映画『小川の辺』が7月2日(土)に公開を迎え、主演の東山紀之をはじめ勝地涼、松原智恵子、藤竜也、篠原哲雄監督が都内劇場で行われた舞台挨拶に登壇。まもなくやってくる七夕にちなんで願いを書いた短冊を笹に飾った。藤沢周平の「海坂藩大全」(文藝春秋刊)に収められた一篇を原作に、妹の夫で親友である男の討伐を命じられた武士とその奉公人の旅路を中心に武士として生きる苦悩、義と情の思いを描く。山形での撮影に加え、数々のプロモーション活動に精を出し、総移動距離9,000キロにおよぶ全国展開のキャンペーンも行って、ついに全国公開を迎えたとあって東山さんは感無量の面持ち。「やっと初日を迎えました。スタッフ、キャストの思いが小川となり、大河へと向かうことを切に願います」と関係者の思いを代弁した。勝地さんは、藤沢作品への参加に「プレッシャーも感じました」と明かしつつ「人が人を思う気持ち、家族を思う気持ちについて考えさせられました」と晴れ晴れとした表情。松原さんは「現場で階段があれば、東山さんも勝地さんも手を引いてくださって、藤沢作品の登場人物そのままの優しさを感じました」と撮影をふり返り笑顔を浮かべた。ひとりだけ松原さんをエスコートしなかったという藤さんは「その理由は誤解されるからであります!」と照れ笑い。そして「(映画を)封切りの初日に観れば、開運間違いなしという定説があります」とこの日の観客に幸運が訪れることを約束した。この日は、上映前にあらかじめ観客に短冊に願いを書いてもらっており、それらが吊るされた笹が舞台に運び込まれた。様々な願いが書かれた短冊に東山さんは興味津々。「勝地涼がんばれ」と書かれた短冊を見つけると「よっぽど頑張ってないと思われてるんだな」と勝地さんをイジり、先日、入院が伝えられたジャニーズの後輩である「嵐」の相葉雅紀の回復を願う短冊には「僕も本当にそう願います」とポツリ。では、気になる東山さん自身が短冊に書いた願いはというと「世界が平和になりますように」。東山さんは少し照れくさそうに「本当の願いは給料が上がりますように」と明かし、さらに勝地さんの「たくさんの人が笑顔になりますように」という願いに対して「キミはアイドルだね。まだモテたいのか?」とツッコミを入れ、会場の笑いを誘っていた。『小川の辺』は全国にて公開中。■関連作品:小川の辺 2011年7月2日より全国にて公開© 2011「小川の辺」製作委員会■関連記事:勝地涼インタビュー東山紀之と向かい合い「目で語り合った」東山紀之藤沢周平が描く家族の姿から「多くの発見と気づきがあった」菊地凛子が時代劇初挑戦!藤沢周平原作『小川の辺』でヒロインに
2011年07月04日「武士というのは難しいものだな」――。映画の中で東山紀之演じる主人公・朔之助がつぶやく。この映画がなぜこうまで美しいのかがこのセリフに凝縮されている。現代においてもある種の称賛を込めて“武士”や“侍”という言葉が人物を形容するのに頻繁に使われるが、映画『小川の辺』からは、武士という生き方の不条理、そしてその不条理がゆえの美しさがひしひしと伝わってくる。「人を許せる、命を賭けて許せるということ」。朔之助の奉公人・新蔵を演じた勝地涼は、この映画を通じて感じた武士というものをこう表現する。決してセリフが多くなく、感情を露わにすることもない。その中で彼は何を感じ、表現したのか――?「凛とした強さと思いやり」藤沢作品に出演する“覚悟”親友であり、妹の夫でもある男の成敗を命じられた朔之助。朔之助とその妹の田鶴とは兄弟同然に育てられた奉公人の新蔵。2人の旅路を中心に物語は綴られていく。原作は、これまでにもいくつもの作品が映像化されており、多くの俳優が出演を熱望する作家・藤沢周平による「海坂藩大全」に収められた一編。「藤沢さんの作品に出てくる人物は、日本人の凛とした強さを持っていて、物語には人が人を思いやる気持ちがあふれている。“大人”の俳優さんたちが演じているのを見て、いつか映画に出てみたいという気持ちは持っていましたが、一方で自分にはまだ早いという思いもありました。そういう意味で、嬉しさの反面、セリフが少ない分、きちんと表現できなければ中身のない役になってしまうという不安もありましたね」。言葉どころか、表情にさえもなかなか自分の思いを出そうとしない新蔵だが、勝地さん曰く「感情はうごめいている」。田鶴の住まいを見つけたことを新蔵が朔之助に報告するシーンには、互いの心中を汲み取る男2人の複雑な胸中の思いがにじみ出ている。「見つけてからどれくらいになるか?と尋ねられて『5日になります』と答え、朔之助さんが『ご苦労だった』と返す。当初、僕は新蔵の言葉に、どこか後ろめたさや気まずさを出すべきかと思ってました。そうしたら東山さんが『ここはお互いに目と目を見てやりたい』と仰ってくださったんです。だから、あのシーンはほかのシーンと違い、新蔵は最初から顔を上げて話をして、しっかりと自分の中で覚悟を決めているんです。それに対して朔之助さんもあえて大げさに『受け止めた』という思いを出すことなく、ただ『ご苦労だった』と。このシーンは特に、現場で作り上げた感が強いです。いまの人ってすぐに感情を出したがるけど、この映画の登場人物たちは相手の感情が動くのを待って、汲み取る。分かっていてもあえて口や表情に出さない、そうしたこの時代の人間の生き方がよく出てて、やっていてすごく気持ちよかったですね」。朔之助、田鶴と兄弟同然に育てられつつも、彼らに仕える立場にある新蔵。特に田鶴との間には特別な感情が――。親友を斬らねばならぬ朔之助と同様に、新蔵の姿、思いからもまた武士の家に生きる男の儚さが伝わってくる。「ちっちゃな頃から一緒にいたので、おそらく新蔵には田鶴の気持ちが分かっていたと思いますよ。ただ、年を経て身分をわきまえるようになっていく中で、自分のことを想っているのか?と考えることさえもなくなっていったんじゃないかと。自分の気持ちを抑え込むというよりも、そんなことを考えるのはおかしい、発想自体がない。だから、嫁ぐことが決まった田鶴との納屋でのシーンに関しては、僕自身、演じる上でどう受け止めていいか分からなかったです。あの時代の女性としてはあり得ないようなアプローチをしてくる田鶴に対して、目を背けるべきか見つめるべきか――?ただ実際のシーンでは菊地(凜子)さんが目で語りかけてくるようで、それに引きこまれて目と目で会話ができたと思います。菊地さんの目に素直に反応していたというか…正直、いまふり返ってもどんな感情がわき上がって来たのか思い出せないくらいなんです」。年を重ねることが「楽しみ」な25歳10代半ばでのデビューから数えて昨年でちょうど10年を迎え、20代半ばに差し掛かった。「10年経って見えてきたものというのはなかなかないんですが」と前置きしつつ、変化や成長について、こんな言葉を口にする。「10代のときには当然、10代の役が来ていましたが、歳を取るにつれてもちろん、演じる役柄も歳を取っていくんですね。年齢を重ねることでセリフが説得力を持つというのは確かにあるとは思いますが、それだけじゃ足りないなと思ってます。10代の頃は、学生の役であれ、恋愛のシーンであれ、自分の経験から分かる部分が多かったけど、今後、自分の経験に当てはまらない役をやっていかなくちゃいけない。経験を積んで、役やセリフに説得力を持たせられるようにしたいです」。その口ぶりは、年齢を重ねることを心待ちにしているようだ。「ワクワクしてますね。10代の終わり頃は、早く大人になりたかった。背伸びしていた時期もありましたが、背伸びはダメですね(笑)。だからいまは、25歳として25歳の役ができればいいかな、と。焦りはないけど、年を取ることが楽しみです。あえていま、やってみたい役を挙げるなら悪役。10代の頃の悪役って、どうしても少年犯罪の類で動機が単純なんですよ。単なる悪とは違う、悪は悪なんだけど“何か”を抱えて悪に走るような役で葛藤や悪が突きつけるものを表現したいです。25歳じゃまだ説得力ないかな…(笑)?」淡々と、そして貪欲に自らを成長させる要素を取り込んでいく。20代後半、30代とどのように歳を重ね、役柄を変化させていくのか?楽しみに見守りたい。(photo/text:Naoki Kurozu)■関連作品:小川の辺 2011年7月2日より全国にて公開© 2011「小川の辺」製作委員会■関連記事:東山紀之藤沢周平が描く家族の姿から「多くの発見と気づきがあった」菊地凛子が時代劇初挑戦!藤沢周平原作『小川の辺』でヒロインに
2011年06月28日映画『小川の辺』完成記者会見が6月7日(火)、都内で開催され、主演の東山紀之をはじめ、勝地涼、片岡愛之助、松原智恵子、藤竜也、篠原哲雄監督が出席。東山さんは映画の撮影が行われた東北地方への思い、家族への思いなどを明かした。藤沢周平の人気連作をまとめた「海坂藩大全」(文芸春秋社刊)の中の一篇「闇の穴」(新潮文庫刊)を原作に、親友であり妹の夫でもある男を討てと藩命を受けた武士の旅を綴った義と情の物語。東山さんは先月より、本作を携えて山形、仙台、盛岡と東北地方に足を運んできたが「撮影では、山形のみなさんをはじめ、東北の方々のお世話になりました。心をひとつにして、勇気を持っていただけるようにと回ってきました」と真摯な表情で語る。本作の撮影終了後に、女優の木村佳乃と入籍し、先ごろ第一子を授かったことが報じられたが「藤沢先生の作品には、家族の愛が多く含まれていて、発見や気づかされることが多いです。今回の震災で、目が覚めたところもありました。ごくごく普通のことが幸せで、ちょっとの幸せを大切にしていきたいと改めて感じました」と心境を明かした。本作の登場人物について「古き良き日本人の凛とした強さ、清らかな心を感じさせてくれる」と語るのは、藤沢作品初挑戦の勝地さん。東山さんとの二人旅が物語の軸となっているが、東山さんとの共演については「飲みに連れて行ってもらって勉強になるお話をいっぱい伺いました」と笑顔を見せた。この日も、東山さんが突然「勝地くん、(質疑応答を)仕切って」とむちゃぶりするなど、2人は強い絆を感じさせた。舞台公演の合間をぬって駆けつけた愛之助さんは、かつて舞台で藤沢作品の「蝉しぐれ」に出演したこともあり、藤沢さんの小説の大ファンだったという。東山さんとの激しい殺陣を披露しているが「道場に通って四苦八苦しながら勉強しました。東山さんと会わせる時間はあまりなかったんですが、東山さんは運動神経抜群ですぐに入ってきて楽しく務めることができました」と充実した表情を見せた。松原さんは美しい着物で出席。椅子に座ろうとすると隣の東山さんがすかさず手を引いてエスコートしていたが、東山さんについて、現場での芝居への取り組み方を絶賛。「(東山さんは)いつも立っていました。座っているところをほとんど見たことがなかったです」と明かした。すると、東山さんは照れくさそうに椅子から立ち上がり、会見場は笑いに包まれた。藤さんは東山さんの父親役だが「これまで家庭でも立派なお父さんだと言われたことはなかったけど、今回、立派なお父さんをやらせていただき、役者冥利につきます」と感謝。“息子”について「イメージ通りストイック。こんなに月代(さかやき)が似合う俳優はあまりいない」と讃えた。また、東山さんはこの日は残念ながら欠席となった妹役の菊地凜子の印象を聞かれ「『バベル』で強烈な印象を持っていたので、エキセントリックな方かと思っていたらすごくきちんとした自立した素晴らしい女優さんでした」と語り、菊地さん演じる田鶴との重要なシーンの撮影の日の思い出として「(その日は)僕の誕生日だったんですが、菊地さんが『東山さん、誕生日イエーイ!』と言ってくださり、僕も『イエーイ』とちょんまげ姿で返しました(笑)」と意外な“バースデイエピソード”を明かしてくれた。『小川の辺』は6月18日(土)より山形県で先行公開ののち、7月2日(土)より全国にて公開。■関連作品:小川の辺 2011年7月2日より全国にて公開© 2011「小川の辺」製作委員会■関連記事:菊地凛子が時代劇初挑戦!藤沢周平原作『小川の辺』でヒロインに
2011年06月07日TBS系新連続ドラマ「GM〜踊れドクター〜」に主演する東山紀之、共演の椎名桔平らが6月25日(金)、東京・赤坂の同局で行われた制作会見で、FIFAワールドカップで同日早朝に決勝トーナメント進出を決めた日本代表を祝福した。東山さんは、この日の同ドラマのリハーサルに備え、リアルタイム観戦はしなかったものの「日本代表を信じていました。勝って良かった」と喜び「スタジオ撮影の初日が、ちょうどオランダ戦の日で、みんなで試合を見つつやっていて、そこで心がひとつになった気がした」と日本代表のチームワークに触発された様子。共演の大和田伸也が「3時にパッと目が覚めて試合を見た。この日本代表はチームワークがすごくよくて爽やか。それで勝ったと思う。この(ドラマの)チームもチームワークがよくて爽やかですね」と上手く共通項をあげると、同じ共演の八嶋智人も「GMと書いてチームワークと読みます。そういうことを言いたいんですよね、東山さん?」と強引なフリ。東山さんは「まさに、そういうことです。チームワークがあれば、怖いものはないです」とちゃっかり乗っかってPRした。日本代表の次戦、パラグアイ戦は、日本時間で29日午後11時からで、同局で放送される。サッカー好きで知られる椎名さんは「いま、問題になっているのが、その日は夜中の2時まで埼玉でロケの予定になっていまして」と真顔(?)で問題提起。鈴木早苗プロデューサーは「椎名さんのご意見をいただいて、検討しておりますが、いろいろ問題もありまして…検討中です」と苦笑いでなだめた。同ドラマは、アメリカ帰りの総合医療のスーパードクター、後藤英雄(東山さん)を中心に大学付属病院の総合診療科で働く医師、看護師たちの奮闘と成長を描く物語。後藤はかつてのアイドルでダンサーとしての一面を併せ持つ設定。奇しくもこの日は、キング・オブ・ポップ、マイケル・ジャクソンの命日にあたり、東山さんは「とても寂しいけど、心の中ではいつか会いたいって思いながら僕も頑張ろうと思っています。世界中のマイケルのファンが彼の功績を称えていると思う」とオマージュを口にしていた。「GM〜踊れドクター〜」は7月18日(日)放送開始(日曜21:00〜/初回は15分拡大)。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:君に届け 2010年9月25日より全国東宝系にて公開大奥 (2010) 2010年10月1日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 男女逆転「大奥」製作委員会■関連記事:三浦春馬仕事飲みデビュー「初めて監督とお酒飲みました」将軍様のおな〜り〜!柴咲コウ、ついにクランクイン『大奥』御鈴廊下で製作会見『大奥』堀北真希、着物で撮影快調前売券も快調、2万枚が即日完売!“男女逆転”に世界も注目よしながふみ「大奥」がSFファンタジー文学賞受賞柴咲コウ、次は写真詩集に挑戦?「葛藤、叫びを伝えたい」写真集発売イベント
2010年06月25日