私は30代後半から性交時に痛みを感じるようになりました。濡れにくくなり、コンドームの摩擦もますます痛みを倍増させます。そんな私ですが、あることにより性交痛から解放されました。★関連記事:閉経前後のつらい性交痛が和らぐ!女医直伝・自分でできるマッサージ2選38歳から性交時に痛みを感じるように30代後半から性交痛を感じるようになった私は38歳くらいから、性交時に痛みを感じるようになってしまいました。思い当たる原因は濡れなくなってきたことと、コンドームの摩擦です。潤滑ゼリーなども使用しましたが、なんだか味気なく感じられてしまいました。私は、性行為は愛する人との大切なコミュニケーションの1つであると考えます。性交痛は私の非常に大きな悩みとなりました。同時に、どこか体に異常があるのではないかと不安にもなりました。そこで、産婦人科を受診し、検査をしてみることにしました。原因の1つはホルモンバランスの変化産婦人科での検査の結果、私の体にはどこにも異常が見つかりませんでした。とりあえず安心したものの、改めて性交痛について聞いてみました。すると私の場合、女性ホルモンが原因ではないか? と医師から言われました。女性の体はだいたい40歳前後から女性ホルモンの分泌量が少なくなっていくのだそうです。それが45歳ごろからいわゆる更年期と呼ばれる時期にあたり、不快な症状を起こしたり、性交痛が起こったりするのではないかと医師は言っていました。要するに女性ホルモンが減少することで、女性ホルモンの効果の1つである「濡れる量」も減ったのです。更年期というと、もっと先の話だと思っていました。ところが30代から始まるケースもあり、若年性更年期と呼ばれているそうです。まさに私は若年性更年期の症状に当てはまっていました。低用量ピルを服用したら症状が改善医師から提案されたのが、低用量ピルの服用でした。分泌量が少なくなっている女性ホルモンをピルで整えることで、性交時にきちんと濡れるようになるという仕組みのようです。ですがピルには副作用もあるとのこと。ちなみに私は少し体重が増えてしまいました。これもピルの副作用の1つなんだそうです。私は特定のパートナーとだけ性行為をしているので、妊娠の不安から解放されたのと、コンドームの摩擦をなくせたのも性交痛改善に一役買ってくれています。お互い特定の相手とだけなら性感染症の危険もなく、ピルの避妊効果でコンドームを使う必要がなくなったからです。まとめ性交時に濡れなくなり、性交痛を感じるようになってから半年。低用量ピルの服用によって、私は性交痛から解放されました。個人輸入で簡単に買えてしまいますが、病気が原因の場合もあるので、検診もかねて産婦人科で処方してもらっています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。著者/おるちよ(41歳)猫を愛する万年ダイエッター。お菓子・パン作りが好きなため、ダイエット地獄から抜けられないでいる。中学生の息子が1人のシングルマザー。
2022年07月18日閉経前後は女性ホルモンが減り、性交痛などのトラブルが起きやすいもの。今回紹介するのは、そんな性交痛の痛みを軽減してくれるセルフマッサージです。2つのマッサージを提案する、産婦人科医の駒形依子先生に教えてもらいました。「腟トレ」とおこないたいマッサージとは?性交痛の軽減に効果的なのは、腟の筋肉である腟括約筋を締める腟トレです(詳しくは、【医師が提案】閉経前後のセックスが痛い!を改善する「腟トレ」って?参照)。ただ、「腟トレ」だけをおこなうと、筋肉がこり固まってしまう可能性があります。そのため、筋肉を締めたらほぐすマッサージをおこなうとより効果的なのです。そのマッサージとは「会陰マッサージ」と「腟マッサージ」です。基本的には「腟トレ」「会陰マッサージ」「腟マッサージ」は3つで1セット。締める→緩める→伸ばすのサイクルが、筋肉を育てるためには一番効率的だからです。筋肉を緩めて血流を促す「会陰マッサージ」腟と肛門の間にあるツボが会陰です。東洋医学では、気は経絡というルートを流れると考えられています。そして、子宮(胞宮)は任脈という経路とつながっています。この任脈の始まりにあるのが会陰というツボなのです。そのため、会陰をマッサージして血流を良くすると、腟はもちろん子宮を温めることにつながります。他人にはなかなか触れられない場所にあるからこそ、自分で自分のためにできるマッサージがおすすめです。方法は簡単です。人さし指から小指まで4本の指を会陰に当てて、10回ほど円を描くようにマッサージします。服の上から、または入浴時におこないましょう。腟を伸ばしてしなやかにする「腟マッサージ」もう1つの「腟マッサージ」は、組織を伸ばすことを重視し、腟にしなやかさを出すことを目指しています。腟にしなやかさを持たせることで、久々のセックスでも痛みを軽減することができます。腟に小指を入れて腟の上部を時計の0とした場合に、5時と6時、7時の方向に入り口を広げるように数回動かせばOK。入浴時がおこないやすいです。1日1回以上、腟トレで筋肉を締め、会陰マッサージで筋肉を緩め、腟マッサージで組織をのばす、この3セットをまずは毎日続けてみてください。まとめいかがでしたか? どちらのマッサージも、入浴時にできるので試しやすいです! 紹介した2つのマッサージを毎日おこなうことで腟や子宮の冷えが改善され、ふっくらした腟を目指せるそうです。性交痛で悩んでいる方はぜひ、試してみてはいかがでしょうか?参考文献/『膣の女子力 女医が教える「人には聞けない不調」の治し方』(KADOKAWA/駒形依子著)取材・文/mido(48歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2021年02月18日避妊しないまま性交してしまった、または避妊に失敗してしまった場合に有効とされる緊急避妊薬「アフターピル」。低用量ピルと比べるとあまり馴染みがなく、本当に避妊できるのか、服用のタイミングや副作用はないのかなど疑問を抱いている人は多いと思います。そこでこの記事では、産婦人科の医師にアフターピルの効果やリスクについて話を聞いてみました。 答えてくれたのは……三鷹レディースクリニック院長天神尚子(てんじんひさこ)先生日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、1995年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。 アフターピルを「服用したことがある」のは11% 低用量ピルよりも馴染みがうすく、その実態を知る人が少ない『アフターピル』。20代〜40代の女性へのアンケートでも「服用したことがある」と答えたのは11%と少数派でした。緊急避妊薬と言われていますが、本当にそれだけで避妊ができるのでしょうか。また、副作用はないのでしょうか。多くの女性が疑問に感じていることを質問してみました。 ※調査概要調査対象:株式会社ベビーカレンダーが企画・運営している「ファーストプレゼント」「おぎゃー写真館」のサービスを利用された方調査期間:2020年5月30日~2020年6月4日調査件数:3,412(有効回答数) 性交後72時間以内に服用「アフターピルには排卵を遅らせたり、子宮内膜を変化させて着床にくくさせる効果があります。そのため、避妊せずに性交してしまったが妊娠を望まない場合の緊急手段としてアフターピルが処方されます。服用するタイミングは性交後72時間以内で、早ければ早いほど効果があります。ただし、服用後2時間以内に薬を嘔吐した場合は、できるだけ速やかに1錠内服を追加する必要があります」 確実に避妊できるの?「アフターピルで避妊できる確率は約80%なので、確実とは言えません。それでも望まない妊娠をして中絶手術をするよりは体へのリスクが低いので、確実ではないとしても飲んでおいた方が良いでしょう」 アフターピルの副作用は?「国内処方で承認されている緊急避妊薬は1錠内服するだけなので、副作用は数%と少ないです。吐き気、嘔吐などの消化器症状が主ですが、頭痛、めまい、傾眠、不正出血などもあります」 アフターピルはすぐに処方してもらえる?「最近では中高生の性教育でも緊急避妊の手段としてアフターピルを教えているくらいなので、産婦人科で出ししぶるようなことはありません。ただし、頻回に使用するような薬でもなく、金額的にもハイコストですので、常にパートナーがいて計画的な避妊が必要な場合は低用量ピルをおすすめします。あくまで緊急用だと思ってください」 その実態をあまり知られていない「アフターピル」。なんとなく使うことに抵抗がある人もいると思いますが、先生いわく中絶手術をする方が体に負担が掛かるので、妊娠が心配な場合は飲んでおいた方がいいとのことでした。とはいえ、薬に頼りすぎるのは良くありません。自分の体を守れるのは自分だけなので、妊娠を望まない場合はしっかり避妊をすることが大事です。 監修者:医師 三鷹レディースクリニック院長 天神尚子 先生日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。
2020年08月31日3月26日、名古屋地方裁判所岡崎支部が下した無罪判決が波紋を呼んでいる。中学校2年生のころから、娘と性交していた父親が「準強制性交等罪」に問われたにも関わらず、無罪となったのだ。判決文からは、彼女の5年間がいかに「地獄」だったかということがうかがえる。被害女性の美羽さん(仮名)は、実父と実母、弟3人との6人暮らし。実父による性的行為は、中学二年から始まった。美羽さんが寝ていると実父がやってきて、<陰部や胸を触ったり、口腔性交を行ったりするようになり、その年の冬頃から性交を行うようになった>(< >内は判決文の要約)という。美羽さんが高校を卒業するまで、こうした行為は週に1~2回程度の頻度で行われ、美羽さんは<体をよじったり、服をぬがされないように押さえたり、「やめて」と声を出したりするなどして抵抗していた>が、実父の行為は制止できなかった。本来ならば、助けを求められるはずの実母とも不仲だった。美羽さんが小学校の頃、実父は美羽さんを、殴ったり蹴ったりすることがあったが、実母は、<ほとんど黙って見ているか、実父に加担していた>という。美羽さんが高校3年生のとき、自分で4年制大学へ進学することを決め、大学の推薦入試に合格。しかし、期日までに入学金を収められず、進学を断念した。一家は2010年から生活保護を受けていたことから、子ども4人抱えての暮らしは厳しかったことがうかがえる。それでも美羽さんは諦めなかった。進学に反対する両親に頼み、専門学校に入学。学費はいったん実父が支払い、美羽さんのアルバイト代から月4万円ずつ返済するよう取り決めた。だが、このころから美羽さんの抵抗が弱まり、性行為の頻度が週に3~4回と増えるようになったという。実父に「専門学校の学費を支払ってやっている」などと言われていたことの負い目が、あったからだとみられている。それでも、実父からの虐待に耐えかねた美羽さんは、友人や弟らに被害を相談。「警察に行ったほうがいい」と勧められたが、<父親が逮捕されると弟らが犯罪者の息子になってしまい、生活できなくなってしまうことが心配>といって、通報を断念する。専門学校の2年生になった2017年6月ごろから学校も休みがちになっていった美羽さん。このころ、は実父に激しく抵抗したことがある。就寝中に、服の中に手を入れてくる実父の手を払い、執拗に美羽さんのズボンを下げようとするのを引き上げたりして抵抗した。すると実父から、<こめかみの辺りを数回こぶしで殴られ、太ももやふくらはぎを蹴られた上、背中の中心付近を足の裏で二、三回踏みつけられた>。美羽さんのふくらはぎには、大きなアザができたという。実父はそのあと、「金(授業料)を取るだけとって何もしないじゃないか」と捨てセリフを吐き、美羽さんの部屋を出て行った。こうした過酷な状況のなか、裁判になった事件が起きた。2017年8月12日に父親が仕事で出入りしていた会社の会議室で、9月11日にはラブホテルで美羽さんは性交される。9月15日、美羽さんが豊田市役所に相談し、事件は公となり、実父は起訴された。こうして、地獄の5年間は終わった。美羽さんの精神鑑定を行った精神科医は、性的虐待などが積み重なった結果、<抵抗できないのではないか、抵抗してもムリなのではないか>といった抑圧された心理状態になっていたと診断。これに対し、実父側は「性交は同意の上だった」などと主張したが、裁判所はこうした実父の主張をすべて退け、実父は美羽さんを<精神的に支配していた>、<同意はしていなかった>と結論付けた。にもかかわらず、<性交を拒めないほどの暴力は受けていなかった>、<両親の反対を押し切って専門学校に入学できるほどだった>などという理由で、<抵抗できないほどの精神状態に陥っていたとは判断できない>として、実父に無罪判決が下ったのだ。この判決を不服として4月8日、検察は控訴した。現在の美羽さんの生活が平穏であることを祈ってやまない。
2019年04月18日性交渉のときに生じる痛みを「性交痛」という。デリケートな問題であるため、性交痛で悩んでいても誰にも相談できずにいる女性も多いのではないだろうか。そこで今回は、女性の性交痛の原因と治療法について、なおえビューティークリニック・院長の喜田直江医師に伺った。○妊活にも影響しかねない「性交痛」とは?通常、最初の性交渉で処女膜が破れるときに痛みが生じるが、一度破れてしまうと痛みはなくなるものとされている。喜田医師によれば、仮にしばらく性交渉をしていない期間があったとしても、処女膜が元に戻って痛みが復活することはないという。一方、何らかの理由で性交渉のたびに性交痛があるという女性もいる。痛みがあると、性交渉が楽しめないどころか、苦痛や恐怖心を伴う可能性もあるので深刻な問題だ。そもそも性交痛を理由に婦人科を受診してよいものか、という疑問を持っている人もいるかもしれない。これに対し、「性交痛の症状でクリニックに来られる女性も多いですね。中には、妊娠はしたいのに性交痛によって性交渉ができずに悩んでいる方もいらっしゃいますので、切実な問題だと思います」と喜田医師。○性交痛の原因と治療法性交痛の原因は、主に次の2つが考えられるという。原因1.処女膜のつっぱりが強い「処女膜強靭(じん)症」まず、処女膜の形状に問題があって痛みが生じている場合だ。「処女膜はリング状なのですが、通常であれば薄いので簡単に破れてしまうものなんです。最初の性交渉時に破れる女性が多いですが、実は手で触るだけで破れる人もいるほど。一度破れてしまえば、処女膜が膣の大きさまで広がるようになるので、痛みもなくなります」と、喜田医師は解説する。一方で処女膜が厚すぎて破れない場合もあり、これを「処女膜強靭症」という。「処女膜強靭症の方は、処女膜のつっぱりが強くて簡単には破れないので、強い痛みを伴うことが多いです。また、何回も性交渉を重ねたからといって自然に破れるものではなく、手術が必要になります」。その手術を「処女膜切開術」といい、人工的に処女膜を切ってつっぱりを取り除く内容となる。手術時間は15分から20分ほどで、術後1カ月くらいで痛みを伴わずに性交渉ができるようになるという。原因2.更年期による「女性ホルモンの減少」40代以降で更年期にさしかかると、次第に女性ホルモン(エストロゲン)の分泌は低下していく。それも性交痛の原因の1つだという。「女性ホルモンが減少すると、膣粘膜からの分泌物の量も減り、うるおいがなくなります。さらに膣壁のコラーゲンも減少するので、膣が萎縮して硬くなり、乾燥することに。そうした膣の状態が性交痛を引き起こしているのです」。治療では、症状に応じて、潤滑ゼリーでうるおいを与える処置や、女性ホルモンの量を増やすためのホルモン補充療法などが行われる。なお症状が重い場合は、レーザー治療も選択肢の1つ。炭酸ガスレーザーを照射して膣を若返らせる方法で、膣壁の血流を改善し、膣分泌物を増やしてうるおいをもたらすという。これら2つの原因以外にも、「小陰唇肥大」といって、膣の入り口の左右にあるヒダ(小陰唇)が大きいために、性交渉時に巻き込まれて痛みを伴うこともあるそうだ。この場合は、小陰唇の大きい部分を切除する手術をすれば痛みは改善されるとのこと。また、ストレスなど精神的なことが影響して膣のうるおいが低下し、痛みが生じている可能性もあるという。○産後の女性ホルモンと性欲の関係一方で産後の女性は、女性ホルモンの影響により一時的に性欲が減退するといわれている。そこに育児の忙しさや疲労などが重なると、膣のうるおいがなくなって痛みの原因になるほか、性交渉そのものに興味がなくなったり、嫌悪感を抱いたりすることもあるという。ただ、これは産後の女性であれば誰にでも起こり得ることで、一般に授乳期間を過ぎれば元に戻るので心配しなくてもよいとのこと。ただし、「その間のパートナーとのコミュニケーションには配慮が必要です」と喜田医師。「男性はホルモンの影響を受けていないわけですから、女性側がただ拒否する態度を取ってしまうと、夫婦間に壁ができてしまったり、セックスレスの原因になったりすることもあります。お互いに理解し合うことが大切ですね」。性交渉に関する悩みは、家族や友達など親しい間柄であっても相談しづらいものだろう。ただ性交痛の場合は、肉体的にも精神的にも負担が大きく、ずっと続くようであればトラウマ(心的外傷)にもなりかねない。気になる症状がある人は、1人で悩まずに婦人科を受診してみよう。※画像は本文と関係ありません○記事監修: 喜田直江(きだ・なおえ)2001年に京都府立医科大学卒業後、産婦人科医として多数の分娩・手術症例を経験。2003年からは形成外科医として、形成外科の基本から縫合の技術まで幅広く習得。2006年より大手美容外科に勤務し、美容外科・美容皮膚科全般において経験を積んだ。特に婦人科系の美容手術は、日本でも有数の症例数を誇る。2011年10月、東京都・銀座でなおえビューティークリニックを開院。婦人科形成医療を通して多くの女性患者の悩みを解消し、"女性であることの幸せ"を提供し続けている。
2015年09月16日