新パッケージ化粧水・乳液」 (抽選で100名) ※10月末ごろ発送予定「OLリカのつぶやき付箋」 (抽選で300名) ※10月末ごろ発送予定「OLリカのつぶやき付箋」は4タイプの付箋で構成され、3タイプは働く振り回され女子の「普段言いたくても言いにくいこと」を代弁してくれる実用的(!?)なもの、残り1タイプはフリーでコメントを記載できる付箋となっている。「dプログラム」化粧水・乳液のパッケージがリニューアル「dプログラム」では、2016年8月21日(日)より化粧水・乳液のパッケージを一新。カプセルのような丸みのある形状にリニューアルした。肌あれをくり返しがちな「ときどき敏感肌」の肌を守りながら育み、いつ見られてもきれいな素肌に導く。またデリケート肌に配慮し、清潔さを保ちながら安心して使えるつけかえ用レフィル容器を採用している。【参考】※「dプログラム」“振り回され女子お助け”プレゼントキャンペーン ※「dプログラム」ブランドサイト
2016年08月25日リカちゃん発のブランド「LiccA(リカ)」とコラボレーションしたアイウェア「ルームルーム ラブズ リカ」が、2016年7月22日(金)より「オプティックパリミキ(OPTIQUE PARIS MIKI)」系列店舗にて発売される。「LiccA(リカ)」は、大人の女性が楽しめることをコンセプトに誕生したリカちゃんのブランド。今回のコラボレーションでは、レトロな千鳥格子柄やパール調のカラーリング、ローズ柄などをフレームのデザインに採用し、リカちゃんの世界観を大人かわいく表現した。4種類の型・柄があり、それぞれ4色の計16種類で展開。オリジナルデザインのメガネクロス製ソフトケースが付属する。【詳細】 ルームルーム ラブズ リカ発売日:2016年7月22日(金)販売店:全国のオプティックパリミキ(OPTIQUE PARIS MIKI)系列店舗価格:9,800円(税込)種類:全4型16種付属品:メガネクロス製ソフトケース
2016年06月20日「リカちゃん」×「ウェディング」をテーマにした特別展「リカちゃんが夢見るウェディング Licca's Sweet Wedding」が、神奈川・横浜人形の家で開催される。期間は2016年7月10日(日)まで。ウェディングをイメージした会場には、ウェディングドレスや白無垢姿のリカちゃんをはじめ、歴代の作品200体以上が展示される。6月5日(日)までの期間限定で展示される「ファンシー ダイヤモンド・リカちゃん」は、計881個、総カラット数51.433カラットのダイヤモンドを身にまとった世界一豪華なリカちゃん。衣装の細かいディテールや、1億円相当というゴージャスさにうっとりさせられるはず。また横浜地域限定のシリーズ、「横浜元町リカちゃん」も用意される。横浜元町が誇る「キタムラ」、「フクゾー」、「ミハマ」、「スタージュエリー」、「ポンパドウル」、「近沢レース店」の有名6大ブランドが豪華競演した、元町ブランドづくめのスペシャルなリカちゃんシリーズだ。さらにプレイランドも設置され、着せ替えやハウス遊び、ドールのヘアアレンジを自由に楽しむことができる。懐かしいものから最新のものまで、世代を超えて愛され続けているリカちゃんが集結するイベント。是非チェックしてみて。【開催概要】リカちゃんが夢見るウェディング Licca's Sweet Wedding開催期間:2016年4月29日(金)~2016年7月10日(日)時間:9:30~17:00(最終入館16:30) 会場:横浜人形の家 3階企画展示室住所:神奈川県横浜市中区山下町18番地TEL:045-671-9361観覧料:大人(高校生以上) 400円(税込)小人(中学生・小学生) 300円(税込)※別途入館料大人400円・小人200円が必要。協力:株式会社タカラトミー、一般財団法人日本玩具文化財団、株式会社ヒューモニー
2016年05月15日「リカちゃん」を“振り回され女子代表”としてプロモーションを展開資生堂は、「ときどき敏感肌」に振り回されない毎日を提供する、スキンケア・メーキャップの総合ブランド「d プログラム」の“振り回され女子代表”として「リカちゃん」をキャラクターとして起用、プロモーションを展開する。「d プログラム」は、肌あれをくり返しがちな「ときどき敏感肌」に、「dXd」(defense・守るXdevelop・育む)をブランド共通の設計とし、肌を守り、美肌バリア機能を整えて育み、いつ見られてもきれいな素肌に導く。肌状態に合わせて選べる4つのプログラムが用意され、それぞれに対応する成分を配合し、最適な保湿バランスを保つ。30代のOL、リカを通しブランドメッセージを発信「リカちゃん」が演じる役は、大手化粧品会社の販促部で働く30代のOL、リカ。仕事に恋愛、子育てや自分の年齢、いろいろなストレスに、ついつい振り回されてしまう日々を、「OLリカの振り回されダイアリー」として「d プログラム」公式SNSで紹介。恋や仕事などのストレスに振り回されたり、急な肌あれをくり返す女性に、「さよなら、『ときどき敏感肌』」というブランドメッセージを発信していくという。今回は、「リカちゃん」だけでなく、子育てやエイジングの悩みに振り回される女性として、リカちゃんのママ「織江さん」も登場予定となっている。また、「d プログラム」では、さまざまなストレスに、ついつい振り回されてしまった“あなたの振り回されエピソード”を募集(4月21日~5月31日)している。(画像はプレスリリースより)【参考】・資生堂プレスリリース(PRTIMES)
2016年04月24日資生堂のブランド「dプログラム」はこのほど、幅広い世代で人気の「リカちゃん」を"振り回され女子代表"のキャラクターとして起用したことを発表した。「リカちゃん」は1967年に誕生した着せ替え人形。常に時代の流行を取り入れているのが特徴で、親子二世代・三世代にわたり親しんでいる人も多い。おもちゃだけではなく、リカちゃんとともに成長した大人の女性に向け、ドールを中心に雑貨、服飾など新たな商品も展開している。このほど同ブランドは、恋や仕事などのストレスに振り回される"振り回され女子代表"キャラクターとしてリカちゃんを起用。子どもの頃の憧れであり、女性としての自分を投影する存在であるリカちゃんだからこそ、多くの女性の悩みを理解し、振り回され女子を上手に表現できるとして起用に至ったという。今回のプロモーションでは、リカちゃんは大手化粧品会社の販促部で働く30代のOLという設定。中堅社員として責任ある仕事を任される一方、上司や後輩、販売員、営業、研究員、取引先などさまざまな人に振り回される毎日だという。ニキビや肌荒れに悩むリカちゃんの姿にも注目とのこと。また、リカちゃんだけではなく、子育てやエイジングの悩みに振り回される女性として、リカちゃんのママ「織江さん」も登場する予定だという。同プロモーションでは現在、恋や仕事、子育てや年齢、急に繰り返し起きる肌あれといったさまざまなストレスに振り回されたエピソードを募集している。応募者の中から抽選で、dプログラムの化粧品がセットになった「肌あれに振り回されないセット」をプレゼントする。応募はSNSプロモーション支援サービス「モニプラ」で、5月31日まで受け付ける(Twitter応募限定)。優秀エピソードは8月下旬以降、dプログラムの公式SNS上「OLリカの振り回されダイアリー」で 「OLリカ」が再現し紹介する。
2016年04月22日ルミネが運営する「ルミネ池袋」は、26日~8月2日、タカラトミーとの共同企画により、同店とリカちゃんのタイアップキャンペーン「LUMINE IKEBUKURO meets LiccA」開催する。○『LiccA』が館内放送に登場同キャンペーンで展開する『LiccA(リカ)』は、大人の女性のために誕生したファッショナブルでスタイリッシュ、そしてフェミニンな新しいリカちゃん。その大人向けドールが、公式ショッピングサイト「タカラトミーモール」にて6月から販売予約を開始したことをうけ展開するもの。コラボ期間中、同館の館内放送に『LiccA』が登場し、キャンペーン中の情報や見どころを1時間に1回のペースで告知する。期間中、館内B1ショーケースでは『LiccA』が4つの限定ファッションショップ(アーバンリサーチ、カージュ、スナイデル、ドット&ストライプス チャイルドウーマン)で買い物をしている様子を再現したディスプレーを展開。同館5F「ラ・メゾン アンソレイユターブル」では、『LiccA』の世界観が楽しめる期間限定スペシャルコラボカフェ「LiccA CAFE」を実施する。同カフェでは『LiccA』のツイッターやインスタグラムの写真や洋服を展示し、まるで『LiccA』の部屋にいるかのような空間を演出。店内装飾の他にも、『LiccA』をモチーフにオリジナルピックも展開する。また、『LiccA』が大好きな苺を使ったメニューを考案し、「ボンジュール※ LiccA’s赤いベリーとヨーグルトのタルト」や「ボンソワール※ LiccA’sいちごと生チョコレートのタルト」など、ケーキ2種類とドリンク1種類を限定メニューとして提供する。(※は八分音符マーク)さらに、リカちゃんの身長を再現した等身大リカちゃんパネルを各所に設置。限定5ショップ(アーバンリサーチ、カージュ、スナイデル、ドット&ストライプス チャイルドウーマン、ラ・メゾン アンソレイユターブル)では、ショップ近くにパネルを置き、パネルについているQRコードからそれぞれの限定ショップで買い物やカフェを楽しむリカちゃんの限定スマホ壁紙がダウンロードできる。開催期間は6月26日~8月2日。対象ショップは東京都豊島区・ルミネ池袋。営業時間はショッピング11時~21時30分、レストラン11時~23時。※(C)TOMY
2015年06月23日大塚商会は6月1日、中堅・中小企業の事業継続計画(BCP)や災害対策(DR)のための「たよれーる Azureサイトリカバリーサービス」の提供を開始した。価格は初期費用15万円、月額14,900円(いずれも税別)。「たよれーる Azureサイトリカバリーサービス」は、仮想マシンの複製(レプリケーション)、有事の際の切り替え(フェールオーバー)、復旧後の切り戻し(フェールバック)を運用代行する。サービス利用に必要な各種作業は全て大塚商会が行う。同サービスでは、日本マイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft Azure」を利用することで、初期投資額や運用コストを抑えている。顧客の仮想マシンをMicrosoft Azure上に常時複製し、確実に複製されているかを大塚商会の監視センターで監視。災害などの影響で顧客が通常使用しているサーバ(複製元)が停止した場合は、顧客から同社コールセンターへの連絡によって複製されている仮想マシンへの切り替え作業を実施するため、遅延なく事業を継続できる。また、認証サービスにより、複製されている仮想マシンへ安全に接続できる。複製元サーバの復旧後の切り戻し作業も同社エンジニアが行う。
2015年06月02日ANAグループは2015年2月1日より、客室乗務員、地上旅客係員、ラウンジスタッフの制服を一斉にリニューアルすることを記念して、「ANAオリジナル CAリカちゃん」を1月1日より発売する。なお、インターネット販売は先行して12月25日より発売する。ANAグループの新制服は「挑戦」「変化」をコンセプトにデザインされており、同グループ初となる外国人デザイナーのプラバル・グルン氏が、ANAのコーポレートカラーであるブルーラインを大胆に取り入れた。実物を忠実に再現したオリジナル「リカちゃん」は、機内販売とインターネット販売(ANA ショッピング A-style)の2種類の商品を用意する。機内販売のリカちゃんは、爽やかなショートボブとCA風のメイクを施した。同グループが運航する国内線・国際線で、2015年 1月1日より、国内線は5,000円(税込)、国際線は4,600円(免税)で発売する。インターネット販売のリカちゃんは、エプロンやブラウスなどの着せ替えアイテム17点をそろえたフルセット仕様。バック、キャリーカートなどの小物類もそろっている。12月25日より、8,800円(税込・送料別)で発売する。それぞれ売り切れ次第、販売終了となる。(c)TOMY
2014年12月22日タワーレコードは4日、同社の意見広告シリーズ「NO MUSIC, NO LIFE?」として、冨田勲、Lamp、MAN WITH A MISSION、憂歌兄弟の4組がそれぞれ登場する最新ポスターを発表した。Lamp、MAN WITH A MISSIONのポスターは同日より、冨田勲、憂歌兄弟のポスターは2月15日より、タワーレコード全店およびTOWERmini店頭にて順次掲出される。今回発表されたのは、宮沢賢治の世界を音で描く『イーハトーヴ交響曲』に初音ミクを起用したことでも話題になった作曲家/シンセサイザー奏者の冨田勲氏をはじめ、気鋭の3人組バンド「Lamp」、全米デビューも決定したロックバンド「MAN WITH A MISSION」、伝説のブルースバンド「憂歌団」の木村充揮と内田勘太郎による音楽ユニット「憂歌兄弟」の4組がそれぞれ登場するポスター。いずれも店頭にて掲出されるほか、各アーティストが3月に発売する最新作を同店にて購入すると、抽選でそのアーティストのポスターが当たる応募ハガキがもらえるとのこと。なお、タワーレコード・オンライン内の「『NO MUSIC, NO LIFE?』ポスターギャラリー」では、今回のメイキングレポートやインタビュー&メイキングムービーも順次公開される予定(MAN WITH A MISSIONは除く)。さらに、Lampのポスター出演を記念したコラボTシャツ「151 Lamp NO MUSIC, NO LIFE. T-shirt」もタワーレコード・オンラインにて発売される。全5サイズ展開で価格は3,150円。発売日は3月31日(2月25日より予約開始)。
2014年02月04日インターネット等によるグリーティングカードや、慶弔関連ギフト等の通信販売事業を行うヒューモニーは10月17日、ドレスもメークも新しくデザインした「リカちゃん電報」をVERY CARDにて販売する。価格は5,775円。同商品は、同社とおもちゃなどの製造・販売を行うタカラトミーがコラボレーションし、2007年に初めて発売。現在までに約3万人に利用され、結婚にまつわる思い出シーンの数々を演出している。今年のコンセプトは、「オトナ・スィート」。リカちゃんは、幅広いユーザーの祝福シーンを演出できるように、大人っぽい優雅なラインが人気の「ロングトレーンのドレス」を身にまとっている。また、バッグには、新婦の幸せを願うおまじないとして知られるサムシングブルーをあしらっているという。さらに、髪にはかれんさを演出する、大きな白いリボンを飾った。パールをイメージしたアクセサリーは、リカちゃんの清らかなかわいさをアピールしている。なお、リカちゃんからのお祝いメッセージも印字されており、受け取った人がより幸せな気持ちになってもらえるよう工夫が施されているとのこと。©TOMY【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月07日世界的に活躍する作曲家・冨田勲の新制作「イーハトーヴ」交響曲・世界初演公演の制作発表が8月27日に都内で開催。ヴァーチャルシンガー、初音ミクの出演が発表された。冨田勲新制作交響曲「イーハトーヴ」世界初演の公演情報冨田勲は、シンセサイザーの可能性にいち早く着目するなど、独創的な音楽技法を追求し続け、特に電子音楽の分野で世界的評価を得てきた。1974年よりビルボード・クラシカルアルバムチャート連続第1位(『月の光』、『展覧会の絵』、『惑星』)を獲得。日本人として初めてグラミー賞4部門にノミネートされるなど、音楽シーンの最先端を歩んできた。今年80歳を迎えた世界的巨匠が新制作する「イーハトーヴ」は、構想に10余年をかけた大作。『注文の多い料理店』『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』『雨にも負けず』など、宮沢賢治の作品を題材にして、人間や自然を超越した宇宙的な力を音楽で描くという壮大なものだ。今回の制作発表でのビッグニュースは、何といってもヴァーチャルシンガー、初音ミクの起用だろう。作曲者自身の熱烈オファーにより実現したという驚きのコラボ。PC用の音声合成ソフトの一種である初音ミクが、冨田勲の交響曲の中でどのように登場するのか。記者会見では『注文の多い料理店』を題材にした楽曲「猫のレストラン」を例にあげて、構想の一端が明かされた。「料理店(山猫軒)の中に人は出てこない。声だけはどこかから聞こえてくるけれど、ボーイの案内もない。色々な部屋に通されて、結局は自分たちが食われるということ分かる。逃げ出そうとしたけれど逃げられない。そこで、突然サーカスみたいな音楽とともに初音ミクが出てきて『わたしは初音ミク、かりそめのボディ』と歌うんです。ミクロの世界、パソコンの中にしかいられないミクが、もうあなた方も出られないんですよ、と暗示する訳です」他にも『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』などの楽曲の重要なポイントで登場するという。「異次元からきた、何者か分からないもの、宮沢賢治の世界観を表現するには初音ミクしかないんです」と、起用の理由を冨田勲は熱く語った。これまでの初音ミクのコンサートといえば、事前にCGで作成したミクのパフォーマンス動画に合わせて、バンドやコーラスが演奏するというスタイル。今回は逆に、大友直人の指揮、日本フィルハーモニー交響楽団と合唱団の総勢300名の演奏に合わせて、初音ミクがライブで歌い、踊るという新しい試みになる。「技術的なハードルが高いですが、目処は立ってきました。電子音楽の歴史に残る冨田先生と初音ミクのコラボは、非常に野心的な試みです」と、初音ミクを手がけるクリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之も意気込みを語る。冨田勲新制作交響曲「イーハトーヴ」世界初演は、11月23日(金・祝)に東京オペラシティ コンサートホール(東京都)で開催。チケットは発売中。
2012年08月29日タカラトミーと東京学芸大こども未来研究所は、共同研究プロジェクト「リカちゃんごっこ遊びラボ」を発足し、「リカちゃん」人形による「ごっこ遊び」の子どもの発達への影響や効果の調査・研究を実施。子どもの発達において中間報告を発表した。このプロジェクトでは、「女児のごっご遊びへの参与観察調査(定性調査)」、「母親インタビュー調査(定性調査)」、「小学校高学年女子への振り返り調査(定量調査)」など、さまざまな手法を通じて調査・検証調査・検証を行っている。今回の調査では、子どもの発達段階における「自己認識、他者認識能力の獲得」「他者との関係性構築能力・社会性の獲得」「なりたい自分像・将来像の獲得」において、リカちゃん人形を使った「ごっこ遊び」が効果をもたらすことが検証された。今回検証されたのは、以下のような内容。「自己認識、他者認識能力の獲得」については、リカちゃん遊びが、子どもの自他認識の発達段階のすべてにかかわり、各発達段階に応じた能力の獲得に効果をもたらすこと。各過程において、大人が言葉を介在させることが重要であること。「なりきり遊び」「役割遊び」などが言葉の習得によってできるようになることで、言語習得を促進すること。「他者との関係性構築能力・社会性の獲得」では、リカちゃん遊びによって、子どもは社会の基本的ルールを覚え、自分をコントロールすることを学ぶこと。5歳位からできるようになる「役割遊び」では、文脈を理解して演じることが必要で、この行為が社会性を構築する基盤を育てること。「なりたい自分像・将来像の獲得」では、リカちゃん遊びが、夢と現実が重なる中であこがれを人形の世界に抱き、理想の自分像を形成することを助けること。世代を超えた「リカちゃん文化」の形成が安心感を生み出していること。調査結果の中間報告は「タカラトミー内の調査報告ページ」から詳しく閲覧できる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月11日日本が世界に誇る作曲家・編曲者・シンセイサイザー奏者の冨田勲による新制作交響曲「イーハトーヴ」が、11月に世界初演されることが決定した。冨田勲新制作交響曲「イーハトーブ」世界初演の公演情報1950年代より、数々のテレビ番組、コマーシャルや映画、手塚治虫のアニメーション作品などで音楽を担当し、多くの名曲を生み出してきた冨田勲。また、日本の電子音楽の草分け的存在としても活躍。シンセサイザーを駆使した「管弦楽曲の電子音による再創造」という独自の芸術手法は、世界各国で高い評価を得、アルバム『月の光』(1975年)、『展覧会の絵』(1976年)、『惑星』(1977年)は全米ビルボードクラシカルアルバムチャート第1位を獲得。日本人で初めてグラミー賞にノミネートされ、多くのアーティストに影響を与えてきた。40年以上にわたり新たな音楽を開拓し続け、80歳の節目を迎えた冨田勲が、新たに世界に向けて発信する新曲は、宮沢賢治による造語「イーハトーヴ」(※)をタイトルにした交響曲だ。宮沢賢治の精神、東北の大自然、そして冨田勲の音楽が、フルオーケストラと大合唱が織り成す演奏で壮大に描かれる。冨田勲新制作交響曲「イーハトーヴ」世界初演は、11月23日(金・祝)に東京オペラシティ コンサートホール(東京都)で開催。指揮は大友直人、演奏は日本フィルハーモニー交響楽団が担当する。チケットの一般発売は6月23日(土)10時より。また一般発売に先駆け、6月16日(土)10時よりチケットぴあで最速先行が受付開始となる。※イーハトーヴ…宮沢賢治の造語。宮沢賢治の心象世界中にある理想郷を指す言葉で、故郷の岩手県をモチーフにしたと言われている。
2012年06月15日東日本旅客鉄道(JR東日本)は15日、取締役会にて代表取締役の異動などを決議したことを発表した。代表取締役社長には冨田哲郎氏が就任し、現社長の清野智氏は取締役会長、現会長の大塚陸毅氏は相談役となる。冨田氏は1951(昭和26)年10月10日生まれ(60歳)。2000年6月に取締役総合企画本部経営管理部長に就任した後、常務取締役総合企画本部副本部長などを経て、2008年6月より代表取締役副社長に。新役職は代表取締役社長 総合企画本部長で、就任予定日は2012年4月1日となっている。今回の役員人事について、同社は、「国鉄改革・会社発足から丸25年が経過し、新たな四半世紀を迎えることとなります。この節目にあたり、体制の若返りを図ることとしました」と発表している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年02月15日リカちゃんが肌の悩みを解決しちゃいますっ資生堂「dプログラム」は、現代生活ならではの環境によって、睡眠不足やストレス、食生活の乱れなどから来る肌スランプに対応。「ライフスタイル敏感肌」と名付けて、こうした女性の肌の悩みに応じるアイテムを多数販売し、敏感肌ブランドシェアNo.1を誇ってきた。(2009.4~2011.3 インテージSRI敏感肌スキンケア市場ブランド別金額市場ランキング調べ)その「dプログラム」が、タカラトミーの“リカちゃん”とコラボレーション。肌コンディションをうまく保てない現代女性のために、パソコンや電話、Facebookなどで相談に応じるオリジナル・コンテンツ「リカちゃん肌スランプコール」を21日から提供開始した。利用料は無料で、ただし電話の場合は別途通話料金(ナビダイヤル)がかかるという。dプログラムのブランドサイト内、「リカちゃん肌スランプコール」へアクセスすると、肌のタイプチェックがはじまり、結果に応じたリカちゃんが画面に登場。あなたに遭った美肌アドバイスに加え、居住地を伝えると、その地域ならではの話題で会話してくれたりするそうだ。血液型や星座占いなどの内容も含まれるという。また、電話で言葉を発すると、それを認識してパソコン画面の映像が変化していくなど、本当にリカちゃんとテレビ電話をしているような連動性も。電話はかける時間などによっても受け答えが変わるそうなので、何度も楽しめてしまうそうだ。隠しコマンドも…楽しみながらキレイになって!さらにリカちゃんの質問に対し、ある回答をすると、え?と思うようなリカちゃんのダジャレや反応が特別に楽しめる“隠しコマンド”も用意されているそうで、見つけてみたくなること必至!なおFacebookを利用しているユーザーであれば、居住地や星座などのプロフィール情報は自動で取得してあらかじめ会話内に取り込むことが可能だそうだ。ちょっと童心に帰って、でも大人っぽくもなったリカちゃんと楽しみながらキレイを目指す…そんな楽しみ方も悪くない。なお、dプログラムでは2006年にユーザーの声を反映して誕生させた「エイジングケアプログラム」をさらに発展させリニューアル。年齢を重ねるうちに、深刻になる肌トラブル、敏感になってしまう肌といった大人の敏感肌として、“年齢敏感肌”という肌タイプを提唱。そこをターゲットにしたアイテムを展開している。こちらも21日から登場なので、ぜひチェックを。元の記事を読む
2011年09月23日なんと、気になるお相手は…世代を超えて愛される「リカちゃん」。長年にわたり、子どもたちから着せ替え人形として親しまれていることはもちろん、大人女子からの支持も強く、時代のファッションをも彩ってきた。そんなリカちゃんがついに結婚するというのだ。…というのも、これはCMの話。エステーによる防虫剤「ムシューダ」の新CMに出演し、その中で結婚式を挙げるという。こうなるとお相手が気になるところだが、なんと相手はCMキャラクター・ムッシュ熊雄の兄・熊真呂!CMはシリーズ形式をとり、そのなかでデートを楽しむ2人や結婚式の様子、さらに新婚家庭の様子まで描かれるという。タカラトミーとエステーのコラボ第1弾CMの「ムシューダねえさん!?」篇では、デート中に靴下の虫喰いに気付いたリカちゃんが、熊真呂に「あなた、虫喰っちゃった」と話しかけるもの。電信柱の陰から、こっそりとその様子を心配げに見ていた熊雄が、おもわず「ねえさん!?」と声をあげてしまうとか。続く第2弾が「かおりムシューダ涙の結婚式」篇。結婚式に参列したエステー社長・鈴木氏のスピーチに、リカちゃんが感動して涙するというストーリー。門出を祝うスピーチのシュールな(?)オチにもぜひ期待してほしい。そして第3弾は「かおりムシューダグランドピアノ」篇で、新婚生活を送る2人が、リカちゃんのピアノ演奏に合わせて歌うもの。新居に遊びに来た熊雄も登場する。この企画、もちろんリカちゃんのタカラトミーとエステーのコラボレーションによって実現したもので、キャラクター展開を遂げるリカちゃんのスタイルにエステー担当者が感銘を受けてアプローチ。今回のCMとなったのだそう。タカラトミー側も積極協力で、第2弾の結婚式篇では、同社副社長の佐藤氏も熊雄の横に参列するなど、細かい演出が。これらCMシリーズは19日から全国オンエアとなっている。ぜひ全篇を楽しみたい。元の記事を読む
2011年09月19日精神科医の香山リカが9月13日(月)、東京・渋谷区のレストラン「COPON NORP」で行われた映画『メッセージそして、愛が残る』のカップル限定試写会の上映後のトークショーに出席。観客約30人からの質問に答える形で“夫婦愛指南”を行った。作品は、人の死を予見する不思議な能力に触れ、自分の死期が近いことを知ったネイサン(ロマン・デュリス)が、疎遠にしていた妻と娘との時間を持つ中で愛することの大切さを再認識していく物語。香山さんは、職業柄の探究心が疼いたのか鑑賞後の観客に「自分の死期って知りたいですか?」と尋ねつつ、「私は今年で半世紀生きまして、この歳になるとせっかくなら死期を知ってやるべきことをやりたい。いろんな人に会いに行きたいですね。初めての人ではなく、これまにで会ってきた人たち。こんなにたくさんの人に支えられてきたんだ、とか考えたい」としみじみした調子で感想を語った。劇中で妻への愛を再認識するネイサンを引き合いに、夫婦愛を保つコツについて「一時の沸騰した感情だけで離婚したり家を出たりするわけだけど、その人がいなかったら?と、過去、未来と長い目で見てふり返ってみたりすると、嫌で嫌でしょうがない夫が少し輝いて見えたりするかも。駅でやりあっているカップル見ていると、ああ恥ずかしいって思うでしょ?人のことだと分かるんですよね」と思考法をアドバイス。「一種類の愛情の形に縛られなくても。愛情のパターン、関係性が変わってもいいと思えれば。男と女だけでなく、趣味友とか」と男女間における柔軟さの必要性も訴えた。観客からの「永く愛し、愛される秘訣は?」の質問には「無償、万能の愛を求めちゃいけない。どんなときも味方してくれる、何をしても受け入れてくれる、寄り添ってくれる、なんて実は一番難しいし、現実的にムリ。求め過ぎない、要求水準を高くしないことが大事。相手も人間で限界があるんだから。相手にも自分にも欠点がある、それを知ることです」と専門医らしくキッパリ。「人生観が変わるような恋愛経験は?」と自身の体験を聞かれ「うーん、そんなに私…」と一瞬ひるんだが、恋愛観の変化を赤裸々に語るひと幕も。「年齢によって恋愛に求めるモノが違う。変わってきます。若いときは自分の好みに合っていないと嫌とか問題外とかあったけど、いまはルックスとかじゃないってつくづく思うし、親の介護の話ができるとか『昔、こんなことがあったね』、『あったあった』とか話せたりすると楽しい」。締めで司会者から「後悔しない人生のためのコツは?」と聞かれ、「えっ!?」と驚きながらも、「こうなったら成功とか失敗とか決めつけない。しかもそれを人間が決めることは傲慢」とさばさば答えていた。映画『メッセージそして、愛が残る』は9月25日(土)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:メッセージそして、愛が残る 2010年9月25日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開© 2008 FIDELITE FILMS - AFTERWARDS PRODUCTION INC - AKKORD FILM PRODUKTION - WILD BUNCH - M6 FILMS■関連記事:香山リカトークショー付き『メッセージ』カップル限定試写会に15組30名様ご招待ロマン・デュリスが大人の苦悩を演じ上げる!『メッセージ』予告編を独占先行配信
2010年09月13日