連載『住まいと安全とお金』では、一級建築士とファイナンシャルプランナーの資格を持つ佐藤章子氏が、これまでの豊富な経験を生かして、住宅とお金や、住宅と災害対策などをテーマに、さまざまな解説・アドバイスを行なっていきます。○自然を活用! 日々の光熱費の節約 - 光熱費の節約は間取りの検討から南向きが一番!…わが家はマンションですが、古い建物なので、今のマンションほど断熱性能が充分ではありません。それでも南側の部屋は、1年中冷房も暖房も全く必要ありません。今年の冬の暖房は全く使っていませんし、今年の夏のクーラーも来客中以外はまだ使用していません。それに比較して北側の部屋は、暖房無しでは過ごせません。設備に頼る前に自然の恵みを最大限活用して光熱費を節約しましょう。高気密・高断熱住宅が光熱費節減の基本!隙間風は冷暖房の効率を著しく悪化させます。人間がきれいな空気を吸うためには、2時間に1回は室内の空気を入れ替える必要がありますが、隙間風はそれ以上の空気を逃してしまいます。また高気密・高断熱の住まいは、カビの発生を少なくし、建物を長持ちさせます。上記でわが家の北側の寒さについて述べていますが、リフォームにより、断熱材を入れ直し、サッシは共用部分のために改造できないので、防火上はやや問題ありますが、やむを得ず内側に断熱シートを貼っています。リフォーム前と比較して明らかに暖房の使用頻度は少なくなっています。自然の光や風を最大限利用しよう!戸建を新築するなら、自然光を最大限利用しましょう。昼間でも照明をつける必要のある空間は避けるように間取りを工夫しましょう。東日本大震災以降太陽光発電が人気ですが、まずは自然光を最大限活用する工夫を考えてみましょう。日光は資源を使いませんが、太陽光発電設備は製作するのに大いに資源を使うのです。また風通しを工夫すれば、冷房機器を使う期間が短くなります。基本的に最近の住まいは高気密ですので、換気計画は非常に重要です。給気口と換気扇で、締め切っていてもきれいな空気の流れを作るとともに、気候の良い季節は自然の風を最大限活用しましょう。家族の団欒のあり方が光熱費を削減!高度経済成長期に、子供たちは個室を与えられ、隣近所とのつながりも敬遠して個の生活を大切に考えてきました。しかし東日本大震災を経験して、家族のつながり、人とのつながりの大切さが見直されました。光熱費の観点からも家族の団欒のあり方次第で大いに節約できます。家族一人一人が自室で過ごした場合は暖冷房も照明の電気代もそれぞれ必要です。しかし、家族が一緒に過ごせば、その一室のみの光熱費で住みます。前回のコラム『住まいに関する節約術(2) - その家具、本当に必要?』で掲示した下図を見ると、リビングで子供が宿題をしたり、親が肘掛け椅子でお酒を楽しんだり、時には親も子供と机を並べて資格試験の勉強をしたり…と一室でいろいろな事ができる「場」があるのが分かります。ダイニングとつながっていれば食卓も有効に活用できるでしょう。家族の気配を感じながら、光熱費を節約する一石二鳥のアイディアです。昔の知恵を活用しよう!建物の庇を長く出せば、夏の陽射しを遮り、冬は陽射しを室内まで取り込めますが、敷地に余裕のない都会ではなかなか難しいものです。しかし庇の代わりに朝顔を軒下で育てれば、夏の陽射しを緩和できます。最近人気のゴーヤなどでも同じ効果が得られます。ブドウ棚や藤棚も冬は葉を落としますので、陽射しの調節ができます。我が家でもベランダでゴーヤを育てる事がありますが、茂ったゴーヤの葉に水をかければ一層涼味を感じる事ができます。○住まいは資産。だから維持管理が大切 - 日々の管理が住まいの補修費用を節約する以前、東京の多摩ニュータウンの団地の建物の調査をしたことがあります。水漏れ調査だったのですが、全く同じ間取りの各室を見てまわると、住民の日々の管理如何で、大きな違いがあるのが分かりました。古い建物で、換気計画がうまく設計されていないようで、住民はカビの対策に苦慮していました。特に洗面脱衣室が酷いのですが、それでもカビで真っ黒の住戸もあれば、全くきれいな住戸もありました。住民への聞取り調査で、カビの生えた壁紙は張り替えて間もないそうで、何度張り替えてもカビが生えるそうです。反対にきれいな状態を保っていた住戸は一度も壁紙を交換していないとのことでした。日々の管理が徹底しているそうで、入浴後は浴室の換気を徹底し、湿気を残さないよう努力していました。マンションの場合は壁紙の交換費用やボードの取替え費用程度ですが、戸建住宅の場合は、確実に建物の耐用年数に違いが出ます。また万一不具合が発生した場合は早めの対応が費用を少なくするポイントです。○家具が住まいをダメにする - 家具を少なくシンプルな暮らしが節約につながる再びわが家の事例ですが、北側の部屋は断熱材が不充分なことと、サッシもシングルガラスで昔の形状のため、ガラスやアルミのサッシについた結露水を受け止める形状にはなっていません。そのために結露水は、こまめに抜き取らないと、そのまま壁の表面に流れる結果となります。日中は勤めていましたので、その間は対処のすべもなく、どうしてもカビが発生してしまいます。特に北側の部屋の1室は狭い部屋を書斎にしていて、本棚を窓下に設置していました。大掃除で本棚を動かすと、カビで大変な状態でした。やむを得ない場合もありますが、家具周りはどうしても空気の流れが悪くなり、壁が傷みやすくなります。モノを増やさず、家具も少なく暮らすのが、モノの購入費だけでなく、住まいのメンテナンス費用の節約にもなります。(※写真画像は本文とは関係ありません)<著者プロフィール>佐藤 章子一級建築士・ファイナンシャルプランナー(CFP(R)・一級FP技能士)。建設会社や住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事。2001年に住まいと暮らしのコンサルタント事務所を開業。技術面・経済面双方から住まいづくりをアドバイス。
2015年08月14日連載『住まいと安全とお金』では、一級建築士とファイナンシャルプランナーの資格を持つ佐藤章子氏が、これまでの豊富な経験を生かして、住宅とお金や、住宅と災害対策などをテーマに、さまざまな解説・アドバイスを行なっていきます。○セット家具は本当に必要か? - セット家具は単体の機能を一つ一つ確認しよう婚礼セット、ソファーセット、ダイニングセットなどなど…。とかく日本人はセット家具が好きなようです。しかし住まいの設計に当たって、婚礼セットの置き場所に一応に苦慮する場面に出くわします。使ってはいますし、処分するのはもったいないけど、セットを並べて配置するスペースを確保するのは結構難しく、また新築の住まいの部屋全体の雰囲気を壊す傾向にあり、結婚の時に当然のように購入した婚礼家具は、住まいを新築・購入する時のお荷物になりがちです。また、打合せのためにご家庭を訪問すると、ソファーセットはあっても床に座ってソファーを背もたれ代わりに使っているケースが少なくありませんでした。家具はセットになっていても、最初は単体で必要かどうかを考えてみてください。その結果、セットになっている個々のすべての家具が必要となれば、セットで購入しても問題はありません。その場合の一つ一つの家具は明確に役割が付加されているはずです。衣類を保管するのに、専門の家具職人の作った箪笥に勝るものはありません。しかし夫婦と子供2人の標準的家族構成を考えてみると、箪笥に保管する必要のあるような衣服は、はたしてどの程度あるでしょうか。着物やフォーマルなドレスを常時着用する立場の方は別として夫婦の冠婚葬祭用礼服一式、改まった時に着る訪問着やドレス、子供の成人式の着物…、これにプラスα位ではないでしょうか。整理ダンス1棹で充分なように思います。ソファーセットに関して日本人は大いなる勘違いがあると思います。ソファーセットがあれば団欒の場ができると思ってはいませんか? A図はソファーセットの一般的なレイアウトです。L字型にする場合もあるでしょう。しかしL字型でもB図は大きく離して、それぞれ別々に利用することを前提としています。広い部屋で大きなゆったりとしたソファー等を、距離をあけて配置する場合は別として、狭い場所で顔をつき合わせて団欒できるものではありません。家族それぞれが自分のことをしながら、互いに気配を感じ、会話するための「場」を同じ室内にたくさん作る事が大切です。A図はそのための「場」が1つしかありませんが、B図は2つ、C図は3つ以上あります。「場」を作るには、椅子・テーブル(小さなものでOK)・照明の3つの要素が必要です。C図は勉強をする、パソコンを使う、新聞を読む、寝そべってリラックスする…などをそれぞれの家族が好きなことをしながら同じ部屋で過ごす事ができます。セット家具は「場」を少なくしてしまう場合があります。外国の写真や映像をみると、広いホールなどのそこかしこに椅子やテーブルがさりげなく置かれています。また3つの図を比較すると、A図は部屋全体のスペース配分が悪い事が分かります。ソファーセットを置いた残りのスペースは通路にしかなりません。「場」を分割すると程よい距離感が生まれ、部屋も有効に使え、広く感じられます。○家具の上手な選び方 - 家具を選ぶ前に生活のシーンを描こうstep1プランを考える前に、手持ちの家具で新居にも使う予定のものの名前とサイズ、希望保管場所をリストアップします。今後購入予定の家具のリスクも作成します。次にそれぞれの家具のサイズどおりに厚紙を切り抜きます。間取りを考える上で役に立つばかりでなく、この作業を自ら行うことによって、もののサイズ把握の訓練となります。step2家具のサイズが分かったら、厚紙等でサイズどおりに切り抜いて図面にレイアウトしてみましょう。大切なことは家具が置けるかどうかではなく、その家具によって生活が豊かになるかどうかをシミュレーションしてみることです。家具の配置は常にその空間での生活のシーンをイメージする事が、失敗しないコツです。step3現在の住まいの家具を買換えたり、新規購入したりする場合は、マスキングテープなどで、床に家具のサイズを描いてみるのが一番です。毛布等を家具のサイズに折りたたんで置いてみてもOKです。step2のように図面で確認しても、実寸の感覚はまた違ってきます。購入する前に実際の大きさを実寸で把握しておきましょう。必ず下見をしてサイズを確認したり、ネット等で事前にサイズをチェックしたりしてから購入するのが原則です。広い家具売り場ではさほどの大きさを感じなくても、狭い我が家ではとても大きく感じるものです。(※写真画像は本文とは関係ありません)<著者プロフィール>佐藤 章子一級建築士・ファイナンシャルプランナー(CFP(R)・一級FP技能士)。建設会社や住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事。2001年に住まいと暮らしのコンサルタント事務所を開業。技術面・経済面双方から住まいづくりをアドバイス。
2015年07月21日連載『住まいと安全とお金』では、一級建築士とファイナンシャルプランナーの資格を持つ佐藤章子氏が、これまでの豊富な経験を生かして、住宅とお金や、住宅と災害対策などをテーマに、さまざまな解説・アドバイスを行なっていきます。○"単純な形"が建築コスト・メンテナンスコストを節約前回、長持ち住宅が最も経済的だと書きましたが、建物は単純な形の方が構造的に強くなり、痛みにくくなります。下図を住まいの平面図とするとプランAとBの面積は同じですが、外壁の長さはプランBの方が2a分だけ長くなります。その分コストアップになる上に構造的にもプランAよりは不安定になります。単純な形の方が建築コストを削減でき、構造的にも有利で、管理もしやすく、長い目では大きな節約になります。マンションの場合は、性能を見極めるのは難しいですが、国の性能表示制度で性能評価を受けている建物の構造の等級を見ればそのランクが分かります。また東京都では独自の「マンション環境性能表示」制度を設けています。数は少ないですが、「建物の長寿命化」の項目で★★★の評価を受けているマンションも存在します。構造体がしっかりしている事が、一番の節約となります。○豪華な設備は必要か? - 装置は簡単が肝要最近の住宅は重装備になりすぎる傾向があります。確かに都市部の環境を考えると、耐火性性能は重要ですし、高気密・高断熱仕様も建物を長持ちさせるためには必要な部分もあります。しかし大切なことは、最初に設備ありきではなく、もっと簡単に機能を満足させる方法はないかを考えていけば、かなり費用は節約できるはずです。たとえば主婦は豪華なキッチンに目が行きがちですが、日々の調理に豪華なキッチンは必要ありません。シェフの厨房を見れば一目瞭然、極めてシンプルな造りです。同年代の女性たちでキッチンの話題になった事があります。毎日使う部分の扉は不要という意見があり、皆の賛同を得ていたのは意外でした。まだ業界は本当の女性のニーズをつかんでいないのかもしれません。高い設備を売りたい業界の意図は分かりますが、それに流されずシンプルで本当に使いやすいものを求めていく事が大切です。○収納の経済学を理解する事が節約につながる住宅メーカーに勤務していた時に多くの顧客に接してきましたが、必ず言われるのが「納戸が欲しい」という要望でした。最近は「断捨離」という言葉が認知され、不要品を処分する意義も理解され始めていますが、まだまだ理解が充分ではないと感じています。納戸が欲しいと要望する根底には、今あるモノを整理するのが面倒なので、とりあえず仕舞っておける納戸が欲しいといったものが多いと思います。しかし、納戸を建設するにもコストが係るのを忘れてはなりません。3畳(1.5坪)程度の納戸にも100万近くの建築コストが係るでしょう。また不要品の収納のための納戸スペースは何も生み出しませんが、もし不要品を整理してその分のスペースを利用してSOHOを作れば、月々一定の収入を得られるかも知れません。男性憧れの書斎スペースにしても良いでしょう。サラリーマンも勉強しなければ落ちこぼれる時代です。不要品を後生大事に保管などしていられない時代なのです。しかも下図のように納戸の使い勝手は非常に悪く、無駄なスペースが半分以上となります。ウォーキングクローゼットも同様で不経済で、収納の価値は間口と適切な奥行で決まるのです。また、立体的な工夫の余地もあります。A図は上部に枕棚があり、その下にハンガーパイプがついている最もポピュラーなタイプです。工場で生産して現地に搬入するのに都合の良いように出来ています。しかし枕棚の上に置くものは限られ、デッドスペース化しやすいのです。それに対してB図は天井に直接ハンガーパイプを取り付けていて、パイプが2段になっています。天井が高い場合は、手がとどく範囲に取り付けるか、可動式にするか、季節外のものをかけるか、いろいろ工夫できます。わが家では2段目を取り外し可能タイプにしています。使いやすい上に収納量は倍増します。何よりも季節の入替えも不要で、モノの管理に対するストレスがなくなり、時間の節約にもなっています。収納は住まいに関する節約を考える上で、格好の題材なのです。○無駄を削減する間取りの極意(その1) - 掃き出しサッシは明るいか?納戸のほかに要望されるのが掃き出しサッシです。日本人はとにかく掃き出しサッシが好きです。庭との連続性を重視する風習に起因していると思いますが、掃き出しサッシ=明るいと思っている部分もあるようです。しかし、農家はともかく、住宅地の敷地でどれ程、庭のスペースが取れるでしょうか。少なくとも掃き出しサッシは庭に面する1箇所で良いと思います。そのほかは腰高にした方が実は明るくスペースを有効に使えたりするのです。下図を見ると掃き出しサッシはスペースの無駄ばかりでなく、陽射しはソファーの背中だけにあたっていることになります。またソファーに座ったときには、腰高サッシのほうが遥かに庭を身近に感じられると思います。この他にも、間取り次第で無駄や生活費を削減できるポイントはいろいろあります。次回以降で詳しくまとめたいと思います。(※写真画像は本文とは関係ありません)<著者プロフィール>佐藤 章子一級建築士・ファイナンシャルプランナー(CFP(R)・一級FP技能士)。建設会社や住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事。2001年に住まいと暮らしのコンサルタント事務所を開業。技術面・経済面双方から住まいづくりをアドバイス。
2015年07月15日8月9日より旅チャンネルでスタートする『ワイルドスギちゃんが行く!グルメ見聞録』(毎週日曜 16:00~16:30)の記者会見が6月30日、都内で行われ、お笑いタレントのスギちゃんが出席した。ケーブルテレビ、スカパー!、IPTVなどで放送している日本唯一の旅専門チャンネル、旅チャンネルでは、新番組『ワイルドスギちゃんが行く!グルメ見聞録』を8月9日より放送。お笑いタレントのスギちゃんがグルメリポーターとなりB級グルメや郷土料理、ちょっぴり敷居の高いコース料理などを求めて全国を旅するという内容になっている。スギちゃんは「この番組が決まった時は割りかし忙しい時期だったのでそんなに感動もなかったですよ。地元の名古屋で自分の番組がありましたし感動しませんでした」とうそぶくも「今となっては名古屋の番組がなくなったので、本当にうれしいです!」と手のひら返し。新番組では都心に限らず地方でのロケも行われるが「お店の人も写真を撮りたがるのは半分ぐらい。(態度も)大分違いますね。見るからに『何年か前の人』というか親戚のおじさんが帰ってきた感じですよ。地方はまだ強いですね。都心だとトーンが違いますよ…」と全盛期との違いを明かしていた。そんなスギちゃんだが、6月に28歳の一般女性と婚約発表をしたばかり。入籍日を報道陣から問われて「彼女から『言う必要ないからやめなさい!何でも喋るんじゃない』と言われて…」と口止めされていることを明かしつつ「もうすぐしようとは思っています。引っ張っているのも嫌なので」とコメント。続けて「どう言ったら怒られないかと必死なんです…。『私のイメージ悪い』と言われますが、本当にいい子!俺のことを第一に考えてくる人なので大事にしたいですね。家に居てもなんやかんや触れ合ってますから!」と仲の良さをアピールしていた。
2015年07月01日連載『住まいと安全とお金』では、一級建築士とファイナンシャルプランナーの資格を持つ佐藤章子氏が、これまでの豊富な経験を生かして、住宅とお金や、住宅と災害対策などをテーマに、さまざまな解説・アドバイスを行なっていきます。○長期優良住宅とは - 今後の日本の社会に不可欠な長持ち住宅平成19年5月の自由民主党政務調査会報告書によると、長期優良住宅制度を設ける経緯は下記の図のような流れとなっています。住宅を長持ちさせることは、これからの時代に不可欠な事が分かると思います。○長期優良住宅が生涯収支を改善する理由今までの戸建住宅の平均耐用年数は30年足らずです。これを200年間維持できる住まいを建てるとすると、確かに建設費は多少割高になります。しかし、何代にも渡って住み続けられるとしたら、全体としてのコストは著しく低くなり、これからの厳しい社会を生きている子供世代の負担を軽減できます。資源の無駄使いもなくなります。200年間ということは、次の木が生育するに充分な時間なのです。グローバル化の時代、日本の若者だけが生涯に一度は多大な(しかも欧米と比較してコストの高い)住まいを取得しなければならないのは、著しく不利です。代々住み続けられる住まいや、適正な評価と良質な中古住宅の流通市場があれば、日本人の生涯収支は大きく改善されると思います。多大な投資を行う住まいという資産が、中古住宅になると不当に価値が低減するのを防げる初期投資は大きいが、一世代分の維持管理費は少なくて済む老後に老朽化による建替えや大幅な修繕費用を費やすことなしに、生涯住み続けられる図書や記録の保管と維持管理が義務付けられるので、老後になってもまだ長い耐用年数を残す資産が維持確保でき、適正な価格で売却が可能次世代以降は既に住まいが確保されているので、大幅に生涯収支を改善できる。親がより小規模の住まいに転居するか、高齢者施設に入居した場合、子供が譲り受けて家賃などとして初期投資を行った親の老後の生活も確保できる長期優良住宅のコストイメージ○長期優良住宅の認定基準の概要住まいを長持ちさせるために政府は、性能の高い住まいには様々な制度を設けています。その一つに長期優良住宅の認定制度があります。長期優良住宅は住まいの性能の向上だけでなく、下記の事項を遂行するための住み手の取り組みも重要で、設計図書の保管や維持管理記録の作成保存等が求められます。長期優良住宅として売却する場合は、これらの記録も添付して譲渡することになります。○主な長期優良住宅の税制の特例 - 優遇措置を見ると政府の狙いが分かる建物の耐用年数を高めて地球資源を保全するほかに、関連産業の裾野が広い住宅産業は政府にとって景気のテコ入れの格好のターゲットです。一般的な住宅に対する優遇措置に加えて、長期優良住宅は特別に様々な上乗せ優遇措置を設けています。住宅ローン控除も一般住宅よりも優遇され、また政府は住替えなどで住宅ローンを借入しないで住まいを取得する人々や資産がある階層に長期優良住宅を建ててもらい、子供世代の負担を軽減したり、金融資産を住宅に誘導し経済を活性化させたりすることを狙いとしています。住宅ローン減税とは…住宅ローン減税とは、直接所得税から差引かれる「減税」です。長期優良住宅として認定された住宅は一般住宅より控除額が拡大されています。住宅ローン減税の概要長期優良住宅に関する特別控除とは(平成29年12月31日まで)…長期優良住宅にするための性能強化費用の10%相当額をその年の所得税から控除する制度です。性能評価費用が650万円を超える場合は、650万円が限度で、その場合の控除額は65万円です。(※住宅ローン控除とは重複できません)(※その年に減税しきらなかった場合は翌年に繰越して減税できます)<著者プロフィール>佐藤 章子一級建築士・ファイナンシャルプランナー(CFP(R)・一級FP技能士)。建設会社や住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事。2001年に住まいと暮らしのコンサルタント事務所を開業。技術面・経済面双方から住まいづくりをアドバイス。
2015年06月24日連載『住まいと安全とお金』では、一級建築士とファイナンシャルプランナーの資格を持つ佐藤章子氏が、これまでの豊富な経験を生かして、住宅とお金や、住宅と災害対策などをテーマに、さまざまな解説・アドバイスを行なっていきます。○次世代の子供達の生涯収支と住まいの関係ここのところ少し景気も上向きつつあるかもしれませんが、まだまだ若い世代の閉塞感は払拭されないようです。生涯収支、特に年金に関して不安を感じているのでしょう。本当は歴史を振り返ってみても先々が明るく見通せた時代はほとんどないのですが、それはまた別の機会にお話することとして、一つだけこれからの世代の生涯収支を考える上で、住まいに関して重要なポイントがあります。今や企業の採用も日本人にこだわらず世界の若者へと広がりを見せています。日本企業のトップも外国人が担うことも珍しくなくなりました。今後はその傾向がますます加速すると思われます。そうした状況下において、資産としての住まいの位置付けは、これからの若い世代にとって今まで以上に重要なものになっていくでしょう。ヨーロッパの石積み建築を考えれば建物の耐用年数は数百年です。つまりヨーロッパの若者は、生涯を通じて住まいに対して投資する必要はさほどないと言えます。いずれ親が所有していたアパートなどの一室等を引き継ぐ事ができます。一方、住まいの耐用年数が低いままであれば、日本の若者は生涯の中で必ず住まいを手に入れる費用を捻出しなければなりません。住まいの耐用年数が低いということは、賃貸価格も高いことにつながります。特に首都の東京は土地価格が高いこともあり、賃料負担はバカになりません。年金生活者にとって家賃負担は相当なものになるでしょう。従って定年までにローンを完済すれば持ち家のメリットは大きいのですが、一生の中で必ず住まいを手に入れる必要があるということは、世界の若者との競争において、最初のスタートラインからハンディを負うことになります。単に金銭的負担だけでなく、心理的負担感も少なくないと思います。日本の住まいも何代にも渡って使い続けられるだけの耐用年数を有しないと、世界的には負けていくことになります。○中古住宅はなぜ安いか - 管理の悪さが中古市場の質を低下させた戦後の高度成長期以前の住宅は、資材も満足になく、住宅を入手する資金力もあまりない中で、さほど質の高くない住まいが量産されました。建売住宅も平屋が珍しくありませんでした。私が中学と大学時代を過ごした住まいも社宅でしたが平屋でした。東京の世田谷区にあり、新宿や渋谷のターミナル駅へも電車やバスを利用して、15分程度で行くことができた便利なところでも、そんな状況でした。とにかく住むところが必要だったのです。その後急速に経済が発展する中でも手に入れたその家を代々住み続けるとはあまり考えてなく、そのためにさほど住まいの手入れに熱心でなかったと思われます。生活が豊かになるにつれて、住まいへの要望もエスカレートし、住宅産業が活性化していきました。高度成長期には資産形成も比較的容易で、ローン負担も給与の上昇が見込めるので、今ほどの負担感はなかったと思います。結局住まいを資産として大切にする意識が育たないままに、住宅の質は向上したものの、住まいの使い捨て文化が育ってしまったと言えます。住宅展示場で住まいの建築を考えている来場者と接客していると、必ず「手入れをしなくてもよい家が欲しい」という意見を耳にしました。そうしたニーズに応じて「手入れが簡単」である材料をアピールしているメーカーもありました。しかし、数千万円の住まいを手入れせずに早々と劣化させるのは、住まいという高価な資産を溝に捨てるようなものです。手入れの悪い住宅が世の中に溢れていくと共に、健全な中古住宅市場は育たず、建築時の質の高さや維持管理の質の高さは全く評価されずに、築年数のみで建物の価値が決められ、築10年もすれば、建物の価値はゼロに近づいてしまう現在の日本の中古住宅市場が形成されてしまいました。○住まいの耐用年数は何年くらい? - 法隆寺はなぜ1300年も建ち続けていられるのか?親や祖父母の住まい、近所の戸建住宅などを見ていると、到底何世代にもわたって使い続けられるようには思えないかもしれません。しかし木造住宅でも築数百年の古民家は存在します。法隆寺にいたっては築1300年にもなります。寺社建築と一般の住宅は比較にはならないかもしれませんが、「確かな技術」、「良質の材料」、「どこまでも使い続けることを前提としている」、「周囲の環境」、「徹底した維持管理」が、長く使い続けられる理由でしょう。それらは寺社建築でも一般住宅でもなんらかわりません。寺社建築ほどの技術はなくても、それを補う工法が開発されています。太い樹木1本を丸々柱にすることはできませんが、耐力壁などでカバーする方法もあります。広い境内はなく密集地に建っていても防火性能の高い材料もあります。少なくとも、長く使う意思としっかりした維持管理があれば、100年程度は優に使い続けられるでしょう。使い続ける意思と維持管理を行う意思が何よりも大切なのです。長く使い続ける前提として、子供から孫へとうけつぐのが理想的ですが、これからの時代は海外勤務や地方への転勤、移転も少なくないでしょう。子供や孫が使わなくなっても、貸し出したり売却したり、新たに購入したりする時に、資産として正当に評価してもらうためには、健全な中古住宅市場が不可欠なのです。○中古市場の健全化 - 住まいを資産とする自覚が健全な市場を育成する何よりも長持ちさせることを前提に良質の住まいを手に入れて、維持管理を行うことの積み重ねが良質の中古住宅市場を形成する最初の一歩だと思います。日本の戸建住宅の耐用年数の低さは、環境保全の観点から世界の国々から批判の対象でした。私もカナダの製材工場に視察に行った時、工場の責任者から、似たような批判を受けました。当初はカナダも日本に近い西海岸の木材を中心に日本に輸出していたのですが、次第に資源が枯渇し、内陸部へと移行して行っているそうです。また、日本人は木材の質に異常なこだわりがあり、木材のいいところだけを持っていくという批判もありました。アメリカやカナダの建売住宅の現場も見て歩きましたが、節あり木材は当たり前、DIYショップで売られている木材の質も日本のそれとは大違いでした。これだけ他国の良質な資源を大量に使って、耐用年数が20年程度では批判がきて当然です。政府は、その状況を打破するために、優良な住宅には様々な優遇措置を講じてきましたが、日本人の意識が変わらなければ、さほど効果がないのが実情です。(※画像は本文とは関係ありません)<著者プロフィール>佐藤 章子一級建築士・ファイナンシャルプランナー(CFP(R)・一級FP技能士)。建設会社や住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事。2001年に住まいと暮らしのコンサルタント事務所を開業。技術面・経済面双方から住まいづくりをアドバイス。
2015年06月18日連載『住まいと安全とお金』では、一級建築士とファイナンシャルプランナーの資格を持つ佐藤章子氏が、これまでの豊富な経験を生かして、住宅とお金や、住宅と災害対策などをテーマに、さまざまな解説・アドバイスを行なっていきます。○マンションか戸建か - 再び書き出して探る本音のありか土地がある場合は別として、土地から購入して戸建住宅を手に入れるのは一般の勤労者にはなかなか難しいものです。従って選択の余地はなくマンション住まいとなります。価値観の違いによりマンション派、戸建派もありますが、一般的に資産価値の面からは戸建に軍配があがりそうです。ただし立地の良いマンションにはそれなりの資産価値がありますので、自分達の価値観を整理するために書き出してみましょう。マンションのメリット都心や立地のよいところに住める鍵一つで外出可能一時的に住まなくなっても賃貸が容易土地から購入するのと比較して価格が安い自ら維持管理する必要がない火災等の類焼の被害が少ない戸建のメリット建替えが自由・建替えないのも自由土地が財産として残る管理費が不要間取りが自由、自己表現ができるリバースモーゲージ(※)が容易(※リバースモーゲージとは:住まいを担保にして老後の資金を借り入れる制度で、死亡後に住まいを売却して精算するものです。1981年に武蔵野市でスタートしました。現在は厚生省の生活福祉資金貸付制度(窓口は各都道府県の社会福祉協議会)や地方自治体の独自の制度のほか、都市銀行でも扱っています。土地が担保対象であり、多くは戸建住宅のみが対象です)○間取りの配慮 - 自分のこだわりは永遠か?戸建住宅の場合、過剰に方位を重視したり、自分なりのこだわりに執着したりするケースがあります。一般に言われている方位は古(いにしえ)の時代に中国から導入されたもので、当時の中国の自然環境や社会環境に基づいています。そのままでは日本の自然環境に合うはずもなく、もちろん社会環境は別物です。最適な配置は地域の環境の違いや敷地の状況のほうが大きく影響するにもかかわらず、昔の中国に合わせる意味はどこにあるでしょう。また、昔と現代では住まいの性能や設備は天と地ほどの違いがあります。日本でも共通に使えた方位の考え方も現代では建物性能の向上により意味を成さなくなっています。昔ながらの方位に固執した間取りは使いにくいことが多く、住まいの資産価値にも影響します。方位をすべて満足させるとこうなるという間取りを顧客から見せてもらったことがありますが、動物園のバックヤードのような間取りで、当然建築を請負うことを断りました。本人達以外に誰も住みたいと思わないような間取りで、本人達もさぞ日々生活しにくいと思います。極端な事例ですが、方位に限らず、あまり自分達のこだわりを押し出すと、資産としての価値が低減しかねません。また自分達の価値観が永遠とは限りませんし、家族構成は子供の成長と共にあっという間に変化するでしょう。自分たちも将来使い勝手が悪くなる可能性も孕んでいます。住まいはある程度汎用性を持たせて設計しておくほうが、将来にわたって快適に使えるだけでなく、資産価値も維持できると思います。○中古マンション購入+リノベーション - 工藤夕貴さんのハリウッドリフォーム必ずしも望ましい傾向とは言えませんが、現在の日本の中古物件は実際の実力と比べて極端な低評価となっています。つまりお買い得なのです。最近安い中古物件を購入すると同時に、自分達の価値観に合わせたリノベーションを行うケースが増えています。出費を抑えつつ、戸建のメリットである間取りをある程度自由にアレンジし、自己表現できることが人気の理由です。そのための専用のローンも用意されていて、購入費用とリノベーションの費用を合わせて借り入れることが可能です。「住まいが資産である」ということと、「住まいに対する心構え」について説明するのに、工藤夕貴さんのケースを紹介することが良くあります。工藤夕貴さんがハリウッドで活躍している時代に、最初に2000万円程度の大型2DKの築27年のアパートを購入し、徹底的にリフォームしたそうです。壁を自分で塗り、マントルピースまで自作したために、かかった費用は60万円ほどだったそうです。2年後に倍の価格で売却し、プール付の戸建住宅を3700万円で購入し、3年間で400万円ほどかけてリフォームしました。当然アパートの時と同様に徹底的に自分の労力をフルに使って手直ししたそうです。日本に帰国する時に8000万円で売却できたそうで、まさに資産としては倍々ゲームです。彼女は本格的な電動工具も使いこなし、日本に帰国した現在はトラクターも運転するようです。日本人はあまり日曜大工や住まいの維持管理に積極的ではありません。特に女性は電動工具を使えない方も少なくないのではないかと思います。住まいはしっかりしたものを購入しまたは建築し、自らの労力を惜しまず使ってしっかりと維持管理すれば、高い資産価値を発揮します。またそうした住まいの価値が正当に評価される仕組みが今後の社会には必要です。次回のその点に焦点を合わせて考えてみたいと思います。「ハリウッド・リフォーム」については、工藤夕貴さんのオフィシャルウェブで詳しく説明されていますので、是非参考にしてください。「工藤夕貴のハリウッド・リフォーム」(※参考 : 過去のコラムでも「資産としての住まい」を取り上げています。是非ご参照ください)『マイホームのための街選び(3)--"資産としての住まい"を考えての街選びが重要』(※画像は本文とは関係ありません)<著者プロフィール>佐藤 章子一級建築士・ファイナンシャルプランナー(CFP(R)・一級FP技能士)。建設会社や住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事。2001年に住まいと暮らしのコンサルタント事務所を開業。技術面・経済面双方から住まいづくりをアドバイス。
2015年05月15日連載『住まいと安全とお金』では、一級建築士とファイナンシャルプランナーの資格を持つ佐藤章子氏が、これまでの豊富な経験を生かして、住宅とお金や、住宅と災害対策などをテーマに、さまざまな解説・アドバイスを行なっていきます。○あらためて「資産」とは何? - 資産の意味を考えれば住まいが分かる!機会あるたびに「住宅を資産としてもしっかり捉える必要がある」ことを唱えてきました。もちろん住まいを金銭だけで捉えることもまた問題ではあります。住まいは家族の夢を実現する場であり、家族の生命と財産を守る器であり、自己を表現する場であり、かつ資産でもある…なのです。それでは資産とはそもそもどういうものなのでしょうか。会計上の正式な用語の使い方は別として、資産とはいつか使う予定のための、あるいは活用するための、あるいは収益を上げるための預貯金や動産・不動産などです。換金できないものや活用できないものは資産とは言えないでしょう。家電製品や家具はどうでしょうか。10年程度で耐用年数が来る家電などは消耗品の部類かも知れません。何代にもわたって使い続けられるしっかりした家具などは、換金できるかどうか分かりませんが、絶対に必要なものであれば、買えば相当な金額となるので「資産」の部類に入れられるかもしれません。では住まいはどうでしょうか。消耗品でしょうか。今までの日本では住まいの耐用年数は20数年と短く、消耗品的な扱いを受けてきた面は否めません。高度成長期においては住宅ローンで家計が破綻するケースは少なく、住まいを活用する必要性は、さほど認識していなかったかもしれません。しかし数千万円の費用を費やし、ローン総返済額はさらにそれよりも多くなる住まいが「資産」でなく消耗品であるとすれば大浪費でしょう。今の住まいは維持管理さえしっかり行えば、100年は優に使えます。住まなくなれば売却して換金も可能です。住まいは最大の資産で、長持ちさせなければならず、そのための労力を惜しんではならないのです。○生涯住居費は持ち家・賃貸どちらが有利?住まい関係の雑誌等で、この話題は数10年にもわたって、その折々に話題に登場してきました。そもそも価値観の異なるものを同じ土俵に上げること自体、意味のないことなのですが、何度も話題になるのにはそれなりの理由があるはずです。日本の持ち家率は年代が進むにつれて高くなり、70代では80%以上となっています。つまり持ち家が日本人の基本路線であり、生涯賃貸で過ごすという意思を持つには、確固たる理念があるはずです。実際は、堅実な人生設計や貯蓄がなされなかったり、やむを得ない諸事情で、持ち家を断念せざるを得なかったりするケースということではないでしょうか。持ち家を購入する能力がありながらの"積極的賃貸派"は独自のしっかりした人生設計が必要で、そのようなケースは日本人の中にはさほど多くはないと思います。それにもかかわらず、度々話題に取り上げられるのは、バブルで持ち家を断念せざるを得なかった時期、低成長時代に突入して、若者世代に漠とした不安が広がっている時期などに、マスメディアが迎合している結果のように思います。実際比較検討した場合の生涯収支は、どの時代も共通してほぼ同じという結果となっています。しかし仮定の理論とは別に、実際は住む地域、戸建かマンションか、立地条件や市場性、建物の耐用年数などで大きく変化すると思われます。政府が推奨する長期優良住宅の場合は、単世代で採算の是非を論じること自体に意味がありません。住まいの選択は生涯収支の有利不利よりも、自分達の価値観や万一の時にどう活用できるかのリスク回避の面で考えるべきでしょう。○持ち家と賃貸、メリット・デメリット下記に持ち家と賃貸のそれぞれのメリットを挙げてみました。そのほかにも個々にリストアップしたい項目があると思います。一度家族でリストアップしてみて、どのメリットが重要か、反対にデメリットに対する対策は何があるかなどを考えてみると、自分たちにとってどちらが良いかが浮かび上がります。書き出してみる手法は、ファイナンシャルプランニングの手法の一つで、本格的に行ってみると、思わぬ結果に驚くことも少なくありません。持ち家のメリット資産が残る家賃を払わなくても済む自由に自分を表現できる子供にとって思い出の家が存在する幸福感が得られる賃貸のメリットローン負担がない身軽に好きな町や地域に転居できる災害で家という資産を失うリスクがない転勤や転職で家の対策を考える必要がない○リスク対応力はどちらが強い?生涯住居費が地域性などの条件によっては大きく異なるとは言え、人生の岐路に立った時に、持ち家と賃貸でどちらが安全か、どちらが有利か、が問題となります。ローンで破綻する、あるいは災害等で住まいを失うが持ち家の最大のリスクだと思います。失業・病気・死亡などによってローンの返済が困難になる場合を考えてみましょう。これからの時代、一生同じ会社にいられる確率は少なくなりつつあります。従ってローンを組む時はその対策をたてて組む必要があります。しかしその気になれば失業してもまったく職がないということはありません。配偶者が働くこともできますし、最低収入はある程度確保はできるでしょう。生活をある程度は絞ることも可能でしょう。重要なのは、ローンが支払えなくなった時に、それまでの意識を変えられるかどうかなのです。ローンの借り入れ時にはほとんど団体信用生命保険に加入しますので、死亡の場合や一定の障害を負った場合はその後の返済は免除されます。また、ローンの残債よりもその時々の売却価格が高いような資産として目減りのしない物件であることも重要です。つまり、人生設計をしっかり立てて、リスクに対応する措置をとれば、万一の場合でも家賃を払っていかなければならない賃貸のリスクの方が大きいと思います。ただし、災害リスクの高い地域やエリアに住まいを所有するリスクは大きいので、地域を選ぶか建物の構造や保険などの対策が重要となります。日本は地震国ですので、持ち家、賃貸にかかわらず、リスクの大きい地域やエリアに住むこと、地震に弱い建物に住むことには最大のリスクです。<著者プロフィール>佐藤 章子一級建築士・ファイナンシャルプランナー(CFP(R)・一級FP技能士)。建設会社や住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事。2001年に住まいと暮らしのコンサルタント事務所を開業。技術面・経済面双方から住まいづくりをアドバイス。
2015年05月11日連載『住まいと安全とお金』では、一級建築士とファイナンシャルプランナーの資格を持つ佐藤章子氏が、これまでの豊富な経験を生かして、住宅とお金や、住宅と災害対策などをテーマに、さまざまな解説・アドバイスを行なっていきます。○不要品の整理で家具転倒リスクを軽減 - リフォーム時がチャンス!阪神淡路大震災では多くの方が家具の下敷きになって亡くなられました。日本の住まいはモノにあふれすぎています。私の子供の頃は、茶の間には茶箪笥と座卓くらいしかありませんでした。寝室にはほとんど何もなく、あったとしても鏡台や整理ダンスくらいでした。建物さえ倒壊を免れれば、家具の転倒の下敷きになって命を失うリスクは比較的少なかったと思います。しかし、現代の住環境はどうでしょうか。リビングダイニングを考えれば、ダイニングテーブルと椅子・ソファー・サイドボード・食器棚・テレビ・オーディオ機器などがあるのではないでしょうか。背が低いものでも安全というわけではありません。モノが室内にあふれていればいるほど、地震による被害のリスクは高まります。耐震リフォームの際は、不要品を徹底的に処分し、既存の押入やクローゼットの中に空き空間を確保し、できるだけ室内にモノを出さないように収納の中に納めるように考えてください。徹底的に不要品を処分しても収納が不足するのであれば、新たな収納を増設するか、そのスペース的余裕がなければ、貸し倉庫やコンテナの利用も考慮に入れてモノの管理を徹底してください。家具の固定などはその先の問題です。○収納の見直し - 工夫次第で既存収納の収納力倍増!リフォームや建替えを決心した理由として最も多いのが収納の不満だそうです。しかし元々さほど広くはない日本の住まいに新たに収納スペースを確保するのはかなり困難な問題です。そこで押入やクローゼットの中をより効率的に改造して、室内にあったモノをできるだけ多く取り込んで、すっきりと生活することも立派な耐震リフォームです。特に押入の天袋やクローゼットの枕棚は使いやすいとは言えません。マンションの収納などは、工場で効率的に生産するための規格化と、輸送面、施工面を考えて高さ2m以下の箱タイプがほとんどで、上部に枕棚があってその下にハンガーパイプのスタイルが大半ではないでしょうか。わが家も同様でした。わが家ではリフォームに際して、この枕棚を撤去し、天井に直接ハンガーパイプを取り付け上下二段にしました。奥行も85cmと深かったので、前後二列にして、合計3本のハンガーレールとしました。デッドスペースがなくなり、これだけで収納量は3倍です。季節の入れ替えからも開放され、住まい全体の既存の収納は満杯どころか空きスペースもできたくらいです。○家具のレイアウト - 明暗を分ける家具のレイアウト地震がどのように揺れて家具がどのように動くかは、起きてみないと分かりません。地震の威力は想像以上で、大きな箪笥も宙を飛んでくると思わなくてはなりません。それでも被害を最小限にするためには家具の配置は大切です。耐震リフォームの際は、家具は納戸やウォーキングクローゼットの中に仕舞うようなリフォームを心がける事が一番ですが、室内空間に配置する場合は箪笥がそのまま寝ている位置に倒れ込まないように、特に頭を直撃しないように配置してください。簡易的な転倒防止金物は万全とは言えません。先ずはレイアウトで極力被害を少なくする工夫を考えてください。○家具の固定 - 転倒防止金具だけではない、家具の固定方法阪神淡路大震災に続き、東日本大震災を通じて防災意識も高まり、家具の転倒防止の必要性も認識されていると思います。転倒防止金物も広く認知されていると思いますが、皆様のご家庭ではいかがでしょうか。狭い日本の間取りでは、家具は倒れたら必ず家族を直撃することは避けられません。しかし、転倒防止金物の多くは見栄えも悪く、また本格的に固定しようと思えば大切な家具にビスなどの穴を開けることになります。高価な桐ダンスや婚礼家具セットなどは、人命第一とは思っても少々残念な気持ちにはなるでしょう。そこで、そうした金具を使わずにスマートに耐震リフォームする方法を考えて見ましょう。下記の写真はわが家のダイニングとキッチンを分ける食器棚です。もともとリビングダイニングとキッチンがワンルーム形式の間取りで、キッチンとリビングダイニングを分けるために両面使いの食器棚をおいていました。当初は食器棚の上部の壁はなく、食器棚は自立していて、天井面との間に突っ張り形式の転倒防止金物を設置していました。側面は日曜大工で作った天井までのL型の壁で冷蔵庫を隠していました。東日本大震災の時は、そのためか幸いにも家具は転倒せず、中にあった食器も不安定なワイングラスを中心に一部の食器が転落して割れた程度でした。わが家も昨年リフォームしたのですが、本格的に耐震性を確保するために、天井から食器棚の上面までの壁を設置しました。壁の裏側(キッチン側)は棚になっていて、モノを収納する事ができます。食器棚を棚の面で固定しますので、壁が破壊されない限り食器棚は倒れる事がありません。食器棚をセットする都合、食器棚と棚にはわずかな隙間が必要ですが、念のためにゴムのピースを差し込んであります。リビングダイニングからの見栄えもよくなり、耐震性能も向上し、収納も増設されました。また図のように家具の上面に色調や雰囲気を合わせた材質で丈夫な棚や新たな収納を新設して、家具を固定する方法もあります。耐震性を高めるとともに収納量のアップも期待できます。家具の転倒防止金具やグッズは様々なものがあります。適材適所、使用注意書きをよく読んで使用してください。組み合わせによっては、互いに力が反対に作用し、逆効果の場合もあります。<著者プロフィール>佐藤 章子一級建築士・ファイナンシャルプランナー(CFP(R)・一級FP技能士)。建設会社や住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事。2001年に住まいと暮らしのコンサルタント事務所を開業。技術面・経済面双方から住まいづくりをアドバイス。
2015年04月23日●6TB HDDに15日分を録りためる放送されている全ての番組を一時録画する全録マシン。全録マシンのユーザーになると、それまでとはまったく違ったテレビ視聴のスタイルを手に入れることになる。ここで紹介する「レグザサーバー DBR-M590」は、全録マシンの代表といえる最新モデルだ。DBR-M590は9基のチューナーを搭載した全録マシンだ。チューナーはいずれも3波対応。地上デジタル放送だけでなく、BSデジタル放送や110度CSデジタル放送も、タイムシフトマシン機能によって全録できる。9基のチューナー全てをタイムシフトマシン用に使ってもよいが、そのうち3基までを通常の録画用に割り当てることも可能だ。内蔵HDDは2TB×3、計6TBの構成となっている。内蔵HDDだけで最大9チャンネルを15日分、録りためられる。また、別途USB HDDを接続してタイムシフトマシン用に利用することもできる。フロントパネルを開けると、miniB-CASスロットが3基装備されている。1枚あたり何局の受信まで許容できるかは、現在のところ明確な定義はないが、DBR-M590では、1枚あたり3局の放送の受信に対応していることになる。なお、有料放送の場合、1枚のB-CASカードごとに1契約となるので、どのような組み合わせでチューナーを割り当てるのかを事前に練っておくといいだろう。●「タイムシフトリンク」や「ざんまいプレイ」○他のレコーダーの番組表をマージする「タイムシフトリンク」機能DBR-M590は液晶テレビ「レグザ Z10X」シリーズなどと同様に、「タイムシフトリンク」機能を搭載している。同機能は、他のタイムシフトマシンの過去番組表を取り込んで、同一画面内に表示させるというものだ。もちろん、過去番組表に表示されている番組はすべて、DBR-M590側から再生可能だ。2台のDBR-M590を同時利用した場合、最大で18局分の過去番組表を表示できることになる。なお、タイムシフトリンク機能では、他の機器の過去番組表の番組をネットワーク経由で再生している。そのためダビングなどの操作は行えない。○拡大した過去番組表で迷わないための「ざんまいプレイ」過去番組表には録りためた番組がすべて含まれているため、自分の見たい番組を探すのはなかなか大変だ。そこで活用したいのが、「ざんまいプレイ」機能だ。同機能は、現在視聴している番組に似た番組や、ユーザーの視聴傾向に合った番組、話題の番組などをリストアップしてくれる。もちろん、特定のジャンルを選択して、番組を抽出することもできる。また、シーンの検索にも対応。情報番組から特定のジャンルのシーンだけを連続再生するといったことも可能だ。ざんまいプレイは、2012年9月に発表した液晶テレビレグザ「Z7」シリーズ以降のタイムシフトマシン搭載モデルに採用されているのだが、DBR-M590では、当時のものに比べて、大幅にレスポンスが向上しているのが印象的だ。タイムシフトリンク機能により、過去番組表の番組がさらに増えたことで、ざんまいプレイの有用性は、よりアップしたといえるだろう。●宅内・宅外を問わずストリーミング再生が可能○プレイスシフトも実現しているDBR-M590スマートフォンなどからレグザサーバーに録画された番組や放送中の番組を楽しむことができる。「デジタル放送受信機におけるリモート視聴要件」と「リモートアクセスガイドライン2.0」に対応しており、宅内・宅外を問わずストリーミング再生が可能だ。もちろん、通常録画されている番組だけでなく、タイムシフトマシンで全録された番組もリモート視聴できる。番組の再生や検索には、録画した日時やチャンネルだけでなく、ざんまいプレイも利用可能だ。タイムシフトマシンは、2011年11月に発表した「DBR-M190」「DBR-M180」から、世代を重ねるごとに、その完成度を上げてきている。DBR-M590は録画できる放送の種類や数、操作性など、現時点での集大成といえるモデルだ。初期のレグザサーバーのユーザーインターフェースは、現在のものに比べると高速とはいいがたい。しかし、タイムシフトリンク機能を使用することで、旧機種の過去番組表をDBR-M590の高速なユーザーインターフェースから利用できるようになる。DBR-M590は、初めて全録マシンを導入するユーザーだけでなく、すでにレグザサーバーや、タイムシフト機能を搭載したレグザを持っている人にも勧められるレコーダーだといえる。
2015年04月22日住友林業は、住まいと暮らしに関するスマートフォンサイト「わたしの家」の運用を3月31日に開始した。「わたしの家」は、同社ホームページから独立した立場で魅力的なコンテンツを提供することで、潜在顧客の将来的なファン化を図る「コンテンツマーケティング」の発想に基づいた同社初の情報サイト。同社ではこれまで、同社の家づくりを体感する「WEB住まい博」、自分の希望の間取りと概算価格がわかる「木達(こだち)サイト」、自分の希望する間取りが作成でき3次元でバーチャル体験できる「BF 間取り DESIGNER」、家づくりの知識をRPG形式のゲームで学ぶ「家づくりクエスト」(現、家づくりアドベンチャー)といった独自のコンテンツを開発してきた。今回開設した「わたしの家」は、そうしたコンテンツ制作の経験を生かしつつ、既に同社に興味を持っている顧客のみならず、家づくりに興味を持ち始めたユーザー層や、生活品質の向上に高い関心を持ったユーザー層など、潜在顧客へ向けて最新トレンドを踏まえた情報を継続的に提供する。運用開始の第一弾では、「女性目線」に基づいた住まいや暮らしに役立つコラムなどを紹介。収納や整理整頓のヒントや、子育て世代向けのコラム、二世帯住宅が快適に暮らすためのコツ、インテリアなどを含めた暮らしのヒントといったコンテンツが用意されている。同社では、住宅市場における女性の意見を取り入れた商品・サービスに対するニーズの高まりを受け、子育てと家事動線に配慮した「mamato(ままと)」、家族が集まるリビングを中心に間取りを考える「comama(こまま)」などを発表し、2013年12月には、女性の声を活かした商品開発を行う「女性目線開発プロジェクト」を始動。これらの活動を通して獲得した女性ファン層とのコミュニケーションを活発化し、更なる拡大を図るため、あらゆる女性が手軽にアクセスできるスマホコンテンツを展開していくとしている。
2015年04月07日ライフメディアはこのほど、「住まいに関する調査」の結果を公表した。同調査は、全国に住む50歳以上の男女を対象に、12日から14日にかけて同社のリサーチバンクを通じて実施。1,200件の有効回答を得た。○高齢化社会の日本でバリアフリーへの期待は?「現在の自宅は、バリアフリー対策がされているか」を尋ねたところ、23%が「バリアフリー住宅である」と回答した。「バリアフリー住宅に住んでいる人に、どのようにバリアフリー対策をしたのか」を尋ねたところ、最も多かったのは「バリアフリー住宅を建築・購入した(67%)」だった。「バリアフリー住宅に住んでいる人に、どのようなバリアフリー対策がされているのか」を尋ねた。その結果、「段差をなくす・スロープにする(75%)」、「手すりの設置(67%)」、「水回りのバリアフリー化(60%)」が上位となった。「バリアフリー住宅に住んでいない人に、今後自宅にバリアフリー対策が必要か」を尋ねたところ、62%が「必要」と回答した。「今後バリアフリー対策が必要と回答した人に対し、どのようにバリアフリー対策をしたいか」を尋ねたところ、「リフォームで対応したい」が70%で最も多かった。「今後バリアフリー対策が必要と回答した人に対し、どのよううなバリアフリー対策をしたいか」尋ねた。その結果、「段差をなくす・スロープにする(63%)」、「手すりの設置(59%)」、「水回りのバリアフリー化(50%)」が上位となった。
2015年03月30日連載『住まいと安全とお金』では、一級建築士とファイナンシャルプランナーの資格を持つ佐藤章子氏が、これまでの豊富な経験を生かして、住宅とお金や、住宅と災害対策などをテーマに、さまざまな解説・アドバイスを行なっていきます。○地震に対処する3つの方法 ~電車のつり革の役割は免震? 制震? 耐震?~免震・制震・耐震構造の違いを説明する時は、いつも電車の車内の状況を使って説明しています。電車に乗っていて急発進や急停車した時に、つり革につかまっていた状態はどうなっているのでしょうか。体は大きく揺れますが、つり革につかまっている腕の力でそれ以上は倒れません。腕をグィッと引いて体を元に戻すでしょう。もしつり革が強力なバネでできていたら、体はバネの力で元の状態に揺れ戻されます。この腕が引き戻す力やバネの動きの仕組みが「制震」構造と言われるものです。一方、今回のテーマの「耐震」構造は自らの耐力を向上させて揺れに対応するもので、電車の車内であれば、座席や手摺に体を固定して、電車の揺れに備える場面をイメージしてみてください。ただ単に立っているより、遥かに電車の揺れに対して安全です。「免震」構造を説明するのは少し難しいですが、ローラースケート靴を履いた状態で電車に乗っていることをイメージしてみてください。揺れに対して体は滑っていきますが、ローラースケート靴と体が一体であれば倒れることはありません。しかし車内をどこまでも滑っていってしまっては問題ですので、元の位置に戻す制震構造と組み合わせるのがベストです。住宅の地震に対応するリフォームは「耐震」が中心ですが、制震金具を取り付ける方法や、まれではありますが免震的な対処方法もあります。しかし地震に強くするためには、ただ単に金具で固定すればよいというものではなく、バランスが重要です。また組み合わせ方によっては逆効果になりうる場合もあり、どの方法を採用するかは個々のケースで判断する必要があります。○地震に対処する4つのポイント ~砂上の楼閣とならないためには~建物は地面に支えられています。地面が軟弱であれば、地上の建物がどれほど強くても意味がありません。地震の揺れで起きる液状化現象により、建物が傾いた事例は東日本大震災でも多く報告されています。また地盤だけでなく、地震が原因の火災や津波、堤防の決壊などによる洪水なども視野に入れておく必要があります。東日本大震災では、地震そのものでは無傷の建物が津波で流されている映像を目の辺りにしました。阪神淡路大震災でも多くの建物が二次災害の火災で延焼しました。ポイント1:派生する二次災害への対処今回のテーマではありませんが、実際は直接的な建物の倒壊より、より多くの人命が失われるのが二次災害です。この点も頭に入れて地震対策を考えてください。ただし、移転したり耐火構造にしたりと、簡単に解決できるものではないケースがほとんどでしょう。何度も繰り返しますが、リスクはゼロにはできません。どれだけ少なくできるかだけです。考えすぎて対処が遅くなるよりは、当面建物だけの範囲の耐震化に特化することもリスクを少なくする上では大切です。ポイント2:地盤は地震の際に建物を支えられるか地震がなくても、埋立地は地盤の沈下が置きやすい場所です。特に元の地形が斜面である場合は、斜面の低い部分の沈下の度合いが大きく、不同沈下を起こし、建物が傾く要因です。新築時に地盤の状況に見合った対策(杭・地盤改良・基礎の巾の拡大)を行っていない場合は、基礎や地業(※)の補強が重要課題です。(※ 地業とは、基礎を支える地盤面以下の部分のことを指します。地業工事とは基礎底の下に設置する割栗石、杭、地盤改良等の工事で、基礎を支える地盤面を強化したり、基礎をしっかり支えたりする役割を持ちます)ポイント3:建物を堅固にするには前回紹介した『誰でもできるわが家の耐震診断』(国土交通省監修)の後半に、木造住宅の主な補強方法が解説されています。下記に基本的な考え方をまとめておきます。ポイント4:家具や屋外の塀等の転倒防止対策阪神淡路大震災では建物だけでなく、家具の下敷きで多くの方が亡くなりました。家具や屋外工作物の対処方法は後日「耐震リフォーム(4)」で詳しくまとめてみる予定です。○地盤の強化 ~後からの工事では限られる耐震補強方法~地盤を強化する地業工事は本来建物が建つ前に行うものであり、様々な方法がありますが、建物が建っている状態での地盤の強化はかなり難しくなります。住宅に使用される地盤補強方法は次のようなものがあります。目的が耐震補強なのか、液状化対策なかで、適した工法が異なります。また軟弱地盤の深さ、地下水位や周囲の地形なども考慮に入れる必要があり、かなり難しい判断を必要とします。杭…固い地盤面まで杭を到達させて、その上に基礎を載せる方法です。価格は高めですが、確実な方法です。建物が建った後ではほぼ不可能です。地盤改良(1)…表層の軟弱地盤を強化する方法と、基礎の下をいくつも円筒状に掘削してセメントミルクなどを混ぜて、柱状に固める柱状改良があります。いずれも建物がある場合は難しくなります。地盤改良(2)…土に石灰や膨張性樹脂などを注入し、土の中で膨らませて建物の下の土の密度を高める方法です。建物が存在しても比較的容易に工事ができるのが特徴です。各社独自の方法があり、実績等を充分にチェックして判断ください。擁壁等の強化…道路や隣地と高低差がある場合は、土止めの擁壁があります。擁壁には鉄筋コンクリート造や加工された石材=間知石積みのものなどがあります。しかし違法なコンクリートブロック積みのものも少なくありません。擁壁の構造は建築基準法で定められていて、例えば鉄筋コンクリート造の場合、一定間隔で水抜き穴等が必要です。この水抜き穴のない違法のものも多く見られます。またコンクリート面が膨らんでいたら、中の鉄筋が錆びている可能性があり、擁壁としての性能が低下している可能性があります。○建物を強化する ~使い方を間違うと逆効果の耐震補強~阪神淡路大震災では多くの建物が倒壊しましたが、中には本来地震に強くするための筋交いが梁を押し上げて梁が柱から外れて破壊されたケースも見られました。筋交いの取り付け方、金物の取り付け方などで、逆効果の場合もあるのです。構造材の固定…基本は基礎・土台・柱・梁・屋根のそれぞれの連結部分を金具等で固定強化していきます。基礎と土台はアンカーボルトで固定されていますが、柱が土台から抜けてしまって倒壊につながった事例が多くありました。そのために最近は土台と柱を固定する金具を取り付けたり、直接基礎と柱を連結するホールダウン金物で柱を固定したりします。本来新築時に取り付けるものですが、耐震補強用の後付タイプもあります。壁の補強…耐力壁とは、通常の壁とは違って、所定の太さの筋交いが入っていたり、構造用合板で固められていたりする壁のことです。壁をそのような構造に補強するほか、壁そのものがなければ、壁を追加して補強します。どうしても外部への視界を維持したい場合は、強化ガラスなどで耐力壁を作った例も報告されています。屋根の軽量化…屋根が瓦葺きの場合は、屋根材を軽い素材のものに葺き替えると耐震性が向上します。公共の建物などは上層階を解体減築して耐震性を高めた事例もあります。(※写真画像は本文とは関係ありません)<著者プロフィール>佐藤 章子一級建築士・ファイナンシャルプランナー(CFP(R)・一級FP技能士)。建設会社や住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事。2001年に住まいと暮らしのコンサルタント事務所を開業。技術面・経済面双方から住まいづくりをアドバイス。
2015年03月24日連載『住まいと安全とお金』では、一級建築士とファイナンシャルプランナーの資格を持つ佐藤章子氏が、これまでの豊富な経験を生かして、住宅とお金や、住宅と災害対策などをテーマに、さまざまな解説・アドバイスを行なっていきます。○考えよう! 住まいの役割とはなにかを! ~住まいは生命と財産を守る器~家族の生命と財産以上に大切なものはありません。「住まい」は、それを守る器です。明日にも起きるかも知れない大地震に対して、親として子供を守らなければなりません。住まいの耐震性能が問題ありと思うのであれば、直ちに詳細を把握して対処しなければならないはずです。『住まいと防災』シリーズの第1回に、災害の種類を表にしてあります。皆様の住まいが受けるかも知れないと想定される災害はどれとどれでしょうか。自然環境だけでなく、社会環境の項目にも地震と関係するものが多くあります。この災害リスクに対する住まいの性能が充分でなれければ、改修が必要となります。改修には費用がかかりますが、生命ほど重要なものはないはずですので、住まいの性能に対する状況把握とともに、徹底的に節約してでも費用の捻出をしなければなりません。補助金の有無等も確認ください。(※参照:住まいと安全とお金 第1回『住まいと防災(1)--考えなければならない防災とは?』)○国や自治体がネット上で提供している情報は貴重~情報はできるだけ生のものを~ネット上には政府や自治体、外郭団体等による防災データがいろいろ掲載されています。防災の心構えから詳細のデータまで様々ですが、このコラムを通じて最終的には是非、直接生のデータに触れてください。このコラムはそのための水先案内人だと思っています。現代はいろいろな情報があふれています。雑多な情報が飛び交う中、とかく末端の情報に左右されがちです。大切な事柄に関しては、できるだけ直接的なデータに触れる事を習慣付けてください。新聞で気になる情報を見つけたら、図書館等で数紙を比較してみてください。さらにデータ元のHPを検索して、より詳細の情報をチェックしてみてください。命にかかわる情報が最も重要な情報なはずで、一生の中で、そのような重要な情報はそれほど多くはありませんので、その時くらいは徹底的に情報収集ができるはずです。○住まいの性能は何で決まる? ~住まいの性能は最も弱い部分で決まる!~国の性能表示制度では、性能評価は10項目あります。耐震性能に直接大きくかかわるのは以下の築年数、地盤、構造体、管理の4つの項目です。弱い地盤に適切な事業や基礎が施されていなければ、その他の性能が高くても意味を成しません。過去にリフォームが行われている場合、壁や柱を撤去していることが少なくありません。阪神淡路大震災では、隣り合わせに建っていた全く同じ間取りの分譲住宅が、その後のリフォームの違いにより、倒壊と補修で済む状態の明暗を分けた事例が報告されています。建物の性能のチェック項目○ネットで簡単チェック! 我が家の耐震性能~簡単な事から動き始めよう!~我が家がどの程度の耐震性能があるかの判断は、なかなか難しいものです。地方自治体では診断の補助や診断機関の斡旋を行っているところもありますが、ますは自分で診断してみましょう。国土交通省監修の『だれでもできるわが家の耐震診断』は、文字どおり誰でも簡単に自分の家の耐震性能をチェックできます。リーフレットになっているものと、ネット上で診断するタイプの二通りあります。診断項目は10項目で、どのような部分が耐震性能に影響するのかがわかりますし、簡単なチェックでおおよそ自宅の耐震性能がどのレベルかが分かります。専門家に依頼する前に自己診断しておくと、建築士の説明も理解しやすいと思います。あまりに結果が悪ければ、耐震リフォームが待ったなし! と言うことも理解できます。また余談ですが、中古住宅などを購入する時に、図面などから耐震性能を診断するのにも利用できます。誰でもできるわが家の耐震診断国土交通省監修誰でもできるわが家の耐震診断(国土交通省インターネット版)<著者プロフィール>佐藤 章子一級建築士・ファイナンシャルプランナー(CFP(R)・一級FP技能士)。建設会社や住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事。2001年に住まいと暮らしのコンサルタント事務所を開業。技術面・経済面双方から住まいづくりをアドバイス。
2015年03月16日筆まめは23日、クラウドサービス「筆まめクラウド住所録」の提供を開始した。デバイスを問わず、ブラウザ経由で無料の会員登録を行うと、住所録や顧客情報の作成・管理・編集・共有が行える。「筆まめクラウド住所録」は、PCやスマートフォン、タブレットのブラウザ上で、住所録や顧客情報の作成・編集・管理・共有が行えるクラウドサービス。データの閲覧者/編集者/管理者の権限をユーザーごと個別に設定できる。また、住所録管理ソフトとの間でデータのインポート、エクスポートが行えるほか、ローカルに保存する住所録の共有、バックアップ、データ移行などにも対応する。インポート・エクスポートのデータ形式はContactXML1.1、vCard。2014年11月上旬からは、同社のはがき・住所録ソフト「筆まめ」との連携も開始。対応製品は「筆まめVer.25」「筆まめSelect2015」「筆まめSelect2015 年賀編」「筆まめVer.25ベーシック」。いずれも連携に合わせアップデートする必要がある。同社は、はがき・住所録ソフト「筆まめ」の開発・販売において、住所録や顧客情報の管理に関するノウハウを蓄積してきたとし、スマートフォンやタブレットの普及を背景に、さまざまな端末でデータをシームレスに共有できるサービスとして同サービスを提供するという。
2014年10月23日ガラポンは、全録レコーダー「ガラポンTV四号機」を発表した。8月7日より発売する。価格はオープンで、同社のショッピングサイトでの販売価格は36,500円(税別)。ガラポンTVは、8チャンネルまでのワンセグ放送を全番組録画できるレコーダー。録画した番組は、PCやスマートフォンなどから、ネットワークや3G回線経由でストリーミング視聴することができる。内蔵しているHDDの容量は500GBで、8チャンネルの番組を24時間×2週間分保存可能。また、USBポートを装備しており、外付けHDDの増設にも対応している(1台のみ)。ガラポンTV四号機では、新たに「全局ライブ視聴」機能を搭載。全局ライブ視聴は、PCまたはMacのブラウザ上に最大8局までのワンセグ放送画面を同時に表示できるというもの。チャンネルを替えずに全番組を見ることができるため、ザッピングを行う必要がなくなった。なお、音声は選択されている1局分のみを出力する。もちろん、表示されているテレビ画面のうち、気になるものを大きく表示することも可能。巻き戻して再生することもできる。また、ガラポンTV四号機では、構成部品や製造工程の見直しを行ったことで、従来機の「ガラポンTV参号機」に比べて約10%低価格化している。接続インタフェースはアンテナ入力端子×1系統、USBポート×2基、LAN端子×1基。本体サイズはW148×D120×H40mmで、質量は850g。
2014年08月05日ファブリックをはじめ、ファッションやテーブルウェアなど幅広いアイテムを発表し、日本でも大人気のフィンランドのライフスタイル・ブランド『マリメッコ』。そのデザインを手がける憧れのデザイナーたちの住まいやアトリエを紹介する本が、ジュウ・ドゥ・ポゥムより発行!まず表紙を飾るのは、『マリメッコ』のパターンデザイナーとしてインテリアとファッションのデザインを手がけている、アイノ=マイヤ・メッツォラさんの仕事場。水彩を得意とする彼女がデザインした“コンポッティ”という名の大胆なファブリックが目を引く壁面がポイント。お母さんから譲り受けたという70年代の『マリメッコ』のヴィンテージワンピースもステキです。デザイナーのマイヤ・ロウエカリさんが家族4人で暮らす自宅のベッドルームは、ヴィヴィッドな色使いの“ティルックタッキ”のカーテンが印象的。そのほか、ベッドリネンにも『マリメッコ』の様々な柄のファブリックを使用。センスあるミックス・コーディネートが光る、楽しい空間が広がっている。テーブルウェアやキッチングッズ、ステーショナリー・コレクションを手がけるデザイナーのサミ・ルオツァライネンさん。彼のアパルトマンは、ミニマルでとても洗練された雰囲気でいっぱい。真っ白な壁に『マリメッコ』ならではの鮮やかな色彩が映える部屋は、ファッションデザイナーのニナ・ピルホネンさんのアパルトマンの一室。壁面に飾られているガーランドは、出産を1週間後に控えていたニナさんの手づくりだとか! ファブリックの組み合わせ方も、さすがです。ふだんはなかなかお目にかかることのできない本社のオフィスも紹介。オフィス入口への階段には、ダイナミックなファブリックが何枚も飾られ、これぞ『マリメッコ』といった感じ!ファッション・ファブリックを手がけるデザイナーのサトゥ・マーラネンさんのアトリエも訪問。有名な建築家とシェアしているというこのアトリエで、力強さとエレガンスを兼ね備えたデザインを生み出し続けている。子ども心をくすぐるような、ユニークなデザインが持ち味のデザイナー、イェンニ・トゥオミネンさん。ご主人とふたりで暮らす自宅は、彼女の作風を反映したようなカラフルでとても可愛らしい空間。隅々まで見逃せない!また巻末には、フィンランド国内にある『マリメッコ』の代表的な店鋪に加え、日本初の直営店である東京・表参道店の紹介も。バッグや文房具などの小物から、ファッション、インテリア、ファブリックまで幅広く揃う表参道店。ぜひ実際に訪れて、『マリメッコ』の世界を楽しんでほしい!個性豊かな『マリメッコ』のファブリックやアイテムが彩る暮らしは、眺めているだけでも楽しく、お手本にしたいヒントもいっぱい。デザイナーたちのステキな住まいやアトリエが楽しめるのはもちろんのこと、オフィス内にあるアート・ワークスタジオや、ファブリックが生まれる工場見学まで見どころ満載の一冊。永久保存版です!『マリメッコのデザイナーの暮らし』著:ジュウ・ドゥ・ポゥム判型:A5・128ページ・オールカラー定価:1,785円発行:ジュウ・ドゥ・ポゥム発売:主婦の友社ジュウ・ドゥ・ポゥム 公式サイト 文章/田辺香
2013年10月24日キングジムは19日、カメラ付き会議用レコーダー「ミーティングレコーダー」を発売する。同商品は、会議で議事録を作成する際に便利なカメラ付きレコーダー。会議で議事録を作成する際、書くことに気を取られて会議に集中できなかったり、ボイスレコーダーで録音しても、後で聞き直すと誰の発言かわからなくなったりするなどの不満を解決するために開発された、録画ができる会議用レコーダーとなっている。4つのカメラを搭載し、4分割モードで周囲360°の録画が可能で、後で見返した際に誰が話しているのか一目で確認することができる。また、無指向性マイクを搭載し、話し手の座る位置を気にすることなく、会議の中心に置いておくだけで360°の音が録音できるという。録画・録音したファイルは、「ミーティングレコーダー」本体で再生できる。本体をパソコンと接続すればSDカードに保存されたファイルを、パソコンのアプリケーションで確認することが可能となる。また、Webカメラとしても使用可能で、従来のカメラでは視野角が狭いため向いていなかった複数人でのWeb会議でも、全員の顔を見ながら対話することができる。その他、スピーカーとしてプレゼンテーションの際にも活用できるという。展開色はホワイトで、希望小売価格は34,650円。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年04月10日彼氏がいてもいなくても、やっぱり気になるのが結婚。今の彼氏と結婚できるのか、いくつになったらできるのか、先のことはわからないとは言え、いろいろ考えている人は多いはず。心理テストで、そんな結婚にまつわるあれこれをさぐってみよう。 ■今のふたりの関係でわかる恋の行方 今彼との関係はどう? 心理テストから見る二人の行方。 ■恋から結婚へ!あなたが幸せをつかむための法則 恋から結婚になかなかならない。私、どうしたらいいの? ■今の私の恋、結婚につながるの? 大好きな彼とゆくゆくは結婚を…でもちょっと待って、そう思っているのはあなただけ? ■彼にとってあなたは「結婚する女」? 「しない女」? 恋愛のゴールは結婚?そんなあなた必見です! ■幸せな結婚をするために必要なものって? 結婚は何のためにするもの?もちろん幸せのため! ■あなたに合った「幸せ婚」のかたち 結婚したい! けど、幸せな結婚がいい。そんなあなたに合う「幸せ婚」とは? ■本当の結婚適齢期を診断! わたしって、いったいいつ結婚するの? 結婚適齢期を占います!さて、結果は? ショックを受けた人も安心した人も、理想の幸せな結婚ができますように。
2013年03月28日「愛犬家住宅」を提唱するワンオンワンは27日より、全国の愛犬家を対象とした「愛犬家住宅住まいの工夫コンテスト」を開催する。現在、およそ4世帯に1世帯が愛犬と暮らしている。その大半が室内で一緒に暮らすようになったことで、住まいを原因とした病気やケガをはじめとする、さまざまな問題が起きるようになったという。愛犬家の住まいの悩みの要因は犬種や家族構成、居住環境など多種多様であり、その解決方法もそれぞれ異なっている。同社では、悩みの解決のためには継続して多くの事例を広く集め、それを共有できる仕組みが必要であるとの認識のもと、同コンテストを開催。愛犬家の住まいの工夫やアイデアを募集するとしている。募集期間は、12月27日から2013年3月31日まで。「住まいの工夫コンテスト 大賞」1名には、賞金101,000円(ワンオンワン)が、他にも、協賛企業からの特別賞をはじめ多彩な賞が贈られる。1人で何点でも応募は可能。応募受付は、同社Webページにて。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月12日住まいと暮らしの総合住生活企業であるLIXILは、10月1日、千葉県船橋市に「LIXILショールーム船橋」をオープンする。リフォームや、新築時の住まいづくりに役立つ情報発信拠点として、LIXILグループの商品を見たり、実演・体験できるショールームとなっている。同ショールームは、約825平方メートルの展示面積で、リフォーム用商品をひとまとめに展示している。リフォーム後のイメージを確認できる戸建てとマンションの空間展示を用意しているだけでなく、断熱窓「サーモスH」、節水トイレ「サティス」など最新の省エネ商品を見ることができる。さらに、タッチパネル式のデジタルサイネージ、システムバスルームの仕様を決めることができる。iPadと大型モニターを用いた3Dシミュレーションを導入するなど、最新のデジタル機器を活用してさまざまな提案を行うとのこと。なお、10月1日~10月8日(10:00~17:00)まで、オープニングフェアを開催。期間中に来館した人には「LIXIL オリジナルまな板シート」を漏れなくプレゼントする。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月27日パナソニック エコソリューションズは住まいと暮らしの総合サイト「すむすむ」で、第6回「すむすむ・住まいづくり川柳」の募集を行っている。募集期間は9月5日から9月30日まで。同社では2007年度より毎年「住まいづくり」をテーマに川柳の募集を実施している。2011年度(第5回)は、合計1,947句の応募があり、審査の結果、10句の受賞作品を選定。「環境」「省エネ」「節電」などの社会的関心を反映したキーワードを巧みに取り入れた句が多く寄せられた。今回は、「住まいづくり」の中でも特に最近関心の高い「リフォーム」をテーマに川柳を募集する。金賞受賞者(1句)には、パナソニック LUMIX DMC-GF5W-K ダブルレンズキット、銀賞(1句)にはパナソニック ビエラ、銅賞(3句)にはパナソニック 充電式エボルタ ファミリーセットが贈られる。応募は「すむすむ・住まいづくり川柳応募フォーム」より受け付ける。結果は10月下旬に同サイト上で発表する。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月06日不動産情報サービスのアットホームは6月1日~3日、1都3県在住で3~12歳の子どもを持つ親600名を対象に子育て世帯の住まい探しの実態調査を実施した。現在の住まいは子育てを考慮して選んだか聞いたところ、56.3%の人が「はい」と回答。中でも、持ち家は63.3%で賃貸を14ポイント上回り、意識の高さがうかがえる。子育てを考えて住まい選びをする際に重要だと思う条件は、「日当たり・風通しが良い」がダントツの1位。次いで「収納が多い」「耐震性が高い」と続いた。また、重視する住環境としては、男女ともに「治安が良い」がやはりダントツ。次いで「スーパーなど買い物施設が近い」「病院が近い」と続いた。子育ての視点での住まいの満足度は、「大変満足」と「やや満足」を合わせると74.2%に。持ち家と賃貸を比較したところ、持ち家の満足度が約20ポイント上回る結果になった。満足している理由としては、「周辺環境や住まいの部屋数、構造などさまざまなことを吟味した」といった、子育てを考慮して多くの点に気を配った様子がうかがえたという。一方、満足していない理由としては、「車の交通量が多い上に歩道が整備されていないので、子どもが危ない」「治安が悪い」など周辺環境のマイナス面が影響。同社では、子育ての観点で住まいの満足度を高めるには、周辺の教育施設も重要なポイントになるのではと分析している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月26日ハウスメーカーのエス・バイ・エルはこのほど、同社が開発した住まいの高耐久化システム技術「LOOP(Long Owner Program)」における「木質系建物の劣化診断システム(Revoみえる図) 」について特許を取得した。「LOOP」は、同社が住まいの耐久化を強化する標準技術として全棟に搭載している「壁体内換気システム」の、30年に及ぶ実績と調査に基づいて開発された。平成21年度より導入を開始し、これまで3,800棟に採用されている。今回、特許を取得した同システムは、「壁体内換気システム」をもとに構造躯体の含水率の状態を推定し、評価を可能にした。これにより最も通気性が悪く、含水率が高くなる可能性のある構造部位を視覚的に確認することができ、設計段階で住宅の壁体内換気パネルの設計、生産や構造計画を見直すことができるという。同社では、平成31年に10年目を迎える「LOOP」オーナー宅の10年診断で、点検口「Lupe」を開き、含水率計で含水率のチェックを開始する予定とのこと。以後、5年ごとの点検・診断の際に、同様のチェックを実施。点検口の裏側に設置されている「LOOP」診断履歴表に実施日時を残す方法で、たとえオーナーが変わっても生涯にわたって引き継がれる仕組みを整えているという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月21日大切な住まいを50年間保証する「サポートワイド50」を注文住宅全邸に採用している木下工務店では、今年4月から”耐震”に”制震”をプラスしたオリジナルシステム「DUOフレーム工法」も標準採用している。東日本大震災発生以降、家づくりに対する耐震性・耐久性が重視されるなか、安心・安全な「住まい制度」をさらに強化するという。同社が手がけた注文住宅全邸には「50年保証システム」が適応される。建物の耐用年数を決定するといわれる”構造部”と”防水性”を、引き渡しから50年にわたり、同社が保証していくものだ。10年目までの点検は無料で、この間に1年、2年、7年、10年点検が行われる。それ以降は10年ごとの点検で必要と判断されたメンテナンス工事が行われる。「DUOフレーム」は最先端の耐震+制震システムで、地震エネルギーを吸収することで被害を大きく軽減できるというもの。建物が受ける地震エネルギーを制震材の働きにより、熱エネルギーに変換して吸収するという仕組み。地盤や敷地条件に関わらず採用できるうえ、設置後、維持費用がかからないのが特長という。その効果は揺れを50%以上軽減できること、繰り返し何度でも安定した効果を発揮できることにある。また、建物の耐久性や寿命を高め、大地震後の補修費用の大幅な軽減につながるという。なお、同社ではユーザーの気づいた点や万が一のトラブルには、施工エリア全域をカバーするカスタマーエンジニアが対応する。さらには365日年中無休体制の「24時間コールサービス」を開設。緊急事態からメンテナンスや増改築など、住まいに関わる相談まで、きめ細かく対応するとのこと。同社ならではの快適な暮らしをサポートするアフターサービス体制を整えている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月12日ネオマーケティングは4月4日~5日の2日間、男女500名を対象に、「暮らしに関する実態調査」をテーマにしたインターネットリサーチを実施した。調査の結果、住まいを選ぶポイントで最も重要視することについて、66.2%が「部屋の広さ」をあげていることがわかった。まず、住まいを選ぶポイントについて調査。最も重要視されているのは「部屋の広さ」で66.2%と第1位。2位は「家賃の安さ」で64.8%、3位は「交通の便が良いこと」で61.6%だった。女性の方が「部屋の広さ」について重要視する割合は高く、男性は「家賃の安さ」を重要視する傾向にあることもわかった。また、男女で選ぶポイントに差が最もついたのは「防犯やセキュリティーがしっかりしている」という点。防犯に関しては、男性よりも女性のポイントの方が高く、女性の警戒心が強いことがうかがえる。「バス・トイレ別であること」も、男性よりも女性の方が気にする傾向が高かった。住みたいと思う地域については、男女共に最もポイントが高いのは「交通の便が良い」で77.4%。「治安が良い(安心できる・のんびりしている)」が76.6%・「買い物の便が良い」が72.4%。男女の差で一番差が出たのは「飲食店が充実している」で男性の方のポイントが高かった。女性に比べて自炊をするイメージが少ない男性は飲食店充実が大切なポイントなのではないか、と同社はみている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月23日子どもは好奇心がいっぱい。元気よく駆け回り、遊んで、言葉やモノを覚えていくためには、住まいにもちょっとした工夫が欲しい。リビングデザインセンターOZONEでは、春休みからゴールデンウィークの期間にかけて、子どもと暮らすインテリアをテーマにした展覧会「子どもとつむぐ、住まい時間」を開催する。リビングデザインセンターOZONEでは、デザイン性の高いリフォームやインテリアを応援するプログラム「OZONEデザインリフォーム&インテリア」を常時実施している。そこで活躍するインテリアデザイナーが、これまでお客様に提案やアドバイスしてきたことを元に空間展示をする。インテリア事例紹介やワークショップなどを通して、インテリアのコツを多面的に紹介する。今回の見どころである空間展示の1つは、土間のような使い方ができる「広めの玄関」。新築やリフォームの際に、玄関を広く取ることを提案する。ベビーカーや自転車、子どもが外で遊ぶための玩具や道具を仕舞う場所として活用できるからだ。また、玄関の近くに家族が共有して使える「ファミリークロゼット」を置くのも手。家族全員のコートや帽子、バッグなどを収納すれば、おでかけの際に皆で一緒に身支度ができて便利である。ワークショップでは収納や片づけの方法、安全な内装材選び、マネープランなどをテーマに実施予定。子育てを楽しみながら、家族が心地よく暮らせる住まいとは? 本展はそのヒントを教えてくれる絶好の機会と言える。入園や入学、進級を控えた子どもと一緒に出かけてみてはいかが?「子どもとつむぐ、住まい時間」日時:2012年3月22日(木)~5月8日(火)10:30~19:00 水曜日休館会場:リビングデザインセンターOZONE 3階OZONEプラザ東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワーTel. 03-5322-6500 ※掲載写真は前年の展覧会の空間展示、及びワークショップ風景取材/杉江あこ
2012年03月10日アンジェリーナ・ジョリーが、元夫であるビリー・ボブ・ソーントンが近日中に発表する回想録の序文を書いていることが明らかになった。ビリー・ボブとカントリー・ミュージシャン兼作家のキンキー・フリードマン共著の「The Billy Bob Tapes:A Cave Full of Ghosts」は、彼の生い立ちから映画俳優としてのキャリア、様々なものに対する恐怖症(銀食器、アンティークなど)、5回の結婚について、すべてを語る内容になるという。アンジェリーナとビリー・ボブは1999年の『狂っちゃいないぜ』の共演で出会い、翌年に結婚。互いの血を入れたガラス瓶のペンダントを着けたり、過激な愛情表現の夫婦として知られたが、2003年に離婚している。先日は脚本を執筆中の新作『And Then We Drove』(原題)がアンジェリーナとの関係を示唆する内容だという一部報道をビリー・ボブ本人が否定したばかり。その際「アンジェリーナはいまでも親友のひとり」と語っていたが、今回彼女が序文執筆を引き受けたことで、2人の友情は証明されたようだ。果たしてアンジェリーナはビリー・ボブについて何を記すのか?大きな関心が寄せられている。(text:Yuki Tominaga)© Splash/AFLO■関連作品:In the Land of Blood and Honey (原題)■関連記事:アンジェリーナ・ジョリー、「亡き母親と子育てについてもっと語り合いたかった」ビリー・ボブ・ソーントン、新作は元妻のアンジーとの関係を描くものではないと断言初監督作が表彰されたアンジェリーナ・ジョリー、女優引退も視野に?アンジー、ブラピとの間に待望の第4子誕生?妊娠3か月との報道もA・ジョリー、ファンとのチャットでG・グローブ賞候補作撮影時の心境を語る
2012年02月24日