天皇陛下の「終戦の詔書」が放送(玉音放送)されたことから日本では8月15日が終戦の日とされているが、海外では一般的に9月2日とされている。第二次世界大戦の終戦の日はいつなのか?SNSとテクノロジーで社会課題の発見・解決をサポートするICTスタートアップのPolimill株式会社(ポリミル、本社:東京都港区、代表取締役:横田えり、以下Polimill社)は当社が運営・開発する社会デザインプラットフォームSurfvoteで、イシュー(課題)「本当の『終戦の日』を知っていますか?」を9月26日に発行しました。Surfvoteでアカウント登録をすると、この課題について投票しコメントを入力することができます。本イシューは11月30日まで投票可能、締切後は結果をリリースします。 問題提起いただいたオーサー 関根健次氏ユナイテッドピープル株式会社 代表取締役、一般社団法人 国際平和映像祭 代表理事。ベロイト大学経済学部卒。大学の卒業旅行の途中、偶然訪れた紛争地で世界の現実を知り、後に平和実現が人生のミッションとなる。2002年、世界の課題解決を事業目的とするユナイテッドピープル株式会社を創業。2009年から映画事業を開始。2014年より誰でも社会課題・SDGsテーマの映画上映会を開催できる「cinemo(シネモ)」を運営開始。映画『もったいないキッチン』プロデューサー。2021年9月21日、ピースデーにワイン事業「ユナイテッドピープルワイン」を開業。 関根健次氏Surfvoteとは?当社が提供するSNS「Surfvote」は社会にあるさまざまな課題を問題提起し、それについて誰もが簡単に意見を投票できるサービスです。Surfvoteでは「イシュー」と呼ばれる各テーマ(課題)に対して複数の選択肢から自分の意見を投票できます。また他のユーザーのコメントを見たり、評価(いいね)したりすることもできます。イシューは当社編集部だけでなく大学の先生やさまざまな分野の専門家にも執筆のご協力をいただき発行しています。投票結果はイシューの内容に応じて、適宜関係省庁や政治家へ提出し報告を行なっています。各イシューで投票・コメントしていただいた1人1人の意見を大切に扱い、社会を前進させるために寄与したいと考えています。 Polimill株式会社Polimill株式会社は目的特化型SNS【Surfvote】を運営・提供するICTスタートアップ企業です。Surfvoteは社会課題に特化し、ユーザーがあらゆるテーマについて自分の意見を投票できるだけでなく、他のユーザーの意見を傾聴できるサービスです。地方公共団体版のSurfvoteも拡充中で自治体と連携し住民による住みやすい街づくりを促進します。あらゆる人がルール作りに参加し、価値観の変化やテクノロジーの進化に合わせた柔軟でスピーディーな制度改革ができるような社会を、SNSとテクノロジーで実現させます。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年09月26日妻夫木聡が医学部の助教授、蒼井優がその妻を演じる終戦ドラマ「しかたなかったと言うてはいかんのです」が、8月13日(金)放送。この度、放送に先駆けて、妻夫木さんからコメントが到着した。本作は、熊野以素による「九州大学生体解剖事件 70年目の真実」を原案に、太平洋戦争末期に行われた生体解剖の実話を基にしたドラマを描く、人間の狂気と正気を描き出すヒューマンサスペンス。放送を控え、捕虜の実験手術に関わる西部帝国大学医学部助教授・鳥居太一役の妻夫木さんは「罪とは何か。太一が犯したこと自体は罪だが、何が本当の意味でいけなかったのか。死刑に処されるべきなのか。彼の心の内を想像し、その答えを探す日々でした」と撮影をふり返り、役を演じる上で様々な葛藤もあったという。さらに「戦時下の出来事を “しかたなかった” のことばで片付けては、すべてが過去になってしまいます。しかし、本人たちにとっては死ぬまで変わらない現実だったのではないかと思います」と言い、「だからこそ、私たちはその思いを受け継ぎ、この先も未来永劫、伝えていく必要があります。皆さんにも『一度きりの人生、もっと出来ることがあるのではないか』『私はこんな人間になりたい』など、このドラマから少しでも何かを感じていただけたらうれしいです」と呼びかけている。なお、書道家の武田双雲が担当した番組題字も公開された。終戦ドラマ「しかたなかったと言うてはいかんのです」は8月13日(金)22時~NHK総合にて放送。(cinemacafe.net)
2021年08月08日終戦ドラマ「しかたなかったと言うてはいかんのです」の放送が決定。妻夫木聡と蒼井優が夫婦役で共演し、太平洋戦争末期に行われた、生体解剖の実話を基にしたドラマを描く。1945年5月。西部帝国大学医学部・助教授の鳥居太一は、教授の指示のもと、米兵捕虜の手術を手伝うが、それは人体実験手術であった。教授に恐ろしい手術の中止を進言するが却下され、8名の捕虜が死亡。戦犯裁判で死刑判決を受けた太一は、凶行を止められなかった自分と向き合うことになる。一方、妻・房子は、裁判の中でゆがめられた真実を明らかにし、事件の首謀者にされた夫を死刑から救おうと奔走する――。本作は、熊野以素の「九州大学生体解剖事件70年目の真実」を原作としたドラマ。死刑判決を受けて自分自身と向き合う医師と、その判決に異議を唱え公正な裁きを求めて奔走する妻。苦悩の果てにたどりついたありのままの真実とは…?人間の狂気と正気を描き出すヒューマンサスペンス。主演の妻夫木聡が演じるのは、捕虜の実験手術に関わる西部帝国大学医学部助教授・鳥居太一。教授に中止を進言したが手術は続行され、終戦後に戦犯となってしまう。「"自らの責めは自らが負わねばならない" 罪とは何か、生きるとは何か、ひたすらに自分と向き合い続ける日々です。人間は愚かな生き物であります。しかし、誰かを思いやる温かい心になれるのもまた人間です。人としてあるべき姿とは何か、今一度この時代に問いかけられているような気が致します」と語る妻夫木さんは、「時代や環境が変われど、一つ一つの命の重みに変わりはありません。作品を通じて、命の尊さを感じて頂ければ」とメッセージ。太一の妻で、死刑判決を受けたことに納得せず、夫を救出するために奔走する房子を蒼井優が演じる。「胸が締め付けられるようなシーンがたくさんありますが、妻夫木さんが演じられる太一を信じ、最後の最後まで丁寧に演じて行けたら」と言い、「タイトルに見合う作品になることを期待しながら、精一杯頑張ります」と意気込んでいる。2人のほかにも、死刑囚棟の同じ房で太一と生活することになる元軍人役で永山絢斗、捕虜の実験手術を実行する西部帝国大学医学部第一外科教授役で鶴見辰吾。そして、山西惇、辻萬長、中原丈雄、若村麻由美らの出演も明らかになっている。終戦ドラマ「しかたなかったと言うてはいかんのです」は8月13日(金)22時~NHK総合にて放送。※75分単発(cinemacafe.net)
2021年05月26日第二次大戦終戦直後、GHQと互角に渡り合った2人の男を浅野忠信と小林薫が演じる『日本独立』の公開が12月18日に決定。ポスタービジュアルも解禁された。連合国軍占領下の日本で、のちの首相・吉田茂の側近として「従順ならざる唯一の日本人」と言われた白洲次郎を演じるのは、『マイティ・ソー』シリーズや『バトルシップ』などハリウッド映画にも多数出演し、『私の男』でモスクワ国際映画祭最優秀男優賞やヴェネチア国際映画祭コントロコレンテ部門最優秀主演男優賞を受賞するなど国内外で高く評価されている浅野忠信。そして、白洲次郎の妻・正子を演じるのは、『たそがれ清兵衛』『紙の月』『湯を沸かすほどの熱い愛』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞ほか、数々の映画賞を総なめにし、昨年公開された『人間失格太宰治と3人の女たち』で5度目となる日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞という快挙を成しとげた宮沢りえ。吉田茂には、『恋文』や『それから』『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞、「深夜食堂」シリーズでも知られる日本を代表する実力派俳優の小林薫。マッカーサーとも渡り合う度胸満点の政治家の顔と共に、短気で包容力やユーモアのある人間・吉田茂に扮する。吉田茂と白洲次郎、本音で激論を交わすことをいとわない、親子ほども年の違う2人の絆と日本の未来を見据えた熱い思いと覚悟を人間ドラマとして描き出す。今回解禁となるポスタービジュアルでは、占領下の日本にやってきたマッカーサー率いるGHQに日本の独立を思い、日本人のプライドと国際感覚を武器に闘いを挑んだ白洲次郎と吉田茂たちを中心に据えたもの。キャストは、国務大臣・松本烝治を演じる柄本明、内閣総理大臣・幣原喜重郎役の石橋蓮司、元内閣総理大臣・近衛文麿役の松重豊、戦艦大和からの生還者・吉田満役の渡辺大、その母・ツナ役の浅田美代子をはじめ錚々たる俳優陣。監督は、『プライド運命の瞬間』『ロストクライム -閃光-』を手掛けた社会派としてならす名匠・伊藤俊也。吉田茂と白洲次郎の絆を軸に、終戦から憲法制定、独立に至る歴史の裏側のドラマを、日本側とアメリカ側の両方の視点から描き出す。浅野忠信:白洲次郎ダンディで魅力的な白洲次郎さんを演じることにワクワクしたのを覚えています。彼の情熱やピュアな面に想像を膨らませて役作りさせていただきました。あの当時、いち早く世界に目をむけ、語学にも長けていて、外国の方とも対等にやり合うところに興味を持ちました。僕自身、アメリカの血も入っていて子供の頃から外国に興味があったので、そういう部分では共通する部分があったのかもしれません。神戸での撮影はとても素敵な時間でした。監督に感謝します。白洲さんの熱い生き方から何か受け取っていただけたら嬉しいです!宮沢りえ:白洲正子当時その場所が本当にそこに存在していたんだろうと思うような素敵なロケ場所で撮影をして、そこの空気感に馴染むように自然と正子さんになれたような気がします。この脚本を読んで目から鱗が落ちた、という、この感覚が観てくれた人達に伝わりますように小林薫:吉田茂当時の背景や歴史上のことなどはわからないことも多いので、ある意味監督にお任せして楽しみながらやれたらいいかなという想いで演じました。今回登場する人物のなかでも吉田茂という人は、顔つきから人物像からよく知られているので、あまりにも顔付が違ったりしてると、いくらなんでもあれは吉田じゃねえ、となっちゃうのもやりにくいなと思っていたんですよね。それで冗談ぽく「とりあえず吉田さんにしてください」というのでこういうメイクになったんですけどね(笑)。まあ、そういう言い方するとあれですけど、見た目から入ったというところはあるかもしれませんね。伊藤俊也監督『プライド運命の瞬間』(98)で東京裁判を描いた際、主人公の東条を取り上げることとか、東条の罪を描かずして人間性を描いた、とか、いろいろ批判は受けたのですが、日本の戦後における二大事件の一つである、極東国際軍事裁判がどのようなものであったかを描いたつもりです。その後、どうしてももう一つ事件である日本国憲法の成立に関わる映画を作りたいと思いまして、2000年のはじめに発想し、『日本独立』の基となるシナリオを作ったのです。依頼、17~18年もの間、企画が浮上してはダメになったりの経過を繰り返し、ようやく今回映画化が実現しました。今もって日本の憲法9条をめぐる問題には、平和条項とか永久平和とか、憲法成立時に作られたある種の美名の中に包み込まれていて、多くの日本人が誤解しているということが、今の曖昧な日本、そして国の形を作っているのだという強い思いがあります。本作がようやく世に出るということは、とても意義があることだと思ってます。『日本独立』は12月18日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2020年10月30日近年次々と発掘されている貴重な終戦直後を映像に俳優の山田孝之が“入り込んで“終戦直後”を追体験するという最新のデジタル技術を駆使した独自のドキュメンタリー、NHKスペシャル「戦後ゼロ年 東京ブラックホール1945-1946」が8月20日(日)今夜オンエアされる。終戦直後の東京を記録した鮮明な映像が次々に発掘され、これまで極秘扱いだった10万ページに及ぶCIAの文書が情報公開法によって続々と公開。これによって敗戦直後の東京の新たな姿が浮かび上がってきた。それは“ヒト・モノ・カネ”をブラックホールのようにのみ込んでふくれあがっていく東京の姿だった。「闇市」は焼け跡に最初に出現した“ブラックホール”だった。日本軍や米軍のヤミ物資が大量に横流しされ、そこで野心家たちが新たなビジネスを始め大金を手にしていく。一方、六本木や銀座には治外法権の「東京租界」が誕生、占領軍を慰安するショービジネスから戦後の大衆文化を担う人材が生まれた。連合軍による占領からはじまった「戦後ゼロ年」の東京は、いまの東京を生み出した原点でもある。今回、そんな「戦後ゼロ年」の東京を記録した映像に最新技術を駆使して現在の若者が“入り込む”ことに。「戦後ゼロ年」を追体験する21世紀の若者を演じるのは俳優の山田孝之。『電車男』でのオタク青年、『クローズZERO』や『闇金ウシジマくん』シリーズでのワイルドな役柄、「荒川アンダー ザ ブリッジ」シリーズや「勇者ヨシヒコ」シリーズなどでみせるコミカルさと、その幅広い演技力でいまや超人気俳優へと成長。この夏公開された人気コミックの映画化作品である『銀魂』『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』がいずれも大ヒット中の山田さんが、今度は70年前の終戦当時の東京に“タイムスリップ”する。最新のデジタル技術を駆使して、山田さんが時空を超えて当時のフィルムの中に入り込んで「戦後ゼロ年」を追体験していく。まもなく戦後2度目のオリンピックを迎える東京の道しるべを、終戦直後の東京から探るNHKスペシャル「戦後ゼロ年 東京ブラックホール1945-1946」は8月20日(日)21時~NHK総合でオンエア。(笠緒)
2017年08月20日2016年8月15日は終戦記念日。今年で戦後71年目をむかえます。憲法改正をめぐるニュースも報道されていることから、あらためて平和について考えさせられる方も多いことでしょう。あの悲惨なできごとを風化させないためにも、家族で読みたい絵本を紹介します。■『まちんと』(偕成社)文・松谷みよ子 絵・司修 原爆投下直後の広島。まもなく3歳になる女の子はトマトを口に入れてもらうと「まちんと、まちんと」とねだります。お母さんは焼け崩れた街にトマトを探しにいきましたが、なかなかみつかりません。ようやく、たった1つだけみつけて戻ったとき、その子は、「まちんと、まちんと」といいながら、もう息をひきとっていました…。“まちんと”とは、「もうちょっと」という意味の方言を幼い子が舌たらずにしゃべっている感じのことばです。よけいな説明はなく、原爆で燃えあがる街でトマトを欲しがる女の子を描写するだけのシンプルな構成です。だからこそ、傷ついて息も絶えそうな幼子が求めるトマトの冷たい感触やみずみずしさが強調され、原爆の残酷さを歴史上の物語ではなく、実際に起こった悲劇してとらえることができるのではないでしょうか。極限の状況で出てくることばに混じる、ふるさとなまりの「まちんと」。その語感がかなしく懐かしい響きに思えてなりません。■『チロヌップのきつね』(金の星社)文・絵 たかはしひろゆき太平洋戦争末期、北の孤島「チロヌップ」を舞台に、漁に来たおじいさん、おばあさんと兵隊に襲われるきつね一家の交流を描く物語です。作者の高橋宏幸は、兵士として1944年の暮れに千島のウルップ島に上陸しました。そこは、たくさんのきつねが暮らす美しい島だったそうです。ある日、密猟者のしかけた鉄のわなに子きつねの白骨体がかかっているのを見つけ、どこにもぶつけようのない激しい怒りを感じたそう。その体験が『チロヌップのきつね』を生み出すきっかけとなったのだとか。実話をもとにつくられた創作童話だからでしょうか、静かな迫力とかなしみにあふれています。鳥や獣が人間のことばを話す物語はよくあります。『チロヌップのきつね』は擬人化されていないにもかかわらず、坊やのきつねを探すため、銃声がこだまするなかへ飛びこむ父きつねの勇敢な姿や、わなにかかった娘のきつねを救おうとする、けなげな母きつねに胸が熱くなります。戦争だけでなく、親子の結びつきや環境問題についても考えさせられる名作です。■『小さい潜水艦に恋をしたでかすぎるクジラの話 戦争童話集〜忘れてはイケナイ物語り〜』(世界文化社)原作・野坂昭如 画・黒田征太郎戦争がテーマの連作童話12編がおさめられています。食糧難で空腹の子どもたち、オオカミやクジラの視点で語る人間の修羅場など、さまざまな切り口で展開します。すべての書きだしが「昭和二十年、八月十五日」ではじまります。戦争は終わったけれど、平和の幕開けではないことがわかります。戦争が原因で妹や養父を亡くしている野坂昭如は、このように語っています。「日本人は、いつの間にかあの戦争をなかったことのようにしてしまった。戦後というが、今もなお、戦争は続いている。戦争は、気づいた時にはすでに始まっているものだ」出典:『小さい潜水艦に恋をしたでかすぎるクジラの話 戦争童話集〜忘れてはイケナイ物語り〜』『戦争童話集』は1975年に出版され、昨年、黒田征太郎のイラストとコラボレーションして美しい絵本になりました。絵に託されたメッセージと物語の行間ににじむ想いをくみとりながら読んでみてください。子どもといっしょに読みながら、戦争について、生き方について、平和について家族で話しあう機会になれば幸いです。
2016年08月14日山田洋次監督が吉永小百合、二宮和也を母子役に迎えて描く最新作『母と暮せば』。「50年以上の間、たくさんの映画をつくってきましたが、終戦70年という年にこの企画に巡り合ったことに幸運な縁と運命すら感じてしまいます」と監督が明かす、自身初のファンタジー作品となる本作に迫った。1948年8月9日、長崎で助産婦として暮らす母・伸子(吉永さん)のもとへ、3年前に原爆で亡くしたはずの医学生の息子・浩二(二宮さん)がひょっこり現れる。楽しかった思い出話や、残していった恋人・町子(黒木華)の話など、以前と何の変わりもない会話をして2人は過ごすのだが――。本作が通算83作目となる山田監督が初めてつくる、やさしい涙があふれるファンタジーとなる本作。作家・井上ひさしが広島を舞台に描いた『父と暮せば』と対になる作品を、長崎を舞台につくりたいと発言していたことを知った監督が、終戦70年となる今年に思いを込め、監督の集大成ともいえる作品として手がけた。突然、母の目の前に現れたのは、原爆によって亡くなったはずの息子。彼は身体が透けていたり浮いているわけでもなく、生前の元気な姿そのまま、会話する内容も変わりない。ただし、母と子はお互いに触れ合うことはできないのだ。山田監督は撮影前、『雨月物語』(’53/溝口健二監督)や『美女と野獣』(’48/ジャン・コクトー監督)を見るなどして亡霊の描写を考えたという。ファンタジー的要素として、浩二は「悲しくなり涙を流すと姿が消えてしまう」設定にするなど、監督作品としては珍しく積極的にVFXを導入した。例えば、浩二が生前好きだったメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を思い出し、タクトを振るマネをするシーンでは、突然オーケストラが現れたり、彼が寮歌を唱うと背後に仲間の高校生が現れて大合唱となったり、これまでにないファンタジックな場面が作り出されている。映画監督として50年以上のキャリアを持ち、独自の世界観、演出手法で数々の感動作を手掛けてきた監督は、必要であれば新しいことにも意欲的に挑戦。そんな監督の姿勢と情熱に、スタッフ、キャストも一丸となって撮影に挑んだという。原爆という重く大きなテーマの中で、母子の親子愛に焦点をあて戦争の悲劇を描く本作だが、その根底にあるのは、山田作品で描かれ続けてきた人間の愛情のドラマ。息子・浩二の死は、運命ではなく、人間の手によってもたらされた“悲劇”という母・伸子の悲痛な叫びとともに、突然愛する人を失った母と恋人を軸に、残された人々の切なく哀しい想いの機微を映し出していく。「生涯で一番大事な作品をつくろうという思いでこの映画の製作にのぞんだ」という山田監督の想いが詰まった初めてのファンタジーを、スクリーンで見届けてみて。『母と暮せば』は12月12日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:母と暮せば 2015年12月12日より全国にて公開(C) 2015「母と暮せば」製作委員会
2015年11月24日ドワンゴは、終戦の日となる8月15日に、終戦特別企画「70」と題した特別番組をニコニコ生放送で放送することを発表した。番組では「玉音放送」のほか、靖国神社外苑の模様や「全国戦没者追悼式」を中継、「遊就館」の解説や平和憲法についての徹底議論も実施するという。ニコニコ生放送では、今回の特番の一環として、1945年8月15日正午にNHKラジオで放送され、昭和天皇が戦争終結を告げた「玉音放送」を、70年後の同日同時刻よりノーカットで放送。日本国民が戦争に負けたことを知ることになった「玉音放送」だが、"玉音"とは、「天皇の肉声」を指し、玉のように清らかな音や声を意味し、敬いからそう呼ばれた。当時はラジオの音質が極めて悪く、天皇の朗読に独特の節回し(天皇が自ら執り行う宮中祭祀の祝詞の節回しに起因するという)があり、また詔書の中に難解な漢語が相当数含まれていたため、「論旨はよくわからなかった」という人々の証言も多かったと言われている。今年8月1日には、宮内庁が玉音盤を元にした音声をネット上に初公開。ネットメディアを通じて「現代語訳」されたほか、終戦の日に玉音放送が流れるまでの一昼夜を描いた映画『日本のいちばん長い日』も上映されるなど、今年は特に、終戦に大きな注目が集まっている。ドワンゴ広報は、今回の「玉音放送」を実施する意味として、「戦後70年の今だからこそ、同日同時刻、当時と生活環境は違えど、皆で玉音放送に耳を傾けることで、改めて『戦後70年』というものを考えてみる機会を提供できれば」と話している。今回の特番「70」では、「玉音放送」(12時~)のほか、「靖国神社 外苑の様子を生中継」(10時~)、「神道史家と巡る、靖国神社『遊就館』」(17時~)、「福島みずほママの1日 戦後70年の『平和憲法BAR』」(19時~)、「全国戦没者追悼式 生中継」(11時50分~)など、さまざまな企画が予定されている。詳細は、終戦特別企画「70」特設ページまで。■【終戦の日】靖国神社 外苑の様子を生中継日時:8月15日(土)10時~放送ページ: 内容:靖国神社・外苑の様子および参道特設ステージなどで開催される国民集会・企画イベントの模様を生中継します。■玉音放送日時:8月15日(土)12時~放送ページ: 内容:1945年8月15日正午にNHKラジオで放送された玉音放送を、70年後の同日同時刻、ノーカットでお届けします。■【終戦の日】神道史家と巡る、靖国神社「遊就館」日時:8月15日(土)17時~放送ページ: 内容:靖国神社境内に併設されている「遊就館」について、高森明勅氏(日本文化総合研究所代表)が解説します。■【完全生中継】福島みずほママの1日 戦後70年の「平和憲法BAR」日時:8月15日(土)19時~放送ページ: 内容:福島みずほ参議院議員が、若い有権者とともに平和憲法について徹底的に語ります。■【終戦の日】全国戦没者追悼式 生中継日時:8月15日(土)11時50分~放送ページ: 内容:毎年8月15日に日本武道館で挙行されている「全国戦没者追悼式」の模様を現地より生中継します。
2015年08月14日役所広司、本木雅弘、松坂桃李、堤真一ら豪華キャストを迎え終戦前夜の日本で何が起こったのかを描く『日本のいちばん長い日』。この度、“日本史上、最大の決断”を迫られる中、身を挺し戦争を終わらせるために闘った男たちが映し出された初の特報映像が公開された。太平洋戦争末期、日本がポツダム宣言を受諾し終戦を迎える1945年。昭和天皇が降伏を決定した8月14日正午から、天皇自ら玉音放送で国民に終戦を知らせた8月15日正午、その24時間にいったい何があったのか…。本作は、そんな日本の歴史上最も重要で、かつ“いちばん長い日”と、日本の未来を信じ、平和への礎を築く為に身を挺した男たちのドラマを描く感動の歴史大作。昭和史研究の第一人者である半藤一利の傑作ノンフィクション「日本のいちばん長い日 決定版」(文春文庫刊)を原作に、『クライマーズ・ハイ』『わが母の記』『駆込み女と駆込み男』などを手掛ける原田眞人が監督を務める。今回公開された特報映像は、連合国への降伏か、本土決戦か…役所さんが演じる主人公、陸軍大臣・阿南惟幾(あなみ・これちか)が、「どうやったら、戦争を終結させられるか…」と苦悩するシーンから始まる。さらに本木さん演じる昭和天皇も登場。7年振りのスクリーン復帰となる本木さんが、国民を想って平和を求める天皇を一心に演じる姿が確認できる。太平洋戦争をテーマにした映画は数多く存在するが、昭和天皇の姿・声をはっきりと描いた日本映画は本作が初。山崎努演じる、時の首相・鈴木貫太郎、鈴木首相をサポートする迫水久常内閣書記官長を演じる堤さん。終戦に反対しクーデターを決起する青年将校・畑中を演じる松坂さんと、豪華キャストが演じる男たちが次々と登場する。一億玉砕、総決起の気風が渦巻く陸軍の頂点に立ちながらも、阿南のモノローグに合わせて、敗戦間近の緊迫した様子をこちらの映像からご覧あれ。『日本のいちばん長い日』は8月8日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:日本のいちばん長い夏 2010年8月7日より新宿バルト9、丸の内TOEI2ほかにて公開(C) 2010 NHK アマゾンラテルナ
2015年04月10日ナチスドイツの手からたった1人で逃れ、生き抜いた少年を描いた『ふたつの名前を持つ少年』が、戦後70年目を迎える8月15日(土)の終戦記念日に決定。併せて、1人で生き抜く少年の姿が映るポスタービジュアルが、シネマカフェにいち早く到着した。第2次世界大戦下、ポーランドのユダヤ人強制住民区から脱走し、森へ逃げ込んだ8歳の少年スルリック。飢えや寒さで行き倒れとなるが、ある夫人に助けられる。スルリックの賢さと愛らしさに気づいた夫人は、彼が1人でも生き延びれるよう、“ポーランド人孤児ユレク”として逃がすことに。夫人に教わった通りに偽りの身の上話を語り、寝床と食べ物を求めて農村を1軒ずる訪れるユレクに、救いの手を差し伸べる者もいれば、ドアを閉ざす者、さらには利用しようとする者も…。ユダヤ人というだけで過酷な環境に見舞われるユレクを支えていたのは、生き別れになった父との約束だけだった――。1996年に「国際アンデルセン賞」を受賞した児童文学作家ウーリー・オルレブの「走れ、走って逃げろ」を原作とした本作。監督を務めるペペ・ダンカートは、この原作との出会いを「見る者の記憶に20年後も残り続ける映画となる素材を見つけた瞬間」であるという。「この映画を観た人は皆、ユレクに感情移入するでしょう。誰もが彼に対して畏怖の念を抱き、尊敬で心を動かされ、彼と共に嘆き悲しむでしょう。初めて原作を読んだとき、私もそうでした」とダンカート監督。さらに、「これは1人の少年の旅の物語です。彼は一夜にして独り立ちし、生き延びる術を身につけなければなりませんが、実際はまだほんの子どもです。これはあらゆる戦争の悲惨さ、残虐さを表した物語であり、それに屈せぬ者たちの、そして自分の命を犠牲にしてでも死の淵にいる人を助ける者たちの話でもあります。私はそんな真に迫った心を打つ物語を、悲観的にならずに語りたいと思いました。これはスルリック=ユレク=ヨラム・フリードマン(原作のモデル)の真の強さと、希望と勇気の物語なのです」とコメントを寄せた。悲惨で過酷な運命を力強く前向きに生き抜く主人公を、アンジェイとカミルの双子の兄弟が愛らしい笑顔で演じきった本作。戦下で起こった実話を基にした物語は、戦後70年を迎えた日本人の心にも響くに違いない。『ふたつの名前を持つ少年』は8月15日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年04月09日終戦、そしてアウシュビッツ解放から70年の節目となるこの夏、過酷な運命を勇敢に生き抜いたユダヤ人少年の実話を描く「RUN BOY RUN」(原題)が、邦題『ふたつの名前を持つ少年』として8月に日本公開されることが決まった。第2次世界大戦下、ポーランドのユダヤ人強制住居区から脱走した8歳の少年スルリック。彼は森へと逃げるが、飢えと寒さで行き倒れとなり、ある夫人に助けられる。夫人はスルリックの誰をも魅了する愛らしさと賢さに気づき、一人でも生き延びられるよう”ポーランド人孤児ユレク”として架空の身の上話を覚えこませ、追っ手から逃がすことに。夫人に教わった通り、うその身の上を語り、寝床と食べ物を求めて農村を一軒ずつ訪ね歩くユレク。だが、優しい家族に受け入れられ束の間の平穏をつかみかけても、ユダヤ人であることがばれてしまい、ユレクは追い立てられるように別の場所へと逃げる。生き別れになった父との約束を胸に、明日の希望を信じてユレクのいのちの旅は続くが――。本作は、ナチスドイツの手から逃れた8歳のユダヤ人の少年が、「スルリック」というユダヤ名を捨て、ポーランド人孤児「ユレク」として、たった一人で森に潜み、食べ物を求めて農村を渡り歩きながら、3年もの月日を生き抜いた実話を基にした物語。原作は、1996年「小さなノーベル賞」とも称される児童文学賞・国際アンデルセン賞を受賞し、自身もユダヤ人強制収容所や隠れ家生活の体験者である児童文学作家ウーリー・オルレブによる「走れ、走って逃げろ」(03年・岩波書店刊)。今回、イスラエル、ポーランド、ドイツ、フランスに続いて日本でも公開されることに、オルレブは「大変嬉しい」とコメントしている。監督を務めるのは、奇しくもスティーヴン・スピルバーグの『シンドラーのリスト』が席巻した第66回アカデミー賞において、『Schwarzfahrer』(黒人のドライバー)で「短編実写賞」を受賞したペペ・ダンカート。オルレブの原作との出会いを、「見る者の記憶に20年後も残り続ける映画となる素材を見つけた瞬間」と明かしている。過酷な運命を力強く、前向きに生き抜く“ふたつの名前”を持つ主人公を演じたのは、アンジェイとカミルの双子の兄弟。愛らしい笑顔の少年が、なぜ、ユダヤ人というだけでこれほどまでに過酷な運命を生きなければならなかったのか。戦後70年の今年、子どもから大人まで見る人すべての心を打つ感動作が、また1つ誕生した。『ふたつの名前を持つ少年』は8月、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年03月05日主演の役所広司を始め、本木雅弘、山崎努、堤真一、松坂桃李ら豪華キャストを迎え、太平洋戦争終戦前夜の日本を描く映画『日本のいちばん長い日』。このほど本作の第1弾ポスター・ビジュアルが公開。さらに、公開日が2015年8月8日(土)ーーつまり、70回目の終戦記念日となる「8月15日」の1週間前というタイミングとなることも明らかとなった。物語の舞台は、1945年7月ーー太平洋戦争末期。連合国は日本にポツダム宣言受諾を要求。降伏か、それとも本土決戦か。連日連夜、閣議が開かれるが議論は紛糾する。8月、広島・長崎に相次いで原爆が投下され、事態はますます悪化の一途を辿ることに。“一億玉砕論”が渦巻く中、決断に苦悩する陸軍大臣・阿南惟幾(役所広司)と、国民を案ずる昭和天皇(本木雅弘)、聖断を拝し閣議を動かしてゆく首相の鈴木貫太郎(山崎努)、ただ閣議を見守るしかない書記官の迫水久常(堤真一)。一方、終戦に反対する畑中少佐(松坂桃李)ら若手将校たちはクーデターを計画、日本の降伏を国民に伝える玉音放送を阻止すべく、皇居やラジオ局の占拠へと動き始めるのだが…。来年2015年、戦後70年という節目を迎える日本。本作は、そんな日本の昭和史研究の第一人者である半藤一利の傑作ノンフィクション「日本のいちばん長い日 決定版」を原作に映画化する。今回お披露目された第1弾ポスター・ビジュアルに描かれているのは、太平洋戦争末期の爆撃によって焦土と化した日本。そして、絶望的な光景の中、ひとり立ち尽くす役所さん演じる陸軍大臣・阿南惟幾の背中が。その後姿は終戦の舞台裏で、降伏か、本土決戦かという国家の行く末を占う決断を迫られ、苦悩しながらも日本の未来を信じた男の想いが込められているとのこと。この男が見つめる太陽は、沈みゆく影なのか、それとも登りゆく光なのか…?『日本のいちばん長い日』は2015年8月8日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年12月19日終戦の舞台裏を描いたノンフィクション『日本のいちばん長い日 決定版』(文藝春秋)が、戦後70年の節目を迎える来年8月に向けて映画化されることが決定し、主演の役所広司をはじめ、本木雅弘、松坂桃李、堤真一、山崎努といった主演級の俳優陣が出演することが8日、明らかになった。映画『日本のいちばん長い日』は、日本の降伏が決まってから国民に告げられるまでの舞台裏と、日本の未来を信じて身を挺して闘った人々の人間模様を描いた物語。昭和史研究の第一人者で作家の半藤一利氏の原作に加え、昭和天皇と共に戦争終結に導いた鈴木貫太郎首相の姿を描いた『聖断』(著・半藤一利)の内容も盛り込まれる。メガホンを取るのは、『金融腐蝕列島<呪縛<』(1999年)、『クライマーズ・ハイ』(2008年)などで知られ、来年5月には『駆込み女と駆出し男』の公開が控えている原田眞人監督。役所が演じるのは、主人公の阿南惟幾陸軍大臣。陸軍全体が断固として戦争完遂を支持する中、そのトップで決断を迫られることに苦悩する。一方、本作が『おくりびと』以来約7年ぶりの本格復帰映画となる本木は昭和天皇役。そのほか、時の内閣総理大臣・鈴木貫太郎を山崎、内閣書記官長・迫水久常を堤、終戦に反対する若手将校・畑中健二少佐を松坂桃李が演じる。映画では、この畑中少佐ら若手将校たちがクーデターを計画。玉音放送を中止すべく、皇居やラジオ局の占拠へと動きはじめる。自身の演じる役柄について、役所は「戦時下の陸軍トップとして部下を愛し、部下にも慕われ、天皇への一途な忠誠心も持つ一方、家族も大切にした魅力的な人でした」と説明。作品の魅力を「各個人それぞれの『家族』、そして天皇を中心とした日本という『家族』、その『家族』というテーマに重きを置いて描かれていること」と読み解き、「山崎努さんとの共演は長年の夢が実現しました。本木雅弘さん、堤真一さん、松坂桃李さん、原田組常連の俳優さんに加え、多くのフレッシュな俳優さんが、ドキュメンタリーの如くリアリティをもって魅力的に演じています。完成がとても楽しみです」と豪華俳優陣との共演に心を躍らせている。
2014年12月09日戦後70年を迎える2015年の夏、終戦前夜の日本で何が起こったのかを、主演・役所広司、7年ぶりの映画出演となる本木雅弘、今年も大活躍を見せた松坂桃李、「マッサン」が好評の堤真一、さらにベテランの山崎努という豪華キャスト共演で描く映画『日本のいちばん長い日』が製作されることが決まった。1945年7月、太平洋戦争末期。連合国は日本にポツダム宣言受諾を要求。降伏か、それとも本土決戦か。連日連夜、閣議が開かれるが議論は紛糾する。8月、広島、長崎に相次いで原爆が投下され、事態はますます悪化の一途に。“一億玉砕論”が渦巻く中、決断に苦悩する陸軍大臣・阿南惟幾(役所広司)と、国民を案ずる昭和天皇(本木雅弘)、聖断を拝し閣議を動かしてゆく首相の鈴木貫太郎(山崎努)、ただ閣議を見守るしかない書記官の迫水久常(堤真一)。一方、終戦に反対する畑中少佐(松坂桃李)ら若手将校たちはクーデターを計画、日本の降伏を国民に伝える玉音放送を中止すべく、皇居やラジオ局への占拠へと動き始めるが…。原作は、昭和史研究の第一人者である半藤一利の傑作ノンフィクション「日本のいちばん長い日 決定版」。さらに、昭和天皇とともに戦争終結に導いた鈴木貫太郎首相の姿も映し出すべく、同じく半藤氏著の「聖断」の内容も取り込まれるという。主人公となる、苦悩する阿南惟幾(あなみ・これちか)陸軍大臣を演じるのは、深みのある演技で圧倒的な存在感を放つ役所さん。7年ぶりの本格的なスクリーン復帰となる本木さんは、登場人物のひとりとして描かれる昭和天皇役に。また、時の内閣総理大臣・鈴木貫太郎には山崎さん、内閣書記官長・迫水久常(さこみず・ひさつね)に堤さんと、主演級の実力派俳優たちが集結。そして、終戦に反対し、狂気に駆られていく若手将校には松坂さんが扮し、戦後70年という節目の夏に、日本映画界を代表する豪華キャストが競演を果たした歴史超大作が実現する。かつてないキャスト陣を迎え、日本の歴史観に踏み込む本作をまとめ上げるのは、『金融腐食列島〔呪縛〕』『クライマーズ・ハイ』といった社会派ドラマのみならず、役所さん主演で井上靖の私小説を描いた『わが母の記』、2015年5月公開の大泉洋主演『駆込み女と駆込み男』など、ヒューマン・ドラマにも定評がある原田眞人監督だ。<役所さんコメント>原田監督作品への久しぶりの参加となりました。今回演じさせていただいた、阿南という人物は、戦時下の陸軍トップとして部下を愛し、部下にも慕われ、天皇への一途な忠誠心も持つ一方、家族も大切にした魅力的な人でした。各個人それぞれの「家族」、そして天皇を中心とした日本という「家族」、その「家族」というテーマに重きを置いて描かれていることが、この作品の最大の魅力ではないでしょうか。山崎努さんとの共演は長年の夢が実現しました。本木雅弘さん、堤真一さん、松坂桃李さん、原田組常連の俳優さんに加え、多くのフレッシュな俳優さんが、ドキュメンタリーの如くリアリティをもって魅力的に演じています。完成がとても楽しみです。<原田監督コメント>今回は「THE EMPEROR IN AUGUST」という英語タイトルをつけました。1945年8月に昭和天皇が語られたひと言ひと言が、いまを生きる自分の心に深く突き刺さるからです。あの8月、天皇が自分の言葉で語り始めなければ、若き日の両親は国土防衛戦に巻き込まれ、命を落としていたでしょう。半藤先生の幾多の終戦にまつわる著作を何回も読み、天皇の勇気を支えたのが終戦内閣の鈴木貫太郎首相と阿南惟幾陸相のふたりであるとも確信しました。昭和天皇はあの8月まですべての家族の「家長」でありました。年齢的には、この三人は貫太郎さんを家長とする長男と次男の家族でもあり、そこに映画の根っこを置きました。映画「日本のいちばん長い日」は、幾重にも交錯する家族の、存亡を賭けた4か月のドラマです。映画『日本のいちばん長い日』は2015年8月、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年12月09日広島原爆の犠牲者数約14万人を超える、24万5,000人が命を落とした満州の難民収容所で懸命に生きた孤児たちの姿と実体験を描く「テレビ未来遺産“終戦69年”ドラマ特別企画 遠い約束~星になったこどもたち~」。本作で松山ケンイチ主演、二階堂ふみ、宝田明、深田恭子、椎名桔平ら豪華キャストが出演していることが分かった。原作は増田昭一の「満州の星くずと散った子供たちの遺書」「戦場のサブちゃんとゴン」「約束」(夢工房刊)。氷点下20度という寒さの中、食べるものなく、頼る親もなく、肩を寄せ合って懸命に生きた子どもたち。 もうひとつの『火垂るの墓』とも言える、戦時下の子どもたちと、それを見守る大人たち…。本作は、過酷な環境の中、肩を寄せ合って懸命に生きた子どもたちの姿と、その姿を目の当たりにして「生きることとは何なのか?」を自問自答し、葛藤する主人公・英一、そんな英一を叱咤激励し、子どもたちの心の支えとなる有希子の力強い姿を中心に描く、切なくも儚い“命”の物語だ。主人公である、関東軍の中尉・戸田英一役を演じるのは、松山ケンイチ。ヒロインとなる小学校教師・水野有希子役には、『ヒミズ』や『私の男』など次々と話題作に出演し、多くの賞を受賞し注目を集めている女優・二階堂ふみ。さらに収容所で英一が出会う子どもたちには加藤清史郎のほか、NHK連続ドラマ「花子とアン」で幼少期を演じる山田望叶、『スマーフ2 アイドル救出大作戦!』で声の出演、「明日、ママがいない」では圧倒的な演技を見せつけた五十嵐陽向らが集結。また現代の英一役に、自身も満州での体験を語り継いでいるという宝田明、英一の父親役に椎名桔平を始め深田恭子、前田吟、笹野高史、柄本時生ら豪華俳優陣が脇を固める。食べ物があふれた物質的な豊かさを獲得し、携帯電話やゲームなどの娯楽に囲まれ“飢え”とは縁遠い生活をしている現代の子どもたちや親である大人たちに、「こんな子どもたちがいたんだ」ということ、教科書では書かれていない、戦争が終わってから始まった悲劇があったことをこのドラマを通じて次世代に伝えていく。松山さんは「この作品は、平和の中に生きている僕たちに“この時代”を忘れないということが、どんな豊かさよりも尊いものだと教えてくれます」と訴えかける。二階堂さんも「間もなく戦後70年。絶対に繰り返してはならない、受け継いでいかなくてはいけない、そういう気持ちで現場に参加させて頂いています」と語った。「テレビ未来遺産“終戦69年”ドラマ特別企画 遠い約束~星になったこどもたち~」は8月25日(月)よりTBSにて放送。(text:cinemacafe.net)
2014年07月22日太平洋戦争直後の日本で、マッカーサー元帥が命じた極秘調査とは―。日本の運命を決定づけた知られざる物語を、壮大なスケールで描いた歴史サスペンス超大作、『終戦のエンペラー』。その中で極秘調査を命じられる”フェラーズ准将”を演じる、人気海外ドラマシリーズ「LOST」の主演でお馴染のマシュー・フォックスにインタビューを行った。(c)KaoriSuzuki■本作に出演していかがでしたか。この映画に関われて、僕はとても誇りに感じている。ストーリーにとても感動したんだ。映画の中のラブストーリーにとても感動した。また、こういった歴史についてはほとんど知らなかった。新しい歴史を学ぶのは大好きだよ。僕は歴史のことはよく知らないと感じているし。だから、いつでもストーリーテリングと、過去に起きた事柄について何か学べる機会を組み合わせることが出来れば、それ以上のことはないと感じるんだ。■本作で演じられた役についてどう思われましたか?この作品に登場するフェラーズは、とても素晴らしい人だと思った。途方もなく難しい任務を任されたけど、それは非常に重要な政治選択をもたらすものでもあった。不可能とも思えるような任務だけでなく、フェラーズは愛する人を失った悲しみにも耐えなければならなかった。一生に一度の恋、そう思えるような人との出会い、そして別れ。それらは全て、1945年のフェラーズがとった行動や決断に、何らかの影響を与えることになる。彼の心の葛藤が痛いほど伝わってきたし、その姿に引きつけられたんだ。■マッカーサーと昭和天皇について、この役をやる前に知っていたことはありましたか?また、彼らに対する印象は変わりましたか?僕は昭和天皇についてはほとんど何も知らなかった。もちろん、マッカーサーについては知っていたよ。僕のマッカーサーのイメージは、この映画を作ったことで変わった。僕が持っていたマッカーサーのイメージは、ほとんどマッカーサーの写真のイメージそのままだった。あの当時アメリカによって下された決断は、アメリカにとって輝かしい瞬間だったと思う。とてもポジティブで正しい決断だったと思う。そして、決断は、日本人や日本の国のためのものだった。復讐したり、罰したりしようということではなくね。■マッカーサー元帥を演じるトミー・リー・ジョーンズさんとの共演はいかがでしたか?恐れ多くも、あのトミー・リー・ジョーンズだよ。素晴らしい経験をさせてもらったよ。本当にね。彼がマッカーサー元帥を演じると聞いた時は、“適役だ”と思った。彼以外にこの役にふさわしい人なんて頭に思い浮かばなかった。マッカーサー元帥を完璧に演じられる人は他にいない。(c)Fellers Film LLC 2012 ALL RIGHTS RESERVED経験豊富で輝かしい功績を持つ彼と一緒に仕事ができたことを、光栄に思っているよ。彼の情熱は、徹底した役作りからも感じられるし、すごく刺激を受けた。ベテラン俳優の情熱、仕事に対するプロ意識を目の当たりにすると、いつもたくさんの刺激を受ける。ジョーンズ氏との共演も、例外ではなかった。■初音映莉子さんとの共演はいかがでしたか?すごく楽しかったよ。撮影に入るかなり前の段階から、演じる相手との相性がすごく重要になると思っていたし、2人の愛には真実味と説得力を与えなればとも強く感じたよ。一緒に演じるシーンがとにかく多いからね。初顔合わせの瞬間から、ぎこちなさは感じなかったんだ。すぐ打ち解けたし、自然な感じで役に集中することが出来た。手応えを感じた撮影だったよ。作品にとって重要な部分でもある、2人の間の信頼や温かい愛情をうまく表現できたと思う。映莉子は素晴らしい共演者だよ。■なぜフェラーズとあやは一緒になれなかったのでしょう?日本人だった彼女には、何か義務のようなものがあったのでしょうか。(c)Fellers Film LLC 2012 ALL RIGHTS RESERVEDそれに関しては、映莉子(島田あや役・初音映莉子)に聞いたほうが良いと思うよ。フェラーズ自身も、その答えを見つけることはできなかったんじゃないかな。フェラーズには日本文化の知識があったし、理解を深めようともしていた。それは、天皇の処遇について彼がまとめた意見書からも伺える。でも、あやが取った行動については、どうかな…。フェラーズにとっては、頭では理解できても、心では理解したくない行動だったのかもしれない。胸の中では、色々な感情が入り混じっていたと思うよ。彼は日本人の心についての理解もあったし…。理由や状況はなんであれ、あやとの愛は不滅だとフェラーズは思っていた。僕はそう考えているよ。■日本の皆さんがこの映画を観て、どんな反応をすると思いますか?難しい質問だね。実のところ、そういうことはあまり考えないようにしているんだ。とにかく、撮影中は自分の役だけに集中している。映画を観た人たちが何を感じるのか、どんな反応を見せるのかは考えていない。これは、第二次世界大戦直後を舞台に伝えられる、美しいラブストーリーでありながら、歴史上重要な出来事についても描かれている。実ることのなかった愛。別れてしまった2人。そして、戦争も映画の大きなテーマの1つだ。この映画を観た人には、そんな時代に深い絆で結ばれた2人の愛に感動して欲しいと思う。歴史から学ばなければ、また同じことが繰り返されてしまう。二度と同じ過ちを繰り返さないためにも、未来を創る僕たちの責任について、この映画を通じて考えて欲しいと思う。『終戦のエンペラー』2013年7月27日(土)全国ロードショー配給:松竹株式会社・ 公式サイト
2013年07月23日ハリウッドが終戦直後の日本を舞台に、“衝撃の真実”を描く『終戦のエンペラー』。名優トミー・リー・ジョーンズをはじめ、海外TVドラマ「LOST」のマシュー・フォックス、西田敏行、桃井かおりと名だたる日米のキャストが共演した本作で、物語の鍵を握る日本人女性を演じた若手女優・初音映莉子が、今、次世代の“ミューズ”候補として注目を集めている。1945年8月30日、終戦直後の日本にマッカーサー元帥(トミー・リー・ジョーンズ)が上陸した。マッカーサーは部下のボナー・フェラーズ准将(マシュー・フォックス)に、ある極秘調査を命じる。この戦争の真の意味での責任者はいったい誰なのか。それは、日本文化を研究し、日本に対して格別な想いを抱くフェラーズにしか、なし得ない“特命”だった。調査期限は10日間。日本を救いたいと願うフェラーズの脳裏には、ある日本人女性の姿があった……。この日本人女性アヤという役柄は、謎めいた架空の人物ながら、フェラーズが日本の文化の素晴らしさや美しさにのめり込んでいくきっかけを作った人物でもある。アヤ役は、フェラーズが夢中で探し求め、さらに彼の極めて重大な決断にも影響を与えるにふさわしい魅力を兼ね備えた女優でなければならない。しかも、世界中の人々に新鮮に映る日本の女優が求められていたのだが、最終的に、初音さんに白羽の矢が立った。アヤ役に大抜擢された初音さんは、『ノルウェイの森』『ミツコ感覚』などの作品に出演するかたわら、今年1月にはディオールのパリ・オートクチュールコレクションに招待されるなど、ファッションの分野でも世界的に活躍する新進女優。『ラストサムライ』の渡辺謙、真田広之はもちろん、『SAYURI』のチャン・ツィー、『バベル』の菊池凛子といった、アジアのミューズまでも世界に送り出してきたプロデューサーの奈良橋陽子氏が、「まさに宝石よ」と語る逸材だ。「彼女に会った時、思わず見とれたよ」と言うのは、本作のピーター・ウェーバー監督(『真珠の耳飾りの少女』)。「彼女は新鮮で自然に演じる才能がある。この作品に特別な魅力をもたらしてくれた」と語る。とはいえ、初音さんにとって、この役を演じることは険しい道のりだった。まず、英語を学ぶところから始め、次に、この作品の中で常に存在し続ける“アヤの魂”を自分の中に吹き込んでいった。「私はアヤから、人を心から愛する素晴らしさ、そして愛する人と美しい時間を共にする幸せを学びました。アヤという人間をどう理解し演じるか、すべて私に任せてくれたスタッフの方々にとても感謝しています」と、話す初音さん。今回衣装を担当した、『ロード・オブ・ザ・リング』のアカデミー賞受賞デザイナーのナイラ・ディクソンによるこの時代の女性の服装を、見事に着こなしているのはさすがだ。戦後の日本が大きく変わっていたかもしれない激動の時代に、ある信念を持って生きた日本人女性アヤ。初音さん演じるアヤが壮大な物語にどう関わっていくのか、ぜひあなたも見届けて。『終戦のエンペラー』は7月27日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:終戦のエンペラー 2013年7月27日より全国にて公開(C) Fellers Film LLC 2012 ALLRIGHTS RESERVED
2013年07月09日