妻夫木聡と松山ケンイチが初共演を果たした『マイ・バック・ページ』の初日舞台挨拶が5月28日(土)、東京・新宿ピカデリーで行われ、妻夫木さんと松山さんをはじめ、忽那汐里、韓英恵、中村蒼、メガホンをとった山下敦弘監督が登壇。数々のプロモーションを行ってきた本作だが、上映後の舞台挨拶はこれが初めてとあって、登壇者の面々も映画の余韻に包まれた客席に感慨深げだった。「ぜひ、この余韻を噛みしめてほしい」と妻夫木さん。松山さんも「この作品は僕自身、大好きだし改めて『すごい映画だな』と思います」と思い入れたっぷりだ。原作は朝日新聞社の元記者で、現在は評論家として幅広く活躍する川本三郎氏の実体験を基に書き上げた「マイ・バック・ページ - ある60年代の物語」(平凡社刊)。学生運動が新たな局面を迎えた1969年から70年代初頭、理想に燃える週刊誌記者・沢田(妻夫木さん)と過激派のリーダー・梅山(松山さん)の運命的な出会いを軸に、時代に翻弄される若者の熱情と絶望を描く。舞台挨拶の話題は、映画のテーマでもある“運命的な出会い”について。妻夫木さんは「役者になれたこと自体が一大事で、運命的だった」と断言。「もともと役者をやろうとは思ってなくて、この世界(芸能界)もナメていたんです。いざやってみると何もできなくて、悔しかった」とふり返った。現在の活躍ぶりはご承知の通りだが、「とにかくガムシャラで。きっとひょんなことで運命も変わるし、すべては気の持ちようなんですね」と語った。松山さんも俳優を目指したことが、人生を左右する出来事だっただといい、「16歳で上京し、ハタチまではアルバイトの方がメイン。自分が役者なのか、フリーターなのかと悩みや葛藤もありました」と告白。こちらも妻夫木さん同様、映画にテレビに引っ張りだこ。その理由は「継続できたからこそ、チャンスが来たのだと思う。先のことはまったく分からないですけど、これからも(仕事を)継続する中でいろんな選択をしていきたい」と決意を新たにしていた。この日は沢田のモデルである原作者・川本氏からの手紙が朗読され、沢田役の妻夫木さんは大感激。「この映画に関しては、いまもどう伝えたらいいか分からないほど。観て感じてくれとしか言えないです。当時のことを再現する、というよりは僕らにしか作れない『マイ・バック・ページ』の時代が作れたと思うし、僕らの時代は僕らが作らなければいけない」と熱弁した。松山さんも負けじと「昔を知るって、大事なんだなと実感した。特に当時の熱気やハングリー精神はいまの時代にも必要だと思うし、映画を通して、いまの自分と向き合ってもらえれば」と猛アピール。妻夫木×松ケンの初共演がもたらした化学反応が、いまを生きる観客の心にも確かな“傷跡”を残した瞬間だった。『マイ・バック・ページ』は新宿ピカデリー、丸の内TOEIほか全国にて公開。■関連作品:マイ・バック・ページ 2011年5月28日より新宿ピカデリー、丸の内TOEIほか全国にて公開© 2011映画『マイ・バック・ページ』製作委員会■関連記事:妻夫木&松山ケンイチの姿に70%が共感!現代を生きる人々が最も信じるものは…?深田恭子、平清盛の妻に抜擢!大河ドラマ「平清盛」女性キャストついにお披露目妻夫木、松ケン、中村蒼それぞれの“男の涙”談義に興味津々!妻夫木聡×松山ケンイチ インタビュー尊敬を惜しまず互いに共鳴しあう存在へ長塚圭史×山内圭哉×山下監督が青春の1ページをふり返る!酔いどれトークショー開催
2011年05月30日妻夫木聡と松山ケンイチを主演に迎え、60年代末から70年代初頭の激動の時代の青春を切り取った『マイ・バック・ページ』。主演の2人をはじめ出演者、そして監督の山下敦弘、脚本の向井康介らスタッフ陣にとっても、生まれる以前の“政治の季節”が描かれるが、現代に生きる人々は劇中の登場人物たちの心情や青春をどのように感じるのだろうか?シネマカフェの読者参加型コンテンツ「シネマLIVE!」では、公開に先駆けて本作の試写会を開催し、2人の主人公への共感、さらには青春への思いや信じるものについてアンケートを実施!その結果は――?東大安田講堂事件を機に、少しずつ全共闘運動が失速していったあの時代。活動家たちと志を共にしたいという思いと記者としての中立性のはざまで葛藤しつつ、日々、運動を追いかける沢田(妻夫木さん)と彼の前に現れ、武力蜂起を宣言し、不思議な魅力で周囲を惹きつけていく梅山(松山さん)。同時代の共感の中に生きつつも、異なる立場に位置する2人だが、彼らに対して共感を感じるか?という問いには実に70%の観客が「はい」と回答した。観客の多くが妻夫木さんらと同様に事件の頃は、生まれていなかったか子供だった世代だが「自分の考えに自信を持って、何かを成し遂げられたという点」(20代・男性)、「ひとつのことをやり遂げるために追い続ける点」(20代・男性)など、彼らの行動や選択の是非はともかく、あの時代を生きた人々の信念や自信の強さに共感を抱いたという人が多く見られた。一方で同じ共感を感じるにせよ「口ばかりで行動が伴っていないところ」(30代・女性)、「何かやりたいのに定まらないような…そういう雰囲気」(20代・女性)など彼らが持つ人間的な弱さやダメな部分に共感を感じたという人も多数。いずれにせよ、彼らが抱えるエネルギーに対して、また目の前に倒すべき“敵”や目標がシンプルに存在し、そこに飛び込むことができたあの時代に対して、憧れやうらやましさを感じる人が多くいるようだ。若い観客の多くがいまの自分と重ねあわせて2人に共感する一方で、少し上の年代は2人に対してどこか懐かしさを感じてもいるよう。逆に、「自分たちの頃は、時代を変えようなどとは全く思いもしなかった」と“時代の差”を感じて、共感できなかったという人も。「時代を変えられる」と信じるがゆえに、梅山の理想に引きずられていく沢田。映画では、全てが終わった“その後”も描かれるが…。翻って、自分の青春についての質問!まずは「あなた自身の青春の1ページで最も後悔していることは?」。最も多く集まったのは「もっと勉強しておけば良かった」という声。「大学時代にもっと勉強しておけばよかった」(30代・女性)、「留学しておけば、といまになって思う」(30代・男性)などなど…。もちろん、勉強するのに“遅すぎる”ということはなく、いまから勉強することがキャリアや人生に大きく役立つことも。2番目に多かったのは、青春時代のほろ苦い恋についての後悔。「何であのとき告白できなかったのかなぁ」(20代・女性)という告白できなかった後悔から「当時の恋人と自然消滅してしまったこと。ちゃんと話せばよかった」(40代・女性)まで多くの人がいまだに忘れられぬ恋を胸に抱えているよう。また、青春の一番の思い出として、圧倒的な票数を集めたのが学生時代の部活の思い出。友人たちと共に汗を流したり、悔しい思いをしたこと、勝利の思い出などは忘れられない貴重な青春の1ページ!また「もう一度会いたい人は?」という問いにもやはり、友人が1位で続いて学生時代の先生、初恋の人や好きだった人は意外にも(?)3位となった。映画を観て青春時代を思い起こしたら、懐かしい人たちに連絡を取ってみてるのいいかも。そして最後の質問は「あなたが唯一信じるものは?」。沢田は周囲の忠告を無視して、梅山を信じ、梅山は己を信じて理想のために行動を起こす。ずばり、いまを生きるあなたが信じるものは?最も多かったのは「自分」という答え。「自分の感受性、自分がいま生きているという事実」(20代・女性)、「自分の信念」(20代・男性)といった声が多く寄せられた。続いて多かったのは「家族との絆」。子どもが生まれたり、結婚したことで改めて家族の絆を考えた、という声も。ほかに「人を信じたいと思う気持ち」、「離れても変わらない友情や愛情」といった答えも多く見られた。あの時代とはまた違えど、“今”も激動と混迷の時代であることは確か。何を信じるべきか――?映画を観て考えてみては?いまを生きるヒントがあるかも。『マイ・バック・ページ』は5月28日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。シネマLIVE! 『マイ・バック・ページ』特集■関連作品:マイ・バック・ページ 2011年5月28日より新宿ピカデリー、丸の内TOEIほか全国にて公開© 2011映画『マイ・バック・ページ』製作委員会■関連記事:深田恭子、平清盛の妻に抜擢!大河ドラマ「平清盛」女性キャストついにお披露目妻夫木、松ケン、中村蒼それぞれの“男の涙”談義に興味津々!妻夫木聡×松山ケンイチ インタビュー尊敬を惜しまず互いに共鳴しあう存在へ長塚圭史×山内圭哉×山下監督が青春の1ページをふり返る!酔いどれトークショー開催玉木宏、大河ドラマ「平清盛」で源義朝役!早くも清盛にライバル心メラメラ!?
2011年05月27日映画『マイ・バック・ページ』のプレミア試写会が5月19日(木)、都内劇場にて開催され、主演の妻夫木聡、松山ケンイチをはじめ、忽那汐里、石橋杏奈、韓英恵、中村蒼に山下敦弘監督が舞台挨拶に登壇した。妻夫木さん、松山さん、中村さんの男優陣は映画のテーマのひとつである“男の涙”に関してそれぞれの持論を展開し…。評論家として活躍する川本三郎が実体験に基づいて執筆した小説を映画化した本作。学生運動が徐々に下火になりかけた1969年から70年代初頭、理想に燃える週刊誌記者と過激派を名乗る若者のやり取りを軸に、世に変革をもたらそうと奮闘し、呑みこまれていく若者たちの姿を描き出す。この日は、劇中の人物たちと同じ世代の二十歳前後の若者およそ300名を招待。この若者たちに映画にちなんだ質問をして、「○」か「×」のカードを掲げて回答してもらい、登壇陣がそれについてコメントするという方式で舞台挨拶が進められた。会場が沸いたのは、“男の涙”の是非を問う質問について。劇中、忽那さん演じる眞子が「私はちゃんと泣ける人が好き」というセリフを発するが、会場の若者たちも大多数が「○」つまり、男も泣いていいという意見。女優陣一同も同じ意見のようで、石橋さんは「気を抜いたときにフッと泣いてくれたら嬉しい」とコメントした。圧倒的多数で、“男の涙・肯定”のようだが、では実際のところ、妻夫木さん、松山さん、中村さんは涙を見せることはあるのか?妻夫木さんは照れくさそうに「僕は、相当涙もろくなっちゃいました」と告白。「二十歳くらいまでは、男が涙見せるなんてダメだとか思っていて、芝居でも泣けなかったんです。でも、そういう考えはやめて、素直に生きてみよう、泣きたいときに泣こうと考えるようになりました。そしたら泣きやすくなっちゃって…」と明かしてくれた。逆に松山さんは「昔は泣き虫で、怒られる前に泣いてましたが、最近は泣きませんね」とのこと。さらに「まだまだ、妻夫木さんのいるところには行けない…裸になれない自分がいますね」と“先輩”をホメ殺し…?九州男児の中村さんは「感情を抑えているわけじゃないんですが、小さい頃から泣く機会がないですね」と淡々と回答。三者三様の“涙”談義に客席は興味津々だった。妻夫木さんは別の「いま夢中になれるものがあるか?」という質問に多くの若者が「○」と答えたことに満足そうな様子。映画について「自分がどう生きていくのか、どう向き合っていくのかを考えさせる作品」と語り、「一生懸命なのはダサいことじゃない。失敗を恐れずに突き進んでください!」と客席に呼びかけた。『マイ・バック・ページ』は5月28日(土)より新宿ピカデリー、丸の内TOEIほか全国にて公開。■関連作品:マイ・バック・ページ 2011年5月28日より新宿ピカデリー、丸の内TOEIほか全国にて公開© 2011映画『マイ・バック・ページ』製作委員会■関連記事:妻夫木聡×松山ケンイチ インタビュー尊敬を惜しまず互いに共鳴しあう存在へ長塚圭史×山内圭哉×山下監督が青春の1ページをふり返る!酔いどれトークショー開催玉木宏、大河ドラマ「平清盛」で源義朝役!早くも清盛にライバル心メラメラ!?逆境に強そうな俳優ランキング1位は水嶋ヒロ!結婚、独立…逆風でのパワーに共感監督×長塚圭史×山内圭哉が語る『マイ・バック・ページ』試写会に80組160名様ご招待
2011年05月19日妻夫木聡、松山ケンイチ──人気実力ともに申し分のない2人の俳優が、ついに『マイ・バック・ページ』で初共演を果たした。互いにずっと待ち望んでいたという今回の共演は、彼らの役者魂を刺激し、共鳴させ、体の奥底でつながっているような深い関係を生み出した。それは尊敬し合い、認め合い、嫉妬し合う、まさに実力あってこそ築ける関係。妻夫木聡と松山ケンイチのツーショットインタビューから垣間見えたものとは…。「自分と向き合うことは一生終わらない」(妻夫木さん)映画の舞台となるのは1969年から1972年の日本。1964年に起きたベトナム戦争などを背景に、国家に疑問を持つ若者たちが、学生運動に身を投じていた時代だ。本作はその激動の時代を生きた2人の若者の、夢と現実と葛藤を描いた青春映画。妻夫木さんは理想に燃える新米ジャーナリスト・沢田を、松山さんは革命を目指す若き活動家・梅山を演じている。メガホンを取った山下敦弘監督は「僕以上に2人は役のことを分かっている」と称えているが、自分たちの知らない時代を生きる青年像をどうやって作り上げたのだろうか。妻夫木さんはこう語る。「山下監督が一番こだわっていたのは、時代描写をリアルにやった方がいいのかどうかということでした。実際にその時代を生きていた人間はスタッフにいない、だから僕らが作る60〜70年代、僕らのなかの60〜70年代にしよう──という監督の話を聞いたとき、僕のなかで何かスイッチが入ったんですよね」。以前から「山下監督と仕事がしたい!」と熱望していただけに、言葉一つ一つに重みがある。本人は「奇跡的に願いが叶っただけ」と謙遜するが、昨年の『悪人』、本作『マイ・バック・ページ』、待機作『スマグラー』、自ら切望し役を手に入れられたのは、実力はもちろん、これまで積み上げてきた真摯な生き方ゆえ。『悪人』をきっかけに精神的な役作りをするようになったという妻夫木さんは、沢田を演じ、何を伝えたかったのか。「70年代の日本は学生運動があって、ジャーナリズムがあって、みんな進むべき道があって、一人一人が思想を持って立ち上がっていた時代。そういうエネルギーは、時代が変わっても確実にあるはずだと僕は思っていて。でも、現代はやれることも熱くなれることもありすぎて、迷ってしまっているんじゃないか、そんな気がするんです。僕がこの映画をやって思ったのは、人は自分と向き合うことを忘れがち、それでも自分と向き合うことは一生終わらない、自分自身とずっと闘い続けなければならないことでした」。順応できる役者・妻夫木聡に「甘えてしまおうって思った」(松山さん)そんなふうに、どれだけ心を動かされたのかを熱く語る妻夫木さんの隣で、静かにうなずくもうひとりの演技派俳優、松山さん。尊敬する先輩俳優との共演で見えてきたものとは何だったのか。「妻夫木さんはものすごい精神力で役と向き合っているんです。役を持続させる精神力がすごい、繊細な芝居が素晴らしい、僕が努力しても到底到達できないですね。『妻夫木さんには極上の“普通”がある』と山下監督が言っていて、その通りだなと思いました。だから梅山を演じるにあたって、すごく不安だったんです。妻夫木さんに対する不安ではなく、僕が梅山としてしっかりと妻夫木さんの前に立てるか、沢田の前に立てるかという不安、緊張もありました。でも、撮影現場に入って1日目、妻夫木さんがどんなことにも対応してくれる役者であることが分かって、気持ちが楽になった。どこまでも甘えてしまおうって思ったんですよね」。また、梅山という人物像については「良く分からない」と説明する。「梅山の内面には葛藤はない、そう捉えて演じていました。というのは、片桐(梅山の本名)は沢田の前にいるときは革命家・梅山としてそこにいるわけで、映画のなかでさらに違う役を演じているような感覚なんです。梅山は相手によってどんどんキャラクターを変えていく男、本当に不思議な役でした」。暴力で世界を変えられると信じ、赤邦軍リーダーとして沢田の前に現れた梅山。取材を通じて梅山の魅力に惹かれ、疑念を抱きながらも彼を信じた沢田。互いが持っていないものを求め合う2人の関係性は、そのまま俳優・妻夫木聡と松山ケンイチにも重なる──。そして「到底到達できない存在」だと言う松山さんに、妻夫木さんは「僕が持っていないエネルギーを持っている、それを吸収させてもらえるかなと思った」と明かし、若く鋭い感性、あらゆることを吸収するアンテナを持つ松山さんとの共演を心底楽しんだと笑顔を見せる。「僕と松ケンが単純に仲のいい2人だったら、逆に(この共演は)面白くなくなったかもしれないなと思っているんです。飲みに行って語り合おうぜっ!という間柄にならない距離感が心地よかったし、それは『マイ・バック・ページ』の2人の距離感とも似ているなって」。後輩の松山さんにとって、この言葉は何よりも嬉しいはず。はにかみながら先輩に負けじと自分の心の内をこう伝える。「今日の取材もそうなんですけど、妻夫木さんが話していることで、いいなと思ったことがあって。それは泣けることに関して。最近『泣くようになった、(感情を)開放できるようになった』とおっしゃっていたんです。男にはプライドとか意地とか色々な要素があって、泣きたくないという思いがある。それでも(演技で)泣けるのは、人間の本質で話したり表現したりしているからだと思うんですよね。それは僕にはないもの。鎧を脱ぎ捨てられる妻夫木さんは、たまらなく格好いい」。本当に尊敬していないと出てこない褒め言葉の数々に、妻夫木さんは「あとでお小遣いをあげないと(笑)」と、茶化して照れを隠す。そのさまがまた格好いい。伝えたかったメッセージ「自分と向き合うきっかけになれたら」妻夫木さんや松山さんが、同世代の俳優のなかで群を抜いた存在であるのは、溢れんばかりの情熱を持ち続けているから。その半端ない情熱は羨ましくもあるが、妻夫木さんはつかみ取るものだとメッセージを贈る。「僕はたまたま役者という仕事に巡り会って、役者が一生の仕事だと言い切れるようになったけれど、そういうものが見つかっていない人は大勢いると思うんです。僕が言えるのは、やりたいことがあるなら挫折するくらいとことんやっちゃえよ!ということ。失敗を恐れずに挑戦することは単純でものすごく大変。でも、自分と向き合っている人は後悔していないんです。この『マイ・バック・ページ』が自分と向き合うきっかけになってもらえたら嬉しいですね」。気づきを与えてくれる映画、きっかけを与えてくれる映画は、きっと何年も何十年も語り継がれる“いい映画”であり、『マイ・バック・ページ』はまさにそれに当てはまる“いい映画”に違いない。(photo:Yoshio Kumagai/text:Rie Shintani)<Satoshi Tsumabuki>Hairmake:Katsuhiko Yuhmi(THYMON)Stylist:Yasuomi Kurita<Kenichi Matsuyama>Hairmake:Tadashi Kukuchi(LUCK HAIR)■関連作品:マイ・バック・ページ 2011年5月28日より新宿ピカデリー、丸の内TOEIほか全国にて公開© 2011映画『マイ・バック・ページ』製作委員会■関連記事:妻夫木、松ケン、中村蒼それぞれの“男の涙”談義に興味津々!長塚圭史×山内圭哉×山下監督が青春の1ページをふり返る!酔いどれトークショー開催玉木宏、大河ドラマ「平清盛」で源義朝役!早くも清盛にライバル心メラメラ!?逆境に強そうな俳優ランキング1位は水嶋ヒロ!結婚、独立…逆風でのパワーに共感監督×長塚圭史×山内圭哉が語る『マイ・バック・ページ』試写会に80組160名様ご招待
2011年05月19日若手実力派の妻夫木聡と松山ケンイチが初共演を果たした映画『マイ・バック・ページ』の公開を前に、「青春の1ページをふり返る!酔いどれトークショー」と銘打ったイベントが都内劇場にて行われ、試写の上映前に、同作でメガホンを取った山下敦弘監督と出演者の長塚圭史、山内圭哉が登壇し、ビール片手に映画について熱いトークバトルを繰り広げた。原作は、文芸や映画評論・翻訳などを手掛け、幅広く活躍する川本三郎自らがジャーナリスト時代に経験した日々をつづった同名小説。1969年から1972年、反戦運動や全共闘運動が激しかった時代を背景に、激動の時代を駆け抜けた若者たちの青春を描いた衝撃と感動のドラマ。妻夫木さんは理想に燃える若きジャーナリスト・沢田を、松山さんは革命を目指す活動家・梅山を好演している。山下監督の進行でトークイベントは開始されたが、共に旧知の仲だという3人は、お酒を飲みながらざっくばらんに若い頃の思い出話に花を咲かせた。山内さんは、山下監督について「若い頃から知ってるけど、(今回は)大きな現場を回して、立派になったなあ」と感心しきり。以前山下監督の『リアリズムの宿』(’04)で主演している長塚さんも「今回は人の多さにびっくり。スタッフが同じで、みんな立派になったなあって…」と喜びをあらわにしていた。長塚さんと山内さんは劇中、共に当時の若者たちのカリスマでもある東大と京大の全共闘議長役を演じているのだが、自身の20代の頃についてふり返った。長塚さんは早大在学中になぜか学生運動によく誘われたというエピソードを披露。山内さんもバンド活動やら俳優業をしていた若い頃を楽しんでいた様子。山下監督は、すでに映画製作にいそしんでいたそうだが、女っけが全く無く、可哀想に思った知人が紹介してくれた女の子とデートしたものの、うまくいかなかったと切ない青春時代に思いを馳せていた。3人の楽しい話はつきなかったが、山下監督は映画について「厚みのあるキャスティングができた。全員が素晴らしい。演出に自身あり!」ときっぱり。長塚さんは「長い作品ですが、最後まで観ると“いい!”と思える。人間模様を観てほしい。現場の力が伝わってくる」と作品を熱くアピール。山内さんも「東日本大震災が起きて若い人も政治に関心を持って、世の中をどうにかしなければと思っている人もいると思うが、この時代(1969〜1972)に世の中を変えてやろうと思っていた人たちがいたということを知って欲しい」とそれぞれがこれから映画を観る観客に向けてメッセージを伝え、イベントを締めくくった。『マイ・バック・ページ』は5月28日(土)より全国にて公開■関連作品:マイ・バック・ページ 2011年5月28日より新宿ピカデリー、丸の内TOEIほか全国にて公開© 2011映画『マイ・バック・ページ』製作委員会■関連記事:玉木宏、大河ドラマ「平清盛」で源義朝役!早くも清盛にライバル心メラメラ!?逆境に強そうな俳優ランキング1位は水嶋ヒロ!結婚、独立…逆風でのパワーに共感監督×長塚圭史×山内圭哉が語る『マイ・バック・ページ』試写会に80組160名様ご招待“先輩”妻夫木が松ケンにダメ出し!奥田民生はマイペース舞台挨拶松山ケンイチ主演『うさぎドロップ』主題歌にPUFFY業界初、アニメ版も同楽曲使用
2011年05月17日映画『マイ・バック・ページ』の完成披露試写会が4月13日(木)、都内で開催され、主演の妻夫木聡、松山ケンイチに山下敦弘監督、主題歌を歌う「真心ブラザーズ」と奥田民生が舞台挨拶に登壇した。幅広い活躍を見せる文筆家の川本三郎が、記者時代に実際に関わったある事件を主軸に、1969年から70年代初頭の激動の時代のさなか、社会の変革を夢見る若者たちが理想を追い求め闘い、葛藤するさまが綴られる。妻夫木さんは「60年代を生きていない僕らが魂を込めて作りました。僕らにとって“真実”と思えるようなものができたと思う」と挨拶。松山さんも「いま、絶対に必要な作品。初号で観て本当に興奮して、すごい作品ができたと思った」と言葉に力を込めた。ジャーナリストの沢田を演じるにあたって「いまの時代の“真っ直ぐさ”と、この時代の”真っ直ぐさ”は質が違う。アプローチの段階で、(かつて川本さんが住んでいた)阿佐ヶ谷に行ってスーパーで野菜を買ったり、東大に行って安田講堂に触れたり、心で感じることを大事にした」と真摯に語る。2人は同じ事務所に所属しながらも本作で初共演。妻夫木さんは「(松山さんは)初めて会ったのは9年くらい前で、階段の隅で体育座りしてるような奴だった」と明かし、「もっと早くにとも思っていたけど、こうやって向き合って芝居ができる作品で一緒にできて楽しかった」と嬉しそう。一方の松山さんは「いまでもたまに体育座りしています(笑)」とおどけつつ、妻夫木さんについて「“普通”ということを演じさせたら妻夫木さんに勝てる人はいない。今回もすごかったです。うまく言えないけど…見てもらえれば分かります」と絶賛するも、“先輩”妻夫木さんからは「お前、話がザックリ過ぎなんだよ!」とダメ出しが…。この後、ボブ・ディランの名曲「My Back Pages」をカバーした主題歌を歌う真心ブラザーズと奥田さんが登場。奥田さんは、ちょっと困ったような表情で「映画で英語で歌ってますが…どうなんでしょうか。個人的には、(映画を観終わって流れる主題歌が)『おれかよ!』ってブルーになりました。でもボブ・ディランのいい曲なのでいいかと…」とユーモアたっぷりに語り、会場を笑いに包んだ。真心ブラザーズの桜井秀俊は「奥田民生の流暢な英語に“救われる”というか、肩の力が抜ける」とこれまた独特の言葉で絶賛。奥田さんは「日本人の人が聞いても外国の人が聞いても、何て言っているのか分からないと思う」とマイペースに飄々と語っていた。妻夫木さんが最後に「いまの時代にはない情熱を感じてもらえたら」と訴え、舞台挨拶は幕を閉じた。『マイ・バック・ページ』は5月28日(土)より新宿ピカデリー、丸の内TOEIほか全国にて公開。■関連作品:マイ・バック・ページ 2011年5月28日より新宿ピカデリー、丸の内TOEIほか全国にて公開© 2011映画『マイ・バック・ページ』製作委員会■関連記事:松山ケンイチ主演『うさぎドロップ』主題歌にPUFFY業界初、アニメ版も同楽曲使用『マイ・バック・ページ』山下監督があの青春映画の秘話披露カエラや沢尻が…妻夫木×松ケン共演映画主題歌で真心ブラザーズと奥田民生がB・ディラン名曲をカバー妻夫木&松ケンの新旧“大河コンビ”共演『マイ・バック・ページ』ビジュアル解禁森三中・黒沢と“夫婦”役の松山ケンイチ小雪との結婚の質問には…
2011年04月13日多くの映画ファンに惜しまれつつ、閉館が決まったミニシアターの雄・渋谷シネセゾンにて2月23日(水)、同館で大ヒットを記録した青春映画『リンダ リンダ リンダ』がクロージング特別上映された。上映前にはメガホンをとった山下敦弘監督がトークショーに登壇し、当時の思い出をはじめ、妻夫木聡&松山ケンイチ共演の最新作『マイ・バック・ページ』について語った。『リンダ リンダ リンダ』は学園祭を前に空中分解寸前だった女子高生バンドが、ペ・ドゥナ演じる韓国人留学生をメインボーカルに招き入れ、人気バンド「ザ・ブルーハーツ」のカバーに挑む青春ストーリー。当時の山下監督にとっては、初のメジャー規模での映画製作で「ブルーハーツに特別思い入れがあったわけではないし、いまの女子高生がブルーハーツを歌って面白くなるのかな…って、気持ち的には乗らなかった」。そんな後ろ向きな(?)山下監督の背中を押したのは、先輩にあたる熊切和嘉監督からの「でも仕事来てないんでしょ?断る理由もないじゃん。俺なら撮るけど」という言葉だったのだとか。一方、山下監督も映画『ほえる犬は噛まない』で主演を務めたペ・ドゥナに興味があったといい、「ダメ元でプロデューサーに話をしたら、意外や意外『それいいですね』って。ちょうど『子猫をお願い』のプロモーションで彼女が来日すると聞いて、慌てて会いに行きました」と舞台裏を披露。「急きょ主人公を韓国人に書き換えたが、ブルーハーツを日本人が歌うと“意味”がついちゃうし、結果的にすごく良かったですね」とペ・ドゥナの起用が、作品作りの大きな原動力になったと語った。キャストの大半はオーディションで決定。バンドメンバーには前田亜季、香椎由宇、関根史織(Base Ball Bear)が選ばれた。先日、香椎さんは第一子となる男児を出産したが、「いまやお母さんですもんね。当時は18歳で、何というか暗かった(笑)。物静かで独特な雰囲気が印象的でした」と山下監督もしみじみした表情だ。さらに同作にはブレイク前の松山ケンイチや小出恵介も出演。「まさかあんなに有名になるとは」とキャスティングした山下監督本人も驚きを隠せない様子だった。ちなみにオーディションには当時は無名に近かった木村カエラや『パッチギ!』に出演したばかりの沢尻エリカの姿もあり、「沢尻エリカは『10代でこのオーラかよ』って感じで、ものすごく怖かった」そうだ。そんな山下監督が、約3年ぶりにメガホンに取った最新作が『マイ・バック・ページ』だ。原作は映画評論をはじめ幅広い分野で活躍する川本三郎が、ジャーナリスト時代に経験した日々を綴った衝撃の同名ノンフィクション。理想に燃え、新聞社が発行する週刊誌編集部で働く記者・沢田(妻夫木さん)と、左翼活動家・梅山(松山さん)との出会いを軸に、反戦運動や全共闘運動に揺れた70年代の“熱”を活写する。「2人とも基本的には真面目」と主演俳優を語る山下監督。しかしタイプは対照的だといい「妻夫木くんは撮影前から役を作りこんでくれた。シナリオにもぎっしり書き込みがありますね。松山くんは『リンダ リンダ リンダ』以来、久しぶりだったけど、臨機応変で現場で役を作る柔軟性がある」。注目の初共演が生み出す化学反応も『マイ・バック・ページ』の大きな見どころとなりそうだ。『マイ・バック・ページ』は5月28日(土)より全国にて公開。■関連作品:マイ・バック・ページ 2011年5月28日より新宿ピカデリー、丸の内TOEIほか全国にて公開© 2011映画『マイ・バック・ページ』製作委員会■関連記事:妻夫木×松ケン共演映画主題歌で真心ブラザーズと奥田民生がB・ディラン名曲をカバー妻夫木&松ケンの新旧“大河コンビ”共演『マイ・バック・ページ』ビジュアル解禁森三中・黒沢と“夫婦”役の松山ケンイチ小雪との結婚の質問には…妻夫木&松ケンが初共演ベトナム、全共闘の激動の時代を疾走!
2011年02月24日妻夫木聡と松山ケンイチの初共演作で、実際に起こった事件を基に60年代から70年代を駆け抜けた若者たちの青春を切り取った『マイ・バック・ページ』。本作の主題歌として、ボブ・ディランの名曲「My Back Pages」を真心ブラザーズと奥田民生がカバーすることが決定した。本作は映画評論、翻訳、エッセイなど多岐にわたって活躍する川本三郎が、1969年から72年までのジャーナリスト時代を綴ったノンフィクション小説(平凡社刊)が原作。川本さん自身が深く関わることとなった実際に起きたある重大な事件を中心に、理想に燃えるジャーナリストと彼を挫折へと追い込んでいく左翼の活動家の若者の青春、闘争、葛藤が描かれる。原作のノンフィクション小説のタイトルの基になっているボブ・ディランの「My Back Pages」は、1964年に発表されたアルバム「Another Side of Bob Dylan」に収められた楽曲。「あのとき私はいまよりも老けていて、いまはあの頃よりずっと若い」など、特徴的な歌詞で広く支持を集める名曲で、ディラン自身の過去の闘争的な内面風景が反映させたとされる。これまでに多くのミュージシャンによってカバーされており、真心ブラザーズはすでに過去に一度、日本語の歌詞でカバー。そのときの楽曲は、ディラン自身が主演を務めた映画『ボブ・ディランの頭のなか』(’05)のオープニング・テーマとしてサウンドトラックにも収録されている。今回、本作の主題歌としてカバーするにあたり、奥田さんが英語の詞で、真心ブラザーズのYO-KINGが日本語の訳詞で歌い分けている。YO-KINGは今回の発表に際し「OT(※奥田民生)と真心で、ぐっとくるカバーやりました。英語と日本語の混合です。すばらしいです。泣けます。夢にでてきます。免疫が強まります。ご飯がおいしくなります。風邪をひかなくなります。早寝早起きになります。やせます。モテます。人気者になります。本当かな。なるかどうかは聴いてからのお楽しみ」というノリノリのコメントが到着。一方、奥田さんはひと言「まごころこめてやりました!」。主演の2人も主題歌を聞いて深く感じ入るところがあった様子。妻夫木さんは「ふり返る思い出たち。いいことも悪いことも、いまとなっては愛しい。人から人へと繋がる思い。心に響きました」、松山さんは「世界観にとてもあっていて素晴らしいです!とても光栄です!」とそれぞれ“真心×民生”バージョンの「My Back Pages」に対する感想を寄せてくれた。メガホンを握る山下敦弘監督からも「この曲を初めてスタジオで聴いた時、楽曲それ自体の感動はもちろんのこと、3年間いろんな葛藤を経て作ってきた『マイ・バック・ページ』という映画が奥田民生さんと真心ブラザーズさんたちに唄っていただいたことで、ようやく終わることができると確信し、監督としてひとり感動していました。僕の両肩に重くのし掛かっていた“1960年代”という荷物を降ろしていただいて本当にありがとうございました」と強い思いのこもったコメントが到着している。激動の時代の中を駆け抜け、理想に燃え、傷つき、もがく若者たちを優しく包みこむ「My Back Pages」。現代を生きる我々の胸にどのように響きわたるのか――?『マイ・バック・ページ』は5月28日(土)より全国にて公開。■関連作品:マイ・バック・ページ 2011年5月28日より新宿ピカデリー、丸の内TOEIほか全国にて公開© 2011映画『マイ・バック・ページ』製作委員会■関連記事:妻夫木&松ケンの新旧“大河コンビ”共演『マイ・バック・ページ』ビジュアル解禁森三中・黒沢と“夫婦”役の松山ケンイチ小雪との結婚の質問には…妻夫木&松ケンが初共演ベトナム、全共闘の激動の時代を疾走!
2011年01月26日妻夫木聡と松山ケンイチが、来年公開されるW主演映画『マイ・バック・ページ』で初めて共演することが明らかになった。本作は文芸・映画評論、翻訳にエッセイなど多岐にわたって活躍している川本三郎が、自身が新聞社に入社していた1969年から72年のジャーナリスト時代の経験を綴った同名ノンフィクションの映画化作品。理想に燃え、新聞社が発行する週刊誌編集部で働く記者・沢田(妻夫木さん)。激動する時代の中で、彼は活動家の取材を続けていたが、ある日、梅山(松山さん)と名乗る男から接触を受ける。「銃を奪取し武器を揃えて、われわれは4月に行動を起こす」と語るその男に疑念を感じながらも、沢田は不思議な親近感と同時代感を覚えていく…。監督を務めるのは『天然コケッコー』、『松ヶ根乱射事件』などで注目を浴び、30代前半にしてその卓越した演出力が高い評価を受ける山下敦弘。ジャーナリストとして時代の最前線で“いま”に葛藤する主人公・沢田役の妻夫木さんは「『どこにもない何か』に自分の存在価値を求めようとした時代。ただ通り過ぎていくいまのこの時代に、少しでも足跡が残せたらいいなと思っています。 そして、念願の山下組。現場で松山くんと共に、僕らの『時代』を描ければと考えています」とコメント。“赤邦軍”のリーダー・梅山(本名・片桐)を演じる松山さんも「とても特異、異質な役なので演じるのがとても楽しみです。観客のみなさんを楽しませる演技ができればと思っています。山下監督や妻夫木さん、スタッフ、キャストのみなさんと必ず最高の作品を作ります。楽しみにしていて下さい」と意気込みを語っている。さらに、川本さんからは「外にはベトナム戦争があり、内には反戦運動や全共闘運動があった。物情騒然たる時代だった。そして若者たちが、たった一つの不正にも身を震わせた。自分のことよりも世界のことを考えようとした。ジャーナリストも傍観者ではいられなかった。あの時代に生まれていなかった監督の山下敦弘さんと脚本の向井康介さんが私の挫折の物語に興味を持ってくれた。若い人たちがあの頃の青春をどうとらえるのか。暗い過去とまた向き合うことになる。身が引き締まる思いがする」と映画化に際してコメントが寄せられた。共演陣には忽那汐里、石橋杏奈、中村蒼、長塚圭史、三浦友和といった豪華な顔ぶれが並ぶ。理想に燃えるジャーナリストと彼を挫折へと追い込んでいく左翼学生。現代人が忘れてしまった“熱”を持った男たちの戦い、葛藤、叫びは我々に何を問いかけるのか?『マイ・バック・ページ』は2011年全国にて公開。■関連作品:マイ・バック・ページ 2011年、全国にて公開
2010年05月13日「のだめカンタービレ」や『キラー・ヴァージンロード』など、TVドラマに映画にと引っ張りダコの演技派女優、上野樹里。そんな彼女が、「鞄」をキーワードに5人のクリエイターとタッグを組み、個性豊かなヒロインに5変化!全5話のオムニバスドラマ「上野樹里と5つの鞄」がWOWOWにて9月3日(木)より放送される。8月25日(火)、本作の記者会見が行われ、上野さんと第1話で共演した江口のりこが出席した。今回、監督を務めたのは高崎卓馬、マイケル・アリアス(『ヘブンズ・ドア』)、山下敦弘(『天然コケッコー』)、タカハタ秀太、萩生田宏治(『神童』)の先鋭クリエイターたち。共演には、新井浩文やリリー・フランキー、ピエール瀧など個性の強い面々が揃っている。上野さんは撮影をふり返り、「1か月の間に、それぞれ違う作り手の違うストーリー、役柄を撮ったので、(撮影の)ペースが速くて大変でした。でも企画段階から監督と話す機会があったので、一つ一つへの思い入れが強いです。それぞれの監督の次回作にも携わりたい」と充実した表情を見せた。各回に登場する鞄に対する深い思い入れも。この日披露された第一話「ギターケースの女。」(タカハタ監督)では、タイトル通り、怪しげなストリートミュージシャンを演じたが、「出てくる人全員が変わっていて、誰が正しくて誰が悪者なのか分からないので、秘密を出すか隠すかのさじ加減を考えながら演じた」とのこと。一方、謎を秘めたクールな女性を演じる江口さんは、「監督から『姿勢を天海祐希さんみたいに正しくしてください』と言われて、だったら天海さんにやってもらえばと思いましたけど、本当に楽しく撮影させてもらいました」と漏らし、笑いを誘った。本作で、上野さんは泉谷しげるの楽曲のギター弾き語りに挑戦。「初めてだったので難しかったですが、タカハタ監督から直接指導してもらいました。劇中のギターは自分で買ったのですが、それっきり弾いてないです」と明かすと、江口さんは「すごく上手だったのでもったいない」とコメント。地元が同じで上京した頃からの友人という2人のトークからは、気の知れた間柄がうかがえた。また、本作のエンディングテーマ曲でも作詩・唄を手がけるという新境地を開いた上野さん。「役者とはまた違うことをやらせてもらえてすごく嬉しかったし、作るのも楽しかったです。鞄の中のガシャガシャ揺れてる感じを出したくて、ギロや木の実、いろんな打楽器など、使えるもの全部使って賑やかに作りました」と楽しそうにふり返った。さらに最後には、「鞄」に因んで、ダイヤモンド208カラットをあしらった、お値段2億円の鞄(GINZA TANAKA)もお目見えに。恐る恐る鞄を手にした上野さんは思わず、「チワワ1匹分(の重さ)ですかね」と一言、「鞄というより宝石、家にはとても要らないです…」とその輝きにすっかり参った様子だった。上野さんが「いろんな人に見てもらえる作品なので、毎週楽しみにしてほしい」と自信を持って贈る「上野樹里と5つの鞄」は、WOWOWにて9月3日(木)より毎週木曜放送。WOWOW「上野樹里と5つの鞄」WOWOWにて9月3日(木)より毎週木曜23:30〜放送(全5話)公式サイト:
2009年08月25日