公式戦が始まったけど、試合があったことをチームのインスタで初めて知る、ということが何度もあった。同級生は呼ばれているのに息子が呼ばれてない。親として恥ずかしいしショック。これから頑張っても試合のメンバーに選ばれないなら移籍すべき?と悩むお母さんからご相談をいただきました。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの取材で得た知見をもとに、3つのアドバイスを送ります。(文:島沢優子)(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<出場時間の短い息子、興味があるバレーボールに転向したほうが良いという妻と意見が割れてます問題<サッカーママからの相談>初めまして、よろしくお願いします。息子は小学3年生で県内でも強豪のクラブチームに所属しております。2年生から公式戦も始まったようですが、息子には声がかかっていないので、試合があった事さえ知らないのです。チームのインスタで試合があった事を初めて知るという事が何度もありました。同じ小学校の友達は試合に呼ばれているようで、なんだかこの状況が親として恥ずかしく感じてきました。2年生ですでに選抜されている事にショックなのと、これから頑張っても選抜されないのではないかと不安になっております。このままこのチームに所属して練習のみに参加するべきか、他のチームに移籍するか悩んでおります。 ここからの逆転劇はありますでしょうか?毎日家でもコツコツ練習していて、確実に上手くはなっています。 サッカーも大好きで、息子はチームが好きなのでここで続けたいと言います。高学年になり、試合にも呼ばれないと同じ小学校のチームメイトから馬鹿にされたりしないかなど勝手に私が心配しています。本当に情けないのですが、アドバイスを頂けたら幸いです。<島沢さんからの回答>ご相談いただき、ありがとうございます。チームのインスタグラムでチームメイトが試合に参加することを知るなんて、息子さんはどんなにかショックだったことでしょう。ぜひ励ましてあげてください。■レギュラーだけに試合を告知するチームのやり方はおかしいとはいえ、お母さんが「なんだかこの状況が親として恥ずかしく感じてきました」という告白は、少し残念です。解釈が間違っていたら申し訳ないのですが「親として恥ずかしい」の言葉が、息子が試合に呼ばれていないことを指しているととれるからです。受け取り方はさまざまあるでしょう。しかし、私はこの「レギュラーにだけ試合告知する」というチームのやり方に憤りを感じます。少年団ではなく民間のクラブチームですから、クラブ員全員に平等なプレー機会と楽しくプレーできる環境を与えるのが本来の使命です。人数が多ければ参加する大会を分けて、子どもたちにその都度説明すべきです。それをこっそり隠れてエントリー組にだけ知らせて試合に連れていくなど、教育的配慮に欠ける以上に人としてどうでしょうか。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■戦力ダウンになるからレギュラー以外帯同させなかったチーム実は、都内にあるクラブが以前、都大会の地域予選で同じことをしました。8人制です。記憶があいまいで申し訳ないのですが、エントリーが十数人。1試合のうち確か12人程度を必ず試合に出場させなくてはならないレギュレーションでした。ほかのチームはエントリーぎりぎりまでの人数を参加させ、12人出場を順守していました。ところが、そのクラブは9人しか連れてきていませんでした。レギュラー以外の子どもを出場させると戦力ダウンになるからです。■補欠だからしかたない、ではなくチームの大人に情けなさを感じてほしいあとで、そのクラブで試合に呼ばれなかった子どものお母さんから話しを聞くことができました。お母さんは「うちのクラブはガチガチの勝利至上主義なんです。試合があることを知らされなくても、私たち補欠組は仕方ないねとあきらめています」と涙ぐんでいらっしゃいました。聞けば、そのクラブは代表であるコーチの方の息子さんはJリーガー。プロを輩出したクラブとしても有名でした。さまざまなブランド力の前に、誰も何も言えない状態でした。十数年前の話ですが、いまだに同じようなことが行われていることにがく然とさせられます。息子さんが試合に呼ばれないことを、お母さんが残念に思う気持ちは私も同じ親としてよくわかります。しかしこの場合は、息子さんよりも所属するクラブの大人たちに対して情けなさを感じて欲しいです。■お子さんにはどうあって欲しい?レギュラーで活躍するのが最優先なのかここから三つほどアドバイスさせてください。ひとつめ。まずは子育ての原点に還ってみましょう。一度胸に手を当てて考えてみてください。お母さんは何のために子育てをしているのでしょうか?子どもにどうあってほしいですか?「このままこのチームに所属して練習のみに参加するべきか、他のチームに移籍するか悩んでおります。 ここからの逆転劇はありますでしょうか?」とあります。サッカーではいつもレギュラーで活躍してほしくて、そうではない息子さんを許せないのでしょうか?違いますよね?お母さんは、息子さんをサッカーのプロ選手にするために産んだわけではないと思います。それなのに、相談文には「恥ずかしい」「情けない」がたくさん並びます。息子さんに対して負の感情を抱いていることが伝わります。「私は何のために子育てしているの?」そこに注目すると、おのずとどうすればいいかが、わかると思います。■不安かもしれないが、親は我が子を肯定してあげよう2つめ。お母さん、「心配するのが親の役目だ」と昔々の子育て観に縛られていませんか?前述したように、移籍すべきかどうかと悩んだり、試合にも呼ばれないと「馬鹿にされたりしないか」と心配しています。このようにお母さんが不安になるのは、レギュラーのみ試合告知するようなクラブにいるのも理由のひとつかもしれません。息子さんのサッカー環境は決してポジティブなものではないようです。しかしながら、お母さんご自身が息子さんを肯定していないことも大きな要因ではありませんか?そうではなく、以下のように考えられないでしょうか。うちの子は試合に出られなくても、こんなにサッカーを楽しんでいる。うちの子は、コツコツと家でも練習して本当に努力家だ。うちの子は試合を知らせてくれないようなチームなのに、チームが好きだなんて、なんて寛容な人間なんだろう。そのように、お母さんが肯定することが、何よりも息子さんの力になります。逆に、心配な感情、不安な気持ちは、息子さんの自己肯定感を下げます。言葉にするとしたら「僕のことを一番知っているはずのお母さんにこんなに心配されてしまう、ダメな僕」と感じてしまうのです。自分とは違う生命を預かるのですから、誰でも不安でいっぱいです。しかし、心配してオロオロするのではなく、多少不安なところがあってもわが子を信じてあげてください。鈍感でいるか、強がること。お母さんの鈍感さや強がりが息子さんの力になるのです。そして、成果主義を卒業しましょう。いいですか?試合に出られなくて一番つらいのは、息子さんです。そこを決して忘れてはいけません。何か良いことをしなければ認められない家庭は、子どもにとって地獄とまでは言いませんがつらい場所です。サッカーや学校は評価ばかりで、ジャッジされ続ける日本の子どもにとって、家庭は安全基地でなくてはいけません。心理的安全性がある家でこそ、子どもはこころのエネルギーをチャージして意欲的になれるのです。■不安に陥りがちな「こころの癖」はどこから来るのか(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)3つめ。この機会に、子どもを心配してしまう自分の育ちを見つめ直しましょう。こちらから「子どもを信じましょう」「子どもに決めさせましょう」「自立させましょう」と方法論を伝えても、皆さんおそらく「わかってはいるけど、それが難しい」と思っていますよね?不安に陥りがちな「こころの癖」はどこから来るのか。何か発見したら、またメールをください。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)ジャーナリスト。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』『東洋経済オンライン』などでスポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』(小学館)『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)『部活があぶない』(講談社現代新書)『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)『オシムの遺産彼らに授けたもうひとつの言葉』(竹書房)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著・小学館)『教えないスキルビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』(佐伯夕利子著・小学館新書)など企画構成者としてもヒット作が多く、指導者や保護者向けの講演も精力的に行っている。日本バスケットボール協会インテグリティ委員、沖縄県部活動改革推進委員、朝日新聞デジタルコメンテーター。1男1女の母。
2024年04月24日空気中の酸素から活性酸素を生成する世界随一の特許技術を持つWEF技術開発株式会社(所在地:滋賀県大津市、代表取締役:青山 章)は、特殊な菌と活性空気を組み合わせることで、今までの生物処理が解決できなかった課題、すなわち投入物を100%分解する、野菜残渣連続処理でも排水が発生しない、ニオイもほぼない、加熱ヒーターが不要のすべてを解決した生物処理技術の開発に成功しました。■環境に負荷を与えない消滅型生ごみ処理装置WEF技術開発の目標は社名の通り、Water(水)、Energy(エネルギー)、Food(食糧)の地産地消技術開発で、一度使用したものは出来る限り再利用する分散型の持続可能な社会を構築することです。生ごみのリサイクルを前提にした活性酸素による分解乾燥装置「α-Gaia」等を開発してきました。しかし、他社生物処理装置でも処理物は農業利用には回されず、多量に保管されたままだったり、産業廃棄物として処理されたりしています。そのような状況から微生物による生ごみ処理機は家庭からも企業からも姿を消しつつあります。しかし、工場ではSDGsの作る責任の中での廃棄物の削減が求められており、そのような事情から、最近消滅型生ごみ処理機を導入される工場も多数あります。ところが、消滅型生ごみ処理装置のほとんどは、分解生成物を水で洗い流す機構になっていて、排水が排水基準以下のBODなら問題ないのですが、その多くが基準を大きく超えているのが実情です。これらの消滅型生ごみ処理装置を見るにつけて、当社の活動目標には反するのですが、個体有機物の活性酸素ガス化分解装置を開発・販売していることもあり、排水の出ない消滅型生ごみ処理装置開発に取り組んできました。■排水の出ない消滅型生ごみ処理試験開発した処理装置は特殊な菌と活性空気の組合せの処理が基本となり、勿論装置は今までにない工夫をしていますが、加温装置や特別な脱臭装置もなく、撹拌によって分解促進しているシンプルな構造となっています。1) 農作物残渣処理試験農作物残渣処理処理状況2) 麺類処理試験麺類処理試験麺類処理試験3時間後3) 野菜残渣連続投入処理試験(10日間)野菜残渣連続投入処理試験(10日間)処理結果検証試験結果試験結果■今後の展開「Easy-bye(イージーバイ)」シリーズについて装置化:装置は「α-Gaia」を基本に製作。処理装置名を「Mimosa(ミモザ)」と命名します。Mimosa(ミモザ)200L試験装置(100L)今回、完全消滅型生ごみ処理装置を開発したのを契機に、個体有機物活性酸素分解装置「Polaris0.5」とのセットで、「Easy-bye」シリーズとして、食品工場や食品スーパーで排出される個体有機物、動植物残渣のすべてを完全消滅処理し、食品関連企業等の排出廃棄物の大幅削減をサポートしたいと考えています。活性酸素分解装置「Polaris0.5」■2024NEW環境展で展示します。2024年5月22日~24日まで東京ビッグサイトで開催されます「NEW環境展」に出展いたします。今回は消滅型生ごみ処理装置「Mimosa(ミモザ)」試験装置、活性酸素分解装置「Polaris0.5」、活性酸素水処理装置「W-Gaia」を展示いたします。出展ブースは東3ホール、A330です。■会社概要商号 : WEF技術開発株式会社代表者 : 代表取締役 青山 章所在地 : 滋賀県大津市堂1-19-15設立 : 2016年7月事業内容: 水処理、廃棄物リサイクル、Mg関連技術開発、販売URL : (マグネシウムワールド) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年04月18日コーチもチームメイトも良い人で本人も楽しく通っている。親としてクラブには特に不満はない。だけど、「本人が行きたいといった」と高熱でも試合に参加させたり、学校行事よりサッカーを優先させる周りの保護者とのやり取りに悩んでいる、というご相談。【サッカー>学校行事】を「本気でやっていくなら当たり前」と周囲は言うそうですが、みなさんはどう感じますか?スポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの取材で得た知見をもとに、子どもをサッカー漬けにする4つのリスクについてお伝えします。(文:島沢優子)(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<サッカーやっている息子は自分の理想と正反対、と息子のサッカーを嫌う妻を何とかしたい問題<サッカーパパからの相談>現在小学1年生(4月から2年生)の息子がいます。今息子が入っているクラブチームでの保護者同士のやりとりに悩んでいます。小学校に入学する前に幼稚園のサッカー教室で1年間程サッカーを習っていましたが、小学校入学の際に別のクラブチームに入りました。幾つかのクラブチームやスポーツ少年団に体験に行ったのですが、息子が行きたいと言った今のクラブチームに入ることを決め、息子は楽しく通っています。コーチもチームメイトも良い方ばかりで、親としてチームに何も不満はありません。ただ、周りの保護者がとても熱心で、たまに不安になることがあります。例えば、試合の日に子どもが高熱を出しているのに「本人が行きたいと言ったから」と参加していたり、学校行事よりも試合を優先させるのが当たり前など......。「サッカーを本気でやっていくなら当然。みんなそうしてるよ」と言われるのですが、私はどうしても理解ができずにいます。小学校1年生でも、そのようにする必要があるのでしょうか?とても熱心な保護者さんと話していると、うちもそうしなきゃいけないんじゃないか、息子にさせることができていない私はダメなのかな......。と思ってしまいます。私は息子が体調不良の時は休ませています。学校行事や月に1度しかない夫の土日休みは試合を休んで旅行に行くこともあります。それも毎月ではないですし、練習試合が月に3回程度あるので、1回休んだとしても他にも出ることができます。私が息子を甘やかしているのでしょうか。これでは息子のサッカーは上達しないでしょうか。教えてください。<島沢さんからの回答>ご相談いただき、ありがとうございます。いやはや、驚きました。高熱でも試合に行かせるなんて正気の沙汰ではありません。学校行事より試合を優先させるということは、例えば遠足などを休ませて試合に行かせるということでしょうか。しかもまだ小学1年生で、そこまで親御さんが過熱するとは。もちろん高学年であったとしても、熱があるのに試合に出してはダメだし学校行事を優先させるべきです。■学生の本分は勉強子どもに試合を優先したいとせがまれても毅然とした態度を見せて小学生の本分は勉強です。学校で仲間と一緒に学ぶことが彼らの軸です。例えば学校の少年団ではなくいくつかの小学校から子どもが集まるクラブでは、全員の予定に合わせられません。そこで子どもが学校を休んでサッカーの試合に行きたいとせがんだとしても「小学生は学校を最優先にしなくてはいけない。それはわが家の方針です」と毅然とした態度を見せてください。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■チームの保護者はクラブのありようを映す鏡それにしても、このように親御さんの暴走を許しているということは、クラブ自体やコーチが、何よりもサッカーを優先せよという姿勢なのかも知れません。以前取材で訪れた少年サッカーの大会会場で、コーチの方が祖父母の法事で練習を休んだ子どもを「サッカーは大事ではないのか」となじっていました。そのコーチをとがめる大人がいない事実が何より残念でした。子どもをサッカー漬けにしたいコーチよりも、そうでないコーチのいるチームを選んでください。そこに集う親の姿は、そのクラブのありようを映す鏡だと私は思います。試合で、ベンチが静かでポジティブなかけ声が多いチームの親御さんは、また同じように穏やかに見守っています。逆にベンチが怒鳴ったり指示の多いチームは、親御さんもまた同じように感情的になっています。■あなたの感覚は間違っていない、このままでいて結論から言うと、お母さんはそのままでOKです。どうか、今お持ちになっている教育観をブレずに持ち続けてください。体調不良の時は休ませてください。学校行事や月に一度しかないお父さんの土日休みは、サッカーの試合を休ませて旅行に行きましょう。小学生時代の家族の思い出がサッカーしかない。音楽、科学、他のスポーツなどサッカー以外のことに触れる機会がないといった環境は、子どもの健やかな成長を促せません。■子どもをサッカー漬けにすることで懸念される4つのリスク(リスク1~3)そのようにサッカー漬けにすることは、4つのリスクがあると私は考えます。1つめがスポーツ障害です。まだ骨の発達が伴わない小児期にスポーツをやり過ぎてしまうと、疲労骨折や膝や足首にスポーツ障害を抱えることになりかねません。過度な活動がたたって、ドクターストップがかかったり、手術をした小学生もいます。2つめはバーンアウト。精神疲労です。お腹いっぱいになるまでサッカーをやり過ぎて「もうサッカーはいいや」と燃え尽きてしまった子も複数知っています。3つめが重要です。小学生からスポーツをやり過ぎてしまうと、脳の成長が阻まれます。私はこのことを『高学歴親という病』(講談社α新書)という書籍を企画構成したことで知りました。脳科学者で小児科医の著者、成田奈緒子先生が同書で詳しく説明しています。まず小学校低学年くらいまでに育てなければいけないのは「からだの脳」です。別名「原始人の脳」ともいいます。睡眠、食欲、呼吸など生命の維持、心身の成長に欠かせない部分を育てなくてはいけません。姿勢の維持も、「重力に逆らって立つ」「椅子にきちんと座る」といった、もっとも基本的な身体の力です。自律神経は、血液の運搬や体温調整、心臓や内臓の働きなどの体内活動を司ります。これらにかかわる脳を育てるには、早寝早起き朝ごはん。生活リズムが重要です。その次に、より高度な機能を司る「おりこうさんの脳」を育てます。計算したり、文章を読解したり、言語を理解する知能、五感をつかって自分の周囲を認知する知覚もここに含まれます。いずれも大切な能力ではありますが、さまざまな研究で、人間の基本的な動きを支える「からだの脳」が育っていなければ、おりこうさんの脳もうまく育たないことがわかっています。そして3番目、最後に育てるのが「こころの脳」です。コミュニケーション能力や社会性をつけていきます。脳は「からだの脳」→「おりこうさんの脳」→「こころの脳」の順番に育てなくてはいけません。平日遅くまで練習して食事も睡眠も遅くなっていけば生活リズムが乱れます。■家庭崩壊にもつながりかねない4つ目のリスク(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)リスクの4つめは、親子関係性が悪化する懸念です。親が子どものサッカーに入れ込みすぎる家庭では、子どもに過大な期待をかける傾向があります。レギュラーで活躍している時は楽しいでしょう。そこには悦びがあります。ところが、親が思うとおりにいかないこともあります。すると、子どもに対し嫌悪を抱く親御さんは少なくありません。そうなると、子どもは追い詰められます。自著で申し訳ないのですが、それについては『スポーツ毒親』(文藝春秋)に詳しいです。家庭は、子どもにとって安全基地です。他人の言動に振り回されることなく、どうか安心して子育てを楽しんでください。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)ジャーナリスト。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』『東洋経済オンライン』などでスポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』(小学館)『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)『部活があぶない』(講談社現代新書)『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)『オシムの遺産彼らに授けたもうひとつの言葉』(竹書房)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著・小学館)『教えないスキルビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』(佐伯夕利子著・小学館新書)など企画構成者としてもヒット作が多く、指導者や保護者向けの講演も精力的に行っている。日本バスケットボール協会インテグリティ委員、沖縄県部活動改革推進委員、朝日新聞デジタルコメンテーター。1男1女の母。
2024年03月27日ビジネス書や女性エッセイを刊行する株式会社大和出版(所在地:東京都文京区、代表取締役:塚田太郎)は、『どんな場面でも会話が途切れない一生使える「雑談」の技術』(渡瀬謙 著)を、2024年2月16日に発売いたしました。[内容説明]ムリに話さなくてもOK!無口、口下手、あがり症……。 まさにコミュ障そのものだった私がつかんだ方法だからこそ、効果には絶対の自信があります!生来の口下手人間が試行錯誤の末につかんだ「話のきっかけづくりと見つけ方」「話の広げ方と掘り下げ方」「困った状況の切り抜け方」etc.を事例とともに初公開。実践すれば、あなたの毎日がガラリと変わります![本書の5大ポイント]①雑談上手になる方法を、ステップ形式で余すところなく解説②各項目の終わりにある「まとめ」でポイントをスッキリ理解③著者自らのリアルな体験談をふんだんに挿入④著者ならではの弱者目線だからこそ共感性も抜群⑤章末にあるコラムでほっと一息[本書の主な項目]カギは「相手ファーストの雑談」にある!――◎もの静かな私がトップセールスになれた理由◎発想の転換で、あっという間に〝雑談上手〞に!◎雑談には5つの目的と効果がある◎「相手ファーストの雑談」の構造は、じつにシンプル◎話題に迷ったときの「新鮮なネタ」の選び方◎オンラインでの雑談にはコツがある◎相手がもち出した話題はこうフォローしよう◎雑談で話が広がらない人の3つの特徴◎自然と距離が縮まる「教えてもらう雑談」◎雑談での沈黙には、この3つで対応しよう他、全49項[本文より][著者からのメッセージ]この1冊で、雑談の悩みを一気に消し去ってください!私は本書でご紹介する 「相手ファーストの雑談」 をするようになってから、人づきあいの悩みがきれいになくなりました。どんな場面でも会話が途切れないで、ラクに話ができるようになったのです。「すごいですね。かなり努力したのでしょうね?」そんな声が聞こえてきそうですが、私は努力も苦労もしていません。そのうえ時間もかかりませんでした。「そんなわけないでしょう。しゃべる練習にだって、かなりの時間がいるのでは?」はい、その練習も不要なのです。極論でも何でもなく、この本を読み終えた瞬間に雑談の悩みから解放されます。ちなみに私はかなりの慎重派です。9割程度の自信では口にしません。絶対の自信があるからこそ、こうしてご紹介しているのです。では、なぜそんなに自信があるのか?それはコミュ障だった私自身への効果はもちろんですが、この雑談術を実践した人たちの喜びの笑顔をたくさん見てきたからです。ここで、そのごく一部をご紹介しましょう。● 子どもの頃から雑談が苦手で、社会人になってからもまわりの人の輪に入れずにいつも孤立していました。でも教わった方法を試したところ、気軽に会話ができるようになり、気後れすることなく人と接することができるようになりました。● 先輩社員からは、「もっと気軽に思いついたことを話せばいいんだよ」と言われるのですが、それができずに苦労していました。でもこの雑談術は、そんな私でもすぐにできて誰とでも会話が続くので、自分にピッタリだと思いました。● この方法は、いままでの雑談の常識をくつがえす画期的なものだと思います。何より難しいトークを覚えたり、しゃべりの練習をしなくても、すぐに実践できてその場で効果が出るところが素晴らしいです。さっそく苦手な上司との雑談に使ってみましたが、信じられないくらい気持ちよく会話ができました。● これまでは、自分は口下手だから雑談が苦手だと思い込んでいました。でも、単に雑談に対する考え方が違っていただけということに気づけました。● この相手ファーストの雑談法は、口下手な部下との会話にも有効ですね。かなり会話が続くようになりましたし、何よりも部下が笑顔でしゃべってくれるようになったことがすごいです。チームのコミュニケーションも向上しました。以上のように、実践したほとんどすべての方から喜びの声と成果が届いています。雑談術の講座に来る人たちなので、もともと苦手意識が強い人がほとんどです。最初のうちはおどおどした感じの人も、終わる頃には表情が明るくなるのがわかります。雑談のやり方を理論的に理解できたことで、これまでのモヤモヤとした不安が消えたからです。雑談は、なんとなくの感覚でやるものではありません。きちんとした方程式があります。それさえ知っておけば、いつでもどこでも誰とでも、ストレスなく会話ができるようになります。話術もいらないので、私のような口下手な人間でもすぐにできます。それどころか、むしろ雑談が苦手だった人のほうが効果が大きいのです。[著者プロフィール]渡瀬謙(わたせ・けん)有限会社ピクトワークス代表取締役。1962年、神奈川県生まれ。小さい頃から極度の人見知りで、小中高校生時代もクラスで一番無口な性格。明治大学卒業後、精密機器メーカーに入社。その後、(株)リクルートに転職。社内でも異色の無口な営業スタイルで入社10カ月目で営業達成率全国トップになる。94年に有限会社ピクトワークスを設立。広告などのクリエイティブ全般に携わる。その後、事業を営業マン教育の分野にシフト。日本生命保険、三菱UFJ銀行、野村證券など各業界のトップ企業での営業研修や雑談術の講演を行うと同時に、内向型の性格で悩む人を対象に個別トレーニングやコンサルティングを行う。著書に『“内向型”のための「営業の教科書」』『内向型人間のリーダーシップにはコツがある』(以上、大和出版)、『トップセールスが絶対言わない営業の言葉』(日本実業出版社)、『静かな営業』(PHP研究所)など30冊以上がある。公式ホームページ 公式YouTubeチャンネル(雑談についての動画も多数アップしています) [主要目次]これで完璧、人づきあいがグンとラクになる!序章発想さえ変えれば、誰もが〝雑談上手〟になれる!第1章これだけは押さえておきたい!雑談の基本&大原則第2章最初が肝心!話のきっかけづくりと話題の見つけ方第3章ストレスがかからない!不自然にならない雑談の進め方第4章会話がどんどん弾む!話の上手な広げ方・掘り下げ方第5章もう、あわてない!話につまったときの切り抜け方第6章こんなとき、どうする?[シーン別]困った状況での雑談術終章雑談の技術をマスターできれば、人生が大きく変わる![書籍情報]書名:どんな場面でも会話が途切れない一生使える「雑談」の技術著者: 渡瀬謙ページ数: 224ページ判型: 四六判並製価格: 1,760円(税込)出版社: 株式会社大和出版ISBN: 978-4-8047-1908-5発売日: 2024年2月14日以下リンクの弊社HPより、試し読み・ご注文ができます。試し読み・ご注文はこちらから : 会社概要会社概要商号: 株式会社大和出版所在地: 〒112-0013東京都文京区音羽1-26-11設立年月日: 1972年8月代表取締役: 塚田太郎業務内容: 書籍出版(ビジネス書・女性書・心理書・生活実用書・教育書)公式HP: 問合せ先: info@daiwashuppan.com (編集部宛) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年03月26日補欠の息子。試合に出ないと分かっているのに見に行かないとダメ?レギュラーの親は「みんなで応援しよう」と熱く盛り上がってるけど、行っても悲しくなるだけだし行きたくない。わが子が出ない試合に行くのがツライ。小学生年代は全員出場させてくれてもいいのでは?自分は今後どうしたらいい?とお悩みをいただきました。同じような体験をしている親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの取材で得た知見をもとに悩めるお母さんに寄り添いアドバイスを送ります。(文:島沢優子)(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<自主練しない息子。モチベーションアップは親の役目ですか問題<サッカーママからの相談>こんにちは。サッカーを通じての子どもの育成ではなく、子どものサッカーでの私の悩みなのですが、投稿させてください。すみません。息子(9歳、3年生)のサッカーを見に行くのがしんどいです。公式戦などのちゃんとした大会はメンバー固定、うちの息子は緊張感のない練習試合(トレーニングマッチ)ですら試合が決まった最後の方にしか出場させてくれない。同じ月謝を払っているのに不公平じゃないでしょうか......。私たちはチーム運営のお金やコーチのお給料を払っているだけ?この間、今度の公式戦の帯同について補欠ママ同士で語りましたが、試合にほとんど出ないと分かってるのに応援に行くなのべきか(全く出ない時もある)。となりました。何とかして欠席したい。行かない理由を探したい......、とみんな同じような意見でした。スタメン組の親たちは、公式戦だからみんなで応援しましょう!と熱いですが、正直我が子が出ないなら行っても辛いだけ。それでも見に行くんですよね。行ってまた出場機会がないことにイライラ、悲しくなるんですが......。小学生年代は全員公式戦に出せてくれても良いのではないでしょうか。今後私はどうしたらいいでしょうか。<島沢さんからの回答>ご相談いただき、ありがとうございます。試合に出られないわが子を見るのは辛い。その気持ちはよくわかります。そこを通ってきた親として、育成現場を見てきた者として3つほど伝えさせてください。■アドバイス①日本サッカー協会も補欠ゼロを提唱しているひとつめ。少年サッカーは競技の入り口です。その後子どもたちの体格、技術、取り組みがどこでどう変わるかわからない。まずはサッカーの楽しさにどっぷりつかるべきです。そうであれば、本来ならば小学生はプレータイムを概ね平等にすることが求められます。本来は補欠を作ってはいけないと日本サッカー協会も提唱しています。しかし、勝ちたい大人はそうしません。サカイク記事:「日本サッカー協会の技術委員会でも従来から『補欠ゼロ』を提唱しています」人数が多く全員出られないのであれば2チーム出場するなど配慮が必要です。加えてクラブ側は、わが子がレギュラー、ベンチスタートにかかわらず、保護者が「わがチーム」として応援する機運を高める働きかけをすべきでしょう。自分の子だけでなく、他の子にも自然と目が行く。そんなチーム作りが求められます。とはいえ、そのようなクラブは私の体感で2割弱です。地域によっては1割いないかもしれません。普段の練習でも、欧州では技術がおぼつかない子に時間を割くと聞きますが、日本では「チーム一丸」と言いつつ上手い子のほうに目が行くことを当然と考える指導者は多いでしょう。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■アドバイス②補欠だから見に行かない、という理由は子どもの自己肯定感を下げる要因にも二つめは、自己肯定感の話です。「わが子が試合に出ていない状況が苦しいから観に行かない」という理由だと、息子さん側にとって「補欠である自分はお母さんを苦しめている」「お母さんを苦しめる自分イコール=ダメな僕」つまり、「補欠はすごくダメなことで、補欠である僕はダメなやつ」という認識になりがちです。自己肯定感が下がってしまいます。もし「なるほど」と思ったら、一度笑顔で試合を観に行ってみましょう。試合に出られなくても仲間を応援する姿、負けて悔しがる姿、仲間のゴールを喜ぶ顔を見てあげてください。上手でエースでひとりでドリブル突破して点を決めてくる子どもと同じくらい、もしかしたらそれ以上の価値のある笑顔ではないでしょうか。他者の成功を愛(め)で、ともに喜べるのですから。お母さんが「ただそこにいる」ことで息子さんは安心するのではないでしょうか。補欠の僕でもちゃんと見守ってくれている、と。息子は試合に出られないけれど、親はただそこにいる。そこにいるだけのことが子育てともいえるのです。そこにいるだけの自分を自分で褒めてあげてください。もしパートナーがいれば「ただそこにいる」役目を二分割してください。そこにいる役をシェアすれば、自由な時間に自分の趣味も楽しめます。息子さんも2人が交替で観に来てもらえることで、より安心感は増します。もちろん一緒に行ってもいいでしょう。そして、試合に出られないことが一番悔しいのは誰なのかを考えてみましょう。試合に出られなくても遅刻もせず、不貞腐れもせず、チームのために参加する息子さんをほめてください。「真面目にチームを応援できて、えらいね。必ずいいことがあるよ」と。そしてこの「必ずいいことがある」を、親である自分自身にも向けてください。サッカーやスポーツで「補欠だった」社長さんや成功者は山ほどいます。補欠だったけれどその後伸びた子もたくさんいます。その逆で、小学生のころは天才と言われたのに、その後伸びずに人生につまづく人もいます。私は取材の中で、さまざまなアスリートを見てきました。小中学校のときはエースだったのに、高校で上手くいかなかった。勉強はしてこなかったので希望しない大学に入り、競技も引退。こころにぽっかり穴が空いた彼は、大学の授業にも出ずひとりのアパートで小学校や中学校時代の試合ビデオばかり観て暮らしました。つまり過去の栄光にすがって生きていたわけです。片や、同じチームで補欠だった友人たちは希望通りのいい大学へ進学。海外留学をしたり、サークルで楽しくスポーツをしている。「妬み、嫉みしかわいてこず、自分の過去の栄光にすがってばかりだと気づいた」と話した彼は大学を辞め、現在は楽しく働いています。仲間とフットサルをするなどサッカーも続けているそうです。しかしながら、お母さんが試合に行く、行かないは、お母さんの自由です。お母さんには息子の試合に行かないことを選ぶ権利、人権があります。気持ちが乗らないときは「今日は映画を観に行って来るから」などと欠席すればいいのです。選ぶのはあくまでお母さんなのですから。■アドバイス③チーム移籍をする際は子どもの気持ちを優先に(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)三つめは移籍の話です。この時期9歳ならば小学3年でしょうか。ご近所にもう少しレベルが緩やかなクラブがあって可能性があるなら移籍を考えてもいいでしょう。そこはお母さんの気持ちよりも、子どもを優先にしてください。「出られないから移籍するのか」と言われるかもしれません。が、そんなことは当然です。大人だってより良い職場、自分の力を発揮できる場所を探して転職します。ごく普通のことです。「試合に出られないとスポーツは面白くないかなと思ったので、移籍を勧めてみました」これで十分です。何のためにわが子にサッカーをさせているのか。息子は何のために補欠を我慢しているのか。子育てで大事なことは何なのか。そういったことをあらためて考えてみましょう。必ず発見があるはずです。わが子がずっとレギュラーだったら気づかなかったかもしれない気づきや学びがあるはずです。物事は、マイナスから新たなプラスが生まれることが往々にしてあるのです。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)ジャーナリスト。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』『東洋経済オンライン』などでスポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』(小学館)『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)『部活があぶない』(講談社現代新書)『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)『オシムの遺産彼らに授けたもうひとつの言葉』(竹書房)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著・小学館)『教えないスキルビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』(佐伯夕利子著・小学館新書)など企画構成者としてもヒット作が多く、指導者や保護者向けの講演も精力的に行っている。日本バスケットボール協会インテグリティ委員、沖縄県部活動改革推進委員、朝日新聞デジタルコメンテーター。1男1女の母。
2024年02月07日大会の格で苦情を言ってくる親たちに理解をお願いしたい。全員をだいたい同じ出場時間に調整していろんな試合を経験させているのに、県大会や全国につながるような試合を格上とみなし、練習試合は本気度が低くて成長にならないのではと言われる。保護者が練習試合でも成長を感じられるようになるには、選手または親にどんなアプローチが効果的?とのご相談をいただきました。 今回もジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、悩めるお父さんコーチにアドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見られるCOACH UNITED ACADEMY>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<相手とのボールの奪い合い小学生のうちは競り合いを学ばせるかコンタクトプレーをしない方法を教えた方が良いのか教えて<お父さんコーチからの質問>こんにちは。いつも連載を読んでいます。先日の記事で、「試合を経験して成長する、うまくなるといったプロセスは、練習試合でも公式戦でも同じ」「小学生の試合ではそんなに変わりはない」とおっしゃってくれて、助けられた気持ちになりました。【該当記事】スクールのみでチームに所属してない子、対外試合の経験が積めない弊害はあるのか教えて私が保護者コーチとして関わるチームは、子どもが多いチームなので1学年20人ほど所属しています。所属人数が少なくて苦労しているチームに比べると大変ありがたいのですが、レベル別にA、Bチームを作って練習試合を含め、試合経験をさせています。だいたい同じような出場時間になるように記録して調整しています。ですが、先日の記事にもあったように大会の格や規模について苦情を言ってくる親御さんが結構います。全日予選のような公式大会につながる試合や県リーグを格上とみなし、練習試合ではこちらも対戦相手も本気度が低いので成長につながらないのではないかと言うのです。そこでご相談です。練習試合でも成長を感じられるようになるには、選手自身の気づきや実感があると保護者も理解してくれるのではないかと思うのですが、このような場合は事前に課題を設けるのが良いでしょうか?(子どもがサッカーノートに書くし、コーチのフィードバックもあるので)小5~6年代だと、どのような方法がお薦めでしょうか。<池上さんからのアドバイス>ご相談ありがとうございます。私が発信したことが何かの力になったのであれば、非常にうれしいことです。こちらから発信はするけれど、それについて読者の方から感想をいただくことは滅多にありません。伝えていただきありがとうございます。■わが子しか見ない傾向にあるので難しいが、チームとしての成長に目を向けてくれるよう説明が必要さて、本題です。保護者の方々が「練習試合ではこちらも対戦相手も本気度が低いので成長につながらない」とおっしゃっているとのこと。公式戦、練習試合にかかわらず、そもそも子どもの成長を読み取るのは簡単ではありません。特に、素人目でうまくなっているかどうかはわかりづらいでしょう。わかりやすいのはリフティングの数とか、挙げたゴールの数とか、どのくらい自主練をしたかなどがひとつの尺度になるのでしょうが、それは目に見える一部の事実にしかすぎません。特に、一人ひとりの保護者だから自分の子どもしか見ない傾向があるため、余計難しいかもしれません。本来ならば、チームとしての成長に目を向けてほしい。そのためには、指導者から保護者への説明や解説をするとよいでしょう。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■その年代でどうなってほしいのか説明をする例えば小学生であれば、数的優位を理解して実践できるようにしたいので2対1や3対2の練習をしていることを説明してください。「ドリブルよりも簡単に相手を抜き去ることができます。サッカーというスポーツがどのように成り立っているかを認知してもらうための練習です」そんな説明をすると、保護者はそこに注目し始めます。子どもに対して「最近パスが上手くなったね」とほめたり、認めてもらえるようなことにつながります。少しわかってくると「サッカーらしくなったね」といった感想も聞けるようになります。■その日の「狙い」を事前に説明する練習試合でも同じです。「今日の練習ゲームは、こんな狙いでやっています」と事前に説明します。直接保護者に言わなくても「明日の試合はこれを目標にやろう」と子どもたちに伝えます。事前に試合にはそういった成長するための狙いや目標を立てて臨んでいることを保護者に伝えておけば、子どもたちが自分の親に伝えます。■試合後、子どもたち全員と保護者とともに「良いところ探し」の機会を作るさらに試合後、子どもたちに「試合はどうでしたか?狙い通りにできましたか?」と尋ねて一人ひとり感想を言ってもらいましょう。それを、私のクラブでは保護者にも尋ねます。「今日の試合はどうでしたか?」すると、親御さんたちは「子どもが練習していることが出た」とか「全部成功はしないけれど、やろうとしていることが見えた」などと感想を言ってもらえます。なるべく良いところを探して言ってもらえる空気感があるとさらに良いでしょう。たとえ0対10で大敗したとしても「一回だけだけど、ワンツーできてたね」といいところ探しができます。■「弱気に見えるかもしれないけど、実際は......」と子どもたちの感情を保護者に解説する最後にコーチが保護者に向けて解説をしてあげてください。必ず伝えてほしいのは「子どもたちのの感覚」についてです。「見た目は負けて弱気になったように見えるかもしれないけれど、実際はその日の目標に向き合おうとしていましたよ」などです。実際にプレーする子どもの感情を知ってほしいからです。それを親御さん向けに毎回やります。そのうちに解説しなくても、あの場面でこういうことがありましたねと親のほうから話し始めます。■レベル別に分ける理由を説明しようまた、公式戦をAとBでレベル別にする理由も説明したほうがよいでしょう。同じくらいの力の子でチーム編成をするのは、誰もが活躍できる環境を用意すること。誰もが必要な人材だと保護者に知ってもらいましょう。混ぜてやってしまうと、相手が強い場合に「アイツがいなかったら」などと子どもは正直に言ってしまいがちです。力の差があり過ぎる不均衡な試合は、強い側、弱い側、その両者ともに上達につながりません。また、AとBを練習試合で時にバラバラにしてもいいと思います。ABを決めたら全部固定するのではなく、流動的に編成します。■保護者の意見、要望に全部賛同する必要はないが、気持ちを聞いてあげるのは大事まとめると、保護者との距離をもっと縮めることです。眺めていると、コーチの皆さんは保護者に意見されることを嫌がります。だからついつい遠のいてしまう。親御さんのほうもそれを察するので話しづらくなります。時に保護者から言われたことが「それはいいかも!」と思えるかもしれません。親が言ったことを全部賛同するわけではないけれど、気持ちを聞いてあげるのはとても大切です。■災害支援ボランティアはリスペクトされるのにスポーツのボランティアは......(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)そもそも日本にはボランティア格差があると感じています。災害支援のボランティアはとてもリスペクトされますが、スポーツのボランティアはどうでしょうか。欧州だとその2つは同等です。自分たちの中でやりがいを感じ、自分たちが「わが町のサッカーを支えている」という自覚があります。どうか「コーチはボランティアだからそこまでやる必要はない」と考えず、保護者にご自分から歩み寄れるコーチになってください。それは必ずリスペクトにつながるはずです。池上正さんの指導を動画で見られるCOACH UNITED ACADEMY>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2024年01月29日皆さんは、学生時代に打ち込んだことはありますか? 今回は「息子の試合で暴走する親」にまつわる物語とその感想を紹介します。 ※この物語はフィクションです。イラスト:モナ・リザの戯言バスケ部でスタメン中学校でバスケ部に所属する主人公。小柄ながら、実力でスタメンを勝ち取って活躍していました。ある日、主人公は練習試合でいつもの調子を出せず、チームも負けてしまいます。すると落ち込む主人公に、チームメイトの父親が声をかけてきますが…。チームメイトの父親は、主人公のプレーを散々貶して「部活やめろ」と迫ってました。父親の企みは出典:モナ・リザの戯言チームメイトの父親は自分の息子がスタメンでないことが許せず、息子をスタメンにするために主人公を蹴落とそうと企んでいたのです。チームメイトの父親からの言葉に傷つき、落ち込む主人公。その後も調子は上がらず、不調のまま中学最後の試合を迎えることになるのでした。読者の感想自分の息子の活躍が見たい気持ちは理解できますが、だからといってほかの子どもを蹴落とそうとするなんてひどいです。そんなことをしてスタメンになれても、息子は喜ばないと思います。(50代/女性)主人公のように誰にでも本領を発揮できず、調子の悪いときはあると思います。その主人公を蹴落とそうと、スタメンになれない息子の代わりに親がでてくるのは非常識に感じました。(30代/女性)※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。※作者名含む記事内の情報は、記事作成時点のものになります。※実際に募集した感想をもとに記事化しています。(lamire編集部)
2024年01月18日サッカーが好きでスクールに通っている子。親はチームに入れたいけど、子ども自身は「コーチたちの声がうるさいから」と入団を拒否。サッカーの技術は学べるけど対外試合のないスクールのみで良いのか、と悩む保護者にアドバイスしたいが、定期的に外部との試合ができない弊害はあるのか?とご相談をいただきました。今回もジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、悩めるお父さんコーチにアドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<公式戦が終わって卒団まで6年生にどんな指導をすればい?中学以降の準備はどれだけしておけばいいか教えて<お父さんコーチからの質問>地域のチームで年小から小3までを見ています。生計を立てる活動ではないボランティアコーチであり、普段は仕事をしているため行けると行けない日があります。チームは勝利主義で学年に関わらずトップチームとそれ以外に分けています。ボールにたくさん触れたほうが良いので、レベル感で分けることは悪いことと思いませんが、トップ中心のチーム作りになっており、他の子達がその練習相手にされていることにいつも異を唱えています。自分が行ける日は、トップチーム以外の子達をあえて受け持ちます。そんな中、ある保護者から質問を受けました。前置きが長くなりましたが、以下が相談です。子どもはサッカーが好きで少し遠いスクールに通っている。ただ、親としては近所のチームで近所の子達と力を合わせる体験をして欲しいのでこのチームに入れたいが、子どもは「このチームの練習は自由にできず、コーチ達の声がうるさいから行きたくない」と。心苦しいですが、サッカーが嫌いになるのであれば、無理にチームに来る必要はないと伝えています。ただ、スクールは試合がないので試合経験を積ませるにはチームに入るしかないが、どうしたら良いか、ということに悩んでいました。私は試合だけ来たらどうか、とチームに提案してみましたが、他のコーチからは許可がでませんでした。サッカーを嫌いになるくらいなら、好きなところでやれば良いと思っていますが、定期的な対外試合ができない弊害はありますでしょうか。チーム指導の話と違うので、連載の趣旨とずれたらすみません。最近はスクールでしかサッカーしない子も増えてきているようですが、その子たちが中学以降に部活やクラブでサッカーをするときに戸惑わないよう、何か自分が協力できること(公園で一緒にサッカーをして遊ぶ際のコツとか)は無いかと思っての相談です。※勝利主義か子ども達が楽しいほうが伸びるかは我々コーチ陣の問題なので引き続きチームで話し合って行きたいと思います。<池上さんからのアドバイス>ご相談ありがとうございます。さまざまなお悩みが書かれていてどれに答えればよいのか迷いますが、「チームの練習は自由にできず、コーチ達の声がうるさいから行きたくない」と話す子どもの件をお話しします。■「うるさく言われたくない」自分の気持ちを口に出せる子は多くなったうるさく言われたくない。自由にやりたい。そう感じて、言葉に出して言える子どもは多くなった実感はあります。指導や講習会を日本全国さまざまな場所で行っていますが、日本の子どもたちの様子が変わってきたなと感じています。例えばコーチが何か言っても、聞かない子増えてきています。私自身、南米やスペインなど欧州の子どもたちの姿も研修などで見てきましたが、彼らはコーチの言うことを聞いていません。言うことを聞いて試合に出してもらえるとしたら、練習ではやっているふうにします。基本的に自分で考えて、創造して、自由にプレーします。日本の子どもたちにもこのようにうるさく言われたくないという子どもが出てきています。そうわがままを言うなというような捉え方はしないで欲しいものです。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■試合で成長するプロセスは小学生年代では公式戦も練習試合もそれほど変わりない次に、試合経験を積ませることについてです。私の知り合いのコーチは、民間のクラブチームで4年生をみています。地域のリーグ戦は1チームで参戦しているのですが、その学年は20人以上在籍するためどうしても試合に出られない子が出てくるそうです。ただし全員登録しているため、毎試合は出られないけど試合ごとに交代しながら出場させている。公式戦で出場時間が短ければ、練習試合で経験を積ませています。これに対し、親御さんから苦情が出ました。なぜ自分の子どもは公式戦ではなく、練習試合なのでしょうか、と。親たちは公式戦と練習試合の違いが気になると言うのです。当然ながら、練習試合よりも公式戦のほうが緊張感など多少異なる部分はあります。しかしながら、試合を経験して成長する、うまくなるといったプロセスは、練習試合でも公式戦でも同じです。言葉を選ばずに言ってしまえば、こと小学生の試合ではそんなに変わりはないと思います。そのコーチも、その週の公式戦に出られなくても、次の週に行う練習試合に出られれば同等の経験を積めますと伝えています。が、親御さんの感覚は違うようです。子どもはどんな試合でも勝ちたいものです。勝ちたい気持ちは育てなければいけないと私も思います。とはいえ、見守る大人たちは、試合を経験する意味を子どもたちとは違うところでとらえてほしいのです。負けて悔しがるのも、悔しくて泣いてしまうのもいい。しかし、親も含めて落胆し暗いムードのまま帰宅する。もしくは親のほうが子ども以上に悔しがって、子どものミスを責めたりするような状況になってはいけません。■その子が通いたいと思える別のチームを探してみたらいいもうひとつ「定期的な対外試合ができない弊害はないか?」という質問です。この「定期的」の尺度がもしかしたら皆さんは頻度が多すぎないでしょうか。私が主宰しているクラブでは、月に1回ないし2回しか対外試合をしません。日本の子どもは忙しいです。月2回で十分です。土日のどちらか半日で終わらせ、どちらかは休みにしています。そのやり方でも、子どもたちのスキルはどんどん上がっています。今では多くの指導者が「楽しいほうが伸びる」とおっしゃいます。そう考えるのなら、毎週試合をやらなくてもいい。練習も週2回で十分です。ご相談文にあるこの小学3年生は、別のチームを探してみたらいいと思います。そして、その子のように、コーチの声がうるさいからいやだとの理由でクラブを去るケースはこれからも出てくるかと思います。パワーハラスメントなどを多くの人々が理解する時代になりました。どちらかといえば、指導者ら「中の人」が敏感でなければいけないのに、保護者や選手など「外の人」のほうが鋭いのが現実のようです。ご相談者様のクラブは、一度コーチで話し合いする必要があるかと思います。どんな人がクラブを立ち上げたのかわかりませんが、立ち上げた人の思いが反映されているのかなど、一度検証が必要です。時代とともに変化しなくてはいけないことと、変えてはいけないことがあるはずです。そこを整理したほうがいいでしょう。そこで話し合って変化できないなら、仕方ありません。そのチームに合うように指導するか、別のチームで指導するか、コーチも選ばなくてはなりません。■視野を広げるためにも若いうちは言われたことをその通りやってみることも大事ただ、ひとつ言えるのは、若いうちは他の目上のコーチから言われたことをその通りやってみることも大事です。所属したチームのコーチ陣がやろうとしていることに一度従ってみる。そのやり方で指導力をつけた結果、さらに深く考えれば「このやり方で正解かどうか」がわかってきます。勝つけれど、子どもたちがサッカーを続けないとか、うまいけれどチームプレーができる子が育っていないとかさまざまな事象が見えてくるはずです。■池上さん自身、子どもたちが楽しむことより園の要求を優先され「もう来なくていい」と......(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)最後に、私の経験をお伝えしましょう。YMCAで指導員だったころ、保育園のスポーツ指導に通っていました。「気をつけの仕方を教えて」「ラジオ体操を美しくできるようにしてください」といった園長先生からの要望に応えました。ある意味、園長が望んだ指導をしたのです。その出来栄えに、園長は喜びました。ところが、子どもたちは窮屈そうに見えました。「教え込むようなそんな指導じゃないほうがいいですよね?こうもできますよ」と異なるやり方を提案しました。若い先生たちにみていただくと「こっちのほうがいい」「楽しそうですね!」と賛同を得ました。そこに運動会がやってきました。私はサーキットトレーニングのような鉄棒や跳び箱を子どもたちにやってもらいました。入場行進や退場行進といった園長先生が好むようなものを省き、園庭の真ん中に立つと「みんな、さあおいで!好きなものをやってごらん!」と声をかけました。子どもたちは喜びいさんで飛び出してきました。わーっと歓声をあげてやり始めました。年中さんでも逆上がりをしていました。みんなが楽しんでいて、若い先生たちは満足そうでした。ところが終了後、私は園長から呼ばれて「もう来なくていいです」と言われました。40年も前の出来事です。3歳児が入場行進で手が上がっていないと、その小さな手を叩かれる。そんな時代でした。先日も、ある自治体のスポーツ協会主催で「スポーツインテグリティ」をテーマに講演をしました。スポーツはどこから来たのか?スポーツとは何なのか。そこを大人が理解して変われなければ、子どもはスポーツで幸せになれない。私はそう思います。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2023年12月19日地方独立行政法人大阪産業技術研究所は、健康で豊かな生活を実現するバイオテクノロジー関連技術について『ORIST技術セミナー』を2023年11月16日(木)に大阪産業創造館にて無料開催いたします。ORIST技術セミナー大阪産業技術研究所では、SDGsが設定される以前からSDGs中の目標と調和できる、さらには新型コロナ感染症に間接的に寄与できる研究・開発を行ってきました。本セミナーでは、これまでに健康や生活に密着した研究開発課題として取り組んできましたバイオテクノロジー関連技術開発について、最新の研究成果や技術情報を紹介します。過去の講演会の様子■セミナープログラム(1) においの分析方法と、消臭・防臭・芳香性能評価方法(2) ポリフェノールの酸化架橋を利用した製品開発(3) 皮膚細菌叢を制御する脂質の開発(4) 過硝酸殺菌技術-プラズマから生まれた新しい殺菌剤-■セミナー概要日時 :2023年11月16日(木)13:00~16:20会場 :大阪産業創造館 4階(大阪市中央区本町1丁目4-5)参加費:無料主催 :地方独立行政法人大阪産業技術研究所、大阪産業創造館 (公益財団法人 大阪産業局)申込 :ホームページ( )、または二次元コードにて申込ください。申込二次元コード■会社概要社名 : 地方独立行政法人大阪産業技術研究所代表者 : 理事長 小林 哲彦所在地 : (和泉センター) 大阪府和泉市あゆみ野2-7-1(森之宮センター) 大阪府大阪市森之宮1-6-50事業内容: 技術支援URL : ■お問い合わせ先<申込、会場関連>大阪産業創造館 イベントセミナー事務局TEL: 06-6264-9911URL: <講演関連>地方独立行政法人大阪産業技術研究所 企画部TEL : 06-6963-8331mail: morinomiya@orist.jp URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年11月07日日曜劇場「下剋上球児」の第4話が11月5日放送。始まった甲子園予選。1回戦終了後に菅生新樹演じる日沖が発した言葉に「試合出て欲しかったよ」「この悲しみをどこにぶつければいいの…」などといった声がネット上にあふれている。鈴木さんが約2年ぶりに日曜劇場で主演を務める本作は、高校野球を通し現代社会の教育や地域、家族が抱える問題やさまざまな愛を描くドリームヒューマンエンターテインメント。キャストは大学まで野球一筋だったが怪我で引退、大学も中退しスポーツトレーナーとして働いていたが、教師になる夢を捨てきれず32歳で大学に再入学したものの再び中退、無免許で教員をしていた南雲脩司に鈴木さん。横浜の強豪私立高校から三重県立越山(えつざん)高校に赴任してきた山住香南子に黒木華。弟の暴力事件の責任を取って、試合に出ないことを決めた越山高校野球部主将・日沖誠に菅生さん。警察沙汰を起こしてしまった誠の弟・日沖壮磨に小林虎之介。名門クラブチーム元エースだが越山高校に入った犬塚翔に中沢元紀。家が遠くフェリーと電車で通学している根室知廣に兵頭功海。南雲の妻・美香に井川遥。越山高校校長の丹羽慎吾に小泉孝太郎。越山高校野球部前監督・横田宗典に生瀬勝久。孫の翔を溺愛する犬塚樹生に小日向文世。前回のラストで南雲が大学を卒業してないと聞かされた賀門英助に松平健といった顔ぶれ。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。甲子園予選が始まる。1回戦で越山高校が対戦するのは昨年夏の大会を一回戦で敗退した多気高校。南雲は監督の横田を隠れ蓑に副部長として指揮を執ることに。そして、この大会を最後に監督だけでなく教師も辞めると決意してベンチ入りしていた。越山は1点を先制、その後も南雲の采配で試合を進めるが逆転され、1回戦で敗退する。弟、壮磨の事件の責任を取って、試合に出なかった日沖ら3年生の部員たちの夏が終わる…というのが今回の展開。試合後、日沖は応援に来た関係者を前に「最後の試合やし、勝って終わりたかったです」と正直な想いを吐露。部員が自分1人だった頃を振り返り、南雲や香南子、横田に感謝。「新しいグラウンドできて、1年生も入ってきてくれて…ほんまに嬉しかったです」と涙を流す。「日沖くん…本当良い子だよ…いちばん頑張ってたから試合出て欲しかったよ」「日沖くん良い子...試合に出てほしかったな」「日沖兄が良い奴すぎてこの悲しみをどこにぶつければいいの…」といった声がネットに上がるなか、南雲の“無免許問題”が急展開を見せる。野球部の監督だけでなく教師も辞めた南雲は、丹羽とともに警察に出頭することに…このラストに視聴者からは「どうやってこっから監督として戻ってくるんだ?」「ここから監督復帰無理だろ」「ここから一発逆転の手段が浮かばない…」などの反応が続出している。【第5話あらすじ】南雲が無免許で教師をしていたことが明るみとなり、校長の丹羽や香南子は保護者たちの対応に追われる。南雲の裏切りに激怒した犬塚は強豪校から野球指導のできる新監督を山住に相談もなく決めてしまう。在宅で取り調べを受けることになった南雲の身にも、青空(番家天嵩)への心ない言葉や容赦ない記者たちの追及が降りかかる…。「下剋上球児」は毎週日曜日21時~TBS系にて放送中。注)このドラマは「下剋上球児」(カンゼン/菊地高弘 著)にインスピレーションを受け企画しましたが、登場する人物・学校・団体名・あらすじはすべてフィクションです。(笠緒)
2023年11月06日仕事や恋愛など、物事を進める時には、タイミングが大事といわれます。タイミングによっては、自然とよい結果になったり、時には人生の転機になったりすることも。そんな、タイミングの重要さをテーマにした、仲曽良ハミ(@nakasorahami)さんの漫画をご紹介します。『父さんの好きなチーム』ある日、漫画の主人公であるいくるは、父親と一緒に、テレビで野球観戦をしていました。酒を飲みながら観戦する父親は、自分の好きなチームの試合ということもあり、熱が入っている様子。しかし、いくるは、試合の結果に興味がないようです。なぜ、父親と一緒に野球を観ているのかというと…。試合は、父親が応援するチームが逆転勝利!その瞬間、いくるは父親にこう告げます。「ねえねえ父さん、ハイパーミニモーターが欲しいんだけど」いくるが野球を一緒に観ていた理由は、父親におもちゃをねだるためでした!父親がいつもよりお酒を飲んでいて、かつ応援しているチームが勝利したという絶好のタイミングを逃すまいと、いくるはすかさず、ねだり始めます。チームの勝利に気をよくした父親は、いくるの思惑通り、おもちゃが買える金額のお小遣いをくれたのでした。鋭い観察力と計画的な行動で、自分の欲しいものを手に入れたいくるは、「してやったり」と思ったことでしょう。【ネットの声】・これは賢い!作戦勝ちですね。・めっちゃ分かる。私もこの方法で、よくお小遣いをおねだりしていました。・こういうのが、意外と大人になっても身を助けるのだろうな。タイミングを計り、チャンスをものにする力は、社会人にも必要な素養のひとつ。もしかしたら、いくるは将来、出世するのが早いかもしれませんね…![文・構成/grape編集部]
2023年10月02日実際の試合以上の複雑性を生み出すヴィセラルトレーニングの構造を具体的に解説株式会社カンゼンは、「レイヤー=変数」を重ね、試合以上の複雑性を生み出す『フットボールヴィセラルトレーニング無意識下でのプレーを覚醒させる先鋭理論[実践編]』を10月3日に発売いたします。阿部勇樹(元日本代表)推薦!「この先のサッカーのために何が必要か? 指導者として新たな発見があった」『フットボールヴィセラルトレーニング無意識下でのプレーを覚醒させる先鋭理論[実践編]』書影タスク(課題、目的)に向けて「レイヤー(層)=変数」を 重ね、実際の試合以上の複雑性を生み出す上巻『フットボールヴィセラルトレーニング[導入編]』では、神経科学を実用的に用い、認知、意思決定、無意識下でのプレーを最適化するための理論を紹介した。下巻『フットボールヴィセラルトレーニング[実践編]』では、タスク(課題、目的)に向けて「レイヤー(層)=変数」を重ね、プレーヤー、フィールドサイズ、ピッチ形状、ゾーニング、ボール、ゴール、ゲート、ツール、時間などを操作し、実際の試合以上の複雑性を生み出すヴィセラルトレーニングの構造を具体的に解説していく。サンプルページ第1章根本的なアイデア3解決と問題第2章実践的なヴィセラルトレーニングの導入2ヴィセラルトレーニング特有の原則:「レイヤー」の重なり第2章実践的なヴィセラルトレーニングの導入3どのように複数のレイヤーを整理するのか?第2章実践的なヴィセラルトレーニングの導入図14~図17第3章賢いサッカー選手3記憶第4章意思決定1伝統的なトレーニングとヴィセラルトレーニングの意思決定CONTENTSCONTENTS①CONTENTS②CONTENTS③CONTENTS④監修者まえがき第1章根本的なアイデア1なぜヴィセラルトレーニングは誕生したのか?2「機械的論理」対「芸術的論理」3 解決と問題4「試合」対「エクササイズ」5ヴィセラルトレーニングはなぜ選手の無意識的なプロセスを改善するのか?第2章実践的なヴィセラルトレーニングの導入1どのようにヴィセラルトレーニングを導入するのか?2ヴィセラルトレーニング特有の原則:「レイヤー」の重なり3どのように複数のレイヤーを整理するのか?4チームプレー形式でどのようにヴィセラルトレーニングを始めるべきか?5「構造化トレーニング」や「戦術的ピリオダイゼーション」を手助けするヴィセラルトレーニングという手段6ヴィセラルトレーニングをどこで適用すべきだろうか?6・1ゲームモデル6・2ゲームシステム6・3試合の局面6・4ヴィセラルアナリティクス6・5SSG・MSG・LSG・SG6・6個人トレーニング6・7小さなグループ6・8チーム6・9活性化6・10主要なトレーニング6・11補完的なトレーニング6・12レクリエーション的なトレーニング7ヴィセラルトレーニングにおける計画8通常のヴィセラルトレーニングと特別なヴィセラルトレーニング9育成年代からプロまでのヴィセラルトレーニング10すべてのトレーニングや試合をヴィセラルトレーニングに変換する方法11・1守備のポジショントレーニング11・2ロンド12ヴィセラルトレーニングと育成年代13ほかのスポーツを導入したヴィセラルトレーニング14ヴィセラルトレーニングにおける最大限の特異性第3章賢いサッカー選手1実行機能2ピッチ外における実行機能の評価3記憶3・1作業記憶3・2前方視的記憶3・3エピソード記憶3・4手続き記憶3・5パターン記憶4予測第4章意思決定1伝統的なトレーニングとヴィセラルトレーニングの意思決定2「現代的」な意思決定3「思考せずに思考する」対「思考することで思考する」4サッカーにおける意思決定に限らない意思決定第5章視覚的な認知1ヴィセラルトレーニングにおける視野2スキャニング(視覚認知行動)を説明するために役立つ従来のモデル3無意識の思考を刺激する「無意識のスキャニング」第6章心理学的なアプローチ1サッカーにおけるプライミング2無意識も従順である: 実施意図3実施意図を実際の試合でどのように適用するか?4「無意識の実行意図」がある場合はどのようになるか?5無意識を助ける意識的なプロセス6現実の出来事に基づいた感情的な優位性としての状態依存性記憶7無意識から暗黙的に学ぶそのほかの方法8無意識的にトレーニングを助ける「警告」9行動の観察10ビジュアライゼーション11瞑想12無意識へのアプローチにおける最後の手法:夢13明晰夢第7章感情とモチベーション1ヴィセラルトレーニングにおける感情2ヴィセラルトレーニングにおけるモチベーション2・1モチベーションの最も深い源泉:エロス第8章創造性1ヴィセラルトレーニングと創造性2意識における1つのタスク:機能的固定3「自動化」対「創造性」第9章認知的柔軟性1機能的結合の変化2精神的・認知的な耐性を強化するためのヴィセラルトレーニング3認知的疲労4認知的疲労におけるそのほかの要因5トレーニングと同様に重要な脳の回復第10章テクノロジーとイノベーション1テクノロジー・イノベーション・ヴィセラルトレーニング2サッカーにおける仮想現実と拡張現実第11章制約1ヴィセラルトレーニングはなぜ伝統的なタスクの制約ではないのか?2量的、質的な制約の次元3ナーゲルスマンのトレーニングセッション4明示的な制約と暗黙的な制約第12章ヴィセラルトレーニングという旅の終わりに1予備的な結論2最後のテスト3おわりに監修者あとがき訳者あとがき書誌情報書名:フットボールヴィセラルトレーニング無意識下でのプレーを覚醒させる先鋭理論[実践編]著者:ヘルマン・カスターニョス監修:進藤正幸訳者:結城康平ISBNコード:978-4-86255-696-7定価:2,970円(本体2,700円+税)判型:四六判ページ数:488P発売日:2023年10月3日出版社:カンゼンAmazon : Rakutenブックス : 商品ページ : 【この件に関する問い合わせ先】株式会社カンゼン宣伝プロモーション部担当:伊藤真TEL:03-5295-7723MAIL: ito@kanzen.jp 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年09月28日水草から抽出したセラミックは、「琵琶湖彩(びわこいろ)」と命名された独特の発色となり、吹きガラス製品として人気です環境関連技術開発を手掛けるWEF技術開発株式会社(所在地:滋賀県大津市、代表取締役:青山 章)は、空気中の酸素から活性酸素を生成する世界随一の技術で、水、エネルギー、食糧の地産地消技術を開発してきたが、今年8月、琵琶湖の水草を燃やさず活性酸素のみでセラミックを抽出することに成功した。琵琶湖水草に含まれるセラミックは独特の発色で、吹きガラス製品などに利用されてきたが、水草を乾かした後燃やして抽出するため、コストと時間がかかるのがネックになっていた。■活性酸素生成技術について活性酸素は酸化電位ではオゾンの1.4倍くらいであるが、実際の処理では3倍近くの分解能力がある、地球上で最も酸化能力が高い物質。瞬時に細胞を傷つけることから、今までは癌や老化の原因として医学界で研究されてきた。近年、人類は微生物が分解できない難分解有機物を作り出し、これがほぼ発がん性で、河川から飲用取水される水中に含まれるようになったことから、水処理分野ではいろいろな活性酸素生成技術開発がなされてきた。しかし、大気中で活性酸素を生成する技術は世界的にも当社しかなく(当社調べ)、大きな可能性がある。例えば、動植物の細胞膜(壁)のリン酸脂質、セルロースの強固な炭素結合(C-C)を、常温で吹付けるだけで瞬時に分解することが出来る。今までこの技術で、外来水草、ホテイアオイ、生ごみ、農作物残渣等を低コスト、短時間で堆肥化してきた。2021年に特許取得、2023年にはUNDO(国際連合工業開発機関)の開発途上国・新興国の持続的な産業開発のために、優れた技術を紹介する「サステナブル技術普及プラットフォーム」に登録された。活性酸素発生装置「AOSⅣ」活性酸素水草処理1時間処理後(右)■活性酸素による水草セラミック抽出今回水草からセラミックを抽出するのに使用した装置は「Polaris(ポラリス)」で、これは処理物を加熱し、そこに活性酸素吹き込むことで、個体有機物の炭素-水素(C-H)、炭素-炭素(C-C)結合を分解することが出来る。含水率98%の水草を自然乾燥で表面の水分を蒸発させたのち、水分調整のためバイオ炭を少し混合して、「Polaris」に投入する。水草を加熱するセラミックはあらかじめ加熱しておくが、処理が始まると、原子結合分解が発熱反応のため200℃前後の熱がセラミックに供給されることで、処理中はエネルギー供給が不要となる。すなわち、この装置の必要処理エネルギーは活性酸素発生装置の80w×2台=160wだけである。琵琶湖刈取り水草(琵琶湖では毎年2万トン近く発生)滋賀県が毎年5~6,000トン刈取っている処理装置「Polaris3.0」処理装置に水草投入(図)スタート温度250℃で水草を1㎥投入。活性酸素投入量は個体有機物処理の2倍に設定した。処理温度は順調に推移し、およそ8時間で処理が完了した。投入した水草抽出したセラミック(多量のタニシが混入していた)ふるいにかけた後のセラミック8㎏のセラミックを回収■水草セラミックの利用水草が水中から吸収したセラミック類を利用することは、湖の浄化につながる。更にそれが人々が喜ぶものになれば、まさに一石二鳥といえる。琵琶湖水草セラミックは吹きガラス作家によって、独特の色を発色することが分かり、「琵琶湖彩」と命名され、そのガラス工芸品は今非常に人気になっている。琵琶湖彩ガラス琵琶湖彩ガラス発表会■活性酸素利用の今後の展開活性酸素は強固な細胞壁(膜)が常温で瞬時に分解できるので、今後は今回のように完全分解までもっていくだけではなく、細胞膜分解することで圧倒的に効率が上がる、メタン発酵、堆肥化、エタノール抽出、微細藻の脂質抽出などの分野で利用していきたいと考えている。■会社概要商号: WEF技術開発株式会社代表者: 代表取締役青山 章所在地: 滋賀県大津市堂1-19-15設立: 2016年7月事業内容: 水処理、廃棄物リサイクル、Mg関連技術開発、販売URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年09月09日事前に練習内容を共有しないのでアシスタントコーチの準備が無駄になったり、練習でしてないことを試合で求める年上コーチ。練習も単調で子どもたちの成長が見えづらい。いくつか改善したら子どもたちの楽しさも増幅すると思うのでお願いしたいが、年上コーチと上手く付き合い方が難しい......。と悩むスクール代表からのご相談をいただきました。ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、コーチ間のコミュニケーションについてアドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<絶えず口ゲンカ、相手の気持ちを考えない、準備・片付けをしない子どもたちの意識改善をどうすればいいか教えて<お父さんコーチからの質問>こんにちは。私はサッカースクールを運営している者です。コーチスタッフは10代から50歳代の幅広い年齢層です。私はスクール運営・代表として、各年代(U-6からU-13以上)で自分のチームの選手に合う練習方針を考えております。しかしながら50代のコーチの指導方法(U-12以上担当)に疑問を持つ事が増えてきています。気になることがあれば対話をしていきましたが、あまり改善がみられません。やはり年下の私(40代)から指示されることが気持ちよくないのでしょうか?これまでにあったことです。・事前に練習内容を共有しないので、アシストコーチの準備が無駄になった・声かけが曖昧で「一生懸命やる」を紐解いて伝えてほしいが、具体的な説明をしない・練習でしてないことを試合で選手に要求するので、選手はコーチの指示でしか動けなくなる・練習が単調で工夫が見られないため、選手たちの成長が見えづらい今までたくさんの選手を見てきてくれたことに対する感謝や、送迎などたくさんやってきてくれているため、こちらもしっかりと言い出せない部分もあります。そして何より教わっている子どもたちは「楽しい」と発します。運営者としては、「もっとこうしたら子どもたちの楽しいは増幅するだろうし、成長速度も変わり卒業してからでも色々な所でサッカーを楽しめる」と思っているため、改善をお願いしたく悩んでいます。年上50代のコーチスタッフとの正しい付き合い方のアドバイスを頂けたらうれしく思います。<池上さんからのアドバイス>ご相談ありがとうございます。選手と指導者との間に円滑なコミュニケーションが必要であるように、コーチ間の共通理解は重要です。その点からすると、ご相談者様のお悩みは、やはりコミュニケーションの問題だと感じます。■修正を求めるときは、こちらがどれだけ心を開くかがカギ相手にいわゆる修正を求めたり、新しいものを提案する場合は、こちらがどれだけ心を開くかがカギになります。例えば、50代のコーチスタッフを攻撃するような言い方ではなく「みんなでより良くなりたいから、こんな考え方はどうでしょう?」といった表現で話をしてはいかがでしょうか。逆に、「どうして変わらないのか?」「時代が違います」というような否定的な言い方では、コミュニケーションができません。基本的な構えとして、この50代のコーチが言うことを聞いてくれないという感情をもって話してしまうと、なかなか伝わらないでしょう。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■正論であっても言い方によってはすんなり納得してもらいづらいご相談文に書いてあるように、チームの子どもたちは楽しいと言っています。であれば「子どもたちは楽しいと言ってくれているのでいいチームだと思う。ただ、もっとよりよくするためにこうしませんか?」「ここを話し合いませんか?」「僕らももっと学び合いたい」と提案することをお勧めします。あるいは「子どもがうまくなる」「こんなふうにしたほうがもっと楽しくなるかもしれません」という言い方です。私自身、「子どもに対する言い方がやさしいですね」とよく言われます。それは、相手のことを正しくリスペクトしているからだと思います。さらにいえば、その姿勢は大人に対しても同じです。私はこう思いますけどいかがですか?という言い方をします。それ間違っていますよとか、そうじゃなくてこっちがいいですよみたいな言い方はしません。もしそれが正論だとしても、言い方によっては、すんなり納得してもらいづらいからです。■本人が言わないのなら、こちらから尋ねるなど歩み寄りをまた、ご相談文に「練習内容を共有しない」「一生懸命やれと言う言葉を紐解いてほしい」といったことが書かれていますが、まさにコミュニケーションの問題です。例えば、その50代のコーチが何も言わないのであれば、周りのコーチたちも何も準備しなければいいのです。あるいは準備が必要だと思えば、「何が必要ですか?」と尋ねればいいと思います。「準備が無駄になる」と書かれているということは、そのベテランコーチに何も聞かずに準備しているようです。他のコーチはアシスタントなのですから、核になるメインのコーチにいったん聞く必要があります。もしかしたらメインコーチは「何も聞いてくれない」と思い、アシスタントの方々は「何も言ってくれない」と考えているのかもしれません。ひと言「今日、どうしますか?」と聞けば住む話です。「一生懸命の意味」についても、尋ねればいいことです。子どもがさぼっているのか、やっているけれどいまひとつ夢中になっていないのか。例えば「考えながらやれ」の一言でも、「何を見て、伝えたのですか?」とやんわり尋ねてみてはどうでしょうか。こちらから歩み寄る必要があります。■コーチ同士のミーティングで提案するという手も「練習でしてないことを試合で選手に要求するので、選手はコーチの指示でしか動けなくなる」についても、そのことをかみ砕いて実例を挙げて話してみましょう。「こないだこんなことがありましたが、子どもたちが指示でしか動けなくなるかもしれないと少し思ったのですがどうでしょう?」コーチのミーティングやコーチ会議など、皆さん行っているはずです。その場で提案してもいいかと思います。「すべてを教え込むのではなく、子どもたちが自分で考えて学んでいくことに軸足を置いた指導ってどうでしょうかね?」■指導者間のコミュニケーションが取れている方が、子どもも楽しくサッカーができる(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)つまり、「すべてを教え込むのではなく、子どもたちが自分で考えて学んでいくことに軸足を置いた指導ができていない」とか「そこに転換すべきだ」といった主張ではなく、あくまで提案です。そのような視点で「練習が単調で工夫が見られないため、選手たちの成長が見えづらい」ことについても「もっと楽しくなる練習ってないですかね?」と提案してみましょう。コーチ同士のコミュニケーションがとれているほうが、子どもも気を遣わず楽しくサッカーができるはずです。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2023年07月14日チリで行われたサッカーの試合で起きたハプニングが話題になっています。現地時間2023年5月14日、チリのプロサッカーリーグの試合が開催されました。前半8分をまわったところで突然、フィールドに『乱入者』が現れたのです。どこからともなく全速力で走って来た『乱入者』は、ボールを持っている選手に向かって一直線。そしてなんと、選手からボールを奪ったのです!しかし、選手はもちろん、観客の中にも、その『乱入者』に対して怒っている人はいませんでした。なぜなら…実際の試合の映像を見れば分かります。試合に乱入したのは…犬!しかもボールをくわえたまま離しません!結局、『CDパレスティーノ』のマクシミリアーノ・サラス選手が優しく犬を抱きかかえて『強制退場』となりました。運ばれていく犬に対して、なぜか観客席からは大きな拍手が起きていますね。この動画は49万件の『いいね』が集まり、見た人みんなを笑顔にしたようです。・最高にかわいい!その犬にボールをあげて!・運ばれていく時の犬の表情が誇らしげなのが笑える!・この犬は前世でサッカー選手だったに違いない。ボールを追いかけることが好きな犬は多いもの。この犬は、選手たちがボールを追いかけるのを見て、一緒に遊びたくなってしまったのですね。試合には参加できませんでしたが、たくさんの声援と拍手を浴びたこの犬は間違いなく、観客のハートを勝ち取ったことでしょう![文・構成/grape編集部]
2023年06月12日幼稚園の頃から所属しているのに、年々ぐっと伸びる子がいて差が開いてつらい。子どもが出ない試合は応援する気にもなれず、出場した時の周りのがっかり感にもいたたまれない。上手い子のママが強いし、ママたちのかかわりもストレス。子どもはやめたくないというが、自分が逃げ出したい。どうすればいい?というご相談をいただきました。スポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの取材で得た知見やご自身の体験をもとに、お母さんがラクになれるアドバイスを送ります。わが子にどうしてサッカーをさせているのか、改めて考えてみてください。(文:島沢優子)(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<「センスがないからサッカーやめろ!」暴言を吐く幼稚な夫を変えたい問題<サッカーママからのご相談>「試合に出られない息子。上達しないのに時間の無駄と思う自分がイヤです問題」の記事を読ませていただきました。私も同じ悩みを持っています。9歳の息子は幼稚園の頃から現チームに所属していますが、年々ぐっと伸びる子がいて、どんどん息子との差が開いていきます。期待の隣に嫌悪感と悦びがあると知って、とても腑に落ちました。息子が一番つらいと考えてなるべく期待はしないようにと頑張っているのですが、どうしても無理です。試合を見に行くのも辛いので、なるべく夫に任せて見ないようにしていても試合に出られなかったと知るだけで泣けてくるし、自主練をしない息子にもイライラします。高学年になり、遠征やイベント運営など親が出ることも多くなって、他のママとの関わりもとてもストレスになっています。やっぱりうまい子のママが強いし、同じレベルのグループができているように感じます。我が強い人が多いので、何かあるたびにもめて振り回されてストレスがたまります。毎日の送迎、週末の試合、お弁当作りなど出費もかさみます。やめたくないと言う息子のためにとは思いますが、逃げたしたくて仕方ないです。息子が出ない試合で他の子を応援する気にもなれず、交代で息子が出たときの周りのがっかり感の空気を見るのも嫌で、試合に行ったときは離れたところにいます。どうやったら、割りきって応援できるのでしょうか。<島沢さんからの回答>ご相談いただき、ありがとうございます。過去記事を読み「期待の隣に嫌悪感と悦びがある」という学びを得たうえで、自分で何とか気持ちをコントロールしようとしている様子が伝わってきます。■試合の出場機会が均等にならないのは、未だに残る勝利至上主義の影響お母さんが参考にされた方も、5年近く前に配信された過去記事(試合に出られないのに自主練提案しても手応えなし...。競争心の無い息子にイラつく自己嫌悪ママの問題)を読んだうえでご相談されています。こんなにも多くの親御さんが苦しんでいることに驚かされます。そもそも、四種(小学生)の間は全員が均等に試合の出場機会を得られるよう指導者が考えていただければ、何の問題もありません。そういったチームは少しずつ増えています。ところが、現実的にそのようなチームは圧倒的に少数派です。そうならないのは、サッカーのみならず日本のスポーツ育成に勝利至上主義が色濃いからでしょう。よって、全員を試合に出すチームを選んで子どもを入団させてほしいのですが、息子さんのチームはそうではないようです。では、どうすればいいのか。お母さんに二つほどアドバイスさせてください。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■まずは、お子さんが何のためにサッカーをしているのか、を整理しようひとつめ。まずは、息子さんにとってのサッカーは何か?ここを整理しましょう。お母さんは、息子さんを是が非でもプロ選手にしたいわけではないと思います。では、何のために息子さんはサッカーをしているのでしょう?「やめたくないと言う息子」とあるので、サッカーをやめてはどうかと提案、もしくは命令したこともあるようです。それでも息子さんは続けたいというのですから、サッカーに魅力を感じているのでしょう。息子さんになぜやめたくないのかを聞いたことがありますか?恐らく仲間といるのが楽しかったり、練習が楽しかったりするのだと思います。小さいなりに、サッカーをすることへの大義ともいえる確固たる意味が彼の中にあるのです。そのような貴重な居場所を、親の勝手な感情で奪ってはいけません。チームに暴力やパワハラがない限り、彼のほうから「サッカーをやめたい」とか「チームを移りたい」と言うまで、親のほうからアクションを起こさないでください。上手くいかないと親が主導して次々チームを替わるサッカージプシーの親子をいくつか見てきましたが、子どもに主体性が身につかないだけでなく親子関係が悪化する傾向があります。子どもの世界に親が過度に干渉すると、ブーメランのように返って来るわけです。そのことはぜひ覚えておいてください。■今のあなたの態度は、息子さんの存在を否定ているふたつめ。お母さんの気持ちを整理しましょう。試合を見に行くのも辛い。試合に出られなかったと知るだけで泣けてくる。自主練をしない息子にイライラする。このようなお母さんの態度は、息子さんの存在を否定しているように思います。似たような葛藤を抱えている方々は「息子の前ではマイナスの感情は見せないようにしています」とおっしゃいます。しかし子どもというものは、自分のことを親がどう思っているのかを容易に見破るものです。不甲斐ないプレーをして、お母さんを辛くさせている。自分が試合に出られないと、お母さんは泣くほど悲しむ。自主練して頑張っているところを見せないと、お母さんの機嫌が悪くなる。以上のような気持ちが100%でないにしろ伝わっているとしたら、息子さんの自己肯定感は下がるばかりです。9歳という年齢は「どんな自分でもお母さんは愛してくれる」という親への信頼感が、とても重要です。その気持ちが「自分は何があっても大丈夫」という自己肯定感を育む種になるからです。ああ、そんなこと、わかっています。そんな声が聴こえてきそうです。私の連載を読んでいるのですから、恐らく子育ての原理はわかっている。でも、頭に気持ちがついていかないのではありませんか?私自身も経験があります。お母さんの気持ちを100%理解できないかもしれませんが、察することはできます。ママ友からのストレス、送迎などの出費もある。相談文を読むと、息子さんがサッカーをすることは、お母さんにとって何ひとついいことがありません。では、息子さんがレギュラーだったら?エースだったら?恐らく世界は一変するでしょう。出費だなんてきっと思わないでしょう。お母さんが書いた「我の強い人」の仲間入りをしていたかもしれません。ところが現実は絶対的なレギュラーでも、エースでもない。でも、親が辛いからと子どもからサッカーを取り上げられない。だから悩むのですよね?あなたはすごくいいお母さんです。子どものために自分がどうあるべきか、自分がどうあれば子どもが幸せになれるかを懸命に考えています。そうであれば、今の状態は一見ピンチのようですが、お母さんが親として成長できる大チャンスです。■親の見栄や承認欲求を満たさない子では不満?お母さんがラクになる方法は......(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)私たちは子どもに試されています。自分の親はどんな人間?と。自分の見栄や自己承認欲求を埋めてくれる子どもでないと、不満な人なのか。子どもの成長を第一に考え、ゆっくりと長い目で見守ってくれる人なのか。もしまだ前者であるならば、一旦息子さんのサッカーから離れましょう。夫に今の自分の辛さや葛藤をきちんと話し、サッカーについては夫に任せ距離を置きましょう。そのぶん、子どもの食事つくりや他の子育てで頑張れば良いのです。息子さんのサッカーに縛られず、しがみつくことなく過ごしましょう。できれば、自分の趣味や生きがいを子ども以外で見つけることに時間とエネルギーを割いてください。まずは、お母さんが生き生きと過ごすことです。「お母さんも○○を楽しむから、君もサッカーを楽しんでね。でも、何かあれば相談に乗るからね」そんなふうに言える日が来ることを願っています。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『高学歴親という病』(講談社α新書)。
2023年04月26日お笑いタレントの渡辺直美さんが、2023年4月19日に自身のInstagramのストーリーズを更新。メジャーリーグで活躍する、大谷翔平選手の試合を見に行った時の出来事を明かしました。同月現在、アメリカのニューヨーク州で暮らしている渡辺さん。同州にあるヤンキースタジアムで、2年ぶりに野球の試合を観戦したといいます。その2年前、渡辺さんは隣に座っていた観客と意気投合した様子。一緒に写真を撮るほど、親睦を深めたようです。なんとその観客と、今回再会を果たしたといいます!まさかの大再会で草。「え、なおちゃんこ鍋やん!」って向こうが気付いてくれて。「あれ?久々やんけ!お元気?!」「今日大谷だから来てんのけ?」「せやで!」って盛り上がった。息子さんも大きくなってて「俺、あれからお前のインスタフォローしてんだぜ」って画面見せてくれた。野球は世界を一つにするにょ。watanabenaomi703ーより引用(原文ママ)奇跡の再会を果たしただけでなく、その観客の息子さんが立派に成長していたことにも渡辺さんは驚いたとのこと。今回の再会を受けて、渡辺さんは野球が世界の人々をつないでくれると感じたようです。渡辺さんの出来事に、「そんな奇跡が起きるんですね!」「いい話!」といった反響が上がりました。2年ぶりの野球観戦を経て、渡辺さんは人と人とのつながりを温かく思ったことでしょう![文・構成/grape編集部]
2023年04月19日各国を代表する選手が集い、全力で世界一の座を競い合う野球大会『ワールド・ベースボール・クラシック(通称:WBC)』。2023年3月11日に行われた第1ラウンドで、日本代表はチェコ代表を相手に、10対2で勝利をつかみました。この試合で注目されたのは、熱い試合だけではありません。スポーツマンシップにのっとった温かいやり取りも話題になりました。大谷翔平から3球三振を奪ったチェコ選手、ツーショットを公開日本人からも多くの歓声が上がったのは、チェコ代表の先発としてピッチャーを務めた、オンジェイ・サトリア選手の活躍。圧倒的なテクニックから『怪物』と呼ばれるあの大谷翔平選手から110キロ台のチェンジアップで3球三振を奪い、ベンチではボールを見せびらかすように大喜びする姿を見せていました。試合後は、「三振を奪ったボールを記念にキープしてもらった。チャンスがあれば、大谷選手にサインをしてもらいたい」とコメントしていた、サトリア選手。多くの日本人がその後の展開を気にする中、同月14日、自身のTwitterアカウントに自慢の写真を公開しました。One and only @MLB @MLBONFOX @WBCBaseball @BaseballCzech pic.twitter.com/dEey6XEbNU — Ondřej Satoria (@OndrejSatoria) March 14, 2023 写っているのは、輝く笑顔を見せる、サトリア選手と大谷選手の姿!そして大谷選手の手には、チェコ代表からのサインが書かれたユニフォームが掲げられています。写真とともに投稿された「One and only(唯一無二)」というコメントは、日本代表との試合や大谷選手とのひと時、そしてプレゼントなど、いろいろなものを指しているのかもしれません。投稿では明かされていませんが、きっとサトリア選手はキープしたボールに大谷選手のサインをもらったのではないでしょうか。サトリア選手と大谷選手のツーショットは、試合を観ていた多くの人の胸を熱くしたようです!・チェコ代表は、なんて気持ちのいい集団なんだ!2人とも、いい笑顔だなあ。・サトリア選手は素晴らしいピッチャーだった。また日本代表との試合が観たいな。・これがスポーツのいいところだよね。メッセージにもジーンとした…。試合を観ている人にも、スポーツの楽しさを教えてくれた、チェコ代表との試合。チェコ代表のウィリー・エスカラ選手のヒザに162キロのボールを当ててしまった佐々木朗希選手が、株式会社ロッテのお菓子を持ってお詫びをするエピソードも話題になりました。選手と観客がともに楽しむことのできる試合とは、今回のようなものを指すのでしょう![文・構成/grape編集部]
2023年03月14日プロスポーツの会場では、選手のプレーや、ほかの観客に危害を及ぼさないよう、物の投げ入れが規制されています。しかし、サッカーの試合中、観客席からグラウンドに大量のぬいぐるみが投げ入れられたことが、ネット上で話題になりました。出来事が起こったのは、2023年2月27日にトルコ・イスタンブールで行われた、スュペル・リグ第23節のベシクタシュ対アンタルヤスポル戦。ベシクタシュのTwitterアカウントが公開した、前半4分頃の様子をご覧ください。Çocuklar hep gülsün. pic.twitter.com/JWyzKTLgD2— Beşiktaş JK (@Besiktas) February 26, 2023 スタンドの観客から続々と投げ入れられ、ピッチの緑を埋め尽くす、大量のぬいぐるみ…!一見異様な光景ですが、ヨーロッパにおいては、地域の恵まれない子供たちへの寄贈などを目的に、サポーターが自発的に行うことがあります。例えば、スペインのサッカークラブ『レアル・ベティス』においては、毎年の恒例行事となっているようです。レアル・ベティスの『恒例行事』が始まったのは2018年のこと。地域の恵まれない子供たちに寄贈する目的で、サポーターが、スタジアムのピッチ上にいたボランティアに向かって、ぬいぐるみを投げ入れた。レアル・ベティスとそのサポーターが、恵まれない子供たちに向けたチャリティーとして始めた取り組みは、今や毎年恒例の光景となり、他クラブのサポーターも「様子を見てみたい」と好評である。『Daily Mail』ーより引用(和訳)トルコの同試合で、投げ入れられたぬいぐるみは、2023年2月6日にトルコ南部で発生した大地震で被災した子供たちに対し「少しでも笑顔になってほしい」という願いを込めて寄付されたもの。この一幕には、「体中に鳥肌が立つほど感動した」「奉仕の心からの行動だろうね」「心揺さぶられる瞬間だった」といったコメントが見られました。一方で「なぜ、ぬいぐるみなのだろう?」「被災した子供たちに必要なのは、食料と避難所、そして安全が約束されていることだ」など、被災した子供たちへの直接的な支援を望む声も。試合を妨げないことや、より具体的な支援をすることも重要ですが、ぬいぐるみを通して、子供たちに寄り添う気持ちが表れたシーンには、多くの人が心を打たれたようです。[文・構成/grape編集部]
2023年02月28日2023年2月21日、東京都文京区の『東京ドーム』にて、プロレスラーの武藤敬司さんの引退大会が行われました。メインイベントの引退試合にて、プロレスラー、内藤哲也さんを相手に奮闘するものの敗れてしまった、武藤さん。これで39年のレスラー人生に幕を下ろした…かと思いきや、なんとここから予想外の展開となったのです!「蝶野カモン!」サンケイスポーツによると、マイクを握っていた武藤さんは「まだ自分で歩いて帰れるし、エネルギーも残っている。灰にもなっていない。どうしてもやりたいことが1つある」と話し、「蝶野!俺と戦え!」と放送席にいた蝶野正洋さんをリングに呼び込んだといいます。異例となる延長戦の結果…蝶野さんの必殺技で武藤さんはギブアップ!まさかの引退試合で2連敗を喫すという、伝説を残したのでした。試合後、武藤さんはTwitterにてリング上の蝶野さんとの写真を公開し、感謝の意を表しています。39年間お世話になりました。 pic.twitter.com/ODOMdjw1LP — 武藤 敬司 (@muto_keiji) February 21, 2023 最後まで戦い抜いた、武藤さんの雄姿に多くの人が感動し、ネット上ではコメントが相次いでいました。・引退試合の中でもトップクラスの感動です!まだまだ応援します!・泣ける…!お疲れさまでした…!最高にカッコよかった。・号泣でした。プロレスの沼にハマったのはこの2人がいたからです!本当に今までありがとう!武藤さんは現在60歳。今後は別の形でプロレス界に貢献していくのでしょう。引退後にどんな活躍をしていくのか、楽しみですね![文・構成/grape編集部]
2023年02月22日以前は上の学年の試合に出ていたが、部員が増えたら呼ばれなくなった。コーチには「頭が悪い」と言われたけど、悔しがっている様子もない息子に親の自分がイライラ。チームが強くなるには他の子たちも上手くなる必要があるのは分かっているけど、息子が追い越されると悔しくてしょうがない。これからもこんな気持ちが続くのに、子どもをどう見守ればいい?とのご相談をいただきました。スポーツと教育のジャーナリストであり、男女のサッカー選手を育てた先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの子育てと取材で得た知見をもとにアドバイスを送ります。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<クラブで理不尽に扱われた長男をやめさせる際に次男も一緒に退団。後悔してます問題<サッカーママからのご相談>はじめまして、こんにちは。息子は4歳からサッカークラブに所属し、今年で4年目の小2(8歳)です。最初は同い年がいなくて1人上級生に混じって練習し、試合に出ていましたが、1年生の頃同い年の部員が4、5名増えました。そのうちの一人が頭がよくコーチの指導をよく理解し動ける子で、息子はコーチから頭がわるいと言われてしまいました。今、上級生の練習や試合にはその子を指定し、息子は呼んでくれない雰囲気があります。息子の技術的には全然劣っていません。息子はあまり悔しがってる様子ではないですが私はかなり悔しく、この気持ちを自宅での自主練習に励むよう息子にぶつけてしまいました......。私のイライラの気持ちをどう納めたらいいのか、他の親御さんはどうしているのか気になります。チームが強くなるためには、息子だけでなく他の子どもたちも上手くならないといけない事を願う反面、息子が追い越されると悔しくてしょうがないです。こんな気持ちはこれからどんどん増えていくと思います。どんな風に息子を見守ればいいか教えてください。<島沢さんからの回答>ご相談いただき、ありがとうございます。「悔しい」「イライラする」と、ご自分の気持ちを率直に語ってくださり有難いです。お母さんは、辛い目に遭っているわが子を前に傷ついているのです。辛いですね。そんなお母さんと似た気持ちで試合に出られないわが子を見守っている親御さんは、この日本にたくさんいるかと思います。■子どもがレギュラーか補欠か、など競争に一喜一憂する親が多いサッカーだけでなく、ミニバスケットボール、バレーボール、少年野球。本来は「スポーツって楽しい!」とスポーツの楽しさを味わうだけで良いジュニア期に、日本のスポーツは勝利や強くなること、他者との競争に負けないことを強いています。そんなことを踏まえて、お母さんには、まずはこの連載の42回目にあたる『土日も連休も丸つぶれなのに...わが子が試合に出られないと親が報われないぜ問題』を読んでいただければと思います。そこに、私の体験が描かれています。息子が小学1年生のころ、2年生の試合に連れて行かれた際、何試合もあるのにまったく出られなかったことがありました。一緒に参加した1年生の子は試合に出ていたため、息子が不憫なのと、ベンチにいる姿を見ているのが私自身非常に辛かった。そのときは気づかなかったけれど、私のこころは傷ついていました。そして、試合に出ていた同じ1年生のお母さんと一緒に観ていたのですが、最後の試合の前半で私は先に帰ってしまいました。帰り道に泣きながら休日出勤の夫に電話しました。すると夫から「それだと、○○(息子の名前)が、終わった後、ママは僕が出られないから先に帰っちゃったんだ、ってがっかりするんじゃない?」と言われました。親として、こころから反省しました。自分の感情ではなく、子どもの気持ちを優先して考えるべきでした。欧米は一部の競技で早期教育が問題になってはいますが、日本のようにほとんどの子どもが巻き込まれる状況にありません。対する日本は、小学生の子どもにスポーツをさせている多くの親御さんが、子どもがレギュラーか補欠かといった競争にさらされる姿に一喜一憂しています。かつての私もそうでした。そしてお母さんも同じ状況ではないでしょうか。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■アドバイス①「今のあなたでは満足してない」と子どもを否定する言動をとらないでは、どうすればいいのか。かつて毒親だった私から、三つアドバイスさせてください。自分がなぜイライラするのか?そこを分析して自分を見つめ直しましょう。それがひとつめです。例えば、子どもが試合に出られず腹が立つ。頭がよくコーチの指導をよく理解し動ける子のほうが試合に呼ばれて悔しい。その怒りを息子さんにぶつけてしまうのは正解でしょうか? 心のなかにあるこんな毒を息子さんに吐き出すお母さんは正しいでしょうか?私は「いいお母さん」の物差しは人それぞれ違っていいと思いますが、正しいか否かの正解はあると考えます。試合に出られないからと言って子どもに自主練習を押し付けたりするのは、正解ではありません。イライラして怒るのもいけません。それらすべての行動が、息子さんに向かって「今のあなたではお母さんは満足しない」と否定することになります。私自身がそうだったから余計わかるのです。試合に出られない子どもに「残念だったね」「悔しいね」と共感しても、(試合に出られないのはあなたが頑張ってないからだよ。お母さんは悔しいんだよ)と胸の中で言ってしまえば、それは子どもの気持ちと同化しているのと同じ。共感しても、同化してはいけません。■アドバイス②ジュニア期は楽しむことが大事、自己肯定感を高めることそしてふたつめ。もし自分が正しいと言えないなと感じたのであれば、違う自分を探しましょう。まずは自分を整えるのです。自分を整えるときのキーワードは「今の私は子どもを成長させられる親か?」という問いかけです。息子さんはあまり悔しがっている様子はない、と書かれています。それならば、ほうっておけばいいのです。冒頭でお伝えしたように、ジュニア期で最も重要なのはそのスポーツを楽しんで好きになるかどうか。その一点に尽きます。「サッカー、好きなんだね」「今日は楽しかった?」そんな声掛けだけで十分です。あとは早寝早起きをさせて、朝ごはんを食べさせ、遠征や試合の日はお弁当を作ってあげて「楽しんでおいで」と送り出せばいいのです。それだけで十分、子どもは成長します。なぜなら「僕はお母さんから心配されていない。信頼されている」と安心する。自己肯定感が高まるからです。■アドバイス③自分が育てられた教育や子育てを踏襲していいのか、新たな学びが必要(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)三つめ。子育て受難の時代です。私たちが受けた教育や子育てが、子どもを成長させるものかどうかを検証する必要があります。今までは、レギュラーか補欠かといった競争に子どもをさらし勝ち抜かせていく。子どもを圧迫して発奮させる。それがひとつの教育とされていました。しかし、自分もそういうふうに育てられたからと、同じ子育てを踏襲してはいけません。新たな学びを入れる必要があります。以下に三冊の本を紹介します。参考にしてみてください。①『子どもが伸びる「待ち上手」な親の習慣』(庄子寛之著/青春出版社)公立小学校の現役教師が書いた本。「子どもを伸ばす親には、待ち上手という共通項があった」と話しています。副題の「イライラしない親は子どものどこを見ているのか」でもわかるように、イライラせずに子どもを見守るコツが書かれています。お母さんの疑問に答えてくれる本だと思います。②『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(島沢優子著/文藝春秋)拙書です。子どもにスポーツをさせている親の実態と、毒親にならないためにどうすればよいのかを書いています。③『高学歴親という病』(成田奈緒子著/講談社+α新書) ※2023年1月20日発売私に、子どもに共感してもいいけれど、同化してはいけないと教えてくれた小児脳科学者の本です。高学歴親と標榜されていますが、日本の学歴偏重社会で歪みがちな子育てを考え直せる本です。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)。
2022年12月21日公益財団法人日本科学技術振興財団が設立した「科学技術館」では、5階展示フロア「FOREST」の継続と未来の展示フロア構築のため、クラウドファンディングを2022年12月15日(木)から2023年2月17日(金)まで実施いたします。ワークス:でっかいしゃぼん玉科学技術館は1964年4月に開館した歴史のある博物館で、2024年には開館60年を迎えます。自動車、エネルギー、鉄鋼、建設など、産業に特化した科学技術の展示が中心となっていますが、その中でも5階展示フロアの「FOREST」は科学原理に関する展示で構成されているのが特徴の一つです。展示は定期的なメンテナンスや修理など維持するだけでも多額の資金が必要です。それに加え、「FOREST」の展示の多くは25年以上経っているため、経年劣化による修理や展示の入れ替えも検討しなければいけない状況にあります。また、新型コロナウイルス感染症の影響で2020年度より入館者数が激減し経営環境が厳しい中、さらに2022年度から「FOREST」のスポンサーが不在となり、現在は自主運営に切り替えて展示を続けています。そのため今後は科学技術館を応援してくださる皆様と5階「FOREST」の展示の継続、そして次世代の子どもたちに引き継げるように、クラウドファンディングに挑戦することを決意いたしました。今回のクラウドファンディングをきっかけに科学技術館の中からのアイディアだけでなく、皆様からご意見やご感想をいただき、共に科学技術館を育てていっていただければと思います。そしてより一層新しい発見や驚きを感じていただけるような科学技術館に成長してまいりたいと思います。メカ:君にも運べるフロアスタッフによる説明技術スタッフによるメンテナンス 1技術スタッフによるメンテナンス 2◆クラウドファンディング寄付募集概要プロジェクト名: 科学技術館の未来を共に創る「FOREST」フロアサポーター募集!寄付募集方式 : All-in方式(目標金額の達成有無に関わらず、実行者が寄付金を受取る方式)寄付募集期間 : 2022年12月15日(木)から2023年2月17日(金)まで目標金額 : 650万円公開ページURL : プロジェクト概要と集めた資金の使途:ご支援いただいたお金は、2022年度から自主運営している運営費(展示物メンテナンス、インストラクターの雇用費など)への充当と、今後設置予定のスタッフによる自主制作展示物の制作費や新たな展示物の開発費用などにも充当させていただく予定です。■主なリターン内容5,000円 :科学技術館ロゴ入りオリジナルクリアファイル3枚10,000円 :オンラインによる科学技術館スタッフとの意見交流会及びバックヤードツアー開催15,000円 :科学技術館「FOREST」展示写真入りオリジナルクリアファイル5枚セット20,000円 :科学技術館スタッフによる「FOREST」ガイドツアー30,000円 :屋上見学会&屋上限定サイエンスショーへのご招待50,000円 :科学技術館オリジナル分数パズルセット50,000円 :ワークショップ実験アシスタント1日体験【施設概要】施設名 : 科学技術館所在地 : 東京都千代田区北の丸公園2番1号アクセス : ・東京メトロ東西線T-08「竹橋」駅下車(1b出口) 徒歩約550mT-07「九段下」駅下車(2番出口) 徒歩約800m・東京メトロ半蔵門線Z-06「九段下」駅下車(2番出口) 徒歩約800m・都営地下鉄新宿線S-05「九段下」駅下車(2番出口) 徒歩約800m営業時間 : 10:00~16:50(最終入館は16:00まで)URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年12月21日2022年10月22日、アメリカのケンタッキー州でケンタッキー大学のバスケットボールの試合が行われました。この日は『ブルー・ホワイト・ゲーム』という毎年恒例の特別な試合で、大勢の人たちが観戦に訪れていました。その試合会場で撮影された、ある親子の写真が大きな反響を呼んでいます。煤だらけの作業着姿で試合を観戦する父親写真に写っているのは幼い男の子と父親。父親は炭鉱労働者の作業着姿で、顔や手は煤(すす)で汚れて真っ黒です。なぜこの写真が話題になったのか…それはケンタッキー大学のバスケットボールチームの監督を務めるジョン・カリパリさんが自身のTwitterに投稿したからです。My family’s American dream started in a Clarksburg, WV coal mine, so this picture hits home.From what I’ve been told, after his shift, he raced to be with his son & watch our team. Don’t know who this is, but I have tickets for him & his family at Rupp to be treated as VIPs!! pic.twitter.com/a5BJXUnK2v — John Calipari (@UKCoachCalipari) October 24, 2022 僕の家族のアメリカンドリームは、ウエストヴァージニア州クラークスバーグの炭鉱から始まった。だからこの写真は心に響いたよ。私が聞いたところでは、彼は仕事の後、息子さんと一緒に我々の試合を見るために駆け付けてくれたらしい。彼が誰だか分からないが、彼と彼の家族のために今度のラップ・アリーナでの試合のVIPチケットを用意しているよ!@UKCoachCalipariーより引用(和訳)息子さんと試合を見るために、汚れた顔で作業着のまま会場にやってきた男性。当時はまだ、この男性が誰なのかは分かっていませんでした。ところが拡散されたツイートを見た、写真の男性の妻が「これは私の夫のマイケル・マグワイアと息子のイーストンです!」とコメントをしたのです。海外メディア『WKYT』によると、この日マイケルさんは炭鉱での仕事の後、夜に家族と試合を見に行くことを楽しみにしていたそうです。しかし、仕事が長引いてしまい、終わった時には試合の開始時間が迫っていたといいます。「このまま会場へ直行するか、帰宅してシャワーを浴びるために試合を半分見逃すか」という選択を迫られたマイケルさん。そこで彼の頭に浮かんだのは、「息子が初めて観戦するバスケットボールの試合を見逃すわけにはいかない」という思いでした。こうしてマイケルさんは作業着のまま試合会場へ向かい、イーストンくんとの約束を守ったのです。カリパリ監督の投稿には「素晴らしい父親だ」「僕が子供の頃、父さんが仕事の制服姿で試合に駆け付けてくれたのが嬉しかったな」「同じ父親として尊敬するよ」などのコメントが寄せられています。後日、カリパリ監督はマイケルさんと話せたとのこと。マイケルさんたちは今度、VIPとして試合に招待してもらえることをとても喜んでいるそうです。真っ黒に汚れた顔と作業着姿で試合会場へ行けば、目立つことは避けられません。しかし、マイケルさんにとっては周りの目より、イーストンくんと一緒に試合を見ることのほうが大切だったのでしょう。大好きな父親と観戦した初めてのバスケットボールの試合を、イーストンくんはきっと一生忘れないでしょうね。[文・構成/grape編集部]
2022年11月13日イスラエルで行われたサッカーの試合中に起きた出来事が話題になっています。2022年9月、サッカーチーム『ハポエル・リション・レジオン』でミッドフィールダーとして活躍するイーライ・タマム選手は、試合に出場していました。彼はこの試合で見事なシュートを決めます。ボールがゴールネットを揺らした直後、イーライ選手はユニフォームを脱ぎました。すると、喜んで駆け寄るチームメイトを押しのけて、テレビ中継をしているカメラのほうに走っていきます。彼がカメラに向かって見せたかったものは…こちらをご覧ください。הצליח לרגש אותנו: אילי תמם כובש שער ומקדיש אותו לכלב שלו pic.twitter.com/lL8uCiR8Pj — מנהלת הליגות לכדורגל (@IPFL_FOOTBALL) September 6, 2022 イーライさんが着ているTシャツにプリントされているのは、愛犬のスカイの写真。実はこの試合の数日前に、スカイは天国へ旅立ったのです。イーライさんは8年前に、子犬だったスカイを家族に迎えました。しかし、スカイが1歳の時に、獣医からてんかんを患っていることを知らされます。それからはスカイは病気と闘い続ける日々だったそうです。あらゆる治療や薬を試したものの、この2年間はスカイにとって非常に困難な日々が続いていたといいます。その結果、イーライさんは最愛の犬を失う悲しみとともに、スカイを苦しみから解放してあげることを選んだのです。試合でゴールを決めた後、彼はスカイの写真にキスをして、涙を浮かべながら空を見上げました。悲しみをこらえながら出場した試合で決めたゴールを、空の上のスカイに捧げたかったのでしょう。※画像は複数あります。左右にスライドしてご確認ください。 View this post on Instagram A post shared by elay tamam ● אילי טמם (@elay_tamam) この感動的なシーンは、見ていた多くの人たちの心を揺さぶったようです。・彼はスカイへの愛情を、この感情的な追悼で示したんだね。・こういうの大好き。ペットは無条件の愛とサポートをくれる。美しい示し方でペットの愛を称えてくれてありがとう。・素晴らしいね。スカイは天国から見ていただろう。ウェブメディア『The Dodo』によると、試合中にユニフォームを脱いだことでイーライさんは罰を受けたそうです。彼はルール違反をしてでも、多くの人たちに、自分のスカイへの愛情を知ってほしかったのではないでしょうか。大勢の前で自分への愛を示してくれたイーライさんを、スカイも見守っていたかもしれませんね。[文・構成/grape編集部]
2022年09月23日指導者が「リフティングが100回できた者からレギュラー」と言ったから一生懸命練習してチームで一番できるようになった。試合でも、一人でドリブルして相手を交わしてゴールを決めた。チームミーティングでも「別次元」と褒めたらしいのに、出場機会がどんどん減ってる。リフティングでレギュラーの話はどうなった?わが子が出場できない理由を聞いてもいいの?というご相談をいただきました。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの子育てと取材で得た知見をもとに、アドバイスを送ります。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<指導者が息子を劣等生扱いするのがツラいのでチームを辞めさせたい問題<サッカーママからのご相談>小学校5年生男子の母親です。地区のスポーツ少年団のチームに所属しています。3年時に指導者が変わり、4年生から試合に出る時間が少なくなり、現在公式戦はもちろんのこと、練習試合での出場時間もほとんどなくなりました。指導者は、常々「実力勝負」「勝ちにこだわる」ということを口にして、練習試合であっても下級生を連れてきてスタメンで使っています。少しでも試合に出れるよう、指導者に次の2点を尋ねて良いものか、逆恨みされないか、悩んでおります。1点目は、指導者の過去の発言について。指導者がリフティングに凝った時、「リフティングが100回できた者からレギュラーだ」と言ったことがあります。息子は一生懸命練習し、チームで唯一常時100回左右でできるようになりました。最高は250回です。チームには息子ほどできる子はいません。「レギュラーの話はどうなったのか」と聞くのは嫌味に聞こえるでしょうか。2点目は、選手起用の考え方についてです。我が子のみを見ていて目が曇っているのかもしれませんが、どうも指導者に好かれていないように思えてなりません。先日の試合で、息子は5年生で唯一公式戦に出してもらえませんでした。その後のフレンドリーマッチでも、公式戦で足を痛めた子が続けて出て、息子はその子と代わる形で後半から出場しました。息子は、得意のドリブルで相手をかわして前まで持っていきゴールを決めました。素直に上手でした。その後の全体ミーティングで、指導者は「凄かった。別次元の動きだった」と皆の前で褒めました。息子は「じゃあ、最初から出せ」と思ったそうです。「別次元の動き」と褒める割には、お情け程度(フレンドリーマッチの半分)にしか試合に出さない理由を尋ねて良いものでしょうか。不毛なことでしょうか。<島沢さんからの回答>ご相談いただき、ありがとうございます。試合に出られないわが子を見守るのは、親としても辛いものがありますね。私も親として同じ思いをしたので、お気持ち察します。■自分の当番日に出場できなかったから辞めさせた親もあるサッカークラブで、小学5年生からサッカーを始めたA君が入団して半年も満たずに辞めてしまいました。A君自身は続けたかったのですが、お母さんの一存で辞めさせたのです。ご自分が当番だった日にA君が公式戦に出られなかった。それが理由でした。ひとつ下の4年生の上手な子が数人出場していました。「みんな試合に出られると聞いていたのに、息子は出られなかった。言っていることとやっていることが違う。信用できません」お母さんは、周囲にそう漏らしていました。コーチらは試合後、プレー時間がなかったことをA君に謝り、次の練習試合でたくさん出られるようにするからと話していました。本人も納得して帰って行ったのですが、お母さんは納得していませんでした。コーチの方は「子どもとともに、母親にも話をするべきだった」と後悔していました。「まだサッカーを始めたばかりだから、出られなくても仕方がないと思ってくれると期待してしまった。5年生は高学年だしプライドもある。お母さんにもあったでしょう。そこを僕らが汲めなかった」これは10年ほど前。試合に全員出場させようといった機運はほぼなかった時代のお話です。サカイクで連載をされている池上正さんを始めとして「全員に出場機会を」の機運は少しずつ広がりつつありますが、10年経っても状況は劇的には変わりません。8,9割のチームが勝利するためにレギュラーメンバーをずっとプレーさせている。それが、さまざまな指導者や親たちに取材してきた私の実感です。サカイクの最新イベントやお得な情報をLINEで配信中!■わが子への「かわいそう」という感情は、くせ者。共感は良いが同化はダメとはいえ、A君のお母さんの行動は正しかったと思われますか?A君のお母さんは、息子さんが試合に出られずベンチでポツンと座っている姿を見るのが辛かったのだと思います。辛いだろう、悲しいだろうと思うと、かわいそうになりますね。しかし、親のわが子への「かわいそう」という感情は、実はくせ者です。得てして良い子育てに繋がりません。この連載で何度か申し上げているように、子どものつらさに共感するのは必要なことですが、子どもの気持ちと同化してはいけません。同化するとは、子どものつらさを、親がわがことのように受け止めてしまうこと。お母さんが「そんな子どもを見守っている私って、かわいそう」となりがちです。■コーチに質問したいのは、親御さんが自分の気持ちを鎮めたいからでは?かわいそうなままでは不安です。不安な親は、自分の不安を払拭したくて子どもに干渉したくなります。第三者がみれば過度な干渉でも、親御さん自身は「子どもに良かれと思って」世話を焼いてしまいます。「リフティングができたら試合に出すと言ったじゃないか!」「異次元の動きと褒めたのに、なぜレギュラーじゃないのか?」そのようにコーチに質問したくなるのは、息子さんに良かれと思ってでしょうか?もしかしたら、ご自分の気持ちを鎮めたいのではありませんか?実はストレスがたまった「自分に良かれと思って」考えたことかもしれません。子を想う親の気持ちは非常に複雑です。子どもに笑顔でいてほしい。努力が無駄にならずに済むようにしてあげたい。すべて親心です。■親が先回りしてしまうと、子どもは自分で思考することや課題解決の経験が積めないところが「良かれと思って」やったことはほとんどの場合、子どものためになりません。なぜならば、親が先回りすることで、子どもは何も考えず、何もやらなくて済みます。要するに、自分の課題解決をする経験を積めません。親心は時として暴走することがあります。そこに気をつけなくてはなりません。暴走しないためには、まず子育てをしている意味を考えましょう。お母さんが息子さんを育てるなかで、最も大事なのは何ですか?私は、まず子どもを死なせないことだと思います。私の子ども二人は兄妹ともサッカーをしていましたが、兄は割と鈍感なので心配しませんでしたが、生真面目で繊細な妹のほうはサッカーで気に病んでいそうなとき、命を絶ったりしないか彼女の表情を盗み見ていました。気になって寝室に見に行ったこともあります。■もう5年生、監督やコーチには自分で質問させよう次に大事なのは子どもの人としての成長を支えること。息子さんはもう5年生、高学年です。成長してほしいのならば、上述したように何事も自分で解決をする経験をさせてあげてください。「リフティングが100回できた者からレギュラーだ」と言ったコーチに対し、「僕は努力したのに。レギュラーの話はどうなったのか」と尋ねるのは、息子さんがやるべきです。少なくとも、お母さんではない。「聞いてみたら?」と話し、息子さんが「え~、聞けないよ」と拒むなら、まだその時期ではないということ。ほっとけばいいのです。選手起用についても、「別次元の動きだった」と皆の前で褒めたのなら、「じゃあ、最初から出してください」と自分で言えばいい。親としては「悔しいなら言ってみたらいいじゃん」くらいの態度で十分ではないでしょうか。なぜ試合に出られないのか。そこを自分で考えて策を講じる経験をさせてあげてください。それをせずに、親のほうが「なぜ出られないんだ?」と詰問するのは、子どもが成長する機会を奪うことになりかねません。■子どもに自信を持たせたいなら、親がいつまでも不安を抱えていないこと(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)そして最後に。お母さんがいつまでも不安に思っていては、息子さんは自分に自信を持てません。大好きなお母さんを「いつまでも不安がらせるダメな僕」であり続けるからです。子育ては、子どもへの「不安」を「信頼」に転換する旅なのです。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)。
2022年08月17日子どもが試合に出られないのに、チームに協力したくない。新しいメンバーが入ってきて、前からいる子では息子だけ出れなくなった。周りのママたちは慰めてくれるけど、出られる子の親に私の気持ちなんてわからない。サッカー辞めさせると言っても子どもは嫌だと言うし、何もかもが嫌になった。というお悩みをいただきました。みなさんもこんな苦しい思いをしたとき、どうしますか?今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの知見をもとに、悩めるお母さんに寄り添いアドバイスを送ります。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<強豪クラブで試合に出られなくなった息子にどう接すればいいのか問題<サッカーママからのご相談>はじめまして。以前配信された記事を見て、自分と全く同じ問題だと感じました。タイトル:試合に出られないのに自主練提案しても手応えなし...。競争心の無い息子にイラつく自己嫌悪ママの問題似たような相談になってしまうかもしれませんが、アドバイスいただけませんでしょうか。配信された記事では「試合を見なければいい」とありましたが、やっぱり気になってしまいます。子どもはサッカーが楽しいと言っていますが、試合に出られないのに何も協力したくなくて......。うちの子は10歳です。今までは人数ギリギリだったため、出られないと悩む事はなかったのですが、最近一気に3人も入ってきて、前から居たメンバーでうちだけ出られなくなりました。出してもらえないイライラもそうですが、がっかりで居たたまれない気持ちになりました。チームのママたちは慰めてくれて、「ランチいこう」と誘ってくれたり気を遣ってくれたのですが、それすら「どうせ出られる子のママに、私の気持ちなんてわからない」と、何もかもが嫌になってしまって、サッカー以外でも子どもや夫にあたる日々です。正直どうしたら良いのかわかりません。サッカーやめさせると言っても、嫌だと言って子どもは1人で練習に行くようになりました。上達しないのに、時間の無駄だと思ってしまいます。こんな自分が本当に嫌です。どうしたらよいのでしょうか。<島沢さんからの回答>ご相談ありがとうございます。匿名だからできることかもしれませんが、とても正直な気持ちがお母さんのメールから伝わってきます。きっと実直で素直な方なのだろうと勝手に予想しました。加えて、お母さんのメールにとても感心してしまいました。なぜなら、お母さんは「自分と全く同じ問題だと感じた」と、5年近くも前に配信された過去記事を読んだうえでご相談されているからです。前の記事を読んでからメールしてくださるともっと深い話ができるのになあと少々残念な気持ちになることのほうが多いので、今回はとても助かります。■自覚している分、問題の半分は解決している愛するわが子を試合に出してもらえないイライラ。がっかりしてしまう気持ち。家族に当たってしまう自分。試合に出られないからでしょうか。「サッカーをやめさせる」とまでお子さんに迫っています。しかしながら、「上達しないのに、時間の無駄だと思ってしまう」ご自分を強く嫌悪しています。そうです。お母さんはもう気づいています。「今の自分のままではダメだ」と。お母さん、大丈夫です。この問題の半分はすでに解決しています。何も不安に思うことはありません。一緒に、イライラやモヤモヤを鎮めましょう。サカイクの最新イベントやお得な情報をLINEで配信中!■期待の両隣には「悦び」と「嫌悪感」が存在するまず最初に、私の経験も伝えつつ、お母さんの気持ちを整理したいと思います。私が仲間と毎月開催している「スポハグカフェ」で、6月19日にスポーツをテーマにした講座を開きました。サッカースペイン1部リーグのビジャレアルのスタッフを務める佐伯夕利子さんがゲストのひとりでした。彼女が心理学の専門家らと指導改革をされた話をまとめた『教えないスキルビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』(小学館新書)を作った縁で、お付き合いが続いています。佐伯さんによると、「期待する」という感情の両隣りには、「悦び」と「嫌悪感」が存在するそうです。■期待通りにならないとき、期待は嫌悪感に代わる私たち親という人間は、自分の子どもが自分たちの期待通りに物事を成し遂げてくれたり、期待した通り、もしくはそれ以上の成果をあげてくれたら喜びます。漢字はさまざまありますが悦びの感情に包まれます。私もサッカー親でしたから、息子や娘が試合に出たり、活躍すれば嬉しかったです。ところが、期待した通りにならなかったり、大きく期待を裏切る結果を見せられた途端、期待した感情は「嫌悪感」に変化すると言います。子どもに対し「ダメな結果しか出せないヤツだ」と嫌悪する、というのです。これを聞いたとき、私は深く納得しました。ああ、あの時に感じた「がっかりした」とか「情けない」といった負の感情は、そういうことだったのかと。怒りとか憎しみとは違う、強いイライラ感。そして、子どもに対しイライラする自分を認識したときに必ず押し寄せる自己嫌悪。恥ずかしい気持ち。私自身「あのとき子どもを嫌悪していたのだ」と改めて気づかされました。当時はこうやって言葉にして自己分析できませんでしたが、私は悦びと嫌悪感を行ったり来たりしていたわけです。いいときは一緒に悦ぶ一方で、そうでないときは子どもにひどい態度を見せていたかもしれません。■悪い結果を呪い、イライラする自分を呪っていたしかし、私にそれはおかしいことだと気づかせてくれたのは夫でした。夫は息子をなじったり目の前で嫌な態度を見せたりしませんでしたが、私の前では息子をダメなやつだと否定しました。すると、それを聞いた私は怒り出します。「試合に出られなくて一番つらいのはあの子じゃないのか」「本人は一生懸命やっているのかもしれないのに、そんな言い方はひどい」と夫を責めました。すると、夫は「はあ?」と怒って反撃に出ます。「よく言うよ。ママなんかさっきまであいつを怒ってたじゃないか。やる気が感じられないとか、一生懸命やってないとか」そうなのです。自分も夫と同じことをしていたことに気づかない。嫌悪感という感情の渦の中でぐるぐる回っているので、冷静でいられなかったのでしょう。しかし、同様に感情的になって息子への嫌悪感を丸出しにする夫の姿を見て、気付くわけです。それは恐らく夫も同じことだったと思います。その後、さまざまな学びを得て、少しずつ自省できるようになりました。子どもたちが度々運んでくる悪い結果を呪う一方で、「そんなことでイライラしたり落ち込む自分は親失格だ」と自分を呪う。まさに異なる呪いパンチの撃ち合いです。■良い結果でなかったとき、一番つらいのは本人(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)そんな葛藤を繰り返していたある日。九州から上京した祖父母と食事に行こうとしたら、息子がゲームを途中で辞めたくないから行かないと言い出し夫と揉めました。せっかく遠方から来た祖父母に対する気持ちを夫は問いましたが、なかなか折れない息子を叩いてしまいました。その夜、夫がとても真剣な顔で「俺たちは結局子どもに試されているんだよ」と言ったのです。もともと多くを語る人ではないのでその一言だけでしたが、私は「子どもと一緒に成長しなきゃいけないんだ」ととらえました。以来、呪いパンチ合戦は減ってきました。良い結果でなかったときは「一番辛いのは本人」と受け止め、前向きでなくても「大人だって、やさぐれたりふてくされたりする。いつか自分で気づくまで待とう」と思えるようになりました。「期待のお隣りさんは、悦びと嫌悪感」この道理を知って、自分の子育てを振り返ってください。振り返りができた時点で、息子さんにやさしくなれる自分を発見するはずです。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)。
2022年07月20日セレクションを受けて入った強豪チーム。幼稚園からサッカーをしていて技術はあるけど高学年になって体格やスピードなど、周りに圧倒され自信がないプレーが目立つ。前はスタメンだったけど今はベンチスタートかどうかの瀬戸際。もともと負けず嫌いだから這い上がってほしいけど、親としてどう接すればいい?というご相談をいただきました。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの知見をもとに、サッカーをするわが子をどうサポートすればいいのかアドバイスを送ります。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<週2回の練習じゃトップ選手になれない?高みを目指すにはスクールにも通わせるべきか問題<サッカーママからのご相談>はじめまして。5年生になったばかりの息子は3人兄弟の真ん中です。幼稚園からサッカーをやり始め、2年生の時にセレクションを受けて3年生からチーム活動をしています。街クラブの中でも強豪なので、練習試合などでも強い相手と試合したり、公式戦などでも優勝を争うようなチームです。幼い頃からサッカーが好きでボールを触っていたので技術はあると思いますが、高学年になり体格、スピードなど周りに圧倒されているのか、自信がないプレーが目立つようになりました。加えてメンタルも弱くなり親としてどう見守るべきか悩んでいます。スタメンとして起用していただく事ばかりでしたが今ではベンチスタートかどうかの瀬戸際で、それでも本人はここのチームでやっていきたいとの事でした。負けず嫌いだった子なのでここから這い上がってほしいと思うばかりですが、親の在り方として私自身がどう接すればいいか自信がないので助言してほしいです。よろしくお願いします。<島沢さんからの回答>ご相談ありがとうございます。とても強いクラブで先発でプレーしてきた息子さんを誇らしく思う気持ちが、お母さんのメールから伝わってきます。それなのに高学年になって、試合に出られなくなった。この変化に、親子ともども戸惑っているようです。助言してほしいとのことなので、私から2つアドバイスさせてください。■わが子が「這い上がる」ために親ができることはないひとつめ。何もしなくていい。何も考えなくていいのです。この段階で、お母さんのおっしゃるように「這い上がる」ためにやってあげられることは特にありません。ひとつあるとすれば、いつも通り淡々と接することです。万が一、いつも淡々と接することなく、世話を焼いたり、子どもに「うるさいな」と嫌がられるような言動があるのだとしたら、即刻やめたほうがいいでしょう。最新ニュースをLINEで配信中!■親の心配が子どもにとっては重荷になることも小学5年生は「前思春期」と呼ばれ、第二次性徴を迎える思春期の前段階です。自我が芽生え、自分が周りや親からどう思われているのか、どう評価されているのかに注目するようになります。そんな時期に、自分を心配しているお母さんの存在は、息子さんにとって重荷になりかねません。「自信のないプレーが目立つよ」「メンタルも弱くなってるよ」「ママは這い上がって欲しいんだよ」そういった言葉を出さずとも、お母さんのパッションを子どもはそばで痛いほど感じるものです。■試合に出られない、周りに抜かれるという焦燥感を覆せるのは「サッカーへの愛情」小さい時は他の子どもより秀でていたのが、高学年になり周囲が体格やスピードで追いついてきた。サッカーの理解度や視野や判断スピードなど、もうひとつ上のフェーズになってきたということでしょう。そのことを、時間をかけて理解していくのは息子さん自身です。いってしまえば、お子さんのピンチを救うのは親ではありません。彼を救うのは、いま目の前にいるお母さんではなく、これまでの子育てのありようです。試合に出られない、みんなに抜かれていく――そんな焦燥感や劣等感を彼が覆せるとしたら、それはサッカーへの愛情です。小さい時からやってきたサッカーがいかに好きかどうか。サッカーを好きな気持ちがあれば「今は試合に出られないけれど頑張ろう」とか「練習だけでも楽しいし、ま、いっか」と思えるはずです。そう思える子は、親御さんが「楽しくできればいいよ」という少年スポーツで最も大切な価値観を伝えています。■出られない→移籍を繰り返す親子もいるところが、そう思えない子どももいます。試合に出られなくなると、他の強豪チームへ移籍します。そこでも出られないと、また違うチームへ移ります。そのようなジプシー生活をするお子さんはどの地域にもいるようです。その場合、親御さんが試合に出ることでしか評価していなかったり、やらせたいと思うポジションで出場させてくれるクラブを求めて移籍し続けます。レギュラーじゃないとダメ。できれば背番号10。1試合1ゴール等々。さまざまな約束事が、親子の間にあったりします。大会で優勝すること、地域トレセンに選ばれることに軸足を置いている場合もあります。■今こそ、少年スポーツの原点に立ち戻ろうわが子がレギュラーから降ろされた、試合に出られなくなったという相談は多いです。その場合、皆さんがおっしゃるのは「何をすればいいか」「どうすれば子どもが乗り越えられるか?」ということを聞いてこられます。さあ何をやってあげようか?と意欲満々な親御さんたちを「まずは見守りましょう」と説得する第一段階こそが非常に骨が折れます。多くの方が、小さい時からお子さんの自主練習に付き合ったり、一緒にサッカーの試合を見るなどしてきたことで子どもさんが上手くなったと感じておられます。つまり成功体験があるので、今回も救ってあげたい、リードしてあげたいと躍起になるわけです。しかしながら、そんなふうにお母さんは考えていないようです。「親としてどう見守るべきか」と書かれているように、すでに見守りモードになっています。悩みの半分は解決しているではありませんか。今こそ、少年スポーツの原点に立ち戻りましょう。息子さんに「楽しくできればいいよ」と笑顔で言ってあげてください。試合や練習から戻ってきたら「楽しかった?」と聞けばいいのです。試合に出ない姿を見てストレスがたまるくらいなら行かなければいいのです。■子どもの人生を楽しく実りあるものにするために、親はどうするか(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)2つめ。子育てに悩んだときは、大局から物事を考えることです。例えば、「息子が試合に出られないことは、彼の人生においてそこまで重要なことか?」と考えてみてください。たった10歳とか11歳で、彼の道はサッカーしかないのでしょうか?スポーツ、音楽、アート、科学や文学など、さまざまな分野に触れていく。成年となる18歳までが子どもとするなら、彼の「子ども人生」はまだ半分ちょっとです。豊かで楽しく実りあるものにするために、親はどうするか?を考えてください。子どもが、何かを選びとる力を信じ、ひたすら見守ること。お母さんの子育ても次のフェーズに入ったのです。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)。
2022年07月13日誰でも、ついつい気になってしまうことが、何かしらあるものですよね。今回紹介する心理テストでは、そんな「つい気にしてしまうこと」を診断できます。ぜひ、普段は気がつかない、自分の心理を確認してみてください!Q.あなたは、プロレスを見に行きました。試合前に気になるのは次のどれですか?直感で決めてください。A.横断幕やのぼりB.リングサイドの有名人C.選手のコスチュームD.選手のコンディションA.横断幕やのぼりAの横断幕やのぼりを選んだ人は、口コミをみると、ついつい気にしてしまうかも!いろいろな判断をするときに、周囲の考えを参考にする傾向がある様子。口コミサイトのようなコアな情報を発見できる場所で、リサーチをする機会が多いのではないでしょうか。人と違う着眼点や豊富な情報を持っているため、周囲からの評価も高いでしょう。B.リングサイドの有名人Bのリングサイドの有名人を選んだ人は、損得について、ついつい気にしてしまうタイプだそう。物事への興味や関心が高く、お得な情報をいち早く確保するのではないでしょうか。そのため、数ある情報の中でも、無意識に損得を見分ける力に長けているのだとか。世の中を上手く渡る術を、持っている人だそうですよ。C.選手のコスチュームCの選手のコスチュームを選んだ人は、ついつい世間体について、気にしてしまう傾向があるみたい。あなたは、プライドが高めで、美に対する価値観にも強いこだわりがあるはずです。ついつい人の目を気にしてしまい、世間体に配慮しながら行動しているかもしれません。しかし、周囲からの信頼度は高く、信頼できる常識人だと認識されているとのこと!D.選手のコンディションDの選手のコンディションを選んだ人は、友達の状況が、ついつい気になってしまう様子。あなたは、人の面倒をみたり、気を使ったりする性格なのでしょう。知らないうちに、友達の状況を意識してしまうのだとか。外見だけでなく内面の変化についても悟り、フォローができるため、人から頼れる存在だと思われているみたいです。自分が無意識に気にしていることがわかると、ちょっと生活に変化が起きそうですよね。ついつい気にしてしまうシチュエーションが起きたら、心理テストの結果を参考にしてみてください。もしかしたら、もっと、物事がいい方向に向かうかもしれませんよ!"
2022年06月13日2022年4月9日に行われた、ボクシングの試合をご存じでしょうか。世界的なスーパースターであるゲンナジー・ゴロフキン選手に、ロンドン五輪金メダリストの村田諒太選手が挑む、王座統一戦が行われました。興行規模は20億円以上といわれる、日本ボクシング界最大のビッグマッチで、ボクシングファンにとって目が離せない大注目の試合です。日々の出来事をInstagramに投稿している、ミハイロ(mihajlo0011)さんもこの試合に注目しており、歴史に残る試合を子供たちと観戦して「感動を一緒に味わいたい」と考えていました。試合当日、子供たちと一緒に観戦するのですが、子供たちは全く興味を持ちません。それどころか、ミハイロさんと一緒に遊びたがってしまいます。ミハイロさんは一緒に観ることを諦め、子供たちにこう伝えます。「もうお願いだから試合を見させてくれ…大事な試合なんや」すると、ぐうの音も出ない反論をされるのでした。息子さんの言葉に対して、コメント欄には、さまざまな声が集まっています。・かわいい顔で真理をついてきた!・非常にありがたいお言葉をいただきましたね。・子供から、道徳的指導をされちゃったお父さん!心に響く発言をした息子さんに、多くの人が感心したようですね。大きくなった息子さんが、ボクシングの面白さを理解できたら、一緒に楽しめるかもしれません。いつか、家族みんなでボクシング観戦ができたらいいですね![文/AnyMama(エニママ)・構成/grape編集部]
2022年05月27日Jクラブのスクールと学校のチームに所属しているけど、チームで試合に出られない。伸びる時期だから試合に出られないのはもったいないとJクラブのコーチがチームを紹介してくれた。体験は楽しかったようだし移籍も良いと思うけど、移籍すると県のトレセンに選ばれない可能性が。中学以降は通っているJクラブのジュニアユースに行きたいし、どんな選択をすればいいのか悩む......。とのご相談をいただきました。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの知見をもとにお子さんにとって一番いい環境をどうやって決めるかアドバイスを送ります。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<楽しいチームがいい?厳しいチームがいい?6歳児二択問題<サッカーママからのご相談>こんにちは。10歳の息子は現在、学校のサッカーチームと、Jクラブのスクールに入って活動しています。学校のサッカーチームは人数が少なく、試合に出場できません。Jクラブのコーチに、今伸びる時期だから試合に出られないのはもったいないと言われ、他の学校サッカーで試合に出られるチームを紹介されました。体験に行ってみてとても楽しかったようです。移籍もいいかな?と思ったのですが、今加入している学校サッカーの方で小4でのトレセンに選んでもらっています。U-10の県トレセンももしかしたら可能性があります。しかしながら移籍するとそのトレセンがなくなります。来年には所属しているJクラブのジュニアユースセレクションを受ける予定です。受かれば絶対にそちらに加入したいのですが、落ちた場合どっちを選んだらいいのか悩んでます。このような場合、試合を諦め今のままのほうがよいでしょうか?<島沢さんからの回答>ご相談ありがとうございます。子どもが、進路なり、サッカーを続ける環境を選択する岐路に立たされたとき、親は一体どうふるまえばいいのか。まずは、ここを考えましょう。■悩むのは子どもであって親ではない私は、まずは子どもの意思を尊重すべきだと考えます。息子さんの年齢は10歳で、来年ジュニアユースのセレクションを受けると書かれていることから、現在は5年生でしょう。高学年ですから自分がどんな環境でサッカーをしたいのか。もしくは、どんな環境が自分のためになるのかも、親御さんと一緒に考えることができるはずです。ご相談文を読む限りは、お子さんがどういった環境を希望しているのかがわかりません。お母さんは、セレクションを落ちた場合、試合のできるクラブに移籍するか、トレセンを重視して試合ができない学校のサッカーチームの二択で悩んでいると書かれています。が、悩むのは息子さんであって、お母さんではありません。そこを忘れないでください。■小学生にふさわしいサッカー環境とはでは、お母さんは、小学生の息子さんがサッカーをするにあたって、どのような環境がふさわしいと思われますか?私の意見を言わせていただくと、以下のような条件が考えられます。1)指導者に暴力や暴言がなく、楽しくサッカーができるところ。2)指導者に威圧的な態度がなく、主体的に取り組むよう子どもに求めているところ。3)勝利至上主義ではなく、サッカーを好きになることが最優先されているところ。4)全員が試合を経験できるよう配慮されているところ。これらが保証されていて、なおかつ試合を経験できれば移籍を考えてもよいかと思います。ぜひこの4つのことを考えながら、息子さんと「じゃあ、どんなチームだと楽しくサッカーができるかな?」と一度話し合ってほしいと思います。■どんなスポーツでも試合が一番楽しいものそのうえで親として助言するとしたら、どんなことがあるでしょうか。お母さんがひとつ悩まれているのが、トレセンに選ばれることと、試合に出ることのどちらが息子さんにとって重要なのかということです。私の個人的な意見になりますが、サッカーに限らずどんなスポーツでも試合が一番楽しいものです。そして、試合をしたほうが上達するはずです。これはJクラブのコーチがおっしゃる通りだと思います。もし、息子さん本人がほかのクラブに移籍してもよいというならば、今すぐそうしてあげたほうがよいでしょう。■子ども自身が最優先したいのは何なのか、を聞いてみようじゃあ、県トレセンに入れなくなっていいのか。それについては、都道府県ごとにトレセンの内容や活動の頻度は異なるため、その価値について明確なことは言えません。それこそ、Jクラブのそのコーチの方に尋ねてはいかがでしょうか。加えて、息子さんに、トレセンの活動を最優先して考えたいかどうかを聞いてみましょう。それと、Jのジュニアユースを落ちた場合、「どっちを選んだら?」と悩まれているようですが、これは中学で学校部活のサッカー部に入るのかを悩まれているということでしょうか。Jのクラブ以外にジュニアユースクラブはないのでしょうか。■小学生年代でトレセンに選ばれることがその後のキャリアに大きく影響することはないただ、私はトレセンに入れる環境か、そうでないかは、あまり優先すべきファクターではないように思います。小学生時代にトレセンに選ばれることが、その子のサッカーキャリアに大きな影響を及ぼすようには思えません。トレセンに選ばれることを単なる勲章とはとらえず、そのトレセンのなかで何が学べるのか、どんな成長があるのかに注目してほしいと思います。そもそも、トレセンに選ぶ基準は、指導者によってまちまちです。多くの指導者は、体が強く大きい子、スピードがあり、足元のテクニックのある子を選ぶようです。多くの指導者が「トレセンの選考でピックアップされるのは、今すぐ試合で勝つために戦える選手が多い」と言います。なぜならば、トレセンでも、市区町村対抗といった試合があるからです。例えばドリブルが上手くて、スピードがあって、同学年の子どもを抜いて行ける子がいると、トレセンの地区大会で有利になると考えられています。私が尊敬するあるコーチは、Jリーグクラブで育成に携わった時期にさまざまなセレクションに立ち会ったそうです。そのコーチが「この子、いいね」と指摘しても、ほかのコーチとはことごとく意見が合わなかったと聞きます。■今の時点でトレセンにはそれほどこだわらなくていい(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)息子さんがどんな選手なのかは知るよしもありませんが、上述したことを考えると、そんなにトレセンにこだわらなくてもよいかと思います。例えば統計的にみても、小学生でトレセンに選ばれ、そのまま日本代表で活躍する選手はほとんどいません。周囲の評価に一喜一憂せず、息子さん自身の意思を尊重し、人間的な成長を手助けするのが親御さんの役目だと私は思います。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)。
2022年05月25日