俳優の中村雅俊(73)が2日、東京・明治座で『中村雅俊芸能生活50周年記念公演』の初日を迎えた。この公演は、芸能生活50周年を迎える中村が、きょう2日から18日にかけて東京・明治座で開催する記念舞台。昭和歌謡音楽劇『どこへ時が流れても~俺たちのジュークボックス~』と、コンサート『MASATOSHI NAKAMURA LIVE look back with smile , look ahead with pride. 』という2部構成となっている。開幕直前には、中村らキャスト陣が報道陣向けの会見に出席した。芸能生活50周年の大ベテランとなった中村だが、「今でも緊張はするのか?」と水を向けられると、「かなりします!」と即答して笑わせた。続けて「逆にキャリアを積めば積むほど、何かしらのプレッシャーを感じていますね。ベテランがゆえにということがあるじゃないですか。そうやって自分で勝手に思い込んで、その重さに潰されることはある」と素直な心境を明かしながら「日ごと、自分のピークだった時代をくだる感じがあり、そこに戦っている。緊張というより、戦うという意識がすごい」と話していた。会見には、そのほか本公演に出演するコロッケ、久本雅美、林翔太、土生瑞穂、小川菜摘、松田悟志、玉野和紀、田中美佐子(特別出演)も出席。「プレッシャーを感じている」と告白した座長・中村に対し、共演陣からは「(緊張しているようには)全然見えない!」「裏ではすごいおしゃべりなんです!」と総ツッコミがあがっていた。
2024年06月02日東京・歌舞伎座にて、6月1日(土) に開幕する『六月大歌舞伎』は、中村時蔵が初代中村萬壽、時蔵の長男・中村梅枝が六代目中村時蔵をそれぞれ襲名し、梅枝の長男・小川大晴が五代目中村梅枝として初舞台に臨む。加えて、中村獅童の長男・小川陽喜が初代中村陽喜、次男・小川夏幹が初代中村夏幹として初舞台を踏む。萬屋一門が揃い、ファンに襲名を披露するとともに、一門の未来を担う若き3人が、歌舞伎俳優としての一歩を踏み出すおめでたい公演だ。これに先立ち、襲名・初舞台を彩る特別な引幕「祝幕(いわいまく)」のお披露目会見が行われ、萬壽、時蔵、梅枝に提供された日本画家・千住博氏デザインによる祝幕、陽喜と夏幹に贈られたビートたけし原画を用いた祝幕が公開された。それぞれ、高さ約7メートル、幅は30メートル近い大きさで、前者は紅白の色合いで描かれたダイナミックな滝の絵、後者は風神雷神をモチーフに、陽喜と夏幹の名前が踊っている。力強く流れる滝が描かれた、日本画家・千住博デザインによる初代中村萬壽・ 六代目中村時蔵襲名披露・五代目中村梅枝初舞台「祝幕」お披露目には、萬壽と旧知の仲でもある千住氏が駆けつけ、「光が当たると同時に、自らも発光する。そんな萬壽さんにふさわしいものは、何かと考えた」と振り返り、「滝が力強く流れ続けるように、ますますの繁栄を願ってこの絵を描いた」と滝に込めた思いを語った。この日、初めて祝幕全体を目にしたという萬壽は「壮観でございます」と感無量の面持ちだった。初代中村萬壽左から)六代目中村時蔵、五代目中村梅枝、初代中村萬壽、日本画家の千住博孫の大晴が五代目中村梅枝として、初舞台に立つことについて、萬壽は「この(女形の)家系に生まれた割には、立ち回りが好きでございますので、今回は、孫の好きなものをすべて要素として、取り入れた」と期待を寄せる。当の五代目梅枝は、会見中、終始緊張した様子だったが、それでも、萬壽は「本番が始まると、結構楽しくやってくれるんじゃないかなと思っております」と心配はしていない様子で、「ここまで来たら腹を据えて、3人で力を合わせて、一生懸命に舞台を勤めることが何より」と意気込んでいた。中村獅童一方、獅童は、ビートたけしが原画を提供した経緯について、自身が出演した“北野武”監督名義の映画『首』での縁だと説明し、「ずっとたけしさんのファンでしたし、ぜひにとお願いしたら、すぐに『やる』と言ってくださった」と感謝の意。画家としても活動するたけしから、描きためた数点が提供されたといい、陽喜と夏幹の意見も聞きながら、祝幕のモチーフに風神雷神が選ばれ「こんなに素敵な祝幕を送ってくださり、胸がいっぱいです」と感激しきり。たけしからは「この度の初舞台、誠におめでとうございます。これからの歌舞伎界を担っていくお二人及び皆さまの輝かしい未来を、心よりお慶び申し上げます」とお祝いのメッセージが届けられた。中村獅童(中央)と中村陽喜(右)、中村夏幹また、獅童は「正直な話、6演目中4演目が初役で、子どもたちの襲名も、自分にとって初体験ですから、もう何が何だかわかりません」と苦笑いを浮かべながら、切実な思いを告白。初舞台を控える陽喜と夏幹に対しては、「兄弟で助け合っているように見えますけど、ライバルなんですかね。とにかく舞台が大好きなので、元気よく最後まで精一杯楽しくやってくれたら」としみじみ。同時に「舞台の上に立てば、私と子どもたちも、家族ではなくライバル。負けたくないです!」と対抗心を燃やしていた。取材・文・撮影:内田涼※歌舞伎座では、黒・柿・萌葱の「定式幕(じょうしきまく)」を引幕(ひきまく)として用いているが、今回のような襲名披露・初舞台の際には、後援会や御贔屓の方から俳優に提供される特別な引幕として、「祝幕(いわいまく)」を定式幕の替わりに用いることもある。<公演情報>歌舞伎座「六月大歌舞伎」【昼の部】11:00~川村花菱 作齋藤雅文 演出一、『上州土産百両首』二、『義経千本桜』所作事 時鳥花有里六代目中村時蔵 襲名披露狂言三、『妹背山婦女庭訓』三笠山御殿劇中にて襲名口上申し上げ候【夜の部】16:30~曲亭馬琴 原作一、『南総里見八犬伝』円塚山の場初代中村萬壽 襲名披露狂言二、『山姥』五代目中村梅枝 初舞台劇中にて襲名口上申し上げ候河竹黙阿弥 作新皿屋舗月雨暈三、『魚屋宗五郎』初代中村陽喜初代中村夏幹初舞台2024年6月1日(土)~6月24日(月) ※11日(火)、17日(月) 休演会場:東京・歌舞伎座チケット情報()公式サイト
2024年05月28日東京・歌舞伎座『六月大歌舞伎』(6月1日開幕)で中村時蔵(なかむら・ときぞう)が初代中村萬壽(なかむら・まんじゅ)、時蔵の長男・中村梅枝(なかむら・ばいし)が六代目中村時蔵をそれぞれ襲名し、梅枝の長男・小川大晴が五代目中村梅枝として初舞台に臨むのを前に、「祝幕」が同所で披露された。祝幕は、世界的に活躍する日本画家・千住博氏がデザインを手掛けた。紅白の美しい色合いとともに、力強い滝の絵を描いた。千住氏は「萬壽さんにふさわしいものは何なのかとずいぶん考えた。光が当たって、同時に自らも発光する。それが萬壽さんにふさわしいのではないか。力強く滝が流れ続ける、ますますの繁栄を願ってこの絵を書いた」と思いを語った。3人の名前は、英字で記された。この点について萬壽は漢字ではどこか無骨に感じたことから英字での名前を提案したことを明かし、「初めて全体を見ましたが、壮観でございます」と感激した様子で話した。今回は、孫の大晴が五代目中村梅枝として初舞台に臨む。萬壽は梅枝について「前々から言ってますけども、この家系に生まれた割には立ち回りが好きでございますので、今回はその彼の好きなものを全て要素として入れたと思っております。始まると結構楽しくやってくれるんじゃないかなと思っております」と期待し「ここまで来たら腹を据えて、3人で力を合わせて、一生懸命舞台を務めることが何より」と語った。『六月大歌舞伎』ではこのほか、中村獅童の長男・小川陽喜が初代中村陽喜、次男・小川夏幹が初代中村夏幹として初舞台を勤める。萬屋一門が揃い踏み、襲名を披露するとともに、一門の未来を担う若き3人が歌舞伎俳優としての一歩を踏み出す公演となる。
2024年05月28日6月1日に開幕する歌舞伎座 「六月大歌舞伎」 で中村獅童の長男・小川陽喜が初代中村陽喜(なかむら はるき)、次男・小川夏幹が初代中村夏幹(なかむらなつき)として、初舞台に臨むことを祝した「祝幕」お披露目会見が28日、東京・歌舞伎座で行われた。提供された祝幕は高さ約7メートル、幅約31メートルでお笑い芸人・ビートたけしの原画を大きくあしらった。力強い風神雷神の近くには今回が初舞台となる陽喜、夏幹の名前が添えられた。初めて実物の祝幕を見た2人は興味津々。デザインは陽喜が最終的に選んだといい、舞台上を動き回りながら自分が好きなポイントを説明した。陽喜、夏幹の父である獅童は会見で「正直な話、6演目4演目が初役であり、子どもたちの襲名も自分にとって初体験。もう何が何だかわかりません(笑)」と切実な心境を明かしながら舞台を直前に控える2人について、「兄弟で助け合っている感じもあるけども、ライバルなのですかね。私とも子どもたちはライバル。舞台の上に立ったら親子ではなくライバル。この子たちには負けたくない」と意気込んだ。この発言を受けて報道陣から「お父さんより上手になりたい」と問われた陽喜は「ある」と即答し、報道陣を沸かせた。その後の会見では夏幹の大物の誕生を予感させるちょっとしたアクシデントもありながら、堂々たる姿を見せた2人。獅童は「とにかく舞台が大好きな2人。元気よく最後まで精一杯楽しくやってくれたら」とエールを送った。6月1日に開幕する歌舞伎座「六月大歌舞伎」において、中村時蔵が初代中村萬壽、時蔵の長男・中村梅枝が六代目中村時蔵をそれぞれ襲名し、梅枝の長男・小川大晴が五代目中村梅枝として、中村獅童の長男・小川陽喜が初代中村陽喜、次男・小川夏幹が初代中村夏幹として初舞台を勤める。萬屋一門が揃い踏み、襲名を披露するとともに、一門の未来を担う若き3人が歌舞伎俳優としての一歩を踏み出す公演となっている。
2024年05月28日歌舞伎座「六月大歌舞伎」で、中村獅童の長男小川陽喜が初代中村陽喜(はるき)として、次男小川夏幹が初代中村夏幹(なつき)として初舞台を踏む。そして獅童自身も「思いもよらなかった」と語る憧れの大役に挑むことに。本番を目前に控え、息子たちと過ごすうれしくも忙しい日々を熱く語ってくれた。――ご挨拶回りでお忙しい時期でしょうか。獅童もうね大変ですよ。1日に何十軒と回るので。(中村)時蔵さんご一家と一緒に6月の襲名メンバーでご挨拶に回っているのですが、夏幹は(尾上)菊五郎のにいさんにご挨拶した時、人間国宝で大先輩のにいさんの顔を見るなり、えーっと、とてもここでは言えないようなワードを口走ったんです(笑)。なぜそんなこと言ったかわからないんですが、にいさんは大笑いで、しょっぱなから冷や汗ものでした。――陽喜さんはこの春から小学1年生で、新しい生活が始まりましたから余計にお忙しいでしょうね。獅童陽喜のこと、皆さん「しっかりしてる」って言って下さるけどそうでもないんです。入学式のときも通学路を何度も予習したのに、ずっと他の事を考えているのか、すぐ逆方向に歩いていっちゃう(笑)。かと思うと浅草の平成中村座『極付幡随長兵衛』の長松の時は、顔(化粧)をし終えたら急にしゃべらなくなるから具合が悪くなったのかと心配したら、「しゃべるとお化粧が落ちるから」って。そういう一面もあるんだなと。――昨年12月歌舞伎座での超歌舞伎『今昔饗宴千本桜』では狐の精となって、花道を狐六方で元気よく引っ込んでいきました。獅童人様の前に出て何かをやるのが好きみたいで、1月の襲名披露の取材会で大はしゃぎしてしまったけれどあれが本性です。人前に出ると止まらない。今は初舞台に向けて「6月は丁稚で7月は牛若丸、やるんで!」って自慢して回ってるみたいです(笑)(編集注:陽喜さんは歌舞伎座「六月大歌舞伎」終了後、6月30日より全国巡業する「松竹特別歌舞伎」で上演される『橋弁慶』で牛若丸を勤めることが決定している)。他にもめんどくさいほどこだわりがあってね。出かける時も靴はこうじゃなきゃイヤだと言い出したり。僕もそういう子供だったので、見ていると自分に似ていてイラッときます(笑)。――夏幹さんもその超歌舞伎で初お目見得、小さな押戻のような拵えが可愛くて。獅童あいつはふだんはすごいママッ子なんです。母親が見えるところにいないと大変なのに、楽屋に一歩入ると急にしっかりしちゃう。顔するときも泣かなかったしね。不思議なヤツなんですよ。手前左から)獅童さん長男の小川陽喜さん、次男・小川夏幹さん。「六月大歌舞伎」ではそれぞれ、初代中村陽喜・初代中村夏幹として初舞台を踏む――獅童さんご自身の初舞台のことが重なりますか。獅童僕が初舞台を踏んだのが1981年の、やはり6月なんです。学校を早退して歌舞伎座へ行くので毎日母(小川陽子さん)が着物を着て迎えに来てくれました。学校が井の頭公園にあるのですが、梅雨時の送り迎えですから足元も悪かっただろうな。僕は息子たちよりずっと神経質であがり症で、すぐお腹痛くなっちゃう子供でしたから、学校へ行く途中でお腹痛くなってお医者さんに駆け込んだり。父は歌舞伎役者を早くに廃業したので、僕はお弟子さんがひとりもいない状況から役者人生を始めたんです。だから学校の送り迎えだけではなく、弁当作り、劇場に重たい鏡台を運ぶことから切符売ることまですべて母がやってくれた。本当に大変だったろうなと今になって思います。夢だった6月の萬屋興行――6月の歌舞伎座では萬屋の皆さんがそろって襲名と初舞台のご披露をなさいます。獅童ずっと念願でした。一時は毎年歌舞伎座の6月といえば萬屋公演で、(萬屋)錦之介や(中村)嘉葎雄の叔父は書き物(新作)の芝居で、(中村)時蔵さん、(中村)歌六さん、(中村)又五郎さんが古典をなさって、そこへ淡島千景さんが出られたりして、今思うとなかなか面白い興行をしていた月でした。今回、時蔵のにいさんに「6月、そろそろまた萬屋でやりませんか」と伺うと「いいね、やろうよ」と即決。祖母(三世時蔵夫人)も母も喜んでくれているんじゃないかな。――昼の部の六代目中村時蔵襲名披露狂言が『妹背山婦女庭訓』です。劇中での口上もありますね。獅童僕の初舞台の狂言も『妹背山』でね。豆腐買いおむらが(十七世中村)勘三郎のおじさまで、僕が娘のおひろで、おじさまが毎日手を引いて出てくださったんです。ある日おじさまが、まだ本舞台で口上を述べている僕をおいてひとりでどんどん花道へ歩いて行っちゃうんですよ。で、「あ、いけないいけない。あの子をおいてきちゃった」って言って戻ってくる(笑)。そんな感じでその日その日で芝居を変えてくるんです。そこで見事にお客さんがドッと沸くのをま近で見て「ああ、すごいな」と。――初舞台にして既に獅童さんはそんな場面を日々目の当たりにしていたんですね。獅童僕の記憶に強烈に焼き付いています。お客様に喜んでいただくために毎日ああしよう、こうしようと考えるおじさまの姿。哲明にいさん(十八世中村勘三郎)もそうでしたが、とにかくお客様ファースト。決まったことだけやるのではなくてね。――今回はその『妹背山』で、お三輪をいじめる官女たちに、小川家の、それも立役の皆さんがずらりと顔を揃えます。獅童これも「小川の立役だけでいじめの官女ができるんじゃねえか。せっかく大勢いるんだからやろうよ」って、歌六のにいさんの一声で決まりました。――そして『魚屋宗五郎』の宗五郎です。初役ですね。獅童哲明にいさん(十八世中村勘三郎)が宗五郎のときに三公(小奴三吉)をやらせてもらったんですが、まさか自分が歌舞伎座で宗五郎をさせてもらうとは思ってもみませんでした。『魚屋宗五郎』といえば音羽屋さん、菊五郎劇団のイメージですよね。だけど(寺島)しのぶちゃんが繋げてくれて、菊五郎さんが「お前、歌舞伎座で宗五郎やれよ。俺が教える」って言ってくださって。まさかそんなこと言われると思わなかったので、「え?」と。人間ってあまりにも思いがけないことを聞くと「にいさん酔ってる?」って思っちゃって、本当のことだと思えないんですよ。その後数日かけてだんだんと実感して、次第に震えるような思いに変わりました。菊五郎のにいさんが先代の(二世尾上)松緑さんに習った宗五郎、今はそれを教わるありがたさをかみしめています。2024年歌舞伎座「六月大歌舞伎」『魚屋宗五郎』特別ポスター――宗五郎といえば立役にとって憧れのお役ではないかと思うのですが、獅童さんにとってはどんなところに惹かれますか。獅童人間らしいじゃないですか。「酔って言うんじゃねえけど」って言うあたり、酒乱なんだけど優しい人、憎めない人。ただ、だんだん酔っていくところが喜劇っぽくなってしまってはいけないのかなとは思っていますが、それはあくまで今僕が勝手に考えていること。明日(菊五郎の)にいさんに教わるんです。宗五郎の心情や勤めるにあたっての心づもりをしっかり教わってこようと思います。――この狂言の前が『山姥』。獅童さんが源頼光、陽喜さんが渡辺綱、夏幹さんが卜部季武で初舞台となります。かわいい武者姿で登場するのですね。獅童僕はこの後が大変。『山姥』では白く塗ってるから休憩でそれを落として宗五郎の拵えしなきゃいけないでしょ。あとは、脇毛問題。僕、もともと体毛が薄くて微妙なんです。あるならガッツリあった方がいいのかな。でも最近は脱毛するのが当たり前の世の中なので、いっそのことなくてもいいのかなと考え中なんです。どっちがいいと思う? 日によって変えようかな(笑)。――ではそれは拝見してのお楽しみということで(笑)。陽喜さん、夏幹さんが、それぞれ与吉と長吉という丁稚で登場します。丁稚の、あの「酒が好きだから酒屋に奉公してるんだ」という生意気な台詞をおふたりが言うなんて、想像するだけで可愛くてニヤニヤします。獅童おそらく台詞は一緒に言うのではなくて、割って(ふたりで分けて)言うことになりますね。酒樽を持つのは陽喜かな。とにかく『妹背山』に豆腐買いのおむらで出てくださる仁左衛門のにいさんをはじめとしたみなさん、そして久々に小川家勢ぞろいでしょ。とても面白い並びの月になると思いますよ。楽しみになさっていてください。このインタビュー終了後、陽喜さん、夏幹さんが朗らかに登場。3人の撮影が始まった。獅童さんに絡みながら楽しいポーズを取る陽喜さんと夏幹さん。陽喜さんは学校から戻ったばかりなのに元気いっぱいだ。今回は超歌舞伎とはまた違う古典の世話物のお役。「(超歌舞伎は)立廻りがたくさんあって楽しかった。今度はお化粧も衣裳も変わるけど全然大丈夫!」と陽喜さん。夏幹さんも「(お芝居は)お客さんがいっぱいで楽しい!」と目を輝かせた。「六月大歌舞伎」は東京・歌舞伎座で6月1日(土)~24日(月) まで。取材・文:五十川晶子撮影:興梠真帆ぴあアプリ限定!アプリで応募プレゼント★中村獅童さん・陽喜さん・夏幹さんのポラを抽選で1名様にプレゼント!【応募方法】1. 「ぴあアプリ」をダウンロードする。こちら() からもダウンロードできます2. 「ぴあアプリ」をインストールしたら早速応募!<公演情報>歌舞伎座「六月大歌舞伎」【昼の部】11:00~川村花菱 作齋藤雅文 演出一、『上州土産百両首』二、『義経千本桜』所作事 時鳥花有里六代目中村時蔵 襲名披露狂言三、『妹背山婦女庭訓』三笠山御殿劇中にて襲名口上申し上げ候【夜の部】16:30~曲亭馬琴 原作一、『南総里見八犬伝』円塚山の場初代中村萬壽 襲名披露狂言二、『山姥』五代目中村梅枝 初舞台劇中にて襲名口上申し上げ候河竹黙阿弥 作新皿屋舗月雨暈三、『魚屋宗五郎』初代中村陽喜初代中村夏幹初舞台2024年6月1日(土)~6月24日(月) ※11日(火)、17日(月) 休演会場:東京・歌舞伎座チケット情報()公式サイト
2024年05月20日6月歌舞伎座『六月大歌舞伎』に出演する歌舞伎俳優の中村時蔵、中村梅枝、小川大晴が取材に応じた。同公演にて、時蔵が初代中村萬壽(まんじゅ)、時蔵の長男である梅枝が六代目時蔵をそれぞれ襲名。また、梅枝の長男・大晴が五代目中村梅枝として初舞台を踏む。昼の部は、六代目時蔵襲名披露狂言として、時代物の傑作『妹背山婦女庭訓』の「三笠山御殿」を上演し、祖父や父も襲名披露として勤めた女方の大役・お三輪を、新時蔵が初役で勤める。夜の部では、初代萬壽襲名披露、五代目梅枝初舞台として情趣溢れる舞踊『山姥』で新たな門出を祝う。ゆかりの出演者がそろい、いずれの演目も出演者による劇中口上が行われるおめでたい雰囲気溢れる公演になる予定だ。『妹背山婦女庭訓』杉酒屋娘お三輪=梅枝改め六代目中村時蔵(C)松竹襲名を控える心境を問われた時蔵は「まだまだやり残したことがあるのではと、不安にかられるが、お稽古が始まると、没頭できるので、そういう不安も忘れられますね」と穏やかな表情。同じ質問に、梅枝は「数日前にいただいた台本の宛名が、『時蔵様』になっていて、それで実感しましたね。いつから“時蔵”って呼んだらいいのと聞かれることもある」と笑顔を見せた。昼の部『妹背山婦女庭訓』の「三笠山御殿」について、時蔵は「私も時蔵襲名で、やらせていただいた、我が家には縁がある演目。梅枝がどう演じてくれるのか楽しみ」と期待を寄せる。祖父、父に続き、お三輪を演じる梅枝は「お三輪は女形なら、誰もが憧れる役。初役で演じられるのも、めぐり合わせだと思いますし、ファンタジックな世界観を存分にお客様に届けられるのが目標。父からいろいろなダメ出しをいただきながら、少しでも近づけたら」と背筋を伸ばした。『山姥』山姥=時蔵改め初代中村萬壽(C)松竹『山姥』怪童丸後に坂田金時=五代目中村梅枝(C)松竹夜の部『山姥』では、大晴が怪童丸(後の坂田金時)を勤めることに。時蔵は「彼は女役が嫌いみたいで、見得がしたいって言うものですから(笑)。怪童丸は、金太郎ですからね。ちょうどいいと思いますし、ひと月の間、風邪をひかずに元気に勤めてくれれば」と目を細める。また、梅枝は「幸い、子役として舞台を積んできたので、改めて梅枝になるからといって、気負わずに」と親心。当の大晴は「カッコよく演じたい!」と怪童丸役に意気込みを示した。改めて、大晴の成長ぶりが話題にあがると、時蔵は「度胸が座っていて、本番に強い。ダメ出ししても、必ず克服する。それは誰もができることじゃないですし、意見を聞いて直せるのは大切なこと」と感心しきりで太鼓判。父の言葉を受けて、梅枝も「同じ役者として、本番に強いのは、うらやましいですね。お子さんはみんな、そうかもしれませんが、舞台上でも物怖じせずに、冷静」と誇らしげだった。歌舞伎座「六月大歌舞伎」『妹背山婦女庭訓』特別ポスター歌舞伎座「六月大歌舞伎」『山姥』特別ポスター取材・文・撮影:内田涼<公演情報>歌舞伎座「六月大歌舞伎」【昼の部】川村花菱 作齋藤雅文 演出一、『上州土産百両首』二、『義経千本桜』所作事 時鳥花有里六代目中村時蔵 襲名披露狂言三、『妹背山婦女庭訓』三笠山御殿劇中にて襲名口上申し上げ候【夜の部】曲亭馬琴 原作一、『南総里見八犬伝』円塚山の場初代中村萬壽 襲名披露狂言二、『山姥』五代目中村梅枝 初舞台劇中にて襲名口上申し上げ候河竹黙阿弥 作新皿屋舗月雨暈三、『魚屋宗五郎』初代中村陽喜初代中村夏幹初舞台2024年6月1日(土)~6月24日(月) ※11日(火)、17日(月) 休演会場:東京・歌舞伎座チケット情報()公式サイト
2024年05月15日歌舞伎座『六月大歌舞伎』(6月1日~24日)で歌舞伎俳優の中村時蔵(なかむら・ときぞう/69)が初代中村萬壽(なかむら・まんじゅ)、時蔵の長男・中村梅枝(なかむら・ばいし/36)が六代目中村時蔵をそれぞれ襲名し、梅枝の長男・小川大晴(おがわ・ひろはる/8)が五代目中村梅枝が初舞台を踏む。このほど、取材会が開かれ、3人が出席した。昼の部は、六代目時蔵襲名披露狂言として、時代物の傑作『妹背山婦女庭訓』の「三笠山御殿」を上演し、祖父や父も襲名披露として勤めた女方の大役・お三輪を、新時蔵が初役で勤める。夜の部では、初代萬壽襲名披露、五代目梅枝初舞台として情趣あふれる舞踊『山姥』で新たな門出を寿ぐ。ゆかりの出演者がそろい、いずれの演目も出演者による劇中口上が行われるおめでたい雰囲気流れる公演となる。時蔵は、「やらなきゃいけないこともあるかと思いながらバタバタ、バタバタといたしておりますが、6月の初日が開くころにはけいこを済ませて、素晴らしい舞台ができるように努力している次第でございます」とあいさつ。梅枝は「私も梅枝という名前でいられる時間も残りわずかとなりました。『梅ちゃん』と皆さん呼んでくださってたんですけれども、梅ちゃんと呼ばれなくなるのかと思うと、とても名残り惜しいんですけれども、6代目時蔵として、自分に何ができるのか、どれだけ歌舞伎に貢献できるかっていうことを考えながら日々過ごしております」と話した。忙しい日々を過ごしている。襲名を実感する時を問われると時蔵は「これからもっともっと迫ってくれば余計感じると思うんですけども、今の段階はまだまだやり残してることがあるんじゃないかなという不安に駆られております」と苦笑い。具体的にはあいさつ回りだそう。「まだまだあそこ行かなきゃいけなかったんじゃないかとか、どこか漏れてるんじゃないか、毎日のように毎晩うち入って名簿を見たりしています。でも、きっとこれをタイアップだと思います(笑)。もうすぐけいこが始まりますので、そうするとそっちの方に没頭できて、そういうことが忘れられるんじゃないかなと思います」と話して笑わせた。梅枝はというと、「つい2日ほど前に6月の公演の台本が届きました。その台本の宛名が『中村時蔵様』となっておりました。もう次の公演から『中村時蔵』なんだと実感しました」としみじみ。一方の大晴は「たまに思います」と一言。梅枝から「台本に『中村梅枝様』と書いてあったでしょ?あれで思ったでしょ?」と問いかけ。しかし、大晴は「思ってない」と照れ隠しで否定し、梅枝から「思ってないんかい!」とツッコまれていた。それでも「中村梅枝です」とあいさつすることについて大晴は「慣れました」と返す。演じる怪童丸については「カッコよく演じたいです」と力強く語っていた。大晴について時蔵は「今は何にもしゃべらず、モジモジしてるんですけど、舞台でははっきり言うんです。本番に強い。それは初お目見得から。その時から度胸が据わっている。初日から『ママがどこの席にいた』と見えるような感じだったんです。ですから、6月の興行もたぶんきっとやってくれると思います」と話した。けいこは、あまり好きではないそう。それでも「あんまりいっぱいダメ出しすると頭がパンクしちゃうんで、重要なところだけ一つひとつずつ言う必ず直るんです。なかなか誰にでもあることではないので。人の意見を聞く、直せる能力ってのは大事なことだと思います」とうなる。梅枝も「本番に強いのは、同じ役者としてもうらやましいですね」とする。「さっき父も言いましたけど、言ったことがパッと直る。舞台上でも冷静ですし」と舞台人としての才能を語る。3月の興行では、尾上眞秀、坂東亀三郎と『喜撰』に出演していたが「弟曰く揚げ幕の下で3人で遊びまくってたらしい(笑)。でも、それでよくあんな普通に平然と出てきて、ちゃんと踊るなと思います。やることはきっちやる子だと思いました」と称えていた。最後に時蔵は「三代で襲名披露させていただきます。私も43年間乗りました名前を息子の梅枝に譲ることになります。梅枝が出来が悪かったら絶対譲りません。厳しい目で見ても、ずいぶんよくなってきました。三代襲名を見ていただいて、この先の私たちの成長も見ていただけたらと思っております。どうぞよろしくお願いいたします」と締めくくっていた。・五代目中村時蔵改め初代中村萬壽本名小川光晴。屋号萬屋。1955年4月26日、四代目中村時蔵の長男として東京に生まれる。1960年四月歌舞伎座『八重桐廓噺』「嫗山姥」の童ほかで三代目中村梅枝を名乗り初舞台。1981年6月歌舞伎座『妹背山婦女庭訓』「妹背山」の杉酒屋お三輪ほかで五代目中村時蔵を襲名。六代目中村歌右衛門、七代目尾上梅幸の薫陶を受け、気品ある佇まいが目を引く、歌舞伎界を代表する立女方。・四代目中村梅枝改め六代目中村時蔵本名小川義晴。屋号萬屋。1987年11月22日、五代目中村時蔵の長男として東京に生まれる。1991年6月歌舞伎座『人情裏長屋』の沖石一子鶴之助で初お目見得。1994年6月歌舞伎座『幡随長兵衛』の倅長松などで四代目中村梅枝を襲名し初舞台。たおやかな佇まいが目を引く若手女方。・五代目中村梅枝本名小川大晴。屋号萬屋。2015年10月28日、四代目中村梅枝の長男として東京に生まれる。2020年11月国立劇場『山権現誓助剣』「毛谷村」の弥三松で初お目見得。■あらすじ・昼の部『妹背山婦女庭訓 三笠山御殿』謀路をめぐらし権勢を誇る蘇我入鹿の三笠山御殿へ、入鹿の妹の橘姫が戻ってくる。橘姫の振袖に赤い糸をつけて後を追いかけて来た恋人の求女が現れると、二人は御殿の中へ…。そこへ、求女を追ってやって来たのは、杉酒屋の娘お三輪。恋い慕う求女の裾につけた苧環の白い糸が切れてしまい途方に探れるお三輪は、通りかかった豆腐買おむらにその行方を尋ねる。すると、これから橘姫と求女が祝言を挙げるとのこと。御殿の中へ急ぐお三輪だったが、橘姫の官女に弄ばれた挙句、聞こえてきたのは祝言を祝う声。嫉妬に狂い、すさまじい形相となったお三輪が中へ押し入ろうとすると、漁師饑七が立ちはだかり…。・夜の部『山姥』山姥に育てられ、足柄山ですくすくと成長した怪童丸。紅葉が美しい山中で、山姥と怪童丸は、一人の山樵と出会う。この山樵は実は主君・源頼光の命で家来にふさわしい武者を探して都からやってきた武将・三田の仕。怪童丸はその力量を認められ、都で召し抱えられることになる。喜ぶ山姥だったが…。
2024年05月15日5年前に放送され、日本のみならず世界中で社会現象を巻き起こしたドラマ『おっさんずラブ』。劇場版を経て、現在待望の初代『おっさんずラブ』の続編が放送中。「またあの二人が見られるなんて!」と、喜ぶ人たちが続出です。男性キャラが多いこの物語に登場する数少ない女性キャラの一人・荒井ちずを演じているのが内田理央さん。前作では田中圭さん演じる主人公の春田創一に片想いをする役でしたが、今作のちずさんは、なんと“シンママ”。私にお芝居の楽しさを教えてくれたのは、この作品と、そしてキャストのみなさんです。「そうなんです。いつのまにか結婚して離婚して、子供がいたんです、ちずさん…。初代『おっさんずラブ』のときは、年齢も近いし、ちずさんと私、同じペースで成長してるわ、なんて思ってたんですが、いつの間にか随分先に行かれてました…(笑)。シングルマザーとして子供を育てる彼女の本当の苦労は、経験をしていない私がどんなに想像してもわからないかもしれない。そういう意味で、今回の役を理解するのは結構難しく、悔しい思いをしながら取り組んでいる部分もあります。でも弱音を吐かずに頑張っているところや、他者に対してフラットに接する清々しさなどは初代『おっさんずラブ』のままなので、そのあたりを大切に、お芝居をしています」数々のドラマや映画に出演してきた内田さんですが、このドラマは自身にとって、芝居の楽しさを教えてくれた大切な作品なのだそう。「5年前の私は、セリフを覚えることや、現場でどう居るべきか、といったことを考えすぎてしまい、本当に緊張していたんです。でも現場に行ったら、田中圭さんはじめ役者のみなさんはもちろん、現場のスタッフの方々もとても楽しく仕事をしていて。それを見て、『そうか、仕事って楽しんでいいのか。楽しくやってたら伝わるんだ』ということを感じることができた。しっかり努力をして準備をしたら、あとは現場で楽しむ。このドラマで学んだその哲学は、それ以降の私の仕事にとても生きていると思います」田中圭さん、恋人の牧凌太役の林遣都さん、黒澤元部長役の吉田鋼太郎さんなどおなじみのメンバーに加え、本作から新たな登場人物として物語をかき乱している和泉幸を演じる井浦新さん、和泉の同居人である謎のおむすび屋・三浦翔平さんなど、このドラマはとにかく全員が芸達者。「実力者のみなさんと芝居をすることに対して不安もありましたが、もう逆に、こんな素敵な機会、楽しまなきゃ損と思い、身を委ねて演じさせてもらっています(笑)。なかでもやっぱり座長の(田中)圭さんはすごい。相手の小さなリアクションや表情の変化を全部受け取って、それを返してくれるんです。役者もスタッフも圭さんを大信頼して作品に挑んでいる感じがあるからこそ、いい作品になっている、そんな手応えがありますね」さて放送は残り2回。先週放送の7話では、ちずがシンママになった背景が明かされ、さらに黒澤元部長には健康問題も勃発。いったい、どんなエンディングを迎える!?「私は8話まで台本を読んでいるんですが、その時点ですでに信じられない展開が起きています。それを経ての最終回。どうなるのか、私自身も楽しみです。春田と牧の恋物語や取り巻く人たちがどうなるのか…、みんなで一緒に見守りましょう!」『おっさんずラブ‐リターンズ‐』春田と牧の新婚家庭に家政夫としてやってきたのは黒澤元部長!?天空不動産に中途入社してきた和泉、おむすび屋の店主、さらに和泉の亡き恋人は春田にそっくりな男性…。世界はますます混沌、あと2話で終了です!!テレビ朝日系にて毎週金曜23:15~放送中。うちだ・りお1991年生まれ、東京都出身。俳優としてドラマ、映画を中心に活躍中。雑誌『MORE』の専属モデルも務める。アニメやマンガ、ゲームに造詣が深いことでも知られている。ジャンプスーツ¥77,000(TELOPLAN/TELOPLAN CUSTOMER SUPPORTcustomer@teloplan.co)ピアス¥18,700リング¥41,800(共にe.m./e.m. 青山店 TEL:03・6712・6797)※『anan』2024年2月28日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・ゴトウカナエヘア&メイク・野口由佳(ROI)(by anan編集部)
2024年02月28日ずっと自分の外見に自信が持てなかった――幼少期の蒼川さんはどんなお子さんでしたか。蒼川愛さん(以下、蒼川)引っ込み思案で、人からどう思われているのかが気になるタイプでした。自分の気持ちを人に伝えるのが苦手かもしれないと、はっきり自覚したのは中学生くらいのときですね。所属していた合唱クラブに、歌も踊りも常に1番で憧れの女の子がいたんです。その子に憧れる反面、どこかで自分に劣等感を感じていました。自分の容姿や体型にも自信がなかったし、周りの友達と比べてなんで私はできないのかと、自分を下げるような悪いクセがついてしまったのかもしれません。――今の蒼川さんからは考えられないです。自分を好きになるために続けてきたことや意識的に変えたことはありますか?蒼川まずは外見から変わって自分のことを受け入れたいと思って、ダイエットや肌について勉強をしたり、メイクの仕方を練習したりしました。もともと勉強することは好きだったし、美容にも興味があったので夢中になって。でも間違ったダイエットで摂食障害になってしまったこともありました。大学生になって美容熱がもっと高まると、美容メディアを運営する会社のインターンとしてライター活動に取り組みました。メイクの勉強は、今もデパートの美容部員さんの意見を参考にすることが多いです。アイテムの扱い方や自分に似合う色の選び方など、プロの貴重な意見を聞くことができますし、商品を見ているだけでもワクワク。自分にはなかった視点で似合うものが見つかることもあって、足を運ぶたびに新しい発見がありますね。美容整形について興味を持ったのも大学生のころからで、コンプレックスだった奥二重の目や、目の下のクマとりなどの施術をしています。美容クリニックを選ぶときのポイントはある?――キレイになって、自分に自信を持てるようになりましたか?蒼川そう簡単ではなかったですね。本当の意味で「私は私のままでいいんだ」と思えたのは、子どもを産んでからだったと思います。ただ、外見って、人に与える印象も大きいと思うのです。私は少しずつ変えていくことで、人の目を見て話しやすくなったし、コミュニケーションをとりやすくなったように感じます。美容整形はハードルが高いと思っている人もまだ多いと思いますが、それでコンプレックスが払拭できて明るくなれるなら絶対にいい。私は日常的なお肌のメンテナンスも信頼できるクリニックやサロンに通うようにしています。――お肌がツヤツヤピカピカですよね。日常的にされているメンテナンスを教えてください!蒼川年齢とともにへこんでくるこめかみや、おでこや頬はまるく見えたほうが若々しい印象になるので、ヒアルロン酸を入れています。あとは、溶ける糸を注射して目の周りのしわを目立たないようにしたり、フェイスラインと肩にボトックス注射をして筋肉を緩めたりしています。産後はシミや肝斑が出やすくなったので、悩みに合わせて定期的にレーザーで治療もしていますね。おそらく、気になるところや肌悩みがあるものの、クリニックの施術となるとちょっと気が引けてしまって一歩を踏み出せないとか、クリニックやメニューもたくさんあってどれを選べばいいかよくわからないというママもいらっしゃると思います。私はセルフケアでカバーしきれないところは、美容医療やエステなどプロの手を借りるのもいいと思っています。クリニックでプロからアドバイスをもらって、デイリーケアに活かせることもたくさんありますよ。――「やってみたいけれどどこを選べばいいのかわからない」と迷う人も多いと思います。美容クリニックの選び方にコツはありますか?蒼川まずはホームページを見て、取り扱っている機械やメニューの豊富さ、肌のお悩みなら肌管理のメニューが豊富かなどをチェックすること。メニューが多いほうが施術の幅が広がって、より個人の悩みに寄り添った施術を受けやすいと思います。カウンセリングも大切です。本当に肌のことを考えてくれているクリニックなら、希望している施術やイメージについて、しっかり詳しく説明してくれると思います。美容医療ははじめてで、まだ右も左もよくわからないという人こそ、専門家のアドバイスを通じて、その後のケアや方向性を明確にできるのではないでしょうか。――カウンセリングをして自分とクリニックの相性を見極めることが大事なんですね。蒼川そうですね。あとは、クリニックのインスタグラムなどから症例写真を見比べるのも参考になります。実際の施術例を見るとイメージもつきやすいですよね。何よりも睡眠が一番大事!――産後は美容に力を入れるのもなかなか難しい時期がありますよね。蒼川本当にそうですよね。私も子どものお世話に必死になっていたから、3日くらい自分の髪を洗えない日が続いたことがあって。自分のスキンケアをする時間がとれなかったり、髪を洗えても乾かす時間がとれなくて、気づいたらボサボサのまま乾いていたり……。仕方がないことですが、鏡を見たらそこにはボロボロの自分が写っていて、つらいときもありました。それにはとてもストレスを感じていたことをよく覚えています。――やっぱりそうですよね。そんな中でも続けていたことはありますか?蒼川睡眠時間だけは気をつけていて、できるだけ0時までには寝るようにしています。これは高校生のときから続けていて、習慣化していますね。もともとロングスリーパーで、多いときは10時間近く寝ていることもありました(笑)。夜中も授乳がある時期は無理でしたが、子どもの睡眠リズムが安定してからは、子どもを寝かしつけるタイミングで一緒に寝ることで、睡眠時間を確保しています。睡眠時間を十分に確保できているとお肌の調子もいいし、メンタルも安定しやすくなりますね。逆をいえば、しっかり睡眠時間を確保できていないと、どんな美容方法も効果が半減してしまうような気がします。――睡眠は大切ですよね。普段のスキンケアについても教えてください。蒼川朝は洗顔フォームを使わず、水かぬるま湯だけで顔を洗っています。単純に時間がないこともあるのですが、必要な油分まで落としすぎてしまうような気がして。洗顔後は摩擦をかけないように使い捨てのコットンタオルでやさしく顔を拭きます。保湿はRMKのプレケア用のトリートメントオイルを導入してから、Medical Proofの化粧水と、同じラインのクリームかUVクリームをつけて終了。全部で10分かからないくらいでさっとすませます。クリームはかためのテクスチャーのものが好みなので、朝と夜で使いわけていますね。――夜のスキンケアのこだわりはありますか。蒼川朝よりは時間をかけて保湿しますが、夜の場合はとにかくメイク落としですね。クレンジングの順番にはちょっとしたこだわりがあって、入浴前や入浴中ではなく、すべて洗い終えてから入浴後にクレンジングしています。ずっと続けている美容法のひとつですが、お風呂で洗ってしまうとメイク汚れがちゃんと落とせていなかったり、流しきれていないシャンプーやトリートメントの成分が顔に残ってしまったりするので。一番最後にクレンジングすれば、肌も乾燥しにくくなるのでおすすめです。――当たり前のように最初にメイク落としをしていたので、目からウロコです。最後に、今も自己肯定感を維持するために日ごろから心がけていることはありますか。蒼川毎日必ず鏡を見て、自分のいいところを見つけるようにしています。美容をがんばっている以上、最終的な評価は自分自身が決めること。「今日は昨日よりも肌の調子がいいな」「ここは前よりも好き!」など、自分で自分の努力を認めてあげることで、また明日からもがんばろうという気持ちになれるんです。蒼川愛さん/インフルエンサー島根県生まれ。早稲田大学政治経済学部在学中に『バチェラー・ジャパン』シーズン1に参加、初代バチェラーのハートをつかみ一躍時の人に。その後「ミスiD2018」に選出され本格的な芸能活動を始める。美容やファッションに精通し20代前半から30代の女性に絶大な支持を得るインフルエンサー。初の著作「蒼川愛という生き方。」(フローラル出版)も好評発売中。Instagram@tougarashi_suki『蒼川愛という生き方。』(撮影:渡会春加、構成:宮本貴世)
2024年01月25日「バチェラー」配信後は「あざとい」と言われて――「バチェラー・ジャパンシーズン1」に参加したときは、大学生だったのですね。蒼川愛(以下、蒼川)そうです。事務所関係者の方からオーディションへの参加をすすめられて、就職活動もあるしはじめは迷いがあったのですが、アメリカで人気の番組をはじめて日本版として制作するということで、「シーズン1に参加できることに意義がある」と強く背中を押していただきました。撮影期間はスマホの使用も漫画などの娯楽も厳禁。メンバーとボードゲームをして過ごしていました。――カップル成立から放送までは少しタイムラグがありますよね。蒼川撮影が終了してから番組の配信がすべて終わるまでの期間は、私がローズをもらったことは絶対に誰にも知られてはいけませんでした。違約金も発生するので、私も久保さん(初代バチェラー・久保裕丈さん)も、デートで移動するときは別々に歩いていましたし、とても用心していました。撮影終了後、スタッフの方から久保さんと私に沖縄旅行をプレゼントしていただきましたが、飛行機もそれぞれ別の便で、到着日をずらして現地集合に(笑)。極力人目につかないよう徹底していました。――配信後、周りからの反響を受けてご自身に変化はありましたか。蒼川最初は「あざとい」「売名」と言われて炎上するようなことも多かったです。今は「あざとい」という言葉が世間に良い意味で浸透しているように感じますが、当時はどちらかというとマイナスの印象が強い言葉でした。批判を真に受けて傷つくこともあったし、SNSを開くこともつらく感じて「出なければよかったかな……」と思った時期もあります。でも悩んでいるとき、大学の先輩から「嫌いな人って、実は全体の2割くらいしかいないものだよ。好きの声は届きづらいけど、嫌いの声は届きやすいから。だから、愛ちゃんのことを好きな人のほうが圧倒的に多いよ」と言ってもらえて。ああそうかもしれない、と素直に思えて、心の持ち方が変わりました。シングルマザーの道を選んだ理由――25歳のときにお子さんを出産されたのですね。蒼川久保さんとお別れしたあと、結婚を前提につき合っていた方がいました。でも、つき合っていたころから彼との関係に悩むことが多く、ストレスから体調を崩して、当時の私はかなり痩せ細っていて。高校生のころから生理不順だったこともあり、体調不良で病院にいくまで、妊娠していることに気づかなかったのです。――気づいたときには何ヶ月だったのですか?蒼川そのときすでに妊娠6ヶ月で、お腹の子はしっかり育っていました。私には産む以外の選択肢はなかったのですが、彼との関係をどうするかはとても悩みましたね。出産のため地元の島根に里帰りし、物理的に彼と離れたことで気持ちがとても落ち着いて体調もよくなってきたので「やっぱりきちんとお別れしたほうがいい」と決断でき、シングルマザーの道を選びました。――不安はありませんでしたか。蒼川子どもを産むことへの不安や迷いはありませんでした。妊娠がわかって、病院で「あなた、ママになるのよ」と言われたときにどこかスイッチが入ったような気がします。一気に覚悟を決められたというよりは、少しずつ自然と受け入れられるようになった感じですね。また、地元という安心できる環境にいて、母のサポートがとても心強かったことも大きいです。出産してからもしばらくは実家の世話になっていましたが、1歳を過ぎたころに息子の病気がわかったんです。そのときも、一人じゃなくて良かったと思います。――どのような病気なのですか。蒼川「赤芽球ろう」といって、赤血球をつくる機能はあるものの、それが正常にはたらかず、貧血を引き起こす病気です。もともと息子の肌は色白だとは思っていたのですが、ある日スーパーで買い物をしているとき、唐突に知らない女性から心配そうに「お子さん、肌が白いけれど大丈夫?」と声をかけられて……。健診で指摘されたことはありませんでしたが、言われてみればそのころ、息子はすぐゴロンと寝転がったり、あまり活動的でない様子が見られていて、やっぱりおかしいのではないかと病院を受診しました。そこで、ヘモグロビンの数値が極端に低いことがわかって、病名の診断がくだりました。あと少し数値が低かったら命が危なかったといわれ、すぐに入院することになったんです。――それはショックでしたよね。蒼川当時はなんでもっと早く気づけなかったのかと自分を責める気持ちが強かったですね。ただ、つらい時期もありましたが、入院を経て状態が安定し、とても元気になりました。今ではとても活発です!最近は電車に興味があるみたいで、プラレールが大好きですね。車種にもとても詳しいです(笑)。息子が2歳になるころには東京に戻り、今は母子二人で楽しく暮らしています。SNSの自分と本当の自分がズレていって……――蒼川さんは美容インフルエンサーとしてSNSで様々な発信をしていますが、お子さんのことはすぐには公表できなかったそうですね。蒼川はい、妊娠中はもちろん、出産後も子どものことはすぐには公表できませんでした。「父親は誰ですか?」「結婚しているのですか?」という質問が寄せられることは予想できましたし、当時は自分もまだ不安定で、はっきりしたことはなにも言えない状態だったんです。中途半端な状態で公表しても苦しくなるだけなので。――公表しようと決めたのは、何かきっかけがあるのですか?蒼川子どもが成長するにつれて徐々に母子のコミュニケーションや意思疎通が増えてくると、今まで私が続けてきたような世界をSNS上で維持していくことは難しく感じられました。プライベートの私はもう、たった1人の息子のママだから。SNSでの自分と私生活とのズレが大きくなってしまうことには耐えられそうになかったので、気持ちのためにも公表しました。息子が1歳半くらいのときのことです。でも、子育て中のママのフォロワーさんが多かったこともあってか、公表してみたら予想以上に温かな反応がとても多くて。もっと早く伝えたらよかったと思うほどでした。――ほっとしましたね。子育てを通じて感じている変化はありますか。蒼川ずっと自分に自信が持てずコンプレックスを抱えていたのですが、「私は私自身のままでいいんだ」とちゃんと自分のことを認めてあげられたのは、この子の親になってからです。シングルマザーとして息子と頑張っていこうと決意できてから、自分の人生は自分で決めていいんだと気持ちがラクになったこともあると思います。息子には「こう育ってほしい!」という強い願望はなくて、本人が好きなこと・やりたいことをできる限り応援したいですね。蒼川愛さん/インフルエンサー島根県生まれ。早稲田大学政治経済学部在学中に『バチェラー・ジャパン』シーズン1に参加、初代バチェラーのハートをつかみ一躍時の人に。その後「ミスiD2018」に選出され本格的な芸能活動を始める。美容やファッションに精通し20代前半から30代の女性に絶大な支持を得るインフルエンサー。初の著作「蒼川愛という生き方。」(フローラル出版)も好評発売中。Instagram@tougarashi_suki『蒼川愛という生き方。』(撮影:渡会春加、構成:宮本貴世)
2024年01月24日歌舞伎俳優の中村時蔵が1月22日(月)、都内で行われた「歌舞伎座六月大歌舞伎」記者発表会見に出席し、同公演で初代中村萬壽(まんじゅ)を襲名すると発表した。併せて、時蔵の長男・中村梅枝が6代目中村時蔵を襲名し、梅枝の長男・小川大晴が5代目中村梅枝として初舞台を踏むことも発表された。会見で、時蔵は「目が黒いうちに時蔵を継がせ、もっと指導しなければ」という思いから、息子に名跡を譲ることを決断したと説明。「日頃から、彼の舞台を見ていて、すごく良くなっている」と梅枝への思いを語るとともに、「引退する気も、隠居する気もありません。今後もバリバリ初役も勤めて、指導もしていきたい」と現役として意欲を燃やした。なお、萬壽とは、平安時代の元号(万寿)に由来しており「元年が1024年で、ちょうど1000年前。それも因縁めいている」と話していた。中村時蔵一方、梅枝は襲名を打診された際を振り返り、「さすがにまだ無理ですという思いだった」と明かしながら、父・時蔵との話し合いや周囲への相談を重ねるうちに「自分の中で気持ちが高まったので、お受けしますよとお返事した」と経緯を説明。「父が亡くなるまで、自分は梅枝だと思っていたし、皆さんも了承しないと思っていた」と本音も語り、「襲名はありがたいこと。代々の時蔵さんに恥ずかしくないよう、今まで以上に責任感を持って、芸道にまい進していきたい」と意気込んだ。また、初舞台を踏む孫の大晴について、時蔵は「彼は女形が嫌いなんです。見得が好きみたいで。その思いをどこかで女形も面白いぞと導きたい」と目を細める場面も。当の大晴は、将来の夢は「プロ野球選手」だと答え、会場を沸かせていた。中村梅枝小川大晴会見には、中村獅童とともに、長男・小川陽喜と次男・小川夏幹も出席。同じく6月興行で初代中村陽喜、初代中村夏幹として初舞台を勤めることになった。萬屋一門が揃い、ファンに襲名を披露するとともに、一門の未来を担う若き3人が、歌舞伎俳優としての一歩を踏み出すことが決まった。中村獅童左から)小川夏幹、小川陽喜獅童は「もともと私の思いとして、またいつか6月の萬屋興行を復活させたいという気持ちがあった」と振り返り、時蔵と梅枝の襲名のタイミングで、陽喜と夏幹の出演プランも固まったと明かした。最近の息子たちの様子については、「最近はすっかり暴れん坊になりまして(笑)。毎日、芝居や立ち回りで戦いごっこをしながら、やんちゃに成長している」と頬を緩め、初舞台決定を知らせると「イエ~イって喜んでいました」と笑顔を見せた。取材・文・撮影:内田涼<公演情報>歌舞伎座『六月大歌舞伎』【昼の部】『妹背山婦女庭訓三笠山御殿』(いもせやまおんなていきん みかさやまごてん)お三輪中村梅枝 改め 六代目中村時蔵【夜の部】『山姥』(やまんば)※常磐津の舞踊です。山姥中村時蔵 改め 初代中村萬壽怪童丸五代目中村梅枝(初舞台)『新皿屋舗月雨暈魚屋宗五郎』(しんさらやしきつきのあまがささかなやそうごろう )魚屋宗五郎中村獅童丁稚初代中村陽喜(初舞台)丁稚初代中村夏幹(初舞台)2024年6月会場:東京・歌舞伎座
2024年01月23日江戸時代中期に実在した、伝説的歌舞伎役者・初代中村仲蔵。梨園の血縁でないにも関わらず、四代目市川團十郎に見出され、異例の出世を遂げた大スターである。そんな仲蔵の波乱に満ちた半生を描き出す、舞台『中村仲蔵―歌舞伎王国 下剋上異聞―』。タイトルロールの仲蔵を、蜷川幸雄に見出された演劇界の申し子、藤原竜也が演じる。脚本を手がけるのは、21年のドラマ版と同じく源孝志。さらにこれまでも相性の良さを発揮してきた蓬莱竜太の演出のもと、藤原はいかなる仲蔵を舞台上に体現しようとしているのか。そう簡単に入り込むことが出来ない“歌舞伎”の世界――今回歌舞伎役者を演じられますが、これまで歌舞伎に対してどんなイメージを持たれていましたか?僕の中では六代目中村勘九郎さんのイメージがとても強いです。この時代に中村勘九郎あり!と、共に今、演劇に関わる役者で良かったと思えるぐらいの存在ですから。そんな勘九郎さんが演じていたのが、ドラマ版(※21年に放送された『忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段』)の仲蔵。彼の熱い、強いイメージを常に心の内に留めつつ、今回自分なりの仲蔵を演じられたらと思っています。――踊りの稽古はすでに1年ほど続けられているそうですね。中村流の中村梅彌先生に教えていただいています。僕は気持ちのいい春の日も、炎天下のとても暑い真夏の日も、肌寒くなってきた秋の日も、汚ないジャージに汚ないTシャツ、リュックひとつで先生の家に通っているのですが(笑)、いつも懐かしい感覚を覚えるんです。というのも15、16歳のころの自分と着ているものが変わらなくて(笑)。毎日「今日も稽古イヤだなぁ、難しいよなぁ」と思いながら稽古場に行き、終わるとちょっと清々しい気持ちで帰路に就く。知らないことを学ぶってやっぱり大事ですからね。帰り道が非常に心地いいのは、きっとそれが理由で。数日後にまた梅彌先生の稽古がありますが、きっと思うはずなんですよ。「行きたくねえな」って(笑)。さらに最近は勘九郎さんが来て、「そろそろ教えようか?」なんて言ってくれるんです。でもいやいやと。勘九郎さんとは大河ドラマ『新選組!』(04年)から家族ぐるみのおつき合いをさせてもらっていますが、どんなに長いつき合いであっても、やっぱり入り込めないところはあって。歌舞伎ってそう簡単に真似られるものではないですから。じゃあ今回我々はどうするのかと言ったら、演劇としてこの作品を成立させる。それしかないのではないかと思っています。“演劇の持つ力”というものを存分に発揮出来る作品に――演じる仲蔵についてですが、同じ役者として惹かれるところはありますか?他の人がやってこなかったことにチャレンジし、芝居の世界を広げることで見物衆を驚かせる。その精神力、勇気っていうのは、本当にすごいなと思います。打たれても、打たれても這い上がっていく、という部分では、どこか自分にも通じる部分を感じます。先ほどもお話ししましたが、僕は15、16歳のころに蜷川幸雄さんに出会い、打たれて、打たれて、今の自分があるわけです。もちろん当時は辛くて、逃げ出したい瞬間もありましたよ(笑)。でも振り返ってみれば、すべて自分のためになっている。本当にありがたいことだと思います。――ドラマ版と同じく源孝志さんが脚本を手がけられますが、舞台版ならではの魅力とは?ホンが本当に面白いです。非常に壮大なストーリーではありますが、とてもわかりやすいものにもなっていて。瞬間的に江戸の世界、歌舞伎の世界、さらにヒエラルキー構造の楽屋の世界へと引き込む手腕というのは、やはり源さん、さすがだなと。僕は源さんの監督作品にも参加していますが、源さん自身、とても人間的に魅力のある方なんですよね。一緒にいて面白いし、芝居好きだし、バカな話もたくさんする(笑)。そういう柔軟な人間性が、源さんの描く作品の魅力にも繋がっている気がします。――演出は、『渦が森団地の眠れない子たち』(19年)でもご一緒された蓬莱竜太さんが手がけられます。源さんと同じくとても才能のある、そして信頼の置ける方ですから。こうしてまた一緒に作業させてもらえることは、本当にありがたいなと思います。僕としては安心して身を委ねられますし、また共演者の皆さんが本当に素敵な方ばかり。どんな舞台になるかは演出の蓬莱さんにお任せし、僕らはとにかく精一杯、振り切ってお芝居出来たらなと。きっと“演劇の持つ力”というのを、存分に発揮出来る作品になるのではないかと思います。取材・文:野上瑠美子撮影:源賀津己<公演情報>Sky presents 舞台『中村仲蔵 ~歌舞伎王国 下剋上異聞~』脚本:源孝志演出:蓬莱竜太出演:中村仲蔵:藤原竜也初代市川八百蔵/酒井新左衛門:市原隼人中村伝蔵:浅香航大志賀山お俊:尾上紫中村伝九郎:廣田高志七代目中村勘三郎/中村任三郎:植本純米瀬川錦次:古河耕史五代目市川團十郎ほか:深澤 嵐蕎麦屋の万蔵ほか:斉藤莉生金井三笑:今井朋彦コン太夫:池田成志四代目市川團十郎:髙嶋政宏ほか2024年2月6日(火)~2月25日(日)会場:東京建物Brillia HALL【ツアー公演詳細】■広島公演期間:2024年2月29日(木)~3月1日(金)会場:広島文化学園HBGホール■名古屋公演期間:2024年3月7日(木)~3月10日(日)会場:御園座■宮城公演期間:2024年3月15日(金)~17日(日)会場:東京エレクトロンホール宮城■福岡公演期間:2024年3月22日(金)~24日(日)会場:キャナルシティ劇場■大阪公演期間:2024年3月27日(水)~3月31日(日)会場:SkyシアターMBSチケット情報:公式サイト:
2023年12月11日2024(令和6)年2月東京・歌舞伎座、3月名古屋平成中村座で上演される「十八世中村勘三郎十三回忌追善興行」の合同取材会が11月28日、都内で行われ、中村勘九郎、中村七之助が出席した。時代物から世話物、新歌舞伎に新作歌舞伎、舞踊に至るまで、幅広い分野で当り役を持ち、人々を魅了し続けた十八世中村勘三郎。その十三回忌追善では、勘三郎の長男・勘九郎、次男・七之助をはじめ、由縁の出演者と演目が揃い、名優を偲ぶ。1987(昭和62)年1月歌舞伎座『猿若江戸の初櫓』猿若=十八世中村勘三郎(当時 五代目勘九郎)©松竹1992(平成4)年10月南座『青砥稿花紅彩画 白浪五人男』弁天小僧菊之助=十八世中村勘三郎(当時 五代目勘九郎)©松竹2月歌舞伎座では、寛政元(1624)年に初代猿若(中村)勘三郎が、後の中村座である猿若座の櫓をあげ、江戸で初めて歌舞伎興行を創始したことを記念して始まった「猿若祭」を開催。続く3月名古屋平成中村座では、初代勘三郎生誕の地とされる愛知県名古屋市中村区で、十八代目中村勘三郎襲名披露として、平成18(2006)年以来となる同朋高校体育館での公演が実現する。勘九郎は歳月の流れに思いをはせながら、「祖父が父に『追善興行ができるような役者になっておくれ』と言っていた通り、追善興行ができるのは本当にうれしい」としみじみ挨拶し、「親孝行は何ひとつできていなかったと思うが、これで少しは親孝行ができるのかなと思う」と安どの表情。七之助も「1年を通して、父の追善興行を行えるということは息子として本当にうれしく、身の引き締まる思いです」と背筋を伸ばした。2010(平成22)年4月歌舞伎座『連獅子』狂言師後に親獅子の精=十八世中村勘三郎、狂言師後に仔獅子の精=中村勘九郎(当時 二代目勘太郎)、狂言師後に仔獅子の精=中村七之助©松竹2月歌舞伎座夜の部では、初代勘三郎が、江戸で芝居小屋建立を幕府に認められるまでを描いた中村屋由縁の舞踊劇「猿若江戸の初櫓」を上演。勘九郎の長男・中村勘太郎が初役で猿若を勤め、出雲の阿国で七之助が華を添える。17代目と18代目の伝説的な共演以来、中村屋を語る上で欠かすことができない舞踊の大曲「連獅子」では、親獅子に勘九郎、仔獅子には10歳となる次男の中村長三郎が初めて挑むことになった。猿若を勤めることを知った勘太郎の様子について、勘九郎は「マスク越しに笑みがこぼれるのが見えて、愛おしかった」と目を細め、「連獅子」に初挑戦する長三郎には「火の玉のような子獅子を演じてくれるはず」と期待を寄せた。2010(平成22)年2月歌舞伎座『籠釣瓶花街酔醒』佐野次郎左衛門=十八世中村勘三郎©松竹昼の部では、勘三郎が当り役にした「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」の佐野次郎左衛門を、勘九郎が初役で勤め、女方の大役・兵庫屋八ツ橋を七之助が同じく初役で勤める。「いつかやりたいとタイミングを模索していた。兄弟ふたりでできるので、父も喜んでいるはず」(勘九郎)、「八ツ橋は、女方あこがれのお役。初役はありがたい」(七之助)と声を弾ませた。さらに、各地の芝居小屋やホールをめぐる「陽春・春暁・錦秋歌舞伎特別公演2024」、10月には「俊寛」の舞台である鹿児島県三島村・硫黄島で13年ぶりの開催となる「三島村歌舞伎」も決定した。勘九郎は「2011年に2回目の『俊寛』を三島村で演じた時、私が14歳で千鳥をやらせていただいた」と回想。勘太郎(当時は七緒八)が誕生した頃で、「父が『七緒八が14歳になるのはいつだ?俺が70歳になるから、その記念でまたやろう』と決めていた」と秘話を披露。「それが見られなかったのは悔しいんですが、父の遺志を継いで、三島村で俊寛を勤められるのも、本当に楽しみ」と追善興行ラインナップに奔走する2024年に闘志を燃やしていた。取材・文・撮影(会見写真):内田涼<公演情報>十八世中村勘三郎十三回忌追善■「猿若祭二月大歌舞伎」【昼の部】11:00~一、新版歌祭文野崎村二、釣女三、籠釣瓶花街酔醒【夜の部】16:30~一、猿若江戸の初櫓二、義経千本桜すし屋三、連獅子2024年2月2日(金)~2月26日(月)※13日(火)、20日(火)休演※9日(金)昼の部は貸切(幕見席は営業)会場:東京・歌舞伎座■「名古屋平成中村座 同朋高校公演」【昼の部】11:00~一、弁天娘女男白浪二、身替座禅【夜の部】15:30~一、義経千本桜川連法眼館二、二人藤娘2024年3月6日(水)~3月18日(月)※12日(火)休演会場:平成中村座(学校法人 同朋学園 同朋高等学校 体育館)公式サイト:
2023年11月29日歌舞伎座新開場十周年「『秀山祭九月大歌舞伎』二世 中村吉右衛門三回忌追善」が、9月2日から25日まで東京・歌舞伎座で上演される。2021年に逝去した中村吉右衛門の三回忌追善として行われ、数々の当り役を持ち、多くの人々を魅了してきた歌舞伎界屈指の名立役をゆかりの演目、出演者で偲ぶ。夜の部では、歌舞伎三大名作のひとつ、『菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)』より、原作の三段目にあたる『車引』が上演されることになり、中村又五郎、歌昇、種之助が出演する。松王丸、梅王丸、桜丸という三つ子の兄弟の争いを描き、歌舞伎の様式美を凝縮した華やかな演目。又五郎の松王丸、歌昇の梅王丸、種之助の桜丸という配役で、豪快な荒事の魅力を披露する。『菅原伝授手習鑑 車引』平成30(2018)年7月大阪松竹座公演より、松王丸=中村又五郎(c)松竹『菅原伝授手習鑑車引』平成26(2014)年4月金丸座より、梅王丸=中村歌昇(c)松竹『菅原伝授手習鑑車引』2023年「秀山祭九月大歌舞伎」オフィシャルビジュアルより、桜丸=中村種之助(c)松竹又五郎、歌昇、種之助の親子3人で『車引』の三兄弟を勤めるのは、今回が初めて。このたび、都内で行われた取材会に顔を揃え、それぞれの意気込みを語るとともに、在りし日の吉右衛門の思い出話も披露した。「古典中の古典ですし、播磨屋の一員として、お兄さんにお稽古で教えていただいた“核の部分”をしっかり噛みしめながら、舞台に挑めたら」。そう語る又五郎は、「大きなお役を、ここにいる3人で勤められるのは、なかなかない機会で親としてはとてもうれしいこと。子どもたちは嫌だと言うかもしれませんが(笑)」と親子共演に喜びを示し、演じる松王丸については「梅王丸、桜丸を痛めつけるのではなく、体から出てくるパワーで抑えつける感じが出せれば」と語った。梅王丸を勤める歌昇は「播磨屋として、おじさまの舞台に対する姿勢を近くで見てきました。教えていただいたことをしっかりと継承し、おじさまに近づけるように精進することで恩返ししたい。親子3人での共演もうれしいですし、梅王丸は金丸座以来、だいぶ時間が経っているので、成長した姿をお見せしなければ」と決意表明。桜丸を勤める種之助は初役となり、「(尾上)菊之助のお兄さんに教えていただきます。教えをしっかりと自分のものにして、歌舞伎座という舞台に見合う桜丸を目指していければと思います」とこちらも闘志を燃やした。吉右衛門との思い出を問われると、又五郎は「スパルタという意味ではなく、『あそこはこう』とお厳しい指導をいただいた。こちらが進歩をすれば、『そうだ、あれでいいんだよ』と褒めてくださった」としみじみ。「お言葉すべてが財産。舞台に対する姿勢の厳しさは常々でしたが、映画を観たり、絵画を鑑賞したり、そういった体験や経験が自分の豊かさにつながるとも教えていただいた」(歌昇)、「とにかく死ぬ気でやれと言われました。生前には『これからの歌舞伎はどうなるんだろうね』とも。時代が変わり、お客様の求めるものも変わるなかで、古典以外に新作や昔の古典の再演など、工夫をこらしているが、それには驚いていると思うし、どんな歌舞伎を望んでいらっしゃったのか分かりませんが、私たちが教わったことを守っていきたい」(種之助)と話していた。<『菅原伝授手習鑑 車引』あらすじ>三つ子の兄弟、松王丸(又五郎)、梅王丸(歌昇)、桜丸(種之助)は、それぞれ藤原時平、菅丞相、斎世親王に奉公しています。主人たちの対立により、今は敵味方となった三人。ある日、梅王丸と桜丸は主人の無念を晴らそうと、敵である時平が乗る牛車の行く手を阻みます。それを止めに入ったのが松王丸。三人が争う内に牛車より時平(中村歌六)が現れ……。取材・文:内田涼<公演情報>歌舞伎座新開場十周年「秀山祭九月大歌舞伎」二世中村吉右衛門三回忌追善【昼の部】11:00~一、祇園祭礼信仰記金閣寺二、土蜘三、二條城の清正【夜の部】16:30~一、菅原伝授手習鑑車引二、連獅子三、一本刀土俵入取手宿安孫子屋よりお蔦の家 軒の山桜まで2023年9月2日(土)~9月25日(月) ※11日(月)、19日(火) 休演会場:東京:歌舞伎座
2023年08月22日『大食い魔女』の呼び名で知られる大食いタレントの菅原初代さんが、2023年3月9日に亡くなっていたことが分かりました。59歳でした。菅原さんは、2022年6月に大腸がんと診断され、自宅に開業していたパン店を閉店し、闘病に専念していました。また、自身が集めていた美術品をギャラリーで展示するなど、コレクターとしても活動。2023年2月6日~17日まで、岩手県盛岡市内のギャラリーで展示を行っていました。同月18日には、かつてテレビ番組で共演した大食いタレントの面々と、展示会場で再会する様子が、Twitterで公開されています。元祖!大食い王決定戦の戦友たちから。「史上最強魔女菅原」、これが私達の気持ちです、と伺って嬉しかった。2006年にこの番組に出会っていまの自分がいると思っています。ありがとうございました#元祖大食い王決定戦 #魔女菅原 pic.twitter.com/upWB0bzX3K— 魔女菅原 (@greengreen442) February 18, 2023 ネット上では、「信じられないです」「菅原さん、ちょっと早いですよ…」「テレビで見るお人柄に、元気をもらっていました」など、菅原さんとの別れを惜しむコメントが多数投稿されています。菅原さんのご冥福をお祈りいたします。[文・構成/grape編集部]
2023年03月17日初代ファミスタ全国大会 実行委員会は、1986年12月10日に発売されたファミコン用ソフト「プロ野球ファミリースタジアム」(以下、初代ファミスタ)の全国大会を2023年12月10日に初開催します。全国大会の開催に向けた練習会として、3月25日に初代ファミスタの大阪大会をNPO法人夢検定協会の事務所(東大阪市森河内西2-36-15)で開催することが決定しました。初代ファミスタ全国大会の開催チラシ1. 初代ファミスタの大阪大会(練習会)日時 :2023年3月25日(土) 11時~16時場所 :NPO法人夢検定協会 事務所(東大阪市森河内西2-36-15)定員 :12名ルール :参加者による総当たり方式想定ゲーム数:8~12試合程度参加費 :500円申込み :必要*初代ファミスタ全国大会( )のTwitterのDMからお申込み下さい2. 初開催する初代ファミスタ全国大会の概要日時 :2023年12月10日(日)場所 :大阪市内参加定員:16名もしくは32名会費 :1,000円程度対戦方式:3試合中2試合先勝のトーナメント方式*ルール等の詳細は変更の可能性があります2022年10月27日の大阪大会(練習会)の写真3. 全国大会の広報ツール(初代ファミスタの愛好家らが作成)▼初代ファミスタ全国大会Twitter ▼プロモーションビデオ 制作:大笑映画の会▼公式ソング「ファミスタやろうよ」 *詞・曲・歌:三浦大樹プロモーションビデオのキャプチャー4. 36年前に発売されたレトロゲームの全国大会を開催する理由NPO法人夢検定協会の代表理事である琵琶 博之の夢を実現させるため。夢は、子どもの頃に夢中になった初代ファミスタの全国大会を開催して、誰が一番強いかを決めるというもの。2020年の東京オリンピック開催時期にあわせて、サブタイトル「おっさんたちのもう一つのオリンピック」と題して、全国大会を開催する予定でしたが、コロナ禍により延期した経緯があります。5. 権利関係ゲーム機やソフト名などの登録商標はそれぞれの会社に帰属しています。6. その他初代ファミスタの全国大会の初開催に協力してくれる方を募集しています。内容は、会場や機材の提供、賞金スポンサー、オンライン配信のスタッフなどです。詳しくはお問合せ下さい。7. 本件に関する問合せ先初代ファミスタ全国大会 実行委員会NPO法人夢検定協会 代表理事 琵琶 博之(びわ ひろゆき)TEL : 090-7967-1303MAIL: biwa@gold.ocn.ne.jp 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年03月14日2023年3月に全国12カ所で行われる『中村勘九郎 中村七之助 春暁特別公演2023』のオンライン合同取材会を12月14日(水) に実施。毎年恒例となった巡業への思い、そして各演目の解説、見どころを中村勘九郎、中村七之助が語った。2005年からスタートした〈春暁特別公演〉は、時期によって〈錦秋〉〈新緑〉〈陽春〉と銘打ち回を重ねながら、来春で18回目を迎える。これまでに行った公演を含めて、2022年の春には全国47都道府県を制覇するという偉業も成し遂げた。始まった当初は「こんなに長く続くとは思っていなかった」という勘九郎は、「過去の芸談コーナーで〈継続は力なり〉という話をしたこの巡業ですが、私たちはもちろん、中村屋の弟子たちも含め、みんなの力になっていますし、特別公演をきっかけに、歌舞伎座や中村座、他の劇場に足を運んで下さる新たなお客様が増えたことも、続けてきたおかげだと感じています。コロナがまだ不安定な状況ではありますが、来年も全国を巡業ができることは、本当にありがたいことだと思っております」。七之助は「今回も含めてコロナ禍で巡業を行うこと自体が難しかったり、歌舞伎座や東京、大阪といった大都市に行きづらいという地方のお客様も多いなか、私たちがいろいろな場所へ伺い、歌舞伎を見る機会を作ることできるのが、本当に嬉しいです。中村屋一丸となって、一生懸命良い舞台をみなさまにお見せできたら」と、思いを語る。中村勘九郎今回の『中村勘九郎 中村七之助 春暁特別公演2023』は、「トークコーナー」「元禄花見踊」「仲蔵狂乱」「相生獅子」で構成。勘九郎、七之助、鶴松が参加するトークコーナーについて、勘九郎は「全国どこに行っても歌舞伎に縁があったり、史跡があったりするので、地元の方たちとお話できることが和気藹々として楽しいですね。歌舞伎は伝統芸能で、堅苦しくて敷居の高いイメージがあるので、まずはお客様の心の壁を取っ払って演目を見ていただきたいという気持ちがあります。ですので、できるだけ素の部分というか、飾らないことを意識してお話をするように努めています」。七之助は「兄が言った通りで、地元のお客様と出会えることはもちろん、何度か伺った土地には、馴染みの店や必ず行く場所があります。私事ではありますが、私がMCを務めているラジオ番組のInstagramのために、劇場の近くの名所や神社、歌舞伎に縁のある場所に行くようにしてるので、トークの幅は広がったと思います。事前に頂いたお客様の質問を通じていろいろなコミュニケーションが取れるのがいいですね」とコメント。以前のように手を挙げた方と直接話すことは叶わない時期ながら、その土地ならではの話題が飛び出すトークコーナーを楽しみにしている様子だった。中村七之助「元禄花見踊」は春にぴったりの華やかな演目となる。七之助は「トークコーナーを経て〈春暁特別公演〉の歌舞伎、その踊りの一発目なので、何も考えずに綺麗なものを見ていただいて、その歌舞伎の世界観に入っていただこうかなと思うような踊りです。一緒に花見をするような気分でご覧いただければ幸いです」、勘九郎は「元禄期の男と女が華やかに踊るので、まずビジュアルが見どころ。衣装の美しさや当時の頭のかつらのゆい方を、目で楽しんで頂ける演目です」と紹介した。「仲蔵狂乱」の上演は、本興行では昭和35年の歌舞伎座以来。2021年にNHKで放送された「忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段」で中村仲蔵を演じた勘九郎にとっても縁のある演目と言える。出演する勘九郎は「なかなか本興行で出ない珍しい踊りを披露するのも、この特別公演のいい部分。仲蔵さんが出世をしていくサクセスストーリーは、落語や講談でも有名ですが、彼は志賀山流の養子になった踊りの名手です。いまでも〈仲蔵振り〉は受け継がれている、なかなかいない歌舞伎役者の一人でもあります。〈狂乱雲井袖〉という本外題ですが、中村仲蔵さんが出てくるわけではなく、でも仲蔵さんが有名だから仲蔵狂乱という名前が入ってしまうぐらいの狂言なんですね。とてもしっとりとした、私もあまり手掛けたことのないような踊りだと思います。気が狂っていると偽っている役なので、踊りの中でその部分と正常な部分を踊り分けて見せるのが見どころのひとつなのですが、すごい細かいんです(笑)。この難しい踊りを、現代のお客様にどれだけ楽しんで頂けるかが、踊り手の腕の見せ所。久しぶりの演目、そして仲蔵さんという私たちにとっても縁のある人物が演じた役ということで、楽しんでいただければと思います」と意気込んだ。ラストを飾る「相生獅子」は、七之助と鶴松が二人の美しい姫を演じる。七之助は「石橋物のなかでも古い作品で、前半はお姫様が二人出てきて華やかに女心だったり、口説きを見せる、品良く綺麗な格式高い踊りをご覧いただき、最後は獅子になって出てきます。お姫様の恰好で毛を振るという珍しい形の踊りなので、一つの相生獅子という演目のなかで、いろんなバージョンの二人が見れる作品です」と説明。「鶴松と二人でがっつり踊ることもなかなかないんじゃないかと思います」とのことで、そこも見どころとなりそうだ。公演を楽しみにしている方へのメッセージを求められた勘九郎は「コロナという流行り病が出てから早三年、日頃から何かに気を付けなければいけなかったり、これまでと勝手が違ったりするなかで、鬱々とした気分を持たれている方もいらっしゃると思います。本当に短い時間ではございますが、劇場で芝居を見ている間だけは、その気分を忘れて頂けるよう美しい世界に誘いたいですし、一生懸命私たちも切磋琢磨しようと思っています。春爛漫のひとときを楽しんで頂ければ嬉しいです」。七之助は「毎年恒例の巡業が今回もできる喜びを噛みしめながら、私たちの体調面やスタッフもコロナ対策バッチリで、安全安心に見ていただけるよう気を引き締めて参りたいと思います。全国12カ所24公演、一つ一つの公演を一生懸命踊りたいと思っておりますので、ぜひ足をお運びください。よろしくお願いします」と締めくくった。取材・文=長澤香奈撮影=福岡諒祠(株式会社GEKKO)<公演情報>『中村勘九郎 中村七之助 春暁特別公演2023』『中村勘九郎 中村七之助 春暁特別公演 2023』ビジュアル【演目】※上演時間約2時間予定1. トークコーナー中村勘九郎/中村七之助/中村鶴松2. 元禄花見踊 長唄囃子連中門弟 一同3. 仲蔵狂乱 長唄囃子連中小野良実(おのよしざね) 中村 勘九郎4. 相生獅子 長唄囃子連中姫 中村七之助姫 中村鶴松【日程・開催地】■2023年3月6日(月) 東京・北とぴあ さくらホール3月9日(木) 千葉・千葉市民会館 大ホール3月10日(金) 埼玉・川口総合文化センター・リリア メインホール3月11日(土) 東京・ティアラこうとう 大ホール3月12日(日) 長野・まつもと市民芸術館 主ホール3月13日(月) 神奈川・相模原女子大学グリーンホール 大ホール3月15日(水) 大阪・サンケイホールブリーゼ3月18日(土) 岩手・盛岡市民文化ホール 大ホール3月19日(日) 宮城・名取市文化会館 大ホール3月21日(火) 福岡・キャナルシティ劇場3月22日(水) 広島・広島文化学園HBGホール3月23日(木) 愛媛・松山市民会館 大ホール公式HP:
2022年12月24日猿若町発祥180年記念『平成中村座 十一月大歌舞伎』が、11月3日に平成中村座(浅草寺境内・仮設劇場)で初日を迎えた。「江戸時代の芝居小屋を現代に復活させ、多くの方々に歌舞伎を楽しんでいただきたい」という十八世中村勘三郎の思いから、2000年に誕生した平成中村座。2カ月連続公演のふた月目となる今月の第一部は、『寿曽我対面』『舞妓の花宴』『魚屋宗五郎』の古典作品が並び、江戸の芝居小屋を模した平成中村座でしか味わえない舞台となっている。そして第二部では、先月から引き続き、平成中村座で初となる新作歌舞伎、宮藤官九郎が平成中村座のために書き下ろした『唐茄子屋~不思議国之若旦那』と、華やかな舞踊『乗合船恵方萬歳』が上演される。『平成中村座 十一月大歌舞伎』は11月27日まで。なお新型コロナウイルス感染症の影響により、本日11月4日・5日公演は第一部・第二部ともに中止となっている。■中村勘九郎 コメント10月5日、浅草で4年ぶりとなる平成中村座の幕が開きました。初日の幕が開いたとき、お客様の拍手がすごくて、我々役者やスタッフだけではなく、皆さまも平成中村座を待っていてくださったんだと感じられて、とても幸せな気持ちになりました。連日、大勢のお客様に平成中村座へお越しいただき、小屋も喜んでいるように感じましたし、何より毎日平成中村座で芝居ができて嬉しかったです!そして、おかげさまで無事に千穐楽まで完走できたことに感謝です。稽古を経て、いよいよ、11月公演が始まりました。ふた月連続でご覧いただく『唐茄子屋』は、宮藤官九郎さんが今回の二か月連続公演のために書いてくださった新作、宝物のような作品です。幕が開くまでは、どんな反応なのかドキドキでしたが、大いに笑って楽しんでいただけているようで、本当に嬉しいです!11月にも古典作品が並びます。江戸の芝居小屋を模した平成中村座の空間で、古典の持つ魅力も合わせてご堪能いただきたいと思います。さて、すっかり寒さも増してまいりました。是非、11月は防寒対策をして浅草へ足をお運びください。平成中村座に一歩踏み入れれば、関係者一丸となって、熱い舞台空間をお届けします!皆様のご来場を心よりお待ちしております。<公演情報>猿若町発祥180年記念『平成中村座 十一月大歌舞伎』11月3日(木・祝)~27日(日) 平成中村座猿若町発祥180年記念『平成中村座 十一月大歌舞伎』ビジュアル【演目】■第一部一、寿曽我対面(ことぶきそがのたいめん)出演工藤祐経:中村橋之助曽我五郎:中村福之助曽我十郎:中村歌之助化粧坂少将:中村鶴松小林朝比奈:中村虎之介大磯の虎:坂東新悟鬼王新左衛門:中村勘九郎二、舞妓の花宴(しらびょうしのはなのえん)出演白拍子和歌妙:中村七之助三、新皿屋舗月雨暈 魚屋宗五郎(さかなやそうごろう)出演魚屋宗五郎:中村勘九郎召使おなぎ:坂東新悟磯部主計之助:中村橋之助小奴三吉:中村歌之助菊茶屋娘おしげ:中村鶴松菊茶屋女房おみつ:中村歌女之丞父太兵衛:片岡亀蔵女房おはま:中村扇雀■第二部一、唐茄子屋(とうなすや)不思議国之若旦那作・演出:宮藤官九郎出演若旦那徳三郎:中村勘九郎傾城桜坂/お仲:中村七之助第二太夫/源六倅源助:坂東新悟大工の熊:中村橋之助半公:中村福之助眠 善治郎:中村虎之介若旦那(小):中村勘太郎お仲倅イチ:中村長三郎丹生林/海苔屋のおたね:中村鶴松山崎屋おりき:中村歌女之丞達磨町の八百八/吉原田んぼのあめんぼ:荒川良々番頭小辰/吉原田んぼの蛙ゲゲコ:片岡亀蔵大家源六:坂東彌十郎八百八女房よし/吉原田んぼの蛙ゲコミ:中村扇雀二、乗合船恵方萬歳(のりあいぶねえほうまんざい)出演萬歳:中村扇雀才造:中村勘九郎白酒売:中村七之助大工:中村橋之助若旦那:中村虎之介芸者:中村鶴松角兵衛獅子:中村歌之助角兵衛獅子:中村福之助女船頭:坂東新悟田舎侍:片岡亀蔵通人:坂東彌十郎チケット情報はこちら:※新型コロナウイルス感染症の影響により、11月4日(金)・5日(土) の公演は第一部・第二部ともに中止。最新の情報は公演公式サイトにてご確認ください。
2022年11月04日独立行政法人日本芸術文化振興会主催「初代国立劇場さよなら公演」令和4年11月歌舞伎公演 “歌舞伎&落語 コラボ忠臣蔵”が2022年11月2日(水)~2022年11月25日(金)に国立劇場 大劇場(東京都千代田区隼町4-1)にて上演されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて10月13日(木)10:00より発売開始です。カンフェティにて10月13日(木)10:00よりチケット一般発売開始 公式ホームページ 未来へつなぐ国立劇場プロジェクト初代国立劇場さよなら公演令和4年度(第77回)文化庁芸術祭協賛公演プログラム【12時開演】“歌舞伎&落語 コラボ忠臣蔵”■落語一、殿中でござる(でんちゅうでござる)春風亭 小朝- 太神楽 -二、中村仲蔵(なかむらなかぞう)春風亭 小朝■歌舞伎竹田出雲・三好松洛・並木千柳=作『仮名手本忠臣蔵』(かなでほんちゅうしんぐら)二幕三場国立劇場美術係=美術五段目山崎街道鉄砲渡しの場同二つ玉の場六段目与市兵衛内勘平腹切の場早野勘平・・・中村芝翫女房おかる・・・市川笑也千崎弥五郎・・・中村歌昇母おかや・・・中村梅花判人源六・・・中村松江一文字屋お才・・・市村萬次郎斧定九郎/原郷右衛門・・・中村歌六ほか【午後6時30分開演】コラボ忠臣蔵☆エッセンス☆落語 中村仲蔵歌舞伎 『仮名手本忠臣蔵』 二幕五段目 山崎街道二つ玉の場六段目 与市兵衛内勘平腹切の場公演概要「初代国立劇場さよなら公演」 令和4年11月歌舞伎公演 “歌舞伎&落語 コラボ忠臣蔵”公演期間:2022年11月2日(水)~2022年11月25日(金)会場:国立劇場 大劇場(東京都千代田区隼町4-1)■チケット料金《“歌舞伎&落語コラボ忠臣蔵”》1等席:10,000円 (学生 7,000円)2等席:8,000円 (学生 5,600円)3等席:3,500円 (学生 2,500円)(税込)《コラボ忠臣蔵☆エッセンス☆》1等席:9,000円 (学生 6,300円)2等席:7,000円 (学生 4,900円)3等席:3,000円 (学生 2,100円)(税込)主催=独立行政法人日本芸術文化振興会<カンフェティ取扱>《“歌舞伎&落語 コラボ忠臣蔵”》先着限定!1等席:10,000円 → 9,000円!(全席指定・税込) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年10月07日初代チャンピオンを決めるにふさわしい緊迫感が張り詰めた戦いとなった。5月29日・国立競技場での『NTT ジャパンラグビー リーグワン 2022 プレーオフトーナメント』決勝・東京サントリーサンゴリアス×埼玉パナソニックワイルドナイツは徹底したキック合戦となった。ニュージーランド代表40キャップの世界的な名手ダミアン・マッケンジー擁する東京SGに対して、埼玉WKはSO山沢拓也、WTB竹山晃暉、FB野口竜司の3人が丁寧に蹴り返した。マッケンジーと山沢、1本ずつPGを決めた後、ゲームが動いた。28分、10mライン過ぎの右サイドでのラインアウトからの2フェーズ目、SH内田啓介がひとり飛ばしのパスをCTBディラン・ライリーに送ると、ライリーはワンテンポ溜めて野口へ。ゲインラインを突破した野口から絶妙なパスを受けたオーストラリア代表42キャップのWTBマリカ・コロインペテが快足を飛ばしてトライ、CGも決めて10-3と埼玉WKが主導権を握った。4分後再びコロインペテがピック&ゴーで爆発的なスピードを見せ付けてインゴールを駆け抜けるも、こちらはTMOの結果ノートライに終わった。SO山沢がPG2本を失敗し、一気に突き離せなかった埼玉WKだが、山沢がディフェンスでインパクトを放った。40分、マッケンジーが山沢、コロインペテ、FLラクラン・ボーシェーの3人の間を抜けて反撃のトライ獲得と思いきや、インゴール目前で山沢のタックルがノックオンを誘った。後半、PG1本の埼玉WKに対して東京SGが3つのPGを決めて1点差に詰め寄ると、勝負に出る。70分、敵陣10mラインでペナルティを得ると、山沢はタッチキックを選択し、トライ狙いに出る。そして73分、山沢のパスを受けたライリーがWTBテビタ・リーのタックルを受けて1回転しながらも、しっかりグラウディング。山沢はCGを外したものの、ラストプレーでラグビー人生初のジャッカルを決めたのだった。ノーサイド後、涙を見せた山沢はキックについて「1週間色々考えながら、ある程度見つけて、自分らしく蹴ろうとしたが、中途半端になってしまった」と反省したが、チームの強みであるディフェンスについては「どれだけアタックされても崩されないディフェンスが強み。最後までやり切れた」と胸を張った。初代王座が誕生した興奮も冷めやらぬ翌日には、『NTT リーグワンアワード 2022』を実施。1年目の激闘を終えたばかりの指揮官、キャプテン、フィフティーンらが集結した。この日の主役となったのは埼玉WKのHO堀江翔太である。精神的支柱として、そしてフィニッシャーとして、埼玉WKの逆転勝ちの原動力となった36歳のベテランが初代MVPに輝いたのだ。堀江は壇上で「こんなに素晴らしい選手がいる中、恐れ多く後ろを見られないが、非常にうれしく思う。感謝しなくてはいけない人がたくさんいるが、すべての人にお礼を言っていたら時間が足りない。別メニューでのコンディション調整を許してくれたチームに感謝したい。スターターの坂手(淳史)選手が一貫性を持っていいパフォーマンスをし続けたからこそ後半、僕のいいプレーにつながったと思う。2015年から診てくれている佐藤(義人)トレーナーが調子を上げてくれて感謝している。僕のラグビー人生、あと数年だと思うが、天井を見ずに自分を見つめて、日々成長していきたい」とスピーチした。表彰式後、堀江はこのようにコメントした。「『リーグワン』の1回目のMVP、『俺でいいんかい』と思ったが、うれしい。首をケガした時には夢にも思わなかったこと。ベストフィフティーンも久々なので、うれしい。36になってもこのような賞をもらえるとは。若い時、30半ばでフィジカル的にも技術的も落ちた選手を多く見ていたので」堀江はチームと坂手主将に改めて感謝の念を述べた。「坂手が一貫性のパフォーマンスを見せてくれたので、俺が出た時は相手も疲れて非常にやりやすい状況を用意してくれた。チームも佐藤さんのコンディショニングメニューを許してくれた。そんなチーム、ないんじゃないですか。ウェイトもコンディショニングもチームのメニューはゼロ。佐藤さんのメニューをやっていた」40歳まで現役を続けたい理由には、トレーナーへの恩返しでもあると明かした。「首をやった後、2015年に佐藤さんに診てもらって『40までやりたい』と伝えたら、『できる』と。そこから毎週メニューが送られてくる。2日の休みはない。それ以上休むと体を取り戻せなくなる。長く現役をやりたいのは、佐藤さんのやっていることのすごさを伝えたいから。高い強度で長くやればやるほど、佐藤さんのやり方が正解だとわかりやすく伝わると思う」堀江は『ラグビーワールドカップ2019』以来の復帰となる日本代表への思いも口にした。 「(日本代表でも別メニュー化について)それは要相談ですね。『RWC』は常に出られる状況を作っておいて、選ぶのはジェイミー(・ジョセフHC)。『RWC』はどの選手も立ちたい舞台。ベスト8に入れればと思うし、それ以上いきたい」『NTT リーグワンアワード 2022』の主な個人賞の受賞者は以下の通り。【MVP】堀江翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)【新人賞】根塚洸雅(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)【得点王】ダミアン・マッケンジー(東京サントリーサンゴリアス)【最多トライゲッター】ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)山下楽平(コベルコ神戸スティーラーズ)【ベストフィフティーン】PR1稲垣啓太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)HO堀江翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)PR3オペティ・ヘル(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)LOジェイコブ・ピアス(東芝ブレイブルーパス東京)ジョージ・クルーズ(埼玉パナソニックワイルドナイツ)FLコーバス・ファンダイク(横浜キヤノンイーグルス)マット・トッド(東芝ブレイブルーパス東京)NO.8クワッガ・スミス(静岡ブルーレヴズ)SH小川高廣(東芝ブレイブルーパス東京)SOアイザック・ルーカス(リコーブラックラムズ東京)WTBマリカ・コロインベテ(埼玉パナソニックワイルドナイツ)根塚洸雅(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)CTBディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)サム・ケレビ(東京サントリーサンゴリアス)FBダミアン・マッケンジー(東京サントリーサンゴリアス)ベストフィフティーン受賞者の喜びの声を紹介したい。PR1稲垣「チームスポーツでありながらこのような個人賞いただけるのは大変光栄であり、うれしく思う。来季の準備はすぐ始まる、これからもまた精進していきたい」HO堀江「36になっても成長できるようしっかりやっていきたい。30の時よりも体は動けている。今は決勝が終わった後で立っているのもしんどいけど(笑)」PR3ヘル「スピアーズでやってきたこと、みんなで努力した結果なので感謝している。チームのサポートがある中、自分も少しだけだがチームに貢献できてうれしく思う」LOピアス「東芝のチーム、コーチングスタッフ、仲間のハードワークに感謝したい。今年はコロナ禍で一緒に過ごす時間が多く、絆が強まった印象的なシーズンとなった」LOクルーズ「ロビー(・ディーンズ監督)、坂手キャプテンに素晴らしい経験をさせてもらい感謝している。自分のキャリアを終える時にトロフィーを掲げられる選手はなかなかいない。そういう意味でも感謝している。そしてここにはいないが、ワイルドナイツの重要な人物であるヒーナン ダニエルにも感謝したい」FLファンダイク「とてもいいリーグ1年目になった。来年はもっともっと強いチームになって戻って来たい。期待していてほしい」FLトッド「素晴らしいプレーをした選手たちの中に囲まれてうれしく思う。東芝、チームの仲間のハードワークに感謝するとともに次のシーズンを楽しみにしている」NO.8スミス「私にとって最高の栄誉。素晴らしいプレーをした選手全員に敬意を表したい。来季も素晴らしいシーズンにしましょう」SH小川「今チームとしていいラグビーができているので、来季はもっといいラグビーができるようがんばっていきたい。またここに戻ってこられるよう努力したい」SOルーカス「このメンバーの中に自分が入ることができてうれしく思う。チームは非常にタフなシーズンを過ごし、学ぶことがたくさんあった。そういう意味では素晴らしいシーズンだと言える」WTBコロインベテ「チームにこの機会をいただき、スタッフにサポートしていただき、ワイルドナイツに感謝している。この一員でいられて光栄に思う」WTB根塚「この15人の中に選んでいただき、本当にうれしく、光栄に思う。今季は本当に楽しいシーズンとなった。ありがとうございました」CTBライリー「他の人も言っているが、この場に立てるのはみんなのサポートがあってこそ。スタッフ、チームメイト、ファンのみなさんに感謝したい」CTBケレビ「こういう選手たちと同じステージに立てて光栄に思う。サンゴリアスのスタッフ、チームメイトに感謝したいし、みんなの努力を称えたい」FBマッケンジー「この賞に選ばれた選手たち全員におめでとうと言いたい。自分がこのような楽しいシーズンを送れたことを、チームメイトに感謝したい。日本のラグビーはどんどん進化している。その一部を担うことができてうれしく思う」その他の『NTT リーグワンアワード 2022』受賞者一覧は次の通り。◆チーム表彰【ディビジョン 1(D1)優勝】埼玉パナソニックワイルドナイツ【ディビジョン 1(D1)2位】東京サントリーサンゴリアス【ディビジョン 1(D1)3位】クボタスピアーズ船橋・東京ベイ【ディビジョン 1(D1)4位】東芝ブレイブルーパス東京【ディビジョン 2(D2)優勝】花園近鉄ライナーズ【ディビジョン 3(D3)優勝】豊田自動織機シャトルズ愛知【フェアプレーチーム賞(D1)】埼玉パナソニックワイルドナイツ【フェアプレーチーム賞(D2)】三菱重工相模原ダイナボアーズ【フェアプレーチーム賞(D3)】豊田自動織機シャトルズ愛知【社会貢献賞】NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安◆個人表彰【ベストラインブレイカー】根塚洸雅(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)【ベストタックラー】小澤直輝(東京サントリーサンゴリアス)【優勝ヘッドコーチ賞(D1) 】ロビー・ディーンズ(埼玉パナソニックワイルドナイツ)【優勝ヘッドコーチ賞(D2) 】水間良武(花園近鉄ライナーズ)【優勝ヘッドコーチ賞(D3) 】徳野洋一(豊田自動織機シャトルズ愛知)【ベストホイッスル賞】久保修平【プレーヤー・オブ・ザ・シーズン(D1)】堀江翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)【プレーヤー・オブ・ザ・シーズン(D2)】クウェイド・クーパー(花園近鉄ライナーズ)【プレーヤー・オブ・ザ・シーズン(D3)】パディー・ライアン(宗像サニックスブルース)【ゴールデンショルダー(D1)】山本凱(東京サントリーサンゴリアス)【ゴールデンショルダー(D2)】野中翔平(花園近鉄ライナーズ)マイケル・リトル(三菱重工相模原ダイナボアーズ)【ゴールデンショルダー(D3)】森山皓太(中国電力レッドレグリオンズ)『NTTリーグワン2022』の激闘の幕は閉じたが、すぐさま代表の戦いが待っている。束の間の休息の後、桜のジャージに着替えるのだ。6月11日(土)・秩父宮ラグビー場での『ジャパンラグビーチャリティーマッチ2022』EMERGING BLOSSOMS×TONGA SAMURAI XV、6月18日(土)・秩父宮ラグビー場、6月25日(土)・ミクニワールドスタジアム北九州での『リポビタンDチャレンジカップ2022』日本代表×ウルグアイ代表、7月2日(土)・豊田スタジアム、9日(土)・国立競技場での『リポビタンDチャレンジカップ2022』日本代表×フランス代表がラインナップ。TONGA SAMURAI XV戦とウルグアイ戦のチケットは発売中。フランス戦のチケットは6月1日(水)午前10時~2日(木)午後11時59分まで先行抽選プレリザーブ。6月11日(土)午前10時より一般発売。取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)リポビタンDチャレンジカップ2022のチケット情報
2022年05月31日ファイナルに勝ち残ったのは、やはりこの2チームだった。初代チャンピオンを決する戦いは、最後の王座を決めるカードと同じ組み合わせとなった。レギュラーシーズン1位・東京サントリーサンゴリアス×2位・埼玉パナソニックワイルドナイツ。『NTT ジャパンラグビー リーグワン 2022 プレーオフトーナメント』決勝は『ジャパンラグビー トップリーグ 2021 プレーオフトーナメント』決勝の再現となったのだ。1年前、最後に笑ったのはパナソニックだった。2021年5月23日・秩父宮ラグビー場での開始5分、オールブラックスのSOボーデン・バレットのパスをCTBディラン・ライリーがインターセプト。いきなり独走トライを叩き込んだ。14・25分とSO松田力也のふたつのPGで加点すると、30分WTB福岡堅樹がラストゲームで左サイドを駆け抜けてインゴールへ。松田も難しい角度のCGを決めて20-0とした。その後サントリーが意地を見せて猛攻を見せるも、逆転には至らず26-31。パナソニックが4季ぶり5度目の優勝で『トップリーグ』の18年間の歴史は幕を閉じたのだった。『NTTジャパンラグビー リーグワン2022』に戦いの舞台を移して、両軍は激突。2月26日・熊谷スポーツ文化公園 ラグビー場で開催された第7節は、東京SGにとってショッキングな敗戦となった。3分に松田のPGで埼玉WKが先制するも、東京SGは8分モールから連続攻撃を展開、最後はSO田村煕の飛ばしのパスを受けたPR石原慎太郎がトライ。ニュージーランド代表FBダミアン・マッケンジーがCG、5分後にPGも決めて10-3とし、17分にはオーストラリア代表CTBサム・ケレビのパワフルな突破から左へ展開、WTB中野将伍が距離を稼ぎ、最後はサポートに走ったFL下川甲嗣が中央へ回り込んで17-3と主導権を握った。東京SGのトライラッシュの予感が漂ったが、埼玉WKがすぐさまさすがの修正能力を発揮。ブレイクダウン(接点)で素早くプレッシャーをかけ、東京SGのスピーディな球出しを阻止。20分、残り5mでラインアウトモールと見せかけてFLベン・ガンターが回り込んでトライを奪うと、29分のPGを挟んで38分には今度はドライビングモールからHO坂手淳史がトライをマーク。20-17で前半の内に埼玉WKが逆転した。後半に入っても、埼玉WKペースは変わらず。47分松田のPGは成功するが、50分のマッケンジーのPGは失敗。その後も東京SGはラックでペナルティを連発し、59、71分と埼玉WKはPGでスコアを積み重ねて29-17。後半32分にはワラビーズのWTBマリカ・コロインベテの独走からライリーがボールをつないで勝負あり。終わってみれば、34-17のダブルスコアで埼玉WKが快勝を飾った。東京SGはその後、ショッキングな完敗と真摯に向き合った。課題を一つひとつクリアするとともにアグレッシブアタッキングラグビーを実践し、1位でレギュラーシーズンを終え、東京SG戦で自信を深めた埼玉WKはそのまま無敗でレギュラーシーズンを駆け抜けた。両チームの『NTTリーグワン2022 プレーオフ』準決勝の戦いぶりは対照的だった。5月21日・東大阪市花園ラグビー場で東京SGは3週間前の第15節で3-27と完敗を喫した4位東芝ブレイブルーパス東京と対峙、熱戦を繰り広げた。24分自陣深くから東京SGのWTB尾崎晟也がインターセプトして約80mの独走トライを決めれば、27分近場を攻めたBL東京はLOジェイコブ・ピアスが強引にボールをねじ込んだ。勝敗を分けたのはPGだった。7・40分とPGを失敗したが、東京SGはマッケンジーの右足に勝負を託した。BL東京は好位置でペナルティを受けても、あくまでトライ狙い。この日4本中4本キックを成功させたSO中尾隼太の見せ場は少なかった。17-17で折り返した激闘は後半半ばに決着を見る。東京SGは連続攻撃からディフェンスの隙を見つけたCTB中村亮土がピックアンドゴーで逆転トライを決めると、4分後BL東京は22フェーズにもわたる手に汗握る攻防からLOシオネ・ラベマイが追撃トライと思われたが、TMOの結果ノートライに。このまま30-24で東京SGが決勝進出を決めたのだった。試合後、中村主将は「今までの戦い方とはちょっと異なり、負けたらおしまいというラグビーをしなくてはいけない。今週ミーティングを重ねながら、自分たちで考えながらゲームプランを組み立てた。それをみんなが遂行できたのは、メンタル的にたくましく感じた」と一発勝負の戦い方で臨んだことを明かした。PG選択についても、「前半のPGについては風が強かったので、あまり心配しなかった。後半は風上になったので、蹴りやすいポジションでは自信を持ってショットを選択した」とマッケンジーへの全幅の信頼を口にした。またSH流大がゲームプランについて「ハーフウェイまではなるべくフェーズを重ねず、テリトリーを取って、自分たちがアタックしたいエリアでアタックするといった感じ。後半はリードされても敵陣にいけばマッケンジーの3点もあり、モールも非常に有効だったので、しっかりアタックしようと話した」と詳細に語れば、マッケンジーはキックについて「前半、キックを外した部分があったが、風と言うより自分のミス。後半、修正してきちんと決められてよかった」と振り返った。中村主将は来たるべき決勝へ向けて「サントリーはアタッキングラグビーのチーム、ダイナミックなラグビーを決勝で披露すること。修正ポイントはペナルティ。コントロールできるところを修正していきたい。リーグワン初代チャンピオンと口にしてきたが、最後に優勝したい気持ちでやってきたので、このチームの仲間と共に笑顔で終わりたい」と意気込んだ。片や、埼玉WKは準決勝でも完勝した。5月22日・秩父宮ラグビー場で3位クボタスピアーズ船橋・東京ベイに付け入る隙を与えなかった。7分LOエセイ・ハアンガナがゲインラインを突破、大きく距離を稼ぎ、サポートについていたSH小山大輝、SO山沢拓也とつなぎ先制トライを奪うと、37分にはインゴール目前でのS東京ベイの連続アタックからWTB竹山晃暉がインターセプト、約90mを走り切った。14-3で前半を終えた埼玉WKは後半も手綱を緩めない。51分に山沢がPGを決め、65分にはモールを押し、途中出場のHO堀江翔太がインゴールへボールを運んだ。試合終了間際にS東京ベイに一本返されたが、危なげなく24-10、35-14と勝利した最終節に続き連勝をマーク。S東京ベイのデカくて強いFWをもってしても、埼玉WKの堅守は綻びを見せなかったのだ。指揮官とキャプテンは勝因にモール対策を挙げた。ロビー・ディーンズ監督「モールトライを取られるのは、FWにとってとても嫌なこと。この1週間、FWがプライドを持って取り組んでくれた」坂手淳史主将「準備してきた。第16節でも大きな得点源になってしまったので、この1週間でしっかり準備してきた。だいたいいい形でディフェンスできたと思うが、ペナルティを取られたところは反省が必要」山沢はゲームプランについて、竹山はトライシーンについてコメントした。山沢「プレーオフなので、しっかり勝ちを取れたことがよかった。自分としてはプレーするエリア、エリアマネジメントをすごく意識してプレーした。全体的に敵陣でプレーできたことが自分にとってもチームにとってもいい流れに持っていけた」竹山「僕の外にふたりいて、相手の10番(バーナード・フォーリー)がすごくこちら側を見ていたので、幅をキープしながら、しっかり駆け引きして、相手がパスを放るタイミングでインターセプト。自分の強みで理想通りのプレーができてうれしかった」フィニッシャーであり、チームの精神的支柱である堀江はこう決勝へ思いを馳せた。「国立は初めて。ああいう素晴らしいスタジアムでしっかり自分たちのやるべきことをやりたい。決勝戦でも、まだ自分たちが成長できるチャンスはあると思う。どれだけ最後まで成長できるかということにこだわってやっていきたい」48時間前に発表された両軍の試合登録メンバーは以下の通り。【東京SG】1石原慎太郎、2北出卓也、3垣永真之介、4ツイ ヘンドリック、5小林航、6飯野晃司、7小澤直輝、8トム・サンダース、9流大、10田村煕、11テビタ・リー、12中村亮土、13サム・ケレビ、14尾崎晟也、15ダミアン・マッケンジー、16堀越康介、17森川由起乙、18セミセ・タラカイ、19辻雄康、20テビタ・タタフ、21齋藤直人、22中野将伍、23尾崎泰雅【埼玉WK】1稲垣啓太、2坂手淳史、3藤井大喜、4ジャック・コーネルセン、5ジョージ・クルーズ、6ベン・ガンター、7ラクラン・ボーシェー、8布巻峻介、9内田啓介、10山沢拓也、11マリカ・コロインベテ、12ハドレー・パークス、13ディラン・ライリー、14竹山晃暉、15野口竜司、16堀江翔太、17平野翔平、18ヴァル アサエリ愛、19長谷川崚太、20谷昌樹、21小山大輝、22ヴィンス・アソ、23セミシ・トゥポウ果たして、初代チャンピオンに輝くのは東京SGか、埼玉WKか。東京SGが無策のまま埼玉WKに3連敗するとは考えにくいが、『トップリーグ』から32試合負けなしの埼玉WKが負ける姿も想像し難い。勝敗は予測不可能だが、これだけは言える。ファイナルにふさわしい好ゲームが展開されるはずだ。『NTTリーグワン プレーオフトーナメント』決勝・東京SG×埼玉WKは5月29日(日)・国立競技場にてキックオフ。チケット発売中。試合の模様は日テレ系にて生中継。取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)NTTジャパンラグビー リーグワン 2022 プレーオフトーナメントのチケット情報リポビタンDチャレンジカップ2022のチケット情報ジャパンラグビー リーグワン 特設ページジャパンラグビー リーグワン 2022 観戦ガイド
2022年05月28日初代チャンピオンを決する戦いも、いよいよ残り2試合。今週末、『NTTジャパンラグビー リーグワン 2022 プレーオフトーナメント』準決勝、レギュラーシーズン1位・東京サントリーサンゴリアス×4位・東芝ブレイブルーパス東京、2位・埼玉パナソニックワイルドナイツ×3位・クボタスピアーズ船橋・東京ベイがキックオフを迎える。大一番が5日目後に迫った5月16日、勝ち残った4チームのキャプテンが『NTT ジャパンラグビー リーグワン 2022 プレーオフトーナメントメディアカンファレンス in Marunouchi supported by 三菱地所』に登場。東京SG・中村亮土主将、埼玉WK・坂手淳史主将、S東京ベイ・立川理道主将、BL東京・小川高廣共同主将が一堂に会し、意気込みを語った。中村「サンゴリアスは間違いなくチャレンジャーなので、チーム一丸となって東芝さんにリベンジしたい」小川「ここまできたらスキルうんぬんではなく、どっちが勝ちたい気持ちが強いかの勝負だと思う。その気持ちが体のぶつけ合いに出ると思うので、ファンに興奮と感動を感じさせるラグビーを見せたい。次が正真正銘の戦いになるので、しっかり準備していきたい」坂手「今季1週間1週間いい準備をするということをチームとして心掛けてやってきた。今週も変わらずみんなでいい準備していいラグビーができるよう、ワイルドナイツのラグビーをできるようにしていきたい」立川「初代王者を目指してここまでやってきた。次の準決勝に勝たないとその先はないので、この1週間しっかり準備して、パナソニックさんに向かった先に優勝があると思うので、チーム一丸となって戦っていきたい」4人は今季のチームの成長をこのように評価した。小川「最初は良かったり悪かったりを繰り返して、後半になっていくにつれて自分たちのやろうとしていることができ、結果も出てきて、だんだん自信がついてきていると感じている。クボタさんにボコボコにやられて(第10節・28-43)、その後チームにスイッチが入って、次の(コベルコ)神戸(スティーラーズ)戦はビッグな思いでやって(第11節・46-35)、そこからチームの雰囲気が良くなった」中村「いいプレシーズンを送って、チームがまとまりながらきていたが、シーズンを過ごす中でちょっとした隙だったり油断だったりを東芝さんに突かれてバッチリ目が覚めた。もう一回気付かされた部分を思い出して、いい練習ができているし、チームの仕上がりもいい」坂手「プレシーズンをいい形で過ごして、『さあシーズン始るぞ』という時にコロナで中止になり、もう一回自分たちのラグビーを見つめ直す時間をもらった。2試合の負け(不戦敗)で非常に勝点が大事になった。逆転勝ちした神戸戦(第4節・41-37)、静岡(ブルーレヴズ)戦(第11節・26-25)が非常に大きかったと今になって思う。選手たちが役割を全うできれば、問題なく勝てるとも思う。でもプレッシャーもあってなかなか難しい。(逆転勝ちが多いのは)前半はどこのチームも強い。それをしっかり受け止めていい試合をして後半につなぐのがスターターの仕事。後半に出る選手は試合を見て分析しながら、入った時に適材適所いい働きをしてくれた結果」立川「序盤からなかなかベストメンバーが組めない中、日本人の若手がいい活躍をしてくれてチーム全体の底上げだったり、チーム全員で戦う意識はよく感じることができた。両WTG(根塚洸雅、木田晴斗)は大学の時から有名、試合に出てしっかりパフォーマンスを出せるのはいつもの練習からしっかりできているから」東京SG×BL東京は5月1日・第15節、埼玉WK×S東京ベイは5月7日・最終節に続く試合となる。第15節では雨のコンディションの中、ブレイクダウンで圧倒したBL東京が27-3の完勝し、開幕戦で46-60と打ち合いに敗れた借りを返した。最終節・埼玉WK×S東京ベイでは主力を複数欠いたS東京ベイを埼玉WKが後半突き放して35-14で快勝を収めた。連戦のやり辛さを質問された3人は次のようにコメントした。中村「僕らにとっては非常にありがたい。そういうモチベーションをいただいて、もう一回チャレンジャーとして、もう一回東芝さんにぶつかっていきたい」小川「(第15節は)自分たちのディフェンスがアタックのようにアグレッシブに出ていくのが強み、雨でサントリーさんのボールを動かすラグビーにプレッシャーをかけられたと思う。(勝った後の再戦は)気持ちの持っていき方が難しいが、もう一回『潰すぞ』という気持ちをチームに徹底的に入れていきたい」坂手「お互い試合は決まっていたので、隠すところは隠してやっていたと思う。自分たちは強みを出せるよう準備した。僕らはホストゲーム最終戦でしっかり勝って終わるということを考えてやった。全7試合で青いタオルを持って応援してくれたファンに勝利を届けようと戦った」準決勝の相手に上回っている点を求められと、4人は以下のようにコメントした。中村「東芝さんに上回らないといけないところは勝ちたい気持ち。前回負けているので、今回全員が勝ちたい気持ちを持ってぶつかりたい」小川「サントリーさんの強みはアウトサイドバックスでいいランナーがいっぱいいることだが、こっちもそこは強み。そこで勝てる選手がいるので、しっかり倒したい」立川「全部勝ちます」坂手「全部負けないです、勝ちます」自チームのストローングポイントとキーマンを問われると、4人はこう返答した。中村「サンゴリアスはアグレッシブアタッキングラグビーを掲げていて、どこからでも点を取れる強みがある。誰が出たとしても、ノンメンバーを含めてサンゴリアスのラグビーができるのが強み。プレーオフになるとタイトなゲームになるので、ボールを持っていない時にハードワークができる尾崎晟也、僕がキーになると思う。ダミアン(・マッケンジー)はゲームをかき乱すプレータイプなので、東芝の強いディフェンスをどんどん後ろに下げて、PGやGでポイントを取ってプレッシャーをかけてほしい」小川「東芝はアグレッシブなディフェンス、グラウンドを広く使ったアタックが強み。選手はデカい両LO (ワーナー・ディアンズとジェイコブ・ピアス)が活躍してくれて、セットピースだけではなく、ディフェンスもアタックも活躍してくれている。次の試合でもこのふたりが暴れてくれると思う」坂手「ワイルドナイツの強みはディフェンス。しっかり前へ出るディフェンスからボールを取って得点する強みを出していきたい。今季いろんな強みができていると思うので、全部出したい。注目選手は野口竜司。後方でゲームをコントロールしてくれるし、チームにいい声を掛けてくれるので野口に注目している」立川「チームの強みはやはり大きなFW。BKもアンストラクチャーから今季はトライを取れると証明したと思う。注目選手はNo.8で出ると思うがファウルア・マキシ。プレーオフではかなり重要になってくると思うので、注目してもらいたい」4人は自軍のヘッドコーチ評も答えた。立川「フラン・ルディケのいいところは本当によくチームを見ていて、選手全員とコミュニケーションを取ってくれるところ。スタッフ陣をマネージメントしてくれて、風通しがいい。それはフランの人柄であり、チームの作り方であり、彼の強みだと思う」坂手「ロビー(・ディーンズ)さんは寛大でやさしく、ただその中で一本筋が通っている。僕ら選手の意見を受け入れてくれる。僕らの意見をロビーさんの芯の中で受けてからチームへ流してくれる」小川「トディー(トッド・ブラックアダー)は東芝らしく熱い人。チームをポジティブに持っていける声掛けや働きかけをしてくれる。本当にチームをいい雰囲気にしてくれる」中村「ミルトン(・ヘイグ)HCは非常に熱く、たまに感情を出すが、比較的温厚な人。僕らの意見を聞き入れてくれるし、自分の芯もある。これまでサントリーは厳しいHCがいた中でまた違った風が入ってきて、みんながアジャストしているところ。新しいサントリーを作っていく中でベストマッチしている」また中村は6月の日本代表ではコンディションを考慮して外れた点について尋ねられると、「プレーオフは全然プレーできる状態だが、長いスパンで考えるとちょっと不安なところがあるので、万全な状態に持っていくためにジェイミー(・ジョセフ日本代表HC)と話してこういう形になった」と説明した。果たして、BL東京と埼玉WKがリーグ戦に続き連勝を飾るのか、東京SGとS東京ベイが前回の借りを返すのか。『NTTリーグワン プレーオフトーナメント』準決勝・東京SG×BL東京は5月21日(土)・東大阪市花園ラグビー場、埼玉WK×S東京ベイは5月22日(日)・秩父宮ラグビー場にてキックオフ。3位決定戦は5月28日(土)・秩父宮ラグビー場、決勝は5月29日(日)・国立競技場にて開催。準決勝のチケットは発売中、決勝・3位決定戦のチケットは5月23日(月)一般発売。初代チャンピオンを決める戦いは見逃せない。取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)NTTジャパンラグビー リーグワン 2022 プレーオフトーナメントのチケット情報ジャパンラグビー リーグワン 特設ページジャパンラグビー リーグワン 2022 観戦ガイド
2022年05月17日今年で17年目を迎える中村屋一門恒例の全国巡業公演。歌舞伎俳優の中村勘九郎、中村七之助がリモート会見で見どころを語った。2022年春は『春暁特別公演』に加え、勘太郎、長三郎の子役を交えた『陽春特別公演』の2公演を上演する。生の歌舞伎の楽しさに触れ「元気になってお帰りいただきたい」と声を揃えるふたり。歌舞伎のいろはを解く「歌舞伎塾」や素顔が垣間見られる人気の「トークコーナー」を交えた構成で、演目にも趣向を凝らす。「中村勘九郎 中村七之助 春暁特別公演2022」「中村勘九郎 中村七之助 中村勘太郎 中村長三郎 陽春特別公演2022」チケット情報『春暁特別公演』で勘九郎はお家芸「高坏(たかつき)」に出演する。花見の席で大名から高坏を買うよう命じられた次郎冠者(勘九郎)。しかし、それが何か分からず「高坏買いましょう」と声を張り上げて歩き出すと、そこへ高足売が現れて……。下駄でタップという趣向が楽しい軽妙洒脱な舞踊劇だ。「祖父の十七代目中村勘三郎が今の演出、振りにしたもので、中村屋にとっても大切な演目のひとつ。華やかな作品でお花見気分を味わって」と勘九郎が陽気に盛り上げる。七之助が勤めるのは心中物「隅田川千種濡事(すみだがわちぐさのぬれごと)」。四世鶴屋南北作「於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり)」(通称「お染の七役」)の大詰めを長唄の舞踊劇に仕立てたオリジナル演目で、七之助はお染、久松、お光、土手のお六の4役を踊る。「歌舞伎のエンターテインメント性を生でご覧いただける絶好の機会」であると同時に、男女の演じ分けや早替りなど役者、七之助の魅力を存分に堪能できる。続く『陽春特別公演』は勘太郎、長三郎の幼い兄弟が清元で踊る「玉兎」で幕が開く。息子の成長を見守る勘九郎は「何より芝居好きなのが嬉しい」と目を細める。ふたりともすでに踊りは入っているが、「今回はひとりで踊るものをふたり用に変える構成」につき、ブラッシュアップした内容でお届けする。また、今公演では勘太郎、長三郎がイラストを担当した手ぬぐいなどの公演記念グッズを初めて販売することも明かされた。打って変わり、勘九郎と七之助は清元を代表する名作怪談舞踊劇「かさね」を。腰元かさね(七之助)が最愛の与右衛門(勘九郎)に鎌で殺されたことに始まる因果因縁の物語。「男女のドロドロした部分や清元の名文句、名調子、その美しさも見せる。現代の女性にもドラマティックに観ていただけます」と勘九郎。最終的には顔が醜くなり足が折れどん底に突き落とされるかさね。七之助は「女性としてすべてが崩れる様を見せられたら」と語り、踊りでは勘九郎と阿吽の呼吸で魅了する。「互いが磁石のようにべったり引っ付いたり、拒絶し合ったり関係性にメリハリを付けるのが効果的で、そこが踊りの面白さ、深さになってくる。『玉兎』とはガラッと違う踊りを楽しんでいただきたい」とアピールした。『春暁特別公演』は3月6日(日)から26日(土)まで奈良、滋賀、兵庫ほか全国16か所にて、続く『陽春特別公演』は3月30日(水)から4月4日(月)まで大阪・フェニーチェ堺大ホールほか全国5か所にて。チケットは両公演、1月15日(土)10時よりプリセールを実施。取材・文:石橋法子
2022年01月14日EXILE TETSUYAがコーヒーマイスター初代アンバサダーに就任し、11月18日(木)に就任式が行われた。アジア最大規模のスペシャルティコーヒーイベント「SCAJ ワールド スペシャルティ コーヒー カンファレンス アンド エキシビション 2021」のイベント会場で執り行われた就任式。11月17日、18日、19日の 3日間、東京ビッグサイト 青海展示棟Aホールにて2年ぶりに開催される同イベントは「CONNECTING TO A SUSTAINABLE FUTURE」のテーマのもと約257ブースにおよぶコーヒー企業や生産者、コーヒー店などが出展。関連機械・器具等の展示や各種情報・品質に関するセミナーや、日本各地で活躍するトップバリスタやロースターたちがその腕前を競うコーヒー競技会、コーヒー生産国の女性活躍を描く映画の上映などのイベントが行われ、国内外から多くのコーヒー関係者が集まり賑わっていた。コーヒーマイスターとは、日本スペシャルティコーヒー協会が主催し、コーヒーに対する深い知識と基本技術の習得をベースとして、お客様へ豊かなコーヒー生活が提供できるプロのコーヒーマンを認定する資格。2013年に始まり、現在5692名の取得者がいる。TETSUYAは2013年にコーヒーマイスターの資格を取得。その後エンタテインメントコーヒーショップ「AMAZING COFFEE」をプロデュースし、さまざまなイベントやオフィスへの出店、企業とのコラボレーション商品の取り組み、東京・中目黒をはじめとする5店舗を展開する活動が評価され、業界初の「コーヒーマイスターアンバサダー」として資格認知拡大とともにコーヒー文化の普及発展への役割が期待される。一般社団法人・日本スペシャルティコーヒー協会会長菅野眞博氏からアンバサダー認定証と認定バッチが授与されると、TETSUYAは「2013年に資格取得した当時は、まさかこのような場所に立てると思っていませんでした」と感激。「この資格を取得してから、日に日にコーヒーへの愛情が深まって、いろんなことを学び、いろいろな仲間と出会って、自分の表現の可能性が広がったと感じています」と挨拶した。菅野会長はコーヒーマイスターの資格試験に来たTETSUYAについて「正直、ちゃんと勉強しないと受からないのでよく勉強されていた。本当にコーヒーが好きなんだなと思ったことを8年前だけど覚えていますね」と感心。TETSUYAは「あのときは試験だったのでガチガチに緊張していた。試験の前日はコーヒー仲間と集まって徹夜で勉強したという思い出があります」と照れながら振り返った。会場から「コーヒーを知ってからダンスや人生のパフォーマンスがどのように変わったか?」という質問が飛ぶと、「いろんなことが変化しました。まず飲み物として好きになったんですけど、そのうちドリップして人に振る舞うことが好きになりました。スタッフさんやメンバーなどに美味しいねって笑顔で飲んでもらうとその作用だけで仕事が円滑になったり、自分の心が豊かになった。それによって僕のダンスがどんどん変化して、余裕のあるダンスになった。コーヒーとエンタテインメントの相乗効果を図れたことは自分の人生に大きかったと思います」と答えたTETSUYA。さらに「そんな効果をもたらしてくれたコーヒーに恩返ししていきたい」と意気込んだ。「アンバサダーに就任してから実現してみたいことは?」という質問には「実はこのSCAJには何年も前からお客さんとして来ていた大好きなイベント。いつかこのイベントに僕の得意なエンタテインメントをどうやって盛り込もうかと考えていたので、今日やりたかったことの第一歩を迎えることができた。これを機に今まで出会えなかった方々との可能性が広がる。例えば、コーヒー屋さんとコーヒー屋さんがコラボするとこうなるよっていう広がりを見せられたら」と野望を語った。「ズバリ美味しいコーヒーとは?」という難しい質問には「二度目の口をつけたくなるコーヒー」と回答。「僕らのエンタテインメントもそうですが、また行きたいなと思うライブを作るのがすごく大事なので、そんなコーヒーを自分も提供できたらなと思っています」とも。趣味として始めたコーヒーで、アンバサダー就任までのぼりつめられた理由について自身は「一番強かったのは愛ですかね」と分析。「コーヒーへの愛だったり、人への愛だったり。続けられたというのはそこにあると感じています」と話した。最後に「ここがスタートだと思って、さらにコーヒーとエンタテインメントという僕の得意分野をしっかりとコラボレーションさせたい。いろんなところに僕が登場して一生懸命盛り上げたい」という挨拶で就任式を締めくくった。就任式の後には「EXILE TETSUYAのCOFFEE PARTY supported by スマートニュース」を開催。2014年にワールド・バリスタ・チャンピオンシップ(WBC)でアジア人初の優勝を果たした株式会社QAHWA代表取締役 井崎英典氏、ジャパン・バリスタ・チャンピオンシップ(JBC)で三連覇、2017年WBC準優勝、丸山珈琲所属のバリスタ 鈴木樹氏、猿田彦珈琲代表取締役 大塚朝之氏、芸人のコーヒールンバ平岡佐智男氏の4名とトークセッションを行った。さらにJBCで2017年、2019年に優勝し、2021年度WBCへ日本代表として出場予定の石谷貴之氏がスペシャルゲストとして登場。「SCAJコーヒーマイスターアンバサダー就任式」と「EXILE TETSUYAのCOFFEE PARTY supported by スマートニュース」の模様は、LDH所属アーティストの動画・MV視聴サービス『CL』と『SCAJ 2021公式YouTubeチャンネル』にて視聴可能となっている。【『SCAJコーヒーマイスターアンバサダー』の主な活動内容】(1)日本におけるスペシャルティコーヒーの普及啓蒙、消費拡大(2)SCAJ及びSCAJの定める資格「SCAJコーヒーマイスター」の認知拡大(3)SCAJの開催する展示会、競技会、講演会、セミナー、等の広報活動(4)SCAJの発刊する『ニューズレター』への取材(5)その他SCAJの活動に関する広報活動【イベント詳細】「SCAJ ワールド スペシャルティ コーヒー カンファレンス アンド エキシビション 2021コーヒーに特化したイベントとしてアジア最大規模。開催は今回で16回目。日本全国&世界各国からコーヒー関係者が集う、年に一度のスペシャルティコーヒーカンファレンス。公式HP: ■『SCAJコーヒーマイスターアンバサダー』就任式アーカイブ(CL): ※CL(シーエル)はLDH所属グループ・アーティストのライブキャスト動画やMVを視聴できるサービスです。SCAJ 2021公式YouTube: ■『EXILE TETSUYAのCOFFEE PARTY supported by スマートニュース』アーカイブ(CL): ※CL(シーエル)はLDH所属グループ・アーティストのライブキャスト動画やMVを視聴できるサービスです。SCAJ 2021公式YouTube: <イベント概要>コーヒー×エンタテインメント!?一杯のコーヒーから広がるそれぞれのストーリーに加え、魅力やこだわりなど、熱い想いを内に秘めた5人が集結。ここでしか観られない『スペシャルステージ&トークセッション』をお見逃しなく!LET’S COFFEE PARTY!!<登壇者>・EXILE TETSUYA・第15代 ワールドバリスタチャンピオン/ 株式会社QAHWA 代表取締役社長 井崎 英典・猿田彦珈琲株式会社代表取締役大塚 朝之・株式会社丸山珈琲鈴木 樹バリスタ(ワールドバリスタチャンピオンシップ2017:世界2位)・コーヒールンバ平岡 佐智男
2021年11月19日ビームス(BEAMS)から創業当時の“初代ロゴ”を配したユニセックスアイテムが登場。2021年11月13日(土)より全国のビームス店舗などで発売される。“ビームス初代ロゴ”を配した記念アイテム2021年に創業45周年を迎えるビームスは、アニバーサリーイヤーを記念したアイテムを製作。各アイテムには、創業当時の店舗に掲げられていたという、初代ビームスロゴ“American Life Shop BEAMS”が落とし込まれている。ラインナップは、全6型。Tシャツやフーディなどのウェアのほか、トートバッグ、バンダナなどアクセサリーを用意する。【詳細】ビームス 45周年記念アイテム発売日:2021年11月13日(土)販売店舗:全国のビームス店舗(一部店舗を除く)、ビームス公式オンラインショップ、ゾゾタウン価格:・Tシャツ 4,180円・フーディ 10,120円・キャップ 3,520円・トートバッグ 2,860円・バンダナ 1,320円・ソックス 1,100円
2021年11月14日大ヒット公開中の『ハロウィン KILLS』より、キャストが初代『ハロウィン』をふり返る特別フィーチャレット映像が解禁となった。本作は2018年の『ハロウィン』の続編だが、前作と大きく異なる点は1978年版『ハロウィン』に登場したオリジナルキャストが再集結することだ。今回解禁された映像では、カイル・リチャーズが演じるリンジー・ウォレスはじめ、マリオン・チェンバース、ブラケット保安官、そしてローリー・ストロードが登場。それぞれを演じた役者たちが初代『ハロウィン』の製作当時のことを回想する。「『ハロウィン』の時は8歳で、わけも分からず演じていた」。そう語るのはカイル・リチャーズ。1978年版『ハロウィン』では、ベビーシッターのアニーとともに家でお留守番をする少女を演じた。「映画を見て衝撃を受けたわ」と幼い頃の記憶を掘り起こしている。続けて「若い役者がいい役に恵まれて幸運だった」と話すのは、マリオン・チェンバース役を演じたナンシー・スティーヴンス。のちに『ブギーマン』、『ハロウィンH20』にも出演することになる彼女は、自身のキャリアの原点となった『ハロウィン』をしみじみとふり返った。またブラケット保安官を演じたチャールズ・サイファーズは「1978年の『ハロウィン』は3週間で撮影した」と語っている。映像には「40年前…」「あなたを抱っこしたわよね。おいで」と、ジェイミー・リー・カーティスがカイル・リチャーズを抱き上げる感動的な一幕も。78年版を模したこの行動に、まわりは拍手と笑顔で応えている。最後にカイル・リチャーズが「ローリーとハドンフィールド全体が一丸となるの」「まず奴を捕まえる」と、オリジナルキャストの決起を予感させる言葉を残し、映像は締めくくられた。劇中と同じように40年の歳月を経て語られる、感慨深いフィーチャレット映像となっている。『ハロウィン KILLS』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ハロウィンKILLS 2021年10月29日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開©UNIVERSAL STUDIOS
2021年11月01日「初代王者は1年目しかなることができない。しっかり狙っていきたい」立川理道キャプテンは、ターゲットを明確にした。10月12日、江戸川区陸上競技場で行われたクボタスピアーズ船橋・東京ベイチーム方針発表記者会見後のメディア対応での話だ。高いスキルと強いフィジカルを両立するCTBは『ジャパンラグビー トップリーグ』最終年に最高位トップ4入りを果たした手応えを口にした。「昨季ああいう結果となり、自信になっている。負けたら終わりという試合を経験した。これまでそういう戦いの経験は少なかった。プレーオフの緊張感はやっぱりわからないことがあるので。サントリー(サンゴリアス)に2試合敗れたが、トップを取るための課題も見えてきた。基礎を伸ばす必要がある」昨季得た自信をベースに、長いプレシーズンに上積みをしている。「昨季ボールを持ってアタックする部分は自信となった。ディフェスのスタッツも悪くない。さらに上へいくためにやっている。ディフェスも一人ひとりのタックル、相手をドミネートしてタックルする。一人ひとりのタックの質を高めている」立川は他チームに先んじて埼玉パナソニックワイルドナイツとの『ジャパンラグビー リーグワン 2022』開幕戦に選ばれた喜びも語った。「オープニングゲームに選ばれたこと、国立でできることは選手として光栄。選手として試合を少しでも面白くしていきたい。見た子どもにラグビーがしたいと思ってもらえるような試合をしたい」クボタのキャプテンは、日本代表新キャプテンに選出されたFLピーター・“ラピース”・ラブスカフニに太鼓判を押した。「僕がどうこう言うレベルではないくらい素晴らしい選手。一番タックルするし、苦しい時に一番がんばる。内側にラピースがいると、ディフェンスは助かる。ジャッカルやボールキャリーで助かる」自身も代表復帰を諦めてはいないと言う。「代表メンバーは素晴らしい選手が揃っている。その中に入るためにまず『リーグワン』で活躍してアピールするしかない」チーム方針発表記者会見は2部制で実施された。第1部ではチームのビジョンや運営・強化面での方針が示された。木村一尋ラグビー部長、石川充ゼネラルマネージャー、フラン・ルディケヘッドコーチはこうコメントした。木村部長「リーグは『ファンが熱狂する非日常空間の創造』『地元の結束、一体感の醸成』『日本ラグビーの世界への飛躍』『社会に貢献する人財の育成』をミッションに掲げている。我々チームは社会化と事業化が求められる。我々は『Proud Billboard ~強く、愛されるチームを目指し、ステークホルダーの『誇りの広告塔』となる~』をビジョンに、企業スポーツから地域社会に愛される存在を目指したい。2025年までにホストゲームに1万5000人収容を目指す。この地域に『スピアーズがいてよかった』と言ってもらえるようにしていきたい」石川GM「ビジョンを体現するために力強さ、泥臭さを持って体現していきたい。今でこそ『クボタは強くなった』と言われるが、1978年に始まり、『関東社会人リーグ』4部・3部・2部・1部、『東日本社会人リーグ』を戦ってきた歴史がある。今までのベースをしっかり生かし、ネクストレベルへいきたい。『トップイースト』で苦しんでいた時、どうすれば優勝争いができるか考え、フランHCと話し、『正しい文化を正しい行動で正しく構築することが強化につながる』と言われて衝撃を受けた。新リーグでも正しくマーケティングしていきたい。戦力の部分では昨季のメンバーが残ってくれたので、新リーグ1・2年目で正しく整えていきたい。江戸川では5試合行うので、主体的にSDGsの取り組みをしていきたい。2019年の『ラグビーワールドカップ』の時のように試合の前も試合も試合の後も楽しめる、SDGsに関わるイベントも楽しんでもらえるようにしていきたい」ルディケHC「『リーグワン』へ向けて今我々はハードワークしている。この場に来られてエキサイティングな気分だ。クボタを率いて6季目、昨季は一番の成績を収めたが、こういう時期にチームにいられて幸せに思う。クボタという会社に『ありがとう』と伝えたい。地域貢献やジュニア世代の育成はアメージングなこと。クボタのビジョンを誇りに思う。昨季はトップ4という新たな歴史を刻んだ。ハイライトは神戸(製鋼コベルコスティーラーズ)戦。我々は14人で勝ち抜いた。学びは準決勝のサントリー戦。選手にとっていい経験になった。昨季ラインアウトからのアタックはリーグ1位、ディフェンスのスタッツも2位、トライ数もこれまでの倍を獲得した。ただネクストレベルへいくために改善も必要。我々の課題はキッキングゲーム。ボールをキープするのか蹴るのか、そこの判断とスキルを伸ばすよう今取り組んでいる。プレーオフで得た課題を24週という世界的に見ても稀なほど長いプレシーズンで強化している。プレシーズンマッチは6試合予定しているが、ここで若い選手、新しい選手、大学からきた選手にチャンスを与えて、『リーグワン』で戦えるようにしていきたい」クボタスピアーズ船橋・東京ベイと「SDGs推進に係る連携と協力に関する協定書(包括連携協定)」へ調印した江戸川区・斉藤猛区長は次のようにあいさつした。「これまでホストゲームはもちろん、ラグビー教室や子ども食堂などの地域貢献事業にご協力いただいている。昨季はここ江戸川区陸上競技場で3戦3勝。江戸川区での不敗神話を今季も続けてもらい、優勝してほしいと切に願っている。スピアーズと江戸川区でしっかりスクラムを組んでいきたい」現在7000席の江戸川区陸上競技場の改修について質問が飛ぶと区長とGMはこう返答した。斉藤区長「まずここを超満員にして実績を作っていきたい。ファンクラブも江戸川区民が多い。今後の盛り上がりでしっかり検討していきたい。私もラグビー経験者、インゴールの狭さなどは気になっている」石川GM「個人としてはここを1万5000人、2万人、3万人入れるよう改修したいと思っている。もしかしたら会社から改修の資金が出るかもしれない。今後色んな働きかけをしていきたい」第2部ではグラウンドに選手たちが登場。LOルアン・ボタとSH井上大介は「明るい・楽しい・元気」を象徴するオレンジのファーストジャージー、FB合谷和弘とPR北川賢吾はクボタブルーのセカンドジャージーに身を包み、20組限定の招待を受けた幸運なファンクラブ会員に披露した。HO杉本博昭とSO岸岡智樹はサプライヤー契約を締結する「G Star RAW」のオフィシャルデニムを着込んで姿を現した。FL末永健雄とWTB金秀隆はボーダレスウェアブランド「WWS」とコラボしたオフィシャルスーツを着用。独自開発の新素材「 ultimex/アルティメックス」 を 使用し、ストレッチ性、速乾・撥水、多収納・水洗い可の高機能をアピールした。このスーツ、じつは京都女子大が3D人体計測、パターン設計しているという。立川主将がお披露目した新ジャージーは胸元に、歴史的オープニングゲームをシルバーで刺繍した特別バージョン「LEAGUE ONE開幕記念ジャージー」である。またSDGsステーションや飲食やグッズ販売されるエリア・えどりくファンゾーンや選手と同じ目線で観戦できる選手に最も近いNISHIO“V”シート、江戸川区陸上競技場では初となる立体仮設シートのNISHIO“V”シートの設置など、ゲーム開催時の仕様も発表となった。埼玉ワイルドナイツとの『ジャパンラグビー リーグワン 2022』開幕戦は2022年1月7日(金)・国立競技場にてキックオフ。開幕戦のチケットは11月11日(木)11時11分よりファンクラブ隊員(スピアーズでは会員ではなく隊員と呼ぶ)から順次販売開始。新ジャージ―に開幕記念ジャージー、オフィシャルスーツは10月13日より注文受付・先行予約開始となった。ファンクラブ隊員(スピアーズでは会員ではなく隊員と呼ぶ)も昨日より募集した。取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)
2021年10月14日歌舞伎俳優の中村勘九郎、中村七之助が9月24日、オンライン発表会見を行い、TBS赤坂ACTシアターで上演されるTBS開局70周年記念「赤坂大歌舞伎」(11月11日~)への意気込みを語った。十八代目中村勘三郎が2008年にスタートさせた名物シリーズ「赤坂大歌舞伎」。2013年からは中村勘九郎、中村七之助兄弟が亡き父の遺志を継ぎ、公演を重ねてきたが、昨年5月に予定されていた6回目の上演は、コロナ禍の影響で中止を余儀なくされ、演目も新たに今秋の上演が改めて決定した。今回上演される演目は『廓噺山名屋浦里(さとのうわさやまなやうらざと』、『越後獅子(えちごじし)』、『宵赤坂俄廓景色(よいのあかさかにわかのさとげしき)』の3作。『廓噺山名屋浦里』は笑福亭鶴瓶の落語をもとに、「この落語を歌舞伎にしたい」と熱望した勘九郎が七之助らとともに舞台化し、今回が5年ぶりの再上演となる。勘九郎は初演を振り返り、「ラストは大団円というより、美しさと幻想の中で終わるので、カーテンコールが起こる演目ではないが、実際にはカーテンコールが起こって、拍手も鳴りやまなかった。鶴瓶さんとタモリさんがいらっしゃっていて、おふたりも舞台にあがって一緒にご挨拶してくださった」としみじみ。昨年の中止については「あとは稽古に入るだけという段階だったので、とても残念でしたし、悔しい思いをした。去年の分も今年にかけている」と闘志を燃やしていた。七之助も「花魁浦里は女形の後輩に人気があって、終わった後、ここぞとばかりに『やりたい、やりたい』とみんな楽屋にやって来た」と初演での印象的なエピソードを回想。「女形は一生懸命汗水たらしても、途中で出なくなって幕切れもあるが、花魁浦里はとってもメインで、いろんな色を見せながら、最後まで残るので“得”なんですよね(笑)」とやりがいを熱弁していた。『越後獅子』は長唄にのせて、手おどり、足拍子、布さらしと、様々な踊りの表現を披露。舞台を締めくくる『宵赤坂俄廓景色』は、赤坂がかつて花街だった時代を想起させるような華やかな作品で、勘九郎の長男・勘太郎、次男・長三郎が初登場することも話題を集める。勘九郎は「父が遺してくれたものですし、僕としても出てほしい思いがある」といい、「大人になって、どれくらい覚えているかはわかりませんが、『出た』という記憶や劇場の空気を味わうのと、そうでないかは全然違いますから、ありがたいですね。堂々と踊ってほしい」と目を細めていた。劇場は大規模な改修工事に入ることが決定しており、その大きな節目の作品として「赤坂大歌舞伎」が華を添える形になる。加えて、コロナ禍での上演となるが、勘九郎は「まだ探り探りの状況が続くと思うが、お客様が満席になっている風景を子どもたちに伝えたいですね」と希望を示し、「以前の熱狂を味わえる日は来ると思うので、需要がある役者として、需要がある作品を積極的にやっていきたいです」と決意を新たにしていた。チケット発売は9月25日(土)より。取材・文:内田涼▼公演概要TBS開局70周年記念「赤坂大歌舞伎」日程:2021年11月11日(木)~11月26日(金)会場:TBS赤坂ACTシアター(東京都港区赤坂5-3-2 赤坂サカス内)一、『廓噺山名屋浦里』出演:中村勘九郎 中村七之助 中村虎之介 中村鶴松 片岡亀蔵 中村扇雀原作:くまざわあかね脚本:小佐田定雄演出:今井豊茂美術:中嶋正留二、『越後獅子』長唄囃子連中出演:中村勘太郎『宵赤坂俄廓景色』長唄囃子連中出演:中村勘九郎 中村七之助 中村虎之介 中村長三郎 中村鶴松 片岡亀蔵 中村扇雀
2021年09月24日中村勘九郎、中村七之助を中心に、中村屋一門が2005年より毎年行う全国巡業公演『錦秋特別公演』が10月より全国15カ所で開催される。昨年はコロナ禍によりやむなく中止。今年の巡業は中村勘太郎、中村長三郎が初めて参加した春公演に次いで2度目となる。「昨年伺えなかった土地に春と秋、2回に分けて伺えるのがうれしい」と勘九郎。七之助は「待っていてくださる方がいることがありがたい。春公演ではたくさんの拍手に、役者は居てもいいんだと思えた」と振り返る。それぞれ感謝の思いを胸に、合同取材会で秋公演への想いを語った。「中村勘九郎 中村七之助 錦秋特別公演 2021」チケット情報演目は『浦島』『甦大宝春日龍神(よみがえるたいほうかすがりゅうじん)』『トークコーナー』の全3つ。昔ばなしの後日談を舞踊化した『浦島』は成長株の鶴松が勤める。勘九郎は「歌舞伎を初めて観る方にはストーリー性も分かりやすく曲調も華やか。二枚扇というお扇子を使って踊るテクニカルな踊りは目にも楽しい」と解説。生前、父である中村勘三郎(18代目)が勘九郎の浦島をひどく気に入っていたと言い「鶴松にもしっかり継承できれば」と語る。『甦大宝春日龍神』は春日大社「第六十次式年造替記念」として2014年に創作された奉納舞踊。前半は春日の野の四季折々の素晴らしさを芝居仕立てで踊り、後半は龍神、龍女が荒々しく舞い踊る。「神がかったものに触れることによって、神秘的な思いになっていただければ」と勘九郎。七之助も奉納当日に、龍神の存在を感じるような出来事があったと明かす。「水の神様なので当日は雨だろうと話していたら、踊っている間は降らなかったのに踊り終えた瞬間に土砂降りの雨が降ってきた。野外だったので、兄と二人で『願いが通じたね』と。そういう摩訶不思議な現象が起こったりする。今回はとくに世の中が平穏無事であることを強く思いながら踊りたい」。最後の「トークコーナー」はスーツ姿の2人が等身大の素顔を垣間見せる人気コーナー。2年ほど前から定番だった七之助への結婚に関する質問がパタリと止んだ。「お客様も諦めたのかな」と勘九郎。当の本人は、結婚願望はないと言うが「こればっかりは分からないですよね。理想? 考えたこともないですけど、芝居が好きってことかな。同じものを楽しめる人だったらいいなと思います」。芝居は「心の栄養」とは勘九郎。「辛い状況が続くなかで、歌舞伎という非現実の世界へ飛び込むことによって、少しでもお客様を癒すことができればうれしい。感染対策を徹底して安心安全にご覧いただくというのが私たちの想いです」。七之助も「舞台で得た感動を明日への希望につなげていただければ幸いですし、僕らがやる意味もそこにある」と決意を語った。公演は、10月5日(火)東京・品川きゅりあん大ホールを皮切りに、全国を巡演。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2021年09月01日江戸時代の伝説の歌舞伎役者・初代 中村仲蔵の下克上物語を、忠臣蔵を軸にドラマ化した「忠臣蔵狂詩曲 No.5 中村仲蔵 出世階段」が今年12月に放送決定。主演は中村勘九郎が務め、上白石萌音、中村七之助、尾上松也、藤原竜也、段田安則、市村正親ら豪華キャストが共演する。落語や講談で人気の「中村仲蔵」は、初代 中村仲蔵(1736ー1790)が裸一貫からはい上がる実話をベースとした下克上物語。今回、その物語を国民的人気を誇る「忠臣蔵」を軸にドラマ化。大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」以来の映像作品主役となる勘九郎さんが、その傑出した身体表現力で天才俳優の一代記を演じる。また、もうひとつの主役ともいえるのが、江戸の芝居小屋。初代 中村勘三郎が興した中村座(猿若座)に始まるとされる芝居小屋は、江戸時代を通じて庶民最大の娯楽場となった。日の出から日没まで熱気に満ちていたという当時の芝居小屋を巨大セットで再現。小屋に生きる裏方や地方(歌舞伎音楽の演奏家)、稲荷町(いなりまち)と呼ばれた大部屋役者たちなど、芝居小屋を取り巻く人々も生き生きと描き、江戸歌舞伎の熱狂と魅力を伝えていく。超人気演目「仮名手本忠臣蔵」の五段目で、全く見せ場のない地味な役を割り当てられた仲蔵に一発大逆転はあるのか?厳しい階級制度で縛られた当時の歌舞伎界で、貧困やいじめに苦しみながらも、血の滲むような努力と才智でスターの座をつかんだ仲蔵の痛快な出世物語を、年末にエンターテインメント巨編として放送する。仲蔵の才能を見抜いて抜擢をする当時の大スター・四代目 市川團十郎、それを妬んで敵対する人気歌舞伎役者や座付き作者など、ひと癖もふた癖もある実在の江戸の演劇人たちを演じるのは現代の演劇界のオールスター。今回、勘九郎さんら5名のキャスト陣からコメントが到着した。中村勘九郎/初代 中村仲蔵 役「不思議な縁を感じます」中村仲蔵のことは父(十八代目中村勘三郎)が三代目仲蔵の伝記「手前味噌」に大変感銘を受け愛読していたので、よく聞いていました。仲蔵ゆかりの志賀山三番叟を踊ったこともあります。江戸時代、初代勘三郎が興した中村座に出演し、中村座を救った人でもあるので、その役を演じられることに不思議な縁を感じます。今回とても素晴らしい芝居小屋のセットに足を踏み入れ、思わず泣きました。持って帰りたい!仲蔵は差別を受け大変苦労した人ですが、芝居が好きという情熱に支えられていたと思います。「好き」こそ人を奮い立たせ、上達させ、信念を与えるものです。そんな情熱を感じていただけたら本望です。上白石萌音/仲蔵の妻・お岸 役「朗らかに務めたい」「令和元年版 怪談牡丹燈籠」以来、再び源(孝志)監督のもとでお芝居ができることが心底うれしいです。脚本はやはり本当に面白く、夢中で読んでしまいました。お岸は、こんな女房が家で待っていたら愉 しいだろうな、というような女性です。三味線と唄で仲蔵さんを癒やし、励まし、勇気づけられるよう、朗らかに務めたいと思います。これ以上ないほど豪華な出演者の皆様による「芝居」の真髄。もうすでに完成が待ち遠しいです。ぜひご期待ください。藤原竜也/謎の侍 役「もっと一緒に演っていたい」僕の撮影は2日間だけでしたが、内容の濃い2日間でした。勘九郎さんと空気を合わせて、芝居を作っていく感じがとても楽しかったです。「もっともっと一緒に演っていたいな」って思わせてくれるような人ですね。刀や傘のさばき方は非常に難しかったですが子供のころから厳しく作法を仕込まれている歌舞伎俳優さんから直接教えてもらえたのは貴重な経験でした。最初から最後まで楽しめる贅沢な作品になると思います。段田安則/狂言作者・金井三笑 役「演じがいがあります」勘九郎さんが仲蔵を演じられるのは、ピッタリだと思いますが、その仲蔵をいじめる狂言作者の役ということで演じがいがあります。今も昔も嫌味な演出家やプロデューサーはいて、大人の事情で配役が決まったりとかあったのでしょうね。みんな芝居が心底好きでそのためなら命がけというのも一緒でしょう。ヒエラルキーの厳しい世界で成り上がっていくサクセスストーリーですが、そうそう簡単に成功はさせませんよ。大きな障害として立ちはだかって仲蔵をいじめたいです。(笑)市村正親/四代目 市川團十郎(二代目 松本幸四郎)役「歌舞伎役者を演じられるのは役者人生のごほうび」歌舞伎は昔から演技の勉強のために拝見していました。勘三郎さん(十八代目)の芝居に感激してファンレターを送ったこともあります。今回歌舞伎役者を演じられるのは役者人生のごほうび。天国で勘三郎さんもびっくりしていることでしょう。歌舞伎は見るとやるとでは大違い!ミュージカルでも「歌いすぎるな、芝居しろ」と言いますが、歌舞伎独特の語調の心地よさを感じさせながら、ぐっと 芝居心を入れるのにはどうすればいいのか、悩みながら一生懸命演じています。ドラマ「忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段」は12月、NHK BSプレミアム・BS4Kにて前・後編放送(各89分)。(text:cinemacafe.net)
2021年07月20日