1990年7月7日。第14回FIFAワールドカップ・イタリア大会決勝前夜に行われたコンサートは、後に“20世紀最大のクラシック・イベント”として語り継がれる「三大テノール」の幕開けだった。世界遺産に登録されているローマ・カラカラ浴場に詰めかけた6,000人の聴衆に加え、54カ国8億人が実況放送を視聴。「三大テノール」は、クラシックの枠を遥かに超えた人気を得たのだ。ライブ・アルバムの販売数も凄まじく、発売からわずか3日間で50万枚、1ヶ月で300万枚という驚異的な数字を刻み、最終的には1,600万枚というクラシック史上最大の売上数を記録した。今回制作された映画『蘇る三大テノール 永遠の歌声』(2021年1月8日Bunkamura ル・シネマ他全国順次公開)には、「三大テノール」誕生の逸話や舞台裏の未公開映像がふんだんに盛り込まれ、まさに見応えも聴き応え十分。特に注目したいのは、偉大な3人のテノールが初めて顔を揃えた1990年のステージだ。緊張感に満ちた3人の表情が、まさにこの場が戦いであったことを伝えてくれる。映画『蘇る三大テノール 永遠の歌声』(2021年1月8日Bunkamura ル・シネマ他全国順次公開)※詳細は、
2020年12月12日何かとすぐに炎上しがちな昨今において、表現することの不自由さを感じている人も多いのでは?そこで今回ご紹介するオススメ作品は、“20世紀を最も騒がせた写真家”に迫った注目のドキュメンタリーです。それは……。『ヘルムート・ニュートンと12人の女たち』【映画、ときどき私】 vol. 348一流ファッション誌で女性を撮り続け、さまざまな物議を醸してきたファッション・フォトグラファーの世界的巨匠ヘルムート・ニュートン。強烈なインパクトを与える作品は、ときに「ポルノまがい」「女性嫌悪主義」との議論も巻き起こしたが、女優やモデルなど多くの女性たちを魅了した。生誕100年となる2020年。彼にインスピレーションを与えた12人の女性たちの視点から作品や人物像を捉え直したスリリングなドキュメンタリーが完成した。ヘルムートの真実とは……。2004年に自動車事故による不慮の死を遂げたあとも、長く人々の記憶に残り続けているヘルムート・ニュートン。その素顔から撮影の舞台裏までを映し出している本作について、こちらの方に見どころをうかがってきました。ゲロ・フォン・ベーム監督これまでに製作したドキュメンタリーは100本を超えるという“ドキュメンタリーの名手”ベーム監督。今回は、ヘルムート本人と生前交流があった監督に、彼との忘れられないエピソードや表現の自由が奪われつつある現代に訴えたいことなどについて語っていただきました。―まずは、この映画を作ろうと思ったきっかけから教えていただけますか?監督それは、もう一度ヘルムートの作品や彼という人物をいまの時代の人たちに見せることで、いろんなことを考えてほしいと思ったからです。このタイミングになったのは、ちょうど今年で生誕100周年を迎えたからというのがありましたが、これまでドキュメンタリーが作られていなかった20世紀最大の写真家の一人である彼について、知ってほしいというのが最大の理由でした。映画にしようと思ったのは、彼の写真がシネマスコープのサイズで撮られているものが多いから。大きなスクリーンで見せるにはピッタリだと思ったというのもありました。あとは、以前彼とコラボしたときの素材が残っていたので、それを多くの人に見せたいという気持ちも込められています。―この作品を作っている過程で、現在の時代における創作活動の難しさや見直すべき点について考えた部分もあったと思います。いちアーティストとして、いまのこの現状に対して訴えたいことはありますか?監督これはとても興味深くて、重要なテーマだと思います。いまのポリティカル・コレクトネスの風潮は、私たちが60年代から80年代にかけて活躍していたころとはまったく違っているので、もし彼の写真をいま雑誌に掲載したら、おそらくフェミニストたちが抗議するでしょうね。でも、私は芸術の自由は大切にしなければいけないと思うので、これはとても危険な風潮だというふうにも考えています。もしポリティカル・コレクトネスばかりを尊重するのであれば、ボッティチェリやピカソのような作品もそのうち消えてしまうのではないかと危惧しているからです。表現の自由は守られるべきものなので、検閲を行うことは独裁国家の始まりとも言えるかもしれません。それは、気をつけるべきことだと思っています。若い人にはもっと勇気をもって冒険をしてほしい―では、いまのアーティストたちにアドバイスするとしたらどんなことでしょうか?監督ヘルムートの真似をするのではなく、その時代ごとに合った作風を模索しながら、冒険してほしいと思ってます。つまり、挑発的で斬新な作品をもっと探っていってほしい、ということですね。私からすると、特に最近のファッション業界の写真は退屈な方向へと進んでいるように感じるので、若い写真家たちにはもっと勇気を持ってがんばってくださいと伝えたいです。―ヘルムートさんの作品については、ポルノまがいや女性差別と批判する者も多かったと劇中でも触れていますが、紙一重とも思えるアートとわいせつさの差を生んでいるものは何だと思われますか?監督これもまた興味深い問題ですよね。ヘルムートはつねにその境界線を操るように、そして遊ぶように写真を撮っていたように思います。ただ、そのなかでもつねに何かしらのストーリーを伝えようとしていたというのは、大きな違いではないでしょうか。つまり、女性をただの物としてとらえるのではなく、そこにきちんとメッセージがあるのが彼の写真が持っていた特徴でした。とはいえ、当時もそこが伝わらずに「女性蔑視だ」という批判もあがったのも事実です。―監督にとって印象に残っている作品はありますか?監督映画にも出てくる2枚の写真が対になっている作品で、左側にはオートクチュールの服に高い宝石を身に着けた女性たちがいて、右側には同じ女性たちがすべてを脱ぎ捨てて裸でハイヒールを履きながら同じポーズを取っているという写真があります。これは「服がなくても、女性たちは強く見える」ということを言っていますが、そんなふうに彼は写真を通してつねに何かしらのメッセージを見る人に送り続けていたのです。ただ、「オートクチュールの服はいらない」というメッセージを込めたこの写真を当時のファッション業界が受け入れて掲載したということが、私にとっては何よりも驚きではありました。いまだにヘルムートに恋しているように感じられた―確かにいまでは難しいと思います。しかも現代はインターネットの発達などによって、些細なことでもすぐに炎上してしまうため、アーティストには生きづらい時代と言えるかもしれません。もしヘルムート・ニュートンさんが生きていたら、どのようにこの時代に立ち向かっていたと思いますか?監督おそらく、彼の姿勢は特に変わらなかったんじゃないでしょうか。他人が何と言おうと、変わらない人でしたから。ポリティカル・コレクトネスに配慮するような写真は撮らなかったでしょうし、自分の作品が雑誌に掲載されなかったとしても、彼は気にしなかったと思います。実際、彼は「敵は多いほうがおもしろい」という言葉をよく言っていましたからね(笑)。―そんな刺激的なヘルムートさんと時間を過ごしたことで、影響を受けたことも多かったのではないでしょうか?監督そうですね。いまでもよく覚えているのは、2人で一緒に彼の生まれ故郷でもあるベルリンを歩いていたときのこと。そこでいろいろな話をしたのですが、彼からは写真のことよりも人生について多くのことを学ばせてもらったと思います。彼は紳士的ないっぽうで、アナーキストという相反する側面を持っていましたが、そういう彼の姿からは自由と勇気を教えてもらいました。つねに前向きで、ときにはルールを破りながら新しい表現方法を探し続けていた彼に刺激をたくさんもらったと感じています。―本作には、ヘルムートと縁の深い女優シャーロット・ランプリングや編集者のアナ・ウィンターといった多くのセレブが出演しています。いずれも個性豊かで強さのある12人の女性たちでしたが、彼女たちからインスピレーションを受けた部分はありましたか?監督彼女たちと話をしていると、驚かされることばかりでした。なかでも30~40年も前の撮影のことを事細かに話してくれたのには、本当にびっくりしましたね。ただ、インタビューしていくなかで感じたのは、どれだけ月日が経っても彼女たちはどこかヘルムートに恋しているようなところがあるんだなということ。シャーロットも初のヌード写真となったヘルムートとの撮影では、パワーをもらったと話していましたし、あの写真がなければ自分のキャリアはまったく違う方向に行っていただろう、と振り返っていましたから。彼のクリエイティビティに触れて考えてもらいたい―インタビューを続けるなかで、なぜ彼女たちがヘルムートから愛されたのかという理由も見えてきたのではないでしょうか?監督それもありましたね。彼女たちがヘルムートからあんなにも愛されたのは、知的で強気な態度の女性たちだからだと思います。男女関係なく、彼は退屈な人が嫌いだったので、彼女たちのようにつねにチャレンジをして楽しませてくれる人が好きでモデルにしたんだと理解しました。―そんなヘルムートさんにとって、妻のジューンさんがミューズだったと映画のなかで明かされていますが、監督にとってのミューズもしくは創作活動の源とは何ですか?監督ここはヘルムートと私がすごく似ているところなのですが、私も妻がクリエイティビティを刺激してくれる存在です。結婚して45年が経ちましたが、つねに愛情を注いで力をくれていますし、仕事も一緒にしているのでそういった環境づくりにも気遣ってくれていますから。毎日が前の日よりも楽しい、というとても素晴らしいパートナー関係を築けていると思います。―とても素敵なエピソードをありがとうございます。それでは最後に、日本の観客にメッセージをいただけますか?監督自分たちの文化や写真文化を大切にしている日本で公開できることはとても光栄ですし、みなさんにスクリーンで観ていただけることも非常にうれしく思っています。何と言っても日本は、杉本博司氏や荒木経惟氏、細江英公氏といった素晴らしい写真家を輩出している国ですからね。ぜひ、ヘルムートのクリエイティビティに触れていろいろと話し合ってほしいです。そして、それが若い人にとっていい刺激になってくれたらとも願っています。そして最後に、みなさんにはこれからも健康に気をつけて過ごしていってください、ということを伝えたいです。内に秘めた創作意欲を掻き立てられる!表現の自由や芸術のあり方について、改めて考えさせられる本作。コンプライアンスや周囲の評価にがんじがらめになりつつある現代に生きるからこそ、自分の表現を追求し続けたヘルムートの生きざまからエネルギーと刺激を存分に浴びてみては?取材、文・志村昌美刺激的な予告編はこちら!作品情報『ヘルムート・ニュートンと12人の女たち』12月11日(金)よりBunkamuraル・シネマ、新宿ピカデリーほか全国順次公開配給:彩プロArena, Miami, 1978 (c) Foto Helmut Newton, Helmut Newton Estate Courtesy Helmut Newton FoundationGero von Boehm (c) Foto Helmut Newton, Helmut Newton Estate Courtesy Helmut Newton FoundationDavid Lynch and Isabelle Rossellini, Los Angeles, 1988 (c) Foto Helmut Newton, Helmut Newton Estate Courtesy Helmut Newton FoundationCharlotte Rampling (c) Pierre Nativel, LUPA FILMAnna Wintour (c) Pierre Nativel, LUPA FILMHelmut at home, Monte Carlo, 1987 (c) Foto Alice Springs, Helmut Newton Estate Courtesy Helmut Newton Foundation
2020年12月10日『デッドプール』第3弾がいよいよ製作初期段階に入ったようだ。昨年、20世紀フォックスを傘下に持つ21世紀フォックスがディズニーに買収された。そのため、20世紀フォックスの作品で、過激さが売りの1つである『デッドプール』の続編を作ることに、ディズニーがGOサインを出すかに注目が集まっていた。そしてついに先日、主演のライアン・レイノルズがこの1か月、多くの脚本家たちと『デッドプール』第3弾について意見を交わしていたことが明らかになった。「Deadline」などによると、ライアンと製作陣はアニメ「Bob’s Burgers」(原題)のウェンディ&リジー・モリノー姉妹の案が気に入ったとして2人を起用したとのこと。2人は脚本家・製作総指揮を務めている同アニメで、2017年にエミー賞を受賞している。今作は初めてマーベル・スタジオがライアン&『デッドプール』チームと組む作品で、同スタジオのCEOケヴィン・ファイギも参加する。関係者によれば、今作も前2作と同様にレイティングは「R指定」を想定しているという。監督については、前作のメガホンを取ったデヴィッド・リーチは実写版『マリアビートル』などの撮影で2021年いっぱい予定が詰まっているため、新たに起用される模様。(Hiromi Kaku)■関連作品:デッドプール2 2018年6月1日より全国にて公開© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation All Rights Reserved
2020年11月24日「Disney+(ディズニープラス)」では数多くの名作を生み出した20世紀スタジオ映画を一挙に配信する特集「秋の夜長に20世紀スタジオ映画でナイトシネマ」を実施中。3連休は何して過ごそう?という人にも、外出の予定を変更した人にもオススメの一大特集の楽しみ方を“ハリウッドスターたち”に注目しながらご紹介!キラリと個性が光る名優、ジョニー・デップディズニー実写映画の代表作『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのキャプテン・ジャック・スパロウ役や『アリス・イン・ワンダーランド』シリーズの不思議な帽子屋マッドハッターなどを演じ、ディズニー作品ではおなじみのジョニー・デップ。彼を一躍有名にしたのが、ティム・バートン監督とジョニーが初めてタッグを組んだ『シザーハンズ』。両手がハサミのため、愛する人を抱きしめることができない主人公エドワードの切なすぎる物語は秋の夜長にぴったり。ディズニー・チャンネルが生んだトップスター、ザック・エフロンディズニー・チャンネルが制作したオリジナルミュージカル映画『ハイスクール・ミュージカル』シリーズで世界中を虜にしたザック・エフロンが、『グレイテスト・ショーマン』では主人公P.T.バーナムの相棒フィリップ役を演じ、これまでの経験で培った演技力と歌唱力を存分に発揮している。ゼンデイヤ演じる空中ブランコ乗りのアンと宙づりになりながら歌うデュエットのシーンは、この映画の見どころの一つでもあり、立場を超えて愛し合う2人の息の合った演技に注目。ヒュー・ジャックマン演じるバーナムとの競演シーンも見逃せない。次世代のトップ女優でファッションアイコン、ゼンデイヤまた、同じくディズニー・チャンネルが制作した「シェキラ!」でロッキー・ブルー役に抜擢され、その後「ティーン・スパイ K.C.」ではキュートなスパイ役がはまり日本でも人気に火がついたゼンデイヤ。ディズニー・チャンネル卒業後は、『スパイダーマン:ホームカミング』ではトム・ホランド演じるピーター・パーカーの同級生MJとして登場し、2018年には『グレイテスト・ショーマン』に出演。持ち前の歌唱力とダンサーとしての才能を存分に発揮し、まさに次世代のトップを走る女優となった。幼さが残るディズニー・チャンネルのドラマシリ ーズを観てから『グレイテスト・ショーマン』を観ると、知的な大人に成長した姿が存分に楽しめる。アメコミ・ヒーローを二役も!クリス・エヴァンス大ヒットマーベル作品『アベンジャーズ』シリーズで最強ヒーローチームのリーダー、キャプテン・アメリカ役を演じ世界的大スターとなったクリス・エヴァンス。その出演前には20世紀スタジオ作品の『ファンタスティック・フォー』シリーズ(2005・2007)で炎を操るヒーロー、ヒューマン・トーチ役を演じていた。生真面目なまでの正統派ヒーロー、キャプテン・アメリカとは異なり、お調子者でムードメイカー的存在のヒーローを同作では楽しめる。いつでも熱き男!ヒュー・ジャックマン『X-MEN』シリーズに出演し、激しいアクションシーンを演じたヒュー・ジャックマン。ウルヴァリン役では鍛え上げた筋肉を披露し、アクション俳優として人気を確立。その一方、20世紀スタジオ作品『グレイテスト・ショーマン』ではキレのあるダンスや美声を披露、心揺さぶる珠玉のナンバーを熱唱する。どちらのヒューも要チェック。「秋の夜長に20 世紀スタジオ映画でナイトシネマ」は12月3日(木)までディズニープラスで開催。(text:cinemacafe.net)■関連作品:シザーハンズ 1991年7月より公開ファンタスティック・フォー:銀河の危機 2007年9月21日より日劇1ほか全国にて公開©2006 TWENTIETH CENTURY FOXハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー 2009年2月7日より全国にて公開© Disney Enterprises, Inc.X-MEN:フューチャー&パスト 2014年5月30日より全国にて公開© 2014 Twentieth Century Foxパイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊 2017年7月1日より全国にて公開© 2017 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reservedグレイテスト・ショーマン 2018年2月16日より全国にて公開© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation
2020年11月22日国内の近代美術館のなかでも、優れた20世紀美術コレクションに定評のある横浜美術館、富山県美術館、愛知県美術館が協働する展覧会『トライアローグ:横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館20世紀西洋美術コレクション』展が横浜美術館にて11月14日(土)に開幕。2021年2月28日(日)まで開催される。来年3月から約2年間の長期休館に入る横浜美術館にとっては休館前の最後の展覧会だ。トライアローグとは、3者による鼎談(話し合い)を意味する言葉。この展覧会は3館のそれぞれのコレクションを用いて20世紀の美術を概観するもので、3館の担当学芸員が濃密な議論を重ね、ラインナップが構成されていった。このタイトルにちなみ、「3」をキーワードに、3章立て、30年区切りで展開されていく。横浜美術館第1章「1900sーー アートの地殻変動」は1900年から1930年前後にかけての美術を概観していくもの。印象派やポスト印象派などが新しい表現方法を提示した18世紀後半の芸術家たちの地ならしを受け、この時代はフォービズムにキュビズム、表現主義、抽象絵画にダダや構成主義など新しい表現が同時多発的に噴出する激動の時代だった。展示されている作品もバラエティ豊かで濃密な時代であったことが伺える。第1章「1900sーーアートの地殻変動」展示風景展覧会は、美術の流れを概観できるだけでなく、随所に「Artist in Focus」と題された各館の収蔵品を並べるコーナーも展開されている。すべてフェルナン・レジェの作品 左から《緑の背景のコンポジション(葉のあるコンポジション)》1931 愛知県美術館、《コンポジション》1931 横浜美術館、《インク壺のあるコンポジション》1938 富山県美術館たとえば、レジェのコーナーでは3館の所蔵によるレジェの作品をそれぞれ鑑賞できる。同じ年に描かれた愛知県美術館、横浜美術館の作品にくらべ、7年後に描かれた富山県美術館の作品は輪郭線が太くなっていることがわかる。このほか、ピカソやクレー、エルンストなどの作品が並べられ、見比べられるようになっており、作家の画風の変遷だけでなく、各美術館の審美眼などにも想いを馳せることができる。第2章「1930s——アートの磁場転換」 展示風景続く第2章「1930s——アートの磁場転換」では、美術のみならず、映画や文学など芸術全般に大きな渦を巻き起こしたシュルレアリスムからスタートし、1960年代までを俯瞰する。すべてジュアン・ミロの作品 左から《花と蝶》1922-23 横浜美術館、《パイプを吸う男》1925 富山県美術館、《絵画》1925 愛知県美術館第2章「1930sーーアートの磁場転換」 展示風景第2章もまた激動の30年だ。この期間に、第二次世界大戦が勃発。その影響により多くの芸術家たちがヨーロッパからアメリカへと渡り、結果、戦後の美術シーンの中心地はヨーロッパからアメリカへとなっていく。シュルレアリスム作品が多くあった展示室から、サム・フランシスやルーチョ・フォンタナらの作品のある展示室へ移動した瞬間、雰囲気がガラリと変わり驚かされる。通常の美術展では、1945年前後を区切りとして扱うものが多いなか、あえて戦前と戦後を一緒のくくりで扱うことで、美術の大きなながれが見えてくる。第3章「1960sーー アートの多元化」 展示風景そして、最終章である第3章「1960sーー アートの多元化」では、より多様化していく美術のあり方を紹介する。美術作品の表現や考え方がどんどん多様化し、展示場所もギャラリーや美術館を飛び出し、壮大なものに発展していく。3館の収蔵品だけで、約90年の美術の流れを学び取ることができる刺激的な展覧会。現在、海外美術館から作品を借り入れることが難しい状況において、国内の名品を持ち寄るという新しい形の展覧会の作り方は、今後の大きな指針となりそうだ。長期休館に入る横浜美術館に、ぜひ刺激をもらいにいこう。取材・文:浦島茂世【開催情報】『トライアローグ:横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館20世紀西洋美術コレクション』展11月14日(土)~2021年2月28日(日)、横浜美術館にて開催※日時指定予約制。詳細は公式HPを参照。
2020年11月20日『グレイテスト・ショーマン』や『X-MEN』シリーズを新たにラインアップに加え、20世紀スタジオ映画を一挙に配信する特集「秋の夜長に20世紀スタジオ映画でナイトシネマ」をディズニー公式動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」にて実施。その特別予告編も到着した。今回特集で観られる作品は、20世紀スタジオから厳選された15作品。現在好評配信中で世界興行収入ランキング2位の『アバター』や、ジョニーデップ主演の名作『シザーハンズ』などに加え、この特集にあわせて新たに6作品が追加。まずは、日本でも大ヒットを記録した心震える感動のミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』。ヒュー・ジャックマンを始めザック・エフロン、ゼンデイヤなど豪華キャストが迫力ある歌とダンスのパフォーマンスを繰り広げた。そのほかにも、大人気マーベル・コミックのヒーローシリーズから映画『X-MEN』『X-MEN:アポカリプス』『X-MEN:フューチャー&パスト』『ウルヴァリン:SAMURAI』が登場。こちらもヒューがお馴染みのヒーロー「ウルヴァリン」を演じ、迫力満点のアクションシーンを披露する。また、マーベル・コミックのヒーローシリーズから2015年に公開された映画『ファンタスティック・フォー』も追加。現在配信中の『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』とも一緒に楽しめる。配信開始に先がけ解禁された特別予告映像には、『グレイテスト・ショーマン』のヒューの「いいアイディアがある」というセリフから始まり、今回特集される15作品の中から印象に残るシーンだけを厳選した心躍る特別映像となっている。特集「秋の夜長に20世紀スタジオ映画でナイトシネマ」はディズニープラスにて11月20日(金)より配信開始。(text:cinemacafe.net)■関連作品:X-MEN:フューチャー&パスト 2014年5月30日より全国にて公開© 2014 Twentieth Century Foxファンタスティック・フォー 2015年10月9日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2015 MARVEL & Subs. © 2015 Twentieth Century Foxグレイテスト・ショーマン 2018年2月16日より全国にて公開© 2017 Twentieth Century Fox Film CorporationX-MEN 2000年10月7日より日本劇場系列ほかにて公開
2020年11月13日子育ても四半世紀、学校や世の中で変化したことは?Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみ「発達障害」という言葉は、四半世紀子育てをしている私にとって「まだ新しいもの」という感覚があります。第一子の長男が小学校に入学したころは、「座れない・人の話が聞けない」と、授業を妨害している児童とみなされ、厄介者というようなレッテルを貼られる場面が多くありました。そのため、幼稚園や家庭でどんなしつけをしてきたのかを問われ、親が呼び出されることも珍しくなかったと思います。Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみ発達障害という言葉は知られるようになったけれど…あれから学校でも、社会全体でも「発達障害」という言葉が知られるようになりました。ですが、発達障害の当事者や家族は楽になったか…というと、本当にそうだろうか?まだまだ理解も配慮も足りていないのではないだろうか…と考えてしまいます。それはこの先も、社会とともに、試行錯誤することになるのでしょうね。
2020年10月21日新型コロナウィルス感染拡大の影響や感染拡大予防の観点から、テレワークやウェブミーティングなどが増えているいま、20世紀スタジオが名作の壁紙を公開した。20世紀スタジオが「あなたのテレビ会議を彩ろう」と公開したのは、あの『エイリアン』に登場した宇宙船内や、『ボヘミアン・ラプソディ』がまさしくレコーディングされたスタジオ。そして、『X-MEN』シリーズでお馴染み、プロフェッサーXがミュータントを感知する“セレブロ”に続く扉、『キングスマン』のスパイガジェットがずらりと並んだ高級スーツ店「キングスマン」の店内と、映画ファンの心をくすぐるスポットばかり。そんな『X-MEN』の最新スポンオフ『The New Mutants』(原題)はこれまで何度も公開が延期されてきたが、新型コロナウィルスの影響でまたも公開日未定に。『キングスマン:ファースト・エージェント』はいまのところ今年9月の公開が予定されているが、微妙なところだ。さらに、全米公開が12月23日に延期された『トップガン マーヴェリック』からも、オンライン会議システムで使える背景画像が公開されている。(text:Reiko Uehara)■関連作品:トップガン マーヴェリック 2020年7月10日より全国にて公開©2019 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
2020年04月03日20世紀を代表する建築家、ル・コルビュジエ。彼の建築作品で世界文化遺産でもある国立西洋美術館(本館)で、ル・コルビュジエの絵画とそのルーツに迫る展覧会『ル・コルビュジエ絵画から建築へ—ピュリスムの時代』が開催されている。『ル・コルビュジエ絵画から建築へ—ピュリスムの時代』()
2019年02月26日まもなく開幕の〈20世紀の傑作バレエ2〉公演で、現代バレエの巨匠による4作品を上演する東京バレエ団が公開リハーサルを実施、同時に催された記者懇親会で、斎藤友佳理芸術監督、主演ダンサーの川島麻実子、柄本弾が意気込みを語った。【チケット情報はこちら】この日スタジオで公開されたのは、ドラマティック・バレエの傑作『椿姫』などの作品で知られる振付家、ジョン・ノイマイヤーによる『スプリング・アンド・フォール』のリハーサル。公演ではこのほか、ジェローム・ロビンズ振付『イン・ザ・ナイト』、イリ・キリアン振付『小さな死』という、同団が昨年初めて取り組んだ2作品と、彼らの代表的レパートリーであるモーリス・ベジャール振付『ボレロ』の全4作が上演されるが、国内カンパニーでこれほどの巨匠の作品を一挙上演する例は珍しく、20世紀バレエの豊かさ、奥深さを俯瞰させてくれる貴重な機会となる。2000年に彼らのレパートリーに加わった『スプリング・アンド・フォール』は、ドヴォルザークの〈弦楽セレナーデ〉にのせて17人の男女が紡ぐ、瑞々しい魅力に溢れたバレエ。具体的な筋書きはないが、バレエ・ミストレスの佐野志織が主導するリハーサルでは、感情の動きが大いに重視され、そこここに立ち現れる若い男女の出会いや語らいのイメージに、しばしばハッとさせられる。自身も本作の東京バレエ団初演を踊り、「思い入れのある作品」と語る斎藤。彼女が「ぜひ大きな舞台で観ていただきたい」と配した2組の主役のうち、初日と最終日に登場するのが川島と柄本だ。「入団間もない頃に観て、とても印象的でいつか踊りたいと思った。携わることができて幸せです」と話す川島は、『イン・ザ・ナイト』第2、第3パ・ド・ドゥにも取り組み、様々な表情を見せる。いっぽうの柄本は、「主役として皆をひっぱっていくことが大事。体力強化が重要と痛感」と笑う。ほかに『イン・ザ・ナイト』『ボレロ』と全3作に出演、『ボレロ』は野外ステージやファミリー向け公演で踊る機会はあったが、こうしたバレエ団公演の大舞台での主演は初だ。「自分らしさを出せるようになってきたかな、と思っています」と、胸の内を明かす。この3年、様々な挑戦を重ねた斎藤だが、「今回はその集大成。これまで取り入れてきたもの、その一部をお見せしたい」と自らの仕事を振り返り、「これらの作品に一度に携わることができる今のダンサーたちは、なんて幸せだろうと思います」と笑顔。見応えある舞台が期待される。東京バレエ団〈20世紀の傑作バレエ2〉は、11月30日(金)から12月2日(日)、東京文化会館にて。チケットは発売中。取材・文:加藤智子
2018年11月15日俳優でもあるマチュー・アマルリックが監督・脚本を務めて描く『バルバラ~セーヌの黒いバラ~』。11月16日(金)からの日本公開を前に、20世紀最高の歌姫バルバラが辿った波瀾万丈な人生に迫った。■バルバラの壮絶な人生から読み解く光と影孤独と苦難の中にも歌だけを信じ、人生を駆け抜けたひとりの歌姫は、どのように誕生したのか。バルバラの生涯は謎に満ちており、1997年に逝去した後に世に出た回想録「一台の黒いピアノ~バルバラ未完の自伝」(小沢君江訳・緑風出版)によれば、ユダヤ人として生まれ、ナチス・ドイツによるフランス占領時代には国内外を転々、少女時代にその占領下で迫害を受けている。そして両親との葛藤、とくに彼女の代表曲「黒いワシ」に秘められた父親の近親姦の痛ましい傷あと、80年代に猛威をふるったエイズ禍に対峙した背景などが赤裸々に語られている。生涯をかけて、「私には個性があり、それをいう権利がある。あなたにもあるのです」と世界に向けて主張し続け、苦しんでいる人の声に応え、差別される人々全てに権利があることを訴える仕事を続けたバルバラ。時代のトレンドがシャンソンからフレンチポップスにとって代わる50年代後半にレコード・デビューしたにもかかわらず、あくまでシャンソン歌手として一世を風靡した。コンサートやステージの開催時、それら公演の宣伝を一切行わないにもかかわらず、発売直後にチケットが完売する現象は”神話”と呼ばれた。■音楽においては、“情熱”しかない…アマルリック監督が明かす監督を務めたマチュー・アマルリックは「すべてを信じ切ること。バルバラの魂の再来と平凡さ、神秘と肌、親しみやすさ、そして高揚する感覚。それらすべてが事実であり、本物なのだ。音楽においては、この言葉しかない。“情熱だ”」と語った。また、主演のジャンヌ・バリバールは、これまでの映画や舞台でバルバラ役を断っていたものの、「彼女以上に表現して見せたいと思ったわ。バルバラ・センセーションをね」と満を持して本作でバルバラを演じ、「女性はバルバラの曲を通して、女の人生を知っていく」と語った。痛ましい過去を乗り越え、歌手として生きる運命に全てをかけたバルバラの人生は、観る者の心に強く存在し、苦しみや悲しみを優雅に挽歌で語り、暗闇の中の灯火となって生き続けることだろう。『バルバラ~セーヌの黒いバラ~』は11月16日(金)よりBunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:バルバラ~セーヌの黒いバラ~ 2018年11月16日よりBunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開© 2017 - WAITING FOR CINEMA - GAUMONT - FRANCE 2 CINEMA – ALICELEO
2018年11月13日昭和レトロな、カウンター席のみのとんかつ専門店「とんかつ あけぼの」は東京・有楽町にある、とんかつの専門店です。ビルの地下にあるお店は、「味自慢 とんかつ」と書かれた、煌々と光る看板が目印になっています。店内は昭和レトロな雰囲気。L字型のカウンター席が、お客さんを出迎えます。カウンターの向こうには厨房があり、調理している様子が見えるのが醍醐味です。なかには調理の方法について質問をするお客さんもいるとのこと。黒電話が置かれたノスタルジーあふれる空間です。創業から半世紀以上続く、こだわりが光るお店昭和37年創業の「とんかつ あけぼの」は、半世紀以上続くお店。現在交通会館の地下1階にお店を構えていますが、かつてこの場所が「寿司屋横丁」だったころから存在する老舗です。「できることは全て手作りでする」をモットーにしているとのこと。お肉やキャベツのカットはもちろん、タルタルソースも手作りしています。また、お米は釜炊きし、煮干しの出汁をとって味噌汁を作るなど、こだわりが随所に現れているのを感じられるでしょう。3種類の主役級メニューを楽しめる「サービス定食」「サービス定食」は女性におすすめのメニュー。たっぷりの添え野菜と共にお皿に乗るのは、一口ヒレカツ、エビフライ、アジフライまたはカニクリームコロッケの、3種類のフライです。ヒレカツはお店の看板メニューとも言える逸品。そのヒレカツが食べられるのは、とてもうれしいポイントです。衣は軽い感じで、サクサクいただけます。エビフライもエビが大きく、プリプリの食感がたまりません。やっぱりこれだけは外せない! 絶品の「かつ丼」「かつ丼」はお店の看板メニューです。注文を受けた後に揚げられるカツが、卵をまとい、炊き立てのご飯の上に乗って運ばれてきます。お米はお釜で炊いており、一粒ひとつぶがぴかぴかと光っているのが特徴です。お味噌汁とお新香も一緒にいただけるのはうれしいもの。カツは大きく、衣にはサクサクの食感が残っています。じゅわっとやさしい甘さの出汁が衣に染み込み、シャキシャキとした玉ねぎとともにいただきます。メディアにもひっぱりだこの、リーズナブルなお店お店でいただけるメニューはどれも絶品ながらお手頃価格。それでいてボリュームは満点なため、メディアにもたびたび登場する有名店です。お昼時にはサラリーマンをはじめ、多くのファンが訪れます。大変人気のお店で、開店と同時に満席になる日も珍しくありませんが、雨の日など天候によっては空いている日もあるようです。「とんかつ あけぼの」は、交通会館のB1Fにお店を構えています。JR山手線・京浜東北線・東京メトロ有楽町線の「有楽町駅」、中央口改札から出て徒歩3分ほどです。あなたも「とんかつ あけぼの」で、多くのファンに愛されている絶品とんかつを味わってみませんか。スポット情報スポット名:とんかつ あけぼの住所:東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館 B1F電話番号:03-3211-3934
2018年04月20日所蔵する18世紀から20世紀に制作された扇コレクション約60点を、女性たちの装いとともに紹介する「ヨーロッパの扇展」が神戸ファッション美術館にて、1月13日から3月11日まで開催中。扇1850年頃フランス神戸ファッション美術館蔵ドレスだけではなく、華やかな女性の装いを構成する様々なアクセサリーとしての装飾品。その中でも扇は、持つことが上流階級の女性のたしなみの一つとされ、装飾としてだけではなく、持つ仕草によってメッセージを送るという親密なコミュニケーションの手段でもあった。扇にはさまざまな形状のものがあり、「ブリゼ(blisé:フランス語で 壊れた という意味)」は、薄い板状の骨を末広がりに綴り合わせ、リボンなどで編み綴ったもので、日本では「檜扇(ひおうぎ)」と呼ばれている。「プリッセ(plissé:フランス語で襞あるいはプリーツの意味)」は扇面を折りたたむタイプで、私たちが涼をもとめるものとして親しんでいる扇子と同型。また、骨の部分に象牙やべっ甲や真珠貝を使用したもの、扇面に雅宴画が描かれたもの、豪華なレースが施されたものなどもある。ローブ・ア・ラ・フランセーズ1760年頃フランス神戸ファッション美術館蔵また展示室入口エリアでは「ローブ・ア・ラ・フランセーズ」の試着体験ができ、写真撮影も可能。絢爛豪華なドレスと扇で、社交界の淑女気分を体験してみては。【展覧会情報】ベーシック展示 ヨーロッパの扇会期:1月13日~3月11日会場:神戸ファッション美術館住所:神戸市東灘区向洋町中 2-9-1時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)料金:一般500円 小学生、中学生、高校生、65歳以上 250円休館日:月曜日、2月13日(2月12日は開館)
2018年01月15日14日(現地時間)、ウォルト・ディズニー・カンパニーが21世紀フォックスの映画・テレビ事業を524億ドル(約6兆円)で買収することを同社の公式サイトで発表した。映画・テレビファンが注目したい点は、これによりディズニーが21世紀フォックスの傘下の20世紀フォックスが手掛けた『X-MEN』、『デッドプール』、『アバター』などの大ヒット映画シリーズの所有権、フォックス・サーチライト・ピクチャーズの『グランド・ブタペスト・ホテル』、フォックス2000・ピクチャーズの『ドリーム』など、錚々たる作品の権利を手にすることだ。テレビに関しては長寿アニメの「ザ・シンプソンズ」、「モダン・ファミリー」、「THIS IS US 36歳、これから」など世界で人気を集める作品がディズニーに仲間入りする。また、ケーブルチャンネルのFXやナショナル・ジオグラフィックも取得。ストリーミング配信サービスのHuluの60%の株式も所有するという大幅な変化が生まれる。一方、21世紀フォックスは、ディズニーが買収の対象としない残ったニュースチャンネルのフォックス・ニュース、スポーツチャンネルのFS1、FS2などの事業をスピンオフし、経営を存続する。(Hiromi Kaku)
2017年12月15日19世紀末のパリを彩った作品の数々を一挙公開2017年10月18日から2018年1月8日まで三菱一号館美術館で開催されているのが「パリグラフィック ロートレックとアートになった版画・ポスター展」です。19世紀末のパリ、これまで情報伝達の手段だった版画は、多くのアーティストの手によって芸術の域にまで高められました。今回は三菱一号美術館とファン・ゴッホ美術館の所有する貴重なコレクションのうち、版画、リトグラフ、ポスターなど、約140点を楽しむことが出来ます。パリの街中や劇場内を彩っていたポスターや版画を見て、当時の空気感を感じてみましょう。この展示会が開催されている三菱一号館美術館は、千代田区丸の内にあります。JR東京駅の丸の内南口から徒歩5分です。東京メトロ千代田線「二重橋前」駅(1番出口)からは徒歩3分と、アクセスも良好。展示をもっと楽しめる「トークフリーデー」三菱一号館美術館ではこの展示会の会期中、これまで休館日だった月曜日を活用して、声の大きさを気にせずに展示を楽しめる「トークフリーデー」を実施します。このような展示会は静かにじっくり作品をと向き合って楽しむのが醍醐味ではありますが、そのために小さい子供を連れていけなかったり、一緒に行った人と作品について語りたくても、遠慮してしまうこともしばしば。この「トークフリーデー」は、10月30日(月)、11月27日(月)、12月25日(月)の3日間で、時間は10:00~18:00(入館は17:30まで)となっております。女性だけのお得なチケットプランまた、原則として開館時間は18:00までですが、祝日を除く金曜日、第2水曜日、会期最終週の平日は21:00まで開館していますので、仕事終わりでも楽しむことが出来ますね。当日券の一般料金が1700円のところ「アフター5女子割」として第2水曜日の17:00以降は、女性は1,000円で入場できるのも見逃せないポイント。その他、前売り券に関する情報は、公式サイトをご確認ください。お土産選びもじっくりと会場ではオリジナルグッズも多数販売されています。特にほぼ原寸大のトート&ポーチは抜群の存在感。気になるアイテムがあれは、実際に手にとってみてくださいね。来年まで都内で楽しむことが出来る展示会は、芸術の秋を楽しみたい方にオススメ。何度も足を運んで、新しい発見をしましょう。イベント情報イベント名:パリグラフィック ロートレックとアートになった版画・ポスター展催行期間:2017年10月08日 〜 2018年01月08日
2017年11月07日19世紀末のパリで、トゥルーズ=ロートレックやボナール、ヴュイヤールなどの芸術家たちが次々に生み出していったグラフィック・アート作品を、版画やリトグラフ・ポスターを中心に、全173点を一挙に展示する「パリ・グラフィックロートレックとアートになった版画・ポスター展」が10/18(水)より三菱一号館美術館で開幕した。【チケット情報はこちら】ベル・エポックと呼ばれる時代、それまで情報伝達手段でしかなかった版画は前衛芸術家たちによって新たな芸術表現として花開き、それを収集する愛好家までが登場するようになる。そして、街中や芸術劇場のポスター、本の挿絵として人々の暮らしに浸透していき、「グラフィック・アート」は時代を映す最先端のメディアとなった。今回は、三菱一号館美術館、及びアムステルダム、ファン・ゴッホ美術館の貴重なコレクションから選りすぐられた、これらの貴重な作品群を一挙に観賞できる機会となる。同展覧会の音声ガイドを務める、元宝塚歌劇団・雪組トップスターの女優・水夏希に話を聞いた。「音声ガイドでは、普段見慣れていたロートレックのポスターが実はこんな背景で描かれたということや、描かれた人と人の関係などを詳しく説明しています。見たことのあるポスターの、その時代の空気や生活感、人間関係などが立体的に説明されているので、私も録音しながらとても楽しかったです。色々な芸術やエンターテインメントが築かれていった時代なので、ひとつひとつのエピソードに時代が彩り豊かに盛り上がっていった様子を感じられると思います。」水自身、音声ガイドのナビゲイター経験は初めてだという。「ナビゲーターを務めることになって、とても嬉しかったんです。でも、直接皆さんの耳元で話しをするわけなので、さすがに緊張しました。私、早口なので早くなりすぎないように(笑)このガイドを聞いているあなただけに直接説明します…という気持ちを心がけたつもりです。案内の内容も、途中でセリフ調になったり、当時のロートレックの言葉がちょっと入っていたりで面白いんですよ。コレクターの独白というスペシャルトラックもありますので、これは男声で話しています(笑)。」展示には作品だけでなく、当時のコレクター達に焦点を当てたコーナーも。様々な角度から、19世紀末のパリをうかがい知ることができる。本展覧会は2018年1月8日(月祝)まで。
2017年10月25日ヘンリック ヴィブスコフ(HENRIK VIBSKOV)が、金沢21世紀美術館の「日本・デンマーク外交関係樹立150周年記念展 日々の生活 ‒ 気づきのしるし Everyday Life ‒ Signs of Awareness」の中でインスタレーションを実施する。デンマークと日本。この2つの国は、暮らしの中で根付いた独自の美学を持ち、機能や実用性に意匠をまとった優れたデザインを誇っている。「日本・デンマーク外交関係樹立150周年記念展」では、そんな日本とデンマークのデザイナー、建築家、アーティストによる、日常を豊かにする気づきの「現れ」を紹介する。デンマーク発のファッショブランド「ヘンリック ヴィブスコフ」も本展に参加。デザイナー自身が来日し、パフォーマンスを行う。デザイナー・ヘンリックはファッションだけでなく、映像や音楽、写真を手掛けるなどクリエイティブな才能の持ち主。北欧独特の色使いやフォルムを感じさせるコレクションは、その空間演出にも唯一無二のアーティスティックな感性が光っている。今回のインスタレーションは、”皿洗い”から着想を得ている。日々の中で取り立てて気に留められることもなく、ただルーティンとして行われている皿洗い。それは、古代からの慣習や伝統にも続く日本人の儀式的な行動文化に近いものがある。本作では、そんな極めて日常的な儀式に注目し、それを介して「水」や「人生の不完全さ」「わびさび」など様々な視点を映し出す。【詳細】日本・デンマーク外交関係樹立150周年記念展会期:2017年8月5日(土)〜11月5日(日)会場:金沢21世紀美術館住所:石川県金沢市広坂1-2-1開館時間:10:00〜18:00 (最終日は20:00まで)休場日:毎週月曜日 (ただし、8月14日、9月18日、10月9日、10月30日は開場)、9月19日(火)、10月10日(火)入場料:一般1,000円(800円) / 大学生800円(600円) / 小中高生400円(300円) / 65歳以上 800円※( )内は団体料金(20名以上)及び前売りチケット料金■ヘンリック ヴィブスコフ パフォーマンス開催日時:2017年10月9日(月・祝) 13:30〜15:30 (予定)
2017年07月31日15歳という年ごろを迎えた息子とシングルマザー、さらに2人の個性的な女性たちの夏の交流を描く『20センチュリー・ウーマン』。本作で描かれる“20世紀の女性たち”について、マイク・ミルズ監督やグレタ・ガーウィグ、エル・ファニングらが語る特別映像が到着した。『人生はビギナーズ』で自身の父をモデルにしたミルズ監督が、今回は自身の母をテーマに作りあげた本作。第89回アカデミー賞にて監督が手がけたオリジナル脚本が脚本賞にノミネート、第74回ゴールデン・グローブ賞ではミュージカル/コメディ部門作品賞と主演女優賞(アネット・ベニング)にノミネートされた。1979年、カルフォニア州サンタバーバラ。シングルマザーのドロシア(アネット・ベニング)は、思春期真っただ中の息子ジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)の教育方針に悩み、ジェイミーの幼なじみジュリー(エル・ファニング)、ルームシェアをする20代のパンクな写真家アビー(グレタ・ガーウィグ)に協力を依頼する。「複雑な時代を生きるのは難しい。彼を助けてやって」というドロシア。15歳の少年と、彼女たちの特別な夏がはじまった――。このたび到着した映像で、ミルズ監督は「舞台となる1979年はいまの時代と共通点が多い」と話し始める。続いて登場するのは、パンキッシュな写真家アビーを演じたグレタ。「20世紀は女性にとって変革の時代だった」と語る彼女が演じるアビーは、『地球に落ちてきた男』のデヴィッド・ボウイに影響されたという真っ赤なショート・カットとロックなファッションが印象的だが、子宮頸がんと診断されニューヨークから戻ってきたというキャラクター。監督の実姉がモデルとなっているという。さらに、「避妊が合法化された。女性が人生を選ぶ権利を求めて団結したからよ」と語るのは、「プランド・ペアレントフッド」(全米家族計画連盟)代表のセシル・リチャーズだ。「マイクは女性のリアルな物語を分かりやすく描いてくれた」と語り、監督の手腕とそれを体現したキャストたちに称賛を贈っている。70年代後半の空気感を鮮やかにとらえた映像とともに、愛情深いシングルマザー、挫折を抱えた姉貴のような存在、大人びた同級生と3人の女性キャラクターたちが、ミルズ監督の分身である少年に影響を与えていく本作。この映像から見えてくる女性たちの姿に、注目してみて。『20センチュリー・ウーマン』は6月3日(土)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:20センチュリー・ウーマン 2017年6月3日より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2016 MODERN PEOPLE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
2017年05月27日ROBE読者の皆様こんにちは、ryokoです。連載第三回「やっぱり女は守られたい?それとも自立したい?ディオールとシャネルの関係で見る20世紀半ばのファッション」に続き、第四回は若者文化と共に新しい価値観の台頭した1960年代、70年代のファッションについて考えてみたいと思います。若者文化と新しい価値観の台頭第2次世界大戦を経て1960-70年代には当時高まりを見せていた公民権運動とともに、アメリカでウーマン・リブ運動が展開されます。イギリスでも階級社会が崩壊する中、「ユースクエイク(Youthquake)」と呼ばれる若者文化が台頭。ジーンズ、ミニスカート、ヒッピー・スタイルが流行しました。その中で女性解放の機運も高まり、女性たちはふたたび職場へ出ていくこととなります。この時代においてココ・シャネルと同様、洋服のデザインだけでなく、女性や社会の意識に影響を与えたのがイヴ・サンローランです。1966年、プレタポルテ(高級既製服)のブランドである「イヴ・サンローラン・リヴ・ゴーシュ」を裕福でない若者の多いパリのセーヌ川左岸に開き、当時の若者、特に社会進出し始めた女性たちが手にできるようになりました。(リヴ・ゴーシュはフランス語で左岸という意味)また、イヴ・サンローランは男性の正装とされていたタキシードを女性の服として発表し、パンツルックの先駆けとなりました。女性がパンツをはくことについて女性がオフィスシーンを含め公の場所にて、日常にパンツをはくことは、現在では特にこれといって気にすることもない普通のことですし、それどころかレギンスのスタイルも定着していますが、この当時は私たちが想像する以上に抵抗のあったことのようです。イヴ・サンローランの代表作 「smoking」当時の高級レストランでは、パンツを着用していることはドレスコード違反となり、入店を断られたりしたそう。イヴ・サンローランの長年のパートナーだったピエール・ベルジェの著書でも一緒にいた女性がパンツを履いていたことで断られ続けて、自分達がランチを食べる場所がどこにもなくなって…と述べているところがありました。当時のことをファッション美術館の学芸員の方に聞いたことがあるのですが、その方が大学生だったとき、大学の学長クラスの改まった講義を受けるときなど、パンツ(そのときはジーンズだったらしいので一概にいえませんが)ではいけないと指摘を受けたりしたそうです。高級レストランで締め出しをくらうほど女性がパンツをはくことに抵抗があった世の中で、ある行動を起こした人もいます。ナン・ケンプナーがその人です。華やかなパーソナリティで知られたアメリカ社交界の花形で、イヴ・サンローランのオートクチュールの大顧客の一人。MOMAのジュニア・カウンシルのメンバーになるなど、ニューヨーク社交界では影響力の大きな人物でした。イヴ・サンローランとナン・ケンプナー彼女はバスク海岸調のチュニック・パンツを着てニューヨークのレストランに行き、パンツをはいていることを理由に入店を断られてしまいます。そこで彼女はその場でパンツを脱ぐという行動に出ます。今にも下着が見えそうなチュニックのみで堂々とレストランに入っていったと...。あまりに面白い出来事だったので、当時のことをネットでできる範囲で調べてみました。日本の記事にはほとんどなかったものの、英語の記事では、「removed her trousers」「took off the bottom」「removed the bottom」など「パンツを脱いで抗議」したこの当時のエピソードのオンパレードでした。また、その事件が起きたレストラン「La Cote Basque」について調べたところ、ジャクリーン・ケネディ・オナシスやC.Z.ゲストなどが集い、ニューヨークの上流階級の社交場でもあったそう。当時の写真も見つかって、とても意外で新鮮な気分でした。また、服装史の講座を受けた時、講師の方に聞いてみたのですが、当時の雑誌や新聞などの記事では特に残っていないそうで、あくまで噂レベルだったとのこと。特にパリでは当時の時代の流れもあり、このようなアクションをとる女性がたびたびいたのだそう。その時伺った話で加えて意外だったのが、サンローラン自身、女性は女性らしくスカートをはくべきだと昔ながらの考えを依然と持っていてパンツスーツも「昔ながらの伝統的な女性らしさ」を引き立てるための延長線だということ。それを当時のフェミニスト達が勘違いしたということらしいです。ファッションの歴史では本来その立場や身分ではない者が新しい提案を行い、身分不相応だとか「勘違い」だとか叩かれ続けたのちそのスタイルが浸透し、それが今のラグジュアリーファッションをつくっていたりするのも面白いところです。シャネルが女性に自由を与えたのであれば、サンローランは女性の肩に男性の服を置くことによって女性に権力を与えたといわれ、結局のところ私たちはその「勘違い」の恩恵をたっぷり受けることができています。「ファッションは勘違いからはじまる」のもあながち悪くないなあと思いました。オフィスなどの公の場所での服装のルールとして、相手を不快にさせない、敬意のある服装をすべきだといわれれば確かにそのとおりですし、まともな社会人だと見られたいです。とはいえ、女性が男性の服を着ることで、相手に敬意を払ってないとか、はたして不快になったりするものなのか、いろいろ考えてしまいました。そういえば今でも学生が就職活動する際、着用するリクルートスーツはパンツよりもスカートにすべきだという風潮があったりしますね!現在においても長い議論になりそうな内容だなあと思います。 第五回は日本のデザイナーが欧米のファッションや社会の既成概念をひっくり返した衝撃の80年代と、昨今のファッションとテクノロジーと平和(!?)について考えてみたいと思います。第一回:女性の仕事服はなぜできた?現代にも続く20世紀以前のファッション 《連載:ファッションオタクのサーバエンジニアが見る女性とファッション・スタイルの文化史(1)》第二回:解放され仕事を手にした女性たちと20世紀前半のファッション《連載:ファッションオタクのサーバエンジニアが見る女性とファッション・スタイルの文化史(2)》第三回:やっぱり女は守られたい?それとも自立したい?ディオールとシャネルの関係 で見る20世紀半ばのファッション 《連載:ファッションオタクのサーバエンジニアが見る女性とファッション・スタイルの文化史(3)》Text. ryokoIllustration. Sandra
2017年05月23日ROBE読者の皆様こんにちは、ryokoです。連載第二回「解放され仕事を手にした女性たちと20世紀前半のファッション」に続き、第三回は第二次世界大戦を経て華やかなりしオートクチュール全盛の最後の時代、20世紀半ばごろのファッションについて考えてみたいと思います。ふたたび激動の時代へドイツ軍がポーランドへ侵攻したことに端を発した第二次世界大戦(1939~1945)は、この期間ドイツ、イタリア、日本の枢軸国側とイギリス、フランス、アメリカ、ソ連、中国などの連合国側とが,大西洋、ヨーロッパ、北アフリカ、そして太平洋、東アジアの広範囲を戦場として巨大な規模の戦争を展開しました。この時代も20世紀前半同様、男性は戦場に駆り出され、主に女性が国内の生産現場を担っていました。戦争が引き起こした人手不足は女性の積極的な労働参加を促します。終戦直後、女性たちは職を離れましたが、仕事をすることによる社会参加は大きな自信につながりました。その後の女性の社会進出に少なからず影響を与えたことは言うまでもありません。華やかさと安心を求めた戦後のファッション戦後は仕事を続ける女性、家庭へ戻る女性など様々でした。戦争による悲惨さや節制が続いた反動もあり、女性はファッションに華やかさを求めます。その華やかさを求める欲求に応えたのが、1947年に発表されたクリスチャン・ディオールによる「ニュールック」と呼ばれるコレクションでした。「ニュールック」とはグラマラスなバストラインとくびれを強調するためウエストを細く絞り、丸みを帯びた丈の長いスカートをあわせて凹凸のあるフェミニンなシルエットをつくるスタイルでした。そこには贅沢で華やかで「守ってもらえる」ような安心感があったように感じます。しかしディオールのエレガントなスタイルはあくまで“貴婦人のため”だけに提案され、物議を醸しました。お金のない女性たちはディオールの服を身にまとう女性を攻撃し、街中で頻繁に暴力沙汰が起きたほどです。しかし「モード」という点でディオールが新たな時代築き、日本でもコレクションが開催されました。日本とのつながりについて1950年代のファッションを改めて調べていて意外な気持ちになったのが、ディオールと日本のファッションのつながりです。クリスチャン・ディオールは日本の文化に興味を持っており、「トーキョー」や「ウタマロ」という名前のドレスを作っていたそうです。ドレスに歌磨呂って…男性の名前なのに、ちょっと笑っちゃいます。また、日本の織物にも深い興味を抱いており、百貨店の大丸とライセンス契約を結び、ディオールのデザインと型紙を使った、日本の生地によるオートクチュールサロンがあったそうです。今考えるとすごく意外!その中で、皇太子妃だった美智子皇后陛下のご成婚の際、ウェディングドレス(ローブ デコルテ)に採用され、京都の老舗龍村美術織物による「明暉瑞鳥錦(めいきずいちょうにしき)」という生地(「裂(きれ)」っていうらしい)を用いて、ドレスが作られました。ロマンティックでクラシカル、コンサバな1950年代のスタイルは現在においても、可愛らしくレディライクな女性のスタイルには欠かせない、日本女性が大好きなスタイルです。そこには上品でしとやかな昔ながらの淑女らしさがあります。どんなに自立した女性でも、一度は惹きつけられる魅力でしょう。当時、暴力沙汰になったなど、今では考えられないほど女性らしいファッションです。ココ・シャネルの復活そこで思い出していただきたいのがココ・シャネルの存在。彼女は自分がかつて皆殺しにしたはずの、女性の自由を奪い束縛していたスタイルが再び成功しているのを目の当たりにします。彼女はディオールのファッションが席巻しているのを見て、「あの男は私が何十年もかけて壊してきたものをあっという間に元に戻した。」と耐え難いほどの屈辱を感じます。そして1954年、コレクションにカムバック。しかし、フランスのファッション誌は「1930年の亡霊」、「退屈で胸もウエストもヒップもない」「大失敗」と残酷に切り捨てあざ笑います。しかしその記者たちの攻撃はリウマチで指が不自由な71歳の、自立した彼女の闘争心に火をつけ、やめることはありませんでした。そんな中、アメリカはココ・シャネルのカムバックを称賛します。アメリカ最大手のベストセラー雑誌「ライフ」がココ・シャネルを大々的に報道しました。シャネル初期から存在した動きやすく快適なジャージー素材のドレスだけでなく、オフィスなどの公の場に最適なツイードスーツは、簡素かつエレガント。これらのスタイルは消費の中心が「仕事を持ちキャリアを築き人生を切り開こうとする女性」へと変化していたアメリカにおいて、大歓迎を受けました。「シャネルが世にもたらしたのは、モード以上のもの、それは革命である」と。それらがきっかけとなり、今日に至るまで、ファッションに興味があるなし関わらず、彼女のスタイルは世界中のすべての人に浸透していったのです。第四回は若者文化と共に新しい価値観の台頭した1960年代、70年代のファッションについて考えてみたいと思います。第一回:女性の仕事服はなぜできた?現代にも続く20世紀以前のファッション 《連載:ファッションオタクのサーバエンジニアが見る女性とファッション・スタイルの文化史(1)》第二回:解放され仕事を手にした女性たちと20世紀前半のファッション《連載:ファッションオタクのサーバエンジニアが見る女性とファッション・スタイルの文化史(2)》Text. ryokoIllustration. Sandra
2017年05月23日国立新美術館では、平成29年6月14日(水)〜9月4日(月)の期間中「国立新美術館開館10周年 ジャコメッティ展」が開催されます。20世紀を代表する彫刻家で、細長く引き伸ばされた人物像で知られるジャコメッティ。南フランスにあるマーグ財団美術館のコレクションを中心に、初期から晩年までの作品約135点が展示されます。マーグ財団美術館の中庭に立つジャコメッティArchives Fondation Maeght, Saint-Paul de Vence (France)ジャコメッティってどんな人?スイスに生まれ、フランスで活躍したアルベルト・ジャコメッティ(1901〜1966 年)は、20世紀のヨーロッパにおける最も重要な彫刻家のひとりと言われています。アフリカやオセアニアの彫刻やキュビスムへの傾倒、そして1920年代の終わりから参加したシュルレアリスム運動など、同時代の先鋭的な動きを吸収したジャコメッティは、身体を線のように長く引き伸ばしたまったく新しい独自の彫刻スタイルを確立しました。またジャコメッティは、日本人哲学者である矢内原伊作(1918〜1989年)と交流したことでも知られ、矢内原をモデルとした制作は、ジャコメッティに多大な刺激を与えました。見どころをご紹介!日本で開催されるジャコメッティ展としては11年ぶりの個展となる今回の展覧会。彫刻約50点、絵画約5点、素描と版画約80点と多くの作品が出品される展覧会の見どころをご紹介します。●ジャコメッティの代表的な彫刻が集結アルベルト・ジャコメッティ 《犬》 1951年 ブロンズ マルグリット&エメ・マーグ財団美術館、サン=ポール・ド・ヴァンスArchives Fondation Maeght, Saint-Paul de Vence (France)ジャコメッティの彫刻には、豊かなヴァリエーションがあります。キュビスムやシュルレアリスムなどに影響を受けた第二次世界大戦前の試み、モデルを前にして制作された彫像、わずか数センチの小さな人物像や複数の人物を組み合わせた群像、そして、細長い人物像まで、あらゆる時代の代表作が一堂に会します。世界的な彫刻家の歩みを辿りましょう。●実現しなかったチェース・マンハッタン銀行のための大作3点アルベルト・ジャコメッティ 《歩く男Ⅰ》 1960年 ブロンズ マルグリット&エメ・マーグ財団美術館、サン=ポール・ド・ヴァンスArchives Fondation Maeght, Saint-Paul de Vence (France)チェース・マンハッタン銀行からの依頼を受けて、ニューヨークの広場のために制作された3点の大作、《歩く男I》《女性立像II》《大きな頭部》がそろって出品されます。このプロジェクトは実現しませんでしたが、最晩年のジャコメッティの挑戦を、壮大なスケールによって体感できます。芸術によって人間の本質を追い求めた稀代のアーティスト、ジャコメッティの生涯にせまる展覧会となっています。ぜひ足を運んでみてくださいね!■開催概要タイトル : 国立新美術館開館10周年ジャコメッティ展会期 : 平成29年6月14日(水)〜9月4日(月)会場 : 国立新美術館 企画展示室 1E開館時間 : 10:00〜18:00 金曜日は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで休館日 : 毎週火曜日料金【当日】一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円【前売り】一般1,400円、大学生1,000円、高校生600円※前売券は4月1日(土)〜6月13日(火)までの販売。国立新美術館では6月12日(月)まで※中学生以下は無料※団体は20名以上※障害者手帳をご持参の方(付き添いの方1名含む)無料お問合せ 03-5777-8600(ハローダイヤル)国立新美術館ホームページ展覧会ホームページ※画像写真の無断転載禁止
2017年03月09日19世紀後半から20世紀前半のファッション&アートに迫る「ファッションとアート 麗しき東西交流」が、4月15日から6月25日まで神奈川の横浜美術館で開催される。西洋からもたらされたファッションやライフスタイルが急速に日本に浸透し、日本の美術品や着物の輸出によって西洋でジャポニズムのブームが起こった19世紀後半。同展では、そんな19世紀後半から20世紀前半のファッションと美術にフォーカス。世界屈指の服飾コレクションを有し、研究活動を行う京都服飾文化研究財団(KCI)と横浜美術館のコラボレーションにより、横浜を一つの拠点とする東西の文化交流が、当時の人々の生活や美意識に及ぼした影響について紹介する。会場では、京都服飾文化研究財団所蔵のドレスや服飾品約100点をはじめ、国内外の美術館や個人が所蔵する服飾品、工芸品、絵画、写真など計約200点を展示。活気に満ちた明治時代の横浜から発信された“Made in Japan”の品々も展開される。それらの作品を通して、日本と西洋が互いの装いと生活の文化をどのように需要・展開し、新しい美を見出していったかを辿れる機会となっている。また、会期中は、ギャラリートークや講演会、ワークショップなどの関連イベントが開催される予定だ。(会期中一部展示替えあり)【展覧会情報】「ファッションとアート 麗しき東西交流」会場:横浜美術館住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1会期:4月15日~6月25日休館日:木曜日、5月8日(金)※ただし5月4日(木・祝)は開館時間:10:00~18:00(5月17日は20:30まで、入館は閉館の30分前まで)料金:一般1,500円(1,300円)、65歳以上1,400円、高大生900円(700円)、中学生600円(400円)、小学生以下無料、先行ペア券(2,000円※2月14日までの販売)※()内は前売料金
2017年02月05日第74回ゴールデン・グローブ賞において作品賞、および主演女優賞(ミュージカル/コメディ部門)にノミネートされたアネット・ベニング主演『20TH CENTURY WOMEN』の邦題が、『20センチュリー・ウーマン』に決定。6月に日本公開される。本作は、前作『人生はビギナーズ』(’10)で、自身のゲイの父親を描き絶賛を受けたマイク・ミルズ監督が、今度は自身の母親をテーマに描いた6年振りの待望の新作。主演のアネットは、思春期の息子ジェイミーの成長に悩む愛情あふれるシングルマザーの母親ドロシーを熱演し、ゴールデン・グローブ賞をはじめ各賞でノミネート。また、ジェイミーの同級生役で『ネオン・デーモン』『夜に生きる』のエル・ファニング、ドロシーの家に間借りするパンクな写真家役に『マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ』『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』のグレタ・ガーウィグと、いま旬の注目女子も顔を揃える。アネットは、過去に『アメリカン・ビューティー』『キッズ・オールライト』などでアカデミー賞に4度ノミネートされるも受賞に至らず、オスカー無冠の名女優として知られている。本作ではキャリア最高の演技と絶賛されており、5度目のノミネートにして、ついに念願の初受賞となるのか、いまから期待がかけられている。1979年のアメリカ・サンタバーバラを舞台に、アネット、エル、グレタが体現する“20世紀を生きた女性たち”の物語にこれからも注目していて。『20センチュリー・ウーマン』は6月、丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年01月19日「シャセリオー展―19世紀フランス・ロマン主義の異才」展が上野・国立西洋美術館にて開催。会期は2017年2月28日(火)から5月28日(日)まで。19世紀フランスのロマン主義画家テオドール・シャセリオー(Théodore Chassériau)。新古典主義を代表する画家アングルを師に持った彼は、「この子はやがて絵画界のナポレオンになる」と言わしめるほどの才能の持ち主であった。この画家の作品の魅力を際立たせるのは、彼の生い立ちや画家人生における様々な葛藤や孤独感であろう。スペインの旧植民地に生まれ、父親は不在。そして、師アングルから学んだものとは矛盾する方向へと進んで行く自分の芸術観。複雑なバックグラウンドを持つ彼から生み出される作品は、独特のメランコリックな情熱を持ち、観るものの心を揺さぶる。そんな彼は画家人生を通じて、様々な様式や主題に取り組んだ。初期のアングルを唸らせた、細かく精密な筆致と調和のとれた美しさを持った作品。そして、それとは相反する、荒いタッチで溢れる怒りや嘆きなどの感情を描きだしたドラマチックなロマン主義的作品。そして、ユダヤやアラブの人々を描いた東方主題や、晩年の主教主題まで。本展で紹介される、彼の初期から晩年までの作品約110点を見れば、彼の芸術観の変化が見て取れるだろう。さらに会場では、写真や資料などによってシャセリオーの画業全体を紹介するとともに、師や仲間、そして彼から影響を受けた画家たちの作品を展示。彼の作品だけでなく、その時代の美術の動きまで見て取れるだろう。【詳細】シャセリオー展―19世紀フランス・ロマン主義の異才会期:2017年2月28日(火)〜5月28日(日)会場:国立西洋美術館住所:東京都台東区上野公園7-7開館時間:9:30〜17:30 / 毎週金曜日 9:30〜20:00 ※入館は閉館の30分前まで休館日:月曜日 (ただし、3月20日(月)、3月27日(月)、5月1日(月)は開館)、3月21日(火)観覧料:・当日:一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円・前売 / 団体:一般1,400円、大学生1,000円、高校生600円※上記前売券は2016年10月14日(金)~2017年2月27日(月)まで販売。ただし、国立西洋美術館では2016年10月15日(土)~2017年2月26日(日)まで販売。※団体料金は20名以上。※中学生以下は無料。※入館の際に障害者手帳の提示で、付添者1名を含め無料。
2016年11月21日9月17日(土)より汐留のパナソニック汐留ミュージアムで開催中の「モードとインテリアの20世紀展」。パナソニック社の社業に親和性のあるとされる「建築・住まい」「工芸・デザイン」の切り口でこれまで企画展をしてきたこの美術館にとって「ファッション」を取り扱うことは初めてのことだそう。ファッションデザイナー、森英恵の故郷・島根県立石見美術館所蔵の貴重なファッションを多数取り揃えた展覧会は小規模ながら非常に見応え十分です。特に今回は2つの点に注目して展覧会を見ていきましょう!時代毎に特徴のあるインテリアとファッションの変遷19世紀の「ベルエポック」の名残から戦後の「ミッドセンチュリー」と言われる1900年代〜1960年代のハイファッションとインテリアがまとめられている本展。章立ては年代毎に分かれており、それぞれの象徴的なインテリアとともに当時を彩った実物のハイファッションを鑑賞することができます。ポイントは写真を見てお分かりの通り、各年代のドレスたちの後ろの巨大パネル。激動の時代とされる20世紀において、ファッションの大きなキーワードとされているのが「簡素化」という言葉です。19世紀までコルセットできつく締め上げていた身体を解放し、華美な装飾が洗練されていったという傾向が今日に至ります。映画『タイタニック』のヒロイン、ローズを想像してもらうとイメージしやすいでしょうか。なかでも、1960年代の章で飾られていた下の写真は、かつて日比谷にあったエール・フランス航空の東京営業所のイラスト画。シャルロット・ペリアンというフランス人建築家による内装デザインです。この絵で描かれているイームズチェアは美術館内にもあるので、鑑賞中の一休みに座っていただけます。ぜひ探してみてくださいね。島根県立石見美術館所蔵の100点を超える貴重なファッションコレクションの数々森鴎外ゆかりの作品を重点的に所蔵している島根県立石見美術館ですが、森英恵氏の故郷ということもあり、ドレスなどの服飾資料をはじめファッション雑誌やファッション写真など所蔵品のバラエティは多岐に渡ります。それらが東京に来ているのは非常に貴重な機会!年代物のドレスの裾や襟ぐりなどのディテール、360度見れるからこそ実際にその細やかさを間近で見ることができます。百聞は一見に如かずと書くことが執筆者にとって怠慢だとしても、これらファッションの数々は実際に目にしていただくことには始まりません。せめてお写真だけでもお伝えせんとこちらに掲載していきたいと思います。下の写真は、戦後の1940年代後半〜1950年代に発表されたクリスチャン・ディオールやバレンシアガのオートクチュール。裾や襟ぐりの繊細さはもちろん、布を贅沢に使ったデザインはまるで戦後の開放感を表現しているようにも感じられ、ため息ものです。創刊まもない雑誌『ヴォーグ』も、クリスチャン・ディオールが1947年春夏コレクションにて発表した「ニュー・ルック」の特徴を色濃く反映しています。もちろん本展覧会のラストの部屋には森英恵氏の名を世界に轟かせた有名なドレスも展示されています。戦後、敗戦国であるが故に日本商品が米国デパートなどで蔑まれているという惨状を知った彼女らしい、ジャポニズム溢れる鮮やかな色彩には目を奪われてしまいます。今回、第2章の20-30年代の部屋のみ、特別に撮影可能となっています。1920年代といえば『華麗なるギャッツビー』の時代。アールデコに代表されるように豪華絢爛な時代、女性の内面美を表現したシャネルや、老舗メゾンのランバンなど、当時の衣装が贅沢に展示されている部屋となっていますので、ぜひ写真に収めてみてはいかがでしょう。今やすっかり「ライフスタイル」の言葉が浸透し、”着ること” を生活とリンクさせることが当たり前になりましたが、こうして100年に渡る変遷を辿るといつの時代も社会情勢にトレンドは大きく影響を受けてきたという一貫性が見えてくるかもしれません。だからこそ、ファッションの変遷を見つめること、そして現代における「何」がトレンドに影響しているのか?とアンテナを張り続けることが、今後のファッションの在り方を見据える手がかりになるかもしれません。「モードとインテリアの20世紀 ―ポワレからシャネル、サンローランまで―」会 期 : 2016年9月17日(土)~11月23日(水・祝)休館日 : 毎週水曜日 ※ただし11月23日は開館主 催 : パナソニック 汐留ミュージアム、毎日新聞社特別協力 : 島根県立石見美術館後 援 : フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、港区教育委員会協力 : TOKYO MXHP Text. Midori Tokioka
2016年11月13日『MASTERキートン』『YAWARA!』『20世紀少年』などのヒット作で知られる人気漫画家の浦沢直樹さん(56)が、大手出版社に勤める50代前半の女性と不倫関係にあることを、『週刊女性PRIME』が報じています。浦沢さんには妻と娘、 そして相手女性にも家庭があるということで、W不倫の関係にあるとのこと。2016年の8月から10月にかけて2人が密会するところが目撃されており、時間をずらしてホテルへ入る姿なども捉えられているようです。直撃取材を受けた2人は、交際関係について真っ向から否定。あくまで打ち合わせで会っていたことを強調したということです。芸能界で続出する不倫騒動ですが、人気漫画家である浦沢さんの不倫が報じられたことでさまざまな意見が飛び交っています。●漫画家は作品が面白ければ不倫も許される?NHKのドキュメンタリー番組『浦沢直樹の漫勉』でプレゼンターを務めるなど、テレビ出演もこなす浦沢さんの不倫報道にネット上では、『この不倫ブームはいつまで続くのやら』『まじかよ。W不倫とか最低だな!写真まで撮られてるのにシラを切ろうとするのもなんか嫌だ』『相手女性50代って、もうおばさんじゃん。お金持ってるんだからもう少し若い子と付き合えば良いのに』『個人が叩かれるのはかまわないけど、巻き込まれた家族はたまったもんじゃないよね』『ついに漫画家の不倫までニュースに掲載されるようになったか』『若い人ならまだしも、おじさんおばさんの不倫って見てて気持ち悪い』『作品は好きだけど、次から読むときにこの不倫を思い出しそうで嫌だな』『漫画家は作品が面白ければ問題ナシ!不倫ぐらいで叩かなくてもいいでしょ』『番組降板とかならないよね?あれ好きだったのになー』『むしろ若い子じゃないってところが、浮気じゃなくて本気っぽいよね。生々しくて何とも言えなくなる』など、相手女性の年齢に注目が集まりつつ、漫画家は作品が面白ければ問題ないという見方をする人もいるようです。芸能人ではないものの、コミックの売り上げが累計1億部を突破する人気漫画家だけに注目度は高い様子。不倫は決して褒められたものではありませんが、作品の素晴らしさが変わることはないと言えるのではないでしょうか。【画像出典元リンク】・浦沢直樹_スタジオ・ナッツ公式情報(@urasawa_naoki)(Twitter)/(文/パピマミ編集部)
2016年10月11日“作品”とも言い換えられる工芸と、“製品”であるデザインの境目を探る展覧会「工芸とデザインの境目」が10月8日から17年3月20日まで、金沢21世紀美術館で開催される。監修はプロダクトデザイナー深澤直人が務める。同展では、日常生活の中で活きる「工芸」と「デザイン」の曖昧さに注目。ものづくりという点では同じだが、異なるジャンルとして区別される両者の違いを見極めることをコンセプトに、「プロセスと素材」「手と機械」「かたち」「さび(経年変化)」などのテーマから、工芸とデザインの境界を浮き彫りにしてゆく。会場では、6つのテーマに基づいて展示が行われる。「プロセスと素材」では、素材の持つ特性や力を生かし、治具を用いて工芸品を創り出す工芸作家と、治具を用いずに制作できるデジタル工作機器(3Dプリンタなど)を対比させて展示。「手と機械」では、工芸を作る人の手と、手を模倣し作られた機械にフォーカスして展示される。その他、「かたち」では、人の手が加わることによって洗練される工芸とデザインのかたちを紐解く。「経年変化」では、時間によって質感が変わり、使用者が愛着を持つようなものづくりに着目し、時間がデザインを工芸にする可能性を考える。「工芸とデザインの境目」では、精緻を極める工芸職人の熟練の技と、精密な機械とを比較しながら、見た目や機能性に注目。「工芸の新たな地平」では、テクノロジーの発展によって拓かれる工芸の展開を展示する。【イベント情報】工芸とデザインの境目会場:金沢21世紀美術館 展示室1~6住所:石川県金沢市広坂1-2-1会期:16年10月8日から17年3月20日時間:10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで)休場日:毎週月曜日(ただし、10月10日、10月24日、1月2日、1月9日、3月20日は開場)、10月11日、12月29日から1月1日、1月10日料金:一般1,000円、大学生800円、小中高生400円、65歳以上800円
2016年09月22日「モードとインテリアの20世紀展 ―ポワレからシャネル、サンローランまで―」が、9月17日から11月23日まで、東京のパナソニック 汐留ミュージアムで開催される。本展は、ファッションの領域で質の高いコレクションを持つ、島根県立石見美術館より出品される約130点(うち衣裳36点)の作品にて、1900年から1960年代までのパリのオートクチュールを中心としたモードとインテリアの歴史を辿るもの。20世紀のファッションの流れと共に、モードと並行して暮らしを彩った主要なインテリアを展示する。会場では、ポール・ポワレ(Paul Poiret)をはじめ、シャネル(CHANEL)、クリスチャン・ディオール(Christian Dior)、バレンシアガ(BALENCIAGA)、イヴ・サン=ローラン(Yves Saint-Laurent)などの衣裳と共に、エンパイア・スタイル、アール・ヌーヴォー様式、アール・デコ様式、ミッドセンチュリー・モダンなどの装飾スタイルを紹介する。また、バッグや靴などの装身具に加えて、『レ・モード』『フェミナ』等の各時代のファッション誌、あるいは『ガゼット・デュ・ボントン』などに収録されてモードをリードしたファッション・プレートや、アメリカの写真家リチャード・アヴェドンらによるファッション写真といった多数の関連作品も展示。さらに、出品作品のポショワール版画集『ポール・イリーブが語るポール・ポワレのドレス』と『ジョルジュ・ルパップの見たポール・ポワレの作品』の2点が、収録の全図版を鑑賞出来るデジタルブックで公開される。なお、本展の会場内には、写真撮影可能エリアも設けられている。【イベント情報】「モードとインテリアの20世紀展 ―ポワレからシャネル、サンローランまで―」会場:パナソニック 汐留ミュージアム住所:東京都港区東新橋1-5-1パナソニック東京汐留ビル4F会期:9月17日~11月23日時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)料金:一般1,000円、65歳以上900円、大学生700円、中・高校生500円休館日:毎週水曜日(ただし11月23日は開館)
2016年09月05日「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズなどを手がけてきた庵野秀明の最新作『シン・ゴジラ』。この度、7月の本作の公開を記念して、「新世紀エヴァンゲリオン」のTVシリーズ全26話を「LINE LIVE」にて生配信されることが決定した。「新世紀エヴァンゲリオン」は、1995年から1996年にかけて、テレビ東京系にて放送されていたSFア二メ作品。西暦2015年。第3新東京市に、さまざまな特殊能力を持つ“使徒”が襲来した。主人公・碇シンジは、人類が“使徒”に対抗する唯一の手段であるヒト型決戦兵器エヴァンゲリオンの操縦者に抜擢されてしまう。いま、人類の命運を掛けた戦いの火蓋が切って落とされる。果たして“使徒”の正体とは?少年たちと人類の運命は――!?今回の企画は、「エヴァンゲリオン」シリーズ生みの親である庵野監督が本作の脚本・総監督を務めることで実現した一大プロジェクト「ゴジラ対エヴァンゲリオン」コラボレーションの目玉企画。このコラボ企画ひとつであるビジュアルが、先日の村上隆作画による第3弾まで公開され、話題を集めてきた。そして、今回の企画は、7月9日(土)からの1~4話の生配信を皮切りに、毎週土曜日各4話ずつ、計7週連続の長期に渡る生配信が実施。また、本編の配信だけでなく『シン・ゴジラ』や「エヴァンゲリオン」のオリジナル企画、最新情報も公開予定とのこと。さらに、本プロジェクトの立上げに伴い、庵野監督が率いる「株式会社カラー」のLINE公式アカウントが近日スタートすることも決定している。『シン・ゴジラ』は、約12年ぶりとなる日本のゴジラシリーズ最新作。シリーズ初のフルCGで描かれる本作のゴジラは、史上最大となる体長118.5メートルのスケールはもちろん、想像を遥かに超える最強の完全生物として、“大いなる恐怖”を持ってスクリーン登場。そして、そんなゴジラと対峙するのは、主演で内閣官房副長・矢口蘭堂官役の長谷川博己をはじめ、竹野内豊、石原さとみら日本映画界を代表するオルスターキャスト。ほかにも、若手から個性派俳優陣、また歌手、アーティストなど、ジャンルを超えた超豪華328人が集結している。『シン・ゴジラ』公開記念! みんなで観よう「新世紀エヴァンゲリオン」全26話 生配信は、7月9日21時~毎週土曜日「LINE LIVE」にて生配信。『シン・ゴジラ』は7月29日(金)より全国東宝系にて公開。(cinemacafe.net)
2016年07月01日モードとインテリアの20世紀展がパナソニック汐留ミュージアムで開催される。期間は2016年9月17日(土)から11月23日(水・祝)まで。20世紀はファッションが目まぐるしく変化した時代だ。社会のありようの変化がファッションにも影響し、また逆に女性のコルセットからの解放のように、ファッションが直接に人のライフスタイルの変化を後押しすることもあった。本展では、ペルエポック、ジャズエイジ、世界恐慌と大戦を経てミッドセンチュリーをすぎるまでの20世紀ファッションの流れを同時代の主要インテリアとともに観覧することができる。特に注目の展示品は、ポール・ポワレのイブニングドレスやクリスチャン ディオールのボール・ガウンといった、島根県立石見美術館の貴重なファッションコレクション。最高の職人の手で施されたビーズ刺繍のドレスや銀糸で複雑に織り込まれた薔薇モティーフのパンプスなど、職人の技にうっとりとしてしまいそうだ。森英恵を生んだ地に建設された、同美術館の国内屈指のファッションコレクションを東京で見れる機会を是非楽しんで。【開催概要】モードとインテリアの20世紀展開催期間:2016年9月17日(土)~11月23日(水・祝)場所:パナソニック 汐留ミュージアム住所:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階【問い合わせ先】ハローダイヤル03‐5777-8600
2016年06月23日