視空間認知とは出典 : 視空間認知とは、目から入った視覚の情報を処理し、空間の全体的なイメージをつかむための機能です。ものとの距離感や奥行き、文字や形を把握するときに使われます。目でとらえた映像は、そのままだと「点」「線」「色」などの単なる情報にすぎません。しかし、私たちは「3本の縦線」を見ると漢字の「川」であることがわかりますし、平面である地図の情報を見て、自分の現在地がどこかを把握し、実際に目的地までたどり着くことができます。これらはすべて視空間認知の機能のおかげです。このように視空間認知機能とは、視力とは異なり、はるかに幅広く複雑なものです。「ただ単にものを見る」ための視覚のシステムは生まれたときにはほぼできあがっていますが、視空間認知は発達とともに身についていくものです。この機能を身につけていくためには、実際にものを見たり触ったり、興味のあるものを目でとらえて手を伸ばしたりと、空間の中で目や体を使う経験が必要です。さて、視空間認知は「見たものの全体像を把握する機能」ですが、その機能はいくつかの要素に分けて考えることができます。・対象と背景を区別するはたらき・形や色を認識するはたらき・形・方向に左右されず、同じ形を「同じだ」と把握するはたらき・ものともの(あるいは自分ともの)の位置関係を把握するためのはたらき詳しくはのちほどの章でご説明しますが、これらの4つのはたらきにより視空間認知機能は構成されています。また、視空間認知機能は、運動機能や記憶力とも関連する重要な機能であるといえます。脳で処理されたイメージが鮮明であればあるほど、即座に反応して体を動かすことができますし、複雑な形も覚えることができます。逆に、この機能に弱さのある場合には、ものを覚えることや、体を動かすことに対して苦手を持っていることが多くなります。視空間認知の力が弱いとどうなるの?出典 : 私たちは日常生活のさまざまな場面で視空間認知の機能を使いながら過ごしています。学習や集団での行動につまづきがある子どもの中には、その背景に視空間認知の問題が潜んでいることがあります。視空間認知に課題がある場合には、以下のような姿が見られることが考えられます。例えば、【生活】・探している本を本棚から見つけることができない・ぬり絵をするとき、枠からはみ出たり、すきまだらけになってしまう・人の顔をなかなか覚えられない【学習】・教科書の中から特定の単語を探し出すことができない・文字(漢字やひらがな・アルファベットなど)をなかなか覚えられない・図形の問題が苦手【スポーツ】・ダンスを見て覚えたり、まねしたりするのが苦手・飛んでくるボールをうまくつかむことができないこれらの項目に多く当てはまる場合には、視空間認知機能に弱さが見られる場合があります。視力の問題はともかく「見えにくさ」の問題は、子どもが自ら気づくことは少なく、周りもなかなか気がつかないことが多いです。視空間認知が成立するまでの「見る」ことのメカニズムって?出典 : そもそも、私たちはどのようにものを「見て」いるのでしょうか。ものを見るために必要な機能はさまざまです。視空間認知機能は、たくさんの「見る力」のうちのひとつの機能にすぎません。「見る力」と聞いてまず思い浮かべるのは視力でしょう。視力とは、目に見える物体を鮮明にとらえる力のことで、止まっているものの形を見分ける力です。しかし、たとえ視力がよくても「見る力」のはたらきが優れていとは限りません。「見る力」は、「入力」「情報処理」「出力」という3つのステップから捉えることができます。この3つは関連し合っており、この3つのうち、一つでも欠けてしまった場合には「見えにくさ」が生じ日常生活に支障があらわれてしまいます。Upload By 発達障害のキホン1.【入力】にあたる「眼球運動」…動いている物体を目で追う、ピントを合わせる2.【情報処理】にあたる「視空間認知」…目で見た情報を脳で処理する3.【出力】にあたる「目と体のチームワーク」…目で見たものに合わせて体を動かすこのうち視空間認知は「情報処理」の部分にあたります。ではこれから、私たちがものをどのように見ているのかのメカニズムを3つのステップに分けてお伝えします。Upload By 発達障害のキホンものを目で追ったり、視線をすばやく動かしたり、両目を寄せたり離したりするのが眼球運動のはたらきです。このはたらきは「入力」の部分にあたり、目の動きが適切に行えることで、情報をくまなく目から取り込むことができます。眼球運動には、以下の3つの種類があります。◇ものを目で追う「追従性眼球運動」一本の長い線や、本に書かれた文字をゆっくりと追いかける眼球運動のことです。見ているものの動きに合わせて滑らかに、動いているものと同じ速さで眼球を動かすことです。また、ひとつのものに焦点を絞って見つめ続けることも、追従性眼球運動のひとつです。例えば以下のようなとき、追従性眼球運動がはたらいています。・飛んでいる飛行機を目で追う・書き順を目で追う・ものをじっと見る◇視線をすばやくジャンプさせる「跳躍性眼球運動」すばやく、一点から別の一点へ視線を動かす眼球運動のことです。飛び石から飛び石へ視線を移していくというイメージがわかりやすいかもしれません。この眼球運動は、多くのものの中から必要な情報を早く、正確に見つけるために必要なはたらきです。例えば以下のようなとき、跳躍性眼球運動が働いています。・黒板とノートを交互に見る・人ごみの中から探している人を見つける・本を読む際、次の行に移る◇見るものに合わせて右目と左目を離したりする「両目」のチームワーク普段意識することはないかもしれませんが、私たちは両目を使うことにより物の距離感や立体感をつかんでいます。片目を閉じて、周りを見渡してみてください。片目で見るときには周りの景色が写真のように見えるのではないでしょうか。写真ほどではなくても、見え方に少し違和感があると思います。ものとの距離に合わせて、右目と左目の視線を変化させています。つまり、対象物に焦点を合わせるために、近くのものを見るときには両目を真ん中に寄せ、そして遠くのものを見るときには両目を離しているということを指します。これら3つの眼球運動が正しく機能することにより、情報を目から取り入れる「入力」という第1ステップが完了します。Upload By 発達障害のキホン第1ステップで「入力」された視覚情報は脳へ伝わり、「情報処理」という第2ステップへと引き継がれます。この情報処理の段階ではじめて、本記事のテーマとなる視空間認知の力が発揮されます。視空間認知は、目から入った情報を脳で把握する能力です。空間の一部ではなく、全体像を把握するはたらきがあります。ただの点や線だった情報が、一つの形として具体的にイメージすることができるのは空間認知のはたらきのおかげです。空間認知のはたらきは4つに分けて考えることができます。◇見たい対象と背景を区別するはたらき私たちは、目に入るすべての情報から、必要な情報だけを選びとって、ものを見ています。これは、その対象物と背景を見分ける力があるおかげです。たとえば町の中でも、道路を渡るときには信号を見たり、目の前に飛び込んでくる自転車を見てよけたりなどと、必要な情報だけを選びとって見ることができるのは、「対象と背景」が区別できているからです。◇形や色を弁別するはたらき目から入った情報を分析し、形や色、輪郭などを認識するはたらきです。例えば、さまざまな色や形のビーズの中から、色・形ごとに正しく分けることができるのはこのはたらきのおかげです。そのほかには、お絵かきやぬりえをするときにも、図形の問題を行うときにもこのはたらきが役立っています。◇位置や色・形の不揃いにかかわりなく、「同じ」ものだと認識するはたらきこれは背景や位置、大きさ、多少の乱れがあっても、同じものを同じであると認識するためのはたらきです。例えば、書体が違っても筆記体でも「A」を同じ文字として認識することができるのはこのはたらきのおかげです。また文字や図形に限らず、人の髪型や化粧が変わっても、同じ人であるとわかるのもこのはたらきのおかげです。◇空間的な位置を把握するはたらき目で見たものを立体的に把握して、空間の中で位置関係や向きを認識する力です。ものと自分との距離感、奥行きの感覚を把握します。上下・左右などの判別や、ものをつかんだりするために必要な能力です。Upload By 発達障害のキホン第1ステップで情報を目で見て、第2ステップで脳の中で認知された情報をもとに、私たちは体を動かします。これは、「入力」「情報処理」の次のステップの「出力」にあたります。「目と体のチームワーク」とは、視覚のはたらきと体の動きを連動させることです。例えば「赤信号を見て横断歩道の手前で止まる」ことを例にあげて考えてみましょう。1.赤信号を目でとらえる2.脳が体に「止まれ」という命令を出す3.脳から送られた命令に従い、体が反応し立ち止まるこのように、視覚の情報をもとに体を動かしています。私たちは、これらの一連の動きを普段意識することなく瞬時に行っています。「見る」と「動く」という能力のつながりは生まれたばかりの赤ちゃんにはなく、心身の発達とともに身につけられていくものです。これらの3つの「眼球運動」「視空間認知」「目と体のチームワーク」を合わせて「見る力」といいます。視空間認知などの「見る力」に弱さがある場合の原因は?出典 : 「眼球運動」「視空間認知」「目と体のチームワーク」という3つの「見る力」がすべてスムーズに行われることにより、私たちはものを見て、それに即して体を動かすことができています。しかし、これらの力が一つでも欠けていたり、足りなかったりした場合には生活に支障をきたすことがあります。「見る力」が弱いときに抱える困難は一人ひとり異なっています。たとえば、ものが二重に見えたり、鏡文字のように反転して見えたり、見たいものにすばやく目線が合わせられないなどです。困難のもう一つの原因として、生活の中で「見る力」を育てる機会が少ないことが考えられます。室内でテレビやゲームをしたりする遊びばかりしていると、近くと遠くを見たり、動くものを目で追ったりする機会が減ってきます。そのような場合には、見る力を育む経験、例えば鬼ごっこやボール遊び、自然の中で空を見ることなど取り入れ、見る力を鍛える機会を作ることが大切です。発達障害がなくても「見る力」に問題が出てくる場合もあることを知っておくとよいでしょう。このような「見えにくさ」の背景に発達障害がある場合があります。発達障害とは、何らかの要因によって、脳の機能の一部に機能不全が見られる状態であり、発達が遅れたり、偏ったりすることです。具体的には、LD(学習障害)やADHD(注意欠陥性多動性障害)などの子どもは「見えにくさ」を抱える場合が多く、主に学習場面での「読み書きができない」問題としてあわられてきます。視空間認知能力を測るためには?出典 : 視空間認知能力を測るにはいくつかの方法があります。自分で行うセルフチェックと専門機関に見てもらう方法です。本来、子どもの見る力を確認するには専門家の検査が必要ですが、簡単なチェックリストでも状況を把握することができます。以下のチェックリストの中で、チェックが多く当てはまれば視空間認知に課題があることが予測されます。漢字やひらがなの書き間違いが多い。覚えた漢字やひらがなを思い出すのに時間がかかる。または思い出せない。よく鏡文字を書く。うまく描けない図形がある。またはお絵かきで書いたものが周りの人に伝わらない。文字を書くときに、マスや行からはみ出す。また、読めないくらい形の乱れた文字を書く。筆算で桁をそろえて書くのが苦手で、書いているうちに位がずれてしまう。はさみで切る、ボタンをはめる、ひもを結ぶといった、手を使った作業が苦手で、不器用。ボールを投げたり、キャッチしたりするのが下手で、球技が苦手。ラジオ体操やダンスを見て覚えたり、まねしたりするのが苦手。鍵盤ハーモニカやリコーダーなどを演奏する時、鍵盤や穴の位置をよく間違えてしまう。左と右をなかなか覚えられず、よく間違える。方向音痴で、よく道を間違ったり、迷ったりする。家具や歩いている人などによく体をぶつけたり、つまずいたりする。北出勝也/監『発達の気になる子の学習・運動が楽しくなる ビジョントレーニング』p25 2015年/ナツメ社/刊ここにたくさんのチェックが当てはまる場合には、空間認知の弱さがあると考えられます。ここのチェックに当てはまらないけれど、子どもに「見る力」に問題があるのではないかと疑う場合には、「眼球運動」や「目と体のチームワーク」の領域に課題があるのかもしれません。子どもの視覚認知を評価するために、さまざまなテストが開発されています。例えば、視覚能力評価テスト、「見る力」理解力テスト、未就学視覚運動評価、K-ABC検査、視知覚スキル検査、運動除外視覚認知テストなどです。これらのテストは、自閉症スペクトラム症やADHDなどの発達障害のある子どもたちの特性を把握するときにも使われることがあります。検査は、テストごとに年齢は異なりますが、最も幼い場合2歳から受けることが可能です。検査は視覚機能のトレーニングセンターや、視覚発達支援センターで受けることができます。場合によっては、「見る力」の専門家がメガネ屋さんにいることもあります。それ以外に発達検査や知能検査を受けたい場合には、公的病院や民間病院で検査を受けることができます。精神科や臨床心理士による検査が受けられる病院を受診するといいでしょう。「児童発達支援センター」などで受けることもできます。現在、診察希望の人が多いために実際に受診するまでには、予約から長い時間がかかることもありますので、ご了承ください。小児眼科を専門とする医師|日本小児眼科学会HP視空間認知能力って鍛えられるの?出典 : 視空間認知能力に限らず、「見る力」はトレーニングにより鍛えることが可能です。「見る力」の弱さを克服するために、よく利用されているのはビジョントレーニングです。ビジョントレーニングとは、「見る力」を高めるための訓練の方法であり、子どもに限らず、スポーツ選手など大人にも取り入れられています。ビジョントレーニングを行う専門家は大きく分けて2種類あります。視覚訓練士といわれるプロが行う場合には、スポーツ選手や大人に行われることが多いです。また、発達臨床心理士、発達支援員などの発達に関する専門家により行われる場合は、他の発達で課題となる領域と合わせて行われます。専門家が行う場合には、検査を行うことから始めます。視力、眼球運動、視空間認知、目と体のチームワークのうち、どこに課題があるかを把握し、それぞれの過大に合わせてオリジナルのトレーニングが提供されます。見る力の弱さがどこにあるかの原因・分析をしたり、プログラムを組んだりすることを望む場合には、専門家に一度相談してみてください。◇おうちでできるビジョントレーニングビジョントレーニングは、専門家にかからずとも自宅や学校でも行うことができます。専門家にかかるには大幅に時間をとる必要がありますが、おうちで行う場合には、おやつの時間やすきま時間などに簡単に取り組むことができる点がメリットです。現在ビジョントレーニングに関する本がたくさん出版されているので、本を参考にしながら行っていくとよいでしょう。専門家ほど詳細ではありませんが、チェックシートが添付されていることもがあるので、どの部分に課題があるかどうかをおおまかに把握することができます。トレーニングは、日常的に行うことが望ましいです。推奨される時間は、3~15分と若干幅があるもののできれば毎日行っていきたいものです。・注意点個人の問題にあった適切なトレーニングを行うことです。「見る力」のうち、眼球運動、視空間認知、目と体のチームワークのどこに弱さがあるのかによりトレーニングの中身が変わってきます。まずは、「見る力」のうちどこに弱さがあるかどうかを把握することからはじめましょう。ビジョントレーニングを行う前にまず、子どもの目に異常がないか、視力は適正であるか確認しましょう。視力に問題があるのに放置をしておくと、トレーニングを行っても適切な効果が出ないことがあります。気がかりな場合には一度眼科で検査をしてもらってください。◇眼球運動のトレーニング方法眼球運動のトレーニングでは、目を上下左右に動かして、視線をスムーズに動かすトレーニングを行います。繰り返し行うことで、正確にすばやく情報を目でとらえる力が身に付きます。例えば線や点を目で追うトレーニングが考えられます。あみだくじのように、スタートとゴールを設定し、交差させたりぐるぐると渦巻いたりした線を書いた紙を準備します。スタートからゴールまでの線を目を追っていくことで、目の追従眼球運動を鍛えることができます。他にも、眼球運動には、ジャンプさせる能力である「跳躍性眼球運動」と「両目のチームワーク」がありますが、以下の動画では3分ほどでそれらの3つすべてを網羅できるトレーニングが紹介されています。(音声が流れますのでご注意ください。)◇視空間認知のトレーニング方法視空間認知を鍛えるためには、実際に「ものを手でさわって動かす」ことが有効となります。この能力をはぐくむトレーニングでは、具体物を使い、見本をもとに形を再現するような練習を行います。例えば、大人が作った見本と同じように、ブロックを作ったり、見本と同じように色を塗ったりすることで視空間認知能力を鍛えることができます。他には、服をコーディネートして写真に撮り、実際目の前に服をもってきて、同じように再現する遊びなどもよいでしょう。難易度をあげたければ、見本を見せる時間に制限をかけて、頭で記憶するように工夫してみるのもよいでしょう。また、ワークシートを使ったトレーニングもあります。机の上に置いたシートを見ながら行うので、目の細かな動きや、それに合わせて手先の動きの訓練を行うことにもつながります。ワークシートを用いたトレーニングについて、詳しくはこちらの本に載っているので参考にしてみてください。北出勝也/監『発達の気になる子の学習・運動が楽しくなる ビジョントレーニング』2015年/ナツメ社/刊◇目と体のチームワークのトレーニング方法目で見たものにすぐに反応をして適切に体を動かすためのトレーニングを行います。目と体のチームワークを高めるためには、目と体の動きを連動させるような練習をします。例えば、「↑ → ↓ ← 」などと矢印がランダムに描かれた紙を使用してトレーニングを行うことができます。2人組となり、1人が上記の矢印が描かれた紙をもち、指差していきます。もう1人の人は、指差された矢印の方向に動きます。「↑」だとジャンプする、「↓」だとしゃがむ、「→」だと右に一歩ずれる、「←」だと左に一歩ずれる、というように目で見た通りに体を動かすような練習を行ってみてください。「見る力」つまり視覚機能の能力をトレーニングする手段のひとつとして、作業療法という方法があります。「見る力」の向上のみに特化しているビジョントレーニングに対して、作業療法は身辺の自立や学習・社会参加のために必要な能力全般を向上させるためのトレーニングです。視覚機能のほかには、手先の器用さを養う微細運動や大きく体を動かす粗大運動、身辺自立など、基本的な運動能力から集団の中で生活する力まで、幅広い能力を養います。作業療法については以下の記事で詳しく紹介しているので、関心のある方は参考にしてみてください。まとめ出典 : この記事では、「見ること」のメカニズムから視空間認知のテストの方法、「見る力」の鍛え方や発達障害との関連などをご紹介しました。「見えにくさ」と発達障害には関連があると述べましたが、まずは子どもの「見えにくさ」がどこからくるのか分析をし、弱さのある部分はどこなのかを発見することが大切です。そして弱さを発見したあとに私たちがするべきことのは、その弱さにより子どもが困ってしまわないように次の手立てを考えることです。発達障害があるかないかということは、さほど問題ではないのかもしれません。「見えにくさ」の難しいところは、本人にとっても周囲の大人にも、「見えにくさ」があることに気がつかないことが多い点です。本人はその状態でずっと生活してきている上、ほかの人の見え方との比較ができないため見え方が偏っていることに気がつくことはできません。子どもの学習場面、運動場面、生活動作を観察して、「ん?」と思うことがあれば、一度「見る力」について思い出してみてください。
2017年01月31日【ママからのご相談】40代女性です。2児のママで認知症が進行しつつある義理の父親と同居しています。先日、テレビのニュース番組で、「認知症の高齢者の徘徊(はいかい)のような症状に悩む家族の求めに応じてそのような症状を抑えるために向精神薬が処方されることがあるが、基本的には向精神薬は使用するべきではない」といった内容を専門家が話していました。でも、わが家のおじいちゃんの徘徊はひどく、向精神薬を使って休んでてもらわないと、いきなり子ども部屋に入って子どもたちを困らせるようなレベルなのです。介護する側の者に言わせていただけるなら、「きれいごとばかり言ってほしくない」という気持ちが正直あるのですが、間違っていますでしょうか。●A. 向精神薬の乱用に注意し、バランスをみて在宅介護の時間を減らしましょう。こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。ご相談ありがとうございます。筆者の両親はすでに亡くなっていますが、ご相談者様のお気持ちは、わかります。筆者の父親の晩年は認知症で、母親の晩年は大腿骨頸部骨折による寝たきりに起因した全身の内科的・外科的症状で、苦しみました。「認知症の高齢者にとっての向精神薬の副作用の問題」 はとても重要ですので、都内で内科・神経内科クリニックを開業する医師のお話も交えながらご説明いたします。●BPSDへの向精神薬投与がなぜよくないのか『認知症には記憶障害や理解の低下といった中核症状と、徘徊や攻撃的行動・人格変化などの周辺症状とがあり、この周辺症状のことをBPSD と呼んでいます。BPSDが現れると介護者にかかる負担が大きくなるため主治医は家族の求めに応じて向精神薬を処方するケースがどうしても多くなりがちです。そのため、症状が収まっても今度は“過鎮静”と呼ばれるぼーっとした状態になるリスクが生じ、寝たきり や食事を飲み込む機能の低下 といった命にかかわる問題へのきっかけになってしまう場合が多いのです』(60代男性/都内内科神経内科クリニック院長・医師)BPSDへの向精神薬の投与がなぜよくないのか、医師の説明はとても分かりやすいですね。医師の説明では、多くの場合、向精神薬を減らしたりやめたりすることで過鎮静の症状は改善し、リハビリによって再び自分の口で食べることができるようになる患者さんも多いとのことです。ですから、BPSDを発症した中等度以上の認知症患者さんにむやみに向精神薬を投与することは、できるだけ控えた方がいい と言うことができるでしょう。●向精神薬の不使用に伴う介護の負担は在宅介護の時間短縮で対応をとはいえ、筆者にはご相談者様が言う「きれいごとじゃない実態」もよく分かります。向精神薬を使用しないことで、今度は介護者の精神的・肉体的負担増の問題 が生じます。それについては、ご相談者様がデイサービスなども利用しながら、お義父様の在宅介護の時間を徐々に減らして対応されるのがよろしいのではないかと思います。旦那様への気づかいもあろうかとは思いますが、ママが過労で不安定になってしまってはお子さんたちにとっていいわけがありません。認知症の高齢者への向精神薬の投与は基本的には行わないようにし、まだ十分に健康なお義父様の体の機能をキープしながら、介護のプロの力も借りて、あまり考えすぎない日常を、旦那様やお子さんたちと送っていただければと思います。●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
2016年06月28日認知症は、「自分には関係ないこと」と思う人がほとんどだと思います。でも実は、早ければ30代、40代からでも発症することがあるのです。「最近、物忘れが…」「あの人の名前はたしか…」と、ちょっと気になる人のために、若年性認知症について、のチェックポイントを紹介します。■若年性認知症とは若年性認知症は64歳以下で認知症と診断されることを指します。認知症は、圧倒的に80代以上の高齢者の発症が多いのですが、特に若いうちから発症するケースをこう呼びます。若年性認知症の発症年齢は、平均すると51.3歳であり、50歳未満で発症した人の割合は約3割です。実際には70代、80代で増加しますが、20代、30代でも発症者がみられます(2009年・厚生労働省若年性認知症の実態等に関する調査より)。■若年性認知症のチェックポイント若くても、次のような症状があれば注意が必要です。・日にちや曜日、季節が分からなくなることがある今日の日付や曜日、季節が思い出させなくなります。少し頭が混乱して時の流れがわからなくなったような状態になることもあります。・極端に物忘れがあり、日常生活に支障が出る何度も同じことを聞いたり、いつも一緒にいる人の名前を思い出せないことがあります。とても簡単な行動をメモするなどの行動がみられることもあります。・言葉につまることがある会話中に単語、物の名前、人の名前がすぐに出てこないことがあります。話そうともしても言葉につまり、会話が良く中断するようになります。・よく道に迷う約束の場所へいくはずか、自分がどこにいるか急にわからなくなったり、誰と約束していたかも忘れてしまうことがあります。いつも使っている電車やバスなどの経路がわからなくなり、よく道に迷うようになります。 ・日常動作ができなくなる例えば服を着るなどの身の回りの動作ができなくことがあります。服の前後ろ、裏表を反対に着たり、ズボンがはけないなど首尾よく動作ができなくなります。・物を良くなくすようになる物をしまった場所を忘れることが増えます。印鑑や通帳など大切なもののしまった場所がわからなくなり、時には誰かに盗まれたなどの被害妄想を抱くこともあります。・道具の使い方がわからなくなる毎日使っていた道具、例えば水道や料理道具などの使い方がわからなくなることがあります。ガスを消し忘れたり、水道を出しっぱなしにするなどの行動も見られます。・身だしなみに気をつかわなくなるこれまではオシャレできれい好きだった人が急に毎日洋服を変えなくなる、お風呂にあまり入りたがらなくなることがあります。・物事への興味がなくなるこれまで好きだった趣味への関心がなくなったり、楽しみにしていたテレビ番組や毎日読んでいた新聞を読まなくなるなどがあります。全体的に興味関心が低くなり、あまり外出したがらなくて、気分的の沈みがあることもあります。いくつか特徴的な症状や行動をあげましたが、初期の段階ではまだ若いと「まさか」ということが邪魔をして発見されにくいようです。このような症状が見られれば、早めの受診が勧められています。
2016年06月01日おじいちゃんやおばあちゃんが認知症になったとき、みなさんはどうするでしょうか。まずは医者に行って診断をしてもらい、お薬を受け取るのではないでしょうか?しかし、宅老所よりあい代表の村瀬孝生さんとフリーライター兼編集者の東田勉さんの共著書『認知症をつくっているのは誰なのか』(SBクリエイティブ)には、衝撃的な内容が書かれています。なんと、“認知症の問題行動の8割は薬のせいではないか”というのです。また、薬害認知症も認知症全体の3割はいるのではないか、という話も出ています。そこで今回は本書より抜粋した、「認知症の薬物療法を勧めない理由」をご紹介していきたいと思います。■知っておきたい認知症の「症状」まず、認知症には、大きくふたつの症状があるそうです。ひとつは、認知機能が障害されたことで出る中核症状。具体的には記憶障害(直前のことを忘れる、出来事全体を忘れる)、見当障害(ここがどこで、いまいつか、自分が誰だかわからなくなる)、実行機能障害(これまでできていた家事や趣味がなくなる)など。もうひとつが周辺症状で、かつては問題行動と呼ばれていたもの。現在は「BPSD」とも呼ばれているようです。具体的には徘徊、暴力、介護抵抗、失禁、不潔行為、昼夜逆転、幻覚、妄想、不穏などがこれにあたります。■認知症の薬物療法には問題がある筆者が問題提起するのは、この認知症の薬物療法です。中核症状については抗認知薬を、周辺症状については向精神薬(抗精神病薬、抗うつ薬、精神安定剤、睡眠薬など)が使われるのが一般的だそう。最初に抗認知薬の問題点を上げてみましょう。(1)抗認知薬は認知症を治す薬ではない厚生労働省や医学会、医者、マスコミによる認知症キャンペーンでは、よく「早期受診・早期診断・早期治療」を勧めています。その後に必ず「進行を遅らせる薬があるから」といわれるそうです。しかし、アリセプトに代表される抗認知症薬は進行が止まるものではなく、飲み続けても緩やかに進行していきます。一部の人(4~6割)で9カ月~1年間は進行速度が弱まるものの、その時期を過ぎたら効かなくなるそうです。飲むのをやめれば飲まなかったのと同じ症状になってしまうとのこと。認知症を治す薬ではないので、効果に過剰な期待はしないほうがいいようです。(2)抗認知症薬のうち3種は興奮系の薬剤ということ確実に存在する“副作用”について見ていきましょう。抗認知症薬のうちメマリーという薬を除く3種は興奮系の薬剤で、「病的な怒り」を引き起こす点が大きな問題です。高齢者が認知症の薬を飲んで、興奮して暴れたという報告はものすごく多いとのこと。認知症の人を介護する側はこれらの薬によって、かなり大変なことになってしまうようです。(3)抗認知症薬には必ず増量規定があるそのような副作用が出るにも関わらず、抗認知症薬には増量規定があります。たとえばアリセプトという薬は1日3mgから服用を開始し、3週目からは5mgに増量しなければなりません。個人差があっても増量です。約20%に出てしまう“病的な怒り”にもお構いなく、医者は規定通りに増量しようとするそうです。それは、規定以外で処方すると、医者の診療報酬がカットされて保険診療にならず、薬代が病院・医院の自腹になる可能性があるから。抗認知症薬の副作用で大変な思いをした家族は医者にすがると、今度は多くの医者が増量規定を守りながら、お年寄りを鎮静させる「向精神薬」を処方します。これはつまり、アクセルとブレーキを両方踏むような薬物療法です。これが現在の70歳代、80歳代、90歳代のお年寄りに行われているのです。■問題行動の約8割が薬害性の疑い著者は「問題行動といわれるものの約8割は薬害性なのではないか」と疑っています。一昔前までは、認知症でも悩まず明るく、混乱もしていないお年寄りがいたそうです。しかし、いまでは「早期受診・早期診断・早期治療」で大量の薬を飲まされているから、“病的なボケ”が蔓延しているとのこと。お年寄りは医療では生活の支援が受けられず、著者の施設のような所へ来るのですが、みんな薬漬けになって来るそう。そして、薬によって元々もっている人間としての排泄や睡眠のリズムが崩れてしまいます。薬ではコントロールができていないのです。著者は経験として、薬を断ったお年寄りが心身ともに安定した例を多数見てきたこともあり、「できれば薬を使わない、減らしていくことが必要」と訴えています。また、著者と同じ考えで協力してくれる医者もいるとのことです。*自分の身近な人が認知症になったとき、医者の指示どおり、処方された薬を飲ませてしまう人は少なくないでしょう。しかし、薬はどんなものであっても、効き目には個人差があり、たくさん飲めば副作用も出てくるかもしれません。だからこそ、その時々で本人の様子を観察し、本当にこの薬でいいのか疑う目も必要なのではないでしょうか。認知症に関する疑問や興味がある人は、ぜひ読んでほしい本だと思います。(文/齊藤カオリ) 【参考】※村瀬孝生・東田勉(2016)『認知症をつくっているのは誰なのか』SBクリエイティブ
2016年03月01日沖縄スーパーフード協会沖縄スーパーフード協会は、スーパーフードに関する意識調査を実施、結果を公表している。昨今、人気の高いスーパーフードだが、その認知度に関しては意外な事実が明らかになっている。約7割が食べたことがある「スーパーフードを食べたことがあるか」に対しては、約7割の女性が食べたことがあると回答。しかもその過半数は、週に1回以上とっていると答えており、その関心の高さがうかがえる。具体的なスーパーフードの認識度については、「チアシード」や「アサイー」、「ココナッツオイル」などがよく知られており、沖縄県産の「シークヮーサー」や「さとうきび」に関しては認知度が6%以下という結果に。国産のスーパーフードに対する認知度の低さが明らかになっている。実は国産希望!一方で、「食品を購入する際に国産を意識するか」との問いには、約7割が「意識している」と回答。また、「沖縄県産のスーパーフードが、もし手頃な値段で購入できたら買いたいですか?」との問いには、「興味があるため、購入してみたい」との回答が9割にも上った。沖縄産のスーパーフード沖縄スーパーフード協会では、沖縄産のスーパーフードを使った商品を紹介。「発酵サトウキビファイバー」「シークヮーサーパウダー」「オキナワモズクファイバー」などを販売している。(画像はプレスリリースより)【参考】・【スーパーフードに関する調査結果】 女性の7割以上がスーパーフードを取り入れている一方で、 認知度3.5%しかない“国産”スーパーフードが存在 シークワーサー、さとうきび…約9割が沖縄県産に興味・購入に意欲的
2016年01月15日ココナッツオイル認知は約6割最近話題のヘルシーフードといえば、ココナッツだろう。8月24日にココウェルが発表した生活者実態調査によると、ココナッツの認知度は約8割にものぼり、「ブーム」から「定着」へ移行した感がある。特に注目されているのがココナッツオイルで、栄養化の高さはもちろん、認知症予防にも効果があるといわれ、約6割の人が認知していることがわかった。「食べ方がわからない」も根強く人気の一方で、ココナッツを購入したくないという人も根強く、その理由としては「食べ方、調理方法がわからない」が圧倒的に多かった。ココナッツオイルの食べ方については、1位「トーストしたパンに塗って」の他、同率2位「炒め油として」、「デザートに入れて」、同率3位「カレーに使う」、「コーヒー・紅茶に入れて」など、普段の食生活に“チョイ足し”をして利用していることが判明。また、食用としてでなく、スキンケアとして使う人も多く、ココナッツオイル利用者の約4割が「肌に使ったことがある」と回答した。ウォーターは熱中症対策に高い効果その他、ココナッツウォーターは熱中症対策に高い効果があるとされ、近年猛暑の続く日本でも注目の的に。さらに、ココナッツシュガーにも関心が集まっており、低GI食品として糖尿病患者の食生活の助けになるのではと期待されている。(画像はプレスリリースより)【参考】・ココウェル プレスリリース(Value Press!)
2015年08月27日生活の中にはやるべきことの優先順位があります。仕事の中で、または家庭の中でやるべきことに順位をつけて日々こなしていく。その中で、「運動」はあなたの優先順位のどの位置にあるでしょうか? ランニングやウォーキングをしようと思いながら、日々の忙しさや疲れ、面倒くささに負けてしまい、運動の優先順位を下げている方が多いかもしれません。そう、アラフォー世代の女性たちが継続できないのが、ジム通いやランニングなどの運動、いわゆる「有酸素運動」です。実はこの有酸素運動こそが、あなたが将来、認知症になることを食い止めてくれる、とても重要なテーマであることをご存じでしょうか。脳機能を専門とする研究者として、声を大にして伝えたい! 「運動は、人生において “必須科目” である」と。自由にしたいことを選ぶ「選択科目」ではありません。今、始めなければ、今、習慣にしなくてはいけない「理由」があるのです。では、わかりやすくご紹介していきましょう。「運動」と「認知症」との関係性運動といってもここでお伝えするのは有酸素的な運動です。有酸素運動とは、“運動能力を評価する「最大酸素摂取量」の60%~75%の運動を30分以上行う運動” のこと。年齢によって多少異なりますが、アラフォーの場合は心拍数が130前後となる程度の運動、となります。 この有酸素運動を日常的に行うことによって、脳に2つの効果があるとされています。まず、記憶に関わる脳の部分「海馬」の萎縮が防止されること。もうひとつは、有酸素運動によって「脳由来神経栄養因子(BDNF)」という、脳の神経の再生を促すタンパク質が増加するということです。そしてこの2つの効果が認知機能の低下を防ぎ、記憶力の向上が期待できるのです。わたしはこの話を尊敬する恩師、半場道子先生(現在 福島県立医科大学医学部)に伺い、そのまま走って家に帰ったほど刺激を受けました。ストレッチやヨガではだめなの?さて、すぐにでも運動を始めたくなるこんな研究結果があります。認知症ではない健康で高齢な男女を2群に分け、1つのグループには、「週3回のストレッチを中心としたヨガ」を継続し、もう1グループには「週3回の有酸素運動(歩行40分)」を継続。1年後に海馬の体積、BDNFの量を測定したところ、有酸素運動を続けていたグループが、ストレッチ・ヨガグループと比較して海馬が増加しており、BDNFの量も増加していたのです。左右の海馬の体積とBDNF量は正の相関を示しており、これは海馬体積が大きければBDNF量も多いということを意味しています。海馬体積、BDNF量の上昇とともに、記憶力テストの結果も増加した、という結果となりました。近年の脳科学では、「脳は思ったよりも再生し、新しい細胞が増える」ということがわかってきました。もちろんストレッチやヨガは心身をリラックスさせ、継続して行うことで様々な利点を得られます。しかし、活性物質を全身に送り届けるためには、ある程度の運動強度を30分以上継続して行うことが重要なようです。将来、あなたが「認知症」にならないために…年齢とともに海馬体積が減少し、そして記憶が衰えるということは自然の現象です。有酸素運動を継続することによってそれを少しでもくい止め、生活の質を維持することができるなら、有酸素運動運動は人生における必須科目とするしかありません。毎日、歯を磨くことや洗顔後に化粧水をつけることは習慣になっています。それと同じように、意気込む必要もなく、ただ淡々と運動をしていきましょう。運動を日々の習慣にしてしまえばよいだけなのです。「もう帰るのですか?」「この仕事、終わらせてよ」と言う人が、将来あなたの認知症の介護をしてくれるでしょうか。また、少しだけ掃除や洗濯を怠ったとしても大丈夫。運動による脳神経の再生にはかえられません。大切な家族のためにも、自分が心身ともに元気な姿でいられること。これがとても重要です。人生の必須科目「有酸素運動」の単位を落としてはいけません。有酸素運動をして気分もリフレッシュしてから、終わらせるべき仕事に着手する。疲れたまま仕事を続けるよりも、断然はかどることでしょう。さあ今日は “歩きやすくてかっこ良い、心踊るスニーカー” を買いに出かけてみませんか?
2015年08月18日高齢化が進む日本では、認知症になる人の数も相対的に増えています。認知症のなかで最も多いのはアルツハイマー型、二番目に多いのはレビー小体型認知症と言われています。レビー小体型認知症は睡眠障害と似た症状が出ることもあるのだとか……。本当に睡眠障害?睡眠障害だと思っていたら、認知症のひとつである「レビー小体型認知症」だったということがあるそうです。この認知症は、脳のなかに「レビー小体」という特殊なたんぱく質が出現し、視覚情報の処理に影響を与えてしまうというもの。アルツハイマー型に次いで二番目に多いと言われ、具体的には次のような症状が現れます。1.幻視(いないはずの人や虫が見えて、触ろうとして手を伸ばしたり、声をかけたりする)2.筋肉がこわばり、動作がスローになる3.これらの症状に波があるなぜ、レビー小体型認知症が睡眠障害と勘違いされることがあるかというと「レム睡眠行動障害」でも似たような症状が現れるからです。レム睡眠行動障害とは?レム睡眠行動障害の特徴は、簡単に言えば、睡眠中に異常行動を起こすことで、次のような症状があります。・睡眠中に大声で話をしたり、笑ったり、説教をしたりする・睡眠中に手足を動かしたり、字を書くような動作をする・睡眠中にベッドから出て、歩きまわるこれらの異常行動がレビー小体型認知症の症状に似ていることから、レム睡眠行動障害として診断され、本来の病気である認知症になかなか気付けなかったなんてことも起こりえます。また、むずむず脚症候群と呼ばれる睡眠障害も、名前の通りに脚がむずむずして眠れなくなる病気ですが、「脚に虫が這いまわっているようだ」と訴えていた患者が実はレビー小体型認知症だったという例もあるようです。早期発見が重要!レビー小体型認知症は早期発見、早めの治療が大切だと言われています。家族や友人など身近な人で、冒頭にあげた幻視やその他の症状があるという人がいたら、一度医師に診てもらうようにしましょう。現時点では、体内に溜まったレビー小体を完全に取り除くことはできず、レビー小体型認知症を完治する方法も確立されていないそうです。ただ、症状を緩和したり抑制したりする薬はあるので、改善をすることはできると言われています。レム睡眠行動障害やむずむず脚症候群と診断された人も、症状がなかなかよくならなかったり、他にも気になる症状が出てきたりしたときは、早めに医師に相談するようにしましょう。Photo by Wonderlane
2015年05月25日カリフォルニア くるみ協会はこのほど、カリフォルニア大学が実施した「くるみの摂取と認知機能に関する調査」の結果を明らかにした。同研究は、くるみの摂取と認知機能に関する初の大規模代表分析で、アメリカの全国健康栄養調査(NHANES)のさまざまな調査から利用可能なすべての認知データを取り入れた。今回は20歳以上の成人を対象としている。研究を実施したのは、同学のロサンジェルス校デイヴィッド・ゲフィン医科大学院のレノア・エイラブ博士と共同研究者のアルフォンソ・アング博士。これまでの動物試験によって、一日に無理のない摂取量(13g)で神経保護の効果が示されている。同研究は、マウスモデルのアルツハイマー病の進行抑制、予防といった有益な効果の可能性を含め、認知機能障害の軽減や全体的な脳の健康に対するくるみの効能に関する研究を補強するものとして行った。今回、6種類の認知機能検査を行った結果、くるみ摂取量の多い被験者が有意な好成績を示すことが明らかとなった。年齢や性別、民族を問わず、くるみを摂取した被験者の認知機能(記憶力、集中力、情報処理速度など)が一様に向上。エイラブ博士は「これまでの動物試験の結果が強力に裏付けられることが判明したのは素晴らしいことです」とコメントしている。くるみには、認知機能保護の寄与因子の可能性がある有効成分が豊富に含まれている。さらにくるみは、心臓と脳に対する保健効果を持つ植物性オメガ3脂肪酸である「アルファ・リノレン酸(ALA)」も多く含む。
2015年02月04日「バーチャルリアリティ空間へ連れていってくれる魔法の機械」としてじわじわと認知度を上げている「Oculus Rift(オキュラス・リフト)」が初お披露目されたのは、2012年のE3でのこと。その後行われた「Kickstarter」を利用してのクラウドファンディングでは、目標金額の約10倍にあたる240万ドルの資金調達に成功。発表から2年経ち、プロトタイプより解像度が向上した開発者向けキット「Development Kit 2」が提供されており、これを活用した様々なコンテンツを目にするようになりました。○そもそもオキュラスって?オキュラスは、100-110度という広い視野角を持ち、頭の動きに表示が追従するという「ヘッドトラッキング」機能が搭載されたバーチャルリアリティ・ヘッドマウントディスプレイです。これまでにも密閉型ヘッドマウントディスプレイ(以下HMD)は数多く出ていました。しかし、その殆どは暗闇のなかにポツンと画面が浮かび上がり「○メートル先に○インチの画面が映し出された状態」というのを作り出すものです。確かに他のものが視界に入ってこないので、映画やドラマなどの映像作品を観る際には、邪魔されずに集中できるというメリットはあります。しかし、FPSやオープン系RPGと呼ばれるゲームをプレイするとわかりますが、首を左右に振ったり、後ろを振り返ったりしても、見えている画面は同じ。おそらく、筆者と同じように「オモッテイタノトチガウ」とガッカリした経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか?具体例を挙げると、テーマパークなどにある映像を見ながら進んでいくライド系アトラクションを想像してください。3Dメガネをかけることで、施設内にあるスクリーンから投影された映像が、まるで側にあるかのような体験をすることができますよね?でも、画面から目をそらしてしまうと、その世界というのは途切れてしまいます。しかし、このオキュラスは違います。「表示が追従するヘッドトラッキング」と「視界の邪魔をされず楽しめる密閉型HMD」が融合。目の前に広がる景色はもちろん、後ろを振り返ったり、上や下をみたりしても、その世界は途切れることなく続いており、まるで自分がVR空間の中に迷い込んだような感覚に包まれます。オキュラスを使ったVR体験は増えてきており、今年、日本でも話題になりました。それがYahoo!JAPANが開発したSNS連動型バーチャルジェットコースター「ヤフートレンドコースター」です。これは、「Yahoo!検索」の「リアルタイム検索」の推移グラフをトレンド波形として可視化し、それをジェットコースターのコースとして体感するアトラクション。筆者も実際に体験してみましたが、景色が動き、頂点で目線を下にやると小さな建物などが見え、ホンモノのジェットコースターに乗っているかのようでした。他にも楽天トラベルが長野県と協力し「バーチャルリアリティ観光体験 –長野県-」というイベントを企画。オキュラスを装着することで、Googleストリートビューのような静止画像で作られた長野県の観光名所を旅することができるというもの。また、観光やゲーム以外での使い道の1つとして、スポーツ&フィットネスアプリおよび周辺サービスの開発を手掛けるオーストラリアのランタスティックがオキュラスで利用可能なワークアウトプログラムを開発中なことを12月16日に発表しました。例えば、満天の星空でのストレッチや瞑想をすれば、リラックス効果も得られそうですね。現在発売されているオキュラスは開発者向けですが、米国時間の9月19日~20日に開催された「Oculus Connect」で、最新版の試作機「Crescent Bay」(クレセントベイ)を発表しました。サウンド再生機能を備え、本体重量の軽減や装着のしやすさなど、製品化へ向け着実に進化していっています。数年前まではSF小説や映画の中でしかなかったVR空間に入り込むという夢物語は、このオキュラスの登場により、手の届く場所にまで近付いてきています。数年以内にこうしたVR体験がもっと手軽に行われているのではないでしょうか。夢のフルダイブ環境まであと少しなのかもしれません。■ 記事提供:gooスマホ部3万件ものスマホやアプリ、タブレット等Q&Aをストック。あなたのお困りごとにスマホ部員が回答します!!
2014年12月26日不眠症の解消にはさまざまな方法があります。今回は、そのうちの1つである認知行動療法をご紹介したいと思います。これは不眠の原因を理解し、その原因を断ち切るというもの。具体的にはどのような方法があるのでしょうか?不眠症の定義とは?今回は「不眠症の認知行動療法」を取り上げたいと思います。認知行動療法を説明する前に、まずは不眠症についてしっかり学習をしたいと思います。不眠症とはどのような状態のことを指すのでしょうか?この定義は非常に難しいと言われていますが、一般的には次の3つの存在があげられています。1.寝ても回復感がないなど、主観的に睡眠の質が悪い状態2.布団に入っていても眠れない状態が長く続く3.日中に眠くなる、または機能低下などがある当てはまるものはありましたか?悪循環を断ち切る不眠は以下の4つの機能が相互に作用している問題と考えられています。1.生理:交感神経系の亢進2.情動:布団に入るだけでネガティブな気持ちになる3.認知:今日も眠れないかもしれないと不安になる4.行動:不眠を解消するためにさまざまな試みをする1の交感神経の亢進は、多忙や体調不良など、ちょっとしたことで簡単に起こると言われています。それをきっかけに眠れなくなり、不眠を解消しようと焦っていろいろと行動を起こして、また眠れないと不安になるという悪循環に入ることがある、ということですね。この悪循環を断ち切ることが不眠の解消につながると考えられています。認知行動療法の紹介不眠症の認知行動療法にはさまざまな方法がありますが、そのいくつかをご紹介したいと思います。・睡眠制限法布団に入ったらすぐに眠れるように、あえて就寝時間を遅らせる。それによって睡眠効率をアップさせる。・刺激統制法寝室=睡眠のためのスペースと意識するため、寝るとき以外は寝室を使わないようにします。・リラクセーション呼吸法などのリラックスできる方法を日頃から練習・習得し、寝る前にも行うように習慣化します。ほかにもさまざまな方法があるようなので、気になる方は一度調べてみるとよいかもしれません。Photo by Rory MacLeod
2014年11月16日睡眠障害にはさまざまなタイプがあるため、それだけ多種多様な悩みが存在すると言えます。認知症との併発もまさにその1つかもしれません。今回は、認知症と睡眠障害の関係、またその対応について考えてみたいと思います。認知症と睡眠障害の関係認知症と睡眠障害には深い関連性があると言われています。それはデータにも表れていて、じつに認知症患者の約7割が何らかの睡眠障害に悩んでいるというものです。認知症患者の睡眠障害(夜間頻尿や昼夜逆転)は介護をする側の負担を激増させるので、介護破綻につながる可能性があると考えられています。今後、日本は高齢化社会へ突入していき、在宅介護がますます増えていくことが予想されるので、これは他人事ではない深刻な問題と言えるかもしれません。とは言っても、なかなか専門知識のない一般人には睡眠障害の対処法はわからないものです。何か良い方法はないのでしょうか?自宅でできるケア独立行政法人国立長寿医療研究センターは、すぐにできるケアとして次のような項目をあげています。・楽しめる活動やレクリエーションを活用する・つねに規則正しい就寝・起床時刻を保つ・有酸素運動を取り入れる(16時前が理想)・ベッド上で読書やテレビを見るなどの生活をしない・就寝3時間前は、食事・カフェイン摂取・喫煙をやめる・眠れない場合は一度起きて、眠くなってから再度ベッドに入る・温めた牛乳やバナナなどの軽食を摂る・日中は、なるべく日光を浴びるようにする・昼寝を制限する(寝すぎない)どれもやろうと思えば、すぐにできそうなものばかりですよね。カフェインの効果的な使い方上記の項目にあるカフェインは摂取の方法によっては、昼寝後の覚醒レベルを高めるなどの効果があります。具体的には、お茶やコーヒーなどカフェインの入ったものを飲むと30分後ぐらいを目安にカフェインの血中濃度が上がるため、覚醒しやすくなるのだそうです。つまり、夜眠る前にカフェイン入りの飲料を摂取してしまうと目が覚めてしまって逆効果ですが、昼寝などパッと短時間寝て、パッと起きるようなときには効果的に活用できる、ということですね。まずは、いろいろと上の項目を試してみて、自分に合った方法を探ってみるというのがよいかもしれません。ただし、それでも改善されない場合は、お医者さんに相談するようにしましょう。Photo by vic xia
2014年11月13日多くの方が親の介護の不安について語るとき、認知症の発症をあげます。それはまた自分におきかえても同じことです。パートナーや肉親に迷惑をかけたくないという思いから、認知症となることへの恐れを抱く方も少なくないよう。まだまだわからないことが多い認知症ですが、よいとされている睡眠での予防策をご紹介します!なかなか知られていない睡眠と認知症との意外な関係性とは?睡眠時は、成長ホルモンを分泌するなど身体的な回復を図る時間であると同時に、脳の記憶を整理するという働きがあります。まさにこの記憶の整理こそが重要で、きちんと自分が行ってきたことを時系列に引き出しにしまっておくことができるようになるのです。認知症の研究は日進月歩ですが、どういった要因で発症するのかはまだはっきりわかっていません。気になるのは、どんな睡眠の取り方をすれば認知症予防につながるのか? ということですよね。詳しく見ていきましょう。「知っておきたい」認知症予防につながる睡眠の取り方認知症を防ぐための睡眠の取り方にはいくつかポイントがあるようです。まずは、朝しっかりと太陽の光を浴びること。光には体内時計を調整する働きがあります。夜眠くなり、朝目が覚めるというリズムを生み出すために、日光を浴びることを意識しましょう。2つ目は、就寝時間と起床時間を定めること。これは、朝きちんと日光を浴びることにリンクしており、体内のリズムを整える上で重要です。そういう意味で、決まった時間にきちんと三食とることも重要です。ここでのポイントは、朝食をきちんと食べることで1日を活動的に過ごすこと、就寝2時間以上前に夕食をとっておくことです。そして、夕方以降はアルコールやニコチンをとることも控えましょう。最後に、部屋の照明や温度、湿度を管理して、睡眠環境を整えましょう。部屋の温度は16~26度くらいに設定します。暑すぎても、冷えすぎても眠りは阻害されてしまうので注意してくださいね。認知症になった場合、どんな睡眠の悩みを解消する方法があるのか?認知症になると、まずは脳の記憶を管理する部分が障害にさらされるといわれています。その後、さまざまな派生の仕方をし、睡眠と覚醒のリズムが狂うこともあります。不眠症を併発したり、昼夜逆転を引き起こしたりすることがあるのはそのためです。また重度の認知症の場合は、わずか1時間すら連続で眠っていられないこともあるようです。このような認知症の方の場合、介護者の睡眠時間もばらばらになり負担が増加してしまうという問題もあります。このような認知症の症状にも、上記の「認知症予防につながる睡眠の取り方」が有効です。認知症予防につながるような睡眠の取り方は健康にも効果的。心身ともに元気に活動できるように、睡眠を上手に活用してくださいね。Photo by Alba García Aguado
2014年10月31日作業記憶や処理速度、知識などの「認知機能」は、年々積み重ねていく知識を除き、20歳をピークにして低下していく。厚生労働省の発表では、認知症を有する高齢者は2010年で226万人、2020年で325万人に達するという。そんな中、より効率的な認知症予防として、筋トレと有酸素運動が注目されている。○運動で血が巡り、脳のボリュームが増すそもそも筋トレや有酸素運動などという運動は、どう認知機能に影響を与えうるのか。東北大学災害科学国際研究所の野内類助教授によると、運動による心拍数増加によって全身への血流量が増えると、同時に脳への血流量も増加するという。その結果、神経細胞が活性化され、脳のボリュームが大きくなる。この脳の拡大が、認知機能の向上に関わっていると推測されている。では、筋トレや有酸素運動を組み合わせて行った場合、認知機能にどのような影響があるのか。東北大学とカーブスジャパンは、60歳以上の日本語を母語とする健康な男女64人を対象に研究を実施。運動は筋トレと有酸素運動を30秒間隔で繰り返すサーキットトレーニングを、1日30分、4週間続けて行った。○組み合わせることでより効率的に認知機能検査をサーキットトレーニングの介入前と介入後に2回実施し、その得点によって認知機能の変化を検証。その結果、介入群(サーキットトレーニングを実施した32人)は無介入群(サーキットトレーニングを実施しなかった32人)に比べて、処理速度やエピソード記憶、実行機能(行動や思考を制御し、実行する能力)により向上が見られたという。なお、無介入群でも向上している理由としては、被験者が検査に慣れてしまうという練習効果が関係していると考えられる。野内助教授は、筋トレや有酸素運動が認知機能に作用するメカニズムは同じといえるが、実際に影響を受ける神経細胞や脳の場所が異なるため、具体的な認知機能への影響もも変わってくると指摘している。筋トレの場合は処理速度や実行機能、有酸素運動の場合はエピソード記憶や実行機能の改善が促されるという。今回の研究では、この2つの運動を単独ではなく組み合わせて行うことで、より効率的な認知症予防が見込めることを示した。なお、今回は高齢者を対象に研究を行ったが、若年・中年層では高齢者以上の効果が期待できると野内助教授は推測している。
2013年10月24日エス・エム・エスが運営するケアマネジャー向けコミュニティサービス「ケアマネドットコム」はこのほど、「認知症介護の実態と認知症治療薬の認知度」についての調査結果を発表した。同調査は8月31日~9月7日まで同サイトにてインターネットアンケートとして行われ、ケアマネジャー資格保有者500人から回答を得た。まず「認知症介護について家族から相談を受ける内容」について聞いたところ、ケアマネジャーの85%が「服薬」をあげた。以下「入浴」が69%、「着衣」が47%、「食事の準備」が45%と続いた。次に「薬剤の説明ができる知識があるか」を聞いたところ、ケアマネジャーの50%は、代表的な薬剤であるアリセプトについて「説明できる知識がある」と答えた。その一方で、新薬であるイクセロンパッチなどのパッチ剤について十分な知識を保有しているケアマネジャーは15%程度だった。「各認知症薬剤を担当利用者や家族に情報提供しているか」との問いには、77%のケアマネジャーが「家族に対してアリセプトについての情報提供を行った」と回答した。一方、アリセプト以外の認知症治療薬の情報提供をしたことがないと答えた人は約60%にのぼった。今回の結果について、認知症専門医であり、医療法人社団翠会和光病院院長兼日本社会事業大学大学院特任教授の今井幸充氏は、「それぞれの認知症治療薬の効果の出方や副作用は異なるので、仮にある薬剤での効果が薄い場合や副作用が出てしまった場合でもあきらめずに他の薬剤をいろいろ試すことが重要」と解説している。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月20日東京都福祉保健局は12月初旬、65歳未満で発症する若年性認知症のハンドブックを作成、Webで無償公開した。若年性認知症で早期に現れる特徴などの基礎知識、医療機関を受診する際のポイントのほか、家族が相談できる窓口、各制度の問い合わせ先などを紹介・掲載している。早期に発見し、適切な支援に繋げるのが目的65歳未満で発症する「若年性認知症」の人は、働き盛りの時期と重なるため、最初に職場において異変に気がつくことも多く、職場内での正しい理解と支援が必要とされている。そこで都は、産業医及び企業団体の人事・労務担当者等を対象に、職場内で若年性認知症の人を早期に発見し、適切な支援に繋げることを目的に、同書を作成したという。早期発見・診断と早期治療の重要性を説明し、就労時から利用できる制度の紹介のほか、企業と産業医の連携による支援が行われた事例と行われなかった事例も取り上げている。また、退職後に利用できる制度、相談窓口、各制度の問い合わせ先などの情報のほか、介護保険制度の各サービスの特徴や負担割合も一覧表で示されている。(全60ページ、PDF形式)
2010年12月13日