経済産業省は7月13日、中小・中堅企業の成長を後押しするため、企業が飛躍するカギとなった中小・中堅企業の成功・失敗に関する具体的な事例を約200社分とりまとめたWebサイト「ミエル☆ヒント」を開設した。誰でも閲覧できる。「ミエル☆ヒント-成功のカギ・ワナ-」では、中小・中堅企業の成功事例や失敗事例を整理・分析し、「飛躍のカギ」と「陥りやすいワナ」としてとりまとめており、中小・中堅企業が、飛躍のきっかけをつかむためのヒントを探すことができる。このbサイトは今後も随時アップデートしていく予定だという。
2015年07月14日ブライト・ウェイは7日、育児情報誌『miku』の読者を対象に実施した子育てに関する調査結果を発表した。それによると、経済的・環境的に不安がなければ「3人以上子どもが欲しい」と考えている人は7割以上に達した。○子どもを産まない理由「経済的に余裕がない」少子化がなかなか改善されないが、子どもを産もうとしない理由は何だと思うか尋ねたところ、「経済的に余裕がない」が過半数の56.5%を占めた。経済的・環境的に不安がなくなれば、子どもは何人欲しいかとの問いに対しては、「3人」が56.9%、「2人」が22.9%、「4人」が11.4%、「5人以上」が5.4%となり、計73.7%が3人以上と答えた。「第3子以降の出生に対して育児資金前渡し金1,000万円を公費で拠出する」との提言については、「子育てにはお金がかかるので助かるから賛成」が37.8%、「国の先行投資として賛成」が18.4%、「不公平感があるので反対」が17.5%。また、この提言が実現したら何人子どもが欲しいかと聞くと、前述の問いで2人を希望していた回答者の4割以上が3人以上と答えた。安心して子どもを産み育てるのに最も必要・有効だと思えるものは、「出産費用・子どもの医療費・幼児教育の無償化」が29.4%、「出産時の一時金や子ども手当などの金銭的支援」が22.0%となった。調査期間は2015年3月25日~6月15日、有効回答は2,052人(中心年齢30代前半)。
2015年07月07日シーガルインは、自立することで撮影がしやすくなるiPhone 6/6 Plus向けケース「シャークリップマウンテン」を発売した。価格は税別3,600円。「シャークリップマウンテン」は、カバーの底部に幅を持たせたiPhone 6/6 Plus向けケース。自立するため、ハンズフリーでの自撮りや、テレビ電話などが行える。カメラ用のナットを内蔵しており、三脚ネジが付いたマウント、三脚、バイクマウント、車用マウント、ヘッドマウント、リストマウント、ボディマウントなどにセット可能となっている。パッケージには、カメラ用のナットに対応したストラップボルトが付属し、デジタルカメラやビデオカメラなどに「シャークリップマウンテン」を装着できる。ストラップボルトは、ピンク、ブラック、カモフラージュの3色が用意されており、選択可能。
2015年07月05日企業業績の改善や消費の回復など、良好な経済環境を受け、これまで低下が続いていた地価は、上昇に転じつつあります。また、相続税の強化もあり、土地評価の尺度となる路線価が注目されています。今回は、そんな地価について調べてみました。○公示地価地価は、土地の持つ特殊性(同じものがなく代替が効かない)から、古くは、近隣の似た土地の取引価格などから類推して、価格形成が成されるケースが多かったのですが、現在では、その土地を利用して得られる収益から算出されることが一般的となっています。地価の推移を見る上で、よく使われる地価に「公示地価」があります。公示地価は国土交通省が毎年3月に公表する地価で、毎年1月1日時点の全国2万を超える地点の地価を、土地取引などの目安となるように発表しているものです。公示地価は住宅地や商業地を問わず、幅広い地点をカバーしていることから、日本経済の実情を示すものとしても注目されています。例えば、今年発表された公示地価では、全国の商業地の地価が7年ぶりに下落から横ばいとなったことが示されました。ここからは、企業業績の改善からオフィス需要が増加していることや、不動産投資が増加していることなどがうかがえます。また、3大都市圏(東京・大阪・名古屋)の住宅地では地価の上昇が継続しており、都市部を中心に低金利やローン減税などから、取得意欲が高まっていることが見えてきます。さらに、公示地価からは地域差も見えてきます。商業地は全国平均では横ばいでしたが、3大都市圏が2年連続の上昇となる一方で、地方圏は、下落率は縮まってきてはいるものの依然として下落が続くなど、地域ごとの景況感に違いがあることが分かります。ステップアップ今年の公示地価では、商業地の値上がり上位に、北陸新幹線延伸開業に沸く金沢駅前や、再開発が続く名古屋駅周辺、消費回復で潤う東京銀座などが入りました。○路線価土地は固定資産であることから、その保有には固定資産税が課せられています。また相続や贈与などで土地を譲り受けた場合には、相続税や贈与税が課されます。税金を計算するに当たり、土地の価格を決める必要があるため、その基本となる地価を税務当局が定めており、定められた価格を路線価と呼びます。相続税や贈与税のための路線価は国税庁が毎年7月1日に発表しており、現状では公示地価の8割程度の水準となっているようです。一方、固定資産税の計算に用いる路線価は総務省が3年ごとに、公示地価の7割程度の水準を目安に発表しています。路線価は全国各地に幅広く定められており、価格は道路ごとに付けられています。その価格をもとに、土地の面積だけでなく、利用状況や所有形態、土地の形(奥行や接する道路の数、正方形か三角形かなど)といった要素を加味して、その土地の価格が算出され、税額が算出されます。今年から相続税の基礎控除額が引き下げられ、税率も一部で変更されました。この結果、相続税の納税義務を負う(相続税を納める)ケースが増加することが見込まれ、自宅や空き地を、より相続税の負担が軽い、賃貸住宅や事務所ビル、商店などに建て替える動きが出始めています。土地の利用価値を映す地価は、地域の景況感を表すとともに、税などを通して、土地の所有者に、その有効活用を促す働きが期待されます。ステップアップ通常の土地の売買においては、登記を通して取引税がかかりますが、土地の売買自体には消費税がかかりません。消費税が検討されていた1980年代後半、地価や株価が高く、大きな影響が出ることに配慮して、土地と株式の売買については、消費税を、非課税とすることに決めたと言われています。(2015年6月17日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、投資信託・投資・経済の専門用語をテーマで学べる「語句よみ」からの転載です。→「語句よみ」※1 当資料は、日興アセットマネジメントが経済一般・関連用語についてお伝えすることなどを目的として作成した資料であり、特定ファンドの勧誘資料ではありません。また、当資料に掲載する内容は、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。※2 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
2015年06月18日こんにちは、ライターの矢沢ゆうです。「自立している女性」と聞くと、どうしても「1人で生きていけそう」とか「心が強そう」といったイメージから、なんとなく「恋愛に無縁な女性」を思い浮かべるかもしれません。しかし、現代の男性は「自立している女性」に特別な魅力を感じているのだとか!そこで今回は、男性が「キラキラしている!」と憧れる「自立している女性」の特徴を4つご紹介したいと思います。■1.自分の目標を絶対に諦めない「目標を諦めずに努力している女性は本当に輝いてみえる。嫌なことにぶつかったりして心が折れそうになっているのを見ると、つい支えたくなるね。」(25歳/介護職)自分の中で諦めたくない目標を持っている女性は、目標を達成するために惜しみなく努力します。しかし、その目標に向かっていく途中で弱音を吐いてしまう瞬間もあることでしょう。その「頑張っている姿」と、そこからかいま見える弱い部分に、男性はグッと来るようです。小さなことでも構わないので、まずは自分の中で目標を決めることが、自立した女性への第一歩です。■2.周囲の悪口や文句を言わない「俺が思うに、自立している女性って悪口や文句を一切言わないような気がする。何事にも柔軟に対応できる余裕を持っている感じがするんだよね。」(27歳/開発関係)別に本人に聞こえるわけじゃないし・・・と思ってつい悪口や愚痴を言ってしまう女性も少なくはないでしょう。しかし、男性はそういうところを意外と見ていたりします。学校を含む社会には、自分に合わない人間が1人や2人いるのが当たり前です。それに対して悪口や文句を言いたくなる気持ちも分かりますが、「まあそういう人もいるよね」とちょっとしたことを受け流す力を付けられれば一番でしょうね。とはいえ、溜め込むのもよくありません。自分なりのストレス発散法があって、自分の気持ち上手にコントロールできることも、自立した女性になるためには大切です。■3.家事全般をこなすことができる「家事ができる女性って『生活力があるんだな』って思う。男としては女性を見る上で、家事ができるっていうのはやっぱりいいなって思うから」(26歳/営業関係)料理はもちろんですが、掃除・洗濯・裁縫など、生活をするのに必要な能力を持っている女性に男性は憧れを抱くようです。家事ができる女性に対して、男性は安心感を覚えて「この人と付き合ったら・・・」なんて妄想をする人もいるそう。キラキラネイルやバッチリメイクよりも、「家事力」こそが真の意味で武器となる女子力。何か1つでも身に付けておくと良いですね。■4.程よい距離感の人間関係が築ける「集団で群れている女も、その群れている奴らを見下しているぼっちの女もどっちもどっち。程よい距離で人間関係が築けている女こそ、自立している女だなって思うよ。」(21歳/大学生)女性は常に誰かと群れているか、そんな集団を見下して1人でいるかのどっちかのパターンが多いですね。しかし、そんな人たちは「どっちも変わらない」と感じている男性が密かに急増中。「1人の時間を大切にしよう」と1人でいることを恐れないこと、そして「人と関わることは大事なんだ」と考えるように意識を変えてみると、自立した女性になれますよ。■おわりに意外なところに自立した女性になれるヒントが隠されていましたね。これであなたも明日から「モテる自立した女性」の道を歩めること間違いナシです。(矢沢ゆう/ハウコレ)(新部 宏美/モデル)(柳内 良仁/カメラマン)
2015年05月29日『21世紀の資本』(みすず書房)がベストセラーとなり、今フランスの経済学者であるトマ・ピケティが話題になっています。とはいえ、『21世紀の資本』は700ページもあり、内容も決して理解しやすいものではありません。そのため、手っ取り早く理解するためには、多くの“ピケティ解説本”を利用するのもいいと思います。そこでご紹介したいのが、『マンガですぐわかる!ピケティと21世紀の資本論 格差の本質とこれからの私たちがやるべきこと』(安部徹也著、SBクリエイティブ)。『21世紀の資本』の要点を、平易な文章とマンガによって解説した書籍です。6章「ピケティ教授の『21世紀の資本』を読んで私たちができること」から、個人的な格差を解決するための方法を探ってみましょう。■他人よりも高い成長率を実現する現代社会においての問題点は“格差”で、『21世紀の資本』においてもそこが大きな論点になっています。そんななか、広がり続ける格差を縮めるための方法のひとつが、“自分が他人よりも高い成長率を実現すること”。ピケティの研究はあくまで平均であり、個別に見ていけば事情は大きく変わるもの。つまり、平均を大幅に超える高い成長率を実現できれば、個人的に格差問題を解決できるということ。そのためのポイントは次のとおりです。■格差を解決できる3つのポイント(1)高い成長率の企業で働く他人より高い成長率を実現するシンプルな解決策は、高い成長率の企業で働くこと。就職活動の際、売上の成長率や給与の伸び率などを調べ、希望職種のなかでより高い成長率を記録している企業に就職する。ピケティが導き出した有名な式“r>g”とは、資本収益率“r”が経済成長率“g”よりも高いことを示したものですが、高い成長率の企業で働けば、“r”を上回る“g”を実現することも不可能ではないと著者は説明するわけです。(2)個人で高い成長率を実現する個人の努力によって、人より高い成長率を実現することは、格差問題解決の対策として有効。そして『21世紀の資本』にあてはめれば、人口が増えるというのは、労働に従事する人が増えるということ。つまり、個人レベルでは労働時間を増やすということ。一方、ひとりあたりの産出像とは生産性の向上なので、個人が生産性を高めていけばいいということに。つまり、労働時間の増加と生産性の向上で、平均よりも高い成長率を実現していけばいい。具体的には、1.労働時間を多くする、2.生産性を高くする、この2点がポイントだそうです。(3)自分という“資産”に投資するもっともリスクが低く、最も高いリターンを実現する投資は、自分を資産に見立て、自分自身に投資していくことだと著者は解説しています。すなわち、学び続けること。ピケティも『21世紀の資本』のなかで、「(格差の)収敏に向かう主要な力は、知識の普及と訓練や技能への投資だ」と語っているそうです。解釈に多少の疑問も残るとはいえ、ピケティの基礎をさらっておくには適した内容かと思います。興味のある方は、ぜひ手にとってみてください。(文/印南敦史)【参考】※安部徹也(2015)『マンガですぐわかる!ピケティと21世紀の資本論 格差の本質とこれからの私たちがやるべきこと』SBクリエイティブ
2015年05月27日『ほんとうの贅沢』(吉沢久子著、あさ出版)は、今年で97歳になる家事評論家・エッセイストである著者が、「自立」をテーマに自身の考え方を記したエッセイ集。年齢を重ねてきただけあって、温かく柔らかなことばの裏側に、しっかりとした芯を意識させてくれます。特に印象的なのは、ひとりで暮らすということについて、確固たる信念を持っていること。というわけで、1章「いくつになっても『自分の足』で立つ」から、「老いて『ひとりで暮らす』ということ」を見てみましょう。■ひとりでも生活のリズムが大切ご主人が亡くなり、著者がひとり暮らしをはじめてから、もう30年だそうです。97歳でひとり暮らしをしているというと、「寂しくありませんか」「大変ではありませんか」と心配する人もいるのだとか。たしかに老いてひとりで暮らしていると聞けば、つらく寂しいことのように思えなくもありません。しかし著者は、「ただ、私はひとりがいいから、それを選んでいるだけなんです」と記しています。また、ひとり暮らしは気ままですが、やるべきことはしっかりとやり、生活のリズムは大切にしているのだとか。だからやることはたくさんあり、あっという間に時間が過ぎてしまうといいます。そのため、ひとりが寂しいなんて思う暇もないそうです。■自立したいなら人も認めること先に触れたように、著者が意識しているのは「老いてこそ自立して生きたい」ということ。ただし、そこで自分の権利だけを主張してもうまく生きてはいけないもの。自分が自立したいのなら、人のことも認めるべきだと著者は主張しています。■自分に厳しくできることも自立人にはお節介を焼いて厳しいのに、自分に甘かったとしたら、それは自立とはいえません。人はどうしても自分に甘くなるもの。だからこそ、いつも自戒が必要。もちろん、自分に甘くなるというのは、ある程度は仕方がないこと。でも、すべてがそうではまずい。自分に厳しくできることも、自立のひとつではないかと、著者は思っているのだといいます。これだけでもわかるように、著者のいう「自立」についての考え方は、どの世代にとってもあてはまるはず。だからこそ、深みとともに説得力を投げかけてくるのです。しかも文体が柔らかなので、読んでいるだけで温かい気持ちになれるでしょう。(文/印南敦史)【参考】※吉沢久子(2015)『ほんとうの贅沢』あさ出版
2015年05月15日政府による構造改革や、日銀の金融緩和などをうけ、日本経済はデフレから脱却し、景気拡大に向かうとの期待が高まっています。国内景気の現状と先行きはどうなのか、景気をみるうえで代表的な指標を調べてみました。○日銀短観日銀短観は、正式には全国企業短期経済観測調査といい、日本銀行が四半期ごとに、民間企業を対象に行なうアンケート調査で、企業が現状と将来の景気に対してどう感じているのかなどを示しています。日本銀行が、金融政策を決定するための参考指標の一つとしているため、国内外から注目されており、海外では「TANKAN」として知られています。調査対象企業は、業種が多岐にわたっており、資本金2,000万円以上の企業の中から日本の産業構造が反映されるように抽出された約1万1,000社です。大企業、中堅企業、中小企業と規模別にわかれていることに加え、業種別にもまとめられているなど、国内景気の実態が様々な角度から把握できるようになっています。調査内容は、大きく2つに分けられます。企業の活動状況や経済環境に対する見方を表す判断項目と、売上高や設備投資額など企業活動を定量的に表す計数項目です。調査内容の中で特に注目されているのは、判断項目の中の企業の景況感を表す業況判断指数です。アンケートにおいて景気が良いと回答した企業の割合から、景気が悪いと回答した企業の割合を引いた値が示されており、企業の規模別・業種別にまとめられています。報道などでは、大企業の製造業の業況判断が取り上げられることが多く、2015年4月1日に発表された日銀短観では、プラス12と前回調査比で横ばいとなりました。一方、大企業の非製造業の業況判断は、小売や対個人サービスなどの業種が牽引し、プラス19と前回調査比で2ポイントの改善となりました。ステップアップ日銀短観の調査対象企業は、2015年3月に5年ぶりに見直されました。見直された結果、中小企業の不動産業が増えました。○消費者物価指数消費者物価指数(CPI)は、総務省統計局が毎月発表しており、一般消費者が日常生活で購入する商品の総合的な価格の変動を表しています。日本銀行が金融政策の判断材料の一つとしていることに加え、物価はモノに対する需給のバランスを反映して変動することから、経済の体温計に例えられ、注目されています。消費者物価指数は、ある基準となる時点の物価を100として計算されています。調査の対象は、食料、光熱・水道、教養娯楽など大きく10費目にわけられており、総計では600品目近くを対象にしています。全品目を対象にした総合指数のほか、そこから価格変動の大きい生鮮食品などを除いた指数があります。商品価格の調査については、一般消費者が購入する商品価格をできるだけ指数に反映させるために、店頭にて価格を調べることのほか、調査対象の商品の入れ替えなどを行なっています。現在、日本銀行は経済の持続的な成長を目指して物価の上昇率2%を目標にしていますが、2015年2月の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比2.0%と、消費税率引き上げの影響を除くと0%程度にとどまるなど、足元の原油価格下落などを受けて伸び悩んでいます。今後も国内景気や日本銀行の姿勢をみるうえで、消費者物価指数が上昇するのか、動向が注目されます。ステップアップ物価の動向をみる指標として、総務省統計局が集計している消費者物価指数の他に、日本銀行が集計する、企業間で取引されるモノの価格動向を表す企業物価指数などがあります。(2015年4月15日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、投資信託・投資・経済の専門用語をテーマで学べる「語句よみ」からの転載です。→「語句よみ」※1 当資料は、日興アセットマネジメントが経済一般・関連用語についてお伝えすることなどを目的として作成した資料であり、特定ファンドの勧誘資料ではありません。また、当資料に掲載する内容は、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。※2 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
2015年04月16日Sansanはこのほど、同社の提供する法人向け名刺管理サービス『Sansan』を経済産業省産業技術環境局が試験的に導入したと発表した。経済産業省では省内の人脈を可視化して有効活用することで産業政策の更なる推進を目指す。Sansanを選んだ理由として、部門ごとの情報閲覧権限の設定(アクセスコントロール)が可能な点や、Sansanが名刺管理アプリケーション、名刺スキャナ機器の貸与又はカメラアプリ、名刺情報のデータ化処理がオールインワンになったサービスであることが挙げられている。同サービスは、スキャナまたはスマートフォンの専用アプリで名刺をスキャンすると、読み取った名刺の情報がSansanのサーバに送信され、専属オペレータにより精度ほぼ100%の正確な名刺データベースが作成される。また、特許技術により、名刺に記載されている情報を基に日経テレコンやダイヤモンドの人事異動情報や、Webニュースサイトから最新の企業情報を取得して配信。自動的に顧客情報は常に最新に保たれ、営業活動に役立つ情報が提供される点が評価された。
2015年03月21日高い経済成長を続けるアジア(日本を除く、以下同様)では、全体的な所得水準の向上などに伴ない、中間所得層や富裕層が拡大しています。アジア主要国(※)の中間所得層および富裕層の推移を見ると、2000年から2030年にかけて、中間所得層は約7.7億人から約3.4倍の約25.8億人に、富裕層は約6,700万人から約7.5倍の約5.0億更なる経済成長が期待できるアジア人に増加すると予想されています。一般的に、購買力や消費意欲が旺盛とされる中間所得層や富裕層は、電気製品や自動車などの耐久消費財、衣料、嗜好品に加え、教育、医療、レジャーといったサービスに対して積極的に支出する傾向にあることから、消費市場の拡大に大きく寄与すると考えられます。なお、アジア主要国(※)の年間消費支出は、2000年から2030年にかけて約9.6倍に増加し、米国の消費支出を上回る水準に達すると予想されており、世界経済を牽引する巨大な消費市場として注目されています。近年のアジアでは、経済基盤であるインフラ整備などの「投資主導」から、生活関連分野である「消費主導」の経済構造への転換に向けた取り組みが見られています。例えば、中国では以前から、大規模な公共投資による景気下支えではなく、個人消費の押し上げにより、安定的で持続可能な経済成長を目指す姿勢が示されており、先日開催された全国人民代表大会(全人代、国会に相当)でも、同様の方針が示されました。このように、新たな成長ステージへの移行を受け、消費市場拡大の加速が見込まれることは、民間企業による設備投資の増加、海外企業進出の促進、新たな雇用機会の創出や都市化の進展など、さまざまな側面から経済の好循環を生み出すと考えられ消費市場の拡大を背景とした更なるアジアの経済成長が期待されます。※アジア主要国:中国、香港、インド、韓国、台湾、ベトナム、ASEAN5(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ)(※上記は過去のものおよび予想であり、将来を約束するものではありません。)(2015年3月18日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。→「楽読」※1 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。※2 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
2015年03月19日日本損害保険協会発表の「2014年度版 自動車保険データにみる交通事故の経済的損失の状況(2012年4月~2013年3月)」によると、交通事故による経済的損失額は3兆2,406億円とのこと。3兆円といわれても実感がわきませんが、これは横浜市の年間予算とほぼ同額です。交通事故により、大都市の1年間の予算と同じ金額が失われているということに驚きます。それでは、自動車事故による経済的損失の内容を詳しくみていきましょう。そもそも自動車事故による経済的損失ってなに?2012年4月~2013年3月の自動車事故による経済的損失額3兆2,406億円の内訳を詳しくみてみると、「物的損失額」は1兆7,958億円で全体の55.4%、「人身損失額」は1兆4,448億円で全体の44.6%となっています。そもそも、経済的損失とはどういうものなのでしょうか。経済的損失とは、一般的には「そのことが起こったことにより発生した費用」と「そのことが起こらなければ得られたであろう利益」の合計額のことです。今回参考にした日本損害保険協会の資料では、自動車事故による経済的損失を下記のように定義しており、救急搬送費、警察の事故処理費用、交通渋滞による損失額などは含まれていません。・自動車事故による経済的損失の定義 人身損失額…自賠責保険および対人賠償保険に係るデータによる被害者の治療関係費、慰謝料、休業損害、逸失利益等の合計です。 物的損失額…車両保険および対物賠償保険に係るデータによる車両(自車両、相手車両)、家屋、ガードレール等の損傷復旧費用等の合計で、物損事故のみで済んだケースのほか、人身事故に至ったケースにおける物損部分のデータも含みます。※人身損失額、物的損失額ともに、過失等による減額を考慮する前の損害認定実額で、保険金の支払額とは必ずしも一致しません。自動車事故による後遺障害の経済的損失は、人身損失の約36%!2012年4月~2013年3月に発生した自動車事故により死亡された方の人数は4,385人で被害者全体の0.4%、後遺障害を負った方の人数は59,797人で被害者全体の4.9%です。一方、死亡された方の人身損失額は1,208億円で全体の10.0%、後遺障害を負った方の人身損害額は4,387億円となり、全体の36.2%です(図1)。死亡した方と後遺障害を負った方を合わせると、人数的には約5%ですが、人身損失額では約46%を占めます。このことから、死亡と後遺障害は、人数に比して損失額が大きいことがわかります。図1 被害者数と人身損失額の割合資料:日本損害保険協会「2014年度版 自動車保険データにみる交通事故の経済的損失の状況(2012年4月~2013年3月)」をもとに執筆者作成意外な年齢層の被害が大きい!2012年度から過去10年分の自動車事故データを年齢別でみてみると、後遺障害を負った方の人数は、29歳以下と50~69歳は減少傾向にあるものの、30~49歳は増加傾向に、70歳以上は微増傾向にあります(図2)。人身損失額では、同じく29歳以下と50~69歳は減少傾向にありますが、30~49歳と70歳以上は減少傾向とはいえない状態が続いています(図3)。図2 被害者年齢別の後遺障害人数資料:日本損害保険協会「自動車保険データ(支払保険金関連)」をもとに執筆者作成図3 被害者年齢別の後遺障害による人身損失額資料:日本損害保険協会「自動車保険データ(支払保険金関連)」をもとに執筆者作成高齢者については、アクセルとブレーキの踏み間違いで建物に衝突したり、高速道路を逆走したりといったニュースを耳にすることも多くあります。運転技術に少しでも不安を感じたら、運転免許の返納手続きを考えましょう。しかし、中には自動車がないと生活に支障をきたす方がいらっしゃることも事実です。高齢者が運転をしなくても生活できる仕組みが、早急にできることを願います。今回は、自動車事故による経済的損失を数字でみてきました。後遺障害を負わせてしまうことは、経済社会に多大な影響があることがわかりました。しかし、実際に被害に遭われた方とそのご家族の「心」や「気持ち」は数字で計ることはできません。後遺障害はご本人やご家族の、その後の生活を大きく変えてしまいます。金額では表せないご苦労も多いことと思います。ほんの一瞬の歯車の狂いで、いつ自分が、家族が、自動車事故に巻き込まれるかわかりません。自動車を運転するということは、そのような危険を伴うということを、常に意識したいものですね。コラム執筆者プロフィール 中垣 香代子(なかがき かよこ)CFP(R)/2級ファイナンシャルプランニング技能士損害保険会社に約10年勤務後、子育てに専念。約20年間の専業主婦の後、ファイナンシャルプランナーとなる。「老後のお金サポーター」として、相談業務の他、40~50歳代女性にお金の知識をわかりやすく伝える活動をしている。また、自身の経験から、経済的理由で進学をあきらめるお子さんが一人でも減ることを願い、就学支援の情報発信にも力を入れている。老後のお金を一緒に考える事務所 所長。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年03月10日みなさん、こんにちは。コンサルタントの木村隆志です。これほど女性が自立した時代になっても、まだまだ男性が大好きなのは、家庭的な女性。しかも、10代から50代まで独身男性の過半数がそう感じているのですから、無視するわけにはいきません。しかし、「男性が考える家庭的な女性像」と「女性が考える家庭的な女性像」には、大きな違いがあるのです。■家庭的=「家事が上手」ではないまず「女性が考える家庭的な女性像」は、料理上手で、掃除や洗濯も含めて家事の技術が高いこと。一方、「男性が考える家庭的な女性像」は、家事が好きでひと通りのことをこなせること。男性たちは、「家事の技術が高い」ことよりも、「家事が好き」な方が家庭的だと感じるのです。たとえば、「カッコイイ」「キレイ」な料理を作りたがるのは、ほとんど女性だけ。そういう女性ほど、「こんなにいい料理を作ったのに、思った以上に喜んでくれない」とケンカを招きがちです。■料理の腕ではなく「ササッ」と多くの男性が「この子は家庭的だな」と感じるのは、料理のおいしかったときより、「あるものでササッと作ってくれた」とき。安価な外食に慣れた若い世代ほど、「ある程度のおいしさでいいから安いものを」「お金をかけたらおいしくて当然」と考えているのです。「ササッ」と作る料理は、和洋食どちらでも問題なし。年齢を問わず男性が好きな料理は、豚のしょうが焼き、肉じゃが、カレー、オムライス、ミートソースパスタなどが挙げられます。女性にしてみれば、「それじゃ定食屋!」なのですが、男性の舌はそれくらい幼稚ということを覚えておきましょう。■「嫌い」「苦手」と言わないそもそも男性から「家庭的」と思われるためには、何かをアピールするより、「家庭的ではない」と思われないことが大切。たとえば、多くの男性は「料理と洗濯は好きだけど、掃除はあまり好きでなない」という女性を家庭的とは思いません。しかし、一部の家事上手な男性を除けば、「料理、掃除、洗濯が人並みにできれば十分家庭的」と感じるので安心してください。自ら「嫌い」「苦手」などと言わなければいいのです。■感情の起伏が小さく笑顔でいる意外に多い落とし穴は、「家事をバランスよくこなせるのに、感情の起伏が大きいため、家庭的とみなれない」こと。男性が求める家庭的な女性の理想像は、「誰が見ても穏やかな性格で、笑顔を絶やさない」女性であり、言わば「家庭的っぽい」雰囲気が必要なのです。また、「彼には優しいけど、他の人には優しくできない」「人には優しくできるけど、物の扱いが雑」な女性も家庭的な印象が消えてしまうので気をつけましょう。■どれも自分次第でやれるレベルここまで読んで、「男って単純すぎ」「意外にハードルが低い」「つまらない」などと感じたのではないでしょうか。1つハッキリしているのは、「どれも自分次第でやれるレベル」ということ。「家庭的」と思わせてホレさせるのも、自分のキャラを貫いて他のところでホレさせるのも自分次第です。ただ、「家庭的」と思わせておいた方が、長く安定したつき合いになりやすく、結婚につながることも多いのも事実。本命の男性に近づきたいときに備えて、ぜひ覚えておいてください。(木村隆志/ハウコレ)
2014年12月09日【調査】“自立肌”をどう思うか(画像はニュースリリースより)スキンケアはリッチ&シンプルが理想。マイボイスコム株式会社は全国の20~79歳の女性を対象に、美容に関する意識調査をインターネット上で実施しました。『肌のお手入れに使用している基礎化粧品の種類数』の調査結果では、現在使用している化粧品の種類数は約2.5種類、理想の種類数は約2.3種類と、なるべく手間を掛けずに、少ない化粧品でスキンケアを行いたいという傾向がありました。また、『毎月化粧品に掛けている金額』では、現在掛けている金額の現状1位は「1001円~2000円」(20.6%)、いくら掛けたいか理想の1位は「2001円~3000円」(20.8%)と、現在よりも多くの金額を掛けたいという傾向にあり、化粧品数の結果と総合すると、今よりも数は少なく高級なものを使用した、リッチでシンプルなケアを理想としているようです。肌本来の力で美しくなる「自立肌」。『化粧品に本当に必要だと思う役割』の調査結果の1位は「乾燥を防ぐこと」(61.2%)、2位は「肌本来の力を引き出すこと」(55.6%)と回答する一方で、「成分を肌の奥まで浸透させること」(33.2%)は4位という結果となっており、また、肌本来の力を引き出す“自立肌”について、「なりたい」と答えたのは全体の82.0%にものぼりました。現在のトレンドでは、化粧品の成分や力に頼るのではなく、肌本来の力を引き出すシンプルなスキンケアに注目が集まっているようです。(マイボイスコム調べ)【参考】▼マイボイスコムニュースリリースそのままのあなたでモテまくる!夢のようなウハウハ生活をつかむ超簡単な方法(10月22日)【1000名限定価格100円!】1日3粒、運動も食事制限も無し!こうじ酵素で太らない体質をつくろう!(10月21日)
2013年10月23日日本人の平均初婚年齢は男性が30.7歳、女性が29.0歳(厚生労働省、2011年の人口動態統計より)となっています。女性の社会的自立、日本の経済の悪化、結婚そのものに対する意識の変化などが要因となっているよう。加速する日本の晩婚化についてどう思うか、日本に住む20人の外国人に聞いてみました。■当然のことと思う。女性も働きたい、キャリアを作りたいから。母国でも同じ(デンマーク/女性/50代前半)むしろ今までが早すぎたのでは?というご意見です。学校を卒業してある程度働いてキャリアを積めば、20代などあっという間に過ぎ去ってしまいますもんね。■日本だけではありません。世界中の女性についてこの現象が見られます。やはり女性が強くなってキャリアを優先する人が多くなっています。母国も日本と同様です(イラン/女性/20代後半)■世の中のトレンドかも。イギリスも今は30代が平均(イギリス/男性/40代前半)日本だけが特別晩婚化が進んでいる訳ではなく、先進国では平均初婚年齢が全体的に上がっています。男性の1位はスウェーデンで34歳、女性の1位もスウェーデンで31.8歳。以下ドイツやフランス、日本が続きます。■結婚する年齢は30歳~35歳だと思う。それを晩婚化だというのは東京くらいだと思う。一方で田舎に住んでる人は早く結婚すると感じる。マレー系の種族は25歳前後で結婚する。他の人々は30代前後だが、個人的には晩婚ではないと思う(シンガポール/男性/20代後半)そもそも晩婚化でもなんでもないということですね。日本人は年齢に敏感で、なにかと年齢が引き合いに出されますが、海外ではとらえ方が違うようですね。■いい選択をするための晩婚なら問題はないのですが、日本はそうでないケースが多いので……。フランスでもあります。第一最近では結婚という概念にとらわれている人が少ないので、より晩婚化が進んでいるかもしれません(フランス/女性/20代後半)「結婚しない」ではなく「結婚できない」ケースが多いということですかね……。フランスでは結婚よりも、ユニオン・リーブルという日本でいう事実婚のような関係や、最近はパクス(連帯民事契約)が人気です。関係を解消したくなった時、面倒な離婚の続きが不要なことをメリットと考える人も多いようです。■晩婚だと子供が生まれるのも遅いです。子供や孫と長くいられるよう早く結婚しないといけないと思います。母国では結婚する年齢は大体23歳~27歳です。晩婚が少ないです(ロシア/女性/20代前半)結婚して子供ができたら孫の顔が見たくなり、いとしい家族となるべく長く一緒に過ごしたくなるでしょう。その部分を考えると、早めに結婚することが重要といえますね。ほかには下記のような回答がありました。■これは大変な問題です。日本の女の人のキャリアがあるのはいいけど、結婚したらサポートできる感じでないのが問題。母国でも前よりは多いが、日本より問題ではない(マリ/男性/30代前半)■たくさん自分の時間を楽しめると思います。中国でも進んでます(中国/女性/20代後半)■人生は長いので焦らなくてもいいのではないかなと思います。母国でも進んでいると思います(アメリカ/男性/20代後半)■愛を見つけたら何歳でもいいと思います。母国でも進んでいます(スペイン/男性/30代前半)晩婚化の傾向は日本だけではなく、世界中で多かれ少なかれ見受けられるようです。結婚すれば必ず幸せというわけではありませんが、スペインの方が言うように、愛を見つけたら数字に惑わされることなく大事にしていきたいものですね。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年02月27日三木谷浩史氏が代表理事を務める新経済連盟は26日、安倍晋三新内閣の発足に当たってコメントを発表した。「日本経済の一日も早い再生に向け、安倍総理大臣の強いリーダーシップを期待する」とし、「日本の経済成長には、イノベーション、アントレプレナーシップ及びグローバリゼーションの3つを促進することが重要なキーとなるので、これらを重視した施策を実施してほしい」としている。また、総理がリーダシップを発揮して、高効率の行政サービス、医療や教育サービスなど、「いろいろな分野においてITやインターネットの徹底的な活用を推し進めてほしい」との要望を示した。さらに、現下の厳しい財政構造に鑑み、「効率性にも十分留意した上で、規制改革、税制改革などの施策を推し進めることも重要」とコメントしている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月26日女性が精神的にも経済的にも自立した昨今、彼氏から束縛されようものなら、「私はアンタのモノじゃないのよっ!」と思う女子も多くいることでしょう。ですが、基本男は女を支配したい、自分の所有物にしたいという願望がある生き物。優しくてほんわかした草食系男子にだって、それなりに独占欲はあるはずです(ちょっとわかりにくいだけで)。もちろん、女子としても“俺の女”という立場に安心感を覚えたり、「束縛されると愛を感じる♪」という場合もあるわけで。「男の独占欲」は、愛を深めるための絶妙なスパイス。使いすぎると失敗するけれど、少ないと味気ない…。彼の独占欲を気持ちよくくすぐって、より愛を深めるさじ加減を探っていきましょう。■焦らしのスパイス・「付き合い始めるまではすごく順調で、誘いを断られることなんて一度もなく、正直『彼女にとって俺は一番』とか思い上がっていた。ある日『ごめん、友だちとBBQに行くからその日は会えない』と誘いを断られて、急に焦りを感じた。BBQって男もいるんだよな!?大丈夫かな?と気が気じゃなくて…」(24歳・男性・飲食業)・「仕事が忙しく、休日出勤も続いていたのでなかなか彼と会えずにいたが、ひさしぶりに会えたとき、いつもは俺様な彼がやけに優しくて気味が悪かった(笑)」(26歳・女性・メーカー)男にとって、恋愛は狩猟である、とよく言われます。逃げるものを追いかけたくなってしまうのが、男のサガ。「自分のものにしたい!」と狙いを定めた女が、もうちょっとのところでスルッと逃げていく…こんな女に男は独占欲をかきたてられ、夢中になるというのは定説。これを利用しないテはありませんよね。彼からのお誘いは2回は応じて、1回はさらっと断る、みたいな駆け引きだって、ときには必要です。「大切にしていることはあなた以外にもたくさんあるのよ」という態度を取ることで、すぐに手に入るつまらない女に成り下がるのを防げるそうですし。■独占欲をあおるスパイス一方で、あなたは私にとって特別なの!というアピールも忘れちゃいけません。独占欲を刺激するだけでなく、ほどほどに満たしてあげることも大事と言います。男性は視覚的な刺激で物事を判断しますから、服装や髪型などで彼に対する特別感をアピールすると、グッとくるようですね。彼の独占欲に火をつけたいなら、仕事モード、おうちモードの服装とは違う、彼好みのスタイルで、あなたのためにおしゃれしてきました!というところを見せてあげては。・「ショップ店員という職業柄か、普段はお姉ギャル系の服に派手なネイルをしている彼女だが、ここぞ!というデートのときには決まって淡い色のシンプルなネイルに、ふわふわっとした女らしい服装で来てくれる。俺のため?って思うとうれしくなる」(35歳・男性・自動車関連)こういうの、やっぱり大事ですよね。「大切なものはあなた以外にもあるの」、だけど「やっぱりあなたが一番」…この2種類のスパイスを上手に使い分けることこそが、大好きな人からいつまでも愛され続けるための最大のポイントと言えるのではないでしょうか。(文=石村佐和子)「あの人の独占欲を刺激するには?」(占いサイト:天使の預言へ)
2012年12月14日疲弊する先進国、勢いのある新興国…現在の世界経済に対して、そういうイメージを持っている人も多いだろう。だが、依然として世界のGDPの22%を占める世界一の経済大国である米国が、再び輝きを取り戻しつつあるのはご存知だろうか? 雇用や住宅市場の回復傾向に加え、シェールガス・シェールオイルの生産本格化による「新エネルギー革命」によって、米国経済は大きく変わろうとしているのだ。今回は、米国経済の現状と、「新エネルギー革命」とは何かについて、日興アセットマネジメントの妹尾園子氏にインタビューした内容を紹介したい。――オバマ大統領の再選の要因として、米国経済の状況が良くなってきていることが有利に働いたとの分析を聞いたことがありますが、米国経済の最近の現状はどのようなものでしょうか?オバマ氏の再選に結びついたかどうかを測ることはできませんが、米国のGDPの7割を占める個人消費を支えている雇用の状況をみると、非農業部門の雇用者数がここ最近、前月比で拡大を続けていることは事実です。9月に11.4万人、10月に17.1万人増加しましたから、一部ではそれが再選の追い風になったのではといわれています。もともと米国では、小売売上高をはじめとして個人消費は意外に底堅い数値が出ていましたので、そこに雇用の回復が加われば、さらに消費の活発化が期待されます。――雇用情勢の回復により、GDPの大きな部分を占める個人消費の活発化が期待されるわけですね。はい。さらに、個人の景況感を明るくさせているのは、米国住宅市場の回復傾向もあります。最近になって発表されている住宅統計では、いろいろな指標が回復しています。例えば、住宅価格や販売件数、着工件数などです。住宅着工件数について言えば、10月は、リーマン・ショック前の2008年7月以来約4年ぶりの水準になるぐらいの回復ぶりです。また、住宅価格が底打ちし、これから上昇するかもしれないという期待が高まれば、個人が住宅購入に動きやすくなります。住宅産業は裾野の広い産業ですので、耐久消費財などへの購入などにつながり、波及効果も大きいものがあります。さらに住宅市場が活性化すれば、それに伴って、大工さんなど雇用の拡大にも寄与することが期待されます。従いまして、足下では、住宅市場の回復と雇用の回復が互いに影響しあう、いいサイクルに米国経済が入ってきたのかもしれないとみられているのです。――FRB(連邦準備制度理事会)による度重なる金融緩和の効果もありますか?FRBの金融政策において、「最大雇用の達成」が目標の一つとなっていますが、雇用の回復が緩慢であるということで、追加的な金融緩和がずっと行われています。そうした金融緩和の効果によって景気浮揚が図られていると考えられます。ただ、FRBにとって、雇用の獲得という点では、現状ではまだまだ足りないとみられ、少なくとも2015年半ばまでは事実上のゼロ金利を続ける意向を、今年9月に表明しています。そうした意味では、FRBが雇用の改善にいかに力を注いでいるかを示すものだといえます。また、FRBがMBS(住宅ローン担保証券)を買い入れていることもあって、金融機関が一般の人にお金を貸しやすくなり、住宅市場の回復に貢献していると考えられます。住宅市場の回復は雇用の押し上げにつながるとみられますので、回復が本格的に始まるようであれば、米国経済全体に希望が持てるのではないでしょうか。――FRBの政策などもあり、雇用と住宅市場が回復傾向にあることが、米国経済への期待を膨らませているわけですね。実は、雇用と住宅市場の改善傾向だけでなく、今米国で起こっている「シェールガス革命」、いわゆる「新エネルギー革命」によって、米国全体での大きな構造変化が期待されていて、米国が再び世界No.1の力を示すような流れになるのではとの期待が高まっています。――「新エネルギー革命」とはどのようなものなのでしょうか?「シェールガス」や「シェールオイル」は、「非在来型エネルギー」と呼ばれています。非在来型エネルギーとは、通常の油田・ガス田以外から採掘される石油・天然ガスのことで、古くから利用されてきた石油・天然ガス(「在来型エネルギー」)と区別されています。「新エネルギー革命」とは、非在来型のエネルギーの採掘が採算が合うようになり、大量に生産されることによって在来型のエネルギーにとってかわる存在になりうるという点、さらにそれによって世の中の流れが大きく変わるという意味において、「革命」という言葉が使われるようになりました。国際エネルギー機関(IEA)によると、今米国に埋蔵されているシェールガスの量は、米国のガス消費量100年分あると推計されています。――100年分ですか。すごいですね。いつからその「革命」は起こってきたのでしょうか?在来型の石油などは、地下深く2000~3000メートル掘って、石に高圧をかけてオイルやガスを噴出させるという方法で採掘するのですが、シェール層というものは、縦ではなく横に広がっているため、採掘が難しいといわれてきました。採掘するには高度な技術が必要で採算もあわなかったため、メジャーをはじめ誰も手をつけてなかったのですが、シェール層があることは古くから知られていました。そこで1990年代前半から、米国の中小の石油会社が、地道に採掘技術の開発を進め、2000年ぐらいに採掘に成功しました。採掘技術は、試行錯誤しながら、こつこつ様々な方法を試していって、開発できたそうです。2005年ぐらいから増産されるようになり、2008年ごろにはすでに「シェール革命」という言葉が出てきたのです。シェール層は米国全土にあり、シェールガスの増産に伴って、米国の天然ガスの価格は大きく低下してきています。しかも、2020年ぐらいからは、米国は天然ガスの輸入国から輸出国に転じることができるとの見通しも示されています。オイルについても、米国内でシェールオイルを採掘できるだけではなく、カナダのオイルサンドからの産出量が増加を背景に、カナダからのオイルの輸入が相当量見込まれるため、ペルシャ湾岸諸国から米国への石油輸出量は、今後大幅に減る見通しとなっています。また、カナダだけでなく、メキシコでもオイルが採掘できるため、北米だけでかなりのエネルギー産出が見込まれます。――米国は、外交・軍事で中東を重視してきましたが、それが変わる可能性がありますね。米国のエネルギー自給率が上昇する、そのことが「革命」といわれるゆえんです。まず、米国のエネルギー輸入が減ることになり、貿易赤字が改善することが見込まれます。さらに、エネルギーの安定的な確保を可能にするために中東近辺に配備していた軍を縮小させるなど、国防費を抑制することで財政赤字を削減することが考えられます。これまで「貿易赤字」「財政赤字」の”双子の赤字”がいわれていたような状況が、「新エネルギー革命」によって、大幅に削減される可能性が出てきたのです。――赤字が減るだけでなく、中東に介入し続けてきた外交・軍事政策上の大転換も図られそうですね。まさに、世界にとっても「革命」ですね。米国の双子の赤字が減れば、米国の信認も高くなります。つまり、「ドル」への信認が高まるわけです。――基軸通貨国の信認が高まることは、世界にとってもプラスですね。さらに言えば、「新エネルギー革命」は、米国の国家としての信認を高めるだけでなく、企業にとっても大きな影響を及ぼしつつあります。シェールガスの増産により、天然ガスの価格は下がっていて、ピーク時に100万BTU当たり15ドルなっていたのが、現状では2~3ドルで推移しています。これによって、天然ガスを主原料とする化学メーカーなどの国内回帰が進んでいます。天然ガスに含まれるエタンやプロパンの産出量が増加し、基礎化学品のエチレンやプロピレンの生産にエタンやプロパンを用いるため、化学セクターの原料コストが低下しています。さまざまな最終製品に用いられる基礎化学品の競争力向上に伴い、産業資材、家電、自動車、日用品など、川下セクターでも幅広く競争力が向上するのです。米国企業の国内回帰が進めば、当然雇用の拡大にもつながってきます。そういう形で、家計への好影響も期待できます。――企業の国内回帰と国際競争力向上、そして雇用の拡大…「新エネルギー革命」は、すごい影響力ですね。さらにいえば、電気料金など、家計の光熱費も下がる可能性があります。そうすると、雇用の拡大とあいまって家計の消費活動の活発化も期待でき、米国経済の”隆盛”へとつながっていくわけです。――まさに「ビバ! アメリカ」という感じですね。日本には、安いガスを売ってはくれないのでしょうか?米国は伝統的に自国の資源は輸出しないというエネルギー戦略をとっていますので、難しいのが現状です。ですが、日本の商社などは、こぞって米国でのエネルギー事業に参画しています。また、化学メーカーなども進出しているほか、シェールガス・オイル採掘のためのパイプを供給するなど、各企業が得意分野で関わっています。――なるほど。日本らしくうまく関わっているんですね。今までのお話で、「新エネルギー革命」による米国経済”隆盛”の道筋が見えてきましたが、米国経済にマイナスの側面はないのでしょうか?実はすぐ目先の懸念材料として、年末年始に「財政の崖」を控えています。「財政の崖」とは、ブッシュ減税が切れたり、強制歳出削減が起こったりすることで、米国の景気が後退するのではないかと懸念されています。この問題がクリアできなければ、企業が設備投資を行わなくなったり、個人が消費しなくなったりする可能性があり、12月・1月の経済指標が下ぶれるなら、金融市場にはマイナスとなるでしょう。ただし、ほとんどの専門家は「財政の崖」はうまく回避できるのではと予想しています。「新エネルギー革命」も「財政の崖」もそうですが、投資家の方には、いろいろなアンテナを常に張って、さまざまな動きをキャッチしていただければと思っています。――「新エネルギー革命」のお話、本当に興味深く聞かせていただきました。ありがとうございました。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月07日近年、アジア各国・地域では、高い経済成長を背景に、農村部から主要都市へと人口が流れ込む都市化の動きが加速しています。一般的に、都市化と経済成長の間には密接な関係性があるといわれています。これは、都市化が進む過程において創出される人・モノ・カネの大きな流れが、経済を活性化させると考えられるためです。都市部への人口集中は、経済成長に伴なう中間所得層の増加と相まって、消費市場の拡大を促進するほか、社会・生活の基盤となる電力・水道・道路や住宅などのインフラ整備に対する投資需要を急速に高めるなど、経済成長を様々な方面から後押しすると考えられます。また、人口の増加や生活水準の向上とともにサービス需要が喚起され、医療・教育・金融などのサービス産業が発達することで、新たな雇用機会の創出が期待される点なども都市化による効果のひとつと考えられます。実際に中国では、今月中旬にかけて開催された共産党大会において、今後、内需拡大を促す原動力のひとつとして都市化推進の重要性が強調されました。国連の予想によると、アジアにおける人口1,000万人以上の大都市は、2000年時点では7都市にとどまっていたものの、2025年には、19都市にまで増加する見通しです。また、中国やインドを中心にアジアの多くの都市で、2011年から2025年にかけて30%以上の人口増加が見込まれています。世界人口の約6割を擁する巨大人口圏であるアジアにおいて、今後、都市化の著しい進展が見込まれることは、同地域の経済成長の加速とともに、貿易量の増加などを通じて世界景気の下支えに寄与するものと考えられます。(※上記は過去のものおよび予想であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。)(2012年11月22日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。→「楽読」【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月22日伊藤忠経済研究所はこのほど、「2012~14年度経済見通し」を発表した。同社は、日本経済の成長率予想について、2012年度、2013年度ともに大幅な下方修正を行ったほか、2014年度についてはマイナス成長となると予測した。同社は、内閣府が12日に発表した2012年7~9月期の四半期別GDP一次速報などを踏まえ、成長率見通しを修正。成長率予想については、2012年度が1.7%増から0.9%増、2013年度が2.2%増から1.6%増に下方修正を行った。また、今回初めて発表した2014年度については、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動から、0.8%減のマイナス成長となると予想している。同社は9月時点で、7~9月期の日本経済は「輸出が緩やかに回復するものの、大震災後のペントアップ・ディマンド剥落とエコカー補助金の効果縮小により、ゼロ成長程度まで減速」し、10~12月期は「エコカー補助金の効果剥落による個人消費の減少と復興投資の一巡が、輸出持ち直しによる押し上げを上回り、マイナス成長に転落」と見込んでいた。しかし、海外経済減速の長期化と日中関係の悪化により、7~9月期の輸出は深刻な落ち込みとなったほか、エコカー補助金の効果もあまり見られなくなった。これらの結果、7~9月期は実質GDPが前期比年率3.5%減の大幅なマイナス成長に転落。さらに、「10~12月期も輸出と個人消費の低迷でマイナス成長が避けられない」と同社は予測している。ただし「エコカー補助金終了の悪影響が2四半期に分散する形になったことから、10~12月期のマイナス成長幅(同社予想前期比0.1%減)は限定的なものにとどまる見込み」としている。消費者物価上昇率(除く生鮮食品)については、2012年度の前年比0.1%減から、2013年度は0.4%増、2014年度は2.2%増と大幅な上昇を予想。ただし、「2013年度の上昇は、電力価格や食品価格の上昇、駆け込み需要の影響によるところが大きく、基調的なインフレ率の高まりとは言い難い」(同社)。また、2014年度は消費税率引き上げの影響が2.2%含まれるため、「実質的にゼロインフレ」とのこと。このため、同社は「2014年度時点でもデフレ脱却とは言い難く、日本経済のデフレ脱却が実現するのは2015年度以降になる」と予測している。金融政策に関しては、「早ければ12月の決定会合で、遅くとも来年1月の決定会合で示す中間評価において、日銀は見通しの下方修正を迫られる見込み(12月であれば定性的な下方修正)」とした上で、「9月・10月に続き、12月もしくは来年1月に追加の金融緩和が実施される可能性が高い」としている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月15日経済キャスターの鈴木ともみです。今回は、日本が世界に誇るエコノミスト・浜矩子さんの新著『誰も書かなかった世界経済の真実~地球経済は再び斬り刻まれる~』(アスコム)をご紹介します。『通商』というテーマを軸に、世界経済の真実、グローバル経済の今とこれからが、わかりやすくまとめられています。タイトルの「誰も書かなかった」は「誰も書けなかった」という意味でもあり、私たち誰もが理解していなかった真実と言えます。同書は、その真実が明快に解析された珠玉の一冊です。鈴木 : 浜先生にはこれまでに何度か取材させていただいてるのですが、いずれもテーマは『通貨・ユーロ』についてでした。それが今回は『通商』がテーマ。読ませていただくと、先生の深い造詣と熱い思いが伝わってきます。『通商』をテーマとされた背景には、「満を持して!」という意識がおありだったのでしょうか?浜 : 満を持して…と言えば確かにそうだと言えるかもしれません。私は常々「FTA」や「TPP」に対する世の中の解釈が間違っている、解説される方々も勘どころがハズレている、と感じていました。また、皆さんの関心が「通商」から「通貨」へと変わっていくなかで、実は、「通商」の領域で本当に怖い事態が起こりつつあるということをお伝えしたいと思っていました。それで、時あたかも「TPP」議論が注目を集め始めたこのあたりで、全面的に『通商』にフォーカスし、その実像と怖さを追求してみたいと考えたのです。鈴木 : その狙いについては、同書のプロローグ部分に託されていますね。鈴木 : プロローグを読むだけで、グローバルに行き交うマネーの変遷、地球サイズでの「通商」と「通貨」の攻防・関係性を俯瞰して捉えることができます。「通商」と「通貨」は、本来、車の両輪であるべきなのですよね。浜 : はい。「通商」はモノの世界。「通貨」はおカネの世界。この双方の足並みが揃わなければ、安定的な共生が成立しないのです。今は、おカネの世界が、モノの世界よりも大きくなりすぎ、国々の依存関係を壊す撹乱要因になっています。鈴木 : このいびつな関係性については、常に目配りしておく必要性があるわけですね。そうしたなか、今日のグローバル経済において、各国が共存していくことのできる通商・貿易関係とはいったいどのような形を指すのか? 現状の通商風景の問題点はどこにあるのか? その点を探るべく、第1章では、TPP・FTA・EPA各々の内容や関係性が丁寧にまとめられていますね。鈴木 : TPP交渉の対象分野は24分野もあり、多岐に渡っていますね。日本政府の整理・分類によれば21分野に上ります。浜 : そうなのです。日本での報道のされ方を見ていると、主に農産物中心のイメージに偏りがちですが、それではTPPの全貌は見えてきません。鈴木 : 交渉分野は「物品市場アクセス」「電気通信サービス」「金融サービス」「投資」「環境」「労働」「知的財産」に至るまで多種多様な業種・業界が対象となっています。改めて驚きました。ぜひ同書を読んで読者の皆さんにも確認してもらいたいと思います。浜 : まず、TPPが単なる日本農業の保全問題ではないということをご理解いただきたいですね。鈴木 : 各々の通商形態とその実態を把握できたところで、第2章からはタイムスリップの旅が始まりますね。この発想がおもしろくて読みやすい!浜 : ありがとうございます(笑)。通商の歴史書というのは、どうしても読みづらい難しい書になりがちなのですが、できる限り、読者の皆さんの頭に入りやすい表現の仕方を試みました。史実を整理しやすくするために、タイムスリップした時代ごとに区切って「世界経済史年表」も付けています。鈴木 : 本当にわかりやすかったです。そのタイムスリップですが、まずは第2章、WTO(World Trade Organization : 世界貿易機関)が誕生した1995年へと向かいますね。そこではWTOの前身がGATT(関税と貿易に関する一般協定)であること、最も今的であるはずのWTOがグローバル化の進展により、今や取り残された存在になってしまった経緯と理由が明かされています。この第2章を読んで、WTOがうまくいかない時代状況や、実際にいくつかの問題点があるにしろ、FTAやTPPで細かく貿易区域が限定され始めている今こそ、WTOが掲げる自由貿易の基本理念に立ち返るべきなのではないか、と改めて考えさせられました。鈴木 : この相互関係という言葉と互恵関係と言う言葉はとてもよく似ていますが、実は根底の部分で、その意味が違ってくるのですね。浜 : そうなのです。相互主義というのは、奪い合いの論理、それに対して互恵主義は分かち合いの論理と言えます。つまり相互主義は、市場においてどれだけのシェアを奪い取ることができるのかを考えること、一方、互恵主義は市場をいかにうまく皆で分かち合いシェアできるかをおもんばかること。奪い合いの対象として、マーケット用語で言うところの占有率のシェアと、フェイスブックなどで浸透している分かち合いを意味するシェアとの間には、大きな違いがあります。奪い合いのシェアの意識が強まれば、それは地球経済を斬り刻み、占有率を高める行動につながっていくことになります。鈴木 : EPA、FTA、TPPは、各国同士の奪い合い、国々が自国の占有率を高めるためのシェア意識と言えそうですね。この「シェア」については、第3章において1948年、第4章で1930年代へと遡る旅をした後、第5章にて、浜先生の見解を述べていらっしゃいます。これまで転倒、倒錯、混迷してきた「通商」の世界の未来に向けて、その解決策が見出されていきますね。浜先生らしい発想だなぁと感じました。私がまさに「惚れた!」ご意見でもあります。鈴木 : まとめとなる第5章では、そもそも市場というものが、弱肉強食のジャングルの世界なのか、ということについても触れていらっしゃいます。浜先生はそこは違うのではないかという考えをお持ちですね。浜 : はい。ジャングルという世界は、淘汰の世界であるのは確かですが、調和を保った共生の世界でもあるわけです。つまりあらゆる生き物たちが、各々に一定の役割を果たし、生態系の循環が形成されている世界です。強者だけが他の全てを食べ尽くし生き残ったとしたら、そのうちに生態系は滅びてしまいます。本来の共生・互恵の関係はジャングルの世界でも成立しているのです。グローバル・ジャングルの共生の論理を多くの人たちが知り、そこから今、そしてこれからの時代に合った理念・解決策を見出すことができれば、と思っています。鈴木 : その理念探しのマラソンのゴールを読者の皆さんにも目指してほしいものですね。今日は忙しい中、ありがとうございました。浜 : ありがとうございました。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月01日アジアでは向こう2ヵ月の間に、重要な政治・経済イベントを多く控えています。中国では、11月8日に、新しい指導体制や今後5年間の基本路線などを決定する共産党大会が開幕します。最高指導者である胡錦濤国家主席が党総書記を退き、後任には習近平国家副主席が就任する見通しであるほか、最高指導部に当たる党政治局常務委員が、習氏と李克強副首相を除き、刷新される予定です。中国では、足元で発表された経済指標などにようやく明るさが見え始めたこともあり、新指導部によって「経済や金融の改革に前向き」な姿勢が示されるようであれば、中国のみならず世界の金融市場全体の追い風になるとみられます。また、11月20日には、東アジア首脳会議が開催されます。会議では、ASEANと日本、中国、韓国などの16ヵ国が、アジア広域FTA(自由貿易協定)の交渉開始を正式に宣言する予定です。実現すれば、世界のGDP(国内総生産)の3割弱を占める自由貿易圏が誕生するだけに、経済連携の一層の進展が期待されています。12月19日には、韓国で大統領選挙が行なわれます。足元では、出馬表明した有力3候補による混戦の様相が報じられています。ただし、各候補とも公約の主要項目としては財閥を中心とする格差社会の是正を挙げており、これまでの李明博政権の路線が転換する可能性に注目が集まっています。足元で、世界経済の減速感が高まる中、アジアの多くの国々では、景気に底堅さがうかがわれる状況が続いており、アジアに対する投資家の関心が高まっているとみられます。そうした中で、これらの重要な政治・経済イベントが発表されることから、その行方には一層の注目が集まりそうです。(※上記は過去のものおよび予定であり、将来を約束するものではありません。)(2012年10月30日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。→「楽読」【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月30日内閣府は12日、10月の月例経済報告を発表した。これによると、日本経済の基調判断として、現状について「景気は、引き続き底堅さもみられるが、世界景気の減速などを背景として、このところ弱めの動きとなっている」とし、3カ月連続で基調判断を引き下げた。先行きについては、「当面は弱めの動きが続くと見込まれる」とした。その後は、復興需要が引き続き発現するなかで、海外経済の状況が改善するにつれ、再び景気回復へ向かうことが期待されるが、「欧州や中国など、対外経済環境を巡る不確実性は高い」としている。リスク要因としては、以下を挙げている。世界景気のさらなる下振れや金融資本市場の変動などが、我が国の景気を下押しするリスク収益や所得の動向デフレの影響【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月12日IMF(国際通貨基金)は10月9日に世界経済見通しを改定し、2012年の世界の成長率予想を3.3%(7月時点3.5%)、2013年の予想を3.6%(同3.9%)とそれぞれ下方修正しました。欧州経済の停滞が、先進国のみならず、成長の中核を担う新興国にまで波及しており、IMFでは、「世界経済が数ヵ月前よりも先行き不透明な状況に陥っている」と分析しています。先進国の成長率予想は、2012年を1.3%に、2013年を1.5%に、それぞれ引き下げました。底堅い個人消費や株価の上昇などを背景に、米国の2012年の成長率をわずかに上方修正しましたが、IMFが「世界経済の最大のリスク」と指摘するユーロ圏の成長率は、2012年を▲0.4%、2013年を0.2%と、それぞれ下方修正しました。ドイツやフランスなどユーロ圏の中核国は、2012年-2013年を通して、低水準ながらもプラス成長となり、その他の周辺国では、緊縮財政政策や金融情勢が成長を抑制することから、2012年の成長率は急速に落ち込むものの、2013年には回復に向かう可能性があると分析しています。また、日本については、2012年の成長率予想は2.2%で、東日本大震災からの復興需要が一巡する2013年は1.2%成長にまで低下するとしています。新興国の成長率予想は、2012年が5.3%、2013年が5.6%と、2011年の6.2%に比べると減速する見通しです。アジアの成長率予想は、2012年、2013年ともに下方修正しましたが、中国において、大規模なインフラ投資計画の承認が追い風となり、2012年後半から成長ペースが加速すると見込んでいます。また、他地域の影響を比較的受けていないサハラ以南のアフリカは、引き続き、着実な成長が期待できると予想しています。なお、IMFは、多くの新興国ではファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)が、引き続き堅調で、相対的に高い成長が継続すると予想しており、引き続き、これらの国々の成長力に注目が集まるものとみられます。(※上記は過去のものおよび予想であり、将来の運用成果等を約束するものではありません。)(2012年10月9日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。→「楽読」【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月10日金融市場において最も注目を集める経済統計の一つに、米国の雇用統計があります。米国の雇用統計は、労働省が発表する経済統計であり、非農業部門雇用者数と失業率を中心として、製造業就業者数や週内労働時間、平均時給などが発表されます。原則として第1金曜日に、前月末時点の状況が発表される速報性や、情報の網羅性などが注目される背景となっています。米国では、GDPの約70%を民間部門(個人消費)が占めており、当部門の経済活動の原動力と言える雇用者数は、経済状況を考える上で重要な指標と言えます。一例として米国の経済成長率(2.0%:IMF(国際通貨基金)2012年予想)を達成する上で、民間部門が担う成長率を1.4%(2%の70%相当分)とした場合、前年末の米国の労働人口(約1億3,200万人:非農業部門雇用者数ベース)から、2012年に必要な雇用者数の増加は月間で15万人程度(下図折れ線グラフ参照)と試算され、これが雇用統計の目安のひとつとなると言えます。加えて、雇用統計は、最大雇用の達成を政策運営の目的のひとつに掲げるFRB(米連邦準備制度理事会)の政策判断の一要素となっており、米国の金融政策の先行きを予想する上でも注目されています。実際に雇用統計が振るわなかったことから、FRBは雇用促進をめざし、裾野の広い住宅産業へのテコ入れを図ることなどを目標に、9月12日からのFOMC(米連邦公開市場委員会)においてQE3(量的金融緩和第3弾)の実施を決定したものと見られます。金融市場は経済状況を表す雇用統計の数値を受けて、大きく左右される傾向があります。雇用統計に限らず、経済統計を見る際には、数値そのものだけではなく、数値が意味している経済状況にも注目することが重要であると言えそうです。(※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。)(2012年9月20日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。→「楽読」【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月21日経済とは何なのか――。大上段に構えなくとも、あらゆる生活の場に経済は存在しています。私たちは日々、誰かが作ったものを、交換や分配のプロセスを経て消費しています。物々交換も含めた「有形無形のモノを交換する仕組み」が経済なのです。この巨大なシステムがいま、変化の時を迎えようとしています。■評価が貨幣のように流通する社会作家の岡田斗司夫氏は著書『評価経済社会 ぼくらは世界の変わり目に立ち会っている』の中で、貨幣経済は縮小して貨幣を媒介しない経済活動が活発になり、評価が通貨のように流通する評価経済社会が訪れると述べています。私たちの生活にどのような影響があるのか、岡田氏の運営している組織FREEexの担当者・西村洋氏にお話をうかがいました。――評価が流通するとは、どのようなことでしょうか?「理解していただきたいのは、評価経済は貨幣経済を否定するものではないということです。コインの表と裏のようなもので、評価があればお金も集まってきます。例えば、2009年1月、スティーブ・ジョブズ氏は医療休暇を発表した際に、株価が大きく下落しました。その後、無事休暇から戻ると、株価は登り始めました。評価が高いと資本が集まる、これがイメージキャピタル=評価資本を持っているということです。個人レベルでは、お金をたくさん持っていなくても評価が高ければ、投資=援助が集まって、欲しい物が手に入ったり、やりたいことも実現しやすくなります。評価や物の流通にネットが大きな役割を果たしています」(西村氏)――流通するからには、基準が必要なのではないでしょうか?「それをいま、作っているところです。Twitterのフォロワー数やFacebookなどの数値から算出したクラウトスコアといった形で、評価の数値化が試みられています。企業の評価を数値化して公開する『BUZZDAQ(バズダック)』というサイトがあり、評価のスコア化が進んでいます。評価経済社会はもう始まっているんです」■「いい人戦略」≠「いい人になる」――評価を稼ぐためには、どうすればいいでしょうか?「好かれる人になればいいんです。『いい人戦略』といって、ささいなことでいいのですが、あいさつをきちんとする、助けてもらったら必ずお礼を言うなど、簡単なことから始めて評価をためていくのです。企業であれば、社会的に評価される活動をするなどの戦略を取る必要があります」――評価を稼ぐのが難しい場合はどうなるのでしょうか。誰しもが他人から「いい人」と評価される行動や言動ができるわけではないと思うのですが……。「誤解してほしくないのは、いい人『戦略』であって、いい人にならなければいけないわけではありません。私たちは現状、さまざまなコミュニティに所属して、そこでの人格を持っています。あるコミュニティで評価を得るためにした行動でストレスがたまったら、別のコミュニティで発散すればいい。友人や恋人に愚痴を言うとか、息抜きの場所はいろいろあると思います」――社会福祉はどうでしょうか。評価もお金も稼げない、困窮者に対する救済措置はあるのでしょうか?「いい人戦略が肝になると思います。現時点で具体的な解決案は出ていませんが、支援団体に評価が集まったり、コミュニティ単位での支援など、救済を必要とする人に手が届きやすくなるという希望はあると思います」■評価経済社会はすでに始まっているお話を聞いての結論は、評価経済社会は確かに来ているというものです。ただし別の意味で。経済が交換の仕組みである以上、評価を前提としています。つまり評価経済社会はずっと続いていて、モノを流通させる媒介物であると同時に資本でもあった貨幣の評価が下がりつつあるいま、新たな局面に進んだといえます。その意味では『世界の変わり目に立ち会っている』わけで、この面白い時代を生きるガイドとして、岡田氏の著作は非常に興味深いものです。ちなみに電子書籍も販売されています。まさに流通の変革ですね。(OFFICE-SANGA 服田恵美子)
2012年09月18日日本損害保険協会は6日、交通事故を経済的損失の観点から捉えた報告書「自動車保険データにみる交通事故の実態(2010年4月~2011年3月)」を作成したと発表した。同書は、自動車保険統計における支払保険金データをもとに、「経済的損失」という観点から近年の交通事故の実態を分析し、提言としてまとめたもの。特に、運転免許保有者の高齢化に伴い、高齢運転者の関係する事故が増加している実態を踏まえ、高齢者に向けた交通安全対策に焦点をあてている。これによると、2010年度の交通事故による経済的損失は3兆2,108億円に上っている。このうち、物的損失が1兆7,424億円で、全体の54.3%を占めている。損保協会では、交通事故の低減に向けた啓発活動や交通安全教育の現場、あるいは交通安全施策に関する調査研究などの場面で、本書の内容・データを活用してもらいたいとしている。交通事故による経済的損失は依然高水準。高額化しやすい後遺障害の軽減対策とともに、増加傾向にある自損事故の対策も必要重傷化しやすい腹部受傷のほか、車外放出等による全身受傷の危険を軽減するため、全席でのシートベルトの正しい着用推進が重要運転者全体に占める高齢運転者の割合の増加を踏まえ、高齢運転者による人身損失の低減に向けた交通安全啓発が重要高齢運転者による、構築物衝突などの物的損失の増加も深刻であり、効果的な対策が必要同書の入手方法は、同協会サイト中のリンク先からダウンロード可能。また、冊子を希望する場合は、郵送料として140円分の郵便切手を同封し、「交通事故実態報告書2010~2011」と明記のうえ、郵便番号、住所、氏名、電話番号を記入して、〒101-8335東京都千代田区神田淡路町2-9一般社団法人日本損害保険協会生活サービス部安全安心推進グループあてに申し込む。(無償頒布)【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月12日経済キャスターの鈴木ともみです。今回は、前回に続く、連載コラム『経済キャスター・鈴木ともみが惚れた珠玉の一冊』夏の特別企画・スペシャル対談の第ニ弾/後編です。対談のゲストは『世界恐慌への序章 最後のバブルがやってくる~それでも日本が生き残る理由~』の著者・大阪経済大学 経営学部 客員教授の岩本沙弓さんです。同書は多くの読者の共感を得ており、すでに4刷のベストセラーとなっています。公式データを基にしたファンダメンタルズ分析やテクニカル分析に加え、第三の分析・裏取り&裏読みを駆使した岩本さんならではの鋭い洞察。その奥深い分析力にあふれた内容は、私たちの知識欲を満たしてくれると同時に、心をも動かしてくれます。今回は、同書の『隠れテーマ』も探りつつ、できる限り真実を浮かび上がらせる対談を目指しました。鈴木 : 前編でお話いただいた『日本破綻論』『円高悪玉論』といった私たちにとっては当たり前の解釈となっている考え方が、実は「巧妙なプロパガンダのもとに成り立っている」その事実を知らされないのは恐ろしいことですね。岩本 : そうなのです。特に『円高=悪』の考え方は、あらゆる事実を覆う隠れ蓑になっていますから、経済も金融マーケットもゆがめられてしまいます。鈴木 : いきなり核心に触れてしまいますが、具体的に何をするため、何を守るために『円高=悪』のプロパガンダが必要なのでしょうか。岩本 : 端的に言えば、いつでも必要な時に、ドル買い円売りの為替介入をしたいため…ということになるのかもしれません。鈴木 : 橋本元首相のコロンビア大学でのコメントについては、頭サビで会話をしたがる欧米人と、起承転結で話を進めようとする日本人との差がはっきり出ましたね(笑)。当時は、日本のマスコミも、米国メディアが発信した情報をそのままのニュアンスで伝えました。こういった要人発言をつぶさに検証するスタイルは、いかにも岩本さんらしいです。橋本元首相の実際の行動の裏に隠れている本音と建前が見えてきますよね。岩本 : 結論を言ってしまえば、日本が米国債を買ってあげる事で、米国の借金を穴埋めしてあげてるわけです。当時の日米構造協議のなかで、橋本元首相はこんな記録を残しています。それは「米国がドルの価値維持に関心がないならば、こちらも交渉手段の一つとして日本が保有する米国債を売ってもいいのですよ」と言いたくもなったということ。ドル安のなかで、日本がドル買い介入をし、米国債を購入する。その後為替が円高になると、米国は自国の借金を目減りさせることができるのです。鈴木 : 『円高=悪』のプロパガンダを信じると、日本のドル買い円売りの為替介入がある度に、為替のトレンドが変わるのではないか、株式相場が好転するのではないか…などと期待を寄せてしまいがちですが、それではなかなか収益が上がらないままの状態になりますね。岩本 : そうなのです。やはり冷静な判断が必要で、仮に自分が少数派だったとしても、思い込みを捨て、相場をニュートラルに見極めることが大切です。プロパガンダ抜きの本当の相場の姿を知ることが、収益を上げるための第一歩と言えます。鈴木 : その上で、この本のメインタイトル『世界恐慌への序章 最後のバブルがやってくる それでも日本が生き残る理由』というお話が活きてくるわけです。同書は、プロパガンダ抜きで、これからの相場の姿を見通していきましょう! という内容です。ズバリ、今年から2016年にかけて米国主導のバブルになるとの分析ですね。岩本 : はい。量的緩和策による過剰流動性のなかで、バブルが生まれます。バブルが生成される場所は、金融市場であり、コモディティ(商品)市場となります。鈴木 : 投機マネーが金融市場に流入してくるということですね。分析のなかで、私が「おや?」と思ったのは、『金の部分本位制』の話です。『金本位制の再開』をも視野に入れつつのドル高、ドルの復活ということですね。岩本 : 金部分本位制は極論ですが、実は通貨体制は約30年単位で変化してきています。1944年ブレトン・ウッズ体制(金本位制)→1971年ニクソン・ショック(変動相場制)→1999年ユーロ誕生。30年間を一つのスパンとすると、次の新しい通貨体制が確立するのは2030年頃となります。その「大転換」に向けて世界は動き始めている、そのようなイメージです。鈴木 : 2030年というと、まだ十数年先の話ですが、その長期的な見通しのなかで、短期的には、今年中にもドル高円安に転換するというお考えですか?岩本 : そうですね。今年は世界が注目する一大イベントとして米大統領選があります。もちろん、結果は出ていませんが、大方はオバマ大統領が二期目も就任するだろうとの予測のようです。であるとするならば、過去に二期に渡って政権を握った例を振り返ると、レーガン、クリントン、ブッシュといずれも一期目と二期目とで、為替政策をガラリと180度転換させているのです。仮にオバマ大統領が再選を果たした際には、これまでのドル安政策からドル高政策へと大きく舵をきって転換させる可能性があると考えられます。ただ、今から決め打ちする必要はなく、オバマ再選、そして来年の1月の一般教書演説を聞いて、ドル高転換を確認してからこちらも行動すればよいと思います。鈴木 : なるほど。ドル高への流れは条件次第で始まると言えそうですね。その流れのなかで展開される金融市場のバブル相場の内容や近未来の見通しについては、第1章「資本主義最後のバブルがやってくる」、第8章「恐慌前のバブル相場はどう動くのか近未来の予想」をじっくりお読みいただきたいですね。世界恐慌前の限定相場だということを前提とした上で!岩本 : そうですね。予想通りにバブル化したならば、2015年末までには全ての投資を引き揚げるイメージはしっかり持っていただきたいと思います。鈴木 : 岩本さん、今回も貴重なお話をありがとうございました。岩本 : ありがとうございました。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月09日オーストラリアというと皆さんは何を思い浮かべるだろうか? コアラやカンガルーなどの「豊かな自然」や「広大な国土」などが一般的だろう。では、「オーストラリア経済」ではどうだろうか? 鉄鉱石や石炭などの「鉱業が中心」や、そうした資源の輸出を通じた「中国経済への依存」などのイメージをお持ちの方も多いのではないだろうか? だが実は、オーストラリア経済は実に多様な側面を持ち、投資先としてオーストラリアを考えてみても、結構違う切り口があるようだ。今回は在日オーストラリア大使館で行われた講演において示された、そうしたオーストラリア経済の”意外な事実”についてレポートしたい。講演は、東京都港区のオーストラリア大使館で7月に金融機関向けに行われた、日興AMスペシャルアカデミー『オーストラリア投資の魅力、再発見』と題した一連のセミナーの中で行われたもの。在日オーストラリア大使館公使(財務・経済担当)の、ヘギョン・ホールダウェイ氏が、さまざまな角度から、オーストラリア経済の”意外”で”知られていない”事実を紹介した。まず驚いたのが、オーストラリア経済が、必ずしも、鉄鉱石や石炭、ウランなどの「鉱業」が中心ではないということだ。ホールダウェイ公使の示した資料によれば、オーストラリアの産業構造において、鉱業は9.5%を占めているにすぎない。つまり、1割未満ということだ。オーストラリアの産業構造においては、金融・保険サービスが10.6%、卸・小売が9.0%、一般的な製造業が8.3%、建設業は7.7%と「非常に分散、多様化されている」(ホールダウェイ公使)のが特徴。しかも、これらの産業以外の「その他」も47%を占め、まさに”多様”な産業構造になっている。さらに驚いたのが、オーストラリア経済が、それほど中国に依存していないという点だ。最近よく新聞などに出てくる「中国経済が減速している」というニュースから、「では中国に依存しているオーストラリアはまずいことになるのではないか」と思う人も少なからずいるだろう。つまり、鉄鉱石などの輸出先の中国経済が減速すれば、オーストラリアも道連れになるのではないかというイメージだ。だがホールダウェイ公使によれば、これは大変偏った見方だ。同公使によると、オーストラリアの輸出状況において、2000年-01年に中国への輸出は、オーストラリアの輸出全体の5.7%を占め、2010年-11年には26.4%と確かに高まっている。だが、一般的なイメージからすれば、それほど高い数字ではないというのが筆者の印象だ。一方、オーストラリアと伝統的に結びつきか強い日本への輸出の割合は、2000年-01年の19.7%から2010年-11年には19.1%となっており、中国より若干少ないものの、依然として存在感を示している。さらに注目すべきは、韓国やインドへの輸出も着実に増えていることだ。韓国は7.7%から9.2%に、インドは1.7%から6.4%に増加。着実に、中国以外の経済が好調な国への輸出も増やしている。そうした点からすると、ホールダウェイ公使が言うように、オーストラリアは、「全ての卵(=輸出)を一つのかご(=中国)に入れているわけではない」(同氏)のが現実で、中国への過度の依存はせず、産業構造と同様、輸出先も分散・多様化しているというのが実際の姿のようなのだ。さらに意外なのは、一般的な日本人には知られていないと思われる、オーストラリア経済の好調さだ。いわずと知れた2008年のリーマン・ショック。これにより欧米をはじめとする先進国の経済は大打撃を受け、財政出動や金融緩和で応急処置を施したものの、その際の無理な財政出動などが影響し、現在は財政危機に見舞われるなど、好調とは程遠い状況だ。だが、2008年の世界金融危機以降、オーストラリアは他の先進国をしのぐ経済成長を達成している。2008年6月から2012年3月までのGDPの累積成長は、オーストラリアが9.0%であるのに対し、カナダは3.9%、米国は1.4%、日本はマイナス1.0%、ユーロ圏はマイナス1.8%、英国はマイナス3.2%であり、オーストラリアは、まさに”圧倒”している。ホールダウェイ公使が講演で、「これだけ厳しい環境の中でも、いかにオーストラリア経済が堅調であったか分かると思います」と誇らしく話すのも納得だ。では、他の先進国と比べて、「失業率」はどうか? 失業率というのは政治的にも怖い数字で、中東で起きた一連の民衆革命「アラブの春」は、若者の失業率の高さが、革命が起きた大きな要因だったといわれている。経済的にみても、失業していない人達は所得のある人、すなわち消費ができる人口であり、失業率はそれを測る重要な指標である。2003年までさかのぼると、オーストラリアの失業率は、米国と同様の6%ぐらいだった。だが、金融危機が増大するにつれ、米国の失業率はピーク時には10%にまで高まり、今も高止まりしている。これに対しオーストラリアは現在の失業率は5%ぐらいになり、2003年に比べても低下しているのだ。ホールダウェイ公使は、「我々としてはこれは自然の失業率でほとんど完全雇用に近い状態と思っている」との認識を示した。つまり、雇用という側面からも、オーストラリア経済の順調さが分かる。だが経済が好調と聞けば、「インフレ」「バブル」を心配する人も多いだろう。では、オーストラリア経済は”過熱”してないのか、インフレ率はどうなっているのか、を見てみたい。オーストラリアでインフレを注視・監督しているのは、オーストラリア準備銀行。物価の安定のために、2~3%というインフレ率の幅を設けているという。この幅は「ターゲットバンド」と呼ばれており、準備銀行はこれに照らして金利の調整を行っている。問題はそれがうまくいっているかどうかだが、ホールダウェイ公使によれば、物価は見事にこの幅におさまっているという。したがって、「オーストラリアにとっては、インフレは大きな問題となっていない」(同公使)。また、世界的な金融危機の発端となった「住宅市場」についても、注目しないわけにはいかない。住宅市場は多くの国でバブルの発端となり、その価格が急激に下落することによる経済への打撃は、日本も「バブル崩壊」とその後の20年にわたる経済の低迷によって、骨身に染みている現実だ。では、オーストラリアの住宅価格はどうなっているのか?結論から話すと、オーストラリアの住宅価格は2010年をピークとして、急激にではなく徐々に下がってきている。つまり、「ソフトランディングを果たした」(ホールダウェイ公使)のだ。いかがだろうか? オーストラリアに詳しい人にとっては、それほど意外な事実ではなかったかもしれないが、少なくとも、「鉱業に依存」「中国に依存」という、オーストラリアに対するステレオタイプの見方をしていた筆者にとっては、意外な事実が多かった。「老後はオーストラリアに移住したい」さらに、「なんらかの形で投資してみたい」と思ったほどだ。ホールダウェイ公使は、オーストラリア経済を総括して、「強く、そして安定的であるのが、投資家にとっては魅力」と述べていた。豪ドルの高い金利にのみ注目するのではなく、もっとオーストラリアについて知ってみる価値はあるのかもしれない。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月07日経済キャスターの鈴木ともみです。今回は、連載コラム「経済キャスター・鈴木ともみが惚れた珠玉の一冊」夏の特別企画・スペシャル対談の第ニ弾/前編です。対談のゲストは『世界恐慌への序章 最後のバブルがやってくる~それでも日本が生き残る理由~』の著者・大阪経済大学経営学部客員教授の岩本沙弓さんです。同書は多くの読者の共感を得ており、すでに4刷のベストセラーとなっています。公式データを基にしたファンダメンタルズ分析やテクニカル分析に加え、第三の分析・裏取り&裏読みを駆使した岩本さんならではの鋭い洞察。その奥深い分析力にあふれた内容は、私たちの知識欲を満たしてくれると同時に、心をも動かしてくれます。今回は、同書の”隠れテーマ”も探りつつ、できる限り真実を浮かび上がらせる対談を目指しました。鈴木 : お互いのコラムを読み合う仲ではありますが(笑)、対談は久しぶりですね。岩本 : そうですね。半年ぶりでしょうか。鈴木 : その間に、ベストセラーを出されまして…。すでに4刷、すばらしいですね。岩本 : 本当にありがたいことです。鈴木 : この『最後のバブルがやってくる』は、何度でも読み返したくなる経済書です。内容もかなり”ガチ”ですよね!「ガチ・ガセ=本物・偽物」で言う所の「ガチ」、そして本気の「ガチ」という両方の意味(笑)。岩本 : ありがとうございます。鈴木さんにそう言っていただけると嬉しいです(笑)。鈴木 : 「ガチ」だからこそ、浮かび上がってくる真実が、全編に渡って表現されています。そうしたなか、見えてくるのが「隠れテーマ」でして。岩本 : 「隠れテーマ」ですか…?鈴木 : はい。「ベストセラーの経済書に騙されるな!」というテーマです。岩本 : なるほど。そのように読み解いてくださるとは。鈴木 : と、言いつつも、こちらの本も堂々のベストセラーなんですけど(笑)。岩本 : …複雑です(笑)。鈴木 : 「ベストセラーの経済書に騙されるな!」の観点から読み進めていきますと、まずは、増税論議が騒がしいなか、日本の財政問題の矛盾点がみつかってきます。それは公式データを精査していけばわかることだったりしますね。岩本 : 私は、青山学院大学の大学院で、もともと経済企画庁におられた小峰隆夫教授の「経済白書を読む」という講義を受講していた時期があるのですが、小峰先生の授業は、データを基に経済的な真実は何かというアプローチが徹底されていて、とても興味深いものでした。「一般に信じられている説、ベストセラーの経済書にある説が正しいとは限らない」ということや、「データの中にこそ真の答えがある」ということを教えていただいたのです。鈴木 : どうしても、日本の債務対GDP比が220%近いとか、借金時計が1000兆円を超えたなどという情報が入ってくると、不安と焦りが募ってきますね。岩本 : もちろん、無駄な借金はすべきでないですし、中長期的な収入と支出のバランスを取ることは必要です。意味のない為替介入により、負債を増やすこともよしとすべきではないでしょう。ただ、経済学的に不適当な数字を基に、すぐに日本破綻論を掲げるのはとてもナンセンスなことだと思うのです。そもそも、基本中の基本の考え方として、「海外からの借金で成立している国」と、「自国内で収支を賄えている国」とでは、話は180度変わってきます。債務国でなければデフォルトは起きないのです。鈴木 : 岩本さんは、外為ディーラー業務の第一線にいらして、まさに現場の感覚を知ってらっしゃいます。マスメディアを通して私たちに伝わる情報に、やはり違和感を覚えるものですか?岩本 : 今は現場から離れているわけですが、いざ離れてみると、現場にいる頃には当たり前とされていたことが、市場取引の世界では全く別の解釈をされていることに驚きます。『円高悪玉論』もそのうちのひとつです。実際、日本が輸出大国なのかどうかを調べていけば、正しい結果が導き出されるはずなのです。鈴木 : 数で言えば少数の大手輸出企業=国際優良企業ですが、「円高に困っている」という声は大きく伝わってきます。例えば新聞などでよく目にする「1円円高が進むと、数百億円、あるいは数千億円の損失が出る」といった試算です。岩本 : 円高になると必ず登場する話題ですね。これも正確な数字と事実を知る必要があります。鈴木 : 『円高悪玉論』については否定できるデータが次々と出てきますね。なのに、当たり前のごとく根づいていている。まるで『円高=悪』という公式を浸透させたい勢力が存在するかのようですが…。岩本 : 実際、大手輸出企業のなかには円高を理由に下請けの中・小企業に対して支払うべき額から消費税を免除してもらうケースも出てきているようです。つまり、中・小企業側は消費税分の損失を被ることになります。一方、親会社である大手輸出企業側は海外の取引先に対してもともと消費税を払う必要はないわけですから、下請けの中・小企業に払う消費税分だけ得することになる。鈴木 : なんだか『円高悪玉論』はあらゆるご都合主義の言い訳にされている感じですね。さらにまだまだありそうな…。岩本 : そうなんです。もっと大きなスケールで『円高=悪』のプロパガンダが存在していると言えます。詳しくご紹介しましょう。(後編に続く)【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月02日経済キャスターの鈴木ともみです。今回は、連載コラム『経済キャスター・鈴木ともみが惚れた珠玉の一冊』夏の特別企画・スペシャル対談の第一弾(前編)です。対談のゲストは『カリスマ出口汪の人生を変える! 最強の「話し方」塾』の著者で、予備校講師の出口汪さんです。仕事のできる人、魅力あふれる人は、やはり好印象の「話し方」が身についているものです。話し方一つで人の印象は大きく変わります。人を説得する、人を引きつける、人から好印象を持たれる「ワンランク上の話し方」とは…? 今回はビジネスパーソンの皆さんに向けて「話し方のプロ」が伝授する”話術の極意”をご紹介したいと思います。鈴木 : 出口先生、お久しぶりです。12年ぶりの再会ですね。出口 : お久しぶりです。私がラジオ講座を担当していた頃以来ですね。私の(現代文)ラジオ講座の番組プロデューサーだったのが鈴木さんでした。当時は本当に多忙でしたし、毎日喋り続けていました。予備校の650人教室はすべて満杯、90分の講義を一日四回、六時間以上も喋り続け、その合間をぬって、ラジオ講座の収録に臨んでましたね。鈴木 : 一日に6時間以上も喋り続ける職業なんて、なかなかないですよね。出口 : そうですね。でも、それを続けてきたからこそ、私はあることを自覚するようになったのです。それは、私は『話し方のプロ』であるということです。鈴木 : 私が出口先生と出会った時には、すでに「話し方のプロ」という印象でした。昔から話すことがお得意だったのですか?出口 : いいえ、もともとは話をするのが苦手でした。私はどちらかと言うと、感覚的な人間でして、今でも家族や親しい人からは、何が言いたいのか分からない! と文句を言われます(笑)。きっと、私の頭の中にスイッチがあって、オンになれば論理的で伝わりやすい話し方となり、オフになれば感覚的でラフな話し方になるのだと思います。鈴木 : 私が出口先生と会話をするときは、常に明快かつ論理的でわかりやすいというイメージです。きっと、スイッチがオンになってらっしゃるのでしょうね。出口 : そうなのだと思います。本来、感覚人間である私が、「話し方のプロ」として一応生業を立てることができたのは、スイッチをオンにし、『論理』という武器で伝達する方法を持ったからなのだと思います。この方法は、訓練によって後天的に習得できるのです。鈴木 : 後天的…という事は、論理的な話術は誰にでも習得可能ということになりますよね。ズバリ、「論理的に話す」「論理語で話す」ために必要なこととは何ですか?出口 : まずは、”他者意識”をしっかり持つことです。それが上手な話し方の第一歩となります。出口 : 実際、他者意識を持つことができずに話している人は、私たちの周りにもたくさんいるのです。何を言ってるのかわからない、意味不明な話し方をしている人や、一方的に喋り続ける人、会話のキャッチボールが成立しない人etc…私はこういった話し方をする人のことを「迷惑な話し方」をする人と表現しています。鈴木 : 「迷惑な話し方」…なかなか本人は気づくことができないのでしょうね。実は、私も日本FP(ファイナンシャルプランナー)協会の認定講座「FP会話塾」で「好感度アップの話し方」について講義しているのですが、そこで最初に受講生の皆さんに教えているのがこの「他者意識」についてです。まず、「人の話を聞くことは疲れる」ことなのだと伝えています。聞き手は目(視覚)を使い、耳(聴覚)を使い、頭(理解力)を使いながら、話を聞く。これはとても疲れる作業です。話し手は、聞き手の状態を理解し、聞いてもらうための努力と意識を持つことが大切です。さらに、「コンテクスト=文脈」についても触れています。コンテクスト能力とは、聞き手側が、話し手の話す内容の文脈や背景を類推しながら理解する力のことを指します。日本人はこのコンテクスト能力が最も高いとされていますよね。その順番はアジア人>アラブ人>欧米人なのだそうです。つまり、日本人は聞き手としての能力が高いということです。それにより、話し手が「迷惑な話し方」をしていても、聞き手の能力によって、なんとなく会話が成立してしまう…。日本人が論理的に話すことが苦手な背景には、一方で、聞き手としての能力が高いという側面もあるのだと思います。出口 : よくわかります。思いやりは日本人の特性ですから、相手がいかに「迷惑な話し方」をしていても、それを理解してあげようとする姿勢が常にありますよね。どんなに話し手の話が抽象的で、他者意識に欠けた感覚的な話し方であっても、それほど不穏な空気にならない。ただ、そうは言っても、結局、話し手として、「感覚的な話し方=感情語での話し方か」ら抜け出せないままでは、話術はいっこうに上達しないのです。鈴木 : 出口先生が説く「論理」の基本はとてもわかりやすいですよね。同書では、「話し方」に必要な三つの論理が記されています。『イコールの関係』『対立関係』『因果関係』の三つです。これらの言葉の規則を知れば、「迷惑な話し方」から論理的な話し方へと変わっていくことでしょう。ぜひ読者の皆さんには、第一章「「3つの論理」を意識するだけで話し方はガラリと変わるー「伝わる話し方」に必要な論理の基本」をじっくりお読みいただき、最強の話し方を習得してほしいですね。(次回、後編へ続く)【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月12日