保育士の中田馨さんが、子どもの褒め方や叱り方について教えてくれました。実はあなたのおこなっているその褒め方や叱り方、実はNGかも…!? ぜひ参考にしてくださいね!こんにちは!保育士の中田馨です。1日子どもと過ごしていると、子どもを褒める場面、叱る場面が何度も訪れると思います。今回は、子どもを褒めるとき、叱るときに意識してほしいことをお話しします。 実はNGな褒め方 「すごい!」だけ「すごいね!」と褒めてばかりいませんか?「すごい」という言葉を使ってはいけないわけではありませんが、必ずしも子どもは「すごい!」と言われたいわけではありません。 例えば、カラフルな絵を描いてママに見せに来たとします。このとき「すごいね!」だけだと、何がすごいのかが分かりませんよね。そのため、こんなときは「たくさんの色を使って描けたね。何色がある?赤、青、黄色、緑。たくさんあるね。ママ、この絵が好きだわ」と具体的にママが感じたことを言葉にするのです。 では、苦手な食べ物を食べられたら? 「ブロッコリー食べられたね!」。段差のある所からジャンプしたら? 「高いジャンプだったね!」。すごいと褒めてもいいですが、その前後に、ママの感想も付け加えてください。子どもは、より満足するはずです。 実はNGな褒め方 できたところだけ褒める子どもを褒める場面は、実は生活のさまざまなところに潜んでいます。子どもが「できた!」ことばかりに意識を向けず、普段の何気ない生活のなかでも見つけてみましょう。 例えば、ブロックであそんでいるとします。集中してあそんでいるときは、そっとしておいてもいいですが「その車、〇〇ちゃんが作ったの?カッコいい形だね」など、さりげなく子どもが作ったものを褒めることができます。 また、すでにできるようになっていることは、なかなか褒められなくなっていませんか? 例えば、妹が、食後の食器を台所まで持ってきてくれたら「ありがとう、助かるわ」と声をかける。でも小学生の兄が持ってきたときは持ってくることが当然だと思っているので「は~い」くらいのそっけない返事。親は新たにできるようになったことにどうしても目が行きがちですが、できるようになっていることにも目を向けると、子どもにかける声かけがまた変わってくるかもしれませんね。 実はNGなり方 「ダメ」だけ「ダメ!」という言葉、使ってしまいますよね。私もね、わが子には思わず使ってしまうことがありました。「ダメ」だけじゃ「ダメ」って分かっているのに……。そう、「ダメ」だけだとあまり効果がありません。なぜかというと、子どもが、何が「ダメ」なのか分からないからです。「ダメ!」と大きな声で言われると、一瞬「ビクッ」として子どもの動きは止まると思いますが、それだけでは親の気持ちが伝わりません。触ってほしくないものを触ろうとしたら?「見てるだけにしてね」。と、ママがしてほしい行動を言葉にして伝えます。 私は「ダメ!」は、本当にしてほしくないことを子どもがしたときのための、とっておきの叱り文句だと思っています。「ダメ!そんなことしたら、ママ本当に悲しい!」と感情込めて叱るときのね。そのため普段の生活のなかでは、「ダメ!」ではなく、別の言葉に置き換えられないか?を考えてみてください。 実はNGな叱り方 「〇〇しない」「〇〇しなさい」「〇〇しない」の否定、「〇〇しなさい」の命令もよく使ってしまう言葉です。否定の言葉の例でいうと、「ベビーカレンダーのサイトで、私のプロフィール写真見ないでくださいね」と言われると、「え?何で?めっちゃ見たくなるねんけど!」という気持ちになるのではないでしょうか。大人も「〇〇しないで」と言われると逆にしてしまいたくなるものです。 そのため、走ってほしくない場面で走ったら「走らない」ではなく「歩いてね」とママがしてほしい行動を言葉にして伝えましょう。 同じように、命令の言葉の例でいうと、座ってほしい場面では「座りなさい」ではなく「座ろうね」が良いでしょう。言葉を言い換えるだけで、親のイライラも軽減されるように思います。 その昔のわが家のエピソードをご紹介しましょう。親子でハイキングをしていて、車も走る細い道を歩いていた時の事。幼い私は父母と少し離れて対向車線側を歩いていたそうです。私が、父母の方へ道を渡ろうとしたときに車が走ってきて父は思わず「走るな!」と言ったそうです。でも、私は、走って父母の方へ。幸い間一髪で車とはぶつからなかったのですが、「あのとき、“止まれ”と言うべきだった」と何年経っても父の心に恐怖が残っていました。 褒めるときも叱るときも、共通点としては「子どもと目と目を合わせて声かけする」と言うこと。「ママはちゃんとあなたのことを見ているよ」と子どもに伝えるためにも大切です。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2022年04月20日保育士の中田馨さんが、子どもの成長や発達について教えてくれました。「うちの子は子こだわり強め?」「わがままなの?」とお悩みのママやパパは必見!ぜひ参考にしてくださいね! こんにちは!保育士の中田馨です。子どもが成長するにつれ「アレ?」と心配になることも出てきますよね。子どものこだわりの強さを感じ始める、1歳半を過ぎたころだと、例えば「子どもが〜したい!」と言ってなかなか譲らない。「これってわがまま?」「うちの子、こだわりが強いんじゃない?」と感じること、ありませんか?実はこれ、ただわがままを言っているわけではないんです。子どもなりに理由があって、こだわりが強い子もいるんです。今回は、子どもの「こだわり」とその付き合い方についてお話しします。実はNGな対処法していませんか? 1歳半~3歳ごろのこだわりは、自立への第一歩皆さんのお子さんは、どんなこだわりを持っていますか? ・いつもと同じ手順が大切(手の洗い方、ご飯の食べ方、服の着方など)・いつも同じ服、靴下、帽子、かばんなどを持ち(着)たがる・白ご飯しか食べない(逆におかずしか食べない)・出かけるときは、リュックにおもちゃをパンパンにして持っていく(外で出すことはない)・バスやエレベーターのボタンは、必ず自分が押すなど 例を挙げれば、数限りなくありそうですね。このこだわりを「今日は時間がないから」などと言ってさせなかったら最後。かんしゃくを起して泣き叫ぶというお子さまもいることでしょう。「こんなにこだわりが強くて、うちの子大丈夫かな?」「お友達の○○ちゃんは、こんな感じじゃないのに」と感じることもあるかと思います。この「子どものこだわり」ですが、一見ややこしく、大人を困らせるようにも見えますが「ボク(ワタシ)は、自立したいんだ!」と言う気持ちの表れです。つまり、子どもが成長発達している!ということなのですね。 子どものこだわりとの付き合い方(理解編)子どものこだわりは「今、これが気になるんだ!好きなんだ!」という好奇心の表れなので、「じっくりと付き合う」ことが基本になります。まずは、子どものこだわりを「理解」することが大切です。 例えば「いつもと同じ手順が大切(手の洗い方、ご飯の食べ方、服の着方など)」という子どもの場合、この手順が狂うと不安になってしまいます。ですので、この手順をできる限りいつもと同じにします。私の保育所には、食後は「ごちそうさまでした」と言う→タオルハンカチで顔と手を拭く→食事用エプロンとタオルハンカチをかごに入れる。という流れが狂うと不安になる子がいます。この場合、先生(周りにいる大人)がこの「こだわり(ルール)」を分かっていれば、その流れ通りに手順を踏むことを心がければ良いのです。 しかし、先生やママ・パパがこのことを分かっていなければ、なぜ子どもが泣き出したのかもわからないかもしれません。子どものこだわりをじっくり観察して、何を大切にしているかを理解することが重要です。 子どものこだわりとの付き合い方(メリハリ編)子どものこだわりには「じっくりと付き合う」が基本になります。と言われても、毎日どんなときも、このこだわりにゆったりとお付き合いできるほど大人も時間があるわけではありません。子どものこだわりへのメリハリが必要になります。 物事だったり、そのときの状況だったりで変わってくると思いますが、子どものこだわりの中で、ママやパパが「待てる(OK)」ものと、「待てない(NG)」ものがきっとあると思います。例えば「バスやエレベーターのボタンは、必ず自分が押す」というこだわりがある場合、時間に余裕があり、他に誰もいなければ「OK」ですが、他人がいてその人を待たせるようなことになりそうなら「NG」です。そのため、あらかじめ「○○ちゃんがエレベーターのボタンを押すのは、他の人がいないときね」と言うルールを決めておくのです。 こだわりを思う存分発揮してよいときと、そうでないときのメリハリは大切です。 こだわりが強くてかんしゃくを起こしたときの解決策は、「共感」と「お願い」子どもがこだわりの強さからかんしゃくを起こしたら、本当に困ってしまいます。我が家は娘が、なかなかのかんしゃくちゃんだったので、その苦労はよく分かります。まず、かんしゃくを起こしたときの子どもは、周りの大人の声が全くと言っていいほど届きません。「ボク(ワタシ)は、コレがしたかったんだ~!!」を全身全霊で訴えているのですから。 かんしゃくを起こしたときにはまず、子どもを安全なところに移動させ、ある程度の時間かんしゃくを起こさせてあげましょう。そのときは「そんなこと言っても、もうお出かけの時間なんだからね!」という大人の理論は横に置いて、「そうかそうか。○○がしたかったんだね。ママは分かってるよ」と共感の声かけをします。抱っこできるのなら抱きしめて共感を言い続け、少し落ち着いたところで「ママ、○○ちゃんとお出かけしたいんだけど、靴下はいてほしいな」と、ママがしてほしいことをお願いします。 この方法で、わが子と保育所の子どもたちのかんしゃくは、比較的短い時間で収まります。一度、試してみてください。 子どものこだわりの強さに手を焼いている場合は、市の発達相談や健診時に、保健師や医師に相談してみてください。何か、新たなヒントをもらえるかもしれません。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2022年03月31日大人気サレ妻シリーズ、今回はサレ妻みか(@sare_mika)さんの投稿をご紹介!「後輩が妊娠したのは夫の子ども!?」第17話です。のぞみさんの笑いがどこかぎこちないことに気付いていたみかさんでしたが、彼女なりに我慢してくれているのだと思い…!?のぞみの性格は…出典:instagramしかし私は…出典:instagram彼とのひととき出典:instagram彼と過ごす時間は…
2022年03月27日私は息子2人、末っ子娘1人、計3人の子どもを持つ兼業主婦です。待望の娘が生まれるまでは女の子が欲しくて、同じ悩みを持つママ友と「女の子だったら、ずっとお風呂一緒に入ってくれるね」とよく妄想話をしていました。そして妄想だけでは終われず、1年の不妊治療の末に妊娠。妊娠7カ月に「90%女の子ですね」と主治医に言われて夢が叶ったと大喜び。でも同じ悩みを持つママ友には悪い気がして連絡できずにいたのですが……。 苦労を共有したママ友に送った年賀状 児童館で知り合ったママ友とはお互いの年齢も近く息子たちの学年も一緒で、環境が似てることもあってとても気が合いました。ばったり会えば男の子ならではのあるあるを長々話すのが楽しい、育児には欠かせない友だちでした。 ママ友といるとき、児童館で遊ぶ女の子を見るたびに「女の子欲しいよねー、でも3人は大変過ぎるね」と愚痴っていました。やがて再開発のため近所の児童館がなくなり、お互い仕事も忙しく、コロナ禍も重なり私の第3子妊娠を知らせるのは年賀状になりました。 まさかのママ友も第3子妊娠中!性別は?ママ友の年賀状を見てびっくり! ママ友も第3子を妊娠中とのこと。すぐにLINEで「お互い第3子だね。こっちは待望の女の子だよ」と送信。戻ってきた返事は「そうなんだー! 楽しみだね」……あれ? 性別を言ったのは私だけ? もしかして男の子? モヤモヤしてこれ以上LINEは送れませんでした。女の子でも男の子でも幸せなことに変わりありませんが、ずっと女の子を切望していた同志。片方だけが女の子だったら関係が壊れてしまうんじゃないかと心配していました。そして娘が生まれて間もなく、ママ友の子どもも生まれました。再びLINEで報告。今度こそ性別を知りたい私は、「うちは桜という名前をつけたよ、〇〇さんの赤ちゃんの名前は?」と送信。ママ友からは「私の子は歩という名前だよ」と返ってきて、どっちなのかさらに迷宮入りになりました。 結局わからないまま、お宅訪問その後、私が娘の写真を送ってもママ友から写真がくることはありませんでしたが、そのことは気にせずに連絡を取り合いました。そしてお互いの第3子が生後半年を過ぎ、私がママ友の家に訪問することに。道中、モヤモヤする気持ちでいっぱい。 ママ友の家に到着しドキドキするなか、「いらっしゃーい」とママ友の声とともに開いたドアの先には、パパに抱かれたパープルと白のボーダーロンパースを着た赤ちゃんがいました。……どっちやねーん! すると、ついてきた私の息子が「あれー男の子? この子男の子みたーい」と騒ぎ出し、ママ友が「ブー! 女の子でした。桜ちゃんと一緒よ」と答えました。女の子ーー!「早く言ってよ〜」と、私は思わず声に出してママ友に訴えていました。 ママ友にずっとモヤモヤしていことを話し、「生まれたら性別言うでしょ」と私が突っ込むと、ママ友は舌を出し「へへへ、実は今日のお楽しみにしようと思って言わなかったんだよね」とのこと。私はすっかりママ友の思惑通りになってしまったようです。これにて一件落着。ママ友とは育休中にショッピングモールでお茶をし、お互いの娘を愛でて、ますます仲良く過ごせそうです。 監修/助産師 松田玲子作画/キヨ著者:巳村 糸8歳、6歳、0歳の子どもを持つママ兼保育士。趣味は旅行、レジャー、ショッピング。家族5人になり、軽自動車を手放して7人乗りの天井が見える車を購入。この夏は初のオートキャンプを計画中。
2022年03月22日保育士の中田馨さんが、「子どものしつけ」について教えてくれました。子どものしつけについて困っているというママやパパはぜひ参考にしてくださいね。 こんにちは!保育士の中田馨です。今回は“しつけについてのお話。「しつけ」と一言で言ってもなかなか難しいものです。だって、各家庭「ここが大切」と思っている部分が違いますし、保育のプロの私達でもしつけは難しいと感じます。今回は、保育園に通う子どもたちのしつけで「ここのポイントを押さえてもらえると助かるんです!」と言うテーマでお話しします。 しつけをするとき、このポイントを押さえてね!そもそも「しつけ」とはどういう意味の言葉なのか?を改めて調べてみました。「しつけとは、日常生活での行儀作法や生活習慣の型を身につけさせることを言い、主に家庭内での初期教育をさす」とのこと。子どもが社会に出たときに、苦労しないためにも身につけたいことを大人が伝えていくのですが、これは国や地域、家庭の考え方によっても違います。今回お話しする「しつけ」は以下の2点にポイントを絞ってお話しします。 ・保育所で子どもたちが安全に過ごすこと・保育所で子どもが迷わず生活できること 正直、子どもは何度も何度も、本当に何度も同じことを繰り返します。「この前も言ったのに!」なんてことだらけだと思います。でも、繰り返し伝えることと環境を少し変えること、さらに大人が少し意識を変えることで、子どもに伝わっていきます。 何でも触る、なめる、投げる、落とすずいぶん昔の話。まだ私が小学生で、母が保育所を営んでいた時のことです。母は、子どもたちにひな人形を見せようと保育室の隣の部屋に七段飾りを出したことがありました。保護者も喜び、お迎えの際に子どもを抱っこして一緒に見て楽しんでいました。すると、ある子どもが飾りに手を伸ばし、なめて、そのまま落としました。飾りは壊れ、保護者は謝ることなく「あらら」と言った感じだったそうです。 これは、極端な例だと思うのですが、「触らず見るだけの物」と「触っていいもの」の境界線を伝えていくことも大人の役割です。ちなみにそれ以来、私の保育所では、ひな人形は柵の中に飾るか、お内裏様とおひな様だけ子どもの手が届かないところに置くことにしました。月齢が低く「見るだけよ」と伝えても触ってしまう時などは、環境を変えていきましょう。 また、何でも投げる、落とす時期は「投げても、落としてもいいもの」を渡します。ちょうどいいのは「ボール」ですね。子どもの本能が「投げたいんだ!」と言っているのですから、これを遊びにつなげないわけにはいきません! 叩く、噛むへの反応は真剣な顔で!もしお家で、お父さんやお母さんをたたいたり噛んだりする姿がみられたら「噛んだら痛いんだよ」ということを伝えていきましょう。これは0歳でもです。怒る必要はないのですが、噛まれて「いたたたた!!」と大げさに反応したり、笑って冗談にしてしまうと、子どもは「わ!お母さんが反応してくれた!」と思ってしまいがちです。そうすると、またお母さんに反応してもらいたいので噛むのです。 また、気に入らないことがあり噛む時は、まだ言葉で気持ちを伝えられない時でも、「イヤって言えばいいんだよ」と言葉で気持ちを言う方法を伝えていきます。噛んだり叩いたりなどを、お家と同じように保育所でもするようになると、お友達が傷つくことに繋がります。噛む時期はその子によって違いがありますし、すぐにやめる子もいればそうでない子もいます。じっくりと伝えていきましょう。 食事は座って食べる成長過程で、多くの子にある「歩き食べ」。食事中に椅子から立って歩き始め、追いかけて食べさせるなんてこともあるのではないでしょうか。食べ歩きをするのはお行儀も気になるところなのですが、のどに食べ物を詰めてしまう可能性もあるので危険!なんですよ。少々、根気がいるのですが、子どもが立ったら「座ろうね」とその都度、椅子に座りなおさせることが大切です。その回数が多い時期は大変なのですが、続けていることである時を境にピタリとやめます。 歩かないにしても、椅子の上に立ったり、背もたれやひじ掛けの隙間に足を入れ込むことも危険ですので「おしりぺったんで座ろうね」など声掛けをして、座ったことを確認してから食事を進めていきましょう。 「まだ小さいし、どうせ言ってもわからない」と思わず、その都度その都度、子どもの目を見ながら伝えてほしいなと思います。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2022年02月28日保育士の中田馨さんが、保育園に子どもの送迎に来てくれるパパのちょっと困った対応について教えてくれました。子どもを保育園に送迎しているパパ必見ですよ! こんにちは!保育士の中田馨です。今回は“保育園園児のパパの対応で困ったこと”というテーマ。これまで長年保育士をしていて、「大切なので、ここだけはお願い!」と感じたことと、友人保育士から聞いたエピソードも交えつつお話しします。 日々の子どもの様子は夫婦で確認を!パパのあるあるといえば「子どもの様子を知らない」ことでしょうか。例えば、前日の夕方に、いつもよりも少し熱が高めで機嫌が悪かったとします。夕方のお迎えがママで、翌朝の送りがパパだった場合。翌朝パパに「昨晩は、お熱は上がりませんでしたか?」と聞くと「え?調子悪かったんですか?」という返答をされることがあります。 これは、パパだけではなく、ママが伝達していなかったことも原因なのですが。私の園でも年に数回ある出来事です。子どもの夜から朝にかけてのおうちでの様子によって、その子のその日1日の保育所での生活が決まってきます。昨夕から平熱で元気に過ごしていたら、外遊びもできるでしょうし、平熱でもいつもよりも機嫌が悪かったなら、部屋でゆっくり過ごすことになるでしょう。子どもの健康を守るためにも、是非とも、日々の子どもの様子は、夫婦で確認し合ってもらえると助かります! 急なお迎えは、電話一本入れてね!「仕事が早く終わったから!」ということで、何の連絡もなく突然お迎えに来るのはパパが多いかな?と思います。「仕事が早く終わったから、一刻も早く子どもを迎えに!」というパパの気持ちは、もう、これ以上ないくらいのありがたいこと!子どもにとっては最高にうれしいですし、私たち保育士も「どうぞお越しください!」と大歓迎です。ただ、ここでのポイントは「急なお迎えの時は、電話をください」というところ。保育園によっては、ママがメインの送迎者の場合、たとえパパであっても事前に連絡がなければパパにお預けできない場合があります。 また、パパが来た時間がお昼寝時間だった場合、その子を起こして、パジャマから服に着替えさせて、帰る準備をして…と、パパが来てから準備をバタバタしなければいけません。せめて15分前に連絡をいただけたらパパが来る頃に合わせて、帰る準備ができますので「急なお迎えは、電話一本入れてね!」というところをお願いします! 大きな声で問い詰めるように質問するこれは、私の友人の話。あるパパさん、保育士に「強く当たる」ことで有名だったそうです。保育士の対応が少しでも気に入らなければ、大きな声を出して強く当たっていたそうです。中堅保育士の友人には「あの先生は怖そうだから」という理由で、かかわってこなかったそうですが。この例は極端ですが、パパはつい大きな声で質問もたたみかけるみたいになりがち。それは怒っているようにも見えてしまいます。 もちろん、保育士の対応に疑問を持ったなら「どうしてなのか?」の話し合いを持つことは大切。でも、保育園の職員の大半が「女性」である現状、自分たちよりも体の大きな男性に大きな声を出されることは、それだけでも恐怖です。また、子どもたちの前で「先生が友達のパパに怒られている(ように見える)」姿を見せることも、あまりおすすめができません。保育士の対応が気になり話をしたいときは、そういったことも考慮に入れていただけたらと思います。 パパはみんなから人気がある!私の保育園では、ほとんどのご家庭のパパが送迎に協力してくださっています。パパが送迎している様子を見ていると「パパは、他の子どもたちから人気がある」ことが分かります。お友達のパパが来ると、「パパ!パパ!」と言ってお話しに行ったり、今あそんでいるおもちゃを見せに行ったりと、パパが来たことをみんなが喜んでくれるんですよね。 最初はどう対応すればいいかわからずに、照れ臭そうにしているパパも、慣れてきたら「ブロックで車作ったん?かっこいいな」なんてお話してくれるようになるので、また更に子どもたちのハートをゲット!することになります。パパは、子どもたちの「憧れの存在」でもあったりします! パパが送り迎えの時は、ママとは違う態度の子どもたちを見ることも、私たちの楽しみです。ママの時は甘えモードの子が、パパだとシャキーン!と背筋を伸ばしてきたり、逆にパパだと「パパ~♡♡」と超甘えモードに変身したり。「あら!小さいながらに使い分けているわね!」とほほえましく見させていただいています。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2022年02月19日今回は保育士の中田馨さんが、お友だち関係でやりがちなNGについて教えてくれました。「さて、どこまで親が介入するべき?」の疑問に答えてくれています。 こんにちは。保育士の中田馨です。私は0~2歳児が対象の保育園を運営しています。日々、子どもたちと過ごしていてよくあるのがや「お友だちとのケンカ」です。相手がいることですので「さて、どこまで親が介入するべきか?」と悩むところだと思います。今回は、低年齢児の子どもたちのお友だち関係についてお話しします。 「お友だちとのケンカ」にすぐ口を出すのはNGお友だちとのケンカ。保育園でもあるあるです。自分の知っている言葉を並べて、顔中真っ赤にして一生懸命言い合っている子どもたちを見ていると、かわいくてしょうがないのですが、きっとママたちからすると慌ててしまう場面かもしれませんね。 基本的に、相手にケガをさせてしまうような行為をしなければ「見守る」でOKです。何かあったときにすぐに手を差し伸べることができる距離で見守りましょう。一生懸命自分の気持ちを出してしまえば、あら??と言うくらいスッキリして、また2人で遊びだすなんてことはよくある姿。子どものケンカは、慌てずドーンと構えてみてください。 意外にも「あ!普段私が言っていることをマネしてるわ!」なんて自分自身の反省につながることもあったりしますよ。(私が娘と息子のケンカのときに、よく反省していました…) 年齢別に解説!親はどこまで介入すればいい?お友だち関係で悩んでしまうのは「親がどこまで介入すればいいか?」です。低年齢の子どもだと、ほぼすべての場面で親の介入が必要になります。例えば、1歳ごろの子どもはまだ自分の気持ちを言葉にして伝えることができないので、叩いたり噛んだりしてしまうことがあります。そんなときは、それをさせないように親が介入しなければいけません。2歳を過ぎると、言葉で伝えることがだんだんできるようになってくるので、叩いたりすることが減ってくるでしょう。そうすると「そばで見守る」程度でOKになってきます。 また、介入の頻度は、相手の親御さんのタイプや関係性にもよるでしょう。気心が知れていて「子どもはケンカしてなんぼよ!」なんてタイプの方なら「ケガしないように見守る」でOKですし、そうでなければすぐに介入した方がいいでしょう。ご自身の子育ての考え方はあると思いますが、お友だち関係は相手があることですので、相手の考え方にもよりそう必要も出てきます。 「お友だちと仲良く遊ぶ」ことはとても大切なこと。しかし、ケンカをして喜怒哀楽の感情を沸き立たせるという経験も大切なことなんです。子どもがお友だちとケンカをしていたら、まずは見守りながらどんな状況なのかを把握してみましょう。相手の親御さんのタイプや関係性を考慮しながら、介入の仕方を見極めてみてくださいね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2022年02月14日Jクラブのスクール入会時、「選手コースはビシビシやるけど、スクールは楽しくやっている」と方針説明があった。それでも上手くなりたくて入会したけど、何も教えてくれない。スクール生はただの養分なの?人によっては選手コースより高い月謝を払っているのに教えてもらえないのは不憫で......。と嘆くお母さんからのご相談。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、悩めるお母さんにアドバイスを送ります。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<威嚇するS級コーチのもとに卒業までいさせていいのか問題<サッカーママからのご相談>うちの子(12歳・小6)はJクラブのスクールに通い、チームはスポーツ少年団でやっています。少年団の練習プラスでもっとサッカーが上手くなりたいという気持ちからスクールに入る事にしました。スクールに入る時に、スクール担当の元プロのコーチが言った「スクールは緩く楽しくやっています。選手コースはビシビシやってます」という言葉に残念に思いましたが、上手くなりたくて目的を持って入りました。しかし「コーチは何も教えてくれない」と息子は残念がっております。親から見てもスクールと選手コースへの熱意が違うのが明らかです。月謝を払って通っている、ましてコースによっては選手コースよりも高い月謝を払うにも関わらずその様な対応に疑問に思います。ただの経営の為の金集め?なのかと思うと上手くなりたくてスクールに入ってる息子が可哀想になります。近くにスクールがない田舎なので選択肢がなくて悩んでます。どうしたらいいでしょうか。<島沢さんのアドバイス>ご相談いただき、ありがとうございます。最初に断っておきます。私はこれからお母さんに若干厳しいことを言います。■最近は教え込む指導をしなくなっている「コーチは何も教えてくれない」と息子は残念がっていて、親から見てもスクールと選手コースへの熱意が違う、と書かれています。これは恐らく、その通りなのでしょう。実は現在の少年サッカーの指導は、まだ過渡期です。ひと昔の手取り足取り教えこんでコーチが指示したようにプレーさせるのではなく、「自分で考えさせる」「子どもの選択を尊重する」という新しい考え方への転換が見られます。ただし、自分で考えさせるにも、ベースの部分を与えて、そこから一緒に考えていくかたちがよいのですが、その過程を飛び越えて「自分で考えろ」と放置してしまうケースもあるようです。もっと学んでほしいなと思うのですが、そのあたりが成熟していないようです。若いコーチでも自分で学んだり、良い師に恵まれて参考にしている人もいますが、多くは自分が教えられたように教えてしまいます。■子どもの伸びる時期はそれぞれ、もっと長い目でみるようにしようその逆で、子どもが楽しくプレーしてサッカーを好きになってもらうことを第一に考えながら、問いかけて考えさせる指導をしているコーチも多数いらっしゃいます。そのひとりで首都圏のスクールやクラブで指導するコーチは以前、親御さんたちから「スクールでドリブルを上手くしてほしい」と要望を受けたり、「入れたのにちっとも伸びない」とクレームがあることを嘆いていました。そして「子どもが伸びる時期はそれぞれで、スクールに通い始めるとすぐにうまくなる子もいれば、もっとあとになって技術の向上が見られる場合もある。長い目で見てほしい」とも話していました。■「教えてくれないと上手くなれない」という考えでは成長できないお子さんが通っているJクラブのジュニアコーチが単に放置しているのか、楽しくサッカーをしながら子どもの成長を見ているのかは私もわかりません。ただ、ひとつ言えるのは、「コーチが何か教えてくれないとうまくなれない」と考えてしまうと成長できないということです。サッカーにしてもほかのスポーツにしても、指導者は環境を整えるためにその場にいると考えてください。親御さんのほうが「うまくしてくれない」「熱心に教えてくれない」と、相手に何か求めるばかりでは、お子さんも「僕がうまくならないのはコーチのせいだ」と思うようになるかもしれません。しかも「上手くなりたくてスクールに入ってるのに可哀想」とお母さんが思ってしまうと、子どもは余計に他罰的になります。「選手コースはビシビシやってます」と話したようですが、思わず本音が出たのでしょう。「ビシビシ」の意味はわかりませんが、もしかしたら全国優勝するためとか、プロにするためにビシビシ鍛えています、ということかもしれません。クラブ側は「スクールは緩く楽しくやっています」と最初に説明しているのですから、「何も教えてくれない」と言ってしまうのは少し違うかなと思います。こう話すと、島沢さんはJクラブの肩を持つのかと感じるかもしれませんが、そういうことではありません。■今の状態は「高いお金を払って塾に行かせているのに成績が上がらない」と嘆くのと同じ私は、お母さんに「親子ともに受け身のままでは、良いことは起きませんよ」と伝えたいのです。誰かに何かを期待する。教えてくれるのを待っていては、サッカー以外の勉強にしろ、どんなことも伸びていくことはできません。お母さんは月謝を払っているのに、と書き、費用対効果の低さを嘆いています。これは高いお金を払って塾に行かせているのに成績が上がらないと嘆くお受験に熱心なママたちと似ています。また「選手コースよりも高い月謝を払うにも関わらず、その様な対応を疑問に思う」とのことですが、選手コースの子どもはある程度ふるいにかけられていて、活躍をクラブから期待されている。そのために特別な料金設定になっているとも考えられます。ただの経営の為の金集めだったとして、それを私たちが論じても、クラブ側が決めることなのでお母さんの力では何ともなりません。自分の力の及ばないところはばっさり切り捨てる。そして自分と向き合う。相手に変わって欲しいと念じるよりも、自分たちが変わったほうが絶対に効率的です。これはスポーツ心理学でもよく言われることです。ここはアッサリと「受け身では何も解決しないよね」と、親子ともに思考を180度変えてみてはいかがでしょうか。■払った金額の見返りを期待するより、子どもを伸ばすために意識したいこと(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)もう12歳。小学6年生ですよね。スクールに行くときに「今日はこんなことを試してみよう」とか「どうしたらいいのかコーチに聞いてみよう」といった探究心があるといいなと思います。高いお金を払ってその見返りを期待するのではなく、そんなふうに意欲的な子どもに育ててください。「プレーするのは君だからね」という姿勢を、まずはお母さんが持つことが肝要です。子どものために良い環境を用意するのは大事なことです。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)。
2022年01月25日※この物語は実話をベースにしたお話です。登場する人物や団体名は一部フィクションを含みます。■前回のあらすじ私が園児の前で絵を描かなくなったことにより、子どもたちに嬉しい変化が現れ始めます…!■完璧じゃなくたっていいんだ…!私の保育について指導してくれたゆき先生から声をかけられ、また自分は何かしでかしてしまったのではないかとドキドキしたのですが…。■先生としても母としても考え方が変わり…大切なことは、「なんでもできる大人」の姿を見せることではなくて、たくさん失敗する姿を見せながら「失敗してもいいんだ」と思える安心感と「挑戦するのってかっこいい」と感じられる意欲を育てていくことなんじゃないかなぁと今では思います。なんでもできる完璧なお母さんよりも「すごい! こんなこともできるんだね!」ってたくさん褒めてあげられるお母さんそんなお母さんになりたいなぁと思う今日この頃です。もしも私のように「自分には特技はない」「何もできない」と感じている方がいたら、それは子どもを褒めるスペシャリストになる素質だと思って子育てを楽しんでもらえるといいなぁと思います!最後までお読みいただきありがとうございました!本記事はあくまで筆者の体験談であり、子どもの前で絵を描いてはいけないという意味ではありません。11月29日(月)12時からは、ペンコさんの新連載「閉め出され事件」が始まります。お楽しみに!
2021年11月28日※この物語は実話をベースにしたお話です。登場する人物や団体名は一部フィクションを含みます。■前回のあらすじ展覧会に向けて、子どもたちの絵を見ながら先生方と話し合いが行われました。私のクラスの子どもたちの絵は、どうやらみんな「硬い」らしく…。■子どもたちの前で絵を描いた理由は…■子どもたちの表現力を奪っていた…?幼稚園の先生に対してネガティブなイメージを持たれてしまわないか心配ですが…。重ねて言いますが、決して愚痴を描きたいわけではありません。次回、ゆき先生の言葉の意図が少しずつ明らかになっていきます…!次回に続く「園児の前で絵を描かなくなった先生の話」(全6話)は12時更新!本記事はあくまで筆者の体験談であり、子どもの前で絵を描いてはいけないという意味ではありません。
2021年11月25日この漫画は書籍『おうち性教育はじめます』(フクチマミ著、村瀬幸浩著)の内容から一部を掲載しています(全12話)。 ■前回のあらすじ子どもへの性教育、まずは「プライベートパーツ」の大切さから伝えることが大事だという村瀬先生。親子間のスキンシップも注意すべき…?■防犯のために知っておきたい「NO・GO・TELL」「嫌」を伝えることはワガママなことではなく、自分を守り、相手を尊重するためにもとても大切なことのようです。次回に続く(全12話)「おうち性教育はじめます」連載は6時更新! 『おうち性教育はじめます』 フクチマミ著、村瀬幸浩著(KADOKAWA) ¥1,430(税込) \ この後どうなる!? /書籍「おうち性教育はじめます」はこちら 「うちにも赤ちゃんはくる?」といった、突然やってくる素朴な質問への答え方から、性犯罪の被害者・加害者にならないための日々の言葉かけ、思春期に訪れる男女の心と体の変化まで、親子で一緒に学ぶことができるパパママの必読本。毎日の家族の会話で子どもを守り、これからの時代を生き抜くための力を養うための「おうち性教育」のはじめ方をわかりやすく学べる一冊。
2021年10月22日広島テレビ放送株式会社(本社:広島市東区、代表取締役社長:飯田政之)は、今月18日(月)から、「学校では教えてくれない!みんなの防災教室2」を広島テレビアプリで限定配信します。番組は気象予報士の資格を持つアイドル、Snow Manの阿部亮平さんを学級委員長に、いつどこで起こるかわからない自然災害から命を守る行動をとるための知識・意識が身につく教養バラエティー第二弾として10月15日(金)午後6時55分から放送したものです。今回のテーマは、「近年の大雨災害」。発生の仕組みや注意点などを楽しくわかりやすくお伝えするほか、最新の防災グッズやバリエーション豊富な非常食も取り上げています。番組は、開局60年記念事業「いま動こう!みんなで防災PROJECT」の取り組みの一つで、この機会に多くの方にご覧いただければと思います。番組代表カット■番組名:「学校では教えてくれない!みんなの防災教室2」■出演者:阿部亮平(Snow Man)・朝日奈央・小林正寿(気象予報士)くぼてんき(気象予報士/防災士)・石原慶幸(広島テレビ野球解説者)・塚原美緒(広島テレビ気象予報士)■出演者コメント阿部亮平(Snow Man)さん「防災というと固いイメージがあるが、日常から楽しく学ぶ大切さがしっかり伝わる番組になったと思う。和気あいあいとした教室のいい雰囲気も出せたかなと。是非ご家族でご覧ください!」■配信期間: 2021年10月18日(月)~12月31日(金)■配信 : 広島テレビアプリで限定公開■URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年10月18日インスタグラムやブログで家族の話をつづっているおーちゃんによる50代の日常を描いたマンガをご紹介します。今回は、孫からのあるひと言について。子どもは正直だとつくづく感じたそうです。★前回:「でしょうね…」猛スピードでこぎ出した夫の末路 #五十路日和 12こんにちは、孫ラブのおーちゃんです。子どもは正直ですね……。孫から、おとぉは「口が臭い」と、私は「頭皮が臭い」と指摘を受けました。孫よ、教えてくれてありがとう。……でも、臭くたっていいじゃない、人間なんだもの……。その夜、いつおより入念に髪を洗った私でした。★ウーマンカレンダー連載マンガ★関連記事:「自分らで買って」52歳、いつの間にか買わなくなったもの #五十路日和 11★関連記事:「残されたのは私ひとり」ワクチン予約の初動が遅れた45歳の夏 #ときめけ!BBA塾 90著者/おーちゃん(52歳)孫ラブおばさん。10歳年上の夫と2人暮らし。長女(29歳)、次女(27歳)、長男(24歳)の3人の母親で、6歳の孫を溺愛中。Instagramとブログで家族の話を更新中。ブログ「娘ときどき孫日和~子離れ奮闘記~」。Instagram:@ohchan_65
2021年09月03日保育士の中田馨さんが、保育園で実践している「子どもへのほめ方・しかり方」を教えてくれました。今回はお出かけ編です。お菓子を買ってと泣く、なかなか帰りたがらない、公共の乗り物で騒ぐなど、シーン別に詳しく解説!こんにちは、保育士の中田馨です。「保育園で実践している、子どもへのしかり方・ほめ方」の第4回目になります。今回は、お出かけでのしかり方とほめ方です。普段、保育士が現場で実際にどのような声かけをしているかお話しします。 よかれと思って言ってしまう言葉を言い換えてみるお出かけ先でよく出る言葉といえば、子どもの言動を止めたいときに思わず言ってしまう「ダメ!」という言葉。気をつけてほしいのは、「ダメ!」を何度も使っていると、「ダメ!」の効力が薄まっていき、子どもにとって日常の言葉になってしまうことです。「ダメ!」は危険を回避するためにしかるときの言葉としてとっておきましょう。 実は、子どもと生活していても「ダメ!」を使わずに過ごすことはできます。子どもの行動と気持ちにフォーカスを当てていると、「ダメ!」と言う場面はそれほど多く訪れません。今から、普段使っている「ダメ!」を別の言葉に言い換えることはできないかを考えてみましょう。例えば、人の家の花を子どもが取ろうとしたとき。「ダメ!」ではなく、「待って」と言いましょう。そして「きれいな花だから触りたくなっちゃったね。でも、このお花はおうちの人が大切にしているお花だから、見るだけにしようね」と言います。 お菓子を買ってと泣くスーパーに行くとよく見かける光景。「お菓子、買って!」「今日はダメ!」というやり取りです。私自身も自分の子どもで経験していますし、保育園の子どもたちを連れてお買い物に行ったときにも経験しています。 商品を握りしめ「買ってくれるまで絶対に離しません!」と強い意志で向かってくる子どもに、どう対応したらいいか迷ってしまいそうです。ここで、ママが見せてほしい態度は「買うなら買う。買わないなら買わない」と言う明確な態度です。 子どもの訴えが激しいと、周りの目もあるので思わず根負けしてしまいそうですが、「買わない」と決めたなら、自分の気持ちに負けてはいけません。でも「今日は買わないって言ったでしょ!」としからないでください。まずは、「このお菓子が欲しかったんだね」と子どもの気持ちを受け止めます。そして「今日は、卵を買いにきたからお菓子は買わない」と伝えます。子どもは、まだかたくなにお菓子を手に持ち動かないと思いますが、ママの言葉は聞いているのでしばらく待ってみましょう。 そして、こんな提案はOKです。「今日のおやつは、バナナヨーグルトにしようと思ってるの。おいしそうなバナナを選んでほしいな」などです。お菓子を棚に戻すことができたら、お菓子を戻せたことをほめます。スーパーに行っても、お菓子を買ってもらえない経験を積むことで「買わないこと」が日常になります。少し時間がかかるかもしれませんが、じっくりと付き合いましょう。スーパーに行く前に「今日は、お菓子は買わない日だよ」とあらかじめ伝えることも大切です。 遊びに行くと帰りたがらない!公園へ遊びに行ったときなど、「帰るよ」と言ってからがとても長いですよね。「帰るよ」「ヤダ!」のやり取りをいったい何回することでしょう。ママは帰宅してからのことを考えると「早く帰りたい」という気持ちでいっぱいなことでしょう。とはいえ、今遊びがのってきているのに急に帰ると言われても子どもだって困るのです。このようなときは、少し前から予告をしておきましょう。 帰宅の15分前から「そろそろ帰るよ」と伝えます。そのときは、子どもに知らん顔されてもOKです。また5分したら「そろそろ帰るよ」と言います。そうすると、5分前に言われていたので、何となく子どもも「ああ、そろそろなんだな」と思い、1つおもちゃを片づけるかもしれません。さらに5分経ったら、自分でおもちゃを片づける子もいます。 子どもの様子を見つつ「行こうか」と言うとと、すんなりと帰宅の方向へ進みます。そして、「お片づけできてカッコいいね。ママ助かっちゃった!」とほめてあげましょう。ママがやりがちなのは、何度も頻繁に「そろそろ帰るよ」の言葉を使うこと。「そろそろ帰るよ」と1回言ったら、子どもを信じて少し待ってみるのがコツです。 公共の乗り物で騒ぐこれは本当に困ってしまいますね。私の息子と娘は電車に乗ると騒ぐ子どもでした。「どうして電車に乗ると、いつも騒ぐの?」と、泣きたくなったことが何度もあります。電車に乗ることは、子どもにとって最高にウキウキする場面。特に、電車好きの息子はテンションMAXになってしまったのでしょう。とはいえ、「子どもが電車好きなんだから、騒いでも仕方ないでしょ?」というのは違います。 「静かにしなさい!」「走らない!」と言っても、子どもはすぐにおとなしくなりません。このような場合に声かけするときに心がけてほしいのは、ママがしてほしい行動を言葉にするということ。「静かにしなさい!」は「小さな声でお話してほしい」に、「走らない!」は「歩いてほしい」「止まってほしい」「座ってほしい」に変えて伝えます。 そして、騒がしくしている場合は、少なくとも周りの方に不快な思いをさせているかもしれませんので、下記の2つの行動と言葉で、きちんと子どもに気持ちを届けてほしいのです。 ・子どもの動き(声)を体で止める・「座ってほしい」と伝える 保育園での「遠足ルール」保育園では、遠足などで電車に乗るときは、乗る直前に簡単なルールを2つだけ伝えます。 【1】先生と手をつなぐこと【2】小さな声でお話しすること この2つを伝えるだけで、子どもたちの電車に乗るときの気持ちが変わってきます。ぜひ、おうちのルールを決めてから電車に乗ってみましょう。お出かけしているときに子どもが困った行動をすると、体中に冷や汗がダラダラ出ます。家なら泣いていてもしばらくそばで様子を見ることができますが、外だと早期に解決したいのがママの本音です。「この状況をどうしたいいの?」と悩むところですが、基本的には家と同じ対応をすればいいのです。子どもの気持ちを受け入れて、ママのしてほしいことを伝える、そして待つ。もちろん、抱っこもしてあげてください。 お出かけの場で子どもを「ダメ!」としかるのは、2つのときだけ。・ケガをしそうな危ないことをしたとき・走り回ったり大騒ぎして、周りの人に迷惑をかけてしまったとき これらのときは「ダメ!」としかります。しかるときは、短い言葉を心がけます。それ以外の場面の場合は、いかにしからずほめる方向に持っていけるか、言葉の言い換えをしてみましょう。 作画/はたこ著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2021年08月22日「汚い」という概念は、どうやってできあがる?「手洗い」・「うがい」は、何のためにするのでしょうか。健康を維持するために、ウイルスやばい菌を落とす、つまり「汚いものを体から取り除く」という目標があります。これが理解できないと、「手洗い」も「うがい」も自ら取り組んでできるようにはなりません。この「汚い」という目に見えない概念がどう育っていくのか考えてみます。0歳のころは、おしっこやうんちが出る感覚を少しずつわかるようになる時期です。しかし、まだおしりに何か「汚い」ものがついている、という認識はないでしょう。大人がおむつ替えをしたあと、「きれいになったね」や「さっぱりしたね」と声かけすることが大切な時期です。1歳から1歳半くらいになると、うんちが出たあとそのままにしておくとおしりに何かがついていて気持ち悪い、と「自分と異物」の認識ができるようになってきます。1歳半~2歳ごろになると、過去の記憶を思い出せるようになり、「このモゾモゾする感じはうんちやおしっこが出るんだな」と予測したり、出たときに「おむつかえて」と伝えたりするようになります。この違和感のある何かが自分の体についていることが「汚い」という状態だと理解し、「汚い」の概念を覚えていきます。「ごっこ遊び」がもたらす生活動作の練習機会などが大切その次は「目に見えないものをきれいにする」という「手洗い」「うがい」の動作のステップに進みます。この「汚い」を認識する過程がないと「だって何もついていないからきれいだもん」ということになってしまうからです。2~3歳というのは、遊びのバリエーションが根本的に変わる時期で、「ごっこ遊び」ができるようになります。目に見えないものを空想し、演じ、ものに役割を託すといったことができるようになります。「ほら、手にばい菌がついてるよ」と言われて、「ここにばい菌がいるんだ、ばい菌は汚いんだ」ということをイメージして、手を洗うという行動につながります。やがて、「洗いなさい」と言われたら洗う段階を経て、言われなくても手洗いする習慣化が徐々にできていきます。子ども自身が「さっき泥んこ遊びしたから、手が汚れている」と考え、手洗いしようと考えられるようになってはじめて、「自分で手洗いできる」状態となるのです。「手洗い」という動作をスモールステップで考えてみるどのような日常生活動作でも、実際のやり方を教えるときには、動作を分解してスモールステップで教えます。「手洗い」という工程は以下のような手順になっています。①蛇口から出る水に手をつける②石けんをつけて手をこすり合わせる③手についた石けんを水で流すこれらをどのような成長過程を通して学んでいくのかを見ていきましょう。①の『手を水につける』というのは、赤ちゃんのころに水に触れて遊ぶことがスタートとなるでしょう。次の段階として、水遊びをしてもいい場面とそうでない場面を親子のコミュニケーションを通して学んでいきます。②の『手をこすり合わせる』は、さまざまな歌に合わせた動画などもあると思うので、好きなものを参考にしてください。「お父さん指から~♪」と手遊び歌を取り入れると、歌で指の名前を覚えたりしながら、楽しく洗うことを覚えられます。さらに手洗い歌などを通して動作の模倣、風景を想像することで、③の工程で手についた泡を水で流す動作や石けんのヌルヌルがなくなっていく感覚を見通し持って取り組んでいくことができます。最初のうちはしっかりとした洗い方は求めず、「できた」という経験を糧に徐々に動作がうまくなっていくように見守ることが大切です。ごはんやおやつの前、外から帰ったときに「手を洗おうね」と伝え、手を洗う、それがだんだんにルーティン化して、2歳ごろから言われなくても手を洗おうとするようになります。ある日突然、「手洗い」を自発的にするわけではなく、少しずつステップを踏んで、できるようになっていきます。それでも「手が汚れている」ということがうまく伝わらない場合もあります。例えば自閉症などの特性のある子どもの場合、目に見えない汚れを『きちんと落としてね』など曖昧な指示の理解が難しいことがあります。子どもの特性をふまえて手洗いの様子を視覚化して『この手順で手を洗えば良いんだな!』と伝えてあげることが大切です。Upload By 発達障害のキホン感覚の特性が強い場合、例えば水が冷たくて嫌な子、濡れるのが嫌いという子や、手洗いが水あそびになってしまい「終わり」にできない子など、スモールステップに分けても①の『水に手をつける』段階でうまくいかない子もいます。そのときは、消毒用アルコールティッシュなどで拭いてあげる「置き換えルール」を一緒に取り組んでいけると良いでしょう。嫌がることを強要しないことが大切です。そのときはできなくても、成長とともに次第にできるようになることもあります。■目に見えない口の中、苦しい姿勢、難易度が高い「うがい」次に「うがい」ですが、「手洗い」よりもハードルは高いです。口の中、見えないところの動きを想像することや、頭を後ろに倒すという姿勢は認知面、運動面の発達が裏付けられています。まず必要な運動機能について。2~3歳の子どもに、「ガラガラ」や、「おくちぐちゅぐちゅ」をしてみましょうと言っても、体の機能が育っていない子にはとても難しいです。これらを練習してできるようになっていても、口を閉じて水を口に含み、しっかり体を立てて上を向き、口を開けたまま息を吐くことができなければ、うがいはできません。それでは、「手洗い」と同じように、「うがい」の動作を分解してみましょう。「うがい」という工程は以下のような手順になっています。①口に水を溜めること②喉頭で水をガラガラする③水を口から吐き出す①は、コップから水を口に入れ、飲まずに口に溜めておくこと。口の中に水を留めていられない子は、飲んでしまうか、口の端から漏れてしまうか、すぐにピュッと外に吐き出してしまいます。②は、上を向いてのどをガラガラさせるのは、水がのどから奥へ侵入しないように、息を吐き続けながら鼻呼吸ができないとできない難易度が高い動作です。最後に③は、①で口の中にためた水を、自分の意志で吐き出します。口の中の汚れを出すという行動です。「うがい」の場合も大事なことは、「汚い」という概念の形成ができていることです。目に見えない口からノドの汚れを、きれいにするのです。口頭での指示が難しい場合に関しては手洗いと同様に視覚化してあげると良いと思います。うまくできないとき、つまずくときは『置き換えルール』で対応しよう「うがい」は呼吸のリズムを乱すので難易度が高い動作です。立って頭を後ろに倒すという姿勢自体も窮屈なので、そもそもしたがらない子が多いです。ガラガラとのどを水でゆすぐときのコツは、声を出すこと。あ~~と低い音、ア~~と高い音を出して遊んだり、お話したり歌ったり。「手洗い」のときに歌うのと同様に、楽しくするのがいいですね。口に水をためたまま上を向くことができなければ、お口ぐちゅぐちゅだけでもOKです。誘ってもうがいをしたがらない、そもそも運動機能の面で一連の動作が難しい場合には、顔を拭くだけでもOKです。ウイルスは粘膜から感染するので、目をさわったり鼻をほじったりするとウイルスを体内に侵入させてしまいます。顔を拭くことで、うがいができない子どもを守ることができます。これは、赤ちゃんにもやってあげるとよい「置き換えルール」です。顔を拭くことも嫌がるときには、タオルの温度を調整してみてください。冷たいのが嫌いならタオルを温める、暑いときなら冷やして、その子が気持ちいいと感じる状態をつくってあげます。そして拭くまえに、具体的な冷たさを教えてあげます。「これは氷のように冷たいよ」なのか「肉まんみたいに温かいよ」なのか、予測できるように教えます。過敏な子どもは、予測と違ったことに強く反応しますが、予測ができると落ち着くことがあります。予測してみて、どういう結果が返ってくるかで受け取り方が変わるので、過敏の子にはなるべく実際に起こる情報を具体的に伝えてあげましょう。「できた」ときの褒め方、「できない」ときの対処法「手洗い」・「うがい」の動作ができたとき・できなかったときに、大人が気をつけておきたいことがあります。褒めるときには、本人が求めていたことに対応していることが大切。「手がきれいになる」ということを本人が求めていれば、「きれいになったね」が褒め言葉になりますが、洗いたくもないのにいやいや手を水につけたのなら、『洗面所まで来たこと』を褒めてあげます。子ども自身が目標としたことを達成したかどうか、が大事であって、親が子どもに「手を洗ってほしい」と思っていて、それができたから「うまく洗えたね」と褒めるのではありません。本人が、帰宅して手洗い場に行くと決めていたら、手を洗うこと自体はうまくできなくても『手洗い場に行った』という行動を褒めてあげてください。やらない・できないときには、まずは前述の「置き換えルール」での対応が有効だと思います。そのときに、「なぜいやなの?」「代わりに何なら大丈夫なの?」ということを、子どもによく聞いてみましょう。親の気持ちと子どもの気持ちを歩み寄らせることが親子の「コミュニケーション」です。上手にお話できない場合でも、前後の文脈を読み取ると、なぜいやなのかは徐々にわかるようになります。対話は大切です。今の関わりが、5年後10年後に活きてきます。子どもの人格形成に早期から保護者は関わり、小学校入学ごろから親離れしていくときに、それまでに培ったことが生きてきます。苦手なことにチャレンジするとき、得意をもっと高めるときに、「なぜできない?どうしたらできる?」を対話しながら考えることが必要なのです。まとめ・共感を大切にして、日常動作を教えてほしい生活動作を教えるときに、子どもが「できるようになる」ことよりも、「隣でやっているあなたのことを気に掛ける」ことを大切にしてほしいです。人は、隣の人と同じ行動をしているときに共感し、社会性を育んでいきます。全てに共感しなくても、少なくても子ども自身が楽しかったり、隣にいる人が楽しんでいたり、そして相手を意識するということが、日常生活の中で行われていくことが良いと思います。「手洗い」や「うがい」を通して、そんな瞬間を感じ取れたらより良い親子の関係をつくっていけるのではないでしょうか。取材・文/関川香織
2021年08月13日保育士の中田馨さんが、保育園で実践している「子どもへのほめ方・しかり方」を教えてくれました。今回は食事編です。かたくなに食べてくれないとき、立ち歩いたりして食べてくれないときなど、シーン別に詳しく解説!こんにちは、保育士の中田馨です。子育てをしていると、ほめたりしかったりする場面がよくあります。できる限り子どもの心を傷つけず、子どもが気持ちよく動ける声かけをしたいものですね。 これから5回にわたって、保育士が現場で実際にどのような声かけをしているか、場面ごとに見ていきます。今回は食事のときのほめ方・しかり方です。 良かれと思って言ってしまう言葉を言い換える食事のときに、良かれと思ってこんな言葉を使っていませんか?例えば、「早く食べて!」。食事のあとにお出かけの予定があるときなどは大忙しです。それなのに、子どもはゆっくりゆっくり食べている。そんな姿を見ていると、思わず「早く!」と言ってしまうかもしれません。 「早く!」という言葉は、食事に限らず生活のなかで良かれと思って使っている言葉です。まずはこの「早く」という言葉を言い換える練習をしてみましょう。「早く」と言われると、何だか急かされている感じはするのですが、子どもは「早く」のイメージが具体的にわかりません。例えば、数字が読めるようになってきたら時計を指差し「今日はお出かけするから、長い針が6までに食べようね」。こう言い換えると、子どもに具体的なイメージが湧きます。 かたくなに口を閉じて食べないとき食事の場面でよくあるのが、子どもがかたくなに口を閉じて食べてくれないこと。用意した食事をたくさん食べてほしいのに、ひと口も食べてくれないとママもつらいものです。そんなときに、つい「全部食べて!」などの言葉を使ってしまうことがあると思います。子どもが出された食事を全部食べるのは、大人が思うよりもなかなか難しいものです。「全部食べて!」は「どれだったら食べられそう?」に換えて、子どもに選択肢を与えてみましょう。 もしかすると魚が嫌で、ムーっと口を閉じているのかもしれません。子どもも「どれだったら食べられそう?」と聞かれれば、魚は嫌だけどお味噌汁なら食べられると気付きます。お味噌汁を食べ始めたら、まずは「お味噌汁おいしいね。モリモリ食べてすごいね!」と、食べている姿をほめます。この声かけだけで、自分からご飯にスプーンが向き始めることもあります。 ママは子どもの食べている姿をそばで見守ることは大事ですが、100%子どもに集中して「全部食べて」オーラは出さないようにしましょう。ママも肩の力を抜いて「お味噌汁食べたら、まあいいか」くらいの気持ちで見守ってください。 行儀よく食べてほしいとき食事中に横を向いたり立ち歩いたり、食べ物で遊んだりしている子どもの姿を見ると「お行儀よくちゃんと食べてほしい」と思うものです。こんなとき、ついつい「ちゃんと食べて!」という言葉を使うことがあります。 「ちゃんと」という言葉は、食事以外にもよく使う言葉なのですが、子どもにはママの「ちゃんと」のイメージが湧きません。もし、ママの「ちゃんと」が、横を向かずに前を向いて食べてほしいことだったら「ママのほう(前)を見て食べようね」と、してほしい行動を言葉に言い換えてみましょう。 言葉が具体的になったら子どもも行動しやすいです。でも、相手は子どもです。さっき言ったところなのにまた横を向いて食べたりします。その場合は、くり返し「ママのほうを見て食べようね」と言ってください。横に気になるものがあるのなら、食事のときはそれが見えにくいところに座りましょう。ママが前に座って「にんじん甘くておいしいね」「この魚は鮭だよ」など声かけしながら前へ意識が向くようにするのもいいですね。 そして「ママ、〇〇ちゃんのおいしそうな顔見ていると幸せ!」「一緒に食べるとおいしいね!」とほめてみましょう。 食べこぼす、グチャグチャ食べるとき子どもが食べこぼすことやグチャグチャしながら食べることはよくあります。その際に「きれいに食べて!」「汚れるからやめて!」という言葉を使うことがあります。食べ物が机や床、子どもの体にべったりとつくと後始末が大変ですので、ママの気持ちはとてもよくわかります。 このときに大切なのは、ママの許せる範囲と子どもが食事から遊びに変わった瞬間を見極めることです。子どもが成長する過程で、食べこぼしたり、グチャグチャして食べたりしていることは通過点と考えます。対策として、食べ物を拾ってくれるポケットの付いたエプロンをする、床にはレジャーシートや新聞紙を敷くなど、多少汚してもいい環境を整えます。 食べこぼしている場合は、食べる意欲がありすぎて、慌てて食べている可能性もあります。「ゆっくり食べて大丈夫だよ」と伝えるだけでも変わってきます。そして、「しっかり噛めてるね」「お味噌汁、全部食べたね!」とできていることをほめましょう。 食事の場面での子どもの困った行動は、言葉を言い換えるだけで、子どもへの伝わり方が変わりますし、ママもイライラせずに声かけをすることができます。今回、紹介した言い換える言葉は一例ですので、「私だったらこう言い換えるかな?」「うちの子ならこう言うと喜びそう」と思いながら、いつもの言葉を言い換えるおもしろさにチャレンジしてみてください。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2021年08月11日「元日本代表が教える」が売りのスクールで働く新米女性コーチの悩み。子どもたちと年齢が近く親しみやすいのが自分の特長だけど、保護者からは「元日本代表のコーチに教えてほしいのに」と不満が漏れる。指導理念やカリキュラムは共有しているし、元日本代表コーチが全クラスを担当するのは無理だから自分たちがいるのだけど、どうしたら保護者に納得いただけるのか。というご相談をいただきました。今回もジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、アドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<サッカー経験者だが感覚でやってきたので教え方がわからない。U-8からU-12年代は何から教えればいい?<新米スクールコーチからのご質問>初めまして。これまでお父さんコーチからの相談が多いと思うのですが、私は今年22歳の新米女性 コーチです。会社員として未就学児~U-12のクラスがあるスクールのコーチをしています。メインのコーチは私以外に2人いて、2人とも元日本代表です。私は選手と年も近く、女性で親しみやすいのがメリットであり、デメリットだと実感しています。元日本代表が教えるスクールというのが売りでもあるので、私が教えていいのかなど疑問を持ちつつ指導に当たっていますが、保護者アンケートにも「元日本代表とうたっているのならそのコーチに教えてもらいたい」などの意見があります。元代表のコーチがすべてのクラスを担当するのは難しいから私たち社員がいるわけで、指導の方向性やカリキュラムなどは共有しているのですが、どうすれば子どもと保護者の満足度が向上するのか本当に悩んでいます。池上さんがスクールで指導する際など、どんな風に保護者達を納得させているか、などアドバイスをくださると嬉しいです。よろしくお願いいたします。<池上さんのアドバイス>ご相談ありがとうございます。今の時代、入社試験の面接官には、卒業大学を省いた履歴書が渡されます。肩書や経歴だけでは判断できない、してはいけないと考えられています。そう考えるとサッカーコーチも、プレーがどれだけ上手いか(上手かったか)ではなく、本当に指導力があるかが問われるべきです。■選手としての実績=優れた指導者ではないところがサッカーの指導者は、いまだに選手時代の成果で判断されてしまうようです。選手時代の成績だけを看板にして指導者をしているケースも見聞きします。本当にサッカーの成り立ちを知っているのか、コーチングそのものを学んだうえで教えているのかが判断しかねます。選手時代の実績だけを前面に出しているスクールもあります。Jリーグの下部組織にも引退した選手が教える側として十分な学びを得ないまま、指導現場に立つのが実態かと思います。いずれも決して小さくはない問題だと感じています。上記のことを踏まえると、ご相談者様がやるべきは、自分自身がとことん勉強することだと思います。元日本代表選手に対し、サッカーの経験は追いつけなくても指導力でしのぐことはあなたの努力次第です。■プレーヤーとしてのキャリアとコーチとしてのキャリアは別物そこで、少し私の話をしましょう。私は45歳でJリーグクラブに初めて所属しました。Jリーグで私が出会った人の中には元日本代表や元Jリーガーなど選手としての実績のあるコーチがたくさんいて、圧倒されました。実際に一緒にピッチに立つと、私が知らなかった練習方法など新しい情報をたくさん知っていてとても感心しました。ところが、コーチングの方法は指示命令が多く見受けられました。もちろんそうでない人もいらっしゃいましたが、多くの元プロ選手は自分の育成時代に受けた指導をそのまま継承しているようでした。つまり、自分が教えられたように、教えていました。私は徐々に引け目を感じなくなりました。プレーヤーとしてのキャリアと、コーチとしてのキャリアは別物だと思えました。確かに高いレベルでプレーしてきた経験は、指導者としてプラスの要素であることは間違いありません。ただし、それは決定的なものではないと感じました。■子どもたちが変わっていくような指導ができれば保護者の見方も変わるJリーグに指導者として加入すると、アンダーカテゴリーの保護者達がまず注目するのは「どこのJチームから来たか?」「どこで選手をしていたのか?」といったことでした。みなさんご存知のように、私はYMCAという組織でサッカーを教えていました。恐らく「こんなコーチで大丈夫なの?」といった眼差しを向けられていたかと思います。しかし、指導を始めてしばらく経つと、ある大きな大会で強豪チームから勝利を挙げました。保護者は「こんなすごいチームに勝つなんて」とみなさん驚かれました。そこから、私を見る目が変わりました。試合に勝つこと以外でも、目の前にいる子どもたちが変わっていくような指導ができれば、保護者の見方は変わっていきます。そこを理解して、コーチングの勉強に邁進してほしいと思います。学んで得たことを、保護者とのコミュニケーションにも役立ててください。例えば、この子たちには今、こんなことが足らないので、こういうことに取り組んでいますとか、クラブの方針はこうだから、こうしようと思う、ここに着目してトレーニングしてきたら成果が現れました、といったことを丁寧に自分の言葉で伝えてください。人は見えないことやわからないことに不安を覚えます。保護者にご自分の指導を説明できれば、少しずつ信頼は上がるはずです。■「子どもがいないからわからないでしょ?」には学術的エビデンスを用意一方、若手や独身のコーチは子育ての経験のなさに悩むケースもあるようです。保護者から「子どもがいないからわからないでしょ?」と言われてしまうこともあるでしょう。そんなとき、学術的なエビデンスを話せるようになれば、親御さんたちに納得してもらえます。私はさまざまなチームに行って指導する機会があります。私の指導を見ると、みなさん「こうすればいいとわかりました。勉強になります」と言ってくださいます。しかし(そうは言っても、難しい)という本音も聞こえてきます。「そうは言ってもね」と言い続け、変われないコーチも実際にいらっしゃいます。指導者の道は簡単ではないのかもしれません。池上正さんの指導を動画で見る>>■保護者からの信頼を得るには指導者の学ぶ姿勢が大事(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)以前「幼児の指導のスペシャリストになりたい」と希望を語る女性コーチがいました。私は「だったら、このくらいの本は読んだほうがいいよ」と、シュタイナーなど基礎的な幼児教育の本を貸してあげました。しかし、なかなか読み進められないようでした。私が「幼児にサッカーだけやらせてていいの?」といった話をすると「サッカークラブですから、サッカーをやらせればいい」と言います。学べば学ぶほど、幼児に必要なことがわかるはずです。「スペシャリストになりたいって言ってたんじゃないの?」と折にふれ言葉をかけましたが、忙しくて手が回らないようでした。結局、保護者からの深い信頼は得られないままでした。女性だから云々は、自分では言わないことが大切かと思います。女性か男性かは関係ないという気持ちで、ぜひ学ぶことに向き合ってください。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2021年07月16日第1回「ウーマンエキサイトコミック大賞」の募集を終え、ついに結果発表! 編集部による厳正なる審査の結果選ばれた、コミック部門・ストーリー部門の受賞作品を紹介します。コミック部門・金賞 「慣らし保育が教えてくれたこと」 /転勤族ママぽんさん・銀賞 「"育児の疲れを増幅させているモノ"の正体に気がついた。」 /冷え田やっこさん・銅賞 「ダンナおとぎ話」 /わじおさんストーリー部門・金賞「育休明けの家事分担はお早めに」/せりママさん・特別賞「ロジハラ夫」/ツキノ マコトさん・特別賞「娘が転校先で馴染めなくて」/ゴウルドさん※ストーリー部門は後日ウーマンエキサイトにてコミック化されます。お楽しみに!今回は、コミック部門「金賞」に選ばれた、転勤族ママぽんさん「慣らし保育が教えてくれたこと」を紹介します。転勤族ママぽんさん、金賞受賞おめでとうございます! 他の受賞作品を読む!
2021年07月09日今回は子どもの寝汗対策について、3児ママ小児科医・保田典子先生に解説していただきます。子どもにとっての「快適な環境」って? 子どもが汗だくになっていたら着替えは必要?こんにちは。3人の子どもを子育て中の小児科医、保田典子です。赤ちゃんの寝汗ってすごいですよね。特に頭や背中はびっしょびっしょになったりします。夜中に着替えさせるのも起きたら嫌だし、でも風邪ひくのも怖いし……そんなママのための寝汗対策についてお話したいと思います。 子どもにとっての「快適な環境」って?新生児期を過ぎた赤ちゃんは、基本的に大人より暑がりです。それは、大人よりも代謝が良かったり、体温が高いためだと考えられています。赤ちゃんの寝室の環境は温度26-27℃、湿度50%前後が良いとされています。 これは、エアコンの温度設定ではなく、寝室の実際の温度がこのくらいが良いとされているので、心配なら温度計で実際の家の環境をチェックしてみてください。 子どもが汗だくになっていたら子どもは汗をかきやすいと思われていますが、子どもは汗で体温調節をするのは大人よりも下手だと言われています。なので、子どもが汗だくになっていたら、そもそもそれは「部屋の温度がその子にとって高すぎる」ということです。 大人にとって快適な温度でも、子どもにとっては暑くて調整しきれていないという状態かもしれません。さきほどお伝えした寝室の温度26-27℃でも、汗だくになってしまう子もいるかと思います。その子にとってはその気温では暑すぎるということです。 そんなときは、エアコンをつけてサーキュレーターなどで部屋の空気を循環させる、エアコンの温度を下げるなどをまずは考えた方がいいでしょう。その上での寝汗対策まずは子どもが汗だくにならない環境づくりが大切です。しかし、それでも寝汗はある程度でてしまうことと思います。特に頭や背中は汗をかきやすいところ。 でも、頭に汗をかくからといって、冷えピタのような貼るタイプの保冷剤を使うのは、個人的には避けたほうがいいと考えます。寝ている間に貼ったところから移動して窒息の原因になることがあるためです。 その子によって多少違うことはありますが、汗をかきやすいお子さんは下着を着るとかえって体感温度が上がることがあるので、下着は取ってしまっていいと思います。または、下着1枚で寝かせても大丈夫です。 着替えをさせることを考えると、前開きタイプが着替えさせやすいですよ。素材は汗の吸いやすさ、湿疹のなりにくさを考えると綿100%、または綿がある程度入った生地が良いです。朝起きたらシャワーで汗を流しましょう汗をたくさんかいた翌朝は、まずたっぷり水分を摂りましょう。あせもが出やすい子は、朝シャワーで汗を流すこのがオススメです(でも、私は朝忙しくてそんなことはできていませんでした!)。 朝シャワーは、基本的にせっけんは不要です。シャワー後は、簡単でもいいので保湿をしてあげましょう。 「子どもにとって快適な温度」が大事!子どものびっしょり寝汗を見たら、まずは部屋の環境調整をしましょう。その上で下着を取ってしまう、前開きの衣類で着替えをさせやすくして、びしょびしょなら着替えさせてあげましょう。朝になったら汗は流してあげるのがいいですね。わが家は子どもの快適温度に設定すると、私には肌寒くて、足まで掛け物が必要だったりしました。親が肌寒いと感じる温度でも、ぜひお子さんの快適温度にしてあげてください。その方が子どもはぐっすり寝てくれるので、親も子もハッピーですよ。 監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。2021年、高円寺こどもクリニック開院。3児の母。
2021年07月01日書籍『隈研吾 はじまりの物語ゆすはらが教えてくれたこと』が、2021年6月下旬に発売される。隈研吾の梼原町での歩みをたどる『隈研吾 はじまりの物語ゆすはらが教えてくれたこと』は、現代日本を代表する建築家のひとり、隈研吾の原点と呼べる町・高知県梼原(ゆすはら)町での足跡をたどる写真文集だ。隈自身による語りに加え、写真家・瀧本幹也が捉えた梼原の隈建築群の写真を収め、30年にわたるその活動を紹介する。2000年以降、木材は隈建築において主要な素材となっており、柱や梁といった構造ばかりでなく、装飾にも用いるなど、多彩な使い方がなされている。そのように木材を使用する契機となったのが、梼原町との出会いであった。1980年代のバブル経済がはじけ、東京での仕事がすべてキャンセルされたとき、隈は梼原と出会い、町からのリクエストに応えるかたちで木材を使い始めたのだ。本書では、隈が初めて木造を用いた建築「雲の上のホテル」を筆頭に、「梼原町総合庁舎」「雲の上のギャラリー」「まちの駅『ゆすはら』」「雲の上の図書館/ YURURI ゆすはら」の、梼原にある5つの隈建築を年代順に紹介。木の質感を見事に捉えた瀧本幹也の写真とともに、隈が続けてきた木材の試みとその展開を探る。詳細書籍『隈研吾 はじまりの物語ゆすはらが教えてくれたこと』発売日:2021年6月下旬※東京国立近代美術館の企画展「隈研吾展新しい公共性をつくるためのネコの5原則」(会期:2021年6月18日(金)〜9月26日(日))会場にて先行販売価格:1,980円語り:隈研吾写真:瀧本幹也造本設計:町口覚判型:A5変形/上製本総頁:80頁発行:株式会社青幻舎
2021年06月28日前日から大雨が続いたある日、朝もまだ雨が止まず保育園から「できるだけ自宅での保育をお願いします」と連絡がありました。けれど、どうしても仕事を休めず、預けないといけなかったので、先生にお願いしてわが子たちを保育園に預け仕事に行くことに。雨はなかなか止まず、まさかの事態になるとは思ってもいませんでした。そんな日の保育園の対応に本当に感謝した私の体験談をお話しします。 前日からの大雨に保育園は…わが家は現在、5歳の次女と1歳の次男が保育園に通っています。年度初めに緊急連絡先の提出や緊急の連絡用にメールがくるようになっていますが、熱が出たときに電話はあるものの、あまりメールがくることはありません。 ところが、大雨が続いたある日の朝、保育園から「できるだけ自宅での保育をお願いします」とメールがきました。メールの内容は把握したものの、どうしても仕事を休めず、とりあえず保育園に行ってから相談してみることに……。 保育園で預かってもらえることに大雨ではあったものの、少し小雨になったところで保育園に行き、先生に事情を話しました。先生は「保育園で一旦預かり、職場に行ったところで保育園に早めに迎えにこられるよう相談してみてください」とのこと。私も職場に行き、相談すると昼過ぎに帰れることになりました。 ところが、昼前に保育園からのメールで「保育園の前を流れる川が増水し、園庭が浸水しているので、安全な場所に避難しています! 」と。え!?と驚きましたが、すぐにはお迎えに行けず、仕事を終えると急いでお迎えに行きました。 最後のお迎えだったわが子たち朝は何人かほかのお友だちもいたようでしたが、みんな早くお迎えにきていたようで、私がお迎えに行くと姉弟2人で待っていたわが子たち。ほかの先生たちを帰し、最後まで残っていてくれた主任の先生が2人を見ていてくれ、「2人で仲良く手をつないでお昼寝していましたよ」と2人の様子を教えてくれました。 お迎えが遅くなり、寂しい思いをさせたことに申し訳ない気持ちでいっぱいの私。子どもたちは避難したあと、小雨になり水量が減ったのを確認してから、保育園に戻って給食を食べ、お昼寝をしていました。 仕事をどうしても休めず、子どもたちを受け入れしてくださったこと。川が増水し、浸水するかもしれないところを子どもたちの安全を確保しながら、避難してくださったこと。最後のお迎えまで、子どもたちを不安にさせないように対応してくださった先生には、本当に感謝しかありません。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日なりますように! 監修/助産師REIKO著者:松田みさと長男と次男が15歳差の2男2女の母。仕事をしながら子育てに奮闘中。現在はライターとして、自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2021年06月24日こんにちは、保育士の中田馨です。おむつはずれについてこれまで何回かにわたってお話ししてきました。最後は、保育所で保護者からの相談でよくある「先生、トイレでうんちがなかなかできません!」という悩みについてです。 パンツの中にうんちが出ると後処理にも手間がかかるので、ママとしてはトイレでしてほしいと感じることでしょう。今回は、おしっこはできてもうんちはできないときはどうすればいいかをお話しします。 うんちとおしっこのコントロールは別物おしっこはトイレでできるのに、うんちだけパンツにしてしまうというのは、本当によくあることです。私たち大人からすると、おしっこができるならうんちもトイレでできそうですよね。「おしっことどう違うの?」と思いますが、おしっことうんちの最大の違いは「いきまないと出ない」という点です。 大人もそうですがいきむにはいきみやすい体勢やいきみ方などのコツがいります。ですので、うんちとおしっこの出すコントロールの方法は別物と考えてください。うんちが完全にトイレでできるようになるのは3~5歳と個人差があります。 子どものうんちのペースを知るトイレでうんちをするためには、子どもの排便のペースを知ることです。うんちが出るのが朝ごはんを食べたあとの子もいれば、3時のおやつのあとの子もいます。まずはだいたいの時間帯を知りましょう。 そして、子どものしぐさを観察します。うんちをするときにもじもじし始めたり、顔が赤くなる、決まって部屋の隅に行くなどはわかりやすいですね。子どものうんちのペースを知り、「あ、いきみ始めたな」と思ったら、さりげなくトイレに誘います。ただ、誘えばトイレでできる子もいるのですが、トイレに誘ったことでうまくいきむことができずにうんちが止まってしまう子もいます。何度も繰り返しうんちが止まると、うんちが出にくくなることもあるので、安心してできるおむつの中で出させてあげることも大切です。 安心できる環境づくりをする安心してトイレでうんちができるように、トイレの環境づくりを心がけます。例えば、いきむためには両足の裏がついていることも必要です。大人も両足の裏が床につかずブラブラした状態で「いきんでください!」と言われたら、それはそれは出しにくいと思います。子どもも同じです。トイレだとうまくいきむことができないから、トイレでうんちをしたがらないという可能性もあります。 ですので、大人のトイレでする場合は、子どもの足元に踏み台を置いたり、おまるがあればおまるでするなどもおすすめです。また、うんちやトイレをテーマにした絵本を読んで、トイレでうんちをすることを親子で身近に感じていくこともしてみましょう。 パンツの中でしたとしてもしからない毎回パンツの中でうんちをしたとしても「しからない」ことが大切です。思わず「またパンツでしたの?!」と言ってしまいそうになりますが、「スッキリしたね! おしり洗おうね」と言って、ササッと処理します。それだけでOKです。パンツの中でしたことについてしかる必要はありません。もし、ママが紙パンツのほうが安心なら紙パンツでOK! 子どものうんちのペースがわかっていれば、その時間帯だけ紙パンツにはき替えたり、パンツにパッドを敷いておくなどしてもいいです。うんちのことで悩んでるとき、ママたちが思わずしてしまいがちな声かけが、「もう、お兄ちゃんでしょ(お姉ちゃんでしょ)!」というような言葉。実はコレ、子どもの心を傷つけていることもあります。子どもはママの声かけから「うんちはトイレでするもの」ということがわかっています。わかっているからこそ緊張してできなくなってしまっていることがあります。そしてまた「もう! お兄ちゃんでしょ(お姉ちゃんでしょ)!」と言われると、トイレでうんちをすることへの自信や意欲がしぼんでしまうのです。 以前、「家でうんちができるようにならないとサンタさんこないよ」と言われていた子が、保育所でパンツにうんちをしたときに「サンタさん、こないかなあ」と不安な顔になっていたこともあります。ママが目標とするゴールを決めて、なるべく早くにできるようになってほしい気持ちはよくわかりますが、うんちは毎日のことです。何気ない言葉1つが子どものプレッシャーにならないよう配慮することも大切です。 うんちもおしっこも共通することは、子どもによって自立していくペースが違うこと。うまくいく時期もあれば、停滞する時期もあり、時には後戻りもします。大らかな気持ちで「そのうちトイレでできるようになるさ!」くらいで取り組んでみてください。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2021年06月16日こんにちは、保育士の中田馨です。6月も中旬になり、全国的に梅雨入りの季節になりました。雨の日が続くと外にお出かけができず「子どもと何して遊ぼう」と悩んでしまうと思います。今日は、保育所で雨の日にしている定番の遊びを紹介します。 1.新聞を使った遊び まずは身近な廃材である「新聞」を使った遊びをいくつか紹介します。 新聞チョップ「新聞チョップ」は、まずママが新聞を広げて、新聞がピンと張るくらいに両端を持ちます。そして、子どもが新聞を上からチョップします。子どものチョップの力が弱くてなかなか破けない場合は、少し切れ目を入れておくと破けやすくなります。 新聞ビリビリ「新聞ビリビリ」は、新聞チョップで破けた新聞を子どもと一緒に細かくビリビリする遊び。細かくなった新聞を束ねて持って、子どもの頭の上から落としてみましょう。洗濯カゴなどに全部入れて豪快に落としても楽しいです。 新聞ボール「新聞ボール」は、新聞ビリビリの新聞をビニール袋に詰めてボールにして遊びます。小さい袋でも大きい袋でもOK。新聞をビニール袋に詰める際も、袋を口に見立てて「新聞食べたいよおお。入れてほしいな!」と言いながら、細かく散らばった新聞を入れてもらうと、お片付けついでに楽しく遊べるのでママとしては一石二鳥です! 新聞ままごと「新聞ままごと」は、最近私の保育所で流行っている遊びです。例えば、新聞を丸めて赤い折り紙を巻き付けてセロテープで止め、緑の葉っぱをくっつければ、りんごのできあがり! こんな感じで食べ物を新聞と折り紙で作ります。子どもには年齢に応じて、できる範囲で一緒に作ります。 目の前でいろいろな食べ物ができることに、子どもたちは目をまん丸にして大喜びしてくれました。手作りの食べ物は、想像が膨らむようで、最近は一日中おままごとを楽しんでいる子もいます。 2.段ボールを使った遊び 段ボールも雨の日の遊びにかなり活躍する廃材の1つです。 段ボールカー「段ボールカー」は、小ぶりな段ボールで作ります。フタの部分を内側に織り込んだら完成です。段ボールの中に子どもが入り、前へ後ろへと動かしてみましょう。時間があれば、段ボールにお絵描きしても楽しいです。 段ボールトンネル「段ボールトンネル」は、小ぶりな段ボールを重ね合わせて作ります。フタと底の部分を広げ、段ボール同士をガムテープでつなぎ合わせます。ひとつでももちろん楽しいですが、3~4個あると長くなるのでいいですよ。途中、小窓を作ってみたり、入り口やゴールにスズランテープですだれを作ったりするだけでも、子どものテンションはグーンと上がります。 段ボールハウス「段ボールハウス」は、大きめの段ボールが届いたらぜひチャレンジです。段ボールにドアや窓を作ります。天井が開くようにしてもいいですね。以前、段ボールトンネルと合体させたら大喜びしてくれました。子どもにとって秘密基地になるので長く遊んでくれます。 3.風船を使った遊び 風船は、ポーンと手ではねて遊ぶのも楽しいですが、工夫次第で別の楽しさも味わえます。 風船タッチ風船の口にひもをくくり付け、天井からぶら下げます。子どもはその風船にジャンプしてタッチします。 風船玉入れ風船を何個も用意します。大きめの段ボール(かご)を用意し、部屋中に散らばった風船を段ボールに入れます。軽快な音楽をかけ運動会のような雰囲気にすると、子どものテンションも上がります。 風船クッション最近ネットやTVで紹介されているので知っているママも多いと思います。風船を衣類など大きめの圧縮袋に平らに入れて掃除機を使って圧縮します。すると、大人がのっても風船が割れないクッションになります。上に乗って寝転んでもOK。2歳児がジャンプで上にのっても割れにくいです。 4.パズル遊び 体を使った遊びをしたあとは、じっくりと椅子に座って遊んでみましょう。パズルは年齢によって用意するものが変わります。その子の年齢、発達に合わせたものを準備しましょう。 また、お家で手軽に作れるパズルもあります。A4用紙に絵をプリントし、段ボールに貼り付けます。それをカッターナイフで好きな形に切り込みを入れます。切り口で手を切らないようにテープなどで補強すればOK! そうすると、わが家だけのオリジナルパズルのできあがりです。最初は1ピースを大きめに切ります。その大きさを子どもが簡単にできるようになったらさらに小さく切ってもいいですね。用意する絵は、子どもが好きなキャラクターや乗り物、食べ物でもいいですし、私は絵本の表紙を使ったりもします。 雨で外に出られないと、子どももママもなかなか発散できない日が続きますが、ほんの少しの工夫で、親子で楽しく遊ぶことができます。ぜひ取り入れてみてください! ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。手作りおもちゃで遊ぶ際は誤飲等にご注意ください。お子さまが遊んでいる間はそばで見守るようにしましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2021年06月15日この春からお子さんのサッカー活動に携わる方、中にはお父さんコーチとしてかかわる方たちも少なくないのではないでしょうか。子どもたちにサッカーを教えるお父さんコーチへ、まず最初に伝えたいこととして、前回「サッカーを教えることよりも、大切にしなければならないこと」という記事を書きました。主役はあくまで子どもたち、コーチや保護者は、子どもの成長を急がず、目先の勝利に熱くなりすぎず、見守ることが大切です、という内容です。今回は、子どもがサッカーを表現できるようになるにはどうすればよいか、というテーマでお伝えできればと思います。(構成・文:KEI IMAI)サッカーを「教える」「鍛える」より大事なこととは?(写真は少年サッカーのイメージ)<<前編:子どもたちにサッカーを「教える」ことよりも、大切にしなければならないこと池上正さんの指導DVDプレゼント!詳しくはこちら【4月限定】>>■サッカーを表現できるようになるってどういうこと?私たち日本人は、感情を表に出すことが苦手です。あるサッカースクールでは、ゴールを決めたら喜ぶ練習をするそうです。なぜなら、子どもたちがゴールを決めても喜びの感情を表現できないからだそうです。空気を読む、察する、暗黙の了解......、これらは日本人の特性だと思います。また、出る杭は打たれると言いますが、やはり同調圧力の影響も強いと思います。空気が読めたり、察することができるのは、ポジティブなことでもあります。相手の心情を慮るというのは、海外の人はなかなかできないことです。学校でも、社会に出ても、私たち日本人は感情を表に出す機会が少ないという特徴があります。周りに合わせるのは得意だけど、自分を主張することが苦手なんです。サッカーは表現力が大切です。表現するには、意思が必要です。主張する為には、自信が必要です。自分の感情に忠実である必要があります。5年前、東京で行われた14歳以下の国際ユース大会を取材に行きました。アルゼンチンの名門、ボカジュニアーズやブラジルのコリンチャンスと、日本のチームを見比べて、気がついたことがありました。サッカーの技術、テクニックや強さが違うのではなく、一人ひとりが自分を表現する力が圧倒的に違ったんです。ピッチで強烈な意思を持って、感情剥き出しで、主張し、激しくプレーするアルゼンチンやブラジルの子どもたちを見て衝撃を受けました。サッカーを表現するとはこういうことかと。ボール扱いが上手い子は、日本にもたくさんいます。でも、意思を持ってプレーできる子は多くないんです。それは、南米や欧州の子どもたちの試合を目の当たりにして感じたことです。■子どもたちを制御し過ぎず、表現させること日本という治安の良い国が成り立っているのは、他人に迷惑をかけないように、教育されてきたからに他なりません。みんな一緒にルールを守る為に厳しく教育されます。それは素晴らしいことであると同時に、個人の表現が犠牲になっているとも思います。逆に南米は、傾向として一人ひとりの意思が尊重される教育です。自分を表現する力はすごいけれど、その分ルールを守る力が弱かったりします。総じて治安が悪いのもその教育、国民性ならではだと思います。バランスが取れれば、日本もすごいポテンシャルがあると思います。日本の教育は、子どもに表現させるというよりも、制御しようとします。子どもの意思を育むことよりも、言われたことを正確に実行する能力を育む傾向があります。しかし、サッカーは自分を表現することが大切なスポーツです。自ら意思を持って、判断し、プレーするものなのです。大切なのは制御することよりも、表現させること。自分がどうしたいか、どんなプレーをしたいのか、その意思を育むのがコーチの役目です。大人は、もう少し子どもたちの感情を表現させてあげることができれば良いのかなと思います。ピッチでも、もう少し感情を出すことを許容して良いとも思います。サッカーを教える、鍛えるという発想ではなく、まずは、サッカーを好きにさせること。そして、上手くなりたいという気持ちを育むこと。表現する力を育むこと。表現力を磨くことが大切だと思います。■サッカーは生きる力を育む好奇心を大切にし、自分の意思でプレーするのがサッカーです。人生も同じです。自分はなにをやりたいのか、どう生きるのかを決めるのは自分しかいません。サッカーは生きる力を育みます。サッカーの本質を伝えることで、生きる力を育むことができます。しかし、教え込もう、鍛え上げようと、考え方を誤ってしまうと、子どもにサッカーの本質は伝わりません。日本という素晴らしい国が成り立っている前提を踏まえて、子どもたちがもう少し表現できるように、私たちは見守っていかなければなりません。子どもたちが持つポテンシャルを解放できるように、引き出せるようにアプローチしていきましょう。KEI IMAI桐蔭横浜大学サッカー部時代に風間八宏氏にサッカーの本質を学んだ後、育成年代(主にジュニア)の指導に5年ほど携わる。その後半年間、中南米をサッカーしながら旅をし帰国。ブログ「大人になってから学ぶサッカーの本質とは」を運営し、サッカー育成年代の取材、指導者や現役選手にインタビューをしサッカーの本質を伝える活動をしている。筆者Facebookアカウント>>筆者Twitterアカウント>>池上正さんの指導DVDプレゼント!詳しくはこちら【4月限定】>>
2021年04月30日この春からお子さんのサッカー活動に携わる方、中にはお父さんコーチとしてかかわる方たちも少なくないのではないでしょうか。子どもたちにサッカーを教えるパパさんへ、伝えておきたいことがあります。サッカーは好きだけど、プレーした経験がなくて教え方がわからない、サッカー経験者だけど、指導経験はない、あるいはサッカーを指導してきたけれど、なかなか上手くいかない。そんなパパさんたちはきっと、「サッカーをしっかりと教えなきゃいけない」と思っているでしょう。今回は、サッカーを教えることよりも大切にしなければならないことをお伝えしたいと思います。(構成・文:KEI IMAI)ジュニア年代で大事なことは、サッカーを「教える」ことではなく......(写真は少年サッカーのイメージ)池上正さんの指導DVDプレゼント!詳しくはこちら【4月限定】>>私は、小学2年生の頃からサッカーを始め、高学年になる頃にはすっかりサッカーに魅了され、プロを目指すようになりました。大学時代は、川崎フロンターレや名古屋グランパスで監督経験を勤めた風間八宏氏の元でプレーする経験をさせていただきました。しかし、大怪我によって半年ほどプレーできなくなってしまいました。手術後、リハビリをしながらジュニアのサッカーチームでコーチのバイトをすることになりました。そこで見たジュニア世代のサッカー環境に衝撃を受けました。■コーチの顔色を伺いながらサッカーする子どもたちジュニアサッカーの現場では、サッカーを始めたばかりの子どもたちを、サッカーゲームの選手を操作するかのように指示し、コントロールし続ける指導者の姿がありました。サッカーが楽しくて始めたはずなのに、子どもたちの多くはベンチにいるコーチの顔色を伺いながらプレーしているのです。「なんでシュート撃たないの!」「クリアしろ!」「○○にパスしろ!」「もっと左にポジションを取れ!」「つぶせ!」「ちゃんとやれよ!」「......」子どもたちは怒られないようにビクビクしながらサッカーしてました。そんな光景に私は衝撃を受けました。子どもたちに怒鳴り散らすコーチの多さに、それが当たり前になってしまっているジュニアサッカーの現場に......。■子どもたちにサッカーを教えるよりも大切なことジュニア年代の指導でとりわけ大切なことは、サッカーを好きになってもらうことです。コーチの存在によって、子どもたちがサッカーに夢中になることです。サッカーが楽しいと思えなければ、自ら上手くなろうという気持ちは芽生えません。コーチはサッカーを好きにさせ、上手くなりたいという気持ちを育むことが大切です。コーチングとは、主体性を育み、自ら気が付き、自発的な行動を促す指導法です。サッカーの育成年代の現場で行われているのは、コーチングよりもティーチングです。ティーチングとは、知っている人が知らない人に教える、できる人ができない人に教える指導法です。サッカーというスポーツは、ピッチに出た選手が、目まぐるしく局面が変化する中で、自らプレーを判断していかなければなりません。つまり、コーチングによって自発的にプレーできるようになる必要があるのです。子どもを厳しく指導して、鍛え上げるという発想は、子どもの主体性、自発性を奪うリスクがあることを理解する必要があります。ひどい場合にはサッカーが嫌いになって辞めてしまう子もいます。強いチームを作って実績をつくるという大人のエゴを子どもに押し付けてはいけません。子どもが上手くなりたい!強くなりたい!という心を育むこと、そして適切なタイミングでコーチングをすることが大切なのです。決して、大人が成長を焦ってはいけません。先回りして教えて、子ども自ら気づくチャンスを奪ってはいけません。時間がかかっても、子どもが自ら気がつくことことが、とてもとても大切なのです。■私の子どもの頃のコーチたちが教えてくれたこと私がサッカーをはじめた時、幸運なことに素晴らしいコーチたちに巡り合えました。今思い返しても、一番最初に彼らと出会っていなかったら私はサッカーを辞めてしまっていたかもしれません。彼らは、とにかく子どもたちと一緒にサッカーで遊んでくれたのです。私たちにサッカーの楽しさを伝えてくれました。ああしろ、こうしろなどと言われた記憶はなく、ひたすら一緒にボールを蹴って遊んだ記憶しかありません。リフティングの技、ドリブルで相手を騙す方法を、遊びの中でちょっとづつ教えてくれました。ある日の練習では、マラドーナやプラティニのビデオを見せてくれて、そのままグラウンドでマラドーナのボールタッチを練習したり、プラティニのドリブルを練習しました。後にも先にもあんなに楽しい練習をしたことはありませんでした。コーチたちは、遊びの中で上手くなる術を教えてくれたのです。彼らのおかげで、私たちは時間があればみんなでサッカーをして日が暮れるまで遊びました。私は小学生時代、コーチにサッカーを教わったことはありませんでした。ただし、サッカーの楽しさを伝えてもらいました。そのおかげで、サッカーが上手くなりたい。プロになりたいという気持ちが生まれ、プロサッカー選手になることはできませんでしたが、今日までサッカーを楽しむことができています。ぜひみなさんも、子どもたちにサッカーの魅力を伝えてください。KEI IMAI桐蔭横浜大学サッカー部時代に風間八宏氏にサッカーの本質を学んだ後、育成年代(主にジュニア)の指導に5年ほど携わる。その後半年間、中南米をサッカーしながら旅をし帰国。ブログ「大人になってから学ぶサッカーの本質とは」を運営し、サッカー育成年代の取材、指導者や現役選手にインタビューをしサッカーの本質を伝える活動をしている。筆者Facebookアカウント>>筆者Twitterアカウント>>池上正さんの指導DVDプレゼント!詳しくはこちら【4月限定】>>風間八宏
2021年04月26日一番上の娘は1歳半を過ぎたころからイヤイヤ期に突入し、叱られたときなどにかんしゃくを起こして床に倒れ込むことがたびたびありました。しかし、ある日いつものようにかんしゃくを起こした娘が床に倒れ込んだとたん、いつもとは違う激しい泣き声を上げました。「何事!?」と娘を見ると、後頭部のあたりから血が流れ出していたのです! 頭が切れた原因は?かんしゃくを起こして倒れ込むなり、後頭部から血を流していた娘。慌てて抱きあげて確認すると、後頭部が血まみれで出血が止まらず……。「一体なぜ?」と床を見ると、娘が先ほどまで遊んでいたひらがなブロックが落ちていました。 娘は四角いひらがなブロックの角めがけて勢いよく倒れ込み、頭を切ってしまったようです。髪の毛と出血でよく見えないものの、傷はそれなりに深いようで、止まらない出血にパニックになりながら私は娘を抱きかかえていました。 ふと浮かんだ言葉泣き続ける娘を見て思い出したのは、前にアレルギーの血液検査をしたときの医師の言葉。「検査終わったから抱っこしてあげて! 泣いていると血がなかなか止まらないから!」。あのときも確かに娘の泣き声と呼応するように、血液を採取した手の甲から血がしみ出していたのです。 「まず泣き止ませよう」そう思って必死に心を落ち着かせ、娘の背中をぽんぽんしながらやさしく声をかけました。「痛かったね。大丈夫大丈夫。おかあさんがいるよ」。娘は次第に落ち着いて、涙と共に出血も少なくなりました。 どこで診てもらえばいいの?娘の様子も落ち着いたので、濡れたガーゼで血をぬぐっていくと、娘の後頭部には幅1cmほどの傷がありました。ちょうどひらがなブロックの角が刺さった形で、中心部は結構深い傷。血は止まっているものの、素人目にはこのままにしていいものかわかりません。場所が頭だったこともあり、不安になって近所の小児科に電話しましたが、「うちでは縫うような傷は診られません」と断られてしまいました。その後、外科併設の小児科を見つけて電話したものの、話し中で繋がらず……。診察時間が終わりに近づいていたこともあってとりあえず向かってみたのですが、「外科は大人しか診られない」と断られ、総合病院を紹介されました。 自分の備えの足りなさを実感総合病院では比較的すぐに診てもらうことができました。幸い傷は縫うほどではなく、消毒だけで終了。とはいえ、ケガした娘を気にかけながら、行ったことのない病院のはしごはかなり精神的にきつく、家に帰りついたときにはへとへとに。「ケガをしたとき診てもらえる病院」を事前に調べていなかったことを深く後悔しました。 このときの娘のケガはそれほど大したことがなかったものの、もっと大きなケガでこんなふうに病院で診てもらうまでに時間がかかっていたらと思うと本当にぞっとしました。子どものケガは想定外のタイミングで起こるので、きちんと事前に下調べをしておくことが大切なのだとつくづく実感した出来事です。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:岩崎はるか2女1男の母。両実家とも遠方のためワンオペ育児中。先天異常の影響で肺が片方しかない医療的ケア児を含む3人の子を育てた育児体験談のほか、大学院で農学を学んだ経験から食についても執筆。
2021年04月19日ジュニア年代の指導ではドリブルとパス、どちらを先に教えたらいい?保護者も子どもたちもドリブル軍団が勝利を収める場面を見て移籍したくなるようだ。サッカーの最小局面は2対1という考えで指導しているけど、保護者や子どもたちのそんな姿を見ていると、指導が不安になる。ジュニア年代で優先的に伝えるのはドリブル?パス?というご相談。みなさんはどんな風に教えていますか?これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、お父さんコーチの悩みにアドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導DVDプレゼント!詳しくはこちら【4月限定】>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<監督の顔を潰さずチーム外自主トレでできることは?<お父さんコーチからの質問>池上さん初めまして。私は普段は専属で街クラブのジュニアチームで指導しています。指導年齢は未就学児から小6までです。早速ですが質問です。ジュニアの育成年代に伝えて行くべき優先順位はパスですか?ドリブルですか?ドリブルに特化したスクールや動画の配信が子ども達を夢中にさせているのを目の当たりにします。またドリブルに特化したチームが有利にゲームを運び勝利する場面も多々見かけます。私としては「サッカー」を教えたいのでサッカーの最小局面は2対1という考えの元で指導しています。ただ保護者や子ども達はドリブル軍団が勝利を収める場面を見ると移籍したくなるようです。正直私も不安になる事があります。池上さんの育成に関する優先順位、勝手に前提を作って恐縮ですが、ドリブルかパスかの考えをもとにご教授いただけると幸いです。<池上さんのアドバイス>ご相談、ありがとうございます。これまでも拙書でも何度か取り上げてきましたが、ドリブルかパスかという議論は、日本ではまだ見かける議論です。そのうえ数年前から「ドリブルデザイナー」といった肩書を名乗る方も現れました。■ドリブルよりパスを教えることが難しいと思う指導者も少なくないドリブルやリフティングは、目に見えて成長がわかりやすい技術で、しかも「個人」に絞って技術の程度を評価できます。一方の「パス」は、ひとりだけの技術ではありません。受け手がボールを受けやすいスペースに現れて初めて、出し手はパスを出せます。その点では、ドリブルが個人のスキルであるのに対し、パスはチーム(組織)のスキルと言えます。その点で、指導者のみなさんはパスを教えることを難しく感じられているようです。■止める、蹴るの技術を取り出して教えるのは後でいい例えばパスのスキルというと、まずは「止めて蹴る」から教え始めます。「ボールを止められなかったり、しっかり蹴れなければパスはできない」という考えの方は多いと思います。ある指導者と話をしたときのことです。私が「うまく動くことを教えれば、サッカーは楽しくなりますよ。(止める、蹴るの)技術を取り出して教えるのは後でいいのではないか」と話したら、「ボールを蹴れない子どもに動き方を教えても仕方がないだろう」とおっしゃいました。「まさしくおっしゃる通りです。でも、キックの練習から入ると、このキックはいつ使うのかがわからないのでは?ゲームの中で、向かい合って蹴ったりするパスは使いませんよね。まず最初に、『ここに動いてボールをもらえばシュートを打てる』ということを理解できれば、子どもは『じゃあ、そのときにうまく蹴るためにキックの練習をしよう』となりませんか?」そう話しました。キックやボールコントロールを何のためにやるのか、それがわかったほうが技術練習は断然楽しくなるはずです。その指導者の方は「なるほど」と納得してくださいました。■どちらが先ではない。パスもドリブルも一緒に教えないといけない対するドリブルも、実は同じことが言えます。「こういうときにドリブルできるとどう?向こうの人にパスしやすくなるよね」とか「この密集を抜け出すためにはドリブルができるといいね」と、使いどころを一緒に探してあげてください。要するに、パスもドリブルも一緒に教えないといけません。どちらが先ということはないと私は考えます。では、その先にあるものはなにか。ご相談者様が書かれているように「2対1」がそのひとつです。さまざまな局面で、ドリブルをしたほうがいいか、パスしたほうがいいかを判断する力を養うためにも、2対1をしてもらいます。2対1から始める意味は「2人で協力すると簡単に点が取れるよね」ということを伝えるのが一番のポイントです。例えば、味方のほうにちょっとボール向けると、前が空く可能性があります。そうすると、そこでパスもできるし、自分でドリブルしてシュートも打てます。どっちもできる。「そこで何を選びますか?」といったプロセスをたどることが大事です。指導者が「そこでパスを選べ」とか「ドリブルで勝負しろ」と命じるものではありません。■ドリブルがうまくなった子にパスを教えるのは難しい加えて、これは私の経験上わかっていることですが、ドリブルが上手くなった子に、「じゃあ、次はパスができるようになろう」とパスを教えるのは難しい。ひとりでドリブルで相手を抜けてしまう子は、なかなかパスを出そうとしません。逆に、ドリブルもパスも一緒にトレーニングした子どもがゲームの中で自分の前にスペースがあるのにパスを探していたら「ここ、空いてるじゃん。ドリブルしてごらんよ」とアドバイスすると、その子は変わってきます。変化しやすいのです。パスもドリブルも、選択肢が両方ある。もっといえば、どこにパスを出すか、どんなドリブルで場面を変えるかというようにそれぞれに選択肢があることが重要です。場面場面でどれだけたくさんの情報を持てるか。そして、その情報を瞬時に整理して選べるかがいい選手の条件です。この認知、判断の次に「行動」がきます。正確に出てきたパスをコントロールし、次にパスやドリブルを選べるか。それができるプレーヤーになるためのベースをつくるのが、私たち育成年代を教える指導者の大きな仕事なのです。■サッカーに必要な認知、判断力は「大人になったら理解できる」ものではないしたがって、情報を入れるトレーニングを早くからやったほうがいい。対面パスやジグザグドリブルのようなクローズドスキルだけでは、子どもは考えなくて済みます。日本のジュニアは足元の技術が素晴らしいと言われますが、それだけをやってしまうと頭で考える力がついてきません。近年、この認知能力は、世界のサッカーが見られるようになったおかげで推進されているかもしれません。「個の力を育てないといけないのでは」という意見があります。おっしゃる通り欧州でも「個の力が重要」と言われています。抜きんでた個の技術は、メッシなどスーパーな選手がひとつのお手本でしょう。ところが、欧州の指導者は、すべての子どもたちをメッシになるように育てなきゃいけないとは思っていません。対する日本人はことさら「個の力は大切だ。メッシのような選手を育てなくては」と思ってしまうのかもしれません。ディフェンダー、ミッドフィルダー、フォワードと、ポジションの違いもありますが、共通して持たなくてはいけないのはサッカーをどう認知して判断するかという力です。このベースがあっての話が「個の力」の追求になるのですが、そこが抜けていないでしょうか。この能力は「大人になったら理解できる」というものでもありません。小さいときから、何を選びますか?何を考えますか?と、自分で考えて認知し行動する習慣をつけておく必要があります。無論、2対1の局面でもドリブルしたほうがいい場合もあります。でも、そこは「君が選べばいいんだよ」と伝える。そんな育て方をしてほしいと思います。池上正さんの指導DVDプレゼント!詳しくはこちら【4月限定】>>次ページ:ドリブル軍団を見て移籍したくなる理由■ドリブル軍団を見て移籍したくなる理由(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)「ドリブル軍団が勝利を収める場面を見ると移籍したくなるようだ」と書かれていますが、移籍する人たちはドリブルを指導してほしいわけではないと思います。シンプルに「強いチームに行きたい」と親子とも思っているのではないでしょうか。そこを変えない限り、日本の育成は変わらないと思います。「じゃあ、ドリブル軍団に勝つように頑張ろう」では時間がかかります。保護者や子どもたちがサッカーの本質を理解していないから、目に見えて成果がわかりやすいところに行きたくなる。そこに理解を求めたり、一緒に学ぶ姿勢を持てるといいと思います。2対1など、あなたがなさっていることは間違っていません。ご自分の指導にぜひ自信をもって、学びながら進めていってください。池池上正さんの指導DVDプレゼント!詳しくはこちら【4月限定】>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2021年04月16日現在公開中の若き教師と村の人たちや子どもたちの心の交流を描いた映画『ブータン 山の教室』より、伝統歌“ヤクに捧げる歌”を歌うセデュに主人公が初めて出会い、歌を教えてほしいと頼む本編映像が到着した。パオ・チョニン・ドルジ監督が「ブータン人の生活、人生、そのすべてが詰まっている」と語り、本作の重要なシーンで流れる伝統歌「ヤクに捧げる歌」。到着した映像では、ストーブの燃料になるヤクの糞を集めている途中、美しい声で「ヤクに捧げる歌」を歌うセデュに出会うウゲンが、「いつもここで歌を?どうして?」と問い、セデュが「歌を万物に捧げているのよ。人動物神々この谷の精霊たちにね」と答える。そして思わず、歌を教えてほしいとセデュに頼むウゲン。秘境ルナナ村から早く都会へ戻りたいと考えていた彼の中に少し変化が現れた場面となっている。ドルジ監督は「この歌は、高地で暮らすヤク飼いの歌です。人生について多くのことを教えてくれると同時に、私たちが暮らす自然と大地への感謝も歌われています。さらに、仏教がいかなるものなのかも伝えています。輪廻転生などについても触れられているんです」と説明し、「私がこの歌を選んだのは、私たちが学ぶべき素晴らしい教訓は思いがけない場所から届く、ということを思い出してほしい、と考えたからです」とコメントしている。『ブータン 山の教室』は岩波ホールほか全国にて順次公開中。(cinemacafe.net)■関連作品:ブータン 山の教室 2021年4月3日より岩波ホールほか全国にて順次公開©2019 ALL RIGHTS RESERVED
2021年04月15日性教育アドバイザーとして活躍し、とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会代表理事や『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)の著書を出版されている、のじまなみさんが男の子の「性教育」について教えてくれました。 親のためにも子どものためにも早めに伝えておきたい「精通」の話我が子を性犯罪の被害者にも加害者にもさせないために、そして他者を思いやれる人間になれるように親ができることが「性教育」とお伝えしてきました。しかし、とりわけお母さんにとって、男の子は謎多き生き物。体の仕組みもよくわからないし、思春期に起こる第二次性徴についてもほとんど知らない方が多いでしょう。 今回は思春期を迎える前に特に男の子に伝えておきたい「精通」「マスターベーション」「アダルトコンテンツ」についてお話しします。 お母さんにとっても子どもにとっても未知の世界、「精通」ってどんなもの?男の子が第二次性徴を迎えると、体つきの変化や声変わり、体毛が濃くなるなどの変化に加え、あるビッグイベントが起こります。それが「精通」です。しかし、経験者であるお父さんならいざ知らず、お母さんにとって「精通」はまるっきり未知の世界なのではないでしょうか。もしかしたら学校で習ったことがあるかもしれませんが、ほとんど記憶にない方も多いでしょう。そこで、この機会にぜひ「精通」について理解を深めていただければと思います。 個人差がありますが、だいたい思春期を迎える12歳頃を目安に「精通」を迎える子が多いといわれています。しかし中には、「おちんちんをいじっていたら何か出てきた」という具合に、精通とまではいえない経験をかなり早い年齢で迎えるお子さんもいます。また精通は「夢精」か「マスターベーション(自慰)」で起こることがほとんどですが、精通のことを知らないと、「性器から膿(うみ)が出た!」「自分は病気かもしれない」「エッチなことを考えていた自分は最低の人間だ」などと、ショックを受けたり自分を責めてしまったりするお子さんが少なからずいます。 しかし、精通は“大人になった証”であり、とても喜ばしいことです。そんな喜ばしいことがお子さん本人にとってショックな出来事にならないためにも、3歳頃から段階的に、男性器の働きや形について話すなかで、精通のことにも触れておきましょう。例えばお子さんから「なんでママにはおちんちんがないの?」と聞かれたとき、こんなふうに伝えてみるのはいかがでしょうか。――「女の人と男の人の体が違うことによく気が付いたね! じつはおちんちんは、男の人だけにある特別なものなんだよ。もっとお兄さんになると、おちんちんのトンネルが開通して、おしっことは違う『精液』というものがおちんちんから出てくるようになるんだ。これは『大人になった証拠』なんだよ!」 そこまで言わなくても……と思うかもしれませんが、性の話を「卑猥」と思わない幼少期のうちに、ぜひご家庭で伝えてみてください。学校の授業で教わる前にお子さんが精通を迎える可能性もありますし、どこからか言葉を覚えてきてこっそりインターネットで調べ、誤った情報にたどり着く危険性もあります。「まだ早い」と思わずに、早めに伝えておきましょう。 息子が精通を迎えたら伝えたいことと、やってはいけないこと察しの良い親御さんなら、お子さんが精通を迎えたことにすぐ気が付くかもしれません。洗濯物の下着が不自然に濡れている、洗濯物に下着が入っていない、などなど……。しかしこんなときに、「これ何?」ときいたり、「パンツはどこにやったの!」と叱ったりすることがないようにしたいものです。お子さんが精通を迎える前に、幼いうちから「もし精通があったら、下着は軽く手洗いして洗濯に出しておいてね」とさらりと伝えておけると、お互いに余計なストレスや気遣いがいりません。小さいうちから自分の下着は自分で洗う「パンツ洗い」もおすすめしています。 そして、精通を迎えた男の子がマスターベーションをするのは「普通のこと」だと、親子ともども知っておきましょう。マスターベーションは悪いことではありません。たくさんしたからといって健康に影響があったり、「ヘンタイだ」などということもまったくありません。ですから、お子さんが思春期を迎えたら、一人になれる時間と場所を用意してあげることも親の気遣いです。お風呂やトイレが少し長くなっても、小言を言わないであげてください。ましてノックもなしに部屋のドアを開けるのは絶対にNGです。 そして、マスターベーションのためにアダルトコンテンツ(エロ本やAVなど)を見るのもごく自然なことです。これも責めたり詮索したりしないでください。ただし、小学生などのまだ分別がつかない年齢であれば「善悪の区別がつくようになるまで見ないでほしい」と伝えたほうが良いでしょう。また、アダルトコンテンツの内容を鵜のみにしないこと、つまり「アダルトコンテンツは男性向けに作られたファンタジーであって、実際の女性はもっと大切にしなければならない」ということも、できれば伝えておきたいものです。そんな話ができるためにも、幼少期のうちから性教育をして、なんでも話せる親子関係を築いておくことが大切ですね。 大人の仲間入りをした息子に知ってほしい「命」のことお子さんが精通を迎えたら、親御さんから伝えていただきたいことがあります。それは「これで大人の仲間入りだね!」という祝福の言葉と、「あなたは子どもをつくれるようになった」ということです。前回、生理の話でもお伝えしましたが、小学生であれ中学生であれ、初潮と精通を迎えた男女同士であれば妊娠の可能性はゼロではありません。「うちの子にかぎって……」という気持ちはわかりますが、大切なことですので、親の口からしっかりと伝えましょう。 私は3歳からの性教育をするうえで「明るく楽しく」をモットーにしていますが、初潮と精通を迎えた子どもに「命」の話をするときばかりは、少し改まるくらいでも良いかもしれません。避妊の話、性感染症の話、中絶の話、そして不妊治療やLGBTの話……。子どもが精神的にも成長したからこそ伝えたい、命と尊厳についての大切な話がたくさんあります。詳しくはぜひ拙著『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)をお読みいただければと思います。 「精通」をはじめとした男の子の心身の成長についておわかりいただけたでしょうか? 男の子の性教育に迷ったら、ぜひ参考にしてみてください。 イラスト:おぐらなおみ(『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』より) 著者:カウンセラー 性教育アドバイザー のじまなみ性教育アドバイザー。とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会代表理事。著書の『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)は7万部を超える話題作となる。著書『男子は、みんな宇宙人!世界一わかりやすい男の子の性教育』(日本能率協会マネジメントセンター)、『赤ちゃんはどこから来るの?親子で学ぶはじめての性教育』(幻冬舎)、『「赤ちゃんてどうやってできるの?」にきちんと答える親になる!』(日本図書センター)。
2021年03月26日こんにちは、保育士の中田馨です。1歳が近付いてくると生活リズムが整ってきて、食事、睡眠、遊びを毎日だいたい同じ時間にするようになります。それと同時に歯磨き、手洗い、お風呂、トイレなど「生活習慣」のしつけを徐々に考える時期に入ってきます。 今回は年齢ごとの生活習慣を身につける方法を話します。 生活習慣を身につけるポイント乳幼児が生活習慣を身につけるためにはポイントがいくつかあります。 1.親が気持ちに余裕を持つ乳幼児に「手洗いはごはん前に毎回するのよ」と言ったところで、すぐにそれを自分でできるようになるわけではありません。3歳になっても、サッと洗面所に行けるときもありますし、遊びの途中でなかなか行動に移せないときもあります。親の「してほしい」気持ちと子どもの「したい気持ち」はなかなか一致しないもの。なかなか上手くいかずモタモタするので、イライラしてしまうこともあるかもしれません。生活習慣は、練習に練習を重ねてできるようになることも多いので「思い通りに行かなくて当たり前」くらいの大らかな気持ちで取り組みましょう。 2.できた喜びもできなかった気持ちも共感する子どもは、ほめられるととても嬉しい気持ちになり、それが自信につながります。ですので、できたときは子どものうれしい気持ちに共感します。また、できなかったときは残念な気持ちや不安な気持ちになるかもしれません。そんなときも子どもの気持ちに共感し、「大丈夫だよ」と伝えて安心させましょう。 3.自分でできることはさせるまだまだ身体機能が未発達です。時間がかかるし、うまくできないし、親がしたほうが何倍も早くスムーズにできることでしょう。でも、子どもがしていることを途中で止めること、最初から全て手伝ってしまうこともよくありません。「自分でできるところまで(最後まで)やってみる」という経験が自信につながります。 1・2・3歳にできる生活習慣は?生活習慣と一言で言っても、大きなものから小さなものまでさまざまあります。1・2・3歳の子どもができる代表的なものを紹介します。 食事食事は1日3回と1~2回のおやつの時間があります。例えば、1歳からできる食事の生活習慣は「いただきます」と言うことからスタートし、自分で手づかみ(スプーン)で食べる、タオルで口をふく、「ごちそうさま」をするという4ステップです。 これに付け加えて2~3歳ごろになると、自分や家族のお箸や食器を運ぶ、テーブルを拭く、使ったタオルをたたんでみるなどもチャレンジできるようになってきます。 歯磨き歯が生えてきたら口の中をガーゼで拭くところからスタートし、上下2本ずつ生えそろってきたら歯ブラシを使った歯磨きがそろそろスタートします。湯冷ましや水を飲んで口の中がスッキリする感覚を感じさせることも大切です。 最初はママがメインでの歯磨きですが、年齢が上がるごとに磨き方を教えて自分でも上手に磨けるようになってきます。「食後は歯磨きをする」ことを伝えていきましょう。 着替え起きたときにパジャマから服に着替え、寝るときにパジャマに着替えることは、生活の切り替わりにおいて大切なこと。1歳ごろはまず、靴下などの簡単なものを脱ぐことからスタートしましょう。年齢が上がるごとに、ママの手を借りながら服を着て、自分である程度着られるようになります。 トイレ1歳ごろはまず「トイレやおまるに座る」からスタートです。このときは「おしっこを出させる」ことよりも「座ることに慣れる」をメインにします。トイレに座ることに慣れたら、起きたとき、お出かけ前、外から帰ってきたとき、寝る前など、家の生活リズムに合わせながら徐々にトイレに行く習慣を取り入れます。 早寝早起き「夜は9時台に布団に入る」「朝は7時に起きる」など、寝て起きることは生活習慣の要。1日の最初と最後のリズムを整えることで、その他の生活習慣も整ってきます。 一度にこれら全てができるようになるわけではありません。子どもの成長発達を見ながら、少しずつできることを増やしていきましょう。 1・2・3歳への声かけ方法各年齢によって声をかけるときのポイントが違います。 ・1歳ごろ1歳ごろの子どもにはくり返し伝えます。まだ長い間記憶しておくことができないので、毎日毎日伝えるようにしましょう。1歳のときに「生活習慣を身につけさせる!」と強く思わず、楽しい雰囲気で取り組めるといいですね。 ・2歳ごろ短い言葉で伝えます。大人の言っている言葉が分かり始めているので「しっかり伝えなくちゃ」と思ってしまいますが、まだ長い文章で言っても伝わりません。「出かけるから、トイレに行くよ」「ご飯食べるから、手を洗うよ」など、簡潔な言葉に言い換えましょう。 ・3歳ごろ「次に何をすればいいか」という生活習慣のリズムが徐々に分かってきます。外から帰ったら自分から洗面所に向かったり、蛇口も自分で開け、ハンドソープも自分で押して、手を洗って、タオルで拭くという「手洗い」を一通り自分でできるようになったりします。自主的にできているときはそばで見守り、できないときやしないとき、ダメなことをしたときに簡潔な言葉で伝えるようにしましょう。 1歳でできていたことが、イヤイヤ期になって突然しなくなったりすることもあります。例えば、靴下を自分ではけていたのに「はけない!」と言ったり……。そんな姿が見られるときの多くは「ママに甘えたい」気持ちの表れです。「自分ではけるでしょ!」と無理にさせようとするのではなく、「じゃあ、右足はママがはかせるね。左足は〇〇ちゃんがはいてね」と言ってもいいですし、全面的に「ママがはかせてあげる!」と、たまには甘えさせてOKです。 お手本はパパとママ生活習慣の見本は何と言ってもパパとママ。子どもはパパとママのことが大好きなので、2人をよく見ています。子どものお手本だと思って、これまでよりも意識的に手洗い、歯磨き、トイレ、食事などをしてみてください。このときに、子どもも一緒にできるといいですね。食事のあいさつ「いただきます」「ごちそうさま」も、いつもは何気なくしているかもしれませんが、子どもも一緒にすると思うと意識が変わります。子どもに「パパとママと一緒にできた」という経験をたくさん積み上げさせて、楽しい雰囲気から自信につなげていきましょう。 生活習慣は、教えてすぐできるようになるものではありません。小さなときからできる範囲で少しずつ伝えているうちに、いつの間にか「習慣になってきたな」と感じることです。焦らず、子どものペースで進めていけるといいですね。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2021年03月23日