急性心不全のために亡くなった西城秀樹さん(享年63)の楽曲が、5月28日付オリコン週間デジタルシングルランキングで急上昇したと23日にわかった。 最上位は、「ブルースカイブルー」の8位。他にも「YOUNG MAN (Y.M.C.A.)」が21位に「ターンAターン」が47位と合計5曲がTOP100入りしている。 また音楽配信サイト・iTunesのシングルランキングでもTOP100中、西城さんの楽曲が6曲ランクイン。オリコン同様、「ブルースカイブルー」が最上位で16位を記録している。 「ブルースカイブルー」は78年8月にリリースされた、西城さんにとって26枚目のシングル。作詞を阿久悠さん(享年70)が、作曲を馬飼野康二(70)が務めるという“黄金コンビ”による楽曲。同楽曲により、「第20回日本レコード大賞」の金賞を受賞している。 ネットでは「ブルースカイブルー」を絶賛する声が上がっている。 《YMCAよりも『ブルースカイブルー』が好き。秀樹の伸びきった歌声、素晴らしいです》《この曲の時の秀樹さんは20代前半でしたよね?あれだけの声量で歌い上げる歌唱力は、今聴いても鳥肌がたちます》《やっぱりブルースカイブルーなんだ。西城秀樹の本当の歌唱力を堪能するのにこれ以上の曲はないと思うので、納得》 また改めて西城さんの歌声を讃える声も。 《西城秀樹さんの曲を何曲かダウンロードした。今は寂しい気持ちで切なくなるけど、歌を聴いてると元気になる曲ばかり》《子供の時、毎日当たり前の様にTVで聴いていた秀樹の歌。大人になり、そして秀樹が亡くなった今、また改めて素晴らしい曲の数々に驚いています》《秀樹の歌唱は誰にもマネ出来ない 西城秀樹は唯一無二の存在 やっぱ天才だよ これからも聴き続けるよ ありがとう秀樹さん》 WOWWOWプラスは27日、歌謡ポップスチャンネルで西城さんが過去出演した番組を追悼特集として放送すると発表。NHKで77年に放送された「ビッグショー西城秀樹」や82年の「レッツゴーヤング」(NHK総合)などを放送するという。
2018年05月23日お笑い芸人・土田晃之が、16日に亡くなった歌手・西城秀樹さんについて、20日放送のニッポン放送『土田晃之 日曜のへそ』(毎週日曜12:00~14:00)で語っていた。西城秀樹さん子供の頃、西城さんと榊原郁恵が好きだったという土田は、西城さんについて「テレビで見てね、憧れ、アイドルな存在だった」と明かし、「そういう感じの人がやっぱり亡くなるって、ちょっと感慨深い」と、自らの心境を吐露。さらに土田は、「特に秀樹さんに関しては、まだお子さんがね、3人とも小さいから。やっぱ、子供の成長が一番見たかったんじゃないかなと思って」と語っていた。
2018年05月23日5月16日に急性心不全で永眠した歌手・西城秀樹さん(享年63)は、最期まで歌への情熱を失わなかった。 彼が知人に紹介され東京・台東区にあるリハビリ施設『ジェイアール ワークアウト』を訪れたのは、還暦ライブで話題になった直後の’15年5月ごろだったという。院長を務める大明龍八さんは言う。 「秀樹さんは、『身体のしびれがひどくて、夜も眠れない』と訴えていました。うちのメニューは、本当にハードです。特に足を地上から離して身体を宙に浮かせた状態にする『空中トレーニング』というプログラムもあるのですが、秀樹さんは苦しさのあまり、悲鳴やうめき声を上げることもありました。しかし半年ほどたって、めまいやしびれが緩和してくると、ここのトレーニングに夢中になってくれるようになりました」 横浜市の自宅から施設までは1時間半もかかる。だが西城さんは、週に4~5日も通い続けたのだ。 「リハビリの時間は決まっていて、午後2時から5時までの3時間です。マネージャーさんが付き添うこともあれば、ご家族がいっしょに来ることもありました。特に今年に入ってからは、ご家族がいっしょのことが増えましたね。奥さんが来ると秀樹さんはいつもより頑張る、お子さんがいっしょだと、もっともっと頑張る(笑)。だから、私たちもご家族には『ぜひいっしょにいらしてください』と、お願いしていたのです」 西城さんがリハビリに励んでいるときは、妻の美紀さん(45)は自分もストレッチをしてみたり、夫を応援したりしていたという。 「『パパ、もうちょっと!』とか、『頑張れ!頑張れ!』って。お嬢さんは秀樹さんに似た美人で、ものすごく性格が明るい。ここでダンスをしていることもありました。将来の夢はダンサーだそうです。秀樹さんが、よく話していたのは家族のこと、そして歌のことです。『私が仕事をしないと、子供たちの将来が心配だ』と言っていたこともありました。また『傷だらけのローラ』を全部振り付きで歌うことも目標にしていました」 西城さんは倒れた4月25日も、夕方までこの施設でリハビリに励んでいたという。
2018年05月23日歌手の西城秀樹さん(63)の訃報を受け、西城さんのものまねで知られるものまねタレントのバーモント秀樹(年齢非公表)が17日にブログを更新。西城さんを追悼した。 バーモントは西城さんとの2ショット写真を掲載。「西城秀樹さん。」のタイトルで、「西城秀樹さんの訃報テレビで知りました。とてもビックリしております。信じられません。ショック過ぎて言葉が見つかりません」と胸中を吐露。 西城さんと対面した際のことを、「楽屋挨拶の時も~大変お優しくて~とても嬉しかったのを覚えております」と振り返った。 また今後について、「これからも秀樹さんの数々の名曲~微力ながらステージで真面目に歌い~伝えさせて頂きたく思っております」と意気込んだ。 「20以上のレパートリーがあるようですが、十八番はもちろん西城さん。その際は、西城さんの代表曲『YOUNG MAN(Y.M.C.A.)』で着用したアメリカ国旗風の衣装に、地毛の長髪姿。いわば“正統派”のものまねです」(芸能プロ関係者) そして、そのものまねはストイックなまでにぶれることがないというのだ。 「西城さんのネタもそうですが、20年以上、持ちネタを一語一句変えようとしない。アドリブも挟まないため、『「カセットテープ芸人』と呼ばれています。親交のあるお笑いコンビ・オードリーの春日俊彰さんは出演した番組でその芸を評して、『完成された芸だから(芸の変化は)必要ない』と称していたほどでした」(テレビ局関係者) ブログにつづったようにしっかりと西城さんの“遺志”と受け継ぎ、西城さんの名曲の数々を歌い続けてほしいものだ。
2018年05月19日5月16日に西城秀樹さん(享年63)が急性心不全で亡くなったことを受けて、翌17日に西城さんの自宅へと弔問した小川知子(69)。西城さんとの“対面”を果たした後、取材陣からコメントを求められた。 西城さんとは家族ぐるみの付き合いだったという小川。関係者に支えられ大粒の涙を溜めながらも、美紀夫人から託されたメッセージがあると明かした。そして、美紀夫人の“胸中”をこう代読した。 「倒れて入院してから2、3週間、毎日病院で看病できたことがすごく幸せだった。子供たちも最期に立ち会えたことが良かったと思います。(亡くなった実感がなく)まだ夢のようです」 西城さんは01年5月、当時会社員だった18歳年下の美紀さんと結婚。1女2男に恵まれた。2度の脳梗塞で身体には麻痺が残ったが、西城さんは「(子供たちを)追っかけていけるように、走れるようになりたい」と話していたという。 小川は西城さん夫婦の闘病と看護の日々を回想し、こらえきれず涙。言葉に詰まりながらも「愛してるよ……。かっこいいよ、秀樹。あの世でもモテるだろうから気をつけなさい」と空を仰いだ。 ネットでは小川の回想を受け、美紀さんの家族愛に感動する声があふれている。 《結婚生活の大半が看病と介護だったでしょうに、最期の時を幸せ、と言える奥様は素晴らしいと思います》《3人の子宝にも恵まれて、年齢の近い子供3人の育児と秀樹さんのお世話を最後まで両立されるなんて、すごく立派だと思う》《秀樹さんも家族を愛していたから辛いリハビリに耐えて、ありのままの姿を見せてきたんだろうなぁ》
2018年05月18日西城秀樹さんが急性心不全のため63歳で死去していたことが5月17日、明らかになった。親交のあった著名人らは続々と追悼のコメントを発表。各スポーツ紙やワイドショーは大々的に訃報を報じ、故人を偲んだ。 そんな西城さんの代名詞とも言える曲といえば、「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」。一昨年には「ワイモバイル」のCM曲としても使用され、お茶の間にも改めて浸透していた。 「78年に渡米した西城さんは現地で人気ディスコミュージック・グループのヴィレッジ・ピープルの『Y.M.C.A.』を気に入り、カバーを決意。歌謡曲風にアレンジしました。『Y』『M』『C』『A』の4文字を全身で表現するダンスで、観客参加型のパフォーマンスがブームとなる要因となりました」(ベテラン芸能記者) そんな同曲だが、今後も多くの歌手たちによって歌い継がれていくことになりそうだ。実際、すでにカバーもされているという。 「名古屋が拠点のグループ・BOYS AND MEN(以下ボイメン)は、16年発売のアルバム『威風堂々~B.M.C.A.~』に収録。タイトルは『ヤングマン~B.M.C.A.~』で、ボイメンのテーマ曲的なアレンジになっています。またGENERATIONS from EXILE TRIBEは、17年発売のアルバム『涙を流せないピエロは太陽も月もない空を見上げた』に収録。キレキレのダンスを披露し、MV動画が公開されるや大人気でした」(レコード会社関係者) 西城さんが天国へと旅立った後も、名曲はファンに届き続ける――。
2018年05月18日5月17日に西城秀樹さん(享年63)が急性心不全で亡くなったとの報道を受け、西城さんと同じく“新御三家”として活躍した郷ひろみ(62)と野口五郎(62)らがコメントを発表した。 郷は“新御三家”の関係性について「長男は五郎、次男は秀樹、末っ子が僕でした」とコメント。「秀樹が先に逝ってしまったこと、とても悲しい気持ちでいっぱいです」と心境を明かし、こう思い出を回想した。 「デビュー当時、右も左も分からなかったぼくに『ひろみ、何か分からないことがあったら、俺に聞いてくれる?』と親身になってくれたこと、一生忘れません。心からお悔やみ申し上げます」 いっぽう野口はショックのあまり、直接対応することは難しい状態だという。事務所を通じ、「あまりにも突然で今は言葉が見つかりません。気持ちの整理がつくまで、少し時間を下さい。申し訳ございません」と動揺がうかがえるコメントを発表した。 野口は西城さんが15年に行った還暦コンサートにサプライズで登場し、ケーキをプレゼント。熱い抱擁を交わし、「何か一緒にやろう」と約束をしていた。 ネットでは西城さんの訃報を受け、“新御三家”についてのコメントが溢れている。 《御三家にとっては心をもがれる思いでしょうね……何時もライバルとして歌を競い合って来たのだから》《この3人は同い年でコントや歌を一緒にやることも多かったので、同志との思いが強く、ひろみさんと五郎さんの悲しみは尽きないと思う》《新御三家の三人が同じ舞台に立っている姿をもう一度見たかったなぁ》
2018年05月17日タレントのモト冬樹(67)が17日、オフィシャルブログを更新し、前日に63歳で亡くなった歌手・西城秀樹さんとの思い出を明かした。モト冬樹西城さんの訃報を速報で知ったというモトは、「死因は急性心不全ということだ」「驚いたというよりショックだ」と心境を吐露。「脳梗塞を発症し右半身麻痺の後遺症が残る中で家族のためにあんなに頑張っていたのに」「ご遺族の方々のお気持ちを考えるといたたまれない」と西城さんの闘病とそれを支えた家族を思いやる。また、「俺と妻は結婚前 秀樹君のディナーショーに何度も行っていた」と縁があったことに触れ、「お客様と踊るコーナーで秀樹君が妻と踊った時にはとてもてれくさかった思い出がある」「我々の結婚パーティーでもお祝いスピーチをしてくれた」と懐かしむ。そして、「彼の力強いアクションをつけながら全身で熱唱する姿はいまも目にやきついている」と在りし日の姿を呼び起こし、「残念の一言だ でも一番悔しいのは彼自信かもしれないな」「西城秀樹君たくさんの素晴らしい歌をありがとう」「本当にお疲れさまでした 心からご冥福をお祈りいたします」と記している。
2018年05月17日歌手の西城秀樹さんが急性心不全のため16日に死去したと、17日放送のフジテレビ系情報番組『バイキング』(毎週月~金11:55~13:45)が報じた。63歳だった。西城秀樹さん別のニュースについて討論していた途中、MCの坂上忍が「えっ、ちょっと、すいません」と驚きを隠せない様子でトークを中断。同局の榎並大二郎アナウンサーが「歌手の西城秀樹さんが63歳でお亡くなりになったというニュース速報が飛び込んできました」と伝えた。フットボールアワー、薬丸裕英、横澤夏子ら出演者も、突然の訃報に「えっ」と絶句。坂上は「あとで情報を得次第、お伝えできたらお伝えしたいと思います」とアナウンスした。また、テロップでも「歌手の西城秀樹さん(63)が死去」と表示された。その後、「とれたて!ニュースバイキング」のコーナーで、あらためて西城さん死去について報道。4月25日に自宅で倒れ救急搬送され、5月16日23時53分に家族に看取られ亡くなったという。死因は急性心不全とのこと。
2018年05月17日「傷だらけのローラ」「YONUNG MAN(Y.M.C.A)」などのヒット曲で知られる歌手の西城秀樹さんが5月16日、急性心不全で死去した。63歳だった。 郷ひろみ(62)、野口五郎(62)らと「新・御三家」として’70年代に一世風靡したが、’03年と’11年に脳梗塞を発症。西城さんは’14年、本誌のインタビューで闘病中の苦悩を告白していた。 「時間がたつにつれて右半身に後遺症が出てきて、毎日考えるのはネガティブなことばかり。『この先どうなるんだろう……』『もうステージに立てないんじゃないか……』とか。それが高じて一種のノイローゼ状態になって、ついには『死にたい』と思うようになった。妻や子供たちがいるにもかかわらず。その状態が再発から1年近く続いたんじゃないかな……」 絶望の日々から彼を立ち直らせたのは、18歳年下の夫人、長女、長男、二男の家族一丸となっての支えだった。 「最初に脳梗塞を発症したとき、妻から『焦らないで、ゆっくり治していこうね』と言われました。その言葉が頭にあって『そうだ。とにかくできることから、ゼロから歩もう』と思ったんですね」 子どもたちも、西城さんを気遣っていたという。 「男の子たちは一緒に入浴したとき、右手が不自由な僕のために背中を流してくれる。また、暗いところを歩くときや、階段を昇り降りするときは『パパ、危ないから』と言って、必ず手を差し伸べてくれます。もちろん長女も。そういうときは、本当にありがたい、嬉しいと思う反面『迷惑をかけたくない』とも思う。その思いが、リハビリの励みになるんです」 懸命にリハビリを続け、還暦を記念したアルバムを完成させた西城さんは、その先の目標をこう語っていた。 「願わくば、いちばん下のチビが20歳になるまで現役でいたいです。だから最低あと10年。健康に十分気をつけて、歌い続けていきたいと思っています」 この言葉から4年。「あと10年」という願いは届かず、西城さんは天国へと旅立っていった――。
2018年05月17日グラビアアイドルの吉野七宝実(よしの しほみ)がこのほど28日、東京・秋葉原のソフマップで最新イメージDVD『いけない衝動』(発売中 4,104円税込 発売元:ギルド)の発売記念イベントを行った。DVD『いけない衝動』の発売記念イベントを行った吉野七宝実AbemaTVで現在配信している『土曜の夜は尻上がり!「ピーチゃんねる」』(毎週土曜 23:30~25:00)にレギュラー出演して人気を博している吉野七宝実。妖艶な雰囲気に86cmのFカップバストと豊満ボディーが魅力で、これまでリリースしたDVDは好セールスを記録している。そんな彼女の3枚目となるDVDは、都内と山梨・河口湖で撮影。秘書に扮した吉野が社長とイケない行為を繰り広げるという刺激的な1枚となっている。セクシーな黒水着で登場した吉野は「内容はホテルを経営している会社の秘書役で、社長といけない衝動に走るというお話になっています。普通だったらありえないんですが、この秘書はハレンチな人なんでしょうね。バスの中で自ら脱いだりしちゃってます(笑)」と最新作について説明。秘書を感じさせるシーンとして「オフィスのシーンでは白いスーツを着て悩んでいる社長さんの相談にのるんですが、その内社長にスーツを脱がされちゃいます(笑)」と自身の性格とは異なると強調しつつ、「お風呂のシーンです。洗いっこされたりしちゃいました(笑)。そのシーンは何もつけずバスタオルだけ隠しています。バスタオルの下は全裸なんですが、そのバスタオルもなくなっていきますよ」とセクシーアピールも忘れなかった。オフィスやオフィス外で社長と秘書という関係性から仕事の域を越えてハレンチ行為が繰り広げられる同DVD。世間では「セクハラ問題」が報道されているが、それについて「女性の立場からしてイケない関係になるのは合意の上なら良いと思います。合意じゃなくてヤッちゃうから問題になる訳で。ちゃんとコミュニケーションを取ってそういう行為をして欲しいですね」と世の男性に注文をつけていた。
2018年05月06日劇作家で俳優の野田秀樹が作・演出・出演する英語劇第4弾『One Green Bottle』が4月30日、ロンドンのソーホー劇場で開幕した。【チケット情報はこちら】大小の劇場が立ち並び、世界中からの演劇ファンが集まるウエストエンドの中心にあるソーホー劇場は、わずか150席の小さな劇場でありながら、常にチャレンジングな作品を上演し、感度の高い若者を中心に人気を誇る劇場だ。過去には『THE BEE』『THE DIVER』を上演し、ロンドン演劇界に野田秀樹の名前を大きく知らしめることとなったソーホー劇場にて、満を持して約10年ぶりの英語版最新作の上演となった。濃密な劇場空間は、野田の最新作が上演されると聞きつけた観客が詰めかけ、立ち見が出るほどの大盛況で初日が開幕。出演の野田、キャサリン・ハンター、グリン・プリチャードの3人による丁々発止の台詞の応酬に、序盤から客席は大きな笑いに包まれた。野田が英語で書き下ろしただけでなく、日英ハーフの若手脚本家・ウィル・シャープと文化的な翻訳を行い、練り上げられた台詞や、歌舞伎の型を取り入れた独特な身体表現、田中傳左衛門の鼓の生演奏などの演出は、ロンドンの観客に多いに受け入れられた。後半の息をのむ展開には客席は水を打ったように静まりかえり、幕が下りるや否や割れんばかりの大きな拍手や感嘆の声。小さな劇場空間を揺らす大反響となり、熱気あふれるヨーロッパ公演の幕開けとなった。興奮冷めやらぬ、初日の幕が下りた直後に野田は「今日の初日は、舞台に出た瞬間から観客の反応がとても良かった。イギリスでプレスナイトは、目の肥えたプロが観にくる日なので、観客の反応が固いことがあるんですが、ロンドンで上演してきた今までの作品のオープニングの時と比べても、今日の観客の反応には十分な手応えを感じることができました。まだ、(劇評がでていないので)これから何が起こるかわからないけれど、自分の中では、いい芝居だった。と思います。いい始まりになったと思います。」 とコメント。5月19日(土)までのロンドン公演の後、6月8日(金)・9日(土)にはルーマニア国立ラドゥスタンカ劇場での上演も予定されている。なお、野田による日本での次回公演はNODA・MAP第22回公演 『贋作 桜の森の満開の下』がすでに発表になっており、9月1日(土)から12日(水)まで東京・東京芸術劇場プレイハウス、10月13日(土)から21日(日)まで大阪・新歌舞伎座、10月25日(木)から29日(月)まで福岡・北九州芸術劇場 大ホールにて。その後、9月28日(金)から10月3日(水)までフランスの国立シャイヨー劇場でのパリ公演の後、11月3日(土)から25日(日)まで、再び東京芸術劇場プレイハウスにて東京公演を上演する。
2018年05月02日浪川大輔と吉野裕行の人気声優ユニット「Uncle Bomb」の初冠番組「おじさん爆弾」。2018年記念すべき第1回目放送となる1月24日(水)の回では、2人が銀座でいま話題のフィットネスに挑戦することか分かった。昨年7月よりスタートした、「Uncle Bomb」の2人が送るオリジナルバラエティ番組「おじさん爆弾」。数々のアニメ作品はもちろん、『スター・ウォーズ』シリーズ(アナキン・スカイウォーカー役)など海外作品の吹き替えも多く担当する浪川さんと、「機動戦士ガンダム00」「薄桜鬼」「ハイキュー!!」など人気作に出演する吉野さん。人気声優として声優界でポジションを築いた2人だが、体力が低下し徐々にキツくなる年齢に…。アラフォーは無理をすると怖い、まさに爆弾を抱えている状態!ということで、本番組ではアラフォーなりの頑張りで様々な企画をお届けする、年相応それ相応のバラエティ番組となっている。今回の放送は正月休みで鈍った体を引き締める、題して「おじ爆フィットネス」!“代謝”がテーマのこの番組だが、ちゃんと代謝を上げようとする企画は実は初めて。まず最初に向かった先は、電気刺激での加圧と最新テクノロジーの融合でなんと通常の3倍の運動効果が得られるという、大人気のトレーニングスタジオ。特注ボディスーツを着用とのことで、「Uncle Bomb」の貴重な生着替えシーンも…?ウォーミングアップからスタートするのだが、2人の鈍った体はすでにスタミナ切れの模様?慣れない電気刺激トレーニングには悶絶し、息も代謝も上がりっぱなし…。続いて訪れたのは、NY生まれの新感覚空中エクササイズ。身長も伸びると聞いた吉野さんは、特にやる気十分。始めは笑顔の2人だったが、ハンモックを使った見た目のオシャレさとは裏腹に、少しずつ難易度が上がっていき、汗と震えが止まらず、代謝も表情も限界を超える!?また、珍しくしっかり代謝を上げた今回に対して、これまで放送してきた全6回の中から特に代謝の上がらない、特にゆるかったシーンのワースト5を発表。さらに、番組で募集してきた視聴者からのアイキャッチ動画を一挙公開する特別企画など、今回も見どころ満載だ。「おじさん爆弾」第7回は1月24日(水)23時~CSテレ朝チャンネル1にて放送。(cinemacafe.net)
2018年01月21日歌手の西浦秀樹(34)が29日、自身のブログを更新し、オープニングアクトを務めた「札幌コレクション2017」(北海道・北海きたえーる)について報告。同イベントでKAT-TUN脱退後初ライブを披露した歌手の田口淳之介との2ショットも公開し、反響を呼んでいる。西浦は「初めての北海道そしてファッションショーという事もあり 自分にとっては難しいステージかな?と思っていましたが。。札幌の皆さんはとても暖かく迎えてくれました。『ヒデキー!』って声が聞こえてきた時は素直に嬉しかったー 笑」とつづり、「そして自分の一番の推し曲『背中』はMCから歌までしっかり届けられたと思います」と手ごたえ。「stage終わりにブースで自ら宣伝チラシを配っていましたが反響が良くて本当にビックリ!!」と反響に驚きを示した。そして、「15分あっという間やったけど、一秒一秒無駄にする事のないようマネージャーと打ち合わせを重ねてきたから、今日の達成感は何とも言えません。思い出すたびに感情が込み上げてくるし、何より本当に楽しかった」と振り返り、「楽しませてくれたのは暖かく迎えてくれた皆さんのお陰です。本当にありがとう!」と感謝。「また札幌で歌える日を楽しみにしてます!」と記した。また、イベントに出演した同じ事務所に所属しているモデルの舞川あいく、トラウデン直美や、モデルでタレントのダレノガレ明美、男性8人組グループ・SOLIDEMOとの写真を掲載。さらに、KAT-TUN脱退後初ライブとなった田口淳之介とのツーショットを公開した。ファンからは「とても感動しました」「背中聴いてたら涙が…」「サイコーです」「とっても素敵な歌声」「素敵な曲で、声がめっちゃ好きです!!」「いい声!」と絶賛の声が続々。また、「田口くんが普通にアメブロに出てきたので驚きましたww」「田口くんとの写真もすごい」「田口くんスキー!西浦さんもスキになりました!www」「田口くんとの写真うらやましい!」と、田口との2ショットに驚きや喜びの声が寄せられている。
2017年05月01日野田秀樹が故・十八代目中村勘三郎へのオマージュの意を込めて書いたNODA・MAP『足跡姫~時代錯誤冬幽霊~』が開幕。公演に先立って、17日に公開舞台稽古が行われた。NODA・MAP『足跡姫~時代錯誤冬幽霊~』チケット情報物語の時代は江戸。幕府から御法度とされている女カブキが、河原で上演されている。三、四代目出雲阿国座の看板踊り子、三、四代目出雲阿国(宮沢りえ)と、踊り子ヤワハダ(鈴木杏)が妖艶な踊りを見せるこの女カブキを、歌舞伎の『伊達の十役』ならぬ、“伊達の十役人”(中村扇雀)は様々に役を変えながら取り締まろうとする。阿国の弟、淋しがり屋サルワカ(妻夫木聡)ら男たちが踊り子達にすり替わり難を逃れるが、サルワカは一座の座長、万歳三唱太夫(池谷のぶえ)の逆鱗にふれ、一座に紛れ込んだ、腑分けもの(野田秀樹)、戯けもの(佐藤隆太)ら、さらには阿国までが、一座を追い出されそうになってしまう。そこで弟の窮地を救い、一座に残るべく、阿国は座長に嘆願し、出雲阿国座の再興の夢を託して、サルワカに女カブキの「筋」となる台本を書かせる。しかし、大衆をあっと言わせる「筋」など書くことができないサルワカの前に、売れない幽霊小説家(古田新太)が現れ、サルワカの台本に手を加え、その「筋」が、座長に気に入られて、新作「足跡姫」が上演されることに……。舞台には、花道やスッポン、下座音楽や大向こうなど、歌舞伎の趣向がたっぷり。その中に野田流のテンポの良い言葉遊びが混じり、さらに、幕府への謀反を企てた由井正雪、歌舞伎の創始者である出雲の阿国ら、実在の人物の名が虚構と溶け合って、重層的な世界を作っていく。そこには、芸術への情熱や、冒険心、反骨精神などが溢れている。これらは全て、十八代目勘三郎が目指したもの、あるいは、勘三郎という存在に人々が求め託したものだ。つまり、彼は直接的には登場しないが、舞台のそこここにその面影が、足跡がある。観客は、ひたむきな阿国を鮮やかに演じる宮沢、無邪気なサルワカを瑞々しく演じる妻夫木、コミカルな演技と共に能風の所作や殺陣でも魅せる古田、出演者中唯一の歌舞伎俳優である扇雀ら俳優達の生き生きとした演技に引き込まれ、やがて、野田の舞台芸術への強い想いを目の当たりにするだろう。人は皆、辛い現実を前にした時、これは虚構であってほしいと願う。一方で舞台人は常に、虚構を現実であるかのように演じたいと願う。野田は戦友の死を通して、今回の『足跡姫』に、先人の肉体が滅びても残った者が連綿と継いでいく芸能や精神と、一回毎に終わってはまた始まる舞台そのものを重ねた。野田が舞台を通して描く、死と再生という無限の物語は、観た後も私達の胸にどこまでも響き続ける。まるで足跡のように。取材・文:高橋彩子
2017年01月24日歌手の西城秀樹が、フジテレビ系大型音楽特番『2016FNS歌謡祭 第1夜』(12月7日19:00~23:18)に出演することが30日、明らかになった。西城が同特番に出演するのは、26年ぶりとなる。西城は、同特番の賞レース時代に「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」で1979年にグランプリに輝くなど、数々の賞を獲得。今回は、歴代グランプリがそろった1990年に同曲で登場して以来の出演となる。この間、2度の脳梗塞を発症した西城は、長いリハビリ生活をへて、現在は年平均55以上のステージに出演。久々のテレビ音楽番組となる今回は、「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」を披露する。西城は「45周年を迎えた今年、再び『YOUNG MAN((Y.M.C.A.)』で出演できることも、とてもうれしく思います。その間、時を見失うような出来事もありましたが、応援してくださる皆さまのおかげでここまでやってくることができました。これからもずっと歌い続けていけるように頑張りたいと思います」とコメントを寄せている。今年の『FNS歌謡祭は』、12月7日は東京・グランドプリンスホテル新高輪「飛天」から『第1夜』、翌週14日(19:00~23:18)は東京・台場のフジテレビから『第2夜』を生放送。合計で8時間半超の放送となる。
2016年11月30日抜群の華やかさやダンスに加え、悪役、クセのある役で存在感が光る俳優・吉野圭吾。夏の風物詩となったブロードウェイミュージカル『ピーターパン』で、今年、吉野が悪役のフック船長役に選ばれたのは大いにうなずける。作品について話を聞いた。ブロードウェイミュージカル「ピーターパン」チケット情報最近のフック船長でいえば、橋本じゅんはコミカルに、大貫勇輔はダンサブルに役を演じてきた。吉野ならその両方ができそうだ。「そうですか?僕、何でもやりますよ。踊って歌って、ギャグも言ったりして。フックを上手に使って色々なこともしてみたい。例えば、ロープに引っ掛けて上からザーッと降りて来ることができないかと、演出・振付の玉野和紀さんと話をしているんです。過去にはこだわらず、僕なりの新しいフック船長を作り上げたいですね」吉野にとって大人も楽しめる『ピーターパン』の魅力はどこだろう?「台本を読むと、『殺す』というセリフがフックだけではなく、ピーターパンにもやたらと出てくる(笑)。ピーターパンもけっこうグロいんですよね(笑)。でもそこを強調しすぎないようにしたい。物語も夢の中の話ではない。ネバーランドに行って帰って来て、目が覚めたら夢だった…という設定ではないですから」。ラストを含め、きれいごとだけでは終わらない話の奥深さが老若男女を引きつけるのだろう。ウェンディの父親ダーリング氏との一人二役をこなす。「ネバーランドの住人はフックをはじめ、大人になりたくてもなれない大人。みんな子供の心を持っていてずっと遊んでいたい。そこを大切に演じたいですね。一方、ダーリング氏は大人の中の大人として描かれている。ふたりをどう演じ分けるかです」子供の心は、最近出演したミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』の子役たちと交流することで取り戻しているという。「1789で演じた悪役のメイクは怖いんです。稽古場ではそのいでたちで、誰も寄せ付けないオーラを醸し出していたはずなのに、子供たちは『遊ぼう』と寄ってきて、僕の固い扉をコンコンとノックしてくる(笑)。実家が昔、保育園だったこともあり、子供には好かれるんですよね(笑)」また、舞台では、観客に向かってピーターパンが「妖精を信じる?」と問うシーンが有名だが、吉野も妖精を信じるという。「妖精を含め、物には神様が宿っている。舞台の神様には真摯に向き合わないと、セリフが出てこなかったり、小道具の鎖が切れたりして裏切られるんです。そんな時は、『なぜ、私を裏切るのですか』と会話しています(笑)」。裏切りを経験してこその役者業。今後は「妖怪や動物、ゾンビなど人ではないものも演じてみたい」と意気込みも高い。ただならぬフック船長を演じてくれそうだ。公演は、7月24日(日)から8月3日(水)東京・東京国際フォーラム ホールC、8月17日(水)大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演。チケットは発売中。取材・文:米満ゆうこ
2016年06月23日桜色に山が染まる頃、奈良・吉野山を訪ねました。今回のFASHION HEADLINEの特集は「サスティナブルな社会科見学」。このところ、ファッションについて考える時にも一方通行の矢印のように物事が通り過ぎていくのではなく、循環していく終わりとはじまりが繋がった形が頭によく浮かんでいました。きっと、消費されていくばかりのファッションでは満たされないという気配が漂うのを感じるからだと思います。そこで、FASHION HEADLINEでは、私たちの暮らしにおける“循環”とは、どんなものがあるのかを知りたくてサスティナブルな社会科見学をおこないました。最初に訪ねたのは吉野杉でも知られる奈良県吉野町。そこで、人生で初めて!林業に従事する山守さんのお話を伺い、一緒に山に入りました。ぐっと空を見上げる程の木々でも樹齢は40年程と山守さん。あと数十年は目をかけ、手をかけていかなくてはいけない木々だそうです。先を考える。未来を考える。心が凛となる時間でした。続いて、吉野の原木市で競られた木々が製材所で加工され、保管される様子を見学しました。そこでは、木一本いっぽんのキャラクターが書かれた手描きの紙が貼られて保管されています。まるで、一人ひとり違う個性をちゃんと認めて、その個性がぴったりとあう出番を待っているようです。実は、この吉野山との出会いは“酵素浴”でした。酵素浴につかわれる“おがくず”が吉野で作られ、酵素浴として人々を癒した後には無農薬で農業を営む農家さんの畑に肥料として使われるという話を聞き、「心地よい循環だな」と思ったことがサスティナブルな社会科見学をしたいという思いに変わりました。吉野で山守さんが手作業で加工したおがくずは一路京都に向かい、ハイヤット リージェンシー 京都で酵素浴となって人々を癒してくれます。その後、酵素浴としての役目を終えたおがくずは、大阪で農業を営む農家さんの畑で使われます。安全な食材を食べて育つ世代が、これから先の社会を支えるメンバーになるという訳です。「せっかく奈良に行くのだから」と調べてみると、奈良には日本古来の手法で日本酒を作る酒蔵や、何十年も前から社会活動と営利活動を両立させるコスメブランドがあることが分かりました。明日16日からスタートする「サスティナブルな社会科見学」では、循環する木々の物語と共に、奈良で出合ったサスティナブルな取組みもご紹介したいと思います。お楽しみに。
2016年05月15日蜷川幸雄さんや野田秀樹さんからその才能を高く評価され、“演劇”の枠を超えた人気を獲得しているマームとジプシー。いま最もホットな劇団が、新たに誕生するホール「LUMINE 0」のオープニングを飾る。主宰であり作・演出の藤田貴大さんが上演作に選んだのは、「海外に持っていくことを念頭に」作った『てんとてん…』と『カタチノチガウ』、そして「思い入れがある」という『あっこのはなし』の3作。「演劇って、どこか高尚で敷居が高いイメージがありますよね。それをもっとカジュアルにできないかというのが今回のテーマなんです。セレクトショップみたいに、服や化粧品を買ったり、CDを選ぶのと同じ線上に演劇を並べることができないかと思うんです。そういう軽やかさが新しい時代に行く演劇なのかなと」(藤田さん・以下同)近年、東京芸術劇場や彩の国さいたま芸術劇場と組んだ作品づくりなどもおこなっている藤田さん。しかしその一方で、「小さな空間で、かぶりつきで観る演劇ならではの質感とか尊さも大切にしたい」と話す。「正直、3作品を同時に稽古しているわけで、それはすごく大変なことではあるけれど、それと同時に面白さもあるんですよね。ツアー公演の時に、僕らが持っていくのって、せいぜいスーツケースひとつぶん。役者さんが床に線を引いて荷物を広げたら、すぐに芝居が始められるんですよ。今回も、同じ舞台に物が少し置かれただけで作品が変わるわけです。展示替えのように、3日おきに新作が入荷しました、みたいに見えたらいいですよね」◇4月28日(木)~5月8日(日)ルミネ ゼロ4月にオープンしたJR新宿駅直結の複合施設、NEWoMan内。東京都渋谷区千駄ヶ谷5‐24‐551作品4000円マームとジプシーTEL:070・5454・7311mum_gypsy@yahoo.co.jp◇ふじた・たかひろ1985年、北海道生まれ。'07年にマームとジプシーを立ち上げ、全作の作・演出を担当。'11年に岸田戯曲賞受賞。'14 年に野田秀樹作『小指の思い出』を上演し話題に。※『anan』2016年5月4日‐11日合併号より。写真・小笠原真紀インタビュー・文・望月リサ
2016年05月02日野田秀樹作・演出のNODA・MAP第20回公演 『逆鱗』が1月29日、東京芸術劇場で開幕。公演に先立ち、28日にゲネプロが行われた。NODA・MAP第20回公演『逆鱗』チケット情報物語の主な舞台は、とある水族館と、深い海の底。水族館では、館長の鵜飼綱元(池田成志)、館員のイルカ・モノノウ(満島真之介)、警備員のサキモリ・オモウ(阿部サダヲ)らがせわしなく働いている。そこに現れたのが、電報配達人のモガリ・サマヨウ(瑛太)。電報を届けようとするモガリを、館長の娘で人魚学の若き研究者である鵜飼ザコ(井上真央)が留め置く。ザコはある企みを胸に秘め、人魚学教授の柿本魚麻呂(野田秀樹)と共に水族館で“人魚ショウ”を開こうとしていた。一方、海の底では、NINGYO(松たか子)をはじめとする人魚らと、彼女達の母である逆八百比丘尼(銀粉蝶)が、神秘的な雰囲気で佇んでいる。表層的にコミカルに物事が動く水族館と、時の流れが止まったかのような海の底。舞台では、対照的なふたつの世界が、入れ替わり立ち替わり現れる。ほとんど何もない白い美術の中、舞台上を横切るアンサンブルキャストや数枚の透明パネルだけで、場所や時代が瞬時に移るさまはマジカルだ。このふたつの世界は奇妙に繋がっている。逆八百比丘尼は水族館では鰯ババアとしてお馴染みの存在だし、モガリやサキモリは夢か現かわからぬまま海中を彷徨って人魚達に出会う。そうかと思えば、人魚ショウの出演者オーディションに、本物の人魚であるはずのNINGYOが応募する場面も。時に登場人物自身も混乱しながら、水族館と海底とを往還する。やがて、重要な任務を負う“潜水鵜”として海に潜るサキモリ、モガリ、イルカらと共に、劇は怒涛の展開へ。果たして、人魚の正体とは、届けるはずの電報とは、逆さについた鱗=逆鱗とは……?無数のピースが合わさって迎えるクライマックスには息を飲む。劇中、モガリが“誰もいない海”を見ることができる人はいないと指摘する台詞があるが、そうしたものを観客が目撃し得る演劇の特性、そして観客としての責務にも、思いを巡らさずにはいられない。現実と非現実を行き交いつつ、圧倒的な真実を浮かび上がらせる、野田秀樹流ファンタジー。主要俳優陣の生き生きとした確かな演技と、アンサンブルキャスト達による息の合った動きが、独特の世界に命を吹き込んでいた。公演は2016年1月29日(金)から3月13日(日)まで東京芸術劇場 プレイハウスにて。その後、3月18日(金)から3月27日(日)まで大阪・シアターBRAVA!、3月31日(木)から4月3日(日)まで福岡・北九州芸術劇場 大ホールでも上演。取材・文:高橋彩子
2016年02月05日かけはし芸術文化振興財団は、YMOをはじめ多くの作品などにシンセサイザープログラマーとして参加した松武秀樹氏によるトークセミナー「松武秀樹とシンセサイザー」を開催する。日程は2月20日と3月26日の2回(ともに18:30~20:00)。会場は東京都・渋谷のトート音楽院渋谷 セシャトホール。受講料は各2,000円(定員40名、事前申し込み制)。同セミナーは、松武秀樹氏が自身の音楽人生をつづった著書「松武秀樹とシンセサイザー」の出版を機に開催されるもの。1回目(2月20日)は「松武秀樹の音楽人生」と題し、本の内容を題材にさらに深く掘り下げ、シンセサイザープログラマーとしての職業観や多くのシンセサイザーとのかかわり方、ライブの裏話などを中心とした講義になるという。また、2回目(3月26日)は「松武秀樹が語る~シンセサイザープログラマー昨日・今日・明日」をテーマとした内容とのことだ。セミナー参加希望者は、かけはし芸術文化振興財団のWebページより申し込む。定員は40名(定員になり次第、締め切り)。なお、松武秀樹氏は1951年、神奈川県生まれ。20歳から冨田勲氏のアシスタントとして、当時日本に数台しかなかった"モーグ・シンセサイザー"による音楽スタッフを経験。独立後の1978年、矢野顕子のアルバム「ト・キ・メ・キ」のニューヨーク・レコーディングにおいてデジタル・シーケンサーを使用。坂本龍一のソロ第1作「千のナイフ」への参加をきっかけに、1978年~1982年にかけてシンセサイザープログラマーとしてYMO作品に参加。1981年には自身のユニット「LOGIC SYSTEM」を結成し、現在までに15枚のアルバムを発表。2011年より「RMXLOGIX(with special tracks)のリリースに合わせて、エレクトロニック・ミュージックにフォーカスを当てた新レーベル<MOTION±(モーション・プラス/マイナス)>を始動。2012年5月には第2弾「RMXROGIX Vol.2(with SPECIAL TRACKS)」をリリース。2015年に自らのヒストリー「松武秀樹とシンセサイザー」を出版。
2016年02月05日松たか子さんに瑛太さん、井上真央さん、阿部サダヲさんという豪華キャストが揃うNODA・MAPの新作舞台『逆鱗』。野田秀樹さんの舞台といえば、“キル→着る→KILL(殺す)→生きる”だったり、“オイル→老いる”など、単なるダジャレかと思いきや、そこから思いもよらない壮大な世界を見せてくれる。今回は、水族館に現れた人魚の物語ということだけれど…一体どんな舞台に?そして12年ぶりに野田作品に出演する阿部さんの心境は?***野田:前回、出てもらった『透明人間の蒸気(ゆげ)』から12年も経ってるんだね。まあこの間にも、何回か声は掛けていたんだけれど、台本が気に入らなかったみたいで…(笑)。阿部:いや…単にタイミングが合わなかっただけです。この12年の間にNODA・MAPの舞台も観に行ってますし!野田:そうそう『THE BEE』の時、長野まで観に来てくれたんだった。いつか俺の役をサダヲにやってほしいって言ったんだよね。阿部:(恐縮して)…ああ、はい。野田:僕が阿部さんを初めて認識したのは20年くらい前なんだけれど、その時、こういうすごい人が出てきたんだなって、とても印象に残ったんだ。それで『透明人間~』に出てもらったら、やっぱりすごく上手くて、また絶対にお願いしたいと思っていました。今回久しぶりだったけど、全然落ちぶれてなくて安心した。阿部:よかったです。野田:まあそれは冗談として、今回、阿部さんが出てくれることになって、どんなセリフを書いても、噛み砕いてもっと面白くしてくれるから大丈夫っていう安心感があったのよ。もし他の人だったら、こんなに長々書かないよなっていう昭和ギャグを連発したり…ほんとすみません(笑)。阿部:最初、半分だけいただいた台本では、ガチャガチャしたシーンばっかりで、ここからもっとふざけていくのかと思っていたんですよ。メンバー的にふざける人が多いですし。野田:確かにそうだね(笑)。阿部:でも、後半の台本を読んだらどんどん思いもよらない展開になっていって、読み終わったときには言葉が出なかったです。野田:うん。この作品に限らずだけど、ガチャガチャした芝居だと思って観ていると、いつの間にか引き返せないところにいるというか。知らず知らずのうちに作品の中に引きずり込みたいとは、いつも思ってる。阿部:ただ、台本のト書きに、でっかい水槽が運ばれてくるって書いてあるから期待してたんですけど…。野田:スタッフからも「水を使うんですか?」って聞かれたりしたからね(笑)。ただ、舞台に本物の水槽や水を出すよりも、僕は演劇のアナログ感でできることってあると思ってるからさ。演劇って言ったもん勝ちで、ここは海の底だって言ったら海の底になる。そういうリアリティって演劇ならではで、演劇をやってる身としては、やっぱり演劇でしかできない世界を作りたいし、劇場に来た人にしか感じられない衝撃を見せたいというのはあるかな。阿部:それにしても、文字を使った言葉遊びが出てきますけれど、あんなにたくさん考えるんですね。あまりの数に、じつは野田さん、暇なのかなって(笑)。野田暇なんでしょうね(笑)。◇右/のだ・ひでき劇団「夢の遊眠社」を解散後、‘93年にNODA・MAP設立。『THE BEE』『エッグ』など、国内のみならず海外でも作品を上演し、高い評価を得ている。左/あべ・さだを’92年より大人計画に参加。舞台、ドラマ、映画と幅広く活躍。バンド“グループ魂”では、ボーカルを務める。映画『殿、利息でござる!』が5/14公開予定。◇1月29日(金)~3月13日(日)池袋・東京芸術劇場 プレイハウス作・演出・出演/野田秀樹出演/松たか子、瑛太、井上真央、阿部サダヲ、池田成志、満島真之介、銀粉蝶S席9800円A席7800円サイドシート5500円当日券あり。NODA・MAPTEL:03・6802・6681www.nodamap.com大阪、北九州公演あり※『anan』2016年2月3日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・望月リサ
2016年01月27日特撮映画『アウターマン』の上映が12月5日より都内・ヒューマントラスト渋谷にてスタートし、同日行われた初日舞台あいさつに河崎実監督をはじめ、塩谷瞬、古原靖久、戸塚純貴など主要キャストが集結した。『アウターマン』は、『いかレスラー』(2004年)『コアラ課長』(2005年)『かにゴールキーパー』(2006年)『ヅラ刑事』(2006年)『日本以外全部沈没』(2006年)そして「電エース」シリーズなど、これまでに数々のコメディ・パロディ映画を制作し話題を呼んできた"バカ映画の巨匠"こと河崎実監督の最新作。だが、今回はただのパロディ映画ではない。かつて実相寺昭雄監督を監修に招いて「地球防衛少女イコちゃん」シリーズを作り、若手自主映画作家時代には『√ウルトラセブン/放浪の果てに』や『エスパレイザー』など、初期ウルトラシリーズや『エイトマン』を彷彿とさせる"マジメな"特撮ヒーロー作品を手がけたこともある河崎監督が全力で取り組んだ作品となっている。ストーリーは、国民的テレビ番組「アウターマン」シリーズの主役・アウターマンが現実の世界に突如出現。アウターマンは番組で民衆を洗脳し、地球を自分たちが住みやすい環境に改造しようとしていた。その計画から地球を救うため、劇中でいつもアウターマンに倒され続けてきた悪役・シルビー星人のタルバと、平成「アウターマン」シリーズで主役を演じた3人の俳優たちが立ち上がり、昭和と平成の「アウターマン」シリーズファンの中年マニアグループも巻き込んだ、"最後の決戦"が描かれる。本作は、ヒーローを演じた過去の栄光を頼りに現在を生きている元スターたちがヒーローを信じる純粋なファンの心に応えて一念発起し、やがて本物のヒーローになるという「成長型ヒーロー」映画の傑作『サボテン・ブラザース』(1986年)および『ギャラクシー・クエスト』(1999年)の日本版ともいうべき、「笑って泣ける特撮エンタテインメント」映画になっている。初日舞台あいさつに集まったキャストは、平成「アウターマン」俳優・足立春夫役の塩谷瞬、吉野秀樹役の古原靖久、森脇幸一役の戸塚純貴と、アウターマンではなくシルビー星人を応援していた少年・浩役の福田徕冴(らざ)、そして宇宙の放浪者・シルビー星人タルバ役のGero(ゲロ)という面々。さらに河崎監督が加わり、上映終了後のトークが行われた。映画で使用したアウターマンのマスク(頭部全体がさまざまな色に発光する)を持参して意気揚々の河崎監督は「この映画は、数々の特撮ヒーローがタブーとしている部分を描いた、特撮番組のアンチテーゼだ」と宣言しつつ、「最初は、昭和と平成のウルトラマン俳優を全員出して、お互いに戦わせようというアイデアを出したんだけど、過激すぎてキャスティングの時点でみんな断られた」と、本気とも冗談ともつかない初期構想を語った後、「イケメンヒーローを演じた君たちが出演をOKしてくれて、ありがとう!」と塩谷たちに感謝の言葉を述べた。忍者をモチーフにしたヒーロー『忍風戦隊ハリケンジャー』(2001年)のハリケンレッド/椎名鷹介役でも知られ、今年の春には「スーパー戦隊」シリーズ最新作『手裏剣戦隊ニンニンジャー』にハリケンレッドとしてゲスト出演した塩谷は、「河崎監督の作品は以前から好きでしたが、自分が出演するにあたっては『大丈夫かな』と思いました」と会場の笑いを誘いながらも、「台本を読んだら河崎ワールド全開で、特撮ヒーローに対する愛情があふれている」と納得した上で出演を承諾し、決定した際には河崎監督と固い握手を交わしたそうだ。動物の魂(炎神ソウル)の宿った自動車をモチーフにした『炎神戦隊ゴーオンジャー』(2008年)でゴーオンレッド/江角走輔や、『電人ザボーガー』(2011年)の「青年期」編で主役の大門豊を演じた古原靖久は、「『日本以外全部沈没』を見て気になっていた河崎監督からのオファー。やっぱり監督のヒーロー愛がすごいと感じました。僕も昔からヒーローになりたくて役者を志しましたから、監督の言いたいこと、伝えたいことが理解できるんです」と熱く語り、「以前から知り合いだった塩谷さん、過去に共演させていただいた真夏竜さん、きくち英一さん、そんな心強い仲間と共に取り組むことができました」と感慨深げ。また、古原はデビュー前に塩谷と知り合っており、その時「ヒーローになるにはどうしたらいいか?」と尋ねると、塩谷から「絶対にあきらめないことだ!」とアドバイスを送られたというエピソードも。その言葉を胸に、古原は何度オーディションに落ちてもあきらめず、ついに『ゴーオンジャー』の主役の座をつかんでいる。ヒーローの先輩・後輩同士、テレビ画面に出ていないところで意外な交流があったことに、会場のファンたちも驚いていた。魔法使いのライダー『仮面ライダーウィザード』(2012年)で主人公・操真晴人の弟分として活躍した奈良瞬平役を演じ、現在はフジテレビ・東海テレビ製作の『新・牡丹と薔薇』に出演中の戸塚は、監督のホームページで"B級映画の巨匠"と書いてあるのを見て「自分でそういうことを書くんだ」と驚き、監督のことが大好きになったという。戸塚は「以前は変身しない役柄で、微妙なポジションでした」と振り返り、今回の映画で初めて演じた「変身するイケメンヒーロー」役に満足している様子だった。やさぐれたタルバの心をほぐし、周囲の「アウターマン」ファンからいじめられても決してシルビー星人を見捨てたりしない浩少年を健気に演じた10歳の福田は「撮影中はいつもGeroさんが笑わせてくれて緊張をほぐしてくれました」とコメント。隣のGeroや古原も思わず顔がほころび、河崎監督も「ここにいる中で一番大人なコメントをするなあ」と感心していた。「オーディションに受かった時はうれしさの反面、緊張してしまい、姉たちに支えてもらいました」と、当日会場にも来ていた2人の姉に感謝を見せる一幕もあった。あまりにも達者な福田のコメントを聞いたほかのキャストからも「俺の10歳のころとは全然違う」「俺は楽屋で徕冴くんに字を教わった」など、驚きと称賛の声が上がっていた。ミュージシャンとして活躍中で、本作の主題歌「You Can Do It!!~夢を追いかけて~」を歌ったGeroは「僕は俳優ではなく、最初は主題歌を歌うってことだったのですが、監督から『出るか?』と言われてOKしたら、すごく重要な役柄で驚きました」と、シルビー星人タルバ役への抜擢には驚いたという。そして、タルバの黒ずくめの上下(着古したフリース)が、実は河崎監督の部屋着であり「撮影が終わって、監督に家に遊びに行ったら、それを着ていました」という裏話を明かした。さらに「監督は普段穏やかで楽しい雰囲気ですけれど、撮影に入るとピリッとしますよね」と、撮影中の内幕を語ると、すかさず河崎監督が「当たり前だよ、短い期間で撮らなきゃいけないんだから!」と絶妙な間で返し、会場を爆笑させた。映画のクライマックスは、強敵「アウターマン」と非力なシルビー星人とのビル街での大決戦シーン。河崎監督は本作の精密なミニチュア特撮シーンに触れて「(ステージにミニチュアを並べて実際に壊すアナログの)特撮はやっぱり気持ちがいい」と感想を述べつつ、「来年もまた"どうかしている"特撮映画を作るよ!」と宣言。今後もまた注目を集めそうな作品の企画が進行中であることを匂わせた。なお『アウターマン』の上映期間中は、ほぼ毎日河崎監督をはじめ、キャスト陣が舞台あいさつを行う。6日には脚本の右田昌万氏、防衛省の大島幕僚長役の真夏竜(ウルトラマンレオ)、7日には河崎監督と福山博士役の筒井巧(世界忍者戦ジライヤ)が出演する。以後も多彩な出演者が交代で登場する予定となっている。映画『アウターマン』は、12月5日より都内・ヒューマントラストシネマ渋谷で上映中。12月12日からは大阪のシネ・リーブル梅田で、26日からは愛知の名古屋シネマスコーレで順次上映予定。2016年2月10日には東映ビデオからDVDが発売される。(C)「アウターマン」プロジェクト2014
2015年12月07日PFUのイメージビジネスグループ 統括部長の松本秀樹氏と、プロトラブズ合同会社社長兼米Proto Labs, Inc.役員のトーマス・パン氏による対談。後編となる今回は、世界最軽量・最小※のモバイルスキャナ「ScanSnap iX100」のソフト面での活用法や、PFUのコミュニケーション戦略についてお届けする。※ バッテリー・Wi-Fi搭載A4シートフィードスキャナにおいて、PFU調べ(2014年4月1日現在)○スキャナの"生態系"をつくる松本秀樹氏(以下松本氏):PCで使う場合、iX100でスキャンした後にクイックメニューが開くのですが、ここからMicrosoft OfficeやEvernote、Dropboxといったアプリケーションやサービスと簡単に連携することができます。また、名刺管理ソフトも同梱されていますので、名刺に書かれている名前や役職といった情報をテキスト化して整理することもできます。トーマス・パン氏(以下パン氏):自動化によって、ビジネスシーンではもちろん、そうでないユーザーにも使いやすくなっていると思います。スキャナ単体ではなく、どんなアプリケーションとつなげるかで、便利さがまったく変わりますね。松本氏:はい。ですから、スマートデバイスのアプリケーションベンダーさんには、カメラ機能と同じように連携してもらうことに注力してもらっています。さまざまなパートナーシップを組んでいくことで、ScanSnapを取り巻く「エコシステム(生態系)」を形にすることが狙いです。パン氏:そういった戦略は以前からおありだったのでしょうか?松本氏:一つ前のモデルからありましたが、iX100からスマートフォンやタブレットのアプリを意識するようになりました。パン氏:しかし、アプリと連携と言っても、スマホの使い方そのものがめまぐるしく変化している昨今です。例えば、開発期間のうちにポピュラーなアプリの使い方が変わっていることもあると思うのですが、どうされているのでしょうか?松本氏:われわれは独自規格のインターフェースを使っていますので、開発の段階から、アプリケーションベンダーさんに、SDK(ソフトウェア開発キット)を提供しております。開発キットを設計思想に含みつつ、サードパーティに働きかけをしているというわけです。○時間を縮めるスキャナパン氏:iX100の機能についてご説明いただきましたが、仕事で頻繁にスキャンの必要があり、かつ移動が多いようなビジネスユースを想定されているのでしょうか。松本氏:フリーランスや個人事業主の方に、積極的に導入していただいていますね。赤入れをしてすぐにデータを送って確認を取るといったことが容易にできますから。昔はFAXを使っていたと思いますが、より鮮明に、瞬時にデータをやり取りすることができるので、非常に重宝がられています。パン氏:そう考えると、このスキャナは「時間を売っている」とも言えますよね。自分の時間の節約と考えると、その対価は十分に感じるのでしょう。松本氏:マスコミの記者さんやヘビーブロガーといった、自分のワークスタイルを進化させるという考えをお持ちの方に利用していただき、その方々に口コミで広げていただいています。パン氏:事前にユーザーさんのブログなどを拝見したのですが、コメントが非常にポジティブなんですよね。プロダクトの力とそういったプロモーション戦略が合わさって、追随を許さないマーケットを構築されたのだと思いました。松本氏:平成27年度の税制改正大綱により、3万円以上の領収書でもデジタル化できるなど国税関係書類のスキャナ保存制度が規制緩和される見通しとなっています。今後は、会計ベンダーさんとともにスキャナを使った業務効率化を提案していこうと動いております。パン氏:ぜひ次回の確定申告で使わせていただきたいと思っています(笑)○アナログとデジタルのコミュニティパン氏:これだけ長くデジタル化が続いた世の中でも、紙が減るどころか増え続けている状況です。セキュリティを考えると紙の方が流出しにくいとも言われていますし、まだまだ紙が消えることはないのでしょう。松本氏:学校でも生徒は学習の基礎として、まず手書きから教わりますよね。アナログな紙とペンはまだまだ残る。だからこそ、それをどこかでデジタルと融合させることが求められると思っています。パン氏:そうすると、スキャナの活用はまだまだ増えていくということでしょうか。松本氏:例えば、シニアの方が自分の思い出の写真をデジタル化して自分史を作ったり、自治体が昔の紙データをデジタル化して機関誌を発行するなど、さまざまな場面で活用されています。われわれとしては、単に装置を提供して終わるのではなく、ユーザーがどんな使い方をしているのかを意識して、ScanSnapを使ったパソコン教室を開催したり、子どもが描いた絵をスキャンして遊べるイベントを行ったりしています。パン氏:まさに「スキャナを取り巻くコミュニティ作り」ですね。聞いていて感動を覚える戦略です。優れた製品を提供し、その製品を巡る環境から次々と新たなビジネスを生んでいく。非常に素晴らしいビジネスモデルだと感じました。
2015年04月30日野田秀樹作・演出作品『エッグ』パリ公演(国立シャイヨー劇場にて)が3月8日、大盛況のうちに閉幕。いよいよ3月26日(木)より大阪・シアターBRAVA!で凱旋公演が行われる。NODA・MAP第19回公演『エッグ』チケット情報妻夫木聡、深津絵里、仲村トオルらの豪華キャスト陣、椎名林檎による心にささる音楽、スピーディーに変化する舞台装置、そして予測不可能な結末……。2012年の初演時、そして今年2月の東京公演で観客に大絶賛を浴びた作品が初演時と同じ主要キャストで挑んだパリ公演。セリフは日本語、フランス語字幕をつけ、また映像場面にはフランス人俳優によるフランス語ナレーションを流すなどの工夫も。キャストの3人が「笑い声や反応から、パリの観客との距離感がすごく近く感じられたことが感動的でした」(妻夫木)、「お客様の反応が変化していく感じが日本と同じだったことに驚いたのと同時に、とても嬉しかったです」(深津)、「言葉で話してもわからないことでも、芝居を見せることで相互理解ができる、共通言語のようなものになりえることを感じています」(仲村)とその手応えを口にするほど、終演後も熱気は続き、大きな拍手に包まれた。作・演出の野田も「パリの反応はとても良かったと思います。パリ公演が始まる前は不安で、題材の難解さが伝わるのかなど、お芝居が終わってもまだまだ不安でいっぱいでした。シャイヨ―劇場の芸術監督ディディエ・デシャン氏が、2度あることは3度あるということわざを用い、エッグに続き、パリでの3度目となる公演のチャンスを楽しみにしています。と言ってくれたので、その言葉にとても救われました」と語るほど現地での好評を肌に感じた本作品が戻ってくる。凱旋公演は3月26日(木)から4月8日(水)まで大阪・シアターBRAVA!、4月16日(木)から19日(日)まで福岡・北九州芸術劇場大ホールで行われる。チケットは両公演ともに完売していたが、このほど大阪公演で追加販売が決定。チケットは3月15日(日)午前10時より発売。
2015年03月13日2013年5月27日に急逝した吉村秀樹率いるロックバンド「bloodthirsty butchers」とのコラボレーションに端を発した企画を、『生きてるものはいないのか』『シャニダールの花』を手がける奇才・石井岳龍監督が映画化した『ソレダケ/that’s it』が、吉村さんの命日となる5月27日(水)に公開することが決定。この度、石井監督とは3度目のタッグになる染谷将太が主演を務め、敵役にドラマや映画に引っ張りだこの綾野剛が演じることが明らかになった。戸籍を奪われ、アンダーグランド暮らしから抜け出せずにもがいている大黒砂真(染谷将太)。この底辺から抜け出す最後の手段として、裏社会の調達屋、恵比寿大吉のコインロッカーを破壊し金の入った財布を奪うが、予期せずハードディスクを発見する。その中には家出人、ホームレス、破産者、風俗嬢たち、地下な人々のビジネス売買用個人情報がぎっしり詰まっていた。大黒はハードディスクを隠すが、恵比寿に追われあえなく監禁される。しかし、そこには風俗嬢、南無阿弥が拘束され横たわっていた。大黒と阿弥は何とか脱出し都会の片隅に身を寄せ、ダークサイドに生きる知人、猪神楽彦に助けを請うが、闇の追っ手が2人を再び監禁、謎の極悪ギャングのボスによる拷問の中で、大黒の過去にまつわる宿命の謎が明かされる。もがき苦しんでも決して抜け出すことができなかった負のループが導いた先で、大黒は、彼を束縛する宿命との対決を決意する…。吉村亡き後監督が仕上げた作品で、その後、吉村さんの存在と「bloodthirsty butchers」(以下、ブッチャーズ)の音楽から着想を得た石井監督は、その遺志を受け継ぎ、まったく新たな物語に取り組んだ本作。「ブッチャーズ」の持つ激しさ=他者を攻撃するような表層的な激しさとは異なる「攻撃的な諦念/無常」から導き出される、人間の意地が爆発する「底辺の叛逆」の物語だ。主演に若き日本映画界の扇動者・染谷さん、『シャニダールの花』以来2度目の石井組となる綾野さんを始め、本格女優としての確実な一歩を踏み出した元「E-girls」の水野絵梨奈、映画とロックのアウトサイダー渋川清彦、インディペンデント映画の番人・村上淳ら個性派俳優陣が集結。濃くて、危なくて、激しい、情熱とアクションが交差する青春ドラマに仕上がった。以下、キャスト&スタッフのコメント●染谷将太ひたすら叫び、嘆き、走り、殴られ、撃ち合い、血塗れになり、また走りました。俺の知ってる石井さん、そして俺の知らない石井さんの現場を体感、体現してきました。様々な想いを含み、この映画の中にそれは確かに鼓動を打っています。この映画でロックして、久々に爆裂してください。●水野絵梨奈それぞれがそれぞれのやり方で生きているその生き様を見て頂けると嬉しいです。とても切なく苦しい中で、強さがとても悲しいほど美しく見えてくると思います。染谷さん演じる大黒の心の叫びが痛いほど突き刺さってきます。石井監督の世界感そして思いの詰まった音楽とともに楽しんでいただけたら嬉しいです。●渋川清彦炎天下、全力疾走、長台詞。なかなかハードでしたが、これぞ石井監督の世界と思い、自分を預けワクワクドキドキしてました。この作品に参加出来て幸せです。石井岳龍全開をくらえ!!●村上淳映画を問い続ける、監督。それは真摯に。PUNKS NOT DEAD。カタチを変え不死鳥のごとく。石井監督の作品に関われることは、最高に光栄です。●綾野剛石井岳龍監督にしか表現できないファンタジックかつエキセントリックな世界へようこそ。さあ、皆様、どうぞ遠慮なく狂い咲いてください。●石井岳龍監督吉村秀樹と素晴らし過ぎる俳優たちの熱さが、くすぶり続けていたアッシのロック魂に火をつけた。映画館にふさわしく、ノスタルジーではない「今、この瞬間」のロック映画を創りたかった。負け犬が反撃し、愛は暴走する。まだ何も終わってはいないし、何も始まっていない。死ぬにはまだ早い、勝手にしやがれ!!『ソレダケ/that’s it』は5月27日(水)よりシネマート新宿にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年03月05日野田秀樹作・演出による、NODA・MAP第19回公演『エッグ』が公演中だ。本作は、好評を博した2012年初演作の再演。公演初日前の2月2日、ゲネプロが行われた。NODA・MAP第19回公演『エッグ』チケット情報野田作品らしく、時空間がマジカルに錯綜する本作。ドラマの発端は、改修工事中の劇場で、劇場案内係(野田秀樹)がみつけた、歌人で作家の寺山修司の未発表戯曲だ。これを、案内係と愛人関係にあるという劇場の芸術監督(野田の2役)が手に入れたことから、舞台上で、戯曲に綴られていた世界が展開する。それは、天才アスリート・安倍比羅夫(妻夫木聡)やベテランアスリート・粒来幸吉(仲村トオル)や平川(大倉孝二)ら、卵を用いた架空のスポーツ “エッグ”に情熱を傾ける男達と、彼らのチームのオーナー(秋山菜津子)、消田監督(橋爪功)、人気シンガーソングライター・苺イチエ(深津絵里)、苺の振付師・お床山(藤井隆)らの物語だ。軽妙でエッジの利いた野田の台詞、どこか切ない椎名林檎の音楽、カーテンやロッカーを効果的に用いた堀尾幸男の美術、洗練されたひびのこづえの衣裳、そして、初演以来変わらない個性豊かな豪華俳優陣の熱演によって、舞台はカラフルに躍動。彼らを通して、20世紀の大衆を熱狂させた“音楽”と“スポーツ”が、美しく輝かしい人生の応援歌であると同時に、洗脳や根性論やナショナリズムと隣り合わせであるという事実も、あぶり出される。物語はそれだけでは終わらない。芸術監督が「読み違えていた」と言い出すことから、ドラマの途中で何度も新たな情報が加わり、変更が施される。それは、人間の先入観への皮肉であり、また、改ざんが行われ続ける歴史への痛烈な眼差しでもある。真実が時に恣意的に歪められ、あるいは忘れられ、新たな神話が形成されていく中、人類は同じ過ちを、そうと気づかずに犯してきた。だが、忘れてはならないこともある、という作者の声が聞こえてくるようだ。「いつもデジャブ~」と歌う苺の声も意味深に響く。そうこうするうち、時代は、(本作初演ではまだ決定していなかった)2020年の東京五輪を見据えた現代、1965年の東京五輪、そして1940年の幻の東京五輪と遡りながら、ある葬り去られた過去へと到達するのだった……。粒来幸吉=円谷幸吉、安倍比羅夫=「裸足のアベベ」ことアベベ・ビキラなど、実在する人物を想わせる名を散りばめながら、野田は近代史の闇に迫る。その近代は、世界の知と富と権力が一部の人間に集中し、不都合な真実には蓋をして進み続けようとする現代と地続きだ。寺山の未発表戯曲の存在を含め、この劇はフィクションだが、だからこそ、そこには幾多の真実が煌めいている。本作は東京公演後の3月、パリ国立シャイヨー劇場で日本の劇団として33年ぶりに公演を行う。33年前に上演された作品は奇しくも寺山修司の『奴婢訓』だという。フランス公演後は3月26日(木)から4月8日(水)まで大阪・シアターBRAVA!、4月16日(木)から19日(日)まで福岡・北九州芸術劇場 大ホールでも上演。取材・文:高橋彩子
2015年02月09日「和田秀樹こころと体のクリニック」(東京都文京区)はこのほど、坑加齢医学・予防医学の世界的権威であるクロード・ショーシャ博士と提携し、日本初の育毛プログラム「トータル・ヘア・マネジメント」の提供を開始した。男性ホルモンの中の「DHT」という物質が、抜け毛や前立腺肥大の原因であることが解明され、それをブロックする薬が開発されてきた。しかし、DHTには活力や性欲をつかさどる作用があることもわかり、それを抑えすぎると、性欲低下、活力低下、ED(勃起障害)などの副作用が生じることがあるという。実際に、アメリカの食品医薬品局(FDA)は、副作用がある薬品としてリストアップするように勧告している。ショーシャ博士は、この副作用を、ホルモン状態のチェックと「テストステロン」投与で解決できることを発見し、ヘアマネジメントプログラムを開発した。現在、博士の母国であるフランスはもちろん、アメリカ、イタリア、中国、香港、台湾など世界17カ国で提供されており、王族・貴族、セレブ、スポーツ選手などから高い支持を受けているという。同プログラムは、ホルモン状態や前立腺の状態、脂質状態、全血検査などを通じて患者の体質を科学的に解析。DHTを抑えすぎずに男性機能をあげるとされるテストステロンを投与し、さらに栄養学的・皮膚科学的アプローチで発毛環境を整えていくという。結果として育毛だけではなく、若返りや男性機能のアップをも実現してくれるとのこと。また、薄毛の原因の90%は男性ホルモンが原因とされるが、残りの10%の多くはストレスなどの心因とされている。来院した患者には最初にカウンセリングを行い、どちらが原因なのかを判断するという。
2014年12月12日野田秀樹がオール韓国人キャストとともに上演する舞台『半神』が韓国・ソウルの明洞芸術劇場で公演中だ。出演者急病のため予定されていた初日は延期となったが、9月20日に無事開幕。10月5日(日)まで全16公演を行う。舞台『半神』チケット情報シャム双生児の姉妹をめぐる物語。野田が漫画家・萩尾望都と共作し1986年に初演、野田が主宰した劇団夢の遊眠社の代表作のひとつとして知られている作品だ。野田が韓国人俳優とともに舞台に取り組むのは、2005年の『赤鬼』韓国バージョン以来となる。初日公演を終えた野田は以下のコメント寄せている。主演女優の盲腸炎のために、初日が8日延びました。久しぶりに“生みの苦しみ”を味わうこととなり、同時に、初日がこんなにも待ち遠しいことも珍しかったです。芝居をする人間にとって、「初日」がないということは、「無」に等しい。「その一日」がないだけで、それまでやってきたことが、何でもなかった事になってしまう。その虚ろな八日間を経ての初日でした。この「虚ろさ」は経験したものにしかわからないだろうなと思います。そして迎えたソウルの初日の観客席には、若いお客さんも目立ち、初めてお客さんが沸いた瞬間は、誰よりもほっとしている「私」がおりました。こうして、30年前の作品が、時を越え「海峡」を越えて上演できることが、いかに幸せなことか、「初日」が遠かっただけに余計感じさせてもらいました。韓国の俳優の身体性の高さもあって、とてもいい芝居になった感触です。時も場所も違うのですが、1999年に初めて、タイの役者さんたちと『赤鬼』を作り上げた時に近い感じがしています。物を作ることは、やっぱり、ただ技術だけの問題ではない。創造への“情熱”が昇華した時に、人の心を動かすことがある。そんな芝居になっていると思いました。もちろん、まだ初日が開いたばかりなので、これから、どう成長していく芝居なのか、不透明ではありますが、「いい芝居」であることを確信することになった初日です。野田秀樹同舞台は韓国公演に続いて東京でも上演。10月24日(金)から31日(金)まで東京芸術劇場 プレイハウスにて。チケット発売中。
2014年09月30日野田秀樹の舞台『半神』が15年ぶりに復活する。東京芸術劇場と韓国の明洞芸術劇場の共同制作によるもので、野田の演出、韓国人俳優のオールキャストで9月にソウル、10月に東京での上演が予定されている。野田と漫画家・萩尾望都が共同で戯曲化し、1986年に初演された『半神』は劇団夢の遊眠社の代表作のひとつとして知られる人気の舞台。シャム双生児の姉妹を軸にさまざまな世界が交錯していくストーリーだ。今回、ソウルで行われたオーディションには400人を越す応募が集まったという。最終的に選定された12人の出演陣のうち、双子の姉・シュラ役を演じるのは日韓合作舞台『焼肉ドラゴン』で三女役を演じた実力派舞台女優チュ・イニョン。片や、妹・マリア役に抜擢されたのは韓国ミュージカル界の新鋭チョン・ソンミン。タイプの異なる魅力を持つふたりに、日韓共同制作となる本作への思いを聞いた。『半神』 チケット情報2005年にソウルで野田が演出、出演した『赤鬼』韓国バージョンを、当時学生として観たというイニョンと、今回のオーディションで野田秀樹の名を初めて知ったというソンミン。ふたりが口を揃えてまず語ったのは、今回のオーディションの特異性だった。そもそも韓国ではストレートプレイのオーディションは珍しく、とくに主役級のキャスティングはほぼ演出家からの指名で決まる。ところが……。「私が“死ぬまでに一度でも共演できたら幸せ”と思っていた大先輩たちが来ているんですよ!普通オーディションではセリフを読んだりするんですが、野田さんは“波”や“強風”といったテーマでパフォーマンスを要求されて。それを大先輩たちが身体を投げ打って一生懸命やっていらっしゃる。先輩方があまりに上手なので、もう私はダメだわ…と思いました(笑)」(イニョン)「私はミュージカルをやってきたので、オーディションでは知り合いが誰もいなくてひとりぼっち。開き直って思いっきりやろう!と自分を奮い立たせました(笑)。イニョンさんのお話のように、大ベテランの方々が私のような人間と同じ状況で懸命に演じてらっしゃるのを見て、オーディションの現場だけでも多くのことを学びましたね」(ソンミン)結果、「早く出演者の皆に会いたい。舞台上でどう息を合わせていくのか気になります」とふたりが待ちわびるほどの、韓国演劇界の人気者が集結。出自もキャリアも異なる個性派の面々が、同じスタートラインに立って野田ワールドに飛び込む。双子役を演じる、選ばれし女優ふたりの挑戦を見届けたい。「重い主題がとても軽やかに書かれている作品。冗談のように、お遊びのように、深い話をポンッと投げ入れる面白さに惹かれますね。私も観客の皆さんも、想像もできない体験をすると思います」(イニョン)。「生について、存在についての負い目といったものが語られているので、私も最初は深刻な物語だと思っていました。でも始まりからとても愉快!好奇心を持ってご覧いただきたいですね」(ソンミン)10月24日(金)から東京芸術劇場 プレイハウスにて。一般発売直前先行は8月1日(金)午後6時より受付。文:上野紀子
2014年08月01日