第15回:「買い物の葛藤」(c)誰に見せるでもない爪今回の読者投稿は「なかなかお金がたまりません。」という一文のみ。これのみ!切実なのに、どこか潔くて清々しい。こういう投稿も良いな、と感嘆してしてしまったがそんな場合ではない。「お金が貯まらない」というのは万人の悩み。それなりに稼ぎがある人は「お金はまあまあある」とは言えても、「貯金がしっかり出来ている」と自信を持って言える人は少ない。たくさん入ればそれだけ使い方も変わるし「お給料が上がっても生活水準はそのままに貯金する」ことは難しい。私が見てて良いなと思ったのは「欲しいと思ったものがあれば、それを人に相談する」ということだ。まず自分が「貯金をしたい」と相手に話した上で、その相手に「これ欲しいんだけどどう思う?」と聞く。相手には「似たやつ持ってる」「前にも買ってた」「もっと安いとこで同じようなのある」とビシバシ言ってもらう。その指摘に思わず納得してしまう人を相手に選ぶ必要があるとは思うが、私はこのやりとりを時々見かける。欲しいもの全部買わない! 毎日自炊! と完全節約を徹底することは、貯金には理想的だし、本当はそうすべきなんだろうけど、長く続けることを考えると、「たまにする買い物を罪悪感なく楽しむこと」が節約を続けられるコツなんじゃないだろうかと思う。ただし、小さい塵も積もれば山となる。安い買い物を続ければ、それは大きな買い物と大差ない。そのバランスがとても難しい。今回の「なかなかお金が貯まりません」にはいろんな思いが含まれていることだろう。今回はそんな葛藤について描いた。Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。前回記事<ひとりでいることはむしろ、誰とでも関われるチャンスがある>もチェック!「友人がいない」がテーマの爪です。
2017年05月29日寄り道したくなる荻窪「珈里亜(かりあ)」美しい紫陽花たちが彩る梅雨の季節までもう少し。だんだんと暑くはなってきましたが、夜になるまでの時間が長くなり、夕方を楽しめる5月です。18時を過ぎてもまだ外は明るく、会社や学校が終わった後、まっすぐ帰るのはもったいないような気がして、どこかへ寄り道したくなります。そんな時、私がたまに訪れるのは荻窪にある「珈里亜(かりあ)」です。難波里奈『純喫茶、あの味』難波さんの新刊『純喫茶、あの味』にご興味がある方はこちらから!
2017年05月26日趣味がない女子と趣味がある女子なら、後者のほうがモテるもの。趣味に打ち込む姿が魅力的だったり、趣味を通して毎日を楽しんでいる雰囲気が良かったり、趣味を通しての出会いが多かったりと、その理由はたくさんあります。とはいえ、「これと言って趣味もないしなぁ・・・」という女子も多いでしょう。今回はそんなあなたへ、はじめたらなぜかモテる趣味をご紹介していきましょう。こんな趣味を持てば出会いの機会も増え、自然とモテる女子に近づけるはずですよ。■男女混合で仲良くプレーできるフットサルフットサルはモテる趣味の代表格!地域ごとにたくさんチームがあるので、ぜひ最寄りのチームを検索してみましょう。男女混合チームであれば、もちろん出会いの機会も豊富です。自分のチームもさることながら、試合や打ち上げを通して、ほかのチームと交流できるのも社会人スポーツサークルのいいところ!体を動かすことが好きな方は、フットサルに挑戦してみませんか?■一体感が味わえるライブ好きな音楽があるのであれば、ライブに通ってみるのもひとつの手。同じものが好きという最大の共通点があるため、初対面の人とも簡単に仲良くなることができるのです。できれば、ホールやアリーナなど大規模なコンサートではなく、地元のライブハウスなどの小さな規模のライブが◎。SNS等でコミュニティが作られているので、以前よりも簡単に友達を作ることができますよ。音楽が好きなら、ぜひライブに足を運んでみましょう。■家庭的な女を演出できる料理やはり男子は、家庭的な女子が好きな生き物。もしなにかを極めたいというのであれば、料理を極めてみませんか?いわゆる料理上手というのは、高価な食材を使ってなんだかすごそうな名前の料理を作るのではなく、冷蔵庫に残った食材を使って手軽においしいものを作る人のこと。最近では、レシピサイトなども充実していますので、ぜひ冷蔵庫に残った食材でおいしい料理を作る練習をはじめてみましょう。調味料やキッチンアイテムを揃えることからはじめれば、モチベーションも上がりやすいですよ!■空前のブーム!ランニング&ウォーキング健康的な生活をしたいと願う人が増え、最近は空前のランニング&ウォーキングブーム!ランニングだと、皇居ランナーなどのワードが一般化してきていますよね。みなさんも、この流れに乗ってランニングやウォーキングをはじめてみてはいかがでしょう?各地でランニングやウォーキングのイベントが開催されているので、参加すれば新たな出会いにも繋がるはず。また、アプリを使って、走った距離を友達と共有するのも◎。応援ボタンなどもあるので、気になるあの人がランニングしていれば、お近づきになれる絶好のチャンスです!■おわりに無趣味を脱却することで、日々の生活が充実し、その充実感があなたをいい女にしてくれます。出会いの機会が増えたり、彼に話す話題が増えたり。夢中になれることが見つかれば、自分自身も楽しいはず。これを機に、新たな趣味を見つけてみてはいかがでしょう?(織留有沙/ライター)(ハウコレ編集部)
2017年05月23日「わたしの塗り絵BOOK 憧れのお部屋」で話題のイラストレーター・井田千秋さんに、おひとりさまの理想の住処を描いていただきました。開放的なのに、巣のような狭い空間がいくつもある。好きなときに好きな場所で、ひとりでも、誰と一緒でも気ままに過ごせる…そんな大人の秘密基地のようなお部屋です。家に一番求めるのは「自分のための場所であること」部屋の絵を描くと、無意識に賑やかさや華やかさと真逆の絵が出来上がる。どちらかと言えば、ひっそり、引きこもりたくなる空間。複数住人がいても、どこかに一人になれる空間を描く。家に一番求めているものが「自分のための場所であること」なのだと思う。誰に気兼ねすることもなく気ままに過ごせる場所。好きな物に囲まれ、深呼吸のできる場所。(c)井田千秋開放的な狭い空間がとても好きだ。矛盾しているようだけど、そういう場所が心地良い。必要な物には数歩で手が届く。定位置は体をおさめるほどの空間。広すぎず狭すぎず、まるで巣のようなコンパクトさでありながら、換気と採光を十分に取ることで開放的な気分に浸れそう。「仕切りを外して広々ワンルーム」も良いけど、私は小空間をわざと作りたくなる。今回描いた部屋のような場合、階段は壁に沿わせて広い空間を作るのだろうけど、中心に据えてしまった。デスクの背面にも棚を置いて、さらに狭くする。居場所がそこかしこにある家の中を、窓から入る風がスーッと通り抜ける。帰宅したら、デスクにこもろうか、ソファに体をしずめようか、ベッドで寝てしまおうか…窓を開け放してボーっとするのもいいな。時には気の合う友達を招いても楽しそう。一人に優しい家は、きっと誰に対しても優しいと思う。ソファで団らんもよし、階段に腰掛けるもよし、ベランダで飲み始めるもよし。住んでる私も、訪ねて来る人も、気ままが一番。イラスト・文/井田千秋■プロフィール井田 千秋(いだ ちあき)神奈川県在住。作家・イラストレーター。2012年頃より不定期にコミティアやグループ展に参加。2015年に初個展開催。イラストレーターとして活動開始。生活空間や雑貨を好んでモチーフにしている。著書「わたしの塗り絵BOOK 憧れのお店屋さん」、同シリーズ「憧れのお部屋」発売中(共に日本ヴォーグ社)。特集「おひとりさまのあたらしい住処」もあわせてご覧ください!・なぜ“誰かがいる空間” で暮らしたいのか?/東京大学・松村秀一教授・「若者の仮住まい」から「終の棲家」まで。多様化するおひとりさまのシェアハウス
2017年05月18日エログロナンセンス好きな私がハマった献血(c)Chiara Cremaschiこんにちは。あたそです。皆さんは、エロ・グロ・ナンセンスというジャンルをご存じでしょうか? ざっくり説明をすると、腕がもげたり、血液がドバドバ出たり、まあまあ残酷な死に方をしたりする作品を称したジャンルのことです。私は中学・高校時代に、このエロくてグロいアニメや漫画にどハマりし、夜な夜な見漁る毎日を過ごしておりました。ところが、映画になるとどうも直視できないんですよね。任侠映画でヤクザが指を鉈で落とすシーンとかもダメ。よりリアルだからなんでしょうか? なんだか、自分の身に起こっていることのように感じられて、後頭部辺りがキンキンして来てしまうんですよね……。人が痛がっていたりや、血が大量に出ていたりするシーンはどうもダメなんですけど、数年前から献血は好きで、時間を見つけてはよく通っています。献血用の針を躊躇なく腕に刺し、スーッと自分の血が抜かれていくところを見ていると、不思議と落ち着くんです。しかも、この血液が誰かの命を助け、同じ血を分けた人間と街中で気付かぬうちにすれ違っているんだと思うと、キュンとときめいてしまいそうになってしまいます。「献血が好き」というと、気持ち悪がられる方が多いのですが、暇潰しや少し休憩するために立ち寄る際にはうってつけの場所だったりするんですよ。例えば、私用を済ませてから友達に会うときや、なんだか家にいるのが嫌になって少し早めに目的地に着いてしまったときなど、少しだけ時間はあるけど買い物の気分じゃないし、カフェに入るほどでもないし……というシチュエーションに出くわしませんか?私はそういう隙間時間に、献血ルームを利用するようにしています。献血ルームはすごい…献血にかかる所要時間は10分から90分ほど。都内であれば大きな駅には必ずあるので、すんなり通えたりします。土日だと混雑していることもあるので、少し待つこともあるんですけどね。献血ルーム、何がすごいって飲み物も飲めるし、お菓子も食べられるんですよ。場所によって多少の違いはありますけど、漫画や雑誌・新聞なども読めるし、テレビを見ることも、なんと占ってもらうこともできるので、暇を持て余すことはありません。また、室内はWi-Fiを利用することもできるので、動画もサクサク見ることができます。献血が終わった後は、ハーゲンダッツやお米、タオルなどをもらったり、10回・20回と通っていると記念の粗品などをいただけたりします。流石、日本赤十字。至れり尽くせりですよね。この液体、私の体の中にあったんだ…私はいつも小説を読みながら献血をしているのですが、テレビよりも何よりも、自分の血液がパックに溜まっていく様子を見ているのが好きです。献血には、全血献血(200mlまたは、400ml)と成分献血という、3種類があり、私はいつも成分献血を選択しています。この成分献血というのは、血液中の血小板と血漿といった特定の成分だけを採決し、回復に時間のかかる赤血球は再び体内に戻すというもの。血を赤くしている成分を抜いた採血なので、パックには黄色い液体がじゃんじゃん溜まって膨らんでいくんですよ。自分の体内から出てきたものなんだと思うと、興奮と愛おしさが止まらなくなります。献血終了後、看護師さんにお願いをして一度触らせてもらったことがあるんですけど、生ぬるくて、触感も妙にリアルで、「あ……この液体、本当に私の体の中にあったんだ……」なんて思ったりもします。パックに詰められた生ぬるい血液、抜いた親知らず、綺麗に分かれた枝毛など、自分の身体から生まれたものに母性を覚えて、なんだか愛おしく感じてしまいます。捨てているのがもったいなくて、しばらくの間は自室の机の上に飾り、ぼーっと眺めていたこともありました。傍から見たら、かなり気持ち悪いんですけど…。自分から生まれるものを愛でてしまう感情こんな感じで自分の身体から生まれたものをこんなに可愛らしく感じるのなら、将来子どもが生まれた時、どうなってしまうんだろう? 気がおかしくなってしまうんじゃないだろうか? と心配にすらなってしまいます。まだまだ先の話ではあるし、無機物と赤子を一緒くたにするなよって話なんですけど。今まで結婚や子ども、家族を作るような幸せを掴んでいる自分というものが想像できた試しがない。そして、そういった機会に恵まれるのもまだまだ先なんだと思っています。まあ、恋人もいないですしね。でも、こうして自分の身体から出てきたものを愛でてしまう感情が自分の中に眠っているのなら、自分がまだ知らない景色に幸せを感じることもあるのかもしれない、と考えてしまいます。と、言いつつ、基本的に不摂生な生活を送りすぎて、採血の時点で赤血球の数が足りず、3回に1回くらいのペースで献血できずにとんぼ帰りするんですけどね……なかなかできない悔しさみたいなものもあるから、定期的に通ってしまいます。自分の健康もチェックできるので、自分のためにもよさそうだし……。Text/あたそ前回記事<旅先で出会った水タバコ「シーシャ」で自分の思考や思い出を整理する>もチェック!あたそさんが旅先で出会った「水タバコ」魅力について。
2017年05月16日寒さに背中を丸めうつむきがちに歩いていた冬が終わり、ようやくあたたかい季節が始まると、見慣れたいつもの風景さえもきらきらと眩しく映り、ふらりとどこかへ出掛けたくなります。手軽な日帰り旅行を計画した時に、私がよく訪れるのは鎌倉か熱海。どちらも片道2時間以内で行けるため「近くて遠い街」としてちょうど良いのです。まだ夏になる前の穏やかな5月には、真夏にはほとんど行くことのない海が見たくなったりも。そんな時に思い浮かべる純喫茶をご紹介します。まるで宙に浮かんでいるような純喫茶「サンバード」場所は、熱海駅から熱海銀座商店街を抜けた、海の近くにある「サンバード」。近くには、観光名所のひとつである「貫一お宮像」があります。こちらの店を遠くから初めて眺めた時、「大きな窓が一面にあって、宙に浮かんでいるみたいだ」という感想を抱きました。味のある手書きのメニューを眺めながら階段を上がり、窓際の席に腰を下ろすと、外の景色との境界線をつい忘れてしまい、まるで砂浜の延長で寛いでいるような感覚になります。いつもであれば、“マスターの聖域”であるカウンターの中をあまりじろじろ眺めることに気が引けてしまうのですが、こちらでは店名のロゴにもなっている鳥のマークや、綺麗に並べられたガラスの器たちを近くで見たくなり、マスターとの会話を口実に近づいてしまいます。一見物静かな雰囲気を醸し出すマスターは、実は、お話好きでユニークなお方。今までは夜に訪れていたためか、マスターがおひとりでいらっしゃることが多かったのですが、時間帯によっては、明るく朗らかでとても可愛らしいママとお嬢さんにもお会い出来ることも分かりました。ご家族の会話は息もぴったりで、皆さんとお話するのは楽しく、今度はもっと早い時間に訪れてゆっくり過ごしたいと思うのでした。好きな街をもっと好きになっていく幸せな連鎖「海が見える窓からの景色は、もしかしたら、夕暮れの時間帯には魔法のような色になるのではないだろうか」と思い、店の方に尋ねたところ、東向きのため夕暮れではなく、朝焼けを映すのだそう。お気に入りの純喫茶に出会えた時は「またいつか休みの日にこちらへやって来よう」そう思うだけで、日々をがんばる糧になります。お店の方たちのやさしい笑顔や豪華なシャンデリア、香りの良い珈琲、その日見た色々なものを思い浮かべて、心の中の日本地図にそんな場所を増やしていく楽しみ。好きな街をますます好きになっていく幸せな連鎖は、こんな風にこれからも続いていくのです。Text/難波里奈前回記事<仕事帰りにひとり純喫茶リレー!「4/13喫茶店の日」を楽しむための最高の5軒>もチェック!会社帰りにほっと一息つける純喫茶ばかりです。
2017年05月12日ひとりだけど、ひとりじゃないを叶える場所誰にも責任を追わない、気ままなおひとりさま。だけどちょっと怖いのは、体調を崩したときや、とてつもなくさみしさが襲ってきたときです。普段は自由を満喫ししたいけど、何かの時には、誰かにいて欲しい……。そんなワガママを叶える場所があります。数十人~100人規模の住人がいる大型のシェアハウスです。やはりシェアハウスというと、まだまだ「20代の若者が住むところ」というイメージがありますね。ちょっと豪華な賃貸を何人かで分け合って住んで、家賃を安く済ませるというような。だけど大型シェアハウスの家賃は、それほど安くはありません。光熱費込みですが、月に5万~10万円くらいします。企業の独身寮や学生寮をリノベーションして作られることが多く、共用部分がゴージャスなのも特徴です。大型テレビやソファーの置いてあるラウンジ、シアタールームやジムの設備があったり。個人ではとうてい買えない家電や備品があるところも魅力のひとつです。こうした大型シェアハウスは、個室がきちんと確保されています。部屋に入れば、誰にも邪魔されずに自分だけの空間でくつろぐことができます。これは普通のひとり暮らしと同じですね。キッチンやお風呂、トイレといった水回りは共同のことが多いようです。大型シェアハウスのいいところは、干渉されることもなく、ハウスの仲間と仲良く騒いだりもできること。つまり、自分のライフスタイルに合わせて生活できるんです。ハウス自体は住人同士の交流を勧めていて、毎月ホームパーティはあるし、誰かが退所するときには有志でラウンジに集まりパーティを開いています。住人同士でレンタカーして遊びに行く人もいるようだし、ハウス内恋愛も活発なようです。ここでおひとりさまから脱出してシェアハウスを卒業する人もいそうです。和久井は大型シェアハウスに住んで1年になりますが、ハウスには特に親しくしている人はいないので、公のホームパーティ以外は呼ばれません。一番おしゃべりするのはお掃除に来る女性です。その代わり、面倒な人間関係もありません。共用部分で誰かに会ったら挨拶はしますが、深入りしないし、されません。払拭されつつあるイメージとライフスタイルに合わせた多様化1年住む間に、だんだんと住人の年齢層が幅広くなってきたな、と感じます。40代、もしかしたら50代の方も見かけるようになりました。大型シェアハウスの認知度が高まり、「若者の住む家賃の安い部屋」というイメージが払拭されてきたのでしょう。今、都市部では次々とシェアハウスが作られています。古い独身寮や空室率の高い賃貸がシェアハウスへとリノベーションされています。こうしてある程度飽和状態になったら、次は差別化が始まるでしょう。女性のみの物件はいくつもありますし、最近では、ペット可のシェアハウスができたと聞きます。近い将来、ユニバーサルデザインが施された物件やシングルマザー専門、LGBTなど、さまざまな特色を持つシェアハウスできていくでしょう。老人ホームとの境目がないような物件もできてくるかもしれません。ひとりだけど、ひとりじゃない。ひとりの不便さを払拭して、美味しいとこだけをいただける。苦しいとき、辛いときにはラウンジに行けば誰かがいる。シェアハウスは「若者の仮住まい」から「終の棲家」まで、さまざまな形に多様化していくことでしょう。こうした環境を利用して、より楽しいおひとりさまライフを過ごせたら、と思います。Text/和久井香菜子特集「おひとりさまのあたらしい住処」もあわせてご覧ください!・なぜ“誰かがいる空間” で暮らしたいのか?/東京大学・松村秀一教授・「ひとり」と「ふたり」と「みんなで」を、行ったり来たりする人生が理想
2017年05月11日黒髪美人がコーヒー片手にタバコを吸う姿がかっこいい!皆さん、こんばんは。あたそです。突然ですが、私はSッ気の強い黒髪美女がコーヒー片手にタバコを吸っている姿を街中で見かけると、ぞわっと性欲が掻き立てられます。鳥居みゆきさんがまさにそう。インスタグラムにタバコを吸っている写真をたまにアップしているのですが、最高の女感がすごい。でも、女の人って、全然タバコ吸わないですよね。女の人がタバコを吸うだけで、男の人に「タバコ、吸うんだね……。」って言われますよね。あれ、なんなんでしょうね。「そうだよ」以外に、どう答えればいいんでしょうか。ちなみに私は、昼食後と酔っ払った時など、嗜み程度に週4本くらい吸います。食事や飲み物は一度ハマると飽きるまでずっと摂取し続けるタイプなんですが、タバコに関しては全く依存しないんですよね。なんでだろう。「喫煙者のほとんどは、高校生から吸っている」とか「成人するとあらたまって吸う機会がない」というじゃないですか。でも、私が吸い始めたのはここ1年くらいの話で、「シーシャ」と呼ばれる水タバコがひとつのきっかけでした。日本ではまだ馴染みがないかもしれないませんが、ニコチンを抜いたタバコの葉をレモンやアップル、モカ、シナモンなどのシロップ漬けにし、その煙を1~2時間くらいで吸って楽しみます。東京だったら渋谷や新宿、高円寺、下北沢で吸えるお店があるんですが、私は月に一度くらいのペースで、シーシャを楽しみながら文章を書いたり読書をしたりと、カフェの代わりとして利用しています。店内は大体が男友達同士、外国人、デートコースとして利用している人がほとんど。女一人で来ているのが珍しいのか、店員さんにも顔を覚えられてしまい、今や世間話をする仲になっています(最近見かけないけど、イケメンでお洒落で、笑い方がちょっと気持ち悪くて可愛い店員さんがいるんだよなあ~……)。私が好きなのは、シャンパン味とブルーミスト(スミレ)味ですが、顔馴染みの店員さんがいる時は、大体お任せにしています。吸うと、フワフワする感じ。ちょっと強めのお酒を飲んだ、ほろ酔い状態をイメージすればいいんじゃないかな。ヨルダンで初体験、エジプトでどハマりする日々私が初めてシーシャに出会ったのは、ヨルダンの首都アンマンでのこと。宿で仲良くなったドイツ人とスペイン人に、「今からシーシャ吸いに行くから、一緒に行かない?」と誘われたのがきっかけでした。元々存在自体は知っていたんですけど、周りで吸っている友達なんて一人もいなかったので、自ら進んで吸ってみようとまでは思ってなかったんです。でも、せっかくの機会だったので、面白そうだし、旅先って基本的に暇だからついて行きました。イスラム教の人は、基本的にお酒を飲みません(しかも、ヨルダンは酒税が高い!の割に毎日飲んでたけど)。その代わりに、シーシャ屋で水タバコを吸いながら紅茶を飲みつつ、談笑したりします。あとは、「チャット」と呼ばれる葉っぱ―麻薬ではないんですけど―を嚙みながら話をしたりとか。まぁ苦いので、私はあまり好きではなかったです。ヨルダンで初めて吸ったときは、「こんなもんかあ」程度だったのですが、エジプトのダハブに2週間くらい滞在していた時にどハマりしました。朝起きて泳いで、そのままシーシャ屋に行って、ご飯を食べて寝る、という自堕落すぎる生活をするくらい。1回150円という安さもさらに拍車をかけ、ほとんど毎日罪悪感に駆られながら吸っていましたね。エジプトでは、女性の方がまだまだ地位が低いため、女性が一人でシーシャを吸っているというのもかなり珍しいようで、色んなおっさんに話しかけられたり、時には一緒にテレビのサッカー中継を観たり、果物やお菓子を貰ったりしました。最後に訪れた国・トルコでは、自分用のお土産として、バックパックに大きなシーシャを無理やり詰め込んで持ち帰りました。帰国後、ワクワクしながら自室で吸ってみたものの、煙を吸い過ぎて4~5回ぶっ倒れ、あげく親に処分されるというアホすぎることもやりました。脳に酸素が回りきらなくて倒れたみたいです。頭と足がアザだらけになりました。馬鹿かよ。少し立ち止まって、記憶を整理できる存在言葉の通じない国をたくさん旅行して、色んな景色や建造物に触れ、日本では見ることができないもの・経験できないことをたくさんしてきたはずなのに、ふと思い出すのは、その国々で出会った人との関わりやどうでもいい会話なんです。私の場合は。シーシャを吸っていた時間もそのうちのひとつ。日本人の友達と「何もやることないよね」なんて話をしたこと、店員さんにサービスでナツメの実をたくさんもらったこと、一人で吸っていたら目の前のイスに縞模様の猫が座ってくれたこと…そういうなんでもないことを、なんとなく思い出します。ある特定のものを見たり、場所に行ったり、懐かしい匂いを嗅いだりすると、思い起こされる体験や記憶の片隅から懐かしい人が飛び出てくるとか、そういう経験って誰にでもあると思うのですが、私にとって、シーシャがまさにそう。匂いを嗅いだり吸ったりする度に、ちょっとした古い思い出が呼び起こされるんです。仕事をして、友達と遊んで、嫌なこととか悲しいこともあったりして、そんな忙しい毎日を過ごしているけれど、シーシャを吸っているときはほんの少しだけ立ち止まって昔のことを思い出したり、色々なことを考えたりする時間になっているんですよね。“シーシャを吸う”という動作でワンクッション置くからか、頭の中の容量に少し余裕ができるのかもしれません。もちろん煙を吸うのが好きになった、というのもあるんですけど。自分と対峙できる時間があると、作業に没頭しつつ普段の考えを整理することができるので、いいですよ。ちなみに、この文章もシーシャを吸いながら書いています。店はけっこう繁盛していて、たくさん人はいるのに、各々が作業に集中していて、周囲に全く関心がない独特の空気が漂っている。この感じとかが好きなんだよなあ。Text/あたそ前回記事<普通に生きて、普通に死ぬだけだと思っていた私がTwitterで変わったこと>もチェック!あたそさんの生活や友人関係まで変えてくれた、Twitterについてです。
2017年05月02日自宅で旅気分とラブラブ気分を味わえるゴールデンウィークですね。長いお休みを活かしてここはひとつ、長編漫画を読んでみませんか?少女マンガで長編というと、やっぱり今お勧めなのは『王家の紋章』! これです。連載40年、既刊62巻、古代エジプトを舞台にした大スペクタクル垂涎ドラマです。『王家の紋章』(細川智栄子/秋田書店)第1巻物語の舞台はエジプトを中心とした地中海沿岸の国々。自宅に居ながらにして大冒険気分が味わえます。しかも現代エジプトだけでなく古代エジプトまで、時代を変えて旅するんですよ。ゴージャスゴージャス。先日、ミュージカル『王家の紋章』を観に行ったので漫画を読み返しているんですが、なんだかめちゃくちゃキュンキュンしますね。なにしろ古式ゆかしいマンガなので、激しいエロはなし。奪われるのはキスのみ。萌えシーンではひたすらハグのみ。スキンシップは豊富なので、1人で読んでいても誰かと触れ合っているような気がしてきます。ざっくりあらすじを紹介すると、現代のアメリカ娘キャロルは、王家の呪いにかかって古代エジプトに送られてしまいます。そこで若き王メンフィスと出会うのですが、キャロルがエジプトでは珍しい金髪娘だったこと、21世紀の知恵を次々披露して奇跡を起こしたことから熱愛され、激しく慕われます。ところでキャロルの口癖は「21世紀の人間なら誰でも知っていることよ」と言いながら、泥水を真水に変えたり鉄を精製したりするんだけど、未だに和久井はそのどちらのやり方も知りません。誰でも知ってることを知らない自分はバカなんだなと思います。そして初めは嫌がっていたキャロルだけど、そのうちすっかりほだされてメンフィスとラブラブに。しかし彼女の絶大なる影響力は各国に知れ渡り、アッシリアだのヒッタイトだのいろんな国々から次々と彼女を付け狙う権力者たちがやってきます。そしてさらわれちゃー戻り、またさらわれちゃー戻りを繰り返して60数巻。横恋慕されたい欲を刺激する王子和久井の脳内はけっこう王家に毒されていて、夢や憧れはすべて王家から教わりました。和久井の歴史好きは、たぶん王家のせいです。エジプトは憧れの旅行先です。そして和久井の理想の男性像は、キャロルの筆頭“ストーカー”・イズミル王子です。メンフィス王とキャロルの恋がエジプトをさらに熱く燃え上がらせているにもかかわらず、横恋慕して「その身も心も……この私になびかせてみせるぞ」とか強気なこと言ってます。こいつのせいで和久井は、横恋慕されるのにものすごい憧れがあります。奪われるほどに愛されたい。その上、ストーカーもされてみたい。最寄り駅で待ち伏せされて「おお、会いたかった……」とか言われたい。いつでも冷静沈着で理性的な王子だけど、キャロルのことにだけは大興奮でいつでも顔を赤らめてるところもかわいらしい。しかもイズミル王子はものすごいドSです。キャロルを柱にくくりつけて鞭で打ち、その後気絶したキャロルの服を脱がせて、自分で傷の手当てとかしてます。こうなるともう手当てと称して脱がせたいから鞭で打ったんじゃないか、という疑惑が浮かんできますね。イズミル王子、よくよく無理矢理が好きみたいで、大けがを負ったキャロルに「傷が見たい」とか言って、これまた服を剥がしてきます。でも決して余計なところを触ったり揉んだりしないんですよね。それ以上する気もなさそう。なんのために服を剥いだのか意味不明なほどです。彼の中の決まり事はけっこう明確で、キスは無理矢理してもいい、寝てるときにキスしたり服を脱がせても構わない、だけど結婚式を挙げるまではエッチはしない……何かのラインが彼の中に出来上がってるんですね。少女漫画は気持ちのいいスキンシップだけ一方で和久井はベラベラ大声でしゃべる男子はちょっと苦手です。王家で言えばメンフィスですね。メンフィスは、イズミル王子が送り込んだスパイ・ルカをまんまと王宮に引き入れて疑いもしないし、ヒッタイトの王宮に忍び込んだはいいけど大した策もなかったみたいで、見つかりそうになってキャロルに犠牲になってもらってるし、ちょっと短絡的で頭が弱そうです。メンフィスはキャロルとがっつりくっついていただき、あまったイズミル王子は和久井に払い下げていただきたい。しかもこの作品のいいところは、メンフィスやイズミル王子といったイケメンにはキャロルはいくらでも襲われて抱きしめられてキスされてるのに、その他のアルゴン王といったブサメンからは襲われないんです。物語に登場するのは、気持ちのいいスキンシップだけ。本当に、少女漫画って都合がいいですね。62巻も出てるけど、ストーリー自体は単純なので、割とサクサク読めちゃいます。GW、リア充たちの華やかなSNSを眺めつつ、旅行気分とラブラブ気分に没頭するのはいかがでしょうか。Text/和久井香菜子前回記事<「このメールは返信すべき?」男女の恋愛スタンスの違いが分かる『僕と君の大切な話』>もチェック!カップルで感想を言い合うのも面白いけれど、おひとりさまで読むのも面白い。
2017年04月26日人生、何が起きるか分からないから面白いはじめまして、こんにちは。あたそです。変な名前ですよね。今日から隔週で、ひとり遊びについて色々書いていきます。まず、自己紹介を兼ねつつ、私が毎日のひとり遊びをする上で語らなければならないのが、Twitterです。Twitter、利用されている方も多いと思います。私もなんとなく流行りに乗って数年前から使いはじめ、気が付けばフォロワーが8万6千人。ドイツ国内の弁護士の数や京都府舞鶴市の人口と同じくらいなんですって。おいおい、まじかよ。数字だけ見ると、ドイツの弁護士多すぎでは?さて、Twitterをはじめてから、私のことを面白がってくれる人が周囲に現れ、トークイベントや原稿執筆、インタビューなど、色んな仕事をさせてもらえるようになりました。当初は、「どうしたらフォロワーが増えるのか?」「どういうツイートがウケるのか?」など、色々考えながらツイートをしていましたが、2万人くらいになった時に、そんなことどうでもよくなってしまって、今ではノンストレスで色んなことを主張しています。ごくたまに、フォロワーが増えて同じようなネタしか呟かない人とか、キャラ作ってるんだろうなあ~みたいな人とか見かけますけど、大変なんだろうなあ~……なんて思いながら画面を見つめています。たかがSNSごときのお話ではあるのですが、私の生活や友人関係はTwitterによって、ほんの少しだけ変化しました。普通に会社員をやって、普通に生きて、普通に死ぬだけの人生だと思っていたので、何があるかわからないですね! 本当!遊ぶ醍醐味、「感想言い合う」を叶えてくれるTwitter誰かと遊ぶ際の醍醐味と言えば、経験・体験を共有できる、感想を言い合えるなどがあると思います。Twitterをはじめてから、今や8万6千人にもフォローされているので、自分の好きな映画や美術館、旅行先など、必ず誰かが同じものを見ていたり体験したりしているんですよね。しかもたまに、全く知らない人からアドバイスをいただいたりもします。元々自分の好きなものを勧めるのも好きだったので、私の影響を受けて「好きになった!」と言ってくださることもあるんですよね。これが結構、嬉しかったりします。自分の知っている人だけではなくて、全く知らない人の真逆の意見を知れるので、興味深いし、めちゃくちゃ楽しいですね。例えば、現在上映されている『ムーンライト』という映画。私もさっそく観たのですが、抜け出すことのできない環境や“どうしようもなさ”みたいな絶望といった暗い気持ちを映し出す映像の美しさと台詞の少なさが心情を上手く表していて、終始感動していました。黒人社会を主題にした作品なのですが、Twitterの反応を見ていると、同性愛的なシーンも含まれているためか「気持ち悪い」と思う人もいるみたいで。作品の要的な部分だったりするのに、ただ単純に「気持ち悪い」と評価する人もいるんだなあ~…と少し驚いてみたりもしましたね。そんな風に、作品の根本を否定するような意見もありますが、評論家・批評家だけではなくごく一般の人の考えや捉え方も知れるので、様々なシーンを思い返しながら、自分の意見や考えも精査するのが、新たな発見だったりします。普通に生きて生活して誰かと知り合ったら、まず距離を保ちながら少しずつ会話をしていって、それでもっと仲良くなったり離れたりしていくんだろうけど、時間が経ってからじゃないと見えて来ない部分というのは必ずあると思います。でも、TwitterをはじめとするSNSを見ていると、どういうものが好きか? どんな意見を持っているのか? 何に影響されているのか? みたいな、その人を形成したものが見えてくるので、そこもまた醍醐味ですよね。もちろん、ネット上だけの人格を評価する訳ではないんですけど。「ひとりで行動したい」「誘うのが面倒くさい」「でも、誰かと語りたい」私がなぜ、ひとり遊びが好きか? というと、理由は様々あるんですけど。まず、同じ趣味な人を見つけるのが大変、そして誘うのが面倒くさい。さらに、酔っ払ってないと長時間まともに会話できる人がいない…など。クソですよね。そもそも人に気を遣えないし、あまり友達がいないのですが(笑)。一人で行動するのも苦ではないし、「やりたい!」って思ったら後先考えずに行動したいタイプなので、大体一人で色んなところに行ってしまうんですけど、Twitterを始めてから単独行動の拍車がかかってしまっているように思います。韓国くらいならノリで行ってしまうので、暇そうな友人2~3人に声を掛けてみるものの、見事に断られましたね。そりゃそうか。静岡も誰も付き添ってくれなかったからなあ(笑)。「自分が何かしたいときに誰かを誘うのが面倒くさい」「人に気を遣うくらいならひとりで行動したい」「でも、誰かと意見を言い合いたい」という、面倒臭い性格が混在している私にとって、Twitterというのは趣味のひとつとしてとても便利だし、色々助けられている気もしています。でも、めちゃくちゃ赤字だというTwitter社。「2017年がTwitterにとって重要な1年になる」とかなんとか言われているみたいなんだよなあ…潰れないでくれ…!Text/あたそ前回記事<旅先で出会った水タバコ「シーシャ」で自分の思考や思い出を整理する>もチェック!旅の途中で出会った「水タバコ」。その魅力とは?
2017年04月18日お店の方たちのやさしい笑顔に会いに…4月13日は「喫茶店の日」こちらをご覧の皆さまはご存知かもしれませんが、昨日4/13は「喫茶店の日」でした。明治21年(1888年)4月13日、東京・上野に日本初の喫茶店「可否茶館(かひいさかん)」の開業が由来と言われています。残念ながら現在その店舗は残っていませんが、200坪もの敷地に建てられた木造洋館は2階建てで、1階はシャワー室などを備え、ビリヤード・将棋などができる遊技場で、2階が喫茶室となっていたそう。可否茶館記念会によると、「庶民のためのサロンとして、また知識も学べる広場(コーヒーハウス)とすることを理念としての開店であった。」ということで、当時に生きる人たちにとって憧れのハイカラな場所だったのではないでしょうか。それから129年が経った現在、喫茶店文化は引き継がれ、さらに近年では昔ながらの喫茶店の魅力にあらためて注目している人が増えているように感じます。慌ただしい日常の中で、珈琲を飲む時間はほっとひと息つける大切なもの。さて、純喫茶愛好家としてそんな記念日にじっとしているわけにはいきません。自分なりに楽しもうと思いついたのは「ひとり純喫茶リレー」でした。平日は会社員をしているため、自由になれる時間は夜のみ。業務終了後の18時過ぎから22時までの4時間で、神田駅から神保町までの道のりにあっていつもお世話になっている純喫茶を出来る限り多く訪れようと決めました。結果は下記の5軒。今回はその様子について綴ります。「ひとり純喫茶リレー」18:00神田「エース」まずは1軒目。純喫茶に夢中になってから最も多く通っている店。いつも素敵な笑顔で迎えて下さる兄弟マスターの清水さんたち。この笑顔や「のりトースト」を求めて北から南まで全国から訪れる人が絶えない人気店です。この日は、ドーナッツ(通常は2個セットですが、特別に1個にして頂きました)とコーヒーフェアの期間だけ飲むことが出来るインドコーヒーを。18:40 神田「珈琲園」2軒目。外観の写真を撮っていたら、その様子に気が付いたマスターの八戸さんが店内から手を振って下さいました。毎日限定数で作られる大人気のコーヒーゼリーを必ず注文してしまいます。夜18時以降、2階席は全面禁煙となります。マスターのこれからの野望について伺い、わくわくした気持ちに。19:20 淡路町「高山珈琲」3軒目。細い路地にあって、入口を飾るきちんと手入れされた美しい植物たちが特徴的。まるで隠れ家のようです。髭をたくわえたダンディなマスターは物腰柔らかく、珈琲の味にもやさしさを感じます。チーズケーキやサンドイッチ類も美味しいのでおなかが空いている方は是非。20:10 淡路町「ショパン」4軒目。木曜日の夜はママに会える日。扉を開けた私をにっこりと笑顔で迎えて下さいました。この後もまだ数軒巡る予定でしたので、「アンプレス」を食べたい気持ちをぐっと抑えて、季節限定の濃厚イチゴジュースやバナナジュースと迷ったあげく、「アンオーレ」を注文。小豆とエバミルクを氷とミキサーにかけたもので一口飲むと止まらなくなってしまう美味しさです。21:00 神保町「ラドリオ」5軒目。最近では満席になっていることも多い、ウィンナーコーヒー発祥の店。色々な店のナポリタンを食べ歩きましたが、こちらの味付けが最も好み。この日は久しぶりにチキンカレーを。よく煮込まれたほろほろの鶏肉の味わいであっという間に完食。鮮やかな色が嬉しい「ざくろスカッシュ」は、アイスクリームをのせてクリームソーダにも出来るのです。純喫茶の魅力は、美しい調度品で揃えられた店内や個性あふれる美味しいメニューはもちろん、お店の方々によるところが大きいと思っています。このやさしい笑顔たちに会いに、1年365日「喫茶店の日」としてこれからも過ごしていきたいと思っています。Text/難波里奈前回記事<ここでしか出会えない!美味しいケーキをもっと楽しめる“仕掛け”が可愛い『古瀬戸珈琲店』>もチェック!かわいい動物たちに会うにはアレを注文して下さい!
2017年04月14日皆さんは47都道府県のうち、どちらの土地に行かれたことがありますか? 私は現在までに34都道府県を訪れていました。逆を言えば、13県はまだ訪れたことがないので今後の楽しみとしています。昨年の秋頃にたてた「2017年は和歌山、鳥取、鹿児島へ必ず行こう」という目標も思いのほか早く叶い、12月には和歌山へ訪問してきました。とはいえ、一度訪れただけではまだまだ分からない魅力を探りたいので、再訪したいと考えています。そんな調子で、2017年は1月に大阪、2月には熱海と広島、と順調に旅ができて嬉しく思っていたところ、さらに福井新聞社の方から素敵なお誘いを頂き、先日初めて福井を訪れてきました。大変申し訳ないのですが、今まで「福井へ行こう」と積極的に思ったことがなく、なんとなく勝手なイメージで電車の乗継ぎが大変で時間がかかりそう、と思っていたことも原因かもしれません。しかし、「福井」と「純喫茶」を同時に耳にした時、以前写真で見た衝撃的な内装の店が脳裏に浮かびました。その店の名前は『王朝喫茶 寛山』。壁の一面を光らせる大きくて美しいステンドグラスのある純喫茶です。…が、今回はその前日に思いがけず出会えた『マロン三世』という純喫茶についてお話します。思わず色々注文したくなってしまう純喫茶東京駅から新幹線で米原駅へ、そこから特急しらさぎに乗り換えて目指すは福井駅。のはずでしたが、急遽“めがねのまち”として有名な鯖江駅で途中下車をしました。急がない旅であれば、思いついたままに行動するのはとても楽しいことです。駅から歩くこと10分程でしょうか。車道に面した一軒家が現れ、『マロン三世』と書かれた大きな看板を見つけました。建物に近付き入口周辺を観察していると、窓の向こう側にいらっしゃる方と視線が合い、にっこりと笑いかけて下さいました。店内はカウンター席とテーブル席に分かれ、ゆったりとした配置です。テーブル席のソファは腰掛けると深く沈み、もうこのまま立ち上がりたくないと思ってしまうほどの座り心地の良さ。メニューを一通り眺めていると、とても笑顔の素敵なやさしそうなママが注文を取りに来て下さいました。まずは、クリームソーダとフルーツワッフルを注文。楽しそうに談笑する、窓際の高齢男性たちのやり取りを微笑ましく眺めていた時に運ばれてきたクリームソーダを目にして、思わず声を上げてしまいました。一般的な緑色を想像していましたが、こちらでは青色だったのです。窓から差し込む夕暮れ時の光がグラスに反射して、泡もキラキラと弾けている様子に感動。ワッフルも瑞々しい果物がふんだんに乗せられ、思わず笑顔に。この日は朝からほとんど何も口にしていなかったこともあり、ナポリタンとアマランサスコーヒーも追加注文。「驚異の穀物」と呼ばれるアマランサスの粉が入った珈琲は、飲み進めていくと底の方にとろみがあり、初めての食感でした。ナポリタンはなんと下に卵焼きが敷かれた鉄板タイプ。注文した全てのメニューに想像を裏切る嬉しい驚きがあったのでした。すっかりこの店のファンになってしまい、今度福井に来るときはこちらへ寄ることが大きな目的になるだろう、と思ったのでした。Text/難波里奈
2017年03月17日第9回:「やめられない」は本当に悪いことか今回の読者投稿は、KPOPアイドルが好きで月1回以上の海外遠征は当たり前という方から。体力やお金の限界が分かっているのに、やめようと思ってもやめられないという。分かっていてもやめられない。私が「分かっていてもやめられない」ことをいくつか挙げてみた。寝る前のスマホいじり。人が無意識に発してしまったダジャレに「ひゅ〜」とからかってしまうこと。電車で寝た人に隣の知らない人が寄りかかられ、肩を貸さざるをえなくなった状況を観察すること。改札の前で家の鍵を出し、家に着くなり定期を出してしまうこと。なんだかスケールが小さい。最後のやつはやめられないというか癖に近い。しかも、別にやめなくても人に迷惑がかからない。むしろ誰にも迷惑がかからないからやめられないのかもしれない(ダジャレいじりは迷惑か)。そうなると逆に今回の読者の方のように、「やめたいけどやめられない!」と強く言えることがある、ということが羨ましい。体力やお金が本当に底をついたらやめざるをえないだろうし(本当はその前にやめるべきなんだろうけど)、まだ続けていられるうちは続けても良いような気がする。そもそも、いくら厳しいとはいえ、月1回以上海外に行けてしまうそのポテンシャル。まぶしい。今回はそんな「やめられないもの」に突き進んで行くまぶしさを描いた。(こう無責任にポジティブなことを言ってしまったら余計やめられなくなってしまうだろうか)Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。
2017年03月06日家で手軽に作れる!身体があたたまる薬膳鍋by 太田みお1.鍋に水を入れ、まず鶏の骨付き肉を20分ほど茹でる。アクがでてきたら丁寧にとる。2.●の材料をすべて鍋に加えて10分ほど煮こむ。3.野菜や豆腐も入れて10分ことこと。仕上げにごま油をまわしかける。4.★のゴマだれの材料を混ぜて、つけながら召し上がれ。まずはスープを飲んで、しみじみとした美味しさを味わってください♪身体がぽかぽかしてくる絶品薬膳鍋です。寒い冬もあと少し! このお鍋であたたまって、乗り切りましょう。働くおひとりさまにとっての毎日はめまぐるしくて、ゆっくり季節を感じる時間さえ取れないですよね。「休日のたった1時間でいいからほっとしたい…」元外資系バリキャリから一転、丁寧な生活を目指して料理研究家になった太田みおさんが、四季の彩りを簡単に楽しむ「レシピ=歳時記」をお届けします。Text/太田みお前回記事<忙しいあなたへ!45分で作れる特別バレンタインディナー>もチェック!少しだけ特別な日を誰かと楽しむためのレシピを紹介します!
2017年02月22日一人呑みの楽しみ今回の読者投稿は、一人呑みが好きだという方から。最近ドラマ「東京タラレバ娘」で「いい女はひとりで焼肉へ行く」というセリフが話題となった。私は一人カラオケや一人呑み、一人回転寿司はする。一人焼肉までもう一歩といったところか。1人で呑む時は、たいてい近所の居酒屋に行く。誰かと行くと大抵はお互いの近況か、そこに居ない誰かのことについて話すことが多い。それはそれで楽しいし、発散にもなるし、そこで分かることもあるけど、1人で呑むことの良さは、ある意味、何を考えて呑んでいても許されるところだと思う。「こんなことを人様に言ったらどんな顔をするだろうか」というようなことを考えても構わない。人に合わせたり流されたり、つい言わなくて良いことを人に言ってしまったりすることがない。「実は私、今こんなことを考えている」「むこうでこうなっていることをあっちは知らない」などといった含みのようなものを、自分の腹の中で好きに泳がせておけるのが楽しい(我ながら腹黒いこと書いているな、と思いながら筆が進んでいる)。「これは一生誰にも言わないぞ」「あれはいつかあの人に言ってみようか」など、次に誰かと会った時に自分はこうしようと脳内会議をするのも良い。また一人呑みに行こうかな。むしろ一人焼肉に挑戦してみようかな。と思ったが、今この時期に一人焼肉に行けば、高確率で「ドラマの影響」と思われるだろう…と怯んでしまった私は、まだまだおひとりさまとしてはひよっこだ。Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。
2017年02月20日皆さまは、日帰り旅行をされることはありますか?宿泊するより慌ただしいのはたしかですが、思い立った時にすぐに出掛けることができ、かつ荷物が少ないので手軽なところがおすすめです。急な休みができたら、ふらりと出掛けたい場所として浮かぶのは、熱海か江の島です。熱海は一見遠いように感じますが、東京駅から新幹線に乗ってしまえば“こだま”でも片道40分ほど。窓の外を眺めたり、今日はどこへ行こうかと考えているうちにあっという間に到着してしまいます。つい先日も趣味の合う旧くからの友人と、よく晴れたあたたかな日曜日に熱海へ出掛けてきました。テーマは「日帰り逃避行」。私はいつも通りの身軽な格好でしたが、新幹線のホームで待ち合わせた友人は、レトロな柄のワンピースにトレンチコートを羽織り、大きな旅行鞄を持っていたので、なんだか長い旅に出掛けるかのようで気分も盛り上がりました。事前に作った旅のしおりを眺めながら、あれこれ話しているうちに海が見えてきて、いつもより気持ちもふわりと浮き立ちます。旅先で真っ先にするのは、近くの純喫茶でひと休みしながらその日の計画を練ること。昼食はどこで食べよう、純喫茶は何軒巡れるかしら、あのクラシックのシャンデリアの下で写真を撮ろう……。地元の人たちも入り混じった純喫茶で珈琲を飲みながら、はやる気持ちを落ち着かせます。さてこの日は、レストラン フルヤ(昼食)→ ホテル ニューアカオ(見学)→ 純喫茶 田園 → 純喫茶 くろんぼ、というコースを巡りました。訪れたいところはたくさんありますが、旅は少し名残惜しいくらいがきっとちょうど良いのでしょう。日が暮れてきて、でもまだ帰りたくない気持ちでソワソワしはじめた頃に訪れたのは、1冊目の書籍『純喫茶コレクション』からお世話になっている「くろんぼ」。特徴的なイラストに点る灯りに営業を確認してほっとし、地下への階段をするすると。重厚な石たちに囲まれた、でもどこかあたたかなイメージの店内は清潔に保たれ、カウンターにはママが活けた大きくて美しい花が。思わず目を惹かれ、花の名前を尋ねました。すると、「今日はコデマリよ。本当に花が好きでね、その時の直感で決めるの。季節によっても気分によっても欲しい色は違うでしょう?」と笑顔で教えてくれました。「少し前にもね、あなたの本を見て、遠くから来てくれた人がいたわよ。それで私のことを気に入ってくれたみたいで、またその後も来てくれたのよ。嬉しかったわぁ」と、ママは訪れる人たちのことをよく覚えていて、とても嬉しそうに話して下さいました。尽きない会話の中には、ぴりっと身の引き締まる人生論やこんな話も。「夏でも冬でもね、まず起きたら部屋の窓を全部開けるの。海が見えるから、今の季節に人が歩いていると、あぁ昨日よりあたたかいんだなって知るの」と情景がくっきりと浮かぶような、季節に寄り添った暮らしをしているママを羨ましく思いました。しかし、そんな気持ちを見透かされてしまったのか「でも観光で来るくらいがちょうどいいってこともあるかもしれないわよ。また来てね」といたずらっぽく笑うのでした。1年中ほぼ休むことなく営業し、夕食をとる時間だけ店を閉めるそう。ここを目指してくる人たちにいつまでも元気で出迎えてほしいと願い、駅までの夜道を軽い足取りで進むのでした。Text/難波里奈
2017年02月17日マジ、リスペクト! こんなことができるなんてスゴイ!オドロキのお義母さまの特技&リスペクトエピソード良くも悪くも、何かとお世話になっているお義母さま。いろいろ言ってやりたいこともあるけれど、腑に落ちない行動もあるけれど、「これだけは、お義母さまにはかなわない!お義母さまってスゴイ!」と思うこともありますよね?みなさまから寄せられた、お義母さまのオドロキの特技やリスペクトエピソードを紹介します。イラスト:春吉86%ひょっとして嫁より孫より体力あるかも!?義母は週2でテニススクールに通っています。炎天下だろうが雪が降ろうが、休むことはありません。そのうえ、きちんと結果(優勝など)も出しています。40代のころには走り込みをし過ぎて、プロでもないのに疲労骨折したらしい…。その体力、私にもわけてください。(きゅみ)義母の趣味は山登り。でも彼女が目指す山は、そこらの山ではありません。現在は、日本の山だけでは飽き足らず世界中の山を登っています。(ゆかお)もう還暦を過ぎていますが、“年老いている感じ”が一切ありません。普段から週に一度バスケをしているそうで、とても動きが過敏。なによりも、私より走るのが早いことには驚きました。(とど)アラ還の義母、今も学童保育の先生をしています。出産直後の私に代わって、年長児の息子の親子対決サッカーに本気で挑んでくれました。「他のお母さんたちより動いていたんじゃないか?」というほどよく走り、 幼稚園の先生は、義母を私のお姉さんだと思ったそうです。(aoko)脱帽!あなたさまには一生かないません超!超!超料理上手なお義母さま。味噌も塩こうじも、佃煮もローストビーフも梅干しも、おせちは20種類以上、伊達巻だって手作りです。あー、挙げだしたらきりがないというか、わがお義母さまに作れないものはないと思います。(たか)お琴、三味線、和裁と日本の和を感じるものを趣味としている義理ママ。すべて私にはできないものばかりで尊敬しています。お正月におじゃましたときはお琴をひいてくれました。その上品な音色に私も娘も感動し、それ以来、娘はお琴に興味をもっています。(ねねでぶ。)小料理屋の女将さんをしていた義母は、話し上手で料理上手。結婚前にご挨拶に伺ったときは、義母お手製の握り寿司をふるまってくれました。ほんとうにおいしかった!「お義母さまにはかなわない」とそのときから今もずっと思っています。(ももママ)学ぶ意欲もハンパじゃありません72歳を超えた今、放送大学に入学して勉強を始めました。(Trifle)義母は東大出身。60歳を過ぎてもなお、高校生の小論文指導をしています。(さく)それって天然ですか?スゴ技ですか?「分からないわ~」「どうしましょう~」などと言いながら、他人にうまく頼るお義母さま。専業主婦歴40年にもなるのに、「住宅ローン」やら「やりくり」やらをまったく理解しておらず、得意の「分からないわ~」で、義父にすべてお任せ。「そんなことも知らないの!?」とビックリするけど、最近は「面倒だから知らないフリしているのかも!」という気もしています。(ぴよーん)義母は、釣ってきたイカや魚を洗濯物と同じようにぶら下げて干します(はい、家族の洗濯物を干す洗濯バサミで!)。おいしくなった状態を見極めて調理するので、味は確かですが、でもねぇ…。(るかり子)
2017年02月16日横柄な店員の態度で気づいたことby Unsplashおひとり旅のいいところは、誰に気兼ねすることなく、自分の好きな場所、好きな時間に行けることです。突然のスケジュール変更だって、自分さえOKならへっちゃら。だけど、おひとり旅であんまりお勧めしない、というか、和久井は「もうゼッタイ! 行かない」と思ってるところがあります。それは「インスタント観光地」です。普段は静かな町なんだけど「とあるお祭りの日だけ」とか「紅葉シーズンだけ」とか「桜の季節だけ」、評判を聞きつけた観光客がワンワン集まる場所です。日常的に観光地を担っているところならいいんです。だから、京都にはよく行きます。だけど「インスタント観光地」にはリピーター獲得という概念があんまりないようです。「とにかくこの時期に稼げるだけ稼いどけ!」って感じ。そのため、おひとり客は彼らの目に入りません。去年の秋に、紅葉を見に行ったんです。ここ10年くらいで突然人が増えた、という場所でした。川沿いの道路には土産物屋飲食店が並び、対岸には真っ赤に燃え上がる木々。それを眺めながらそぞろ歩く観光客。で、まあそこの飲食店がひどかった、という話です。店に入ったら「どうぞ」というので、店内に進んでいったら、店で偉そうにしている中年男性に「ちょっと待て!」と言われ、「あんたはこっち」と、入り口近くの席を指差されました。どうやら、対岸の紅葉がよく見える絶景をウリにしていた店だったようで、別に「いい席案内しろ」とは思いませんが、「ちょっと待て」はないんじゃないですか。どうぞと言われたから店内に進んだだけで。「さっきの言い方はないんじゃないですか」と言ったら、大声で、「この人、窓際の席じゃないのが気に入らないんだってよ!」と周りのお客さんに言いふらされました。こういう場合、こちらには仲間が誰もいないので、圧倒的に不利です。今、書きながら思い出し怒りがワンワン湧いています。誰もが行きたい場所は、誰かと一緒にたいへん誠意のないこちらの店は、食事もいわゆる「観光地値段」で、味は中の下。量も少なめ。「えっこれで1000円?」みたいな。なんだかもういろいろ納得いかなかったので、ちょっと仕返ししちゃいました。飲食店の対応に頭グラグラ沸騰させながら、今度は女性スタッフのいる、感じのよさそうな店に入りました。笑顔で店に入り、挨拶をします。そこでほがらかに世間話などしつつ和久井は、「ああ、このお店に来てよかった!」とため息をつきました。何があったのか、という顔をするスタッフの方。「さっき心底イヤな目に遭ったので、こんなところ、来なければよかったと思っていたんです」「こんなところ、来なければよかった」と言われたら、ただ事じゃないですよね。ほがらかに会話を楽しんでいたお客さんが言うのならなおさら。スタッフの方は驚いたように「どこの店ですか?」「何があったんですか?」と聞いてくれました。しめしめ。で、なるべく感情的にならないようにしながら「こういうことがあり、自分はとても不愉快になった」「店は××というところでした」と報告しました。そうしたら「観光協会にクレームを入れといた方がいいですよ」と教えてもらったので、電話をしました。客に対して横柄な店は、普段の態度も同じようで、店名を告げると、「ああ……、××さんね……」と誰もが深くうなずいていました。「なんだ、みんなに嫌われているから、ますます横柄なんだな、可愛そうに」と考えて(まあそのくらいじゃ怒りは収まりませんが)、その地を去りました。誰もが行きたい場所は、誰かと一緒に行けるチャンスが必ずあります。インスタント観光地はやたらカップルも多いし、はずれ店も多い。失敗した時にダメージの大きい場所は、仲間のいないおひとり旅にふさわしくない場所なのです。おひとり旅には、おひとり旅にふさわしい場所があるんですね。次回は、そんな話を。Text/和久井香菜子
2017年02月15日こんにちは。育児と仕事に追われる毎日ですが、趣味の読書(マンガ含む)と映画鑑賞でストレス発散しています。フリーママライターの横山かおりです。趣味といえば、先日ママ友に「うちの夫は趣味がなくて、何が楽しみなんだろう……」と軽く相談を受けました。本人は特に問題視していないようですが、趣味がある人間から見ると無趣味の人は少し寂しく思えるよう。そこで今回は実際にママたちに、「無趣味の夫へすすめたい趣味 」を聞いてみました。ママたちのオススメとはいったい?●生活に活かせるもの『休みの日、夫に料理を手伝ってもらっていたら、だんだんと料理が楽しくなってきたようで今では料理が趣味に!毎週末腕をふるってくれて、助かるしうれしいし料理はオススメです!』(1歳女の子と5歳男の子のママ)やはりママたちがオススメするのは、「生活に直結するもの」。家事に活かせるものだったらママたちも助かりますもんね。手伝いからはじめて、少しずつレベルアップしていけばいつの間にか趣味になっている、なんてことも。ママや子どもたちが思いきり誉めてあげることが大切です!●思い出に残せるもの『夫の趣味は写真なのですが、子どもたちの成長記録がうつくしく残されていくのでオススメです。パネル風に引き延ばして部屋に飾るとオシャレなインテリアにもなります 。家族みんなが喜ぶ、形として残る趣味ですよ』(1歳と4歳男の子のママ)写真とはまた素敵な趣味。たしかに上手になればなるほど、素敵な思い出の品が増えていきますね。普段ちょっと出かけるときにデジカメを持ち歩いて、子どもたちの写真をたくさん撮ってみたらどうでしょう?写真の楽しさに目覚めるかもしれません。●夫婦で共通の趣味を『無趣味だった夫に、私の趣味だった登山に誘ったところ、かなりハマったようです。夫婦で同じ趣味を持つのはとても楽しい ですよ。夫婦仲もグッと近づく気がします』(5歳と9歳女の子のママ)このご夫婦の場合は登山とのことですが、奥さんの趣味にあわせてみると意外とハマることがあるようです。テニスやジョギング、絵画や食べ歩き……何でもいいので夫婦共通の趣味があると夫婦仲も良くなるようです。奥さんの趣味である何かに、一度誘ってみるといいかもしれませんね。----------無趣味がいけないというわけではありませんが、趣味を持つことで人生をもっと豊かにすることはできるでしょう。無趣味のご主人がいたら、これらを参考にすすめてみてはいかがでしょうか?●ライター/横山かおり(ママライター、元モデル)●モデル/福永桃子、藤沢リキヤ
2017年02月12日全部で45分!可愛くておしゃれなバレンタインディナーby 太田みお<18cm角型1つ分>ブラックチョコレート 140g無塩バター 80g薄力粉 70gピュアココア 20gココナッツシュガー(普通の砂糖でも) 65g卵 M2個松の実や胡桃などお好みのナッツ 40g1. チョコとバターをボウルに入れ、湯煎で溶かす。溶けたら、砂糖を入れて混ぜる。2. 1を湯煎からはずし、溶いた卵2個を入れて、泡立て器で照りがでるまでしっかりと混ぜ合わせる。3. 薄力粉とココアをふるいながら加えて、ヘラでさっくりと混ぜ合わせる。ナッツも入れ、さらに混ぜ合わせる。4. クッキングシートを敷いておいた型に3の生地を流し入れ、170℃のオーブンで20〜25分焼く。*パウンドケーキ型で焼こうとすると、厚みが出るので中まで火が通りません。オーブンの設定温度を上げたり、焼き時間をのばすなどして中まで火が通るように調整してください。Text/太田みお働くおひとりさまにとっての毎日はめまぐるしくて、ゆっくり季節を感じる時間さえ取れないですよね。「休日のたった1時間でいいからほっとしたい…」元外資系バリキャリから一転、丁寧な生活を目指して料理研究家になった太田みおさんが、四季の彩りを簡単に楽しむ「レシピ=歳時記」をお届けします。前回記事<寒さが極まる今が旬!春の七草・蕪が主役の和レシピ2選>もチェック!あまったお持ちと一緒に調理すべき旬のお野菜、「蕪」(かぶ)。を簡単に美味しく食べられる、和のおすすめレシピを2つご紹介します。
2017年02月08日第7回:多様性のある個と個今回の読者投稿は、「恋のわずらわしさより、関係性を築く喜びが勝つタイプだ」と前置きがある上で、「でも、既婚の友人の愚痴を聞いていると、単位が二人にするのでなく、『おひとりさまとおひとりさま』で居られないのかと思う」というご意見(要約させて頂きました)。「結婚していながらにしておひとりさまで居ること」にねじれが生じるのは何故だろう。そもそも、世間のおひとりさまに対するイメージは、人と関係を築くことよりも、自分を見つめる、自分を尊重する、どこか強く見える、といった感じ。しかし、実際のおひとりさまは、「一人でいること」にそこまで重きを置いていない。誰かと居たい、自分を見つめるとかよく分からない、強くない。そんなおひとりさまも居るのだ。しかし、どんなおひとりさまであろうと、結婚した途端にそれまで通りではいかなくなることがある。物事を相手と共有したい、甘えたい、分かってほしい、というごく当たり前に抱く思いと、「奥さん」「旦那さん」と周囲から呼ばれる慣習的な型。いつの間にかそれらが、“個"としての概念を霞ませてしまう。おひとりさまの多様性はある程度許されても、夫婦でいるとその多様性が許されなくなる時がある。それがねじれを生んでいるように感じる。人と一緒に居るということは、離れようと思えばいつでも離れられる脆さを含んでいる。それを意識し、相手のために気を遣ったり、自分のためにも気を遣わなかったりすることで、維持できる関係がある。誰かと一緒に居ながらおひとりさまでいる…というのは一見矛盾しているように見えるが、「おひとりさまが二人いる」という意識が、誰かと一緒に居るための秘訣ではないだろうかと思う。むしろ、そうであれば良いのに、と思う。Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。
2017年02月06日身近であるゆえに後回しにしてしまう、というのは意外と多いのではないでしょうか? 見慣れたものへの安心感、なくなるはずはないという勝手な信頼感…。純喫茶にも同じことが言えるのですが、閉店してしまったらもう二度と訪れることはできないので、後悔しないためにも気になった店へは早めに訪れたほうが良いと考えるようになりました。そこで最近まで近さゆえに、なかなか足を運べずにいた純喫茶にさっそく出掛けてきました。それは地下鉄東西線の茅場町駅にある「珈琲家」という店です。現在、日本橋で勤務しているため、その気になれば徒歩で訪れることも可能なのですが、初めて行こうと思い立ってから10年近くが経っていたのでした。改札を出て歩くこと2、3分。目当ての店名の看板が視界に入りました。どうやら地下にあるようで少し緊張します。店内の様子が見えないため、席数はどのくらいだろうか、どのくらい混雑しているのだろうか、店主は気難しい人ではないだろうか、色々な不安や期待と一緒に階段を降ります。扉の向こうに見えたのは、可愛らしいデザインの赤い椅子たち。夕方遅くの訪問でしたので、先客も少なく、一番奥の端というとても好きな席を確保できました。水を運んできて下さった男性も、カウンターの中にいる女性もやさしそうな笑顔でほっとします。この日のお目当ては「とんでもないほど分厚い」と噂に聞いていたホットケーキ。飲み物は何にしようかとメニューを眺めると、<アレンジコーヒー>の欄にフランス風、オランダ風、アメリカ風、北欧風、イタリア風、アイルランド風と思いがけない楽しげな文字たちが。迷ったあげく、今回は「オランダ風」を注文。ココア入りの珈琲の上に生クリームが浮かべられたものでとても美味でした。それぞれ味の説明がされていますが、直感で頼んでみるのも面白いかもしれませんね。そして、お待ちかねのホットケーキが運ばれてきたのですが、この日一番の驚きの声を上げてしまいました。なんと直径は7インチレコード程もあり、1枚4㎝ほどの厚さです。1枚から注文可能ですが、おなかが空いていたので欲張って2枚注文してしまいました。もし、自分が手のひらサイズの大きさであったなら、ここで眠ってみたくなるほどふかふかで、圧倒的な存在感があります。思わず「すごいですね」と運んできてくれた男性に声を掛けると、「型で焼くわけではないので、どんどん大きくなってしまって」と笑顔。まずはたっぷりのバターで、2枚目はシロップを染み込ませながら美味しく完食。帰り際の「ビーフシチューも美味しいよ」という誘惑に近々の再訪を誓い、小麦粉とバターとシロップの甘い幸せにすっかり満たされたままあたたかい気持ちで帰りの電車に乗るのでした。Text/難波里奈
2017年02月03日祭りに命をかける八尾の人々『月影ベイベ』(小玉 ユキ/小学館)1巻和久井は風の盆どころか富山県にも(たぶん)行ったことがないのですが、動画を見る限り、「越中おわら節」の哀愁に満ちた音楽に乗せて、静かな水面を打つようにピシリピシリと振りを合わせて踊る、たいへん静謐な雰囲気の踊りでした。踊り手は笠をかぶっており顔が見えません。それがとても神秘的です。Wikipediaを読むと、「おわら」の起源は江戸時代。町外に持ち出されていた「町建御墨付文書」というなにやら大事な文書を町民が取り戻したことを大喜びして、やんややんや三日三晩踊り明かしたことから始まったそうです。なんともやんちゃな話で、今の風流なお祭り風景とはだいぶ事情が違うようですな。八尾地域の子どもたちは子どもの頃から「おわら」を習い、鍛錬を続けているのだとか。和久井は子どもの頃、運動会で「ソーラン節」やら「御神楽」やら踊らされましたが、ああいう「やらされダンス」ではなく、子どもたちが自ら大人たちの踊る「おわら」をかっこいいと思って習い始めるのだそうです。『月影ベイベ』は、その独特の雰囲気と、懐かしいような、せつないようなアンニュイなムードがたまらない作品です。蛍子は東京からの転入生。彼女は、母の繭子がなくなったことをきっかけに、その出身地である八尾にやってきました。転入した高校では「おわら」の練習まっ盛り。蛍子はなぜか現地の子に引けをとらないくらい「おわら」がとてもうまいのです。なぜ、彼女は「おわら」がうまいのか。なぜ、彼女は八尾にやって来たのか。序盤はいろいろと謎が多いです。聖地巡礼したくなる名作ところで世のおじさんには、「汚いおじさん」と「きれいなおじさん」の2種類しかいません。この作品に登場する円くんは、とても「きれいなおじさん」です。この円くんがストーリーのキモを握っているわけですが、彼は素朴で、ひたむきです。女子高生が性の象徴のようになって久しいですが、性的描写がないということも含めて、いろんな意味でこの作品にはいやらしさがまったくありません。ぶっちゃけ、作者・小玉ユキさんの前作である『坂道のアポロン』がたいへん好きだったので、「文化祭でダンス踊る話? フーン」とか思ってたわけですが(いろいろ理解してなかったみたいです)、ここにきてドはまりしました。若いというのは、いろんなことに不器用だということです。あまりに経験値が足りなくて、見えるものも偏っているし、柔らかい対応もできない。それが「赤っ恥体験」で済めば笑い話だけど、取り返しのつかないことになったら…。ちょうど去年、掲載誌の『フラワーズ』に40年ぶりの『ポーの一族』が掲載されました。アラフィフ狂喜乱舞の一大旋風が巻き起こりましたが、その同じ号で『月影ベイベ』もたいへんな展開になっており、いっそう世間を騒がせていました。ドキドキキュンキュンするだけが少女マンガじゃないし、青春ってわけでもない。小玉ユキさんの絵は目にキラキラ星がなく、線も割と太めで固いタッチです。それが妙に懐かしさを感じさせるのですよね。『月影ベイベ』を読んで「おわら」を知り、富山に行ってみようと思った人も多いでしょう。まさに和久井自身がそうです。作中、八尾の方言がたくさん出てくるので、行く前に語学の予習をしていきたいです。何気ない街の風景も実在の場所とのこと。聖地巡礼も楽しめます。なにかの出会いをくれる作品って、やっぱり名作なのだと思うのです。Text/和久井香菜子
2017年02月01日ひとり旅を続けて10年、約150カ国も訪れたという、旅ライター・旅写真家の黒水綾乃さん。一年の半分をひとり海外で過ごし、「ひとり旅はさみしいものではない」と明るく語った彼女ですが、実は既婚者。半年はひとり旅、もう半年は居住地である台湾で、旦那さんとふたり、夫婦生活を送っているそうですが、結婚しても「ひとり旅」をすることは可能なんでしょうか。決断した理由と、ひとりで、夫婦で過ごす秘訣を伺いました。結婚後の、半分ひとり半分ふたりの生活中央:黒水綾乃さん――ご結婚されてからも、半分ひとり旅、半分旦那さんと生活しているとのことですが、なぜ「ひとり旅」を選んだのか、またどんな工夫をしていますか?旦那はメーカーに勤める駐在員です。現在いる台湾は日本より少し休暇は多いですが、旦那と長期の旅に出るのはもちろん不可能。なので、年に二回ほど行きやすい欧米諸国などを一緒に旅行しています。「ひとりで旅なんて…」とよく言われますが、結婚前からこんな生活をしていたし、こんな私を受け入れてくれた人なので、ふつうの感覚ではないとは思いますよ(苦笑)。とはいえ、最初からそんな生活だったわけではないです。私にはひとり旅で世界一周をしたいという夢があったので、子どもを産む前に叶えたいと旦那に打診したんです。何度も話し合い、旦那は聞き入れてくれて、ついに実現しました。その後、数年間紆余曲折を経て、私たちは子どもを作らない選択をしました。お互い夢があって、それを実現させようと決めたからです。私の今の夢は、世界250ヶ国を訪ねて、それを一冊の本にまとめること。全世界訪問し、世界中の人に読んでもらいたいと思っています。その夢に近づくために、毎年10ヶ国以上を訪問して写真を撮る計画なので、半年はひとり旅をすることになりました。ただ、やっぱり旦那に会いたいし、彼もそう思ってくれているので、3ヶ月以上の長い旅はせず、一度は帰ってくる約束をしています。――お互いの夢を叶えるため、そして、納得した約束をしていて素敵だなと思いました。では、旦那さんと一緒にいるときは、どんな生活を送っているのですか?旦那の料理はまずいですが(苦笑)、お互い独身時代も長かったので、家事はなんでもできます。ふたりで過ごす半年間は、お互いの仕事以外はほとんど一緒に行動しています。平日は一緒にごはんを食べ、お笑いDVDを見たり、週末は台湾国内を食べ歩いたり散歩したり。ふたりでいる時に別行動というのはほとんどないです。なので、友人や親が日本から来ても、旦那を誘って一緒にでかけます。こうやって書くととても仲がいい夫婦みたいですが、、週に二度はケンカしてますし、昔は殴り合いのケンカもしていました(笑)。逆にひとり旅をしているときは、連絡は必要最低限に。ネットがない環境にいたり、時差が大きかったりするので、安否確認(?)としてスカイプにメッセージを残すくらいです。ネットが充実した環境にいるときは、お互いの近況を語ったりとゆっくり話していますこれらは”工夫”ということではなく、私たちにとって自然な流れ。これらでうまくバランスをとれているかどうか分かりませんが、おかげさまで結婚生活も早6年になりました。ひとり旅の最大のミッションを叶えるために――旦那さんと過ごす時間を、とても大切にされてると感じました。では「ひとり旅」を続けて、何か変化してことはありますか。リラックスして旅ができるようになったことでしょうか。若かりし頃は「こうせねばいけない」「こうあらねばならない」と自分で自分を縛り付けていたと思います。さらに年齢も経験を重ねたので、情報収集力や危険察知能力があがり、イヤな経験をすることも少なくなってきましたしね。ひとり旅での私の最大のミッションは、現地の人との触れ合うことです。若いときは話しかける勇気もなかったし怖がっていたけど、今は大阪のおばちゃんみたいに(笑)気軽に話しかけられるようになりましたよ。力まずに、現地の空気を楽しめるようになったのは大きいですね。その結果、旅の密度が濃くなりましたし、なかなか見れない、触れられない体験や楽しみが増えました。よくバックパッカーや旅人が、旅をすればするほど新鮮さがなくなって飽きてくると言いますが、私は全く思いません。つまらないと感じれば、より僻地に行き、違う経験をすればいいだけ。今より10年後のほうが旅を楽しめていると思いますし、私は歳をとることに一ミリも抵抗はないので、実年齢や旅の経験値をあげ、毎日を楽しくしたいと思っています。――最後に「ひとり旅」で気をつけたほうがいいことを教えてください。現地の方と知り合えたり、現地の文化に触れ合いやすいことは、ひとり旅でしか得られない経験です。私もそこに魅了されています。だからこそ、意識して気をつけてもらいたいのは、やはり女性のひとり旅は危険度が増す、ということ。私は人生で2回襲われそうになり、1回は強奪未遂を経験しました。もちろん私の不注意が原因ですが、襲われそうになったときは「女が一人」というのが多分に関係していると思いました。とにかく女のひとり旅は警戒が最重要です。でも、自分のルールをしっかり決めて、事前準備と注意を働かせ、警戒を怠らなければ防ぐことができます。また、現地の言葉や風習を予習して人に迷惑をかけないよう配慮することも、日頃から取り組んでいます。text /SOLO編集部特集「さみしさは敵か」の記事はこちら!・世界150カ国で言われた「ひとり旅ってさみしくない?」に私が出した答え/黒水綾乃さんインタビュー・美しいさみしさの奥にあるグロテスクな本音と向き合う/紫原明子
2017年01月30日趣味を楽しんでいるときに、「そんな趣味やめちゃいなよ?」などとカレに否定的なことを言われた経験はありませんか?こんにちは、ライターのともしどです。カレに趣味を否定されたらイヤな気持ちになりますよね。「何も迷惑はかけていないのに、なんで悪く言われなくちゃいけないの?」と、モヤッとした気分になってしまうはずです。そこで今回は、カレがあなたの趣味を否定する理由についてリサーチしてきました!■1.俺と同じ価値観を持ってほしいから「好きな人とは趣味も共有したいので、彼女がまったく違う趣味を持っていたら、否定しちゃうことがあるかもしれません。価値観が合わないと思うのがイヤで・・・。」(大学生/20歳/男性)男女の仲において、「価値観の一致」は大切です。とくに、趣味には「好み(価値観)」がよく表れるものなので、それがかけ離れていると男性は否定したくなってしまうのだとか。とはいえ、趣味は本来、「自分が楽しむためのもの」なので、価値観を一致させるためのものではありません。カレに趣味を否定されたときには、趣味とはちがうカレとの共通点を伝えてあげましょう。■2.悪い趣味から救ってあげたいから「趣味には、暗い気持ちになっちゃったり、人間性が危うくなってしまうものもありますよね。彼女がそういう趣味を持っていたら心配になるので否定しちゃいます。」(営業/25歳/男性)こちらのコメントをしてくれた男性いわく、「健全な趣味なら特に口は挟まない」とのことです。趣味が原因で彼女が精神的に落ち込んでいたり、よくない方向に向かっているとしたら、彼氏の立場としては心配になるのだとか。たとえば、過度なタバコやギャンブルなどが当てはまるでしょう。この場合には「好きなんだから仕方ない」などと一蹴せずに、カレの気持ちを汲んで、しっかりと「私は大丈夫!」と伝えてあげてください。■3.先入観から判断しているから「自分が触れたことのない趣味だと、どうしても先入観だけで判断しちゃいますよね。それで彼女の趣味を否定しちゃうことがありました。」(美容師/23歳/男性)自分で体験したことがない物事は、先入観で判断するしかありません。また、「わからないこと」には不安を抱きやすいものです。先入観から勝手に趣味を否定されているときには、「面白さ」や「楽しさ」をしっかりとカレに説明して、理解してもらいましょう。きっと、わかってくれるはずです。■4.元カノと同じ趣味だから「彼女の趣味が元カノとかぶっていると、元カノのことを思い出しちゃうんです。それがイヤで、彼女の趣味を変えようとしたことがあります。」(SE/26歳/男性)こんな風に元カノの存在を思い出されるのはイヤですよね。とはいえ、カレとの付き合いが長くなって関係が深まれば、カレは次第に元カノの存在を思い出さなくなっていくはずなので、気にしないようにしましょう。■5.もっと会いたいから「彼女が趣味に熱中していて、あまり会ってくれなくなるのがイヤですね。少なくとも週に1回は会いたいので・・・。」(飲食業/24歳/男性)忙しい日々を過ごしていると、自分のために使える時間が限られるものです。カレに会いたいという気持ちはあっても、「他にやりたいこともあるのでカレと会う時間が少なくなっている」女性も多いのではないでしょうか。そんなあなたの態度にカレはちょっと嫉妬をしてしまっているのかもしれません。上手く時間の使い方のバランスを取りながら、カレと会う時間もしっかりと確保してあげれば、きっとカレは喜んでくれると思いますよ。■おわりに「趣味が合わない」ことが原因で別れた経験のある男女は多いようです。しかし、カレと趣味が合わずに「価値観がちがうのかも」と思ってしまったとしても、それを別れる原因にしてしまわないでください。「趣味」と「男女の価値観」の一致は、別物です。もしもカレに趣味を否定されたときには、しっかりとコミュニケーションを取り、あなたの趣味の素晴らしさを伝えましょう。そうすればきっと、カレが理解を示してくれるようになるはずですよ。(ともしど/ライター)(ハウコレ編集部)
2017年01月25日第6回:ないものねだりを利用する「家にいるのも飽きてしまいました。どう過ごしたらいいのか分かりません」という読者投稿をいただいて、自分の過ごし方について考えてみた。私は、家に居ると外に出かけたくなってしまい、外に出ると家に帰りたくなってしまう。今度の休みはあれを食べに行こう、あの展示を見に行こうと外出欲が出ても、いざ休日になってある程度用事を済ませてしまうと、家にいる自分を想像してしまう。適当なおつまみを作ってベランダで昼からお酒を飲んだり、ずっと見たいと思っていた映画を部屋で見たり、作り置きを作って平日の楽しみにしたり。誰かと飲みに行くにしても、昔だったらオール明けにふらふらと始発に乗る感じが好きだったが、今は少なくとも終電で帰り、家の布団で寝ることの幸福感のほうが勝ってしまっている。“家が飽きたなら外に出よう”という単純な回答には聞き飽きたものだが、要は、ないものねだりをうまく利用するということだ。「描けない時は何もしない。すると自然と描きたくなる」と某ジブリ作品でも言っているように、煮詰まってたことからあえて遠ざかると、自然とその物事に戻ってしまうもの。家で楽しく過ごしたい人は、外に出てみるのが近道かもしれない。Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。
2017年01月23日「ひとり純喫茶」をご覧下さっている皆さま、新年はもう純喫茶に行かれましたか?私は元旦に新宿三丁目にある、24時間営業の「珈琲貴族 エジンバラ」を訪問しました。こちらの名物は、店員さんが珈琲とミルクを高い位置から注いでくれるカフェ・オレ。カップに到着するまでの時間、空気を含んでミルクがやわらかくなる効果があると聞きますが、何よりもその圧倒的なパフォーマンスを見ているだけで楽しいのです。純喫茶へ行く理由はいくつか挙げられますが、人によって様々だと思います。例えば、店内のインテリアや建築に興味がある方、美味しいメニューや珈琲を求める方、個性あふれるマスターたちとの会話がお目当ての方…。色々な要素が組み合わさって楽しいひとときは成り立つもので、私もその時々の気分によって訪れる店を決めています。1700軒訪れた中で、初めて出会った「仏像のある純喫茶」さて、そんな私が新年早々に選んだのは、念願だった「店内の様子がかなり特殊である」純喫茶。大阪で暮らす知人たちから話を聞いて以来、気になって仕方がなかった「篝(かがり)」です。「かがり」とは、かがり火を焚く時に使用する“鉄製のカゴ”を指し、こちらの天井にも吊るされています。さらに、このお店を表す最も強烈なキーワードが「店内の至るところに仏像がある」ということ。全国1700軒ほどの純喫茶を訪れ、数えきれないほど個性的な店と出会いましたが、仏像があるお店は初めてでした。大阪の新大阪から御堂筋線でなんば駅へ行き、そこから千日前線に乗り換えて玉川駅へ。駅から少し歩き、商店街に入ると目当ての「篝」が見えてきます。難波里奈『純喫茶、あの味』難波さんの新刊『純喫茶、あの味』にご興味がある方はこちらから!
2017年01月20日職場の理想郷がここに…!by Mariya Tyutina先日、夢のようなゲストハウスに泊まりました。札幌にある、割と新しい宿です。おしゃれな内装に惹かれて予約しました。行ってみるとそこでは、70年代少女マンガに登場する男子みたいなスラリスラリと細身の男子たち3~4人が、キャッキャ働いていました。そのキャッキャぶりはまるで韓流ドラマでも見ているかのようです。青春ドラマ☆ゲストハウスって感じ。みんな宿に住みつつ仕事をしていて、就業時間とか関係なく、ずっとそこらをウロウロしています。そして手の空いた人がサッと誰かの手伝いに入ります。和久井が到着したときのチェックイン作業も、就業中の男子が電話対応中だったため、非番の男子がこなしてくれました。これイヤイヤやってたら完全にサービス残業のブラック企業です。昼間、宿に戻ってみたら、全員でお掃除の最中でした。「トイレ掃除した?」「まだ」「じゃあ俺トイレやっとくわ」「じゃあ俺は昼飯作るついでにキッチンやっとく」などと、それぞれが自分で仕事を見つけて、必要なことを率先してこなしていきます。職場の理想郷って感じです。昼や夜などの食事の時間になると、料理の得意な男子が「ラーメン作るけど食べる人~!」などと言って買い出しに行き、ちゃっちゃとご飯を作り始めます。夜にラウンジで仕事をしていたら、「豚汁食べます?」とか「ワイン飲みます?」とかいろいろサーブしてくれました。なんなら食事になんか出掛けなければよかった!その日、爽やか男子たちが新人女子を採用したようでした。一生懸命研修を行っています。まだ学生で敬語もうまく使えない女子。たどたどしい言葉遣いに男子たちは萌え萌えのようで「可愛いなあ!」を連呼しています。そのうち男子の誰かと恋が芽生えそうです。奥の部屋では、非番のスタッフが英語の勉強をしています。テキストを読んだり、文法をチェックしたりしています。ゲストハウスには外国からのお客様も多いので、実用英語を使えるスタッフが多いんです。「この場合はこう言う」なんて女子に教えているようでした。キラキラ光る若者の爽やかな世界ゲストハウスのスタッフたちはたいていみな旅好きですが、男子のひとりは、旅先で知り合った女子を追いかけて北海道まで来て、そのまま住みついているのだそうです。人生は自由なんだなあ。愉快な仲間と、楽しい仕事を、住み込みで。ごはんをみんなで分け合い、なんの天国ですかここは。この宿には、薄汚いものがひとつもありません。あるのはキラキラ光る若者と爽やかな風だけ。とまあ、目の前で青春☆ドラマが繰り広げられていたわけですが、その時和久井は、旅先で書くのをすっかり忘れていた原稿に必死に取り組んでおりました。SOLOの姉妹サイト「AM」 からの依頼の原稿で、「ラブグッズを使って彼とのエッチをもっと楽しく!」 という感じのヤツです。「グッズで締まりをよくしました」とか「彼があっという間に……」とかピー音ガンガン入りそうな体験投稿を読みあさり「これだ」というものをピックアップして文章を成型します。爽やか男子たちを横目にしながら、これほど自分が薄汚れてしまったと痛感した日はありません。その男子たちが、ラウンジでパチパチパソコンのキーを叩いている和久井のところへ来て、「お仕事ですか?」「なにをされてるんですか?」と無邪気に無垢な瞳で尋ねてきます。「ああ、女子のあそこの締まりをよくするラブグッズを使って、彼をビンビンにさせる体験談を書いているんですよ。なんかもう、トロットロみたいよ。どう? きみも」……いや、ないない。言えません。肉欲のカケラもなさそうなこの爽やか世界に、エロウィルスを投下したら末代まで祟られそうです。「いろんなこと書いてるライターです」とお茶を濁したわけですが、その「いろんなこと」のうちのひとつとして、今回君たちのことを書かせてもらいました。いつまでも青春☆ドラマハウスでいてください。まぶしすぎるけど隣で見てみます。Text/和久井香菜子
2017年01月18日第5回:人がいるから一人になれる今回は「新婚ですが、夫とは部屋は完全に分けている一人好き」という読者投稿より、イメージした爪をつくった。誰かと一緒に過ごす時間もあるけど、一人の時間も好きだと綴られていた。一人の時間に焦点を当てた映画や音楽は多いが、私が印象に残っている作品で「誰かと一緒にいながら一人」を表したものがある。『EDEN』という映画だ。これは、90年代のエレクトロやダンスミュージックシーンに翻弄されていくDJの話で、DAFTPUNK結成当初が描かれていることでも話題となった。以前観て印象的だったのは、主人公がほとんど「一人でいない」ということだ。時系列が移るにつれて、主人公はその立場や環境が次第に変化していき、やりたい音楽と流行の差が徐々に広がるのを感じ葛藤していく。そんな彼の傍には常に仲間や恋人、家族がいるにも関わらず、どこか孤独感を漂わせており、周囲から孤立していく様子がハッキリと分かるのだ。そして、たった一人になるラストのシーン。彼はようやく、それまでの自分を顧み、先を見据えることができたのだ。堕落の結果「一人になってしまった」ように見えるが、実は、やっと「一人になれた」という、ほんの少し希望を含んだような終わり方が私は好きだ。孤独は、周囲に人がいる、あるいは居た、という事実が前提にある。だからこそ一人でいることを意識する。今回の読者投稿は「こんな私って変ですか?」という文で締められていたが、むしろ誰かと一緒にいるからこそ一人の時間を欲し、大事にしたいと思ってしまうのではないか。Design&Text/つめをぬるひとこの連載では、爪作家である私が、読者のみなさんが「どんなおひとりさまか?」をヒントに爪をつくります。あなたのエピソードを添えて、送ってください。
2017年01月09日あけましておめでとうございます。昨年も『ひとり純喫茶』をご覧頂き、本当にありがとうございました。2015年11月から連載をはじめて早いもので1年あまり経ちました。こうして純喫茶のことを綴る場所があるというのは大変ありがたいことです。今年度も引き続きよろしくお願い致します。難波里奈『純喫茶、あの味』難波さんの新刊『純喫茶、あの味』にご興味がある方はこちらから!
2017年01月06日