綾野剛が主演を務める『新宿スワン』の初日舞台挨拶が5月30日(土)、東京・TOHOシネマズ新宿で行われ綾野さんをはじめ、山田孝之、沢尻エリカ、金子ノブアキ、深水元基、山田優、伊勢谷友介園子温監督、脚本を手がけた鈴木おさむら出席した。公開を前に全国キャンペーンに奔走した綾野さんは、「ようやくこの日を迎えることができました。感謝の極みです。共演者が共犯者になってくれた現場だけに、走り抜けて良かった!自分にとってもこん身の一作」と感激しきり。一方、山田さんは黒いマスクを着用し、何やらただならぬ雰囲気…。実は先日開催された本作のPRイベントに登場したタレント・ざわちんによる“ものまねメイク”へのお礼だと言い、その自由な行動に綾野さんも少々あきれ気味?また、司会者が沢尻さんのことをつい“エリカちゃん”と呼ぶと、綾野さんは「確かにもうエリカ様じゃない。この10年でいちばん可愛いエリカちゃんが見られる作品」と太鼓判。伊勢谷さんから「この10年でいろいろあったもんね」とイジられたが、当の沢尻さんは「そうですね。可愛いと言ってもらえてうれしい」とニッコリ。“脱エリカ様”そしてエリカちゃん襲名にまんざらでもない表情だった。約4,000店以上の飲食店・風俗店がひしめきあうアジア最大の歓楽街“新宿・歌舞伎町”を舞台に、綾野さん演じる主人公・白鳥龍彦が、人生のどん底を味わいながら、女性たちに水商売の斡旋するスカウトマンとして、頂点へと成り上がろうとする“男のロマン”あふれる本作。話題作を立て続けに発表している園監督は、「男の色気と女の色気がスパークして、ぶつかり合う激動のドラマ」と誇らしげ。現在、妻でタレントの大島美幸さんが妊娠中の鈴木さんは、「本当は妻にも今日見てほしかったが、ただいま臨月で『イイ男がたくさん出る映画を見たら、産気づきそう…』と言っていて」と話していた。なお、この日は5月30日=ゴミゼロを目指し、綾野さんが歌舞伎町のゴミ拾いを行い「皆様がお足を運ぶ街を美しくピカピカにし、初日を迎えられた事大変清々しい気持ちでいっぱいです。この活動が人々にとって、街にとって、映画にとって、確かな未来に繋げていけたら幸いです」と思いを語った。『新宿スワン』はTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:新宿スワン 2015年5月30日よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開(C) 2015「新宿スワン」製作委員会
2015年05月30日ワコムは、人気クリエイターによる作品のPSDファイルやブラシなどをダウンロード可能な「Create more」キャンペーンにて、イラストレーター・おはぎ氏のebook配布を開始した。同キャンペーンは、同社のペンタブレット「Intuos Pro」で創作活動をしている、あるいはこれから行う人に向けて展開されるもの。国内外から参加する人気クリエイターが制作したオリジナル作品のPSDデータのダウンロード提供に加えて、その作品の制作ポイントが学べるチュートリアルeブックや、作品で使用したブラシや素材なども入手可能だ。今回配布が開始されたのは、ニコニコ動画やpixivにおいて活躍し、小林幸子「吉原ラメント」イメージイラストなどを手がけたイラストレーター・おはぎ氏のチュートリアルつきebook。同氏が描く"かわいい"テイストのイラストができる過程を動画で解説している。ebookは無料配布されており、同キャンペーンサイトでメールアドレスを登録した全員に進呈される。そのほか、同キャンペーン期間中に「Intuos Pro」シリーズのいずれかの製品を購入した人全員には、本格的な作品を制作できるスケッチソフトウェア「Autodesk SketchBook Pro」の1年ライセンスおよびWindows専用ペイントソフトウェア「openCanvas」を進呈。なお、キャンペーンサイト内では、人気バンドDIR EN GREYやthe GazettEなどのCDジャケットを手掛けるクリエイティブディレクターの依田耕治氏も登場しており、日本のみならず海外からも著名クリエイターが順次登場、ebookなどを配布するということだ。
2015年05月29日デザイナーの悲哀をリアルに描いた人気連載「デザイナー哀の劇場」「デザイナー哀の劇場R」を生み出した漫画家・まずりんさん。漫画原稿の作成はこれまでIntuos5、いわゆる「板」のペンタブレットで行ってきたといいます。周囲の同業者たちの多くが「液晶ペンタブレット」を導入していると知ったまずりんさんですが、漫画の制作がラクになるなら使ってみたい!と思ったものの、慣れたペンタブレットからの移行は、連載を抱えている中ではなかなか厳しい……。そう思っていたところ、「レクチャーしますので、試しに触ってみませんか?」とワコム社からのお誘いが。そんなこんなで液晶ペンタブレットに初挑戦するまずりんさんの様子を、「デザイナー哀の劇場」の哀ちゃん&アデ子さんがレポートします!○登場人物次回、いよいよまずりんさんが初めての液晶ペンタブレットにご対面。まずりんさんが液晶ペンタブレット導入を検討する壮大な目的も明らかに? 乞うご期待!
2015年05月29日SuMiKaは、7月25日~8月2日の9日間、長野県茅野市の尖石遺跡周辺にて開催される日本初の「小屋フェスティバル」(以下、小屋フェス)への出展者・出店者の公募を開始した。受付期間は6月10日まで。小屋フェスは、自分らしい暮らし方を実現するツールとして注目を集めている「小屋」を通して、色々な暮らし方を考えるイベント。自然に恵まれた抜群のロケーションの中、計20棟のユニークな小屋が集まり、地元の食材を使った飲食ブースや物販、DIYワークショップ、ステージから流れてくる音楽を楽しみながら、小屋という小さな空間を思いきり体験しようという試みだ。また、このたび募集を開始したのは、小屋で食べる食事の提案をしたい飲食店をはじめ、小屋暮らしに似合う道具・雑貨を販売したい人、小物から家具などのDIYのワークショップを開催したい人、演劇や音楽のステージを行ってみたい人など、物販や飲食、公演などを行うショップやクリエイター、アーティスト。募集数は、小屋出展が20棟、マーケット出店が20店舗、ワークショップやライブ、パフォーマンス等は無制限となっている。応募資格は特になく、法人、自治体、団体、個人事業主、個人などを問わず誰でも応募できる。応募希望者は、申し込みページより必要事項を送信し、審査・面談のうえ決定する。
2015年05月28日今回は美容についてである。引きこもることができない兼業作家ゆえの話を頼む、ということなのだろうが、引きこもりが平気でそのまま外に出てきてしまったかのようなスタイルで毎日会社に行っている。○カレー沢薫の美容術を公開現在当方ロングヘアー、と言えば聞こえは良いが、ここ1、2年は美容院へ行くのも面倒くさがったため、自然にこうなった、それを毎日同じゴムで1本に縛るのだが、毛の量が多いためかすぐゴムが伸びるので、そろそろ荒縄で縛り上げようかと思っている。それにアクセントとして白髪を数本光らせるというワンポイントテクニックで周りにバッチリ差をつけられてから颯爽と、かかとが全くない靴で出社する。骨盤が歪んでいるので、右のかかとばかりすり減っているのも、上級者のスタイルだ。「暗い人間は冷え性が多い」という通説通りの冷え性なので、会社では1年中、元が何色かわからないカーディガンを羽織っている。だが、あまりに着すぎて、後ろから見ると完全にシースルー状態になっていたことが最近判明した。誰もそれを指摘してくれる人がいない人間にしかできない奇跡のファッションである。化粧に置いては、日焼け止め兼用のBBクリームを塗るのみだ。BBとはおそらく「ブス ババア」の略だろう。それも顔面の惨状を隠すには、一回につき一本は使うべきなのだが、どう考えても顔面の広さに間に合っていない少量しか使わない。そして出社してから退社するまで、鏡を見ることは1度たりともない、良い物が映る可能性が皆無だからだ。最近は「自分の目に映らないものはこの世に存在しないと同じ」というルールを採用しているので、自分の顔がどんなに酷くても、見さえしなければセーフなのである。体重も同じルールのため、体重計には乗らない、数字で増えたことを把握しない限りは、太ったことにはならないからである。そんな格好で毎日会社に行っているので、おそらく影では「小汚い」とか「貧乏くさい」と言われているだろうが、面と向かって言われない限りは平気である。実は小学生のころ担任教師に面と向かって「あなたの髪は小汚いから結ぶか何かしなさい」と言われたことがある、当時はショックであったし、その話を聞いた自分の親がモンスターペアレントであったら、モヒカンに火炎放射器を携え、ジープで学校に突っ込むぞ、と思ったが、今思えば本当に目に余る小汚さだったのだろう。大人の自分がこれだけ小汚いのだ、子供の自分が汚くないわけがない。それに、子供の時はこうやって指摘してくれる大人がいるが、大人になると指摘すらあまりされなくなる、言われたことにすぐ癇癪をおこす前に、言われる内が華と思い、今一度言われたことを反芻し、やっぱり納得がいかなければ、思う存分モヒカンジープで突っ込むぐらいの思慮は必要であろう。○オタクが”実は”かわいいという風潮このように私はぶっちぎり小汚い路線だが、世の女性の美意識は格段に上がっている。それは作家業界も例外ではなく、少なくとも私の会った女性作家は皆キチンとしていた。昔は、「漫画を描く女はみんな根暗でオタクでブス」みたいに思われていた節があった、が最近ではそういうイメージもなくなってきたように思える。それどころか、逆に「オタク女は実はカワイイ」みたいな話も散見されるようになった。実は、オタク女=ブス説より、こっちの方が2兆倍困るのである。オタク=ブスが定説だった時代は、身だしなみさえきちんとすれば「オタクなのにきちんとしている」、「オタクだけど割と可愛い」と、最初のイメージがマイナスなだけにプラス評価を得られることができたのだ。それが「オタク女はカワイイ」に変化してしまうと、「オタクなのにブスってどういうことだよ」などと言われてしまうのだ。地獄以外の何ものでもない。どの世界にだって、美人もいればブスもいる。鼻フック相撲を極めようとしている美人だって、探せばいるだろう。しかしそれを、「鼻フック相撲をやっている女はみんな美人」などと言われたら、その世界の女たちは困ってしまうのである。よって、個人的には、「オタク女はクソを10時間ぐらい煮つめたかのようなブスぞろい」というイメージの方が、「10時間と聞いていたが5時間相当ぐらいのブスだった」と思ってもらえるので助かるのだ(逆に「15時間だった」と思われることもあるかもしれないが)。とはいえ、全く美醜が関係ない分野に居ても、まずそこに注目されてしまうのが、女の悲しい宿命とも言える。先日某CMが大炎上してしまったように、社会に出る女性に対し「会社の華になれるよう努力しなさい」というのはセクハラであろう。しかし「大人として一定の清潔感は保て」と言うのは、男女関係なく、最もな主張である、と、あまりにだらしない最近の自分を見て思うようになった。なので、先述のスケスケカーディガンをついに捨てた。次は、毎日顔の脂をぬぐっているフェイスタオルを洗濯するところまでステップアップしたいと思う。千里の道も一歩からである。カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。2015年2月下旬に最新作「やわらかい。課長起田総司」単行本第1巻が発売され、全国の書店およびWebストアにて展開されている。
2015年05月26日優れた若手映画作家の発掘と育成を行うプロジェクト「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」が今年も募集を開始した。本プロジェクトは数々の映画監督を輩出しており、今月末公開の『グッド・ストライプス』の岨手由貴子監督、6月公開の『トイレのピエタ』の松永大司監督も本プロジェクトの出身だ。その他の写真「ndjc…」は文化庁の委託事業で、NPO法人 映像産業振興機構が2006年から行っているもの。団体から推薦を受けた作家の中からワークショップ参加者を決め、同一の課題・条件下で5分間の短編を制作。その中から製作実地研修に参加する作家を決定する。参加者はプロのスタッフやプロデューサーの指導・助言を受けながら2か月かけてオリジナルの脚本を執筆し、約30分のオリジナル劇映画を製作する。ポイントは撮影が35ミリフィルムで行われることで、自主映画では予算の関係からなかなか導入することが困難な35ミリフィルム撮影で新作映画を製作することができる。完成した作品は発表会・講評会が行われた後に一般公開され、国内外の映画祭への出品や劇場での上映の働きかけも行われる。本年度の募集はすでに始まっており、今月21日(木)には募集説明会も開始。今年も映画祭や学校などから推薦された才能あふれる若手映画作家が数多く集まる予定だ。
2015年05月19日今回のテーマは、「兼業でやっていてよかったこと」である。漫画家兼会社員生活の最大の利点は「健康でいられる」ことだ。よく、「そんなに仕事したら体を壊すのではないか」と言われるが、正直、専業漫画家になった方が体と心を壊す自信がある。○二足のわらじを履くことの「利点」まず、会社勤めをしていると、規則正しい生活が送れる。毎日定時に出社するため、朝6時半に起き、夜12時前には寝るようにしている、そして、原稿は12時には寝られるようにスケジュールを立て進行させる。また、締切りを破ったことはない(仕事自体をすっかり忘れていたことはある)。「そう上手く行くか」と思われるかもしれないが、「会社に遅刻したら怒られる」、「締め切りを破ったら怒られる」等、多方面から叱責されることを考えると、どんなに怠惰な人間でも割とキッチリやるようになるのである。これが、遅刻、締め切り破り当たり前、怒られても平気、という状態になったら、もはや漫画家、会社員以前に社会に向いていない。よほど厳しく自らを律することが出来る人間以外でもないかぎり、規則正しい生活を送ろうと思ったら「定時出社」「締め切り」などの強制力が必要だ。しかし、漫画家という職業はその強制力が弱い。ハッキリ言って、締め切りさえ守れば、あとはどう生活してもいいいのだ。特に私はアシスタントなしの一人作業なので、専業作家になったら日中家に一人きりである。これは非常に危険な状況で、起きている間ずっと物を食っているか、連続飲酒状態になる姿が容易に想像できる。現在、会社では同僚たちとの人間関係構築に見事失敗したため、誰とも会話せず、ひとりで仕事をしているようなものだが、やはり人の目があるというのは大きい。デスクでネバーエンドに菓子を食ったり、胸ポケットからウィスキーを出して煽ったりはもちろん、全裸で仕事をすることもできない。つまり、私にとって、生活リズム的には、兼業状態がベストということになり、専業で健康的な生活を送ろうと思ったら、酒瓶を握ろうとする私を手刀で止めるアシスタントを雇わねばならず、非経済なのである。そして第二の利点はその「経済的安定」である。「安定した職業につけ」というセリフに対し「今の時代安定した仕事なんてあるのか?」という反論を聞くことがあるが、残念ながら圧倒的に、漫画家より会社員の方が安定している。作家の実力にもよるが、私を例にした場合、「連載が打ち切られる可能性」と「会社が潰れる可能性」を比べると、どう考えても前者の方が高い。これに「会社をクビになる可能性」をプラスすると五分五分ぐらいになってしまうが、今回は含めないものとする。とはいえ、今勤めている会社の給料はとても良いとは言えず、会社に行っている時間を漫画に使った方が割が良いかもしれない。しかし、今の会社には6年勤めているが、私の漫画連載で6年続いているものなど1本もないのである。また、今は良いが、この先10年、20年と自分に漫画の仕事の依頼が来るというビジョンがどうしても思い浮かばない。むしろ、給与というベーシックインカムを心の支えに、何とかこの不安定な仕事を続けていられるとも言える。その支柱を失ってしまったら今以上に打ち切りに怯え、酒に逃げ、それを空中とび膝蹴りで止めるアシスタントを雇わねばならず、ますます非経済なのである。先日亡くなられた桂米朝氏が「芸事で生きる人間は末路哀れは覚悟の内」とおっしゃっていたが、「俺は末路哀れで良いから漫画を描く」と思っている漫画家よりは、一獲千金を夢見た結果、末路哀れになっているケースの方が多い気がする。そして私のように、人一倍末路哀れな自分ばかり想像するタイプは、何らかの保険なしにはとても漫画など描けないのである。○専業を夢見るも…このように、兼業漫画家生活の利点は多々あるのだが、正直、漫画家1本にしてもっと自由な生活を送りたいという気持ちは非常に強い。会社に行っている時間を漫画に費やせば、作品の質が上がり大ヒット、結果的に会社を続けるより懐も潤うのではと考えることもある。しかし、「時間があれば」と言っている奴は、時間があっても5億%何もしない。会社を辞めたとしても、漫画製作時間はそのままに、余った時間は何もしないに決まっている。それに、ネガティブな人間に時間があるというのは危険なのだ。ポジティブな人間なら、リフレッシュしたり新しい事を始めたりと余暇を有効に使うだろうが、ネガティブな人間に時間を与えるというのは「いらんことを考える時間を与える」ということなのである。つまり、会社を辞めたことによってできた時間全てを「会社を辞めたことに対する後悔」をする時間に使ってしまうのだ。よって私のようにネガティブで、自らを律することができない人間は、会社と締め切りで、縛り上げ、いらんことを考える暇もなく仕事をしている状態が一番健康的な生活と言えるのである。カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。2015年2月下旬に最新作「やわらかい。課長起田総司」単行本第1巻が発売され、全国の書店およびWebストアにて展開されている。
2015年05月12日QREATOR AGENTは11日、クリエイターのためのプラットフォーム「QREATORS.JP」をオープンした。「QREATOR AGENT」は、多様な業界で活躍する"ぶっとんだ"クリエイターを「QREATOR」と定義し、プロデュースを行う総合営業代理店。このたびオープンした「QREATORS.JP」は、同社が新たな「人」のプロデュースの形として開設したものだ。Webサイトのかたちを取ったのは、クリエイターがより活躍するシステムを構築すべく、データサイエンスを取り入れて「人はどのように売れるのか?」というテーマを調査した結果であるという。また、同サイトでは、クリエイターの最新情報を常に更新しており、ポートフォリオ、 肩書、 プロフィール、 インタビュー記事、 動画、 推薦者などを公開。 また、同サイトからクリエイターのメルマガやサロンへの参加、 あるいは講演会やメディアへの出演依頼などが行える。そのほか、「田村淳×一岡亮大×QA代表・佐藤詳悟 対談・さとうの勉強会」をはじめ、同社契約のクリエイターと外部タレントとのコラボレーションコンテンツも拡充する。なお、現在、アートディレクター・千原徹也やファッションデザイナー・ハヤカワ五味、連続企業家・家入一真、 メディアアーティスト・落合陽一、映画監督・紀里谷和明、腸内環境研究者・福田真嗣など計73名のQREATORと契約を結んでおり、年内には200名のQREATORとの営業代理店契約を予定している。
2015年05月12日映画『新宿スワン』のジャパンプレミアが7日、東京・新宿区の歌舞伎町で行われ、キャストの綾野剛、山田孝之、沢尻エリカ、金子ノブアキ、深水元基、山田優、豊原功補、伊勢谷友介と園子温監督、脚本の鈴木おさむが出席した。和久井健の同名漫画を実写化した本作は、歌舞伎町を舞台に、スカウトマンの成長を描く青春群像劇。一文無しの白鳥龍彦(綾野)は、クラブやキャバクラに女性を紹介するスカウト稼業を始める。男たちの野望が渦巻く世界で、龍彦は思いもよらぬ試練に立ち向かう――というストーリーで、映画は30日から全国公開する。綾野らキャスト陣は、歌舞伎町に敷かれたレッドカーペットに登場し、集まったファン約2,500人は大熱狂。「いよいよ始まった。ようやく一歩踏み出せた」と感慨深げな綾野は、その後行われた舞台あいさつで、「出し惜しみをしない事に徹した」と自信たっぷり。一方、ファンへのサインに快く応じていた沢尻は、龍彦に恋するソープ嬢のアゲハを演じ、「誰もが持ってる恋のキャピキャピ感を大切にしました。アゲハの健気な部分を女性のみなさんに共感して欲しい」と笑顔でアピールした。また、劇中で対決する綾野と山田孝之は、プライベートでも親しい間柄。登壇中は、2人で“2年後入籍”宣言をして笑いを誘っていたが、園監督から、「山田くんはおちゃらけて自分を隠すタイプ。撮影中は役になり切って、怖くて話しかけられなかった。カットがかかってから泣き出したり」という暴露も。そんな男性キャスト陣の奮闘を、山田優が、「お腹の底がギューッとするような感覚。男性陣がメチャクチャ格好良い」と大絶賛すると、伊勢谷は、「この第1作ではやりきれてない。もう少しやらせて欲しい」と続編への想いを吐露していた。
2015年05月08日千葉商科大学は、世界で活躍する建築家ユニット・シーラカンスK&Hをはじめとするトップクリエイター陣が手掛けた学生食堂「The University DINING」を、5月11日にオープンする。「The University DINING」は、食事以外の時間にも学生たちが自然と集う"キャンパスライフの新しい拠点"となることを目指し作られた新しい学生食堂。このコンセプトを実現するべく、日本を代表する建築家ユニット・シーラカンスK&Hが敷地選定・企画調整・建築設計を手掛け、自然採光に恵まれた木の温もり溢れる1,120.30平方メートル/350席の新学食棟が完成した。同棟では、約1,000パーツの木構造LVL材を上下2段に組んだ特徴的な木梁天井により、木漏れ日のような自然界のランダムなリズムを再現。また、外周を透明にすることで、季節や天候の変化などが感じられる居心地の良い空間となっている。一方、学生食堂のプロデュース・運営においては、カフェブームの立役者としても知られるトランジットジェネラルオフィスが担当。同社はカフェ「Sign」やレストラン「bills」など約60店舗の運営を手掛けるヒットメーカーで、Signの定番メニューであるカレーや、東京・自由が丘の人気カフェ「自由が丘ベイクショップ」が監修したベーカリーメニューなど、オリジナリティあふれるメニューを展開する。内装デザインは、BEAMSをはじめ数々のアパレルブランドや商業施設を手がけるLINEが手掛けたほか、学食のロゴは、AKB48の『恋するフォーチュンクッキー』や東京・表参道ヒルズのロゴを手がけるダイアグラムが担当。ユニフォームは、アパレルブランド「Numero Uno」を運営するフューチャーインがデザインによるもので、性別・年齢・体型にかかわらず着こなせるボーダー使いのユニフォームとした。さらに、食堂の壁面イラストを人気イラストレーターSHOGO SEKINE氏が手掛けるなど、多くの実力派デザイナーがタッグを組む。大学側は本施設に対し、学食機能はもちろんのこと、正門に近いという場所性から学園の新しい顔として、また学生・教職員の新たな活動拠点となることを期待しているという。
2015年05月01日アドビは、同社の提供するクリエイター向けSNSに登録している約500万人のクリエイターの作品を対象として、全世界の業界トレンド調査"Adobe Digital Index「New Creatives Mashup」"を実施。その調査結果を発表した。このたび公開された調査結果は、アドビが提供するクリエイター向けソーシャルネットワークサービス「Behance」に登録している約500万人のクリエイターの作品を対象にデータ収集を行い、分析結果をまとめたもの。この調査結果によると、「新世代のクリエイター」である18~22歳のクリエイターの間では、クリエイティブワークのモバイル化が進む一方で、アナログ的な着想によるデザインワークも注目されているという結果となった。○クリエイティブワークのモバイル化新技術や最先端のプラットフォームの導入によりクリエイターたちは作業スペースを拡大し、「セカンドスクリーン」としてのモバイル端末が、若手クリエイターたちのワークフローにこれまで以上に密接に取り込まれるようになった。特に、Behanceで作品を投稿している100万人近い18~22歳のクリエイターの間では、モバイル利用が顕著に進んでいる。過去1年間でモバイルでのログインが36%増加しており、若年層のクリエイターは全体と比較してモバイルでのデザインワークに従事している割合も2倍以上高くなっている。また、この年代がモバイルで行っている新規プロジェクトは、ブランディングのほかタイポグラフィー、漫画などが挙げられる。今後、モバイルプラットフォームからのデザインワークへの従事・制作が増え続けることが予想されるということだ。○場所を問わないクリエイティブな着想世界的にクリエイティブワークはかつてないほど増加傾向にあるが、アイデア創出やプロジェクトが行われている中心地域は、ブルックリン、ハンブルク、ロンドン、サンフランシスコといった主要都市ではなくなったことが明らかとなった。現在、クリエイターが集中しているのは、ブラジル、中国、英国、インド、メキシコ、ロシア、カナダとなっている。さらに、特定の年齢層でクリエイターが増えつつある国は、ドイツ、フランス、インドネシア、エジプトが挙げられる。○触覚ベースのクリエーションへのシフトAdobe Digital Indexによると、デザインワークにアナログ要素や非加工要素が復活してくる傾向を示している。Behance上の新世代クリエイターたち(18~22歳)は、前世代のクリエイターたちによく見られたデザインテーマやデザイン要素(「デジタル」、「アプリ」、「ブランディング」、「ウェブ」、「ロゴ」など)と、デザインの物理的な要素や触感のある要素から得られるインスピレーションの両方をうまく活用している。また、新世代のクリエイターは線描とタイポグラフィーで他の世代を圧倒しており、「ポートレート」や「スケッチ」をより多く制作している。注目すべきは、上の年代に比べて「インク」や「鉛筆」をより多く使用している点である。しかし、デザイン制作におけるベーシックな要素への探究心は、若年層に限定されているわけではなく、年代ごとに最も重視しているプロジェクトのトップ3を調査したところ、すべての年代でハンドレタリングがランクインしたということだ。このように、アナログ的な着想によるデザインワークが突如として注目され、若年層クリエイターたちの間でフリーハンドデザインなどの分野への関心が急速に高まっていることから、ネットワーク化時代において、このような意識が広まり、触覚ベースのクリエーションへのシフトが今後続くことが予想できると分析している。
2015年05月01日現在当媒体で連載中の兼業作家・カレー沢薫氏が、日常と創作にまつわるエピソードをつづるコラム「兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃」。このコラムの挿絵にも使われている漫画制作ソフト「ComicStudio」の販売終了が発表され、デジタル漫画制作に関わるクリエイターたちの間で大きな話題となっている。そこで今回は同コラムの番外編として、カレー沢氏にこの知らせを受けた所感を率直に語っていただいた。○ノストラダムスとコミックスタジオ現在漫画制作に使っているソフト「ComicStudio」(以下、コミスタ)の販売が、ついに2015年6月30日をもって終了することになってしまった。※編集注:カレー沢氏の漫画制作については、コラム「兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃」第4回を参照のこと。前々からコミスタが終了することはわかっていたのだし、それまでに後継ソフトである「CLIP STUDIO PAINT」(以下、クリスタ)に移行すべきだとは思っていたが、今でも私は完全にコミスタしか使っていない。そういう状況の作家は私だけではないだろう。1999年地球が滅亡する、とあれだけ予言されていたにも関わらず、結局みんな地球に住み続けていたのと同じように、みんなコミスタも何だかんだで終わらないんじゃないかと思っていたのではないだろうか。しかし、地球は木っ端みじんにならなかったが、コミスタは予定通り終わってしまった。もちろん終わったのは販売だけで、6月30日になった途端、コミスタが入っているパソコンが爆発するというわけではない。未だにGペンとインクで漫画を描いている作家が存在するように、コミスタで漫画を描き続けることも可能だが、これ以上コミスタが進化することもないし、サポートだっていつまで続くかはわからない。しかし、セルシスだって、コミスタ終了で悶え苦しみ地面をのたうち回る漫画家を笑いたくて、コミスタを終了させたわけではないはずだ(確かに私が泣き叫ぶ顔は面白いが)。後身であるクリスタで、すでにコミスタと同じか、それ以上の働きができると判断して、コミスタを終了させたのであろう。○クリスタ移行への苦難と障壁実は、私のパソコンにもクリスタ自体は入っている。コミスタが近々終了との報を受けて、一応、クリスタに移行しようとしたことはあるのだ。しかし、コミスタとクリスタ、大体同じようなものだろうと思ったら大分勝手が違う。まず、最初の原稿用紙サイズや枚数の設定の仕方がわからない、同じ「Gペン」という機能でも、コミスタのような線が描けずガタガタしてしまう。トーンはどう貼るのか、集中線は…などわからないことだらけなのだ。しかし上記のことはクリスタの機能が悪いわけではなく、私が使い方を理解していないのが悪いのだろう。ダブルクリックのスピードが遅すぎて、シングルクリックになってしまっているジジイと同じく、「おい、これ壊れてるぞ!」と憤慨しているようなものだ。しかし、コミスタだってイチから使い出したのだし、マニュアルをそんなに読んだ記憶もない。よって、描いていく内にクリスタだって使いこなせるはずなのである。○どんなソフトも●●へと変える魔法だが私がクリスタ移行を諦めて、依然コミスタを使っていた理由は機能の問題ではない。単純にクリスタが「重い」のである。「重い」というのは、クリスタのみならず、どんなに優れたパソコンツールをもクソへと変える魔法である。同じパソコンでも、コミスタは滑らかに描けるが、クリスタだと「おや 線画 遅れて 画面に表示されるよ」と、誰も覚えてなさそうなギャグを言ってしまうほど、動作が緩慢なのだ。これではいくら機能が優れていてもダメだ。普通のエロ動画と、超ドエロだが3秒に1回止まる動画があったら、とりあえず普通のエロ動画で事をすませるだろう。このように、漫画家の作業とは、夜の一人遊びと同じぐらい、迅速に滑らかにテンポよくやりたいものなのである。しかし、上記の問題は私のパソコンが低スペックすぎるせいでもある。何せ電気店で「一番安いのをくれ」と言って買ってきたノートパソコンだ。仮にも絵を生業としている者がふざけているにもほどがある。これを機にクリスタが滑らかに使えるデスクトップパソコンを購入すべきなのかもしれないが、机自体が小さく、さらに液晶ペンタブレットが場所をとるので、ノートパソコン以外は置くことすらできないのだ。ならば、パソコンと同時に机も新調すれば良いと思われるかもしれないが、仕事部屋がせまいので、でかい机は入らない。つまり、自分がクリスタに移行しようと思ったら、家を改築するか、ツルハシで部屋の入り口をぶっ壊して広げるしかないのである。以上の設備投資費と労力を考えると「まだコミスタでいいや」という結論に達してしまうことも致し方なしと言えるだろう。○カレー沢氏からセルシスへの提案それに加えて、動作環境を整えられたとしても、今度はまた「使いこなすことができない」という問題がやってくる。コミスタを使い始めたのは20代半ばだったが、今は30代。年々新しいことを覚えることが出来なくなっている。もはや、最新エロ動画を面倒くさい手順でダウンロードするより、使い古したカピカピのエロ本を使い続けることの方が楽と感じる年である。しかし、私はとにかく楽をしたい作家だ。終了してしまうコミスタを使い続けるより、これから進化するクリスタを使った方が、もっと楽をできるようになるはずである。よってセルシスは、新しいことについていけない中高年作家を対象に、クリスタ講座を開設すれば一儲けできるのではないだろうか。しかし相手はなまじ長年にわたってコミスタを使ってきた人間である。ことあるごとに「コミスタではこうだった」と言い続けるだろうが、それこそ高齢者が戦争体験を繰り返し話すのと同じだと思って聞き流してほしい。カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。2015年2月下旬に最新作「やわらかい。課長起田総司」単行本第1巻が発売され、全国の書店およびWebストアにて展開されている。
2015年04月28日今回のテーマは「漫画を描くために行った練習、勉強したこと」についてである。漫画家というのは絵が描けるのが大前提であるが、全員がすごくうまいというわけでもない。もちろんうまい人の方が多いと思うが、「ヘタウマ」という作風でヒットを出している作家も少なくはない。私の漫画を読んだことがある人ならご存じの通り、当方の作風は、ヘタウマからウマを引いたものである。しかし5年の作家生活を経て、私の絵も「常軌を逸したヘタ」から「普通のヘタ」へとランクアップし、余計に売れなくなった。デビューの際、私は最初の担当編集者から「絵はうまくならなくていい」と言われ、1~2年はそのアドバイスを忠実に守ってきたのだが、今思えばそのアドバイスを守り続けた方が良かったのかもしれない。しかし、個人的にはやはり漫画家たるもの、絵がうまいに越したことはない、と思う。○絵の練習にありがちな"オウンゴール"を避けるために絵をうまくするにはどうしたらいいか、と絵が描ける人に尋ねると、大抵の人が「とにかく描くこと」と答えるだろう。しかし、私も約5年間、ほぼ365日休まず絵を描いてきた。それにしては上達がなさすぎるが、ここでただ単に才能がない、と断じてはいけない(私の心が折れる)。肝心なのは「向上心を持って正しい絵をとにかく描くこと」であり、自分の描きたい絵だけを自分の手癖のままに描き続けても、サッカーのルールを一切覚えず必殺シュートの練習だけするようなもので、試合に出てもオウンゴールを連発するだけである。よって、まず正しい漫画の描き方の教本通りに描いてみる必要がある。そういった本を買うと「ダイエット本を買っただけで痩せた気になるデブ根性」が発動するという人は、ネットで絵の描き方を調べれば、そういったページがたくさん見つかるだろう。また、技術うんぬんはしゃらくさい、とにかく描きたいという人は、うまい人の絵を模写してもいいし、トレースするだけでもやり続ければ、おのずと手が覚えていく。私は以上のことを一切やらずに、今現在の「印象に残らないヘタ」という作風を完成させたので、そのポジションを目指す人は参考にしてほしい。特に、練習として模写やトレースをしたことはほぼないと言って良い。○絵を描くことの「喜び」は人それぞれ「絵や漫画を描くのが好き」と言っても、「絵を描く作業自体が好き」「満足する絵が描けたときの達成感が好き」など、どこに楽しみを見いだしているかは人それぞれだ、そして、その中には「絵を人に見せて褒められるのが好き」という人も含まれている。そこで「絵を褒めてもらいたい」→「上達するために努力する」という方向に行く人はうまくなる。しかしその過程をすっ飛ばして、「とにかく絵を褒められたい」という人はうまくならない。私は典型的な後者のタイプでああるそういうタイプの人間は、模写やトレースはしない。そうやってうまく描けても自分の絵として公開できず、人から褒めてもらえないからだ。時々、模写やトレースで描いた物を自分の絵として公開してしまう過激派もいるが、見つかれば叩かれるし、商業作家がやったら命取りになる。よって、自己流の絵で褒められようとするものの、練習をコツコツやらないから大して上達せず、当然ながら褒められることはないのである。「努力せずに結果だけ得ようとしてもダメ」という当たり前のことを、5年もかけて証明できたことだけが不幸中の幸いだ。他山の石としてほしい。○カレー沢作品に突如"美少女"が登場、読者の反応は?しかし、私にも全く向上心がないというわけではない、このままじゃダメだと思う時もある、もちろん自然にそう思うわけではなく、アンケートや単行本の売り上げが具体的にダメな時になって初めて考えるのだ。だが、「とにかく結果だけ得ようとする派」の私は、どれだけピンチに陥っても、今さらスケッチブックで絵の練習など始めない。ならばどうするかというと、原稿上で試行錯誤を始めてしまうのである。前話と明らかにキャラの造形が変わっていたり、ひどい時はコマ単位で顔が変わっていたりすると言う手探り状態を、そのまま雑誌に載せてしまうのである。数年前、連載作品の調子が芳しくなく、担当から「このままでは打ち切り」と言われたことがあった。それまで「うまくならなくていい」を実践していた自分も、やはり絵はうまいに越したことはないのではないかと思い直し、次の原稿では極力うまく描こうとした。まだそれだけなら良かったのかもしれないが、「カワイイ女の子が登場したら人気が出るのでは」という安易すぎる発想から、ヒロインの顔を別人のように変えて登場させたのである。その結果、評価は散々だった。平素、良くも悪くも話題にのぼらない自分の漫画が某大型掲示板でたたかれたほどである。そもそも、突然うまい絵やカワイイ女の子が描けるわけがなく、それまで応援してくれていた読者にまで「元に戻してくれ」と言われるありさまであった。私のみならず、突然作風が変わる漫画があったら、それは不人気によるテコ入れか、作家が突然このままじゃダメだと思い、見切り発車したかのどちらかである。既存ファンからしたら「余計なことを」と思うかもしれないが、こうした試行錯誤は作家が一応持っている向上心の表れであり、作品をよりよくしようという気持ちから生じているのである。ただ、焦って前に進もうとして、ギアがバックになっているのに気付かずアクセルを踏んでしまっただけなのだ。カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。2015年2月下旬に最新作「やわらかい。課長起田総司」単行本第1巻が発売され、全国の書店およびWebストアにて展開されている。
2015年04月28日今回のテーマは「漫画家と結婚生活の両立について」だが、両立できてないのでこの話は終了、解散である。しかし両立の定義を「離婚していない」にまで広げていいなら、確かに両立していると言えなくもない。では、両立のコツはと聞かれたら、配偶者に「焼きゴテを押しつけられても眉ひとつ動かさない我慢強い人間を選ぶこと」としか言えない。○作家業界の「常識」自分で言うのもなんだが、私の夫はえらいと思う、どこがえらいかというと、なんと働いている。そんなの当たり前ではないか、と思うだろう。私もそう思う。私の友人・知人、親族の中にも、そんな褒め方をする人はひとりもいない。だが、漫画編集者などは本気で「カレー沢さんの旦那さんは、ちゃんと働いているからえらいですよね」と言うのである。そんなに女性作家の旦那というのは働いていないものなのだろうか。話を聞いてみると、もちろん、ちゃんと働いている人も多いという。しかし、最初はまともだった人も、嫁が作家として大成し収入差が広がるにつれ、ヒモ化したりマネージャーきどりになってしまったりする人もいる、とのことである。つまり、私の夫が未だまともに働いているのは、全て私が全然成功していないおかげなのだ。普通に働いている人間と結婚しただけで「男を見る目がある!」などと言われ、「カレー沢さんは夜寝て朝起きているから偉い」と斜め下の角度から褒められることを考えると、やはり作家業界というのは特殊な世界である。もしくは私にそういうところ以外褒める部分がないのだろう。○カレー沢家の分業体制現在、結婚生活5年目。昼間はお互い会社で、夜は私が仕事部屋にこもりっきりとなる。一緒にいる時間は10分にも満たないため、端から見れば家庭内別居と思われてもおかしくない。家事分担に関しては、最初は半々ぐらいだったと思うが、今では夫の方が圧倒的にやっている、特に掃除はほぼ夫がやっており、彼が掃除を放棄したら、我が家は瞬時に異臭を放ち、今ごろ行政の訪問を受けているところである。しかし、当然夫も暇ではない、正直いつ彼がブチ切れるのではと冷や冷やしているし、一緒にいると怒られる(怒られる覚えは5億個ぐらいある)気がするので、時間があろうがなかろうが、3分以上は一緒にいないように心掛けているぐらいだ。しかし今のところ夫に怒られたことと言えば「トイレを綺麗に使え」「たまには仕事部屋の換気をしろ」ぐらいである。"ぐらいである"、と言っても、このふたつが十分酷い。「お前はクソの仕方が汚い、と焼きゴテを押されても眉ひとつ動かさない」「俺でも耐えられないほど貴様の部屋は臭い、そのうち自分の臭いで死ぬカメムシみたいになるぞ」 と言われているのである。とても大人の女性が怒られる内容ではない。亭主関白を貫く一家の大黒柱でも、ここまで配偶者の手を煩わせないだろう。その上、当方の柱としてのスペックは先述の通りである。 反省してトイレはキレイに使うように心掛けているが、部屋は未だに臭い。このような状態なので、少なくとも「共働きでも家事は女が主にやるもの」という意識をもった相手ではとっくに家庭崩壊しているだろうし、顔を合わす時間はあっても、ゴミの山で相手の顔が見えないという事態になることは容易に想像できる。○「作家の家族」の受難また、作家の配偶者というのは、勝手にエッセイなどに登場させられている場合が多い。私も、こういった文章やエッセイ漫画などにたびたび夫を登場させているが、全て無許可である。女性作家というのは男に比べてえげつなくプライベートをネタにする傾向があるので、例え夫が酒におぼれようが、ギャンブルで大借金しようが、浮気をしようが、離婚になろうが、転んでもただでは起きない。それで1冊本を出してしまうのである。そして、出した方には印税が入るが、描かれた方はただただ酷い男であると全世界に晒されるだけである。スキャンダル暴露本ではなく、ほのぼの家庭エッセイなら良いかもしれないとも思うが、それを出した後に離婚という事態になったら、夫の側はしばらくお天道様の下を歩けない(そして元嫁はまたそれをネタに本を出す)。作家自身は覚悟の上で私生活を切り売りしているだろうが、知らないうちに切ったり売られたりしているのが作家の家族というものなのである。仮にフィクション作家だったとしても、時として自分の嫁が信じられない下ネタ漫画を描いているのを粛々と見守らなければいけない場合もあるのだ。個人的には、夫には私の描くものについては何も言って欲しくないと思っている。エッセイものに関しては苦言を呈する権利はあると思うが、少なくともフィクションに関しては何も言って欲しくない。夫もそれを察してか、今まで作品内容について、何か言ってきたことは一度もない。しかしよくよく考えると、夫は、ジャンプ、マガジン、サンデーを愛読し、「進撃の巨人」のコミックスを集めているメジャー嗜好である、私の描くマイナー漫画に対する感想は最初からないのかもしれないし、そもそも読んでいないのかもしれない。だが、それがお互いにとって一番幸せな状態である。カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。2015年2月下旬に最新作「やわらかい。課長起田総司」単行本第1巻が発売され、全国の書店およびWebストアにて展開されている。
2015年04月21日福岡市動物園はこのほど、同園オリジナルグッズ、「ツシマヤマネコ」の「もこもこファイル」を発売した。○ツシマヤマネコファンにはたまらない、もこもこした手触りのファイル同商品は、もこもこした不思議な手触りを楽しめるファイルだ。表は、じっとこちらを見つめるツシマヤマネコ。裏は、毛並みがアップでデザインされており、ツシマヤマネコファンにはたまらないグッズとなっている。同園売店での限定販売で、価格は490円(税込)。なお、同園では"もこもこではない"クリアファイルも販売している。レッサーパンダ、コツメカワウソ、オランウータン&テナガザルなど全10種類で、価格は各300円(税込)となる。
2015年04月21日サードウェーブデジノスは17日、ハイエンドグラフィックス「NVIDIA GeForce GTX TITAN X」を搭載し、グラフィック処理性能を重視したクリエイター向けデスクトップPC「Raytrek-V XK」を発表した。PCショップ「ドスパラ」にて即日販売を開始する。価格は税別299,980円から。前世代「GeForce GTX TITAN Black」の1.5倍以上という性能を備えたハイエンドグラフィックス「NVIDIA GeForce GTX TITAN X」を搭載。3Dモデリングなどの編集、ライブ配信、RAW現像など作業に特化したモデルだ。基本構成は、CPUがIntel Core i7-4790K(4.0GHz)、チップセットがIntel Z97 Express、メモリがPC3-12800 16GB(8GB×2)、ストレージが256GB SSD + 3TB HDD、グラフィックスがNVIDIA GeForce GTX TITAN X 12GB、光学ドライブがDVDスーパーマルチドライブ、電源が750W Seasonic SS-750KM3、OSがWindows 8.1 Pro 64bit。BTOによるカスタマイズに対応し、CPUやメモリ、ストレージのアップグレード、光学ドライブの複数搭載、サウンドカードの追加などが行える。
2015年04月17日今回のテーマは「同業作家とのエピソード」とのことだが、はっきり言って「ない」の一言で終わってしまう、もちろん他の作家に会ったことはあるが、漫画論で紛糾してゴールデン街で殴りあった等のおもしろエピソードはない。デビューして1年未満のころ、出版社側もまだ期待してくれていたのか「聖☆おにいさん」の中村光先生と、「ふたがしら」のドラマ化が決まったオノ・ナツメ先生に会わせてもらったことがある。思えばあの時が自分のピークであり、あれから5年経ち、ふたりとの差は当時よりもさらに広がったし、その時もらったサインを未だに自慢しているという有様である。○交流の機会を「全欠席」する理由このように、ごくたまに同業作家と同席する機会を設けてもらうこともあるが、基本的に他の作家と出会う機会がほぼないのだ。交流する一番の機会と言えば、各出版社が催す忘年会や新年会に出席することだろうが、当方デビューしてからそう言った会は全欠席なのである。まず単純に、地方に住んでいるからという理由がある。なぜかどの出版社も週のど真ん中に会を催すのだ。もちろん来るのは漫画家であるから、「休みは土日」という概念がないのでそれで問題ないのだろう。だが、当方会社員もやっているので、年末の平日に会社を休み、飛行機と宿をとって出席するというのは、いくらなんでもエクストリーム忘年会すぎる。それと、デビューした年に「売れたら行きます」と言ってしまったことも影響している、これは「未来永劫行きません」と宣言したようなものである。自分が雑誌の看板作家ならわざわざ上京してチヤホヤされにいく価値はあるかもしれないが、数万の交通費をはらって「お前誰?」という顔をされ続ける会に出席するというのはいくらなんでもドMすぎる。だが仮に、東京在住の専業漫画家だったとして、そう言った会合に出席するかというと、行かないような気がする。なぜかと言うと、性格がとにかく卑屈で嫉妬の塊だからである、その場に売れている作家(大体が自分より売れている)がいれば、ものすごく卑屈になるか妬むに決まっている。それも「いつか漫画でお前を超える」という前向きな嫉妬心なら良いが、パンチやキックを駆使してその場で何とかしてやろうと思ってしまうのである、もちろんそんな度胸はないので脳内でやるのだが、こんなことを考えながら飲む酒が美味いわけがない。○「うまい酒」を酌み交わすための座組よって、私が安心して飲もうと思ったら、全員私と同列か、それ以下しかいない会、ということになる。だがしかし、それだともう近所のちょっと絵の描けるおっさんを集めて飲むしかない。だが、そのちょっと絵の描けるおっさんだって、突然世に見出されて「画伯」と呼ばれる可能性があるかと思うと油断できない。もう犬を集めて飲むぐらいしかできないのだが、それではワンちゃんがかわいそうである。やはり何をどう考えても、「欠席」が一番幸せな選択肢となるのだ。漫画というのは、本当に誰がいつ売れてもおかしくない世界である。自分のようにくすぶっている同業仲間を作った所で、相手が突然売れてしまうかもしれないのだ。その時自分が友の成功を喜べるかというと、完全に否だ。全力で足を引っ張ろうとするし、脳内でパンチとキックをお見舞いするだろう。当方、ツイッター等で流れてくる、会ったこともない作家の作品のアニメ化などに一日中ムカついていられる逸材なのである、近しい人間のサクセスなど許せるわけがない。そのため、「同業者とはあまり関わらない方がいい」というのが現在の私の結論である。それだけではない。同業者だけでなく「同業志望者」も駄目だ。漫画家を目指す若者に「漫画家は大変だよ(笑)」などと先輩ぶった後に、その若者がデビュー作で100万部売ったとかいう展開になったら目も当てられない。また、単純に何を話していいかわからない、という所もある。相手の作品が好きでじっくり読んでいるというなら作品を褒め続ければいいのだが、会う作家全員の作品を読むと言うのはなかなか難しい。会話が完全に手探りになってしまう自分の姿は容易に想像がつくし、話している内に「あっ、こいつ俺の作品読んでねえ」と気づかれるのも、逆に相手が自分の作品を読んでいないのに気づくのもつらいものがある。かと言って、使っている画材や確定申告の話をするのも、プライベートでも仕事の話しかできないサラリーマンみたいで物悲しい。○カレー沢氏が唯一会ってみたい相手とは?このように、漫画家云々以前に自意識過剰すぎて人付き合いができないタイプなので、同業仲間はいないし積極的に作ろうとは思わない。だが、唯一会って話をしてみたいと思う作家がいる。具体的に誰ということではなく、「担当編集が同じ作家」と話してみたいのだ。しかし、実際に会って「あの担当クレイジーだよな!」と前のめりに話しかけたものの、「いや普通ですよ」と冷静に答えられ、実はクレイジーなのは自分の方だったと気がつく……などというホラー映画みたいなオチになるんじゃないかと思うと、それも怖くてできないのである。カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。2015年2月下旬に最新作「やわらかい。課長起田総司」単行本第1巻が発売され、全国の書店およびWebストアにて展開されている。
2015年04月14日フジテレビの新月9ドラマ「ようこそ、わが家へ」の記者会見が4月7日(火)に開催され、相葉雅紀(嵐)をはじめ、沢尻エリカ、有村架純、南果歩、寺尾聰が出席。沢尻さんらはそれぞれに主演の相葉さんの印象について語った。「半沢直樹」シリーズで知られる大人気作家・池井戸潤の小説のドラマ化。平凡な一家がひょんなことから巻き込まれたストーカー被害や会社の不正と戦う姿を描き出す。相葉さん演じる健太は、他人につい合わせてしまう気弱な男で“月9最弱のヒーロー”とも紹介されるが、共演陣はそんな健太を演じる相葉さんの優しさや、内なる強さ、男らしさに惹かれているよう。健太と共にストーカーを追う記者・明日香役の沢尻さんは、相葉さんについて「メチャメチャいいですね!」と即答。自身の役が、いつも甘いものを食べているということで、気分が悪くなりそうなこともあるとのことだが「(相葉さんが)血糖値が上がらないようにするチョコをくださって…優しい。イメージを裏切らない、いい人です」と語る。健太と明日香の関係がどうなるのかも見どころだが、相葉さんらは第6話まで脚本を渡されているものの、なかなか2人の仲の“進展”は見られないよう。それでも相葉さんは「いまのところ、聞いてないけどあきらめてないです。もしかしたら、もしかすると思います!」と期待を膨らませ、沢尻さんも「どうなるか分かりませんが期待してます」と語る。司会からキスシーンへの期待を問われると、相葉さんは先走り、独断で「やっちゃいますか!」とノリノリ。だが、この2人以上にノリノリなのは家族の方で、父・寺尾さんは「そういうつもりでいます」、母・南さんも「嫁がやって来るのが楽しみ」と一家に沢尻さんを迎える気満々で笑いを誘っていた。相葉さんの妹を演じる有村さんは、相葉さんについて「嵐の中ではかわいらしいキャラクターかと思ってたんですが、男らしくてギャップに驚きました。どっしり構えていて、お兄ちゃんのように手助けしてくれます」と語り、これには相葉さんも「(男らしいと)初めて言われました」と嬉しそう。南さんは「息子も同然!全部、許しちゃうかわいらしさがあり、どんなに疲れていても寝不足でも、朝の第一声の『おはよう』が変わらない」とその姿勢を称賛する。寺尾さんは「ずっとTVで拝見し、一度会ってみたいと思っていた青年のひとり」と語り、実際に会って話してみて「想像を超えるもの、感じるものがあった」と語る。「この世界、主役をやる人は(他人を)かき分けて前に出ようとするものだけど、彼は、かき分けて前に出ようとしないけど、強いものを持ってる。いい息子ができました」としみじみと語っていた。役柄では父と息子は気弱なところがそっくりという設定だが、相葉さんは寺尾さんとの類似点を尋ねられ、寺尾さんが30代半ばの時に出した写真集を見たと明かす。「生きてきた人生が全然違う!結構、あの歳で悟ってましたね(笑)。(自分よりも)10歳くらい上に感じました。自分がどれだけ子どもなのかと…」と語ったが、寺尾さんは自身の若い頃と似たものを相葉さんの中に見ているよう。「僕も若い頃、もがいてました。『昨日、何時間寝たの?』と聞いたら『3時間』と言ってて、そういう時期なんだと思います。しんどいけど全力で走っているので、それを後ろから支えたい」と相葉さんのサポートを誓っていた。「ようこそ、わが家へ」は4月13日(月)より放送開始(第1話、第2話は拡大版)。(text:cinemacafe.net)
2015年04月07日今回は漫画家と編集者の関係についてである。漫画家と編集者と言えば、喧々諤々の打ち合わせを経て共に作品を作り上げているというイメージもあるかもしれないが、私と編集者のやりとりはあっさりとしている場合が多い。ネーム(ネタ)を編集に見せる→OKが出る(修正が入る場合もある)→完成原稿をチェックしてもらう→OKが出る(修正が入る場合もある)→データを渡す、これで終了である。月刊連載の場合、月2、3回のメールのやり取りで終わってしまうことも珍しくない。連載当初は「ここはこうしたら良いのではないか」など修正を入れてきた編集も、3回目あたりになると「こいつは何言っても無駄だ」と思うのか、何も言わなくなる。私の担当は全員諦めが早いのか、私が諦めさせるのが早いのかわからないが、とにかくあまり修正が入らないのだ。描く側としては楽なのだが、あまりに何も言われないと本当にこれでいいのかと不安になるものである。○編集者から修正が来た場合のワークフローでは逆に修正が来た時はどうするかというと、まずひとりで怒る。尋常じゃなく怒る。この話の面白さがわからないコイツが悪いとマジ切れである。冷静に考えて、自分が描いた漫画を読むのは、全員が読者と言う他人である。ならば他人の意見は聞くべきなのであるが、修正が来た瞬間はそうは思えないものだ。そこで一旦、部屋の物を全部破壊するなどのクールダウンをしてから、再度修正案を読み、そう言われればそうだ、と思えば直すし、どうしてもそうは思えない場合は、編集を説得して初案を通す。それでも向こうが折れない場合は再度部屋の物を木っ端みじんにしてから修正をする。納得のいかない修正をする時がないとは言わないが、ネタがスベッた時に編集のせいにできるという利点もあるので、やはり編集の意見はある程度聞くべきなのである。○インターネット時代が可視化した"骨肉の争い"それにしても昔に比べ、漫画家、編集者という存在がずいぶん可視化されてきたと思う。今ではホームページ、ブログ、SNSなどを一切やっていない作家の方が珍しいと思うし、編集者がTwitterなどで作品の宣伝を行うことも少なくない。作家と編集は宣伝ができて、読者も作家と直接交流できたり、製作の裏側を知ることができたりと、おおむねWin-Winの関係であるが、何せ魑魅魍魎が跋扈するネット上のことなので、作家の不用意な発言が炎上したり、編集があまりにも前に出過ぎて叩かれるなどの弊害もなくはない。また、作家と編集のマジ喧嘩が始まり、それが読者に丸見えという事態も起こりうる。作品の美しさに魅かれて作家のTwitterアカウントをフォローしたのに、いきなり骨肉の争いを見せられるということもままあるのである。この場合、ケンカと言っても大体作家が一方的に編集への不満をぶちまけている場合がほとんどである。もちろん、編集が常に一方的に悪いというわけではない。編集をぶん殴りたいという作家の数だけ、あるいはそれ以上、漫画家を土に埋めたいと思っている編集がいるはずである。ただ、作家は個人であるが、編集は企業の一員なので、作家の言う事に編集が個人として反論することはできないのだろう。では編集は一方的に言われて不利だ、立場が弱いと思われるかもしれないが、ネットで内情を暴露してダメージを受けるのは作家の方である。暴露することでその出版社との仕事が切れる危険はもちろん、「何かあったらネットで言っちゃう作家」というイメージがつけば他の出版社からも敬遠されるであろう。それは暴露する作家も重々承知のはずだ。よほど後先考えない性格でない限り、いきなり不特定多数に向けて内情をぶちまけたりはしないはずである(漫画家になる時点で先を考えないタイプとも言えるが)。それでもなぜ言ってしまうかと言うと、もう「怒っているから」としか言いようがなく、ハナから得しようなどとは思っていない。むしろ、怒りと作家生命を天秤にかけて「終わっていい」と判断できるほどの、混じりっ気なし、100%純国産、「私が怒りました」と顔写真つきのシールを貼って良いほどの「怒り」がそこにあるのだろう。○作品の成否が関係を決める?こう書くと、漫画家は年中編集に対して怒り続けているように思えるかもしれないが、おそらく大半の作家と編集が良好、もしくは、仲良くもないがもめもしないというドライな関係だと思う。ちなみに個人的な意見だが、やはり作品自体が上手く行っていれば、作家と編集の関係はおおむね良好なのではないかと思う。作品の調子が悪ければ、編集は何とかしようとあれこれ助言をするだろうが、作家はそれに焦ったり反感を覚えたりするものだ。逆に作品が絶好調であれば、「先生、今週も最高です」と打ち合わせもそこそこに夜の街に繰り出し、ふたりで仲良く女体盛りをつついたりできるはずである。そんなことはない、売れたら売れたでもっともめる、と言われるかもしれないが、何せ売れたことがないのでわからない。どうせもめるなら売れてもめたいところである。カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。2015年2月下旬に最新作「やわらかい。課長起田総司」単行本第1巻が発売され、全国の書店およびWebストアにて展開されている。
2015年04月07日写真編集ソフトの定番「Photoshop」が、今年で25周年を迎えます。そこで、フォトグラファーやデザイナー、イラストレーターなど、このソフトを愛用している各界のクリエイターに、アニバーサリーイヤーを記念して、ご自身とPhotoshopに関するエピソード、そしてPhotoshopへのお祝いの言葉を寄せていただきました。今回ご登場いただくのは、LINEクリエイターズスタンプ「もっと私にかまってよ!」の大ヒットを契機に、漫画家/イラストレーターとして活躍されている森もり子さんです。――はじめて触れたPhotoshopのバージョンと「第一印象」は?大学がデザイン系の学部でしたので、入学してすぐに学校のPCに入っていたものを使ったのがphotoshopとの出会いでした。多分CS2だったはずです。「おお、デザイナーっぽい!」とワクワクしたのを覚えています。――普段の業務・活動におけるPhotoshopの使い方を教えてください。最終的な調整に使うことが多いですね。色の調整が主です。LINEスタンプ制作の際にも、サイズの調整に使用しています。あとは暇な時に友達の写真をコラージュしてニヤニヤしています。――最もよく使う/気に入っているPhotoshopの機能は?よく使っているのは色調補正で、気に入っている機能はゆがみツールと修復ブラシツールです。履歴書に貼る顔写真をゆがみツールで小顔にしたり、修復ブラシツールでホクロを消したりして、就活に挑みました。――最後に、25周年の節目を迎えたPhotoshopへの激励の言葉をお願いします。25週年おめでとうございます。私ももう少し使いこなせるように頑張りますので、どんどん便利な機能を追加していってください!もっと小顔になりたいので!○森さんのLINEスタンプ、続編が発売中話題を呼んだ「もっと私にかまってよ!」に続き、「ウザくて可愛い彼女を受け流そう」をテーマにした何もかもを受け流せるスタンプ「もう俺にかまわないで!」、バリエーション豊かに話をそらす脱力系スタンプ「それはそれとして」がLINE Creaters Marketより発売中です。また、森もり子さんの公式Twitterでは、シリーズ漫画「言うほどじゃないけど」や日々のつぶやき、今後の活動予定が随時更新されているので、気になる人はぜひチェックしてみてください。
2015年04月03日ドワンゴは、クリエイターと協業して商品開発を行う完全受注生産の通販サイト「ドワンゴジェイピーストア」をオープンした。「ドワンゴジェイピーストア」は、「ここでしか入手できない作品や体験を商品化」をビジョンに掲げたWeb通販サイト。クリエイターと共に新たな商品の開発・販売を行うことが特徴。同社の音楽配信サイト「ドワンゴジェイピー」や「ニコニコ動画」を運営するドワンゴならではのネットワークを活かし、インターネット上で話題となっているクリエイターと協業を行うという。また、現在同サイトで販売が行われているのは9種類の製品。「球体宇宙」作品のビー玉や、男性編み物クリエイターによる手編みの「ペットボトル専用帽子」などニコニコ動画で話題になったアイテム、ニコニコ動画のマスコットキャラクター・ニコニコテレビちゃんをモチーフにしたLED照明、グラスを人の体に見立てた「パンティグラス」、出会いを演出するスマホ用アクセサリ「AYATORI」などがラインナップされている。今後もクリエイターとの商品開発に加え、アーティストとのコラボアイテムやイベントチケットの販売も予定している。なお、同サイトでは、ユーザーからの要望を受け付ける問い合わせフォームを設置。ニコニコ動画やインターネット上にあふれる「商品化してほしい」の声をキャッチしていくと同時に、ユーザーからの「こんなものを商品にしてほしい」という声も集めていくとのことだ。
2015年04月02日アメリカのヒップホップソロアーティスト、タイラー・ザ・クリエイターが9月14日(月)に東京・LIQUIDROOMで、一夜限りの単独来日公演を開催する。【チケット情報はこちら】タイラー・ザ・クリエイターは、ヒップホップ・アーティスト集団OFWGKTA (Odd Future Wolf Gang Kill Them All)のリーダー。2009年に1stアルバム『Bastard』をリリース後、同作を含めこれまで3作のアルバムをリリース。2013年発表の最新作『ウルフ』は全米アルバム・チャート初登場3位を記録している。チケットの一般発売は4月25日(土)午前10時より。なお、一般発売に先がけて、チケットぴあでは先行抽選プレリザーブを実施中。受付は4月9日(木)午前11時まで。■タイラー・ザ・クリエイター来日公演9月14日(月)開場18:00 / 開演19:00会場:LIQUIDROOM(東京都)料金:オールスタンディング 7000円※ドリンク代別途必要
2015年04月02日『ジキル&ハイド』など、日本でも人気の高いブロードウェイの作曲家、フランク・ワイルドホーンのコンサート『フランク・ワイルドホーン&フレンズ ジャパンツアー』が12月に東京・大阪で開催される。このコンサートには、ブロードウェイやヨーロッパで活躍する名だたるミュージカルスターが出演する。加えて元宝塚宙組トップスターであり、ワイルドホーンの婚約者でもある和央ようかの出演も決定。3月25日、都内にてその記者会見が行われた。日本でも『ジキル&ハイド』をはじめ、ワイルドホーンの手掛けた作品は『スカーレット ピンパーネル』『ドラキュラ』『シラノ』『MITSUKO』等々数多く上演されており、4月には新作『デスノート THE MUSICAL』も開幕。そんな彼の美しい楽曲の数々を、豪華キャストが歌う至福のコンサートだ。キャストもヨーロッパで数々のタイトルロールを務めているトーマス・ボルヒャートや、『スカーレット ピンパーネル』のオリジナルキャストでありブロードウェイで活躍中のダグラス・シルズらが来日。この会見にはトーマスが来日して出席したが、「フランクの曲はとても特別。彼の曲を歌うということは、歌手にとって、まるで飛び立つための翼をもらったようで、歌うと天に舞う気分になります」とその音楽の魅力を語る。すでに海外で『フランク・ワイルドホーン&フレンズ』のステージには立っているが「作曲家は普通は舞台裏でショーを見守りますが、彼は一緒にステージにあがって、しかも自らピアノを弾いてくれる。まさしくこのタイトルのように、友人が集まってショーを作っているようなステージです」と話した。会見では和央の口から「12月にはフィアンセから妻に変わって舞台に立ちたいと思っている」「夏には挙式を」という発言が出たことから、ふたりの結婚や新生活について話題が集中。ワイルドホーンが初めて宝塚に音楽を書き下ろした、和央の退団公演『NEVER SAY GOODBYE』が出会いのきっかけだったが「その時は、将来自分の伴侶となる女性のために曲を書いているという認識はありませんでしたが、(ふたりの出会いは)ミュージカルにしたいような素晴らしいストーリー」とワイルドホーン。「彼女は私のミューズ」「彼女は日本のオードリー・ヘップバーンだと思っています。すごく優雅なんです」とベタぼれの様子で、12月のコンサートで彼女へ新曲を書き下ろすプランもあることも明かした。公演は12月23日(水・祝)に大阪・梅田芸術劇場 メインホール、12月26日(土)・27日(日)に東京・東急シアターオーブにて。チケットは8月1日(土)に一般発売を予定している。
2015年03月31日今回は仕事の息抜きの話である。息抜きとは、仕事をより効率よく行うために必要不可欠な行為だ。しかし、私ほど息抜きに本業が圧迫されている作家はいないと思う。全く休みがない、どこにも出かけられないと嘆いているが、この息抜きの時間を減らせば余裕でバリ島ぐらいには行けるはずなのである。とにかく集中力がない。1コマどころか、1本線を引くごとに10分は息抜きしてしまう。本当に集中したいなら、今すぐネットのLANケーブルを斧で両断し、スマホを手刀で真っ二つにすべきなのだが、私がネット回線を絶つのはバトル漫画でいうところの「身に着けていた重り」を外す行為に等しく、生死を分ける強敵(締切)に出会うまでは絶対にはずさない所存である。○創作の息抜きは「エゴサーチ」では具体的に何をしているかというと、最近では女性に大人気のブラウザゲーム「刀剣乱舞」にはまり、その二次創作漫画を描くことにより本業の漫画を描く時間が圧迫されている、というわけのわからない状態にあるものの、一番の息抜きは「エゴサーチ」だ。エゴサーチとは、ウィキペディアによると「インターネット上で、自分の本名やハンドルネーム、運営しているサイト名やブログ名で検索して自分自身の評価を確認する行為」である。つまり、線1本描くごとに、Twitterで自分のペンネームや作品名はもちろん、時にはキャラクター名さえも検索し、自分の評価を調べているのである。見る人が見たら確実に病名がつきそうな状態だが、何せ漫画家は人気商売なので、世間の評価はどうしても気になる。褒めてくれているツイートを見ればやる気が出るし、逆に酷評するような物があれば、作品で見返してやろうと思う……ことはなく、「こいつに口内炎が7個ぐらいできますように」と呪詛を飛ばすぐらいだが、とにかく何らかのモチベーション向上につながるのだ。そして約5年にわたり、365日、1日も休まずエゴサーチをし続けた結果わかったことは、「良くも悪くも話題になるのは難しい」ということである。○月刊漫画誌デビュー、その時ネットの反応は…?Twitterに投稿されたアルバイトの悪ふざけ画像が大拡散、大炎上し、社会問題にまでなったこともあり、ネット上に何かを出すとあっという間に広まってしまう、という印象があるかもしれない。逆に良作がネットで広まり世に出るパターンもあるが、はっきり言ってそれはごくごく一部である。私が漫画家デビューした雑誌は、発行部数こそあまり多くないが、人気作も多く輩出している月刊誌であり、もちろん全国発売されているものであった。よって、私は自分の作品が掲載される日まで、「載った途端、ネットで酷評、住所を即特定され、嫌がらせが山のようにくるだろう」と本気で悩んでいた。しかし、いざ掲載され、おそるおそるネットで評価を調べて見ると、そこは静かな大平原であった。良いとか悪いとかいうレベルですらなく感想が「ない」のである。それぐらい「人の話題にのぼる」というのは難易度が高い。全国誌に一度載ったぐらいでは、誰も、一言も言及しない、なんてことはザラだ。それから5年、大平原状態は今も続いている。30秒に1回のペースでありとあらゆるワードで検索し、たまに落ちている感想を「ありがてえ、ありがてえ」と拾い、ほぼひとつ残らずリツイートする毎日である。酷評もないが絶賛もない、ジョジョの吉良吉影が求めたような生活がそこにあり、この平和を全世界に届けたいぐらいだ。平和は良いことだが、正直作家にとってはあまりよろしくない。賛美両論巻き起こるのは、それだけ人の目に触れているということだ。褒める感想が若干あるのみで悪評がないというのは、「変わり者のファンが3人ぐらいだけいる」という状態に等しく、その3人が全員石油王で単行本をひとり3億冊ぐらい買ってくれる場合を除き、そのうち干されてしまうだろう。○炎上もブレイクも"ホンモノ"に訪れる発信元のネットだけでなく、テレビや新聞などでも見られるようになった「ネットで話題」というお手軽な言葉を聞くと、いとも簡単に話題になれるような気になる。だが、広まるのはやはり「実力のある良作」であり、それはネットもリアルも変わらない。「炎上商法」も同じことであり、バカのフリをして売名してやろうと思っても大半はシカトされ、数人の人間に「バカだな」と思われて終わりであり、やはり炎上するのはホンモノのバカ野郎なのだ。日々、ネットで何かをきっかけにブレイクできないかと考えて過ごした5年であったが、結局、話題になるような良い作品を作るしかない、というのが結論である。しかしそれはなかなか難しい、なぜなら、30秒に1回エゴサーチをしているので、良作を作る時間がないのである。これを見た皆様はぜひ、私の名前を入れてTwitterでつぶやいて欲しい、必ず見つけ出して見せる、ただし悪口はいらない。どうしても言いたいなら、次の日に口内炎が7個ぐらいできる覚悟で臨んでほしい。カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。2015年2月下旬に最新作「やわらかい。課長起田総司」単行本第1巻が発売され、全国の書店およびWebストアにて展開されている。
2015年03月31日LINEは26日、ユーザーがLINEスタンプを製作・販売できるプラットフォーム「LINE Creators Market」に登録しているクリエイターを対象に行った「スタンプクリエイター実態調査」の結果を公開した。それによると、クリエイターの多くが、売れるスタンプを作成するために「LINEのトークで使いやすい内容にした」という工夫をしているという。同調査では、クリエイター達の実態について調査。クリエイターに最も多かった年齢層は、「30歳から34歳」で23.3%、次に「25歳から29歳」で20.4%、続いて「35歳から39歳」で32.7%。平均年齢は34.1歳となった。職業では、会社員が最も多く32.2%、次いで「自営業・フリー」で23.4%だった。スタンプの制作ツールについては、「イラスト・ペイント用ソフト」(74.6%)、「写真・画像編集ソフト」(36.5%)、「手書き」(34.7%)の順で多かったが、9.3%のクリエイターは「スマホ・タブレット端末用お絵かきアプリ」と回答。同社は、高度なソフトを使用せずとも、スタンプ制作が行えるとしている。また、売れるスタンプを制作するために工夫したポイントとしては、「LINEのトークで使いやすい内容にした」が最も多く59.9%、2番目は「テキストの内容を日常会話に近いものにした」で44.7、3番目は「イラストの表情や動きを大げさにした」で29.3%が回答した。同社は、「日常会話での使いやすさ」が重視されていると分析している。そのほか、スタンプの売上の使い道についても質問。最も多かったのは「貯蓄」で46.3%、次いで「レジャー・娯楽費」で20.7%、「スタンプを作るための道具代」が19.7%と続いた。ユニークなものとして、「マンションの頭金」、「整形」、「キャデラックの購入代金」といった回答もあったという。(記事提供: AndroWire編集部)
2015年03月26日今回は漫画制作における使用ソフトについての話である。前述の通り私は原稿の作成を、「ComicStudioEX 4.0」というソフトを用い、全てデジタルで行っているが、そのほかにも付属のソフトを使っている。何せ当方、会社員をしながらの漫画家生活のため、とにかく時間がない。よって向上心は一切捨て、楽できるツールは全て使う、という非常にストイックな方針を取らざるを得ないのだ。○労力削減のためのライフハックを公開「漫画を描くのは面倒くさい」と最初のコラムで言ったが、実はそれは嘘であり、本当は「すごく面倒くさい」のだ。最近は他の作家の作品を読んでも、面白い、面白くない以前にまず「描くの面倒くさそう」と思うようになった。絵を全く描かない方でも、1コマに大人数いる絵や、綿密な背景画などを見ると「描くの大変そう」と思ったことはあるはずだ。私はこの大変さを、「背景を一切描かない」、「人物の首から下は描かない」等のテクニックでやりすごしてきた。「こいつの漫画はこうなんだ」と、編集や読者の方を先に諦めさせるという画期的手法である。あと、どんなに面白くても「描くのが大変そうなネタはボツ」というクールな判断も功を奏していた。デビュー当時は本当にこれで何とかなったのだが、最近はそうもいかなくなった、キャラクターが今どこにいるのかぐらいはわかるようにしろ、と言われるようになってしまったのだ。しかしいきなり画力が上がるわけでも、作画人員を増やせるわけでもない、そこで私が新たに投入したのが「ComicStudio」と同じくセルシス社製品の「3Dデータコレクション」と「POSEPOSE STUDIO」である。別にセルシスの回し者でもないし金をもらっているわけでもない。(くれてもいいが)○デジタル社会の思わぬ落とし穴「3Dデータコレクション」というのは、簡単に言うと「背景画像素材集」である。背景画像素材は昔からあったと思うが、こちらは全て3Dになっており、用途に合わせ、拡大縮小、角度まで変更できるので、自然に背景を漫画にマッチさせることができる。と言いたいが、3Dというのは存外操作が難しく、背景の上に不自然に人物が浮いているというクソコラ状態になることもままあるものの、とにかくキャラがどこにいるかさえわかればOKだ。しかし、自分が欲しい背景が必ずしもあるとは限らない、キャラが小洒落たレストランで食事しているシーンにしたくとも、素材がファミレスしかないため、いい年の男女がいつもファミレスで飯を食っているという、しょっぱい漫画になってしまうこともある。また、この素材集は妙に「武器」の種類が多い、こちらとしてはもっとオフィスとかショップとかのデータが欲しいのだが、そういうのはあっても1種類なのに、「剣」だけで2、3種類あったりする。これはオフィスラブとかしゃらくさいことはやめて、今すぐ剣を持ってやりあう漫画にしろという、セルシスさんからのメッセージなのであろうか。「漫画」という超文化系製品を作っている割には武闘派組織なのかもしれない。続いて「POSEPOSE STUDIO」だが、これはデジタル版デッサン人形と思ってくれればいい。その名の通り、3Dの人物モデルにポーズを取らせ、それを元に描けば、どんな難しい構図もデッサンの狂いなく描ける、という大変便利なソフトである。だが前述の通り3Dというのは操作が難しいため、なかなかモデルが自分の求めるポーズをとってくれない。ちょっと右手を動かすはずが、胴体ごと人体が曲がってはいけない方向に曲がってしまうこともしばしばである。これは木製デッサン人形にはない苦労であり、デジタル社会の思わぬ落とし穴と言えよう(安物の木製デッサン人形は、膝を曲げることすら無理ということもあるが)。時短のために導入したソフトなのに、モデルに意中のポーズをとらせることに時間を取られるという本末転倒さえ起こってしまう。よって最近では、デフォルトで用意されているポーズの方に合わせて漫画を描くようにしている。○漫画家に必要な資質何だかツールを使いこなしているというより、逆に使われている気もしなくもないが、このようなソフトを使うことにより、アシスタントを使わず、会社員をやりながらなんとか漫画業をこなしているのである。しかし、いくら便利なツールを使っているとは言え、やはりデビュー当時の背景なし、人物は首から上のみの時よりは作画に時間がかかるようになったし、素材をそろえるための経費がかかるようになった。しかも悲しいことに、一番時間と金がかかっていないデビュー作が一番売れているのである。逆にどれだけ労力と金をかけても、売れない時は売れない。こういう事態を「まあ仕方ねえ」と諦めて次にいけるかどうかが、機器やソフトよりも漫画家に必要な資質なのである。※文中に登場するソフトの使用感は著者個人の感想です。カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。2015年2月下旬に最新作「やわらかい。課長起田総司」単行本第1巻が発売され、全国の書店およびWebストアにて展開されている。
2015年03月24日3月19日22:00より放送されるFM西東京のラジオ番組『漫学~Nちゃんねる(仮)』に、漫画家・のむらしんぼ氏と、漫画誌『コロコロアニキ』(小学館)編集部の石井宏一氏がゲスト出演する。『コロコロアニキ』は子供の頃に漫画雑誌『月刊コロコロコミック』を楽しんでいた大人のために企画された新雑誌で、第一号が昨年10月に発売。売り切れ続出となり、急きょ重版が決定するなど大きな話題を呼んだ。そして、ラジオ番組『漫学~Nちゃんねる(仮)』は、漫画家や編集者、書店員など漫画に携わる人物をゲストに迎え、ディープなトークを繰り広げる"漫画探求番組"。FM西東京で昨年12月まで放送され、一旦終了していたが、今回スペシャル番組として復活する。パーソナリティーは疋田しおりが務める。番組では、14日に発売となった『コロコロアニキ』第2号を記念して、「第2号発売記念!! コロコロアニキにおける特別漫学!」と題した番組を1時間にわたって放送。ゲストに『月刊コロコロコミック』創刊当時から活躍する漫画家・のむらしんぼ氏と、コロコロアニキ編集部の石井宏一氏を迎えて、『コロコロアニキ』創刊秘話などを披露する。番組はラジオのほか、インターネットやスマートフォンでも視聴することができる。のむらしんぼ氏が出演する第一部では、昨年の『コロコロアニキ』創刊時のエピソードのほか、大反響となった第一号の反響などについてトーク。第二部には『コロコロアニキ』編集部の石井宏一氏が出演。自らもコロコロを読んで育ったという石井氏の熱い思いや、「小学生お断り!」というキャッチコピーに込められた意味、第二号の見どころなどが語られる。ゲストの二人がそろう第三部では、のむらしんぼ氏とその担当編集である石井氏が『コロコロ創刊伝説』を毎回どのように作り上げているのかという創作裏話も。さらに、のむらしんぼ氏からは『月刊コロコロコミック』が創刊された当時の話も披露される。『コロコロアニキ』第2号は現在好評発売中。徳田ザウルス氏の『ダッシュ!四駆郎』を、『シャーマンキング』の武井宏之氏が描くほか、こしたてつひろ氏の『爆走兄弟レッツ&ゴー!!Return Racers!!』も掲載。2大ミニ四駆漫画の共演が実現している。さらに天樹征丸原作・石蕗永地作画の「Yの箱船」を始めとする豪華連載作品がずらり。付録として「ダッシュ!四駆郎」に登場するミニ四駆「ダッシュ3号・流星」のゴールドメッキボディが用意されている。『漫学~Nちゃんねる(仮)~』はラジオでの視聴のほか、放送エリア外であってもインターネットやスマートフォンで視聴が可能。FM西東京市の公式サイト(にアクセスすると自動的に再生開始。スマートフォンでは、アプリ「TuneIn Radio」から「FM西東京」を選ぶことで聴くことができる。『第2号発売記念!! コロコロアニキにおける特別漫学!』は、3月19日22:00より放送スタート。
2015年03月18日文化庁メディア芸術祭「マンガ部門大賞」を始め、第9回手塚治虫文化賞「新生賞」を受賞した漫画家・こうの史代の「この世界の片隅に」をアニメーション映画として映像化するプロジェクトが立ち上がった。このプロジェクトは、サイバーエージェントが手がけるクラウドファンディング・プラットフォーム「Makuake」で設立されたが、5日間ですでに資金援助の金額は1,500万円を超え、Makuakeの支援金額歴代5位の記録となっている。こうの氏が第二次世界大戦前後の広島県呉市を舞台に描き、「漫画アクション」(双葉社)にて2007年~2009年の間に掲載された同名コミックを原作とする本作。絵を描くことが好きな少女・すずと、彼女が突然嫁ぐことになった海軍勤務の周作の夫婦のやりとりを通して、戦時中の庶民の日常を丁寧に描き出す。監督には映画『マイマイ新子と千年の魔法』などで知られる片渕須直。監督は、在学中から宮崎作品に脚本家として参加。『魔女の宅急便』(’89)では演出補を務め、その後もTVシリーズ「名犬ラッシー」(’96)、「BLACK LAGOON」(’06)など数々のヒット作を乱してきた。片渕監督は、今回のプロジェクトについて「空を飛ぶものに憧れて、自由に大空を舞う姿を描き出したいと思った頃もありました。けれど、ぽつんと雲の上に浮かぶことが孤高に見えても結局は一人ぼっちなのだと気づいてからは、地の上で暮らす人の姿を画面に描き出したいと思うようになりました。すずさんこそそういう人です。そしてそんなすずさんは、原作漫画を読んだ人みんなから愛されています。すずさんは戦時中の世界で、毎日の暮らしを営み続ける人です」とコメントを寄せる。さらに戦時下の時代を描く本作について「『戦時中の物語』『空襲の登場する映画』というと『小学校の頃、体育館で見せられた教育映画みたいなもの?』と誤解してしまう向きもあるようですが、そうではありません。原作『この世界の片隅に』は、さまざまに新しい漫画表現を凝らして活躍する、こうの史代さんが心血注いだ力作なのです。愛すべきすずさんのいとおしさを、彼女がそこですごす『世界の片隅』のありさまを、そこに流れた大切な時間を、自分にできる限りの理解をした上で、映画の画面の上に描き出してみたい。そう思っています」と語っている。そんな想いを抱えた片渕監督と本作のアニメーションを制作するのは「坂道のアポロン」(’12)、「残響のテロル」(’14)などのTVアニメを手がけてきた「MAPPA(マッパ)」。また、本作の準備にはすでに4年もの歳月が費やされているとのこと。集まった資金は、作品のためのスタッフの確保や、パイロットフィルムの制作に使用されるとのことだ。資金援助は「すでに1,000万円」と前述で紹介したが、プロジェクトの目標金額は「2,000万円」。片渕監督の想い描く世界が映像となってスクリーンいっぱいに広がる日に期待したい。(text:cinemacafe.net)
2015年03月13日「嵐」の相葉雅紀を主演に迎え、4月クールから放送されるフジテレビの月9ドラマ「ようこそ、わが家へ」。このほど、沢尻エリカがヒロインとして出演することが決定。月9初出演に加え、主演の相葉さんとは初共演となる。直木賞作家・池井戸潤の同名人気小説を原作とする本作。「池井戸作品史上、最弱のヒーロー」と話題を呼ぶ本作の主人公は、気弱で争い事が大の苦手な青年・倉田健太。ある日、仕事帰りの駅のホームで、割り込み乗車をしようとした男を、柄にも無く注意する。それを境に、身の回りで様々な嫌がらせが起こり始め、健太と家族は、ストーカーの恐怖にさらされ…月9らしからぬサスペンスタッチのホームドラマが展開する。そんな本作で沢尻さんが演じるのは、タウン誌を発行する小さな出版社に勤める女性記者・神取明日香。原作には登場しない完全ドラマオリジナルのキャラクターとなる。明日香は、相葉さん演じる健太が割り込み乗車をしようとした男を注意した場にたまたま居合わせ、健太に「とても立派だったと思います」と声を掛ける。その後、健太の家族にストーカーからの嫌がらせが始まると、偶然から「ストーカーに狙われる家族として、取材をさせてくれないか」と提案し、健太と共に事件の調査に乗り出していくという重要な役どころ。先日、企業イベントに登場した際に、“黒髪”となっているが話題を呼んだが、本作のための役づくりの一環だったよう。初共演になる相葉さんについては、「とっても気さくな方で、これからの撮影が楽しみです」と語り、一方の相葉さんも「クールな印象を持っていましたが、実際にお会いしてみるとキュートな方でした。この先、3か月ちょっとの間、2人でいいコンビになって、ドラマをともに盛り上げていきたいと思っています」とすでにコンビとして息もぴったり?「沢尻エリカ × フジテレビ」といえば、昨年放送された「ファースト・クラス」が記憶に新しいところ。今回は女性の闇ではなく、家族の闇に切り込んでいくが、相葉さんの“相棒”としてどんな活躍を見せるのか?「ようこそ、わが家へ」は4月よりスタート/毎週月曜21時~フジテレビにて放送。(text:cinemacafe.net)
2015年03月13日カリフォルニアの人気シャツブランド「フランク&アイリーン(Frank & Eileen)」の千駄ヶ谷店が、オープン1周年記念として、限定シャツの販売と1日限りのバースデーイベントを開催する。同店舗では、2015年5月2日(土)に1周年を迎えるにあたり、鮮やかなコットン素材のカラフルなシャツの左裾にフランク&アイリーンのトレードマークでもあるハートの刺繍を施した、フラッグシップストア限定の「レインボーハートシャツ」を販売。ウィメンズは昨年登場したばかりのボックスシルエットの新型シャツ"アイリーン(EILEEN)"を起用。身体のラインが美しく見えると定評のあるスリムフィットのシャツ"バリー(BARRY)"とは間逆に、おしりまですっぽりと隠れるふんわりとしたシルエットがリラックスした雰囲気を引き立てると世代を問わず人気のデザイン。メンズは定番の"ルーク(LUKE)"を6色展開。お気に入りのデニムやチノパンに合わせて華やかな春スタイルを提案する。ウィメンズ、メンズともに素材のベースの色に合わせて色味を変えたハートの配色もこだわりのポイントとなっている。また、1日限りのバースデーイベントでは、ケーキやドリンクが振舞われる予定。詳細はfacebookで随時更新される。【フラッグシップストア限定シャツ概要】■ウィメンズ: ホワイト、ライトピンク、ピンク、ブルー、ライトブルー、グリーン、イエローの7色展開価格:28,000円(税抜)■メンズ:ホワイト、ライトピンク、ブルー、ライトブルー、グリーン、イエローの6色展開価格:28,000円(税抜) ▼イベント詳細*facebookページにて随時更新元の記事を読む
2015年03月06日