京極夏彦原作による小説『鉄鼠の檻』が、6月14日(金) から24日(月) にかけて紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA、6月28日(金)・29日(土) にサンケイホールブリーゼにて、ミュージカル化され上演されることが決定した。『鉄鼠の檻』は、京極夏彦による「百鬼夜行」シリーズ第4弾として刊行された長編推理小説。本作の演出を担当するのは、同じ京極原作のミュージカル『魍魎の匣』を手掛けた板垣恭一。作曲、音楽監督は演劇『ハイキュー!!』『僕のヒーローアカデミア The“Ultra”Stage』、舞台『鬼滅の刃』ほか数多くの舞台音楽を手掛ける和田俊輔が務める。出演は、主人公・中禅寺秋彦役に前回のミュージカル『魍魎の匣』から続投の小西遼生。探偵の榎木津礼二郎役も前作から引き続き北村諒と、さらにMANKAI STAGE『A3!』、ミュージカル『刀剣乱舞』で注目された横田龍儀がダブルキャストで演じる。小説家の関口巽役も前作同様、イッツフォーリーズの神澤直也が務める。また、『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』やミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』でシン役を演じた上田堪大や、舞台『刀剣乱舞』の数珠丸恒次役を演じた高本学、『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage-New Encounter-の神宮寺寂雷役などで活躍する小波津亜廉、ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリを受賞した伊﨑右典、イッツフォーリーズ公演には3度目の出演となる畠中洋らが新たに参加する。<公演情報>ASPイッツフォーリーズ公演 ミュージカル『鉄鼠の檻』『鉄鼠の檻』ビジュアル原作:京極夏彦『鉄鼠の檻』(講談社文庫)上演台本・作詞・演出:板垣恭一作曲・音楽監督:和田俊輔■出演小西遼生北村諒(Wキャスト) 横田龍儀(Wキャスト) 神澤直也上田堪大高本学小波津亜廉大川永宮田佳奈伊﨑右典森隆二吉田雄近藤萌音小原悠輝藍実成岡田翔大郎山下真人身内ソラ光由志賀遼馬宮村大輔松原剛志福本伸一内田紳一郎 / 畠中洋 ほか【東京公演】6月14日(金)〜24日(月)会場:紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA■チケット料金前売:9,000円当日:9,500円U25:7,000円(25歳以下、後方指定、当日要年齢証明)HC割:5,000円(障がい者手帳をお持ちの方と介助者1名まで)※全席指定・税込 ※未就学児童入場不可 ※U25、HC割は前売のみ※HC割、U25は一般発売日(4月19日11:00)より取扱い※HC割はオールスタッフ電話受付のみ ※U25はオールスタッフ(WEBまたはお電話)のみ一般抽選先行:4月1日(月)~7日(日)一般発売:4月19日(金) 11:00〜【大阪公演】6月28日(金)〜29日(土)会場:サンケイホールブリーゼ■チケット料金全席指定:9,800円U25:4,500円(25歳以下、座席当日指定、当日要年齢証明)※全席指定・税込 ※未就学児童入場不可一般発売:4月19日(金) 11:00〜チケット情報:()公式サイト:
2024年03月18日10月14日、有楽町朝日ホールにて超特急のカイ(小笠原海)とリョウガ(船津稜雅)によるトークライブ「稜海しました!」が行われた。9月17日に行われた大阪での公演合わせて4回だけの貴重なトークライブ。本記事では東京第2部の模様をレポートする。ジャージ姿の稜海がシンプルにトークをお届け定刻になると、オープニング映像が流れ始める。ビシッとキマったフォーマルなスタイル、革手袋もカッコいい……が、会場からはクスクスと笑い声が。登場したカイとリョウガはジャージにサングラス姿。しばらく会場を見回したあと「映像で笑うな」とカイがボソリ。リョウガの「逆になんでジャージなの?」と尋ねるとカイは「予算不足です」とキリリ。「できるだけスーツに寄せたい」と言ったらジャージになり、革の手袋に寄せたいと言ったら黒の軍手に。サングラスも一番安いものを通販で買ったものだそう。「逆にサングラスを通販で買うことないよ」と言いつつ早々にサングラスと軍手は外してスタッフに渡し、オープニングトークへ。最近、「なかなかちゃんと確認していないスマホのキャリアメールに羽生くんからメールが来る」とカイ。苦笑いのリョウガに向かって「プロに転向していろいろ悩みがあるのでもしよかったら相談のってもらえませんか、って」と続ける。ほかにも著名人から相談メールがきてるそうで「がんばって仕事してるし、いまの俺ならメールも来るのかな、って。返すのを迷っている」と相談(?)するとカイに、リョウガは頷きつつ、「少なくとも俺がみなさんに言えるのは真似しないでください、返信しないでください。カイのところに来ているものだけが本物だから」と客席に注意を促した。客席とのコミュニケーションも軽快だ。遠くから来た自信がある人は?と問いかけると、なんと中国やタイから観客もおり、驚きの表情を見せた。ふたりだからこそ思い付く回答を連発「稜海の勝手にBest3」20分が経ったところで「始めていきましょうか」というカイの呼びかけでようやく本編がスタート。トークイベントはふたつのコーナーで構成。最初のコーナーは「稜海の勝手にBest3」。さまざまなベスト3を決めていこうというコーナー。とは言え、テーマも一般的なものではない。最初のテーマだった「コンサート中に体の一部が動物になってしまいます。どの動物のどこの部分がいい?」からして普通ではない。「テーマがアホ!」と言いつつ、真剣に考える2人。「『a kind of love』のサビで『ラ』のときにキリンの首みたいに伸びる」(リョウガ)、「フラミンゴのピンク色が唇にほしい。メイク入らず!」「感動的なMCのときに海亀の瞳」(カイ)など常人では思いつかなさそうな回答を繰り出していく。「火星人が地球に来ました。お・も・て・な・しBest3」では火星人はタコ型なイメージがあるカイが「大阪には連れていけない」とキッパリ(たこ焼きが名物ゆえに)。そこから急に2人でミニコントを始めたかと思えば、「せっかくだからいいとこ連れて行ってあげたいよね」とカイが言い、リョウガは「俺たちと価値観も違うかもしれないからね」と真面目に考える表情も。「歩いていて転びそうになったときの誤魔化し方Best3」では実演付きで盛り上がり、「個人的に無人島に持っていくものBest3」ではBest3をBeat3とスクリーンに表示されている誤字をいじりつつ、客席にもアイディアを求めながら、トークが白熱。リョウガが虫から身を守るために「ハチ用の防護服」を挙げれば、カイは「シャンプー持っていきたい。ベタつくやん。あとボディソープも」と無人島への持ちものとしては少々似つかわしくないものも。また、無人島に連れて行きたい人も多く挙げられ、その中でSUPER★DRAGONの志村玲於の名前が。「(志村が)料理とかいろいろやってくれそう」(カイ)、「で、その横でシャンプーしてるんでしょ。なんかしろよ!」(リョウガ)。結果、3位はキャンプセット、2位はシャンプーリンスとボディソープ(スクラブもつけてほしい、とカイ)などのお風呂セット、そして1位は志村玲於という結果に。無人島に持っていくものに挙げられがちな火やナイフなども出ていたが、ベスト3がここに落ち着くのがおもしろい。ファンとの交流も!和気あいあいとした質問コーナーそして、会場に来ているお客さんからの質問に答える「稜海! 質問コーナー」。質問箱から質問を引いていき、サクサクとふたりが答えるというオーソドックスなもの。「今現在の気持ちを教えてください」というある意味1問目にぴったりな質問からスタートし「ほんのちょっとだけ、暑いなぁ~」(リョウガ)「冷静になったらこういうくだらない会話を親が見てるのやだな」(カイ)とテンポよく回答していく。質問コーナーではカイとリョウガの息が合ったトークがより冴える。「超特急のみんなでカラオケ。最初と最後は何を歌う?一発目は誰が歌う?」という質問に、一発目に歌うメンバーを「ユーキだ!」とふたり声をそろえて回答。ちなみに最後も「ユーキがなんか歌ってくれるよ」とのこと。「今日の夕ご飯は何を食べますか」という質問には直前にニックネームが「海鮮丼」だったお客さんがいたこともあり、「海鮮丼」(カイ)、「ネギトロ丼」(リョウガ)と回答。さらにリョウガが「ネギトロのネギはあの葱じゃなくて『身をねぎ取る』の意味」という豆知識を披露した。「今月から神奈川県民になりました。みんなが知らない神奈川のおすすめスポットを教えてください」や「一番好きな秋のものはなんですか」など多種多様な質問に答え、ラストは「家でカルピスソーダを飲むのですが好きです。ソーダストリームを買うか、500ml×24本を買うかで悩んでいます」というカイ曰く「シリアスな質問」がラストとなった。これにカイは「ソーダストリームを持ってる側からするとめっちゃいいよ。コスパいいからおすすめ」と言い、リョウガは「俺は500ml。(ソーダストリームは)なんだかんだめんどくさくなると思うよ」とアドバイス。リョウガは「カルピスソーダが好きならそのものを買えばいいんじゃ?」と聞くと「炭酸が強いのがいい」とお客さん。結果、「カルピスソーダをソータストリームすればいいんじゃない?」で落ち着いた。たっぷりとトークを繰り広げ、約100分のライブも締めくくりへ。客席に向かってカイは改めてお礼を言ったあと、「みなさん、すごい倍率を勝ち抜いて会場にいらっしゃったはずなので。倍率だけで言うとTWICEさんと一緒です」。そんなカイにツッコミも入れつつ、リョウガは「稜海しました!が万能じゃないですか。LINEスタンプとかにもできますから。そのためにも第二回もやっていきたいですし、いろんなところを回っていきたいですね」。さらに「続くかどうかわかりませんが、こんなゆるゆるタイムを過ごすことに対して事務所が目をつぶってくれるかわかりませんが、続けていきたいな、と思っていますので」と今後に期待が高まる言葉も。最後は、会場から拍手を受けながら、2人で質問ボックスの乗った机を運びつつ退場。終了後に「緊急告知!」という文字がスクリーンに踊り、客席をざわめかせたが、「打ち上げいってきます」の言葉と共に稜海がジャージ姿でドアから飛び出そうとしている写真が映し出され、最後まで会場を沸かせた。ゆるりとしたふたりならではの空気感を届けた「稜海しました!」。質問コーナーでの「次回開催はいつですか」という質問にカイが「来年あるでしょ」と答えていたが、早くも第2回開催の告知が待たれる。取材・文/ふくだりょうこ
2023年10月15日京極夏彦原作の舞台『死ねばいいのに』が、2024年1月に紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて上演されることが決定した。『姑獲鳥の夏』『魍魎の匣』『百鬼夜行シリーズ』や『巷説百物語シリーズ』など、数々のベストセラー作品を生み出してきた京極夏彦。その京極作品の中でも異色で究極のミステリーとの呼び声高い本作は、他に類を見ない人間の内面を炙り出した作品だ。上演台本・演出は、2023年7月に座・高円寺の芸術監督に就任したシライケイタ。原作をもとに描いた上演台本・演出やオリジナルの劇作を得意とし、劇団のみならず外部での演出も数多く手がけている。人間の本質を追求し、メリハリのある演出手腕が注目されているシライが、『死ねばいいのに』が炙り出す人間の本質をどう具現化するのか期待が高まる。主人公・渡来健也を演じるのは新木宏典。40歳の誕生日を機に、「荒木宏文」改め「新木宏典(あらきひろふみ)」として心機一転。舞台を中心にテレビでも活躍してきた新木が、これまでの経験を活かし、本格的なセリフ芝居への挑戦として新たな境地を切り拓く。そして、主人公と対峙する六人には、津村知与支、宮﨑香蓮、伊藤公一、阿岐之将一、魏涼子と福本伸一といった実力派のメンバーたちが集結し脇を固める。上段左より)新木宏典、津村知与支、魏涼子、福本伸一下段左より)宮﨑香蓮、阿岐之将一、伊藤公一■新木宏典 コメントこの度、京極夏彦先生の『死ねばいいのに』の舞台化にあたり、出演させて頂く事になりました。現実と虚構の境目がなくなってしまいそうになるこの世界感に恐怖を感じながら、魅了されたこの感覚を、板の上でも丁寧に表現出来るよう、精一杯努めて参ります。■シライケイタ コメント誰もが本心を隠しながら生きていける時代に、これほど正直な人間を描いた物語は珍しく、原作を読んで驚きました。言葉と俳優の存在だけで真っすぐ、愚直に作ろうと思います。「死ねばいいのに」という言葉が反転して客席に深く突き刺さる。そんな芝居を作るつもりです。<公演情報>『死ねばいいのに』2024年1月20日(土)~28日(日)会場:紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA原作:京極夏彦『死ねばいいのに』(講談社文庫)上演台本・演出:シライケイタ出演:新木宏典、津村知与支、宮﨑香蓮、伊藤公一、阿岐之将一、魏涼子、福本伸一関連リンク公式サイト:公式X(旧Twitter):
2023年09月08日京極夏彦の小説「百鬼夜行」シリーズの世界観を表現した「羽根ペンネイルポリッシュ」が登場。文喫 六本木にて2023年9月17日(日)まで、文喫 福岡天神にて8月31日(木)まで開催の、「『指先に文学を纏う』展 -京極夏彦-」にて先行販売される。尚、一般発売は8月21日(月)から。京極夏彦の小説「百鬼夜行」シリーズがネイルポリッシュに!「百鬼夜行」シリーズは、京極夏彦のデビュー作である小説『姑獲鳥の夏』から連なる代表的なシリーズ。2023年9月14日(木)には、「百鬼夜行」シリーズの新作として17年ぶりの書き下ろし長編となる『鵼の碑』が発売される。『姑獲鳥の夏』『魍魎の匣』など5作品をモチーフにそんな「百鬼夜行」シリーズの物語の世界観を、色・質感・ビジュアルで表現した「羽根ペンネイルポリッシュ」が、台湾の文学ネイルブランド「エセク(et seq.)」と文喫のコラボレーションにより登場。『姑獲鳥の夏』『魍魎の匣』『狂骨の夢』『鉄鼠の檻』『絡新婦の理』といった5作品をモチーフにしたネイルポリッシュが展開される。「羽根ペンネイルポリッシュ」の制作にあたり、それぞれの小説の作品のタイトルになっている、妖怪の逸話や芸術作品を紐解きながら色のイメージを構築。さらに、印象的なシーンや台詞を吟味し、ネイルに落とし込んだ。色はもちろん、流砂やマグネット、石目などの質感にもこだわり、小説の妖しい世界観を投影している。「羽根ペンネイルポリッシュ」カラー詳細『姑獲鳥の夏』カラー:紅の八潮(くれないのやしお)『魍魎の匣』カラー:柴染(ふしぞめ)『狂骨の夢』カラー:金色(こんじき)『鉄鼠の檻』カラー:鉄御納戸(てつおなんど)『絡新婦の理』カラー:滅紫(めっし)“羽根ペン”ブラシやインク瓶ボトルなどこだわりのデザイン尚、ネイルポリッシュそのものだけでなく、羽根ペンをかたどったブラシやインク瓶のようなボトルなどのデザインも「羽根ペンネイルポリッシュ」の魅力。「百鬼夜行」シリーズのパッケージには、作品を象徴する印象的なフレーズから、京極作品を読んだことのない人でも思わずその美学に目を留めてしまうような「言葉」をあしらった。さらに、作品を想起させる「鏡」や「妖怪」をモチーフにしたビジュアルをデザインした栞も付属。全5色セットを購入すると、重厚な本のようなギフトボックスも付いてくる。六本木・福岡で宮沢賢治&太宰治のネイルシリーズも販売尚、文喫 六本木・福岡で開催される「『指先に文学を纏う』展 -京極夏彦-」では、文喫による独自の選書とともに「百鬼夜行」シリーズの「羽根ペンネイルポリッシュ」を先行販売。また、文喫と「エセク」が手掛けた、「宮沢賢治」「太宰治」のネイルシリーズもあわせて販売する。【詳細】羽根ペンネイルポリッシュ 京極夏彦「百鬼夜行」シリーズ先行販売:2023年8月1日(火)~先行発売場所:「文喫 六本木」「文喫 福岡天神」店頭、各オンラインストア一般発売:2023年8月21日(月)予定価格:単品 1,580円、『鉄鼠の檻』(マグネットスティック付き)のみ 1,680円/5本セット 8,000円※オンラインストアにて購入の場合は別途送料がかかる。※オンライン販売に関しては、文喫 六本木・文喫 福岡天神のオンラインストアにて8月4日(金)~再入荷予約の受付を予定。■「『指先に文学を纏う』展 -京極夏彦-」・文喫 六本木会期:8月1日(火)~9月17日(日)住所:東京都港区六本木6-1-20 六本木電気ビルディング 1F営業時間:9:00~20:00(不定休)・文喫 福岡天神会期:8月1日(火)~8月31日(木)住所:福岡県福岡市中央区天神2-5-35 岩田屋本店本館 7F営業時間:10:00~20:00(不定休)
2023年08月06日朝井リョウが、作家生活10周年で書き上げた渾身の一作を、岸善幸監督が映画化する『正欲』。この度、磯村勇斗、佐藤寛太(劇団EXILE)、東野絢香の出演が明らかになり、場面写真も公開された。本作は、家庭環境、性的指向、容姿――様々に異なった選べない背景を持つ人たちを同じ地平で描写しながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのか、というテーマを炙り出していく衝撃的なストーリー。稲垣吾郎と新垣結衣が、息子が不登校になった検事・寺井啓喜と、特殊性癖を持つことを隠して生きる桐生夏月を演じる。今回新たに出演が発表された磯村さんが演じるのは、両親の事故死をきっかけに中学3年まで暮らしていた広島に戻ってきた佐々木佳道。夏月の中学時代の同級生で、誰にも言えない秘密を共有している。佐藤さんが演じるのは、大学生でダンスサークルに身を置き、準ミスターに選ばれ、一見華やかな場所にいるように見えるにも関わらず、人との交流を避ける諸橋大也。また、連続テレビ小説「おちょやん」で注目を浴びた東野さんが、大也と同じ大学に通い、学祭実行委員として大也が所属するダンスサークルにイベント出演依頼をする神戸八重子役で、映画初出演。通学中や講義中も、八重子は異性と目を合わさぬよう、触れることがないようにやり過ごそうとする。一見、無関係に見えるそれぞれの人生だが、ある事件をきっかけに交差することになる。磯村さんは「自分の指向とは異なる人物を演じなければならなかったので、その感覚を体に馴染ませるのが難しかったです」と話しつつも、「『前科者』でご一緒させていただいた岸監督とだったので、信頼しながら作り上げていきました。クランクイン前や現場で監督と話し合い、丁寧に佐々木佳道に寄り添っていきました」とふり返る。佐藤さんは「この映画観てくれたひとがみんな傷つけばいいのに、傷ついてハッとして人にやさしくなればいいのにって思います」と語り、東野さんは「あの日、カメラの前に立ったあの瞬間は、心からなにかを愛せたと思います。1秒1秒がスローモーションに感じたあの時間や空間を、私は生涯忘れません。この作品が、誰かにとっても、そう記憶される映画になればと、万感の思いでいっぱいです」とコメントしている。『正欲』は秋、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)■関連作品:正欲 2023年公開予定
2023年05月01日北条司氏の漫画『シティーハンター』が日本で初めて実写化され、2024年にNetflixにて配信されることが15日、発表された。俳優の鈴木亮平が主人公・冴羽リョウを演じる。1985年から1991年まで『週刊少年ジャンプ』にて連載され、単行本の累計発行部数が5000万部突破、一大ブームを巻き起こした『シティーハンター』。1987年にはTVアニメの放送もスタートし、1999年放送の TV スペシャルまで至る大ヒットシリーズとなった。主人公は、東京・新宿を拠点にしている冴羽リョウ。無類の女好きで、美女とみれば見境いなくちょっかいを出すが、いざ依頼を受ければ、並み外れた銃の腕と身体能力、そして冷静沈着な頭脳で、仕事を遂行する超一流スイーパー。コメディとハードボイルドアクション、ラブストーリーと多くのエンターテインメント要素が盛り込まれた『シティーハンター』は多くの読者の心を捉え、日本のみならず世界中で愛され続けている。実写版ではこれまで香港、韓国、フランスで映像化がなされているが、本家である日本では今回が初。実際の新宿の街での撮影や、原作で表現される日本語独特のニュアンスなどを活かして、日本ならではの実写化を目指す。物語の舞台は現代の新宿。それに伴い、キャラクター設定もわずかにアップデート。リョウの衣装はアニメ版のジャケット姿ではなく、原作漫画のロングコートを採用し、ステンカラーからタイロッケンコートへと変更。今回公開する写真では、愛用するコルト・パイソン 357 マグナムの撃鉄に指をかけ、シティーハンターの事務所で新宿の夜景をバックに佇む冴羽リョウの姿が描かれている。このたび、主演の鈴木亮平、佐藤祐市監督、原作者の北条司氏らがコメントを寄せた。○■鈴木亮平この度、Netflix 映画「シティーハンター」にて主人公の冴羽リョウ役を演じさせていただくことになりました。北条司先生が生み出したこの珠玉の名作を、そして数え切れないほどのファンに愛される冴羽リョウというキャラクターを皆様からお預かりさせていただくことに、非常に大きな責任を感じると共に、緊張に打ち震えております。やらせていただくと決めた以上、これまでに培った経験の全てを注ぎ込み、誠心誠意向き合わせていただく所存です。大きな愛情と責任を持って、大切にお預かりさせていただきます。どうすればファンの皆様に、そして原作を知らない世代の方にも「シティーハンター」の世界を一番良い形で楽しんでいただけるのか。どうすればこの令和の新宿に、冴羽リョウという男を現実の人物として召喚できるのか。虚構とリアル、80年代と2020年代、そのバランスを日々考え続けながら現場に立っています。あのクールで、ロマンチックで、おバカで、もっこりで、そして最高に格好良いシティーハンターの世界を、大切に大切に、皆様にお届けしたいと思っております。○■原作・北条司構想約10年(笑)、ようやくクランクインしました。実写化するなら「シティーハンター」好きの方にやってもらいたいなとずっと思っていた中、鈴木亮平さんが冴羽リョウ役をやられるという企画をいただきました。それから長い時間がかかりましたが、亮平さんの情熱が絶えなかったおかげでようやくこの日を迎えることができました。撮影も見学させてもらいましたが、現場が和気藹々ととても楽しそうで、撮影も細部まで妥協がなく素晴らしかったです。いい役者さんたちとスタッフに関わっていただけていることを感じて、とても楽しみになりました。語弊があるかもしれませんが、漫画的な表現にこだわらず、映画的なリアルな面白さを追求してもらえたら嬉しいです。○■佐藤祐市監督どこで聞いたのか?定かでは有りませんが鈴木亮平くんがシティーハンターの大ファンだった。と言うのは結構前から知っていました。もしかしたら、直接ご本人に聞いたのかも知れません。スタッフ・キャストに助けられながら、素敵な「アクション(もっこり)エンターテイメント」を目指して皆んなと共に突き進んで行きたいと思っています。お楽しみに。○■エクゼクティブ・プロデューサー/高橋信一(Netflix コンテンツ部門 マネージャー)以前、鈴木亮平さんとご一緒した作品を通して彼の作品にかける情熱と献身性に魅入られ「またいつかご一緒したい」と強く思っていました。原作、アニメーションを通して、リョウと香たちの物語を追いかけ続けてきた者として、亮平さんが冴羽リョウ役を演じ、「現代の新宿をリョウたちが疾走する背景にはどんな大騒動があるのだろう?」と想像するだけで興奮が隠せません。全世界で愛される「シティーハンター」の原作の魅力を引き出し、更に見たことのない実写化を佐藤監督、キャスト・スタッフの皆様と目指していきます。
2022年12月15日『時をかけるゆとり』『風と共にゆとりぬ』と来て、『そして誰もゆとらなくなった』。朝井リョウさんが、エッセイ集三部作を完結させた。全20編書き下ろしだ。このエッセイを書いたことで人生第一部完、の感覚になりました。「前作までは連載モノも入っていましたが、連載となるとどうしてもその媒体の色を意識した文章になっていたんです。今作は三部作の最後だし、自分が書くエッセイの、ある種、到達点的な一冊にしたい。最後は純粋な書き下ろしで全編いこう、とだいぶ前から決めていました。エゴ丸出しでいこう、と」友人の結婚式の余興でなぜか人体交換マジックに挑み、催眠術のセミナーで思いもよらぬ人格否定の憂き目に遭って、クリスマスのだいぶ前からホールケーキ三昧の果てに脂質異常症を来し…。ananで昨年3月まで連載していた古市憲寿さんとの対談「紙のラジオ」で披露されたエピソードも幾つか登場するが、喋り言葉ではなく書き言葉で語り直されると、こうまで面白いものか。「謎の状況ほど、淡々とした表現で描写するとおかしみが増すんですよね。芸人さんでいうと、1作目の頃は勢いや大声、動きとかで笑いを取ろうとする感じで、今回はエピソードトークでじっくり楽しませるイメージ。文章そのものの完成度を高めようと努めました」ばかばかしい~と楽しく読み進めていると、〈本当に、人生とはいつだって「あのときの自分、死ね」の連続だ〉といったズキッとくる思弁が顔を出す。30代となった人生の厚みは、前2作にはなかったものだ。「この体で、この自分でこれからも生きていくんだ、みんなそうなんだ…と、人生への諦めがいい意味で滲み出ました。ここで人生の第一部完、という感覚が個人的にあります」実は、昨今の出版界はYouTuberのエッセイ集が全盛だ。小説家のエッセイ集は、なかなかベストセラーリスト入りしない。だが、小説家としての脳と技芸を十全に発揮した朝井さんの本は、出版界にとって起爆剤になるかもしれない。「小説を読むのはメンタル的にしんどい時期でも、このエッセイだったら読めるし楽しめる――子供の頃、さくらももこさんのエッセイ集に抱いていた感覚を、自分の本でもなんとか表現したいと心を砕いてきました。シリーズ3冊、ぜひご贔屓にしていただければと思います」あさい・りょう1989年、岐阜県生まれ。2009年、『桐島、部活やめるってよ』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。’13年、『何者』で第148回直木三十五賞を、’14年、『世界地図の下書き』で第29回坪田譲治文学賞を、’21年、『正欲』で第34回柴田錬三郎賞を受賞。朝井リョウ『そして誰もゆとらなくなった』エッセイ集三部作完結編は、全20編書き下ろし。日常の中に出現する異常事態を前に、誰からも気付かれず世界にも記録されない心の叫びを、こと細かに綴る。文藝春秋1540円※『anan』2022年10月5日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・吉田大助(by anan編集部)
2022年10月02日朝井リョウの小説『正欲』が実写映画化。出演者に稲垣吾郎や新垣結衣を迎え、2023年11月10日(金)より公開される。朝井リョウによる衝撃作『正欲』が実写映画化朝井リョウの小説『正欲』は、2021年3月に発売され、第34回柴田錬三郎賞を受賞した作品。2009年に『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を、2013年『何者』で直木賞を受賞した朝井が、作家生活10周年の節目に書き上げた。家庭環境、性的指向、容姿など様々に異なった“選べない”背景を持つ人たちが、生きていくために模索する姿をリアルに描写している。その中で「人が生きていくための推進力になるのは何なのか」というテーマを炙り出していく衝撃的なストーリーが波紋を呼び、“共感を呼ぶ傑作”か、“目を背けたくなる問題作”かと、今もなお話題を集めている。岸善幸×港岳彦で原作を再構築映画化にあたっては、『あゝ、荒野』『前科者』の監督・岸善幸と、脚本家・港岳彦がタッグ。原作を大胆に再構築しながら、家庭環境、性的指向、容姿など、様々に異なる背景を持つ人たちの人生を、ある種のラブストーリーとして描き出す。尚、『正欲』は第36回東京国際映画祭コンペティション部門に正式出品。本映画祭が、『正欲』のワールドプレミアになる。稲垣吾郎&新垣結衣が出演映画『正欲』には、稲垣吾郎と新垣結衣が出演。息子が世間から断絶されることを恐れる寺井啓喜を稲垣吾郎が、自ら世間との断絶を望む桐生夏月を新垣結衣が演じる。寺井と桐生の物語が、いつ、どこで、どのように交わっていくのかに注目だ。寺井啓喜(てらい・ひろき)...稲垣吾郎横浜検察庁に務める検察官。自分の力でマイホームを持ち、妻と子を養う。小学校不登校の息子が、世間から断絶されてしまう可能性を恐れている。自分のみが正しいと思っており、妻と子と意見が食い違っていく。『半世界』『ばるぼら』『窓辺にて』など、近年、映画作品に精力的に出演する稲垣吾郎が出演。桐生夏月(きりゅう・なつき)...新垣結衣広島のショッピングモールで契約社員として働く。実家暮らしで代わり映えのしない日々を繰り返している。特殊性癖を持つことを隠して生きており、自ら世間との断絶を望む。劇中では、「それでも私が、私たちが抱えている欲望は、あって良いものだと思いたい」と言う場面も。唯一、秘密を共有する佳道にだけ心を開いている。ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」や、映画『劇場版コード・ブルー-ドクター・ヘリ緊急救命-』、『GHOST BOOK おばけずかん』に出演する新垣結衣が担当。佐々木佳道(ささき・よしみち)…磯村勇斗夏月の中学時代の同級生。ふたりは誰にも言えない秘密を共有している。両親の事故死をきっかけに中学3年まで暮らしていた広島に戻ってきた。諸橋大也(もろはし・だいや)…佐藤寛太ダンスサークルに身を置く大学生で、準ミスターに選ばれるほどの容姿を持つ。一見華やかな場所にいるように見えるにも関わらず、人との交流を避け、心を誰にも開かずに日々を過ごす。神戸八重子(かんべ・やえこ)…東野絢香大也と同じ大学に通い、通学中や講義中も、異性と目を合わさぬよう、触れることがないようにやり過ごそうとする。学祭実行委員として大也が所属するダンスサークルにイベント出演依頼をする。寺井由美(てらい・ゆみ)…山田真歩不登校になった息子との距離を掴めずにいる啓喜に対し、徐々に気持ちが離れていく妻。越川秀己(こしかわ・ひでき)…宇野祥平啓喜とともに検察庁に勤める事務官。西山修(にしやま・しゅう)…渡辺大知夏月と佳道の中学の同級生那須沙保里(なす・さおり)…徳永えり夏月と同じ商業施設で働く妊婦の女性。夏月を気に掛けている。矢田部陽平(やたべ・ようへい)…岩瀬亮ある日をきっかけに、佳道と大也と秘密を共有するようになる小学校の非常勤講師。高見優芽(たかみ・ゆめ)…坂東希大也の所属するダンスサークルのリーダー。サークルのみならず大学内でも信頼を得ている学生。夏月と佳道の中学時代の担任教師…山本浩司中学時代、夏月と佳道の担任をしていた教師。主題歌はVaundy「呼吸のように」映画『正欲』の主題歌は、Vaundyの未発表楽曲「呼吸のように」。Vaundyが映画主題歌を手掛けるのは本作が初となる。かけがえのない人との繋がりを歌う、映画世界とリンクした楽曲に注目だ。映画『正欲』あらすじ不登校の息子が世間から断絶されることを恐れる検事の啓喜。ひとつの秘密を抱え、自ら世間との断絶を望む寝具販売員の夏月。夏月の中学の同級生で、夏月と秘密を共有する佳道。心を誰にも開かずに日々を過ごす大学生・大也。自分の気持ちに戸惑いながらも心に従おうと邁進する、大也と同じ大学に通う八重子。無関係に見えたそれぞれの人生が、“ある事件”をきっかけに交差する……。【作品詳細】映画『正欲』公開日:2023年11月10日(金)原作:朝井リョウ『正欲』(新潮社刊)監督:岸善幸脚本:港岳彦出演:稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香、山田真歩、宇野祥平、渡辺大知、徳永えり、岩瀬亮、坂東希、山本浩司配給:ビターズ・エンド
2022年09月15日朝井リョウの小説『正欲』が、監督に岸善幸、出演に稲垣吾郎、新垣結衣を迎え、映画化されることが決定した。原作小説は、2009年『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞、2013年『何者』では直木賞を受賞した朝井リョウが、作家生活10周年で書き上げた渾身の一作。発売されるやいなやその内容が波紋を呼び、第34回柴田錬三郎賞を受賞した話題作で、自身も「小説家としても一人の人間としても、明らかに大きなターニングポイントとなる作品です」と語る通り、共感を呼ぶ傑作、目を背けたくなる問題作と評価が分かれ、「この衝撃は読んでみないとわからない」「もう読む前の自分には戻れない」と、今も続々と読者が増え続けている。家庭環境、性的指向、容姿……様々に異なった”選べない”背景を持つ人たちを同じ地平で描写しながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのかというテーマを軸とする衝撃的なストーリーを、ある種のラブストーリーとして映画化するのは、『あゝ、荒野』、『前科者』などを経てその手腕にさらに期待が高まる演出家・岸善幸と、原作を大胆に再構築しながら監督の演出の可能性を拡げていく脚本家・港岳彦。横浜検察庁に務める検察官であり、自分の力でマイホームを持ち、妻と子を養う寺井啓喜役には、『半世界』、『ばるぼら』、そして公開を控える『窓辺にて』などで精力的に映画に出演し、その演技・役柄の幅広さを不動のものとした稲垣吾郎が挑む。そして、広島のショッピングモールで契約社員として働き、特殊性癖を持つことを隠して生きる桐生夏月役は大ヒットドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』や映画『劇場版コード・ブルー-ドクター・ヘリ緊急救命-』、『GHOST BOOKおばけずかん』に出演、今や国民的人気を誇る新垣結衣が務める。難役に挑むにあたり、稲垣は「難しい題材にチャレンジする、監督、スタッフの皆様と共に丁寧に演じていきたいと思います」、新垣は「考え続ける事、他を想像し続ける事をいつも以上に大切にしながら、制作に臨めたらと思っています」とそれぞれコメントを寄せている。小学校不登校の息子が世間から断絶されてしまう可能性を恐れる寺井と、自ら世間との断絶を望む夏月が、いつ、どこで、どのように交わっていくのか。生きることと死ぬことが目の前に並んでいるとき、生きることを選ぶきっかけになり得るものをひとつでも多く見つけ出したい……。そんな映画に込める想いをふたりがどう昇華させていくのかが見どころになっている。映画は現在絶賛撮影中で、10月下旬にクランクアップを予定している。キャスト・スタッフ<コメント全文>稲垣吾郎脚本を読み終えた時、この作品に関われる事を嬉しく思いました。難しい題材にチャレンジする、監督、スタッフの皆様と共に丁寧に演じていきたいと思います。新垣結衣原作を読んで、何かを問われたような気持ちになりました。それは、「何が正しいか」とかそういう単純なものではないような、でも実はとてもシンプルなことのような気もしました。考え続ける事、想像し続ける事をいつも以上に大切にしながら、制作に臨めたらと思っています。岸監督とは初めてご一緒しますが、初顔合わせから親身に役についての相談などを聞いてくださり、とても心強く、感謝しています。撮影では、自分なりに、夏月達が生きる世界を必死に生きたいと思います。監督・岸善幸原作の衝撃と感動がずっと消えません。朝井さんの“視点”が生み出した登場人物たち、その感情をどう表現するべきか、模索が続いています。稲垣吾郎さん、新垣結衣さんをはじめとするキャストの皆さんとの対話を重ねて、少しずつ輪郭が浮かび上がってきたところです。人と人のつながりを描こうと思います。大切なのに、難しい、つながり。世界から「普通ではない」と片づけられてしまう人たちの、歪みのないつながりを描こうと思います。原作・朝井リョウ言葉にするとは線を引くということです。明確に名付けがたい感情や現象に無理やり輪郭を与えてしまうのが、言葉です。映画には、表情、声色、沈黙など、言葉以外のものが沢山映ります。それらが、私が書きながら取りこぼしていったものたちを一つでも多く拾い上げてくれることを願っています。そして、この物語の核が、いい映画を創るという意思以外の部分で歪められることのないよう、緊張感とともに祈っています。『正欲』2023年 全国公開
2022年09月12日俳優の稲垣吾郎と女優の新垣結衣が、2023年公開の映画『正欲』で共演することが12日、発表された。原作は朝井リョウ氏による小説『正欲』。監督は岸善幸氏が務める。原作小説は、2009年『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞、2013年『何者』では直木賞を受賞した朝井リョウ氏が、作家生活10周年で書き上げた渾身の一作。2021年3月に発売されるやいなやその内容が波紋を呼び、第34回柴田錬三郎賞を受賞した話題作で、自身は「小説家としても一人の人間としても、明らかに大きなターニングポイントとなる作品です」と語っている。家庭環境、性的指向、容姿――様々に異なった“選べない”背景を持つ人たちを同じ地平で描写しながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのかというテーマを炙り出していく衝撃的なストーリーを、ある種のラブストーリーとして映画化するのは、『あゝ、荒野』(2017)、『前科者』(2022)などの演出家・岸善幸氏と、原作を大胆に再構築しながら監督の演出の可能性を拡げていく脚本家・港岳彦氏。この2人のタッグにより、生きていくための原動力が、「当たり前」とは違う形である人たちの人生を大胆な演出表現をもって映像として浮かび上がらせる。横浜検察庁に務める検察官であり、自分の力でマイホームを持ち、妻と子を養う寺井啓喜(てらい・ひろき)役に、『半世界』(19)、『ばるぼら』(20)、公開を控える『窓辺にて』(22)など精力的に映画出演を務め、その演技と役柄の幅広さで多くの人を魅了している稲垣吾郎が挑む。そして、広島のショッピングモールで契約社員として働く桐生夏月(きりゅう・なつき)役に大ヒットドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』や映画『劇場版コード・ブルー-ドクター・ヘリ緊急救命-』(18)、『GHOST BOOK おばけずかん』(22)に出演、今や国民的人気を誇る新垣結衣。特殊性癖を持つことを隠して生きる夏月という難役に挑む。小学校不登校の息子が世間から断絶されてしまう可能性を恐れる寺井と、自ら世間との断絶を望む夏月が、いつ、どこで、どのように交わっていくのか。生きることと死ぬことが目の前に並んでいるとき、生きることを選ぶきっかけになり得るものをひとつでも多く見つけ出したい――映画に込める想いをどう昇華させていくのかが見どころになっている。映画は現在絶賛撮影中で、10月下旬にクランクアップを予定している。○■稲垣吾郎脚本を読み終えた時、この作品に関われる事を嬉しく思いました。難しい題材にチャレンジする、監督、スタッフの皆様と共に丁寧に演じていきたいと思います。○■新垣結衣原作を読んで、何かを問われたような気持ちになりました。それは、「何が正しいか」とかそういう単純なものではないような、でも実はとてもシンプルなことのような気もしました。考え続ける事、想像し続ける事をいつも以上に大切にしながら、制作に臨めたらと思っています。岸監督とは初めてご一緒しますが、初顔合わせから親身に役についての相談などを聞いてくださり、とても心強く、感謝しています。撮影では、自分なりに、夏月達が生きる世界を必死に生きたいと思います。○■監督・岸善幸原作の衝撃と感動がずっと消えません。朝井さんの“視点”が生み出した登場人物たち、その感情をどう表現するべきか、模索が続いています。稲垣吾郎さん、新垣結衣さんをはじめとするキャストの皆さんとの対話を重ねて、少しずつ輪郭が浮かび上がってきたところです。人と人のつながりを描こうと思います。大切なのに、難しい、つながり。世界から「普通ではない」と片づけられてしまう人たちの、歪みのないつながりを描こうと思います。○■原作・朝井リョウ言葉にするとは線を引くということです。明確に名付けがたい感情や現象に無理やり輪郭を与えてしまうのが、言葉です。映画には、表情、声色、沈黙など、言葉以外のものが沢山映ります。それらが、私が書きながら取りこぼしていったものたちを一つでも多く拾い上げてくれることを願っています。そして、この物語の核が、いい映画を創るという意思以外の部分で歪められることのないよう、緊張感とともに祈っています。
2022年09月12日稲垣吾郎、新垣結衣を迎え、朝井リョウによる小説「正欲」を『あゝ、荒野』の岸善幸監督が映画化。制作決定に伴い、各キャスト・監督・原作者よりコメントが到着した。原作小説は、2009年『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞、2013年『何者』では直木賞を受賞した朝井リョウが、作家生活10周年で書き上げた渾身の1作。2021年3月に発売されるやいなやその内容が波紋を呼び、第34回柴田錬三郎賞を受賞した話題作。自身も「小説家としても一人の人間としても、明らかに大きなターニングポイントとなる作品です」と語っている。家庭環境、性的指向、容姿ーー。様々に異なった“選べない”背景を持つ人たちを同じ地平で描写しながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのかというテーマを炙り出していく衝撃的なストーリーを、ある種のラブストーリーとして映画化するのは、『あゝ、荒野』『前科者』などを経てその手腕にさらに期待が高まる演出家・岸善幸と、原作を大胆に再構築しながら監督の演出の可能性を拡げていく脚本家・港岳彦。稲垣吾郎×新垣結衣、奇跡のタッグ横浜検察庁に務める検察官であり、自分の力でマイホームを持ち、妻と子を養う寺井啓喜(てらい・ひろき)役に、『半世界』『ばるぼら』に加え、公開を控える『窓辺にて』など精力的に映画出演を務め、その演技・役柄の幅広さを不動のものとした稲垣吾郎が挑む。そして、広島のショッピングモールで契約社員として働く桐生夏月(きりゅう・なつき)役に、大ヒットドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」や映画『GHOST BOOKおばけずかん』などに出演、いまや国民的人気を誇る新垣結衣。特殊性癖を持つことを隠して生きる夏月という難役に挑む。小学校不登校の息子が世間から断絶されてしまう可能性を恐れる寺井と、自ら世間との断絶を望む夏月が、いつ、どこで、どのように交わっていくのか…。生きることと死ぬことが目の前に並んでいるとき、生きることを選ぶきっかけになり得るものをひとつでも多く見つけ出したい。映画に込める想いをどう昇華させていくのかが見どころになっている。コメント到着稲垣吾郎脚本を読み終えた時、この作品に関われる事を嬉しく思いました。難しい題材にチャレンジする、監督、スタッフの皆様と共に丁寧に演じていきたいと思います。新垣結衣原作を読んで、何かを問われたような気持ちになりました。それは、「何が正しいか」とかそういう単純なものではないような、でも実はとてもシンプルなことのような気もしました。考え続ける事、他を想像し続ける事をいつも以上に大切にしながら、制作に臨めたらと思っています。岸監督とは初めてご一緒しますが、初顔合わせから親身に役についての相談などを聞いてくださり、とても心強く、感謝しています。撮影では、自分なりに、夏月達が生きる世界を夏月達のように必死に生きたいと思います。監督・岸善幸原作の衝撃と感動がずっと消えません。朝井さんの“視点”が生み出した登場人物たち、その感情をどう表現するべきか、模索が続いています。稲垣吾郎さん、新垣結衣さんをはじめとするキャストの皆さんとの対話を重ねて、少しずつ輪郭が浮かび上がってきたところです。人と人のつながりを描こうと思います。大切なのに、難しい、つながり。世界から「普通ではない」と片づけられてしまう人たちの、歪みのないつながりを描こうと思います。原作・朝井リョウ言葉にするとは線を引くということです。明確に名付けがたい感情や現象に無理やり輪郭を与えてしまうのが、言葉です。映画には、表情、声色、沈黙など、言葉以外のものが沢山映ります。それらが、私が書きながら取りこぼしていったものたちを一つでも多く拾い上げてくれることを願っています。そして、この物語の核が、いい映画を創るという意思以外の部分で歪められることのないよう、緊張感とともに祈っています。『正欲』は2023年、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2022年09月12日『サマーフィルムにのって』『PLAN 75』などで大きな注目を集める河合優実を主演に迎え、直木賞作家・朝井リョウの同名連作短編小説「少女は卒業しない」を映画化、2023年2月23日(木・祝)より公開が決定した。本作は、廃校が決まり、校舎の取り壊しを目前に控えたとある地方高校を舞台に、世界の全てだった“学校”と“恋”にさよならを告げる4人の少女たちの卒業式までの2日間が描かれる。原作は、同世代のリアルな心情を鮮やかに描き出し、共感を呼ぶ作品を発表し続け『桐島、部活やめるってよ』や『何者』など映像化作品も数多の直木賞作家・朝井リョウが、2012年に発表した連作短編小説。発表当時、現役高校生からこれまでに“卒業”を経験した20代以上の大人世代まで多くの共感を呼んだ話題作が、10年の時を経て映画化となった。原作に感銘を受け、監督・脚本を手掛けたのは、高校生を主人公に描いた短編映画『カランコエの花』が国内映画祭で13冠を受賞し話題を呼んだ中川駿。商業長編映画デビューとなる本作では、原作の持つ瑞々しさと甘酸っぱさをそのままに群像劇へと構成を変え、少女たちの心の機微を丁寧に描き出す。彼氏へのある“想い”を抱えながら卒業生代表の答辞を担当する料理部部長の主人公・山城まなみを演じるのは、いま映画界を中心に熱視線を浴びる河合優実。『サマーフィルムにのって』『由宇子の天秤』で数々の映画祭の新人賞を受賞し、2022年には『ちょっと思い出しただけ』『PLAN 75』『ある男』など8本の映画に出演。本作で初主演を果たす。将来の夢のために進路の違いで彼氏と離れることを選んだバスケ部の部長・後藤由貴役には、連ドラ初レギュラーとして出演した「中学聖日記」で話題となり、『アルプススタンドのはしの方』での好演が記憶に新しい小野莉奈。軽音部の部長で同じ部内の中学校からの同級生に恋心を抱く神田杏子役は、『ヤクザと家族 The Family』で主人公の娘役で銀幕デビューした小宮山莉渚。クラスに馴染めず図書室に通いながら先生に密かな想いを寄せる作田詩織役には、2021年には『かそけきサンカヨウ』など3本立て続けに出演作が公開され注目を集める中井友望が演じる。キャストらコメント到着河合優実(山城まなみ役)この映画は卒業というひとつのリミットに直面する高校生たちの群像劇です。誰もが生きる上で経験する「絶対的な終わり」をいまどう捉えて物語に向き合うか、じっくり自分に問いながら臨みました。また、主演という形でお話を頂き、肩肘張らずに挑もうとは思いましたが、やはり1番目に名前がくるとなると良いものを作りたいという気持ちがいつも以上にメラメラと燃えはじめたのを最初から感じていました。中川監督が有難いことに私たち若いキャストと常に同じ目線に立とうとして下さったので、なんとか感覚を伝えあおうと沢山言葉を交わしながらシーンを紡いでいきました。キャストの皆さんとの日々も、とても瑞々しく感じられる出会いや再会が重なった春でした。ラストカットを残して、皆が出番を終えて現場を去ってゆく体育館で、人知れず泣いてしまったほどです。あの時それぞれの中に映っていた景色が、観てくださる方の胸にもたしかに反射するような映画になっていたらいいなと願っています。小野莉奈(後藤由貴役)後藤の性格や思考回路はとても共感できてこの役を自分が演じられるのはとても光栄だと思いました。また脚本には描かれていないこれまでの後藤の人生も沢山想像した上で現場でどんな後藤という人物像が生まれるのかも楽しみでした。中川監督は役者さん1人1人を信じて、寄り添いながら演出してくださる方だと思いました。私は監督が役者を信じて期待している感じが嬉しく、心地良くて、その気持ちにしっかり応えられるお芝居がしたいと想いながら毎日撮影に挑んでいました。本当に撮影現場では共演者の子たちとよく笑っていました。同世代の子とたわいもない話をして、まるで学生時代にタイムスリップしたような感覚でした。大人になってから学生時代を追体験できる事はなかなか無いのでこの時間を噛み締めようと思っていました。今でもこの撮影期間は大切な思い出です。あと、中川監督にバスケットボールを熱血指導していただいたのも忘れません。笑映画を見て、大人の方はきっと忘れていた思い出や学生時代の感情を思い出して初心に戻るような気がしますし、学生の方が見たら、今しかない時間を大事に生きようと思える作品なのではないかと思います。私は公開がとても楽しみです。個人的な話ですが後藤のバスケシーン、本当に頑張ったので良かったら見てほしいです。笑小宮山莉渚(神田杏子役)私が今回の作品で演じさせていただいた神田杏子は、軽音部部長で、部員から頼りにされるしっかりした子なんですが、10代の高校生らしい部分もちゃんと持っている女の子だなーと思ったのが第一印象でした。普段の自分と近いところもあったので、映画を通して神田の魅力がたくさん伝わると嬉しいです。中川監督には、台本にとらわれずリアルな高校生を演じて欲しいと言っていただいたので、撮影中も普段学校に行くのと変わらない感覚で、監督を‘先生’と呼んでしまいそうになったり、年齢関係なく皆さん本当の同級生のように接してくださって、毎日がとても楽しかったです。私も卒業まで、これからの高校生活を悔いのないよう充実させていきたいと思います。完成した映画を観て更にいろいろな変化を感じられると思うので、今から楽しみです!中井友望(作田詩織役)私は作田という役を演じさせていただいたのですが、いい意味でああ何もしなくていいかも、と思えたほど最初から作田に寄り添えました。そんな風に思える役と出逢えた事が凄く嬉しかったです。中川監督は、明確な提案をくださり監督の頭の中で毎秒映画が出来上がっていってるようでした。物腰は柔らかく必要のない緊張や不安を初めからふーっと消し去ってくれました。撮影期間は冬の残りから桜が満開になる頃で、撮影に行きながら季節の移り変わりを感じていました。人の数だけ物語や感情があり、それが合わさった時の心の振動は、生きていてよかったなと思えることのひとつです。そういうものがスクリーンから伝わればと思います。完成が楽しみです。中川駿(監督・脚本)初めて原作を読んだ際、少女達の繊細で複雑な心理描写に感銘を受けると共に、映像化することへの大きなハードルを感じました。それでも挑戦してみたいと思えたのは、やはり原作の持つ魅力や世界観に魅せられたからだと思います。4人の少女を演じていただいた河合さん、小野さん、小宮山さん、中井さんはそれぞれが全く違う素敵な個性の持ち主で、ご自身の個性をなるべくそのまま作品に反映できるよう、キャラクター設定はもちろん、現場での向き合い方も意識して臨みました。コロナ禍であり、天候や桜の開花具合に左右され、かつスケジュールもタイトな中での撮影でしたが、終わってみれば万事滞りなくやり遂げることができ、やはりこの作品には何かがあるなと感じています。本作に関わっていただいたすべての方に感謝しています。皆様の想いに応えられる作品になっていますので、ぜひ楽しみにお待ちください。朝井リョウ(原作)まず、十年以上前に書いた小説に新たな命が吹き込まれることを、本当に嬉しく、そして幸運に思います。そのうえで、企画をいただいた当初は少し戸惑いました。なぜなら、原作にある七編の物語から四編を抜き出し再構築するという提案だったからです。七編の物語は互いに関係し合っているため、三編を差し引いて組み立て直すとなると相当細やかな作業が必要だと感じました。正直難しいのではと思いましたが、いただいた脚本を拝読し、とても巧みな再構築具合とセンスの光るオリジナル要素の数々に「これは映像で観てみたい」と素直に胸が高鳴りました。一人の観客として完成を楽しみにしています。『少女は卒業しない』は2023年2月23日(木・祝)より新宿シネマカリテ、渋谷シネクイントほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:少女は卒業しない 2023年2月23日より新宿シネマカリテ、渋谷シネクイントほか全国にて公開© 朝井リョウ/集英社・2023 映画「少女は卒業しない」製作委員会
2022年08月24日演劇集団円主催による円・こどもステージNo.39『河童の三平』(原作:水木しげる、脚本:京極夏彦)が2021年12月17日 (金) ~2021年12月26日 (日)にシアターX(シアターカイ)(東京都墨田区)にて上演されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 ⼤剛)にて発売中です。カンフェティでチケット発売中 公式ホームページ 円・こどもステージ40周年を記念して「ゲゲゲの鬼太郎」でお馴染みの漫画界の巨匠水木しげるさんの『河童の三平』を初舞台化!河童と人間の少年が体験する魂の冒険は、今ここにいる私たちの物語です。少年三平は、山奥の家でおじいさんと二人で暮らしている。小学校では河童に似ているといじめられたりするが逞しく生きている。ある日、三平とそっくりな河童のカン平が現れ、三平を仲間だと勘違いして河童の世界へ連れ帰ってしまう。人間が破壊的な存在であると聞いていた河童たちは、はじめ三平を危険視するも彼の純真さに触れ理解を示すようになる。そこで、河童の長老はカン平に三平と一緒に人間社会を学ぶよう命じる。二人は上手く入れ替わりながら生活を始めるが・・・★12月20日(月)16:00公演後、京極夏彦氏のアフタートークが急遽決定!★12月21日(火)18:30 公演後、水木ファンとしても知られる坂本頼光さんのアフタートーク有り原作河童の三平は今年で60周年です!1961年に貸本漫画として発表された「河童の三平」。『少年サンデー』や『ぼくら』といった人気雑誌でも連載され、「ゲゲゲの鬼太 郎」と並ぶ水木しげるの代表作となりました。日本の原風景を思わせる山里を舞台に織りなす、どこか不思議でどこか懐かしいその物語は時代を超えて愛され、2021年の今年、60周年の節目を迎えました。演劇集団円1975年に故・芥川比呂志を中心に劇団雲から独立、今年46年を迎えます。円が目指しているのは、東西を問わず最大級の古典から今日の最新の作品までを広く視野に収め、そこに通底するはずの真に劇的なものとは何かを自由に柔軟に問い続けるということです。古典から最新作までの翻訳作品の上演のほか、現代劇作家の書き下ろし作品にも意欲的に取り組んでおり、そのレパートリーの多様さには定評があります。公演概要円・こどもステージNo.39『河童の三平』公演期間:2021年12月17日 (金) ~2021年12月26日 (日)会場:シアターX(シアターカイ)(東京都墨田区両国 2-10-14両国シティコア内)■出演者丸岡奨詞 / 山崎健二 / 佐々木睦 / 上杉陽一 / 馬渡亜樹 / 手塚祐介 / 相馬一貴 / 野上絵理 / 庄司悠希 / 古賀ありさ / 中田翔真 / 中野風音■スタッフ原作: 水木しげる脚本: 京極夏彦演出: 内藤裕子美術・衣裳: 大島広子照明: 佐々木真喜子音響: 穴沢淳音楽: 蔵田雅子■公演スケジュール12月17日(金) 18:3012月18日(土) 11:00 / 15:0012月19日(日) 11:00 / 15:0012月20日(月) 16:00★ 公演後、アフタートーク有り12月21日(火) 18:30★ 公演後、アフタートーク有り12月22日(水) 16:0012月23日(木) 18:3012月24日(金) 16:0012月25日(土) 11:00 / 15:0012月26日(日) 11:00※開場は、開演の30分前■チケット料金指定席:4,800円自由席(おとなさじき):3,800円※ おとな=高校生以上(税込) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2021年12月03日京極夏彦原作の人気長編推理小説『魍魎の匣(もうりょうのはこ)』がミュージカル化。主演に小西遼生を迎えて、2021年11月10日(水)から11月15日(月)まで東京・オルタナティブシアターで上演される。京極夏彦の人気長編推理小説『魍魎の匣』『魍魎の匣』は、京極夏彦による百鬼夜行シリーズ第1弾『姑獲鳥の夏』に続く第2弾として刊行された長編推理・伝奇小説。第49回日本推理作家協会賞に輝き、コミック化、アニメ化、映画化され、2019年には舞台化もされた人気作品だ。戦後まもない昭和27年を舞台に、古本屋「京極堂」を営む、宮司にして陰陽師の“拝み屋”中禅寺秋彦が複数の事件を解き明かしていく物語が描かれている。イッツフォーリーズによってミュージカル化そんな複雑で怪奇な物語『魍魎の匣』が、ミュージカルカンパニー・イッツフォーリーズによって初めてミュージカル作品として上演されることに。上演台本・作詞・演出は、日本版脚本&歌詞・演出を担当した『FACTORY GIRLS ~私が描く物語~』で第27 回読売演劇大賞優秀作品賞を受賞した板垣恭一が担当する。主人公・中禅寺秋彦に小西遼生主人公・中禅寺秋彦役には、テレビドラマのアクション作品からブロードウェイミュージカルまで、映画、テレビ、舞台と幅広く活躍を続ける小西遼生を抜擢。また、正義感が強く、暴走しがちな刑事・木場修太郎役は、ミュージカル『見上げてごらん夜の星を』や『おれたちは天使じゃない』など、イッツフォーリーズの名作舞台に出演する吉田雄が演じる。さらに、私立探偵・榎木津礼二郎役には「『刀剣乱舞』大坂夏の陣」などの北村諒を、中禅寺秋彦の幼馴染で小説家の関口巽役にはミュージカル『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の神澤直也を起用。その他、熊谷彩春、加藤将、池岡亮介、イッツフォーリーズ出身のベテラン実力派俳優・駒田一などがキャストに名を連ねる。<配役>中禅寺秋彦…小西遼生木場修太郎…吉田 雄榎木津礼二郎…北村 諒関口巽…神澤直也鳥口里美…大川 永久保竣公…加藤 将楠本頼子…熊谷彩春青木文蔵…池岡亮介柚木加菜子…德岡 明柚木陽子…万里紗福本郁雄…横田剛基中禅寺敦子…宮田佳奈楠本君枝…米谷美穂、金村 瞳(Wキャスト)増岡靖子…神野紗瑛子須崎太郎…堀内俊哉雨宮典匡…浅川仁志寺田兵衛…森 隆二美馬坂幸四郎…駒田 一ミュージカル『魍魎の匣』あらすじ戦後復興たけなわの昭和27年8月15日。暗い性格で友達も少ない14歳の少女、楠本頼子と、頼子のクラスメイトで秀才だが、同じく親しい友人がいない柚木加菜子。ある日加菜子は、自分たちは互いが互いの生まれ変わりだ、と頼子に声をかける。やがて2人は親交を深め、最終電車で湖を見に行こうと約束するが、中央線の途中で加菜子がホームから転落し電車に轢かれてしまう。たまたま乗り合わせていた刑事の木場修太郎は現場に駆けつけ、頼子と共に病院へと向かった。そこで加菜子の姉の柚木陽子と出会う。重体の加菜子を救える可能性のある病院を知るという陽子の話から、窓のない建物で、周辺住民からは「匣(はこ)」と呼ばれている相模原の研究棟に加菜子を転院させ、そこで治療を受けさせることになった。一方、小説家の関口巽は、知り合いの雑誌記者、鳥口と、出版社社員の中禅寺敦子と共に、武蔵野の連続バラバラ殺人事件を追っていた。その最中、道に迷って「匣」のような建物にたどり着いてしまう。そこは「美馬坂近代医学研究所」で、加菜子が入院している研究棟だった。その後、厳戒態勢の中で加奈子が失踪し、姉の陽子宛に脅迫文が届く。鳥口は新興宗教「穢封じ御筥様」の調査をしている中、関口を通して「京極堂」と呼ばれる拝み屋、中禅寺秋彦に相談を持ち掛ける。そこに私立探偵の榎木津礼二郎が加わり、行動を共にすることになった。バラバラ殺人事件、加菜子の誘拐、穢れた金を浄化のために教祖に集める新興宗教。異なる事象がやがて一つに集束していく。事件の裏に渦巻く「魍魎」とは何なのか。そして、京極堂の過去の秘密とは。作品詳細イッツフォーリーズ公演ミュージカル『魍魎の匣』原作:京極夏彦「魍魎の匣」(講談社文庫)上演台本・作詞・演出:板垣恭一作曲・音楽監督:小澤時史出演:小西遼生、吉田雄、北村諒、神澤直也、大川永、熊谷彩春、万里紗、德岡明、加藤将、池岡亮介、横田剛基、宮田佳奈、米谷美穂、金村瞳、神野紗瑛子、堀内俊哉、浅川仁志、森隆二、駒田一、ほか<公演情報>上演期間:2021年11月10日(水)~11月15日(月)※楠本君枝役Wキャスト・金村瞳:10日、12日、13日18:30、14日13:30・米谷美穂:11日、13日13:30、14日18:30、15日会場:オルタナティブシアター住所:東京都千代田区有楽町2丁目5番1号 有楽町マリオン(有楽町センタービル)別館 7Fチケット料金:前売8,800円、当日9,300円、土日ソワレ割7,500円、S70 7,500円(70歳以上、当日要年齢確認)、他、割引有※全席指定チケット一般発売日:2021年8月20日(金)11:00~(ぴあのみ10:00~)チケット窓口:・オールスタッフTEL:03-5823-1055(平日11:00~18:00)、公式サイト・ぴあTEL:0570-02-9111(Pコード:507-688)、公式サイト・イープラス:公式サイト・カンフェティチケットセンター:公式サイト主催・企画・制作:オールスタッフ、ミュージカルカンパニーイッツフォーリーズ※未就学児童入場不可<追加公演>上演日程:2021年11月11日(木)14:00開演■先行抽選期間:2021年10月6日(水)12:00~12日(火)23:59取扱:オフィシャルサイト■一般発売発売日:2021年10月20日(水)11:00~チケット窓口:・オールスタッフTEL:03-5823-1055(平日11:00~18:00)、公式サイト・ぴあTEL:0570-02-9999(Pコード:509-078)、公式サイト・イープラス:公式サイト・カンフェティチケットセンター:公式サイト【問い合わせ先】オールスタッフTEL:03-5823-1055(平日11:00~18:00)
2021年07月16日時代の空気とそこに生きる人々の秘めたる本音を、絶妙な比喩を交えて表現してきた朝井リョウさん。そんな朝井さんが作家生活10周年記念作品として、昨年に『スター』(朝日新聞出版)を、そしてこの3月に『正欲』(新潮社)を刊行した。「『スター』は初めての週刊連載だったので、次々に展開するグルーヴ感のある作品を目指していました。一方、人間の欲望をテーマにした『正欲』は書き下ろしだったので、衝動のままに書くというか、読み手にとって咀嚼しにくい作品になるかもと思っていました。それで前者を〈白版〉、後者を〈黒版〉と名づけたんです。でも、完成してみれば、『スター』は閉所で誰かと誰かがずっと対話をしている話で、逆に『正欲』は、私の本の中で“生きる”ということにいちばん前向きな本になったと感じています。本当に小説って計画通りにいかないんです。ただ、『正欲』を書きながら、この数年で明確化してきた、“生と死のうち生を選ぶとして、その理由になり得るものとは”というテーマに少し向き合うことができた気がしていて、それはよかったなと感じています」朝井さんの言葉は強い。デビュー作のタイトルは、10年経ったいまもさまざまにもじられる言葉として定着している。また本書では、性欲と重なる音に「正」の字を当てはめたタイトルにしたことで、性的欲求だけではなく、生きる上でおろそかにできない承認欲求や生存欲求のような欲も俎上に乗せた。たった2文字で、正しい欲とは何か、それを誰がジャッジするのか、と突きつけられているかのようだ。「〈正欲〉という題名は執筆前から決まっていました。欲はすごく個人的なことで、正はすごくパブリックなイメージの文字。そのアンバランスさが居心地の悪さを醸し出してくれるかなと。性欲はずっと書きたいテーマだったのですが、それをテーマに据えたとして説得力が出る自分なのかと、ずっと躊躇していました」不登校児の息子を持て余している検事の寺井啓喜、自分は〈正しい命の循環〉から外れていると感じている寝具店勤務の桐生夏月、学祭の実行委員として〈ダイバーシティフェス〉を仕切る大学生の神戸八重子が、代わる代わる語り手を務め、物語は進む。冒頭に置かれているのは、ある手記と衝撃的な事件の記事だ。語り手を含め、それらに何かしらの形で関わる人々が、自らが直面している問題を語っていく。作中には、性的指向をひた隠しにしている人物も出てくる。それは決して、多様性を認めようという建前だけでは解決しない苦悩も孕んでいる。多様性という言葉にしても、〈清々しいほどのおめでたさでキラキラしている言葉〉〈話者が想像しうる“自分と違う”にしか向けられていない言葉〉と評し、安易に是としないところが朝井さんらしい。「好きな顔のタイプとかはよく聞く話ですが、他のパーツ、たとえば膝とかの好みってなかなか聞かない。同じ体でも人を興奮させる部位とそうでない部位があるということがずっと不思議でした。『正欲』には、そういうレベルのものを筆頭に、ずっと頭の中に流れていたさまざまな回路が集合しています。どんな話題にも、それっぽい答えみたいな言葉はあると思うんです。たとえばコロナ禍でのステイホーム。私も色々と準備をして家にいられる状況を整えました。家庭ごみの清掃業者の方々の大変さに気付いたのはかなり後のことでした。それっぽい答えに安住しているときほど視野は狭まる。全員の暮らしやすさや生きやすさが実現するまでには、どうしても順番が生まれてしまう――色々と実感しました。もっと言えば、最後まで順番が回ってこない人もいるような世界で、それでも生きるほうを選ぶきっかけになり得る言葉に巡り合いたい。これは今後の課題でもあります」装幀にも一瞬で掴まれる。「メインテーマである“欲”を彷彿とさせるので、人間を含めた動物を表紙にしたかったんです。写真家の友人に相談したら、菱沼勇夫さんの作品を教えてもらいまして、内容にとても惹かれました。鑑賞者を集中させる力がすごいんです。菱沼さんの作品からは、私たちにはきっと理解ができないレベルの、被写体への執着のようなものを感じます。鴨の写真を表紙に選んだ理由は幾つもありますが、せっかく読者の方が考察してくださっているので、変に限定せずにおこうかなと思います」小説家として10年が経ち、何か変化はあったのだろうか。「私はこれまで、小説を書くときに社会を反映した広い視野を持たなければという強迫観念みたいなものがありました。やはり若いときに直木賞という大きな賞をいただいたことで自縄自縛しがちだったのですが、今回思ったのが、広い視野を持つ努力よりも狭い視野の人をたくさん書く努力のほうが向いているかも、ということです。そうすれば、極狭な私自身の視野でも小説を書ける気がする。こういう感じで、自分の中にある、できないことやわからないことへの恐怖心が少し減ったのも変化かもしれません。それは、先ほど少し触れた今後の課題に関わってくることでもあります。『死にがいを求めて生きているの』あたりから、もう生きている理由はないからと終わりを選ぼうとする自分、または誰かがいるとして、そのとき機能しうる言葉を私は見つけられているのだろうかとずっと考えているんです。その言葉を見つけ出す作業は、小説や読者のためというより自分のために、今後も続けていくと思います」変化する時代の中で、作品の質や価値はどう変わっていくのかを考察した『スター』に続く最新刊『正欲』。あらゆる欲望は、多様性という美辞麗句ですべて肯定できるのかと問いかける。新潮社1870円あさい・りょう作家。1989年、岐阜県生まれ。2009年、『桐島、部活やめるってよ』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。’13年、『何者』で直木賞を、’14年、『世界地図の下書き』で坪田譲治文学賞を受賞。※『anan』2021年5月19日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2021年05月18日黒島結菜、葵わかな、佐藤勝利、田中麗奈、上田竜也の5名を主演に迎え、「桐島、部活やめるってよ」「何者」の朝井リョウの短編小説をドラマ化したWOWOWオリジナルドラマ「世にも奇妙な君物語」。3月5日(金)からの放送・配信を前に、第1話が公式サイトにて期間限定で無料配信されることになった。本作は、1話完結のオムニバスドラマ。第1話「シェアハウさない」では、フリーライターとして成功を求める田上浩子(黒島結菜)が、自立した社会人同士が“シェアハウス”する理由を深く掘り下げるため、見知らぬ男女4人が暮らすシェアハウスへの潜入取材を試みる。しかし、その4人の共同生活には、彼女の想像を遥かに超えた真の目的があり…。そして、「コミュニケーション能力促進法」という法律のもと、大学生の谷沢知子(葵わかな)が能力調査会に挑む「リア充裁判」、幼稚園教諭の金山孝次郎(佐藤勝利)が子どもが生き生きとする幼稚園作りを目指して奮闘する「立て!金次郎」、ネットユーザー向けのニュースライター・本田香織(田中麗奈)が、これまでの自分を肯定しようと必死にあがく「13.5文字しか集中して読めな」、役者の淳(上田竜也)が、見た目も年齢も性別もバラバラな6人の男女と、ある大物演出家の主演オーディションに挑む「脇役バトルロワイアル」の全5話。異様な世界観、複数の伏線、先の読めない展開。想像を超えた結末と、それに続く恐怖…。奇妙で怖くておもしろい、どんでん返しだらけの世界に迷い込んだ5人の物語に注目だ。WOWOWオリジナルドラマ「世にも奇妙な君物語」は3月5日より毎週金曜0時~WOWOWプライムにて放送、WOWOWオンデマンドにて配信(全5話/第1話無料放送)。(text:cinemacafe.net)
2021年02月26日累計27万部を売り上げ、いくつもの書店で週間ランキング1位に輝いた朝井リョウの短編小説「世にも奇妙な君物語」が、WOWOWでドラマ化される。この度、その主演が黒島結菜、葵わかな、佐藤勝利、田中麗奈、上田竜也の5人に決定した。原作者の朝井さんは、「桐島、部活やめるってよ」で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー、「何者」が第148回直木三十五賞を戦後最年少で受賞、直木賞史上初の平成生まれの受賞者ということでも話題に。両作は映像化も話題となったが、朝井作品がWOWOWでドラマ化されるのは、本作が初となる。本作は、全5話、1話完結のオムニバスドラマ。連続テレビ小説「スカーレット」の三津役も話題となった黒島さんがフリーライターの田上浩子を演じ、社会人の男女4人が暮らすシェアハウスの潜入取材を試みる「シェアハウさない」。“コミュニケーション能力促進法”という法律のもと、葵さん演じる大学生・谷沢知子が能力調査会に挑む「リア充裁判」。「Sexy Zone」の佐藤さん演じる幼稚園教諭・金山孝次郎が、子どもが生き生きとする幼稚園作りを目指して奮闘する「立て!金次郎」。田中さん演じるネットユーザー向けのニュースライター・本田香織が、これまでの自分を肯定しようと必死にあがく「13.5文字しか集中して読めな」。「KAT-TUN」の上田さん演じる役者・淳が、6人の男女とある大物演出家の主演オーディションに挑む「脇役バトルロワイアル」。異様な世界観、複数の伏線、先の読めない展開。想像を超えた結末と、それに続く恐怖…。奇妙で怖くておもしろい、どんでん返しだらけの世界に迷い込んだ5人の物語となっている。さらに今回、主演5人の表情が印象的なカットと、岐路の先に5つのドアが描かれた、ミステリアスで奇妙な雰囲気のポスタービジュアルも公開された。<主演コメント>●黒島結菜今回は監督から直接、私にぴったりな役があるということでこのお話をいただきました。世にも奇妙な物語をWOWOWで!面白そう!やります!というかんじだったのですが、改めて企画をみると、世にも奇妙な君物語!君!?ますます惹かれました。予想を裏切られたと同時に、どこにもやり場のない気持ちがじっとりと残って、そのゾクゾクしたものが撮影現場にもあり、とても不思議な体験でした。この気持ちを皆さんにも楽しんでいただけたら嬉しいです。●葵わかな出演させていただいた「リア充裁判」は本当に不思議なお話で、台本を読んだ時から常に?マークが頭にあるような感覚でした。わかるような気もするし、わからないような気もするし…。そんな「奇妙な」感覚に囚われたまま撮影をしていたのを覚えています(笑)。設定もリアルなようでリアルじゃないようで…。でもやっぱり、現代の若者達がどこかで感じていることが表現されているんだと思いながら、演じていました。観てくださる方にも「奇妙な」感覚に囚われながら、楽しんでいただけたらと思います!●佐藤勝利第3話は奇妙な中に温かさがあるストーリーです。子供達とお芝居するのが初めてだったので、楽しかったし、とても刺激をもらえた撮影でした。そして、今回、WOWOWのドラマには初めて出させていただきました。現場の雰囲気もとても温かかったですし、朝井さんの原作がインパクトのある作品なので、その中にいるキャラクターをWOWOWドラマで演じられて、醍醐味を感じながら撮影に臨めました。ぜひ全話観て欲しいと思います!●田中麗奈今回演じる女性は、お母さんだけど仕事も大好きな出版業界で働くキャリアウーマン。自分が世間の注目を集める記事を書いているんだ!という優越感や、憧れの先輩より成績が良いのを聞いて、かなり浮き足立っている状態。更に、夫の浮気を疑ったり、自分も浮気心が芽生え始めたりと、とにかく刺激がいっぱいで、ただただ演じてて楽しかったです。そして最後はゾッとする展開も!自覚なく奇妙な物語への道筋を歩いてる人間の様子をご覧頂きたいです。●上田竜也脚本を読ませていただき、ある意味でとても役者のリアルな気持ちを描いているなと感じました。視聴される方は役者のあるあるを覗いている感じで、すごく面白いのではないかなと思います。上を目指し続ける役者の気持ちや、世代交代の中をもがくいろいろな役者のリアルが詰め込まれている作品になっていると思いますので、是非お楽しみください。WOWOWオリジナルドラマ「世にも奇妙な君物語」は2021年3月よりWOWOWプライムにて放送予定(全5話/第1話無料放送)。(cinemacafe.net)
2020年11月28日朝井リョウさんの新作『発注いただきました!』は作家生活10周年記念のお祭り本。企業等から依頼を受けて書いた小説やエッセイ20編と、書き下ろし短編を収録。受注作は依頼内容実際に書いた作品感想戦の順に掲載。感想戦では工夫した箇所等がユーモアたっぷりに語られる。企業からの依頼にどう応えた?工夫が楽しいタイアップ作品集。「発注の内容をオープンにしていいと言ってくださった企業の方々に感謝しています。感想戦は、ここを頑張りました、褒めてください、と自分から言っていくスタイルです」たとえばゾンビ漫画『アイアムアヒーロー』の映画化記念のアンソロジーに書いた青春短編は、注文されてないのに原作のキャラクターや台詞を登場させ、かなり苦労したのだとか。「でも、私の短編に対しては驚くくらい読者の感想がなくて。もとからの私の読者に届けたら面白がってくれるのではと思い、そのためにこの本の企画が始まったんです」難しかったのはキャラメルの箱に載せた、文字数の少ない掌編。「数百字のなかに登場人物の情報を入れなくちゃいけない。文字数が極限まで削られている俳句のすごさを思い知りながら書きました」一方、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』と『チア男子!!』のコラボ小説では、思わぬ初体験が。「両さんを登場させたら、もう勝手に行動して事件を解決してくれるんですよ。作家がよく言う“登場人物が勝手に動く”というのを初めて体験しました。しかも自分じゃない人が作り出したキャラクターで」思わぬ仕掛けとしては、「基本的には、登場人物の名前にその会社の会長や社長の名前を使っています。社内ウケが欲しくて」と、読者、商品、クライアント全方向にサービス精神を発揮。「タイアップは“やりまっせ!”という意識に変わって、つい“全力下僕”をやっちゃうんですよね」ただし最後の書き下ろし「贋作」は、まったく異なる読み心地。「頭にあったけれど出しどころがなかった話を書きました。自戒を込めて書いています」昔から「怒り」が執筆の原動力と語っていた朝井さんらしい一編だ。「今後は“怒り”がマイルドな名前に変わりそうな気がします。でも“読んで幸せな気持ちになれた~”という小説を書けるようになるまではまだ時間がかかりそうです」あさい・りょう1989年生まれ。2009年に『桐島、部活やめるってよ』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。’13年に『何者』で直木賞、翌年『世界地図の下書き』で坪田譲治文学賞受賞。『発注いただきました!』キャラメルが登場する掌編、aikoの楽曲を題材にした小説、“20”にまつわる短編…さまざまな発注にどう応えたのか?タイアップ作品集。集英社1600円※『anan』2020年4月8日号より。写真・土佐麻理子(朝井さん)中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2020年04月02日京極夏彦の人気小説を原作にした舞台「魍魎(もうりょう)の匣(はこ)」が6月21日に開幕、それに先がけ公開ゲネプロと囲み会見が行われ、会見には、主演の橘ケンチ、内田朝陽、高橋良輔、北園涼、高橋健介、紫吹淳、西岡徳馬と演出の松崎史也が登壇した。【チケット情報はこちら】原作は、京極夏彦の「百鬼夜行シリーズ」の中でも特に最高傑作の呼び声が高い作品。戦後間もない昭和20年代後半を舞台に、癖のある魅力的な登場人物と、民俗学や論理学、妖怪などさまざまな分野の薀蓄(うんちく)がぎっしりと詰め込まれた不思議な世界観が人気のミステリーとなっている。会見では、演出の松崎が「フィクションやエンターテインメントが担う役割のひとつに“現実世界を生きる支えや備えになること”があると思っているのですが、この作品によってお客様の中に支えや備えがひとつ加わればいいなと思います。俳優・橘ケンチの代表作になると思っていますし、役者がみんな素晴らしい」とコメント。中禅寺秋彦役の橘ケンチは「京極夏彦先生はこの舞台化を喜んでくださって、いろいろな言葉をいただいたのですが、特に感動したのは“皆さんの思う「魍魎の匣」をやってください。それがおもしろければ僕は何も言うことはないです”という言葉です。それでものすごい責任とプレッシャーを感じたのは正直なところですが、先生に託していただいたということで、改めて気合いが入りました」と明かした。木場修太郎役の内田は「残酷な表現もホラーな部分もありますが、とても文学的。役者が色っぽい作品だと思います」、関口巽役の高橋(良)は「たくさん素敵な台詞を言うので、ひとつひとつ大切にお届けできれば」、榎木津礼二郎役の北園は「身近に起こり得る話だと思うので、お客様が観て何を思うのか、すごく楽しみです」、鳥口守彦役の高橋(健)は「言葉だけでの闘いの作品で、それが魅力のひとつ。その楽しさを皆さんにも味わっていただけたら」、柚木陽子役の紫吹は「今までは“愛”をテーマにしたハッピーな作品が多かったのですが、今回は愛は愛でも“歪んだ愛”で、こんな愛の表現もあるんだなと私自身も新たな扉を開きました」、美馬坂幸四郎役の西岡は「さっき北園くんは“身近に起こり得る話”だと言ったけど、こんな話が起きたら困るな」と笑いつつ「(原作が)人間の発想としてなかなかない仕組みで、それがすごく力強く大きいので、俳優たちはそこに負けないように芝居しないといけない。そんなエネルギーのある演技を皆さんにお届けできたら」とそれぞれ語った。舞台「魍魎の匣」は6月30日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場、7月4日(木)から7日(日)まで兵庫・AiiA 2.5 Theater Kobeにて上演。取材・文:中川實穂※「西岡徳馬」の「徳」は旧漢字が正式表記です。
2019年06月26日原作は京極夏彦の小説、主演はEXILE/EXILE THE SECOND の橘ケンチが務める舞台「魍魎(もうりょう)の匣(はこ)」が6月21日に開幕。開幕前、その稽古場を取材した。【チケット情報はこちら】原作は、京極夏彦「百鬼夜行シリーズ」の2作目。戦後間もない昭和20年代後半を舞台に、「憑物(つきもの)落とし」を副業にする古本屋、鬱気味の冴えない小説家、推理をしない探偵などの癖のある登場人物と、民俗学や論理学、妖怪などさまざまな分野の薀蓄(うんちく)がぎっしりと詰め込まれた不思議な世界観が人気のシリーズで、発行部数は累計1,000 万部を突破。本作はその中でも最高傑作との呼び声が高い作品で、日本推理作家協会賞を受賞したほか、映画化、コミック化、アニメ化もされている。舞台版では脚本を畑雅文、演出を松崎史也が手掛ける。この日は最初から最後までの通し稽古が行われていた。物語は、元女優の陽子(紫吹淳)の娘・加菜子(井上音生)が電車に轢かれるという事件から始まっていく。加奈子は重体となり、とある研究所に入院するも、陽子や、研究所所長の美馬坂(西岡徳馬)、刑事の木場(内田朝陽)らの前で忽然と姿を消してしまう。同じ頃、バラバラ遺体が次々と見つかるニュースが世間を騒がせていた。それらの出来事に思わぬ方向から関わることになっていくのが、小説シリーズでお馴染みの登場人物、鬱気味の冴えない小説家・関口巽(高橋良輔)、「推理をしない」探偵・榎木津礼二郎(北園涼)、編集記者兼カメラマン・鳥口守彦(高橋健介)ら賑やかな面々。彼らのやりとりは軽快で、作品をテンポのいい観やすいものにしていた。そんな彼らが集めてきたヒントを、その蘊蓄とセンスで鮮やかに解決へと導くのが、古書店「京極堂」の店主で神主にして陰陽師でもあり「憑物落とし」を副業にする、橘演じる中禅寺秋彦だ。中禅寺が登場すると一気に空気が動き出し、爽快感すら感じるほど。どんなときでも飄々としているのが魅力だが、クライマックスの瞬間は違う表情を見せ、印象的だった。冒頭から謎が散りばめられ、京極作品ならではの印象的な台詞、ドキッとするような演出が続いていく本作。衣裳などビジュアルの完成度も高く、文学的な空気の漂う美しい舞台となっている。花王おさむや坂井香奈美ら脇を固めるキャストにもぜひ注目してほしい舞台「魍魎の匣」は、6月21日(金)から30日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場、7月4日(木)から7日(日)まで兵庫・AiiA 2.5 Theater Kobeにて上演。取材・文:中川實穂※「西岡徳馬」の「徳」は旧漢字が正式表記です。
2019年06月25日京極夏彦の小説“百鬼夜行シリーズ”の中でも特に傑作との呼び声が高い『魍魎の匣』が、初の舞台化。個性的な登場人物と、民俗学や論理学、妖怪など様々な分野の知識が詰め込まれた不思議な世界観を、豪華な役者陣が“生”の演技で再現し、京極ワールドに新たな命を吹き込む。本作で主人公・中禅寺秋彦を演じるのは、EXILE/EXILE THE SECONDの橘ケンチ。舞台の出演は2017年の『幽劇』以来、約2年ぶりとなる橘に、6月21日から東京・天王洲 銀河劇場にてスタートする本公演の意気込み、そして日本酒や読書など様々なフィールドで活躍の場を広げる彼が今もっとも関心を抱く物事について話を聞いた。取材が行われたのは、GW明けの5月中旬。中禅寺のイメージに寄せるべく、トレードマークの青髪を黒に染めて現れた橘。今回の取材の2日前に本作のビジュアル撮影のため髪も染め直したという。久しぶりの黒髪について触れると「3年ぶりくらいに黒くしたので、新鮮な感じはありますね」と、このときはまだ橘自身も慣れない様子。舞台が終わったらまた黒に戻すのか尋ねると「う~ん、どうだろう?まだ考え中です」とニコリ。その流れのまま『魍魎の匣』について話が及ぶと、台本はこの日届いたばかりで、今は稽古に入る前の下準備の段階だと明かす。「台本は今日いただいたのでまだ数ページしか目を通せていないですし、稽古ももう少し先なので役をどう膨らませるのか、演技のプランも決まっていません。ただ、これは演出家の松崎(史也)さんとも話していたんですが、舞台の良さってお客様に躍動する役者の熱量を、直接届けられることだと考えていて。今の段階では舞台がどんな雰囲気になるのか、はっきりしたことは分からないですが、観に来てくれた方々の心にグサッと刺さるような作品にしたい、という気持ちは一貫しています。小説の世界観を大事にしつつ、そこに舞台化したことによって生まれる新たな“気づき”も見せられるように仕上げていきたいです」近年、不特定多数に向けたテレビなどのメディアでは、コンプライアンスの厳しさから守りに入った表現をする作品も少なくない。それによって娯楽としての面白さがぼやけてしまうのは、エンタテインメント界に身を置く者にとっては何とも歯がゆいところだ。しかし、舞台であればコンプライアンスのハードルも低くなる。人間の生死を扱った『魍魎の匣』では、どこまで印象的なシーンが表現されるのか気になるところだが……?「おっしゃるとおり、舞台は“生もの”の表現だからこそ、許されることもたくさんあると思っています。僕としては、物語を象徴するような衝撃的なシーンは、できる限り表現していきたい。稽古に入ったらどんな方法でどこまで表現していくのか、僕からも提案しながら、その“形”を模索していくつもりです」『魍魎の匣』は日本を代表する作家・京極夏彦の名作。舞台化にあたり京極から特別なオーダーがあったのか尋ねると、「それがビックリするくらい何もなくて(笑)」と明かしてくれた。「“舞台では好きに描いてもらって構わない。中禅寺が犬でもいいくらい”というくらい、京極先生は自由な考えをお持ちの方。あと、“舞台のグッズができたら事務所用を含めて3セット”とおっしゃっていたみたいで、それも想像とギャップがあって可愛らしい方だなと感じました(笑)」自身も大の読書家で、自ら本を通して人々と交流するプロジェクト“たちばな書店”を立ち上げている橘だが、京極にはまだ対面できていないという。しかし、後日、京極の自宅に足を運ぶ予定があるそうで、そこで密かに楽しみにしていることを教えてくれた。「京極先生のご自宅は書斎がすごいとお聞きしているので、そのお部屋を拝見するのがとっても楽しみです。まだお会いしていないだけに、作品や本を通じてどんな話が展開されるのかワクワクしています」橘の肩書きはアーティスト、役者だけではない。前述したように“たちばな書店”の店主、日本酒の魅力を伝える“酒サムライ”の活動、さらにはLDH ASIAの取締役など、様々なジャンルで華々しい活躍を見せている。本人曰く、自身を取り巻く環境について「いろいろやらせていただいていますが、5、6本くらいある線がうまいこと絡み合い、その相乗効果によって1本1本の線がさらに太くなっているイメージ」とのこと。枠にとらわれず活動している橘が、今気になっているものは?そんな質問をぶつけると「めっちゃあるんですよね~(笑)」と満面の笑みを浮かべながら今後の展望についてこう明かす。「お茶や日本酒の器についてもっと知識を深めていきたいですし、最近は飲食店のプロデュースも気になっています。でも、もっと言えば、僕は日本文化全体に興味があって。日本の良い物を応援して、それを世界に向けて発信していきたい。だけど、僕自身に説得力がないとそういう想いも実現しないので、まずはその世界で活躍されている方と渡り合える力を付けるのが、今の課題かもしれません」飲食店のプロデュースに興味があると言うが、具体的な構想はあるのだろうか。「最近、立ち飲み屋が面白いなと思っているので、そこに日本酒を絡めたお店とかいいんじゃないのかなと。僕はいろんな飲食店に行くのが好きなのですが、素敵なお店はお客様を楽しませるために、いろんな工夫を凝らしたり、常に努力しているなと感じます。おもてなしもエンタテインメントのひとつだと思いますし、2020年は東京オリンピックもあるので、これからは日本文化がもっと世界から注目されるようになる。そんなときに海外の方もフラッと入れて気軽に日本酒が楽しめる立ち飲み屋があったら、いろんな国の人同士の交流の場になるし、そこで日本文化の素晴らしさも伝えられる。こういう想いが実現するように、頭の中でいろんな案を巡らせています」。ひとつの肩書きにとらわれず、グローバルな視点を持ち、日本文化やそこに従事する人々への感謝やリスペクトを忘れない橘ケンチ。日本が誇る作家・京極夏彦原作の舞台で、これまでに培ってきた経験を作品でどう生かし、昇華させていくのか、その詳細はぜひ劇場に足を運んで確かめてほしい。取材・文:近藤加奈子撮影:源賀津己スタイリスト:jumbo(speedwheels)、ヘアメイク/MAKOTO (juice)舞台『魍魎の匣』東京2019年6月21日(金)~6月30日(日)天王洲銀河劇場神戸2019年7月4日(木)~7月7日(日)AiiA 2.5 Theater Kobe
2019年06月14日朝井リョウさん、伊坂幸太郎さんら8組9人の作家による競作企画「螺旋プロジェクト」。古代から未来にわたるまで、各時代を各作家が受け持ち、“対立”をテーマに長編を執筆。朝井さんが受け持ったのは平成のパートだ。もともとは伊坂さんが編集者と雑談したなかで生まれた企画とのことで、「依頼をいただいた時、私からすると文壇高校の伊坂先輩に呼んでいただいたという感覚で、それはもう応えないわけにはいきませんでした」植物状態で入院する青年、智也と彼を見舞う雄介。二人は幼馴染みだ。しかし幼少の頃から周囲は違和感を抱いていた。自己顕示欲が強く“やりがい”を見つけては実行する雄介と、彼を冷静な目で見つめる控えめな智也。正反対の二人がなぜ友人同士なのか―。「最初、平成を舞台に対立を描くとなっても、何も浮かばなかったんです。連載開始の前に何度か全員で集まって話し合ったんですけれど、僕だけ何も意見が言えなくて。自分を無価値で、無意味に感じました」もともと日常生活でも、原稿が書けない日は美味しいものを食べることができない、などと自分を責めがちな朝井さん。と同時に、頭をよぎることもあった。「僕にとって印象に残る平成の事件というと、秋葉原通り魔事件や、『黒子のバスケ』脅迫事件。犯人の供述書や関連書を読んで感じたのは、どちらも“社会にとって自分は無価値である”という思いから起こした事件だということだったんです」犯人らも自分も、どうして自分を無価値と考えてしまうのか。「平成って、個人間の対立や争いごとをなくしていこうという試みが強かったと思うんです。学校でテストの順位を張り出さず、運動会で順位を決めず、ナンバーワンではなく自分らしいオンリーワンを目指そうという。でも自分らしさを探そうとすると、どうしても私は自分と人を比べることがやめられなかった。自分の価値を測るために“この部分はあいつより下だ”などと自分で自分をジャッジするしかなかった。そうすると小さい自己否定がちょっとずつ積もっていく。それは内側から腐っていく感覚だなと思ったんです」その痛みを、二人の青年を軸に少しずつ描き出したのが本作だ。「条件だけ抽出すれば、二人は立派な大学を出ているし貧困層でもなく友人もいる。何に悩んでいるのか分からない人も多いと思う。それは今の社会全体にも言えること。内側から腐る痛みを書くことによって、逆説的に平成で対立を書くことができるのではないかと思いました」自分は雄介タイプ、と朝井さん。「対立軸が奪われ、自分らしさを探して“自分地獄”に陥り、自滅していく。私のこれまでの小説でもそういうことが書かれたものがありますが、今回はその集大成みたいなもの」後半は何度も書き直したという。「大変でしたが、でも連載中、伊坂さんが毎回すごく褒めてくださったのが嬉しかったです(笑)」各作家の作品に共通するモチーフや共通するシーンも盛り込まれているという。本作はもちろん、今後刊行予定の他の作家の作品も楽しみ。あさい・りょう1989年生まれ。2009年『桐島、部活やめるってよ』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。’13年『何者』で直木賞受賞。著作に『世にも奇妙な君物語』など。『死にがいを求めて生きているの』伊坂幸太郎、天野純希、薬丸岳、乾ルカ、澤田瞳子、大森兄弟、吉田篤弘による「螺旋プロジェクト」の単行本第1弾。平成の暗部を浮き彫りにする。中央公論新社1600円※『anan』2019年4月3日号より。写真・土佐麻理子(朝井さん)中島慶子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2019年03月29日直木賞作家・朝井リョウの「チア男子!!」が、この度横浜流星と中尾暢樹のW主演で来夏、映画化されることが決定。主演に決定した2人からコメントも到着した。■朝井リョウ傑作青春小説が映画化!「桐島、部活やめるってよ」「何者」が映像化された朝井氏。次なる映像化は、彼の第2作目となる、累計17万部の傑作青春小説「チア男子!!」。大学在学中に、これまで女子がやるものとされてきたチアリーディングを、男子がやる男子チアチーム“SHOCKERS”をモデルに執筆した作品だ。これまで漫画化、TVアニメ化、舞台化もされた本作が、今回ついに実写映画化される。朝井リョウ コメントこれまで何度か実写化の企画が立ち上がっては「俳優陣がチアリーディングを実演することが難しい」という理由で頓挫し続けてきた作品です。そのため、キャストはもちろん監督も二十代という若いチームで製作されると聞いたときは、喜びより先にその巨大なチャレンジ精神を見上げる思いでした。十年近く前に執筆した作品を次世代の方々がどんな風に生まれ変わらせてくれるのか。その機会に恵まれた幸運に感謝しつつ、完成を楽しみに待ちたいと思います。■横浜流星&中尾暢樹W主演! 男子チアの世界へ――物語は、道場の長男として幼い頃から柔道を続けてきた大学1年の晴希が怪我をきっかけに柔道をやめ、親友の一馬と共に男子チアチームの結成を目指す青春物語だ。本作で主演を務めるのは、『虹色デイズ』『兄友』で主演し、来年には『愛唄-約束のナクヒト-』『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』の公開を控える横浜流星と、「動物戦隊ジュウオウジャー」『一礼して、キス』「文学処女」に出演する中尾暢樹。本作で横浜さんは、柔道一家の中でどうしても姉に届かない自分の柔道の才能に苦悩し、男子チアの世界へ飛び込む坂東晴希役、中尾さんは男子チアチーム「BREAKERS」の発起人で晴希の幼なじみ・橋本一馬役を演じる。■横浜流星「僕たちの応援を届けたい」脚本を読み、「仲間と何かに熱中することのすばらしさを感じました」と話す横浜さんは、「僕は個人競技の空手をやっていたので、今回みんなと一緒に同じ目標に向かってチアに挑戦することができて嬉しいです」とコメント。「SHOCKERS」の演技を見て、改めて“応援”の力は素晴らしいと感じたという横浜さんは、「そんなSHOCKERSの方々に恥じない演技を7人で披露し、僕たちの応援を届けたいと思います。そして悩みながらも、信じた仲間と共に青春を過ごし、目標に向かって仲間と共に一生懸命に取り組む姿を全力で演じるので、何かに挑戦する人の背中を押すことができると嬉しいです!」と意気込みを語っている。■中尾暢樹「チアの楽しさを感じて欲しい」3か月以上の練習を経て撮影に挑むという今回。「チアを自分がやると知った時は驚きました。最初はバク転も側転もできない状態からスタートし、数ヶ月間、歳の近い仲間達と部活の様に練習しながらだんだんと形になってきています」と明かし、「練習はまさに映画のワンシーンのように仲間たちと熱い夏の青春を過ごしているので、それをこれからの撮影で出していけたら絶対に素敵な作品になると思っています。挑戦する勇気、がむしゃらに努力する事の大切さ、チアの楽しさを感じて欲しいです。僕たちの熱い青春映画、楽しみにしていてください!」と熱いメッセージを寄せている。なお監督は、弱冠27歳の新星・風間太樹。2013年大学在学中に制作した『Halcyon days』が山形ムービーフェスティバルで注目を浴び、『帝一の國』や 『恋は雨上がりのように』のスピンオフドラマも手掛けた若き才能の持ち主だ。『チア男子!!』は2019年初夏、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2018年09月10日小説家の朝井リョウが、10日に放送されたニッポン放送『高橋みなみと朝井リョウ ヨブンのこと』(毎週日曜 22:30~23:00)で、俳優・東出昌大の自宅に招かれたエピソードを披露した。東出昌大番組内で東出について「いい人って芸能界にいるんだなって思うよね」と絶賛する朝井。東出は12年に公開された朝井原作の映画『桐島、部活やめるってよ』にメインキャストの一人として出演しており、その撮影現場で2人は初対面を果たした。原作者の朝井は撮影現場に招かれたものの、キャストの輪に入れず、恐る恐るスタジオセットの隅にいた。そこへ「原作者の方ですよね」と東出が話しかけてくれ、他の共演者に紹介までしてくれたと明かす。その後、打ち上げに参加した朝井は、年齢の近かった東出とかなり深い時間まで飲んでいたという。すると、東出から「ちょっと抜けようか」と一言。その時の心境を朝井は「ドキドキするでしょ?『パーティ抜け出さない?』ですよ(笑)」と振り返り、2人で映画を観に行ったことを明かした。それからも2人の交流は続き、東出・杏夫妻の子供が生まれた際、東出から「来てよ!」と自宅へ招待されたとも話す。そして自宅では、杏の手料理を振る舞ってもらったといい、「あの家にいた時間は夢だったんじゃないか」と感慨深く振り返っていた。
2018年06月12日読むのに真面目な理由も目的も不要。ただただ楽しいエッセイ集第2弾『風と共にゆとりぬ』について、著者・朝井リョウさんに話をうかがいました。トリュフチョコレートを彷彿させる色合いに金色の飾り文字が並ぶ表紙。どんな重厚な作品かと思ったら、朝井リョウさんのエッセイ集第2弾『風と共にゆとりぬ』である。「装丁はできるだけ名作っぽくしてください、ってお願いしました」本を開きページをめくってまた驚く。紙がやたらと、妙に、分厚い。「間違えて2枚めくっちゃった、って思いますよねー。名作らしくボリューム感を出したかったんです」小説家の随筆集は、新聞や雑誌に載ったものを収録する場合が多い。だが本作は書き下ろしがメイン。「新聞連載分以外は全部、雑誌に掲載した数本も含め、この本のために書きました。エッセイを書くこと自体が楽しくて幸せなんです」眼科医との攻防、作家仲間・柚木麻子さんと臨んだ結婚式の余興、レンタル彼氏との騙し合い…。軽妙な語り口に笑いつつも、自分の感情を客観視するバランスの良さに感服。日頃から自発的に書くそうで、「一日のうちにある程度枚数を書かないと、全然生産していなくていいのかという気分になってしまう。なので小説が進まなかった日は、発表するあてがなくてもエッセイを書くんです。エッセイ用の語彙は別腹のようで、言葉が湯水のように出てくる。小説で堅苦しい言葉を使うと気取った感じになりますが、エッセイだとそれが面白かったりする。使える言葉の範囲が広がるので、小説を書いている時より辞書をよく使います。それも楽しくて」帯には<ひたすら楽しいだけの読書体験をあなたに>とある。「小さい頃、本が好きなのに“読んで何か得なければ”と感じることもありました。そうしたプレッシャーが一切なく読めたのがさくらももこさんの『もものかんづめ』から始まるエッセイ三部作。どこから読んでも、5分だけ読んでも1時間読んでも面白くて、何も試されることなく文章を読む楽しさを味わえて、ありがたかった。その感謝の気持ちもあって、自分も作家になったらそういうものを出したいと思っていました。さくらさんに倣って三部作を目指します」噴き出すこと間違いなしなので人前で読むのは危険。また、278、282ページは人前で開くのも危険かも…。理由は見れば分かります。あさい・りょう作家。1989年生まれ。‘09年『桐島、部活やめるってよ』で小説すばる新人賞を受賞してデビュー。‘13年『何者』で直木賞、‘14年『世界地図の下書き』で坪田譲治文学賞受賞。※『anan』2017年8月9日号より。写真・水野昭子(本)インタビュー、文・瀧井朝世(by anan編集部)
2017年08月07日●就活は、ひとつの能力を試される教科テスト就職活動を通して、自分を模索する大学生たちの姿を描いた映画『何者』(公開中)。俳優・佐藤健が主演を務め、冷静分析系男子・二宮拓人を演じる。原作の朝井リョウは同作で平成生まれとして初めて直木賞を受賞。ともに平成元年生まれとして、プライベートでも交流を深めている。就活を題材にした作品というだけあり、マイナビニュースも注目せずにはいられないが、実際に就活を経験した朝井、映画を撮るにあたって体験した佐藤に、作品のこと、そして互いの仕事について話を聞いた。○タコパきっかけで知り合いに――もともとお知り合いだったというお二人ですが、意外とほかのインタビューでも出会いのきっかけを話されてないのかなと思いまして、伺っても大丈夫なものでしょうか。朝井:全然いいですよ。他の取材でも話しているんですけど、あまり使われなくて(笑)。というのも、私は覚えてるけど、彼は覚えてないんですよ。普通に、タコパ(たこ焼きパーティー)で出会いました。友人の家でたこ焼きを作っていたら、佐藤さんもその友人と仲が良く、深夜0時過ぎくらいにふらっと現れたんです。あまりに自然な登場だったので、「あ! 芸能人だ!」みたいな顔をしないように気を付けました。佐藤健に驚いてませんよ、みたいな顔をしていましたけど、内心大パニックでしたね。そのあと、オセロや人狼ゲームなどを一緒にやっていくうちに仲良くなっていきました。佐藤:人狼ゲーム、はまってたね。朝井:佐藤さんは本当にゲーム的なものに強くて。僕、自分でオセロすごく強いと思っていたんですけど、58対6とかで負けました。文壇でオセロが強いと噂の作家をふたりも差し向けたんですけど、佐藤さんが全勝でしたね。――様々なゲームを通じて交流を深められたと。それだけ、ふだんから仲が良いんですね。朝井:今はいいんですけど、この映画の結果次第でどうなるか……やっぱり友人関係の人と利害関係を結ぶのはよくないですね(笑)。○面接と人狼の関係――佐藤さんは、東宝さんに頼んで模擬就活を体験されたそうですね。佐藤:そうですね、東宝さんにご協力頂いて、体験させてもらいました。さすがに本物の面接ではないですが、リアルな就活生と面接をやらないと感覚がつかめないなと思いました。――朝井さんは実際に就活をされて、一度就職もされていますが、就職活動でひっかかったポイントはありましたか?朝井:マイナビさんにもお世話になりました(笑)。とにかく就活っていうのは人間総合力テストでもなんでもなくて、あるひとつの能力を試されているだけの教科にすぎないんだな、ということです。あとは、1を10にする嘘じゃなくて、0を1にする嘘をつくのはよくない、ということも身に染みて感じました。それこそ俳優とか、大勢の人の前で演技をすることに慣れていないと、0を1にする嘘をついたとき、身体に何かしらの反応が出るんですよ。背中が曲がってしまったり、目が泳いでしまったり。その面接は見事に落ちました。僕が人狼をあまり得意としない原因はそれかなと……。佐藤:わかる(笑)。朝井:佐藤さんはうまいんですよ。佐藤:それは努力の賜物だから。僕も最初顔に出てたけど、顔に出ないために集中してやる。自己催眠ですね。――就活という題材には、どんな理由があったんでしょうか?朝井:当時SNSなどを通して感じていた「若者同士のコミュニケーションの変容」が最も顕著になる舞台は「就活」かな、と勘が働いたんです。あと、実は小説を書くときに、ニッチな場面を細やかに描いたほうが普遍性が出てくるなというのを感じていて。みんなが知っていることを書こうとすると、逆に誰にも刺さらない作品ができあがる。就活という、人生で数カ月しかやらないようなことを緻密に緻密に書くことで、実はどの世代にも広まる話になる予感はしていました。――原作を読んで、佐藤さんの感想はいかがでしたか?佐藤:朝井くんは性格が悪いなと思いました(笑)。朝井:褒めてくれてます。佐藤:朝井くんは、作者として登場人物みんなに愛があるんですけど、全員のことを馬鹿にしてるんですよ(笑)。朝井:なんてことを! してません!佐藤:みんなを否定してる(笑)。でもね、愛があるのは伝わってきます。●菅田将暉はぴったりすぎた? 作品に起こそうとしたバグ○所属事務所の面接も見せてもらった――先ほど就活体験の話になりましたが、体験されてみて、実際の就活生に対してはどんな思いを持ちましたか?佐藤:素直に尊敬します。「これをやってるんだ」と思ったら、偉いなと。実は体験の他に、アミューズにも協力してもらい、本当に面接しているところを見る場も用意してもらいました。内定者を呼んで、実際の面接官の人とのやりとりを見せてもらったんです。朝井:うわ、超やだ!! 呼ばれた人、絶対ドキドキしてますよ。親とかにも「内定した」って言っちゃってるだろうに……。佐藤:それは最後に事情を説明して、僕のために集まってもらったので「ありがとうございました」とお礼を言いました。朝井:よかった……。佐藤:僕は帽子をかぶって、面接の様子を見て。本当に面接をしているから「好きな映画は?」という質問にも、全然僕と関係ない作品の名前が出てきました(笑)。やっぱり芝居って模倣なので、本物の人たちを見て取り入れるものだと思うんです。音楽家の役のときも料理人の役のときも、誰かになるときはいつも実際の現場を見せていただいております。○互いにすごいと思うところは――仲良しのお2人ですが、こうやってお仕事の話をすることはあるんですか?佐藤:きちんとお互いのことを話す場はなかったと思います。だからこうやって取材を受ける場で聞いて、初めていろいろ知ることができました。朝井:俳優同士って、お酒を飲みながら演技論を交わしているイメージがありますけど。佐藤:そういう人もいるのかもしれないですが、僕はあんまりないですね。朝井:それは意外。でも僕も同業者と飲んだりすることがありますが、お互いの作品の話とかはあんまりしないですね。最近面白かったラジオの話とか、お互いの失態を責め合ったりしています。――では、取材や一緒に仕事をしたことを通して、すごいと思ったことは。佐藤:朝井くんは、ほぼ全部すごいです。小説家ですけど、しっかり話せるところもすごいです。話の内容と、話し方と、両立するのはなかなか難しいと思っているので。朝井:佐藤さんはとにかく頭がいい。映像業界の方とお話する機会があると、実は「頭の良い俳優さんは貴重だ」という話を聞いたりするんです。書いてある台本を読んで演じること以上に、掘って演技をできる人は貴重だと。あとインタビューできちんと自分の言葉で話せる俳優も実は少ない、とか。――具体的にここがすごいな、と思ったことはありますか?朝井:実は、光太郎役が菅田将暉さんに決まる前に、誰がいいか話し合ったことがあったんです。光太郎と拓人ってルームシェアをするくらいの友人同士だけど、刺激しあっている間柄で、無邪気と思いきやちょっとした緊張感がある関係性。その役を誰にするかってことはつまり、撮影期間や宣伝期間を合わせたかなり長い時間を共にする俳優を誰にするか、って話でもあるわけです。佐藤健的には、一緒にいて気持ち良い人がいいはずなんです。でも、佐藤さんが挙げてくださった方は、名前は出せませんが、おそらくリアルな関係性でも一種の緊張感が生まれるような方だったんですよね。撮影期間や宣伝期間を過ごす自分自身よりも、作中のキャラクターを優先した自己犠牲精神に感銘を受けましたね。佐藤:思いついたんです。もちろん、今表に出ているのは最高のキャストだと思うんですけど、菅田将暉は誰が見ても光太郎にぴったりで、ど真ん中ストレートすぎるかなとも思ったんです。みんなぴったりすぎるから、"ずらし"が欲しかった。バグがあった時の方が、爆発力ができるんじゃないかなという説があって。朝井:我々の一説が。佐藤:結果的に、そのキャスティングは難しくて、もちろん映画を観たときに菅田で良かったなと思ったんですが(笑)。高度な演技も、まったく違和感なかったですよね。朝井:自分は大変になるかもしれないけど、作品として良くなる方を選ぶ人なんだなと思ったら、一緒にものを作る一員として、なんて誠実な、信頼できる人なんだろうと思いました。映画『何者』(公開中)作家・朝井リョウによるベストセラー『何者』を映画化。大学の演劇サークルに全力投球してきた拓人(佐藤健)、拓人の片思い相手・瑞月(有村架純)、拓人とルームシェア中の光太郎(菅田将暉)、瑞月の友達で意識の高い理香(二階堂ふみ)、理香と同棲中の隆良(岡田将生)。理香の家を"就活対策本部"として集まる5人だが、内定が決まり始めると状況が変わっていく。
2016年10月22日俳優・佐藤健と、小説家・朝井リョウが27日、都内で行われた映画『何者』(10月15日公開)の学生限定イベントに出席。会場にはサプライズゲストとして美容家・IKKOが登場した。同作は朝井による同名のベストセラーを映画化。就職活動を通して自分が何者かを模索する大学生の姿をヒリヒリと描く。脚本・監督は『ボーイズ・オン・ザ・ラン』『愛の渦』等の作品を送り出した、劇団「ポツドール」の三浦大輔が担当する。佐藤と朝井はともに平成元年生まれで、映画の主演が決定する前から知り合いだったという。朝井は、佐藤と食事をしている時に「もし主演のオファーを受けたらどうする?」と聞いたところ、「ちょっとそれはね」と返されたエピソードを披露。主演が佐藤に決定した際には「驚きました」と語り、佐藤は「朝井くんが言ってくれたんだったらという気持ちでやらせていただきました」と説明した。会場には約380名の学生が集まり、3人に悩みをぶつけた。「高校時代はバスケに熱中していたが、大学に入ってから熱中するものが見つからない」という女子学生に、佐藤は「ダンスやったらいいよ」とアドバイス。「女性はダンスできると僕の好み。ダンスできる女性が好きなので」と理由を明かすと、朝井から「あなたの好みじゃないですか!」とつっこまれていた。しかし、回答に対して女子学生はバツマークを掲げ、「ダンス、バツいただきました」と確認した朝井が「じゃあ、バレーボール」と答えると、今度は佐藤が「バレーボールやってるんでしょ!」と朝井にツッコミ。佐藤が「地元のママさんバレーで、朝井リョウってことを隠してやってるんですよ! そういうところだからね!」と責めると、朝井は「別に言う機会がなかったんですよ、偶然!」と言い訳した。佐藤は朝井について、なおも「絶対そういう人たちを研究対象として見ているんですよ!」と客席にうったえかけ、最終的に「そういうところだからね!」ともう一度言ったが、朝井は「いいところがでしょ?」とすまして返し、絶妙なコンビネーションを見せた。また、IKKOは「この先まだまだ何十年も拓けていますから、男の人に頼っていかなくても生きていけるような、そういう部活に入るといいんじゃないかな」と真剣にアドバイスし、「料理がいいかな」と具体的に上げると、学生も「料理好きなので頑張りたいです」と納得していた。
2016年09月26日映画『何者』が、2016年10月15日(土)より全国の劇場で公開される。原作は、平成生まれの作家として初めて直木賞を受賞した、朝井リョウによるベストセラー『何者』。『桐島、部活やめるってよ』で等身大の高校生を描き切った朝井が、就職活動を通して自分が「何者」かを模索する5人の大学生を描いた話題作だ。本作の主演を務めるのは、『バクマン。』『世界から猫が消えたなら』と立て続けに主演作が公開されるなど、今最も旬な俳優の一人・佐藤健。その他、初主演の民放連続ドラマが話題となっている有村架純をはじめ、二階堂ふみ、菅田将暉、岡田将生、山田孝之と世代を代表する若手実力派俳優陣が集結した。監督・脚本は『ボーイズ・オン・ザ・ラン』『愛の渦』といった映画でも高い評価を得ている、演劇界の若き鬼才・三浦大輔が担当し、一筋縄ではいかない現代のリアルが詰まったこの問題作を、深みのある演出で描き出す。また、プロデューサー・DJの中田ヤスタカが本作の劇中音楽・主題歌を担当することが決定。作詞・ゲストボーカルとして、米津玄師も参加している。『何者』で描かれている若者たちの葛藤や世代観を射抜く、米津玄師による等身大な歌詞と、中田ヤスタカによるダイナミックなダンストラックが融合した主題歌となっている。さらに、バンド「忘れらんねえよ」と「LAMP IN TERREN」も楽曲を提供。劇中では「OVER MUSIC」というバンドのボーカル兼ギターを担当する光太郎を演じる菅田将暉が、実際にその曲をライブシーンで熱唱。撮影の約1ヶ月前から本格的に練習を開始し、本物のバンドさながらの勢いと一体感のある演奏を魅せ、疾走感あふれるナンバーやバラードなど計3曲を披露している。【作品情報】映画『何者』公開日:2016年10月15日(土)キャスト:佐藤健、有村架純、二階堂ふみ、菅田将暉、岡田将生、山田孝之ほか監督・脚本:三浦大輔(『ボーイズ・オン・ザ・ラン』『愛の渦』)原作:朝井リョウ『何者』(新潮文庫刊)©2016映画「何者」製作委員会【ストーリー】就活の情報交換のため一つの部屋に集まった、5人の22歳。かつて演劇サークルで脚本を書いていた、人を分析するのが得意な拓人(佐藤健)。天真爛漫で何も考えていないようで、着実に内定に近づいていく光太郎(菅田将暉)。光太郎の元カノで、拓人が思いを寄せ続ける、実直な性格の瑞月(有村架純)。人一倍「意識高い系」でありながら、結果が出ず不安を募らせていく理香(二階堂ふみ)。社会の決めたルールには乗らないと宣言しながらも、焦りを隠せない隆良(岡田将生)。海外ボランティアの経験、サークル活動、手作り名刺、SNS、業界の人脈...。様々なツールを駆使して戦っていく就活生たち。企業に入れば「何者」かになれるのか、自分は「何者」になりたいのか――。そんな疑問を抱えて就活を進める中、5人はそれぞれの思いや悩みをツイートするが、一緒に過ごすうちに、就活のやり方やスタンスに嫌悪感を覚えることもあり、徐々に人間関係が変化していく。そして拓人はサークルOBのサワ先輩(山田孝之)に相談するも、思うようにいかない現実に苛立ちを隠せなくなる。やがて「内定者」が現れたとき、抑えられていた妬み、本音が露になっていく。そして、ようやく彼らは自分を見つめ直す。果たして自分は「何者」なのか。
2016年05月14日喉頭がんを患い、声帯摘出手術を受けたつんく♂が、フジテレビとタッグを組み、朝井リョウの同名小説の連続ドラマ化「武道館」の主人公であるアイドルユニット「NEXT YOU」をプロデュースすることが明らかになった。「桐島、部活やめるってよ」が神木隆之介主演で映画化もされた朝井リョウによる小説「武道館」。原作本の帯コメントをつんく♂さんが担ったほど、お互いシンパシーを抱いている関係性のようで、朝井さんが創り出した架空アイドルユニットを、つんく♂さんがリアル稼働させるという、夢のコラボレーションが実現することとなった。ひたすら武道館を目指して頑張っている絶賛売り出し中のアイドルユニット「NEXT YOU」。メンバーは、センターを担い人気トップの碧、明るいムードメーカーの真由、リーダーで最年長の波奈、年長者だが甘えん坊のるりか、そして唯一素人から選出された愛子の5人。しかし、「アイドルは太ってはいけない」という試練や、変質者による障害事件や、メンバー内の人気格差、そして恋愛問題、などなど様々な試練が彼女たちに押し寄せる――。本作の主役となるアイドルユニット「NEXT YOU」を演じるのは、連続ドラマ初主演となる実在のアイドル「Juice=Juice」。「Juice=Juice」も実際につんく♂さんが立ち上げたユニットではあるのだが、ドラマ撮影期間中・放送期間中は、彼女たちは「Juice=Juice」として活躍しつつ、「NEXT YOU」としても実際に稼働することになる。その活動範囲は“現実のアイドル”たちと一緒で、ライブ、握手会、テレビ出演、動画配信などをこなす予定だ。また、実在する現役アイドルたちや、つんく♂さんを彷彿とさせるプロデューサー役も登場するなど、アイドル界の裏側をリアルに垣間見られるドラマとして、注目が集まりそうだ。<以下、つんく♂さん&キャストコメント>■つんく♂「テレビドラマとのコラボレーションで音楽を作れること、とても楽しく思っています。この企画が持ち上がってすぐプロデューサーの栗原さんとたくさん打ち合わせをしました。武道館公演を目指して頑張るアイドルの話って立場は違えど僕も大阪のアマチュアバンド時代に同じ様な思いで頑張ってきたので、とてもワクワクしました。僕が今回プロデュースするグループはドラマの中の世界に存在するグループなんですが、音楽自体は実際にお茶の間で誰もが聞くことができるわけです。何やら不思議な感覚かもしれませんが、それを実在する『Juice=Juice』が歌います。テレビをご覧の皆様も、本当にあるかも(存在するかも)しれないような『NEXT YOU』のサウンドが大好きになるようおもいっきり気合い入れて仕上げます!特にライブでおもいっきりノリノリになるようなそんなサウンドです。かなり期待していてください!」■「Juice=Juice」宮崎由加「私たち『Juice=Juice』はこの冬、連続ドラマの主演に初挑戦させていただきます。いつも応援してくださる皆さんのおかげで、こんなにもすてきなチャンスをいただくことができました。本当にありがとうございます。このドラマの主人公のアイドルグループ“NEXT YOU”を私たち5人が演じ、そのプロデュースをつんく♂さんがして下さるということで、久しぶりにつんく♂さんプロデュースで活動できると知った時はメンバーみんなで大喜びしました。まだまだ未熟な私たちですが5人で助け合い、刺激し合いながら、このドラマで多くのことを吸収して自分たちの力を精一杯発揮できるよう努力していきたいと思います。ドラマ『武道館』を是非楽しみにしていてください!」「武道館」は2016年、フジテレビ「土ドラ」枠にて放送予定。BSスカパー!にてスカパー!バージョンの各話を「土ドラ」放送から一週間以内に放送予定。(text:cinemacafe.net)
2015年10月08日森永製菓は5月下旬から、「ミルクキャラメル」「あずきキャラメル」、6月2日新発売の「ココナッツミルクキャラメル」に、直木賞作家の角田光代氏、朝井リョウ氏による書き下ろし小説が掲載された限定品を発売する。価格は各・税込123円。期間は8月までを予定今回の小説コラボでは、角田氏、朝井氏という年代と性別が異なる直木賞作家の2人が「森永ミルクキャラメル」の魅力を表現。ミルクキャラメルと自分の思い出を投影できる、心温まるストーリーが繰り広げられているとのこと。一つの物語は3話で完結し、合計6種類のパッケージがある。
2015年05月22日