熊切和嘉監督、徳井義実(チュートリアル)主演の映画『莫逆家族 バクギャクファミーリア』が、第4回沖縄国際映画祭の最終日3月31日にワールドプレミア上映され、主演の徳井、熊切監督、林遣都が上映前の舞台あいさつに登壇した。その他の写真阿部サダヲ、玉山鉄二、新井浩文、倍賞美津子、村上淳、大森南朋など演技派が揃うなかで主役をつとめた徳井は、「主演させてもらっていますが、共演者がすごい人たちばかりなので、これはやばいぞ!本気の映画なんだなと思いました。プレッシャーでしたね」と語り、撮影現場のエピソードについて「倍賞さんにびんたされるシーンはものすごい気迫でした。元アントニオ猪木さんの奥さんのびんたはすごいっ!」と芸人ならではのコメントで場を盛り上げた。伝説の暴走族のトップを演じるにあたっては、約1ヶ月半かけて加圧トレーニングに挑み肉体改造している。そんな徳井の起用理由を熊切監督は「華と影があって切なさを感じた。初めて会ったときも捨て犬のような感じでした(笑)」と明かした。徳井の演じる火野鉄の息子、周平を演じた林は、徳井の印象を「普段、テレビで見ている(芸人としての)徳井さんとは違って、想像以上に迫力がありました。下ネタを堂々と語るところとかは、男としてカッコいいです」と語り、また実際に鉄のような男性がいたら?という質問には「惹かれますね」と即答。この回答に徳井は、「全然、頼ってくれていいんですけどね。まあ、(林くんに携帯の)アドレスは聞かれなかったですけど(笑)」と、うれしそうだった。本作は、田中宏の同名漫画が原作。元暴走族の男たちが、ある事件をきっかけに再集結し、彼らのルールで仲間や家族を守ることを決意して戦う、家族の愛と絆を描いた感動ありバイオレンスありの人間ドラマだ。男性はもちろん女性にも観てほしいと言う願いを込めて徳井は、「草食系男子が増えている昨今、この映画には肉食系男子がたくさん出ています。“あたし、やっぱりこういう男が好きなんだわ!”と思うような、子宮に響く映画です!」と、徳井らしいアピールで舞台あいさつを締めた。取材・文・写真:新谷里映
2012年04月02日『アヒルと鴨とコインロッカー』『ゴールデンスランバー』チームの最新作『ポテチ』が、第4回沖縄国際映画祭・長編プログラムPeace部門でワールドプレミア上映され、キャストの濱田岳と木村文乃が舞台あいさつを行った。その他の写真本作は、東日本大震災直後に企画・製作され、震災後の仙台でオールロケを敢行した映画。主演の今村を演じた濱田は「僕たちはいつもどおり、面白い映画を作ることしかできないと思ったんです。震災後の仙台が舞台ですが、元気な仙台、ほっとできる映像をカメラにおさめています」。あたたかな気持ちになれるはずと、笑顔でコメントした。また、「中村組は僕にとって居心地のいい場所。この映画は一週間で撮ったんですが、一週間ふざけどおしました(笑)」と語るように、濱田は中村監督作品にはお馴染みの俳優。一方、共演の木村は今回が中村組に初参戦となり、「本当に素敵なチームです。お互いが励ましあって、笑いあっている楽しい現場でした」と印象を語った。この映画の原作は、伊坂幸太郎の13冊目の中短編集『フィッシュストーリー』のなかの中編『ポテチ』。同じ生年月日に生まれた今村と尾崎は、26年後、空き巣を生業とする凡人とプロ野球のスター選手という別々の道を歩いていたが、見えない力によって引き寄せられていく。そんな同じ誕生日という設定について濱田は、「僕はまだ同じ生年月日の人に会ったことはないんですが、出会ったら飲みに行きますね(笑)」。木村は「誕生日が同じというだけで距離が近くなりそう。私は誕生日が10月19日なんですけど、10時19分とか、自分の誕生日の数字を偶然目にするとうれしくなったりします」。女性の感性が垣間見られる木村の発言に、濱田は苦笑いだった。そして、舞台あいさつの最後には「いろいろな想いがギュッと詰まった作品」と2人それぞれがメッセージを送る。木村の「誰かのためを思って行動することにムダなことはひとつもない、そんな想いが込められている映画です。観た後に、行動してみようかな、一歩すすんでみようかなと思ってもらえたらうれしい」という言葉にうなずきながら、濱田は「中村監督からの伝言をあずかってきました。68分という短い映画なのでトイレの心配は全くない、安心して観られるということをしっかりと言うんだぞ!と言われたので、安心して楽しんでください(笑)!」。あたたかさとユーモアに満ちた映画同様に、舞台あいさつも終始なごやかだった。『ポテチ』は7日から仙台先行公開され、5月12日(土)から全国公開される。取材・文・写真:新谷里映
2012年04月02日映画『ヒーローショー』(2010)で数々の新人賞を受賞した、人気お笑いコンビ「ジャルジャル」の福徳秀介と後藤淳平の主演第2弾映画『営業100万回』が、第4回沖縄国際映画祭・長編プログラムLaugh部門でワールドプレミア上映され、福徳と後藤、共演のくまだまさしが、上映前の舞台あいさつに登壇した。その他の写真本作は、ジャルジャルもくまだも本人役で出演。しなびた温泉街に営業に出向いたジャルジャルらが、とあるトラブルに巻き込まれ銃殺され、その後、何度も同じ時間を行ったり来たりするSFコメディだ。お笑い芸人がお笑い芸人を演じることで、リアルな葛藤が描かれる。主演に抜擢された後藤は、「普段のがんばりを見てもらっていたから主演に選ばれたのか、それはどうか分からないけれど、ラッキーですね、うんラッキーです(笑)。いま以上にステップアップしたいですし、日々精進していかなければと思うので……というわけで“日々精進”聴いてください」と、突然歌い出す後藤に「歌うんか!」とすかさずつっこみを入れる福徳。そんな普段のジャルジャルの姿が映画にも反映されているそうで、共演したくまだは「2人の演技は本当にナチュラル、最高の演技です!」と絶賛した。また、宴会場に突然乱入してきた男に射殺されるシーンについて後藤は、「撃たれてフレームから消えるシーンは、今だから言えますが思いっきりむち打ちになりました(苦笑)。一連の射殺のシーンはもうアクションシーンですね」と、体を張ったシーンも見てほしいとアピール。福徳は「ジャルジャルで出ていますが、100%全部がぜんぶ僕らではないですから。あんなにカッコいいセリフは言わないし、嫌な部分もあるし……そこは勘違いしないでほしい(笑)」と、照れくさそうに語った。Laugh部門に出品ということで、テーマはもちろん“笑いの力”。「最後は笑いが救う、というメッセージが込められています。笑いって本当に素晴らしい」(後藤)、「それから、ファンの方の大切さを実感しました。こうしてステージに立てるのはファンのみなさんのおかげ、それを改めて感じました」(福徳)。お笑い芸人として胸を張ったジャルジャルのコメントを受け、くまだは「なんだか映画のハードルが上がっていますけど、大した映画じゃないですから(笑)。温かい目で、ハードルを下げて観ていただければと思います」と、会場から笑いを誘っていた。取材・文・写真:新谷里映
2012年04月02日宜野湾市・沖縄コンベンションセンターと那覇市・桜坂劇場をメイン会場に開催中の第4回沖縄国際映画祭。期間中は各会場でワールドプレミア上映から懐かしの映画上映まで、さまざまな作品が楽しめるが、同映画祭の面白さは映画鑑賞だけでなく、多種多様の無料イベントに参加できることだ。その他の写真イベントの多くはコンベンションセンター裏の宜野湾トロピカルビーチに設置されたビーチステージで行われ、今年は8日間で20以上のイベントが開催される。連日のビーチステージのトップバッターを飾るのは“オープニングエイサー”。沖縄県各地のエイサー団体が日替わりで沖縄の歌と踊りを披露する。毎年恒例のよしもと芸人たちによるお笑いイベントの人気は高く、映画祭初日は人気バラエティ番組『ピカルの定理』でお馴染みの白鳥美麗とピカルメンバーが歌と踊りでビーチステージを盛り上げた。音楽イベントに力を入れているのも同映画祭の特徴のひとつ。29日には歌ウマ芸人たちが自慢の歌でバトルをくり広げた『LIVE DAM presents 歌ウマ選手権』が、30日には長寿音楽番組『Hey! Hey! Hey!』が初登場し、豪華キャストを迎えライブ収録が行われる。ほか、同映画祭初のオールナイトイベント『YOSHIMOTO presents Laugh&Peace Music Night』(30日)、沖縄にゆかりのあるアーティストにたちによる恒例の音楽フェス『KYORAKU PRESENTS Laugh&Peace ミュージックフェス』(31日)も注目だ。フェスには夏川りみ、かりゆし58、NMB48、あやまんJAPANなどが参加する。また、今年はビーチステージでのお笑いや音楽イベントに加え、ファッションイベントが初コラボ。開催2日目には『沖縄ちゅらイイ!GIRLS UP STAGE』が午後のビーチステージを華やかに彩り、土屋アンナ、森泉、小森純など人気モデル&タレントが2012年春夏のファッションをまといステージを歩き、集まった約1万人の観客を湧かせた。このイベントは、吉本興業創業100周年の新プロジェクトのひとつである“SUPER GIRLS FESTA”のお披露目的イベントでもあり、4月15日(日)には台北市でファッションフェスタが開催される。メイン会場で上映される“Laugh&Peace”をコンセプトにした102本の映画と、リゾート感あふれるビーチステージでのお笑い・音楽・ガールズイベント。映画と3つのコンテンツの融合は、他の映画祭と一線を画する沖縄国際映画祭の見どころだ。第4回沖縄国際映画祭3月31日(土)まで開催取材・文・写真:新谷里映
2012年03月30日ビヨンセのものまね芸で人気の渡辺直美が初主演を飾った映画『SPOTLIGHT』が、現在開催中の第4回沖縄国際映画祭・地域発信型プロジェクト部門にて上映され、渡辺をはじめ浜崎綾監督、小林星蘭、木村祐一が舞台あいさつを行った。舞台あいさつの模様地域発信型プロジェクトは、昨年から始まった新プログラムで、全国各地で映画を撮影し、その土地の良さや魅力を世界へ発信しようというもの。浜崎監督が選んだ地域は“東京都”。昭和12年に開業した歴史あるキャバレーでダンサーになることを夢見る女性が、挫折しながら自分の夢に立ち向かっていく姿を描く人間ドラマ。浜崎監督は「歌手になりたいとかサッカー選手になりたいとか夢を持っていても、実際には難しく、いまひとつ頑張れない弱さを誰もが持っているもの。この映画では、夢が叶ったか叶わなかったかではなく、寄り道すること、自分の弱さに向き合うこと、そうやって成長していくことを説教くさくなく伝えたかった」と、映画に込めた想いを語った。浜崎監督は、フジテレビの『新堂本兄弟』『ミュージックフェア』などの音楽番組を担当、2010年に『ピカルの定理』の立ち上げに加わるなど、人気番組で経験を積んできた有望株だ。ヒロインに大抜擢された渡辺は、「まさか自分が映画の主演を務めるとは思わなかった。不安の方が大きかったけれど、浜崎監督とは仕事をしたことがあるので仲のいいスタッフさんも多く、楽しい現場でした。初のお披露目は緊張しますね」と、芸人としてではなく“女優”として淑やかにあいさつし、「渡辺直美のいろいろな顔が詰まっています。ダンスも注目してほしい」とアピール。そんな渡辺の女優っぷりを共演の木村は、「彼女は主演顔ですよ、だって脇にいたら邪魔ですからね(笑)。ビーチの大きなスクリーンでも耐えられると思います」と、冗談をまじえながらも絶賛し「映画は芸術なので、好きか嫌いかでいいと思うんです。僕はこの映画好きです!」と監督を称えた。また、同映画祭の第1回目からすべて参加している木村は、「毎回、僕ら(芸人)が来て笑いを届けていると言われていますが、実際はその逆。声援をもらって、握手を求めてもらって、沖縄で映画祭が開催されることを心から喜んでもらって、僕らの方が感動と元気をもらっています」と、感謝を伝えた。第4回沖縄国際映画祭3月31日(土)まで開催取材・文・写真:新谷里映
2012年03月29日地元愛に焦点をあて、世界に向けて地域の魅力を発信する沖縄国際映画祭の新たなコンテンツ“地域発信型プロジェクト”。昨年に続いての企画となる今回は5つの地域が参加し、タイ・フィリピン・マレーシア、台湾との海外共同制作も実現した。映画祭4日目の27日には、『同じ星の下、それぞれの夜』と『友友友友友』の上映前に両作のキャスト&スタッフ総勢15名による舞台挨拶が行われた。その他の写真『同じ星の下、それぞれの夜』は、タイ・フィリピン・マレーシアの3つの場所で、3人の日本人が、同時刻に体験した奇跡の瞬間を描くオムニバス映画。『チェンライの娘』(タイ)は、タイの大都会バンコクから北の小さな町のチェンライまでのロードムービーで、富田克也監督は「日本にはない風景はカメラをどこに向けても絵になる。映画を撮る人間にとっては楽しい現場でした」と満足の笑み。『ニュースラウンジ25時』(フィリピン)は、旅行が苦手だという冨永昌敬監督自身にヒントを得ている。「僕は旅行が苦手でなるべく日帰りをしたい人間なので、外国に行くけれど必ず日帰りをする主人公の映画を作ってみようと思いました」。『FUN FAIR』(マレーシア)を手がけた真利子哲也監督は「マレーシアは、中華系とマレー系とインド系の3つが一緒になった国でいろいろなものがある。何を食べても美味しいし、海も青くてきれいだし、人もやわらかい」と現地の良さをコメントした。また、『ニュースラウンジ25時』に主演するムーディ勝山は、フィリピンでのエピソードをまじえて「4、5泊したんですが、ホテルの部屋に前の観光客が置いていったであろう『ゴルゴ13』が1冊だけあって、それをずっと読んでいたんです。そのせいで、映画の後半はゴルゴっぽい演技になっています(笑)」と、見どころを語った。一方、台湾映画『友友友友友』に主演したロンドンブーツ1号2号の田村亮は「日本と台湾では笑いの箇所が違う。それを楽しめる作品です。台湾はとても親日で、日本語を話せる人がたくさんいることに驚きました」と、台湾での撮影の印象を語った。どうしたら台湾映画の笑いが日本人にわかりやすく伝わるのか、田村が監督にアドバイスすることもあったそうで、本作が初監督作となるタイタン・ホァン監督は「昨年の同映画祭に参加し、いろいろな映画を観て、自分にも台湾と日本をつなぐ作品を作れないだろうかと考えました。日本と台湾はこれまでもずっといい友好関係を築いてきました。とても意味のある作品になったと思います」と、きっかけとなった沖縄国際映画祭で上映される喜びを噛みしめていた。第4回沖縄国際映画祭3月31日(土)まで開催取材・文・写真:新谷里映
2012年03月27日24日から始まった第4回沖縄国際映画祭で、長編プログラム・Peace部門『ハイザイ~神さまの言うとおり~』が上映され、落合モトキ、ともさかりえ、MIINA(ラッキーカラーズ)、ALISA(ラッキーカラーズ)、西田幸治(笑い飯)、スネオヘアー、福永周平監督が第2会場の桜坂劇場(那覇市)を訪れ、舞台挨拶を行った。その他の写真本作は、沖縄・北谷町美浜の人気スポットであるデポアイランドを舞台に、3つのストーリーが同時進行で進んでいくスタイリッシュ・コメディ。それぞれの登場人物がちょっとした事件に巻き込まれ、ある場所を通じてつながっていくドラマが描かれる。数多くのローカルCMを手掛けてきた福永監督は、東京のCMプランナーの泉尾昌宏監督(兼脚本)と共同で監督をつとめ、東京と沖縄で、毎日スカイプで打ち合わせをしながら脚本を完成させた。最終稿が出来上がったのは撮影の前日で、今月の頭まで撮影を行っていた。主演・落合の演じる原沢に間違えられて拉致されるヒロイン・深谷を演じたともさかは、「ほんの1か月前まで撮影をしていたので、こんなに短期間で出来上がるなんて、びっくりです(笑)。沖縄を舞台にしているけれど沖縄らしさのない、不思議な温度感のある作品。それをぜひ映画館で観て確かめてほしい」と、驚きと共に魅力を語った。また、ともさかとスネオヘアーは昨日、夫婦そろってレッドカーペットを歩き注目を浴びた。スネオヘアーは、組会長役で出演しているほか音楽も担当している。タイトルに付けられた“ハイザイ”の意味について福永監督は、「ハイザイは漢字で“配剤”。薬を調合するときに使う言葉なんですが、世の中は偶然ではなく必然に作られている。ものごとはなるようになっているという意味もありますし、沖縄の映画なので“ハイサイ(こんにちはの意味)”にもかけています。コメディでちょっと変な内容でもあるので(笑)、廃棄材料の“廃材”という意味を加えてもアリなんじゃないかなと(笑)」と秘話を明かし、「映画を観たら1人20人に宣伝してほしい」とPRした。第4回沖縄国際映画祭3月31日(土)まで開催取材・文・写真:新谷里映
2012年03月26日沖縄国際映画祭2日目の25日、メイン会場となる宜野湾市沖縄コンベンションセンターで『ワーキング・ホリデー』のワールドプレミア上映が行われ、主演をつとめるEXILEのメンバーで俳優のAKIRA、林遼威(はやしろい)、逢沢りな、ちすん、ほんこん、ゴリ(ガレッジセール)、岡本浩一監督の7人が揃って舞台あいさつに登壇した。その他の写真AKIRAはこれまでにも映画『山形スクリーム』(2009)、『ちゃんと伝える』(2009)などに出演。最近は『半次郎』(2010)で初の時代劇に挑戦し、『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』(2010)でアジア映画デビューを果たすなど、映画俳優として活躍の場を広げている。本作では、元ヤンキーでホストで父親という難役に挑み「今まで演じたことのない役でしたが、(子役の)遼威くんと二人三脚でがんばりました」と撮影をふり返った。メガホンを取ったのは、『奇跡の人』(1998)でドラマ監督デビューし、以後、数多くのドラマ演出を担当してきた岡本監督。本作が映画初監督となる。キャスティング理由については、「台本を作っているときに(このキャストの)顔が浮かんできて、特にAKIRAさんの目力は役には必要で、おまけに笑顔も素敵だった」と、AKIRAの目力と笑顔が決め手となったと明かした。また、息子・進を演じた林は、約100人のオーディションから選ばれた逸材。その起用理由を「ずば抜けていました。心の入った芝居のできる子役」と絶賛した。そんなAKIRAと林の親子を、共演の逢沢は「こんな親子がいたらうらやましい」と、撮影の合間も仲のいい親子だったと語り、林が「車に乗っているシーンのとき、AKIRAさんがアントニオ猪木さんのものまねをしてくれました!」と思い出に残っているというエピソードを話すと、その言葉にのせられたAKIRAは苦笑いしながらも「元気ですかー!」とアゴを突き出して猪木のものまねを披露、観客を湧かせた。本作は、大人になりきれないやんちゃな父親・大和と、子供になりきれないしっかりした息子・進のヘンテコ親子を描いた冒険物語。AKIRAは「この親子がいろいろな困難を乗り越えて親子になっていく姿を描いています。家族、友情、人間関係…忘れてはいけないものが詰まっている愛のある作品です」と熱いメッセージを送った。第4回沖縄国際映画祭3月31日(土)まで開催取材・文・写真:新谷里映
2012年03月26日今年で第4回を迎える沖縄国際映画祭が24日に宜野湾市沖縄コンベンションセンターで開幕した。同日の夕刻には、映画祭の目玉のひとつである約300メートルにおよぶレッドカーペットを、『ワーキング・ホリデー』のAKIRA、『営業100万回』のジャルジャルの福徳秀介と後藤淳平など、346名のゲストが約3時間かけて歩き、映画祭を華やかに彩った。昨年の6月に結婚したともさかりえとスネオヘアーは『ハイザイ~神さまの言うとおり~』で共演、夫婦そろってレッドカーペットを歩いた。その他の写真また、オープニングセレモニーの会場となったビーチステージには、東アジア初の移動式のオープンエアスクリーン“Cine Screen 400”が登場。巨大スクリーンを前に、沖縄国際映画祭実行委員会・実行委員長である吉本興業株式会社代表取締役の大崎洋氏は、「昨年は震災直後で、多くの人たちの協力を得て映画祭を開催することができました。沖縄の力を本土に届けられたことは誇りです。第4回目となる今年は、日本の伝統文化と大衆芸能を、この沖縄から発信していきたい」と熱く意気込みを語った。メイン会場であるコンベンションセンターと桜坂劇場を中心に上映される映画は、15の国と地域から集められた102本に及ぶ。そのなかのメインプログラムである“長編プログラム”は、映画祭のテーマでもある“Laugh & Peace”をテーマにした「笑える、観終わった後に幸せな気分になれる」趣旨に沿った長編映画が上映され、Laugh部門13本、Peace部門13本のなかから、Laugh部門 海人賞(うみんちゅしょう)グランプリ、Peace部門グランプリ、審査員特別賞のゴールデンシーサー賞が1本ずつ選ばれる。そのほか、海外のコメディ映画や不朽の名作などを上映する“特別上映作品”、第3回からスタートした、地域ごとの生活伝承や物産・観光情報を映像の力で世界へ発信する“地域発信型プロジェクト”など、多彩なプログラムが揃う。第4回沖縄国際映画祭3月31日(土)まで開催取材・文・写真:新谷里映
2012年03月26日村長はカッパ姿、住民は星型のマスクをかぶったロッカー、金髪&ジャージ姿の金星人…超個性的な人ばかりが住む荒川河川敷を舞台に、彼らと出会ったことで大きく人生が変わっていく青年リクの成長を描いた『荒川アンダーザブリッジ THE MOVIE』。主演のリクを演じる林遣都と、金星人のニノを演じる桐谷美玲に、映画の魅力を語ってもらった。その他の写真原作は累計発行部数550万部を越える中村光の人気コミック。奇抜なキャラクターを相手にツッコミを入れるリク役の林は、「もともとギャグ漫画が大好きなんですが、『荒川…』は、単なるギャグ漫画ではなく、シュールだけれど小説のようなラブストーリーでもあって…。いろいろな部分で引き込まれました」と語る。桐谷は「どうやって実写化するんだろう?」という興味と同時に「ニノは金星人。しかも、漫画のなかではハチャメチャなことをしているんです。これを演じられるのかという不安はありましたが、撮影に入る1ヶ月前から読み合わせをしていましたし、河川敷のセットができる過程を監督から聞いていたので、撮影初日は、緊張しつつもここから3ヶ月間ニノとしての生活がはじまるんだ! というワクワク感でいっぱいでしたね」と当時の心情を明かす。林と桐谷の心を高ぶらせたという美術スタッフ渾身のセットだが、そこにメインキャストが集結した初日、林は「怖くなった」と意外なコメント。「この人たちの先頭に立たなくてはならないんだというプレッシャーを感じてしまって、一気に不安になってしまったんですよね。こんな自由奔放な人たちを相手にできないなって。今だから暴露しますけど、あの初日に僕、監督の前で泣いてしまったんです。プレッシャーってあんなに膨らむものなんだなって(苦笑)」。確かに、小栗旬、山田孝之といった、日本映画界をリードする俳優たちを、役柄とはいえ引っぱっていくのはかなりの大仕事。それでも「林くんはリーダーシップを発揮していた」と桐谷。「私も林くんもかなり人見知りで、ぜんぜん会話が続かないんです(苦笑)けれど、撮影が始まってすぐ、林くんがみんなをご飯に誘ってくれて。そういう場を作ってくれたおかげで、打ち解けることができました」と明かした。そして「世の中には金で買えないものがある」という村長の言葉をはじめ、「変な格好をしていても、村長さんや星さんは意外と良いことを言っていたりするんです(笑)。そういう言葉を聞き逃さないでほしい」という桐谷の見どころに続けて、林も「何も考えずに楽しめる、夢の世界に連れていってくれる、そんな作品です。2時間、思いっきり楽しんでほしい」。彼らを虜にしたファンタジー・ヒューマンドラマには、予想以上の感動が詰まっている。『荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE』2月4日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー(C)中村光/スクウェアエニックス・AUTBパートナーズ写真・文:新谷里映
2012年02月03日『ディープ・ブルー』『アース』など、大自然のなかで生きる動物たちの驚くべき生態を次々とスクリーンに映し出してきたネイチャードキュメンタリー映画に新たな作品が加わった。製作期間6年、撮影日数3000日、総製作費35億円をかけたBBC史上最大規模のネイチャードキュメンタリー映画『ライフ -いのちをつなぐ物語-』だ。公開に先立って来日したマイケル・ガントン監督とマーサ・ホームズ監督の両名に話を聞いた。『ライフ -いのちをつなぐ物語-』場面写真「とにかく膨大なリサーチをしたわ。霊長類学者のエキスパートに話を聞きに行ったり、哺乳類についての学会に参加したり、あらゆるリサーチをしながら実際にどの動物を撮ることができるのか選んでいったの」とホームズ監督。また今回は「いろいろなタイプの動物を撮ることを意識した」そうで、実に18ヵ国・24ヵ所、地球上の全大陸でロケを行っている。最新のカメラ技術と高度なテクニックを駆使することで、史上初の映像15シーンを収めることにも成功している。その映像から伝わってくるのは、動物たちの“感情”と“生き様”──ホームズ監督は「動物たちの愛を感じてほしかったの。動物も人間と同じように生きるためにチャレンジをして、苦難を乗り越えている。生物はみんなで地球を分かち合っている、そのことを説教くさくなく、さりげなく伝えたかった」と熱い想いを語る。エモーショナルな生態を見せたいのはもちろん、行動学的に「この動物はこんなことをするのか!?」という新たな発見もたくさんあったとガントン監督。「バンドウイルカが群れを成して泥で餌を捕る行動は、知られているけれどクリアな映像で見せることができたのは今回が初。本当にうれしい瞬間だった。でも、何も起きない日もたくさんあった。ザトウクジラの撮影では求愛行動をまったくしてくれなくて20日間待ち続けた。チーターの狩りの撮影は何週間も待ったのに狩りをしたのは2回ほど。しかも狩りはわずか1分程度で、その瞬間にカメラのレンズを変えていたりしたらアウトだったね(笑)」。撮影技術と忍耐によって実現した驚異の映像はまさに奇跡! 動物たちの“生きる”姿をリアルに目撃することで、観客は大きな感動と数多くの気づきを得るだろう。『ライフ -いのちをつなぐ物語-』9月1日(木)より、TOHOシネマズ日劇ほか全国ロードショー(C)BBC EARTH PRODUCTIONS (LIFE) LIMITED MMXI. ALL RIGHTS RESERVED取材・文/新谷里映
2011年08月26日