専門家・プロ:野﨑誠第1回夏の戻りが湿疹を呼ぶ楽しかった夏休みも終わり、秋がやってきました。しかし、今年の夏は少し変でしたね。梅雨はあっという間に終わり、その直後から熱波が襲来。8月には毎週のように台風がやってくるという慌ただしい夏休みでした。そして待ちに待った秋があっという間にやってきた印象がありますね。道端の朝顔が今頃になって咲いているのを見るとなんともはや。過ごしやすく活動的になる秋ですが、一般に湿疹が悪化する傾向があるとされています。実際に外来でも湿疹が悪くなって受診される患者さんが結構いるのも事実です。一体なぜでしょうか。今回はそのお話を数回に分けてしていきたいと思います。1回目は夏の戻りについての話です。夏が戻ってきた?要注意だ!三寒四温というように、日々の温度の変化が大きいのも秋の季節の特徴です。まず気をつけたいのが、しばらく涼しかったのがある日突然暑くなる、いわゆる夏の戻りです。もう少し先の季節だと小春日和のときも同じことがいえるでしょう。そのあとに湿疹が悪化する子が非常に多くなります。どちらかというと男の子が多いような気がします。なぜでしょう。原因は・・・汗?その原因は汗です。涼しくなって徐々に厚着をしていく途中にやってきた暑い日。そのときに前の日と同じような格好で外に出たら、当然汗をかきますよね。その汗が原因となり湿疹を作ることが十分に予想されるのです。そうです、夏のあせもや汗かぶれの再来です。そのまわりを引っ掻いているうちに、だんだん湿疹の範囲が広がってしまう。そして湿疹の季節の冬に突入というパターンが秋に多く見られる特徴です。そう考えると、男の子に多く発生するのもうなずけます。だって彼ら、どんなに暑くっても洋服をぬがないんですもの。横着というかなんというか・・・そういう女の子もときには見かけますが。だからシャワーは必要なんだ対策はどのようにすればよいのでしょうか。最も良い対策方法はしっかりとシャワーを浴びることです。学校帰り、外出帰りにはしっかりと浴びたいところですし、できれば朝にもしっかりと浴びたいです。学校が始まってなんとなく朝のシャワーの習慣がなくなった。その後、湿疹が悪くなったということはありませんか?夏の湿疹の、しっかり洗う、しっかり流すという原則はこの時期も有効です。できれば最高気温が20度を下回るくらいまではしっかりと流してあげたいところですね。湿疹の治療もお早めにそんなわけで冬になる前から湿疹を作ってしまう子が増えてくるのがこの季節です。予防はスキンケア・シャワーで汗や汚れを上手に落とせばなんとかなりますが、痒みが出てしまうともうそれだけでは抑えることはできません。早めに薬を使って湿疹を抑えていきたいところですね。子どもがひっかく動作をするようだったら皮膚科・小児科の受診を考えたいです。今回は秋の最初のお話ということで夏の残り香について話を進めていきました。次は冬の先触れをテーマにお話をすることにしましょう。野﨑誠(のざきまこと)わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市・皮膚科、小児皮膚科)院長。国立成育医療センター(小児皮膚科)、東京都立東大和療育センター(皮膚科)勤務。2001年山形大学医学部卒業山形大学医学部皮膚科入局山形県公立置賜病院(山形県長井市)、国立成育医療センター(東京都世田谷区)、はせがわ小児科医院(東京都武蔵野市)などの皮膚科・小児皮膚科を経て、2013年、わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市)開院。院長を務めるかたわら、専門家向け、一般向け、教育機関(保育園、幼稚園、小学校、中学校など)向けの各種講演会、勉強会を精力的にこなす。雑誌他執筆多数。広い年齢層の皮膚病、あざの治療やスキンケアに携わる。わかばひふ科クリニックWebサイト
2018年09月27日専門家・プロ:野﨑誠あせもってなんだ?今回の「あせも」の話もハワイから始めていきましょう。ハワイに行くといろいろなものが日本と異なるので、非常に興味深くついつい眺めてしまいます。どうしても皮膚の状態に目が行ってしまうのはまあ、職業病なのでしょう。そこで気がついたこと。ハワイではあせもができません。おや不思議です。なぜなんでしょう。汗疹と“あせも”汗疹。「あせも」と呼びます。この病気は当然ながら世界共通のもの。英語でも簡単な名前がついています。Heat rashです。Heatは熱。Rashは赤みで湿疹全般のこと。つまり、熱による発疹。言い得て妙です。この汗疹、専門的な本を読むと2つに分けられています。紅色汗疹と、水晶様汗疹です。紅色汗疹は読んで字の如く、赤いポツポツとした発疹が体の特に汗をかく部分にできること。水晶様汗疹はクリスタルのように透明でキラキラした発疹が、同様に体の汗をかいた部分にできることをいいます。全然違う見た目をしている2つの発疹ですが、原因は同一です。汗の排出口がふさがってしまうために汗の成分が皮膚の中に入る。そのためにアレルギーの反応が起こると考えられています。ただし汗の溜まる部分が浅いと赤い発疹となり、深い部分で汗が水たまりのように溜まると水疱のような発疹になるとされています。言われてみるとそういうものかと思われるかもしれませんが、“あせも”といってみなさんがイメージするものはそのような発疹ではないはずです。多分、暑い日に首や肘などの関節の内側にできる赤いぶつぶつとした発疹で、ときに痒くなるもの。そしていつの間にかなくなってしまうものではないでしょうか。そのような発疹については専門書には書かれていなかったりするんです。つまり、汗疹と“あせも”が同一ではなさそうなんですね。なんと。汗疹は、誰にどんなときにできるのか?しかし、専門書に書かれている汗疹も当然できることがあります。それはどんな場合か?このような汗疹は一般に乳児期によく見かけるものです。場所は関節の内側に限りません。汗をかくところ、そして蒸れる・こすれるところであればどこにでも発生する可能性があるのです。最も多いのはおなか、次いで腰からお尻にかけて、最後に背中です。手足にはあまり発生しませんね。特に乳児に多く発生し、幼児期以降ではよっぽど汗をかいたとき、もしくは高熱を出したあとくらいにしか見かけることはありません。それから、この汗疹はあまり痒くはないようです。ひどい汗疹が広い範囲に出ていても本人はけろりとしています。これが専門書に書かれた汗疹のでき方です。“あせも”は誰にどんなときにできるのか?対して“あせも”はもう少し上の年齢の子にできるようです。多くは幼児期から小学生の時期にかけて。なぜかそれ以上の子にできることはなく、成人にもあまりできることはありません。しかし成人でも“あせも”ができる人もいて、そのような人はどうもアトピー性皮膚炎を思わせる肌質の人が多いようです。よく発生するのは3カ所。首の前面、肘の内側、膝の裏側です。腰などにできることもありますが、皮膚の広い面に発生することがなく、多くは関節の内側のみに線状・帯状に出現するのが特徴です。そして、痒い。特に赤いぶつぶつの時期には痒みが強く、かきむしってそこからとびひになったり、湿疹をつくったりしている子もいます。ぶつぶつは時間とともに乾燥してかさぶたのようになり、最終的には剥がれ落ちてしまいます。これがいわゆる“あせも”の自然経過です。汗疹と“あせも”はなぜ起きる?では、汗疹や“あせも”の原因は何でしょうか。実は「不明」です。なぜ発生するのかよくわかっていないのが正直なところ。研究もあまり進んでいないようですし、専門家と言われる人もいなさそうです。まあ、生命に危険を及ぼすこともありませんし、自然に消える病気だからと言われればその通りなのですが。それでもいくつかの文献や資料、研究成果を確認していくと、ある程度、的外れではないように思われる原因が見えてきます。まず汗疹の原因です。あるメーカーの研究によると、汗疹のきっかけとなるものは表皮ブドウ球菌と呼ばれる皮膚表面に住みついている細菌です。その細菌がグリコカリックスと呼ばれるムチン質の物質、つまりゼリーのようなものを作り、そのゼリーに対するアレルギー反応によって赤みが出現するということのようです。これに対して“あせも”の原因は、どうもマラセチアという、これまた皮膚表面に住みついている真菌(カビ)に対するアレルギーの反応のようです。特にアトピーっけのある子が関節部分に汗によって悪化する湿疹があり、その湿疹の部分を詳しく調査するとマラセチアのアレルギーが見つかることもその証拠として考えられるようです。これらのことから汗疹も“あせも”も汗の影響、熱の影響により、本来はバランスを保って存在しているはずの一部の細菌や真菌が異常に増殖し、結果としてアレルギーの反応が出てくるために発生すると考えられるようです。あくまでも仮説ですが。汗疹と“あせも”予防の第一は汗をかかないことでは、予防のお話をしていきましょう。第一の予防は汗をかかないことです。つまり気温環境のコントロールですから、とにかくエアコンをしっかりと使用すること。その一言に尽きます。外来を受診される患者さんの数を見ていると、日本の湿度では最高気温25度を超えると“あせも”の発生が一気に増える印象があります。汗疹は、抱っこや洋服の影響によっても発生するため、そこまで厳密に気温が関係しているわけではありません。けれども温度が上がるにつれて発生率も上がる印象がありますので、温度の管理をしておくに越したことはありません。室温を25度以下に保つだけでもずいぶん発生を減らすことができるでしょう。次に汗を流すことです。いくらエアコンをしっかりとつけていても汗は必ず出ています。不感蒸散といい、汗の出がゼロになることはないのです。子どもはもともと多くの汗をかきますので、その汗をとにかく流せば汗疹の発生を予防することができるのです。まず朝起きて学校や幼稚園・保育園に行く前にシャワーで流すこと。これだけでもかなり汗疹を予防できます。また小さな子であればお昼寝のあと、大きな子であれば幼稚園・学校から帰ったあとにもシャワーをしたほうが良いですし、外出・お散歩から帰ったあともシャワーをするとそれだけで汗疹の予防になります。シャワーの話をするときに問題になるのが石鹸の使用の有無についてです。こちらも外来での印象ですが、一般の汗疹と“あせも”については石鹸までは必要ないでしょう。石鹸の使いすぎは乾燥肌やアトピーを悪化させる可能性もあるので、通常は使用せずにいても十分発生を抑えることができるようです。ただし、べたべたした“あせも”についてはどうも石鹸を使用しないとなかなか発生を抑えることはできないようです。その理由として考えられるのは“あせも”によって作られるゼリー物質は石鹸を使用することで溶かすことができるようなのです。だから、首、肘、膝の関節の内側など、べたべたした“あせも”ができそうな場所については石鹸を積極的に使用したほうが良さそうです。汗疹と“あせも”の治療法最後は残念ながら汗疹や“あせも”ができてしまったときの治療法のお話です。前にも述べたとおり、原因は皮膚表面でのアレルギー反応になりますので、ステロイドの塗り薬を使用して反応を抑えていくことが1つの治療となります。ちなみにステロイドの強さはそこまで強いものは必要ありません。むしろベタッとした軟膏性のものよりもサラッとしたクリームや乳液剤の方が症状を抑えられますので、種類よりも塗りやすさに注目した薬をもらう必要があります。また、ほかの皮膚炎に使用される薬剤でも有効なものがあります。それは皮膚を乾燥させる作用がある、細菌や真菌を抑える作用がある、ゼリー物質を抑える作用があるなど、いくつかの理由が考えられます。ニキビや水虫の薬がよく効いたという話もありますので、病院によっていろいろな薬が処方されるかもしれませんね。意外に(と言っては失礼かもしれませんが)民間療法にも効果が見られるものがあります。海水をかける、お酢をかける、熱めのお湯をかけ続けるなど、個性的な民間療法のお話を外来で聞いたことがあります。発生原因とその対策という考えからすると、細菌や真菌を減らす、ゼリー物質を溶かすなどの作用が予想され、ある意味納得するものもあります。まあ、いずれの治療法も病変部分に刺激を起こすことがあるので積極的にはおすすめしませんが・・・。汗疹や“あせも”の治療でけっこう難しいのは止めどきです。とくにステロイドはアレルギーの反応を抑える反面、副作用として細菌や真菌を増やしてしまいます。使いすぎると今度は細菌や真菌が増えてしまい、その症状が出てしまうことになり、治療に余計に時間がかかってしまいます。特に“あせも”で問題になるのですが、ポイントはかさぶたになったら治療を中断することです。かさぶたになっても薬を塗り続けていると今度は真菌そのものによるトラブルが発生しますので、「赤いとき、かゆいときには塗ること。かさぶたになったらやめること」と症状に応じて塗り方を調整すると上手に治療することができますよ。さあ、最後の最後にハワイのお話の答え合わせです。向こうの子どもに“あせも”が少ない理由。その1は湿度です。湿度が低いと明らかに“あせも”の発生が減ります。それは8月下旬に日本の湿度が一時的に下がったときにも同様の現象が起こりました。もう1つの理由は、海水浴やプールで汗を流せているからでしょう。つまり汗の発生を温度管理で抑え、かいた汗を上手に流してあげれば汗疹、“あせも”の発症を抑えることができるというわけです。野﨑誠(のざきまこと)わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市・皮膚科、小児皮膚科)院長。国立成育医療センター(小児皮膚科)、東京都立東大和療育センター(皮膚科)勤務。2001年山形大学医学部卒業山形大学医学部皮膚科入局山形県公立置賜病院(山形県長井市)、国立成育医療センター(東京都世田谷区)、はせがわ小児科医院(東京都武蔵野市)などの皮膚科・小児皮膚科を経て、2013年、わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市)開院。院長を務めるかたわら、専門家向け、一般向け、教育機関(保育園、幼稚園、小学校、中学校など)向けの各種講演会、勉強会を精力的にこなす。雑誌他執筆多数。広い年齢層の皮膚病、あざの治療やスキンケアに携わる。わかばひふ科クリニックWebサイト
2018年09月21日専門家・プロ:野﨑誠さあ、今回は日焼けの話をしていきましょう。まずは少し個人的なお話をしましょうか。実は、先日旅行でハワイに行ってきました。行ってみて驚いたことは、現地の人はあまり日焼け対策をしていないことです。日焼け対策をしっかりとしているのはみな旅行者、特にアジア系の旅行者ばかり。現地に住んでいると思しき人は一切何もせずに家の外を歩いているんですね。これにはびっくりました。特に白人の方は日光に弱い皮膚をしているのに・・・。案の定、現地に住んでいる高齢の白人の方のお肌は明らかに紫外線が原因と思われる皮膚のダメージがいっぱい刻み込まれていました。腕の先端部にいくに従って明らかにダメージが強くなっているわけですから、そのような人を見るたびに、皮膚科医としてアドバイスしたい気になってしまいました。休暇のはずなんですけどね。これもまあ職業病でしょう。紫外線の影響の最たるものは発ガン性!では紫外線の影響についてお話をしていきましょう。まず問題です。紫外線は体の細胞のどこに影響を及ぼすのでしょうか?正解は体の遺伝子。DNAと呼ばれるタンパク質です。紫外線の影響は化学的にはDNAの損傷と皮膚組織の障害の2点にあります。1点目。紫外線はDNAの構成成分を壊し、おかしな形にしてしまいます。ほとんどの異常はもとに戻すことができるのですが、極めてまれに、おかしなDNAがそのままになってしまい、ときにはおかしなタンパク質を異常なほど大量に作ってしまうことがあります。これを何と呼んでいるか?はい、ガンです。紫外線の影響の最たるものは発ガン性なのです。もちろん良性の腫瘍も作りやすくなることが知られていますが、皮膚がんの発生は紫外線により明らかに増加することが知られています。ただしガンになるのは紫外線を浴びてから数十年後の話なので、昨日、日に当たりすぎたからといって明日ガンができるわけではありません。2点目、数十年経過しながら徐々に進んでいるのはコラーゲンをはじめとする皮膚の劣化です。一般的にはシワが深くなる。シミができてくる。なんとなく皮膚が汚らしくなっていくという変化が見られます。残念ながらこの変化を回復させることは非常に難しいです。今回お話しするのは、紫外線の影響による直接的、短期的な皮膚の劣化、そうです。日焼けです。日焼けの種類は大きく分けて2種類ある日焼けは大きくSunburnとSuntanの2つに分けることができます。Sunburnは読んで字のごとくSun[日光]によるBurn[やけど]です。日に当たった直後から翌日くらいまでに発生し、紫外線の当たった部分が赤くなって腫れてひりひりするという、ちょうどやけどのような症状が生じます。原因は紫外線によってできた皮膚の炎症で、そのためにやけどと同じようなヒリヒリとした症状を示すのです。まさに熱いお湯がかかったときのやけどのようになりますので、長時間冷やすなど、対策もそれに順じて行なったほうが良いでしょう。Sunburnに対してSuntanはいわゆる通常の日焼けです。一般的に日焼けと言った場合はこのSuntanを指すことが多いでしょう。こちらはSunburnよりも少し遅れて出現します。皮膚の色が赤くならずに黒くなっていく変化ですね。こちらは特に痛みはありません。これらSunburnとSuntanは個人差があることが知られています。どちらかのみ強く出る人、両方ともそれなりに出る人がいます。この反応の出方は遺伝する傾向がありますから、両親の日焼けの経過を知ることで子どもたちの日焼けの傾向を知ることができます。また、この日焼けによる反応は人種差がとてもあります。紫外線に最も弱いのは白色人種、最も強いのは黒色人種で黄色人種はその中間くらいです。なのでハワイで白人の方が日焼け止めをしないで街を歩くなんて「見ちゃいらんない」わけです。皮膚科医としてはですね。紫外線対策の基本は「時間」と「天気」と「場所」さて、紫外線の話を今までしてきました。それを踏まえて紫外線の対策についてお話をしていきましょう。対策の基本は、まず時間と天気と場所です。次に洋服・帽子と日焼け止めとなります。これ、大事ですよ。まず紫外線に当たる時間、つまり紫外線そのものの量に目を向ける必要があります。日が出ていない時間は屋外に出ても紫外線をあびることはありません。太陽高度が上がるにつれて紫外線を吸収するオゾン層を通過する距離が短くなりますので、紫外線の量は増加することになります。次に天候です。晴れた日は当然紫外線の量が多く、それに比較すれば曇りの日や雨の日は少なくなります。それでも紫外線はゼロではありませんので、ある程度の対処はした方が良いでしょう。場所も大事ですね。そもそも緯度によってその日の太陽の上がり方が決まりますので、そこにも注意をはらいましょう。つまり東京よりも緯度の低い沖縄のほうが太陽の光がたくさん降り注ぐことになるので、紫外線対策はより重要になるのです。また場所といってもそんなに大きな話でもなく、日陰を歩けばそれだけで紫外線の量は減らすことができるのです。紫外線対策に有効な「洋服」と「帽子」次に対策として考えるべきは洋服、帽子などによる紫外線の防護策です。帽子や洋服は物理的に紫外線をストップさせますので、上手に使いましょう。最近は日焼けを抑える効果が明示されている洋服もありますので、心配な方は使ってみても良いでしょう。UPFという数字が洋服のタグに付いていることがありますので確認してみてください(数字の読み方は日焼け止めのところでお話します)。サングラスも紫外線予防には使用されますが、こちらもただ濃ければよいというものでもありません。可視光線※も遮ってしまうと瞳孔(どうこう)が開いてしまい、かえって紫外線が目の中にたくさん入ってしまうことにもなりかねません。目とサングラスの隙き間から入る紫外線にも要注意です。可視光線を防ぎすぎず、広い範囲を覆うこともできるサングラスを選んだほうが良いです。※可視光線……太陽光線の種類の1つ。太陽光線は紫外線・可視光線・赤外線などに分けられる。「日焼け止め」選びのキーワードは「SPA・PA」と「紫外線吸収剤」次に日焼け止めの話をしましょう。お店に行くとたくさんの日焼け止めがありますね。その選び方からお話をしていきましょう。キーワードはSPF・PAと紫外線吸収剤です。SPFとは何を意味しているのでしょうか。これはSunProtectionFactorの略で、使用することで日焼けして赤くなるまでの時間を「何倍に」伸ばすことができるかという数字です。SPF・PAのあとにくる数字は、紫外線をさえぎる単純な強さではなく、時間の長さを表しているんですね。では日焼けで赤くなるまでの時間はというと、真夏の正午の快晴のときでおおむね20-~30分です。ですので、この時間(個人差があるので紫外線に弱い人は短めに見積もってみてください)にSPFの数字をかけるとよいのです。ちなみにSPFは紫外線Bに対しての日焼け止め効果。PAは紫外線Aに対する効果です。洋服においては「SPF・PA」ではなく「UPF」で示されます。数値の見方は「SPF・PA」と同じです。さて、このSPFもしくはPAの高い製品はどのようにして作られるのでしょうか。日焼け止めの成分は大きく分けて紫外線散乱剤と紫外線吸収剤に分けることができます。紫外線散乱剤は微小の金属粒子などで、紫外線を皮膚に届く前に跳ね返す成分。吸収剤は紫外線そのものからエネルギーを吸い取ってしまう成分です。つまりSPFやPAが高くなるにつれて多くの散乱剤や吸収剤が使用されることになりますが、「多く使用する」という部分が逆に欠点にもなってしまいます。紫外線散乱剤は可視光線も乱反射させますから多く使うことで白浮きするという欠点があります。また吸収剤はときにアレルギー性のかぶれを起こしてしまうことがあります。従ってSPFやPAはむやみに高ければ良いというものでもありません。アレルギーやかぶれが心配な方は、あえて数値が低めの製品や紫外線吸収剤の入っていない製品を選んだほうがトラブルになる確率は低いでしょう。「日焼け止め」は2時間に一度、塗り足すことさて、少し話を戻していきます。自分が今使っているSPFの製品はどのくらいの時間、紫外線を予防できることになっているか計算してみてください。びっくりするくらい長い時間が出ませんでしたか?日焼け止めを塗ってからもっと短い時間しか経っていないのに、日に焼けて赤くなったことはありませんでした?その理由は塗り方と汗にあります。みなさん、普通は日焼け止めを手に取って薄く塗りますよね。その塗り方はダメです。SPFの計測のときの塗りかたは決まっていて、一般的に考えられている塗り方よりも非常に厚塗りです。カノジョにその塗り方をしたら白浮きすると怒られるくらい。つまり、本来塗るべき量よりも薄く塗っていることで、SPFの数字どおりの結果にならないのです。もう1つは汗の影響です。いくら落ちにくい日焼け止めだったとしても、汗をかけばどんどんその成分は流されていきます。特に子どもは大汗を書きますから、さらに流れていく。一説には2時間でその日焼け止め成分の大半が流されるとか。そのためにSPFの本来の数字以下の性能になってしまうのです。ではどうすれば良いでしょうか。厚く塗ることができないのであれば頻繁に塗り足してください。2時間以内が1つの目安です。汗を拭くことができれば良いですが、それが難しい場合でもしっかりと塗り足すようにしてくださいね。最後に実際に使用するべき基準についてお話をしていきましょう。普段、街なかで数時間使用するくらいでしたらSPFは20~30程度もあれば十分です。そして適宜塗り足してください。なお、肌のトラブルが心配な方は紫外線吸収剤を含まないものの方が良いでしょう。そして、外出する時間帯を選ぶこと。正午前後は太陽も高いために紫外線量も多く、影も少ないので、外出は控えたほうが良いでしょう。逆に1日海に出かけたり、シンガポールなどの紫外線が強い地域に旅行したりする場合はSPF50以上のものを使用します。こちらもこまめに塗り足すことを忘れないようにしてください。またサングラスや帽子・衣類などでも紫外線予防をしっかりと行なうことをおすすめします。「日焼け止め」の扱い、ここに気をつけて!最後の最後のお話を2つさせてください。まず0歳の赤ちゃんですが、実は日焼け止めのトラブルが最も起こりやすい年代です。というのもビタミンが不足する問題が発生しています。食事で栄養を十分に取れない0歳児の場合、紫外線を浴びることで、あるビタミンを生成する必要があります。これは本当に少しだけ、それこそ日陰に数十分程度いてもある程度の量が作られるので、あえて紫外線に当たりに行く必要はありませんが、日焼け止めを使いすぎるとビタミン不足から成長に影響が出てしまうので、要注意です。なお、先程も述べましたがビタミンは日陰を少し歩くだけでも作られますので、日光浴の必要はありません(母子手帳に「外気浴」と書かれているのはそのためです)。もう1つは最後の処分方法です。残った日焼け止めはもったいないと思わずにその年のうちに捨てて下さい。日焼け止め成分の特に紫外線吸収剤は時間とともに劣化する可能性があります。劣化することでかぶれるリスクが上がりますし、日焼け止めでかぶれる人の一部は実は古い日焼け止めを使用したからだったりもするので、翌年まで保管しておいてもあまり良いことはありません。捨てちゃいましょう。秋になっても天気の良いときには紫外線はたくさん地面に降り注ぎます。そして意外に秋も日焼けトラブルの多い季節です。そう、運動会です。なので、もうしばらくは日焼け止めをしっかりと使ってあげたほうが良さそうです。そのときにはこの記事に書かれていることを参考にしてみてくださいね。野﨑誠(のざきまこと)わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市・皮膚科、小児皮膚科)院長。国立成育医療センター(小児皮膚科)、東京都立東大和療育センター(皮膚科)勤務。2001年山形大学医学部卒業山形大学医学部皮膚科入局山形県公立置賜病院(山形県長井市)、国立成育医療センター(東京都世田谷区)、はせがわ小児科医院(東京都武蔵野市)などの皮膚科・小児皮膚科を経て、2013年、わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市)開院。院長を務めるかたわら、専門家向け、一般向け、教育機関(保育園、幼稚園、小学校、中学校など)向けの各種講演会、勉強会を精力的にこなす。雑誌他執筆多数。広い年齢層の皮膚病、あざの治療やスキンケアに携わる。わかばひふ科クリニックWebサイト
2018年09月06日■サプリメントのホントのところこんにちは。内科医で二児の母の岡本彩です。健康に気を使う人がよく飲むサプリメントのうち、科学的・医学的に「効果がある」と証明されたものは、ほとんどないのが実情です。髪の毛を生やしたい人が、髪の毛そのものを食べていたらどう思いますか?「そんなことしても意味ない」とわかりますよね。スイカを食べたら体にスイカができた……そんなこともあり得ません。ところが、コラーゲンやヒアルロン酸など、体を構成する成分を食べると、それがそのまま体に定着すると思ってしまう人もいるようです。でも、小学校で習ったことを思い出してください。食べ物はそのままでは吸収できません。肉ならアミノ酸に分解されて、野菜ならビタミンや食物繊維が吸収されます。「コラーゲン/ヒアルロン酸を飲んだらお肌がプルプルになりました!」という人は、もしかするとプラセボ効果でそう感じているのかも?「酵素」も同じで、酵素入りのドリンクやサプリを飲んだところで、酵素はやはり分解されてから吸収されます。その後、元通りの酵素になるのかはわかりません(可能性はありますが)。飲んだらそのまま体内で酵素として定着して機能するわけではないんです。また、「ある野菜を食べる人が食べない人より健康だった」からといって、「その野菜に含まれる栄養素をサプリメントで摂る」と同じ効果があるかはわかりません。栄養は食事からとるのが基本。食事ならサプリメントと違い多種の栄養素を同時に摂ることができ、吸収の効率もよいのです。■「じゃあ逆の場合は?」と仮説を立てよう「◯◯すると☓☓になる!」と聞いたら、「じゃあ、☓☓の人は全員◯◯したの?」と考えると良いです。たとえば、「ケーキを食べると乳腺炎になる」という人がいますが(実際は食べ物と乳腺炎に直接の関係はありません)、「乳腺炎になった人はみんなケーキなどを食べていたの?」と考えてみましょう。そんなことはなさそうだ、と冷静になれるかと思います。「授乳中は辛いものを食べてはいけない」という説も、「インドや韓国の女性はどうなの?カレーやキムチを食べるのでは?」と考えれば、取るに足らないことがわかります。■本当に効果があるなら、みんな使いたいはずたとえば、「風を当てると遺伝子が変わって髪にツヤが出る」というドライヤーを見たことがありますが、ドライヤーで遺伝子を変化させられるなら、もっと遺伝子治療薬が世の中に広まっていてもおかしくないですよね。薬がなかなか開発できないのにドライヤーで遺伝子が変わるのか?と考えると、根拠は怪しいと気づけます。がんが治ると謳った食べ物やミネラルウォーターなども売られていますが、本当に効果があるなら、誰も手術や副作用がある抗がん剤なんて使わずに食べ物やミネラルウォーターで治しますよね。でも、そうなってないのはなぜ?自分や家族の健康に不安があると忘れがちですが、少し冷静になって考えることが大切です。■誰が何のために、その情報を発信しているのか医学・健康情報のサイトがアフィリエイト目的でないかもチェックしましょう。例えば「◯◯が身体にいい!」というサイトが、その◯◯を成分とするサプリの販売サイトだったという場合です。販売が目的なら、いいことしか書きませんよね。ネットの医学・健康情報には不正確なものが多いですが、鵜呑みにする前にせめて「誰が書いた記事なのか」くらいは確認しましょう。署名がない、匿名の記事は、信用度を一段階下げて読んでも構わないと思います。医師ではなく医療ジャーナリストや医療ライターが書いた文章は確かにわかりやすいですが、科学的根拠のないものも多いです。ただ、残念なことに看護師や助産師でありながら「布ナプキンで経血コントロールができる」などと発信している人もいます。おそらく医師にも誤った情報を発信している人がいるのでしょう。根拠となるデータや論文が引用されているか、といったところまでチェックすれば、「怪しい情報」の大半を選別できます。最近は「メディカルノート」や「メドレー」といった、専門家がきちんと監修した医学情報のサイトがあります。情報の取捨選択の参考にしていただけたら幸いです。
2018年04月01日わが子が幼稚園生の頃、「今日、ゾンビが出る夢を見た…」と怖い夢の話をしてくれたことがありました。初めて夢の話をしてくれたので、今でも鮮明に覚えています。そこで思ったのは、子どもっていつ頃から夢を見るようになるのか、ということ。眠りながら笑っているのを見て「楽しい夢でも見ているのかな」と思ったことのあるママも少なくないのではないでしょうか。でも、赤ちゃんに直接尋ねるのは難しいですよね。そこで子どもの夢について、専門家の方にお話を聞いてみることにしました。■子どもはいつから夢を見る?今回お話を伺ってきたのは睡眠学会所属で医学博士でもある、鈴木みゆき先生です。―― 先生、本日はよろしくお願いします! 早速ですが、息子が幼稚園のとき初めて夢の話をしてくれたことがあって。子どもはいつから「夢」を見始めるものなのか、気になっています。「子どもがいつから夢を見るか、また夜泣きの原因が夢にあるのかどうか…。そういったことは、実は詳しくは分かっていないんです。睡眠には『レム睡眠』と『ノンレム睡眠』と呼ばれるものがありますが、夢を見るのはレム睡眠の時なんですね。その時に情報を整理したり、記憶を定着させたり、逆に消去したりしていて。赤ちゃんの時は、このレム睡眠の割合がすごく多いんです。言葉がまだ話せないので夢を見ているのかどうかは分からないけど、泣いたり、笑ったりはもしかしたら夢を見ている可能性もあるのかもしれません。」■レム睡眠中かどうかを見分ける方法がある?!―― レム睡眠とノンレム睡眠の話は私も聞いたことがあります! 交互に繰り返しているんですよね。素朴な疑問なんですが「あ、今レム睡眠中だな」とか「今はノンレムだな」と、子どもの寝顔を見て判断できたりするものですか?「レム睡眠は、急速(Rapid)眼球(Eye)運動(Movement)からきています。アメリカのある睡眠学者が一晩寝ている人を観察してる最中、目がまぶたの下で動いていることに気づき、寝ている人を起こして聞いてみたら『今、テニスの夢を見ていた』と言ったそうです。そこからレム睡眠はきているんですね。だから、まぶたの下で目が動いている時は『今はレム睡眠中だな』と思っていい。逆にノンレム睡眠で最も深い眠りの時は、揺り動かしても起きません。まぶたの下で目がキョロキョロしていたら浅い眠りのレム睡眠の可能性が高いと思ってもらうといいですね。」―― 昼寝から起こす時、ふか~い眠りから起こすよりも、浅い眠りのレム睡眠で起こせば、すんなり起きてくれることもあるかもしれませんね! ■深い眠りで「脳を休ませる」ことが大事―― 「眠ること」が大事とは、いろいろなところでよく聞くんですが、そもそもどうして人は眠るんでしょう?「浅い睡眠のレム睡眠と違い、ノンレム睡眠には1、2、3、4とステージがあります。出典: 小学生のための早寝早起き朝ごはんガイド - 保護者・指導者向け - (「早寝早起き朝ごはん」全国協議会)ステージ1、ステージ2…となるごとに眠りは深くなり、その深い睡眠は脳自体を休ませてくれます。だから、脳が疲れると眠るんですね。もうひとつは、昼行性の生物として昼間動いて、夜寝るという体内時計をもっているからというのが、人が眠る理由です。その時計のリズムに合わせて眠るんです。深い睡眠は脳自体を休ませている時間です。その間に、人の体は成長ホルモンが出たり、免疫物質を作ろうとしています。だから、しっかり寝ておかないと脳が働かなくなり、意欲や気持ちのコントロールなどさまざまなところで影響が出てきてしまうんですね。」■「良い眠り」を与えるために、できることは?―― 学力にも影響が出るとは…! 子どもに質の良い睡眠をとらせるために、親が意識すべきことはありますか?「暗くしてあげることですね。小学校2年生くらいになると、真っ暗にした部屋で怖い話をしたら寝ないこともありますよね。そんな時は、豆電球をつけたりして、臨機応変に。それから、スマホやタブレットはブルーライトは眠りを妨げます。できれば1時間くらい前には、おしまいにしましょう。そして、部屋は暗くできるなら徐々に暗くして、眠りの準備に入ります。子どもにとって安心で安全な環境を作ってあげるようにしましょう。」今回は、「夢」の話から、睡眠周期リズム、良い眠りのために親ができることまでたっぷりとお話を聞くことができました。今まで重要視してこなかった「夜の眠り」。子どもの健康的な成長のために、これからは睡眠の優先度をあげていこうかなと思っています。貴重なお話、ありがとうございました!<取材先>医学博士 鈴木みゆき先生 独立行政法人 国立青少年教育振興機構 理事長日本睡眠学会所属。前和洋女子大学こども発達学類教授。2001年「子どもの早起きをすすめる会」を小児科医2人と設立し、「子どもの早寝・早起き」の重要性を広める活動をおこなっている。3人のお子さんを育てあげ、現在はお孫さんが2人。日本音楽著作権協会正会員。趣味は「遊び歌をつくること(作詞)」でNHK「みんなのうた」「おかあさんといっしょ」等に詞を提供。
2018年01月06日「東洋医学的アロマセラピー」講座がスタート2017年2月23日(金)から、東洋医学的な技法とアロマセラピーを融合させた「東洋医学的アロマセラピー」講座がスタート。毎回実習を行い、肩こりや腰痛、頭痛などの悩み別のツボ押し&アロマ選びを学ぶことができる。同講座は、2月23日(金)、3月23日(金)、4月27日(金)、5月25日(金)、6月22日(金)、7月27日(金)の全6回、ソフィアフィトセラピーカレッジにて実施される。講座時間は、全日10:30から12:30まで。受講料は、材料費、書籍、レジュメ代込みで44,100円(税込み)。全6回の受講を終了した人には、名前入りの修了証が渡される。講師は、自由が丘にある和奏漢方堂の院長 橋本和也が務める。申し込み及び問い合わせは、ソフィアフィトセラピーカレッジ(電話番号:03-3722-0004)まで。講座の内容「東洋医学的アロマセラピー」講座は、「気とは何か」、「ツボとは何か」といった基本的なことからスタート。ツボと精油の相性などについて学びを深める。肩こりの緩和、自律神経の調整、ストレス緩和、呼吸器・消化器疾患への対応など、日常に役立つ実習が多いのが特長だ。(画像はソフィアフィトセラピーカレッジより)【参考】※ソフィアフィトセラピーカレッジ
2017年11月16日中医学の専門家「国際中医師」とは中医学には、「全身を見て治療を行う」「自然治癒力を高めることで治癒に導く」「西洋近代医学のように機械や採血の検査結果を用いることはない」などの特徴があります。そして「国際中医師」とは、中国での東洋医学の医師である「中医師」と同等の知識を持つ専門家として、中国政府の外郭団体「世界中医薬学会連合会」が認定した資格のこと。また、千葉さんの言葉を借りると「中医学は、生活に一番置き換えられるセルフケアの医学」なので、国際中医師は信頼できるセルフケアの専門家ということになります。千葉さんはタイで2年半ほど暮らしていたとき、伝統的な現地の医学に触れ、そこで行われていた「その地に根ざした植物を、その場で摘んで調合して、そのときの症状に合わせて取り入れる」というスタイルに感銘を受けたといいます。「現地のその場で、そのときのその人に、最適なもの」、このスタイルを日本で取り入れようとしたときに巡り合ったのが、薬膳という中医学に則った食事療法だったのです。国際中医師・千葉敬子さん。中医学に基づくハーブティー「チャザンヌ」や生理用品「ルナシート」を開発、販売しながら女性の健康についてアドバイスをしている。薬膳とは「役に立つ膳」薬膳と聞くと、クコの実やなつめ、高麗人参などの食材を使い、独特の香りや味わいで食べた後は体が温まる、というようなことを思い出す方が多そうです。でも、実はもっとシンプルに「そのときの体調に合わせた旬の素材で作る料理」と考えていいとのこと。つまり、薬膳とは役に立つ膳、なんだそうです。もちろん、五味五性という考え方(味を酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味の5つに分類し、食材を身体を冷やすもの→寒性・涼性、温めるもの→温性・熱性、どんな体質でも食べやすいもの→平性の5つに分類する)に則ってひとつの膳を作る基本は押さえます。その上で、普段のなるべく旬の食材を使うという考えは、確かに私たちの日常にも違和感なく取り入れられるものです。薬膳とは、「役に立つ膳」。排出物・排泄物は体調のシグナルまた、中医学では、食事で取り入れるものだけでなく、代謝され排出されたものにも着目します。尿や便、女性なら月経血も、自分の健康をわかりやすく示してくれる大切なシグナルとして考えます。しかし現代では、水洗トイレの普及や生理用品の進化で、自分の体内から出たものを「なぜか」不浄のものとしてすぐに流し去ってしまったり、丸めて処分してしまったりで、大切な体のシグナルを見過ごしてしまうことが多くなっています。それにより、体調不良や病気を未然に防ぐ手立てを日常生活で実践できず、結果として、明らかな症状が出てから対処するというケースも少なくありません。特に女性の月経血は男性に比べ多くの情報を持っているため、セルフチェックのチャンスとして、正しい知識を取り入れて活かしてほしいと千葉さんは話します。基礎体温と月経血であらゆる情報が読み取れるしかし、月経血については女性の大切な知識であるにも関わらず、センシティブな内容でもあるため、女性同士でも友人と比較したり、話題に登ったりすることは多くありません。そしてもちろん、男性はもっと何も知らないので、結果的に正しい知識を知っている人は限られてしまうことに。そこで千葉さんは、女性が簡単に自分のホルモン状態などをチェックできるツールとして、基礎体温を例に挙げています。およそ0.3〜0.5℃のあいだで周期的に変化する、朝目覚めたときの体を動かす前の体温である基礎体温。それからは、妊娠や出産についてだけでなく、女性の体調のあらゆる情報が読み取れるそうです。基礎体温は、単に低体温か高体温かだけではなく、その温度、温度の上がり方や下がり方、低温期や高温期の長さや、グラフの上下動の推移で、自分の体調をかなり正確に把握できます。もちろん今日と明日の違いでどうこうではなく、数カ月に渡ってチェックしておき、その推移を把握して先月とどう違っていたかを、月経血の色や質も同じくチェックしておくと、体が発するシグナルをきちんと捉えることができます。生理後は女性のゴールデンウィーク千葉さんいわく、生理が終わった数日間は女性にとってゴールデンウィークといえる期間だとか。ダイエットも結果が出やすく、肌や髪質も安定しているので化粧品を変えたり、美容室に行くのもいい、そして気分もいいので、とにかく楽しさを満喫するといいと話します。また、食事も血液を作ることによいとされるものを摂ったり、体作りや水分補給を意識したメニューを摂ったりして、体のサイクルに合わせます。そうすることで、気血水が整った状態を維持することができ、心身ともに健やかに過ごすことができるのです。しかし、こういうサイクルや知識を知らずにいると、時期を外したダイエットや化粧品のブランドチェンジで、思うような成果を得られず、返って逆効果に終わってしまうことも考えられます。「女性のゴールデンウィーク」を活かそう。女性の健康は、とても複雑で神秘的。そして体は、自分の状態をいつも正しく外に表しています。あとはそれを、正しい知識できちんと拾っていくだけです。自分を知り、自分に優しく、自分を活かす。中医学で女性としての自分をもう一度確認して、気持ちのいい日々を送ってみてはいかがでしょうか。<取材後記>男性も学んでおきたい女性のリズム今回の取材を通して、男性が女性のリズムを正しく知ることの重要性を強く感じました。男性がどんなに女性の立場に立って考えようとしても、体調やメンタルの変化、それによる仕事のパフォーマンスやコミュニケーションの変化などは、同じ体験をできない以上、頭で推測するしかありません。ましてや、女性同士でもあまりオープンに語り合うことのない知識を男性が正しく知ることはかなり難しく、何も考えずに「じゃあ教えて」なんて言った日には、「デリカシーがない!」とこっぴどく怒られるのも火を見るより明らかです。男性はまず、デートに薬膳のお店を選ぶところから始めても良いかもしれません。
2017年09月25日現役の矯正歯科医・抗加齢医学専門医(アンチエイジング医学)が作った「オーソブルーム」株式会社オーソシフトは、3月19日より「オーソブルーム」をアマゾン内で販売している。代表取締役の工藤淳夫は現役の矯正歯科医・抗加齢医学専門医で、「オーソブルーム」はその知識を生かし、老化の科学に基づいて開発された商品だ。毎日安心して使える基礎化粧品今回発売されたのは「クレンジング フォーム ソープ 泡洗顔石鹸」「ツーウェイ モイスチャー ローション 保湿液」の2つ。合成界面活性剤、合成防腐剤フリーで肌に優しく、毎日の基礎化粧品として安心して使える商品だ。30代、40代の人の肌にうれしいことがたくさん「オーソブルーム」は単なる洗顔石鹸や保湿液とは違い、「クレンジング フォーム ソープ 泡洗顔石鹸」は天然成分だけを使い作られている。そのため肌の保湿バリアを壊すことなく優しく汚れだけを洗い流すことができるように開発された石鹸だ。空気中に含まれる汚れや軽いメイクなら、「クレンジング フォーム ソープ 泡洗顔石鹸」のきめ細かな泡だけで落とせることも確認済みである。もう1つの「ツーウェイ モイスチャー ローション 保湿液」は1つで2つの役割。肌を保湿するだけではなくメイク落としとしても活躍する。成分中のホホバオイルが落ちにくいウォータープルーフのマスカラや口紅も溶かして落としてくれるのだ。もちろん保湿も万全。ぷるぷるなうるおい肌に必要なNMF(天然保湿因子)を配合している。NMF(天然保湿因子)とは、人の肌に存在し、水分をため込んでくれるうるおい肌にはとても大切な成分だ。仕事に家事に忙しい30代、40代の人の肌にはうれしいことがたくさんある化粧品なのではないだろうか。「顔とスマイルをいつまでも健康で美しく保ってほしい」との願いから代表取締役であり開発者である工藤淳夫は、現役の矯正歯科医・抗加齢医学専門医として顔のアンチエイジングをサポートしている。その中で、「顔とスマイルをいつまでも健康で美しく保ってほしい」との願いから「オーソブルーム」は誕生した。老化は必ず起こってしまうものではあるが必要以上に起こってしまう老化は防ぐことができるという。アンチエイジングは究極の予防医学と呼ばれている。その老化の科学知識に基づいて作られた「オーソブルーム」ならば、老化を最小限にすることもできるのではないだろうか。(画像はプレスリリースより)【参考】※株式会社オーソシフトプレスリリース/ ValuePress!※オーソブルーム公式HP
2017年04月02日予防医学を食事から東京都千代田区に本社をおくアンファー株式会社は、「予防医学を食事から」を提案している。これを実現するために、2016年冬より新フーズブランド「Dr’sNaturalrecipe(ドクターズナチュラルレシピ)」を始動する予定だ。今回、同ブランドの始動に先駆け、期間限定で特別メニューを提供中。期間は2016年8月1日(月)~9月18日(日)、場所はRonHermanが展開中の「RHカフェ」(千駄ヶ谷店・二子玉川店)だ。1日限定各10食で「RHカフェ」とのスペシャルコラボメニューを提供する。提供するのは、「オーガニックマッシュグレーンと彩り野菜のパワーサラダ」「スパークレンズパスタココナッツ海老とホタテのクリームソース」「スーパークレンズパスタアサイーイチゴとミントの仕立て」の3種類。いずれも価格は税込み1,300円となっている。アンファーアンファーの企業理念は「いつまでも美しく・健やかに生きる」こと。このための低GIやアレルギー対応の「予防医学食」などを提案し、人々の健康を支えている。今回、RHカフェとのコラボレーションで実現したメニューは、デトックス・高栄養素・安心を念頭に開発したドクターズフードプログラム商品だ。(画像はプレスリリースより)【参考】※アンファーxRHカフェスペシャルコラボメニューを期間限定販売~予防医学を食事から~
2016年09月01日初対面で目を合わせた瞬間に「あなた貧血でしょう?」とか、握手する手を見ただけで「タンパク質をあまり食べてませんね?」などと指摘され、それがぴったり合っていたら驚きますよね。それが医師ならなおさらのこと!斎藤糧三先生は、まさにそんなドクター。専門は「機能性医学」という新しい医療です。海外ではすでに定着しつつあるこの「機能性医学」、一体どのようなものなのでしょう。根本原因を探り、生活改善で治す 「機能性医学」とは?機能性医学… 日本ではあまり聞き慣れない言葉ですが、おおまかに言えば「よくある慢性的な病気や原因不明の不調に対して、薬などの対症療法に頼らず、根本原因を探って生活改善によって治す」という考えに基づくもの。もう少し詳しく、先生にお話を伺いましょう。「機能性医学は、1990年にアメリカのジェフリー・ブランド博士が提唱した新しい医学です。アメリカではここ20年ほどで定着し、かなりポピュラーになってきました。熱があるから解熱剤を出し、咳が止まらないから咳止めを処方するというのではなく、熱や咳の原因を調べ、その原因を取り除くことで健康を取り戻す方式ですね。アメリカではもう、従来の投薬に重きを置いた対症療法では無理だと国民が気づいただけ。日本は保険制度が完備されていて、誰もが平等に医療が受けられるしくみが整っていますが、アメリカは、病気になったから治療を受けたのでは高額の治療費がかかる。知恵のある人はいかに病気を避け、病院に頼らない方法を追求する傾向があります。機能性医学が広く受け入れられる下地があったわけです」(斎藤先生)近年は日本でも、機能性医学が求められているはず。生活習慣病などの慢性病(治療が長引き、慢性の経過をたどるさまざまな病気)が、日本の医療費に占める割合はおよそ8割だからです。花粉アレルギーや、アトピー、うつ病、頭痛、冷え症、ぜんそく、蕁麻疹、リウマチ、便秘、糖尿病などは、多くの人が悩む慢性病の代表的なもの。学校へ行けないとか仕事を休まなくてはならないというほどひどくはないけれど、仕事や勉強の能率を著しく下げてしまうような病気が増え続けていることは、社会が抱える重大な問題です。最近では、ガンさえも生活習慣によるものと言われていること、見逃せません。病気は “医者に治してもらう” のでなく患者さんと医師が「一緒に」治すもの「多くの人が医者から処方された薬を飲み続けています。それでも治らない。その結果ドクターショッピング(あちこちの病院、さまざまな科、主治医を転々と変えること)をし、時間もお金も使ってしまう。対症療法でなく、症状の原因に目を向けて診断すると、その方が栄養バランスが悪かったり、病気を呼ぶような環境にいることがわかったりします。栄養の偏りを正したり、足りない栄養素を補ったりするだけで症状が軽くなる人が多く、中には何十年も苦しめられていた頑固な持病がすっかり治ってしまうケースもあるほど。『先生のように、私の生活の中に原因があるのではないかと探ってくれた医者は今までいなかった』と感謝されると、本当に良かったなと思いますよね」(斎藤先生)斎藤先生が機能性医学と出会ったのは、自分が長年悩んでいた花粉症をこの医学が治してくれたからでした。そもそもアンチエイジングに力を注ぐ医師でありながら、慢性疾患になすすべがない従来型の医療に疑問を感じていた先生は、2006年、うっかりカビの生えた燻製肉を食べたことがきっかけで、腸の調子が悪くなりました。お腹の張り、ガス、下痢などに散々悩まされた挙げ句、1カ月後に症状は全身に広がり、手のひらや足の裏にまで炎症が起こり、膝にはリウマチを思わせるような関節痛まで生じてしまったのです。なぜ、カビ毒からそんな全身の症状が引き起こされるのか、従来型の医療では説明がつかない。何かないのだろうか… と考えていたところ、アンチエイジングの国際学会の仕事をしていた折りに、腸と全身疾患の関係を解いた『機能性医学』というものを知り、急に興味を持ちました。2007年からは、アメリカで機能性医学のプログラムに参加し、この医学を系統的に学び、日本人として初めて「機能性医学認定医」の資格をアメリカで取得。日本ではまだ紹介されていなかった機能性医学研究所を設立します。そして2008年、機能性医学の底力を自ら体感するターニングポイントがやってきたのです。「その年の機能性医学のトピックのひとつがビタミンDだったのですが、機能性医学では、ビタミンDを“免疫系を整えるのに必須の栄養素”ととらえているんです。そこで『小さいときから抱えているアトピーや花粉症などのアレルギー疾患は、ビタミンDの慢性的な欠乏によるものかも』と思うようになりました。そして、実際にビタミンDを摂取することで自分の花粉症が治ってしまったんですよ。ほんとに、これだ! と思いましたね」(斎藤先生)「生活」を変えるのは、患者さん本人病気には「遺伝的要因」と「環境的要因」の2つがあります。遺伝的な要素は両親から受け継いだものなので生涯変化しませんが、環境的なものは食生活などの生活習慣や、その人の置かれている生活環境によってコントロールが可能です。遺伝子に関わらず最大の健康を得るためには、生活習慣・生活環境を最適化することが大切。もちろん、人の体は代謝ひとつとっても十人十色。なので、一人一人に合わせた見極めも必要です。「日本人は『病気になったら病院で薬をもらって治してもらおう』という発想に陥りがちですが、生活を変えるのは患者さん本人。医者にはできません。医師と患者さんが二人三脚で疾病に立ち向かうこと。治してもらうのではなく、一緒に治すという気持ちを持ってもらうことも大切なんですよね」(斎藤先生)慢性病を改善するための「5つの習慣」機能性医学では、これまでとは全く違ったアプローチで原因を特定していきます。例えば、精神的な悩みにも栄養不足を疑ったり、頭痛であれば肝機能の低下を疑う、など。女性に多いむくみや冷え症はタンパク質不足が原因であることが少なくないのだそうです。「普通の医師ならばたいして深く注意を払わないような対人関係や、睡眠環境といった領域まで、聞き出すこともありますね。それも、機能性医学においては慢性病を治す上で欠かせないポイントなんですから」(斎藤先生)そして慢性病を改善するために「5つの習慣」を提案します。1:栄養精製糖や白い穀物を控えて、良質のたんぱく質・脂質をしっかり摂り、ビタミンやミネラルが不足しないように気をつけること2:ストレスと対処力置かれている状況を把握したうえで、ストレスを味方にするようなものの考え方をする3:運動と活動30分ほどの速歩や自宅で行える簡単な筋トレを取り入れるだけで、メタボもロコモも防げて、認知症リスクが下げられる4:睡眠と休息栄養状態を整えると同時に、光をコントロールし、睡眠時無呼吸症候群などにも対処5:家族とソーシャルネットレジャーや運動などを介して人とのつながりを増やすことが、それぞれの慢性疾患のリスク軽減これらはすべて、治療薬を飲み続けるよりも低コストでできること。患者さんにできそうなものから薦めますが、5つのなかでも要となるのは1つめの「栄養」。1日3回、無意識のうちに口にしている食事の中身(=栄養バランス)、これを整えるだけで、慢性疾患のリスクが下げられるためです。食生活を整える「ファンクショナル栄養学」機能性医学に基づく栄養の考え方は「ファンクショナル栄養学」と言われます。従来の栄養学が慢性病を招いているのだとしたら、それを予防する食事法が必要。これが「ケトジェニックダイエット」と呼ばれるものです。勘違いされがちなのですが、「ダイエット」とは、日本ではこの30年ほどの間に「減量」を指す言葉になってしまいました。そもそも英語では「食事法」という意味です。現代人には必要のない糖質の過剰摂取をやめ、栄養のバランスを考えたケトジェニックダイエットを広めるため、斎藤先生は2013年、「一般社団法人 日本ファンクショナルダイエット協会」を立ち上げました。全米では、名門病院クリーブランド・クリニックにも2014年に機能性医学の外来が開設。全米から患者さんが殺到して、常に200人以上のウエイティングリストができているそうです。アメリカで広まりつつある機能性医学は、医療費がパンク状態の日本においても、近い将来、不可欠な医療になると考えられているのです。斎藤糧三先生 プロフィール1973年東京都生まれ。医師。1998年に日本医科大学を卒業後、産婦人科医に。現在、日本機能性医学研究所所長、一般財団法人日本ファンクショナルダイエット協会副理事長、サーモセルクリニック院長、ナグモクリニック東京・アンチエイジング外来医長。機能性医学をいち早く日本に紹介し、日本人として初めての機能性医学認定医に。栄養療法、アレルギーの根本治療、ケトジェニックダイエットの啓蒙・指導、更年期症候群の治療、アスリートの栄養管理など、得意分野は多岐に渡る。著書に『慢性病を根本から治す「機能性医学」の考え方』(光文社新書)。『スーパーフード事典 BEST50―栄養素、効能、おいしい食べ方がわかる』(監修/主婦の友社)。そして話題の新刊『糖質制限+肉食でケトン体回路を回し健康的に痩せる!ケトジェニックダイエット』(講談社)が2月24日発売に。
2016年03月26日カシオ計算機は22日、電子辞書「エクスワード」シリーズとして、医学向けモデル「XD-Y5900MED」「XD-Y5700MED」を発表した。3月18日から発売する。価格はオープンで、店頭予想価格(税別)は「XD-Y5900MED」が90,000円前後、「XD-Y5700MED」が71,500円前後。○XD-Y5900MED「XD-Y5900MED」は、電子辞書「エクスワード」シリーズの医学向けハイエンドモデル。9年ぶりに改訂された「医学大辞典(第20版)」や、治療薬の最新情報がわかる「今日の治療薬 2015」などを収録し、医療現場や医学部学生の授業をサポートする。そのほか国語系や英語系のコンテンツも収録。きょう体カラーはブラックのみ。主な収録コンテンツは、南山堂医学大辞典(第20版)、ステッドマン医学英英辞典、ステッドマン医学大辞典 改訂第6版、医学英和大辞典(第12版)、[電子辞書版]今日の治療薬2015、プラクティカル医学略語辞典(第6版)、今日の臨床検査 2015-2016、医療の英会話など。メイン画面には5.3型のカラー液晶を搭載し、解像度は528×320ドット。メイン画面の左右にはクイックパレットを装備する。内蔵メモリは100MB。電源には単3形乾電池×2本を使用し、電池寿命は約180時間。本体サイズはW148×D105.5×H15.7mm、重量は約265g(電池込み)。○XD-Y5700MED「XD-Y5700MED」は、医学向けのスタンダードモデル。実務で役立つ医学コンテンツを充実させ、新たに医学英和辞典「ステッドマン医学大辞典」などを収録した。そのほか主な収録コンテンツは、南山堂医学大辞典(第20版)、医学英和大辞典(第12版)、[電子辞書版]今日の治療薬2015、プラクティカル医学略語辞典(第6版)、今日の臨床検査 2015-2016、医療の英会話など。きょう体カラーはホワイトで、ハードウェア面の仕様は「XD-Y5900MED」とほぼ共通。
2016年01月22日スウェーデンのカロリンスカ研究所は10月5日、今年のノーベル医学・生理学賞に北里大学の大村智 特別栄誉教授ら3名を選出したと発表した。今回は、アイルランドのWilliam C. Campbell氏、中国のYouyou Tu氏との共同受賞で、大村特別栄誉教授は抗寄生虫薬のエバーメクチンを発見した業績が評価された。エバーメクチンから開発されたイベルメクチンはアフリカなどの感染症に対し大きな効果をあげている。同教授はこれまでにも、2014年に医学への顕著な業績に与えられるガードナー国際保健賞を受賞するなど、寄生虫病に対する治療法の研究で国際的な評価を得ていた。
2015年10月05日米Appleは14日(米国時間)、医療や健康に関する研究用に設計されたソフトウェアフレームワーク「ResearchKit」を医学研究者などに提供開始した。「ResearchKit」は、iPhoneユーザーが医師などの開発や研究を手助けすることができるソフトウェアフレームワーク。「ResearchKit」を利用して開発されたアプリに参加することで、ユーザーのアクティビティレベル、運動機能障害などの記録がデータとして蓄積される。すでに、ぜんそく、乳がん、心臓血管疾患、糖尿病、パーキンソン病を研究するアプリが米国のApp Storeにて公開されており、公開後の数週間で60,000人以上のiPhoneユーザーが参加しているという。医学研究者は、「ResearchKit」を利用することで、健康とウェルネスについて研究できるようになり、開発者はオープンソースコードに基づいた新しいモジュールを作成できる。カスタマイズ可能な最初のモジュールとして、視覚的な電子同意書のテンプレート「参加者の同意」、研究への参加者が質問に回答する「調査」、運動活動、健康活動、認知、声を計測する「アクティブなタスク」が用意されている。「ResearchKit」を利用した研究アプリは、今後多くの国で提供される予定。対応端末は、iPhone 5/5s/6/6 Plus、iPod touchとなっている。
2015年04月15日米Appleは4月14日(現地時間)、医学・医療研究および健康リサーチ向けに設計したオープンソース・ソフトウエアフレームワーク「ResearchKit」を公開した。ResearchKitは、医師や研究者が患者から研究用のデータを収集するのをサポートする。iPhoneとiPhoneアプリを用いて、患者のプライバシーを保護し、患者に負担をかけずに正確なデータを取得できるように設計されている。患者は身近なデバイスを使って研究プログラムに協力でき、医師や研究者は多数の患者から正確なデータを収集できるようになる。すでにぜんそく、乳がん、心臓血管疾患、糖尿病、パーキンソン病の研究用アプリが開発済みで、米国での提供が始まっていた。オープンソース・フレームワークとして公開されたことで、全ての医師や研究者がResearchKitのイニシャルモジュールを研究活動に活用できるようになり、開発者はオープンソースコードを基に新しいモジュールを開発し、ResearchKitに貢献できる。ResearchKitに関する情報は、Appleが同社のサイトのResearchKitのページで提供している。オープンソース・フレームワークへのアクセスに関する情報はResearchKit.orgから入手できる。
2015年04月15日米Appleは9日(現地時間)に行われた新製品発表会において、医学研究用に設計されたソフトウェアフレームワーク「ResearchKit」を発表した。4月よりオープンソースとして提供される予定だ。ソフトウェアフレームワークとは、アプリ開発の枠組みとなる汎用的な機能をまとめたもので、これを利用することで開発者は独自に必要な機能に集中して効率よく開発を進めることができる。ResearchKitでは、医療・研究機関がiPhoneアプリを使って患者のデータを頻繁かつ正確に収集するための枠組みが提供される。ユーザーの許可を得てサードパーティ製デバイスやアプリで測定された体重・血圧・血糖値といったデータを収集できるほか、iPhoneの加速度センサー・マイク・GPSなどにアクセスし、歩行や運動機能、言語能力の測定なども可能。収集された情報はiPhoneから研究者に送られるため、患者が遠隔地からも研究に参加することが可能になり、より大規模な研究で多くのデータ収集と分析が実現する。これにより、医師が患者の状態をより深く把握し、一人ひとりに合った治療が行うことにも役立つとしている。また、プライバシー保護のためにAppleでは収集されたデータの内容は把握せず、医療機関に直接送信される。発表会ではぜんそく患者やパーキンソン病の研究など、医療機関・研究機関が開発した5つのResearchKitアプリが紹介された。これらはすでにApp Storeで提供されており、日本でもダウンロードが可能だ。Asthma Healthぜんそく患者向けの教育とモニタリングをサポートThe Share the Journey乳がん患者の経過観察と症状緩和に効果的な方法を調べるMyHeart Counts患者の活動・ライフスタイルと心臓血管の健康状態との因果関係を調査GlucoSuccess食事、運動、投薬といった各種要因と血糖値との関連性を把握Parkinson mPowerパーキンソン病患者がiPhoneのセンサーを使用して活動を測り、症状を記録
2015年03月10日東京都医学総合研究所(都医学研)は2月6日、季節性インフルエンザA型およびB型ウイルスを同時かつ簡易に高感度で検出できる2種類のイムノクロマトを開発したと発表した。同成果は同研究所の芝崎太 参事研究員らの研究グループによるもので、2月4日付(現地時間)の米科学誌「PLOS ONE」掲載された。毎年流行するH1N1ウイルスによるA型やB型の季節性インフルエンザのほか、新型インフルエンザとして2009年に世界的な流行を起こしたブタ由来新型H1N1に加え、鳥インフルエンザではH5N1ウイルスおよびH5N2ウイルス、今年中国で発症が確認されたH7N9ウイルスが報告されている。季節性インフルエンザは簡易型のイムノクロマト法により10~15分程度で診断が可能だが、検出感度が余りよくないため、発症直後(1~2日以内)などの早期には陰性になることが多く、24時間以内の早期に治療薬を投与することが難しい。また、H7N9ウイルスは人から人への感染例が報告され、H5N1ウイルスでは全世界で500名以上の感染し、60%近い致死率を示すなどパンデミックが危惧されている。このため、H変異株すべてを検査可能な高感度で簡易な検査法の確立が望まれていた。今回開発されたのは、従来と同じ手順、同じ時間内で100倍以上の高感度で季節性A型およびB型インフルエンザウイルスを検出できる高感度蛍光イムノクロマトとその検出機器。従来の金コロイドを使用する方法に代え、蛍光色素を抗体に結合させた蛍光イムノクロマト法を独自に考案し、この蛍光色素を高感度に測定できる小型検出器を開発した。臨床実験では発症12時間以内に97%の患者で陽性判定をすることができ、中には発症3時間以内の患者でも検出可能だったという。同じく新開発されたカラーイムノクロマトは従来品より10倍の感度でありながら、測定器が不要なため、小さなクリニックでも導入ハードルが低く、生産コストが下がれば将来的にはアジア各国などインフルエンザ発生地区において初期診断に用いることもできる。北海道大学の迫田義博 教授との共同研究で行った検定では、両方のイムノクロマトで2009年の新型を含むH1N1型をはじめとする、H2、H3、H5N1、H7、H9の各亜型株を全て検出することに成功。今後、季節性インフルエンザ以外のインフルエンザウイルスの早期発見および治療・囲い込みにも大きく寄与することが期待される。この2つのイムノクロマトは2014年6月に厚生労働省の認可を得ており、カラーイムノクロマトはすでに2014年12月より販売されている。現在、高感度蛍光イムノクロマトの早期販売に向けた製造が進められている。
2015年02月06日マイナビはこのほど、書籍『東洋医学の専門医が教えるキレイをつくるツボ&マッサージ ~血行をよくするころころ美人リング付き~』を発売した。漢方を取り入れたライフスタイルを提案し、全国の店舗で漢方薬やナチュラルコスメなどを販売する「薬日本堂」が監修している。価格は1,355円。同書では、漢方理論にもとづいたチェック表で、読者の体質タイプを「タリナイさん」「トドコオリさん」「ヨドミさん」「タメコミさん」と4分類に診断。各タイプにおすすめのツボを紹介しているのが特徴だ。また、「美容」「女性の悩み」「カラダの不調」「ココロ」という4つのカテゴリーごとに、東洋医学の専門医・謝彦先生が厳選したツボやマッサージを掲載。忙しい毎日を送る女性たちの日常生活に取り入れやすいよう、自分で押しやすい位置にあるツボや自分でできるマッサージを中心に扱っている。さらに、健康志向の女性に人気が高い薬膳の知識や健康茶に関するコラム、2人でペアになって行う”ラブツボ”の提案など盛りだくさんの内容となっている。このほか、効率よく指を刺激し、血行を良くする特製デザイン「ころころ美人リング」を付属。ココロもカラダもキレイになりたい女性たちをサポートする一冊となっている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月23日ヴェルクは24日、医療系学生を対象にした解剖学を学ぶためのiPhone用アプリ『らくらく解剖学「骨」』をリリースした。現役医学生が企画したもので、テキストでは難しかった実践的な方法で、骨および基本的な関節の名称・構成する骨を学習することができるという。『らくらく解剖学「骨」』は、これから解剖を学習する医学部生、歯学部生、 看護学生、薬学部生、放射線技師、理学療法士、作業療法士、 柔道整復師、介護福祉士などの医療系職を目指している人を対象に開発された。医療系学生に実際にテストして意見を反映させたとのこと。骨をタップして回答していくという、テキストでは難しかった実践的な方法で、全ての骨および基本的な関節の名称・構成する骨を学習することができる。その他、最も間違えた問題から解く復習モードや、ランダム問題の出題、骨を「名前から」「画像から」調べられるレファレンス機能もある。また、骨の部位ごとに集中的に学習することも可能。出題・レファレンス機能とともに、英語・日本語に対応している。ダウンロードはiTunes App Storeで行える。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月26日