シアタークリエにて11月・12月に上演されるSHOW-ism XI『BERBER RENDEZVOUS』(ベルベル・ランデヴー)に、豪華ゲスト7名が出演することが決定した。本作は柚希礼音、美弥るりかが夢の競演を果たすSHOW-ismシリーズ最新作で、サハラ砂漠を舞台とした映画撮影のため集まる女性達の物語。これまで数々のミュージカルやショーで魅力を発揮したゲストたちが特別出演し、盛大なショーを創り上げる。スペシャルゲストは、宝塚花組でトップ娘役として活躍し、2017年の退団後は『恋のすべて』『The Parlor』『8人の女たち』と多彩な出演作が続く花乃まりあ、宝塚在団中は『エリザベート』のルキーニ、『ロミオとジュリエット』のティボルト役を経て、本年10月には『The Fantasticks』も控える愛月ひかる、『レ・ミゼラブル』のエポニーヌ、2014年から演じている『ミス・サイゴン』キム役など数々の大役や、ディズニー実写映画『美女と野獣』主人公ベル役の吹替を務める昆 夏美。さらに、2003年に『レ・ミゼラブル』エポニーヌ役での初舞台以来『ボディガード』の主演やオリジナルミュージカル『流星の音色』への出演、そして歴代SHOW-ismシリーズキャストでもある新妻聖子、宝塚月組のトップスターとして活躍し、1993年の退団後は『エリザベート』『貴婦人の訪問』『レベッカ』『モーツァルト!』『ポーの一族』など数多の大作に出演する涼風真世、宝塚花組男役スター時代は東野圭吾原作の『マスカレード・ホテル』に主演、退団後は朗読舞踊劇『阿国』や連続ドラマ『合コンに行ったら女がいなかった話』へレギュラー出演する瀬戸かずや、『マリー・アントワネット』のマルグリット・アルノー役、『キンキーブーツ』のローレン役などの人気ミュージカルに加え、ドラマ『となりのチカラ』でその演技力が話題となったソニンと、ゲスト陣もオール女性キャストで挑む。■ゲストの詳細はこちら:<公演情報>SHOW-ism XI『BERBER RENDEZVOUS』2022年11月20日(日)~12月5日(月) 日比谷 シアタークリエ【チケット料金】価格:11,000円(全席指定・税込)前売開始:2022年10月2日(日)詳細はこちら:【出演者】柚希礼音 / 美弥るりか / JKim / 佐竹莉奈 / 鈴木瑛美子 / 宮本美季 / 原田薫 / 菅谷真理恵 / 中嶋紗希 / RISA / 久保田真理【ゲスト出演回】※日替出演となります■花乃まりあ11月20日(日) 18:00公演11月23日(水・祝) 13:00公演11月23日(水・祝) 18:00公演■愛月ひかる11月21日(月) 13:00公演11月21日(月) 18:00公演11月22日(火) 18:00公演■昆 夏美11月25日(金) 13:00公演12月3日(土) 13:00公演12月3日(土) 18:00公演■新妻聖子11月26日(土) 13:00公演11月26日(土) 18:00公演11月27日(日) 18:00公演■涼風真世11月28日(月) 13:00公演11月28日(月) 18:00公演11月29日(火) 13:00公演■瀬戸かずや12月1日(木) 13:00公演12月1日(木) 18:00公演12月2日(金) 13:00公演■ソニン12月4日(日) 13:00公演12月5日(月) 13:00公演公式サイト:
2022年09月27日女優、歌手、声優として活躍する元宝塚歌劇団・月組トップスター、涼風真世。芸能生活40周年を記念して「涼風真世 40th Anniversary Live Time to shine "Fairy"」を開催。エムオン!では、4/22(金)開催の神奈川・Billboard Live YOKOHAMA公演の模様を放送!■■番組情報■■<番組名>M-ON! LIVE 涼風真世 「涼風真世 40th Anniversary Live Time to shine "Fairy"」<放送日時>5/24(火)22:00~23:15\プレゼントキャンペーンも実施中!/この放送を記念して、期間中にスカパー!サービスに新規加入し、エムオン!単チャンネルをご契約いただいたお客様全員に、「涼風真世×MUSIC ON! TV(エムオン!)オリジナルクリアファイル」をプレゼント。抽選で5名様には直筆サイン入りが当たるチャンスも!▼本キャンペーンに関する詳細は、こちらをご覧ください。 以上MUSIC ON! TV(エムオン!)は、スカパー!、J:COM、ケーブルテレビ、ひかりTVなどでご覧いただける音楽チャンネルです。詳しくは、MUSIC ON! TV(エムオン!)公式サイト( )まで。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年04月22日日本一短い地名、三重県津市の中心部からわずか10分程度にそびえる「ポツンと一軒宿」、株式会社磨洞温泉涼風荘はこの度、旅館の敷地内で温泉・洞窟・野外アクティビティが楽しめるマルチエリア「ryoufu-garden.com」(涼風ガーデンドットコム)を令和4年2月11日にオープンいたします。温泉/食事処併設のパーク「24時間RVパーク」は、2月5日より営業しております。磨洞温泉とリョカンビング当旅館は昭和37年創業。お伊勢参りの通過点として、また昭和50年の前回の三重県国体の宿泊拠点として需要が高まる中で増築を繰り返し、周辺地域の発展とともに成長を遂げ現在に至る老舗旅館です。宿泊・日帰り・温泉・食事・そして歴史遺産である洞窟(磨き砂採掘跡)を利用した地下座敷など、様々なコンテンツを抱え、癒し処・観光拠点の価値を高める運営をしています。「株式会社磨洞温泉涼風荘」 ●オープンに至った背景令和2年の新型コロナウイルスの影響以降、旅館事業の売り上げは激減し、コロナの影響がなかった時との売上高比は6割減と壊滅的な状況。現在も進行形で困難が続いている中で、前向きに考えたとき、今こそできることは何か?長年地域に支えて頂いた恩返しを考えようと思案。大規模災害時に備えて屋外での炊き出しなどの拠点としての可能性を模索する中、火の扱い、野外宿泊等の構想を練っていると、そもそもこれらの要素が含まれるキャンプが緊急時にも活用できるレジャーであると思いつき、災害時の地域拠点を兼ねる屋外レンタルスペースの開発に至りました。●特徴手軽に安全に楽しめる温泉旅館敷地内でのキャンピング「リョカン(旅館)ピング」と命名し、ファミリーキャンプからソロキャンプまで包括できる広さを確保。敷地内の竹林を開拓したため、隔離されたパーソナルスペースで、しかも一組ずつのご案内。これはキャンプユーザーに最も多い要望である「温泉付き」「周りを気にしないで済む」ということにもお応えできるエリアとなっております。また当館の名物スポット、磨き砂の採掘跡である「洞窟座敷」での食事やテント設営も可能で、冒険心・好奇心をくすぐる、手軽でかつ満足度の高いコンテンツが誕生いたしました!●料金設定 (トイレ24時間利用可)(1) キャンプ利用営業時間:AM11:00~翌朝AM10:00料金 :2,500円/人(小学生以下1,500円/人)オープン記念特典 温泉入浴無料定員目安:ソロテント3張 2人用テント2張・お客様でご用意 → テント/BBQセット/食材等・料金に含む → 電源/水道/駐車場(2) フリー利用(BBQ/イベント/教室/コワーキング等)営業時間:DAY 10:00~15:00(応相談)NIGHT 16:00~21:00(応相談)料金 :6,600円/サイト定員目安:15名程度・お客様でご用意 → BBQセット/食材等・料金に含む → 電源/水道/駐車場※温泉は有料700円(3) RVパーク(オートキャンプ)営業時間:PM15:00~翌朝10:00(泊)料金 :1,500円/台※電源利用は+500円※温泉は有料700円●その他津市内の姉妹提携店で本格的なキャンプ施設であるWOODs LandMio(ウッズランドミオ) との相互応援企画として、ウッズランドミオの利用者は涼風荘の温泉入浴が無料。涼風ガーデンドットコムの利用者は、ミオにてオリジナルタオルをプレゼント(地元特産品「おぼろタオル」製)いたします。●概要屋号 : 磨洞温泉涼風荘 ryoufu-Garden代表者 : 代表取締役 伊藤 真司所在地 : 三重県津市半田2860-1創業 : 昭和37年事業内容: 宿泊業URL : (本館) (涼風ガーデン) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年02月08日高見え感抜群のアイテムがお得にGETできる100均。今回はセリアとダイソーから登場している、韓国風激カワ雑貨をチェックしますよ♪どれも買いたくなること間違いなし!涼風コースター出典: Instagram今、韓国女子の間で大流行している「涼風コースター」です♡価格は税込み110円。なんとこれ、セリアでGETできちゃうんですよ♪天然素材を使ったコースターで、これからの季節にピッタリ!見つけたら即GETしないと、次に行くときにはなくなっているかも。置くだけで韓国風な見た目に♡出典: Instagramシンプルなコップを乗せるだけでも、こんなにおしゃれに♡優雅なティータイムにはもちろん、来客があったときにこれを使えば一目置かれちゃうかもしれませんよ♪マルセイユ石鹸出典: Instagramカラフルでとってもかわいらしい「マルセイユ石鹸」です。価格は税込み110円。インテリアとしても活躍してくれる…!と話題になっています。実はこれ、サボネリー・デュ・ミディ社というマルセイユ石鹸の製造基準を満たしたメーカーが製造しているんです。アクセサリースタンド出典: Instagramこちらは「アクセサリースタンド」ですよ♪価格は税込み110円。ネックレスやピアスなどの魅せる収納に大活躍してくれます♡お気に入りのアクセサリーは、せっかくなら隠さずに保管したい!そんな人におすすめのアイテムですよ!セリアとダイソーの韓国風雑貨はマストバイ♡セリアとダイソーで販売されている韓国風雑貨はマストバイ!どれも高見えするデザインで、お部屋にあるだけで幸せ気分になれちゃいますよ♪気になったアイテムはチェックしてみてくださいね。本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※こちらの記事ではまひ最新お得情報まとめ*(@benri_items)様、ダイソー大阪梅田店【公式】(@daiso_umeda_official)様の投稿をご紹介しております。記事内の情報は執筆時のものになります。価格変更や、販売終了の可能性もございますので、ご了承くださいませ。また、店舗ごとに在庫が異なるため、お立ち寄りの店舗へお問い合わせください。"
2021年06月28日俳優の佐藤健が主演を務める『るろうに剣心 最終章 The Final』(6月4日公開)のIMAX&4DX特別映像、さらに各界からの鑑賞コメントが22日に公開された。和月伸宏の同名コミックを実写化した同シリーズは、『るろうに剣心』(12年)、『るろうに剣心京都大火編』『るろうに剣心 伝説の最期編』(14年)と3作合わせて累計興行収入125億円以上、観客動員数は980万人を突破した大ヒット作。幕末に人斬り抜刀斎として恐れられた剣心(佐藤)が、不殺(ころさず)を貫きながら仲間と平和のために戦う姿を描く。「最終章」は、原作では最後のエピソードとなる「人誅篇」をベースに縁(新田真剣佑)との究極のクライマックスが描かれる「The Final」と、原作では剣心が過去を語るかたちで物語が進む「追憶篇」をベースに、"十字傷の謎"に迫る「The Beginning」の2部作となる。IMAXとは、世界最高レベルの解像度と鮮明な明るさ、そして繊細な小さい音から爆発などの大音響まで臨場感あふれる高精度なサウンドで再現する映画館の上映システムだ。IMAX上映鑑賞後、会場内はキャスト、監督、そして制作スタッフ一同含む客席からスタンディングオベーションが起こり、既に5回目の鑑賞という佐藤は「今までの集大成となる作品を(皆さんと)同時に、最高の環境で観られたことは幸せな時間でした。IMAXは本当にお勧めできます。全然違いますね。感覚が直接揺り動かされるような感動の仕方をすごくしました。みんな観るべきだと思います」と、通常上映との違いを力説した。武井咲も「これだけ細かい部分まで見えてくると、剣心が背負ってるものだったり、縁が背負っているものだったり、そういう物がすごく明確に見えてくる」と絶賛し、新田真剣佑は「音が綺麗、迫力がすごい、物凄く楽しかったです。終始体に力が入っていました」と極上の映画体験を満喫。大友啓史監督は「我々が現場で作り込んだ全てが全部観れる。臨場感が全然違う。いつも見ている映画とは全然違う体験ができるし、アクションの迫力も一番伝わります」と脚本段階から精緻に想定して製作したIMAX上映に自信を覗かせた。さらに今回、キャスト・監督は“ライド感”と“臨場感”を楽しめる4DX上映も鑑賞し、アクションとリンクして動く激しい揺れや現場を感じさせる匂いなどを体感し、撮影時を思い出して鳥肌が止まらないと大盛り上がり。4DX上映について佐藤は「まだお互い『好き』とか言い合えていない、どうなんだろうな? って思っている男女がいるなら是非4DXに行って、吊り橋効果でお互いのドキドキを高めていただいた後に告白していただければ、最高の一日になると思います!」と恋のアドバイスも。「1度観ただけでは分からないことが沢山あるし、僕自身も今回、全然違った感情になりました。皆さんにも色々な種類で楽しんでもらえるのはありがたい」とシリーズ10年の歴史で初のIMAX/4DX/MX4D上映に対し、喜びを露わにした。「The Final」に続き、「The Beginning」のIMAX/4DX/MX4D上映も決定している。また、アニメ『るろうに剣心』の緋村剣心役を務める女優・涼風真世、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』と同じく『週刊少年ジャンプ』で連載されていた『NARUTO-ナルト-』の作者・岸本斉史など、各界からの鑑賞コメントも公開となった。○犬童一心(映画監督) コメント圧倒的、日本アクション映画の金字塔。 そして、何より、まさに今登場するべき作品。 描かれる怒りや悲しみが他人事でなく心に響く。 大友監督、よくぞやり遂げましたね。祝杯をあげたくなりました。○岸本斉史(漫画家) コメント剣心の細やかな所作「静」と激しい殺陣「動」のギャップがカッコいい!また美術が凄すぎていつのまにか世界に入り込んでいました。 ビギニングと合わせて剣心の人生を堪能させて頂きました。切なさが染み込んでくる…。○涼風真世(女優) コメント現代に再びよみがえった艶やかで狂気的な世界観に圧倒されました。剣心ワールドを的確に捉え、繊細に描き、魅せ、立ち回りでは迫力と鋭さに震え凄みを体感し、魂を抉られました。音楽も剣心の心情を見事なまでに表現し、涙が溢れました。…世界中の人々に届けたい最高の作品です。○三田紀房(漫画家) コメント瞬き、呼吸を奪い取られるスーパーアクション! 哀しく、儚くも凛烈とした美しい情景! 上映後、赤く焼けた鉄の球を胸へ叩き込まれた感覚に体は打ち震え、暫く席に貼り付けられた。大友監督はジャパンオリジナルが世界と戦って勝てることをこのシリーズで証明した!○赤ペン瀧川(映画プレゼンター) コメント凄まじい熱がスクリーンから溢れ出し、洪水のように観客席に降り注いできた。映画を浴びた。この映画、見終わった後に「ヤバい!」と「スゴい!」しか出てこなくなるから気を付けて!○相田冬二(Bleu et Rose/映画批評家) コメントより、はやく。より、つよく。より、ふかく。より、やさしく。より、あたたかく。見たこともない顔で、緋村剣心がわたしたちを抱きしめる。日本には佐藤健がいるんだぜ。気がつけば、世界中の空に向かって、さけんでいる。○よしひろまさみち(映画ライター) コメント冒頭の列車内シーンからして、これぞ「度肝を抜く」超高速アクションの連発。剣心サイドと縁たちの強烈なぶつかりあいに圧倒されるばかり。さすが大友監督&谷垣アクション監督の黄金タッグ!○酒井啓太(リニア/芸人) コメント人生で初めて、何軒も書店を回って、自分のお小遣いで集めた漫画が「るろうに剣心」でした。 この映画を観て「1番大好きな作品の実写化が素晴らしかった」という幸運に、胸が震えました。 この感動と出逢わせてくれた制作陣の皆様、本当にありがとうございます!(C) 和月伸宏/ 集英社(C)2020 映画「るろうに剣心最終章 The Final」製作委員会 IMAX is a registered trademark of IMAX Corporation.
2021年04月22日元宝塚男役トップスターの明日海りおが主演を務めるミュージカル『ポーの一族』のゲネプロが2日、東京国際フォーラムで開催された。萩尾望都氏の名作漫画を、小池修一郎氏の演出でミュージカル化。2018年に宝塚歌劇団花組にて初演された際に主人公エドガー・ポーツネルを演じた明日海が、退団後初舞台で再び同役に挑み、美しくも冷たい孤独を抱えたバンパネラ(吸血鬼)を演じる。そして、ミュージカル初出演となる千葉雄大が、不自由ない暮らしも心は満たされず、葛藤に苦しむ少年アラン・トワイライト役を演じ、フランク・ポーツネル男爵役に小西遼生、ジャン・クリフォード役に中村橋之助、シーラ・ポーツネル男爵夫人役に夢咲ねね、メリーベル役に綺咲愛里。さらに、福井晶一、涼風真世ら豪華キャストが出演する。ゲネプロで明日海は、無理やり人間からバンパネラの仲間にされてしまったエドガーの苦悩を、圧倒的な歌声とともに見事に表現し、千葉も、定められた運命に苦悩している中で、エドガーと運命的な出会いをするアランを熱演。2人のデュエットなど、心情を表現した圧巻の歌唱シーンに拍手が起こった。『ポーの一族』東京公演は3日~17日に東京国際フォーラム、名古屋公演は23日~28日に御園座にて上演。さらに、ライブ配信や映画館ライブ・ビューイングなども実施され、ライブ配信では通常アングルのほかに「エドガーアングル」「アランアングル」も登場し、通常アングルでは映しきれなかったエドガー、アランの表情や仕草が楽しめる。(C)岸隆子(Studio Elenish)
2021年02月02日我々はなぜ生きているのか―――。深淵なテーマをはらみ、半世紀もの間愛され続ける萩尾望都の人気漫画を舞台化したミュージカル・ゴシック『ポーの一族』を1月23日、ライブ配信で観劇した。開演15分前には主演の明日海りおのコメント動画が流れる特典付きだ。ミュージカル・ゴシック「ポーの一族」チケット情報永遠の時を彷徨うバンパネラ(吸血鬼)となった少年エドガーの愛と成長を描く物語。30年以上も前から企画を温め続けた小池修一郎の脚本・演出で2018年、宝塚歌劇花組公演として初演。原作者の萩尾も足繁く劇場へ通うなど大成功を収めた。ほどなく明日海は宝塚歌劇を退団するが、熱烈な再演コールに応え、このたび、新たな座組での上演が実現した。配信では、冒頭から多彩なカメラワークと迫力ある楽曲に引き込まれた。カメラは引きやアップ、上下左右の視点を使い分け、漫画のコマ割りさながらに、ドラマチックに場面を運ぶ。とりわけ明日海エドガーが感情を吐露する場面では、ズームアップで表情に迫り、瞳に宿る感情の揺れまでをも映し出す。肉眼では捉えきれない繊細な表現と、原作から抜け出たような妖艶さに何度も心を掴まれた。そんな唯一無二のオーラを放つエドガーと惹かれ合うアラン役には千葉雄大。ミュージカルは初挑戦だが、持ち前の愛くるしさで金髪碧眼の少年役がピタリとはまる。思春期特有の危うさや切なさも瑞々しく表現する。バンパネラ一族からは福井晶一、涼風真世の存在感が光る。凄みのある歌声と佇まいで作品世界を牽引する。共に中盤ではまったく毛色の異なる役柄で登場するのも楽しい。エドガーの“家族”となるポーツネル家の人々には、ミュージカル界で活躍する小西遼生、共に元宝塚トップ娘役の夢咲ねね、綺咲愛里と贅沢な顔ぶれ。さらに、歌舞伎界のプリンス、中村橋之助は色気たっぷりに魅惑の青年医師を演じ、元乃木坂46の能條愛未は、無垢な新妻と物語の口火を切るストーリーテラーの2役を担う健闘ぶりを見せた。照明や映像を効果的に使った幻想的な演出、可能な限り原作の台詞や名場面を踏襲した脚本、感情を揺さぶる楽曲や振付の数々。画面がアップになるたび、レースや刺繍が施された衣裳の豪華さにも目を奪われ、作品の世界観を隅々まで堪能した気分だ。劇場で味わう生の一体感と配信ならではの視点と、その両方でエドガーが辿る愛の旅路を見届けてほしい。公演は1月26日(火)まで梅田芸術劇場メインホールで上演後、2月3日(水)から17日(水)まで東京国際フォーラム ホールC、2月23日(火・祝)から28日(日)まで御園座にて上演される。さらに、東京、名古屋公演でのライブ配信が決定。詳細は公式サイトにて。取材・文:石橋法子
2021年01月26日ミュージカル・ゴシック『ポーの一族』のライブ配信の追加開催、更に大千秋楽公演が国内60館の映画館ライブ・ビューイング、台湾6館の映画館へ生中継、台湾・香港への生配信が行われることが決定した。本作は、萩尾望都が描く原作の美しさや物語に含まれた哲学はそのままに、ミュージカル界を牽引する小池修一郎の演出による迫力の舞台として立ち上がった。2018年宝塚歌劇上演時に引き続き、主人公エドガーを演じる明日海りおが美しくも冷たい孤独を抱えたバンパネラ(吸血鬼)を、そして今回がミュージカル初出演となる千葉雄大が不自由ない暮らしも心は満たされず、葛藤に苦しむ少年アランを演じる。そのほか、小西遼生、中村橋之助、夢咲ねね、綺咲愛里、そして福井晶一、涼風真世など豪華キャストが名を連ねている。初演でも作品を彩った「ポーの一族」「哀しみのバンパネラ」ほか、美しくドラマティックな楽曲の数々も本作の魅力。今回新たにメリーベルが兄エドガーを失った悲しみを切に歌う新曲が追加されている。ライブ配信では、通常アングルの他に【エドガーアングル】【アランアングル】が新たに登場。通常アングルでは映しきれなかったエドガー、アランの表情や仕草にも迫り、作品を新たな切り口で観ることができる。そして大千秋楽は大画面で作品世界に引き込まれる映画館ライブ・ビューイングで、更には台湾の映画館、台湾、香港の生配信でも、カーテンコールの最後まで堪能することができる。ミュージカル・ゴシック『ポーの一族』原作:萩尾望都「ポーの一族」(小学館「フラワーコミックス」刊)脚本・演出:小池修一郎(宝塚歌劇団)出演:明日海りお/千葉雄大小西遼生 中村橋之助 夢咲ねね 綺咲愛里/福井晶一 涼風真世 ほか企画・制作・主催:梅田芸術劇場協力:宝塚歌劇団公式サイト: ■劇場公演大阪公演:1月26日(火)まで上演中 梅田芸術劇場メインホール東京公演:2月3日(水)~17日(水) 東京国際フォーラム ホールC料金:S席14,000円 A席9,500円 B席5,500円(全席指定・税込)名古屋公演:2月23日(火祝)~28日(日) 御園座料金:S席14,000円 A席9,000円(全席指定・税込)■ライブ配信日時:2月7日(日)12:30公演2月13日(土)12:00公演【エドガーアングルバージョン】2月13日(土)17:00公演【アランアングルバージョン】2月28日(日)12:00公演料金:4,500円(税込)⇒「Go To イベント」適用で3,600円!公演パンフレット郵送サービス付6,500円(税込)⇒「Go To イベント」適用で5,200円!※数量限定販売視聴券発売日:1月27日(水)10:00~各回の開演30分後まで購入可能※アーカイブはございません<国内ライブ・ビューイング>日時:2月28日(日)12:00公演会場:全国各地の映画館60館料金:5,500円(全席指定・税込)<台湾ライブ・ビューイング>日時:2月28日(日)12:00公演(日本時間)会場:台湾内の映画館6館料金:NT$1450<台湾・香港ライブ配信>日時:2月28日(日)12:00公演(日本時間)料金:NT$1,200 HK$335◆劇場公演・ライブ配信の詳細: ◆国内・台湾ライブ・ビューイング、台湾・香港配信の詳細:
2021年01月25日『天霧真世の「タカラヅカ式 健康ストレッチ」』開催概要2020年3月29日(日)、NHK文化センター福岡教室において、1日講座『天霧真世の「タカラヅカ式 健康ストレッチ」』が開催される。講師は元宝塚歌劇団星組の天霧真世が務める。同講座では、健康的で美しくなるためのトレーニング「マヨササイズ」を伝授。現役時代と変わらない美しさをキープする天霧が、生活の中に取り入れやすいエクササイズを提案する。開催時間は10:00から11:30まで。受講料はNHKカルチャー会員が3,432円(税込み)、一般が4,004円(税込み)。持ち物は、長めのタオル(スポーツタオルorバスタオル)、飲み物、動きやすい服装の3点。同講座は裸足で行われる。申し込みはNHKカルチャーのウェブサイトにて受け付けている。問い合わせは、NHK文化センター福岡教室(092-271-2100)まで。マヨササイズを考案した天霧真世天霧真世(あまぎりまよ)は宝塚歌劇団星組において男役として活躍。現役時代に、筋トレやエクササイズをタカラジェンヌ向けにカスタマイズした「マヨササイズ」を考案し、開演前に毎日実践していた。現在は、オスカープロモーションに所属し、ダイエットインストラクターとして活躍。健康的で美しいボディラインが目指せる「マヨササイズ」レッスンが人気を集める。(画像は天霧真世のオフィシャルブログ「Let’s マヨササイズ」より)【参考】※NHKカルチャー※天霧真世のオフィシャルブログ「Let’s マヨササイズ」
2020年01月15日1974年、伝説の幕が開いた――。初演から今年で45周年を迎える宝塚歌劇団の代表作『ベルサイユのばら』。2月16日には、大阪で記念公演『ベルサイユのばら45~45年の軌跡、そして未来へ~』が開幕した。初代オスカル役の榛名由梨から伝統を受け継ぐ朝海ひかるら平成のオスカル役まで、歴代レジェンドが大集結。一部日替わりで配役を替えながら、歌やトーク、本番さながらの装置やコスチューム姿で名場面を披露する。宝塚ファンはもちろん初見の人も虜にさせる、夢のような全2幕、約2時間半のステージだ。「ベルサイユのばら45」チケット情報幕開けは『序曲~ごらんなさい、ごらんなさい』。まるで砂糖菓子でできたフランス人形みたいに甘くロマンチックな宮廷の小公子、小公女たちがシャンシャン片手に歌い踊る。会場を染めるピンク色の照明、電飾がきらめく華やかな装置やタイトルロゴ、さらにターンのたびに跳ねるフリフリのドレスが、会場に詰めかけた“乙女たち”の心をも弾ませる。続いて、専科より現役生の華形ひかるが、緒月遠麻らOGたちと『心の白薔薇』『愛あればこそ』の2曲を披露。愛は甘く苦しい。でも、愛あればこその人生なんだ!と歌詞を噛み締め、最後は全員で「愛、愛、愛」の大合唱。冒頭から溢れ出す愛の洪水に、盛り上がらずにはいられない。司会は専科の汝鳥伶。自身も初演の舞台に立った汝鳥が、作品の軌跡を語りながら場をつなぐ。映像資料も用意され、歴代の公演ポスターや当時の公演の様子がダイジェストで映し出される。初々しい麻実れいのアンドレ、魅惑的な鳳蘭のフェルゼン、美貌の涼風真世オスカル…。当時の熱狂が画面越しにもありありと伝わる。とりわけ、涙ながらに激情をほとばしらせる大浦みずきのフェルゼンには熱く胸打たれた。この日、70年代に活躍したレジェンドコーナーには初風諄、榛名由梨、汀夏子が登場。フィナーレではエトワールも務めた初風が初演の映像と寸分違わぬ高音を響かせると、榛名、汀も味のある佇まいで名曲を歌い継ぐ。ひとりセンターに立ち大劇場を埋めるオーラは健在だ。日向薫、紫苑ゆう、麻路さきの1989年星組トリオはトークコーナーも担当。今だから話せるマル秘稽古場エピソードや、爆笑ハプニング談の応酬が止まらない。また、稔幸、和央ようから平成組による名場面の再演は鳥肌の連続。号泣必至のバスティーユ陥落からマリー・アントワネットの処刑に至るまで、観たい場面、聞きたい名台詞を全14場、18曲に網羅する。フィナーレには『薔薇のタンゴ』『ボレロ』ほか多彩なショーナンバーも披露され、終演後は本公演を丸々一本観たような充足感に満たされる。「観て良かった」「当時の記憶が蘇った」など口々に感想を述べ合う観客たちの姿も微笑ましく、印象に残った。大阪公演は2月24日(日)まで梅田芸術劇場メインホールで上演中。20日(水)18時公演は、ぴあ半館貸切公演。チケット発売中。取材・文:石橋法子(2月17日観劇)
2019年02月18日原作小説は全世界で5千万部以上売り上げ、1995年にはクリント・イーストウッドにより映画化もされた『マディソン郡の橋』のミュージカル版が、山口祐一郎と涼風真世の主演で日本初演される。作品について、ふたりが語った。舞台『マディソン郡の橋』チケット情報アメリカ・アイオワで農家の妻として家族に尽くしてきた主婦フランチェスカが、その地特有の屋根つきの橋を撮影しに来たカメラマン・ロバートと出会ったことから始まる、4日間の恋を描いたラブ・ストーリー。大人の道ならぬ恋……という印象が強い物語だが、フランチェスカを演じる涼風は「これは大人の初恋、純愛。フランチェスカは、この4日間の純愛を大切に、その後の人生を生きていけたのかなと感じています」と、そのピュアさを強調する。ロバートを演じる山口は「ロバートはカメラマンで世界中を歩き回っている。一応、職業があるゆえにギリギリ“社会の範疇”にいますが、家庭もなければ、地域のコミュニティにも属していない。舞台設定は1960年代で、当時は彼のような人は少数派でしたが、共同体や家族関係が薄まっている今、彼の持つ疎外感や孤独は、皆さんにも共感してもらえるんじゃないかな」と、現代の視点からこの物語を語る。さらに山口は「当時の共同体には、女性はこうあるべき、父親は、母親はこうあるべきという無言の圧力があった。映画ではふたりの関係性を肯定するために、その中で孤立しているフランチェスカという面も強調されていた。ただ現代の僕らは、どちらかというとそういうこと(性役割)を批判的な目で見ている。2018年にやる今回の舞台では登場人物ひとりひとりが本当に誠実に生きていて、例えば“女性はこうあるべき”と思っている父親も、その人なりに一生懸命生きている。そこが魅力的です。誠実に生きているんだけれど、ちょっと噛み合わない人間関係。そんな中で(ふたりが出会い)ふと湧き上がってしまった人の思いは止められない……、そんな風になっています」と、今回の舞台版ならではの魅力も語った。ちなみにこれまでも『エリザベート』『貴婦人の訪問』など共演が多いふたり。今回は改めてどっぷりと恋愛関係に陥る関係性になるが……。「(今作の共演が)今で良かった(笑)。もうちょっと前だったら人生をダメにしていたかも(笑)」(山口)、「何作か共演させていただいていますが、こんなに間近に感じることは初めてでドキドキ。今、山口さんの顔を見られません(笑)。これが純愛なのかも」(涼風)と、お互いに照れ笑い。息もピッタリのふたりが、名作にどう息を吹き込むのか。乞うご期待。2月24日(土)開幕の東京・THEATRE1010公演から始まり、3月2日(金)から21日(水・祝)まで東京・シアタークリエ、3月28日(水)から4月1日(日)まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演される。チケットは発売中。
2018年02月02日宝塚歌劇月組の新トップスター・珠城(たまき)りょうのお披露目公演『グランドホテル』『カルーセル輪舞曲(ロンド)』が1月1日、兵庫・宝塚大劇場にて開幕した。宝塚歌劇月組『グランドホテル』/『カルーセル輪舞曲(ロンド)』チケット情報第一幕の『グランドホテル』は1989年にブロードウェイで上演され、トニー賞5部門を受賞した作品。宝塚歌劇では1993年に涼風真世を中心とする月組で日本初演され、今回が24年ぶりの再演となる。特別監修にはブロードウェイで演出・振付を手掛けたトミー・チューンを迎え、新たな構成で上演されている。舞台は1928年のベルリンにある高級ホテル。登場するのは多額の借金を抱える青年貴族、引退を前にした伝説的バレリーナとその付き人、余命わずかな老会計士、映画スターを目指すタイピストなど。悩み、不安、焦り…それぞれに影を持つ人たちがホテルを訪れ、偶然に出会い、それぞれの人生が変わっていく様を描いた物語だ。回転扉と椅子の配置を巧みに変えることでシーンが展開するというシンプルながらもテンポ感のある演出が印象的で、人間ドラマも色濃く浮かび上がってくる。お金に困窮するフェリックス男爵役の珠城はトップ娘役・愛希(まなき)れいか扮するバレリーナ、グルーシンスカヤと出会い、恋に落ちる。手足が長く舞台映えする珠城はプロローグから存在感たっぷりに演じるが、“影”を表す繊細な演技でも魅せる。愛希は旬を過ぎたバレリーナの悲哀を大人の色気をまとわせて演じ、円熟味を感じさせる。一方でフェリックスと出会い輝きを取り戻すときには可愛らしく、柔軟な演技力を活かして演じている。また、老会計士オットー役の美弥(みや)るりかは、背中を丸め、重苦しい空気を全身から漂わせる。そんな彼がフェリックスと出会い、徐々に変化していく様を見事に演じている。第二幕の『カルーセル輪舞曲(ロンド)』は、宝塚レヴュー『モン・パリ』の誕生90周年を記念して作られたステージ。白い衣裳をまとったスターたちによる華やかな幕開きから、ニューヨーク、メキシコ、ブラジルなど、さまざまな国をイメージしたシーンを展開。エネルギッシュに、男っぽく、アクロバティックに…と、彩り豊かな演出で観客を惹きつけて離さない。フィナーレには『モン・パリ/吾が巴里よ』に乗せて男役は黒燕尾、娘役は純白ドレス姿で美しく見せる。入団9年目でトップに就任した珠城を中心とする新生月組が、フレッシュながらも落ち着いたステージを展開。これからが楽しみになる幕開けとなった。兵庫・宝塚大劇場公演は1月30日(月)まで。チケットは発売中。そして東京宝塚劇場では、2月21日(火)から3月26日(日)まで上演。1月15日(日)10:00よりチケット発売開始。取材・文:黒石悦子
2017年01月06日かつての恋人に裏切られた女が金持ちの未亡人となって、恋人の住む財政破綻した故郷に帰って来る。財政援助と引き換えに望んだ条件は、恋人の死だった…。昨年、衝撃的なストーリーで大ヒットしたミュージカル『貴婦人の訪問』が、早くも年末に再演される。その未亡人クレアを演じるのは涼風真世。秋に再び出演した『エリザベート』でも冷酷な皇太后を見事に演じ、難役の挑戦が続く。涼風に本作に懸ける思いを聞いた。ミュージカル「貴婦人の訪問」チケット情報スイスの作家フリードリヒ・デュレンマットの作品『老貴婦人の訪問』は、イングリッド・バーグマン主演で『訪れ』として映画化もされ、2014年にウィーンでミュージカル化。少女時代はギュレンという街で、恋人アルフレッド(山口祐一郎)と幸せな時期を過ごしたクレア。しかし、彼に裏切られた怨恨を忘れられないクレアは、大金を武器に、ギュレン市民たちにアルフレッドの死を持ちかける。「ここまで徹底して強い女性を演じるのは、私の35年のキャリアの中で初めて。復讐を果たすために自分の命までも懸ける心も魂も強い女性です。どうして彼女がそこまでできるのか、再演ではもう一度リセットして考え直したい」ウィーンミュージカルということもあり、ワルツやクラシック、ロック、聖歌など多彩な要素を取り入れた楽曲も魅力だ。「クレアは人生最高の役です。クレアとして歌う『正義』『世界は私のもの』という曲は毎回、命を懸けて歌っていました。音域も半端ない広さで非常に体力がいるんです」大金に目がくらみ、アルフレッドの周りの人々の態度が手のひらを返したように変化する様子は拝金主義の現代を彷彿とさせる。「私も宝くじを毎年購入するのですが、当たらないですね(笑)。でも、当たった人の人生は果たして幸せなのか。大金が手に入ったことで何かしら悲しいことが起こったかもしれない。人生はいろんな意味で分からないんです」また、凄まじい愛憎を抱えたクレアを通して、人を許すこととは何かとも考えさせられる。「クレアはアルフレッドにずっと側にいてほしかったんでしょうね。幕が下りた後、物語の第2章が描かれるのかもしれません。観た後に想像していただけたら」。涼風自身はどうだろうか。「私はわりと人を許すほうです。答えは相手と自分とふたつあり、立場によって違う。相手の立場になるのは、なかなかできないから憎悪が生まれる。だから私は“なかったこと”にして許すようにしています」最近はイベントなどに登場すると「昔、妖精、今、妖怪の涼風真世です」と自己紹介し、周りを笑わせてくれるが、浮世離れした雰囲気と美しさは昔のままだ。そして、どんな役にも七変化する妖精である。公演は、11月3日(木・祝)から5日(土)まで東京・シアター1010にてプレビュー公演、11月12日(土)から12月4日(日)まで東京・シアタークリエにて。その後福岡、名古屋を回り、大阪は12月21日(水)から25日(日)まで梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演。チケットは発売中。取材・文:米満ゆうこ
2016年10月03日宝塚歌劇月組公演『グランドホテル』『カルーセル輪舞曲』の制作発表が9月8日、都内にて行われた。2017年の幕開けを飾るとともに、新トップスター・珠城りょうのお披露目公演でもある注目公演だ。『グランドホテル』は1928年のベルリンにある超一流ホテルを舞台に、そこに行き交う人々の人間模様を描く群像劇。1989年トミー・チューンの演出・振付によりブロードウェイで初演され、トニー賞5部門を受賞した伝説の作品だ。宝塚歌劇団では1993年に涼風真世の退団公演として上演、好評を博した。繊細かつ大胆な演出と、美しい音楽・ダンスの数々に、今でも人気が高いこの作品が、24年ぶりによみがえる。1993年公演もトミー・チューンと共同演出を手がけた岡田敬二は「当時、1年2か月の打ち合わせと3か月の稽古をし、公演をした。トミーさんのブロードウェイのスタッフと、我々宝塚のスタッフががっつり組んで作った公演で、宝塚歌劇団にとっても冒険だったし、大きなモーメントになった作品です。夢が叶って、再びトミーさんともう一度お仕事できることをとても嬉しく思います」と話す。併演のショー『カルーセル輪舞曲』を演出する稲葉太地も「『グランドホテル』は23年前、私も劇場で観て、とても大好きな作品。(ショーの演出家ではなく)『グランドホテル』の演出“助手”でいいです、と言ったくらい(笑)。宝塚の定番の“2本立て”という興行で、その作品の“後物”を務めさせていただくことを大変光栄に思っています」と語り、彼らの言葉から宝塚関係者にとって『グランドホテル』という作品がどれだけ大切なものかが伝わってくる。この作品でトップお披露目となる珠城りょうは、入団9年目という近年まれなスピードでのトップ就任。「月組の主演男役としてご挨拶させていただくのは、本日が初めて」と語り、「『グランドホテル』という作品も、そして日本初のレヴュー『モン・パリ』誕生90周年を記念して作られる『カルーセル輪舞曲』も、とても大きな作品。自分に務まるのかと不安もありましたが、今日の制作発表に向けての稽古を進めるうちに、この作品に携わらせていただくことが、役者としてどれだけ幸せなんだろうという思いの方が強くなっていきました」と幸せをかみ締めている様子。「もっと磨いていかなくてはいけないところもありますし、もっと研究してより男役らしくなっていきたいと思いますが、自分に出来る精一杯の努力をして、今の私たちにしかできないふたつの作品に仕上げていきたい」と意気込みを語った。会見では珠城のほか、トップ娘役・愛希れいか、月組男役・美弥るりかも出席、『グランドホテル』『カルーセル輪舞曲』の世界の一端を見せるパフォーマンスを披露した。また特別監修を務めるトミー・チューンも登壇。「宝塚でまたお仕事をさせていただけるとは思っていなかった。夢のようです」と、笑顔で語っていた。公演は2017年1月1日(日)から30日(月)まで兵庫・宝塚大劇場、2月21日(火)から3月26日(日)まで東京宝塚劇場で上演される。
2016年09月09日1989年にブロードウェイで初演され、1017回上演された大ヒットミュージカル『グランドホテル』。1920年代、大都市ベルリンにある華やかな「グランドホテル」を舞台に、品のある振る舞いに誰もが大金持ちだと信じて疑わない苦悩の男爵、自らの死期を感じ、有り金をはたいて投宿する会計士、盛りを過ぎ自信を失った哀れなバレリーナと彼女を支え、密かに慕うマネージャー、会社倒産を救うために奮闘する実業家、みじめな今の暮らしから脱出しようと懸命な若いタイピスト、第一次世界大戦ですべてを失い隠遁生活を送りながらグランドホテルを見つめる老医師など、人間のありとあらゆる側面を浮き彫りにした人気演目だ。ミュージカル「グランドホテル」チケット情報1990年度トニー賞では、助演男優賞、演出賞、振付賞、衣装デザイン賞、照明デザイン賞の5部門を受賞し、1993年に日本初上陸。演出・振付にトミー・チューンを迎え、宝塚歌劇月組公演で上演された。当時の月組トップスターは、妖精のようなキャラクターで人気を博していた涼風真世。自身の退団公演でこの重厚な人間ドラマに挑戦し、大評判となった。そして2016年春、ロンドンの気鋭演出家トム・サザーランドによる日本での上演が決定。本公演では、グリーンとレッドというふたつのパターンに分かれて上演。物語のキーマンとなる重い病を患ったユダヤ人の会計士、オットー・クリンゲライン役に中川晃教と成河、若く美しく、しかし貧しいフェリックス・ヴォン・ガイゲン男爵役には、ヴォーカルグループLE VELVETSとしても活動し、ミュージカル初出演となる宮原浩暢(LE VELVETS)と伊礼彼方、ロシア人のバレリーナ、エリザベータ・グルシンツカヤ役には安寿ミラと草刈民代が、それぞれWキャストで挑む。他に、これ 以上ないというほど個性豊かなキャストが集結し、ホテルに集う人々の人間ドラマを流麗な音楽に乗せて描き出す。『タイタニック』の群像劇を心に深く残る演出で人々に大きな感動を与えたトム・サザーランドが、愛と狂騒の1920年代に起こる「グランドホテル」の様々な人間模様をどう描くのか、幕開けが待ち遠しい。公演は、4月9日(土)から24日(日)まで東京・赤坂ACTシアター、4月27日(水)・28日(木)愛知・愛知県芸術劇場大ホール、5月5日(木・祝)から8日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演。東京・大阪公演のチケットは2月6日(土)10:00より、愛知公演は2月13日(土)10:00よりそれぞれ発売開始。なお一般発売に先駆け、東京・大阪公演は12月26日(土)10:00より先行先着「座席選択プリセール」の受付を実施する。
2015年12月25日宝塚歌劇団が、アニメ化・映画化もされた和月伸宏の大人気コミック『るろうに剣心』をミュージカル化する。この公演の制作発表が10月20日に行われ、剣心に扮する雪組トップスター・早霧せいなをはじめ、雪組スター8名が登壇。意気込みを語るとともに、扮装姿で登場したキャスト陣がパフォーマンスも披露した。宝塚歌劇雪組『るろうに剣心』チケット情報早霧の剣心をはじめ、原作から抜け出したかのようなビジュアルで登場した神谷薫(咲妃みゆ)、相楽左之助(鳳翔大)、高荷恵(大湖せしる)、武田観柳(彩凪翔)、斎藤一(彩風咲奈)、四乃森蒼紫(月城かなと)といった人気キャラクターたち。その姿に、原作者・和月伸宏も「宝塚でやるために剣心があったんじゃないかと錯覚するくらいバッチリ合っていて感動」と大喜び。宝塚版のオリジナルキャラクターとして、望海風斗扮する加納惣三郎が加わるが、この日のパフォーマンスを観て「違和感がまったくないのが凄い。自分の作品にも出してみたいなと思うくらい」と絶賛。アニメ版で剣心の声を演じた涼風真世も「自分が声の担当をしていたとは思えないくらい素敵な剣心。(剣心の口癖である)「おろ?」も、自分も色々な声を出してきましたが、今日の早霧さんの「おろ?」が一番良いのでは。ぴったり」と太鼓判だ。そんな原作者と先輩からの絶賛を受けた早霧は、「私自身も剣心に惚れました。本当に愛すべきキャラクター。人斬りという過去を持ちながら、それでもより多くの人を笑顔にするという使命のもと、彼は生きている。それは今の私の宝塚での人生と重なるものがあります。自分自身を剣心に投影しながら剣心を生きていきたい」と意気込みを語った。脚本・演出は『エリザベート』等を送りだしているヒットメイカー、小池修一郎。「私自身も、今日のパフォーマンスを見て本当に面白い、同時に(宝塚と『るろうに剣心』の世界が)本当にハマるんだなと改めて認識しました。楽しい公演にしたい」と手ごたえを感じた様子。早霧率いる雪組は『ルパン三世』の舞台化でも高評価を得ている。今回の宝塚版『るろうに剣心』も期待したい。公演は2016年2月5日(金)から3月14日(月)まで兵庫・宝塚大劇場、4月1日(金)から5月8日(日)まで東京宝塚劇場にて。チケットは兵庫公演が1月9日(土)、東京公演が2月28日(日)に一般発売を開始する。
2015年10月21日日本能率協会マネジメントセンターは5月28日、元タカラジェンヌの著者が"真の美しさを生み出す宝塚の作法"について語った『タカラヅカ式 美しい人の作法の基本』(著 小嶋 希恵/1,400円・税別)を発売した。○作法が変われば人生が輝く著者の小嶋希恵(こじま きえ)さんは昭和56年に宝塚音楽学校を卒業。同期に黒木瞳さん、涼風真世さん、真矢ミキさんらがいる。その後宝塚歌劇団の雪組で活躍し、卒業後に宝塚音楽学校・劇団四季の受験校として「ケー・アイ・イーミュージカルスクール」を設立。現在はタカラジェンヌを夢見る子どもたちを指導している。主な教え子に、元雪組トップスター月影瞳さん、元星組トップスター白羽ゆりさん、元月組トップスター彩乃かなみさん、元星組トップスター遠野あすかさん、元花組トップスター蘭乃はなさん他150名余りがいる。同著では美貌と品格を兼ね備えた「真の美しさ」を持つ宝塚の女性たちの根本にある、徹底した礼儀作法教育について語っている。「宝塚で教えられる作法は、マナーや言葉遣いといったルールに留まらず、美しく生きるための基本となるもの」だという。また、"タカラヅカ式"の品格ある美しさの育て方に大切なこととして、以下のような理念を挙げている。・知らない人の前でこそ礼儀正しく・美しい環境が美しい振る舞いをつくる・容姿よりも礼儀と素直さ・清く、正しく、美しく、そしてたくましく・美しさは良質な言葉で磨かれる・美しい体型は正しい姿勢でつくられるさらに、生きていくうえで「いつでも、どんなときでも美しくいるためにはどうすればいか」「芯の強い、凛とした美しさはどうやったら生まれるのか」についてのヒントを解説する。
2015年06月04日ダスキンが運営するミスタードーナツは4月1日、飲茶シリーズ「ミスター飲茶」から夏期限定メニュー「涼風麺」4種を発売した。販売場所は全国の「ミスタードーナツ」の飲茶取扱い店舗。販売期間は8月末まで(順次販売終了予定)。なお、北海道地域では4月29日より発売する。ミスター飲茶とは、同店が1992年に発売を開始した飲茶シリーズで、"本格中華を楽しめるメニュー"として好評を得ているとのこと。今回発売するのは、"辛さ"が楽しめるという「四川担々涼風麺」(432円)と「四川棒々鶏涼風麺」(432円)、"涼しさ"が感じられるとした「鶏野菜涼風麺」(432円)と「柚子涼風麺」(334円)の4種。四川担々涼風麺は、細麺にゴマだれとピリ辛のラー油を合わせたスープを加え、ラー油と花椒で味つけした豚肉の肉味噌をのせた。四川棒々鶏涼風麺は、細麺に蒸し鶏をのせ、花椒の辛味と風味が引き立つソースで仕上げた。上には白ゴマとネギをトッピングしている。鶏野菜涼風麺は、細麺にほんのり柚子風味の効いた塩スープを合わせ、蒸し鶏、オクラ、揚げなす、赤パプリカ、黄パプリカ、白ゴマを飾った。同スープを使用した柚子涼風麺は、トッピングを白ゴマとネギのみで仕上げ、麺の歯ごたえやのどごしをシンプルに味わえるとのこと。※表示価格はすべて税込
2015年04月01日宝塚歌劇月組によるミュージカル『PUCK(パック)』、ショー・ファンタジー『CRYSTAL TAKARAZUKA-イメージの結晶-』が9月26日(金)、兵庫・宝塚大劇場にて開幕した。『PUCK(パック)』は、1992年に涼風真世を中心とした月組で上演された人気作で、今回、22年ぶりの再演が実現。シェイクスピアの『真夏の夜の夢』をモチーフに、人間に恋をした妖精パックが愛を得るために大活躍し、人間になるまでを描いたファンタジックなミュージカルだ。宝塚歌劇月組『PUCK(パック)』/『CRYSTAL TAKARAZUKA-イメージの結晶-』のチケット情報パックを演じるのは、作品の大ファンだったという男役トップスター龍真咲(りゅう・まさき)。パックが森で誕生する瞬間から演じており、イキイキと演じるその姿からも、作品への想いが伝わるようだ。声色やしぐさは少年のような可愛さで、ダンスも軽やか。ローラースケートで動き回り、自分の姿が見えない人間たちにアドリブを交えながら、次々といたずらを仕掛けていく。無邪気なパックがハーミアに恋をしたり、人間に触れることでさまざまな感情が生まれるという、パックの成長物語でもある。年を取らない妖精に対し、瞬く間に大人へと成長していく人間たち。演出家・小池修一郎の手により、その変化が滑らかにテンポ良く描き出されていく。人間の中でひとり妖精が見えるハーミアを演じるのは、愛希(まなき)れいか。大人になっても変わらない純粋さを持ち、ずっと夢を見続ける女性を情感豊かに演じている。ほかのキャラクターも、初演時の出演者に当て書きして作られたものだったが、今の月組メンバーにもピッタリ。ナルシストなホテル王の息子・ラリーに美弥(みや)るりか、憎めない貴族の御曹司ラリーを凪七瑠海(なぎな・るうみ)、負けず嫌いなハーミアのいとこのヘレンに男役の沙央(さおう)くらま、妖精の王オベロンに星条海斗(せいじょう・かいと)、能天気な森番の息子でロックスターのボビーに珠城(たまき)りょう、と、それぞれが個性を活かしながら演じるキャラクターたちを見るのも楽しい。第二幕のショーは、ダンスの結晶、愛の結晶、しずくの結晶など、さまざまな“結晶”をイメージしたシーンが展開。プロローグや中詰でのエネルギッシュなダンスに、シンデレラをモチーフにしたストーリー性のあるシーン、黒燕尾の男役群舞、しっとりとしたデュエットなどが繰り広げられていく。両作を通し、メンバーそれぞれの際立つ個性、それが集結したときの圧倒的なパワーが感じられるステージだった。兵庫公演は11月3日(月・祝)まで上演中。また、11月21日(金) ~ 12月27日(土)まで、東京宝塚劇場にて上演される。東京公演のチケットは10月19日(日)より一般発売開始。取材・文/黒石悦子
2014年10月02日筧利夫主演の舞台『飛び加藤 ~幻惑使いの不惑の忍者~』が、6月10日、東京・シアタークリエにて開幕した。開演前には、筧、佐津川愛美、細田よしひこ、三上市朗、涼風真世のキャスト5人による記者会見も行われた。『飛び加藤 ~幻惑使いの不惑の忍者~』公演情報時は戦国時代。忍びの世界から足を洗った“飛び加藤”こと加藤段蔵は、手妻(=日本古来の手品)で日銭を稼ぐ日々を送っていた。そんな彼の前に、旅芸人の少女・楓が現れる。楓はかつて助けた若武者にひと目惚れ。加藤の操る手妻が愛しの人を探すのに役立つと考えた楓は、強引に加藤と行動を共にするようになる。だが彼らの背後には、怪しい妖術使いの影が迫っていた。この舞台の大きな魅力は“手妻”である。手妻の第一人者・藤山新太郎が手妻指導を手がけ、物語の語り部として出演もしている。加藤を演じる筧も、舞台上で数々の手妻を披露。なかでも何もない土から一瞬にして瓜を出現させる“植瓜術(しょっかじゅつ)”では、客席からこの日一番の拍手が。技としての腕前はもちろん、芸を盛り上げる話術においても、筧らしさを炸裂させていた。そんな賑やかな手妻シーンから一転、本作では『人魚姫』をモチーフにした切ない恋愛模様も描かれる。佐津川の演じる楓は、旅芸人としての明るい一面と、恋する人に真実を口に出来ない悲しい一面を持ち合わせ、その歯がゆい乙女心が観客の胸を打つ。また楓が慕い続ける若武者・河田長親役には細田。凛とした立ち姿は気品に満ち、眉目秀麗の若武者という役どころを、違和感なく演じ切って見せた。さらに特筆すべきは、涼風の圧倒的な存在感だろう。彼女が演じるのは、加藤に裏切られたことでかつての美貌を失い、妖術使いとなってしまった桔梗という女性。加藤への憎しみと愛情が入り混じり、妖術使いと桔梗との間をさまよう姿は、まさに女の執念が具現化したかのよう。改めて涼風の、女優としての器の大きさを感じさせる役どころとなった。舞台上だけでなく、会見でも持ち前のパワフルさを見せつけた筧。「マジック、アクション、そして人情と、皆さんを楽しませるあらゆる要素が詰まっております!『飛び加藤』、今日ここから羽ばたきます!!」と一気にまくしたてると、キャスト、スタッフから自然と拍手が沸き起こる。涼風の「筧さんのアクションが素晴らしいです」とのひと言に、本人が「そうかなぁ、嬉しいなぁ」と照れ笑いを浮かべる場面も見られた。東京公演は6月26日(火)まで。その後、6月30日(土)・7月1日(日)に大阪・シアターBRAVA!、7月3日(火)に石川・北國新聞赤羽ホール、7月10日(火)に福岡市民会館 大ホールにて公演を行う。取材・文:野上瑠美子
2012年06月11日『TRICK』シリーズの脚本家として知られる蒔田光治が、原案用台本を手がけた舞台『飛び加藤~幻惑使いの不惑の忍者~』。伊賀の忍びながら、今は足を洗いひっそりと生きる加藤段蔵が、旅芸人の少女・楓と出会ったことから、彼の隠された過去が明らかになっていくという痛快活劇だ。上演に先がけ、5月16日、都内の稽古場にて会見が行われ、演出の河原雅彦と出演の筧利夫、佐津川愛美、細田よしひこ、三上市朗、涼風真世と、舞台で登場する“手妻”の第一人者・藤山新太郎が登壇した。『飛び加藤~幻惑使いの不惑の忍者~』チケット情報“飛び加藤”こと、実在した伝説の忍者・加藤段蔵を主人公に、『人魚姫』をモチーフにして描かれる本作。それだけでも十分ユニークな内容なのだが、この作品の大きな特徴として手妻の存在がある。手妻とは現代で言うマジックのことで、加藤段蔵は忍者という顔に加え、手妻師としての一面も持っていた人物なのだ。演出の河原は、「今回は手妻あり、殺陣あり、また人間ドラマもしっかりと書き込まれている脚本。作品としてはすごく明瞭ですが、これまでになかったような形のエンターテインメントになると思います」と作品にかける思いを語った。古来より伝わるその手妻の技を、現代へと継承しているのが、本物の手妻師である藤山。本作における手妻指導はもちろん、手妻師役として舞台にも立つ。藤山は「思った以上にセリフが多く、四苦八苦しております」と苦笑いを浮かべながらも、話題が手妻のこととなると一気にプロの顔へ。手妻のひとつとして、世界でも5本の指に入るほど古いマジックである、“植瓜術(しょっかじゅつ)”を本編中に登場させると言う。これは何もない砂の上に種を置き、布をかぶせると一瞬にして蔓が伸び、瓜ができてしまうという芸。藤山が「非常に珍しい手妻で、お客さまも生まれて初めて見る芸だと思います」と言うだけに、こちらも大きな見どころになることは間違いない。共演者たちが「非常にパワフル」と口をそろえる加藤役の筧は、会見の場でもその熱い役者魂を披露。ふたつのコップの間に閉じた扇子を挟み、その上に手ぬぐいを乗せコップごと持ち上げるという手妻“相生茶碗(あいおいぢゃわん)”を実演してみせた。「タネは意外とアナログですが、いかに演技と話術で見せていくかが重要」と筧が語るように、彼が「筧パワーです!」と雄たけびをあげると、見事コップは手ぬぐいに吸いつけられるように空中へ。その後披露された藤山の手妻とともに、舞台への期待感をグッと高める一幕となった。公演は6月10日(日)から26日(火)まで東京・シアタークリエで開催。その後、大阪、石川、福岡と各地を回る。チケットは発売中。なお、チケットぴあでは「手妻ショー」付チケットを5月18日(金)午前10:00より販売する。対象公演は6月24日(日)13:00開演のシアタークリエ公演のみ。ショーの所要時間は約30分を予定。取材・文:野上瑠美子
2012年05月17日井上芳雄が主演するミュージカル『ハムレット』が2月1日、東京・シアタークリエで開幕した。ミュージカル『ハムレット』公演情報はこちら世界中で上演されているシェイクスピア悲劇だが、今回上演されているのは1999年にチェコ・プラハで初演された作品。日本では珍しい“チェコ・ミュージカル”だが、チェコで最も有名なミュージシャンのひとり、ヤネック・レデツキーが生み出した本作は、これまでにブロードウェイや韓国でも上演されており、世界的にも注目度が高まっている。物語は、デンマーク王家を舞台に、王子ハムレットが父を殺し王座と母を奪った叔父に復讐を果たす――という、基本的には原作に忠実なもの。だが、物語の展開よりも登場人物の感情に重きを置き、ギュッと凝縮されたスピーディな展開に。そしてエレキギターのサウンドが印象的なロックナンバーや軽快なポップスなど、多彩な音楽が斬新で、新鮮な『ハムレット』になっている。栗山民也の演出も、城壁を思わせる高さのある壁を一面に配したセットの中、陰影を効果的に使いドラマチックに仕上げた。タイトルロールの井上はこれまでも“王子”的役柄を数多く演じてきており、その意味で彼にとって王道の役かと思ったが、意外にも今までにない新鮮さをもってハムレットを演じている。嘆き、憎しみなど強い“負”の感情を爆発させるハムレットは激しく生々しく、だが目が離せない魅力を放つ。その井上ハムレットを取り囲むメンバーも強力だ。美しく気品あり、そして愚かさも持つ王妃ガートルードを演じる涼風真世はこれ以上ないほどのハマリ役。敵役のクローディアスの村井國夫の重厚さや、ヒロイン・オフィーリア役の昆夏美の透明感、妹オフィーリアへ温かい愛情を注ぐレアティーズ役の伊礼彼方など、それぞれが納得の存在感だ。またハムレットの親友ホレーショー役の成河(ソンハ)の爽やかさ、時にコミカルな演技で作品のガス抜きもするポローニアス役の山路和弘らも印象的。この大劇場常連のキャスト陣が揃い、600席強のコンパクトな劇場で見せる熱演は圧巻だ。公演は2月22日(水)まで同所にて。その後2月25日(土)から28日(火)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ、3月3日(土)・4日(日)に愛知・中日劇場でも上演される。チケットは発売中。
2012年02月02日