貧困、暴力、戦争。多くの人はこういったことはできることなら解決したい、と思っているのではないだろうか。でも「アフリカの貧困や中東での紛争は、ただでさえ忙しい日常のなかで、どうも他人事になってしまう」と正直思っている人も少なくないはず。ツイッターをはじめとするSNS上で「#(ハッシュタグ)」をつけて、意見を主張したり人々に議論をするよう呼びかけたりするハッシュタグアクティビスムを取り上げるBe inspired!の連載『「丼」じゃなくて「#」で読み解く、現代社会』。今回は「平和作り」がどうも自分ごとにならない日本の若者に#youth4peaceを紹介したい。
2017年10月03日「僕は戦争映画でカタルシス(鬱屈した気持ちが浄化されること)を描いてはいけないと思っています。カタルシスというのは不幸なことでも悲しいことでも、それに埋没してしまうとある種、気持ちがいいという状況になる。映画にはそもそも、そのカタルシスが濃厚にあるんです。だから非常に危険。反戦映画を撮っていても、結果的には好戦映画になってしまう恐れがあるんです。昨今、そういう戦争映画が多いんです。主題歌が流れるなか、かっこよく敬礼して大空に飛び立ち、敵艦に突入していく。ああ、次にこの国に何かあれば、僕だってそうするぞ、そういうカタルシスを生んでしまう。映画にはそういう怖い力もあるんです」 映画作家の大林宣彦さん(79)は、『転校生』をはじめとした“尾道三部作”など、名作の数々でみずみずしい感性をフィルムに焼き付けてきた。リハビリ療養中ということで杖こそ突いていたが、病気の前と変わらない、柔らかい口調で語り始めた。 大林さんにがんが見つかったのは、壇一雄の小説を原作とする新作映画『花筐/HANAGATAMI』(12月16日公開)に取り組んでいたときだった。『花筐』は、戦時中の佐賀・唐津を舞台に、「自分らしく生きて、自分らしく死にたい」と切実に願う若者たちを描く群像劇。 「昨年の8月のことです。映画の撮影に入る前に受けた検査結果から『骨に異常があるから、きちんと調べたほうがいい』と言われましてね。唐津の撮影現場に入って、さあ、いよいよ明日から撮影だという日に、唐津赤十字病院で念のため再検査を受けたんです。まず、異常がある骨を診てもらいと、がんが見つかった。続けて検査した大腸や胃は何も問題はなくて。最後に肺を調べてもらったら、ステージ4の肺がんだとわかった。余命半年と診断されました。それでも、撮影は待ってくれません。初日からいきなり2日間、徹夜で撮りました。そして、改めて病院に行ったら今度はいきなり余命3カ月と宣告されて。『たった2日間で余命が3カ月も減るっていうのは大変なことだぞ』と思いましたよ。ですが、自分でも不思議なほどネガティブな気持ちはいっさいなかった。それはやはり、伝えなければいけないメッセージがあるから。命懸けで撮らなければならない映画があるからなんです。僕には、大先輩から託された“遺言”があります」 映画の持つ力を誰よりも知っていたのが黒澤明監督だ。大林さんは50歳のとき、黒澤明監督の映画『夢』のメイキングを作るために連日のように、撮影現場で彼の間近にいる機会があった。『夢』は黒澤監督自身が実際に見た夢を原案にしたオムニバス映画。黒澤監督は大林さんに、映画にはならなかったがこんなストーリーを話してくれたという。 『ある日突然、世界中の人間が手にしている銃を投げ捨てるんだ。すると皆、両手が空になる。しょうがないから目の前にいる敵と抱き合う。そうすると“なんだかこのほうがいいな”と言って、世界から戦争がなくなる、そんな夢の映画だよ。世界中の人がこの映画を見て“本当だ、このほうがいい”と抱き合ってごらん。10人に1人が、いずれ100人に20人に増えて、“ああ、このほうがいいや”と思う人がどんどん増えていくよ。そういう映画を20年も30年も上映してごらん。映画を見た世界中の人がそう思ってくれたらどうだ、大林くん、そういう力と美しさが映画にはあるんだよ』 そして、黒澤監督はこうも大林さんに言った。 『しかし、平和を確立するのは時間がかかる。愚かな人間は、戦争はすぐ始められるけれど、平和を確立するには、少なくとも400年はかかるだろう。俺があと400年生きて、映画を作り続ければ世界を平和にしてみせるんだが……俺はもう80歳だ。人生がもう足りない。ところで大林くん、きみはいくつだ?』 聞かれるがまま、大林さんは当時の年齢を答えた。「50歳です」と。 『そうか、50歳か。ならば俺より少しは先に行けるだろう。そしてきみが無理だったら、きみの子どもが、さらにはきみの孫たちが、少しずつ俺の先の映画を撮り続けてほしい。そして、いつか俺の400年先の映画を作ってほしい。そのときにはきっと、映画の力で世界から戦争がなくなるぞ。だから、俺たちの続きをやってね』 「これが“世界のクロサワ”から託された、遺言なんです。そして、本当に世界から戦争がなくなったら、映画もいらないんです。皆が健康になったら医師が失業するようにね。同じように、戦争がない世界が実現したら平和を願い、平和をつくれる映画というメディアもいらなくなる。だから僕は映画がなくなる日を夢見ながら、映画を撮り続けてきたのかもしれません」
2017年09月02日『ライ王のテラス』以来、1年半ぶりの舞台に出演する鈴木亮平。フランス演劇の巨匠、ジロドゥの傑作『トロイ戦争は起こらない』(10月・新国立劇場)で戦争を止めようと奔走するトロイの英雄、エクトールを演じる。【チケット情報はこちら】「トロイの遺跡は世界遺産ですし、好きなジャンル!と思ったのですが、戯曲を読んだら、全く違っていました」と、歴史好きで世界遺産に詳しい鈴木亮平は笑顔で言う。1935年に初演された『トロイ戦争は起こらない』は、ふたつの世界大戦の間に書かれている。作者のジロドゥはフランス外交官でもあり、情報局長にもなった人物だ。「ジロドゥは当時の世界情勢や、もっと普遍的な戦争について、そして人間について書いているんだと思います。古代のスペクタクルな物語として捉えるのではなく、とても現代的なところが新鮮です。戦争とは何か、なぜ人間は戦争を起こしてしまうのか、人間の愚かさや哀しさを描いているのが面白いですね」トロイの王子・エクトールは人望が熱く、歴戦の戦士だが、戦争の無残さを痛感しているからこそ、平和を願っている。「かっこいいというイメージはなくて、とにかく戦争を止めるために必死になっているひとりの男と感じました。古代の英雄をやるんだ!と思ってはいけないなと(笑)。衣裳は現代になるみたいで、ヴィジュアルで伝わることも多いと思います。」物語のクライマックスとなるのが、ギリシャの知将オデュッセウス(谷田歩)との会談シーンだ。「オデュッセウスも戦争はしたくないと思っているのでは。敵同士なのに、とても穏やかに話し合うんです。一対一なら分かり合えるのに、政治が絡むと戦争になってしまうというのは怖いなと思います。ジロドゥは外交官として、こうした交渉の場を経験してきたはずで、そういう人が書いたと思うと、いろいろな読み方ができて、ワクワクします」“交渉”と言えば、来年のNHK大河ドラマ『西郷どん』で鈴木が演じる西郷隆盛は、勝海舟と会談し江戸城無血開城が決まる役どころだ。歴史の大きな流れを作る役が続く。「僕は会談キャラ?(笑)。自分とは全然違いますけど、エクトールが器の大きな人物に見えたら光栄です。でも、まだ全てはこれから。演出の栗山民也さんに身を捧げるつもりで稽古に臨みます。疑問がまだまだあるので、栗山さんにどんどん聞いていきたいです。分からないまま、演じることは出来ないので」。戯曲の奥深くへ分け入ろうとする姿勢が、豊かな人物像へとつながっていく。公演は10月5日(木)から22日(日)まで東京・新国立劇場中劇場、10月26日(木)・27日(金)に兵庫・兵庫県立芸術文化センター阪急中ホールにて上演。チケットは発売中。取材・文:沢 美也子
2017年08月15日女優・綾瀬はるかが、戦争の苦しみと平和への思いを伝えるべく広島県・大久野島を取材した、「NEWS23」のシリーズ戦争企画「綾瀬はるか『戦争』を聞く~地図から消された秘密の島~」が“終戦の日”である8月15日(火)に「NEWS23」を30分拡大して放送することが分かった。2010年から放送し、広島、長崎、沖縄などで戦争体験者を取材してきた綾瀬さん。今年、綾瀬さんが取材したのは、“うさぎ島”として国内外から観光客が大勢訪れる広島県の大久野島。実は、かつてこの島では、日本軍により“毒ガス”が製造されていた…。番組では、広島に残る「もうひとつの戦争の爪痕」を取材し、島で毒ガスを作った人々の苦しみと平和への思いを伝えていく。広島県・竹原市沖に浮かぶ大久野島には、放し飼いにされている700羽のうさぎを目当てに、国内だけでなく海外からも観光客が殺到する平和な島…しかし、かつて毒ガスが作られていたことはあまり知られていない。戦時中、大久野島は「秘密の島」だったという。島での作業は口外厳禁。地図からもその存在は消されていた。そんな劣悪な環境のもと、作業に従事した人々は時に毒ガスを吸い込みながら毒ガスの製造に励んだ。そして、悲劇が起きるのは戦争が終わってしばらくしてからのこと。毒ガスを吸い込んだ作業員たちは次々と病気に。いまもその苦しみは終わっていない。一方で大久野島で製造された毒ガスが日中戦争で実際に使われていたことを知り、自分たちは「加害者」でもあったことに気がつく。毒ガス島の“被害者”であり、“加害者”――。戦後70年以上を経ても癒えないその傷、そして平和への想いに、今回綾瀬さんが迫る。取材を行った綾瀬さんは、「今回は毒ガスを作っていた藤本安馬さんのお話を聞きました。藤本さんは、毒ガスの被害者ですが、一方で日本が中国で加害者だったことも全て受け止めて、91歳になるいまも戦争を絶対に繰り返さないようにしようという強い思いを持って、自分の体験を伝え続けています。そんな藤本さんのお話を聞いて、戦争がどんなに怖いものなのか、そして平和のありがたさを改めて感じるいい機会になりました。多くの人に藤本さんのお話を聞いて欲しいと思いました」とコメントしている。「NEWS23」特別企画「綾瀬はるか『戦争』を聞く~地図から消された秘密の島~」は8月15日(火)23時~TBS系にて放送。(cinemacafe.net)
2017年08月04日「爆弾を投げるより、花束を投げ世界を平和に」。そんな反戦のメッセージが込められ、“イスラエルへのテロリストの侵入を防ぐため”にイスラエルとパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区に建てられた分離壁に描かれたこの男性。このグラフィティを描いたのは、紛れもなく作品を通じて社会問題と向き合い、私たちに疑問を投げかけている覆面グラフィティアーティスト、バンクシーだ。Photo by joy garnettこれまでに世代を超えて、世界中の若者を魅了してきたグラフィティやストリートアートだが、「平和のためのグラフィティ」も存在すれば、世の中には見る者を不愉快な思いにする「差別的なグラフィティ」も存在する。例えばドイツには、ヒトラー率いるナチスのシンボル「ハーケンクロイツ」のグラフィティが未だに描かれている。また、難民や移民などの外国人排他や、イスラム教など宗教の排他を訴えたものも存在するのだ。Photo by verdienter KünstlerPhoto by Thomas Hawk景観を汚染・破壊する行為(ヴァンダリズム)であり、器物損壊、迷惑行為でもある絶対的社会問題の「差別的なグラフィティ」と向き合い、社会から無くそうと活動する、72歳のおばあちゃんがドイツのベルリンに存在する。1945年生まれ、72歳。現役バリバリの人権活動家1945年、ドイツ南西部の都市・シュトゥットガルトで生まれたイルメラ・メンザシュラムさん。幼稚園教師、精神障害者の社会適応を助ける治癒教育者としての経験を経た後、現在はベルリンで人権活動家として活躍中だ。一体どのように、差別的なグラフィティと向き合っているのだろうか。彼女は自身を「Polit-Putze(ポリーット プッツェ)」と名乗る。ドイツ語でPolit(Politisch)は“政治的な”、Putze(Putzfrau)は“女性掃除作業員”という意味。要するに「政治的な掃除のおばちゃん」という感じだろう。街中の差別を“大掃除”するため、公園のベンチやバス停に貼り付けられた差別的なステッカーを削ったり、同じく差別的なグラフィティに、スプレーでハートやピースマークなどを描き、上書きしているのだ。Photo by Irmela Mensah-Schrammこの活動を30年間も続けているというイルメラさん。今までに取り除いた差別的なステッカーやグラフィティの数は13万個を超える。きっかけは近所のバス停に、ナチスメンバーのフライヤーが貼られており、それに嫌悪感を覚えた彼女は、家の鍵でそのフライヤーを削ることで、心の中の汚れた部分が取り除かれたような気持ちになったことだ。今日もポリーット プッツェ(政治的女性掃除作業員)として差別と闘い続けるイルメラさんに、Be inspired!は、彼女の信念や「未来を担う世代へのアクション」について伺った。イルメラさんのこれまでを振り返る優しい笑みを浮かべながら待ち合わせ場所のカフェに現れたイルメラさん。アクティブに差別と戦っているなんて信じられないほど大らかな雰囲気だったが、本題に入ると一変。これまで除去したステッカーやグラフィティの写真とともに、自身の思いを真剣な表情で語ってくれた。“これまで「DEMOKRATIE(民主主義)=VOLKSTOD(民族の死)」のグラフィティをハートで塗りつぶしたり、「MULTIKULTI ENDSTATION(マルチカルチャーの終点)」を、「MULTIKULTI EIN DANK(マルチカルチャーへの感謝)」と上書きしてきたわ。そこの住民や警察は、困ったことに誰も差別的なグラフィティを消そうとしないのよ”イルメラさんがハーケンクロイツのシンボルをハートに塗り替えたグラフィティこのようなステッカーやグラフィティを除去する前に、まず写真に収めるというイルメラさん。これまで撮ってきた写真の数は、約2万枚。全て保存してあるという。だが、活動してきた30年間、ずっと順風満帆という訳ではなかった。ベルリン南西に位置するフリーデナウという街で、トルコ人を差別するグラフィティを消そうとしていた時のこと。市の職員が背後から力ずくで彼女のスプレー缶を奪おうとして、イルメラさんは転倒し後頭部を強く打撲。大事には至らなかったが、、病院で外傷性脳損傷と内出血の治療をしなければならなかったという。(参照:HASS VERNICHTET)またイルメラさんの名前を含んだグラフィティで何者かに脅迫されたり、スプレーによる器物損壊の罪で、1800ユーロの罰金を科せられそうになったこともあった。(参照:CNN)“それでもやり続ける意味はある。一度警察に脅迫の件で電話で相談したんだけど、「その行為をやめろ」と逆に言われたの。でも警察は差別的なステッカーやグラフィティに対して、何もアクションを起こさない。彼らはナチスの時代から、何も学んでいないのよ”ナチス率いるドイツが降伏し、第2次世界大戦が終戦を迎えたのが1945年。その年に生まれた彼女の言葉には、重みがあった。平和や差別について”創造的に”教えるワークショップPhoto by Irmela Mensah-Schramm同じ歴史を繰り返さない為、子ども達に平和や差別について教えるワークショップもイルメラさん主導で開催されている。ドイツ国内の学校で、差別的なグラフィティがコピーされたプリントを、子ども達にペンで塗りつぶさせるという斬新なプログラムだ。“ワークショップでは、生徒達が楽しめることが大切。それを考慮して、プログラムを組んでいるの。イスラム教徒の学生が、反イスラムのグラフィティを平和なものに変えていく姿は、見ている私も清々しい気持ちにさせてくれるわ(笑)。生徒達が熱中している姿や、これまでの素晴らしいワークショップの結果はどれも素敵な思い出よ”「差別はいけない」と頭ごなしに教育するのではなく、子ども達に“楽しく、創造的に”平和や差別について教えるイルメラさん。そこでとあるエピソードを語ってくれた。“私の家の壁に、ナチスを支持するグラフィティが描かれるようになった時期があって。それを描いてた男がまたうちに来た時、私は笑顔で「遅すぎるわよ。もう消しちゃったわ」って対応してたのよ。そしたら後日、「僕はもう(ナチスを)支持していないよ」と改心したことをわざわざ言いに来たの!”この経験をしたイルメラさんは「憎しみを負の感情で消すのではなく、笑顔で消していくことが大切なんだって、ワークショップで子ども達に教えていきたい」と考え、今ではベルリン以外にもカールスルーエやミュンヘンで子どものためのワークショップを開催しているという。“差別を社会からなくす為、ワークショップを体験した子ども達は、今後そのようなステッカーやグラフィティに対してアクションを起こせる。若い人達には、「(差別を)見て見ぬ振りをするな。団結し、お互いに支え合うことが大切だ」と伝えたいわね”インタビューの最中、疑問に思ったことがただ1つ。多様性に寛容なイメージのあるベルリンで、果たして本当に差別的なステッカーやグラフィティが存在するのだろうか。そんな筆者に、イルメラさんはこう問いかけた。“もし良かったら、一緒に探しに行ってみる?”イルメラさんと行う街の“政治的な大掃除”今回イルメラさんと探索したのは、ツェーレンドルフというベルリン郊外の街。のどかで静かなエリアだが、外国人排他を主張する右翼の組合や、学生が集まるアパートもあるという。早速発見したのは、「(国の)イスラム化?私たちは反対!」と書かれているイスラム教徒を差別したステッカー。イルメラさんによれば、半年前から見つけていたが、標識に貼り付けられており、手が届かないため、削り落とすことができないままでいるという。ドイツのメルケル首相が大量の難民を受け入れて以来、イスラム反対のステッカーをよく目にするようになったとのこと。パトカーが近くにいたが何も対処しないので、イルメラさんは怒りを示していた。比較的人通りの多いバス停の前や銀行の横に、イスラム排他を唱えるステッカーを発見。ステッカーには、ナチスの重巡洋艦である“PRINZ EUGEN(プリンツ オイゲン)”と、ペルシア軍と戦った人物“LEONIDAS(レオニダス)”、そして過去にイスラム教徒の侵入を防いだ人物“KARL MARTELL(カール・マルテル)”の文字が書かれており、こちらもイスラム教を差別する内容となっている。駅の近くで「MERKEL MUSS WEG(メルケルは出て行け)」と、難民を受け入れる政策をとったドイツのメルケル首相を非難するステッカーを発見した。難民受け入れ以降、このスローガンはメルケル首相反対派のデモによく使用されている。イルメラさんはカメラに収め、いつも持ち歩いている袋からへらを取り出し削る。普段の朗らかな顔とは違う、険しい表情だった。様々な人種が暮らすベルリンにも、外国人排他を訴えるステッカーが未だに多くあったことには驚きを隠せなかった。そしてイルメラさんは、最後にこう語ってくれた。“「戦わない人は、負けたことになる」っていうことわざがドイツにあってね。これは本当よ。私にとってもね。挑戦しないってことは、何にも挑戦されなかったことになるの。まわりを説得させるのも必要だけれど、人は戦い続けなければいけない。そして年齢は関係なく、誰もがやりたいと思えば成し遂げることができる”私たちが目指すべき「平和な社会の作り方」日本では差別的なステッカーやグラフィティを見る機会は少ないが、イルメラさんは私たちに、自身の経験とともに平和な社会の作り方を教えてくれた。「憎しみを制するのは、憎しみではなく、笑顔」。日常に潜む、どんな小さな差別でも見逃してはいけない。私たちにできることは例え小さなことであっても、皆が意識すれば差別が社会からなくなり、世の中がより良くなる日が来るのではないだろうか。***Irmela Mensah-SchrammText and photos by Ruka YamanoーBe inspired!
2017年04月24日ブラッド・ピットが主演・プロデュースを務める、Netflixオリジナル映画『ウォー・マシーン:戦争は話術だ!』が、5月26日(金)より「Netflix」にて配信されることが決定。今回この配信に先駆け、場面写真と予告編が到着した。Netflixとブラッドが代表を務める制作会社「プランB」の共同制作によるアクション大作『ウォー・マシーン:戦争は話術だ!』。本作は、ジャーナリストの故マイケル・ヘイスティングスによる実在の人物を描いたベストセラーの原作から発想を得たオリジナル映画で、ひとりの将軍の栄光と衰退を描きながら、戦争の裏側に迫る衝撃作だ。一部は実話であり、また痛烈なパロディでもあり、「果たして現実と創作の境界線はどこなのか?」という不穏な疑問を浮き彫りにしていく。戦争の不条理に翻弄される主人公を演じるのは、『オーシャンズ』シリーズや『Mr.&Mrs. スミス』、また現在公開中の『マリアンヌ』など様々な作品に出演しているブラッド。そのほか、オスカー女優のティルダ・スウィントンやオスカー俳優のベン・キングスレーなど、重厚で豪華な共演者たちが集結している。このほど公開された予告編では、“戦争”を「たかが」と言う、軍服に身を包んで闊歩する自信に溢れたブラッドの姿が確認できる。輝かしい功績の持ち主としてアフガニスタン駐留軍司令官に任命されるも、後にジャーナリストの容赦ない暴露記事によって失墜する男の波乱のドラマは、戦争を改めて考えさせられるテーマも含まれているようだ。またブラッドは、「Netflixとこのようなエキサイティングな企画に関わることが出来、また最先端のコンテンツ制作とそれを世界中の視聴者にお届けする機会に参加できることを非常にうれしく思います」と本作への自信を覗かせている。『ウォー・マシーン:戦争は話術だ!』は5月26日(金)よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング開始。(cinemacafe.net)
2017年03月02日アカデミー賞受賞俳優のマシュー・マコノヒーが、アメリカ史が封印してきた南北戦争下の実在のヒーローを演じる『ニュートン・ナイト/自由の旗をかかげた男』が、2017年2月4日(土)より日本公開される。このほど、その本予告が解禁なった。時は1863年、南北戦争で2つに引き裂かれたアメリカで、ニュートン・ナイトは甥の遺体を家族に届けようと南部軍を脱走する。故郷で仲間の農民たちから農作物を奪う軍と衝突したニュートンは、追われる身となって湿原に身を隠す。そこで出会った逃亡奴隷たちと友情を築いたニュートンは、黒人と白人が一つになった前代未聞の反乱軍を結成し、自由のために立ち上がるが――。アカデミー賞作品賞にノミネートされた『シービスケット』や、『ハンガー・ゲーム』、女性版『オーシャンズ』を手がけるゲイリー・ロス監督が、歴史の中に封印されたニュートン・ナイトの伝説を伝えることを映画人としての使命と決意し、10年の歳月をかけてリサーチを行い製作した渾身作。150年前、激化する南北戦争のさなか、南部において貧しい白人と逃亡した黒人奴隷で軍を率いた実在の“ヒーロー”を描き出す。このたび解禁された本予告では、「金持ちが始めた戦争を、貧乏人が戦っている」と、不平等な南北戦争に疑問を持ったニュートンが、500人の奴隷と農民たちを率いて、100万人の南部軍に反旗を翻す姿が描かれる。それにより混乱を見せていく家族や軍の様子なども伺えるが、『ダラス・バイヤーズクラブ』でその年のアカデミー賞ほか各賞を総なめにしたマコノヒーが体現するニュートンの、カリスマ性を持ったリーダー像も浮き彫りとなっている。また、『ウェイトレス~おいしい人生のつくりかた』『奇跡のシンフォニー』のケリー・ラッセル、ウィル・スミス主演『コンカッション』や『ベル~ある伯爵令嬢の恋~』(劇場未公開)のググ・ンバータ=ロー、さらにTVシリーズ「ハウス・オブ・カード野望の階段」「Marvel ルーク・ケイジ」で人気を獲得、『Moonlight』(原題)により本年度映画賞レースで早くも高い評価を得ているマハーシャラ・アリといった共演陣にも注目。“真の自由”を求め、出身地であるミシシッピ州ジョーンズ郡に、肌の色に関係なく誰もが平等な“自由州”を設立したニュートン・ナイト。アメリカだけでなく世界各国で、いまこの瞬間もさまざまな形で起こっている人種問題にまつわる争いを照らす、比類なき英雄の実話を、まずはこちらから目撃してみて。『ニュートン・ナイト/自由の旗をかかげた男』は2017年2月4日(土)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年12月06日昨年1月放送された草なぎ剛が主演する復讐物語「銭の戦争」。この度、ちょうど2年経つ来年1月期の新ドラマとして、復讐劇第2弾となる「嘘の戦争」が放送されることが決定した。母と弟を殺し、自ら無理心中した父。けれどそれは、仕組まれた殺人事件だった――。その犯人の顔を見てしまった9歳の主人公・浩一は、警察に「犯人は父ではない、自分は真犯人の顔を見た」と繰り返し証言するが、信じてもらえない。それどころか、「嘘つき」と呼ばれ親戚からも奇異な目で見られることに。やがて彼は呼び名の通り、巧みな嘘つきに成長。海外に渡り、名前を変えて、偽の経歴を手に入れて、詐欺師になった彼は、記憶の中の真犯人と再会。彼は復讐することを誓い、日本に戻ってくる。事件当夜に起こった真実に迫る中で浮上する関係者たち。30年のときを経て、その事実を知った浩一は、詐欺師ならではの手法で、その事件関係者たちに罠を仕掛ける。さらに、スキャンダルを暴き犯罪者としての顔も暴き社会的に抹殺しようとする浩一。しかしそれを阻もうとする大企業の社長との間で熾烈な攻防戦が繰り広げられていく…。こうして浩一の壮絶な復讐劇が始まっていくが、最終的に浩一は復讐を果たすことが出来るのか――。また相棒的な女性詐欺師、さらに大企業会長の愛娘の女医が登場。浩一を巡る三角関係、複雑な愛憎劇も巻き起こる!鮮やかな“ダマし”で積年の恨みを晴らす爽快な復讐劇、運命を惑わす禁断の三角関係などを、ときにはシリアスに、ときにはユーモラスに描き、先が気になるスリリングな展開で視聴者を魅了していく。昨年放送された「銭の戦争」は、金も職も婚約者も全て失い、ホームレスになった主人公が、自らを苦しめたヤミ金業者になり、非情な社会に復讐しようとするも、いつしかお金に呑み込まれていってしまう男の人生を描いた復讐物語。平均視聴率13.4%、最終回15.4%(関東地区)をたたき出し、多くの視聴者を魅了。そんな放送から2年のときを経て、今回脚本・後藤法子(「銭の戦争」「チーム・バチスタ」シリーズ)、監督・三宅喜重(「銭の戦争」「僕のヤバイ妻」)を始めとするスタッフが再集結する。壮絶な復讐劇第2弾となる「嘘の戦争」は、スケールアップした完全オリジナルストーリー。幼い頃に家族を殺された主人公が天才的な詐欺師となって復讐をはたそうとする痛快エンターテインメントとなっているという。連続ドラマ初主演を果たした「いいひと。」(1997年)から20年と節目となる今回。草なぎさんは「この枠(火曜10時)は草なぎ剛ドラマヒストリーには欠かせない枠ですね。大げさなことをいうと、リスタートを切れたりという、僕の人生の節目といつもリンクしている。“初心忘れるべからず”ではないですけど、いつも何かに気付かせてくれたり、心を改めさせられたり、と自分ではそういう機会を作ってくださっているように感じて、感謝の気持ちでいっぱいです」と感慨深げ。また、本作については「1話ですでにストーリーも発展していく感じも見え隠れしているので、出演者のみんなとエンターテインメント性の強いドラマを作りたい」と話し、「復讐劇でスカッとしたりする部分や、火花散らし戦っているエネルギーを感じ取って、見ている方にもストレス発散になるような、そしてエネルギーが湧いてくるようなドラマにしたい」と意気込んだ。なお、撮影は来月11月中旬より海外ロケよりスタートされるとのこと。一体どんなキャストたちが集結するのか、続報にも期待したい。「嘘の戦争」は2017年1月、毎週火曜日21時~関西テレビにて放送予定。(cinemacafe.net)
2016年10月21日MTVが『宇宙戦争』のテレビドラマ版を企画している。原作はH・G・ウェルズが書いた古典SF小説で、2005年には、スティーブン・スピルバーグ監督とトム・クルーズが映画化し、成功させた。この物語は、過去に何度もラジオ、テレビ、映画を通じて語られてきている。その他の情報新しいバージョンのクリエイターは、MTVで現在放映中の『ティー・ウルフ』を生み出したジェフ・デイビスとアンドリュー・コーコラン。1953年版の映画『宇宙戦争』に主演したジーン・バリーの孫ジョシュ・バリーも製作に携わる。近年ハリウッドでは、ヒット映画のテレビシリーズ化が続いている。この秋には『リーサル・ウェポン』が放映開始になり、現在は『スクリーム』のTV版製作準備が進められている。アマゾンも、『ディパーテッド』のテレビ版プロジェクトを発表したところだ。最近では、ほかに『リミットレス』がテレビ化され、映画版に主演したブラッドリー・クーパーがエクゼクティブ・プロデューサーを務めた。文:猿渡由紀
2016年10月15日「ファッションで世界を平和にすることができるか」。そうストレートに問われたならば、あなたはなんと答えるだろう。日本から遠く離れたアフリカ、コンゴ共和国には一分の迷いもなく「YES!」と即答する集団が存在する。既にご存知の方も多いであろう、世界中のファッションメディアを騒がすサプール(SAPEUR)だ。FASHION HEADLINEでは、彼らを写真集『THE SAPEUR~コンゴで出会った世界一おしゃれなジェントルマン』で日本に紹介したフォトグラファー茶野邦雄氏を招いてファッションシューティングとともにインタビューを行った。「サプール」とは「サップ」と呼ばれる人々の集まりで、サップとはフランス語で「エレガントで高貴なムードを纏った集団」という一文の頭文字を取ったもの。彼らはその言葉を身をもって表す。ある者はヴィヴィッドな原色のスーツを纏い、またある者はクラシカルな礼服に身を包む。そして、街頭へと繰り出し、独自のステップでダンスする。サービス精神旺盛なエンターテイナーであり、規範意識の高いリーダーでもあるのだ。彼らの衣服に共通しているのは、民族衣装ではなく「洋服」であるということ。独立前は長らくフランスの領地だったコンゴ共和国。実はこのことが「サプール」を生むきっかけでもあった。「昔はフランス人と働くこと自体が特権的で、市民の羨望の的でした」と、語るのは「サプールの法王」と称されるイヴ・サンローラン氏(サプールたちは本名とは別にサプール名を名乗る。この名は偉大なデザイナーに敬意を示しているという)。「祖父、父ともにフランス人と働いていました。彼らと働くのですから、当然身なりにも気を使うんです。子供の服装もきちんとさせる必要がありました。だから、“世襲”というわけではありませんが、小さい頃から着飾ることが好きでしたね」フランスのブルジョワ的な文化が、アフリカ特有の明るいムードとミックスされて、サプールという集団が生まれたわけだ。もっとも、発祥当時は世間から白い目で見られることもあった。平均月収3万円と言われているコンゴの実情を鑑みると無理もないだろう。しかし、今では世界中のファッションラバーから、平和の象徴と見なされている。サプール歴43年で、本国でも「大サプール」と慕われるムィエンゴ・セヴラン氏はこう語る。「サプールは徹底して暴力を排除します。コンゴ周辺では内戦も続いている状況です。私の願いはコンゴ共和国だけではなくて、世界中すべての人がサプールになること。そうすれば、戦争なんてあっという間に終わってしまうはずです」教育の大切についても語った彼は、このままコンゴの子供たちが勉学に励み、定職に就き、サプールの教えを守ることで、いつか本当にそういう未来がやってくると信じている。「サプールが守るべきこと。これは別に箇条書きになっているわけではありませんが、みな自ずとこの教えを守り、次の世代に繋いでいこうとしています。それは、清潔であること、誰にでも優しく接すること、徹底して非暴力であること、そして平和を願うこと」ファッションを愛するならば、誰だってサプールの一員だ。そしてその教えを守ったら、果たすべき責務がある。それは、いつもよりおしゃれして出掛けること。「今日の服、いいね」と言われたら、彼らのようにステップを踏んで応えよう。【写真集】タイトル:THE SAPEUR~コンゴで出会った世界一おしゃれなジェントルマン著者:茶野邦雄出版社:オークラ出版価格:2,700円【写真展】タイトル:アフリカ大陸コンゴの世界一おしゃれな紳士“SAPUER(サプール)”写真展日時:開催中~8月31日場所:沖縄県沖縄市久保田3-1-12プラザハウスショッピングセンターフェアモール3F ライカムアンソロポロジー入場料:500円(中学生以下無料)
2016年08月24日『ライフ・イズ・ビューティフル』や『リトル・ダンサー』に続く、戦時下の父と息子の絆の物語として全米に大きな感動をもたらした映画『リトル・ボーイ小さなボクと戦争』が、8月27日(土)より全国公開されることが決定。その予告編映像が到着した。第二次世界大戦下、アメリカ西海岸の小さな町。8歳の少年ペッパーは背が低く“リトル・ボーイ”とからかわれていた。数少ない楽しみは、唯一の“相棒”である父親との空想ごっこと、父親の大好きなマジックを一緒に見ること。兄のロンドンが徴兵されることを除いて、平穏な日々は続くと思っていた。だが、ロンドンは徴兵検査に引っかかり、代わりに父親が戦場に駆り出されることに。心の支えである父親の不在に絶望するペッパーだったが、何とかして戦場から父親を呼び戻そうと司祭に助けを求めた彼は、“すべて達成すれば願いが叶う”というリストを授けられる。だが、いちばんの難題は、街のはずれ者の日本人と心を通わせることだった。小さなペッパー少年の、戦争からの“父親奪還大作戦”が始まった――。戦場に向かった父を呼び戻すため、8歳の少年が日本人との交流を通じて成長していく姿を描いた本作。広島に投下された原子爆弾が、“LITTLEBOY”と呼ばれていたことを知ったメキシコ出身のアレハンドロ・モンテヴェルデ監督と脚本家のぺぺ・ポーティーロは、父子の愛を軸に、少年の視点で戦争と平和、そして戦時下の差別を描き出す。古き良きアメリカの記憶を描いた、人気画家ノーマン・ロックウェルの絵の世界に影響を受けたというモンテヴェルデ監督は、そのエッセンスをふんだんに盛り込み、愛らしいユーモアたっぷりに物語を紡ぎ出すことに成功。メキシコを代表する映画業界賞である「ルミナス賞」では、2015年度作品の最高賞、最優秀監督賞、期待される俳優賞の3賞を受賞した。予告編では、そんな懐かしさや温かみがあふれる世界観と少年ペッパーが奮闘する姿がなんとも微笑ましく、ほっこりさせられながらも、人生において大切なことを考えさせられる“壮大なおとぎ話”を垣間見ることができる。父を戦地から呼び戻すため、ひたむきに頑張るペッパー少年役は、オーディションを受けにきた兄弟の付き添いで来ていたジェイコブ・サルヴァーティが監督の目にとまり、選ばれた。演技経験がほとんどないとは思えない、彼がなりきったペッパー少年の姿には、観る者の心を動かす不思議な魅力がある。また、ペッパーの母親役にはアカデミー賞に2度ノミネートされた『博士と彼女のセオリー』などのエミリー・ワトソンが務め、戦時中、国に残された女性を優しさと気品をもって演じている。少年が父奪還のために助けを求める司祭役には、『フル・モンティ』で英国アカデミー賞を受賞、『エターナル・サンシャイン』『グランド・ブダペスト・ホテル』のトム・ウィルキンソン、少年に自分を信じるきっかけを与えるマジシャン役に『シンデレラ』のベン・チャップリン、町のはずれ者同士である少年との絆を育む日本人役には、『HACHI 約束の犬』で主演リチャード・ギアの親友を演じ、『レーガン/Reagan』(原題)では中曽根康弘元首相を演じることが報じられたケイリー=ヒロユキ・タガワなど、多彩な顔ぶれが脇を固めるのにも注目だ。『リトル・ボーイ小さなボクと戦争』は8月27日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年06月12日質問:海外旅行中、戦争・内乱・テロに巻き込まれた場合、海外旅行保険では、保険金の支払対象になりますか?戦争や内乱等の事変では、保険金の支払対象になりません。海外旅行保険において、戦争や内乱に巻き込まれた場合、保険金の支払い対象となりません。なお、テロの場合、保険金の支払対象となる商品が増えていますので、保険会社にご確認ください。
2016年05月26日今年の8月30日、国会周辺などで約12万人の大規模な安保法案反対のデモが行われ、「戦争反対」「集団的自衛権はいらない」などの声が多数上がりました。一方では小規模な500人程度の安保法案賛成のデモもあり、「法案の中身をよく知らないで反対している人が多い」「いまのままでは日本を守れない」などの声も聞かれました。そこで今回は、ジャーナリストの池上彰さん著書『日本は本当に戦争する国になるのか?』(SBクリエイティブ)の一部を紹介しながら、安保法案の報道を振り返ってみたいと思います。■一番の問題は賛成派と反対派の意見対立そもそも今回の安保法案(安全保障関連法案)のいちばんの問題は、議論がかみ合わなかったことのようです。賛成派の意見は、中国や北朝鮮などの国が日本にとって脅威になっているため、いまのままではいけない。自衛隊の活動範囲を広げる必要もあるし、安保関連法でアメリカとの関係を緊密化させれば日本も守ってもらえる。他国からの攻撃の抑止力にもなってくれるはずだ、という考え方。一方、反対派の意見は「安保法案は憲法違反だ」というところからはじまっているといいます。その後の、違反だから憲法を改正するのか、いまの憲法を守って集団的自衛権の行使は認めないのかの議論は曖昧になっているということ。もし「集団的自衛権を認めない」のならば、現在の日本を取り巻く情勢はどのように対処するのか、著者はそこまで踏み込む議論が必要だったのではないかといっています。■「安保法案」の報道では新聞論調が二分今回の安保法案の報道では、新聞論調も分かれました。本書によれば、朝日新聞、毎日新聞、東京新聞が反対、読売新聞、産経新聞、日経新聞が賛成だったとのこと。主張や社説が異なるのはいいのですが、社の論調に合わせて取材する出来事も選別されてしまったようでした。安保関連法案に反対の主張をしている新聞社は反対運動ばかり取り上げ、賛成の意見はほとんど取り上げない。一方で賛成の新聞社は反対運動を全然取りあげない。特に読売新聞や産経新聞には国会前の激しいデモのことはほとんど出てこなかったそうです。社説は違っても、実際に起こっている出来事はそのまま伝えていかないと、複数の新聞を読まないと本当は世のなかでなにが起きているのかよくわからなくなってしまいます。それでは国民がますます混乱してしまうでしょう。■安保法案は民主主義だから可決された?そもそも民主主義ってなんなのでしょうか。日本では「国会で審議しじっくり議論する」、「問題点があった時には修正をする」などの内容は大切にされています。しかし、安保法案は衆議院でも参議院でも可決されましたが、これは結局多数決。多数決で決めることが民主主義なのでしょう。国会では最初から多数の議席を持っていれば、思いのままに決められるのも事実。著者は「安倍さんがこの前の選挙で勝って3分の2の議席を確保した時点で、国民が任期付きの独裁を認めたということだ」といっていますが、たしかにその通りかもしれません。安部政権に多くの国民が信任を与えているからこそ、安保法案は成立しました。その意味では著者のいうとおり、「民主主義は期限付きの独裁政治を容認すること」といえるのかもしれません。*本書では安保関連法の他、日本とアメリカの関係などについても詳しく語られています。マスメディアの報道だけではわからなかった突っ込んだ部分もしっかり説明されているので、読みごたえは十分。国民にこれからの日本の未来を考えるキッカケをつくってくれる本なので、ぜひみなさんに手に取ってほしいと思います。(文/齊藤カオリ)【参考】※池上彰(2015)『日本は本当に戦争する国になるのか?』SBクリエイティブ
2015年12月27日安保法制の枠組みで、日本の若者が戦争に巻き込まれるリスクが現実化した。20代の男子の人生は、まだ50・60年はあるだろう。その間に、日本が周辺国で勃発した戦争の影響を直接的に受ける事態はいくらでも想定できる。現に、南沙諸島を巡る米中関係が急速に悪化してきた。南シナ海での領有権を主張し、人口島を作り、明らかに軍事目的と思われる3000メートル級の滑走路まで建設してしまう。中国は、周辺の海を「領海」と見なすが、米国は「公海」だとして駆逐艦を派遣する。なんとも危険な「瀬戸際外交」だ。偶発的戦闘状態が、まず危惧される。ただ、今ここで事を荒立てて一番困るのは当事国の米国と中国だ。米国はリーマンショックという大病の後遺症からようやく立ち直り、いよいよ金利をゼロにしてまで経済を守るという異常な政策から卒業しつつある。極めて重要な段階ゆえ、そこで中東に加え新たな戦争状態に入れば、経済的負担にとても耐えきれない。退院宣言された患者がぶり返し再入院みたいなことになる。中国は、これまでの高経済成長のツケが一挙に噴出して、公害・医療・年金など社会福祉の遅れが一般消費者を直撃している。上海株も暴落して、多くの個人投資家が虎の子を失った。そんなときに、戦争状態に入れば、自分で首を絞めるようなものだ。ただ、オバマ大統領は中東で「弱腰外交」との不名誉なレッテルを貼られている。残り少ない任期終了までに何とか「起死回生の一手を打ちたい」との思いが強い。一方、習近平中国国家主席も、自ら領海と主張する海域に、米国軍艦をみすみす通過させるようでは、面子丸つぶれとなる。国民にも示しがつかない。睨み合いが長期にわたり続きそうな情勢だ。すなわち、南沙戦争という最悪の事態も長期的に見れば絵空事と片づけることは出来ないということだ。○ランド研究所のレポートに記された”戦争”現に、軍事関係では最も権威ある米国のランド研究所が、南沙戦争についての分析を250ページにものぼるレポートに詳細にまとめている。まず、南沙諸島を巡る米中軍事能力を比較すると、2010年には米国優位であったが、2017年には、ほぼ拮抗すると結論づけている。そのシナリオは極めて具体的だ。例えば、南沙攻撃の際に使用される基地のひとつが沖縄嘉手納米軍基地。そこに、中国のDF-21Cというミサイルを6発から9発を打ち込めば、同基地の滑走路に、直径10メートルのクレーターができて、基地が8時間閉鎖される。クレーターが5メートルならば閉鎖は4時間と予測している。このDF-21Cミサイルから飛散する小爆弾群は、ロケットの力を借りずとも、超高速度でコンクリートを貫通する能力を持つ。滑走路攻撃用弾頭なのだ。南沙諸島から1300キロ圏には、中国軍が9基地を持つという。対して、米軍側の南沙諸島の滑走路攻撃と、中国軍戦闘機の駐機場攻撃の実戦的シナリオが詳細に検証されている。私は金の専門家なので、戦争が勃発すると「有事の金が買われる」ゆえ、南沙諸島の問題を詳しく調べる立場にある。しかし、読者の皆さんにしてみれば、長い人生の中でアジアの中の日本がいつ戦争に巻き込まれるか分からない状況のなかで、いかに生活を守るために、個人的な自衛措置を講じるか、考えざるを得ない時代になった。まずは、なんといっても自らの命と家族を守る手段を考えておく必要があろう。次に、生活のためには財産を守ることも必須だ。欧州の人たちは、自然な形で、金(ゴールド)を保有することで、資産保全する術を体得した。日本人にはそういう発想はないだろう。しかし、南沙諸島を巡る緊迫が尖閣諸島に及べば、いよいよ他人事ではなくなる。だから、金を買えなどと煽る気は一切ない。ただ、有事の備えについて考えてみる時代になったことだけは間違いない。戦争反対を叫び続けるだけでは、自分の生活は守れないのだ。○読者アンケートにご協力ください「25歳のあなたへ。これからの貯"金"講座」では、より充実した記事作りのために、内容に関するご意見・ご要望をお聞きする読者アンケートを実施しています!→アンケートに答える←○著者プロフィール●豊島逸夫豊島逸夫事務所(2011年10月3日設立)代表。2011年9月末までワールド ゴールド カウンシル(WGC)日本代表を務めた。1948年東京生まれ。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラーとなる。豊富な相場体験をもとに金の第一人者として素人にも分かりやすく独立系の立場からポジショントーク無しで金市場に限らず国際金融、マクロ経済動向についても説く。またツイッターでも情報発信している。○【連載】25歳のあなたへ。これからの貯”金”講座25歳。仕事や私生活それぞれに悩み不安を抱える年齢ではないだろうか。そんな25歳のあなたへ、日本を代表するアナリスト・豊島逸夫とウーマノミクスの旗手・治部れんげがタッグを組んだ。経済と金融の最新動向をはじめ、キャリア・育児といった幅広い情報をお届けする特別連載。こちらから。
2015年11月06日ベストセラー小説を映画化したシリーズ第2弾『図書館戦争 THE LAST MISSION』の初日舞台あいさつが10月10日に、東京・TOHOシネマズ スカラ座で行われ、主演の岡田准一、榮倉奈々、田中圭、福士蒼汰、土屋太鳳、松坂桃李、栗山千明、石坂浩二、佐藤信介監督が登壇した。舞台あいさつ/その他の写真同日、全国323スクリーンで封切り。東宝によると13時の時点で、2013年に公開された前作『図書館戦争』(興収17.2億円)対比160%を記録し、興行収入30億円を目指せる大ヒットスタートを切ったという。メディアを取り締まる法律“メディア良化法”が施行された世界を舞台に、図書館の自衛組織・図書隊が読書や表現の自由を守ろうと戦う姿を描く本シリーズ。本作では、1冊しか現存しない『図書館法規要覧』が一般展示される“芸術の祭典”会場の警備にあたる堂上篤(岡田)ら特殊部隊(タスクフォース)が、過去最大のピンチに立たされる。岡田は「初日あいさつの舞台に立てる幸せを感じます。皆さんのお顔を見ると、作品に満足していただいているのかなと」と感無量の面持ち。共演の榮倉も「私はスタッフ、キャストの皆さんが大好きです。かっこいいし、尊敬しています」と感激しきり。二人が繰り広げる恋愛模様も見どころで「原作ではグイグイいくキャラクターなんですが、それがちょっとね…」(岡田)、「不器用なふたりで、かわいいです」(榮倉)と照れながら語った。また、8月に右足を複雑骨折し、本作の完成披露試写会を欠席していた栗山が、骨折後初めて公の場に登場。共演する福士にエスコートされ、「この場に立てるか不安でしたが、福士君にリードしていただき、皆さんにお会いできてとてもうれしいです」とホッとした表情。福士は「映画を観終わって、大号泣し、すぐに皆さんにメールした」と試写の感想を明かした。初日舞台あいさつには約600人が来場。事前の応募総数は37000通にのぼったといい、当選倍率60倍超えを勝ち抜いた幸運なファンは終始、大盛り上がりだった。『図書館戦争 THE LAST MISSION』公開中取材・文・写真:内田 涼
2015年10月10日ジェニファー・アニストンが、イラク戦争を扱う『The Yellow Birds』に出演することになった。原作は、2012年に出版された同名小説。物語は、ふたりの若い軍人と、彼らの面倒を見る年上の軍人を描くもの。その他の情報年上の軍人の役はベネディクト・カンバーバッチが演じるはずだったが、彼は降板し、代わりにジャック・ヒューストンがキャストされた。アニストンの役は、若い軍人の母親。監督はアレキサンダー・ムーアズ。アニストンは現在、コメディ『Mother’s Day』を撮影中。共演はジュリア・ロバーツ、ケイト・ハドソン、ヒラリー・ダフ。ヒューストンは、来年2月北米公開予定の『ベン・ハー』で主役を演じる。文:猿渡由紀
2015年10月07日V6の岡田准一が9月16日に、東京・水道橋のTOKYO DOME CITY HALLで行われた主演作『図書館戦争 THE LAST MISSION』の完成報告会見に出席。「社会派アクションとして説得力を持たせるのが課題だった。2作目はハードルが高いが、あらゆる面で前作を超えていて、映画としてレベルが上がった」と強い自信を示した。その他の写真メディアを取り締まる法律“メディア良化法”が施行された世界を舞台に、図書館の自衛組織・図書隊が読書や表現の自由を守ろうと戦う姿を描く有川浩氏の人気シリーズ。2013年に公開された『図書館戦争』(興収17億2000万円)から約2年半ぶりとなる続編では、1冊しか現存しない『図書館法規要覧』が一般展示される“芸術の祭典”会場の警備にあたる堂上篤(岡田)ら特殊部隊(タスクフォース)が、過去最大のピンチに立たされる。会見には岡田をはじめ、榮倉奈々、田中圭、福士蒼汰、西田尚美、橋本じゅん、松坂桃李、石坂浩二、佐藤信介監督が出席。「続編が作れるのは、第1作を応援してくださった皆さんの声のおかげ。その分、プレッシャーもあった」(榮倉)、「映画のラストで、号泣しちゃいました。大好きな役なので、また演じたいですね」(福士)とシリーズへの熱い思いを語った。一方、シリーズ“初参戦”となった松坂は「皆さんのチームワークがうらやましい。一緒にご飯に行ったとか、そういうお話も全部初耳。それくらい孤独でした」と嫉妬心。クランクアップ当日、岡田に対し“壁ドン”したというが、「すっかり忘れていた…」(岡田)、「ニュースを見て、僕が壁ドンしていないことになっていて(笑)。福士くんの壁ドンのほうが印象に残っているんだなと思った」(松坂)。また、田中は岡田メソッドと称する特訓を「しんどいですよ」と振り返った。『図書館戦争 THE LAST MISSION』10月10日(土)全国公開取材・文・写真:内田 涼
2015年09月16日無人戦闘機ドローンを使った現代の戦争を描く『ドローン・オブ・ウォー』。このほど、対テロ戦争の知られざる真実と“兵士”の異常な日常をリアルに映し出した本作から、主人公のドローン操縦士を演じたイーサン・ホーク、副操縦士を演じたゾーイ・クラヴィッツら、豪華キャスト陣のインタビュー映像がシネマカフェに到着した。アメリカ空軍のトミー・イーガン少佐(イーサン・ホーク)は、ラスベガスの基地に設置されたコンテナ内で無人機ドローンを遠隔操作し、1万キロ余りも離れた異国でのミッションを遂行している。1日の任務を終えると、車でラスベガスの歓楽街を通り抜け、整然と区画された住宅街のマイホームへ帰り、美しい妻・モリーとふたりの幼い子どもとの生活に舞い戻るトミー。こうした毎日が、彼の日常であり、異常な現代の戦争の姿だった…。アメリカ本土から遠隔操作によるドローンを使った現代の戦争は、操縦士自身に危険が及ばない、ターゲットに気付かれずに攻撃可能、だが、罪のない民間人を巻き添えにする可能性が高いという利点と問題を抱えていた。本作では、その恐ろしい実態をあぶり出し、アメリカ国内の“戦地”と“家庭”を行き来するドローン操縦士がPTSDに悩まされる様子を描く。イーサンが演じるトミー・イーガン少佐は、かつて有人戦闘機F-16のパイロットとして、200回以上の出撃を経験してきたベテランパイロット。しかし、現在では、家族の待つ自宅とエアコンの効いた空軍基地内のコンテナを行きする生活を送りながら、クリックひとつで殺害するドローン操縦士の任務に違和感を感じている。上官であるジョンズ中佐(ブルース・グリーンウッド)に実機パイロットへの復帰を懇願するも、トミーのドローン操縦の腕前は高く評価され、受け入れてもらえない。そんな中、過酷なミッションの連続に次第に精神が蝕まれ、アルコールに依存するようになる役どころだ。本作でトミーを支える副操縦士役・スアレス役を演じ、『マッド・マックス 怒りのデスロード』での好演も記憶も新しいゾーイ・クラヴィッツは、そんなトミーのキャラクターを「“箱”に閉じ込められた実戦のパイロット」と評し、「多くの人のように彼も新しい方向性に順応しようとするも抵抗がある」と、職場でのトミーの心情について語っている。一方で、トミーの妻役を演じ、今年のエミー賞ノミネート作品「マッドメン」に出演するジャニュアリー・ジョーンズは、安定した生活の中で愛し合っていた夫が何もできないほど壊れていく様子をもの悲しく語る。イーサン自身も、今回の役どころについて「彼が抱える問題は共感できると思うよ、兵士のプライドの問題だ」と語り、続けて「国や信条のために命を捧げる覚悟でいるが、前線から距離をおいてみると、国のために人を殺していいのか疑念がわく」と、PTSDにとらわれながら葛藤する兵士の心情に言及する。トミーが、自身の人生を取り戻すために選んだ選択とは…?この問題作が問いかける真実を、彼らが語る映像からも確かめてみて。『ドローン・オブ・ウォー』は10月1日(木)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年09月10日2014年ノーベル平和賞を最年少で受賞したマララ・ユスフザイ。『不都合の真実』でアカデミー賞「長編ドキュメンタリー賞」を受賞したデイヴィス・グッゲンハイム監督が彼女を追った最新作『わたしはマララ』から、ポスタービジュアルと予告編が解禁された。本作は、史上最年少でノーベル平和賞を受賞したマララさんとその家族の絆に焦点を当てた作品。メガホンを取ったのは、アメリカ元副大統領アル・ゴア氏の環境問題への取り組みを追った『不都合な真実』 でドキュメンタリー映画史上に残る大ヒットを記録し、第79回アカデミー賞を受賞したデイヴィス・グッゲンハイム監督だ。アフガニスタンの伝説の少女マラライの名にちなみ、「マララ」と名付けられ、パキスタンのスワート渓谷に生まれた彼女は、ブラッド・ピットやテニスのロジャー・フェデラー選手が好きな女の子。いま、その“ふつう”の女の子が教育のために運動を起こし、世界を変えようとしている――。襲撃を受けたマララが搬送された病院から始まる予告映像。当時15歳だったマララと友人が下校途中にタリバンに銃撃された衝撃的な事件とともに、マララの出生、父・ジアウディンがその名に込めた想い、そしていまの彼女を追う。映像の中では、教育を受けていない世界6,600万人の女性のために立ち上がり、「言葉は武器より強い」「一人の子ども、一人の教師、一冊の本、一本のペンが世界を変える」と力強く語るマララの言葉ひとつひとつが胸を打つ。その様子は、 かくも立派な少女の英雄譚とはまるで違ったもので、多大な影響を受けた教育者でもある父や、彼女を支える家族と過ごすいまの生活を垣間見ることができる。数々の秀作を生んだFOXサーチライトとしては、初のドキュメンタリー映画となる本作。 彼女は、なぜ教育のために運動し、タリバンに撃たれたのか?同時代を生きる私たちがいま知っておくべきストーリーを見逃さないで。『わたしはマララ』は12月11日(金)よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年09月07日1941年12月8日の開戦から4年にわたって続いた太平洋戦争。戦後70年となる今年、NHKにて「戦争の時代」を記録した映像を国内外から収集し、最新のデジタル技術を駆使して映像のカラー化に挑んだ「カラーでみる太平洋戦争~3年8か月・日本人の記録~」が終戦記念日である8月15日(土)に放送される。太平洋戦争が続いた4年もの期間、各地の戦場での記録映像を始め、国内の動きを伝えるニュース、庶民が撮影した銃後の暮らしなど、膨大な映像が残されているが、その大半はモノクロである。徹底した色彩考証を行った上で、最新のデジタル技術を駆使して、フルカラーで蘇った映像には、雪のアリューシャン列島での行軍から、熱帯の島々での激戦、戦時下の日常や庶民の表情、そして終戦の日の鮮やかな青空、次の時代に向かってたくましく動き出された人々の姿など、この4年間の日本人の歩みが刻まれている。番組は当時の人々の日記や手記に残された言葉を織り込みながら、カラー映像で太平洋戦争の4年をふり返っており、昨秋放送して大きな反響を呼んだNHKスペシャル「カラーでよみがえる東京」に続く試みとなる。カラー化により、どこか遠いものに感じていた白黒の歴史が、身近で生々しい「今につながる記憶」へと姿を変える。終戦記念日となる15日、カラーで目の当たりにする戦争の風景は現代を生きる私たちの心に何を訴えるのだろうか。「カラーでみる太平洋戦争~3年8か月・日本人の記録~」は8月15日(土)20時~総合テレビにてスタート。(text:cinemacafe.net)
2015年08月14日女優の二階堂ふみが8月6日(木)、都内で行われた主演作『この国の空』公開記念トークイベントに出席。戦時下を生きる19歳の主人公を演じ、「再び戦争を起こさないために、映画を通して、平和な日本と向き合い、考えてもらえれば」と思いを語った。芥川賞作家・高井有一による「谷崎潤一郎賞」受賞の同名小説を脚本家の荒井晴彦が映画化。二階堂さん演じる主人公・里子が「私は愛も知らずに、空襲で死ぬのでしょうか…」と空襲におびえながら、それでも懸命に生き抜き、ある男性との出会いを機に、少女から女へと開花する姿を描いた。イベントには里子の母親を演じる女優の工藤夕貴、そして70年前、原爆が広島に投下された8月6日に東京大空襲でご家族6名を亡くし、孤児となった戦争体験者の海老名香葉子さんが出席した。工藤さんは、いまの二階堂さんと同じ歳のとき、東京大空襲を描いた『戦争と青春』(今井正監督)に出演しており、「時がめぐって、20歳くらいの子どもを抱える母親を演じるのは感慨深い」としみじみ。「戦争経験はないが、撮影当時に今井先生から教わったことが、今回の土台になった」と語った。一方、海老名さんは「戦争映画ではあるが、文芸作品のような印象を持った。戦時下の人の情や気持ち、生き方を描いている」と本作を評し、二階堂さんの“東京弁”を「きれいな言葉づかいで良かったですよ」と絶賛。「私が味わった悲しみや苦しみを、いまを生きる人々に経験させたくない。二度と戦争を起こさないように」と戦争体験を語り継ぐ強い思いを示していた。『この国の空』は8月8日(土)よりテアトル新宿、丸の内TOEI、シネ・リーブル池袋ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:この国の空 2015年8月8日よりテアトル新宿、丸の内TOEI、シネ・リーブル池袋ほか全国にて公開(C) 2015「この国の空」製作委員会
2015年08月06日タリバンに狙撃されながらも一命を取りとめ、2014年ノーベル平和賞の最年少受賞者となった17歳の少女マララ・ユスフザイの素顔を描いたドキュメンタリー『He Named Me Malala』(原題)が、『わたしはマララ』として12月11日(金)より日本公開されることが決まった。詩人であり、学校を経営する父と、文字の読めない母のもとに長女として生まれ、マララと名付けられた少女。彼女はパキスタンのスワート渓谷で生まれ育ち、BBCのために匿名で、タリバンに支配されたスワート渓谷の教育事情や生活についてブログを書き始める。しかし、「ニューヨークタイムズ」のドキュメンタリーに出演したことで身元が明らかになり、タリバンの標的にされてしまう。そして2012年、スクールバスで下校途中だったマララと友人は、銃で頭を撃たれ…。「一人の子供、一人の教師、一冊の本、一本のペンで世界を変えることができる」――。ノーベル平和賞の受賞式で、こうスピーチしたマララさん。本作は、彼女が15歳のとき、スクールバスでの下校途中に銃撃された衝撃的な事件とともに、その出生と、父ジアウンディが“マララ”の名に込めた想い、生い立ちを追っていくドキュメンタリー。地球温暖化に警鐘を鳴らした『不都合な真実』のデイヴィス・グッゲンハイム監督が映画化した。一命をとりとめたマララは、リハビリを経てもなお、パキスタンの教育活動家としての道を選び、マララ基金を設立、子どもの権利のため世界規模の活動をいまも行っている。若き活動家にして、ノーベル平和賞の受賞者。だが、父にとっての彼女は、娘であり、学生であり、ティーンエイジャーだ。ブラッド・ピットやロジャー・フェデラーが好きな女の子が、なぜ教育のために運動し、タリバンに撃たれなければならなかったのか? “ふつう”の少女が世界を変えようとしている、いま知っておくべき彼女の真実の物語に、本作では迫っている。『わたしはマララ』は12月11日(金)よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年08月06日東京都・原宿の太田記念美術館は、浮世絵の中で今まで注目を浴びることのなかった、戦争画を紹介する展覧会「浮世絵の戦争画 -国芳・芳年・清親」を開催する。開館時間は10:30~17:30。入館料は一般700円、大高生500円、中学生以下無料。同展は、太平洋戦争が終結してから70年の節目に、これまで注目を浴びることのなかった浮世絵の戦争画について紹介するもの。泰平の世を描いた享楽的な絵という印象を持たれることも多い浮世絵だが、江戸から明治にかけて、「戦争」を題材とした浮世絵が連綿と描かれ続けていたという。源平時代や戦国時代といった歴史上の合戦を題材としたものから、幕末の戊辰戦争、明治時代の西南、日清、日露戦争など、同時代に勃発した戦争を題材としたものまであり、同展ではこれらの戦争がどのような目的で描かれ、また、どのような形で表現されているかについて検証される。また、歌川国芳、月岡芳年、小林清親といった浮世絵師たちは、戦争を題材とした作品をいくつか描いているものの、これまで戦争画そのものに注目が集まることがなかったためほとんど紹介される機会が無かったが、戦争画を通して、有名浮世絵師たちの知られざる一面も紹介されるということだ。また、関連企画として、学芸員が同展の見どころを解説するスライド・トークが開催される。開催日時は7月3日、7月9日、7月18日の各回14:00から40分程度。参加費無料(要入場券)。
2015年06月26日ヤフーは6月23日、戦争の記録や当時を知る人々の持つ記憶を100年後の世代に伝えるプロジェクト「未来に残す、戦争の記憶~100年後に伝える、あなたの思い~」を開始した。終戦から70年の節目を迎え、当時を知る人々の情報(一次情報)が、徐々に風化しつつある現状を踏まえ、同プロジェクトでは、新聞社や通信社などの報道機関が所有している戦争当時の記録や、戦争体験者のまだ記録されていない生の声、戦争体験者から聞いたエピソードなどの記憶をデータとして残すことを目的としている。これにより、100年後の未来を生きる人たちに戦争について知るきっかけを提供することを目指す。企画の1つでは、「100年後の未来へ。みんなで思いを伝えよう」と題し、当時を知る人から聞いた戦争の記憶などをユーザーから投稿してもらう。投稿されたデータは100年間保有し、100年後にYahoo! JAPANが運営するサービス上で公開する。また、「未来への手紙」と題された企画では、海老名 香葉子さんや北乃 きいさん、高田 延彦さん、田原 総一朗さんなど約20名の著名人が参加。戦争体験者と戦争当時を知らない人のそれぞれの立場から100年後に伝えていきたいメッセージを掲載している。ほかに、報道機関と連携した企画として、報道機関の協力の下、各社が実施する戦後70年の特集企画のリンク集を掲載。また、報道機関所有の写真や記事などを生かした企画も展開していくという。
2015年06月24日終戦70年を迎える今年8月15日「終戦の日」に、フジテレビは戦争を知らない世代の代表として、小栗旬、松坂桃李、福士蒼汰、有村架純、広瀬すずを迎え、戦争を学ぶドキュメンタリー番組「私たちに戦争を教えてください~いま、会っておかなければいけない人がいる今日、聞いておかなければいけない声がある~」を放送することが決定した。終戦時に10歳以上だった、戦争の記憶がある世代の人口は、この15年でほぼ半減。(2000年時の65歳以上人口は2,204万人、2015年現在の80歳以上人口は1,013万人)これら生き証人の世代が減少し、対照的に戦争を知らない世代が増加、もはや親、子、孫の3世代に渡って戦争を知らない家庭も少なくない。そんな現代だからこそ、戦争を知らない若者5人が、自分と同じ年頃を戦争のまっただ中で過ごした戦争体験者に会い、自分の言葉で問いかけ、戦争とは何かを学んでいく番組だ。小栗さん、松坂さん、福士さん、有村さん、広瀬さんといま最も影響力のある5人は「私たちに戦争を教えてください」と、それぞれのテーマに向きあい、日本全国へ、さらにはハワイ・パールハーバー、ペリリュー島などへと飛ぶ。取材は6月初めからスタート。小栗さんは、ハワイと長野に行き、真珠湾攻撃に参加した元ゼロ戦「天才」パイロット・原田要さんと、パールハーバーで攻撃を受け沈められた米海軍戦艦アリゾナの元乗組員などに話を聞く。小栗さんは「戦争が人にいったい何を与えるのか?想像はできても実態として体験していないものなので理解することができない。あの真珠湾攻撃を実際に体験した方から直接お話を聞くことができ、本当に貴重な体験をさせていただいたと思います。ぼくたちは戦争というものを体験したくはないし、世界からも争いがなくなってほしいと強く強く思う」と語った。パラオ・ペリリュー島に取材へ行った松坂さんは、1万人の日本兵のうち、生存者わずか446名というパラオの激戦地で生存者のうちのひとりとなった元日本軍兵士に話を聞く。取材を終えた松坂さんは「近寄れば近寄るほど本当に自分は戦時中の日本のことを何も知らなかったんだと思いました。忘れられる怖さを強く感じました」と語っている。福士さんは神風特攻隊の生存者、千玄室さんに出会う。千さんは、生き残ったものの、多くの友人を無くした喪失感をいまだに抱き続けているという。「今も仲間の声が聞こえる、顔が思い浮かぶ」という千さんの言葉に涙が止まらない福士さんは「自分には信じ難く、イメージしづらいことでした」と語る。有村さんは国内最大の地上戦の舞台、沖縄に飛び、悲惨な地上戦の中を生き抜いたひとりの女性と出会う。激戦地で逃亡の途中、家族とはぐれ、たった一人で戦場をさまようことになった幼い少女が見た光景、それはあまりに壮絶なものだったという。「現代では子どもが、死ぬということ、自分の死に方なんて考えないはずです。でもそういうことをその歳で考えさせてしまう戦争という環境はすごく残酷だなと強く感じました。戦争には世間で語られていることよりも、もっともっと計り知れない重いものがあると思います」と話した。最後に広瀬さんは、目の前に死が迫る中で生まれた恋を追体験する。福島の原町陸軍飛行場近くにあった牛乳店の看板娘、当時15歳の加藤美喜子さんは、特攻隊員と恋をし、文通していた。加藤さんのもとを訪ね、特効隊員たちが書き残した言葉を目にし、テープに録音された当時の肉声を聞く。広瀬さんは「10代の私達からすると学校の授業でしか戦争について考えた事がありませんでした。自分の知らない世界や想像もできないことがそこにはいっぱいあるんだろうな、と思います」。残酷な戦争という現実と向き合っていた戦争体験者たちが語る言葉を耳にし、どのような変化が生まれるのか。この5人の若き俳優、女優たちの姿を通して、若い世代にも“戦争”について考えるきっかけになるはずだ。終戦70年ドキュメンタリー企画「私たちに戦争を教えてください~いま、会っておかなければいけない人がいる今日、聞いておかなければいけない声がある~」は8月15日(土)、フジテレビにて放送。(text:cinemacafe.net)
2015年06月21日「V6」岡田准一を主演に、有川浩による人気シリーズ小説を実写化し大ヒットとなった映画『図書館戦争』。この度、続編『図書館戦争 THE LAST MISSION』の公開に加え、ドラマ「図書館戦争 BOOK OF MEMORIES」含めた“図書館戦争プロジェクト”が6月19日(金)にオールアップを迎え、岡田さんを始めヒロインの榮倉奈々、岡田さん扮する堂上のバディ役を務めた田中圭からコメントが到着した。本を読む自由を守るため銃器を手にしてまで抵抗する、図書館員の熱き姿を描いた有川浩原作「図書館戦争」シリーズ(角川文庫刊)。主人公・堂上篤を演じた岡田さんを筆頭に、榮倉奈々、田中圭、福士蒼汰、栗山千明など豪華キャストが出演した映画『図書館戦争』の続編『図書館戦争 THE LAST MISSION』に加えこの秋、TBSにて放送されることが明らかになった「図書館戦争 BOOK OF MEMORIES」。この“図書館戦争プロジェクト”は続編を望むファンの熱い想いによって始動した。昨年12月から始まり約半年で撮影を終えた『LAST MISSION』。映画と同じく主要キャストが勢ぞろいしたなか、新たな豪華キャストに松坂桃李・中村蒼・土屋太鳳が加わった。ドラマスペシャルでは、郁の両親が関東図書基地を訪れることにより、堂上との関係性にも変化が…。純朴な2人の心の距離に注目だ。そして、堂上の同期・小牧幹久(田中さん)と小牧の幼馴染・中澤毬江(土屋さん)の繊細かつ純粋な恋愛模様も堪能することができる。さらには柴崎麻子(栗山さん)に急接近する朝比奈修二(中村さん)、そしてそれを複雑な心持ちで見守る手塚光(福士さん)。こちらの三角関係も気になるところ。ただの恋愛ドラマに囚われない、「図書館戦争」ならではのテーマが存在しているところが、ドラマスペシャルでも一番の魅力となっているという。<オールアップしたキャスト陣コメント>■岡田准一(堂上篤役)今回の現場では、前作から役柄の関係性と共に榮倉さんとの距離感が変わり、前作より更にコミュニケーションが深まったと思います。田中さんとは何年も仕事をご一緒してきたので、まさに“堂上と小牧”のように信頼しながらバディとして自然にいられました。佐藤組は特殊な空気が流れている現場で、「撮りきれるのか」という撮影をスタッフ・キャストが一丸になって、まさに戦いながら撮影を行っていきました。そういう意味でも、本当にチームワークが良く、一緒に乗り越えていけたと思っています。■榮倉奈々(笠原郁役)撮影最後のシーンでリペリングに挑戦したのですが、楽しかったです。下を見てしまうと怖くなりましたが、キャスト・スタッフのみなさんが必死に頑張っている姿を見て来たので、これだけはスタントなしでやりたいとお願いしました。特に仙台での撮影はいままで以上に激しく長いアクションシーンがあり、記憶が薄れたほどでした。どんなシーンだったか覚えていないくらいなので、作品の完成が楽しみです(笑)。タスクフォースのみんながいたので撮影を乗り越えていけました。■田中圭(小牧幹久役)とても楽しい現場でした。でも遂に終わってしまったとすごく寂しい気持ちです。小牧は堂上の同期であり、バディ、友達、上司…様々な思いで「堂上」と名前を呼んでいたなとふり返って懐かしく思います。小牧という役は、自分で演じた役の中では珍しく分かりやすいヒーローのようなキャラクターでした。そのため、回を重ねるごとに新鮮で、ただただ楽しかったです。そして遂にドラマの方では土屋太鳳さん演じる“毬江”が登場し、“小牧”という人物像が色濃く現れたと思いますので楽しみにしていてください。前作よりもはるかにスケールアップした2つの「図書館戦争」。ますます期待で胸が高鳴る「図書館戦争プロジェクト」から今後も目が離せない。『図書館戦争 THE LAST MISSION』は10月10日(土)より全国にて公開。「図書館戦争 BOOK OF MEMORIES」は2015年秋、TBSにて放送。(text:cinemacafe.net)
2015年06月20日本を読む自由を守るため銃器を手にしてまで抵抗する、図書館員の熱き姿を描いた有川浩原作「図書館戦争」シリーズ(角川文庫刊)。映画化となる『図書館戦争 -THE LAST MISSION-』(10月10日公開)とドラマスペシャル「図書館戦争 BOOK OF MEMORIES」のロケ地のひとつ新潟県十日町市にある十日町情報館での撮影がこのほどすべて終了し、撮影で使用していた「図書館の自由に関する宣言」パネルを十日町情報館に贈呈するイベントが行われた。岡田准一演じる堂上篤、榮倉奈々演じる笠原郁らが働く武蔵野第一図書館の一部として劇中に登場する十日町情報館は、書架が階段状になっており、非常に開放感がある造り。文字通りこの「図書館戦争」シリーズの“顔”となる図書館として、劇中で象徴的な役割を果たしている。そこに掲げられた「図書館の自由に関する宣言」は、パート1の映画撮影時(2012年)に撮影用に制作したもので、パート2の映画およびスペシャルドラマ撮影時にもそのまま使用された。「図書館の自由に関する宣言」とは、あらゆる図書館が守られるべき自立的規範として、日本図書館協会が採択したもの。全国の図書館にポスターで掲げられているものだ。このたび、十日町市民、ロケ応援団、十日町情報館関係者らによる手厚い撮影協力へのお礼として劇中で使用したこのパネルを贈呈することとなり、佐藤信介監督、主演の岡田さん、榮倉さんが目録を関係者に手渡した。佐藤監督は「ここにある文言は、日本各地の図書館にポスターとして貼ってある文言です。それを有川浩先生が見て、この『図書館戦争』という小説が生まれたという逸話のある重要なものです。劇中では、この文言をポスターではなく金属プレートのパネルにするということで、検閲から本や図書館の自由を守るという強い思いを表しました。ぜひ受け取っていただきたいと思います」と語った。「この場所が大好きで、すばらしい図書館だなと思っています」と話す岡田さんは「映画やドラマの大事なシーンをいつもここで撮影しました。この宣言のプレートの前で郁(榮倉さん)の頭をなでるというデレッとしたシーンを撮るんです(笑)。前作のラストシーンもここですし、僕にとっても思い出深い場所です」とコメント。さらに榮倉さんも「この図書館ではキーポイントとなるシーンを毎回撮らせてもらっていますし、ここから見渡せる館内の景色もやっぱりすばらしいと思います。知っている人はもちろん、初めて『図書館戦争』を見る人にもこの作品の世界観を伝えるためには大切な場所だと思います」と取材地への熱い思いを語った。『図書館戦争 THE LAST MISSION』は10月10日(土)より全国にて公開。「図書館戦争 BOOK OF MEMORIES」は2015年秋、TBSにて放送予定。(text:cinemacafe.net)
2015年06月15日シリーズ累計570万部を突破した有川浩の大人気小説を原作に、主演に岡田准一&榮倉奈々を迎えて2013年に実写化された『図書館戦争』。その続編となる『図書館戦争 THE LAST MISSION』の、ファン待望の本編映像が“図書館記念日”である本日、解禁となった。熾烈を極めた小田原の攻防戦から1年半、メディア規制の圧力は強まるばかり。不当な検閲に対抗できる唯一の組織・図書隊に所属する笠原郁(榮倉奈々)は、防衛部の精鋭集団・図書特殊部隊の中で、上官の堂上篤(岡田准一)からの厳しい訓練指導にも耐え、堂上班の一角を担う存在となっていた。そんな中、堂上、笠原が所属する関東図書基地に警備の依頼が入る。それは、図書隊に唯一残されたある一冊の本を守ること。やがて図書隊の存続を揺るがす事件へと発展する…。いま「図書館戦争」史上、最大の戦い【LAST MISSION】が始まる!前作は、興行収入17.2億円、初日に実施したアンケートでは驚異の満足度98.2%という記録を叩き出した大ヒット作。原作の魅力でもある“ラブ要素”と“アクション要素”が絶妙なバランスで描き出され、公開後から早くも続編を熱望する声が上がっていた。そんなファン待望の続編となる本作では、「実写化する際の希望キャスト」アンケートで1位に選ばれたベストキャスティングの岡田さんと榮倉さんはもちろん、田中圭、福士蒼汰、栗山千明、石坂浩二ら今をときめく豪華キャスト&スタッフが再結集!今回、公式サイトにて解禁となった本編映像でも、お馴染みのキャストたちの熱演ぶりが映し出され、前作に引き続き展開が気になる笠原と堂上教官の胸キュンシーンや、本格的なアクションシーンが満載。前作よりハードでキュンとして、さらにドラマチックな恋のツンデレ・エンターテインメントになること間違いなしの本作を、いち早く本編映像で楽しんでみて。『図書館戦争 THE LAST MISSION』は2015年10月10日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:図書館戦争 2013年4月27日より全国東宝系にて公開(C) “Library Wars” Movie Project
2015年04月30日市原隼人が主演を務める三池崇史監督の最新作『極道大戦争』に出演するリリー・フランキーとピエール瀧の撮影終了直後のオフショット写真と、場面写真が解禁された。リリー・フランキーの出演シーンは、ほとんどがアクションシーンだったといい、「今回はすごく爽快感がありましたし、撮影が終わったあとも高揚している感じでした」と大興奮した撮影を振り返りコメントを寄せた。その他の画像映画は、伝説のヤクザ・神浦に噛みつかれ、ヤクザヴァンパイアになった舎弟の影山亜喜良(市原)が壮絶な抗争に身を投じる姿を描いたアクション大作。リリー・フランキーは本作で、最強伝説をもつヤクザヴァンパイアの組長・神浦を演じており、冒頭から、対立する極道の組長・羅漢(ピエール瀧)との激しい抗争シーンが登場するという。リリー・フランキーは「アクションシーンを演じること自体が初めてだったので、分からないことばかりだったのですが、撮影はとても楽しかったです。これまでは、自然体な感じの役で呼んでいただくことが多かったので、汗を流すとか、身体を動かすということを、ほとんど経験したことがなくて。そういう意味でも、今回はすごく爽快感がありましたし、撮影が終わったあとも高揚している感じでした」とコメント。ピエール瀧とは公私ともに親交が深く、『凶悪』以来の共演となるが、「今回、瀧を斬るシーンがあったんですが、瀧だったら刀が当たってもいいかなと(笑)。なので、やりやすかったです」と語った。一方、ピエール瀧は、「リリーさんにバッサリ斬られるところのアクションシーンは、リリーさんのことを一切信用していませんでした。ずっと、これ当たるんじゃないかと思ってました」と本音を明かした。劇中で組長・神浦(リリー・フランキー)は、敵対する羅漢(ピエール瀧)との抗争の後、何者かに殺されてしまい、その神浦の遺志を受け継いだ影山(市原)が、敵討ちの刺客と戦いながらヤクザヴァンパイアとして覚醒していく姿が描かれる。『極道大戦争』6月20日(土) TOHOシネマズ 新宿ほか全国ロードショー
2015年03月19日「SMAP」の草なぎ剛が主演を務めるドラマ「銭の戦争」(関西テレビ・フジテレビ系)の撮影が全て終了し、このほどそのクランクアップの様子、さらに主演の草なぎさんを始め、ヒロインを演じた大島優子、木村文乃が撮影をふり返った。元エリート・白石富生(草なぎ剛)が身を持ち崩し転落…自分をどん底に陥れた闇金の世界で復讐を果たそうと奮闘する姿を描いた本作。先週放送された第10話では、赤松(渡部篤郎)から奪った20億円を倍に増やそうとするも、未央(大島優子)の良心に救われ、金の亡者になる寸前で踏みとどまった富生。最終話では、その20億円をめぐって赤松との熾烈なバトルを繰り広げることとなる。草なぎさんと共にクランクアップを迎えた、富生の相手・未央役の大島さんは、国民的アイドルグループ「AKB48」卒業後、初の連続ドラマとなったが「卒業後初のドラマがこの作品で本当に良かったなと思います」と語る。「とてもいい現場で、現場に来るのがとってもとっても好きでした。なにより笑顔が多い現場だったので、リラックスして挑むことができました」と挨拶した。大島さんから「本当にお世話になりました」と一礼された草なぎさんは「とんでもありません。じゃあ、これあげます!」と、スタッフから託された花束をそのまま渡そうとして、「スタッフのご厚意を!」(大島さん)とツッコまれるなど、最後まで富生と未央さながらのコンビ感を見せていた。一方、もうひとりのヒロイン・梢役を熱演した木村さん。クランクアップ時には草なぎさんから「すごく楽しかったです。未央とは違う立ち位置で、大人っぽくてとても素敵でした。梢を文乃さんが演じてくれて、僕もすごくやりやすかったです。セリフで『怪物だ』とか言ってすみませんでした」と謝罪の言葉を贈られたが、木村さんは「最後の最後まですっごく楽しい撮影でした!草なぎさんやジュディ(・オング)さんたちに支えられて、時々かまっても下さって、ありがとうございます(笑)」とはにかみながら感謝の言葉で応えた。2人がハグを交わしていると、その場にいたジュディさんが「ダメよ、触れたら(笑)!」と、梢の母・早和子としての“厳重注意”をしスタッフを爆笑させていた。2人のヒロインを始め共演キャストやスタッフたちの苦労を労った草なぎさんは、演じた富生という役をふり返り、「こんなにも一つの役を通していろんな感情が芽生えたのは初めてでした。人に対して優しくなったり、憎たらしくなったり、人に対する色んな思いやりのあり方を感じる事ができました。復讐劇とはいいながら、様々な感情が絡み合ったドラマだと思います」と思い入れたっぷりの様子。そして改めて「皆さん本当にお疲れさまでした。今、胸がいっぱいで何を言っていいか分からないんですけど…本当に楽しかったです!」と目に少し涙を浮かべながら、「いい作品といい役に巡り合えてすごく勉強になりましたし、ドラマってたくさんの可能性を秘めているんだということを改めて実感できた作品でした。今後も皆さんと一緒にいいドラマを作っていきたいと思います」と熱い思いを語っていた。「銭の戦争」最終回は、3月17日(火)22時~15分拡大SPで関西テレビ・フジテレビ系にて放送。(text:cinemacafe.net)
2015年03月16日