みなさんは家の図面を見たことはありますか?家の図面には、みなれない専門用語や記号・マークが多く、はじめて見る人にとってはとても難しいものです。しかし、図面を読めないまま住宅を購入すると、思っていた家とは違うことに、入居してから気づくことになります。今回は、これだけは知っておきたい「間取りの記号やマーク」についてのお話しです。■ 扉(戸)のマークにも微妙な違いが!この扇形マークは、門扉や玄関扉、勝手口の戸などを表しています。pu- / PIXTA(ピクスタ)また扇形の部分が、「どう扉が開くか」を表しています。この扉の開き方を「開き勝手」といい、扉の右側が開く場合を「右開き」その反対を「左開き」といいます。この「開き勝手」ですが、図面では「左開き(または右開き)」になっているのに、実際の建物では反対に扉が取り付けられている場合があります。こちらの例では、契約図面では「左開き」でしたが、引き渡しを受けた建物では「右開き」になっていました。「右開き」では、以下のような不便があります。ポストの郵便を取るには、一度扉の外に出なくてはいけない扉を開けるとき、お客様など人にぶつかる家に入るとき、不便宅配便を受け取るとき、相手の顔を確認しながら扉を開けることができないもし、扉が間違って取り付けてあったら、建物のお引渡し前になおしてもらいましょう。■ 図面にある見慣れない専門用語を解説!freeangle / PIXTA(ピクスタ)図面には見慣れない専門用語が書いてあります。SIC……シューズインクロゼット。靴を履いたまま入ることができる靴の大型収納のことS……サービスルーム。納戸または予備室のことリネン庫……タオルや下着類をしまう場所。洗面室やその付近に設置されるPS……パイプスペース。トイレ、キッチンからの排水管や給水管などが通っている場所MB……メーターボックス。電気メーター、ガスメーター、給水メーターが納まっている場所DEN……デン。「書斎」や「趣味の部屋」という意味CL……クローゼット。洋服などの収納場所パントリー……食品庫。食べ物などをストックしておく場所こちらの例では、洗面室またはその付近に「リネン庫」がありません。ABC / PIXTA(ピクスタ)タオルなどの収納に困る恐れがあるため、棚の設置や収納家具の設置を考える必要があります。■ 電化製品には欠かせないコンセント家事ラク、時短のために、便利な電化製品は欠かせません。その電化製品の命となるのが、コンセントです。お部屋の必要な場所に、コンセントがあるか確認しましょう。コンセントには大きく分けて「普通コンセント」と「アース付きコンセント」の2つがあります。「アース付きコンセント」とは、漏電の恐れがある水まわりのコンセントのことで、接地(アース)による感電防止を必要とするものです。冷蔵庫や電子レンジ、洗濯機やウォシュレット、食洗器などはこの「アース付きコンセント」に取りつけます。こちらの例では、冷蔵庫のコンセントがキッチン入口付近にあります。このことにより冷蔵庫はキッチン入口に設置することになりますが、以下のような不便さを感じます。キッチンの出入り口が狭く、冷蔵庫の開け閉めと、人の動線がぶつかる冷蔵庫前が狭いnaka / PIXTA(ピクスタ)冷蔵庫のコンセントは、設計段階で適正な位置に設置してもらいましょう。いかがでしたか?家の図面を理解できれば、住宅購入で失敗することもなくなります。なにより、自宅の図面を読めるようになることが、一番楽しいかもしれません。(しかまのりこ)
2018年12月07日今の時代の愛し方が見えてくる!現代用語にみる「愛しさ」辞典。リアルに使う“男子を愛でる言葉”とは?愛について語る表現も、時代によって少しずつ変化中。今どきの言葉遣いからは、時代のありようや社会的な背景が見て取れる。今回アンケートでピックアップした言葉を日頃から使っているというお二人、臨床心理士の山名裕子さんと、漫画家のはるな檸檬さんが、みんなのリアルな思いを読み解いていきます。「愛しい」気持ち、だだ漏れ状態のワード6選。【しんどい】意味:辛さを感じるくらい、とにかく愛しい。もともとはネガティブな言葉が転じて、逆説的に最上級の褒め言葉に進化。用法例は「かわいすぎてしんどい_|‾|○」「好きすぎてしんどい」など。「愛しさのあまり、心がきゅーっと締めつけられてしんどくなるイメージ」(21歳・学生)。「自分の子供への愛情表現にも頻出」(はるなさん)【たまらん】意味:萌える。ぐっとくる。昭和のスケベなおじさんが発していそうな元祖オヤジ言葉が、一周回って女子言葉に進化しつつ復帰。現代では「萌え」とほぼ同義に。「食べ物にもモノにも人にも使います」(26歳・会社員)と、使い勝手のよい表現。「言葉自体は一般的だから、アレンジがきくし、使いやすい表現」(はるなさん)【尊(とうと)い】意味:崇め倒したいくらい神々しい。対象となる相手と同じ位置にいるのが申し訳ない、という謙遜の気持ち。用例としては「尊い、ありがとうございます」と感謝の気持ちを添えたり、「好きな人のかわいすぎる表情を見たときに、『これはずるい…自分のかわいさわかってるの尊い…ずるい…』と思う」(23歳・会社員)と様々な使い方が可能。【あざとい】意味:「ずるい」の肯定版。かわいすぎて降参。もともとの意味が転じて褒め言葉に。「ただし直球ではなく、相手のステージを自分より1段上げた上で、へりくだって褒める謙譲語」(山名さん)。「相手の狙いをわかった上で魅了されていると伝える言葉」(はるなさん)。人はもちろんペットや二次元のキャラクターなどにもよく使われる。【沸(わ)いた】意味:最高にテンションが上がった、興奮した。極度の興奮により気持ちが高まり、やや取り乱した状態。2016年のギャル流行語大賞にも選ばれたワード。「沸点に達するくらい愛しさが高まっているという気持ちを、客観的かつ簡潔に伝える言葉。『テンションが最高潮に上がった』のショート型ともいえるかも」(はるなさん)【無理(むり)】意味:愛しさが極まり、キャパオーバー。逆説型の肯定語。「好きなアイドルのライブに行って彼らが登場すると、『えっえっ無理待って無理しんどい、えっ』と混乱しながら無理を連発してしまう」(23歳・会社員)など、「しんどい」など類義語との合わせて使われることも多い。「無理無理無理無理無理無理」と反復させると、さらに強調される。今どきの「愛しさ」を表現する言葉たち。その裏にあるものについて、山名さんとはるなさんが対談しながらさらに読み解いていきます!山名:今どきの言葉って、直接的だったり生々しい表現をできるだけ避けようとする傾向があるように感じました。例えばですが、彼氏、好きな人を意味する「かれぴっぴ」には、性的なニュアンスをオブラートに包むような気遣いが見えますね。はるな:ひと昔前の言葉って、ダイレクトなんですよね。有名なトレンディドラマの名台詞「セックスしよ」とか。でも現代は逆に、性的ニュアンスをいかに排除するかが鍵になっているんですね。男らしくてかっこいいことを意味する「オスみ」も、性を感じさせる「雄」を「み」で中和しているんじゃないかなと。山名:確かに、「○○み」は二丁目のママさんも言っているイメージ。はるな:「かれぴっぴ」に関しては、リア充アピールにならない工夫として使われてるような気がするんですよね。茶化してると見せて、相手に変に気を使わせない心配りというか。山名:謙譲語ってことなんですよね。SNSの時代になり、批判を避けたい心理があって。弱い立場として振る舞うことで、相手を立てる方向へ自然と向かっている気がします。はるな:「尊い」は、まさに相手を立てまくってますね!もう自分なんか地下深くに潜ってしまいたい、くらいの勢いで使っちゃう(笑)。山名:「あざとい」にも、相手を上げて褒めるニュアンスがあると思います。相手のずるいとも取れる部分に降参しつつ、「かわいい!」的な。はるな:わざとらしささえも受け入れた上で、自分はあなたに夢中です、って上げてあげる。それってつまり、俯瞰した目線を持っているということなんでしょうね。恋人や好きな人など身近な相手ですら、第三者として楽しむぐらいの距離感なのかも。茶化すことで、生身の人間である相手との間にひと膜作る感じ。山名:自虐しつつも、茶化したり、直球勝負を避けることでシリアスに見せない。“配慮型”の、優しいコミュニケーションといえるでしょう。はるな:なるほど。相手に気を使わせないようにする配慮が、語感をかわいくしたりカジュアルにしている、という面があるんですね。山名:若い世代のクライアント様は、自分を下げてやや自虐的に話をする印象があります。相手を傷つけないように、負担にならないようにという愛情の表れなんでしょうね。はるな:私も、愛しさを表現する言葉を探求するあまり、逆説的に表現しがちです。だから、「しんどい」みたいな否定的な言葉が逆の意味で使われるのはすごく共感できる。まだまだ言葉が足りない!(笑)山名裕子さん臨床心理士。メンタルケアオフィス「やまな mental care office」代表。心の専門家として、テレビや雑誌などで幅広く活動中。はるな檸檬さん漫画家。コミックエッセイを数多く手がける。ウェブメディア「ベビモフ」にて「子育てデレデレ日記」を連載中。宝塚の大ファン。※『anan』2018年11月14日号より。イラスト・はるな檸檬取材、文・矢吹紘子(by anan編集部)
2018年11月10日シリーズ第十弾となる、「ハンサム落語」が11月6日より東京・CBGK シブゲキ!にて開幕。初日に先駆けてゲネプロ、会見が行われた。「ハンサム落語」は古典落語を若手俳優がふたりひと組の掛け合いで行う人気シリーズ。記念すべき第十幕となる今回は、全員がハンサム落語経験者という豪華メンバーでの公演。また演目も全七演目を予定しており、各公演で内4演目が披露される。【チケット情報はこちら】ゲネプロでは、宮下雄也と米原幸佑が『品川心中』『死神』、磯貝龍虎と小笠原健が『明烏』『芝浜』を披露。息のあった掛け合いならではのアドリブも楽しみな本作。公開稽古でもアドリブたっぷりに客席を笑わせた。会見には伊崎龍次郎、磯貝龍虎、小笠原健、桑野晃輔、反橋宗一郎、平野 良、宮下雄也、米原幸佑、和合真一が登壇。それぞれ意気込みを語った。『明烏』では花魁と遊び人を演じ分けた小笠原は、今回が2回目の出演。「とにかくお客さまにも楽しさを届けられるように一生懸命頑張っていきたいと思います」、と出演に意気込んだ。『品川心中』では男をだます女郎を、『死神』ではクセの強い死神を演じた米原は「毎回、本当に答えの無い舞台だなと思います。いくらでも模索できるし、追求出来る作品なので、今回も葛藤をしながら楽しんでやれたらなと思います」と語った。『死神』の最後で見せた余韻が印象的だった宮下は、「組み合わせによってまったく話が変わってみえる所が、ハンサム落語の面白さであり、見所だと思います。僕自身もすごく楽しみなので、お客様に届くよう、毎公演しっかり届けたいと思います」と話した。『明烏』でのお堅い坊ちゃん、『芝浜』での女房役とタイプの違うふた役を個性たっぷりに演じた磯貝は「本物の落語と同じように老若男女、親しまれるように頑張っていきたいと思っております」と語った。宮下、磯貝と並び、一幕より出演している平野は「第十幕までやってくることができたということに感謝しつつ、驕らず。『ハンサム落語』という根底には、言葉で楽しみたい、楽しんで頂きたいという気持ちがあるので、今回の第十幕も今までと根底は変わらず、どの演目を観て頂いても楽しい公演になると思います」と作品への自信を見せた。「ハンサム落語」は東京公演が11月13日(火)まで、東京・CBGK シブゲキ!にて。東京公演の前売りチケットは完売しており、当日券を販売予定。また大阪公演は、11月16日(金)から18日(日)まで大阪・シアター朝日にて。大阪公演は現在チケット発売中。
2018年11月09日昭和を舞台に、有名落語家・有楽亭八雲(岡田将生)の生きざまを描くドラマ10『昭和元禄落語心中』。そのなかで竜星涼さんが演じるのは、八雲の芸に惚れて直訴し、弟子入りを果たした与太郎。作中では、落語を披露するシーンも登場する。「セリフと落語の両方を覚えるということで、台本をもらう前から“自分との戦いになるな”と思っていました。かなり早い段階から、覚悟を決めて挑んだんです。与太郎も僕も落語をするのは初めて。同じスタートラインから出発できたので、どんどん落語の世界に染まっていく感じは、リアルに演じやすかったです。ただ、僕自身は全部覚えている演目を、役の設定上つかえながら話すなど、崩すのが難しかったですね。役のセリフはすぐに忘れてしまうタイプだけど、落語の演目は別。口が覚えているようで、出だしを言うと自然と続きが出てきます。そういう意味で、与太郎が披露する『出来心』は僕もできるようになりました」演じるうえで大切にしたのが、与太郎が持つ、かわいらしさ。「彼の魅力であるまっすぐな愛くるしさが、ドラマでは原作以上にしっかり見えたほうが面白いと思って演じました。岡田さんも、与太郎のことをかわいい、憎めないと言ってくれて嬉しかったです。怒るシーンなのに、『いや~、怒れないよ』と困っていたのを覚えています(笑)」八雲と、彼を敬い、慕う与太郎の師弟関係も今作の見どころに。「八雲のように一つの芸を磨き続けるということはなかなかできないし、成功した人は大きな孤独を抱えていると思うんです。何かを為すには、何かを捨てなきゃいけない、じゃないですけど…。僕自身、芸を磨くような仕事をしているので、そういう人はカッコいいと思うし、八雲に憧れる与太郎の気持ちに共感します。そんなところも、見てもらいたいですね。きっと、僕のように落語に触れたことがない読者の方もいると思うのですが、まずドラマとして楽しんでほしいです。そのうえで、“同じ演目でも演じる人でこんなに違うんだな”とか、“寄席に行ってみたいな”と感じてもらえたら、僕たちの勝ちかなって思っています(笑)」りゅうせい・りょう1993年3月24日生まれ。東京都出身。海外のコレクションでランウェイを歩くなど、モデルとしても活躍。『アンナチュラル』ほか、ドラマや映画で幅広い役を演じる。『昭和元禄落語心中』落語家の有楽亭八雲(岡田将生)の生涯を中心に、彼をとりまくライバルや弟子など、芸の世界に生きる人々を描く。原作は、累計200万部を突破した雲田はるこの同名漫画。毎週金曜22:00~、NHK総合にて放送中。※『anan』2018年11月7日号より。写真・内山めぐみインタビュー、文・重信 綾(by anan編集部)
2018年11月02日NHK新人落語大賞が10月22日に都内で開催。元・世界のナベアツこと、桂三度(49)が大賞に輝いた。落語家の登竜門である同賞。三度は「ずっと、この大会で優勝できたら落語家としてのスタートラインに立てると思っていたので、やっとスタートを切ることができました。一生懸命、精進したいと思います」と語った。「三度さんはオモロー山下ことインタビューマン山下さん(49)とのコンビ・ジャリズムで上方漫才大賞の新人賞などを獲得。さらにソロとしては“世界のナベアツ”として『3の倍数と3がつく数字だけアホになります』というネタで大ブレークしました。しかし11年に当時の桂三枝(現・6代目文枝)師匠に弟子入りし、落語家に転身。それを機にコンビも解散しています」(お笑い関係者)17年に本誌記者へと転身したインタビューマン山下。18年からはフリーとしても活動しているが、本誌での初インタビューは昨年7月の三度へのインタビューだった。そのなかで三度は、落語家人生の苦悩について赤裸々に明かしている。「41歳での弟子入りは肉体的にキツかったですね。重たい荷物も運ばないといけないのですが、僕は腰が悪いので……。そういうのは年下の“兄弟子”さんに手伝ってもらったりして、なんとか乗り切りました。だからその分、僕は“大人力”を発揮。師匠が欲しいものを二手三手先回りして、若い人では気づかないことまで全て用意するんです」お笑いの世界を十分に知っている三度。しかし20年以上ある芸歴が仇となったことも。「僕は外から来た“転校生”みたいなものですし、当初は快く思わない落語家さんもいたようです。信頼している人からも裏ではいろいろ言われていたと知って、挫けそうになったこともありました」収入は5分の1に落ち込んだというが、15年以上寄り添っている妻は見守ってくれた。「落語家になって収入が減っても、奥さんは文句も言わずついてきてくれています。節約もしてくれて、ママチャリなんて17年前に買ったのをまだ乗っているんですよ。僕が『もう買い替えようか?』と聞いても『まだ乗れるからええんや』と言ってくれて。今年の落語コンテストで優勝したら賞金で奥さんにママチャリを買ってあげたいと思います」三度の受賞にTwitterでは《ジャリズムでも、作家(構成作家)でも、世界のナベアツ(ピン)でも、落語家としても才能発揮……桂三度さん、すごいかっこええな~》《凄いわ。転身してから7年楽な道ではなかったろうに》《やるじゃないか!これを励みに2代目桂三枝を目指せ!》といった祝福の声が。これからも邁進してほしい!
2018年10月23日10月スタートのNHKドラマ「昭和元禄落語心中」の主題歌が、この度「ゆず」の新曲「マボロシ」なることが明らかになった。本作は、若者たちを中心に“落語ブーム”を巻き起こしている雲田はるこによる同名漫画の映像化。ドラマでは、八雲役を岡田将生、与太郎役を竜星涼が演じるほか、小夏役に成海璃子、みよ吉役に大政絢、助六役に山崎育三郎と、人気実力派が出演する。アニメ版の主題歌は、椎名林檎と林原めぐみの豪華タッグで話題を呼んだが、今回のドラマでは「ゆず」の書き下ろし新曲に決定。「ゆず」北川悠仁は、今回の主題歌制作のため初めて原作を読んだと言い、「夜中に読み始めたところ、あっという間に物語の世界観に引き込まれて、全巻読み終わる頃には朝を迎えていました。すべての登場人物に『生と死』『愛と憎しみ』『美しさと残酷さ』がはらんでいて、“落語”という明るいテーマとは裏腹に、巻きおこる物語の激しさに、読んでいてゾクゾクしました」と感想を述べ、「どのキャラクターも本当に個性的なので、キャストの皆さんがどのように役を演じていくのか、とても楽しみにしています」とコメント。また、「『マボロシ』を制作する上で最初に思ったことは、今までゆずが表題曲の中で表現してきたポップさだったり、前向きさだったりを手放し、新たな自分たちの表現を目指すことでした」と話す北川さん。「物語が持つ闇、その中に潜む美しさを楽曲で追い求めました。試行錯誤の末、“マボロシ”というテーマが浮かび、このキーワードと物語に背中を押され、今までのゆずにはない、切なく幻想的な楽曲に仕上がりました。また、ゆずの核である歌も、いつも以上に可能性を模索しています。新たな扉を開かせたくれたこの物語との出会いに、心から感謝しています」と話しており、ファンも必聴の楽曲になっているようだ。なお、主題歌「マボロシ」は第1回目の放送から流れる予定だ。NHKドラマ10「昭和元禄落語心中」は10月12日(金)より毎週金曜日22時~NHK総合にて放送(連続10回)。(cinemacafe.net)
2018年09月10日落語家、柳家喬太郎による新作落語の舞台化『ハンバーグができるまで』が2019年3月20(水)から24日(日)まで東京・博品館劇場で上演される事が決定した。脚本・演出は本田誠人。原作である柳家喬太郎の新作落語「ハンバーグができるまで」は、うだつの上がらない、バツイチ中年の“マモル”が主人公。マモルは商店街でその日は珍しく出来合いの弁当や惣菜ではなく、食材を買い歩くことから、商店街の面々が突拍子も無い憶測を抱き、その憶測は商店街緊急連絡網でさらにエスカレートする。これらの食材の買い物は、かつての妻“サトミ”に頼まれたもので、サトミの最後の手料理とともに訪ねて来た理由を告げられ、マモルは途方に暮れる。この原作を本田は、登場人物それぞれが、地域(商店街)が、苦悩や挫折を経て、微速ながらも前進する“再生”のドラマへと昇華する。主演であるマモル役を渋川清彦、マモルの元妻サトミ役を馬渕英里何が務めるほか、柳家喬太郎も出演。今年で結成23年を迎える劇団ペテカンがその脇をかためる。チケットの一般発売は、10月13日(土)午前10時より。なお、一般発売に先駆けて、ぴあでは最速先行予約を実施。受付は9月8日(土)昼12時より。■舞台「ハンバーグができるまで」日程:2019年3月20日(水)~24日(日)会場:博品館劇場 (東京都)原作:柳家喬太郎脚本・演出:本田誠人主演:渋川清彦出演:馬渕英里何・柳家喬太郎ペテカン大治幸雄/齋田吾朗/濱田龍司/本田誠人/羽柴真希/長峰みのり/他
2018年08月30日9月8日(土)から9日(日)にかけて放送される「FNS27時間テレビ ~にほん人は何を食べてきたのか?~」の番組「旅する落語」に「関ジャニ∞」の村上信五が登場。千原ジュニアとビートたけしの前で、初の落語に挑戦することが分かった。「旅する落語」は、自身の舞台でも落語を披露する腕前の千原さんとぶらり旅をして、そこであつめたネタを、後日自分の落語に仕上げて、スタジオで披露するという番組だ。「FNS27時間テレビ」で放送する今回は、噺家ゲストに村上さんが登場し、テーマである「食」になぞらえて、平安時代に親しまれていた「蘇(そ)」というチーズのもとになった食材を体験するところから旅はスタート。東京・大泉学園の町を千原さんと2人で歩く。実は大泉学園に通ったことがある村上さんはこまめにメモを取るなどし、ジュニアさんに「やりよった!ガリ勉出たでー」といじられつつも真面目にネタ探しにいそしんだそう。道中では、ドラマの撮影中だった村上さんの大物先輩にばったり会うなどうれしいハプニングも。そんな2人をロケの3週間半後にスタジオで待っていたのは、総合司会のたけしさん。村上さんにとって自分で落語を作るのも、テレビで披露するのももちろん初めてのことで、スタジオにはなんともいえない緊張感が走る。村上さんは、大泉学園で出会った人たちの関係性をベースに架空の人物でストーリーを展開し、ところどころに町で見つけたトピックスを盛り込んだ落語を披露する。先日行われた「FNS27時間テレビ」の記者会見で、村上さんは「スタジオ収録の時に、“ビート”が客席から聞いているわけですよ!一生に一回しかない緊張感でした。動いていないのに汗びっちょりで。どんな顔していたのかオンエアで見たくないです」とたけしさんの前で落語を披露した心境を語った。千原さんもたけしさんの前で落語を披露するのは「ペレの前でリフティングをするようなもの!」と、いまなお緊張を隠せない様子だった。果たして村上さんの初落語はたけしさんにどのように映ったのか?気になる内容は番組放送で。「旅する落語」は9月8日(土)18:30~の「FNS27時間テレビ ~にほん人は何を食べてきたのか?~」内にて放送。(text:cinemacafe.net)
2018年08月22日08年にお笑い芸人から落語家へと転身し10年を迎えた月亭方正(50)。10周年を機に『落語は素晴らしい ~噺家10年、根多〈ネタ〉が教えてくれた人生の教え~』(ヨシモトブックス)も出版。50人集めるのがやっとだった観客も、独演会で800席を満席にするほどの人気となっている。そんな方正を支えたのが、妻の存在だった。売れっ子芸人から落語家に転身するときも反対せず、収入が半減しても応援してくれた。しかし、そんな妻が怒りを露わにしたことがあったという。方正がこう振り返る。「芸人時代は僕が飲む・打つ・買うの生活に溺れていても、黙っていてくれていたんです。僕が苦しんでいると、嫁も察してくれていたみたいです。でも落語家になってから1年半は夫婦喧嘩の嵐。急に飲む・打つ・買うの生活に文句を言うようになってきて。今思うと嫁も僕のことが心配で必死だったんだと思います。本気で落語家になろうとするなら、遊ぶことなく打ち込んで欲しいと。お陰で僕も更生できましたから、本当に感謝しています」妻の叱咤は愛情の裏返しだったのだ。実際、彼女は夫へこんなサポートをしていた。「仲直りした後、将来の夢を語ったんです。『僕が落語家として大成して全国を回れるようになったとき、お前が三味線で出囃子でも弾けたら……。年を取っても、2人で全国を回れるからええな』と。すると、それをきっかけに嫁は三味線を習い始めたんです」それほど落語家への転身を応援してくれている妻。だが、方正は記者をこう言って笑わせる。「まあ、もうとっくに三味線は辞めているんですけどね。今はカードで散財が趣味ですよ(笑)」しかしその散財も、自分に対する心配がなくなったからこそだと嬉しく思っているという。「落語を始めるまで、僕はずっと何をどうすればいいのか悩み続けていました。でも落語はセンスの上に努力を乗っけることができる。この努力できることが、これまでとの大きな違いです。以前は神社で手を合わせる度に願い事が変わっていました。でも、落語を始めてからはずっと同じです。『家族が健康で幸せでありますように』ということ、そして『立派な噺家になれますように』という2つだけですよ」
2018年07月25日「昔はヒマさえあれば飲みに行っていましたけど、今は空いた時間のすべてを落語に使うようになりましたね。寝る前も常に落語のネタを呟いて、飛行機や新幹線で寝るときも絶対にそうしています。今ではそうしないと逆に寝付けなくなってしまっています」そう語るのは落語家・月亭方正(50)。売れっ子芸人としてテレビで活躍していたにもかかわらず、なぜ彼は新たな道を選んだのか。実は華やかに活躍する陰で、方正はひそかに悩みを抱えていたという。「僕がいつも求められていたのはアホとかヘタレとか、そういうネガティブなものでした。たしかに“滑り芸”や“いじめられ芸”なんて言われて人気も急上昇しましたし、収入も増えました。でも、いつも不安だったんです。自分の力じゃなく周りの方々のおかげで笑いになっているから、やっていることに自信が持てなくて。芸人として“滑り芸”なんて言われるのも不本意でしたし……。その時期は本当に精神的に不安定で。枕を濡らしたり、ひどいときは枕に向かって何度も『ウワーッ!』と叫んだりしていました」芸人としての理想像とかけ離れた現実。そんな板挟みに苦しむなか、方正は落語と出会う。「桂枝雀さん(享年59)の『高津の富』を聴いて、衝撃を受けたんです。『これや、自分が求めていたのは!』と思って、もう夢中でした。ツテを頼って、月亭八方師匠(70)を紹介していただいて。師匠の主催する勉強会の舞台にも出演する許可をもらえたんです。舞台当日までは練習漬けの毎日でした。僕、大人になってから一生懸命に何か打ち込むことができなかったんですよ。子どもならまだしも、いい大人が挫折したときのショックは半端ないですから。でも、このときは本気で落語に打ち込むことができたたんです」そうして上がった人生初の落語の舞台。終わった瞬間、観客からは拍手が巻き起こった。「あのときのことは、今でも忘れられません。もう嬉しくて。僕というより、僕の細胞が喜んでいるというか。それに自分の魂が『お前が探していたのはこれやったんやで!』と教えてくれているような気もしました」その日の打ち上げで月亭方正の名をもらい、本格的に落語家の道へ。現在は活動10周年を機に『落語は素晴らしい ~噺家10年、根多〈ネタ〉が教えてくれた人生の教え~』(ヨシモトブックス)も出版。50人集めるのがやっとだった観客も、独演会で800席を満席にするほどの人気となっている。
2018年07月25日1993年に柳家小三治に入門、2006年の真打昇進後も芸術選奨新人賞を受賞するなど、古典落語への真摯な取り組みが高い評価を得ている柳家三三。昨年は、幕末から明治期の大作『嶋鵆沖白浪(しまちどりおきつしらなみ)』を毎月2話ずつ、6か月連続上演。三三自らが古い資料にあたって復活させた口演は、落語の味わい深さを表わして大きな話題となった。「来年もぜひ“続きもの”を」との声に押され、三三が今年選んだのは、創作落語で人気の三遊亭白鳥作『任侠流れの豚次伝(にんきょうながれのぶたじでん)』。昨年とは一転して、ブタを主人公にしたコミカルな“続きもの”に挑戦する三三に話を聞いた。【チケット情報はこちら】秩父の養豚場で生まれた子ブタの豚次は、上野や大阪、名古屋、果ては鳴門海峡にも旅するなか、任侠に生きる“流れの豚次”として成長していく。牛やチャボ、猿などさまざまな動物たちと出会い、戦い、友情を誓い合う豚次の運命はいかに……!日大芸術学部出身でユニークな芸風の白鳥と、ストイックなイメージの三三との組み合わせは意外なようだが、実は二人会も催すほど親しい仲。昨年、横浜にぎわい座で三三が本作を高座にかけた際は、「ひづめの形でボクシングしたり、“ウキー”と“ブー”でケンカのシーンが続いたり」(三三)という熱演で、客席をおおいに湧かせている。今回は8月から12月の5か月間、名古屋、大阪、広島、福岡の4都市にて上演。毎月2話ずつ観ていけば、最後の12月で全10話が完結する仕掛けだ。もちろん、1回(2話分)だけ観ても充分に楽しめるのは、『雨のベルサイユ』(第四話)、『男旅牛太郎』(第六話)など、ひとクセあるタイトルを見ても明らか。「羞恥心を乗り越えるという意味で、ハードルが高い演目」と憎まれ口を叩く三三だが、それでも「この無駄な(登場人物たちの)やりとりはなんだろうと思っていても、あとからそのシーンが生きてきたりと、意外に緻密な構成になってるんですよ」と本作の魅力を語る。「本作の下敷きになっている『清水次郎長』もそうですけど、講談や浪曲などは色んな人が口演することで普遍的な演目になっていきますよね。この“豚次”も、そうなるんじゃないかなと思っています」と、本作について話す三三。「僕らにしても、名作だからやらなければいけないという気はなくて、やっぱりその噺を好きだから、やりたいから、やるんですよね。お客さんと一緒にハラハラドキドキして楽しむという意味では、古典落語も新作落語も関係ないと思うんです」と三三は言う。「自分はこういうことも出来るんだな、という“自分の武器”がまたひとつ把握できた」という本作で、三三の魅力をたっぷりと味わいたい。公演は8月8日(水)愛知・愛知県芸術劇場小ホール、8月9日(木)大阪・グランフロント大阪北館4Fナレッジシアターにて始まり、4都市で5か月にわたって開催。チケットは発売中。取材・文/佐藤さくら
2018年07月13日メイク用語は、横文字ばかりで一体どんな意味なのかわからない…。そんな方も多いのではないでしょうか?メイクが進化するにつれ、新しい言葉も次々と登場します。そのメイクの波に乗り遅れないようにするためには、まずそのメイク用語をしっかりと理解しておかなければなりません。気になるワードを集めてみました!このメイク用語、本当はどんな意味なの?出典:byBirthメイクのHOW TOで出てくるさまざまなメイク用語。なんとなく聞いたことがある言葉だけど、一体何を意味しているのかわからない!という方も多いはず。正しい知識をゲットしてメイク上手になるには、その言葉の意味をきちんと理解しておく必要がありますよね。そこで美容雑誌やメディアで最近よく登場するメイク用語の意味を解説します。ノーブル出典:byBirth“ノーブル”は「高貴な、気高い」という意味です。ノーブルメイクという言葉もよく聞くと思いますが、つまりノーブルメイクは品のある大人っぽさを兼ね備えたメイクのことを指しています。がっつりとメイクをしているわけではないのに、きちんと感が出るので、人に対して好印象を与えてくれます。ノーブルメイクのポイントはごちゃっとさせないように、極力使う色を抑えること。欲張りすぎないことが、控えめながらも美しさを存分にアピールすることにつながるのです。肌馴染みの良いベージュやピンクがノーブルメイクには欠かせないカラー。ワントーンを意識したメイクが上手にできている女性って、落ち着いた大人の余裕を感じますよね。ノーブルメイクは今旬なメイク方法でもあるので、ぜひトライしてみましょう。アンニュイ出典:byBirth“アンニュイ”な雰囲気をまとったという使われ方で耳にしたこともあると思いますが、アンニュイってつまりどういう意味?なんとなく聞き流してしまいそうになりますが、アンニュイはフランス語で「気だるそうな、退屈」という意味も持っています。つまりアンニュイな雰囲気というのは、作り込みすぎていなくてどこか儚げな女性といったイメージでしょうか。アンニュイはメイクでも取り入れられていて、その無造作な感じがミステリアスで女性の本来持つ色っぽさを引き出してくれます。眉はボサッとさせ、アイメイクは抜け感が出るようにアイラインを引かずマスカラも軽く塗る程度。全体的にツヤが出るように仕上げればアンニュイメイクの完成です。アイシャドウやチークもほんのり色づく程度でOK。もっとミステリアスさをプラスするなら、アンニュイさの中に、アクセントとなる赤リップを塗ってみるとぐっとセクシーさが出ます。絶妙なさじ加減がアンニュイメイクのポイントなのです。シアー出典:byBirth最近のコスメやメイクに多い“シアー”は、「透け感、透明感」を意味します。リップやアイシャドウでシアーな質感というのは、透明感がある薄付きタイプと思えば良いでしょう。ナチュラル傾向にある最近のメイクに、まさにぴったりな質感ということになります。何も塗らないのは野暮ったくなりますが、かといって発色が良いものは気分じゃない。そんな時にシアーなメイクがおすすめ。元々の自分の肌や唇の色を生かしてくれるので、やりすぎていないメイクが男性ウケもバッチリ。抜け感を出したければシアーコスメを使ってメイクしてみましょう。コントゥアリング出典:byBirth“コントゥアリング”とは、英語の「contour=輪郭」からきている言葉で、コントゥアリングメイクは光と影をバランス良く組み合わせたメイクのことです。海外のメイクでは定番となっているコントゥアリングメイクですが、今は日本でも定着してきているメイク方法でもあります。光と影はハイライトとシェーディングを使いますが、この2つを使うことで顔に立体感が生まれます。鼻筋やおでこ、あごなどの光を取り込んで明るく見せたい部分にはハイライトを、顔の輪郭や髪の生え際などの引き締めて見せたい部分にはシェーディングを使います。海外ではリキッドタイプを使う人が多いようですが、日本人の骨格やメイクのトレンドから考えるとパウダータイプで自然に取り入れた方が◎。イエベ・ブルベ出典:byBirth“イエベ”や“ブルベ”は肌の色味を表した言葉です。肌が黄色っぽく健康的な印象のイエローベースと、色白で透明感のあるブルーベース。ざっくり分けてこの2つのタイプに分けられます。ベースメイクをする時に、このイエベとブルベはきちんと知っておく必要があります。それは肌の色によって使うべきベースメイクアイテムやコスメの色が異なってくるからです。まずイエベさんの肌悩みとして多いのが、くすみが目立ちやすいこと。そのため顔に透明感を出してくれる色を使うと良いですね。コントロールカラーで言うなら、ブルーやパープル系などがベスト。反対にブルベの方は青白くなりがちなので不健康そうに見られることが悩み。そのためピンクのコントロールカラーで血色感をプラスしてあげましょう。それぞれ自分の肌の色を見極めて、活かせるようなメイクを目指せると良いですね。メイク用語をきちんと理解すれば美しさを作り出せる!出典:byBirthまだまだよく聞くメイク用語はたくさんあり、またこれからもどんどんと新しい言葉が生まれてくるはずです。なんとなく聞き流して知ったかするのではなく、きちんとその言葉の意味を知って自分のメイクにも活かしたいですよね!トレンドと自分らしさのあるメイクをマスターしましょう。
2018年07月08日4月27日(金)開幕の星組宝塚大劇場公演、RAKUGO MUSICAL『ANOTHER WORLD』は、落語噺「地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)」「朝友」など、死後の世界が舞台の落語噺を散りばめたユニークな作品。星組トップスター・紅ゆずるは、「キャラクターのほぼ全員が死んでいる、これまでにない世界観ですけど(笑)、とても明るい物語。“あの世”は楽しいところで、思い切り人生を全うした人間しか楽しい思いはできない、というようなものを提示したいです」と意気揚々と話す。【チケット情報はこちら】紅の役は、大坂の両替商の若旦那・康次郎。大坂の菓子屋の嬢さん・お澄(綺咲愛里)と、あの世で結ばれるかと思いきや、閻魔大王がお澄に惚れて康次郎ひとりに地獄行きの沙汰を下す。「上方のはんなりとした二枚目の役なので、礼 真琴が演じる江戸の二枚目との対比を見せていきたいです。どんどん仲間が増えていくのですが、今回はみんなに役の特徴的なものを出してもらい、私が周りに踊らされるようにしたいです」。組子たちの成長を温かい目で見守りつつ、コメディセンスの新たな面に磨きをかける。今作は落語が題材の作品を発表してきた演出家・谷正純の新作。「谷先生がずっと温めてこられた作品なので、絶対に成功させたいです」。役作りのため寄席にも足を運び、落語の面白さを研究した。「人情ものなので役として一本通ってないといけない。人形浄瑠璃の振付になっている『崇徳院』の場面も、注目していただきたいです。私は全場出演、早替わりが多く息つく間もないのですが、お客様に『いい物語だったね』とほのぼのとしてもらえたらと思います」同時上演のタカラヅカ・ワンダーステージ『Killer Rouge(キラー ルージュ)』は、紅の多彩な魅力に迫るショーで、10月開幕の台湾公演でも上演される。熱狂的に迎えられた2013年の台湾公演以来、台湾で写真集を撮影するなどこの地を愛してきた紅にとって夢の舞台に。「台湾公演で主演とは、本当に嬉しいです。先日制作発表で伺った時、朝ウォーキングをしていたら横を宝塚歌劇のラッピングバスが通り、『すごいな』と思いました」と笑顔。「とにかく“押せ押せ”の激しいショーですが、全場面で印象を変えたいですね」。今作がお披露目公演の第104期初舞台生を、紅の初舞台作品『LUCKY STAR!』のように、トップスターが紹介する粋な演出もあるという。「私も当時とても嬉しかったので、特別な気持ちで紹介したいです!」。ハートに溢れた紅ならではの舞台が繰り広げられるだろう。公演は4月27日(金)から6月4日(月)まで、兵庫・宝塚大劇場。6月22日(金)から7月22日(日)まで、東京・東京宝塚劇場にて。兵庫公演のチケットは発売中。取材・文:小野寺亜紀
2018年04月27日独演会には老若男女が訪れ、チケットは入手困難。そんな大人気の実力派落語家・春風亭一之輔さんが、初のエッセイ集、『いちのすけのまくら』を上梓。落語が一級品なら、文章を書かせても一級品でした。子どもが僕に、「このまま伸びていってもらいたい」と言うんです。――2男、1女のお父さんでもいらっしゃいますよね。お子さんたちもエッセイを読みますか。一之輔 :いま、小学6年、3年、1年です。上の子なんか「へえ」とか言いながら読んでますね。たまに「ここウソじゃん」とかツッコむんですよ。いいだろ、そのまま書いたら面白くないんだ、脚色はあっていいんだって言い張ってます。――お子さんたちに、高座を見せたりもするんですか。一之輔:たまに連れていきます。感想を聞くと、「いいんじゃないですかねぇ、まっすぐ伸びていってもらいたいです」って言う(笑)。――お子さんが、飄々としていて頼もしいですよね。一之輔さんがうっかり準備し忘れていた年賀状の文面を、しらっと息子さんに書かせた「年賀状」の回は、読んで噴き出してしまいました。一之輔:息子が〈ことしもいちのすけをよろしくおねがいします〉って書き添えた話ね。あれは楽でした。でも、早く大きくなってもらいたい。「可愛さ」と「手が掛かる」を天秤にかけると、まだまだ大変ですからね。――一之輔さんの「初天神」を見たことがあるんです。何も買わないよと出かけたお祭りで、息子の金坊がお父っつぁんに、あの手この手でおねだりする話ですね。あの噺の中で、一之輔さんがやる金坊の表情がすごくイキイキしていたというか。お子さんたちの表情を参考にしたりするんですか。一之輔:こういう顔をするのか、と観察はしますね。子どもっていつもテンション高いかといえば、そうでもない。意外と冷めていたり。子どもの表情は間口が広いです。実際、表情とかを鏡を見て練習したりは僕はしないですからね。セリフの調子に、自然と表情もついていけばいいかなと思ってます。――落語は声の芸でもあります。一之輔:声の良さ、抑揚、ハリ、艶、リズム感とか、稽古でプラスアルファも出せるけれど、やっぱりアスリートみたいに、持って生まれたものは大きいです。――単純計算で休みなしに1日2.5回高座に上がっている計算なんですが、ご自身でも、最近ノッてるなあ、なんかスランプだなあとかあるんですか。一之輔:調子がいい悪いはありますよ、多少は。サイコーって日はないけど、お客さんに乗せられるときもあるし、30分なら30分、やりながら調整していく感じです。――そういうところもスポーツみたいですね。一之輔:僕は最初はテンション低いんです。だらーっと入っていくんです。いつも通りの感じで高座にも上がって、そのまましゃべり始めますね。落語って、おしゃべりですから。芝居の発表会みたいに、稽古してきたものをどーんと観客にぶつけるというより、「どうだい?」ってふつうの会話みたいに話しかける。で、自然に古典のネタに入っていくというのがいちばんいいのかなと。しゅんぷうてい・いちのすけ1978年1月28日生まれ、千葉県野田市出身。2001年、日本大学藝術学部卒業後、春風亭一朝に入門。NHK新人演芸大賞、文化庁芸術祭新人賞、国立演芸場花形演芸大賞など数々の受賞歴あり。年間900席を超える高座に出ている。『週刊朝日』で連載中のコラムが書籍化。執筆ツールは、現在、ガラケーから自慢のガラホに移行。連載から選りすぐった100本のコラムを、テーマ別にカテゴライズ。最終章には、落語好きで知られる俳優・東出昌大さんとの対談も収録されている。読むマクラともいえる味わい深さを体験して。『いちのすけのまくら』朝日新聞出版1500円※『anan』2018年3月14日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2018年03月11日■男の世界である落語界に、ひとりで飛び込んだ女子高生この世界を志したのは女子高生のとき。テレビで見た笑福亭仁鶴さんの落語がきっかけだった。「仁鶴師匠の落語、とにかく面白くて引きこまれました。それまで落語を聞いたことがありませんでしたが、『やってみたい!』という思いひとつでした」と都さんは語る。それから必死にネタを覚えて、テレビ番組『素人名人会』で落語を披露し、好評を博す。そのとき審査員をしていた落語家・露の五郎(後の露の五郎兵衛)さんに弟子入りを志願した。しかし、その答えは――。「『アカン!』とバッサリ、断られました。それでも半年間通い続けました。師匠のお着物をたたんだり、履物を出したり。やっと入門を許可されたのが、高校卒業直前の3月のことでした」■「女の落語は気持ち悪い」と言われることも入門するまでは女性の落語家はひとりもいない。本当に男だけの世界だった。そんな環境の中での入門は、非常に勇気がいるはずだ。「当時の私は女子高生。なにも知らずに飛び込みました。なにも知らないからこそ、ここまでやってこれたんだと思います。落語は男のもの。女の落語はどうしてダメなのか?それを知っていたら、きっとチャレンジできなかったはず。お客さんに『気持ち悪い』なんて言われたこともあります。でも、なにを言われても気にする暇がありませんでした。修行中は本当に忙しかったので」一晩寝たら忘れる“気楽な性格”なところもよかったのかな、と笑顔で振り返る都さん。女流落語家として活躍する今でも「落語は男のもの」という気持ちを忘れていないという。「今でも、落語は男のものだと思っています。私には女の弟子もいますが、男社会で生きていること、落語は男のものだと忘れるなと教えています。女が落語をやると、声の作り方やしゃべり方など、できるようになるまで時間がかかります。男性は、アマチュアでもすぐに落語らしくなる。それは男と女が持っているものの違いかな、と思います」■一流の仕事に、男も女も関係ない男社会を生き抜いてきた都さんに、同じように働く女性へのアドバイスを求めてみた。「仕事をする上で、私は男か女かは気にしていません。露の都というひとりの落語家であること、ただそれだけ。やるべきことをしっかりやって、仕事の内容がどれだけできるかが評価される世界ですから。風当たりが強かったとしても、結果を出してやりつづけること。これが大切ですね」また女性だからこその“決め事”があるという。「女だからこそ、舞台衣装の着物や化粧にはお金をかけています。ちょっといい着物を着て、メイクをしっかりすると、スイッチがONになる。背筋が伸びて、気合が入り、いい仕事ができます」ポイントは、「買えなくもないけど、ちょっと高い」と悩んでしまうものを、エイッ!と買うことだという。分相応の中で、ちょっとだけ背伸びをすること。そうすると気合が入って、心の底からエネルギーが沸いてくるのだとか。「お金をかける物は、人によって違っていい。ファッションでも、小物でも、レストランでも、自分の気分が上がる体験を探してみて」と都さんは語る。■悩まないコツは、自分が「無」になれる時間を作ること厳しい伝統芸能の世界にいながらも、「やめようと思ったことは一度もない」という。“一晩寝たらすべて忘れる”という気楽さを持ち合わせる彼女に、悩みに溺れないコツを聞いてみた。「時間があると余計な事を考えてしまいます。私は今まで修行や、仕事と家庭の両立など、悩む暇がないほど忙しかった。だから悩みがちな人は、趣味や勉強、好きなことに没頭すると良いのでは。ランニングでも、仏像を彫ることでもいい。とにかく『無』になれる時間を作るのが大切。ちなみに弱っているときは、男に救いを求めないこと。そういう時に限って変な男が寄ってきますからね……!」たしかに、女が弱っている時に変な男に引っかかりやすいのは、この世の法則なのかも?現在複数の弟子を抱える都さん。時にやさしいお母さんのような語り口でインタビューに答えてくれた。ちなみに女性の新しい趣味として、落語鑑賞もオススメだという。「テレビなど画面を通してではなく、ぜひ寄席に来て、生の笑いの空気を味わってほしい」とのことだ。取材協力/露の都
2018年01月24日落語家・三遊亭圓朝の長編人情噺を原作にした芝居噺『名人長二』が5月25日に開幕。本作は、小泉今日子が仲間と共に立ち上げたプロジェクト「明後日プロデュース」の第二弾公演。小泉が舞台初演出を手掛けた『日の本一の大悪党』に続く作品で、今作は俳優として活躍する豊原功補が企画・脚本・演出・主演の4役に挑む。その稽古場に潜入した。芝居噺『名人長二』チケット情報『名人長二』は、「死神」などでも知られる三遊亭圓朝による落語速記(口演を文章化したもの)。フランスの小説家ギ・ド・モーパッサンの短編小説「親殺し」をもとに、近所に住んでいたという指物師(箪笥や箱などを作る職人)長二郎をモデルにして新聞連載として発表した。圓朝自ら高座へあげたことはなく、古今亭志ん生ほか数人しか手を付けていないため、落語ファンでも未体験の人が多い演目だ。出演者は、豊原のほか高橋惠子、山本亨、森岡龍、モロ師岡、梅沢昌代、花王おさむ、菊池均也、神農直隆、岩田和浩、牧野莉佳という重厚感のある顔ぶれ。稽古開始前の時間。豊原は舞台上に作られた高座でまくら(本題への導入となる小噺)を練習していた。今の状況を落語風に話してみたりと、豊原の落語愛が伝わってくる。そして始まった稽古。まずは代役を立て、演出家として見ていく豊原。芝居全体はもちろんだが、例えばボケツッコミの間合いのよさ、鼻歌ひとつで伝わる登場人物の性格など、“落語の面白さ”とも言える部分に徹底的にこだわりながら場面をつくりあげていく。そうやってシーンを何度か繰り返した後、豊原が役者として参加。そうすると空気が締まり、シーンがよりクリアに見えたのは印象的だった。また、舞台初出演の森岡のダメ出しにこたえる姿にも真摯さが滲み、本番への期待につながった。落語ならではの短いテンポで変わっていく場面は、大掛かりなセット転換ではなく、シンプルに小さなワゴンの移動や組み合わせで表現される。冒頭で、噺家が語り描く世界がワゴンの移動によってするりと“演劇”に転換された様子に、落語が始まるまさにその瞬間のグッと引き込まれ目の前に世界が広がる感覚を味わえた。そのほかにも、小道具が手ぬぐいと扇子で表現されていたり、三味線の生演奏が入るなど、落語の香りを濃厚に漂わせながら、生身の人間が演じる演劇ならではの広がりを感じさせる本作。稽古を見ていると『名人長二』の面白さを知り、落語でも体験したくなった。落語好きは演劇の、演劇好きは落語の魅力を体感できる作品になりそうだ。公演は6月4日(日)まで東京・紀伊國屋ホールにて。取材・文:中川實穗
2017年05月26日落語の伝統を守る一方で、独演会ではさまざまな挑戦を続けている柳家三三。昨年は文化庁芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞するなど、その活躍がいっそう注目されるなか、六ヶ月連続独演会〈たびちどり〉で挑む演目が、大作『嶋鵆沖白浪(しまちどりおきつしらなみ)』だ。幕末から明治期に活躍した柳派の談洲楼燕枝(だんしゅうろう・えんし)が創作した長編人情噺を、毎回2話ずつ高座に上げ、全12話を通すという試み。長らく演じ手が途絶えていたという本作への想いを、三三に聞いた。たびちどり 柳家三三 六ヶ月連続独演会チケット情報大商人の跡取りでありながら侠客となった“佐原の喜三郎”。物語は彼と、やはり裕福な家の娘ながら芸者から遊女へ身をやつすお虎の運命を軸に、巾着切りの庄吉や、なまぐさ坊主の玄若、三宅島に流された罪人の長・勝五郎、旗本の優男・梅津長門ら多彩な人物を巻き込んで展開する。「人情噺というと泣ける話をイメージするかもしれませんが、元々は広い意味で人情の機微を描いた話のことなんですよ」と三三は言う。「燕枝は九代目市川団十郎と親交が深かったこともあり、この作品も“白浪物”(盗賊を主人公とする物語)や“三尺物”(博徒や侠客が主人公)、“世話物”(町人の人情を活写した芝居)と、色々な要素がたっぷり詰まっているんです」と、その口調にも自然と熱がこもる。今回はこの大作を12話に分け、三三自ら再構成。「怪僧玄若坊」「闇の島脱け」「お虎の美人局」など、内容に合わせて付けられたタイトルは、どれもワクワクするものばかりだ。「本当にね、なぜこの演目が長い間忘れ去られていたのか不思議なくらい」と三三は話しつつ、「ただ、長編だけにダイナミックな場面と地味な場面とがありますから、そこは1話ずつ観ても楽しめるように調整しました。あとは、初見でも、途中の回を観ていなくても内容が分かるように、前回までのあらすじは読み物で配る予定です」と“続き物”ならではの工夫を明かす。そんな苦労もいとわないのは、落語のもつ豊かな世界をもっと知ってもらいたいから。「燕枝が活躍した当時は町内に1軒ずつくらい寄席があって、人々は晩ご飯を終えた後、ちょうどテレビを観てくつろぐ感覚で寄席に足を運んだそうですよ」と三三は語る。「だから『あの寄席で面白い“続き物”をやってるぞ』と評判になると、その寄席によその町からわーっとお客さんが集まったりしてね。艶のある場面にドキドキしたり、切った張ったの立ち回りにハラハラしたり。そういった楽しさを、現代のお客さんにどうやったら届けられるか。それだけを考えて演りたいですね」という三三。その言葉からは、名作を伝える演じ手としての覚悟が伝わってきた。公演は愛知・大須演芸場と大阪・グランフロント大阪にて、5月から10月まで毎月1回ずつ開催。チケット発売中。取材・文佐藤さくら
2017年05月08日江戸時代の誕生以来幾度目か分からぬ落語ブーム到来!数百年続いてきた歴史ある話芸を、観光案内で楽しめる贅沢クルーズがあるらしい?『落語家と行くなにわ探検クルーズ』を満喫してきた! 人間は、広い世界のほんの一部で生きている。全てを知ることはできない。世界のどこかには、自分の知らない何かを熱狂的に愛してる人がいる。研究する人がいる。そんな人が集まると、小さなブームになる。誰かの世界を、少しだけ覗いてみちゃおう。それが「うさこの覗いた世界」なのだ……! 古典芸能に疎いわたしのところまで落語のニュースが届くようになって久しい。江戸時代に生まれ、伝統的な話芸として確立した「落語」。最近では話題に取り上げられることもまた増え、老若男女が寄席に足を運ぶらしい。 「落語」……。めっちゃ気になるけど落語研究会に入っていた友人の発表会でしか落語に触れたことがないわたしにとって、寄席は想像つかない世界すぎてちょっと緊張する。そんな時に出会ったのが『落語家と行くなにわ探検クルーズ』だった!それはクルーズ船に乗って話のプロである落語家さんに大阪を案内してもらうというもの。観光もできて落語の世界にも触れることができる一度に二度おいしいクルーズだ。これだー!!これなら初心者でも気兼ねなく落語を味わえる気がする!!!わたしはいざ、乗り場である「湊町船着場」へ向かった。 JR難波駅から徒歩約5分。 川の上でゆらゆら揺れるチケット売り場で受付を済ませ、乗る船を待つ。現れた船体にわたしは思わず目を見張った。 平べったい!!! かつ超ポップ!!!そして落語家さん登場。 この日の落語家さんは桂ひろばさんだ。晴れ渡る空、黄色いクルーズ、青い着物の落語家さん、鮮やかに条件は揃った……!「よろしくお願いします」とご挨拶し、気分上々で乗り込んだ。 大きな窓からは外が広々見渡せる。テーブルの上には事前に注文しておいたお弁当もセット。 たこ焼きや串カツと言った大阪感溢れるものなどいろんなものが楽しめる船の上限定の「なにわ水都御膳」。船内ではお酒なども注文可能で、グループで盛り上がるのにも絶好のロケーションだ。快適すぎる環境が整ったところでクルーズが動き出す。いよいよ落語家さんと探検開始だ! まずはひろばさんの自己紹介から始まった。「落語を聞いたことはありますか?」と問いかけると、手を挙げる人もちらほら。 とはいえわたしを含め、落語を聞いたことがない人も多いようだ。「落語家は師匠から名前をもらいます。僕は“ひろば”という名前をいただいたんですが、それまで候補が4つありました。ひとつがふろば、ふたつめがこのひろば、大阪ですからなんば、そして4つめがはかば」全く知らない落語の世界を、覗き見させてもらうような気持ちになる。 その間も、船は自転車ほどの速度で進んでいった。「この船は“ほたる”って言います。なんでこんなに平べったいのかというと、大阪は地盤沈下で土地が低く、逆に水面は上がったので水面と橋の間が狭いんです」 確かにこの低さ……!言われてみればあっちの橋もこっちの橋も水面と橋の距離が異様に短い。 橋の下から天井ガラスを見上げれば、橋の裏が間近に見える。 橋マニアがいたら垂涎ものの鉄骨! 水都大阪とは言われるが、橋の数としては東京や神戸に負けると言う。「市内の橋の数が881本。東京はなんぼあると思います?1,000本?それがね、3,800本ある。大阪より全然多いでしょ。でも大阪は、町の面積に対する橋の面積が日本一なんです」普通の大阪観光では知ることのないマニアックな情報を軽快なトークで次から次へと過剰摂取できる。とびきり低い橋をくぐる時には「低い橋が多すぎて船長さんの腕が試されるんですよ」の声と共に、どこからか流れ出すタイタニックのサウンド・トラック……。いや!それ!沈んでまうやろが!!!全力でツッコみたい気持ちを喚起させられるのはもう、このクルーズのこってり大阪ワールドに染まってしまっているかもしれない。 船は時折、窓も天井もオープンになる。 クリアな視界。風も気持ちいい。しかしこれは油圧ポンプによって船を沈めることで客室を押し上げており、この状態でいると低い橋と激突するためつかの間の解放感なのである……!ずっとオープンじゃないからこそ、穏やかな室内と爽やかなオープンの緩急があるのもいい。 ほとんどの橋の上には川を眺めるおっちゃんが。こうやって手を振ってコミュニケーションを取れるのも、「大阪観光」の極意だ。 行きは左右にある建物やそれにちなんだ歴史・ストーリーに終始したが、帰りは乗客みんなで大喜利を体験しようというプチ・落語体験が始まった。順番が回ってくるまでに、面白い回答を考える。なんて発想力やスピードを要するんだ……!実際やってみることで、笑ってもらうことの難しさを思い知ったし面白くないことを言っても、面白くしてくれる落語家さんのパワーも目の当たりにした。ここにその時のやりとりを書いても悲しいかな絶対面白くないので、そこはぜひ体験して笑い転げてほしいところだ……! 10年以上探検クルーズで案内をしているというひろばさん、「お客さんがフランス人ひとりだったとき」という困難も乗り越えて今こんなに充実した90分を提供してくれる。 もっと落語家さんの本業を見たい……!そう思ったわたしは「次は寄席へ行こう」と心に決め、探検クルーズを後にしたのだった。 『落語家と行くなにわ探検クルーズ』乗船料金:3,000円(大人)3月25日~4月9日は桜の名所へコースを延長して、120分3,500円お弁当「なにわ水都御膳」1,800円(2日前までに要予約)
2017年03月15日生の落語をもっと手軽に国民的長寿番組の「笑点」やTVアニメの「昭和元禄落語心中」など、今、日本の落語文化に改めて注目が集まっています。とはいえ…落語は敷居が高い、と思っていませんか?そんな落語をもっと手軽に、身近なものとして楽しむことが出来るのが、神保町にある「らくごカフェ」です。「神保古書センター」5階にあるため、カフェ以外にも落語に関する書籍やCD、DVD、扇子などのアイテムが豊富に揃っています。また、都内近郊で開催される落語関連のイベント情報も手に入れることが出来ますよ。各落語家さんの貴重な展示物や、カフェの天井にディスプレイされている手ぬぐいなど、上から下まで見逃せません。お店では毎週火曜日に「らくごカフェに火曜会」が開催されており、お手軽価格で(予約をしておけば、ワンドリンク付きで1800円・会によって異なる場合あり)生の落語を聞くことが出来るのです!人気の会は売り切れますので、ご予約はお早めに!それ以外でも頻繁に、落語に関する様々なイベントが開催されています。駅チカなので利便性抜群!「らくごカフェ」は、千代田区神田神保町にあります。電車の場合最寄り駅は東京メトロ半蔵門線と、都営三田線、新宿線の「神保町駅」です。A6出口を出て靖国通りを九段下駅方面へ歩きましょう。カレー店「ボンディ」が入っているビルの5階です。なお、夜は正面入口が閉まってしまうので、店内へは一本裏道に入り、裏口から入りましょう。駅から歩いて1分程度の道のりなので、すぐにたどり着けると思いますよ。車の場合「神保町駅」を目指しましょう。首都高速5号池袋線の「西神田」が最も近い出口かと思います。「西神田」からの場合は、靖国通りを神保町駅方面へ進み「神保町」交差点の手前、右側にある建物です。なお、反対車線になるかと思いますので通り過ぎないように気をつけましょう。駐車場はありませんので、近隣のコインパーキングをご利用ください。営業時間案内「らくごカフェ」の営業時間は、下記の通りです。“カフェ営業:月~金12時~18時(落語会で貸切の場合あり)年末等を除き、毎週火曜日19時半より定例会「らくごカフェに火曜会」開催中!定休日不定休(落語会の予定があるときは会場として夜間、土・日・祝日も開店)”出典:喫茶店としても利用したい空間平日の昼間はカフェとして営業しているので、少し時間があいた時など、気軽に利用することが出来ます。オススメは、「中国工芸茶」(各700円・お茶菓子付き)。ジャスミンや白茶、紅茶などがあり、グラスポットの中では美しい花が咲いている様子を見ることが出来ます。このメニューは、若手落語家さんの才能が「花開く」ことを意味しているそうですよ。なお、お湯のおかわりは無料ですので、ゆっくり楽しむことが出来ますね。他にも、コーヒーやソフトドリンク、ホットサンド等があります。落語に参加するには公式ブログでスケジュールを確認しましょう。人気の会は完売しますのでお早めに。申込みは、メール・電話で受け付けています。5日以上過ぎても返信がない場合は、メールが届いていない可能性がありますので、電話をかけてみてくださいね。メールには、「希望の落語会と日付」「名前(フルネーム)」「連絡先(携帯電話等)」「必要枚数」を記載しましょう。なお当日の予約は平日のみ18時まで受け付けています。“特記していない場合、ご予約はらくごカフェまでお願いいたします。rakugocafe@hotmail.co.jp電話:03-6268-9818(平日12時~18時)※定員50名(予約で満席の場合は、当日お席をご用意できない場合がございます)”出典:流水文様をあしらった可愛いカップを片手に、仕事終わりのひととき、本物の落語を聞いてみてはいかがでしょうか。スポット情報店名らくごカフェ TEL・予約03-6268-9818 住所東京都千代田区神田神保町2-3神田古書センター5F アクセス都営三田線・都営新宿線・半蔵門線神保町駅A6出口より徒歩1分営業時間月〜金 12時〜18時(落語会で貸し切りの場合あり)定休日不定休(落語会の予定があるときは会場として夜間、土日祝日も開店)URL
2017年02月20日三遊亭円丈が1970~1980年代、文化の発信地「渋谷ジァン・ジァン」で定期的に開催し、様々な落語家が奔放な新作を生み出した「実験落語」の会。この伝説の会は昨年、「実験落語neo」として復活し、円丈を中心にバラエティ豊かな噺家や芸人が参加している。その第4弾、『実験落語neo~シブヤ炎上するかも~』が開催に。円丈の弟子であり、第1弾からロビーでウエルカム落語を披露し、トークコーナーでMCも務めている三遊亭はらしょうに、会の魅力を聞いた。【チケット情報はこちら】「実験落語neoが普通の落語会と違うのは、全体のテーマがはっきりしている点。会場のCBGKシブゲキ!!が演劇の小屋でもあるので、構成台本に基づき、美術や照明や音響などもきちんと作った中で進行しています。統一された空間だからこそ、誰にでもわかるよう笑いを薄めるのではなく、濃い原液をぼとっと落として楽しんでもらうという、円丈師匠がやってきた“実験落語イズム”が成立するのだと思います」円丈以外の出演者は回によって様々。今回の演者達は、どのようにこの“実験落語イズム”を体現するのだろうか?「立川左談次師匠は不思議な色っぽさがあって、江戸の落語家という雰囲気。とても粋な方です。橘家文蔵師匠は“無頼派”。古典落語の巧さ、迫力たるや、すごいのですが、今回なさるのは古典ではなく新作落語。なかなか聴けませんよね。春風亭百栄師匠はNYで鮨屋をされていた方なので、変わったネタが多い。ご本人とは違うキャラでの、メタ構造的な落語もなさいます。松尾貴史さんは、中島らもさんの新作落語のネタをお持ちで、その中の1本を披露されるとか。らもさんの落語は面白いのに意外と上演されていないので、今回、松尾さんがどう表現されるのか楽しみです。皆さん、個性的な方々で、すごくバランスがいいですよね。MC、緊張します(笑)」もともと一人芝居をしていたはらしょうは、高座で見た円丈の姿に魅了され、弟子入りした。演劇青年を落語に引き込んだ、円丈の魅力とは。「落語は掛け合いが多いですが、円丈師匠の場合、モノローグ的、一人芝居的なんです。柳家小ゑん師匠の原作を円丈が作り直した『新ぐつぐつ』という噺があって、円丈はおでんの具の中の竹輪を演じるんですが、その演技にすごく力が入っていて、着ぐるみも何もないのに、次第に師匠が竹輪に見えてくるんですよ!俺がやりたかったのはこういうことだったんだ、と思いました。弟子として見ていて感じるのは、師匠が自分の面白さに気づいていないということ。常に自分はダメだと思っていて、だからこそすぐ新ネタを作る。最近はネタが覚えられないとぼやいていますが、実験落語neoでもぜひネタおろしをしてほしいですね」かつて、路上パフォーマンスでも腕を磨いたはらしょうならではのウエルカム落語(今回はどこから聞いても楽しめるよう、全編、漫談にするという)を含め、多士済々の演者達による、実験落語独自の空気感を味わいたい。公演は2月6日(月)東京・CBGKシブゲキ!! にて。チケット発売中。取材・文:高橋彩子
2017年01月12日2017年2月6日(月)東京・渋谷のCBGKシブゲキ!!にて、『実験落語neo~シブヤ炎上するかも~』の上演が決定した。かつて、渋谷ジァンジァンで毎月開催されていた、三遊亭円丈主催の新作落語の会『実験落語』が、2016年6月に同じ渋谷の地、CBGKシブゲキ!!で復活を果たし、今回第4弾を迎える。復活後のタイトルは『実験落語neo』サブタイトルは必ず「シブヤ炎上」と入っており、その名通り、これまでの3回も見事な炎上ぶりだった。6月開催の第一回には、林家しん平、ダンカン、清水宏、神田松之丞。8月開催の第二回には、柳家小ゑん、柳家喬太郎、立川吉笑、桂三度。10月開催の第三回には、川柳川柳、夢月亭清麿、立川談笑、石田明(NON STYLE)、と、異種格闘技戦のようなメンバーが円丈の元に集い、会場を沸かせた。年を明けての第4回も豪華だ。円丈に加え、かつて実験落語メンバーであった立川左談次、先日の襲名披露公演も大盛況で、古典落語の名手であり新作落語はほとんどやらない橘家文蔵、独特の空気で客席を笑いの渦に巻き込む新作落語の担い手・春風亭百栄、そして、俳優・ナレーター・折り紙作家など多彩な顔を持つ松尾貴史の出演が決定。実験的な顔合わせ、今回も炎上まったなしだ!公演は2017年2月6日(月)東京・渋谷のCBGKシブゲキ!!にて。チケットは2017年1月7日(土)午前10時より発売。
2016年12月06日歌手の桑田佳祐が、12月1日に放送されるNHKの音楽番組『SONGS』(毎週木曜22:50~23:15)で、落語に初挑戦する。今回、桑田は落語家になりきり、「波乗亭米祐(なみのりていべいすけ)」という高座名で登場。紋付袴姿で、「あなたへの手紙」と題した創作落語で、曲にまつわる小噺を披露する。ファンの間からは落語好きとして知られる桑田は、以前から「いつか落語をやってみたい」とスタッフに相談していたことから実現。随所にアドリブも散りばめて、初挑戦とは思えないさすがのパフォーマンスを終えると、スタッフからは大きな拍手が巻き起こった。この日の放送では新曲も披露し、言葉遊び満載の曲から、哀愁のある曲まで、全く違う世界観の4曲をフルサイズで演奏。このうち2曲は、初披露となる。
2016年11月23日古典落語を若手実力派の役者が二人一組で見せる“掛け合い落語”で人気のシリーズ『ハンサム落語 第八幕』の大阪公演が11月11日(金)から13日(日)まで、テイジンホールにて上演される。ハンサム落語 第八幕 チケット情報2013年の初演より、古典落語の世界に触れ、日本文化の良さを再認識できると評判の本作は、今回が八幕目。毎公演組み合わせを変えながら上演するのが特徴で、お馴染みのメンバーから新メンバーまで、組み合わせによって変わる掛け合い落語ならではの熱いステージが繰り広げられる。大阪公演の出演キャストは、小笠原健、碕 理人、西山丈也、林 明寛、平野 良、宮下雄也、吉田友一、米原幸佑の8名。初出演となる小笠原は「先輩たちと楽しみながらもしっかり結果を残し、次回以降も呼んでいただけるように頑張りたい」と語り、最年少の碕は「前回初めて参加させていただいて、今回は平野君以外初めての組み合わせばかり。最年少ながら頑張りたいと思います」とコメント。同じく前回から参加の西山は「一部の共演者から“お前はハンサムなのか?”という声がありましたが、出演させていただけることになりました(笑)。皆さん応援よろしくお願いします!」と語り、林は「今回は大先輩との組み合わせがあり、小笠原健という刺客も来ました。頑張ります!」と意気込む。さらに、ベテラン勢の平野が「今回もいろんなケミストリーが起こることを期待しています。第八幕まで続けてこられたのは、その場でしか作れない空間というものを大切にしてきた結果だと思う。これからもどんどん続けていきたい演目なので、楽しい空間を作っていい舞台にしたい」と語り、宮下も「今回は久々に吉田友一さんが戻ってきたことに僕はジャンプして喜びました。実際の落語でも、噺家さんによって話され方が異なるように、『ハンサム落語』も組み合わせによって全然違う色になる。これからも続けられるよう誠心誠意頑張りたいと思います」とアピール。第五幕以来の参加となる吉田は「組手によっていろんなことが巻き起こる、予想しがたい落語会。落語の掟で振舞って、芝居の自由さで遊ぶことができるステージなので、大阪まで精一杯楽しみたい」と力を込めた。また、11月10日(木)19時からは、タワーレコード難波店の5階イベントスペースにて、平野と米原による「トーク&ブロマイドお渡し会」を開催。こちらもぜひ参加を。取材・文:黒石悦子
2016年11月07日新作落語の旗手として落語界を牽引し、今やカリスマ的存在となっている三遊亭円丈。彼が70~80年代、渋谷ジァンジァンで定期的に主催していた「実験落語」の会が、今年6月に「実験落語neo」としてCBGKシブゲキ!!にて復活し、8月の第2弾を経て、早くも10月4日(火)、第3弾が開催に。円丈はもちろん、かつての実験落語に登場した夢月亭清麿や川柳川柳、そして「ニューカマー」の立川談笑とNON STYLE石田明が出演する。CBGKシブゲキ!!『実験落語neo~シブヤ炎上またもや~』チケット情報「公園通りにあったジァンジァンは、オーナーが20世紀中に閉めると言って、2000年に終わったんですが、道玄坂のCBGKシブゲキ!!には“古巣”みたいな感覚を覚えますね。渋谷の匂いがするし、ジァンジァンと同じように真っ暗で、高座が黒い台になっていて。とてもやりやすくてほっとします」と、円丈は語る。ジァンジァンでの実験落語は1986年に終止符が打たれ、その後は「応用落語」「放送禁止落語会」と名前を変えながら2000年まで続いた。「実験という名を一度止めたのは、“文化包丁の『文化』みたいなものだろう?”と言われたから。それで始めた応用落語の出演者の中から、SWA(創作話芸アソシエーションの略。メンバーは林家彦いち、三遊亭白鳥、春風亭昇太、柳家喬太郎)も生まれました。今回は、 “実験落語”の間に『neo』が加わることによって実験の意味が変わり、21世紀の実験になっていると思います」円丈は実験落語neoの第1弾で「悲しみは埼玉に向けて」、第2弾では「ランボー 怒りの脱出」と、自身の名作を披露し、場内を大いに沸かせた。「『悲しみは埼玉に向けて』なんて30数年前とほとんど変わっていないけれど、かつて以上に笑いを取った気もしますから、何をもって新しい、古いと言うのかわかりませんよね。昔はプロレス仕立てにするなど、こういう噺はまずないだろう、というものを作っていましたが、最近は奇をてらわないネタのほうが好きなんです」自著『ろんだいえん』に、新しい落語を作るため、従来の落語を「破壊」したと書いた円丈。そして今、彼が切り開いた世界には多種多様な落語が花開き、プロアマ問わず多くの人材が高座に上がっている。「現代はボーダーレスの時代。噺家が座布団に座って芸をやり、ある感動を与えれば、落語なんだと思います。最後に判定するのはお客さんだから、もしアマチュアが天下を取ればそれが落語。でもそうはならない。そこですよね。プロとアマとでは回数が違う。僕も50年やっていますから、その回数はなかなか追い越せないでしょう。どれだけシラケたか、といった経験も踏まえて、ここはこういうお客さんだからこうだろうかと探りながら、自分が目指す落語のラインに持っていく。僕は一度作ってからもギャグをどんどん入れ替えていくのですが、この歳になると、変わったこと自体も記憶していない時があるからマズいんだけど(笑)、会全体に新しい楽しさがあるし、お客さんにも“来てよかった”“面白い”と思ってもらいたいですね」取材・文:高橋彩子
2016年09月29日昨年話題となったタモリ氏原案の「山名屋浦里」を磨き上げ、今年も落語家・笑福亭鶴瓶が独演会の舞台に立つ。江戸時代の吉原を舞台とする、人気ナンバー1花魁と実直な武士との人情噺だが、昨年演じたものには「なにかが足りなかった」と笑福亭鶴瓶は言う。JRA笑福亭鶴瓶落語会 チケット情報「僕、遅刻をするのが嫌いなのに、今日の現場では遅れてしまったんです。というのも、飛行機に乗っていたら『山名屋浦里』のある場面の言葉が降りてきまして。ちょうど、飛行機も空港へ降りようとしていて、でも、座席前のテーブルをおろしてメモしていたから、客室乗務員の方には注意されながら『ごめんなさい。あとちょっとだけ』言うて(笑)。そのメモをちゃんと清書したくて、今日の入り時間に遅れてしまったんですけど、この噺には、浦里という花魁が酒井という武士を助ける場面がある。でも、昨年の噺を聞いてくれた人のなかには、なぜ彼女が酒井を助けるのかがよくわからないという意見があったんですね。聞いた人それぞれで想像するのが落語のおもしろさなのにとも思ったんですけど、なにかが足りないのかもしれないと自分のなかで宿題にしていたものでした」笑福亭鶴瓶は、テレビの視聴者も落語の観客も突き放さない。徹底的に寄り添う。では、『山名屋浦里』で付け加えられた描写とはなにか。それは、浦里という美しき花魁の悲哀や情を、肩書きではなくひとりの人間として描くということ。「『山名屋浦里』は、タモリさんがブラタモリで知った実話をもとに僕が落語にさせてもらったものやけど、(中村)勘九郎が歌舞伎にしたいと言うて実現する。そのこと自体はものすごくうれしかったんですけど、一方で歌舞伎との戦いが始まったとも言える。歌舞伎版『山名屋浦里』を見てくれた人が、鶴瓶の落語も聞いてみようかとなってもチンケなものだったら意味がわからないでしょ。そうじゃなくて、落語はすごいなぁと感じてもらいたい。あと、歌舞伎と比べればチケット代も安いなぁとかね(笑)。最近、ひとつのことを考え続けられる幸せってあるんやなぁと思うんです。『山名屋浦里』のことをずっと考えていなければ、飛行機での言葉も降りてきてはくれなかったと思いますから」飛行機での言葉たちを紡いだ場面を、取材現場で実際に演じてくれた笑福亭鶴瓶。圧倒的なサービス精神を持つ話芸の達人は、同作だけでなく“あの”『鶴瓶版・死神』をも改訂し、今年の独演会にかける予定だと言う。JRA笑福亭鶴瓶落語会は9月22日(木・祝)から25日(日)大阪・森ノ宮ピロティホール、9月27日(火)福岡・キャナルシティ劇場、10月28日(金)から30日(日)まで東京・赤坂ACTシアターにて。東京公演のチケット一般発売は8月20日(土)午前10時より、チケットぴあではインターネット先行も受付中。取材・文:唐澤和也
2016年08月09日最近、落語がテーマのアニメやドラマが放送されたり、威勢のいい若手落語家がメディアに取り上げられたりして注目が集まり、落語会にたくさんの女性たちが足を運んでいます。落語は、日常の失敗を笑い飛ばしてしまうようなエピソードが満載!落ち込んだときには、ちょっぴり気持ちが前向きになれるかも。そこで、週末や仕事帰りにふらっと立ち寄りやすいおすすめのスポットを紹介します。新しい趣味を持ちたいという方は、是非一度訪れてみてはいかがでしょうか?どこで聴けるの?東京都内ですと、新宿や浅草などに落語がほぼ365日聴ける「定席(じょうせき)」と言われる会場が4か所あります。また、落語会は究極のところ座布団1枚あれば成立してしまうので、ギャラリーや蕎麦屋さん、銭湯、カフェなど、小さな会もたくさんあります。今回は、初心者さんでもフラッとのぞける3か所をご紹介。The落語の雰囲気!「新宿末廣亭」Photo by 新宿末廣亭その佇まいがなんとも雰囲気がある「新宿末廣亭」。界隈の居酒屋がお目当ての人も思わず立ち止まって、写真におさめるほど。ここでは毎週土曜日、21時半から「深夜寄席」と題して、“二ツ目”と呼ばれる階級の若手落語家たち4人が週替わりで出演する会を開催しています。ワンコイン(500円)で、チケットのもぎりや終演後のお見送りまで、すべて出演者たちがまかなっているのも魅力ですね。アルコール以外の飲食持ち込みOKなので、近くの「伊勢丹 新宿店」でお弁当を買って入るのもおすすめ。私は友人とレストランで食事をしてから、そのまま深夜寄席へ……という流れが好きです。【新宿末廣亭】住所東京都新宿区新宿3-6-12電話03-3351-2974落語女子から支持率高!「ユーロライブ」Photo by ユーロライブ「ユーロライブ」は、長年アート系の映画を配給・製作を手掛けてきたユーロスペース内にあるライブホールです。2014年11月のオープン以来、お笑い芸人のサンキュータツオさんがキュレーターを務める、「はじめての人でもフラッと入って楽しめる」というコンセプトの落語会「渋谷らくご」を開催しています。公演は、毎月第2金曜日から5日間、全10公演。平日は18時~19時と20時~22時、土日は14時~16時と17時~19時の各日2公演あります(1,200円~2,500円)。出演者は、熟練のベテランから勢いのある若手落語家、講談師、浪曲師まで、タツオさん選りすぐりの注目芸人たちがずらり。渋谷という立地とスタート時間のせいか、女子率高し。20時スタートの会ならば仕事帰りに、週末なら渋谷でショッピングをした後にでも「フラッと」立ち寄れます。もともと映画も上映できる会場なので、椅子がフカフカで幅広なのも、うれしいポイントですね。終演後は、サンキュータツオさんのトーク(ちょっとした解説など)もあって、ライブ後の興奮を会場全体で共有できるのも◎。【ユーロライブ】住所東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F電話03-3461-0211落語を間近で聴ける!「らくごカフェ」Photo by らくごカフェ神保町駅からすぐのビルの一室にある「らくごカフェ」では、日中はカフェ(落語会で貸し切りの場合も)、夜は落語会が開催されています。店内の天井には、落語家たちの手ぬぐいや千社札が貼ってあり、お目当ての落語家の名前を探すのも楽しいですね。カフェタイムに行けば、落語にまつわる書籍も閲覧しながらコーヒーで一服、なんてこともできます。夜は落語会がほぼ連日催されていて、出演者もベテランから若手落語家まで多彩です。「らくごカフェ」のおすすめポイントは、客席約50席のコンパクトな規模感!落語家さんとの距離が近く、マイクも通さずに話すので、その息遣いまでも聞こえてくる臨場感がたまりませんよ(前列だと汗も飛んでくるかも!?)。写真の高座にあがっているのは、人気落語家の春風亭一之輔師匠。カフェのスタッフさんもとても気さくな方たちなので、落語会デビューの方にも安心です。【らくごカフェ】住所東京都千代田区神田神保町2-3神田古書センター5階電話03-6268-9818(平日正午~午後6時)喫茶店営業:月~金正午~午後6時(落語会で貸切の場合あり)平日夜、土・日は演芸会を随時開催定休日不定休今週末は、落語会に足を運んでみてはいかがでしょうか。気分がリフレッシュするはず!(トップ画像:新宿末廣亭)
2016年07月06日8月16日(火)に東京・CBGKシブゲキ!!で落語会「実験落語neo~シブヤ炎上ふたたび~」が開催される。【チケット情報はこちら】「実験落語」は、1970~80年代に渋谷ジァンジァンで三遊亭円丈を中心に開催されていた創作落語の会。今年の6月に復活し、好評を博していた。復活第2弾の出演者は、三遊亭円丈、柳家小ゑん、柳家喬太郎、立川吉笑、桂三度の5人。元祖『実験落語』のメンバーであり、復活後は初参加となる柳家小ゑんは「すごくありがたい。当時とは状況が変わってやりやすくなったと思います。型破りなものをやった方がいいのかな?」とコメント。さらに、柳家喬太郎は「実験落語という名前のついた会に出られるということで興奮してます。がんばります」と意気込んだ。チケットの一般発売は7月9日(土)午前10時より。■「実験落語neo~シブヤ炎上ふたたび~」日時:8月16日(火)開場18:00 / 開演19:00出演:三遊亭円丈 / 柳家小ゑん / 柳家喬太郎 / 立川吉笑 / 桂三度料金:3,800円(全席指定・税込)
2016年07月06日落語家・立川志の輔の新作落語をもとにした舞台『メルシー!おもてなし~志の輔らくごMIX~』が6月4(土)に東京・パルコ劇場にて開幕した。舞台『メルシー!おもてなし~志の輔らくごMIX~』チケット情報立川志の輔の4つの新作落語「踊るファックス」「ディアファミリー」「ガラガラ」「メルシーひな祭り」(2000年~03年に上演)からエピソードを繋ぎ、ひとつの作品として上演する本作。中井貴一、勝村政信、音尾琢真(TEAM NACKS)、YOU、阿南健治、明星真由美、サヘル・ローズらが演じる。物語は、さびれた商店街の会長を務める源造(中井)のもとに「フランス特使の奥様とお嬢様が商店街を見学したいと言っている」と、外務省の武田(音尾)から電話がくるところから始まる。源造は商店街を盛り上げる機会だと張り切るが――。中井演じる商店街会長は、いわゆる下町のおやじ。普段は穏やかな印象の中井がべらんめえ口調でまくしたてる様は見どころのひとつだ。そこに抜群の間合いでツッコミや相槌を入れるのが、妻役のYOU。男たちの行動をツッコミひと言で笑いに変えつつ、自身もボケるという器用さには貫禄すら感じる。さらに同じ商店街の魚屋を演じる勝村の振り切れっぷりも、本作ならではと言えそうだ。踊って寝転んでキスをして…どこまでがアドリブで台本なのかわからない自由さで客席の爆笑を生んでいた。賑やかなこの作品を志の輔がひとりで演じていたと考えると改めて驚愕だ。志の輔が作り上げた世界を実力派の俳優陣が12人がかりで再現するこの舞台。落語家がひとりで演じるからこその勢いや間が踏襲されながらも、複数の俳優が演じるからこその賑やかな掛け合いも実現するという、独特の楽しさが生まれていた。同じ登場人物が複数のネタを渡り歩く“落語あるある”がこのような形で観られるのも、本作ならではの魅力。もちろん元ネタを知らなくても、落語未経験でも、何も考えずに思い切り笑えて、心がぽっと温かくなる人情味も忘れない“落語の魅力”が味わえる舞台となっている。大阪でも上演する本作。中井は「大阪のお客さんはハッキリしていて、特にコメディ、喜劇をやるときは怖さすら感じるほど。今回、どう観ていただけるか僕たちも心配ですけど、みなさんが温かい時間を持って帰っていただける2時間になるようにみんなで努めます」。パルコ・プロデュース公演『メルシー!おもてなし~志の輔らくごMIX~』は、6月26(日)まで東京・パルコ劇場にて、6月28日(火)から30日(木)まで大阪・メルパルクホール大阪にて上演。撮影・取材・文:中川實穗
2016年06月08日「実験落語」をご存知だろうか。1978年から86年にかけて、渋谷ジァンジァンで毎月開催された、三遊亭円丈が主催していた新作落語の会である。現代的なモチーフと言葉を用いながら新たな方法論でネタおろしを行い、代表作『グリコ少年』等を生み出した。その存在は、春風亭昇太、柳家喬太郎など新作を手がける後進の落語家たちに大きな影響を与えたと言われている。 その「実験落語」が6月、渋谷のCBGKシブゲキ!!で『実験落語neo~シブヤ炎上~』として復活する。高座を目前にした、三遊亭円丈に復活に込める想いを聞いた。『実験落語neo~シブヤ炎上~』チケット情報「渋谷は新しいものが生まれやすい土地だと思います」と語る円丈が、新しい実験に一緒に挑むのは、実験落語メンバーの林家しん平、かつて立川談志門下であり、一時実験落語メンバーでもあったダンカン、実験落語の系譜を汲む落語ジャンクションメンバーでもあり、スタンダップコメディの名手として英国でも大喝采を浴びた清水宏、当代きっての若手講談師・神田松之丞だ。中でも、林家しん平には「天才ですね。三題囃といって、お客さんに適当なお題を三つだしてもらって、即興で演じる演目があるんですが、(しん平くんの三題噺は)時間軸がきちんと推移していく。彼の思考の秘密を解き明かしたい」と信頼を寄せる。円丈いわく、新作落語の一番の魅力は「ネタにならないものはない。どんなことでも落語になるところ」とのこと。「『グリコ少年』はグリコの会長が亡くなったことがただただ悲しくて、その悲しさを落語にしたら、ウケたんですよね。ウケるつもりは全くなかったんですけれど。『競走馬イッソ-』もダービーで負けたから、元を取ろうと思って作りました」元々学生時代より演劇に携わっていた円丈だが、落語の特徴を「落語は感情がシフトできるものだと思います」と分析する。「最初はある男を馬鹿にしていたけれど、側面から見たり、裏から見ると、徐々に悲しみにシフトしていく。ひとりで話し続けているからこそ、ひとりの人物を掘っていけるところがあります。何もないところから作っていける点でも、落語は大したもんだと思います」70代になってもなお、新作落語を作り続ける円丈とこの実験に挑む4人の化学反応をこの目で確かめたい。公演は6月9日(木)午後7時開演。チケット発売中。
2016年06月01日落語家の春風亭小朝(61)が31日、自身のブログを更新し、日本テレビ系『笑点』の大喜利司会者を勇退した桂歌丸(79)の心境を明かした。小朝は「先日、歌丸師匠に現在の心境をお尋ねしました」と書き出し、2人のやりとりを紹介。歌丸は「肩の荷がおりたというか、少し寂しい気もしますけど。でもね、笑点の前の5分間の番組は続けようと思ってます」と話し、「笑点は疲れましたか」と聞くと、「そうならないように、収録の2日前からなるべく仕事はとらないようにしてました。あと、前日は絶対に地方へ行きません」と説明したという。「これからは、落語に集中できるぞっていう感じでしょうか?」という問いには、「そうなんですよ。まだまだやりたい噺がたくさんありますから」と意欲。「御神酒徳利、それから二十四孝のやり方を少し変えて。あと塩原太助の外伝もやりたいし、実はね…」と具体的な構想を明かしたそうだ。そして、歌丸は「前に胸を患った時、本当に噺家をやめようと思った」と打ち明け、当時奥さんに相談したところ「やめてもいいけど、そのあとどうするの。今は釣りもできなくなったんだから趣味で落語をやってたほうがいいんじゃないの、って言われて(笑)」と振り返ったという。また、「炊きたての御飯のにおいが気持ち悪くて、あと化学調味料を受けつけなくなりまして」という時期があった歌丸だが、今は「おかげさまで、近頃はお医者さんのすすめで肉も食べるようになりました。あと果物は平気なんで、青森の美味しいリンゴジュースを取り寄せてます」と食欲も回復した様子。小朝は「やりたいネタもいっぱいあるそうなので今後の高座が本当に楽しみです」と期待し、「いやぁ、いい刺激になったなぁ」とつづった。
2016年05月31日