研ぎ澄まされた技術と音色、深い作品理解を兼ね備え、幅広いレパートリーを誇るピアニストの河村尚子。世界を駆け抜け活躍する彼女だが、2022年にはその功績が認められ「第51回サントリー音楽賞」も受賞。益々の活躍が期待されるなか、デビュー20周年を迎え、記念リサイタルを行う。バッハにプロコフィエフ、ショパンなどの重厚なプログラムが予定されているが、まず目を引くのが委嘱作品だ。「《単彩の庭 IX》の作曲者である岸野末利加さんは、現在ケルンを拠点に活躍されている作曲家です。独奏曲にアンサンブル、オーケストラまで幅広く手掛けていらっしゃいます。『尾高賞』受賞作の《チェロとオーケストラのための「What the Thunder Said / 雷神の言葉」》でご存じの方も多いのではないでしょうか」今回岸野の作品をプログラムに入れたのは、ここ最近の河村の活動とも大きく関わっている。「サントリー音楽賞の記念演奏会でエイミー・ビーチのピアノ協奏曲を演奏したのですが、本当に素晴らしい楽曲でした。これをきっかけに、是非今後も女性作曲家の作品を積極的に取り入れていきたいと考えたのです。また同じ記念演奏会の別日程では矢代秋雄のピアノ・ソナタも弾き、邦人作曲家の作品の魅力にも改めて気が付きました。まさに岸野さんはいまの私が目標としていることに合致する方だったのです。もちろん作品自体も本当に素晴らしいので、多くの方にお聴き頂きたいですね」その他にはこれまでの積み重ねと新しいチャレンジという意味が込められている。「バッハ=ブゾーニの《シャコンヌ》は1月1日に発生した能登半島地震に想いを寄せて決めました。この曲を初めて弾いたのが東日本大震災の後の日本ツアーだったこともあり、復興の願いを込めて演奏したいと思います。プロコフィエフの《戦争ソナタ第7番》は争いの絶えない世の中に対する平和の願いです。そしてショパンのピアノ・ソナタ第3番は久しぶりに演奏します。新しい気持ちで向かいつつ、これまで勉強してきたものを発揮していけたらと思っています」ツアーにあわせて20周年記念アルバムの発売も予定されている。「ピアノという楽器は本当に色彩豊かです。様々な国や時代の作曲家が描く音世界を通して、“ピアノはこんな音も出せるんだ”ということをお伝えしたく、ジュエリーボックスのように様々な楽曲を収録する予定です。音にあらわれている各作曲家の話す言語や生きた時代を、皆様にしっかりとお届けできるように演奏したいです」取材・文:長井進之介河村尚子 ピアノ・リサイタル■チケット情報()()9月28日(土) 14:00開演兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール9月30日(月) 19:00開演サントリーホール曲目J.S.バッハ/F.ブゾーニ:シャコンヌ BWV1004岸野末利加:単彩の庭 IX(河村尚子委嘱作品)プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番「戦争ソナタ」 変ロ長調 Op.83***ショパン:即興曲第3番 変ト長調 Op.51ショパン:ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 Op.58
2024年04月25日ドイツ・グラモフォン(DG)がピアニストの辻井伸行と専属契約を結ぶことを発表し、4月22日(月) 東京・サントリーホール ブルーローズで記者会見を開催した。記者会見には辻井伸行、ドイツ・グラモフォン社長のクレメンス・トラウトマン、ユニバーサル ミュージック合同会社社長兼最高経営責任者(CEO)藤倉尚が登壇。会見会場では、リスト作曲『愛の夢 第3番 変イ長調』と『ラ・カンパネラ』の2曲が披露された。2025年初頭にリリースされる、35歳の辻井の記念すべきDGデビュー作には、ピアノ作品の中でも最も複雑かつ高度な技巧が要求される、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ 第29番 変ロ長調 Op.106《ハンマークラヴィーア》が含まれる。さらに、これまでの辻井の広範なディスコグラフィ(前所属レーベルであるエイベックス・クラシックス・インターナショナルで録音されたアルバム)も、デジタル/フィジカルの両フォーマットで、DGより再リリースされる再リリースされる(約15本の旧譜アルバムがDGより全世界で配信リリース。旧譜CDについては、国内ではエイベックスのCDが引き続き流通される予定。海外ではDGのロゴで発売される)。今回の契約を記念して、DGの配信サービス「STAGE+(ステージプラス)」では5月18日、コンサート映像『辻井伸行 プレイズ・バッハ、ショパン&ラフマニノフ』をプレミア配信する。バッハの『フランス組曲 第5番 ト長調 BWV816』で幕を開け、ショパンの『即興曲』4曲、ラフマニノフの『ヴォカリーズ』や『楽興の時Op.16』が披露されるこのリサイタルは、東京のサントリーホールで2月末にライヴ収録された。ドイツ・グラモフォン社長クレメンス・トラウトマンは「DGに辻井さんを迎え入れることは、私たちにとって非常に大きな栄誉です」と語る。「昨年、ロンドンで彼の演奏を聴き、その魅力に心を奪われました。彼は実にエキサイティングな音楽家です。その類まれなる音楽的創造性と洞察力は、彼が他とは違う目で世界を見ていることに起因するのかもしれません。彼がピアノから引き出すのは、驚異的なテクニックと深みのある豊かな音色に支えられ、聴く者の心に直接届く音楽です。私たちは辻井さんという素晴らしいアーティストを世界中の聴衆に紹介すると同時に、その国際的キャリアが発展し続けるよう、彼自身、そして彼の音楽事務所と協力して努力してゆく考えです」。辻井自身も、今後DGで録音活動を行い、新たなプロジェクトを展開していくことを楽しみにしているという。「マルタ・アルゲリッチやマウリツィオ・ポリーニをはじめとする素晴らしいピアニストが数多くの名盤を録音しているので、ドイツ・グラモフォンの録音は、僕も子供の頃からよく聴いています。クラシック音楽をリードしてきた名門レーベルと契約することをたいへん誇りに思います。また、今後、リリースされるCDやストリーミングを通じて、世界中のより多くの人たちに僕の演奏を聴いてもらえることを非常に嬉しく思います」。辻井のレコーディングを担当するプロデューサーであり、DGのアジア地域事業開発部長である城所孝吉は、辻井が間違いなく世界の聴衆を魅了し、感動を与えるだろうと確信している。「ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールでの優勝を機に、日本での辻井さんの人気は一気に高まりました。しかし彼は、キャリアを世界に広げるポテンシャルを持っていると思います。彼の演奏は聴く者の心を揺さぶる、真の魔法を備えているからです」 。本契約により、日本においてのリリースを担うことになるユニバーサル ミュージック合同会社社長兼最高経営責任者(CEO)藤倉尚は、「私たちユニバーサル ミュージック ジャパンは近年、ドイツ・グラモフォンと提携しながら、サイトウ・キネン・オーケストラや久石譲などの日本のアーティストをグローバルで展開し、その世界への道は確実に大きなものになってきています。ドイツ・グラモフォン125周年、そして、辻井伸行さんがヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで優勝されて15年という記念すべき年に、ユニバーサル ミュージックグループのファミリーに迎えられ、ご一緒できることを誇りに思います。ドイツ・グラモフォン、そしてユニバーサル ミュージックに来てよかったと思っていただけるよう全力でサポートしていきます」とコメントした。先天的に目が不自由でありながら、2歳の頃からおもちゃのピアノで自然に曲を弾き始めた辻井。母親が本物の楽器を買い与え、4歳からピアノのレッスンを始めると、その演奏は目覚ましい成長を遂げた。音楽との深い結びつきは幼少期に培われ、彼はあらゆる曲を耳で覚えようとする姿勢を示し、作曲家としての活動によってそれはさらに深まった。12歳の時にはサントリーホールでのリサイタルデビューを果たし、その後すぐに海外での活動も開始。2005年にはショパン国際ピアノ・コンクールのセミファイナルに進出した。2009年、ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで優勝したことで、国際的な称賛を浴び、国内ではポップスター級の地位を獲得。過去15年にわたって、ニューヨークのカーネギーホール、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールや、パリのシャンゼリゼ劇場、ベルリン・フィルハーモニーなど、世界の一流会場で演奏会を行ってきた。協奏曲のソリストとしては、ウラディーミル・アシュケナージ指揮ベルリン・ドイツ交響楽団、ウラディーミル・ユロフスキ指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、ヴァシリー・ペトレンコ指揮ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、クラウス・マケラ指揮オスロ・フィルハーモニー管弦楽団などとの共演を果たしている。<2024/25 シーズン 主要公演>(2024年 4月現在)【国内公演】■2024年1月~ 日本ツアー(リサイタル・ツアー)[全16公演]2月 オルフェウス室内管弦楽団[全6公演]5月 インドヤン指揮ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団[全7公演]8月 三浦文彰指揮 ARK フィルハーモニック[全6公演]9月 ティチアーティ指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団[全6公演]9月 富士山河口湖ピアノフェスティバル[4公演に出演]9月 サントリーホール ARK クラシックス[8公演に出演]12月 プレミアム・リサイタル[全8公演]■2025年1月 ロウヴァリ指揮フィルハーモニア管弦楽団[全7公演]2月~ 日本ツアー(リサイタル・ツアー)[全15公演]【海外公演】■2024年1月 アメリカ オルフェウス室内管弦楽団 アメリカ・ツアー[カーネギーホール他全3公演]3月 韓国 ピアノ・リサイタル[ソウルアーツセンター]4月 スイス ローゼン指揮ザハール・ブロン祝祭管弦楽団[インターラーケン]4月 イギリス ピアノ・リサイタル[ロンドン、リヴァプール]4月 フランス ピアノ・リサイタル[パリ、シャンゼリゼ劇場]4月 イタリア クアトリーニ指揮ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ管弦楽団5月 イギリス インドヤン指揮ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団7月 ベルギー ピアノ・リサイタル[ムジカ・ムンディ・フェスティバル]7月 スイス ピアノ・リサイタル、室内楽[ヴェルビエ音楽祭]7月 中国 クオクマン指揮マカオ管弦楽団[マカオ]10月 オーストラリア・ツアーピアノ・リサイタル[シドニーオペラハウス、メルボルン]アンドリュー・デイヴィス指揮シドニー交響楽団[シドニー]シュトラウザー指揮クィーンズランド交響楽団[ブリスベン]オードラン指揮タスマニア交響楽団[ホバート]■2025年1月 イギリス ロウヴァリ指揮フィルハーモニア管弦楽団[ロンドン]3月 アメリカ ピアノ・リサイタル[ニューヨーク、カーネギーホール主催公演]4月 アメリカ ショハキモフ指揮シアトル交響楽団[シアトル]オフィシャルサイト:
2024年04月23日お笑いコンビ・天才ピアニストの竹内知咲が、きょう5日放送の読売テレビ『大阪ほんわかテレビ』(毎週金曜後7:00※関西ローカル)で、“くノ一”姿を披露する。「すち天ビルヂング〜都会のビルを登るわよ!〜」のコーナーでは、すっちーと天才ピアニスト・竹内が、1931年に建てられ、外国人観光客にも人気の「ミライザ大阪城」を探索。ビル内のイタリアンレストランには、かつて昭和天皇も迎え入れたという特別な部屋「貴賓室」があるという。貴重な部屋で食べる豪華ランチコースに2人は舌鼓を打つ。続いては、外国人に特に人気だという忍者や戦国グッズを取り扱う専門店へ。日本刀の模擬刀や手裏剣などの商品にテンションが上がった2人は、店内にある「手裏剣道場」という忍者体験コーナーでアメリカ・ワシントン州から来日していた親子に手裏剣対決を挑む。見た目だけはくノ一だと自負する竹内が代表して挑んだバトルの結末とは。また、昭和天皇即位の記念事業として市民から集まった巨額の寄付金で建設されたという同施設が担っていた「国の重要な役割」が明かされると、2人やスタジオメンバーは驚きの表情を見せる。
2024年04月05日今回で4回目を迎える『TBSドキュメンタリー映画祭 2024』が開催されている東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で、『BORDER 戦場記者 × イスラム国』の上映後舞台挨拶が行われた。監督を務める須賀川拓、本編にも出演している白川優子氏(国境なき医師団)が登壇した。世界の紛争地域を飛び回るTBS『NEWS23』専属ジャーナリストである須賀川監督は、昨年、人気バラエティ番組『クレイジージャーニー』に戦地から生中継で出演し、その緊迫したリポートが大きな反響を呼んだ。最新作『BORDER 戦場記者 × イスラム国』では、シリア奥深くの砂漠にある難民キャンプを取材し、壊滅したと思われていた過激派組織イスラム国の“いま”、その極めて危険な思想にいまだ共鳴する人々がいる現実を克明に映し出す。須賀川監督は、劇中で白川氏が語ったシリアの都市・ラッカの惨状について「僕もカメラマンも号泣してしまった」と告白。白川氏も「ラッカは本当にきつかった」と重苦しい口調で振り返り、「執筆なら書けるんですが、人前で話すことはできず、今回、初めてお話しさせていただいた」と映画を観終えたばかりの客席に、胸中を明かしていた。須賀川拓監督過酷な医療現場での心の拠り所は「仲間たちの支え、この一言に尽きる」といい、「行けば救える命もありますし、笑顔を見ることもあり、支えられている。国境なき医師団は、それこそ世界中から、医師たちが集まっていますから、私と同じ悩みやジレンマを抱えている」と語った。その上で、白川氏は「目の前の命を救う医療活動とともに、日頃目にする非人道的なことを証言する活動もしている」と国境なき医師団の役割を説明。「発信し、知ってもらうこと。間違っていることは間違っているとはっきり証言し、問題解決に目を向けてもらうことで、より多くの命を助けることができる」と意義を訴えかけた。白川優子(国境なき医師団)戦地取材の経験豊富な須賀川監督だが、「国境なき医師団が撤退した地域は、やばいという記者たちの不文律がある」と明かし、「それだけ最前線で人道主義を貫いている。百戦錬磨の白川さんたちが一番大変だと思う」と敬意を示した。自身はドキュメンタリー映画を通して「世界中の困っている人に共感してほしい」といい、「まずは、知ること。そのきっかけを伝える機会になれば。戦地の人たちは、忘れないでほしいと願っている」と報道の意義を語っていた。<作品概要>『BORDER 戦場記者 × イスラム国』■世界を震撼させたイスラム国、その過激思想は“生きていた”「お前の首を切り落としてやる」。シリア奥深くの砂漠にある難民キャンプで子供たちが記者に放った言葉は、ただの脅しではなく、血の滴るナイフを突き付けられているかのようにリアルだった。壊滅したはずの過激派組織イスラム国。しかし他者との共生を拒みながらも、世界に広がった極めて過激な思想に、いまだ共鳴する人たちがいる。いったい、なぜ。忘れられた地で、記者が「境界BORDER」を歩いた。<イベント情報>『TBSドキュメンタリー映画祭 2024』3月15日(金)~3月28日(木)東京:ヒューマントラストシネマ渋谷3月22日(金)~4月4日(木)大阪:シネ・リーブル梅田3月22日(金)~4月4日(木)名古屋:センチュリーシネマ3月22日(金)~4月4日(木)京都:UPLINK京都3月29日(金)~4月11日(木)福岡:キノシネマ天神3月30日(土)~4月11日(木)札幌:札幌シアターキノ公式サイト:公式X:
2024年03月20日今回で4回目を迎える『TBSドキュメンタリー映画祭 2024』で上映される『BORDER 戦場記者 × イスラム国』の完成披露試写会が3月6日に都内で行われ、須賀川拓監督が出席。中東情勢に精通する国際政治学者・高橋和夫氏とともに、戦地取材を通して目にした現地のリアル、危険と隣り合わせの取材の舞台裏を語った。世界の紛争地域を飛び回るTBS「NEWS23」専属ジャーナリストの須賀川監督は昨年、人気バラエティ番組「クレイジージャーニー」に戦地から生中継で出演し、その緊迫したリポートが大きな反響を呼んだ。最新作『BORDER 戦場記者 × イスラム国』では、シリア奥深くの砂漠にある難民キャンプを取材し、壊滅したと思われていた過激派組織イスラム国の“いま”、その極めて危険な思想にいまだ共鳴する人々がいる現実を克明に映し出す。須賀川拓監督取材を行った2019年当時は、「IS(イスラム国)の活動は下火になっていて、支配地域も縮小していたので、話題になりづらかった」と説明。「いろんなところでお話しているが、戦争は終わった後が地獄なんです。ISに関しても、報道が減ったなかで、こんな地獄のような場所があるんだと…」と現地に向かった理由を語った。映画の中では、須賀川監督が、子どもから耳を疑うような言葉を投げかけられる場面も。「石を投げられたり、『出ていけ』と言われたりするんじゃないかと予想していましたが、まさか子どもから『首を切ってやる』と言われるとは」と率直な感想を述べ、「映像をご覧になり、動転しているなとお分かりいただけると思いますが、自分でも消化するのに時間がかかった」と複雑な表情を浮かべた。「海外の大手メディアはどこも取材に行っているが、日本ではほとんどニュースにならない。日本人は、共感力は高いが、きっかけがないと共感できないので、日本人の僕が行くことで、そのきっかけになれれば。現地では、お金で買える安全があり、安全をちゃんと確保している。減るのはスニーカーの底ぐらい(笑)。どんどん現場に行って、きっかけになりたい」(須賀川監督)高橋和夫氏そんな言葉を受けて、現地取材の経験も豊富な高橋氏は「(訃報などで)あの人、いい人だったよねとは言いたくないので、長くいい取材をしてほしい。体を張って、足で考える須賀川さんを応援していきたい」とエール。同時に、「今の日本の報道は、世界水準では競争力がない。大手のメディアが社員を現地に出さないので、二番煎じになってしまい、メディアとして負けている」と危惧し、「現場に行きたい記者はいるが、まず(社内の許可が)通らない。でも、TBSができるなら、わが社でも、となるかもしれない」と期待も寄せていた。最後に、須賀川監督は「今後も取材を続けて、1年1本のペースで(映画を)やりたいなと思っています」とさらなる意欲。「会社が了承し、場を提供してくれるか分からないですが、半分、意地でやっていきたい」と決意表明した。取材・文・写真:内田涼『BORDER 戦場記者 × イスラム国』『BORDER 戦場記者 × イスラム国』(C)TBS世界を震撼させたイスラム国、その過激思想は“生きていた”「お前の首を切り落としてやる」。シリア奥深くの砂漠にある難民キャンプで子供たちが記者に放った言葉は、ただの脅しではなく、血の滴るナイフを突き付けられているかのようにリアルだった。壊滅したはずの過激派組織イスラム国。しかし他者との共生を拒みながらも、世界に広がった極めて過激な思想に、いまだ共鳴する人たちがいる。いったい、なぜ。忘れられた地で、記者が「境界BORDER」を歩いた。『TBSドキュメンタリー映画祭 2024』(C)TBS3月15日(金)~3月28日(木)東京:ヒューマントラストシネマ渋谷3月22日(金)~4月4日(木)大阪:シネ・リーブル梅田3月22日(金)~4月4日(木)名古屋:センチュリーシネマ3月22日(金)~4月4日(木)京都:UPLINK京都3月29日(金)~4月11日(木)福岡:キノシネマ天神3月30日(土)~4月11日(木)札幌:札幌シアターキノ公式サイト:公式X:
2024年03月07日初来日ツアーから30周年ブラジル音楽界が誇るピアニスト、12度目の公演が実現一般財団法人民主音楽協会(民音/MIN-ON)は、ブラジルを代表するピアニストにして、世界的作曲家のアマラウ・ビエイラ氏を招聘し、全国11公演を開催します。アマラウ・ビエイラは、6歳でピアノを始め、ブラジルを代表する作曲家・指揮者であるソーザ・リマに才能を見いだされました。8歳で作曲を始め、13歳で単身パリへ。パリ音楽院をトップで合格し、さらにドイツのフライブルク音楽大学を卒業。25歳の時、「メニューイン・スクール」の音楽部長に推薦されるも、ブラジルのために尽くしたいと決意しブラジルに帰国しました。帰国後も「民衆のために本物の音楽を」との思いで活動を続け、これまで「A. オネゲル国際作曲賞」「フランス作曲財団国際大賞」「リスト賞」など、ブラジル国内外より数々の賞が授与されています。初めてのジャパン・ツアーから30周年となる2024年の公演では、1994年のジャパン・ツアーで演奏した名曲をはじめ、日本の唱歌をメドレーにしてビエイラがオマージュした『日本の水彩』も演奏。名曲に彩られた美しい花束のような、温かく心やすらぐピアノの旋律をお届けします。【公演名称】ジャパン・ツアー30周年記念アマラウ・ビエイラピアノリサイタルあなたに贈る名曲の花束【主催】MIN-ON【後援】駐日ブラジル大使館【公演日程】2024年5/23(木) 18:30NHK大阪ホール5/25(土) 14:00千葉市民会館5/26(日) 14:00千葉県東総文化会館5/27(月) 19:00J:COMホール八王子5/28(火) 19:00東京文化会館 大ホール5/30(木) 19:00サンシティ越谷市民ホール5/31(金) 18:30メガネのイタガキ文化ホール伊勢崎(伊勢崎市文化会館)6/1(土) 15:00須賀川市文化センター6/5(水) 18:30愛知県芸術劇場 コンサートホール6/8(土) 13:30倉吉未来中心 大ホール6/9(日) 15:00三原市芸術文化センター ポポロ【予定曲目】J. S. バッハ:イタリア風協奏曲 ヘ長調 BWV971、A. ビエイラ:日本の水彩(故郷~椰子の実~さくら~荒城の月) Op.325、J. マスネ:歌劇「タイス」より 瞑想曲、F. リスト:ハンガリー狂詩曲 第8番 嬰ヘ短調 S.244/8、C. ドビュッシー:月の光、他※曲目は変更となる可能性がございます。予めご了承ください。◆アマラウ・ビエイラ Amaral Vieira:1952年サンパウロ市生まれ。ブラジルを代表する音楽家、ソーザ・リマおよびアーサー・ハルトマンに音楽を学んだ後、パリ高等音楽院に入学し、リュセット・デカーヴとオリヴィエ・メシアンに師事した。さらにドイツのフライブルク音楽大学を卒業し、ブリティッシュ・カウンシル(英国文化振興会)の招きにより、ロンドンでハンガリー人ピアニストで、フランツ・リストの孫弟子ルイス・ケントナーのもと音楽知識を成熟させた。ピアニストとして10の賞、作曲家として17の賞を受賞し、ブラジル、フランス、ドイツ、イギリス、ハンガリー、日本の各国でその芸術的活動を評価され、50回以上の表彰を受けている。その一群の作品に対して、アメリカのデリアン協会から2008年度「ゴールデンローレル賞」を授与された。世界で最も権威あるピアノ・ブランド「スタインウェイ」(スタインウェイ・アンド・サンズ)公認のアーティスト。アマラウ・ビエイラピアノリサイタル | 民主音楽協会(民音) : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年02月20日ジャーナリストの須賀川拓監督最新作『BORDER 戦場記者 × イスラム国』が、2024年3月15日(金) より開催される「TBSドキュメンタリー映画祭」にて「ソーシャル・セレクション」作品として上映されることが決定した。須賀川監督は、2019年から2023年までJNN外信部中東支局長として、レバノン、イラン、イスラエル、アフガニスタンといった中東各国を取材。また、ウクライナへの取材など紛争地に生きる一般市民の声を積極的に発信し続ける日本人ジャーナリストだ。2022年には、国際報道で優れた業績をあげたジャーナリストに贈られる「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞。そして同年には、初の全国公開となったドキュメンタリー映画『戦場記者』を発表した。最新作では、シリア奥深くの砂漠にある難民キャンプを取材。壊滅したと思われている過激派組織イスラム国、その極めて危険な思想にいまだ共鳴する人々がいる現実を映し出す。須賀川は「戦争は、長引けば長引くほど悲惨だ。多くの人が死ぬのに、その悲惨な現実への関心は薄れていく。『私たちのことを忘れないでください』これが戦地からの悲痛なメッセージだ。戦争の負の遺産を先進国に住む私達が知ることで、未来の誰かが救われるかもしれない」と本作に込めた思いをコメントしている。<開催情報>「TBSドキュメンタリー映画祭」2024年3月15日(金)〜28日(木) 東京・ヒューマントラストシネマ渋谷2024年3月22日(金)〜4月4日(木) 大阪・シネ・リーブル梅田2024年3月22日(金)〜4月4日(木) 愛知・名古屋・センチュリーシネマ2024年3月22日(金)〜4月4日(木) 京都・アップリンク京都2024年3月29日(金)〜4月11日(木) 福岡・キノシネマ天神日程調整中 札幌・シアターキノ<作品ラインナップ >【ソーシャル・セレクション】人種や戦争、社会問題など、現代を取り巻く重要なテーマを考える今だから見るべき作品『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』『坂本龍一 WAR AND PEACE 教授が遺した言葉たち』(C)TBS音楽家はなぜ、社会発信を強めていったのか。坂本龍一が遺したもの……監督:金富隆出演:坂本龍一『サステナ・フォレスト ~森の国の守り人(もりびと)たち~』『サステナ・フォレスト ~森の国の守り人(もりびと)たち~』(C)TBS“森の国”日本放置された末に今、「守り人」たちは……監督:川上敬二郎出演:橋本光治、橋本延子、橋本忠久、柴田君也、小林正秀、蔵治光一郎、佐藤宣子、齋藤暖生『家さえあれば ~貧困と居住支援~』※大阪・京都 限定上映作品『家さえあれば ~貧困と居住支援~』(C)MBSたとえ何度裏切られても──居住支援を続ける理由とは?監督:海老桂介出演:坂本慎治ナレーター:田村裕(麒麟)『102歳のことば~生活図画事件 最後の生き証人~』※北海道 限定上映作品『102歳のことば~生活図画事件 最後の生き証人~』(C)HBC絵を描くことすらも許されない時代がかつて日本にあった監督:長沢祐出演:菱谷良一朗読:古舘寛治ナレーション:世永聖奈『リリアンの揺りかご』※福岡 限定上映作品『リリアンの揺りかご』(C)RKB「歴史の女神」は見つめているいつも愚かで不寛容な私たちを監督:神戸金史出演:リリアン・ギッシュ、植松聖、神戸金佑【ライフ・セレクション】家族の形や身体的な障害など、多様な生き方や新たな価値観を見出せる作品『私の家族』『私の家族』(C)TBSママが2人いる……丁寧に話したい、もう後悔したくないから監督:久保田智子『方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~』『方舟にのって~イエスの方舟45年目の真実~』(C)TBS鑑賞後もあなたは、ハーレム教団と呼びますか?監督:佐井大紀出演:千石まさ子、千石恵、千石美砂紀、井上安子、土田尚美、小串恵子、千石朋子、千石成美、鳥越俊太郎、千石剛賢『魚鱗癬と生きる ー遼くんが歩んだ28年ー』※福岡 限定上映作品『魚鱗癬と生きる ー遼くんが歩んだ28年ー』(C)RKB難病「魚鱗癬」を知っていますか?RKB報道部が伴走した軌跡監督:大村由紀子出演:梅本遼ナレーション:橋本由紀『劇場版 僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる~』※名古屋 限定上映作品『劇場版 僕と時々もう1人の僕~トゥレット症と生きる~』(C)CBC制御不能な“もう1人の僕“「ヘルプマークあっても変わらない」監督・撮影・ナレーション:柳瀬晴貴出演:棈松怜音、酒井隆成、ののか【カルチャー・セレクション】視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚など、感覚を司る表現者たちやテーマを通して新たな感性に出会える『映画 情熱大陸 土井善晴』※東京・大阪・京都 限定上映作品『映画 情熱大陸 土井善晴』(C)MBSありがとう先生!ご飯作って食べるのがメッチャ楽しくなりました監督:沖倫太朗出演:土井善晴ナレーション:窪田等音楽:葉加瀬太郎『最後のMR.BIG~日本への愛と伝承』『最後のMR.BIG~日本への愛と伝承』(C)TBS日本を愛し、日本に愛されたバンドによる最後の別れ──監督:川西全出演:MR.BIG[エリック・マーティン(Vo)、ポール・ギルバート(G)、ビリー・シーン(B)、パット・トーピー(Ds) ]『ダメな奴~ラッパー紅桜 刑務所からの再起~』『ダメな奴~ラッパー紅桜 刑務所からの再起~』(C)TBS「カッコ悪くていい」刑務所からの再起を賭けた男の物語監督:嵯峨祥平出演:紅桜ナレーション:大塚芳忠『旅する身体~ダンスカンパニー Mi-Mi-Bi~』『旅する身体~ダンスカンパニー Mi-Mi-Bi~』(C)TBS身体的特徴も個性もバラバラ。Mi-Mi-Biの身体を巡る旅監督:渡辺匠、志子田勇出演:内田結花、KAZUKI、武内美津子、福角幸子、福角宣弘、三田宏美、森田かずよ、大谷燠、文、橋本実弥公式サイト:
2023年12月25日映画『戦場のピアニスト 4Kデジタルリマスター版』のプレミア上映が、東京・YEBISU GARDEN CINEMAで開催中の『ポーランド映画祭2023』にて11月26日(日) に実施。ダンスパフォーマンスグループs**t kingzのメンバーであり、NHK連続テレビ小説『ブギウギ』に出演するなど俳優としても活躍する小栗基裕(Oguri)が登壇した。第二次世界大戦中のポーランド・ワルシャワを奇跡的に生き抜いたひとりのピアニストの実話を基にした『戦場のピアニスト』は、第75回アカデミー賞主要3部門、第55回カンヌ国際映画祭パルムドールなど、世界中で数々の栄誉に輝いた作品。監督を自らも幼い頃クラクフのユダヤ人の強制居住区域であるゲットーで過ごし、母を収容所で亡くしたというロマン・ポランスキー、主演を昨今ではウェス・アンダーソン監督作の常連としても知られるエイドリアン・ブロディが務めた。初の4Kデジタルリマスター版として12月1日(金) から角川有楽町シネマなど全国で公開されるのを前に、ポーランド映画祭で初上映され、多くの映画ファンが集まった。映画が終わった後、小栗は「大きなスクリーンで映画を見ることができて感激です。戦争で壊された街の悲惨さ、壮絶さに言葉を失いました」と挨拶。映画と同じ原作をもとにした舞台『ある都市の死』に出演する小栗は、実際にポーランドにも訪れたとのこと。「ワルシャワの街のあちこちに戦争の記憶や、ゲットーの跡が残っていたり、それから当時の建物もそのまま残されていたりと、歴史を風化させないよう大切に伝えていこうという思いが浮かびました」と、現地を振り返りながらコメントした。また舞台については、「『戦場のピアニスト 4Kデジタルリマスター版』の原作である書籍をもとに、著者、ウワディスワフ・シュピルマンさんのご子息、クリストファーさんから見た父の人生や戦争の傷や記憶、そしてシュピルマンさんを助けたドイツ人将校、ヴィルム・ホーゼンフェルトさんがどのような人間だったのか、どのような思いで生きたのかなど様々な視点から知ることができる物語になっています」と見どころを説明。「原作を読んでから映画を鑑賞すると、ますますひとつひとつのシーンへの理解が深まります」と、昨今新装版が刊行された原作の書籍にも触れた。なお、12月6日(水) から10日(日) に東京・草月ホール、12月12日(火)・13日(水) に大阪・サンケイホールブリーゼで上演される舞台『ある都市の死』は、『戦場のピアニスト』のほか、シュピルマンの長男であるクリストファーの著書と、彼を救ったドイツ軍将校のホーゼンフェルトの手記をもとにした作品。シュピルマン役をs**t kingzの持田将史、そしてジャズピアニストの小曽根真が演じ、小栗は主人公・シュピルマンの息子役や、シュピルマンを窮地から救ったドイツ軍将校など、複数の役を演じる。<作品情報>『戦場のピアニスト 4Kデジタルリマスター版』12月1日(金) 公開公式サイト:<公演情報>舞台『ある都市の死』12月6日(水) ~10日(日) 東京・草月ホール12月12日(火)・13日(水) 大阪・サンケイホールブリーゼチケット情報:公式サイト:
2023年11月27日ピアニストのフジコ・ヘミング(FUZJKO HEMMING)に密着したドキュメンタリー映画『恋するピアニスト フジコ・ヘミング』が、2024年秋に公開される。ピアニストのフジコ・ヘミングとは日本人ピアニストとロシア系スウェーデン人画家の間に生まれたフジコ・ヘミングは、幼少の頃よりピアノを始め、世界的音楽家・レオニード・クロイツァーに師事。ベルリン芸術大学を優秀な成績で卒業後、ヨーロッパ各国で演奏のキャリアを重ねピアニストとして高い評価を受けるものの、コンサート直前に風邪をこじらせ聴力を失ってしまう。絶望と貧困の中で治療に専念し、ドイツ各地で音楽教師として生計を立てながら演奏活動を続けていたフジコ・ヘミングは、1999年にNHK ETV 特集で紹介されるやいなや反響を呼び、CDアルバムは200万枚というクラシック界では異例のヒットを記録した。その後はパリに居を構え、世界の著名オーケストラと数多く共演。メジャーデビューから20数年を過ぎてもなお、世界中で年間約60本に及ぶコンサートで演奏し、その多くはソールドアウトとなっている。音楽活動に加え、イラストレーターとしての評価も高く、終戦翌年の1946年に描いた絵日記を『フジコ・ヘミング14歳の夏休み絵日記』として出版。また、ベジタリアンで敬虔なクリスチャンでもあり、動物保護や被災地、戦争被害地への支援など、チャリティー活動も精力的に行っている。2020年から4年間にわたって密着、音楽に向き合う姿を記録映画『恋するピアニスト フジコ・ヘミング』は、2020年から4年間にわたって撮影された、フジコ・ヘミングの人生に迫るドキュメンタリー作品。世界中がストップすることを強いられた2020年においても、少女時代に経験した戦時下においても変わらず、自身の愛すべき音楽に向き合っていく姿が映し出されている。2018年に公開され、異例のロングランヒットを記録したドキュメンタリー映画『フジコ・ヘミングの時間』から5年の歳月を経て、現在もなお精力的に活動を続けるフジコ・ヘミングの生き様と、力強い指先から生み出される癒しの音色に注目だ。【詳細】映画『恋するピアニスト フジコ・ヘミング』公開時期:2024年秋出演:フジコ・ヘミング監督:小松莊一良構成:小松莊一良
2023年10月20日ドイツを拠点に活躍する本格派ピアニスト、河村尚子とアレクサンドル・メルニコフ。ちょっと思いがけない顔合わせで、この11月、初めてのデュオ・リサイタルがひらかれる。東京芸術劇場コンサートホールの響きのよい空間で、2人のピアニストが向き合うシリーズ「VS」の第7弾にして、外国籍の演奏家が登場する初めての機会だ。「サーシャ・メルニコフとは10年以上知り合いですけれど、共演するのは初めてですし、本当に大スーパースターだから。すごく優しい、いい人なんですよ。でも、ロシア人らしく、口では本当に厳しいことを言う。つねに真剣に、作曲家の意図を理解し、それを表現しようとしている人だと思います」と河村尚子は言う。シューベルト晩年の「幻想曲」で始まり、ドビュッシー自身の4手連弾版による交響詩「海」、ラフマニノフの2台ピアノ版「交響的舞曲」へと時代を進む多彩なブログラム。シューベルトの音楽は近年集中して取り組んでいるが、オーケストラでも名高い2曲は、河村尚子にとって新たな挑戦となる。「シューベルトは掘り下げてきて、また違う顔がみえてきたし。『幻想曲』はすごくシンフォニックで、2手では弾ききれないことがたくさん詰まっていると思うんです。ドビュッシーとラフマニノフはメルニコフが提案してくれました。オーケストラの曲を弾くのは私も好きなので、うれしいなと思って。あまりコンサートでは採り上げていませんが、ドビュッシーは大好きなんです。音を弾くとともに色彩が空気に広がって、なんて素敵なんだろうって。ラフマニノフは聴いていて面白いし、かっこいいし、じーんとくるし。彼の和声がやっぱり私はとても好きなんですね」。ピアニストどうし、それぞれの視点でみつめる作曲家の世界が対話する場でもある。「3人の作曲家にもっている意見や感情が、きっと私とメルニコフでは異なってもいるでしょう。思いが違っていて全然かまわないし、その表現の違いを私は彼から聞きたいと思うんですよ。10月にベルリンでリハーサルをするので、そこで思う存分話して、意見を交わしていければと。いろいろ学びたいですし、コンサートがどういうふうになるのか、すごく楽しみです」。芸劇リサイタル・シリーズ 「VS」 Vol.7 河村尚子×アレクサンドル・メルニコフnoの公演情報はこちら取材・文青澤隆明(音楽評論)
2023年08月09日■前回のあらすじいつも実母を頼っていた緑は、自分で保育園のお迎えに行き柊と過ごすが、食事にお風呂、歯磨きもままならず、平日の子育てがいかに大変だったか気づく。疲れはてて柊が寝た後、帰宅した夫に子どもの世話をうまくできなかったことを話し、涙する。そして「母親失格」と落ち込む緑に自分の母を思い出した葵だったが…。 >>1話目を見る 【茜side story】私にとっては青天の霹靂でした。どうしても私は、自分が母親として未熟でほかの人より劣っている母親だという意識が強くて…。だから、みんなが子どもにイライラしたり、怒ったりしないと思っていたのです。娘に怒ってしまった後に、私はいつも猛烈な後悔と恐怖に襲われます。いつかこのまま私も娘のことを疎んでしまうのではないか。または娘は私と同じように母親の愛情を期待することをやめてしまうのではないか。だから定期的に相談センターに通ったり、夫に話したりしてきました。なぜなら私は、自分が母親として未熟でほかの人より劣っているという意識が強くあったから…。だからそんな私にどうして緑さんと葵さんが、相談したり愚痴を言っていくれるのか不思議だったのですが…。次回に続く(全23話)毎日更新!※この漫画は実話を元に編集しています原案・ウーマンエキサイト編集部/脚本・ 古口春菜 /イラスト・ まりお
2023年06月05日6月9日(金) より公開される映画『リトル・マーメイド』の吹替版声優として、王林とますみ(天才ピアニスト)がアリエルの姉インディラ役とタミカ役に決定した。本作は、ディズニー映画の第二黄金期の扉を開くきっかけとなった重要なアニメ『リトル・マーメイド』の実写映画化作品で、海の王国に暮らすマーメイドの王女・アリエルが主人公のミュージカルファンタジーだ。主人公アリエルは7人姉妹の末っ子。アリエルの6人の姉はいつもは世界中に散らばっているが、「コーラル・ムーン」と呼ばれる時期に父トリトン王の元に集まってくる。そんな各地に散らばる姉妹の設定になぞらえて、吹替版声優を選出。青森弁がチャームポイントの人気タレントで『リトル・マーメイド』が大好きという王林が東北を代表してインディラ役に、関西代表で『女芸人No.1決定戦 THE W』6代目女王のお笑いコンビ・天才ピアニストのますみがタミカ役に決定した。王林は吹替声優を務めることについて「私がやっていいのか? という気持ちが一番大きいんですけど、今まで『リトル・マーメイド』は生きてきた歳の数よりも観たというくらい、本当にたくさん見ているんですよ。声のお話をいただいたので“ええ! 自分が?”という気持ちが一番ですけど、せっかくこうやってありがたい機会をいただき、自分の中でも新しい扉を開けるチャレンジなので、気持ちを乗せて頑張っていけたらなと思います」と意気込みを見せた。『リトル・マーメイド』の海の世界を意識した衣装でアフレコに挑んだ王林だが、染みついた青森弁が抜けず、吹替監督からつっこまれると、思わず「標準語ってどんな感じでしたっけ?」と笑うお茶目な一面も。監督の熱心な指導も入りテイクを重ねるにつれ、普段は天然で可愛らしいキャラクターからは想像できない、真剣な表情で挑んだアフレコとなった。最後には監督も「素晴らしい!」と絶賛の声が上がるほどの演技となった。そして、ますみも吹替初挑戦だったが勢い余り、まさかの上沼恵美子のモノマネをしながらアフレコし始めるという事態に。突然のぶっこみに動揺を隠せない監督。そのままモノマネを続けるが、現場の空気に耐えられず「ごめんなさい監督。ちゃんとやります!」とすかさず謝罪するという芸人魂が抑えられない一面も。また、本来はますみさんのみの予定であったが、当日に相方の竹内さんも役をもらえないかとお願いすると、急遽“村の女性役”にねじ込んでもらうことに成功した。一言ながらも、監督の指導の元、リテイクする度にアフレコが上手くなっていき、最後にはコンビ揃って大絶賛され『THE W』覇者の流石の演技力を見せつける結果となった。元々ディズニー作品が大好きだというますみ。吹替版声優に決まったことについて、「私は次女でして、結構、末っ子気質というか、妹ちゃんみたいなキャラクターだったので、お姉さんって立場に憧れてまして。今回、アリエルのお姉さん役を演じられて、人生の目標を達成した気持ちです」と喜びを語った。また監督から女優の気質があると褒められたことに対し、「率直にうれしいというのもありますし、主役の話が来たら受けようかなと思います」と既に女優気取りな回答する一幕も見られた。さらに、公開が近づいてきている中で、お互いに熱のこもったPRをすべくエールを送り合った。天才ピアニストから王林へ、「我々は関西地区の担当なんですけど、王林さんは東北地区のPRをされるということで、この『リトル・マーメイド』を同じ“女優”仲間として、あ! 違いました、同じ“アイドル”仲間として一緒にPRを頑張りましょう!」とエールが送られると、王林さんからは「ますみさん、竹内さん! 今回一緒に“女優”として頑張らせていただくということで(笑)、普段は違うジャンルで頑張ってきている私達ですけど、この機会に私達“女優”として新しい一面を見せていけるように頑張りましょう!そしてこの『リトル・マーメイド』を日本にいっぱい届けられるようにお互い力を合わせましょう!」と熱いエールを返した。『リトル・マーメイド』吹替版本予告編<作品情報>『リトル・マーメイド』『リトル・マーメイド』本ポスタービジュアル6月9日(金) 全国公開公式サイト: 2023 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
2023年05月17日現在第2子妊娠中、3歳の長女を育てています。生まれた長女の手の特徴から、ピアノ講師の義母が「この子は将来ピアニスト!」と大喜び。その後、連絡のたびに「ピアニスト」を押し付けてくる義母にストレスを感じた体験談です。 生まれたとき指が長かった長女長女が生まれたとき、直後の分娩室で話題になったのは「指の長さ」でした。分娩室にいたのは夫と実母と助産師さん。3人で「すごい指が長いね~」としきりに言っていたのを、産後ヘロヘロになっていた私もはっきりと覚えています。 実際自分の状態が落ち着いてからわが子をよく見ると、本当に指がすらりと長かったです。私にも夫にもない特徴なので「おもしろいね~」と微笑ましく夫と話していました。 ピアノ講師の義母が歓喜!産後4日ほどしてから、義父母が病院にお見舞いにきました。夫が新生児室から長女を連れてきて義父母に見せると、指の長さに気付いた義母が歓喜の声をあげました。「すごい! 指が長い子なのね! これは将来ピアニストになるしかないわね!!」とのこと。 義母はピアノ講師なので、孫のこの特徴が本当にうれしかったようです。このときは「そうですねー」と相槌程度で済ませましたが、その後も病院にいる間、義母は繰り返し長女の指の長さを話題にしていました。 し、しつこい! 連絡のたびに毎回里帰り出産で産後の体調の戻りも悪かったので、私は2カ月ほど実家で子育てをしていました。その間、数日おきに義母から連絡がきていたのですが、その文章のなかには必ず「将来はピアニストね」「指が長くてピアニストに向いてるわ」「指を長く産んでくれてありがとう」と言った言葉の数々が……。 大部分は長女の写真に対するコメントだったり、長女の近況を知りたいという内容だったりするのですが、必ず文章のどこかに脈略なくこうした言葉がつくので、毎回小さなストレスでした。 私はとにかく毎回コメントに対する返信はしないようにしていました。そして里帰りから戻ってからは、すぐに会える距離にいるため連絡の頻度も少なくなり、指に関する言葉も徐々に消えていきました。 成長と共に長女の特徴だった指の長さも目立たなくなっていき、3歳の今では「特別長い指」ということもありません。義母は時々「生まれたときは孫ちゃんは指が長かったのにね」と残念そうにしていますが、私はこっそり「言われ続けなくてよかった」と心の中で思っています。 著者:水田 真理 イラスト制作者:マンガ家・イラストレーター うちここ年子男児を育てる2児の母。家族で過ごす日常や思い出をInstagram(@uchikoko20)やブログ「うちここ日記」で描いてます。
2023年04月10日世界最高峰のピアニストとして日本でも圧倒的な人気を誇るピアニスト、スタニスラフ・ブーニンのピアノ・リサイタルツアーが今年11月から全国で開催されることが決定した。スタニスラフ・ブーニンは、17歳でロン=ティボー国際コンクールで最年少優勝を果たし、1985年には19歳で第11回ショパン国際ピアノコンクールで優勝。日本でも絶大な人気を集めた。しかし10年前に突然、表舞台から姿を消し、2022年に9年ぶりに日本のファンと再会するコンサートが開催された。その模様はテレビで放送され、大きな感動と反響を呼んだ。ファンから寄せられた多くの温かいメッセージを受け、今回の全国ツアーが決定。今年11月から来年1月まで東京、新潟、長野、埼玉、大阪、山口の全国6カ所で開催され、代名詞のショパン「雨だれ」、「幻想」や、昨年のコンサートでも披露されたシューマン「色とりどりの小品」などが演奏される予定だ。スタニスラフ・ブーニンからのメッセージ今回のコンサートでは“家族のお気に入り作品”「ノクターンop.15、マズルカop.50、ポロネーズ「幻想」op.61。そしてシューマンはもちろん家族全員。」を演奏することができ、嬉しく思います。スタニスラフ・ブーニン ピアノリサイタル11月18日(土)八ヶ岳高原音楽堂11月26日(日)長岡市立劇場12月3日(日)川口総合文化センターリリア12月9日(土)サントリーホール12月23日(土)宇部市渡辺翁記念会館2024年1月8日(月・祝)ザ・シンフォニーホール演奏予定曲ショパン ノクターン 第5番 嬰へ長調 作品15-2ショパン ポロネーズ 第1 番 嬰ハ短調 作品26-1ショパン プレリュード 第15番 変ニ長調 作品28-15 「雨だれ」ショパン 3つのマズルカ 作品50-1~3ショパン ポロネーズ 第7番 変イ長調 作品61 「幻想」シューマン 色とりどりの小品 作品 99よりほか※曲目は変更になる場合がございます。予めご了承ください■チケット情報
2023年03月31日ピアニストの阪田知樹が「第32回 出光音楽賞」を受賞した。「出光音楽賞」は将来有望な若手の育成という観点から、意欲・素質・将来性などに重きを置き、新進の音楽家を顕彰するもの。1990年に制定され、第32回は阪田、亀井聖矢、森野美咲が選ばれた。阪田知樹は、2016年にフランツ・リスト国際ピアノコンクールで第1位に輝き、6つの特別賞を受賞。東京芸術大学を経て、現在ハノーファー音楽演劇大学大学院ソリスト課程に在籍している。第14回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールでは最年少19歳で入賞するなど、多くのコンクールで称賛を浴びる気鋭のピアニストだ。また、作曲・編曲活動も行っており、横浜アーツフェスティバル実行委員会の委嘱を受けて編曲を行い、横浜音祭り2019オープニングコンサートを初演。昨年5月には「阪田知樹ピアノ編曲集ヴォカリーズ」が出版された。今年9月にはラフマニノフ生誕150周年を記念した協奏曲全曲演奏会を行うなど、精力的に演奏活動を続けている。なお、「第32回 出光音楽賞」の授賞式と受賞者による「出光音楽賞受賞者ガラコンサート」が開催される予定だ(日時・会場未定)。■チケット情報
2023年03月29日JNN中東支局長という肩書ながら、中東のみならず、世界各地を飛び回って、戦場や紛争地の現実をニュースで発信しているTBSテレビ特派員、須賀川拓。映画『戦場記者』は、今やYouTubeでもよく知られる存在となった彼の取材記録であるとともに、記者、須賀川拓にも焦点を当てたドキュメンタリーだ。世界の戦地を周り、取材し続ける彼は現地で何を感じ、厳しい現実を前に何を思うのか?この日はJNN中東支局長のデスクのあるロンドンにいた須賀川本人にリモートで話を聞いた。映画ならば、現地で見聞きしたことをそのまま伝えることができるはじめに作品の裏側に少し触れると、本作『戦場記者』の監督は、須賀川本人。つまり、クレジットだけで判断すると、戦場記者としての自分を自分で描いたことになる。ただ、作品を観れば分かることだが、実際の作品のニュアンスは少々異なる。このような形になった経緯をまず聞いた。「自分で自分を描くなんて“どれだけ自己愛が強いんだ”とかの意見があるのはごもっとも。さすがに僕も自分を全編にわたって編集して描くとなるとかなり“痛い人”になってしまうことは認識していました(笑)。まず、今回の『戦場記者』は、前段として今年のTBSドキュメンタリー映画祭で発表した『戦争の狂気 中東特派員が見たガザ紛争の現実』があります。その後、この作品を基軸に新たな作品ができないかとなったときに、もっと僕自身が前に出たらいいのではないかという意見が出たんです。戦場記者として僕が考えていることや感じていることをもっと前面に出してもいいのではと。そういう意見をいただいたことは素直にありがたい。そう思う一方でこう思いました。“自分がディレクターで自分をフィーチャーすることはありえない”と。ですから、今回の場合、第三者として協力ディレクターの方に入っていただいています。実際に戦地で取材してリポートしている様子は自分で編集しているんですけど、それ以外のところ、たとえば僕が戦地で感じていることをインタビューに答えているところなどは、協力ディレクターに主体になってまとめてもらっています。ただ、そう振り分けてもやっぱり気持ち悪いというか。編集時も自分のインタビューのところに来ると聞いてられない(苦笑)。あまり僕自身が立ちすぎるのはよくないんじゃないか、もっと協力ディレクターが存在していることを前面に出した方がいいんじゃないかと、最後までこの問題に関しては修正を重ねていました。いまだに監督としてクレジットされていることがむずかゆくて心が落ち着きません(笑)」このような経緯で完成した作品で、メインに置かれるのは須賀川の取材日誌ともいうべき現地からのリポート。2021年5月、イスラエルとハマスの戦闘が激化したガザ、2022年2月、ロシア軍の軍事侵攻直後のウクライナおよびチョルノービリ原発、2022年8月、タリバン最高幹部へのインタビューを実現させたアフガニスタンなど、危険の伴う紛争地、戦場での取材が収められている。「作品を作る上では、戦地で起きていることをちゃんと伝えたいと考えました。そう言うと語弊があるんですけど、テレビのニュースでのリポートというのは、尺の制限があって伝えられることは一部に限られてしまう。たとえば、爆撃を受けて家族を失った方がいらっしゃるとする。その場合、爆撃された家のショットがあって、遺族と周囲の人々のコメントぐらいで終わってしまうことがほとんど。その出来事のメインの要素だけしか伝えられない。でも、実際は遺族にはそれまでの歩みがあって、亡くなった人にも人生のストーリーがある。当然ですけど、一部分だけでは語り尽くせないことがいっぱいある。今回は映画ですから、テレビの宿命である瞬間、瞬間を切り取ることにとらわれる必要はない。現地で僕が目の当たりにしたこと、人々から聞いたことをそのまま描くことで、戦場のリアルを、戦地の現実をそのまま伝えられればと思いました」見て見ぬふりすらもされないアフガニスタンの“橋の下”の惨状須賀川の言葉どおり、通常のニュース報道ではこぼれ落ちてしまいそうな名もなき人々の生の声や、地上波ではちょっと流すのが難しい悲惨な映像も収められている。とりわけ強烈な印象を残すのが、いまだ混乱の続くアフガニスタンからのレポート。貧困と薬物が蔓延する今のアフガニスタン社会の縮図と言っていい、どこにも行き場のないドラッグ中毒者たちが数千人集まった橋の下の光景は、衝撃を受けるに違いない。須賀川はそこにも臆することなく足を踏み入れる。「ショッキングな映像ですけど、こういうことをちゃんと見せないとアフガニスタンの現実は伝わらない。だから、この話を聞いたときに、行こうと決めていました。あの橋の下は、もうこの世の終わりというか、人々はカメラに撮られようともうどうでもよくなっていて、目の前で薬物を吸い始める。“人間はここまで自暴自棄になってしまうのか”と思ったし、リポートでいろいろとしゃべってますけど、気持ちとしてはもう言葉を失いました。なによりショックだったのは、周りにいる人たちが完全に無関心なんです。映像を見てもらえれば分かるように、あの橋はかなり人や車の往来がある。でも、誰も気にかけていない。誰もいない僻地や離島ではない、街のど真ん中にあるのに、完全に社会から断絶されている。見て見ぬふりならまだ分かるんです。たとえば、日本ならば公園にホームレスの方がいたら、どんな印象にしても、いずれにしてもその存在に気づくじゃないですか。なにかしら関心を寄せると思うんです。でも、アフガニスタンのあの場所とあそこにいる人々は、見て見ぬふりもされない。完全にシャットアウトされていて目隠しされたような状態になっている。だから、社会問題にすらならない。本当に暗澹たる気持ちになりました」感情に訴えかけるだけではないファクトを重視する理由今回の作品では、戦地の現地取材のみならず、その場所に落とされた爆弾の威力や使用された兵器などの調査取材も記録されている。「そこまで調べる必要はないのでは?」とこちらが思うことも調べあげていることに驚かされる。「これは僕の性格で、いろいろなところに興味がいって、知りたくなってしまうんですね(笑)。でも、記者のほとんどはそうだと思います。現場に行って現状を撮って、被害者の話を聞いて、“はい終わり”という人はいないと思います。みなさん、そこから裏にどんなことがあるのかとか調べ尽くしていく。ただ、僕自身はかなり意識して力を入れているところはあります。というのも、戦争報道であれば、現場に行って被害者に話を聞き、亡くなった方の写真を見せるみたい流れで報じられるのがパターンとしてある。実際に被害を受けた方々の言葉には重みがありますから、これはこれからも伝えていかなくてはならない。でも、一方で、このパターンでの報じ方は限界というか。遺族の話で感情に訴えるだけでは視聴者のみなさんにもう伝わらなくなってきているのではないかという、危惧があるんです。もっと訴求力を高めることが必要ではないかと。そうなると、たとえばどのような爆弾が落とされたのかといったファクトが重要で。今回、爆弾処理の現場を取材してますけど、ああいう形で現地に落ちた爆弾がどのような威力をもっていたのかが想像できると、よりその出来事が身近に感じられると思うんです。そのような想像ができると遺族の悲しみや苦しみ、悔しさといったこともより伝わってくるのではないかと。なので、僕自身、確かに意識はしているんですけど、これまでの記者さんもこうした細かい取材をしてきていると思います。ただ、それを発表する場というのがテレビの限られた報道の枠ではなかなかなかった。それが今ネットやこの映画のように発表できる場ができたので、こういう細かいところまで調べ尽くして、重層的に起きたことを伝えるような報道はこれからどんどん増えていくと思います」戦地からの報道を続けることがいったい何になるのか世界各地の戦地を巡っているわけだが、権力者の思惑や意向によって、無関係の人々の命や生活が踏みにじられる現実がある。戦地での取材はやりきれないことの連続と想像するが、どのように気持ちを処理しているのだろうか?「処理できていないと思います。たとえば今回の映画では、イスラエルの攻撃によりガザで奥さんと子ども4人を亡くした男性が登場します。彼を哀しみから救うことは僕にはできない。無力だと思います。そして、残酷な言い方になってしまいますけど、彼を忘れるわけではないけれども、心の片隅ぐらいに置いておかないと、僕自身も前には進んでいけない。僕も人間なので、そうしないと前を向けない。もちろん、過去に取材で知り合った人たちとは、常時連絡を取り合ってはいます。だけど、一個人で抱えられるキャパシティは限りがある。だから、忘れるわけではないですけど、心の片隅に置いておかないと、次の取材へ向かうことができなくなってしまう。そこは割り切るしかない。悲しいことですけど、僕らが報道を続けても世界で起きている紛争や戦争の問題が解決することはおそらくない。あまり言いたくないですけど、人間がいる以上、争いごとは未来永劫やまない。でも、僕は将来的に起きる戦争を踏みとどまらせたり、ガザで家族を失った彼のような人や国を、逃れるしかなくなった難民を、なるべく出さないようにすることはできると思っている。それを信じて報じていくしかない。すべてを受けとめて、己のすべてをかけてこういった問題に取り組める人というのが世の中にはいます。中村哲さん(※パキスタンやアフガニスタンで医療活動に従事した医師。2019年にアフガニスタンで銃撃を受け命を落とした)などはそうだと思います。でも、僕はそうはなれない。だから、自分のキャパを分かった上でやれることをやるしかないと思っています」ひと昔前だったらきっとポンコツ記者YouTubeや映画の場があることに感謝テレビでは伝えきれない紛争地や戦場の中にいる人々の生の声をTBS公式YouTubeで積極的に配信。そうした功績が認められ、今年(2022年)、国際報道で優れた業績をあげたジャーナリストに贈られる「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞した。傍から見ると、この特派員という仕事が天職に映るが本人はどう感じているのだろうか?「スポーツ局から始まって、報道局社会部原発担当、警視庁担当などを経てきたのですが、国内の報道の記者もやりがいはありました。今も昔もニュースの現場が好きです。そこはおそらく一生変わらないと思います。ただ、現職(JNN中東支局長、TBSテレビ特派員)になって、ニュースの伝え方であったり、取材の手法であったりと、より自分の持ち味を生かせるようになったところはあると思います。あと、誉められたことではないのですが、僕はある出来事を簡潔にまとめる能力がかなり怪しい。これはテレビの記者としては致命的なんです。たとえば現地の取材報告などは“1分でまとめて”とかが当たり前にできないといけない。でも、僕はいまだに苦手で(苦笑)。おそらくひと昔前だったら、リアルなポンコツ記者で配属を変えられていてもおかしくない(笑)。YouTubeや今回の映画のような場があるから、記者としてなんとかやれているところがある。だから、今という時代のタイミングに救われている。いい時代に記者になれて感謝しています」来年は40歳を迎えるが、今後をどう考えているのだろうか?「今言われて気づきました。いや、最近も、サバを読んでいたわけではなく、普通に自分の年齢を間違えて周囲に言ってたんですよね(苦笑)。それぐらいあまり気にしていない。体力が続く限りこの仕事をしたいだけで40歳だから何かということは特にないです。強いて目標を挙げるとすれば、今までやり続けてきたことをこれからもやり続けていきたい。このひとつひとつの積み重ねが後につながっていく。ひとつひとつの取材報告がもしかしたら少し世界を、社会を、いい方向へ変えるかもしれない。だから、これからも現地に行って取材して、それを伝える。このことをずっと続けていきたいんです」取材・文:水上賢治<作品情報>『戦場記者』上映中公式サイト:テレビ
2022年12月21日TBSテレビ特派員にして、現在はYouTubeでも注目を集める須賀川拓が、世界の紛争地を取材するドキュメンタリー『戦場記者』の初日舞台挨拶が12月16日、東京・角川シネマ有楽町で行われ、拠点のロンドンから一時帰国した須賀川監督が登壇。ジャーナリストの青木理、須賀川監督と同じく2019年に「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞した村山祐介の二人も駆けつけ、新時代のジャーナリズムをテーマに意見を交わした。2022年3月開催の「TBSドキュメンタリー映画祭」で上映された『戦争の狂気 中東特派員が見たガザ紛争の現実』をベースに、さらなる取材を重ね、劇場映画として公開。ついに作品の封切りを迎え、須賀川監督は「まずは、紛争地で取材に応じてくれた皆さんに『しっかり伝えて、観てもらえていますよ』と伝えたい」と感無量の面持ちを浮かべ、「多くの皆さんに観ていただき、建設的な批判も含め、いろんな声をいただき、次の取材に活かせれば」と抱負を語った。須賀川拓監督青木は「メディア環境が激変するなか、外報はテレビの視聴率がとれず、新聞でも一番読まれないので、予算も人も減らす傾向が顕著になっている」と指摘し、「世界の情報が分からないと、人々も内向きになってしまう。それを防ぐためにも、この映画を通して、メディアが現地で直接取材することの大切さに触れる機会になれば」と本作の意義を訴えた。青木理また、印象的なシーンとして「須賀川監督が“意地”という言葉を使っていた」と語ると、須賀川監督は「そう言ってもらえると、うれしい。意地の裏に何があるか、説明しようがないが、意地で伝え続けなければ、絶対に伝わることのない物語ばかり」と力説。紛争地の取材経験も豊富な村山は、「取材のプロセスをさらけ出し、距離感のない語りで(観客を)戦場に連れていく。その持っていき方に悔しい気持ちで映画を観た」と“同業者”として、須賀川監督の取材姿勢をたたえた。村山祐介舞台挨拶の締めくくりとして、須賀川監督は「この映画を通して、現状を知ってもらい、議論が広がることで、支援の懸け橋や次のムーブメントにつながるきっかけになれば。今は変えられないかもしれないが、未来の戦争や難民を減らす力にはなるはず」と期待をこめて、アピールしていた。取材・文・撮影=内田涼<作品情報>『戦場記者』公開中監督:須賀川拓撮影:寺島尚彦 / 宮田雄斗 / 渡辺琢也 / 市川正峻映画『戦場記者』予告編公式サイト:
2022年12月16日世界の紛争地を飛び回ってきた日本人記者の視点から“戦場の今”を映し出すドキュメンタリー映画『戦場記者』が本日より公開。これを記念して、映画プレゼンターの赤ペン瀧川が本作の<見逃さないでほしい注目ポイント3か条>をまとめた特別映像が公開された。監督は、TBSテレビに在籍し、JNN中東支局長として現在ロンドンを拠点に、世界中を飛び回る特派員・須賀川拓。ガザ、ウクライナ、アフガニスタンなど世界の戦地における国際ニュースだけでは知りえない戦争の残酷さを現実として突きつける作品となっている。この度公開された特別映像では、赤ペン瀧川が注目した3つのポイントを紹介。「①地球の裏側で真実を目撃戦場に向かう1人の男」では、須賀川監督の経歴から、レバノンの首都ベイルートで起きた穀物庫の巨大爆発事故、現地のドラック王に突撃取材するなどを挙げ須賀川の取材スタイルを解説し、「②残酷な世界の現実過酷な戦場三連発」では、ガザ、ウクライナ、アフガニスタンの3つの紛争地での須賀川の取材成果を紹介。そして「③なぜ戦場に向かうのか?須賀川拓が語る真のニュース」では、須賀川が危険を冒してまで、どうしてそこまでやるのかを考察し、「このドキュメンタリーを最後まで見た時に理解します。須賀川さんが考えるジャーナリズム、報道に懸ける情熱と希望をこの映画で知っていただきたい」と締めくくっている。また、本作の公開に合わせて緊急帰国する須賀川拓監督が登壇するトークイベントが12/16(金)と12/17(土)に開催されることに。さらにゲストとしてジャーナリストの青木理、村山祐介、綿井健陽に加え須賀川拓監督、ウクライナ出身の政治評論家のナザレンコ・アンドリーら豪華なジャーナリストたちが登壇することが決定した。赤ペン瀧川が見逃さないで欲しい注目ポイントを紹介! 『戦場記者』特別映像【トークイベント開催概要】①12月16日(金)【会場】東京角川シネマ有楽町【時間】15時30分の回(上映後)【登壇】須賀川拓(監督)、青木理(ジャーナリスト) 、村山祐介(ジャーナリスト)(以上予定)②12月16日(金)【会場】東京ヒューマントラストシネマ渋谷【時間】18時30分の回(上映後)【登壇】須賀川拓(監督)、村山祐介(ジャーナリスト)、綿井健陽(ジャーナリスト)(以上予定)③12月17日(土)【会場】東京角川シネマ有楽町【時間】10時30分の回(上映後)【ゲスト】須賀川拓(監督)、ナザレンコ・アンドリー(政治評論家)、秌場聖治(TBSテレビ 外信部長)(以上予定)④12月17日(土)【会場】東京角川シネマ有楽町【時間】13時20分の回(上映後)【ゲスト】須賀川拓(監督)、ナザレンコ・アンドリー(政治評論家)、秌場聖治(TBSテレビ 外信部長)(以上予定)『戦場記者』公開中
2022年12月16日TBSテレビの中東支局長として、パレスチナ、アフガニスタン、ウクライナなど様々な紛争地域を取材する須賀川拓が手がけたドキュメンタリー映画『戦場記者』の公開直前イベントが12月14日(水) 、都内で行われ、戦場カメラマンの渡部陽一氏とテレビプロデューサーのデーブ・スペクター氏が出席。須賀川監督もロンドンからリモート参加し、戦争報道のあり方について議論を交わした。2022年3月開催の「TBSドキュメンタリー映画祭」で上映された『戦争の狂気中東特派員が見たガザ紛争の現実』をベースに、さらなる取材を重ね、劇場映画として公開。長年の取材が“映画化”されることに、須賀川監督は「あくまで取材を受けてくださる側が主役なので、タイトルも含めて自分が主役のようにフィーチャーされることには、いまだ違和感も覚えますが、私が軸になることで、紛争地の現状を皆さんにお届けできるなら、結果的に良かった」と戸惑いとともに、喜びを示していた。須賀川拓監督自身も戦場での取材経験が豊富な渡部氏は「その場にいて、カメラを回す。これぞ国際報道の力であり、真骨頂」と唸り、「取材の柱となるのは、コーディネーターや通訳といった現地とのつながり。その地域で生まれ育った人だからこそ、危機の動きや情勢の変化を引き寄せることができる。チームの力が映像に激しく映り込んでいる」と取材に対する姿勢を称賛した。渡部陽一国内外のメディア事情にも精通するスペクター氏は、「今はテレビを見ないという人も増えているが、この映画を見てもらえれば、大手メディアだからこそ、充実した取材ができると伝わるはず。時代が変わったとは言いたくないし、テレビの重要な役割をこの映画で改めて実感しました」と熱弁。このコメントに、須賀川監督は「安全はお金で買える部分もあるので、大手メディアはもっと現地に行くべき。個人ではできることに限界があるので、(テレビ局員として)謙虚に続けていきたい」と決意を新たにしていた。デーブ・スペクターその上で「視聴者に届けるのはスタートに過ぎず、常にその先を考えている」と語り、「テレビ報道、YouTube、そしてこの映画を見ていただき、賛否含めた議論が巻き起こることで、結果的に紛争地域に暮らす人々への支援につながれば。それが明確な最終ゴール」だと話していた。取材・文・撮影:内田涼<作品情報>『戦場記者』12月16日(金) 角川シネマ有楽町ほか全国順次公開監督:須賀川拓撮影:寺島尚彦 / 宮田雄斗 / 渡辺琢也 / 市川正峻公式サイト:
2022年12月14日12月16日(金) 公開のドキュメンタリー映画『戦場記者』より、本作を紐解くスペシャルインタビュー映像が解禁された。本作は、世界の紛争地を飛び回ってきた日本人記者の視点から“戦場の今”を映し出すドキュメンタリー映画。ガザ、ウクライナ、アフガニスタンなど世界の戦地における国際ニュースだけでは知りえない戦争の残酷さを現実として突きつける作品となっている。この度、解禁となった映像では、中東を中心に世界中を飛び回る記者・須賀川拓の紛争地取材に掛ける想いを語るインタビューに加え、須賀川と同じ職場で共に働き、見守ってきたTBSロンドン支局長(当時)・秌場聖治や、共に取材地へ同行しているカメラマンの渡辺琢也から見たテレビ記者としての須賀川を語るシーンも収められている。その中で須賀川は、「“戦場”と“日常”は紙一重」と様々な紛争地を取材した彼だからこその見方を率直に語る。さらに「空爆された現場はもうこの世の地獄。でもその反対側の道には、これまで通りの日常がある。従来のテレビは、その瓦礫(の映像)から入るんです。瓦礫しか見せない。でもそうじゃないんです。瓦礫の隣を見ると、ケバブ屋がケバブを焼いている。そして『いらっしゃい。いらっしゃい』と言っている。そういった映像を見せることを今まであまりしてこなかった、してこられなかったんです。1分2分3分ではできない。今は映画やインターネットを含めて表現の幅が広がったので、それをちゃんと見せることができる。いろんな考え方があると思うんですけど、あの空爆の現場だけ見せたら、かわいそうだけで終わっちゃうんですよ。『大変そうだな』、『かわいそうだな、遠く離れたところで』って。でも戦争って、それだけじゃないんですよね。表現の幅が狭かったからできなかったことが、今これだけ拡がったからできるようになった。」と、ウェブ動画や本作のような映画といった試みによって、これまで時間の制限ゆえに戦争の現実をごく一部しか報じられなかったテレビ報道の枠を超えていけるようになったと話す。そんな須賀川に対して、秌場聖治は「須賀川はすごいですよ。ずっと喋っていることができる人はあんまりいないんですよ。それはそこまでに勉強してきて、普段から蓄積してきた知識みたいなものがあって初めて喋れる。その引き出しをガッと開けて、そこから掴んで喋るっていうことができる人っていうのはそんなに多くはない。テレビ記者として大事なスキルだと思います」と須賀川の強みを語る。さらに取材で何度も須賀川に同行しているカメラマンの渡辺琢也は「須賀川さんとか、色々な日本の記者が現場に行ってレポートすることが大切なんだと思います。現場に日本人がいることに意味がある」と、須賀川だけではなく、日本人特派員が現場に入りレポートすることの重要性を強調している。また、本作の公開に合わせて緊急帰国することになった須賀川監督と、ゲストによる生配信スペシャル特番が12月17日(土)に配信されることが決定。ジャーナリストの峯村健司氏と政治評論家のナザレンコ・アンドリー氏をゲストに迎え、『戦場記者』にまつわる話から、ウクライナ戦争をはじめとする世界情勢、進化するジャーナリズムなど多岐にわたる内容で深堀りする。『戦場記者』スペシャルインタビュー映像『戦場記者』12月16日(金) 公開【映画『戦場記者』スペシャル特番開催概要】配信日時:12月17日(土)21:00~22:30予定(生配信)配信サイト: 「共感シアター」()※オンラインで出演者が集合トークしている模様をお届けします。ゲスト:須賀川拓監督/峯村健司(ジャーナリスト・青山学院大学客員教授)/ナザレンコ・アンドリー(政治評論家)聞き手:奥浜レイラ
2022年12月13日12月16日(金) より公開される映画『戦場記者』より、TBS DOCSチェアマン太田光からメッセージ映像が到着し、併せて各界の著名人からのコメントが公開された。本作は、世界の紛争地を飛び回ってきた日本人記者の視点から“戦場の今”を映し出すドキュメンタリー映画。ガザ、ウクライナ、アフガニスタンなど世界の戦地における国際ニュースだけでは知りえない戦争の残酷さを現実として突きつける作品となっている。公開されたコメントからは、我々が住む日本から遠く離れた現場でTBSテレビ特派員・須賀川拓が取材現場を歩き、その地に住む人々を見つめ、浮かび上がる戦地の状況を我々に伝えようとする姿を観て感じた、各著名人の想いが伝わってくる。また、現在ロンドンで中東支局長として働いている須賀川が、本作の公開に合わせて緊急帰国することも決定。12月16日(金) の初日舞台挨拶、翌17日(土) も舞台挨拶を行う予定となっている。<著名人からのコメント>■赤ペン瀧川(映画プレゼンター)“ニュースでさえ疑わなければいけない”という現実問題。その解決方法は“現地に行って確かめる”だけだった。シンプルだけど恐ろしい手段で報道を続ける男を追った今作は観客の想像を遥かに超える臨場感がある。■太田光(爆笑問題/TBS DOCSチェアマン)正義だとか悪だとか、極所に行くと、わからなくなっていく。そういうことが多分世界中で起きている。問題を1個1個紐解いていくのは、やっぱり大きな国の役目だと思うし、日本はその中に入ってると思う。だからこそ日本人、日本政府ができることというのは、今やってること以外にもっとあるんじゃないのかなと、この作品を観て正直感じました。■川上泰徳(中東ジャーナリスト)テレビの中東特派員である須賀川記者は、パレスチナ・イスラエル、ウクライナ、アフガニスタンと戦場を歩き、戦争の犠牲になる市民の声を、私たち市民に伝える。戦争報道で市民と共にあるジャーナリズムの在り方を示している。■木村恵子(『AERA』編集長)日常、笑顔、家族の絆……。何よりも大事でかけがえのないものが、戦場では二の次にされてしまう。どうしようもない現実にうちのめされる。それでも現場に立つ戦場記者がいる。そのことが希望だ。■重信房子戦場記者が命がけで送る映像が心に突き刺さる。占領する強者の圧倒的暴力と、強いられた弱者の家族や子供達の死と惨劇に耐え生きる姿。パレスチナで、ウクライナで、アフガニスタンで戦争がいかに庶民を犠牲に晒されていくか、日本の報道番組では見れない映像の数々にこの映画が戦場の真実を伝えようとしていることが分る。■SYO(物書き)「ニュースは消費される」。命がけで戦場の日常を伝え続ける須賀川記者の言葉が、痛みと共に響く。僕たちは僕たちの場所で必死に生きている。余裕があるかもわからない。でも、忘れたくない。この1本を通して、観た“いま”を。■武田砂鉄(ライター)飛び散った破片の重さと鋭利さと冷たさ。それを見る。でも、私たちはそれを知らない。想像するしかない。いくつもの問いが刺さる。■デーブ・スペクター(放送プロデューサー)日本の記者が職場として紛争地をここまでリアルに見られる事はなかなかない。爆撃による民間殺傷の恐ろしさを熟知してるリポーターが伝える必要さを実感。情報が錯綜する今だからこそ意義を感じる。このSNS時代に当事者が発信出来る中で果たして特派員の役割は?須賀川拓が自分に問いかけるジレンマに考えせられる。ウクライナを始め「戦争記者」の使命感が伝わる。■丸山ゴンザレス(ジャーナリスト)戦場にあっても救助や支援をしないジャーナリストの取材は「偽善」と言われることがある。だが、取材の価値は現場の先にある。取材した記録が発信されることで、地域、人種、時代、何もかもを超えて「行動」が生まれることがあるからだ。須賀川記者が集めた悲劇の断片にも、その力がある。■峯村健司(ジャーナリスト/青山学院大学客員教授)精密誘導弾、自爆型ドローン、死者数……。ロシアによるウクライナ侵攻後、戦況や兵器にばかりに注目していたのかもしれない。ミサイルの標的となった市民の血と涙に迫った記者の執念が掘り起こした戦争のリアルは重い。■村山祐介(ジャーナリスト)いまこの瞬間も、殺戮と欺瞞に満ちた狂気の日常を強いられる人たち。直視できないほどの戦場の現実を、地べたの目線と等身大の言葉、息づかいで私たちに届ける、新しい報道の形がここにある。■望月衣塑子(東京新聞記者)空爆で妻と4人の子を失ったパレスチナ男性が育児に追われる一方で、イスラエルにはガザからロケット弾が撃ち込まれる。米軍撤退後のアフガニスタンでも、ロシアが侵攻したウクライナでも、恐怖と怒りは市民の心をむしばみ、戦争の狂気が人の心の中に黒い根を張り巡らせ続ける。紛争地のど真ん中を走り抜けながら、須賀川記者はそんな人間の「リアル」の断片を拾い集める。いまこの世界に生きる私は一体何をすべきか、自問自答が続いている。■八代英輝(元裁判官・弁護士)法に関わる仕事をしてきた誰にも重くのしかかる世界がつきつけられる。人命尊重、自由、人権、それが当たり前でない地域の多さに言葉を失う。しかし、伝えることは無力とは違うという希望を与えてくれる。■山田健太(専修大学ジャーナリズム学科教授)西側諸国の固定的な目線に対し、地元住民の視点からとらえ直しを迫るのは、いま一番困っている人の声を伝えるという記者・須賀川の意地だろう。忘れられそうな人々、とりわけ日々の生活を脅かされる市井の人を追い続けることで、「その国のいま」をあぶりだしたいという思いが伝わってくる。■綿井健陽(ジャーナリスト・映画監督)国際報道に携わる者にとって、戦争報道はその取材力や勇敢さの真価が問われる時だ。須賀川拓は近年、戦争の現場に何度も挑み続けた。戦況解説や軍事評論ではなく、戦争の現場で須賀川が、何を見聞きして、どう思ったのか。そして、カメラに向かって何を話すのか。既存のテレビ放送枠を超えて、今後も様々なメディア空間でその力が発揮されるに違いない。■渡部陽一(戦場カメラマン)須賀川記者は必ずそこにいる。戦場取材では戦闘にかち合い前線に辿り着くことが最も難しい。無政府状態の国境と検問を潜り抜ける力、最前線から必ず報道する姿勢。これこそが戦場報道の真骨頂であります。TBS DOCSチェアマン太田光 メッセージコメント映像『戦場記者』公式YouTube 15秒予告<イベント情報>『戦場記者』舞台挨拶●2022年12月16日(金) 角川シネマ有楽町時間:15:30分の回(上映後)登壇:須賀川拓(監督)/ゲスト(以上予定)チケット販売:12月11日(日) 0:00~問合せ:03-6268-0015HP:チケットはこちら:●2022年12月16日(金) ヒューマントラストシネマ渋谷時間:18:30の回(上映後)登壇:須賀川拓(監督)/ゲスト(以上予定)チケット販売:12月12日(月) 19:00~ ※劇場窓口は12月13日(火) 朝オープン時より問合せ:03-5468-5551HP:チケットはこちら:●2022年12月17日(土) 角川シネマ有楽町時間10:30分の回(上映後)/13:20分の回(上映後)登壇:須賀川拓(監督)/ゲスト(以上予定)チケット販売:12月11日(日) 0:00~問合せ:03-6268-0015HP:チケットはこちら:<作品情報>『戦場記者』2022年12月16日(金) 角川シネマ有楽町ほか全国順次公開監督:須賀川拓撮影:寺島尚彦 / 宮田雄斗 / 渡辺琢也 / 市川正峻映画『戦場記者』予告編公式サイト:
2022年12月10日ピアニストの上原彩子が令和4年度文化庁長官表彰を受賞した。文化庁長官表彰は、文化活動に優れた成果を示し国の文化の振興に貢献した者、または日本文化の海外発信、国際文化交流に貢献した者を文化庁長官が表彰するもの。上原は、2002年のチャイコフスキー国際コンクールピアノ部門で日本人として初めて優勝。国内外で高い評価を集めており、近年は演奏だけでなく後進の指導も積極的に行っている。今年デビュー20周年を迎え、記念プロジェクトとして、チャイコフスキー1番とラフマニノフ2番の2大協奏曲を原田慶太楼指揮日本フィルハーモニー交響楽団と共演したライヴ録音をリリース。来年度からは、デビュー30周年となる2032年に向けて、ベートーヴェンのソナタ全曲に取り組んでいく予定だという。上原彩子アーティストページ
2022年12月02日大島渚が監督を務めた映画『戦場のメリークリスマス 4K 修復版』が、2023年1月13日(金)より、新宿武蔵野館ほかにて再上映。今回が最終上映となる。大島渚最大のヒット映画『戦場のメリークリスマス』1983年の映画『戦場のメリークリスマス』は、松竹ヌーヴェル・ヴァーグを生み、差別や犯罪など、社会の歪みと闘い続けた映画監督、大島渚が手がけた作品。デヴィッド・ボウイ、坂本龍一、ビートたけし、内田裕也など、本業が俳優ではないキャスティングで日本軍俘虜収容所での体験談を描く。戦闘シーンが一切登場しない異色の“戦争”映画であり、大島渚最大のヒット作だ。キャストとして出演している坂本龍一は『戦場のメリークリスマス』で初めて映画音楽を制作。坂本龍一が手がけたテーマ曲「Merry Christmas, Mr.Lawrence」は、屈指の名曲として長きにわたり愛され続けている。「戦メリ」デジタル修復版が最終上映へ今回再上映されるのは、『戦場のメリークリスマス』をデジタル素材に修復した『戦場のメリークリスマス 4K 修復版』。大島渚監督作品が2023年4月に国立機関に収蔵されることに伴い、本作の最終上映期限も2023年3月末となっているため、大規模ロードショー公開は今回が最後となる。尚、『戦場のメリークリスマス 4K 修復版』は2021年4月にも上映され、初週合計来場者数が5,273人、7,293,500円を動員したものの、その後、一部劇場で臨時休館に伴い上映中止に。前回足を運ぶことができなかった人も、そしてもう一度鑑賞したい人も再び、スクリーンで見られる貴重なチャンスとなっている。【詳細】映画『戦場のメリークリスマス 4K 修復版』最終上映公開日:2023年1月13日(金) 新宿武蔵野館ほか出演:デヴィッド・ボウイ、トム・コンティ、坂本龍一、ビートたけし、ジャック・トンプソン、ジョニー大倉、内田裕也監督・脚本:大島渚脚本:ポール・マイヤーズバーグ原作:サー・ローレンス・ヴァン・デル・ポスト「影の獄にて」製作:ジェレミー・トーマス撮影:成島東一郎音楽:坂本龍一美術:戸田重昌1983年/日本=イギリス=ニュージーランド/英語・日本語/123分/ビスタサイズ/ステレオ
2022年11月27日12月16日(金) より公開される映画『戦場記者』の場面写真と30秒映像が公開された。本作は、世界の紛争地を飛び回ってきた日本人記者の視点から“戦場の今”を映し出すドキュメンタリー映画。ガザ、ウクライナ、アフガニスタンなど世界の戦地における国際ニュースだけでは知りえない戦争の残酷さを現実として突きつける作品となっている。公開された写真にはアパートが跡形も無くなった空爆現場や、その周辺で発見された爆弾の破片などを念入りに取材する特派員・須賀川の姿が映し出され、併せて公開された30秒映像では「(一般住民が)戦争の狂気の受け皿になってしまっている」と語る須賀川の言葉から、無差別攻撃や民間人の巻き添え被害など「戦争犯罪」を非難する彼の強い姿勢を感じさせる映像となっている。ドキュメンタリー映画『戦場記者』30秒映像<作品情報>『戦場記者』2022年12月16日(金) 角川シネマ有楽町ほか全国順次公開監督:須賀川拓撮影:寺島尚彦 / 宮田雄斗 / 渡辺琢也 / 市川正峻映画『戦場記者』予告編公式サイト:
2022年11月20日12月16日(金) より公開される映画『戦場記者』の予告編とポスタービジュアルが公開された。本作は、世界の紛争地を飛び回ってきた日本人記者の視点から“戦場の今”を映し出すドキュメンタリー映画。ガザ、ウクライナ、アフガニスタンなど世界の戦地における国際ニュースだけでは知りえない戦争の残酷さを現実として突きつける作品となっている。監督はTBSテレビに在籍し、JNN中東支局長として現在ロンドンを拠点に世界中を飛び回る特派員・須賀川拓(ひろし)。時に監督として、そして画面に登場するレポーターとして戦地の状況とその裏に潜む社会の問題を伝える。パレスチナでは、イスラエルによって閉ざされた人口200万の街ガザに入り、4人の子供と妻を空爆で失った男性の静かな慟哭を聞く。一方イスラエルでは、ガザから無差別に放たれるロケット弾と迎撃ミサイルが空を行き交う異様な光景を伝えた上で、それぞれの当局者に攻撃の正当性を問い質す。アフガニスタンでは、タリバン支配で女性の人権が抑圧される実態のほか、深刻化する貧困と蔓延するドラッグが作り出した「橋の下の地獄」に足を踏み入れる。そして、戦争が続くウクライナではクラスター爆弾が降り注ぐ街の住民や、ロシア軍の占拠で放射能汚染のリスクが激増したチョルノービリ原発の職員に現地取材、ロシアのプーチン大統領が「ネオナチからの解放作戦」と主張する“軍事作戦”が紛れもない侵略・破壊行為であることを示し、我々が知りえない圧倒的なリアルと真実を映し出す。初公開となる予告編では、ガザ、ウクライナ、アフガニスタンなど、世界の紛争地を須賀川が駆け巡る様子が緊迫感たっぷりに描かれる。アフガニスタンでは、偶然出くわしたタリバン最高幹部・ムッタキ外相へ直撃インタビューを敢行。タリバンの市中パトロールへの同行取材を行う。イスラエルでは空襲警報が鳴り近くにも着弾する中、息を切らしシェルターへ駆け込む様子を伝え、迎撃ミサイルシステム・アイアンドームの姿を間近で詳細に報告するなど、須賀川が抜群の行動力と類まれな分析力で戦場の姿を浮き彫りにしていく過程を垣間見ることができる。また「(一般住民が)戦争の狂気の受け皿になってしまっている」「秩序もクソもない」と語る須賀川の言葉から、無差別攻撃や民間人の巻き添え被害など「戦争犯罪」に対する彼の強い姿勢を感じることができる。紛争地の子供たちの視線も印象的で、「戦争が日常化」してしまっている彼等の姿は、日本に暮らす我々が想像もつかないような紛争地のリアルを肌で感じさせる。併せて公開されたポスタービジュアルは、現在も戦争が続くウクライナで南部の要衝オデーサへ入り、街の様子が戦争によって一変しているさまを目撃した瞬間の須賀川の表情が写し出されている。映画『戦場記者』予告編<作品情報>『戦場記者』2022年12月16日(金) 角川シネマ有楽町ほか全国順次公開監督:須賀川拓撮影:寺島尚彦 / 宮田雄斗 / 渡辺琢也 / 市川正峻公式サイト:
2022年10月26日昨年シンガーソングライターとしてデビューした、甲田まひるさん。16歳でジャズピアニストとしてデビューした当時の取材では「自分で作詞・作曲して歌いたい。ラップもやりたい」と語ってくれたけど、まさに有言実行。映画に出演したり、タレントとしても活躍中だが、歌への興味はどのように生まれたのか。「最初はフェスに出たい、それもジャズではなくポップスで歌って踊りたいなと思ったのがきっかけなんです。歌う人のピアノ伴奏をしながら、そっちはどんな感じかなって興味が湧いて(笑)。音楽と同じくらいファッションも好きなので、ステージでそれを表現するにはピアノの前に座ってちゃダメだなとも思ったし。私が幅広く活動する原動力は、表現をする上で、私に何ができるかを知りたくなるから。歌を始めるまでは、やりたいことがまだできてないんだろうなって想いがずっとあって。その時期は全部、これはいつか歌をやるためのものだと信じてやっていました」長い制作期間を経て、昨年デビュー作『California』をリリース。今作「夢うらら」は、パスピエの成田ハネダを共同アレンジャーとして迎えて制作。自身の気だるくキュートなボーカルが、目まぐるしく妖艶に展開するトラックの上で魅了する一曲に仕上がった。「『夢うらら』はダンスのレッスンで手の動きが特徴的なヴォーギング(マドンナのMVで知られるダンスの一種)を教えていただいて。それを取り入れた曲を作りたいなと思ったのがきっかけ。成田さんはポップな曲に変拍子を取り入れたりするバランス感覚が私と近い気がして『みんながやってないことがやりたいです!』って(笑)、お願いしました。歌詞は新しいことを始める時の不安を吹き飛ばして、自分の背中も押せるようなテーマで書きました」〈目が覚めても好きなら/誰にも邪魔できない〉というフレーズはまさに「歌いたい!」という夢に突き進んできた彼女だから書けたもの。「好きなものって一度は嫌になってやめたりしても、結局はまた戻ってきちゃうじゃないですか。だから私も自分の決めた道を貫いていきたいなって、そこは割と強くメッセージに込めました」2nd Digital EP「夢うらら」。カップリングにはラテン風のアレンジが印象的な「ごめんなさい」、ジャズアレンジのピアノ独奏による「Yume ooh la la.pf」も収録。(ワーナーミュージック・ジャパン)こうだ・まひる2001年5月24日生まれ。’21年、1st EP『California』をリリースし、シンガーソングライターとしてデビュー。俳優、タレント、ファッションアイコンとしても活躍中。衣装は本人私物。※『anan』2022年9月28日号より。写真・土佐麻理子ヘア&メイク・青山理恵取材、文・上野三樹(by anan編集部)
2022年09月27日エイドリアン・ブロディ主演のアクション映画『クリーン ある殺し屋の献身』より、本編映像が解禁された。本作は、『戦場のピアニスト』でアカデミー主演男優賞を受賞したエイドリアン・ブロディが主演するハード・アクション。大都会の裏側を舞台に、殺し屋と少女の交流と絆を描いた『レオン』や『タクシードライバー』を彷彿とさせるエモーショナルなアクション・ドラマとなっている。この度解禁された本編映像では、かつて凄腕の殺し屋だったクリーン(エイドリアン・ブロディ)が、ギャングのボスの家にトラックで突っ込むド派手なシーンが切り取られている。ギャングのボス、マイケルの息子に瀕死の怪我を負わせたクリーンは、組織を総動員して追われる身となっていたが、やがて逃げ場を失い、心を通わせた隣人の少女を護るために、たった一人でギャングたちに戦いを挑むことに。ゴミ収集車に乗り込み、亡くなってしまった幼い娘の写真にキスをして決心を固めたクリーンは、仲間たちと酒を飲み交わし油断しているマイケルの家に向かってゴミ収集車を走らせる。ライトに照らされ車が向かってくるのに気づいたマイケルたちが呆然とする中、ゴミ収集車はどんどんと加速し、ついに壁を破壊し家の中に突っ込む!ド派手な登場で反撃が始まったが、クリーンはたった一人でギャングたちを一掃することができるのか…?その後の展開が気になる本編映像となっている。『クリーン ある殺し屋の献身』は9月16日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:クリーン ある殺し屋の献身 2022年9月16日より全国にて公開© 2018 A Clean Picture, LLC All Rights Reserved.
2022年09月12日伝説的ピアニスト、スタニラフ・ブーニンが9年間の休養を経て7月に来日し、『再会』と題した公演を昭和女子大学 人見記念講堂で開催する。1966年生まれのブーニンは、17歳でロン=ティボー国際コンクール最年少優勝を果たし、19歳でショパンコンクール優勝。その後に行われた初来日公演は大きな注目を集めた。その後も日本との関わりは深く、数多くの来日公演が行われ、震災時にはチャリティ・コンサートや支援活動も実施。人気・実力を兼ね備えた最高峰の音楽家のひとりとして知られている。7月に開催される『再会』は2部構成で、第1部は朝岡聡が司会を務め、ブーニンに話を聞くトークショーを実施。第2部ではブーニンによる、シューマンの「色とりどりの小品 作品 99」の演奏が予定されている。公演に際しブーニンは「世界が変わると言われる今、私は精神的な存在の根底にある宝を浮き彫りにするために、一歩前に踏み出します。魔法のように引き寄せられて、今、シューマン音楽への取り組みは、まさにその衝動に駆られる対象になっています」とメッセージを寄せている。スタニスラフ・ブーニン~再会~7月18日(月・祝) 昭和女子大学 人見記念講堂開場14:15開演15:00出演:スタニスラフ・ブーニン(ピアノ)朝岡 聡(司会)浜野 与志男(通訳)曲目: シューマン 色とりどりの小品 作品 99※曲目は変更になる場合がございます。予めご了承ください。※未就学児入場不可■チケット情報
2022年06月24日女優でありミュージシャンでもある松下奈緒が、2023年秋公開予定の主演映画『美作物語 ~風を奏でる君へ~』で、約18年ぶりにピアニスト役を演じることが24日、明らかになった。舞台となるのは岡山県北部、美作国(みまさかのくに 和銅6年建国)エリア。かつては宇治・狭山と並び称されたお茶の名産地だ。松下は、ある日突然その地を訪れる主人公のピアニスト・青江里香を演じる。松下がピアニスト役を演じるのは、女優デビューとなった2004年の日本テレビ系ドラマ『仔犬のワルツ』以来、約18年ぶりで、映画でのピアニスト役は本作が初。圧巻の演奏シーンがスクリーン上で繰り広げられる。同プロジェクトは、美作市出身の映画監督・大谷健太郎氏による「美作の小説と映画を全国に!」という構想から誕生。2015年、同じく美作市在住の作家・あさのあつこ氏により、故郷を舞台に書いた小説『透き通った風が吹いて』が刊行され、この小説を原案に映画『美作物語 ~風を奏でる君へ~』が制作される。映画は今月20日に美作市でクランクイン。松下は「ピアニストであり、作曲家。自分と重なる部分が多い青江里香を演じさせて頂きます。昨年末に美作へお邪魔し、茶畑や古町へ行ってきました。広大な茶畑を前にして、新緑が芽生える季節にまたここに来る事をとても楽しみにしていました。そして、クランクインを迎え、歴史ある宿場町や、美しい茶畑といった自然の中で、里香が命をかけて、どんな音楽を生み出すのか楽しみにして頂けたらと思います」とコメントしている。
2022年04月24日ピアニスト、音楽監督、そして作曲家として、数々の名声を得ている日本人ミュージシャンの西田 衣見が、アメリカのマサチューセッツ州にて開かれる著名なコンサートに出演します。西田 衣見2022年4月23日に世界的に名高いウェルズリー大学にて、大学の合唱団と室内合唱団が出演する、著名な「バウム・メモリアルコンサート」に、西田 衣見がリードピアニストとして出演します。1870年に創設されて以来、ウェルズリー大学は“世界で最も力のある女性のネットワーク”として、初の女性国務長官マデレーン・オルブライト、前大統領夫人兼、史上3人目の女性国務長官ヒラリー・クリントンなどの卒業生を輩出してきました。有する専攻の中で、この高レベルな大学は、日本語学を含む人文科学の学士号を授与しており、この権威あるウェルズリー大学の合唱団の中で、中心的な役割を果たしているのが日本人ミュージシャンということは、非常に象徴的です。神奈川県出身の現在28歳である西田 衣見は、同世代の中で、最も成功した日本人女性ミュージシャンの一人と言えます。ウェルズリー大学のリードピアニストであることに加え、先日アカデミー賞作品賞を受賞した「コーダ あいのうた」の題材となった世界的に有名なボストンのバークリー音楽大学(彼女が奨学金を得て学んだ大学でもあります)でもリードピアニストを務めています。世界的な活躍を目指す、若い日本人女性ミュージシャン達にとって、彼女はまさにロールモデルのような人材です。ヤマハ音楽教室にて音楽を学び、千葉県在住時、わずか6歳の時に自作曲が毎年開催されるヤマハ主催のジュニアオリジナルコンサート(JOC)に選出されました。その時以来、彼女がミュージシャンとして輝かしい道のりを進んでいくことは、誰にとっても明らかでした。2003年、10歳の神童の作曲家は、福岡県のメルパルクホールにて開催されたJOCの九州大会にて演奏し、既に知名度の高くなっていた2010年には国際ピアノデュオ協会の大会にて、2台ピアノ4手のための自作曲「Into the Wild」で会長特別賞を受賞しました。約10年が経った今では、作曲家たちを率いる1人として、実験的で入り組んだピアノのアンサンブル曲を紡ぎ出しています。彼女のピアノデュオ「Kakinishi」は、ハーバード大学のピアニストも務めている、アメリカにて活躍中の日本人ミュージシャン、垣本 拓海との著名なプロジェクトです。西田 衣見の作曲した1台ピアノ4手のための作品は、業界に新しい風を吹き込み、アカデミー賞受賞作曲家の坂本 龍一氏を始め、有名なコンサートシリーズなどアメリカ中に受け入れられています。“熟練した達人”とも呼ばれる西田 衣見は、様々なスタイルで作品の作曲、監督を務めています。バークリー音楽大学とウェルズリー大学のリードピアニスト、そしてKakinishiのピアノデュオプロジェクトのための作曲に加え、2021年ユニバーサルミュージック賞を受賞したJポップデュオ「Streepz」も率いています。そして「Crunchyrolll Anime Award」にノミネートされた作曲家、YUKI KANESAKAのリードオーケストレーターを務めています。西田 衣見は、日本中で大人気の漫画「Dr. Stone」シリーズのために書かれたKANESAKA氏の珠玉の楽曲のオーケストレーションとアレンジをこなし、豪華さを加えています。10代の科学者をモチーフにした小学館漫画賞受賞のベストセラー「Dr. Stone」は、アニメやコンサートとしても人気を博しており、彼女の比類なき創造性を生かしたコンサートバンド・金管バンド・弦楽器・打楽器など様々な楽器のオーケストレーションを通して、力強いサウンドを作り出し、多くの観客を呼んでいます。木管楽器や金管楽器のアレンジに関して、彼女には特筆すべき才能があり、2020年の作品「At the night, we saw a shadow」は世界最高峰の大学機関の一つで、アイビーリーグに属するダートマス大学の著名な吹奏楽作曲コンテストに入賞し、2022年5月3日にはバークリー音楽大学にて行われる「Berklee Symphonic Winds: Winds of Change」をリードします。しかしまずは、西田 衣見の待望の演奏が聴ける、2022年4月23日のウェルズリー大学の「バウム・メモリアルコンサート」にご期待ください。“日本人の熟練した達人”とウェルズリー大学の合唱団が織りなす中国語、ドイツ語、ヒンディー語、スペイン語など世界中の言語の歌の響きに魅了されることになるでしょう。<コンサート概要>名称 : Wellesley College Choir and Chamber Singers: The Baum Memorial Concert開催日時 : ボストン現地時間 2022年4月23日 午後7:30(日本時間 2022年4月24日午前8:30)会場 : Houghton Memorial Chapelチケット料金: 無料イベントURL : <ストリーミング配信概要>配信日時: ボストン現地時間 2022年4月23日 午後7:30(日本時間 2022年4月24日午前8:30)配信URL : 視聴方法: 上記リンクより担当:エレナ・ゾウレコヴァ 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年04月22日