杉咲花が主演を務める、映画『52ヘルツのクジラたち』(公開中)の本編・インタビュー映像が1日、公開された。○■映画『52ヘルツのクジラたち』本編&インタビュー映像今回公開されたのは、かつて貴瑚(杉咲)が安吾(志尊)に救われたかけがえのない時間を切り取った本編映像。3年前、毎日ひたすら義父の介護に身を捧げ、家族に人生を搾取されていた貴瑚は、絶望を抱え走ってくるトラックの前に進み出てしまう。そんな貴瑚を助けたのがトランスジェンダー男性の塾講師・岡田安吾だった。「新しい人生を生きてみようよ」と手を差し伸べてくれた安吾と親友・美晴(小野花梨)の助けにより人間らしい生活と何年かぶりに笑顔を取り戻した貴瑚は、安吾に付き添われて実家に帰り、纏わり付く母親に何とか別れを告げるが、帰り道、泣き崩れてしまう。そんな貴瑚を安吾は優しい瞳で包み込み、「52ヘルツのクジラの鳴き声」をプレゼント。「僕は寂しくて、悲しくて、死にそうなときにこれを聞くんだ」と語る安吾もまた孤独な心を抱えており、2つの孤独な魂が共鳴する瞬間を杉咲と志尊が演じ切っている。夕暮れの幻想的なシーンを撮影するためぶっつけ本番だったという同シーン。同時解禁となったインタビュー映像では杉咲と志尊も「最も印象に残ったシーン」として同シーンを挙げており、「互いに手を取り合って臨んだ」と撮影を振り返っている。さらに杉咲は「現場ではアンさんがどんな顔をしているか見ることができなかったんですが、本編を観た時に、こんなにも優しい眼差しで隣にいてくれたんだな。という事に胸がいっぱいになりました」とコメントした。【編集部MEMO】映画『52ヘルツのクジラたち』は、2021年の本屋大賞を受賞し、すでに80万部を売り上げるベストセラー小説の実写化作。ある傷を抱え、東京から海辺の街の一軒家に移り住んできた貴瑚(杉咲花)。虐待され「ムシ」と呼ばれる少年との出会いが呼び覚ましたのは、貴瑚の声なきSOSを聴き救い出してくれた、今はもう会えない安吾(志尊淳)との日々だった。2024「52ヘルツのクジラたち」製作委員会
2024年03月01日杉咲花主演の新たな医療ヒューマンドラマ「アンメット ある脳外科医の日記」に、若葉竜也、井浦新の出演が決定。杉咲さん演じる“記憶障害の脳外科医”を手助け導く脳外科医を演じる。杉咲さんにとって、フジテレビ系ドラマ初主演となる本作は、“記憶障害の脳外科医”という前代未聞の主人公が、目の前の患者を全力で救い、自分自身も再生していく新たな医療ヒューマンドラマ。原作は、講談社「モーニング」で連載中の同名漫画で、元脳外科医である子鹿ゆずるが描く“リアル脳外科医”の世界が、医療従事者のみならず、各方面から絶賛されている。ある事故で脳を損傷し、重い後遺症を抱える脳外科医・川内ミヤビ(杉咲花)は、過去2年間の記憶がなく、さらに今日のことも明日には全て忘れてしまう。誰と何を話し、何に喜び、何に悲しんだのか。寝て、翌朝起きたら、全てがリセットされてしまうのだ。彼女にいま許されているのは、看護師の補助的な仕事だけ。医療行為は一切できない。川内ミヤビ(杉咲花)しかし、「私には今日しかない。今日できることを精一杯やろう」と決意したミヤビは、自分の毎日を詳細に日記に綴っていく。毎朝5時に起き、それらを全て読み返し、記憶を補う。彼女は常にそうやって、新しい1日を始めていた。「私はまだ医者なのだろうか――」という葛藤にはフタをして。そんなミヤビの前に、変わり者の脳外科医・三瓶友治(若葉竜也)が現れる。三瓶は、ミヤビの記憶障害を知った上で、「ただでさえ人手が足りないんだから、できることはやってもらわないと」と言う。こうしてミヤビはもう一度、脳外科医のとしての道を歩むことに。そして、そんなミヤビを、主治医である大迫紘一(井浦新)も応援。周囲の心配や反対を受けながらも、ミヤビは脳外科医として、新たな一歩を踏み出していく。だが、やがて、ミヤビの“消えた2年間の記憶”の中に隠された謎が明らかに。取り出せなくなっているミヤビの記憶の中にある大きな秘密…そして、彼女の“本当の思い”とは――。若葉さんが演じるのは、アメリカの大学病院からミヤビが働く丘陵セントラル病院に赴任してきた、脳外科医・三瓶友治(さんぺい・ともはる)。医師として優秀だがマイペースな三瓶は、ミヤビが医師の仕事をやらないことが純粋に疑問な様子。「人手が足りないから」と手伝わせようとして周囲の反発を食らう。何を考えているか分からない、謎だらけの男だがその言動には説得力があり、ミヤビは戸惑いながらも患者と向き合っていくことになる。役柄によって、醸し出す雰囲気が一変しながら、その佇まいは常に自然体の若葉さん。映画『葛城事件』で演じた狂気的な殺人犯や、『愛がなんだ』で演じた繊細な青年役などで、その幅広い演技力が高い評価を得た若葉さんは、いまや業界で最も注目されている実力派俳優の1人。三瓶友治(若葉竜也)今年3月には、主演映画『ペナルティループ』の公開も控え、映画界で圧倒的な存在感を放つ彼が、このたび、満を持して地上波民放連ドラに本格出演。主演を務める杉咲さんとは、連続テレビ小説「おちょやん」、映画『市子』などで共演しており、すでに信頼関係が構築されている。このコンビが見せる、新たなる化学反応に期待したい。また、井浦さんが演じるのは、関東医大病院 脳外科教授・大迫紘一(おおさこ・こういち)。脳外科の権威でありながらそれを感じさせない柔和な人柄で人望も厚い。ミヤビとは古くからの知り合いで、ミヤビが脳外科医を目指すきっかけとなった、目標であり恩人。いまは主治医としてミヤビが働きやすいよう陰に日向に、力になってくれていて、ミヤビの脳外科医復帰にも「そろそろと思っていた」と背中を押す。趣味は観葉植物の収集。教授室には緑があふれ、いつも目を細めて愛でている、というキャラクター。大迫紘一(井浦新)井浦さんは、『福田村事件』『アンダーカレント』『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』など、話題の映画への出演が相次ぎ、1月期の連続ドラマでは「おっさんずラブ-リターンズ-」のほか、NHK大河ドラマ「光る君へ」で藤原道隆を好演中と、出演作品が途切れることがない。その確かな演技力で社会派作品からコメディまで、どんなジャンルでも存在感を発揮。俳優としての活動ほか、アパレルブランドのディレクター、サステナブルコスメブランドのファウンダーも務めるなどマルチに活躍する。脳外科医が診るのは、“脳”ではなく“人生”。謎に満ちたミヤビの“消えた2年間の記憶”を探るミステリーも杉咲さん、若葉さん、井浦さんの3人が演じる脳外科医という職業。「脳外科医が診るのは、“脳”ではなく“人生”」ともいわれる。彼らの仕事は、手術を成功させて終わりではない。このドラマでは、後遺症に直面し人生が大きく変わって動揺する患者の今後の人生に向き合っていく姿も描かれる。本作は、様々な患者と共生する脳外科医の世界で、自身も記憶障害を持つ脳外科医が、苦悩と葛藤の中から、ふたたび“医師”という仕事と向き合い、希望を見出していく人間ドラマ。1日で記憶がリセットされてしまうミヤビが、どのようにして今日を明日に繋つなげ、自分らしく生きていくのか。彼女の“生きることへの意思”が、いまを生きる全ての人を勇気づけていく。医師と患者たちの出逢い、診察を通じて生まれていく絆や友情、家族愛などが一話完結で描かれていく一方で、物語の鍵となるのが、ミヤビの失われた記憶の謎。そこに隠された秘密や人間関係が明らかになった時に見えてくるミヤビの本当の思いとは。全編を通して描かれていくこのミステリー展開も、ドラマの大きな見どころとなる。若葉竜也(三瓶友治役)コメント粛々と、目の前のやるべき事に向き合いたいと思います。いまにも破裂しそうな2024年という時代を生きるものとして、ほとばしりたいと思います。井浦新(大迫紘一役)コメント人は大切な想い出や楽しかった日々を記憶として覚えてることで幸せを感じられます。そして忘れたり記憶にないことで不安を感じ、でも時に助かったり救われたりもします。光にも闇にもなる人の"記憶"について、この作品を通して深く考えてみたいと思います。いままで表現したことのない人物像が浮かび上がってくるかもしれません。スタッフ・キャストの皆さんとは初めてお仕事させていただける方々がたくさんいらっしゃいます。とても刺激的でワクワクしています。プロデューサー・監督陣は何作も重ねてきた信頼を寄せている方々です。みんなで丁寧に人の心を描きながら物語を紡いでゆき、楽しく観ていただきながら生きる希望が湧いてくるような、優しく力強い作品をつくってゆけるよう励みたいと思います。「アンメット ある脳外科医の日記」は4月より毎週月曜22時~カンテレ・フジテレビ系にて放送。(シネマカフェ編集部)
2024年02月28日信頼と愛は似ている。町田そのこ原作『52ヘルツのクジラたち』が映画化。主人公の貴瑚を杉咲花が、彼女を助け支える岡田安吾(通称・アンさん)を志尊淳が演じている。お互いに「すごいとしか形容できない役者」「どうしてそんなに優しいんですか? といつも思います」と評する二人を見ていると、自然と、貴瑚とアンさんの面影が重なる。二人の役者が築いた信頼はそのまま、貴瑚とアンさんの関係性に繋がっているように思えてならない。どんな心境で、それぞれの難役に向き合ったのだろうか。貴瑚として、アンさんとして、どう生きるか?――映画『52ヘルツのクジラたち』は、本屋大賞を受賞した町田そのこさんの同名小説を原作としています。杉咲さんは主人公でヤングケアラーの貴瑚を、志尊さんは貴瑚を支えるアンさんを演じていらっしゃいますが、原作の存在はどれくらい意識されていましたか?杉咲貴瑚という人物において、全ての要素を大切にしたい気持ちでした。貴瑚は出会った人々に自分なりの愛情を注ぎ、ウィットに富んだ側面があって、ビールが大好きで、少しがさつなところもあります。自身が深い痛みを抱えていながら、周囲の誰かを傷つけてしまうこともある。そんな姿を体現する主人公の姿に、これは現実社会でも起きている話だと感じ、ある種の好意を抱きました。志尊原作からイメージするアンさんの容姿と、僕が今作で演じているアンさんのイメージは、きっと違うと思うんです。そんななかで僕は、原作に描かれているものを映像でも成立させることを意識していました。小説を実写化するからこその表現もあると思うので、しっかり原作をリスペクトしつつ、僕として表現できるアンさんを生きる。そこに重きを置きながら演じさせていただきました。――それぞれの役柄とは、どう向き合われたのでしょうか?杉咲貴瑚は、寝たきりになってしまった義理の父を介護するヤングケアラーの立場にいます。父母から虐待としか形容できない扱いを受け、傷を抱える彼女の心情を想像するために、資料を読んだり有識者の方の話を聞いたりして、知識を深めていくことからはじめました。ただ、撮影現場においては、前もって演技プランを用意していくものではないと考えていました。志尊くん演じるアンさんや、小野花梨ちゃん演じる美晴など、相手と対面することで初めて生まれてくる感情を大事にしたかったんです。志尊僕も、アンさんという一人の人間と向き合うことが重要だと考えていました。アンさんがどういう人なのか、僕自身が一番よくわかっていないといけない。そのうえで、アンさんのことを「大変で難しい役」といった捉え方はしていません。演じているときは、ひたすら「アンさんとしてどう生きていくか?」としか考えていなかったです。――お二人とも、貴瑚やアンさんのことを一人の人間として捉えるところから始められたんですね。杉咲苦しみを抱えている人の声が届くべきところへ届いていない、そんな現実が私たちの社会にもあって。人々がその声に気づいて、共に生きられるようになってほしいし、誰しもの人生が祝福されるべきであるという、世の中の価値観に対する祈りのようなものを本作に込めたい気持ちがありました。志尊これまでにさまざまな作品を経験させていただいて思うことは、まず「知ること」が大切なんだ、ということです。この物語が、虐待を受けている方、性的マイノリティの方、ヤングケアラーと呼ばれる方が実際にいることを知るきっかけの一つになるのではないか。物語を通して「伝える」ことに意味があるんだと思いながら、僕たちは作品をつくっています。(C)2024「52ヘルツのクジラたち」製作委員会居酒屋シーンは「二人にとってのシェルターだった」――貴瑚とアンさんが二人でいるシーンはどれも、切っても切れない絆を感じるシーンや、思わず身体に力が入ってしまうシーンなど、感情が動かされます。もっとも思い入れのあるシーンについて教えてください。杉咲貴瑚が美晴やアンさんと出会って、最初に居酒屋でお酒を飲むシーンがあるのですが、以降、そこがいつものお店として溜まり場になっていきます。そんな空間でのシーンがとくに好きでした。居酒屋って、店内の騒音や、酔っ払った人たちの騒ぎ声が聞こえてきたりしますよね。きっと貴瑚やアンさんにとっては、それがノイズではなかったんじゃないかなって。みんなに聞こえる「Hz(ヘルツ)」のなかに自分たちが存在していると感じられる時間が、かけがえのないものだったように思うんです。(C)2024「52ヘルツのクジラたち」製作委員会志尊わかるなあ。居酒屋のシーンは、アンさんとしても僕自身としても、思いが繋がっていた部分があるんです。貴瑚も花ちゃん自身も、見ていてつらかった。どちらに対しても「早くいろいろなものから解かれて、楽になってほしい」と思っていました。この気持ちはアンさんのものでもあり、僕のものでもある。志尊淳は、気軽に杉咲花に話しかけられる状況じゃないと思っていたけれど、アンさんは同じ状況下で貴瑚を救い出そうとしているんですよね。相反する感情のなかで、アンさんとしての表現をどう導き出すか、悩みました。でも、だからこそ、アンさんという人に向き合える瞬間がありました。台本には明確に書かれてはいませんでしたが、アンさんが貴瑚に対して明確な好意を抱いたのは今だ、と思える一瞬も感じられました。花ちゃんとの共演シーンは、いまでも鮮明に一挙手一投足を思い出せるくらい、僕にとって大切な記憶です。杉咲この作品に関わること自体、大きな緊張感がありました。特に最初の居酒屋シーンでの貴瑚は、精神的にも追い込まれたギリギリの状態で、同じ鮮度を保ったお芝居が続けられるか不安があって、自発的に表現を探すような、自分ひとりのアプローチでは間違いなく乗り越えられないシーンだったと感じています。現場では、志尊くんがアンさんそのものとしてそこにいてくださって、目の前にいる貴瑚にどんな言葉をかけてあげられるか、心を尽くしながら向き合ってくださっていることが手に取るように伝わってきたんです。その姿を捉えているだけで心が動いてしまう、かけがえのない時間でした。志尊僕にできることは、アンさんにも貴瑚にも、とにかく寄り添うこと。彼らの心の揺れに、役者として誠実に向き合う必要があると思っていました。この物語は「大切な人の声を聞けるか」というテーマが根幹にあるので、撮影期間中はとくに、アンさんの気持ちをどれだけ汲み取り、表現できるかを意識しながら毎日を生きていました。「杉咲花が報われてほしい」「人間としての器が桁違い」――これまでにも共演経験があるお二人ですが、あらためて本作を通したうえでの、役者としてのお互いの印象を教えてください。志尊「素晴らしい」、これ以外の言葉がありません。お芝居はもちろん、撮影現場での佇まいを含めて、何をとっても「すごい」の一言です。セリフがあるシーンもないシーンも、ただ立っていたり歩いていたりするだけのシーンでも、圧倒されます。いちばん強く思うのは「杉咲花が報われてほしい」ということ。どれだけの思いでこの作品に向き合ってきたかを間近で見ているからこそ、報われてほしい。完成した作品を観て、注いだ思いの分だけ花ちゃんに返ってくるものが絶対にある、と確信しています。杉咲そんなふうに言ってもらって…。もう本当にありがたいです。志尊くんは、人間としての器が桁違いなんですよ。こんなにも飾らない愛情を持って現場にいてくださる方って、そういないと思います。「なんでそんなに優しいんですか?」っと、いつも思うんです。役としての関係性を尊重しつつ、現場がどういう状況にあって、そこにいる人がどんな気持ちでいるか、周囲の状態を常に見つめて、静かにサポートにまわってくださるような方で。個人的な感情を現場に持ち込まず、一人の制作陣としてどこまで現場に関われるかを考え続ける姿に心から敬意を抱いていました。一人でいることと寂しさは直結しない――貴瑚とアンさんは、それぞれの傷や孤独を抱えながらも、寂しさと向き合いながら生きているように見えました。お二人にとって「寂しさ」とはどんな感情ですか?杉咲私にとっての寂しさは、幸福と同居している感情です。何かを幸せに感じるときほど、もう二度とその時間が訪れることはないという切なさが共にあるというか。いつも、心のどこかに寂しさがそっと佇んでいるような感覚です。志尊寂しさを感じることはなくなりました。昔は、一人でいると「寂しいな」と感じることもありましたが、いまは寂しさに打ち勝つ術を覚えたんです。それは「寝る」一択! ずっと人と一緒にいたいと思うタイプだったんですが、いまは一人でいる時間が必要です。杉咲一人でいることは、必ずしも寂しさには直結しないですよね。私も、一人で過ごす時間が好きです。寂しくなるときもありますが、一人でいること=寂しさではないと思います。志尊寂しいときもあれば、楽しいときもあるよね。寂しさへの向き合い方でいうと、「寝る」以外だったら僕は、よく家族に電話をするようになりました。LINEで済むような他愛のない話を、あえて電話でしています。10秒とかで終わっちゃうんですけどね。杉咲そうなんですね! 私は毎日のように母と会っているので、対面で話すほうが多いかも。志尊花ちゃんは、お母さんと話すとき、どんな感じなの?杉咲どうなんですかねぇ……。素直になれない娘の顔が出てきてしまっているかもしれません(笑)。志尊へえ! 意外だけど、でもそんな感じも想像できるかも。大切な人を、大切にできる世の中に――貴瑚やアンさん、美晴たちを見ていると、血のつながりがない他者と連帯する生き方も、選択肢として尊重される世の中になってほしいと感じます。お二人が本作の根底に流れるテーマについて、思うところを教えてください。杉咲おっしゃるように、本作を通じて、そのような希望が差し込む社会になっていくことを望んでいます。私は、現実社会はまだそうした関係性の尊重を簡単に願えるような段階にはない気がしていて、社会制度の壁が大きく立ちはだかっていると思っています。貴瑚が出会う少年のような、家庭に何らかの問題が生じた子供たちが安心して生きられる場所を見つける選択肢が広がることや、同性婚や選択的夫婦別性が認められるようになるなど、どんな経験や属性の方であっても多様な関係性を自由に築いていけるように、1日も早く平等な制度が整えられてほしいです。そういった選択肢が担保されたうえで、それぞれの生き方や関係性が尊重される世の中に変わっていくことを願っています。一人でも多くの方にとって、本作が現実と地続きにある物語として、気づきや希望を抱けるような作品になっていたら嬉しいです。志尊世の中にはたくさんの人がいます。好きな人も、苦手な人もいますよね。どうか目の前の相手と、人として向き合ってください。向き合った結果、やっぱり苦手だったことを再認識したとしても、それはそれでいい。向き合ったことで、変わる世界があると思うから。「ヤングケアラーだから」「性的マイノリティだから」、そうした理由で人と向き合わない選択をすることが、人生の幅を狭くしてしまうんじゃないでしょうか。僕は、向き合うこと、寄り添うことを大切にしたい。大切だと思う人を、本気で大切にしたい。愛を注ぎたいと思える人に、一人でも多く出会える人生にしたいと思っています。取材・文:北村有撮影:映美(杉咲花)スタイリスト:渡辺彩乃ヘアメイク:宮本愛(志尊淳)スタイリスト:九(Yolken)ヘアメイク:松本順(tsujimanagement)衣装協力/杉咲さんセットアップ MARIA McMANUS、マリア マクアナス 03-3470-2100イヤーカフ Hirotaka ヒロタカ 03-3470-1830、そのほかスタイリスト私物<作品情報>『52ヘルツのクジラたち』3月1日(金) TOHOシネマズ 日比谷他全国ロードショー(C)2024「52ヘルツのクジラたち」製作委員会出演:杉咲花志尊淳宮沢氷魚 小野花梨桑名桃李/余貴美子倍賞美津子監督:成島出/原作:町田そのこ『52ヘルツのクジラたち』(中央公論新社)主題歌:「この長い旅の中で」Saucy Dog(A-Sketch)2024年|日本|カラー|ビスタ|5.1chデジタル|136分|配給:ギャガ(C)2024「52ヘルツのクジラたち」製作委員会ストーリーある傷を抱え、東京から海辺の街の一軒家に移り住んできた貴瑚。虐待され「ムシ」と呼ばれる少年との出会いが呼び覚ましたのは、貴瑚の声なきSOSを聴き救い出してくれた、今はもう会えないアンさんとの日々だった――。
2024年02月26日杉咲花の映画単独初主演作『市子』が、Prime Videoにて3月8日(金)より見放題独占配信される。本作は、戸田彬弘監督が主宰する「劇団チーズtheater」旗揚げ公演作品でもあり、サンモールスタジオ選定賞2015では最優秀脚本賞を受賞した舞台「川辺市子のために」が原作。観客から熱い支持を受け2度再演された人気の舞台が、戸田監督自身により映画化された。痛ましいほどの過酷な家庭環境で育ちながらも「生き抜くこと」を諦めなかった川辺市子を演じるのが杉咲さん。抗えない境遇に翻弄された彼女の壮絶な半生を、凄まじい熱量で体現し圧巻の演技を披露、芝居を超えて役を生き抜く姿がスクリーンに映し出される。さらに、市子の恋人・長谷川を演じるのは、若葉竜也。重厚な物語の軸を担う長谷川が、市子の真の姿を知っていく過程で揺れ動く感情の変化を繊細に演じ切る。ほかにも、森永悠希、渡辺大知、宇野祥平、中村ゆり、倉悠貴、中田青渚、石川瑠華、大浦千佳ら豪華俳優陣が名を連ね、市子の知られざる人物像や過去を第三者の目線で浮き彫りにしていく。第28回釜山国際映画祭や第36回東京国際映画祭に正式出品され注目を集めた本作は、公開を迎えると劇場で満席回が続出。「放心状態」「今年見た映画の中でダントツ」「上映終了後になかなか動けない映画だった」「まだ心の中に市子がいる…」などSNSを中心に高評価が続々と上がり話題となった。中でも、主人公・市子を演じた杉咲さんの演技に対する賞賛の声が多く、杉咲さんは第47回日本アカデミー賞優秀主演女優賞や第78回毎日映画コンクール女優主演賞に輝くなど、今年の映画賞レースを賑わせている。さらに本作は先日スウェーデンで開催された北欧最大の国際映画祭、第46回ヨーテボリ映画祭でのインターナショナル・コンペティション部門にも出品され、ヨーロッパプレミア上映も好評を博した。映画『市子』は3月8日(金)よりPrime Videoにて見放題独占配信。(シネマカフェ編集部)■関連作品:市子 2023年12月8日よりテアトル新宿、TOHOシネマズシャンテほか全国にて公開©2023 映画「市子」製作委員会
2024年02月20日杉咲花が初の医師役で主演する「アンメット ある脳外科医の日記」が4月よりカンテレ・フジテレビ系にて放送されることが分かった。原作は、講談社「モーニング」で連載中の「アンメット-ある脳外科医の日記-」(原作:子鹿ゆずる/漫画:大槻閑人)。原作者・子鹿ゆずるは、元・脳外科医。それゆえ、作中に登場する様々な症例や医師たちの生き様がリアリティーをもって描かれており、医療従事者のみならず、各方面から絶賛されている。今回のドラマ化では、そんな原作の魅力を活かし、複雑な脳神経外科の世界と、そこに生きる人々の姿をしっかりと描いていく。「アンメット-ある脳外科医の日記-」©子鹿ゆずる・大槻閑人/講談社杉咲さんが演じるのは、ある事故で脳を損傷し、重い後遺症を抱える脳外科医・川内ミヤビ。彼女は、過去2年間の記憶がなく、さらに今日のことも明日には全て忘れてしまう。それゆえ、医師であることを諦めかけたミヤビだったが、彼女の前に、変わり者の脳外科医・三瓶友治が現れる。空気を読まず、強引でマイペースな彼の言動によって、ミヤビは医師としても患者としても助けられ導かれていく。やがて、ミヤビの“消えた2年間の記憶”の中に隠された謎が明らかに。取り出せなくなっているミヤビの記憶の中にある大きな秘密。そして、彼女の“本当の思い”とは…。“記憶障害の脳外科医”という難役に挑む杉咲さんは、『湯を沸かすほどの熱い愛』で、第40回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞と新人俳優賞をダブル受賞。その後も数々の話題作に出演し、2024年も『52ヘルツのクジラたち』『片思い世界』『朽ちないサクラ』と途切れることなく主演映画の公開が控えている。2023年公開の『市子』では、毎日映画コンクールにて女優主演賞を獲得。3月に発表を控える第47回日本アカデミー賞主演女優賞にもノミネートされている。そんな映画界に欠かせない杉咲さんが、初めて医療ドラマに挑戦。それも、かつてない異色の設定の主人公となる。主演・杉咲花コメント頑張れなくてよくて、立ち止まってよくて、変われなくていい。あなたがあなたという人間と付き合っていくことを諦めなければ、それは美しい姿なのだという本作の根っこにあるメッセージに、心を撫でられるようでした。この物語を大切にお届けしたいです。原作・子鹿ゆずるコメント言葉、記憶、技術……これらは脳の別々の部位が担当していることが解明されています。しかし「心」は何処にあるのか、その正体さえも曖昧なままです。原作では、私自身の経験を踏まえ脳障害の後遺症を正確に描くとともに、それと戦う人たちの心に焦点を当てました。ドラマ化にあたり、製作スタッフの皆様ならびに杉咲花さんはじめ実力派俳優の方々により、原作を超越した見事なドラマに仕上げて頂けそうで大変感謝しています。本ドラマが、一般視聴者の方々のみならず、当事者・ご家族の皆様、医療福祉関係者の皆様への応援になれば幸いです。漫画・大槻閑人コメントこの度のTVドラマ化、誠にありがとうございます! 実は『アンメット』という作品、企画段階から「ドラマ化するといいなあ」と思い、その願いを込めながら自分なりに工夫してきました。僕自身は医療者ではないのでわからないことも多く、子鹿さんをはじめ、多くの医療・福祉関係者の皆様にご協力いただきました。この場をお借りして感謝申し上げます。物語を絵に、漫画にする作業を通じて、『アンメット』というバトンを良い形で受け渡せているとしたら、これほどうれしいことはありません。プロデューサー・米田孝コメントこのドラマを企画し始めた直後、母に脳腫瘍が見つかりました。予後不良の状態でしたが、開きにくかった目がパッチリしてきた、今日は歩いて買い物に行けた、家族が集まるのが楽しみだ、などと些細な希望を見つけては、母は笑っていました。悩みや苦しみの中にあっても、ほんの少しの希望があれば、人はちゃんと今日を明日に繋げて、前を向いて生きていけるんだなと、母は私に感じさせてくれました。「アンメット」とは直訳すると「満たされない」という意味です。人や社会は光の当たる場所に目を奪われ、その光によってできた影を見過ごしてしまいがち。影の部分で満たされなさを感じる人たちにいかに寄り添い、共生していくか。この原作のテーマに深く共鳴し、おこがましいようですが少しでもその影を希望の光で照らせたら。このドラマにそんな思いを込めています。杉咲花さんとはクランクイン前からたくさんの時間を共有し、どうしたら自分たちの思いを届けられるか、会話を積み重ねてきました。本当に真摯に作品に向き合う姿勢と豊かな発想力に驚かされる日々です。彼女が演じる川内ミヤビが、とても魅力的な主人公になることは間違いありません。人の心を丁寧に描きながら、愉快な登場人物たちやハラハラドキドキの展開で濃いめの味付けを加えて、楽しみながら心温まるエンターテインメントに作り上げていきます!見て下さった方に、少しでも明日を生きる希望を得ていただけることを願っています。「アンメット ある脳外科医の日記」は4月より毎週月曜22時~カンテレ・フジテレビ系にて放送。(シネマカフェ編集部)
2024年02月19日「第78回毎日映画コンクール」の授賞式が14日に都内で行われ、受賞者が揃って登壇した。○■杉咲花、映画『市子』で女優主演賞映画『市子』で女優主演賞を受賞した杉咲花。背中の大きく開いた黒のシックなロングワンピースに身を包んで登場した杉咲は、「素敵な賞をいただき光栄に思っております。何より劇場に足を運んでくださった皆様、本当にありがとうございます。物語に関わる中で、何かひとりで成し遂げることは出来ないと思っているので、この賞は映画に関わった皆さんと喜びを分かち合いたいと思います。自分にとってかけがえのない作品になった『市子』に関われたことを誇りに思います」と感謝と喜びをコメント。その後、同会場に出席していた戸田彬弘監督が本人にサプライズで登壇し、杉咲に花束を贈呈した。改めて杉咲のオファーについて尋ねられると「この市子という役は、杉咲さんにぜひやっていただきたいという想いで手紙を書かせていただきました。杉咲さんのおかげで作品が大きくなり、杉咲さんであるからこうして評価され業界の方にも広く観ていただけたと思っています。本当に杉咲さんに出ていただけて嬉しく思っています」と振り返り、感謝の言葉を述べた。対し杉咲は「『自分にとって分岐点になる作品だと思っています』と書かれていて、それだけ勝負に出ようとしている作品で自分自身のことを求めていただいたことを嬉しく思いました」と語る。司会の生島ヒロシが手紙について掘り下げると、戸田監督は「実は代筆でした。内緒にしてて、こないだバレちゃった」と明かし会場が笑いに包まれる場面も。また、戸田監督は「たくさんの作品に出演されていますが、表現の幅を持っている女優さんですし、何より目から引力を感じる方だと思っていて、この市子という役には強い引力が必要だと思いダメ元で手紙を出させてもらいました」と、杉咲へのオファーの決め手も明かした。映画初単独主演で「女優主演賞」を受賞し、何か心情の変化があるかと聞かれると、杉咲は「とってもありがたく思っていますが、変化はあまり感じていません。評価というものは他者の中にあるものだと思っているので、この先も粛々と作品に向き合っていきたいと思います。ただ、このような機会をいただけたことでまだ公開が続いている『市子』について皆さんが興味を持ってもらえるのかなと思うとやっぱり嬉しいです」と笑顔を見せた。○■第78回毎日映画コンクール 受賞結果日本映画大賞:『せかいのおきく』(阪本順治監督)日本映画優秀賞:『ほかげ』(塚本晋也監督)外国映画ベストワン賞:『TAR/ター』(トッド・フィールド監督)男優主演賞:鈴木亮平『エゴイスト』女優主演賞:杉咲花『市子』男優助演賞:宮沢氷魚『エゴイスト』女優助演賞:広瀬すず『キリエのうた』スポニチグランプリ新人賞(男性):アフロ『さよなら ほやマン』スポニチグランプリ新人賞(女性):サリngROCK『BAD LANDS バッド・ランズ』監督賞:石井裕也『月』脚本賞:阪本順治『せかいのおきく』撮影賞:鎌苅洋一『月』美術賞:上條安里『ゴジラ-1.0』音楽賞:ジム・オルーク『658km、陽子の旅』録音賞:志満順一『せかいのおきく』アニメーション映画賞:『アリスとテレスのまぼろし工場』(岡田麿里監督)大藤信郎賞:『君たちはどう生きるか』(宮崎駿監督)ドキュメンタリー映画賞:『生きる』大川小学校 津波裁判を闘った人たち』(寺田和弘監督)TSUTAYAプレミアム映画ファン賞・日本映画部門:『劇場版美しい彼~eternal~』(萩原利久、八木勇征)TSUTAYAプレミアム映画ファン賞・外国映画部門:『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(ダニエル・クワン ダニエル・シャイナート監督)田中絹代賞:薬師丸ひろ子特別賞:鈴木敏夫(スタジオジブリ プロデューサー)
2024年02月14日「第78回毎日映画コンクール」の授賞式が14日に都内で行われ、受賞者が揃って登壇した。○■スポニチグランプリ新人賞に輝いたアフロ映画『さよなら ほやマン』に主演し、豊かな海に囲まれた美しい島で一人前の漁師を目指すアキラを演じたMOROHAのアフロは、スポニチグランプリ新人賞に輝いた。“ほやマン”の姿で登場すると、場内は騒然。「レッドカーペットのお化けみたいな格好で出てきてすみません。ちょっとでも賑やかになればいいなと思い」と弁解しながら、「制作陣の魂が乗っかったこのスーツでこの場所に立てていることを非常に嬉しく思っております」と喜びを表した。「映画というものに初めて触れたんですけれども、情熱の賜物だなと素直に思いました、その情熱に賞をいただけたんだと思っております」というアフロ。同作の庄司輝秋監督は「この人のエネルギーは特別なものがあるなと思っていて、そのエネルギーがこの映画の魂だったなと思ってるので、すごくうれしく思います」と受賞を喜ぶ。さらに監督は「『新人賞って一生に1回しか獲れないと思うから、ほやマンスーツじゃなくていいんじゃない』と言ったんですけど、どうしてもこれで出たいと。この映画がまだまだなかなか知られていないから、この格好で1人でも多くの方に伝えたいという、もがきのようなものがすごくあって、そのもがきはこの作品の一つのテーマなので、そういうことを恥ずかしげなく堂々とやるこの人の魅力というものもこの映画に必要だと思った」と、主演のアフロに太鼓判。今後の俳優活動について聞かれると、アフロは「仕事をいただければありがたいなと思うんですけれども、自分はやっぱりミュージシャンが基礎にあって、そこでの輝きを見て、監督がお話をくださったと思っているので。音楽を一生懸命頑張って、この情熱が必要だなと思っている方が現れてくださったら、一緒に何か作れたら嬉しいなと思っております」と謙虚な姿勢。「こんなに誰かのおかげと思いながら仕事できることがなかったので、すごく充実した体験でした」と映画出演を楽しんでいたようだった。フォトセッションでは、受賞者陣が全員登場。女優助演賞の広瀬すず、女優主演賞の杉咲花も、アフロのほやマンスーツに興味津々の様子だった。○■第78回毎日映画コンクール 受賞結果日本映画大賞:『せかいのおきく』(阪本順治監督)日本映画優秀賞:『ほかげ』(塚本晋也監督)外国映画ベストワン賞:『TAR/ター』(トッド・フィールド監督)男優主演賞:鈴木亮平『エゴイスト』女優主演賞:杉咲花『市子』男優助演賞:宮沢氷魚『エゴイスト』女優助演賞:広瀬すず『キリエのうた』スポニチグランプリ新人賞(男性):アフロ『さよなら ほやマン』スポニチグランプリ新人賞(女性):サリngROCK『BAD LANDS バッド・ランズ』監督賞:石井裕也『月』脚本賞:阪本順治『せかいのおきく』撮影賞:鎌苅洋一『月』美術賞:上條安里『ゴジラ-1.0』音楽賞:ジム・オルーク『658km、陽子の旅』録音賞:志満順一『せかいのおきく』アニメーション映画賞:『アリスとテレスのまぼろし工場』(岡田麿里監督)大藤信郎賞:『君たちはどう生きるか』(宮崎駿監督)ドキュメンタリー映画賞:『生きる』大川小学校 津波裁判を闘った人たち』(寺田和弘監督)TSUTAYAプレミアム映画ファン賞・日本映画部門:『劇場版美しい彼~eternal~』(萩原利久、八木勇征)TSUTAYAプレミアム映画ファン賞・外国映画部門:『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(ダニエル・クワン ダニエル・シャイナート監督)田中絹代賞:薬師丸ひろ子特別賞:鈴木敏夫(スタジオジブリ プロデューサー)
2024年02月14日「いまだに事故の後遺症が残るスタッフもいるため、事故の話題はほとんど出ませんでした。 会が始まると主役の3人は揃って出席者らのテーブルを挨拶周りして、至るところから歓声が上がっていました」(映画関係者)2月上旬の夜、都内で映画の打ち上げが行われた。広瀬すず(25)、杉咲花(26)、清原果耶(22)という朝ドラヒロイン3人によるトリプル主演映画『片思い世界』だ。「同じ養護施設で育った幼馴染3人の関係性を描いたラブストーリーです。撮影期間は当初、昨年の5月から7月予定でしたが、6月初旬、スタッフ数人が乗るロケ車輌が地方ロケの帰りに交通事故に巻き込まれ、監督、プロデューサー、カメラマンが大怪我を負ったのです。一時は集中治療室で処置を受けるほどの重症でした。その影響で撮影スケジュールの組み直しを余儀なくされ、収録は数カ月間休止せざるを得ませんでした。そのため、クランクアップしたのは予定より約半年遅れの昨年12月だったのです」(前出・映画関係者)事故の影響もあったのか、ヒロイン3人の結束は固かったという。「主演の3人は年齢も近く、とても仲が良かったです。カメラが回っていないところでも和気あいあいと話していました。朝ドラヒロイン3人がいったい、何の話をしてるのか…と思っていたら、最近食べた美味しい飲食店やお気に入りのスイーツのことなど、いたって普通の話題でした。そういえば、撮影が夜遅くまで長引いた日には3人で身を寄せ合ってヒソヒソ話をしていたことがありました。『お腹空いたな~。早く終わらないかな~』と小声で話し合う姿は、まるで本当の幼馴染のようで親近感を覚えましたね」(別の映画関係者)この日の打ち上げは、主演3人みな安堵の表情で、終始一体感に包まれた会だったという。災い転じて…となった一夜だった。
2024年02月14日女優の杉咲花が、13日に都内で行われた映画『52ヘルツのクジラたち』(3月1日公開)の完成披露試写会に志尊淳、小野花梨、桑名桃季、石原慎也(Saucy Dog)、原作者の町田そのこ氏、成島出監督とともに登壇した。同作は、2021年の本屋大賞を受賞し80万部を売り上げるベストセラー小説の実写化作。ある傷を抱え、東京から海辺の街の一軒家に移り住んできた貴瑚(杉咲花)。虐待され「ムシ」と呼ばれる少年(桑名桃李)との出会いが呼び覚ましたのは、貴瑚の声なきSOSを聴き救い出してくれた、今はもう会えない安吾(志尊淳)との日々だった。○■小野花梨、“プライベートでも仲良し”杉咲花の家に1カ月お泊り今作で親友役と演じた杉咲と小野はプライベートでも親交があるそうで、小野が「1カ月、花の家にお泊りしていたりとかしていた」と仲良しエピソードを披露。親友役についても「役作りはいらない、お互いに探り合う時間が必要なかったので、それはもう本当に贅沢なことだなと思い、大事な時間でした」と振り返る。一方で、杉咲は「私はやっぱり友達が仕事場にいるという感覚が慣れなくて(笑)。こっぱずかしさもあったんですけど、お芝居が始まった時には美晴としてそこに存在してくれる花梨を目の当たりにして、とても背筋が伸びる思いでした」と照れながら話した。また、小野は今回の撮影で杉咲のすごさを感じたそうで「佇まいもそうですし、スタッフさんおひとりずつへの気遣いもそうですし、普段は見れない一面を見て非常に勉強になりました」とコメント。これに杉咲は「なんかちょっといじられているような感じ……」と照れ隠しをしつつ、「ありがとうございます(笑)」と小野からの言葉をしっかり受け取っていた。
2024年02月13日俳優の志尊淳が、13日に都内で行われた映画『52ヘルツのクジラたち』(3月1日公開)の完成披露試写会に杉咲花、小野花梨、桑名桃季、石原慎也(Saucy Dog)、原作者の町田そのこ氏、成島出監督とともに登壇した。同作は、2021年の本屋大賞を受賞し80万部を売り上げるベストセラー小説の実写化作。ある傷を抱え、東京から海辺の街の一軒家に移り住んできた貴瑚(杉咲花)。虐待され「ムシ」と呼ばれる少年(桑名桃李)との出会いが呼び覚ましたのは、貴瑚の声なきSOSを聴き救い出してくれた、今はもう会えない安吾(志尊淳)との日々だった。○■志尊淳、『52ヘルツのクジラたち』完成披露試写会に登場!映画初参加で舞台挨拶にも初登壇となった桑名。緊張している様子の桑名が、マイクを下げたままに話そうとしていると、杉咲が保護者のようにフォローする場面も。撮影で楽しかったことを聞かれた桑名は「思い出に残っているのは、(撮影場所の)家のテラスから見えた景色がすごいきれいだった! あと……飛行機が初めてだったからすごいワクワクした!」と無邪気に回答。これには志尊も思わず顔をほころばせた。桑名とは共演シーンがなかったという志尊は「僕は残念ながら桃季とのシーンはなかったけど、大分県で一緒に遊んだりね! なにして遊んだっけ?」と桑名に話しかける。桑名が「お話ししたくらいじゃないですかね?」と大人顔負けの返事で返すと、「あ、すみません……」とタジタジになっていた。また、イベントでは作品の内容にちなみ「自分を元気にするためのアイテムは?」をテーマにトーク。桑名は「おすし」と書かれたフリップを披露し、「大好きです! サーモンが好きです。この役が決まったときもお寿司屋さんに行って、お祝いしてもらいました!」とかわいすぎるエピソードを話すと、志尊は目尻を下げて温かい目で桑名を見守っていた。
2024年02月13日2021年本屋大賞を受賞した同名ベストセラー小説を映画化した『52ヘルツのクジラたち』の完成披露試写会が2月13日(火)、都内で行われ、主演の杉咲花、共演する志尊淳が出席。「尊敬しかない」と互いの俳優としての姿勢を称賛し合った。自分の人生を家族に搾取されて生きてきた女性・三島貴瑚(杉咲さん)。ある痛みを抱えて、東京から海辺の街の一軒家へ引っ越してきた彼女は、そこで母親から“ムシ”と呼ばれて虐待される、声を発することのできない少年と出会う。貴瑚は少年との交流を通し、かつて自分の声なきSOSに気づいて救い出してくれたアンさんこと岡田安吾(志尊さん)との日々を思い起こしていく。杉咲さんは「自分にとって、かけがえのない大切な出会いになりました。自分の聞こえる周波数が、すこしだけ広がった気がします」と本作に強い思い入れ。「いろんなことが描かれる物語ですが、最後に光を見出そうとする姿を描き切れるだろうかと、いまできるだけの力を注いだ」と力説し、「これからの人生や、もの作りにフィードバックできればいいなと思っています。ぜひ、隣にいる人を想像できるような作品になっていれば」とアピールした。一方の志尊さんは「この作品をやりたいなと思った1つの理由は、花ちゃんが主役だから」と全幅の信頼。これまでも共演経験はあるものの「ここまでガッツリは初めて」だといい、「僕自身、探り探りでしたが、(杉咲さんを見て)俳優が作品に向き合う姿勢って、これだよねと。いまにも倒れそうな熱量で向き合っている。尊敬しかなかったですし、杉咲花はすばらしいなと感じました」と最上級の賛辞を送った。これに対し、杉咲さんは「恐縮です」と照れ笑いを浮かべ、「作品に対する思いを共有しながら、現場では安吾のまなざしで、絶対的な味方でいてくれた。アドバイスも含めて、サポートに徹してくださり、身を捧げて演じる姿は、尊敬しかないですね」と志尊さんへの敬意を新たにしていた。完成披露試写会には、貴瑚の親友・牧岡美晴役の小野花梨、映画初出演で「ムシ」と呼ばれる少年を演じた桑名桃李、原作者の町田そのこ氏、成島出監督(『八日目の蝉』『銀河鉄道の父』)、主題歌「この長い旅の中で」を手がける人気バンド・Saucy Dogの石原慎也が出席した。『52ヘルツのクジラたち』は3月1日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。タイトルは、他のクジラが聞き取れないほど高い周波数で鳴く、世界で1頭だけの孤独なクジラのことを指す。(シネマカフェ編集部)■関連作品:52ヘルツのクジラたち 2024年3月1日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開©2024「52ヘルツのクジラたち」製作委員会
2024年02月13日柚月裕子の警察ミステリー小説『朽ちないサクラ』が、杉咲花の主演で実写映画化。2024年6月21日(金)に全国で公開される。柚月裕子原作の警察ミステリー小説『朽ちないサクラ』が実写映画化『朽ちないサクラ』は、すでに映像化された「孤狼の血」や「佐方貞人」シリーズなどで知られる柚月裕子による警察ミステリー小説。主人公の県警に勤める広報職員が、本来は捜査する立場にないものの、親友の変死事件の謎を独自に捜査し、事件の真相と次第に浮かび上がる“公安警察”の存在に迫る異色の警察小説だ。「サクラ」シリーズのはじまりとなる『朽ちないサクラ』の発行部数は、続編の『月下のサクラ』と合わせて累計27万部を刊行。世の不条理と巨大な闇に立ち向かい、主人公が成長を遂げる姿を描いた人気シリーズとなっている。杉咲花が主人公の県警・広報職員にそんな『朽ちないサクラ』が、杉咲花の主演により実写映画化。主人公の県警・広報職員で26歳の森口泉を、『市子』や『52ヘルツのクジラたち』『片思い世界』など、話題作での主演が続く杉咲花が演じる。主人公・森口泉…杉咲花県警・広報職員。警察の不祥事が明るみに出たことで、新聞記者として働く親友の千佳が情報をリークしたのではないかと疑う。その後殺されてしまった親友・千佳の変死事件を暴くため、独自で捜査を行う。自責と葛藤を繰り返しながら、事件の真相と社会の闇に迫っていく。磯川俊一…萩原利久泉のバディ的な存在となり、一緒に捜査する年下の同期。泉への好意を隠しつつ、泉の調査を献身的にサポートする好青年。梶山浩介…豊原功補一連の事件を捜査する県警捜査一課の刑事。富樫俊幸…安田顕泉の上司で元公安。津村千佳…森田想泉の親友で新聞記者。警察の不祥事事件に迫っていたところ、何者かに殺されてしまう。辺見学…坂東⺒之助生活安全課の磯川の先輩。兵藤洋…駿河太郎千佳の上司で米崎新聞社の記者。浅羽弘毅…遠藤雄弥千佳殺害の捜査線上に浮かびあがる人物。公安の警察官…和⽥聰宏津村雅子…藤⽥朋⼦千佳の母親。監督は原廣利監督は、『帰ってきた あぶない刑事』の原廣利。「日本ボロ宿紀行」では撮影監督を務め、多くのドラマ作品を演出している。長編映画の監督を務めるのは今回で2作目となる。また、物語の舞台として、原作では架空の土地だったが、映画では愛知県に設定。蒲郡市を中心に県内で全てのロケを実施し、本物の桜が咲き誇る中、カタルシスへ誘う映像美によりラストシーンを作り上げた。映画『朽ちないサクラ』あらすじ愛知県平井市在住の女子大生が、度重なるストーカー被害の末に、神社の長男に殺害された。地元新聞の独占スクープ記事により、警察が女子大生からの被害届の受理を先延ばしにし、その間に慰安旅行に行っていたことが明らかになる。県警広報広聴課の森口泉は、親友の新聞記者・津村千佳が約束を破って記事にしたと疑い、身の潔白を証明しようとした千佳は、1週間後に変死体で発見される。自分が疑わなければ、千佳は殺されずに済んだのに。自責と後悔の念に突き動かされた泉は、自らの手で千佳を殺した犯人を捕まえることを誓う。【作品詳細】映画『朽ちないサクラ』公開日:2024年6月21日(金)監督:原廣利脚本:我人祥太、山田能龍原作:柚月裕子『朽ちないサクラ』(徳間文庫)出演:杉咲花、萩原利久、森⽥想、坂東⺒之助、駿河太郎、遠藤雄弥、和⽥聰宏、藤⽥朋⼦、豊原功補、安田顕配給:カルチュア・パブリッシャーズ
2024年02月06日"開花"がコンセプトの日本限定ロゼ・シャンパーニュ優雅に咲き誇る可憐な日本の花々にインスパイアされた「ペリエ ジュエ ベル エポック フロレサンス2015」。"開花"を意味する「フロレンス」の名を冠して誕生したシャンパーニュは、軽やかでフレッシュな味わいでありながら、芳醇な花々が香り立つ。生命エネルギー感じる特別パッケージフランスのアーティストであるガランス・ヴァレが"開花"をコンセプトに手掛けた、フロントラベルとギフト箱も見逃せない。有機的な形状で構成されたデザインは、“鉱物・動物・植物”を抽象的に表しているのが特徴だ。また縦方向のグラデーションは、生命体の連続性を連想させる。【詳細】ペリエ ジュエ ベル エポック フロレサンス2015 ギフト箱入り取扱場所:全国主要酒販売店価格:49,005円(編集部調べ)内容量:750ml熟成期間:最低7年【問い合わせ先】ペルノ・リカール・ジャパン株式会社TEL:03-5802-2671
2024年02月03日「孤狼の血」「佐方貞人」「合理的にあり得ない」など数々のシリーズが映像化されている柚月裕子の小説「朽ちないサクラ」を主演・杉咲花にて実写映画化、6月21日(金)より公開決定。ティザービジュアル、杉咲さんらのコメントが到着した。本作は、柚月裕子の「サクラ」シリーズのはじまりとなる「朽ちないサクラ」(徳間文庫)が原作。本来捜査する立場にない県警の広報職員を主人公に、親友の変死事件の謎を独自に調査し、事件の真相と、次第に浮かび上がる“公安警察“の存在に迫っていく異色の警察小説。発行部数は続編の「月下のサクラ」と合わせて累計27万部を刊行する人気シリーズとなっている。主人公の県警・広報職員26歳の森口泉を演じるのは、『市子』『52ヘルツのクジラたち』『片思い世界』と映画での主演が続き、若手随一の実力派として絶大な信頼を集める杉咲花。単独主演作となる本作では、“事務職のお嬢ちゃん”と呼ばれている泉が自責と葛藤を繰り返しながら、強さを手に入れていく姿を繊細な演技で体現する。杉咲花杉咲さんは「この物語は、ひとりの人物の失敗から始まります。私はその出来事に温もりの眼差しを向けることはできないけれど、失敗に向き合い、責任を取ろうとする姿を見捨ててはいけないと思いました。“再生を見守る”という世の中のあるべき姿のひとつとして、この映画に関わる価値を感じ、緊張を抱きながら演じました」と語り、「いつの日か失敗してしまったことのある誰かにも、他者の失敗を許してあげられない誰かにも、この映画が届いてほしいです」とコメントを寄せる。また、メガホンをとる原廣利は、『帰ってきた あぶない刑事』(5月24日公開)の監督に抜擢された注目監督。WOWOWオリジナルドラマ「ウツボラ」(23)や撮影監督も務めた「日本ボロ宿紀行」(19年/テレビ東京)など多くのドラマ作品を演出し、長編映画は本作が第2作となる。警察ミステリー×サスペンスという王道のエンターテインメントに洗練されたノワールの味つけを施し、主人公が己の正義感に目覚めていく成長譚として描いた。「タイトルにある通り『サクラ』がキーワード」という監督は、「『正義』とは一体何か?それぞれの『正義』が交錯する時に、サクラを魅せることで物語の骨格を表現したい。スタッフ・キャストと共に考え、アイディアを出し合い、全力で撮影していきました」とふり返ってコメント。「森口泉を演じる杉咲花さんの真っ直ぐ真相を見つめる眼は、僕自身何度も鳥肌が止まりませんでした」と明かす。なお、原作の舞台は架空の土地だったが、映画では舞台を愛知県に設定、2023年3月~4月に蒲郡市を中心に県内でオールロケを敢行。本編で咲き誇っている美しい桜は全て本物。杉咲さん演じる泉が桜吹雪の中である決意を固め、前を向くラストシーンのカタルシスと映像美が、ジャンル映画の枠を打ち破るものとなっている。そして今回解禁となったティザービジュアルは、本作の重要なシーンが撮影された川に、真っ赤なワンピースを着た杉咲さん演じる泉が素足のまま凛と佇み、背景にはタイトルにもある「サクラ」がまさしく満開に咲き誇ったもの。その様子が水面に静かに映り込み、本作の主人公の美しさと儚さ、そして内に秘めた強さを合わせ持つ姿を印象的に表現したビジュアルが完成。2023年3月、ロケ地にて満開を迎えた本物の桜と晴天が広がる奇跡的なシチュエーションが重なり撮影が行われた。原作者の柚月裕子は、「この作品は、世の中の理不尽や不条理なことに、懸命に立ち向かっていく人間を書きたくて出来上がったもの」と語り、「主人公の森口泉は、親友の死をきっかけに事件の真相と社会の闇に迫っていきます。泉は、迷いながら、悩みながら、ときに諦めそうになりながらも、必死に前に進んでいきます。がんばる泉を、杉咲花さんがどのように演じてくださるのか、とても楽しみです。泉を、そして作品に登場する人々を応援しています」と映画化に際しコメントを寄せている。『朽ちないサクラ』は6月21日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)
2024年02月03日杉咲花主演で、町田そのこによる本屋大賞受賞のベストセラーを映画化した『52ヘルツのクジラたち』から、呼応し合う魂が紡ぐ切なる“愛の物語”をとらえた場面写真が一挙に解禁された。本予告が解禁されるや、「予告を見ただけで原作を思い出して、胸がいっぱいになって、泣きそうになりました」「予告だけで泣ける。観に行きます。」「人生を見つめなおすキッカケになった物語」とすでに多くの反響が寄せられている本作から、この度、杉咲さん演じる貴瑚の人生に交差する人々の場面写真が解禁。傷を抱え、東京から海辺の街の一軒家へと移り住んできた貴瑚は、虐待され、声を出せなくなった「ムシ」と呼ばれる少年と出会う。かつて自分も家族に虐待され、搾取されてきた彼女は、少年を見過ごすことができず、一緒に暮らし始める。やがて、夢も未来もなかった少年に、たった一つの“願い”が芽生える。その願いをかなえることを決心した貴瑚は、自身の声なきSOSを聴き取り救い出してくれた、いまはもう会えない安吾とのかけがえのない日々に想いを馳せ、あの時、聴けなかった声を聴くために、もう一度立ち上がる。過去と現在を交差させながら物語を描く本作。解禁された場面写真では、貴瑚の声なきSOSを聴き取り救い出してくれた安吾(志尊淳)とのかけがえのない日々を切り取ったシーン。数年後、新たな人生を歩く貴瑚が「ムシ」と呼ばれる少年と出会うシーンをはじめ、高校時代からの親友・牧岡美晴(小野花梨)との仲睦まじい様子。初めての恋人・新名主税(宮沢氷魚)とのシーン、さらに安吾とその母親が手を握り合うシーンなど、貴瑚と貴瑚の人生に交差する人々の様々なシーンが映し出されている。原作者・町田そのこも脚本段階から「自分の頭の中で描いていた世界、ひとびとが、くっきり浮き出てくる気配をひしひしと感じて、震えました」とコメントしている通り、若手最旬俳優たちの競演と、『八日目の蝉』をはじめ様々な形の家族を見つめてきた成島出監督が作り出す、切なくも愛おしい世界観に期待が高まる。『52ヘルツのクジラたち』は3月1日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:52ヘルツのクジラたち 2024年3月1日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開©2024「52ヘルツのクジラたち」製作委員会
2024年01月26日「第78回毎日映画コンクール」の受賞結果が発表され、阪本順治監督・黒木華主演の『せかいのおきく』が日本映画大賞など最多3冠。男優主演賞には『エゴイスト』の鈴木亮平、女優主演賞には『市子』の杉咲花が選ばれた。カンヌ国際映画祭よりも長い歴史を持つ「毎日映画コンクール」は、1946年(昭和21年)、日本の映画産業の振興に寄与し、国民に映画の楽しさを広く伝えることを目的に、毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社によって創設された国内最高峰の映画賞。演技、作品はもちろん、撮影や美術、録音などのスタッフなど幅広い受賞部門を設けている。今回は、2023年1月1日から12月31日までに国内で14日間以上、有料で劇場公開された作品。なお、アニメーションおよびドキュメンタリー部門は、同期間に完成もしくは上映された作品が対象となった。日本映画大賞に輝いたのは、『せかいのおきく』。日本映画優秀賞は塚本晋也監督・趣里主演の『ほかげ』が受賞。『ほかげ』男優助演賞には『エゴイスト』の宮沢氷魚、女優助演賞には『キリエのうた』の広瀬すずが受賞。また、スポニチグランプリ新人賞は『さよなら ほやマン』のアフロ、『BAD LANDS バッド・ランズ』のサリngROCKに贈られる。田中絹代賞は薬師丸ひろ子が受賞となる。アニメーション映画賞は『アリスとテレスのまぼろし工場』(岡田麿里監督)、大藤信郎賞はハリウッドでも注目を集める『君たちはどう生きるか』(宮崎駿監督)、ドキュメンタリー映画賞は『「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち』(寺田和弘監督)がそれぞれ受賞。『アリスとテレスのまぼろし工場』外国映画ベストワン賞は『TAR/ター』(トッド・フィールド監督)が選ばれ、さらに特別賞は鈴木敏夫(プロデューサー)に決定。『TAR/ター』また、映画ファンが選ぶTSUTAYA DISCAS映画ファン賞・日本映画部門は、『劇場版美しい彼~eternal~』(酒井麻衣監督)、外国映画部門は『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート監督)が受賞する。なお、表彰式は、めぐろパーシモンホールで2月14日(水)に開催が予定されている。第78回毎日映画コンクール受賞結果日本映画大賞:『せかいのおきく』(阪本順治監督)日本映画優秀賞:『ほかげ』(塚本晋也監督)外国映画ベストワン賞:『TAR/ター』(トッド・フィールド監督)男優主演賞:鈴木亮平『エゴイスト』『エゴイスト』女優主演賞:杉咲花『市子』『市子』男優助演賞:宮沢氷魚『エゴイスト』女優助演賞:広瀬すず『キリエのうた』スポニチグランプリ新人賞(男性):アフロ『さよなら ほやマン』スポニチグランプリ新人賞(女性):サリngROCK『BAD LANDS バッド・ランズ』監督賞:石井裕也『月』『月』脚本賞:阪本順治『せかいのおきく』撮影賞:鎌苅洋一『月』美術賞:上條安里『ゴジラ-1.0』音楽賞:ジム・オルーク『658km、陽子の旅』録音賞:志満順一『せかいのおきく』アニメーション映画賞:『アリスとテレスのまぼろし工場』(岡田麿里監督)大藤信郎賞:『君たちはどう生きるか』(宮崎駿監督)『君たちはどう生きるか』ドキュメンタリー映画賞:『「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち』(寺田和弘監督)TSUTAYA DISCAS映画ファン賞・日本映画部門:『劇場版美しい彼~eternal~』TSUTAYA DISCAS映画ファン賞・外国映画部門:『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』田中絹代賞:薬師丸ひろ子特別賞:鈴木敏夫(スタジオジブリ プロデューサー)(シネマカフェ編集部)■関連作品:アリスとテレスのまぼろし工場 2023年9月15日より全国にて公開(c)新見伏製鐵保存会エゴイスト(2023) 2023年2月10日より全国にて公開© 2023 高山真・小学館/「エゴイスト」製作委員会TAR/ター 2023年5月12日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 FOCUS FEATURES LLC.エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 2023年3月3日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.せかいのおきく 2023年4月28日より全国にて公開©2023 FANTASIA君たちはどう生きるか 2023年7月14日より公開©2023 Studio Ghibli美しい彼~special edit version~ 2023年3月10日よりTOHOシネマズ池袋ほかにて1週間限定公開©「美しい彼」製作委員会・MBSキリエのうた 2023年10月13日より全国にて公開Ⓒ2023 Kyrie Film Band月 2023年10月13日より新宿バルト9、ユーロスペースほか全国にて公開(C)2023『月』製作委員会ほかげ 2023年11月25日よりユーロスペースほか全国にて順次公開©2023 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER市子 2023年12月8日よりテアトル新宿、TOHOシネマズシャンテほか全国にて公開©2023 映画「市子」製作委員会
2024年01月19日杉 良太郎杉 良太郎の最新曲「花のふるさと」が、有線演歌歌謡曲リクエストランキング(2024/1/17付)で1位を獲得した。「花のふるさと」は、和歌山県にある「絶景の宝庫 和歌の浦」として日本遺産に認定された和歌の浦を舞台にした楽曲。自身の作詞で歌詞には、「桃の香り」や「紀の川」、「みかんの花」など、和歌山の風景や自然などが盛り込まれ、歌の力でふるさとを元気にしたいという杉 良太郎の想いのもと、ふるさとを出て自立するときの心情など等誰もが経験する懐かしい気持ちを代弁している楽曲となっている。ふるさとを離れて暮らす人が故郷を懐古し心温まる楽曲として、多くのカラオケユーザーに好評を得て今回の有線チャート1位に繋がった。杉自身にとっては「すきま風」以来約48年ぶりの有線チャート1位を獲得。「すきま風」は1976年10月1日にCBSソニーより発売(SRレーベル)され、同年10月27日付けで有線チャート1位となった。48年ぶりのチャート1位は有線チャート史上初となる。杉 良太郎コメント「久しぶりに有線1位となりとても感慨深く、楽曲が好評いただいて大変嬉しく思います。曲を聴いた人がふるさとを思い出すとともに『懐かしいな』『帰りたいな』と思ってもらえたら、うれしいです」リリース情報花のふるさと2023年10月18日発売「花のふるさと」作詞:杉 良太郎作曲:弦 哲也編曲:西村真吾c/w夢追い広場作詞:石川桃瑪作曲:弦 哲也編曲:西村真吾TECA-23024定価:¥1,400(税込)杉 良太郎 / TEICHIKU RECORDS : 杉 良太郎「花のふるさと」Music Video(Short Ver.) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年01月17日東京・有楽町のコニカミノルタプラネタリアTOKYOと、横浜のコニカミノルタプラネタリアYOKOHAMAに併設するカフェ「カフェプラネタリア(Cafe Planetaria)」では、2024年1月4日(木)よりグランドメニューをリニューアル。「カフェプラネタリア」グランドメニューがリニューアル“銀河を旅する途中に出会うカフェ“をコンセプトとした「カフェプラネタリア」は、グランドメニューを一新。より様々な種類の“星空”を味わえるような、美しく不思議なメニューが勢揃いする。「ギャラクシードーナツ」など定番メニューはパワーアップ登場以来長きにわたり愛され続けている人気メニューは、よりパワーアップして登場。幻想的な銀河のグレーズをまとった「ギャラクシードーナツ」や、青く煌めく「ブルーレモネード」とオレンジに輝く「レッドティー」を注いだ“光るボトルドリンク”の「スターリーボトル」といったメニューは、味わい・見栄え共にこだわりが詰め込まれている。カクテル&ノンアルコールカクテルの一部は両館で展開これまでプラネタリアTOKYOもしくはプラネタリアYOKOHAMAのいずれかでしか味わえなかった恒星モチーフのカクテル、惑星モチーフのノンアルコールカクテルなどの一部メニューは、両方の館にて楽しめるように。たとえばカクテルは、オリオン座の真っ赤な超巨星「ベテルギウス」を表した軽やかな1杯がラインナップ。柚子の渋みを味わえるのがポイントだ。一方ノンアルコールカクテルは、太陽系で一番大きな惑星である木星をイメージし、4つのマンゴーを浮かべたスパークリングドリンク「ジュピター」を味わうことができる。各館限定メニューもまた、各館限定メニューも充実。プラネタリアTOKYOでは、星雲をイメージし、紫芋のソフトクリームの周りにふわふわの星雲を配した「ネビュラソフトクリーム(Nebula Soft Serve)」、トッピングの満月が目を惹く、コーヒーゼリーがポイントの「パフェムーン(Parfait Moon)」などを用意する。プラネタリアYOKOHAMAには、バタフライピーバニラアイスや抹茶&ほうじ茶アイス、マンゴーミルクアイスを合わせた青い惑星の「ブループラネットアイスクリーム(Blue Planet Ice Cream by HANDELS VÄGEN)」、太陽や月がテーマのホットドッグなどが揃う。なお「カフェプラネタリア」のメニューは、プラネタリアTOKYOの「DOME1」や、プラネタリアYOKOHAMAのドーム内への持ち込みが可能なため、煌めく星空のもとカクテルやフードをぜひ味わってみて。【詳細】「カフェプラネタリア」グランドメニュー リニューアル発売日:2024年1月4日(木)場所:「コニカミノルタプラネタリアTOKYO」「コニカミノルタプラネタリアYOKOHAMA」内併設「カフェプラネタリア」メニュー例:・ギャラクシードーナツ 580円・スターリーボトル 各1,300円・ネビュラソフトクリーム 650円※コニカミノルタプラネタリア TOKYO限定・ブループラネットアイスクリーム 680円※コニカミノルタプラネタリア YOKOHAMA限定
2024年01月07日杉咲花、志尊淳はじめ最旬キャストが結集して贈る映画『52ヘルツのクジラたち』から、本ポスター・本予告が解禁。金子大地、西野七瀬ほか追加キャストも明らかになった。本屋大賞受賞の傑作ベストセラー小説を成島出監督が映画化した本作。本ポスターは、東京から海辺の街に移り住んだ杉咲さん演じる貴瑚の自宅の広い海を望む象徴的なテラスで、貴瑚を中心に志尊さん演じる安吾と桑名桃李演じる少年が3人で静かに佇んでいるビジュアル。海中を思わせるような幻想的な青が印象的なものとなっている。本ビジュアルの写真を撮影したのは、気鋭の若手写真家・八木咲。海と空の境で、穏やかな表情を浮かべる3人。貴瑚と少年は1つのMP4から流れる音を、イヤフォンを共有し聞いており、安吾は貴瑚を優しく見つめ、貴瑚は安吾のほうを見ているが、目線は交わしていないものとなっている。本予告は、海中で鳴くクジラの声から始まる。「これは、クジラの声?」と尋ねる貴瑚の問いに、「この〈52ヘルツのクジラ〉の鳴き声は、他のクジラたちには聴こえない。世界で一番孤独なクジラって言われてるんだ」と答える安吾。映し出される映像は、岬に立つ貴瑚、見つめる先には、髪の長い少年の後ろ姿。続いて、虐待を受けながらもヤングケアラーとして家族を支える貴瑚の過酷な日常と、虐待の跡を持ち「ムシ」と呼ばれる少年の悲しみがオーバーラップしていく。痛々しい傷を抱え、ふらふらと道路へ歩き出す貴瑚を間一髪救い出したのは、安吾。「何で死のうとしたの?」と問う安吾に、「お母さんが、お父さんじゃなくて私が死ねって、お前が死ねって、だから私死のうと…」と、尋常でない様子で応える貴瑚を思わず抱きとめたのは、貴瑚の高校時代からの親友・牧岡美晴。安吾は優しい笑顔で「三島さん、新しい人生を生きてみようよ」と語りかけ、貴瑚は「生きたい…!」と堰を切ったように泣き出す。転調して流れ出す切なくも明るい主題歌に乗せ、「もう貴瑚さんを自由にしてあげてください」と貴瑚の母に、柔らかい言葉で、でもキッパリと決別を告げる安吾。「人はきっと生まれ変われる。切ない痛みの先で人はもっと優しくなれる」というナレーションの間に差し込まれるのは、貴瑚を優しく抱きしめる宮沢氷魚演じる上司の新名主税の姿と、涙を零す安吾の横顔。切ない表情で貴瑚に「僕は、キナコの幸せを祈ってる」と安吾は告げる――。「私、覚悟を決めたんだよ。聞かせてよ。あんたの声を。私が守るから」と、少年を守る決意に満ちた貴瑚の顔には、かつての弱々しい面影はない。本作で主題歌を担当したのは、若い世代を中心に圧倒的人気を博す「Saucy Dog」。本作のために書き下ろした主題歌のタイトルは「この長い旅の中で」。予告編のクライマックスに流れ、映像を盛り上げる。Saucy Dog本作を手掛けた「Saucy Dog」石原慎也(Vo/Gt)は「僕自身、心から信頼する事がどうも苦手で『どうせ裏切られるかもしれない』『本来の自分を見てくれる人はいるのか?』と思いながらややこしく生きているんですが、そんな自分を1人の人間として見てくれる人が実は沢山いて、ちゃんと怒ってくれたり、心配してくれたり。そんな人を『信頼したい』という思いから作りました」とコメントを寄せた。なお今回、追加キャストも解禁。貴瑚の家の修理を手掛け友人となった村中真帆に金子大地、「ムシ」と呼ばれる少年の母・品城琴美役に西野七瀬、貴瑚の母親・三島由紀役に真飛聖、少年を可愛がっていた元隣人の藤江役に池谷のぶえと実力派が脇を固める。西野七瀬『52ヘルツのクジラたち』は2024年3月1日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:52ヘルツのクジラたち 2024年3月1日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開©2024「52ヘルツのクジラたち」製作委員会
2023年12月25日女優の杉咲花が主演を務める、映画『52ヘルツのクジラたち』(2024年3月1日公開)の本ポスター、本予告、主題歌が25日に公開された。○■映画『52ヘルツのクジラたち』本予告本ポスターは、東京から海辺の街に移り住んだ貴瑚(杉咲花)の自宅のテラスで、貴瑚を中心に安吾(志尊淳)と少年(桑名桃李)が3人で静かにたたずみ群れている様子が切り取られ、海中を思わせるような幻想的な青が印象的なビジュアルとなっている。気鋭の若手写真家・八木咲が写真を撮影した。海と空の境で、穏やかな表情を浮かべる3人。貴瑚と少年はイヤフォンを共有して1つのMP4から流れる音を聞いており、安吾は貴瑚を優しく見つめる、一方、貴瑚は安吾の方を見ているが、目線は交わしていないという図になっている。本予告は海中で鳴くクジラの声から始まり、「これは、クジラの声?」と尋ねる貴瑚の問いに、安吾は「この『52ヘルツのクジラ』の鳴き声は、他のクジラたちには聴こえない。世界で一番孤独なクジラって言われてるんだ」と答える。岬に立つ貴瑚が見つめる先には、髪の長い少年の後ろ姿が。続いて、虐待を受けながらもヤングケアラーとして家族を支える貴瑚の過酷な日常と、虐待の跡を持ち「ムシ」と呼ばれる少年の悲しみがオーバーラップしていく。痛々しい傷を抱え、ふらふらと道路へ歩き出す貴瑚を間一髪救い出したのは安吾で、「何で死のうとしたの?」と問われた貴瑚は「お母さんが、お父さんじゃなくて私が死ねって、お前が死ねって、だから私死のうと……」と、尋常でない様子で答える。そんな貴瑚を思わず抱きとめたのは、貴瑚の高校時代からの親友・牧岡美晴(小野花梨)。安吾は優しい笑顔で「三島さん、新しい人生を生きてみようよ」と語り掛け、貴瑚は「生きたい……!」と堰を切ったように泣き出す。転調して流れ出す主題歌に乗せ安吾は貴瑚の母に「もう貴瑚さんを自由にしてあげてください」と決別を告げる。貴瑚に笑顔が戻り、「人はきっと生まれ変われる。切ない痛みの先で人はもっと優しくなれる。」というナレーションの間に、貴瑚を優しく抱きしめる上司の新名主税(宮沢氷魚)の姿、涙を零す安吾の横顔、切ない表情で貴瑚に「僕は、キナコの幸せを祈ってる」と告げる安吾といった映像が差し込まれる。最後には貴瑚が「私、覚悟を決めたんだよ。聞かせてよ。あんたの声を。私が守るから」と、少年を守る決意に満ちたの表情を見せた。で主題歌を担当したのは、若い世代を中心に人気を博すSaucy Dog。本作のために書き下ろした主題歌「この長い旅の中で」を書き下ろした。また追加キャストも明らかになり、貴瑚の家の修理を手掛け友人となった村中真帆を金子大地、「ムシ」と呼ばれる少年の母 品城琴美を西野七瀬、貴瑚の母親 三島由紀を真飛聖、少年を可愛がっていた元隣人の藤江を池谷のぶえが演じている。○■主題歌担当:Saucy Dog 石原慎也(Vo/Gt) コメント僕自身、心から信頼する事がどうも苦手で「どうせ裏切られるかもしれない」「本来の自分を見てくれる人はいるのか?」と思いながらややこしく生きているんですが、そんな自分を1人の人間として見てくれる人が実は沢山いて、ちゃんと怒ってくれたり、心配してくれたり。そんな人を「信頼したい」という思いから作りました。最後のサビの「例えば君がペテン師でも君を信じて後悔したい」というのはそこから来ている僕の感情そのものです。【編集部MEMO】映画『52ヘルツのクジラたち』は、2021年の本屋大賞を受賞し80万部を売り上げるベストセラー小説の実写化作。ある傷を抱え、東京から海辺の街の一軒家に移り住んできた貴瑚(杉咲花)。虐待され「ムシ」と呼ばれる少年(桑名桃李)との出会いが呼び覚ましたのは、貴瑚の声なきSOSを聴き救い出してくれた、今はもう会えない安吾(志尊淳)との日々だった。(C)2024「52ヘルツのクジラたち」製作委員会
2023年12月25日カンヌ国際映画祭よりも長い歴史があり、国内で最も権威と実績を持つ映画賞「第78回毎日映画コンクール」の各賞のノミネート作品、ノミネート者が発表。日本映画大賞・日本映画優秀賞候補作5作品は、『怪物』『ゴジラ-1.0』『せかいのおきく』『福田村事件』『ほかげ』となった。『万引き家族』でカンヌ国際映画祭最高賞パルム・ドールに輝いた是枝裕和監督が、「今一番リスペクトしている」と語る脚本家の坂元裕二と初タッグを組んだ『怪物』が最多9部門ノミネート。『ゴジラ-1.0』次いで、貧しくもたくましく生きる長屋の住人たちを阪本順治監督がみずみずしく描いた『せかいのおきく』が8部門ノミネート。『せかいのおきく』今年を代表する話題作、秀作、力作、優れた映画スタッフらが揃った。受賞作・受賞者発表は2024年1月下旬となっている。第78回毎日映画コンクール主なノミネート作品(者)【作品部門】<日本映画大賞、日本映画優秀賞>『怪物』『ゴジラ-1.0』『せかいのおきく』『福田村事件』『ほかげ』<外国映画ベストワン賞>『EO イーオー』『イニシェリン島の精霊』『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』『TAR/ター』『フェイブルマンズ』『別れる決心』【俳優部門】<男優主演賞>綾野剛『花腐し』稲垣吾郎『正欲』鈴木亮平『エゴイスト』藤竜也『高野豆腐店の春』横浜流星『春に散る』『エゴイスト』<女優主演賞>安藤サクラ『BAD LANDS バッド・ランズ』黒木華『せかいのおきく』菊地凜子『658km、陽子の旅』趣里『ほかげ』杉咲花『市子』『市子』<男優助演賞>磯村勇斗『月』宇崎竜童『BAD LANDS バッド・ランズ』加瀬亮『首』宮沢氷魚『エゴイスト』永山瑛太『福田村事件』『首』<女優助演賞>阿川佐和子『エゴイスト』安達祐実『春画先生』田中裕子『怪物』広瀬すず『キリエのうた』二階堂ふみ『月』『キリエのうた』<スポニチグランプリ新人賞・男性>アフロ『さよなら ほやマン』池川侑希弥『雑魚どもよ、大志を抱け!』黒崎煌代『さよなら ほやマン』黒川想矢『怪物』塚尾桜雅『ほかげ』柊木陽太『怪物』『怪物』<スポニチグランプル新人賞・女性>アイナ・ジ・エンド『キリエのうた』石田夢実『遠いところ』サリngROCK『BAD LANDS バッド・ランズ』當真あみ『水は海に向かって流れる』東野絢香『正欲』山崎七海『渇水』『水は海に向かって流れる』【スタッフ部門】<監督賞>石井裕也『月』是枝裕和『怪物』阪本順治『せかいのおきく』塚本晋也『ほかげ』森達也『福田村事件』山崎貴『ゴジラ-1.0』<脚本賞>足立紳、松本稔『雑魚どもよ、大志を抱け!』荒井晴彦、中野太『花腐し』佐伯俊道、井上淳一、荒井晴彦『福田村事件』阪本順治『せかいのおきく』坂元裕二『怪物』港岳彦『正欲』『正欲』<対象作品>2023年1月1日から12月31日までに国内で14日間以上、有料で劇場公開された作品。なお、アニメーションおよびドキュメンタリー部門は、同期間に完成もしくは上映された作品が対象。<表彰>▽作品部門=日本映画大賞日本映画優秀賞外国映画ベストワン賞▽俳優部門=男優主演賞女優主演賞男優助演賞女優助演賞スポニチグランプリ新人賞▽スタッフ部門=監督賞脚本賞撮影賞美術賞音楽賞録音賞▽ドキュメンタリー部門=ドキュメンタリー映画賞▽アニメーション部門=アニメーション映画賞大藤信郎賞▽TSUTAYADISCAS映画ファン賞▽田中絹代賞▽特別賞<発表>2024年1月下旬の毎日新聞、スポーツニッポン新聞紙上(シネマカフェ編集部)■関連作品:エゴイスト(2023) 2023年2月10日より全国にて公開© 2023 高山真・小学館/「エゴイスト」製作委員会福田村事件 2023年9月1日よりテアトル新宿、ユーロスペースほか全国にて公開(c)「福田村事件」プロジェクト2023正欲 2023年11月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開ⓒ 2021 朝井リョウ/新潮社ⓒ 2023「正欲」製作委員会怪物 2023年6月2日より全国にて公開©2023「怪物」製作委員会せかいのおきく 2023年4月28日より全国にて公開©2023 FANTASIAキリエのうた 2023年10月13日より全国にて公開Ⓒ2023 Kyrie Film BandBAD LANDSバッド・ランズ 2023年9月29日より全国にて公開©2023「BAD LANDS」製作委員会月 2023年10月13日より新宿バルト9、ユーロスペースほか全国にて公開(C)2023『月』製作委員会ゴジラ-1.0 2023年11月3日より全国東宝系にて公開©2023 TOHO CO.,LTD.ほかげ 2023年11月25日よりユーロスペースほか全国にて順次公開©2023 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER高野豆腐店の春 2023年8月18日より公開市子 2023年12月8日よりテアトル新宿、TOHOシネマズシャンテほか全国にて公開©2023 映画「市子」製作委員会
2023年12月21日杉咲花主演最新作『市子』よりオフショットが解禁された。先週ついに公開を迎え、週末には満席が続出するなど大きな反響を呼んでいる本作。この度解禁されたのは、主人公・市子を演じる杉咲花と、その恋人役・若葉竜也、ともに撮影から一般公開までの道のりを全力で走り続けた戸田彬弘監督との撮影現場のオフショット。杉咲さんと若葉さんの写真には、笑顔で“戸田組『市子』”の看板を持ち、ピースサインをする2人の様子が収められている。本作が3度目の共演となり、お互いに信頼を寄せ合う2人。杉咲さんは若葉さんについて、「今回で3回目の共演で、とても信頼している方だからこそ、初共演の方とは違った安堵感もありました」と話し、また若葉さんも「技術じゃ到底たどり着けないところに杉咲さんはフワッとジャンプしてタッチしてくるんです。芸歴とかそういうことでは出せないような表現をしてくる」と杉咲さんを称賛。さらにもう1枚、杉咲さんと戸田監督の写真は、杉咲さんが最後の撮影を終え、クランクアップした時を捉えたもの。花束を抱き、監督と笑顔で写る杉咲さんだが、今回初参加となった戸田組での撮影について「素晴らしい製作陣の方々が集まって映画を作れたことを幸せに思っていますし、最高の経験になったと思っています」とふり返る。また現場での様子については若葉さんも、「杉咲さんをはじめ、あの現場にいる1人1人が、プロとして思考を巡らせていたような気がします」と口を揃えた。公開初日に行われた戸田監督のティーチインイベントでは、「杉咲さんの演技は、言葉にできないような一瞬の表情を表現されるのがすごく魅力的」とコメント。「何度もテストを重ねた上での撮影だったのか」と観客から質問された戸田監督は、「技術部のテストは実施しながらも、俳優陣の芝居に関しては、動きだけを確認していました」と、実際に演じてもらったのは、本番のみが多かったことを明かした。特にプロポーズのシーンでは、本番まで杉咲さんは若葉さんの目を見ずに過ごしたという。本番で初めて2人が目を合わせて演技をしたことで、「自然と市子(杉咲)の目から涙が溢れてしまって、あのようなシーンが撮れた」と、撮影秘話を明かした。また公開後、本作がフィクションでありながら「市子がどこかにいるんじゃないかと探してしまう」という感想を多数見た戸田監督は、「僕も杉咲さんも、観てくれた方々がそういう風に感じてくれることを目指して作ったこともあり、すごく嬉しい」と話し、観客からの「これから生きていく上でも考えさせられる映画になりました」などの声にも喜びを嚙み締めていた。戸田組のキャスト・スタッフが、一丸となって作り上げた本作。そこに込められた熱いメッセージを本編でも感じてほしい。『市子』は全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:市子 2023年12月8日よりテアトル新宿、TOHOシネマズシャンテほか全国にて公開©2023 映画「市子」製作委員会
2023年12月15日杉咲花主演、『八日目の蝉』成島出監督で本屋大賞受賞のベストセラーを映画化した『52ヘルツのクジラたち』から、宮沢氷魚、小野花梨、桑名桃李、余貴美子、倍賞美津子の出演が発表された。これまでに、自分の人生を家族に搾取されてきた三島貴瑚役を演じる主演・杉咲さんと、貴瑚の声なきSOSを聴き、救い出し支える岡田安吾役の志尊淳の2名が発表されている本作。新たな追加キャストとしては、職場の上司で貴瑚の初めての恋人となる新名主税(にいな・ちから)役に、『エゴイスト』でアジア・フィルム・アワード最優秀助演男優賞を受賞するなど、いま最も旬な若手俳優の宮沢氷魚。貴瑚の高校時代からの親友・牧岡美晴(まきおか・みはる)役には、長い芸歴を持ち、確かな存在感を光らせる小野花梨。東京からやってきた貴瑚と出会う、母親に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年役には、本作オーディションで抜擢され映画初出演となる桑名桃李(くわな・とうり)。岡田安吾の母・岡田典子(おかだ・のりこ)役に余貴美子、少年を助けようとする貴瑚たちを見守る、貴瑚の祖母を知る村中サチエ(むらなか・さちえ)役に倍賞美津子。傷つきながらももう一度立ち上がろうとする貴瑚を取り巻く人々の、それぞれに抱える事情や、変化していく心情が豪華俳優陣により繊細に紡がれている。本作は東京を皮切りに、大分・北九州での撮影を経て無事にクランクアップ。今回併せて宮沢さん、小野さん、桑名さんからのクランクアップコメントも到着した。クランクアップコメント到着宮沢氷魚:新名主税役/職場の上司。貴瑚に新しい世界を見せてくれた初めての恋人脚本を読んで、自分が当たり前だと思っていた価値観が揺らぐような感覚になりました。この作品は、悩みとか過去の苦しみを乗り越えていく人物を見事に表現している作品だと思うので、この映画を観てくださる方々が、自分自身と向き合うきっかけになるといいなと思っています。小野花梨:牧岡美晴役/貴瑚の高校時代からの親友憧れの、本当に長年憧れていた成島組に参加させていただきましたが、自分の未熟さもあって、喜びを噛み締めるというよりも、嵐の中にいるような日々でした。懸命に過ごした日々がスクリーンにどのように映っているのか、成島監督がどんな風に作ってくださったのか、映画を観るのがとても楽しみでもあり、ちょっぴり恐怖でもあり、今はそんな不思議な気持ちです。桑名桃李:母親に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年役あっという間に撮影が終わって、ちょっと寂しいのと、無事に終えられてよかったという気持ちです。ありがとうございました。『52ヘルツのクジラたち』は2024年3月1日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:52ヘルツのクジラたち 2024年3月1日よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開©2024「52ヘルツのクジラたち」製作委員会
2023年12月14日女優の杉咲花が主演を務める映画『市子』(12月8日公開)の場面写真が、公開された。○■杉咲花、恋人役・若葉竜也は「ものすごく熱を帯びた人」今回公開されたのは、市子(杉咲)と恋人・長谷川(若葉竜也)の2人が、居酒屋のカウンター越しに満面の笑みを見せる場面写真。市子は長谷川からプロポーズを受けた翌日に姿を消してしまうが、それまで共に過ごした2人の幸せな時間を描き出している。戸田彬弘監督はキャスティングにおいて、市子については朗らかさと底知れない怖さを表現できる人物、恋人役・長谷川については“この人となら安心して、そばにいられる”と市子が思えるような雰囲気を出せる人物にお願いしたいと考えていたそう。杉咲も共演の若葉に対し、「これ以上はないんじゃないかっていうぐらい安心感を与えてくださる方。こちらが火傷してしまうのではないかと思うぐらいものすごく熱を帯びた人で、それだけ作品や出会った人たちに対しての愛情が深い方だと思っています」とコメントしている。【編集部MEMO】映画『市子』は、戸田彬弘監督が主宰する劇団チーズtheater旗揚げ公演作品でもあり、サンモールスタジオ選定賞2015では最優秀脚本賞を受賞した舞台の映画化作。川辺市子(杉咲花)は、3年間一緒に暮らしてきた恋人の長谷川義則(若葉竜也)からプロポーズを受けた翌日に、忽然と姿を消す。途方に暮れる長谷川の元に市子を探しているという刑事・後藤(宇野祥平)が現れ、これまで彼女と関わりがあった人々から証言を得ていく長谷川は、かつての市子が違う名前を名乗っていたことを知る。市子が置いていったカバンの底から発見した写真の裏に書かれた住所を訪ねると、彼女が生きてきた壮絶な過去と真実を知ることになる。
2023年12月12日杉咲花の単独初主演映画となる『市子』が、12月8日に劇場公開を迎えた。恋人にプロポーズされた翌日に、姿を消した女性・市子。彼女が抱える秘密と他者に背負わされてしまった業(ごう)が次第に明らかになっていく“人間の尊厳を問う”力作だ。映画『トイレのピエタ』や『湯を沸かすほどの熱い愛』『楽園』、NHK連続テレビ小説「おちょやん」、アニメーション映画『メアリと魔女の花』等々、幅広い活躍を見せ続ける杉咲さんだが、『市子』はひとつのターニングポイントになるのではないか?と思わせる体当たりの熱演を見せている。改めて俳優・杉咲花の魅力を紐解いていきたい。なお、杉咲さんについて考えるうえで、本稿では「演技(スクリーンの中)」「俳優(スクリーンの外)」の2つの項目に沿って進めていく。通常、書き手にとって後者はなかなか材料に乏しいものだが、取材の前後等で彼女の作品に対する責任感や、俳優としての信念に触れる機会に恵まれたため、その姿勢から受け取ったものを一端でも言語化できればと思う。人物の“心”をおろそかにしない真摯さ杉咲さんの演技において、強く印象に残るのは“痛みの感度”だ。俳優の表現力が称賛されるトピックのひとつに「泣きの演技」があるが、彼女の場合はその根源にある感情への潜り込みとそこからの表出が卓越している。つまり、「泣く」のはあくまで結果であって、重要なのは心であるということ。演者として求められる“画”に応えるために「泣く」必要があったとしても、そのゴールに至る感情の積み上げというプロセスの構築がとかく繊細かつ丁寧なため、観る側においては「それは泣いてしまうだろうな」と違和感なく思えてしまう。涙は、感情が高まった結果流れるものだ。そして、感情が高まっているのに泣けないなんてことは日常生活でごまんとある。自制していたり、涙が出ないことで自分でも動揺してしまったり……。見た目で「哀しい」とわからなくても、心は一色に染め上げられている状態。そうした当人のリアルを理解し、シンクロして他者にもわかる表現にまで昇華する。その途方もない役への優しさは、杉咲さん独自のものであろう。『楽園』では、親友が失踪した事件の傷を12年もの間引きずる女性の“内に込めた哀しみ”を見事に魅せきった。自分に非はなくとも、二次被害に遭ってしまう絶望と理不尽にさらされながら、表出を意識的に止めてしまっているさまを解像度高く伝えきれたのは、杉咲さんだからこそであろう。直近の出演作『法廷遊戯』の終盤でみせる感情の爆発には圧倒されるが、ただ「演技が凄い」のではなく、一言では言い表せられない「人間そのもの」を感じさせられるから胸を打たれるのだ。その真骨頂といえる『市子』では、杉咲さんは表層的な「可哀想な人物」として彼女を演じていない。他者的な憐憫にとどまらず、本人の複雑な心模様――利己的なしたたかさも臆せずに表出している。2024年3月公開予定の『52ヘルツのクジラたち』でも、必ずや抜群の“心の解像度”を見せてくれることだろう。“信じられる”存在であり続けるこれは個人の感覚だが、我々が生きるいまは“不信の時代”であろう――と思わずにはいられない。社会や世界が不安定ななかで何を信じていいのかわからない、他者を信じていたのに裏切られた/幻滅した、というケースがあまりに多すぎて疲弊してしまい、傷つかないために何事にも一定の距離を取るようになってしまった。ある種、諦念と警戒心に支配されがちで、逆にいえば「信じたい」という願いが強まっている状態――。それを個人に限定せず、時代のひとつの風と捉えるなら、こと俳優においては求められる領域が拡張していることだろう。そんななかで、杉咲さんはスクリーンの中と外で、その真摯さに差をまるで感じさせない。役の人生を背負いながら、作品が照射する社会に横たわる課題や問題から目を背けず、何を伝えられるのか・どういった影響や余波が懸念されるのかについて向き合い続けている。演じてそれで終わりにするのではなく、考え続けるということ。インタビュー等の場で、作品を背負って発言する際に多忙の合間を縫って学び、準備し、熟慮しながら言葉を紡いでいく姿を何度も目にしてきた。こうした陰の努力は言葉通り、画面に映らない部分ではある。ただ、杉咲花という俳優を語るうえで「これ抜きには成立しない」と思ってしまうほど強固な特長であり、先に挙げた彼女独自の芝居の繊細さや練度にも直結する精神でもあるため、この場を借りて少しだけ紹介させていただきたい。他者が手放しで「信じられる」存在であり続けること――。俳優・杉咲花は、どこまでも高潔な演じ手なのだ。(SYO)■関連作品:市子 2023年12月8日よりテアトル新宿、TOHOシネマズシャンテほか全国にて公開©2023 映画「市子」製作委員会
2023年12月09日杉咲花主演『市子』より本編映像が解禁された。監督を務める戸田彬弘が主宰する劇団チーズtheater旗揚げ公演作品でもあり、サンモールスタジオ選定賞2015で最優秀脚本賞を受賞した舞台「川辺市子のために」を原作とする本作。この度解禁された本編映像では、涙のプロポーズの翌日、恋人・長谷川(若葉竜也)の帰宅を前に窓から飛び降り逃げ出す市子(杉咲花)の緊迫した様子が切り取られている。長谷川の留守中、なにやら荷物をカバンに詰め込んでいる市子。目の前のTVからは物騒なニュースが流れている。東大阪市・生駒山での遺体発見のニュース。「司法解剖の結果、死後8年以上経過しているとの…」報道を見ていた市子が同時に耳にしたのは、間もなく自宅に着きそうな、家に帰ってくる長谷川の原付バイクの音。市子はカバンに荷物を入れる手を止める。駐輪場から自室への階段を登る長谷川、市子は詰め込んだ荷物と共にベランダへと急ぐ。そして長谷川が玄関を開ける間一髪のタイミングで、市子は窓から飛び降り、全力疾走で駆けていく。テレビがつけっぱなしの部屋を見渡し市子を探す長谷川は、開けっ放しになっている窓と不自然に置かれたカバンを見つけ、表情を曇らせる。映像の最後には、不穏な音楽とともに、不気味に照らされたトンネルの中を、市子が全速力で駆け抜けていく…。物語の発端となる重要な一幕が映し出されている。市子を演じた杉咲さんは、芝居における個人の納得と、作品としてのバランスについて、「絶対に主観的になってしまうから、客観性との距離感を計るのが難しかったです」と話す。その上で本作においては、「戸田監督の中に迷いがなかったので、そこに対する信頼感はとてもありました」と、戸田監督とともに走り切ったことを明かす。一方戸田監督も杉咲さんに対して、「杉咲さんは一瞬一瞬を大事に演じられる方だな、という印象を受けました」と話し「僕自身も、ロケーションやその日の天候、俳優さんのお芝居における1テイク目とアングルを変えた2回目のテイクと……すべて同じものはないと映画を撮る上では考えており、そういった意味での価値観みたいなものが似ていたので、すごくやりやすかったですね」と、杉咲さんとの初タッグをふり返る。その上で、「杉咲花という女優さんについて触れますと──凄かったの一言でもありますが、誠実で愛情深く、丁寧に役を心で感じ取る魅力的な方でした」と改めて杉咲さんを絶賛している。『市子』はTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:市子 2023年12月8日よりテアトル新宿、TOHOシネマズシャンテほか全国にて公開©2023 映画「市子」製作委員会
2023年12月08日俳優の志尊淳が、杉咲花が主演を務める映画『52ヘルツのクジラたち』(2024年3月1日公開)に出演することが6日、明らかになった。町田そのこ氏の同名小説を実写映画化した同作。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・三島貴瑚(杉咲)が、海辺の町で「ムシ」と呼ばれ虐待させる少年と出会い、安吾との日々を思い返す。志尊は、貴瑚(杉咲)の声なきSOSを聴き、救い出そうとするトランスジェンダー・岡田安吾役で出演。精神的にも肉体的にもギリギリの状態だった貴瑚と出会い、彼女の幸せを心から願いながらも、自身も孤独な魂を抱えているという役どころだ。コメントは以下の通り。○■志尊淳お話をいただいて初めて原作を手に取りましたが、一読者として夢中になって一気に読みました。この本を映画化する社会的な意義を強く感じた一方、自分がアンさん(安吾)を演じることで、トランスジェンダーの方々を傷つけるようなことにならないかと最初は不安でしたが、監督の覚悟を聞いて成島組の船に乗りたいと思いました。現場では、本作に俳優としても出演していて、脚本の段階からトランスジェンダーをめぐる表現を監修いただいている若林佑真さんと、二人三脚でアンさんを作り上げていきました。全シーン、全セリフ、すべてに一緒に向き合ってくれ、背中を押してくれたことで、安心して役に臨むことができましたし、僕も悔いがないようにこれ以上ないというところまで考え抜いて演じ切ることができたと思っています。アンさんを演じる中で、杉咲さん演じる貴瑚の全てを受け止めたいと臨み、クランクアップに際して、そうした関係を築けたことを実感しました。僕の撮影最終日、貴瑚を大分に置いて帰れるか心配でしたが、たくましくなった貴瑚の姿を見て、全スタッフさんに「花ちゃんをよろしくお願いします」と伝えアップすることができました。○■成島出監督志尊さんが瑯壬生(ろうみお)役を演じた野田マップ「Q:A Night at the Kabuki」の初演と再演を二本とも拝見し、初演から再演にかけての素晴らしい成長にとても驚き、バックステージでどれだけ努力を積んでいる人なのかと注目してきました。実際お会いしてみると、選ぶ言葉がとても的確でクレバーで信用できる俳優だと感じ、ぜひ彼にこそ、アンさんを演じてほしいと今回お願いするに至りました。原作におけるアンさんは「アンパンマン」みたいな存在として表現されていますが、志尊さんの持つ温かな人柄も、まさにアンさんだと、撮影を通じ確信しました。【編集部MEMO】映画『52ヘルツのクジラたち』は、2021年の本屋大賞を受賞し、すでに80万部を売り上げるベストセラー小説の実写化作。ある傷を抱え、東京から海辺の街の一軒家に移り住んできた貴瑚(杉咲花)。虐待され「ムシ」と呼ばれる少年との出会いが呼び覚ましたのは、貴瑚の声なきSOSを聴き救い出してくれた、今はもう会えない安吾(志尊淳)との日々だった。2024「52ヘルツのクジラたち」製作委員会
2023年12月06日志尊淳が、杉咲花を主演に迎えた成島出監督最新映画『52ヘルツのクジラたち』に出演決定。公開日も2024年3月1日(金)に決定した。町田そのこによる原作小説(中央公論新社)は、2021年の本屋大賞を受賞し、すでに80万部を売り上げる圧巻の傑作ベストセラー小説。「52ヘルツのクジラ」とは、ほかの鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラのこと。たくさんの仲間がいるはずなのに、何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている――。杉咲さん演じる主人公・貴瑚の声なきSOSを聴き、救い出そうとする岡田安吾(おかだ・あんご)役を、今年NHK連続テレビ小説「らんまん」での好演が話題を呼び、高橋文哉とW主演を務めるTBS系ドラマ「フェルマーの料理」でも圧倒的な存在感を放つ志尊淳。安吾は、精神的にも肉体的にもギリギリの状態だった貴瑚と出会い、彼女を救い出そうと動き出す塾講師をしているトランスジェンダーの男性。貴瑚の幸せを心から願い行動する安吾は、自身も孤独な魂を抱えた役どころ。本作のオファーを受けて原作を手に取ったという志尊さんは、「一読者として夢中で一気に読みました。僕がアン(安吾)さんを演じることで、トランスジェンダーの方々を傷つけることにならないかと最初は不安でしたが、監督の覚悟を聞いて成島組の船に乗りたいと思いました」とその決意を語る。また、安吾役については「本作に俳優としても出演していて、脚本の段階からトランスジェンダーをめぐる表現を監修いただいている若林佑真(わかばやし・ゆうま)さんと、二人三脚でアンさんを作り上げていきました」とトランスジェンダー男性の俳優として活躍する若林さんと相談しながら真摯に役作りに向き合い、そのキャラクターを作り上げたことについて語る。貴瑚役を演じた杉咲さんとの共演については「アンさんを演じる中で、杉咲さん演じる貴瑚の全てを受け止めたいと臨み、クランクアップに際して、そうした関係を築けたことを実感しました」と、現場での熱い絆についても語った。志尊さんの心を動かした成島監督は、その起用理由を「志尊さんが瑯壬生(ろうみお)役を演じたNODA・MAP『Q:A Night at the Kabuki』の初演と再演を二本とも拝見し、初演から再演にかけての素晴らしい成長にとても驚き、バックステージでどれだけ努力を積んでいる人なのかと注目してきました」と評価。実際の現場での様子を「原作におけるアンさんは“アンパンマン”みたいな存在として表現されていますが、志尊さんの持つ温かな人柄や真摯な姿勢も、まさにアンさんだと、撮影を通じ確信しました」と明かしている。本作は東京を皮切りに大分・北九州での撮影を経て、無事にクランクアップしている。『52ヘルツのクジラたち』は2024年3月1日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:52ヘルツのクジラたち 2024年3月、TOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開予定©2024「52ヘルツのクジラたち」製作委員会
2023年12月06日杉咲花主演の最新映画『市子』が12月8日(金)より全国公開。本作では、朝ドラ「ブギウギ」で気弱なピアニストを演じていた森永悠希が一転、杉咲さん演じる主人公・市子の過去と現在を知る唯一の人物で、ある種の“ヒーロー願望”に憑かれた同級生・北秀和役を演じている。痛ましいほどの過酷な家庭環境で育ちながらも「生き抜くこと」を諦めなかった川辺市子を演じるのは杉咲花。抗えない境遇に翻弄された彼女の壮絶な半生を、凄まじい熱量で体現する一方、市子の知られざる人物像や過去を恋人・長谷川(若葉竜也)ら第三者の目線で浮き彫りにしていく。現在放送中の朝ドラ「ブギウギ」で、ちょっぴり気弱な性格の青年・股野義夫役を演じた森永さんは、杉咲さん演じる市子を執拗に追いかける同級生・北秀和役を怪演。市子の“過去”と“現在”を知る唯一の男として、物語の鍵を握る存在感を放っている。子役からキャリアをスタートさせた森永さんは、その確かな演技力が着実に評価され、映画『しゃべれども しゃべれども』『カノジョは嘘を愛しすぎてる』や『ちはやふる』三部作、「今際の国のアリス」(Netflix)、「王様に捧ぐ薬指」(TBS系)、「ドロップ」(WOWOW)など、数々の映画・ドラマに出演し活躍を続けている。そして、「東京ブギウギ」で知られる歌手・笠置シヅ子をモデルに、趣里がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「ブギウギ」にも出演。主人公・福来スズ子が所属していた梅丸少女歌劇団(USK)の専属ピアニスト・股野義夫役を務めている。自身が得意のピアノを存分に活かせる役どころとなった「ブギウギ」の股野は、オーケストラで伴奏することを夢見る、心優しい青年だ。そんな彼がひそかに想いを寄せていた、スズ子の尊敬する歌劇団の先輩・大和礼子(蒼井優)に勇気を振り絞って告白した際には、その一途な姿に胸を打たれた視聴者も多かっただろう。そんな役どころから一転、本作で森永さんが演じているのは市子の高校時代の同級生で、卒業後も執念深く、彼女に特別な想いを寄せる男・北秀和。少し屈折した“ヒーロー願望”を持ち、市子を執拗に追い続ける。そしてある日、市子の恋人だと名乗る長谷川(若葉竜也)という男が現れ、プロポーズをした翌日に突然失踪した彼女を探しているという。市子について最初は言葉を濁していた北も、長谷川の気迫に負け、堰を切ったように彼女の過去について話し始める――。北は、市子の“過去”だけでなく、“現在”も知る唯一の人物。彼の証言から、市子の壮絶な半生が徐々に明らかになっていく。重要な役どころを演じた森永さんは、本作への出演について「『本当にこれでよかったのか』『別の方法はなかったのか』登場人物たちにそんな思いを馳せながら、完成した作品を観させていただきました。撮影中も似たような自問自答を繰り返しながら演じていましたが、自分のあり方において大切な時間だったと思っています。参加できて光栄でした」とふり返りながら語っている。『市子』は12月8日(金)よりテアトル新宿、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:市子 2023年12月8日よりテアトル新宿、TOHOシネマズシャンテほか全国にて公開©2023 映画「市子」製作委員会
2023年12月05日12月に入って、今年の映画賞が発表され始めている。昨年、『ケイコ 目を澄ませて』が12月16日の公開にもかかわらず、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞をはじめ各賞に輝いたが、今年も、12月8日(金)に公開される『市子』が、後発ながら賞にからむ可能性がでてきた。主演は杉咲花。市子という名の女性の、ミステリアスで壮絶な生き方を描いた衝撃作だ──。『市子』3年間同棲していた恋人・長谷川義則(若葉竜也)からプロポーズされ、幸せの絶頂にいるはずの川辺市子(杉咲花)が、翌日、突然、逃げるように家を飛び出し、そのまま失踪する……それから1週間ほどして、途方に暮れる長谷川のもとに、ある事件を捜査中の後藤刑事(宇野祥平)が訪ねてきて、「市子という名前の女性は存在せえへんのですよ」と告げる。市子はなぜ、家を出たのか? 市子はいったい何者?ミステリアスな問いかけがのっけから飛び出す。結婚を決めたものの、長谷川は、市子のことをあまり知らなかった。家族や過去について、彼女も話したがらないし、彼もあえてきこうとしなかった。ふたりで居られることが幸せだった。こうなってみると、市子を探す手立ては少ない。長谷川と後藤刑事は市子を知るわずかな人間に接触し、聞き込みをしながら行方を追い始める。そして、ここからは、観客の私たちも、長谷川の気持ちに寄り添いながら市子の過去を知っていくことになる。映画の原作は、監督の戸田彬弘が主宰する劇団チーズtheaterの旗揚げ公演作品『川辺市子のために』。サンモールスタジオ選定賞 2015 で最優秀脚本賞を受賞し、再演を重ねた人気舞台だ。facebookなどで、すでに亡くなった人のアカウントが生きていて、誕生日のリマインドがあったり、死亡を知らない人からのお祝いメッセージが載っていたりすることがある。そんなことが脚本執筆のきっかけだったそうで。「実際はもうこの世にはいないのに、まだいることにされていることに、ある種の違和感を抱いていたんです。そういったところから、逆転的ではあるんですけど、存在しているのに存在していないことにされている人の話が描けないだろうかと、考え始めて……そのテーマと向き合う中で、自分の責任ではなく、社会や制度、家庭環境などによって生き辛さを抱えていた人たちが居たことに遅まきながら気付いた。」それが戸田がこのシナリオを書くモチーフだったという。そして書かれたのが1987年に生をうけた「川辺市子」の半生。あくまでも舞台用の脚本だったが、映画化するにあたって、黒澤明監督の『羅生門』のように、各登場人物の証言によって主人公の人物像が浮かび上がるという手法を用いた。それが見事に成功したと言える。観客は、次々出てくる意外な証言に驚きながら、最後まで、ミステリーを読むように彼女の謎を追い続けることになる。杉咲花は、高校生から28歳までの市子を演じている。あどけなさもあり、魔性を秘めた感じもある。人を引きつける魅力を持ちながら、目立とうとすることは避ける。複雑な人間像だ。『湯を沸かすほどの熱い愛』の宮沢りえの娘役で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞。東京生まれだが、主演したNHKの朝ドラ『おちょやん』では、関西弁での演技経験がある。彼女の演技について戸田監督は「凄かったの一言でもありますが、誠実で愛情深く、丁寧に役を心で感じ取る魅力的な方でした」と語っているが、同感だ。失踪の日、着の身着のまま、“つっかけ”を履いて、ここでないどこかへ、走って逃げて行く市子のせつない後ろ姿が、とても印象的だった。あなたの隣にいるかもしれない、誰かの、もうひとつの顔。親しいと思っている人を本当にどこまで自分は理解しているのだろうか。そんなことも考えさせられる作品です。文=坂口英明(ぴあ編集部)(C)2023 映画「市子」製作委員会【ぴあ水先案内から】平辻哲也さん(映画ジャーナリスト)「……この冬、激推ししたい1本。」平辻哲也さんの水先案内をもっと見る()
2023年12月04日