鬼才・三池崇史がジャパニーズホラーの原点「四谷怪談」をモチーフに描いた『喰女-クイメ-』。主演の市川海老蔵自らが企画に参加し、柴咲コウ、伊藤英明ら人気と実力を揃えた俳優陣が集結している。先日、柴咲さん演じるお岩の“最恐”ビジュアルが公開され、話題を呼んだ本作だが、この度、劇中の舞台上で盲目の役を演じる伊藤さんの坊主頭のビジュアルが初お披露目された。舞台「真四谷怪談」の伊右衛門役に抜擢された俳優・長谷川浩介(市川海老蔵)。浩介の恋人役で舞台「真四谷怪談」のお岩役を演じるスター女優・後藤美雪(柴咲コウ)。舞台に出演する男と女は、日常の繰り返しがいつしか愛と欲にまみれ、“芝居”と“現実”の絡み合いはやがて狂気となり恐怖のどん底へ。彼らを待ち受けるのは、愛の成就か、それとも残酷な闇か…。伊藤さんは、盲目の按摩で、武士である伊右衛門にコンプレックスを抱く宅悦を怪演する俳優・鈴木順役を演じている。『海猿』シリーズでは海上保安官役を、『悪の経典』ではサイコ教師役を、先日公開した『WOOD JOB!~神去なあなあ日常~』では林業の天才役を演じてきたが、本作では、初めて坊主頭のメイクを施し、盲目の宅悦役に挑戦!何度も三池組に参加している伊藤さんは、「今回はほかの組では絶対呼ばれないような役で呼んでもらい、大変光栄でした。初めての坊主役にも挑戦することができて現場では楽しんで演じることができました」と語り、「人間はどんな人でも大なり小なり人に対する嫉妬やコンプレックスが絶対にあると思うので、自分の中にあるそういうものを増幅して宅悦を演じました。三池監督の描き出す世界観にうまくあわせられていればいいなと思っています」と現場での役作りに励んだようだ。“現実世界”と“舞台上の世界”がオーバーラップする世界を描く本作では、様々なキャラクターを巧みに演じてきた伊藤さんの新たな一面が見れそうだ。『喰女-クイメ-』は8月23日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:喰女-クイメ- 2014年8月23日より全国にて公開(C) 2014「喰女-クイメ-」製作委員会
2014年07月12日『悪の教典』、『藁の楯 わらのたて』の三池崇史監督が、『ダークナイト・ライジング』で悪役・ベインを好演したトム・ハーディーが主演を務める、戦後日本を舞台にした映画『The Outsider』(原題)で初めてアメリカ作品のメガホンを取ることが明らかになった。米エンタメ情報サイト「deadline.com」が報じたもので、同作の主人公は、第2次世界大戦中に日本の捕虜となったアメリカ人兵士(トム・ハーディ)。戦後も日本に残ることになった彼が、ヤクザとしての生き方を学び、日本の裏社会をのし上がっていくさまを描いた作品だ。三池監督は1999年、Vシネマの監督としてデビュー。近年では幅広いジャンルの劇場公開用作品を多く手がけており、2007年には『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』がベネチア国際映画祭「コンペティション」部門に出品されたほか、2010年には『十三人の刺客』がトロント国際映画祭に出品、2011年には市川海老蔵主演の映画『一命』が、今年は映画『藁の楯 わらのたて』がそれぞれカンヌ国際映画祭「コンペティション」部門に出品されている。映画制作スタイルは、鮮烈なバイオレンス描写を伴うため、しばしば論争を巻き起こすものの、海外での評価は高く、その手腕を買われ今回アメリカ映画での監督に抜擢されたようだ。プロデューサーには映画『マトリックス』シリーズのジョエル・シルヴァー、『アンノウン』のアンドリュー・ローナとスティーヴ・リチャーズのコンビが務める。脚本は新人アンドリュー・ボールドウィンが手がけたものだが、もともとは『ランナウェイズ』、『ロード・オブ・ドッグタウン』などのアート・リンソンとジョン・リンソンの親子がオリジナルのアイディアとして提案していたものなんだとか。深作欣二監督の『仁義なき戦い』など、海外にもファンの多い日本の“Yakuza Movie”が本格的にハリウッドで、それも三池監督の手によって製作されるようになるとは映画ファンにとっては感慨深い作品となりそう。さらに、本作の舞台は日本になっているため、日本人俳優の出演も多くなると予想されており、そのキャスティングにも今後大きな注目の映画になりそうだ。(text:Mieko Nakaarai)■関連作品:藁の楯 わらのたて 2013年4月26日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 木内一裕/講談社 (C) 2013映画「藁の楯」製作委員会
2013年06月07日5月20日・夜(現地時間)、カンヌ国際映画祭コンペティション部門で三池崇史監督の『藁の楯 わらのたて』がグランド・ルミエール劇場で上映され、三池監督、大沢たかお、松嶋菜々子がレッドカーペットに登場した。上映後、2,300席を埋め尽くした観客からスタンディング・オベーションを受けた大沢さん、松嶋さんは感無量の面持ちで、深々と頭を下げた。拍手が5分ほど続いたところで、三池監督は照れたように切り上げる仕草を見せ、笑顔で会場を後にした。その後、取材に応じた三池監督は「いつまでもいると迷惑だろうなと思って。自然の流れです」と笑った。今回のカンヌの印象については、「洗練されている部分と、まったく変わらないところの混ざり具合が心地よく、エンターテイメントに通じると思う。まるで映画の中に自分がいるよう。緊張しつつも、癒される、心地良い映画祭ですね」と答えた。大沢さんは、「24時間が早かった。今日の上映に参加させてもらったことは、大きな体験。作品を受け入れていただいた実感があります」と上気した表情で語った。ウェストにピンクのリボンをあしらった「ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE & GABBANA)」の水色のロングドレスで登場し、注目を集めた松嶋さんは「海外の映画祭に参加するのは初めてですが、カンヌは映画に対するみなさんの姿勢が真剣。こんな遅い時間までタキシードとドレス姿で観てくださり、とても感動しました」と感無量の面持ちだった。現地での批評は辛口なものが多かったようだが、「パルムドールはいただけるものなら、いただきたいですが(笑)。それよりも刺激になる1本になれば」と意気込みを語った三池監督。エンターテイメント作品には厳しいカンヌ。しかし、何が起こるか分からないのもカンヌ。スピルバーグ委員長らがどんな判断を下すのかが、興味深い。『藁の楯 わらのたて』は新宿ピカデリーほか全国にて公開中。「第66回カンヌ国際映画祭」は5月26日(現地時間)まで開催。(photo / text:Ayako Ishizu)■関連作品:藁の楯 わらのたて 2013年4月26日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 木内一裕/講談社 (C) 2013映画「藁の楯」製作委員会
2013年05月21日格付投資情報センター(R&I)は12日、日本原子力発電の発行体格付を「A」から「BBB」に3段階格下げしたと発表した。R&Iによると、今回の格下げは、10日の原子力規制委員会の評価会合で、日本原子力発電・敦賀発電所(福井県)2号機の再稼働を認めない可能性が強まったことを受けたもの。「敦賀発電所の再稼働が困難になりつつあるだけでなく、耐用年数がまだかなり残っている2号機の廃炉も視野に入りつつあり、収支・財務に大きな影響が出る懸念がある」(R&I)。一方で、「受電各社による支援が見込めそうなことも織り込んでいる」(同)としている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月13日『愛と誠』『悪の教典』といった問題作を次々に発表する三池崇史監督と大沢たかお、松嶋菜々子が初めてタッグを組み、藤原竜也が『SABU~さぶ~』以来10年ぶりに三池組に帰還した話題のアクション・サスペンス『藁の楯 わらのたて』の撮影現場が遂に解禁になった。その他の画像本作は漫画家、監督でもある木内一裕の小説を原作に、少女殺しの凶悪犯・清丸(藤原)を福岡から東京の警視庁まで護送するSPの銘苅(大沢)と白岩(松嶋)の活躍と葛藤を描いた物語。孫娘を清丸に惨殺された資産家・蜷川(山崎努)が「この男を殺してください。御礼として10億円お支払いします」という新聞広告を出すことから、陸路を移動する彼らに全国1億2000万人の殺意が向けられるという設定に注目が集まっている。9月6日に三重県の四日市港で公開されたのは、清丸を狙った大型トレーラーの激突を辛くも逃れた警護対象車内のシーン。銘苅と白石がネットで移送の情報が漏れていることに気づくくだりで、車内は張りつめた空気に。しかも大沢、松嶋、藤原のほかに刑事役の岸谷五朗や伊武雅刀、スタッフも乗り込んでいるため、とにかく暑い。だが、俳優陣のリアルな汗が一瞬たりとも気が抜けないギリギリの状況により説得力を加えていた。「小説は“エンタテイメントとはこういうものだ”という木内さんの想いに満ちている」と三池監督。それを視覚化するためにリアリティを追及し、名古屋市内の道路を封鎖して劇用のパトカーや警護対象車などを激走させたり、台湾新幹線を使った列車内でのアクションや、愛知県庁舎を警視庁に見立てて約800人のエキストラを導入したクライマックスなど大掛かりな撮影も敢行したという。「ハリウッド映画のように始まり、最後はSPを職業としている人間のそれまで抑えていた感情がドッと出せればいいなと思っています」。大沢は「SPは決められた形や規制が多い。清丸と対峙したときに心の中はすごく揺れるけど、表面的には揺れちゃいけないので、毎日そこのところで戦っています」とコメント。本作に自ら髪を切って臨んだ松嶋も「SPという役自体が挑戦でした」と真剣な表情を見せる。「真っ先に手が出せる状況なのに、SPだからこらえなければいけない。その代わり、銘苅さんが要所要所でいいセリフを言ってくれる。『殺さない程度になら殴っていいってわけじゃないんだ』というのが、今日のいちばん好きなセリフです(笑)」。それに対して藤原は「清丸のセリフと行間、その世界観を監督のイメージと合わせて作り上げていくことだけに集中しています」と多くを語らず、逆にそれが原作以上に凶悪なモンスターを彼がどう体現させたのか? という興味を増幅させる。果たして、この濃密なコラボがどんな未知の化学反応を見せるのか? 来春の公開がいまから楽しみだ。『藁の楯わらのたて』2013年4月26日(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショー※山崎努の「崎」の右上は「立」になります。取材・文:イソガイ マサト
2012年11月19日伊藤英明と鬼才・三池崇史監督がタッグを組み、賛否両論を巻き起こしている『悪の教典』。先日を迎え、興行収入20億円も望める大ヒットスタートを切り、早くも動員60万人を突破(11月18日時点)。この大ヒットを記念して、11月18日(日)に六本木ヒルズにて、「AKB48」メンバーを招待しての特別上映会が行われ、メンバー総勢38名が本作を鑑賞した。2010年に発売された作家・貴志祐介の同名ベストセラーを原作に、イジメやモンスターペアレンツ、教師によるセクハラなどの問題がはびこる現代の学校で巻き起こる、人気教師による生徒の惨殺事件を描いたサイコサスペンス。この日行われた特別上映会は、本作を観賞したAKBのプロデューサー・秋元康が、そのエンターテインメント性と芸術性に感銘を受け、メンバーにも映画を観て勉強してほしいと企画されたもの。また、伊藤さんは2009年のAKBのシングル第12弾「涙サプライズ!」のプロモーションビデオに英語教師役として出演したことがあり、奇しくも当時生徒役だったAKBのメンバーとの“師弟関係”が再現されることとなった。しかし、大島優子はあまりの衝撃的な内容に目に涙を浮かべて退場…。その後のコメントでは「私はこの映画が嫌いです。命が簡単に奪われていくたびに、涙が止まりませんでした。映画なんだからという方もいるかもしれませんが、私はダメでした。ごめんなさい…」と語った。上映が終わると、その後、伊藤が突然、ショットガンを手に登場!会場は阿鼻叫喚の悲鳴に包まれ、AKBのメンバーたちはパニック状態に陥っていた。そんな興奮冷めやらぬ中、劇中さながらの姿の伊藤さんを前に、「こんなに怖い映画を観たのは初めてでした。それに英明さんがショットガンを持って登場したのが本当に怖かったです」(秋元才加)、「衝撃の連続で、思わず目をつぶってしまいそうになりましたが、最後まで見逃したくありませんでした。英明さんが『涙サプライズ!』のときとあまりに違いすぎて、人間不信になりそうなくらいでした(笑)」(柏木由紀)、とメンバーを代表してそれぞれの感想を伝えた。最後に、大ヒットを祝して柏木さん、秋元さんから伊藤さんと三池さんに花束が贈呈され、メンバー全員で記念撮影。伊藤さんはイベントの盛り上がりに「みなさんのような国民的アイドルグループが観に来てくれたことが本当に嬉しいです。一生懸命作った作品に、ここまで入り込んで観てくれて感動しました」と満足気に語っていた。『悪の教典』は全国東宝系にて公開中。「悪の教典―序章―」『悪の教典』特集■関連作品:悪の教典 2012年11月10日より全国東宝系にて公開© 2012「悪の教典」製作委員会
2012年11月19日主演・伊藤英明×監督・三池崇史という最強の顔合わせで贈る戦慄のエンターテインメント『悪の教典』。生徒から絶大な人気を誇る高校教師が、担任を受け持つクラスの生徒全員を大殺戮する姿を描き、その残虐な描写から“R-15指定”を受けるなど、公開前から賛否両論を巻き起こしていた本作だが、日本の初日より1日だけ早い11月9日(現地時間)、第7回ローマ国際映画祭のコンペティション部門でオープニング上映を飾り、主演の伊藤さんを始め三池監督、そして生徒役を代表して水野絵梨奈が現地入りを果たし、大歓声を浴びた。2010年に発売された作家・貴志祐介の同名ベストセラーを原作に、イジメやモンスターペアレンツ、教師によるセクハラなどの問題がはびこる現代の学校を舞台に、生徒から絶大な支持を得ていた人気教師による生徒の惨殺事件を描くサイコサスペンス。『十三人の刺客』や『一命』など世界でもその活躍が注目されている三池監督の最新作とあって、本映画祭の開催地イタリア・ローマ入りを果たした3人がレッドカーペットを歩けば海外ファンからは熱烈な歓迎が!さらに公式記者会見、オープニングセレモニーおよび公式プレミア上映に出席した。公式上映では、映画祭のメイン会場であるシノポリホールはおよそ1,000人もの観客で埋め尽くされるほどの盛況ぶりを見せた。上映中は笑いが起こる場面も多々あり、上映終了後は4分半にも及ぶスタンディングオベーション。その後も出待ちのファンが殺到し、会場外がごった返すほどのお祭り騒ぎとなった。今回の映画祭に参加した3人からは、「サイコキラーを演じることは本当に難しかったですが、監督に助けてもらいながら“蓮実”というキャラクターを作る作業は楽しくもありました。とにかく映画祭は楽しかったです。言葉も文化も違う国の映画なのに、みんなが楽しんでくれて自分も嬉しいです」(伊藤さん)、「エンターテイメントとして“蓮実”というキャラクターに騙される部分は、ローマのみなさんにも共感してもらえるのではないかと思っていました。本当にこの作品に関わることができて光栄だと思います」(水野さん)と満足気なコメント。さらに、三池監督は「ローマの地に初めて来ました。(技術の進歩によって)この数年、自分がやっていて本当に楽しいと思えることができるようになり、映画の世界に生きている歓びを感じられるようになりました」と、自身の監督人生をふり返りつつコメントを寄せた。ローマ国際映画祭は17日(現地時間)まで開催され、授賞式は同日に開催されるが、いかなる賞であっても受賞すれば日本初となるため、大きな期待が寄せられている。『悪の教典』は全国東宝系にて公開中。「悪の教典―序章―」『悪の教典』特集■関連作品:悪の教典 2012年11月10日より全国東宝系にて公開© 2012「悪の教典」製作委員会
2012年11月12日漫画家、映画監督としても活躍する木内一裕の同名小説を、大沢たかお、松嶋菜々子、藤原竜也を迎え三池崇史監督が映画化するアクションサスペンス『藁の楯』のティザーポスター画像が公開された。その他の写真本作は、惨殺事件を繰り返す清丸(藤原)に孫娘を殺害された資産家が、「この男を殺してください。御礼に10億円差し上げます」と、清丸殺害を全国民に促す全面広告を新聞に出したことで、身の危険を感じ出頭してきた清丸を護送することとなった警視庁警備部SP・銘苅(大沢)と、そのパートナーの白岩(松嶋)が味わう人間の欲望、葛藤を描き出した作品。本日解禁となったポスターは、「この男を殺してください」と掲載された新聞広告をもとに、凶悪犯の清丸扮する藤原の写真を全面に使用。手錠をはめられ、移送される清丸の不気味な表情とキャッチコピーが相まって大きなインパクトを与える仕上がりとなっている。警視庁までの1200kmにおよぶ距離を、大型護送車や新幹線、救急車と手段を変え移送するも“キヨマルサイト”と名付けられたサイトに居場所がすぐアップされ、一般市民、警護に当たる警察官や機動隊員までもが清丸の命を狙う。裏切りや欲望が渦巻く緊迫感の中、護送にあたる5人と、国民1億2千万人の戦いが果たしてどんな顛末を迎えるのか、期待が高まる。また、ポスター画像公開とともに新たなキャストが発表され、大沢、松嶋演じるSPと清丸を護送する警察官役を岸谷五朗、伊武雅刀、永山絢斗、そして孫娘を殺害された資産家の蜷川役を山崎努が演じることがわかった。『藁の楯』2013年4月26日(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショー文:滝島千尋
2012年11月09日いまや国民的ヒーローと言っても過言ではない『海猿』シリーズの主人公・仙崎大輔。そんな人命救助のエキスパート(=海上保安官)を長年にわたって演じてきた伊藤英明が、命を救う側から奪う側へ──そう、『悪の教典』で彼が挑むのは、サイコパス(反社会性人格障害)という特殊な人格を持った高校教師・蓮実聖司。生徒からも教師からも信頼と人気を得ていた男が最凶最悪の殺人鬼となって校舎を血で染めていく…戦慄のエンターテインメントの主人公に挑んでいる。善と悪、表と裏、2つの顔を持つ蓮実と伊藤英明には意外な共通点があった?『海猿』ヒーローが演じるサイコパス人はギャップに惹かれ、その振り幅が大きいほどそこに魅力を感じるものだ。仙崎大輔と蓮実聖司のギャップも然り。けれど、ギャップがある一方で「蓮実聖司と伊藤英明は似ている」と意味深な笑みを浮かべる三池崇史監督。「そもそも主演作の『海猿』と『悪の教典』が同じ年に公開される、そういう状況に身を置いていること自体そうそうあることじゃない。動物としての強さがあるというか、言いようのない不思議な魅力があるというか、生きようとする能力の強さが蓮実にも伊藤さんにもあるんですよね。蓮実を演じるにはクールであることも必要でした。蓮実は常に同じような目をしているけれど、後半の蓮実の目は狂っている。特に銃を撃つ前後は、火薬の威力なのか肉体が壊れている手ごたえなのか、目の中身が明らかに狂っているんです。本来、眼球は演技できないものだけれど、目の玉が狂っているんです」と、俳優にとって最高の褒め言葉に伊藤さんも照れ笑いする。それにしても、なぜ、蓮実役は伊藤英明でなければならなかったのか?「5年前に一緒に仕事をした『スキヤキ・ウエスタンジャンゴ』の撮影後は、だいたい蓮実みたいな感じでしたし、自分でも“夜のガンマン”って言っていましたからね(笑)」と、ユーモラスに話すそこにこそ本質が潜んでいるような──。ずっと前から三池監督は伊藤さんの人間力を見抜いていたのではないか?そして、「到底理解できない」と言う殺人鬼を、伊藤さんはどう自分のものにしていったのか?彼が選んだ方法は、サイコパスをどう演じるか頭で考えカテゴライズするのではなく、三池監督の前で「心を裸にしてエネルギーをぶつけること、全力でぶつかっていくこと」だった。ヒーローからダークヒーローになることは俳優として大きなチャレンジであり、いかに挑戦したのかを語ろうとする彼の瞳の奥がギラリと光る。「『海猿』でヒーローを演じているから、(どんなときも)いい人を出さなくちゃいけない…そういう迷いがあったとしたら、それは『海猿』を応援してくれているファンに対して申し訳ないこと。なので、監督とスタッフとキャストを信じて全力でいこうと思ったんです。でも、三池監督は蓮実がどういう人物なのかを言葉では教えてくれないんですよ(苦笑)。ただ一言、『恐く撮るのも不気味に撮るのも、それが僕の仕事ですから』と言われて。その言葉でラクになれました。役者はいつも自信がないもの。役をいただいたときに、この役は自分にはできないかもしれない…と思うからこそ、全力で取り組むことができるんです。変な言い方かもしれないけれど、自信のなさが大事だと僕は思うんですよね」。また、血まみれになりながら生徒たちを殺していくシーンにおいても、殺人鬼はこうあるべきという考えを排除。「常にニュートラルでした。無心でした」と撮影時のテンションを説明した後で「でも、ある意味、監督が蓮実だなと思うんですよね…」と、三池監督を分析する。「人間を分かっているからこそ、痛みも苦しみも喜びも分かっているからこそ、監督と話をするときは見透かされているような気がして怖いんです。そういう監督だからこそ裸になれたんですけどね。その日を“やりきる、やりきろう”と思う現場でもありました。やりきるって、実は怖いことだと思うんです。この現場では、出しきれるものを出しきることが何よりも大切で、明日はもっと大変なんだよね…って思いながらその日のシーンをやることが、自分の中で成立しないことだと思うようになって。たった13年たらずの役者人生だけれど、いまようやく30代の役者の面白さを感じているんです。40代、50代…80代までその面白さはあると思ったら、ますます楽しみ。とはいっても、今回の現場は考えることも多くて、昼夜逆転の撮影が多くて、神経は高ぶる、体は疲れる、しかも、三池監督は時間も予算も役者もスタッフも全部を使い切る人ですからね(笑)。でも、これだけピュアな気持ちで作品に取り組むことはこんなにも楽しいものなのかと、爽快感を三池塾で教えてもらいました」。恐ろしいはずなのに、なぜか応援してしまう!演じる面白さを再確認した伊藤さんは、こうも語る。「プライベートという言い方も役者にとっては違う気がする」と。「普段から何を見て、何を感じて、どう生きるかがが役に繋がっていく、自分がやってきたことに勝るものはないと思うんです。そこから台本というルールブックを基に監督がそれ以上のものを引き出してくれるわけで。ルールは守るべきだけれどそこからはみ出してもいい、僕たち(俳優)は、日々の生き方をちょっとずつ役に反映させているんです」。そんな伊藤さんの言葉を受け、三池監督は映画の中で伊藤さんの鍛え抜かれた肉体を「生かす」ことにしたと、伊藤英明だからこそできた蓮実像を語る。蓮実の一糸まとわぬ身体をスクリーンに映し出す、そこには想像以上に深い意図が隠されているのだと三池監督。「アメリカでのビジネスマンの姿、日本での教師姿、どちらの服装も蓮実にとっては人を騙すために身に着けていたものなんです。彼にとってはどんな服であっても、着るための意図が感じられてしまう、ものすごく邪魔な存在。だから家にいると自然と脱いでしまう。自分自身でいるためにね。そしてあの肉体。英語の教師にしては不必要に思えるかもしれないけれど、それは後々に分かるわけで…。いざというときに動物として速く動くため、強くあるため、その瞬間がいつ訪れるのか分からないからこそ、常に鍛えていなければならない。とは言いつつも、最初は(家にいるときの)服を用意していたんですよ。でも、真っ裸でいる方が蓮実らしいなと思ったんですよね」。加えて、恐ろしいサイコパスであるはずの蓮実を「なぜか応援してしまう」と、意外な言葉を口にする2人。伊藤さんは原作を読んだときから蓮実を応援してしまったそうで、「ゾクゾクする怖さはもちろん、このピンチを蓮実はどう切り抜けるんだろうと、いつの間にか応援していたんですよね」。三池監督も大きく頷きながら、「気づいてもらいたいことがある」と締めくくる。「蓮実が次々と人を殺していく中で、観客の心の中には映画の中に“殺してもいいヤツ”ができているんです。その人が殺されるシーンで、よくやった、蓮実!と思うはず(笑)」。…ということは、誰の心にも蓮実は住んでいる?自分の心がどう動くのか、Bee TVドラマ「悪の教典 -序章-」と映画『悪の教典』で確かめてほしい。善と悪、表と裏、ヒーローとダークヒーローの境界線なく蓮実を演じきった伊藤英明のとてつもないエネルギーは、きっとすべての観客を夢中にさせるが、同時に危険も孕んでいる。三池監督からの注意点──「注意が必要な作品であることは間違いない。特に蓮実には惚れないように(笑)」を肝に銘じ、戦慄のエンターテインメントの世界へ。(photo:Yoshio Kumagai/text:Rie Shintani)「悪の教典-序章-」『悪の教典』特集■関連作品:BRAVE HEARTS海猿 2012年7月13日より全国東宝系にて公開© 2012 F/R/P/T/S/A/FNS悪の教典 2012年11月10日より全国東宝系にて公開© 2012「悪の教典」製作委員会
2012年11月07日「黒い家」「青の炎」などの貴志祐介のベストセラー小説を、衝撃の実写化。11月10日の映画公開に先駆けて、10月15日よりBeeTVドラマ「悪の教典―序章―」が配信中の本作について、主役・伊藤英明と監督・三池崇史のインタビューを行った。●原作が上下巻に及ぶ大作。2時間の映画にしていく脚本を製作したときの苦労は?三池監督:自分が読んでいた中で、中心とストーリーになる部分を残してそぎ落とす、という流れでやりました。原作はラストに向かって群像劇のような広がりを見せて、最後の部分だけ蓮実に集約させる感じだったんだけど、その部分をシンプルに、余計な映画的な物語をくっつけないで作りました。いろんなアプローチはあるのかなと思いましたが、今回はとにかくシンプルにすることが一番かなと思いました。●伊藤を蓮実に起用した理由は三池監督:蓮実が面白いところは全てを持っているのに一つだけ欠けているところ。ちょっと似ていますよね。『海猿』でヒーローをやって、同じ年に『悪の教典』で蓮実を演じる。世界中を見てもこんな役者いないと思うし、そういう強さを持っている。言いようのない不思議な魅力がある。何のために存在してるかなんて意味はなくて、いろんな人生の選択肢はあったかもしれないけど生まれたときから俳優という定めだったようなことを感じる俳優。生きようとする生命力も強いし、自分らしく生きていたいけどそういう場所がない、孤独の蓮実聖司が少し重なるんです。映画の中で伊藤は、後半から目の中身が狂ってくるんですよね。まゆとか表情じゃなくて、演技なんてできないはずの眼球が狂ってる。普段はクールなんだけど無邪気に笑う笑顔が恐い。そういったところも蓮実的だなと思います。伊藤:嬉しいですね。(笑)●生徒一人一人と向き合って惨殺していく演技上での緊張感はありましたか?伊藤:常にニュートラルな状態。無心でいました。サイコパスはこうでなければいけない。わかりやすく表現しなければいけないって思うと、自分の幅が狭くなってしまうような気がして、そこは恐かったからこそ裸になれたんだと思います。生徒役の新人の子たちは特にプレッシャーだったと思うし、監督に怒鳴られる子もいれば優しく諭される子もいるし、三池監督自身も人を使い分けて演出されていたんだと思います。監督は蓮実のように人を見抜く力があって、見透かされているような気がする。だから僕も裸でぶつかっていきました。自分に勝るものは絶対にないはずだけど、それ以上に自分を引き出してくれるのは監督でありスタッフであり共演者の力であり、だから一緒にぶつかり合うくらいの気持ちでやりました。●生徒の死に際に人の本性がでるなと思いましたが、伊藤さんだったら蓮実にどう立ち向かいたいですか。伊藤:潔く腹を切って死ぬべし。(笑) 『一命』につなげようと思ったんですけど違いましたね。。。どうするかな?最初は先生がそんなことすると思わないから、「見てきてやるよ!」って最初に行って、「俺が警察とか呼んでくるよ!任せろ!」といいながら一番に殺されるタイプかもしれないですね。(笑)死に際に「だろ?」って言いながら死んで生きたいです。(笑) 僕はお調子者なので、そういう感じだと思います。●『海猿』でヒーローから一転、悪役にチャレンジしてみて伊藤:役者っていつも自信がなくて、もしかしたらできないかもしれない。って思うからこそ全力で取り組める、そうゆうのが大事だと思うんです。『海猿』がヒットした年に全く逆のキャラクターを演じられるのは役者として恵まれているなと思っています。役者を始めて13年くらいになりますが、30代になってからの面白さというのも感じるようになって、40代・50代もしかしたら80代までずっと続いていく役者人生にまたいろんな面白さを感じられるのだろうと思うと本当に楽しみなってきました。自分が全力でエネルギーを出し切った作品をお客さんに観てもらっていろんなことを感じてもらうことの爽快さは、三池監督に教わりました。ネガティブではない辛さを感じたり、昼夜逆転の撮影が続いてどうしても神経が高ぶっていたり、身体もものすごく疲れていて、それでも監督は役者もスタッフも時間すらも全てを使い倒すエネルギーの塊のような方なので(笑)、自分も同心に戻ってピュアな気持ちで作品に取り組めて、そこが本当に楽しいなと思いました。キャラクターについてのイメージも監督から言葉で伝えられることはなくて、「蓮実を恐く撮るのも不気味に撮るのも僕の仕事ですからね」といわれていました。台本を読んだからといって理解できるキャラクターではなかったし、原作を丸写ししてもしようがない。映画をヒットさせよう!とか、明日の撮影のためにエネルギーを残しておこうとかそういった意識もせずに本当に心を裸にしてエネルギーをぶつけていけばいいんだという気持ちで、出し切れるものを出し切った。そういう気持ちが今回は必要だったんだと思っています。作品情報ドラマ『悪の教典―序章―』:10月15日より、「dマーケット VIDEOストア powered by BeeTV」で独占配信中!映画『悪の教典』:11月10日全国東宝系ロードショー
2012年10月25日三池崇史監督が手掛けたオリジナルムービー『地球兄弟』が、20歳以上の喫煙者のためのWebサイト“ちょっと一服ひろば”にて独占公開されている。その他の画像『地球兄弟』は、全6篇(予告編含む)からなるある愛の物語。喫煙所のベンチで出逢った、侍と宇宙人と妖精の世間話などを描いたゆるさ全開のオリジナルムービーだ。出演は、沖原一生、寿大聡、原田裕章。現在、Webサイト“ちょっと一服ひろば”では、予告編、第1話『La Rencontre ~出逢い~』、第2話『Les Retrouvailles ~再会~』までが公開されている。加賀百万石の藩士で、参勤交代で東京に出てきている侍と、白鳥座あたりから来たという宇宙人、捕虫網を持ち背中に羽の生えた妖精らしき人物が、「大名行列の道中は禁煙で…」「(宇宙)船内が全面禁煙になり…」と、喫煙所のベンチで交わす会話や、3人が織り成す世界観は独特でシュール。全編を通して三池ワールドが展開されている。『地球兄弟』JT・Webサイト“ちょっと一服ひろば”にて公開中予告編 公開中第1話『La Rencontre~出逢い~』公開中第2話『Les Retrouvailles~再会~』公開中第3話『Roman Noir~ハードボイルド~』11月中旬公開第4話『Pont Celeste~虹の架け橋~』12月中旬公開第5話『Bon Voyage~よい旅を~』1月中旬公開
2012年10月17日様々な問題が山積する高校を舞台に、教師が生徒を大殺戮するという衝撃的なテーマを扱った作家・貴志祐介による今年最大の問題作を、鬼才・三池崇史監督が映画化した『悪の教典』。その公開を記念して、11月3日(土・祝)から25日(日)までの間、神奈川県川崎市のエンターテイメント施設「LA CITTADELLA」(ラ チッタデラ)で、謎解きイベント「リアル悪の教典ゲーム~恐怖の頭脳革命~」が開催されることが決定!2010年に発売された同名ベストセラーを原作に、イジメやモンスターペアレンツ、教師によるセクハラなどの問題がはびこる現代の学校を舞台に、生徒から絶大な支持を得ていた人気教師による生徒の惨殺事件を描くサイコサスペンス。主演の伊藤英明を筆頭に、二階堂ふみ、染谷将太、林遣都、そして山田孝之に吹越満と個性豊かな実力派俳優陣が顔を揃え、“日常の崩壊”というテーマに挑む。今回のイベントは、五感で味わう参加体験型ゲーム“リアルゲーム(現実世界で非日常体験が楽しめる「遊び」の総称)”を展開するエンターテイメント集団「WonderQ」によるもの。気になるイベント内容はというと、映画『悪の教典』の世界感をリアルに表現した空間の中で、制限時間内にほかの参加メンバーと協力し、施設内に隠された様々な謎を解き、参加者自ら映画と連動した物語に入り込んでミッションクリアを目指していく。1回当たり、約90分の公演を予定している。“衝撃の問題作”として話題を集めている本作を劇場で体験する前、もしくは体験後に、このスリリングな謎解きイベントで、悪夢のような恐ろしい作品世界にどっぷりと浸ってみてはいかがだろうか。『悪の教典』は11月10日(土)より全国東宝系にて公開。映画『悪の教典』×謎解きイベント「リアル悪の教典ゲーム~恐怖の頭脳改革~」開催期間:11月3日(土)~11月25日(土) ※期間限定場所:川崎 LA CITTADELLA「リアル悪の教典ゲーム」特設会場(神奈川・川崎)時間:平日17:00~/20:00~土日11:00~/14:00~/17:00~/20:00~※1回当たり約90分公演料金:【前売】学生:1,800円(税込)/回、大人2,800円(税込)/回※チケット販売サイト「イープラス」にてご購入いただけます。【当日】学生:2,300円(税込)/回、大人3,300円(税込)/回公式サイト:■関連作品:悪の教典 2012年11月10日より全国東宝系にて公開© 2012「悪の教典」製作委員会
2012年10月16日貴志祐介のベストセラーを鬼才・三池崇史の手で映画化した『悪の教典』、さらにその序章としてBeeTVドラマとして配信される「悪の教典-序章-」の完成披露試写会が10月10日(水)に都内で開催。主演の伊藤英明を始め、二階堂ふみ、染谷将太、林遣都、水野絵梨奈、KENTA、高岡早紀、原作者の貴志さん、三池監督が舞台挨拶を行なった。サイコパス(反社会性人格障害)という裏の顔を隠したまま、人気高校教師として生徒たちに慕われる蓮実聖司(伊藤さん)。自らの前に立ちはだかる者たちを巧みに、冷徹に消し去っていくが、やがて殺しの螺旋は学園祭前日の真夜中の大虐殺へと展開していく。『海猿』シリーズなどの正統派ヒーローのイメージを覆す今回のダークな役柄に、伊藤さんは「これまでたくさんの人の命を救ってきましたが、今回は大殺戮劇となってます。(『海猿』と)同じ年にこうしてこの作品を公開することができて嬉しいです」と感慨深げに語る。さらに「伊藤英明のことは嫌いになっても『海猿』のことは嫌いにならないで!」と元「AKB48」前田敦子の言葉を借用し会場の笑いを誘いつつ、「『海猿』に並ぶ僕の代表作になると思う」と胸を張った。二階堂さんにとっては本作が初の学園モノとなったが「初めての学園モノがこんなに血が出て怖いものなのかと…」と苦笑い。染谷さんは「気分が悪くなった方はすぐに手を上げてスタッフに知らせてください」と警告した。林さんは自身の役について「振り切って演じないといけない役だった」とふり返り、「毎日のように伊藤さんから『おはよう、オカマ野郎!』と言ってもらい、それがモチベーションになりました」と明かし、本作で新たな境地を切り拓き自信を手にしたよう。あのダルビッシュ有の実弟として注目を浴びるKENTAさんは、オーディションで役柄を勝ち取り本作で初めて演技に挑戦。「経験がなくて、何度もミスして周りに迷惑をかけることも多かったんですが、英明さんは『テストなんだから何度でも失敗しろ』と言ってくださった。その余裕が本当にすごいと思います」と、まさに伊藤さんが“恩師”となったようだ。伊藤さんが教師を演じることにちなんで「もしも伊藤さんに教えてもらうなら?」という問いに、若いキャスト陣は体の鍛え方から女性にモテるお酒の飲み方まで次々と質問。唯一、登壇キャストの中で伊藤さんより年上の高岡さんは「私は大丈夫です」と質問を辞退したが、逆に伊藤さんは「結婚生活というものを教えてほしい」と高岡さんに逆質問。言ってるそばから伊藤さんは「ごめんね」と照れくさそうに謝るも、高岡さんは「教えてあげるよ(笑)」とあっけらかんと語り会場は再び笑いに包まれた。本作は劇場公開直前にイタリアのローマで開催される「ローマ国際映画祭」に出品されることも決定!三池監督は日本での公開前日に現地でワールドプレミアとして上映されることを明かし「オレがローマで撲殺されたり、海に沈められたりしたら『ああそうだったのか』と思ってほしい」と渡欧の覚悟(?)と意気込みを明かしていた。『悪の経典』は11月10日(土)より全国東宝系にて公開。「悪の教典−序章−」は10月15日(月)より「BeeTV」&「dマーケット VIDEOストア powered by BeeTV」で配信スタート。さらに、10月19日(金)よりDVDリリース。「悪の教典−序章−」10月15日(月)より「BeeTV」&「dマーケット VIDEOストア powered by BeeTV」で配信スタート「BeeTV」:http:// beetv.jp「dマーケット」:「悪の教典−序章−」[DVD]発売日:10月19日(金)発売元:エイベックス・マーケティング販売元:東宝■関連作品:悪の教典 2012年11月10日より全国東宝系にて公開© 2012「悪の教典」製作委員会
2012年10月10日様々な問題が山積する高校を舞台に、教師が生徒を大殺戮するという衝撃的な題材を扱う三池崇史監督×伊藤英明主演の話題作『悪の教典』。このたび、映画では描ききれなかった貴志祐介の原作ストーリーを映像化したもう一つの物語「悪の教典−序章−」が10月15日(月)より携帯電話専用放送局「BeeTV」にて配信されることが決定!これに伴い、ドラマ版のポスタービジュアルが公開された。「ハスミン」の愛称で生徒から絶大な人気を集め、校長や同僚からも厚い信頼を寄せられる主人公の高校教師・蓮実聖司。実は他人への共感能力がない恐るべきサイコパス(反社会性人格障害)であることから、学校を舞台に生徒の惨殺事件が起こる。ドラマ版では、映画で描かれる蓮実の凶行の前夜まで、彼が聖者の仮面でどのように学園を支配していったのかが明らかとなる。監修は三池監督、主演は伊藤さん。日常の崩壊を描く映画版とはまた異なり、日常に潜む“見えざる恐怖”が描かれる。8月頭には、伊藤さん演じる蓮実の人物背景を描く、ドラマの中でも重要なシークエンスとなる回想シーンの撮影をアメリカ・ニューヨークで敢行!ウォール街やマンハッタンを背景に望むブルックリン橋公園など、ニューヨークの街を象徴するロケーションで撮影が行われ、伊藤さんは外国人のスタッフやキャストに囲まれながら、全編英語での演技に挑戦した。「どこに行っても作品作りは変わらなくて、みんなが少しでも良いものを作ろうと、作品に対して真摯に、お互いにリスペクトを持ってやっていると思います」(伊藤さん)というコメントからも、異国の地でも撮影が順調に進んだことが伺える。そして、今回披露されたドラマ版のポスターには、笑顔の仮面を手に不敵な笑みを浮かべる伊藤さんの姿が…。驚異的な頭脳を持つサイコパス・蓮実によって張り巡らされた謀略の数々がこの序章で明かされることになるのだが、まさに彼の内に潜む悪の本性を体現するビジュアルとなっている。「(映画とドラマ)どちらもうまく伏線が張ってあるので、ドラマを見て映画館に行っていただいても良いですし、映画を観てからドラマに戻っていただいても楽しめる作りになっていると思います」と語る伊藤さん。三池監督を始め映画版スタッフが総力を結集して放つ、もうひとつの“悪の教典”とは?映画版、ドラマ版共に目が離せない展開となりそうだ。「悪の教典−序章−」は10月15日(月)より「BeeTV」&「dマーケット VIDEOストア powered by BeeTV」で配信スタート。さらに、10月19日(金)よりDVDリリース。『悪の教典』は11月10日(土)より全国東宝系にて公開。「悪の教典−序章−」10月15日(月)より「BeeTV」&「dマーケット VIDEOストア powered by BeeTV」で配信スタート「BeeTV」:http:// beetv.jp「dマーケット」:「悪の教典−序章−」[DVD]発売日:10月19日(金)発売元:エイベックス・マーケティング販売元:東宝■関連作品:悪の教典 2012年11月10日より全国東宝系にて公開© 2012「悪の教典」製作委員会
2012年08月16日大沢たかお、松嶋菜々子、 藤原竜也が三池崇史監督の新作『藁の楯』で共演することが発表された。その他の写真本作は、漫画家、映画監督などマルチに活動する『BE-BOP-HIGHSCHOOL』のきうちかずひろが、木内一裕名義で書き下ろした同名小説が原作。物語は、孫娘を殺された資産家が、「この男を殺してください。清丸国秀(きよまるくにひで)。御礼として10億円お支払いします」と新聞に全面広告を出したことから始まる。大沢は、日本国民1億2千万人から命を狙われることになる殺人犯・清丸を護送する警視庁警備部SP・銘苅一基(めかりかずき)役を、松嶋は、そのパートナーである白岩篤子(しらいわあつこ)役を演じ、藤原は、惨殺事件を起こす凶悪犯・清丸国秀役で出演する。三池監督と初タッグを組む大沢は「この小説の映画化をずっと心待ちにしてました。大好きな三池監督と共にスタッフ、キャストと一丸となって撮影に挑みたいと思います」とコメント。共演者のふたりは「監督の世界観に染まれるよう、スタッフ、キャストの皆さんと共に、全力を注ぎたいと思っております。“生きる価値が無い”と容認された犯人を守り抜く事は、はたして“正義”なのか…。観終わった後に何かしらを感じて頂けるよう頑張ります」(松嶋)、「久々の三池組で、こういった特殊な悪役をやらせていただけるのは非常に光栄です。共演の方々も初顔合わせが多いので新鮮ですし、この夏どっぷり三池ワールドに浸からせていただきます」(藤原)と意欲的だ。三池監督は「最強のキャスト。空前のスケール。ハリケーンのような物語。…熱い夏になりますね」と語っている。撮影は8月19日(日)にクランクインし、10月上旬にクランクアップする予定。2013年のゴールデンウイークに公開される。『藁の楯』2013年GW全国公開
2012年07月31日国土交通省は29日、鉄道建設・運輸施設整備支援機構から申請のあった北海道新幹線新函館(仮称)~札幌間、北陸新幹線金沢~敦賀間、九州新幹線武雄温泉~長崎間の工事実施計画を認可した。昨年12月26日の「整備新幹線の取扱いについて(政府・与党確認事項)」を踏まえ、全国新幹線鉄道整備法第9条第4項の規定に基づき北海道、石川県、福井県、佐賀県、長崎県へ意見聴取を実施。すべての道県から回答があり、今回の認可に至った。北海道新幹線新函館(仮称)~札幌間の路線延長は約211.5km。途中駅として新八雲(仮称)駅、長万部駅、倶知安駅、新小樽(仮称)駅が設置される。全長約26.5kmの渡島トンネル(新函館~新八雲間)をはじめ、全長約18.8kmの手稲トンネル(新小樽~札幌間)、全長約18.0kmの後志トンネル(倶知安~新小樽間)など、長大トンネルが連続する区間に。今回申請分の工事費は約1兆2,386億円。工事の完成は新青森~新函館間の開業(2015年度末)からおおむね20年後とされている。北陸新幹線金沢~敦賀間の路線延長は約125.2km。途中駅として小松駅、加賀温泉駅、芦原温泉駅、福井駅、南越(仮称)駅が設置される。南越~敦賀間の新北陸トンネルは全長約20.0kmとなる予定。今回申請分の工事費は約8,968億円で、長野~金沢間の開業(2014年度末)からおおむね10年強を経ての工事完成を予定している。九州新幹線西九州ルート(長崎ルート)においては、武雄温泉~長崎県をフル規格で整備し、フリーゲージトレインでの運行(博多~新鳥栖間は鹿児島ルートを共用、新鳥栖~武雄温泉間は在来線を活用)が計画されており、既着工の武雄温泉~諫早間と未着工の諫早~長崎間を一体的な事業として扱うことに。武雄温泉~長崎間の路線延長は約66.0kmで、途中駅として嬉野温泉(仮称)駅、新大村(仮称)駅、諫早駅を設置。今回申請分の工事費は約3,706億円で、工事完成は諫早~長崎間の着工からおおむね10年後を予定している。羽田雄一郎国土交通大臣は今回の着工認可について、「3区間の整備により、ビジネス・観光の交流を促進し、地域の産業や社会に大きな効果をもたらすだけではなく、災害リスクへの備えなどの観点で多重的な幹線交通体系が確保され、持続可能で活力ある国土を築くための礎となることを期待しております」と発言している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月29日1970年代に「週刊少年マガジン」(講談社刊)で連載され一世を風靡し、これまで幾度も映像化されてきた伝説的漫画を鬼才・三池崇史が再映画化した『愛と誠』のジャパン・プレミアが6月13日(水)に開催。三池監督を始め、妻夫木聡に武井咲、さらに映画に出演しているだけでなく主題歌も担当している歌手の一青窈が舞台挨拶に登壇した。幼い頃に出会い、やがて運命的な再会を果たした太賀誠(妻夫木さん)と早乙女愛(武井さん)の凄まじくも一方的な愛を綴る本作。時代を彩った名曲の数々を音楽監督・小林武史がアレンジし、歌と踊りを加えて壮大なスケールで描き出す。開演と同時に照明が落とされ、再び明るくなると舞台中央に一青さんの姿が。そのまま映画の主題歌である「愛と誠のファンタジア」を熱唱し、その力強い歌声に観客は酔いしれた。舞台袖で聞いていた共演陣も感動しきり。妻夫木さんは「やっぱりプロは違う」としみじみ。劇中、妻夫木さんら俳優陣も歌声を披露しているが「一青さんの歌ったデモテープを渡されて、歌ってみましたが小林さんからダメ出しされて何とか乗り切りました」と苦難の歌パートをふり返った。武井さんも「楽しかった」と笑顔を見せつつも、「一青さんの歌うデモを聴くとうまく歌える気がするんですが…」と自身の声とのギャップに首をひねっていた。逆に、一青さんが愛の母親役を演じている女優パートも見どころだが、一青さんは「(共演した)市村正親さんの『劇団四季』仕込みの足さばきとターンが最高でした!」と撮影を楽しんだ様子だった。この日の午前中、三池監督と妻夫木さんは、監督の出身校である大阪の常翔学園(※監督の在校時は大阪工業大高校)に足を運び高校生たちと対面。高校生からは2人に様々な質問が飛び出したそうで、妻夫木さんと武井さんの体が密着するシーンでの心境についての質問も飛び出したとか。妻夫木さんは「咲ちゃんの胸ぐらを掴むんですが、胸元も近いので『ごめんね』って言ったら、『気にしないでください!』って。13も年下の女の子に『気にしないで』って言われて『すいません』とか言ってる30代って…社会ってそういうものだよなぁ」と物悲しそうにつぶやき、客席は笑いに包まれた。妻夫木さんはさらに、この密着シーンについて「役としては感じるけど、僕としては何も感じない」と語ったが、これに武井さんが「何も感じないって言われると悲しい」と頬を膨らませ、妻夫木さんが慌ててフォローする一幕も…。最後に妻夫木さんは「クセになる映画です。臭くなった絆創膏のような作品で、何か気になってもう一回、嗅ぎたくなると思います」と珍妙な例えで映画をアピールし客席を沸かせた。『愛と誠』は6月16日(土)より宿バルト9ほか全国にて公開。■関連作品:愛と誠 2012年6月16日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2012「愛と誠」製作委員会
2012年06月13日三池崇史監督が妻夫木聡と武井咲をキャストに迎えた映画『愛と誠』が第65回カンヌ映画祭で上映された際に、現地で観客が爆笑したシーンを集めた特別動画がこのたび公開された。『愛と誠』動画本作は、梶原一騎・ながやす巧の名作コミックを原作に、超不良の大賀誠(妻夫木)と生粋のお嬢様・早乙女愛(武井)の純愛を描いた作品。強烈なキャラクターと、アクション、歌、ダンスが融合した異色エンターテインメントに仕上がっているという。動画には、武井演じるヒロインの愛、伊原剛志演じる“おっさん顔”の不良高校生・権太、斎藤工演じる岩清水の3人が登場し、それぞれのキャラクターを解説しながら、カンヌで笑いを得たシーンを紹介。権太がどうしても高校生に見えないことを悩み、「俺は、おっさんにしか見えない病気ちゃうんか」とつぶやく場面や、「君のためなら死ねる!」と、ヒロインの愛に異常なほど想いを寄せる岩清水が、スリッパでスコーンと何度も叩かれる場面など、予告編では公開されていないシーンが盛り込まれている。現地を訪れていた山崎美春プロデューサーが「世界でも評価を頂ける作品だと手ごたえを感じることができた」と話すとおり、上映中は笑いが絶えなかったようで、本作の笑いを誘うシーンが世界でも受け入れられたことで、さらに期待が高まる。本作は16日(土)より公開。『愛と誠』6月16日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー
2012年06月11日昨年の『一命』に続き、2年連続でカンヌ国際映画祭での公式出品が叶った三池崇史監督の最新作『愛と誠』が、5月21日(現地時間)深夜、ミッドナイトスクリーニングにて上映された。深夜での上映にも関わらず大勢のファンが詰めかけ、会場は絶賛の嵐!この盛り上がりを受けて、本作で映画初出演を果たした武井咲から喜びのコメントが寄せられた。梶原一騎・ながやす巧による昭和を代表する伝説的コミックを原作に、妻夫木聡扮する超不良・太賀誠と武井さん扮するお嬢様・早乙女愛の純愛を、三池監督ならではのアクロバティック要素を交えて描く本作。学ランにセーラー服、スケバン、さらに昭和の歌謡曲と、昭和の日本を象徴する要素が満載だが、「また三池監督がやってくれたなあという内容で、ジェットコースターに乗っているような感じで、暴力や血に染まったアクションがあり、楽しい作品だった」といった絶賛の声が、海外の観客から多く寄せられ、エンディングにはスタンディング・オベーションが起こった。本国・フランスの観客からは「まさしくヨーロッパにある“愛”というテーマにふさわしくてびっくりしました」という驚きの声も。残念ながら三池監督始め、キャスト陣の現地入りは叶わなかったが、チームを代表して映画祭で観客と一緒に本作を鑑賞したプロデューサーの山崎美春氏は、観客の反応について「日本のお客様がこの映画を観て笑ってくださるところと全然違う観点で映画を楽しんでくださっていて、すごく勉強になりました」としっかり観察。「何度観ても、(妻夫木さんと武井さんの)おふたりをスクリーンで観るとドキドキしてしまうので、そのドキドキ感はきっとフランスの方にも伝わったと思います」と自信のほどを露にする。また海を越え、会場の模様を見た武井さんは「カンヌという日本ではない場所で上映され、自分がスクリーンに出られる。何か変な感じがしますが、嬉しいという感じかな。ただただ映画に出れたことがまず嬉しかったので、まさかって感じですね」と驚きを隠せない様子。改めて三池作品に対する海外での高い評価を知り、「ほんとに自由に早乙女愛ってキャラクターをのびのびとやらせていただいて、すごく芝居って楽しいなと思わせてくださったぐらい自由な監督。そんな作品が初めての映画で、出演できたことはとっても嬉しいことですね」。映画を鑑賞し終えた観客からは武井さんへの称賛の声も多かったが、今後の海外進出については「まだ想像したことはないですけど…海外の人の感覚とかセンスとか、やっぱり日本人にないものがあると思うので興味はありますね」とまんざらでもない様子?本作での称賛が海外進出への足がかりになるかもしれない。『愛と誠』は6月16日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。第65回カンヌ国際映画祭は5月27日(現地時間)まで開催。特集:第65回カンヌ国際映画祭あなたが観たいのは?「カンヌ映画祭」投票■関連作品:愛と誠 2012年6月16日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2012「愛と誠」製作委員会第65回カンヌ国際映画祭 [映画祭]■関連記事:【カンヌレポート】クリステン・スチュワート、15歳の妻を演じた難しさ明かす【カンヌレポート】ブラピ、主演作会見でアンジーとの順調ぶりアピール【カンヌレポート】ショーン・ペンら率いるハイチ支援オークションで高額落札続出【カンヌレポート】加瀬亮、イランの巨匠・キアロスタミ監督と共に喝采浴びる!16本の美脚で世界を股に!平均身長175センチ「モデルガールズ」がデビュー
2012年05月24日11月10日(土)から公開される伊藤英明主演、三池崇史監督の映画『悪の教典』の新キャストがこのほど発表された。その他の写真4月10日にクランクインし、現在も撮影が続いている本作は、問題だらけの高校を舞台に、伊藤演じる教師・蓮実が、自らの失敗を隠滅するために、受け持つクラスの生徒全員を惨殺するというミステリー作品。生徒役を二階堂ふみ、染谷将太、林遣都、同僚役を山田孝之が演じる。直感が鋭く、蓮実への不信感を抱く生徒・片桐怜花を演じる二階堂は「思いこがれていた三池組。最高のエンターテインメントになるよう、現場に片桐怜花を激しくぶつけていきたい」と意気込みを語り、集団カンニングの首謀者・早水圭介に扮する染谷は「赤にもいろいろな赤があると思うけど、三池大先生のイメージする赤色の血を流したい」とコメント。同性愛者で、蓮実の同僚教師と関係を持つ前島雅彦を演じる林は「確実に衝撃的な作品になると思う。自分は孤立していて少し変わった役柄だけど、ひとつの学園の中でのお話なので、生徒のみんなと良い雰囲気を作る事を心掛けたい」と話しており、蓮実の同僚で、生徒にセクハラをする体育教師の柴原徹朗を演じる山田は「台本を読んでストーリーや役に惹かれたのと、やはり三池さんの作品には出たいという気持ちからオファーを受けた」と語っている。監督・キャスト合わせて、ベネチア国際映画祭経験者が5名も集結している本作は、晩夏に開催される第69回ベネチア映画祭への出品も視野に入れ、撮影が続いている。『悪の教典』11月10日(土)全国東宝系ロードショー!
2012年05月10日三池崇史監督が妻夫木聡と武井咲をキャストに迎えた映画『愛と誠』が、第65回カンヌ映画祭のミッドナイトスクリーニング部門で上映されることが決定し、三池監督と妻夫木から喜びのコメントが届いた。その他の写真本作は、梶原一騎・ながやす巧の名作コミックを原作に、超不良の大賀誠(妻夫木)と生粋のお嬢様・早乙女愛(武井咲)を軸に描く純愛映画。音楽プロデューサー・小林武史によってアレンジされた『あの素晴しい愛をもう一度』などの不朽の名曲とともに、パパイヤ鈴木によって振り付けされたダンスが劇中で繰り広げられる。18日に行われた一般試写会で三池監督は、「カンヌは絶対無理」と言っていただけに、今回のカンヌでの上映決定には驚いたようで、「あまりにも予期していなかったので自分の中では事件。コンペではなく『純粋に映画を楽しもうぜ』ってところに呼んでいただいたので、カンヌのお客さまに楽しいひと時を過ごしていただければ良いなと思う」とコメント。昨年は、市川海老蔵主演『一命』が同映画祭のコンペティション部門に出品されており、三池監督は2年連続カンヌという快挙を成し遂げた。主演の妻夫木は、「自分たちがやって来たことが間違いじゃなかったという喜びがあります。日本で面白いことやろうぜって映画を作っている人たちがいるということを少しでも届けられたらうれしいです」と話し、「原作も知らないカンヌで世界の方々が観て、どのような受け止め方をするのか気になってしょうがない」と、現地での反響を心待ちにしているようだ。『愛と誠』6月16日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー
2012年04月20日梶原一騎・ながやす巧の伝説的コミックを三池崇史監督、妻夫木聡・武井咲共演で映画化した『愛と誠』が、このほど5月16日(現地時間)に開幕する第65回カンヌ国際映画祭にて公式選出され、オープニング・クロージング上映と並ぶミッドナイトスクリーニング部門で上映されることが決定した。妻夫木さん扮する超不良・太賀誠と武井さん扮する超お嬢様・早乙女愛の運命的な愛の物語を軸に、「激しい恋」、「あの素晴しい愛をもう一度」など昭和の名曲の数々と踊りが観る者を惹きつける純愛エンタテインメント。三池監督にとってカンヌへの出品は、昨年の『一命』に続き2年連続となる。「いやもうびっくりですよね!目一杯作っているので、選んでいただくのはとても嬉しいです。あまりにも予期していなかったので自分の中では“事件”だな、カンヌ大丈夫なのか(笑)という衝撃はあります。梶原一騎VSカンヌというのは良いですよね」と監督本人も驚きを隠せない様子。「カンヌのお客さまに楽しいひと時を過ごしていただければ良いなと思っています」と喜びの言葉を寄せている。また、妻夫木さんと共演の斎藤工さんからも喜びのコメントが到着!「日本の方は原作もあり、なじみも深いので色々な見方ができると思いますが、確実に面白いことは間違いないと思うんですよ。それを原作も知らないカンヌで世界の方々が観てどのような受け止め方をするのか、気になってしょうがない、とにかく感想が聞きたいです」(妻夫木さん)。「原作、監督、音楽など日本の才能が結集した日本代表作品のメンバーに自分がいられてすごく嬉しかったです!それがカンヌでどう響くのか気になります。歌謡曲という日本の文化もアピールできて“日本は元気だぞ”という象徴にもなる作品だと思っています」(斎藤さん)昭和の日本を代表する漫画の映画化、そしていまの日本映画界を代表する鬼才・三池崇史と豪華キャストたちによる渾身の“純”日本エンタテインメントが、果たして海外ではどのように迎えられるのか?『愛と誠』は6月16日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。■関連作品:第65回カンヌ国際映画祭 [映画祭]愛と誠 2012年6月16日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2012「愛と誠」製作委員会■関連記事:妻夫木聡&斎藤工、大暴走する『愛と誠』三池監督にヒヤヒヤ!?妻夫木聡、31歳での高校生役に「すいません」と苦笑妻夫木聡&武井咲が歌い、踊る…『愛と誠』音楽プロデュースは小林武史!武井咲、忽那汐里、剛力彩芽に続け!「国民的美少女コンテスト」3年ぶり開催岩井俊二×北川悦吏子によるラブストーリーも東映、多彩なラインナップを発表
2012年04月20日三池崇史監督が毎年開催している“三池崇史 presents 大人だけの空間”と題されたイベントが18日にビルボードライブ東京で行われ、監督最新作『愛と誠』のトークショー付き試写会に三池監督、妻夫木聡、斎藤工が出席した。その他の写真梶原一騎・ながやす巧の名作コミック『愛と誠』を原作に、今回で4度目の実写化となる本作は、1970年を舞台に超不良の大賀誠(妻夫木)と名家のお嬢様・早乙女愛(武井咲)を軸に描く純愛映画。斎藤は、クラスメイトの愛を一途に想う優等生・岩清水を演じている。先日行われた完成披露記者会見で、本作について「よく分からない」と発言した妻夫木は、「僕、さすがにあの後反省したんですよ。あの日本語は間違いでしたね。『他にみたことがない』って言いたかった」と釈明のコメント。それに対し三池監督は、「俺は、映画観たあとに『やっちまったな』って思ったから、その発言は間違いではないけどね(笑)」と話し、その後も「カンヌ映画祭は無理だね」と自虐的な発言を飛ばしていた。いっぽう「今年の邦画ナンバー1」と言い切る斎藤は、劇中で愛に向かって「君のためなら死ねる!」と言う熱い男を演じているが、「普段言わないようなセリフばかりなのに気持ちがいい撮影だったし、役者人生の中で一番違和感がない役だった」と振り返り、三池監督も「俺も、撮っててそう思ったよ。斎藤君はこの映画で役者のピークというか、クライマックスをむかえたよね」と絶賛した。妻夫木は最後に、「この映画の見どころとか、ジャンルとか、やっぱりよく分からない。というより、それに留めたくないっていうのが本当の気持ち! もっと自由な気持ちで観てほしいし、かと言って純愛エンターテイメントかって言ったら違うと思う(笑)どんなジャンルにも当てはまらない素晴らしいものが出来たんじゃないかな」と本心を交え、本作をアピールした。『愛と誠』6月16日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー
2012年04月19日三池崇史監督が4月18日(水)、最新作『愛と誠』の公開を記念し、東京・港区のビルボードライブ東京にて「三池崇史監督 presentts 大人だけの空間」と題したトークショーを開催。本作で“超不良”の主人公・誠を演じた妻夫木聡と、共演する斎藤工が登場し“男3人”で狂おしい純愛エンターテインメントに仕上がった本作の魅力を語り尽くした。復讐心をたぎらす誠と、そんな彼に一途過ぎる純愛を注ぐヒロイン・愛(武井咲)によるラブストーリーが、小林武史プロデュースによる昭和歌謡の名曲に乗せて、ハードかつロマンチックに描かれる。妻夫木さんが西城秀樹の大ヒット曲「激しい恋」を熱唱するほか、武井さんが名曲「あの素晴しい愛をもう一度」(ザ・フォーク・クルセダーズ)を、斎藤さんは「空に太陽があるかぎり」(にしきのあきら)を劇中で披露。もちろん、三池監督の十八番である躍動感あふれるアクションも満載だ。妻夫木さんは先日、都内で開催された完成披露会見で「よく分からない映画」、「ふざけている」と発言。駆けつけたマスコミ陣を大爆笑させ、当日から翌日にかけての報道でも、その様子が大々的にフィーチャーされたばかりだ。普段のイベントや会見でも、等身大の発言で記者にペンを走らせる妻夫木さんだが、「さすがに反省しましたね…。『稀に見る映画』とか別の言い方があったと思う」と恐縮した様子。「でもやっぱりよく分からないんですよね(笑)。ただ一つのジャンルに収まらない、『愛と誠』という新しいジャンルが生まれた気がする」と先日の発言を自らフォローした。斎藤さんは、ヒロイン・愛への一方的な愛情を絶叫するメガネ優等生・岩清水を演じ、「学ラン姿がコスプレになったら負けだと思った」とふり返る。女子高生役の武井さんは、一回り年下で「同じ干支なんです。なんと言うか“新人類”という感じ」と斎藤さんも苦笑しきりだ。三池監督は自身がプロデュースするトークショーとあってか、“舌好調”にも拍車がかかる。全国公開を前に行われているマスコミ試写での評価を「絶賛とひんしゅくの嵐」とぶっちゃけ、「撮っている自分も率直に『やっちまったな』という気持ちだった」とまさかの開き直り!?だからこそ「とにかく観てもらわないと。非難することも含めて、映画を観るということを楽しんで欲しい」と百戦錬磨の三池監督らしい、余裕の表情だ。一方、そんな三池監督の大暴走に、妻夫木さん&斎藤さんの表情には“ヒヤヒヤ感”が滲み出ていた。『愛と誠』6月16日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開■関連作品:愛と誠 2012年6月16日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2012「愛と誠」製作委員会■関連記事:妻夫木聡、31歳での高校生役に「すいません」と苦笑妻夫木聡&武井咲が歌い、踊る…『愛と誠』音楽プロデュースは小林武史!武井咲、忽那汐里、剛力彩芽に続け!「国民的美少女コンテスト」3年ぶり開催岩井俊二×北川悦吏子によるラブストーリーも東映、多彩なラインナップを発表
2012年04月18日累計発行部数が30万部を突破した貴志祐介氏のベストセラー小説『悪の教典』が映画化されることが先ごろ発表されたが、このほど伊藤英明が主演を務め、三池崇史監督がメガホンを執ることが発表された。その他の写真『悪の教典』は、生徒から絶大な人気を誇るさわやかな高校教師として知られているが、実は他人への共感能力をまったく持ち合わせていない生まれながらのサイコパス(反社会性人格障害)の蓮実聖司を主人公にしたサイコサスペンス。小説は昨年夏に発売された当初から大きな話題を呼んでおり、映画化決定のニュースが流れると、誰が主人公・蓮実を演じるかに注目が集まっていた。原作者の貴志氏は「この作品を映画化する際には、主人公・蓮実を誰が演じるかが最大のキモだと思っていました。これまで、いろいろな名前が挙がりましたが、まさか『海猿』の伊藤英明さんとは!」と今回のキャスティングに驚いているようだが「最高の配役だと確信しました。蓮実役に最も必要な“強さ”がありますし、好青年のマスクに見えるダークなものを演じられる希有な役者さんだと思います」とコメント。さらに「監督はというと、もう、三池さんしか考えられません。バイオレンスが十八番というだけでなく、繊細な感性で細部まで計算され尽くした演出をされる監督だと思います」と映画化に期待を寄せている。伊藤は「原作を読んで主人公・蓮実の発する絶対的な“悪”に、鳥肌が立つほどの恐ろしさを感じました。この役を演じていくうちに、自分の人格が蓮実に飲み込まれてしまわないかちょっと心配です(笑)。と、同時にこれ程の強烈な“悪”に挑戦する事が出来て、役者冥利に尽きると思っています」と意気込みを語っている。撮影は今年4月にスタートし、6月にクランクアップ。11月に全国東宝系で公開される予定。『悪の教典』11月 全国東宝系ロードショー
2012年03月06日2010年7月の発売当初から多くの話題を集め、「このミステリーがすごい!」「週刊文春ミステリーベスト10」で共に第1位を獲得。累計30万部を超える人気を集める貴志祐介の「悪の教典」(文藝春秋刊)が、鬼才・三池崇史監督、主演・伊藤英明のタッグで実写映画化することが決定した。「十三番目の人格――ISORA」や「黒い家」など、人間の狂気をえぐりだすホラーやミステリーなど幅広いジャンルで活躍する貴志祐介が、あらゆるミステリー賞を総なめにしたサイコサスペンス。生徒から絶大な人気を集め、信頼を寄せられる爽やかな高校教師が、実は他人への共感能力がない、恐るべきサイコパス(反社会性人格障害)であることから起こる、学園を舞台にした生徒の惨殺事件が描かれる。学園を舞台にした衝撃作と言えば、一昨年喝采を浴びた『告白』を彷彿とさせるが、人間の悪意を突いたテイストに加え、類を見ないダークヒーローが放つ鮮烈な魅力を通して「悪」とは何かを問いかけていく。史上最悪の教師・蓮実聖司を演じる伊藤さんは、「原作を読んで主人公・蓮実の発する絶対的な『悪』に、鳥肌が立つほどの恐ろしさを感じました。この役を演じていくうちに、自分の人格が蓮実に飲み込まれてしまわないか、ちょっと心配です(笑)。と、同時にこれ程の強烈な『悪』に挑戦することができて、役者冥利に尽きると思っています」と、役のインパクトの大きさを語る。三池監督とは『スキヤキ・ウエスタンジャンゴ』(’07)以来のタッグとなるが、「再度タッグを組みたかった三池崇史監督と共に、映画史上、最凶最悪の主人公を目指します」と意気込みを見せる。一方、三池監督は様々な波紋を呼びそうな本作の映画化に向けて「私は、主人公・ハスミン(蓮実の愛称)の奴隷だ。もう誰にも止められない」と一言コメント。いじめやモンスターペアレンツ、同性愛、セクハラ、淫行などの問題がはびこる現代の学校を舞台に、正義のヒーロー役の印象が強い伊藤さんをどのようなダークヒーローに仕立て上げるのか?さらに、原作者の貴志氏からは本作の“キモ”である主人公・蓮実の配役について「まさか『海猿』の伊藤英明さんとは!正義の味方のイメージが強すぎて思いつかなかったのですが、最高の配役だと確信しました。蓮実役に最も必要な『強さ』がありますし、好青年のマスクに見えるダークなものを演じられる希有な役者さんだと思います」と太鼓判を押す。さらに、「監督は、もう、三池さんしか考えられません。バイオレンスが十八番というだけでなく、繊細な感性で細部まで計算され尽くした演出をされる監督だと思います。三池監督と伊藤さんの最強タッグで、すでに傑作になることは確信しています。それ以外のキャストも、ますます楽しみになりました」と絶大な期待を寄せる。撮影は今年4月よりクランクインし、6月にクランクアップ。公開は11月予定。また、主役級の配役を含め、生徒役のオーディションが行われるとのことで、映画公式サイトにて募集中。興味のある方はぜひトライしてみては?映画『悪の教典』は2012年11月、全国東宝系にて公開。■関連作品:悪の教典 2012年11月、全国東宝系にて公開
2012年03月06日「市川海老蔵という生き物」――。インタビューの最中に彼の隣に座る三池崇史監督がふと発した表現に思わず頷いた。これこそが11代、300年以上にわたって脈々と受け継がれてきた成田屋の名跡を背負う男の存在感なのか。役柄について、現場について、三池監督について飄々と、そして意外なほど多弁に語るが、ひとつひとつの言葉がずっしりとした重みをもって心を突き刺してくる。まるで映画の中で彼が演じた津雲半四郎のように。まもなく公開となる映画『一命』。武士の面目を背負うがゆえに人として、親として大切なものを喪った主人公の悲哀を彼はどんな思いで表現したのか?三池監督の才能と愛情は「ブルーチーズの味」(海老蔵さん)現場での海老蔵さんの様子を語る三池監督の表情は、演出家というよりも初めて間近に触れた歌舞伎役者に興味津々のファンに近い。映画を観終えたいち観客のように目を輝かせながら感想を語る。「映画と違うんだとびっくりしたのは、歌舞伎役者というものは“貯めていくもの”なんだということ。映画は消費していくもの。撮ったら終わりでフィルムが残るだけ。同じシーンをやることは二度とないけど、(歌舞伎は)凄まじい数がある古典などを演じるだけでなく、後世に伝えていかなくてはいけない。そこは根本的に違う。だから(海老蔵さんは)1週間あったらすぐ半四郎に戻りますよ。役どころとしては、真剣に生きる場所をなくしてしまった人に、真剣に取り組まなくちゃいけない。しかも、最後に井伊家に乗り込んで…というシーンがあるので、『そこがお芝居として計算が立つのか?』という思いもありました。でも、ひとつひとつをああだこうだと考えて映画のために芝居をするというよりも、その場に立って、目の前にこの相手がいるとこういう芝居になる、という演じ方を見せてくれた。この2つ(計算とその場の感性での演技は)矛盾してるんだけど、すごく不思議な感覚でした。それでいて、自分のことより共演者に興味津々なんですよ(笑)。『役所広司さんってなんでああいう芝居できるの?』とか『瑛太くんって自然でいいよね』と。要はテストで相手をよく見てる。それだけの余裕があるんでしょうね」。一方の海老蔵さんも三池監督の演出力に心酔した様子。三池組の心地よさ、何より現場をひとつにまとめる三池監督が持つ“吸引力”をこう語る。「監督の存在が空気を作ってる。スタッフを含め、三池さんに惚れた人たちが現場にいるんですよ。だから監督があえて言わなくても、現場の人間が無意識に動いていて見事だなと思いました。それで監督がたまに口を開くと、僕ら歌舞伎役者には想像できないものが出てくる。リアルを超えたリアルに、さらに様式美がかかっているようなことを言い出すんです。血がドロドロとしているのに、それを最終的に美しいと思わせるような…。この間、歌舞伎をやらせてもらったんですが、三池さんが僕の中で活きてるんですよ。『三池さんならどう考えるかな?どうやるかな?』ってね。僕がそういう風に思う人は、いままでほとんどいなかった。才能と愛情のかたまりがブルーチーズのようにいい感じで腐食して(笑)。ブルーチーズって忘れられない味でしょ?そういう何とも言えない世界観を持ってらっしゃるなと思います」。「侍とは何か?それは僕には分からない」(三池監督)これまで歌舞伎の中でも幾度となく侍役を演じてきた海老蔵さん。本作で演じた半四郎を含め「本音と建前」という言葉で、侍という存在を演じる面白さを明かしてくれた。「『こうあるべきだ。このように生きなくてはいけない』という守るべきルールがあるけど、人間として生きる上でそれは必ずしも腑に落ちない。でも、それを口に出せないで本音と建前に葛藤し『我が苦しみはここにある』というところがドラマとしての侍の面白さでしょう。今回の半四郎も主君のお家がなくなって浪人になるけど、侍魂というものは常にある。一方で家庭ができて、子供が生まれ、さらに娘が子を産み人間としての喜びを初めて知った――人間としての本音がそこでできたわけですね。そこで葛藤し、喜びを覚えつつも満たされようとするところで全てを失ってしまう。しかも娘婿は流行りの狂言切腹で死んでしまう。『何でだ?』という思いを抱えて井伊家に乗り込んで『どこがあなたの本音なんだ?』と、自分が武士として考えるものを照らし合わせに行くわけです。それは“確認”なんて生易しいものではなく、『おれたちは何なんだ?』、『本当に武士として正しいのか?人間としてどうなんだ?』、『それが武士の生き方か?人間として幸せなのか?』と。そこが面白さですね」。三池監督にとっては『十三人の刺客』に続く本格時代劇となるが、「侍とは何か?それは僕には分からない」と語る。その真意は?「女の人を描くのと同じ感覚かな。僕の映画は女性の登場人物が極端に少ない。僕には女の人のことは分かんないから、分かったように女優に女の人について演出をするのは変でしょ?それと似たようなもので『侍とはこういうものだ』と理解する必要もないし、できない。分からないからやってみる、作ってみるしかないんです。『理解を超えたもの』というのは僕の中で最高のリスペクト。逆に『あなたのことを分かってます。侍ってこうですよね?』という人が撮ったら小さくなっちゃう気がする。『侍って何でしょう?』というスタンスが必要なんですよね。それは撮った後も変わらないですね」。スクリーンで初めて見せる父親の愛、悲哀現場での海老蔵さんは、共演者に興味津々だったという監督の証言を先に紹介したが、実際、映画やTVを主戦場とする現代劇の俳優陣からは普段の舞台とは違った刺激を受けたようだ。「瑛太くんは爽やかな好青年というイメージでしたが、メチャクチャ熱いんですよ。面と向かって『負けませんから。負けたくないんです』という感じで『おぉ、何だろうこの熱さは』って(笑)。素晴らしいのは“ふつう”でいられる感度。歌舞伎をやっていると、非日常に対する対応が多い。TVや映画は日常を切り出すわけで、その日常のふとした瞬間の0.01秒の間が瑛太くんからは見えるんです。僕にはそれはないですね。『この間でそれを表現するんだ?面白いな。でもこれを歌舞伎でやったらどうなるんだ?一秒はかかるな』とか考えてました。満島さんは女優独特というか、すごく入り込むんです。普通、そういう女優さんは近寄りがたい空気を持っていますが、彼女は意外と大丈夫。器量が大きいんでしょうね。入り込む人は前日や1週間前から入ってるからそういう壁があるし、ベールが掛かっているものだけど、彼女はそれをふとした瞬間に解いて、人とコミュニケーションを取ったり、場の空気を考える余裕を持ってる。若いのにすごいなと思います」。劇中、満島さん演じる娘の美穂、瑛太さん扮する娘婿の求女を温かく見守り、2人の間に生まれた孫を深く愛する半四郎。海老蔵さん自身が一児の父親となったのは映画の完成後だが、父親を演じることについて、こんな話を語ってくれた。「(孫役の赤ちゃんを)抱くと泣いちゃうんですよね(苦笑)。でも本当のお母さんが抱くと泣き止む。でも、いまになって考えると、自分の子も自分が抱くと泣き止むんですよ。(半四郎は親ではなく)おじいちゃんだから、泣いてもいいのかな、不正解ではなかったなと思っています(笑)。実際に父親じゃないのに父親を演じることについてはよく聞かれます。歌舞伎で『寺子屋』という話があって、主君のために自分の子を身代りに殺して差し出すんですが、先輩たちは『自分に子供がいないとできない。気持ち分からないぞ』とおっしゃる。逆に酒を飲んで酔っ払う演技は実は酒を飲まない人の方がうまいということもある。ということは、子供がいないからこそ表現できる子供への愛もあるのではないか?と思うんです」。真実とフィクション、現代と過去――そのはざまに立つ男の“覚悟”が垣間見える。改めて、父親になった海老蔵さんが父の愛の深さ、悲哀を新たにスクリーンで、舞台上で表現する姿を見てみたい気がするが…。まずは『一命』で“父”海老蔵の愛と葛藤、それを受け止めた三池監督が作り出した世界観をじっくりと感じてほしい。(photo/text:Naoki Kurozu)■関連作品:十三人の刺客 2010年9月25日より全国東宝系にて公開© 2010「十三人の刺客」製作委員会一命 2011年10月15日より全国にて公開© 2011映画「一命」製作委員会■関連記事:三池監督&満島ひかりが赤ちゃんを前にしての海老蔵の素顔を暴露!海老蔵、ファンに謝罪「新たな気持ちでの精進」誓うと共に家族への思い語るキャスト&監督登壇『一命』舞台挨拶付き完成披露試写会に10組20名様ご招待満島ひかりの“初”母親姿が解禁!泣く赤ん坊のために海老蔵が歌舞伎を披露!【カンヌレポート番外編】カンヌに華をそえる!スターたちのファッションチェック
2011年10月12日三池崇史監督が主催し、自らプレゼンターを務める「三池崇史監督presents 大人だけの空間」にて10月5日(水)、三池監督の最新作『一命』の試写会を開催。上映前に監督と満島ひかりがトークライヴを行なった。半世紀前の小林正樹監督による名作『切腹』の原作でもある滝口康彦の小説「異聞浪人記」(講談社文庫刊)の中の一篇を新たに映画化した本作。願い出た浪人・津雲半四郎が語る衝撃的な真実を通じて、武士として生きることの悲哀、残酷さを描き出す。三池監督は作品について「いろいろありまして…、“一命”を懸けて作りました」と苦笑を浮かべつつアピール。満島さんは、市川海老蔵演じる半四郎の娘・美穂を演じているが、監督は「映画史上こんな不幸なヒロインがいたか(笑)?」と紹介し会場の笑いを誘った。キャストに話が及ぶと、三池監督も満島さんも主演の海老蔵さんを絶賛。監督はこれから映画を観る観客に向けて「いま、(頭の中で)思っている海老蔵と映画を観終わった後で感覚が絶対に変わります」と約束。個人的な意見と断りを入れつつ「こんな芝居をやる奴はプライベートで何やってもいいと思う(笑)」と過激な言い回しでその演技力を称えた。満島さんは「あんな一瞬でプライベートと本番の切り替えができる俳優さんは初めて見た。この人の体にみなぎっている純粋なものが(映画の中に)あふれている」と驚きと称賛を口にした。一方で、「(満島さんの息子役の)赤ちゃんが6時間くらい泣いていたけど、海老蔵さんが抱くと泣くんです。『おれには赤ちゃんは抱けない!』って言ってました」と撮影現場でのエピソードの暴露も。ご存知の通り、本作撮影後に海老蔵さんは“パパ”になったが監督は「こないだ会ったとき『昨日、おむつ替えたんですよ』、『(赤ちゃんは)かわいいですよ』と言ってた」と撮影時からの“変身”ぶりを明かした。さらに、監督の“矛先”は満島さんに。先日開催された完成披露試写会の舞台挨拶で、「一命を懸けて守りたいものは?」という質問に満島さんが「自分の本能」と答えたことに触れ「女の人は強いし動物的。“残す”という感覚が男よりも強い」と解説。「幸せですか?」という監督からの突然の問いに満島さんは「幸せです。おかげさまで」とニッコリ。すかさず監督から「演じていると幸薄そうに見えるのに…」とツッコミが入り、会場は笑いに包まれた。『一命』は10月15日(土)より全国にて公開。■関連作品:一命 2011年10月15日より全国にて公開© 2011映画「一命」製作委員会■関連記事:海老蔵、ファンに謝罪「新たな気持ちでの精進」誓うと共に家族への思い語るキャスト&監督登壇『一命』舞台挨拶付き完成披露試写会に10組20名様ご招待満島ひかりの“初”母親姿が解禁!泣く赤ん坊のために海老蔵が歌舞伎を披露!【カンヌレポート番外編】カンヌに華をそえる!スターたちのファッションチェック【カンヌレポート7】瑛太、初カンヌに緊張監督は時代劇に3D起用理由を説明
2011年10月05日加藤清史郎が主演を、三池崇史氏が監督を務める映画『忍たま乱太郎』が23日(土)から全国公開されるのを記念して、以前より“大の阪神ファン”を公言していた加藤が、13日に兵庫県にある阪神甲子園球場で始球式を行った。その他の写真憧れのタイガースの本拠地・甲子園で人生初の始球式に挑んだ加藤は、猛練習を重ね、当日も室内練習場で本番直前までピッチング練習を行った。本番前にはバックヤードで阪神の桧山進次郎選手から激励を受け、加藤の緊張は最高潮に。しかし、“忍たま”姿でマウンドにあがった加藤は、18メートル先のバッターボックスに向けて見事な投球を披露し、集まった約4万人の観衆をわかせた。始球式後に加藤は、「すごく楽しかったです。マウンドからキャッチャーまでが思った以上に遠くて緊張しました」と述べ、当日の投球については「98点!ストライクをとるために力を抜きすぎで、少しワンバウンドになってしまったのでマイナス2点です」と採点。好きな阪神の選手について質問されると「みんなすごい選手だから全員好きです」と回答した。『忍たま乱太郎』は、忍術学園に通う少年・乱太郎(加藤)が、教師・山田伝蔵(寺島進)らの指導を受けながら仲間たちと修行を積み、エリート忍者を目指す姿を描く。『忍たま乱太郎』7月23日(土) 新宿バルト9ほか全国ロードショー
2011年07月14日いよいよ今週末に閉幕となる第64回カンヌ国際映画祭。「コンペディション」部門には河瀬直美監督の『朱花の月』、三池崇史監督の『一命』、「監督週間」には園子温監督の『恋の罪』がエントリーし、日本映画への注目度も高く、各賞のゆくえも気になるところだ。映画祭には今年も、『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』をひっさげたジョニー・デップ、『ツリー・オブ・ライフ』、『カンフー・パンダ2』とそれぞれの出演作が出品されたブランジェリーナをはじめ、豪華な顔ぶれが揃った。ここでは写真と共に映画祭に華を添えた女優、俳優たちをご紹介しよう。ブラピ主演の『ツリー・オブ・ライフ』の公式上映に参加したアンジェリーナ・ジョリーはアトリエ・ヴェルサーチのチョコレート色のシルク・ドレスを着用。前面には深いスリットが入り、背面には複雑なドレープが波打つゴージャスなデザインだ。自身の出演作『カンフー・パンダ2』のフォトコールではサルヴァトーレ・フェラガモのヌード・ベージュのシンプルなワンピース姿で自然体の魅力をふりまいた。『Sleeping Beauty』(原題)のダイアン・クルーガーはカルバン・クラインのシャンパンゴールドのドレス、監督作『The Beaver』(原題)の公式上映に主演のメル・ギブソンを伴って登場したジョディ・フォスターはジョルジオ・アルマーニのワンショルダーのドレス。ネイビーブルーがお気に入りらしく、『Melancolia』(原題)の公式上映出席時は同系色のバレンシアガのホルターネックのドレスを着ていた。アトリエ・ヴェルサーチ、オスカー・デ・ラ・レンタ、エリー・サーブを着こなし、連日注目を集めたのは中国出身のファン・ビンビン。とりわけ目立ったのはオープニング・セレモニーのときに着た赤のドレス。鶴の刺繍が入った着物風のデザインは彼女のスタイリストによるものだという。若手女優たちは清楚な装いで勝負。アストリッド・ベルジェ=フリスベはシャネルのアイボリーのドレス、ミア・ワシコウスカはフィロソフィ・ディ・アルベルタ・フェレッティのローズのシルクドレスや、ヴァレンティノのピンクのドレスで爽やかさを演出した。16日(現地時間)にはスーパーモデルのナオミ・キャンベルが東日本大震災被災者支援のチャリティ・ファッションショー「Fashion For Relief: Japan」を開催、ゾーイ・サルダナやロザリオ・ドーソン、そして70歳を超える名女優のジェーン・フォンダらがモデルとしてランウェイに立った。会場ではドルチェ&ガッバーナがデザインしたチャリティTシャツも販売された。ドルチェ&ガッバーナの人気は高く、サラ・ジェシカ・パーカーや本年度コンペ部門の審査員を務めるユマ・サーマンらがプレミアやフォトコールで白に刺繍の入った2011年春コレクションのドレス(サラ・ジェシカはたっぷりとしたマキシ丈、ユマは身体にフィットした膝丈)を着ていた。ちなみに、審査員全員のフォトコールでユマと並んだ審査員長のロバート・デ・ニーロのよれよれの普段着姿は、ある意味究極の外しの美学かも。さて、あなたが選ぶ今年のカンヌのベストドレッサーは?(text:Yuki Tominaga)特集「カンヌ国際映画祭現地から最新ニュースお届け」■関連作品:第64回カンヌ国際映画祭 [映画祭]カンフー・パンダ2 2011年8月19日より新宿ピカデリーほか全国にて公開KUNG FU PANDA 2™ & © 2010 DreamWorks Animation LLC. All Rights Reserved.ツリー・オブ・ライフ 2011年8月12日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2010 Cottonwood Pictures, LLC. All Rights Reserved一命 2011年10月、公開© 2011映画「一命」製作委員会恋の罪 2011年公開© 2011「恋の罪」製作委員会朱花の月 2011年9月、渋谷ユーロスペース、TOHOシネマズ橿原 ほか全国にて順次公開© 「朱花の月」製作委員会パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉 2011年5月20日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.■関連記事:【カンヌレポート7】瑛太、初カンヌに緊張監督は時代劇に3D起用理由を説明ジョニー・デップの膨大な帽子コレクションに危機!ヴァネッサが断捨離を迫るジョニーもペネロペも欲しがる…?「手に入れたい泉」の投票結果を大発表!海賊たちが可愛い人形に!『パイレーツ・オブ・カリビアン』フィギュアを2様プレゼントジョニーの横断幕はストで届かずも、日本人キャスト・松崎悠希、渾身のボケかます
2011年05月20日