俳優として活躍を続ける中、昨年1stシングル『つよがり』をリリースして音楽活動を本格的にスタートさせた松下洸平さん。初のフルアルバム『POINT TO POINT』は「今の自分にどんな表現ができるか試したかった」と語る意欲作。シンガーとしての松下洸平もみんなに知ってもらえたら。「自分が好きなR&Bを軸にジャンルレスな楽曲を収録しました。気軽に聴いていただけたら嬉しいです」チルなムードのR&Bナンバー「BET」では、繊細かつ色香の漂うボーカルを披露。自身が手がけた歌詞には、彼の生き様が垣間見える。「この曲は誰のためでもない自分の想いを言葉にしました。〈賭けてみたいのさセーブはいらない〉という歌詞があるのですが、振り返ってみると、今は目の前のこれに全てを賭けよう、ということの連続だった気がします。大切なチャンスを失わないように攻める時は攻める、そんな自分自身のことを歌っています。普段、自分の曲を聴くことは少ないんですけど、『BET』は結構、聴いていますね(笑)」もともとシンガーソングライターを目指して音楽学校に通っていたという松下さん。そんな19~20歳の頃の夢をこう振り返る。「気心の知れた仲間と音楽をやって、『いつか日本武道館でライブをやれたらいいね』とか『オリコン1位になれたらいいね』なんて本気で語り合って。何の根拠もない自信を持っていたあの頃は最強でしたね。だからこそ、最初に洸平名義でCDデビューした時に浮かれていた自分は、今思うと恥ずかしいですよね(笑)。自分がやっている音楽は世界で一番カッコいいと思っていたし、自分は誰よりもいい声をしていると思っていたけど、そうじゃなかった。誰にも届かなかった。一度、現実の厳しさを知って挫折したんですよね。だからこそ、今作でもアレンジャーとして携わってくれているカンノケンタロウさんは同じ音楽学校時代の仲間でもあるんですけど、彼と一緒に今年、中野サンプラザでライブをやれた時は感慨深いものがありました。だからあの頃の気持ちは忘れずにいたいと思います」アルバムのラストに収められた「MUSIC WONDER」はハッピーで開放的なゴスペル調ナンバー。音楽がもたらす多幸感をふんだんに込めて歌った。「僕は映画『天使にラブ・ソングを2』の劇中歌『Oh Happy Day』を聴いて救われたんです。あの曲がなかったら僕は多分、歌ってなかった。そんな想いを歌にしたくて、音楽に出合った時の嬉しさや歌っている時の楽しさを思い浮かべながら作った曲です。俳優としてだけでなく、シンガーとしての松下洸平も色んな人に知ってもらえたら嬉しいです」1st AL『POINT TO POINT』。多彩なR&Bナンバーをグルーヴィなボーカルで魅了する。全11曲。11月23日リリース。【完全生産限定盤(CD+GOODS)】¥8,800【初回限定盤(CD+DVD)】¥4,950【通常盤(CD)】¥3,300(ビクター カラフルレコーズ)まつした・こうへい1987年生まれ、東京都出身。2008年に洸平名義でCDデビュー。’09年以降、俳優として活躍し、現在は日曜劇場『アトムの童』(TBS系)に出演中。11月30日より全国ツアーを開催。カーディガン¥42,900(MEIAS TEL:03・5843・0535)その他はスタイリスト私物※『anan』2022年11月30日号より。写真・秋山博紀スタイリスト・丸本達彦(UNFORM)ヘア&メイク・KUBOKI(Three PEACE)インタビュー、文・上野三樹(by anan編集部)
2022年11月27日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「スピーキングテスト」です。受験科目に加えることが、英語力向上につながる?都立高校の入試の合否判定に、来年度から英語のスピーキングテスト導入の準備が進められていますが、受験生や親御さんらから中止を求める声が多く上がっています。都議会でも、立憲民主党や東京維新の会から、合否判定から除外する要請を盛り込んだ条例案が出されました。入試の中学校英語スピーキングテスト(ESAT‐J)は、日本人の英語能力を上げていきたいという理由から導入されました。英語能力を示すEFEPI(英語能力指数)の世界ランキングを見ると、2021年は日本は112か国中78位。前年は100か国中55位、2011年には44か国中14位でした。経済成長につれ海外留学が増えたことなどで、英語力が上がっている他国に日本がどんどん追い抜かれている状況が露わになっています。ESAT‐Jは、英文の音読や絵に描かれたシチュエーションに対する解答、自分の意見を述べることが求められ、タブレットに録音して答えます。このテストが、英語以前に、自分の思いを言葉に表すことが得意か否か、コミュニケーション能力を問うものにならないか。吃音や障害のある子供に対して不公平にならないかという問題が指摘されています。テストを受けないという選択肢もあるのですが、受けて低い点数をつけられるよりも受けないほうが受験に有利になる可能性も。また、ベネッセが実施しますが、一事業者が選定された経緯が不透明。解答した音声はフィリピンに送られ採点されます。AからFのグレードに分けられ点数がつきますが、1点の違いでもグレードが分かれてしまうこと、採点の正当性についても問題視されています。そもそも、受験にスピーキングテストを加えることで、日本人の英語力が上がるのでしょうか。それよりも、普段から、英語に触れられる機会を増やす、海外から来る外国人との交流を頻繁にする、留学や英会話スクールへの助成を入れるなど、ほかにもより効果的な方法はあるように思います。11月27日には本テストが実施されます。東京で導入されればこれは全国に広がる可能性も大きい。改めてきちんとした議論が必要だろうと思います。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2022年11月30日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2022年11月25日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「NPT会議決裂」です。核の危機感を持ち、橋渡しに、本気の姿勢を見せて。ウクライナでは、ロシア軍がヨーロッパ最大級のザポリージャ原子力発電所を占拠し、原発を盾に攻撃を強めています。本来、国際法により、原発は攻撃してはいけないと定められているのにもかかわらず、原発のある地域を舞台にした戦闘が続いています。国際原子力機関(IAEA)が現地に入り、誰が攻撃し、何が起きているのか、原発事故が起きないよう策をとっていますが、送電網が遮断されるなど、非常に深刻な事態に陥っています。8月にはNPT(核兵器不拡散条約)再検討会議がニューヨークで開かれました。ここでは、核兵器の不拡散だけではなく、現在のウクライナ情勢を背景に、原子力は平和利用のために使うことを盛り込んだ最終合意文書を作ろうとしましたが、ロシアは一貫して、「原発を攻撃していない。ロシアに非があるようなことを盛り込むのであれば、文書に署名できない」と主張。最終的に文書はまとまりませんでした。前回の検討会議でも、最終合意文書はまとまらず決裂しました。中東の非核化を求め合意を取ろうとしたのですが、土壇場になってアメリカが核保有国のイスラエルに配慮して、合意できないと言い出し否決されました。NPTは2回連続、核を持つ国は大きな脅威であり、保有国にしか交渉力がないことを見せつける結果になりました。核保有国も非保有国も一致団結しようと昨年、核兵器禁止条約が発効しました。しかし、核保有国は不参加。広島選挙区選出の岸田総理は両者をつなぐ橋渡しをしたいと話していましたが、核兵器禁止条約には参加せず。NPT再検討会議に乗り込んだものの、何か成果を残したわけではありません。いま、核兵器がいつ使われてもおかしくない緊張が続いていますが、その危機感が日本では共有されていないように思います。今年は、核兵器や原子力の平和利用の大きなターニングポイントとなる年になるはずでした。次のチャンスは、来年のG7。岸田総理の肝入りの企画で、広島で開催されます。核保有国に対し、「核が再び攻撃に使われるようなことがあってはならない」と、粘り強く交渉する姿勢をぜひ世界に打ち出してほしいと思います。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2022年10月12日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2022年10月08日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「宗教2世」です。公的支援から外れる貧困。偏見もなくそう。安倍元首相の銃撃事件を機に宗教2世の存在がクローズアップされました。僕は以前からオウム真理教信者の子供たちや、脱会した方のその後の社会生活について当事者に取材してきました。彼らは、一般の社会生活を送るのは極めて困難な状況に陥っていました。学校でも職場でも自分が宗教2世であることを伝えるのは難しかったとみなさん話しておられます。奇異な目で見られたり、レッテルを貼られたり、警戒されたり。友人や恋人に話せば自分から離れていくのではないかという怖さから、余計に一人で抱え込んでしまいます。一方では、SNSの普及により、初めて自分以外にも同じような状況にある人がいることがわかり、心が支えられたとおっしゃる方もいます。今回の事件の山上容疑者の家は、旧統一教会の信者である母親が多額の献金をしたことにより破産しました。このようにカルト教団で、常識を超えた霊感商法などで信者がお金を吸い上げられていくような家庭で育った人は、経済的に非常に苦しい状況に陥ります。ところが、こういう場合の貧困は法的なサポートから外れてしまうんですね。生活保護費は、病気や怪我で働くことができない人に支給されます。しかし、宗教による過剰献金の家庭の場合、両親のどちらかが働いており、お金も稼いでいる。それが家庭や子供たちに回らないという状況ですから、当然、生活保護の対象にはなりません。旧統一教会の信者の子供たちは「祝福2世」と呼ばれ、教会内で大切に育てられます。しかし自由な恋愛や結婚ができないなど厳しい教えがあります。教義に疑問を抱き、親とは違う道を歩みたいと思っても、家族や人間関係、自分の居場所などをすべて切り離すことになるので相当の覚悟が必要です。この問題はほかの新興宗教にも通じます。宗教2世は自分で信仰を選べず、そういう家庭に生まれたことで社会的孤立を強いられ、学びの機会や様々な選択の自由を奪われます。偏見を抱いてしまう社会風潮にも問題はあると思います。公的支援のあり方も再考の余地があるでしょう。宗教の問題というよりは、子供の虐待や貧困の観点から捉えるのが重要ではないかと思います。堀 潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2022年9月21日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2022年09月17日来年の大河ドラマ「どうする家康」で徳川家康を演じる松本潤が、家康の素顔を求めて旅をする歴史ドキュメントの第2弾「どうする松本潤?徳川家康の大冒険2」が9月10日(土)に放送される。今回のテーマは、「なぜ家康は天下人になれたのか?」。幾度となく襲いかかる人生の危機の中で、家康が熱心に行っていたのは戦や政争ばかりではない。実は、家康が人知れず、日々熱心に取り組んできた「趣味」の中に、家康が危機を乗り越え、天下人にのぼりつめることができた秘密が隠されている。乗馬、たか狩り、聞香など家康が打ち込んだ趣味の数々を松本さんが体を張って実際に体感。さらに、「最も家康に似ている」といわれる普段は非公開の家康・等身大の木像や、徳川宗家・次期当主の徳川家広さんも登場。愛知県、岐阜県、山梨県、京都府をめぐり、教科書には載っていない知られざる徳川家康の人物像に迫る。解説は本郷和人(東京大学史料編纂所教授)、語りはキムラ緑子が務める。【どうするポイント 1】「乗馬」天下人への道は「負けても死なない」こと三方ヶ原の戦いで武田信玄に惨敗し、絶体絶命の危機に陥った若き日の家康。「生きていてこそ次がある!」。どんな状況であっても最後は逃げて命をつなぐために、家康がのめり込んだのが「乗馬」だった。日本伝統の古馬にまたがり、「家康の逃げの乗馬術」に迫る。【どうするポイント2】「たか狩り」天下人への道は「誰よりも長生きする」ことライバルたちが次々と病死する中、家康の秘策は「ライバルたちよりも長生きすること」。健康オタクへの道を邁進する家康がことのほか重視したのは「たか狩り」だった!75歳という驚きの長寿を全うし、天下人レースを逃げ切った家康健康長寿の秘訣に迫る。【どうするポイント 3】「聞香」天下への道は「己に勝つ」こと誰が敵で誰が味方なのか?陰謀渦巻く心理戦を勝ち抜いた家康の強さは、どんな状況下でも冷静さを失わないメンタルの強さでもあった。それを支えていた家康の趣味こそが「香」。家康がのめり込んだ「聞香」とはどんな世界なのか?家康考案のオリジナル香の再現にも挑戦する。■木道壮司チーフ・プロデューサーよりコメント天下人となった徳川家康は、神君・家康公として神格化され、「いかにエラい人か」を伝える記録ばかりが残されています。本当の人間・家康とはどのような人物だったのでしょうか?今回、そんな家康の素顔を探るため、家康がのめり込んでいた「趣味」を、松本さんが家康の気持ちになりきって体当たりで挑戦!そこからどんな家康像を発見することができたのでしょうか?歴史の裏側を松本さんと一緒に探っていけば、2023年の大河ドラマ「どうする家康」がより楽しくなること間違いありません。「どうする松本潤?徳川家康の大冒険2」は9月10日(土)19時30分~NHK BSプレミアム、BS4Kにて放送。(text:cinemacafe.net)
2022年09月06日嵐の松本潤が出演する、日本航空の新WEB動画「櫻井翔・松本潤の行こうぜ! ニッポン! 九州」編 Part1~3が21日、公開された。同WEB動画は、松本と櫻井翔が日本全国に旅に出かけ、各地の魅力を紹介するシリーズの最新作。松本が福岡と佐賀を訪れ、九州の文化・伝統に触れている。佐賀・呼子にある漁協直営の「呼子台場みなとプラザ」を訪れた松本は、名物のイカを自らさばいて食べることに。「イカは暴れるって聞くよ」と墨対策にカッパを着ながら恐る恐るすくい上げ、包丁を入れていくと、見守っていた婦人会から「上手!」と声が上がる。続いて、福岡・八女の「光安青霞園茶舗」で玉露とういろうを堪能し、茶葉の香りや茶器にも興味津々。店主・光安さんのお茶入れを真剣に見つめ、2煎目にはお茶入れにチャレンジし、華麗な所作を披露した。また、最後に訪れた「門田提灯店」では、櫻井へのお土産として提灯の絵付けに挑戦。「櫻井くんといえば迷彩のイメージだけど、時間がかかりそうだな……やっぱり彼の名前を入れるのがいいかな……!」と提灯に“櫻井”の文字を入れることに。“櫻”の字を間違えてしまうハプニングもあり、「(出来上がりが)どうなってもいいや……(笑)」と言いながらも、スタッフが話しかけると「ちょっと静かにしてください」と返し、真剣な様子で書き進めた。旅を終えた松本は、「その土地の文化・食に触れたり、そこに行かないと見られない景色、感じられない空気感を感じることができたので、心が豊かになる気がします。旅に来られてよかったです」と満足気に振り返っていた。
2022年08月22日嵐の松本潤が出演する、リクルート・SUUMOの新CM「松本潤さんのスーモノリスで地図検索」編が、17日より放送される。新CMでは、無機質な白い空間に松本が登場。スマホを模した巨大な石板を前に松本が「住まい探し……」「地図……」と語りかける。するとそこに地図が浮かび上がり、手でなぞりながら物件検索をし、「使いやすい……」とつぶやく。■松本潤インタビュー――今回のCM撮影の感想は?楽しかったです! 実は撮影の方は以前から親交がある方でしたし、監督も僕と同い年で、以前から監督が作る映像が好きで、一緒に仕事してみたいと思っていたんです。今回のCMは結構特殊な設定・空間なので、どうやって演じるか目指す映像の世界観を監督と話し合いながら撮影しました。――今回のCMのみどころは?独特な世界観の中でちょっとクセのある感じを楽しんでいただけたら嬉しいです。「SUUMO」が、「物件数 No.1」であり「いろいろな情報が手軽に手に入る」というサービスのすごさと、近未来的な映像のかっこよさの両方を楽しんでいただけたらと思います。――「なぞって検索」機能で検索して、どんなエリアに住みたいですか?リアルに自分が選ぶとすると、普段行くジムや、よく行く友達がやっている飲食店などは、わりと1カ所に集まっているので、そのエリアを囲むかな。やっぱり近い方が楽なので。これまでいろいろな所に住んできましたが、僕の場合、結局行く所はほとんど変わらないんです。そこから離れたエリアに住んだこともあるのですが、やっぱり近い方が便利だなって(笑)。僕はいろいろ見るのも好きなので、緑の多いエリアや、魚がおいしそうな海沿いなどを検索してみるのも楽しそうですよね。――物件選びで迷うことはありますか?あまり迷わないかな。自分がその家に住んだらどこに何を置いて、玄関や風呂へはどこを通って……などを想像しながら選びます。あとは、日当たりや景観、駅からの時間、近くに自分に必要な場所がいくつあるのかなども考えます。でも最終的には、自分のフィーリングで「あ、ここにしよう」って納得がいくということがいちばん大事なのかなと思います。――最近の自宅でのマイブームは?最近は、帰ってきてリラックスするために、お香やキャンドルをたくことがマイブームで、割と習慣づけていますね。現場にいる時間が長いので、家に帰ってきて、仕事と自分の時間を切り替えるスイッチにしているんです。あとは、最近、撮影で朝が早いことが多いので、毎朝6時くらいには起きるようにしています。朝のうちに運動したり、サウナに入ったりして現場に行っています。――現在の自宅を「今後こうしたい」などのお考えはありますか?僕は現状に満足していますね(笑)。あえて言うと、最近仕事が立て込んでいるので仕事の資料が増えてきたんです。本などを買ったことで本棚が整理しきれなくて。前回のインタビューの際に「物を減らしてシンプルにした」と言ったんですけど、もうちょっと収納を作っておけばよかったな(笑)。
2022年08月16日女優でタレントの平愛梨が出演する、シロク「N organic(エヌオーガニック)」の新CM「N organic ×平愛梨〜親子との日常編〜」「N organic×平愛梨〜夜のリラックス時間編〜 short ver」「N organic×平愛梨〜マスク悩み編〜 short ver」「N organic×平愛梨〜インタビュー編〜 short ver」が9日より、順次放送される。新CMでは、平が息子のバンビーノ君と共演。子育てママが思わず共感するような子どもとの日常生活をリアルに描き、忙しいママがスキンケアの時間で癒される様子が映し出される。またCM動画公開を記念し、撮影の裏側を収めたメイキング&インタビュー動画も公開された。今回の撮影について、平は「これまで何回か撮影させていただいてきて感じるのは、本当にどの方もいい人が多くて、すごく優しい。テンポ感もあって、スムーズに(撮影が)進んでいっているので、アットホームな感じがしてすごく居心地がいいです」と回顧。「雰囲気もオー ガニック感が出ている感じですよね。服とか、おうちのスタジオの雰囲気もそうで。全体的にすごくオーガニックで作られていて、よりあっている感じがして自然体でいられます。おいしいものもいっぱいもらって(笑)。すごく嬉しい空間です」と振り返った。また、「もしご家族みんなでお休みができたら何かしたいことはありますか?」と聞かれると、「お休みができたら……いっぱいありますね。成長が早いので、やっぱりおばあちゃんとかに会わせてたくさんたくさんこの時を見てほしいですね。やっぱり帰りたいです。里帰りって言うんですか、両方の実家に行ったりしたいですね」と回答。「前回(行った時)は、一番下の子がまだ1歳にもなってない、約9カ月の時。(その時)お会いしたら、「パチパチ」を教えてくれました。そこからできるようになったので、おばあちゃんの教えとかっていうのを教えてもらいたいですね。だから地元に帰りたいです」と語った。さらに、「この夏ご家族で何かしたいことはありますか?」という質問には、「(子どもたちが)水が大好きなんですよ。だから家族みんなで、海とか行きたいです。海やプールとか、あとバーベキューとか。夏らしいことをみんなでやりたいですね」と答えていた。
2022年08月09日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「戦争犯罪」です。ルールはあっても、現実的には大国を裁くのは難しい。国連憲章では、他国への侵略行為、戦争は禁じられています。しかし、戦争になった場合も最低限守るべきルールが、ジュネーブ条約(赤十字条約)によって国際的に定められました。まず、民間人への攻撃は禁止。市民の暮らしの要になるインフラを故意に攻撃することも禁じられています。また、無差別攻撃を目的とする兵器、クラスター爆弾や焼夷弾、化学兵器や生物兵器、毒ガス、対人地雷も使用は禁止されています。兵士を含め、病人や負傷者は手当てを受ける権利が保障されており、それらの人々を助ける赤十字の関係者や施設は、中立的な立場のため攻撃してはいけません。捕虜への拷問や残虐行為も禁止。これらのルールを犯した場合、戦争犯罪になります。また、特定の民族や人種を意図的に根絶やしにするような民族虐殺(ジェノサイド)も禁じられています。ロシア軍によるウクライナへの軍事侵攻では、数々の戦争犯罪の証拠が挙がっています。自転車に乗った民間人を殺害したロシア兵は、明白な戦争犯罪だとして、ウクライナで終身刑が言い渡されました。国家間の紛争を解決するために設立されたのが国際司法裁判所(ICJ)。ウクライナ政府はロシア政府をICJに訴えましたが、ICJは国連の司法機関で、執行は国連安全保障理事会が担います。しかし安保理の常任理事国であるロシアは拒否権を持っています。そのため、ICJがロシアを戦争犯罪を起こしている国と認定しても、実際には裁くことは難しいのです。もうひとつ、国連から独立した国際刑事裁判所(ICC)があり、人道に対する罪や戦争犯罪に問われる、組織のリーダーや個人を裁きます。ICCは、ウクライナでのロシアの戦争犯罪に十分な証拠が揃っていると述べています。しかし、ICCは警察機関を持っておらず、犯罪者の逮捕はその国の警察機関に働きかけます。ただ、ロシアもアメリカも中国も、ICCには加盟していません。そのため、戦争犯罪が立証されても逮捕する手立てはないのです。そもそも戦争を起こさないための知恵を、諦めずに出し合うしか解決方法はないのだろうと思います。堀 潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2022年7月6日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2022年07月03日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「沖縄本土復帰50年」です。もとは独立国家。虐げられてきた歴史に目を向けて。50年前の5月15日、アメリカの施政権下にあった沖縄が日本に復帰しました。沖縄は、古くは琉球国という約450年続いた独立国家でした。明治政府は1872年に琉球国を解体し、琉球藩に。1879年には廃藩置県により、沖縄県に生まれ変わります。「富国強兵」のスローガンのもと、近代国家の仲間入りを果たそうとしていた日本。沖縄は内地とはある種、支配・従属的な関係にありました。中央から派遣された役人や軍人は、沖縄を見下し「はやく大和になれ」と押し付けます。沖縄の人々は差別や偏見にさらされ、「私たちは日本人なのだ」という強い機運を生み、太平洋戦争末期、日本を守るために玉砕、集団自決を決行します。日本で、民間人が戦闘要員として駆り出されたのは沖縄だけです。1945年、米軍は沖縄に上陸し3か月にわたり激しい戦闘が繰り広げられました。沖縄県民の4人に1人が犠牲になり、日米合わせて約20万人の被害が出ました。沖縄戦は9月7日に幕を閉じ、アメリカに統治されることに。マッカーサー元帥は、太平洋地域に拡大した日本国の影響を弱体化させるため、沖縄・南西諸島を日本から分離させることにこだわりました。当時、ソ連や中国を筆頭に共産化の波が押し寄せており、東の果ての防波堤として、沖縄を所有することはアメリカの安全保障上、大きな意味がありました。戦後、沖縄支配は日本からアメリカに移ります。やがて「島ぐるみ闘争」という、米軍支配への反対運動が勢いを増し、日本に復帰するか、独立するか、国連の統治下に置かれるべきか、沖縄住民の間でも意見が割れました。返還交渉は1969年に始まり、年末に最終合意。沖縄県内では「核抜き、本土並み」と核の持ち込み禁止、沖縄と本土が格差のないように扱ってほしいと訴えていました。しかし、裏で秘密協定が結ばれており、沖縄返還に関する費用は日本国が負担し、核の持ち込みも密約では認められていたことがのちに明らかになりました。沖縄には、いまなお米軍基地の約7割が集中しています。国家の安全保障のなかで、沖縄県民の思いを無為にしてきた歴史があることを忘れないでほしいです。堀 潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2022年5月25日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2022年05月21日今回、ご紹介するのは、舞台『東京リベンジャーズ』-血のハロウィン編-。花垣武道役で主演する、木津つばささんにお話をうかがいました。「葛藤し、懸命に生きる姿を観ていただきたいです」累計発行部数が5,000万部を突破し、社会現象を巻き起こしている漫画『東京卍リベンジャーズ』。本作は、ダメフリーターの花垣武道が最愛の人を救うため、中学時代にタイムリープし、関東最凶不良集団の頂点を目指す物語。2021年4月に『東京リベンジャーズ』のタイトル名でアニメ化、7月に実写映画化され、8月にはタイトル初となる舞台が上演されました。第2弾は、第1弾の続編となる一大抗争『血のハロウィン編』を描き、花垣武道役の木津つばささん、橘日向役の花瀬琴音さん、佐野万次郎(マイキー)役の松田凌さん、龍宮寺堅役の陳内将さんらが続投。また、今回から東京卍會の結成メンバーである場地圭介、松野千冬、羽宮一虎といった人気キャラクターが新たに登場。原作でも人気の高いエピソードの1つの舞台化に注目が集まっています。ーー最初に、第1弾となる舞台のオファーをいただいたときのお気持ちを教えてください。木津さんプレッシャーと喜びが交差するような気持ちを抱きました。自分の代表作になるような作品ですから、真ん中に立つという誇りを持って演じなければと思いました。ーー原作はご存じでしたか?木津さん2019年の夏ごろに、漫画『東京卍リベンジャーズ』を読んで、素晴らしい作品だなと思っていました。ーー演じるうえで心がけたところを教えてください。木津さん自分と重なる部分が多かったので、細かい役を作り込まず、花垣武道として舞台上に立って受け答えをすれば、自然と彼になれると感じました。ーー具体的には、花垣武道のどのようなところに共感しましたか?木津さん僕には変えたい過去はありませんが、何事にも挑戦するところ、あきらめが悪いところ、自分よりも周りのことを考えるところですかね(笑)。サッカーをやっていた頃のクセで、カンパニー全体に気を配って、ついつい、リスクマネージメント(リスク管理)をしてしまうんです。もっと自分にも目を向けるようにしたいと思っています。ーー共演者の方々の印象を教えてください。木津さんみんなお芝居のことが大好きなんです。出会えてよかったなと思える、素敵な役者さんたちです。なかでも、マイキー役の松田凌くんは、過去に出演された舞台を拝見して度肝を抜かれて。ずっと共演させていただきたいと思っていた、尊敬する役者さんのひとりです。今回も自然とみんなをまとめていく姿が印象に残っています。そういう方がマイキーを演じるということは、役が持つカリスマ性の表現にもつながっていると思います。ーー第2弾の舞台の見どころを教えてください。木津さん花垣武道をはじめとして、みんなが熱量を持って、何かと戦っています。東京卍會の発端から、現在、どうしてこのようなことになっているのかというところまでを描いています。彼らが葛藤して懸命に生きる姿を観ていただきたいです。ーー最後に、ファンの方へメッセージをお願いします。木津さん困難な状況下ではありますが、演劇人として、応援してくださる方々を笑顔にしたいと思っています。観に来ていただけると嬉しいです。インタビューのこぼれ話取材日は、バレンタインデー翌日の2月15日。意外にも、バレンタインデーには、舞台『政見放送』で共演するダンカンさんから、チョコレートの差し入れをいただいたそう。「ダンカンさんは、すごくお茶目で優しい方なんです。チョコレートがいっぱい入った白いビニール袋を下げたお姿が、とってもかわいくて。ダンカンさんから、チョコレートをもらえてうれしかったです(笑)」。Information舞台『東京リベンジャーズ』-血のハロウィン編-大阪公演:2022年3月18日(金)~3月21日(月・祝)/COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール東京公演:2022年3月25日(金)~4月3日(日)/サンシャイン劇場出演:木津つばさ植田圭輔、上田堪大、赤澤 燈花瀬琴音、野口 準中尾暢樹、相澤莉多、中島大地、新田健太菊池修司、結城伽寿也陳内 将、松田 凌ほか©和久井健・講談社/舞台「東京リベンジャーズ」製作委員会©Ken Wakui, KODANSHA / TOKYO REVENGERS Stage Production Committee.©KW,K/TRSP衣装協力:カーディガン¥30,800(NEONSIGN03-6447-0709)カットソー¥13,200(JUHA03-6659-9915)パンツ¥31,900(DIET BUTCHER03-5728-4765)ネックレス¥132,000とリング¥16,500(IVXLCDM/IVXLCDM 六本木ヒルズ03-6659-9915)スニーカーは、スタイリスト私物文・田嶋真理 スタイリスト・石橋修一ヘアメイク・鈴木祥太(Hair担当superbus inc.)又吉桃花(Make担当superbly inc.)文・田嶋真理 スタイリスト・石橋修一 ヘアメイク・鈴木祥太(Hair担当 superbus inc.) 又吉桃花(Make担当 superbly inc.)
2022年03月17日ベストセラー作家・池井戸潤原作、累計発行部数50万部突破の『シャイロックの子供たち』(文春文庫)が、2022年にWOWOWでドラマ化することが決定した。池井戸潤が「ぼくの小説の書き方を決定づけた記念碑的な一冊」と明言し、作家人生の転機として位置付けてきた本作。タイトルの「シャイロック」とは、シェイクスピアの戯曲『ヴェニスの商人』に登場する、強欲な金貸しのこと。本作は、銀行という組織を通して、普通に働き、普通に暮らすことの幸福と困難さを鮮烈に描いた群像劇である。物語の舞台となる東京第一銀行・長原支店は、中小零細企業が主な取引先の小さな店舗。出世街道を外れた課長代理・西木雅博をはじめ、家族を支える真面目な女性行員、エリートで策略家の支店長、業績のためにはパワハラも辞さない副支店長、業務課のエースなど、個性豊かで一癖ある行員たちが皆それぞれの事情や葛藤を抱えながら働いていた。そんなある日、長原支店で100万円の現金紛失事件が発生する。女性行員が犯人として疑われるが、紛失事件を追っていたはずの西木が突然失踪してしまう。現金紛失事件と西木の失踪。2つの謎と長原支店の行員たちの物語が交錯し、やがて現金紛失事件の裏に隠された不正が明らかに。そして西木が姿を消した驚きの真相とは。WOWOWでは、池井戸作品がまだ連続ドラマ化されていなかった2009年に『連続ドラマW 空飛ぶタイヤ』(2009年 / 全5話)を映像化し、その年のドラマ賞を席巻。それ以来『連続ドラマW 下町ロケット』(11年 / 全5話)、『連続ドラマW 株価暴落』(2014年 / 全5話) 、『連続ドラマW アキラとあきら』(2017年 / 全9話)、『連続ドラマW 鉄の骨』(2020年 / 全5話)など、数々の池井戸潤原作ドラマを世に送り出してきた(※いずれもWOWOWオンデマンドにて全話アーカイブ配信中)。監督は鈴木浩介、脚本は前川洋一が務め『連続ドラマW アキラとあきら』や『連続ドラマW 鉄の骨』に続いて再び池井戸作品でタッグ。なお、主人公・西木をはじめとする登場人物たちを演じるキャストは今後発表されるという。『シャイロックの子供たち』2022年放送・配信スタート公式サイト:
2022年02月17日松本潤が遊川和彦とタッグを組む「となりのチカラ」が1月20日スタート。松本さん演じるチカラに「見たことない松潤」「めっちゃ新鮮」などの声が殺到、ずっとセーターを裏返しのまま着ている姿にも「可愛い」の声が多数寄せられている。「人を救いたい」「周囲を平和にしたい」という思いから、いつも中途半端に他人の問題に関わり、簡単に解決できない問題だとわかるとオロオロと中腰になりながら悩んでしまう中越チカラを主人公に、そんなチカラが同じマンションに住む住人たちの悩みを解決し、やがてそのマンションはひとつのコミュニティーとなって強い繋がりを持っていくという、現代人の心に癒しと少しの勇気を与えてくれる、社会派ホームコメディーとなる本作。中越チカラを松本さんが演じるほか、チカラの妻で12歳の娘・愛理と10歳の息子・高太郎の母親、アパレルショップで店長を務めている中越灯に上戸彩。小学6年生のチカラの娘・中越愛理に鎌田英怜奈、高太郎に大平洋介。中越一家のお隣に住むエリート会社員で、妻と娘と仲良く暮らす理想的な3人家族に見えるが、なぜか妻と娘は何かに怯えている木次学に小澤征悦。学の妻の達代に映美くらら。小学3年生の娘・好美に古川凛。中越一家の真下に住み、数人でルームシェアをしているマリアにソニン。凶悪少年犯罪事件の真犯人“少年A”という噂がある上条知樹に清水尋也。震災で両親を失い祖母の清江と暮らす高校3年生の柏木託也に長尾謙杜(なにわ男子)。託也の祖母・清江に風吹ジュン。チカラの担当編集者・本間奏人に勝地涼(友情出演)。チカラが仕事場に使うカフェの店主に夙川アトム。マンションの管理人・星譲に浅野和之。中越一家の隣人で占いにハマっている道尾頼子に松嶋菜々子といったキャストが出演。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。東京の郊外にあるマンションにチカラたち一家が引っ越してくる。個性豊かな住人たちに思いを巡らせるチカラに対し、灯は「ご近所のことに首を突っ込まないように」と諭す。しかし隣の部屋から叫び声が聞こえ、心配でいてもたってもいられなくなったチカラは隣の木次家を訪ね、学に怯えたような表情をみせる達代と好美が気になる。実は好美は虐待を受けているらしく…というのが1話のストーリー。チカラ役の松本さんに「面白かった! 見たことない松潤だった!」「こういう役の松潤新鮮だなー。凄い好き」「今までの松潤と違うキャラでめっちゃ新鮮」などの反応が上がるとともに、「歩き方も話し方も違って松本潤くんなのに松本潤くんじゃ無かった」など、これまでにない役柄を演じる松本さんの演技力を高く評価したコメントも。一方、放送が開始してしばらくたつとSNS上には「セーター裏返しじゃんチカラくんw」「セーター表裏逆じゃございませんか?」など、チカラがセーターを裏返しに着ているという指摘が相次ぐように。その後、裏返しに着ていることを灯に指摘されたチカラはあわてて脱ごうとするのだが、視聴者からはその姿にも「セーター表裏逆可愛い」「チカラくん可愛すぎ セーター裏返し」など、多数の“カワイイ”という反応が寄せられている。(笠緒)
2022年01月20日大阪木津卸売市場は、コロナ禍一年間のご愛顧に感謝を込め、お買物券が40名様に当たる「歳末大感謝抽選会」を、2021年12月25日~12月30日に実施することをお知らせいたします。大阪木津卸売市場 外観新型コロナウイルスにより飲食業界が打撃を受けた1年、市場をご愛顧いただいた皆様に感謝を込め今年も生活応援企画として、大阪木津卸売市場内水産部で使えるお買物券1万円分が20名様、5千円分が20名様に当たる抽選会を実施いたします。参加は公式LINEの友達登録と簡単なアンケートを入力するのみ、登録応募用QRコードは場内各所に掲示を予定しております。応募は一般客・仕入れ業者問わず参加が可能です。(※既存登録者も参加可能) 応募期間は2021年12月25日~12月30日、当選発表は2022年1月初旬を予定し、順次お買物券を発送予定。大阪木津卸売市場は約300年の歴史と国内最大規模を誇ります。国営が多い中、民間会社が経営する一般の方も常時楽しめる大阪唯一の卸売市場です。毎月第2・最終土曜日は「木津の朝市」も開催中です。【抽選概要】応募方法:場内に掲示されているQRコードより友達登録と簡易アンケートを入力することにより完了応募期間:2021年12月25日~12月30日当選発表:当選者にのみ直接LINEまたはメールにて連絡(※1月初旬予定)当選内容:大阪木津卸売市場 水産部で使用可能なお買物券1万円分×20名/5千円分×20名『大阪木津卸売市場 水産組合』 大阪木津卸売市場は民間経営、一般の方も常時楽しめる大阪唯一の卸売市場。歴史は平安時代にまで遡り、多くの人々が集まりそれぞれ持ち寄った商品を立ち売りしていたのが大阪木津卸売市場の原点です。卸売市場の原型は約300年前、現在、新鮮な魚や野菜を取り扱うお店の数は場内約150店舗が軒を連ねます。かつては天皇に魚介類を奉納したとも伝えられています。1年に1度、伝統的な儀式「献鯛式」という儀式が行われます。今もなお、昔ながらの市場文化と新鮮食材が揃い民間経営国内最大規模を誇ります。場内風景新鮮食材の宝庫『大阪木津卸売市場』所在地 :〒556-0012 大阪市浪速区敷津東2丁目2番8号アクセス :大阪メトロ御堂筋線・四つ橋線「大国町」駅徒歩3分南海電鉄「今宮戎」駅徒歩4分有料駐車場:平面60台/立体230台アクセス 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年12月23日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「親ガチャ」です。階層の固定化をどのように崩していくのか。「親ガチャ」とは、カプセル玩具やソーシャルゲームの“ガチャ”になぞらえて、親や生まれる境遇を選べない状況を表す言葉で、国会でも取り上げられました。かつては「一億総中流」といわれ、どの家庭に生まれても平準化された暮らしがありましたが、いまは大きく変わってしまいました。一般的に親の年収ごとに400万円以上ならN(ノーマル)。1000万円以上ならR(レア)。3000万円以上ならSR(スーパーレア)、400万円以下はB、C、D…と、ゲームのランキングのように、年収と職業を符号させることがネット上で流布されています。階層化をまざまざと認識させるような手法は、社会の分断を加速させてしまいます。一番の問題は、階層移動が不可能な格差が固定化されていることでしょう。これまでは、個人の努力によって、いかなる家庭に生まれようとも望む暮らしが手に入れられるチャンスがありました。ところが、いまは頑張ったところでどうにもならない状況に追い込まれています。この問題の解決には政治の力が求められます。少なくとも、「機会の均等」について対策をとるべきでしょう。日本は教育への投資がGDP比率で圧倒的に低い状況にあります。大学までは国が無償で面倒をみる、給食費は国や自治体が税金でまかなう、タブレットやパソコンなどのデジタル機器・通信環境は家庭によって差が出ないように補助していくなど、方法はいくつもあると思います。アメリカのシリコンバレーでは、難民や移民、貧困層の子供たちに民間の企業が寄付を呼びかけるなど、教育機会を与えて人材育成に力を注いでいます。日本では孫正義さんが率いる財団で、進学や留学、研究などを志す若者たちのサポートをしていますが、民間企業全体ではそういうサポートがまだ足りていません。自分たちの国を支える技能者を育てるという観点からも、必要なことなのではないかと思います。子供たちを国や社会で育成するという視点が重要なのではないでしょうか。読者のみなさんも、自分が親になったときに、子供の人生が自分の年収で決まってしまう社会でいいのか?考えていただけたらと思います。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年12月8日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年12月04日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「中国TPP加盟申請」です。中国も台湾も加盟を申し出た。行く末に注目。TPP(環太平洋パートナーシップ)協定の始まりは、ASEAN(東南アジア諸国連合)や南米地域の経済連携でした。ところが、オバマ政権時にアメリカが加わることになり一気に色合いが変わりました。中国の台頭が目覚ましくなり、中国を牽制する連携が必要と、自由主義諸国の中国経済圏への対抗措置として交渉が進められるようになったのです。日本は最初は関心を示していませんでしたが、この巨大な貿易圏に入っておかなければ、将来孤立しかねませんし、最初からルール作りに参加しておいたほうがよいだろうと判断。反対意見もあるなか、民主党政権下で参加を決め、交渉を開始しました。ところが2017年、ようやく貿易交渉も合意したところに、トランプ政権が誕生し、アメリカはTPPを離脱。一気に、規模が縮小してしまいました。そこからは日本主導となり、2018年に11か国がTPPに署名しました。今年、バイデン政権になり、日本はアメリカのTPP復帰を求めていますが、バイデン大統領は静観しています。そんな折、中国がTPP加盟を申し出ました。習近平国家主席は当初からTPPに関心を持っていたらしく、米国が抜けたいまがチャンスだったんですね。中国は戦争という武力で圧力をかけることよりも、交渉のなかで自国に有利なルールを作り、中国の貿易圏に取り込むことで他国を経済的支配下におくことに注力してきました。TPPはその大きな入り口になるところでした。そこへTPP加盟を申し出て牽制に入ったのが台湾です。これには「中国は一つではなく、台湾は台湾」というメッセージが込められています。TPPの加盟には参加国全員の合意が必要です。中国を先に入れれば台湾やアメリカの加盟は不可能になるでしょう。また、台湾を先に入れれば中国を敵に回すことになり、アジア太平洋地域の緊張につながります。日本にとって頭の痛い問題なのです。TPPの先には、さらに国や地域を拡大した連携などの構想があります。政治と経済を切り離し、東アジア全体の安定につながるような交渉ができるといいのですが、そう簡単にはいかないでしょう。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年12月1日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年11月26日女優の平愛梨が出演する、シロク・Nオーガニックの新WEBCM「ママとして、妻として」編、「平愛梨の20代と今」編、「平愛梨の癒やされタイム」編が18日、公開された。30代を迎えた平の日常を描く新CM。3人の子供の母、そして妻としても日々奮闘する「ママとして、妻として」編、20代を振り返りつつ、理想の40代へ向かう意気込みを語る「平愛梨の20代と今」編、夜のリラックスタイムでくつろぐ様子を映した「平愛梨の癒やされタイム」編の3本が公開された。また、平はブランドアンバサダーにも就任。同ブランドCMにタレントが起用されるのは初となる。■平愛梨インタビュー――20代のスキンケアは?20代の頃は化粧水とか乳液に関してもこだわりがなくて…旅行に行くのに(化粧水とか乳液を)忘れちゃったとかでコンビニで買ったものを使ったり、結構適当というか。30代で年齢を重ねるにつれて、すごく意識をするようになりました。――平さんにとって「いいパートナー」とは?自由に好き放題、お話させてくれる(笑)。すごい私しゃべるみたいで、いつも私の方が話しているので、自由に話させてもらえるのは有り難いです(笑)。――夫婦円満の秘訣は?夫婦円満は、私が思う「いい夫婦」って長く会話ができるって思っているんですよ。――3人の母親として悩みはありますか?1人でご飯食べている時に泣けてくる時間みたいなのはあったりしたんですけど、そういう時にわーっと泣いたらスッキリするんですよ。――母親として100点満点中、何点ですか?25点くらいだと思います。まだまだです。――最後に動画を見ている皆さんに一言お願いします。いつもお疲れ様です。このNオーガニックは私も使わせていただいて、本当に喜ぶように感じれる商品になってます。私も初めて使わせてもらった時に、びっくりしたので、ぜひ忙しいママにも手にとってほしいなって思います。あとは子供に時間を捕らわれて、自分の時間とか美容の時間だったり、スキンケアの時間がなくて、おろそかになってしまうと思うんですけど……いつまでもイキイキしてたいなっていうのが理想だと思います。なので、共に頑張りましょう! ぜひ、商品を手に取ってみて下さい!
2021年11月18日小さなお仏壇のまわりは、とてもにぎやかだった。『はらぺこあおむし』の絵本、『アンパンマン』のチーズのぬいぐるみ……。みんな“翔平ちゃん”のお気に入りのグッズだという。そのなかでも大切そうにケースにおさめられている名前入りのボールはひときわ目を引いた。《翔平くんへ》、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手(27)が当時1歳6カ月だった同じ名前を持つ男の子・川崎翔平ちゃんにプレゼントしたサインボールなのだ。「今年は大谷選手が大活躍してくださったので、私たちもうれしかったです」ボールを見つめていた記者に、そう話してくれたのは翔平ちゃんのお母さんで、兵庫県内で暮らす川崎静葉さん(35)。「川崎家の大恩人ですからね。二刀流の大活躍でMVPの最有力候補にもなっていますが、私たちも選ばれることを必死に祈っているんです。今年、テレビやスマートフォンで私や夫の太志(33)はずっと大谷選手の活躍を応援していました。打って投げて……、大谷選手の姿を見ると、翔平のお見舞いに来てくれたあの日のことを、あざやかに思い出すことができます」大谷選手がホームランを打つたび、静葉さんは翔平ちゃんに向かって声をかけた。「翔平、大谷選手がまたホームラン打ったで!」川崎家のリビングルームの壁には、いたるところに翔平ちゃんの写真が貼ってあるのだ。そんな写真たちにまざり、知人がプレゼントしてくれた色紙も飾ってあった。《太志と静葉と翔平がずっと一緒に笑っていけるよう今みんなで一つ一つ乗り越えている三人になってからすごす濃い一分一秒という時間が絆を深め、その絆を運んでくる》色紙の日付は2017年6月13日、翔平ちゃんの誕生日。文章には静葉さんと太志さんの祈りが込められているように思えた。■「大谷選手のような強い子に」、翔平と命名された心臓病の赤ちゃん翔平ちゃんの名前の由来を静葉さんが教えてくれた。「『翔平』という名前は、悩みに悩んだ末に、生まれる直前に決めました。『翔』という文字には、『大きな志』という意味があるそうです。病気に負けず、大きな志を持ち、大きな心で育ち、大谷翔平選手のように世界を翔る子になってほしい、そして誰にも平等に接することのできる優しい子になってほしいと願い、この名前をつけることにしました」生まれてくるわが子の名前に、願いを込めるのは誰もが同じだろう。しかし、翔平ちゃんの命名は文字どおり命がけだったのだ。おなかの赤ちゃんの心臓の異変が見つかったのは、静葉さんが妊娠30週のころ。「最悪の場合、おなかのなかで死んでしまう可能性もあると……。それで、赤ちゃんが元気なうちに帝王切開をして、すぐに強心剤で治療を始めることを病院の先生方にすすめられたのです。でも、やっぱり翔平という名前が赤ちゃんに力を与えてくれたのでしょうか。当日、元気な産声を聞いたときには、私も看護師さんの手を握り、『生まれた!よかった!』と、声を上げていました」しかし無事に生まれてほっとできたのもつかの間のことだった。出産後の診断で、翔平ちゃんは「左室緻密化障害」による「拡張型心筋症」と診断されたのだ。誕生から5カ月後、翔平ちゃんは大阪府吹田市にある国立循環器病研究センターに転院する。センターで主治医を務めた小児循環器科内科医長の坂口平馬先生が、病気について解説する。「拡張型心筋症は心臓の筋肉が収縮する機能が低下して、心室が拡張する病気で、難病に指定されています。“左室緻密化障害”は心臓の左心室の筋肉が弱くなっている状態で、翔平ちゃんの拡張型心筋症の原因の一つになっていると診断しました」強心剤による内科治療はすぐに限界を迎えた。国立循環器病研究センターに転院した直後、検査を受けていた翔平ちゃんは、呼吸困難を起こし、心臓マッサージを受けることに。「先生がこうおっしゃったのです。『翔平ちゃんの心臓はもう限界です。明日にでも補助人工心臓を装着する手術を行います』」(静葉さん)まだ生後半年の赤ちゃんを待っていたのは、医師たちの予想を超えた過酷な運命だったのだ。静葉さんも、そのときのことを思い出すと、いまも胸がしめつけられるようだという。「右心室と左心室の壁である心室中隔に突然大きな血腫ができてしまい、補助人工心臓を装着した左心室を押しつぶしてしまったのです。そのために補助人工心臓を取り外して、ECMO(体外式膜型人工肺)で延命措置をとらなければいけなくなりました。さらに右心室の動きも低下してしまったため、急きょもう1つ補助人工心臓を装着することになったのです。ようやく手術を終えて、胸の下のあたりから4本の管が見えている翔平の姿を見たとき、あまりの痛々しさにただあやまることしかできませんでした。 『ごめんね、ごめんね、痛い思いばかりさせてごめんね』と」年明けの1月から左心室と右心室、合わせて2台の補助人工心臓が稼働を始めたが、これは日本の小児科では初めてのケース。それでも静葉さんは胸に湧き上がる不安を押し殺し、翔平ちゃんに明るい笑顔を見せるようにしていたという。「翔平も人工心臓が2つで、二刀流やな!大谷選手といっしょやで!翔平も元気になったら、大谷選手の応援に行こうな」■「(翔平ちゃんが)自分の名前から名付けられたことは光栄です」2台の補助人工心臓に頼らざるをえない状況は細い平均台の上をそろそろと歩くことにも似ていた。それに補助人工心臓はあくまでも心臓移植への“橋渡し的な役割”を果たすにすぎないのだ。だが移植手術を受けるためには莫大な費用が必要となる。海外での移植手術は、ほとんどが自己負担となり、また渡航するためには医療設備がそろっている専用のチャーター機に搭乗しなければならない。「夫や私の知人たちが募金をするために『しょうへいくんを救う会』を立ち上げてくださったのは’18年6月のことでした。会の活動を知ってもらうために、私たちも記者会見に臨みました」(静葉さん)太志さんや静葉さんにとって、大勢の報道陣の前で話すことはもちろん初めての体験だ。しかし2人は息子のために必死に訴えかけた。「多くのことは望みません。ただ生きて、一度も帰ってきたことのないおうちに帰ってきてほしいです。翔平といつか一緒にごはんを食べて、お風呂に入って、笑って、泣いて、そんな当たり前の日々を過ごしたいのです」「しょうへいくんを救う会」が掲げた目標額は3億5千万円。募金活動だけではなく、すでに心臓移植手術を受けた子供たちの「救う会」から、その余剰金が寄付されていた。それでも目標額にはまだ1億2千万円足りない……。じりじりと焦る太志さんや静葉さん、そして救う会のメンバーたちに“思いがけない知らせ”が届いたのは、’18年ももう終わろうとしているころ。なんと大谷翔平選手が、翔平ちゃんのお見舞いに来てくれるというのだ。当時、大谷翔平選手は日本に滞在していた。メジャー1年目終了直後に右ひじ靱帯の修復手術を受け、リハビリに励んでいた彼は、翔平ちゃんのことを知り、こう語ったという。「(翔平ちゃんが)自分の名前から名付けられたことは光栄です。縁があるので、なんとしても力になりたいです」■「あったかいね」、翔平ちゃんを優しく抱きしめた大谷大谷選手が大阪にある国立循環器病研究センターを訪れたのは’19年1月5日。翔平ちゃんは1歳6カ月になっていた。大谷選手の印象について静葉さんはこう語る。「身長は193センチもあります。メジャーリーガーですし、変な言い方ですが、体もゴツゴツしていて、威圧感も受けるのではないかと想像していたのです。でもスーツ姿だったせいもあるかもしれませんが、実物の大谷選手は“優しいお兄さん”という感じで、すごく柔らかな、こちらが安心してしまうような雰囲気だったのです」ニコニコと笑いながら翔平ちゃんのそばにやってきた大谷選手。「今日は本当にありがとうございます。この子が翔平です」「翔平です。同じ名前だねぇ。元気?」翔平ちゃんのほっぺを指でプクプクとしてくれる姿からも大谷選手の思いやりが伝わってきた。静葉さんを感激させたのは、翔平ちゃんに優しく接してくれたことだけではない。大谷選手は静葉さんや太志さんに、いろいろな質問を投げかけたのだ。「ご両親は毎日病院で付き添っていらっしゃるんですか?そうですか、うーん、大変ですね」“この人は、翔平の病気を理解しようとしてくれている”、大谷選手の真心が静葉さんの胸を打った。静葉さんは意を決してお願いすることにしたという。「よかったら抱っこをしてくれませんか」と――。「翔平は心臓移植手術が成功したとしても、それで終わりではありません。健康な子となんでも同じことができるようになるわけではないのです。息子が成長したときに、『あなたのために、素晴らしい選手がお見舞いに来てくれて、抱いてくれたんだよ』、そう言ってあげたかったのです」そんな静葉さんの思いが伝わったのかもしれない。「えっ、僕が抱っこしてもいいんですか?」、大谷選手は、看護師さんにサポートされながら、翔平ちゃんを抱きしめ、こうつぶやいたのだ。「あったかいね……」翔平ちゃんも大谷選手の腕のなかが気に入ったのか、ずっとおとなしくしていたという。大谷選手はプレゼントを用意してくれていた。真っ白なボールに《翔平くんへ》という名前とサインを書くと、翔平ちゃんの手に、ちょこんとのせてくれた。翔平ちゃんにとっては初めての革の手ざわりだったのだろう。興味深そうにボールをじいっと見つめていた。そんな翔平ちゃんのほうへ大谷選手が片手をゆっくりと差し出すと、まるでその瞬間を待っていたかのように、翔平ちゃんがぽいっとボールを手放したのだ。「おおっ、キャッチボールだ」大谷選手がボールを受け止めたとき、部屋のなかでそんなどよめきが起こった。一瞬、驚いていた大谷選手はニコリと一言、「野球しよっか!」。ふんわりとした声が、その場にいた人々の心のなかもあたたかな空気で満たしていった――。この後、静葉さんはこのキャッチボールを数えきれないほど何度も何度も思い出したという。「息子の人生でたった一度のキャッチボールでした。私も夫も、あの幸せな日のこと、そして奇跡の瞬間を生涯忘れることはないでしょう」
2021年11月03日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「東京オリパラ」です。パラの成長を見た東京大会。認知に広がりも。東京オリンピック・パラリンピックは大会としては結果的に成功だったように思います。無観客でさまざまな制約があったにせよ、特にパラリンピックは過去の大会に比べると注目度もたいへん高く、史上最多の4403人の選手が参加しました。アフガニスタンでは開催直前に政変が起き、選手が大会に参加できず他国に逃れるという事態に。開会式では国連難民高等弁務官事務所の方が代わりに国旗を持って入場行進をし、最終的にはサポートを得て2人の出場が叶いました。女性選手も、LGBTQをカミングアウトする選手も、これまでの大会以上に参加が増えました。僕はパラリンピックの取材に関わっていましたが、会場内の感染対策は徹底していました。関係者はPCR検査を毎日無料で受けられ、毎朝専用アプリに体温を入力。それが自分のIDナンバーに紐づけられていました。誰か記入漏れがあると同じ取材グループ全員にメッセージが届き、入力を促すシステムで、すごく安心感がありました。こういうデジタル化された管理システムが街中でもできればと思います。日本のボランティアは、海外から高い評価を得ました。しかしそのバックヤードでは、1年延期により指揮命令系統や担当者の引き継ぎに不具合があり、ボランティアのみなさんに大きな負荷をかけてしまっていたようです。東京五輪は、政治的な抗議パフォーマンスが認められた初めての大会でもありました。女子サッカーなどでは試合開始前に選手が片膝をつき、女子砲丸投げの銀メダリストは表彰台で両腕をクロスして人種差別等に抗議を示しました(表彰台上でのパフォーマンスは本来は禁止)。Black Lives Matterなどの流れを受けたことが背景にあります。ミャンマーの選手の日本への難民申請が異例の早さで認定されたのも、オリパラという世界が注目する場だからできた判断だったと思います。今回、オリンピックよりもパラリンピックのほうが、理念をより体現した大会だった印象です。世界中の人々が集まり、出身国の政治状況を身近に知る機会になったのは、大きな財産になったのではないでしょうか。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年10月27日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年10月23日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「世界の気温1.5℃上昇」です。加速する温暖化。脱炭素に向けた新技術に注目。8月、IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)は、今後20年以内に、世界の平均気温上昇が産業革命前と比べて1.5度に達するという予測を発表しました。これは3年前の報告よりも10年早まっています。温暖化は人間の影響により起きており、そのせいで熱波や豪雨、干ばつなどの異常気象が増加。気温の上昇は2050年頃にCO2の排出をゼロにしても1.5度、ゼロにならなければさらに上がり、脱炭素対策が急務であると警告しました。日本政府は4月、2030年度には‘13年度比でCO2を46%削減すると発表しています。しかし、産業界からは、それさえ難しいという声が上がっており、再生可能エネルギーの普及促進を政府に求めています。家庭でのCO2排出量削減は66%減が必要と国は試算していますが、個人でできる範囲は限られます。電力の使用量を可視化できる「スマートメーター」も個人で新たに設置するには高額です。国は街づくりと一体化して、効率的に電力を運用していく必要があるのではないでしょうか。環境省は、‘19年より省エネ製品買換ナビゲーション「しんきゅうさん」をウェブで公開。また、ステイホームで長時間使用するようになったエアコンのサブスク化の検討も進めています。新しい省エネ機種を購入するのではなく、月額使用料を支払い、導入しやすくする狙いがあります。また、大学や公的機関のインフラを再生エネルギー100%に変えていく試みも始めようとしています。企業に対しては、太陽光パネルの設置の義務化も提案されましたが、それには森林を切り開かなければいけなかったり、台風や土砂災害により太陽光パネルが産業廃棄物になってしまうという環境負荷の問題もあり、異論が出ています。そんななか、非常に薄いフィルム状の「ペロブスカイト太陽電池」が開発されました。世界で注目の次世代型太陽電池で日本でも研究が進んでいます。将来は自分の使用するエネルギーを、身につけているものでまかなう時代になるかもしれません。新しいテクノロジーに社会的関心が高まり、研究促進の後押しになるといいなと思います。ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年10月6日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年10月01日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「アフガニスタンとタリバン」です。タリバンの圧政を恐れ、逃げる国民。世界の監視が必要。8月16日、武装勢力タリバンがアフガニスタンのほぼ全域を制圧しました。タリバンは1996年に政権を樹立。しかし2001年、アメリカ同時多発テロの首謀者・ビンラディンを匿っているとして米軍などがアフガンを空爆、政権を崩壊させました。その後、約20年間、タリバンは駐留米軍や政府軍と戦闘状態にありましたが、前トランプ政権時に米軍が撤退することで合意。引き継いだバイデン大統領が5月から撤退を本格化させるとタリバンは次々に全土を掌握、首都を包囲されたガニ大統領は国外に逃れ、8月末の米軍の完全撤退前に政権が崩壊しました。元タリバンの兵士で、現在は現地で平和構築活動をしている方を3年前に取材したことがあります。そのときに、「シリア内戦やISの台頭など、世界の注目がアフガニスタンから外れていった。その空白(時期)が生まれると暴力が起きる」とおっしゃっていました。今回の制圧も急に進んだのではなく、ガニ政権は腐敗しており、タリバンの活動は近年活発化していたのです。旧タリバン政権は女性の教育や就労を認めず、男性家族が同伴しない外出を禁止。人権侵害だけでなく、反政府勢力となってからは無差別テロをたびたび起こすなど残虐性が増していると指摘する海外メディアもあります。復権による圧政を恐れた国民は、国外に逃れようと空港に押し寄せ、離陸する飛行機にしがみつき振り落とされて亡くなる悲劇も起こりました。そんななか、中国やロシアはいち早くタリバン新政権を支持すると表明しました。中国にとっては一帯一路構想の重要な地域なので、タリバンと良好な関係を築いておきたいのです。一昨年、アフガニスタンの緑化運動を進めていた中村哲医師が、武装勢力に殺害されました。現地には日本の人道支援に対して、強いリスペクトを持つ人が大勢います。こういうときこそ、アメリカかタリバンかではなく、市民の側に立ち、生活が安定するように関わり続けることが重要なのではないかと思います。いま現地では、激しい攻撃を受けながらも、女性たちが権利を求めて抗議活動を行っています。動向を注視しなければなりません。堀 潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年9月29日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年09月24日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「新型コロナの治験」です。多くの治験が新薬の完成を早めます。新型コロナウイルス感染症の感染拡大がなかなか収まらないなか、急がれるのは治療薬の開発です。そのために行われるのが「治験」です。治験とは、新しい治療薬の候補が開発される過程で、健康な人や患者さんに使ってもらい、効果や安全性、副作用の有無などを確かめる臨床試験のこと。体を使って調べるため、もちろんリスクを伴いますが、検査費用の負担はなく日本では何かあればすぐさま医療機関による手厚いフォローが受けられます。現在、国立国際医療研究センターの治験管理室や「生活向上WEB」で、新型コロナの治験参加者を募集しています。「生活向上WEB」の募集案内によれば、自宅で服薬しながら病院に定期的に通い、7か月にわたり経過を調べる。通院は、自宅から病院まで専用タクシーが送迎。参加することにより、薬の開発は進み、社会貢献になると記されています。ただし、治験にはデータを採るのに適した検体でなければいけません。新型コロナの治療薬候補の場合、陽性患者で症状があり、ワクチンをまだ一度も接種していない成人男女が対象になります。あらゆる治療薬の開発に治験は欠かせません。日本での治験の数は近年増えていますが、先進国のなかでは下位に位置します。アメリカなどは医療費が高額なため、無料で治療を受けられる治験を希望する人は大勢いますが、日本では一定水準の医療が保険適用で受けられるので、無理して受けようという人は限られているのです。治験の数が足りない分は、アジアの他の国のデータを活用しますが、日本人の治療には、やはり日本人による治験の結果が必要です。たとえば、海外の製薬会社で新薬が開発されても、日本人の治験結果がなかなか採れないためその薬が日本に投入されない、もしくは日本向けには開発されないという問題が起きてしまいます。このことに厚労省は危機感を抱いています。治験については、まだ一般にはよく知られていません。政府はもっと広くアナウンスするべきではないでしょうか。新型コロナの治療薬も、多くの治験データ収集が、完成に少しでも近づけることになります。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年9月22日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年09月18日女優・平祐奈が12日、オフィシャルブログを更新し、姉である女優の平愛梨とのツーショット写真を公開した。同日、愛梨の夫でサッカー日本代表の長友佑都選手が、11年ぶりにFC東京へ復帰することを発表。これを受けて祐奈は、帰国した愛梨とともにFC東京のユニフォーム姿を12日付のブログで披露し、「ひゃっほーーーーい」「おかえりーーーーー!! もういつでも会えるやん」「あぁ嬉しすぎる。待ってました」と喜びを爆発させた。さらに、35歳の誕生日に古巣復帰を発表した長友に対しても、「ゆっにーぃのお誕生日 おめでとう」「これからは傍で私もいつだってサポート出来ちゃいます」とメッセージ。「やっぱ愛ちゃんは近くに居てくれないとね」と姉への愛があふれる一文で結んだ。同日に投稿したインスタグラムにも、久しぶりのツーショットや愛梨の帰国を喜ぶファンの声をはじめ、長友の復帰を祝福するコメントも多数寄せられている。
2021年09月13日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「熱海土砂災害」です。突発的な災害に備えるため、住む地域を見直そう。7月、熱海市伊豆山地区にて大規模な土石流が発生し、約130棟の建物が被害に遭い、多くの死者と行方不明者を出しました。現地に行ってみると、典型的な土石流とは明らかに様子が違いました。これまでの現場では大岩や根から折れた木などが流れてきて、土は粘り気のある泥状でした。ところが今回は、土を踏むと膝まで埋まってしまうサラサラのシャーベット状で、足が掬われそうになりました。専門家の調査では、「盛り土」により造成された山が崩壊し、そのまま土砂となって流れていたことが判明。この場所の、度を越した盛り土問題は県も把握しており、業者に対して指導をしていたにもかかわらず、対策が取られていなかったことが問題になっています。土石流を引き起こしたのは短時間の集中豪雨。熱海市の72時間降水量は、過去最大量の1.3倍にあたる500mm以上だったことが分かりました。明らかに気象が変わってきているため、防災基準の見直しは必須でしょう。国土交通省は大規模盛土造成地の徹底調査を行っており、全国で5万1306か所存在していると昨年3月に発表していました。しかし、自治体に対し国が安全対策の必要性を伝えても、自治体には、民間業者に販売権利を撤回する権限はありません。また、この背景には、都市近郊に人口が集中し、土地のないところに土地を造成して住宅を増やさねばならないという近年の宅地開発の流れも深く関係しています。やはり自分の身は自分で守るしかないと思います。山や川が近い、液状化が起きるかもしれないなど、自分の住む地域に災害の可能性を少しでも感じているのならば、何らかの対策を検討する必要があります。熱海の土砂崩れの第一報は、公的機関の発表より前に住民のグループラインによって、「あそこが危ないらしい」と連絡が回ったそうです。集中豪雨はすさまじい雨音のため、広報車の避難アナウンスもほとんど聞こえなくなります。予期せぬ大規模災害を即座に察知するには、地域住民の連携による防災発信が大切になります。これからは、“地方創生と防災”が、住みやすさの大きなキーワードになると思います。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年8月25日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年08月24日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「育休法改正」です。現場の声を反映。男性が取得しやすい制度に。改正育児・介護休業法が成立し、2022年より施行されることになりました。この改正の大きなポイントは、「男性が育児休業を取りやすくするように定めた」ということです。これまでの男性の育休取得率は7.48%、1割にも達していませんでした。さらに、取得した人のうち、7割が取った期間が1週間以内。もっと長期に、必要なときに分割して何度でも取れるようにと、現場のお父さんお母さんの声が改正案には反映されました。これは大きな前進だと思います。現在、孤立してしまうお母さんの産後うつの問題が深刻です。また、僕も経験がありますが、働く男性にしてみたら、いったん長期間休んで前線を離脱してしまったら、元のポストに戻れないのではないかという怖さもあります。さらに、休めば残業代が減ってしまいます。そういう経済的理由からも育休は取りにくいものでした。改正後は新たに出産日から8週間の間に4週間の育休を取れ、子供が1歳になるまでに女性は2回、男性は最大4回に分けて取得することが可能になります。さらに、育休取得日の半分を上限に仕事をすることも認められます。給付金は育休開始時賃金の67%が支給され、厚生年金など社会保険料が免除されるため、実質、収入の8割程度が保障されることになります。これまでは正社員だけの制度でしたが、改正法では、働いて1年未満の非正規雇用でも育休を取れるように変更されました。ある調査で男性の5人に1人が、育休を取らなかった理由を「職場が育休制度を取りづらい雰囲気だったから」と答えています。「取っていいと思っているのか?」と上司に言われ、申請できなかったという例も聞きました。そんな職場の空気を是正するため、育休取得対象の男性に、会社は制度の説明をし、取得の意向を確認をすることが義務化されることになりました。日本は有給休暇も取得率が極端に低い。けれども休みを取りやすい会社のほうが生産性が高いという数字も出ています。休むことで仕事のパフォーマンスも向上します。子供の有無にかかわらず、休みが取りやすい職場に変わっていくことを期待したいですね。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年8月4日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年08月03日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「LGBT法案」です。LGBTと一括りではなく個別の課題解決を。与野党合意で進められていた、性的少数派をめぐる「理解増進法案」は自民党内の強い反対を受け、今国会での提出を断念しました。オリンピック憲章では、いかなる差別も認めず、ジェンダー平等を謳っています。オリンピック開催国でありながら、この法案が成案できないというのは恥ずかしい状況だと思います。2014年のソチオリンピックでは、ロシア政府が同性愛を認めないとLGBT運動を弾圧したため、各国の首脳は抗議の意を示し、開会式の参加をボイコットしました(日本は参加していました)。自民党内でも、稲田朋美議員をはじめ、LGBT当事者と対話を重ねてきた議員はなんとか成案させようと与党幹部に詰め寄りましたが、「家族観が壊れる」など、ベテラン議員からのクレームがついて進みませんでした。もともと野党は、ヘイトスピーチや、同性愛者という理由で入居を拒否されたり、社内で差別を受けたりすることを禁止する「差別解消法案」を提出していました。それに対して自民党はLGBTの人々の実情をまず知ってもらおうと「理解増進法案」を進めていました。結局、自民党案を修正する形で与野党合意したのですが、「差別は許されない」という文言に対して、与党内の保守派が「権利を与えることで、権利を極度に主張されると訴訟が起こり、かえって分断を生む。何をもって差別とするかを定義づけないかぎり法案は認められない」と強硬姿勢を崩さず、国会提出も叶わなかったのです。たとえ法律ができたとしても、差別感情を持つ人の意識が一変するわけではありません。理解を深めるためには、対話や交流の場を増やすことが肝要なのだと思います。残念なのは、この制度を決める国会議員の中に、公表しているLGBT当事者がほとんどいないということです。議員の多様性のなさにも問題があると言わざるを得ません。最初からLGBT法案に賛成か反対か、という二択から始めるのではなく、もっと小さな主語で、性別の問題で困っているさんの課題に対処するには、どんな方法があるのか。具体策を一つずつ見出すことが、状況改善の糸口になるのかもしれません。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年7月21日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年07月17日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「温室効果ガス46%削減」です。環境の問題だけではなく、経済の生き残り策 。4月に気候変動サミットが開かれ、各国が温室効果ガスの削減目標を表明しました。日本は2030年度までに2013年度比で46%削減するという新たな目標を掲げ、「50%の高みに向けて挑戦を続ける」と発表。それまでの目標値は26%削減でしたから、一気に引き上げた形になります。ところが、環境問題に熱心に取り組む若い人たちが、その数字では足りないと、経産省前でハンガーストライキを行いました。パリ協定では、世界の気温上昇を産業革命前と比べて1.5°Cに抑えることを目標に定めています。そこまで効果を出すには日本は62%の削減が必要だと訴えたのです。ちなみに他国の目標値は、アメリカは2005年比で50~52%削減。EUは1990年比で55%以上減。イギリスは1990年比で78%以上減です。アメリカのバイデン大統領は、オバマ政権で謳われた、温暖化防止と経済格差是正の両方を行う経済刺激策「グリーン・ニューディール」をさらに強化し、「クリーンエネルギー/持続可能インフラ計画」に4年間で総額2兆ドルを投入すると公約で掲げました。中国は、公害により健康被害が多く出たことを機に、環境対策に積極的になり、2030年までの温室効果ガス削減目標は2005年比で65%以上削減。また、2035年の新車販売でガソリン車をゼロに。電気自動車を中心に省エネ・新エネルギー車の割合を5割にし、残りの5割もすべてハイブリッド車にすると昨年秋に発表しました。欧米や中国の削減目標値が高いのは、環境対策がこれからの経済の主戦場になると踏んでいるからです。欧米の大手企業は、石炭や火力による電力に依存する企業とは取引しないと公言していますから、日本も再生可能エネルギーの比率を上げるなどの対処をしないと、このままでは世界の経済市場から日本の企業は排除されてしまいます。環境対策は、地球を守るというイデオロギー的なものから、産業の生き残り策に大きく変わったんですね。AIや再生可能エネルギーなど、あらゆるテクノロジーを駆使し、環境に負荷をかけない産業政策を、国が本格的にとる必要があるのではないかと思います。堀 潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年6月16日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年06月12日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「出入国管理法改正案」です。難民は犯罪者ではない。廃案後も対応是正を求める。日本の入国管理のあり方が国際的に問題視されています。まず、難民認定率が1.2%(2020年)と、とても低い。さらに、難民申請を却下された外国人が、入国管理の施設に長期間収容されていることも問題になっています。家族と引き離され、無期限勾留のような状況で、体調を崩してもきちんとした手当てが受けられません。扱いが非人道的ではないかと、国連からも再三勧告を受けていました。今国会では出入国管理法の改正が審議されました。改正案には、難民認定手続き中は強制送還が停止されるという規定を3回目以降の申請には適用せず、本国に送還できるという変更が含まれていました。しかし、内戦や封建的な軍政から命からがら逃れてきた人を母国に送り返せば、その人は殺されてしまうかもしれません。改悪案だと、多くの人が反対の声をあげ、3月に名古屋入管施設に収容中だったスリランカ人女性が死亡し、その管理状況が問題視されたことも受け、与党は今国会での審議を断念しました。難民申請をしている人が本当に難民なのかを判定するのは確かに難しいです。パスポートはもとより、その人を証明するものがないからです。けれども、難民=犯罪者ではありません。ただ、入管庁は麻薬カルテルの一味や武装集団を入国させないよう水際を守るのが仕事ですから、入管庁の中で難民審査を行うこと自体に無理があると思います。たとえば、難民局を作り、難民なのか、虚偽の申請をする偽装難民なのかを審査できる体制を整える必要があるのではないでしょうか。日本は難民申請を厳しくする一方で、特定技能制度など、外国人労働者を受け入れる規制緩和はしてきています。労働力のためには門を開き、助けを求める人には閉ざすというのは矛盾しています。欧米には多民族、多文化の土壌があり、移民を国力に反映させる術を持っています。その点、日本は多様性を受け入れるのが不得意なんですね。廃案になっても難民に対する日本の対応は問題が残っています。もしも日本が戦争状態になり、自分が国を逃れ難民になったとしたら?と想像力を働かせて考えてみてほしいです。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年6月9日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年06月05日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「Z世代」です。世界中で抱える問題。解決の鍵となるZ世代。バブル世代と氷河期世代は「X世代」、‘80~‘90年代半ばに生まれたゆとり世代は「Y世代」、‘90年代半ば~2010年代初めに生まれた若者たちは「Z世代」と呼ばれています。Z世代に注目が集まるきっかけとなったのは、人権運動家のマララ・ユスフザイさんや環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんの登場でしょう。ティーンエイジャーが、人権や地球環境が脅かされている窮状をSNSを通じて訴え、それらを守ろうとするアクションは世界で同時多発的に起こりました。そうして、経済至上主義とは別の新しい幸福の価値観を広げていきました。日本のZ世代は、小学生~中高生の多感な時期に東日本大震災や原発事故を体験しています。義務教育課程で環境や人権、SDGsについて学び、働き方は会社員ベースから、フリーランスベースに移行しつつあります。国や集団に属さずに、強い個として生き抜く新自由主義者がフィーチャーされた時代を経て、人々は戦いに疲れてしまいました。さらに自然災害が頻繁に起こり、景気は回復せず、格差は広がるばかり。個人の力ではどうしようもない状況に陥っています。そんな背景のもと、多様な個が足りない部分を補填し合い、困難を共に乗り越えようとする「コミュニタリアニズム(共同体主義)」がZ世代に広がっていきました。社会環境は目まぐるしく変化しています。人権や環境部門に積極的でない企業は投資の対象にならなくなり、SDGsというゴールを目指さねばなりませんが、大人たちは策がなく困っています。以前、ベンチャー企業と大手企業をマッチングさせる取り組みを取材したとき、大企業の社員はZ世代の新しい感性や価値観をサービスに取り入れようと、熱心に若い起業家たちの意見を聞いていました。これまでは若者の意見といえば、流行物やギャル語など、トレンドとして取り上げられる程度でした。しかし、今後は、デジタルネイティブのZ世代から新しい知見を学び、大人は資本やマーケットを若者に提供するなど、ウィンウィンの関係を築く必要があると思います。互いに協力しなければ乗り越えられそうにない問題が世界に山積みなのです。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~)が放送中。※『anan』2021年5月26日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年05月21日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「米中外交」です。体制の違いにより対立が顕著に。注視が必要です。アメリカの外交政策を、国際協調から「アメリカ第一主義」に大きく方向転換したトランプ前大統領。バイデン大統領は2月の演説で、「アメリカは戻ってきた」と世界に向けてメッセージを発し、再び協調体制に戻すこと、失われた同盟関係を修復することを宣言しました。問題は対中国です。就任前には「弱腰になるのでは?」と推測する声がありましたが、それを覆すかのようにバイデン政権は中国に強い姿勢を示しています。人種や宗教によって差別することは許さないと、新疆ウイグル自治区や香港、東南アジアに対する中国の挑発的な支配姿勢を批判。「中国の経済的虐待に立ち向かう」「人権や知的財産、グローバルガバナンスに対する中国の攻撃を押し返す」などと表現しました。中国への強硬姿勢は、トランプ時代と変わりませんが、バイデン大統領は「アメリカの国益となる場合は、中国政府と協力する用意がある」と付け加えることも忘れませんでした。しかし、米中関係は日に日に緊張感を増しています。3月に行われた米中外交トップ会談では、人権に反する中国の行為を非難したアメリカに対し、「内政に干渉する行為には断固として反対」と、中国側は強く反発しました。中国は自らを民主国家と謳いますが、民主主義の定義が私たち自由主義国とは異なり、最終決定権はすべて中国共産党にあります。バイデン大統領は、中国が民主国家に変わることを期待していたのですが、体制の違いは露わになるばかり。3月末の記者会見でバイデン大統領は「21世紀における民主主義と専制主義のどちらが機能するかの闘い」と発言し、対立を極めました。習近平国家主席は、オバマ政権のころには「G2」として、中国とアメリカで世界の秩序を作ることを呼びかけていました。ところがトランプ政権になり対立関係に。本音ではビジネス上で繋がっておきたい両国ですが、不当逮捕や弾圧が日常的に行われる国相手では安心して投資はできません。今後、たとえば台湾をめぐり、米中関係がさらに悪化した場合には、日本の米軍基地から中国にプレッシャーをかける可能性も。他人事ではいられないのです。堀潤ジャーナリスト。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。新しい朝の報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX平日7:00~8:00)が放送中。※『anan』2021年4月21日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2021年04月16日