現役女子高校生の新人女優・唐田えりかが、ソニー損保の新イメージキャラクターに抜擢。唐田さんが出演する新CM「早く知らせたい」篇と「授業参観」篇が放送開始となった。今回が初のCM出演となる唐田さんは、同じ事務所の先輩でもある女優の有村架純も太鼓判を押しているという、芸能活動はほぼ未経験の透明感あふれる現役女子高校生。ソニー損保の目指す「誠実さ、素直さ、カラッとした爽やかさ、明るさ」といった企業イメージに、唐田さんがマッチしたことから出演決定に至ったという。本日より放送開始される「早く知らせたい篇」では、唐田さんはクルマに乗るすべての人にソニー損保の自動車保険のことを知らせるため、街中を全力疾走。ショートパンツから伸びる健康的な長い脚で一生懸命走る唐田さんの姿に注目だ。さらに「授業参観篇」では、高校生役の唐田さんが黒板の前に立ち、授業参観に訪れた保護者にソニー損保の自動車保険のポイントを力説。現役女子高生の唐田さんならではの、等身大でフレッシュな演技が印象的なCMに仕上がっている。また、同時に公開となったスペシャルサイト「唐田えりかのスマイルカーライフ」では、CM「早く知らせたい」篇の撮影の様子を収めたメイキングムービーと、唐田さんが好きなものなどを実演で紹介するプロフィールムービーを公開。メイキングムービーには、CMオーディション時の映像も収録され、初めてのCMで緊張しつつも懸命に撮影に臨む唐田さんの表情が映し出されている。今回のCM出演に関して唐田さんは、「初めてのことばかりで緊張の連続でしたが、とても楽しかったです。これから素敵な女優さんになれるよう頑張りますので、応援よろしくお願いします!」とコメント。今後の唐田さんの活躍にも注目していきたい。(text:cinemacafe.net)
2015年09月25日デザイナーの悲哀をリアルに描いた人気連載「デザイナー哀の劇場」「デザイナー哀の劇場R」を生み出した漫画家・まずりんさん。漫画原稿の作成はこれまでIntuos5、いわゆる「板」のペンタブレットで行ってきたといいます。周囲の同業者たちの多くが「液晶ペンタブレット」を導入していると知ったまずりんさんですが、漫画の制作がラクになるなら使ってみたい!と思ったものの、慣れたペンタブレットからの移行は、連載を抱えている中ではなかなか厳しい……。そう思っていたところ、「レクチャーしますので、試しに触ってみませんか?」とワコム社からのお誘いが。そんなこんなで液晶ペンタブレットに初挑戦するまずりんさんの様子を、「デザイナー哀の劇場」の哀ちゃん&アデ子さんがレポートします!○登場人物前回のあらすじ:これまでペンタブレットで漫画を描いてきたまずりんさんが、ワコム東京本社ではじめての液晶ペンタブレットに挑戦。ペン先のちょっとしたズレが気になったまずりんさん、哀ちゃんのアドバイスで調整し直して、使いやすい状態に。ようやく本題のイラスト描画に突入か?~ワコムの会議室の中~~15分後~次回はいよいよ最終回。お楽しみに!
2015年09月24日デジタルハリウッドは16日、さくらインターネットの協力のもと、クリエイターの成長を支援していく「オープンクリエーションプロジェクト」を始動することを発表した。同プロジェクトの第1弾として、さくらインターネットが汎用jpドメインと同社のサーバー環境(レンタルサーバースタンダード)を1年間の期間限定で、デジタルハリウッドの在校生を対象として無償で提供する。対象となるのは、デジタルハリウッド専門スクール、デジタルハリウッドSTUDIO、G’sAcademy在校生。また、学生たちのオンラインセルフブランディングのサポートを目的とした在校生向けイベント「オープンクリエーションをはじめよう!」を開催。開催日時は10月18日 17:30~18:00~、10月18日 18:45~19:15、10月21日 17:45~18:15、会場はデジタルハリウッド東京本校。なお、今後はプロジェクトの対象をデジタルハリウッド在校生に限定せず、将来的にクリエイターを目指す人からクリエイターとして活躍している人まで、幅広いクリエイターに対する支援を予定しているということだ。
2015年09月16日今回のテーマは「作業中の飲み物」についてである。○兼業漫画家にとっての「神の雫」基本的には水を飲んでいる、もちろん、ミネラルウォーターなどというしゃらくさい物は飲んでいない。まじりっ気なし100%の水道水だ。冬はストレート。夏はそのままだとぬるいので、これまた同じ水道水で作った氷でロックとシャレこむ。原料が同じなだけに、実に親和性が高い仕上がりとなっている。私にとっての神の雫だ。なぜ水道水を飲むのかというと、まず蛇口をひねれば出てくる、というところが大きい。やれ自動販売機だのコンビニだのにわざわざ出向いて飲料を買い求めていては、その間に干からびて死ぬおそれがある。人間の体は6~7割が水分なのだ。水分補給は常に一刻を争い、一秒の遅れが死を招く。もちろん自宅で麦茶を作るなどもってのほかであり、作っている間に確実に手遅れになるに決まっている。このように平日は大体水道水を飲んでいるが、休日は趣向を変える。休日と言っても会社が休みなだけであり、逆に言えば「長時間原稿を描く日」である。長丁場を耐え抜くための飲み物を摂取せねばならない。まず、一番多く飲むのがコーヒーだ。コーヒーが好きかと言われたら、正直そんなに好きではなく、ただ苦いと思う。しかし、ここでミルクココアなどを淹れてしまったら「甘~い!うま~い!もう一杯!」とか言って3秒で飲み干すに決まっている。あくまで作業中の飲み物だ、まんじりと減らないぐらいでちょうどいい。コーヒーを飲むのは、もちろんその眠気覚まし機能に期待しているからだ。あまりに期待しすぎて、村上春樹が言うところの「新聞紙を煮たようなコーヒー」を作ってしまうほどだ。とにかく濃すぎてコーヒーなのになぜかトロみがついている、もはやコーヒーというよりドブと形容していい一品である。日曜の朝から一日中ドブをすすりながら漫画を描く姿はスタイリッシュさの欠片もないので、もっとスマートにコーヒーの粉だけ食べる、もしくは淹れたてのコーヒーを頭からロックに浴びるなどの検討が必要である。現代の漫画家の仕事風景はもっとクールでなくてはいけないのだ。○エナジードリンクのクールな"効能"現代と言えば、「エナジードリンク」もここ数年で台頭してきた飲み物だろう。コンビニに行けば、レッドブルを筆頭にたくさんのエナジードリンクが置かれている。昔からあるオロナミンCやリアルゴールドに似ているが、それよりは割高なので、おそらく成分も高いのだろう。私も、このエナジードリンクの類をたまに飲む。どういう時に飲むかと言うと、ここが山場とか、もうひと踏ん張りしたい時などではない。「忙しい自分がカッコ良くて仕方がない時」だ。日本には「忙しい自慢」という文化がある。「寝てない」「休みがない」などをさも自分が有能であるがゆえのことのように、自慢げに言うことだ。漫画を描く人間にもこの文化はあり、それがいわゆる「修羅場自慢」である。昨今の「修羅場自慢」はTwitterを使って行われることが多く、「締め切りまであと…3日!」、「白紙があと10Pもある」などとでつぶやいたり、「原稿をやれ」と言うbotの発言をリツイートした後「ひえええええ!」などとポストしてしまったりする行為を指す。Twitterをしている時点で忙しくないだろうと思われるかもしれないかもしれないが、「修羅場自慢」をする人(私も含む)は、本当に忙しくはあるのだと思う。ただ、どうせ忙しいなら、このオレの忙しい雄姿を見てくれという気にもなってしまい、その誘惑にはなかなか勝てないものだ。よって、SNSをやっていながら原稿の進捗には一切触れず、もちろん「修羅場自慢」をすることもなく、延々と食った飯など別の話をしている作家業の人を私は尊敬する。ともかく、「忙しい自慢」をするのに、エナジードリンクは最適のアイテムなのである。ただ「忙しい」と言うのではなく、「今日レッドブル3本目…」とコメントすると、かなりの忙しさが演出できる。ソークールだ。また、エナジードリンクの長所は飲みやすいところだ。ほとんどの物がジュースと変わらない味をしている。本当に本気を出したいなら、もっと高価な栄養ドリンクを飲めばいいのだが、あの手の物は高値になるほどまずいので飲みたくない。その点、レッドブルはジュースを飲むだけで「俺頑張っている感」が出せるので最高なのである。だが、それでも満足できないほど自意識がスパークした場合は「こんなまずいものを飲んで頑張る俺」という臥薪嘗胆ムードを出すために、ユンケルや眠々打破を投入する時もある。そうした時はもちろん、飲んだユンケルの写真つきでツイートする。ちなみに、エナジードリンクにしろ栄養ドリンクにしろ、それらの効果自体については良くわかっていない。とにかく自分のテンションが上がって、みんなに自分のガンバリを見せられればそれでいい。あとは、ちょっとイエローが濃い目の尿を出すためだとでも思っている。自分がエナジードリンクなどを飲む目的は上述したようなことだが、みんながみんなそうと言うわけではないし、実際にがんばっている人が飲んでいる場合もある。しかし、やっぱりそんなに頑張ってない奴も多く飲んでいるのがエナジードリンクと言う物であろう。だからこそ、それらを飲んでいる人を見ると、「頑張っているアピールに精が出ますな!」と肩を叩きたくなってしまうのだ。カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。連載作品「やわらかい。課長起田総司」単行本は1~2巻まで発売中。「兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃」、次回は9月22日(火)昼掲載予定です。
2015年09月15日小説家、映画監督、詩人など幅広く活躍し、「書を捨てよ、町へ出よう」「田園に死す」など今なお現代のアーティストたちに影響を与える作家・寺山修司。彼の生誕80年を記念したオフィシャルイベント「冥土への手紙-寺山修司 生誕80年記念音楽祭」が、10月11日、12日に恵比寿ザ・ガーデンホールにて開催される。寺山修司に所縁のあるアーティストたちが集結して開催される同音楽祭。音楽監督は、寺山修司が主宰した劇団「演劇実験室 天井棧敷」で全音楽を手掛け、遺志を引き継ぎ劇団「演劇実験室 万有引力」を主宰している音楽家のJ・A・シーザーが担当。アートディレクションは「天井棧敷」のオリジナルデザインを手掛けた宇野亞喜良、プロデューサーは立川直樹と笹目浩之が務める。なお、第1夜は「書を捨てよ町へ出よう」、第2夜は「田園に死す」と題され、それぞれ異なる寺山ワールドが繰り広げられる。第1夜の出演者は、大槻ケンヂ、近藤等則、SUGIZO、瀬間千恵、PANTA、山崎ハコなど。第2夜は犬神サアカス團、近藤等則、SUGIZO、渚ようこ、新高けい子、元ちとせ、未唯mie、蘭妖子、ROLLYを予定している。楽曲は、「あしたのジョー」「海猫」「惜春鳥」「かもめ」「戦争は知らない」などが披露される予定だ。なおチケット発売は、オフィシャルホームページ先行が9月6日まで、一般が9月16日10時より開始される。【イベント情報】「冥土への手紙-寺山修司 生誕80年記念音楽祭」会場:恵比寿ザ・ガーデンホール住所:東京都目黒区三田1-13-2会期:10月11日、12日時間:開場 17:00、開演 18:00料金:税込8,800円
2015年09月02日今回のテーマは、漫画を描く時のBGMについてだ。基本的に無音で作業することはない。音楽、ないしは動画を流しながら作業する。音楽は気に入ったものなら何でも聞くが、「集中力を引き出すBGM」といった類いの物は聞かない。ないものは出せないからだ。では、何を基準にBGMを選ぶかと言うと、「とにかく元気がでるもの」だ。○仕事に挟まれた生活を癒やす「作業用動画」私の原稿製作は百発百中、疲労状態から始まる。平日は8時から17時まで会社勤めをし、帰って夕飯を作ってから原稿に取り掛かる。仕事to仕事という、この就職難の時代において夢のような生活である。そして、それを月から金、時に土曜までやるのだが、さすがに日曜は会社が必ず休みになるので、朝から1日漫画を描くことができるのだ。本当に神に感謝せざるを得ない。本当に忙しかった時は、朝は1時間早く起き、出社時間まで原稿をしてから会社へ行き、会社から帰ってまた原稿をする…という、仕事を仕事で挟む贅沢ハンバーガーのような生活をしていたのだが、ちょっとカロリーが高すぎて、心身ともに異常をきたしたのでさすがにやめた。自分で選んだ道とは言え、「仕事を終えて、さあ仕事だ!」という生活はどうしても気分が沈む。ならばその気分は、もっとキツイ人を見て奮い立たせるしかない。そのため、動画をBGMにする時は、とにかく私よりキツい人が出てくる物を流している。主に、ドキュメンタリーやニュースで生活に困っている人を追ったもの見ているが、最近は売れない地下アイドルなども熱い。もちろん、キツい人なら何でもいいと言うわけではない。私も年である、量をガツガツいくより、より上質なキツい人を楽しみたい。だから、「あくまで自己責任でキツい人」を選んで見ている。しかし、毛ほどもかわいそうと思えない人が出てくるプレミアム不幸動画というのはなかなかないもので、同じ動画を何回も見ることになるのだが、これがビックリするほど飽きない。イイ不幸というのは何度見ても新鮮にイイ物なのである。今、自分を不幸だと思っている皆さんも、どうせならこのぐらいの高みを目指してほしいと思う。○カレー沢氏イチオシの「作業に適した映画」は?また、作業中に映画を流すこともたまにある。だが、二十代半ばを過ぎたあたりから、映画に限らずフィクションを見ることが難しくなってきた。特に、漫画家になってからというもの、徐々に漫画が読めなくなり、今では一部のジャンルを除いて 、本屋で売っている漫画はほとんど読めなくなってしまった。元来嫉妬深い性格なので、自分の作品と比べたり、あら探しを探してしまったりと、純粋に楽しむことができないのだ。漫画家になったことによる最大の不幸は、「〇〇万部突破」などの文言で、その作者に大体いくら入ったかわかるようになってしまったことである。漫画家になる前は「売れてんだな、儲かってんだろうな」ぐらいにしか思わなかったが、自分も本を出すようになり、その計算方法がわかった今、「100万部突破」などと書かれた帯を見た瞬間、顔じゅうの穴から血が吹き出し、読むどころではないのである。話を映画に戻すと、見ることができるジャンルは漫画と同様に年々減ってきているものの、内容が自分から遠い分野のフィクションであるなら、今でも映画を鑑賞することはある。日常がディープブルーすぎるので、フィクションの世界では1ミリたりともブルーになりたくないのだ。まず、人間関係を主題にした映画はダメだ。この時点で、恋愛物を筆頭に大体の映画がダメになる。そして、できるだけ自分の生活とはかけ離れたものが見たいので邦画もダメだ。つまり洋画のアクションものぐらいしか安心して見ることができないのだが、それだって最終的に主人公が命を落とすなどの鬱展開があり得る。こうなると、もはや延々と『マッドマックス』を流し続けるしか選択肢がなくなるのだが、何せ作業BGMである。画面はほぼ見ないため、ドッカンドッカンヒャッハーという音のみをずっと聞き続けることになる。『マッドマックス』だけでなく、アクション映画は総じて作業BGMには向かない。そこで私が作業中にヘビーローテーションしている映画は『八甲田山』である。上記で述べた「見ることができる映画の条件」を完全に無視しており、まずもって邦画だし、鬱か躁かと言われたら完全な鬱映画である。しかし、これが作業用BGMとしては実に良い塩梅なのである。役者の演技が良いので音声だけでも十分面白いし、セリフだけでストーリーが大体把握できるところも良い。劇中音楽も最高なのだが、やはり「色々大変だけど、ここが猛吹雪の八甲田山じゃなくてよかった!」と思えるところが素晴らしい。このようなパニック系映画はアクション映画以上に好きなのだが、この類いばかり見ていると雪山には行きたくなくなるし、海もサメが出るから嫌だ、山は熊がいるからダメ、飛行機に乗ると確実に落ちるかハイジャックされるから乗れないし、1歩外に出たらあたりは深い霧につつまれ怪生物に襲われてしまうから出たくない、と思ってしまう。このように映画を見れば見るほど行動範囲が狭まり、部屋からすら出たくなくなるのだが、その部屋の中でさえ、無造作に置かれた漫画雑誌の表紙に書かれた「100万部突破アニメ化決定」の文字を見て、体中の穴から血を吹き出してしまうこともあるのだ。私が心から安心して楽しめる趣味とはどこにあるのだろうか。カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。連載作品「やわらかい。課長起田総司」単行本は1~2巻まで発売中。「兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃」、次回は9月8日(火)昼掲載予定です。
2015年09月01日アドビ システムズは、YouTubeクリエイターを対象に、同社とYouTube Space Tokyoとのコラボレーションによるワークショップ「YouTuberのためのAdobe Creative Cloudワークショップ」を開催する。日時は8月31日 18:30~21:00。会場は東京都・六本木のYouTube Space Tokyo。参加無料(事前申込制)。同ワークショップは、YouTube クリエイター向けのワークショップを定期的に開催しているYouTube Space Tokyoとアドビ システムズとのコラボレーションにより実現するもの。スマホ向けの無料アプリ「Adobe Shape CC」や「Adobe Photoshop Mix」などを使って、ユーチューバーが自分のスマホカメラで画像を合成したり、手書きの文字をスキャンしたり、顔や立体物、イラスト等を撮って動画素材やアイコンを作る方法を解説する内容となっている。講師は、アドビ システムズのエバンジェリスト・仲尾毅氏が務める。また、ワークショップで作成した画像は、YouTubeチャンネルページのサムネイル画像やロゴとしてそのまま使用できるということだ。なお、同ワークショップはYouTubeクリエイターを対象としており、「YouTube チャンネルを所有していること」、「YouTube パートナープログラムに参加していること」、「チャンネルが良好な状態であること」、「過去6ヶ月間に1本以上の動画を公開していること(限定公開を除く)」といった参加条件が設定されている。さらに、参加の際には各アプリの事前ダウンロードとAdobe IDの事前登録が必要となる。参加希望者は、申請フォームから申し込む。ちなみに、参加者には特別なプレゼントが用意されるとのことだ。
2015年08月27日デザイナーの悲哀をリアルに描いた人気連載「デザイナー哀の劇場」「デザイナー哀の劇場R」を生み出した漫画家・まずりんさん。漫画原稿の作成はこれまでIntuos5、いわゆる「板」のペンタブレットで行ってきたといいます。周囲の同業者たちの多くが「液晶ペンタブレット」を導入していると知ったまずりんさんですが、漫画の制作がラクになるなら使ってみたい!と思ったものの、慣れたペンタブレットからの移行は、連載を抱えている中ではなかなか厳しい……。そう思っていたところ、「レクチャーしますので、試しに触ってみませんか?」とワコム社からのお誘いが。そんなこんなで液晶ペンタブレットに初挑戦するまずりんさんの様子を、「デザイナー哀の劇場」の哀ちゃん&アデ子さんがレポートします!○登場人物前回のあらすじ:これまでペンタブレットで漫画を描いてきたまずりんさんが、ワコム東京本社ではじめての液晶ペンタブレットに挑戦。コンパクトなOS入り機種「Cintiq Companion 2」のファンクションキーの活用を哀ちゃんから教わったものの、年上のまずりんさん&アデ子さんを逐一煽る小生意気な言い方に怒ったまずりんさんが、ついに作者の権力を振るって哀ちゃんの顔に落書きを! 液晶ペンタブレットになれてきて絶好調のまずりんさん、今回はついに作画完成なるか?~ワコムの会議室の中~次回は、Cintiq Companion 2を漫画家・まずりんさんが実際に使う想定で使う様子に迫ります!(のんびり待て!)
2015年08月21日今回のテーマは「LINEスタンプの制作」についてである。まず、私はLINEを使っていない。LINEはFacebook以上のリア充ツールという印象だからだ。Twitterがたとえフォロワー0でも延々ひとりごとを言い続けられるのとは対照的に、LINEはなんと相手がいないと使えないのである。これがリア充以外の何だというのであろうか。しかし昨今の若者にとって、LINEは主要連絡ツールになっているようで、高校などに入学する前からネットで「この春〇〇高校に入る人つながりましょう」と募集をかけ、あらかじめLINEグループを作ってしまうらしい。恐ろしい世の中である。私がそんな時代に生まれていたら、戦国時代より早く死んでいる。いや、戦に行く前から勝負が決しているあたりそれ以上にシビアだ。もはや今の高校生にとって、スマホを持たずに学校へ行くというのは全裸で出陣するようなもので、どこからともなく「そんな装備で大丈夫か?」という声が聞こえてくるぐらいの行為なのだろう。じゃあ、スマホを持たせてもらえない学生はどうしているのか。死ぬしかないのか、と思ったが、おそらく持ってない者は持ってない者同士で、いつの時代の教室にいる「イケてないグループ」を形成しているのではないだろうか。私もどこに出しても恥ずかしくないイケてないグループ出身だが、そのグループ内でも当時普及しかけていた携帯を持っている者は誰一人としていなかった。スマホを持ってないからイケてないのか、イケてないからスマホを持ってないのかはわからないが、結局、持っている道具が違うだけで、教室内の勢力図はいつの時代も同じなのかもしれない。私は戦国時代でも、具足の着こなしがダサい「イケてないグループ」に所属するのだろう。○カレー沢氏のスタンプ制作の「現状」そんなわけで私にとって、LINEは無用の物であったが、スタンプで小遣いが稼げるかもしれない、と聞いたら話は別である。LINEで使用するスタンプを個人が制作・販売できるようになってから久しく、商業作家でも自分のキャラクターなどをスタンプにして販売している人は多い。全員が私のように金目当てではないだろうが、何せ明日も知れない職業である。収入源は多い方がいい。しかも在庫を抱えることもないし、全く売れなかったとしても、制作時間をドブに捨てただけで赤字にはならない。作るか作らないかで言うと、絶対に作った方が良いのである。そう思いながら、1年の月日が経った。私のパソコンには「line」という名前のコミックスタジオのデータがある。開いてみると、線画を途中で投げ出した絵が1枚と、41枚の白紙という私の性格の全てを現した物が出てくる。(※個人が販売できる「LINE Creators Market」のLINEスタンプは40個を1セットで販売。申請には、購入ページ用の画像と使用時のタブ用画像を含む計42種類が必要となる)世のクリエイターたちは簡単にLINEスタンプを作ってリリースしているように見えるが、何の締め切りや強制力もなしに40個+αものイラストを完成させるなんて、どんな精神力だよ、と思う。私は「デビューするまで漫画を完成させたことが一度もなかった」ということを再三にわたって言っているが、その気質は全く変わってないのである。また、時間がないという理由もある。スタンプ作りは個人的なもので、それよりはまず締め切りがある仕事の方を優先すべきであり、そうするとスタンプ製作に割く時間はない…ともっともらしいことを言ってはみるが、これも何度も言っている通り、描かない奴は時間があっても描かない。○カレー沢氏がスタンプを完成させるためのふたつの方法逆に、このような人間がLINEスタンプを完成させるにはどうしたら良いかを考えてみる。確実なのは、仕事としてスタンプ制作の依頼が来ることである。自分で決めた締め切りなら破るに決まっているが、よそからの依頼であれば原稿と同じく、期限どおりに作成するだろう。次に確実なのは「本当に金に困る」ことである。小銭でも拾わなければいけない状態にまで追い込まれれば、さすがに作ると思う。そうなると、おそらく連載も全部切られているであろうから、作る時間も潤沢にあるだろう。ただ、「電気を止められているため作れない」という新たな問題が浮上するかもしれない。両方ともかなり有効な方法であるが、スタンプ制作の仕事はそうそう来ないだろうし、「LINEスタンプを作りたいから今の連載を全て終了させてくれ」と言うのも何か違う気がする。では一番手っ取り早い方法は何かというと、やはり「懲罰」であろう。描く手を止めたら電流が流れるペンタブレットがあればバカ売れ間違いなしなので、ぜひワコムさんは次の新製品候補に入れてほしい。ただしバカ買いするのは漫画家ではなく担当編集のような気もする。ここまでしないと描かないのか、と思われるかもしれないが、本当に描かないのである。こんな人間でも、毎月決められた日までに漫画を描いて提出しているのだから、締め切りというシステムを考えた奴は天才としか言いようがない。原稿を完成させるのは努力や根性、まして情熱でもなく、締め切り(もしくは電流が流れるペンタブレット)なのである。カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。連載作品「やわらかい。課長起田総司」単行本は1~2巻まで発売中。「兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃」、次回は8月25日(火)昼掲載予定です。
2015年08月18日ロフトワークは10月、京都市下京区にクリエイター向けコワーキング施設「MTRL KYOTO(マテリアル京都)」をオープンする。○築110年の3階建て一軒家をリノベーション同施設は、明治時代に印刷工場として使われ、その後家具店を営んでいた築110年の3階建て一軒家(386平米)を改装。京都で活動するクリエイター、法人、団体、海外からの旅行者まで、クリエイティブな仕事環境を必要とするすべての人が手軽に利用できるようになっている。1階はコワーキングスペースとなる「ラウンジ」とコミュニケーションのハブとなる「カウンター」。1分10円から手軽に利用できるドロップイン型コワーキングサービスを提供する。キッチン付カウンターでは、デイタイムにスペシャルティコーヒーを自由に楽しめるドリンクスタンドを用意。ナイトタイムにはクリエイターが交流するバーとしても機能するという。個人作業、ミーティングやブレインストーミング、プレゼンテーションなどのグループ利用、デザイン制作や電子工作などのクリエイティブワークにも適した150平米の多目的ワークスペースとなる予定だ。2階はオープンエアーの「テラス」とマテリアルを展示する「ワークプレイス」。クリエイターのインスピレーションや試作の素材となるようなさまざまなマテリアルを収集。展示販売も行う予定。伝統的な素材から最新テクノロジー素材まで、来訪者がマテリアルに触れることができる空間を提供する。また、施設内には、工作機器を設置。さまざまなアイデアをすぐに形にできるラピッドプロトタイピングが可能になる場を用意する。なお、3階は同社のオフィスとなる。○カフェや宿泊施設も計画また、同施設では、トークセッション、ワークショップ、ビジネスセミナーなどの各種イベントを開催。2016年中には、世界5カ所に展開するデジタルものづくりカフェ「FabCafe」のフード&ドリンクサービスを提供開始予定。さらに、2階の和室スペースを使った、海外クリエイター層にフォーカスした宿泊サービスも計画している。所在地は、京都河原町五条。同社は、同施設のパートナー(個人・チーム・法人)を募集中。内容は、展示マテリアルの提供、設置ツールの提供、イベントの企画、館内サービスなどとしている。
2015年08月12日今回のテーマは「タスク管理」についてである。○"やればできる"タスクを掲げる漫画家というのは、実はとてもタスク管理をしやすい職業だ。連載であれば毎月あるいは毎週、締め切り日というのは大体決まっている。今月はダーツで締め切りを決める、などということはまずない。中には、お盆進行、年末進行(盆暮れに印刷所か休みになるため、締め切りが前倒しになること。ネット連載でも同じような進行を求められることがあるが、それは編集が休むためのものなので無視していい)というイレギュラーもあるが、毎年盆と正月が来ることはわかりきったことなので問題はない…と言いたいのだが、毎年連休進行をやっているのに毎回忘れるのが、漫画家七不思議のひとつでもある。よって連載分に関しては、締め切り日に向けて何日までにネームを出す、何日までに完成稿を出すというルーティンをこなしていけば何の問題もないのだ。このように書くと、とても計画性がある生真面目な人間のように見えるかもしれない。だが、私が提出しているのは、もはや描いた本人ですらおもしろいかどうかわからなくなっている、締め切りを守っている以外は長所が見当たらない原稿である。「面白くて売れる漫画を締め切り内で描く方法」が知りたい場合は他を当たってほしい。では、具体的にどのように仕事を計画通り進めているかというと、とにかく1日でやることを決め、それを必ず実行するようにしている。つまり、「今日中にネームを描く」と決めたら、親が死んだとか、自分が死んだとか、よほどの事が起こらない限りは何を差し置いてでも描くのだ。もちろん、「モテたいから今日中に15歳若返って顔面をぱるるにする」というような目標は立ててはいけない。あくまでノルマは「やればできる」範囲にすることが重要である。逆に、やると決めたことは必ずやるが、それ以外のことはまったくしない。予想より早く終わったからといって、明日の仕事を前倒しでやるということはしない。たとえ他にやることがまったくなく、虚空を見つめるしかなかったとしても、仕事だけは絶対しない。つまり、「今日やること」を終えてしまえば後は自由時間であり、早く終わらせれば終わらせるほど、その時間は長くなる。なので毎日「よし、こいつを早くやっつけて思う存分虚空を見つめるぞ!」という高いモチベーションを持って仕事にあたることができるのだ。しかし、繰り返しになるが本当にやると決めた以外のことはやらない。それは原稿に限ったことだけではないので、「部屋の掃除」が一日のノルマに入ってない場合は、どんなに汚れていてもやらない。そのため、ゴミに囲まれて虚空を見つめているという、端から見れば「お前他にやることあるだろ」という状態になってしまうこともままある。これが怠けているのではなく「一日の戦いを終えた戦士の休息」であると理解されないのが、非常に残念なところだ。○先々のタスクが生む「無間地獄」早く終わったなら、次回のネタでも考えた方が後々楽になるのではないかと思われるかもしれないが、あんまり先のことを考えすぎるのも良くない。漫画家にとって一番つらいのは、志半ばで連載が打ち切りになってしまうことだが、その次につらいのが連載を続けることである。続けさせてもらえることがいかにありがたいことかはわかっているが、続けていく内にどうしてもネタ切れが起こる。そこを何とかひねりだして脱稿した後に「来月も同じことをしなきゃいけないんだよな」と思うと暗澹たる気持ちになるのだ。今回が早く終わったからと言って、次回、次々回のことまで考えていると、脳裏に「無間地獄」という言葉が浮かんでくる。結局漫画の連載も会社と同じで、続けなければいけない内は「会社爆発しねえかな」と思ってしまうのだ。もちろん、実際に爆発(打ち切り)したら困るのはわかっている。もし瓦礫と化した会社の前で小躍りしているやつがいたら本物のノイローゼであり、むしろそいつが爆破した本人であろう。つまり、「どうせ明日も行くんだから」と連日会社に泊まりこんだりはしないように、漫画の仕事もどこかで区切らないとエンドレスになってしまい、その内自宅を爆破してその前で踊り狂うことになる。次のことは、次の締め切りまでに考えればいいのだ。また、あまり先のことまで考えすぎると、担当編集から突然「あと3回で終われ」と言われたとして、まったく対処できないという事態も起こり得る。こちらがいくら完璧な計画を立てそれを実行していても、他人の都合でそれが狂う場合もある。漫画家の場合は「担当がネームの返事をなかなかよこさない」というのが一番多いのではないだろうか。担当のOKが出ないと作画には入れないし、独断で進めたあとに修正が入ったら完全な二度手間である。幸い、私の担当編集は一様に返事が早い、中には「お前本当に読んだのか?」と疑いたくなるようなスピードで「これで良いです」と返信してくる担当もいる。しかし、返事が早いのはこちらも助かるので「OKしてくれるなら読んでなくても良い」と考えている。この「必ずしも読む必要はない」というのは私の全作品に言えることなので、読者の皆さまもこの夏、私の本を読まなくていいから買ってみてはどうだろうか。カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。2015年2月下旬に最新作「やわらかい。課長起田総司」単行本第1巻が発売され、全国の書店およびWebストアにて展開されている。「兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃」、次回は8月18日(火)昼掲載予定です。
2015年08月11日虎の穴は10日より、漫画家、イラストレーター、アニメーターなど総勢100名のクリエイターの作品を展示するチャリティ企画展「第四回武者絵展」を開催している。会期は8月17日まで、開場時間は11:00~19:00。会場は東京都・秋葉原のとらのあな秋葉原店C 4Fイベントフロア。入場料は大人(高校生以上)200円、子供(小学生以上)100円。幼稚園、保育園以下無料。同展は、有志の呼びかけに応えた漫画家やイラストレーター、アニメーターなど約100人のクリエイタ―が、歴史に登場する武将や戦の場面を描いたイラスト展示会。東日本大震災後(2012年7月)、福島県南相馬市などに伝わる神事「相馬野馬追(そうまのまおい)」を支える目的で1回目をスタートして以来継続した取り組みとなっており、今回が4回目の開催となる。この東京での展示以降も、各地を巡回する予定だ。作品を提供するクリエイターたちのそれぞれのオリジナルの「武者絵」が見どころで、昔ながらの古風な武者絵に加え、未来的なモチーフのものや萌え美少女風のものなど、さまざまな絵柄の武者絵が集まっている。なお、入場料および図録(3,000円)等の売上は、全て義援金として南相馬市役所に寄付されるということだ。(c)「武者絵展」実行委員会
2015年08月10日今回のテーマは漫画家の健康診断についてである。当コラムはお題だけ担当が考えているのであるが、時々こんなざっくりしすぎなテーマを投げてよこすから困りものだ。○漫画家は「運動不足になる肉体労働」漫画家と言う職業は健康に悪いと思われがちだし、実際に悪い。だが、この世に体にいい仕事などあるのだろうか。むしろ、大体の疾患の原因は仕事と言っていい。酒、たばこを止める前に、仕事を辞めた方がよほど健康的である。しかし、仕事を辞めると今度は「ご飯が食べられない」等の理由で健康を害す恐れがある。つまり、あってもなくても体を壊すのが仕事であり、こんな有害な物が未だに法律で禁止されていないのは、法治国家としていかがなものであろうか。そうした仕事の有害さを一応分かっているのか、社員に定期健康診断をさせる会社は多い。しかし、漫画家というのは多くの場合フリーランスで、おもむろに立ち上がり、「今日オレは健康診断に行く!」と少年漫画の主人公クラスの確固たる意志とオーラをまといながら、自ら病院に行かなければいけないのである。ちなみに、私は先述の通り会社員もしているので、会社で年一回健康診断を受けている。幸いにも健康体なのだが、それは内側の話であり、多くの漫画家がそうであるように、腕、肩は致命的に痛んでいる。漫画家がハードな仕事だと言っても、基本的に座って絵を描いているだけではないかと思われるかもしれない。しかし、まだ漫画が全てアナログで書かれていた時代、売れっ子作家の元でほぼ365日、10年間にわたりアシスタントをしたところ、目、肩、足、腰はもちろん歯までボロボロになり、しばらく療養を余儀なくされた、という作家の話を聞いたことがある。座って漫画を描いていただけのはずが、軽く車に轢かれたみたいになっているのだ。このように、座ってひたすら絵を描くというのはかなりのハードなことだ。しかも、普通の肉体労働なら筋肉や体力がついたりするかもしれないが、漫画は体が鍛えられるということはなく、むしろ衰える。漫画家というのは「運動不足になる肉体労働」というわけがわからない仕事なのだ。とはいえ、そこまで体を壊してしまうのは、相当無理なスケジュールで仕事をし続けた場合だ。普通に、普通の仕事量をこなすだけなら問題はない。しかし、普通にいかないのが仕事というものである。○漫画家の仕事を左右するのは?漫画の作画というのは大変ではあるが、手を動かし続ければいつかは終わる。一方、それ以前のネタ作りは、いくら考えても手掛かりすらつかめぬことがある。そしてネタを出すのに時間がかかればかかるほど作画時間を圧迫し、とんでもない無茶をしなければいけない事態になるのである。私はショートギャグ作家であるから、1本当たりのページ数は4~8ページぐらいだ。数十ページ描かなければいけないストーリー作家に比べればかなり楽かもしれない。だが、ショートギャグというのは1話で必ずオチを付けなければならず、作品によっては1ページごとに落さなければいけない。仮に4コマ漫画を4ページ週刊連載するとしたら、1回につき8回オチを考えねばならず、さらにそれを毎週やるのだ。もはや正気の沙汰ではない。ストーリー漫画であれば、その1話で全てを明かさず「まさか…!あいつの正体は…!」と引っ張ることができる。例えあいつの正体が何なのか全く考えていなくても、「あいつの正体は来月の俺が考える」と腹を決めて、とりあえずその回の原稿を終えることができるが、1話完結ものだとそうはいかないのだ。とにかく、漫画家の仕事が普通じゃなくなる原因は、ネタがスムーズに出るか出ないかに依るところが大きい。まれに、「ネタはすぐ出たが、全ページに高層ビル群と国会議事堂が出てくるため作画が間に合わない」ということもあるが、私の場合そういうネタは潔くボツにする。それ以前に、どう考えてもさばき切れない量の仕事を受けてしまっているという場合もある。「無理なら断れよ」と思うかもしれないが、そもそも漫画家というのは、あまり自分の仕事をコントロールできないものなのだ。いくら漫画家にやる気があっても、出版社からお呼びがかからなければ、仕事として漫画を描くのは難しい。お呼びがかからなければ自分から売り込むしかないが、それで仕事がもらえるかはわからない。ならば、お声がかかるうちは全部やるしかない。仕事が手から溢れる程ある時期もあれば、まったくない時期もあるのが、漫画家、ひいてはフリーランスの仕事全般というものである。そのため、仕事がある時期はどんな無理をしてでも仕事を全部こなし、さらに仕事がこない時期に備え、稼いだ金は全て貯蓄しておかなければならない。一体何がフリーなのか、というぐらいフリーじゃない生活だ。そもそも、心がフリーじゃない人間が自由業になると必ずこういう袋小路にはまり、心のバランスを崩す。自分はそういう不安感を減らすために会社員を続けているのだが、そうなると今度は体がきつい。つまり、仕事はあってもなくても、体と心に悪い。これが結論であり、薬物よりも先に取り締まるべきものだったのである。そろそろ機械の体を探しに行く時が来たようだ。原稿を置いて、宇宙へ旅立とうと思う。カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。2015年2月下旬に最新作「やわらかい。課長起田総司」単行本第1巻が発売され、全国の書店およびWebストアにて展開されている。「兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃」、次回は8月11日(火)昼掲載予定です。
2015年08月04日デザイナーの悲哀をリアルに描いた人気連載「デザイナー哀の劇場」「デザイナー哀の劇場R」を生み出した漫画家・まずりんさん。漫画原稿の作成はこれまでIntuos5、いわゆる「板」のペンタブレットで行ってきたといいます。周囲の同業者たちの多くが「液晶ペンタブレット」を導入していると知ったまずりんさんですが、漫画の制作がラクになるなら使ってみたい!と思ったものの、慣れたペンタブレットからの移行は、連載を抱えている中ではなかなか厳しい……。そう思っていたところ、「レクチャーしますので、試しに触ってみませんか?」とワコム社からのお誘いが。そんなこんなで液晶ペンタブレットに初挑戦するまずりんさんの様子を、「デザイナー哀の劇場」の哀ちゃん&アデ子さんがレポートします!○登場人物前回のあらすじ:これまでペンタブレットで漫画を描いてきたまずりんさんが、ワコム東京本社ではじめての液晶ペンタブレットに挑戦。コンパクトなOS入り機種「Cintiq Companion 2」に触れてから1時間足らずで、操作にも慣れてきた様子。試し書きにと描いてきたアデ子さんの顔も、いよいよ連載当時の美貌(?)に近づくのか…?~ワコムの会議室の中~次回は、Cintiq Companion 2はじめ、液晶ペンタブレットの見逃しがちな設定に注目します。乞うご期待!
2015年07月30日今回のテーマは「夏のレジャー」である。○漫画家ならではの「夏の風物詩」そう言われても、基本的に春夏秋冬、部屋から出ない。それに現在、すべての原稿を締切通りに終わらせていたら1カ月経っているし、それを12回やったら1年が終わっているという生活で、年々季節感というものがなくなってきている。去年は一応花火など見に行ったのだが、花火が始まるまでずっとスマホでエゴサーチしていたし、始まったら始まったで、花火の写真をTwitterにアップしてリプライ待ちし、その待ち時間の間エゴサーチをしていた。とにかくエゴサができない所には1秒たりとも行きたくないので、海などもっての他である、水中エゴサはエクストリームすぎるし、そもそもスマホがぶっ壊れる。よって、もはや「アイスが美味いのが夏」「甘いパンが美味いのが冬」「ペペロンチーノは年中美味い」というぐらいの基準しかないのだが、唯一漫画家だからこそ感じる夏というものがある。「液晶タブレットが猛烈に熱くなってきたら夏」なのである。これは当方が使っている機種が相当古いため余計にそう感じるのかもしれないが、 冗談ではなくアツアツの鉄板に長時間向かい合うのと変わらない状態になるため、ただ漫画を描いているだけの奴が、まるでお好み焼きを100枚焼いたかの様な姿になるのが、漫画家にとっての夏なのである。すべての作業をパソコンで行っているが故の弊害だが、出た汗が直に原稿を汚すことがないという点は、やはりデジタルの利点だ。○フルデジタルが起こした"漫画革命"常日頃から「パソコンで漫画を描ける時代じゃなかったら私は漫画家になれなかった」と言っているが、具体的にどうなれなかったかというと、まず汚損してない原稿を作れなかったと思う。漫画雑誌には多種多様な漫画が掲載されていて、私のようにどうかと思うぐらい絵が下手な作品だって載っていることもまれにある。しかし、余白に作者の指紋が縦横無尽についているという、個人情報丸出しな漫画に出くわしたことはおそらくないだろう。自分は何をするにも不器用で、集中力及び注意力がない。たとえば料理をしろと言えば、全身血まみれか火だるまになっているタイプなのであるが、そういう人間に液状であるインクを持たせると、3歳児に生卵を3パック持たせるのと同じぐらいの惨事が起きる。もちろん、汚すのは原稿だけではない。完成する頃には、実際にやったことはないが「Splatoon(スプラトゥーン)ってこんな感じかな?」という部屋ができ上がっているのである。それに、書き損じをしたとしてもデジタルなら簡単に消せるが、アナログだとホワイト(修正液)を用いて間違ったところを修正しなければいけない。しかし、こういう人間に間違ったところにだけホワイトを塗れというのも無理な相談なのである。消してはいけないところまで塗ってしまうのはもちろん、またしても原稿と言う枠を飛び越え、黒一色だったスプラトゥーン部屋に白が加わり、ますます喪に服しているような状態になってしまう。何度も間違いを犯し、繰り返しホワイトを塗るうちに、その部分だけ3Dな原稿ができるというハプニングも当然起こるだろう。さらに、それをカッターで削ろうとして原稿にでかい穴があくと言うのも想定の範囲内だ。作画以前に、枠線がうまく引けないという問題もある。私がデビューまで原稿を完成させたことがないというのは以前書いたが、大体の場合、枠線で挫折していた。まっすぐ直線を書くというのは案外難しく、4コマ漫画の枠線を書くだけでも徐々にズレて行き、最終的に「自分の人生か」というぐらい右肩下がりな枠ができたのは良い思い出だ。もちろん、その原稿は黒い指紋だらけだった。漫画作成ツールがいくら発達したと言っても、最終的には使う者の腕、というのは確かだ。しかし、「それ以前の問題」だった奴が、印刷できる程度の原稿を完成させることができるようになったというのは、革命と言わざるを得ない。それゆえに、本人がますます進歩できなくなったとも言えるが、仕事である以上使える物は使うべきである。こう書くといかにもデジタルが最高の手段であるように見えるかもしれない。確かに、デジタルであれば、書き損じなどは一瞬にして消してくれる。しかし、データそのものも一瞬で消してくれるというミラクルもたまに起こるし、停電やマシントラブルで手も足も出なくなることもしばしばだ。去年、液晶ペンタブレット(略して液タブ)がウンともスンとも言わなくなり、作業が完全にストップしてしまったことがある。締め切りがあるので、修理に出すなど悠長なことはしていられなかった。よって、約10万円ほどする新品の液タブを即決で購入するはめになってしまった。次の日、液タブは無事に届いたのだが、それが届いたと同時に、死んだはずの旧マシンが息を吹き返すという奇跡が起こった。全米が泣く展開だと思うので、映画化したいという方はご一報いただければと思う。このように、デジタルはデジタルでアナログ時代にはなかった危機管理をしなければいけないのである。ちなみに、その時死んだはずの液タブは今も現役で、今年の夏もその熱で私の顔面を焼いてくれている。カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。2015年2月下旬に最新作「やわらかい。課長起田総司」単行本第1巻が発売され、全国の書店およびWebストアにて展開されている。「兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃」、次回は8月4日(火)昼掲載予定です。
2015年07月28日こんにちは、ぽこひろです。男子にとって、彼女が自分の家に来てくれるのは嬉しいことです。にゃんにゃんもできそうですからね。しかし、かといって家に来てくれたらなんでもしていいというわけではありません。あまりに気ままに過ごしていると「それお前、じぶんちで出来んかね?」と思われてしまうかも。そこで今回は、20代男子30人に「彼女に家でされたら『てめえん家でやってこい!』とイラッとくるもの」について聞いてみました。■1.ムダ毛処理「わき毛とかの処理は、ウチに来る前にしてほしいかも。お風呂に入る前にそういうムードになっていちゃいちゃしたとき、まだジョリジョリしてたら萎えるから」(大学生/21歳)なるほど、なるほど。これはたしかに一理あるかもしれませんね。「どうせエッチはお風呂入ってからっしょ」と高をくくっていたのでしょうが、カレの性欲はあなたのお風呂が終わるまで律儀に待ってくれるとは限りませんからね。■2.課題や仕事「家に来てなんかの作業されるのが一番腹立つ。しかもそれで話しかけたら怒るんでしょ? ここは俺んちだっつうの」(芸人/25歳)これはまったくもってその通りですね。仕事や学校帰りに、自分の家に帰らずカレの家に向かうときでも、先にカフェなどに寄って済ませておくのがマナーではないでしょうか。■3.友達とのLNE「俺んち来て、ずーっと誰かとLINEされるのもムカつくよね。俺んち来たら、俺と話せよって感じ」(大学生/22歳)まあこれは限度の問題でしょうね。少しくらいならもちろん全然OKでしょうが、あまりにスマホにかじりつきでずーっとLINEというのは、たしかに少しイラッときてしまうかも・・・・・・。■4.ぐーたらテレビ「家に来て早々、『間に合ったー! 1時間話しかけないで!』とか言ってドラマ見てんの。見終わってから来いや!」(営業/25歳)まあこれくらいなら許してあげても・・・・・・という感じもしますが、「話しかけないで」とかはちょっとダメかもしれませんね。一緒にワイワイ見たりするのとかなら、むしろカレも歓迎だと思うんですけどね。よほどテレビを毛嫌いしているカレでなければ・・・・・・。■5.半身浴「俺んち来て、毎回1時間以上風呂を占拠する俺の彼女・・・・・・。しかもユニットバスだから、おしっこ毎回漏れそうになる・・・・・・」(大学生/20歳)(笑)。これは本当に、家でやりなさい(笑)。彼女が家に来てくれたのに、その彼女としばらく話もできないなんて、結構さみしいもんですよ。彼女を部屋にあげた彼氏としてはね。■おわりにいかがでしたか?結論としてはどれも、所詮は程度の問題な気がしますね。ある程度はカレの部屋で好きなことをしてもいいけれど、私物化するのはダメだという簡単なことです。スマホを一台充電するならいいですけど、スマホにパソコンにワイファイにタブレットに、なんてコンセントをすべて占領されたらムカつきますもんね。こういうことです。「また来てな」と心から思われるような過ごし方をしましょうね。(ぽこひろ/ライター)
2015年07月25日ヤマハは23日、「VOCALOID 4」向けの新たな歌声ライブラリとして、小林幸子さんの声をもとに開発した「VOCALOID4 Library Sachiko」を発表した。直販価格は12,000円(税別)。7月27日17時より公式オンラインストアにてダウンロード販売を開始する。同時に体験版の配布も始める。パッケージ版の発売は8月下旬の予定だ。「VOCALOID4 Library Sachiko」は、日本を代表する歌手である小林幸子さんの声で楽曲制作が楽しめる「VOCALOID4」用の女性歌声ライブラリ。特徴は「クリエイターの情熱を生々しく歌い上げる、圧倒的なソウルフルボイス」としている。推奨音域はD2~B3、推奨テンポは60~175BPM。小林幸子さんのこれまでの歌唱データから「こぶし」や「しゃくり」などの特徴を分析し、本人に近い歌いまわしを再現できるジョブプラグイン「Sachikobushi」を付属。「声の立ち上がり」や「振れ幅」などの好みの効果を選ぶだけで、小林幸子さん風の歌い方にすることが可能だ。さらに、本人による400種類以上のボイスマテリアルを用意。「歌います!」「レッツゴー」など定番の掛け声から、「それでは!お手を拝借うううぅ!」「降臨!」といった特殊なものまで、幅広く収録されている。パッケージに描かれている「Sachiko」のキャラクターデザインにはイラストレーター・碧風羽(みどりふう)さんを起用。また、製品ロゴである「Sachiko」の文字は、小林幸子さんの直筆によるものとなっている。対応OSはWindows 7 SP1 / 8 / 8.1、Mac OS X 10.8~10.10。使用の際は別途エディタソフト「VOCALOID4 Editor」が必要。
2015年07月24日今回は、「夫が私の仕事についてどう思っているか」である。○カレー沢氏、夫に仕事のことを聞く…?「旦那が怒ったところを見たことない」とか、「ケンカしたことない」などと円満夫婦をアピールする女の家ほど、旦那の一方的な我慢のみで成り立っていたり、もはや相手が怒る気力すら失っている場合が多いのだが、おそらく夫が私に言いたいことは2万個ぐらいあると思う。その内、どうしても我慢しきれない、1、2個を注意してくることはあるが、残り1万9,998個は我慢していると思われる。主に、「自分の部屋をきれいにしろ」「トイレをキレイに使え」と言われ続けてきたが、最近では「頭をちゃんと洗え」という、とてつもない注意が追加された。しかも「言いにくいんだけど」と前置きがあってからのこの注意であり、まさに「業を煮やした」結果である。おそらく私の肩に季節外れの粉雪が降り積もっているのを見続けた末の事であろうが、30をとっくに過ぎた自分の妻にこんな注意をするのはさぞ情けなかったであろう。しかし、自らの名誉のために言わせてもらえば、風呂には毎日入っているし頭も洗っている、ただ私のフケがそれを凌駕しただけなのである。なので「貴様の妻は頭もろくに洗わないズボラな女というわけではなく、ただ1日1度の洗髪ごときではどうにもならない選ばれしフケ症なだけだ」と反論したくなったが、悲しみの種類が変わるだけなのでやめておいた。このように、私の生活態度については言いたいことが山ほどあるだろう夫であるが、漫画の仕事に関しては、ほぼ何も言ってきたことがない。今回のテーマは当初述べた通り「夫に私の仕事についてどう思っているか聞く」というものであったが、そんなことを聞いた日には、仕事の話は2秒で終わって、あとはここぞとばかり、私の素行に関する小言になるに決まっている。いくらネタのためとは言え、それは虎児を得ようとして虎のケツの穴に頭を突っ込むぐらいの危険行為なので、今回はなしとしたい。○漫画家の妻と暮らすと起こる事柄私が漫画家になったのは、夫と結婚する1年ぐらい前からだ。その時から彼は一貫して「好きなようにやればいい」と言っており、私はそれを真に受け、好きなように漫画を描き、文章を書き、トイレをフリーダムに使い続けてきたが、怒られたのはトイレの使い方だけである。また、「協力できることがあればするが、ないだろう」とも言っていた。確かにない。漫画家というのは「何かネタくださいよー」などと簡単に言う癖に、いざ相手がこんなのどう?とネタを出してくると「そんなの使えないよ、これだから素人は」と言いだす、100万回殺しても殺し足りない生き物なので、そんな会話を夫婦間で繰り返していたら、離婚どころか傷害事件が起きる。それに、私が漫画家だからと言って特殊なことが起こるわけでもない。地方住みなので、家に編集者が来るということもないし、完全一人作業なのでアシスタントが来ることもない。ただ、妻が会社と寝る以外の時間、ずっと自室にこもってパソコンに向かっているだけなのである。つまり、私が漫画家ではなくただのネトゲ廃人でも、彼にとっての生活自体は変わらないのだ。唯一の恩恵は、私の漫画の掲載誌が毎回送られてくるので、漫画には困らない生活が出来るという点ぐらいだ。例え自分の連載が終わったとしても、その元・掲載誌を継続して送ってもらえる場合が多い。私としては、自分不在の雑誌が延々送られてくるという若干切ない状態なのだが、夫としては、他の作品が読めればそれで良いのだろう。このように、お互いのことにあまり干渉しないのと、夫の1万9,998個の我慢により、特に揉めることもなく生活している。○好きなことが仕事になったら、それは仕事であるしかし、これが「好きなようにやれ」だけでなく「好きなことをやらせてやるんだから、その分家事はちゃんとしろ」とかだったら話は180度違う。これは漫画家だけに関する話ではないが、「好きなことを仕事にしている以上、他のことは我慢すべき。苦労は当たり前」という不思議な理論がこの世に存在するのだ。例としては、「好きなことをしているんだから低賃金でもいいだろう」「休みがなくても我慢すべき」などという主張である。夢を叶えた奴は何かハンデを背負うべき、という恐ろしい話なのだが、それで食っている以上は、好きな事をしているわけではなく仕事をしているのだ。それを理由に相手に我慢を強いてはいけないし、それを夫婦間でやりだしたらおしまいである。夫は「協力できることはない」と言っているが、漫画家という職業に限らず、共働き家庭において、「自分のことは自分でやる」以上の相手に対する協力はないと私は考えている。そういう意味では夫は私の仕事に最大限協力してくれているが、問題は私が自分のことを自分でできていない、という状況である、先日夫はついに「部屋を片付けろ」ではなく「俺が片づける」と言って、私の部屋を片づけてしまった。中華料理屋のようにベタついていた床もキレイにしてもらったのだが、それから1カ月もしない内にまたベタベタするようになった。これに関し小言を言われたら「掃除はしているが、それを越える量の脂が私から出るのだ」と言い逃れようと思う。もちろん、掃除はしていないが。カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。2015年2月下旬に最新作「やわらかい。課長起田総司」単行本第1巻が発売され、全国の書店およびWebストアにて展開されている。「兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃」、次回は7月28日(火)昼掲載予定です。
2015年07月21日デザイナーの悲哀をリアルに描いた人気連載「デザイナー哀の劇場」「デザイナー哀の劇場R」を生み出した漫画家・まずりんさん。漫画原稿の作成はこれまでIntuos5、いわゆる「板」のペンタブレットで行ってきたといいます。周囲の同業者たちの多くが「液晶ペンタブレット」を導入していると知ったまずりんさんですが、漫画の制作がラクになるなら使ってみたい!と思ったものの、慣れたペンタブレットからの移行は、連載を抱えている中ではなかなか厳しい……。そう思っていたところ、「レクチャーしますので、試しに触ってみませんか?」とワコム社からのお誘いが。そんなこんなで液晶ペンタブレットに初挑戦するまずりんさんの様子を、「デザイナー哀の劇場」の哀ちゃん&アデ子さんがレポートします!○登場人物前回のあらすじ:ワコム東京本社でついに液晶ペンタブレット「Cintiq Companion 2」に触れたまずりんさん。数々の苦難(蛍光灯の映り込みや解像度設定)を乗り越えて、試しに描いてみたアデ子さんの顔が、連載当時とちょっと違う…? とにかく慣れようとトライするまずりんさんと応援する哀ちゃん、うなだれるアデ子さん。さて、今回はどうなる?~ワコムの会議室の中~次回はCintiq Companion 2に搭載されているファンクションキーに注目します。乞うご期待!
2015年07月15日今回のテーマは「親、兄弟、友人などが、兼業漫画家である自分をどう思っているか」についてだ。○漫画は妄想を加工した産物商業漫画と言うのは、「大勢の人に読まれてなんぼ」の世界だ。しかし商業作品と言えど漫画というのは元は個人の妄想であり、それを人様にも楽しんでもらえるように加工して、世に出しているにすぎない。そのため、人に見せる用だとしても、自分の妄想を近しい人に見せるというのは恥ずかしいもので、久しぶりに会った人などに「漫画いつも読んでるよ」などと言われたら、「今すぐやめろ」と言いたくなるのである。そもそも、私は自分から自分の漫画について話すことがほぼない。恥ずかしいから、というのもあるが、「明るい話題がゼロ」だからというのが最も大きい。私とて、漫画が上手くいっていれば、調子にのって今後の構想とかをベラベラ喋るだろうが、漫画家になってからこの方、調子に乗れる状況が一度もなかったし、年々それは悪化している。なので、周囲もそれを察して、私の漫画の話はしなくなった。すでに私が漫画家であることは話題ではなく地雷となっている。そうは言っても、友人知人ぐらいまでなら、私が漫画家をやっていることに関して、いい意味で面白がってくれていると思う。しかし、家族、特に自分の子どもが漫画家をやっている(もしくは漫画家を目指している)と言う状況は、親としては面白がってばかりはいられないと言うか、はっきり言って「笑えない」ものだったと思う。○カレー沢氏の進路選択6歳児が「将来は公務員になる」と言ったら、夢がないと親は心配するかもしれないが、実際は進路を決める段階になっても「漫画家になる」と言っているやつの方が、もっと悩みの種なのである。事実、95%が大学に行く高校に進学しておきながら、3者面談で「漫画家になるから、漫画専門学校に行く」と言い張る私は、親にとって相当の頭痛物件だったと思うし、私も当時のことを思いだすと、ロキソニンを箱食いしたくなる。その後も、若かりし頃の私は「漫画専門学校は諦めるが、大学進学はしたくない(受験勉強したくなかった)」とごね続けた上、「じゃあ、漫画家じゃなくてデザイナーになるわ」と親を煙に巻いて、グラフィックデザイン専門学校に進学することになった。このように、「漫画専門学校は反対されたので、とりあえずデザイン系学校に入った」という経歴を持つ人間は結構いるのだ。「漫画にくらべればデザイン業の方が安定している気がする」という錯覚を親に覚えさせ進学を許可させるという手管なので、親御さんは注意してほしい。そして、まんまと美術系の専門学校に行ったは良いが、初回コラムに描いた通り、在学中は1本も漫画を描かなかった。卒業後は印刷会社に就職するも、勉強したデザインを生かすどころか、総務課に8カ月在籍しただけで退職。その後5年、全くデザインにも漫画にも関係ない仕事に就いたり辞めたり、クビになったり、派遣切りに遭ったりしていた。その間、一度も「お前、グラフィックデザインはどうしたの?」と言わなかった親を、私はマジでリスペクトしている。○親から見た兼業漫画家・カレー沢薫の印象は?その後、間口ガバガバの漫画賞に応募したことを機に漫画家となった私だが、親は、娘が漫画を描いていることを応援してくれてはいる。だが、私のことは兼業漫画家というより、兼業会社員と思っている。もし私が「会社を辞めて、漫画1本にする」と言いだしたら、それは親にとってみれば「本業を辞めてアルバイトで食っていく」と言われたようなものであり、おそらく止められるであろう。漫画家などのいわゆる人気商売は、一見華やかそうに見える。私も、友人にそういう職業の人間がいるとしたら、面白がるし応援もするだろう。しかし、親にとってみれば子供がそういう職業を目指すのは止めたいし、なってからも心配の種と思われているケースが多いと思う。しかし、時勢の変化とともに「漫画家を目指す子供と親」情勢は変わってきているようで、今では漫画家を目指す子供を止めず、漫画学校へ通うことも許し、卒業後も就職を促すことなく、デビューまで面倒を見てくれる親が増えてきているという。あまりに世の中が不安定なので、「どうせ安定した職がないなら、夢を追った方がいい」と考えている親が増えてきているのかもしれない。反対されるよりはバックアップしてくれる方が良いには決まっているが、経験上、漫画というのは、いくら時間と描ける環境がそろっていても、描かない奴は描かない。そのため、気づけば子供が「自称漫画家志望」という、幾重にもわからない職業についている場合があるので注意が必要である。先ほど、親からは漫画について応援されていると書いたが、実をいうと、両親は私がもう漫画の仕事をしていないと思っている。現在、親が把握していた漫画の連載は全て終わっており、新しく始まったものに関しては一切言っていないので、親は私の連載はもう一本もないと思っているのだ。ある日、母に「もう漫画の仕事は全部ないの?」と聞かれたので、私はちょっと考えてから、元気に「うん」と言った。母はそれに対し「さみしいけど、まあ、よくもった方かもね」と言った。親の期待に応えるのも確かに親孝行だが、それが無理なら「早めに諦めさせる」というのも立派な親孝行だと私は思っている。カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。2015年2月下旬に最新作「やわらかい。課長起田総司」単行本第1巻が発売され、全国の書店およびWebストアにて展開されている。「兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃」、次回は7月21日(火)昼掲載予定です。
2015年07月14日今回のテーマは「アイデアを生み出す方法」である。 そんなもの、違法なクスリを使う以外で、手っ取り早くできるのであれば、こっちが教えてほしい。他の作家はどうか知らないが、自分場合はひたすら机の前で頭を抱え、時に「薬 神が降りてくる 合法」などとググりながら、とにかく「頑張って出す」としか言いようがない。もちろん、実際に危険なドラッグをキメながらネタを出しているわけではないし、最初から描くことが何もないわけでもない。ノートの最初のページはキレイに描こうとするように、漫画だって最初はやる気と希望に満ちている。描きたいことだってたくさんある。「キャラが勝手に動いちゃうんだよね」とツイートしてしまったりもする。そして、その状態は大体単行本の第1巻が発売するまでは続く。○漫画家が権太坂を上るとき漫画家にとって、作品とはわが子同然だ、どんなにデキが悪かろうが他者に認められなかろうが、等しくかわいい。と言いたいのはやまやまだが、そんなわけがない。(※個人の感想です) やはり人気がある方がかわいいというか、筆もノるし、アイデアも次々とわいてくるものなのである。なので、単行本1巻が出て、それが売れていないとわかるや否や、テンションはガタ落ちなのだ。勝手に動いていたはずのキャラが、どこの武田信玄かと言うぐらい、動かざること山のごとしになるのである作家にとって非常に苦しい時である。作品に対するテンションが下がっているのに、その不人気を挽回するネタを考えなければいけないのだ。こういう時に、読者から見れば「どうしてこうなった?」というような破天荒なテコ入れがされてしまったりするのだが、作者の精神状態的には"両足骨折で権太坂を上ろうとしている"ようなものなので、多少トチ狂ったことになってしまっても、それは仕方のないことなのである。○わが子のような作品の"蘇生"もちろん、人気がないからと言って、その作品がかわいくなくなったというわけではない。前述のように何とか蘇生してやろうと、心臓マッサージを繰り返し、肋骨をボッキボキに折って逆に息の根を止めてしまうこともしばしばだ。しかし、わが子可愛さゆえの親心が、逆の方向へ行ってしまう場合もある。1巻の売れ行き状態を聞いて「この子は短命かもしれない」と悟った瞬間「1日でも長く生きさせよう」ではなく「せめて安らかに眠らせたい」と思ってしまう場合もあるのだ。つまり、急な打ち切りにより、伏線が回収できずに支離滅裂な終わり方はしたくない、と思ってしまうのだ。中には「どうせ終わりなら最後にぶちかましてやりますわ」と最後まで風呂敷を広げて、それを一切たたまず爆破する、という伝説的終わり方をするものがあるが、それは相当メンタルが強いか、すでにメンタルが破壊し尽くされている作家のやることで、自分のような小物は「何とか着地させたい」と思ってしまうのだ。その結果、「終われと言われる前から最終回に向かう」という大逆走をぶちかましてしまうのである。もちろん、いつ終われと言われているわけではないので「いつでも終われる」ような展開ばっかりになる、そんな漫画が面白いわけがない。つまり、死体がきれいか、肋骨が全部折れて内臓が破裂しているかの違いで、早死にすることには違いないのである。○漫画家が新作を生み出すために必要なことは?漫画はビジネスなので、出版社の方も、目が出ない作品をズルズル続けさせるわけにはいかない。そして作家にとっても、ダメな物は終わらせて新作でヒットを狙った方がいい場合もある。しかし、新作を考えるというのがまたつらいのだ。特に当方、これと言ったヒットがないまま、漫画家生活すでに5年である。こうなると、何を描いても売れない自信がついてくる。思いつくアイデアは全てがダメな気がするのだ。そういう状態の作家に、担当編集は「描きたい物を描いてください」と言う。しかし、それがまた「ない」のである。そこで正直に「描きたい物はないです」と言ったところ、担当からはこのような答えが返ってきた。「大体の作家はそう言います」と。そして、担当から「こういうのはどうですか」と提案されると、また大体の作家が「そんなもの、私には描けない」と言うそうだ。ド最悪である。こんな最悪な生き物を何とか鼓舞して漫画を描かせなきゃいけない漫画編集には心から同情する。しかし、「描きたいものが見つからない」とか「ネタが降りてこない」とか拗ねているうちに餓死するのは漫画家の方だ。出版社側は、そいつが描かなきゃ、他のやつに描かせるだけだからである。つまり、どれだけやる気がなくなろうが、自分の才能に絶望しようが、漫画を通して読者に伝えたいことがゼロであろうが、「とにかく出す」しかないのである。本当は、「アイデアに詰まった時は、映画や小説を見て着想を得る」とか、「お気に入りの喫茶店でネームをする」とかいう話をしたかったのだが、他の創作物を見ると、着想を得るというより丸パクリしてしまうし、住んでいる所が田舎なため、中年女が喫茶店で漫画を描いているというだけで通報案件だし、そもそも喫茶店と言うものが周囲になかった。よって、今日も部屋を転げまわるしかない。そのためか、最近床が老舗中華料理屋のようにベトついてきた。カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。2015年2月下旬に最新作「やわらかい。課長起田総司」単行本第1巻が発売され、全国の書店およびWebストアにて展開されている。「兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃」、次回は7月7日(火)正午掲載予定です。
2015年06月30日東京都・恵比寿のNADiff Galleryと清澄白河のARATANIURANOにて、漫画家/アーティストとして国内外から高い評価を集める横山裕一の個展「ファッションと密室」が開催されている。開催期間はNADiff Galleryが7月3日まで(12:00~20:00、月休)、ARATANIURANOは7月4日まで(11:00~19:00、日祝月休)。いずれも入場は無料。同展は、横山裕一の最新作品集「ファッションと密室」の出版を記念して開催されている個展。国内外での大規模な個展や展覧会への参加が続いた2014年に制作された作品を中心に、ミニマムな存在描写の強靭さ、大胆に配される迫力のオノマトペ、そしてコマごとに綿密に描き出される時の流れなど、独自の表現手法で知られる横山裕一の"ネオ漫画"の世界が2つの会場で展開されている。また、渋谷のNADiff modern(Bunkamura内)では、横山の推薦本を集めたブックフェア「横山の本棚」を開催しており(7月3日まで)、小説や詩集、写真集など、作家のアイデアの源泉や思考に触れることができる。なお、ふたつの展覧会場と選書フェア会場でスタンプラリーを実施しており、3つすべて集めた人には、プレゼントが用意されている。
2015年06月30日デザイナーの悲哀をリアルに描いた人気連載「デザイナー哀の劇場」「デザイナー哀の劇場R」を生み出した漫画家・まずりんさん。漫画原稿の作成はこれまでIntuos5、いわゆる「板」のペンタブレットで行ってきたといいます。周囲の同業者たちの多くが「液晶ペンタブレット」を導入していると知ったまずりんさんですが、漫画の制作がラクになるなら使ってみたい!と思ったものの、慣れたペンタブレットからの移行は、連載を抱えている中ではなかなか厳しい……。そう思っていたところ、「レクチャーしますので、試しに触ってみませんか?」とワコム社からのお誘いが。そんなこんなで液晶ペンタブレットに初挑戦するまずりんさんの様子を、「デザイナー哀の劇場」の哀ちゃん&アデ子さんがレポートします!○登場人物前回のあらすじ:ワコム東京本社のぴかぴかの会議室にめまいを起こしながらも、三人は目的の液晶ペンタブレット「Cintiq Companion 2」とご対面。OS搭載の機種を選んだ理由を「旅する漫画家」(演劇やアーティストのおっかけ)と力説するまずりんさんに、圧倒されるアデ子さん。まずりんさんは液晶ペンタブレットを使いこなして無事「旅する漫画家」になれるのか?~ワコムの会議室の中~次回はCintiq Companion 2に搭載されている、あの便利な機能に3人が注目。乞うご期待!
2015年06月26日サンタフェ ナチュラルタバコ ジャパンはこのほど、クリエイターとの共創プログラム「FUTURE CULTIVATORS(フューチャー・カルティベーターズ)」を展開。7月より東京にて、アーバンアート作品の展示を開始する。○プロアマ問わずクリエイターの作品を募集同プログラムは、社会課題をクリエイティブな視点で解決することを試みるクリエイター集団「REBIRTH PROJECT」とともに、クリエイターを対象にしたアーバンアート作品を公募し、7月より作品を展示するというもの。REBIRTH PROJECTは、「人類が地球に生き残るためにはどうするべきか?」という命題のもと、私たち人間がこれまでもたらした環境や社会への影響を見つめなおし、未来における生活を新たなビジネスモデルと共に創造していくために活動している。同社と活動理念に共通点が多いことを受け、共創プログラムの実現に至ったという。公募タイトルは、「"FUTURE CULTIVATORS" PROGRAM#1『NEW RECYCLE』 curation by REBIRTH PROJECT」。公募テーマは「NEW RECYCLE」。展示期間は、第一期が7月上旬~10月上旬、第二期は未定。期間内1カ月程度の展示を想定。応募資格者は次世代のクリエイターを目指す21歳以上の男女(職業、プロ・アマ経験は問わない)。公募期間は12月31日まで。なお、各種内容は変更される場合がある。応募は氏名、年齢、職業、プロフィールを付記し、作品の写真・デジタルデータ1~3点をメールで送付。各作品のタイトル、コンセプト、サイズもあわせて記載のこと。総データは10MB以内。詳細は「サンタフェ ナチュラルタバコ ジャパンのニュースリリース」で確認できる。
2015年06月12日デザイナーの悲哀をリアルに描いた人気連載「デザイナー哀の劇場」「デザイナー哀の劇場R」を生み出した漫画家・まずりんさん。漫画原稿の作成はこれまでIntuos5、いわゆる「板」のペンタブレットで行ってきたといいます。周囲の同業者たちの多くが「液晶ペンタブレット」を導入していると知ったまずりんさんですが、漫画の制作がラクになるなら使ってみたい!と思ったものの、慣れたペンタブレットからの移行は、連載を抱えている中ではなかなか厳しい……。そう思っていたところ、「レクチャーしますので、試しに触ってみませんか?」とワコム社からのお誘いが。そんなこんなで液晶ペンタブレットに初挑戦するまずりんさんの様子を、「デザイナー哀の劇場」の哀ちゃん&アデ子さんがレポートします!○登場人物前回のあらすじ : ワコム東京本社に到着したまずりんさん&哀ちゃん&アデ子さん。ハイテクな高層ビルに圧倒されながらもたどり着いた先で出会った液晶ペンタブレットは…?~部屋の中にはいった3人~~ドアを開けて会議室の中へ~次回、いよいよ実際の操作に挑戦。乞うご期待!
2015年06月12日Behance Japan Tokyo Communityは、第7回目となるクリエイターのコミュニティイベント「Behance Portfolio Reviews #7 」を開催する。開催日時は2015年7月4日。会場は、東京都・渋谷区の代官山T-SITE GALLERY。参加費は無料(事前予約制)。「Behance Portfolio Reviews」は、"Connect and get feedback on their creative work (クリエイティブな繋がりから、様々なフィードバックを)"をテーマに、世界各国の都市で開催されている作品プレゼン&レビューイベント。クリエイターにとっては、来場したレビュアーや専門家から有益なフィードバックを得る機会となり、クリエイティブワークを求める企業などの来場者にとってはクリエイターとの出会いの場となる。当日は参加クリエイターによる作品紹介が各所で行われ、専門家とレビュアーによる投票が行われる。その結果、高評価を得た上位4名のクリエイターが最終的な受賞者に選定され、ポートフォリオSNS「Behance.net」を通じて世界中に紹介されるとのこと。会場では、レビュアーの評価を視覚化したプロジェクションマッピングや、ひらがなピアスの3Dプリント実演、フォントお試しブースなどが展開されるほか、来場者プレゼントも用意される。なお、参加希望のクリエイターは、当日のプレゼンテーションに使用するため、これまで制作したプロジェクトの画像や動画などの事前提出が必要となる。締切は6月16日23:00。一方、クリエイターを評価する一般来場者の参加申込は7月3日23:00まで。いずれも詳細および申込はイベントページから。
2015年06月11日今回のテーマは、「"漫画家"以外の顔での人との交流について」である。とはいえ、漫画家としても漫画家以外としても全く人と交流していないので、テーマは無視して最近はまっているゲームの萌えキャラについていつもの倍の文字数で語ろうかと思ったが、「こんな風だから人と交流がないのだな」と納得されるのも何なので、無理にでも書こうと思う。会社員と漫画家の兼業生活も早6年になるが、いまだに会社の人間は私が漫画家をやっていることを知らない。そういうと「それはありえない、絶対バレる」という人がいる。おそらく、「会社の人と世間話でもしている間にポロッと口を滑らせてしまうこともあるに違いない」という意味なのだろう。しかし、それは「会社の人と世間話」という、難易度トリプルXミッションが出来る人のみに起こり得る事故である。当方、漫画家としても漫画家以外としても、どこに出しても恥ずかしくないコミュ障である。よって、会社の人と話すことがほぼないのだ。これでバレていたとしたら、頭の中が周囲にダダ漏れになる病気にかかっているとしか思えない。早急に病院に行くか、自ら命を絶ちたいと思う。○エッセイ作家と人間観察会社のみならず、私は人と交流出来ないタイプであり、自分から話題をフることはなく、フられた会話も、"コミュ障界の石川五右衛門"として、全部斬鉄剣で切ってきた。そもそもプライベートでは部屋の外に出ることすらまれであり、独り言か、壁のシミに話かける以外は言葉を発しないことも珍しくない。エッセイやエッセイ漫画を描く者にとって、人との交流、人間観察はもっとも大事な要素ではないか、と思われるかもしれない。しかし、エッセイ作家にも種類がある。まず私のエッセイ漫画やエッセイ集を、本屋で定価購入してみてほしい。ブックオフを使う奴らとはここでサヨナラだ。そして購入後は、長い人生、全く無益な時間が少しぐらいあってもいいじゃないかという寛大な気持で読んでみてほしい。読んだ上で内容が全く頭に入らなかった、ということもあるかもしれないが、とにかく「他人のこと」をネタにした話が少ないと思う。そもそも他人と交流していないから書けない、というのもあるが、あっても書かないと思う。怖いからだ。○他人をネタにするということ、そのリスク他人をネタにして作品を書き、それを公表するというのは、実は怖いことなのである。全て相手の許可を取り、「これを載せますよ」と言っているなら良いが、そうでない場合も多いと思う。それでネタにされた相手が「名誉棄損だ」と言いだしたら一大事だ。他人と日常会話することすらできないのに、怒っている人間を相手に謝罪をしたり、逆にさらにケンカをしたりするなんて、マジで無理である。なので「自分が出会った変な人」ネタでエッセイを書いている人を尊敬する。他人を攻撃(冗談でも相手は攻撃ととる場合もある)するということは、自分も攻撃される覚悟があるということだからだ。もちろん、何度も言う通り、作家になる時点で後先考えていないタイプが多いので、本当に何も考えずに他人をネタにしているのかもしれないが、勇気があることには違いない。では私のようなチキン作家が何をネタにエッセイを書くかと言うと「自虐」である。自分をいくら攻撃しても、誰も文句を言わないからである。つまり、自虐というのは自分可愛さゆえに自分を攻撃するという、特殊プレイのような作風なのだ。さらに自虐ネタというのはリスクが低い上にコストも安い、自分のことを書くにしても、体験型、取材型のネタは時間も経費もかかる。その点、自虐型のネタは、無尽蔵にある自分の黒歴史を掘り返してリサイクルすれば良いだけだ。では、自虐系作家は丸儲けかというとそんなことはない。もちろん自虐エッセイで売れている人もいるが、全体で見ると体験型のような読者の興味を引くテーマの本の方が話題になりやすい。少なくとも、コミュ障が過去のどうでもいいことを思い出して延々悶絶しているものよりは、読んでみたいと思わせるだろう。それに、墓場まで持っていくつもりだった黒歴史をネタにしてしまったがために、半永久的に世の中に残り、真の意味での「レジェンド」と化してしまうということも忘れてはいけない。○自虐型人間の取り扱い説明作家のみならず、日常生活でも自分かわいさゆえに自虐をする人間はよくいる。だが、注意しなければいけないのは、自虐と謙虚は全く違うということだ。前者は、自分で自分を馬鹿だと言う割には、他人にそれを言われると烈火のごとく怒りだすのである。両者の見分け方として、謙虚な人間は「自分を下げて他人を上げる」が、自分の為に自虐をする人間は、「自分を下げまくるだけで、他人を褒めはしない」のである。結局自分しか見ていないからだ。私は「こういう面白い人がいた」系エッセイを見るたびに、「こんな変な人に出会うことがまずない。この作者はそういう人が寄ってくる星の元に生まれてきたのだ」と思っていたのだが、すごく面白い人に出会っていても、私自身が自分のことしか見ていないため、その人のおもしろさに気付いていないだけなのでは、と思いはじめた。やはり、コミュ障にそういった作風は難しい。これからも内にこもりまくったネタで食べていくしかないようだ。カレー沢薫漫画家・コラムニスト。1982年生まれ。会社員として働きながら二足のわらじで執筆活動を行う。デビュー作「クレムリン」(2009年)以降、「国家の猫ムラヤマ」、「バイトのコーメイくん」、「アンモラル・カスタマイズZ」(いずれも2012年)、「ニコニコはんしょくアクマ」(2013年)、「負ける技術」(2014年)など切れ味鋭い作品を次々と生み出す。2015年2月下旬に最新作「やわらかい。課長起田総司」単行本第1巻が発売され、全国の書店およびWebストアにて展開されている。
2015年06月09日フランク・グリロが主演し、世界興行収入類型200億円を突破したシリーズ作『パージ:アナーキー』より、このほど場面写真が解禁となった。年に一度の “パージ”の日。とある夫婦は帰宅途中、車のタイヤがパンクし、逃げ遅れてしまう。そして、貧しい母娘は何者かに拉致されそうになったところ、武装した一人の男に助けられる。この夜、男は息子を事故死させた犯人に復讐を誓っていた。それぞれの思惑が交錯する中、5人は無法地帯となった街で協力し、生き残りをかけて脱出を試みるのだが…。そして明かされる“パージ”の秘密とは――。『パラノーマル・アクティビティ』のジェイソン・ブラムが監督・脚本を務め、『トランスフォーマー』のマイケル・ベイ製作の『パージ』、そして続編の『パージ:アナーキー』が、それぞれ7月18日(土)、8月1日(土)よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開となる。日劇スリルナイトとして連続公開される本シリーズは、『パージ』は全米初登場No.1を記録、『パージ:アナーキー』は全米TOP10に2週にわたり入るほどのヒットを記録、アメリカに“パージ旋風”を巻き起こした。タイトルになっている「パージ=purge」とは、人々の生活を裕福にするため、そして安全を維持するために政府が定めた「1年に一晩(12時間)だけ殺人を含む全ての犯罪が合法になる」法律。国民はこの夜に1年の間に溜まった「怒り、憎しみ、恨み」を解き放ち、ある者は殺しや強盗に手を染め、そしてある者は逃げ惑い、家に籠城することでその夜をやり過ごす。政府による放送とサイレンで始まる夜の7時から朝の7時まで街は完全に無法地帯となり、その間、警察・消防・医療などの救急サービスは全て停止する。誰が「パージ」をしてくるか疑心暗鬼の中、逃げるか、戦うかの究極の選択を迫られる登場人物たちが描かれている。『パージ:アナーキー』の主演を務めるフランクは、『マイノリティ・リポート』『復讐捜査線』『THE GREY 凍える太陽』などに出演。ドラマ「プリズン・ブレイク」のニック・サブリン役でも知られている。近年では『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』で悪役を演じ、続編『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』への出演も既に決定している。そして6月8日(月)は、フランクの誕生日!彼の50歳の誕生日を記念して、『パージ:アナーキー』の場面写真が一挙解禁。息子を交通事故で亡くした謎の男レオを演じるフランクの憂いを帯びた表情や、恐怖を浮かべる登場人物たちの表情、“GOD”と書かれた謎の仮面をかぶる不気味な男、炎上する車など、題名の通り“アナーキー”な作品の雰囲気が伝わっててくる。リーアム・ニーソンなど渋メン熱が高まる昨今。渋メン俳優フランク・グリロの活躍にも注目してみて。『パージ』は7月18日(土)より、『パージ:アナーキー』は8月1日(土)よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年06月08日studio仕組は、クリエイターや起業家を対象としたシェアアトリエビル「itadaki BLDG.(いただきビルディング)」を東京都中央区湊3丁目にオープンすると発表し、入居者募集を開始した。オープン日は2015年6月5日。「itadaki BLDG.」は、シェアアトリエや多目的スペースが融合する5階建てのシェアアトリエビル。「"頂(いただき)"を目指すクリエイターや起業家がその生み出す創造価値を"いただく"場所」をコンセプトにオープンするもので、同社はクリエイティブな活動を中心としたシェアオフィスサービスを通じて、中小ビルを多様な価値を生み出す土壌とすることを目指す。1階はフリーシート会員用のオープンスペースとなっており、無料のコーヒーも用意。イベントや撮影用のレンタルスペースとしても利用可能で、一般来館も可能なギャラリースペースも設けられる。一方、3階は個室ブースとして利用可能なアトリエスペースとなっており、法人登記も可能(事務手数料1万円が別途必要)。机やキャビネットは持ち込み自由で、オリジナルの空間づくりから始められるという。2階は日本の伝統工芸やアーティストらの作品を世界へ発信するショールーム「HAMON GALLERY」となっており、作品の展示・販売やイベントの開催が可能。4階フロアは完全フリーのスペースで、ブースでは行えない大規模な制作場所などに利用できる。また、和室をベースにした5階フロアは、室内の特性を活かしたイベントなど、一風変わったレンタルスペースとして活用可能という。利用料は1階のフリーシートが1万2,000円/月、3階の個室ブースが2万7,000円~8万6,000円/月。フリーシートは3カ月以上の契約から、個室ブースは年間契約となる。また、4階のフリースペースは3万円~/日、5階フロアは1万5,000円~/1時間から利用可能(すべて会員料金・税別)。
2015年06月01日公開初日を迎えた映画『新宿スワン』の舞台あいさつが30日、東京・新宿のTOHOシネマズ新宿で行われ、綾野剛、山田孝之、沢尻エリカ、金子ノブアキ、深水元基、山田優、伊勢谷友介、園子温監督、脚本の鈴木おさむ、山本又一朗プロデューサーが出席した。公開初日となったこの日は、劇中の舞台ともなっている新宿区のゴミゼロ(5月30日)の日ということで、園子温監督と主演の綾野剛がゴミ拾いに参加。その後に舞台あいさつが行われ、主演の綾野らキャスト陣とスタッフ陣が勢揃いした。綾野は「自分にとって渾身の一作ですが、共演者が協力してくれて、キャストさんやスタッフさんに支えられた作品だと思います。とにかく走り抜いてよかったですし、今日を迎えられて改めて感謝です」と感謝の言葉。また、共演したヒロインの沢尻について「"エリカ様"じゃないですよ。ここ10年間で一番可愛いエリカさんが出てくるので、"エリカちゃん"というぐらいです」とべた褒め。綾野からお褒めの言葉をもらった沢尻は「恥ずかしいですね…」と赤面するも「可愛らしさと若さを大切にしました。上手く出せればと思いながらやったので、そう言われてうれしいです」と笑顔だった。その沢尻は、舞台となった新宿の街中を素足で走るなど、本作で女優魂を見せつけた。「全然痛さは気になりませんでした。テストも何もなく、綾野くんと走ったんですけど、見ている人がいて2人で走っている時に前からくるおじさんを避けきれず手でくぐらせるようにしました。その時おじさんはびっくりしてましたね。本当に面白かったです」と満足そうな表情を見せた。そんな沢尻を素足で走らせた園監督は「エリカさんは今回この映画に賭ける心意気があり、それに飲まれるように素足で走ってもらいました。大変なことをしてしまったと思いますが、現場では自然の流れでしたね」と話し、綾野も「キャンーペーンで福岡に行った時、飲みが終わって僕は明日朝早いからホテルを出たらエリカちゃんがいて『今からラーメン食べに行ってくる』と言ってたんです。底なしだと思いましたよ。ホント、男前でしたね」と絶賛した。漫画誌『ヤングマガジン』(講談社刊)で連載直後から熱狂的な人気を誇った和久井健の同名漫画を、鬼才・園子温監督の手によって完全実写化された本作。新宿歌舞伎町に彷徨いついた一文無しの白鳥龍彦(綾野剛)が、スカウトマンとして働きながら様々な人に出会い成長していく姿を描く。
2015年05月31日