「骨盤」が美と健康に大切な役割を果たしていることは、今やすっかり浸透していますが、「骨盤底筋」の重要性を知っている人は少ないかもしれません。でも実は、この骨盤底筋を意識しているかいないかで、女性の人生が左右される?! ほど “美の要” であることをご存じでしょうか。これまであまり語られなかった女性の骨盤底筋のこと、知っておくべき “美の秘密” について、ボディワークプロデューサーのkyo先生にお話を伺います。そもそも「骨盤底筋」って、どこにあるの?骨盤底筋(たくさんの筋肉でできているので「骨盤底筋群」と呼ばれることもありますが、ここでは骨盤底筋と呼ぶことにします)は、あまりクローズアップされることも少なく、どこの筋肉かよくわからない人もいるでしょう。若いうちは「中高年になってからの尿もれと関係がある」…そんなイメージではないでしょうか? 「骨盤底筋は、文字からわかるように骨盤の下側にある筋肉です。女性の場合、自転車に乗ってサドルに腰掛けたときに、サドルに当たっている部分がほぼ全部骨盤底筋だと思ってください。普段の生活で、この骨盤底筋を意識している人は少ないですよね。でも、ここを意識できるかできないかで、今後の人生にもとても大きな影響を与えます。この筋肉は、他では類を見ないくらい男女差がありますから、特に女性にとっては美の要なんです」(kyo先生)女性にとって、骨盤底筋がどうしてそんなに大切なのかといえば、その役割を考えてみればわかります。人間は2足歩行になったことで、骨盤は下側にぽっかり穴が空いたような構造になってしまいました。その穴から臓器が落ちないように下から支えている筋肉が骨盤底筋。同時に、尿や便、女性なら月経血を排泄する役割。また性交や出産を助ける重要な役目も果たしています。「支えるには筋肉は強靱でなくてはなりませんが、さまざまな動きに対応するには柔軟さも必要。そのため、骨盤底筋は細かな筋肉を何層にも重ねることで繊細な動きが可能になっています。そう、理想は“弾力のある骨盤底筋”なんですよ!」(kyo先生)では、男女別に骨盤底筋を見てみましょう。加齢や運動不足、出産… 「骨盤底筋」が衰えるとどうなるの?男性と女性では、そもそも骨盤底筋の構造が異なっています。男女では何が違うのかというと・・・【女性】・穴が3つ(尿道・膣・肛門)・横長で広い。支えているものが多い(腸・膀胱・子宮・卵巣)【男性】・穴が1つ(肛門)・縦長で狭い。支えているものが少ない(腸・膀胱)「縦に細くて穴が1つという男性の骨盤底筋は、瞬発的にギュッと収縮でき、重いものを持つのにも適しています。対して女性は、支えているものもたくさんある上に、穴が3つで面積が広いため、一気にすべてを収縮させるのに向いていません。素早い動き、大きな力を発揮しにくい弱さから、レディーファーストが生まれたといっても過言ではないと思いますね」(kyo先生)そんなふうに複雑な女性の骨盤底筋は、他の筋肉と同じように加齢や運動不足によっていつのまにか衰えて弾力を失ってしまいます。ましてや出産によってダメージを受け、緩む人もいます。そうなると、尿もれどころかさまざまな不調の原因になったり、下腹部がポッコリと出てきたり…。ひどいと“子宮脱(子宮が膣から脱出してしまうこと)”を招きます。骨盤底筋を見くびってはいけない理由はそこにあります。体幹を支える「骨盤底筋」、若いうちは9cm、衰えると3cmに! 女性の骨盤底筋を詳しく見てみると、本当に複雑にできていることがわかります。次の図は女性の骨盤底筋を下から見たところ。自分の体に置き換えて想像してみてください。すごいでしょう? 骨盤底筋は、排泄や性交の時の感覚からわかるように、尿道、膣、肛門を引き締めたり緩めたりしています。その証拠に、筋肉の一部が肛門で一周、尿道と膣で一周していて、8の字型を描いていますね。女性の骨盤底筋の面積は120〜150平方cmくらいで、若い女性なら9cm程度の厚みがあると言われます。9cm! そんなに厚いとはびっくりです。骨盤底筋を横から見てみると、3層構造になっていることがわかります。いちばん深いところ、内臓側にあるのが骨盤腔内の臓器の間を埋める「内骨盤筋膜」。次の層は骨盤内の臓器を持ち上げて支える「骨盤隔膜」、いちばん浅い表面の層、つまり下側から手でも筋肉の動きが感じられるのが「尿生殖隔膜」です。それぞれの層はさらに細かな筋肉で構成されており、とても複雑な構造となっています。これら3層は、尿道、膣、肛門を収縮させるほかに、腹腔内のインナーユニットと協調して、体幹を安定させる役目も果たしています。骨盤底筋がダメージを受けたり、衰えてしまったりすると9cmもあった骨盤底筋は、わずか3cmほどに薄くなってしまうのだそう! さまざまな不具合が出てくるのもわかります。「特に日本は、昔に比べて骨盤底筋が早く衰えてしまうライフスタイルになっています。昔は畳の生活、和式トイレ、床の雑巾がけ、草むしりなど、しゃがむという行動、歩く時間も長く、日常生活そのもので骨盤底筋が鍛えられていました。現代人は便利な家電や交通機関、デスクワーク、椅子に座る生活によって、衰えるのも早くなっているんですよ。しかも昔は、骨盤底筋に弾力のある若いうちに出産するので、ダメージを受けても回復が早かったのですが、現在のように30代40代の出産では、産前産後のケアが必要でしょう」(kyo先生)フランスでは大人の女性の常識! 骨盤底筋ケア欧米諸国では、骨盤底筋は女性にとってとても重要だという考え方が広く根付いています。特にその意識が高いのがフランス。フランスでは、妊娠、出産、産後ケアがひとつの流れ。リハビリ施設が一般的に普及していて、産後に関わらず、骨盤底筋ケアにかかる費用は保険が適用されています。「フランスなどは、年を重ねても女性らしくありたい、美しくありたいという思いが強い国民性。また、骨盤底筋を鍛えることはホルモンバランスが整うだけでなく、実質的な“膣トレ”にもなるので、パートナーにも喜ばれることは間違いありません。日本女性も、これからはそういった意識を持ってほしいと思いますね」(kyo先生)弾力のある骨盤底筋なら、生理のコントロールもできる!また、最近は布ナプキンの普及によって「月経血コントロール」を意識する人がわずかながら増えてきました。よく考えてみると昔の女性は、みんな経血コントロールができていたのですね。月経血コントロールとは、生理中に膣口を軽く締めて経血を膣の奥や子宮内にためておき、トイレに行ったときに腹圧をかけて一気に排出すること。そんなことができれば、量の多い日にトイレに行けずにハラハラしたりすることもなくなります。「昔は生理用品もなく、布や脱脂綿を使っていたので、経血が漏れることは必至だったと想像できます。だから自らのコントロールが必要だった。膣を締めたり緩めたりできるような弾力のある骨盤底筋を保つ必要があったんですね。意識的に鍛えれば、誰でもできるようになると思いますよ」(kyo先生)次回は、骨盤底筋の鍛え方レッスンをお届けします。kyo(小林 亨)プロフィールボディワークプロデューサー。1983年より幼児体操から大人の健康づくりの体育指導を始め、2001年からはフィットネス業界にて、骨盤を中心に全身を整えるプログラムをスタート。2005年にはスタジオ・ヨギーにてオリジナルの自己骨盤調整メソッド「ビューティ・ペルヴィス®」を展開。2015年5月、現代人の体にマッチしたプログラムを発信するスタジオ「b-i Style」(ビィスタイル)を外苑前にオープン。しなやかな美ボディを目指す男女に人気を得ている。同時に、指導者の育成にも努める。骨盤や骨盤底筋に特化した著書も多く、近著は「ビューティ・ペルヴィス®骨盤調整でキレイになる3週間プログラム」(主婦の友社)。画像協力:有限会社ラウンドフラット発行「見るみるわかる 骨盤ナビ」
2015年08月10日前回やったクランチは、基本的に腹筋の上腹部を引き締める筋トレだが、くびれを作るにはわき腹を鍛えることも大切だ。そこで今回は、通称「腹斜筋(ふくしゃきん)」に対して行う筋トレ「ツイストクランチ」を紹介。はじめの姿勢はクランチと同じ。床にあお向けになり、イスを使って膝を90度に曲げる。そこから右手を左膝に、左手を右膝にタッチさせる。右・左を1セットとして、これを10回行う。右のみ・左のみでもいいが、必ず両方同じ回数になるよう調整しよう。上半身の位置は変わらず、腕だけ伸ばしているのはNG。ツイストクランチで重要なのは、しっかり身体をひねりこと。息を吐きながら身体をひねる際、ひねる方に向けて脇腹に負荷をかけられているか、力の係り具合を意識するようにしよう。より負荷をかけられる人は、タッチする部分を膝から足首まで伸ばす。また、体をひねる・戻すスピードをゆっくりにすると、より腹筋へ刺激を与えることができる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年08月08日整体師の大山奏です。今回はハムストリングス、大腿四頭筋(だいたいしとうきん)、大殿筋を鍛える片脚スクワットを紹介します。スクワットは正しい姿勢で行わないと、膝に負担がかかってしまうので注意が必要です。スクワットは筋トレの王道中の王道。大きな筋肉を動かすことで引き締まった太ももに、そして、代謝アップにも効果が望めます。Step1:肩幅ぐらいに足を開き、片手に重りとなるもの(水を入れたペットボトルなど)を持ちます。反対の手は、壁か机などに添えてバランスを取って立ちます。Step2:息を吐きながら重りを持った方の膝をゆっくり曲げて、反対の足は前に出しますStep3:息を吐ききったら、吸いながら膝を伸ばしていきます片脚スクワットで気をつけたい点は、背中が曲がってしまわないように注意することです。猫背のような姿勢になると肺が圧迫されますし、バランスも崩しやすくなります。とはいえ、あまりに前にバランスがいってしまうのもよくありません。膝を曲げた時に、足先より前に膝が行かないように注意しましょう。真っすぐ立っている状態と同じ位置に重心がくるように、立った状態からゆっくり膝を曲げます。バランスを崩しそうなら重りを持たずに数回試してみて、感覚を掴(つか)むようにしましょう。一回一回の動作の終わりに、完全に真っすぐ膝を伸ばしきらないことも重要です。膝を伸ばしきると一度膝でロックがかかり、負荷が軽くなってしまうからです。ふだん運動をしていない人にはかなり高負荷な筋トレです。10回できればいいと考え、10回が簡単にできるようになったら、10回×2~3セットと増やしてみてください。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年04月02日整体師の大山奏です。年齢を重ねるごとに、身体の肉も増えている……。寂しい悩みを正しい筋トレで解消してみませんか?今回はハムストリングス、腸腰筋を鍛えるランジという筋トレを紹介します。ハムストリングスや腸腰筋を簡単に言うと、腿(もも)の裏側や脚の付け根の筋肉のことです。この筋肉を鍛えることで、毎日の階段の上り下りが楽になったり、バランス感覚がよくなったりします。また、代謝を高めることもできるので、ダイエットにも有効です。Step1:両足を肩幅ぐらいに立ち、手は下ろすか頭の後ろに添えるようにしますStep2:片脚を一歩前に出して膝が90度になるまで身体を下げますStep3:もう一度Step1の姿勢に戻り、反対の足を前に出します膝が外に開いてしまうとNGランジで気をつけたいのが重心移動です。身体の真ん中に重心がくるように意識して行わないと、せっかくの筋トレの効果が台無しになってしまいます。注意するのは、「骨盤が平行に動いているか」と「重心が自分の中心線上にあるか」です。NGな例でありがちなのは、腰を落とした時に後ろに残している足が外側に開くというものです。足は両足とも平行になるように意識しましょう。両足・膝が同じ方向を向いて入ればOK一番下まで下りた時に、両足が同じ方向を向いているのが正解です。また、後ろ足は床ギリギリまで下げましょう。左右交互に30回ずつから始めてみてください。普段あまり歩かない人は、10回目ぐらいから腿が痛くなってくるかもしれません。痛いのに無理を重ねると膝を悪くしてしまうので、膝に負担を掛けないよう気をつけてください。楽にできるようになると、歩行中の疲労が軽減されるので、疲れにくくなりますよ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年03月26日社団法人日本健康機構は、理事長の坂戸孝志氏が開発した、腰痛や肩こりなどの痛みを解消する「筋緩消法」の科学的な立証に成功。日本統合医療学会において、論文「筋緩消法が腰背部筋緊張および腰痛に及ぼす影響」を発表した。腰痛の悩みに関しては一般的に、骨格のゆがみが原因と考えられ、整骨院などでは圧迫やけん引により矯正し、痛みを和らげる施術が広く行われている。一方、この筋緩消法は、被施術者を立たせ、かつ運動をさせながら筋肉に圧力をかける施術法だ。筋肉の過度な緊張状態を軽減することにより、痛みを解消。そのため、骨格のゆがみを矯正する方法とはまったく異なる施術法となる。さらに、10分程度の施術で終了することも特徴だ。仕事帰りやランチタイムの合間など、ちょっとした時間を見つけて施術に通うことも可能になる。同論文では、この筋緩消法を科学的に立証。万人において適用可能で、かつ効果が期待できる施術法であると論じた。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月09日