太宰治が入水自殺するその前日まで連載が続けられており、結末は太宰が墓の中(水の中?)まで持って行ってしまい、未完の遺作となった「グッド・バイ」がドラマシリーズ「BUNGO−日本文学シネマ−」で蘇った。意外にも、と言うべきか太宰が最後の最後に書き連ねていたこの作品、“死”を感じさせるようなものではなく、どこかとぼけた2人の男女――田島(≒太宰)と絶世の美女であり、男勝りな性格を持ったキヌ子――の滑稽なやり取りに思わずクスリとさせられる。田島を演じているのはミュージシャンの山崎まさよし、そして勝気なキヌ子を水川あさみが演じている。“恋多き男”に魅せられることなく、逆に田島、すなわち太宰をやりこめる女、という太宰作品において異彩を放つキヌ子を水川さんはどのように演じたのか?話を聞いた。10人の愛人を抱えてどうにも身動きが取れなくなった田島が、偶然知り合ったキヌ子を“妻”として、彼女を連れてそれぞれの愛人の元へ赴き“グッド・バイ”を告げるという本作。キヌ子は、そんな田島にあきれつつ、彼から“出演料”をせしめていく。戦後間もない時代を舞台にしており、女手一つでクールに生き抜くキヌ子の姿が目を引くが、実際の水川さんはキヌ子と似ている?それとも…「私と似ている点…男っぽいというところでしょうか?私がキヌ子の立場だったら、キヌ子と同じように田島を張り倒したり、説教してしまいますね、きっと(笑)。でも、いくらお金を貰ってもキヌ子の様に(妻のフリをすること)は出来ないかもしれません」。では、水川さんの目に、田島(≒太宰)は魅力的に映るのだろうか?「きっと魅力的だったんでしょうね。そこまで女性が絶えることなく常に居て…私は…嫌です(笑)」とこちらはハッキリと拒否!劇中のキヌ子はあきれつつも「やれやれ」といった感じで田島の“グッド・バイ行脚”に何だかんだと付き合うことになる。どこか「男っていう生き物は…」といった温かい視線のようなものも感じるが…。「何か、母性的な感情なのだと理解しました。キヌ子が『しょうがないな』という気持ちになるのは…。私自身は男性に対して『男っていうのはしょうがない』と思うことはありません。キヌ子の母性的なところは…少し理解できます」。さて、この「BUNGO」シリーズ恒例の一問。水川さん自身の読書体験について。小説、雑誌、漫画を問わず普段、どんな作品を読んでいるのか聞いてみた。「作品に入っていなければ本は読みます。でも、どちらかと言うとマンガの方が好きです。いくえみ綾さんや浅野いにおさんが好きです」。今回の役柄を演じる上で「話の中にも出てくる様にカラスの様な声を少し意識した」と言う水川さん。「今後演じてみたい役柄は?」と話を向けると「いま、この役をやりたい!というよりは、いただいた役を演じることの方が大事かと思っています。とにかく、1つのイメージにとらわれることなく色々な役をやりたいと思っています」という答えが返ってきた。まさにその言葉通り、作品ごとに様々な表情を見せてくれる彼女からしばらく目が離せそうにない。まずは山崎まさよしさんを張り倒す本作での女っぷりをご堪能あれ!© 日本文学シネマ製作委員会「黄金風景」向井理インタビュー「黄金風景」優香インタビュー「魔術」塚本高史インタビュー「檸檬」佐藤隆太インタビュー「高瀬舟」成宮寛貴インタビュー<BS-TBS>「グッド・バイ」3月27日(土)18:30〜放送BUNGO-日本文学シネマ- グッド・バイ DVD価格:2,993円(税込)BUNGO−日本文学シネマ− DVD-BOX価格:13,125円(税込)発売日:6月19日(土)公式サイト:■関連作品:のだめカンタービレ 最終楽章 前編 2009年12月19日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビ・講談社・アミューズ・東宝・FNS27社のだめカンタービレ 最終楽章 後編 2010年4月17日よりTOHOシネマズ日劇3ほか全国にて公開© 2010フジテレビ・講談社・アミューズ・東宝・FNS27社■関連記事:『のだめ』香港上陸に熱烈歓迎!玉木宏&上野樹里、欧州の撮影地での公開にも期待“天然女優”上野樹里、早くも続編を約束?『のだめ』大ヒット舞台挨拶ツンデレ?身長?お似合い映画カップル1位は『のだめ』の2人真央&岡田将生が2位上野樹里、“千秋様”玉木宏を盾に竹中のキス拒否!『のだめカンタービレ』初日ヅラ装着率高し!『のだめ』キャスト陣が劇中の衣裳でボケ&ツッコミ、4千人大興奮
2010年03月25日相武紗季、塚本高史、そしてEXILEのMAKIDAIこと真木大輔のトリプル主演による映画『恋するナポリタン〜世界で一番おいしい愛され方〜』が9月に公開されることが発表された。死んだ男の記憶が別の男に乗り移る、というファンタジー要素を含んだ作品で、塚本さんと真木さんは料理人を演じる。特に真木さんはイタリアンシェフの記憶を宿したピアニストという1人2役とも言える役柄に挑戦している。相武さん演じる瑠璃は、プロポーズの返事の相談を幼なじみでイタリアンシェフの武に持ちかけるが、武は瑠璃の元に着く前に真木さん扮するピアニストの佑樹が起こしたアクシデントに巻き込まれ、命を落としてしまう。佑樹は奇跡的に一命を取り留めるが、事故後、佑樹の脳裏には死んだ武の記憶が乗り移っていた…。慣れ親しんだ武の味を再現する佑樹を許すことが出来ない瑠璃。だが、武の想いを伝えるがためによみがえってきた佑樹の行動に、次第に瑠璃の心はうちとけていく。本作では料理の監修に、かつてマドンナのプライベートシェフを務め、マクロビオティック料理に関する第一人者として知られる西邨マユミを迎え、ヘルシーイタリアンレシピをオリジナルで開発しており、料理も見どころの一つ。もちろん、塚本さん、真木さんが料理をするシーンもあるので要チェック!相武さんは「武が何よりも大切な存在だったということが出せるように、じゃれたり嫌味を言うときにも、愛情を持った行動にするということに気をつけました。ときめきや悲しさを感じながら、おいしい料理と一緒に楽しんでください」とメッセージを寄せてくれた。真木さんも「いい音楽、いい料理は人を幸せに笑顔にできる、というところに共感を覚えます。この映画を観た方にある意味満腹になっていただけたら最高です。ボナペティート!」とコメント、そして塚本さんは「イタリアンシェフ役ということで、CDでイタリア語を事前に勉強しました。いつも僕は『料理なんか男がするもんじゃない』と言っていますが、包丁の持ち方や千切りの仕方はちゃんと練習しました」と努力を明かしてくれたがその成果やいかに――?3人以外にも、第21回『ジュノン・スーパーボーイ・コンテストのグランプリに輝いた市川知宏に、歌舞伎役者の市川亀治郎、映画初出演となる元宝塚のトップスター、真琴つばさに脳科学者の茂木健一郎、ベテラン俳優の北大路欣也など豪華な顔ぶれが脇を固めている。また、2009年に再結成したMr.BIGのボーカル、エリック・マーティンが主題歌を担当。ドイツ出身の人気ユニット、スウィートボックスで知られるサウンド・プロデューサーのGeoと共に、本作のために「Love Is Alive」を書き下ろしており、こちらも楽しみなところ。瑠璃を目の前にした佑樹の心にわき上がる愛情は、佑樹本人のものなのか?それとも、武の想いなのか?武が最後の最後に瑠璃に伝えたかったことは?「ナポリタンのレシピを研究して、瑠璃の特別な日に作ってあげるよ」――武と瑠璃、2人の約束の味が想いをつなぐ!『恋するナポリタン〜世界で一番おいしい愛され方〜』は9月、全国にて公開。■関連作品:恋するナポリタン〜世界で一番おいしい愛され方〜 2010年9月、全国にて公開© 2010「恋も仕事も腹八分目」フィルムパートナーズ
2010年03月17日日本の近代文学の巨匠たちの作品の中でも“短編小説”にスポットを当て、旬の俳優を配してオムニバス形式で連続ドラマ化した「BUNGO-日本文学シネマ-」がBS-TBSで放送されている。連載5回目を迎えるキャストインタビューに登場してくれたのは成宮寛貴。“文豪”と呼ぶにふさわしい明治、大正期の作家・森鷗外の「舞姫」と並ぶ代表作「高瀬舟」に主演している。100年近くも前に発表されたにもかかわらず、見事なまでに現代を生きる我々こそが考えねばならない問題を提示するこの名作を、成宮さんはどのように捉え、演じたのか?成宮さんが演じたのは、実の弟を手にかけ、流罪を言い渡された喜助。病を抱え、死を望んで目の前で苦しむ者に対してすべき“正しい行い”とは何なのか?成宮さんも慎重に言葉を選びつつ、この物語が提起している問題についてこう語る。「早くに家族を亡くしたという境遇など、主人公に対し非常に感情移入してしまう作品でした。それを含め、もし僕が喜助と同じ状況に立たされたら…彼と同じ選択をするかもしれない。殺人はもちろんいけないことなのだけれど、考えた末に弟のために手を下して、そして罪を償うというところがすごく切なくて…。僕自身演じていて、弟が死んだ後のある台詞を言いながら、すごくホッとした気持ちになったりして、それでまた複雑な思いに駆られたり…。とにかく、自分の気持ちをひとつに集約できなかったですね。道徳的でないけれど“理解”できる…考えさせられました(苦笑)」。冒頭からしばらくして、牢に入れられた喜助が映し出されるが「仏のような表情」と本人が語るように、何とも言えぬ“安らぎ”を感じさせる表情が印象的だ。どのように演じたのか?と尋ねると「人生において本当に大切なものを失った瞬間を思い浮かべた」という答えが…。「例えば僕が俳優という仕事を辞めなくてはならない状況になったら、ものすごく残念で、でもものすごくホッとして…そういう状態の“幸福感”を噛みしめるんじゃないか?それが幸せであることが不思議で、そしてそんな自分が許せなくて…そんな風に自分の中で順番に気持ちを追っていきました」。話を聞いていると、彼の“演じる”ということに冷静かつ論理的に臨む姿勢が垣間見える。「演じながら役になりきるというよりは、一歩引いて役を見つめていて…俯瞰して自分を見ている」と語るが、「でもクールにじゃないですね、かなり必死ですよ(笑)!」とも。現在27歳。そろそろ“若手”ではない年代に差し掛かってきているのかもしれない。自分の属する世代や年齢、自身の中の変化や成長を意識することは?「それは“シェア”の問題かな。若い子は常に次々と出てくるわけで、そういう子たちを起用して、かつて僕らも出ていた青春群像劇が作られる。僕は僕で、もちろんひとつずつ年をとって、演じる役柄(の年齢)も少しずつ上がっていく。個人的には、実年齢や年上の役を演じるよりは年下の方が演じやすいですね。必死で生きているから“実年齢の人物”が見えてこないんでしょうね」。この「BUNGO」シリーズで塚本高史さんに話を聞いたとき、「いまの自分たちだからできる群像劇をやってみたい」と語っていた。それを伝えると、少し笑ってこんな答えが。「僕らくらいの年齢って、夢がバァーって広がっていてそこに全力疾走という感じでもなくて、少し何かが見えてきて、何かをあきらめたり、シフトチェンジする年頃なのかもしれないですね。まあ、僕自身にそういう実感はないですが(笑)。そういう部分を描くものならやってみたいですね。年齢を少し重ねて、学園モノから少しお兄さんになって“作品選び”が面白くなったというのはありますね。偉そうに言えば“時代を読む”という感じですかね(笑)?」もう一問。“文豪”に因んで、最近であれ、これまでの人生であれ、成宮さんが「強烈な印象を受けた一冊」は?「正月の休みでハワイに行ったんですが、僕はボーっとしてて、一緒に行った友人はずっと本を読んでて構ってくれないんですよ(笑)。そのとき友人が読んでいたのが『カエルを食べてしまえ!』(ブライアン・トレーシー著/ダイヤモンド社刊)という本。朝起きてすぐに、自分がやりたくないことをやりなさい、ということが書かれてる。自分への約束事で自分を縛るというのが面白いな、と思いましたね。また年齢の話ですが、自分で金を稼いで自由自在に泳ぎ回りがちだけど、それだけじゃダメということを言われてるようで結構ガーンと来ましたね。“カエルを食べる”というのは自分の一番嫌なことをやるということ…と言いつつ、読んでません、僕は。でもオススメです!」まさか読んでいない本を薦められるとは…と驚きつつ、話を聞いていてどこか心地良い。やはり不思議な魅力を持っている。「今年は自分にとって役者を始めて10周年の年。自分でスタイルを持って、そのスタイルに意味を感じて…その上で良い出会いを期待したいですね」とニッコリ笑った表情が印象的だった。© 日本文学シネマ製作委員会「黄金風景」向井理インタビュー「黄金風景」優香インタビュー「魔術」塚本高史インタビュー「檸檬」佐藤隆太インタビュー「グッド・バイ」水川あさみインタビュー coming soon<BS-TBS>毎週土曜放送中/全6話・各話30分予定「高瀬舟」は3月13日(土)18:30〜放送BUNGO-日本文学シネマ- 高瀬舟 DVD価格:2,993円(税込)BUNGO−日本文学シネマ− DVD-BOX価格:13,125円(税込)発売日:6月19日(土)公式サイト:■関連作品:交渉人 THE MOVIE 2010年2月11日より全国にて公開© 2010「交渉人 THE MOVIE」製作委員会■関連記事:米倉涼子のチョコ“アーン”に陣内孝則「いつでもタイガー・ウッズになる!」と興奮真犯人を捜せ!『交渉人 THE MOVIE』マスコミ用パンフレットを10名様プレゼント陣内孝則、エロネタ&ブラックジョーク連発!林遣都は米倉涼子にメロメロ?キャスト舞台挨拶付き『交渉人』試写会に25組50名様をご招待米倉、筧&陣内のやんちゃコンビに大困惑映画版『交渉人』完成披露試写会
2010年03月12日昨年放送のTBS系「ROOKIES」、現在放送中のフジテレビ系「まっすぐな男」など快活なキャラクターのイメージが強い俳優、佐藤隆太が、打って変わった「陰」の部分をさらけだす演技に挑んだ。TBSで放送され、BS-TBSでも3月6日(土)に放送されるオムニバスドラマ「BUNGO-日本文学シネマ-」の第3話、梶井基次郎原作の「檸檬」だ。同ドラマは、「文豪を演る」をテーマに、旬の若手俳優陣を主演に据えて近代日本文学の作家たちの短編小説を映像化したもの。佐藤さんは、肺結核を患い31歳で夭逝した梶井の自伝的作品で代表作に挑戦している。肺病を患い、正体不明の憂鬱に苛まれて好きだったものへ興味を失った主人公の「私」が、果物屋で魅惑され買い求めた檸檬に束の間の幸福感を得るが、書店の書棚に置いて立ち去るストーリー。病んだ心身の煩悶や青春の焦燥を体現する難役だった。「ある種、怖さもありました。監督と話をさせていただいて、『檸檬』の中の梶井という人は読む人によって絶対、違う表情をしているのではないか、と。掴みどころのない人間で、小説を読んだ色々な方々が想像をめぐらせている。それがメチャメチャ強い作品。そこを自分の体を使って表現してしまうのは凄く…そういう怖さがあったんです」。それほどの難易度に加え、これまでのイメージを覆す役どころに「みなさんが俺に対して持ってくださっているイメージとは大分違って、内面にこもる役柄なので、ぜひとも挑戦したい」と俳優魂がうずいた。これまでのような“陽”の部分ではなく、自身の“陰”の部分を引き出す作業をじっくりとこなすことで、梶井の心情に寄り添った。「あそこまでの狂気じみたものは持っていないにしても、自分にも暗い思いってある。自分を見つめ直して掘り下げていく、向き合う、そういう作業でした。共感って言ったらおかしいかもしれないけど、自分の中で何か落ち着かない、どこかどんよりして晴れない部分がどんどん見つかって、そこからイメージが広がっていった感じです」。結果、“自分”も再確認できたよう。「やりたいことがどうしてもうまくいかないとか、変なループや悪循環にはまって、好きなことでもテンション上がらない、歯車が合っていない感じ…そういう経験はある。仕事でもプライベートでも、変なタイミングが重なって傷つくこともある。そうすると、どうがんばろうとしても、最悪、時間をかけないと復活できないことも。そのとき、梶井のように血を吐く、ではなくても体調が悪いと本当にどんよりします。それって日常にあると思えた。自分の中の明暗、暗い部分に気付かされて、最終的には俺、暗い人間なのかな?って(笑)」。素顔は、ナイーブで不器用だと笑う。「本当に人一倍ナイーブですね。不器用な方なので爆発しそうな感情をどうコントロールするのが自分にとって一番いいのかってことも今回考えて。うまく散らせればいいんですが溜めて一気に出しちゃうから、時として(周囲に)強く当たっちゃうこともあるし、常に(言いたいことを)言っていられれば強くならないところを、ずっと我慢して我慢してそれでも我慢できなくなったときに言う、って時々あるから。それは反省しています」。繊細な感性が、梶井と重なる印象だが?と尋ねると「どうなんですかね、うーん…でも全く似てないです(笑)」とキッパリ否定し、梶井の人物像を分析してみせた。「多分、不安は誰もが持っていて、どれだけその瞬間そちらに傾くか。そのときの精神状態がそちらにいっちゃっているか。僕はデリケートで繊細になっていっちゃう瞬間が多かったりする、かもしれない。まさに梶井さんには、そういう振り幅を感じます」。梶井に幸福感をもたらしたのが檸檬なら、佐藤さんには何が? 「スニーカーです!よくスニーカー見て(劇中の梶井が檸檬を愛でる演技をしつつ)ニヤリってやっています。全く同じ、ドンピシャです。『俺あの形が好きだ〜』って言いますからね。多くはNIKE(ナイキ)です」。ところで読書については、活躍目覚ましいことからもうかがえる通り、多忙ゆえに最近はなかなか時間が取れない様子。「学生のときは好きだーって思ったものをいろいろ読んでいたんです。あの頃読んだものがいま、ひきだしになっていたりするから、もう一回そういう時間を持つようにしたいですけど」。先月27日には30歳の誕生日を迎えた。私生活では昨年、結婚し一児のパパにもなった。心境の変化は?「この質問されたときは正直に答えると決めているので、答えは全く同じになっちゃうんですけど」と前置きをし「明確に守るべき存在が1人増えたので、気合が入りますね。違う気合ってことではなくますます、という感じ。純粋にそうなんです」と実直な言葉。檸檬と私生活を糧に、演技への情熱をこれまで以上に大きく熱く燃やしている。(text:Yoko Saito)© 日本文学シネマ製作委員会「黄金風景」向井理インタビュー「黄金風景」優香インタビュー「魔術」塚本高史インタビュー「高瀬舟」成宮寛貴インタビュー coming soon「グッド・バイ」水川あさみインタビュー coming soon<BS-TBS>毎週土曜放送中/全6話・各話30分予定「檸檬」は3月6日(土)18:30より放送BUNGO-日本文学シネマ- 檸檬 DVD価格:2,993円(税込)BUNGO−日本文学シネマ− DVD-BOX価格:13,125円(税込)発売日:6月19日(土)公式サイト:■関連作品:ROOKIES−卒業− 2009年5月30日より全国東宝系にて公開© 2009 映画「ROOKIES」製作委員会■関連記事:高岡蒼甫が“恋人の妹”AKB48の小野恵令奈に翻弄される?『さんかく』公開決定三浦春馬&佐藤健がN.Y.の中心で鍋をつつく?5日間の旅を収めたDVD発売!『ROOKIES』興収&DVDで2冠達成!今年の邦画実写No.1で佐藤隆太も笑顔結婚、おめでた&『ROOKIES』断トツ1位祝福の嵐に佐藤隆太が男泣きに泣く!まだまだ見納めは早い?ニコガクメンバー、あまりの仲良さに草野球チーム発足!
2010年03月04日文学史に名を刻む巨匠たちの作品群の中から、作家の“素”の部分が最も顕著に表れると言われる短編作品にスポットを当てて映像化。旬の俳優陣が主人公≒作家を演じる注目のドラマシリーズ「BUNGO-日本文学シネマ-」がTBSでの放送に続き、現在BS-TBSにて放送されている。知らぬ者のいない文豪・芥川龍之介の作品の中から映像化されたのは、その文章からヒタヒタと奇妙な空気感が伝わってくる「魔術」。塚本高史が“芥川の怪作”とも称されるこの作品の主人公、すなわち芥川本人に扮し、その微妙に揺れ動く内面を見事に抽出している。放送を前に塚本さんに話を聞いた。文豪・芥川龍之介を演じるということはどのようなものだったのか?こちらのそんな問いに対し、塚本さんからは「芥川と聞いても、芥川を演じようとは思わなかった」という何とも興味深い答えが返ってきた。「僕は、演じる上でその人が誰であれ、あまり意識はしないんです。演じるのは自分。“誰を”演じるということよりも、台本の中に生きているものや共演者との掛け合い、監督との話し合いの中で生まれてくるもの、現場の空気を大事に演じたい。言葉ではうまく言えないんですが、台本から得たインスピレーションを基に現場で膨らませていく感じですね。文字で書かれているものを『実際に生身の人間として動くならこんな感じかな?』といった具合に、役柄と自分が半分ずつくらいのところから少しずつ役に近づいていく。役の方も僕に近づいてきて、現場でそれが100%、120%になるイメージかな」。主人公はあるインド人から魔術を習うのだが、その魔術を使うには“欲”を捨て去らねばならない。無心と物欲のはざまで揺れ、欲深さをある種、正当化さえしようとする人間の一面が軽妙に描かれるが、塚本さん自身、共感する部分は?「まず、この主人公にある種の純粋さを感じましたね。奥手で、言葉では思いを表現できない人間が何かひとつを――ここでは魔術ですが――習得することで、やっと自らの心の内を表に出そうとする。それこそが人間なんじゃないか?と共感する部分はありましたね」。人間の内面をえぐり出す――。そう聞くと何やら重苦しさを感じるが、先にも述べたようにこの作品におけるその表現は“軽妙”という言葉に尽きる。特に、主人公と村上淳扮するインド人の魔術師が対峙するシーンはほぼ、コメディである。「そもそも、あのインド人がムラジュンさんだって分かんないでしょ!本人にそう言ったら『分かんないからいいんだ』って言ってて、やっぱかっこいいな、この人って思いましたね(笑)。芝居に関しても、台本読んでもワケ分かんなかったし、どういう意味でこの言葉があって、どう返せばいいのかさっぱりだった。いきなり『おっぴろげです』(※魔術師=村上さんのセリフ)とかね(笑)。やっぱり、現場に入ったら意味とか関係なくて、分かってないのにあのやり取りの中で、自分の中から自然に言葉が出てくるような不思議な感じでした」。数年前まで“若手俳優”として、「木更津キャッツアイ」に代表されるような青春群像劇への出演のイメージが強かった塚本さんだが、近年では役柄も作品のジャンルもぐっと幅広さを増したようにも思える…。こちらのそんな言葉にうなずきつつ、今後やってみたいことについて口を開いた。「逆に“いま”だからできる男たちの群像劇をやってみたいですね。『木更津…』が青春だったとしたら、もうすぐ28になろうとしている僕や同世代の奴ら、これ(『BUNGO』シリーズ)にも出てる成宮(寛貴)や(佐藤)隆太と一緒に、いまの僕たちにしかできなものが作りたいですね」。最後に「BUNGO」シリーズに因んで、塚本さんの最も印象的な“読書体験”を教えて!「僕、基本的に小説って読まないです。なぜなら、台本からインスピレーションを受けて映像化するのが僕の仕事なので。僕にとって小説を読むということは文章を自分の頭の中で想像を膨らませて映像化するということ。プライベートで同じことをしようとは思わないです。あえて挙げるなら漫画かな。男なのでヒーローものが好きです。中でも『ドラゴンボール』(鳥山明/集英社刊)は“絶対的”な存在ですね」。飄々と、自らのペースで役柄に身を重ねていく塚本さん。これまでの芥川のイメージとはひと味違っており、それでいて見ていて妙に納得してしまう…まさに魔術のような“怪演”に注目してほしい。「黄金風景」向井理インタビュー「黄金風景」優香インタビュー「檸檬」佐藤隆太インタビュー coming soon「高瀬舟」成宮寛貴インタビュー coming soon「グッド・バイ」水川あさみインタビュー coming soon<BS-TBS>毎週土曜放送中/全6話・各話30分予定「魔術」は2月27日(土)18:30より放送BUNGO-日本文学シネマ- 魔術価格:2,993円(税込)BUNGO−日本文学シネマ− DVD-BOX価格:13,125円(税込)発売日:6月19日(土)公式サイト:■関連作品:木更津キャッツアイワールドシリーズ 2006年10月28日より渋谷シネマライズほか全国にて公開©2006映画『木更津キャッツアイワールドシリーズ』製作委員会■関連記事:2006年活躍したのはこの人!「第1回 インビテーション・アワード」 伊勢谷友介、宮崎あおい、チェン・ボーリン受賞『木更津キャッツアイワールドシリーズ』 3冠達成の快挙『木更津キャッツアイワールドシリーズ』 週末興収前作比2倍大ヒットスタート酒井若菜、ユンソナ、栗山千明、森下愛子、薬師丸ひろ子“女性版キャッツ”登場「第19回東京国際映画祭」5日目『木更津キャッツアイワールドシリーズ』レビュー
2010年02月26日太宰治、芥川龍之介といった近代文学の巨匠の手による短編作品を映像化した「BUNGO-日本文学シネマ-」がBS-TBSにて放送中。今後、DVDならびに劇場公開も控える。初回を飾ったのは太宰の自叙伝的な短編小説「黄金風景」。主演、すなわち太宰治を演じた向井理のインタビューに続いて、本作の“ヒロイン”と言うべきか、太宰の幼少時代、彼の家で女中をしていたお慶を演じた優香のインタビューをお届け!太宰の幼少時代にも深く関わり、彼にとって“忘れられない女”を演じた気持ちは――?「最初は演じるのが怖かった」とオファーが届いた当初の気持ちを明かしてくれた優香さん。「文学作品ってあまり読んだことがなくて、台本も1回読んだくらいじゃ分かりそうもないな…と。太宰さんの名前は知ってましたが、気持ちを理解するのは難しい!最初は周りにもそう言ったんです。でも、チーフマネージャーが文系なんですが、太宰さんについて説明してくれて、その太宰に影響を与え『負けた』とまで言わせてしまう人を演じるなんて面白い!優香、できるよと言われ、乗せられてしまいました(笑)」。では実際に演じてみて、太宰の気持ちは理解できたかというと…。「いやー、太宰の気持ちは難しい!繊細だし、だからこそ書くことでその気持ちを表現する人だったんだろうなと。いまの時代を生きていたら、すごく生きづらかったと思います」。お慶は太宰の生家の女中で、幼い太宰から散々な仕打ちを受ける。やがて同郷の男の元へ嫁ぎ、ひょんなきっかけから東京で成人した太宰と再会する。“太宰治”と聞くと、一般に次から次へと女性と心中を試みた、というイメージを持っている人も多いのでは?その中でお慶は、ある意味で太宰に深く関わりつつ、己の幸せをつかんだ人物と言える。「最初は監督に『少し、おバカな感じで』と言われたんですがこれが難しい。やりすぎると変だし(笑)。でもおバカというのを、一生懸命過ぎて目の前のことしかできない人と理解しました」。お慶がいま、幸せに生きていることを知った太宰の胸には“敗北感”とも言うべき感情が押し寄せる。太宰を演じた向井さんは、その心理を太宰のかつての“恋心”から来るものと解釈していたが、優香さんはどう見ているのか?「えー!?難しい質問ですね(苦笑)。子供の太宰がお慶に抱いていた気持ちは間違いなく恋だと思うんです。器用ではなくて失敗ばかりのお慶が気になって…気になるから意地悪したくなる。でも、『負けた』と思ったのは“恋”ではないような…うーん、お慶の“存在”に『負けた』という感じですかね?」様々な解釈を想起させるお慶をフワリと不思議な魅力で演じている優香さん。“女優”としての側面と共に、司会者やバラエティ番組などでの活躍も目立つが、優香さんにとって“演じる”というのはどういうことなのか?すごく楽しんでいるように見えるが…。「その質問、よく聞かれます(笑)。飽き性なので、同じことをずっとしてられないんですよ。だから、いろんな仕事をしているからこそ、そこで得たエネルギーをまた違うところで活かしている、という感じですね。その中で、『この役は優香で』と言っていただけるならやりたいです。以前は現場に緊張してなじめなかったんですが、最近、演じることが面白くなってきました。違う人になったりするのは楽しいですよ」。最後に、文豪たちの作品を原作としたこのシリーズに因んで優香さんの読書体験について。優香さんにとって、これまでで忘れられない一冊は?「基本的に、本でも漫画でも映画でも、恋愛モノよりも友情モノ…しかも男同士の友情のお話が好きです。女の子ってどこか距離があったりして、その点、男の子って殴り合ったりぶつかり合えるじゃないですか。女の子にはそれができないので惹かれますね。そういう意味で、大好きなのが『ボックス!』(百田尚樹著/太田出版刊)。親友同士なんだけど、一人はエリートでもう一人は努力家という2人のボクサーの戦いアリ、友情アリの物語です。私は、“青春”て言えるものを送ってないので、その部分も憧れます!」向井さん×優香さんの2人から、あなたはどんな解釈を導き出す?短い時間の中での2人の交錯を楽しんでほしい。(stylist:宇賀愛<オフィスロック>/hairmake:今野真樹<maroonbrand>)「黄金風景」向井理インタビュー「魔術」塚本高史インタビュー coming soon「檸檬」佐藤隆太インタビュー coming soon「高瀬舟」成宮寛貴インタビュー coming soon「グッド・バイ」水川あさみインタビュー coming soon<BS-TBS>2月20日(土)より毎週土曜放送中/全6話・各話30分予定BUNGO-日本文学シネマ- 黄金風景価格:2,993円(税込)BUNGO−日本文学シネマ− DVD-BOX価格:13,125円(税込)発売日:6月19日(土)公式サイト:■関連作品:ボックス! 2010年5月22日より全国東宝系にて公開© 2010 BOX! Production Committeeストリングス 〜愛と絆の旅路〜 2007年4月28日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて順次公開■関連記事:市原隼人と共演できる!『ボックス!』クライマックス・シーンでエキストラ大募集香取慎吾デザイン『ストリングス 〜愛と絆の旅路〜』タンブラーを5名様にプレゼント『エヴァンゲリオン』の庵野秀明×長塚圭史が魅せる人形ファンタジー『ストリングス 〜愛と絆の旅路〜』試写会に5組10名様をご招待
2010年02月25日「文豪を演る」というコンセプトの下、世界的にも評価の高い日本が生んだ近代文学の作家たちの短編小説を、旬の俳優陣で映像化した「BUNGO-日本文学シネマ-」がTBSおよびBS-TBSで放送される。記念すべき第1回で放送されるのは、昨年生誕100周年を迎え、著作が次々と映画化されている太宰治の短編作品「黄金風景」。主人公≒太宰を演じるのは、もの静かで落ち着いた佇まいながら、どこか心に引っかかる独特の存在感を放ち、映画にドラマにと話題作への出演が続く向井理。向井理が太宰と聞いて意外と見る向きもあるかもしれないが、短い時間の中で味のある太宰像が打ち出されており一見の価値あり!“文豪”を演じて、向井さんの胸に去来した思いは?放映開始を前に話を聞いた。何度も心中して、常に女性に依存して…など太宰に関しては一般的にもある種のイメージが付きまとうが、向井さんがこれまでに持っていた太宰のイメージは?「一度その人になりきった後で、その前に抱いていたイメージを思い出すのは…難しいですね(苦笑)。『走れメロス』や『人間失格』は以前に読んでいたんですが、当時で言う“イマドキな”文章で型破りなものを作る作家ですよね。いま読んでも決して古臭い感じがせず、“文豪”というイメージではなかったです。実際、この時代の人間でもう死んでいる作家ということを知らずに最初に読んだときは、つい最近の人のように思っていた記憶があります。人物については…語弊があるかもしれないけど、当時は太宰の中で自殺ブームですよね。彼自身、芥川龍之介を崇拝していたし、“世間”に憧れ、流されるようなところがあった。旧家の坊ちゃんに生まれたのに勘当されて、結婚して、愛人持って、それとはまた別の人と心中して…ってまあムチャクチャな人ですよね(笑)」。「黄金風景」は元々、新聞に発表された、5分くらいあれば読めてしまうような分量のごく短い小説。幼少時代のある女中の思い出と、大人になってから思わぬ形で再会し、狼狽と敗北感を感じる太宰の心情が綴られる。向井さんはどのようにこの作品における主人公・太宰に向き合い、作り上げていったのか?「まず、なるべくステレオタイプな太宰にならないようにということは考えました。決して、みんなが知っている太宰が本当の太宰とは限らない。特に、自分を主人公として書いている以上、自己分析をしている部分もあったと思うし。現場に入って何も考えずにやってみたらどうなるか?という思いもありました」。先ほどの太宰作品についての向井さんの見方ではないが、かなり現代的に感じられる描写や太宰の子供っぽい一面が強く押し出されている部分も見られるが…。「子供っぽいというのは、見方によっては人間らしく着飾らずに感情を出した部分と言えると思います。そこに惹かれる人は少なからずいたでしょうね。かっこ悪いのがかっこいい…全部さらけ出す人だから魅力的なのかとも思います」。女中の消息を人づてに聞いた太宰の口をついて出たのは「幸福か?」というひと言。そして、彼女と家族の姿を遠くから見つめながら清々しいまでの敗北感を抱く。こうした太宰の感情に対し、向井さんなりに理解は?と尋ねると「それほどまでに初恋を引きずっていた、という部分は分かる気がします」との答えが。やはり彼が抱いていたのは恋心なのだろうか?「はっきりと文字でそう書かれてはいませんが、そうだと思います。逆に、書いてしまえば薄っぺらいものになってしまう。僕も最初に読んだときはそう感じなかったんですが、実際にセリフを口にして、演じていく中でそう(=初恋)だったんだと分かってきましたね。太宰自身、書きながら自己分析をする中で理解したのかもしれませんね」。演技をふり返る中で、向井さんの口から何度となく出てきたのが「誰にも見られていないという意識で演じる」という言葉。向井さんにとって“演じる”とはどういうことなのか?「演じるとは何か?難しいですね…(苦笑)。役者をやるということはそこに尽きるんですが。あえて言うなら“リアリティをやる”ということでしょうか。時にぼそぼそと喋ったり、背中で語ったり。自分じゃない誰かを表現するには、その人になりきらなきゃいけない。その意味で、リアリティということを大切にしています」。その言葉通り、どの作品においても向井さんは役柄そのものになりきっており、登場人物の性格がそのまま向井さんに当てはまるように思えることも!では、実際の向井さんはどんな人物?「それは秘密です(笑)。僕の中では俳優の個性ってどうでもいい部分なんです。というのは作品において、アーティストは監督であって、僕自身はアーティストではなく、作品の中でどう立ち回れるかが重要なんですね。監督がいて、カメラさんがいてメイクさんがいて…という中で僕はそのうちの一人。だからこそ、僕自身は“個性”を持ち込みたくないという気持ちが強いです」。そう言われるとなおさら“素”の向井さんが気になるが…。一度社会に出てから役者の道を志すなど、そうした異色の経歴も含め周囲は想像をかき立てるが…。「先ほどの太宰の話と同じですよ。みんなが知っているその人が本当のその人とは限らない(笑)。“どう思われるか?”に合わせるつもりはありません。いまの時点で言えるのは、お芝居を中心に生きていきたいということ。周囲は変わっていくものかもしれませんが、僕自身は変わらず、自然体でやっていけたらと思います」。静かに笑みを浮かべながらも凛とした口調が印象的だった。© 日本文学シネマ製作委員会「黄金風景」優香インタビュー coming soon「魔術」塚本高史インタビュー coming soon「檸檬」佐藤隆太インタビュー coming soon「Bungo-日本文学シネマ-」<TBS>2月15日(月)25:44〜26:14「黄金風景」(太宰治)2月16日(火)25:09〜25:39「魔術」(芥川龍之介)2月17日(水)25:14〜25:44「檸檬」(梶井基次郎)2月22日(月)25:44〜26:14「冨美子の足」(谷崎潤一郎)2月23日(火)25:09〜25:39「高瀬舟」(森鴎外)2月24日(水)25:14〜25:44「グッド・バイ」(太宰治)<BS-TBS>2月20日(土)より毎週土曜放送/全6話・各話30分予定公式サイト:■関連作品:BECKベック 2010年秋、全国公開© 2010『BECK』製作委員会/© ハロルド作石/講談社■関連記事:向井理、成宮寛貴らが文豪に変身?ドラマ「Bungo」主題歌はいきものがかりに決定水嶋ヒロ&佐藤健がギターをかき鳴らし向井理は半裸金髪でベース!『BECK』最新映像三浦春馬&佐藤健がN.Y.の中心で鍋をつつく?5日間の旅を収めたDVD発売!『BECK』水嶋ヒロ、佐藤健らによる音楽フェスのライヴシーン観客役を大募集!
2010年02月12日日本の文学史に輝く文豪による近代文学の傑作短編小説6本を、向井理を始めとする旬の実力派俳優を配して映像化する連続ドラマ「Bungo -日本文学シネマ-」の放送がTBSおよびBS-TBSで2月から始まる。このドラマの主題歌を、いきものがかりが担当することが決定し、あわせてボーカルの吉岡聖恵が本ドラマのナレーションを務めることも決まった。“文豪を演る!!”というコンセプトの下、太宰治の「黄金風景」(写真)、芥川龍之介の「魔術」、梶井基次郎の「檸檬」、谷崎潤一郎の「冨美子の足」、森鴎外の「高瀬舟」、そして再び太宰の「グッド・バイ」という6篇を1日1話ずつ放送。それぞれの主演には向井理と優香、塚本高史、佐藤隆太、加藤ローサ、成宮寛貴、そして山崎まさよしと水川あさみという旬な顔ぶれが並ぶ。長編小説に比べて私小説的な要素が色濃く、作家の素の部分が顕著にあらわれているとも言える短編小説の映像化とあって、「主人公≒作家」という視点でこの出演陣を眺めてみるのも面白そう。主題歌は、昨年末にリリースされたいきものがかりにとって4枚目のアルバム「ハジマリノウタ」に収録されている「真昼の月」。主題歌とあわせてナレーションも担当した吉岡さんは高校時代、放送部に所属していたということだが「メロディなしで言葉を伝えるナレーションというものはとても新鮮な体験だった」とふり返った。豪華キャストの演技に彩りを加えるナレーションと主題歌にも注目したい。連続ドラマ「Bungo -日本文学シネマ-」はTBSにて2月15日(月)深夜より、BS-TBSにて2月20日(土)より放送。「Bungo -日本文学シネマ-」公式サイト 日本文学シネマ製作委員会■関連作品:BECKベック 2010年秋、全国公開© 2010『BECK』製作委員会/© ハロルド作石/講談社■関連記事:水嶋ヒロ&佐藤健がギターをかき鳴らし向井理は半裸金髪でベース!『BECK』最新映像三浦春馬&佐藤健がN.Y.の中心で鍋をつつく?5日間の旅を収めたDVD発売!『BECK』水嶋ヒロ、佐藤健らによる音楽フェスのライヴシーン観客役を大募集!
2010年01月20日西田敏行、三國連太郎が12月26日(土)、東京・丸の内ピカデリー1で行われた、主演を務める国民的人気シリーズ最終作『釣りバカ日誌20 ファイナル』の初日舞台挨拶で異例のカーテンコールに立ち号泣。投げキッスと「愛してるよー!」のメッセージをファンに贈った。同シリーズレギュラーの浅田美代子、今作キャストの吹石一恵、塚本高史、朝原雄三監督と舞台挨拶を終えて退場したが、客席から沸き起こった「ハーマーちゃん!」「スーさん!」の大コールを受けて2人で再登場。西田さんは「映画の舞台挨拶でカーテンコールが掛かるなんて前代未聞。みんな、愛しているよー」と大粒の涙。三國さんも涙を拭いつつ「これからも映画を愛してやってください」と呼びかけ。2度目の退場時にも止まない声援に西田さんは投げキッスを3回贈り、満面の笑顔で応えた。挨拶を終えた西田さんは「今日は泣くまいと思ったのですが、三國さんの横顔を見ていたら感極まりました」とポツリ。今後も1〜2年に1回ぐらいは?と続編に関する取材陣の問いに「どうなんでしょう?今回の作品をたくさんのお客様に観ていただき、たくさんの声が上に『釣りバカ』と届けば立ち上がらないわけにはまいりますまい、と思うかもしれませんが、いま、予定はありませんね」と飄々と語ってみせた。同シリーズは、作・やまさき十三、画・北見けんいちによる同名漫画を原作に、一流会社「鈴木建設」の会長のスーさんこと鈴木一之助(三國さん)と同社の平社員で釣りの名人、ハマちゃんこと浜崎伝助(西田さん)の珍道中と様々な人々との交流を描く物語。1988年公開の第1作から、スペシャル版を含め今回の『ファイナル』まで全22作で終止符を打つ。『ファイナル』では、不況下で大型受注に成功したご褒美の釣り休暇でスーさんと北海道を訪れたハマちゃんが、スーさんの親友の孫娘(吹石さん)と同棲中の牧場の跡取り息子(塚本さん)のためにひと肌脱ぐ物語。ハマちゃんの愛妻役を演じてきた浅田さんは「涙がこみ上げて、ちゃんと舞台挨拶ができませんでした」と照れ笑い。塚本さんは「いつも緊張しないのに今日は緊張してしまって…1作目から観られている人たちも来ていたわけで、ホームのようでアウェイだった。でも、そういう人たちにも僕の演技を観てもらえた。役者になってよかった」と感激をかみしめ、吹石さんは「こんな舞台挨拶は初めてで鳥肌が立ちました。ドラマも好きですが映画はカメラの向こうにこんなに温かいお客さんがいる。いいですね」としみじみ話していた。『釣りバカ日誌20 ファイナル』は全国にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:釣りバカ日誌20 ファイナル 2009年12月26日より全国にて公開■関連記事:ハマちゃん&スーさんサンタ来場、感涙メッセージとボヤキ節で特集上映スタートハマちゃん「釣り竿を納めたい」 『釣りバカ日誌20 ファイナル』大感謝パーティ国民的シリーズ『釣りバカ日誌』が遂に終焉…ハマちゃん&スーさんの胸中は?
2009年12月26日北野武監督が『アキレスと亀』以来1年ぶりの新作にして、『BROTHER』(’01)以来、久々にヤクザを主人公にした本格バイオレンス作品として期待が集まる作品のタイトルが決定!その名も『アウトレイジ』(OUTRAGE=極悪非道)というストレートなタイトルで、しかも登場人物が全て“悪(ワル)”という、異色のバイオレンス・エンタテイメントになっている。物語は、関東一円を取り仕切る巨大暴力団組織である山王会の組長・関内が若頭の加藤に、直参である池元組の組長・池元について苦言を呈すところから始まる。加藤を通じて池元は、直系ではない村瀬組を締め付けるように命令を受ける。その後すぐさま、池元は灰化にある大友組の組長・大友に役目を言い渡す。命令はいつも小さい者へ弱い者へと流れゆく。大友はいつも、上の尻拭いや汚れ役に奔走させられたきたのだった。生き残りと面子を賭け、裏切りや駆け引きを駆使した激しい権力闘争が幕を開ける――。北野監督自ら、ビートたけしとして主人公・大友役を演じるほか、三浦友和(加藤役)、椎名桔平(大友組若頭・水野役)、加瀬亮(大友組組員・石原役)、さらに國村隼(池元役)、杉本哲太、石橋蓮司、小日向文世、北村総一朗(関内役)、塚本高史、中野英雄など、北野映画初登場の豪華俳優陣が集結している本作。注目は話題作への出演が続く加瀬亮のヤクザっぷり。柔和で親しみやすいイメージで語られることが多い彼だが、そんな世評とは裏腹に、これまでも『female フィーメイル』(短編「玉虫」)や『パッセンジャー』など狂気に満ちた役で存在感を示してきた。そして、本作でついに本格的なヤクザ役に初挑戦!その“キレ”の演技には監督が思わず拍手をする一幕もあったとか。監督からは「面白くて仕方ない」という発言が飛び出すなど、早くも本作に対する満足度と自信を感じさせる。今年の夏にクランクインし、現在、順調に編集作業が進められているとのこと。『アウトレイジ』は2010年全国にて公開。■関連作品:アウトレイジ 2010年、全国にて公開
2009年12月01日脚本・宮藤官九郎と監督・水田伸生、主演・阿部サダヲの大ヒットコメディ『舞妓 Haaaan!!!』チームが再タッグを組んだホームコメディ『なくもんか』が、11月14日(土)に公開初日を迎えた。この3人に加え、瑛太、竹内結子、塚本高史、いしだあゆみら豪華キャストが登壇し、笑いあふれる舞台挨拶が行われた。「今日は頑張ってハムカツ色のスーツで来ました!」とこんがり黄金色のスーツにハム色(ピンク)のシャツにソース色(茶)のネクタイをあわせ、気合たっぷりに登場した阿部さん。ハムカツとは、阿部さん演じる祐太が切り盛りする惣菜屋「デリカの山ちゃん」の名物。人情味あふれる商店街が舞台となる本作だが、それに因んで「商店街でお店を開くとしたら?」と尋ねると、「間違いなくハムカツ屋で。ハムカツオンリーで行こうと思います!」とすっかりハムカツに夢中。ほかの登壇陣にも同じ質問が回ったが、瑛太さんは「文房具屋」、竹内さんは「じっくりお茶を飲みながら読める本屋」とのこと。挨拶時からしきりに「インフルエンザが流行ってるので」と繰り返す塚本さんはやはり「薬局」、宮藤さんは「喫茶店。僕が喫茶店にいることが本当に多いので、自分で作っちゃおうと」と、思い思いに理想のお店を挙げていった。そんな中、大ベテランのいしださんは、目を輝かせながら「お惣菜屋さん!」。「高齢の方が簡単に買いに来れるような。私、おかず好きなんです」と告白し会場を沸かせた。続いて、劇中で描かれる祐太のちょっと変わったストレス解消法に因んで、それぞれのストレス解消法が披露された。阿部さんは「僕はストレスはたまらない方なんですが、強いて言えば最近始めた波乗りがいいかな。すげえいい波来てるぜ〜」と嘘八百、すかさず周りから「焼けてないじゃん」とのツッコミが。一方、瑛太さんは「熱帯魚の水換えです。水を換えた次の日は、グッピーのメスは子供を産む確率が高いんです」と淡々と語り笑いを誘った。対照的なストレス解消法を披露したのは竹内さん。「前はよくタオルを折って折って、そこにワーって思い切り大声出したりしてたんですけど」と意外な一面を明かしたが、これが宮藤さんのツボに入ったようで爆笑。自身も思い当たることがあったらしく、「僕もパソコンがよくフリーズするので、そのときはまずワーって叫んでどうしようか考えますね。なぜ保存しなかったんだという自分への怒りです」と明かした。水田監督は「一人で映画館に行ってスクリーンに集中すると嫌なことがふっとなくなる。でもこうやって大勢で観るのも素敵ですよね?」と半ば強引に促すと、会場から盛大な拍手が贈られた。そして最後の記念撮影では、巨大ハムカツのパネルが登場し、阿部さんが一同を代表して、ソース色のペンキで「なくもんか大ヒット!!」という筆入れを行った。観客とキャストが見守る中、時間をかけて丁寧に描かれたタイトルは見事な出来栄え。これを見て「次はペンキ屋でやりますか(笑)?」と、さっそく水田監督から宮藤さんに次回作のお誘いも。『なくもんか』は全国東宝系にて公開中。■関連作品:なくもんか 2009年11月14日より全国東宝系にて公開© 2009 「なくもんか」製作委員会■関連記事:聖なる夜を一緒に過ごしたい俳優は?「MTV」Ituneカードを10組20名様にプレゼント笑って泣けるホームコメディ『なくもんか』試写会に25組50名様をご招待竹内結子が阿部サダヲに“襲われ”て股間蹴りをキメた!?『なくもんか』会見
2009年11月14日22年続いた人気映画シリーズの最終作『釣りバカ日誌20 ファイナル』の公開記念大感謝パーティが11月4日(水)、東京・ホテルニューオータニで行われ、主演コンビの西田敏行がシリーズに別れを告げ、三國連太郎は西田さんとの再タッグを願った。人気漫画を原作に、一流企業の万年ヒラ社員で釣りの名人、ハマちゃん(西田さん)と、同社会長でハマちゃんの釣り弟子、スーさん(三國さん)のコンビが、日本各地の釣りの名所で騒動を繰り広げる人情喜劇。昭和63年に『男はつらいよ』シリーズの併映作品としてスタートし、ほぼ1年に1本のペースで製作されてきた。最終作の名所ロケは6月に北海道の道東地方で行われた。約40人集まった歴代キャスト陣を前に、西田さんは「この旅で鉾というか、釣り竿を納めたいと思います」としみじみ。「寂しい感情もありますが、惜しまれながら終わるのがいいという美意識もある。この辺りかな、と思う」と感極まったような表情。この日がちょうど62回目の誕生日で、同シリーズのロケ地をイチゴで示した日本列島を描いた巨大ケーキで祝福されると「誕生日ではあるなーと薄々思っていたけどこんな形で祝ってくださるとは思いませんでした。今日はハマちゃんの22回目の誕生日と理解しています」と会場を和ませた。一方の三國さんは「つい最近こけたんです」と“転倒事故”を突如告白。左頬を指して「こことここにヒビが…」と言うと、西田さんは「86歳でランニングしてこけたんです。ダメでしょう?」と飄々とした調子で茶化す始末。関係者によると、三國さんは10月23日(金)、静岡県沼津市の別荘内で転倒。高齢のため大事をとって東京・慈恵医大へ3日間、検査入院したが骨折などはなく打ち身ですんだという。三國さんは挨拶で「成田反対闘争で初めて西田さんとお会いして…」。すかさず西田さんが「三國さんがおしゃっているのは、(初共演した)『襤褸の旗』という独立プロの映画の現場の話でして、(主演の)三國さんが田中正造で、私が農民の一人を演じました」と解説。三國さんは西田さんに「私の不用意な俳優生活で刺激になった俳優さんです。こんなにリズム感のいい人が、世の中にいるんだと感動しました。ただちょっとのんべいなのが気がかりですが、乗り越えて次世代を代表する俳優になると思っています」と太鼓判。スーさん役との別れについて聞かれても「成田からご一緒している俳優さんで、私が役者をしている間は永遠にご一緒したい」とラブコールを送り続けた。パーティには、ハマちゃんの愛妻・みち子さん役の浅田美代子らも出席。浅田さんは「私生活では結婚は必要ないと思うくらいハマちゃんに愛され、幸せでした」と笑顔を見せ、写真撮影の際、取材陣から求められ、何度も西田さんの頬にチュッとキス。ほかに本作キャストの吹石一恵、塚本高史、歴代マドンナ代表の名取裕子らが「心に残るシリーズ」と声を揃えていた。『釣りバカ日誌20ファイナル』は12月26日(土)より全国にて公開。■関連作品:釣りバカ日誌20 ファイナル 2009年12月26日より全国にて公開■関連記事:国民的シリーズ『釣りバカ日誌』が遂に終焉…ハマちゃん&スーさんの胸中は?
2009年11月04日映画『なくもんか』の完成披露会見が10月1日(水)、グランドハイアット東京で行われ、ヒロイン役の竹内結子が主演の阿部サダヲを相手に股間蹴りのアドリブ演技をキメたエピソードを明かした。本作は、脚本・宮藤官九郎、監督・水田伸生ら人気作『舞妓 Haaaan!!!』のスタッフが再タッグを組んだホームコメディで、ハムカツが名物の惣菜屋の二代目店主・祐太(阿部さん)とその妻・徹子(竹内さん)、祐太の生き別れの弟・祐介(瑛太)ら“家族”の悲喜こもごもを描く物語。阿部さんは夫婦役で初共演となった竹内さんの印象について司会者から聞かれると「撮影の初日がプロポーズのシーンだったんですが、激しいプロポーズで竹内さんの蹴りが股間の方に。そうするとノッてきますよね!男優的には…」と目尻を下げてニヤニヤ。隣で吹き出しつつ聞いていた竹内さんは、台本に股間蹴りとあったのか?との問いに「いえ、ありません。阿部さんがもの凄い勢いで覆いかぶさってきたものですから、何とか身を守ろうとしまして」とアドリブだったことを告白し、宮藤さんら関係者、共演陣、取材陣を爆笑させた。阿部さんと兄弟という設定の瑛太さんは「最近共演したタレントさんとこの映画の話になり、『阿部さんと似てるよね』と言われました。何人かの方から言われたんです」と報告。阿部さんは「ホント?似てる?どのあたり?さっき鏡見たけどやっぱり似てないよ。俺、直毛だし…。僕は誰にも言われていないなぁ」と一瞬しょんぼり。だが「でも、瑛太さんといると、温度が好きでとても居心地がいいです」と笑顔に。2人で顔を見合わせてうなずき合い、意外な?相性の良さをうかがわせた。一方で、質疑ではタイトルに引っかけた「最近“なくもんか”と思ったことは?」というベタベタな質問が。阿部さんは「この間、何度か共演したタレントさんから『はじめまして』と言われまして」。瑛太さん扮する祐介の相方の芸人・大介役の塚本高史は「夏、ウチのクーラーが壊れたんですよ。しかも2台同時に。なんで夏に壊れるんですかね?売ろうとする作戦ですかね」。祐太の育ての親に扮したいしだあゆみは「ないですね。年を取ると喜怒哀楽が薄くなってくるんですよ」とベテラン女優らしからぬおトボケぶりで取材陣の笑いを誘っていた。『なくもんか』は11月14日(土)より全国東宝系にて公開。(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:なくもんか 2009年11月14日より全国東宝系にて公開© 2009 「なくもんか」製作委員会
2009年10月01日世界に“ツカモト”の名を知らしめるきっかけとなった代表作『鉄男』から20年のときを経て、鬼才・塚本晋也がその21世紀版として完成させた最新作『TETSUO THE BULLET MAN』。本作が、2日より開催中の第66回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門へ日本唯一の正式出品となり、5日(現地時間)、その記者会見と公式上映が行われた。同映画祭とは、1998年に『BULLET BALLETバレット・バレエ』が招待作品として上映されて以来、4度にわたる正式出品ですっかり縁深い監督の一人となった塚本監督。昼に行われた記者会見の会場には世界中から数多くの報道陣が集まり、多くの質問が飛び交った。監督は、作品について「いつかはやりたいと思い続け、今回昔ながらのやり方で自分の仲間たちと好きなように作る方法でやることにしました。結果的にシンプルで力強く、前2作(『鉄男』『鉄男II/BODY HAMMER』)のままの気持ちに、いまの新たな感情をプラスしたものができたと思います」と説明。前2作からの時間の経過をふり返り「今日の東京は戦争体験者も少なくなり、より多くの人が生と死の切実な実感が持てずにいる。それだけに暴力ももっと加速し、より恐ろしい電脳都市になってきた」と語りつつ、「サイバーパンクという言葉は、かつて『ブレードランナー』や『AKIRA』が出てきた頃に比べると、言葉自体は輝きを失っているかもしれないが、そのテーマはいまも色褪せていない」と変わらぬ作品づくりへの思いを世界に向けて発信した。また、同日深夜24:00より行われたレッドカーペットと公式上映には、塚本監督と主演のエリック・ボジックに加え、桃生亜希子とステファン・サラザン、中村優子も合流。深夜にも関わらず、報道陣と塚本ファンを中心とした観客で会場は一杯になり、上映後にはスタンディング・オべーションが5分も続く熱狂ぶりを見せた。観客のこの反応に、「これまで『鉄男』を海外で上映したときの反応とかなり違う。たくさんの拍手を聞けて良かった」と感動しきりの監督。「いまでもなぜコンペティションに入ったのか良くわからない(笑)。レッドカーペットをみんなで足並み揃えて結婚式のように歩くことは、やはりすごいことなんだと思った」と興奮ぎみに喜びを語った。また、黒のミニドレスで登場した桃生さんは、「(レッドカーペットを)長く感じました。レッドカーペットの終わりでは、みんなでこの瞬間を噛みしめなきゃね、と話しました」と感激のコメント。対照的に白の着物で現れた中村さんも、「現場で頑張った仲間たちの顔を見ながら歩くことが出来て幸せ」としとやかさの中に笑みを浮かべた。去る7月に行われたコミコンでも早くも世界の注目を集めていた本作だが、ヴェネチアでの反応やいかに?『TETSUO THE BULLET MAN』は2010年、全国にて公開。© Kazuko Wakayama■関連作品:TETSUO THE BULLET MAN 2010年、全国にて公開■関連記事:塚本晋也最新作、ヴェネチア国際映画祭出品決定初コンペ出品の快挙!世界のツカモト、全篇英語で挑んだ21世紀版『鉄男』で“全世界同時”会見
2009年09月07日働く意欲ゼロ、毎度深夜のファミレスで尽きない妄想トークをダベっているだけの男3人が贈る、1話完結型のユル笑シチュエーションコメディ「THE3名様」。石原まこちんの人気漫画を原作に、佐藤隆太×岡田義徳×塚本高史という引っ張りダコの仲良し3人組が繰り広げてきた本DVDシリーズが8月3日(月)で、早くも4周年!累計32万枚を突破したこの人気シリーズだが、待望の第7弾が今年の12月、1年7か月ぶりに発売されることが決定した。このたび、某ファミレスで行われた本作のクランクイン直後の撮影現場に潜入!さらに、再結集した3人に、新作を迎えての感想を語ってもらった。おなじみのテーブルにドリンクバーが並ぶアットホームな店内。今回撮影が行われたのは、佐藤さん扮するジャンボが偶然出くわした、同級生たちについて話しているシーン。かつてはサエなかった同級生が社会的に大成功しているという話からおなじみの妄想トークが始まり、塚本さん扮するミッキーの強気発言が炸裂する。リラックスしたムードの中、いつものテーブルに佐藤さん、岡田さん、塚本さんの3人が着くと、さすが長年で培われた“3名様”の空気がすぐに出来上がり、リハーサル時から監督始めスタッフからも笑いが絶えない様子。すぐさま撮影本番に入るや、息のぴったりと合った会話がノンストップで進み、わずか2テイクで監督の“OK!”サインが出た。前作からのブランクを全く感じさせない3人だが、久しぶりの新作の意気込みを聞くと、「第1弾も“ファミ”ということで8月3日に発売されて、さんざん“3日”にこだわっておいて3周年は全く何も動かなかったと。あんまり4周年と言わない方がいいんじゃないかと思いますが、遅れを取った分、4周年は行くぞ!という気持ちで頑張ります」と佐藤さん。塚本さんが「1年7か月ぶりという感じがしませんね。何年経とうが『3名様』は『3名様』ですからね、毎回ラフにやってるので今回もラフにいこうと思います」と話すと、「いいこと言うね!」と佐藤さんから合いの手も。また、4周年を迎えた感想を尋ねると、塚本さんは「このバカたちとは4年どころではないんで、同じ1つの作品をずっとやっていけるのは光栄ですが、それぞれとは会ってるので4年の重みはあまり感じないですね」ときっぱり。佐藤さんが「この1年7か月、少ないかもしれないけど何人かは待ってくれていると思うので、これからも温かい『3名様』でありたいです」とまじめに話すと、「好印象ですよ、あなた」と茶化される一幕も。一方、岡田さんは「出遅れたなと。この1年7か月の間に、1人子供が増えた奴とか、結婚しちゃった奴とかいて、一番最年長なのに出遅れたなって」と自虐コメントで、報道陣を沸かせた。そう、先日結婚を報告したばかりの佐藤さんだが、実は芸能界で最初に報告した相手が塚本さんだったとか。その会見模様をTVで見てたという塚本さんは「いつ塚本って言うかなと思ってたんだけど、一切…」とグチをこぼすや、岡田さんに至っては、会見前日に佐藤さんから報告の電話があったにもかかわらず、「すごい着信の数だったからおかしいとは思ったんだけど、折り返さなかったんだよね。留守電入ってなかったから大した用事じゃないだろうなって」と劇中のまっつんばりのマイペース。最後に3人を代表して岡田さんは「成長した我々を見ていただきたいと…」と切り出しつつ、「そんなに変わってないと思います。意識も何も変わってないと思います」と飄々とアピールし、笑いを誘っていた。撮影快調!完成が楽しみな「THE3名様」シリーズ第7弾は12月、発売予定。
2009年08月12日国内外で数多くのファンを持つ塚本晋也が、誕生から20周年を迎えた自身の世界的代表作『鉄男』(’89)の21世紀版として、満を持して贈る『TETSUO THE BULLET MAN』。先日、米サンディエゴで開催された「Comic-Con(コミコン)2009」で早くも多くの注目を集めた本作が、9月2日(現地時間)から開催される第66回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門へ正式出品することが決定した。本作で、海外を視野に入れて全編英語による撮影に踏み切った塚本監督。同映画祭とも縁深く、2002年に『六月の蛇』でコントロ・コレンテ部門審査員特別賞を受賞しているほか、2005年には審査員として参加。1998年『BULLET BALLETバレット・バレエ』、2000年『双生児』、2004年『ヴィタール』が招待作品として上映されており、今回で5度目の正式出品となるが、コンペティション部門への出品はこれが初となる。この快挙を受け、塚本監督は「伝統のヴェネチア映画祭コンペ入り、信じられません。まさか『TETSUO THE BULLET MAN』で願いが叶うとは夢にも思っていなかった」とコメント。「『鉄男』が生まれて20年。やんちゃだった自分もいつしか40代最後の年となった。十数年、ずっと作りたいと言い続けてきただけに、最高のワールドプレミアとなった。ヴェネチアの空の下、新しい鉄男に大暴れしてもらおうと思う」と意気込みを見せている。当日は主演のエリック・ボジック、桃生亜希子と共に現地入りを予定している。同部門で過去に最高賞(金獅子賞)を獲得した『HANA-BI』(’97)以来12年ぶりの日本映画の快挙となるか?本作以外にも、日本からは仏合作のフルCGアニメーション『よなよなペンギン』が特別招待作品(コンペ外)として上映されることが決定。日本映画の活躍にいっそう期待が集まる。また、『TETSUO THE BULLET MAN』では、先日の全世界同時製作発表に合わせて「TETSUO PROJECT」()なるサイトが立ちあがったが、ここで浮かび上がる謎の登録フォーマットに登録すると何かが起こるという。気になる方はぜひチェックしてみては?『TETSUO THE BULLET MAN』は2010年、全国にて公開。■関連作品:TETSUO THE BULLET MAN 2010年、全国にて公開■関連記事:世界のツカモト、全篇英語で挑んだ21世紀版『鉄男』で“全世界同時”会見
2009年07月31日