7月に東京・品川クラブeXにて舞台化される大人気乙女ゲームシリーズ「Starry☆Sky on STAGE」の追加公演が決定した。【チケット情報はこちら】「Starry☆Sky」はhoneybeeが贈るドラマCD、乙女ゲームなどからなる女性向けメディアミックス作品シリーズ。天文に関する知識を教える『星月学園』(せいげつがくえん)を舞台に、唯一の女子生徒が主人公となり、十三星座の性格特徴を持つ男性キャラクター達との恋愛を描く作品。 舞台の脚本は、様々なドラマCDやゲームシナリオも手掛け、劇作家でもあり脚本家でもある錦織伊代。演出は、『A3!』シリーズや『機動戦士ガンダム00-破壊による再生-』など、数多くの舞台を手掛ける松崎史也が務める。追加公演は7月11日(木)14時の回が決定。 追加公演のチケットの一般発売に先駆けて、チケットぴあでは抽選先行を本日6月10日(月)18時より開始。(C)Arithmetic / (C)『Starry☆Sky on STAGE』製作委員会
2019年06月10日宝塚歌劇団雪組公演のかんぽ生命 ドリームシアター 幕末ロマン『壬生義士伝』、かんぽ生命 ドリームシアターダイナミック・ショー『Music Revolution!』が5月31日、兵庫・宝塚大劇場で開幕した。宝塚歌劇雪組 かんぽ生命ドリームシアター 幕末ロマン『壬生義士伝』/かんぽ生命ドリームシアター ダイナミック・ショー『Music Revolution!』チケット情報浅田次郎のベストセラー小説を原作に、映画化やドラマ化もされてきた『壬生義士伝』。幕末の動乱期を舞台に、奥州盛岡、南部藩の足軽の子として生まれた下級武士、吉村貫一郎の生き様を描いた物語だ。朴訥な人柄でありながらも北辰一刀流免許皆伝の腕前を持つ貫一郎は、貧困にあえぐ家族を救うため、妻子を盛岡に残して脱藩し、新選組隊士となる。危険な任務もいとわず人を斬り続けるが、新選組は鳥羽伏見の戦いで敗走。深手を負った貫一郎は帰藩を請うべく大坂の南部藩蔵屋敷へと向かうが、そこにいたのは、蔵屋敷差配役となった竹馬の友・大野次郎右衛門だった…。近藤勇、土方歳三、斎藤一、沖田総司ら、新選組の名だたる隊士が一目置いた吉村貫一郎。剣士としての腕はありながらも、彼らのように決して圧倒的な存在感や華があるような人物ではなく、むしろ控え目だ。しかし家族のことを第一に考え、“守銭奴”と言われながらも、妻子に仕送りをするために人を斬り、いつか必ず故郷に帰ろうという思いで生きている真っ直ぐな男。そんな彼の生き様をトップスター望海風斗が抑えた演技で繊細に表現して魅せ、観る者の胸をぐっと締め付ける。トップ娘役・真彩希帆は、盛岡で辛い環境にありながらも子どもたちと共に強く生きる貫一郎の妻しづと、愛らしく、貫一郎に思いを寄せる京の両替商・鍵屋の娘みよの二役を好演。大野次郎右衛門役の彩風咲奈や、土方歳三役の彩凪翔、斎藤一役の朝美絢らも存在感たっぷりに演じている。専科から出演の凪七瑠海は、大日本帝国陸軍・軍医総監の松本良順役。新選組の主治医であったことから、当時の彼らの状況を回想しながら、狂言回しとして落ち着いた演技で舞台の空気を締めている。第2幕のショー『Music Revolution!』は、ロックからはじまり、ジャズ、ラテン、ポップス、クラシックなど、さまざまなジャンルの音楽を使い、ダイナミックに繰り広げられる。男役の黒燕尾の群舞やしっとりとしたデュエットなど、緩急ある展開で楽しませてくれる。公演は7月8日(月)まで兵庫・宝塚大劇場、7月26日(金)から9月1日(日)まで東京宝塚劇場にて上演される。東京公演のチケットは6月30日(日)一般発売開始。取材・文:黒石悦子
2019年06月07日石井一孝、藤岡正明、彩吹真央が出演するミュージカル『SMOKE』が、6月6日、東京芸術劇場 シアターウエストで開幕した。昨年日本初演され、その濃密な世界観と美しい音楽に多くの中毒者が生まれた作品。大作ミュージカル常連の実力派3名で贈る今バージョンはファンの間では“大人SMOKE”と呼ばれているようで、彼らならではの力強く美しいハーモニーと、繊細かつ熱い芝居で、劇場をどこか浮遊感のある不思議な色合いに染め上げた。チケット情報はこちら作品は、20世紀初頭に生きた韓国の天才詩人、李箱(イ・サン)の遺した詩と彼の人生にインスパイアされた内容で、超(チョ/石井)と海(ヘ/藤岡)が、三越デパートの令嬢だという紅(ホン/彩吹)を誘拐してくるところから始まる。このサスペンスフルな誘拐劇をハラハラした気持ちで見つめていると、物語は予想もつかない方向へ。彼らは一体何者なのか? 何が目的なのか? ドラマチックな展開を見守るうちに観客は、結核をわずらった後日本に流れつき、そのまま異国の地・東京で亡くなった李箱本人の心の葛藤を旅していくことになる。文学的で、難解と言えばそうかもしれない。だが、3人の熱い芝居が難解さを感じさせず、力強く物語を引っ張っていく。強さの奥に弱さを隠す石井の超の感情の触れ幅。14歳のまま時が止まっている海を演じる藤岡の、ピュアさと恐れの表現。優しげだがそれだけではない、彩吹扮する紅のミステリアスさ。そして何と言っても、音楽が良い。ミュージカル界屈指の歌唱力を持つ3人だ。パワフルな石井の歌声、硬軟自在な藤岡の歌声、優しさと色気がある彩吹の歌声。“上手い”だけではなく、声自体にドラマ性を込められる3人の歌が、メロディアスな楽曲をさらに輝かせる。たった3人の出演者だが、これほど贅沢なミュージカルはそうはない、と思える質の高さだった。開幕に際し、キャストはそれぞれ「僕ら3人で精一杯、李箱という人の人生、作品世界を表現できたら」(藤岡)、「この作品の魅力は…、何を言ってもネタバレになるということ。見どころは3人の呼吸。3人の呼吸が一糸乱れないところと大いに乱れるところ、その振幅が魅力」(石井)、「答えを突き詰めすぎると『SMOKE』らしさを失ってしまう。最終的にカンパニー全体でその塩梅を調整しながら今日に至っています」(彩吹)とコメント。このコメントからも、煙を掴むような、ひと筋縄ではいかない作品の魅力が伝わるのでは。公演は6月16日(日)まで、同劇場にて。なお7月25日(木)から8月28日(日)にかけて浅草九劇にて、昨年のオリジナルキャストを中心としたバージョンも上演される。
2019年06月07日日本ミュージカル界屈指の人気作『エリザベート』の2019年シーズンが、いよいよ6月7日(金)に開幕する。初日に先駆け6日、出演する花總まり、愛希れいか、井上芳雄、古川雄大、山崎育三郎、成河が意気込みを語った。チケット情報はこちら19世紀末のウィーン、皇帝フランツ・ヨーゼフに嫁いだ美貌の皇后エリザベートを主人公にした物語。実在した皇后の波乱万丈な人生を、エリザベートに惹かれていく黄泉の帝王トート(死)という架空の存在を絡め、美しい音楽に乗せ描いていくミュージカルだ。日本では宝塚歌劇団版と、“東宝版”と呼ばれる東宝製作版プロダクションの2バージョンが繰り返し上演されている。今回の東宝版は2016年以来、約3年ぶりの上演。メインキャストも新しい顔ぶれが加わった。タイトルロールであるエリザベートを演じるのは、東宝版には3期連続出演となるだけでなく、1996年の宝塚版初演で同役を演じたオリジナルキャストである花總と、昨年宝塚歌劇団を卒業し、今回東宝版『エリザベート』には初出演となる愛希。ただ愛希も2018年の宝塚月組公演で同役を演じた経験がある。花總は「日本初演以来、ものすごく長くお客さまに愛されている作品。それを受け継ぎつつ、やるキャストによって色々な色に作品を変えることができたらいいなと思って毎回みんなで頑張っています。今回もたくさん愛していただけたら」と心境を。愛希は花總と「同じ時に同じ役をさせてもらうということに感動」と語り、「新しく作品に入らせていただきますが、もっと(作品を)深めて、先に先にいけたら」と意気込んだ。エリザベートと愛憎を繰り広げるトート役は、こちらも東宝版には3期連続出演の井上と、前回公演までは皇太子ルドルフを演じ、今回トート役初挑戦となる古川。ミュージカル界のプリンスと呼ばれる井上は、2000年の東宝版初演のルドルフ役でデビューをしているが、奇しくもこの日がデビュー記念日。「たまたま19年前の今日が初日だった。この仕事を19年も続けられて嬉しい(笑)。『エリザベート』は当時も人気作品でしたが、どんどん大きな作品になったんだなとひしひしと感じます」と話す。古川は「2012年にルドルフ役を演じ、今回で作品には4度目の出演ですが、いま2012年以上に緊張しています。ただ当時は感じられなかった“楽しみ”という気持ちも今はある。トートのことだけを考え、色々なことに挑戦していく機会にしていきたい」と語った。エリザベート暗殺犯・ルキーニは山崎、成河のダブルキャスト。「音楽面でも色々と変更が加えられている。作品を見慣れたお客さまたちも新しい重厚な世界を楽しんでいただけると思う」(成河)、「『エリザベート』は時代ごとに変化していくところも魅力」(山崎)とそれぞれアピールした。公演は6月7日(金)から8月26日(月)まで、東京・帝国劇場にて。
2019年06月07日乙女ゲームシリーズ『Starry☆Sky』が誕生10周年を迎えて舞台化され、2019年7月に品川プリンスホテル クラブeX(東京都港区)にて上演される。七海哉太役を演じる田中尚輝と、東月錫也役を演じる國島直希に本作への意気込みを聞いた。【チケット情報はこちら】『Starry☆Sky』はドラマCDや乙女ゲームなどからなる女性向けメディアミックス作品シリーズ。天文に関する知識を教える「星月学園」を舞台に、唯一の女子生徒が主人公となり、十三星座の性格特徴を持つ男性キャラクターたちとの恋愛を描く作品だ。本作は、原作シリーズに倣い、公演日によってエンディングが変わるという。田中は「日によってエンディングが違うと、毎回新鮮な気持ちで芝居ができるし、楽しい」と話し、國島は「どういう風になるのか分からない部分も多いけれど、何度も見られるので、お客様にも楽しんでいただけると思う」。初共演となる田中と國島。お互いの第1印象について、田中は「素から優しそうなオーラが漂っていた」、國島は「(実際の年齢はひとつ下だが)年上だと思っていた。すごくしっかりしている」と話す。“2.5次元”の舞台に初挑戦する國島は「最初は不安が大きく、セリフや動きも2次元だから成立するのかな、本当に整合性がとれるのかなと心配した。でも、この衣装やカツラを身につけて、これなら受け入れてもらえるかもしれないと思って」と率直な思いを話す。アニメが好きで100作品以上鑑賞してきたという國島は「アニメ好きという点では誰にも負けないと思う。『Starry☆Sky』が好きな方も納得してくださるよう、自分ならではのことができたらいいなと思っています」。一方、“2.5次元”の舞台出演経験も多い田中は「毎回どうキャラクターと寄り添うか、とても悩む。2.5次元舞台の魅力は、ゲームやアニメでは見えなかったキャラクターの関係性などを生で見られること。原作の裏で俺たちはこうやって時間を生きてきたということを表現できるのが素敵だと思う」と語ってくれた。そして、「たくさんの方が愛している作品なので、その期待を上回るような作品にしたい」と思いを述べた。公演は7月10日(水)から15日(月)までの全10公演。脚本・錦織伊代、演出・松崎史也。出演は田中と國島のほか、糸川耀士郎、越智友己、古谷大和、橘りょう、青木一馬、輝山立、丸山ナオ、杉江優篤、高本学、桜庭大翔、榊原徹士、竹井未来望、阿瀬川健太、佐藤和斗、瑞野史人、高橋凌。チケットぴあでは現在先行先着販売を実施中。チケット一般発売は6月8日(土)10時より。取材・文:五月女菜穂
2019年06月07日いまや日本の夏の風物詩となっているミュージカル『ピーターパン』。6月4日、10代目ピーターパンを務める吉柳咲良、22代目フック船長を演じるEXILE NESMITHらが登壇し、製作発表会見が行われた。【チケット情報はこちら】1981年に榊原郁恵がピーターパンを演じた日本初演から、今年で39年目。2017年に13歳の新人にしてピーターパンに抜擢された吉柳咲良も、今回で3度目の主演となる。「1年目のときは初舞台で、何もわからないままガムシャラに突き進んでいっただけだった」と振り返りながら、「今年は3年目。ダンスや歌、フライングの細かいところまで目を向けられるようになってきたなと思っていますし、ピーターパンに対する思いも深まってきた。今年で15歳になり、1年目の時よりも大人になっていますが、子ども心を忘れずに、ピーターパンとしての存在感を舞台で出せるように頑張りたい」と意気込みを語った。ピーターパンと戦うフック船長は、EXILE NESMITH。会見ではすでにフック船長としての迫力ある扮装姿を披露したが、本格的なミュージカルはこれが初挑戦。「以前からずっとチャレンジしたいと思っていたことが、今回、素晴らしい皆さまに囲まれて実現できることを嬉しく思います。ミックスの自分がこういう役をやることにも意義があるし、LDHの後輩たちにもこういう場所があるんだということを示せるのかなと思っています。自分なりにフック船長をやらせていただいて、(この先に)繋いでいきたい」とこちらも意気込み十分だった。演出を手掛けるのは、近年ヒット作を連発し、今年1月にはロンドンで演出家デビューも果たした藤田俊太郎。「0歳児から見ることのできるこの作品は、たくさんの“初めてミュージカルを観るお客さま”がご観劇なさいます。お客さまがこの作品を観たことで、これから一生ミュージカルを見ていきたいと思うのか、責任は重い。そう思っていただけるような作品を作り続けたい」と熱く話す。共演はほかに河西智美、宮澤佐江、入絵加奈子、久保田磨希ら。昨年春から芸能活動を休止していた宮澤はこれが復帰作となるが「1年分溜めたパワーをステージにぶつけたい」と語っていた。公演は7月21日(日)から28日(日)まで彩の国さいたま芸術劇場 大ホール、8月2日(金)から5日(月)までカルッツかわさき(川崎市スポーツ・文化総合センター)ホールほか、全国各地で上演される。チケットは発売中。
2019年06月06日再々演となる、THE CONVOY SHOW vol.37『星屑バンプ』。歌、ダンス、タップのパフォーマンスと心躍る物語が人気の本作に出演する、今村ねずみ、瀬下尚人、トクナガクニハル 、本田礼生、伊藤壮太郎、加藤良輔、バーンズ勇気の7名が登場。作品愛と互いへのリスペクトにあふれた彼らの声をここにお届け!【チケット情報はこちら】「今回、再々演できることがすごく嬉しい。毎回、キャストが異なるのでそれぞれにちがう作品になっているし、全員が対等な関係でいられて、好きだ!という熱を出せることがとても楽しい」(瀬下)「常に新作のつもりで演っているので、僕は『星屑NEWバンプ』って呼んでます(笑)。今回はトクちゃん(トクナガクニハル)と勇気(バーンズ勇気)が入ってくれて、より新たな作品になります」(今村)「またできるんだとガッツポーズしました!」(本田)「演者としても好きな作品なので、またお届けできるのが嬉しい」(伊藤)「前回は初参加で毎日、必死過ぎました。だから、もう一回、挑戦できることが驚きで楽しみでもあります」(加藤)前作からの出演者が喜びを語る一方で、初参加の出演者も意気込みを明かす。「1度はこの道を離れたこととか台本を読んで自分と重なる部分がいっぱいありました。ジャズダンス、タップダンスは初の挑戦なのでわくわくしています」(バーンズ)「54歳新人のトクナガです(一同笑い)。この作品は誰もが共感できて、大げさでなく人生のバイブルのような物語なので、出演してよかったと実感したいです」(トクナガ)年齢もキャリアもばらばら。そこで、後輩から見た先輩たちの印象をたずねると、すかさず今村たちが「ちょうだい、ちょうだい!」「いいこと言ってね!」と反応、笑いが起こる。実にすてきなカンパニーだ。「皆さんは僕にとってのヒーローで理想です。カッコイイ姿もボロボロの姿も全部、すごく憧れます」(本田)「ファミリーのような感覚。厳しいことも言われますがとてもリラックスできる。そんな環境の中で、毎日必死について行っています」(バーンズ)「毎日、遊びを習っている感じがしています。本気で遊んでいることでなにかが生まれている、その姿を見せてもらっているのがすごい!」(伊藤)「常に全力で楽しむ姿がとにかくすてきで、おもしろくて……うーん、言葉が追いつかない……だから、1度、稽古場に来てほしいです!」(加藤)最後にひと言をいただいた。「たくさんの星があるなかで、同じ星を目指そうとする者たちが出会っちゃったのがこの舞台です。一緒にその星を見つめてください」(今村)THE CONVOY SHOW vol.37『星屑バンプ』の東京公演は銀座・博品館劇場にて6月5日(水)から12日(水)まで、名古屋公演はテレピアホールにて6月15日(土)から20日(木)まで上演。
2019年06月05日金管楽器、打楽器を中心とした60種類以上の楽器を演奏しながらミュージシャンがダイナミックに動き回り、ダンサーはカラフルな旗やバトンを操って演出。そんな空間で、独創的なアレンジにより生まれ変わったディズニーの名曲を魅せて聴かせる「ブラスト!:ミュージック・オブ・ディズニー」が今夏、33会場59公演を巡る全国ツアーを敢行する。石川直(パーカッション)、米所裕夢(トランペット)、リサ・チャペル(トロンボーン)が取材に応じてくれた。【チケット情報はこちら】2000年入団のベテラン、石川は「ブラスト!」の魅力を端的にこう話す。「例えるなら、お祭りに近い。お祭りの楽しさってトータルの雰囲気ですよね。多くの人が集まって夜店があってお囃子が聴こえて盆踊りして、みたいな。ピュアに音楽のみで聴かせるところもあれば、フォーメーションや統一美で魅せたり、いろんな良さが詰まっています」加えて、幕間のロビーパフォーマンスや終演後のキャストとのミート&グリートも名物のひとつ。上演中はもちろん、劇場に入ってから出るまで「楽しい!」がギッシリ詰まっているのが、長きに渡る人気の理由だ。前回(2017年)はなんと47都道府県ツアーを成功させ、日本での浸透度や人気の高さを物語る。ディズニーとのコラボレーションは今回で3回目。演奏曲には今年公開された『メリー・ポピンズ リターンズ』の楽曲も含まれ、様々なアップデートがなされた最新版だ。なお、日本での人気の立役者といえる“ミスター・ブラスト!”石川直は、今回で退団が決まっている。「すごい悲しい……。彼のドラムパフォーマンスは大きな一部だし、ステージ以外でも、国籍の違うキャストの間に入ってつないでくれたり、たくさんサポートしてもらいました」(チャペル)「最初に聞いたときはショックでした。中学生で「ブラスト!」を知って目標とする中で、直さんという存在がなければ絶対にここまでやってこれなかった」(米所)惜しむ声を受けて石川は、「『ブラスト!』は仲間たちから学べることがとても多くて、僕にとっていい勉強の場でした。でもパフォーマーとしての僕個人がやりたいこと、できることの中で、ここで出せているのはごく一部。自分に見えているほかの世界を、今後は本腰を入れて形にしていきたいという気持ちです」と、率直な思いを語った。そして、そんな石川が思う「ブラスト!」の“効用”とは。「『ブラスト!』はアメリカと日本が手を取り合った芸術作品。お客さんと触れ合うことで劇場にいいエネルギーが膨らんで、それをお客さんが持ち帰り、周囲に伝染して広がっていく……これ、社会の浄化作用だと思うんですけどね」東京公演は8月20日(火)~23日(金)・27日(火)~30日(金) 東急シアターオーブにて。チケットは発売中。取材・文:武田 吏都
2019年05月31日ビートルズの創成期を描いた舞台「BACKBEAT」が5月25日に開幕。それに先がけフォトコール(プレス向け撮影会)と囲み取材が行われ、取材には戸塚祥太(A.B.C-Z)、加藤和樹、辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)、JUON(FUZZY CONTROL)、上口耕平、夏子、鈴木壮麻、尾藤イサオ、翻訳・演出の石丸さち子が出席した。【チケット情報はこちら】本作は、1994年に公開された伝記映画『バック・ビート』をイアン・ソフトリー監督自身が舞台化した作品の日本初演。ビートルズ結成時のベーシストで、デビュー目前に21歳で夭折したスチュアート・サトクリフ(戸塚)を中心に、親友ジョン・レノン(加藤)、ポール・マッカートニー(JUON)、ジョージ・ハリスン(辰巳)、ピート・ベスト(上口)、そしてスチュアートの恋人となる写真家アストリッド・キルヒヘル(夏子)ら若者たちの揺れ動く心を繊細に描く。今回の見どころのひとつは約20曲にものぼる舞台上での生演奏。しかし演奏ははじめ、戸塚が「絶望からスタートしたといっても過言ではない」と明かすほどのレベルから始まったそう。しかしこの日、前半の2シーンが披露されたフォトコールでの演奏は抜群の仕上がり。音楽が楽しい!5人で演奏するのが嬉しい!という思いが真っ直ぐに伝わる姿そして音を届けた。そこに至るまでをJUONは「だけど初めて5人で音を出したとき、すぐグルーヴしたよね」、上口も「初めての会話が“音”だったのでそれがすごくよかった」と、このメンバーだからこそ生まれた音があったと振り返る。さらに辰巳も「稽古の間ずっと(5人が)近くにいた。ビートルズさんの当時の映像を観ても常に距離が近いけど、僕たちも近い距離感でワイワイ作品をつくっていった」と本作で描かれるビートルズの姿に自分たちを重ね、笑顔を交わした。そうやって生まれた5人の演奏を加藤は「ライブなので何が起きるかわからない。でもそのライブ感はこの作品でしか味わえないものなので、そこをぜひ体感してほしい」と語る。そんな5人を翻訳・演出の石丸は「ビートルズは目指すには大きすぎるのですが、私たちは観客にビートルズを伝える架け橋。その架け橋は立派にできあがっています」と絶賛。1966年にビートルズの初来日公演で前座を務めた尾藤も「皆さんの成長がすごくて驚きました。ビートルズに負けない!」と太鼓判を押した。石丸が「長いこと演劇をやっていますが、こんな作品は観たこともないし、つくったこともない。細かなみんなの努力やコミュニケーションがあって、こんな素敵な作品が生まれた。このメンバーを誇りに思います」と語る本作は、6月9日(日)まで東京・東京芸術劇場 プレイハウスにて上演後、兵庫、愛知、神奈川を巡演。取材・文:中川實穗
2019年05月28日舞台を中心に活動するジャニーズのふぉ~ゆ~が、6月7日(金)22:24~23:24放送の音楽番組『My Anniversary SONG』(BS朝日)に出演。テレビ初披露となるふぉ~ゆ~オリジナル曲『Everything 4 You』をお披露目。懸命な歌とキレのあるダンスでお届けする。【チケット情報はこちら】『Everything 4 You』はKinKi Kidsはじめ多くの作品を手がける堂島孝平の作詞作曲。「どうしても堂島さんにオリジナル曲を作って欲しい」というメンバー全員の妄想から夢が叶った。また、メンバーそれぞれがJr.の頃にバックで踊っていた思い出の楽曲をスペシャルメドレーで披露する。トークでは、さまざまな楽曲にまつわるエピソードを振り返っていく。MC高嶋政宏からのきわどい質問にもガチで答えるふぉ~ゆ~の4人。メンバーの福田悠太、辰巳雄大、越岡裕貴、松崎祐介それぞれの個性が炸裂!そして番組のレギュラーの座を狙うふぉ~ゆ~にミュージシャンのKがビビる!?歌もトークも盛りだくさんのエンターテイメントぶり。4人の仲の良さや関係性も存分に伝わる、ふぉ~ゆ~丸わかりの贅沢な1時間だ。番組出演にあたってメンバーの4人は「楽曲のリリースをしていないのに音楽番組に出演だ!」と大はしゃぎ。ふだんは舞台出演が多く、ジャニーズの中でもダンスと演劇で活躍する唯一無二のグループとして着実に技術を磨いている彼ら。各メンバーが単独舞台主演などをつとめながら、年に1度は4人そろって演劇に挑む。2019年は7月に『SHOW BOY』を上演予定だ。『SHOW BOW』は大型カジノ豪華客船を舞台にした、セクシーでショッキング、マジックあり、歌ありのオリジナルダンス劇。4人の役は、ケガで引退した実力派ダンサー(福田悠太)、失敗ばかりのマジシャン見習い(辰巳雄大)、全財産を失ったギャンブラー(越岡裕貴)、中国人マフィア(松崎祐介)。ゴージャスな船上で、4人の男たちの4つの物語がはじまる。ほか、キャバレーの支配人役に神田沙也加、主演ダンサーに秋山大河(MADE/ジャニーズJr.)、ショーのマドンナに樋口日奈(乃木坂46)らが出演。ゴージャスなショータイムと、ハートウオーミングな物語をお届けする。脚本は登米裕一、演出はウォーリー木下。上演は7月10日(水)から28日(日)まで、東京・シアタークリエ、8月3日(土)名古屋市公会堂にて。チケット発売は5月19日(日)午前10時より。テレビに音楽に舞台にダンスと、さまざまなエンターテイメントを存分に楽しむふぉ~ゆ~。今後の活動から目が離せない!文:河野桃子
2019年05月17日鉄道の沿線を“擬人化”した人気コミックの舞台シリーズ、ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』最新作が5月9日より東京・品川プリンスホテル クラブeXで開幕した。副題は「すべての路は所沢へ通ず」。“西武鉄道”に焦点をあて、西武グループの沿線達が一堂に介するスピンオフ作品だ。【チケット情報はこちら】西武グループは全員金髪、全員青制服。似たビジュアルだからこそ出演者らは「よりキャラを出していきたい」(KIMERU)、「個性がたくさん。みんな違ってみんないい」(木村敦)と意気込む。その言葉どおり舞台上ではそれぞれが個性を暑苦しいほど主張し、とても勢いあるミュージカルとなっている。公演は、原作漫画と同じく日常的なエピソードが折り重なっていく構成。「30個以上のシーンでできています。何を見させられているんだろうという新しい感情が湧くのでは……普通の舞台とは違う作り」(滝口幸広)。ひとつひとつは、鉄道グッズの開発、ホワイトデーの出来事など、彼らの賑やかな日々を描いている。本人達は非常に真剣だが、どれもくだらなく笑えるものばかり。エピソードすべての根底に流れるのは、揺るぎない“会長愛”。全員が西武グループ創業者を『会長』と呼び神のごとく崇拝する“会長愛”を持っている。ことあるごとに「会長万歳!」と叫び、観客にも叫ばせる。「前作までは、西武鉄道3名で万歳をしていました。今回は全員が西武。会場に万歳を巻き起こせたら」(橋本汰斗)。「参加型の舞台です。「万歳!」「会長!」と一緒に叫んでほしい」(森山栄治)。「西武グループに浸っていただければ」(馬場良馬)。12名の金髪青服の鉄道達に盛り上げられ、劇場は「万歳!」の嵐に包まれていく。しかも場所は西武グループが運営する品川プリンスホテル内。熱気に揉まれ、一体になって西武グループを崇め称える異様な空間となる。「万歳!」と叫ぶ間も、30個のエピソードが怒濤のように繰り広げられていく。するといつの間にか、それぞれの関係の変化や悩みが見えてくる。「おのおのの関係性が面白い。個性的なんだけれど、統一されている」(渡辺コウジ)。そんな彼らを観ていると、最後には、ちょっと感動してしまったりする。「個性の強い西武グループを見て、西武愛に目覚めていただければ」(岩城直弥)。擬人化され、感情豊かな沿線達を見ているうち、いつの間にか西武鉄道が好きになってしまう舞台だ。上演は5月19日(日)まで。文:河野桃子
2019年05月17日作・作詞・楽曲プロデュースを森雪之丞、演出を白井晃が手掛ける新作ミュージカル『怪人と探偵』が、今年9月に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場にて上演される。本作は、江戸川乱歩作品を原案にしたオリジナルストーリーで、大怪盗・怪人二十面相を中川晃教、名探偵・明智小五郎を加藤和樹、ヒロイン・北小路リリカを大原櫻子が演じる。大原に話を聞いた。【チケット情報はこちら】脚本を読んだ感想を「怪盗と探偵の駆け引き、男女の関係、どちらもハラハラする作品です」と楽しそうに話した大原。自身が演じるリリカについて「ある背景があって、ただの品のいい令嬢ではない。清純でありながら泥沼の世界も知っているような女性です」と語る。怪人二十面相を演じる中川と明智小五郎を演じる加藤の印象を聞いてみると、「実は小学生の頃にテレビで中川さんが歌っていらっしゃるのを観て、本当に素敵な歌声で“うわ、この人といつか歌いたい”と思ったんです。だから中川さんと共演できるのが夢のように嬉しくて!」と待望の共演なのだそう。一方、加藤は「以前イベントでご一緒させていただいたのですが、そのときに先輩方に“和樹~!”ってかわいがられている加藤さんの印象が強いんですよ。だから今回、ビジュアル撮影の写真を観て“あれ!カッコいい!”って(笑)。フランクな加藤さんしか知らなかったので、素敵って思いました」と、怪人と探偵同様どこか正反対ともいえる存在のよう。演出を務める白井とはミュージカル「わたしは真悟」(2016)以来のタッグ。「『わたしは真悟』で白井さんのことを大好きになりました。心を委ねられるし、本音をぶつけることができる方です」と全幅の信頼を寄せる。作・作詞・楽曲プロデュースを務める森とは、大原が出演した新感線☆RS『メタルマクベス』disc2(2018)の公演中に話をしたといい「公演を観て“櫻子ちゃん、俺ちょっと書き直すわ”と言ってくださって。だからこそ脚本が楽しみでしたし、実際に読んで、嬉しいなとも感じました」と明かす。音楽は本作ならではの布陣。テーマ音楽を「東京スカパラダイスオーケストラ」が書き下ろし、劇中の楽曲の作曲は「WEAVER」の杉本雄治が手掛ける。「テーマ音楽を少しだけ聴かせていただいたのですが“きたきたきたきた!”って感じるような音楽で、ハラハラドキドキしました!」。KAAT2019年度のラインアップ発表会で森も「“この作品から日本のオリジナルミュージカルの歴史が始まった”と言われるような作品にしたい」と話した本作。果たしてどんな作品が誕生するのか楽しみに待ちたい。公演は9月14日(土)から29日(日)まで、神奈川・KAAT神奈川芸術劇場にて。ぴあでは5月26日(日)23:59まで二次抽選受付中。取材・文:中川實穗
2019年05月17日今年旗揚げ39周年を迎える劇団☆新感線。感謝の気持ちを込めた“39(サンキュー)興行”の夏秋公演として、舞台『けむりの軍団』が2019年7月からTBS赤坂ACTシアターで上演される。13日、東京都内で製作発表会見が行われ、主演の古田新太や早乙女太一をはじめとする出演者、脚本の倉持裕、演出のいのうえひでのりが出席した。【チケット情報はこちら】物語の舞台は戦国時代。頭が切れる軍配士(古田新太)とずる賢い謎の浪人(池田成志)がひょんなことから嫁ぎ先から逃げ出した姫(清野菜名)を実家に送り届ける羽目になり、巻き起こる珍道中を描く。脚本を担当した倉持は、演出のいのうえから提案された当初のお題が、「黒澤明監督の『隠し砦の三悪人』と太宰治の『走れメロス』を合わせたような話」だったことを明かす。その分、黒澤明監督の映画を彷彿とさせるオマージュを盛り込んだといい、倉持は「前回(※2016年『乱鶯』)はシリアスな話だったが、今回はもう少し軽めで笑えるものにしようと心がけた」。「電話帳ぐらいの厚さがある」(池田成志談)というが、倉持作品らしい会話の妙が織り込まれていることだろう。また、演出のいのうえは「劇団員の“高齢化”が進んでいるので、年相応のものを作ろうと。最近のテレビでも映像でもなかなか見ることのできない、ちゃんとした時代劇をやりたい。骨太な人間ドラマが僕らなりに描けたら」と語った。これまでのケレン味溢れた“いのうえ歌舞伎”とはまたひと味違う、王道路線の娯楽時代劇になりそうだ。主演の古田は会見で「劇団員なので出ざるを得なかった」と話して会場の笑いを取りつつも、「これが自分の代表作になればいいと思う。ほぼ劇団員フルメンバーで出演をするので、劇団ファンの皆様にはぜひ見にきてほしい」と気合い十分なコメントをした。一方、新感線には6度目の出演となる早乙女だが、古田との共演は今回が初めて。「17歳の頃に初めて立たせてもらって10年。やっと古田さんと共演できるということが何よりもうれしい」と素直に共演を喜ぶ。「子どもの頃からの憧れ。古田さんと新感線からいろいろなことを学んだ。勝手に師匠だと思っている」と話していた。出演者は古田と早乙女のほか、清野菜名、須賀健太、高田聖子、粟根まこと、池田成志ほか。東京公演は7月15日(月・祝)から8月24日(土)まで。福岡公演は9月6日(金)から博多座で、大阪公演は10月8日(火)からフェスティバルホールで行われる。チケットは5月19日(日)午前10時より発売。ぴあでは東京公演の先着先行を5月14日(火)10時より受付予定。文・写真:五月女菜穂
2019年05月13日怪人二十面相と名探偵・明智小五郎が、昭和モダンなニッポンで華麗な対決を繰り広げる! 江戸川乱歩が生み出したキャラクターを主人公にした新作オリジナルミュージカル『怪人と探偵』がこの秋登場。二枚看板を務める中川晃教、加藤和樹に話を訊いた。チケット情報はこちらともにミュージカル界では欠かせない存在であるふたり。共演は2017年の『フランケンシュタイン』に続いて2度目だ。だが中川が「僕たちって共演は本当に『フランケンシュタイン』だけ!?」と驚くほど、仲が良い。「普段の和樹マンは……和樹君は(笑)、舞台に立っている時とは違う顔を持っていて、僕はそのニュートラルな彼に愛着がある。一緒になって遊んだり、ふざけたり、悩んだり、稽古含めて作品に対して費やす時間の抱き方が似ている気がするんだよね。そんなプライベートも活かせるような“最高の相手役”になれそう」と中川。一方の加藤は「僕からすると(中川は)大先輩だし憧れの存在。『フランケン~』の時は緊張でガチガチでした」と苦笑しながらも、「今はこうしてボケとツッコミみたいになっていますが、そういう関係性になっていることが僕にとっては奇跡的なこと。アッキーさんの歌にとにかく惚れているし、その上での芝居の作り方、さらに時として演技を超える感情がほとばしるところもすごい。今回はどんなアッキーさんが見られるのか、非常に楽しみにしています」と、こちらも共演を心待ちにしている様子だ。演じるのは、中川が怪人二十面相、加藤が明智探偵。森雪之丞による脚本は「笑えるポイントもあり、面白く読み進めていったのですが、「えっ」となるところもある。何が正義か、何が真実かが曖昧になって、人の気持ちも行動も表裏一体なんだなと思わせられます」と加藤。続けて「演出の白井晃さんも、ミュージカルとしてのエンタテインメント性はなくさずお芝居を作りたいと仰っていました。その中で、芯となる僕らふたりの奥底にある本音や本質が見え隠れしたら面白いですよね」と期待を語った。テーマ音楽は東京スカパラダイスオーケストラが担当し、作曲はWEAVERの杉本雄治が手掛けるのも話題。「日本のオリジナルミュージカルで、しかも江戸川乱歩の世界という日本独自のコンテンツ。乱歩の世界はどこか淫靡で、乱れ崩れていく美しさがあり、さらにそれを美しいと思う自分の心は美しいのか……というところまで考えさせられる。いくつも隠し扉があるような、捉え方によっていくらでも広がっていくような世界です。それをWEAVERの杉本さんのポップで面白い音楽と白井さんの繊細な演出でどう描かれていくのか。これらのピースがピタッとはまった時に、新しいオリジナルミュージカルとして、ワクワクとドキドキをお客さまに届けられるんじゃないかな」(中川)出演はほかに大原櫻子ら。公演は9月14日(土)から29日(日)まで、KAAT 神奈川芸術劇場 ホールにて。10月に兵庫公演も予定している。チケットぴあでは5月14日(火)23:59まで関東公演のWEB先行抽選「プレリザーブ」受付中。
2019年05月09日松本零士監修の元、原作にはない新しいストーリーで展開する「舞台『銀河鉄道999』さよならメーテル~僕の永遠」の大阪公演が5月10日(金)より梅田芸術劇場メインホールで幕を開ける。銀河鉄道999 劇場版公開40周年記念作品「舞台『銀河鉄道999』さよならメーテル~僕の永遠」チケット情報本作は、中川晃教扮する主人公・星野鉄郎が“人間狩り”で殺された母の仇を討つため、要塞時間城で機械伯爵への復讐を遂げるまでを描いた初演(2018年)の続編。「タダで機械の体にしてくれるという星を破壊したい」という新たな思いを抱いた鉄郎は、共に旅をするメーテルと女盗賊クイーン・エメラルダス姉妹の母、プロメシュームに立ち向かう。エメラルダス役は前作に続いて凰稀かなめが、メーテル役は木下晴香と伊波杏樹のWキャストが担う。そして鉄郎最大の敵となるプロメシューム役に挑むのは松下由樹。大阪公演を目前に控え、松下が作品への思いを語った。3月下旬、浅野温子に代わって急遽出演が決まった松下。4月20日の東京公演初日に向け、急ピッチでプロメシューム像を作り上げた。「原作とは違う結末であること、プロメシュームと娘たち、特にエメラルダスとの関係について深く描かれている中、意識したのは、プロメシュームは機械帝国の女王である前に、元は生身の人間で優しい母親だったということです。そこを大事にして親子関係を築けたらと思いました」。「稽古場では『いいね~、怖いね~』と、私への『怖い』は誉め言葉でした」と笑顔を見せる。鉄郎が対峙する惑星の命運を握るプロメシュームは、とにかく怖い存在なのだという。「プロメシュームの人物像を考えると必然なんです。怖いというよりも、本当に倒せない大きな壁。メーテルやエメラルダスにとって、プロメシュームを倒すことは母を倒すことになります。一方のプロメシュームも、星を守るという思いの強さたるや並大抵ではないだろうと。誰よりも高い壁になっていなければ、そこに立ち向かう鉄郎たちの機微も伝わらないと思うので、その気持ちの強さをキープしています」。永遠の命とは、機械の体であること、限られた命の美しさについて、といったあらゆるテーマで想像を膨らませることができるのも、本作の魅力だと語る。東京公演の間も劇中にふと、プロメシュームに思いを巡らせることもあったとか。プロメシュームの役作りをしている時に「彼女は機械人間だけど、そうならざるを得ない理由があって。でも、まだ心は残っているかもしれない…と思った時にはすでに運命が決まっていて。すごく切ない気持ちなりましたが、凰稀さん、木下さん、伊波さんたちと愛情が通じ合う親子関係を築き上げることができたと感じました。大阪公演でもそういう部分を見ていただければ」。「舞台『銀河鉄道999』さよならメーテル~僕の永遠」は5月10日(金)から12日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールで上演。出演はほかに、平方元基、前山剛久、矢沢洋子、美山加恋ら。チケット発売中。取材・文:岩本和子
2019年05月08日宝塚歌劇団が105周年を迎える今年、宝塚歌劇団音楽家・吉崎憲治が活動60周年、演出家・岡田敬二が活動55周年を迎え、記念公演『吉崎憲治&岡田敬二ロマンチックコンサート』が開催される。『朝日の昇る前に(華麗なるギャツビー)』『シトラスの風』など、昭和から平成の名曲を元トップスターと現役生が歌い継ぐ夢のステージだ。「宝塚人生が還暦を迎えました」と茶目っ気たっぷりに語る吉崎と、抜群の歌唱力を誇る元雪組トップスター杜けあきが見所を語った。「吉崎憲治&岡田敬二 ロマンチックコンサート」チケット情報現在、作曲数は3000曲を超える吉崎。杜はいつ会っても吉崎の印象が「全く変わらない」ことに驚く。先頃出演したOG公演『ベルサイユのばら45』でも共演者らと吉崎や今作の話題で盛り上がったという。「やはり現役であることが先生の活力の源ですね。私は退団して25年になりますが、曲のイントロが流れると一瞬にして当時に戻ってしまうほど、情熱を注いできたんだなと。OGのみんなとも、先生の曲をまた一緒に歌えるなんて幸せだね!と話しました」。現役時代は『おもかげ草子』『華麗なるギャツビー』『ヴァレンチノ』などの大作で吉崎とタッグを組んできた杜。「先生の曲は組曲のように起承転結があり、知らぬ間に役の心情に運ばれる。歌の中で役者として育てていただきました」。それは杜だったから、と応える吉崎。「こういう風に気持ちを動かしたいんじゃないかとか、杜さんにはこちらの心を動かすものがあった。彼女がまだ研1か研2の頃、何かのパーティーで柱の陰から先生と呼ばれたことがありました。下級生に話かけられることはまずない。でも愛嬌というか嫌味がないんです。この人は何かやるなと思ったら、トップスターになられました(笑)」。盟友・岡田敬二について吉崎は「発想力が抜群で岡田先生の歌詞には情熱がある」。また、演出家の意向を汲み作曲するのが座付き作曲家の使命とも。「今思えば曲のエネルギーで演者を含めこちらの世界に引っ張り込みたい気持ちもあったように思います。結局自分が燃えていないとダメ。みんなの情熱がぶつかってこそ愛される作品に仕上がります」。歌を通して青春を思い出してほしいと語る杜。「先生へのお祝いも含め、心を込めて歌います」。吉崎も錚々たる出演者の顔ぶれに「ありがたい」と顔をほころばせる。「お母様、叔母ちゃまになられたオールドファンには懐かしんでいただき、初めて観る方々には宝塚って良いな、観たいなと思っていただけることが願いです」。公演は6月1日(土)、2日(日)まで梅田芸術劇場メインホールにて上演。チケットは5月11日(土)一般発売。※吉崎の「吉」は上部が「土」、「崎」は右上が「立」が正しい表記。取材・文:石橋法子
2019年05月07日2011年、小池修一郎の脚本・演出により宝塚歌劇団でミュージカル化され、星組で初演された『オーシャンズ11』。2013年には花組で再演、共に好評を博した本作が、6年ぶりに宙組で上演。4月19日、兵庫・宝塚大劇場にて幕を開けた。本公演は第105期初舞台生40名のお披露目公演でもあり、幕開きには初舞台生が口上を行い、ショーではラインダンスを披露している。宝塚歌劇宙組 ミュージカル『オーシャンズ11』チケット情報原作は、ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツなど豪華キャストの共演で話題を呼んだ同名映画。ラスヴェガス最高のカジノホテルを舞台に、ダニー・オーシャンと10人の仲間が金庫破りに挑むスリリングなエンタテインメント大作だ。服役中の天才詐欺師ダニー・オーシャンは、仮釈放になると同時に、ラスヴェガスへと向かう。愛する妻テスをホテル王テリー・ベネディクトから取り戻すとともに、カジノから売上金を奪うために…。第一幕はダニーの仲間探しとベネディクトのたくらみを中心に展開。トップスター真風涼帆(まかぜ・すずほ)演じるダニーが仮釈放され、芹香斗亜(せりか・とあ)演じる昔馴染みのラスティーと再会。冷酷非情な裏の顔を持つホテル王ベネディクトにひと泡吹かせるべく、金庫破りの計画を実行する仲間を集めていく。役者がそろった第二幕は、カジノに潜入し、計画を実行していく様子が描かれる。カジノに張り巡らされたセキュリティを次々と突破し、ベネディクトを追い詰めていく様は痛快だ。“チョイ悪”ダニーをはじめ、ダンディでクールな男たちがズラリと並ぶ様に惚れぼれ。ダニー役の真風は、余裕のあるアダルトな色気をまとって魅せ、ラスティー役の芹香は頭のキレっぷりとユルさが絶妙。初演の新人公演でも同役を演じたふたりの息はピッタリだ。ダニーの妻テスを演じのトップ娘役星風まどかも、洗練された知的な女性を表現。ベネディクト役の桜木みなとは、表情や佇まいで繊細にヒールなキャラクターを作りこんでいる。ほか、カジノのディーラーやマジシャンなどの多彩なキャラクターを、個性豊かな宙組生が好演。個々の魅力、そして組としての魅力が存分に味わえるステージとなっている。兵庫公演は5月27日(月)まで上演中。その後、6月14日(金)から7月21日(日)まで東京宝塚劇場にて上演。東京公演のチケットは5月19日(日)より一般発売開始。取材・文:黒石悦子
2019年04月26日東啓介と青野紗穂が出演するNew Musical『Color of Life』が4月26日(金)に東京・相模女子大学グリーンホールにてプレビュー公演を行い、5月1日(水)に東京DDD青山クロスシアターにて開幕する。4月25日に行われたゲネプロを取材した。【チケット情報はこちら】本作は、脚本・作詞・演出を石丸さち子、作曲・編曲を伊藤靖浩が手掛けるオリジナルミュージカル。初演は2013年のニューヨークのオフ・オフ・ブロードウェイ演劇祭「Midtown International Theatre Festival」で、最優秀ミュージカル作品賞、最優秀ミュージカル演出賞、最優秀作詞・作曲賞、最優秀ミュージカル主演女優賞の4部門を受賞した。日本でも2016 年に初演され、今回は日本で3度目の上演。東と青野は共に初めての出演となる。対面客席になったことで舞台美術も大きく変わり、衣裳の雰囲気もこれまでのイメージとは違うものになった今作。そこで演じるのも、昨今『マタ・ハリ』『スカーレット・ピンパ―ネル』などミュージカル作品でその存在を示し始めた東と、『RENT』や『ソーホー・シンダーズ』などのミュージカル作品に出演する女優であると共にニューヨークアポロ・シアター「Stars of Tomorrow」で優勝を果たす実力派歌手でもある青野という、20代前半の輝き出したばかりのふたりだ。大震災によって画題を見失ってしまった和也(東)と、同性の恋人と死に別れたばかりのレイチェル(青野)が偶然飛行機で隣り合わせになり、惹かれ合い、ニューヨークの彼女の家で一緒に暮らし始めて……というストーリー。そこで描かれるのは、大きな事件というようなものではなく、和也のビザの有効期間(3か月)までの間に、ふたりが向き合って、自分自身とも向き合って、迷いながらも変化していく様だ。そのなかにあるのは、膨らんだりしぼんだりし続ける感情や刻々と進んでいく時間。それらを奏でるメロディは繊細で緻密で複雑で、東と青野は歌、身体、表情、息づかいで丁寧に丁寧に…けれど大胆さも重ねながら紡いでいく。和也の幸せな時間と、自身の根幹を揺るがす感情に戸惑うレイチェルの不安。隣同士で同じ時間を温かく過ごしながらも同じではない感情が、小さく交わす笑顔やふとした目線の動き、空気の揺れによって伝わってくる。対面客席ならではの客席との距離の近さが、そういった表現を実現しているのだろう。東と青野、そして石丸と伊藤がつくりだす、劇場でしか味わえない演劇の魅力がたっぷりと詰まった作品。ぜひ劇場で味わって!プレビュー公演は4月26日に東京・相模女子大学グリーンホール 多目的ホールにて。本公演は5月1日(水)から27日(月)まで東京DDD青山クロスシアターにて上演。取材・文:中川實穗
2019年04月26日「東京キモノショー 2019」が、日本橋三井ホールにて、2019年5月2日(木)から6日(月)まで開催される。「東京キモノショー」は、前身の「わーと日本橋」からスタートし、2019年で4回目を迎える大型きものイベント。毎回、会期中には1万人以上が来場している。会場には、様々なスタイルのきものが一堂に集結。また、きものをアート、空間演出、音楽などと組み合わせた斬新な展示やステージも魅力で、きものファンはもちろんのこと、初心者でも楽しめるイベントとなっている。メイン展示となるのは、現代のスタイルに合ったテーマできものを紹介する「キモノスタイル」。2019年は、京都の伝統工芸にフォーカスした「京都はんなり」、まるごと購入可能な「POPカジュアル」、夏らしい「夏きもの・ゆかた」、打掛・白無垢などの「花嫁・ブライダル」、礼装・七五三などの「セレモニー」、カラーコーディネートを重視した「色彩コーナー」、男性の普段着「男物カジュアル」、変化に富んだ「バラエティ」、温もり溢れる「紬」の9テーマできものをセレクトする。会場内には、創作きものも展示。紅赤アンタレス星よりも高温な青白いシリウス星に着想を得て、クールブルーの世界を「染め」で描いたきものや、四季折々で表情が変わる丹後の海の色をぼかし染めで表現した作品、世界の国々をテーマに制作されたきものなどがディスプレイされる。ステージでは、ファッションショーや、和文化を堪能できる演目を観賞することが可能。男性商社マンが主役の「男のきものファッションショー 」、本来は未婚者の第一礼装である振袖を既婚者で還暦前後の女性が纏う「REBORN PROJECT 大人の振袖ファッションショー」、和楽器演奏、日本舞踊、落語などを楽しめる。【詳細】「東京キモノショー 2019」開催日時:2019年5月2日(木)~6日(月) 10:00~18:00(最終日17:00まで)会場:日本橋三井ホール住所:東京都中央区日本橋室町2-2-1 COREDO室町1 5階 ※エントランス4階入場料:1,400円(前売1,000円)※高校生以下無料
2019年04月26日役者、ダンサー、振付師、演出家などパワフルな存在感で一目置かれる各分野の“ツワモノ”たちが集う、結成12年目のパフォーマンス集団junkiesista(ジャンキーシスタ)&junkiebros.(ジャンキーブロス)。2014年、好評を博したサスペンスフルなお葬式コメディ・ミュージカル『REizeNT~霊前って...~』で初の大阪公演を飾る。主宰の林希とは唯一無二の親友で、結成当初から歌唱指導としてカンパニーに関わるシルビア・グラブが、今作では客演として参加する。「最高にくだらなくて面白い、壮大なコントです。笑わずに歌えるかな…」と真顔で悩むシルビアに、意気込みを聞いた。junkiesista×junkiebros.PRESENTS「REizeNT~霊前って...~」チケット情報ある日、大富豪の女社長が殺された。犯人不明のまま執り行われたお葬式では家族、参列者、葬儀屋、住職に至るまで、全員が怪しい。疑心暗鬼の末、事態は思わぬ展開に…。「メンバーは、枠に収まりきらない爆発的なエネルギーを持った人たちばかり。あえて重い題材でコメディに挑むとか、『こんなミュージカル観たことない!』と思わせるのが狙い」とシルビア。これまで暴走族、キャバクラ、ゾンビなど作品の切り口も斬新だが、特筆すべきは毎回全曲が有名ブロードウェイ・ミュージカルのパロディだという点。今回も超人気作の曲をお経調にアレンジするなど、替え歌を多彩にスタンバイ。韓流ダンスボーカルユニットH5のリーダーHONEYら複数の“歌ウマ客演陣”を迎えたことで、初演より曲数を増量してお届けする。しかも、本編終わりにはショータイムが付くのも恒例で、ダンスファン、演劇ファン共に爆笑と感動を味わえる、一粒で2度美味しい公演となっている。林希とは20代の頃、玉野和紀作・演出・振付のミュージカル『THE GUEST SHOW』(1999年)で初対面し、「肝臓の強さが一緒で意気投合した」と笑うシルビア。後に『CULB SEVEN』の名物となる「50音順ヒットメドレー」が初登場した公演でもあったという。「希とは、稽古終わりに毎日呑んで、お酒をガソリンに換えていました(笑)」。同世代で尊敬し合える仲間と出会い、同じく共演者だった岡千絵と3人で結成した音楽ユニットgravityの活動は、今年で14年目を迎える。「希は、面白いことをやろうぜとみんなを惹き付ける原動力を持っている人。惹かれるという意味でgravityと名付けたんですけど。ジャンキーも小規模ながらムーチョ村松さんが映像、PaniCrew植木豪さんがグッズデザインを担うなど、スタッフ陣もすごい顔ぶれが揃っています。みんな気持ち優先で集まってる部分が大きいので、ケンカもするけど楽しくて。いまだに青春しています」。大阪ではあえてお堂のある小劇場を選んだ。「初めての劇場に私もワクワクしています。絶対後悔させませんので、ぜひ笑いに来てください!」東京公演は5月24日(金)から6月2日(日)まで中目黒キンケロ・シアターにて、大阪公演は6月8日(土)・9日(日)一心寺シアター倶楽にて上演。大阪公演のチケットは、チケットぴあにて発売中。取材・文:石橋法子
2019年04月25日ウィリアム・シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を原作に、“スズカツ”こと鈴木勝秀が脚本・演出を手掛けるRock Opera『R&J』が6月から7月に上演される。【チケット情報はこちら】ロミオを演じるのは、2.5次元舞台で注目を集め最近では音楽劇『道』など活躍の場を広げる佐藤流司、ジュリエットを演じるのは、マドンナや椎名林檎のバックダンサーを務めたダンサーであり、現在はアーティスト・女優としても活躍する仲万美。果たしてどんな作品になるのか、鈴木に話を聞いた。「最初にプロデューサーから“『ロミオ&ジュリエット』を下敷きにロックで”という話を聞いたときに“それ、ものすごく好きな感じ!”と思って。ファーストインプレッションでやろうと思いました」と鈴木。「これが“ミュージカルで”というお話だったら、僕じゃないんじゃないでしょうかと言ったかもしれない。『ロミオ&ジュリエット』はもっと乱暴なんですよ、僕のイメージの中で。きれいきれいな中におさめたくない。だから音楽も乱暴なほうがいい。音程とかなんとかじゃない。リズムの中にちゃんとグルーヴしていればいい。そういうものにしたいんです」物語は「設定から書き換えます。舞台は近未来だし、想像される『ロミオ&ジュリエット』とは全然違うと思う」と大胆なアレンジが加わりそう。「だけど、恋愛に突っ走っていくふたりがいて、それにいろんなアドバイスをして話を余計に複雑にしてしまうおやじとか出てくるところは同じです(笑)」鈴木が「直感的にいきている人たち」だというロミオとジュリエットを演じる佐藤と仲。鈴木はそんなふたりも「かなり直感的ですよ。佐藤くんは音楽(バンドプロジェクト「The Brow Beat」のRyujiとして活動中)をやってるし、バンビ(仲)ちゃんはダンスをやってるし。それって直感の力がないとなかなかできないものですよ。音楽もダンスも“こうだから”“ああだから”でやるものじゃないので」と印象を語る。歌もダンスも取り入れた作品になるという本作。シェイクスピアと言えば“長台詞=言葉”という印象もあるが「でも『ロミオ&ジュリエット』の話って、大雑把には大体誰でも知っている。だから、説明をしなくても、シーンがもし飛んでも、その間は観ている人がつなげるんですね。僕は説明されたりとか、答えを教えよう教えようとする人が大嫌いなので。自分で考えたものしか答えにはならないじゃない?って思うから」と、作品全体としても直感的なものになりそうだ。「僕自身が楽しみにしています。いや、“楽しみ”以上。本当に“一発かましてやる!かませるチャンス来たか!”みたいな感じです」と語る鈴木のRock Opera『R&J』は6月・7月に東京・大阪にて上演。ぴあでは5月6日(月)午後11時59分まで抽選先行(プレリザーブ)受付中。取材・文:中川實穗
2019年04月25日尚月地の同名人気漫画を原作にした舞台・浪漫活劇譚『艶漢』第三夜が開幕、それに先がけ公開ゲネプロと囲み取材が行われ、取材には櫻井圭登、末原拓馬(おぼんろ)、三上俊、村田恒、福井将太、岩義人、岡田あがさ、堀越涼(花組芝居)、八神蓮が出席した。【チケット情報はこちら】本作は、ノーフン(フンドシをはいていないこと)がちな傘職人の美少年・吉原詩郎と、熱血正義感の巡査殿・山田光路郎、そして詩郎の兄貴分で無敵な色気を放つ吉原安里の物語を軸にした、エログロナンセンスな昭和郷愁的アンダーグラウンド事件簿。ストーリーを紡ぐ浪漫活劇譚シリーズは2016年の初演、2017年の第二夜に続く3作目で、脚本・演出はほさかようが手掛ける。同じキャストで歌謡エンターテインメントショーを行う歌謡倶楽部『艶漢』シリーズもこれまでに2作上演されている。ゲネプロ前の囲み取材で、主人公・吉原詩郎役の櫻井は「新しいキャラクターが新しい風を吹かせてくれて、第三夜ならではの攻め方ができた作品になったと思います。初演ぶりにシアターサンモールに帰ってこれたので、色んな想いを込めながら、愛を込めて演じきりたいと思います」、山田光路郎役の末原は「この場所で上演された第一夜のときは、歴史のある漫画を僕たちが舞台化するということでドキドキしていました。だけど受け入れてもらえ、歌謡倶楽部もあり、合わせると今回で5作目。いろんな人でつくり上げてきた『艶漢』になっていることが嬉しいです。今回も新たなものを積み上げることになればと、今またドキドキしています」、吉原安里役の三上は「過去最高の作品になったんじゃないかと思います。安里という役はこれまで何を考えているかわからない部分が多かったのですが、今作では目的もハッキリしますし、感情的になって戦うシーンもあり、これまでにない顔や声が見せられると思います。楽しみにしていてください」とそれぞれ挨拶を述べた。衣装やセット、メイクはもちろん、殺陣からふとした仕草にまで登場人物それぞれの個性豊かな“艶”やかさが光り、丁寧につくりこまれた世界が広がる本作。今回の物語は、謎多き吉原兄弟の悲しい過去が軸となるが、ふたりの湾曲し屈折した想いや願いが不思議なほどまっすぐに届くのが印象的だった。登場人物ひとりひとりのコントラストも鮮やかで、そこで生まれるドラマひとつひとつが心に響く作品に仕上がっていた。激しく艶やかなアクションにも注目の本作は、4月29日(月・祝)まで東京・シアターサンモールにて上演中。取材・文:中川實穗
2019年04月24日舞台『銀河鉄道999 さよならメーテル~僕の永遠』が4月20日に東京・明治座で開幕した。松本零士による不朽の名作マンガを原作とした音楽劇で、昨年上演された『銀河鉄道999 ~GALAXY OPERA~』のその後を描く新作。前作に引続き、中川晃教が主人公の星野鉄郎を演じる。【チケット情報はこちら】前作で、機械の体になり永遠の命を手に入れるために999号に乗った鉄郎は、今作では限りある生命の美しさに気付き、機械の体をタダでくれるという星を破壊したいと目的が変わっている。中川はひとまわり成長した鉄郎の少し影を負った表情も細かく演じ、作品の哲学的なメッセージをも織り込んだ演技を見せる。今回初参加となるメーテル役の木下晴香(伊波杏樹とWキャスト)の、落ち着いた口調や美しい佇まいも印象的。またクイーンエメラルダスに扮する凰稀かなめ、キャプテン・ハーロック役の平方元基は原作から抜け出てきたようなカッコ良さ。彼らミュージカル界で活躍する実力派が、もともとのキャラクター性を尊重しつつ、自身の才能を発揮した歌声と演技力で、さらにキャラクターを魅力的に輝かせていることで、見応えある作品になった。さらに松下由樹が演じる“最後の敵”プロメシュームとの決戦シーンなどは迫力の立ち回りで、舞台作品ならではの魅力だ。映画とは違う、生身の人間が演じる面白さもしっかりと伝えた。人として大切なものを問うテーマなども、現代的。40年愛され続けているこの名作の舞台化を今やる意義もひしひしと伝わってきた。初日の前には、キャストと原作の松本零士が登壇する会見も。松本は「ひと言ひと言、キャラクターの名前も何もかも、小学生の頃から一生懸命考えていた“憧れ”なんです。自分の少年の日からの夢、信念を皆さんに実際に演じていただける。苦労して頑張っていただいていることがとても嬉しい」と感慨深げに語る。また中川は「この作品には夢も希望も詰まっています。見どころはたくさんありますが、宿敵であるプロメシュームとの戦い、そしてその娘であるメーテルとの旅の中で鉄郎は自分の役割を果たし、最後に鉄郎とメーテルがファーストキスをします。このキスの向こうにあるものをぜひ皆さんに感じていただきたい。甘酸っぱい気持ちもありますが、ピリっと刺激的なメッセージも含まれているかもしれません。どうぞ劇場に足をお運びください」とアピールした。公演は4月29日(日・祝)まで同劇場にて上演。その後5月10日(金)から12日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールでも上演される。チケットは発売中。
2019年04月23日宝塚歌劇雪組公演『壬生義士伝』『Music Revolution!』の制作発表会が4月17日に都内にて開催された。確かな実力で宝塚の人気を牽引するトップコンビ、望海風斗と真彩希帆率いる雪組が、お家芸の日本物と、“音楽”にフィーチャーしたショーの2本立てを上演する。会見にはトップコンビのほか雪組スター彩風咲奈、『壬生義士伝』原作者の浅田次郎らも登壇。意気込みや期待を語った。チケット情報はこちら『壬生義士伝』はドラマ化、映画化もされた同名のベストセラー小説が原作。貧困にあえぐ家族を救うために脱藩し新選組隊士になった南部藩の下級武士・吉村貫一郎を主人公に、武士としての義、家族への愛、友との友情などの人間ドラマを描いた物語だ。その劇中歌2曲を中心に、望海、真彩、彩風の3人によるパフォーマンスからスタートしたこの日の会見。パフォーマンス中には南部弁も披露、物語の一端を3人がしっとりと切なく演じ上げた。吉村貫一郎を演じる望海は「この作品をやると発表された時の皆さまの反響が大きく、ファンが多いことを感じた。この浅田先生の書いた涙なしでは読めない素晴らしい作品に、いまの雪組が挑戦させていただけることを大変嬉しく思います」と挨拶。現在すでに稽古が始まっているとのことだが「南部弁をいかに自然にしゃべるか、そしてそれがきちんとお客さまに届くか、ということを考えながらお稽古していきたい」という苦労も語った。原作者である浅田次郎は「週刊文春で1年半という長期連載だった。400字詰め原稿用紙で1200枚もある長い長い話、どこをどう削ったら制限時間(上演時間)におさまるのか。これは相当の高等技術(笑)。映画化されたときの滝田洋二郎監督も同じようなことを仰っていましたが、(今回も)大変楽しみにしております」と少々捻くれた角度からのエールを送りつつ、「私は日本人の魂をこの小説に込めたつもり。できれば(舞台化を機に)より多くの世代を超えた方々にこの小説をもう一度お読みいただいて、思うところがあれば嬉しい」とも話した。また、演出の石田昌也が「宝塚のトップスターが比較的名もない下級武士で、センターになかなか来れない、という難しい問題があります」と話すように、宝塚歌劇団で上演されるには珍しいタイプの物語。だが望海は「今お稽古をしていても、近藤勇や土方歳三が真ん中にいて、私は端っこの方に並んでいます。でも吉村が真ん中にきてしまったらおかしい。その中で人としての在り方を出していけたら。登場した瞬間「望海はどこだ」となるかもしれませんが(笑)、ひとつの作品としてきちんとまとまるよう、みんなで作り上げていきたい。そういう作品に今の雪組で挑戦できることは楽しみですし、大きな挑戦であると感じています」と意気込みを語った。公演は5月31日(金)から7月8日(月)まで兵庫・宝塚大劇場、7月26日(金)から9月1日(日)まで東京宝塚劇場にて上演される。兵庫公演は4月27日(土)、東京公演は6月30日(日)にそれぞれ一般発売開始。
2019年04月18日日本を代表する演出家・栗山民也が手掛けるオリジナルのミュージカル『ハル』の大阪公演が、4月22日(月)から梅田芸術劇場で幕を開ける。栗山に話を聞いた。ミュージカル「ハル」チケット情報同作は、子ども時代に患った病を乗り越え、元気な体を手に入れたものの、やりたいことが見つからず、本音を話す友達もいない高校生のハルがボクシングに出会う物語。ハルを薮宏太(Hey!Say!JUMP)、ハルをボクシングに誘う真由を北乃きい、ハルの幼なじみの修一を七五三掛龍也(Travis Japan/ジャニーズJr.)と若手が顔を揃え、東京公演は大好評だった。栗山は「劇場は薮君のファンでいっぱい。今、若い世代が演劇から遠ざかる時代だからいいことですよね。薮君はボクシングジムにも通い、本当に真摯に役と向き合ってくれています」と話す。ハルは絶えず周りの評価を気にし、自分には生きる価値がないと思い込んでいる人物だ。「今の若い人たちの震えや恐れなどヴィヴィッドな精神を主題にしたかった。中でも描きたかったのは、“ぶつかる”ということ。今の人たちは恋をしない、人と向き合わない。傷つくことを恐れ、ネットばかり見て自分の世界に入ってしまう。演劇とはぶつかるものでしょう。ぶつからないような演劇もあるけど、僕は好きではない。これ以上、ぶつかるものはないだろうとボクシングが題材になったのです」。脚本・作詞を高橋亜子、作曲・音楽監督を甲斐正人が担当。震災やさびれていく街など、今の日本の現状を浮き彫りにした背景も、切実に胸に迫ってくる。「シェイクスピアの言葉にあるように、演劇は時代を写す鏡。虚構の世界から真実が見えてくる。今の時代を裸にしたミュージカルを作ることで、新しいものが見えてこないかと」。キャラクターは何を今、訴えようとしているのか。キャラクターと会話し、それを役者が自分で発見しない限り、嘘の表現になるという。「引き出しはあくまでも技術であり関係ない。稽古場は新しい引き出しを作る場所。皆、型にはまった同じような歌い方や演じ方はしてほしくない。いろんなジャンルの人が集まり、基本がバラバラだからこそぶつかり合い、面白い効果になるんです」。薮をはじめ、キャストは引き出しを見つけ、舞台に立つことが楽しくなっているそうだ。また、“命とは何か”を問うラストにも注目だ。「物語をひとつ観客に渡すときは、たとえ3時間上演したとしても、その世界が見えてくるわけではない。でも、ちょっとした糸口や出発点に誘うことができるだろう。あとは観客ひとりひとりが想像力を働かせることが導きになる。無理やり結論を作ると、観客は安心するでしょう。でも物語は安心ではないから。人間の運命をギリギリのところで今の時代と照らし合わせて作る。その鋭利な姿勢を忘れてはいけないと思います」。ミュージカル『ハル』大阪公演は、4月22日(月)から28日(日)まで、梅田芸術劇場メインホールにて上演。チケット発売中。取材・文:米満ゆうこ
2019年04月18日薮宏太(Hey! Say! JUMP)が主演を務めるミュージカル『ハル』の東京公演が大盛況のうちに終了。4月22日(月)より大阪公演が開幕する。ミュージカル「ハル」チケット情報本作は、脚本・作詞を高橋亜子、演出を栗山民也、音楽を甲斐正人でつくりあげたオリジナルミュージカル。病を乗り越えボクシングに挑戦する主人公・ハル役を約10年ぶりの単独主演となる薮、ヒロイン・真由役を北乃きいが演じるほか、安蘭けい、栗原英雄、七五三掛龍也(Travis Japan / ジャニーズJr.)、梅沢昌代、今井清隆らが出演する。高校生のハル(薮)は、再開発が頓挫し寂れた小さな田舎町で母(安蘭)とふたりで暮らしている。子供の頃に患った病を乗り越え、元気な体を手に入れたハル。しかしどこか虚しい日々を過ごしていた。そんなとき、真由(北乃)と出会う。真由に誘われ、ボクシングを始めるハル。その楽しさにのめり込んでいくうちに、ハル自身はもちろん、彼を囲む人々も少しずつ変化していく。母との関係、過去のトラウマ、世間との葛藤…ハルが自らの人生と向き合い始めた頃、町にも変化がおとずれる───。「病を克服した少年」という言葉から自動的に連想される、希望や輝きなどとはある意味逆の面持ちで暮らすハル。病気になる前までは無邪気で元気だったのに、病気を克服してからは心を閉ざした覇気のない生活をしていた。それはなぜなのか。本人だけではなく、母親や親友という周りの人間たちの思いが絡み合い生まれた複雑な状況が、歌で、芝居で、丁寧に描かれる。そこに突然現れる真由という存在。ハルの過去とも現在ともつながっていない新しい人物との出会いは、ハルの閉鎖的な気持ちに大きな風穴を開ける。真由の「あなたを知りたい」という言葉から生まれる安心、正直になる心、初めて口に出す言葉……。たったひとりの存在がもたらす変化、広がっていくハルの世界は、観ていて救われるようだった。さまざまな思いを抱えるハルを演じる薮の歌声と、北乃ののびのびとした歌声が、時に離れ、時に重なりながら物語は動いていく。さまざまな立場の人たちの前向きな気持ちも後ろ向きな気持ちも掬いながら結末へと進んでいくなかで、幅広い楽曲の数々が登場人物それぞれの繊細な気持ちをあぶり出し、物語をより深いものにしていた。関西テレビ放送開局60周年記念 ミュージカル「ハル」は、4月22日(月)から28日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演。
2019年04月18日金管楽器、打楽器を中心とした60種類以上の楽器を演奏しながらミュージシャンがダイナミックに動き回り、ダンサーはカラフルな旗やバトンを操って空間を演出。そうして魅せる、聴かせる音楽は、誰もが知る、だが独創的なアレンジで生まれ変わったディズニーの名曲の数々! 47都道府県ツアーを成功させるなど、日本でも人気の「ブラスト!:ミュージック・オブ・ディズニー」が2年ぶりに帰ってくる。その製作発表が行われ、キャストから石川直(パーカッション)、米所裕夢(トランペット)、リサ・チャペル(トロンボーン)の3名、スペシャルサポーターの武田真治、小島瑠璃子が出席した。【チケット情報はこちら】武田はサックス奏者としてもおなじみ、そして小島も元吹奏楽部とあって、本作のサポーターには適役。約3分に9曲のディズニーナンバーを詰め込んだ「ブラスト!:ミュージック・オブ・ディズニー」の魅力が凝縮のメドレーが生演奏されると、興奮を隠しきれない様子。「キレッキレ! 3人でこの迫力なのに、本番は35人ですから」(武田)「迫力もあるんですけど、音は1個1個丸くてものすごく洗練されている。素晴らしい!」(小島)「ディズニーの楽曲はワンフレーズ取り出しただけでも、その映画やアニメが目の前に広がりますね。その作品に触れた頃の自分の思い出の中にもグッと入っていけます」(武田)「アメリカでは『ブラスト!』を“魔法にかかった時間”と表現したりするんですが、魔法をかけるという意味では最高峰のディズニーとの相性は抜群。言葉なしの、音楽とパフォーマンスだけで様々な感情を伝えられるのが『ブラスト!』で、僕もその魅力にとりつかれたひとりです」(石川)そう語る石川は、2000年に入団以来、日本とブラストとの架け橋となって魅力を伝え続けてくれている“ミスター・ブラスト”。20年目という節目を機に、メインキャストからの卒業が発表されている。ブラスト愛を爆発させる、渾身のパフォーマンスを見届けないわけにはいかない。加えて、この場でサプライズ発表されたのが、東京公演初日(8月20日(火)のみ)の武田真治のゲスト出演! 唯一のサックス奏者として、ブラストの一員に加わる。「すごいことなんですよ! この上ない幸せで今から興奮しています。世界の壁を思い切り肌で感じながら学ばせていただきたい。一生懸命頑張ります!」(武田)「筋肉体操をトレーニングに取り入れてもいいかも(笑)」という石川に、「いや実際のところ、素晴らしい演奏をするためには本番前はあまり疲れない方がいいと思います」と、武田がマジメに返すひと幕も。真剣勝負のパフォーマンスが期待できそうだ。令和になって初の「ブラスト!」。新しい時代は、会場全体がハッピーに包まれる最高峰のエンターテインメントとともに迎えたい!「ブラスト!:ミュージック・オブ・ディズニー」は、7月10日(水)に山形で開幕したのち、9月16日(月・祝)まで、全国を巡演。取材・文:武田吏都
2019年04月17日都内某所のライブハウスで、4月中旬、舞台『BACKBEAT』の製作発表が行われた。本作は“5人目のビートルズ”と言われるスチュアート・サトクリフを中心に、ハンブルクでの巡業時代のビートルズ創成期が描かれる。この日は翻訳・演出を手がける石丸さち子のほか、キャストの戸塚祥太、加藤和樹、辰巳雄大、JUON、上口耕平、夏子、鈴木壮麻、尾藤イサオが登壇した。【チケット情報はこちら】会見冒頭に披露されたのは、バンドメンバーキャストによる『ロックン・ロール・ミュージック』と『ラブミー・テンダー』の生演奏。ハンブルク時代、ビートルズはカバー曲を演奏することが多く、この2曲も作品を象徴する重要な楽曲となる。ジョン・レノン役の加藤がボーカルを務める『ロックン~』では、熱い歌声とパワフルな演奏でバンドとしての一体感を見せ、『ラブミー~』ではスチュワート役の戸塚がボーカルを取り、恋人のアストリッド・キルヒヘルへの想いを情感たっぷりに歌い上げた。続いて全登壇者が登場。まず石丸から「本編ではビートルズのカバー曲を中心に20曲以上を生演奏します」との驚きの発表が。そのためすでにバンドメンバーは、2月から楽器のレッスンを始めていたという。だが観客の前で演奏したのは初とのことで、「今すごく気分が高揚しています!バンドマジックを体験してしまいました」とは戸塚。加藤も「初めてひとつになった瞬間でした。このバンドのグルーヴ感をもっと高めていきたい」と意気込む。辰巳はほぼギター初心者だったとのことだが、「もうすっかり味をしめちゃったので、このバンドメンバーでライブツアーをやりたいです!」との大きな夢を明かした。ビートルズがライブを行っていたクラブのオーナー、ブルーノ・コシュミダーなどを演じる尾藤は、1966年のビートルズ初来日時、彼らの前座として同じ日本武道館のステージに立っている。そんな尾藤に「皆さんの演奏、とってもグーでした」と言われると、バンドメンバーの顔にも安堵の色が。さらにビートルズ来日時のエピソードとして、「内田裕也さんも出ていたので、日本のアーティスト代表として一緒にプレゼントを渡そうということになったんです。でもとにかく警備が厳しくて!彼らの楽屋まであと3メートルというところで止められて、結局会えずじまいでした」との貴重な話も飛び出した。かつて世界中を熱狂させたビートルズ。今度はこの『BACKBEAT』の面々が、日本の観客を熱狂させてくれるに違いない。5月25日(土)から6月9日(日)まで東京・東京芸術劇場プレイハウスにて上演後、兵庫、愛知、神奈川を巡演。取材・文:野上瑠美子
2019年04月17日2016年の初演が全公演ともに完売し、日本中を熱狂の渦へと巻きこんだ「キンキーブーツ」。今回の再演では、大好評を博した小池徹平・三浦春馬の主演コンビを始め、ほとんどのキャストが続投。パワーアップをして帰ってきた。【チケット情報はこちら】今回、4月16日の開幕に先駆け、囲み取材と公開ゲネプロが行われ、取材には、靴工場「プライス&サン」のオーナーであるチャーリー・プライス役の小池徹平、その靴工場の専属デザイナーとなるドラァグクイーンのローラ役の三浦春馬、本作の演出・振付を手がけるジェリー・ミッチェルの他、ソニン、玉置成美、勝矢、ひのあらたなどの豪華なメンバーが登壇した。イギリスの田舎町にある老舗の靴工場「プライス&サン」の跡継ぎとして育てられたチャーリー(小池)は、父親の急死により、自らの意に反して工場を継ぐことになってしまう。倒産寸前である工場を立て直すため、“新しい市場”を開発するべく、ドラァグクイーンのローラ(三浦)にヒントを得たチャーリーは、危険でセクシーなドラァグクイーンのためのブーツ“キンキーブーツ”をつくる決意をする。型破りなローラと保守的な靴工場の従業員たちとの軋轢に悩みながらも、チャーリーはキンキーブーツに工場の命運をかけたプロジェクトを推し進めるが……。今回の日本人キャスト版の再演について、ブロードウェイのオリジナル版の演出・振付も手がけるジェリー・ミッチェルが「ほとんどのキャストが3年前の上演時と同じメンバーで戻ってきてくれた。それだけ作品を皆さんが愛してくれたということ。そして、このショー自体が非常に愛と信頼関係、そして相手をそのまま受け容れるということがテーマになっているが、その信頼関係があってからこその再演だと思っている。キンキーブーツに対する愛は私もそうですし、ニューヨークのシンディ・ローパーも同じ気持ちだと思う」と喜びを語ると、三浦も「1度やっているので、みんなのチームワークはそのままに、今回はそれぞれが3年間学んできたことをシェアしながら稽古できたと思っている」と手応えを語った。また、小池も「すごく安心感のあるカンパニーで、みんなの絆が稽古期間中により深まった。ようやく皆さんに見ていただけるので、本当に楽しみです」と笑顔を見せ、作品の完成度の高まりをアピールした。公演は5月12日(日)まで、東京・東急シアターオーブにて上演。その後5月19日(日)から5月28日(火)まで大阪・オリックス劇場にて上演。
2019年04月16日集英社「週刊少年ジャンプ」で連載中の古舘春一のバレーボール漫画「ハイキュー!!」。2015年にハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」と題して舞台化、これまで数々の名勝負を繰り広げてきた。そして2018年10月の前作で主役の烏野高校キャストが卒業。2019年4月、物語の舞台を宮城から東京へと移し、音駒高校を中心とした新章が幕を開けた。【チケット情報はこちら】春の高校バレー東京都代表の座をかけ、音駒高校、梟谷学園高校、戸美学園高校が熱戦を繰り広げる“東京の陣”。演出・脚本のウォーリー木下がゲネプロ前の会見で「映像、振付、音楽を刷新。まだまだ進化している」と話したように、巨大モニターやLEDなどデジタル技術をふんだんに取り入れつつも、役者たちの身体能力を最大限に生かしたアクロバットやパフォーマンスでも魅了した。狙った獲物を抜群の瞬発力で仕留める音駒高校。チームの中心人物は永田崇人演じる狐爪研磨と近藤頌利演じる黒尾鉄朗で、静と動という対照的な存在が鮮やかだ。思慮深い狐爪を軸に、黒尾らチームメイトが彼の周辺で大きなうねりを見せた。お祭り騒ぎのように盛り上げる梟谷学園高校は、中心人物の木兎光太郎役を桜庭大翔が熱演。長身を生かした熱血プレイヤーを演じた桜庭は、初舞台とは思えぬ頼もしさを見せた。巧みな心理戦で相手チームをじわじわと追い詰める、狡猾で冷血な戸美学園高校。その頭脳である大将 優役を演じた福澤 侑は、ポーカーフェイスで相手を惑わせる難役をクールに演じ、勝負のゆくえを見守る観客をも翻弄した。試合の見せ方も絶妙だ。ネットやコートをほぼ介さず、混然一体となりながらも、アクロバットやフォーメーションでバレーボールという競技の醍醐味を味わわせてくれた。もちろん青春群像劇の要素もふんだんにちりばめ、バレーに駆ける彼らのかけがえのない一瞬一瞬をキラキラと映し出していた。シリーズも7作目。これまでを知るファンの方には新鮮に描く一方、山本あかね役の重石邑菜と灰羽アリサ役の楓がストーリテラーの役どころとなり初心者を誘う。“東京の陣”の背景や展開を分かりやすく解説するふたり。彼女たちの存在が、今作から演劇「ハイキュー!!」の世界に飛び込んでも躊躇なく楽しめることを保証している。ヒップホップの要素もさらに取り入れ、試合中もキャストたちが会場をあおっていく。“観るだけ”にとどまらない、演劇「ハイキュー!!」ならではのエンターテイメントをぜひ体感してほしい。4月14日(日)まで、大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演後、20日(土)・21日(日)は宮城で公演を実施。東京公演は4月27日(土)から5月6日(月・休)まで、東京・TOKYO DOME CITY HALLにて。取材・文:岩本和子
2019年04月15日