毎年6月に開催されるオランダ・フェスティバルは、アヴィニョン国際演劇祭やエディンバラ国際フェスティバル等と同じく1947年に始まった、もっとも歴史と実績のある国際舞台芸術祭のひとつ。コンセルトヘボウ、市立劇場ほか、アムステルダム市内のあらゆるスペースで、大物から気鋭の若手まで、世界中の注目すべきアーティストによるオペラ、演劇、ダンス、コンサート、マルチメディアなど、あらゆるジャンルのパフォーミングアーツ公演が、約一か月間にわたって繰り広げられる。2019年からは「アソシエイト・アーティスト」制度を取り入れ、その年のフェスティバルを象徴するアーティストを1~2名選んでフォーカスし、彼/彼女ら自身の作品上演と、関連するアーティストの公演やイベント等を行い、多角的にその魅力を紹介する方針を打ち出している。今年は坂本龍一が、フランスのジゼル・ヴィエンヌ(振付・演出・美術等を担い多様な表現を展開するマルチアーティスト)とともにアソシエイト・アーティストに選ばれており、6月18日夜、坂本の最新作である〝言葉のないオペラ〟『TIME』が、アムステルダムのガスホルダー(Gashouder, Westergas)で世界初演された。『TIME』より田中泯(c) Sanne Peper『TIME』より田中泯(c) Sanne Peper『TIME』より田中泯と宮田まゆみ(c) Sanne Peper夏目漱石の『夢十夜』の第一話と謡曲『邯鄲』をモチーフに、夢幻能の時間や自然観を意識して創作された坂本の楽曲(クレジット:音楽・コンセプト)と、これまでにも『LIFE』『ST/LL』などで坂本とコラボしてきたダムタイプの高谷史郎による演出(クレジット:ビジュアルデザイン・コンセプト)。田中泯と笙奏者の宮田まゆみによる出演で、 静謐な時が流れる70分間のパフォーマンスが上演された。終演後、体調に配慮して来訪を控えた坂本に代わり、高谷がコメントを発表した。「新型コロナ・ウイルスの世界的な感染拡大という難しい状況の中、歴史あるオランダ・フェスティバルで、私たちの新作パフォーマンス『TIME』を世界初演できたことを心から感謝しています。本当に奇跡的なことと思います。坂本龍一さんの素晴らしい音楽を中心に、田中泯さんの「オドリ」、宮田まゆみさんの笙の響きが、ユニークなGashouderの空間に見事に調和しました。坂本さんとのコラボレーションにおいて、私たちは「時間」「空間」という概念について常に考えてきました。とりわけ、「時間」というものは、過去・現在・未来という一定方向に流れるものと考えられていますが、それはあくまでも人間が作った概念=システムであって、効率のためにそのシステムを利用しているだけなのです。そして、効率よく利用しているはずのつもりが、私たちはいつの間にか「時間」に囚われてしまっている。『TIME』では、時間にまつわる二つの物語がベースになっています(夏目漱石「夢十夜・第一夜」「邯鄲」)。時間の感覚はひとそれぞれだと思います。オランダ・フェスティバルでぜひこの作品を体験していただければと思います。」『TIME』は翌6月19日にも上演され、オランダ・フェスティバルではこの後20日、27日にも上演。27日16:00(日本時間23:00)開演の回は国際ライブ配信される。文:伊達なつめオランダ・フェスティバル公式サイト内『TIME』公演ページHolland Festival 2021: TIME()<『TIME』今後の上演予定>6月20日(日)20:00(日本時間21日3:00)現地劇場公演のみ6月27日(日)16:00(日本時間23:00)国際ライブ配信(14.5ユーロ/チケット購入後、日本時間29日23:00まで視聴可能)
2021年06月20日「エヴァンゲリオン」と獺祭のコラボレーションイベント「獺祭補完計画」が、獺祭ストア銀座にて開催。期間は2021年7月31日(土)まで。「獺祭補完計画」は、「エヴァンゲリオン」の人気キャラクターであり、“獺祭好き”として知られる<葛城ミサト>の部屋を完全再現した限定イベント。獺祭のボトルが棚の上に並ぶ、作中同様のミサトのダイニングを構成するため、映画と同じボトルを特別にレイアウトしたこだわりの仕上がりとなっている。また来場者は、実際にダイニングテーブルにつけるため、ミサトになりきった記念撮影を楽しむのもオススメ。入口からメインブースへと続く通路には、「エヴァンゲリオン」ならではのグラフィックボードで装飾するなど、細部にまで作品の世界観を閉じ込めているのもポイントだ。【詳細】エヴァンゲリオン×獺祭【獺祭補完計画】開催期間:2021年6月7日(月)~2021年7月31日(土)11:00~18:00実施店舗:獺祭ストア銀座住所:東京都中央区銀座5丁目10-2 1階入場方法:整理券配布 ※下記参照<整理券の配布について>・整理券は1人1枚まで。本人のみ有効。・整理券1枚につき、3名様まで入場可。・混雑緩和のため、整理券は開店30分前、10:30から当日分の整理券を配布。・整理券は当日分がなくなり次第、配布終了。・電話、インターネット等での予約不可。・券面に記載された時間に来店。スタッフが順番に案内を行う。・整理券は当日限り有効です。入店時に回収。・整理券配布前、深夜早朝に周辺待機されるなど、違反行為のあった人は最後尾へと移動、または入場禁止。※開催期間や営業時間の変更、もしくは中止になる可能性あり。※事前に整理券を手に入れることはできない。【問い合わせ先】獺祭ストア銀座TEL:03-6274-6420
2021年06月12日7月11日から8月3日まで、Bunkamura シアターコクーンでの公演が決まった三浦大輔作・演出による舞台『物語なき、この世界。』。岡田将生、峯田和伸、柄本時生、内田理央、宮崎吐夢、米村亮太朗、星田英利、寺島しのぶといった錚々たる出演陣が展開する物語で、その内容こそベールに包まれているものの、これまでの三浦作品から推測するに本作もまた今の時代を鋭くえぐり、そしてリアルを見せる舞台であることが予想される。ここでは【前編】【後編】の2話にわたって三浦作品の複数に関わってきた峯田和伸、そして作・演出の三浦大輔とのロングインタビューをお届けする。【後編】の今回は『物語なき、この世界。』で峯田がどんな役回りになるのか、そして三浦が目指す表現について聞いた。今回の『物語なき、この世界。』では、峯田のイメージが変わるかも?――そんなプライベートでの談話の中で、今回の『物語なき、この世界。』のオファーもされたようですね。三浦そうです。『裏切りの街』が終わった後も、僕はずっと「峯田くんとやりたい」と思っていて。それでオファーさせていただいたんですよ。出てもらうのは役者としてではあるけど、単に「役者と作り手」という関係性ではなく、「峯田くんと一緒にものを作りたい」という思いです。だから、今回の『物語なき、この世界。』のキャスティングは、峯田くんありきで考えました。――岡田将生さんをはじめ、良い意味で想像がつかないキャスティングですね。三浦良い意味でチグハグですよね。演劇臭くもなく、芸術臭くもなく、どこか俗っぽい感じもするし、そういうアベコベさが良いなと思ってるんですけど、これがどんな作品に仕上がるのかはやってみないとわからないです。峯田現時点では僕も全くわからない(笑)。ここで三浦さんに聞いてみたいことがあって。三浦さんは今まで何作も脚本を書いてきたと思うんですけど、『物語なき、この世界。』で、「これまでの作品にはなかった、こういうことをやりたい」とか「今回はこれまでと、ここを変えたい」とかはあるんですか?三浦それで言うと、峯田くんの使い方は変えたいと思ってる。峯田くんの魅力的なところって、実直だったり感情の強度のすごさでしょう。そこをみんな観たがっていると思うんです。でも、普段接していると、峯田くんにも当然軽薄な部分があったり、素顔があって。でも、その部分は皆さんこれまでにあまり作品に反映させていなかったんじゃないかなと思うんですよ。だから、今回の作品では、いわゆるカリスマ性のある峯田くんではなく、カリスマ性のいっさいない峯田くんでやって欲しいと思っています。そこは観る人にとっても新鮮じゃないかと思うし、また「カリスマ的ではない」峯田くんにもすごい魅力があると思うので。だから、今回の舞台を観たら、峯田くんの見え方が変わっちゃうかもしれない(笑)。そんな風に考えています。楽しい瞬間なんて1秒もない「三浦組」の現場の心地良さ――峯田さんから見た、三浦さんの現場の特徴、作品が完成に至るまでの特徴をお聞かせください。峯田三浦さんの現場は、役者さん、スタッフさん全員に一体感がある。「三浦組」みたいな緊張感で、いっさいの無駄がない。何がそうさせているのかは、はっきり言えないけど、きっと三浦さんのことを関わる人が全員信じてるからだと思う。銀杏BOYZの『恋は永遠』っていう曲のミュージック・ビデオの監督を三浦さんにお願いしたことがありました。そのビデオでは僕はちょっとしか出ていなくて、ほとんどが三浦さんがセッティングしてくれたものだったんだけど、その撮影現場を僕が観に行ったんですね。場所は川崎だったんだけど、現場に着いて最初遠くからその撮影の様子を見てたの。20分くらいだったかな?そこには役者さん、照明さん、カメラマンさんとスタッフの人たちが塊になって取り組んでたんだけど、その現場の熱量とか緊張感がすごく良くて。本当にすごい現場に見えた。言葉ではうまく言えないけど、このときに思ったのは、「あ、俺はこんなに素晴らしい、熱のある現場にいられたんだな」って。そう思うと、なんかすごく感動しちゃって。三浦「楽しそうじゃない」現場だとは思いますけどね。楽しい瞬間なんて1秒もないと思うけど、だから、もしかしたら峯田くんもそっち側を望む人なのかもしれないですね。ものを作るときは、苦しさしかないですよ。峯田その苦しい感じが心地良いのは確かですね。三浦さんの新作を観に行かせてもらうと、「ここに至るまで、この役者さんたちがどれだけ稽古をやって、どれだけのものを犠牲にしてきたのか」とかが見えるので、その説得力はすごいですよ。「大変だから良いんだ」ってことではないけど、でも、今の時代は特になんかフワフワしてて緊張感がないでしょう。その点、三浦さんの緊張感ある作品や現場に僕は心地良さを感じますね。新作の公演チラシとかを見せてもらう度、正直に思うことは「あ、今回の作品には俺はいないんだな」っていう。ちょっと寂しいんですよ。「三浦さんの作品なら、絶対なんでも出てみたい」とかではないですよ。でも、その一方で自分が関わっていない三浦さんの作品を知って寂しく思うことがあります。不思議なんですよね。それくらい刺激を受けているってことですね。人間のエゴで「物語があるように見える」ことで世界が動いている――肝心の『物語なき、この世界。』のストーリーはどんなものなのでしょうか。三浦目標点としては「『人間のエゴでしかないんじゃないか』というところをほじりたい」と思っています。みんな自分の人生にとってのドラマや物語があると信じていると思うんですけど、見方を変えれば物語なんてない。それなのに、人間のエゴによって「物語があるように見える」ことで世界が動いている……そんなところを描きたいと思っています。――例えばSNSとかだと、みんな主人公みたいになっていますよね。「オンリーワン」気分というか。でも、そうじゃない人もいて、そういった「世間の皮」みたいなものをペロッと剥がした世界を描かれるのかなと思いました。三浦別にたいしたこともないのに物語を取りたがる人の滑稽さ、おかしさ、醜さを描くことに重心を置くと、確かに描きやすいです。でも、今回はその領域ではないんです。そういう物語を求める人と、この世界の矛盾するところを暴きたい。そういう大仰なところに行きたいと思っています。峯田過去に自分が関わらせていただいた三浦さんの作品にも、そういう片鱗がありましたよね。「今世間で起こっていることを、どこか俯瞰で冷静に見せる」みたいな。だから、今の話を聞いて腑に落ちるところがありました。もしかしたら、「演劇ではあるけれど、それを劇的に見せないで、そのまま見せていく」みたいなやり方になるのかな?かなり難しいとは思うけど、だからこそ僕も楽しみにしています。PHOTO:吉田圭子TEXT:松田義人(deco)スタイリスト:入山 浩章(峯田和伸)トップス¥12,000(税抜)/WEYEP(c)SONIC YOUTH、パンツ¥38,000(税抜)/Sasquatchfabrix.問い合わせ先:WEYEP/ 050-3393-1939、ドワグラフ.(dwagraph.)/ 【公演情報】「物語なき、この世界。」作・演出:三浦大輔出演:岡田将生/峯田和伸/柄本時生/内田理央/宮崎吐夢ほか東京公演会場:Bunkamuraシアターコクーン公演日程: 7月11日(日)~8月3日(火)京都公演会場:京都劇場公演日程:8月7日(土)~8月11日(水)★東京公演分のチケット発売中!
2021年06月08日6月7日に東京・Bunkamuraシアターコクーンにて、COCOON PRODUCTION 2021 DISCOVER WORLD THEATRE vol.10『夜への長い旅路』が開幕。併せて出演者コメント及び、舞台写真が到着した。DISCOVER WORLD THEATREの第10弾は、ノーベル文学賞受賞、ピュリッツァー賞4回受賞などの輝かしい経歴を持ち、“アメリカ近代劇の父”と称される劇作家、ユージン・オニールの遺作『夜への長い旅路』が登場。青春時代における凄惨な家族の姿を描いたオニールの自伝劇といわれる本作は、戯曲冒頭にて「血と涙で綴られた、古い悲しみの劇」と記されており、悲劇的な家族の歴史を人間の真実を突く普遍のドラマに昇華させ、自らの人生に“赦し”を与えたオニールの代表作でもある。この演出を手がけるのは、シアターコクーンでの舞台作りは4作目となるイギリス演劇界のトップランナー、フィリップ・ブリーン。人間を深く見つめ、物語を繊細に紡ぎ出すことで定評のあるフィリップが、実力派とフレッシュな才能の交わった俳優陣を迎えて、オニールの最高傑作に挑む。そして、そんなブリーンの演出の元、モルヒネ中毒に冒されて常に精神が不安定な母メアリーに大竹しのぶ、アルコールに溺れ、父親の脛をかじって放蕩を繰り返す長男ジェイミーに大倉忠義、結核を患っている次男エドマンドに杉野遥亮、アイルランド系移民で、金銭に対して異常な執着を持つ俳優の父ジェイムズ・タイロンに池田成志、一家の女中に土居志央梨と豪華キャストが集結した。オニール家をほぼ忠実に再現したとされるタイロン家の、夏のある一日の物語。オニール自身が投影された次男エドマンドの視点のみならず、母、兄、父、家族4人の個々の内面が深く掘り下げられ、それぞれの抱える哀切や怒り、後悔や絶望、そして家族間の愛憎、確執が、巧みな会話の応酬で見事に表出された家庭劇『夜への長い旅路』。心揺さぶる衝撃の舞台に期待してほしい。■大竹しのぶある日の稽古場で、画面越しに初舞台の(杉野)遥亮くんにアドバイスするフィリップの言葉を聞いて、気が付けば私が深く頷いていたり、稽古場最終日、稽古が終わり「まだまだダメだ」と落ち込む遥亮くんに「私も一緒だよ」と慰めていたら、それを見ていた大倉くんが「俺もだよ、どうしよう」と三人でため息を吐いていると、もうモニターを切ってもいいのにフィリップがまたマイクをONにしてくれて「どうしたの?」と聞いてくれる。6000マイル離れていても、いつもそこにいてくれるんだと思えた瞬間でした。思っていた以上に大変な戯曲であることが分かり、そして毎回のことですが、フィリップの戯曲の深い理解に感動しながら、稽古を重ねてきました。それぞれが苦しみや、悲しみや絶望を感じていても、それぞれが大きな愛を持っている。だからこそ切なくて、そして美しい物語です。こんな状況の中でも来て下さることに、本当に感謝です。■大倉忠義段々と家族のような絆が生まれていくような感覚を味わいながらも、馴れ合いではないプロの役者さん達の集中力で稽古が進んでいったことが思い出深いです。そして、稽古を経ても、まだまだこの戯曲の大きさ・深さに驚かされています。愛憎劇という、なんでこんなに愛しているのに悲しいことばかり起こるのか…と思いながら演じています。こんな形の家族を見て、お客様へ何でもいいので何か宝物になるような経験を持って帰っていただけるように頑張りますので、どうぞ愛を持って見守ってください。■杉野遥亮皆さんと稽古をする中で、演技とは芸術で、俳優とは芸術家なんだと学ぶことができました。俳優や演技に対する自分の中の意識がガラッと変わりました。何もかも初めてのことで、こんなに長い時間役と向き合うことが今までになかったから、自分と役との境目がわからなくなったこともありました。自分がどこにいるのかわからない時もあって、これが役に向き合うということなのか・・・初舞台で毎日素敵な経験をさせていただいています。劇場に入り初めて舞台上から客席を見た時はすごくワクワクして、もっともっと稽古をしたいという気持ちもあるけれど、早く観ていただきたいという気持ちも湧いてきました。物語はとても暗く、残酷にみえますが、そんな物語を今この時代に、この瞬間に上演することに意味があり、希望があると思っています。一緒に楽しんでください。■池田成志演出家と海を挟んだ遠く離れてのリモート稽古で、空気感などがお互いうまく伝わっていない部分もあったなとも感じていて、もっと稽古をしたかった…。僕の役は、奥さんのモルヒネ中毒や、息子の病気という心配事が多いので、単純な苛立ちに感情をフォーカスしがちになってしまい、治る、きっとうまくいく、というような家族としての基本的な気持ちになかなかたどり着くことができなかった。作品を通して、家族って単純ではないんだな、難しいなと改めて感じました。この作品は台本が分厚くてものすごい情報量です。身に染みたとか、わからないとか、ここが響いたとか、観てくださった方それぞれに、色々な感情がわいてくると思います。それだけ複雑な内容なんだと僕たちも実感しています。とても苦しくなると思うので、休憩中にいっぱい深呼吸してください(笑)。終わったら、少しだけ気が晴れるような作品にもなっていると思います。【公演概要】COCOON PRODUCTION 2021DISCOVER WORLD THEATRE vol.10『夜への長い旅路』作:ユージン・オニール / 翻訳・台本:木内宏昌演出:フィリップ・ブリーン / 美術・衣裳:マックス・ジョーンズ出演:大竹しのぶ 大倉忠義 杉野遥亮 池田成志土居志央梨●東京公演:2021年6月7日(月)~7月4日(日) @Bunkamuraシアターコクーン●京都公演:2021年7月9日(金)~7月18日(日) @京都劇場<お問合せ>東京 Bunkamura 03-3477-3244 www.bunkamura.co.jp/cocoon/京都 キョードーインフォメーション 0570-200-888 企画・製作:Bunkamura
2021年06月08日COCOON PRODUCTION 2021 DISCOVER WORLD THEATRE vol.10『夜への長い旅路』が7日、東京・Bunkamuraシアターコクーンにて初日を迎えた。同作はノーベル文学賞受賞、ピュリッツァー賞4回受賞などの輝かしい足跡を誇り、“アメリカ近代劇の父”と称される劇作家、ユージン・オニールが凄惨な家族の姿を描いた自伝劇。彼の死後、妻によって発表され、4度目のピュリッツァー賞を獲得し、アメリカ最高の作家とされるオニールの評価を決定付けた。シアターコクーンでの舞台作りは4作目となるイギリス演劇界のトップランナー フィリップ・ブリーンが演出を手がけ、モルヒネ中毒に冒されて常に精神が不安定な母メアリーに大竹しのぶ、アルコールに溺れ父親の脛をかじって放蕩を繰り返す長男ジェイミーに大倉忠義、結核を患っている次男エドマンドに舞台初挑戦の杉野遥亮、アイルランド系移民で、金銭に対して異常な執着を持つ俳優の父ジェイムズ・タイロンに池田成志、一家の女中に土居志央梨と豪華キャストが揃った。オニール自身が投影された次男エドマンドの視点のみならず、母、兄、父、家族4人の個々の内面が深く掘り下げられ、それぞれの抱える哀切や怒り、後悔や絶望、そして家族間の愛憎、確執が、巧みな会話の応酬で見事に表出された家庭劇となっている。東京公演はBunkamuraシアターコクーンにて6月7日~7月4日、京都公演は京都劇場にて7月9日~18日。○大竹しのぶ コメントある日の稽古場で、画面越しに初舞台の(杉野)遥亮くんにアドバイスするフィリップの言葉を聞いて、気が付けば私が深く頷いていたり、稽古場最終日、稽古が終わり「まだまだダメだ」と落ち込む遥亮くんに「私も一緒だよ」と慰めていたら、それを見ていた大倉くんが「俺もだよ、どうしよう」と三人でため息を吐いていると、もうモニターを切ってもいいのにフィリップがまたマイクをONにしてくれて「どうしたの?」と聞いてくれる。6000マイル離れていても、いつもそこにいてくれるんだと思えた瞬間でした。思っていた以上に大変な戯曲であることが分かり、そして毎回のことですが、フィリップの戯曲の深い理解に感動しながら、稽古を重ねてきました。それぞれが苦しみや、悲しみや絶望を感じていても、それぞれが大きな愛を持っている。だからこそ切なくて、そして美しい物語です。こんな状況の中でも来て下さることに、本当に感謝です。○大倉忠義 コメント段々と家族のような絆が生まれていくような感覚を味わいながらも、馴れ合いではないプロの役者さん達の集中力で稽古が進んでいったことが思い出深いです。そして、稽古を経ても、まだまだこの戯曲の大きさ・深さに驚かされています。愛憎劇という、なんでこんなに愛しているのに悲しいことばかり起こるのか…と思いながら演じています。こんな形の家族を見て、お客様へ何でもいいので何か宝物になるような経験を持って帰っていただけるように頑張りますので、どうぞ愛を持って見守ってください。○杉野遥亮 コメント皆さんと稽古をする中で、演技とは芸術で、俳優とは芸術家なんだと学ぶことができました。俳優や演技に対する自分の中の意識がガラッと変わりました。何もかも初めてのことで、こんなに長い時間役と向き合うことが今までになかったから、自分と役との境目がわからなくなったこともありました。自分がどこにいるのかわからない時もあって、これが役に向き合うということなのか・・・初舞台で毎日素敵な経験をさせていただいています。劇場に入り初めて舞台上から客席を見た時はすごくワクワクして、もっともっと稽古をしたいという気持ちもあるけれど、早く観ていただきたいという気持ちも湧いてきました。物語はとても暗く、残酷にみえますが、そんな物語を今この時代に、この瞬間に上演することに意味があり、希望があると思っています。一緒に楽しんでください。○池田成志 コメント演出家と海を挟んだ遠く離れてのリモート稽古で、空気感などがお互いうまく伝わっていない部分もあったなとも感じていて、もっと稽古をしたかった…。僕の役は、奥さんのモルヒネ中毒や、息子の病気という心配事が多いので、単純な苛立ちに感情をフォーカスしがちになってしまい、治る、きっとうまくいく、というような家族としての基本的な気持ちになかなかたどり着くことができなかった。作品を通して、家族って単純ではないんだな、難しいなと改めて感じました。この作品は台本が分厚くてものすごい情報量です。身に染みたとか、わからないとか、ここが響いたとか、観てくださった方それぞれに、色々な感情がわいてくると思います。それだけ複雑な内容なんだと僕たちも実感しています。とても苦しくなると思うので、休憩中にいっぱい深呼吸してください(笑)。終わったら、少しだけ気が晴れるような作品にもなっていると思います。舞台写真撮影:細野晋司
2021年06月07日7月11日から8月3日まで、Bunkamura シアターコクーンでの公演が決まった三浦大輔作・演出による舞台『物語なき、この世界。』。岡田将生、峯田和伸、柄本時生、内田理央、宮崎吐夢、米村亮太朗、星田英利、寺島しのぶといった錚々たる出演陣が展開する物語で、その内容こそベールに包まれているものの、これまでの三浦作品から推測するに本作もまた今の時代を鋭くえぐり、そしてリアルを見せる舞台であることが予想される。ここでは【前編】【後編】の2話にわたって三浦作品の複数に関わってきた峯田和伸、そして作・演出の三浦大輔とのロングインタビューをお届けする。【前編】の今回は、後に盟友とも言うべき関係を築くふたりの出会いから、これまでにタッグを組んだ作品の裏話を聞いた。楽曲提供だけのはずが、峯田が稽古場に来て、役者さんたちに演技指導まで…――峯田さんが初めて三浦さんの作品に関わったのは映画『ボーイズ・オン・ザ・ラン』(2010年)ですね。峯田そうです。でも、実は前段階があって。2004年くらいかな?知り合いの編集者の方から「今、演劇の世界にすごい人がいるんだよ。いつか絶対に会わせたい。気が合うと思う」って言われたことがあって。それが三浦さんだった。ただ、そのときはなんやかんやで会えなくて、それで『ボーイズ・オン・ザ・ラン』のときに声をかけていただいて、そこで初めて「この人が、噂の三浦さんだ!」と。三浦僕はもともと銀杏BOYZのイチファンだったんです。ただ、同時に遠い存在にも思っていました。峯田くんは嫌がるかもしれないけど、カリスマ的存在だし、銀杏BOYZの音楽そのものも立ち入る隙がないような感じでしたから。だから、僕が峯田くんと何か仕事をさせていただける機会があるのだとしたら「役者」「監督」という関係なら大丈夫かなと思って。それで『ボーイズ・オン・ザ・ラン』でオファーさせていただいたんですね。そこからお付き合いさせていただいています。――その後、舞台『裏切りの街』(2010年)では銀杏BOYZが劇中歌を楽曲提供したり、峯田さんにとって初の舞台出演となった『母に欲す』(2014年)など、多くの三浦作品に関わるようになります。三浦本当に嬉しいですね。『ボーイズ・オン・ザ・ラン』以降、家が近所だったこともありプライベートでも一緒に食事をしたりすることが多くなりました。そういうときに話をすると、ちょっとクサい言葉になるけど、「物を作るときの孤独感」みたいなものが峯田くんとシンクロすることが多くて。峯田くんに頼りきりになってしまっているけど、以来、僕の作品にも複数関わっていただくようになりました。峯田僕は音楽、三浦さんは演劇と畑は違うのに「こんなに通じる人がいたのか」と思ってすごいうれしかったことを覚えている。ゼロから物を作る上でのキツさと喜びの両方を知っているというか。だから、例えば演出とかでも三浦さんから「あそこは、こうやって欲しいんだよね」って言われたら、すぐその意図がわかる。そういった点であまりズレがないんです。――聞くところによると、『裏切りの街』では、「楽曲提供」だけのはずだったのに、何故か峯田さんや銀杏BOYZのメンバーが、役者さんたちの稽古場まで出向いて、役者さんたちにダメ出ししていたという(笑)。役者さんたちからは「あの人たち、一体なんなんだ」と言われたそうですね。峯田越権行為ですね(苦笑)。今思うと、超恥ずかしいことをやっていましたよ。『裏切りの街』の役者さんたちに申し訳ないことをしたと思って反省しています。三浦でも、あのときは僕は本当にうれしかったし感謝しかなかった。むしろ「ちょっとナメてたな」と反省するところもありました。舞台用の楽曲提供だけのはずなのに、ちゃんと稽古場にも来て、内容をきちんとわかってくれた上で曲に落とし込んでくれる……これは表現者として真摯でまっとうな態度だと思いました。だから、さらに領域を超えて、舞台全体の相談にもよく乗ってもらったし、だいぶ頼っちゃったところはありましたね。同じ熱量で取り組んでくれて、本当に感謝しかないです。峯田初出演の舞台『母に欲す』では、ぶつかることもあった――その『裏切りの街』の後、いよいよ『母に欲す』(2014年)で峯田さんは三浦作品の舞台初出演を果たします。三浦このときは結構いろいろあって。まぁ平たく言うと、峯田くんとも結構ぶつかりましたし。今思えば、複数の人間が何かを真剣に取り組むことになったら、当然起こりうることだとも思うので、ある意味健全なことだったかもしれないですけどね。峯田僕はバンドをやってるじゃないですか。でも、1曲作るごとに、メンバーといちいち衝突するんですよ。例えばギタリストは、「こうやって弾きたい」みたいなイメージがある。でも、曲を作った僕は「いや、その弾き方、要らないんだよな」と思うこともある。そういうぶつかりあいは避けて通れないものです。でも、一番の正解を知っているのは、その曲を作った人であり、演劇の場合は三浦さんなんですよね。三浦さんの「正解」に近づけるために、役者たちは「こうしたらもっと良くなるかな」と色々やるんだけど、ただどうしてもズレが生じることはある。そういうときに衝突が起きるのはしょうがないし、そのことで、「なるほど。こういうことか」と納得できるのなら前進ですよね。だから、「表現をする」という上では健全なことだと思うし、当然のことだと思いました。――聞けば、銀杏BOYZが9年間アルバムを出せなかった時期にも、三浦さんと峯田さんはよく会っていたそうですね。三浦はい。なんか峯田くんと会うと、すごいテンションが上がるんですよ(笑)。最初の会話は「あのときのライブの○曲目、あれはなんであんなことになったの?」みたいな、ファンの感じの好奇心の話から始まるんですけど、そのうち、だんだん真面目な話になる。自分の中には色々なところがあるじゃないですか。軽薄な自分、真面目な自分とか。それが峯田くんと接していると、自分の「真面目なところ」を発散できるような感じがあるんですよ。真面目なことを話せる人はなかなかいないんですけど、峯田くんは数少ない「真面目な友達」のひとりですね。峯田それは僕にとってもそうですよ。うちのマネージャーの江口くんとかに、真面目な話なんかいっさいできないですから(笑)。真面目な話をしたところで、まぁ伝わらないだろうからって諦めちゃう。でも、三浦さんと話をしていると、僕自身が考えていたことが明確になったり、三浦さんの考えに影響を受けたりすることが多くて。本当に刺激になるんです。三浦他人から見たら気持ち悪いかもしれないけど、何を言っても共有できちゃうから、もしかしたら、そのことに僕も峯田くんも「気持ち良がっている」ところはあるかもしれないですね(笑)。PHOTO:吉田圭子TEXT:松田義人(deco)スタイリスト:入山 浩章(峯田和伸)トップス¥12,000(税抜)/WEYEP©︎SONIC YOUTH、パンツ¥38,000(税抜)/Sasquatchfabrix.問い合わせ先:WEYEP/ 050-3393-1939、ドワグラフ.(dwagraph.)/ 【公演情報】「物語なき、この世界。」作・演出:三浦大輔出演:岡田将生/峯田和伸/柄本時生/内田理央/宮崎吐夢ほか東京公演会場:Bunkamuraシアターコクーン公演日程: 7月11日(日)~8月3日(火)京都公演会場:京都劇場公演日程:8月7日(土)~8月11日(水)★6月5日(土)10:00より東京公演分のチケット一般発売開始!
2021年06月07日岡田将生や銀杏BOYZ・峯田和伸などが出演する舞台『物語なき、この世界。』が東京・Bunkamuraシアターコクーンで2021年7月11日(日)から8月3日(火)まで、京都劇場で8月に上演される。作・演出は三浦大輔が務める。『娼年』『何者』の三浦大輔が書き下ろし『物語なき、この世界。』は、『娼年』『何者』など映画監督としてのキャリアを積み上げた三浦大輔による3年ぶりの書き下ろし作品。“売れない役者”と“売れないミュージシャン”、人生に<ドラマ>なんて起こるはずのない平凡な二人に突如降り掛かる、あまりにも大きすぎる<事件>の顛末を描く。“売れない俳優”岡田将生&“売れないミュージシャン”峯田和伸売れない俳優・菅原裕一役を演じるのは、映画『星の子』『さんかく窓の外側は夜』などに出演し、『Arc アーク』『ドライブ・マイ・カー』『CUBE』などの公開を控える岡田将生。売れないミュージシャン・今井伸二役は、ロックバンド銀杏BOYZはもちろん、役者としても活躍する峯田和伸が演じる。役柄が現実とは“真逆”ともいえる二人が、人生に<ドラマ>を求める現代人へ問う、三浦大輔の衝撃作に挑む。個性豊かな共演陣また、今井の後輩役には柄本時生、菅原の恋人役には内田理央を抜擢。事件のキーマンとなる橋本浩二役を星田英利、物語の核を担う歌舞伎町のスナックのママ・橋本智子役を寺島しのぶが演じる。さらに、宮崎吐夢、米村亮太朗と個性豊かな俳優陣が集結する 。詳細舞台『物語なき、この世界。』期間:会場:・2021年7月11日(日)~8月3日(火):Bunkamuraシアターコクーン・2021年8月:京都劇場作・演出:三浦大輔出演:岡田将生、峯田和伸、柄本時生、内田理央、宮崎吐夢、米村亮太朗、星田英利、寺島しのぶ、増澤璃凜子、仁科咲姫、日高ボブ美、有希美術:愛甲悦子照明:三澤裕史 音楽:井筒昭雄 音響:中村嘉宏 衣裳:小林身和子 ヘアメイク:河村陽子映像:冨田中理演出助手:山﨑総司 美術助手:岩本三玲 舞台監督:齋藤英明■『物語なき、この世界。』<あらすじ>舞台は新宿歌舞伎町。人々は皆、猥雑なネオン看板が軒を連ねる通りを抜け、突き当たりにある映画館に向かって歩いていく…。空虚な街並みに抗うように、何かしらの『物語』を求め、歩いていく…。そこで、『ドラマ』の主人公に憧れる、売れない俳優と、人生に『ドラマ』を求める、売れないミュージシャンが、うらぶれた風俗店で 10 年ぶりに邂逅する。その出会いは、『運命』というには間抜けすぎ、二人のお互いへの想いは、『友情』という言葉で言い表すには、あまりにも軽薄で浅はかだった…。「自分達の身の上には、『ドラマ』など起こり得ない」 唯一、二人を結びつけたものは、それぞれの人生に対する、共通した『諦念』しかなかった…。そんなとき…二人の身に、わかりやすすぎるくらい、大きな『事件』が降り掛かる。二人は、たまたま出くわした、とある中年男と争いになり、男を突き飛ばしてしまう。男の頭からは大量の血が流れ――!!その場に訪れた俳優の彼女、ミュージシャンの友人、そして彼らを助けるスナックのママを巻き込んで、脇役も出揃ったかのように、二人が主人公の『ドラマ』は、いよいよ幕を開けた!かのように見えたが…二人は、歌舞伎町の街並みを眺め、呟く…。「そもそも、この世の中に『物語』など存在するのだろうか…」■チケット<東京公演>チケット一般発売:2021年6月5日(土)チケット料金:S席 11,000円(税込)、A席 9,000円(税込)、コクーンシート 5,500円(税込)※コクーンシートは、特に観劇しづらい席となる。チケット取り扱いプレイガイド:・オンラインチケット MY Bunkamura(座席選択可能)・Bunkamura チケットセンター発売日初日特電:TEL 03-3477-9912 (オペレーター 10:00~17:00)6月6日(日)以降:TEL 03-3477-9999 (オペレーター 10:00~17:00)・Bunkamura チケットカウンター<6月6日(日)以降>Bunkamura 1F (10:00~18:00)・東急シアターオーブチケットカウンター<6月6日(日)以降>渋谷ヒカリエ 2F (11:00~18:00)・チケットぴあ 公式サイト(座席選択可能)・チケットぴあ 電話受付発売日初日特電:TEL 0570-02-9920 (Pコード不要 10:00~23:59)6月6日(日)以降:TEL 0570-02-9999 (Pコード:505-807)・チケットぴあ店舗 ※6月30日(水)まで・チケットぴあ セブン-イレブン(24時間 毎週火曜日・水曜日の 1:30~5:30を除く)・イープラス公式サイト・イープラス ファミリーマート店内 Famiポート・ローソンチケット 公式サイト(発売日翌日以降は座席選択可能)・ローソンチケット< 6月6日(日)以降>ローソン・ミニストップ店内Loppi(Lコード:34499)※6月6日(日)以降は残席がある場合のみ取り扱う。問い合わせ先:Bunkamura TEL 03-3477-3244(10:00~18:00)<京都公演>2021年8月7日(土)~8月11日(水) 京都劇場京都公演主催:サンライズプロモーション大阪チケット発売日:7月4日(日)問い合わせ先:キョードーインフォメーション TEL 0570-200-888(11:00~16:00/日曜・祝日は休業)
2021年06月05日新国立劇場は7月、こどものためのバレエ劇場2021『竜宮~亀の姫と季(とき)の庭~』を上演する。日替わりで登場するヒロイン役ダンサーの一人、プリンシパルの米沢唯と、同じく新国立劇場で開催される演劇公演『キネマの天地』(小劇場にて6月10日(木)~27日(日)※5日(土)、6日はプレビュー公演)に出演する若手実力派俳優・趣里が、稽古場での日々、作品の魅力を語り合った。この日が初対面の二人かと思いきや、稽古の合間にコーヒーを買う際、電子マネーの支払いがうまくできずにいた趣里を米沢が手助けしたことがあったそう。「ずっとファンでした!」と興奮気味の趣里に、笑顔の米沢。バレエを志し、留学も経験したという趣里にとって米沢は憧れの存在。自分が言うのもおこがましいと恐縮しつつ「テクニックも素晴らしいのですが、表現の面ですごく勉強になる」という。自身のバレエ経験については、「表現の道を演劇で目指したいと思ったのは、バレエをしていたからこそ」とも明かす。いっぽうの米沢は「父が演出家だったので、演劇を観る機会は多かった。バレエには言葉がないが、芝居は言葉の洪水で、言葉の海に投げ出されるよう。そういう体験は私にはとても必要なことで、どうしても観ずにはいられない」という。趣里が出演する『キネマの天地』も観劇を楽しみにしている。『キネマの天地』は映画出演のために集められた4人の女優達が巻き込まれる、殺人事件をめぐる井上ひさしによる推理喜劇。趣里は、1番の若手で人気急上昇の女優を演じる。「演出の小川絵梨子さんが目指しているのは、表面的な面白さを超えた人間の心のやりとり。今の人の心にアプローチできるよう頑張っています」と意欲的だ。翌月に上演されるバレエ『竜宮』は、昨年7月に新国立劇場が初演したオリジナル作品で、演出・振付の森山開次によるユニークなアイデアと独特の身体表現が、多くの観客の心を捉えた。「浦島太郎の物語です。ポップな衣裳に美しいプロジェクションマッピングは、バレエを初めて観る方も小さなお子さまも楽しんでいただけます。子どもがマネしたくなるような振付や、“鶴の舞”というカッコいい踊りも!」と米沢が紹介すると、すかさず「絶対行きます」と趣里。こどものためのバレエ劇場2021『竜宮~亀の姫と季(とき)の庭~』は、7月24日(土)~27日(火)、新国立劇場オペラパレスにて。チケット一般発売は7月4日(日)。文:加藤智子
2021年05月31日電気はこまめに消すほうがいい。そんな、一見納得してしまうような節約テクは、実は逆効果。するするとお金がたまる鉄則を身につけて、賢く貯金しようーー!コロナ禍の残業カットで収入が減ったり、ステイホームのストレスから自分へのご褒美が増えたりして「お金がたまらない」と嘆く人が多い。だが、ファイナンシャルプランナーの飯村久美さんは「お金をためるのは簡単」という。「お金がたまらないのは、ちょっとしたテクニックを使えていないだけ。コツさえつかめば、誰でもたまります」(飯村さん・以下同)そんなコツがあるなら知りたいが、面倒なことはしたくない。「手間がかかることは、誰でも続きません。ストレスの少ない“自動的にお金がたまるシステム”を作って、あとは決めたとおり実行するだけ。家計簿もいりません」節約の新常識を見ていこう。■銀行口座は“使う口座”と“たまる口座”の2つを用意「大切なのは具体的な貯蓄目標です。『とりあえず100万円』は漠然としすぎ。『5年後、夫婦でハワイ旅行に60万円』なら1年で12万円、月に1万円をためればかなうと、夢の実現が見えるでしょう。こうした目標をいくつか作り、合算して手取りの10〜30%を貯蓄しましょう。このとき、生活費などの使う口座とたまる口座を分けて、金融機関の自動積立を利用します。引き落としを給料日後すぐに設定すると確実です」貯蓄額がいくらか迷うが……。「手取りの10%から始め、余裕があれば増やしましょう。ただ子どもの独立後は“人生最後のためどき”。30%まで増やしたいですね」お金を使う誘惑に負けそうだ。「目の前の誘惑と貯蓄目標を比べてみて。目標の楽しみが大きければ、誘惑に負けないでしょう。また、たまる口座のキャッシュカードは持ち歩かず、簡単に引き出せないようにすると安心です」■電子マネーには毎週月曜日、週の予算額をチャージ「電子マネーは、いくら使ったかを把握しづらいオートチャージをやめましょう。1週間の予算を決め、毎週月曜日など決まった曜日に予算額をチャージ。月曜以外の追加チャージは禁止で、履歴を確認しながら予算内に抑えましょう」■通帳を毎週1回“ながめるだけ貯金”「たまる口座の通帳は残高が増える一方。見ると「絶対に減らしたくない」と貯蓄のモチベーションが上がります。使う口座の残高は減っていきますが、次の給料日にマイナスでなければOK。予算達成を見届けましょう」通帳を記帳するのが手間だが。「入出金がスマホで確認できる銀行アプリがおすすめです」■1カ月の手取り収入を全額現金化してみる「現金を手にして、重みを実感してください。次に何にお金を使いたいのか、現金を食費や小遣いなどに振り分けると、自分にとって大切な使い道がわかります」■電気をこまめに消すと、お金が逃げていく電気を点けたり消したりするときの消費電力は多い。「それよりも、契約のアンペア数を下げる、電力会社を替えるなどのほうが、確実に節約できます」小さな習慣を見直して、コロナ禍に負けない自動的にたまるシステムを構築しよう。
2021年05月27日2021年7月11日(日)〜8月3日(火)まで東京・Bunkamuraシアターコクーンにて上演されるCOCOON PRODUCTION 2021「物語なき、この世界。」のビジュアルが公開された。本作は若者の生態、現代人の悲哀、剥き出しの欲望など、人間の“リアル”を妥協なく追求した演出で、観る者の感情を揺さぶる三浦大輔による3年ぶりの書き下ろし作。舞台は新宿歌舞伎町に、10年ぶりに再会した岡田将生演じる売れない俳優・菅原裕一と、ロックバンド・銀杏BOYZの峯田和伸演じる売れないミュージシャン・今井伸二がある大きな事件に巻き込まれていく姿を描く。今井の後輩役には悲運のヒロインをコミカルに演じた舞台『泣くロミオと怒るジュリエット』や、TVドラマ『バイプレイヤーズ~名脇役の森の100日間~』など一癖ある演技に定評のある柄本時生。菅原の恋人役に、舞台『星の数ほど星に願いを』やTVドラマ『来世ではちゃんとします2』で主演を務め、女優、モデルとして幅広く活躍する内田理央。事件のキーマンとなる橋本浩二役に、映画『宮本から君へ』、NHK連続テレビ小説『カーネーション』『おちょやん』での演技が話題となった星田英利、物語の核を担う歌舞伎町のスナックのママ・橋本智子役を、三浦大輔作品には舞台『禁断の裸体』、映画『裏切りの街』にも出演し、唯一無二の演技が記憶に残る寺島しのぶが演じる。さらに、舞台のみならずドラマ・映画と様々な映像作品に出演し、近年では、映画『凪待ち』での哀切な演技が印象深く、自身でイベントの企画・演出のほか、執筆業などマルチに活躍する個性派俳優・宮崎吐夢。三浦大輔主宰の劇団ポツドールに参加以降、看板俳優として劇団の全作品に出演し、三浦からの信頼も厚く、行定勲による映画『いっちょんすかん』では主演をつとめた米村亮太朗と個性豊かな俳優陣が集結。人生をドラマチックに彩りたがる人間のエゴをあぶり出す、新たな衝撃作が誕生する。この度、「物語なき」歌舞伎町の一夜で邂逅する、8人の空虚な眼差しが印象的な本作品のメインビジュアル画像が完成した。併せて、新たな全キャストのコメントも到着。東京公演のチケットは6月5日(土)から一般発売がスタートするので、ぜひ引き続き注目してほしい。■岡田将生僕が今回演じる「売れない役者・菅原裕一」は、中身が空洞のような、虚無感を感じさせる男です。この物語、この世界に自分は果たして存在しているのか、自分はなぜここにいて、一体何をしているのか……お客様もそういったことを、一緒に深く考えてしまうような芝居になる気がしています。不安なことも多い世の中ですが、舞台に立てる幸せをしっかり噛み締め、皆様が舞台の世界にどっぷり浸かっていただけるような作品に仕上げたいと思っています。■峯田和伸三浦さんとはこれまで3本の作品でご一緒しています。ずいぶん前から「また舞台に出てよ」と言われてましたし、またその機会が来るんだろう、という覚悟はしてました。『裏切りの街』と『母に欲す』の現場では、一つの舞台が段々と立ち上がっていくさまがとにかく新鮮でした。あの体験にすごく刺激を受けましたし、特別な感動があったんです。自分の中には、「この人の作るものは絶対に面白い」という確信めいたものがあるクリエイターです。■柄本時生三浦さんとは、映画『愛の渦』以来。現場では三浦さん自身が、自分の皮をどんどんめくるように演出されていた印象があります。そうして身を削るように出来上がる三浦作品は、実はすごく優しいような気がしています。今回の戯曲を最初に読んだ感想は「本当に『物語なき、この世界。』だな、偽りないな~!」(笑)。役者としては、余計なことをしたら意味がない、何もしなくても意味がない……と、難易度の高いことが求められる予感がしています。■内田理央『愛の渦』は映画館で拝見し、人間の内面をえぐるような、ぐさっと刺さるような印象が残っています。最初にお話をいただいたときは、嬉しい気持ち半分、怖い気持ち半分というのが正直なところでした。稽古開始前からすでに「セリフが出てこない」みたいな悪夢も見てますが(笑)、「この山を登るぞ!」と覚悟を決めました。去年、デビュー10周年を迎え、今年は30歳という節目、成長するという強い思いで精いっぱい演じたいと思っております。■宮崎吐夢一番初めに三浦さんの作品に出演したのは2002年、下北沢・駅前劇場での『男の夢』でした。次がその3年後、『S高原から』(作:平田オリザ)を三浦さんが演出した時ですから、一緒にお仕事するのは16年ぶり。クリエイションを重ねるごとに角度を変えて挑戦する逞しさは螺旋階段を上がるようで、ますますスケールアップしています。作品に参加する役者として、そして一人の観客としても、三浦演劇の最新形を楽しみにしています。■米村亮太朗三浦さんの舞台には初期作品から参加していますが、最大の魅力の一つは着眼点のオリジナリティにあると思います。今回の舞台の主役は、人間が欲望をむき出しにできる歌舞伎町という街そのものじゃないかな?と感じました。誰も見たことのないようなアングルから、あの街を捉えてくれるんじゃないかと期待しています。厳しい状況が続いていますが、こんな時だからこそ突き刺さるような作品になる予感がしてなりません。■星田英利三浦さんとご一緒するのは初めてです。この本には「人生って輝かしいものだ」なんてウソくさいことが一切、書かれていないと思います。舞台は刹那なもので、その瞬間、瞬間で毎回変化しますし、「もう一回」がない。人生と一緒でやり直しがきかないところが好きです。そして、お客様が舞台の為に時間を作って来て下さっているわけで、ウソのつけない真剣勝負です。お客様と演者のせめぎ合いの連続。楽しみにしています。■寺島しのぶ三浦さんとお仕事させていただくのはこれで3回目になります。彼の世界観、思考、音のセンス……私が好きなところをグッと突いてくるクリエイターであり、求めることは過酷でも不思議と演じていて爽快感があって、台本も「うん、これ言いたい。わかる」という台詞がたくさん散りばめられているんです。三浦さんの世界を炸裂できるような素敵な顔ぶれが集まりましたし、「これなら心中できる」という覚悟ができる座組みだと思っています。【公演概要】COCOON PRODUCTION 2021「物語なき、この世界。」作・演出:三浦大輔出演:岡田将生、峯田和伸、柄本時生、内田理央、宮崎吐夢、米村亮太朗、星田英利、寺島しのぶ増澤璃凜子、仁科咲姫、日高ボブ美、有希主催 / 企画・製作:Bunkamura●東京公演:2021年7月11日(日)〜8月3日(火) Bunkamura シアターコクーンチケット一般発売:2021年6月5日(土)●京都公演:2021年8月7日(土)~8月11日(水) 京都劇場チケット発売日:2021年7月4日(日)
2021年05月25日漫画、アニメともに異例の大ヒットを記録し、2020年10月16日には映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が公開された『鬼滅の刃』。2021年5月24日、株式会社アニプレックスは同映画の全世界累計来場者が約4135万人を突破し、総興行収入は約517億円を記録したことを明かしました。国内だけでなく、海外でも高い人気を誇る『鬼滅の刃』。アメリカや台湾、香港、オーストラリア、中南米など45の国と地域で上映が行われています。日本では、累計来場者数が約2896万人を超え、興行収入は約400億を記録。1600館で公開されたアメリカでは、約351万人の累計推定来場者数と、日本円で約48億円の興行収入を打ち出しています。また、台湾ではアニメ映画の歴代最高興収を記録。シンガポールでは日本アニメ映画の歴代最高興収を記録するなど、各国でいろいろな分野の興収ランキング第1位となりました。同映画は今後、イギリスやアイルランド、オランダ、トルコなどでの公開も予定されているとのこと。『鬼滅ブーム』は世界中に広がり、多くの人の心をつかんでいくことでしょう!©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable[文・構成/grape編集部]
2021年05月24日闇くじで生業を立てる孤児の少年を描き、第24回釜山国際映画祭ニューカレンツ部門最優秀作品賞受賞ほか多くの映画祭で高い評価を受けたベトナム映画『走れロム』から、予告編が解禁。新たに公開日が7月9日(金)に決定した。ハイリスク・ハイリターンの違法くじの予想を立て、賭け屋との橋渡し(走り屋)を生業としている孤児の少年ロム。予告編では、同じ境遇に立つ同業者のライバルフックと激しく競い合いながら、ホーチミンの寂れた狭い路地や大通りを縦横無尽に駆け巡る姿が活写。ベトナムでは庶民の生活の一部になっている“闇くじ”に翻弄される人々の様子も、容赦のない暴力とともに悲哀を滲ませながら描き出されている。検閲&修正の苦難を経て『TENET テネット』を超える大ヒット新鋭チャン・タン・フイ監督の長編デビュー作にして、世界で輝かしいデビューを飾った本作だが、社会主義国家のベトナムにおいて顕在化させたくない“闇くじ”を描いたことで、当局の検閲が入り、修正を余儀なくされる。そうした苦境を乗り越え迎えた本国での公開は、ロングランヒット中だったクリストファー・ノーラン監督の超大作『TENET テネット』を興行成績で上回る驚くべきヒットを記録。ミニシアター文化のないベトナムで、インディペンデント映画が商業的にも成功をおさめる一大センセーションを巻き起こした。新世代の寵児のもとに、才能豊かなメンバーが集結過酷な環境下、必死に生き抜く主人公ロムを監督の実弟でもあるチャン・アン・コアがエネルギッシュに体現。『青いパパイヤの香り』『ノルウェイの森』で知られる名匠トラン・アン・ユンがプロデューサーとして参加、編集にはアピチャッポン・ウィーラセタクン監督作品を手掛けるタイの名編集者リー・チャータメーティクン、音楽は河瀬直美監督『朝が来る』など国際的に活躍するトン・タット・アンが担当。臨場感あふれるカメラワークの立役者は、フイ監督が絶対の信頼を置く若手撮影監督グエン・ヴィン・フックが務めている。『走れロム』は7月9日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:走れロム 2021年7月9日よりヒューマントラストシネマ渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国にて公開©2019 HK FILM All Rights Reserved.
2021年05月12日新型コロナウイルス感染拡大によって、再び東京都に緊急事態宣言が発令された。発令中はクラシック公演も中止を余儀なくされる中、「霞町音楽堂(港区西麻布)」が「霞町配信堂」の看板を再び掲げたことに注目したい。思い起こせば前回2020年の緊急事態宣言発令時、「音楽の灯を消さぬためにに」という想いのもと、通常の“貸しホール”から“無観客配信のためのホール”へとシフトして、数多くの素晴らしいコンサートが全国に動画配信されたことが記憶に残る。この「霞町配信堂」の1ヶ月限定復活が、多くの演奏家たちの活動を再び支えるに違いない。さらには、利用料金が1コマ(2時間)2万円という手頃さにも注目だ。音楽の灯を消すことなかれ!詳細は以下参照
2021年05月01日ジュエティ(jouetie)は、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』シリーズ完結編の公開を記念したコラボレーションウェアをジュエティ全店舗ほかで、2021年5月中旬より発売予定だ。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』劇中シーンのプリントT1995年のTVシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』の放送から始まった、人気アニメーション『エヴァンゲリオン』。最新作『シン・エヴァンゲリオン劇場版』でシリーズが完結し、ますます幅広い世代から注目を集めている。そんな人気アニメーションとジュエティがタッグを組み、劇場版のシーンカットを大胆にプリントしたTシャツをデザイン。「シン・エヴァンゲリオン劇場版 BIG Tシャツ」には、「さらば、全てのエヴァンゲリオン。」を意味する”BYE-BYE,ALL OF EVANGELION.”のメッセージを刻み、キャラネームの手書きロゴ刺繍をポイントであしらった。カラーは、フェミニンなピンク、さわやかなアイスブルーなど全4色。ビッグシルエットなのでラフに着こなせ、パンツ・スカートともに相性がよい。また、SEELEマークがファンの心をくすぐる「ヱヴァンゲリヲン新劇場版 SEELEシャツ」も登場。オーバーサイズのデザインでありながら、サイドにあしらったドローコードでシルエットをチェンジして楽しむことも。さらに、綾波レイのフェイスモチーフを大胆に胸元にプリントした、サイドジップ ロンTも展開される。【詳細】ジュエティ×エヴァンゲリオン※2021年4月23日(金)より「RUNWAY channel」及び ZOZOTOWNにて先行予約受付。取扱店舗:ジュエティ全店舗、「RUNWAY channel」及び ZOZOTOWN・シン・エヴァンゲリオン劇場版 BIG Tシャツ 全4色 各6,600円(税込)・ヱヴァンゲリヲン新劇場版 SEELEシャツ 全4色 各6,600円(税込)・ヱヴァンゲリヲン新劇場版 サイドジップ ロンT 全3色 各7,700円(税込)
2021年04月26日第46回菊田一夫演劇賞が20日に発表となり、俳優の風間杜夫が菊田一夫演劇大賞に輝いた。同賞は、演劇界の巨星・菊田一夫氏の名を冠し、大衆演劇の舞台ですぐれた業績を示した芸術家(作家、演出家、俳優、舞台美術家、照明、効果、音楽、振付、その他のスタッフ)を表彰する賞。『セールスマンの死』のウィリー・ローマン役、『女の一生』の堤章平役、『白昼夢』の高橋清役の演技が高く評価され、風間が大賞を受賞した。菊田一夫演劇賞には、『ローマの休日』ジョー・ブラッドレー役、『BARNUM/バーナム』フィニアス・テイラー・バーナム役の加藤和樹、『アリージャンス〜忠誠〜』サミー役、TOHO MUSICAL LAB. 『Happily Ever After』男役の海宝直人、『NINE』ルイザ役、『GHOST』モリー役の咲妃みゆ、『ウェイトレス』ジェナ役の高畑充希が選出された。また、菊田一夫演劇賞特別賞は『屋根の上のヴァイオリン弾き』をはじめとする永年の演劇界への功績がたたえられ、鳳蘭が受賞した。
2021年04月20日昨年、Bunkamuraシアターコクーンの芸術監督に就任、そして『キレイ-神様と待ち合わせした女-』以来20年ぶりとなる新作ミュージカル『フリムンシスターズ』を上演した松尾スズキ。彼が総合演出を手掛ける『シブヤデアイマショウ』が4月18日(日)よりシアターコクーンにて開幕する。その中身は、“生バンドと豪華キャストによる、大人の歌謡祭!”とのキャッチコピーでおくる新たな企画だ。松尾いわく「芸術監督に就任した時から、これからは芝居だけではなく、ショースタイルのものもやっていこうと思いました。物語はありながらも、歌と踊り、そして笑いでつないでいく。目でみて、耳で聞いて面白い。そんなものが今の時代には求められるんじゃないか。そういうものを作りたい」との思いで立ち上げられたという。第1弾となる今回は、『キレイ』『フリムンシスターズ』にも参加した、漫画家・小説家・アニメーターなどとして幅広く活躍する天久聖一とのタッグによる構成台本に。さらにコーナー演出として、配信企画『プレイタイム』(2020)で話題を集めた杉原邦生、大人計画の宮崎吐夢、振付家・ダンサーの康本雅子が参加し作品を色づける。出演は松尾ほか、映画『私をくいとめて』(2020)で第30回日本映画批評家大賞主演女優賞を受賞するなど今後の活躍も楽しみなのんがコクーンに初登場。ほか猫背椿、宮崎吐夢、近藤公園、桑原裕子、康本雅子、秋山菜津子という顔ぶれが集結。さらに日替わりゲストも超豪華!生田絵梨花、石丸幹二、井上芳雄、大野拓朗、昆夏美、咲妃みゆ、新妻聖子、橋本じゅん、宮澤エマ、柚希礼音とミュージカル界の第一線で活躍する錚々たるメンバーに加え、お笑い界から、おいでやすこが、すゑひろがりず、ナイツ、ミルクボーイ、笑い飯が登場しさらに盛り上げる。全編を通して“出会い”をキーワードにしたエンタテインメントショーを思い描いているという松尾。歌あり、踊りあり、演劇あり、笑いありで、どんな仕上がりになるのか想像もつかないステージの誕生をぜひ目にしてほしい。文:伊藤由紀子公演情報COCOON PRODUCTION 2021『シブヤデアイマショウ』総合演出:松尾スズキ構成台本:松尾スズキ / 天久聖一コーナー演出:杉原邦生 / 宮崎吐夢 / 康本雅子出演:松尾スズキ / のん / 猫背椿 / 宮崎吐夢 / 近藤公園 / 桑原裕子 / 康本雅子 / 秋山菜津子齋藤桐人 / 乾直樹 / 香月彩里 / 谷須美子 / エリザベス・マリー / 中根百合香 / 笹岡征矢 /りんたろう / 永石千尋 / 飯嶋あやめ / 佐山太一ミュージシャン:門司肇(Pf) / 斎藤まこと(Ba) / 大久保敦夫(Dr) / 河村博司(Gt) / 磯部舞子(Vn) / 伊藤充志(Key) / 大石俊太郎(Sax) / 城家菜々(Mani)ゲスト(各五十音順):生田絵梨花 / 石丸幹二 / 井上芳雄 / 大野拓朗 / 昆夏美 / 咲妃みゆ / 新妻聖子 / 橋本じゅん / 宮澤エマ / 山本耕史 / 柚希礼音おいでやすこが / すゑひろがりず / ナイツ / ミルクボーイ / 笑い飯2021年4月18日(日)~2021年4月25日(日)会場:シアターコクーン
2021年04月18日リアルもオンラインも両方エントリー可能宿毛マラソンWチャレンジラン2021は、リアルとオンラインで開催されます。今年の大会は、宿毛マラソンの灯を消さず、未来につなぐための開催です。同イベントは、リアルの部とオンラインの部、両部門へのエントリー(Wチャレンジ)も可能です。リアルの部では、令和3年5月30日(日)に宿毛市総合運動公園で行われ、部門ごとに分かれて2kmを走り、各部門3位までにゴールすると賞状とメダルを貰うことができます。オンラインでも順位を競うオンラインの部は、令和3年5月15日(土)~5月28日(金)の開催期間中にハーフマラソン(21.0975km)を1回で走り切ると完走です。参加費は、鯛エントリー:5,000円、選べる特産品セットエントリー:3,000円。参加賞は、金額によって異なり、鯛エントリーは、土佐宿毛の生姜真鯛・オリジナル特製タオルが貰えます。選べる特産品セットエントリーは、オリジナル特製タオルの他に3種類の特産品から1つ選ぶことができます。オンラインの部は、3位まで賞状・盾、8位まで賞状を貰うことができます。特別賞として、リアルの部も含めて閉会式時宿毛市または泉佐野市の豪華賞品が当たる抽選会も行われます。(画像は公式サイトより)【参考】※宿毛マラソンWチャレンジラン2021の公式サイト
2021年04月14日タレントの松尾貴史が14日、ツイッターに謝罪文を投稿した。13日発売の写真週刊誌『FLASH』で、SNSを通じて知り合った女性と緊急事態宣言下での「3軒はしご酒」が報じられた松尾。「先般からの週刊誌報道の通り、私自身の軽率な行動により、皆様にご心配とご迷惑をお掛けしましたこと、心よりお詫び申し上げます。日頃から応援してくださっている皆様、ご支援いただいております関係者の皆様の信頼を損ね、多大なるご迷惑をお掛け致しました」と謝罪し、「自分本位な行動をとったことを悔やみ、真摯に反省しております」と猛省。「今後は自らの行動を十分自覚し、責任ある行動を実践して参ります」と誓い、「この度は、誠に申し訳ございませんでした」と重ねて詫びている。
2021年04月14日劇団ノーミーツが3月28日(日)、オンライン劇場「ZA」にて「全国学生オンライン演劇祭」の決勝を生配信する。劇団ノーミーツはコロナ禍に旗揚げしたフルリモート劇団。今回の「全国学生オンライン演劇祭」とは、新型コロナウイルスの影響で中止となった様々な学校行事を仲間で結束し、共に創る楽しさを学べる大切な青春の1コマだと捉え、それを学生たちに経験してもらおう、という趣旨で立ち上げられた。87作品・総上演時間1500分を超える多種多様な作品のなかから、今回決勝に進出したのは「劇団地方民」の『なりひとの成人式』、「on-line 自宅部」の『死神』、「法政大学I部演劇研究会」の『インタビュー』、「NEW SPROUTS」の『今日は誰かの最後』、「劇団ふむふむ」の『ふむふむ家電カスタマーセンター』の5チーム・5作品。決勝に先立って3月21日に行われた抽選会ライブでは5チームが初めて一同に介し、それぞれがの決勝の舞台へ向かう意気込みを語っている。今回の演劇祭のために結成した大学生チーム「劇団地方民」はメンバーのひとりが4年生であることから、「最後に大きな花火をあげたい」という想いで結成。全員が地方出身であるという背景も生かした作品を制作しており「いつも通りしっかりと楽しみたい」と笑顔を見せた。岐阜県で活動する高校生チーム「on-line自宅部」は、コロナ禍に立ち上がった劇団で、活動の集大成として挑戦。「喉から手が出るほど優勝したい。そして、たくさんの行事が無くなった人たちが月曜日から頑張ろうと思ってもらえる公演にできたら」とした。「年間6回の公演が無くなった」と話す「法政大学Ⅰ部演劇研究会」は「演劇祭のツイートを見つけた時に神様が挑戦しろって言っているのかと思った」と再び舞台に立てる喜びを表す。今回最年少の中学生チームとして登場した「NEW SPROUTS」は、普段ミュージカルを行うメンバーが結成したチーム。「若さと元気さは誰にも負けない。優勝めざして頑張ります」と宣言。「みんなでまだ何かをやりたいと思っていたところに見つけて、すぐに挑戦した」と話す大学生チームの「劇団ふむふむ」は、1画面にひとりの役者が登場し、他のメンバーは音声のみで登場するという新たな演出を行うことを明言。「飽きさせない工夫をしているのでお楽しみに。爪痕を残して帰ります!」と語った。上演順は「法政大学Ⅰ部演劇研究会」「on-line自宅部」「劇団地方民」「NEW SPROUTS」「劇団ふむふむ」と決定。また過去の劇団ノーミーツ作品で活躍したYouTuberで女優のめがね(渡邉みな)、女優の夏海、舞台俳優の鍛治本大樹、劇団ノーミーツのオツハタが応援で駆けつけ、来たる3月28日の決勝生配信に向けての熱気が高まっていた。そして当日の配信では劇作家の平田オリザが登壇するトークセッションの開催が決定。『これからの演劇がどうなっていくのか?』をテーマに、劇団ノーミーツメンバーとオンライン演劇に見る新たな可能性について議論する。平田自身も「これは演劇なのか?いや、たしかに演劇だ」というギリギリの境界線上の作品を期待したいと思います」とコメントしている。■配信情報「全国学生オンライン演劇祭」決勝3月28日(日)オンライン劇場「ZA」にて生配信
2021年03月23日少女文學演劇「雨の塔」が3月19日(金)、新国立劇場・小劇場にて開幕。初日公演に先立って行った公開ゲネプロの模様とコメントが到着した。脚本・演出には児玉明子を迎え、出演は乃木坂46の中心メンバーである松村沙友理をはじめ、若手女優として注目を集める高月彩良、高い演技力と歌唱力の七木奏音、藤本結衣ら4人の人気・実力を備えたキャストが集結した本作。『雨の塔』に登場する4人の少女たち、三島敦子、都岡百合子、矢咲実、小津ひまわりの世界を、同室の2人を中心にした、「三島・都岡Ver.」と「矢咲・小津Ver.」の2組の視点から描くことにより、作品をより深く、立体的に楽しめる構成となっている。「雨の塔」は3月21日(日)まで上演される。公演チケットの販売は終了しているが、各公演配信されるのでぜひチェックしてほしい。●松村沙友理(乃木坂46):三島敦子役稽古を重ねて雨の塔の世界観を感じれば感じるほどどんどんとハマっていきました。早くこの世界を観てほしいという気持ちと私に三島敦子をどこまで伝えられるだろうかという不安とどちらもありますが、四人で過ごせる今を楽しみたいと思います。二つのバージョンがそれぞれ本当に違った雰囲気とお話になっていてぜひ両方みて 雨の塔をどっぷりと感じてもらいたいです。配信もありドキドキしています。よろしくお願いします!●七木奏音:小津ひまわり役はじめに…みんなで こうして劇場まで来ることが出来て本当に幸せです。最後の最後まで小津の隣で 側で 彼女をそっと見守り寄り添い続けたいです。これまでに過ごしてきた時の中で出逢ったできごとや大切な方を、ふと思い返してしまう。そんなひと時が、ご観劇いただいた皆さまに訪れてくれたら嬉しく思います。そしてここで生きる 4 人の少女たちの想いに触れ、この空間を温度を色を香りを感情を、この雨の塔を一緒に過ごせること、楽しみにしています。●藤本結衣:都岡百合子役初めてこの作品を読ませて頂いてから稽古が始まりこうして舞台の幕が開くまで本当にあっという間の日々でした。本当にキャストの皆さんが素敵でその時その場に生きている三島、小津、矢咲として都岡に接してくれるので毎回通しをする度に新しい気付きや新しい気持ちが生まれてきたりしますし、きっとこれは本番が始まっても積み重なっていくんだと今からとても楽しみです。言葉はもちろん、歌や振りなどからもこの学校の中で生きている少女たちの息遣いまで感じて頂けるような作品になっていると思います。ぜひ劇場で、生配信で皆様に私たちがどの様に生きているのか見届けて頂けると嬉しいです。●高月彩良:矢咲実役稽古を繰り返すほど進化し続けていく「雨の塔」原作の美しい世界観や、少女の頃にしか感じられない真っ直ぐな想いに洗練されていく毎日です。2Ver.上演、客席に囲まれたステージ、色々な角度から見ることのできる特別な舞台です。残るものが違ったり、どこに視点を合わせご観劇頂けるか、ご覧頂く皆様の色々な想いを乗せてもらえるような舞台になったら良いなと思っております。劇場・配信でお待ちしております!【公演概要】少女文學演劇「雨の塔」公演期間:3月19日(金)〜3月21日(日) 全 6 公演劇場:新国立劇場 小劇場原作:「雨の塔」宮木あや子(集英社文庫刊)演出・脚本:児玉明子キャスト:松村沙友理(乃木坂46)、七木奏音、藤本結衣、高月彩良※どちらの Ver.にも全キャスト出演です公演に関するお問合せ:Mitt(03-6265-3201 / 平⽇12:00〜17:00)※公演チケットの販売は終了しております。当日券の販売もございません。<LIVE 配信公演>終演後キャストコメント付き【日替わり】・3月19日(金) 15:00 / 矢咲・小津 Ver.キャストコメント:高月彩良・3月19日(金) 18:30 / 三島・都岡 Ver.キャストコメント:松村沙友理(乃木坂46)※見逃し配信 3月20日(土) 12:00~3月27日(土) 23:59・3月20日(土) 13:00 / 三島・都岡 Ver.キャストコメント:藤本結衣・3月20日(土)17:00 / 矢咲・小津 Ver.キャストコメント:七木奏音※見逃し配信 3月21日(日)12:00~3月28日(日) 23:59・3月21日(日) 12:00 / 矢咲・小津 Ver.キャストコメント:高月彩良&七木奏音・3月21日(日) 15:00 / 三島・都岡 Ver.キャストコメント:松村沙友理(乃木坂46)&藤本結衣※見逃し配信 3月22日(月) 12:00~3月29日(月) 23:59配信媒体:シアターコンプレックス販売開始:3月16日(火)18:00~販売価格:各 3,700円(税込)
2021年03月19日『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の北米劇場公開が決まった。公開日は4月26日。公開規模は明らかになっていないが、IMAXでも上映されるとのこと。日本語に英語字幕付き、英語吹き替え版の2つのバージョンで公開される。指定は、大人向けのR。L.A.とニューヨークでは、コロナのため、ほぼ1年映画館が閉まったままだったが、ニューヨークでは今月5日から、L.A.では15日から、映画館の再開が許可された。最初に公開となるハリウッド大作は、3月31日公開の『ゴジラVS. コング』。まだハリウッド映画が少ない来月末、『鬼滅の刃』がどれだけ健闘するか注目される。文=猿渡由紀『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』公開中
2021年03月17日2020年10月16日(金)に公開され、5カ月が経つ今も多の観客が劇場へ足を運んでいる『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』のBlu-ray&DVDが6月16日(水)に発売されることが決定した。完全生産限定版の特典には、キャラクターデザイン・松島晃の描き下ろし収納BOX、特製三方背BOX、ufotable描き下ろしデジジャケット、花江夏樹・鬼頭明里・下野紘・松岡禎丞・日野聡によるオーディオコメンタリー、特典CD「劇伴音楽集 -フィルムスコアリング版STEREO MIX-」、公開記念舞台挨拶・公開記念番組でのキャストインタビュー・『めざましテレビ』でオンエアされためざましじゃんけん・PV・CM集を収めた特典DVD、さらに制作スタッフの新録トークや、入場者特典となった「来場御礼スペシャルブック」のキャストインタビューの編集版を収録した特製ブックレットといった豪華な内容となっている。また完全生産限定版の早期予約キャンペーン特典として、全国5都市での舞台挨拶付上映会を開催。各会場に出演キャストがそれぞれ登壇しての舞台挨拶と上映を行う。その舞台挨拶に応募できる参加抽選券を一部法人で期間中にBlu-ray&DVD完全生産限定版を予約した方へ配布。店舗共通完全生産限定版先着予約・購入特典、店舗別購入特典や店舗別グッズ付き限定版などは公式サイトで公開されるので、チェックしてほしい。◆告知番組『鬼殺隊報 -劇場版「#鬼滅の刃」無限列車編 Blu-ray&DVD 大発表SP-』◆劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』Blu-ray&DVD発売告知CM【発売情報】『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』Blu-ray&DVD6月16日(水)発売<発売形態・価格>●完全生産限定版[Blu-ray] 9,900円(税抜価格 9,000円)[DVD] 8,800円(税抜価格 8,000円)●通常版[Blu-ray] 4,400円(税抜価格 4,000円)[DVD] 3,850円(税抜価格 3,500円)<本編ディスク仕様>字幕:バリアフリー日本語 / 英語収録音声:2ch / 5.1ch / バリアフリー日本語音声ガイド<完全限定生産版特典>■キャラクターデザイン・松島晃 描き下ろし収納BOX■特製三方背ボックス■ufotable描き下ろしデジジャケット■オーディオコメンタリー・花江夏樹、鬼頭明里、下野紘、松岡禎丞、日野聡■特典CD 劇伴音楽集 -フィルムスコアリング版 STEREO MIX-■特典DVD・舞台挨拶ダイジェスト2020年10月17日にTOHOシネマズ六本木ヒルズ実施した外崎監督、花江夏樹、鬼頭明里、下野紘、松岡禎丞、日野聡、平川大輔、主題歌を担当したLiSAが登壇の舞台挨拶の模様を収録・公開記念番組 ~キャストが語る映画の魅力SP~フジテレビ系列でオンエアされた帯番組5名の皆様インタビューを通して、映画の魅力が深堀されています。・めざましじゃんけん『めざましテレビ』でオンエアされた全10回を収録・PV・CM集■特製ブックレット制作スタッフの新録トークや、入場者プレゼントとしてお届けさせていただいた『来場御礼スペシャルブック』のキャストインタビューの編集版など収録※特典は変更となる可能性がございます。<通常版仕様>■1枚組(本編ディスク)【早期キャンペーン特典について】『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』舞台挨拶付上映会(全国5都市)<日程・会場>●5月29日(土)東京会場:花江夏樹大阪会場:松岡禎丞●5月30日(日)北海道会場:鬼頭明里名古屋会場:下野紘福岡会場:日野聡■参加抽選券配布対象法人:ANIPLEX+、ufotable、アニメイト、Amazon(【Amazon.co.jp限定】商品のみ対象)■対象商品:『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』Blu-ray / DVD完全生産限定版※通常版のご予約は対象になりません■抽選応募期間:2021年3月16日(火) 0:00~2021年4月23日(金) 23:59詳細は作品公式サイトをご覧ください。公式サイト: 『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』公開中
2021年03月16日新国立劇場の演劇部門の2021/2022シーズン発表会が3月8日に行なわれ、芸術監督の小川絵梨子が出席した。シーズンの幕開けを飾るのは、海外招聘公演『ガラスの動物園』。コロナ禍で昨年、招聘を断念した同作だが現在、9月の上演を目指して交渉を進めているという。パリの国立オデオン座の制作で、本国フランスでも4日間の上演で打ち切りとなったが、かなりの高評価だったとのことで、当代一の人気を誇る演出家イヴォ・ヴァン・ホーヴェの手によりテネシー・ウィリアムズの名作が現代にどう蘇るのか期待が高まる。小川芸術監督が就任以降、積極的に取り組んできたのがフルオーディションによる公演だが、11月には倉持裕の作・演出による『イロアセル』を上演する。小川の就任以前の2011年に倉持が新国立劇場に書き下ろした作品だが「いまの社会に必要な本」(小川)と10年を経て再び同劇場で上演される。もうひとつ、小川が力を注いできたのが、1年もの時間をかけて作品を育てていく「こつこつプロジェクト」。第一期の作品として、西沢栄治の演出で別役実の『あーぶくたった、にいたった』が12月に上演される。また第二期として、福山桜子、船岩祐太、柳沼昭徳の3人が新たに参加することも決まった。さらに新たなシリーズ企画として「正論≒極論≒批判≠議論」と銘打って、言葉によるコミュニケーションの在り方について考える3本の戯曲―『アンチポデス(仮題)』『ロビー・ヒーロー』、『来訪(仮題)』を上演。小川がコロナ禍において、様々なニュースやそれに伴うコメントなどに触れ、考えた経験がきっかけとなっており「SNSなども含め、個人が発言しやすくなっている中で、それは意見なのか? 感想なのか? 批判なのか? 文句なのか? 誹謗中傷なのか? それとも議論がしたいのか? 何かを変えたくて言っているのか? 『これは何の発言なんだろうか?』ということを考えていきたい」とその趣旨を語る。芸術監督に就任して4シーズン目を迎えるが、即効性、一過性の施策だけでなく「時間をかけて積み重ねていく」ことの重要性を訴える。コロナ禍で多くのものが「不要不急か否か?」で分類され、演劇もその存在意義が問われてきた。小川は「(演劇が社会に)必要だと声をあげていくことはもちろんですが、そう思ってもらえるためにどうしていくか考えるのが重要。必要だと思ってもらえる作品をどう作っていくか? 考えていかなくてはいけない」と語った。
2021年03月11日名作揃いのチャップリン作品の中でも最高傑作の誉れ高い『街の灯』が、生オーケストラと大スクリーンで蘇る豪華なイベントが開催される(3月17日:すみだトリフォニーホール)。新日本フィルによる「生オケ・シネマ」5周年を記念したこのイベントは、デジタル修復された高画質大画面のフルスクリーンと生のオーケストラによる演奏によって、笑いと涙の歴史的傑作『街の灯』を現代に蘇らせる意欲的な試みだ。音楽は、映画の実際の録音時に使用されたチャップリンのオリジナル・スコアを使用して新日本フィルハーモニー交響楽団が演奏。当時の録音技術ではすべての音域が収録できなかったことから、今回は、今までのチャップリン映画上映やテレビ放映では聴こえなかった音が、生のオーケストラによって再現されるというのも興味深い。音楽にも深いこだわりを持っていたチャップリンが意図した本来の音楽が姿を表す瞬間に期待したい。●公演詳細:
2021年03月11日新国立劇場の演劇部門の2021/2022シーズンのラインアップ発表会が3月8日に開催され、2018年9月より芸術監督を務めている小川絵梨子が出席。新シリーズ「正論≒極論≒批判≠議論」などについて説明した。シーズン幕開けを飾る、小川芸術監督就任後初の海外招聘作品となる『ガラスの動物園』、倉持裕が2011年に同劇場に書き下ろした『イロアセル』のフルオーディション公演など、新シーズンも枠にとらわれない多彩なラインアップが組まれている。中でも注目を集めそうなのが「正論≒極論≒批判≠議論」と名付けられた新シリーズで、小川自らが演出を務める『アンチポデス(仮題)』を皮切りに『ロビー・ヒーロー』、『来訪(仮題)』の3本が上演される。「正論≒極論≒批判≠議論」というテーマには小川自身がコロナ禍において考えていた人々のコミュニケーションに対する思いが込められているとのこと。「SNSなども含め、個人が発言しやすくなっている中で、それは意見なのか? 感想なのか? 批判なのか? 文句なのか? 誹謗中傷なのか? それとも議論がしたいのか? 何かを変えたくて言っているのか? 『これは何の発言なんだろうか?』ということを考えていきたい」とテーマの意図を説明する。『アンチポデス』は小川と同世代のアメリカの女性作家アニー・ベーカーの作品で、会議室に男女が集まって議論をするという物語。「コミュニケーションが歪んでいくさまが、非常に現代的でリアルに描かれている」という。『ロビー・ヒーロー』は米アカデミー賞脚本賞に輝いた映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』の脚本・監督を務めたケネス・ロナーガンの作品で「声高に正義を叫ぶことの大事さ、そして難しさが描かれている」としてこのシリーズに加えられた。3本目の『来訪』は、小川がこのシリーズに最初の選んだ作品であり、ある金持ちの老婦人が町への寄付の条件としてある人物をつるし上げることを人々に要求するという寓話的な物語。「大きな力、同調圧力によって、つるし上げが正義になっていく」さまが描かれる。小川はコロナ禍における自粛期間中を振り返りつつ「なかなか人と会えず、でも情報はほしいので、ネットやいろんなところから情報を得ようと(ニュースや情報に)接続すると、そこでの発言の内容にいい意味で心打たれるもの、考えさせられるものもあったけど、心がえぐられる気持ちになるものもあって『なぜそんな言い方になるんだろうか?』と感情を揺さぶられることが多かった。“答え”があるわけではなく、みんなで考えていけたら」と語った。自身、18年秋に芸術監督に就任し、昨年はコロナ禍という難しい局面に向き合うことになったが、改めて芸術監督の仕事を「時間をかけて積み重ねていくということ」だと一過性ではなく、新たな世代に演劇の楽しさを伝え、残していくことだと語る。同世代の長塚圭史がKAAT神奈川芸術劇場の新芸術監督に就任し、同じくダンサーで振付家の近藤良平が「彩の国さいたま芸術劇場」の芸術監督に就任することも発表されたが「ざっくばらんにオープンに長塚さん、近藤さんと話していける関係でありたいし、大きなつながりを次の世代にも残していきたい」と語る。新シーズンでは、小川が立ち上げた、長期間で作品を育てていく「こつこつプロジェクト」が第二期を迎え、英国のロイヤルコート劇場とのコラボレーションによる劇作家ワークショップも新たなフェーズを迎えるが、改めて「創作への投資」の重要性を強く訴えていた。2021/2022ラインアップは以下の通り2021年9月■ガラスの動物園作:テネシー・ウィリアムズ演出:イヴォ・ヴァン・ホーヴェ制作:国立オデオン劇場出演:イザベル・ユペール、ジャスティーン・バチェレ、シリル・グエイ、アントワン・レナーツ2021年11月■イロアセル作・演出:倉持裕※フルオーディション作品2021年12月■あーぶくたった、にいたった作:別役実演出:西沢栄治2022年4月「正論≒極論≒批判≠議論」 vol.1■アンチポデス(仮題)作:アニー・ベイカー翻訳:小田島創志演出:小川絵梨子2022年5月「正論≒極論≒批判≠議論」 vol.2■ロビー・ヒーロー作:ケネス・ロナーガン翻訳:浦辺千鶴演出:桑原裕子2022年6月「正論≒極論≒批判≠議論」 vol.3■来訪(仮題)作:フリードリヒ・テュレンマット翻訳:小山ゆうな演出:五戸真理枝■こつこつプロジェクト-ディベロップメント-第二期<参加演出家>福山桜子船岩祐太柳沼昭徳取材・文・撮影:黒豆直樹
2021年03月09日COCOON PRODUCTION 2021『物語なき、この世界。』が7月11日(日)から8月3日(火)に渡りBunkamura シアターコクーンで上演されることが決定した。作・演出を手掛けるのはスキャンダラスな題材と、リアルな感情を追求した演出で、観る者の感情を揺さぶる三浦大輔。シアターコクーンには2015年にブラジル演劇の巨匠ネルソン・ロドリゲス『禁断の裸体』の演出で初登場。2018年のオリジナル戯曲『そして僕は途方に暮れる』ではエロスや暴力シーンを封印、現実に向き合わないダメ人間の逃亡劇を描き、精緻な台詞と構成で微妙な人間関係を巧みに演出して新境地を切り開いた。『物語なき、この世界。』は舞台だけにとどまらず、映画監督としてのキャリアも積んだ彼の3年ぶりの書き下ろし作となる。30歳を過ぎても売れない俳優で、同棲している彼女の稼ぎでヒモ生活をおくる菅原裕一役には、2019年Bunkamura シアターコクーンで上演された『ハムレット』でタイトルロールを熱演し好評を博した岡田将生。売れないミュージシャンで菅原の田舎の高校の同級生、今井伸二役には三浦との親交も深く、俳優として活躍の場を広げている銀杏BOYZの峯田和伸。今井のバイト先の後輩でフリーターの田村修役には舞台『泣くロミオと怒るジュリエット』で、コミカルながらも哀切なジュリエットを見事に演じた柄本時生。菅原の彼女でOLの鈴木里美役には舞台『星の数ほど星に願いを』やドラマでも主演を務め、女優・モデル・バラエティなどジャンルにとらわれず活躍する内田理央。歌舞伎町のスナックのママ・橋本智子役には舞台『禁断の裸体』、映画『裏切りの街』と何度もタッグを組み、三浦が絶大な信頼を寄せる寺島しのぶが抜擢された。キャストとスタッフのコメントは以下の通り。岡田将生皆様の前に立てる事、喜びを感じております。舞台は何度かやらせてもらってますが、毎回いろいろな発見があります。今回はどんな発見があり、どうこの作品に向き合っていくか、すごく楽しみです。三浦さんは以前、『何者』という映画でご一緒させて頂き、そして中学の時から尊敬してやまない峯田さんとお芝居できる事、飛び跳ねました。こんな日がくるとは…いつもより数段テンションが高いです。そして今までと違う自分を見せられる気がします。こんな待ち遠しい仕事はありません。エンタメは不可欠だと思います。この作品を沢山の方に観て頂きたいです。峯田和伸三浦さんの舞台に出演するのは今回で2度目になります。あれが僕の人生初舞台でした。あの濃密だった2カ月間の暗闇から、もう七年がたちます。ですがまだ僕は追いかけられています。三浦さん作品に出るには裸になるしかありません。顔にモザイクをかけるしかないようです。共演者、スタッフの皆さんと一緒にすごい舞台にしたいです。今はこの一心です。柄本時生色々と難しい環境の中、コクーンの舞台にまた立たせて頂けるという…本当にありがたいと思ってます。どんな作品になるかはまだ想像が付きません(笑)。楽しんでいただけるよう一生懸命頑張ります。内田理央実は私がお芝居に出会う前に、一度三浦さんの舞台のオーディションを受けたことがあります。ご縁はありませんでしたが、その時オーディションでありながらお芝居ってこんなに心がドキドキするものなんだ!と衝撃を受けたことを今でも覚えています。今回は皆さんと一緒にコクーンの舞台に立たせて頂くことがとても嬉しいです。精一杯頑張ります。寺島しのぶ『禁断の裸体』『裏切りの街』に続いて、また三浦さんとお仕事できることを大変嬉しく思います。三浦さんの代弁者でもある役だと思うので、しっかりと舞台に存在したいと思います。人生をドラマチックに生きたいと思ってる方、必見です。作・演出:三浦大輔新宿・歌舞伎町のゴジラロードを通り過ぎ、映画館に向かう人波。“物語なんてない”猥雑な街並みと、“物語を求める人間”が一緒くたになった歪な風景を見たとき、ここを舞台にしようと決めた。自分自身、舞台や映画をつくりながら「なぜ、こんな都合がいい出来事ばかりを並べているんだ?」と違和感を感じることがある。歌、小説、絵画といった芸術、あるいはニュース番組...「人生は物語だ」という言葉も都合のいい理屈、所詮は自分の人生をドラマチックに彩りたがる人間のエゴで、むしろドキュメンタリー番組だったら使われない部分、人生の残りカスが本質かもしれない。「人間、所詮そんなものだ」という諦念を描くのではなく、『世の中』というもの自体の“あら”や“だらしなさ”のみを抽出し、そこに執着し、キレイごとやメッセージなしで、この世界の矛盾を暴く――そんなことを試みたい。■舞台情報COCOON PRODUCTION 2021『物語なき、この世界。』<東京公演>7月11日(日)~8月3日(火)Bunkamura シアターコクーン<京都公演>8月京都劇場チケット一般発売6月5日(土)※詳細は後日発表公式サイト:
2021年03月08日「午前十時の映画祭11 デジタルで甦る永遠の名作」が4月2日(金)より開催され、約1年に渡り新たな上映作品22本、再上映作品5本の全27本が全国63劇場で上映される。「午前十時の映画祭」は「一度、スクリーンで見たかった。もう一度、スクリーンで見たかった。」をキャッチコピーに、2010年のスタートから10年間に渡って映画史上の名作・傑作の数々を上映してきた。第11回目となる今回は、上映開始時間や料金、体制なども再構築して新たなスタートを切る。今回のラインナップは4人の選定委員と今までのリクエストを参考に決定。新セレクト作品が22本、アンコール作品が5本と初お目見えが多数上映される。オープニングは昨年惜しまれつつ亡くなったショーン・コネリーのアカデミー賞受賞作品『アンタッチャブル』、『ザ・ロック』。また「I’ll be back」のアーノルド・シュワルツェネッガー主演『ターミネーター』1と2を連続上映する予定だ。そのほか『真昼の決闘』や『イージー★ライダー』、『シャイニング北米公開版(デジタル・リマスター版)』などの不朽の名作、『イングリッシュ・ペイシェント』や『ノッティングヒルの恋人』、『ロミオ+ジュリエット』、『ユージュアル・サスぺクツ』、『グッドフェローズ』、『ファイト・クラブ』、『ファーゴ』など90年代の代表作も勢ぞろい。邦画新セレクトは黒澤明×三船敏郎『隠し砦の三悪人(4Kデジタルリマスター版)』、初の特撮映画『モスラ(4Kデジタルリマスター版)』、勝新太郎主演『座頭市物語(4Kデジタル修復版)』の3本。どれも「午前十時の映画祭」らしい幅広い作品ばかり。この機会にぜひ劇場に足を運んでほしい。■企画情報「午前十時の映画祭11 デジタルで甦る永遠の名作」2021年4月2日(金)から2022年3月31日(木):52週間上映期間:1作品2週間上映(※1週間上映の作品もあり)開催劇場:全国63劇場上映作品:全27本(外国映画23本、日本映画4本)上映方式:DCP(デジタル)上映作品選定委員:襟川クロ / 映画パーソナリティ戸田奈津子 / 映画字幕翻訳者町山智浩 / 映画評論家、コラムニスト武田和 / 公益財団法人 川喜多記念映画文化財団 代表理事<新規セレクト外国映画19本>『真昼の決闘(1952年)』『イージー★ライダー(1969年)』『シャイニング 北米公開版(デジタル・リマスター版)(1980年)』『ターミネーター(1984年)』『未来世紀ブラジル(1985年)』『ターミネーター2(1990年)』『グッドフェローズ(1990年)』『天使にラブ・ソングを...(1992年)』『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス(1993年)』『ユージュアル・サスぺクツ(1995年)』『マディソン郡の橋(1995年)』『ザ・ロック(1996年)』『ロミオ+ジュリエット(1996年)』『ファーゴ(1996年)』『イングリッシュ・ペイシェント(1996年)』『ノッティングヒルの恋人(1999年)』『ファイト・クラブ(1999年)』『シカゴ(2002年)』『グラディエーター(2000年)』<新規セレクト日本映画3本>『隠し砦の三悪人(1958年)(4Kデジタルリマスター版)』『モスラ(1961年)(4Kデジタルリマスター版)』『座頭市物語(1962年)(4Kデジタル修復版)』<アンコール上映5本>『ティファニーで朝食を(1961年)』『赤ひげ(1965年)』『2001年宇宙の旅(1969年)』『スタンド・バイ・ミー(1986年)』『アンタッチャブル(1987年)』公式サイト: ※入場料金、開映時間は劇場によって異なります。
2021年03月05日現在配信中のVR演劇『僕はまだ死んでない』の販売延長が決定した。さらに原案・演出のウォーリー木下からのメッセージも公開されている。コロナ禍で、劇場での有観客公演が依然として厳しい状況にある中、劇場体験の代替ではない、全く新しい演劇体験として、VR(バーチャルリアリティー)技術を用いて誕生した「VR演劇」。演劇を楽しむ醍醐味である“舞台上の観たい部分に注目しながら”かつ“舞台上の主人公の視点で”楽しめる、新感覚の演劇体験となっている。本作では舞台上の主人公の視点にVRカメラを設置して収録。劇場上演の演劇では見ることのできない、舞台上から360度ぐるりと見渡せる映像で、主人公の気持ちに寄り添うも良し、ずっとひとりの人物を追い続けるも良し。自由な視点で、何度も、幾通りも楽しむことができる。主人公・直人は、脳卒中で倒れ、自分の意思で動かせるのは眼球と瞼だけ、という状態。直人を取り囲むのは、父、兄貴分の幼馴染、担当医、離婚の話し合いが進んでいた妻。もしも、自分の大事な人が、もしくは自分自身が、倒れて生死の境をさ迷う状態になったら……。その時に人は、何を想い、何を選択するのか。目を背けがちで話題には上がりにくい、けれど誰もがいつかは迎える「人生の最期」について、エンタテインメントとして、ときにコメディタッチに描いて観客を惹き込み、構えることなく思いを巡らすことのできる作品だ。この販売延長を機に、この新しい映像体験にトライしてほしい。ウォーリー木下・コメント――この物語の出発点、着想は?この企画はまず、VRで演劇を作ろう、というところから始まりました。私自身も初めてのVRだったので色んな形のVRを体験しましたが、その中でも360度カメラのVR映像にとても惹かれました。その360度カメラを使って、円形舞台の反対、お客さんが真ん中にいて周りを役者が囲む「ドーナツ型」の舞台を作ろうと思いました。つまり、舞台上の真ん中にカメラを置くことで、真ん中にお客さんの視点がある、という形です。そのお客さんの存在を役者も感じながら話が進んでいく、また、一方的でアクションは起こせないという制約などを考え、当時ちょうど「終末医療」について勉強していたことも重なり、この物語を作りました。――映像作品でもありますが、本作を“演劇”たらしめる要素とは?昨年は、無観客配信やアーカイブの配信など、私自身も色んな演劇の配信を観ましたが、あくまでも舞台演劇を記録した映像であって、これまでいつも実際に客席で体験していた「生」の作品とはやはり違うなとも思いました。どうやったら映像配信でもより演劇に近い臨場感を与えられるか……と考える中で、「お客さんが好きなところを観ることができる」「色々な人たちが一堂に集まって、個人個人の心の中でドラマを楽しむ」というのが演劇の魅力だと思いましたが、それに近いことを、360度カメラを体験した時に感じました。それがこの「VR演劇」の、もっとも演劇らしい部分のひとつかなと思います。――完成した作品を観ていかがでしたか?「終末医療」という重たいテーマであり、ズシリとも来るのですが、広田(淳一)くんの脚本によって軽やかな人間ドラマに昇華されていて、良い意味で他人事のようにも感じられ、その距離感がVRにとても合っていたと思います。終末医療というテーマについては、広田くんと何度もやり取りしながら作り上げました。日本では終末期の患者さんなどが、自分で死、すなわち生き方を選べない状況もある……という難しい現状があり、それに対して問題提起というか、自分が将来そうなった時にどうするんだろう、とも考えていますが。それを「当事者の話にしたい」という思いが広田くんと私の中にありました。――今後、VR演劇でやってみたいことは?たくさんあります。お客さんが能動的に動くことでアクションやドラマが変わっていったり、例えばVRグローブを使ったりなど、もっとインタラクティブ(双方向)なものが作れたら、より演劇として面白くなるなと思っています。「VR演劇元年」が2020年に始まったと感じています。演劇の豊かな発展につながっていくと思いますし、いちアーティストとしてとても面白い表現だと感じています。これをどんどんブラッシュアップさせ、ここから新しいものが生まれていくのだと思います。ぜひ、怖がらずに試していただけたら嬉しいです。■配信情報VR演劇『僕はまだ死んでない』配信チケット販売: ~3月31日(水)23時59分※期間中何回でも購入可。閲覧可能期間: ~4月7日(日)23時59分まで閲覧期限:7日間配信チケット価格:3,500円(税込)<チケット販売窓口>・Blinky販売期間:~3月31日(水)23時59分購入先: 視聴期間:購入から7日間・ぴあ販売期間:~3月31日(水)23時59分購入先: https:/w.pia.jp/t/madashindenai/視聴期間:シリアルコード登録から7日間シリアルコード登録: ・楽天チケット販売期間:~3月31日(水)22時購入先: 視聴期間:シリアルコード登録から7日間シリアルコード登録: ・チケットペイ販売期間:~3月31日(水)22時購入先: 視聴期間:シリアルコード登録から7日間シリアルコード登録: ・イープラス販売期間:~3月31日(水)22:00購入先: 視聴期間:シリアルコード登録から7日間シリアルコード登録:
2021年02月27日毎年秋にシネマート新宿、シネマート心斎橋で実施される劇場発信型映画祭「のむコレ」に先駆け、3月19日(金)から「のむコレ番外編韓国映画チェゲボン トゥクチブ」が開催決定。「チェゲボン トゥクチブ」とは韓国語で「再上映特集」のことで、1997年から2012年までに公開された韓国映画の中から選りすぐりの作品を上映する。★豪華俳優共演のクライムアクション1997年公開の『ナンバースリー』は、『シュリ』のハン・ソッキュ、『パラサイト 半地下の家族』のソン・ガンホ、『オールド・ボーイ』のチェ・ミンシクが競演したヤクザの派閥抗争と検事の戦いを描いたアクションムービー。チェ・ミンシクと『神と共に』シリーズのハ・ジョンウ、『毒戦 BELIEVER』のチョ・ジヌン、『悪人伝』のマ・ドンソクら豪華俳優陣が競演した『悪いやつら』は、裏社会での生き残りをかけた男たちの攻防を描いた『工作 黒金星と呼ばれた男』のユン・ジョンビン監督作。大人気シリーズとなり続編も作られたチョ・スンウ、キム・ヘス共演の『タチャ イカサマ師』もラインナップされている。★実話/実在の人物を基にしたハードボイルド作品『ディヴァイン・フューリー/使者』のアン・ソンギ、『殺人の追憶』のキム・サンギョン、『王の男』イ・ジュンギ共演『光州5・18』は、タイトル通り『タクシー運転手~約束は海を越えて~』や『1987、ある闘いの真実』でも描かれた1980年5月に起こった、学生や市民らによる民衆蜂起「光州事件」を題材とした作品。金日成(キム・イルソン)暗殺を命じられた特殊部隊の過酷な訓練と彼らの行く末を描いた名優ソル・ギョング主演『シルミド』もまた、1971年に起こった「実尾島(シルミド)事件」を基にして描かれた映画。いずれも韓国では大ヒットを記録した。『力道山』は1950年代、日本プロレス界で一大ブームを巻き起こした力道山をソル・ギョングが体重を増やして熱演。中谷美紀、萩原正人らが共演として名を連ねる。★ソン・イェジン、ペ・ドゥナら出演!時代を超える名作ドラマ「愛の不時着」で社会現象を巻き起こしたソン・イェジン主演、キム・ジュヒョク共演の『妻が結婚した』ほか、『はちどり』キム・ボラ監督など女性監督の活躍目覚ましい現在、その先駆けともいえるチョン・ジェウン監督×ぺ・ドゥナ主演の『子猫をお願い』も登場。ペ・スジが“国民の初恋”と呼ばれて本国でも大ヒットを記録、恋愛映画の名作として語り継がれる『建築学概論』、主演チョ・スンウに大鐘賞主演男優賞をもたらし、二宮和也主演でドラマリメイクされた『マラソン』も上映。そのほか、パク・ヨンハ主演のスリラー『作戦 The Scam』、ヨム・ジョンア主演のラブストーリー『私の生涯で最悪の男』、チョン・ウソン主演の武侠アクション『レストレス~中天~』、ハン・ソッキュ主演のコメディ『ミスター主婦クイズ王』がラインナップ。日本で上映された名作韓国映画と、韓国映画の現在へと続く歩みを一挙に振り返ることができる。「のむコレ」上映作品の選定に携わるシネマート新宿/心斎橋 番組編成担当、野村武寛氏によれば、「2年前の「のむコレ」で『王の男』を上映した時、当時この映画をご覧になった方はもちろんですが、再上映ということを知らないで映画をご覧にお越し頂けました、その反応がとても刺激的で、驚きました。それ以来こういった映画を上映ができないかと試行錯誤しておりました」と言う。「今回ツインさんのご協力のもと、自社作品をあわせ、この企画が実現できました。タイトルもパンチがあるものがいいと考えて韓国語を混ぜてみました。名付けて『チェゲボン(再上映)トゥクチブ(特集)』(笑)。懐かしい映画をそろえています。当時映画をご覧になった方も、初めての方も韓国映画のすばらしさを体感してほしいです」と語っている。「のむコレ番外編韓国映画チェゲボン トゥクチブ」は3月19日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋にて開催。(text:cinemacafe.net)■関連作品:光州5・18 2008年5月10日より新宿ガーデンシネマほか全国にて公開© 2007 CJ Entertainment & KiHweck ShiDae.All Rights Reserved.タチャイカサマ師 2008年8月9日より新宿バルト9ほか全国にて順次公開© CJエンターテインメント建築学概論 2013年5月18日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開© 2012 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved悪いやつら 2013年8月31日よりシネマート新宿ほか全国にて公開© 2012 SHOWBOX/MEDIAPLEX AND PALETTE PICTURES ALL RIGHTS RESERVED.
2021年02月25日ついに、VR(ヴァーチャル・リアリティ)で演劇を楽しむ時代が来た。新感覚の演劇作品『僕はまだ死んでない』がVR動画配信サービス「Blinky」で配信されている。新型コロナウイルスの感染拡大により、以前のように劇場で観劇をすることが難しい状況が続くが、コロナ禍の今だからこそ届けられる作品もあるはずということで、立ち上がった本企画。既存の演劇のオンデマンド配信作品ではなく、VR技術を用いて、映像で演劇を楽しむ作品となっている。実際に、ヘッドマウントディスプレイとイヤホンを装着して、作品を観た。場面は、壁に包まれた病室。どうやら「僕」はベッドの上にいる状態らしいと分かる。「僕」の父(斉藤直樹)や担当医(輝有子)、「僕」の友人の碧(加藤良輔)、離婚の話し合いが進んでいた妻・朱音(渋谷飛鳥)が話をしている。会話の内容から、「僕」は直人(内海啓貴)というらしく、「元通りになる可能性はないし、むしろ生き延びたことを奇跡だと思って欲しい」と言われるような状態だということが分かってきて……。そして、迫られる「終末医療」の選択。軽妙でユーモアもありながら、否応なしに、人生の最期について考えさせられる作品だ。演劇的には、360度、自由に映像が見られるのが面白い。話している相手の顔を見ることもできるし、周囲の会話を聴きながら、窓の外の風景を眺めることもできる。「直人」の体は動かないので、自分自身が俳優として舞台に参加しているような気もするし、物を言いたいのに伝えられないもどかしさも味わうなど、「直人」の意識をそのまま生きているような気もして、不思議な感覚に陥る。作品の途中、場面が切り替わり、VRならではの映像が挟み込まれる。演劇とも映画とも何かが違う、新感覚な観劇体験だった。上演時間は約1時間ほど。ヘッドマウントディスプレイでなくとも、スマートフォンやタブレット、各種ブラウザで視聴可能。7日間の閲覧期間中、何回でも見られるので、別の角度から作品を楽しんだり、映像を拡大してみたり、いろいろと楽しみ方がありそうだ。ぜひおうち時間のお供に、新しい観劇体験をしてほしい。取材・文:五月女菜穂公演情報VR演劇『僕はまだ死んでない』原案・原作・演出:ウォーリー木下脚本:広田淳一音楽:吉田能出演:内海啓貴 / 斉藤直樹 / 加藤良輔 / 輝有子 / 渋谷飛鳥 / 瀧本弦音 / 木原悠翔配信チケット販売:好評発売中閲覧期限:シリアルコード登録から1週間※最終閲覧は3月7日(日)23:59迄公式サイト: 月13日(土)より「Defiled-ディファイルド-」「Equal-イコール-」「35MM: A MUSICAL EXHIBITION」一挙配信中!一挙配信の詳細はこちら:
2021年02月16日