市川猿之助が主宰する演劇プロジェクト・猿之助と愉快な仲間たち。2022年2月の第1回公演では、作家・浅田次郎の人気シリーズを「朗読劇『天切り松闇がたり~闇の花道〜』」として上演した。4月の第2回公演は劇作家・横内謙介が新たな構想で書き出した『森の石松』を、市川猿之助による演出で上演。いずれも好評を博し、2023年3月に第3回公演を行うこととなった。そんな中、10月に2.5回公演として急遽「七川劇団リターンズ『新説堀部安兵衛』」を開催することが決定。第2回に引き続き原作は横内謙介。市川青虎が初の脚色と演出を担当し、市川猿之助がスーパーバイザーを務める。10月20日(木)の開幕に先駆けてゲネプロが行われた。冒頭では脚色・演出を務める市川青虎が登場し、前作『森の石松』をダイジェストで語る。要点を押さえたコミカルなダイジェストにより、前回の公演を見逃した方も、本作に連なる人間関係やドラマを理解できるようになっている。物語は、前作で成仏したかと思われた七川一座の面々が次々に“差し戻し”をされることからスタート。和気藹々とした仲間たちの軽妙なやりとりから“猿之助と愉快な仲間たち”の一座としての円熟味が窺える。前作を経て博品館劇場の支配人となったものの、自分のせいで人が死んでしまったという後悔に苛まれ、「人が死ぬ芝居はやらない」と拒絶する小松を、市川郁治郎は熱量を持って演じる。『堀部安兵衛』の台本を持ち込んだ制作の富山(大知)、小松の部下の原田(立和名真大)と小松がぶつかり合うシリアスなシーンに、大森(市川澤五郎)のコミカルな芝居が程よい軽さを与えている。小松の様子を見て、前作では自分達のために『森の石松』を演じた七川一座は人のために芝居をすることに。劇中劇となる『堀部安兵衛』で安兵衛を演じるのは下川真矢。酒飲みだが明るく気さくで、長屋の面々から頼られるのも納得の好漢だ。安兵衛を討とうとする剣客・祐見を演じる市川翔乃亮は、ユーモラスな芝居で憎めないライバルを描き出す。飄々とした安兵衛との対比も楽しい。安兵衛の義理の叔父・菅野六郎左衛門を演じた石橋正次は、穏やかさの中に一本芯の通った強さを感じさせ、安兵衛の生き方に大きな影響を与えるキーパーソンとしての存在感を見せつけた。見得や殺陣に加えてミュージカルのような歌とダンスもあり、長屋の仲間たちの見せ場も多数。仇討ちをテーマとした作品だが、横内による『新説』では大胆な脚色を加え、安兵衛を取り巻く人々の温かさや絆にフォーカスした物語に生まれ変わった。山場である高田馬場での決闘では長屋の仲間たちも駆けつけ、大立ち廻りを繰り広げる。一人ひとりの個性と魅力が際立っているからこそ、一つひとつの戦いや台詞がグッと胸に迫ってくる。公演では若手たちの熱量と勢いたっぷりな芝居を楽しめるだけでなく、豪華な日替わりゲストも登場。アドリブも飛び出すと予想されるシーンに期待が高まる。大衆演劇的な分かりやすさと古典の良さを掛け合わせた作品であると共に、今の世の中で改めて考えたい人との繋がり、演劇の必要性に対するメッセージも感じられるこの作品。制作会見で青虎が語っていた通り、“宝箱”のように仕上がった。休憩を挟んだ2幕は舞踊ショーが行われ、しなやかで美しいダンスやポップな舞踊、聴かせる歌唱まで幅広く披露された。ゲストの見せ場など日替わりの演目もあり、見応え充分なショーをぜひ楽しみにしてほしい。本作は10月20日(木)より23日(日)まで、博品館劇場にて上演される。<公演概要>猿之助と愉快な仲間たち第2.5回公演「七川劇団リターンズ『新説堀部安兵衛』」日程:2022年10月20日(木)〜23日(日)会場:銀座博品館劇場出演:穴井豪 石橋正次 石橋正高 市川郁治郎 市川右田六 市川喜介 市川澤五郎 市川笑猿市川翔三 市川翔乃亮 市川青虎市川段一郎 市川段之 市川三四助 下川真矢下村青 大知 立和名真大(五十音順)=日替わりゲスト=20日(木)15:00公演坂東新悟、嘉島典俊21日(金)15:00公演市川猿之助、市川團子19:00公演市川猿之助、尾上右近、市川團子22日(土)15:00公演市川猿之助、中村鷹之資、市瀬秀和19:00公演市川猿之助、中村隼人、市瀬秀和23日(日)15:00公演市川猿之助、浅野和之、市川團子原作:横内謙介脚色/演出:市川青虎スーパーバイザー:市川猿之助音楽:SADA(破天航路)主催:ニッポン放送/全栄企画株式会社企画:猿之助と愉快な仲間たち制作:株式会社WISTERIENCE制作協力:博品館劇場/三響会企画/株式会社ちあふる協賛:株式会社和光トランスポート協力: 松竹株式会社全席指定 8,000円(税込) ★公演パンフレット付※未就学児入場不可お問い合わせZen-A(ゼンエイ) TEL:03-3538-2300(平日11:00~19:00)公式ホームページ 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年10月20日9月21日、「猿之助と愉快な仲間たち第2.5回公演七川劇団リターンズ『新説 堀部安兵衛』」の製作発表取材会が都内で開催され、市川猿之助、市川青虎、下村青、市川段之、市川郁治郎が出席した。©️GEKKO本公演は、歌舞伎俳優の市川猿之助が主宰する演劇プロジェクトで、東京・大阪・愛知で今年2月に第1回公演「朗読劇『天切り松 闇がたり〜闇の花道〜』」を上演。4月には東京・六本木で第2回公演『森の石松』を上演し、2023年3月に第3回公演の上演決定も発表された。しかし、予定していなかった本公演「七川劇団リターンズ『新説 堀部安兵衛』」が急遽決定し、間を取って“第2.5回公演”となった。スーパーバイザーを務める猿之助は、「今日、この記者会見を開いてもらったのは、一にも二にも“切符を売るため”です。残念ながら、コロナ禍になって劇場に足を運ぶことが少なくなりました。第7波が収まるんじゃないかという状況ではありますが、7回もコロナ禍を経験しているにもかかわらず、『コロナだから』と自分の出不精をコロナのせいにして世の中に出ないという方向に行っているような気がします。それは、自分もそうだからです(笑)。お店もファミレスが夜10時に終わってしまったり、世の中がどんどんそちらの方に傾いているように思うのです」と現状を憂いつつ、「演劇界も今、昔は飛ぶように売れていたチケットが売れなくなりました。しかし、今回の博品館劇場での公演は『コロナだから』という言い訳は一切通用しない公演となっております。時間と心に余裕がある方は、自分の判断でどんどん観にきていただきたい」と呼びかけた。また、「朗読劇が第1回でしたが、“第1回”と言ったからには10回ぐらい続けないといけないなと思っています。“継続は力なり”なので、使命感に駆られて今回も開催するわけです」と、今回の第2.5回、来年3月に予定されている第3回にとどまらず、継続していくことを約束。“スーパーバイザー”の役割について聞かれると、「“猿之助と愉快な仲間たち”なのですが、僕も“愉快な仲間たち”の一員なので、なるべく私に頼らないでやってほしい。お正月に飾る鏡餅だとすると、私は真ん中についている飾りのミカンみたいなもの。ないと困るが、あってもそう役には立たない。そんなスーパーバイザーなので“お飾り”だと思ってください(笑)」と答えた。“私に頼らないでやってほしい”という思いもあって、今回の演出と脚本は市川青虎が担当している。「今年3月に第2回公演の『森の石松』を上演しました。ご好評いただきまして、来年3月に第3回公演の開催を発表させていただきましたが、その直後に全栄様から『博品館劇場で“猿之助と愉快な仲間たち”として何かやりませんか?』というお話をいただきました。私は来年3月に演出家デビューする予定でしたが、予定が早まって、ここで演出家デビューすることになりました」と青虎が予定が繰り上がったことを説明。「このお話をいただいたのが今年の6月。準備期間を考えるとなかなか難しいと思いましたので、“猿之助と愉快な仲間たち”に頂いた話でもありますし、僕の一存では決められないので『猿之助のもとに持ち帰ります』と答えました。猿之助さんが『前向きに検討します』と答えられたので、全栄さん、猿之助さん、私、そして愉快な仲間たちみんなで話し合いをしました。短い期間だけど、お客さまに『これならまた観に行きたい』と思い、真っさらな新作を一から書き上げて上演することにしました」と、今回の経緯を話した。今回の原作を手掛けたのは前回の『森の石松』と同じく、横内謙介氏。青虎が横内氏に相談し、書いたけれど一度も上演していない『堀部安兵衛』を選択。そのまま演じるのではなく、好評だった『森の石松』にならって、“七川劇団”という形での脚本に仕上げることとなった。「いろんな世界で活躍されている方々がいる中で、皆さんの持ち味を活かして、開けたらいろんな物が入っている“宝箱”みたいな作品になればいいなと思っています」という思いを語った青虎。段之は「七川劇団の古株の女形で、いろんなことを発言して、しっちゃかめっちゃかになるんじゃないかと思います」と自身の役を紹介。下村は「第1回は出られなくて、第2回は日替わりゲストとして1日だけ出させていただきました。今回、やっとフルで出られます」と喜びを伝え、「1幕はミュージカルスターみたいな感じで登場し、第2幕では深川芸者をやらせていただきます」と役どころを伝えた。郁治郎が演じる役は“博品館劇場の支配人・小松”。「第2回では小松はシアター停車場の若い職員でした。彼のせいで事件が起きて、ずっとトラウマがある状態というところから今回の本編が始まるので、キーマンになります」と重要な役どころであることを明かした。猿之助は「今日の記者会見の主役もこちらの4人です。私は出なくてもいいと思っていたぐらいですし、これ(一人だけカジュアルな服装)も、いい意味での“やる気のなさ”の表れです。僕はあくまでも“脇”ですから」と4人を立てた。最後に、演劇プロジェクト“猿之助と愉快な仲間たち”の今後の理想的な活動は?と聞かれ、「今は人の声援、クラウドファンディングなどで支えていただいてますが、演劇自体で採算が取れるようになって、しかも次の興行の製作費も出せるようになりたい。もっと理想を言えば、京都の春秋座ぐらいの700〜800ぐらいのキャパの劇場で、昼夜公演をやる。昼は今のような新劇と混じったような芝居で、夜はきちんとカツラを着けて勉強会のような形で歌舞伎の古典を行う。昼夜で歌舞伎と両立した公演を2〜3週間開催し、ゆくゆくは地方の会館へ持っていって巡業するのが夢です。ぜひやりたい」と意欲を示した。そしてフォトセッションの後、退席する間際に、「前回、最初は全然切符が売れなくて、公演が始まってから急に売れ出して『切符がない!』って状態になったんです。今回も前回と出足が似ています。なので、今買っておかないと切符がなくなる可能性があるので、ぜひ今のうちに!」というメッセージを残した。「猿之助と愉快な仲間たち第2.5回公演七川劇団リターンズ『新説 堀部安兵衛』」は、10月20日(木)から23日(日)まで東京・銀座 博品館劇場で上演。<公演概要>公演名:猿之助と愉快な仲間たち第2.5回公演七川劇団リターンズ『新説 堀部安兵衛』公演日:2022年10月20日(木) ~23日(日)会場:銀座 博品館劇場(東京都中央区銀座8-8-118階)<出演>穴井豪石橋正次石橋正高市川郁治郎市川右田六市川喜介市川澤五郎市川笑猿市川翔三市川翔乃亮市川青虎市川段一郎市川段之市川三四助下川真矢下村青大知立和名真大(五十音順)他、豪華日替わりゲストあり(予定)!どうぞお楽しみに!原作:横内謙介脚色 / 演出:市川青虎スーパーバイザー:市川猿之助音楽:SADA(破天航路)主催:ニッポン放送企画:猿之助と愉快な仲間たち制作:全栄企画株式会社/株式会社 WISTERIENCE制作協力:博品館劇場/三響会企画/株式会社ちあふる協力:松竹株式会社【チケット】発売中・Zen-A[ゼンエイ] TEL:03-3538-2300(平日11:00~19:00)・チケットぴあ (パソコン・スマホ)セブン-イレブン店舗 [P コード:514-323]・ローソンチケット ローソン店内Loppi[L コード:32425]・イープラス (パソコン・スマホ) ファミリーマート店内Fami ポート・CN プレイガイド (パソコン・スマホ)TEL:0570-08-9999・博品館 1F TICKET PARKTEL:03-3571-1003(11:00~20:00)全席指定 8,000円(税込) ★公演パンフレット付※未就学児入場不可特別チケット①有料アフタートーク付きチケットチケット代:9,500円(税込)※10月21日(金)15:00公演のみ[Zen-A(ゼンエイ) のみ取扱い] 特別チケット②NFT付きチケットチケット代:9,000円(税込)[ローソンチケットのみ取扱い]ローソンチケットHP お問い合わせZen-A(ゼンエイ) TEL:03-3538-2300(平日11:00~19:00)公式ホームページ 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年09月22日猿之助と愉快な仲間たち第2.5回公演「七川劇団『新説 堀部安兵衛』」が、 10月20日(木) から23日(日) の4日間にわたって東京・銀座 博品館劇場にて全6公演が行われることが決定した。本公演は、歌舞伎俳優の市川猿之助が主宰する演劇プロジェクト。第1回公演では「朗読劇『天切り松 闇がたり~闇の花道~』を上演。猿之助、市川中車、中村壱太郎、石橋正次らが、作家・浅田次郎の人気シリーズを朗読劇として語り上げた。続く第2回公演では「森の石松」を上演。講談や浪曲をはじめ、テレビでの時代劇、映画などでもよく知られる“森の石松”の物語を、劇作家・横内謙介が新たな構想で作劇し、猿之助が演出を担当。市瀬秀和、石橋正高、下川真矢、松原海児、石橋正次のほかに、松雪泰子も出演した。そして、今年6月には“第3回公演が2023年3月に上演決定”と発表。しかし、急遽今回の公演「七川劇団『新説 堀部安兵衛』」が決まり、間を取って“第2.5回”として上演されることに。原作は横内謙介、脚色と演出を初めて市川青虎が担当し、市川猿之助はスーパーバイザーを務める。個性豊かなキャストに加え、豪華な日替わりゲストも出演する。<公演情報>猿之助と愉快な仲間たち第2.5回公演「七川劇団リターンズ『新説 堀部安兵衛』」2022年10月20日(木)~23日(日) 銀座 博品館劇場【ストーリー】あの七川劇団が今度は銀座博品館劇場に帰ってくる。シアター停車場という劇場を経営していた奈良橋徳次が突然姿を消した。時が経ち、シアター停車場の唯一の従業員であった小松は、今博品館劇場の支配人になっていた。そんな折、劇団襖座の作家・堀内源介から「新説 堀部安兵衛」の上演を依頼されるが、小松は人の死ぬ芝居は上演しないと頑なに断った。しかし、その「新説 堀部安兵衛」という作品の元に、吸い寄せられるが如く、七川劇団の面々がやってくる……。【出演】穴井豪 / 石橋正次 / 石橋正高 / 市川郁治郎 / 市川右田六 / 市川喜介 / 市川澤五郎 / 市川笑猿 / 市川翔三 / 市川翔乃亮 / 市川青虎 / 市川段一郎 / 市川段之 / 市川三四助 / 下川真矢 / 下村青 / 大知 / 立和名真大(五十音順)ほか、 豪華日替わりゲストあり(予定)原作:横内謙介脚色・演出:市川青虎スーパーバイザー:市川猿之助音楽:SADA(破天航路)【チケット料金】全席指定:8,000円(税込・公演パンフレット付)※未就学児入場不可■一般発売日:9月11日(日)~チケットはこちら:公式ホームページ:
2022年09月10日OSK日本歌劇団を率いるトップスター桐生麻耶が1月に大阪松竹座で「レビュー 春のおどり」に主演する。当初の予定より9か月遅れでの上演を前に会見が行われた。冒頭で桐生は「またチャンスが巡ってくるとは思わなかった。与えて頂いた機会に全身全霊で向き合い初日を迎えたい」と挨拶した。OSK日本歌劇団「レビュー春のおどり」チケット情報今回のレビューは和洋の2部構成。第1部『ツクヨミ ~the moon~』は尾上流四代目家元、尾上菊之丞の構成・演出・振付。月をテーマに日本の飛鳥、戦国、江戸の3つの時代でドラマを綴る。それぞれの時代で美しき悪役の蘇我入鹿、人気戦国武将の伊達政宗、決闘に挑む武士の堀部安兵衛の3役を演じ分ける桐生は「入鹿の宿命を背負う悲しみ、OSKらしい賑やかな総踊りで魅せる正宗の楽しさ、人のために動ける安兵衛の義理人情、この3つの思いを届けたい」と語る。第2部は宝塚歌劇団出身の荻田浩一作・演出による勝利の女神ヴィクトリアを題材にしたレビュー『Victoria!』。カジノでの決闘や初のボリウッド風群舞など見どころは多いが、桐生の一押しは96期の初舞台生も参加するラインダンス。「何度見ても飽きない素敵な振付です。できれば(自分も)出たいほど!」。自身はラインダンスの導入部分で踊る「応援団のような振付が一番楽しい」と笑顔。フィナーレ前には男役に囲まれながら手ごわい楽曲の歌唱に挑戦することも明かした。いわく「コミカルからシリアスまで盛りだくさんに詰め込まれたレビュー・ショー」に期待が高まる。コロナ禍で舞台に立てない日々が続き、エンタテインメントの存在意義を自問する中、ひとつの答えにたどり着いた。「大げさかもしれませんが、人間が幸せであるためには自分らしくなれるモノやこと、場所が必要だなと。自分を信じて待っていてくださる方がいる限りは存在し続けていいとポジティブに思えました」。あり余る時間を得て、いつも以上に楽譜を深く読み込むなど収穫もあった。「やはり『春のおどり』は年に一度しかできない貴重な公演なので、OSKを選んでよかったと思ってもらえるような舞台にしたいなと思います」。公演は1月28日(木)から31日(日)まで大阪松竹座にて上演。チケットは、大阪松竹座公式サイトにて発売中。取材・文:石橋法子
2021年01月18日清水順二率いる演劇ユニット30-DELUXとジャニーズJr.の宇宙Sixが再びタッグを組んだ舞台『のべつまくなし』が今春、全国4都市で上演される。江戸時代を舞台に挫折を経験した劇作家・近松門左衛門が様々な出会いを通して、人々を希望へ導く物語。清水が浅野内匠頭役として狂言回しを担うなど、メンバーも歴史上のキャラクターで登場する。殺陣、歌、ダンス、笑いを盛り込んだ、オリジナル・アクションプレイミュージカルだ。本作で「演劇に新たなジャンルを確立させたい」という30-DELUXの清水と宇宙Sixの江田剛、山本亮太、松本幸大、原嘉孝に意気込みを訊いた。「のべつまくなし」チケット情報前作『スクアッド』で宇宙Sixのポテンシャルの高さを実感したと語る清水。「中でも江田、山本、松本は20年近いキャリアと実力がある。新作ではソロ曲を用意したので、彼らの新たな一面をお見せできると思う。続編、再演を含め、いずれは海外公演も実現できるよう骨太な和ものミュージカルを目指します」。近松門左衛門役の江田は「立ち回りをしながらの歌」を一番の見所に挙げ、紀伊国屋文左衛門役の山本は「江田と僕の役が出会うことでどんどん物語が大きくなっていく。楽しみであり挑戦ですが、気合いと根性で頑張ります」と意気込む。松本は正義のヒーロー南町奉行、大岡越前役で「『ジャスティス!』が口癖とか、コミカル要素も担っています(笑)」。最後に、赤穂浪士四十七士随一の剣客、堀部安兵衛を演じるのが原だ。「正義感は強いけど少し喧嘩っ早い短所もある。カッコいい、優しい、ワイルドな面は自分にも通じる部分かな(笑)。歌ではソロ曲をいただけたのでこの機会に結果を残したい」。新作を通して「宇宙Sixの名を広めたい」と声を揃えるメンバーたち。本編終了後には江田演出による約10分のレビューショーで本領を発揮する。「最後はペンライトを振っちゃうような、本編とのギャップとお得感を楽しんで」(江田)、「僕たちの今年のテーマが“つなぐ”なので舞台を成功させて次につなげたい」(山本)、「大きな幸せと書いて、松本幸大です。皆さんを幸せにするのが僕らの務め。前回よりハードルを上げて精一杯良いものを届けるのみ!」(松本)、「前作以上の意気込みで楽しませるので、大阪公演が面白かったよという人は、ぜひSNSなどで拡散していただければうれしいです(笑)」(原)。公演は4月25日(木)から5月6日(月・祝)まで東京・サンシャイン劇場、5月9日(木)名古屋・アートピアホール、5月15日(水)から18日(土)まで大阪・サンケイホールブリーゼ、5月23日(木)、24日(金)北九州・北九州芸術劇場中劇場にて上演。チケットは発売中。取材・文:石橋法子
2019年04月22日アイドルグループ・A.B.C-Zの橋本良亮が、堤真一と岡村隆史がW主演を務める映画『決算!忠臣蔵』(2019年冬公開)に出演することが3日、明らかになった。同作は山本博文による『「忠臣蔵」の決算書』をもとに実写化。赤穂藩藩主・浅野内匠頭の切腹とお家断絶により、筆頭家老・大石内蔵助(堤)は、勘定方・矢頭長助(岡村)の力を借り、リストラに励む。さらに、江戸の庶民による討入りの期待を受けるが、討入りするには9,500万の予算が必要だった。橋本が演じるのは赤穂浪士・武林唯七(たけばやし・ただしち)。史実では仇敵・吉良上野介に一番太刀を付けた人物としてもその名を知られている。早くから討入りを主張する浪士きっての過激派で、不義・不正を憎む剛直な性格ながら、大事なところでどこかズレた、おっちょこちょいな部分も持つ、人間味の溢れる人物で、討入りをめぐって右往左往する内蔵助に決断を迫る急進派の1人として、物語の重要な役割を担う。映画への出演は『劇場版 BAD BOYS J -最後に守るもの-』(13)以来2作目となる橋本は、今回で時代劇に初挑戦。撮影前に「A.B.C-Zのセンターとしていいところを見せたいです」と意気込み、豪華共演陣を前に初日から堂々たる演技を披露した。あるシーンでは、納得がいかず20テイク以上重ねる場面もあり、うまくいかない苛立ちに大声をあげ自分自身を奮い立たせるストイックな姿を見せた。本格的な時代劇の緊張感を乗り越えた橋本だが、クランクアップ時には「やっとわかってきたところです。あっという間の1カ月半でした。まだまだ出来ます!」と意欲十分で、「また時代劇をやりたいです」と希望していた。○橋本良亮 コメント今回このような貴重な機会を頂き大変光栄です。初めての時代劇挑戦でしたが、堤さんはじめ、キャストの皆さんスタッフの皆さんに助けていただきながら、とても濃密で幸せな時間を過ごすことができました。事務所の先輩である横山くんの俳優としての姿にもとても痺れました!笑いあり涙ありの内容になっているので、是非多くの方に見てもらいたいです!○中村義洋監督 コメント別にヤッカミじゃないんですけど、イケメンのカッコ悪い様って面白いじゃないですか。橋本くんが演じた武林唯七は年収が170万円ほどで、御家断絶後も浪人となり、さらに困窮しまくる役なので、あの涼しげな橋本くんもどんどん薄汚く、余裕なく、カッコ悪くなっていくわけで……。たまらなく面白かったです!でも本人も楽しそうでしたから、ファンの皆さん、許してください。○池田史嗣プロデューサー コメント橋本さんは初参戦の中村組において監督から細やかな指導を受けつつ、どこまでもまっすぐにその演出に食らいつこうとする懸命な姿勢と、堤さんや事務所の先輩の横山さんをはじめとする、主演級だらけの錚々たる共演者たちとも積極的に言葉を交わし、沢山の刺激を受けている姿が印象的でした。史上初、全編関西弁の『決算!忠臣蔵』において、武林唯七は堀部安兵衛と共に貴重な江戸組メンバー。決して悪い人ではないものの、やる気が空回りして大石内蔵助を困らせてしまう面白い役どころ。劇中ではちょっとやんちゃでどこか憎めない、魅力的な橋本さんの姿をお見せできるかと思います。どうぞご期待くださいませ。
2019年04月03日堤真一と岡村隆史がW主演する、今冬公開『決算!忠臣蔵』に、橋本良亮(A.B.C-Z)の出演が決定。「横山(裕)くんの俳優としての姿にもとても痺れました」と語っている。原作は、大石内蔵助が実際に残した決算書を基に、討入り計画の実像をお金の面で記した東大教授・山本博文による『「忠臣蔵」の決算書』(新潮新書)。大石内蔵助役を堤さん、内蔵助を支える貧乏なそろばん侍・矢頭長助役を時代劇初挑戦の岡村さんが務める。そして今回明らかになったのは、「A.B.C-Z」橋本さんの参加。映画への出演は『劇場版 BAD BOYS J -最後に守るもの-』(‘13)以来2作目、時代劇は初挑戦となる。演じるのは、赤穂浪士・武林唯七(たけばやし・ただしち)。史実では仇敵・吉良上野介に一番太刀を付けた人物としてもその名を知られている。早くから討入りを主張する浪士きっての過激派で、不義・不正を憎む剛直な性格ながら、大事なところでどこかズレた、おっちょこちょいな部分も持つ、という人間味の溢れる人物。討入りをめぐって右往左往する内蔵助に決断を迫る急進派のひとりとして、物語の重要な役割を担う。撮影前は「『A.B.C-Z』のセンターとしていいところを見せたいです」と意気込んでいた橋本さん。その言葉の通り、中村(義洋)組のフレッシュな顔ぶれとして、豪華な共演陣を前に初日から堂々たる演技を披露するも、あるシーンでは納得がいかず20テイク以上重ねる場面も。とはいえ、大声をあげ自分自身を奮い立たせるストイックなその姿は、「素晴らしい共演者の方々といいものを作りたいです」と語っていた橋本さんの真摯な姿勢を裏付けるもの。クランクアップ時には「やっとわかってきたところです。あっという間の1か月半でした。まだまだ出来ます!」と謙虚に答えつつも、物足りなさを感じるほど撮影に没頭していた様子を伺わせ、「また時代劇をやりたいです」と今回の参加に十分な手応えを感じていたよう。橋本さんは出演にあたり「このような貴重な機会を頂き大変光栄です。初めての時代劇挑戦でしたが、堤さんはじめ、キャストの皆さんスタッフの皆さんに助けていただきながら、とても濃密で幸せな時間を過ごすことができました」とコメント。さらに、剣豪として知られた赤穂浪士・不破数右衛門を務めた横山裕について、「事務所の先輩である横山くんの俳優としての姿にもとても痺れました!」とも語っている。中村監督は「橋本くんが演じた武林唯七は年収が170万円ほどで、御家断絶後も浪人となり、さらに困窮しまくる役なので、あの涼しげな橋本くんもどんどん薄汚く、余裕なく、カッコ悪くなっていくわけで…たまらなく面白かったです!」と明かし、「でも本人も楽しそうでしたから、ファンの皆さん、許してください」とコメント。本作の池田史嗣プロデューサーは「史上初、全編関西弁の『決算!忠臣蔵』において、武林唯七は堀部安兵衛と共に貴重な江戸組メンバー。決して悪い人ではないものの、やる気が空回りして大石内蔵助を困らせてしまう面白い役どころ。劇中ではちょっとやんちゃでどこか憎めない、魅力的な橋本さんの姿をお見せできるかと思います」とアピールしている。『決算!忠臣蔵』は2019年冬、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:決算!忠臣蔵 2019年冬、全国にて公開予定(C)2019「決算!忠臣蔵」製作委員会
2019年04月03日俳優・堤真一主演の映画『決算!忠臣蔵』(2019年冬公開)の出演者が6日、明らかになった。同作は山本博文による『「忠臣蔵」の決算書』をもとに実写化。赤穂藩藩主・浅野内匠頭の切腹とお家断絶により、筆頭家老・大石内蔵助(堤)は、勘定方・矢頭長助(岡村隆史)の力を借り、リストラに励む。さらに、江戸の庶民による討入りの期待を受けるが、討入りするには9,500万の予算が必要だった。俳句や茶道に通じ、討入りに必要な吉良邸の情報を手に入れる大高源五に濱田岳、内蔵助の軍師・参謀として仕え、討入りの作戦を立てる菅谷半之丞に妻夫木聡、討入り推進派の剣豪・堀部安兵衛に荒川良々、内蔵助を優しく時に厳しく支え続ける愛妻・りくに竹内結子、内匠頭の妻で亡き夫の仇討を支援する瑤泉院に石原さとみと、豪華出演者が集結。また、内蔵助の副将として一貫して補佐し続けた吉田忠左衛門に西村まさ彦、真面目で公平実直な大目付・間瀬久太夫に寺脇康文、元赤穂藩藩士・早川惣介に上島竜兵、江戸住みの赤穂藩士たちが集い討入りを応援するそば屋『いづみや』の主人・長次に堀部圭亮、広島藩の浅野家本家の用人・井上団右衛門に山口良一、内蔵助の息子で、四十七士最年少である大石主税に鈴木福、江戸幕府の役人で内匠頭が切腹した際の介錯人・磯田武太夫に千葉雄大、大垣藩藩主で内蔵助に討入りをやめさせる進言をする戸田采女正に滝藤賢一、瑤泉院付の用人で内蔵助とのパイプ役になる落合与左衛門に笹野高史と、実力派が揃った。○濱田岳 コメント今回また中村監督率いる中村組の仲間に入れて頂けたこと、そしてまた堤真一さん演じるご家老の元で再び働けたこと、本当に楽しく幸せな時間でした。○妻夫木聡 コメント中村監督にまた呼んで頂いたことがとにかく嬉しいです。中村組のキャストの皆さんは常に職人揃い。その中で自分はどうあるのか、いつも試されます。そして、今回は忠臣蔵という題材。普通とは違う観点から物語を進めていく中村さんには驚かされるばかりです。喜劇としての面白さと武士の一分が混ざり合った時にこの作品はどうなるのか自分でも想像がつきません。出来上がりを楽しみにしていてください。菅谷半之丞はいわば軍師的な役どころです。うちに秘めたる沸々とした想いを感じさせるような芝居ができたらと考えています。今回も最後まで精一杯楽しみたいと思います。○荒川良々 コメント誰も観たことない堀部安兵衛を観せる事が出来るでしょう!乞う御期待!!○竹内結子 コメント中村組にこうしてまた呼んでもらえた事がとても嬉しいです。台本をいただいて読んだとき、こんなにも有名なお話なのにこの作品がなければ知らなかった物事が描かれていて、驚いたのと同時に、語り継がれてきた"あのこと"に至るまでお金がかかるなんて考えたこともなかったなと気付きました。その時から私はひそかにこの作品を"目から鱗の忠臣蔵"と呼んでいます。この作品が、たくさんの方の目に触れて、一緒に鱗をポロポロ落としてもらえたら最高に嬉しいです。○石原さとみ コメント再び、中村監督にお声がけいただき、とてもとても嬉しかったです!赤穂藩主・浅野長矩の妻“瑤泉院”役を務めさせていただきました。主人公・大石内蔵助に対し、ほとほと呆れている役柄でしたが、笑い溢れる温かな現場で、撮影がとにかく楽しくて仕方ありませんでした。瑤泉院の持ち金を赤穂浪士はどう使う!?そんな、今まで見た事のない笑える、本気の忠臣蔵!を是非お楽しみにください!私も出来上がりを心から待ち望んでいます!○千葉雄大 コメント『殿、利息でござる!』で初めてご一緒して以来の中村組。1シーンの撮影でしたが、中村組の1シーンは、僕にとって大変意味のある1シーンでした。中村監督、呼んでいただきありがとうございました。大好きです。(そして、大好きなあの方とも共演できて、むふふな気持ちでした。)お客さんとしても完成した映画を観るのを楽しみにしています。
2019年03月06日「舞台化絶対無理」と言われた同名人気ギャグ漫画の舞台化第三弾となる『舞台 増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和 ~奥の細道、地獄のランウェイ編~』が2月15日に開幕。それに先がけてゲネプロと囲み取材が行われ、阿部丈二、小笠原健、大場美奈(SKE48)、米原幸佑、宮下雄也、脚本・演出のなるせゆうせいが登壇した。『舞台 増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和 ~奥の細道、地獄のランウェイ編~』チケット情報原作は、歴史的な偉人、動物、ケダモノ、パロディなどさまざまなキャラクターが登場し、シュールなギャグを展開する増田こうすけ作のギャグ漫画。舞台版は2015年に初演され、シリーズ第三弾となる今作は初の完全新作のオリジナル。ゲネプロ後の囲み取材で、なるせが「前回『登場人物が多いです』ってすごく言われたので、今回は更に倍ぐらいにしたいなと思いながらやったんですけど(笑)」と話したように、今作では阿部演じる松尾芭蕉と小笠原演じる河合曽良を中心に、ヒロインのマチ子(大場)や浅野内匠頭(宮下)、堀部安兵衛(米原)ら40以上ものキャラクターが登場。一瞬しか登場しないキャラクターなどもいてマニア心をくすぐる。そんな登場人物たちが好き勝手に動き回っているようでいて「ただトリッキーなことをしているわけじゃなくて、ラストに向かってどんどんつながっていく」(米原)のが気持ちいい。初演から出演する宮下も「なるせさんの描く世界観と、増田こうすけ先生の世界観ってなんか似てる」と話す通り、まさに“増田こうすけ劇場”が“体感”できる舞台となっている。「原作の台詞をうまく使いつつもストーリーは完全にオリジナル。本当にこの舞台を観ない限り見られないシーンの連続です!」(阿部)。キャストも「(市川)刺身ちゃんとか、かなでちゃんとか、よしもと勢がすごく引っ張ってくれました。初参加のいーま君は稽古場のアイドルでした」(小笠原)とさまざまなジャンルで活躍するメンバーが集結。「役者は曲者が揃ってますから。彼らのバトルは僕としても観たいと思っていますし、お客様にも観てほしいです」(なるせ)、「役者にとって“笑いをとる”というのは実はすごく難しいこと。それに対してそれぞれがどういう風に立ち向かっていくかっていうのも観ていいただけたら」(阿部)。「気軽に観て面白い舞台。何も考えずに来てほしいです」(大場)という本作。ギャグと下ネタはもちろん、「せっかくラフォーレでやらせていただけるということで爪痕を残したい。普通の舞台にはしたくないなって想いはありました」(なるせ)と、思いもよらぬ演出やファッションビルらしい演出もあるのでぜひ楽しんで。公演は2月21日(火)まで、東京・ラフォーレミュージアム原宿にて。取材・文:中川實穗
2017年02月17日増田こうすけ原作の同名人気ギャグ漫画を舞台化した『舞台 増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和 ~奥の細道、地獄のランウェイ編~』が2月15日(水)に開幕する。その稽古場に潜入した。「舞台増田こうすけ劇場ギャグマンガ日和~奥の細道、地獄のランウェイ編~」チケット情報原作は、コミック累計発行部数600万部を誇り2005年にはアニメ化もされた人気ギャグ漫画『ギャグマンガ日和』(集英社『ジャンプ SQ.』にて連載中)。名作のパロディや歴史的な偉人、動物、ケダモノなどさまざまなキャラクターが登場し、シュールなギャグを展開する世界観は幅広い世代に人気を博している。そのぶっとんだ世界観が再現された舞台版は2015年に初演され話題に。昨年の再演に続く今作は、完全新作のオリジナルで描かれる。脚本・演出は、初演・再演に続き、なるせゆうせいが務める。今作の主役となるのは、再演にもゲスト出演していた阿部丈二演じる松尾芭蕉と、小笠原健演じる河合曽良。ヒロインであるマッチを売る少女・マチ子は大場美奈(SKE48)が演じる。さらに前作に引き続き、浅野内匠頭役で宮下雄也、閻魔大王役で岡田地平が登場するほか、米原幸佑(堀部安兵衛役)、石渡真修(鬼男役)、森本亮治(伊能忠敬役)、寺山武志(大石内蔵助役)、和合真一(三蔵法師役)らさまざまなジャンルで活躍する出演者が集った。稽古は既に通し稽古の段階に入っていた。早いテンポ、唐突な展開で進んでいく本作。ほとんどのキャストが複数役を演じ、シーンによって目まぐるしく登場人物が入れ変わりながらシュールな世界を表現していく。ギャグに次ぐギャグ、下ネタに次ぐ下ネタで、それを演じるキャスト達の芝居も濃厚。中でもヒロイン役の大場は、好きが高じて前作ではアフタートークイベントに呼ばれた原作ファンだが、アイドルがなかなか言わないワードをバンバン連呼する様に原作愛も感じられた。また、「そいつどいつ」の市川刺身や「3時のヒロイン」のかなで、「レインボー」の池田直人、いーまら普段はお笑いで活動するキャスト達の芝居も個性的。稽古場で何度も大爆笑となっていた。ギャグ漫画独特の空気を丸ごと立体化したような舞台。漫画やアニメ原作の舞台は女性に人気が高いが、本作は男性も存分に楽しめるはず。ぜひ劇場で体感してほしい。公演は2月15日(水)から21日(火)まで、東京・ラフォーレミュージアム原宿にて。取材・文:中川實穗
2017年02月14日染谷将太主演の映画『寄生獣』と、大手企業5社(ぐるなび、テレビショッピンング研究所、トヨタ自動車、東日本旅客鉄道、三井不動産レジデンシャル)とのコラボCMが放送されることが決定した。本作は、岩明均の人気コミックを『ALWAYS三丁目の夕日』シリーズの山崎貴監督が2部作で実写化するエンターテインメント作品。人間に寄生して脳を乗っ取り、他の人間を捕食する寄生生物=パラサイトが出現した世界を舞台に、高校生・泉新一(染谷)と、彼の脳を奪うことに失敗し、右手に寄生したパラサイト“ミギー”(阿部サダヲ)との奇妙な友情と戦いが描かれる。その他の写真劇中でミギーは、新一の右手に寄生しながら人間世界の仕組みを学んでいくが、コラボCMは、その物語にシンクロし、スピンオフのような世界観を展開する内容となる。制作は、サントリーオランジーナ『ムッシュはつらいよ』、三井不動産レジデンシャル『タイムスリップ!堀部安兵衛』などのCMを手がけたクリエーティブ・ディレクターの高崎卓馬氏(電通)が担当するほか、映画『寄生獣』のスタッフらも参加し、新一とミギーの新たな映像が撮りおろされる。これまでにも人気キャラクター・ふなっしーや、主題歌を手がけたBUMP OF CHICKENのミュージックビデオ、そして公開初日に行われたイベントでは観客に“寄生”してきたミギー。クリエーティブ・ディレクターの高崎氏は「こんな変なコマーシャルは作ったこともないし、見たこともありません。ミギーという素晴らしい存在があってこその企画。非常に楽しみながら作らせていただきました。ミギーは、ふなっしーの次の愛されキャラになるんじゃないかと確信してます」とコメントを寄せている。各社のコラボCMは、12月31日(水)まで、日本テレビをはじめとしたCM枠で放送される。『寄生獣』公開中『寄生獣完結編』2015年4月25日(土)全国東宝系にてロードショー
2014年12月08日黄蜀葵(とろろ)、鹿尾菜(ひじき)、年魚(あゆ)など、難読漢字はたくさんありますが、「これらの漢字は、明治時代の人々の間でさかんに使われていました」というのは、古書の落語本に詳しい、フリーライターの松井高志さん。そこで、松井さんの著書である『ナンドク難読漢字自習帳』(バジリコ)から、明治時代の落語本や演芸本に見られる、トンチの効いたあて字の数々をうかがいました。■あて字は明治時代の読者サービス!?もともと、落語と演芸が三度の飯より好きだという松井さんは、寄席に通うだけではなく、明治時代に刊行された落語や演芸の本も集めて読むようになったとか。「当時の本を読んで気が付いたのは、あて字が数多く使われていることです」と松井さん。「これらの本は、ほとんどの漢字に読み仮名がふってあるのですが、ところどころにユニークなあて字という一種の遊びがあり、それがスパイスとなって読者を飽きさせないようにしています。また、明治時代の速記本や実録小説本は、改行もなければ句読点もありません。「っ」、「ゃ」、「ゅ」などの小さい文字も使いませんでした。そこで、同じ大きさのひらがなばかりが並んでいれば読みにくいので、なるべく漢字に置き換え、漢字がない文字に関しては『あて字』という修飾技巧を用いることが当時の速記者やジャーナリストの間で、はやりにもなっていたようです」(松井さん)それでは、早速あて字の問題を出していただきました。■外国の地名、外来語編「亜米利加」、「巴里」、「馬耳塞」、「金剛石」、「燐寸」「明治時代の本には、外国の国名や都市名が多く書かれています。『亜米利加(アメリカ)』、『巴里(パリ)』、『馬耳塞(マルセイユ)』です。これらは落語『世界一周』に出てきます。ほかに有名なところでは『紐育(ニューヨーク)』、『桑港(サンフランシスコ)』など。『華盛頓(ワシントン)』は少し難しいですね。同様に、現代ではカタカナで書く言葉も明治の落語速記では漢字で表しています。『金剛石(ダイヤモンド)』、『燐寸(マッチ)』など。『瓦斯(ガス)爆発事故』や、『護謨(ゴム)長靴』は、最近ではほとんど使われないあて字です」(松井さん)■食べ物編「梨」、「玉蜀黍」、「松魚」、「豆腐殻」、「副食物」「『梨』は素直に読めば『なし』ですが、ここでは『ありのみ』と読みます。『なし』は『無し』を連想させるので、『有りの実』と読むわけです。『玉蜀黍(とうもろこし)』は、漢名の『蜀黍(しょくしゅ)』に、なぜか玉がついて『とう』となまったようです。『松魚(カツオ)』は、鰹節の見た目と、カツオの赤身の部分が松の木材に似ているため。『豆腐殻(おから)』や『副食物(おかず)』は、まるでナゾナゾのようです」(松井さん)■畳語(じょうご)編一つの言葉を重ねて独自の読みをあてたもの。「寸々」、「熟々」、「満々」、「密々」、「遅々」「どれも漢字から意味のイメージが湧くと思いますが、読めるでしょうか。『寸々(ずたずた)』、『熟々(つくづく)』、『満々(なみなみ)』、『密々(ひそひそ)』、『遅々(ぐずぐず)』です。『満々』は、『満々(なみなみ)に注いだ酒をぐっと干す』のように使われます。講談『赤穂義士銘々伝』で、堀部安兵衛が有名な高田馬場の決闘の帰路、酒屋で満々と注いだ五合升の酒を3杯飲んだという逸話があります」(松井さん)■三文字、四文字編「御道理」、「畏怖相」、「流行廃止」、「自暴自棄」、「意気地無え」「『御』で始まる言葉は多いですが、『御道理(ごもっとも)』は一番よく出てくるのではないでしょうか。ちなみに『没道理』は『くだらない』と読みます。『畏怖相(おっかない)』は、顔が怖いこと。『流行廃止(はやりすたり)』、『自暴自棄(やぶれかぶれ・やけくそ)』、『意気地無え(きのきかねえ)』は、どれも現代でも使う熟語ですが、読み方が異なります。江戸では、気が利かないというのは、意気地がないということであったようです」(松井さん)「明治時代に使われていたあて字で、現代でも使われているあて字も多いですが、そもそもあて字は、いわゆる語呂合わせやトンチなので、いわゆる『正しい日本語』からはみだした存在です」と続けます。とはいえ、現代の若者言葉や、その時代の流行語を使うような遊び心で、『串戯(じょうだん)』で友人同士のメールで使ってみてはいかがですか。思わず『噴飯(ふきだ)』してしまうかもしれません。監修:松井高志氏。フリーライター。著書に『人生に効く!話芸のきまり文句』(平凡社新書)、『ナンドク難読漢字自習帳』(バジリコ)、『江戸に学ぶビジネスの極意』(アスペクト)など。(下関崇子/ユンブル)【関連リンク】【コラム】知れば日本人力アップ!難読地名、いくつ分かりますか?【コラム】あなたは恋人との記念日を覚えていられるタイプ?【コラム】え、あの人が!?芸能人の意外な出身地
2011年11月01日よきパパにヤクザに刑事…と「ありとあらゆる」という言葉が決して大げさではないほど様々な役柄を演じてきた役所広司。現代劇のみならず、時代劇でも数多の時代の歴史上の人物を演じてきたが、不思議なことに「忠臣蔵」に関してはこれまでほとんど縁がなかったそう。以前、正月のドラマ(「大忠臣蔵」)で堀部安兵衛を演じたことがあったきり。そんな役所さんがついに映画で「忠臣蔵」に関わることになったが、今回の『最後の忠臣蔵』はただの「忠臣蔵」にあらず!赤穂浪士の討ち入りからから16年もの歳月が過ぎたのちの、いわゆる“後日談”を描いたものなのだ。誰もが知っている事件の誰も知らなかった真相――役所さんはどのようにこの物語、役柄に向き合ったのか?「足軽だったからこそ、“本物の侍”の心を持ち続けることができた」役所さんが演じるのは、討ち入りの前日に姿をくらました瀬尾孫左衛門。命惜しさに逃げ出した裏切り者という汚名を背負って生きる孫佐衛門だが、実は大石内蔵助から直々に、これから生まれてくる彼の娘を育て上げるという密命を受けていたのだ。役所さんは孫左衛門を「生かされてしまった男」と表現し、出演を決めたいきさつをこう説明する。「『忠臣蔵』に関してはもう十分やってるだろう、という気がしてましたが、その後にこんな話があったなんて知らなかったです。これだけ『忠臣蔵』が日本人に浸透し、誰もがその背景や、志士たちの苦労まで知っている。ならば、この“生かされた男たち”の物語も理解してくれるだろう、と思いました」。これまでに演じてきた信長や家康、信玄といった歴史上の人物とは全く異なる武士…いや、武士の身分さえも捨てて、遺された内蔵助の娘のために生きる男。役所さんはどのような思いで孫左衛門という男を演じたのだろうか?「元々、足軽の男ですからね。座敷にも上げてもらえない身分。討ち入りに参加して華々しく活躍して、来世は士分に生まれ変わろうと誓う。それなのに生かされてしまった…。かわいそうだなと思いつつも、そうやって来世での生まれ変わりを誓うような低い身分の男だったからこそ、侍の“心”を太平の世でも持ち続けられたんじゃないか、と。侍の端くれとして生きてきて、『もっといい侍になりたい』という思いを持っていた。それがかえってこの男を“武士”として生きさせた部分なのかと思いました」。使命を帯びて生き残ったのは孫左衛門だけではない。無二の親友で、華々しく討ち入りを果たすことを誓い合った寺坂吉右衛門もまた、生き証人として討ち入りの真実を後世に伝え、志士たちの遺族を援助するという命令を帯びて生き残った男であり、この2人の再会が物語を大きく動かしていく。この吉右衛門を演じるのは佐藤浩市。これまた意外なことに、本格的に共演するのは、これがほぼ初めてとなる。「佐藤さんが登場したときは頼もしかったですよ。『来た来た!』って感じで(笑)。映画を撮ってる、時代劇を撮ってるという感じがしましたね。討ち入りから16年を経て再会するわけですが…やはり、その間の苦労を一番分かるのは彼(吉右衛門)なんですよ。そのシーンで対峙した瞬間に『分かってくれる男がいま、目の前にいるんだ』というのを実際に強く感じましたね。まあ空き時間は(佐藤さんは)競馬の話しかしてないんだけど(笑)」。監督という立場を経験して変わったこと役所さん自身は昨年公開された『ガマの油』で、初めてメガホンを握った。“監督”という立場を一度経験して、その後、俳優として現場に立ったとき、心境や臨み方に変化はあったのだろうか?「はい。手を抜いちゃいけないなって(笑)。実際そうなんですよ。スタッフの側で初めて現場に立って、俳優さんが現場に来たとき、凄い期待するんですよ。自分たちが準備した場所をどう使ってどんな物語を語ってくれるのか?どんな芝居を見せてくれるんだろう?って。だから自分が俳優として呼ばれたときには、スタッフから期待されているんだから、下手でもいいから一生懸命やろう、それが大事なんだって思いましたね」。孫左衛門の生き方、彼が下す決断を「理解する、というよりも男にとっては憧れです」と役所さん。「まず、大石内蔵助という男には魅力があるんでしょうね。いまの時代、自分の会社の重役の愛人の子供を自分の人生を懸けて育てようとは思わないでしょう?この男の頼みだからこそ、この男の愛人への思いを知っているからこそ自分は討ち入らずに『分かりました』と言える。この関係を美しいと思うし、男として男らしさを感じます」。本物の侍ではないがゆえ、侍であろうと己を捨てて生きることを選んだ男。その姿は侍なき時代に生きる役所広司という俳優そのものなのかもしれない。■関連作品:最後の忠臣蔵 2010年12月18日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010「最後の忠臣蔵」製作委員会■関連記事:『最後の忠臣蔵』リアリティを追及し世界文化遺産でも撮影敢行!役所広司&佐藤浩市で描かれる“その後”『最後の忠臣蔵』試写会に50組100名様ご招待役所広司&桜庭ななみ、『最後の忠臣蔵』ハリウッド試写盛況で笑顔マシ・オカも出席岡ちゃん“サムライシネマ”応援団長就任「まさかこんな風になっちゃうとは」シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第6回)ちょんまげが似合う“まげメン”俳優といえば?
2010年12月10日