新国立劇場2022/2023シーズン演劇『モグラが三千あつまって』が開幕し、舞台写真と演出・長塚圭史よりコメントが到着した。本公演は、『音のいない世界で』『かがみのかなたはたなかのなかに』『イヌビト~犬人~』と、「こどもも大人も楽しめるシリーズ」として新国立劇場で作品を発表してきた長塚圭史の最新作。4作目となる今回は、武井博の児童文学『モグラが三千あつまって』を音楽劇として舞台化した。長塚圭史がこどもの頃に読み、衝撃を受け、いつか舞台化したいと長年あたためてきた企画に、トップクリエーターたちが集結。振付は、これまでの「こどもも大人も楽しめるシリーズ」すべての作品の振付を手掛けてきた近藤良平。音楽は『イヌビト~犬人~』に続き、阿部海太郎が担当する。キャストは、吉田美月喜、富山えり子、小日向星一、栗原類の4名がいくつもの役を演じ分け、歌あり、踊りあり、さらに楽器演奏まで披露する。左から)富山えり子、小日向星一■作:長塚圭史 コメント子供の頃読んだ私にとって特別なこの本を、凡そ40年後、これほど豪華なクリエーターと、可能性に満ち溢れた4人の魅力いっぱいの俳優と、全力で情熱を注いでくれるスタッフたちと共に立体化できるなんて!全くもって夢のようです。世界中の少年少女に伝えたいです。大人になるのも捨てたもんじゃないぞと。この気持ちは初めてです。非常に豊かな創作期間を与えてくれたこと、そして2012年よりこのシリーズを続けさせてくれたこと、新国立劇場に心より感謝致します。力強い作品になったと思います。是非劇場へいらしてください!<公演情報>『モグラが三千あつまって』7月14日(金)~30日(日)会場:新国立劇場小劇場チケットはこちら:原作:武井博上演台本・演出:長塚圭史振付:近藤良平音楽:阿部海太郎出演:吉田美月喜、富山えり子、小日向星一、栗原類【あらすじ】南の海に浮かぶ三つの島。北の島に住むモグラ族は自分たちで食べ物をつくることに成功したが、西の島に住むネコ族、東の島に住むイヌ族は毎年モグラ族からタロイモを盗んでいた。いつまでも負けてばかりはいられないモグラ族は知恵もののマチェックと度胸のあるバンゲラ親分を中心に、戦いに備えて大きな地下都市をつくり始める。ある日、やきいも隊長に率いられたイヌ族が攻め込んでくるが、モグラ族は知恵をふりしぼって見事にイヌ族を追い払う事に成功する。しかし、勝利に酔いしれ、すっかり眠り込んでいたモグラたちの島へ、今度はガンペッタ王率いるネコ族がタロイモを盗みに攻め込んでくる……。
2023年07月15日長塚圭史演出の音楽劇「モグラが三千あつまって」の開幕を前に7月12日(水)、稽古の一部が公開され、その後、長塚をはじめ、振付の近藤良平、音楽の阿部海太郎、キャストの吉田美月喜、富山えり子、小日向星一、栗原類が出席して会見が行われた。長塚が新国立劇場にて取り組んできた「こどもも大人も楽しめるシリーズ」の4作目となる本作。長塚自身が「9歳の頃に読んで、強い衝撃を受けた」という武井博の児童文学を原作に、モグラ族、ネコ族、イヌ族の食料を巡る攻防を描き出す。吉田らキャスト陣は、たった4人で約三千匹のモグラ族をはじめ、イヌ族、ネコ族、合計約四千匹弱を表現する。この日は、冒頭のモグラ族の面々がどうやって食料のタロイモを守るかを話し合うシーン、ダックスフントたちがモグラ島に上陸してタロイモを掘り起こすシーンが公開。歌やダンスを組み合わせ、一族の存亡を懸けた争いのさなかにありつつも、どこかコミカルなやりとりが展開された。長塚は“こどもも大人も楽しめる”としつつも「この先に展開する世界は決して甘くはありません。争いを起こしてはならないというメッセージも入っていて、戦争というものを考えさせる作品になっており、2023年にやるべきと思い、提案しました」と語る。振付を担当した近藤は、長塚から「4人を三千に見せるのがあなたの仕事」と“圧”をかけられたそうだが「無理難題で大変でしたが(苦笑)、イマジネーションを働かせるのが大事になってくる」と語る。また、劇中でキャスト陣が楽器を演奏するシーンもあるが、音楽を担当した阿部は、戦火のウクライナでシェルターに避難した人々が楽器を演奏する姿にインスピレーションを受けたそうで「(モグラが)地下で演奏するという風景がよぎった」と明かした。舞台初主演となる吉田は、劇場にやってくる子どもたちの存在を念頭に「初めて劇場に来るというお客さまもいると思いますが、想像力をかきたてられる作品をお届けできるのが嬉しい」と語る。栗原は、これまで演じたことのないような“鬼教官役”をはじめ「一人で6役以上をやらないといけないし、早替えや移動もあって…」と苦労を口にしつつ「楽しい気持ちで過ごしています」と充実した表情を見せていた。なお、本作では4歳~小学生の観客向けに公演終了後に舞台装置などを見られるガイドツアーを行なうなど、様々なスペシャル企画が実施される。「モグラが三千あつまって」は新国立劇場にて7月14日(金)より上演。取材・文:黒豆直樹
2023年07月14日長塚圭史が上演台本・演出を手がけ、夏休みシーズンに東京・新国立劇場にて上演される「こどもも大人も楽しめるシリーズ」の最新作、『モグラが三千あつまって』。長塚はこれまでも同劇場で『音のいない世界で』(2012年)、『かがみのかなたはたなかのなかに』(2015年・17年)、『イヌビト ~犬人~』(2020年)などで子どもと大人に向けた作品を発表してきたが、今回は武井博の児童文学を原作に、振付を近藤良平、音楽を阿部海太郎に託した。劇中では南の海に浮かぶ3つの島を舞台に、食料のタロイモをめぐって争いを繰り広げるモグラ族、イヌ族、ネコ族の姿が描かれる。7月14日(金) の開幕を約20日後に控えた6月下旬、ぴあアプリ編集部は新国立劇場バレエ団プリンシパル・米沢唯による本作の稽古場訪問に同行した。『モグラ〜』と同じ7月に予定されている「新国立劇場 こどものためのバレエ劇場2023エデュケーショナル・プログラム『白鳥の湖』」において主演のオデット(白鳥)・オディール(黒鳥)を務める米沢に、稽古からどんなインスピレーションを得たか尋ねてみると──。新国立劇場バレエ団プリンシパル・米沢唯長塚圭史・阿部海太郎が追求する、キャラクターとしての自然な反応左から)音楽の阿部海太郎、振付の近藤良平、上演台本・演出の長塚圭史撮影:田中亜紀モグラが3000匹も登場する物語ながら、出演者はたったの4人──。観客を劇世界へいざなうキャストには吉田美月喜、富山えり子、小日向星一、栗原類が名を連ねる。稽古前には、ストレッチやウォーミングアップ、スタッフとの小道具確認、台本を熱心に読む者など、それぞれに稽古へと備える。定刻になると、稽古は発声練習から始まった。唇を震わせながら行うリップロールや、動物の鳴き声を彷彿とさせる「ウォウウォウ」をはじめ、「フィー」「ぬぉんぬぉん」といった多様な音を用いる。表情筋を大きく動かしながら笑顔や泣き顔をつくったり、口の前に指を当て息の漏れ具合を確認したり、各自がそれぞれ「効果」を意識しながら基本動作を繰り返している様子が伝わってきた。次に行われたのは、音楽の阿部海太郎による歌稽古だ。阿部はまず「動きなし」で各ナンバーを確認し、調整後に「動きあり」で同じナンバーを繰り返し稽古した。こだわっていたのは、キャラクターとしての自然な動きと歌声を両立させること。キャストがそれぞれ修正点を反映すると魅力的なシーンに変貌を遂げ、阿部も「すごくいいですね!」と褒め称えた。イヌ族を退治しようとするモグラ族の知恵者マチェック役の吉田は、戦果を澄んだ声でひたむきに歌い上げる。富山は落ち着きのある低音で、度胸あるモグラ族のバンゲラ親分を体現した。新国立劇場演劇『モグラが三千あつまって』稽古風景撮影:田中亜紀新国立劇場演劇『モグラが三千あつまって』稽古風景撮影:田中亜紀特筆すべきは、四方の客席が中央にある円形ステージを取り囲む美術セットだろう。円形ステージの下もアクティングエリアになっており、ウクレレや小さなドラムセットなど楽器を仕込んだセンターステージの中でキャストが演奏する場面も見受けられた。イヌ族やネコ族の襲来から身を守るために「地下都市をつくろう」と提案するモグラ役の小日向は、はじくと高い音が出るハープのような楽器、鈴、吹き戻し(笛)を次々と繰り出しながらセットの中をかがんで駆け回る。新国立劇場演劇『モグラが三千あつまって』稽古風景撮影:田中亜紀新国立劇場演劇『モグラが三千あつまって』稽古風景撮影:田中亜紀その後に行われた芝居稽古(小返し)では、長塚の演出が光った。論点は、イヌ族が掘り起こしたタロイモが無防備に積み上げられているのを「モグラ族の罠ではないか」と訝しく感じているネコ族の様子をどのように表現するか。長塚は「目の前で起こっている事態が都合が良すぎて怪しすぎる、と反応すればいい」とアドバイス。ネコ族ガンス隊長役の栗原は真摯に耳を傾けていた。米沢唯「細部にこだわることで『白鳥の湖』にもリアリティを」キャストと同じくらい、長塚の言葉に熱心に耳を傾けていた米沢。もともと演劇が好きで、所属する新国立劇場で上演された『音のいない世界で』『かがみのかなたはたなかのなかに』『イヌビト~犬人~』を見届けている長塚作品ファンでもある。演劇の稽古を見学したのはこれが初めてらしく、「すごく楽しかったです!」「ずっと観ていられる」「一日中、稽古場にいられると思いました」と興奮しきりだった。新国立劇場演劇『モグラが三千あつまって』稽古場を訪れた米沢唯「目線をどのタイミングでどのように動かすか、セリフをどんな間でどのように発するか、細部にこだわることでリアリティが生まれるのは、バレエにも通じます」と『モグラ〜』稽古見学を経ての気づきを口にする。今夏の『白鳥の湖』ではストーリーをまっすぐ受け止める子どもの観客やバレエ鑑賞初心者が多いぶん、「お客様を劇世界に没入させるだけのリアリティを追求しないと」と背筋を伸ばしていた。取材・文:岡山朋代■新国立劇場の演劇『モグラが三千あつまって』チケット情報■こどものためのバレエ劇場2023エデュケーショナル・プログラム「白鳥の湖」チケット情報
2023年07月06日舞台『モグラが三千あつまって』が、7月14日(金) から30日(土) に新国立劇場 小劇場で上演される。長塚圭史による「こどもも大人も楽しめる」シリーズの最新作となる『モグラが三千あつまって』は、NHK『ひょっこりひょうたん島』の企画・演出を手がけた武井博の同名児童文学を原作とした音楽劇。1984年に出版された約40年前の児童向け小説ながらも、現在の世界情勢にも通ずる動物たちの攻防戦、そして平和への願いが物語を通して描かれている。長塚は子どもの頃に本作を読んだ際に衝撃を受け、いつか舞台化したいと長年あたためていたという。出演者は吉田美月喜、富山えり子、小日向星一、栗原類の4名。いくつもの役を演じ分け、歌あり、踊りありの音楽劇として上演される。振付はこれまでのシリーズすべての作品を手がけてきた近藤良平、音楽は、NHK連続テレビ小説『らんまん』の音楽も手がける阿部海太郎が務める。■長塚圭史(上演台本・演出)コメント作者の武井博氏はプロデューサーとしてNHK『ひょっこりひょうたん島』の企画・演出を手掛けていました。この童話は、武井さんがある朝、自宅の庭でモコモコと土中から現れた或るモグラから聞いたお話だそうです。とても不思議なことですが、そんなこともあるのかもしれません。私がこの本に出会ったのは9歳の頃。おそらくこの童話本に出会った少年少女は、少なからず衝撃を受けたのではないかと思います。少なくとも私はその一人です。知恵者モグラのマチェックが仲間たちと共に、大きな体のイヌやネコを相手に大活躍する冒険譚として読み進めていると、思いがけない展開に息を呑むことになりました。戦争が奪うものの恐ろしさは人間界も動物界でも変わりません。これは戦争を生で体験した作者の思いがぎっしりと詰まった、心揺さぶる童話です。出演者はモグラが三千匹も出てくるのに4人です。イヌ族ネコ族も出てくるのに4人。こんな途方もないようなことを成し遂げるには、やっぱりお客さまの力が必要です。舞台をぐるりと囲んで、一緒にこの物語を紡いでいただければと思います。音楽に阿部海太郎さん、振付は近藤良平さん。とにかく劇場を縦横無尽に駆け回り、私が子どもの頃から愛するこの隠れた名作に、新たな命を全力で吹き込みたいと思います。<公演情報>舞台『モグラが三千あつまって』7月14日(金) ~30日(日) 新国立劇場 小劇場※プレビュー公演:7月8日(土)・9日(日)舞台『モグラが三千あつまって』ビジュアル原作:武井博上演台本・演出:長塚圭史振付:近藤良平音楽:阿部海太郎キャスト:吉田美月喜 富山えり子 小日向星一 栗原類チケット情報はこちら:詳細はこちら:
2023年05月17日■ ポイント●半水生のカモノハシと陸生のハリモグラは検知できる苦味物質の種類が大きく異なることを解明。●ヒトを含む全ての哺乳類と同様に、植物などに含まれる有毒な配糖体を苦く感じることも解明。●哺乳類進化の始まりである約2億年前から、植物毒を苦く感じる能力が維持されてきたことを示唆。■ 概要北海道大学大学院地球環境科学研究院の早川卓志助教と、明治大学研究・知財戦略機構の糸井川壮大研究推進員は、京都大学、アデレード大学、オーストラリア国立大学、コペンハーゲン大学との国際共同研究チームをつくり、卵を産む哺乳類(単孔類)であるカモノハシとハリモグラが持つ苦味センサータンパク質(苦味受容体)の機能を網羅的に分析しました。水中の多様な生物を食べるカモノハシは、幅広い種類の苦味物質を検知できる万能型苦味受容体を持つが、アリ・シロアリ食に特化したハリモグラは、カモノハシのような万能型受容体を持たず、検出できる苦味物質が少ないことが分かりました。ハリモグラがアリやシロアリを専門に食べるようになったことで苦味の重要性が下がり、限られたものにしか苦味を感じなくなった一方で、水中で様々な生物を摂食するカモノハシは苦味受容体を使って食べられるものの選択を行っている可能性を示しています。さらにカモノハシやハリモグラでも、植物などに含まれる有毒な配糖体を検知する苦味受容体は残されており、この苦味受容体の機能はヒトを含む全ての哺乳類グループで共通のものであることも分かりました。ヒトやその他の哺乳類がカモノハシ・ハリモグラと分かれたのは約2億年前まで遡ります。大型恐竜が繁栄し、花を咲かす被子植物の多様化が始まろうとしていた時代です。恐竜と競合しながら、植物や昆虫などの毒を含みうる食べ物を口にして進化した哺乳類において、苦味感覚の進化が非常に重要であったことを本研究は意味します。なお、本研究成果は、日本時間2022年6月1日(水曜)公開のMolecular Biology and Evolution誌に掲載されました。研究対象の単孔類と有袋類。単孔類(A)カモノハシ(B)ハリモグラ有袋類(C)フクロネコ(D)タスマニアデビル(E)コアラ(F)タマーワラビー■ 背景単孔類は私たちヒトと同じ哺乳類の仲間ですが、卵を産むという哺乳類の祖先が持っていた特徴を現在まで残す「生きた化石」とも呼べる存在です(上図、及び図1)。現在、単孔類はオセアニア地域に生息するカモノハシとハリモグラの2グループしかいませんが、それぞれが特徴的な生態を持っています。カモノハシは、湖沼や河川に生息し、水中で様々な無脊椎動物を食べて暮らしています。一方、ハリモグラは陸生で土や枯木の中のアリやシロアリを主食にしています。私たちはものを食べる時、味や匂いを基に食べ物の良しあしを判断します。こうした味や匂いを検知するシステムは、環境に対して高い適応力があるため、生存に必須でなくなった感覚が退化したり、特殊な環境に適応するために新しい感覚が進化したりすることが様々な動物で観察されています。研究グループは今回、毒物などの有害物質を検知し、適切な食物選択をするのに重要な味覚である苦味感覚に注目しました。脊椎動物の苦味感覚は、ゲノム中に数種類~数十種類ある苦味受容体TAS2Rが苦味物質を受け取ることで発生します。苦味受容体の機能と食性の関係は、霊長類やコウモリの仲間ではよく研究されていますが、哺乳類の進化を明らかにするためには欠かせない、有袋類や単孔類の研究は、今までほとんどありませんでした。そこで本研究では、カモノハシとハリモグラはどんな苦味感覚を持っていて、食性とどう関係するのか、そして、胎生哺乳類(*1)の苦味受容体との比較によって、哺乳類の祖先はどんな苦味感覚を持っていたのか、という問いに挑戦しました(図1)。■ 研究成果本研究の著者らを含む国際単孔類ゲノムプロジェクト(*2)において、単孔類は他の哺乳類と比べて苦味受容体遺伝子の個数が非常に少なく、ヒトは26種類持つのに対して、カモノハシは7種類、ハリモグラは3種類しか持っていないことが明らかにされていました。しかし、苦味受容体の中には単体で多様な苦味物質を受容できる「万能型受容体」が存在することも知られており、カモノハシやハリモグラが万能型受容体を持っているかどうかは不明でした。そこで研究グループはまず、この数少ない苦味受容体遺伝子が、非単孔類哺乳類(胎生哺乳類)のどの苦味受容体遺伝子と相同な関係にあるのかを調べました。その結果、単孔類の苦味受容体遺伝子のほとんどが、有胎盤類の苦味受容体TAS2R16(*3)を含む遺伝子グループと同じグループに含まれており、染色体上でも相同な位置にあることが分かりました(図2)。TAS2R16は植物などに含まれる防御物質の一つであるβグルコシド(*4)と呼ばれる配糖体を検知する苦味受容体です。βグルコシドの中には分解されると有毒な青酸(シアン化水素)を発生させる青酸配糖体と呼ばれるものもあります(例:タピオカの原料であるキャッサバ芋のリナマリン、ユーカリの葉のプルナシン)。次に、カモノハシとハリモグラの苦味受容体がどんな物質に反応するのかを培養細胞を用いて解析しました(図3)。その結果、カモノハシは、使用した苦味物質24種類のうち18種類の物質を検知できました。また、驚くべきことに、使用した苦味物質の半数を一手に検知できる万能な苦味受容体を持っていることも判明しました。このことは、カモノハシが苦味受容体数から想定される以上に多様な苦味物質を検知できることを示しています。カモノハシは、微弱な電気や機械刺激を検知して濁った水の中で効率的に食べ物を探せますが、食べるか否かの判断には苦味感覚も利用していると考えられます。一方、ハリモグラは、カモノハシが持つ万能型の苦味受容体を失っており、他の受容体もカモノハシよりも検知できる苦味物質の数が少ない傾向にありました。これは、ハリモグラがアリやシロアリに特化した食性を持っており、接触する苦味物質の種類が限られることが一因と考えられます。アリやシロアリといった限られたものしか食べないハリモグラにとって、多様な物質を検知できる苦味感覚はそれほど重要ではなく、限られた検知能力だけを残しているのかもしれません。有胎盤類のTAS2R16と近縁な単孔類の苦味受容体の一部は、βグルコシドを受容することも分かりました。また、比較対象として使用した有胎盤類のTAS2R16と有袋類のTAS2R705(有胎盤類のTAS2R16と相同な有袋類の苦味受容体)がβグルコシドの受容体であることも分かりました。このことは、植物や一部の無脊椎動物が持つ防御物質であるβグルコシドを苦味として検知する能力が、現生の哺乳類全般に広く共有された重要な能力であることを意味すると同時に、この能力が単孔類と胎生哺乳類が分岐する以前の初期哺乳類で既に獲得されていたことを示唆します。単孔類と胎生哺乳類が分かれたのは恐竜が全盛の時代だった2億年近く前までさかのぼります。しかし、現生植物に広く見られる有毒な青酸配糖体は、その生合成遺伝子の起源がさらに古い時代であるため、この当時には既に存在していたようです。つまり、有害な配糖体を苦味として検知する能力は、単孔類と胎生哺乳類が分岐する以前の初期哺乳類の採食選択に一定の役割を果たしていたことを示唆します。■ 今後への期待カモノハシやハリモグラは南半球の限られた地域にのみ生息し、野外での継続的な観察も難しいため、その生態には多くの謎が残されています。本研究では、培養細胞を用いた実験系を用いることで、苦味感覚という切り口から単孔類における遺伝子と生態の関連とその進化の一端を明らかにすることができました。しかし、今回解析した苦味受容体のうち、どの苦味受容体がカモノハシとハリモグラの舌や口の中で機能しているのかはまだ分かっていません。また、苦味感覚の生態的意義を明らかにする上で、野生下の個体が実際に食べているものに含まれる物質や接触する物質との関連を明らかにすることも重要です。今後は、本研究を基礎として、舌や口の中の遺伝子発現の分析や苦味物質が採食行動に与える影響の分析によって、謎多き動物・単孔類の味覚機能とその生態的意義の詳細が明らかになることが期待されます。■ 研究助成本研究は、日本学術振興会・科学研究費助成事業(16K18630, 18J22288, 18H04005, 19K16241, 19K21586, 21KK0106, 21KK0130)、同・二国間交流事業『日本とオーストラリアの絶滅危惧哺乳類の地球縦断型比較ゲノム研究の確立』(JPJSBP 120219902)、日本科学協会・笹川科学研究助成『哺乳類の味覚の進化的起源の解明を目的としたオーストラリア産有袋類・単孔類の味覚受容体の分子生態学研究』(29-534)等の助成により実施されました。■ 論文情報論文名Functional diversity and evolution of bitter taste receptors in egg-laying mammals(卵を産む哺乳類の苦味受容体の機能の多様化と進化)著者名Akihiro Itoigawa1,2*, Takashi Hayakawa3,4*, Yang Zhou5, Adrian D. Manning6, Guojie Zhang7, Frank Grutzner8, Hiroo Imai9*.*責任著者(1明治大学農学部農芸化学科, 2京都大学霊長類研究所, 3北海道大学大学院地球環境科学研究院, 4日本モンキーセンター, 5BGI-Shenzhen, 6オーストラリア国立大学, 7コペンハーゲン大学, 8アデレード大学, 9京都大学ヒト行動進化研究センター)雑誌名Molecular Biology and Evolution(分子進化生物学の専門誌)DOI10.1093/molbev/msac107公表日2022年6月1日(水)(オンライン公開)■ お問い合わせ先北海道大学大学院地球環境科学研究院 助教 早川卓志(はやかわたかし)TEL 011-706-4524 メール hayatak@ees.hokudai.ac.jp URL 明治大学研究・知財戦略機構/農学部農芸化学科 食品機能化学研究室研究推進員 糸井川壮大(いといがわあきひろ)メール ak.itoigawa0121@gmail.com ■ 配信元北海道大学社会共創部広報課(〒060-0808 札幌市北区北8条西5丁目)TEL 011-706-2610 FAX 011-706-2092メール jp-press@general.hokudai.ac.jp 明治大学経営企画部広報課(〒101-8301 千代田区神田駿河台1-1)TEL 03-3296-4082 FAX 03-3296-4087メール koho@mics.meiji.ac.jp ■ 参考図図1. 主要な哺乳類の系統関係と分岐年代。ゲノム解析から単孔類と胎生哺乳類は1億8760万年前(ジュラ紀)に分岐したと推定されている。図2. 哺乳類の苦味受容体遺伝子の系統関係。単孔類の苦味受容体のほとんどがTAS2R16を含む胎生哺乳類苦味受容体クラスターと同じグループに含まれる(黄色部分)。図3. カモノハシとハリモグラの苦味受容体の機能差■ 用語解説*1)胎生哺乳類ヒトのように発達した胎盤を持ち母親の子宮で胎児を育てる「有胎盤類」とカンガルーのように腹部にある袋(育児嚢)の中で未熟児を育てる「有袋類」の総称。*2)国際単孔類ゲノムプロジェクトカモノハシとハリモグラの全ゲノム配列を解読した国際プロジェクト。2021年に発表『カモノハシとハリモグラの全ゲノム解読に成功!~世界でたった2グループしかいない「卵を産む哺乳類」のゲノムの進化を解明~』 *3)TAS2R16ヒトでよく研究されている苦味受容体の一つ。βグルコシドが主要な受容物質で、マンノースやゲンチオビオースなど他の糖に由来する配糖体も一部受容できる。*4)βグルコシドグルコースに由来する配糖体。植物に広く見られ、一部の昆虫も産生する。捕食に対する防御などに用いられる。例:サリシン(ヤナギの樹皮)、アルブチン(コケモモ)、リナリマリン(キャッサバ芋)、プルナシン(ユーカリの葉) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年06月10日モデルの松川菜々花が3日、東京・新宿の紀伊國屋書店 新宿本店でデジタル書籍『FLASH デジタル写真集 シンモグラストーリー』(発売中 通常版:1,200円税抜き 光文社)の発売記念イベントを行った。『FLASH デジタル写真集 シンモグラストーリー』の発売記念イベントを行った松川菜々花ファッション誌『non-no』(集英社)の現役モデルで、次世代のモグラ女子として人気を博している松川菜々花。モデルやグラビア活動と並行しながら、現在はフジテレビ系『めざましテレビ』にも出演してお茶の間を沸かせている。そんな彼女のデジタル写真集は、今年2月に都内で撮影。インスタグラムとコラボレーションしたもので、インスタ映えを意識した写真はもちろん、水着姿を見せるなど、今の松川が凝縮された内容となっている。この日のために新調したという白のワンピース姿で初めての囲み取材に応じた松川は「すっごい緊張してます! 芸能人の囲み取材はテレビでずっと見ていましたが、実現したっていう感じですね(笑)」と思わず笑みをこぼした松川。「インスタグラムで1万イイね! が実現したら写真集を発売」という公約を見事に達成して同写真集が制作されたが、「こんなに『イイね』がいただけるとは思っていなかったので正直ビックリしました」と写真集発売に驚いた表情だったが、「普段の私もそうですが、身体にペイントを塗ったのが印象的で、絵画みたいな写真が収録されています。セクシーなのは水に濡れた写真。床に座ったまま水をかけらたんですが、室内で水をかけられるなんて普段はないことですから新鮮でしたね」とアピールした。元々はアイドルから芸能活動をスタートし、現在はモデルやグラビア、テレビの情報番組にと活躍中。「元々はファッションモデルとして活躍したくて夢を追いかけていました。『non-no』のモデルとなって、さらに上に目指したいので、テレビにいっぱい出たいです」とさらなる活躍に意欲を見せて、「今後は女優を目指したいですね。目標は石原さとみさんや同じ事務所の菜々緒さんのように幅広く活躍したいです」と今後の目標を。出演したいドラマとして「朝ドラは?」と報道陣が問い掛けると「出たいですね。でも朝ドラはレベルが高いですよ」と否定的だったが、気を取り直して「最終的にはそこで(笑)」と宣言した。
2018年06月03日ファッション誌『non-no』専属モデルの松川菜々花(19)が、4日発売の雑誌『週刊プレイボーイ』(3&4号・新春特大号)に登場。"モグラ女子"(モデルとグラビアの2つの分野で活躍するタレントのこと)として注目を集める水着姿を披露している。松川菜々花撮影はオーストラリアで行われ、開放感あふれるシチュエーションで弾けるような笑顔とスレンダーボディー&美くびれを披露。松川は自身のツイッターで、「本日発売の週刊プレイボーイさんに昨年行ったオーストリアでのグラビアが載ってます!!」「みんなGETしてね」と呼び掛けている。また、同じくオーストラリアで撮影したスペシャル写真集『モグラの女神様』が1日、集英社の『週刊プレイボーイ(週プレnet)』で発売。自身初の電子写真集となり、リリース直後から週プレnet内の総合ランキング1位を獲得した。松川のもとには、ツイッターを通じてファンから「かわいい」「セクシー」「めちゃめちゃ可愛かった」などの絶賛の声が寄せられている。1998年1月29日生まれの埼玉県出身。身長165センチ。「サブウェイ」「モンスターストライク」のCMなどで注目され、「GirlsAward 2016 SPRING/SUMMER」で初のランウェイを経験した。小学生の頃からモデルに憧れ、昨年4月に念願の『non-no』専属に抜てきされた。(C)佐藤裕之(C)週刊プレイボーイ
2018年01月04日モデルの泉里香、お笑いコンビ・ウーマンラッシュアワーの村本大輔が2日、都内で行われた映画『ラ・ラ・ランド』ブルーレイ&DVD/デジタル配信のリリース会見に出席した。今年の第89回アカデミー賞では最多6部門を受賞したほか、今年2月24日から劇場公開された日本では、興収43億円超えを記録するなど大ヒットした映画『ラ・ラ・ランド』。がブルーレイ&DVD化およびデジタル配信される。主演のエマ・ストーンが演じたミア・ドーランは、一人芝居の脚本を自ら書き記したことで大女優へと上り詰めるが、モデルとグラビアを始めたことでブレイクした泉は「自分が重なる部分もありました。本を出した時に、下着姿になったのがきっかけで下着のお仕事をもらったりしてここに至ります。自分の中で何かをすることは大切なんだと思いました」と主人公のミアに共感した様子。エマ・ストーンとともにダブル主演を果たしたライアン・ゴスリング演じたセブについては「理想的ですよね。自分の夢も追ってミアの夢も応援してくれるし。私もそんな男性に出会いたいと思います。欲張りなのでどっちも欲しいんです」と明かした。さらに、「この映画のミアのように人生でのヒロインになりたいと思いました。これからは女優業もやりたいし、女性として幸せになりたい思いもありますので、誰かにとってのヒロインを目指したいと思います」と恋愛にも意欲を見せた。イベント途中からはセブになりすました村本大輔も登壇。すでに4回も劇場で本作を観たという村本は「可愛くない女優さん見てォレオとか、美味しくないもの食べて美味しいとか、テレビの世界ってそうじゃないですか。本当に好きなことを仕事にしたの、初めてですよ」と同イベントの出演に大喜び。村本は、本作を観てから英会話を始めたそうで、留学も検討しているという。「エマ・ストーンの出身であるアリゾナのスコッツデールにと考えています。(ピースの)綾部より早く行ったら面白いかな。まだ日本にいるみたいだから」と笑わせつつ、留学の目的を「ロサンゼルスのコメディストアという世界屈指の劇場があるんです。そこに行ってスタンディングコメディーをしてみたいですね。(相方の中川パラダイスは)ステップで(笑)」と熱く語っていた。
2017年08月02日年齢に反した鋭い目線と、少し冷たさも感じる表情…。ファッション誌の専属モデルでありながら、ティーンとは思えないセクシーさでグラビアもこなす“モグラ(モデル&グラビア)女子”の武田玲奈さんにお話を伺いました。「目標は筋がうっすら入った、健康的ボディ」スレンダーなボディに、小さな顔、長い手脚。武田玲奈さんは、女性たちの憧れを体現したような、奇跡的なバランスのカラダの持ち主。それでいて細すぎるわけではなく、女性らしいやわらかさがあるのが男女問わず幅広く支持を受けている理由だろう。7月に誕生日を控えているけれど、撮影時はまだ19歳。クールなネイビーの水着を選び、ティーンとは思えぬ大人っぽい表情で私たちを魅了した。「男の人に受けるスタイルと、女の人に受けるスタイルは違う。でも、“健康的なカラダ”は大抵の人が好きですよね。ほどよく筋肉がついた、しなやかなボディ。私のかっこいいと思うカラダはそれなんです。憧れは、森星さん。すごく細いのに、メリハリがあって素敵だなって」元々痩せ型なこともあり、カラダをつくるということに、そこまで意識を向けていなかったという武田さん。ところが最近は、モードが変わってきているとか。「正直なところ、これまでダイエットやワークアウトの必要性をあまり感じなかったんです。でも体重がゆるやかに増えてきたので、まずはジムに通おうと計画中。周りの人におすすめを聞いて、情報収集しています。特に鍛えたいのは背中と脚。うっすら筋が入ったらいいな」運動せずともこのスタイル、というのはなんとも羨ましい話。武田さんは、“ナチュラルボーン”な美ボディの持ち主なのだ。ただし話を聞いていくと、日々の生活の中で、きれいなボディラインをキープするために行っている習慣は少なからずあるよう。「嬉しいことに、ウエストを褒められることが多いんですね。だからこそ、お腹だけはなんとしてでもかっこよくいないといけないぞと思い(笑)、週に2~3回、寝る前に筋トレをしています。下腹部を鍛えるために、仰向けに寝て、脚を上げ下げする腹筋を30回ほど。むくみを感じたら、セルフマッサージ。太ももの付け根と、膝の裏を、老廃物を流すようなイメージで重点的にほぐします。食事制限はストレスを溜めない程度に。自炊がなかなかできないのですが、外食はサラダバーのあるお店を選ぶなどして、できるだけ野菜を多めに摂り、ジャンクフードや白米はなるべく控える。焼き肉に行ったら、脂がのったカルビよりも牛タン!そんな感じで、脂質、糖質はやんわりとセーブしています」「何ごとも、ストイックにやらないのが私流」食事も運動も、無理なく自分のペースで。常にストレスフリーでいることも、武田さんが考える美ボディキープのためのルール。「ストレスが溜まると必要以上に食べちゃうし、甘いものもより恋しくなる。嫌なことがあったり忙しかったりで、ストレスを感じることもあります。そしたらすぐ、友達に話して発散するか、とりあえず寝る(笑)。そのおかげか、肌トラブルもあまりないんですよ。肌をきれいに保つことも、かっこいいカラダをつくるためのひとつの要素ですよね」確かに武田さんの肌は、顔だけでなく、ボディも透明感があって、きめ細やか。その美肌が、パーフェクトな水着姿の一端を担っているのは間違いない。「肌の調子を整えるために、バスタイム後の保湿は欠かせません。お風呂で補給した潤いが乾かないうちに、ボディクリームやオイルを塗り込みます。あと、週に2〜3回はスクラブケアを。これをやるとやらないとでは調子が全然違う!もっちりすべすべの肌になりますよ。愛用しているのは『ボディショップ』のもの。香りも使用感もお気に入りなんです。写真集の撮影で先日マイアミに行って、今は少し焼けてしまっているんですが、なるべく日焼けもしないように気をつけています」特別なお手入れでなく、できることを毎日。その習慣こそが、天性の美ボディを、より美しく輝かせるための秘訣。ボディラインを変えるのは時間がかかるけれど、肌の質感は、日々のケアで比較的簡単に変化を得られそうだ。「姿勢や服装へ向ける意識が、カラダを変える」「かっこいいカラダをつくるのって、食事やトレーニングだけじゃないと思うんです。私、猫背なんですが、姿勢に意識を向けるとぐっとカラダがきれいに見える。それをキープすれば、カラダの印象は確実に変わりますよね。ファッションも、なるべくゆるっとした服は着ないようしています。タイトな服のほうが、気持ちが引き締まる。今日の水着も、カッティングが結構大胆。そのぶん、カラダが緊張するんですよね。すぐにボディラインに表れることではないけれど、日々ちょっとした緊張感を持つか否かで、カラダって変わってきますから」7月27日には20歳になり、大人の仲間入りを果たす。「これまでは食べても体型にあまり影響しなかったけど、ちょっとずつ、そうもいかなくなってきたなと感じています。でも少し前だったら、今日着たような大人っぽい水着は似合わなかったかもしれないし、年齢とともに丸みを帯びるのも、悪いことではないなって思います。作り込みすぎずゆるすぎない、自然体なかっこいいカラダが、私の理想です」たけだ・れな7月より飯豊まりえとともにW主演を務めるドラマ『マジで航海してます。』(MBS/TBS)がスタート。7月27日には、2nd写真集が集英社より発売。『non-no』(集英社)専属モデル。ガウン¥12,000(ラグナムーンTEL:03・5447・6537)ビキニ¥12,000(ロキシー/クイックシルバー・ジャパンTEL:0120・32・9190)ネックレス¥40,000リング、左中指¥18,000右中指¥26,000右薬指¥24,000右小指¥30,000(以上エナソルーナ/エナソルーナ神宮前本店TEL:03・3401・0038)※『anan』2017年7月12日号より。写真・吉田 崇(まきうらオフィス)スタイリスト・百々千晴ヘア&メイク・浜田あゆみ(メランジ)文・間宮寧子(by anan編集部)
2017年07月11日華やかなバストやウエストに隠れて輝く、細部の魅力…。女性ファション誌の専属モデルでありながら男性誌のグラビアも飾る、モデル&グラビアの“モグラ女子”馬場ふみかさんにお話を伺いました。どこかあどけなさを感じる屈託のない笑顔から一転、カメラの前に立ったとたん、プロの顔をのぞかせた馬場ふみかさん。人気モデルであり、最近は男性誌のグラビアページも飾る、“モグラ女子”の筆頭。ボディラインを最も美しく見せるためのポージングを知り尽くしているのか、細かい指示を出す必要はなく、次々と、完璧な角度を見せてくれる。「すごくおしゃれですね、今日の撮影。水着もオフショルっぽくなっているデザインで可愛いし、背景もシチュエーションも、ステキでテンション上がります。何より、アンアンのこういう特集に声をかけていただいたり、女の子から“理想のカラダ”なんて言われるのは、すごいうれしい!やっぱり男性の評価とはまた違いますよね。男性って、結局…おっぱいでしょ(笑)。でも女の子ってくびれや肩のライン、肌の質感、顔の表情やメイク、髪型も含めて、トータルでちゃんと見てくれるんです。でも、だからこそ女性の目線は厳しい。ただ痩せているとか、スタイルがいいとかでは、目に留まらないんですよね。真似したいとか、憧れるポイントがいくつもないと」女の子のカラダで最初に目がいくのはひざの皿馬場さんといえば、スレンダーなボディにメリハリを強調する胸のシルエットが何といっても美しい。ところが自身は、胸よりも、長い首からのデコルテのラインが気に入っているんだそう。「みなさん胸やウエストのくびれを褒めてくださるんですけど、胸は一番気にしていないかも。私としては、デコルテをもうちょっと見てほしいな、って思っているんです。まあ、そういう私も女性のカラダで一番最初に見るのは脚ですから、人が注目するポイントって自分で思っている部分とはちょっと違うのかも。ちなみに私が好きな脚は、付け根からまっすぐ伸びるシルエットで、ひざの皿がしっかりある人。私はひざの皿が目立たないので、羨ましいですね。だから毎日全身マッサージのついでに、ひざまわりの肉をほぐして、皿が埋もれないようにしています。そのうちちゃんと出てくると信じて」今年1月には、マウイ島のハーフマラソンを見事完走した。その経験はまた、カラダづくりに役立ったという。「トレーニングとか運動があまり好きじゃないので、走り切るのは辛かったです。でもレースにチャレンジするにあたり、正しい走り方と歩き方を習ったのは、この仕事をしていく上では大きい。それまで私は、重心が脚の外側にかかっていたみたいです。正しい重心のかけ方を知り、外側の筋肉を毎日グーの手マッサージでほぐしていたら、外側にたくさん付いていた筋肉がすっきりして、いつの間にかシルエットも変わって、前よりまっすぐな脚になりました」そんな馬場さんが憧れるカラダとは、偶然にもこの同じ企画に登場してくれている、内田理央さん!「私、グラビアを見るのが趣味なんです。出るのは仕事ですけどね、見るのは完全に趣味(笑)。だから、ポージングとか角度を勉強するためではなく、女の子のカラダが好きな“女子好き女子”としてよく見ているんですが、内田理央さんが大好きで。お尻フェチでもあるんですが、グラビアモデルの中でも、プリンとていてハリがあって、女らしい曲線を作っている内田理央さんのお尻は、まさに私の理想なんです」「体重計には乗らず、裸で全方位からチェック」「その代わり、お風呂上がりには自分のカラダを前後左右、全方位から見て、気になるところは手でつまんだり触ったりして確認します。これは毎日欠かしません。体重を測らないのでボディラインをキープするためのバロメーターは、腕と太もも。ここがちょっとムチッとしたな、と思ったら、オイルを使って、全身をしっかりマッサージします。実は二の腕って結構むくむと聞いて、マメにマッサージするようになりました。だから気になる時は特に、腋の下のリンパを流したら、二の腕を絞るように入念にマッサージします」撮影前夜には、食事コントロールも忘れない。「食べるとすぐにお腹が出てしまうので、水着になったりカラダの露出が多い撮影の前日はあまり食べないようにしています。その代わり、撮影が終わったら、好きなものをたくさん食べます(笑)。それから、お酒が好きなんですが、つい飲みすぎたり食べすぎた次の日は、軽めの食事でその分を引き算。例えば、お味噌汁が好きなので、冷蔵庫にある野菜で作ったお味噌汁とサラダとか。もしお肉を食べるなら、脂肪少なめ、タンパク質多めの赤身を選びます」最後に、夏に向けて読者にとっておきの裏技を伝授!「肋骨の真下の脂肪しかない部分に手を当てて、左右同時に前の方にグイグイ肉を集めてみて!これで私は一瞬でくびれが出るから、撮影の直前に必ずやってます。続けていればくせがついて、肉はちゃんと動くと思います。これ、ある撮影現場でやってたら他のモデルも一緒にやり始めて、その日ブームになったぐらい!騙されたと思って、デートの直前とか海で水着になった直後にやってみてください(笑)」ばば・ふみか1995年6月21日生まれ、新潟県出身のモデルで、女優。ドラマ『コード・ブルードクターヘリ緊急救命』(CX)に出演。『non-no』(集英社)専属モデル。カーディガン¥6,500ビキニ¥13,500(共にビラボン/ジーエムエス ジャパンTEL:0120・112・773)ピアス¥245,000ネックレス¥58,000(共にアナザー フェザー/デューンTEL:03・5738・0885)※『anan』2017年7月12日号より。写真・吉田 崇(まきうらオフィス)スタイリスト・百々千晴ヘア&メイク・浜田あゆみ(メランジ)文・若山あや(by anan編集部)
2017年07月11日柔らかな質感と、シャープなラインという相反する魅力…。グラビアモデル出身で、現在は女性ファション誌の専属モデルもこなす“モグラ女子”内田理央さんにお話を伺いました。撮影当日、ロングスカートをひらっとなびかせて、静かにスタジオ入りした内田理央さん。トレードマークのえくぼの浮かぶ笑顔ではにかみながら「おはようございます」とあいさつをしてくれた。想像よりもずっと、おっとりした女性、それが第一印象。内田さんといえば、グラビア出身の女優、モデルで、男性週刊誌では、水着や下着、トップレスなどのショットもこなす。一方で最近は、「憧れのカラダ」として同世代の女性たちからも注目を集めている。「最近、モデルさんが水着になって男性誌のグラビアに出たりする“モグラ女子”が増え、それをきっかけに、女の子たちもグラビアページを見てくれるようになりました。逆に、女性誌を見ていても、メイクページよりもグラビアページが増えている気がするし、“フェロモン”とか“女っぽい”なんていうキーワードもよく見る気がしていて。私は“いつか、ファッション誌の世界とグラビアの世界が近づくといいな”と思ってこれまでグラビアの仕事をやめずに続けてきたので、うれしいし、仕事ももっと楽しくなりました」現在は、グラビアモデルに、ファッション誌の専属モデルや女優としても活躍している。女性からの支持を得ている理由の一つに、抜群に女っぽいボディラインが挙げられる。丸みのあるバストやヒップに、キュッと締まったウエストはため息ものだ。自慢のパーツはどこ?「自分のカラダは好きじゃないんですよ。明確な理由があるわけではないんですが…。あえて好きなパーツを挙げるとすれば、鎖骨ですね。私は鎖骨が出やすいんです。多分、むくみやすい体質を少しでも改善しようと自己流でやってるマッサージが効いているのかも。お風呂上がりや撮影前に、ボディクリームやオイルを塗って鎖骨下をゲンコツでゴリゴリ強めにほぐします。そのあと腋を揉みほぐしてリンパの流れをよくし、指先で顔をマッサージしながら首まで流す、これが毎日の工程。首、鎖骨、鎖骨下、腋の下までちゃんとケアすることが大事で、全部やってはじめて顔がスッキリします。鎖骨もくっきり出やすくなると思う」鎖骨が出るだけで、オフショルなどのデコルテが開いている服を着ると、華奢見えするのだそう。「ポリシーは“ストイックにしない”こと」筋トレとかハードなことって私は続かないし、仕事柄時間も取れない。なるべく楽して、小さいことを、でも毎日続けています。例えばマッサージの他には“ヨギティー”をよく飲んでいます。デトックスが苦手なカラダなので、デトックスティーが基本。でもドラマの撮影で油っぽいお弁当を毎日三食食べ続けている時は、胃をいたわって消化を助けるストマックイーズにしたり。食べすぎた次の日は、自炊でサラダと納豆とか、ご飯の代わりに豆腐を食べたりして、バランスをとります」ストイックにやらない、というポリシーの裏には、ガリガリにはなりたくない、という強い思いがある。「まず、食事を抜いて痩せるのは不健康。私は、撮影前や現場でもごはんをしっかり食べるんです。だってグラビアに大事なのは、スタイルのよさよりもポーズのとり方だから。ぽっちゃりしていてもくびれがあればOKなんです。私の場合は、鎖骨とくびれをポイントにしていて、あとは丸くていいんです。くびれのための腹筋?しません(笑)。これはグラビア流のテクニックですが、日々、ウエストをねじったりさすったりして、肉に言い聞かせるというか、意識を向けるようにしていて、意外とこれが効くんですよ。ちなみに、ハイウエストボトムをはくだけでお腹が凹みました、本当ですよ」「ムチ、プリッで、くびれはしっかりが理想」さらに、女っぽいカラダづくりのためにはマインドも重要なのだとか。「グラビアで必要なのは、この子とごはん食べたら楽しそうだな、一緒に旅行したいな、ずっと笑ってていいな…そんな想像をさせる笑顔。疲れやストレス、悩みを少しでも見せたらだめ。だからプライベートは無理をせず、ハッピーマインドを保つように心がけています。正直、中村アンさんのような鍛え上げたカラダに憧れるんですけど(笑)、運動が苦手な私は、私らしいやり方でいこうかな、って。ストレスが溜まったら、漫画を読みまくって買い物しまくって、次の日がオフならお酒も飲んじゃう。それでいいんですよね」ところで、趣味は漫画、アニメ、ゲームという内田さん。そのフェミニンな見た目とは真逆の、ボーイッシュな一面も見せる。「私が理想とするカラダは、漫画『To LOVEる-とらぶる-』に出てくるモモ。実はこれ、主に男性が読むちょっとエッチな漫画なんですけど、出てくる女の子が全員可愛くて、学生時代からずっと読んでいるんです。スレンダーな子もいるんだけどムチッとしてる子もいるし、でもみんな絶対にちゃんとくびれていて、フェロモンも持っている。見ていてすごく勉強になります。そんな中で、モモは妹的存在の子なんですが、私が一番なりたいカラダをしてます。ムチ、プリッで、くびれはしっかり。これぞ憧れです」うちだ・りお1991年9月27日生まれ、東京都出身。『MORE』専属モデル。女優、モデルとして活躍中。ヒロイン役で出演している映画『トモダチゲーム 劇場版』が公開中。カーディガン¥8,500(ロキシー/クイックシルバー・ジャパンTEL:0120・32・9190)ビキニトップ¥13,000ビキニボトム¥9,000(共にアリシアスタンTEL:03・6434・9233)ネックレス、長¥42,000短¥29,000リング、左薬指¥13,000右人さし指¥28,000右中指¥26,000(以上アナザー フェザー/デューンTEL:03・5738・0885)リング、左人さし指¥100,000左中指¥26,000右薬指¥36,000(以上エナソルーナ/エナソルーナ神宮前本店TEL:03・3401・0038)※『anan』2017年7月12日号より。写真・吉田 崇(まきうらオフィス)スタイリスト・百々千晴ヘア&メイク・浜田あゆみ(メランジ)文・若山あや(by anan編集部)
2017年07月11日ファッション誌『non-no』(集英社)で専属モデルを務める松川菜々花(19)が、19日発売の『週刊プレイボーイ』(同社・7月3日号)で、「モグラガールの新世代アイコン」として取り上げられている。"モグラガール(女子)"とはモデルとグラビアの2つの分野で活躍するタレントのこと。松川は、どのような人物なのか。1998年1月29日生まれの埼玉県出身。身長165センチ。「サブウェイ」「モンスターストライク」のCMなどで注目され、「GirlsAward 2016 SPRING/SUMMER」で初のランウェイを経験した。小学生の頃からモデルに憧れ、今年4月から念願の『non-no』専属に抜てきされる。『non-no』公式サイトのプロフィールによると、「8頭身」という抜群のスタイルながら、自身の夢を叶えるために「日々自分磨きをしてきた努力家」。YouTubeで公開中のコメント映像では、専属の知らせにうれし泣きしたことを明かしつつ、「愛されるようがんばりたい」と気を引き締めている。『週プレ』の撮影は沖縄で行われ、直前までは天候が心配されていたものの、当日は晴天に恵まれたという。松川は自身のツイッターで、「本日発売!!週プレさんにこの前沖縄で撮ったグラビアが掲載されています!やっとみんなにお知らせできたー」「オフショットもどんどんインスタとかでも載せちゃうよー!沢山の人にGETして見てほしいです」と呼びかけている。????お知らせ????本日発売!!週プレさんにこの前沖縄で撮ったグラビアが掲載されています!やっとみんなにお知らせできたー????????オフショットもどんどんインスタとかでも載せちゃうよー!沢山の人にGETして見てほしいです☺️#週プレ #グラビア pic.twitter.com/tkkh1kq53R— 松川菜々花 (@0129Nanamero) 2017年6月19日
2017年06月19日女性のがんのトップで、日本人女性の16人に1人がかかるという乳がん。気にはなるものの、日々の忙しさの中、なかなか検診に行けないという方も多いのでは?そんな女性のために年に一度、10月の第3日曜日を、乳がんのマンモグラフィー検査を受けられる日曜日「ジャパン・マンモグラフィーサンデー」にしようという動きがあるのをご存知だろうか。今年は10月16日(日)。全国の医療施設で検診を受けられる日曜日が、まもなくやってくる。この取り組みを行っているのは、「日本乳がんピンクリボン運動」を展開しているNPO法人J.POSH。全国の医療機関や自治体の検診担当部門に呼びかけ、「10月第3日曜日に全国どこでもマンモグラフィー検査が受診できる環境作り」に取り組んでいる。2009年より活動が始まり、現在の賛同医療機関は全国316施設。ホームページには、検診が受けられる医療機関を地図から検索できるようになっており、料金や予約の要否、女性医師・検査技師の対応の可否など、女性が知りたい情報が丁寧に掲載されている。これなら安心して、自分にあった病院を選ぶことができそうだ。乳がんは、早期発見・早期治療により「ほとんどが治るがん」と言われている。自分のために、そして愛する家族のために。平日は子育てや仕事、家事で忙しい方も、この機会に受診してみてはいかがだろうか。ジャパン・マンモグラフィーサンデー 取材/池田美砂子
2011年10月03日