2歳の息子は言葉が少なく、話す言葉は喃語と単語がいくつかだけ。1歳半健診のその後のフォローで、発達心理相談を受けてみることになりました。発達がゆっくりでもマイペースに成長してくれたらいいなと思っていた私ですが、臨床発達心理士さんからの視点で見た息子の状況を知り、衝撃を受けたお話です。 2歳を過ぎても言葉が増えない息子2歳の息子は単語いくつかと喃語で話すだけですが、親としては言葉の遅れが気になるものの、発達がゆっくりというだけでマイペースに育っているのかな、と比較的ポジティブに捉えていました。 しかし、1歳半健診から半年が経ったころ、住んでいる区の保健センターから「現在の状況を教えてほしい」と電話がありました。 言葉が増えていないことや保育園に通い始めたあとだったこともあり、登園することが大変なときもあると話をしたところ、一度発達心理相談を受けてみないかとすすめられたので、私も息子のことを知りたいと思い予約しました。 臨床発達心理士さんからみた息子の状況は 臨床発達心理士さんからのアドバイスは 息子の世界を知れてママ、うれしいよ相談にくるまでずっと息子のことをあいまいに捉えていた自分に対して、責める気持ちを0にすることはできませんでした。でも一方で雲がかかっていたところが晴れたように、すっきりした気持ちにもなっていました。 息子にとって楽しいと思えることをもっと増やしてあげたいと思いましたし、専門家の言葉には絶大な信頼を感じました。言葉だけじゃない、いろいろな視点で見てくれたことで親としての視野も広がったように思います。 現時点で、息子は発達障害の診断はおりていない状況です。息子は2歳だけど、発達としてはまだ1歳代とのこと。そして、このままの状況で何もしないというわけにはいかないということも、臨床発達心理士さんより言われています。生きていくうえで、息子が生きづらさをなるべく減らせるように親として、プロの力も借りながらサポートしていけたらと思います。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 監修/助産師 松田玲子著者:佐藤るみ保育園児の年子の母。現在3人目を妊娠中。看護師として働きながらの子育てでフルタイムや時短勤務の経験あり。ワークライフバランスや家計に役立つ情報、子育て経験から学んだことを発信。
2022年05月15日今回は娘さんの言葉の発達が気になったときのお話です。娘さんが1歳の誕生日を迎え、しばらく経ったころ、(もしかして言葉の発達が遅いのでは……?)と疑問に思ったさやこさん。すると、あることを決意。早速行動に移すのですが、それがキッカケで夫の逆鱗に触れてしまい……!?ある日、娘の言葉の発達が気になって… 娘さんの言葉の発達が遅いことが気になったさやこさん。 外で過ごす時間を増やそうと奮闘し、育児中心の生活を送っていると、家のことが次第におろそかになっていきました。 すると、夫から「落ち着けない」とクレームが……! 夫の言葉に対して思わず言い返しそうになるも、(ここで反論したら、夫にまた無視される日々になる……) そう一瞬で悟ったさやこさんは、すべてを飲み込んだのでした。 娘さんのことやスケジュールを話していたにも関わらず、「ぐしゃぐしゃの家じゃ落ち着けない」と愚痴を言ってくる夫。少しはさやこさんの気持ちを配慮してくれてもいいような気がするのですが……。皆さんは今回の夫の発言について、どのように思いましたか? 著者:マンガ家・イラストレーター さやこ娘と夫の3人暮らし。自閉症スペクトラムの娘との日常を中心に色々と過去の出来事などエッセイ漫画を描いてます。
2022年05月12日次男の妊娠が判明したとき、当時1歳10カ月だった長男は非常に活発で落ち着きがなく、言葉の発達も遅かったため、私は非常に手を焼いていました。このままでは、次男が生まれてきたらキャパオーバーになってしまう……。そんな不安を抱えていた私は、里帰りする実家近くの保育園に長男を預けることにしました。その結果……。妊娠した私の不安次男の妊娠が判明したとき、喜びの次に私の頭に浮かんできたのは長男のことでした。当時1歳10カ月で、非常に活発で落ち着きがなかった長男。外でも中でも常に走り回っており、捕まえようとする私の手を振りほどいて、どこまでも全力でダッシュするような子どもでした。また、言葉の発達が遅く、当時は単語を発することはありませんでした。 もちろん望んでいた第2子の妊娠でしたが、このように意思疎通が難しい長男と、生まれてくる赤ちゃんの子育てをうまく両立できるのだろうかと、私は不安を感じていたのです。 里帰り先の保育園の一時保育へ私は当時地元から遠く離れた県に住んでいました。そして、長男の出産のとき同様、里帰り出産をすることに。私の両親は働いているため、次男の妊娠が判明した数週間後、実家から歩いてすぐの保育園に長男の一時保育を申し込みました。 その保育園は私たちが里帰りしている間、平日はほぼ毎日長男を預かってくれるとのことで、ほっとひと安心。長男は預け始めて数日間は泣いていたもののすぐに慣れ、保育園生活を楽しんでいました。 長男に起きた変化保育園に通い始めて1カ月が経ったころ、私は長男のある変化に驚かされました。それは少しずつ単語が出始め、なんと2語文まで話すようになっていたことです。言葉の爆発とはこのことか、と私は思いました。私と両親は長男とようやくまともにコミュニケーションがとれるようになり、とても喜びました。 うれしい成長は他にもあります。あれだけ落ち着きがなく常に走り回っていた長男が、人と手をつないで歩けるようになったのです! ほかの親子が当たり前のようにしているこの行動を、私は長男が2歳半のときに初めて実現することができました。これは保育園の集団生活の賜物だと、私は感じていました。 ママ友の反応私たちが約3カ月の里帰りを終えるころには、長男はたどたどしくではあるけれど、3語文を話せるようになっていました。そして里帰りから帰ると、長男のことをよく知っているママ友たちに「◯◯(長男)ちゃんがしゃべってる!」「座ってる!」「手をつないで歩いてる!」とびっくりされました。 私はママ友たちのその言葉を聞いて、「長男を一時保育に通わせていなかったら、今ごろ次男を抱っこしたまま、走り回る長男を追いかけ回して大変だったかもしれない……」と思わずにはいられませんでした。 私は長男を一時保育に預けて、集団生活の力を改めて感じました。集団生活には良い点もあれば悪い点もあるのかもしれません。しかし、私は長男を成長させてくれた先生方やお友だちにとても感謝しています。長男の言葉や社会性の発達に悩んでいた私ですが、今は集団生活を経験させて本当によかったと思っています。今後も集団の中で、たくさんのことを吸収していくことを願っています。 監修/助産師 松田玲子著者:今岡めい6歳と4歳の超わんぱく兄弟を育てるママであり、フリーライター。「子育てで一番大切なのは母親が笑顔でいること」「幼児期最大の英才教育は遊びである」をモットーに掲げ、日々テキトー育児を繰り広げている。
2022年05月07日止まらない、娘のおしゃべり。広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)のある娘は、小学4年生ごろから反抗的で発言と行動の矛盾が多くなりました。発達検査を前に、久しぶりに発達外来を受診することになったため、私は娘の行動の原因と、その対策を聞いてみることにしました。待ちに待った発達外来の診察日。担当は、今までの先生とは違う方でした。聞きたいことが山ほどある!私は、早く聞きたくてうずうずしていたのですが…Upload By SAKURA先生と娘の話がなかなか終わらない!定期的に受診していた小学2年生のころは、先生に聞かれたことしか答えなかった娘でしたが、小学5年生になり、言葉も成長していた娘のおしゃべりは、なかなか止まりませんでした。いつもと違った診察の方法に動揺!先生と娘だけの話が始まって15分ほど経ったころ、ようやく私に話がふられました。いつもなら最初、先生と娘が話をし、それが終わると、娘の相手をする看護師さんがやってきます。娘の様子や困りごとなどの話をするときは、先生と私だけです。娘が、私たちの話を聞くことはありません。しかし今回は…Upload By SAKURAなぜか先生は、娘の相手をするために来た看護師さんを、退出させました。話を始めようにも、娘がいる…話を聞かれたくない…私が、「できれば娘のいないところで話したいのですが…」と言うと先生は、『話してどうぞ』というジェスチャーをしていました。仕方なく私は、娘がいるため、言葉を選びながら、最近の様子を話しました。Upload By SAKURA最初はなるべく、娘が分かりにくいような言い回しを選んでいたのですが、途中私が気持ちをおさえられなくなってしまい、娘の前で愚痴のような内容になってしまいました。娘は、私に悪口を言われたとショックを受け、隣で泣いてしまいました。久しぶりに近づいた、娘との心の距離。だから聞かれたくなかったのに…私は娘に対して申し訳なく思い、同時に先生に対して、疑問を持ちました。すると、先生は…Upload By SAKURA先生から直接聞いた訳ではないので、ここからは私の予想ですが…先生は話を聞き始めたとき、私と娘の間の不穏な空気を感じ取ったのかもしれません。娘の話からも、矛盾感を感じ取った…。だから、私の話をあえて娘に聞かせるため、同席させたのかもしれません。何ヶ月もピリピリした状態が続いていた私と娘の心の距離が、久しぶりに近づいた気がしました。原因は、「自立心」と「自立力」のバランス?それから先生は、娘の発言と行動の矛盾の原因を話し始めました。Upload By SAKURAこの説明には、目からうろこでした。今まで、矛盾を感じていた娘の行動すべてが、理解できました。今の娘に必要なこと。娘の行動の理由は分かった…しかし、私が知りたいのは、この状態を改善する方法があるかどうかでした。Upload By SAKURAその方法とは、娘に決めさせる…?先生の言った方法は、「あーさんに、選択も結果も全て委ねる」というものでした。Upload By SAKURA次のステップへ。私は、いつも娘がパニックにならないよう、失敗しないよう、いろんなことを先回りして声かけをしていました。「○○しないと、~になっちゃうよ」「先に○○したら?」「忘れ物ない?」など、娘がスムーズに過ごせるように、良かれと思ってしていたことでした。これは私が娘の発達に問題があると分かってから、歩んできた日々の中で、言うなれば自然と身につき、染みついて離れなくなっているような…私のスキルのようなものでした。Upload By SAKURA娘がパニックを起こさないため、私が先回りしての声かけは、今の娘には不必要な支援だったのです。私は、いつまでも娘が幼くて、パニックを起こして泣いていると、思い込んでいたのかもしれません。「次のステップへ」という言葉は私の中で、区切りのように感じたのです。Upload By SAKURA執筆/SAKURA(監修:三木先生より)ご本人を場から外さないことも含めて、ちゃんと「あなたのテーマだからね」ということを明示してくださる先生なんですね。そういうメッセージも「本人のテーマを本人が扱う」ためのステップとして、素晴らしいと思います。
2022年04月27日長男は1歳半ごろから落ち着きがなく、常に走り回るように。私は毎日手を焼いていました。そんなある日、子育て支援センターに発達相談員の先生が来たので、相談をしてみることに。すると先生の口からは思いがけない言葉が……。私の心をパッと明るくし、今でも子育ての支えにしている言葉をご紹介します。 常に走り回る長男と手を焼く私長男が歩き始めたのは生後11カ月のころでした。歩行が完全に安定した1歳半ごろからはスピードがどんどん速くなり、長男の移動は「歩く」から「走る」に変わっていきました。 長男は本当に落ち着きがなく、私が手をつなごうとしても強い力で振りほどこうとします。そのため、私は長男の横を、文字通り「並走」する毎日を送っていました。 長男は常にこんな調子で、いつ車道に飛び出して事故に遭うかわかりません。そのため平日に私ひとりで長男を公園に連れていくことは危険だと判断し、毎日のように子育て支援センターに通っていました。 発達相談員の先生に相談そんなある日、その子育て支援センターに発達相談員の先生が来ました。私は正直「時期がくるのを待つしかない」というような答えしかもらえないだろうなと思いつつも、長男のことを相談してみることに。 私が「落ち着きがなくて困っています」と相談すると、先生は「遊んでいる様子を少し見させてください」と言いました。そこで私と長男はいつも通りしばらく遊んでいました。 数分経つと先生は「確かにそうですね。きっと◯◯くん(長男)は今いろんなことに興味があって、遊びが転々とするのでしょう」と。私は「やっぱりそうか」と思いつつ、それ以上のアドバイスは期待していませんでした。 先生の口から出た思いがけない言葉しかし先生はこう続けました。 「でもねお母さん、◯◯くんを見てください。◯◯くんずっとニコニコしているでしょう? この笑顔はお母さんからもらったんですよ。お母さんが笑顔だから◯◯くんも笑顔なんですよ」と。 私はまさかそんなことを言ってもらえるとは思っておらず、思わず泣きそうになったのを今でも覚えています。母親である私のことまで気にかけてくれた先生の心づかいに感動したのです。 結局、長男に落ち着きが出てきたのは2歳半になってからでした。言葉や社会性の発達が遅いことに多少の不安はあったものの、私は先生に言われた言葉を心に支えにし、長男のタイミングを待つことができました。 今は当時住んでいた土地から引っ越してしまい、その先生に会うことはもう叶いません。ですが、「先生の言葉に勇気づけられました。ありがとうございました」とお礼を伝えたいです。これからも子育ての悩みはたくさん出てくると思いますが、そんなときでもできる限り笑顔を忘れずにいようと思わせてくれた言葉でした。 監修/助産師 松田玲子イラストレーター/山口がたこ著者:今岡めい6歳と4歳の超わんぱく兄弟を育てるママであり、フリーライター。「子育てで一番大切なのは母親が笑顔でいること」「幼児期最大の英才教育は遊びである」をモットーに掲げ、日々テキトー育児を繰り広げている。
2022年04月23日クラスのみんなとの活動にも参加できるようになってきたしのくんは、発達障害グレーゾーンの男の子です。年少さんクラスになって、加配の先生も一人しのくんについてくれて、だんだんとクラスに慣れてきた3歳4ヶ月ころのことです。以前は集団行動ができず、すぐにクラスから脱走してたしのくんでしたが、それも減りました。だんだんと律動(リズムを使った運動)などのクラスのみんなとの活動にも参加できるようになってきました。Upload By keikoそんなとき、運動会にむけて園歌をクラスで練習することになりました。最近はみんなでの活動ができるようになってきたと思っていたので、その様子を先生から聞き、私はショックを受けました。練習に参加せず一人暴走するしのくん先生に聞いたところ、運動会の練習の時間にみんなは園歌を歌っているのに、しのくんは絵本を広げて読んでみたり、歌ってるみんなの周りをぐるぐるまわってみたり、クラスの子にちょっかいを出しているのだそうです。Upload By keikoみんなの反応は…⁈私はこの話を担任の先生から聞いて、一人で勝手なことばかりするしのくんに、みんなは怒ってないのか心配になりました。クラスのみんなはしのくんのことどう思っているのかな?嫌われていたらどうしよう??…思わず先生に聞いてしまいました。Upload By keikoけれど、みんなしのくんに優しくて、誰も怒らず、ちょっかいを出された子も困った顔をするだけなんだそうです。Upload By keikoほかにも自由遊びの時間にみんなが頑張って積み上げた積み木をしのくんが倒したとしても、クラスの子たちは怒らないというエピソードを聞いて、みんなの優しさに感動し感謝しました。ですが、このままではダメだと思い、まずはみんなと園歌の練習はできるようにしようと先生から園歌の楽譜をもらい、家で練習をすることにしました。現在まだまだ集団行動が苦手なしのくんですが、これからも家でできることはやっていこうと思います。Upload By keiko執筆/keiko(監修:井上先生より)雰囲気のよい園でkeikoさんも安心されたことと思います。行事の中でも得意なことと苦手なことはでてくると思うのですが、家で1対1で練習することで園で練習するときよりも覚えやすいと思います。お子さんが歌に親しむために家で行事で使う歌や音楽をかけたり、練習のときの動画を見せたりするのはいい方法だと思います。運動会という行事の中で本人が何をやったらいいか分からなかったり、長い時間待たなければいけないというのは、苦手なお子さんも多いと思います。このような場合は、競技の流れを視覚的に示すことで、参加しやすくなります。また待ち時間は、ほかの場所で遊びながら過ごすなど、特別なルールがあるとよいかもしれません。いっぺんに全部に参加させようとすると本人にも周りにもプレッシャーがかかります。参加できそうなところを中心に、本人に合った活動に部分的に参加しながら、年齢と共に徐々に参加できるものを増やしていけたらいいですね。じっとしながら歌うのは大変なことです。例えば、歌を歌う時間や、待ち時間などにお子さんに役割を与えというのもいいかもしれません。小学生のお子さんの例ですが、指揮者や歌詞をめくる係、得点係などを担って、運動会に参加したというお子さんもいます。また、感覚過敏などがあると大きな音がつらくなってしまうこともあるので、園などに相談し苦手なところに配慮しながら行事に楽しく参加できるといいですね。
2022年04月09日言葉の発達にはどんな段階がある?おむつを替えても、おっぱいをあげても、ゆらゆら抱っこでも泣きやまない! 泣き続ける赤ちゃんを前に「言葉で気持ちを伝えてくれたら…」と途方に暮れた経験を持つ保護者のみなさんも多いのではないでしょうか。一般的に、赤ちゃんが意味のある言葉を話し始めるのは10ヶ月〜1歳半ごろですが、実はその前から言葉の発達は始まっています。赤ちゃんの言葉の発達の流れを見ていきましょう。新生児のころの赤ちゃんは、泣くことで、空腹や排泄など不快な状態を表しています。ただ、これはパパやママ、周りの大人に向けて訴えているわけではなく、単純に不快な状態にあることを表しているだけだと考えられます。泣くとおむつを交換してもらえる、おっぱいやミルクを飲ませてもらえる、やさしくあやしてもらえるという経験を重ねることで、「泣くこと」が表現手段になるということを学んでいきます。また、大人は赤ちゃんに語りかけるとき、自然に高い声になるかもしれません。「マザーリース」と呼ばれるもので、赤ちゃんにとって聞き取りやすい高音域の声です。少し高めの声で語りかけると、安心したような穏やかな表情を見せることもあります。赤ちゃんは名前を呼んであげると初めの字の母音に反応することが多いです。例えば「なお」という名前の赤ちゃんなら、初めの字は「な」であり、その母音は「NA」の「A」なので「あ」に反応するのです。「みさ」という赤ちゃんなら「み(MI)」の「い(I)」に反応します。名前を呼ぶことで親子の愛着は深まり、名前を聞いて脳が反応することで言語への準備が早くなるのではないかと推測できます。(発達障がいに困っている人びと鈴木直光著幻冬舎ルネッサンス新書刊より一部抜粋)参考:『発達障がいに困っている人びと』 (幻冬舎ルネッサンス新書 )著者:鈴木直光生後2ヶ月ごろになると、赤ちゃんは「くー」「あー」といった柔らかい声を出すようになります。これは、赤ちゃんが心地よさを感じているときに多く発するもので、クーイングと呼ばれています。クーイングは、音を発する器官の発達が進んできている証拠でもあります。まわりの人がが同じように「くーだね」「あーなんだね」などと返してあげると、さらに声を出したり、大人の真似をして大きな口を開けたりすることもあります。喃語とは、赤ちゃんが発する2つ以上の音を含む声のこと。喃語が出始めたころよく聞かれるのは、「あーあー」「うーうー」など、母音の発声です。徐々に「まんまん」「あむあむ」など母音と子音の組み合わさった声が出せるようになり、さらに「ぱっぱ」「ばばば」など、破裂音や濁音も発声できるようになります。赤ちゃんは喃語を通して、発声や音の調整、肺からの空気のコントロールなどを学んでいます。骨格がしっかりし、声帯も発達することで、喃語の発音もはっきり、長くなっていきます。喃語は出始めから3〜4ヶ月で徐々に少なくなり、その替りに指さしや身振り手振りが増えていきます。表情も豊かになり、嬉しい、楽しいなど自分の気持ちを伝えられるようになります。まだ意味のある言葉は出ませんが、赤ちゃんの中には周囲の大人の語りかけが蓄積されていて、言葉を話す一歩手前まで近づいています。「まんま」は食べ物を意味している、「ぶっぶー」は車のことというように、特定の音声と意味の結びつきが分かるようになると、一語文として発せられるようになります。喃語と似ているように思えますが、違いは意味のともなう言葉である、ということ。周囲の大人が赤ちゃんにたくさん語りかけをすることで、赤ちゃんの脳のなかにいろいろなものの名前がインプットされていきます。一語文が出る時期にも、かなりの個人差があります。遅くとも2歳までに意味のある言葉が出るようになれば問題ないと言われています。言葉がゆっくりめかなと思ってもあまり心配せず、たくさん話しかけ、この時期ならではの親子のコミュニケーションを楽しみましょう。二語文とは、「まんま、ちょうだい」など、2つの単語からなる文のこと。一語文が出るようになって6〜8ヶ月が経つと、徐々に二語文でのおしゃべりも盛んになっていきます。最初は片言で、大人からすると「宇宙語」のように思えるかもしれませんが、徐々にはっきりと話すことができるようになります。ほかの発達に特に心配がなく、大人の言葉を理解できているならば、二語文が出るのがゆっくりでもあまり心配せずに見守りましょう。遅くとも3歳までに二語文が出れば問題ないと言われています。いろいろな遊びや体験が言葉の芽を育む大人が新しい言語を習得したいと思ったら、何冊ものテキストで文法を学んだり、リスニングや発音の特訓をしたりと、猛勉強を覚悟しなければなりません。ところが、赤ちゃんたちは授業やトレーニングを受けることなく、自然と言葉を理解し、話せるようになっていきます。赤ちゃんが、意味のある言葉=一語文を話すようになるのは10ヶ月から1歳半ごろが目安ですが、一語文が出る以前から赤ちゃんはたくさんの言葉を理解しています。まわりの人たちが赤ちゃんにむかって自然に発する声かけを振り返ってみると、赤ちゃんの体験を言葉に置き換えてあげるものが多いですね。「おなかすいたね」「お外は気持ちいいね」「もう眠いかな?」。大人の声かけ、さまざまな遊び、日常生活のなかでの何げない体験が、すべて赤ちゃんの言葉の芽となってゆっくりじっくり育っていきます。8〜9ヶ月ごろになると、「あーあー!」など声を出しながら、気になるものを指さすことが増えてきます。ママやパパの注意をひくように、見てほしい方向を指しながら、コミュニケーションをとろうとするのです。また、このころから、まわりの人の言葉をマネするような光景もよく見られます。ママが「まんま」というと「まんまん!」と言ったり、「ブーブー来たね」と言うと「ぶっぶ!」と真似したり、まるで意味のある会話のようなやりとりもできるようになってきます。さらに、そろそろ意味のある言葉を話せるようになるころには、大人が指をさすと、その指ではなく指先がさし示すものを見るようになります。これは「共同注意」と言って、スムーズなコミュニケーションの土台ともなるものです。共同注意ができるようになれば、言葉が出てくるのもすぐそこです。言葉が出るようになるまでには、喉や骨格、口元の筋肉などの体の発達に加え、人や周囲に興味、関心を持ち、気持ちを伝えたいと思うようになる心の発達、そして毎日の中での言葉のインプットと、たくさんの要素が複雑に関係しあっています。発語がゆっくりめでも、無理に話すようにトレーニングしようとするのは逆効果になりかねません。その子なりの発達を見守りながら、たくさん語りかけ、その時期ならではの親子のコミュニケーションを楽しんでいくことが大切です。子どもが何か言葉を発したら、親はその都度反応してあげましょう。発達障害があると発語が遅れる?言葉の発達には、個人差が大きいものです。それだけに、周囲の子と比べて「わが子の発語が遅いかも?少ないかも?」と感じて心配になる方も多いでしょう。発語の遅れには、いくつかの原因が考えられます。まずチェックしたいのは、聴覚障害が隠れていないかどうかの確認です。赤ちゃんは、日々周囲の大人が話す言葉を聞くことで、物には名前があること、自分の気持ちを表現することを学んでいきます。けれど、聴覚に障害があると、言葉をインプットすることができません。聴覚障害の有無は、赤ちゃんに音を聴かせて脳の反応を見るABR(聴性脳幹反応)検査によって確認します。相手の口元を見ていることが多いです。聴覚障害がないのに著しく発語が遅れている場合は、何らかの知的発達の遅れの可能性があります。脳の機能に何らかの障害があることが原因で、言葉の意味は理解しているけれど、うまく発語につながらない、というケースもあります。また、知的発達症のある子どもには筋緊張が低下しているケースがあり、筋緊張が低下していると、口の周りの筋肉をうまくコントロールしづらくなるため、発語の遅れにつながることもあります。口や舌、声帯など、声を出すために重要な部位に何らかの異常があることで、決まった音を正しく発音できないことを「構音障害」と言います。不正咬合や口唇口蓋裂、舌小帯短縮症、脳性麻痺による顔面の筋肉の過緊張などが原因となります。適切な治療や言語療法士(ST)によるトレーニングによって改善をめざします。サ行がタ行になるケースが多いですが、マ行、ラ行、カ行などが含まれる言葉が言えるかどうかなどもポイントです。難聴や知的発達症などの原因がなく、運動発達に異常が見られないのに、言葉の発達だけが遅れるものを「発達性言語症(発達性言語障害)」と呼びます。発語の遅れはあるものの、指さしや身振りなどによる非言語性のコミュニケーションは問題なく行えるのが特徴です。発達性言語症のうち、言葉の理解は進んでいて、大人が言うことに身振りや手ぶりで答えられるタイプは「表出性言語障害」と言われます。このタイプは、保育園や幼稚園など、集団生活をすることで発語が出やすくなります。一方、発語だけでなく、言葉の理解も遅れる「受容性言語障害」の場合は、言語療法士(ST)による療育も検討する必要があります。赤ちゃんは、生まれた直後から自分に語りかけられる声、言葉をシャワーのように浴びて育ちます。そして、「あーあー」「ばばば」といったクーイングや喃語、宇宙語のような初めてのおしゃべりに大人が反応し、言葉を返してくれることで、双方向性のコミュニケーションを学びます。ところが、周囲から話しかけられることが少なかったり、テレビや動画の視聴時間が長かったりすると、赤ちゃんは双方向性のコミュニケーションを学ぶことができません。近年、生活環境による言語の発達遅延も指摘されるようになっています。この電子メディアの使いすぎが乳幼児の言葉の遅れにつながるとも言われています。テレビやゲームを利用すると子どもがおとなしく見てくれることが多いので、保護者は楽に感じますが、コミュニケーションの機会が減ってしまいます。また、テレビを見ていないのにつけっ放しにするのも雑音が多くなり、集中しづらい特性があるお子さんにとって生活しづらい環境となっているかもしれません。トランプ、かるた、ボードゲームなど会話のできるアナログ的な遊びや外の公園で遊具、ボール遊び、三輪車などができる機会をなるべく増やすようにしましょう。テレビを消し、赤ちゃんとコミュニケーションをとることは今すぐにでもできる方策だといえます。(一部日本小児科学会雑誌第108巻第4号平成16年「日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会 提言 | 乳幼児のテレビ・ビデオ長時間視聴は危険です」より)このように、発語の遅れにはさまざまな原因が考えられます。1歳半健診、3歳健診などで言語の遅れを指摘されたときには、運動面を含めた全体の発達が遅れているのか、言語の発達だけに遅れがあるのかなど、その原因や背景を確認する必要があります。全体の発達が遅れている場合は、精神運動発達遅延と呼ばれ、何らかの基礎疾患が隠れている場合もあります。さまざまな検査によって原因を見極め、治療や療育を進めていきます。言葉の発達の遅れが気になったときは、まずは専門家のもとで聴力に問題がないかなど、原因を調べることが重要です。また、ご家族だけで不安や心配を抱え込まず、小児科医、保健師、専門家に相談してみましょう。必要なトレーニングがあれば、無理のない範囲で取り入れていくといいでしょう。参考:日本小児科学会雑誌|第108巻 第4号/平成16年4月1日参考:日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会 提言 | 乳幼児のテレビ・ビデオ長時間視聴は危険です聴覚障害以外の原因によって言葉が遅れた子への接し方聴覚に問題はない場合は、次の1〜6のような接し方を意識してみるのがおすすめです。「矯正しよう」「早くしゃべれるように訓練しよう」と思うと、親子ともにコミュニケーションが苦痛になってしまうこともあります。日常のなかで、言葉を使ったコミュニケーションが増えるよう、楽しみながら取り組んでいけるといいですね。1言語刺激を豊富にして言語環境に子どもの分かりやすい言葉で繰り返し話しかけましょう。家族のも本来の自分よりおしゃべりになる意識で会話を増やしていきましょう。2子どもの発声や発語に必ず対応子どもが声を出したり、言葉を発したら、必ず「そうだね!」と相づちをうったり、「◯◯だね」とくりかえしたりして、親子の会話を楽しんで。コミュニケーションは楽しい、と思える状況をたくさんつくることが大切です。3言い直しをさせない間違いを指摘されてばかりでは、だんだんとしゃべることに苦手意識を持ってしまうことも。乳幼児期は言葉や発音が間違っていても、直す必要はありません。4発語器官の運動能力を発達させるような遊びを口やのどを使うような遊びや日常動作は、楽しみながら発語のトレーニングにもなっておすすめです。外から帰ってきたらうがいを習慣にしたり、ストローで飲み物を飲んだり、笛のおもちゃで遊んだりすることで、自然と発語器官の運動能力が向上します。5言葉を使わざるを得ない状況をつくる子どもが指さしやジェスチャーで伝えようとしてきたら、「ボールかな?くまさんかな?」など、子どもが答えやすい質問を投げかけておしゃべりを促しましょう。6社会性の発達を促す公園や支援センターなど、ほかの子どもたちの遊びの輪に混ざれるような場所に行くなど、家族以外の人と交流を持てる機会をつくりましょう。言葉の発達は個人差が大!ゆっくり見守って言葉の発達は早めの子どももいれば、ゆっくりの子どももおり、かなり幅があるものです。クーイング、喃語、一語文などが出る月齢の目安も、あくまで平均値ととらえましょう。言葉の発達が遅れる理由としては、大きく「個人差」「聴力の障害」「何らかの障害」などと考えらます。ただ、この中でも最も多いのは個人差です。3歳までなかなか言葉でのコミュニケーションができなかった子どもも、幼稚園に入園してしばらくすると、よくおしゃべりするようになった、というような例もたくさんあります。あせらずおおらかな気持ちで見守っていきましょう。
2022年04月03日発達の後退?保育園から言われた言葉Upload By まる初めて息子から言葉が出たかな?と思ったのは1歳半すぎ。「バイバイ」や「デンシャ」「アンパンマン」のようなことを言っていた気がしていたのだが、2歳ごろに気がつくとそれらの言葉すら発しなくなっていた。これに関して保育園から「発達の後退が見られる」と言われたときはとてもショックを受けた。発達って後退するの…?もっと話しかけないといけなかったの?などの考えが頭の中をぐるぐる回っていた。しかしその後相談をした支援センターのSTさんに「そもそも発語があったか分からない。なんとなくそう言っているように聞こえていただけの可能性もあるから、発達の後退と言われたことは気にしなくていいよ」と言われほっとした。確かにバイバイに対して毎回「バイバイ」と答えるわけでもないし、「デンシャー!」と言っていた気がしたのもほんの数回だ。ただそうなると2歳過ぎてまだ1つも単語がでてないのかぁ…と新たな不安が生まれたのだ。なかなかない発語に焦るママUpload By まるそれから数ヶ月後、息子は簡単な発音のオウム返しをするようになった。「ぶー」や「ママー」などの一文字だけのオウム返しで、気分がのっているときにしかやってはくれない。一日一回やってくれればいい方だ。一文字だけのオウム返しでも、出てきてくれたことが嬉しくてこちらも必死になる。「ママーて言ってみな!ママー」と言ってくれるまで風呂場でしつこく詰め寄ったり、抱っこしてほしくて手を出して待っている息子に対して「ッコー!(抱っこ)って言ってみな!ほらっ!ッコー!!言うまで抱っこしないよ!」と無理強いして泣かせてしまったりした。私は何をしているんだろう…焦ってイライラしてしつこくして、息子に対して申し訳ない気持ちが溢れ、泣いている息子を抱きしめながら私も泣いた。ついに出た!初めての単語Upload By まる初めて自信を持って言葉が聞き取れたのが2歳11ヶ月のころ。保育園からの帰り道に車でバス停の横を通り過ぎたときだった。「ほらバスがいるねー。バース」その道を通るときは決まって同じことを言っていたので、なんの気もなしにいつものように独り言のつもりだった。「パフ」と息子が言った。え、うそでしょ??私がまた「バス」と言うと「パフ」と返してくれる。ええええええええ!言えるの??急に??本当に急でびっくりした。あれだけ毎日喋りかけていたことが無駄じゃなかったんだ、この子は喋れるようになる。喜びと安心感で泣き叫びながら帰宅した。好きなものから広がる言葉Upload By まる「パフ」が出てから数ヶ月、ものすごく単語が増えてきた。オウム返しも最初は一文字しかできなかったが、徐々に真似する文字数が増えていっている。驚いたのは大好きな電車の種類を覚えたり、電車の塗装から色を覚えだしたりしたことだ。黄色い電車が来ると「キイロー!」青い電車が来ると「アオー!」と叫んで教えてくれる。そしてついに、電車を見ながら初めての二語文「デンチャ、バッバーイ!」が出てきた。これも突然だったので駅のホームで驚き、泣きながら息子を抱きしめたのを覚えている。好きなもの、興味があるものから世界は広がっていくんだと実感し、今では休みのたびに電車を見るために駅へ行っている。これからの成長が楽しみUpload By まる現在は単語は少しずつ増えていっているが、二語文は増えないし会話をすることもまだまだできない。「◯◯はどこ?」などの問いかけにまったく答えられない状態だ。前の私ならこの状況に焦りを感じていたかもしれない。でも一年前にはまったく出ていなかった単語が、今はどんどん増えている。私が焦っても仕方ないし息子は確実に成長しているのでゆっくりと見守っていきたい。私も心に余裕ができて成長したなぁと思う。また数ヶ月後、一年後にはどんな言葉を話しているか、どんなやり取りができるようになっているか今から楽しみだ。(執筆/まる)(監修:初川先生より)発語の遅さについてのご心配、臨場感を感じながら読ませていただきました。共に過ごす時間が長い家族だからこそ、保護者からすると、不明瞭な言葉・音であっても、それなりに聞き取れてしまうけれど、あたらめて考えてみると言葉と呼べるほどのものではないかもしれない…という不安をお持ちの保護者もいらっしゃるかと思います。体はすくすく育っているのに、言葉が出ないままだったらどうなるんだろうという不安は、発語の遅いお子さんを育てている保護者の方にとって強烈に感じられることもあり、焦るのも自然なことに感じます。ただ、まるさんも語られているように、お子さんに迫ったところで発語できるわけでもない(だからこそつらい面もありますね)。具体物の名前を教える、子どもに分かりやすい言葉を聞き取りやすく話すなど、言葉が育つ土壌を地道に耕しながら、また、言語聴覚士の先生などのご助言もうかがいながら、言葉が発せられるときをゆったりとした気持ちで待てるといいですね。まるさんの書かれているように、お子さんはお子さんのペースで成長していると思います。保護者の方はそこをぜひ見逃さず喜べるといいなぁと思います。
2022年02月22日小学校3年になって、難易度が上がった勉強につまずきだした現在小学校5年生の長女ゆい。小学校4年生のときに発達検査を勧められ、その後5年生で軽度知的障害、自閉スペクトラム症、場面緘黙などの診断を受けました。小学校の勉強って3年生あたりからだんだんと難しくなっていくのですが、ゆいがつまずいたのはまさにそこでした。3年生から難易度が上がるといっても、テストで高得点をとる子も多いと思います。でもゆいの算数のテストは50点以下が多かったです。これを見ても「勉強の苦手な子だなあ、でも元気ならそれでヨシ!」と適当に考えていた私のところへ、ゆいが4年生に上がったある日、担任の先生から電話が来たのです。教室にいたのは担任の先生。そしてもう一人…。先生からお話したいことがあるので学校に来てくれませんかと言われたとき、最初に考えたのは「クラスの子と何かトラブルがあったのかな?」ということでした。4年生のクラス替えで仲の良い子と離れてしまい、友達をうまくつくることができていなかったようなのです。教室に入ったとき、担任の先生ともう一人、加配の先生がいらっしゃったので「あれ?」と感じました。加配の先生は、授業に集中できない子たちの横について個別にサポートしてくださる方です。「なんで加配の先生がここにいるんだろう」と不思議に思っていました。私はここまで、ゆいが特別扱いを受けていることに気づいていなかったのです。Upload By 吉田学校でのゆいの様子は先生がゆいの学校でのことを教えてくださいました。「勉強についていけず、理解する余裕がない状態です」…そうですよね。この子は勉強が苦手なんです。「私たちもゆいさんに合った指導方法を探していこうと考えています」…あれ、これはもしかして、大ごとなんじゃないのかな?「もしよろしければ、発達検査というものがあるので一度受けてみてはいかがでしょうか?」……。Upload By 吉田学校の先生からこんな提案受けるなんてよっぽど大変なことになってるんだ。でも私はこんなことを言ってしまったんです。Upload By 吉田「でも、個別指導の塾にも通うようになりましたし、これから頑張ればみんなに何とか追いつくんじゃないかと思ってます」なんでこんなことを言ってしまったのかというと、多分受け入れることができなかったからなんだと思います。それは「検査を勧められるほどに発達に心配があると思われているわが子」ではなく、「子どもの遅れに目を背けた自分自身」にです。普通のお母さんだったら、子どものためにもっと早く動いていたのでは?小学校3・4年生のテストとは言え、いつもテストの点数が低かったゆい…。「勉強ができなくてもいい、元気だったら」と思っている気持ちに嘘はないけれど、それと同時にそれは親がラクしたいための言い訳だったのではないかとうしろめたさを感じてしまいました。そんな私に対して先生は「お母さん、お子さんを普通という小さな箱に入れようとしていませんか?」と仰いました。Upload By 吉田「普通」であることにこだわっていた私先生の言葉に私は頭を強く叩かれたように感じました。そうだ、私は”普通であること”にこだわっていたんだな。「普通でいてくれたらそれが一番」なんて思ってたけど、普通に勉強ができて、普通に新しい友達ができる…その”普通”はゆいにとってはとてもハードルの高いものだったと言うことにそこで初めて気づくことができました。「お母さんの思う”普通”、みんながそこを目指す必要はありません。子どもの可能性はもっともっと大きいです。もっとゆいさんのためになることを探していきませんか?発達検査でその手がかりを知ることができるかもしれません」先生はそう仰いました。Upload By 吉田ここまできたらもう腹をくくって行動しなきゃな。この子はちょっとサポートが必要なタイプの子らしい。ゆいのためになることをこれから一緒に探していかないと。先生のこの言葉があと押しになり、私は帰宅してすぐに発達検査の申し込みをしたのでした。執筆/吉田いらこ(監修:三木先生より)学年が上がると学習内容が複雑化・抽象化した上に量が増えるので、つまづきやすくなってきます。そこでついていけていないこをと突きつけられると、わが子の順調な発達を願う身としてはつらいですよね。お母さんにとってつらい話にもかかわらず、ゆいさんのためを思って検査を進めてくださった学校の先生方の勇気には敬意を表したいです。そしてその勇気から逃げずにしっかりと向き合ったいらこさんもまた素晴らしいと思います。
2022年02月10日4歳で初めての発達検査を受ける太郎が年少のころ、発達相談所に発達検査を受けに行った。案内されたのは6畳程の狭い個室。そこには小さなテーブルと椅子が2つ、子どもが遊ぶようなブロックや積み木が部屋の隅っこに置かれていた。Upload By まゆん発達検査を行うのは児童心理司さんだが、まだ部屋にはいなかった。太郎は部屋に案内されると、部屋にある積み木やブロックで遊び始めた。ちょうど遊び始めたころに、児童心理司さんが部屋に入ってきた。私が太郎に「おもちゃを片づけよう」と声をかけると、太郎はすぐに片づけに切り替えることができた。Upload By まゆん机を挟んで対面で太郎と児童心理司さんは座った。私と同席していた太郎の担任の保育士さんは、部屋の隅で座っていた。いよいよ検査が始まる。児童心理司さんが「こんにちは」と挨拶をすると、太郎は「こんにちは」と挨拶をかわせていた。検査の初めは静かに椅子に座っていた太郎だが、質問を重ねて行くうちにガタガタと椅子を揺らしたり身体を揺らしたり、落ち着きがなくなっていった。Upload By まゆん児童心理司さんの質問も頭に入らないのか、机に突っ伏してしまった。Upload By まゆんなかなか問題が進まなくなったとき、児童心理司さんから次の発言があった。「太郎くん、真面目にしてくれるかな?今日はね、太郎くんのお母さんはあなたのために、わざわざ仕事を休んでここに来てくれてるの、無駄にしないでほしい!」Upload By まゆん・・・・・・・ちょっと待て…私の心は凍りついた。Upload By まゆん私が思ってもいないような気持ちを代弁しないでくれないかな?いつ私が「わざわざ休みとりました」なんて、「わざわざ」なんて言ったかな?私は怒りをおさえながら、太郎と児童心理司さんのやり取りを見ていた。強めの口調で注意された太郎は、その空気を感じることができたのか、状態を起こし渋々と質問に答え始め、最後まで受けることができた。そんな児童心理司さんとのやり取りをみながら、私の心はまださっきの「わざわざ」にモヤモヤとしていた。(切り替えが苦手なのは私の方なのかも……)検査を終えると児童心理司さんは採点と評価をするため、一旦退室した。太郎は再びブロックで遊び始めた。私はまだモヤモヤとしていた。(やはり切り替えが苦手なのは私)そして評価のため、児童心理司さんが再び入室。そこでの評価の中に「注意すると我慢することができ、指示の理解もあった」というのがあった。私は、さっきの「わざわざ」は、わざと注意して太郎の行動を試していたものなのか?と思いもしたが、いやいやそれにしても、とモヤモヤしていた。Upload By まゆん私は太郎と一緒に、発達検査や療育リハビリへ何度も行っています。対応してくださるスタッフの方もさまざまで、強い口調で頭ごなしに注意されることもありました。今回のコラムで書いた発達検査では太郎は渋々と質問に答えることができましたが、ほかの場面では涙を流しながらすることも多くありました。先生から強い口調で注意をされ涙を流す場面を、私はどうしていいのか、これが正しい指導なのかと思いながら歯を食いしばって見ることもありました。発達障害についての知識が増えた今だから言えるのですが、あまやかすとは別で、注意の仕方、気づかせ方の問題だと思うのです。注意の仕方一つで相手の気づき方も変わり、人の動きは変化すると思います。頭ごなしに強い口調で注意しても相手に不快な思いしか与えられず、動けるものも動けなくなると私は考えています。これは発達障害に限らず誰にとっても、どこの社会でもそうだと思います。人を育てる、伸ばす、ということと、圧をかけることとは別だと思ってます。発達障害のある子どもはどうしても指示が入りにくく、相手の思い通りにいかないので神経を逆なでるのかもしれませんが、そういう場面を保護者が見るのはとてもつらいです。もしも同じ思いをされている方がいらっしゃるのであれば、周りにヘルプを出していただきたいと思っています。執筆/まゆん(監修:鈴木先生)4歳の太郎君は、お母さんの指示に従いおもちゃを片づけて椅子に座り、きちんと挨拶ができているので、いい子です。ただ、ガタガタと椅子を揺らして落ち着きがないのは非移動性多動がありそうですね。それでも強めの口調で注意されながらも最後まで質問に答えた太郎君は偉いと思います。心理担当者は思い通りいかないと強い口調になってしまう側面がおありかなと思いきや、「注意すると我慢することができ…」との記載があったので実は試していたのかと私も感じてしまいました。そうならば、あとで試していたという説明が親に対してあるはずです。プロなら強い口調で言ってもそのあとの質問に答えられたならば「よく頑張ったね。さっきは強く言ってごめんね」というフォローの一言があって然りだと思います。発達障害(神経発達症)のあるお子さん対する接し方の基本は、「優しく・丁寧に・具体的に・肯定文で」と日ごろ外来で親御さんにお話ししています。
2022年01月29日長男は4歳のときに、子ども発達支援センターで発達検査を受けました。担当の先生からは発達障害のグレーゾーンと言われ、長男への接し方や特性の話を聞きました。乳児期のころから長男のことを育てにくいと感じていたのですが、当時はなぜ育てにくいと感じてしまうのかわかりませんでした。今回は検査結果を聞いたときの私の心境をお話ししたいと思います。 子育てがつらいと感じていた日々長男は生後3カ月のころから寝つきが悪く、夜泣きもひどく、育児用ミルクは一切飲まず母乳のみでした。実家は遠く、夫は非協力的で、金銭的な余裕もなかったので、私ひとりで長男の子育てや家事を頑張るしかありません。さらに長男が1歳、2歳と成長してくると、偏食・言葉の遅れ・こだわりが目立ち始めました。 健診では問題ないと言われていましたが、長男の様子に違和感を持ち始めていた夫や義父から、私のしつけが悪いと言われるようになり、私は長男の子育てをつらいと感じるようになってしまいました。 発達検査を受けた結果長男が4歳になる1カ月前、長男の子育てと成長について子育て支援センターへ相談に行ったところ、すぐに子ども発達支援センターを紹介され、長男が4歳3カ月のときに発達検査を受けました。 担当の先生からは検査の結果、「発達障害のグレーゾーン」と言われ、知能的に高い部分と社会性の低い部分で2年半の差があるということでした。発達に凸凹があるために、長男には理解できることとできないことの差がありますが、それは性格や環境のせいで「お母さんのせいではないですよ」と言われたのです。 ショックよりホッとした気持ち夫や義父に長男へのしつけが悪いと言われていた私は、「お母さんのせいではない」と言われたとき、体の力が抜けたと同時にホッとしました。 また長男には脳機能で何かうまくいかないことがあり、感覚などの過敏があるのだとすると、育てにくいと感じていた長男の偏食やこだわりなどをすんなりと理解することができたのです。そして不思議とショックではありませんでした。むしろ、発達障害のことや長男のことを、しっかりと理解したいと思いました。 発達検査の結果が出たあとも、夫や義父は長男の発達検査の結果をなかなか受け入れてくれず、私のしつけが悪いと言っていましたが、私は気にしませんでした。発達検査の結果を聞いた日を境に、長男の子育ては「育てにくい」から「理解したい」という方向へ変わっていきました。私のせいじゃなかった、そう思った瞬間のホッとしたときの気持ちは、うまく言葉では表せませんが一生忘れることはないと思います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 「共感した」「私の場合はこうだった」など、ぜひベビーカレンダーサイトのコメント欄にご感想をお寄せください。また、ベビーカレンダーでは皆さんから募集した体験談を記事でご紹介させていただくことも。ベビーカレンダーに会員登録すると届くメルマガから、皆さんのオリジナル体験談をご応募ください。 イラストレーター/おもち監修/助産師 松田玲子著者:川本 千華発達障害の長男、兄が大好きな次男を育てる2児の母。元ピアノ講師。自身の経験を活かし音楽・発達障害に関するライターとして活動中。
2022年01月29日長男は4歳のときに、子ども発達支援センターで発達検査を受けました。担当の先生からは発達障害のグレーゾーンと言われ、長男への接し方や特性の話を聞きました。乳児期のころから長男のことを育てにくいと感じていたのですが、当時はなぜ育てにくいと感じてしまうのかわかりませんでした。今回は検査結果を聞いたときの私の心境をお話ししたいと思います。 子育てがつらいと感じていた日々長男は生後3カ月のころから寝つきが悪く、夜泣きもひどく、育児用ミルクは一切飲まず母乳のみでした。実家は遠く、夫は非協力的で、金銭的な余裕もなかったので、私ひとりで長男の子育てや家事を頑張るしかありません。さらに長男が1歳、2歳と成長してくると、偏食・言葉の遅れ・こだわりが目立ち始めました。 健診では問題ないと言われていましたが、長男の様子に違和感を持ち始めていた夫や義父から、私のしつけが悪いと言われるようになり、私は長男の子育てをつらいと感じるようになってしまいました。 発達検査を受けた結果長男が4歳になる1カ月前、長男の子育てと成長について子育て支援センターへ相談に行ったところ、すぐに子ども発達支援センターを紹介され、長男が4歳3カ月のときに発達検査を受けました。 担当の先生からは検査の結果、「発達障害のグレーゾーン」と言われ、知能的に高い部分と社会性の低い部分で2年半の差があるということでした。発達に凸凹があるために、長男には理解できることとできないことの差がありますが、それは性格や環境のせいで「お母さんのせいではないですよ」と言われたのです。 ショックよりホッとした気持ち夫や義父に長男へのしつけが悪いと言われていた私は、「お母さんのせいではない」と言われたとき、体の力が抜けたと同時にホッとしました。 また長男には脳機能で何かうまくいかないことがあり、感覚などの過敏があるのだとすると、育てにくいと感じていた長男の偏食やこだわりなどをすんなりと理解することができたのです。そして不思議とショックではありませんでした。むしろ、発達障害のことや長男のことを、しっかりと理解したいと思いました。 発達検査の結果が出たあとも、夫や義父は長男の発達検査の結果をなかなか受け入れてくれず、私のしつけが悪いと言っていましたが、私は気にしませんでした。発達検査の結果を聞いた日を境に、長男の子育ては「育てにくい」から「理解したい」という方向へ変わっていきました。私のせいじゃなかった、そう思った瞬間のホッとしたときの気持ちは、うまく言葉では表せませんが一生忘れることはないと思います。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 「共感した」「私の場合はこうだった」など、ぜひベビーカレンダーサイトのコメント欄にご感想をお寄せください。また、ベビーカレンダーでは皆さんから募集した体験談を記事でご紹介させていただくことも。ベビーカレンダーに会員登録すると届くメルマガから、皆さんのオリジナル体験談をご応募ください。 イラストレーター/おもち著者:川本 千華発達障害の長男、兄が大好きな次男を育てる2児の母。元ピアノ講師。自身の経験を活かし音楽・発達障害に関するライターとして活動中。
2022年01月29日微細運動とは、持つ・にぎるなど手指を使った動きで、身の回りのケアに必要な体の動き微細運動は手指のこまかい動きのことで、持つ・にぎるから始まり、道具を使う、操作をするといった動きのことです。立つ・歩くなどの体を移動させるための大きな動きである粗大運動に対して微細運動と呼びます。たとえばフォークを使って食べ物を刺し口元まで運ぶ動作、クレヨンを握って紙に何かを書く動作、さらに服のボタンのかけはずしや、靴を履くなど、自分の身の回りのケアに必要な動作でもあります。微細運動は、いつごろからどんなことができるようになる?目安は?Upload By 発達障害のキホン粗大運動は、脳に近い部分から体の末端に向かって順に発達していきます。一方、微細運動は背骨に近いところから指先に向かって発達していきます。新生児期にみられる原始反射に「把握反射」(はあくはんしゃ)という、手に触れたものをにぎるという動作がありますが、これは体の発達が進む間に見られなくなります。手のひらに何か触れると無条件に指関節が曲がって握るという動作は、人類の祖先が樹上生活をしていた際の、木の枝から落ちないための古い記憶からきているともいわれます。体の中心から末端に向けてだんだんにできるようになっていく微細運動は、どのような過程でできるようになっていくのでしょうか。いつごろ、どんな動きができるようになるのか目安を見てみましょう。●両手を合わせられるようになる(生後2ヶ月ごろから)赤ちゃんにとっていちばん身近にある目の前で動くものといえば、自分の手。肩関節から先を動かすことができるようになる2ヶ月ごろから、両方の手を合わせてさわることができるようになります。●手のひらを使って、にぎることができるようになる(生後5ヶ月ごろから)生後3ヶ月ごろから細い柄のついたもの(おもちゃのガラガラなど)を、手に近づけてあげればにぎっていられるようになります。ただ、このあと自分でさわろうとしたりするのは、興味があるものに手を伸ばすようになる3~4ヶ月ごろからです。また、肘関節が動かせるようになる4ヶ月ごろから、手のひらでものをにぎれるようになります。●手に持ったものを別の手に持ち替える(生後6~7ヶ月ごろから)手のひらでにぎったものを、もう一方の手に持ち替えることができるようになっていきます。また、生後8ヶ月ごろからは、両手につみきなどを持ち、持ったものをカチカチと打ち合わせたりすることができるようになっていきます。両方の手の動きを連携させることができるようになるのです。●親指と人差し指でものをつまむ(生後10ヶ月ごろから)自分の意思で動かせる範囲が、かなり末端まで広がっていきます。指の関節が動かせるようになり、こまかいものをつまむことができるようになります。手をなめるだけでなく、おやつのボーロを手指でつまみ上げて口まで運ぶという動作も可能になります。また、ボタンなどを押すのが面白くなってくるのもこのころです。●肩関節から指の関節までを組み合わせた動きが自在になる(1歳~1歳半ごろ以降)1歳を過ぎるころから、手に持ったものを、目的をもって動かす動作ができるようになっていきます。スプーンやフォークを握って、口がある場所に持っていき、道具の先端にある食べ物を口にこぼさずに入れるという一連の動作は、分解してみるとかなり複雑な動きであることが分かります。また「こうしたい」という心の発達もともなう動作でもあります。こうして体幹からだんだん末端へと、自在に動かせる範囲が広がります。道具を使う手指の動きには、筆記用具を使って「書く」という動作があります。この動きも体の中心に近いところから末端の手指の関節へと、運動神経が伝わっていくことで、こまかい動作ができるようになります。● 10ヶ月ごろ…点を打ち付けます。これは筆記用具をにぎり、肩関節を動かすだけでできます。● 1歳ごろ…線を書く、いわゆるなぐり書きです。肘関節を動かすことで、紙の上に筆記用具を滑らせて書きます。● 2~3歳ごろ…最終的にまるが描けるようになります。手首を動かすことによって、円を描きます。また、手の動きだけでなく、筆記用具の握り方も成長します。0~1歳の前半ごろは、いわゆる「にぎり持ち」、指を使わず手のひらを使って筆記用具をもちます。このころは、柄が太く短いクレヨンなど、手と一体になるようなデザインの筆記用具が使えます。だんだんに、柄が細く、握ったところから遠いペン先で書くようになっていきます。握り方も成長します。人差し指と親指で筆記用具を持ち、その他の指で支えるようになり、複雑な線を描けるようになっていきます。ほかにも、ビーズにひもを通す(1歳ごろ)、ハサミを使う(2歳ごろ)、ボタンをかける(3歳ごろ)、ふたを開ける(5歳ごろ)、ひもを結ぶ(6歳ごろ)などといった細かい動作がたくさんあります。なお、生活に必要な動きのみではなく、手芸や工作などさらに精密な動きをするようになっていくためには、「こういうものをつくりたい」という心の発達が必要であり、どんな人でもトレーニングが必要です。立つ、歩くといった粗大運動とは少し違い、自然にできるようになるものではありません。発達障害(神経発達症)がある場合に見られる微細運動の特徴(併存症として発達性協調運動症がある)それでは、発達障害(神経発達症)があった場合、微細運動の発達には何か影響があるのでしょうか。それはなぜなのでしょうか。●協調運動の課題発達障害(神経発達症)がある場合、神経伝達がうまく伝わらないことがあります。「皿の上にあるボーロを取って、口に運んで食べたい」と脳で思っても、そのとおりに体を動かせないために、ボーロをつまめない、つまめたとしても力が軽すぎて落としたり、逆に強すぎてつぶしてしまう、また、そのあと口元まで運ぶことがうまくできない、ということがあります。●感覚過敏があるため、物に触りたがらないもうひとつの発達障害(神経発達症)の特徴として、感覚過敏があります。そもそも違和感のあるものを触りたがらないために、微細運動の発達の遅れがみられる場合があります。物の温度・手触り・色・材質・形・におい・その物が発する音などについて、温度覚、触覚、視覚、嗅覚・聴覚等が関わってきます。そうしたものについて、いやな思いをしてしまうと、同じ色のものは触りたがらない、といった傾向もあらわれます。また、特に冬場の空気が乾燥しているときには静電気もあり、パチッという感覚を怖がって、物を触らないことがあります。これは、発達障害(神経発達症)がない子どもにも、あることです。こうして、発達障害(神経発達症)がある子どもの場合、微細運動の発達に遅れがみられることがあります。それぞれの動作ができるようになる時期の目安は前述の通りですが、たとえば1歳半を過ぎたころになっても、ものをつかむときに指を使わず手のひら全体でつかもうとしたり、フォークやスプーンがうまく使えなかったりといったことがあります。一般的にいわれる「不器用」というのは、感覚とこうした手指の動きがうまく連動できないということです。体の感覚統合がうまくいっていない場合に起こります。* 感覚統合とは人間の感覚には、既によく知られている五感(触覚、視覚、聴覚、味覚、嗅覚)に加えて、固有受容覚(手足の状態・筋肉の伸び縮みや関節の動きを感じる感覚)、前庭覚(身体の動きや傾き、スピードを感じる感覚)といった合計7つの感覚があります。(中略)次々と身体に入ってこようとするこの7つの感覚を整理したり分類したりするのが感覚統合です。このはたらきによって、その場その時に応じた感覚の調整や注意の向け方ができるようになり、自分の身体を把握する、道具を使いこなす、人とコミュニケーションをとるというような周囲の状況の把握とそれをふまえた行動ができるようになります。リハビリではOT(作業療法士)が感覚統合訓練を担当します。発達障害(神経発達症)がある子どもにとって一番いい療育は、感覚統合訓練が含まれている音楽療法と乗馬療法です。(「感覚統合」とは? 発達障害との関係、家庭や学校でできる手助けまとめより)参考:音楽とこころ発達障害(神経発達症)がある子どもの微細運動の発達を促すためにできること微細運動がうまくできない状態は、脳からの神経伝達が体の細部にうまく伝わらず、自分が思ったように手指を動かせないということです。生活する中で身の回りのことを自分でできるようになるためにも、感覚統合を促すようなトレーニングが必要となります。ただ、子どもが興味を示さないようなトレーニングでは、長続きはしません。道具の選び方を工夫したり、遊びの中でチャレンジする機会を増やしたりしてみましょう。うまくできたら、ほめることも大切です。0歳代から遊べる、いわゆる「知育玩具」と呼ばれるおもちゃの中には、手指の動きをトレーニングできるものがあります。ボタンを押したり、ダイヤルを回したりすると音がしたり、形の合う穴に積み木を入れたり、遊びながら手指を使う練習ができます。ユニバーサルデザインの食器類を使うことで、フォークやスプーンが使いやすくなります。通常のスプーンは柄から先端までがまっすぐで、口に入れるためには手首の動きをこまかく調節して角度を変えなくてはなりません。はじめから角度がついているものなら、そのまま口元へもっていくだけで自然と口に先端が向くようになります。自分でうまく食べられたという成功体験を積むことで、いやがらずにトレーニングを進めていくことができます。筆記用具を使う練習は、柄の部分が太く丸いクレヨンなど、手のひらで握ることができるものからスタートします。だんだんと、柄の細い鉛筆やペンに慣れていきます。鉛筆の正しい握り方を伝えるときには、ただ握り方を見せてまねをさせるのではなく、こまかいプロセスに分解して教えることが必要です。親指と人差し指でペンをはさんで持たせてみて、そこに中指・薬指を添えて、小指を紙に接するようにさせて安定した持ち方を覚えます。手指のこまかい動きが必要な、服を着たり脱いだりと言う動作。特にボタンをかけるのは両手の人差し指・親指を使う複雑な動作となります。大きなボタンからトライして、だんだんに小さなボタンも開け閉めできるようにしていきます。靴を履くときには、手指の動きだけでなく、足の動きも連動します。足首をしっかり固定する靴のほうが、歩行の成長には望ましいですが、履き口が深い靴は脱ぎはきがむずかしいこともあります。最近は、ひものないマジックテープの靴(※)もあります。靴ひものある靴は、デザインはよいですが、履くのがとても大変です。特にひもを結ぶ「蝶結び」は、手指の動きの中でもかなり高度なテクニックが必要です。 子どもが自分で脱ぎ履きできるように工夫された靴を選びましょう。※自閉スペクトラム症のある子どもは、こだわりのためマジックテープの位置が気に入るまで何回もはがすことがありますこのほかに、穴にひもを通したり、ひもを結んだり、両手を連動させるより高度な微細運動にトライしていきます。自分の身の回りのことが一通りできる微細運動よりもさらに複雑な動きは、その子がつくりたいものや、やってみたいことに合わせてトライしてみるといいでしょう。いずれにしても、繰り返しトライすることでだんだんにコツがわかったり、腕や手指の可動域が広がったりして、できることが増えていきます。そして、何度もやってみるためには、できたときに「できたね!」とほめられて、成功体験となることも大切です。楽しく遊びながらトレーニングをしていきましょう。微細運動の発達が気になったら、どこに相談する?微細運動の発達が気になったら、まずは1歳6ヶ月健診や、3~4歳児健診などの健診の機会に相談してみましょう。問診の中で指摘されることもあります。また、かかりつけの小児科医に相談してみるのもよいでしょう。リハビリや作業の訓練などをしてくれる作業療法士につなげてくれることもあります。医師の診断のもと、体の動かし方、手指の動かし方をトレーニングしてくれます。個々の骨格や関節の動き方を見ながら、その子に合った動かし方を考えて指導します。トレーニングといっても、楽しく遊びながら自然とできるような方法を教えてくれるでしょう。作業療法士は、単独での判断でリハビリを行うことはできません。医師の診断が必要となります。ケガなどが原因で手指が動かしづらい場合には、整形外科での相談もありますが、発達障害(神経発達症)による感覚統合訓練の場合は、小児科医や児童精神科医との連携となるでしょう。まとめ微細運動の発達を促すのは、何度も繰り返し練習してみること。楽しく遊びながらでなければ続かないし、やらなくなってしまいます。また、「できた!」という成功体験も大切。「訓練しなくては」ではなく、「楽しみながらできるようになる」ことを目指しましょう。(監修:鈴木先生より)かつて、発達障害(神経発達症)は微細脳機能障害(MBD/Minimal Brain Dysfunction)と言われていました。周産期に何らかの微細な損傷が脳内に起こったために多動や不注意など今でいうADHD症状、こだわりや感覚過敏など今でいう自閉スペクトラム症の症状、手先が不器用で協調運動が拙劣など今でいう発達性協調運動症の症状があったと信じられていたのです。しばらくしてそれは否定され、ICDやDSMで「軽度発達障害」という概念が生まれてきたという歴史があります。いずれ、その「軽度」もなくなり、「発達障害」となり、今の「神経発達症」に至っています。今回のテーマである微細運動における障害は、発達障害(神経発達症)のお子さんには比較的多くみられ、「発達性協調運動症」と言われています。手先が不器用でヒモを結んだりボタンをかけたりすることが苦手で、体のバランスや手足の協調運動が悪く縄跳びや球技が苦手なお子さんがこれにあてはまることが多いです。定規を使って線を引くことや字を書くことが苦手なお子さんも多くいます。ただ、根底にADHDのあるお子さんはADHDを治療することによって発達性協調運動症を多少改善することが可能です。非薬物療法としては音楽療法や乗馬療法などもあります。公園やアスレチックなどでバランスを磨き、ブロックなどを使って指先を鍛えることも重要です。トレーニングとしては作業療法士が行う感覚統合訓練が有効です。病院や療育などで行われていますが、感覚統合の講習を受けその資格を持った作業療法士のもとで行うことが重要です。
2022年01月05日好評いただいている商品をご紹介!2022年1月の発売に向けて第3弾が進行中の、「発達ナビ×フェリシモ」発達が気になるお子さんや保護者さまが便利に快適に過ごせるためのグッズづくり。今回は、第1弾、第2弾で開発した中から8商品をご紹介します。※詳細ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移します発達障害の中でも、特にADHD(注意欠如・多動症)のあるお子さんは、注意が散漫になりやすかったり、整理整頓が苦手なことが多かったりするといわれています。アンケートでは、ランドセルインナーにほしい機能として、「忘れ物を防ぐ工夫」「プリントをきれいなまま持ち帰れるようなポケットの工夫」「中身を出し入れしやすい工夫」の3つに意見が集まり、これらのご要望に応えたのが「トート&ランドセルインナー」です。ランドセルだけではなく、縦型のトートバッグにも対応。財布やポーチもすっきり立てて取り出しやすく収納できます。また、筆箱や教科書など、小学校でよく使うアイテムのアイコンカードと、忘れ物を防ぐ持ち物リストがついていて、各ポケットにセットして使えます。学校から帰って翌日の準備をする時間や、忘れ物対策として持ち物チェックの習慣を身につけるためのサポートにもおすすめです。【価格】月1個¥2,800(+10% ¥3,079)→うち10円は「CCPチャレンジド応援基金」として運用(基金部分は非課税)※毎月1回、3種類の中から、1種類ずつお届けします。(全種類届くと、以降はストップします。/ 1回だけのお届けでストップも可)Upload By 発達ナビ編集部お出かけ時の困りごとについて聞いたアンケートで最も多い回答は、「バッグの中がぐちゃぐちゃで、どこに何を入れたか分からくなる」という意見でした。そのほかに「忘れものが多い」「見つけられないとパニックを起こす」といった声もあり、これらの困りごとを解決するリュックインナーです。ポケットがメッシュ素材のため、中身がすぐに見える、付属の財布やハンカチなど持ち物の絵が描かれた「アイコンカード」をセットすれば、定位置が分かりやすくなる、自分の持ち物の写真を撮って、アイコンカードにしてカスタマイズも可能といった工夫が満載です。【価格】月1個 ¥2,950(+10% ¥3,243)→うち20円は「CCPチャレンジド応援基金」として運用(基金部分は非課税)※色違いで3種類あり※毎月1回、3種類の中から、1種類ずつお届けします。(全種類届くと、以降はストップします/1回のお届けでストップも可)Upload By 発達ナビ編集部お子さんの忘れ物に注目したアイテムです。アンケートでは、「忘れ物が多いうえに、忘れ物をしたこと自体を忘れてしまうので困る」「『失くした』と言って大騒ぎ」などの声がありました。その中でも、「なくすものは、かぎ」「いろいろなかぎをなくす」と、大切なかぎの困りごとが多く集まりました。「リール付き本革キークリップ」は、かぎの抜き忘れを防止する「キーリール」と、バッグの中での迷子を防ぐ「キークリップ」を合体させたアイテムです。大事なかぎを、場所を決めて携帯できるので、「かぎが見つからない」ということがなくなり、便利です。バッグの内側や外側のポケット、スカートなどボトムスのポケットにもセットできます。【価格】月1個¥1,500(+10% ¥1,649)→うち10円は「CCPチャレンジド応援基金」として運用(基金部分は非課税)※毎月1回、3種類の中から、1種類ずつお届けします。(全種類届くと、以降はストップします。/ 1回だけのお届けでストップも可)Upload By 発達ナビ編集部交通カードやスポーツ施設などの利用者証、外見から分かりにくい障害のある方が支援や配慮を必要としていることを周囲に知らせることができる「ヘルプマーク」については、「バッグにつけはずししにくいのが不便」「障害の情報は見せる必要がないときは隠したい」などのお悩みがアンケートから浮かび上がりました。さらに座談会では子どもが抵抗なく持てるかわいいホルダーがあれば、という意見も出ました。そこでお守りのようにさりげなくカバンにつけられるデザインで、提示も付けはずしも簡単にできるカードホルダーができました。【価格】月1個 ¥2,250(+10% ¥2,474)→うち10円は「CCPチャレンジド応援基金」として運用(基金部分は非課税)※毎月1回、デザインを変えて、1種類ずつお届けしますUpload By 発達ナビ編集部家庭学習に関するお悩みも多くいただきました。「気持ちがすぐに違うところへ飛ぶ」などのコメントに共感が集まり、「テレビや家族の様子が気になる」「周りの目に入るものに気が散って、勉強に集中できない」というお悩みに応えたのが「おうちで集中できるデスクパーテーション」です。コンパクトに四つ折りできて、さっと広げればリビングでの勉強や作業に集中できるパーテーション。A4が入るマチつきポケットやメモなどの入る小ポケット、プリントやドリルが挟めるクリップなど、要望の多かった機能に絞ったシンプルな仕様です。【価格】月1枚¥2,950(+10% ¥3,244)→うち10円は「CCPチャレンジド応援基金」として運用(基金部分は非課税)※毎月1回、3種類の中から、1種類ずつお届けします。(全種類届くと、以降はストップします。/ 1回だけのお届けでストップも可)Upload By 発達ナビ編集部出したいお金が見つけられずお会計が苦手、お会計の時に焦ってしまってなかなか取り出せない、といったお悩みが聞かれました。とくに、視覚優位と呼ばれる傾向のある方は、お札や硬貨が隠れて見えないと、お勘定を正確に出せず大きなお金を出すため、たくさんのお釣りでお財布がいっぱいになってしまうという悪循環があるようです。また、硬貨がいくらなのかを瞬時に判断するのが苦手な方もいらっしゃいました。アンケートでは、「カードポケットを見やすくしたい」という意見が多く集まりました。「メッシュ財布」は、小銭入れが2色に分かれていることでお金をマイルールで管理でき、マグネットやブックタイプの仕様にすることで不器用さがある方にも使いやすく。やさしい仕様だけれど見た目は大人っぽいエナメル風素材で、みんなのお買い物を楽しく応援してくれるお財布に仕上がりました。【価格】1個¥3,900(+10% ¥4,289)→うち10円は「CCPチャレンジド応援基金」として運用(基金部分は非課税)※この商品は、お申し込みいただいた月だけお届けしますUpload By 発達ナビ編集部文房具が見つからなくて勉強や作業がなかなか始められない、ものをどこに片付けたのか分からなくなってしまう、といったお悩みが多く聞かれました。そこで、可動仕切りやアイコンカードでじぶん専用にカスタマイズしてひと目で分かりやすく整とんできるお道具箱をつくり、「これひとつあれば作業が始められる」状態になれることを目指しました。アンケートでは、「可動仕切りで定位置を決められるボックスタイプ」と「カレンダーのように立てられるファイルタイプ」という意見が多く、置きやすくて中身が見やすいタイプが求められていることが分かりました。必要なものをまとめて収納できて、まるごと持ち運びできるお道具箱です。仕切りで見やすく整理できて、ひと目で入れるものの定位置が分かるように貼れるアイコンシートも付いているから、出し入れもらくにできます。ふたは一体型になっていて、中にはA4ファイルを挟めるゴムつきです。開けると立てたまま固定できるので場所を取らず、ふたの紛失も防げます。お薬や手芸、メイク道具の収納にもおすすめです。【価格】月1個¥2,200(+10% ¥2,419)※組み立て式→うち10円は「CCPチャレンジド応援基金」として運用(基金部分は非課税)※毎月1回、3種類の中から、1種類ずつお届けします。(全種類届くと、以降はストップします。/ 1回だけのお届けでストップも可)Upload By 発達ナビ編集部いかがでしたか。お子さまやご自身へのプレゼントに、ぜひご検討ください。2022年1月発売の新アイテムもお楽しみに!
2021年12月22日小学2年生だった次男がいじめにあう発達障害の中でもADHDとASDのほか、躁鬱病(双極性障害)がある猫ママ(仮名)さん。学生時代はまだ発達障害や躁鬱病が今ほど世の中に知られておらず、周囲の理解が乏しい中、「突然落ち込んで動けなくなる」ことが多かった。「あの子は怠け者」。夏休みの宿題もやり切れたことがなく、いつも「頑張らなきゃ」と無理をしていた。高校卒業後、1年余り会社勤めを経てすぐに結婚。3人の子宝にも恵まれた。ただ、当時小学2年の次男が日に日に元気がなくなっていくのを見て、違和感を覚えていた。すると授業参観の日、担任教師から「お子さんが友達に対して注意をすることが多く、反感を買っている。その話を本人にしたら、最近元気がなくなってしまった」と言われたという。しかし、詳しく状況を確認をしたところ、担任教師の対応がクラスのいじめを助長していたことが発覚。学校に事実を伝え、事態は収拾したものの、猫ママさんの心に引っかかったことがあった。「友達に注意をすることが多い」とは――。周囲に自閉スペクトラム症のある子どもがいたことから発達障害の勉強をしていたという猫ママさんにとって、次男の特性があてはまることに気付いた瞬間だった。Upload By 桑山 知之「勉強もできて友達だってたくさんいる、こんなにいい子なのに、発達障害だなんて有り得ないって最初は思いました。でもある日、夕飯を作っていたときに肉じゃがを見て次男が『これ、何ていう食べ物だっけ?』って言ったんですよね。何度も食卓に出している献立の名前も知らなかったのか、今まで意識したこともなかったのかと――それで次男にはなにかあるという確信に変わったというか。でも、どこか気持ちが軽くなったんですよね」(猫ママさん)その後、学校でのルールに耐えられなくなり、眠れない日々を過ごしたという次男。診断の結果、ADHDとASDがあることがわかった。「しんどいからできない」のか「甘えている」のかが分かりづらく、叱るのを躊躇した時期もあったが、特性を深く理解することで線引きがわかるようになったという。息子が苦手なことは自分も苦手――自身も発達障害の診断をUpload By 桑山 知之次男のあと、長男や三男の障害も明らかになった。そして猫ママさん本人も35歳のころ、診断を受けた。夫は診断こそ受けていないが、息子の担当医によれば「間違いない」という。こうして“発達障害一家”として歩んでいく決意を固めた猫ママさんは、子どものサポートに徹しようと仕事をせず、書類や水筒を忘れたらいつも学校まで届けた。「家族のサポートをする上で、私自身の苦手分野と彼らの苦手分野が被りすぎていることは、ハッキリ言ってかなりの負担です。誰か1人でもいいから、片づけができるといいんですが…。彼らの負担を軽くするために、彼らがどうしてもできないことはやってあげたいと思っています。ですが、私も同じようにどうしてもできません。私だってできることなら誰かに頼りたい」(猫ママさん)Upload By 桑山 知之思い返してみれば、猫ママさん自身も子どものころ、空気が読めなかった。周囲の様子をきちんと理解できていなかった。相手の表情や、何を喋っているか、あらゆる情報が今でもほとんど思い出せない。でも母親や教師からはよく怒られた。当時を知る高校の同級生からは「あのころはマシンガントークがすごくつらかった」とも言われた。どうやら、しょっちゅう友達の間に割って入って自分の話をまくしたてていたらしい。発達障害一家だからこそわかること「ゆっくりだけど、みんな学んでいる。」これはドキュメンタリーCM『見えない障害と生きる。』の中に差し込まれたコピーだ。猫ママさん一家も、決して例外ではない。Upload By 桑山 知之社会には、どうしても守らないといけないルールや、やらないといけないことがある。しかし、発達障害のある人にとって、「できないこと」や「わからないこと」があるのも事実。猫ママさんは、自分なりのペースで「誠意を持って生きる」ことが大切だと話す。「そもそも、自分が何をわかっているのか、わかっていないのか、わかっていないことがわかっていないというか。それダメだよって言ってくれれば、ダメなんだってわかるんだけど、言われなかったり酷い目に遭わなかったらわからないんです。そういう人多いんじゃないかな、ラインがわからない人。感覚としてわかんない。備わっていないんです」(猫ママ)Upload By 桑山 知之苦しんで育ってきた自分だからこそ、息子3人が一体どういったことに苦しんでいるのかがわかる。そのサポートをしながら、親がレールを敷くのではなく、本人の意思を尊重してきた。そのうえで、子育てにおいて大切なのは、「何ができるか」ではなく、「愛される人間であること」だという。「いちいち他人を敵に回すようでは、困ったときに助けてあげようと思ってもらうことはできません。逆に、できることが少なくて手がかかっても、いわゆる憎めない人には、ピンチのときに誰かが必ず助けてくれると思うんです。特性ゆえにわからないならなおのこと努力が要るのではないでしょうか。そのためには、障害を受容し、許容することが大前提になるのだと思います。まず親が一番最初に、わが子をしっかりと受け止め、許容すること。できないことを受け止め、その中で一緒に歩いていくこと。そしていつか必ず『手を離す』覚悟を持って」(猫ママさん)長男は25歳になり工場用機械を作る会社に就職。次男は21歳で名古屋のアパレルショップで働いている。三男は全日制の高校に通う1年生だ。猫ママさんは10年前から、発達障害や家族のことを知ってもらおうとブログなどを通じて発信を続けている。特性と躁鬱の症状で仕事は途切れがちだったが、現在はクローズ(※障害があることを申告せずに一般雇用で就労すること)でサポート側として2年半継続して勤務している。ゆっくりだけど、みんな学んでいる。Upload By 桑山 知之平成元年愛知県名古屋市生まれ。慶應義塾大学経済学部在学中からフリーライターとして活動。2013年に東海テレビ入社後、東京支社営業部を経て、報道部で記者/ディレクター。2018年から公共キャンペーンのプロデューサーとして「いま、テレビの現場から。」や「見えない障害と生きる。」、「この距離を忘れない。」といったドキュメンタリーCMを制作。主な受賞歴は、日本民間放送連盟賞CM部門最優秀賞、ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSゴールド、JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール経済産業大臣賞、ギャラクシー賞CM部門優秀賞、広告電通賞SDGs特別賞など。取材・文/桑山知之取材協力/若者支援ネットワーク研究会in東海(監修・三木先生より)「誠意をもって生きること」「愛される人間であること」はすごく大事ですね。どういった苦手さを持っているかももちろん人生に大きく影響するのですが、その困難に直面したときに誰かに助けてもらえたり許してもらえるようなキャラクターだったり振る舞いができたりすることは、実は何よりも強い武器なのかもしれません。
2021年12月22日発達ナビPLUSがもっと使いやすく、もっと見やすくリニューアル!Upload By 発達ナビ編集部発達ナビのプレミアムサービス「発達ナビPLUS」では、スマホ1つで発達支援の専門家とつながり、ご家庭のお悩みを解決までサポートするオンラインサービスです。「発達ナビPLUS」は、約1年半のあいだサービスをお届けする中で、たくさんいただいたユーザーのみなさまのお声をもとに、2021年12月にリニューアルしました!今回は、サービスの内容やリニューアルしたポイント、またユーザーさまからのうれしいお声も紹介していきます。満足度98%!専門家による個別アドバイスが届く。Upload By 発達ナビ編集部発達凸凹子育ての「こんなときはどうすればいいの?」に幅広くお答えします。 支援経験豊富な専門家が、保護者さまのお困り内容を整理し、お子さまの発達状況や環境情報などの分析と、分析に基づく個別最適な手立てをアドバイスします。Upload By 発達ナビ編集部■ 相談カテゴリが追加!今までも、子育てに関連するお悩みはどんなことでも受け付けていましたが、特に多くのご相談がくるカテゴリについては、新しくカテゴリとして、導入しました!■ 過去の相談と回答が一覧で見やすく!過去のご相談の流れを一覧ですぐに見返しやすくなりました。また、一覧にある過去の相談から「継続相談」を開始しやすくなりました!「相談がびっくりするぐらい丁寧で、ありがたいです。下の子が小さくなかなか相談機関に行けないので、オンラインがすごく助かります。また自分のいい時間にゆっくり相談したい内容を書いたり読んだりできるのがいいです。ありがたい支援システムをつくっていただきありがとうございます。(ASD, ADHD・小学生の保護者さま)」「学校で起こったお友達とのトラブルや、困り事を相談しています。具体的な事例を入力するだけで、専門家の先生が整理してくださり、トラブルや困り事の根本の部分をあげて、さらに具体的な対処法や練習法を教えてくださいます。(ASD, ADHD・小学生の保護者さま)」「一般的には、医師や心理士の予約には時間もかかりまた話したいこともあまり話せなかったりしますが、発達ナビPLUSだったら、文章にして相談できるのでいいです。面と向かって話さないで相談できる場所は、リアルな相談場所に行くまでの支えになります。(ASD,知的障害・未就学児の保護者さま)」その場でチャット質問もできる!ライブ配信Upload By 発達ナビ編集部ここでしか聞けない、幅広く、細かいテーマ設定で、医師・心理士など専門家が疑問を解消するライブ配信では、事前の質問に加え、その場でチャット質問も受け付け、専門家が答えていきます!リアルタイム参加できなくても、録画動画での視聴も可能です。「ライブ配信の録画は、悩んでいることの最新のものがながれることが多いので本をみるより分かりやすくいいです。(ASD, 知的障害・未就学児の保護者さま)」「主にライブ配信や録画動画を利用させていただいていますが、配信内容がカテゴリ別になっていて、子どもの状況や特性に合った内容を自分で選んで視聴できるので、知りたい情報がすぐに見つかり、とても役立っています。内容も充実していて、心理士や作業療法士など、専門の知識を持った方が講師をして下さるので、とても勉強になります。(ADHD・小学生の保護者さま)」「子供の対応の仕方で迷った時に、その時に必要な過去の配信を検索して観て、専門家の意見を学んでいます。通級指導教室、療育にも通っていますが、それぞれの先生の意見を聞いて、発達ナビPLUSの配信動画、を観て自分の意見をまとめてから対応するようにしています。(ADHD・小学生の保護者さま)」解説動画、教材・支援ツールなどがカテゴリ別に見つかる!Upload By 発達ナビ編集部さまざまなお悩み別に、5分~15分でわかる解説動画や、7,000点以上の教材・プログラム、よみもの(記事)にアクセスできます。 今の悩みに合ったコンテンツを手軽に探せます。過去に開催したライブ配信もお悩み別に探せます。Upload By 発達ナビ編集部■ おすすめ機能・お気に入り機能が追加!お子さまの年齢情報をもとにした、おすすめ機能がつき、よりご自身にあった情報が見つけやすくなりました。さらに、「あとで見たい!」と思ったコンテンツを保存♡できる、お気に入り機能も追加!■ カテゴリ検索で、今ほしいコンテンツがすぐに見つかる!画面右上の虫眼鏡マークから、お困りカテゴリを選択し、今困っていることに答えるコンテンツにすぐにアクセスできます。大きいカテゴリが12種類、小さいカテゴリが56種類あるので、あなたの今の悩みがきっと見つかります。「支援にあった教材がダウンロードし放題なので、きょうだいそれぞれ、その子に合わせて使用させていただいています。(ASD, ADHD, LD・小学生の保護者さま)」「支援教材もよくチェックしています。どんな力が身につくか、スモールステップで示されており、また、画像付きなのでとてもわかりやすいです。(LD・小学生の保護者さま)」「解説動画では、実践を含めてわかりやすく説いてくれるので親にとってはとても有難いです。(ASD, ADHD, 知的障害・小学生/高校生の保護者さま)」ライフステージマップで先の見通しまで安心にUpload By 発達ナビ編集部未就学から学齢期、思春期、成人と、ライフステージが変わるごとに、必要な情報や困りの内容も変わります。今後を見据えた情報を一目で把握できるようになりました。マップから直接、解説動画やよみものなどのコンテンツにアクセスすることもできます!入会特典で3万円分の相談がついてくる!発達ナビPLUSは、リニューアルを通して、発達が気になるご家庭の子育てに、より確かな安心を届けてまいります。入会特典として、発達ナビPLUSの相談チケット実質3万円分がついてきます!くわしくは、サイトをご覧ください。Upload By 発達ナビ編集部
2021年12月16日子どもの”発達障害がある可能性”に気づいた、私の母のケースUpload By 丸山さとこ私には発達障害のある小6の息子がいます。また私自身、大人になってから(息子が生まれる前)自分に発達障害があることが分かりました。息子のコウは、幼少期から「物を並べる・オウム返し・目線が合いにくい」などの発達障害あるあるの行動がよく見られましたが、私は3歳児健診まで息子に発達障害があることに気がつきませんでした。一方で私の母は、私の幼少期に「娘には発達障害があるかもしれない」と感じていたそうです。今回は、私自身の幼少期と母が感じていたことについて書きたいと思います。私と発達障害の関係の始まりは、私が幼児だったころにさかのぼります。今よりもずっと発達障害に関する情報が少なかった昭和50年代でしたが、私の母は「娘は何かしら発達に障害を抱えているのではないか」と感じていたそうです。幼いころの私について、母は「言葉の発達は早いものの言葉づかいが子どもらしくなかったり、力は強いのに歩く姿が不器用でよく転んだりしていたのが気になっていた」と言います。その母は、『さとこが少しでも歩きやすいように』と”少しでも軽い靴を探す”などの工夫をしていたそうです。Upload By 丸山さとこ幼いころの私に対して、コミュニケーションの遅れは特に感じたことがなかったそうです。しかし「とにかく子どもらしくないような違和感があった」「甘えない・後追いをしない・大喜びをしない・おままごとをしない、などの行動に引っかかりを感じていた」と母は振り返って言います。幼いころのコウのように「物を並べる・オウム返し・目線が合いにくい」などの、分かりやすい発達障害がある傾向は見られなくとも、母は私の”日常の中のささいな姿”に対して違和感を覚えることが増えていったそうです。Upload By 丸山さとこ健診で総合病院に行った際など、母は何度か娘の発達に関する違和感について医師に相談してみたそうです。しかし「知的にも順調に発達しているし動作にも問題は見られない」と言われ、”不安症な母親への軽い子育てアドバイス”をもらってその場は終わったそうです。私はその後、成人してから発達障害(ASD・ADHD)の診断を受け、現在ではADHD治療薬を服用しています。今になって振り返れば、幼い私に対して母が抱いていた違和感は正しかったわけです。Upload By 丸山さとこ保育園に入園してからの私は、”指示の通らなさ”や”こだわりと見られる行動”によって集団の中でも目立っていたそうです。現在の基準であれば「発達障害がある可能性」を指摘されたかもしれません。ですが、母が違和感を抱き始めたのは私が未就園児のころであり、集団の中での違和感が目立つよりも、もっと早い段階の話だったのです。『なぜ違和感に気づくことができたのだろうか?』と先日改めて母に聞いたところ、意外な…けれど、とても腑に落ちる答えが返ってきました。”自分の子ども”以外の子どもと接することで、分かることもある!?現在60代の母が若かったころは今より子どもの数が多く、近所や親戚の子どもを預かったり見かけたりすることもかなり多かったそうです。公園や広場や園で見かける姿とも少し違う、子どもたちの”家庭での素の姿”を目にする機会も多かったため、経験から漠然と『個性はいろいろあるけれど、子どもには大抵こういうところがある』という”一般的な子ども像”を持つに至っていたのだと思う…と母は言いました。Upload By 丸山さとこ「だから、さとこを育てていて『子どもなら多かれ少なかれするはずの行動をとらない』ことが引っかかったんだと思う」「発達障害の知識はなかったけれど、とにかく子どもらしくなくて妙だな~…と感じていたよ」…と続く母の話を意外に思いつつ、同時に「あ~、でも、ちょっと分かるかも! そういえばそういうことあったな!!」と思い、私はヒザを打ちました。コウが小学生になったころ、未就園児だった親戚の子を預かったことがあります。そのときに「これが定型発達とされる子どもか~!」と発達の違いに驚いた経験があったからです。私も、大人になってからコウ以外の子どもに関わった経験がなかったわけではありません。親戚の子どものお守りをしたことや、友人の子どもと遊んだ経験はありましたし、コウが産まれてからは公園でほかの子どもの様子を見ることもありました。けれども、当時の私はコウとほかの子どもを比べたり周りを見たりする発想が(今以上に)乏しかった気がします。私自身に発達障害があるから…ということも理由かもしれませんが、単純に、初めての子育てで周りを見たり比べたりする余裕がなかったからなのかもしれません。Upload By 丸山さとこそんな私であっても、3歳児健診のおかげでコウが発達障害である可能性に気づくことができたので、「今の時代でよかったな~」と思います。周囲と比べて焦らなくてもよいと考えてはいますが、その時々のコウの発達状況における"必要な手立て"が見つけられるように「『周りの様子』と『コウの現在位置』を見ることは大切なんだな~!」と思う私でした。執筆/丸山さとこ(監修:井上先生より)幼児期は女の子の場合、男の子よりコミュニケーションの発達が早い傾向があるため、発達障害の特性は目立たないケースが多く、今のお医者さんでも女の子の発達障害を早期に診断するのは難しいものです。お母さんがこの当時、さとこさんの発達の偏りに気づいていたということは、周りの人と比較するだけでなく、さとこさん自身を本当によく観察されていたのだと思います。同じ母という立場で、自分の母親と子育ての話をする中で、これからもプラスのヒントが見つかるといいですね。3世代のよい親子関係性が築けているのがすてきだと思いました。
2021年12月09日ドキドキしながら児童発達支援センターへ電話2歳になったころから本格的に気になっていた娘の発達。いつか追いつくかもしれないという淡い期待と、現実を知るのが怖いという理由から、なかなか相談をする勇気が出ませんでした。そして娘が2歳10ヶ月のころ。ついに相談する決心がつき、ドキドキしながら電話をかけました。※児童発達支援センターは、地域や種類などによって機能に違いがあります。詳しくは、お住まいの地域にお問合せください。Upload By とまぱんUpload By とまぱん相談員さんに娘の心配ごとを一通りお話しし、児童発達支援センターに出向く日にちが決まりました。自分の悩みを伝えることができてとてもスッキリしたのと、私の悩みを否定することなく明るく聞いてくれて安堵したのを覚えています。ソーシャルワーカーさんからの聞き取りいよいよ娘と児童発達支援センターへ。当日ソーシャルワーカーと呼ばれるスタッフさんから聞き取りがありました。聞き取りはこのような内容だったと思います。●出生時の様子●歩き始めた時期などの発達具合●食生活(好き嫌い)などなどソーシャルワーカーさんから聞き取りをされている間、娘はおもちゃで真剣に遊んでいました。子どもを見守るほかのスタッフさんもいましたが、スタッフさんとは遊ばずに一人で黙々と遊ぶ娘。しばらくしてスタッフさんが娘をくすぐるとキャッキャとうれしそうにしてました。スタッフさん「可愛いわね~!きっと泣いても可愛いんだろうね」スタッフさんはそう言ってくれましたが、泣いたら人一倍手に負えない娘。私は心の中で「泣いたら決して可愛くないんだよな…」と思いました。聞き取りが終わり家に帰ろうとしたとき。娘「ぎゃーーー!!」まだおもちゃで遊んでいたい娘は、大声をあげてひっくり返りました。娘の暴れように息を飲むスタッフさんたち。スタッフさんたち「これはお母さん大変だわ…!」初めて誰かにつらさを共感してもらい、危うく泣きそうになりました。医師の診察前回の聞き取りから2ヶ月後、次は医師の診察。娘、夫と私の3人で行きました。部屋に入ると医師の前にある椅子にストンと座る娘。Upload By とまぱん子どもに人気で娘も大好きなとあるアニメキャラクター。娘は、ほかのキャラクターの名前は言えるものの、なぜかこのキャラターは2歳半を過ぎても言えなかったのです。Upload By とまぱん「○○はどこ?」といった質問はすべて指差しで答えていました。いくつか娘に質問をしたあと、次は私たちに質問をしました。指差しはいつごろだったか、友達と遊んだりはするか、などなど。最近の娘のことは答えられるのですが、昔のことは覚えておらず、ほとんど感覚で答えてしまいました。あとで過去の写真を見て調べてみると、1歳前半でできてたものを2歳と言ってしまったり、たびたび誤って答えていたことが判明。診察前に、娘の発達具合を赤ちゃんのころからちゃんと振り返っておけば良かったと後悔しました。発達具合はどれくらい?発達検査と結果医師の診察からまた1、2ヶ月後、発達検査を行いました。家では椅子に長い時間座っていられないので、当日はちゃんと検査ができるか心配でした。心理士さんは娘の気がそれないよう、明るく声をかけながら進めてくれました。「これはなに?」といった言葉で答えるテストは2つしか答えられず。それ以外のテストは娘なりに頑張ってやっていました。私は娘の様子を横で見ていたのですが、これはできそうだというものが意外にできなかったり。これはできないだろうなというものが意外にできたり。娘の知らない面を見ることができました。検査から1ヶ月後、検査の結果が出ました。全体的な発達指数はやはり平均以下という結果に。娘の発達具合は平均より10ヶ月の遅れとなりました。心理士さんは関わり方のアドバイスと娘の苦手とする部分を教えてくれました。ついに医師からの診断結果発達相談の電話をしてから半年後、やっと診断結果が出る日がやってきました。ちゃんと冷静に聞ける自信がなかったので、夫と二人で行き、娘は夫の両親に預けました。緊張しながら部屋に入ると医師からはひとこと。Upload By とまぱん心理士さんからアドバイスなどはされましたが、診断名が出るのかなどの話はしませんでした。私はいくつか医師に質問をしました。私「娘は軽度知的障害ということでしょうか」医師「現在の指数的にはそうです」私「今後、指数が上がる可能性はあるのでしょうか」医師「あります」そして私はずっと気になっていたことを質問しました。私「娘は自閉スペクトラム症でしょうか?」医師「違います」医師からはこのときこう言われましたが、現在通っている療育の先生いわく、自閉スペクトラム症の特徴はいくつか見られるとのこと。診断名がつく段階ではないけど特性がある、いわゆる発達障害グレーゾーンなのかなと私は思っています。話は戻り、続けて療育の話になりました。医師「療育は希望しますか?」私「はい、やっぱり言葉がゆっくりなので通わせたいです」医師「それでは週3・1回あたり1時間、民間の個別療育を行うといいでしょう」こうして娘は週に3回、幼稚園と併用して療育に通うことになりました。4歳になった娘は今娘は今、幼稚園の先生やお友達、療育の先生に支えられながらたくさん成長しています。言葉も驚くほど増えました。入園当初は行きしぶりが激しく、時々休ませながらマイペースに行かせていました。今も幼稚園や療育に行きたくないと言う日もありますが、娘なりに気持ちを切り替えて頑張っているようです。娘の発達を一人で悩んでいましたが、あのとき勇気を出して相談して良かったと思います。周囲の力を借りて子育てしてもいいんだと気づかされました。発達のゆっくりな部分だけどうしても目に入ってしまっていましたが、気持ちにゆとりが生まれた今。娘には長所もたくさんあることに気づかされました。診断あるなしにかかわらず、これからも娘の性格や特性を尊重しながら向き合っていけたらと思います。執筆/とまぱん(監修:井上先生より)お子さんの発達が気になってから相談機関に電話をかけるまで、多くの親御さんが悩んだり不安な気持ちと葛藤したりされると思います。とまぱんさんも、電話をかけるときや医師と初めて面談をされる診察場面では、不安や緊張があったことが伝わってきました。早期の療育は子どもの発達に有効であると言われています。発達障害などの診断がなくても、地域の発達相談で療育機関につないでもらうことができますので、気になる方はお問合せされると良いと思います。
2021年12月03日育児につまずき、思い詰めて心療内科を受診した私。そこで医師から投げかけられた言葉は「発達障害の疑いがある」という、私にとって意外な言葉でした。そこで心理テストを受け、結果を受け止めた今の自分の心境をお伝えします。ほかのママとどこかで比べてしまう現在、私は3歳と0歳の姉妹を育てている2児の母親ですが、上の子も下の子も出産後から両親や親戚などに頼らず、ほぼワンオペで育児をおこなっていました。孤独に育児をしていたこともあってか、ほかのママ友たちと自分を比べると「どうも私は子どもに対する愛情に欠けているのではないか」と思ってしまう自分がいることに気付いたのです。たとえば、子どもとどうやって遊べばよいか本気でよくわからなかったですし、一生懸命に育児本を読んでそのようにおこなっても、いまいち乗り気になれない自分がいたりしました。特に下の子を出産したあとの数カ月の間は、上の子に対して感情的に怒鳴るなどひどい扱いをしていたことも事実です。そんな出来事から「私はもしかして産後うつなのでは?」と思い悩み、また慢性的な睡眠障害もあって、思い切って心療内科を受診したのです。 思い切って心療内科を受診心療内科を受診したのは下の子が生後半年を過ぎたころでした。医師からの診断は「適応障害と産後うつ」そして「発達障害の疑いがある」という、私にとっては衝撃的な話でした。恥ずかしながら発達障害というワードだけは聞いたことがありましたが、詳しくは知りませんでした。早速家に帰って発達障害について調べてみたり、セルフチェックテストなどをおこなったりしました。たしかに今までの人生を振り返ってみて対人関係においてのつまずきや、職場でのトラブルなどはあったのも事実ですし、いわゆるADDやADHDの症状である「忘れっぽさ」や「衝動性の強さ」「こだわりの強さ」があったように感じました。 愛着障害と診断を受けて後日、2日ほどに渡って精密な発達障害の心理テストを受けたのですが、結果は「発達障害の所見はなし」でした。しかし、私が過去に実親から暴力などの虐待を受けたことがあるということから、「愛着障害の可能性がある」と医師から聞かされました。愛着障害とは、乳幼児期において暴力やネグレクトなどで傷を負い、適切な愛情を持って育てられなかった子どもが、社会人になったときに対人関係や仕事、そして育児などに支障が出る障害のことだそうです。医師からその診断を受けたときは、正直言って「やっぱりな」と思う自分がいました。 まさか自分が発達障害の疑いを持たれるとは思いもよらず、心理テストの結果が出るまではモヤモヤでいっぱいでしたが、発達障害やそのほかの精神疾患などについての勉強にもなりました。客観的に自分が親にされてきたことは虐待だったのだと受け止め、過去の自分と向き合うことで本当の私になれる気がしています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:仲本まゆこ自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2021年11月29日育児につまずき、思い詰めて心療内科を受診した私。そこで医師から投げかけられた言葉は「発達障害の疑いがある」という、私にとって意外な言葉でした。そこで心理テストを受け、結果を受け止めた今の自分の心境をお伝えします。ほかのママとどこかで比べてしまう現在、私は3歳と0歳の姉妹を育てている2児の母親ですが、上の子も下の子も出産後から両親や親戚などに頼らず、ほぼワンオペで育児をおこなっていました。孤独に育児をしていたこともあってか、ほかのママ友たちと自分を比べると「どうも私は子どもに対する愛情に欠けているのではないか」と思ってしまう自分がいることに気付いたのです。たとえば、子どもとどうやって遊べばよいか本気でよくわからなかったですし、一生懸命に育児本を読んでそのようにおこなっても、いまいち乗り気になれない自分がいたりしました。特に下の子を出産したあとの数カ月の間は、上の子に対して感情的に怒鳴るなどひどい扱いをしていたことも事実です。そんな出来事から「私はもしかして産後うつなのでは?」と思い悩み、また慢性的な睡眠障害もあって、思い切って心療内科を受診したのです。 思い切って心療内科を受診心療内科を受診したのは下の子が生後半年を過ぎたころでした。医師からの診断は「適応障害と産後うつ」そして「発達障害の疑いがある」という、私にとっては衝撃的な話でした。恥ずかしながら発達障害というワードだけは聞いたことがありましたが、詳しくは知りませんでした。早速家に帰って発達障害について調べてみたり、セルフチェックテストなどをおこなったりしました。たしかに今までの人生を振り返ってみて対人関係においてのつまずきや、職場でのトラブルなどはあったのも事実ですし、いわゆるADDやADHDの症状である「忘れっぽさ」や「衝動性の強さ」「こだわりの強さ」があったように感じました。 愛着障害と診断を受けて後日、2日ほどに渡って精密な発達障害の心理テストを受けたのですが、結果は「発達障害の所見はなし」でした。しかし、私が過去に実親から暴力などの虐待を受けたことがあるということから、「愛着障害の可能性がある」と医師から聞かされました。愛着障害とは、乳幼児期において暴力やネグレクトなどで傷を負い、適切な愛情を持って育てられなかった子どもが、社会人になったときに対人関係や仕事、そして育児などに支障が出る障害のことだそうです。医師からその診断を受けたときは、正直言って「やっぱりな」と思う自分がいました。 まさか自分が発達障害の疑いを持たれるとは思いもよらず、心理テストの結果が出るまではモヤモヤでいっぱいでしたが、発達障害やそのほかの精神疾患などについての勉強にもなりました。客観的に自分が親にされてきたことは虐待だったのだと受け止め、過去の自分と向き合うことで本当の私になれる気がしています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:仲本まゆこ自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2021年11月29日1歳6か月健診でUpload By taeko現在小学2年生のミミは3歳のころ自閉スペクトラム症(ASD)だと分かりました。私は、保育園の3歳のクラスで先生に療育を勧められるまで「発達障害」という言葉はよく知りませんでした。でも言われてみると「そうだったのか」と思う場面がありました。1歳6ヶ月健診では、積み木を真似して積むことができなかったり、質問に答えられなかったり、全体的にできないことが多かったミミ。健診の最後に「言葉の発達が気になるので後日連絡してもいいですか?」聞かれて了解しましたが、1歳6ヶ月健診のことを深く考えていない私は何とも思っていませんでした。翌日保育園に登園すると、担任の保育士さんから「健診どうでしたか〜?」と聞かれ、「特にないです」と答えると「そうですか〜…」と、保育士さんはどこか不思議そうな、おかしいな、といった顔をしていました。それから数ヶ月後、保健センターから着信があったけど私は仕事で電話に出られず、そのまま放置していました。それから半年後Upload By taeko健診から半年が過ぎ、ミミは言葉の遅れを指摘されたとは思えないほどよくしゃべるようになっていました。しゃべり過ぎるくらいで、洗濯機に向かって30分くらい一人で話し続けることもありました。保育園で読んだ本の話を繰り返し、繰り返し話す様子を私は面白がって見ていました。夏、公園で遊んでいたミミ。時間が経ち日差しも強いので帰ろうと促しても、ジャングルジムの周りを走り回って止まらない。手を掴もうとしても振り払い、ニヤニヤしながら真っ赤な顔で走りまわっていました。その様子を見て(ちょっとおかしい…?)と私の頭にハテナが浮かびました。熱中症寸前でミミは転び、そのあとやっと帰ることができました。このころ私は、発達障害のことは何も知りませんでした。保育園ではUpload By taeko保育園でのあそびはルールが分からないことが多く、鬼ごっこではミミは自分が鬼じゃないときに、鬼を追いかけていました。鬼ごっこのルールは年長になるころやっと分かってきました。ほかに保育園での生活の中で、移動が特に苦手で、散歩やホールに行くのがイヤで職員室で待っていることも多かったのを覚えています。Upload By taekoそんなミミが自閉スペクトラム症(ASD)と分かったのは、3歳のころ。ミミの様子に疑問に感じることがあっても初めての子どもだから「こんなものかな」と思っていたけど、発達障害があることが分かってよかったなと思います。困りごとがあったときのミミへの対応方法を学べたり、専門家に相談できる機会がたくさんあることが分かりました。現在は小学2年生のミミ、お友達とのトラブルや心配事もありますが、これからも成長を見守っていきたいと思います。執筆/taeko(監修:初川先生より)はじめてのお子さんだと、「こんなものかな」と思えてしまうところはあると思います。家庭内で保護者ご自身が子育てに著しい困難を抱えていない場合はそうかもしれませんし、“子育ては大変なもの”“子どもの発達は人それぞれ”と思っていると、より一層そう思う面はあるかもしれませんね。ちょっとした違和感を持ったときに、「こんなもんなんです?」と園の先生などに聞いてみるのは一つあるかもしれません。育ちが進むにつれ、ほかのお子さんとのできること・できないことが際立ってくるので、「あれ?」と思うポイントはその後も多々出てくると思います。お子さんがほかのお子さんと同じような行動を取れていないときには、何らか困った気持ちを持っていたり、分からずにやっていたりすることが多いです。お子さんの言動の「傾向と対策」を知り、お子さんの気持ちを知って、楽しく過ごす方法を検討するには、「あれ?」と思ったときに、園の先生や相談機関の方にその旨聞いてみるといいですね。
2021年11月10日「ほしい!あったらいいな」を1,100人がチョイス!第3弾のスタートは、ユーザーのみなさまから普段の困りごとを伺ったお声をもとにフェリシモのプランナーが出した21のアイテムから『あなたの「ほしい!あったらいいな」はどれ?』を「みんなのアンケート」で選んでいただきました。1,100人を超える回答をいただき、「1つに選べない」「みんなほしい!」とのお声も。その結果は…【発達ナビ×フェリシモ】あなたが欲しいものはどれ?発達障害フレンドリーなグッズづくり第3弾!人気の高かった順に、次の5つに商品化アイテム候補を絞りました。1.椅子の姿勢崩れを防ぐ「両面滑り止めつきクッション」(19%)2.感情コントロール苦手さんのための「感情コントロールレッスンキット」(8%)3.“1人になりたい”がかなう「室内テント」(8%)4.勉強道具もゲームも持ち運び「お片づけ収納ラック」(6%)5.曜日ごとのルーティンワークが一目瞭然「1週間ToDoリスト」(5%)仕様はどうする?追加アンケートでさらに調査を進めます5つのうち、「姿勢崩れを防ぐクッション」と「お片づけ収納ラック」は商品化決定!モニターをお願いしながら開発を進めていくことに決まりました。のこり3つのアイデア「1週間ToDoリスト」「感情コントロールキット」「室内テント」については、フェリシモプランナーも迷うところ…。さらに追加アンケートを実施し、くわしい質問で具体的な仕様を検討していくことに。ほしい機能として、前回の「タスクチェッカー」のように「完了できたかどうかチェックできる」と、「時間割のように一覧できる」の「どちらもほしい」というご意見が41.2%と圧倒的でした。具体的には、怒りを発散してコントロールするための「握るアイテム」と、感情の種類や度合いを表現する「コミュニケーションカード」に大人・子どもの当事者共に、人気が大きくが二分されました。遮光や防音機能のついたしっかりと空間を遮断できる仕様のものがニーズが高い結果になりました。開発する3アイテムが決定!「姿勢崩れを防ぐクッション」と「お片づけ収納ラック」に加え、追加アンケートの3アイテムからは「1週間ToDoリスト」を開発することに決定しました!1,100人のご意見から選んだ、3つのアイテムを進めていきます。アンケートへのご協力、ありがとうございました。体感覚がつかみにくく、姿勢をコントロールするのが苦手な方でも、体勢をととのえやすくなるクッションを開発中です。全体の約19%(220名)の方に選ばれた『椅子の姿勢くずれを防ぐ!「両面滑り止めつきクッション」』には、さまざまなお声が寄せられました。<寄せられたお声>・いろいろ姿勢矯正クッションを使ったけど、ずれてしまうので、両面ズレ防止に期待したい・成人当事者なのでオフィスでも使えるものだとありがたい・学校にも持って行けそうな、シンプルなデザインのクッション希望です開発のポイントは、クッション両面でしっかりお尻が滑らないように留めるズレ防止。お子さんはもちろん、大人も普段使いできてかつ、シーンを選ばずに使えるデザイン。さらに重要と考えたのは、滑りやすいスカートをはいているときや、集中できずに気が進まない何かをやらなければならないときも、がんばって座っているのに「だらしない!」と怒られたり、怒ってしまったりしないようになることを目指しています。座っているときは何かに意識が向かってしまうことから、体幹に意識を向けるのが難しい。そんな人たちに向けて。自分で、もしくは保護者さまの声がけですぐに姿勢のポジションを変えられるように、お尻だけでなく、足元にも注目して企画開発を進めています。現在このアイテム開発のモニターをしてくださっているのは、「発達ナビ」で人気のコラムライター「ひらたともみ」さん。学童を運営されているそうで、数名の小学生のみんなにも使ってもらいながら、形を少しずつ決定しています。ひらたともみさんのコラム記事はこちら!前回「こまごましたものを仕切りとアイコンでわかりやすくまとめられる」と好評いただいた「ひとまとめで整理らくちん 取り出しやすいお道具箱」。企画のアンケートで「どこで使いたいか」いう質問に、「おうちの中で部屋を移動して持ち歩きたい」の声が多かったので、今回、「さっとまとめて部屋移動が楽なラック型の収納」をつくることにしました。Upload By 発達ナビ編集部勉強やお仕事を中断して食事やエアコンのある部屋に移動する際など、さっと片づけたいとき、中身が見やすい仕切り付のラックで失くしものや探しものを防いでスムーズに再開できるといいなと考えました。色柄については、「デスクパーテーション」のアンケートで要望の多かった、気持ちが落ち着くライトグレーッシュとインテリアになじむ白木をイメージしたカラーで展開します。現在このアイテム開発のモニターをしてくださっているのは、「発達ナビ」で人気のコラムライター「丸山さとこ」さん。お子さんとご自身にサンプルをモニターしていただいて、ご意見をいただきながら開発しました。丸山さとこさんのコラム記事はこちら!Upload By 発達ナビ編集部1週間分の「ToDoリスト」が一目瞭然!毎日のルーティンワークで忘れがちなことをリスト化して、「やること」「やったこと」を可視化して完了できたかどうかがひと目でわかるボードを開発中です。絶対に忘れたくない「薬を飲んだか」や「忘れ物チェック」としても使え、さらにはゴミ出しや習いごと、お弁当が必要な日など、家族ごと・曜日ごとに違ったスケジュールで混乱しがちなことも、ボードがあれば家族に共有できる”コミュニケーションボード”になるような商品を目指しています。<アンケート結果>・自分や家族が共有しやすいおしゃれなボード…41.8%、・1週間分のToDoが書き込めて、「完了」がひと目でわかる…20.9%Upload By 発達ナビ編集部また、アンケートに答えてくださった〈388名〉の内、大人が使いたいと答えた方〈41名〉、お子さんが使いたいと答えた方〈134名〉、家族みんなで使いたいと答えた方〈174名〉と、約半分の方が「家族みんなで使いたい」というアンケート結果に。<寄せられたお声>・小学生へ行くときの持ち物や、仕事の予定や帰宅時間など家族で共有したい・書き込んだものが消せたり、シールを貼ったものが剥がせたりして、内容を変えて繰り返し使えるようにしてほしい・小さな子や発達障害のある子は絵の方が分かりやすいからリストを絵にしてほしい・親同士の仕事の動き方の共有や、子どもが見通しを持って1週間を過ごすためにほしい・親に言われてやるのは嫌がるけど、自分で進められないので、自発的にできるように毎日のやることに使いたい・子どもの生活スケジュールや勉強のサポートに使いたい忙しいながらも、お子さんの毎朝の準備などの声かけをしている方や、お子さんから進んで自分の支度ができるようになってほしい方に向けて、「お子さんにも使いやすい」ボードになるような仕組みを取り入れるよう検討中です。具体的には、誤飲などの安全面を考え、細かいパーツが出ない仕様にしたり、ワンタッチで簡単に操作でき、動かすと変化がでるような仕組み、イラストを描いて分かりやすくアレンジしたりなど小さなお子さんが使いたくなる仕様を目指しています。また、発達障害のある大人や、普段から忙しく忘れがちなこと、忘れっぽい方にも「大人が使いやすい仕様」や、インテリアになじむデザインにも視点をあてて開発中です。現在このアイテム開発のモニターをしてくださっているのは、「発達ナビ」で人気のコラムライター「寺島ヒロ」さん。実際に家族3人でリアルに使ってもらいながら、お声を反映してより使いやすくなるような仕様に調整中です。寺島ヒロさんのコラム記事はこちら!第3弾の新アイテムは、2022年1月中旬に発売予定!新アイテムは、2022年1月に発売予定です。商品開発やモニターに関わっていただいた3名のライターさんによる、リアルな感想や使い方をご提案いただく楽しいコラムも順次公開します。お楽しみに!
2021年11月04日頭を抱える日々もあったけど…現在、小学5年生になる娘(広汎性発達障害)と、4歳の息子(定型発達)。息子が生まれてから、そのきょうだい関係は、変化を続けてきました。息子が産まれた当初、感覚過敏な娘は赤ちゃんの泣き声に過剰に反応していたので、私自身もなんとか両方を落ち着かせようと気を遣い過ぎてヘロヘロになる生活を送り…Upload By SAKURAそして、泣き声問題が解決するぐらいに息子が大きくなると、今度はきょうだい喧嘩が多発。息子が小さいうちは、力も言葉も娘が上だったので、娘の思いを優先させてあげることもできたのですが…Upload By SAKURA息子の言葉の成長は驚異的な追い上げをみせ、なかなか言葉で気持ちを伝えられない娘が、息子に一方的に言われてしまう回数も増えていきました。Upload By SAKURA息子には、娘のことをちゃんと理解してほしかった。私たちは、息子に「お姉ちゃんは、おしゃべりが苦手」だということを、ちゃんと理解してほしいと思っていました。Upload By SAKURA言葉が出てこないことを責めたりせず、姉の得意な部分をしっかり見て、姉のことを好きでいてほしい…。私たちの言葉一つひとつが、息子の耳に入り、価値観をつくる…。どこか緊張感のようなものが、ありました。いつの間にか、二人でコミュニケーションが成立するように…。そんな心配をしていた私でしたが、最近の二人は、ここへきてきょうだい関係が落ち着いたものになってきました。共通のゲームにハマったことで、二人でゲームの話題で盛り上がることも、しょっちゅう。アイテムや効果の話をするときは、二人だけで、しゃべりっぱなし。内容を理解できない私は、そこにいても完全に孤立することが多くなりました。Upload By SAKURA二人だけがわかる共通の話で腹を抱えて笑い合ったり、攻略本を見た娘が、息子に新しい知識を教えたり。YouTubeで、新しいやり方を知った息子が、娘にやり方を教えたり…。その関係はどちらかが、どちらかの世話をするというものではなく、協力体制のようなものになりました。Upload By SAKURA息子が、娘に対して頼ることも上手になり、トイレについてきてほしいとお願いしたり、娘が、息子に対して自分が難しいことのお手伝いを頼んだり…。お互いの得意な部分を、褒めたたえることも増えました。親として、考えすぎていたのかもしれない。最近の二人を見ていると、発達障害があるからとか…定型発達だからとか…私は考えすぎていたのかもしれないと思うようになりました。今の年齢では、娘も息子も、お互いをそういう障害のありなしで見てはいないと思いますし、息子にとっての姉は娘だけなので、ほかと比べようもありません。喧嘩をして、仲直りをして、一緒に遊んで、笑って、一緒に怒られて、一緒に褒められて、そんな日々を当たり前に過ごして、私がハラハラしなくても二人だけでいい関係を築いていったのかな~と思います。Upload By SAKURA私たちが子どもたちに対してできることは、二人のことが大好きだということを伝え、それぞれが困ったときに手を差し伸べる…そういうことなのかもしれません。お知らせ。いつも、私のコラムを読んでくださり、ありがとうございます。私事ではございますが、少しお休みをいただきたいと思います。ゆっくり休んだら、また、あーさんやきーさんの話や、家族の話を書いていきたいと思ってます。そのときは、またよろしくお願いします。執筆/SAKURA(監修:井上先生より)対人関係やコミュニケーションに困難をもつ自閉症のあるお子さんの場合、きょうだいとの関わりやコミュニケーションは大きな成長の糧になると思います。年齢が上か下かなどによって、きょうだい自身の悩みも異なると思いますが、きょうだいの年齢にあわせた理解や接し方を教えていくこと、SAKURAさんのようにきょうだいが平等に愛情を感じられるよう分け隔てなく愛情を注いでいくことはとても大事なことだと思います。
2021年09月22日この記事では赤ちゃんの発語について、医師監修のもと解説します。平均的な言語の発達段階と比べて、「うちの子はなかなかしゃべらない」と気にしているパパやママもいると思いますが、首すわりやハイハイ、歩くなどの身体的な成長よりも、言語の発達には個人差があります。かわいいわが子が声を発するようになると、それだけで感極まってしまうパパやママも多いのではないでしょうか。「もっとしゃべってほしい」「いつからしゃべるようになるのだろう」と気になってしまうのも無理はありません。また、同じ月齢の赤ちゃんがじょうずにしゃべっていると、焦る気持ちにもなるかもしれません。そこで今回は、赤ちゃんがいつごろからしゃべれるのかについてお話ししていきます。 赤ちゃんがおしゃべりじょうずになっていく過程赤ちゃんは、生後2カ月ごろになると「クーイング」と呼ばれる声を出し始めます。「アー、ウー」といったような特に意味のない言葉を、機嫌の良いときなどに発するようになります。自分でしゃべる練習を始めているので、声を返してあげましょう。生後6カ月過ぎになると、喃語や奇声が増えてきます。最初は簡単な母音から始まり、次第に「マムマム」など子音も含まれるようになります。生後8カ月ごろには喃語の種類が増え、少しずつ意味のある1語を話すようになることが多いです。生後10カ月ごろになると、パパやママが発する簡単な言葉の意味を理解できるようになります。自分でしゃべることはできませんが、欲しい物を指さしたり特定の喃語でママを呼んだりと、言葉を操る準備が進みます。その後、1歳になるころには意味のある1語をしゃべる赤ちゃんが多くなり、1歳半~2歳ころになると2語文をしゃべることも珍しくありません。2語文が上達すると「ママ、すき」など意味のわかる文章になるため、会話のキャッチボールも弾みやすいです。3歳になれば語彙力も増え、発音もしっかりしてくるためスムーズにしゃべれるようになります。 赤ちゃんのおしゃべりをサポートする方法赤ちゃんの言語の発達は、単に脳の発達だけでなく心の発達にも大きく影響を受けています。赤ちゃんが自分で「もっとパパやママとおしゃべりしたい」「自分の要求を伝えたい」と思うようになると、言葉が発達していくのです。つまり、うまくしゃべれるようになるには成長を待つのではなく、親が関わって言葉の発達をサポートしてあげることが大切です。例えば、赤ちゃんが声を発したとき、返事をして視線をあわせてあげましょう。「じょうずだね~」など、通じなくても良いので声かけるようにします。生後3カ月ごろからは赤ちゃんの目も見えているので、ニコニコと笑顔を向けてあげると良いです。こうすると、赤ちゃんは自分の言葉で親が反応してくれる、笑顔になってくれることを学びます。声を出すのが楽しくなり、脳も言語による刺激を受けるため発達します。離乳食で口や顎の筋肉が鍛えられます。筋肉が発達すると言葉をよりスムーズに発しやすくなるため、おしゃべりもじょうずになります。 赤ちゃんがしゃべったらこう反応しよう赤ちゃんのおしゃべりは、まず聞いた言葉をまねすることから始まります。実はパパやママ、きょうだいなどが話す言葉をよく聞いているので、遊び感覚で話しかけるようにしましょう。赤ちゃんは音や動きに反応しやすいため、歌やダンスなどを取り入れつつたくさんの言葉をかけてあげると効果的です。また、赤ちゃんがしゃべったら、大げさにリアクションを返してあげるのも喜びます。赤ちゃんは、自分のおしゃべりで家族の反応が返ってくるのがおもしろくなり、声を出すようになります。 赤ちゃんがしゃべらないときは?平均的な言語の発達段階と比べて、「うちの子はなかなかしゃべらない」と気にしているパパやママもいると思いますが、首すわりやハイハイ、歩くなどの身体的な成長よりも、言語の発達には個人差があります。おしゃべりが早い赤ちゃんと遅い赤ちゃんでは、半年以上も差が出ることも珍しくありません。しゃべるのが遅い赤ちゃんでも、発達が遅れているとは限りません。1歳になってもしゃべらなかったとしても、言葉の意味そのものは理解しているケースが多いです。例えば、絵本などを見せて「ブーブーはどれ?」などと聞いてみましょう。自動車の絵を指させば、言葉は理解しているため心配する必要はありません。意味が理解できていれば、あとは自然としゃべりだすのを待ってあげることも大切です。 2歳を過ぎてもしゃべらない場合は注意が必要です。この場合は発達に問題がある可能性も捨てきれないため、できるだけ早く専門医に相談しておくと安心です。多くは1歳半健診で言葉の発達のチェックをするので、そこで専門医療機関に紹介されたりします。 まとめ赤ちゃんがいつからしゃべりだすかは、個性にもよります。成長にしたがって一気にしゃべり始める赤ちゃんも多いので、待ってあげることも大切です。 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長 松井 潔 先生愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。
2021年09月18日1つ下のゆいちゃんとお友達に近くの公園に母さんと娘より1つ下のお子さん(当時1歳半)が遊んでいて、何気なくお話しし連絡先を交換することになりました。それからお互いのお家を行き来する仲に。当時娘は2歳半ごろで単語がちらほらしか言えませんでした。2語文なんてまだまだ先の時期でした。そのお子さん家に遊びに行ったときのこと。お子さん(ゆいちゃん)は少しの2語文や、娘の知らない単語などたくさんお話ししていました。Upload By とまぱんUpload By とまぱんUpload By とまぱん私は出かけ先ではいつ娘が爆発するか分からなくて、話しかける余裕なんて全然ありませんでした。常に気を張っていつも無言だった私。家の中でも娘の癇癪にやられて話しかける気力がありませんでした。家でも外でも声掛けを十分にしていなかったと思います。子どもの発達の遅れは親のせいではないとよく言われますが、私はこのとき娘の言葉の遅れは私のせいだ…と落ち込みました。ゆいちゃんと発達の差は言葉以外でもゆいちゃんと娘との差は言葉以外にもありました。それは情緒的な部分です。娘がゆいちゃんのおもちゃで遊んでいると、ゆいちゃんは一緒に遊びたくて娘に近づいてくれます。しかし娘は、それを邪魔しにきたと思ってしまうのです。親としては子ども同士で楽しく遊ぶ姿を見たいのですが、娘にはまだ難しいようでした。Upload By とまぱんゆいちゃんが近寄ると激しく奇声をあげる娘。ときにはおもちゃを投げることもありました。一応娘なりにゆいちゃんに当たらない方向に投げているものの、物を投げることはとても危ないしいけないこと。娘を強く怒るとヒートアップしてもっと激しくなってしまうのですが、ゆいちゃんとお母さんがいる手前しっかり怒らなくてはなりません。「おもちゃ投げちゃダメ!危ないでしょ!」と怒りますが、ヒートアップが怖くて強く怒れない私。はたから見たらもう少し怒ったほうがいいのでは、と思われていると思います。でも強く怒るとその分娘が激しい癇癪を起こし、それを見たお母さんは引いてしまうのではとそれも恐れていました。いつも娘が癇癪を起こすと、どうすることが正解なのか咄嗟に判断がつかず、頭の中はいつもテンパっていました。遊ぶ時間は大体3時間くらいでしたが、その3時間はとても長く感じ、お別れしたあとはひどい疲労を感じてました。そんな娘の様子にゆいちゃんママの反応は...?ゆいちゃんのお母さんはとてもいい人で、そんな娘を穏やかな様子で見てくれました。ゆいちゃんもこんな激しい娘にも関わらず「お姉ちゃん、お姉ちゃん」となぜか懐いてくれました。とてもありがたいのですが、それとは裏腹に遊ぶ度に必ず癇癪を起こす娘。それを毎回必死に抑える私。お菓子を与えたり、しまいにはタブレットで動画を見せたりして抑えました。おもちゃで遊ぶゆいちゃんと、一人で動画を見る娘。何のために一緒にいるのか分からないときもありました。徐々に疲れていき遊ぶ間隔を空けることにUpload By とまぱんゆいちゃん親子と遊ぶようになり、私はこんなことを考えてしまうようになりました。ママ友というのは子どものためでもありますが、このとき近所にママ友がいなく孤独で娘とずっと二人っきりがつらい時期でした。そんなときにできたママ友。とても嬉しかったものの、一緒に遊ぶことによって心身ともに疲れていき、徐々にゆいちゃん親子と遊ぶ間隔を空けていきました。それから娘が幼稚園に入園し、ゆいちゃん親子と遊ぶ機会が減りました。今娘はゆいちゃんの家を通ると、「ゆいちゃん家行きたい」とたまに話しています。以前より癇癪が少なくなり、おもちゃを譲ることも覚えたのであのときよりは仲良く遊べるかもしれません。子どものためにほかの子と関わることは大事かもしれませんが、難しいときは無理せず、子どもにとってよいタイミングで遊ぶのがいいのかもしれません。執筆/とまぱん(監修:鈴木先生より)文部科学省が提唱しているインクルーシブ教育のように、最近の研究では発達障害のあるお子さんが定型発達のお子さんと一緒に学んだり遊んだりする環境は良いとされています。大切なのは、お友達の親御さんにも、お子さんの特性をよく説明して発達障害の理解をしてもらうことです。
2021年08月03日■前回のあらすじ保育園から発達の指摘を受けて、支援センターに通うことになった娘。しかし支援センターからは保育園の関わり方次第で良い方向に行くと言われたのですが…。 >>1話目を見る ■園長の驚くべき発言…保育園からの指摘で娘が通うことになった支援センター。その支援センターから現在の保育園について話があり…。園長の突然の発言で、話し合いが凍り付く…。 保育園を選ぶときに、「娘に合ったところ」といった一番重要なところをあまり深く考えていなかった僕たち。結果的に、娘は合わない保育園でずっと苦労させてしまったことに。そして園長と話し合って知ってしまった保育園が大切にしていたこと。それはもしかしたら子どもの保育や成長を見守るよりも「保育園の教育方針のプライド」が優先だったのではないだろうか…。そんなことを考えながら車中では涙が止まらなくなっていました。悔しい。悲しい。申し訳ない。息が詰まっていく…。次回に続く(全9話) 毎日7時更新!
2021年07月07日発達障害グレーゾーンとまちゃん0歳〜3歳の成長記録幼稚園年少の娘を育てているとまぱんです。喜怒哀楽がはっきりとした元気いっぱいのとまちゃんに、毎日振り回されております。成長がゆっくりでまだまだ聞き取れない言葉を話す娘。そんな娘の成長記録を書かせていただきます。娘は赤ちゃんのころからよく笑い反応がいい子どもでした。歩いたのは11ヶ月で運動面もごく普通。周囲からは運動神経のいい子だ!と言われることもありました。この時期、今となってはちょっと人と違ってたと思う部分。それは声量。産まれたときからひたすら声が大きかったんです。産院には娘しか赤ちゃんがいないんじゃないかって思うくらい、娘の泣き声しか聞こえませんでした。娘の爆発したような声量に比べ他の赤ちゃんは「ほんにゃ~…」と泣いていて衝撃を受けたのを今でも覚えています。Upload By とまぱん娘の発達を気にし始めたきっかけ。それは1歳半健診です。Upload By とまぱん問診票には『言葉を話しますか?』という質問があり、「え?1歳半って言葉話すの!?」と驚きました。母に相談したところ「あなたも話すのすんごい遅かったから」とのこと。ほかの人にも「1歳半なんて話せない子いっぱいいるから大丈夫!」と言われたのでまぁ大丈夫か、と深刻に考えることはありませんでした。私の地域の1歳半健診では、主に身体的な成長の部分を見られたので引っかかることはありませんでしたが、言葉や指差しのテストがあれば確実に引っかかっていたと思います。それから娘は2歳になっても意味のある単語は出ず、おじいちゃんおばあちゃんから何となく心配され始めました。そしてやっと初めて言葉を話したのは2歳3ヶ月。初めて話した言葉は「あか、あお」でした。同い年の子は2語文を話している中、娘は数個の単語しか話せずさすがに私も不安になってきました。Upload By とまぱん娘が2歳10ヶ月ごろ、幼稚園のプレに入りました。ほかの子たちとの差は言葉だけではありませんでした。ほかの子は先生の指示が聞けていたり椅子にちゃんと座っていましたが娘は怒ってばかり。今日は娘が怒って奇声をあげませんように。プレではそればかり思っていました。Upload By とまぱんそんな周囲との差を目の当たりにした私は、すぐに発達支援センターへ電話をし、発達相談の予約をしました。このとき両親、義両親に娘の発達を相談しても「考え過ぎ」「心配性なのは分かるけどほどほどにしなさい」と言われました。夫も娘について心配しておらず、私の買った発達障害の本をあまり読んでくれませんでした。このとき私はひとりで悩んでいましたが、発達支援センターの人に相談したことによってとても救われたのを覚えています。発達相談をしてから半年後、検査の結果が出ました。このとき娘は3歳2ヶ月。はっきりとした診断名はつかず、療育に通うことになりました。集団生活が始まった娘の変化と今療育と幼稚園が始まり、娘はいろんな言葉を覚えました。今でも激しく怒ることはありますが、以前と比べると情緒も安定してきたと思います。言語面はほかの子に比べるとまだゆっくりではありますが、「一緒に遊ぼう」「パパとママととまちゃん、みんなでおねんね!」など話してくれます。この間、娘のおせんべいを食べたら「ママ、おせんべい食べたでしょー!!」と怒られました。集団生活が始まる半年前は「おせんべい」を「べー」としか言えなかった娘。それに比べると、だいぶお話ができるようになりました。Upload By とまぱん今現在(3歳9ヶ月)。診断名はついていませんが、療育の先生の見解では、娘は「自閉症の特性はいくつかある」とのこと。集団生活が始まったばかりの今。登園しぶりなどいろいろ悩まされてはいますが、娘のペースに合わせて私も気楽にやっていけたらと思います。そんな娘との日常をこれから書き綴っていきますのでよろしくお願いします!LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年07月02日長男が8歳のとき、発達障害の1つである「ADHD」の診断がおりました。さらにお医者さんが言うには、自閉症の傾向も高めとのこと。生後半年ごろには育てにくさを感じていたのですが、受診に至ることはありませんでした。長男の発達障害がわかるまでの体験談と、「こうすればよかった!」と思ったことを紹介します。うちの子に限って!と思っていた私赤ちゃんのころからまったく人見知りをせず、抱くと毎回反り返っていた長男。とにかく動き回る子で、生後10カ月のころには私が疲労で倒れてしまいました。特におかしいなと思ったのが、月齢に合わせて届く通信教育のおもちゃをまったく使いこなせなかったこと。 ビデオ教材で見た子どもたちと違い、長男はおもちゃが分解できないことにかんしゃくを起こしていたのです。そこで発達の遅れを気にすればよかったのですが、私も初心者ママ。「まさかうちの子に発達の遅れがあるはずない」と思い込んでしまいました。 健診では悩みをうまく伝えられず…3歳までに何度か健診がありましたが、長男の発達について指摘されることはありませんでした。普段はかんしゃくを起こしがちな長男ですが、健診のときはたまたま落ち着いていたのです。 さらに健診では、保健師さんとママが1対1でお話する機会があります。保健師さんには長男に手がかかることは伝えていたのですが、具体例をうまく伝えられませんでした。事前に気になることをメモしておけば、スムーズに相談できたのかなと思います。 IQテストでまさかの平均値!健診をスルーした長男でしたが、何度か自主的に市の子育て相談にも行きました。そこでも問題は指摘されず、私はすっかり疲れ果てていました。そして5歳のとき、保育園の先生から市の療育室を紹介されたのです。 その療育室では、IQテストを受ける機会がありました。このときには「長男には何か問題があるはずだ!」と思っていた私は、これで何かわかるかも!とうっすら期待……。しかし結果は平均値。ここまでくると、私の育て方がいけないのでは?と思う自分がいました。 受診の希望を伝えると一気に話が進み!転機が訪れたのは、小学2年生に進級してすぐのこと。次男の1歳半健診のときに、長男のことで悩んでいると相談したのです。すると、県から委託されている相談先を紹介されました。それを聞いた私は即行動! 新しい相談先でIQテストを受けると、発達にかなりの凹凸があるとわかりました。 受診の促しはありませんでしたが、今度はこちらから受診を希望していると伝えました。そこからはトントン拍子で病院を紹介され、すぐにADHDの診断がおりたのです。 ふり返ると、こうしておけばよかったなと思うことがいくつかあります。まずは、「わが子に限って」と思い込まないこと。それから、健診では事前に気になる点をメモしておくこと。そして、親としての希望があればこちらから伝えていくことです。自分がどう思っているか・どうしたいのかを相手に伝えることは、とても大事だと学びました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO作画/やましたともこ 著者:河津明香2男1女の母。旅行代理店勤務をしながらの育児を経て、フリーランスのライターへ転身。現在は発達障害の長男のサポートをおこないながら、旅行・育児・生活雑貨などの記事を中心に執筆。
2021年06月21日長女は言葉の発達がゆっくりで、3歳を迎えても2語が出ませんでした。とはいえ、人の話はしっかり聞く子で、コミュニケーションには問題はなく、生まれたばかりの妹や、おしゃべりがじょうずな同年代の友だちとも楽しそうに遊んでいました。しかし、ある日の公園でとても悲しい出来事が起こったのです。 「話せない=赤ちゃん」と言われ…長女自身、女の子たちがあまり歓迎していないのはわかっていたのだと思います。本当は一緒に砂に盛り付けたりしたかったはずなのに、しばらくの間は材料集めに徹していました。その後、きれいなたんぽぽを見つけた長女はついに我慢できなくなったのか、女の子たちが作っていた「お砂のケーキ」に手を伸ばしました。その途端、女の子の1人がきっと私を睨みつけて、こう言ったのです。「あのね、お話できない赤ちゃんは一緒に遊べないの! あっちに行って!」。 悲しかった理由は…その言葉自体もショックでしたが、何より長女に直接言うのではなく、親である私のほうに言われたことが悲しくてたまりませんでした。言葉の出ない長女なりに一生懸命コミュニケーションを取ろうとしていたのに、「話の通じない赤ちゃん」と一蹴されたのです。ただ、女の子に何か言い返す気にはなれませんでした。うまく話せたとき、親は何気なく「お姉ちゃんだね!」とか、「もう赤ちゃんじゃないね」と褒めます。女の子はその理屈の逆を言っているだけで、3歳ほどの子に言葉が遅い子への配慮を求めるのは無理だと思ったからです。 帰宅後、娘にかけた言葉結局そのまま帰宅して、しょんぼりとしている娘に私は言いました。「長女が言葉を話せなくても、言葉じゃないことでいっぱい言おうとしてくれるから、私はちゃんとわかるよ。言葉のわからない妹のやりたいことも、一生懸命考えてわかろうとする長女はすごいんだよ」。長女の良さが女の子にわかってもらえず、悔しさからついついたくさん難しい言葉を使ってしまいましたが、長女はしっかり頷いてくれました。 長女は現在7歳。少し発語が舌足らずな部分はあるものの、人の気持ちを考えて話すことができ、友だちもたくさんいます。できることなら、あのときしょんぼりしていた長女に、今の素敵なお姉さんになった長女を見せてあげたいくらいです。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日なりますように! 監修/助産師REIKOイラストレーター/山口がたこ著者:岩崎はるか2女1男の母。両実家とも遠方のためワンオペ育児中。先天異常の影響で肺が片方しかない医療的ケア児を含む3人の子を育てた育児体験談のほか、大学院で農学を学んだ経験から食についても執筆。
2021年06月06日あまりうまく話せない2歳の息子さん。しかし、ママはゆっくりマイペースに成長していると思っていました。ところがそんなある日、発達心理相談を受けたところ、臨床発達心理士さんから衝撃的な事実を突きつけられたという体験談です。 2歳の息子は言葉が少なく、話す言葉は喃語と単語がいくつかだけ。1歳半健診のその後のフォローで、発達心理相談を受けてみることになりました。発達がゆっくりでもマイペースに成長してくれたらいいなと思っていた私ですが、臨床発達心理士さんからの視点で見た息子の状況を知り、衝撃を受けたお話です。 2歳を過ぎても言葉が増えない息子2歳の息子は単語いくつかと喃語で話すだけですが、親としては言葉の遅れが気になるものの、発達がゆっくりというだけでマイペースに育っているのかな、と比較的ポジティブに捉えていました。 しかし、1歳半健診から半年が経ったころ、住んでいる区の保健センターから「現在の状況を教えてほしい」と電話がありました。 言葉が増えていないことや保育園に通い始めたあとだったこともあり、登園することが大変なときもあると話をしたところ、一度発達心理相談を受けてみないかとすすめられたので、私も息子のことを知りたいと思い予約しました。 臨床発達心理士さんからみた息子の状況は相談の部屋に入って、臨床発達心理士さんが息子に声をかけてくれましたが、緊張でこわばっていた息子。でも視界におもちゃが入るとすぐに遊び始めました。その間に息子の様子を観察しながら、私が気になることや息子の状況を臨床発達心理士さんが問診。 ある程度私から話を聞き、息子の行動の様子も観察したところで、臨床発達心理士さんが私に「息子さんは今、安心を感じているものがおもちゃになってしまっている」と教えてくれました。息子にとっては、親よりもおもちゃのほうが安心なのかと衝撃を受けた私。 臨床発達心理士さんからのアドバイスはさらに、息子は人に甘えたりコミュニケーションを取ったりすることが苦手なタイプだということ。「これは生まれつきのものであって育て方や親の対応が悪かった結果ではないから、絶対に自分を責めないでね」とおっしゃってくださいました。 ただ、これからは人との信頼を作っていくために遊ぶときは一緒に遊んであげること、家ではなるべく息子を否定しないことを頑張ってみて、と臨床発達心理士さんからのアドバイス。私がやってきた今までの育児の概念からは、目から鱗のことばかりでした。 息子の世界を知れてママ、うれしいよ相談にくるまでずっと息子のことをあいまいに捉えていた自分に対して、責める気持ちを0にすることはできませんでした。でも一方で雲がかかっていたところが晴れたように、すっきりした気持ちにもなっていました。 息子にとって楽しいと思えることをもっと増やしてあげたいと思いましたし、専門家の言葉には絶大な信頼を感じました。言葉だけじゃない、いろいろな視点で見てくれたことで親としての視野も広がったように思います。 現時点で、息子は発達障害の診断はおりていない状況です。息子は2歳だけど、発達としてはまだ1歳代とのこと。そして、このままの状況で何もしないというわけにはいかないということも、臨床発達心理士さんより言われています。生きていくうえで、息子が生きづらさをなるべく減らせるように親として、プロの力も借りながらサポートしていけたらと思います。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日なりますように! 監修/助産師REIKO著者:佐藤るみ保育園児の年子の母。現在3人目を妊娠中。看護師として働きながらの子育てでフルタイムや時短勤務の経験あり。ワークライフバランスや家計に役立つ情報、子育て経験から学んだことを発信。
2021年05月25日