お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が20日、YouTubeチャンネル『ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル』に出演。動画「明石家さんまが後輩にバトンを繋いだ熱い夜…カリスマたちのリーダー論【#33 百の三】」のなかで、明石家さんまの感動秘話を明かした。今から7~8年前、さんまや相方の綾部祐二、平成ノブシコブシ・吉村崇らとカラオケに行ったという又吉は、「誰かが歌い始めるまで、まず1時間半くらい、さんまさんがずっとしゃべってるんですよ。なんか食べたり飲んだりしながら、ずっと面白いことをやって」と回顧。さんまのトークが一段落し、ようやくカラオケが始まるも、「僕が(吉田)拓郎さんの歌を歌ったら、さんまさんがすぐ消すみたいなノリがあって。こうやって遊ぶんやって思いながら」と、懐かしそうに振り返った。そんななか、さんまが「お前たちに捧げる」と言いながら、吉田拓郎の「イメージの詩」を歌ってくれたそう。同曲について、「古い船に新しい水夫が乗り込んでくるから、これからは新しい水夫の時代が来るんやって。新しい海に水夫たちが出て行くんやっていうニュアンスの、若者に力を与えるような曲」と説明した又吉は、「そのときは、“60歳で引退する”って公言されてて。本当にそういうときが来るんやと思って……」と、さんまからのメッセージに感激したことを明かした。「若い人たちにこんなことまで言ってくださるんやって感動してたんですけど」と語った又吉だったが、「いまだにバリバリ現役でやってる(笑)」とツッコむ場面も。「古い水夫が古い船の先頭に立って、新しい海に漕ぎ出しまくってるっていう。新しい水夫の方が、先に船を降りたりしてますからね」と苦笑いでジョークを飛ばしつつ、「それがやっぱりカッコいいんですけどね」と、60歳を過ぎてもなお、第一線で活躍し続けるさんまに感服していた。
2021年06月22日2015年、「人と人が交わるところに新しい文化が生まれる」をコンセプトに旅する文化ムーブメントとして、東京・駒沢公園でその幕を開けた「東京キャラバン」。野田秀樹総監修のもと、言語や国境、表現ジャンルを超えた多種多様なアーティストたちが集い、これまで、東京、リオデジャネイロ、東北、京都、熊本など、国内外16カ所を巡り、その土地の歴史や文化を学びながら、伝統芸能や文化の担い手らと唯一無二のパフォーマンスを創出する旅を続けてきた。そんな「東京キャラバン」が、2021年8月21日(土)、22日(日)に、旅の始まりの地である駒沢オリンピック公園にて、17カ所目の開催となる『東京キャラバン in 駒沢 2021』を開催する。全国を旅し続けて出会った、日本各地の伝統文化を担う表現者たちや、コンセプトに共鳴し創作に参加した彩り豊かなアーティストが、この夏、ふたたび駒沢に結集。「東京キャラバン」ならではの豪華メンバーによる、ここでしか見ることのできない貴重なパフォーマンスを、是非体験してみてほしい。参加アーティスト:松たか子/東京スカパラダイスオーケストラ/木村カエラ/津村禮次郎/沢則行/青柳美扇/宇治野宗輝/Daisy Balloon/和太鼓 Atoa. /“東京キャラバン” アンサンブル/琉球舞踊(立方:嘉数道彦、大浜暢明、玉城匠、上原崇弘 地謡:玉城和樹、和田信一)/秋田市竿燈会/村田製作所 チアリーディング部 /公益社団法人 北海道アイヌ協会/ライリー大仁/小山豊・小山会青年部/真船勝博/徳澤青弦 ほか参加クリエイター:服部基/名和晃平/原摩利彦/ひびのこづえ/赤松絵利/篠山紀信/奥秀太郎/青木兼治総監修:野田秀樹東京キャラバン in 六本木(2016年)撮影:篠山紀信東京キャラバン in 京都・二条城(2017年)撮影:井上嘉和東京キャラバン in 秋田(2019年) 撮影:コンドウダイスケ東京キャラバン in 北海道(2020年) 撮影:篠山紀信【開催概要】日時:2021年8月21日(土)13:00〜/18:00〜2021年8月22日(日)13:00〜/18:00〜会場:駒沢オリンピック公園総合運動場・体育館 (東京都世田谷区駒沢公園1-1)※事前申込制(7月12日締切)・応募者多数の場合は抽選※申込についてはこちら( )公式サイト( )
2021年06月15日又吉直樹が主演するドラマ「成る」が、6月26日(土)放送の「世にも奇妙な物語‘21夏の特別編」にて放送されることが分かった。今回の「‘21夏の特別編」では、4つの奇妙なエピソードが登場。上白石萌歌主演「デジャヴ」、加藤シゲアキ主演「三途(さんず)の川アウトレットパーク」に続き、今回新たに発表されたのが、本シリーズ初出演で初主演となる又吉さんが演じる物語「成る」。又吉さん演じる有名なプロの棋士・岩屋賢太郎は、AI棋士を相手としたある日の対局で、いつものように駒を返すと、見たことのない文字が駒に書かれていた。そして、AI棋士が駒を返すと、ある女性の名前が現れる。実は昨年、岩屋はその名前の女性と週刊誌に写真を撮られ、妻とは離婚協議中だった――。将棋の対局をモチーフとし、一人の人物の人生をふり返る本作。台本を読み「すごく面白そうな話だなあと思いました」と語る又吉さんは、「一人のシーンが多く、また、正座に慣れていないこともあって。ドラマの内容も過酷な闘いでしたけれど、いつ正座の体勢から足を崩そうかという闘いを一人でしていました(笑)」と実際に演じた感想を述べる。また小説家としても活躍する又吉さん。今作のような怪奇現象やホラーは小説家として興味があるのかという問いについては「エッセーや短編で書いたこともありますし、不思議な話を書くのはわりと好きですね。コントも含めてですが、ちょっと奇妙な話を考えるのは好きです」とコメント。そして本作を楽しみに待つ視聴者へ向けて「どんどん追い込まれていく棋士と、どんどん棋士を追い込んでいく“不惑”という名のAI棋士。えたいの知れない怖さみたいなものに是非注目して見ていただきたいです」とメッセージを寄せた。又吉さんのほかにも、本作には浅野和之、工藤美桜らが出演することも分かった。土曜プレミアム「世にも奇妙な物語‘21夏の特別編」は6月26日(土)21時~フジテレビにて放送。(cinemacafe.net)
2021年06月15日お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が4日、公式YouTubeチャンネル『ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル』に出演。動画「百の三新章スタート! 自分を育ててくれた名言&迷言…天才ボクサーや一流デザイナーの金言も【#28 百の三】」内で、ファッションデザイナー・ドン小西の金言を明かした。ドン小西と会った時に「衣類とファッションは違うんだよ」と言われ、「グッときた」という又吉。「衣類というのは日常的に着る物。ファッションっていうのはアートの領域にある物っていう意識がたぶんあって」としながら、「寒くてもちょっと薄着やったり、暑くてもちょっと厚着やったり、『それ合ってるんですか?』っていうオシャレな人いるじゃないですか? でもそれでいいんだっていう。だからそこ噛み合わへんのやと思って。衣類の話してる人とファッションの話してる人が噛み合ってなかったんやと思って、すごい腑に落ちたんですよね」と話した。スタッフが「機能性の話をする人もいますもんね」と相槌を打つと、又吉は「でも、ファッションはそうじゃない。と言いながら、僕が40代に突入して、どんどんファッションから衣類のほうに移行しつつあるんで、ちゃんとカッコつけて、ちゃんとオシャレせなあかんなと思うんですけど、楽になりつつある」と内省。また、「ドンさんに初めてファッションチェックされた時もやっぱり痺れましたね」と言い、自身のファッションを見たドン小西から「褒めるしかないけどいい?」と絶賛されたことも明かした。
2021年06月10日お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が4日、公式YouTubeチャンネル『ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル』で、動画「百の三新章スタート! 自分を育ててくれた名言&迷言…天才ボクサーや一流デザイナーの金言も【#28 百の三】」を公開。女優の樹木希林さんから言われ衝撃を受けた言葉を明かした。動画の中で「めちゃくちゃ大事にしている言葉」として、希林さんとの対談を振り返っていく又吉。希林さんから「私の友達が『火花』読んだって言ってたよ。なんかあんまり面白くなかったって言ってたよ」「良かったね。みんなが面白いと思うようなものを作らなくて」と言われたそうで、その言葉に「痺れましたね」と感じ入る。さらに希林さんは「私は面白かったよ」と続けたと言い、又吉は「みんなに喜ばれたいって気持ちが出てくるじゃないですか? それはそれでいいと思うんですけど、こういう覚悟の決まり方をしてる先輩を見ると、物作りの根幹の部分はこういう感覚を持っていないとやっていかれへんなとは思いますね」と持論を述べた。また、希林さんとの初対面の際には「良かったね。辞めてなくて」「あなたみたいな変な人はこの世界向いてないから、辞めちゃうんじゃないかと思ってたんですよ。続けてて良かった良かった」と声をかけられたと回顧。その初対面の前に、希林さんは又吉と作家・せきしろ氏の著書『カキフライが無いなら来なかった』を読んでいたらしく、又吉は「本を読みながら『この感覚やったら辞めるやろな』と思ったんじゃないですか?」「向いてないってことを武器にしながら戦ってるところありますけどね」と笑った。
2021年06月09日お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が5日、YouTubeチャンネル『ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル』で、動画「初の視聴者コラボ企画!GW明け…色々悩んでる新社会人への提言【#26 百の三】」を公開。新社会人に向けて、仕事のアドバイスを語った。新社会人に伝えたいことを聞かれ、「僕はずっとできなかったんですけど……。できなかったからこそ思うのは、先輩に相談する」と話した又吉。できないことがバレたくないため、隠れて頑張る人が多いというが、「先輩に言っちゃった方がいいんですよね。これが苦手でとか、よく分からなくてどうしたらいいですか? って。見て学べって言う人もいるかもしれないですけど、半分以上の人はアドバイスをくれると思う」と続けた。また、アドバイスをした先輩側の心理として、「そのアドバイスが有効であることを証明したくなる。だから、無意識のうちに、先輩はその後輩を助け出すんです。アドバイスの強度を高めるために、後輩をフォローし始める」と分析し、「それが個人で問題を抱えるんじゃなくて、チームで問題を抱えるということ。先輩が助けてくれるから、目標が実現しやすくなるっていうのがあるんじゃないかな」と、先輩に相談するメリットを語った。自身も、後輩のパンサー・向井慧から「ライブに彼女が来る」と相談され、「なんとかせなあかんっていう意識になって。全然そんなタイプじゃないのに、普段絶対やらない動きをして」、舞台上で向井を盛り上げたそう。その結果、ライブは大盛り上がりしたと言い、「会社でも新入社員の人が抱えてる問題って、チーム全体に影響を及ぼすときがありますもんね。そこが上手くいくと、全体が良くなるから、相談するのがいいんじゃないですかね」と、話題を締めくくっていた。
2021年05月11日「ワーイ、エム、シーエー!」今も全世代で歌われる『YOUNG MAN』に限らず、ファンとの掛け合いを日本に定着させた西城秀樹さん(享年63)。没後3年でも声援の大きさは変わらない。そこで本誌読者1,000人にアンケートを実施。最も多く寄せられたのは、熱いライブのヒデキが見たい!という思いだった。そこで、本誌秘蔵写真で熱いヒデキを振り返る−−題して「ファンの声で作る西城秀樹アルバム」♪【’75年】ドラマ『寺内貫太郎一家2』の名物だったけんかの場面で、全治1カ月の負傷を負った秀樹さん。【’77年】武道館でデビュー5周年記念コンサートを。ワイルドでsexyな情熱の嵐を見せた。【’78年】日比谷野音コンサート。「秀樹!」の掛け声をスタンドマイクで拾うパフォーマンスを。【’78年】後楽園球場ライブ。ド派手な演出と目の前まで近づいてのファンサービスに大興奮。【’79年】『YOUNG MAN』が大流行。子どもから大人までみな「YMCA」ポーズを踊っていた。【ヌードを披露】身長181センチ、股下81センチという長くてきれいな脚も魅力のひとつ。■ヒデキの思い出ランキング(西城秀樹さんで思い出されるもの、作品やキーワードの中で好きなものは?※複数回答可)第1位:『傷だらけのローラ』=788票第2位:バーモントカレー=779票第3位:『寺内貫太郎一家』=741票第4位:スタジアム・コンサート=719票第5位:『YOUNG MAN』=656票第6位:洋楽カバー=646票第7位:『ザ・ベストテン』=637票第8位:日本武道館=608票第9位:『愛と誠』=570票第10位:「青年(成年、盛年)の3部作」(『君よ抱かれて熱くなれ』『ジャガー』『若き獅子たち』)=542票■あなたが特に好きな西城秀樹さんは?《紅白初出場であの素敵な快傑ゾロの『傷だらけのローラ』が素晴らしいです。オーガンジーの仮面をあのきれいな手でとり、帽子で顔を隠してそこから一気に帽子を投げて顔出し!あのフィギュアのような抜群のスタイルで、熱唱し、日本初のスモークが流れる、私が小学校のときに恋に落ちた瞬間の秀樹です》《主催者側のミスでコンサート会場に人が集まらなかったとき、バラバラに座っている観客に“みんな前に集まって!”と声をかけて歌われた秀樹さんが素敵です》■あなたの西城秀樹さんエピソードを教えて!《うちの母は、西城秀樹ファンでしたが、母の姉は、郷ひろみファンでした。どっちがすごいか言い合いになり、どっちも譲らず、1年姉妹げんかで口をきかなかったエピソードが好きです》《子どものころハウスのバーモントカレーをいくつか買ったらコンサートチケットが当たる!のうたい文句で、嫌な顔をする母にたくさん買ってもらいました(笑)。応募しましたが見事にハズレでした(笑)》西城秀樹さんとの別れから3年……参加型ライブの元祖に、いまも熱い声援がやまず!「女性自身」2021年5月4日号 掲載
2021年04月25日お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が先月28日、YouTubeチャンネル『ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル』で、新社会人に向けた動画「自分の職場や業界に天才が現れた時…嫉妬して意味ある? 挑戦して傷つく? 又吉の究極持論【#24 百の三】」を公開。敵わないと思った“天才”が現れたときの向き合い方について、持論を語った。“天才”に対する心の持ちようを聞かれた又吉は、「まずはちゃんと嫉妬していい」と話し、「“天才”だからって、別枠みたいになるときないですか? 俺らの負けにもならんし、あの人は“天才”だからみたいな。それって、ちょっとセコいかなって」「“天才”のように見えるけど理由があるはずやし。その人自身の存在やその人が過ごした時間も関係してるから、“天才”で片付けていいんかな? って。そんな人と会えることとか、そんな人に嫉妬できるチャンスはなかなかないから、めちゃくちゃ苦しんでもええんちゃうかな」とキッパリ語った。“天才”を尊敬したうえで、「そこから何ができるか」と続けた又吉。「“天才”にみんな憧れるけど、ボコボコにされてる俺の姿にも何か思うんじゃないかって。ここから、自分が何か生み出せるものはないかなって模索し始めて作る、っていう日々を積み重ねていって。10年負けた私の記録は、瞬間的なあいつの輝きに匹敵し得るんじゃないか。その感情とか温度を持ち続けられてるなら、嫉妬し続けて、それを燃料にしてやればいいし」と言い、「こいつと全然違うアプローチで、全然違うものをやろうって思うことが大事」だと力説した。また、又吉は、「僕に限りですけど、応用してもらえるなら」と前置きしながら、「僕は今までに出会ったことがないくらい、自分が作るものが好き。超好きなんですよ」「寝る前に読むのは自分の本。自分で作ったものを読んで、面白いな~って(笑)」と、胸を張って告白。「僕が観た全作品、全芸人、参加自由の大会なんですけど、“又吉CUP”においては、毎年僕が優勝してる」そうで、「自己否定も強いけど、自己肯定も強い。あの人はすごい“天才”や、あの人には勝てないって思っても、自分が好きなもの、自分が一番興奮する方法は自分しか知り得ないっていうアドバンテージがあるから、結構やっていける」と熱弁していた。
2021年04月02日お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が先月26日、YouTubeチャンネル『ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル』に出演。昨今の“共感ブーム”に対して持論を語った。この日、新社会人に向けて、動画「すぐに寝たい…限界の時に1分(秘)(秘)をやると翌日に大きな差が出る【#23 百の三】」を公開した又吉。そのなかで、共感力について、「共感する力は間違いなく大事やし、共感できないと人の気持ちも分からない」「共感は発見とかと同じく一つの面白い感覚で。こんな面白いことがあるんだ、俺と違うけどそういう考え方もあるんだねっていうのが発見の面白さ。言語化してなかったけど、俺の中にもその感覚はあったっていうのが共感。この2つが共存してる作品って、結構好きなものが多くて」と熱弁。新しい感覚の発見、および共感する力が大事だとする一方、又吉は、「最近、“共感しました=面白かったです”になってるような気がして……。“共感できなかった=面白くなかった”では、絶対にないから」とキッパリ断言。「自分が本来持っていなかった感覚を提示されて、驚いた、恐ろしかった、まったく共感できなかった。だけど、最高に面白かったっていうのはいっぱいあるから」と言い、「それがいっぱいある前提の世界に生きてるっていうことを、念頭に置いといてほしいんですよ」というメッセージを伝えた。さらに続けて、「“共感できました信仰”に、みんな偏り過ぎてる」と語った又吉。十数年前は「共感」という言葉が、「めっちゃ良いワードだったんですよ。共感という入口で作品を楽しむとか色々あって」というが、「そこから時間が経って、だんだん強くなりすぎて……。共感できなかったら、それはそれでいいんだよなって思ったりもする。そこは気を付けたいなっていう風に思いますね」と自戒も含めて、現在の“共感ブーム”に異論を唱えていた。
2021年04月01日お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が24日、YouTubeチャンネル『ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル』に出演。「千鳥大悟からピカソやビルゲイツまで…天才から何を学ぶ?どう吸収する?【#22 百の三】」と題した動画内で、千鳥・大悟とのエピソードを語った。先輩だが年齢が近く、プライベートで飲みに行くほど仲が良いという又吉と大悟。周囲からは、なぜ仲が良いのか不思議がられるそうだが、「日本で多くの人が、千鳥は面白い、大悟は面白いって言ってて。僕ももちろんそう思うんですけど、僕だけ、生き物としての大悟さんを面白がってるところがあるんですよね。この人、どうなって今こう思ったんやろう? とか、そういう面白さがありますね」と、大悟に魅かれる理由を説明。又吉が、小説『火花』を発表したときは、「小説なんて読んだことないけど、又吉が書いたからこれだけ読むわ」と言われたそうで、「3日後くらいに、何してる? 又吉と汚い店で飲みたなってなぁって。『火花』は先輩と後輩がそういう店で飲み始めてっていう話だからかと思って飲みに行って」というエピソードを披露。しかし、大悟は冒頭の17ページまでしか読んでいなかったそうで、「なんかすごくないですか? 誰よりも、小説から受ける影響が早いんちゃうかな。その感受性ってすごいなって思った」と、驚いたことを明かした。大悟と話していると、「うわ~、それ書けばよかった」と思うことが多々あるという又吉。「例えば、喫茶店のシーンで、雨降ってたやろ? って。喫茶店に入ったら、多分マットが敷いてあって、後輩の方はトントンって2回やるけど、先輩の方はマットを踏まんで飛び越えていくやろ? みたいな。書いてないことを次々と読むんです。普段から、自然にそうやって情報が入ってくる人なんですよね。だから、面白いですね。しゃべってたら」と、大悟の面白さについて熱弁していた。
2021年03月30日お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が21日、YouTubeチャンネル『ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル』で、芥川賞受賞に対する本音を打ち明けた。「新社会人のために語り出して8時間経過…又吉本人にまさかの変化が!【#21 百の三】」と題した動画内で、「自分の人生に期待してない」と語った又吉。「どうなっても、まあそっかと思ってる。ネガティブなときだけじゃなくて、ポジティブなときにも。『キングオブコント』で準優勝したときも、ああ、あのネタがそうやったんやって。そういう考え方なんですよね」と、何が起こっても冷静に受け止めていることを明かした。そう考えるようになったきっかけは、ピースとしてデビューしたとき。かつて組んでいたコンビ・線香花火が解散し、ピースとしてデビューするまで一カ月も経っていなかったため、相方の綾部祐二は、「前のコンビを応援してくれてたお客さんの感情を逆なでするようなことになる。半年とか時間を置いて始めた方がいい」と大反対。しかし、当時の又吉は、「芸人を続けるんだったら、すぐにやって見てもらわなあかん」と押し切ったそうだが、その結果、「前の相方の気持ちを考えられないのか!」とファンに怒られてしまったそう。この経験から、「俺、勘違いしてたと思って。俺のことを応援してくれてたと思ったら、俺じゃなくて線香花火っていう活動を応援してくれてたんやって」という気づきがあったという又吉。そのため、小説『火花』で芥川賞を受賞した際も、「そういう意味で期待せーへんから。(受賞して)なんでそんな感じなんですか? って言われるけど、ホンマに失礼ですけど、何とも思わないです。何とも思わへんし、ありがたいな、作品をちゃんと読んでくださったんやとしか思わないんですよね。“俺”じゃないし」と、あくまで作品の評価として受け止めていると語っていた。
2021年03月29日お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が19日、YouTubeチャンネル『ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル』に出演。「否定されたり、ベタと思われがちなことに実は大切な真理が…【#20 百の三】」と題した動画内で、他人にお金を貸さないワケを語った。お金について、「他人にお金を貸してはいけない。自分が損するだけじゃなくて、相手も99%、借りた金では本気出さない」と語った又吉。その例えとして、「自分で買った本はめっちゃ読む。でも、借りた本はちょっと温度が下がる」と言い、「これがお金のときは、ホンマにそうで。他人の金で店やってる人なんて、店が潰れてもそんなに気にしない。自分で店をやってる人は死ぬ気でやるし、なんとか店を守ろうとする愛情が違ったり。他人に借りた金って、本当の価値は全然分からへんから。みんな厳しめに言った方がいいと思いますね」と力説した。続けて、江戸時代後期に書かれた上田秋成の『雨月物語』について言及した又吉は、「その中にお金の話があって。お金の精が出てきて、みんなはお金より大事なものがあるとか言ったり、平気でお金をどんどんどこかにやってぞんざいに扱う。でも、あなたはケチって言われてるけど、毎晩お金を見て、誰にも貸さない、誰にも渡さないって言って、お金のことを愛してくれた。自分のことを愛してくれる人のところに集まりたいと思うのは当然でしょう? みたいなことを言うんですよ」と、物語の一部を紹介。又吉自身も、「お金じゃなくて、人と人のつながりが大事だ。お金は頑張って仕事をしたら、いつか返ってくるものだから、大切なのはお金じゃない」と考えていたそうだが、「俺、めっちゃお金のことなめてたわと思って。お金もこの世界にある一つの形なのに、そこに対する敬意みたいなものを持ってなかったなと思って。ケチじゃないとか、お金にうるさくないっていうのが、美徳としてあると思ってたんですけど、逆やったなと思って」と、同作に影響を受けたことを明かしていた。
2021年03月27日お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が19日、YouTubeチャンネル『ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル』に出演。自身が尊敬している芥川賞作家・中村文則氏の言葉に感動したエピソードを明かした。「否定されたり、ベタと思われがちなことに実は大切な真理が…【#20 百の三】」と題した動画内で、「性格は直せる」と語った又吉。そう考えるきっかけとなったのは、中村の存在だったそうで、「作品がすごい繊細で。自分の内面に向かっていく、暗い感情を持ってる主人公が多くて。こういう小説を書く作家さんは、共通するところがあるんじゃないかと思ってたんですけど、会うと明るくて優しかったんですよ。もっと、怖くて暗くて冷たい人なんかなって思ってたんですけど」と、作品の主人公と中村の性格のギャップに驚いたという。その後、お酒を飲んだ勢いで、ギャップについて本人に尋ねると、中村氏は、「自分が暗いことで、人に迷惑をかけるのをやめようと思ったんだよね」と回答。又吉は、「本当の気遣いって、これなんやって思って。嫌なことがいっぱいあって、色々なことを気にしてしまうから、周りの情報やコミュニケーションを遮断して暗くなったはずなのに、暗い状態で人に迷惑をかけてるんやったら、もう一回心を開こうって。この人、めちゃめちゃ強いなって思って」と、中村氏の生き方に感銘を受けたことを明かした。そして、自分自身を振り返り、「暗いと言われて許されてる状態に依存してるというのは、ちょっとダメなんじゃないかなって」と、猛省したという又吉。「俺が暗いことで、みんなが代わりに頑張ってくれてることがあるよなって思ったら、自分もやってみようと思って、そういう風に考え始めた」そうだが、「意識して明るめに振舞ったつもりのテレビを、後で自分で観て愕然とする。自分が出てきたら、テレビのボリューム上げますからね。声、聞こえへん」と、自虐しながら苦笑いしていた。
2021年03月26日お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が17日、YouTubeチャンネル『ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル』に出演。高校の卒業文集に収められた母親の寄稿文について、裏話を語った。2015年に発表した小説『火花』で、お笑いタレント初となる芥川賞を受賞した又吉。メディアからも多数取り上げられていた頃、あるスポーツ新聞に、“又吉母も名文家”という記事が掲載されたと言い、「卒業文集に子供たちが書いてるのと同時に、親も子供について書いてて。それが載っちゃったんですよ。めっちゃ良いこと書いてるみたいな」と、母親が卒業文集に寄せた文章が絶賛されていたエピソードを披露。しかし、又吉は、「オカン優しいから、僕にめっちゃ甘かったんですよ。18歳やから、自分にめっちゃ優しい親が恥ずかしくて……。もうちょっと客観的な視点を持った母親でいてほしいと思って、自分で書いたんですよ」と、真相を苦笑いで暴露。「高3のときに、オカンとして自分を客観的に見て。『自分のこういうところがまだ未熟だけど、今度どういう風になっていくのか?』みたいな良い距離感のやつを自分で書いた」そうで、「『ちょっと大人っぽい字で書いて』って、当時お付き合いしてた彼女に清書してもらって」とぶっちゃけていた。
2021年03月19日お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が10日、YouTubeチャンネル『ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル』に出演。「物事を短期間に区切って考える」ことのススメを語った。この日、動画「全国レベルゆえに超厳格!!恩師の“秘”指導に今でも感謝【#16 百の三】」を公開した又吉。そのなかで、「わりと僕は、短期間に区切って色々なことを考えるんですよ。例えば、あと2年しかないって自分で勝手に決めてやると、自然とサボらなくなるというか」「30歳くらいで世に出れたらっていうビジョンを持ってる人もいるんですけど、僕は、『あと2年で死ぬかもしれんから。あと2年しか残されてない』っていう前提でやってる」と、自身のこだわりを紹介。周囲からは、「真面目だ」「生き急いでる」とよく言われるそうだが、「やりたいこととか、思いついたことを今やっておかないと、できなくなるかもしれないっていう恐怖心を持ってたんです。それを真剣に信じてたんで」と言い、「なんで信じられたかというと、自分には才能がないと思ったんですよね。これは相当慌てなきゃ、好きなことで食べていけないと思って」と、その理由を説明した。すべての事柄において、長期的なビジョンを持たず、“あと2年しかない”と思いながら過ごしているという又吉。その結果は上々のようで、「2年前より考えるスピードが速くなってるとか、できなかったことができるみたいな。そういうことがあって、もうちょっと続けて良さそうだぞって」と、笑みを浮かべていた。
2021年03月17日お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が12日、YouTubeチャンネル『ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル』で、新社会人に向けて力強いメッセージを送った。この日、動画「漫才を志したはずが夢破れ…挫折を知る又吉から弱った時こそ染み渡る言葉【#17 百の三】」を公開した又吉。仕事に対する考え方として、「好きじゃない仕事を恥じる必要はない」と言い、「好きな仕事を全力で頑張ってる人だけが尊いとか、偉いとか、正解っていう誤解があるのかなと思ってて。労働して対価が支払われる。それで税金を納めるっていうことだけでも、すごい素晴らしい」とキッパリ断言した。また、自身は芸人という人気商売のため、「どうしたら好きな仕事で食べていけるのか?」と聞かれることが多々あるそう。「ホンマのことを言うと、小学校の頃から漫才師になりたかった。スタンドマイクの前で2人でしゃべってるのがカッコいいし、すごい面白いなと思って」「漫才師として劇場に立ち続けられるような芸人になりたいと思って、この世界に入ってきた」というが、「綾部とコンビを組んだ時点で、その夢は永遠に叶わなくなってしまって。ほぼ僕たちは、95%コントしかやってない」と、自分が考えていた“好きな仕事”とは形が異なっていることを吐露した。「厳密に言うと、やりたかったことが途中で変わってる」「なりたかったものになれてるかというと、なれてない」ものの、綾部とコントを作っていくなかで、「楽しいな、面白いなっていう風になって。コントのライブをやりたいとか、コントでテレビに出てみたいとか思うようになって」という、心境の変化を告白した又吉。ふとしたときに、「漫才師になりたくて上京してきたのに、いつの間に俺はこうなったんや……」と思うこともあるそうだが、「でも、まあ楽しいというか。コントを作るのも好きになりましたね」と、笑顔で話していた。
2021年03月16日お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が10日、YouTubeチャンネル『ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル』に出演。「全国レベルゆえに超厳格!!恩師の“秘”指導に今でも感謝【#16 百の三】」と題した動画内で、“疑うこと”の重要性を説いた。新社会人へのメッセージとして、「基本的にすべてのことを疑う。『絶対こうだ!』って、あんまり決めない方がいいと思うんですよね」と語った又吉。自身も若いころは、「誰がどう見ても面白いとされているものでさえ、『面白くないんじゃないかな?』と思って見るとか」「講師の先生が養成所でおっしゃったことも、基本的にはめちゃくちゃ疑ってた。先輩が言うことも、『ホンマかな?』って」など、すべてを疑いの目で見ていたそう。“疑うこと”の重要性を熱弁した又吉は、「めちゃくちゃすごいなって思う発言とかって、そういうのを飛び越えてくるときがあるんで。ダイレクトに、疑おうとしてる壁を突き破ってくる」と、例外があることを前置きしつつ、「若いころに一回、全部鵜呑みにしないで『ホンマかな?』って思う時期は、自分で振り返るとあって良かったなと思います」と、自分の頭で考えることの大切さを身をもって感じている様子だった。
2021年03月16日お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が7日、YouTubeチャンネル『ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル』で、自分を認めてくれない人に対する心の持ちようを語った。この日、「数々の失敗を経験した40歳の又吉だからこそのメッセージ。社会人になって久しい方々も必見【#15 百の三】」と題した動画内で、新社会人に伝えておきたいことを語った又吉。そのなかで、「この人のせいで自分は評価されない」「この人を攻略しないと次の段階に進めない」と思っている人に対し、「やりたい仕事があって、自分はこうなりたいっていうものがあるなら、それを一番に優先するべき。ちゃんと適切な場所で、時間を使って努力するべきだと思う」「簡単な話、自分が一番やりたいことを目指す」とキッパリ。「この人がいるから進めないではなく、さっさと攻略する」とアドバイスした又吉は、例として、若いころに講師から、「ネタが笑えない」と指摘されたエピソードを披露。「笑えるネタは、フリ・ボケ・ツッコミがあるネタだ」と言われ、「次のオーディションは、フリ・ボケ・ツッコミがあるめちゃくちゃ面白くないネタを、わざと作っていきましたね(笑)。テイストが変わり過ぎて、『先月のでいいよ』って言われて、ライブに出られるようになったんですよ」と苦笑いしながら振り返った。わざと面白くないネタを見せるという作為がありつつも、「言われたことはやってみるし。でも、『自分は上手くできません』っていうのを見てもらって」と、講師を“攻略”したエピソードを語った又吉。「『純粋にライブに出たいだけなんで、どうかフラットに見ていただきたい』という気持ちこそ表明すべき」だといい、「攻略とか言うと、合理的に何でも解決する人って思われるかもしれないけど、自分が嫌なことをされてふてくされるとか、納得いってないことを表明する方が、僕はズレてると思う」と自身の考えを明かしていた。
2021年03月15日お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が7日、YouTubeチャンネル『ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル』に出演。動画「数々の失敗を経験した40歳の又吉だからこそのメッセージ。社会人になって久しい方々も必見【#15 百の三】」内で、難しい仕事に挑むときの心構えについて語った。「みんなが『絶対に無理やろな』って思ってる仕事」について、「そういうときは逆に、めちゃくちゃ狙い目のときがあると思う。チャンスがあると思う」と語った又吉。自身も、約400組の芸人の中から3組が選ばれるという番組オーディションを受けて、見事合格したことがあるそうで、「オーディションが朝8時集合で、みんな眠そうな顔してて。でも僕は、逆にバチッとした格好してたら目立つなと思って、7時に集合してネタ合わせして、完全にカラダを起こして。みんな眠そうなのに、カラダから湯気出てる状態、2人だけ顔も赤くなってる状態を作り上げて」と述懐。本気で挑んだことで、オーディションに受かったことを明かした又吉は、「絶対に無理なときって、みんな『無理なんですけど、一応やってみます』って言いながらやる。だから、そういうときは死ぬ気でやってるヤツが少ない。自分と同じくらいのレベルのやつが、何となくでやってるんです。フルパワーでやってないんです。だから、自分がみんなよりちょっと劣ってても、フルパワーで行ったら、狭き門こそ開くときがある」と熱弁。最後は、「もしかしたら、怠け者だらけの芸人の世界だけかも……」としながら、「絶対ダメそうなときは、絶対ダメってみんなが思ってるから」と力強く語っていた。
2021年03月14日お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が7日、YouTubeチャンネル『ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル』で、古書店の活用について持論を展開した。この日、「数々の失敗を経験した40歳の又吉だからこそのメッセージ。社会人になって久しい方々も必見【#15 百の三】」と題した動画を公開した又吉。新社会人に伝えたいこととして、自身の経験を踏まえ、「若いころは、古書店にだいぶん助けられましたね。新社会人でまだそんなにお金がないときは、すごい活用した方がいいと思う」と語った。その理由を、又吉は、「古書店っていう入口があったから、そこでいろんな作品を読んで『本ってホンマおもろいな』って思った。だから、30歳になって、本をいっぱい買うようになった」と説明。自身が若いころは、5冊100円などの特価本を読んでいたそうで、「ほぼ雨ざらしに近いような状況の。めくったらなんか砂ついてるみたいな(笑)。大人になって新しい本を読んだときは白過ぎて、『本ってこんなまぶしいん?』っていう印象でした」と笑わせていた。また、古書店の活用を勧める一方で、自身も作家として活躍している又吉は、「人によっては、作家やアーティストに印税が入らないから、中古で買うのはどうなんだっていう人もいると思うんですよ。それは、めちゃくちゃ分かるんですよ」とも。そのため、「40歳の僕は、古書店では古書店でしか買えないものしか買わない。あとは全部、新しい本、出版された本を買うようにしてる」と、現在のこだわりも明かしていた。
2021年03月13日お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が7日、東京・本郷の東京大学 安田講堂で行われた「オンライン特別講義シリーズ『東大吉本対話』vol.1~ 言葉力が世界を変える?~」に出席。イベント後に行われた報道陣向けの取材に応じた。東京大学と吉本興業は、東京大学の「知」と吉本興業の「エンターテインメント」を掛け合わせた「笑う東大、学ぶ吉本プロジェクト」をスタート。同プロジェクトでは、2025年大阪・関西万博、その先のSDGs目標達成年次の2030年を見据えながら、学術とエンタテインメントの積極的な対話、協働を推進し、持続可能な新しい価値の創出と未来への提言を目指していく。その第1弾として行われたこの日のイベントでは、東京大学 大学執行役・副学長を務める佐藤健二大学院人文社会系研究科教授と吉本興業所属の又吉直樹が登場し、"言葉の生み出し方、捉え方""現代のコミュニケーション""私たちが持つべき言葉力"をテーマにした言葉にまつわる対談を実施。「これまでの人生で掛けられた言葉で忘れられない言葉は?」という視聴者からの質問コーナーでは「結成した時に相方から『伝説の始まりや』と言われて、ヤバい、時間かかりそうやな、とんでもない人と組んでしまったと思いましたね」と初めてコンビを組んだ時の綾部祐二が発した言葉を紹介した又吉は「伝説は始まらなかったんですけどね」と笑いを誘った。また、初めて訪れたという安田講堂の印象について「舞台に立ってみるとデザイン性が高いもので緊張感がありました。この会場の雰囲気と相まって貴重な体験ができたと思います」と好印象だった又吉。イベントの感想を問われて「すごく勉強になったし、言葉が持っている力そのものが広がったような立体的に捉えられたような気がします。ジャンルの越境は新しいものを生むことがよくあるので、異ジャンルに交わると新しい発見がありますね」と佐藤教授との対談で刺激を受けた様子だった。イベントではSNSなどで問題となっている誹謗中傷にも言及し、「自分の日記で書いている言葉は見せなければいいんですが、匿名である安心感から他者に向けてしまいます。そういう危険性があるということをみんなで共有しないと無くせないとは思いますね。思っていることを伝えても良いと主張される方もいますが、それによって失われるチャンスがあるということも広まっていけばと思います」と提言した。
2021年03月08日現在放送中のドラマ「天国と地獄~サイコな2人~」も話題の高橋一生が、野田秀樹1年半ぶりの最新作、NODA・MAP第24回「フェイクスピア」に主演することが分かった。“偽物”、“でたらめな”、“ごまかし”を指すフェイク。いまやSNSから現実世界にまで蔓延る“フェイク”な「コトバ」。50年近く劇作という仕事に携わり、その「コトバ」を生業にしてきた野田さんが、世界中を“フェイク”が跋扈する時代に、「コトバ」というものに正面から向き合ってみようという思いで新作に挑む。NODA・MAP初参加の高橋さんをはじめ、本作には川平慈英、大倉孝二、前田敦子、村岡希美、白石加代子、橋爪功、そして野田さんらが出演決定。東京と大阪で公演が予定されており、東京公演は4月、大阪公演は6月にチケットが発売される。NODA・MAP第24回「フェイクスピア」東京公演は5月24日(月)~7月11日(日)東京芸術劇場プレイハウス、大阪公演は7月15日(木)~7月25日(日)新歌舞伎座にて上演。(cinemacafe.net)
2021年03月04日お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が、YouTube公式チャンネル『ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル』でゲストに招いた井下好井の好井まさおから、マヂカルラブリーを救った後輩愛あふれるエピソードを明かされた。好井がゲスト出演した今回の動画は、又吉が10年前に感じていた100個以上の「あるある」について、歳を重ねた今どう思うのかを1つひとつ検証しながらアップデートしていこうという企画で、現在第3回まで公開されている。第3回の終盤、68つ目のあるある「電車の吊り革を持たず一歩も動かないという修業みたいなことをしている奴がおる」を見て、M-1グランプリで電車のネタを披露したマヂカルラブリーを想起した2人。そこで好井が「時間ないけどいいですか? 又吉さんの『後輩愛大爆発やけど、それ以外敵にしても構わない』話があったんですよ」と切り出す。ヨシモト∞ホールのランキングシステムで、マヂカルラブリーと井下好井が初めて上がって来たときのこと。マヂカルラブリーは当時タンクトップの衣装を着ており、それを見た“あるコンビのネタ作ってない方の先輩”が「キャラもんやん」と洗礼を施すような一言を。しかし「周りの後輩とか同期は『いやいや、面白いやん……」と思ってて」と、好井含むマヂカルラブリーを認める芸人たちは心の中で異を唱える。そこへ、読んでいた本を閉じて先輩の前にやってきた又吉が「いやーこれ絶対賞レース行くやん」とマヂカルラブリーに堂々と賛辞を送ったという。好井は「この人、先輩ですやん、又吉さんより!」と、又吉の行動を興奮気味に語り、「その先輩、又吉さんより先輩ですけど、又吉さんのほうが芸人支持率高いから」と、バツが悪そうに先輩が去っていったことを明かした。又吉は自分の席に戻り、再び本を読み始めたそう。思わぬエピソードを明かされた又吉は、少し照れくさそうに「若さを感じるな……」とつぶやき、「嫌やったんやろうな」と当時の心境を吐露。好井は「優しい!」と絶賛し、「マヂラブさんは、それ未だに喜んでますもん! 覚えてるし!」と誇らしげに話した。
2021年02月10日「5年前より良くなっていると、はっきり書いてくれていい」そう手応えを語るのは指揮者の井上道義。総監督を務める、野田秀樹演出のモーツァルト《フィガロの結婚》の再演ツアーが始まっている(東京公演は10月30日&11月1日・東京芸術劇場)。2015年の初演時に大きな話題を呼んだ衝撃的な《フィガロ》だ。理屈抜きに、とにかく楽しい。「前回は僕も病み上がりだったけど(編注:2014年に咽頭がんの治療のため半年間休養した)、今度は元気。それに野田さんが真にオペラを愛するようになった。斜に構えたところがなくなったから、僕も楽になって、お互いの良いところが出ていると思う」物語の舞台を幕末の長崎に設定しているのがこの野田版の一番のポイント。伯爵夫妻とケルビーノは海を渡ってやってきた外国人で、その使用人たちが日本人の「フィガ郎」や「スザ女」たちなのだ。庶民と貴族の対立構造を、幕末の日本人と外国人の関係に落とし込んでいてわかりやすいし、設定に合わせて原語のイタリア語と日本語混在で演じられるのも特色だ。その演出プランをリアルなものにするために、外国人役には外国人歌手を配役することが前提だった。しかしコロナ禍により海外からの入国が不能に。一時は舞台裏で歌う歌手に外国人俳優が口パクで当てぶりする方法も真剣に検討されたというが、最終的には伯爵にヴィタリ・ユシュマノフ、伯爵夫人にドルニオク綾乃という、日本在住の外国人とハーフの歌手を起用した。とくにドルニオクは、抜擢と言っていい。「新しいスターが出てきたことを喜んでほしい。初演からのメンバーは前回みっちり稽古を重ねたので自由自在。新しく入ったメンバーもそれに合わせることができる。とくに大山大輔君(フィガ郎)と小林沙羅さん(スザ女)が中心にいることで、野田さんも安心していた。この二人がいなかったらできなかった」もう一つ、野田の「言葉」へのこだわりも大きなポイント。歌詞や台詞はもちろん、字幕まですべての日本語訳が野田の書き下ろし。単純な直訳ではないから面白い。しかも表面的なウケ狙いでなく、そこにはダ・ポンテの台本を深く読み込んだ結果が反映されているのだという。その野田=ダ・ポンテの世界にモーツァルトの音楽を吹き込むのが指揮者・井上道義の役割。話題が演出に集中しがちなことをどう感じているのだろうか。「構わない。とくに記事にするときにはそれが勝つと思うけど、野田さん自身も『オペラの中心は音楽でしょ』と言っている。オペラの感動は演出ではなく音楽で起きる。それは良い歌手たちとの、その場その場のほんの一瞬の積み重ねでしかできないこと。演出が良いぶん、こっちも頑張らなきゃ」手直しが重ねられ、どんどんパワーアップしているという再演の舞台。初見の人はもちろん、リピーターの人にも思わぬ驚きが待っているはずだ。マエストロも「見ないと取り残されるよ(笑)」と誘う。必見。(取材・文:宮本明)
2020年10月21日ユニークな言葉遊びを散りばめた独創的な世界観で、国内のみならず海外の観客も魅了している野田秀樹。その劇作は、オリジナル戯曲から翻案作品、歌舞伎作品と、ジャンルにとらわれない多彩なものだが、10月15日(木)に東京芸術劇場 プレイハウスにて開幕する『真夏の夜の夢』は、野田がシェイクスピアの名作を大胆に翻案した作品だ。1992年に野田の潤色・演出で『野田秀樹の真夏の夜の夢』と題して初演されると、瞬く間に大きな話題となった本作。シェイクスピアの原作では、アテネの森を舞台に貴族たちの恋の物語が展開するが、野田版では日本の割烹料理屋「ハナキン」の人々が、富士のふもとの「知られざる森」を舞台に展開。その冒頭を少し紹介すると、創業130年の割烹料理屋「ハナキン」の娘・ときたまご(原作ではハーミア。以下同)には、板前のデミ(デミトリアス)という許婚がいたが、彼女は恋心を寄せる板前のライ(ライサンダー)と富士のふもとの「知られざる森」(アーデンの森)へ駆け落ちする。デミは、彼に恋している娘・そぼろ(ヘレナ)と共にふたりを追いかけ……というもの。さらに、その後の物語には、別作品『ファウスト』のキャラクターである悪魔・メフィストフェレスが乱入し、本来重要な役回りの妖精・パックの役目を盗み取り、原作ではあまり表現されていない嫉妬や憎悪といった負の感情表現も盛り込んだ破天荒な翻案に仕上げられている。今回、この舞台を演出するのは、ルーマニア演劇界を代表する演出家のひとりシルヴィウ・プルカレーテ。彼の演出は、水張りのプールや炎の吹き荒れる野外劇、150人超の出演者が観客を導いて移動しながらパフォーマンスするなど、観る者を圧倒する大胆なパワーに溢れていることで知られている。野田とプルカレーテは、お互いの国で上演を行う度に親交を深めており、今回、ついに初タッグが実現するのも注目だ。野田の真骨頂である言葉遊びと重層的な物語に浸っているうちに、切なく美しい喜劇へと集束していく本作。キャストには、鈴木杏、北乃きい、加治将樹、矢崎広、今井朋彦、加藤諒、手塚とおる、壤晴彦らが集結。日本とルーマニアが誇る鬼才の融合、そしてその世界観を体現するにふさわしい実力派たちによる刺激的な舞台を堪能してほしい。東京芸術祭2020 芸劇オータムセレクション東京芸術劇場30周年記念公演『真夏の夜の夢』原作:ウィリアム・シェイクスピア小田島雄志訳「夏の夜の夢」より潤色:野田秀樹演出:シルヴィウ・プルカレーテ10月15日(木)~11月1日(日)会場:東京芸術劇場 プレイハウス11月7日(土)・8日(日)新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場11月15日(日)長野・まつもと市民芸術館 主ホール11月20日(金)~22日(日)兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール に巡回文:伊藤由紀子
2020年10月15日お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が11日、YouTube公式チャンネル「ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル」に出演。悪口を聞いたときの反応で、自身が「信頼できない」と感じるシーンを明かした。「How to本や悩み相談では絶対お目にかかれない答えだらけ【#2 百の三】」と題した動画内では、自身が考える「信頼できる人と信頼できない人の見分け方」を紹介。“信頼できる人”について、「誰かが誰かの悪口を言ってるときに、寂しそうな顔をしてる人」「冷静さを自分に与えてくれる、ブレーキをかけてくれる人」と語った又吉は、「『そんなこと言うなよ』でもなく、『うーん……』っていう顔をされると自制される」とその理由を説明。一方で、“信頼できない人”については、「誰かの悪口を誰かが言ったときに、『俺も前から思ってた』って後出しで言う人は信頼できない」とキッパリ。一般的には、「悪口を言ってるときに、一緒になって悪口を言ってくれるから信頼できるっていう人の方が多いかもしれない」としながら、「でも僕は、自分が悪口を言ったときに、それに乗っかって一緒に悪口を言われると、その瞬間の安心感はあるんですけど、2人で滅亡する可能性があるなって」と持論を展開していた。
2020年09月14日東京芸術劇場の芸術監督・野田秀樹によって、1996年に初演された代表作『赤鬼』が7月24日(金・祝)に開幕する。1700人以上にのぼる応募者の中から野田によって選び抜かれ、錚々たるアーティストたちとワークショップを重ねてきた「東京演劇道場」の道場生たちによる初舞台だ。新型コロナウイルスの感染防止を期して臨時休館していた東京芸術劇場。満を持して上演される自主事業公演第一弾がこの作品だ。言葉が通じず得体の知れない男が、小さな漁村に現れるところから物語は始まる。その男とのコミュニケーションを模索する者があり、それを遠巻きに覗き見る者があり、徹底的な駆逐や排除を望む者もある。人が、突然「異物」に出くわしてしまった場合の、あらゆる反応が描きこまれた問題作である。日本の人気俳優陣をはじめ、海外でもイギリス・タイ・韓国で上演を重ねてきた本作に、今回挑戦するのは「東京演劇道場」の面々だ。野田秀樹の指揮のもと、2019年より始動。国内外から野田が招いた講師によるワークショップを行い、芝居の自由な交流の場を目指して訓練を重ねてきた彼らが、4つのチームを形成し、物語世界を縦横無尽に行き交う。折しも現在、世界中が、目に見えない脅威を恐れている。その様を、野田はこの物語に重ねる。「ひとたび、見えないものを怖がり出すと、見えないだけに、その“恐怖心”はなかなか拭い去れない。(中略)その“見えないもの”に耐えきれず、時に“精神”は暴発する。向かう先は、“他者”である」と野田はコメント。責めるべきものを見つけるやいなや、寄ってたかって大炎上する昨今の風潮は、まさにその縮図である。「この時節だからこそ、やる価値も見る価値もある作品に仕上がってしまった。そう信じて疑わない。“表現”は、恐怖心とはまた別の、人間が誇るべき“精神の暴発”だからである」と野田。SNSにあふれる不健全なエネルギーにお疲れの向きは、じかに触れて、目に焼き付けるべき舞台だ。公演は8月16日(日)まで東京芸術劇場シアターイーストにて。文:小川志津子
2020年07月24日「青山は愛情深くて、すごい強い人だなと思います。1回や2回なにかがあったくらいじゃ、その人を見放すことができないってところは私と似てますね」又吉直樹の恋愛小説を映像化した映画『劇場』(4月17日公開)。客足が伸びずに悩む劇作家・永田(山崎賢人)の友人で、元劇団員の青山を伊藤沙莉が演じた。「永田はプライドが高くて、ここまで不器用かってくらい人と接するのが苦手な人物で。そんな人でも青山は事あるたびに気にかけて、それた道から戻してあげようとするんです。私自身も、永田と同じで、俳優の世界で立ち止まれないっていうプライドはありますね」(伊藤・以下同)いちばんお気に入りのシーンは青山と永田が“業界飲み”に参加する場面だそう。「とにかく業界臭がすごいんです!エキストラで本物の業界人の人も出演していて、これがリアルだと思って見てほしいです。楽しんでいる人と、そうでない人の差が表情に出ているところに注目してください(笑)」これまでコメディからシリアスまで幅広い役柄を演じてきた伊藤だが、役がプライベートに影響することはないという。「毎回カットってなったら『イエーイ』ってテンションになってます(笑)。役にはあまり左右されないですね。ただ、ふだんから自分はこう!というのがないんですよ。基本的に情緒不安定で……よく大人子供って言われてます(笑)」今作では面倒見のいい役を演じたが、プライベートでも唯一“青山”のようになる人物が。「お兄ちゃんに対しては、“青山すぎ”ってほど青山ですね!この前も遅刻したんで長文メールで叱ってやりましたよ(笑)。今、遅刻癖を正している最中なので見限んないでやってください」兄は昨年の『M-1グランプリ』で決勝に進出したお笑いコンビ・オズワルドの伊藤俊介。現在も2人暮らしを続けている。「ボロボロの家に住んでいたお兄ちゃんがほっとけなくて……1人暮らしをするタイミングで同居することにしたんです。同じ業界にいるので話も合いますし。あと、全然頼りにならないけどセキュリティですね。オリジナルアルソックって感じで家にいます(笑)」昨年から声優にも挑戦。今後も新しい経験をしていきたいという。「基本的にドMなので壁にぶち当たりたいんですよ。それが壊せなくても向き合っている時間が楽しいんです」「女性自身」2020年4月14日号 掲載
2020年04月06日『カキフライが無いなら来なかった』で組んだ名コンビ、せきしろさんと又吉直樹さんが、『まさかジープで来るとは』から10年ぶりに帰ってきた!シリーズ第3弾となる『蕎麦湯が来ない』は、連載に、自由律俳句とエッセイを書き下ろしで大量加筆。読み応えもたっぷりだ。「最初の『カキフライ~』が出たとき、僕は29歳で、もうまもなく四十になりますし、その間いろいろありました」(又吉直樹さん)「連載はずっと続いていたので、そんなに間が空いた感覚はなかったんですが…。僕より又吉くんは身辺が変わりましたよね」(せきしろさん)「なにせ相方がニューヨークに行きましたから。俳句の本を出した人間史上初めてじゃないですかね、それ」(又吉さん)と、インタビュー中も息の合ったやりとりが微笑ましい。本書は、ふたりの自由律俳句と、その句に呼応するようなエッセイで構成されている。先に句が浮かびエッセイになるときも、エッセイから句になるときもあるそうだ。決まりがあるようなないような、ゆるいルールが実はキモ。言葉とどう格闘するか、世界を切り取るか。個性的な才人ふたりの化学反応によって、面白さに磨きがかかる。おふたりから見た、自由律俳句の魅力とはなんなのだろう。「僕の場合は、説明したくない、言いたいことだけ言いたいというのがあって、自由律俳句ならそれができるんですよね。いま自分は蕎麦屋にいて、食べ終わってて…と説明なしに、ずばりと『蕎麦湯が来ない』で終われる。その感じは自分に合っているなと思います」(せきしろさん)「共感を引き出せるのが面白いというか。共感というと、みんなが思いつくあるあるネタのように捉えられがちなんですが、『10人いたら5~6人はそこ言うよね』というところは避ける。特にせきしろさんは、絶対詠まないですよね。むしろ、10人いて1人いるかいないかのポイントを突いて、『言われてみればそうだな』と納得させる。せきしろさんの句はご自身が俳句で笑わそうとしているわけではないのに、わかりすぎて笑ってしまいます」(又吉さん)数句取り出してみる。カツ丼喰える程度の憂鬱(又吉直樹)憂鬱を切り裂く保育園児の散歩(せきしろ)コーラを好む老人の過去(せきしろ)路上で卵の殻を剥いていた老人(又吉直樹)同じ言葉が出てきても、見えてくる情景はまるで違う。おふたりも、思いがけない相手の句に驚くこともしばしばらしい。ゆえに、互いが互いのいちばんのファンだと言う。「又吉さんは僕とはまったく違う視点で来るから、かぶることがない。こんなに広い視野を持っている人がいるんだと感心するし、悔しくなるほど虜です」(せきしろさん)「〈すまないがきつねの影絵しかできない〉というせきしろさんの句があるんです。一瞬でわかるというより、謝りながら影絵をやってる彼の状況を想像するとより面白い。噛めば噛むほどといいますが、せきしろさんのはそういう感じ」(又吉さん)ふたり合わせて404句が収録されているが、その3倍は詠み、絞りに絞ったものばかり。「最後の最後まで、差し替えたりしましたね。過去の句と似たものにならないようにするのがけっこう大変なんです」(せきしろさん)「居酒屋のメニューを詠んだ句なんていくつあるのか。砂漠とか行ったことのない場所にでも行かないと浮かばないとか思うけど、だからこそ新しいのがひらめくとうれしい」(又吉さん)ふたりの作風をくくるなら、見過ごせばいいかもしれないことを見過ごせない、そのこだわり。エッセイも然りで、どこかショートショートのような趣が読んでいて楽しい。連載は終わってしまったが、このふたりの無敵のタッグに、まためぐり合いたいと切に願う。『蕎麦湯が来ない』これまでのシリーズでは、写真も著者のふたりが撮影担当していたが、本書では本シリーズを手がけてきたデザイナーの小野英作氏によるもの。404句の自由律俳句と50編の散文を収録。マガジンハウス1400円写真左・せきしろ1970年、北海道生まれ。文筆家。ハガキ職人、構成作家を経て、2006年に初の単著『去年ルノアールで』(小社刊)を出版。『たとえる技術』(文響社)、小説『海辺の週刊大衆』(双葉文庫)ほか、単著、共著多数。写真右・またよし・なおきお笑い芸人、作家。2015年、小説デビュー作『火花』で芥川賞を受賞。小説のほか、随筆や自由律俳句の世界でも才能を発揮。『又吉直樹のヘウレーカ!』(NHK Eテレ)などテレビの冠番組も持つ。※『anan』2020年4月1日号より。写真・中島慶子取材、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2020年03月27日3月1日、劇作家で演出家の野田秀樹(64)が新型コロナウイルス感染症による劇場公演中止に警鐘を鳴らした。野田は「公演中止で本当に良いのか」と題し、ウェブサイト「NODAMAP」上で意見書を発表。「感染症の専門家と協議して考えられる対策を十全に施し、観客の理解を得ることを前提とした上で、予定される公演は実施されるべき」と意見を述べた。さらに野田は、劇場の閉鎖により再開が困難になることを「演劇の死」という言葉で表現。“演劇は観客の存在により成立するもので、劇場が閉鎖されるという前例を作るべきではない“と主張した。実際に流行する新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの公演が中止を余儀なくされている。倉科カナ(32)主演の舞台『お勢、断行』は2月28日に初日を迎える予定だったが、地方公演を含め全公演が中止となった。野田の意見書を受け、ネットでは様々な意見が上がっている。劇作家で演出家の平田オリザ(57)はツイッターで意見書に対し、《私も連帯を表明します。》と支持。同じく劇作家で演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(57)も、ツイッター上で《俺だって連帯を表明します。》とした。脳科学者の茂木健一郎(57)も意見書に賛同。《さまざまな手段、工夫は尽くした上で、公演中止は最後の選択肢であるべきでしょう》と述べた。しかしSNS上では、感染症予防という点に重きを置いた批判の声も多い。《もし公演をして感染が広がったら、そのせいで劇場の評判が落ちるかもしれない》《命を守ることの方が大事だと思う》《感染が広がって観客がいなくなれば、それこそ「演劇の死」では?》公演を行うべきか、中止すべきか。難しい問題に議論は続きそうだ。
2020年03月02日