フランス風景画の進展を探る展覧会「樹をめぐる物語」が、6月26日まで東京・新宿の東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館で開催されている。同展は、ロマン派からバルビゾン派、印象派、新印象派、ポスト印象派、象徴派、フォーヴまで、フランス近代風景画が展開する過程において「樹木」というモチーフがどのような役割を果たしてきたのか、その変遷をたどる展覧会。フランスのパリ近郊、ポントワーズにあるカミーユ・ピサロ美術館館長のクリストフ・デュヴィヴィエ氏監修のもと、フランスを中心に国内外の美術館、並びに個人所蔵作品から、油彩を中心に、自然や樹木に対する画家たちの想いが込められた作品約110点が公開される。会場には、カミーユ・コローやシャルル=フランソワ・ドービニーらバルビゾン派を代表する画家の作品をはじめ、印象派を代表する画家カミーユ・ピサロやクロード・モネ、印象派画家たちのパトロン的な役割も果たしたギュスターヴ・カイユボットの作品が登場。さらに、刻々と変化する自然の光や大気の動きをありのままに捉えようとした印象派に対し、色彩や形態といった絵画を構成するそれぞれの要素を自立したものと見なしたナビ派のフェリックス・ヴァロットンやモーリス・ドニ、色彩そのものの効果や働きに注目し「フォーヴ」と呼ばれた画家オトン・フリエスなどの作品が展示される。【イベント情報】フランスの風景「樹をめぐる物語」-コローからモネ、ピサロ、マティスまで-会場:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館住所:東京都新宿区西新宿1-26-1 損保ジャパン日本興亜ビル42F会期:4月16日から6月26日時間:10:00~18:00(金曜は20:00まで、入場は閉館の30分前まで)料金:一般1,200円、大学・高校生800円、65歳以上1,000円、中学生以下無料(要年齢等確認証)休館日:月曜日
2016年05月02日フラワーアーティスト、ニコライ・バーグマン(Nicolai Bergmann)の展覧会「新花」が、福岡・太宰府天満宮で開催される。会期は、2016年6月9日(木)から12日(日)まで。1998年の来日以来、北欧のスタイルと日本の繊細な感性を組み合わせた独自のフラワーデザインを確立してきたニコライ・バーグマン。展覧会では、太宰府天満宮、宝満宮竈門神社に加え古来「海神の総本社」として称えられ長い歴史と伝統を誇る、志賀海神社をあわせた3会場を舞台に過去最大スケールで展開する。テーマは、伝統の地で表現するコンテンポラリーなフラワーアート。ニコライ・バーグマンのオリジナルデザインによる漆や陶器、桐などによる花器と合わせた本展のための新作100点余りを披露する。期間中には、展覧会限定フラワーボックスや『伝統開花』での展示作品を中心に撮り下ろした作品集も販売される。【概要】ニコライ・バーグマン 展覧会「新花 −SHINKA− 」会期:2016年6月9日(木)〜12日(日)時間:9:00〜17:00(最終入場は、16:30)入場料:屋外展示 無料、屋内展示(全会場共通) 800円※12歳以下無料屋内展示チケット販売:太宰府天満宮、宝満宮竈門神社、志賀海神社、Nicolai Bergmann Flowers & Design各店舗場所:・太宰府天満宮住所:福岡県太宰府市宰府4-7-1・宝満宮竈門神社住所:福岡県太宰府市内山883・志賀海神社住所:福岡県福岡市東区志賀島877【問い合わせ先】ニコライ バーグマン フラワーズ & デザインTEL:03-5464-0716(平日10:00〜18:00)
2016年04月30日展覧会「魔法の美術館」が、東京・新宿の東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館にて開催。会期は、2016年7月12日(火)から8月28日(日)まで。「魔法の美術館」は、見て、参加して、楽しむ、体感型の展覧会。来館者の動きに合わせて、色とりどりの光や影のモチーフ、映像、音が変化する作品などで、美しくも不思議な空間を演出する。日本人に親しまれてきた散りゆく桜をコンセプトとした《SAKURA》は、作品の前で大きく手を振ると、はらはらと桜の花びらが舞い散る。咲き誇る姿以上に、その散り際の美しさが、見る人の心に特別な感情を呼び起こす。一方、岡田憲一+冷水久仁江(LENS)による《Pixelman》は、作品の前に立つと自分の全身が映し出され、近づいたり遠のいたりすることで、身体の解像度が変化し、まるで自らが、ドットでできたキャラクターのような姿に。また、ガチョウの羽根でできた《Lifelog_シャンデリア》は、空間の風を受けてシャンデリアが回転し、木漏れ日のような光と影が広がっていく優雅な美しさが、私たちを魅了する。そのほか、世界中の童話をモチーフとしたものや、壁や立体に投影された幾何学的な柄を活かしたものなど、自分自身が参加することで完成する作品の数々が登場。国内外で活躍する注目のアーティストたちが、さまざまな素材やコンピュータを使って “光と影のイリュージョン”を仕掛けていく。【開催概要】魔法の美術館 光と影のイリュージョン会期:2016年7月12日(火)~8月28日(日)休館日:月曜日(ただし7月18日は開館。翌火曜日も開館)開館時間:10:00~18:00※入館は閉館30分前まで。観覧料:一般 1,000(800)円、大学・高校生 600(500)円、シルバー(65歳以上) 800円、中学生以下 無料※()内は前売りおよび20名以上の団体料金。会場:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館住所:東京都新宿区西新宿1-26-1 損保ジャパン日本興亜本社ビル42階【問い合わせ先】ハローダイヤルTEL:03-5777-8600
2016年04月28日アディダス オリジナルス(adidas Originals)は、4月29日から5月8日まで、アディダス オリジナルスと文化のつながりを物語る体験型展覧会「交差点|交差展」を東京・原宿のBANK GALLERYで開催する。同展では、“Connect=つながる”をテーマに、スポーツ、ファッション、音楽、アートなどの文化と永続的につながってきたアディダス オリジナルス独特のブランドストーリーを語る。人が行き交い、交差するストリートの“交差点”をイメージし、アディダス オリジナルスをハブに多方面につながる文化が交差する場所として「交差展」と名付けられた。展覧会は大きく分けて3つのゾーンで展開され、そのうち「Connect with Innovation」では、未来をコンセプトにしたアディダスの最新アイテムやテクノロジーを紹介。来場者はアディダスのイノベーションを実際に体感することができる。会期中、連日開催されるトークセッションのコーナー「Connect with Pioneers」では、スポーツ、ファッション、音楽、アートなど、アディダス オリジナルスとそれぞれのテーマに精通するレジェンドやインフルエンサー、デザイナーらがブランドとのつながりのストーリーを披露する。アディダスのプロダクトとともに文化とのつながりをショーケースする「Connect with Culture」では、国内外のアディダス・アディクトが所有する、ブランドの原点を象徴する約700足以上にも及ぶアーカイブシューズやアパレル類を集約。現代の最新アイテムまで紹介されるなど、時代を超えたプロダクトの背景に広がる文化のストーリーを知ることができる。4月29日17時から18時までは、アイコンシューズ「スタンスミス(Stan Smith)」の名前の由来となった、アディダスを代表するレジェンド、スタン・スミス本人が来日し、コンシューマーを招いた一夜限りのスペシャルなトークセッション「スタンスミス ナイト(Stan Smith Night)」を開催。「スタンスミス」の誕生秘話や自身とアディダスブランドとのつながりについて語られる。【イベント情報】「交差点|交差展」会場:BANK GALLERYKOSATEN INTERSECTION OF CULTURE住所:東京都渋谷区神宮前6-14-5会期:4月29日~5月8日時間:11:00~20:00(入場無料)
2016年04月26日アディダス オリジナルス(adidas Originals)の体験型展覧会「交差点|交差展」が2016年4月29日(金)から5月8日(日)まで、東京・原宿のバンク ギャラリーで開催される。“Connect=つながる”をテーマに、アディダス オリジナルスが過去、現在、未来という時間軸を超え、永続的に様々な文化とつながってきた、独特のブランドストーリーを解説する「交差点|交差展」。人が行き交い、交差するストリートの「交差点」をイメージしブランドをハブに多方面につながる文化が交差する場所として「交差展」と名付けられた。展覧会内では、大きく分けて3つのゾーンを構成。その1つ「Connect with Innovation」では、未来をコンセプトにしたアディダスの最新の商品やテクノロジーを展示。アディダスのイノベーションの世界が広がるこのエリアでは、人々がアディダスのイノベーションを実際に体感する。また、期間中連日開催するトークセッションのコーナー「Connect with Pioneers」には、スポーツやファッション、音楽やアートなど、アディダス オリジナルスとそれぞれのテーマに精通する、レジェンドやデザイナーらが登壇。ここでしか聞けないブランドとのつながりのストーリーを語る。「Connect with Culture」では、アディダスのプロダクトとともに文化とのつながりを展示。国内外のアディダス・アディクトが所有する、ブランドの原点を象徴する約700足以上にもおよぶ貴重なアーカイブシューズやアパレル類が集結するほか、現代の最新の商品までもが、プロダクトの背景にある文化とともに紹介されている。さらに、4月29日(金)には全世界で愛されるアイコンシューズ「スタンスミス」の名前の由来となった、スタン・スミス(Stan Smith)本人の来日が決定。一夜限りのスペシャルなトークセッション「スタンスミス ナイト」で、誕生秘話やスタンとアディダスブランドとのつながりについて語られる。【概要】交差点|交差展KOSATEN INTERSECTION of PAST, PRESENT and FUTURE期間:2016年4月29日(金)〜5月8日(日)会場:BANK GALLERY住所:東京都渋谷区神宮前6-14−5開催時間:11:00〜20:00参加料:無料参加条件:専用サイトにて事前登録制※トークセッションでは観覧希望の日程に別途事前応募が必要公式サイト:■スタンスミス ナイト(Stan Smith Night)日時:2016年4月29日(金)17:00〜18:30場所:上に同じ参加料:無料参加条件:専用サイトにて事前登録制※応募多数の場合は抽選【問い合わせ先】アディダスグループお客様窓口TEL:0570-033-033(土日祝除く、9:30〜18:00)
2016年04月23日4月23日より開幕する、ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)の展覧会「Volez, Voguez, Voyagez - Louis Vuitton(空へ、海へ、彼方へ ── 旅するルイ・ヴィトン)」。我々を身体ごと引き込んだルイ・ヴィトンの旅は、徐々に“内なる旅”へとシフトしていく。列車の旅を抜けるとそこに現れるのは、モノグラムの壁紙がはり巡らされたほの暗い空間。中にはデスク・トランクやライブラリー・トランク、ステーショナリーにタイプライターなどが並ぶ。本展のキュレーターを務めるオリヴィエ・サイヤール氏がもっとも刺激を受けたという、ルイ・ヴィトンの孫であるガストン-ルイ・ヴィトンは、執筆や読書をこよなく愛した人物。書の美学を大切にした彼ならではのコレクションは、モノグラムの用途拡大へとつながってゆく。余暇の時間(ウール・ダブサンス)と題された部屋ガストンは幼き頃から博識なコレクターだったが、書籍や印刷物、ホテルのステッカーなど、その膨大なコレクションから収集分野が多岐に渡っていたことが解る。会場に集められた多様なアンティーク・トランクもその一部だ。彼がトランク収集のために作成した質問票を見れば、好奇心に満ち溢れた人となりが窺える。コレクトされたものはすべてガストンのインスピレーションになり、ルイ・ヴィトンのファミリービジネスを発展させてゆく。1927年にはルイ・ヴィトン初のフレグランスを誕生させ、ガストンはそれまでになかった新しいボトルを作り上げる。香水瓶はルイ・ヴィトンとアーティストのコラボレーションの先駆けとなり、オペラや花、舞台芸術をモチーフに様々なデザインが考案された。会場では、その美しいボトルやケースも展示される。香水瓶はルイ・ヴィトンとアーティストのコラボレーションの先駆けとなったルイ・ヴィトンは、言わずと知れた世界各国に多くの顧客を持つブランドだ。創業者のルイ・ヴィトンがレイティエ・アンバルール(荷造り用木箱製造兼荷造り職人)として培った気配りは、メゾンを通して脈々と受け継がれ、その信頼と創造性が今日のルイ・ヴィトンを創り上げた。顧客の要望に応えるユニークなスペシャルオーダーの数々は、会場内を刺激的に彩る。ミュージシャンのために大切な楽器を守るケースを、そして名を馳せた往年女優たちのために化粧道具ボックスやジュエリーケースを、紳士たちのために靴用トランクやエレガンスなステッキを。ルイ・ヴィトンの手にかかれば、これまでに存在しなかったものは、“存在するもの”として価値を見出すのだ。著名なアート・ディーラーであったルネ・ジャンベルはビジネスに使う絵画用トランクをオーダーし、作品を移動中のダメージから守る見事なトランクが出来上がった。こうしてルイ・ヴィトンとアートのつながりが生まれ、画家や芸術家の多くが顧客となり、今日では、ルイ・ヴィトンのファブリックやパターン・フォルムを一新するために、村上隆やリチャード・プリンス、ダミアン・ハーストなどが制作を行うために招かれている。これまでシックであったラインアップは、アートの息吹が吹き込まれることで、豊かな色彩のもと生まれ変わる。会場に掲げられる作品を見れば、常に新しいものを受け入れる柔軟性がこのメゾンに存在することが解る。村上隆「アイ ラブ スーパーフラット」そして旅は、日本開催のために用意された最終セクションへ。最後に我々を迎え入れるのは、ほっと一息つかせる和の空間だ。ティー・セレモニー・トランクや歌舞伎役者のための鏡台トランクは、もはやこれまで見てきた西洋のそれとは、まったく異なったものに感じられる。モノグラム・パターンは日本の紋に影響されたといわれ、ルイ・ヴィトンは日本を“インスピレーションの国”として、伝統とモダンな感性を調和させた両義性から、相互認識を見出してきた。村上隆や草間彌生、コムデ・ギャルソンの川久保玲といった日本人アーティストとの協業は、メゾンに新たな一面をもたらしたのだ。ルイ・ヴィトンと日本の間にある信頼関係を感じさせる展示展覧会のために来日したアトリエ職人のクラフツマンシップを目の当たりにし、旅のストーリーは幕を閉じる。職人たちの細かな作業には、ルイ・ヴィトンの歴史が滲み出る。家に帰れば、長年使って味の出たヴィトン製品も、より愛しいものへと変化を遂げるに違いない。--前編「人類を旅へと誘うルイ・ヴィトンのルーツに迫る展覧会が開幕--空へ、海へ、彼方への旅路【Report--1/2】」へ戻る。【イベント情報】「Volez, Voguez, Voyagez - Louis Vuitton」住所:住所:東京都千代田区麹町5丁目「旅するルイ・ヴィトン展」特設会場会期:4月23日~6月19日時間:10:00~20:00(6月17日、18日は22:00までの時間延長が決定)入場料:無料休館日:月曜日(ただし4月25日、5月2日、6月13日は13:00~開館)
2016年04月22日ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)の展覧会「Volez, Voguez, Voyagez - Louis Vuitton(空へ、海へ、彼方へ ── 旅するルイ・ヴィトン)」が、4月23日いよいよ日本で開幕する。パリのグラン・パレで開催されたエキシビションの巡回展となり、1854年の創業から今日に至るまでの壮大なメゾンの歴史を旅をテーマに辿る。1978年に、ルイ・ヴィトンが日本初となる店舗をオープンしたのが東京・紀尾井町。その地に突如姿を現した、ブルーとイエローのコントラストが映える本展特設会場。足を踏み入れると、エネルギッシュに描かれた若きルイ・ヴィトンの肖像画が我々を出迎える。旅のストーリーは、歴史が色濃く刻み込まれたモノグラム・キャンバスのトランク『マル』から始まる。旅のストーリーは、歴史が色濃く刻み込まれたモノグラム・キャンバスのトランク『マル』から始まるルイ・ヴィトンの原点とも呼べる、“木材”によって開かれる旅の扉。自らの名声を高めることとなったトランクには、家業である木工製造の知識を活かしパリでレイティエ・アンバルール(荷造り用木箱製造兼荷造り職人)としてキャリアをスタートさせた、彼のプライドやこだわりが垣間見える。創業以来、いつの時代も最先端を歩んできたルイ・ヴィトンは、創造や革新を重ねながら、タイムレスなシェイプや模様を生み出していく。会場に並べられた数々のトランクが、それらを物語っている。シンディ・シャーマンがサインした特製リネン用デスク・トランク次のセクションでは、遥か異国の地への冒険へと誘う。ここではティーセットや洗面道具といった探検隊の必需品に加え、砂漠地帯の過酷な天候や地理に適したトランクまでを網羅。当時の探検プロジェクトに参加したルイ・ヴィトンは、スペシャルオーダーの技術を存分に活かし、ベッド・トランクなどの画期的なアイテムを作り出す。そしてヨットによる旅の増加やクルーズの流行に深く関わってくるのが、20世紀初頭に制作した『スティーマー・バッグ』だ。着用後の衣服を旅が終わるまで入れておくことができ、そのモダンなサイズや軽さ、利便性は、業界に衝撃を与えることとなる。「探検旅行」と「航海の発展」の部屋ルイ・ヴィトンの歴史を紐解いてゆくと、当時の旅の様子がありありと脳裏に浮かぶ。本展は、ガリエラ宮パリ市立モード美術館館長のオリヴィエ・サイヤールがキュレーターを、世界的に活躍する舞台演出家のロバート・カーセンがアーティスティック・ディレクター&セット・デザイナーを務めた。灼熱の砂漠、そして清々しい船尾の光景が、アーカイヴ作品とともにダイナミックに演出される。自動車の旅では木々生い茂るアスファルトの一本道を、空の旅では青空に飛び立つプロペラ機をモチーフに、壮大な仕掛けで見る者を“ルイ・ヴィトン”の旅へと引き込んでゆく。列車の旅でもその世界観は見事に表現され、窓の外を眺めれば、思わず展覧会へ訪れていることを忘れるはずだ。足を踏み入れた者は、誰もが旅に出たくなる衝動に駆られるに違いない。そしていきいきと描かれる旅の1頁には、いつの時代もルイ・ヴィトンが存在する。驚かされるのは、その卓越した創造性だ。常に革新的でありながら、その足跡に無駄なものは一切ない。一歩先をゆくものづくりの姿勢には、ビッグメゾンとなりえる所以が読み取れる。流行に敏感な人々が旅に出るときに必要とするものは何なのか。この問いかけに、“荷造りの技”を編み出すことで、ルイ・ヴィトンはその存在を確固たるものにしてゆく。--後編「人類を旅へと誘うルイ・ヴィトンのルーツに迫る展覧会が開幕--アート、そしてファッションへ連なるエモーショナルな旅路」へ続く。【イベント情報】「Volez, Voguez, Voyagez - Louis Vuitton」住所:東京都千代田区麹町5丁目「旅するルイ・ヴィトン展」特設会場会期:4月23日~6月19日時間:10:00~20:00(6月17日、18日は22:00までの時間延長が決定)入場料:無料休館日:月曜日(ただし4月25日、5月2日、6月13日は13:00~開館)
2016年04月22日ジブリ『耳をすませば』監督・近藤喜文の展覧会が阪急うめだ本店で開催される。期間は2016年4月27日(水)から5月9日(月)まで。多くのジブリ作品を手がけた日本屈指のアニメーター 近藤喜文。スタジオジブリの高畑勲・宮崎駿両監督から厚く信頼を寄せられ、ジブリを支えてきた。本展では、『火垂るの墓』『魔女の宅急便』『紅の豚』『もののけ姫』などの原画をはじめ、唯一の長編監督作品『耳をすませば』の絵コンテやアニメーション原画、スケッチなど約500点を紹介する。キャラクターデザインと作画監督をつとめた『火垂るの墓』(1988年)や『おもひでぽろぽろ』(1991年)では、リアリティ溢れたキャラクター表現への挑戦が見どころのひとつ。表情の考察と試行錯誤を繰り返し、キャラクターが生き生きと動き出すまでの断片を、スケッチや原画でじっくりと見てみて。また、作品のイメージを膨らませるために手描きしたイメージボードも多数展示。他にも、公開に至らなかった、近藤が監督を務めた日米合作フルアニメーション『リトル・ニモ』(※パイロットフィルム、1984年)の動画など、貴重な資料もお見逃しなく。※パイロットフィルム…公開予定の作品に対し試験的に製作されたもの【詳細】近藤喜文展期間:2016年4月27日(水)~5月9日(月)・日~木曜日 10:00~20:00・金・土曜日 10:00~21:00※閉店30分前までに入場※催し最終日は午後6時閉場場所:9階 阪急うめだギャラリー住所:大阪府大阪市北区角田町8−7入場料:一般900円 大学生・高校・中学生700円 小学生以下無料
2016年04月16日グラフィティーアーティスト、UFO907(ユーエフオーナインオーセブン)の展覧会「UFO coming to town」が、2016年4月22日(金)から4月30日(土)まで、東京・目黒区のギャラリー「VOILLD(ボイルド)」で開催される。独特のUFOモチーフをニューヨークのあらゆるところに残しているUFO907。20年以上に渡って街中に出没しており、国内外で沢山のファンを魅了している”現役”グラフィティーアーティストだ。一度見たら目に焼き付くオリジナルのUFOモチーフは、長い年月をかけて形状的にもスタイル的にも進化した彼の代名詞。シンプルなUFOから擬人化され目のついた宇宙人へと姿を変えながら、神出鬼没に現れる。本展では、新聞や地図をはじめとする様々なマテリアルにペインティングを施した平面作品を中心に展示。また、展示作品、ステッカーなどのオリジナルグッズも販売される予定だ。【開催概要】UFO907 展覧会「UFO coming to town」開催期間:2016年4月22日(金)〜4月30日(土)開廊時間:12:00〜20:00 ※会期中無休入場料:無料会場:VOILLD(ボイルド)住所:東京都目黒区青葉台 3-18-10 カーサ青葉台 B1Fアクセス:東京メトロ日比谷線・東急東横線「中目黒駅」出口より徒歩 12 分 東急田園都市線「池尻大橋駅」東口より徒歩 8 分■オープニングレセプション開催日時:4月22日(金) 18:00〜21:00※来日する作家が在廊予定
2016年04月02日画家・ロベール・クートラス(Robert Coutelas)の画業を集成した2冊組の大型作品集『Robert Coutelas 1930-1985 ロベール・クートラス作品集 ある画家の仕事』の出版を記念した展示会「小部屋のクートラス」が、東京・恵比寿にあるナディッフ ギャラリー(NADiff Gallery)でスタートした。ロベール・クートラスは、1930年にパリに生まれ1985年に急逝したフランス人画家。厚めのボール紙にゼラチンで下地を作り、お尻を突き出した子供や炎の中の聖母子、ギロチン場で断罪される人、股間からのぞく顔など奇怪でユーモラスな図像を描いた、“カルト”とも呼ばれる小作品群「僕の夜 “Mes Nuits”」をはじめ、頭部や動物を象ったテラコッタの彫刻、グァッシュで描かれた多くの肖像画作品「僕のご先祖さま “Mes Ancetres”」などの作品を発表している。3月12日に発売された作品集『Robert Coutelas 1930-1985 ロベール・クートラス作品集 ある画家の仕事』では、カルト、グァッシュの他、ロベールが生前売ることも散逸させることも望まなかった油彩の“リザーブ”と呼ばれる作品群をすべて収録。膨大に残されたデッサンやドローイングなども網羅した他、1999年にジャンヌ・マトション財団に寄贈された作品など主要な作品がほぼ全て詰め込まれた。今回開催される展示会では、同作品集の紹介をするとともに、パリのヴォージラールの小部屋から生まれ出たカルト作品や、グァッシュ、テラコッタ作品の一部などを展示。また、ロベール・クートラスの作品を長きにわたり撮影してきた写真家の平地勲氏による写真も併せて展示される。期間は5月8日まで。【展覧会情報】ロベール・クートラス展「小部屋のクートラス」―『ロベール・クートラス作品集 ある画家の仕事』刊行記念展―会場:NADiff Gallery 住所:東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T B1F会期:4月1日~5月8日時間:12:00~20:00休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)※5月2日は営業入場無料【書籍情報】『Robert Coutelas 1930-1985 ロベール・クートラス作品集 ある画家の仕事』寄稿:小川洋子発刊:ECRIT上製・函入・二冊組/600ページ/303×215mm発売日:2016年3月12日価格:3万円
2016年04月01日アンジニーは、展覧会の口コミを発信し共有できるコミュニケーションサービス「Artue[アーチュ]」の提供を開始した。ユーザーは、Webサイトにて口コミの閲覧やコメントを書き込みが行えるほか、専用のiOS向けスマホアプリを使っての閲覧・共有も可能。同アプリはAppStoreより無料でダウンロードできる。同サービスでは、気になる展覧会の期待感や、実際に行ってきた展覧会の感想をサイト会員が自由に書き込み、口コミしあうことができる。現在、約10,000の展覧会と約5,000の美術館の情報が登録されており、ジャンルや地域、タグ一覧から選んで参照できるほか、毎日更新される「新着展覧会」や「人気のある展覧会」の情報を素早く閲覧することが可能。また、実際に展覧会を見に行ったユーザーはその場で感動をスマホアプリから共有でき、それを閲覧したユーザーは「いいね」を付けたりコメントを書き込んだりすることが可能となっている。なお、口コミやコメントを投稿するには会員登録(無料)が必要となる。
2016年03月17日三越日本橋本店中央ホールにて3月30日から4月5日まで、三越の包装紙「華ひらく」の生みの親である猪熊弦一郎にフィーチャーした展覧会「猪熊弦一郎と『華ひらく』展」が開催される。同展示会は、猪熊弦一郎が香川県で生まれ育ったことももあり、三越伊勢丹と瀬戸内海の島々を舞台に開催される現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭 2016」とのコラボレーションの一環として開催されるもの。また3月30日からの期間は、戦後間もない1950年に猪熊弦一郎によってデザインされ、三越の顔として現代でも愛され続けているオリジナル包装紙「華ひらく」のデザインを採用した様々なアイテムが全国14店舗の三越各店で展開される(展開アイテムは各店ごとに異なる)。華ひらく柄を採用したラインアップは、廣瀬染工場による江戸小紋ストール、胸元にワンポイントとして華ひらくモチーフを採用したTシャツ、華ひらく柄のペアブリックボトルのミネラルウォーターなど。多彩な表情で暮らしの中にとけこんだ「華ひらく」をじっくりと楽しむことができる機会となっている。
2016年03月16日京都国立近代美術館で3月21日まで開催中の人間国宝・志村ふくみの回顧展「志村ふくみ―母衣(ぼろ)への回帰―」。草木染めの名匠であり、紬織では重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された志村ふくみは、91歳の今も昔と変わらぬ技法で作品を織り続けている。志村は、本展覧会に向け昨年より新たに16点もの新作を発表。同展のタイトルでもある「母衣」に込められた思い、そして見どころをお伝えしたい。■「母衣(ぼろ)」に込められた志村の思い貧しくて糸が手に入らない頃、残り糸を紡いで織ることを「屑織(くずおり)」や「ぼろ織」という。その材料となる「裂」の美しさにかねてから魅了された志村。志村の母は老女に頼んで短い糸を紡ぎ合わせて残したその糸玉を、勿体なくて40年間少しずつ大切に使ってきたという彼女。この作品「母衣(ぼろ)」の制作にあたり「この年にして、いつまで織れるだろう」という念が心をよぎったことが契機になったと彼女は記している。その貴重なつなぎ糸を用いて織られた作品が、同展の入り口で一際目を引く「母衣曼荼羅(ぼろまんだら)」である。「ぼろ」の文字を「母」の「衣」と表現し、母の影響で織物を始めた志村の思いや、死者や生き倒れた人々の衣を洗い清められた「ぼろ」が、同作品に込められているのだ。そして「ひとつ織り上げるとこれが最後のような気がしている」と語る志村。その糸玉を全て使用し作品に残すという強い決意が示された同作品は、「ぼろ」に再び命が宿り生き生きとしているように映る。その糸の力強さと精彩を放つ作品に強く感銘を受けた。母衣曼荼羅■まだ見ぬ色「幻の色」を求めて草木や玉葱、梅など自然染料によって染められた糸で織り上げる作品においては、今もなお一筋縄ではいかない「幻の色」を追求し続けている。例えば桜色に染色したい時、誰もが花から染められると考えるが、実は桜の花びらから染めると灰色がかった緑色に染まるという。桜色を染め出すには、桜の小枝を煮出すことで、ほんのりとした桜色が生まれるのだという。そして、桜の枝を切り倒したその先は、色として生き続ける。それを志村は「植物の生命の色」という。その言葉や作品からにじみ出るように、彼女はその命ある植物に常に感謝の念を持ち続け、植物と会話をしている様にも思えた。■90歳を越え、なお新作を生み出してゆく新たに制作された16の作品では、前述の「母衣曼荼羅」の他に、志村が大切にしている色「藍」「白」「黄金色」で織られた三部作と、「志村の色」を表現した目にも美しい、12色の無地着物が展示されている。また、「光の經(みち)」では、織機にピンと張られた經糸を43色の糸で表現したインスタレーションを展示。生命の色がもたらす色糸が美しいグラデーションとなり、色糸による幻想的で力強い經(みち)を作った。光の經(みち)■染織と共に生きた60年におよぶ創作の歩志村誕生の地である、滋賀県琵琶湖をイメージして機織された作品は『月の湖』『水門』『冬の湖』など美しい藍色を用いて表現された。また、源氏物語から着想を得た「源氏物語シリーズ」では、各帖のタイトル『若紫』や、登場人物である『明石の姫』などの作品が展示されている。その他、文学シリーズや、志村の出発点でもある民藝に学んだ作品など、60年に及ぶ創作の歩みを展示している。源氏物語シリーズ今回話を伺った京都国立近代美術館学芸課長の松原龍一さんは、この展覧会を開催するにあたり、志村のアトリエに何度も出向きたくさん話をしたという。「志村さんの作品には嘘がない」と話す松原さんの言葉がとても印象的であった。染色から紬織全ての工程において、60年間納得がいくまで何度も作業を繰り返し、今もなお自分の色を探し続ける。正直な心で物を生み出す志村の姿勢と、全ての物に感謝の念を持ち続け、次の作品に対して常に意欲的に取り組むその姿は、志村が染める糸のようにとても美しいものである。■志村ふくみ1924年に滋賀県に生まれ、母・小野豊の影響で織物を始める。57年第4回日本伝統工芸展に初出品で入選し、その後も受賞を重ねる。そして、90年には紬織の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。2015年文化勲章を受章。同年「VOGUE JAPAN WOMAN OF THE YEAR 2015」受章。参考文献:志村ふくみ―母衣(ぼろ)への回帰―【イベント情報】文化勲章受章記念「志村ふくみ―母衣(ぼろ)への回帰―」会場:京都国立近代美術館 3階企画展示室住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町会期:2月2日~3月21日時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)休館日:毎週月曜日(ただし、3月21日は開館)料金:一般900円、大学生500円、高校生・18歳未満は無料「志村ふくみ―母衣(ぼろ)への回帰―」は京都国立近代美術館を皮切りに、沖縄県立博物館・美術館、世田谷美術館で順次開催する。
2016年03月09日東京都・汐留のパナソニック 汐留ミュージアムは、日本の伝統工芸、文化や技術の価値や可能性を再発見する展覧会「REVALUE NIPPON PROJECT展 中田英寿が出会った日本工芸」を開催する。会期は4月9日~6月5日(水曜休館)。開館時間は10:00~18:00。入館料は一般1,000円、65歳以上900円、大学生700円、中・高校生500円、小学生以下無料。同展は、元サッカー日本代表である中田英寿氏が現役引退後続けている活動のひとつである「REVALUE NIPPON PROJECT」で生まれた作品を展示するもの。「REVALUE NIPPON PROJECT」は、日本が連綿と受け継いできた伝統的な工芸、文化や技術の価値や可能性を再発見し、その魅力をより多くの人に知ってもらう「きっかけ」を創出することで、日本文化の継承・発展を促すことを目的としている。同プロジェクトでは、毎年「陶磁器」、「和紙」、「竹」、「型紙」、「漆」といったひとつの素材をテーマに選び、批評家などの専門家を中心としたアドバイザリーボードが、工芸家およびアーティストなどのコラボレーターを選定し、各チームが自由な発想で作品を制作する。参加アーティストは、北川一成、隈研吾、小山薫堂、佐藤オオキ、佐藤可士和、佐藤卓、柴田文江、奈良美智、蜷川実花、深澤直人、他。さらに、この制作を通じて工芸の魅力を広く伝えるために中田氏自らも広報活動を行っており、この作品や人との出会いは将来の日本のラグジュアリーとなるべきものだと語られている。また、関連プログラムとして、シンポジウム「REVALUE NIPPON PROJECTと日本工芸の未来」が開催される。パネリストは見附正康(絵付師)、新里明士(陶磁器作家)、中田英寿。開催日時は4月23日14:00~16:00。参加費は無料だが、同展の観覧券が必要となる。そのほか、「竹ワークショップ竹玉ペンダント作り」(4月16日)、「和紙ワークショップ張子ってなんだろう!~カワイイ豆だるまとネコの張り子に絵付けしよう~」(5月7日)、「型紙ワークショップ伊勢型紙の技法で『しおり』作り」(5月14日)、「漆ワークショップ 色漆と金粉で飾るオリジナルの箸を作ろう」(5月28日)が開催される。参加費・申込方法など詳細は同展Webページにて。なお、同展はホームページ割引を行っており、引換券を提示すると入場料が100円割引となる。
2016年03月03日東京都・新宿の東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館は、「樹木」というモティーフを通して、印象派とその前後の時代に描かれたフランス風景画の変遷をたどる展覧会「フランスの風景樹をめぐる物語-コローからモネ、ピサロ、マティスまで-」を開催する。会期は4月16日~6月26日(月曜休館)。開館時間は10:00~18:00(金曜は20:00まで)。観覧料は一般1,200円、大学・高校生800円、65歳以上1,000円、中学生以下無料。同展は、ロマン派からバルビゾン派、印象派、新印象派、ポスト印象派、象徴派、フォーヴまで、フランス近代風景画が展開する過程において「樹木」というモティーフがどのような役割を果たしてきたのか、その変遷をたどるもの。パリ近郊にあるポントワーズ美術館(カミーユ・ピサロ美術館、タヴェ=ドラクール美術館)館長、クリストフ・デュヴィヴィエの監修のもと、フランスを中心に国内外の美術館、ならびに個人所蔵作品から、油彩を中心に、素描や版画など、自然や樹木に対する画家たちの想いが込められた作品約110点が展示される。同展は、自然に対する関心が次第に高まり風景画を描く画家が登場した、印象派以前のロマン派からバルビゾン派、レアリスムまでを紹介する「第1章」、刻々と変化する自然の形態を画面にとどめるため、屋外で作品を仕上げるようになった印象派と新印象派を紹介する「第2章」、色彩や形態など絵画を構成する要素を、自立したものとして表現しようとした印象派以降を紹介する「第3章」で構成されるとのこと。また、関連企画として、休館日に貸切の美術館で、ボランティアガイドと対話しながら楽しむ参加型の作品鑑賞会「ギャラリー★で★トーク・アート」が開催される。開催日時は6月13日14:00から2時間程度。参加費は1,000円(観覧料不要)、中学生以下無料。参加に際しては5月30日までに同美術館ホームページより申込が必要となる(申込多数の場合は抽選)。そのほか、同美術館学芸員が展示室で作品解説を行うギャラリートークが開催される。開催日時は4月22日17:30および4月23日13:30から、いずれも30分程度。参加費無料、申込不要。
2016年03月01日時という視点で世界を見つめる「時間をめぐる、めぐる時間の展覧会」が、3月5日から21日まで東京・世田谷の生活工房ギャラリーで開催される。140年ほど前まで、日本では月の満ち欠けにより月日の経過をたどり、太陽がのぼり沈む時の季節変化に応じて1日・1刻の長さを変化させていた。しかし今では24時間、365日の唯一絶対的な時計とカレンダーの中で生活を進めている。同展では、ひとりひとりの心と体、動植物ひとつひとつの命にながれる、測りようもない時間をとらえるものを展示する。第1部では、地球と天体の関係性から生まれる、様々な周期と律動をテーマにした展示を開催。天体の模型や、天体リズムに影響を受ける動植物の行動、律動グラフを公開し、星の律動に同調する生き物たちの活動を紹介する。第2部では、太陽と月を表す仮面や写真、太陽と月のはじまりの神話などを通じて原始的な時間間隔をかいま見る。また、世界の日時計や、壁画「時と人のこれまで」を見ることで現代までの時と人間の関係性を振り返る。その他、時間に関する広告ポスター、各国の暇つぶし道具、ヒンバ族の映像なども展示。均一化が進む時の表象や暇の力を考えさせる。第3部では、それぞれの土地に流れる時間として、各地の1日を捉えた記録映像や、世界の様々な時間が刻まれた円環構造物などを紹介。旅をすると誰もが感じる「ここでは違う時間が流れている」という感覚を味わうことができる内容となっている。その他、生活工房3階のギャラリーでは、採集された時を見る「時の採取箱」展を開催。ある形にあらわれたり、写真によってとらえられた時を見ていく。また、3月12日の14時から17時までは、北極に訪れた短い夏の中で絶壁に巣を作るウミガラス、ヒナを狙うホッキョクギツネ、海が凍る日を待ち続けるホッキョクグマなどを映した『氷の大融解』、『アラヨの歌』、『イヨマンテ -熊おくり』などの上映会を開催。その他、3月19日の13時30分から15時までは、アイヌの昔話や北欧神話などが語られるおはなし会「世界のはじまり、時のはじまり」が、3月20日の10時から12時30分まではワークショップ「日時計をつくろう」なども行われる。【イベント情報】「時間をめぐる、めぐる時間の展覧会」会場:生活工房ギャラリー・ワークショップAB住所:東京都世田谷区太子堂4-1-1 キャロットタワー3・4階会期:3月5日~3月21日時間:11:30~18:30会期中無休入場無料ヴィジュアルフォークロア
2016年02月28日世界中で愛される人気作品『クレヨンしんちゃん』が、2016年4月で25周年を迎えることを記念して、初となる展覧会「クレヨンしんちゃん展」が、3月24日(木)~4月5日(火)の期間、東武百貨店池袋店にて開催される。原作者・臼井儀人氏の初公開の原画展示やアトリエ再現のほか、歴代映画の名シーン、キャラクターの名言集などを楽しめるコーナーに加え、小道具や衣装をそろえたフォトスポットコーナー、ゲームコーナーなど、"遊べる"エリアも充実。個性あふれるキャラクターたちが大活躍する作品の魅力を25年分、たっぷり体感することができる。■貴重な原画を公開! しんちゃんワールド体験コーナーも原作者・臼井儀人氏の貴重な原画を展示し、ネームから原稿が完成するまでを見ることができるコーナーは必見。また、しんのすけやシロと一緒に写真撮影ができたり、主婦の味方「みさえの手抜きレシピ」&理想の父親ひろしの「臭い靴下」再現など、しんちゃんならではの世界感を体験できるコーナーも。そして25周年を記念して親交の深い漫画家や、これまでに作品に関わってきた人たちからのお祝いメッセージも数多く展示される。「クレヨンしんちゃん展」は、2016年3月24日(木)~4月5日(火)の期間、東武百貨店池袋店にて開催。さらに、全国巡回も予定されているという。入場料など詳細については、「クレヨンしんちゃん25周年記念サイト」をチェックしてほしい。(C)臼井儀人/双葉社(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK
2016年02月08日芸術家の岡本太郎による展覧会「みんなのTARO2016」が、2月5日から21日まで東京・南青山のTOBICHI(2)で開催される。同展は岡本の代表作である「太陽の塔」と「明日の神話」でデザインされた「ほぼ日手帳」の発売を記念して開催されるもの。「太陽の塔」は1970年に大阪で開催された日本万博博覧会にて公開された巨大アート作品。「明日の神話」は縦5.5メートル、横30メートルの巨大壁画だ。同展では、岡本が「明日の神話」を作るときに最初に描いたという幅2メートルの木炭デッサンや、手帳やメモ類を一切持ち歩かなかった岡本のめずらしい手書きのメモ、パートナーであった岡本敏子のほぼ日手帳などが出展される。その他、漫画家のタナカカツキがデザインし、「コップのフチ子」の生みの親として知られる奇譚クラブが制作した「巨大・コップのフチの太陽の塔」や、タナカが描いた「太陽の塔」とTAROのことばに絵を添えた巨大パネルなども登場。TOBICHI(2)から歩いて5分ほどのところにある岡本太郎記念館に所蔵される様々なサイズの太陽の塔コレクションなども展示される。なお、会場で「「太陽の塔」、「明日の神話」がデザインされた手帳(カバーのみ2,592円、カバー&本体セット 4,400円)を購入すると、岡本太郎記念館が所有する非売品が手に入るガチャガチャを1点につき1回まわすことができる。また、期間中はTOBICHI(2)と岡本太郎記念館のスタンプラリーも開催。両会場でスタンプを押すと、特製ステッカーがプレゼントされる。【イベント情報】「みんなのTARO2016」会場:TOBICHI(2)住所:東京都港区南青山4-28-26会期:2月5日~2月21日時間:11:00~19:00休館日:2月9日、2月16日料金:無料
2016年02月07日神奈川県・川崎市の川崎市岡本太郎美術館は、第19回岡本太郎現代芸術賞の入賞・入選者の作品を集めた展覧会「第19回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)展」を開催している。会期は4月10日まで(月曜・祝日の翌日休館)。開館時間は9:30~17:00。観覧料は一般600円、高大学生・65歳以上400円、中学生以下無料。同展は、岡本太郎の遺志を継ぎ、次代のアーティストを顕彰する岡本太郎現代芸術賞(通称TARO賞)の、第19回入賞・入選者の作品が展示されるもの。第19回をむかえる同賞には485点の応募があり、24歳~72歳までの23名(組)が入選した。審査は、椹木野衣(美術批評家・多摩美術大学教授)、平野暁臣(空間メディアプロデューサー・岡本太郎記念館館長)、北條秀衛(川崎市岡本太郎美術館館長)、山下裕二(美術史家・明治学院大学教授)、和多利浩一(ワタリウム美術館キュレーター)らによって行われ、入選者の中から太郎賞に三宅感さんの「青空があるでしょう」、敏子賞に折原智江さんの「ミス煎餅」、特別賞に笹岡由梨子さんの「Atem」が決定した。岡本太郎賞を受賞した三宅さんは、「どんなに生活や人生が苦しくても、青空はみんなに平等にある、という気持ちを作品とタイトルに込めた」、「僕はとくに経歴はないけれど、太郎賞は経歴を問わない、という記憶を頼りに応募した。それは本当だった」とコメントしている。なお、副賞として太郎賞には賞金200万円、敏子賞には賞金100万円、特別賞には賞金50万円が贈られるということだ。
2016年02月03日東京都・京橋のLIXILギャラリーは、江戸時代の「薬草」に焦点を当てた展覧会「薬草の博物誌 森野旧薬園と江戸の植物図譜 展」を開催する。会期は3月3日~5月21日(水曜休館)。開場時間は10:00~18:00。入場無料。同展は、江戸時代から続く森野旧薬園と当時描かれた薬草を中心とした植物図譜を通して、幅広い本草学の世界とその魅力を紹介するもの。本草学は、私たちにも馴染み深い漢方薬の元になっているもので、江戸時代に発展した学問である。江戸後期には原料の一種である薬草は幕府により国産化政策がとられるほど貴重なものであったという。また、当時人々の関心も高く、多くの本草書や図譜が出版されたということだ。薬草から植物全般へと研究、興味の範囲が広がっていくのもこの時代で、そのころ薬草への造詣が深い人物として現れたのが森野初代藤助通貞(号:賽郭)であった。賽郭は、現存する日本最古の私設薬草園「森野旧薬園」を開設し、晩年には約千種の動植物の姿を、自然科学的な観察眼で色鮮やかに描いた「松山本草」を完成させた。この薬草園には今も薬草に関わる温故知新の知恵が息づいているということだ。同展では、「薬草」に焦点を当て、森野旧薬園を紹介するとともに、江戸の初期から本草学が近代植物学へ移行する時期までに描かれた主要な植物図譜の変遷が、約90点の実資料の他、写真、映像などで展観される。また、同展の開催に際し、LIXIL BOOKLET「薬草の博物誌 森野旧薬園と江戸の植物図譜」が発売された。価格は1,800円。購入など、詳細はLIXIL Webページより。
2016年01月27日実は東京の街は、素晴らしいアート作品の宝庫なのをご存じでしょうか。東京都内で人気を集めているおすすめ展覧会を、3つ選んでご紹介します!■サブカル好きにはたまらない!? 「村上隆の五百羅漢図展」 常に「日本的であること」を問い続けてきたアーティスト・村上隆。村上は日本の「マンガ文化」や「オタク文化」といったものを世界へ先駆けて発信してきた気鋭のアーティストです。これまでも、日本画の達磨(だるま)図をテーマにした作品を手がけている村上。今回の「五百羅漢図」も、日本の伝統的な絵画美術と現代の「キャラクター文化」が火花を散らしながら混ざり合っています。東日本大震災をきっかけに作成されたという「五百羅漢図」。その圧倒的なスケールとパワーは、一見の価値ありです。■建物好き女子集まれ! 「建築家 フランク・ゲーリー展 "I Have an Idea"」国立競技場の建て替え問題など、建築芸術に人々の関心が高まる昨今。世界的な建築家・フランク・ゲーリーの展覧会が、赤坂21_21 DESIGN SIGHTで開催中です。フランク・ゲーリーは、独創的なデザインの「ビルバオ・グッゲンハイム美術館」などを手がけた、世界的に著名な建築家。ちなみに、神戸港・メリケンパークのシンボルとなっている、巨大な魚のモニュメント「フィッシュ・ダンス」は、フランク・ゲーリーが設計をした作品です。皆さんもこの機会に、建築芸術に触れてみませんか?■教養を磨きたい方必見! 「リバプール国立美術館所蔵 英国の夢 ラファエル前派展」イギリスのリバプール国立美術館に所蔵している、風俗画や神話画などが多数展示されます。ラファエル前派とは、19世紀のなかごろ、イギリスで結成された芸術グループです。テーマとしては中世の伝説や文学、キリスト教的主題を取り扱うことが多いですが、それ以前の宗教画などに比べると、鮮やかで明るい感じの色調が特徴。日本初公開となる作品もある本展示をみて、この冬教養を磨きませんか?・ 村上隆の五百羅漢図展 六本木 森美術館にて。2016年3月6日まで開催。・ 建築家 フランク・ゲーリー展 "I Have an Idea" 赤坂 21_21 DESIGN SIGHTにて。2016年2月7日まで開催。・ リバプール国立美術館所蔵 英国の夢 ラファエル前派展 渋谷 Bunkamura ザ・ミュージアムにて。2016年3月6日まで開催。
2016年01月17日東京都・六本木の森美術館は、日本の現代アートを幅広い視野から検証する、3年に1度のシリーズ展「六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声」を開催する。会期は2016年3月26日~7月10日。開館時間は10:00~22:00(火曜は17:00まで、ただし5月3日は22:00まで)。入館料は一般1,800円、高校・大学生1,200円、4歳~中学生600円、65歳以上1,500円。同展は、日本、韓国、台湾の4人のキュレーターによって選ばれた、20組のアーティストのバラエティーに富んだ表現を通して、日本の現代アートを幅広い視野から検証し、今日の社会とアートについて考察するもの。「六本木クロッシング」は、同美術館が3年に一度、日本のアートシーンを総覧する定点観測的な展覧会として2004年から開催してきたシリーズ展で、今回で5回目の開催となる。グローバル化やITの発達、SNSの普及により、個人による情報発信が可能となり、ネットを介したバーチャルなコミュニケーションの機会が増大している今日、このことは自己と他者の関係性にも大きく影響を与え、これまで当たり前のように考えられてきた社会制度や世の中に存在する様々な枠組み、価値観の見直しが求められているという。同展では、独自のリサーチを通して、個の事象やストーリーにスポットを当てる作品を制作しているアーティストたちの眼差しを通して、歴史や身体、性、風景についての新たなイメージが描き出される。森美術館キュレーターの荒木夏実氏は、同展について次のように語っている。「"私"とは誰だろう。私の身体はどのように歴史や他者とつながっているのだろうか。過去と未来、自己と他者が交錯する感覚を、アートを通して味わいながら、世界と自分との新たな関係性を探りたい。」また、同展では、同展出品のインスタレーション作品、野村和弘《笑う祭壇》制作のため、ボタンを無償で提供できる人を募集している。不要になった洋服のボタンや、家に保管されているボタンなど、色や形、大きさはどんなものでも可。なお、《笑う祭壇》は、的あてゲームのように、さまざまな形や色の使い古されたボタンを小さなオブジェに載るように投げることで出来上がる作品。ボタンが散らばり、ゲームを楽しんだ分だけ床のイメージが変わっていき、刻々と変わりゆく風景を楽しむことができる作品になるということだ。送付先など、詳細は同館Webページにて。
2016年01月06日化粧にまつわる幅広い研究活動を続けているポーラ文化研究所の設立40周年を記念した展覧会「祝いのよそほい」が東京・銀座のポーラ ミュージアム アネックスにて16年1月15日から2月21日まで開催される。白粉を塗り、眉をひき、紅をさす。江戸時代から女性は、婚礼や晴れ(ハレ)の日の装いはもちろん、日々の「化粧」ひとつにも心踊るようなときめきを感じてきた。時代は変われど、見目麗しくあることの根底に流れる心意気や感性は、現代の私たちの「よそほい」の中にも息づいている。同展では「化粧・女性・美意識」をキーワードに、新しい年の始まりを祝した「嫁入り」「元服」「晴れ(ハレ)の装い」「吉祥文様」の4テーマで繰り広げる「和」の晴れ姿をテーマにした。展示されるのは婚礼化粧道具である「円鏡・円鏡箱・鏡台」や「お歯黒道具一式」といったもののほか、眉作りの変遷を追った江戸期の礼法書「化粧眉作口傳」、松竹梅や鶴亀が描かれた婚礼衣装「白綸子地松竹梅鶴亀模様打掛」、「紅白梅宝尽くし模様箱迫」、縁起物として身分、階級を越えて好まれた「高砂文字柄鏡」、「松竹梅鶴亀びらびら簪」など。【イベント情報】ポーラ文化研究所40周年記念展「祝いのよそほい」会場: ポーラ ミュージアム アネックス住所: 中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階会期:16年1月15日~16年2月21日休館日:会期中無休(入場は19:30まで)時間:11:00~20:00料金:無料
2016年01月01日東京都・代々木の刀剣博物館は、自由闊達に変化してきた刃文の魅力を紹介する展覧会「刃文-一千年の移ろい」を開催する。会期は2016年1月5日~3月27日(月曜休館、ただし祝日は開館)。開館時間は10:00~16:30(入館は16:00まで)。観覧料は一般600円、会員・学生300円、中学生以下無料。同展は、国宝・重要文化財を含む刀剣25口、刀装、刀装具から、一千年の移ろいにより自由闊達に変化してきた刃文の魅力を紹介する展覧会。日本刀の見所のひとつである刃文は、実用上の面から欠くことのできないものだという。そして、およそ平安時代後期に日本刀様式が完成してからは、刃文の原初的形態を示す直刃のみならず互の目や丁子・のたれ・尖り刃など様々な刃文が生み出され、それらは実用面だけに留まることなく、高い美術性を有するなど日本独特の文化へと昇華されてきた。また、単一の刃文で構成された日本刀は少なく、その殆どが何種類かの刃文が交ざり多様な変化を伴って一振りの作品として完成されているということだ。同展では、特別出品として、国宝 太刀 銘 国行「来」(号 明石国行)が出品される予定となっている。
2015年12月27日気鋭の日本人写真家6人による展覧会「LUMIX MEETS BEYOND 2020 BY JAPANESE PHOTOGRAPHERS #3」が、16年1月22日から31日まで東京・六本木のIMAギャラリーにて開催される。今回で3回目を迎える同展は、これからの日本のアートフォト界をリードする若手写真家の支援と育成を目的に、13年より毎年パリと東京の2都市で開催されているグループ展。今回は、15年11月にパリで開催された展覧会の巡回展となる。作品のラインアップは、IMAメディアプロジェクト主催のポートフォリオレビュー「STEP OUT!」より選出された、長野佳嗣による光なしで写真を撮ることを試みた作品「Retina Noise」や、母親の遺品を身に纏った自身を撮影した仲田絵美の「よすが」、山下新平による生命を感じさせる森の写真「SPECTRUM」など。15年に写真集『Humanity』を発売した石川和人、イッセイ ミヤケ メン(ISSEY MIYAKE MEN)とのコラボレーションを行った藤原聡志、記憶をテーマに制作した叙情的な作品で知られる一之瀬ちひろの3名は、パナソニックの高性能ミラーレス一眼「LUMIX DMC-GX8」を用いた撮り下ろし作品を出展する。その他、1月26日の20:00から22:00は、アーティストの澤田知子×編集者・美術ジャーナリストの鈴木芳雄、1月30日18:00から20:00は、写真家の横田大輔×小山登美夫ギャラリー代表の小山登美夫×『美術手帖』編集長の岩渕貞哉によるトークショーも開催される予定だ。【イベント情報】「LUMIX MEETS BEYOND 2020 BY JAPANESE PHOTOGRAPHERS #3」会場:IMAギャラリー住所:東京都港区六本木AXISビル3階 IMA CONCEPT STORE会期:16年1月22日~31日時間:11:00~19:00入場無料
2015年12月25日ポーラ・オルビス ホールディングスは2016年1月15日~2月21日、ポーラ文化研究所40周年を記念した展覧会「祝いのよそほい」をポーラ ミュージアム アネックス(東京都・銀座)で開催する。○あでやかなる日本美の系譜をたどる展覧会同展は、「化粧・女性・美意識」をキーワードに、化粧文化の研究活動を行っているポーラ文化研究所の40周年を記念して開催されるもので、新しい年の始まりを祝した「嫁入り」「元服」「晴れ(ハレ)の装い」「吉祥文様」の4テーマで繰り広げる華やかな「和」の晴れ姿を楽しむことができる。新春にギャラリーを"粧う(よそおう)"のは江戸時代に花開いた、日本のあざやかな「美」の系譜。婚礼や晴れ(ハレ)の日の装いはもちろん、日々の「化粧」ひとつにも女性は心躍るような、ときめきを感じてきたはず。白粉を塗り、眉をひき、紅をさす。そのひとときの至福を彩ってきた道具や装身具。浮世絵から見えてくる往時の洒落た風俗。縁起をかつぎ、めでたさで愛されてきた吉祥の文様たち。時代は変われど、見目麗しくの根底に流れる心意気や感性は今を生きる私たちの「よそほい」の中に息づいているという。○見どころ■嫁入り結婚は今も昔も、女性の人生の中で大きな節目である。その喜びに合わせて持参したのが婚礼化粧道具である。江戸時代の女性は婚約、または結婚するとお歯黒をした。お歯黒の黒は、ほかの色に染まらないところから、貞女の印とされたからである。■元服江戸時代の女性は、結婚が決まるとお歯黒をした。それを半元服といった。そして、子供ができると眉を剃った。それを本元服といったのである。公家や武家といった上流階級の女性たちは、儀式のときに額に別の眉を描いたが、一般庶民は、剃ったままであった。■晴れ(ハレ)の装い婚礼時の花嫁を美しく演出するのが、婚礼衣装であろう。とくに目を引くのが吉祥文様の松竹梅や鶴亀が描かれた豪華な打掛である。衣装全体で花嫁の喜びを表し、末永く幸せになれるよう、両親の願いも込められている。■吉祥文様代表的な吉祥文様は、松竹梅、牡丹、鶴亀、蝶、獅子、菊、扇面、貝、「高砂」「寿」といった文字、そして宝尽くしなどであろう。女性の衣装や髪飾り、化粧道具などにも描かれ、縁起ものとして身分、階級を越えて好まれた。開催時間は、11時~20時。会期中無休。入場無料。
2015年12月21日国際的な建築設計組織であるフォスター+(アンド)パートナーズの半世紀に及ぶ設計活動を総合的に紹介した、森美術館が主催する日本初の展覧会「フォスター+パートナーズ展:都市と建築のイノベーション」が、16年1月1日から2月14日まで六本木ヒルズ森タワー展望台 東京シティビュー内スカイギャラリーにて開催される。フォスター+パートナーズは、1967年に建築家のノーマン・フォスターによって設立された建築設計組織。世界45カ国で300のプロジェクトを遂行しており、これまでにベルリンのドイツ連邦議会新議事堂・ライヒスタークなど現代史上数々の名作を生み出してきた。また、日本の国宝建築に相当する英国保護登録建築物最上級グレード1の指定を受けた建物の建築にも携わっている。今回開催される「フォスター+パートナーズ展」は、2009年よりアメリカ、アジアなどを巡回してきた展覧会「Foster+Partners:The Art of Architecture」を森美術館独自の視点で再構成したもの。模型や映像、CG、家具、プロダクトなどの膨大な資料を用いて、フォスター+パートナーズを代表する約50プロジェクトが紹介される。会場では、大英博物館中庭のグレートコートなどでも用いられた、最先端技術を使いつつ伝統的建造物の歴史的背景や地域環境にも配慮した独自のメソッドを紹介。アップル新社屋のアップル・キャンパス2、月面の砂を素材に3Dプリンターで制作する月面住宅など、近未来の都市と建築を予感させるプロジェクトにも触れられる。また、20世紀を代表する工学者で思想家のリチャード・バックミンスター・フラーとの12年間に渡る協働プロジェクトについての資料も展示される予定だ。その他、トークセッションやワークショップも開催。1月17日の14時から16時までは、都市と建築の未来について語る「都市と建築のイノベーション」が、1月24日の10時から12時30分までは、“構造体”をテーマにした子ども向けワークショップが行われる。1月16日の14時から15時まで、1月28日の19時から20時まで、2月4日の19時から20時までは、専門家と同館のスタッフがそれぞれの視点から展示を紹介するギャラリートークも実施される予定だ。【イベント情報】「フォスター+パートナーズ展:都市と建築のイノベーション」会場:六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー内スカイギャラリー住所:東京都港区 六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階会期:16年1月1日~2月14日時間:10:00~22:00(最終入場は21:30)料金:一般1,800円、高大学生1,200円、4歳~中学生600円、65歳以上1,500円会期中無休
2015年12月18日東京都・六本木のサントリー美術館(東京ミッドタウン内)は、宮川香山(初代)の「眞葛焼(まくずやき)」の全貌を紹介し、超絶技巧のやきものの魅力に迫る展覧会「没後100年宮川香山」展を開催する。会期は2016年2月24日~4月17日(火曜休館、ただし4月12日は開館)。開館時間は10:00~18:00(金・土、および3月20日は20:00まで開館)。入館料は入館料は一般1,300円、大学・高校生1,000円、中学生以下無料。同展は、日本に少なかった香山の作品を世界中から探し出し、約50年にわたって香山研究を続けてきた田邊哲人氏のコレクションを中心に、明治時代から大正時代を代表する陶芸家・宮川香山(初代)の「眞葛焼」の全貌を紹介し、超絶技巧のやきものの魅力に迫る展覧会。天保13年(1842)、京都の真葛ヶ原(現在の京都市東山区円山公園一帯)の陶工の家に生まれた宮川香山(虎之助)は、幼少の頃より父・長造から陶器や磁器の製法を学び、万延元年(1860)に家督を継いだ。明治3年(1870)、京都を離れた香山は、文明開化の町・横浜へと向かう。当時、明治政府は近代産業の育成に力を入れ、外貨獲得の手段の一つとして陶磁器をはじめ、様々な工芸品を輸出することを奨励していたという。香山は、欧米諸国の趣向に応える新たな美を創り出すことに尽力し、中でも、陶器の表面をリアルな浮彫や造形物で装飾する「高浮彫(たかうきぼり)」という新しい技法を生み出し、日本陶磁における装飾の概念を覆すような、精緻で独創的な世界を作り出していった。明治10年代半ば頃から、香山は新たに釉薬と釉下彩の研究に取り組み、中国清朝の磁器にならった様々な技法の作品を作り始め、制作の主力を陶器から磁器に切り替えていった。そして明治29年(1896)、香山は、陶芸の分野では二人目となる帝室技藝員に任命された。宮川香山が生み出した眞葛焼は世界中から絶賛を浴び、現在でも大英博物館をはじめ世界的に著名な美術館が香山の作品を収蔵しているということだ。なお入館料は、ホームページ限定割引券、もしくは携帯サイトの割引券画面提示で100円割引となる。
2015年12月17日9日、都内にある旧細川伯爵邸和敬塾でアーティスト舘鼻則孝による1日限りの展覧会「舘鼻則孝:面目と続行」が開催された。会場では新作であり、舘鼻が着想から3年の時を経て創作した座禅を組む黄金色の骸骨『Trace of Continuing History』(2015)をはじめ、新作、未発表作を含む約30作品が来場者を迎えた。今回、初披露となる強烈な存在感を備えた座禅する骸骨は、舘鼻自身の骨格をCTスキャンするところからはじまり、そのデータを3Dでモデリング。さらに、3Dプリントした樹脂の型を原型に、真鍮で鋳造したもの。舘鼻は「この作品は、2011年の東日本大震災で感じた死への恐怖を拭い去るための装置ともいえる。自分の死の姿を見いだすための想像は、翻って生む行為に近かった」と作品を前に語った。東京藝術大学に在籍中、花魁文化を学んでいた舘鼻。これまで彼が手掛けた作品には、花魁の高下駄を想起させるヒールレスシューズ、2メートル以上ある彫刻作品になった花魁のかんざしなどがある。同展覧会で初披露された『Theory of the Elements,(2015)』には、電子タバコ「プルーム」が納められている。同アイテムを目にした舘鼻は「これは、現代における花魁の煙管(きせる)のようだ」と感じたという。高下駄、かんざしに続き、「花魁のアイコニックなアイテムの最後のピースを埋めるような作業だった」と語る本作品では、現代の技術に触発されて古から伝わる技術を新たな視座から構築する。舘鼻が本展覧会で披露した作品は、どれも時空間を越えていくような生命力を備えているようだ。過去から現代、そして未来へと時が流れているとしたとしても、彼の作品の前にすると、そのどれもが一時に束ねられたような不思議な感覚になる。「見えるもの以上に大切なものは何かを問い、目に見えないものを信じる力を表現した」という舘鼻の言葉を反芻し、深く納得した展覧会であった。
2015年12月14日日本のファーニチャーレーベル・イーアンドワイ(E&Y)の30周年を記念して12月12日から20日まで、東京・六本木のアクシスギャラリーにて展覧会「evergreen」が開催される。トム・ディクソンやマイケル・ヤング、リチャード・ハッテンを始めとした時代をリードするデザイナーたちとともにオリジナルの家具の制作を行ってきたE&Y。これまでの手掛けた50作品以上のコレクションの一部は、MoMA(ニューヨーク近代美術館)やロンドンデザインミュージアム、パリ装飾芸術美術館、スウェーデン国立美術館などに収蔵もされている。今回行われる展覧会では、現コレクション約70点より厳選した代表作の展示や映像を公開する他、2010年に新たにスタートした「edition HORIZONTAL multiple collection line」より、今年9月にロンドンのデザインミュージアムで発表した新作をお披露目する。また、12月20日の16時から18時までは、同ギャラリーの地下1階にあるシンポジアにて、「SHOWCASE」や「DESIGNTIDE TOKYO」 などのプロデュースを手掛けたE&Y代表の松澤剛、ノザイナーの太刀川英輔、JDN・登竜門 統括編集長の山崎泰、武蔵野美術大学 准教授の山中一宏、ジャーナリスト、海外留学中の学生を交え、これからのデザインについて考える参加型トークイベントも開催する。定員は40名で参加費は無料。同展に出展される作品のデザイナーは以下の通り。マックス・ラム(Max Lamb)、中坊壮介(Sosuke Nakabo)、尾原史和(Fumikazu Ohara)、白木麻子(Asako Shiroki) 、スズキ ユウリ(Yuri Suzuki)、ニナ・トルスタープ&ジャック・ママ(Nina Tolstrup and Jack Mama)、フェイ・トゥーグッド(Faye Toogood)。【イベント情報】E&Y 30th Anniversary exhibition “evergreen”会場:アクシスギャラリー住所:東京都港区六本木5-17-1 AXISビル4階会期:12月12日~20日時間:11:00~19:00(11日のレセプションは18:00~21:00)入場無料
2015年12月11日