子どもを持つ親が、教育資金として月にどのぐらい備えているのか、もう少しデータをみてみよう。中学3年まで毎月約1万5,000円が「預貯金・保険」に充てられている「子どものための預貯金・保険」の金額は0歳~6歳児の平均で、年19万1,649円であることは前編で述べたとおりだ。では、小学生、中学生を持つ親はどのぐらい備えているのだろうか。同じ調査によると、小学生の平均は年16万3,172円、中学生の平均は年18万238円になっている(詳しい金額は下図参照)。ひと月あたりにすると、小学生では約1万3,600円、中学生では約1万5,000円だ。第1子一人当たりの年間「子どものための預貯金・保険」の内訳金額(対象者全体平均)※「預貯金」「各種保険」は「子どものための預貯金・保険」の小分類費目※上記は対象者全体による平均値※グラフ右の()内は第1子にかかった年間「子どものための預貯金・保険」の年額出典:内閣府「インターネットによる子育て費用に関する調査(平成21年度)」そして、このデータの0歳児から中学3年生までの預貯金・保険金額を単純に合計してみると、286万1,290円になる。子どもを持つ親は、預貯金・保険などで、高校入学までに286万円ほど準備していることがうかがえる。みなさんはこの金額を、ご自分の家庭と比べて高いと感じられるだろうか、それとも低いと感じられるだろうか。高校授業料無償化の恩恵ところで、2010年からはじまった、いわゆる高校授業料無償化制度によって、子どもを高校に通わせる親の負担は以前と比べて実は軽くなっている。公立高校の3年間より公立中学校の3年間の方が教育費がかかるというデータが出ているほどだ(公立高校が約116万円、公立中学校が約135万円。文部科学省「平成24年度子供の学習費調査」より)。私立高校の場合は3年間で約289万円かかるが、公立高校ならなんとか月々の家計から捻出することが可能なご家庭が多いのではないだろうか。いったいいくら用意すれば足りるのか?問題は大学だ。国立大学に自宅から通う場合でも4年間で約472万円、私立文系では自宅通学で約630万円、下宿の場合で約886万円かかる。私立医歯系となると、自宅通学生で約2,922万円、下宿生では約3,305万円だ(詳しい金額は下図参照)。大学生の教育費総額(平成24・25年度)資料:(独)日本学生支援機構「平成24年度学生生活調査」から大学昼間部のデータ、文部科学省「平成22年度国立大学の授業料、入学料及び検定料の調査結果」・「平成25年私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果」から執筆者作成こうみてくると、中学3年までで備えた286万円と、同じペース(18万円/年)で備えると仮定した、高校3年間分の54万円の合計340万円では、国立大学に自宅から通う場合でも、やや心許ない。私立文系で自宅通学の場合の約630万円を、0歳から高校卒業までに備えるには、年に約35万円、月々約3万円が必要だ。児童手当と学資保険の2本立てでそんなの無理!と思った方もいらっしゃるかもしれない。しかし、ここで「児童手当」のことを思い出してほしい。現行制度では、児童手当は0歳から中学卒業まで給付される。この手当を0歳からそのまま積み立てしていけば、それだけで約200万円になる。これに別途、月1万5,000円を0歳から高校卒業まで積み立てていけば、342万円、合わせて542万円となる。先ほどの「大学生の教育費総額」には、通学のための交通費や生活費も含まれている。全額を入学時に用意しなければならないわけではない。子ども自身が入学後、学費の足しにアルバイトなどをしたり、奨学金を利用したりすれば、何とか実現可能な資金計画といえるのではないか。この資金計画を実行する際、積み立てには学資保険を利用したい。確実にお金を貯めていくには、簡単に引き出すことができない保険の活用が適している。低金利が続く現在、定期預金よりは利回りがよいし、契約者(保護者)に万一のことがあった場合、以後の保険料の支払いは免除され、満期保険金は当初の契約通り支払われる※1。また、生命保険料控除が適用され、税金面でも優遇されている。この場合に選ぶべきは、貯蓄重視型の学資保険だ。教育資金に備える目的なので、子どもの医療保障重視のものより、満期返戻金が保険料払込総額を上回る貯蓄重視のものを選ぼう。具体的には返戻率が100%以上となっている商品だ。満期金を一括で受け取るか、分割で受け取るかなどによって返戻率は変わってくるが、一例として、保険料払込総額約285万円に対して、満期返戻金総額が300万円ほどになる商品(返戻率約105%)などがある。286万円という金額最後に、冒頭部分で紹介した、子どもを持つ親が教育資金として高校入学までに約286万円を準備しているデータだが、実はこの金額は結構いいところを突いている。というのは、国立大学に進学した場合、4年間で納める学費(入学金、授業料等)は約242万5,000円、私立文系の場合で約385万6,700円、私立理系で約518万7,200円となっているからだ(文部科学省「平成22年度国立大学の授業料、入学料及び検定料の調査結果について」および「平成25年私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」より)。純粋に大学に納める授業料、入学金等のみを考えるとかなり現実味のある金額なのだ。子どもを持つ親の直感なのか、教育資金についてすでに調べは行き届いている、ということなのか。現実にはこの金額に、通学のための交通費や、課外活動費、生活費等が加わり、「教育費総額」となる。こちらの金額を目安に資金計画を立てた方が安心だ。学資保険は、少しでも多くの教育資金を確実に準備できる有効な手段なので、うまく活用していきたい。子どもの将来の夢をお金のために断念させることになっては、あまりにも残念だ。※1 保険料支払免除を特約としている学資保険や、保険料支払免除が付加されていない学資保険もあります。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年06月30日厚生労働省はこのほど、2014年度の国民年金の加入・保険料納付状況を発表した。それによると、自営業者などが加入する国民年金保険料の納付率は2014年度に前年度比2.17ポイント上昇の63.05%となり、3年連続で上昇した。年代別の納付率を見ると、55~59歳の74.62%が最も高く、次いで50~54歳が67.37%、40~44歳が62.17%と続いた。また、若い世代の20~24歳は同2.95ポイント上昇の59.27%、25~29歳は同3.1ポイント上昇の52.98%と、納付率は低かったものの伸びが大きくなっていた。都道府県別の納付率を見た場合、最も高かったのは島根県で76.71%、以下、新潟県の75.27%、富山県の74.38%と続いた。反対に最も低かったのは沖縄県の45.17%、次いで大阪府の53.98%、東京都の58.77%となった。納付率を市区町村の規模別に見ると、町村が66.56%で最も高かった一方、政令指定都市は57.49%、東京23区は56.14%と、低い傾向にあることが判明。また前年度比については、政令指定都市で2.44ポイント上昇、東京23区で1.46ポイント上昇、その他の市で2.22ポイント上昇、町村で2.22ポイント上昇し、前年度に続いて全ての規模で上昇した。
2015年06月29日MS&ADインシュアランスグループの三井住友海上火災保険ならびにあいおいニッセイ同和損害保険は24日、損害保険業界で初めてという、少子高齢化に対応した火災保険を共同開発し、10月1日以降保険始期契約から販売を開始すると発表した。昨今の少子高齢化の進展に伴い、賃貸住宅内での高齢者の孤独死や、高齢者の日常生活におけるサポートサービスのニーズが年々増加しているという。これらの環境変化へ対応すべく、火災保険の新たな特約・付帯サービスを開発したとしている。MS&ADインシュアランスグループは、今後もグループ各社のノウハウを結集し、多様化する顧客ニーズに応える商品・サービスの開発を積極的に進めていくとしている。○新特約・付帯サービスの概要(1)家主費用特約-新設加入対象者:賃貸住宅のオーナー(家主)特長:賃貸住宅内での死亡事故(孤独死・自殺・犯罪死)によりオーナー(家主)が被る家賃収入の損失や、清掃・改装・遺品整理などにかかる費用を補償する。死亡事故の発生戸室のほか、上下左右の隣接戸室も補償の対象となる新設の背景:不幸にして死亡事故が発生してしまった賃貸住宅では、その後の空室・家賃値引きなどによる家賃収入の損失や各種費用の負担が重く、オーナーにとっては賃貸経営上の大きなリスクとなっていた。賃貸住宅を対象とする火災保険に特約として補償を追加することで、これらのリスクを回避できるようになる。オーナーにとっては「安心して部屋を貸すことができる」、単身高齢者にとっては「より部屋を借りやすくなる」というメリットがある(2)受託物賠償特約-拡充他人から借りた物に損害を与えた場合の賠償責任を補償する「受託物賠償特約」に、限度額100万円のパターンを新設。これにより、従来から火災保険とその特約で補償していた「自宅内での事故」による家財の損害、「自宅外での事故」による携行中の家財などの損害に加えて、介護機器や備付家具等の高額なレンタル品に関する損害も補償できるようになった(3)家具移動・電球交換サービス-新設上記(2)の特約にセットで加入した顧客向けに、新たに「家具移動・電球交換サービス」を提供し、高齢者の日常生活をサポートする65歳以上の高齢者人口が総人口に占める割合は過去最高を更新し、2035年には33.4%と見込まれているという。少子高齢化のさらなる進展を踏まえつつ、今後も「過ごしやすい高齢化社会の構築」に寄与する商品・サービスの開発を積極的に進めていくとしている。
2015年06月26日日本年金機構への標的型と思われる攻撃があり、少なくとも125万件の個人情報の漏えいが判明したとの発表が6月1日(日本年金機構内で確認された日は5月28日)にありました。報道によると、攻撃にはメールを利用。年金機構内にあるコンピュータの利用者に実行させ、マルウェアを感染させるという旧来から利用されている手口でした。初めのメールは、5月8日に公開アドレスへ送られてきた3通のメールによって始まります。URL記述型:メールそのものにはマルウェアは添付されておらず、マルウェアをダウンロードさせるためのURLが記述されているタイプファイル添付型:メールそのものにマルウェアが添付されており、実行をうながすタイプこの事件を知り、「うちは大丈夫か? 対策は何か?」と考えた場合、多くの方が条件反射的に思いつく対策は「怪しいメールの開封、添付ファイルの実行、記述されたURLへアクセスしないようにする」といったものではないでしょうか。世の中には「標的型攻撃メールの対応訓練」といったものを実施している組織や実施したいと考える組織に対してサービスを提供している組織があります。この記事をお読みになられている方の中にも、この訓練を経験した方がいらっしゃるかもしれません。今回は、この訓練について、日本年金機構の標的型と思われる攻撃による情報漏洩事件を踏まえて考えてみようと思います。筆者は、この訓練について、実施方法や取り組みへの姿勢を誤ると、セキュリティ対策をするどころか実施の意義が薄れ、組織のセキュリティレベルを下げかねないものであると考えています。その理由を説明するには、訓練がどのように行われてきたかということを見る必要があります。まず、訓練はどのような目的のために行われるのでしょうか。筆者は以下のような理由で行われる訓練をよく見かけてきました。「送られてきたメールが標的型攻撃のためのものであると気付き、開封や添付ファイルの実行、記述されたURLにアクセスしないようにするため」そして、こうした訓練は複数回実施されるケースが多く、1度目に訓練メールを開いてしまった方には何かしらの教育や注意を行い、1回目と2回目の開封率を比較するというものがよくあります。そうすることによって開封率を下げるというわけです。しかし、それで本当に良いのでしょうか。開封率が下がることで必ずしもリスクが低減されたと言えるのでしょうか。筆者はこのことについて懐疑的な立場です。例えば、グループAとグループB、それぞれ100人いる2つのグループが訓練を実施したとします。その結果が以下のようになったとしましょう。グループA: 100人中1人が開封(開封率1%)グループB: 100人中10人が開封 (開封率10%)開封率を下げることによって必ずリスクが低減されるというのであればグループAが良い結果であり、数字だけで判断するならばリスクによるダメージもグループBに比べ低いと言えることになるでしょう。しかし、もう少し踏み込んで考えてみてください。開封した方の属性が以下の通りだったらどうでしょうか。グループA: 開封した1人が役員クラスまたはシステム管理者グループB: 開封した10人すべてが一般社員アクセスできる範囲はどちらの方が広く、情報の量が多いと言えるのでしょうか。多くの場合はグループAという結果になります。10人の一般社員よりも、1人の役員やシステム管理者の方が、アクセスできる範囲や閲覧できる情報は多く重要度も高いわけです。これらは容易に想像できますし、実際にそうなっている組織が殆どでしょう。開封率が下がれば下がるほど、残存するリスクが同じように減っていくのであれば開封率にのみ着眼した訓練は大いに意味のあるものであると言えると思います。ただ、実際には開いた人の属性が関係してくる可能性を含むため、開封率の低下と同じように残存リスクが低下しないケースが存在するということです。また、攻撃者は1台でも端末を感染に持ち込むことができれば、内部のネットワークへの侵入が完了することになります。そこから遠隔操作によって感染端末を操り、侵入範囲の拡大を行なっていきます。それを防ぐためには1台でも感染を許さないということ以外にありません。果たしてそんなことが可能なのでしょうか?筆者はそうあり続けることは現状不可能といっても過言ではないと考えています。つまり、私たちは圧倒的に不利な状況であるわけです。攻撃者には勝つことはできませんが、1つ目の壁を突破されたとしても負けにはならないための対策、意識が必要とされているのだと筆者は考えています。明日公開の後編では、訓練に関する"とある実験"の結果や年金機構のメール文を例に、メールテストの正しい利用法について解説していきます。著者プロフィール○辻 伸弘氏(Tsuji Nobuhiro) - ソフトバンク・テクノロジー株式会社セキュリティエンジニアとして、主にペネトレーション検査などに従事している。民間企業、官公庁問わず多くの検査実績を持つ。また、アノニマスの一面から見えるようなハクティビズムやセキュリティ事故などによる情勢の調査分析なども行っている。趣味として、自宅でのハニーポット運用、IDSによる監視などを行う。Twitter: @ntsuji
2015年06月23日結婚は人生の大きなイベント。新しい家庭を築くにあたって保険を考え直すという人も多いでしょう。これから新たな家族を守るための保険は万全に備えたいもの。その意気込みは大いに結構ですが、最初から欲張って完璧を目指さなくても大丈夫。これからたくさんのライフイベントを迎えていく中で、保障の内容も変化していくので、その都度見直せばOK。ただし、スタート地点ではしっかりとベースを作っておくことが大事です。○新婚時にまず必要なのは今後のライフプラン保険というのは予測ができない事態が起こったときのためにかけておくものなので、普段は忘れていても安心してすごせるように、しっかり考えて加入しておきたいもの。とくに死亡保障は家族構成や職業などが変わったときに保障内容が変わるケースが多いので、大きな変化があったときには保険を見直すと思っているといいでしょう。結婚は新たな家族ができるという人生の中での大きな変化ですので、当然保険もしっかりと見直す必要があります。ただし、新婚時代は夫婦ともに仕事を持っているケースも多く、子どもがすぐに生まれるということでもない限り、お互い大きな保障は必要ありません。先を見越して万全の保障を得るというよりも、これから二人で築く将来プランをきちんと立てた上で、そのベースとなる保障をしっかり確保しておくと考えるといいでしょう。新婚の時期に保障ベースをきちん確保しておけば、たとえば子どもが生まれたときに足りない保障をプラス、マイホームを購入しローンを組んだときにはその分の保障をけずるといった調整を加えることで、今後の保障の見直しが簡単にできます。○公的な保障でどれだけカバーできるのか考えよう万が一のときに、その後の家族を守るための費用をすべて保険で備えなければならないというわけではありません。公的な保障制度である程度カバーしてくれるので、保障額を考えるときにはその分も含めてプランを立てます。公的保障では夫に万一のことが起こったときには、残された家族に遺族年金が支払われることになっています。加入している公的年金制度と子どもの有無により受け取れる遺族年金の種類が違いますが、会社員で夫婦だけのケースでは、夫が亡くなったときには妻に遺族厚生年金が支給されますが、自営業など国民年金加入者である夫が亡くなった場合には、遺族が妻だけのケースでは基本的に遺族年金はありません。18歳未満の子どもがいるケースでは、会社員の夫が亡くなった場合には遺族厚生年金と遺族基礎年金、夫が自営業などのケースでは、遺族基礎年金が支給されることになっています。つまり、子どもがいる家庭では、夫に万一のことがあった場合には多少の遺族保障は確保されると考えてよいと思います。○公的保障で不足する額を保険で準備しよう夫婦2人だけの若い時期には万一のときにもお互い何とかなりますが、子どもが生まれたり年齢を重ねていくにつれ、公的保障だけで保障は十分とは到底いえなくなります。その不安部分を保険で補っていくと考えるといいでしょう。つまり遺族の生活を守るために年金やそのほかの収入だけで足りない分を保険で準備するということです。一生保険で生活するというのも現実的ではないですし、そもそも万一のために必要以上の保障を得るのはお金の無駄です。共働きの会社員夫婦なら1000万円~2000万円ぐらいの保障をベースの保険として準備しておくといいでしょう。なるべく早く子どもがほしいなど希望があるなら、子どもが生まれたあとの妻の働き方も考慮した上で、ベースの保障を少し多めに考えておくとより安心です。子どもが生まれたら妻の仕事をフルタイムからパートに変えるというのであれば、夫の死亡保障は妻子の生活費を確保できる額がベースとなります。フルタイムで働き続ける予定なら、万一のときにも収入がまったくなくなる心配はないわけですから、妻の収入もある程度考慮して保障額を考えるといいでしょう。ひとつ注意したいのは、妻が亡くなった場合の公的保障。妻の遺族年金はたとえ子どもがいてももらえないケースがほとんどです。ですから家計に占める妻の収入の割合が大きい家庭では、子どもが生まれたときには妻の死亡保障もしっかり見直すことを忘れないようにしましょう。(※写真画像は本文とは関係ありません)<著者プロフィール>ファイナンシャルプランナー 堀内玲子証券会社勤務後、編集製作会社で女性誌、マネー関連書などの編集を経て1993年に独立。1996年ファイナンシャルプランナー資格を取得。FPとして金融・マネー記事などの執筆活動を中心に、セミナー講師、家計相談などを行う。著書に「あなたの虎の子資産倍増計画」(PHP研究所・共著)「年代別ライフスタイル別生命保険のマル得見直し教室」(大和出版)など。
2015年06月22日フィット総合保険はこのほど、太陽光発電システムの保険の専門サイト「太陽光の売電収入保険」を開設した。同サイトでは、太陽光発電システムが自然災害などで損害を被り、売電が停止した場合の売電収入補償保険の重要さを説明。また、システム本体の保険についても、盗難や獣害による被害が対象外であることや、「電気的機械的事故」が対象外であることなど、太陽光保険の専門家として様々な注意点を紹介している。同社によると、システム本体の保険について「とりあえず薦められるままに加入する」というオーナーが多く、事故が発生した場合に十分な補償を受けられないケースもあるという。このような事態を受け、オーナーが安心して事業に専念できるように、サイトを通じて必要な情報と安心を手にしてもらいたいという想いから、専門サイトを開設したとしている。売電収入補償保険は、太陽光発電システムが火災や自然災害などにより損害を被り、売電収入が減少した場合に補償するもの。安価で加入できるといい、法人・個人ともに対応可能となっている。
2015年06月22日・ 「老後が不安」なママ世代の、不安の本当の正体とは? ・ 年金、私は結局いくらもらえるの? ・ 公的年金で、サラリーマン家庭が特に知っておくべきポイント4つ ・ 年金の中で一番わかりにくい、企業年金を理解するためのポイント3つ ・ 事実上の退職金、企業型確定拠出年金のポイント3つ の続きです。確定拠出年金は、老後の資産形成の柱のひとつ。今回は、個人型の確定拠出年金について、ポイントを、年金のプロ、大江英樹さんに伺った。■個人型確定拠出年金は、現在、誰が加入できるのか? 現在、個人型確定拠出年金に加入できるのは、下記の図の通り「自営業・無職」の人か、「企業年金のないサラリーマン」だけ。大江さんいわく、「個人型の確定拠出年金は、とても良い制度なのに、入れるのに入っていない人のほうが多く、利用しているのは入れる人の10分の1未満。もっと、広報されていくべき制度だと思います」。■個人型確定拠出年金は、今後制度の拡大が決定2015年4月、個人型確定拠出年金に加入できる人が拡大する法案が国会に提出されている。ただ、この法案が通ってもこれから制度の細かい制定やシステム構築に取りかかるので、2017年頃を目途に制度がスタートするのでは? というのが専門家の意見。制度がスタートすれば、下記の図の通り、ほとんどの人が個人型の確定拠出年金に入ることができるようになる。■個人型確定拠出年金は、自分で年金をつくる最高の方法大江さんは言う。「実は個人型確定拠出年金こそ、自分で年金をつくる最高の方法なんです」。確定拠出年金。その名前を聞いただけで、現段階では難しそうな感じがすると思うが、今から2年後の2017年を目途に、認知度はグンと上がり、もっとポピュラーなものとなっているはず。その時になって慌てないためにも、「確定拠出年金」という言葉だけでも、頭の片隅にインプットして欲しい。今回は、Woman.exciteママで初めて年金の特集をしたので、年金の全体像をザッと眺める特集となったが、今後折をみて、確定拠出年金の運用方法の特集も考えている。確定拠出年金についてもっと詳しく知りたい人は? ◇ 自分で年金をつくる最高の方法確定拠出年金の運用【完全マニュアル】 (著者:大江英樹/日本地域社会研究所) 定価:本体1,680円(税別)
2015年06月21日・ 「老後が不安」なママ世代の、不安の本当の正体とは? ・ 年金、私は結局いくらもらえるの? ・ 公的年金で、サラリーマン家庭が特に知っておくべきポイント4つ ・ 年金の中で一番わかりにくい、企業年金を理解するためのポイント3つ の続きです。近年、確定「拠出」型の企業年金の制度を導入する会社は増えている。それに伴い、世の中に「確定拠出年金」という言葉は広まりつつあるが、多くの人が「会社で確定拠出年金が導入されたけれど、よくわからない」というのが現状だ。そこで、企業型確定拠出年金を理解するためのポイントを、年金のプロ、大江英樹さんに伺った。■会社が潰れても大丈夫、企業型確定拠出年金のポイント3つ<ポイント1>節税になる「自分の分として会社から割り振られたということは、企業型確定拠出年金は収入!?」と思う人がいるかもしれない。たしかに、会社からもらえるお金という意味では収入だが、税金の計算をする時は収入から差し引いて計算される。その結果、税金を抑えることになる(これは確定給付年金の場合も同じ)。また、運用で得た利益や、運用したお金を年金や退職金として受け取る時にも、企業型確定拠出年金には、税制上の優遇がある。<ポイント2>会社が潰れても大丈夫確定「給付」型の年金の場合、勤めていた会社が潰れた時には、本来もらえるはずのお金が守られる保証はない。けれども、確定「拠出」型の場合は、すでに自分の口座に割り振られているので、それまでの分には何の影響もない。<ポイント3>60歳までは絶対に引き出せない確定拠出年金は、60歳までは絶対に引き出せない。これは一見デメリットのようだが、確実に老後資金を貯めるという視点で考えてみると、メリットであるともいえる。こうしてポイントを整理してみると、確定拠出年金は、とても良い制度。使わない手はないのでは? という気になる。「あまりPRがされていないので、世の中には知られていませんが、確定拠出年金は、老後試算形成の柱のひとつなのです」と、大江さん。でも、「うちの夫の会社には、企業型確定拠出年金がないかも!?」という人もいるだろう。そこで次回は、「個人型確定拠出年金のポイント3つ」と題し、個人型の確定拠出年金のポイントを整理する。確定拠出年金についてもっと詳しく知りたい人は?◇ 自分で年金をつくる最高の方法確定拠出年金の運用【完全マニュアル】 (著者:大江英樹/日本地域社会研究所) 定価:本体1,680円(税別)
2015年06月19日ゆうちょ銀行はこのたび、8月3日からゆうちょ銀行で公的年金の自動受取りを利用している顧客に、1年定期の金利を優遇する「年金 金利優遇キャンペーン」を実施すると発表した。○年金 金利優遇キャンペーン概要受付期間:8月3日(月)~8月31日(月)内容:キャンペーン期間中、ゆうちょ銀行で公的年金(国民年金・厚生年金・共済年金・恩給など)の自動受取りを利用している顧客に、1年定期(自動継続扱い)の金利を優遇する利用までの流れ:(1) キャンペーン期間中に総合口座通帳を提示し、ゆうちょ銀行で公的年金の自動受取りを利用していることを確認する。(2)1年定期(自動継続扱い)の店頭表示金利+0.1%(税引後0.079685%)の金利優遇が受けられるキャンペーン期間中、一人一回に限り100万円まで利用できる。ゆうちょなら日本全国に店舗・ATMがあるので、旅行中や引越し先でも便利に利用できるとしている。
2015年06月15日先日、日本年金機構に不正アクセスが発覚し、約125万件の個人情報が流出したと発表された。その原因は、近年、官公庁や企業を狙って急増している"標的型メール攻撃"。クオリティソフト株式会社は、6月18日(木)、今回の事件の手口や防御方法、今企業に必要なセキュリティ対策について解説するセミナー「~125万件の年金情報が流出~公認情報システム監査人が解説する、個人情報流出事件の手口と対策」を東京にて開催する。○公認情報システム監査人や日本マイクロソフトのセキュリティアドバイザーが登壇今回のセミナーは、3部構成。第一部ではシスコシステムズ合同会社のセキュリティビジネス事業推進担当部長で、"公認情報システム監査人"の資格を持つ楢原盛史氏が、「年金情報流出事件の概要とその手口」について解説を行う。第二部は「標的型攻撃の脅威と企業に必要な情報セキュリティ対策」について、クオリティソフト株式会社の山﨑誠司氏が語る。また第三部には、日本マイクロソフト株式会社チーフセキュリティアドバイザーである高橋正和氏が登壇。攻撃の傾向から見る今後のセキュリティ対策について解説する予定だ。年金情報流出事件のような標的型攻撃は、その手口がますます巧妙化。もはや従来のウイルス対策ソフトだけでは、防御が不十分とされている。情報漏えいなど取り返しのつかない被害を受けてからでは手遅れ。この機会に、本セミナーで最新のセキュリティ対策について知見を得てはいかがだろうか。セミナーへの申し込み、詳細は以下のサイトを確認してほしい。なお、受付は先着順で、定員になりしだい締め切られる。○セミナーの詳細は以下の通り開催日時: 2015年6月18日(木) 15:00~17:00参加費: 無料(事前予約制)開催会場: AP東京八重洲通り 7階 Pルーム(東京都中央区京橋1丁目10番7号)定員: 140名詳しくはこちら
2015年06月15日・ 「老後が不安」なママ世代の、不安の本当の正体とは? ・ 年金、私は結局いくらもらえるの? ・ 公的年金で、サラリーマン家庭が特に知っておくべきポイント4つ の続きです。私たちが、年金で知りたいことは、「自分は、どこから、いくらもらえるの?」ということ。だったら年金制度を、もらえる先ごとに「公的年金」「企業年金」「個人年金」にわけて考えてみると、全体像が把握しやすい。今回は、企業年金で知っておくべきポイント3つについて、年金のプロ、大江英樹さんにお話を伺った。■年金制度のわかりにくさの元凶? 企業年金を理解するためのポイント3つ<ポイント1>企業年金とは、給与の後払いのことである「企業年金という言葉自体が、実は年金制度の理解を難しくしているんです」と、大江さん。では、どう考えればいいのだろう?「『企業年金とは、給与の後払い』であると理解したほうが、ずっとスッキリします。アメリカでは公的年金をSocial Security、企業年金のことをBenefitと呼びますが、こちらのほうが実態を上手に表現した言葉かもしれません」。<ポイント2>企業年金は、分けて受け取る退職金会社を定年退職した後にもらえるお金としては、退職金と企業年金がある。この2つの違いについてもどう違うのか迷ってしまう。「名前と受け取り方が違うだけで、実態は同じものです」。こちらも図にして、視覚的にイメージしてみよう。 <ポイント3>企業年金には、2つのタイプがある企業年金のうち、分けて受け取る年金型には、下記の図のように2つのタイプがある。・退職後に貰う金額が確定しており、会社が一括してそのお金を管理・運用する=確定「給付」型・お金を出すのは会社だが個人が自分の分を管理・運用し、その成果次第で退職後に貰える金額が異なる=確定「拠出」型確定拠出年金は、従業員ひとりひとりに口座が割り当てられ、会社が出した掛け金が従業員の口座に割り振られる。確定拠出年金の場合は、従業員は、割り振られた自分の分のお金を自分で運用することになる。近年、確定「拠出」型の企業年金の制度を導入する会社は増えている。それに伴い、世の中に確定拠出年金という言葉は広まりつつあるが、多くの人が「会社で確定拠出年金は導入されたけれど、よくわからない」というのが現状だ。今後、世の中に広まっていくことが必須の確定拠出年金。次回は、「企業型確定拠出年金のポイント3つ」を取り上げ、企業型の確定拠出年金のポイントを整理する。年金についてもっと詳しく知りたい人は?◇ 自分で年金をつくる最高の方法確定拠出年金の運用【完全マニュアル】 (著者:大江英樹/日本地域社会研究所) 定価:本体1,680円(税別)
2015年06月15日ラックは6月9日、6月1日に日本年金機構が発表した、基礎年金番号を含む個人情報が漏えいした事件に関して、背景や想定される原因を同社が知り得た範囲で整理し、対処方針などを提言する「日本年金機構の情報漏えい事件から得られる教訓」を公開した。このなかで、事件の原因を、公共団体は、国民の多くの個人情報を持っていることから、攻撃者に多くの動機をもたらしているが、公共団体のセキュリティ担当にとっては至極当たり前であると考えられているこの危機意識が、組織全員にまでは浸透せず、理解が進んでいなかったためだと推測。この事件から我々が取るべき行動として、事件・事故前提の組織体制構築社員や職員の意識改革と教育事故対応チームの組織化セキュリティ監視と不正通信の洗い出し事件発生を見越した演習を挙げた。
2015年06月11日ペンタセキュリティシステムズ(ペンタセキュリティ)は6月8日、「韓国から見た日本年金機構の個人情報漏えい事件を語る」と題するコラムを掲載。先日の日本年金機構の情報漏えい問題をセキュリティ企業の観点から解説した。この問題では、日本年金機構の年金情報の管理システムがハッキングを受け、125万人の個人情報が漏えいしており、日本の公共機関としては最大規模の流出となった。コラムでは、今回の事件を語る上で欠かせない「アンチウイルスソフト」「ネットワークセキュリティ」「データベースの暗号化」について以下のように解説している。○アンチウイルスソフトは対策にならない問題の発端となったウイルスが見つかった際、日本年金機構は外部の管理会社から「情報を漏えいできるようなウイルスではない」と報告を受けたため、ウイルス対策の更新以外に特別な対策をしなったという。その結果125万人に個人情報が流出する事態となった。今回の事件では、アンチウイルスソフトが役に立たなかったのが実情だ。アンチウイルスソフトに欠陥があったわけではなく、防ぐことができない攻撃手法であった。アンチウイルスソフトは、実行したプログラムを既存のウイルスの情報リストとマッチングさせ、リストに載っていればブロッグする。逆に考えれば、リストに載っていないプログラムは原則、ブロッグできない。コラムでもアンチウイルスソフトは「新米のハッカーによる攻撃に対する対策としては、十分有効だろう」と裏を返せば、高度な攻撃には即座に対応できないことを指摘している。○ネットワークのセキュリティ対策で済む問題ではない最初にウイルス感染した福岡支部のパソコンは、ネットワークから完全隔離したにも関わらず、まもなく東京本部でも感染が確認された。このことから攻撃手法は「ネットワークセキュリティにおける階層の脆弱性を利用した」と解説している。Web経由での代表的な攻撃は、1次攻撃と2次攻撃に分かれる。1次攻撃は、標的の内部ネットワークへの潜入を試み、一方の2次攻撃はネットワークおよびシステムの支配を試みる。1次と2次の攻撃が成功することで攻撃者が狙うデータを取得できる。今回の事件でいうなら攻撃者の目的は個人情報の取得である。今回の事件は1次攻撃の手段はEメールを利用し、添付ファイルを開封したときに感染したとされている。ネットワーク用のセキュリティ製品の多くは、Webを介して転送されるEメールやWebコンテンツを監視対象にすることができない。コラムでは、「コンテンツはネットワークのL7(OSI 7レイヤによる分類)にてその『正体』が分かるが、主にL4を管理するネットワークセキュリティ製品は当該コンテンツの悪意を判断できない」と指摘している。L7を監視するには「WAF(Web Application Firewall、Webアプリケーションファイアウォール)」の必要性があると訴えている。○単なるデータ暗号化では、十分ではないコラムでは、日本年金機構はなぜデータを暗号化していなかったのか疑問視している。「国民の個人情報を扱っている機関として恥を知るべく」と指摘しているように、国家機関の対応として簡単に許されることではない。個人情報におけるセキュリティ対策として暗号化に関するコンプライアンスを定め、社会インフラを整備し、具体的な方法論を官公署のみならず民間にも浸透させていくなどの特段の措置を取る必要があるという。今後、これと類似した事件がどれだけ発生するかによっては、既存の個人識別番号を別な番号に「変換」することも考えられる。番号を扱うシステム自体が「番号」の形式や属性に依存しているのであれば、「FPE (Format Preserving Encryption, 形態維持暗号化)」といった、より高度な暗号化技術が求められる場合が出てくる。まず、なりすまし防止への対応と、多様な環境への対応にも備えるべきだ。セキュリティを強調すると、その使用環境は狭まる傾向がある。しかし、セキュリティのためだといって、今更ながら特定の指定されたパソコンのみ使うことを強要することはできない。モバイル環境にも、個人情報が流れているPOS(Point Of Sale, 販売時点情報管理)システムなどにも、対応しなければならないのだ。システムを安全に守るためには、「データ暗号化プラットフォーム」が重要であると述べている。暗号化技術は、個別のシステムだけでなく、ICTシステム全体に適用する必要があるためだ。プラットフォームの導入は、暗号化のコア技術を保有する専門会社に相談することを推奨している。
2015年06月09日・ 「老後が不安」なママ世代の、不安の本当の正体とは? ・ 年金、私は結局いくらもらえるの? の続きです。私たちが、年金で知りたいことは、「自分は、どこから、いくらもらえるの?」ということ。だったら老後のための資金を、もらえる先ごとに「公的年金」「企業年金」「個人の蓄え」に分けて考えてみると、全体像が把握しやすい。今回は、もっとも多くの人に関係がある、公的年金で知っておくべきポイント4つについて、年金のプロ、大江英樹さんにお話を伺った。■サラリーマン家庭が特に覚えておきたい、公的年金のポイント4つ「サラリーマン家庭の方は、公的年金について以下のポイントだけはしっかり覚えておいて下さい」と、大江さん。<ポイント1>公的年金は終身給付国から支給される「基礎年金」と「厚生年金」は、一生涯受給できる終身年金だ。基礎年金は、平成26年4月時点では年額で77万2,800円(保険料を満額払い込んだ場合)。基礎年金は物価の変動によって受け取れる金額が変動するので、経済の変化に強い年金ともいえる。厚生年金は、支払った保険料によってもらえる金額が違ってくる。<ポイント2>サラリーマンなら保険料未納はまずない「うちは国民年金の保険料なんて支払っていないけど大丈夫?」と心配する家庭もあるかもしれない。けれども、それも大丈夫。厚生年金保険料という名目で給与天引きされている中に、国民年金(基礎年金)の保険料も含まれているからだ。転職したり自営業だったりしたことがある人以外は、サラリーマンなら年金保険料が未納になっているケースは、まずない。<ポイント3>破綻はまずない「国の年金制度が破綻するという話はよく出ていますが、本来、年金制度は非常に長い時間をかけて制度を変えていくもの。すぐにもらえなくなるといった心配をするのはナンセンスです」と大江さん。将来、公的年金の受け取り開始年齢が上がることはあるが(現在65歳 → 将来的には68歳~70歳)すぐに破綻したり、もらえなくなったりする心配はない。<ポイント4>ねんきん定期便の見方のコツ自分が将来もらえる公的年金額を知るには、年に1回、お誕生日月に送られてくる「ねんきん定期便」を見ればよい。ただし、50歳未満の人については、これまでに払い続けてきた保険料の金額のみで計算された年金の額が計算されている。年金自体は今後も払い続けるため、将来もらえるであろう金額とは異なるため、実際目にすると戸惑ってしまうかもしれない。そんな場合は、 ねんきんネット がおすすめだ。これは、将来の受取り見込額のシミュレーションを試算できるサービス。しかも、「ねんきん定期便」であれば、自分の最新の年金額が1年に1度しか送られてこないが、「ねんきんネット」であれば、いつでも最新の情報をチェックすることができる。公的年金のポイントはこれで整理できた。次回は、「企業年金のポイント3つ」で、もらえる年金の2つ目、企業年金のポイントを整理する。年金についてもっと詳しく知りたい人は?◇ 自分で年金をつくる最高の方法確定拠出年金の運用【完全マニュアル】 (著者:大江英樹/日本地域社会研究所) 定価:本体1,680円(税別)
2015年06月09日・ 「老後が不安」なママ世代の、不安の本当の正体とは? の続きです。「老後が不安」と思っているのに、何の手だても打てないのは、年金制度がわかりづらいから。そこで、年金制度を理解する秘訣を、年金のプロ、大江英樹さんに伺った。■自分は、どこから、いくらもらえるのか? 「社労士(社会保険労務士)さんならともかく、普通の人が知りたいのは、『自分は、どこから、いくらもらえるのか?』ですよね? だったら、それを具体的に考えてみましょう」と、大江さん。実際に「どこから」「いくら」年金をもらえるか、年金の仕組みはこうなっている。 ■もらえる年金(1)国からもらえる「公的年金」まず、上記の図の左側、国からもらえるのが、公的年金だ。何をもらえるかというと、サラリーマンなら、「厚生年金」(基礎年金も含む)。自営業の人なら、「国民年金」だ。「具体的にいくらもらえるのか?」は、毎年、誕生日月に送られてくる「 ねんきん定期便 」を参照しよう。この「ねんきん定期便」を見たことがある読者は、金額の少なさにビックリしたのでは? でも、ご安心あれ。実際にもらえるのは、記載されている金額ではない。実は、「ねんきん定期便」の見方にもコツがあるので、それは次回に詳しく説明しよう。■もらえる年金(2)会社からもらえるのは、「企業年金」次にさきほどの図の真ん中、会社に定年(あるいは一定の年齢)まで勤めた場合にもらえるのが、企業年金だ。このお金は、一度に受け取れば「退職金」、分けて受け取れば「企業年金」と呼ばれる。もらえる金額は、会社の人事部に問い合わせをすれば教えてもらえるそう。「ちょっと前までは、会社の人事部にそんな問い合わせをすると、『会社を辞めるんじゃないか?』なんて勘ぐられたり、そもそも教えてもらえなかったりしましたが、今は多くの会社で、簡単に教えてもらえる時代になりました」と、大江さん。■もらえる年金(3)自分で準備するのが、「個人年金」最後が図の右側、自分で準備する、個人年金だ。年金という名前はついているが、実際には貯蓄や投資信託、株といった、自分の蓄えのことで、自己管理となる。これで年金制度の骨格は整理できただろう。次回は、「公的年金で知っておくべきポイント4つ」として、基本的に誰もがもらえる公的年金のポイントを整理する。年金についてもっと詳しく知りたい人は?◇ 自分で年金をつくる最高の方法確定拠出年金の運用【完全マニュアル】 (著者:大江英樹/日本地域社会研究所) 定価:本体1,680円(税別)
2015年06月08日チューリッヒ生命はこのたび、2013年6月に発売以来、好評を得ているという「終身医療保険プレミアム」にさらに改良を加えたリニューアル商品「終身医療保険プレミアム DX(ディーエックス)」を7月1日より発売すると発表した。また、女性専用の商品「終身医療保険プレミアム DX Lady(ディーエックス・レディ)」も同日より発売する。「終身医療保険プレミアム DX」は、病気やケガをしたときの医療保障だけでなく、精神疾患を含むストレス性疾病や所定の病気、ケガにより働けなくなったときの生活保障として、最長10年間年金を支払うことを可能とした新発想の終身医療保険だという。医療保険といえば、病気やケガによる入院や手術などの医療費について保障するものが一般的だが、現実には、ガンや脳卒中などの重篤な病気、身体に障害が残るようなケガのため、今までのように就労できなくなることで収入が減るといったケースにより生活が困窮することも少なくないとう。そこで同社では、傷病時の経済的損失を明確化することで、重篤な病気やケガの際に必要な保障を包括的に提供できる新しい終身医療保険を開発したとしている。このたびの保険は、2013年に発売した「終身医療保険プレミアム」から設計を大きく変更し、シンプルな基本保障と選べる豊富なオプション(特約)により、顧客一人ひとりのニーズにフレキシブルに対応することが可能となったという。基本保障は入院、手術、放射線治療保障とし、オプション(特約)は5種類の医療保障と2種類の生活保障から選択できるとしている。
2015年06月06日アトム法律事務所(以下、アトム)は4日、日本年金機構の年金情報125万件流出問題をLINEで弁護士に無料相談できる特別窓口を開設したことを発表した。○年金流出問題もLINEで24時間365日相談できるアトムは4月に、LINEで弁護士に無料相談できるサービスの提供を開始した。同サービスは、開始からわずか1カ月半で友だち登録数が9,000人以上に上り、反響を呼んだ。そこでこの度は日本年金機構の年金情報125万件流出問題を受け、特別窓口を開設した。登録方法は、LINEの「友だち追加」で「@atombengo」と検索、またはQRコードを読み込むことで可能。利用方法としては、アトムにLINEでメッセージを送信するだけの簡単な操作だ。また、秘密厳守も徹底しており、1対1のトークで、登録自体も相談内容もアトムの所員以外は誰も見られない設定となっている。なお、年金情報流出問題の件を相談した後でも、引き続き無料で利用でき、法律問題・トラブルのほか、人生や恋愛まで、あらゆる悩みを相談することができる。
2015年06月05日カスペルスキーは6月4日、年金情報流出で大きな騒ぎとなっている日本年金機構の情報流出の原因と見られる、日本を標的としたAPT攻撃「BlueTermite(ブルー・ターマイト)」に関する緊急会見を行った。会見の冒頭、カスペルスキーの代表取締役社長 川合 林太郎氏は、「今回の会見は特定の団体をやり玉に挙げ、大きな騒ぎになっている事件に火に油を注ぐことが目的ではない」と説明。「今回、ニュースになっているもの以外にも、日本を標的としたAPT攻撃、BlueTermiteが起こっていることが明らかになったことから、これに関して説明を行うとともに、どんなことが起こっているのか、どう対策をとるべきかをお話したいと考えた」と続けた。同社では2013年から日本を標的とした攻撃が行われていること、日本人にとってAPT攻撃が他人事ではないことをアピールしてきたが、「BlueTermiteは100%日本が攻撃対象となっている。三度目の正直で、標的型攻撃は他人事ではなく、日本の企業、団体全てが対策を取るべき事案」(川合社長)と訴えた。BlueTermiteは2014年9月に指令サーバーへの通信を行っていることが確認されている。それ以降、10月~12月にかけては、日によっては百件を超す通信数となっていたが、その後は通信数が減っていた。しかし「今年4月以降、活動が活発化していることが明らかになっている」(カスペルスキー 情報セキュリティラボ セキュリティリサーチャー 石丸 傑氏)としており、再び攻撃者が目的をもって動き出した様子が伺える。マルウェアとしての特徴は、送られている添付ファイル付きメールの文面、添付ファイルのタイトルにはさまざまな種類があり、健康保険を装ったものや、季節の挨拶が書かれたものなどがある。添付されているファイルは自己解凍実行型の.exeファイルが添付されているので、そこに気がつけばファイルを開かずに削除する人が多いと思われるが、「添付ファイルの拡張子を表示しない設定になっている人が多いので、ファイル拡張子を意識することなく、ファイルを開く人が多いのではない」(石丸氏)という。開いた添付ファイルに書かれているテキストは通常のものだが、そのバックエンドで攻撃者のサーバーと通信が行われる。その結果、外部通信用バイパスツールが設置され、マルウェアへの感染、内部ネットワーク管理者権限の取得、他の端末への感染拡大などが行われる。指令サーバー、感染後の挙動、マルウェアという一連の攻撃が行われ、指令サーバーの機能、ファイル名、構成などが同種であるものが多数発見されている。日本年金機構への攻撃についても、この特徴が合致することから、BlueTermiteによる攻撃と推定された。「我々のような対策者側には指令サーバーへの通信を見せない仕組みとなっているため、すぐには気がつきにくい」(石丸氏)標的型攻撃であることから、攻撃対象を確認し、その組織が持っている重要な情報を取得している。2015年5月時点で国内数千ドメインが攻撃者の手中にある模様で、報道機関の例を取ると、メールアドレスやパスワード、IDが、エネルギー関連企業の場合には、保有する施設情報、製造業の場合にはIT資産リストなど、取得している情報に違いがある。「最も被害が大きいと見られる情報通信業では、WindowsSystemファイルへのアクセスが確認された。クラウドサーバー本体へのアクセスがあった模様で、管理者権限まで乗っ取られていた場合には、他社への攻撃、情報収集などが行われている可能性がある」(石丸氏)こうした事態に対し川合社長は、「テクノロジー、教育、環境、情報の取り扱いという4つの柱に則って対策を作るべき」とアドバイスする。「うちは小さい会社だから、狙われている業界ではないといった、根拠のない『うちは大丈夫』という過信を止める。誰もが標的となる可能性があり、送られてくるメールの内容も巧妙化している。被害に遭うことは決して恥ではない。万が一、攻撃にあった場合には警察に連絡し、他の企業が攻撃にあうことがないよう、重要な情報として共有していくべき」(川合社長)セキュリティ製品を提供する企業としてテクノロジーの観点から、エンドポイント対策の見直し、脆弱性対策の導入、.exeはデフォルトで削除ないし、隔離するといったメール設定の見直し、セキュリティコンサルティングの実施により現状の確認と評価を行うことを提言する。また、BlueTermiteへの感染の有無を確認するため、タスクリスト、スタートアップに登録されているかを確認すべきMalware、Toolsのプロセス名を紹介。確認の必要性をアピールした。
2015年06月04日○連想買いの株高日本年金機構が、サイバー攻撃にあい125万件の個人情報が流出していたと6月1日に謝罪会見を開きました。ウイルスに感染したパソコンを経由して、不正アクセスが行われていたというのです。機構の発表によれば、添付ファイルの開封による感染というよくあるパターン。事件を報じた産経新聞は、前身の社保庁時代の「年金履歴のぞき見事件」と異なり、被害者の側面があると紹介しますが、次々と明らかになる事実からは「重過失」の疑いが浮かびます。情報流出が発表された翌日の東京株式市場。ラック、FFRIなど、セキュリティ関連会社の株は、買い気配のまましばらく値が付かずにいました。事件により、セキュリティ対策の需要が高まり、好業績に繋がるという思惑買いと見られます。しかし、ソフトやハードを強化するというテクノロジーからのアプローチだけでは再発防止は夢のまた夢の「セキュリティ0.2」です。○約40台の感染ウイルス感染が発覚したのが5月8日。官公庁へのサイバー攻撃を監視している「内閣サイバーセキュリティセンター」が、不審な通信を見つけ同機構に通報し、当該パソコンを外部ネットワークから遮断します。この迅速な対応だけは、極めて優秀と評価できます。ところが不思議な事実が明らかとなっていきます。添付ファイルをクリックした職員は、5月8日だけでなく、18日にも現れたというのです。この情報だけ見るならば、感染したパソコンは2台のはず。しかし、全国紙Aでは十数台、ほかの全国紙に至っては「約40台のパソコンが不正なアクセスを受けたとみられる」と伝えているのです。パソコンのウィルスはUSB端末やネットワークを介して拡がります。マスコミ各社の報道を総合すると、感染発覚により外部ネットワークから切り離したパソコンを、内部ネットワークに繋いでいた疑いが強まります。ノートパソコンの「無線LAN(Wi-Fi)」をオフにしただけで、通信ケーブルは接続したままだったということでしょうか。これではインフルエンザを発症した社員を、帰宅させずに事務所内で働かせ続けるようなもの。感染拡大は言わずもがなです。○大半はヒューマンエラー個人情報の書き込まれたファイルは、パスワードを設定しなければならないという内規がありました。パスワードをかけておけば、仮に個人情報が流出したとしても、容易に中身が見られることはありません。万が一の情報流出時に、被害を最小限に食い止めるためのルールで、情報管理からみて妥当な対策です。ところが、流出した個人情報の44%にあたる、55万件が未設定でした。鍵をかけていない金庫は、かさばる戸棚に過ぎません。被害を決定づけたのは、従来は堅牢な基幹システム内にあった個人情報を「ファイル共有サーバ」に移したことです。朝日新聞が「パソコン」と表現していることから、パソコンの「ファイル共有機能」かも知れませんが果たす役割は同じです。感染したパソコンは、ここにあった情報を見つけ、外部に送信していたのです。つまり、ここに情報を置いておかなければ、そもそも論として流出する情報はなかったのです。二重三重の人間によるミスと、管理の不徹底という「ヒューマンエラー」の前には、どんな堅牢なセキュリティ対策も「0.2」に成り下がります。○習っていないから知らないまた、発表前に「2ちゃんねる」では内部情報と見られる書き込みが見つかっています。旧社保庁の事件からも、日本年金機構という組織に根ざす、情報を取り扱う事業者としての危機意識の欠如は論外のレベルですが、大なり小なり、どの企業も内包する現代的な課題です。ソフトやハードを強化するだけでは再発防止は不可能です。機構の対応のまずさは特筆に値するとしても、問題の本質は「ヒューマンエラー」にあるからです。早急であり恒久的な対策としては、教育、指導、訓練といった「人」への投資で、これを疎かにしている企業は少なくありません。どれだけ堅牢なセキュリティを施したとしても、身内が無邪気に壁に穴をあけているようでは、防ぐことなどできません。あるいは窓口にやってきたテロリストを応接室に通し、正体が明らかになった後も、行動の自由を許していたとすれば、例え吉田沙保里さんが扮する「安心戦隊ALSOK」でも平和を守ることは出来ません。セキュリティソフトが脆弱だった20世紀、ウイルス被害は珍しいものではなく、某ラジオパーソナリティは買ったばかりのパソコンが感染していたことを繰り返しネタにしています。ところが堅牢なセキュリティシステムが普及するに従い、個人レベルでの危機感は薄れてきます。さらにスマホの普及で、若者世代を中心に、パソコン離れ、電子メール離れが進んだことにより、むしろ危機は増大しているように感じます。○エンタープライズ1.0への箴言不正アクセス対策で欠けている「教育」という視点宮脇 睦(みやわき あつし)プログラマーを振り出しにさまざまな社会経験を積んだ後、有限会社アズモードを設立。営業の現場を知る強みを生かし、Webとリアルビジネスの融合を目指した「営業戦略付きホームページ」を提供している。コラムニストとして精力的に活動し、「Web担当者Forum(インプレスビジネスメディア)」、「通販支援ブログ(スクロール360)」でも連載しているほか、漫画原作も手がける。著書に「Web2.0が殺すもの」「楽天市場がなくなる日」(ともに洋泉社)がある。最新刊は7月10日に発行された電子書籍「食べログ化する政治~ネット世論と幼児化と山本太郎~」筆者ブログ「ITジャーナリスト宮脇睦の本当のことが言えない世界の片隅で」
2015年06月04日チューリッヒ保険(以下チューリッヒ)は6月1日、ヤフーと提携し「Yahoo!ウォレット限定フリーケア・プログラム」を開始した。このたびの新たな提携により、Yahoo!ウォレット登録者に対して、Eメールで交通事故傷害保険を案内するという。対象のYahoo!ウォレット登録者はEメールに記載されたURLから申込み専用ページに入り、Yahoo!JAPANIDを入力し、必要事項を登録するだけで、入院保険金(一時金)5万円補償の交通事故傷害保険に、2年間無料(ヤフーが保険料を負担)で加入できるという。申込み手続きは、PCやスマートフォンを通じて、時間や場所を選ぶことなく簡単に完了できる。また、マイページ機能により、契約内容をウェブサイト上で確認することができるとしている。Yahoo!ウォレットとは、インターネットで支払い手続きや報酬の受け取りができるサービス。3,000万人が登録しており、有料サービス、有料コンテンツ、買い物の支払いや報酬の受け取りを便利に、簡単に行えるとしている。他にも、希望の顧客には月額500円からと少額の保険料でさらに補償を充実させ、万一の事故に備えるプランも用意しているという。保険料の支払いはYahoo!ウォレットを利用することで簡単に済ませることができるとしている。チューリッヒは、銀行、クレジットカード会社、メーカーなど多くの会員顧客を持つ企業と提携し、ダイレクトメールを中心とした通信販売の手法で傷害保険を案内する「フリー・インシュアランス・プログラム」というビジネスモデルを展開している。これまでに提携した企業は50社以上にのぼるという。このたびの提携により、今までダイレクトメールで培ったノウハウを活用し、インターネットを通してより多くの顧客へのアプローチが可能となるという。一方、ヤフーはYahoo!ウォレット登録者へ新たなサービスを提供することが可能となり、顧客の利便性とロイヤリティの向上が図られるとしている。チューリッヒは、このたび新たに提携が実現したヤフーをはじめとして、今後も提携企業とのダイレクトメールによる傷害保険の拡販を進めるとともに、「ケア」の精神と「イノベーション」の発想に基づき、顧客にとってより価値のある魅力的な商品やサービスの提供に努めていくとしている。
2015年06月03日日本郵便は5月29日、現在一部の郵便局で取り扱っているアフラック(アメリカンファミリー生命保険)のがん保険について、7月1日から新たに10,064局で取り扱いを開始すると発表した。このたびの取扱開始により、全国2万局でがん保険を取り扱うこととなるとしている。○取扱開始時期及び取扱局数取扱開始時期:7月1日(水)取扱局数:20,076局(保険窓口の取り扱いがない郵便局及び簡易郵便局を除く全郵便局)。新たに10,064局で取り扱い今後も身近な郵便局を通じて、より多くの顧客のニーズに一層応えていくとしている。
2015年06月03日日本年金機構は1日、職員の端末に外部からのウイルスメールによる不正アクセスを受け、年金加入者の氏名など約125万件の個人情報が外部に流出したことが5月28日に判明したと発表した。電子メールのウイルスが入った添付ファイルを職員が開封したことで不正アクセスが行われ、情報が流出。流出した情報は、「基礎年金番号、氏名の2項目」が約3万1,000件、「基礎年金番号、氏名、生年月日の3項目」が約116万7,000件、「基礎年金番号、氏名、生年月日、住所の4項目」が約5万2,000件となっている。同機構は、不正アクセスが発見された時点で直ちにウイルスが感染したパソコンを隔離し、ウイルス対策ソフト会社に解析を依頼するとともに、検知したウイルスの除去を進めている。また、警察にも通報して捜査を依頼しているほか、外部への情報流出を防ぐため、全拠点でインターネットへの接続を遮断している。なお、 現在のところ、 基幹システム(社会保険オンラインシステム)への不正アクセスは確認されていないが、さらに精査を行っているという。情報が流出した人については、基礎年金番号を変更し、年金の手続きがあった際には本人確認をした上で手続きを行う。併せて、専用電話窓口を設置して問い合わせなどに対応する。今後は、再発防止のための委員会を設置し、情報セキュリティ対策の強化に取り組むとしている。
2015年06月02日日本年金機構は6月1日、不正アクセスによって約125万件の個人情報が流出したと発表した。なお、年金加入者情報が主に保管されている基幹システム(社会保険オンラインシステム)については不正アクセスが確認されていないものの「精査中」(リリースより)としている。機構によると、流出した情報は主に3つのくくりに分けられる。最も流出件数が多かったグループは「基礎年金番号」と「氏名」「生年月日」の3情報がセットで流出したもので、約116万7000件が流出している。リリースによると、同機構が流出を把握したのは5月28日で、ウイルスが添付されたメールを職員が開いたことによる不正アクセスが原因。職員のPCにデータが保存されており、これが流出したとしている。一部報道では、5月8日にウイルスの感染を確認しており、18日まで不正な通信が行われていたことも確認している。機構は現在、ウイルスに感染したPCをネットワークから切断した上で、契約しているウイルス対策ソフト提供ベンダーに解析を依頼。検知したウイルスは除去しているという。また、外部への情報流出防止の観点から、全拠点でネットへの接続を遮断しているとしている。今回、情報が流出した年金加入者については、システムから確認できる体制を構築し、なんらかの手続きが行われた場合には、本人であることを確認した上で手続きを進めるとしている。また、個別に連絡を行い、基礎年金番号についても変更する。今後は、再発防止策として、情報セキュリティ対策の強化と、外部有識者も含めた原因調査と再発防止のための委員会を設置するとしている。特定の企業、組織を狙った標的型攻撃については、情報処理推進機構(IPA)が5月28日に注意喚起を行ったばかり。2014年度は標的型攻撃と思われる詐欺メールの送信元が日本となるケースが最多になるなど、「日本企業・組織を狙った攻撃インフラが着々と築かれつつある」(IPA)としていた。
2015年06月02日チューリッヒ保険(以下チューリッヒ)はこのたび、十八銀行と提携し26日より、同行の預金口座を持っている顧客に対し、ダイレクトメールによる傷害保険の案内を開始すると発表した。チューリッヒは、銀行やクレジットカード会社など多くの会員顧客を持つ企業と提携し、ダイレクトメールを中心とした通信販売の手法で傷害保険を案内する「フリー・インシュアランス・プログラム」というビジネスモデルを展開しているという。現在、提携している企業は50社以上にのぼるが、近年は静岡銀行、福岡銀行、広島銀行、武蔵野銀行など地方銀行との提携が進んでいるとしている。このたびの十八銀行との提携では、同行に預金口座を持っている顧客に対し、順次ダイレクトメールにて傷害保険を案内する。対象の顧客は、申込書を返送するだけで、交通事故による死亡補償または入院一時金補償を一定期間無料(十八銀行が保険料を負担)で受けることができる。また、希望の顧客は、月々少額な保険料の負担で死亡・後遺障害、入院・手術などを手厚く補償する追加補償プランにも併せて加入できるとしている。これにより、十八銀行は窓口におけるコンサルティングに加え、来店の機会が少ない顧客へも保険商品を案内することが可能となり、顧客の利便性とロイヤリティの向上が図られるとともに、より多面的、多角的な金融商品の展開を推進することができるとしている。チューリッヒは、今後も提携企業との通信販売の手法による傷害保険の拡販を進めるとともに、「ケア」の精神と「イノベーション」の発想に基づき、顧客にとってより価値のある魅力的な商品やサービスの提供に努めていくとしている。
2015年05月25日東京海上日動あんしん生命保険はこのたび、7月2日より新がん保険「がん治療支援保険NEO」(正式名称:がん治療支援保険NEO(無解約返戻金型))および「がん診断保険R」(正式名称:がん診断保険(無解約返戻金型)健康還付特則 付加)を発売すると発表した。昨今、医療技術の進歩により、正常細胞を傷つけにくい放射線治療や副作用の少ない抗がん剤など、がん治療の選択肢が増えるとともに、これらの治療方法を併用するケースも増えているという。同社は、このような最新の治療実態を踏まえて保障の充実を図るとともに、顧客の要望にあった自在性のあるプラン設計を可能とする「がん治療支援保険NEO」を新たに開発したという。また、発売以来好評を得ているという「メディカルKit R」と同様の仕組みをがん保険にも導入した「がん診断保険R」を開発した。この商品は終身にわたって保険料を払込むことで月々の保険料負担を抑えつつ、70歳までの保険料合計額から診断給付金合計額を差し引いた残額を契約者に戻す機能を備えており、業界初という商品としている(5月同社調べ)。同社は、2007年9月発売の「がん治療支援保険」の発売以来、経済的な支援にとどまらず、予防から罹患時の心のケアまで顧客を総合的にサポートする「お客様をがんからお守りする運動」を展開しきたという。同新商品の発売により、これまで以上に「お客様をがんからお守りする運動」を強化していくとしている。○商品の特長がん治療支援保険NEOa.抗がん剤治療特約の改定:抗がん剤治療は、治療期間が長期にわたるケースが多く、がん治療の中でも金銭的な負担の大きい治療方法。昨今では副作用の少ない抗がん剤が増え、抗がん剤治療を受ける患者様も増えている。そのためこのたびの改定では、万一の際に、より多くの顧客が金銭的な不安なく、抗がん剤治療を受けられるよう、対象となる抗がん剤の範囲を拡大し、保険料を引き下げたb.悪性新生物初回診断特約の新設:初めて悪性新生物(上皮内がんは対象外)と診断された場合、診断保険金を支払う。最新の治療方法は高額なものもあり、複数の治療方法を組み合わせるケースも増えている。金銭的な不安を抱えずに、最良の治療方法を選択できるよう、初回のがんに対する保障を低廉な保険料で手厚くカバーできるc.上皮内がんの診断給付金支払の改定:最新の治療実態を踏まえたa.b.の特約により、金銭的負担の重いケースに備えることができる改定を実施した上で、高額な治療費がかかることの少ない上皮内がんについては、診断給付金の支払いを保険期間を通じて1回とする(支払う診断給付金額は100%)がん診断保険R同商品は同社が2013年1月に発売した医療保険「メディカルKit R」と同様の仕組みを、がん保険にも導入した新商品。なお、「メディカルKit R」は、発売以来、販売件数40万件を突破した(3月末現在)a.70歳までの保険料がリターン(Return):70歳まで、診断給付金の支払いがない場合、払込みした保険料が全額、健康還付給付金として戻ってくる。70歳までに、診断給付金の支払があった場合でも、払込みした保険料が支払った診断給付金の金額を上回るときは、その差額が戻ってくるb.一生涯のがん保障を加入時のお手頃な保険料でリザーブ(Reserve):診断給付金の支払いがなく、払込みした保険料を健康還付給付金として全額受け取った場合、万一がんと診断確定され診断給付金を受け取った場合、いずれも保険料は加入時の金額のまま変わらず、保障を一生涯続けることができる○商品概要保障内容がんに対する保障を確保する。また、各種特約を顧客のニーズにあわせ付加できる保険料例
2015年05月19日東京海上日動火災保険はこのたび、日本商工会議所の会員向けに海外PL保険の団体制度(制度名称:グローバルプロテクト)を7月1日から開始すると発表した。海外に進出する中小企業は年々増加しているという。政府も「新成長戦略」において中小企業の海外展開を重要な政策課題と位置づけ、「中小企業海外展開支援大綱」に基づき積極的に支援している。一方、中小企業にとって海外展開はリスクと隣り合わせであり、なかには製品の品質をめぐり訴訟に発展する場合もあるとしている。こうしたリスクへ備え、中小企業の海外展開を支援するべく、同社と日本商工会議所は、会員企業向けに海外PL保険の団体制度を設計するという。○グローバルプロテクトの概要加入対象:各地商工会議所の会員事業者(事業者単位に任意加入)保険期間:7月1日から1年間(募集開始は5月から)補償の内容:(1)日本国外で発生した生産物に起因する対人・対物事故について、被保険者に対して損害賠償請求がなされたことによって損害に対して法律上の損害賠償金や弁護士報酬等の費用を保険金として支払う。(2)生産物回収費用(リコール費用)も5万ドルまで自動補償する。(3)同社が訴訟対応や示談代行などを行い、被保険者をサポートする○グローバルプロテクトの特徴充実した補償内容部品・原材料メーカーが国内の完成品メーカーに販売した製品が完成品に組み込まれて輸出された場合でも、追加保険料なく自動補償されるので、様々な品目で加入しやすい制度設計となっている。また、製品の輸出を検討している中小企業は、輸出前段階において海外現地で展示会や商談会等を開催することがあるが、このときの来場者や取引先にケガなどを負わせた場合の賠償責任も補償する。さらに、海外で製品を販売したときに、万が一その品質に不具合があれば現地当局から製品のリコールを命じられる場合があるが、こうした場合の回収費用や廃棄費用を100万ドルまでオプションとして補償する割安な保険料水準日本商工会議所の団体制度であるため、通常に加入するよりも大幅に割安な保険料で加入できる
2015年05月18日・ 知らないと損! 大学4年間の子供の費用、いくらかかる? ・ 学資保険の「お得度」がわかる、ただ1つのポイントとは ・ 学資保険を選ぶ時、絶対にチェックしておくべきポイント<基礎編> ・ 学資保険を選ぶ時、絶対にチェックしておくべきポイント<応用編> の続きです。学資保険のチェックポイントは、大まかにわかった。それでも学資保険は数が多すぎて、選び切れないのも事実。今回はファイナンシャルプランナーの竹下さくらさんに、数ある学資保険の中から、おすすめの学資保険をナビゲーションしてもらった。■プロが勧めるおすすめ学資保険(1)フコク生命「みらいのつばさJ型」返戻率:110.19%<J(ジャンプ)型の場合>月払い保険料:13,345円子どもの契約可能年齢:出産予定日の140日前~7歳竹下さんコメント:貯蓄性がとても重視されているプラン 受け取りプランも選べる。(30歳男性、受取総額300万円、子ども0歳、月払いとし、払込期間は子どもが17歳になるまで。お金は17歳7ヵ月直後の11月1日と22歳まで毎年受け取るプラン)■プロが勧めるおすすめ学資保険(2)日本生命「ニッセイ学資保険(こども祝金なし型)」返戻率:110.05%月払い保険料:12,620円子どもの契約可能年齢:出産予定日の140日前~6歳竹下さんコメント:中学受験の塾代がかかる前に払い終えたいなら「5年または10年で払い込み終了するプラン」あり。(30歳男性、受取総額300万円、子ども0歳、月払いとし、払込期間は子どもが18歳になるまで。お金は18歳から22歳まで毎年受け取るプラン)■プロが勧めるおすすめ学資保険(3)ソニー生命「5年ごと利差配当付学資保険II型」返戻率:109.18%月払い保険料:12,720円子どもの契約可能年齢:出産予定日の140日前~5歳竹下さんコメント:大学費用を貯めるためのシンプルなプラン。(30歳男性、受取総額300万円、子ども0歳、月払いとし、払込期間は子どもが18歳になるまで。お金は18歳に一括で受け取るプラン)■プロが勧めるおすすめ学資保険(4)明治安田生命「明治安田の学資のほけん」返戻率:107.6%月払い保険料:15,484円子どもの契約可能年齢:出産予定日の140日前~6歳竹下さんコメント:15歳で払込が終了するので、児童手当を学資保険に充当しているご家庭にはおすすめ。(30歳男性、受取総額300万円、子ども0歳、月払いとし、払込期間は子どもが15歳になるまで。お金は満18歳から22歳まで毎年受け取るプラン。大学入学時の前にお金を受け取るために、子どもの出生日が10月2日から4月1日の場合は、満17/18/19/21歳に受け取り)■プロが勧めるおすすめ学資保険(5)かんぽ生命 「はじめのかんぽ」返戻率:105,9%月払い保険料:13,110円子どもの契約可能年齢:出産予定日の140日前~12歳竹下さんコメント:私立中学に進学するご家庭なら「12歳払い込み終了プラン」あり。保険料払い込み免除のプランもある。(30歳男性、受取総額300万円、子ども0歳、月払いとし、払込期間は子どもが18歳になるまで。お金は18歳から22歳まで毎年受け取るプラン)■プロが勧めるおすすめ学資保険(6)アフラック 「夢みるこどもの学資保険」返戻率:105.2%月払い保険料:13,190円子どもの契約可能年齢:出産予定日の140日前~7歳※10歳払済の場合は出産予定日の140日前~5歳竹下さんコメント:高齢出産のご家庭におすすめ。親が高齢でも保険料払い込み免除特則を付加することができ、保険料を低く抑えることができる。(30歳男性、受取総額300万円、子ども0歳、月払いとし、払込期間は子どもが18歳になるまで。お金は18歳から22歳まで毎年受け取るプラン)こちらも参考に。 学資保険比較 | 保険選びの保険市場®
2015年05月16日「子どもが生まれたら学資保険に入りなさい」親からそう言われて教育資金づくりを意識するようになった人は多いのではないでしょうか。でも、教育資金を準備できるものは学資保険だけではありません。本コラムでは学資保険以外の保険を活用して教育資金を準備する方法をわかりやすく解説します。また、昨年(2014年)国会で可決された保険業法の一部改正により、保険加入の際に受けるアドバイスに変化の兆しがみえています。保険選びがどのように変わっていくのか。その方向性についてもお話しします。教育資金を効率よく貯めるために必要な4つの要素皆さまはデヴィッド・バックという人をご存じですか?アメリカで活躍している資産コンサルタントです。彼の著書「自動的に大金持ちになる方法[オートマチック・ミリオネア]」には、資産形成を成功させるには次の要素を満たす必要があると書かれています。日常のちょっとした無駄(コーヒーやたばこなどの「ラテマネー(注:著書に出てくる言葉)を節約する毎月の給与から一定割合を積み立てる積み立ての一部を投資にまわす長く続ける教育資金という資産形成をする場合、必要となる時期・金額がほぼ明確です。学費を払うタイミングで資金が足りないのは困るので、そうならないようにゴール設定を明確にして、積み立てを行うことになります。また、貯金が苦手な人は「続ける」ことが苦手なことが多いので、上記の要素を教育資金づくり向けに、次の言葉に置き換えてみました。小さな無駄を節約して、積み立てにまわすお金を捻出する毎月の給与から一定額を積み立てる必要な時期に資金が用意できるものを選ぶ解約しにくい金融商品を選ぶ教育資金づくりのための金融商品を選ぶときは、まず、4.解約しにくい商品を選ぶこと。特に貯金が苦手な人はこの要素が外せません。学資保険や貯蓄性のある生命保険の場合、短期間で解約すると解約控除(解約の手数料のこと)がかかる仕組みになっているので、解約しにくい(=続けやすい)ところがいいですね。なかでも低解約返戻金型終身保険は、保険料の払込期間中の解約返戻率を通常の7割以下に抑えてあります(図1)。しかも、「保険設計書」に解約返戻金の推移表が記載されているので、何年後に解約した場合にいくら戻ってくるかがあらかじめわかります。必要なタイミングで解約することを前提に利用することができます。図1 低解約返戻金型終身保険のしくみ資料:執筆者作成保険料の払込期間と解約返戻金をチェックする低解約返戻金型終身保険を教育資金づくりに活用する場合、真っ先に確認したいのは保険料の払込期間と解約返戻金の推移表です。家計に無理のない設定になっているか、その積み立てで必要な資金を用意することができるのかをみるようにしましょう。お子さまが生まれた年(お子さま0歳)で契約した場合、経過年数とお子さまの年齢が一致します。例えば、0歳のお子さまのいる30歳男性が、払込期間10年の低解約返戻金型終身保険に加入した場合、保険料の払い込みが終わるのはお子さまが10歳のときです。10歳は小学4年生になる年齢ですので、私立中学受験のために進学塾に通うことになったとしても、それまで支払っていた保険料を塾の費用に充てることができます。なんとかなりそうな積立計画といえるのではないでしょうか。保険料の払い込みが早くに終われば、それまで支払っていた保険料相当分を再び教育費に充当することができます。それも含めて、無理のない計画かどうかをチェックしてください。一般的に、契約年数の経過とともに解約返戻率は増加していきます。しかし、低解約返戻金型終身保険では、保険料払込期間中の返戻率を通常の終身保険より抑えてあります(その分保険料も抑えられています)。一方、保険料の払い込みが終わった後は、解約しなければ解約返戻金は年々増加していきます(図1参照)。一般的に支払った保険料の累計を上回りますが、この保険に加入する際は、解約返戻率が低く設定されている保険料払込期間中に解約することのないように、十分注意して計画をたてる必要があります。もちろん、解約返戻率は保険会社によって設定が異なります。複数の保険会社に見積りをとり、比較検討するとよいでしょう。保険募集時に義務付けられた「意向把握」と「情報提供」。保険業法改正で保険提案はこう変わる!保険業法では、これまで虚偽の説明等、「不適切な行為の禁止」に限定された募集規制が明記されているだけでした。しかし、今回の改正で新たに「積極的な顧客対応」が追加されることになりました。顧客ニーズを把握して提案すること(意向把握義務)や、お客さまが判断するのに必要な情報提供を行っていくこと(情報提供義務)が求められることになります。保険を提案する人(保険募集人)は、お客さまのニーズをくみ取ることと、保険加入にかかわる判断材料を適切に提示することを求められるようになります。これらは喜ばしいことですが、契約者である私たちが保険の内容を理解しようとしなければ、せっかくの制度改正も絵に描いた餅にすぎません。自分の意向を整理して担当者に伝えることと、複数の保険から比較して選ぶ努力を惜しまないこと。この2点に注意して保険を選びたいものです。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年05月12日会社員だからこそトク! という制度があるのを知っていますか? サラリーマンは社会保険料も年金も、税金も天引きされてソンな感じがする、といった不満も聞こえますが、逆に、サラリーマンだからこそ使える公的制度もあるのです。これは隠れた収入ともいえ、知らなかったでは、それこそ本当にソンをしてしまいます。代表的なものをご紹介しましょう。○会社員だからこそ使える公的制度って何?会社員が使える制度には、会社独自のものと、公の機関によるものがあり、次のようなものが挙げられます。会社独自の制度社内預金財形貯蓄制度確定拠出年金制度健康保険の制度健康保険組合など病気、ケガ入院での高額療養制度+付加金出産手当金+付加金傷病手当金雇用保険の制度失業給付金それぞれ、簡単に説明していきましょう。○非課税などの税制優遇や、提携割引などを使いこなすまず、会社の制度では社内預金を筆頭に、財形貯蓄制度、最近では確定拠出年金制度を導入する企業も増えてきました。いずれも社員の資産形成をバックアップするもので、財形貯蓄のうち住宅財形、年金財形は、元本550万円(貯蓄型)までの利子は非課税という特典があります。確定拠出年金制度は、国の年金を補完するものとして導入されたもので、掛け金は企業が負担し、運用商品は従業員が選択するというものです。また、従業員が掛け金を上乗せできる(マッチング拠出)場合は、その分が給与から天引きされますが、掛け金に税金はかからないので、実質的な所得控除となります。サラリーマンの住宅取得や老後資金づくりのための優遇制度ですから、勤務先で導入していれば、優先的に利用すべきものです。次に、健康保険制度の特典ですが、これは勤務先独自の健康保険組合なのか、業界団体で加入する健康保険組合なのかでも、少し変わってきますが、いずれの場合も、注目すべきなのは、保養所などの福利厚生施設です。提携しているホテルやアミューズメントパーク、スポーツジムなど利用しない手はありません。利用枠が決まっていたり、利用したい期間が集中したりして、予約が取りづらいということはありますが、健康保険料は、こうした福利厚生にも使われているので、使っただけトク! と言えます。健康保険の本来の役割である、病気、ケガでの治療に関しては、自己負担額3割というのが基本になります。自己負担3割は、自営業者が加入する国民健康保険と変わりはありませんが、独自の給付を設けているところも少なくありません。たとえば、国の制度で「高額療養費制度」というものがあり、これはある一定額を超えた自己負担額は払い戻されるというもので、会社員でも自営業者でも仕組みはほぼ同じです。しかし、会社員の場合は、さらに多くの払い戻しを受けられることがあります。これも健保組合によって異なります。同じように、「出産手当金」に関しても、産休中の収入保障のために、標準報酬日額の3分の2×休んだ日数分、受け取ることができます。これに付加金を上乗せする健保組合もあります。自営業者でも給付される「出産育児一時金」は赤ちゃん1人につき42万円ですが、やはりこれも会社員の場合、健保組合によってはプラスアルファされるところが多いのです(妻が専業主婦でも、夫が会社員なら会社から支給される)。○意外と知られていない「傷病手当金」で病気治療に専念するもうひとつ、健康保険で保障されているのが、業務外での病気やケガで仕事につくことができなくなった場合の収入の保障です。意外と知られていませんが、これを「傷病手当金」といいます。仕事につけなくなってから3日間(待期)ののち、4日目以降も仕事につけなかった日数に対して、標準報酬日額の3分の2が支給されます。この間、給料が支払われていても、傷病手当金より少なければ、その差額が支払われます。最長で1年6カ月です。最近、特に問題化しているメンタル疾患。入院、手術で完治する病気とは異なり、闘病期間も人それぞれで長期化する傾向にあります。メンタル疾患になった場合、復職するめどが立たないからと、早々に離職を決意してしまう人も少なくありません。しかし、会社員の場合は、健康保険で「傷病手当金」という制度がもうけられています。仕事ができない、退職をしなければならない、収入がなくなるという不安を持つことなく、治療に専念することができます。また、万一、会社を辞めることになれば、雇用保険から失業給付を受けることができます。病気などで、すぐに求職活動ができないような場合は、延長申請すれば、求職を開始したときに「失業給付」を受けることが可能です。こうした制度は、知っているのと知らないのでは、大きな違い。勤務先の制度や自分が加入している公的な制度を把握しておくことは、会社員ならではの特典を十分に生かすために、必要なことです。(※写真画像は本文とは関係ありません)<著者プロフィール>伊藤加奈子マネーエディター&ライター。法政大学卒。1987年リクルート(現リクルートホールディングス)入社。不動産・住宅系雑誌の編集を経て、マネー誌『あるじゃん』副編集長、『あるじゃんMOOK』編集長を歴任。2003年独立後、ライフスタイル誌の創刊、マネー誌の編集アドバイザーとして活動。2013年沖縄移住を機にWEBメディアを中心にマネー記事の執筆活動をメインに行う。2級FP技能士。
2015年05月11日制度変更などに関する報道で注目を集めている確定拠出年金。だが、確定拠出年金を導入している会社の社員で、良く分からないまま運用している人も多いのではないだろうか。そこで今回は、そういう方々に参考していただく意味も込めて、実際に確定拠出年金向け運用商品を提供している運用会社であるフィデリティの社員の方々が、どのような形で運用しているのか、さらにその運用成績はどうなのか、20代、30代、40代のそれぞれ各お一人に直撃した内容を紹介したい。最終回となる今回は、40代のCさんにお話を伺った。――まず、年齢、入社年、確定拠出年金の加入歴を教えていただけますか?41歳、2001年5月入社、2003年6月に加入しました。――確定拠出年金に加入する前の確定拠出年金に対するイメージを聞かせてください。時代の流れに鑑みれば避けがたい"自己責任"に基づく年金制度ですが、肝心の投資教育が行き渡らない間に、制度がスタートした印象があります。従前は企業が自らリスクを取って年金運用していたところを、DC導入企業においては運用方針・投資判断が従業員に委ねられます。制度発足に先んじて、従業員向けの投資教育を徹底的に実施すべきだったと思います。金融・投資リテラシーの面で日本の先を行く米国では、ITバブルの真っ只中で現役を引退した富裕層組と、ITバブル崩壊後の絶好の投資タイミングを逸した組が好対照をなしていまして、あらためて投資教育の重要性を痛感しました。一方、米国などでは学校でも投資教育が盛んになされているようですが、それに比べると日本の遅れは否めません。こうした状況を考えると、個々の自助努力による学習が非常に重要だと言わざるを得ません。さらに、昨今は世界的にマーケットのボラティリティが高いように思えます。60歳に達する時点での運用状況の良し悪しが、退職後の生活資金の多寡を決めかねないことを思えば、DCもある程度は運に左右されるとのイメージは拭えません。――日本の年金制度の将来への考え方はいかがでしょう。デフレ・増税・財政破綻リスクは増大していますので、自助努力が必要でしょう。――老後にどれだけの資産が必要と考えていますか?資産運用では、プラスのキャッシュフローを持つことが極めて大事と考えます。長生きリスクを思えば、現金で総額いくらもっていれば安心、ということはありません。生活費程度のキャッシュフローを終身で生み出してくれる、プラスのキャッシュフローのポートフォリオづくりが必要ではないでしょうか。具体的には、リスク分散も年頭におきながら、長期債、REIT、ディフェンシブな高配当株式、収益賃貸マンションや終身年金(公的・私的を問わず)等々でポートフォリオを構築し、生活費程度の定期収入が見込める資産設計を立てるべきだと思います。――確定拠出年金で、老後はどう変わると思っていますでしょうか?現状の掛け金レベル(月間で上限5万5千円)であれば、退職金の一部程度との認識です。運用成績によって受取金額が大きく変わってくるので、DCだけに依存するつもりはありません。一方、DCは60歳まで引き出すことができませんので、その間は"投資シュミレーションゲーム"、つまり長期投資のための良き勉強の場と考えます。――ご自身のポートフォリオについて教えてください。グローバル・マクロの3~6カ月のトレンドをフォローします。パッシブ運用をベースに、マクロ経済の状況に適ったポートフォリオを構築し、3~6カ月単位で見直します。――投資先、投資商品選びの基準はいかがでしょう。低コストの投資信託、シンプルなポートフォリオ、基本はパッシブ運用です。ただし、パッシブでは運用し難い資産クラス、たとえばハイ・イールド債券などについては、アクティブな運用商品を選択します。――確定拠出年金加入以来の運用成績を教えてください。プラス7.33%です。――どのくらいの頻度で資産の入れ替えを行っていますか?グローバル・マクロ経済の状況に鑑み、3~6カ月ごとに行っています。各国の金融政策・財政政策、各国のファンダメンタルズをベースに、自分なりのマーケットの方向性を考えます。投資対象のIndex(TOPIXや日経平均、NYダウなど)の過去1年以上のチャートを見て、移動平均線とのかい離とマーケット転換のサインを見ながら、自身が考えるマーケットの方向性を修正し、リバランスのタイミングを検討しています。――どのくらいの頻度でDCの資産状況をチェックしているのでしょうか?週に1回程度です。――お忙しい中、ありがとうございました。
2015年04月29日